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November 19, 2005

客単価とは何か?

  客単価というと一般的には、店舗全体の客単価、たとえば、2000円とか、2500円が思い浮かぶ。ほとんどの場合、そこで話が終ってしまい、ではどのように客単価をアップさせるかということになると、なかなか話がすすまないのが実情である。本来、客単価が1500円であれば2000円に、2000円であれば2500円にするためにどのように客単価をアップさせたらよいかの具体的な政策を明確にし、それを実行に移すことが客単価1500円、2000円を把握した時点で問われるはずなのに、それが中々できない。

  なぜか。その最大の理由は、客単価とは何かが、その本質にさかのぼって理解されていないからである。では、客単価の本質とは何か。それは「客単価とは商品1品1品から始まる」という認識である。商品1品1品に客単価があるのかと思われるかもしれないが、客単価は商品1品1品に存在し、その1品1品すべての商品の客単価を足したものが、店舗全体の客単価であり、これが2000円、2500円となるのである。したがって、客単価をあげるということは、商品1品1品にまでさかもどり、どの商品にメスを入れるかがつかめない限り、客単価アップは絶対に不可能なことなのである。

 では、商品1品1品に客単価が存在するとはどういうことか。これを理解するには、売上の基本公式にさかのぼる必要がある。
 売上=客数×客単価
    =客数×(売上÷客数)
この式は小売業で一般的に用いられている売上の基本公式だが、客数で割ってしまえば、売上=売上なので、売上にあえて客数という概念を導入し、因数分解し、客単価という新たな指標を導き出していることがわかる。したがって、客単価とはお客様一人当りの売上であり、これは商品1品1品から存在し、当然、店舗全体にも存在することがわかる。売上を商品1品1品で見るか、店舗全体で見るかの違いである。1例をあげれば、トマトの1日当りの売上が40000円だったとすると、客数が2000人であれば、40000円÷2000人で20円ということになる。すなわち、トマトの客単価は20円である。このように、売上の基本公式の中に、客単価は店舗全体だけではなく、商品1品1品に存在することが実は示されているのである。客単価は商品1品1品から始まるといえる。

  では、客単価をあげるとはどう考えたらよいだろうか。それには、この売上の基本公式をさらに深めて、客単価を因数分解することが必要となる。売上を上げるためには、先の公式が示すように客数か客単価を上げればよいが、客単価をあげるにはどうすればよいか。それは客単価を因数分解して新しい指標をつくることがポイントとなる。客単価=売上÷客数なので、この中の売上を分解し、その原点の指標である買上点数と平均単価に分けて考えるとよい。すなわち、
 客単価=売上÷客数
      =(買上点数×平均単価)÷客数
となり、客単価の分解が一歩進んだことにことになる。さらに、順番を並びかえると、
     =(買上点数÷客数)×平均単価
となり、(買上点数÷客数)=PI値(Perchase Index)とおけば、
     =PI値×平均単価
となり、客単価がPI値と平均単価に分解され、客単価アップの基本公式ができあがる。すなわち、客単価を結果とすれば、PI値、平均単価は原因であり、客単価を目標とすれば、PI値、平均単価は手段となり、客単価アップをはかるためには、PI値と平均単価に着目することがポイントとなる。これが客単価の基本公式である。

  この客単価の基本公式が成り立つことによって、客単価をあげるためには、商品1品1品のPI値と平均単価に着目し、PI値か平均単価、ないしは双方を改善することにより、商品1品1品の客単価はもちろん、結果として、店舗全体の客単価をもアップさせることができるようになる。これが客単価の本質である。

  最近は小売業の上場企業が増え、現在、約400社弱、食品スーパーマーケットは約50社となった。そして、その多くの企業で業績のフラッシュと題して、月次で売上速報を公表している。その中で、目を引いた速報がある。ヤオコーのものだ。月間売上速報を、客数と客単価に分け、さらに、その客単価をPI値と平均単価に分けて公開している。おそらく、食品スーパーマーケット業界でははじめてのことであろう。客単価までは公表する企業は最近増えてきたが、その最重要指標であるPI値までを公表する企業ははじめてみた。客単価の本質を理解し、商品1品1品にまでさかもどって、客単価アップを、PI値と平均単価を用いて、仮説検証しながら取組んでいるのでないかと思う。この事例のように、徐々にだが、食品スーパーマーケット業界でも客単価の本質が解明されつつあり、実務への活用がはじりつつあるといえよう。余談だが、PI値を買上点数と混同し、ホームページで月次売上速報として公表している企業を数社見つけた。PI値は買上点数を客数で割ったものであり、平均単価と掛け合わせて、客単価を導く、最重要指標であるので、買上点数としてしまうと、平均単価をかけた場合、売上に戻ってしまい、客単価にはならない。論理矛盾である。この点もヤオコーのホームページにはしっかり解説が補足としてつけられているので、確認しておいて欲しい。

ヤオコーのホームページの月次売上速報

November 19, 2005 in PI値 |

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