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January 28, 2006

売上と客単価の本質的な違い!

  売上と客単価は似て非なる数字である。では、どのように違うのか。これが中々難しい。なぜ難しいかといえば、時として、同じ店舗、あるいは同じ商品の評価が、売上げで見た場合と客単価で見た場合とで、全く反対の評価になることがあるからである。このような時、その店舗、その商品をどう判断したらよいか、よく議論になる。

  一例を示せば、客数1000人/日の店舗の客単価が2500円で、客数2000人/日の店舗の客単価が2000円であった場合である。前者の売上は250万円/日であるが、後者は400万円/日である。したがって、売上で見れば後者が良いと判断できるが、客単価で見れば前者が良いと判断できる。さあ、どちらの店舗が良いといえるだろうか。もうひとつ、客数1000人/日の店舗のトマトの客単価が30円で、客数2000人/の店舗のトマトの客単価が20円であった場合である。前者のトマトの売上は30000円であるが、後者のトマトの売上は40000円となり、売上では後者が高いが、客単価では前者が高い。さあ、どちらのトマトが良いといえるだろうか。

  なぜ、このように売上と客単価は評価が反対になる場合があるのか。それは、売上は顧客全員の売上であるが、客単価は顧客一人当りの売上であるため、売上は客数が多ければ多いほど高くなり、客単価は客数が多かろうが、少なかろうが、売上ほどは変わらないからである。これは売上と客単価の関係を示す関係式を見るとよくわかる。すなわち、売上=客数×客単価(=売上÷客数)となるが、この式が示すように売上は客数が多ければ、それに比例して大きくなるが、客単価は客数がいくら増えても、極端に大きくなることはない。したがって、売上の高いものが客単価が高いとはいえず、逆に、客単価の高いものが売上が高いともいえない。

 では、店舗なり、商品なりの判断を売上、客単価のどちらを優先して評価したらよいだろうか。ここで評価が分かれる。

  結論から言えば、売上を優先する場合は経営的判断が優先される場合である。客単価が優先される場合は顧客の視点が優先される場合である。ここに売上と客単価の本質的な違いがある。売上にはそもそも顧客の視点が埋もれているといえ、顧客の視点がボケてしまっている数字であるといえる。逆に、客単価には顧客の視点が明確に反映され、顧客の評価をダイレクトに表現している指標といえよう。したがって、店舗の判断、商品の判断をする場合は、まず、客単価で顧客の声を確認し、その後、経営判断として売上を見て、最終判断をするのが正しいものの見方といえよう。経営判断とはその店舗、商品にさらに経営資源をつぎ込むか、それともやめるかの最後の決断であり、それは顧客志向を極限まで続けた、すなわち、客単価を最高数字にもっていった結果の最終判断ということになる。

  その意味で、店舗なり、商品なりの評価はまず、顧客の視点での評価を最優先に行い、その後、どこまで、客単価を高められるかを判断したのち、最終的にその売上で経営が可能かどうかを判断するのが正しいものごとの見方といえよう。

  よく売上ランキングで各店を競わせ表彰をするということがあるが、売上でランキングを見る限り、客数の多い店舗が勝ち、客数の少ない店舗は客単価がどんなに高くともけっして勝てないことが多い。これは大きな間違いである。客数が少なくとも客単価が高い店舗はこと顧客に対して正しい商売をしているといえ、その店舗をむしろ評価すべきである。成功事例の水平展開にしても、何をもって成功事例とするかは売上ではなく、客単価が優先されるべきである。

  また、よく誤解されることだが、客単価は店舗全体の客単価しかないと思われているが、客単価は商品一品一品に存在し、その積み重ねが、店舗全体の客単価となる。したがって、本当に、顧客満足度の高い店づくりを目指すのであれば、その第一歩は、客単価の高い商品を見つけ出し、客単価を高めてゆく努力を全力を挙げて取組むべきである。

  仮にある店舗で1円の客単価の改善に成功し、そのノウハウを全店に水平展開し、全店の客単価が1円アップすれば、100店舗近くのチェーンストアともなれば、年間延べ1億人の客数となり、売上1億円のアップへとつながってゆく。1億円の売上アップ計画をつくれといわれてもぴんと来ないが、実は、目の前の商品の客単価1円アップの仕組みをつくことが原点である。ウォールマートの創業者サム・ウォルトンは「Think Small!」が合言葉だったが、まさにこれは客単価1円にこだわることに通じ、目の前のその商品1品1品の中に商売の原点があるということをいっているといえよう。

  現在、売上だけで店舗、商品の評価をしている方がいれば、思い切って、顧客の視点をダイレクトに反映した客単価ですべての店舗、商品を見直してみて欲しい。あなたの世界観ががらっと変わるはずである。

January 28, 2006 in PI値 |

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