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March 31, 2006

阪急、ニッショーを買収!

  すでに報道されているとおり、阪急百貨店がニッショーを買収することが決まった。3/29の日経MJによると、阪急百貨店は、主力の梅田本店の立て替え工事に伴う減収を補い、現在展開している食品スーパーマーケット事業の阪急オアシス、阪急ファミリーストアを拡充し、イオンなど大手に対抗するためにニッショーの買収を決断したという。買収額は100億円規模であるという。これにより、阪急百貨店の食品スーパーマーケットグループの売上は900億円程度となるみ見込みで、関西商圏での優位性は保てると阪急百貨店側は見込んでいるという。ニッショーは現在大阪、京都、兵庫の二府一県に23店舗展開しており、2005年3月期の売上高は411億円で黒字を確保しているという。

  一方、ニッショーの100%の株式を所有している親会社のニプロはホームページで3/27、株式の譲渡に関する基本合意のお知らせを公表した。それによると、ニプロが阪急百貨店に発行済議決権付普通株式の全てを譲渡することで基本合意に達したとのことで、4月中旬までには詳細が詰められる予定という。そして、その理由を、ニッショーとしては、異業種を含む大手競合他社と熾烈な競争に対処するには、強力なドミナント戦略の推進が必要であり、そのためには経営の方向性に合致し、明確な成長戦略を持つ企業に譲ることが最善であると判断したという。また、ニプロについても中核事業の医療機器・医薬品の事業環境のめまぐるしい変化に迅速に対応し、強力に事業を推進してゆくには、経営資源を中核事業に集中し、効率的に運用するためにニッショーの売却を決断したという。

  ニプロは最近のニッショーの業績も公表しており、2004年3月期の売上は423億円に対し、2005年3月期は411億円であり、粗利率は26.7%に対し、26.7%と同率、営業利益は3.8億円(0.89%)に対し、3.8億円(0.92%)、経常利益4.4億円(1.04%)に対し、4.0億円(0.97%)、当期利益1.8億円(0.42%)に対し、1.8億円(0.43%)と減収微増益であった。また、総資産額は232億円に対し、226億円とやや資産は減少していた。

  また、これらの動きを受けて、ニプロの株価は急騰しており、この1年間1700円前後で推移してきた株価が3月中旬以降急騰し、3/30現在、1850円である。一方、阪急百貨店の株は3月の中旬までは上昇していたが、ここへ来て横ばいとなり、3/30現在1087円と大きな変化は無く、対照的な株価となっている。投資家はニプロの決断には評価をしているようだが、阪急百貨店に対しては先行きが読みにくく積極的な買いではないという判断のようだ。

  さて、ニッショーは食品スーパーマーケット業界では伝説的なマーチャンダイジングを確立した企業であり、いまでは普及した個食パックを10数年も前にきめ細かく生鮮食品、日配で展開し、時代の最先端を走ってきた企業である。また、食品スーパーマーケット業界の先進的企業が集うボランタリーチェーンAJSグループの中核企業として、現在でも副会長を務め、幹事会社として食品スーパーマーケット業界全体を牽引している企業でもある。そのニッショーがM&Aの大波に翻弄されるほど、食品スーパーマーケット業界は大きく動き始めたといえ、今回はその象徴的な出来事といえよう。

  AJSグループからは、ここ数年、茨城県のカドヤがヨークベニマルと、福井県のユースがバローと、新潟県のナルスが原信と、そして、山口県の丸久がイズミとM&A、共同持株会社、資本・業務提携等大きな動きがあいついでいる。食品スーパーマーケット業界の再編がまったなしの段階に入ってきたといえよう。

March 31, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (1) | TrackBack (0)

March 30, 2006

食品スーパーマーケットの青果の粗利率について

  食品スーパーマーケットにおける青果の粗利率についてみてみたい。青果は生鮮の中でもPI値が日配と並び最高の商品群であり、集客の戦略部門として位置づけられている。一般的には青果の戦略は粗利率を抑え、顧客の支持を獲得し、客数アップを担う部門とされる。そのため、粗利率の設定には各社が最も気を使うところであり、この設定によって、売上構成比が上がらなければ、結果として集客に貢献することができず、店舗全体の客数をも落としかねない重要な部門であるといえる。では実際の青果の粗利率を食品スーパーマーケットの代表的な企業でみてみたい。

  まず、ヤオコーの2005年3月の決算では、青果の粗利率は22.29%である。全店の粗利率は27.54%であるので、青果は粗利率を下げ、集客のための戦略商品として位置づけられていることがわかる。他の生鮮食品の粗利率は鮮魚32.09%、精肉32.45%であり、生鮮の中でもいかに粗利率が低いかがわかる。また、売上構成比で見ると、青果は生鮮の中ではNo.1であり、12.8%である。鮮魚は8.9%、精肉は9.8%であることを考えると、生鮮3品の中で、最も構成比の高い部門で、粗利率を下げ、残りの2部門で粗利率を上げ、青果で集客重視の戦略がとりながら、全体のバランスをとっていることがわかる。

  次に、オオゼキの青果の粗利率を2004年2月度の決算数字でみると、26.2%である。全体の粗利率は23.9%であるので、青果は粗利率が高いようにみえるが、他の生鮮食品の粗利率をみると、鮮魚が28.1%、精肉が29.1%であるので、生鮮3品の中ではやはり青果の粗利利率が最も低く、粗利率を下げ、集客をはかっていることがわかる。しかも、青果の構成比は20.7%であり、鮮魚の13.9%、精肉の12.5%と比べると圧倒的な売上構成比であり、生鮮における青果はオオゼキにとって、重要な部門であることがわかる。ちなみに、オオゼキの最大集客部門はグロサリーであり、一般食品の粗利率が18.1%であり、売上構成比が19.6%であり、最も粗利率の低い部門であり、ここがオオゼキの競争力の強さのポイントでもあろう。全体の粗利率が青果の26.2%を切り、23.9%となるのはこの一般食品の影響が大きい。

  もう1社、ディスカウントストアのオーケーストアの青果の粗利率を2005年度の中間決算でみて見ると、19.9%である。全体の粗利率が19.5%であるので、ほぼ全体平均の粗利率である。他の生鮮を見ると、鮮魚は25.4%、精肉は22.2%であるので、青果を生鮮3品の中では粗利率を最も下げ、集客部門として位置づけていることがわかる。売上構成比については、青果は11.2%、鮮魚は8.5%、精肉9.0%であり、青果の売上構成比が生鮮3品の中では最も高く、かつ、その粗利率を下げ、戦略部門と位置づけていることがわかる。ちなみに、オーケーストアの売上構成比最大の部門は19.6%の日配であり、粗利率は20.4%である。全体の粗利率よりもやや高めであり、日配は粗利率も売上も同時に目指すオーケーストアの最重点商品群といえる。

  そして、さらに、もう1社、マックスバリュ東海の青果の粗利率を2005年度2月期の決算数字から見てみると、20.4%である。全体の粗利率が25.6%であるので、青果は粗利率を引き下げ、集客部門として位置付けていることがわかる。他の生鮮の鮮魚は26.6%、精肉は29.4%であるので、青果がいかに粗利率が低いかがわかる。また、売上構成比は、青果が13.9%であり、鮮魚が9.5%、精肉が7.5%であり、青果はマックスバリュ東海にとって生鮮3品の中でも戦略部門であることがわかる。

  このように、食品スーパーマーケットにおける青果の粗利率はこの4社の中ではオオゼキが最も高く26.2%、オーケーストアとマックスバリュ東海が19.9%、20.4%と約20.0%、ヤオコーがその中間の22.9%であり、20%から25%強まであるが、いずれも他の生鮮品と比べると粗利率が低く設定されており、青果を生鮮3品の中では集客部門と明確に位置づけ、売上構成比を最高にもってゆき、戦略部門として位置付けていることがわかる。このように食品スーパーマーケットにとっては、青果は極めて重要な役割を担っている戦略部門であるといえよう。

March 30, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (1) | TrackBack (0)

March 29, 2006

食品スーパーマーケット、新店、続々オープン!

  3月に入り、食品スーパーマーケットの新店が続々とオープンしはじめた。1月、2月は低調であった食品スーパーマーケットの新店であったが、ここへ来て、各地で新店があいついでオープンしている。スーパーセンターの新店はこの時期はなかったが、NSC、食品スーパーマーケットに関しては春を待っていたかのような新店のオープンである。

  NSCでは、ヨークベニマルが3/10にオープンした宮城県の利府野中店に続き、3/24、茨城県ひたちなか市へNSC(ネバーフッドショッピングセンター:郊外型SC)として、ヨークベニマルひたちなか店をオープンさせた。ヨークベニマルは、2/6に新組織として、NSC開発プロジェクトを立ち上げ、NSCの出店開発に本腰を入れて取組み始め、今後の主力業態としての位置づけを明確にした。ヨークベニマルひたちなか店はヨークベニマル121店舗の店舗であり、マツキヨ、ダイソー、ツタヤとNSCを構成する。店舗面積が1000坪を越え、駐車場480台、年商24億円をめざすという。茨城県には4店舗の新規出店となり、茨城商圏に確実なドミナントを形成しつつある。

  岐阜のバローは3/10、北陸富山のバロー北の森店をリニューアルオープンした。この店舗は平成9年に富山ショッピングタウンの各店舗としてオープンした店舗のリニューアルであり、いわばNSCといってもよい業態といえよう。バローは3/23にも、同様にNSCといえる愛知県にバロー新瀬戸店をリニューアルオープンした。100坪増床し、約700坪の店舗であり、年商25億円をめざすという。

  カスミも3/9、NSCを茨城県筑波郡伊奈町にカスミみらい平駅前店をオープンした。ドラックストア、100円ショップ、アミューズメント、飲食等併設のNSCであり、約700坪で15億円の年商目標である。また、3/29には埼玉県八潮市にフードスクエア八潮駅前店のオープン予定であり、カスミ121店舗目となる。この店舗は「フレスポ八潮」の各テナントとしての出店であり、NSC業態といえよう。売場面積約700坪で年商25億円の目標である。

  一方、食品スーパーマーケットでも新店のオープンが続いている。ヤマザワが、3/18、56店舗となるヤマザワ山交ビル店を新規オープンした。10/23の鶴岡宝田店以来の5ケ月ぶりの新店である。このヤマザワ山交ビル店は撤退したダイエー山形店の跡地へのオープンである。以前ヤマザワはこのダイエー山形店との競合にやぶれ、昭和60年に山形駅前店を撤退、そして、今回21年を経て、その最大のライバルの跡地に出店という。ヤマザワとしては感慨深い新規出店であろう。現在、ダイエーをはじめ、GMSは各地で採算の合わない店舗の撤退があいついでおり、今後、このようなケースが続出するものといえよう。

  3/15、ヤオコーが埼玉県入間郡三芳町にヤオコー三芳藤久保店をオープンした。ヤオコー86店舗目の店舗である。売場面積約750坪で、年商22億円を目指すという。ヤオコー3月2店舗目の新店であり、今年に入って3店舗となる。

  北海道のアークスも3/8、フクハラ足寄店を北海道足寄郡の「銀河ホール21西側」に43店舗目、アークスグループとしては165店舗となる新店をオープンした。アークスグループでは、2/24に今年最初のラルズマート苫小牧駅前店をオープンしており、今期2店舗の新店である。

  3/10にはユーストアが静岡県焼津市にユーストア大覚寺店を新規オープンした。昨年12/2に滋賀県にオープンしたユーストア近江八幡店以来、3ケ月ぶりの新店であり、ユーストアとしては73店舗となる。2層タイプで、1階が食品、2階が衣料品であり、食品のフロアは約700坪で、年商合計で21億円を目指すという。

  3/17、平和堂がフレンドマート・G宇治市役所前店を京都にオープンした。昨年の11/18の大阪にオープンしたフレンドーマート岸辺店以来の新規出店であり、特に、今回はGをつけ、通常のフレンドマートよりもGood Lifeをめざしたアップグレードの店舗であるという。平和堂95店舗目の店舗であり、年商は15億円の目標という。

  3/23、丸久が山口県宇部市にアルク南浜店をオープンした。丸久は、ここ数年、アルクという新業態を確立して以来、順調に売上、利益が推移しており、昨年10月イズミと資本・業務提携をしたこともあり、今後、新店開発が加速する可能性が高い。今回はアルク22店舗目となる新店である。

  このように3月に入り、NSC、食品スーパーマーケットが続々とオープンしており、4月以降、さらに出店が続くものと思う。今年も、食品スーパーマーケット業界は新規出店による売上アップ戦略が続きそうである。

March 29, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 28, 2006

検証の決め手は内部要因の特定にあり!

  PI値を活用する時のひとつの壁は検証にある。検証とは、現状の数字が良いのか、悪いのかを判断し、良い場合は、その原因は何かをつきとめることであり、同様に、悪い場合も、その原因を特定することである。原因がわかれば、それに対しての様々な仮説を立て、具体的なアクションにつながり、数字の改善につながってゆくが、逆に、原因がつかめなければ、改善のための仮説が立案できず、何もアクションが打てなくなり、結局、何もせず、次の結果を不安をかかえて待つことになる。

  そこで、検証とはまず何かであるが、これが中々、現場では共通の認識がないのが現状である。検証しましょうといっても、まず、目の前のその数字が良いのか、悪いのかが判断できないことが往々にして起こる。簡単にいえば、判断基準が明確でないのだ。極端な場合、人によって、同じ数字が良いと判断する場合もあれば、悪いと判断する場合もあり、同じ数字なのに判断が全く反対になったりする。そのような場合は、結局、その場の責任者が最終的に判断し、良いか、悪いかを人為的に決めてしまうことが多い。

  PI値を活用する最大のメリットは、PI値で判断すれば、とりあえず、顧客の声にもとづいて良いか悪いかの判断ができることである。PI値は売上、買上点数、粗利、在庫等を客数で割って算出する指標であるため、顧客の声がダイレクトに反映されるからである。したがって、判断を顧客にゆだねることができ、検証において最も重要な良いか、悪いかを、客観的に決めることができる。検証の第一歩は、可能な限り、客観的な指標で判断することであり、その判断にもとづいて原因をつきつめることである。

  さて、判断指標が明確になれば、次は、その指標にもとづく結果の数字が良いか悪いかを判断することであるが、ここが、議論のわかれるところである。良いとは何に対して良いのか、悪いとは何に対して悪いのかである。この基準値の設定が現場ではきわめてあいまいであることが多い。なぜ良いと判断したか、なぜ、悪いと判断したのかの根拠がはっきりしないケースが多いのだ。結論からいうと、判断の根拠には3つの基準が必要となる。1つめはその商品の属するカテゴリーの中での判断であり、2つめはその商品が過去の数字と比べ伸びているのかどうかであり、そして、3つめはその商品が他の店舗と比べて高いか低いかである。概念的にいえば、時間と空間という判断基準である。時間とは過去との比較、空間とは他の商品、他の店舗との比較のことである。このように、時間と空間で比較すれば、その商品、そのカテゴリー、その部門、その店舗の判断が明確になるのである。

  次に、良いか悪いかが判断できた場合に、その原因を特定することが次の大きなポイントとなる。現場でも時間と空間の見方を訓練すれば誰でも良いか悪いかが判断できるようになるが、実は、その判断後、原因特定ができずにアクションが起こせない場合が多い。特定するためには、まず、判断根拠となった商品を特定することであるが、これが中々できない。どの商品に問題があるのか、ないのかを、明確に商品で特定することが最初のポイントなのだが、ここでずれてしまい、せっかく、良いか悪いかが判断できたのに、その原因の特定でつまずき、やはりアクションにつながらないことが多い。良い場合はかならず、伸ばした商品があり、その商品を特定できるはずである。また、逆に悪い場合も下げた原因となった商品を特定できるはずであるが、この商品の特定ができないケースが多い。そして、その場合のほとんどのケースは商品の特定前に外部要因に原因を転化し、納得してしまうことである。外部要因とは天候、競合店などである。こうなると、内部要因であるどの商品に問題があり、その商品の管理状態はどうであったか、棚割りは、フェイスは、販促はきちんとできていたかなどに思考が回らず、すべてを外部要因で説明してしまい、効果的なアクションにつながらないのである。したがって、良いか、悪いかが判断できたら、原因特定はまず、その商品を特定し、内部要因で問題をつきつめることがポイントである。

  このようにまず問題の商品を特定し、その原因を内部要因で究明してゆけば、良い結果になった、あるいは悪い結果となった原因が明確になり、次のアクションにつながってゆく。検証がしっかりできるか否かは、実は思考方法が最大のポイントであり、自分に一旦原因があると判断して、問題点を内部要因でつきつめてゆくことにある。

March 28, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 27, 2006

大黒天物産の新店戦略!

  128.9%、130.7%、132.4%、142.1%、141.1%、142.1%、141.6%、126.7%、135.4%、140.0%、143.1%、154.2%、これは今年1年、昨年3月から今年2月までの大黒天物産の昨年対比の売上である。最終の今年2月は何と、154.2%と過去最高の伸び率である。大黒天物産がこれだけ高い成長率を維持している要因は新店戦略にあり、今期もすでに8店舗の新規出店を果たしている。現在、大黒天物産は29店舗であるので、8店舗の新規出店はインパクトがあり、全店の売上を力づよく押上げているといえよう。

  では、大黒天物産のここ数年の出店戦略はどのようになされてきたのかを改めてみてみたい。まず、現在の29店舗の状況であるが、大黒天物産は店舗フォーマットを大きく2つに分けており、食品スーパーマーケットとNSC(ネイバーフッドショッピングセンター:近隣型ショッピングセンター)である。食品スーパーマーケットのことをディオと呼んでおり、NSCのことをラ・ムーと呼んで区別している。大黒天物産は早くから、NSCに着目しており、そのノウハウを蓄積してきた企業といえる。現在ディオは16店舗、ラ・ムーは10店舗であり、残り3店舗がその他の業態である。大黒天物産はこの2つの店舗フォーマットを早い段階で確立し、ラ・ムー(NSC)により、新規商圏を拡大し、拡大した新規商圏内にディオ(食品スーパーマーケット)をドミナント展開(集中出店)させ、バランスよく商圏制圧をしながら、売上を拡大する新規出店戦略をとっているがゆえに、安定した高成長をつづけられるものと思う。

  ここで、ディオ(食品スーパーマーケット)とラ・ムー(NSC)の出店の歴史を振り返ってみたい。まず、大黒天物産の記念すべき1号店は1997年7月にディオ1号店(玉島店)を岡山県倉敷市玉島に出店している。そして、ディオ2号店(茶屋町店)を2年後の1999年5月に出店、ディオ3号店(水島店)を2000年6月に出店、同じ2000年11月にディオ4号店(岡山西店)、翌2001年3月にディオ5号店(総社店)を出店し、この時点で売上50億円を達成した。同年、7月にディオ6号店(本店)をはじめて24時間の食品スーパーマーケットで出店、2002年4月にはディオ7号店(倉敷店)を出店、この年、年商が100億円を越える。さらに、11月にはディオ8号店(岡山東店)を出店、2003年に入ると、5月に9号店(西大寺店)を出店、11月には10号店(岡山北店)を出店した。

  そして、これまでの10店舗のノウハウを集大成し、2003年ラ・ムー1号店(NSC:加古川店)をはじめて、岡山県外の兵庫県に出店した。このラ・ムー(NSC)の開発が大黒天物産の転機となり、この後、怒涛の新店戦略が実行に移され、NSCと食品スーパーマーケットがバランスよく新規出店され、売上を120~150%で、2004年、2005年と急成長をつづけることになる。

  2004年度は4月にディオ11号店(岡山南店)、ラ・ムー2号店(松永店)の出店、6月にはディオ12号店(井原店)、9月にはラ・ムー3号店(姫路南店)を出店、10月ディオ13号店(真備店)を出店と、この年5店舗の新規出店をはたす。

  昨年、2005年度は、3月にディオ14号店(明石店)、4月にラ・ムー4号店(神戸灘店)、6月にはラ・ムー5号店(坂出店)を出店、7月にはディオ15号店(福山南店)、8月にはディオ16号店(宇品店)を出店、10月にはディオ17号店(安来店)を出店、11月にはラ・ムー6号店(鳥取店)と、この年は前年を越え、7店舗の新規出店をはたす。

  そして、今年に入っても1月にラ・ムー7号店(南茨木店)を出店、2月にラ・ムー8号店(泉南店)を出店、さらに同月、ラ・ムー8号店(姫路花田店)を出店と食品スーパーマーケット(ディオ)からNSC(ラ・ムー)と出店戦略をNSCへシフトしつつある新規出店状況である。

  このように大黒天物産の急成長をささえている新規出店戦略はNSCを軌道に乗せたことがポイントであり、今後もNSCを主力業態、サブ業態を食品スーパーマーケットとしての新規出店戦略による高成長が続いてゆくことが予想される。

March 27, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 26, 2006

生鮮、仲卸売業者、最新の経営実態を見る!

  東京中央卸売市場が、この3/3に最新の仲卸業者の経営実態調査、「データで見る仲卸業者の経営状況」を公表した。この実態調査は平成16年中に決算を終え、平成17年8月までに事業報告書を提出した業者を対象とした調査結果である。水産物、青果、食肉、花きの4つに分けて集計されており、現状の仲卸業者の経営実態を知ることができる。

  まず、全体像だが、平成16年末現在、仲卸業者数は1456者であり、これは平成15年と比べると60者減少している。また、平成元年は1794者だったので、18.8%(338者)の減少であり、仲卸業者の数は年々減少傾向が鮮明といえる。売上高については54.8%が減少しており、経常利益については、39.1%が赤字となっている。

  次に、それぞれの部門の実態はどうかを見てみたい。水産物においては、平成元年は1236者であったが、全体の傾向と同様年々減少を続け、平成16年には975者(78.9%)となった。青果については、平成元年502者であったが、平成16年には395者(78.7%)と減少している。食肉も同様であり、平成元年は50者であったが、平成16年は34者(68.0%)と減少した。一方、花きは平成元年わずか6者であったが、平成16年には52者(866.7%)と、大幅に増加し、仲卸業者の中では大きく業者数を伸ばした部門である。

  では、営業成績はどうであろうか。水産物の仲卸業者では、前期よりも売上を伸ばした業者はわずか24.9%であり、66.3%が売上が減少し、残り8.8%が現状維持と、半数以上が売上が減少している。青果については、水産物とは逆に、前期と比べ売上が増加した業者は58.7%と半数を越え、売上が減少した業者は31.6%で、残り9.7%が現状維持であった。食肉については、青果よりもさらによく、前期よりも売上が増加した業者が74.1%と大半であり、残り25.9%が売上が減少した。花きは前期よりも売上が増加した業者が50.0%、減少した業者が47.9%、残り2.1%が現状維持とほぼ増加と減少が半々だった。このように、売上については、青果業者、食肉業者、花きは半数以上が前期をクリアーしたが、水産物は厳しい状況であったといえる。

  次に、売上総利益率であるが、全体としては13.24%であり、前期比をわずかに上回った。水産物は16.18%、青果は11.66%、花きは15.60%といずれもやや前年を上回ったが、食肉のみは7.66%とわずかではあるが、前年を下回った。一方、営業損益については、全体としては水産物は47.5%が黒字であるが、52.5%が赤字であり、半数以上の業者が赤字となった。青果については55.89%が黒字であり、44.11%が赤字であり、やはり大半が赤字といえる。これに対し、食肉については、81.5%が黒字であり、18.5%が赤字、同様に、花きに関しては77.1%が黒字であり、22.9%が赤字と、大半が黒字と大きく明暗が分かれた。

  ちなみに営業利益率は水産物は0.2%、青果は0.48%、食肉は0.34%、花きは0.63%といずれの業者も1.0%大きく下回り、経営状況は厳しいといえよう。営業利益率が低い理由は一般管理費の高さにあり、特に、この業界特有の人件費率の高さが営業利益を圧迫しているといえよう。仲卸業者全体の平均営業利益に対しての人件比率は57.24%であり、特に水産物は63.22%と厳しい状況にある。同様に青果は53.0%、花きは54.56%と高いのが特徴であるが、食肉のみは38.42%と他の仲卸業者と比べ極めて健全な状況である。

  最後に経常損益であるが、全体としては60.9%の黒字に対し、39.1%の赤字であるが、やはり水産物が厳しく、44.6%が赤字である。その他の業者は青果30.6%、食肉22.2%、花き20.8%と赤字比較的少ない状況である。

  このように現状の仲卸業者は食肉、花きは比較的好調であるが、青果、特に、水産は厳しい経営をつづけており、年々業者数も減少し、この分野においては構造改革をさけて通れない厳しい状況にあるといえよう。

March 26, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 25, 2006

ダイエー、全店にポイントカードを導入決定!!

  3/24、日経MJに「ダイエー、優良客囲い込み」という記事が掲載された。全店共通ポイントカードを導入し、POSを刷新し、即時データ分析が可能になるという。いわゆるFSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)の導入である。特に、前期、2006年2月期は販売促進費をつぎ込んだにもかかわらず、売上が改善せず、単体では営業赤字となり、このFSPの導入で今期は黒字転換を目指すという。

  記事の内容を要約すると、来月4月から「ハートポイント」という磁気カードのポイントカードを2店舗で試験導入をはじめ、7月から本格導入に入り、来年8月にはGMS 149店舗、SM60店舗への導入予定という。ダイエーは、このためにPOSシステムを130億円かけて、全面刷新し、顧客分析がリアルタイムで可能な仕組みを構築するという。ポイントに関しては、買い物金額200円ごとに1ポイントがたまり、500ポイントで500円分の買い物ができるというので、0.5%の顧客還元率である。また、利用額が多いほどポイントがたまるという仕組みも導入し、FSP機能も充実させるという。特に、購買履歴分析に関しては、1人ひとりの購入データの分析精度を上げ、きめ細かな商品企画や販促に活かすということで、One to Oneマーケティングを目指すFSPであるという。

  FSPは食品スーパーマーケット各社がここ数年導入しているが、リアルタイムで顧客データを分析できる仕組みはあまり例がない。今回、大手GMSのダイエーが踏みきったことにより、今後、この種のFSPが食品スーパーマーケット業界でも導入され、ポイントカードから、もう一歩進んだ顧客データ活用の時代に突入するきっかけとなる可能性が高まったといえよう。単純なPOSデータ活用から、レシートデータ、そして、顧客IDデータの活用にいっきに突入するかもしれない。

  ところで、今回のダイエーのポイントカードは顧客への還元率が0.5%である。しかも、還元方法は500円分の買い物、すなわち、商品との交換である。通常、ポイントカードの使用率は全顧客の約80%ぐらいであり、商品の粗利率は約25%前後である。したがって、実質の還元率は売上の80%の75%(原価)の0.5%と、0.3%前後の還元であろう。

  一方、現在の食品スーパーマーケット業界のポイントカード還元率はほとんどが1.0%還元であり、しかも、キャッシュバック還元も多い。ポイントカードで最も成功している企業のひとつであるオオゼキのポイントカードの仕組みをみてみると、100円で1点の還元であり、1点で1円、しかも100ポイント単位で現金との換金ができるという仕組みである。もう1社、最近、ポイントカードを導入したサミットであるが、オオゼキと競合している店舗も多いためか、やはり、100円で1ポイント、1ポイント1円で換算し、お買い物もキャッシュバックも100ポイント単位で可能な仕組みである。どちらの企業もキャッシュバックで1%還元のポイントカードである。

  こう考えると、今回のダイエーの仕組みは、こと食品に関しては、ポイントカードの顧客への還元率が0.5%と半分であり、しかも、キャッシュバックがつかない仕組みであり、競合食品スーパーマーケットと比べるとポイントカードの顧客から見た魅力がスタート時点から半減している内容といえよう。

  これは、結果的に、ポイントカードの使用率が通常であれば、80%を越える可能性が60%から70%、あるいはそれ以下になりかねず、今回の目的のひとつであるリアルタイムでの顧客分析への活用の精度が低くなる可能性が高い。また、顧客の囲い込みをするつもりが、競合食品スーパーマーケットの強力なポイントカード戦略によって囲い込まれてしまうという結果にもなりかねないといえよう。

  黒字転換をめざすには、経費削減はもとより、原価改善、客単価アップ、そして客数アップがマーチャンダイジングの観点からは必須であることを考えると、今回のダイエーのポイントカードは顧客への魅力をもっと高めないと期待される効果に結びつかない可能性もある。4月からの実験店舗での検証結果が今後の成否をうらなう上で重要なポイントとなろう。

March 25, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 24, 2006

マルエツ、大幅な業績下方修正、赤字転落へ!

  3/22、マルエツが「業績予想の修正ならびに次期計画のお知らせを」公表した。それによると当初の業績予想を大幅に下方修正し、売上は10億円の減額、3290億円(99.6%)、営業利益39億円の減額、-12億円、経常利益36億円の減額、-15億円、当期利益64億円の減額、-97億円であった。今期、黒字予想が一転、赤字決算となる修正であり、異例のことである。前期は営業利益、経常利益はわずかな黒字だったが、当期利益は210億円の赤字であり、2期連続の最終赤字となる。

  この数ケ月間、マルエツの月次売上の公表がいつも遅れ気味であり、2月度についても3/23、やっと公表された。決算数字がこれだけ厳しい状況であり、月次売上の公表に時間がかかったのかもしれない。ただ、この発表を受けて、マルエツの株価は暴落するかと思われたが、3/23の株価は約300万株の大商いで、急上昇し、65円高(13.26%)の555円となり、異常な買いが入っている。通常の商いは20万株から30万株であるので、3/23は10倍以上の買いが入って大幅高となった。恐らく、大株主の丸紅か外国人投資家か、あるいは、投資ファンドが大量の買いを入れているものと思う。ここしばらくはマルエツの株価には注目である。

  業績の修正理由についてマルエツは、第3四半期の売上不振が主な原因と分析している。この時期に「60周年創業祭」、「ホークスセール」という大きな販促があったにもかかわらず、既存店の売上が前年比94.5%と低調に終わり、これが在庫過剰となり、多額の売価変更となって、売上、利益を大幅に落としたという。端的にいえば、販促の失敗による、仕入れ過ぎた在庫処分による損失が予想以上に大きかったということである。現時点では財務諸表が公表されていないので、これだけの理由であるかどうかの判断は難しいが、第四半期の既存店の売上、客数、客単価を見る限りでは、売上94.5%、客数98.5%、客単価95.9%と販促の効果がほとんどでていないのは確かなようだ。ただ、四半期ベースで見る限りでは第2四半期の既存店の方が深刻であり、売上92.6%、客数95.8%、客単価96.7%であり、年間の中でも第2四半期がもっとも厳しい期間であった。

  このような深刻な経営状況をうけて、マルエツではこの業績の下方修正と同時に次期の計画を公表した。それによると、目標数字としては、売上3250億円(98.7%)、営業利益44億円、経常利益37億円、当期利益34億円とし、売上に関してはマイナス予算を組んでいる。特に、既存店は97.0%(今期は94.7%)であるので、既存店の活性化に力を入れてゆく方針といえよう。

  具体的には経営方針として、①営業力の強化、②ローコスト体質への転換、③経営執行力の強化の3つを打ち出している。①の営業力の強化に関しては、ダイエーからの商品供給体制を、自社仕入れ体制に変更し、機動的な商品調達に取組むという。さらに仕入れ方法、仕入れルート、産地直送品の開拓をはかり、商品原価を見直すという。店舗オペレーショについては業務の標準化、効率化、単純化をはかり計画的な業務の仕組みをつくるという。②のローコスト体質への転換については、まず、新規出店を抑制し、来期は4店舗に絞るという。そして、既存店については不採算店10店舗を閉鎖し、深夜営業時間を見直すとともに、効果的な店舗の優先改装を急ぐという。さらに、正社員はもとより、パート、アルバイトの人事教育制度を見直すという。③の経営執行力の強化については、経営資源の選択と集中をはかるため、特に小型店の事業の整理・統合を進め、経営の効率化をはかるという。

  小売業の成長戦略の基本はスクラップ&ビルドであり、最新ノウハウの新店を出店し、同時に不採算店舗を閉鎖するということにある。今回のマルエツの次期計画は新規出店を抑制し、既存店の活性化に経営資源を集中する経営戦略であり、こと売上という面では均衡縮小になりかねず、利益率の改善にはつながる可能性はあるが、利益高の改善につながるかどかは厳しいところであろう。

March 24, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

March 23, 2006

食品スーパーマーケット、売上ランキング! 2006年2月度!!

  食品スーパーマーケットで月次売上を公開している企業約20社の売上速報がまとまった。全体の売上単純平均は109.2%で、昨年対比を割った企業は4社であり、食品スーパーマーケット全体としては売上は好調に推移しているといえよう。ただし、既存店の売上に関しては、依然として100%を割っており、全体の単純平均は97.5%である。前月は6社が既存店の売上昨年対比100%を超えたが、2月度は4社と少なくなっており、既存店の売上に関しては厳しい状況が続いているといえよう。

  また、客数と客単価の動きに関しては、約10社が公開しているが、単純平均では客数が114.7%、客単価が98.3%であり、客数アップによる売上アップが鮮明であり、しかも、客数に関しても、既存店の客数は99.3%であり、昨年を下回っている状況である。一見、売上は好調に推移しているように見えるが、新店の客数アップによる売上によるものであり、けして安心できる状況とはいえない。既存店の売上、既存店の客単価アップが当面の食品スーパーマーケット業界の大きな課題といえよう。

昨年対比120%以上の企業が4社!
  このような状況の中で、昨年対比120%を越える食品スーパーマーケットは4社である。No.1は154.2%アップの大黒天物産であり、No.2は135.2%アップの九九プラスであり、No.3は125.3%アップのPLANTであり、そしてNo.4が122.5%アップのマックスバリュ東海である。5番目以下は110%をきっているので、この4社は図抜けて昨年対比の売上が高い企業である。特に、大黒天物産とマックスバリュ東海は既存店も100%を越え、好調な企業といえよう。それにしても大黒天物産は154.2%と、ここ数ケ月の中では最高の昨年対比である。実際、今期もすでに6月にラ・ムー坂井店、7月にディオ福山南店、8月にディオ宇品店、10月にラ・ムー安来店、11月にラ・ムー鳥取店、そして今年に入って、1月にはラ・ムー南茨木店、2月にラ・ムー泉南店、ラ・ムー姫路花田店と今期新店8店舗をオープンした。全店舗数が29店舗であるので、新店8店舗の売り上げへの貢献度は大きく、昨年対比154.2%となったといえよう。

  マックスバリュ東海もここのところ120%台をキープしており、既存店も回復基調であり、好調な店舗である。また、九九プラスもついに800店舗を達成し、新店を順調に出店しつづけ、売上を130%以上でキープしている。PLANTも既存店の客数が昨年対比100%を超え、全体としても125.3%と高い成長率を維持している。このように、この4社はいずれも120%以上の高い成長率であり、現在の食品スーパーマーケット業界全体の売上を力づよく牽引している企業である。

昨年対比100%を超える企業が大半!
  2月度は大半の企業が昨年対比100%を超えたが、その中でもハローズ(109.4%)、オオゼキ(109.0%)、バロー(108.5%)、ヤオコー(105.4%)が、105%から110%の数字で、安定して売上を伸ばしている。特に、バローは既存店の客数101.0%、客単価100.1%と今回の公表企業で雄一既存店も昨年対比100%を超えた企業である。

  それ以外の企業は100%強であり、まだまだ安定した数字まではいっていない。ダイイチ(102.2%)、ヤマザワ(102.1%)、カスミ(102.0%)、ヨークベニマル(101.5%)、マックスバリュ西日本(101.3%)という状況である。ただ、ヤマザワは既存店の売上が100.8%、特に、既存店客数が101.0%と既存店の回復基調が見え、新店戦略次第では売上を大きく伸ばすことが可能であろう。

5社が昨年対比割れ!
  食品スーパーマーケット全体としては109.2%であったが、残念ながら昨年対比をクリアーできていない企業は5社である。エコス(96.3%)、いなげや(97.3%)、トーホー(97.7%)、マックスバリュ北海道(98.0%)、Olympic(98.4%)である。特に、いなげやは既存店も93.6%と厳しい状況であり、既存店の活性化が急務である。

  このように、2006年2月度の食品スーパーマーケットの売上は総じて、回復基調にあるとはいえ、新店に大きくささえられた売上であり、既存店の活性化が当面の課題といえよう。予断だが、2月度のウォールマートは111.9%、既存店は104.1%の昨年対比の売上であり、今期も好決算が期待できそうである。

March 23, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 22, 2006

食品スーパーマーケットで小容量商品が健闘!!

  3/21の日経で「「お得」より「好み」で少量買い」という記事が掲載された。この記事によると、調味料と食用油は、これまで「大容量でお得」が売込みの決まり文句だったが、最近は割高な少容量の商品に脚光が浴びているという内容だ。また、それにともない、メーカーも食品スーパーマーケットも小容量サイズの品揃えを充実させているという。

  具体的には、サミットが日清オイリオグループの400g入りサラダ油の売上個数が、特売なしで、昨対110%で伸びているという。しかも、1000gの従来品を特売しても、400gの売れ行きは落ちないという。

  実際、日清オイリオグループでは、400gの小容量には力を入れており、この3/1から日清キャノーラ油の400gの新規商品が発売された。日清オイリオグループでは、この400gをつぎのように位置づけている。「少子化・高齢化の進展、平均世帯人数の減少やライフスタイルの変化に伴い、食用油購買の選択基準や使用方法も多様化しております。食用油ユーザーの小容量サイズの使用意向も大きくなっており、このような市場環境変化や食用油ニーズの変化に対応するため、少人数世帯に適した「400g」の小容量サイズを新発売いたします。」

  サミットではしょうゆについてもキッコーマンの500mlの商品が昨対110%であり、小容量サイズの目的買いの消費者が増えているという。キッコーマンでも特選丸大しょうゆ500mlはここ2年間で114%の伸びといい、成熟商品としては異例であるという。

  キューピーでも小容量サイズのマヨネーズが好調だという。一般的には500gが主力であり、これはほぼ横ばいであるが、200gの小容量サイズが昨年対比110%で伸びているという。キューピーのマヨネーズは、1kg、700g、500g、350g、200g、130g、50g、15g (ミニパック)、12g (6g×2 スティックパック)、300g瓶と10SKUの品揃えをしている。その内、少容量サイズは200g以下の6SKUであり、早くから小容量サイズには対応していたが、ここへ来て200gの販売が絶好調であるという。

  また、ブルドックソースでも「ユアブレンズ」シリーズを200gで新発売したが、東急ストアなどでよく売れているという。このソースは健康的な食生活をサポートするためにブレンドされたソースシリーズであり、有機野菜使用のソース、カロリーハーフソース、塩分50%カットのソース、玄米黒ごまソース、黒酢使用のソース、10種野菜のソースなど健康を意識した小容量商品である。

  このように食用油、調味料という伝統的な大容量特売の商品において、小容量の商品が割高であるにもかかわらず、確実に消費者から支持されはじめたといえる。

  実は食品スーパーマーケットの生鮮、惣菜、日配においても最近はこの小容量の動きはよく、売上構成比も商品によっては、小容量が3割を越えるものもある。主な小容量の強い商品群をあげると、青果では、大根、キャベツは1/2カットはもちろん、1/4カットも品揃えされている店舗が増えている。果物ではいままさに旬のいちごは従来のパックに加え、小容量パックがどの店舗でも見られるようになった。鮮魚の1尾パックも定着している。精肉の小容量パックもほとんどの商品で品揃えがなされているのが実情である。惣菜でも和惣菜、洋惣菜、弁当、寿司などの商品でも個食は常識となりつつある。特に商圏によっては、1人用が売上の4割を越える店舗もあるほどである。さらに、日配でも牛乳、ヨーグルト、食パン等では小容量パックは定番として確実な品揃えがどの食品スーパーマーケットでもなされている状況である。

  今後、食品スーパーマーケットでも生鮮、惣菜、日配に加えグロサリー商品においても小容量の商品をしっかり品揃えすることが、都市型食品スーパーマーケットにかぎらず、郊外型の食品スーパーマーケットにおいても必須となってきたといえる。あらためて、商品の品揃えを、特に小容量サイズの観点から見直す時期に来たといえよう。

March 22, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 21, 2006

食品スーパーマーケット、最新の株価状況(20060320)!!

  日銀の量的緩和がなされたとはいえ、一旦上がるかに見えた株価もやや横ばいきみで推移し、上場約50社の食品スーパーマーケットの株価もここ最近は大きな変化がみられなかった。3/20は日曜日の休み明けであり、また、翌日が休日でもあることから、買い控えかと思われたが、日経平均も285円(1.74%)高の16624円で引け、上場約50社の食品スーパーマーケットの株価も全体で0.86%アップとまずまずの商いだったといえよう。

  このような中で、3/20株価上昇率のNo.1の株価はハローズであり、6.29%でトップであった。小売業全体でみても10番目の株価上昇率であり、食品スーパーマーケット業界では第2位のバローの3.92%と比べでも高い上昇率であった。ハローズはこの3/1から1:2の株式分割を実施しており、ここのところゆるやかに株価は上昇していたが、3/20はいっきに6.29%も上昇し、人気の高さを示しているといえよう。最近、ハローズのホームページも一新され、日本語、英語の表記もなされ、経営戦略も商品戦略、業態・店舗戦略、出店戦略、24時間営業戦略、組織教育戦略、いろいろなサービルに別れ、それそれの戦略が非常にわかりやすく詳細に説明されている。日本の投資家だけでなく、海外の投資家も意識した内容となっており、株価上昇のひとつの要因であろう。また、今期の決算予想も110%以上の増収増益の見込みであり、食品スーパーマーケット業界の中でも、注目企業のひとつといえよう。

  ハローズについで、第2位は先にもあげたバローの3.92%であるが、第3位はヤオコーの2.81%、第4位はフジの2.44%、第5位はライフコーポレーションの2.41%、第6位が東急ストアの2.36%、第7位がイズミの2.31%、第8位がカスミの2.27%、第9位がアークスの2.05%、第10位がオークワの1.94%であり、以上が3/20の食品スーパーマーケットの株価上昇率ベスト10である。上記の中でも第3位のヤオコーは3/8以降株価が一本調子で上げ続けており、今期決算予想も好決算が期待され、ハローズとならび注目企業といえよう。

  逆に、3/20、株価が下がった企業はわずか8社であり、いかに、3/20は食品スーパーマーケット業界に対しても買いが優先であったかがわかる。その8社であるが、原信の-1.92%、PLANTの-1.18%、マルエツの-0.79%、九九プラスの-0.78%、サンエーの-0.22%、ユーストアの-0.10%、マックスバリュ東北の-0.10%、マックバリュ北海道の-0.05%である。

  この中でも特に原信は今年に入り株価が下がり続けており、昨年末には1900円前後で推移していた株価が、現在では1500円前後まで落ち込み、ここ最近は厳しい株価が続いている。原信そのものの業績、および、今期の業績予想は順調ではあるが、4/1と真近にひかえた原信ナルスホールディングスの持株会社設立にともなうナルスとの経営統合による今後の動きを投資家がつかみかねている状況かと思われる。

  また、PLANT、九九プラスも原信同様、ここ最近株価が下がり基調であるが、PLANTについては、国会で審議入りしたまちづくり3法のゆくえによる影響が懸念されることに加え、ここ数年、売上は新店により順調に推移しているものの、経営内容は厳しい状況である点があげられよう。九九プラスについては、やはりまちづくり3法による大手流通業の都市型回帰現象が鮮明になり、さらには、既存コンビニエンスが100円生鮮業態開発を加速するなど、今後予想される企業間競争への懸念があるものと思われる。また、売上こそ順調に推移しているが、既存店の売上は厳しい状況にあり、今後の成長戦略への不透明感が懸念される。

  上記のように、一部、厳しい食品スーパーマーケットの株価もあるが、全体としては3/20の株価は上昇基調であったといえる。今後、速い企業では今期の決算が来月には公表される。その決算発表次第では、今後の株価もさらに変動するものといえよう。

March 21, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 20, 2006

BSEと鮮魚消費への影響について

  以前、本ブログでBSEの牛肉消費への影響について述べ、家計調査年報で見る限り明らかな影響がみられることがわかった。では、鮮魚についてはどうかを見てみたい。BSEショックは2001年11月19日に北海道でのBSE確定診断が最初であり、その後、2003年12月のアメリカでのBSE発生により、アメリカ産牛肉が輸入停止になったことが2回目のBSEショックである。

  この影響で、牛肉の消費額に関しては第1次BSEショックの2002年1月には前年の67.1%と大きく落ち込み、また、第2次BSEショックの2004年1月には89.6%へと落ち込んだ。家計調査年報で見る限り、明確な影響があったとみてよい。

  さて、本題のBSEショックの鮮魚消費への影響であるが、この時期、家計調査月報でみるとどのような商品動向であったかをみてみたい。鮮魚への影響とはマイナスではなく、牛肉の消費が控えられることからプラスへの影響という観点である。

  まず、2002年1月度の数字であるが、魚介類全体の消費額は1日当り263円であり、これは前年が264円であるので、99.7%とほとんどBSEの影響が感じられない数字である。また、その中の鮮魚だけに絞って見てみると、1日当り147円で、これは前年が145円であるので、わずか101.4%のアップであり、やはり、ほとんどBSEの影響は感じられない数字である。

  では、第2次BSEショックはどうであろうか。2004年1月度の魚介類全体の1日当りの消費額であるが243円であり、前年が247円であるので、98.7%とむしろ消費額は下がってしまっている。鮮魚だけでみても、136円であり、前年の139円と比べ97.7%とやはり下がっている。

  こと、鮮魚に関してはBSEショックはプラスではなく、若干マイナスに働いたといってよさそうである。少なくとも、家計調査月報を見る限りではプラスには動いていない。

  また、この6年間の鮮魚のトレンドをみると、2001年1月264円、2002年1月263円(99.7%)、2003年1月247(93.8%)、2004年1月243(98.7%)、2005年1月238(98.0%)、2006年1月 230(96.3%)と毎年消費額は下がっており、6年前と比べると現在の魚介類全体の消費額は87.1%とBSEショックで鮮魚の方の消費額があがるどころか、逆に、消費は長期低迷傾向にあるといえる。これは、鮮魚だけでみてもほぼ同様な傾向であり、鮮魚の家計調査月報を見る限り、鮮魚はBSEショックのプラスへの影響はほとんどなく、逆に、長期的にマイナス傾向が鮮明であるといってよい。

  さて、このようなBSE、そして長期トレンドを前提として、鮮魚専門店の代表格である上場企業の魚喜と魚力のこの数年間の決算状況をみてみたい。まず、魚喜であるが、第2次BSEショックの2004年2月期決算は売上94.3%、営業利益4億8700万円の赤字であり、最終利益も5億8800万円の赤字であった。BSEショックで売上があがるどころか、逆に売上が低迷してしまった。魚喜は昨年も減収赤字であり、今期の決算予想も減収赤字であり、経営の抜本的な建て直しが急務であり、株価も400円を切る厳しい状況が続いている。

  一方、魚力であるが、第2次BSEショックの2004年度5月期の決算は売上92.6%、営業利益は前年比60.6%の減益であり、最終利益も79.8%の減益であった。魚力は2005年度もほぼ同様な減収減益決算であり、今期予想は増収増益であるが、2004年度の水準までは回復していない状況である。株価は1450円付近でほぼ横ばいである。

  このように、BSEはこと鮮魚の消費にはプラスにはなっているとはいえず、また、鮮魚専門店もむしろ売上を落としているのが現状である。また、鮮魚の消費はここ数年マイナストレンドである点を考えると、鮮魚そのものの家計消費の回復が危ぶまれる状況であり、鮮魚は現状、大変厳しい商品群になったといえよう。

March 20, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (1) | TrackBack (0)

March 19, 2006

ウォールマート、スーパーセンター2000店舗達成!!

  ウォールマートのスーパーセンターが3/22、2000店舗目をカルフォルニアにオープンする。昨年、ウォールマートの主力業態はディスカウントストアからスーパーセンターへ大きく転換したが、今期はさらにスーパーセンターの店舗数が増え、とうとう2000店舗となる。これを記念して、3/18には、ライアン・キャブレアのコンサートとレセプションが開催される予定という。ウォールマートのスーパーセンターは1988年に1号店がオープンして約20年弱での大台の達成である。

  ウォールマートは自らスーパーセンターについて「グロサリー(食品等)とジェネラルマーチャンダイズ(総合商品群)を融合した新業態が、小売業の歴史上最も成功したコンセプトのひとつであることを示し、全国の顧客にワンストップショッピングの便利さをもたらした。」といっている。

  スーパーセンターの歴史は確かにウォールマートが作ってきたといってよく、1988年の1号店のオープン以来、異常な速さで店舗数を増やし、またたくまに全米を制してしまった。100店舗目のスーパーセンターは1994年のわずか6年後のことであり、コロラドにオープンしている。この店舗の大きさは約5500坪であり、従業員は約500人であったという。500店舗目のスーパーセンターは、4年後の1998年、ニューメキシコのコロバスにオープンした店舗で、約5500坪、従業員数は約400人であったという。1000店舗目は、2001年、ミズーリー州にオープンしたスーパーセンターであり、約5000坪の店舗であり、従業員は約450人であったという。そして、2000店舗がはじめにも記したようにカルフォルニアのビューモントのスーパーセンターである。この店舗は約116,000の商品が品揃えされた最新のスーパーセンターであるという。売場面積が約6000坪弱であり、従業員は約600人であるという。

  また、スーパーセンター2000店舗に至るウォールマートの歴史をざっとたどってみると、創業はサム・ウォルトンにより、1962年にアーカンソーである。その後、1970年にはウォールマートはじめての物流センターができた。1972年にはニューヨーク証券取引所に上場した。1983年にはサムズホールセールクラブの1号店がオープンし、1988年にはスーパーセンターの1号店がオープンした。1995年には全米50州への出店をはたし、1997年には週9000万人の延べ客数となった。1988年にはネイバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)の1号店をオープンした。2002年にはフォーチュン500社の売上No.1企業となり、そして、2006年、2000店舗目のスーパーセンターのオープンとなる。

  3/2に発表された2月度のウォールマートの数字も絶好調であり、ディスカウントストとスーパーセンターの合計売上は昨年対比110.0%であり、サムズホールセールクラブは107.6%であり、インターナショナルは121.2%であり、ウォールマートトータルでは111.9%である。同様に既存店売上に関しては、ディスカウントストとスーパーセンターは102.9%であり、サムズホールセールクラブは103.1%であり、ウォールマートトータルでは104.1%と既存店も昨年対比をクリアーし、今期も順調な推移であるといえよう。

  これらの動きを受け、現在のウォールマートのニューヨーク証券取引所の株価であるが、46ドル強で推移している。ウォールマートの株価は今年に入り45ドル付近で推移していたが、3月に入り、少し値を戻し、この数日はやや上昇気味で推移しているといえる。

  投資家もウォールマートのスーパーセンター2000店舗の達成への関心を示し、今後のウォールマートへの動向に注目しているというところか。スーパーセンターの出店は今後も急速な勢いで推移するものといえ、もう数年間は高成長が維持されるものといえよう。ひるがって、日本でも、西友が現在急ピッチで建設を進めている物流センターが来年中には2箇所で稼動の予定であり、現在進めている情報システムの導入等の内部体制が固まり次第、スーパーセンターの出店攻勢がはじまるものと思う。

  今回のウォールマートのスーパーセンターが2000店舗目を達成したことは、小売業の歴史においても、ひとつの時代を築いたといえ、アメリカはもちろん、日本をはじめ世界の小売業界は新たな時代に突入したといえよう。

March 19, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 18, 2006

パート賃上げ、妥結あいつぐ!!

  食品スーパーマーケット業界はパートなくして成立たない状況であり、いかに優秀なパートを確保し、継続して働いてもらうかが重要な鍵を握っているといってもよい。特に、店舗の運営をささえているのは実際上パートといってもよく、パート比率の高い食品スーパーマーケットでは80%近くがパートで占められている。また、以前は補助的な仕事が主であったが、最近では主要な業務も担うようになりつつある。また、各食品スーパーマーケットでもパートの能力アップのための技術、教育研修も整備されつつあり、優秀なパートは正社員以上の働きをするところまできている。

  3/17の日経に、「パート賃上げ「増額」相次ぐ」という記事があり、ここにきてパートの賃上げが各企業において次々に妥結しつつある状況である。その中でもパート組合員を1万人以上かかえるイオンは5.4円の賃上げで妥結したという。イオンの昨年実績は3.1円であったので、大幅なアップであり、それだけ、イオンにとってもパートの確保が重要なテーマとなりつつある状況を示しているといえよう。この5.4円は組合員に加入していないパートも含めての平均値であり、この春から新たに約4万人も加わるという。当然5.4円は平均値であるので、最上位資格のパートは約20円の賃上げになるという。また、イトーヨーカ堂は今期はパートの賃金体系の構築を優先するため、パートの賃上げは見送ったという。現在パートは年功序列の賃金体系であり、賃金交渉は来期からという。流通業界最大手のイオンが大きく動いたことにより、今後流通業界全体にパートの賃上げは波及してゆくものと思う。

  また、UIゼンセン新聞の3/15の記事では現在16組合でパートの賃上げが大きく前進したと報じており、特に全イズミでは25円、マイカルが22.8円、コモディイイダが10.11円での妥結だという。UIゼンセン同盟では今期は少なくとも130の労組がパートの賃上げ交渉に取り組んでいるといい、昨年は9.4円の賃上げであったが、今期はそれを上回る情勢であるという。パート以外のベア獲得についてもUIゼンセン同盟では今期の春闘を好評価しており、総じて昨年を上回る好成績をあげたという。

  現在、経済は好況となり、食品スーパーマーケット業界をはじめ、流通業界では新規出店にともなうパートの確保が厳しくなりつつある。特に、製造業の工場がある地域の店舗ではこれまでの時給ではパートの確保は容易ではない状況にあり、慢性的な人手不足に陥っているという。日経新聞の記事でも、出店加速に踏み切った紳士服のアオキインターナショナルは初のパート賃上げ交渉を行い、25円の要求に対し、10円の賃上げで妥結したという。また、ファミリーレストランのサイゼリアもパートの定着率を高めるため、毎年15円の賃上げに見合う年末一時金を支給してきたが、今期の交渉でも15円の一時金原始を確保することで妥結したという。

  食品スーパーマーケット業界でもスーパーセンターの出店に対抗するように、NSCの出店が加速しており、新店オープンにかかわるパートの募集がおもうようにゆかないケースが増えており、今後、どのようにパートを確保するかが新たな経営課題となりつつある。

March 18, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 17, 2006

セブンイレブンをPI値で切る!!

  セブンイレブンをPI値で切ると、どのように見えるかを可能な限り実際のデータで検証してみたい。まず、PI値を算出するには客数が大前提である。PI値=買上点数÷客数であるので、客数がわからなければ、PI値を算出することは不可能である。そこで、まず、セブンイレブンの客数を計算してみたい。

  セブンイレブンのホームページにはセブンイレブンまるわかり豆知識というコーナーがあり、その中のその4に「あなたは??/36億?」という項目がある。それによると、セブンイレブンの1日当りの平均客数は約1,000人であり、店舗数は約10,000店舗であり、1日の客数が約1,000万人、年間では何と約36億人の延べ客数となるという。恐らく、地球上でこれ以上の客数を誇る小売業はウォールマートぐらいであろう。もちろん、日本の小売業の中では最高の客数となろう。

  この瞬間にセブンイレブンの客単価は1円の重みが明確になる。仮に、ある商品のマーチャンダイジングを改善し、昨年よりも客単価を1円アップさせることができた場合は、年間36億円の売上アップになるという計算になる。もちろん、マーチャンダイジングが失敗して1円の客単価を下げた場合には年間36億円の損害を会社にもたらすことになり、マーチャンダイザーは毎日が真剣勝負であり、商品開発者は妥協がゆるされない状況であろう。セブンイレブンが伝統的に単品管理にこだわり、発注精度のアップにこだわるのはこんなところに答えがあるといえよう。

  さらに豆知識のその1を見てみると、セブンイレブンの大ヒット商品、おにぎりが紹介されている。セブンイレブンのおにぎりは年間10億個以上が売れるというから、大変なものである。PI値に換算すると、10億個÷36億人であるので、PI値は27.7%、約30%となる。おにぎりの平均単価は120円ぐらいであろうから、客単価はPI値30%×平均単価120円で36円となる。年間売上に換算すれば、36円×36億人であり、約1,300億円となる。おにぎりだけで年間1,300億円であり、大変な数字である。このおにぎりのPI値が1%改善できれば120円かける1%で1.2円、すなわち、年間1.2円×36億人で約40億円の売上アップとなる。PI値1%はおにぎりの重点商品の発注精度をあげ、欠品をなくし、鮮度を高められれば充分に可能な数字であろう。また商品開発により、PI値1%以上の新商品のおにぎりが投入できれば、その瞬間に、そのおにぎりは年間36億円の売上が読めることとなる。ここまで来ると、セブンイレブンにとっておにぎりは経営の根幹の商品といってもよく、経営資源を充分に投入してもその効果が期待できる商品であるといえよう。

  また、セブンイレブンのコーポレートアウトラインを見ると、おにぎりを含む米飯が年間16億9000万個、惣菜が6億4千万個、調理パンが3億6000万個、焼きたてパンが7億9000万個であるという。これをPI値換算すると、米飯はPI値46.9%、惣菜は17.7%、調理パンはPI値10%、焼きたてパンは21.9%となる。同様に客単価は米飯の平均単価が400円とすれば、187.6円、惣菜が平均単価300円とすれば53.1円、調理パンが平均単価150円とすれば15円、焼きたてパンが平均単価120円とすれば26.2円となる。また、これら、4つの商品群の合計は、PI値は46.9%+17.7%+10%+21.9%=96.5%であり、客単価は187.7円+53.1円+15円+26.2円=282円となる。セブンイレブン全体の年商は約2.5兆円であるので、客単価は約700円であり、この4つの商品の合計の構成比は282円÷700円で、約40%である。

  このようにセブンイレブンの公表資料と若干の推測を交えてPI値で切ってみると、セブンイレブンという小売業の本質がみえてくる。セブンイレブンとは年間36億人の顧客への商売であり、商品としてはおにぎりを頂点として、米飯(おにぎりを含む)、惣菜、パンを主力商品としている業態であることがわかる。また、商品開発と単品管理に徹底してこだわる理由も、客単価1円の重みがあまりにも大きいがゆえに、当然の帰結であることも理解できる。全店1万店舗を越えたセブンイレブンもPI値でみれば、通常の小売業と何らかわることのない、商品1品1品、顧客一人一人を丁寧に積み重ねた結果であることがわかる。

March 17, 2006 in PI値 | | Comments (2) | TrackBack (0)

March 16, 2006

客数アップ戦略が破綻したマクドナルドの決算!!

  週間ダイアモンド3/18号の企業レポートで日本マクドナルドホールディングスが取り上げられている。見出しは「公表資料、内部資料で露呈した売上高至上主義経営の限界」という刺激的なものである。内容は、前年対比106%増の3257億円の売上を達成したにもかかわらず、営業利益は56%減の32億円、最終利益は98%減の6000万円という赤字すれすれになった原因の検証記事である。

  特にこの記事の圧巻は内部資料の客単価と客数の1月から12月までのデータとボトムラインという内部損益を表したデータを詳細に分析し、いわゆるマクドナルドが起死回生の挽回策でうった「バリュー戦略」=客数アップ戦略が破綻したことを検証していることである。バリュー戦略のポイントは、「100円メニューの導入」、「クーポン券(割引券)の乱発」、「営業時間の延長」の3点である。

  まず、バリュー戦略が発動される前の1月は年間最高の客単価であり、客数は月間6000万人には届いていなかったが、ボトムラインは黒字であった。ところが、4月からのバリュー戦略が発動され、その影響が最も現れた6月は客単価が年間最低の400円台となり、ボトムラインが年間最悪の赤字に転落する。その後、バリュー戦略が発動されている11月まで客単価は500円強の低目で推移し、逆に客数は6000万人台を割ることがなかったが、ボトムラインは赤字で推移した。そして、12月、「海老フィレオ(セットは最高価格の580円)がヒットし、客単価が600円弱まで跳ね上がり、ボトムラインが黒字転換したというのだ。確かに、この流れは、日本マクドナルドの公開資料でも、1月の客数は昨対108.5%、客単価は103.3%と特に客単価は年間唯一100%越えた月であった。また、6月は客数120.2%、客単価-82.8%と客数は年間最高の昨対伸び率、客単価は昨対最低の下げ率であった。ただ、12月は客数114.1%、客単価94.2%で客単価が回復するところまではいっていないが、それまでの90%前後と比べると回復基調であるとはいえる。

  このように、ダイヤモンド社の内部資料とマクドナルドの公表資料とを見比べてみると、バリュー戦略にもとづく、客数アップ戦略は、客数大幅アップによる売上アップには成功したが、利益の確保には失敗したといわざるをえない検証結果といえよう。皮肉なことに、日本マクドナルドは全世界119ケ国の中で客数伸び率は世界No.1であったという。

  売上は客数×客単価で決まるが、客単価を大きく落とした客数アップ戦略にもとづく売上げアップは経営戦略としては破綻する可能性が高いことが実証された典型的な事例であるといえよう。

  ひるがえって、食品スーパーマーケット業界でも同様な戦略で現在走っている企業が3社ある。PLANT、99プラス、大黒天物産である。いずれも客数が120%以上の伸びであり、客単価が100%そこそこ、ないしは100%を下回っている。昨年までの決算数字を見る限りでは、大黒天物産、99プラスは利益を出しているが、PLANTはかなり厳しい利益水準となっている。ただし、マクドナルドと違い、新店による客数増であり、客数戦略にもとづく既存店も含めた客数アップ戦略はとっていないという違いがあるので、利益に直接響いてはいないといえる。今後、この3社の新店開発が一段落したあとに、既存店を含めた客数アップ戦略に走るか、客単価アップ戦略に入るかが大きな課題とえいよう。

  経営の基本は客単価をないがしろにした客数アップ戦略はなりたたず、客数の大小にかかわらず、客単価は落とさない、できればアップさせる客単価アップ戦略が大原則である。今回のマクドナルドの事例は再度、客単価の重要性を商品1品1品にまでさかもどり、見直すことが急務であることを示しているといえよう。

March 16, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 15, 2006

今年は企業合併、加速の予感!!

  3/14、イオンのホームページにオリジン東秀への公開買付けの結果が公表された。それによると、1/31より、イオンのオリジン東秀への公開買い付けを実施し、3/13をもって終了し、買付け予定株式8,900,000株に対し、16,867,270株(95.67%)の応募があり、同数の株式を3,100円で全株買い付けを実施するとのことである。これに要する資金は525億9900万円であるという。また、これにともない、オリジン東秀は上場廃止となり、イオンの子会社になるという。問題のドンキホーテに関しては、イオンの公開内容には言及がなかったが、オリジン東秀のホームページにて、その他の関係会社、主要株主及び主要株主である筆頭株主に該当しなくなるものと考えられます、という微妙な表現であったが、決着した模様である。これで、オリジン東秀は3/20からイオンの子会社として新たなスタートをきることになり、ドンキホーテの突然のTOBから始まった一連の騒動が決着したといえよう。

  今回の件は単なるイオンとオリジンとの企業合併の問題とはいえず、ここ数年で表面化した小売業界再編の流れの象徴的な動きといえ、今後、小売業界全体に影響を与え、さらに再編が加速する可能性が高まったといえよう。それを裏付けるかのように、昨年から今年にかけて小売業界では様々な企業合併があった。

  3/14にはホームセンターのカーマから共同仕入会社DCM JAPANの役員移動のお知らせがあった。それによると、9/1に予定されている共同持株会社DCM JAPANホールディングスの設立準備に専念するため、ホーマックの前田会長が代表取締役を退任し、取締役となり、カーマの久田社長が代表取締役に就任し、新たにホーマックの柴田社長が取締役に就任するということである。DCM JAPANホルディングスは今後のホームセンター業界の再編を象徴する動きであり、当然、カーマ、ダイキ、ホーマックの3社の合併で終るとは思えず、今後、新たな再編も充分に考えられる。また、他のホームセンター業界の企業再編も起こりえるといえよう。

  3/9にはドラック業界のジップ・ホールディングスが11/1を目標として、ライフォートと共同持株会社を設立する発表した。今回のスキームはジップ・ホールディングス自体が持株会社であり、持株会社が他の企業を傘下にするのではなく、持株会社の上にさらに持株会社をつくり、そこに持株会社と他の会社を吸収するというものである。現時点では社名、資本金は決まっていないが、新会社の経営陣と各社の株式移転比率のみは決まったという、まさに、現在進行形の動きである。

  食品スーパーマーケット業界でも同様な動きとしては、4/1に誕生する原信ナルスホールディングスの経営統合がある。1/26には、新会社の代表取締役、役員が内定し、原信とナルスの経営統合は秒読み段階に入ったといえる。また、昨年の6/6にはヨークベニマルがカドヤを株式交換により吸収合併しており、ちょうど1年前の3/9には、バローがユースの株式を取得し、子会社化した。これ以外にも、北海道の食品スーパーマーケットの持株会社のアークス、成城石井の株式を取得したレックスホールディングス等、食品スーパーマーケット業界も企業合併が加速している。

  GMS、コンビニ、外食業界でも7&Iホールディングスが誕生し、百貨店のミレニアムとの経営統合をはかり、さらに、ホームセンター、食品スーパーマーケットの経営統合も視野に入れており、全業種を一体化した総合小売業に発展する可能性が高い。

  これら一連の流れは、小売業における同業種だけでなく異業種をも巻き込んだ企業再編であり、今後、同業、異業種を問わず、企業合併が加速することが予測されよう。当然、食品スーパーマーケット業界も例外ではなく、恐らく、今後数年間で、小売業界全体の勢力図が激変する可能性が極めて高くなったといえよう。

March 15, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 14, 2006

食品スーパーマーケット、最新の株価状況(20060313)!!

  3/9、約5年間つづいていた日銀の量的緩和がついに解除され、日本経済は新たな段階に入った。それにともない、このところ低調気味だった株価が動きはじめた。食品スーパーマーケット上場企業約50社も株価が変化しはじめた。3/13現在の最新株価をもとに現在の食品スーパーマーケットの株価状況をみてみたい。

  3/13の株価は、日経平均245.88円高の16361.51円で引けた。東証全体の株価も上場基調になってきたようである。この日、食品スーパーマーケットの株価上昇率No.1はサンエーであった。240円高(5.49%)の4610円でひけた。サンエーは1/16、昨年来高値の5700円をつけて以来、2月以降下げに転じ、4500円近くまで下げ続けた。その後、一時盛り返したが、3月に入り、また下げに転じていた。そして、3/13、いっきに値を上げ、4610円となった。

  ついで、No.2の株価上昇率は、東武ストアであり、13円高(4.10%)の330円で引けた。東武ストアはここ数年業績が低迷していたが、2006年2月期は増収増益の予想であり、現在のPERは17.90倍、株価は300円台と上場食品スーパーマーケットの中では低めであり、上昇の期待が込められた株価上昇率といえる。

  No.3はバローであり、150円高(3.16%)の4890円で引けた。バローの昨年来高値は2/7の5100円であるが、3/13の株価は4890円であるので、食品スーパーマーケットの中でも急激な株価の回復が見られる。特に、2/20以降は一本調子で株価が上昇を続けており、投資家からの人気を集めている。

  ベスト4以下ベスト10は、No.4がヤマナカの35円高(2.88%)1250円である。ヤマナカは昨年来高値1340円を1/25につけて以来、株価は下がり2月以降1230円前後で低迷していたが3/13、1250円まで上昇した。No.5は大黒天物産の80円高(2.80%)の2930円である。大黒天物産は食品スーパーマーケットの中では成長性、収益性が抜群であり、現在の2930円はけっして高いとはいえない株価であり、今後も期待できよう。

  そして、No.6はジョイスの30円高(2.65%)の1160円、No.7がアークスの40円高(2.45%)の1667円、No.8はドミーの13円高(2.25%)の589円、No.9は東急ストアの13円高(2.12%)の626円、No.10はマツヤの12円高(2.04%)の600円である。

  また、逆に、食品スーパーマーケットの中で3/13の株価が大きく落ちた企業は、ワースト1がマルミヤストアの-15円(-2.15%)の680円である。マルミヤストアは2/15に昨年来高値の755円をつけて以来下げに転じ、3/9以降の日銀の量的緩和以降も株価にあまり変化がなく、700円前後で推移している。今期業績も増収増益であり、創業以来はじめて年商300億円を越える見込みであり、ここ数年も増収増益であるが、株価はいまひとつ伸びない状況である。

  ワースト2は九九プラスであり、-5000円(-1.85%)の264000円である。九九プラスは今年はじめは450000円前後で推移していたが、その後株価が下がり始め、1月中旬には一旦400000円前後で落ち着いていたが、イオン、ユニー等のまちづくり3法を睨んだ新業態開発の発表がなされるとさらに株価が下がりはじめ、2月の中旬には300000円付近まで下落した。現在、250000円強でもみ合っている状況である。

  そしてワースト3はオオクワ-22円(-1.33%)の1627円であるが、オオクワは3月に入り、株価はほぼ一本調子で上昇しており、3/13は-22円の下げであったが、一時的なものといえよう。

  以上が食品スーパーマーケットの3/13の株価上昇率ベスト10およびワースト3であるが、バロー、大黒天物産のように今期の業績予想が良い企業に加え、東武ストア、ドミー、東急ストアのように株価が比較的低い値頃な株に買いが集中している傾向がある。また、ワーストについては九九プラスのように明確な要因がある場合もあるが、3/13の下げは一時的な下げのケースが多いといえ、総じて食品スーパーマーケットの株価は上昇基調に入ったといってよさそうである。

March 14, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (2) | TrackBack (0)

March 13, 2006

BSEの牛肉消費への影響について

  BSEは食品スーパーマーケットにおいて食の安全性が根本から問われた問題であったといえる。2001年11月19日、北海道のと畜場に搬入された一頭の牛がBSEとの確定診断となったことがその発端であった。

  この年、2001年1月度の家計調査月報の牛肉消費量は1日当り67円であったが、翌年2002年1月度の家計調査月報では何と45円(67.1%)まで落ち込んだことが、その衝撃を表している。この時は畜産品全体にも大きな影響があり、2001年1月度は畜産品全体の家計調査月報は202円であった数字が、2002年1月度は183円(90.5%)となった。その後、牛肉の消費も回復に向い、翌2003年1月度は58円まで上昇したが、それでも、BSE以前の数字と比べると15%弱ほど低い数字である。

  さらに、2003年12月には追い討ちをかけるように、アメリカでBSEが発生し、12/26以降、アメリカ産牛肉が停止されるという事態になった。これを受け2004年1月度の家計調査月報は52円となり、前年の89.6%、BSE以前の2001年1月度の77.6%となった。そして、この時から、直近の2006年1月度まで、牛肉の消費は家計調査月報で見る限り、回復の兆しが見えない状況である。ただし、畜産全体の数字はBSE以前と比べてもさほど大きな影響はなく、特に豚の消費金額が伸びるなど、牛肉の落ち込みを牛肉以外の肉でカバーしてきたのが実情である。

  では、牛肉の消費の地域別の状況はどうであろうか。家計調査月報のBSE以前の2000年1月度と直近の2006年1月度のデータで比較してみる。BSE以後牛肉を日本で一番食べなくなった地域は秋田であり、何と34.7%となってしまった。もともと秋田は牛肉消費額は全国で40番目という、あまり牛肉を食べない地域であったが、それでも34.7%は大きな影響といえよう。ついで、札幌の55.9%であり、札幌も全国で牛肉消費額は45番目であり、牛肉はあまり食べない地域である。そして、3番目が全国でも牛肉消費額が3番目の大阪であり、何と56.1%となった。全国1位の牛肉消費額の和歌山も65.2%と大きな落ち込みであり、牛肉の消費額の大小にかかわらず、BSEは大きな影響であったことがわかる。

  逆にBSE以降牛肉の消費額が伸びた地域もあり、宮崎(109.7%)、山形(114.7%)、川崎(132.0%)、福島(134.2%)、岐阜(135.2%)と大きく消費額を伸ばしている。ただし、いずれも、全国順位は30番から40番の地域であり、もともと牛肉の消費額は大きな地区ではなかったという特徴がある。

  また、参考として、牛丼専門店の吉野家でのBSEの影響をみてみると、日本ではじめてBSEが発生した2001年11月以降である2002年度の数字を見ると、3月度から7月まで昨年対比の客単価が80%前後まで落ち込んだ。吉野家はこの時、客数は約120%へ販促などにより伸ばしたので、売上への影響は軽微であった。その後は、客単価も回復し、売上は昨対並で推移した。しかし、2003年暮れのアメリカ産牛肉の輸入停止は大きな影響があり、2004年度の売上は昨対75%まで落ち込むという厳しい状況となった。客単価は商品開発が進み、昨年並みで推移したが、客離れがおき、客数が昨対75%近くまで落ち込んでしまった。その後、商品開発をさらに積極化させ、2005年度は客単価を110%以上にし、とうとう客数の落ち込みをカバーし、売上は昨対ベースでは、ほぼ100%にまで回復しつつあるといえるが、BSE以前の水準へはまだまだ厳しい状況である。

  このようにBSEの食品スーパーマーケット、外食産業へ与えた影響は特に牛肉では大きかったといえよう。しかし、食品スーパーマーケットでは豚肉、鶏肉等で牛肉の落ち込みをカバーし、外食産業では商品開発により、メニューの多様化をはかり、客数は落としても、客単価を大きく改善し、全体としての売上は上向きの状況にもどしつつあるといえる。

March 13, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

March 12, 2006

日本版フューチャーストア実証実験が終了!!

  経済産業省が主体となり、昨年の6月にスタートしたフューチャーストア推進フォーラムのICタグを活用した日本版フューチャーストアプロジェクトの実証実験が3/12、一区切りがついた。このプロジェクトは、①効果的な来店喚起、②効果的な購買喚起、③的確な品揃えと商品情報提供、④在庫可視化と物流管理の高度化、⑤精算処理スピード化、⑥CSR(社会的企業責任)の6つの基本方針のもとで、ICタグ活用によるよるフューチャーストアのサービスのあり方を探ることが目的であった。

  検討課題としては、スマートカート、スマートシェルフ、アパレル試着時情報提供、エクスプレスレジの4つの課題を実際の店舗において、ICタグを用いての実証実験することであった。今回は5つの小売業で昨年11月から今年の3月まで行われた。特に食品スーパーマーケットと関係の深いものは、昨年11/14から今年の1/10まで行われたクィーンズ伊勢丹品川店のワイン売場での実証実験、今年2/6から3/12までジャスコ八千代緑が丘店での実証実験、今年1/30から2/24までファミリーマート伊藤忠商事店での実証実験であろう。これ以外にも、三越銀座店、丸井新宿店でも実証実験が行われ、全部で5つの実証実験が行われた。この内容については、3/7~3/10まで、東京ビックサイトで開催されたRETAILTECH JAPAN 2006でもかなりのスペースを割いて紹介されていた。

  さて、まず、クィーンズ伊勢丹品川店のワイン売場での実証実験の内容であるが、ワインの陳列棚にICタグを検地する微小なアンテナを立て、顧客がワインを棚から取り出した瞬間にそのワインの商品情報を棚のディスプレイに表示するという、スマートシェルフの実証実験である。また、店頭のキオスク端末にワインをかざせば、その生産情報や薀蓄が見れるという。さらに、ワイン1本1品にICタグをつけ、店内在庫とバックヤード在庫を瞬時に把握し、店舗の補充業務と発注業務の効率化をはかる実証実験も行った。

  次にジャスコ八千代緑が丘店では、ICタグによる微小なPOPを商品陳列棚につけ、その情報読み取り用のディスプレイを付けた買い物カート(スマートカート)を導入し、顧客がそのカートで買い物をする時にICタグの微小なPOPの前を通ると、買い物カートのディスプレイに販促情報(お買い得情報、タイムサービス情報等)が次々と写し出されるというものである。実際、このスマートカートは人気があったようで、使いたくても使えない人が続出したということである。

  そして、ファミリーマート伊藤忠商事店では弁当、おむすび、パン、ペットボトル飲料当の全商品にICタグを貼り付け、レジの横の精算台にICタグリーダーを埋め込み、その上に商品を載せた瞬間に売上を計算し、ICカード(スイカ)で決済も瞬時に行うというエクスプレスレジの実証実験を行ったという。RETAILTECH JAPAN 2006の会場のブースで実際に商品に貼られたICタグを見たが半径1cmぐらいのシールのようなものであり、この中に商品情報が書かれており、その書き換えも簡単にできるものであった。ただ、実証実験とはいえ、約20日間、ほぼすべての商品にICタグを貼ったとのことで、ざっと計算してもコンビンの客数は約1000人、PI値は約500%であるので、1000人×500%×20日=10万個となり、延べ、10万個の商品にICタグを貼るのは大変だったと思う。実際、倉庫で人がICタグを貼ったというので、この実証実験が恐らく一番人件費がかかったものと思う。

  このように、フューチャーストアを目指したICタグの実証実験がつい最近まで行われたが、今後、この成果が実際の店舗で活用されるまでにはもうしばらくかかりそうである。技術的な問題はともかくとして、ICタグの費用が普及を前提にしても1個5円から10円はかかるとのことで、食品スーパーマーケットの平均単価100円、200円の商品では費用が大きすぎる点である。また、通常の食品スーパーマーケットの客数は約2000人、PI値は約1000%であるので、1日当り2万個の商品が売れるが、その1品1品へICタグを付けるにはメーカーの協力、生鮮食品等のバックヤードの仕組みの改善等が必要となり、一丁一石には進まないものと思う。したがって、ジャスコの実証実験のスマートシェルフ、スマートカート等を用いた販売促進、また、商品1品1品ではなく、工場出荷段階のある程度まとまった商品の物流、在庫管理等からICタグは普及してくることになるものと思う。

  フューチャーストア推進フォーラムはこの実証実験で今年度の活動は終えるが、4月以降の今期の活動はこの実証実験を踏まえ、現在、課題抽出が行われている最中であり、今後の活動に注目したい。

March 12, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 11, 2006

RETAILTECH JAPAN2006でセルフレジを見る!

  3/7~3/10まで、東京ビックサイトでRETAILTECH JAPAN 2006が開催された。RETAILTECH JAPAN 2006は、小売業界向けの最新テクノロジーを活用した最前線のシステムが集結する場であり、すでに実用段階に入った技術、今後、実用化に向けて動き出す技術が一斉に紹介されるイベントである。3/10の最終日に時間がとれたので、様々な出店ブースを視察することができた。さすがに最終日だけあって、本当に人が多かった。その中でも特に、セルフレジについては興味深く視察した。

  セルフレジについてはイオン、西友、オオクワなどが既に導入をはかり、食品スーパーマーケット業界でも数年以内には多くの企業が取り入れる可能性の高い仕組みであると思った。今回、TEC、富士通、NCRなどが出店しており、各社各様の細かい工夫がなされ、実用の段階に入っていることが実感できた。どのセルフレジも基本的にはレジの一方に買い物カゴを置き、自ら購入商品をスキャンし、反対側の買い物袋に入れてゆき、商品のスキャンが終了後、現金、カード等で自ら精算するという流れである。

  数年前に寺岡のセルフレジをみたことがある。その時は、レジの左右がはかりになっており、買い物カゴを乗せた瞬間に購入商品合計の重さをレジが検地し、購入商品をスキャン後、反対側のカゴに商品を入れた瞬間にレジが商品1品1品の重さを検地し、すべての商品がスキャンされ、反対側のカゴに入った後に合計の重さが、購入前と変わらなければ、精算が行われるという仕組みであった。したがって、最大のポイントはスキャン前後の購入商品の重さをレジが自動検出し、万引き防止を図るという仕組みである。

  今回の各社のセルフレジの秤は商品のスキャン後のみであり、スキャン前には秤はなく、購入後のみのチェック用に活用されていた。したがって、買い物カゴでも、買い物カートでも対応できるようになっており、しかも、コンパクトにしあがっていたのが特徴である。どのくらいコンパクトかというと、小さいものでは1㎡で1台のセルフレジが設置できるというスペースであり、従来の有人レジのほぼ半分である。もちろん、セルフレジといっても精算業務が伴うため、何が起こるかわからないので、必ず、サポート用に人は必要であり、概ね、セルフレジ4台に1人ぐらいが目安のようだ。

  ひとつおもしろいと思ったことはセルフレジの導入後、顧客の使用状況を見ると、セルフレジを使う方はどんなにセルフレジが込んでいてもセルフレジで精算されるということである。いろいろ調べてみると、セルフレジを使う顧客の目的は、店員や他の顧客に買い物の中身を見られたくないという心理が強く働くということだという。

  妙に納得した。確かに、食品スーパーマーケットが約50年前に世の中に誕生し、瞬く間に日本全国に広がった最大の理由はセルフ販売であった。それまでの対面販売という心理的な圧迫のある買い物から開放され、自ら商品を手に取り、欲しい商品を比較購買しながら、自分の意志で選び、自ら納得して、精算するという自由な買い物の世界を現実化したことがセルフ販売の最大の特徴であったといえる。ところが、このセルフ販売も、今日まで、唯一、セルフ化できなかった点が精算業務であり、そこは対面販売のような圧迫感はないものの、店員に見られ、後ろの客に見られるという心理的な嫌悪感が残っていたといえる。本来、この問題は50年前に解決しておくべき問題であり、セルフ販売といいながら、精算の一点だけは対面販売が残ってしまったといえる。このことから考えると、レジはセルフ販売の唯一の接客の場であり、心を込めた接客をすべきという考えは、実は顧客から見たら大きなお世話であり、できれば無くして欲しいものであったということを、少なくともセルフレジに並ぶ顧客はこの50年間強く思っていたということであろう。

  その意味で、50年たって、やっとセルフレジの出現によってセルフ販売が完成し、売り手中心の買い物から、買い手中心の買い物へという、買い物革命が完結するといってもよいのではないかと、今回、深く考えさせられた1日であった。

March 11, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

March 10, 2006

ダイエー、厳しい経営再建!!

  3/7、ダイエーが平成18年2月期の業績予想を修正した。これは平成17年10月にダイエーが中間決算報告で公表した平成18年2月期の通期業績予想の修正であり、経常利益に関しての大幅修正である。

  それによると、当初予想は経常利益が20億円の黒字であったが、これを30億円の赤字と、-50億円の修正となった。その理由をダイエーは「店舗撤退等のリストラクチャリングについてはほぼ計画どおりに推移いたしましたものの、9月、10月の売上不振や、店舗改装時期の遅れによる今期の改装効果の減少、12月以降の競争激化に対応した広告費のコスト増による・・」としており、売上不振に加え、広告費等の経費増が原因としている。

  ダイエーの株価は昨年10月の中間報告以来値下げに転じたが、その後、昨年末、ダイエー支援企業の丸紅とアドバンテッジパートナーズが産業再生機構から株式取得の方針との報道が流れるやいなや株価が上げに転じ、その後、一時、9月から11月の売上が前年比5%減となったことを受け、また下げに転じた。ところが、2月に入り、JPモルガンが目標株価に関して6500円としたことを受け、一転株価は急騰4500円まで急激に上昇した。しかし、すぐに、メリルリンチが投資判断を「中立」から「売り」へと引き下げたことにより、株価はストップ安となり、株価は3000円付近までいっきに下げた。そして、3月に入っても、3000円近辺でもみあっている。このように、株価を見ても、ダイエーは厳しい状況が続いており、平成20年までの再生3ケ年計画の達成が危ぶまれる状況となった。

  そもそも、現在のダイエーは、平成17年5月9日に経済産業省から認定された認定事業再構築計画に沿って経営再建がなされている。この計画によれば、ダイエーが窮地に陥った原因を4つにまとめている。1つ目は、自社保有方式での大量出店である。平成2年度のインフレ時までは土地、建物を自社保有し、その含み益をもとに銀行から借入れを起こし、大量出店ができたが、その後、地価の下落により、多額の含み損を出し、経営が窮地に陥ったという。2つ目は、全国展開の失敗である。平成6年3月の忠実屋、ユニード、ダイナハとの合併により、一挙に店舗網が全国に拡大し、規模は大きくなったが、収益性が極めて低いという構造になりながらも全国展開を優先したことにより、厳しい経営状況になったという。3つ目は、事業多角化によるグループ拡大路線である。昭和62年にリッカー、オリエンタルホテルの経営の引き受けから事業が多角化し、その後も相乗効果が薄い事業分野へのM&Aを行うなど、有利子負債の増加を招いたという。そして、4つ目が、低価格路線へ過度に依存した商品・店舗戦略である。ハイパーマート、Kou’sなど新規ディスカウントストアのへの積極展開、その後の全面撤退が象徴するように過度の低価格戦略への過信が消費者の変化への対応を鈍らせたのに加え、商品面でも低価格一辺倒で競った商品戦略にも見られ、消費者の要望とかけ離れたということである。

  そして、これら上記4つの原因からの脱却を行い、中核事業であるGMSとSMに経営資源の集中をはかるための事業計画を策定し、新経営陣のもとで実施することが前提で経済産業省から認可され、現在に至っている。そして、その事業計画のポイントは、既存GMS業態の改装、SMの新規出店、情報システムの構築の3点である。これら3点を具現化し、早期に経営再建をはかることがポイントである。

  しかし、今回、その1年目から、経常利益が黒字予想から一転赤字になり、売上も厳しい状況であることから、当初の3ケ年計画の達成は難しくなり、ダイエーの今後は非常に厳しい状況になったといえよう。

March 10, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 09, 2006

個人消費、緩やかに増加!月例経済報告2月度!

  内閣府から、2月度の経済月例報告が公表された。月例経済報告は原則として2ケ月前のデータ、2月度は12月までの経済指標をもとに、日本経済の基調判断を総括している。速報値としては1月度も参考にしているが、大部分のデータは12月度の確定データである。月例経済報告は、日本経済をマクロに判断するために、日本経済を4つの視点から見て、判断するのがポイントである。その4つとは、企業収益と設備投資、個人消費、雇用情勢、輸出と生産である。食品スーパーマーケット業界にとっては、個人消費と雇用情勢が特に重要な経済指標となろう。

  さて、2月度の月例経済報告の結論であるが、日本経済の基調判断は「景気は回復している」という結論である。昨年10月から1月度まで「景気は緩やかに回復している」という表現が使われており、「緩やかに」という表現であったが、2月度はこの「緩やかに」という表現が省かれ、ストレートに「景気は回復している」という表現になった。経済月例報告ではこの微妙な言い回しに重い意味があり、その背景には各種統計数字での裏づけがなされている。したがって、2月度の月例経済報告は明らかに景気判断を回復の方向に強く踏み込んだといえる。政府は日本経済の景気に関し、強気の判断をしたといえる。

  では「景気が回復している」という判断にいたった基本の4つの視点を、特に、食品スーパーマーケット業界と関係の深い、個人消費、雇用情勢を重点に見てみたい。

  まず、個人消費であるが、政府の判断は「個人消費は緩やかに増加」と総括している。全体と違い「緩やか」という表現が使われているので、確実な増加基調ではなく、増加に向かってはいるが、まだ本格的な動きではないという、やや弱めな判断である。この表現は昨年の8月から「緩やかに」という表現が変わらずに続いている。ちなみに、昨年7月は「個人消費は、持ち直している」という表現であったので、8月以降個人消費も一歩踏み込んだ表現になったといえる。この表現が数字的にはどのくらいの差であるかであるが、内閣府が個人消費を判断している経済指標は家計調査と販売側の統計である小売業販売額(百貨店、スーパー、コンビニ)、新車新規登録・届出台数、旅行業者取扱金額である。これらを総合して、消費総合指数を導き出し、個人消費の判断をしている。この実質の消費総合指数を見ると、7月までは約2%の増加であったが、8月以降4%の増加に跳ね上がり、安定して推移しているのが特徴であり、この指標が判断根拠となって「持ち直している」から「緩やかに増加」となった。

  次に雇用情勢であるが、政府の判断は「雇用情勢は厳しさが残るものの、改善に広がりがみられる」と総括している。この微妙な表現は昨年5月から継続して使われており、4月度は「雇用情勢は、厳しさが残るものの、改善している」と断定しており、やや、曖昧な表現となっている。内閣府が雇用情勢の判断の根拠としている経済指標は完全失業率(完全失業者数、雇用者数)、新規求人数、所定外労働時間、現金給与総額、定期給与などである。5月以降の完全失業率は約4.5%と高水準で推移しているが、雇用者数は増加傾向にあり、定期給与も緩やかな増加傾向にあることから、このような表現になったものと思われる。

  そして、3つ目が企業収益と設備投資、4つ目が輸出と生産である。企業収益と設備投資については、政府は、「企業収益は改善し、設備投資は増加している」とストレートな表現となっており、9月以降、同じ表現である。8月は設備投資が「緩やかに増加」となっており、9月以降、「緩やかに」から一歩踏み込み、企業収益だけでなく、設備投資も増加という表現になった。一方、輸出と生産については、政府は、「輸出、生産は緩やかに増加している」という表現であり、「緩やかに」という微妙な表現が使われ、まだ、本格的な増加ではないという判断である。ただし、11月は「輸出は持ち直し、生産は横ばいとなっている」であり、12月、1月は「輸出、生産は持ち直している」という表現であるので、「緩やかに増加」は増加傾向がはっきりしてきたということであり、プラスの評価といえよう。

  このように、2月度は日本経済全体としては「景気は回復している」という結論ではあるが、消費には「緩やかに」という表現となっている点や、雇用についても「厳しさが残る」という表現であり、食品スーパーマーケット業界にとってはまだ、景気の回復とはいえず、依然、やや厳しい情勢が続いているといえよう。

March 9, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 08, 2006

3月に入り、食品スーパーマーケットの新店続々!!

  1、2月度は低調に終った食品スーパーマーケットの新店であったが、春の訪れと同時に、3月に入り、続々と新店の出店がはじまった。前回のブログでは、2月中旬までの食品スーパーマーケットの新店について紹介したので、今回は2月後半から3月の上旬についての新店を紹介したい。

  まず、スーパーセンターの新店であるが、2/21にPLANT5 大玉店が福島県安達郡大玉村にオープンした。PLANT 17店舗目であり、東北初出店となる。PLANT5 大玉店は国道4号線沿いに出店した。同じ国道4号線に出店しいている郡山のイオンフェスタ、ベイシアスーパーセンター安達店の中間であり、さらにその周辺にはヨークベニマルが数店ドミナント展開をしており、超激戦地区への出店である。翌2/22にはベイシアがベイシアフードセンター嵐山店を埼玉県比企郡嵐山町にオープンさせた。約1万坪の敷地にカインズスーパーホームセンターと併設のスーパーセンターである。売場面積は約3,000坪である。そして、3/4にはイズミヤが兵庫県神戸市にスーパーセンター神戸ポートアイランド店をオープンさせた。イズミヤのスーパーセンターは八尾店(大阪府)、八幡店(京都府)、堅田店(滋賀県)に続く4店舗目であり、スーパーセンターが軌道に乗ってきたといえよう。スーパーセンターの店舗面積は約3000坪であり、年商は約60億円の目標という。

  そして、スーパーセンターに対抗するかのように、食品スーパーマーケット、特にNSC(近隣型ショッピングセンター)の出店もはじまった。3/3にはヤオコーが東京初出店となるヤオコーフレスポ若葉台店を東京都稲城市にオープンさせた。3層タイプのNSCであり、ショッピングセンターの核店舗としての出店である。売場面積約600坪で年商18億円の目標という。ヤオコー85店舗目の店舗となる。3/10にはヨークベニマルのNSC、ヨークベニマル利府野中(りふのなか)店がオープンの予定である。店舗面積約1100坪、年商23億円の予定という。敷地面積は約5000坪であり、サンドラック、歯科医院、美容室、コインランドリー等が併設されるNSCである。ヨークベニマルはこの店舗でちょうど120店舗目となる。3/4にサミットストア葛飾区役所前店が東京都葛飾区にオープンした。サミットストアとコジマ(家電)との共同出店であり、都市型NSCである。サミットストアとしては東京都56店舗目、全店では79店舗目となる。店舗面積も約750坪と食品スーパーマーケットとしては大型店であり、年商も25億円を目指すという。

  食品スーパーマーケットでは、2/21、オオゼキが東京都世田谷区にオオゼキ八幡山店をオープンさせた。京王線八幡山駅前立地である。昨年11月にオープンした下北沢店以来3ケ月ぶりの新店である。また、3/8には、サミットが東京都世田谷区にサミットストア芦花公園駅前店をオープンさせる。サミット80店舗目の店舗となる。この店舗は旧芦花公園店のスクラップ&ビルド店舗であり、売場面積は約600坪、年商29億円の目標である。

  また、SHOP99も2月後半から3月にかけても新店のペースは相変わらず止まらず、2/22、千葉に新松戸3丁目店、2/23、大阪に東住吉矢田店、2/23、埼玉に入曽店、2/24、大阪に羽曳野城山店、2/25、兵庫に西宮里中町店、2/25、神奈川に戸塚上矢部店、2/28、東京に大塚6丁目店、そして、3月に入り、3/1、神奈川に小田急相模原店、3/1、京都に太秦桂ヶ原町店と、計9店舗の新規出店を首都圏、関西圏に出店した。

  このように、3月に入り、スーパーセンター、NSC、食品スーパーマーケットと出店ペースが増え、各社が新店の出店を強化し始めたといえる。3月中旬から4月、5月にかけてさらに食品スーパーマーケットの新規出店が続くものと思う。

March 8, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (1)

March 07, 2006

客単価、3Dの時代へ!!

  私は、これまで客単価を2次元で分析し、様々な角度から客単価アップへのアプローチを試みてきた。はじめて、この手法を体系化したのは、今から約14年前の1992年10月のことである。いまでも、客単価2次元分析を体系化したその瞬間を覚えている。大阪から東京へ向かう新幹線の中での出来事だった。

  さて、客単価の2次元とは、客単価を客単価=PI値×平均単価で表し、横軸をPI値、縦軸を平均単価、掛けた面積を客単価で表現し、客単価アップのためにはPI値をアップさせるか、平均単価をアップさせるか、双方をアップさせるかの3パターンがあり、客単価アップのための戦略、戦術を構築し、仮説検証を繰り返しながら、客単価のアップをはかってゆくというアプローチである。また、客単価がダウンした要因を分析するにも、PI値がダウン、平均単価がダウン、双方がダウンの3パターンがあり、この3つの角度から課題を抽出し、客単価アップの仮説づくりにつなげるというアプローチである。すなわち、客単価とは理論的には6段階での評価となる。しかも、客単価は売上÷客数、PI値は買上点数÷客数なので、単品から小分類、大分類、店舗全体の分析まで可能であり、客数で割っているため、店舗の大小(客数の大小)にかかわらず、1店舗でも100店舗でも、1000店舗でも分析がたったひとつの指標で可能であり、チェーンストアの全社統一の評価指標としては最適な指標となる。特に、小売業にとっては、PI値は客数という指標で割るため、顧客の視点がダイレクトに反映され、顧客指向を目指すという経営理念にも合致し、まさにPI値は経営の羅針盤ともなる最重要指標といえる。

  このように、客単価を2次元で分析し、客単価アップへのアプローチ手法の開発、実践に10数年間取組んできたが、今年は客単価の理論をもう一歩すすめ、客単価を2次元から3次元、すなわち、3Dで分析し、さらに精度の高い客単価アップへのアプローチ手法の開発、実践に取組んで行こうと思う。客単価の3D分析の理論事態は、約10年前の1998年にはほぼ完成していたが、3D分析をするためには大前提としてレシート分析が必要となるため、なかなか実践に移すことができなかった。しかし、近年のITの進化により、POS分析も単純な売上分析から、レシート分析も可能な段階に入りつつあり、やっと客単価の3D分析が可能な環境が整いはじめた。

  では、客単価の3D分析とは何か。そのキーポイントは客数にある。これまで客単価というと、客数を全体客数で割って算出し、同様にPI値も全体客数で割って算出してきた。3D分析は原則として全体客数は使わず、客数を様々な角度から細分化し、その細分化した客数を使い、客単価、PI値を算出する。したがって、PI値はPPI(Personal PI値)として表し、数式は買上点数÷細分化客数となり、その細分化の極値が最後はIDになるので、PersonalをつけてPPIとしている。同様に、客単価も売上を細分化客数で割るため、客単価PPIとなる。また、客単価PPIは客単価同様、PPI×平均単価で算出することもできる。そして、この細分化の過程でもうひとつの指標、客数PI値が生まれる。実はこれが3Dの3つめの軸となる重要指標であり、数式的には客数PI値=細分化客数÷全体客数で指標化される。これによって、これまでの客単価は、客単価=PPI×平均単価×客数PI値=客単価PPI×客数PI値となり、客単価の3D分析が可能となる。

  客単価の3D分析が可能となることにより、客単価アップをPPI(商品政策)、平均単価(価格政策)からだけでなく、客数PI値(店内集客政策)からのアプローチも可能になり、単品、商品分類ごとに顧客個々人の買上点数、平均単価をアップさせるPPI戦略、平均単価戦略に加え、入店客数をその商品に誘導し、購買を促す店内集客政策にもとづく客数PI値戦略を立案実施し、その検証結果を即座にみることが可能となる。また当然、客数PI値の分析により、より効率的な棚割り、レイアウトの構築にもつながってゆく。

  このように、客単価分析は2次元から3Dで分析すると、これまで以上の様々な角度からの客単価アップのアプローチが可能となり、より精度の高い仮説検証が可能となる。

  なお、3/7~3/10までRETALTECH JAPAN2006が東京ビックサイトで開催されているが、マイクロソフト㈱のブースに出展している㈱インテック コーナーでPI研監修による客単価の3D分析が公開されているので、お時間のある方は是非ご覧ください。

  今後、本ブログでも客単価3D分析についても折に触れ、取り上げてゆくつもりである。

March 7, 2006 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 06, 2006

売上で見る日本の食品スーパーマーケットの現状!

  日本の食品スーパーマーケットの上場企業は約50社であり、前回のブログではこの約50社の今期決算予想についてみたので、今回は今期および過去3年間の売上だけに絞って、その実態をみてみてみたい。今期上場食品スーパーマーケット約50社の平均売上予想は約1,200億円である。食品スーパーマーケット業界も1,000億円台に突入したといえる。

  では、トップクラスはどのくらいの年商予想かというと、おおよそ3,000億円で、全部で7社ある。トップクラス7社の中で、No.1はライフコーポレーションであり、3,923億円(101.4%)である。ライフコーポレーションは大阪と東京に出店しており、2004年、2003年の2年間はマイナス成長であったが、昨年から売上の回復が見られ、昨年は102.8%、そして、今期予想は101.4%であり、早ければ来年、遅くとも数年で4,000億円を越える可能性が高い。No.2がイズミの3,622億円(103.8%)であり、この数年間、103%~105%で堅実に売上を伸ばしてきた。特に、ここ最近は地元中国地方よりも九州地方での出店が寄与している。No.3は平和堂であり、今期売上予想は3,460億円(102.8%)である。NO.4はイズミヤであり、3,300億円(101.0%)であり、ここ数年間、ほぼこの数字が続いている。No.5はフジであり、3,180億円(106.1%)で、フジは創業以来はじめて今期3,000億円を越える年商となる。No.6はマルエツであり、3,080億円(95.5%)である。マルエツは2004年の年商が3,320億円であり、この数年マイナス成長が続き、このまま推移すると来年は3,000億円を下回ってしまいかねない。そして、No.7はヨークベニマルであり、3,015億円(104.7%)であり、ヨークベニマルもフジと同様、創業以来はじめて3,000億円の年商を今期越える予想である。ヨークベニマルはここ数年105%弱の成長をつづけ、今期とうとう3,000億円の年商を越えることになる。

  このように、日本の上場食品スーパーマーケット約50社の中では今期売上予想が3,000億円を越える企業は7社であり、この7社が日本の食品スーパーマーケット業界全体の売上を牽引しているといえる。ただし、フジ、ヨークベニアルのように創業以来はじめて3,000億円を越える企業もあれば、マルエツのように、来期は3,000億円を割り込む可能性が高い企業もある。

  次に、今期年商予想が2,000億円を越える食品スーパーマーケットは3社であり、東急ストア(2,570億円、99.4%)、オークワ(2,300億円、103.5%)、イオン九州(2,000億円、107.3%)である。ただし、東急はこの数年マイナス成長であり、年々売上が減少している。オークワ、イオン九州は成長性が高く、特に、イオン九州は急成長をとげ、今期はじめて年商2,000億円を越える。

  そして、今期年商予想1,000億円以上の食品スーパーマーケットであるが、全部で12社ある。マックスバリュ西日本(1,820億円、105.4%)、いなげや(1,765億円、97.0%)、カスミ(1,750億円、100.2%)、バロー(1,726億円、108.3%)、ヤオコー(1,545億円、105.2%)、CFSコーポレーション(1,500億円、102.5%)、ユーストア(1,500億円、97.55%)、タイヨー(1,345億円、100.7%)、ポスフール(1,210億円、98.6%)、サンエー(1,180億円、103.2%)、ヤマナカ(1,130億円、100.8%)、OLYMPIC(1,040億円、93.4%)である。さらに、今期年商予想が500億円以上の企業は20社あり、ここまでの合計が42社である。したがって残りの約10社が今期年商予想が500億円以下となる。

  このように、日本の食品スーパーマーケットもトップクラスは年商4,000億円に近づきつつあり、上場食品スーパーマーケット約50社も平均では1,000億円を越えた。また、過去数年間の成長率を見ると103%弱で安定成長を続けている。食品スーパーマーケットもやっと小売業界の中で、百貨店、GMSと並び、売上ベースで見る限り、一大産業として位置づけられる規模に成長したといえよう。

March 6, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 05, 2006

今期、食品スーパーマーケットの決算予想!!

  日本の食品スーパーマーケットの決算月は2月、3月が多いのが特徴である。まれに1月、5月、9月、12月等の決算もあるが、ほとんどは2月、3月に集中している。上場食品スーパーマーケット約50社の中で1月決算は丸和の1社、5月決算は大黒天物産、マルミストアの2社、9月決算はPLANT、ダイイチ、マルキョウ、カウボーイの4社、そして12月決算はレックスホールディングスの1社である。残り、約40社強は2月、3月決算である。

  現在、3月に入ったので、ほぼ、今期の決算数字が固まりつつあるが、現時点で今期どのような決算予想となるかを少し早いがみてみたい。各社予想数字に関しては、営業利益は公表していない企業も多く、経常利益をベースにてみてゆきたい。

  まず、今期予想で経常利益が3%以上を確保できそうな企業をみるとオオゼキの7.9%、サンエーの6.7%、大黒天物産の5.6%、マックスバリュ東海の4.9%、イズミの4.6%、ヤオコーの4.1%、ヨークベニマルの4.1%、バローの3.6%、マックスバリュ西日本の3.6%丸久の3.6%、ベルクの3.4%、平和堂の3.4%、ヤマザワの3.4%、ハローズの3.3%、原信の3.2%、オークワの3.0%、タイヨーの3.0%と17社である。特にオオゼキ、サンエー、大黒天物産は経常利益率5%を優に越え、今期好決算が期待できそうである。

  この中でも、経常利益高の昨年対比が大きく伸びる予想の企業はマックスバリュ西日本の131.7%、大黒天物産の127.7%、オオクワの118.0%、マックスバリュ東海の115.2%、ハローズの114.2%、イズミの113.0%、オオゼキの111.2%、バローの110.4%、平和堂の110.0%が大幅な増益予想である。さらに、この中で売上の昨年対比が大きく伸びる予想の企業は大黒天物産の142.2%、マックスバリュ東海の115.4%、ハローズの114.9%の3社は110%以上売上げが伸びる大幅な増収予想である。

  現在、食品スーパーマーケットの中ではこの3社が成長性、収益性において秀でており、今期決算は特に期待できよう。また、この3社については、大黒天物産は過去3年間約130%、マックスバリュ東海はこの2年間約110%、ハローズは昨年の経常利益が伸び悩んだが、やはり過去3年間約120%の増収増益を続けており、食品スーパーマーケットの中では安定して成長を続け、しかも利益を確保している企業である。

  以上が好決算が予想される食品スーパーマーケット群であるが、逆に、今期、経常利益が3%以下で、しかも減益となる厳しい決算予想の企業はマルヨシセンターの0.5%(-29.90%)、北雄ラッキーの0.2%(-84.60%)、いなげやの0.9%(-30.80%)、ユーストアの1.5%(-18.70%)、マルヤ0.9%(-58.20%)、マルエツ0.5%(-31.30%)の6社であり、この6社は今期厳しい決算になりそうである。

  さらに、今期は減損会計が適用されるなど、純利益がマイナスとなる食品スーパーマーケットも多く、イオン九州の-11億円、マックスバリュ東北の-21.7億円、マルキョウの-24.2億円、マックスバリュ北海道の-17億円、東急ストアの-19億円、ユーストア-1億円、マルエツの-35億円、丸和の-30億円等が純利益ベースでは赤字決算が予想される。

  このように、上場食品スーパーマーケット約50社の今期2006年度の決算予想は約20社は好決算が予想されるが、約10社は厳しい決算となり、残り20社は昨年並み+αの決算となる予想である。

March 5, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 04, 2006

家計調査月報、やっと公表、2006年1月度

  遅れていた2006年1月度、今年はじめの家計調査月報の公表が3/3、やっと総務省統計局から公開された。通常では月末に前月分が公開されるが、今月はオリンピックイヤーの2月ということで28日ということもあり、遅れたものと思う。

  早速、食品関連を見てみると、1世帯当り1日平均(食品スーパーマーケットの客単価に相当)は1779円であり、これは、昨年の1815円と比べるとやや下がったといえる。さらに、5年前の2001年1月度の数字、1815円と比べてみると、88円のダウンであり、食料品については厳しい数字であった。衣食住サービスを含めた全体の数字は10447円であり、昨年の9783円、5年前の9934円と比べるといずれも大きく伸びており、食料品のみのダウン傾向が強かったという結果であった。

 全体の消費を5年前と比べ決定的に引きあげた項目を見てみると、移動電話通信料、すなわち、携帯電話の通話料が断トツであり、5年前は106円、昨年は226円、そして、今年は何と304円と5年前と比べ約3倍の200円の伸びである。月額に換算すると約10000円であり、いかに携帯電話の通話料の伸びと金額が大きかったかがわかる。

  では、食料品が5年前と比べダウンした項目を見てみると、大分類では魚介類の-56円、果物の-25円、米の-16円、酒類の-7円であった。逆に、伸びた項目は調理食品、すなわち、惣菜が26円の伸びであり、トップである。ついで、飲料が12円、パンが7円というところだ。また、BSEの影響か牛肉は-15円であるが、豚肉は9円、鶏肉は3円プラスとなったが、精肉全体では-3円とやや下がった。

  ダウンの一番大きかった魚介類の個々の項目ではまぐろの-5円、刺身盛合せの-4円、かきの-2円、揚げかまぼこ、ちくわ、かまぼこがいずれも-2円であった。果物については、みかんが大不振で、-12円、他の柑橘類が-5円、いちごが-3円等、旬の商品が軒並みダウン傾向であり、1月の果物は厳しい結果であったといえよう。また、米については、-16円と大きくダウンしている。酒類は、清酒が大きく落ち込み-9円、ビールが同様に大きく落ち込み-8円となった。

  逆に伸びた項目としては、何といっても惣菜であり、冷凍調理食品が+7円で最もよく伸びており、昨年まで11円~12円であった数値が、今年は18円と跳ね上がった。ついで、弁当の+6円、天プラ・フライの+4円が大きく伸びた項目であった。また、飲料については、緑茶は-5円と大きく落としたが、果物・野菜ジュース+4円、ミネラルウォーター+4円、乳飲料+3円、コーヒー・ココア+3円と伸びた項目が多かった。パンについては、食パンは-2円とダウンしたが、その他のパンが+10円と大きく貢献し、パン全体を大きく伸ばした。

  このように、食品は生鮮食品、特に魚介類と果物の落ち込みが大きく、伸びた項目である惣菜、飲料、パン等でカバーできなかったことが、5年前の食品全体の消費額と比べた場合、落とした原因であった。

  さて、今回、さらに、日別支出を1月度の日曜日、8日、15日、22日、29日の数値を月間平均、1日当りの数字と比較し、食料品の中で日曜日によく消費、すなわち、購入される項目をピックアップしてみた。食料品全体では平均して日曜日は月間平均の120%の消費額であり、日曜日は通常よりも2割多く消費されているといえる。

  具体的には、米が109.0%、127.0%、142.2%、160.0%と週末だけでなく、月末に近づくにしたがって急激に高くなっていくのが特徴である。カップ麺も同様な特徴があり、124.3%、145.9%、131.7% 、167.6%という推移である。鮮魚ではまぐろが146.2%、164.8%、158.0%、170.5%と日曜日は圧倒的に高い傾向がある。精肉については牛肉が129.0%、123.7%、121.4%、127.0%とまぐろほどではないが高い傾向がある。青果ではみかん119.6%、129.7%、127.7%、143.4%、いちご114.2%、116.1%、146.5%、142.7%とその他も含めて全体的には日曜日は高い傾向が強い。調味料ではなぜかソースが238.7%、143.6%、166.9%、179.8%と極めて強い傾向がある。酒では焼酎140.2%、170.4%、153.1%、125.3%、ビール123.6%、113.8%、150.6%、146.4%と全体的に日曜日は高い傾向がある。

  このように週末特有の項目が明確であり、今後、家計調査月報をもとに、日別のデータを見ることにより、消費の特徴をつかむことが可能であり、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジング、販売促進に十分活かせるデータであるといえる。

March 4, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 03, 2006

在庫PI値という指標について

  PI値は顧客一人当りの買上点数であり、PI値がついたものはすべて顧客一人当りの指標となる。PI値には様々な指標があるが、その中でもユニークなPI値のひとつが在庫PI値である。在庫PI値とは顧客一人当りの在庫高のことであり、数式にすると、在庫PI値=在庫高÷客数となる。実際に在庫PI値をとってみると、在庫PI値が高いと、当然過剰在庫になり、商品の鮮度劣化を起こし、逆に、在庫PI値が低いと欠品し、チャンスロスが発生する。したがって、在庫PI値を適正にたもつことが過剰在庫にもならず、欠品も起こさないポイントであり、実務上は、在庫PI値の適正値をどのくらいにするかが課題となる。

  そこで、まず、PI値との関係をみると、当然、在庫PI値が高い方がPI値が高い傾向にあり、在庫PI値が低い方がPI値が低くなりがちであり、PI値と在庫PI値はほぼ正の相関関係となる。これは客単価(金額PI値)との関係も同様であり、客単価=PI値×平均単価であるので、客単価を高めようとすると、PI値をあげることが第1優先となり、そのためには在庫PI値が高めになりがちとなる。したがって、PI値、客単価を上げるためには在庫PI値は高ければ高いほどよいということになる。もちろん、これが限度を越えると、当然、鮮度劣化を起こし、PI値が下がったり、値引きをせざるを得なくなり、平均単価が下がったりし、客単価をさげてしまうことにつながる。また、それ以上に、平均単価のダウンは粗利率に即はねかえり、経営そのものがたちゆかなかなくなってしまいかねない。したがって、在庫PI値はあるところまでは高い方が望ましいが、あるところを越えると急激に粗利率がダウンするために、その適正値をどこにもとめるかがポイントとなる。

  そこで、登場するのが、粗利PI値であり、交差比率である。一見、この2つの指標は在庫PI値と無関係のように見えるが、実は、切っても切れない関係にある。粗利PI値は顧客一人当りの粗利高のことであり、数式にすれば、粗利PI値=粗利高÷客数となる。PI値との関係は粗利PI値=PI値×粗利高であり、客単価との関係は粗利PI値=客単価×粗利率である。また、交差比率は、在庫当りの粗利高のことであり、もともとの算出式は、交差比率=商品回転率×粗利率で表すが、これは、=(売上÷在庫)×粗利率=(売上×粗利率)÷在庫=粗利高÷在庫のことである。したがって、在庫PI値と粗利PI値、交差比率との関係は、粗利PI値=交差比率×在庫PI値となる。なぜなら、=(粗利高÷在庫)×(在庫÷客数)=粗利高÷客数=粗利PI値であるからである。

  したがって、この関係、すなわち、粗利PI値=交差比率×在庫PI値という関係式が成立つために、在庫PI値が大きくなると、それに伴い、交差比率の分母である在庫高が大きくなり、交差比率が下がる傾向になる。反対に、在庫PI値が低くなると在庫が少なくなるため、交差比率の分母である在庫高が小さくなり、交差比率が高くなる傾向になる。グラフにすると、交差比率と在庫PI値はy=1/xの双曲線となり、反比例の関係となる。そして、この2つの指標を掛けた面積が粗利PI値であり、マーチャンダイジングの最終目的である粗利PI値アップのためには、交差比率と在庫PI値の適正バランスをとりながら、一方または双方を伸ばしてゆくことがポイントとなる。この微妙なバランスがポイントであり、商品ごとの適正値を実際のデータから見つけ出し、粗利PI値最高の在庫PI値を算出することが適正在庫管理につながってゆく。一見、在庫PI値を最大にすればよいように思えるが、そうなると交差比率が単純にさがるだけでなく、過剰在庫が値下げなどにより、粗利高にまで影響を及ぼす場合があり、交差比率をさらに下げてしまい、粗利PI値が予想以上にさがってしまう。したがって、在庫PI値は粗利高に影響をあたえない限界値までが限度となる。

  このように、在庫PI値は粗利PI値との関係でみてはじめて意味をなす指標であり、そのためには交差比率とのバランスがポイントである。以前、粗利PI値は交差比率に限りなく近い概念であると述べたことがあるが、正しくは、粗利PI値=交差比率×在庫PI値という関係であり、在庫PI値という概念を導入してはじめて、粗利PI値と交差比率との関係が明確になる。在庫PI値はその意味で、粗利管理にとってたいへん重要な指標といえよう。

March 3, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 02, 2006

生鮮食品のパック管理の現状!!

  3/1の日経新聞にセゾン情報システムの新商品として、「生鮮ナビ」の記事が掲載された。生鮮食品の管理については従来、これといった決め手がなかなか、なかったが、やっとこのような仕組みが世の中に出始めたといえよう。丁度、3/1~3/3に2006スーパーマーケット・トレードショー(第40回記念大会)があり、また、3/7~3/10にはRETAIL TECH JAPAN 2006が開催される。生鮮ナビもこれに合せての公表といえよう。特に、スーパーマーケット・トレードショーでは寺岡精工のブースで「生鮮ナビ」が発表されるという。寺岡精工は一昨年、すでに「生鮮ナビ」の原型ともいえる「生鮮T@webパックIDシステム」を開発しており、このようなシステムが今後、続々と開発されるものと思う。

  当時の寺岡精工が開発した「生鮮T@webパックIDシステム」は商品種別の「アイテム管理」から、商品ひとつひとつの「個品」管理へというキャッチコピーがつけられており、バックルームでパックしたひとつひとつの「個品(パックID)」ごとに管理する仕組みであった。これは実はかなり画期的なことであり、生鮮食品の商品管理は、たとえば、豚のローススライス大の場合、仮に10パックつくると、10パックとも豚のローススライス大というバーコードを張って売場に出しているのが現状だが、これがこの仕組みだと、10パックそれぞれに、個別に新たなバーコードを張り、その中に製造年月日とか賞味期限とかの様々な情報を入れ込み、1パック1パックの鮮度管理を徹底することができるようになる。まさにアイテム管理から個品管理という鮮度重視の新たな生鮮食品の管理の提案といえよう。

  では、何を管理するかだが、具体的には、いつ、どの原体から作られた商品か、製造年月日、値引きまたは廃棄処分日時、賞味期限などである。これらの情報が生鮮食品のパック商品1品1品にバーコードとは別のコードをつけ、そこに背番号のようにこれらの情報を埋め込み、POSをはじめ本部システムとも連動させてトータルに生鮮食品を管理する仕組みである。現状、ほとんどの食品スーパーマーケットでは生鮮商品は独自のバーコードで管理しており、情報としてはせいぜい、商品名、商品分類、容量ぐらいであり、それ以上の情報はほとんどない。今回の仕組みは、この通常の商品管理用のバーコードには手をつけず、新たなバーコードをつけて、特に鮮度管理に焦点をあてて、POSと連動させ、店舗全体で管理することはもちろん、さらに本部としても全店の鮮度管理ができるようにしたこことがポイントである。

  さらに、この寺岡精工の「生鮮T@webパックIDシステム」を進化させたともいえる「生鮮ナビ」については、これらの情報を携帯端末でもみることができ、しかも「Fr値」という新たな鮮度管理指数等を独自につくり、グラフ化して、鮮度や機会ロスを見えるようにしたことがポイントである。

  生鮮食品の最大の課題はロス対策といってもよく、それはイコール鮮度管理といってもよい。セゾン情報システムの3/1の「生鮮ナビ」のプレスリリースでは主要食品スーパーマーケットの売上は約17兆円であり、その内、32%が生鮮・惣菜の売上であり、その中の廃棄ロスは10%という数字を示している。単純に計算すると全体売上の3.2%となり、約5500億円のロス金額である。したがって、ここに、今回のようにITを導入することにより、これらの莫大なロスが削減できるか否かがポイントである。今回の仕組みは少なくと単純なバーコード管理よりもはるかに踏み込んだ仕組みであり、やっと生鮮食品の鮮度管理が経験と勘の世界から大きな一歩を踏み出せることになったといえよう。

March 2, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 01, 2006

東京中央卸売市場に見る年間出荷データからの重点商品の考察

  東京中央卸売市場の公開データには、日別、週別、月別の3つがある。本ブログで主に取り上げているデータは週別速報が主であるが、今回は月別の年間データを取り上げてみたい。年間データを見ることによって、商品ごとの旬と価格が明確になり、今後の重点商品の選定、価格政策に参考になるからである。

  まず、この時期の旬の商品の代表である果物、いちごのこの1年間の推移を見てみたい。昨年2月から今年の1月までのデータである。いちごは11月ごろから出荷がはじまり、4月まで出荷数量が右上がりに増え続け、4月をピークに急激に出荷数量を落とし、6月でほぼ終了する約8ケ月間の商品である。この間、平均単価の推移を見ると、11月が1400円/kgではじまり、12月が年間最高の1800円/kgとなり、その後1200円/kg前後で3月まで推移し、年間最高の出荷数量の4月は800円/kg弱と大きく価格が下がり、この価格が6月まで続く。このように、いちごは4月が出荷数量の点でも、価格の点でもターニングポイントとなり3月から4月にかけてのいちごのマーチャンダイジングが最大のポイントとなる。

  また、全体はこのような動きであるが、東京中央卸売市場での昨年1年間のいちごの銘柄の取り扱い状況を見ると金額ベースで最も多かったものは、全体の51.4%のとちおとめであった。数量ベースでも54%であり、とちおとめのシェアがいかに高いかがわかる。ついで、金額ベースで17.2%のあまおうである。あまおうは数量ベースでも14.4%であり、とちおとめにつぐNo.2の位置をこの数年で確保したといえよう。また、あまおうは平均単価では年間1357円/kgととちおとめの1076円/kgに比べ126.1%の高さであり、付加価値の高いいちごとしての地位を確実なものとしている。ついで、No.3が章姫であり、金額ベースで全体の4.4%であった、数量ベースでも4.7%であり、平均単価も1052円/kgでとちおとめとほぼ同じ平均単価であった。これ以外のいちごにについては5%以下であるが、とよのか、アイベリー、さがほのか、女峰と続く。

  では、野菜の代表格であるトマトについてはどうであろうか。トマトはいちごなどの果物と違い年間出荷されているのが特徴である。年間出荷はされているが年間の中では金額ベース、数量ベースでみるとやはり山谷が明確である。数量ベースで年間最大のピークは8月であり、年間最低が11月である。その年間最低の11月から、トマトは徐々に出荷を増やし、3月からは急激に出荷量が増え始める。昨年のデータを見る限り7月のみ、出荷が一時減少したが、8月に最大ピークをつけ、その後、出荷ベースは徐々にさがりはじめる。

  これら数量ベースとほぼ連動した動きが、平均単価の動きであり、年間最低の11月、12月は平均単価が年間平均の288円/kgに対し、466円/kg、433円/kgであり、前月10月の328円/kg、翌月1月の296円/kg比べても極端に高いのが特徴である。その後、2月以降は350円/kg前後で4月まで続き、5月のピーク月に入ると約250円/kgに落ち、6月、7月は200円/kg前後で8月の年間ピーク月まで続く。

  金額ベースで見てもこの価格帯とほぼ連動した動きが見られるが、ひとつ大きな違いは、昨年後半から4月までは上昇していゆくが、5月、6月、7月、8月の出荷ベースでのピーク月が金額ベースでは若干低めで推移し、金額ベースで見る限り、年間ピークは4月である。これは平均単価が数量ベースがアップすると下がりがちになり、金額に換算すると結果的に下がってしまうからである。

  このように、果物の代表格のいちごと野菜の代表格であるトマトの動きを年間で金額ベース、数量ベース、平均単価で追ってみたが、東京中央卸売市場ではこれ以外にも、水産、花きも可能であり、さらに産地別の出荷状況も年間推移をみることができる。今後、重点商品の選定、価格帯の予想、ちらしをはじめ販売促進等への活用には充分参考となるデータといえよう。

March 1, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)