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March 25, 2006

ダイエー、全店にポイントカードを導入決定!!

  3/24、日経MJに「ダイエー、優良客囲い込み」という記事が掲載された。全店共通ポイントカードを導入し、POSを刷新し、即時データ分析が可能になるという。いわゆるFSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)の導入である。特に、前期、2006年2月期は販売促進費をつぎ込んだにもかかわらず、売上が改善せず、単体では営業赤字となり、このFSPの導入で今期は黒字転換を目指すという。

  記事の内容を要約すると、来月4月から「ハートポイント」という磁気カードのポイントカードを2店舗で試験導入をはじめ、7月から本格導入に入り、来年8月にはGMS 149店舗、SM60店舗への導入予定という。ダイエーは、このためにPOSシステムを130億円かけて、全面刷新し、顧客分析がリアルタイムで可能な仕組みを構築するという。ポイントに関しては、買い物金額200円ごとに1ポイントがたまり、500ポイントで500円分の買い物ができるというので、0.5%の顧客還元率である。また、利用額が多いほどポイントがたまるという仕組みも導入し、FSP機能も充実させるという。特に、購買履歴分析に関しては、1人ひとりの購入データの分析精度を上げ、きめ細かな商品企画や販促に活かすということで、One to Oneマーケティングを目指すFSPであるという。

  FSPは食品スーパーマーケット各社がここ数年導入しているが、リアルタイムで顧客データを分析できる仕組みはあまり例がない。今回、大手GMSのダイエーが踏みきったことにより、今後、この種のFSPが食品スーパーマーケット業界でも導入され、ポイントカードから、もう一歩進んだ顧客データ活用の時代に突入するきっかけとなる可能性が高まったといえよう。単純なPOSデータ活用から、レシートデータ、そして、顧客IDデータの活用にいっきに突入するかもしれない。

  ところで、今回のダイエーのポイントカードは顧客への還元率が0.5%である。しかも、還元方法は500円分の買い物、すなわち、商品との交換である。通常、ポイントカードの使用率は全顧客の約80%ぐらいであり、商品の粗利率は約25%前後である。したがって、実質の還元率は売上の80%の75%(原価)の0.5%と、0.3%前後の還元であろう。

  一方、現在の食品スーパーマーケット業界のポイントカード還元率はほとんどが1.0%還元であり、しかも、キャッシュバック還元も多い。ポイントカードで最も成功している企業のひとつであるオオゼキのポイントカードの仕組みをみてみると、100円で1点の還元であり、1点で1円、しかも100ポイント単位で現金との換金ができるという仕組みである。もう1社、最近、ポイントカードを導入したサミットであるが、オオゼキと競合している店舗も多いためか、やはり、100円で1ポイント、1ポイント1円で換算し、お買い物もキャッシュバックも100ポイント単位で可能な仕組みである。どちらの企業もキャッシュバックで1%還元のポイントカードである。

  こう考えると、今回のダイエーの仕組みは、こと食品に関しては、ポイントカードの顧客への還元率が0.5%と半分であり、しかも、キャッシュバックがつかない仕組みであり、競合食品スーパーマーケットと比べるとポイントカードの顧客から見た魅力がスタート時点から半減している内容といえよう。

  これは、結果的に、ポイントカードの使用率が通常であれば、80%を越える可能性が60%から70%、あるいはそれ以下になりかねず、今回の目的のひとつであるリアルタイムでの顧客分析への活用の精度が低くなる可能性が高い。また、顧客の囲い込みをするつもりが、競合食品スーパーマーケットの強力なポイントカード戦略によって囲い込まれてしまうという結果にもなりかねないといえよう。

  黒字転換をめざすには、経費削減はもとより、原価改善、客単価アップ、そして客数アップがマーチャンダイジングの観点からは必須であることを考えると、今回のダイエーのポイントカードは顧客への魅力をもっと高めないと期待される効果に結びつかない可能性もある。4月からの実験店舗での検証結果が今後の成否をうらなう上で重要なポイントとなろう。

March 25, 2006 in PI値 |

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