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April 30, 2006

週間!食品スーパーマーケット最新情報、「まぐまぐ」でスタート!

  食品スーパーマーケット最新情報のブログも創刊以来、沢山の方にアクセスをいただき、現在、累計6万件を越えました。最近では1日に700件のアクセスを越えることもめずらしくなく、毎日、お読みいただいている方には本当に感謝申し上げます。今後とも、1本1本のブログを大切に書いていこうと思います。

  ブログの本数もすでに180本を越え、総文字数も30万字を越えるまでになりました。ここまで来ると、いっきに読みきることは難しく、また、過去の中のブログを読み返そうとしても、ブログの性格上難しいものがあります。最近では、食品スーパーマーケット売上速報、PI値、客単価3D分析等、小分類に分け、若干読み易く工夫をしていますが、それでも180本を越えると過去のブログを見るのは難しい量となってしまったと思います。

  そこで、今回、このゴールデンウィークを機に、「週間版の食品スーパーマーケット最新情報」を、メールマガジン「まぐまぐ」に創刊しました。「まぐまぐ」の食品スーパーマーケット最新情報は、本ブログの週間版であり、1週間分のブログの内容を中心に、過去180本のブログの中で関連する内容や、再度、情報発信しておくべき内容等を加えた「週間版の食品スーパーマーケット最新情報」という位置付けになります。また、その1週間のブログで書ききれなかった食品スーパーマーケットの最新情報も適宜追加してゆく予定です。

  本日、4/29から、「まぐまぐ」で無料購入ができるようになっていますので、こちらの「週間版の食品スーパーマーケット最新情報」のメールマガジンも今後ともよろしくお願いします。現在、「週間版の食品スーパーマーケット最新情報」のメルマガは、「まぐまぐ」のメニューの新着情報の「ビジネス・キャリア」の項目で紹介されています。来週からは、「ビジネス・キャリア」の経営の経営学・経営理論の中に入る予定となっています。

  ちなみに、「まぐまぐ」は現在約31,000誌が発行されている日本最大のメールマガジンです。カテゴリーは現在、次のように17に別れています。ニュース・情報源、「ビジネス・キャリア」、マネー、語学・資格、インターネット・パソコン、生活情報、行政・政治・地域情報、教育・研究、日記・ノンジャンル、エンターテイメント、ファッション・美容、恋愛・結婚、グルメ・レシピ、アート・文芸、スポーツ・アウトドア、クルマ・バイク、旅行・おでかけという17のカテゴリーです。

  「週間版の食品スーパーマーケット最新情報」の掲載される「ビジネス・キャリア」の項目はさらに小分類があり、マナー・一般常識、就職、転職、派遣・アルバイト、独立・企業、「経営」、マーケティング、ネットビジネスの8つに分かれています。

  さらに、この8つの項目の中の「経営」も「経営学・経営理論」、人事、法務・特許、会計・経理・財務、マネジメント、コーチング、コンサルティング、その他の8つに分かれています。その「経営学・経営理論」の中に「週間版の食品スーパーマーケット最新情報」のメルマガが入る予定ですので、中々たどり着くのが大変かもしれません。また、この「経営学・経営理論」には現在約250誌のメルマガがありますが、掲載順は発行日の最新のものが上に来るようになっていますので、「週間版の食品スーパーマーケット最新情報」はしばらくははじめの方にありますので、比較的探しやすいと思います。

  ゴールデンウィーク中も、ゴールデンウィーィク後も本ブログについては、引き続き書き続ける予定ですので、今後とも食品スーパーマーケット最新情報の本ブログ、そして、週間版の食品スーパーマーケット最新情報のまぐまぐのメルマガをよろしくお願いします。

April 30, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

April 29, 2006

オオゼキ、客数4000人/日を目指した店づくりへの挑戦!

  4/21、オオゼキの2006年2月期の決算説明資料が公表された。オオゼキは今期4店舗の新店を出店し、27店舗となった。年商は557億円、1店舗平均20.6億円となる。ただし、新店、千歳船橋店(2005/04/15)、相模原中央店(2005/08/09)、下北沢店(2005/12/06)、そして、八幡山店(2006/02/21)の4店舗がこの数字には含まれるので、1年分の営業実績の店舗、すなわち、既存店は23店舗である。そこで、ここでは、この既存店の今期の実態をもとにオオゼキが何を目指しているのかをみてみたい。

  まず、全体像であるが、オオゼキの既存店の平均年商は22.6億円、客数は約3600人/日、客単価は約1700円である。1店舗当りの坪数は約170坪、年間坪効率は約1300万円となる。また、ポイントカードの発行枚数は1店舗当り、約20000枚であり、これは客数の約5.5倍となる。ポイントカード使用率は約90%であり、ポイント還元率は2.2%である。このように、既存店23店舗でみてみると、客数、坪効率、ポイントカード使用率、発行枚数ともに驚異的な数字であり、特に平均客数の約3600人がオオゼキの最大の特徴、強みとなっていることがわかる。

  そこで、次にこの既存店23店舗、個々の状況をみてみると、まず、客数と客単価の相関であるが、ほとんど相関性がないことが相関図をつくってみるとわかる。1日当りの客数最大店舗は池上店の4870人であるが、客単価は1978円と高いが、ほぼ同じ客数、4717人をほこる千歳烏山店の客単価は1115円であり、4633人の旗の台店は1650円であり、4584人の上町店は2070円である。このように、オオゼキでは4500人という最大級の客数をほこる各店舗の客単価はバラバラであることがわかる。逆に、客数の少ない1932人の座間店の客単価は2184円であり、2408人の久が原店の客単価は1304円、2693人の矢部店の客単価は2006円と、これも客単価がバラバラである。同様に、オオゼキの平均客数3600人前後の店舗の客単価を見ても3618人の雪が谷店は1624円であり、3891人の高井戸店は1914円であり、3550人の浅草雷門店は1160円である。また、全店客単価No.1の2615円を誇る松原店の客数は3979人であり、全店平均客数付近の店舗も客単価は大きくばらついているのが現状である。このように、オオゼキの客数と客単価には全く相関がないといえる。

  次にもうひとつの相関を見てみたい。オオゼキの特徴は客数の多さに裏付けられた坪効率の高さであるが、この坪数と客単価の相関を見てみると、結論からいうとほとんど相関がないことがわかる。オオゼキの平均坪数は約170坪であるが、200坪を超える店舗が4店舗ある。No.1は高井戸店の340坪であるが、客単価順位は7番であり、1914円である。No.2は298坪の上町店であるが、客単価は2070円と3位である。No.3は291坪の大森店であるが、客単価は1452円と19位である。そして、No.4は231坪の松原店であるが、この店舗はオオゼキの中でも客単価が図抜けており、断トツのNo.1の2615円である。このように、坪数の大きな店舗が必ずしも客単価が高いわけでもないのが実情である。また、オオゼキの平均坪数約170坪近辺の店舗を見ると、客単価は1000円強から2000円強まで大きくばらついており、客単価と坪数に関しても相関性はみられない。

  最後に、坪数と客数の相関をみてみたい。グラフでみると逆T字型になっていることがわかる。すなわち、150坪前後の店舗が2000人から5000人弱の客数分布になっているのに対し、4000人のところで坪数が200坪、250坪、300坪、350坪と縦一直線に店舗が並んでいる図となる。一店舗、上町店だけ、300坪で4500人というちょっと右よりの位置を示すが、全体としてはきれいな逆T字型のグラフである。このグラフからも坪数と客数の関係はほとんどなく、強いていえば、どのような坪数でも客数は4000人を目ざしている傾向がみえる。

  こうみるとオオゼキの最大のポイントは客数であり、坪数、客単価に関係なく客数4000人をめざした店づくりを意識している構図が鮮明である。驚異的なポイントカード使用率、個店仕入れによる商品力の強化、正社員比率約70%のオペレーション力の照準は客数4000人を目指した店づくりに合わされているといえよう。すなわち、オオゼキの戦略は客数4000人を目指した店づくりにあるといえる。
 

April 29, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 28, 2006

客単価3D分析の3つの軸と3つのMD評価指標について!

  客単価3D分析は3つの軸で成立っている。ひとつはPPIの軸であり、もうひとつは平均単価の軸であり、そして、もうひとつが客数PI値の軸である。おもしろいことに、これまでの2D分析の時は、PI値を最優先の軸とし、平均単価をサブとしてきたが、3D分析の場合は、平均単価の重要性が増し、これら3つの軸の優先軸は商品によって変えるべきであることが明らかになってきた。ある時はPPI軸が最優先になり、ある時は平均単価軸が最優先になり、またある時は客数PI値軸が最優先になるというように、状況に応じて変化するのである。

  また、それに応じて、MD評価指標もかわり、3つのMD評価指標が新たに生まれる。2D分析の時は客単価が唯一のMD評価指標であった。すなわち、客単価=PI値×平均単価であり、客単価をアップさせることが目標であり、結果であった。したがって、PI値、平均単価は手段であり、原因であった。

  これが、3D分析になるとMD評価指標が3つ生まれる。客単価PPI、PI値、一品客単価である。これは、3Dという立法体のそれぞれの面のことであり、客単価PPIがPPIと平均単価で構成される面、PI値がPPIと客数PI値で構成される面、一品客単価が平均単価と客数PI値で構成される面であり、この3つの面によって、客単価という立法体、3Dが形づくられているのである。

  したがって、3D分析のMD評価指標は、客単価PPI=PPI×平均単価、PI値=PPI×客数PI値、一品客単価=平均単価×客数PI値と3つのMD評価指標があり、どのMD評価指標を優先するかは商品、あるいは業種によって違うということになる。また、これに応じて、客単価を評価するMD評価表も3つあり、それぞれが6段階評価で上がった場合、下がった場合を見極め、客単価を検証し、客単価アップの仮説を立案し、仮説検証を繰り返してゆくことになる。

  一例をあげれば、100円ショップやショップ99等は平均単価軸が100円に固定されるため、PI値のMD評価指標、PI値=PPI×客数PI値を活用して、客単価の検証、仮説を立案してゆくことになる。食品スーパーマーケット、ドラックストア、ホームセンター、外食等は客単価PPIのMD評価指標、客単価PPI=PPI×平均単価を優先MD評価指標として、客単価を検証し、仮説を立案してゆくことになる。そして、専門店、特に高額商品を扱う衣料品店、家具店、宝石店等は一品客単価のMD評価指標、一品客単価=平均単価×客数PI値を最優先MD評価指標として、客単価の検証をし、仮説を立案してゆくことになる。もちろん、あくまでも優先ということであり、これら3つのMD評価指標は相互に連環しており、優先MD評価指標以外のMD評価指標も適宜活用し、客単価を3つの角度から検証し、そこから仮説を立案し、より、精度の高い客単価アップをめざしてゆくことが望ましい。

  また、これら3つのMD評価指標は実は業種によって決まるのではなく、商品によって優先順位が決まるのが実態であり、食品スーパーマーケットの中でも野菜はPPIが優先されるので、客単価PPI、PI値が客単価の優先MD評価指標となり、果物は客数PI値が優先されるので、一品客単価、PI値が客単価の最優先MD評価指標となる。客単価3D分析にあたっては商品ごとに、どのMD評価指標を最優先に取り組むかが大きなポイントといえる。

  このように客単価3D分析は、3つの軸で客単価を分析することにより、平面分析から立体分析に分析内容が移り、必然的に3つの面が発生し、3つのMD評価指標、客単価PPI、PI値、一品客単価が生まれた。そして、これにより、客単価の検証、仮説づくりが商品ごとに、その特徴を見極めることが可能となり、より、きめ細かい、精度の高い客単価アップへのアプローチが可能とったといえる。

  レシート分析が可能であるなら、是非、この客単価3D分析にトライして欲しい。

April 28, 2006 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 27, 2006

食品スーパーマーケット売上速報!2006年3月度!

  食品スーパーマーケットの2006年3月度の売上速報が明らかになった。現時点でまだ数社が3月度の売上を公表していないが、月次売上を公表している企業約20社の集計である。この食品スーパーマーケット売上速報は昨年の6月から集計をはじめたが、この3月度の売上が過去最高の110.1%となった。これまで1度も集計企業全体の売上が110%を越えたことはなかったが、はじめて110%を越えた。

  ただ、残念ながら、既存店の売上は98.6%であり、既存店に関しては、この集計をとりはじめてから1度も昨年対比をこえたことがない。この3月度も既存店で昨年対比100%を超えた企業はわずか4社であり、依然として既存店に関しては厳しい状況が続いている。ただし、既存店に関しても、客数は101.1%と100%を越えてきており、客単価の96.8%が課題といよう。客単価に関しては実は全店も96.8%であり、この問題は食品スーパーマーケット全体の課題でもある。

  さて、2006年3月度のNo.1の売上伸び率は大黒天物産であり、150.6%であった。大黒天物産は先月も150%を越えており、高い成長率を維持している。ただし、既存店は99.4%と前月は100%を越えていたので、若干下がったのが気になるところだ。特に、既存店の客数は101.0%と100%を越えてはいるが、客単価が98.7%と下がっている。その原因は平均単価に関しては100.9%であるが、PI値が97.8%とやや伸び悩んでいるところにある。今後、PI値を改善し、客単価アップを図ることが急務といえよう。

  No.2はPLANTであり、142.0%である。PLANTは既存店も100%を越え、3月に入り順調な売上である。ただ、やはり客単価が98.2%と客数の102.4%に支えられており、客単価アップが当面の課題である。No.3は九九プラスの132.3%であり、依然として高い成長率である。ただ、やはり、客単価は96.5%であり、客単価アップが課題といえよう。No.4はアークランドサカモトの121.3%である。アークランドサカモトは既存店も111.6%、客数110.2%、客単価101.3%とすべての指標で昨年対比を越えており、今回の集計企業の中では好調な企業といえよう。No.5がマックスバリュ東海であり、115.5%である。既存店は99.4%とわずかに及ばなかったが、客数は既存店も103.2%と検討しており、今後は客単価のアップが課題といえる。そして、No.6がオオゼキであり、113.8%である。既存店は97.6%とやはり、既存店の客数は100.0%であるが、客単価が95.6%と課題といえる。ここまでの6社が、昨年対比110%の売上をこの3月度に達した企業であり、食品スーパーマーケット業界を大きく牽引している実績である。ただし、アークランドサカモトを除き、いずれも既存店に関しては若干苦戦しており、特に、既存店の客単価アップが当面の課題であることが浮き彫りである。

  上記以外の企業で100%を超える企業は7社ある。No.7がハローズの109.6%、既存店は97.1%であった。No.8がヤオコーの108.7%、既存店は97.8%であった。No.9はバローの108.4%であり、既存店も101.5%と検討した。バローは特に、客単価も既存店が101.7%と検討しており、既存店の客単価が昨年対比100%を越えた企業はアークランドサカモトと2社のみであった。No.10はヤマザワの104.1%であり、既存店も101.5%と検討した。特に、客数が既存店も102.1%と伸び、客単価の98.2%をカバーした。No.11はヨークベニマルの103.8%であり、既存店は96.6%であった。No.12はマックスバリュ西日本の101.8%であり、既存店は95.3%とやや苦戦ぎみであった。そして、No.13がダイイチの101.2%であり、既存店は98.3%であった。このように、7社が昨年対比100%をクリアーしており、110%以上の企業と合わせて13社が昨年対比を越えた。

  これに対し、昨年対比100%を下回った企業は6社であり、エコス99.2%、マルエツ98.8%、いなげや95.4%、CFSコーポレーション94.9%、マックスバリュ北海道94.8%、トーホー94.8%であった。これら企業のほとんどは新店が思うように出店できない点が課題となっている。このように現在の食品スーパーマーケット業界の成長性は新店の有無に支えられている要素が大きく、今回のように明暗がはっきり分かれたといえよう。

April 27, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 26, 2006

ショップ99、800店舗達成、依然高い成長率を維持!

  ショップ99が3月末の期末店舗で800店舗を達成し、依然高い成長率で推移している。この1年間の新店を見ても、2005年3月16店舗、4月42店舗、5月30店舗、6月30店舗、7月26店舗、8月18店舗、9月13店舗、10月22店舗、11月24店舗、12月22店舗、1月12店舗、2月14店舗、3月16店舗、直近の4月も9店舗出店し、年間約300店舗の出店、月平均では20店舗を優に越える出店である。昨年対比も、直近の3月度の数字では昨年対比132.3%であり、通期では144.6%という高成長である。

  現段階ではまだ、今期の決算が公表されていないが、第4四半期(2005年3月から2005年12月度)でみると売上155.5%、営業利益121.6%、経常利益129.6%、当期利益88%と営業段階では大幅な増収総益である。当期利益が若干下がったのは、店舗のスクラップ費用と減損損失が発生したためである。したがって、まもなく公表されるであろう今期決算についても好決算が期待できるものといえる。

  ただし、今後、3年から5年における中期的な成長性、収益性についてはプラス、マイナス両面があり、若干不透明な要素が残る。プラス面については、これまでの高成長を成し遂げた出店地区が関東、中部、関西への集中出店であり、まだまだ、この地域への出店余力が残されている点に加え、最近では東北への出店もはじまり、未出店地区が数多く残されている点である。全国主要都市にはこの3地区を除き、ほとんど出店がなされていないことからも、今後、得意のM&Aをはじめ、物流体制が整えば出店余地は十分に確保可能であろう。また、現在、今国会で審議されているまちづくり3法が成立すれば、マイナス面も考えられるが、逆にプラス面も考えられる。それは、今後、日本の各市町村から提出される中心市街地活性化協議会のまちづくり計画案について、内閣総理大臣が認定されたものには確実な予算がつき、シャッターの閉まった空き店舗については小規模小売業の出店が増える可能性があるからである。当然、コンビニ、ミニ食品スーパーマーケットとの競争になるが、ここで経営基盤をしっかり確立すれば充分出店の可能性はあるといえよう。

  逆に、マイナス面としてはまさにまちづくり3法により、小規模店舗への競争が激しくなり、出店が思うようにゆかずに、成長性がにぶり、収益が厳しくなる点であろう。また、現在の既存店の昨年対比がここのところ95%前後で厳しい状況にあり、このまま既存店のマイナスが続けば、固定費がかさみ、収益への影響が懸念される。その意味で、来月の上旬には公表されるであろう決算結果が注目である。ただ、ショップ99は、既存店のマイナスはキャベツの価格にあるといっており、昨年の数字が異常値であり、昨年対比で見ると既存店が95%前後であるが、実質上はマイナスではないという主張だ。

   これは昨年のキャベツの卸値が異常に高騰し、キャベツの半カットがほぼ100円となり、食品スーパーマーケット、青果専門店がのきなみ100円以上の値段をつけたのに対し、ショップ99はキャベツを100円で販売しつづけたため、主婦がショップ99に殺到し、女性客の構成比が49%前後まで跳ね上がったことによるという。現在では45%前後で推移しており、この約4%強が既存店に影響を与えているということである。逆にいえば、青果の相場高はプラスに左右し、相場安はマイナスに左右するということであり、青果の相場はショップ99にとってはリスク要因であるといえよう。

  では、投資家はショップ99をどう見ているかであるが、直近の株価は残念ながら下がり続けており、厳しい見方といえる。この3月はじめには300,000円前後であった株価が3月中旬には250,000円、4月中旬になると200,000円まで下がり、現在は200,000を割り、180,000円前後でもみあっている。

  このようにショップ99は依然高い成長率を維持してはいるが、今後のまちづくり3法の法案成立後の成長性、収益性が読みにくい状況である。投資家はマイナスと判断しているようだが、状況によってはプラスに転じることも充分に考えられる。まずは、今期決算数字での収益性に注目である。

April 26, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 25, 2006

まちづくり3法の1つ、都市計画法の改正案が衆議院本会議で可決!

  まつづくり3法の1つである都市計画法(都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案)が4/11、衆議院本会議を通過した。この法案は2/8に内閣から提出され、3/16に衆議院国土交通委員会に付託された。3/17には早くも審議がはじまり、3/29、3/31、4/4、4/5そして4/11と6回の国土交通委員会で審議ののち、可決され、同日、衆議院本会議で可決された。まちづくり3法のもうひとつの中心市街地活性化法案も4/21、衆議院経済産業委員会で可決されており、まちづくり3法の今国会での成立は秒読み段階となった。連休明けには参議院の各委員会でも審議がはじまるものとみられる。

  3/17から衆議院の国土交通委員会で審議がなされた都市計画法の内容と経過について改めてみてみたい。この法案の提案理由について、北側国土交通大臣は次のように説明している。「今後、人口減少・超高齢社会が到来する中で、既存の社会資本のストックを有効に活用しつつ、都市機能を集約したコンパクトなまちづくりを進めることが求められております。そのためには、都市構造に広域的に大きな影響を与える大規模集客施設や公共公益施設について、都市計画の手続を通じて、地域の判断を反映した適切な立地を確保する必要があります。」と説明し、続いて、概要を5つにまとめている。

  第一に、第二種住居地域、準住居地域及び工業地域並びに都市計画区域及び準都市計画区域内の用途地域の指定のない区域内では、大規模集客施設は、原則として建築できないという。第二に、都道府県は、都市計画区域外の区域のうち、建築物の建築が現に行われている区域等を含み、かつ、将来における一体の都市としての整備等に支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域を、準都市計画区域として指定することができることとしている。第三に、開発許可について、市街化調整区域内において大規模開発を許可できるとする基準を廃止するとともに、病院等のための開発行為及び国、地方自治体等が行う開発行為は開発許可等を要することとしている。第四に、大規模集客施設のため開発整備を実施すべき区域を開発整備促進区として地区計画に定めることができることとしている。第五に、まちづくりの推進に関し経験と知識を有する団体等を都市計画の提案権者に追加するとともに、都道府県が都市計画に係る協議を行う際に関係市町村から意見の開陳を求めることができることとしている。そして、その他、都市の秩序ある整備を図るため、自動二輪車の駐車場の整備、新住宅市街地開発事業及び公有地先買い制度の適正化を図る等、所要の規定の整備を行うこととしている。

  以上が都市計画法の趣旨と概要であり、その後、3/29から本格的な審議がはじまり、3/31、4/4、4/5と4回の審議を経て、4/11に国土交通委員会で可決された。4回の審議のうち、3/29には、民主党の土肥隆一委員、民主党の鉢呂吉雄委員、国民新党の糸川正晃委員、自民党の松本文明委員、公明党の太田昭宏委員の5名が質問にたち、3/31には、自民党の小里泰弘委員、民主党の土肥隆一委員、民主党の森本哲生委員、公明党の斉藤鉄夫委員、社民党の日森文尋委員、国民新党の糸川正晃委員の5名が質問にたち、4/4には、自民党の赤池誠章委員、自民党の遠藤宣彦委員、民主党の三日月大造委員、公明党の伊藤渉委員、日本共産党の穀田恵二委員、社民党の日森文尋委員の6名が質問にたった。そして、4/5には、民主党の小宮山泰子委員、民主党の長安豊委員、民主党の三日月大造委員、民主党の古賀一成委員、日本共産党の穀田恵二委員の5名が質問にたった。4日間で、延べ21人が質問に立ち、衆議院国土交通委員会の審議は終了した。

  この法案はまさに今後の流通業の出店戦略に直接かかわる法案であり、大規模店舗立地法は今回は改正されずにそのまま継続されることになるが、この都市計画法が成立することにより、1万㎡以上の小売業は郊外への出店が事実上凍結されることになる。法案の施行までに1年半の猶予はあるものの、流通業にとっては今後の経営戦略を根本的に見直さざるをえないインパクトのある法案といえよう。ただし、食品スーパーマーケット業界にとっては、1万㎡以上の店舗はないので、もうひとつの中心市街地活性化法案が成立すれば、中心市街地への出店は逆にしやすくなり、ビジネスチャンスともいえる。いずれにせよ、食品スーパーマーケット業界もこの法案および法案成立後の運用を睨みながら今後の経営戦略を練り直す必要があろう。

April 25, 2006 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 24, 2006

PLANT、株価1000円割れ、厳しい中間業績予想!

  PLANTの株価が3/28、上場来最安値の900円をつけた。その後、一時は株価が1050円(4/11)まで戻したが、再び、下げはじめ、現在は、1000円付近でもみ合っている。PLANTの株価は2000年に上場して以来、最高値は2000/7/05の3030円である。その後、2001年に入り株価が下がりはじめ、1500円まで落ちたが、2002年になると再び上昇、2500円近くまでいったが、2002年後半から、また下がりはじめ、2003年になると1400円まで下がった。2004年に入り、一時2000円を越えたが、後半以降、徐々に下がりはじめ、その後、ゆるやかに下がっていたが、2005年9月期の厳しい決算が発表されると、いっきに1100円まで下げた。4/21現在は、1000円を割り、997円である。

  このような中で、PLANTより4/21、今期の中間および通期業績予想の修正が発表された。それによると、2006年9月期の中間業績(9/21から3/20)は売上363.6億円(9.8億円の上方修正:昨年同期比123.5%)、経常利益0.01億円(2.4億円の下方修正:昨年同期比-99.6%)、当期利益-0.14億円(1.4億円の下方修正)という増収大幅減益の厳しい内容であった。PLANTは、この理由を売上に関しては、横越店(新潟)、大玉店(福島)の新店により計画を達成したが、粗利が食品のロスにより改善が充分でなく、経費も広告宣伝費の増加、新店の経費増により収益が厳しいものになったとしている。

  また、2006年9月期の通期見通しについては、売上770.1億円(9.8億円の下方修正:昨年対比120.7%)、経常利益2.5億円(2.9億円の下方修正:昨年対比59.6%)、当期利益1.1億円(1.7億円の下方修正:昨年対比38.5%)と増収大幅減益となる予想である。これに対し、PLANTはPLANT-3の清水店の開店が大雪のため大幅に遅れるための売上下方修正であり、経費は新店の出店がないので、改善される予定であるが、中間期の費用負担が重く、通期も下方修正になるという。

  このように、PLANTの売上は新店により昨年対比120%強と順調ではあるが、収益が厳しい状況にあり、特に、この中間業績は経常利益が100万円、当期利益は1400万円の赤字となり、厳しい状況といえる。

  PLANTがここまで経営状況が厳しくなった背景には販売管理費の大幅な上昇がある。過去5年間の販売管理費が2001年9月期は13.8%、2002年9月期は13.7%に抑えられていた。それが、2003年9月期14.5%とじわりと上昇しはじめ、2004年9月期には15.7%と15%を越えた。そして、2005年9月期には過去最高の17.1%となった。

  ちょうど2003年はPLANTへの社名変更の年であり、この時から、PLANTの本格出店がはじまった。PLANT-4聖籠店(新潟:2003年3月)、PLANT-5見附店(新潟:2003年10月)、PLANT-5境港店(鳥取:2004年7月)、PLANT-5刈羽店(新潟:2004年11月)、PLANT-6瑞穂店(岐阜:2005年6月)、PLANT-5横越店(新潟:2005年11月)、そして、PLANT-5大玉店(福島:2006年2月)と経費の上昇が新規出店のペースと見事に一致している。また、2005年は既存店の売上が94.9%となり、既存店の固定費が経費を押上げ、新店の開店に伴なう経費と合わせ2重の経費負担となり、17.1%の販売管理費となったといえよう。

  一方、粗利はこの5年間17.5%前後で安定しており、粗利面での大きな問題はないといえる。したがって、PLANTの収益悪化の問題は販売管理費を、既存店の売上ダウンによる固定費の増加と新店の予想以上の経費負担により、15%以下で抑え切れなかった点にあるといえる。

  今後、新店に関してはしばらく予定がないため、その経費は軽減できるものと思うが、既存店の売上が回復しないと依然として厳しい経営状況は続くものと思う。ただ、この3月度の月次の数字は既存店が今期はじめて100.1%となり、特に客数が101.5%と明るい兆しも見え始めたので、今後、既存店の数字が上昇してくれば収益の回復が見込めるものと思う。その意味で、当面のPLANTの経営課題は、新店を早く軌道に乗せ、既存店の活性化が大きな鍵を握っているといえよう。来月以降の既存店の売上に注目である。

April 24, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 23, 2006

サンエー、増収増益、2006年2月期決算!

  沖縄で食品スーパーマーケットを58店舗展開するサンエーの2006年2月期の決算が公表され、11期連続の増収増益であった。サンエーは様々な小売業態を持っており、食品店舗を39店舗、衣食住すべてを取り扱う総合店舗19店舗、衣料・住関連店舗を5店舗の小売業に加え、レストラン等外食店舗を約30店舗である。売上構成比は、食料品55%、住関連26%、衣料品13%、外食4%、その他であり、主力業態は食品スーパーマーケットといえる。最近では、食品スーパーマーケットも3つに業態が分れ、広域型ショッピングセンター(GMS)、近隣型ショッピングセンター(NSC)、小型食品館と商圏により、大商圏業態、中商圏業態、小商圏業態と沖縄商圏に確実に食品のドミナント展開を浸透させつつあるといえる。特に、最近ではNSCにも力を入れており、マツモトキヨシと業務提携をはかり、フランチャイズ契約を結んでいる。

  さて、2006年2月期の決算数字であるが、売上1190.9億円(104.1%)、営業利益80.0億円(108.0%:売上対比6.9%)、経常利益79.9億円(108.9%:売上対比6.9%)、当期利益41.0億円(105.1%:売上対比3.5%)であった。特に、営業利益率が6.7%と、食品スーパーマーケット業界の中でも極めて高い数字であり、収益性の高さが光っている。損益計算書を見ると、粗利率が30.3%と30%を越える高粗利率であり、これにテナント収入2.9%が加わり、総荒利率は33.2%である。昨年は32.7%であったので、昨年よりも0.5ポイント改善という、収益性の高さが際立っている。また、一般管理費は26.3%であり、昨年の26.0%よりも0.3ポイント上回ったが、粗利率の改善でカバーし、営業利益率は6.9%と昨年の6.7%を0.3ポイント上回り、好決算であった。

  サンエーの収益性の高さの秘訣のひとつは既存店の活性化に力を入れていることである。会社の方針としても「既存店こそ利益の源」というスローガンを掲げ、既存店のリニューアル投資を頻繁に実施すると同時に、六大基本(クリンリネス、鮮度、品揃え、価格、陳列技術、サービス)を徹底した店作りを行っているという。新店に関しても2年から3年で利益が出せるコスト構造とし、厳しい経営環境の中でも安定して利益が出せるように取り組んでいるという。

  サンエーの株もこれを受けて、決算発表前から上昇しはじめ、3月に入り4400円前後で推移してた株価が4800円を越える水準まで上がった。現在は4700円前後で推移しているが、食品スーパーマーケット業界の中でも極めて高い株価水準である。ROE(株主資本利益率)も今期11.5%と食品スーパーマーケットの中でも高水準であり、PBR1.88倍、PER16.1倍と、特に、PERが他の食品スーパーマーケットと比べてもやや低目であり、4700円前後の株価はけっして高いとはいえない。

  サンエーの来期、2007年2月期の予想は売上1220.4億円(102.4%)、経常利益83.2億円(104.1%:売上対比6.8%)、当期利益46.0億円(112.1%:売上対比3.7%)と今期よりもやや成長率を抑えてはいるが、依然として高水準の収益性が際立った予想である。来期の新店については、7月のマリノはません店、10月のしおざきシティの2店舗と7月にV21まえはら食品館の改装が現在決まっているという。

  このように、今期2006年2月期の決算も好決算となり、特に収益性に関しては際立った数値であった。サンエーは沖縄という、閉鎖商圏の中で、全需要、全商圏対応の業態開発を着々とすすめつつあり、今期はNSCの開発にも力を入れるという。来期も好決算が期待できそうである。

April 23, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 22, 2006

ベルク、増収減益決算、2006年2月度!

  ベルクの2006年2月度の決算が公表された。それによると、売上は782.6億円(107.0%)、営業利益28.4億円(91.5%:売上対比3.6%)、経常利益30.0億円(91.7%:売上対比3.8%)、当期利益16.1億円(89.5%:売上対比2.0%)と増収減益であった。

  売上は新店を6店舗出店し、46店舗となったため、順調であったが、既存店が8店舗改装したにもかかわらず、94.5%となり、伸び悩んだことが減益の原因のひとつといえる。一般的に既存店の売上ダウンは固定費がそのままオンされるため、直接経費増に結びつきやすく、減益となる場合が多い。ベルクの今回の決算でも、既存店94.5%は固定費面の負担が大きかったものといえよう。これ以外にも、今期、ベルクは先行投資として、物流センターの第3次増床工事、連結子会社の惣菜を扱うホームデリカの第2工場を建設するなど開設経費などが増え、さらに新店のオープン経費も大きかったものといえる。ただし、これらの投資は、来期には生きてくるので、来期以降の負担は小さくなるため、経費比率は来期は改善するものといえよう。したがって、来期の最大のテーマは、既存店の活性化である。

  ベルクの客単価はこの数年間、毎年減少しており、2003年2月期は2168円であったが、2004年2月期2099円、2005年2月期1984円、2006年2月期1911円と毎年約100円づつ減少している。また、PI値は2003年2月期1070%、2004年2月期1060%、2005年2月期1030%、2006年2月期1030%と若干の減少であるが、平均単価が2003年2月期203円、2004年2月期198円、2005年2月期193円、2006年2月期186円と毎年3~5%づつ落ちており、これが客単価を大きく落としている要因となっている。特に2006年2月期は既存店の客数、客単価ともに約97%で推移したため、既存店の売上が94.5%となった。さらに、新店の客単価も全店の2006年2月期の客単価が96.3%であったので、差し引き、既存店の97%と比べ、新店の客単価も低かったといえ、新店も全店の客単価を下げた要因のひとつといえよう。

  今後、客単価アップをはかるには、平均単価の高い、鮮魚、精肉、グロサリー、日用雑貨等の商品構成比をアップさせる一方、食品スーパーマーケットの今後の中核商品となるであろう、特にPI値アップに貢献する惣菜、ハーフデリ等の商品開発が課題となろう。ベルク自身も次期の見通しの中で、新設した惣菜工場を中心に新たな商品開発をはかり、商品力の強化、店舗作業の削減、利益率の確保をし、「製造小売業」を目指すと宣言し、惣菜に大きな期待を寄せている。

  これらの状況を踏まえ、来期の予想は、新店の出店を3店舗に抑え、従業員教育の充実を図る既存店の活性化に重点を移す方針という。予想数字は、売上高816.2億円(104.3%)、経常利益30.9億円(102.8%:売上対比3.7%)、当期利益16.5億円(102.2%:売上対比2.02%)とゆるやかな増収増益である。

  ベルクは、これまで比較的家族世帯が多く、埼玉県の県北から群馬にかけてドミナント戦略をはかり、高収益を上げてきた食品スーパーマーケットである。これに対し、ここ最近は、核家族中心の比較的小家族世帯の多い埼玉県の県南から東京、千葉方面に出店エリアを広げつつある。この地域はこれまでのマーチャンダイジングとは異なった戦略が必要な地域であり、素材よりも惣菜、昼間よりも夜間、平均単価よりもPI値等が重視される傾向があり、商品構成、レイアウト、オペレーション等新たな店舗、商品開発が求められる。その意味で、今後、数年の間に新商圏にフィットした新たな店舗フォーマットを確立できるか否かがベルクの今後の成長への鍵を握っているといえよう。

April 22, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 21, 2006

続、まちづくり3法改正案、衆議院で審議始まる、その2!!

  前回に引き続いて、衆議院経済産業委員会においての、4/12のまちづくり3法の法案審議状況について、今回は野党の質疑応答について見てみたい。

  まず、民主党の佐々木委員がこれまでのまちづくり行政に関しての問題点は何であったかを質問した。これに対し、政府は、まちづくりの計画に対し適切な評価をする仕組みがなかったことと、町全体という観点が弱かったという点を上げた。ついで、これまでの予算執行率が50%前後であったということについて質問した。これに対して、政府は、今後は具体的な目標数値をつくって、検証してゆくという回答であった。また、大都市ではなく、中小市街地の方が深刻であり、その活性化についての質問をした。これに対し、政府は、中小市街地からしっかりした計画が出てくれば支援をするという回答であった。さらに、まちづくりの主導をプロにまかせるような方法は問題ではないかという質問をした。これに対し、政府は、基本は当時者がしっかり計画をつくってもらうことが望ましいとの回答であった。また、商店主の後継者問題で、贈与税等の税制が問題ではとの質問をした。これに対し、政府は、相続時精算課税制度等もあるので、税制面も考慮して進めてゆくとの回答であった。最後に、今後、中心市街地にどう住民を集め、充実した街づくりをハード、ソフトの面からしてゆくのかという質問をした。これに対し、政府は、暮らし・にぎわい再生事業や居住再生ファンドを活用し、街の中に人が生活できるような支援をしてゆくという回答であった。

  続いて、民主党の三矢委員の質問である。まず、司令塔となる中心市街地活性化協議会には有能なタウンマネージャーが必要ではという質問をした。これに対し、政府も、タウンマネージャーが中心的な役割を担う役割であると回答した。また、今回、常駐するタウンマネージャーの人件費を保証するわけだが、年々減らしてゆくのはどうかと思うという質問をした。これに対し、政府は、とりあえず3年はしっかり保障するので、まず3年を目処において事業をすすめてゆきたいとの回答であった。さらに現状のTMOで今後、認定をされない場合はどうなるのかという質問をした。これに対し、政府は、認定されない場合でも引き続き努力していだきたいとの回答であった。また、今回のサポート事業の中に中小企業基盤整備機構が計画を診断するというものがあるが、本当に可能なのかという質問をした。これに対し、政府は、鋭意教育訓練し、足りないところは外部アドバイザーの力を借りて実施していくとの回答であった。最後に、国土交通省が提供する中心市街地共同住宅事業の52億円でどのくらいの戸数が立つのかという質問をした。これに対し、政府は、具体的には戸数を示すのは難しいとの回答であった。

  最後に、民主党の近藤委員が質問にたった。まず、はじめに、3法といいながら大店立地法の改正がないのはなぜかを質問した。これに対し、政府は、小売業の需給調整はもうしないという方針のもとに現行法の環境を配慮した立地法を継続してゆきたいとの回答であった。次に、政策金融について、これまで8500億円の融資をしたというが、この評価と今後の政策について質問した。これに対し、政府は、ある程度効果は上がっていると思うというにとどまった回答であった。最後に、政策金融の中で商工中金の役割について質問した。これに対し、政府は、商工中金の民営化後もしっかりと中小企業を支えられるように努力したいとの回答であった。

  そして、次の4/18には参考人が呼ばれ、意見聴取されるとのことであるが、現時点では、まだ、内容が公表されていない。

  このように、はじめてのまちづくり3法の国会質問を2回に渡ってまとめてみたが、現時点では各委員とも中心市街地活性化に関する質問が主である。食品スーパーマーケット業界として最も関心の高い小売業側の立場にたった質問は賛成にせよ、反対にせよ、現時点ではほとんどない。商店街の活性化からの賛成にたった質問がほとんどであり、このまますんなり法案が通りそうな雰囲気で国会の審議が進んでいるといえよう。今後とも本ブログではこの問題をできるだけリアルタイムでおっかけてゆくつもりである。

April 21, 2006 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 20, 2006

まちづくり3法改正案、衆議院で審議始まる、その1!!

  4/5、衆議院、経済産業委員会でいよいよ、まちづくり3法改正案の審議がはじまった。正式名称は「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律の一部を改正する等の法律案」という異様に長い法案である。この法案は、2/8に内閣から提出され、3/16、衆議院経済産業委員会に付託され、4/5、正式に審議に入った。

  4/5の衆議院経済産業委員会では、まず、はじめに、二階俊博経済産業大臣から提案理由が述べられ、ついで、趣旨説明がなされた。提案理由のポイントは、中心市街地の衰退が目立ち、少子高齢化をむかえる中で、コンパクトでにぎわいあふれるまちづくりが求められている中、中心市街地の活性化を推進することは、喫緊の課題であることを踏まえ、法案を提出したという。また、異様に長い法案名を「中心市街地の活性化に関する法律」と短くするという。

  そして、提案趣旨には2つのポイントがあり、1つは、中心市街地の活性化に関する施策を総合的かつ一体的に推進するために、内閣に中心市街地活性化本部を設置し、内閣総理大臣が認定した基本計画に各種支援措置を講じ、政府主導のまちづくりを行ってゆくという。そして、民間事業者等が協議を行う場として、中心市街地活性化協議会を設置するための規定を設けるという。2つめは、主に郊外の商業施設に対しての「特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法」を廃止するというものである。

  以上の法案提案理由と趣旨説明の後に、公明党の石田委員長より、国土交通省から連合審査会開会の申し入れがあったので、それを受諾することを委員会に諮り、賛成を得て、この日の経済産業委員会は終了した。
ついで、4/12、第2回目のまちづくり3法の審議が衆議院の経済産業委員会でなされた。この日からが審議の本番で、順次、各党の委員が質疑にたった。まず、自民党の山本委員が経済産業省としてまちづくり三法、中心市街地活性化のためにどれほどの予算が使われたかを質問した。それに対し、二階経済産業大臣は、平成10年度から17年度までの間に約1千億円強が使われたという回答であった。同じ質問を山本委員が国土交通省にぶつけたが、国土交通省は複雑な予算であるので、よくわからないという奇妙な答弁であった。次に中心市街地は各市町村1ケ所であるが、第2、第3の中心市街地についてはどうなるのかとの質問をした。これに対して、政府は各市町村で戦略的に判断して決めてもらうという自主的判断に委ねるという答弁であった。ついで、中心市街地活性化協議会とはどのような組織なのかという質問をした。それに対し、政府は、従来のTMOの商工会や商工会議所に加え、開発業者、地権者、そして、市町村も含めた幅広いメンバーで構成されるという答弁であった。また、この組織で駐車場の管理とか空き店舗に食品スーパーマーケットをつくって運営するとかの収益事業も可能だという答弁であった。次に、なぜ、1万㎡なのかという質問をした。これに対し、政府はこれ以上規制を小さくすると、食品スーパーマーケット等の日常生活に必要な店舗まで規制してしまう可能性があり、1万㎡にしたという答弁であった。以上が、この法案の最初の質問者である山本委員の質問であった。

  ついで、公明党の高木委員が質問にたった。まず、既に郊外型のまちに対してはどのような施策をとるのかという点と郊外に住んでいる方が不便にならないかという質問をした。これに対し、政府は、地域が適切に判断して欲しいという答弁であり、また、郊外は1万㎡以下の店舗は規制されないので、郊外の生活者も日常生活には問題がないという答弁であった。次に、まちづくりの人材をどうするかという質問をした。これに対し、政府としても人材育成の措置を充分にとってゆくとの回答であった。また、法案の趣旨が充分に国民に伝わっていないのではという質問をした。これに対し、今後、充分に周知徹底をはかりたいとの回答であった。そして、最後に、中心市街地に大型店を誘致した場合、既存の商店街とどのようにうまくやってゆくのかという質問をした。これに対し、政府は、大型店を中心市街地の活性化に積極的いかして欲しいとの回答であった。
 
  以上が、与党の第1回目のまちづくり3法の衆議院経済産業委員会での質疑応答の要約である。基本的に賛成の立場からの質疑応答であり、食品スーパーマーケット業界、小売業界の立場からの質問はないといえよう。この後、野党の民主党の質疑に移るが、それについては次回に譲りたい。 

April 20, 2006 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 19, 2006

アークス、増収総益、2006年2月度決算短信!

  4月中旬に入り、続々と2月度決算企業の決算短信が公表されはじめた。速いところで、4月のはじめ、遅い企業でも4月下旬には公表されるものと思う。増収増益の企業、増収減益の企業、減収増益の企業、減益減益の企業等様々である。食品スーパーマーケット業界では2極化が進んでおり、決算内容も、増減がはっきりでているようだ。また、3月度決算企業の発表は5月に入ってからとなるため、ゴールデンウィーク明けぐらいからとなろう。

  さて、北海道のアークスであるが、2006年度2月期の決算短信が公表され、増収増益であった。売上は2228億円(108.9%)、営業利益63億円(103.8%:売上対比2.8%)、経常利益71億円(103.6%:売上対比3.1%)、当期利益40億円(110.3%:売上対比1.7%)となった。アークスは経常利益ベースでは過去5年間増収増益を続けており、順調な経営数字である。いまから3年前の平成14年にラルズと福原の経営統合ではじまったアークスであるが、ここまで順調に進んできたといえよう。

  アークスは現在、主要な子会社10社とその他6社の16社からなる企業グループであり、主な企業はラルズ、福原、フジ、道東ラルズ、道北ラルズ、ホームストア、道南ラルズの7社が食品スーパーマーケットである。アークスのキーワードはクリティカル・マスにある。クリティカル・マスとは企業が存続してゆくために最低限必要な事業規模のことであり、アークスはこのクリティカル・マスを追求して、企業の特大化を図かっているという。それがひいては、企業価値を向上させ、北海道で生活するお客様のライフラインを守る道であるという認識である。そのために、この3年間M&Aを繰り返してきたといえる。

  そして、アークスという持株会社の企業形態をとることによって、アークスのもとに統合された企業が戦略的、機動的に動けるように、特に、戦略面をアークスが担うという。アークスでは、そのため、執行役員制度を導入し、権限と責任を明確に分け、特に3つの委員会を設定し、傘下の企業の戦略的な支援体制をつくっている。3つの委員会とは、業務改善委員会、人事制度委員会、システム委員会である。業務改善委員会ではグループ各社のオペレーション部分の統合と業務改善を担い、人事制度委員会ではグループ共通の人事制度と人材開発の運用と設計を担い、システム委員会では情報システムに関する課題の遂行を担うという。

  これらの戦略的な取組みの結果、今期のアークスの営業状況は粗利率が22.3%と、昨年より0.2ポイント改善が見られたが、残念ながら販売管理費が19.5%と昨年に比べ0.4ポイント上昇し、営業利益率は2.8%と0.2ポイント下がった。増収増益になったのは新規出店11店舗、閉店8店舗、改装11店舗の効果により、売上が108.9%となったからである。ただ、依然として既存店は厳しい状況にあり、固定費の増加が経費を圧迫している状況といえる。特に水道光熱費が117%、宣伝装飾費が115%、人件費が111%等の経費が売上の伸び率以上となったため、販売管理費の上昇が大きかったといえる。

  来期に関しては、新規6店を予定しており、売上は2315億円(103.9%)、経常利益74億円(104.2%)、当期利益13億円(32.5%)を見込んでいる。当期利益が大幅に減少するのは減損会計が適用されるためである。

  現在、アークスは164店舗、2000億円を越えた。これは北海道の食品スーパーマーケット業界としては、イオングループ、生協グループと並び、3大グループの一角を占め、アークスのめざすクリティカル・マスに近づいているといえる。今後ともアークスの動向には注目である。


April 19, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 18, 2006

食品スーパーマーケット、各地で新店オープン!

  4月は、2月、3月決算企業はすでに新年度に入り、それにともない、食品スーパーマーケット業界も新店があいついでオープンしている。業界をとりまく、経営環境、競合状況は非常に厳しいものがあるが、既存店の売上が伸び悩む中、売上を確保するための経営戦略として、スクラップ&ビルドが優先課題となりつつある。今期も食品スーパーマーケット業界は積極的な出店がなされるものと思う。

  さて、まず、スーパーセンターの新規出店状況であるが、ベイシアが4/6にベイシアフードセンター香取小見川店を千葉県香取市野田にオープンした。スーパーセンターは2/23のベイシアフードセンター嵐山店オープン以来、約2ケ月ぶりである。香取小見川店はカインズホームスーパーセンタータイプであり、このタイプとしては9号店目となる。カインズの中にベイシアが入り込むタイプであり、カインズを併設するNSCタイプとは違う。また、千葉県への出店はこれで8店舗目となり、着々と千葉県にドミナント展開を形成しつつある。店舗面積は2000坪強であり、食品は約850坪である。ベイシアはスーパーセンター以外にもベイシアマート伊勢崎あずま店を3/31にオープンし、18号店となるベイシアマート前橋おおご店を4/18にオープンする予定である。

  イズミヤもスーパーセンター神戸玉津店を4/7、兵庫県神戸にオープンした。イズミヤのスーパーセンターとしては5号店となるものであり、スーパーセンター業態の開発も軌道に乗ってきたといえる。総売場面積が2層立てで、5000坪強という大型スーパーセンターである。イズミヤのスーパーセンターの特徴は衣料部門の強さにあり、他のスーパーセンターと違い、食品の構成比が若干低い点である。その分、粗利率は向上し、採算性は高くなるという。

  一方、NSCについても、ヨークベニマルが福島県いわき市にヨークベニマルエブリア店を4/21にオープンする。約90に上る専門店で構成されている鹿島ショッピングセンターのエブリアのキーテナントとしてのヨークベニマル123店舗の出店となる。また、4/11には食品スーパーマーケットであるが、福島県会津若松市花春町にヨークベニマル花春店をオープンした。この店舗は旧店舗のリニューアルオープンであり、店舗面積は約600坪であり、年商22億円を目指すという。

  ヤオコーも3/30、埼玉県ふじみの市に87店舗目となるヤオコー上福岡西口店をオープンした。この店舗はココネ上福岡ショッピングセンターの中核としての出店であり、年商18億円の予定という。4/12には、埼玉県北安達郡伊奈町にヤオコー88店舗目となる伊奈店をオープンした。この店舗もショッピングセンター(ウニクス 伊奈)の中核として出店であり、年商25億円の予定という。どちらも業態としてはNSCといえ、ヤオコーも単独店からNSCタイプの店舗開発が最近は主力業態である。

  そして、食品スーパーマーケットもこの時期、続々オープンしている。サミットが3/25、横浜市戸塚区に下倉田店をオープンした。オオゼキも3/28、東京都三鷹市にオオゼキ28店舗となる三鷹店をオープンした。4/1にはカスミが埼玉県八潮市にフ-ドスクエア八潮駅前店をオープンした。売場面積は約600坪であり、年商27億円の予定という。カスミ121店舗の店舗であり、このフードスクェアタイプは14店舗目という。4/14にはマックスバリュ東海が静岡県駿東郡長泉町に51店舗目の店舗であるマックスバリュ平塚河内店をオープンした。この店舗は3/18にオープン予定であったが、工事等の遅れにより、オープンが延期されていた店舗である。約600坪強の店舗であり、年商25億円を目指すという。4/8、マックスバリュ西日本が兵庫県三木市に131店舗目のマックスバリュ恵比須(えびす)店をオープンした。約300坪の店舗で年商12億円を目指すという。4/13にはバローが岐阜県岐阜市にバロー領下店をリニューアルオープンした。約450坪で年商23億円を目指すという。

  このように4月に入り、スーパーセンター、NSC、食品スーパーマーケットともに新規出店が増え、今期も食品スーパーマーケット業界は新店戦略が今期の成長をささえる経営課題となろう。

April 18, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 17, 2006

増収増益!イズミ、マックスバリュ東海、2006年2月期決算短信

  イズミ、マックスバリュ東海の2006年2月期の決算短信が公表され、両食品スーパーマーケットともに増収増益であった。食品スーパーマーケット業界の中でも、この2社は好調な企業であり、今期決算も好業績であった。

  イズミの売上は4368億円(102.4%)、営業利益227億円(114.8%:売上対比5.1%)、経常利益226億円(116.5%:売上対比5.1%)、当期利益115億円(120.6%:売上対比2.6%)であった。イズミはここ5年間約105%と安定した成長を続けており、今期は102.4%とやや成長率が下がったが、営業利益、経常利益、当期利益ともに二桁の伸びであり、利益に関してはこの5年間いずれも二桁の伸び率で推移するという高収益体制が定着したといえる。イズミの収益構造は、食品スーパーマーケットとは若干構造が異なり、食品の構成比が年々下がっており、5年前は41.5%であったが、現在では36.7%と5ポイント下がっている。逆に、テンナント構成比が5年前の27.0%から、現在では30.1%と伸びており、衣料品の18.6%、住居関連品の9.8%を優に越え、全体の30%を占め、衣料品、住居関連用品の合計を抜き、食品につぐ第2の柱となっている。

  一方、マックスバリュ東海の売上は874億円(166.6%)、営業利益39億円(110.6%:売上対比4.4%)、経常利益40億円(112.5%:売上対比4.5%)、当期利益28億円(98.2%:売上対比3.2%)であった。マックスバリュ東海はここ3年間急成長をつづけており、2004年2月期の売上は111.5%、2005年2月期116.6%、そして、2006年2月期166.6%といずれも2桁成長である。営業利益、経常利益ともにほぼ同様に高い成長率であり、好業績を維持している。特にこの好業績をささえているポイントのひとつは既存店の売上がここ3年間昨年を下回ることなく推移していることである。2004年101.8%、2005年102.8%、2006年101.5%とわずかではあるが、昨年対比をクリアーしている。既存店の客単価は昨年をわずかに下回っているが、客数が常に昨年対比をクリアーし、客単価のダウンを補っている。これはマックスバリュ東海の商品戦略がPI値の最も高い青果とグロサリーの粗利率を約20%という低粗利率に設定し、売上構成比をこの2部門に比重をかけたPI値アップ戦略を徹底していることによる。

  さて、イズミの今期見通しであるが、売上4440億円(101.6%)、経常利益246億円(108.5%)、当期利益126億円(109.2%)と計画している。既存店の売上を100%と見込み、2006年後半のゆめタウン佐賀の新規出店を見込んでの数字計画である。さらに昨年締結した丸久との資本・業務提携の効果も期待できるものといえ、今期も好業績が期待できそうである。なお、現在のイズミの売上No.1店舗は香川県の高松店223億円、No.2が福岡県の久留米店197億円、No.3が長崎県の長崎店172億円、No.4が熊本県の光の森店163億円、そして、No.5が福岡県の筑紫野店126億円である。いずれも、地元広島県の店舗ではなく、四国、九州の店舗であり、GMSタイプのゆめタウンがイズミの柱となっている。

  マックスバリュ東海の今期の見通しについては売上975億円(111.5%)、経常利益44億円(110%)、当期利益24億円(85.7%)と計画している。今期はマックスバリュ東海は3年間に30店舗の新規出店を計画した3ケ年計画の最後の年となり、今期も約10店舗の新規出店を見込み、高い成長率の計画となっている。マックスバリュ東海も徐々に出店エリアも静岡県中心のドミナント展開から、神奈川、愛知、山梨へと拡大しはじめており、今期も高い成長率を維持しつつ、好決算が期待できそうである。

  このように、この2社は食品スーパーマーケット業界の中でもここ数年間安定した成長と高収益を確保している企業であり、既存店の活性化が功を奏していることに加え、新規出店も軌道にのりはじめており、今期も好決算が期待できそうでえある。

April 17, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 16, 2006

エコス、増収大幅減益で厳しい決算、2006年2月期!

  エコスが2006年2月期の決算短信を発表した。それによると、連結売上高は1,148億円(107.6%)、営業利益4億円(20.1%:売上対比0.34%)、経常利益3億円(15.8%:売上対比0.26%)、当期利益-21億円となり、増収大幅減益であった。また、単独決算短信に関しては、売上711億円(101.5%)、営業利益2億円(13.1%:売上対比0.28%)経常利益2億円(12.8%:売上対比0.28%)、当期利益-12億円であり、単独も増収大幅減益であった。

  これに対し、エコス自身は、既存店売上高の減少に伴う売上総利益率の低下及び販管費率の上昇等により大幅な減益となったと分析している。また減損会計の早期適用による減損損失24.9億円の計上等により当期損失になったとしている。実際、決算書で確認すると、粗利率は前期が28.1%に対し、今期は27.1%であり、1ポイント低下し、販売管理費は前期が26.1%に対し、今期は26.7%と0.6ポイント悪化している。差引き1.6ポイントであり、これが営業利益を大きく下げた原因といえる。既存店の状況については、前期の売上高が94.0%、下期がやや回復したものの98.8%であり、通期では96.6%と厳しい状況であり、エコス自身が分析しているように、既存店の不振が、粗利、経費等に大きな影響を与え、厳しい決算になったといえよう。小売業における既存店は売上が上がれば固定費が下がり、逆に下がれば固定費があがり、全体への影響が大きく、既存店の売上で昨年対比をクリアーできるかどうかが経営的には大きな課題である。

  この数字を受けて、エコスは2006年度の経営基本方針を発表した。それによると、大きく、経営基本方針と数値計画からなっている。経営基本方針については、まず、2つの大方針を掲げており、1つは「組織運営を本部主体から、店舗主体へ」であり、もうひとつは「売上高の拡大と利益率の向上」である。特に、前者はいわゆる個店主義に通じる内容であり、本部主導を前提としたチェーンオペレーションの再構築といえよう。

  また、上記2大方針を実現させるために、具体的な4つの政策を掲げている。出店戦略、商品政策、オペレーション施策、教育訓練・人事制度改革である。出店戦略については、今回の最大の課題が既存店の活性化にあることから、今期も全約70店舗の20%強にあたる16店舗の既存店の改装を予定しているという。また、それに加え、スクラップ&ビルドを積極的に行い、投資額も圧縮してゆく方針であるという。

  商品政策については、生鮮、惣菜、グロサリーの大きく3つに分けて商品強化に取り組むという。生鮮に関しては、売場の見直し、企画の投入、そして、産直による商品力の強化により売上アップをはかるという。惣菜に関しては新たに工場をつくり、高品質商品の導入や商品開発を積極的に行い粗利率の高い惣菜強化により、粗利の改善に入るという。そして、グロサリーに関しては協同組合セルコチェーンのプライベートブランドのさらなる商品内容の充実をはかり、粗利改善を目指すという。

  オペレーション施策に関しては、情報システムを見直し、店舗の業務、作業の効率化を支援し、さらに店舗中心の社内コミュニケーションの充実をはかるという。そして、教育訓練・人事制度改革については、特に、パート社員に対しての技術、マネジメント教育を行い、同時に、社員の教育研修制度を再構築するという。

  これらの施策をもとに、2007年2月期の連結売上高は1,150億円(100.1%)、経常利益13億円(318.3%:売上対比1.13%)、当期利益4億円、単独では、売上高713億円(100.2%)、経常利益10億円(361.3%:売上対比1.4%)、当期利益3億円の計画である。特に、既存店に関しては100.1%の伸びを計画しているが、3月の既存店の結果は99.1%、全体では98.7%であり、上記計画を若干下回っており、厳しいスタートをきったといえよう。

  4/14の日経でもエコスが関西のサボイを経営支援するという記事が載っていたが、現在のエコスの経営環境は厳しいものがあり、まず、既存店を活性化し、どこまで数字改善ができるかが当面の経営の最優先課題であろう。

April 16, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 15, 2006

NSC(近隣型SC)へ専門店がシフト!

  4/12の日経MJに「ポイントが新業態、近隣型のSC向け、まちづくり3法対応」という記事が載った。内容を要約すると、カジュアル衣料専門店のポイントが2年以内を目処に、NSC(近隣型ショッピングセンター)向けの新業態を開発するという。ポイントは現在、「ローリーズファーム」、「グローバルワーク」という主力業態をもっているが、これとは別に、NSC向けに低価格で、日常性の高い衣料専門店を新たに開発するという。そして、この背景にあるのは「まちづくり3法」の改正であり、この法案が成立すると大型SCの出店が大幅に制限され、新たな成長を目指すためには、NSC対応の新業態開発が必要と経営判断したという。この分野ではすでに、ユニクロやハニーズが先行しているが、ポイントは、独自性をだすために、ファッション性を打ち出すのではないかと記事では推測している。

  ポイントはファッションカジュアルを専門とするSPA型(製造小売業)の衣料チェーン店であり、ここ数年急成長を遂げてきた企業である。2001/02(121億円)、2002/02(156億円:128%)、2003/02(206億円:132%)、2004/03(278億円:134%)、2005/02(377億円:135%)という急成長である。また、前期の売上総利益は228億円(60.4%)と驚異的な数字であり、SPAであるからこそ可能な粗利率である。一般管理費は153億円(40.5%)、営業利益75億円(19.8%)といずれも通常の小売業では達成不可能な数字である。

  上記数字のように、ポイントはこの数年間、約130%の急成長を続けてきた企業であり、その出店戦略は郊外型の大型ショッピングセンターや都心の専門店ビルが中心であり、いわば中から大商圏中心の出店戦略であった。したがって、ポイントが今後とも高い成長性を維持してゆくためには独自のチェーン展開か、まちづくり3法に規制されないNSCへの出店が大きなテーマとなる。ただ、そのためには、小から中商圏対応の業態開発が課題となり、これが、ポイントが新業態開発に踏み切った背景である。

  4/12の日経MJでは、さらに西松屋チェーンの記事も掲載しており、その中でもやはり、西松屋チェーンもNSCへの出店に自信、という内容である。西松屋チェーンはベビー子供服の専門チェーンであり、全国に500店舗近く展開している企業である。西松屋チェーンも最近ではNSCに出店しているが、売上は大型ショッピングセンターの出店ほどは取れず、販売管理費もアップするという。しかし、店舗面積が狭い分、衣料品の構成比があがり、粗利は改善するという。やはり、小商圏対応の品揃えがポイントになるという。

  このように、まちづくり3法は、イオンのように、大型ショッピングセンターや大型スーパーセンターを主力業態としてきた企業に大きな影響がでるだけでなく、そこに出店していた専門店にも大きな影響が予想される。今後、大型ショッピングセンター中心に出店戦略をとっていた専門店に関しては、NSCに出店戦略を切り替えざるをえず、そのためには、これまでの大商圏型の業態から中、小商圏型の業態開発が急務となる。

  一方、食品スーパーマーケット業界にとっては、今後、大型ショッピングセンターに出店してきた衣料専門店、住関連専門店、外食専門店、その他業態の専門店が小、中商圏に対応したNSC向けの業態開発が進むことにより、NSC展開においては様々な選択肢が広がる。その意味で、NSCは今後の大きな成長性の高い主力業態へ育つ可能性が高く、食品スーパーマーケット業界としては、今後、NSCの確立が新たな急成長分野となろう。今回のポイントの新戦略は、食品スーパーマーケット業界にとってNSCの開発がますます重要な経営戦略となるきっかけとなろう。

April 15, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 14, 2006

客単価3D分析の新たな指標、「一品客単価」に注目せよ!

  客単価3D分析が少しづつではあるが、実務に活用され始めた。2D分析の時は、PI値がメインであったため、いかに買上点数を上げるかが客単価アップの最優先事項であったが、3D分析になると、新たな視点である客数PI値の分析が可能となったため、これまで気づかなかった、あるいは、あえて見過ごしてきた点に焦点が当たるようになってきた。

  それは、PI値が極めて低く、高額の商品に対しての客単価アップ手法である。この分野の商品に対しては以前から、PI値、PPIからのアプローチでは充分な効果が得られなかったが、客数PI値が分析できるようになって、光が見えてきたといえる。また、それにともなって、これまでのマーチャンダイジングを根本的に見直すことも新たな課題となりつつある。本ブログは、その意味で、私にとってもまだ充分に確立されていないテーマに対しての挑戦でもある。

 そこで、まず、次のような極端な客単価3D分析を想定してみたい。

A:購入頻度が高く、小額商品の3D分析
   客単価(200円)=PPI(200%)×平均単価(100円)×客数PI値(100%)
             =客単価PPI(200円)×客数PI値(100%) 

B:購入頻度が低く、高額商品の3D分析
   客単価(200円)=PPI(100%)×平均単価(2000円)×客数PI値(10%)
             =客単価PPI(2000円)×客数PI値(10%)

  この2つの想定3D分析は客単価が同じ200円であるが、その中身が180度違う商品である。Aの客単価アップのアプローチはPPIを最優先に取り組むことが課題となるが、Bに関しては、PPIのアプローチには限界があり、むしろ、客数PI値を最優先で取り組むことが課題となる。

  したがって、Bのように本来購入頻度が低く、高額商品の3D分析は、

   客単価(200円)=客数PI値(10%)×平均単価(2000円)×PPI(100%)

と、取り組む優先順位をかえ、客数PI値を最優先に取り組むべきである。Aに関しては、PPIと平均単価を掛けた客単価PPIが最重要指標となるが、Bについては、新たな客数PI値と平均単価を掛けた、

             =「1品客単価」(200円)×PPI(100%)

という、「1品客単価(仮称)」が最重要指標であり、この指標を極限までアップさせるマーチャンダイジングが最優先課題となる。なぜなら、Aは、客数PI値が100%=1であるので、実質上、PPIと平均単価のみの2Dであり、BはPPIが100%=1であるので、実質上、客数PI値と平均単価のみの2Dだからである。

  この「1品客単価」が、購入頻度が低く、高額商品の決めてとなる新指標であり、3D分析のこれまで名前がなかった客単価PPIの面、PI値の面に加わる、新たな面へのネーミングとなる。しかも、この商品群の活性化手法は、縦軸に平均単価、横軸に客数PI値をとり、商品、店舗をプロットすることにより、客数PI値アップと平均単価を改善してゆきながら、「1品客単価」を最高にもってゆくマーケティング戦略が重要なテーマとなり、より戦略的な取組がポイントとなる。客数PI値はさらにレシートのID化ができれば、100%を越え、200%、300%も理論上は可能なマーケティング政策であり、いわゆる来店頻度という時間軸を加える3D+αにも道を開くことになる。また、平均単価も付加価値をあげることにより、宝石のように、理論的には極限までアップすることが可能となり、「1品客単価」も客数PI値を上げるか、平均単価を上げるか、双方をあげるかの3択問題を解くテーマであることがわかる。
 
 今後は、その意味で、購入頻度が低く、高額な商品を扱う分野では、客単価3D分析も、

     客単価=客数PI値×平均単価×PPI=「1品客単価」×PPI

という、従来の3D分析の基本公式を180度入れ替え、新たな概念である「1品客単価」という指標をいかに高めるかというアプローチが新たな研究課題となろう。

April 14, 2006 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 13, 2006

日本最大の食品スーパーマーケットが誕生!!

  4/11、7&Iホールディングスがヨークベニマルと株式交換締結を結び、9/1に株式交換による完全子会社化を実施すると発表した。株式交換比率はヨークベニマルの株式1株に対して、7&Iホールディングスの株式0.88株を割当て交付するという。7&Iホールディングスはこれにより、ヨークベニマルを食品スーパーマーケット事業の柱とし、子会社のヨークマート、シェルガーデンを統合すれば、年商4,000億円を越え、日本最大の食品スーパーマーケットが誕生することになる。現在、日本にはまだ年商4,000億円を越える食品スーパーマーケットは存在しないので、この統合を機に日本でもはじめて年商4,000億円の食品スーパーマーケットが誕生する可能性が高まったといえよう。

  この発表を受け、4/12のヨークベニマルの株価は急騰、210円高の4,180円(5.28%)高で引けた。しかも、売買高が577千株と通常の10倍以上の大商いとなった。ヨークベニマルの年初来高値は1/13の4,360円であり、ここ数ケ月では高い水準の株価といえる。逆に、7&Iホールディングスの株価は80円安の4,760円(-1.65%)で引けた。4/12には7&Iホールディングスの決算短信の発表があったが、それによると売上は3兆8,957億円、営業利益は2,449億円であり、ヨークベニマルの売上貢献度は10%弱、営業利益貢献度は5%強である点を考えると、衝撃的なインパクトとはいえず、投資家の反応が鈍かったものと思われる。

  同じく、4/12にはヨークベニマルも決算短信を発表しており、それによると、連結では、売上は3,149億円(107.8%)、営業利益140億円(98%:売上対比4.4%)、経常利益141億円(100%)、当期利益73億円(94.4%:売上対比2.3%)と営業ベースでは、増収減益であった。また、単体では、売上は2,974億円(103.3%)、営業利益114億円(94.9%:売上対比3.8%)、経常利益119億円(100.7%)、当期利益67億円(102.6:売上対比2.2)と、やはり、営業ベースでは増収減益であり、単体の方がやや数字が伸び悩んでいる状況といえよう。

  ヨークベニマルの今期の営業政策は、「小商圏で繰り返し来店されるお客さまの日常の食卓をより楽しく、豊かに、便利にする」というコンセプトのもとに、「個店経営の確立」、「商品開発の強化」、「基本4項目の徹底:フレンドリーサービス、クリンリネス、鮮度と味の追求、品切れ防止」、「技術革新による生産性の向上」を基本方針とし、200店舗体制に向けた組織と仕組みづくりに取り組んできたという。基本4項目に鮮度と味の追求、品切れ防止を入れるところは食品スーパーマーケットに徹するヨークベニマルらいしい方針であり、実際、ヨークベニマルの売場を見ると、これらが徹底されているといつも思う。特に、今期は発注ミーティングを店組織に定着させることを最大の課題として取り組んできたといい、基本4項目に掲げる品切れ防止が最大の課題であったといえる。

  それにともない、この数年間の既存店の客数、客単価の動きをみてみると、客数は競合店等の影響もあり、99.3%と昨年をわずかに下回った。客単価も、まだ、100%までは回復していないが、年々上昇しておおり、3年前の95.8%、2年前の96.3%、そして、今期の98.5%と確実に回復傾向にある。特に、PI値が99.3%、100.4%、100.9%とわずかではあるが、昨対を越え、確実に上昇しており、平均単価も96.5%、95.9%、97.6%と過去3年間では最も高い数値であった。この数年間、ヨークベニマルはPI値も平均単価も回復基調にあるといえ、客単価も昨年対比100%が見え始めたといえよう。

  このように食品スーパーマーケット業界の中でも、経営数値はもちろん、マーチャンダイジングの完成度の高いヨークベニマルが7&Iホールディングスの完全子会社となり、日本最大の食品スーパーマーケットとなることは、今後の食品スーパーマーケット業界全体の再編成につながるインパクトがあり、今年は、食品スーパーマーケット業界にとっては激動の1年を暗示している年といえよう。

April 13, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 12, 2006

レシート分析のポイント

  一般的にレシート分析というと、商品の関連分析が先行している感があるが、レシート分析の最大のポイントは商品分類ごとの細分化した客数が把握できることにある。大分類、中分類、小分類から単品、そして、単品と単品を自由に組合せた自由分類の客数がレシート分析により可能となることである。逆に、レシート分析ができない場合は、これらの客数は全く把握できず、全体の客数しか算出できない。その商品分類、あるいはその商品を購入した顧客も、購入しなかった顧客も一緒の客数となってしまうため、客数の把握が大雑把になる。より、精度の高い顧客の購買行動をつかむためには、レシートの分析による商品分類ごとの顧客の購買行動をみることがポイントである。

  これは、通常小売業界で活用されている客単価にも同じことがいえる。客単価は一般的に売上を全体客数で割って算出し、売上=全体客数×客単価で表し、売上を上げるためには全体客数をアップさせるか、客単価をアップさせるか、双方をアップさせるかという3択問題を解くことである。ところが、全体客数は店舗全体の商品政策や競合状況、社会行事、天候などに左右され、自らの力ではどうにもならない要素が多く、この改善は並大抵のことでは難しく、結局、ちらし政策が唯一といってよい解決策となる。

  ところが、レシート分析が可能になると、客単価の全体客数が商品分類で細分化された細分化客数として把握可能となり、売上÷全体客数=(売上÷細分化客数)×(細分化客数÷全体客数)となり、客単価も細分化客数で把握ができる。したがって、ある商品分類の売上をあげるためには、その商品分類の客単価をあげるか、その商品分類の店内客数をあげるか、あるいは双方をあげるかの3択問題となり、これまでのように、客単価だけの改善だけでなく、店内の客数からその商品への集客をはかれば、その商品の売上アップにつながるという、新たなマーケティング政策が導きだされることとなる。

  これは、自らの力で店内集客力をアップさせることが可能となるため、ちらしにかわり、POP、棚割り、レイアウト、インプロ、店内クーポンなど様々な政策が重要なテーマとなる。しかも、従来の全体客数では、これらの販促政策の効果を検証することが中々できなかったが、細分化された客数を活用することにより、かなりの精度でこれらの効果を明確な指標で検証することが可能となる。

  さらに、従来、客単価は2Dで分析され、客単価=PI値×平均単価であったが、レシート分析による細分化客数を活用することにより、PI値も客単価同様、PI値=買上点数÷全体客数=(買上点数÷細分化客数)×(細分化客数÷全体客数)となり、より精度の高い細分化されたPI値(PPI(Personal PI値))に分解することが可能となり、PI値アップも細分化PI値であるPPIと細分化客数÷全体客数(これを客数PIと呼ぶ)で表すことが可能となる。したがって、客単価は、客単価=PI値×平均単価=PPI×平均単価×客数PIとなり、客単価も3Dで分析が可能となる。

  このようにレシート分析ができれば細分化客数を把握することが可能となり、小売業のマーチャンダイジングのこれまでの様々な政策を、より精度の高い指標で検証できるようになるだけでなく、新たなマーチャンダイジング理論である客単価の3D分析に道を開くこととなる。残念ながら、まだまだ、レシート分析は技術的にも理論的にも発展途上であり、今後の研究に委ねる必要があるが、ここで示した、細分化客数に着目した手法は今後の小売業界の新たなマーチャンダイジングを考える上で、参考になるものと思う。

April 12, 2006 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 11, 2006

オオゼキ、増収増益! 2006年2月期、決算短信

  オオゼキの2006年2月期の決算結果が4/10公表された。それによると、売上557億円(107.4%)、営業利益41億円(101.9%:売上対比7.3%)、経常利益41億円(101.7%:売上対比7.3%)、当期利益24億円(102.8%:売上対比4.3%)と増収増益であった。ROE(株主資本利益率)も14.0%と高い数字であり、今期も好調な経営内容であった。特に、売上対比営業利益率が7.3%と食品スーパーマーケット業界の平均2~3%前後と比べても、図抜けており、オオゼキは極めて収益性の高い企業である。

  オオゼキの収益性高さの原因は販売管理費の低さにあり、今期の数字は昨年よりもややアップしてはいるが、17.8%で抑えている点である。粗利率は25.2%で通常の食品スーパーマーケットと比べても極めて高いとはいえないので、やはり、販売管理費17.8%がオオゼキの強みである。経費の大きな項目順にみてみると、人件費(給料、賞与、役員報酬、福利厚生費等)の粗利額対比、いわゆる労働分配率は約40%であり、食品スーパーマーケット業界水準と比べてもけっして低いとはいえない。その他の経費もけっして低いとはいえないが、強いていえば、広告宣伝費が売上対比0.67%とかなり低めであり、これは通常の食品スーパーマーケットと比べ1~2ポイント低く、宣伝広告費が極めて低いという特徴がある。オオゼキの正社員比率は70~80%と通常の食品スーパーマーケットのパート比率並であり、本来であれば人件費比率が高くなりすぎ、労働分配率が40%では収まらないはずであるが、収まってしまうところにオオゼキの強さのポイントがある。

  では、オオゼキの強さの秘訣は何か。その最大のポイントは売場効率にある。オオゼキの年間坪効率、いわゆる坪売上は1300万円/年/坪である。これは食品スーパーマーケット業界平均の約3倍の超高効率である。また、同様に、1人当りの売上高も4000万円を越え、これも食品スーパーマーケット業界平均の約2倍近い、やはり、超高効率である。このように、オオゼキの売上効率は面積当りも、人当りも極めて高く、これが粗利率24.1%を掛けると、粗利高が通常の食品スーパーマーケットと比べ異常値となり、人件費、その他の経費を吸収してしまい、販売管理費率17.8%を実現してしまう秘密ともいえる。

  では、ここまで、売上効率を高めるオオゼキの売上アップのポイントは何か。それはズバリ客数にある。売上は一般に客数×客単価であるが、オオゼキの売上効率の異常値は、約200坪という小規模な面積に目一杯客数を集客しうる立地選定と商品力の強さといえよう。立地については東京の世田谷、大田、品川の住宅密集地にドミナント展開をはかり、その他の店舗も東京都内の住宅密集地に立地するという極めて好立地への出店である。よっぽど、立地選定と競合状況を間違えない限り、これらの立地は3000人/日近い集客がはかれる商圏である。そこに約200坪の食品スーパーマーケットを出店するので、それだけで高い坪効率となる。

  またもう一方の商品力については、オオゼキの売上構成比でみれば明確なように、青果20.9%、日配19.8%、食品18.3%といわゆるPI値3大商品の構成比がみごとに構成比ベスト3となる点である。しかも、青果は他の生鮮食品の鮮魚の13.2%、精肉の12.3%と比べても極めて高いのが特徴であり、この青果の20.9%という構成比の高さをみても強力な集客力といえる。さらに、オオゼキの3つの経営戦略である「個店主義」、「個店分散仕入れ」、「高い正社員比率」が商品力を強力に推進しているといえる。

  このような絶好の好立地と強力な商品力により、高効率な売上を達成し、経費比率を下げ、高い収益率を誇るオオゼキであるが、こと既存店に関してはさすがに伸び悩んでおり、今期96.46%と厳しい状況である。客数98.40%、客単価98.03%であり、どちらも約2%のダウンであり、競合状況の厳しさを示しいる数字といえよう。次期の見通しの中でも、「今期は全社を挙げて現場主義を徹底し、既存店売上昨年対比100%以上を確保する計画」であると宣言しているほどであり、当面のオオゼキの経営課題は既存店の売上アップにあるといえる。

April 11, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 10, 2006

クローガー、昨対107.5%、順調に売上をキープ!

  全米をウォールマートのスーパーセンターが席巻する中、食品スーパーマーケット業界No.1のクローガーが第4四半期、107.5%と、順調に売上をキープしている。売上高は四半期のみで147億ドルというので、日本円でおよそ1兆7000億円強である。今回公表されたクローガーの第4四半期は1/28までの数字であり、現在、公表しているものとしては最新の財務データである。クローガーは食品スーパーマーケット以外にもドラックストア、宝石専門店など、様々な業種をもっているため、純粋な食品スーパーマーケットとしての数字だけでみると、106.2%であり、ガソリン等の燃料を除くと、104.7%である。したがって、純然たる食品スーパーマーケットとしては104.7%、企業全体としては107.5%で推移しているといえる。

  この結果には、クローガーの経営陣も自信をもっているようで、1999年にフレッドマイヤーを合併して以来の数字であるという。純利益についても、2.82億ドル、約300億円以上となり、前年の第4四半期は赤字であったことを考えると、売上だけでなく、利益も順調に推移したといえる。

  最近のアメリカの食品スーパーマーケット業界ではガソリンスタンドの数字がよくでてくるが、これはここ数年、食品スーパーマーケットにガソリンスタンドを併設することにより、急激に売上が増え、食品スーパーマーケットの全売上の5%近くを占めるようになったからである。そのため、各社が競ってガソリンスタンドを併設し、新たな売上の柱にしはじめているのが現状である。

  この数字を受けて、クローガーの株価も回復基調にあるといえ、2月はじめにはここ数ケ月では底値の18ドル付近であったが、それ以降、株価は上昇しはじめ、特に、この数字が公表された3月始めから、中旬にかけては21ドル付近まで株価があがった。その後、もみ合いが続き、4月に入ってからは20ドル強で推移している。 

  2005年末時点のクローガーは、食品スーパーマーケットとGMSタイプの店舗を全米31州に2507店舗を展開している。店舗名はクローガーだけではなく、M&A以前のブランドをそのまま残しているため、ラルフ、フレッドマイヤー、フード4レス、キングスーパー、スミス、スミスマーケットプレイス、フライ、フライマーケットプレイス、ディロンズ、QFC、シティマーケット等である。それ以外にも791店舗のコンビニエンスストア、428店舗の宝石専門店、579箇所のガソリンスタンド等を展開している流通小売企業である。

  州別に見ると、最もドミナント展開をしている地域はカリフォルニアであり、400店舗以上をラルフ、フード4レス等として出店している。ついで、オハイオ州、テキサス州、ジョージア州の約200店舗であり、ここはほとんどクローガーで出店している地域である。その他の地域で100店舗以上展開している地域はインディアナ州、コロラド州、ワシントン州、ミシガン州、テネシー州、アリゾナ州、ケンタッキー州であり、その他の州では50店舗前後の展開である。

  このようなドミナント展開をしているクローガーは現在も各地でウォールマートのスーパーセンターと激しく競合している。ジョージア州アトランタ地区、テキサス州フューストン地区、インディアナ州インディアナポリス地区、ネバダ州ラスベガス地区、テネシー州ナシュビル地区、ケンタッキー州ルイスビレ地区、ユタ州ソルトレイクシティ地区等では互角以上のシェア争いをしている。逆に、テキサス州フォートウォース地区、インディアナ州フォートウェイン地区、ジョージア州アウガスタ地区ではウォールマートのスーパーセンターに苦戦を強いられている。
 
  クローガーはこのように全米に展開する食品スーパーマーケットとしては真っ向からウォールマートのスーパーセンターに対抗し、挑戦している企業であり、今回の第4四半期の決算を見限り、今後とも期待がもてる数字といえよう。

April 10, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 09, 2006

ウォールマート、3月度、売上速報!

  4/6、ウォールマートの3月度の売上が公表された。3月度は5週間の売上であり、既に、新会計年度に入っているウォールマートにとっては9週間目の売上にあたる。一般的にアメリカの小売業の月間集計は日本と違い、週別を基本とするために、年間を13週づつ、四半期に分け、さらに、13週を4週と5週を組み合わせ、4週、4週、5週や4週、5週、4週と区切り、月度集計をしているのが通常である。3月度のウォールマートの売上も5週間の売上であり、累計は、3月度が4週間であったので、3月度累計は9週間となる。

  さて、まず、全体の3月度の売上であるが、109.4%と好調であった。特に、インターナショナル部門が120.1%と絶好調であり、これは、日本の西友が連結されたことに加え、ウォールマート中央アメリカの連結、ブラジルの企業を合併したことによる。業態別では、ウォールマートのスーパーセンターとディスカウントストアが106.8%、サムズホールセールクラブが106.2%であり、インターナショナル部門の貢献度が大きかたっといえる。9週間の累計についても、全体は110.5%好調であった。

  これに対して、既存店ベースでは、101.4%と3月度は伸び悩んだ数字ではあった。特に、スーパーセンターとディスカウントストアの合計数字が100.8%と大きく伸び悩んだのが原因である。これに対して、ウォールマートの財務責任者のシューウィ氏は、大きなイベントである復活祭が昨年は3月度の集計に入ったが、今年は4月度にずれこむということで、4月度の数字は5%前後になるという見通しを示している。これが事実とすれば、一時的な問題といえよう。ちなみに、復活祭は、3/21以降の最初の満月につぐ日曜日に行われるということであり、この日曜日が4月度にずれるということであろう。また、サムズホールセールクラブの既存店は逆に104.5%と好調であったが、これは燃料、特にセルフのガソリンスタンドの売上が大きく寄与したということである。9週間累計の既存店もしたがって、102.2%と低調な数字であった。

  また、ここ最近のウォールマートの株価は3/28に48.5ドルをつけてから、下げ基調となり、4月に入っても下げ基調が続いている。3月度の売上速報が公表された翌日の4/7には46.2ドルまで下げ、来週の株価が注目されるところである。

  一方、ウォールマートの3月度の新店であるが、スーパーセンターが3/22、同時に5店舗オープンした。カルフォルニアのビューモント(2000店舗目のスーパーセンター)、オハイオのマリースビラ、ロス案ジェルスのニューオリンズ、テキサスのプラノ、アリゾナのクイーンクリークスである。2月度も6店舗と少なかったが、1月度は51店舗と、今年に入り、62店舗目のスーパーセンターの出店である。すでに、2000店舗を越え、ウォールマートの主力業態としての位置を不動のものとしつつある。

  ディスカウントストアについては、2月、3月度は新規出店がなく、1月の4店舗のみである。サムズホールセールクラブについても2月、3月度は新店がなく、やはり、1月の10店舗のみである。同様にネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)につても、2月、3月度は新規出店はなく、1月の1店舗のみであり、次期の主力フォーマットである食品スーパーマーケットもまだまだ軌道に乗っているとはいえいない状況といえよう。

  このように、ウォールマートの3月度は既存店の数字が伸び悩んだというものの、復活祭の関係もあり、4月度と合わせてみてみないと、既存店が伸び悩み始めたかどうかは、判断が早いといえよう。また、新店戦略は明確にスーパーセンターにシフトしており、今後のウォールマートの成長はスーパーセンターと西友をはじめ海外の数字が大きな鍵を握り始めたといえる。ウォールマートは国内ではスーパーセンターを柱にシェアを拡大し、海外ではM&Aによりシェアを拡大するという2極化戦略が当面の経営戦略といえよう。

April 9, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 08, 2006

ウォールマートの陰、日経で3回に渡って連載!

  4/4から4/6まで、日経新聞で、「巨人ウォールマート、独り勝ちの代償」と題して、3回に渡ってウォールマートが取り上げられた。1回目は、「大量出店・戦略に変調、効率経営に批判」、2回目は「手薄な医療保険やり玉、社員冷遇の代名詞」、そして、3回目は「民主、選挙戦の標的に、介入する政治」という記事であった。ウォールマートの陰の部分に光を当てた記事であり、今後のウォールマートの行方をうらなう上で参考になるので、再度、いま、何が問われているのかを確認してみたい。

  1回目の記事では、ウォールマートが「医療費の公的負担が増える」、「米製造業の空洞化を招いている」という批判を地方自治体や労働組合が浴びせているという内容である。3月下旬には、ウォールマートの出店規制をメーン州の自治体が可決、昨年11月にはオハイオ州で労働組合が中心となり、住民投票でウォールマートの出店にまったをかけたという。また、メリーランド州では、企業に一定の医療費を義務づける「ウォールマート法案」を制定したという。

  これは、ウォールマートは現在でも労働組合の活動を拒否しており、労働組合と激しい対立関係にあることが背景にある。特に、労働組合は世界中から商品を大量に輸入するウォールマートが米国製造業の職を奪うと主張しており、いわゆるEveryday Low Price政策が根本から問われているといえよう。また、ウォールマートの社員がウォールマートの医療保険ではなく、公的保険に頼ることが多く、納税者の負担になるという。これは、ウォールマートの福利厚生が不十分であるという主張であり、いわゆるEveryday Low Cost政策が問われているといえよう。

  2回目の記事では、1回目の医療保険の問題をさらに掘り下げ、今年1月に成立した「対ウォールマート法案」の審議の過程で開かれた公聴会でのウォールマートの社員の証言を掲載し、ウォールマートの医療保険の問題を取り上げている。ウォールマートの医療保険は小売業界平均の本人負担3割ではあるが、大企業と比べると本人の負担割合が高いという。そのため、多くの社員やその家族が公的制度に頼らざるをえないという。この2月にはウォールマートも新型医療保険を打ち出したが、その評価はまだ定まらないという記事であった。

  このように2回目の記事ではウォールマートの医療保険の問題に終始した記事となっており、ウォールマートの医療保険は小売業水準ではあるが、全米の大企業と比べるとまだまだ水準が低いという。世界有数の大企業となったウォールマートが、今後、従業員の福利厚生をどう取組んでゆくが問われているという記事であった。

  そして、3回目の記事では、ウォールマートと政治との関係を取り上げ、大統領選挙に向けた民主党が反ウォールマート的な動きに出ているという内容である。ウォールマートもここ数年、政治献金が急速に増えており、特にブッシュ大統領が再選をめざした2004年には2億円強の政治献金を共和党にしたという。民主党にも政治献金はしているが、その比率は小さく、最近では民主党が医療費の増大、対中貿易赤字の象徴としてウォールマートを標的にしているという。また、つい、最近では将来の大統領選を睨んで、民主党のヒラリー上院議員がウォールマートの政治献金を返還したという記事であった。

  このように、3回目の記事では、経済問題から、政治問題にもウォールマート問題は発展しているということであり、特に、民主党が医療費の増大と貿易赤字問題の象徴としてウォールマートを標的にしはじめということである。いまや、ウォールマートは政治対策も避けて通れないほど巨大な企業となったといえよう。

  日経の記事はこのように3回に渡ってウォールマートの陰、医療費の増大と貿易赤字についてのものであったが、特に、医療保険の問題を中心に労働組合、政治との軋轢に焦点を当てた記事っであった。これはウォールマートの経営理念ともいえるEveryday Low PriceとEveryday Low Costが真正面から問われている問題であり、今後のウォールマートのゆくえが注目される。

April 8, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 07, 2006

平和堂、2006年2月期決算、営業、経常ベースで増収増益に!

  4/4、平和堂から2006年2月期の決算短信が公表された。売上3946億円(105.0%)、営業利益128億円(104.1%:売上高比3.24%)、経常利益127億円(107.1%)、当期利益23億円(46.3%)であった。営業ベース、経常ベースでは増収増益であったが、当期利益ベースでは46.3%となった。これは減損会計の適用によるものである。

  これを受けての4/4の平和堂の株価はプラスマイナス0の2645円で引けた。平和堂の株価は3月に入り株価が上昇し始め、ここのところ2600円前後でもみあっていた。4/4の株価も午前中は急上昇し、後場に入り、一時2690円まで跳ね上がったが、後半に入り、売りが増えはじめ、2645円となった。ただ、売買高は通常の2倍の10万株弱の取引となり、投資家の関心の高さがみられた。

  今期、2007年2月期であるが、売上4080億円(103.3%)、経常利益146億円(114.9%:売上高比3.57%)、当期利益73億円(317.3%)と、増収大幅増益の予想であり、特に、減損会計が一段落するので、当期利益は大幅な増益となる予定である。

  さて、2006年2月期の平和堂の営業概況であるが、平和堂はGMSタイプの店舗も多く、食品売上構成比が54.6%と食品スーパーマーケットと比べると若干低い。衣料品が19.6%と約20%あり、衣料品の構成比が高く、住関連も15.7%と食品スーパーマーケット平均の7~8%と比べると2倍あるのが特徴である。特に衣料品は荒利率が34.0%と食品の27.2%と比べ5ポイント以上高く、全体の粗利を押上げているのが現状である。また、売上の前年比を見てみると、食品101.2%、衣料品100.6%、住関連99.5%と、やや住関連が苦戦したといえる。また既存店については、衣料品のみ100.6%と100%を越えたが、その他の部門はいずれも100%を下回った。現在、ほとんどの食品スーパーマーケットが既存店は昨年対比100%を割っているが、平和堂も既存店に関しては厳しい状況といえる。

  さらに、既存店の客数、客単価につていは、客数100.1%、客単価99.5%であり、客単価が若干昨年を下回っている。客単価の中身である、PI値、平均単価については、PI値が101.3%、平均単価が98.3%であり、平均単価を下げて、PI値のアップを図ったが、残念ながら、客単価が99.5%となってしまった。また、既存店の中の食品スーパーマーケットだけで見てみると、客数101.0%、客単価98.1%と客数は100%を上回ったが、客単価が伸び悩み、結果、売上が99.6%と、若干、昨年を下回ってしまった。PI値は100.8%、平均単価は97.3%であり、平均単価を思い切って下げたにもかかわらず、PI値が100.8と伸び悩み、客単価が昨年を下回ったといえる。ここ数年、滋賀県では、ユースストア、ベイシア、イズミヤのスーパーセンター、ハズイのNSC新店と矢継ぎ早にスーパーセンター、NSCの出店があり、その競争の厳しさが、今期の数字には特に、平均単価に表れているといえよう。

  新店に関しては、今期5店舗の食品スーパーマーケットであるフレンドマートを出店するとともに、SSMタイプのアルプラザを2店舗改装し、1店舗を閉鎖している。全店89店舗であるので、スクラップ&ビルドという観点から見ると、閉店1店舗、新店5店舗であり、差引き、4店舗の増加であるので、約5%の増加数となり、やや抑制された新店戦略といえよう。今期についても、新店は5店舗の予定であり、やはり、安定成長を目指した経営戦略といえよう。平和堂の成長戦略は新店戦略によるよりも、最近では昨年9月に岐阜のヤナゲンを傘下に入れるなど、M&A戦略を重視しはじめたといえる。食品スーパーマーケット業界も業界再編成の時代に入った現在、平和堂も今後の成長戦略はM&Aが大きなポイントとなりそうである。

  平和堂は今期、食品スーパーマーケット業界としてはじめての年商4000億円台となる可能性がある。ライフ、イズミ、イズミヤ、フジ、マルエツとここ数年で年商4000億円台となる可能性の高い企業の中では、最初に年商4000億円の壁を越える可能性が高くなったといえよう。

April 7, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 06, 2006

原信ナルスホールディングス、スタート!

  4/1、原信ナルスホールディングスが持株会社として、原信、ナルスを傘下にスタートをきった。初年度(2007年3月)目標売上を1000億円に設定し、営業利益28億円(2.8%)、経常利益29億円(2.9%)、当期利益15億円(1.5%)を目標としてのスタートである。会長にはナルス社長の山崎軍太郎氏が就任し、社長には原信の原信一氏が就任した。4/3には早くも格付投資情報センター(R&I)からBBB(Bトリプルフラット)を取得しており、財務面からも順調なスタートをきったといえよう。ちなみに、格付投資情報センターの小売業界の格付けを見ると、No.1の格付けは7&IホールディングスでAA(ダブルAフラット)であり、A以上の格付けの企業は伊勢丹(A-)、丸井(AA-)、イオン(A+)、平和堂(A-)、マツモトキヨシ(A-)である。

  それにともない、株価も3/30から上昇しはじめ、3/30、前日の1550円から1589円、3/31、1617円、4/3、1645円と売買高は大きく増えてはいないが、確実に上昇基調となっている。原信がナルスとの経営統合を発表した当時は株価が下がり気味になるという、けっして好意的な評価ではなかったが、今回の株価上昇は、投資家から一定の評価を受けたといえよう。

  また、新会社の経営方針であるが、大きく3つに分かれており、商品戦略、店舗戦略、環境対策とからなっている。1つ目の商品戦略であるが、キーワードは生活シーンである。生活シーンに応じた商品作りを行い、あらゆる生活シーンに対応した商品展開を実施してゆこうとしている。特に、手軽でおいしい食卓のお手伝いというコンセプトのもとに、「買ってすぐに食べられる商品群」、「少し手を加えるだけで食べられる商品群」の開発強化がポイントであり、食品スーパーマーケットの基本商材である素材から半加工、加工へと商品群を充実させ、家庭での調理時間を省く商品への開発強化といえる。実際、この商品群は食品スーパーマーケット業界でも現在注目されており、素材と惣菜を結ぶラインの商品群として、生鮮食品からのアプローチ、惣菜からのアプローチ、日配からのアプローチがなされ、、様々な商品開発が行われており、しかも、その客単価、粗利率は高く、いわゆる粗利PI値は最高の商品群、売れて儲かる商品といえる。これ以外にも、商品戦略としては「おいしさへのさらなるこだわり」、「ちょっとした豊かさ、楽しさへの提案」も新会社のキーワードであり、商品戦略を重視した経営戦略が原信ナルスホールディングスの特徴といえる。

  2つ目の店舗戦略であるが、このキーコンセプトは「日本一のサービス」実現を目指す店舗オペレーションがポイントである。原信時代から続いているレジの袋詰めが、その象徴的な取り組みであり、新会社でもサービスの最優先項目として取組んでゆくという。また、24時間対応、SSMへの挑戦もサービス強化の一貫として取組まれ、スクラップ&ビルドにも積極的に取組んでゆくという。さらに、生鮮訓練センターをつくり、生鮮食品の技術者の能力アップにも積極的に取組むという。もう1つ、パート、新会社ではパートナー社員と呼び、約2000名のパートタイマー社員に対し、「パートナー社員監督職登用制度」や「技能検定制度」を導入し、能力アップ支援体制も整え、目標の日本一のサービスを目指し、さらに充実させるという。

  3つ目は環境対策であるが、原信時代から環境対策には積極的であり、2000年には、環境マネジメントシステムの国際規格である「ISO14001」を原信全事業所で取得し、店内だけでなく、バックルームから、物流センター、本部に至るまで環境に配慮した活動を全員参加で取り組んでいるという。

  このように新会社、原信ナルスホールディングスも4/1、順調にスタートしたといえ、今後は、今年度目標売上1000億円へ向けて、新体制で取組んでゆくことになる。今回の原信ナルスホールディングスに限らず、今後の食品スーパーマーケット業界は持株会社が軸となり、業界の再編成が原信ナルスホールディングスも含め大きく進んでゆくことになろう。

April 6, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 05, 2006

3月度、経済月例報告、景気は回復している!

  3月度の経済月例報告が内閣府から3/15に公表された。それによると、総論 としては、景気は、回復しているという判断である。これは2月度と同じ判断であり、3月度も引き続き、景気は回復基調であるといえよう。また、その判断にいたった背景には4つのポイントがあり、1つ目は企業収益が改善し、設備投資が増加している点である。2つ目は、個人消費が、緩やかに増加している点である。3つ目は、雇用情勢が、厳しさが残るものの、改善に広がりがみられる点であり、そして、4つ目が輸出、生産が緩やかに増加している点である。これら4つの状況を勘案し、政府は3月度の景気動向も2月度同様、景気は回復しているという判断を下した。

  ただし、3月度の景気判断は政策判断として、今回の日銀の政策決定について、次のように言及している点が2月度と大きな違いである。すなわち、「日本銀行は3月9日に、量的緩和政策を解除し、金融市場調節の操作目標を日本銀行当座銀行預金残高から無担保コールレート(オーバーナイト物)に変更した上で、これをおおむねゼロ%で推移するよう促すことを決定した。また、同時に決定した「新たな金融政策運営の枠組みの導入について」の中で物価安定の考え方等を明確化した。」という点であり、今後、政府、日銀一体となった取組みを行い、デフレからの脱却を確実なものにするという。

  では、食品スーパーマーケット業界と特にかかわりの深い個人消費と雇用情勢についてもう少し具体的に見てみたい。政府が3月度の景気が回復しているという判断にいたった個人消費の動向であるが、この背景としては、消費者マインドが改善し、所得が緩やかに増加していることがあげられるという。実際、政府が毎月、家計調査月報と鉱工業出荷指数を合成した消費総合指数を見ると、2003年の半期以降、この1月まで上昇基調が続いており、消費マインドは改善している。また、雇用者の所得の動向を表す実質雇用者所得の動きも明らかに1昨年の1月以降上昇基調で、直近の今年1月までつづいており、所得も上昇している。したがって、今後とも、政府の経済政策が継続される限り、個人消費に関しては好調に推移してゆくものといえよう。

  一方、食品スーパーマーケット業界にとってのもうひとつのかかわりの深い雇用情勢についてであるが、政府は、完全失業率が高水準ながらも、低下傾向で推移し、賃金も緩やかに増加していることから、雇用情勢は改善しているという判断である。実際、完全失業率と有効求人倍率のここ数ケ月の推移をみると、この4年間、右肩上がりで推移し、とうとう、この1月には1.03倍となり、ここ数年では過去最高の有効求人倍率となった。逆に完全失業率は3年前から右下がりの傾向で推移し、ここ数ケ月やや上昇気味とはいえ、この1月度は4.5%であり、2002年、2003年頃の5.5%前後の高めの水準であった頃と比べると、明らかに下がっているのが実態である。この統計を見る限り、雇用情勢は、好景気の状況となりつつあり、正社員、パートも含め、人材確保が難しくなりつつある状況といえよう。

  最後に、もうひとつ、食品スーパーマーケット業界と密接なかかわりのある物価についてであるが、消費者物価は横ばいとみてよさそうである。1月に入って、前月比は上昇しているが、これはこれまでの原油等の市況高や寒波の影響によるものと考えられ、傾向としては横ばいといえよう。ただし、企業物価、輸入物価は統計を見る限り、この数ケ月上昇基調であり、物価に関してはけっして安心できる状況とはいえない。

  このように、日本経済の景気動向は3月度も2月度同様、おおむね良好であるといえよう。食品スーパーマーケット業界にとっては消費者物価が横ばいで推移し、個人消費、個人所得が堅調であり、プラスの要因といえるが、反面、好景気であるがゆえに、雇用情勢が食品スーパーマーケット業界にとっては人が集まりにくいということがマイナスの要因といえ、いかに、パートを含め、人材を確保するかが当面の課題といえよう。また、石油の市況悪化が長引けば、全体の物価にも影響があらわれる懸念があり、こと物価に関しては注意深く見守ってゆく必要がありそうである。

April 5, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 04, 2006

まちづくり3法に備え、イオン、着々と体制がため!

  街づくり3法、正式には「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律の一部を改正する等の法律案」が2/8、衆議院の議案として正式に受理され、3/18、衆議院の経済産業委員会に付託され、審議入りが秒読みに入った。本文は、まず、題名を「中心市街地の活性化に関する法律」とシンプルなものにし、目次は6章構成となる予定である。各章の内容は、第1章が総則(第一条―第七条)、第2章が基本方針(第八条)、第3章が基本計画の認定等(第九条―第十五条)、第4章が中心市街地の活性化のための特別の措置、特にこれは3節に分れ、第1節が認定中心市街地における特別の措置(第十六条―第三十九条)、第2節が認定特定民間中心市街地活性化事業に対する特別の措置(第四十条―第五十条)、第3節が中心市街地の活性化のためのその他特別の措置(第五十一条―第五十五条)からなる。そして、第5章が中心市街地活性化本部(第五十六条―第六十五条)、第6章が雑則(第六十六条―第七十三条)となり、これに加え、若干の附則がつく予定である。4月中には委員会での審議が始まり、いよいよ、法案成立に向けてまったなしの状況となった。

  これを受けて、イオンに大きなが動きあった。4/3の日経の1面に、「SC開発のダイヤモンドシティ、イオンが子会社化、イオンモールと経営統合へ」という記事が掲載された。具体的な内容は、SC開発事業の効率化を高めるために、イオンがダイヤモンドシティの株式をTOBによって50%超まで買い取り、子会社し、その後にイオンモールと合併させるという。その背景にはまちづくり3法が改正による影響の大きさがある。今回のまちづくり3法が改正されると、大型SCの郊外への出店は大幅に規制され、現在の体制では資本調達コスト、資材調達コストが複数あるため、結果的にコスト高に調達となるため、SC事業の統合により、コスト削減をはかるのが狙いという。仮にこの経営統合が実現すると、全国37ケ所での展開となり、売上も単純合計で940億円となり、三井不動産のSC部門の509億円を抜き、断トツのNo.1のSC運営会社となるという。

  イオンは日経MJ4/3号でも「イオンとマイカル、同一事業の子会社合併、持株会社に布石」という記事が掲載され、ダイヤモンドシティと同じ、SC事業を展開するマイカルのSC関連サービスを運営する会社との合併を打ち出し、さらに、近い将来持株会社へと移行も検討しているという内容である。

  どちらの内容もまちづくり3法成立後のSC事業を継続発展させてゆくための布石であり。まちづくり3法は今後、最低5年間は法案の見直しがない可能性が高く、ここで手を打たない限り、イオンの成長戦略が難しいとの経営判断であろう。特に、持株会社化をもにらんだ動きであり、すでに先行している7&Iホールディングスに対抗する経営基盤つくり、新規出店よりも、M&Aに軸足をうつしてゆくことが狙いと思われる。

  これを受けて、4/3のダイヤモンドシティ、イオンの株価は急上昇、ダイアモンドシティは230円高(4.55%)の5670円、イオンは130円高(4.55%)の2985円で引けた。当初は双方が朝の記者会見では、この報道を否定していたが、イオンのホームページで正式な発表があり、4/5から5/1まで1株5500円のTOBがなされることになった。まちづくり3法がイオンへ与える影響には、今後、大きいものがあり、持株会社化を含め、様々な体制づくりが待ったなしの状況になったといえよう。

  本ブログでは、まちづくり3法については、その法案内容、審議状況、小売業界はもちろん、食品スーパーマーケット業界へ与える影響について、最新情報を発信してゆくつもりである。

April 4, 2006 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 03, 2006

食品スーパーマーケット、先週の株価(20060331)!

  ここのところ、食品スーパーマーケット業界の株価もやや回復基調にあり、3月中旬以降、上昇基調にある株価がふえつつある。食品スーパーマーケット業界の先週、2006年3月31日の株価の前日比も約6割がプラマイ0を含め、プラスであり、4割がマイナスであった。小売業界全体もほぼその傾向であり、小売業界全体としても回復基調といえよう。

  食品スーパーマーケット上場企業約50社の中で、先週の株価上昇率No.1はマルエツであった。前日比23円高(3.96%)で603円で引けた。マルエツはここ最近株価は上昇基調であり、3/23に通常の約10倍の300万株の取引により急上昇して以来、上げつづけており、取引高も急激に増えている。これは、3/22に公表された業績予想の修正ならびに次期計画に対しての投資家の評価があらわれたものといえよう。業績については当初黒字の計画が大幅な赤字への修正であったにもかかわらず、次期計画では一転、増収増益となるものであり、この次期計画が評価されたものと思う。特に、その中で、仕入れ政策面が次期はダイエーから切り離され、独自仕入れとなるため、マルエツ独自のマーチャンダイジングが可能となり、機動性が増し、業績回復が見込めるとの判断による株価の上昇といえよう。このように、ここのところの株価は前期ではなく、今期の予想に対して値がつけられるという、まさに、先読み相場による値動きであるといえよう。

  食品スーパーマーケットNo.2の株価上昇率はユーストアであり、21円(2.29%)高、935円で引けた。ユーストアの株価は2月中旬までほぼ1000円で推移していたが、今期業績予想が減収減益となる可能性が高くなった2月中旬から株価を下げつづけ、さらに3/20、下方修正の発表があり、株価は920円前後で低迷していた。3/31に関しては、売買高は増えていないものの、ひさしぶりに、やや上昇し、935円で引けた。

  食品スーパーマーケットNo.3はオリンピックであり、18円(1.96%)高、936円で引けた。オリンピックの株価は1/17に発表された第3四半期決算が減収赤字決算となり、これをきっかけに、1060円前後で推移していた株価は急落、3月中旬まで下落は続き、900円前後まで下げた。その後、先週後半からやや株価をもどし、先週末の3/31は936円となった。

  そして、No.4は原信の1.76%高の1617円、No.5はMV西日本の1.29%高の1794円、No.6はサンエーの1.27%高の4750円、No.7はマミーマート の1.08%高の1395円であり、ここまでが、1%以上株価を上げた食品スーパーマーケットである。

  逆に、先週株価を下げた食品スーパーマーケットは、丸和の-3.93%安の220円、マルヤの-2.42%安の804円、フジの-2.04%安の1823円、ヨークベニマルの-1.77%安の3880円、ジョイスの-1.72%安の569円、北雄ラッキー-1.71%安の516円、アークスの-1.63%安の1625円、カウボーイの-1.55%安の379円、平和堂の-1.50%安の2610円であり、この9社が1.5%以上株価が下がった企業である。

  さて、一方、この週の食品スーパーマーケット以外の小売業で堅調であった企業は、キリン堂の8.66%高の1617円、フジタコーポの6.51%高の229000円、JIMOSの6.28%高の203000円、イチヤの6.25%の17円、焼肉サカイの6.16%高の1051円であり、この5社が先週5%以上株価が上昇した小売業である。キリン堂はドラックストア、フジタコーポは様々なフランチャイズを運営している企業であり、JIMOSは化粧品の通販会社であり、イチヤは紳士服専門店、焼肉サカイは焼肉のチェーン店である。

  このように食品スーパーマーケット業界を含め、小売業界もここのところ、徐々にではあるが、株価が回復しつつあり、今月から確定決算数字が各社から公表されるとともに、特に、好決算企業、来期好決算が期待できる企業については株価が大きく動いてくるものと思う。

April 3, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 02, 2006

家計調査月報、2月度速報! 週末商品を分析する!

  2006年2月度、家計調査月報が3/31、総務庁統計局からやっと公表された。家計調査月報は平成12年から平成18年まで、7年間の月別データが公開されており、時系列に過去の推移を把握するには大変役に立つ統計資料である。また、毎月、日別データも公表されており、日々の動向をしる上でも重要な資料である。今回は、その日別データを用いて、2月1日から2月28日までの日々のデータの中から、週末、土日のみのデータをピックアップし、週末、食品スーパーマーケットとして強化すべき商品群をまとめてみたい。

  まず、食品スーパーマーケットの取り扱い商品の食料品の推移であるが、この数字には外食も含まれており、外食を除外する必要がある。1日あたりの食品の平均金額は食品のみでは1923円であり、外食も含めると2283円となる。したがって、差引き、外食には360円が平均して消費されていることがわかる。この食品への平均消費額1923円のうち、週末である土日の平均消費指数を2月度で見てみると、108.4%であり、ほぼ土日は10%弱消費金額が跳ね上がることがわかる。食品スーパーマーケットでいう客単価が約10%週末はアップするということになる。

  そこで、この週末に特に跳ね上がる商品群を2月度の家計調査月報からみてみたい。全体では約110%弱であるが、130%以上週末に跳ね上がる商品が何と10品ある。この指数を仮にここでは週末指数と呼ぶが、2月度の週末指数No.1商品は粉ミルクであった。週末指数148.4%である。1日当りの消費額、食品スーパーマーケットでいう客単価は3円とけっして大きくはないが、週末指数は全商品の中で最高の商品であった。2/12(日)、2/19(日)は少し低いが残りの週末は150%以上の数字がほとんどであり、2/11(土)は238.0%と通常の約3倍の週末指数である。No.2は貝のかきである。週末指数142.9%と140%を越える週末指数である。この2品が140%を越える週末指数の商品である。かきについては季節的な要素も多分にあると思うが、週末は特に消費額が跳ね上がるという特徴がある。ただ、季節商品だけあって、2月度の前半は150%から200%で跳ね上がっているが、後半の週末は100%強であり、2月中旬までの週末指数の高さが特徴である。

  No.3の週末指数は、アイスクリーム・シャーベット137.5%である。冬であるにもかかわらず、週末はアイスクリームの消費額が跳ね上がるのが特徴であり、毎週、週末はきれいに140%前後の週末指数で推移している。No.4はやきとりの136.9%、No.5は発泡酒の13.6.8%、No.6がかにの135.6%、No.7がビールの135.0%、No.8が同率でケイキの135.0%、No.9がワインの133.1%、そして、No.10が牛肉の132.1%である。以上が、週末指数130%を越える商品群であり、ちょうど10品となる。この中で、酒類が発泡酒、ビール、ワインと健闘しているのが目立つ。大分類でみても酒類は週末指数トップであり、133.3%である。ちはみに、大分類では、No.2が貝類の121.1%、No.3がコーヒー・ココア118.6%、No.4がめん類115.6%、No.5が生鮮肉115.3%である。

  次に、2月度週末指数が120%以上の商品を見てみると、つゆ・たれ (128.9%)、焼ちゅう(128.7%)、さしみ盛合わせ(127.6%)、茶飲料(127.0%)、まんじゅう(126.7%)、即席めん(125.7%)、炭酸飲料(125.4%)、コーヒー飲料(125.2%)、カップめん(124.9%)、清酒(123.5%)、カレールウ(122.8%)、ソース(122.5%)、中華めん(121.0%)、せんべい(120.2%)の14品である。

  さらに、もうひとつランクを下げ、2月度の週末指数115%以上の商品を見てみると、弁当(119.4%)、たこ(118.9%)、もち(118.8%)、おにぎり・その他(118.7%)、はくさい(117.8%)、調理パン(117.8%)、えび(117.5%)、カステラ(117.5%)、砂糖(117.2%)、チョコレート(117.0%)、いちご(116.0%)、コーヒー(116.0%)、生しいたけ(115.0%)の13品である。

  このように、商品の中にはあきらかに週末指数の極めて高い商品があることは2月度の最新の家計調査月報をみても、明らかであり、食品スーパーマーケットとしても週末強化の場合は商品群を慎重に選定し、ちらし、インプロ等の販促はもちろん、商品づくり、棚割り、レイアウト等についても週末マーチャンダイジングを確立することがポイントである。

April 2, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 01, 2006

マックスバリュ東海のマーチャンダイジング戦略!

  現在、マックスバリュ東海は、食品スーパーマーケット業界の中でも最も元気のよい企業の1社といえる。ここ数ケ月の昨年対比の売上をみても直近の2月度が122.5%、1月度が120.4%、12月度が118.5%と好調であり、既存店も100%を越えている。その背景にあるのは、積極的な新規出店政策であり、昨年度からはじまった3ケ年計画では、スクラップ&ビルドを含め、30店舗の新規出店をめざしており、さらに、今後は、週末集客タイプのNSC(ネバーフッドショッピングセンター:郊外型SC)にも力をいれてゆくという。また、もう一方では、平日強化型のきめ細かなマーチャンダイジング政策を実施し、近隣からの来店頻度を上げ、集客をはかる政策をもめざすという。

  直近のマックスバリュ東海の業績であるが、3/24に2006年2月期の業績修正が公表された。それによると、売上は874億円(116.6%)、営業利益は39.7億円(110.5%)、売上対比4.54%、経常利益40.0億円(112.6%)売上対比4.57%、当期純利益28.5億円(98.2%)、売上対比3.2%と当期純利益は昨年対比で若干のマイナスとなるが、経常利益ベースでは大幅な増収増益とり、2006年2月期は好決算で終わりそうである。それにともない、ここ最近株価も上昇しており、3/31現在、前日比10円高の2310円(0.43%)で引けた。

  さて、マックスバリュー東海のマーチャンダイジング政策であるが、2006年2月期の第3四半期決算の営業数値を見る限りでは、売上116.4%=客数118.5%×客単価98.2%=PI値103.5%×平均単価94.8%であり、平均単価を約5%下げ、PI値を3.5%アップさせ、客単価を前年並みに近づけつつ、客数を大幅に伸ばし、売上を大きく伸ばしていることがわかる。もちろん、客数は既存店が101.7%であるので、新店によるところが大きいが、PI値のアップが客数アップに連動しているといえ、マーチャンダイジング戦略は明確にPI値アップ戦略といえよう。

  では、PI値アップ戦略に取組むマックバリュ東海のマーチャンダイジングのポイントは何かをみてみたい。柱は大きく3つである。1つ目は、火曜市の徹底強化と品切れ対策による客数増加である。2つ目は、生鮮フード部門の強化などによる粗利率の安定確保である。そして、3つ目は、とりわけ新店におけるローコストオペレーション運営の早期軌道化に向けての仕組みづくりである。この3つを柱に様々なマーチャンダイジング政策がとられている。

  特徴的なマーチャンダイジング政策は生鮮強化のために味、鮮度に拘ったいつでも出来たて商品を提供するインストア製造の強化であり、きわめつけが「ワンデー・ファイブ・サイクル」を目指した生鮮重視型のオペレーション体制の確立である。これは夜間営業の標準化と収益向上を目指し、深夜、早朝の品揃え基準を策定し、時間帯毎にタイムリーな商品提供を目指したものである。そして、この仕組みをモデル店で確立し、全店に水平展開をはかり、全店の作業改善と意識改革をはかっていくという。また、商品づくりについても、出来たての追求はもちろん、バラ販売、少量パック化をすすめる一方、「マックスバリュプライス」や「スペシャル月間特値」による価格政策にも力を入れている。平日の客数対策については、均一セール企画の火曜、水曜市の商品の改廃スピードをあげる政策を重視し、新店においてはいち早く、これらのマーチャンダイジング政策を定着させることをすすめているという。

  このようにマックスバリュ東海はPI値アップ戦略による客数アップに照準をあわせたマーチャンダイジング政策を主体に現在取組んでおり、一方で、今後の食品スーパーマーケット業界の今後の成長戦略をささえる店舗フォーマットであるNSC開発も本格化しつつあり、当面、注目企業のひとつといえよう。

April 1, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)