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June 17, 2006

POSデータ共有による小売とメーカーとの協業状況を見る!

  最近、小売業がPOSデータをメーカーに開示し、そのデータにもとづく、小売業とメーカーとの協業活動が活発になりつつある。すでに、アメリカではウォールマートがリテールリンクという仕組みを完成させており、様々な成功事例があるが、日本では、ウォールマートの傘下となった西友が全面的に採用し、商品開発、売場づくりなどマーチャンダイジングに活用がはじまりつつある。また、以前からセブンイレブンのチームマーチャンダイジングは有名であり、セブンイレブンの新商品開発にはPOSデータが活用されている。食品スーパーマーケットでも、最近では様々な仕組みが開発され、バローをはじめ有力食品スーパーマーケットがメーカーへのPOSデータ開示を始めた。

  このような動きの中で、ユニークなPOSデータの開示を行っているのがコープ札幌である。コープ札幌では、数年前から、メーカーにPOSデータを開示し、POSデータに基づいたメーカーと共同でのマーチャンダイジング勉強会を開催している。その名も「コープ宝箱」というユニークなネーミングであり、最近では「コープ玉手箱」も開発され、ここではちらしの情報を開示しはじめた。特に、ちらしに関しては、コープ札幌はもちろん、北海道の有力企業である北雄ラッキー、札幌東急ストア、イオン、アークス(ビックハウス)、イトーヨーカ堂の店価格別チラシ掲載件数、産地別チラシ掲載件数、週別品目価格産地別掲載件数などを指定すればデータが簡単に集計され、グラフにもなるという。実際、これらの企業のちらしが北海道で頒布されるとすぐにデータが入力され、閲覧可能になるという。このように、POSデータをメーカーと共有する試みは大変ユニークであり、今後の食品スーパーマーケット業界にとっても大変参考になる試みである。

  では、「コープ宝箱」では、実際、どのようにPOSデータが開示され、それをもとに協業するメーカーがどのような提案を行い、また、共同のマーチャンダイジングの勉強会をどのように開催しているのかを見てみたい。

  まず、POSデータの開示内容であるが、まず基本データとしては、日別1095日、週別156週、月別36ケ月と3ケ年のデータをもとに分析が行われる。これらが、大きく商品売上分析と店舗係数分析に分かれる。商品売上分析ではベスト分析、アクト分析、単品照会に別れ、それぞれ地区別、店舗別に単品の日別、週別、月別に商品が見れるという内容である。また店舗係数に関しては、売上、数量、平均単価、客数が店舗ごと、部門ごとに見れるという内容である。したがって、客単価2D分析が可能であり、実際、メーカー側の提案にはPI値はもちろん、金額PI値(客単価)も活用されている。

  次に、この詳細なPOSデータをもとにメーカがどのような提案をしているかであるが、今年の春にハウス食品から提案された「生鮮PI値と洋風スパイスPI値を絡めて検証」という内容が興味深い。ハウス食品では、コープ札幌のPOSデータをもとに、精肉と洋風スパイスのPI値にもとづく相関図を作成し、精肉と洋風スパイスが正の相関になることを実証した。そして、この検証結果にもとづき、精肉の強い店で洋風スパイスの弱い店に洋風スパイスの強化を提案するなどを行ったという。

  このような提案をもとにしたマーチャンダイジング勉強会をコープ札幌では年5~6回、畜産、水産、農産、日配で開催しており、毎回、数社がコープ札幌のPOSデータをもとにプレゼンを行っている。既に、今年のスケジュールも決まっており、農産は4回、水産は5回、畜産は6回、日配は6回の予定である。

  コープ札幌では最近、この延長として、さらにユニークな試みとして、電子商談もはじまっている。各バイヤーが逆オークションで商品を指定し、メーカが応札し、最も安い値をつけたところが落札するというネットを活用した仕組みである。すでに、383社が参加し、414回の逆オークションが開かれ、30億円以上の商談が成立したという。

  このように、最近では、日本独自のIT活用のユニークな仕組みが生まれつつあり、食品スーパーマーケットでもPOSデータが自社のマーチャンダイジングへの活用だけでなく、メーカーとの協業体制構築への活用がはじまりつつあるといえよう。

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June 17, 2006 in PI値 |

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