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August 31, 2006

日経MJで、カップラーメンの顧客ID-POS分析の特集記事!

  8/30の日経MJでカップラーメンの消費分析の記事が特集された。通常、日経MJでは商品動向の分析を日経のPOS分析のデータを用いているが、この記事はカスタマーコミュニケーションズ社のデータを用いての分析であり、日経POSでは踏み込めない、顧客ID分析を基本に分析しているのが特徴である。顧客IDの活用によるPOS分析はまだまだ一般化しておらず、カスタマーコミュニケーションズ社がこの分野では先行しているといえよう。カスタマーコミュニケーションズ社はメーカー、卸、POSメーカー、印刷会社等が共同出資してできた会社であり、ポイントカードなどの顧客IDデータとPOSデータを小売業から入手し、加工し、メーカー・卸等へ販売、コンサルティングをしている会社であり、この分野では大手といえよう。日経POSが商品に着目した分析であるのに対し、カスタマーコミュニケーションズ社は消費者に着目した分析である点が大きく違う。

  さて、記事の内容であるが、「ヘルシースープ成長株」、「即席食品、激戦の行方を読む」、「ラーメンは基礎商品、他製品と併売多く」という見出しであり、顧客ID特有の分析である併売分析によりカップラーメンを併売の核であることを導き出している。併売率は何と70%であるという。カップラーメンを購入する顧客はそれ以外のカップシチューやカップスープなどを70%の確率で併売しているということである。そして、これら併売される商品をいくつかのタイプに分け、これも顧客ID分析特有のリピート率とトライアル率に分解し、どのようなタイプの商品が今後の成長が期待できるかをうらなっている。結論は春雨や蒟蒻を使い腹持ちのよいヘルシータイプスープであり、リピート率43%(購入実績のある顧客の内、複数回購入した割合)、トライアル率が13%(一度でも購入した経験がある顧客の比率)でトップであったという。

  このように、顧客IDを活用すると、単純なPOS分析ではけっして導き出すことのできない、今回のような併売分析、リピート分析、トライアル分析等が可能であり、これまでの商品分析に加え、顧客により視点を移した商品の分析、この日経MJのタイトルでもある消費分析が可能となる。カスタマーコミュニケーションズ社ではこれ以外にも、直前購入分析、直後購入分析、流入流出分析などユニークな分析がある。

  ただ、残念なのは、レシート分析を飛び越して、顧客ID分析に入ったために客単価を平均単価と購入アイテム数とに分けた客単価2D分析の視点で論理が組み立てられるため、もう一段ブレークダウンした顧客に視点をおいた客単価3D分析の視点が十分とはいえない点である。POSデータ分析の流れは、単純分析、レシート分析、顧客ID分析と流れ、その都度、理論も客単価2D、客単価3D、客単価3D-ID分析へと発展してゆくが、この分析は客単価2D-ID分析が主体であり、これにレシート分析の視点をいれるとさらに様々な分析が可能となり、もったいない気がする。

  また、もう1点はせっかくの貴重なID-POSデータ分析がメーカー・卸が活用するための視点が強く、小売業側で活用するための視点が弱いのが残念なところだ。事業そのものがメーカー・卸の出資で成立っており、事業構造もメーカー・卸からデータ分析・コンサルティングにより収益をうる構造であることからやむをえない面があるが、すでにいくつか試みられているようだが、小売側に視点を置いた分析を開発するとさらにおもしろい分析が可能となろう。

  いずれにせよ、本格的に顧客ID分析が可能となり、そのデータを活用する時代が近づいていることは確かといえ、この日経MJの消費分析は、これまでの日経POS分析と一味違った視点が見え、興味深い内容である。

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August 31, 2006 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 30, 2006

レックスホールディングスの株価急落、上場来最安値!

  レックスホールディングスの株価が急落している。8/28には上場来最安値を更新し、現在20万円前後で推移している。レックホールディングスは、焼肉の牛角を主力業態に、ここ数年で次々と異業種の小売業を傘下に入れ、コンビニのam/pm、そして、食品スーパーマーケットの成城石井を吸収合併した。株価が急落したのは、8/22からで、この日、前日304,000円で引けた株価がいっきに254,000円と-50,000円(-16.4%)と急落した。それまでほぼ320,000円前後であった株価が急落した。その後も株価の下落は止まらず、売買高も通常1,000株前後の取引が、8/22以降20倍の20,000株前後の売買高となり、歯止めがかからない状況といえる。

  では、この8/22に何があったのか。その原因は8/21のレックスホールディングスのプレスリリースである。この日、特別損失の発生と中間および通期の業績修正の発表があった。それによると、33.9億円の特別損失が発生し、その内容は不振店舗の固定資産、加盟契約解除損、マーケティングデータやノウハウの資産見直し、牛肉の在庫見直し、コンビニのリース解約損失などであるという。ただ、問題は通期の方であろう。通期の見通しでは、実験業態(外食、コンビニ、スーパー)の抜本的改善、改廃により、さらに特別損失がふくらむとのことである。本来、レックスホールディングスの今後のさらなる成長を支えるはずであった新業態の開発がうまくゆかないことを認めており、特別損失にとどまらず、将来の売上、利益にかかわる内容であるからである。

  そして、中間業績の修正では売上は微減であるが、経常利益が-63%、当期利益は8億円の黒字予想から、-13.4億円の赤字と赤字決算へと修正された。さらに、通期では、売上-10.5%、経常利益-39.1%、当期利益45億円予想から、0へとの大幅な修正となった。特に当期の修正理由では、「各事業における出店政策・新業態開発政策において期初の計画と大きく乖離しており、特に外食事業においては大幅な出店不足となる見込みとなりました。また、事業の収益構造そのものを大きく転換することが必要な状況と認識し、当期の残された時間においては、短期的な収益の計上を優先することなく、来期以降の永続的な発展を目指した構造改革に入る必要に迫られております。・・」と、抜本的な構造改革に入る可能性を示唆しており、経営として重要な局面を迎えたといえよう。

  そして、これを受けて、8/24にレックスホールディングスの中間決算が公表されるが、翌日の8/25、追加訂正の中間決算が公表された。それによると、「特に出店計画において全ての事業で大幅な見直しを行った結果、経営改革に乗り出すことが必要不可欠な状態にあると判断いたしました。従いまして、当期の残りの期間におきましては、決して短期的な収益を求める営業活動を優先することなく、来期以降の継続的な発展のために、各事業において抜本的な経営戦略の見直しを行うことと致しました。・・」といよいよ、抜本的な経営戦略の見直しに入るとの宣言である。特に、今後の出店に関しては外食では、牛角を中心に268店舗の出店予定を119店舗へ、コンビニのam/pmでは176店舗の出店予定を70店舗へ、そして、食品スーパーマーケットの成城石井については、67店舗の出店予定をすべて来期に回すという。

  このように、レックスホールディングスの株価急落の原因はこの中間決算発表から始まっており、一連の公表内要を見る限り、極めて深刻な経営状況にレックスホールディングが置かれていることがわかる。今後、予断を許さない経営状況が続くものと思う。

参考資料
 ・ 「平成18年12月期中間決算短信(連結)」の訂正及び追加について
 ・ 2006年12月期中間決算短信(連結)
 ・特別損失の発生並びに平成18年12月期中間及び通期業績予想の修正に関するお知らせ 
 
 なお、これらの映像配信があり、経営幹部の詳細な説明、パワーポイントでの解説がありますので、参考にリンクします。
      *中間決算説明会 映像配信

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August 30, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (1) | TrackBack (1)

August 29, 2006

食品スーパーマーケットの粗利率は約25%!

  食品スーパーマーケット上場企業約60社の最新の粗利率をまとめてみた。この8月で、2月、3月決算企業の第1四半期の決算数値が出揃い、全社の粗利率を調べて見た。結論からいえば、単純平均で24.9%である。ただ、食品スーパーマーケットには粗利が2種類ある。商品の売上高と原価から導かれる粗利率と、不動産収入やその他の収入が加わった場合の粗利率があり、この24.9%は純粋な商品の粗利率である。不動産等の収入が入った場合の粗利率は単純平均で27.1%であった。したがって、食品スーパーマーケット業界は全体として、その差2.2%が商品以外からの粗利率といえる。実は、この2.2%が微妙な数字であり、食品スーパーマーケット上場企業約60社の単純平均の一般管理費率が売上対比25.0%であるので、商品のみの粗利率では0.1%のマイナスになってしまい、それ以外の収益がないと黒字にならない構図に全体としてはなっているという状況である。

  では、食品スーパーマーケット上場約60社の中で粗利率が高い企業を見てみたい。No.1は沖縄のサンエーである。粗利率30.2%(総粗利率33.2%)である。粗利率が30%を越える企業はサンエー1社だけである。サンエーは食品構成比が約50%であり、住関連と衣料が約40%、その他外食等が10%と食品以外もあり、粗利率が高目となっているといえる。ただ、一般管理費を25.8%に抑えているので、7.4%と驚異的な営業利益率である。No.2はイズミヤであり、29.7%(総粗利率32.5%)、No.3はアークランドサカモトの29.3%(総粗利率のみ)、No.4は平和堂の29.0%(総粗利率36.6%)である。この3社はいずれもスーパーセンター、GMSタイプが主業態の企業であり、純粋な食品スーパーマーケットとは少し違い、食品以外で粗利率を高めている企業といえよう。

  そして、No.5からはほぼ食品スーパーマーケット企業群が登場する。No.5はヨークベニマルであり、28.8%(総粗利率31.5%)である。No.6は相鉄ローゼンであり、28.5%(総粗利率32.3%)である。No.7はマツヤであり、28.4%(総粗利率のみ)である。No.8はヤマザワであり、28.2%(総粗利率のみ)である。No.9はカスミであり、28.2%(総粗利率31.7%)である。No.10はヤオコーであり28.0%(総粗利率32.5%)である。このように、ベスト5から、ベスト10までには食品スーパーマーケット業界でも比較的業績のよい企業があがっており、食品スーパーマーケット業界の中でも粗利率をしっかり確保し、経費を抑え、収益をあげてゆく構図が見える。

  これに対し、粗利率と一般管理費率を極限まで下げて高収益を目指す企業を見てみたい。粗利率が最も低い食品スーパーマーケットはアオキスーパーである。何と16.9%(総粗利率20.1%)と驚異的な粗利率である。それにもかかわらず、一般管理費率を17.3%に抑えているため、営業利益率は2.8%を確保している。ちなみに、大黒天物産は22.9%(総粗利率のみ)であり、大黒天物産よりも粗利率の低い企業は10社以上ある。アオキスーパーについで粗利率の低い食品スーパーマーケットはPLANTの17.7%(総粗利率のみ)、マルミヤストアの19.4%(総粗利率20.0%)、タイヨー20.2%(総粗利率21.2%)、マルキョウ20.8%(総粗利率21.4%)であり、以上が粗利率の低いベスト5の食品スーパーマーケットである。

  一方、粗利率と一般管理費率のバランスをとり、営業利益率を食品スーパーマーケット上場企業約60社の単純平均値2.2%の約2倍以上の5%以上を確保している企業をみてみたい。まず、最も営業利益率の高い食品スーパーマーケットはオオゼキであり、サンエーと同じ7.4%の営業利益率である。粗利率は24.3%(総粗利率25.5%)、一般管理費率18.0%である。ついで営業利益率5.8%のイズミである。粗利率23.6%(総粗利率27.5%)、一般管理費率21.7%である。そして、5.7%の営業利益率の大黒天物産であり、粗利率22.9%(総粗利率のみ)で、一般管理費率17.2%である。もう1社、5.5%の丸久が営業利益率5%を越える食品スーパーマーケットである。粗利率24.8%(総粗利率28.1%)であり、一般管理費率は22.6%である。以上が営業利益率5%を越える食品スーパーマーケットであり、その粗利率と一般管理費率のバランスがよい食品スーパーマーケットといえよう。

  このように、現時点での最新の食品スーパーマーケット業界の平均粗利率は約25%、総粗利率は27%であり、一般管理費率を25%に抑え、2%の営業利益率を出しているのが現状といえる。そして、粗利戦略については、30%近い高粗利率を目指して、利益を確保する企業群と逆に20%まで粗利率を下げ、一般管理費を極限までコントロールし、利益確保を目指す企業に2極化しているのが食品スーパーマーケット業界の現状である。

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August 29, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 28, 2006

食品スーパーマーケット、新店情報(200608)

  食品スーパーマーケット業界はこの7月から8月にかけて新規出店ラッシュである。特に現在、売上が好調な企業がここへきて積極的であり、さらに売上を伸ばしつつある。その中でも、大黒天物産が2月の新店オープン以来、久しぶりに、立て続けに4店舗をオープンした。6/28に愛媛の西条市にディオ、同じく7/18に愛媛の今治市にディオ、7/26にディオマートを岡山の倉敷市に、さらに8/23に広島市安芸区にラ・ムーのNSCをホームセンターコーナンとともにオープンした。これで全34店舗となり、7月末時点での売上は昨対129.7%と食品スーパーマーケット業界の上場企業の中ではNo.1の伸び率であった。当面、大黒天物産の独走が続きそうである。

  マックスバリュ東海も8/3、静岡県駿東群にマックバリュ開成店をオープンした。もともとは1978年11月に開店したヤオハンが2006年2月に閉店したのを受けてのスクラップ&ビルドの店舗であり、ヤオハンからマックスバリュ東海への転換した店舗は7店舗目となる。店舗面積は約600坪強であり、年商25億円が目標という。マックスバリュ東海51店舗目の店舗である。マックスバリュ東海は8/10に東海マート5店舗と東海マート傘下の100円ショップ6店舗をこの秋に吸収合併すると発表したが、これにより、店舗数および売上が大きく伸びることになる。直近の7月度の売上も食品スーパーマーケット業界でもトップクラスの118%で伸びており、既存店も105%弱と好調である。今期のマックスバリュ東海の業績には大いに期待が持てるといえよう。

  バローも8/3、新守山店を名古屋市守山区にオープンした。スーパーマーケットとしては95店舗目となる新店である。バローの本拠地は岐阜であるが、今回の新店で名古屋市内では15店舗目、愛知県では27店舗目となる。約600坪弱の売場面積であり、年商は19億円を目指すという。バローも7月度売上は115.4%と伸びており、既存店も105%弱と好調である。

  上記3社は現在、食品スーパーマーケット業界でも売上が好調な企業であり、この新規出店によりさらに売上がアップするものといえよう。また、上記以外の企業でも新規出店があいついでいる。マックスバリュ北海道が7/26、マックスバリュ北広島店を北海道北広島市にオープンした。マックスバリュ北海道51番目の店舗であり、「北広島美沢ショッピングセンター」内へのオープンというNSCタイプである。店舗面積は約700坪であり、年商15億円が目標という。ドラッグストアの「ツルハ」、ファーストフードの「モスバーガー」に加え、この秋には衣料品専門店の「しまむら」、「アベイル」、100円ショップ「セリア」がオープン予定という。北海道ではアークスのビックハウスもNSCタイプでの出店が多く、北海道でもNSCが食品スーパーマーケットにとっては重要な戦略となりつつある。

  成城石井も7/28、あざみの店を神奈川県横浜市青葉区あざみのに新規オープンした。約80坪弱の店舗面積であり、年商6.8億円が目標という。成城石井37店舗の店舗であり、5月以来の新店である。

  また、関西圏でもライフコーポレーションが8/30に堺市北区にライフなかもづ店をオープンする。1階がライフ、2階がミドリ電化という2層タイプの店舗であり、ライフの店舗面積は500坪弱であり、年商は18億円が目標という。ライフコーポレーション194店舗の店舗であり、近畿圏では107店舗となる。

  そして、関西スーパーが7/25、神戸市垂水区に舞多門店を新規オープンした。店舗面積約450坪であり、年商18億円を目指すという。電子棚札の導入、発注支援システムの導入など売変作業の軽減、適正発注と補充作業の効率化を狙った最新システムの店舗である。関西スーパー52店舗目の店舗であり、兵庫県では26店舗目となる店舗である。

  一方、ショップ九九については今期に入り新規出店がペースダウンしており、7/28京都に向日寺戸店、8/4神奈川に鶴見佃野町店、8/10大阪に蒲生4丁目駅前店、8/22東京に梅島駅前店、8/25埼玉に武蔵浦和店と昨年と比べ激減しており、この1ケ月で5店舗である。今期はほぼ今月と同様、月5店舗のペースでの出店であり、7月末時点の店舗数は829店舗である。

  このように食品スーパーマーケット業界ではここへきて新規出店があいついでおり、特に好調な企業ほど積極的な出店をしているのが特徴である。7月の売上状況を見ても食品スーパーマーケット業界は概ね売上は順調な推移であり、今後も新規出店が積極的に続いてゆくものといえよう。

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August 28, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (1) | TrackBack (0)

August 27, 2006

食品スーパーマーケット業界の格付けについて

  現在、企業の主な格付け機関としては4社をあげることができる。日系ではR&I(株式会社格付投資情報センター)、JCR(株式会社日本格付研究所)、そして、外資系として、ムーディーズ、スタンダード&プアーズの4社である。それぞれ、特徴があるが、特に小売業界に強い格付け会社はJCRであり、現在公表されている小売業は約50社である。他の格付会社はR&Iが約20社、ムーディーズが約10社、スタンダード&プアーズが約10社であるので、JCRがいかに小売業に力をいれているかがわかる。そこで、この中から、食品スーパーマーケットに絞って各社の格付けをみてみたい。

  まず、JCRが現在公開している食品スーパーマーケットであるが、全部で9社である。評価の高い順から見てみると、ヨークベニマルAA-、イズミA、平和堂A、いなげやBBB+、バローBBB+、ユーストアBBB+、フジBBB、マルエツBBB、ヤマザワBBB、である。JCRの格付け基準は最高の格付けがAAAであり、ついでAA、A、BBB、BB、B、CCC、CC、C、Dの10段階基準で格付けし、必要に応じて+、-がつけられる。ちなみに、JCRでAAAの小売業はなく、最高格付けは7&IホールディングズのAA+である。また、現在、全格付け企業の中で最高格付けのAAAの企業は武田薬品工業、デンソー、トヨタ自動車の3社である。

  JCRでは食品スーパーマーケットにおいてはヨークベニマルを最高格付けとして評価しているが、ヨークベニマルについての以下のような趣旨のコメントをしている。「・・積極的な出店などで増収・増益基調を維持しており、新物流体制の構築による収益改善も見込まれることから、業績は今後も堅調に推移する公算が大きい。ただ、異業態を含めた競争の激化により事業環境は厳しさを増しており、これまで好調に推移してきた既存店客数が軟調な展開となっている。積極出店を進める中で従前の高い収益性を維持できるか注視していく必要がある。自己資本比率は80%を超えるなど財務の安定性は高い。出店資金を中心に設備投資は高水準で推移することが予想されるものの、優良な財務体質は維持される見通しである。・・」このように財務体質については高い評価であるが、既存店客数の伸び悩みによる成長性に課題があるとし、-がついたものといえよう。

  次に、R&Iについて評価の高い順に見てみると、平和堂A-、ユーストアBBB+、カスミBBB、原信ナルスホールディングスBBB、イズミヤBBB、関西スーパーマーケットBBB-となる。R&IもJCRとほぼ同じAAA、AA、A、BBB、BB、B、CCC、CC、Cであり、Dがなく9段階であり、やはり必要に応じて+、-がつけられる。両者共通の企業は平和堂とユーストアであり、ユーストアは同じBBB+であるが、平和堂はAとA-に若干格付けがわかれた。

  一方、外資系のムーディーズとスタンダード&プアーズであるが、ムーディーズについては、残念ながら食品スーパーマーケットは1社もない。小売業の中で格付けが高い企業は阪急百貨店のA3、丸井のA1が高い。ムーディーズは全体の格付けをAaa、Aa、A、Baa、Ba、B、Caa、Ca、Cの9段階に分け、必要に応じて1、2、3が付け加えられる。ちなみに最高格付のAaaはトヨタ自動車1社のみである。一方、スタンダード&プアーズについても食品スーパーマーケットは1社もなく、小売業でみた場合、格付けが高い企業はイトーヨーカ堂とセブンイレブンジャパンのAA-が最高である。スタンダード&プアーズについては格付けはAAA、AA、A、BBB、BB、B、CCC、CCの8段階を基準とし、必要に応じて+、-がつく。また、さらに財務上の問題がある場合にはR、SDおよびDが付され、格付けなしの場合はN.R.となる。

  このように、外資系2社の格付け会社は日本の小売業の格付けはほとんどなく、特に、食品スーパーマーケットについては1社もないのが実情である。食品スーパーマーケットの格付けを見るのであれば、JCRがもっとも充実しているといえよう。その意味で、食品スーパーマーケット業界の上場食品スーパーマーケットは約60社になったが、格付けされた企業はまだ約10社であり、格付けについてはまだまだ始まったばかりといえる。

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August 27, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 26, 2006

日別MD評価表の活用方法

  MD評価表はマーチャンダイジング(MD)を評価するための数表のことであるが、その評価のポイントは客単価である。客単価=PI値×平均単価であるので、MD評価表を見て、客単価が上がっている場合、下がっている場合を見比べ、その原因をPI値か平均単価で見極めてゆく。そして、その商品のマーチャンダイジングの検証をすると同時に、次の仮説構築へとつなげてゆくのがMD評価表の活用方法である。MD評価表には様々な帳票があるが、大きく分ければ、全店舗の商品を店舗ごとに評価する各店舗比較のMD評価表と商品を時系列で評価する時系列比較のMD評価表とに分かれる。その中で最も検証に適したMD評価表が時系列比較のMD評価表の中の日別MD評価表である。特に、店舗ごとに日別MD評価表を作成し、チェックすることにより、その店舗におけるマーチャンダイジングの実態をつぶさにつかむことができ、精度の高いマーチャンダイジングの検証が可能となる。

  一般に日別MD評価表とは横軸が日別、曜日別に客単価、PI値、平均単価が並び、縦軸に評価対象の個々の商品の一覧が並ぶ帳票である。1商品につき、評価、客単価、PI値、平均単価の4つの枠で構成され、個々の商品の合計にはさらに客数の枠が加わる。評価については客単価の6段階評価を使ってもよいが、最近わかりやすい評価としては、評価対象期間の平均値に対しての乖離率、すなわち、その日、その日が平均値の何倍になっているかを表すという帳票なども工夫されており、検証しやすい評価指標をつくると良い。一枚の帳票は最低4週間は欲しいところだ。5週間あればなお良いが、帳票を印刷した場合、文字が小さくなりすぎ、実務上使えなくなってしまう。また、日別MD評価表はマーチャンダイジングの精度の高い検証を目的としているため、商品も小分類で見ることがポイントである。たとえば、刺身盛合せという小分類でいえば、縦軸に各刺身盛合せの単品が並び、一番上に刺身盛合せの合計が来るという帳票となる。

  では、この日別MD評価表からどのようにマーチャンダイジングが検証できるかをみてみたい。まず、はじめに目をつけるのは、商品の合計の客単価の推移である。刺身盛合せであれば、刺身盛合せ全単品合計の客単価の推移である。この時、評価が平均客単価との乖離率になっていればその判断も早い。ざっと見て、150%以上の日、100%以上の日を瞬時につかむことがポイントである。もちろん商品によっては120%、100%等となるが、刺身盛合せの場合は、極端な日別曜日別格差が生じる傾向の高い商品であり、150%、場合によっては200%ということが頻繁に起る傾向がある。逆に150%以上の日を作れなければ、それだけで刺身盛合せのマーチャンダイジングは失敗しているといってもよい。

  そして、次のチェックポイントは合計が150%以上、100%以上の日に貢献した個々の商品を抽出することである。実際に日別MD評価表を見てみると、その日の縦軸の商品を追っていくと一目瞭然である。これも平均値と比べ、150%、場合によっては200%の商品が次々にピックアップされる。刺身盛合せでいえば、全体の平均単価に近い商品から数品、平均単価よりも高い商品が数品、逆に低い商品から数品とピックアップされることが多い。PI値を横軸、平均単価を縦軸にしてグラグをつくれば、右下の○○ゾーンから数品、左上の○ゾーンから数品、真ん中の○○○ゾーンから数品がピックアップされることになる。逆に言えば、この領域からピックアップされなければ、客単価が150%を越えることはまずないといってもよい。

  このように150%以上の時の全体に貢献度の高い商品を次々にピックアップすると全体の数字を150%にするためにはどのような商品をどのような数字にもっていかなければならないかが明確になる。そして、今度はその全体に貢献度の高い商品を横軸に見ることによって、その商品の日々の管理状況、販促状況が一目瞭然となる。当然であるが、全くデータが上がってこない0の日は欠品というとになるし、100%を優に越えた日、逆に100%を大きく下回った日等がわかってくる。そして、そのような時の全体合計を見るとその商品の数字が全体の数字にどのように貢献しているかがわかってくる。

  このように、日別MD評価表をじっくり見ることにより、マーチャンダイジングの本質が鮮明に浮かびあがり、マーチャンダイジングを改善するとはどのようなことかが、個々の商品そのもので明確になり、逆に、マーチャンダイジングがうまくゆかない時も個々の商品がどのような状況の時かが明確になる。日別MD評価表はこのようにマーチャンダイジングの本質を理解するには最適な帳票のひとつといえる。

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August 26, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 25, 2006

オーガニック食品スーパー、ホールフーズマーケット!

  前回のブログでウォールマートのオーガニック食品への本格的な取り組みについて取り上げたので、今回は、オーガニック食品のスーパーマーケットの本家本元のホールフーズマーケットについて見てみたい。ホールフーズマーケットは現在全米、一部カナダとイギリスに合計約180店舗を展開する、彼ら自身、leading retailer of natural and organic foods(自然およびオーガニック食品を販売するリーティング企業)といっているように、自然食品とオーガニック食品専門の食品スーパーマーケットである。日本のイメージでいうと紀ノ国屋が近いといえよう。企業の成長率もこの5年間平均120%の成長をつづけており、急成長企業である。年商は2005年9月期で47.01億ドル(約5,500億円)であるので、1店舗当り平均30億円、1日800万円強という食品スーパーマーケットである。店舗面積は平均約1,000坪弱である。ただ、標準化されているわけではなく、2,000坪の店舗もあれば、500坪の店舗もあり、ロンドンの店舗は都市型であり、100坪の店がほとんどである。

  ここ最近の急激な成長といい、店舗面積の各店のバラツキといい、標準化ができていないのはM&Aで成長している面が大きいからである。全米のオーガニック市場は成長しているとはいえ、パイは限られており、いかに速く市場を制せられるかがポイントであり、ホールフーズマーケットは現在あらゆる手段を使って、まず市場シェアの確保を優先しているといえよう。ただ、現在は新規出店およびM&Aによる市場シェア獲得が経営の最優先課題ではあるが、既存店の売上も順調であり、やはり、この5年間の数字を見ると、ほぼ平均110%と安定した高い伸びを示している。現在、ウォールマートの既存店は100%強と以前と比べ落ち気味であることと比較すると、オーガニック市場はまだまだアメリカでは成長市場であるといえよう。ウォールマートが本格的にスーパーセンターでオーガニック食品を強化しはじめたことも納得できる。しかも、ホールフーズマーケットの粗利が一般の食品スーパーマーケットと比べて格段に高く、約35%という粗利率である。

  直近の数字、この7月に公開されたホールフーズマーケットの第3四半期の決算数字を見てみると、売上13.3億ドル(約1500億円:昨対118.1%)、粗利4.7億ドル(約540億円:売上対比35.3%)、税引き後利益0.5億ドル(約57億円:売上対比3.7%)であり、通常の食品スーパーマーケットと比べても粗利率が極めて高い業態であることがわかる。ちなみに税前利益は0.9億ドル(約103億円:売上対比6.7%)であるので、収益性も高い業態といえよう。ただ、ちょっと気になるのは、8月に入り株価が急落したことである。これまで65ドル前後で推移していた株価が、7月以降、徐々に下がり、8月に入り、大量の売りがでて、50ドルまで下げた。その後、少し買い戻す動きはあるが8/23現在、52.64ドルと低値が続いている。

  では、ホールフーズマーケットの主な自然およびオーガニック食品とは具体的にどのような商品かをみてみたい。たとえば、りんごは数10種類のリンゴが年間産地をかえながら展開されてゆくが、日本のフジ、サンフジも季節によってはしっかり品揃えされる。また、パスタのコーナーにはソバやうどんも品揃えされ、日本の商品もしっかり品揃えに取り入れられている。また、最近、ホールフーズマーケットが最も力を入れているのがアボガドであり、アボガドについては、以下のように詳細に商品紹介がなされている。

  アボガドの説明成分表示
    レシピ1:アボガドサルサ、レシピ2:アボガドサラダ、レシピ3:アボガドスープ・・

というように、ほぼ上記のような形でオーガニック商品を次々に紹介しているのが特徴である。商品分類も、グロサリー、畜産、デリ、農産、水産、ボディケア、ワインと分類され、その詳細が紹介されている。

  このようにホールフーズマーケットは最近の株価が気になるが、現在、急成長をつづける全米注目のオーガニック食品専門の食品スーパーマーケットである。今後、この高成長がどこまでつづくかが読みにくいところであるが、現時点では毎年約15店舗の新店をつくり、既存店を10%伸ばし、成長軌道に乗っており、オーガニック市場は拡大しているとみてよさそうである。ウォールマートと同様、ホールフーズマーケットの動きにも注目してゆきたい。

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August 25, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (2)

August 24, 2006

ウォールマート、オーガニック商品を本格的に強化!

  8/21、ウォールマートが今後のオーガニック商品への取組みに関しての内要を公表した。以前からウォールマートではオーガニック商品を取り扱ってはいたが、認知度が低く、充分な効果を出していなかったとのことで、ここへきて、本格的にオーガニック商品のキャンペーンをはじめるとのことである。ウォールマートでは今回のオーガニック商品のキャンペーンには自信をもっており、競合企業と比べても充分ベターな価格であり、しかも、スーパーセンター、ネバーフッドマーケット等で、オーガニック商品を購入できれば、ワンストップショッピング性も高まり、ガソリンが高騰している中、節約にも役立つということである。

  オーガニック商品に関しては、特に、この3/22にオープンしたテキサス州プラノのアップスケール型のスーパーセンターで本格的な品揃えへを実現し、様々な試みがなされた。そして、その流れを受け、今回、オーガニック商品を明確にし、各店で展開してゆくという。オーガニック商品には顧客が一目で見てわかるようにグリーンの棚札が貼られ、わかりやすくするという。ちなみに、スーパーセンター、プラノ店は、ウォールマートも自らSelective female Shopperを意識したといっているように、高額所得者向けのアップスケールの試みが数多く取り入れられている。特に、これまで、スーパーセンターでは取り扱ってこなかった2,000品目にもおよぶプレミア商品、たとえば、オーガニック商品を含むワイン、グロサリー、肉、チーズ、青果などである。ワインだけでも1,200種類を越え、この中に700のプレミアワインがあるという。高級チーズ、オーダーメードのサンドイッチ、ホットピザ、そして寿司バーもあるという。また、レジについても全25台の内、8台が特急レジで、8台がセルフレジであり、レジにもこだわっている。また、レイアウトの中でもペットフードとヘルス&ビューティーケアを雑貨コーナーから分離し、グロサリーと一緒にコーナー化する試みも行ったという。
 
  ウォールマートは今回のオーガニック商品の強化により、顧客にこれまでよりも安全、健康、そして環境によい商品を提供でき、顧客に商品選択の幅を広げられるものと自信を深めているようだ。特に、全米のオーガニック商品の基準であるUSDA基準を徹底的に遵守とのことである。また、現在でも全米でNo.1の農産物の購入者であり、今回のオーガニック商品をウォールマートが本格的に取り組むことにより、地域の地場の農業関係者からも直接仕入れが可能となり、地域社会との関係もよくなり、オーガニック商品の物流コストも下がり、結果として顧客に利益がもたらされると、ウォールマートは見ている。

  では、実際、どのようなオーガニック商品を現在ウォールマートのスーパーセンター、ネバーフッドマーケットで取り扱っているのかを実際の売場写真で見てみたい。この売場写真はウォールマート自らが公表しているもので、本ブログでは直接、ウォールマートの公開写真にリンクを貼ったので、クリックして確認してみて欲しい。
   ・オーガニック-野菜、果物:りんごとオレンジレタス
   ・オーガニック-デリ、日配:サラダパン豆乳牛乳チーズ
   ・オーガニック-食品:アイスクリームシリアル調味料ベビーフード
   ・オーガニック-衣料:子供服

  このように、ウォールマートがこの8月から上記のような商品をコーナー化し、グリーンの棚札で他の商品と区別し、オーガニック商品の強化に入った。アメリカでは現在、オーガニックをコンセプトにした、ホールフーズマーケットが強い支持を受け、店舗網を広げているが、ウォールマートも多分にこの市場を意識した今回のオーガニック商品強化の試みであろう。日本でも中々育成が難しい商品群であるが、今後のウォールマートの展開に注目したい。

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August 24, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (2) | TrackBack (0)

August 23, 2006

PI値と客数PI値の違い、着眼大局、着手小局!

  PI値と客数PI値はよく似た指標である。どちらも、顧客の数を分母としているため、分子が極端な差がない場合は、ほぼ同じ数値を示す傾向がある。実際、この2つの指標の相関図を様々な商品でつくってみると、多くの商品で似た傾向を示すことが多い。したがって、大雑把にいえば、PI値にせよ、客数PI値にせよ、どちらを使おうが、大局的な判断としては大部分の商品で問題ないともいえる。しかし、小局的な観点ではPI値だけでは限界があり、客数PI値が算出できるのであれば、客数PI値をもとに仮説検証を実践してゆくことが理想的といえよう。経営はよく、着眼大局、着手小局というが、マーチャンダイジングも全く同じであり、着眼はPI値、着手は客数PI値が望ましいといえる。

  ここで、PI値と客数PI値について改めて整理しておくと、PI値も客数PI値も分母は同じ店舗全体の客数である。分子がPI値は買上点数であるが、客数PI値は買上客数である点が大きな違いである。この買上客数という指標であるが、実は買上点数の中には買上客数が含まれており、買上点数は顧客と顧客が一人当り商品を何個買ったかを掛け合わせたものであり、数式で表せば、買上点数=顧客の数×顧客一人当りの購入点数となる。これまで、小売業、特に食品スーパーマーケット業界では、この2つを区別することなく(区別できなかった)、買上点数のみを活用し、PI値までは算出し、マーチャンダイジングに活用してきた。しかし、区別できるのであれば、この2つは区別し、より、精度の高いマーチャンダイジングに挑戦した方がよいといえよう。

  ではこの2つの指標を区別するとどうなるか。買上点数=顧客の数×顧客一人当りの購入点数となるので、ある商品のPI値=買上点数÷全体客数であるので、PI値=(顧客の数×顧客一人当りの購入点数)÷全体客数となる。これを少し変形すると、PI値=(顧客の数÷全体客数)×顧客一人当りの購入点数となる。そして、この(顧客の数÷全体客数)が客数PI値であり、顧客一人当りの購入点数がPPIである。すなわち、PI値=客数PI値×PPIというPI値の公式ができあがる。これにより、PI値は単に買上点数を上げれば良いということではなく、小局としてみれば、顧客の数を増やす=客数PI値のアップか、顧客一人当りの買上点数を増やす=PPIのアップ=リピート購買を促す(高頻度購買)がポイントであることがわかる。

  このPI値=客数PI値×PPIというPI値の公式が生まれたことにより、PI値をあげるために何をやるべきか(仮説)、また、PI値が上がった場合、下がった場合は何が原因であったか(検証)が具体的な数値でわかるようになり、マーチャンダイジングの仮説検証の精度が飛躍的にあがることになる。

  たとえば、トマトのバラ100円の商品のPI値が5%であった場合、これをPI値の公式に当てはめた場合PI値(5%)=客数PI値(2.5%)×PPI(200%)となったとする。トマトのPI値がこのようになったということは、現在、この店舗では客数の2.5%の方がトマトを購入しており、その顧客は1人平均100円のトマトを2個づつ買っているということである。したがって、ここからトマトのPI値を6%、7%に引き上げてゆくには、トマトの客数PI値2.5%を3.0%、3.5%へと引き上げる顧客へのアプローチを検討することが政策となる。また一方で、トマトのPPIが200%であるので、トマトの1人当り購入点数を210%、220%へ引き上げる商品へのアプローチを検討することが政策となる。210%、220%とは2.1個、2.2個であるので、顧客一人当り、10回に1回、5回に1回トマトを3個買ってもらうということである。

  このように、PI値が客数PI値とPPIに分解できるとトマトのPI値アップの仮説が顧客と商品の2つの角度からアプローチができるようになり、様々な発想が浮かんでくる。そして、実際に、それらの発想を実行に移し、次のトマトの数字をPI値の公式に当てはめて見たとき、その発想が正しかった、間違っていたかが微妙な数字の差で検証できる。この検証をこまめに行うことが、次の大きな飛躍につながってゆくのである。

  このように、PI値と客数PI値はよく似てはいるが、その意味、活用方法は着手大局としてPI値を活用し、着眼小局として客数PI値、そして、そのペアの指標であるPPIをもとに、実践することがマーチャンダイジングの精度をあげ、次の飛躍的な改善につながってゆくことになる。その意味で、客数PI値は着手小局の根幹指標のひとつといえよう。

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August 23, 2006 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 22, 2006

食品スーパーマーケット、売上速報(2006年7月度)

  食品スーパーマーケット上場企業約20社の2006年7月度の売上速報をまとめた。現在、上場食品スーパーマーケットは約60社であるが、そのうち、この約20社が毎月売上速報を公表している。総店舗数は約2,300店舗であるので、食品スーパーマーケット業界の先行指標となる数字である。集計店舗の全体平均は107.2%、既存店は98.4%であり、新店の効果で売上は昨対を越えているが、既存店に関してはやや厳しい状況が続いている。ただ、全体の売上107.2%についても、客数が109.6%、客単価が98.9%であるので、客数は順調であるが、客単価が改善できない状況が続いているといえる。このような中で、売上伸び率No.1は大黒天物産であり、129.7%と2位の九九プラスの118.0%を大きく引き離し、7月度は単独No.1の数字である。また、これまで、ベスト3に必ず入っていたPLANTが106.8%と大きく数字を落とし、10位となった。

  さて、7月度の個々の食品スーパーマーケット各社の状況であるが、全体、既存店ともに昨対を大きくクリアーした店舗は3社である。全体の順位でもNo.3となったマックスバリュ東海であり、全体の売上が118.0%、既存店は104.9%と今回集計した企業の中ではもっともよい数字であった。特に、客数、客単価ともに全体、既存店の数字が100%を越え、順調な売上であった。また、PI値(1人当り買上点数)も全体104.5%、既存店103.2%と伸び、平均単価の全体96.3%、既存店97.2%をカバーし、客単価を押上げている。マックスバリュ東海はここ最近、好調な数字を維持しており、もっともバランスのとれた食品スーパーマーケットといえる。ついで、バローが全体115.4%、既存店104.8%と好調であり、既存店の客数101.9%、客単価102.8%と、既存店も好調である。余談だが、バローは最近セルフレジを積極的に導入しはじめており、5月から本格導入がはじまり、すでに4店舗、年度内には10店舗への導入予定という。そして、もう1社、マックバリュ中部が全体110.2%、既存店104.0%と好調であり、客数は全体、既存店ともに100%を越え、客単価は全体が99.9%とほぼ100%で推移し、既存店は100%を越えた。マックスバリュ中部はこの4月にナフコ長谷川21店舗を吸収合併し、売上は順調に推移している。この7月からは店舗名もナフコからマックスバリュへと変わり、中部地区の中核的な食品スーパーマーケットとして、成長著しい企業といえる。

  このようにこの3社は7月度全体、既存店ともに好調な食品スーパーマーケットであるが、全体の成長率では、大黒天物産が129.7%とダントツNo.1である。ただ、既存店が96.4%とやや苦戦しており、客単価は全体、既存店ともに約95%と伸び悩んでいる。全体の売上の数字が特に好調であった理由は、2月以来止まっていた新店がこの数ケ月で4店舗オープンしたことが大きいといえる。No.2は九九プラスであり、118.0%である。九九プラスも既存店は96.2%と厳しい状況であり、やはり新店の押上げ効果が大きい。ただ、新店もここ最近押さえぎみであり、売上も以前のような130%、140%という勢いはない。当面、既存店の活性化が優先されるものといえ、しばらく、この数字で推移してゆくものと思われる。No.3はマックスバリュ東海、No.4はバローである。そして、No.5がオオゼキであり、全体の売上は115.1%、既存店は99.0%であった。オオゼキも新店が好調で全体は好調であるが、既存店がやや伸び悩んでいるといえる。ただ、既存店の客単価は101.2%と100%を越え、客数が97.8%と課題は既存店の客数といえよう。マックスバリュ東海は平均単価はやや落とし、PI値をあげ、客単価をアップさせたが、オオゼキは平均単価を上げ、PI値がダウンし、客単価がダウンという状況であり、再度、PI値アップが当面の課題といえよう。

  以上、5社が2006年7月度の好調企業であるが、この他に110%を越えた食品スーパーマーケットとしては、ハローズ111.3%(既存店98.2%)、ヤオコー110.8%(既存店99.3%)がある。また、それ以外の食品スーパーマーケットの状況はPLANT106.8%(既存店92.8%)、カスミ105.5%、ヨークベニマル103.2%(既存店93.9%)、マックスバリュ西日本102.5%(既存店98.3%)、ダイイチ101.7%(既存店101.7%)、ヤマザワ101.5%(既存店98.8%)である。残念ながら、100%を下回った食品スーパーマーケットはマルエツ98.7%(既存店98.8%)、マックスバリュ北海道98.3%(既存店95.4%)、オリンピック97.9%(既存店93.7%)の3社である。

  このように、2006年7月度の食品スーパーマーケットの売上速報を見ると、全体、既存店ともに好調な企業が上位に入りつつあり、これまでのように、新店の積極的な出店により全体の売上を上げてきた企業は厳しい状況になりつつある。食品スーパーマーケットの本質は既存店の活性化、特に、既存店の客単価アップがポイントであり、その成功事例を水平展開しながら、新店に活かしてゆくという善循環の流れをつくりあげられるかが決め手となる。その意味で、既存店の数字は重要なチェック項目であり、今回は既存店に力を入れている企業が特に好調な結果となったといえよう。

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August 22, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 21, 2006

水道事業でPI値を活用!

  食品スーパーマーケット最新情報の週間版「まぐまぐ」で連載している客単価3D分析ミニ講座で水道事業のPI値活用の実態を取り上げた。水道事業では、昨年の10月に社団法人日本水道協会が日本水道協会規格として「解説水道事業ガイドライン(JWWA Q100)」を公表したが、その評価指標としてPI値が採用された。PI値といっても、Performance Indicatorの略であるが、実は、その中に正真正銘のPI値(Perchase Index)も2つほど使用されている。2001 給水人口一人当たり貯留飲料水量と2002 給水人口一人当たり配水量の2つであり、この2つは給水人口を分母にした指標であり、まさにPI値そのものである。水道協会が昨年からこのような指標をつくり、公表に踏みきったかについては、ガイドラインの中で、次のように述べている。PI値を活用することにより、「水道事業体は自らの状況を客観的に判断し、課題を分析して、その課題の解決を目指すことにより、水道事業を更に発展させることができるようになったといえる。そして、水道事業ガイドラインを広く水道事業体が理解して活用できるようにすることが求められている。」としており、PI値は水道事業発展のための根幹指標と位置付けているという。

  では、水道事業が掲げるPI値、Performance Indicatorとはどのような指標であるかを見てみたい。PI値の指標は現在、全部で49種類公表されており、随時見直し、名称変更、追加削除等が行われている。そして、この49のPI値の指標は5つの分類に分けられて整理されている。その5つとは、安心、安定、持続、環境、管理である。安心が3指標、安定が12指標、持続が29指標、環境が3指標、管理が2指標であり、合計49指標である。この中にPI値(Perchase Index)の2指標は安定の基本指標となっており、水道給水者=顧客に水道水を安定供給できるかいなかの判断の基本指標として位置付けられている。また、それぞれの指標は参考指標として全水道事業体を5%、20%、50%、80%及び95%に分割し、PI値ごとにどのくらいの事業体が占めているかを分りやすく数値とグラフにしている。また、参考数字として、10の事業体の実際の数字が掲げられており、PI値を算出した場合、自らはどのあたりに属しているかがわかやすくまとめられている。

  実際、この代表的なPI値指標である、まさにPI値(Perchase Index)、給水人口一人当たり貯留飲料水量を見てみると、200立方メートルで約2,000の水道事業所の約60%が入ってしまう現状であり、平均は150立方メートルであることがわかる。ちなみに、東京都は138.8立方メートルであり、ほぼ平均値であるが、坂出市は326.3立方メートルであり、貯留飲料水量が豊富に蓄えられているといえる。このようにPI値が活用しやすいようにまとめられており、水道事業を評価する上で参考となる貴重な資料である。

  PI値(Performance Indicator)にはこれ以外におもしろい指標もいくつかある。もっとも多い持続29指標の中には料金回収率があり、供給単価÷給水原価でPI値を計算しているが100%を切る事業体もあり、名古屋市の93.2%、豊中市の92.0%などがある。また、技術職員率、水道業務経験年数度、職員1人当りメーター数などというユニークなPI値もある。また、通常の経営指標もそのままPI値に取り入れられており、流動比率、固定比率、自己資本構成比率等もある。

  このように、水道事業では昨年度から本格的にPI値(Performance Indicator)として5分類49の指標を作成し、各水道事業体のPI値を算出し、それぞれの水道事業体が簡単に計算でき、自らの事業体がどの位置にいるかが判断できるような体制が整った。そして、その中にPI値(Perchase Index)も2つであるが採用され、活用がはじまった。まだ、はじまって1年を経過していないが、水道事業が顧客の声を考慮して経営を考えてゆく方向が打ち出された意義は大きいといえ、今後、様々な行政活動にもPI値を活用することができることを示したといえよう。水道事業のPI値が今後どのように発展してゆくかが楽しみである。

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August 21, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 20, 2006

日経POS、アイスクリームの売れ筋を公表!

  毎週金曜日に日経MJが公表している売れ筋ランキングであるが、今週、818は通常の売れ筋ランキングに加え、3面にアイスクリームの特集記事が組まれた。このアイスクリームについては、新製品だけではなく、7/3から7/30までの約1ケ月間の首都圏の食品スーパーマーケットの全アイスクリームデータから抽出したものであり、文字通り、新製品を含め、いま売れているアイスクリームの売れ筋ランキングといえる。記事では、「あずきバー30年の伝統力」、「2位以下は混戦模様」という見出しで、井村屋のあずきバーが断トツ1位であり、その開発のエピソード、アイスクリーム業界の特徴などを載せている。この特集では、このNo.1の井村屋のあずきバーを含め、アイスクリームのベスト10が公表されているが、公表データは平均価格、金額シェア、千人当り個数の3つである。そこで、この3つの指標をもとに客単価2D分析(単品客数がないので、客単価3D分析はできない)を行い、この10品を評価してみると、アイスクリームの客単価アップのポイントが浮かび上がってきた。

  まず、客単価2D分析に必要なPI値、客単価の算出であるが、PI値は千人当りの個数が公表されているので、ここから、100人当り(%)に換算すればよい。客単価に関しては、客単価の公式、客単価=PI値×平均単価で計算すると、それぞれの客単価が算出できる。これで、客単価2D分析の指標が算出できたので、あとは、この10品の平均値を算出し、グラフ化すると、この10品がどのように客単価に貢献しているかが浮かび上がる。実際、MD評価表とグラフをつくって見ると、見事にy=1/xの双曲線上にこの10品がきれいに並んだグラフができあがった。ずばり、アイスクリームの客単価アップのポイントは3つのゾーンの商品のバランスで決まるという結論である。

  3つのゾーンとは、この10品の平均の客単価約0.3円、PI値平均約0.3%、したがって、平均単価は約100円となるので、右下(PI値0.3%以上、平均単価100円以下)と左上(PI値0.3%以下、平均単価100円以上)、右上(PI値0.3%以上、平均単価100円以上)の3つのゾーンである。アイスクリームの客単価アップとは、この平均値であるPI値0.3%を0.4%、0.5%へ、平均単価100円を110円、120円へと引きあげたとき、客単価の平均が0.3円から0.4円、0.5円へとあがってゆくことになる。したがって、右下のPI値をさらに引き上げ、左上の平均単価のPI値を少しでも右に移動し、真ん中のPI値もさらに引き上げることができれば、客単価は確実に改善できることになる。

  ここで注意する点は、平均単価の高い商品のPI値を少しでもあげることができると、全体の平均単価が大きく改善できることである。よく誤解されるのが、平均単価アップとは価格を上げることだと思われている場合があるが、これは間違いで、平均単価の高い商品のPI値を上げることが、平均単価アップである。このアイスクリームの場合も左上のゾーンの商品のPI値をいかに上げるかがポイントである。

  今回公表されたベスト10の売れ筋はまさにこの3つのゾーンに分類できる。右下はパピコチョココーヒー(0.53%、71.7円)、チョコモナカジャンボ(0.46%、74.4円)、エッセルスーパーカップ超バニラ(0.46%、74.4円)、ジャイアントコーン(0.44%、73.1円)、エスキモーピノ(0.26%、72.8円)の5品であり、この5品がPI値アップの貢献商品である。左上はハーゲンダッツミニカップマルチパック(0.04%、767.6円)であり、この商品が平均単価アップの鍵を握っている。PI値0.04%であるので、2000人/日の食品スーパーマーケットで1日約1個である。仮に1日2個、PI値0.08%が可能であれば、客単価は0.61円となり、井村屋のあずきバー0.58円を抜き、トップとなる。また、全体の客単価も110%へ貢献する可能性を秘めている。そして、右上は井村屋あずきバー(0.27%、213.3円)、ハーゲンダッツバニラカップ(0.15%、205.8円)、宇治金時練乳入り(0.16%、198.6円)、ヨーロピアンシュガーコーン(0.13%、199.4円)の4品である。PI値は0.3%以下なので、右上よりもやや左上に位置するが、この10品をグラフにすると、きれいに3つのゾーンに分かれる。

  このように、アイスクリームはこの3つのゾーンごとの商品を充実させることによって、アイスクリーム全体の客単価を引き上げることができるといえる。井村屋のあずきバーはど真ん中の商品であるが、むしろ、このゾーンを補完する商品として、右下、左上の商品の充実がアイスクリーム全体の客単価アップにとっては重要な商品といえよう。

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August 20, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (1) | TrackBack (0)

August 19, 2006

食品スーパーマーケット、今週の株価情報(20060818)!

  食品スーパーマーケット業界の上場企業で決算期で最も多いのは2月決算であり、36社、ついで3月決算であり、11社ある。合わせると47社となり、上場食品スーパーマーケットが全部で60社弱であるので、約80%が2月、3月決算企業である。今週でほぼ3月決算企業の第1四半期決算の発表も終わり、今週の株価は特に3月決算企業の第1四半期決算の状況を投資家がどう判断したかが反映された株価といえ、その意味で、今後の食品スーパーマーケット業界の先行指標のひとつともいえよう。ちなみに、3月決算の食品スーパーマーケットは、マックスバリュ北海道、いなげや、原信ナルスホールディングス、バロー、九九プラス、ジョイス、マックスバリュ中部、ヤマナカ、ヤオコー、関西スーパーマーケット、ヤマザワの11社である。

  この中で、8/18、株価を上げ、しかも、第1四半期決算発表以降株価を上げている企業が3社あり、原信ナルスホールディングス、いなげや、ヤオコーである。原信ナルスホールディングスの8/18の株価は1,575円(2.33%:36円高)をつけ、株価はここのところ急上昇している。8/8に公表した第1四半期決算は持株会社発足後はじめての四半期決算であり、大幅な増収増益となった。ただし、純利益は減損会計を適用したため、減益であった。これを受け株価はまさに急上昇であり、四半期決算前は1,350円弱であったが、その後、いっきに1,550円まであげてきている。また、いなげやは8/18、849円(0.59%:5円高)をつけ、わずかに株価が上がった。7/27に第1四半期決算を発表しているが、それ以来、株価は徐々に上がり、決算前は810円そこそこであったが、現在850円まで上げてきている。決算内容は昨年が営業、経常、純利益ともすべて赤字決算であったが、今期は減収であったが営業、経常ともに黒字となり、残念ながら減損会計の適用で純利益は赤字という決算であった。そして、ヤオコーは8/18、2,640円(0.38%:10円高)であった。8/7に第1四半期決算を発表しており、単体は増収増益であり、株価は決算発表以降、微増ではあるが上昇している。

  上記3社以外は株価が第1四半期決算発表以降、ほとんど動きがない企業である。九九プラスは8/18、180,000円(5.88%:10,000円高)であったが、株価が上がったのはこの日がひさしぶりの上昇であり、7/31の第1四半期決算は増収ではあったが、大幅な減益であり、株価も決算後165,000円付近で全く動きがない状況が続いていた。ジョイスは8/18、506円(1.20%:6円高)であった。8/4に第1四半期決算を発表し、増収増益ではあったが、株価はほとんど動きがなく、500円前後でここ数ケ月間推移している。関西スーパーマーケットは8/18、690円(0.43%:3円高)であった。8/2に第1四半期の決算を発表したが増収減益であり、株価は680円前後でほとんど変化がない状況といえる。ヤマザワは8/18、1,978円(0.25%:5円高)であった。7/27に第1四半期決算を発表しているが、増収減益であり、株価は2,000円弱でほとんど動かない状況である。

  これに対し、8/18株価を下げた企業はバローであり、1,942円(-3.38%:-68円安)であった。バローは8/3に第1四半期決算を発表しているが、増収減益の決算であり、営業利益、経常利益、純利益とも大きく昨年を下回った。株価も2000円弱でほとんど変化のない状況が続いている。マックスバリュ中部も8/18、982円(-0.60%:-6円安)と株価を下げた。8/10に第1四半期決算を発表しているが、増収減益であり、株価も980円近辺でもみあっている状況である。また、ヤマナカは8/18、株価に動きがなかった。ヤマナカはここ最近、株価はほとんど動かず、取引が成立することも少ないのが現状である。マックスバリュ北海道も1688円で株価に動きはなかった。

  このように3月期決算企業の株価は3社のみ上昇気味で動いているが、それ以外の企業はほぼ横ばいがつづいているのが現状である。ちなみに、8/18、最も株価を上げた食品スーパーマーケットはマルミヤストアであり、549円(3.58%:19円高)であった。ついで、平和堂であり、2,175円(3.08%:65円)であった。これ以外の食品スーパーマーケットは1%前後の株価の変動であり、あまり、大きな動きはなかったといえる。ちなみに、ベルクはイオンと業務・資本提携発表時には一時株価を上げたが、その後株価は下がり続け、現在提携前の水準の8/18現在1,060円である。

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August 19, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 18, 2006

サミットの8/16(水)から8/18(金)までのちらし戦略を見る!

  サミットの今週(8/16から8/18)のちらしが一斉に首都圏に入った。表面では高値の野菜と果物約40品の98円均一をメインに、その他生鮮・グロサリー約70品の100円均一という均一を全面に打ち出したちらしである。そして、今回、もっとも目をひいたのは、裏面の8/18(金)から8/21(月)までの4日間通しの月金サービス品の特別価格での訴求である。サミットは通常、月曜日と金曜日の週2回、「冷蔵庫に揃えておくと何かと便利な商品を毎週月曜日と金曜日の2回、お買得価格でご奉仕しております」とホームページで告知し、ちらしにはいれないのが慣例であった。しかし、今回のちらしでは、メインは98円、100円の均一訴求であるが、通常、ちらしには入れない月金サービスを、通常の訴求価格よりもさらに下げて、打ち出したところが今週のちらしの特徴である。

  では、今回の月金サービスを8/18(金)から、土日を含め、8/21(月)まで4日間通しで、通常の月金サービスよりもさらに価格訴求した商品を具体的に見てみたい。月金サービス商品は「冷蔵庫に入れておくと何かと便利」というコンセプトの商品であり、商品群では日配、塩干などがメインとなる。今回も日配のマルちゃん3食焼きそば450gを特別価格138円でトップに訴求し、これを囲む形で、右横がPBの生活良好の納豆各種の特別価格88円、真下がイセの森のたまごe卵10コ入特別価格228円、そして斜め下に小岩井プレーンヨーグルト牛乳100%使用400g特別価格168円、メグミルクの牛乳1000ml 198円と日配の重点商品5品をメインに打ち出している。

  そして、この5品の日配を補完するように、上右側に紀文の調整豆乳1000ml 218円、おかめ豆腐、絹、木綿400g特別価格88円、カゴメ野菜生活1000ml 218円、ヤマザキ食パン超芳醇6枚、8枚特別価格128円の4品を打ち出している。また、左下にはケロッグの玄米フレーク等シリアル各種を498円、サラダクラブの10品目のサラダ178円、もやし当店表示価格の5円から10円引きを打ち出している。最後に、右下であるが、無着色たらこ55g298円、長崎産対馬まあじ開き1枚105円、ちり産塩銀さけ甘口100g168円の3品に加え、しらす・ちりめん1割引き、ひき肉全品2割引、加工肉1割引きである。

  このように、通常のサミットではめったにちらしに入らない、月金サービスとして訴求している日配、塩干、加工肉等の商品を通常の月金サービスよりもさらに価格訴求をかけて訴求したちらしはめずらしいといえる。しかも全面を8/16から8/18まで98円、100円均一で打ち出し、ちらしの最終日の8/18の金曜日から、土日を含め8/21の月曜日までの4日間を月金サービス品で、ちらしに打ち出すことも異例である。

  サミットとしては今週は火曜日以外すべてちらしで訴求するという週となったが、その中身は、野菜、果物の98円均一、他の生鮮、グロサリーの100円均一に加え、月金サービス品の日配、塩干を中心の日常の食生活に絞っているのが最大の特徴である。PI値で見れば、これらの商品群は最もPI値の高い3大分類、青果、日配、グロサリーであり、日常の食生活の根幹を支えている商品である。

  お盆明けの帰省からユーターンし、恐らく今日あたりから日常の生活にもどった方が多い首都圏の状況を考えた場合、帰省先でのご馳走から、通常の食生活にもどるということでもあり、この8/16からのちらしは、非常に理にかなったものといえよう。特に、異例の、月金サービスを土日にも継続訴求することは、1年の中でこのお盆と正月明けの2回のチャンスを最大限に活かすということにつながる。

  サミットの今回のちらしはこれ以外にも日替わりが16日、17日、そして3日間通しの訴求商品が裏面に入っているが、はでな商品は1品もなく、通常の食生活に必要な必需品中心であり、お盆明けの首都圏へのちらしとしては地味ではあるが、充実した内容といえよう。あらためて、今回のサミットのちらしは、ちらしの原点を問う意義深いちらしといえる。

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August 18, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (1) | TrackBack (0)

August 17, 2006

ウォールマート、第2四半期、中間決算を公表、株価は冷静!

  8/15、ウォールマートの第2四半期の決算が公表された。ウォールマートは2/1から1/31までが会計年度であるので、8/15に公表した第2四半期決算は5/1から7/31までの3ケ月間の決算数値である。8/15のニューヨーク証券取引所のウォールマートの株価は前日比55セントダウン(-1.22%)の44.55ドルで引けた。取引高は1,858万株であり、通常よりも若干多めの取引高であったが、大きな変化はなく、今回の第2四半期の決算結果を投資家は売りとも、買いとも判断つきかねているような静かな反応といえよう。ウォールマートの株価は7/18に一時42.76ドルまで下がり、昨年の9月以来の底値をつけたが、その後、徐々に株価は上がり続け、ここ1週間45ドル付近でもみあっている。この8/15の第2四半期決算の日の株価も44.55ドルであり、現在45ドルが攻防戦といえよう。

  では、ウォールマートの第2四半期の決算はどのような数字であったかというと、8/15の日経でも報じられていたが、実は、ウォールマートの観点と日経の観点は微妙な違いがある。日経では売上を854.3億ドル(約9兆9千億円)と報じていたが、ウォールマートは845.2億ドルと報じており、どの売上でこの第2四半期決算を判断するかが分かれた。ウォールマートは純売上を見ており、日経はその他の売上を足した全売上を見ている。売上の伸び率はどちらも11.3%であるので前期対比は同じである。そして、日経ではすぐに純利益26%減と記事をつなげ、ドイツ事業の売却に伴なう損失が響き、10年ぶりの減益を強調している。これに対し、ウォールマートは日本でいう営業利益に言及し、営業利益が29.8億ドル(約3,500億円)と前期の285.3億ドルに比べ4.6%増加したと、むしろプラス面を強調しているのが特徴である。そして、損失について言及し、韓国とドイツで企業売却を行い、ドイツで8.6億ドルの損失を出した事実を述べて、第2四半期の数字を淡々と説明している。日経とは対照的な見方であり、ウォールマートは売上も利益も営業に徹した営業数字の評価をしているのに対し、日経は営業外の損失等を含むトータルな売上、利益の評価をしているのが特徴である。したがって、日経の見出しは「ウォールマート26%減益、四半期で10年ぶり」となるが、ウォールマートはCEOのリー・スコット氏がコメントしているように、「営業面ではこの第2四半期は売上、利益ともに上がった・・」とアップしたことを強調するという、正反対の見方となる。株価を見る限りでは、投資家はドイツでの損失をあまり、重視していないようだ。

  日経の記事はこの第2四半期のみであるが、ウォールマートはこの後、すぐに、中間決算に言及する。中間決算でも、見方は同様であり、売上は純売上であり、1633.5億ドル(18.8兆円)の売上となり、前期比111.9%であった。利益についても、四半期と同様に損失等を含まない営業面での利益であり、56.4億ドル(約6,500億円)であり、前期比105.2%であった。ちなみに、中間決算の最終利益は46.9億ドルとなり、前期の52.6億ドルと比べると89.1%と、10.8%の減益であった。

  また、事業別の利益については、これも、ウォールマートは営業面に焦点を当てた利益で公表しているが、スーパーセンターとディスカウントストアは第2四半期は104.2%の増益、中間決算では111.6%の増益であった。サムズクラブについては第2四半期108.4%の増益、中間決算では108.1%の増益、そして、西友を含む国際部門では第2四半期124.8%の増益、中間決算では115.5%の増益であった。

  このように、ウォールマートの第2四半期決算も中間決算も営業面での純売上、営業利益に関しては増収増益であったといえる。ただ、ドイツ事業の損失がこの第2四半期では最終利益には響いており、第2四半期で約26%、中間決算で約10%の最終利益の減益といえよう。

  今回、たまたま、日経の記事とウォールマートの発表と同時に内容を見ることができた。日経は全体売上、経常利益でウォールマートを評価したのに対し、ウォールマートは徹底的に純売上、営業利益で全体も個々の事業も評価しており、同じ決算資料でも見方により評価が正反対となった。小売業を評価する場合はやはり、本業の営業面に絞った見方が第1優先であり、それを前提として、その他の売上、収益、損失等を加味した方がよいように思う。今回のウォールマートの第2四半期決算、中間決算はこのような観点から見ると、まずまずの評価といえよう。

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August 17, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (1) | TrackBack (0)

August 16, 2006

すぐできるチェーンストアにおける客単価3D分析!

  客単価3D分析を実践するにはレシート分析が前提となり、商品1品ごとの客数を抽出することが前提となる。したがって、客単価3D分析はそれなりのデータ分析の環境がなければすぐに実践することは難しいといえる。では、それなりの環境がないと、現時点で客単価3D分析を実践することはできないかというと、レシート購入客数ではなく、店舗全体の客数を使っての客単価3D分析であれば、すべてのチェーンストアで実践することが可能である。

  本ブログでも何度も取り上げているが、毎週金曜日に公表される日経MJの日経POS分析がまさに店舗全体の客数を使っての客単価3D分析を応用した事例であるが、この事例のように客単価を新製品の導入店舗のみに絞って算出することが、客単価3D分析で算出した客単価にほぼ近い数値となる。ほぼ近いという理由は、厳密には客単価3D分析は、レシート分析が前提となるため、客数は新製品を購入した顧客のみの客数で算出するが、日経POS分析は店舗全体の客数が前提となるため、未購入顧客も含まれた客数となってしまうからである。ただ、この客数を使って、客単価3D分析の公式に当てはめて各指標を算出すれば、従来の客単価よりも、一歩、踏み込んだ、客単価分析が可能となり、客単価3D分析をほぼ実践できることになる。

  では、実際、各チェーンストアですぐにできる客単価3D分析について解説してみたい。チェーンストアでは一般的に店舗全体の総客数は把握ができているのが実態であるので、全店の客数は全店の合計客数となる。したがって、全店の客単価の算出は全店の売上総額÷全店の総客数で算出することになる。大分類、中分類、小分類、あるいは単品の場合の客単価についても同様にそれぞれの売上総額÷全店の総客数で算出するのが通常である。たとえば、トマトの客単価は10店舗の合計売上が40万円、10店舗の総客数が2万人であった場合には、40万円÷2万人=20円となり、トマトは20円の客単価となる。これが通常の客単価の算出方法である。

  ではこれに、客単価3D分析の考え方を適用した場合はどうなるか。たとえば、先のトマトの事例で、トマトが販売されている店舗が5店舗であり、残りの5店舗はトマトがまだ販売されていない場合を考えてみる。その時、トマトが販売されている5店舗の客数を1万人、トマトの売上を先ほどと同じ40万円とした場合、この時の客単価を客単価3D分析で計算した場合は、客単価=PPI×平均単価×客数PI値=客単価PPI×客数PI値であるので、20円=40円×50%となる。全体の客単価は20円と変わらないが、客単価PPI、このトマトの事例では、40万円÷1万人=40円と客数PI値、1万人÷2万人=50%という指標が算出され、トマトを客単価3D分析で表すことが可能となる。トマトの平均単価を200円とすれば、PPIは40円÷200円=20%となり、これをまとめると、トマトの客単価(20円)=PPI(20%)×平均単価(200円)×客数PI値(50%)=客単価PPI(40円)×客数PI値(50%)となる。

  この客単価PPIは野球でいう得点圏打率と同じ指標であり、トマトが販売されている店舗のみの客単価のことである。したがって、この数字が算出されることにより、トマトの全店舗の客単価をあげるためには、まず、トマトの販売店舗の客単価、すなわち、客単価PPIを引き上げることと、トマトの販売店舗を増やしてゆく、客数PI値のアップが決めてとなることがわかる。

  このように、これまで、全店の総客数でのみ算出していた客単価にその商品の購入店舗のみの客数を新たに集計することにより、客単価3D分析の適用が可能となり、客単価を購入店舗のみの客単価PPIを上げることと、まだ、購入実績のない店舗へ商品を広げることにより、客単価の改善がきることが可能となり、よりきめ細かいマーチャンダイジングを実践することが可能となる。

  もちろん、全店共通な商品ではこの分析は全店の客数も購入店舗の客数も同じになってしまうので、有効ではないが、各カテゴリーの中の各単品の分析、特に、新製品等には効果的な分析手法であるといえる。実際、各企業の数表を見ると、チェ―ンストア全店の客単価の算出方法が客単価であったり、客単価PPIであったりする場合があり、しっかり整理されていないことがある。チェーンストアの数表としては先のトマトの事例のように客単価3D分析が可能であるので、よりきめ細かいマーチャンダイジングを実践する意味でも客単価と客単価PPI、客数PI値、できれば、PPI、平均単価の算出がなされた帳票を活用してゆくことが望ましいといえよう。

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August 16, 2006 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 15, 2006

野菜の大幅高値が続く、8月度前半の青果の相場!

  東京都中央卸売市場の野菜の相場が大幅な高値が続いている。のきなみ、昨年対比150%から200%の相場であり、7月の下旬から、8月の第1週、第2週と3週連続の高値相場である。8月第2週の野菜の昨年対比の相場を見ると、主力のトマトは164%、きゅうりは233%、キャベツ310%、だいこん197%、はくさいは何と400%である。このように、主力の野菜はいずれも超高値といってよく、台風の影響等を考えると、当面、野菜の相場は高値が続くものといえよう。一方、果物の昨年対比の相場は野菜ほどではないが、やや果物も高目の相場である。旬のすいかが154%、ぶどう167%、なし119%と、いずれもセリの相場であるが、高めといえる。

  8月第2週の野菜の出荷量と昨年対比の相場をもう少し詳しくみて見ると、前年同期比が明確で、出荷量が最も多い野菜は565トン/日のキャベツであり、群馬産が主力で昨年対比は310%と超高値である。先週は175%、先々週の7月後半は110%であるので、この3週間で急激に相場が上昇していることがわかる。ついで入荷量が多いものはだいこんであり、368トン/日、相場は197%である。入荷量が前週比も前年比ものびているにもかかわらず、相場が上昇している。先週は200%、先々週は139%であるので、先週から2倍に相場が跳ね上がり、現在も高値が続いているといえる。3番目に入荷量が多いものはきゅうりの327トン/日であり、相場は233%である。きゅうりは入荷量が先週と比べ急激に増え、先週比140%と大幅に増えたが、相場は高値が続いている。ただ、先週のきゅうりは325%であるので、それでも相場は入荷量が増え、少し落ち着いたといえる。先々週は209%、先々々週は80%であったので、7月下旬から、きゅうりは急激に相場高になったことがわかる。このように、入荷量ベスト3はいずれも8月前半は超高値相場が続いおり、厳しい相場といえる。

  この他に主力商品であるトマトであるが、入荷量は4番目の319トン/日であり、先週と比べ入荷量は112%と増えたが、昨年対比では88%という水準であり、やはり相場は164%と高値である。先週のトマトは185%、先々週は96%であるので、8月に入って、急に相場が上昇したといえる。トマトは食品スーパーマーケットにとっては超主力商品であるので、150%以上の相場は厳しいものがある。ついで食品スーパーマーケットでリピート購入率の高いにんじんであるが、相場は238%とかなりの高値である。先週も195%と高値が続いており、やはり厳しい相場である。

  このような中で、相場が安い野菜をみて見るとほうれん草があり、100%である。残念ながら、100%を下回る野菜はなく、このほうれん草の100%が最も安い相場である。ただ、先週のほうれん草は174%であり、生育がいち早く回復したものとみえ、入荷量が先週よりも急激に増えており、相場が急激に下がった。ついで、こまつな106%、ねぎ128%、かぶ132%、生しいたけ137%、さといも149%とこれらが150%以下の相場の野菜であり、これ以外はすべて150%以上と現在の野菜は超高値相場といえよう。

  これに対し、果物も野菜ほどではないが、やや高値相場となっており、現在、入荷量No.1のすいかは584トン/日であるが、相場は154%と高値である。先週は138%であったので、ここへきて相場高となってきたといえよう。入荷量No.2はなしで298トン/日であり、相場は119%である。なしは先週ぐらいから入荷が増えてきたが、現在、高値となっており、今後が懸念される。ついで入荷量No.3はももであり、233トン/日であり、相場は102%と比較的安定している。先週は139%、先々週は221%であったので、徐々に下がっているといえる。そして、ぶどうであるが、入荷量は119トン/日の第4位である。相場は167%でかなり高目の相場である。先週は136%であるので、相場があがりはじめているのが気になるところだ。ただ、昨年対比の入荷量は87%と少なめであるが、前週比は151%と急激に入荷量を増やしており、この状況が続けば相場も安定してくるといえよう。

  このように、8月前半の相場は野菜が超高値で推移し、のきなみ150%、200%、さらには300%以上の野菜もあり、厳しい相場である。また、果物についても、野菜ほどではないが主力果物がやや高目で推移している。青果物は天候に左右され、相場が大きく変動するリスクを抱えているが、まさに、この台風シーズンは今月のように異常相場となりかねず、天候の動向を注意深く見守りながら、対応してゆかざるをえない。市場動向、産地動向の情報収集、その情報による価格政策が食品スーパーマーケットの青果部門にとってきわめて重要な課題となる。

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August 15, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 14, 2006

原信ナルスホールディングス、2007年3月期、第1四半期決算を公表!

  原信ナルスホールディングスが原信とナルスの経営統合後はじめての第1四半期決算を8/8、公表した。それによると、売上は253.9億円(137.2%)、営業利益9.4億円(142.9%:売上対比3.7%)、経常利益10.5億円(161.4%:売上対比4.1%)、当期純利益1.4億円(49.6%:売上対比0.5%)となり、営業、経常ベースでは大幅な増収増益を確保したが、残念ながら、当期純利益では、減損会計の適用により、大幅な減益となった。原信ナルスホールディングスは、この第1四半期決算と同時に特別損失の計上および業績予想の修正に関するお知らせを公表したが、それによると、今後予想される新潟商圏の競合激化により、減損損失が予想されるとのことで、特別損失5.9億円を計上した結果、第1四半期の当期純利益が減少したという。そして、これにともない、配当予想を修正し、中間では10円をすえおいたものの、期末、年間の配当を昨年よりは高めであるが、当初予想よりも引き下げ、期末では16円を13円、年間では26円を23円とした。

  この第1四半期決算の発表を投資家はどう評価したかであるが、株価はむしろ若干あがっており、現在、1,400円前後で推移している。原信ナルスホールディングスの株価は経営統合前の2005年12月には2,000円近辺まで上昇したが、その後、株価は下がりはじめ、経営統合前の2006年3月には1,500円前後まで下がった。そして、原信ナルスホールディングスが誕生した4月には1,700円まで株価は跳ね上がったが、その後、また、株価は徐々に下げ続け、6月以降は1,400円前後でもみあっている状況が現在も続いている。ただ、この8/8の第1四半期決算の公表後は株価を若干上げており、8/11現在、1,400円ちょうどの株価である。

  今回の第1四半期決算の中で少し気になるところは、原信とナルスの売上高の状況である。原信の方は全店舗売上高が8.3%、既存店売上高が4.0%増加し、順調な売上である。特に、この時期、既存店の売上が4.0%増加する企業は食品スーパーマーケット業界でも数社であり、競争力の強さを表しているといえよう。これに対し、ナルスは全店舗売上高は6.1%と増加したが、既存店の売上高は-4.5%減少したという。原信対ナルスの売上対比は約4:1であるので、今回の第1四半期の既存店の売上は合計では計算上は約2%強のプラスとなるので、全体としては原信ナルスホールディングスは全店も既存店も伸びているといえる。ただ、今後、予想される競合状況の厳しさを考慮するとナルスの既存店の活性化は急務といえよう。

  特に、2008年春には岐阜のバローが上越地区に年商100億円を目標とする大型SCをオープンの予定であり、この地区は特にナルスの地盤でもあり、バローが出店すれば大きな影響となろう。上越地区は以前上越ウィングで話題になった地区でもあり、すでにイトーヨーカ堂、イオンのSCもあり、バローのSCがオープンすれば、この地区は日本の中でも有数の大激戦地区となる。原信ナルスホールディングスの第1四半期決算では減損会計の理由を大規模な他社の出店計画とのみ記載しているが、恐らく、このバローのSCと思われる。バローは既に北陸には合併したユースを中心に拠点を確保しているが、今後、次の、出店地区を新潟と定めたといえよう。当然、上越のSCのみでは物流効率も悪く、充分な経営効率をあげるためにも多店舗化は必至であり、今後、数年の間に新潟数箇所にSCをつくってゆくものと思う。現状も厳しい競合状況が、さらに厳しくなろう。

  このように、原信ナルスホールディングスの第1四半期決算は売上、営業利益ともに順調に推移したが、今後予想される上越へのバローのSC出店、さらには、ベイシア、PLANT、地元ウロロク等との厳しい競合状況が続くものといえる。その意味で、今後は持株会社をもう一歩すすめ、競争力のあるNSC等の新業態の共同開発等も課題となろう。

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August 14, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 13, 2006

ウォールマート、2006年7月度、112.5%で好調をキープ!

  ウォールマートの2006年7月度の売上速報が公表された。7月度は7/1(土)から7/28(金)までの4週間の集計である。基本的にアメリカの小売業の売上の集計は週別であり、月の場合は4週か5週で集計を出し、13週(4週+4週+5週)で四半期を集計し、そして、52週で1年を集計するのが通常である。その方が、週ごとの昨年対比の比較が明確であり、週末のずれがおこらず精度の高い昨年対比が算出できる。今回、7月度は4週間の集計であるが、昨年対比では112.5%であった。既存店は102.4%とやや苦戦した売上であった。特に、この次期は、アメリカでは学校がはじまる次期も近く、スクール用品が売上に貢献したという。特に、クレヨン、鉛筆、ノートなどが好調であったという。

  昨年対比112.5%の内訳であるが、最も伸びた部門は、ここ数ケ月同じ傾向であるが、国際部門の130.8%である。すでに、サムズクラブを抜き、ウォールマートの中でも重要な部門となった。売上構成比は23.5%であり、金額では60.4億ドル(約7,000億円)である。この中にはもちろん連結となった西友、ウォールマート中央アメリカ、吸収合併した南ブラジルが含まれる。ついで伸びた部門はスーパーセンターとディスカウントストアであり、108.4%である。全体との構成比64.5%であり、金額は165.4億ドル(約2兆円弱)である。そして、もうひとつの部門がサムズクラブであるが、こちらも105.0%の伸びであり、金額では30.7億ドル(約3,500億円)、全体との構成比は12.0%である。ウォールマートは今月で26週目、半期となるが、半期累計では111.9%であるので、この7月度は伸び率が高かっかたといえる。

  既存店については102.4と昨年同時期の104.4%と比べると、やや苦戦した売上であった。26週累計でも102.7と昨年同時期の103.5%と比べてもやはり、やや苦戦しており、さすがのウォールマートも既存店に関してはこれまでの高い伸びをキープするのは厳しいといえる。既存店の内訳であるが、スーパーセンターとディスカウントストアが102.3%、昨年は104.5%であり、サムズクラブが103.1%、昨年が103.7%とスーパーセンターとディスカウントストアの方が伸び悩んだといえる。ただ、サムズクラブには石油高騰の影響によるガソリンの売上が特に貢献し、既存店の売上を押上げているという。

  ウォールマートの7月度の新規出店および既存店の移転、増床店舗は、合計32店舗であり、これが、特に全体の売上に大きく貢献したといえる。現在、ウォールマートの主力業態であるスーパーセンターは13店舗の新店と12店舗の移転および増床の計25店舗のスーパーセンターの実質上の出店であった。32店舗のうちの25店舗約80%がスーパーセンターへの新規投資であり、いかにスーパーセンターがウォールマートの主力業態としての地位を獲得したかがわかる。ついで、3店舗のサムズクラブ、1店舗が新規出店、2店舗が移転増床である。3店舗のネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)、そして、1店舗のディスカウントストアである。

  また、現在のウォールマートの株価であるが、45ドル近辺でもみ合っている状況である。ウォールマートの株価は6月度は49ドル近辺で高値であったが、7月に入り下げはじめ、7月中旬には一時43ドルまで下がった。しかし、その後、やや持ち直し、現在の45ドル付近まで上昇している。来週にはウォールマートの中間決算の公表が予定されているが、収益がどの程度になるかが当面の株価の動きを決めるものといえよう。

  このように、ウォールマートの7月度の売上は全体としては好調であるが、既存店はやや伸び悩んでいるといえる。また、スーパーセンターの出店はあいかわらず好調であり、当面、ウォールマートはスーパーセンター主体に全体の売上を伸ばしてゆくものといえるが、今後の課題は既存店をいかに活性化してゆくかも大きなテーマである。

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August 13, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (1)

August 12, 2006

日経POS、売れ筋ランキング、スナック菓子特集!

  8/11、恒例の日経POS売れ筋ランキングが公表された。本ブログでも数回に渡って取り上げているので、売れ筋の判断基準も大分定着してきたようだ。ポイントは、まず、客単価500円以上がA商品、200円以上がB商品、その他がC商品である。次に、その中で登場日ができるだけ前、できれば、前週比が上向きで、平均単価がアップしていればなおよい。そして、最後がカバー率、これが高ければ高いほどよい。ただ、カバー率については、このデータは首都圏33チェーン、約200店舗のデータであるので、導入店舗のみのデータである。したがって、客単価は全店の客単価ではなく、導入店舗のみの客単価であり、いわば、客単価3D分析を取り入れた、セグメント客数となっている。その意味で、厳密には客単価PPIであり、カバー率が低くとも客単価が高い場合は導入すれば、その客単価となる可能性があり、カバー率にかかわらず、客単価が高い場合は導入を検討した方がよいといえる。

  さて、今回は以上の観点をもとに、菓子のスナックに焦点を当ててみたい。菓子は残念ながらA商品、500円以上の客単価の商品は1品もない。食品スーパーマーケットで取り扱っている菓子の全商品の中でも500円、一人当り0.5円を越える客単価の商品もそんなにたくさんはない。菓子はまさに嗜好品といわれるように、顧客の特定の支持が集中しない、顧客の支持がばらつく商品群であるといえる。いま、はやりの、ロングテール商品の典型といってもよい。実際、カテゴリーごとに、重点商品をピックアップしても、その構成比はせいぜい20%から30%であり、生鮮、日配等の50%から60%という重点商品の構成比とはならず、残り70%から80%の品揃えにメスを入れない限り、菓子の客単価をあげることは不可能である。

  そこで、重要な政策のひとつが新商品のいち早い導入である。イコール、既存商品の売れ行きの悪い商品のカットが同時に行われる必要がある。それをしないと、在庫が増えつづけ、結果的に重点商品の売れ行きが鈍くなったり、鮮度が落ち、全体の数字が落ちる危険性がある。したがって、新商品の導入=既存商品の売れ行きの悪い商品のカットは同時に行う必要がある。そして、新商品の中から数週間後(リピート購買が定着し、一定の顧客の安定した支持がついた段階)に客単価が200円(菓子の場合は100円でもよい)以上の場合は、定番へ晴れて導入ということになる。

  このような観点から、今回の日経POS売れ筋ランキングの菓子のスナックをみてみると、ほぼ客単価200円の商品はカルビー、ポテトチップス アボガドマヨ味65gである。客単価198円、カバー率77.4%である。ただし、7/20に登場したばかりの文字通り新商品であるので、初回購買段階といえ、まだまだリピート購買へはつながっているとはいえず、今後の推移を見守る必要があるが、現状の客単価は菓子としては高いといえる。ついで、100円前後まで客単価の水準を下げると、7/22に登場したカルビー、じゃがりこチーズ60g、客単価108円、6/10に登場したカルビー、夏ポテト紀州の南紅梅80g、客単価99円、同じく6/10に登場したカルビー、夏ポテトこだわりの浜御塩85g、客単価98円がある。いずれもカルビーであり、残念ながら他社のスナック菓子は客単価100円以上にはあがってきていない。いかに、カルビーが新商品に積極的であるかがわかる。

  上記以外にも、日経POSでは菓子についてはベスト20位まで公表しているが、やはりカルビーが強く、カルビーのかっぱえびせん韓国のり風味80g、客単価73円、カルビー、じゃがりこキムチ味60g、客単価69円があがっており、スナック菓子の今週の新商品は上記商品の動向を見極めながら、導入を検討することがポイントであろう。

  ちなみに、今週も売れ筋No.1はサントリー、黒烏龍茶OTPP350mlであり、客単価は852円(1人当り0.85円)という生鮮並の驚異的な数字である。カバー率も99.5%とほぼ100%の数字であり、しかも、5/14発売であり、リピート購買での数字といえ、さらに前週比65円アップでもあるので、ここ最近では超売れ筋といってよい驚異的な客単価である。No.2は花王、ヘルシアウォータ500mlであり、客単価679円であるが、これも5/20登場の商品であり、超売れ筋といえる。どちらも健康志向(特保)の商品であり、今年の消費傾向を強く反映した新製品といえよう。

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August 12, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (1)

August 11, 2006

ヤオコー、2007年3月度、第1四半期決算、個別は好調!

  ヤオコーの2007年3月度の第1四半期決算が公表された。それによると、個別決算は好調な決算であり、増収増益であった。一方、連結決算は調剤・ドラックストア部門およびカルチャー部門の不振により、増収減益となった。実際の数字については、個別決算は、売上417.8億円(111.2%)、営業利益16.1億円(103.6%:売上対比4.0%)、経常利益16.0億円(105.6%:売上対比4.0%)、当期純利益9.1億円(104.1%:売上対比2.3%)と増収増益であり、好調な決算であった。連結決算については、売上463.7億円(110.4%)、営業利益15.7億円(97.7%:売上対比3.6%)、経常利益15.6億円(99.6%:売上対比3.6%)、当期純利益8.9億円(96.6%:売上対比2.0%)と、増収減益となった。

  ヤオコーは、この第1四半期には、2006年4月に伊那店を新規オープンし、6月には嵐山バイパス店の大幅増床、最新のマーチャンダイジングを導入した改装を行い、売上は順調に推移している。4月114.2%、5月109.8%、6月111.3%、そして、7月も110.8%と順調な売上であった。既存店に関しても、4月101.3%。5月98.0%、6月99.6%、そして、7月は99.3%とほぼ100%で推移しており、厳しい競合状況の中では検討しているといえよう。このように売上は順調に推移し、好調を続けている。

  これに対し、経費の方が個別、連結、双方やや上昇気味であるところが気になる。個別決算では経費比率が昨年の23.6%から24.1%と0.5ポイント増加、連結決算では28.3%から、28.9%と0.6ポイント増加している。ただ、どちらの決算でも粗利率が0.2ポイントの増加にとどまったので、営業利益率は個別、連結ともに若干昨年を下回った。ただ、食品スーパーマーケット業界平均の営業利益率が2%から3%であることを考えると、約4%と高い水準にあり、収益性の高い経営である。また、借入れ金額についても、長短合計で131.6億円であり、今期年商目標の1,900億円の約7%であり、食品スーパーマーケット業界平均の約15%と比べると、半分と健全な借入れ金額の比率である。

  ヤオコーは、来年7月には創業50周年を迎え、今年度は第5次の中期経営計画の初年度にあたり、その経営目標はライフスタイルアソートメント型SMのトップ企業を目指すことであるという。そして、長期目標としては首都圏に標準化された店舗500店舗、年商1兆円、短期的には3年後に年商2,112億円、経常利益85億円(売上対比4%)を掲げている。そして、そのための重点施策として、本ブログでも取り上げた鮮魚の時間帯別マーチャンダイジングの徹底による生産性のアップと人材教育・育成の強化を上げている。

  また、店舗政策としては、今期、NSC(近隣型ショッピングセンター)を主体に6店舗の新店を出店するとともに、既存店の積極的な改装に着手するという。すでに、その第1弾が先にもあげた6月の嵐山バイパス店であり、ワカバウォークの成功事例を取り入れたミールソリューション強化型の最新のマーチャンダイジングの改装である。特に、既存店に関しては、今後予想されるベイシアのスーパーセンターの出店にいかに対抗してゆくかを課題として掲げており、ワカバウォークはベイシアスーパーセンター鶴ヶ島店と競合している店舗であることから、そのノウハウを優先的に嵐山バイパス店に導入したといえよう。嵐山バイパス店はヤオコーの最有力ドミナントである小川地区の基幹店舗であり、ベイシアとの圧倒的な差をつけることを目指しているという。一方、ヤオコーは今後都市部にも積極的に出店してゆく意向を示しており、そのための新店フォーマットを仮説検証しながら策定してゆくという。

  このように、この2007年度の第1四半期決算は、創業50周年へ向けた、また、第5次中期経営計画の初年度にあたるヤオコーにとっては重要な決算である。連結では本業以外の経費がかかり利益面が若干厳しかった面もあるが、中間、最終決算までには、挽回し、連結で15期、個別で18期連続の増収増益を実現するためのよいスタートが切れた決算であったといえよう。

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August 11, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 10, 2006

食品スーパーマーケット、2007年3月期、第1四半期決算状況!

  ここへきて、食品スーパーマーケットの2007年3月期の第1四半期の決算が公表されはじめた。食品スーパーマーケット業界では約50社のうち、約10社が3月期の決算である。最も多いのは2月期決算の企業であり、約30社強あり、残りが5月期決算、1月期決算、12月期決算企業である。2007年2月期の決算企業の公表はほぼ終わり、本ブログでも数回に渡って取り上げたが、売上の方は概ね好調な企業が多かったが、利益の方は、特に、減損会計が適用され、当期純利益で厳しい企業が多かったのが特徴であった。

  さて、2006年3月期の第1四半期決算であるが、今回はヤマザワ、関西スーパーマーケット、バロー、いなげやの4社を見てみたい。残念ながら、この4社はいずれの企業も増収増益ではなく、すべて、減益決算であった。このうち、ヤマザワ、関西スーパースーパーマーケット、バローは増収減益であったが、いなげやは減収減益であった。

  まず、ヤマザワであるが売上221.6億円(104.5%)、営業利益7.3億円(87.0%:売上対比3.2%)、経常利益7.4億円(87.8%:売上対比3.3%)、当期純利益4.2億円(331.8%:売上対比1.8%)と、増収減益であった。粗利率が28.6%から28.2と4ポイントダウンし、経費比率が24.6%から24.8%と2ポイントアップし、営業利益が利益面からも経費面からも第1四半期は厳しかったといえる。ただし、この四半期で借入金が大きく改善しており、長短合計の借入れ金額が44.9億円から34.2億円と約10億円減少し、年間売上金額に占める借入れ比率も4.1%とこれまでも健全な財務状況であったが、より安定した財務状況となった。ただ、売上の方は、直近の7月度をみると全体101.4%、既存店98.7%と、直近の3ケ月と比べても、昨年と比べてもややペースダウンしており、気にかかる動きである。

  関西スーパーマーケットについては売上253.0億円(100.2%)、営業利益3.8億円(97.9%:売上対比1.5%)、経常利益4.2億円(96.4%:売上対比1.6%)、当期純利益2.1億円(95.4%:売上対比0.8%)と、増収減益であった。粗利率、経費比率は昨年並みで推移し、ほぼ昨年並みの収益を確保したが、売上対比で見る限り、やや低いといえよう。また、借入金が長短合計が依然として140億円弱と高く、そのうち、長期借入れ金の比率が80%以上と高いため、今後、金利上昇により、収益への圧迫がかさみ、財務的には厳しい状況が続くものといえよう。

  バローの第1四半期決算は売上695.3億円(111.6%)、営業利益15.8億円(82.8%:売上対比2.2%)、経常利益17.0億円(82.1%:売上対比2.4%)、当期純利益6.1億円(58.6%:売上対比0.8%)と、増収減益であった。特に、新店が好調で食品スーパーマーケット3店舗、ドラックストア3店舗、スポーツクラブ4店舗をオープンし、売上は順調に推移したが、粗利率が昨年の28.7%に対し、26.0%と大きく落ち込み、経費比率を25.5%から23.6%と改善をはかったが追いつかなかった。また、長短借入金合計は455.4億円から426.1億円と若干減少しているが、年間予想売上対比では14%強とやや高めといえる。

  上記3社は増収減益であったが、いなげやの第1四半期決算は厳しい決算であり、減収減益となった。売上547.8億円(97.5%)、営業利益2.5億円(昨年はマイナス:売上対比0.4%)、経常利益3.2億円(昨年はマイナス:売上対比0.5%)、当期純利益-1.2億円(昨年はマイナス)と、増収減益、特に当期利益はマイナスと厳しい決算であった。ただ、昨年はマイナス決算であり、今年と来年を構造改革の年と位置づけ、経費削減に努め、営業及び経常利益がプラスに転じたが、減損会計約5億円弱の計上により、当期利益は残念ながら、マイナスとなった。また、長短借入金も103.5億円から121.1億円と増加しており、年間予想売上対比では5.4%と低目でああるが、収益性が低い面、気になるところである。

  このように、食品スーパーマーケット業界の3月期決算企業のうち、すでに公表した企業4社の状況はいずれも利益面で厳しい決算となった。特に、いなげやは昨年同様、依然として厳しい決算が続いており、今期、そして、来期とどこまで改善できるかが課題といえよう。

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August 10, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 09, 2006

新規顧客と既存顧客について

  日経新聞の一面で「消費をつかむ」という特集を連載している。現在、第3部売り手の新発想に入り、8/6は3回目となり、「売ってからが商売」、「新規客より馴染みの苦言」という記事が掲載された。この中で4つの事例を取り上げているが、その中で特に気になった記事はNECのコールセンターの事例と紳士服専門店のAOKIの事例だ。どちらの事例も明確に新規顧客よりも既存顧客に焦点を当てた成功事例を取り上げており、食品スーパーマーケット業界にも示唆に富む内容である。今回の記事の最後では、「この先、安売りで新規開拓ばかりにコストをかけると、採算が悪化する悪循環に陥りかねない。1人1人と長く付き合い、リピート需要を引き出すことが、少子高齢化時代に即した商売だ」と結んでいるが、まさにその通りであろう。

  さて、その気になる記事の内容であるが、NECの事例はコールセンターの内容である。現在、NECパーソナルプロダクツのコールセンターには1日2,700件のパソコンの相談を受けるというが、現状、1分間以上待たせることはないという。統括責任者の端末には、電話がつながる割合が20分おきに表示され、80%を下回るとSOSの指示が飛ぶという。また、NECでは業界初ともいう遠隔操作によるサポートシステムを導入し、客が組み込んだ他社ソフトのトラブルにも対応するという。

  問題は、なぜ、NECがここまでコールセンターに力を入れたかであるが、それは、6年前にNECの再購入希望率を調査したところ3.4%という衝撃的な結果がでたことがきっかけだったという。逆にいえば、94.6%はNECをリピートしないということである。そして、これを機にサポートに力をいれたことにより、現在では再購入希望率が59%に大幅に改善し、業績も上向きはじめたという。

  よく小売業でも特にPI値の低い業種であるホームセンター、家電などの専門店では客単価よりも客数に比重がかかり、価格訴求により、いかに新規顧客、特に他社の顧客を奪うかがテーマとなることが多い。食品スーパーマーケット業界でもちらしを武器に、いかに新規顧客を集客するかがよくテーマとなる。もちろん、これは新規顧客獲得という観点では重要なテーマであるが、小売業の本質は一旦購入をいただいた顧客から次の購入、すなわち、リピートにつながったかどうかが実は最大のテーマである。ここの部分への取組が食品スーパーマーケットはもちろん、たとえ、PI値の低い業種でも重要であるということがこのNECの事例は示しているといえよう。

  もうひとつの事例は紳士服のAOKIの事例である。これはこの20年間、AOKIの売上トップを続けている町田さんの事例である。町田さんは、AOKIのスーツを年2億円以上を売るという。その秘訣を町田さんは記事の中で「宝は自分を指名して2回以上来店してくれた1,500人の顧客台帳だ」といっている。この顧客台帳をもとに、電話を通じ、それとなく購買を促し、売上に結び付けているという。この15年で120回も足を運んだという顧客や親子3代にわたって付き合いがある顧客もいるという。

  これはまさにCRM(Customer Relationship Management)の実践であり、ポイントカード等の導入の有無にかかわらず、CRMは実践でき、実績をあげられることを示している事例といえよう。先の事例のNECの再購入希望率約60%で計算すると、年間2億円のうち、60%の1.2億円を1500人で割ると8万円であり、3~4万円のスーツ2着となる。すなわち、新規顧客からの売上40%に加え、リピート顧客から年間スーツ2着を町田さんのみから購入すれば2億円の年商となる。15年で120回が超お得意さまであることを考えると、年間8回の来店であり、1回の来店顧客ではなく、2回以上の来店顧客1500人であるので年2回購入いただくことはけっして不可能な数字ではないといえよう。また、町田さんのようにベテラン店員になると、1500人の顧客管理は一人で可能であることを実証しし、しかもその顧客が充分な売上に結びつくことを実証している。

  このように、今回の日経の記事は商売の本質を示した好事例といえ、商品数がどんなに増えようとも、顧客数がどんなに増えようとも顧客1人ひとりへの対応が重要であり、また、それが、可能であることを示しているといえよう。新規顧客の獲得は商売のきっかけであり、いったん、顧客になったあとは、いかにリピート購買につなげられるかが商売の本質であることをあらためて感じる。

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August 9, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

August 08, 2006

ハウス食品、カレールーの平均単価アップ戦略に挑戦!

  ハウス食品がカレールーの平均単価アップ戦略に本格的に着手しはじめた。ハウス食品のこれまでの主力商品は1963年(昭和38年)に発売したバーモンドカレーであるが、通常の価格は250g、270円、1g当り1.08円である。これを下回るカレールーはこくまろの200g、200円、1g当り1.00円である。このようにカレールーを1g当りに換算すると価格政策が明確になり、この指標でハウス食品の他のカレールーを見てみると、この2品を下回る価格のカレールはー1品もないことがわかる。最近ハウス食品が最も力をいれているカレールーは、新商品のPRIMEシリーズであり、北海道ホワイトカレーであるが、PRIMEバーモンドカレーは185g、300円、1g当り1.62円、北海道ホワイトカレーは160g、250円、1g当り1.56円であり、バーモンドカレーの40%~50%高である。今後、ハウス食品は、この方針を強化するとのことで、明確な平均単価アップ戦略に入ったといえよう。

  8/7の日経MJでは、「ハウス食品、客層絞ったカレールー」、「商品増やし新規客開拓」という記事を取り上げているが、その中で、ハウス食品の主なカレールーを価格と客層の2軸でポジショニングをしている。それを見ると、左下の子供向け低価格帯にバーモンドカレーが位置づけられ、真ん中が北海道ホワイトカレー、右上の大人向け高価格帯にスープカリー匠を位置付けている。そして、今後の強化商品、新商品は北海道ホワイトカレーよりも高いゾーンの左側の高価格帯子供向けのゾーンと右側の高価格帯大人向けのゾーンに絞ってゆくという。

  実際、ハウス食品の全カレールーの容量と1g当りの価格を調べてみると、今回のハウス食品の戦略がより明確に浮かびあがる。縦軸に1g当りの価格帯をとり、横軸に容量をとって相関図をつくってみると、1g当りの価格帯と容量とのグラフはきれいなy=1/x上にほとんどの商品が位置づけられることがわかる。右下はバーモンドカレー、真ん中は北海道ホワイトカレーとプライムバーモンドカレー、左上はスープカリー匠となる。残りのカレールーはこの商品を結ぶ線上にほとんどが位置づけられる。そして、このグラフから、ハウス食品のカレールーの戦略は右下から左上へ大きく動いていることがわかる。これは明らかに、容量増による平均単価アップではなく、1g当りの平均単価アップ、すなわち、付加価値アップによる平均単価アップ戦略である。おおよその数字であるが、1g1円から、1g1.5円に全体がシフトしはじめ、さらに、1g2円、1g3円まで挑戦がはじまっているとみることができる。

  このような流れを受け、ハウス食品の株価は8/3に公表された第3四半期の決算も好調なことから、株価が上昇しはじめている。特に今回の第3四半期決算は売上558.3億円(125.9%)、営業利益16.0億円(280.5%:売上対比2.8%)、経常利益16.0億円(230.1%:売上対比2.8%)、当期純利益11.3億円(350.2%:売上対比2.0%)と大幅な増収増益であり、これを受けて、8/3の株価は通常の5倍の60万株の大商いとなり、8/7現在1,821円と上げ続けている。もちろん、この好業績は新商品効果もさることながら、それ以上に、ハウスウェルネスフーズの子会社化による連結決算への押上げの影響が大きかったようだ。

  これまで、ハウス食品の売上はこの5年間約2,000億円弱で横ばいを続け、カレールーを含む香辛食品類の売上構成比は約35%であり、前期の香辛食品類の売上は若干伸び悩んだのが実態であり、中々、バーモンドカレーを中心とした低価格商品からの脱却ができなかったといえる。これに対し、今回の1g1.5円への付加価値アップへの挑戦は、北海道ホワイトカレー、PRIMEバーモンドカレー等が好調な動きであることのことで、新たな需要を生み出す可能性が高いといえよう。

  食品スーパーマーケットではカレールーは特売商品として、価格訴求の代名詞のような位置づけになりつつあるが、今回のハウス食品の付加価値の高い商品群が顧客から支持されることにより、平均単価(付加価値)アップの商品としても、カレールーを位置づけることが客単価アップへつながるものといえよう。ハウス食品の今後の新商品戦略に注目したい。

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August 8, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 07, 2006

客単価の評価を32種類まで確認!

  小売業にとって最も重要な指標は客単価と客数である。ではその客単価を評価するにはどうしたらよいだろうか。客単価2D分析では客単価=PI値×平均単価ととらえ、客単価がアップした場合は、PI値がアップするか、平均単価がアップするか、双方がアップするかの3つの評価が可能であった。同様に、ダウンした場合にはPI値がダウンするか、平均単価がダウンするか、双方がダウンするかの3つの評価が可能であった。したがって、アップした場合の3つとダウンした場合の3つを合わせ、客単価は6段階で評価が可能となった。そして、PI値に重点を置くことによって、客単価がアップした時も、PI値、平均単価双方がアップした場合は○○○の3重丸の評価、PI値のみがアップした場合を○○の2重丸の評価、平均単価のみがアップした場合を○の1重丸の評価とし、優先順位をつけることが可能となった。同様にダウンした時も、PI値、平均単価双方がダウンした場合を×××の3重罰の評価、平均単価のみがダウンした場合を××の2重罰の評価、PI値のみがダウンした場合を×の1重罰の評価とすることができた。このように客単価を評価することにより、単にあがった、下がっただけでなく、その中身にまで踏み込むことにより、現状の検証、そして、次の客単価アップへの精度の高い仮説づくりにつながってゆくこと可能となった。

  では、これが客単価3D分析となった場合はどうなるだろうか。これまで、18パターンまで確認できてはいたが、改めて、客単価がアップした場合、ダウンした場合を確認してみたところ、何と32パターンまで確認できた。客単価3D分析は客単価を3つの軸、すなわち、PPI、平均単価、客数PI値に分けて考え、客単価を客単価=PPI×平均単価×客数PI値という数式で表して、客単価を3次元でとらえる新しい分析手法である。したがって、客単価の評価もこれまでの2次元から、3次元、すなわち、立法体で評価することになる。客単価2D分析の時は面積を大きくすることが客単価アップであり、小さくなることが客単価ダウンであったが、客単価3D分析の場合は、立法体を大きくすることが客単価アップであり、小さくなることが客単価ダウンとなる。したがって、客単価の評価も立方体が大きくなったり、小さくなったりする、あらゆる場合を検討し、整理する必要があり、これは2次元の面積の時のように答えを簡単に出すことは不可能な作業である。じっくり、腰を落ち着けて、慎重に検討する必要がある。以前、検討した時には、18パターン、すなわち、客単価アップが9パターン、ダウンが9パターンまで確認できたので、18パターンかと思っていたが、改めて、確認してみると、32パターンまで確認できた。恐らく、数学の世界ではすでに、立法体の大きくなるケースと小さくなるケースは何パターンあるかという問題はすでに解けているのであろうが、残念ながら、身近に数学者がいないため、自分で確かめてみた。とりあえず、考えられる場合わけと、具体的な数字を代入し、確認しながらパターン分けを行ったので漏れはないかと思うが、100%証明できたわけではないので、もしかすると、まだ検討できてないパターンがあるかもしれない。

  客単価3D分析が32パターンの評価になったポイントであるが、指標は3つの軸であるので、PPI、平均単価、客数PI値であり、これだけの組み合わせでは、それぞれが上がった、下がったであり、2×2×2=8パタンしか考えられない。ところが、立方体の場合は、それぞれの指標がつくる面があり、客単価PPI、PI値、一品客単価の面が大きくなったり、小さくなったりし、これが複雑に絡み合い、パターンが増殖する。たとえば、PPIが○で平均単価が×の場合は客単価PPIは○の場合と×の場合があり、さらに、客単価に至ると客数PI値が加わり、客単価も○の場合も、×の場合もある。したがって、単なる3つの軸を単純に考えればよいという問題ではなく、立法体の大きさが変化するあらゆる場合を検討することが必要となる。

  このように、じっくり取り組んでゆくと、客単価は32パターン、すなわち、客単価がアップした場合は16パターン、ダウンした場合は16パターンであることが確認できた。これで、客単価3D分析の基礎理論およびその展開パターンがすべて確認できたと思うので、今後は、いよいよ客単価3D分析の実践に入ってゆくことが可能となる。

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August 7, 2006 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 06, 2006

黒烏龍茶(サントリー350ml)に注目!

  8/4の日経MJで恒例の週間売れ筋ランキングが公表された。本ブログでも何度か取り上げているが、黒烏龍茶(サントリー350ml)が客単価787円、カバー率99.5%という驚異的な数字を維持し、13週以内に発売された全商品の中でも断トツのトップであった。しかも平均単価が158円という高目の価格であり、価格訴求がかかっていない中での数字である。客単価787円という数字はグロサリー全商品の中でもトップクラスであり、食品スーパーマーケットで取り扱う生鮮、日配を含む全商品約10,000品目の中でも500位以内には入る超売れ筋といってよい。日経MJのランキングの中では7週連続1位を維持しているという。発売が5/14であり、日経MJの新製品の定義は13週間以内ということであるので、そろそろランキングから外れる時期であるが、この時期でも1位をキープするのは並大抵なことではない。しかも、カバー率が99.5%とこれも全売れ筋商品の中で一番である。各食品スーパーマーケットも最重点商品として取り組んでいるということであろう。ひさびさの本格的なヒット商品といえよう。

  実際、この客単価787円という数字を食品スーパーマーケット各社の売場で活かすには、どうしたらよいだろうか。そのためには、まず、通常の客単価に換算することと、この数字からPI値を逆算し、発注、棚割り、フェイシングに結びつけることがポイントである。今回のデータは首都圏の食品スーパーマーケット約33チェーン、約200店舗、しかも、カバー率が99.5%のデータであることから、ほぼ全店で導入された商品とみてよい。したがって、平均客数を2000人/日で見れば、5/14から今日までおよそ100日であるので、延べ20万人の消費者のデータといえる。したがって、信頼度はかなり高いといえよう。

  まず、客単価であるが、この787円は1,000人当りであるので、通常の客単価は1/1,000となり、0.78円となる。0.78円は店舗全体の客単価が食品スーパーマーケットでは約2,000円であるので、その中の0.78円が黒烏龍茶(サントリー350ml)の客単価ということである。平均単価が158円であるので、PI値は逆算すると0.78円÷158円で0.49%=約0.5%である。これで、黒烏龍茶(サントリー350ml)の基本数字が算出できた。すなわち、黒烏龍茶(サントリー350ml)の客単価は0.78円、PI値は0.5%、平均単価は158円という基本数字である。

  では、この基本数字から実際の販売に活かす方法を考えてみたい。まず、1日どのくらい売れるかであるが、PI値が0.5%であるので、平均的な食品スーパーマーケットでは客数が2,000人/日であるので2,000人×0.5%=10本と見てよい。先にも言及したが、平均的な食品スーパーマーケットで1日10本以上売れる商品は生鮮、日配を含めても500品もないのが実態であり、この10本という数字は新商品としては驚異的な数字である。したがって、欠品を起こす可能性が高く、お客さまに迷惑がかかるだけでなく、チャンスロスを発生させ、売上に大きく響く可能性が高い。ここまでPI値が高い商品はこの商品の売上だけではなく、その商品と同時購買をする残り10品近くの売上にも影響し、商品だけの問題ではなく、顧客カット、すなわち、顧客を失いかねない最重点商品といってもよい商品である。したがって、棚割の中でも最優先、最大フェイシングが必要な商品といえる。週2回程度の発注であれば、5日在庫ぐらいは確保したいところで50個は売場に在庫を確保したい商品といえよう。冷蔵ケースの奥行きをおよそ10本とすれば、5フェイスは確保したいところである。当面、エンドの積みっぱなしでもよいくらいだ。

  このように、発売以来10週間近く経過し、客単価が500円(0.5円)以上を維持し、カバー率が90%を越える商品は即、自店に導入し、最重点商品として、発注、棚割、フェーシングを充分に確保し、最優先で取り組んでよい商品である。今回の黒烏龍茶(サントリー350ml)はその意味でひさびさのヒット商品といえよう。

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August 6, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 05, 2006

九九プラス、2007年3月度、第1四半期、厳しい決算!

  九九プラスの2007年3月期の第1四半期の決算が発表された。それによると、売上315.1億円(124.9%)、営業利益1.5億円(30.5%:売上対比0.5%)、経常利益1.6億円(29.3%:売上対比0.5%)、当期純利益0.2億円(7.8%:売上対比0.1%)と、増収大幅減益という厳しい決算であった。昨年同時期は大幅な増収増益の好決算であっただけに、今期の第1四半期決算は深刻な状況といえよう。特に、既存店売上高が93.6%と大きく落ち込んだことが大きかったという。この3ケ月の推移をみても、全体の売上も4月129.5%、5月121.3%、6月118.0%と徐々に下がり、既存店は4月94.0%、5月93.4%、6月94.0%と改善の兆しがみられず、厳しい状況が続いているといえる。

  この第1四半期の決算では特に、粗利率が27.2%から26.7%と0.5ポイント下がり、販売管理費は逆に25.1%から26.2%へと1.1ポイントと大きく上がり、結果的に営業利益率が2.1%から0.5%へと1.6ポイント下がった。主な経費項目を見ると、給与手当てが10.9%から11.5%と0.6ポイントアップ、地代家賃が3.6%から3.8%と0.2ポイントアップ、水道光熱費が1.7%から1.8%と0.1ポイントアップ、減価償却費は1.1%から1.0%とわずかに下がったが、ほとんどすべての経費が上昇しており、営業利益を圧迫したといえる。一方、長短借入金は、34.1億円から48.7億円と増えてはいるが、年間売上予想対比では3.6%と低く、財務的には、経営を圧迫するほどではないといえる。

  九九プラスは、この6月に公表した昨年度の決算報告書の中で今期の方針を明らかにしているが、それによると、営業力を強化するために既存店売上高のアップを重要課題と位置づけてゆくと宣言している。また、出店戦略に関しては収益を重視した出店をすすめ、3大都市圏の関東、関西、中京へ重点的に出店し、確実に利益を見込める立地に限定するという方針を明らかにした。さらに、スクラップ&ビルドを積極的に推進することで、「SHOP99」店舗業態の収益基盤固めを行ってゆくと方針を発表した。

  ただ、残念ながら、第1四半期では、既存店は横ばいであり、まだ明確な結果がでていない。出店戦略については昨年は毎月20店舗近くの新規出店を行い、800店舗まで増えたが、今期は約半分の毎月約10店舗の出店であり、地域もこの6月で見ると、関東圏は東京4店舗、神奈川1店舗の5店舗、中京圏は愛知3店舗、静岡1店舗の4店舗、関西圏は0店舗の合計9店舗と絞り込んだ出店となった。ただ、残念ながら、第1四半期の結果を見る限り、粗利率は下がり、経費比率は上がっているので、まだ、出店戦略を絞り込んだ効果がでているとはいえない状況といえよう。

  これらの状況を踏まえ、直近の株価の動きを見てみると、第1四半期の決算発表があった7/31以降、8/1から株価が上昇している。これまで、九九プラスの株価は6月末に200,000円の高値をつけて以来、株価は、7月一杯ほぼ下がり続け140,000円まで下がった。ところが8/1、前日の142,000円から155,000円といっきに+9.1%(13,000円)アップした。次の日の8/2も+7.0%(11,000円)アップの166,000円となった。8/3は同じく166,000円、そして、8/4は1,000円下がり165,000円で引けた。このように、業績と株価は反対の動きを示したが、これは、8/1から新発売となった明治薬品と共同開発したサプリメント、ダイエット食品を99円で10種類以上全店で発売したことによる業績の急回復を見込んでの投資家からの買いが入ったことによる。ただ、売買高はさほど大きくは増えていないところをみると、投資家も新商品効果を慎重に見極めているものといえよう。

  今回の第1四半期の結果はかなり厳しいものがあり、今回の新商品である健康食品であるサプリメント、ダイエット食品がどこまで、現在重点課題の既存店の売上を押上げ、利益の改善につながるかは、次の中間決算の結果をみるまでは判断が難しいと思われる。その意味で、九九プラスにとっては次の中間決算結果が今後の鍵を握っているといえよう。

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August 5, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (4)

August 04, 2006

食品スーパーマーケットの食育への取組み!

  食育基本法が成立して、1年が経過した。食育基本法は昨年の第162通常国会において、2005年6月10日に成立し、同7月15日に施行されたもので、まだ成立1年という新しい法律である。この法律の目的は、「国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことができるよう、食育を総合的かつ計画的に推進する」ことである。食育という言葉自体あまり聞きなれない言葉であるが、これは知育、徳育、体育と同様、国民が生きるうえでの基礎として習得すべきものとして生まれた言葉である。習得すべき内容は、食の知識であり、食を選択する力である。これら食の習得を通じて健全な食生活を実践することができる人間を育てることを目的にするという。

  最近の動きとしては、内閣府に食育推進会議が設けられ、この6月に食育推進基本5ケ年計画が決定された。この委員の中には、日本チェーンストア協会の佐々木会長も入っており、食品スーパーマーケット業界としても食育を積極的に支援してゆくことになる。6/21には、はじめての食育推進全国大会も大阪で開かれ、そこでもパネラーとして、イズミヤの高田食品商品部長も参加しており、大阪から食育がスタートしたといえよう。今後、6月は食育月間と決まり、今年のテーマは「みんなで毎日朝ごはん」であった。また、今後、毎月19日は食育の日として、食育を全国的に広めてゆくという。ちなみに、食育を推進してゆくための今年度の標語も決まり、子供向けには「いただきます みんなでたべたら おいしいね」、一般向けには「健康は 日々の食事の 積み重ね」に決定したという。

  このような食育の流れを受け、最近、食品スーパーマーケット業界でも食育に取り組む企業が増え始めた。7/31の日経MJでも「食育で野菜販促」、「レシピ提案、必要摂取量を表示」、「スーパー、集客も狙う」という記事が掲載された。その中で、サミットの事例を取り上げており、7月から「子供に嫌われがちな野菜の食育キャンペーン」を開始したという。このキャンペーンは8/22まで続き、ニンジン、ニラなど5品を取り上げ、1品目ごとに料理レシピや栽培過程を販促冊子に盛り込み店頭で頒布するという。これらを通じて、サミットとしては野菜の売上に結びつけるという。また、カスミでも「ファイブ ア デイ」運動、1日5皿分以上の野菜の摂取を勧める取組みを毎月5日、15日、25日の3日間実施しているという。イトーヨーカ堂もトマトの詰め放題やトウモロコシ作りなど子供向け食育イベントにはじめてとりくんだという。

  このように日経MJの記事では野菜に焦点をあてた食育の食品スーパーマーケットでの事例を記事にしているが、平和堂のホームページを見ると、さらに一歩踏み込み、食育活動宣言を掲載している。その中で、食の安全、安心の実現と、健全な食生活実現を食育活動の目標とし、食の知識や情報の提供、食にかかわる体験活動に取り組むと宣言している。食育を食の安全、安心の実現の目標と位置づけたのが特徴である。具体的には、5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)」運動を実践し、売場での実践体験、産地での食育体験ツアーも実施している。これ以外にも、地産地消活動、伝統食文化の啓蒙活動、食に関する情報提供活動など幅広く取り組んでいる。これらの活動は、食育の法律ができ、政府の推進体制が整ったことを受け、これまで、平和堂が取り組んできた様々な食育に関係する活動内容を食育というキーワードでくくり直し、進化させたものといえよう。

  このように、食育は食品スーパーマーケットではけっして新しいテーマではなく、平和堂が今回示したように、これまでの食品スーパーマーケットが取り組んできた、安全、安心、地産地消、レシピの提供、実演販売などを食育というテーマでくくり直すことによって、体系的に実践できる内容となったといえる。しかも、販売促進と結びつけることによって、というよりも販売促進に今後は食育というキーワードを加えることにより、食育を食品スーパーマーケット自らの営業活動につなげてゆけるものともなろう。食育活動は、まだ、はじまったばかりであり、今後、食品スーパーマーケット業界にとってもますます重要なテーマとなろう。

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August 4, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (1) | TrackBack (2)

August 03, 2006

家計調査月報、2006年6月度速報、比較的堅調に推移!

  景気上昇が企業段階から家計部門にまで波及し始めたという政府の7月度の経済月例報告が公表されたが、その根拠となったデータのひとつである家計調査月報の6月度が内閣府から公表された。家計調査月報は毎月月末に前月のデータが公表されるため、現在8月に入ったが、最新データは6月度のものである。7月度は今月末に公開予定である。さて、その概要であるが、食品スーパーマーケットで取り扱う食品関連の商品群でみてみると、食品から外食を抜いた商品合計の客単価は昨年と比べ99.6%(-7.0円)と1,968.4円であった。なお、本ブログでは家計調査月報の数字を1日当りに換算した数字で見ることにしている。その方が、実際の食品スーパーマーケットでの客単価に近く、現状の各店の数字と比較しやすいからである。

  家計調査月報では、食品関連は全部で11に分けて分類されている。その11とは1.1穀類、1.2魚介類、1.3肉類、1.4乳卵類、1.5野菜・海藻、1.6果物、1.7油脂・調味料、1.8菓子類、1.9調理食品、1.10飲料、1.11酒類である。ほぼ食品スーパーマーケットと同じ分類であるが、日配が1.2の魚介類、1.4の乳卵類、1.5の野菜・海藻にまたがっている点と、惣菜のほとんどが1.9の調理食品であることが注意すべき点である。

  この大分類でみた場合、昨年と比べ、伸びた部門は1.2の魚介類の102.5%(5.8円)の232.7円、1.3の肉類の100.9%(1.7円)の198.2円、1.5の野菜・海藻の103.9%(11.2円)の301.1円、1.9の調理食品の102.8%(7.0円)の258.3円の4部門であった。食品スーパーマーケットでは客単価1円は平均的な店舗の客数が約2,000人であることから、2,000円/日、60,000円/月、720,000円/年に当たるので、今回の野菜・海藻の11.2円は大きな伸びであったといえる。ついで、7.0円の調理食品(惣菜)、5.8円の魚介類も大きな伸びといえよう。このように、2006年6月度は生鮮3品+惣菜がよく伸びたのが特徴といえる。

  では、さらに、その伸びた中で、貢献度の大きかった個々の商品を見てみると、野菜・海藻類では、きゅうり+2.0円(121.3%:11.6円)、キャベツ+1.9円(137.8%:6.8円)、レタス+1.3円(126.5%:6.4円)、にんじん+1.2円(121.9%:6.9円)、トマト+1.0円(104.2%:24.1円)が1円以上と大きく伸びた商品である。ちなみに、野菜・海藻の中でNo.1商品はトマトの24.1円である。調理食品(惣菜)では、調理パン+1.0円(111.3%:9.5円)がよく伸びた商品であるが、まだ分類されていない他の調理食品その他が+4.8円(108.4%:62.6円)と大きかった。62.6円は調理食品全体の約25%に当り、家計調査月報も今後、ここは解明が必要なところである。魚介類では刺身盛合せ+1.0円(106.5%:15.8円)が大きく貢献した商品である。肉類では残念ながらそれぞれの商品が微妙な伸びであり、際立って伸びた商品はなかった。

  逆に、昨年と比べ大きく落とした部門は大分類では果物の88.6%(-12.0円)の92.8円、飲料の95.4%(-6.8円)の140.5円、酒類の95.6%(-5.8円)の125.9円の3つの部門であった。具体的な商品としては、果物では、メロン-4.7円(69.5%:10.8円)、すいか-3.4円(73.2%:9.3円)、バナナ-1.1円(92.2%:12.7円)、グレープフルーツ-1.0円(73.5%:2.8円)であるが、特に、旬のメロン、すいかの落ち込みが極めて大きかったといえる。飲料では、果物・野菜ジュース-1.6円(94.6%:28.1円)、炭酸飲料-1.6円(82.2%:7.4円)、乳酸菌飲料-1.0円(89.5%:838円)、茶飲料-1.0円(94.4%:16.8円)であった。そして、酒ではビール-6.6円(87.7%:47.0円)、発泡酒-2.2円(89.1%:18.2円)とビール、発泡酒の落ち込みが大きかった。

  このように、2006年6月度の家計調査月報からみる消費の特徴は生鮮3品、惣菜が好調であったが、唯一、生鮮の中では果物の落ち込みが、旬の商品であるメロン、スカイの影響で大きかったといえる。また、飲料、酒の落ち込みも大きく、共通点は水分補給系統の商品がほぼ全滅であった点であり、異常気象等による洪水による影響、天候不順などが大きな影響を与えたものといえよう。ただ、食品スーパーマーケット関連商品総額はこれら外部要因の影響により大きな落ち込みがあった部門があったにもかかわらず、生鮮3品+惣菜が伸び、99.6%とほぼ前年並みとなっており、家計消費は比較的堅調な数字であったといえよう。

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August 3, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

August 02, 2006

ベルク、イオンと業務・資本提携、株価上昇!

  8/1、ベルクの株価が跳ね上がった。前日比53円高(4.88%)の1,138円まであがった。売買高も4万4千株と通常、数千株の取引高の約10倍であり、買いが殺到した。ベルクの株は今年はじめは1,300円前後であったが、その後、株価を下げ続け、7月には1,000円近辺まで下がり、しばらくもみ合う状況が約1ケ月近くつづいていた。その株価が8/1いっきに跳ね上がった。原因は、7/31に発表されたイオンとの業務・資本提携である。特に資本提携では、今後、1ケ月以内にイオンがベルクの株式を10%保有し、さらに、1年以内に15%を取得するという。それにともない、来年の株主総会では役員も1名、イオンから受け入れるという。首都圏では商社主導の食品スーパーマーケットの業界再編成が激しく進んでおり、これに呼応する食品スーパーマーケット再編の動きといえよう。

  7/31に発表されたベルクとイオンの業務・資本提携の内容であるが、まず、資本提携については、第三者割当による新株式を208万7千株を1,121円でベルクが発行し、合計金額23億3,952万7千円で、8/15にイオンがすべての金額の購入を引き受けるというものである。8/1の株価が1,138円であり、すでに若干であるが、発行価格を上回った。今回の増資により、ベルクの大株主構成は、イオンが10%の株式を所有することにより、第2位の株主となり、さらに、1年以内に15%の株式の所有となると、ベルクの原島社長所有の11.93%を抜き筆頭株主となる。

  ちなみに、この増資金額の使途であるが、ほぼ全額を新店開発に当てるという。ベルクの現在までの新店投資額の残は、2006年1月にオープンした太田植木店の投資残額約5億円強、2006年3月にオープンした伊勢崎寿店の投資残額約7億円、2007年3月にオープン予定のグリーンウォーク多摩店の投資残額約6億円強、2007年12月にオープン予定の松戸秋山店の投資残額約6億円、そして、2008年1月にオープン予定のベスタ狭山店の投資残額約17億円強と約40億円強の投資残額がある。この大半の投資額に増資額を当て、残りは、自己資金と借入れでまかなうという。

  一方、業務提携の内容であるが、当面、双方が設置する「提携推進委員会(仮称)」で審議され、決定されてゆくことになるというが、現時点での骨子は以下の3点である。第1点目は商品供給である。これはイオンのトップバリュをベルクが導入することに加え、ナショナルブランドについては共同調達を行い、仕入れ原価を下げることである。ベルクは現在CGCに加盟しており、今後、CGCとの関係も課題となろう。第2点目は販売促進政策である。特に重要なポイントはクレジットカードの共同利用であり、今後、ベルクでイオンカードの活用が可能となる。イオンはいずれ銀行への参入も検討しており、ベルクを通じて首都圏の店舗網を増やせることは大きなメリットであろう。販促については、販促資材の共同調達によるコスト削減も合意事項である。そして、第3点目は開発業務である。これはすでに、資本提携の内容でも明確なように新店開発にかかわることがテーマである。具体的には、関東圏における店舗開発情報、不動産情報の共同活用であり、ベルクの新規出店だけでなく、イオンの出店に関しても情報を共有してゆくことになるという。このように、まだ、現段階では業務提携内容は上記3点以外明らかになっていないが、今後、提携推進委員会でさらに具体的な内容が次々に打ち出されてくることになろう。

  この流れを受けて、イオンの株価も8/1、上昇しており、55円高(2.05%)の2,730円となった。イオンの株価は6/13に年初来最安値の2,295円をつけて以来上昇に転じ、7月の中旬には一時値を下げたが、また上昇しはじめ、8/1は6/13以降では最も高い株価2,730円となった。イオン、ベルク、ともに8/1は株価を上げており、投資家はひとまず今回のベルクとイオンの業務・資本提携をプラスとみたといえよう。

  それにしても、ここのところ、7&Iホールディングスのヨークベニマルの100%子会社化、住商のサミット出店への積極支援、丸紅のダイエー株の買取り、そして、今回のベルクとイオンの業務・資本提携と、首都圏の食品スーパーマーケット業界をとりまく経営環境が大きく動きはじめたといえる。食品スーパーマーケット業界は第1四半期が終了したばかりであるが、今期は首都圏の食品スーパーマーケット業界を中心にさらなる業界再編が進むものと予想される。

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August 2, 2006 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 01, 2006

客単価3D分析の最先端をゆく大リーグのデータ管理、分析!

  以前、本ブログで得点圏打率について取り上げ、得点圏打率は客単価3D分析の応用のひとつであることを示した。得点圏打率は理論面からアプローチして、指標をつくったのではなく、選手個々人を正当に評価するという観点からつくられた指標であるため、充分に理論展開ができていない面もあり、重要な指標が活用されていない面もある。それでも、現状の小売業界の様々なデータ分析と比べてみると一歩リードしているのが現状といえよう。小売業の分析の中には得点圏打率のような指標はいまのところ明確ではないし、また、活用されているという事例は聞かない。

  では、大リーグでよく使われる得点圏打率が小売業界の分析手法と比べすぐれている理由は何か。それは小売業界ではまだ充分に活用されていないIDをフルに活用している点である。IDを活用すると何が違ってくるのかであるが、根本的な違いは数式そのものが違ってくる。IDを活用しない客単価の数式は客単価=客数PI値×PPI×平均単価であり、ここまでが限度である。しかし、ここにIDが入ると、客単価は特定IDの客単価=特定条件の下での(客数PI値×PPI×平均単価)+特定条件の下でない場合の(客数PI値×PPI×平均単価)まで分析が可能となり、特定IDにおける、ある条件のもとでの客単価を導き出すことができるようになる。得点圏打率はまさに特定IDの味方が2塁、3塁に出塁している時のヒット率のことであり、ここには、特定IDと特定条件の時という限定が加えられた打率を算出し、通常の打率と区別して活用している。

  得点圏打率では本来この数式にもとづいて計算し、正当に選手個々人を評価するのが主な目的であると思われるが、得点圏打率のみに目がいってしまい、残りの要素を切り捨ててしまっている点が残念である。また、本来ヒット率だけではなく、まさに打点率という客単価の平均単価にあたる要素、得点圏打点率などを加味すると、さらに個々人の正当な評価にもつながるのであるが、この点も充分な分析ができていないのがもったいないと思う。

  現状の得点圏打率を客単価3D分析の数式で表現すると、打率=得点圏における打席率×得点圏打率+得点圏以外の打席率×得点圏以外の打率となり、得点圏打率とは打率の中身を得点圏における打率のみに注目して、チャンスに強い打者を全選手の中から抽出し、チャンスの場面で、効果的な起用をすることにより、得点率をあげようとする目的であるといえる。したがって、そのためには、得点圏打率とペアとなっている得点圏打席率が鍵を握っており、得点圏打席率の高い打順に得点圏打率の高い選手を配置した時、すなわち、得点圏における代打か、3番以降が最適な打順となり、長打、ホームラン等が多い場合は、3、4、5番優先、ヒットが多い場合は6、7番当りが最適打順となろう。

  では、このように大リーグで客単価3D分析の活用がなぜ可能となったのかであるが、いくつかの偶然が重なったものと思われる。それは、野球はチームプレーであり、選手個々人の特徴を正当に評価し、適材適所の人材配置(打順、選手起用)が勝利の決め手となるが、それを実現するためには正確なデータとその分析が不可欠である。小売業界ではこれらのデータは莫大な商品データと顧客データとなってしまう。どちらも膨大であり、この数10年かけてやっと商品データの方はバーコード管理ができ、目処がつきはじめたが、顧客の方はほとんど手つかずの状態といえる。これが、大リーグでは選手も相手も原則9人であり、しかも綿密なデータを記録する仕組みとしてスコアブック(小売業のPOS)が早くから存在していた。これが決定的な違いとなり、あとはその分析手法を開発すれば、選手個々人を正当に評価し、適材適所の配置が可能となる仕組みをつくることができたのであろう。大リーグをはじめ野球界がデータ管理を重視したのはこのような背景があったものと思う。

  したがって、今後、小売業がより戦略的に経営を行ってゆくためには、顧客IDを管理し、この分野では先行している大リーグのデータ活用方法を学び、さらに新しい分析手法を開発してゆくことが、厳しい競合状況の中で生き残ってゆくための今後の大きな課題といえよう。

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August 1, 2006 | | Comments (0) | TrackBack (0)