« 食品スーパーマーケット業界の借入れ金額と株価の関係は? | Main | 小売業と不動産業、証券業融合の時代へ »

September 02, 2006

食品スーパーマーケット業界の販売管理費比率の現状!

  食品スーパーマーケットにおける経営の目的はいかに利益を生み出すかであるが、そのためには次の3つの視点がポイントとなる。顧客との接点、商品との接点、そしてお金との接点である。顧客との接点をしっかり管理すると売上があがる。商品との接点をしっかり管理すると利益が生まれる。そして、お金との接点をしっかり管理するとお金が貯まる。食品スーパーマーケットの経営はつきつめれば、この3つの接点の管理を徹底し、利益を生み出しつづけてゆくことにあるといえよう。これまで、顧客との接点、商品との接点については本ブログでも何度もとりあげてきたので、ここではお金との接点、すなわち、食品スーパーマーケットにおける販売管理費率の実態についてみてみたい。結論からいえば、直近の第1四半期決算の数字でみると、食品スーパーマーケット業界上場約50社の販売管理費率は単純平均で約25%であり、最小は17.2%の大黒天物産、最大は33.9%の平和堂である。ちなみに標準偏差は4.0%であるので、25%-4%=21%から25%+4%=29%までの間に約70%の食品スーパーマーケットが入る状況といえる。

  そこで、まず、販売管理比率の低い企業の状況であるが、食品スーパーマーケット業界で最も低い販売管理比率の企業は大黒天物産の17.2%、ついで、アオキスーパーの17.3%、タイヨー18.0%、マルミヤストア18.0%、PLANT18.0%、オオゼキ18.0%、カウボーイ18.6%、マルキョウ18.8%、アークス19.0%であり、ここまでが販売管理費20%を下回る食品スーパーマーケットである。これら食品スーパーマーケットの営業利益率の単純平均は3.2%であり、食品スーパーマーケット上場企業約50社の営業利益率が2.2%であるので、1ポイント高く、販売管理比率が低いからといって営業利益が低いわけではない。ただし、この中にはオオゼキの7.4%、大黒天物産の5.7%と、食品スーパーマーケット業界でもトップクラスの営業利益率の企業がはいっているので、この2社を除くと、ほぼ全体平均の約2%となる。

  逆に、販売管理費率が高い企業は平和堂の33.9%、ついで、イオン九州の33.3%、イズミヤ31.4%、相鉄ローゼン31.3%、OLYMPIC30.5%、いなげや29.1%、カスミ28.9%、ヤオコー28.9%、東急ストア28.6%、CFSコーポレーション28.1%と、以上が販売管理比率ベスト10である。この中には平和堂、イオン九州、イズミヤ、OLMPICなどGMSに近い業態もあり、やや高くなる傾向が強い。また、どちらかというと都市部に出店している企業が多く、家賃等の販売管理費が高めとなる傾向があるといえよう。これら10社の営業利益率の単純平均は1.3%であり、食品スーパーマーケット上場企業約50社の平均営業利益率2.2%と比べると1ポイント低い。確かに、販売管理費率が30%を越えてしまうと利益を出すのは難しいといえよう。

  そこで、上記を含めすべての食品スーパーマーケット上場約50社の販売管理比率と営業利益率の相関図をつくってみると、ほとんどこの2つの指標の間では明確な相関はみられない。特に、販売管理費率の平均約25%近辺の企業は全くといっていいほど相関がみられず、バラバラな状況といえる。そこで、軸をかえ、売上規模で見てみるとこれもほとんど相関がみられない。販売管理比率は営業利益とも売上とも相関していないといってよい。販売管理比率は売上、利益以外の要素で決まるといえる。

  では何と相関するのか、軸を粗利率に変えてみると、きれいな正比例の相関図が浮かび上がる。販売管理費比率は粗利率ときれいに相関する指標といえる。食品スーパーマーケットで販売管理費を決定づけているのは粗利率であり、結果として、粗利率に応じて、販売管理比率を決定しているといえよう。ごく単純化すれば、20%の粗利率の場合は18%の経費を使い2%の営業利益を出す。25%の粗利率の場合は23%の経費を使い、2%の営業利益を出す。そして、30%の粗利率の場合は28%の経費を使い、2%の営業利益を出すという計数管理である。したがって、販売管理費率は粗利率によって決まるといってよく、粗利率のコントロールが食品スーパーマーケットにとっては重要な管理指標といえる。

  ただ、今回相関図をつくってみて、驚いたことがひとつある。それは販売管理費率が20%を界に左右に大きくわかれ、この近辺に川が存在していることである。販売管理費率の数字を低い企業から順に追ってゆくと、大黒天物産の17.2%からはじまり、19%のアークスまで1ポイント刻みで続いてゆくが、ここで、いったん途切れ、次が21.7%のイズミとなり、その後はまたなだらかに販売管理比率が上昇し、最後、平和堂の33.9%となる。どうも、この下位10社は全体の傾向とは違う管理体系をとっているようで、販売管理費率を売上対比20%以下に抑えるというこだわりのある企業であるといえよう。あえて名前をつければ徹底的なローコスト志向の食品スーパーマーケットといえよう。ディスカウント志向とも違い、ローコスト経営を極限にまで追求してゆく食品スーパーマーケットといえる。その意味で販売管理費をどう経営の中で位置づけるかにより、食品スーパーマーケットは粗利対比型か売上対比型かの2局に分かれるといえよう。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート
PI研厳選:オリジナルe-book 発売!

September 2, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 |

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 食品スーパーマーケット業界の販売管理費比率の現状!:

» あの有名広告媒体の、先行告知期間がスタートしました。 from 今なら3分で無料副収入の道が作れます
はじめまして、楽しく拝見させて頂きありがとうございます。このたび、ブログに関するサイトを作りましたので、トラックバックをさせて頂きました。貴ブロックの訪問者にも非常に役立つ情報だと思っております。ぜひご訪問頂ければ幸いです。万一ご不要でしたら、お手数ですが削除ください。失礼致しました。... [Read More]

Tracked on Sep 4, 2006, 1:00:17 PM

Comments

トライアルの販売管理比率はいくらですか?

Posted by: ??? | Feb 6, 2007, 1:25:42 PM

Post a comment