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September 01, 2006

食品スーパーマーケット業界の借入れ金額と株価の関係は?

  7/8の本ブログで「食品スーパーマーケット業界の長短借入金の実態!」について取り上げた。この時は、特に優良企業を中心に取り上げたが、ここでは、株価との関係を睨みながら、売上対比で借入れ金額の多い食品スーパーマーケットの実態を見てみたい。直近の食品スーパーマーケット上場企業約50社の売上対比の長短合計の借入れ金額の単純平均は約15%であり、その金額は約1兆円である。長短の比率はおよそ1対1であり、約5,000億円が長期借入れ、約5,000億円が短期借入れとなる。これを約50社で割ると、1社当り、200億円となり、長期100億円、短期100億円となる。そして、その調達は基本的に銀行等の金融機関であると考えられるので、食品スーパーマーケットは金融機関ときってもきれない関係にあり、マクロに見れば売上の15%を金融機関に依存している関係といえる。この数年間は0金利が続いていたので、金利分の費用負担は少なくてよかったが、今後、金利の上昇が予想されることを考えると、金融機関からの借入れ依存度を下げ、キャッシュフロー経営にシフトできるかが食品スーパーマーケット業界の今後の課題となろう。

  このような中で、現在の食品スーパーマーケット業界で最も売上対比で長短の借入金額の高い企業はカウボーイであり、68.5%である。ついで、天満屋ストアであり、49.7%である。この2社が現在上場食品スーパーマーケットの中では極めて高い売上対比の借入れ依存度が高い企業である。ついで、マルヨシセンターの36.3%、OLYMPICの33.2%、丸久の28.7%、丸和の26.6%、イズミヤの23.5%、イズミの23.1%、北雄ラッキーの22.8%、平和堂の22.7%である。以上が上位10社である。この中で、食品スーパーマーケット上場企業の平均単純株価約1,500円を越えているのは、イズミの4,000円強と平和堂の2,000円強の2社であり、残りの食品スーパーマーケットは1,500円を大きく割り、厳しい株価で推移している。この2社はいずれも食品スーパーマーケットというよりもGMS業態が主力業態であり、設備投資はかかるが、衣料、住関連構成比が高く、もともと粗利率も高く、なおかつ不動産収入等も多く、粗利率ではトップクラスの企業である。したがって、食品スーパーマーケットを主力とした業態でみた場合は、売上対比の借入れ金額と株価とはかなり強い関係がありそうである。

  実際、全上場食品スーパーマーケット約50社のここ最近の株価と借入れ金額における売上対比との相関図をつくってみると、その関係がよくわかる。概ね、借入れ金額における売上対比が20%以上の食品スーパーマーケットで株価が2,000円を越える食品スーパーマーケットは先の2社を除いて1社もない。この数字を10%に下げてもやはり同じである。現在、株価2,000円を越える食品スーパーマーケットは9社であるが、先の2社を除き、すべて、10%を切る企業である。ちなみに、その9社はヨークベニマル(0.1%)、サンエー(6.0%)、オオゼキ(1.0%)、大黒天物産(1.0%)、ヤオコー(6.8%)、マックスバリュ東海(0%)、ヤマザワ(3.6%)の7社と先のイズミ(23.1%)、平和堂(22.7%)である。

  このように、借入れ金額における売上対比は、20%を超えると株価との関係が歴然とした傾向が見え、さらに株価を2,000円以上とすれば、借入れ金額における売上対比は10%以下という傾向も見える。したがって、食品スーパーマーケットとして投資家から高い支持をもらうためには、まず、借入れ金額における売上対比を20%以下、できれば10%以下に落とした経営体質をつくることが大きなポイントといえよう。

  もちろん、株価は借入れ金額における売上対比だけで決まるものではなく、PER、BPR、DCFなど様々な複合要素で決まるのが実情であろう。今回のグラフでも、借入れ金額における売上対比10%以上の食品スーパーマーケットの株価で2,000円以上の株価は先の2社を除き、1社もなかったが、10%以下では2000円以上の株価から約500円までのばらつきがあり、明確な借入れ金額における売上対比との関係はみえないのが実情である。その意味で借入れ金額における売上対比は株価に影響を与える1要素であるとはいえようが、20%を越えたあたりから影響度が明確になる限定的な1要素であるといえよう。

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September 1, 2006 in 食品スーパーマーケット売上速報 |

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Tracked on Sep 4, 2006, 5:54:34 PM

Comments

コメントに誤りがありました。
>いつも業界知識の取得のために参考にさせていただいています。
→勉強させていただいています。

失礼致しました。

Posted by: K | Sep 1, 2006, 9:48:51 AM

いつも業界知識の取得のために参考にさせていただいています。

私は仕事柄、企業評価に関わることが多いのですが、
負債比率が株価に与える影響はかなりあります。

株価を算定するのは、市場の論理であり、ほかのいかなる方法を利用しても、確実にいくらになるとは言えないわけですが、そのなかでもっとも信頼されているのはご指摘されているDCFです。

そのDCFの算定の際に、株主資本より負債のほうが調達コストが安いため、負債が重い企業のほうが割引率が低くなり結果として企業価値は高くなります。

ただ、あまりに負債比率が高いと格付けが下がり、調達コストが高くなり・・・企業価値が低くなります。
また同時に、SMのように市場に成長性がなく、営業利益率が低いような業界では、金利上昇局面では支払利息の増加で将来的なCFの減少ということも予想されます。

そういったことから、詳細な分析はしていませんが、
負債比率が高い企業が株価が安くなるというのは当然ありえることです。

ご存知かもしれないことをタラタラ書いて申し訳ありません。
ご参考までにと思い、書かせていただきました。

今後とも楽しく拝見させて頂きます。

Posted by: K | Sep 1, 2006, 9:10:37 AM

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