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November 18, 2006

経費PI値という概念、オオゼキの強さを見る!

  PI値という概念は様々な応用があり、これまで、ユニークなPI値を作ってきた。いずれも基本は顧客一人当たりの指標である。現在、食品スーパーマーケットで活用している主なPI値は、数量PI値、金額PI値が一般的であり、最近、粗利PI値が活用されはじめた。また、顧客をさらに細分化し、PPIという概念にもとづき、PPIの開発もここ最近では注目されつつある。食品スーパーマーケット業界も約60社が上場し、現在ではIRが進み、様々な経営指標が公開され、PI値を公表する企業も増えているのが実情である。そこで、ここでは原信ナルスホールディングス、関西スーパーマーケット、オオゼキの最新の中間決算数字をもとに、経費PI値での比較を試み、食品スーパーマーケットにおいては顧客一人当たりどのくらいの経費が何に使われているかの実情を見てみたい。

  先ず、経費PI値の考え方であるが、PI値はすべて、顧客一人当りの数値である。したがって、算出方法は、経費PI値=経費÷客数であり、経費金額と客数がわかればすぐに算出が可能となる。一般的に食品スーパーマーケット業界では経費の比較は売上構成比によって比較し、高いか低いかを比較するのが実態であるが、顧客満足度という観点から見ると経費PI値で見た方がその実態が実際の数字で明確になる。また、企業間比較もその方が分りいのではないかと思う。

  さて、今回は費用項目の公表の仕方が若干各社で違いがあるが、概ね、傾向はつかめるかと思う。まず、販売費および一般管理の総合計の経費PI値であるが、原信ナルスホールディングスが442.1円、関西スーパーマーケットが429.0円、オオゼキが293.9円であり、オオゼキの経費PI値が300円を切るという低さが際立っている。顧客が1人来店すると約300円の経費がかかるという数字である。原信ナルスホールディングスも関西スーパーマーケットも約400円強であるので、一般的な食品スーパーマーケットの経費PI値は約400円と見てよさそうである。ちなみに、粗利PI値であるが、原信ナルスホールディングスは518.2円、関西スーパーマーケットは417.3円、オオゼキは389.9円であり、原信ナルスホールディングスの500円強が最も高い数字である。この粗利PI値は商品の原価のみの数字で計算したため、不動産収入等は抜いた純粋な商品売上から得られる粗利PI値である。関西スーパーマーケットは粗利PI値が417.3円、経費PI値が429.0円であるので、不動産収入等を足して経費を補い、今期黒字を達成している。

  次に、各経費項目を比較して見ると、3社共通の人件費PI値であるが原信ナルスホールディングスは238.2円、関西スーパーマーケットは208.5円、オオゼキは165.8円であり、顧客一人当りの人件費も同様オオゼキが最も低いことがわかる。さらに、これを従業員1人当たり何人の顧客をカバーしているかを見てみると正社員1人当たり年間換算すると原信ナルスホールディングスが51,223人、関西スーパーマーケットが51,244人、オオゼキが38,637人とオオゼキの正社員比率が33%であるので、正社員の顧客フォロー人数が圧倒的に高いことがわかる。ちなみに、パートでみると、原信ナルスホールディングスが27,844人、関西スーパーマーケットが26,854人、オオゼキが78,464人であるので、当然であるが、逆の結果となる。

  このように、原信ナルスホールディングスと関西スーパーマーケットは極めてよく似た経費PI値であるが、オオゼキは正社員を中心に顧客への手厚いフォローを実現させつつ、人件費PI値も低く抑え、全体の経費PI値も300円を切る数字であることがわかる。ごく単純化すれば、オオゼキの経営は正社員を中心に顧客への手厚いサービスを行い、顧客の来店頻度を高め、客数アップを実現し、結果、全体の経費PI値を引き下げ、高い収益性を実現したといえよう。ちなみに、3社の長短借入金額のPI値を算出してみると、原信ナルスホールディングスが106.9円、関西スーパーマーケットが238.1円、オオゼキが8.8円であり、顧客一人当たり関西スーパーマーケットは200円を越える借入金があり、3社の中でも顧客一人当たりに対し、やや重い借入金額であることがわかる。

  経費PI値は顧客一人当たりの経費金額であり、この指標で経営を見直して見ると、顧客から得られた客単価をどのように配分して、最終収益につなげているかが絶対額で分り、各社との比較、過去との比較も明確であり、便利な指標のひとつである。顧客満足度を上げることは食品スーパーマーケットにとっては永遠のテーマであるが、そのためにも客単価と同様、顧客一人当たりの経費、すなわち経費PI値の活用は、顧客に基点を置いた経営を実践する上において重要な指標のひとつといえよう。

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November 18, 2006 in PI値 |

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Comments

>オオゼキの経費PI値が300円を切るという低さが際立っている。顧客が1人来店すると約300円の経費がかかるという数字である。

逆では?

Posted by: お | Nov 20, 2006, 10:52:18 AM

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