« 日経MJ、新製品ランキング、華麗ぱん失速! | Main | バロー、九九プラス、第3四半期決算、増収減益! »

February 11, 2007

売上、利益、在庫バランス、在庫PI値に着目せよ!

  小売業は突き詰めると在庫との戦いとみることができる。売上をあげるためには、在庫を極限まで投入する必要があるが、これが行き過ぎると、在庫過剰となり、鮮度劣化を起こし、値引きにつながり、利益が減り、さらには、在庫処分へとつながり、特別損失の発生となり、利益を大きく落とす結果となる。逆に、在庫が少ないと、利益率は高まるが、客単価が下がり、利益高も少なくなり、欠品が生じ、顧客満足度を下げ、それが客離れにつながり、売上減となる。このように、在庫は多くても、少なくても問題であり、在庫問題は、どこでバランスをとるかが、最も重要なテーマとなる。また、在庫にかかわる指標のひとつとして、交叉比率があるが、これは投入在庫当りの粗利額のことであるので、在庫が多ければ、分母が大きくなり、低くなる傾向があり、逆に、在庫が少なければ、分母が小さくなり、高くなる傾向があるので、在庫の持ち方に反比例する傾向が強い。したがって、交叉比率も在庫に大きく左右されるので、小売業の経営の最大のテーマは在庫管理にあるといっても過言ではない。

  では、小売業、とりわけ、食品スーパーマーケットでは在庫管理をどのようにすすめていったらよいのかを考えてみたい。在庫にかかわる食品スーパーマーケットの基本指標は交叉比率と在庫PI値である。そして、この2つの指標は粗利PI値=交叉比率×在庫PI値という数式で関係づけられる。粗利PI値は粗利高÷客数、交叉比率は商品回転率×粗利率であるので、(売上÷在庫)×(粗利÷売上)=粗利÷在庫となり、在庫PI値は在庫÷客数であるので、粗利PI値=交叉比率×在庫PI値=(粗利÷在庫)×(在庫÷客数)=粗利÷客数=粗利PI値となる。したがって、在庫問題とは、この式から、在庫PI値=粗利PI値÷交叉比率となり、在庫問題を解決するには、在庫PI値が高くなると交叉比率が低くなる傾向となり、在庫PI値が低くなると交叉比率が大きくなる傾向になるという反比例の関係にある。また、同様に、粗利PI値を上げればあげるほど在庫PI値は高くなる傾向になり、逆に粗利PI値が下がると在庫PI値は低くなる傾向にある。したがって、在庫PI値は交叉比率との微妙なバランスをとりながら、粗利PI値を可能な限り高めてゆくことが望ましいことがわかり、一概に在庫PI値を増やすことも、減らすことも正しい方向ではなく、適正値、黄金比率を求めるテーマであることがわかる。ここが在庫問題の難しいところで、在庫問題は直線で思考することではなく、曲線、しかも反比例の双曲線で思考することがポイントであることが、小売業の経営を舵取りする上で特殊な問題であることがわかる。

  では、このような在庫問題を食品スーパーマーケットでどのように解決していったらよいのだろうか。その解決方法はまず、在庫PI値に焦点を当て、全店の平均値を算出することからはじまる。全店の平均値はけっして黄金比率ではないが、少なくとも全顧客と全従業員の発注とのバランスで決まった数字であるので、この値が出発点となる。この全店平均の在庫PI値をもとに、在庫問題を解決することがスタートであり、この数字を次の3つのステップで改善してゆくことが売上、利益のバランスを保ちながら在庫を削減し、交叉比率を向上させ、粗利PI値、ひいては客単価をアップさせてゆくポイントとなる。
 
  その3つのステップとは在庫PI値の低い店舗群をピックアップし、在庫PI値をアップさせることである。これにより、全体の在庫PI値がアップし、交叉比率が減少するが、それ以上に粗利PI値がアップすれば、粗利は増化する方向に向う。次に、できれば同時に、在庫PI値の高い店舗群に着目し、在庫PI値を下げることである。これにより、交叉比率が格段とアップし、粗利PI値は下がる傾向になるが、第1ステップの在庫PI値を上げた店舗群と相殺され、全体のバランスは保たれる。この2つのステップにより、全体の在庫PI値は個々の店舗では変化が激しく起こるが、全体はバランスが保たれ、全店の標準化が進む。そして、3つめが、全店の平均在庫PI値をステップ1、ステップ2を微妙に調整してゆきながら下げてゆくことである。ステップ1、ステップ2で在庫PI値の基準値=全店平均値を把握し、在庫PI値のバランスが取れるようになれば、ステップ3では意識的に在庫PI値を調整することができるようになり、全店レベルで在庫の削減を粗利PI値、交叉比率のバランスをとりながらすすめてゆくことができるようになる。

  このように、在庫問題はバランスの問題であり、振り子を左右に振りながら、振り子の糸を縮めてゆき、振り子を速く振るようなイメージで取り組んでゆくことがポイントであり、本ブログでも以前取り上げた、客単価振り子の原理と同じテーマであることがわかる。小売業は客単価問題と在庫問題を振り子のイメージで解決することが顧客満足度を高め、経営の質を高めるポイントであるといえよう。まず、在庫PI値を算出し、全店の在庫基準をつかむところからスタートするとよいと思う。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在97人)
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在543人)
PI研厳選!オリジナルe-book、CD 発売!

February 11, 2007 in PI値 |

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 売上、利益、在庫バランス、在庫PI値に着目せよ!:

Comments

Post a comment