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May 31, 2007

アオキスーパー、2007年2月度、増収増益、経費比率16.3%!

   愛知県に40店舗の食品スーパーマーケットを展開するアオキスーパーの2007年2月期の決算が4/2、公表された。アオキスーパーは食品スーパーマーケット業界でも最も経費比率が低く、今期は昨年の売上対比16.7%をさらに下回り、16.3%という驚異的な数字を達成した。ここ最近のアオキスーパーの経費比率を見てみると、2007年度16.3%、2006年度16.7%、2005年度16.3%、2004年度16.7%であり、常に17%を切りつづけており、ローコスト経営に徹している食品スーパーマーケットである。

   2007年2月期の本業の業績を示す個別決算を見ると、営業収益787.80億円(106.2%)、営業利益23.50億円(121.3%:売上対比3.1%)、経常利益24.09億円(121.2%:売上対比3.1%)、当期純利益12.76億円(152.6%:売上対比1.7%)と増収増益の好決算であった。経費比率は16.3%とローコスト経営であるが、商品売買から得られる粗利である売上総利益も16.7%と低粗利であり、営業利益率が3.1%になるのは、不動産収入、その他の収入の営業収入が2.7%あることによる。

   アオキスーパーはローコスト経営を武器にぎりぎりまで粗利を下げ、それが競争力を生み出し、売上の増大をはかり、不動産収入、その他の収入により、利益を生み出すという構造である。営業収益が787.8億円、店舗数が40店舗であるので、ほぼ1店舗あたり約20億円である。売場面積は1店舗当り約300坪であり、客単価は1,888円、客数は約3,000人/日である。平均的な食品スーパーマーケットと比べ、客数が多く、売上が高いのが特徴といえよう。また、アオキスーパーの商品構成比であるが、生鮮3品の中では水産が18.7%と最も高く、ついで14.7%の農産、13.7%の畜産であり、水産が最大の武器となって集客をはかっているのが特徴である。食品スーパーマーケット業界の中でも水産の構成比が18.7%の企業はまれであり、これもアオキスーパーの強さのひとつである。

   ちなみに、今期の不動産収入は4.86億円(売上対比0.6%)、その他の収入は15.70億円(売上対比2.0%)であり、その他収入が不動産収入の約3倍と大きいが、この大部分は物流の手数料収入である。したがって、売上が上がればあがるほど、その他の収入は増える傾向にあり、売上に連動した収入といえ、ローコスト、低粗利、売上アップの流れに合致した収入といえ、アオキスーパーの利益の源泉といえよう。
 
   このようにアオキスーパーはローコスト経営を経営の基点にすえ、水産を武器に、生鮮3品の低粗利戦略を武器に集客をはかり、売上をアップをはかり、不動産収入、その他収入(物流)により利益を確保するという経営戦略であるといえよう。ここまで、ローコスト経営を経営の根幹にすえた食品スーパーマーケットは稀であり、独特の食品スーパーマーケットの経営哲学といえよう。

   一方、ROA(総資産当期純利益率)であるが、6.75%と高い経営効率である。昨年が4.75%であるので、大幅にROAが改善されている。その要因はROEが昨年の8.2%から11.2%へと改善されたことに加え、自己資本比率も昨年の58.0%から60.3%へと改善されたことによる。純資産も昨年の105.01億円から123.8億円と約20億円増加しているが、それ以上に今期は当期純利益が伸びたためにROEが改善されたといえよう。純資産の増加の要因は資本準備金の増加と利益準備金の増加が増えたことによる。また、負債については、長短借入金は今期は3億円であり、昨年の3.5億円から0.5億円削減されており、総資産の1.46%、売上の0.38%である。

   これに対し、自己資本比率であるが、純資産が増えた分、それに連動し、総資産も昨年の181.11億円から205.36億円と約20億円増加しているので、昨年とほぼ同じ自己資本比率となった。これは現金および預金が昨年の34.76億円から64.68億円と約30億円増えているのみであり、出店にかかわる資産をはじめ固定資産が増えているわけでも、営業にかかわる資産である商品が増えているわけでもない。

   このように、財務面においてもアオキスーパーは借入依存度も極めて低く、出店にかかわる資産、営業にかかわる資産も増加することなく、営業収入106.2%と堅調な成長を遂げており、ROA6.75%と資産の経営効率も高く、健全な経営であるといえよう。食品スーパーマーケット業界の中では、ここまでローコストに徹し、しかも低粗利政策をとり、高収益を生み出し、健全な財務状況の企業は稀である。ローコストがいかに食品スーパーマーケットにとって重要な戦略であるかをアオキスーパーは実証しているといえ、今後ともアオキスーパーのローコスト経営に注目していゆきたい。

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May 31, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 30, 2007

いなげや、2007年3月期決算を公表、惣菜を戦略部門に!

   いなげやが5/10、2007年3月期の決算を公表した。いなげやは、惣菜は子会社のクックサンが運営しており、個別の決算では惣菜の数字が反映されない。また、連結決算では、子会社のドラックストア、ウェルパーク等の数字が入ってしまい、純粋な食品スーパーマーケットの業績をみることは難しいが、ここでは、子会社の業績等を踏まえた連結決算で見てみたい。いなげやの子会社は惣菜のクックサン、ドラックストアのウェルパークに加え、小売支援事業の3社で成立っている。売上でみると、全体は2,133.55億円であり、その内、本体のいなげやが1,684.43億円(128店舗、78.9%)、惣菜のクックサンが164.48億円(7.7%)、ドラックストアのウェルパークが265.42億円(81店舗、12.4%)、その他が19.22億円(0.9%)である。

   さて、いなげやの連結決算の営業収益であるが、2,202.01億円(99.4%)とわずかに減収であった。既存店の売上が98.8%となったことに加え、新店は2006年6月に日野栄町店(東京、約300坪)、2006年12月に所沢西武園店(埼玉、約500坪)、2007年3月に東村山市役所前店(東京、約550坪)と3店を出店したが、4店舗を閉店しており、結果、売上が伸び悩んだことによる。食品スーパーマーケットの成長は既存店よりも、スクラップ&ビルドが鍵を握っており、いかに新店を閉店以上に出店するかがポイントであり、今期のいなげやは新店よりも閉店数が多くなり、売上が厳しかったといえよう。

   ただ、今期は積極的に1店舗平均2,000万円をかけた店舗改装を7店舗実施している。特に、小型店においては21世紀版小型店のビジネスモデルづくりに着手し、生鮮売場を縮小し、惣菜売場を3倍に拡大し、消耗頻度の高い商品をESLPで展開し、さらに様々なサービス機能を付加するなど思い切った店舗改装に踏み切っている。その結果は、惣菜の売上は昨対120%から130%になり、店舗全体の売上に貢献したという。また、店舗オペレーションにおいても、19:00から21:00を第3のピーク時間として、人時を投入し、商品の充実をはかるなど売上増をめざした改革に着手しており、今後、全店レベルでの水平展開につながってゆけば、既存店の売上増につながってくるものといえよう。

   一方、営業利益は36.86億円(125.7%:売上対比1.8%)、経常利益は39.67億円(125.5%1.9%)と大幅な増益であったが、売上対比で見ると、2%弱であり、やや厳しい数字である。当期純利益は19.98億円(76.5%:売上対比0.8%)となり、減益となった。特別損失として、固定資産処分損3.94億円、減損損失4.95億円等に加え、法人税等調整額7.95億円が大きかったといよう。

   いなげやの今期の売上総利益は27.6%であり、昨年の27.7%と比べ0.1ポイントダウンした。販売費及び一般管理費は29.0%と昨年の29.5%と比べ0.5ポイント削減したが、売上総利益ではカバーできず、不動産収入等の営業収入が昨年と同じ3.2%入り、結果、営業利益率を昨年の1.4%から1.8%へと改善し、売上のマイナスをカバーし、大幅な増益となった。いなげやは今期、オペレーションの改善による人件費削減、さらにあらゆる経費の削減に着手しており、その成果が昨対0.5ポイントの効果となって表れたといえよう。ただ、まだ、売上対比29.0%はかなり高い経費比率であり、営業利益をさらに改善するには一層の経費削減が必要といえよう。

   これに対し、今期のROA(総資産当期純利益率)であるが1.98%(昨年2.98%)、ROEは4.0%(昨年5.4%)、自己資本比率は49.5%(昨年55.2%)であり、当期純利益が下がったことに加え、自己資本比率も落ちており、結果、ROAが大きく下がる結果となった。自己資本比率が下がった理由は、純資産は昨年の424.61億円から432.99億円と増加しているが、それ以上に総資産が昨年の769.41億円から873.7億円と約100億円増加したためである。その主な資産項目を見てみると、固定資産、投資その他の資産は昨年と比べ減少しているが、流動資産が123.16億円増加したことによる。内訳は現金及び預金が60.99億円、有価証券が39.41億円、信託受益金が20.08億円が主な項目である。

   ちなみに、負債の方では、長短借入金は83.87億円(昨年88.31億円)と減っており、増加した項目は買掛金の83.24億円とその他15.26億円が原因である。ただ、この買掛金は決算日がたまたま金融機関の休日であったための増加であり、これらを相殺すると総資産の増加はそれほど大きくはなく、自己資本比率も昨年に近い数字になり、ROAダウンの原因は当期純利益のダウンの方が大きかったといえよう。

   このようにいなげやは現在、経営改革に本格的に取り組んでおり、高コスト体質からの脱却をはかると同時に、粗利率の高い惣菜を戦略部門とした食品スーパーマーケットへの変革に着手しており、モデル店においてはその成果が着々と現れつつあるといえる。2008年も40店舗を惣菜強化型店舗に切り替えて行く方針であるという。さらに、この4/20にはライフスタイル提案型スーパーマーケット、ブルーミングブルーミー港北店をオープンさせており、広域商圏を狙った新業態開発にも取り組みはじめた。今後のいなげやの既存店がどこまで回復し、新業態が全体の業績にどのように貢献してくるかが注目である。

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May 30, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

May 29, 2007

NHK、クローズアップ現代(5/28)で、電子マネーを特集

    5/28、NHKのクローズアップ現代で電子マネーの特集を放送した。放送終了後、早速、犬の散歩がてら、近くのセブンイレブンにいってnanacoをつくってみた。申込書に名前を書くだけで作れてしまい、発行手数料300円を払って、1万円をチャージし、早速買い物をしてみた。コールスローサラダ105円を1個、買ってみたが、ちゃんとポイントが1ポイントついた。レジのなじみのおじさんが、あとで200ポイトつくよと教えてくれ、そこのボトルガムを買うとプラス300ポイントだよと、ポイントを詳しく説明してくれた。必ず、カードを使ってよ、ポイントがつくからね、ということだった。こんな感じで、セブンイレブンではすでに100万人が会員になったのではと思う。恐らく、目標の1,000万枚もそう遠くはないと思われる。

   私のnanacoのIDは7600-0001-0313-××××であり、16桁である。バーコードは13桁であるので、16桁は商品管理より3桁多く、より多くの情報を組み込むことができるようになっている。今後、いきつけのセブンイレブンでnanacoを使えば、このIDにより、購入店舗、購入時間、購入商品、購入金額、購入点数が把握され、この購入履歴データをもとにセブンイレブンの品揃えの見直し、商品開発に活かされることになるのであろう。

   クローズアップ現代では、国谷キャスターが解説者の明治学院大学の森田正隆准教授に電子マネーでどのように購買履歴がわかるのですか?と質問していた。森田准教授は弁当の事例で説明していたかと思う。通常、購買履歴というと誰がの方に目がいってしまい、電子カードで個人が特定されるのではないかと思ってしまうが、それは不可能なことである。今回のnanacoは当初、氏名、住所、電話番号等細かく記入するようになっていたが、途中から名前だけでつくれるようになった。今日、私がつくったnanacoも名前だけの申し込みであった。仮に、私が偽名を使っても、猫の名前を書いてもnanacoは発行される。個人の特定は不可能といって良い。特定するのはID番号のみであり、このID番号と商品情報が結びつくだけである。したがって、電子マネーでは個人が特定されることはなく、IDごとの購入履歴が特定されるだけである。マーケティングでは確かに個人の属性が重要しされるが、マーチャンダイジングでは個人の属性はさほど重要ではなく、重要なのは商品の購入履歴の精度そのものである。

   セブンイレブンが個人の属性の把握をあきらめたのはマーチャンダイジングに軸足を移し、できるだけ沢山のIDと商品情報がリンクされた購買履歴が欲しかったからであると思われる。逆に、この詳細なマーチャンダイジング情報を入手できることにより、セブンイレブンはこれまでのPOSデータとは次元の違う情報が把握でき、店舗の品揃え、レイアウトの見直し、販売促進はもちろん、チームマーチャンダイジング、グループマーチャンダイジングに活用し、メーカーとの間で商品開発、商品キャンペーン等に活用することが可能となる。

   では、具体的にはこれまでのPOS情報と今回の電子マネー情報では何が決定的に違うかであるが、それはこの16桁のIDが加わったことにより、頻度が加わることである。この頻度はPOS情報からは絶対に把握できない情報であり、IDを設定することによってはじめて把握できる貴重な情報である。POSでは商品が何時に何個、いくらで売れたかまではわかるが、どのくらいの頻度で売れたかは把握する方法がない。クローズアップ現代の弁当の事例でいえば、弁当aが2個売れた時、それはAさんが2個買ったのか、Aさん、Bさんが1個づつ買ったのかは区別がつかない。2個売れた事実のみが把握できるだけである。ところが、ここにIDがひも付けされれば、弁当aの2個はAさんが2個同時に買ったのか、2回来店して買ったのか、それとも、AさんとBさんが1個づつ買ったのかがわかり、弁当aの2個の内容がより、詳しく把握できるようになる。

   仮に、弁当aがAさんが2回来店して、1個づつ2個買ったことがわかれば、弁当aはAさんにとって購買頻度の高い商品とわかり、次にAさんが弁当aを購入した時にはAさんに対してのみ特典、個人ポイントをつけるなどの販促ができる。これはEDLP(Everyday Low Price)政策でははなく、EDYP(Everyday Your Price)政策への転換であり、パラダイムシフトといえる。

   クローズアップ現代の中でもゲームセンターの事例があったが、携帯電話のID分析の結果、わずか2%の顧客で1/4の売上を構成しており、その2%の顧客は1人4万円を使っているという実態があった。今後、このゲームセンターはドリンク、クロークなどまさにEDLP(Everyday Low Price)政策から、EDYP(Everyday Your Price)政策への転換に入るとのこであるが、IDが把握できるとこのようなことが可能となる。また、見方を変え、弁当aを中心に見ると、弁当aの初回購入顧客、リピート購入顧客、同時購入顧客、・・、さらには、弁当bから移ってきた顧客など、IDと結びつけることによって、これまで、POS分析では不可能であった商品分析が可能となるのである。

   今回はここまでにして、このテーマは稿を改め、再度取上げてみたい。ただ、今回クローズアップ現代を見て、客単価3D-ID分析よりも、ID-3D分析とした方が分りやすいし、本質に近いように思えるので、今後、この分析はID-3D分析と呼んでゆきたい。

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May 29, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

May 28, 2007

食品スーパーマーケットのポイントカード、負債の現状

   WEDGE最新号の2007年6月号で、「企業に忍び寄る、ポイント倒産の危機」という記事が掲載された。中々興味深い内容であり、食品スーパーマーケットのポイントカード戦略にもかかわる内容であり、あらためてポイントカードの課題を再認識した。記事の小見出しは、「いかにポイントを貯めるか血眼になる利用者」、「経営者の困ったの声、企業を蝕み始めたリスクとは」、「当初設計を上回る利用にジレンマに陥る企業」、「ポイント乱立の背景は日本に瀰満する倫理観の欠如」であり、主に航空会社のマイレージを例に論じているが、食品スーパーマーケットに置き換えて考えてみると納得のできる内容である。

   記事の中では野村総研の調査によるポイント発行額を紹介しているが、2005年度は4,520億円、2011年度には5,500億円と予測しており、ポイントの関係の深い小売業にとっては販売促進、マーケティング対策が無視できなくなってきたという。この2月から経済産業省も企業ポイントの健全な発展を目指すことを目的に企業ポイント研究会をスタートさせたという。

   では、ポイントの何がいま問題なのかであるが、記事の中では、最も予想外であったのはポイント利用率の向上であるという。家電ではほぼ100%近いといい、マイレージでも60%は越えてきているという。そうなると、企業としては、引当金として、計上せざるをえず、これが企業の財務を圧迫しはじめているという。会計監査法人も、ポイントは負担額がある程度、合理的に見積もることができるので、引当金として処理するように指導しているという。実際、記事の中ではヤマダ電機が139.57億円、ビックカメラが106.58億円を計上しているという。

   そこで、食品スーパーマーケットの実際の事例をいくつか見てみたい。平和堂は今期、流動負債にポイントカード引当金を56.13億円(売上対比1.45%)計上している。昨年も53.18億円であり、ポイントカードが続く限り、この金額は続くことになろう。マックスバリュ中部も今期、流動負債にポイントサービス引当金1.39億円(売上対比0.14%)計上している。昨年が1.01億円であったので、大きく増加しているが、売上対比ではまだわずかであり、平和堂の1.45%の1/10という低さである。ヤマザワも流動負債にポイント費用引当金2.87億円(売上対比0.32%)を計上しており、昨年の2.48億円から若干増加している。ベルクも今期からポイントカード引当金を1.39億円(売上対比0.16%)計上している。

   また、ポイントカードは発行しているが、まだ流動負債の引当金に計上していない食品スーパーマーケットとしてはオオゼキ、ライフコーポレーションなどがあり、食品スーパーマーケット業界でも、現段階ではポイントカードを発行していても、流動負債の引当金に計上する企業、計上しない企業、計上する場合でも、その金額はまちまちであり、現段階ではまだまだ確固とした計上方針、どのくらいの金額を計上するかが固まっていない状況といえよう。

   WEDGEの記事では記事の最後に経営者および利用者の倫理観が最終的には問われるのがポイントカードの問題であるとまとめている。経営者にとっては、優良顧客の囲い込みやマーケティングツールとして、現段階ではやめるにやめられないものとなっており、ついつい、将来のリスクがわかっていながらもポイント経営に依存してしまうという。また、利用者も最近は出張(公)で貯めたマイルを家族旅行(私)に当てるなど背任に相当する行為が見られるという。どちらも日本人の倫理的な欠如ではないかと記事は結んでいる。

   確かに、食品スーパーマーケットでもポイント3倍、5倍、時には10倍などもあり、ポイントがインフレの様相を呈している現状があり、競合店との熾烈なポイント合戦となる場合がある。実際、3倍、5倍、10倍の日は客数が大きく増加することもあり、やむにやめられない状況となっているのが実状といえよう。しかも、ここへきて、セブンイレブンのnanaco、イオンのワオンの電子マネーのポイントカードが普及しはじめており、食品スーパーマーケット業界としても、今後、ポイントカードの導入、活用は避けられない状況になったといえる。

   食品スーパーマーケット業界としても、今後はポイントカードは最強のマーケティングツールではあるが、一方で、流動負債としてポイントカード引当金が売上対比0.5%から1.0%はかかる負債を伴なう諸刃の剣であることを認識して、経営にあたる必要があろう。売上の0.5%から1.0%をかけて、いかに顧客の満足度を向上させ、売上アップはもちろん、経営改善につなげられるかが問われる時代となったといえよう。

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May 28, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 27, 2007

日経MJ、新製品週間ランキング5/25、飲料、アイス絶好調!

   恒例の日経MJ新製品ランキングが5/25公表された。今週も飲料、アイスクリームが絶好調である。特に飲料では客単価Aクラスの500円(1人当り0.5円)を越える新製品が初登場の新製品を加え4品となり、客単価200円のCクラスを超える新製品も16品と公表カテゴリーの中で最も充実した新製品群となった。一方、アイスクリームも客単価500円を越える新製品が1品、冷凍食品のカテゴリー全20品の中で9品を占め、好調である。ここへきてこの2つのカテゴリーにはますます注目である。

   さて、まず、今週の全新製品の中で客単価Aクラスの500円を越える新製品は全部で7つある。その内、飲料が4つを占め、食品スーパーマーケットの中でも、現在、飲料がビールと並び最もアクティブな新製品を有したカテゴリーといえよう。今回、全新製品の中でトップは客単価984円(1人当り0.98円)の日本ミルクコミュニティ、メグミルク牛乳1Lである。5/7初登場の新製品であり、先週2位から客単価をいっきに427円アップさせた。平均単価は178円から180円と逆に2円アップしており、価格訴求での客単価アップではなく、このままこの高水準が続く可能性が高いといえよう。カバー率も82.6%であり、対象34チェーン195店舗の大半が導入し、今後の動向に注目である。

   No.2はその他食品のNo.1の伊藤ハム、朝のフレッシュロースハム40g×4が客単価918円であった。先週比99円のダウンであるが、918円は超Aクラスの高い客単価であるただ、カバー率が56.9%であるので、今後、カバー率が増えた時に、客単価どの辺で落ち着くかが気になるところだ。伊藤ハムは、その他食品のNo.2にも朝のフレッシュハーフベーコン36g×4が客単価298円で入っており、1位、2位を独占した。

   No.3はこれも飲料のサントリー、黒烏龍茶OTPP(特定保健用食品)1L、客単価644円であり、先週比94円の上昇である。カバー率は97.4%と100%近いカバー率であり。平均単価が425円と高めであるが、この価格でカバー率も90%超えての客単価644円は快挙といえよう。PI値は逆算すると644円÷1000人÷425円=0.15%であり、2000人/日の平均的な食品スーパーマーケットで3個であるので、週間在庫としても、20個は欲しいところだ。奥行きが10個であれば2フェイスとなる。めったに出ないハイレベルな客単価の新製品であるので、しっかり重点販売したいところだ。

   No.4は客単価596円の家庭用品の資生堂、HAKUメラノフォーカス2(医薬部外品)45gである。平均単価は何と7,813円であり、カバー率は45.6%低いが、客数が5,000人/日以上の店舗では是非置きたいところだ。No.5は冷凍食品のアイスクリーム、ハーゲンダッツジャパンのドルチェティラミス110ml、客単価543円である。先週比が177円となり、やや下がり気味であるが、客単価Aクラスの500円を越え、アイスクリームとしては異例の高客単価である。カバー率も91.8%とほぼ全店にゆきわたっており、注目の新製品といえよう。冷凍食品No.2にもハーゲンダッツジャパンのドルチェクレームブリュレ110mlが客単価488円とわずかに客単価500円を切ったが、ランクインしており、この2品は注目である。

   No.6は飲料の日本ミルクコミュニティのメグミルク毎日骨太3つのチカラ1Lであり、客単価542円である。カバー率は74.9%若干低いが、3/26初登場の新製品であり、安定して上位を占めて続けている。先週は飲料No.1であったが、ここへ来て、飲料ははげしく動きはじめ、飲料部門ではNo.3となった。そして、No.7は同じく飲料部門の今週初登場のヤクルト本社、ヤクルト5本マルチパック65ml×5本であり、客単価は534円である。カバー率も93.8%といきなり、90%を越え、ヤクルト本社の営業力の強さが反映されたといえよう。飲料ではさらにNo.5のサントリー、伊右衛門新茶500mlペットボトル客単価498円、No.6のキリンビバレッジ、生茶醍醐味500mlペットボトル、客単価425円が初登場で上位に入ってきており、めまぐるしく、高い客単価で変動しており、注目である。

   また、客単価は残念ながら500円を越える製品は1品もなかったが、菓子部門ではNo.1はロッテ商事のキシリトールガムファミリーボトル<ニューライムミント>150gであり、客単価は284円であった。平均単価が673円と高額であるが、客単価は高いので、しっかり品揃えしたいところである。菓子はNo.2に明治製菓、アーモンドチョコ105g、客単価241円が入ったが、これ以下は客単価200円をきっており、やや、時期的にも厳しい状況といえよう。No.3に初登場で江崎グリコ、つぶつぶ緑茶ポッキー24本が客単価179円で入ったが、今後、どこまで客単価があがるかに注目である。

   このように、今週の新製品週間ランキングもここ最近の動きをさらに加速させるかのように飲料とアイスクリームが注目である。特に飲料は客単価500円以上が4品、200円以上が16品、しかも、トップクラスに初登場の新製品が続々とランクインしており、いまもっとも厚い部門であるといえよう。来週の飲料がどのような動きをになるか注目してゆきたい。

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May 27, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (7)

May 26, 2007

マックスバリュ中部、3月期決算、連結減益、個別は増収増益!

   マックスバリュ中部がマックスバリュグループ上場企業では最後となった2007年3月期決算を5/23、公表した。マックスバリュ中部は親会社のイオンが58.69%の株式の議決権比率をもっており、次期からの会計はイオンに合わせ、1/31しめとなり、今期が3月度としては最後の決算である。今期は子会社に、マックスバリュ名古屋を含め3社が連結しており、連結と個別では決算内容に明暗が分かれた。ここでは次期から吸収合併される予定のマックスバリュ名古屋を含めた業績を示す連結決算を中心に見て行く。

   まず、個別決算の結果であるが、営業収益は874.29億円(108.9%)、営業利益24.48億円(113.0%:売上対比2.9%)、経常利益25.00億円(112.9%:売上対比2.9%)、当期純利益10.16億円(133.0%:売上対比1.2%)と大幅な増収増益で、過去最高の数字であった。一方、連結は営業収益は1,002.05億円(124.8%)、営業利益20.27億円(91.1%:売上対比2.1%)、経常利益20.21億円(89.1%:売上対比2.1%)、当期純利益6.00億円(75.6%:売上対比0.6%)と初の年商1,000億円を超える大幅な増収ではあったが、減益となる厳しい決算であった。

   連結決算が増収減益となった背景は、増収については既存店が好調であり、昨対102.9%で推移したことに加え、岐阜県初めてとなる新店を含め、新規5店舗を出店したことによる。さらには、マックスバリュ名古屋が2006年5月に子会社化され、20店舗が加わったことにより、総店舗数が83店舗となったことが大きい。これに対し、減益となった背景は、粗利率が下がったことが大きく、売上総利益が昨年の26.2%から25.6%へと0.6ポイント、不動産収入等を加えた営業総利益も昨年の28.9%から27.9%と1.0ポイントダウンした。販売費及び一般管理費は昨年の26.0%に対し、25.8%と0.2ポイント削減しているが、差引き営業利益率は昨年の2.9%から2.1%の昨対72.4%となり、売上の伸び124.8%でカバーできず、減収となった。特に、営業利益高に関しては個別の24.48億円が連結では20.27億円と下がっており、マックスバリュ名古屋を含めた子会社の営業利益高がかなり厳しい数字であったといえよう。

   マックバリュ中部は2010年までの中長期計画V-PLANを2002年度からスタートさせており、その目標数値を売上高経常利益率5%、ROA(総資産当期純利益利率)5%、ROE(株主資本当期純利益率)10%以上、自己資本比率は逆算すると50%となるが、を掲げ、現在5年目となり、その真っ最中である。現状の数値をみると、経常利益率は2.1%、ROEは4.7%、ROAは1.52%、自己資本比率は32.4%であり、計画数値の半分以下であり、特にROAが大きく目標数値を下回っている状況である。

   ROA=ROE×自己資本比率であるので、その原因は、当期純利益率の課題もあるが、現状、特に今期は自己資本比率が昨年の43.9%から32.4%へ下がり、この数年では最も低い数字となったことによる。マックスバリュ中部が経営目標であるROA5%を達成するためには、自己資本比率の改善が急務といえよう。

   そこで、今期の自己資本比率32.4%となった中身を総資産、純資産、そして、負債面、出店にかかわる資産面、営業にかかわる資産面、その他の負債、資産面から見てみたい。まず、純資産であるが、130.00億円(昨年127.27億円:102.1%)、総資産は401.08億円(昨年289.60億円:138.4%)と総資産が大幅に増加したことが大きいことがわかる。負債面の長短借入金については、78.14億円(昨年23.78億円:328.5%)であり、50億円強と大幅に借入金が増加している。これは総資産の19.48%であり、売上の7.79%である。

   一方、出店にかかわる資産である建物及び構築物は131.74億円(昨年100.82億円:130.6%)、土地101.68億円(昨年81.93億円:124.1%)、差入保証金38.58億円(昨年26.16億円:147.4%)と合計272.00億円(昨年208.91億円:130.1%)と約70億円弱の増加であり、総資産の67.8%である。営業にかかわる資産については、たな卸資産23.28億円(昨年19.33億円:120.4%)に加え、今期はのれん22.59億円(昨年0億円)が加わり、合計45.87億円(昨年19.33億円:237.2%)となり、約20億円強と大きく増加し、総資産の11.4%となった。また、これら資産以外にも今期は負債面では、買掛金が約20億円、預かり保証金が約15億円等増加している。

   このように、今期の自己資本比率が32.4%となり、結果ROAが1.52%となった背景には、マックスバリュ名古屋のM&Aに伴ない、純資産の増加なしに、負債の大幅な増加、資産の大幅な増加が同時に起こったことによるものといえよう。マックスバリュ中部が、今後、中長期計画の目標値を目指すためには、現状の当期純利益6.00億円の状況では厳しいものがあり、収益性を高め、営業利益を増やすマーチャンダイジングの改善に加え、資産の圧縮、流動化等も大きな課題といえよう。

   その意味で今回のM&Aは大幅な増収にはつながったが、ROA、ROE、自己資本比率を一時的に悪化させてしまったといえ、現在のマックスバリュ中部に負債面、資産面において重くのしかかっているといえよう。今後、マックスバリュ中部が、どのように収益改善をはかり、負債の削減、資産の圧縮に取り組んでゆくかが注目である。

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May 26, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (3)

May 25, 2007

3つのPI値と客単価分析の4つの側面、頻度が今後のポイント!

   約20年前、PI値にはじめて出会った時、PI値はひとつしかなかった。また、その時には客単価とPI値の関係も明らかではなかった。PI値とは商品の買上点数を客数で割って算出する指標であり、Perchance Index(incidence)の略であり、日本語では客数比率、顧客支持率などと呼んでいる。その後、客単価(金額PI値)との関係が明らかになり、PI値は飛躍的な発展を遂げる。ちょうどPOSレジが食品スーパーマーケット業界に本格的に普及し、単品管理がはやり始めた頃であった。ただ、PI値のみが先行し、客単価とPI値の関係をしっかり理解し、実務に活かしている事例は意外に少ないのが実態である。

   客単価は単純分解すると客単価(金額PI値)=PI値×平均単価に分解でき、これにより、PI値は客単価をアップさせるための1指標であることがわかり、しかも、平均単価との関係でのみPI値は変化し、双方のバランスをとりながら客単価を引き上げてゆくことがポイントであることがわかる。PI値だけ、平均単価だけをいくら引き上げても、片方が落ち込めば、客単価は上がらないことがわかる。この2つの指標をグラフ化すると双曲線、反比例の関係となる。すなわち、客単価アップとは直線的な思考では絶対に不可能なことであり、2次元の双曲線的な思考がポイントであり、この双曲線をバランスよくひきあげてゆくことが求められる。

   その後、PI値はいきなり、カード化の時代を迎える。いまから10年ぐらい前のことである。これはたまたま、ポイントカード関連の依頼が飛び込んで来たことによる。ポイントカードに対するPI値の活用はどのような方法が最適かが問われ、その結果、PI値-ID分析が生まれた。これはPI値をIDにより初回購買とリピート購買に分けて算出し、IDが取得可能である場合の新たな分析手法として結実する。ただ、当時は客単価との因果関係が明確でなく、PI値が先行したID分析となってしまったが、当時としては、画期的なリピート購買分析によるOne To Oneクーポンを開発するなど、PI値-ID分析がポイントカード分析に大いに役立った。

   そして、最近では、再度、PI値、PI値-IDの課題を改めて整理し、客単価との因果関係を明確にし、客単価1D分析、客単価2D分析、客単価3D分析、客単価3D-ID分析と4段階での客単価の分析を理論的に解明し、現在にいたっている。また、客単価分析のPI値と平均単価の関係をPI値と時間に置き換えることにより、時間という概念を組み込んだ客単価、というようりも客時間分析も応用編として開発し、こちらは、特にWebの世界での活用を目指している。これも客単価同様、客時間1D、2D、3D、3D-IDと分析内容を深めてゆくことが可能であり、次世代型のPI値の活用方法のひとつとなるのではと思っている。

   さて、客単価分析であるが、客単価1D、2Dまでは比較的単純であるが、客単価3D分析は少し複雑になる。何が最も違うかというと、客数が細分化されることである。通常の客単価は全体客数を基に算出するが、客単価3D分析は客数を自由に細分化し、様々な客単価を導き出すところに特徴がある。したがって、客単価2D分析では、客単価=PI値×平均単価であったが、これが客単価3D分析では、客単価=客数PI値×PPI×平均単価となり、3Dとなる。PPIは細分化された客数における買上点数であり、客数PI値は細分化された客数の割合となる。実務的にはレシートデータを分析する時にこの客単価3D分析が適用されることとなる。

   一例をあげれば、バナナの客単価=バナナを購入している顧客の割合×バナナの購入顧客のみのPI値(PPI)×バナナの平均単価となる。客単価2D分析ではバナナの客単価=全顧客のバナナのPI値(バナナの購入顧客+未購入顧客)×バナナの平均単価となる。レシート分析により、バナナの購入レシートのみを数えて算出すると客単価3D分析が可能となる。

   そして、客単価3D-ID分析であるが、この分析手法がここへきて注目される時代が近づいているように思える。それは、セブンイレブンにおいて本格的な電子マネーカードnanacoがはじまったからだ。追随する形でイオンもワオンをスタートさせた。これにより、小売業界は一気に電子マネーによるポイントカードの時代を向かえることとなり、これまでのPOS分析からIDカードを含めたPOS-ID分析の時代に突入した。そして、その有力な分析手法が客単価3D-ID分析である。

   客単価3D-ID分析の特徴は顧客一人一人の購買行動にもとづく客単価分析であるところに特徴がある。顧客一人一人の購買状況がわかるがゆえに、客単価3D分析では把握できなかった購買頻度の分析が可能となる。購買頻度はIDなしにはできない分析であり、IDが把握できてはじめて可能な分析となる。これにより、客単価を初回購買、リピート購買に分けることも可能になり、先ほどのバナナでいえば、バナナの購入顧客を頻度によって把握し、バナナの初回購買顧客とバナナのリピート購買顧客を分けて客単価を算出できるようになり、その割合も客数PI値で算出できるようになる。すなわち、バナナの客単価=バナナの初回購買客単価+バナナのリピート購買客単価となり、=バナナの初回購買客数PI値×バナナの初回購買PPI×バナナの初回購買平均単価+バナナのリピート購買客数PI値×バナナのリピート購買PPI×バナナのリピート購買平均単価となり、さらに、購買頻度ごとに細分化することも可能となる。

   このように、PI値には通常のPI値、細分化PI値(PPI)、そして購買頻度を考慮したPI値(PPI)-IDがあり、それに応じて、客単価も2D、3D、3D-IDと1Dをいれて4つの側面がある。今後、時代はいっきに3D-IDへと向かいそうであり、POS分析もその意味で新たな分析の時代の幕開けといえよう。

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May 25, 2007 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (2)

May 24, 2007

ライフコーポレーション、2007年2月期決算、売上4000億円突破!

   ライフコーポレーションが4/17、2007年2月期の非連結の決算を公表した。決算内容は、売上が4000億円を越え、営業、経常利益では増収増益であったが、当期純利益は減損損失が発生したため、減益となった。ライフコーポレーションは三菱商事が21.1%の株式を保有しており、親会社である。営業収益は4,186.15億円(105.1%)、内、売上は4,080.74億円と創業以来はじめて4,000億円を越えた。営業利益は89.31億円(131.4%:売上対比2.2%)、経常利益82.62億円(136.6%:売上対比2.0%)と増益となったが、当期純利益は減損損失、固定資産除去損等を51.76億円を計上したため、16.40億円(57.5%:売上対比0.4%)と減益となった。

   現在、ライフコーポレーションは創業45周年を迎え、新社長となり、経営が一新され、前年度からはじまった第二次中期3ケ年計画の真っ最中であり、店舗、売場、商品、作業など15の改革を推進している。特に、今期は新店6店舗を出店する一方、改装店舗も12店舗と営業面に力を入れ、全体の営業収益が105.1%、既存店も103.0%(客数102.7%、客単価100.2%)と堅調な数字であった。総店舗数は195店舗となり、首都圏87店舗(売上構成比45%)、近畿圏108店舗(売上構成比55%)である。ちなみに、全店No.1の売上高の店舗は東京の大泉学園駅前店であり、年商69.39億円(昨対108.9%)である。

   ライフコーポレーションの売上の約80%を占める食品に注目すると、売上は106.4%(既存店103.8%)と全体以上に好調な数字であり、衣料品98.5%、その他97.0%が厳しい数字であった。各部門の商品構成を見ると生鮮、惣菜では農産が15.0%(粗利20.3%)でNo.1であり、ついで惣菜が11.9%(粗利38.1%)でNo.2であり、惣菜が農産についで戦略部門となっており、粗利貢献度も高い部門である。水産は10.8%(粗利28.2%)、畜産は11.9%(粗利25.8%)であり、水産、畜産はほぼ同じ構成比であり、バランスがとれている。また加工・日配は51.0%(粗利率23.4%)であり、トータルの食品の粗利率は25.5%である。

   一方、好調な売上に対し、ROAを見てみると、自己資本比率が23.0%(昨年22.9%)と食品スーパーマーケット業界の中ではかなり低い数字であり、ROEは4.6%(昨年8.7%)と今期は減損会計の計上が重くのしかかり、ROEを大きく下げている。したがって、低い自己資本比率とあいまってROAは1.05%(昨年1.99%)と昨年の約半分となり、食品スーパーマーケット業界の中でも厳しいROAであり、今後の経営改革の最大のテーマといえよう。

   ライフコーポレンションはROAは自己資本比率が低いだけでなく、営業利益率も昨対は大きく伸びたが、売上対比では2.2%であり、この点に関しても改善の余地が大きいといえよう。売上総利益は26.1%、販売費および一般管理費は26.5%であるので、商品の売上から得られる粗利では経費が賄いきれない状況であり、不動産収入等の2.6%の営業収益が乗り、営業利益2.2%を算出している状況であるので、粗利の改善はもちろん、経費の削減も今後の課題といえよう。

   自己資本比率23.0%の中身を負債面、出店にかかわる資産面、営業にかかわる資産面から見てみると、負債面の主要な項目である長短借入金については、今期が706.16億円(昨年753.66億円:93.6%)と約50億円削減されたが、総資産の46.0%、売上の17.3%と経営に重くのしかかっている状況である。出店にかかわる資産については、建物363.99億円(昨年398.53億円:91.3%)、土地232.48億円(昨年225.37億円:103.1%)、差入保証金389.39億円(昨年417.20億円:93.3%)と合計985.86億円(昨年1,041.10億円:94.6%)と約50億円強削減されているが、大部分は減損損失であり、実質昨年とほぼ同じ資産内容といえよう。総資産に占める割合いは64.2%である。また、営業にかかわる資産は商品が142.66億円(昨年137.63億円:103.6%)であり、総資産の9.2%であり、売上の3.4%である。

   このようにライフコーポレーションは営業面においては6店舗の新規出店および12店舗の既存店の改装等が功を奏し、売上、営業利益が改善してきたが、財務面では自己資本比率の改善が多額の借入金によりなかなか進まず、さらに、特に出店にかかわる資産が重くのしかかり、まだまだ、財務的には厳しい状況といえる。2年度目に入った新経営体制での第二次中期3ケ年計画の15の改革を一層すすめてゆくことが当面の経営課題といえよう。今後のライフコーポレーションのROAが、この3ケ年計画の達成により、どこまで改善されるかに注目したい。

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May 24, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 23, 2007

ヤマザワ、2007年3月期個別決算、増収増益、ROA4.0%!

   ヤマザワが2007年3月期の決算を5/8、公表した。本業の業績を示す個別の決算は営業収益791.94億円(102.0%)、営業利益26.87億円(101.6%:営業収益比3.4%)、経常利益27.32億円(102.4%:営業収益比3.5%)、当期純利益14.38億円(106.4%:営業収益比1.8%)と増収増益の好決算であった。ヤマザワは連結子会社にヤマザワ薬品があるが、連結では営業収益891.62億円(102.3%)、営業利益28.56億円(97.1%:営業収益比3.2%)、経常利益29.03億円(97.9%:営業収益比3.3%)、当期純利益15.24億円(103.3%:営業収益比1.7%)と増収減益となった。連結子会社のヤマザワ薬品が薬価基準引き下げの影響があり、やや利益を落とし、連結の減益に響いたという。

   ヤマザワは今期、新店は2006年9月に山形県に阿寒江西店、2007年1月に宮城県に吉岡店の2店舗を出店しており、現在58店舗である。既存店の売上が98.0%(客数99.8%、客単価98.2%)となり、売上が102.0%と伸び悩んだ。売上総利益は25.6%、不動産収入等の営業収益が2.9%であり、営業総利益は28.5%となり、販売費および一般管理費の25.1%をカバーし、営業利益が3.4%となった。昨年の販売費および一般管理費は25.0%であるので、わずかに上昇したが、営業利益も昨年は3.4%であるので、ほぼ昨年同様の増収増益の決算となった。

   一方、ヤマザワのROAであるが、自己資本比率は昨年の61.7%に対し61.3%とほぼ同じ数字であり、食品スーパーマーケット業界の中では高い自己資本比率といえよう。ROEも昨年が6.48%であり、今期が6.53%とほぼ昨年並みであり、結果ROAは昨年の3.99%から4.00%となり、ほんのわずかであるが、ROAが改善された。優良食品スーパーマーケットのRAOは大黒天物産5.77%、ベルク4.77%、アークス4.24%、サンエー6.97%、ヨークベニマル3.41%、オオゼキ10.32%等であり、ヤマザワの4.00%はかなり高い水準のROAといえよう。

   そのROAの内容を純資産面、負債面、出店にかかわる資産面、営業にかかわる資産面から見てみたい。ヤマザワの今期の純資産は220.17億円であり、昨年の208.55億円と比べ約10億円強増加した。これは当期純利益の増加分がそのまま増えた形であり、資本金が増加したわけではない。負債面については、主な負債である長短借入金は21.1億円であり、昨年は28.1億円であり、7億円削減され、総資産の5.8%、営業収益の2.6%であり、極めて健全な借入依存度といえよう。

   また、出店にかかわる資産面を見ると、土地119.7億円(105.1%)、建物92.9億円(102.2%)、構築物8.1億円(108.0%)、差入保証金および敷金16.7億円(94.3%)と合計237.4億円であり、昨年が230億円であり約7億円の増加であり、今期は2店舗の新規出店であったのでわずかな増加であった。237.4億円は総資産の66.0%である。さらに、営業にかかわる資産である商品22.5億円(109.2%)であり、総資産の6.2%であり、営業収益の2.8%である。総資産は338.2億円から359.1億円と約20億円増加しているが、これはこれらの出店にかかわる資産、営業にかかわる資産の増加分よりも、現金および預金の増加分約13億円弱が大きく、当期純利益がほぼそのままオンされた形である。

   今期のヤマザワの2店舗の新規出店は借入によるものではなく、キャッシュフローの範囲内での出店であり、しかも、出店、営業にかかわる資産の増加がわずかであり、結果ROAが4.00%という高い数字であったといえよう。今後、さらに、増収増益により、負債が削減され、出店にかかわる資産が圧縮されれば自己資本比率があがり、ROAがさらに向上することとなり、極めて健全な財務体質での成長が可能となろう。

   ヤマザワは現在、地元山形に42店舗、宮城県に16店舗と計58店舗を展開しているが、ここ3年間では山形に5店舗(閉店1店舗)、宮城に4店舗と新規出店をしている。2008年度も宮城県に1店舗の新規出店は決まっているが、105%から110%の安定的な成長を目指すのであれば年間3~5店舗は欲しいところである。財務的には充分に可能な状況であり、今後の成長戦略をどのように打ち出すかが当面の経営課題といえよう。ヤマザワの今後の新規出店戦略に注目したい。

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May 23, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (2)

May 22, 2007

バロー、3月期決算、増収増益、売上114.6%、買収防衛策公表!

   バローが5/18、2007年3月期の決算を公表した。本業の業績を示す個別決算は、営業収益1,969.53億円(114.6%)、営業利益55.49億円(104.2%:売上対比5.1%)、経常利益64.45億円(102.7%:売上対比3.5%)、当期純利益28.44億円(169.9%:売上対比1.5%)と増収増益の好決算であった。特に、売上が114.6%と大きく伸び、年商2,000億円目前である。バローは連結子会社16社、持分方適用関連会社7社を有する流通企業グループであり、バロー本体の売上構成比は68.4%と約70%である。ちなみに、これらグループ会社を含めた連結決算では売上2,881.68億円(112.6%)、営業利益92.82億円(103.9%:売上対比3.3%)、経常利益99.65億円(101.4%:売上対比3.6%)、当期純利益39.15億円(136.9%:売上対比1.4%)と個別同様、増収増益の好決算であった。

   一方、ROA、ROE、自己資本比率であるが、ROAは2.51%であり、ROE6.6%、自己資本比率37.7%であった。昨年がROA1.73%、ROE4.0%、自己資本比率43.2%であったので、ROAは改善しているが、自己資本比率が落ちているのが気になるところである。バローは経営目標を経常利益ROA10%に置いているが、今期の経常利益ROAは5.7%、昨年が6.5%であり、目標にはかなりの差があり、自己資本比率37.7%をいかに改善するかが当面の課題といえよう。

   そこで、自己資本比率37.7%の中身を純資産面、負債面、出店にかかわる資産面、営業にかかわる資産面から見てみたい。まず純資産であるが、今期は当期純利益が10億円強増加したため、昨年の416.07億円から425.37億円へと増加し、純資産は102.2%となった。しかし、総資産が962.94億円から1,129.45億円と166.51億円(117.2%)と大幅に増加したため、自己資本比率が43.2%から37.7%へと下がった。また、負債面であるが、主な項目の長短借入金合計は388.32億円と昨年の273.54億円と比べ141.9%、約100億円強増加している。これは総資産の34.3%であり、売上の19.7%となり、大幅な増加といえよう。

   これに対し、出店にかかわる資産であるが、土地122.76億円(101.7%)、建物302.32億円(116.7%)、構築物35.88億円(137.3%)、差入保証金133.94億円(109.7%)となり、合計594.9億円(112.7%)であり、約70億円弱の増加であり、総資産の52.6%である。また、営業にかかわる資産であるが、商品(在庫)が101.30億円(129.5%)と売上対比5.1%であり、約20億円増加した。

   したがって、負債面で増えた長短借入金約100億円が主に出店にかかわる資産と営業にかかわる資産である商品(在庫)になったといえよう。ただ、総資産の増加額が166.51億円であり、残り60億円強の資産の増加はこれ以外の資産であり、その主なものは関係会社短期貸付金53.93億円(144.9%)、関係会社株式123.3億円(122.6%)と約40億円弱と大幅に増加しており、関係会社関連の資産の増加も大きかったといえよう。

   バローは今期新規出店を食品スーパーマーケットが9店舗、メガホームセンターが2店舗と積極的な出店を行う一方、事業拡大のために連結対象子会社16社、関連会社7社へ対しての貸付、株式の取得を増やしており、これらが合わさり、今期166.51億円の資産の増加につながり、純資産の増加分では賄いきれず、大部分を長短借入金で賄ったために自己資本比率が大きく下がった結果となった。当期純利益は大幅増加し、営業利益率も売上対比5.1%と食品スーパーマーケットとしては高収益体質であるので、今後、いかに借入金を削減し、資産を圧縮するかが当面の経営課題といえよう。

   なお、バローはこの決算発表と同時に本格的な買収防衛策、「会社の支配に関する基本方針及び当社株式の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)に関するお知らせ」を公表している。バロー自身もここ最近、ユース、オカノ等積極的なM&Aを展開しているが、この5月からいよいよ三角合併もはじまり、また、投資ファンドのTOB等も本格化しはじめた背景もあり、このような買収防衛策を公表したものといえよう。

   主な骨子は20%以上のバローの株式の議決権比率を取得目的の投資グループを対象とした大規模株式買付行為に対しての防衛策であり、①情報の提供、②取締役会による評価、③独立委員会の設置により、充分な情報開示を前提に、取締役会、独立委員会で検討し、対応するというものである。特に、大規模株式買付者が敵対的TOBに出た場合には新株予約権の発行を含むあらゆる対抗策を検討し、買収防衛に踏み切るという内容である。

   また、今回の買収防衛策はあくまで株主の共同利益を損なうものではないと強調し、特に役員の地位の維持を目的とはしておらず、株主の共同の利益にとって大規模株式買付者の主張が合致しているかいなかの観点で取締役会、独立委員会が判断するとのことである。

   このように、いよいよ食品スーパーマーケットも買収防衛策を検討する段階に入ったといえ、株主の利益を最優先で経営に臨んでいるかどうかが問われる時代になったといえよう。その意味でも、バローの現在のROA、ROE、自己資本比率、特に、自己資本比率のバランスが悪く、借入依存型の成長戦略となっており、その改善は急務といえ、好調な売上、利益だけでなく、今後の負債、資産の動向にも注目したい。

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May 22, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

May 21, 2007

食品スーパーマーケット、売上速報、2007年4月度、105.9%!

   食品スーパーマーケットの2007年4月度の売上速報をまとめた。現在、食品スーパーマーケットの上場企業は約50社強であり、その内、月次の売上速報を公表している企業は約20社強であり、店舗数は2,000店舗を越える。その4月度の売上速報であるが、105.9%となり、3月度の106.6%、2月度の106.7%、1月度の106.8%と比べるとやや伸び率が鈍化しているが、依然として105%以上であり、既存店もちょうど100.0%となり、堅調な売上の推移であるといえよう。また、客数、客単価まで公表している食品スーパーマーケットは約10社であるが、客数が109.6%、客単価が99.3%であり、客数の方が大きく伸び、売上を押上げている。既存店がちょうど100.0%であるので、新店の寄与が売上を牽引している構図であり、新店を順調に出店している食品スーパーマーケットほど売上が高い傾向が鮮明である。

   このような状況の中で、この4月度の売上が110%以上の好調な食品スーパーマーケットが3社ある。大黒天物産、バロー、マックスバリュ中部である。No.1の大黒天物産は怒濤の出店が続いており、126.3%と驚異的な伸び率であり、断トツトップである。今年に入って既に6店舗の新規出店を果たしており、新たに四国がドミナントエリアとなり、今後とも高い売上伸び率が続くといえよう。ただ、既存店が97.5%と伸び悩んでいることに加え、客数が131.4%であるが、客単価が95.7%と客単価が下がっていることが気になるところである。

   No.2はバローであり、114.7%、既存店は99.4%と大黒天物産同様、新店の寄与が大きく売上に貢献している。バローは岐阜を拠点に東は静岡、北は北陸とドミナントエリアを拡大しつつあり、積極的な新店およびM&Aが売上を支えている。バローも今後とも高い売上の成長が期待できよう。No.3はマックスバリュ中部であり、110.2%の売上伸び率である。既存店も103.0%と高成長の食品スーパーマーケットの中では最もバランスよく売上を伸ばしているといえよう。客数110.8%、客単価99.5%とやや客単価が下がっているが、安定した数字である。既存店の客数も103.7%と伸びており、客単価は99.3%と、既存店も堅調な伸び率である。

   上記好調な3社についで、105%以上の堅調な伸びの食品スーパーマーケットは7社である。ハローズ108.5%、マックスバリュ東海108.4%、カスミ108.1%、ヤオコー108.0%、成城石井107.6%、オオゼキ106.5%、アークランドサカモト106.0%である。この中でも最も安定した伸び率の食品スーパーマーケットはオオゼキとアークランドサカモトである。

   オオゼキは全体が106.5%、既存店が103.9%とバランスよく売上を伸ばしており、客数104.1%、客単価102.3%と客数と客単価のバランスもよく、この4月度の売上速報を公表している約20社の中で最もバランスよく売上を伸ばしている食品スーパーマーケットである。また、もう1社、アークランドサカモトは食品スーパーマーケットというよりもホームセンターであるが、生鮮を含む食品にも力を入れており、本ブログでは、一応、食品スーパーマーケットとして分類している。そのアークランドサカモトであるが、売上は106.0%、既存店も105.4%、既存店の客数104.5%、客単価100.9%とバランスのよい売上の伸び率である。特に、既存店105.4%は今回の約20社の食品スーパーマーケットの中で、最も高い既存店の伸び率である。アークランドサカモトはここへきて全国展開に踏み出したが、今後とも堅調な成長が続くものといえよう。

   この2社についで、マックスバリュ東海、ヤオコーも既存店は昨対を越えており、堅調な売上伸び率である。マックスバリュ東海は全体が108.4%、既存店が100.9%、特に新店が順調であり、客数は112.1%と好調な伸び率である。ヤオコーも全体は108.0%、既存店も101.8%と客数、客単価の全体、既存店すべてが100%を越え、安定した売上の伸びである。

   一方、この4月度昨対を下回った食品スーパーマーケットは3社であり、ヤマザワ99.5%、トーホー99.6%、マックバリュ北海道99.9%であり、いずれも既存店が95.8%、97.9%、97.3%と競合の厳しさが既存店に影響を与え、全体の売上が伸び悩んだといえる。ただ、3社とも100%をわずかに割った数字であり、今後、新店が若干増加するか、既存店の活性化が進めば昨対をクリアーできる範囲であり、来月以降の数字に期待がかかる。

   このようにこの4月度も売上速報を公表している食品スーパーマーケット約20社の売上の伸び率は105.9%と堅調な伸びであり、昨対を割った食品スーパーマーケットもわずかな数値であり、全体としては、食品スーパーマーケットの伸び率は底堅い安定した伸び率といえよう。今月中には2007年3月期決算の食品スーパーマーケットの業績も公表され、2月期決算を含め、大半の食品スーパーマーケットが新年度に入るが、今期の食品スーパーマーケット業界も安定した堅調な売上の伸びが期待できそうである。

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May 21, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 20, 2007

日経MJ、新製品ランキング、5/18、依然、飲料、アイス好調!

   日経MJ、新製品ランキングが5/18、公表された。今週も、飲料とアイスクリームが注目であるが、全新製品の中でNo.1を獲得したのは、その他食品の伊藤ハム、朝のフレッシュロースハム40g×4、客単価1,017円であり、1,000円(1人当たり1円)を唯一越えた。客単価1,000円は超Aクラスといってよく、一般的には500円(1人当り0.5円)をこえればAクラスであり、すぐに定番化を検討してよいくらい高い客単価である。先週比も182円あがっており、今後、どの辺で落ちつくかがポイントである。ただ、カバー率が59.5%であり、対象39チェー195店舗の約60%での数字であるので、さらに、カバー率があがった場合、この高い数字が維持できるかが課題であろう。

   注目の飲料であるが、日本ミルクコミュニティから5/7に新製品が登場し、いきなり、客単価557円となり、No.2となった。No.1も日本ミルクコミュニティのメグミルク毎日骨太3つのチカラ1Lであり、客単価は558円である。No.1、No.2ともに日本ミルクコミュニティが独占し、しかも、客単価はAクラスの500円を超えた。注目の新製品といえよう。ただ、牛乳の定番No.1は客単価が10,000円(1人当り10円)は優に超えるので、客単価500円(1人当り0.5円)は牛乳で見ると10番目前後の商品となり、こと牛乳というカテゴリーで見るとBからCクラスということになる。牛乳はそれほど食品スーパーマーケットにとっては中核カテゴリーであり、全カテゴリーの客単価もベスト3には入る最重点カテゴリーある。

   飲料のNo.3は先週No.1のサントリー、黒烏龍茶OTPP(特定保健用食品)1L、客単価558円である。先週比の客単価が68円落ちたことが大きかった。ただ、カバー率は97.4%とほぼ100%に近いカバー率である。平均単価も先週と変わらず424円であり、これだけ高い平均単価で客単価500円以上のAクラスを維持しつづける新製品であり、顧客からの支持が固い新製品であるといえよう。飲料は以上が客単価Aクラスの新製品であるが、これ以外に客単価Bクラスの300円以上が6品、客単価がCクラスの200円以上が6品、計15品が客単価200円を越え、今週も注目の部門である。

   飲料についで注目の部門は冷凍食品部門のアイスクリームである。この部門ではアイスクリームがNo.1、No.2を独占し、しかも客単価はAクラスの500円を超えた。No.1はハーゲンダッツジャパンのドルチェティラミス110ml、客単価720円であり、カバー率も88.2%である。No.2もハーゲンダッツジャパンのドルチェクリームブリュレ110mであり、客単価は664円であり、カバー率も87.7%である。ただ、先週比がNo.1は111円、No.2は151円落ちているので、今後、どの辺で落ち着くかが気になるところであるが、現時点で客単価500円以上は高い顧客からの支持といって良いといえよう。冷凍食品部門ではこの2品を含めアイスクリームが上位20品中8品をしめ、今後夏場にかけてしっかり強化してゆきたい商品といえよう。

   これ以外で客単価Aクラスの500円を超えた今週の新製品は家庭用品のNo.1、資生堂のHAKUメラノフォーカス2(医薬部外品)45g、客単価663円、No.2のマックスファクターのSK-Ⅱホワイトニングソースダームディニション50ml、客単価543円である。ただし、この2品はカバー率が46.2%、22.6%と低い上に、平均単価が7,802円、13,596円と高額商品であり、PI値がそれぞれ0.008%、0.003%と見えないくらいのPI値であり、2000人/日の平均的な食品スーパーマーケットでは1週間に1個売れるか売れない商品となるので、客単価は確かに高いが、客数が最低5,000人/日は必要であり、通常の食品スーパーマーケットでは導入が厳しい数字といえよう。家庭用品部門の場合は、客単価とPI値も考慮し、PI値は0.05%は欲しいところだ。

   以上が今週、客単価Aクラスの500円を越える新製品であるが、残念ながら今週を含め、ここ最近、菓子が500円の客単価を越える新製品があがってこない。今週のNo.1はロッテ商事のキシリトールガムファミリーボトル<ニューライトミント>150gであり、客単価は284円のCランクである。菓子はNo.2が客単価199円であるので、全体としても今週は客単価が厳しい状況といよう。

   今週はこのように先週に引き続き、飲料とアイスクリームが注目の新製品であり、客単価Aクラスの500円を越える新製品が5品登場した。しばらくは、これから本格的な夏場に入ることもあり、気温も上昇するので、さらに注目の商品群となろう。来週以降も特に、飲料、アイスクリームには注目してゆきたい。

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May 20, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (4)

May 19, 2007

PB、セブンプレミアムに注目、食品流通業界PBの時代へ! 

   セブン&アイホールディングスがPB、「セブンプレミアム」の発売を決めた。この5/23からセブン&アイホールディングスグループ共通のPB、セブンプレミアム49品がセブンイレブンを除く、イトーヨーカドー175店舗、ヨークベニマル147店舗、ヨークマート58店舗、シェルガーデン8店舗の合計388 店舗で発売される。5/18の日経でも報道されているが、それによるとセブンイレブンもこの夏から同様の商品をこれまで使用していたPB名である「セブン&アイ」のブランドで売り出すという。PBではすでにイオンが現在の約2,200億円の売上を2011年には7,500億円まで拡大する方針を発表しているが、セブン&アイホールディングスがグループをあげてPB強化に入ることにより、食品スーパーマーケットを含む、食品流通業界全体でのPBの開発が決定的な商品戦略となる時代へ突入するといえよう。

   この5/23から発売されるセブンプレミアムの中身であるが、加工食品32品、デイリー商品17品の計49品であり、カテゴリーは乾物、調味料、嗜好品、カップ麺、飲料、ゼリー、菓子、ヨーグルト、和惣菜と9カテゴリーからスタートし、順次、カテゴリー、商品数を拡大してゆき、年内には300品、3年後の2010年には1,000品から1,200品となる計画であるという。その売上構成比もセブン&アイホールディングスの食品の売上高(加工食品とデイリー商品)1.8兆円のうち、3年後には15~20%がPB、セブンプレミアムで占める計画であるという。したがって、現状の重点商品のかなりの部分がPBに置き換わることになり、重点商品はPB主体、品揃えはNB(ナショナルブランド)主体という商品構成の売場になると予想される。

   今回先行発売されるセブンプレミアムのいくつかを見てみたい。まず、しょうゆヌードル79g、88円、商品の特徴は、「濃口醤油仕上げの香ばしいスープで具材にもこだわりました。」というものであり、メーカーはサンヨー食品である。トップブランドの日清食品のカップヌードルよりも価格が安く、主力味のしょうゆであるので、カップヌードルとの併売となろう。次に、おいしい緑黄色野菜1リットル、198円であるが、伊藤園がメーカーとなるが、商品の特徴は「25種類の野菜と3種類の果実を使った飲みやすいジュースです。」というものであり、いま日経MJの新製品ランキングでも毎週、飲料の上位に入るカゴメの野菜生活100紫の野菜1L、黄の野菜930gの平均単価220円前後よりも価格差があり、緑黄に特化した打ち出しである。

   そして、もう一品、注目のPBは、ひじき煮85g、118円である。商品の特徴は「磯の風味あるひじきをはじめ、6種の具材を香りあるだしで炊き上げました。」というものである。これは和惣菜のPB化であり、あまり売場では目立たない地味なカテゴリーであるが、ここに着目するのはさすがだと思う。これらの商品は粗利貢献度が高く、固定客を増やすには効果的なカテゴリーである。

   さらに、注目は今回のPB、セブンプレミアムの開発体制と販売体制である。開発体制は、昨年の11月に設置されたセブンイレブン、イトーヨーカ堂、ヨークベニマル、ヨークマート、シェルガーデンの5社を横断するプロジェクトチーム、セブン&アイ グループMD改革プロジェクトが担うことである。すでに総勢76名、17部会46チーム(加工食品8部会25チーム、デイリー商品9部会21チーム)が開発メーカーと動いており、チームマーチャンダイジングからグループマーチャンダイジングの一環であることである。

   そして、もうひとつ見過ごされることであるが、販売体制にも気を配っていることである。特に次の2つが注目される。ひとつは、味・品質面を中心にセブンプレミアムの持つ価値を顧客に訴えるために売場にて試食販売を徹底実施する点である。試食は販促の最大の武器であるが、PBの積極的な試食は、価格がそもそも安いために見過ごされている場合が多いが、今回は試食にも注目である。余談だが、試食は計画的に実施しないと中途半端に終わる場合が多い。客数の何%(PI値)目標を明確にして試食することがポイントである。

   もうひとつは、従業員教育である。セブン&アイホールディングスは今回のPBの発売に際し、「従業員ひとりひとりが、セブンプレミアムの商品特徴を理解し、売場においてお客様にきちんと商品説明ができる販売体制をつくって臨む」という。よく、お客さまから従業員が説明を受けても応えられないケースがあり、PBの信頼性をなくしてしまいかねないが、ここにも目を配るという。しかも、今回のPBにはメーカー名も公表するとのことで、PBの信頼度も増すといえよう。本来は小売業の信頼で販売するのがPBであるが、メーカー名も公表し、ダブルの信頼を狙ったものといえよう。

   このように、来週からセブン&アイホールディングスがグループをあげての本格的なPB、セブンプレミアムを発売することが決定した。これにより、今後、イオンのトップバリュと全面激突となり、既に、食品スーパーマーケット業界でも先行しているCGCグループ、ニチリュグループ、AJSグループなどのPBも巻き込み、食品流通業界全体でのPB競合の時代へ突入するといえよう。セブン&アイホールディングスはもちろん、食品スーパーマーケット業界を含む今後の各社のPB戦略に注目である。

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May 19, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (9)

May 18, 2007

九九プラス、2007年3月期、増収減益、当期純利益-8.86億円!

   九九プラスが5/14、2007年3月期決算を公表した。九九プラスは連結子会社に九九プラス関西があり、関西地区のショップ99は九九プラス関西が運営している。そこで、関西地区の九九プラスを含めた連結の数字を見てみると、売上高は1,244.89億円(114.0%)と増益となったが、営業利益は9.55億円(71.8%:売上対比0.8%)、経常利益は8.63億円(62.5%:売上対比0.7%)と大幅な減益となり、当期純利益については-8.86億円の損失とる厳しい決算であった。この決算結果にはローソンとの資本・業務提携の内容は反映されていないが、この3月に約20%の株式をローソンが取得したので、次期決算がローソンとの資本・業務提携が問われることとなる。ちなみに、九九プラスの筆頭株主はキョウデンであり、議決権の38.3%を引き続き保有することとなる。したがって、九九プラスはローソンとキョウデンの株式を足すと50%を越えるので、この2社が事実上の経営権を握ることとなる。

   また、当期純利益が損失となったことから、ROAも当然マイナスとなるので、利益がプラスとなった経常利益ROAで見てみると、3.3%となり、昨年の6.5%と比べ経営効率も悪化した。経常利益ROA=経常利益ROE×自己資本比率であるが、経常利益ROEは9.51%(昨年22.1%)、自己資本比率は34.7%(昨年は29.3%)となり、自己資本比率はローソンとの資本・業務提携により、純資産が増加したため改善したが、経常利益ROEは大きく落ち込み、結果、経常利益ROAも大きく下がる結果となった。

   九九プラスは今期、大幅な不採算店の閉鎖を行い、その数は92店舗となった。現在の店舗数が780店舗であるので、約10%以上の店舗を閉めたこととなり、店舗閉鎖に伴なう特別損失も4.49億円となり、経営を圧迫した。また、これ以外にも特別損失として、減損損失16.05億円を計上したため、当期純利益が-8.86億円となった。ただし、新規出店も3大商圏(首都圏、関西圏、中京圏)を中心に72店舗行った結果、売上高は差し引き114.0%と増収となった。

   来期についての見通しは、ローソンとの資本・業務提携が本格的にはじまり、商品力の強化と物流効率化の積極的な推進がなされる予定であり、売上は1290.00億円(103.6%)、営業利益12.00億円(125.7%:売上対比0.93%)、経常利益11.00億円(127.3%:売上対比0.85%)、当期純利益3.4億円(売上対比0.26%)を見込んでいる。

   九九プラスの粗利、経費バランスであるが、売上総利益は26.9%であり、昨年の27.2%と比べ0.3ポイント下がった。一方、販売費及び一般管理費は26.1%となり、昨年の26.0%と比べ0.1ポイント上昇し、結果、営業利益は0.8%となり、昨年の1.2%と比べ0.4ポイント悪化した。粗利が下がり、経費が上がるという経営バラスンスが崩れており、競合のコンビニ、食品スーパーマーケットとの厳しさが、粗利面だけでなく、既存店の閉店、落ち込みを招き、固定費が重くのしかかり、経費上昇へつながったといえよう。

   一方、経常利益ROAが3.3%と昨年の6.5%と比べ下がった要因であるが、最も大きな要因は、経常利益のダウンであるが、自己資本比率も昨年よりは上昇したとはいえ、34.7%であり、まだまだ、低い数字である。その要因を負債、出店にかかわる資産、営業にかかわる資産の面から見てみると、長短借入金が62.64億円(昨対118.8%)と約10億円増加している。これは総資産の21.7%であり、売上の5.0%である。ただ、負債の中では買掛金が最も大きく、90.83億円(昨対101.2%)であり、総資産の31.4%、売上の7.2%であり、買掛金の削減も課題といえよう。

   また、出店にかかわる資産であるが、建物及び構築物57.83億円(昨対88.1%)、敷金保証金33.54億円(昨対104.9%)と、九九プラスは土地を取得しての出店がないためその資産がなく、この2つが主な資産となるが、合計91.37億円(昨対93.6%)である。これは総資産の31.6%である。営業にかかわる資産の棚卸資産は33.06億円(昨対102.4%)であり、総資産の11.46%であり、売上の2.6%である。九九プラスは土地がない分、意外に、出店にかかわる資産は31.6%と低いのが特徴である。今期は、特にソフトウェアが大きく昨年の8.1億円から19.72億円と約10億円強増えたことに加え、ローソンとの資本・業務提携により、資本金および資本剰余金が約40億円増えており、それが現金および預金を昨年の60.8億円から96.41億円へと増やし、総資産の33.4%となったことが大きいといえよう。

   このように、九九プラスの2007年3月期の決算は増収減益、特に当期純利益はマイナスとなる厳しい決算となったが、今期大幅な不採算店を閉鎖したことに加え、ローソンとの資本・業務提携により約40億円の純資産が増え、結果、現金および預金が大幅に増加したことにより、今後、さらに、不採算店の閉鎖、および新規出店、さらには様々な経営改善に、これらの資金を充てることができるようになったといえよう。九九ショップが今期、この増加した資金をどのような経営資源に投入し、業績をどこまで向上させることができるかに注目である。

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May 18, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

May 17, 2007

関西スーパーマーケット、2007年3月期決算、既存店に課題!

   関西スーパーマーケットが5/10、2007年3月期の決算を公表した。本業の業績を示す個別決算の結果は、営業収益999.89億円(100.7%)、営業利益17.89億円(100.0%:売上対比1.8%)、経常利益19.19億円(102.7%:売上対比2.0%)、当期純利益9.95億円(135.3%:売上対比1.0%)と増収増益ではあったが、営業収益、営業利益ともに伸び率はわずかであり、厳しい決算であった。営業収益はわずかに1,000億円をきったが、連結では1,026.44億円と1,000億円を越えた。関西スーパーマーケットは連結子会社に関西スーパー物流をもっており、この収益が連結では加算されるが、営業収益では26.55億円のプラスであり、全体の2.58%と、まだまだ貢献度は低い。ただ、営業利益では連結が20.99億円であり、差引き3.21億円となり、連結の営業利益の14.7%であり、営業利益への貢献度は高いといえよう。

   営業収益が100.7%と伸び悩んだ理由は、今期、新店が2006年7月度にオープンした52店舗目の舞多聞店(兵庫県神戸市垂水区)の1店舗のみであったことが大きく、また、既存店の売上も、今期は2006年4月に日下店、6月に荒巻店、11月にフェスタ立花店の3店舗のみの改装であり、99.9%となったことによる。現在、総店舗数が52店舗であるので、安定した成長を目指すのであれば、年間3~5店舗の新店(ビルド)、1~2店舗の閉鎖(スクラップ)、5~7店舗の既存店の改装(メンテナンス)が欲しいところである。

   現在の関西スーパーマーケットは兵庫県に26店舗、大阪に26店舗とこの2地区へのドミナント展開が主体の食品スーパーマーケットである。売上構成比もほぼ50%対50%であり、店舗フォーマットの標準化が進んでいるといえよう。1店舗平均の客数は3,130人(昨対100.57%)、客単価は1,634円(昨対99.27%)であり、PI値991%(一人当たり9.91個:昨対99.49%)、平均単価167.08円(昨対99.88%)であり、店舗面積は428.3坪である。通常の食品スーパーマーケットと比べ、客単価よりも客数が多い、都市型の食品スーパーマーケットであるといえよう。
   
   ちなみに、関西スーパーマーケットの売上構成比の高い部門は食品の24.1%、日配の15.8%、青果の14.9%がベスト3である。意外に惣菜が低く、8.1%である。また、海産は11.9%、精肉は12.5%で、生鮮3品の中では青果の構成比が高いのが特徴といえる。ただし、粗利率はこれとは逆になっており、青果の粗利率は18.0%と最も低く、ついで食品の19.8%、日配の25.6%であり、売上構成比の最も高い3部門の粗利率を下げることによって、競合の食品スーパーマーケットに対抗しているといえよう。

   今期の粗利率、経費比率を見ると、これら商品の売買から得られる売上総利益率は24.8%となり、昨年の25.1%と比べ0.3ポイントダウンしている。いかに、競争が厳しい状況であるかを反映しているといえよう。これに、昨年同様の2.3%の不動産収入等が乗り、営業総利益は27.1%となり、昨年の27.4%と比べ0.3ポイントダウンした。一方、販売費および一般管理費は昨年の25.6%から25.2%へと0.4ポイント削減したため、結果、四捨五入すると1.8%と昨年と同様の営業利益率となった。したがって、2.3%の営業収益がないと、これだけ経費を削減しても営業利益がプラスにならない状況であり、競合激化による粗利率のダウンが、厳しい収支バランスとなったといえよう。

   一方、今後の出店戦略に大きくかかわる財務状況であるが、今期のROAは1.77%(昨対128.2%)であり、ROE4.22%(昨対132.7%)、自己資本比率42.0%(昨対96.7%)と、昨年と比べ、ROEが大きく改善され、ROAが向上したが、1.77%は優良食品スーパーマーケットの大黒天物産5.77%、ベルク4.77%、アークス4.24%、サンエー6.97%、ヨークベニマル3.41%、オオゼキ10.32%等と比べ、まだまだ低く、課題を残しているといえよう。

   その中身を純資産、負債、出店にかかわる資産、営業にかかわる資産面から見てみると、純資産は235.72億円(昨対102.2%)、総資産の42.0%であり、若干増加した。負債については、長短借入金は、昨年の140.37億円から136.00億円へと4.37億円削減し、総資産の24.2%となり、売上対比では13.6%とまだまだ高水準である。また、出店にかかわる資産としては、土地115.17億円(昨対106.3%)、建物61.49億円(昨対93.8%)、差入保証金152.3億円(昨対94.0%)であり、合計328.96億円(昨対97.9%)と僅かに昨年を下回ったが、総資産の58.59%をしめている。営業にかかわる資産である商品(在庫)については、21.15億円(昨対101.6%)であり、総資産の3.76%であり、売上の2.11%である。

   したがって、今後、関西スーパーマーケットが安定的な成長を目指すためにはすでに売上の13.6%となった借入金に頼ることは難しい状況といえ、総資産の約60%をしめる出店にかかわる資産の流動化をはかるなど、資産の圧縮をすすめ、さらに、粗利率と経費比率のバランスを見直し、収益性の高い食品スーパーマーケットのモデルをつくり、キャッシュフローを生み出し、負債を削減し、時価総額を引き上げ、資金調達の見直しを含めた自己資本比率42.0%を向上させることがポイントであろう。

   そして、そのためには、客数は平均3,000人/日を超え、食品スーパーマーケットとしは、かなり高水準であるので、比較的改善余地の高い現状の客単価1,634円を1,700円、1,800円へと引き上げてゆくマーチャンダイジングの改善が当面の優先課題といえよう。特に既存店の客単価が改善することにより、客数にも連動し、売上があがり、固定費が下がり、経費バランスが改善される。今後の関西スーパーマーケットのマーチャンダイジング、特に既存店がどのように変わり、客単価が改善されるかに注目したい。

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May 17, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 16, 2007

ウォールマート、売上速報、2007年4月度、既存店96.5%!

   レッドソックスの松坂投手が9回を投げぬき、5勝目をあげた。課題の高速スライダーが良く決まり、四死球0、失点1というすばらしい内容であった。特に、三振が5ということで、今回は速球で三振をとりに行くというピッチングは封印し、ストレートも時速150キロを越える球はほとんどなく、高速スライダーを多用し、カーブ、フォークも織り交ぜながら、打たせてとるピッチングであった。しかし、松坂投手の武器である課題の高速スライダーが決まるとこうもピッチングが安定するのかと、ストレートと高速スライダーの組み合わせの妙が見られ、改めて、プライスラインと購買の関係を考えさせられた。

   さて、今回のテーマ、ウォールマートの4月度の売上速報であるが、5/10に公表された。特に、既存店が96.5%という落ち込みであり、気になる数字である。4月度の売上は5/4(金)までの4週間のデータであり、ウォールマートは土曜日はじまり、金曜日しめ、年間を4週、5週、4週に分け、四半期を13週ごとに集計して、売上を公表している。今回は13週の第1四半期の売上速報も同時に公表した。

   既存店の96.5%の中身であるが、サムズクラブ部門は102.3%であり、ウォールマート部門(スーパーセンター、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケット)が95.4%に落ち込んだことが大きかった。昨年はウォールマート部門は105.4%であり、今期の13週累計は100.7%であるので、明らかにこの4月のウォールマート部門の既存店は厳しい結果だったといえよう。

   これについて、ウォールマートはいくつかその要因をあげている。最も大きな要因は天候、全米の気温が上がらず、涼しい気候であったことが売上不振につながったという。特に、アパレル(衣料品)とホームアンドハードライン(住関連)が伸び悩んだという。住関連ではさらに、いま全米を騒がせているペットフードによるペット死亡事故があいつぎ、ペットフードの回収騒ぎ、代替ペットフードの手配等に追われたことも売上不振を招いた一因であるという。さらに、昨年と比べ、年間の大きなイベントであるイースター祭が例年より、前倒し気味となり、売上が前倒しになったことも4月の売上不振につながったという。ただ、住関連の中でもエンターテイメント分野の薄型テレビ、特にウォールマートでは松下のプラズマテレビに力を入れているが、これが好調で、さらに、デジタル家電、ラップトップパソコンなども良く売れたという。食品も好調であり、パン、青果、日配、冷凍食品も良かったという。

   また、全体の売上も103.7%と昨対100%は越えたが、13週累計では108.1%であるので、伸び率が落ちており、4月は特に既存店が厳しかったため、全体も厳しい売上であったといえよう。部門別に見てみると、ウォールマート部門は100.4%、13週累計では105.5%であるので、やはり、4月のウォールマートは既存店同様、新店を加味しても厳しい数字であった。逆に絶好調な部門は海外部門であり、113.0%と依然、2桁の伸びを続けている。ただ、13週累計では117.1%であるので、やや4月度は好調な海外部門も伸び率が下がったといえよう。海外部門の売上は64.26億ドル(7,711.2億円)であり、全体の24.1%であり、ウォールマートも1/4は海外の売上で占めるようになった。この海外部門が順調に成長しているので、4月度も全体の売上が103.7%となったといえよう。もうひとつのサムズクラブ部門であるが、104.0%と13週累計も105.9%であり、この部門は安定した売上で推移している。

   さて、気になるウォールマートのニューヨーク証券取引所の株価であるが、この売上速報のあった5/10の株価は47.75ドルで終えた。前日の5/9が47.93ドルであったので、ほんの少し、ダウンしたがほぼ横ばいである。5/11は47.78ドル、市場が休み明けの5/14は47.84ドルであるので、ほぼ横バイの状況で推移しており、売買高もほぼ平均の1,500万株前後の取引であり、今回のウォールマートの4月度の売上速報は市場へのインパクトはあまりなかったといえよう。

   ウォールマートのここ最近の株価は50日平均が47.77ドル、200日平均が47.42ドル、52週最高が2006/10/30の52.15ドル、最低が2006/07/18の42.31ドルであるので、比較的なだらかな推移であり、株価は47ドル前後で安定している。また、現在の資産効率はROA7.50%=ROE18.30%×自己資本比率40.98%であり、昨年の決算期のROA8.80%と比べると、若干下がっており、気になるところである。

   このように、ウォールマートの2007年4月度の売上速報は既存店が96.5%と厳しい結果であったが、市場は一時的な状況と受け止めたようで、冷静に反応しているといえよう。次回5月度は6月はじめに公表予定であるが、今後、しばらくは、ウォールマート、特に既存店がどのような売上の推移を示すかに注目である。

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May 16, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 15, 2007

原信ナルスホールディングス、2007年3月期決算、売上1,000億円!

   原信ナルスホールディングスが5/8、2007年3月期の決算を公表した。今期決算はナルスとの経営統合後、初の決算であり、どのような内容になるかが注目の決算であった。原信ナルスホールディグスは持株会社であるため、個別では食品スーパーマーケットの業績が見えないので、ここでは、食品スーパーマーケットの業績を反映した連結決算を見ててみる。それによると、売上は1,043.25億円(134.1%)とナルスの15店舗が加わったことにより、初の1,000億円を越え、大幅な増収であった。営業利益は37.94億円(124.9%:売上対比3.6%)、経常利益37.47億円(129.8%:売上対比3.6%)、当期純利益12.18億円(110.8%:売上対比 1.2%)と増収であった。ただ、売上の伸び率134.1%に対して、当期純利益が110.8%低くなったが、これは関係会社の減損会計を計上したためである。

   今期の売上134.1%はナルス15店舗の売上が加わったことに加え、原信も昨年10月に原信塩沢店、今年3月には長野県2店舗目となる原信若里店を出店した他、店舗改装も昨年9月には原信五泉店、10月には原信幸町店、11月には原信今朝白店と、3店舗改装した。その結果、原信、ナルス合計59店舗の伸び率は106.0%であり、既存店も103.4%となった。またその内訳は、客単価はほぼ横バイであるが、客数が伸びているのが特徴である。ちなみに、原信ナルスホールディングスの全店平均の客単価は1,783円、PI値は1,033%、平均単価は172.7円である。

   また、現在、原信ナルスホールディングスは食品スーパーマーケットを2つの業態に分けて運営している。ひとつはスーパーマーケット(SM)であり、もうひとつはスーパースーパーマーケット(SSM)であるが、その内訳はSM21店舗に対し、SSM38店舗であり、売上構成比は25%対75%であり、SSMが原信ナルスホールディングの柱である。ただし、原信は44店舗の内、36店舗がSSMであるが、ナルスは15店舗の内、SSMは2店舗であり、両社は対照的な店舗フォーマットであるといえよう。ちなみに、両社の客単価であるがSSM主体の原信は1,770円(PI値1,022%、平均単価173.1円)であるが、スーパーマーケット主体のナルスは客単価1,821円(PI値1,065%、平均単価170.9円)であり、ナルスの方が客単価は高いのが特徴である。また、客数は原信が1店舗1日平均、2,765.8人に対し、ナルスは1,663.6人である。

   原信ナルスホールディングスの粗利と経費バランスであるが、売上総利益は28.1%であり、昨年よりも0.1ポイント改善している。販売費及び一般管理費は24.5%と昨年に比べ0.4ポイント増加しており、差引き、営業利益は3.9%から3.6%へと0.3ポイントダウンした。売上が134.1%の伸びに対し、営業利益の伸びが124.9%となった理由は予想以上に経費が上昇したためであるといえよう。特に人件費関連が137.1%、その他の経費が137.4%と、経営統合による一時的な傾向だとは思うが、売上の伸び以上に増えたのが大きかったといえよう。

   一方、経営統合後のROA(総資産当期純利益率)であるが、ROA(2.79%)=自己資本比率(42.4%)×ROE(6.6%)であり、昨年はROA(3.34%)=自己資本比率(49.2%)×ROE(6.8%)であったので、ROAは自己資本比率、ROEも下がり、下がってしまった。特に自己資本比率が下がったことに加え、減損会計の計上により、当期純利益が伸び悩んだことが大きかったといえよう。この3月から原信ナルスホールディングスは東証1部へ上場しており、ROA、ROEの改善は最重要経営課題となろう。

   自己資本比率が下がった理由であるが、純資産は166.09億円から201.90億円(121.5%)へと約35億円上昇しているが、それ以上に総資産が337.66億円から476.27億円(142.7%)と約140億円弱上昇したことが大きい。その内訳を負債と出店にかかわる資産、営業にかかわる資産面から見てみると、負債面では社債および長短借入金が昨年の67.64億円から121.48億円(179.5%)と約50億円増えているのが大きい。これは総資産の25.5%であり、売上の11.64%である。また、出店にかかわる資産は、土地112.06億円(132.6%)、建築物及び構築物110.42億円(127.0%)、敷金保証金45.97億円(132.2%)と合計268.18億円(130.0%)と昨年の206.14億円と比べ、約60億円増えたことである。これは総資産の56.3%である。営業にかかわる資産としてはたな卸資産25.84億円(142.7%)であり、総資産の5.4%である。

   このように、2007年3月期の原信ナルスホールディングスの決算は増収増益の好決算であったが、関連会社の減損会計の計上により、当期純利益が下がったことに加え、ナルスを経営統合したことにより、負債、資産が大きく増えたために、純資産の増加で補いきれず、自己資本比率が下がり、ROAが下がる結果となった。今後、好決算をもとにいかに社債および長短借入金を削減し、総資産の約60%弱を占める出店にかかわる資産を圧縮できるが課題といえよう。原信ナルスホールディングの今後のROAの推移に注目してゆきたい。

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May 15, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (3)

May 14, 2007

ウォールマートの2007年1月期のアニュアルリポートを見る!

    ここ最近、本ブログでは、食品スーパーマーケットの2007年2月期決算、そして、先週からは3月期決算の食品スーパーマーケットの速報を主に取上げているが、今回は、ウォールマートの2007年1月度の決算を見てみたい。ウォールマートの決算は2006年2月1日から2007年1月31日までの1年間の決算となる。まず、概要であるが、2007年1月期の売上は3,449.92億ドル(41.39兆円)であり、約40兆円の売上である。昨対111.7%(既存店102%)であり、昨年の伸び率109.8%を除き、この10年間2桁の成長を続けている。2001年の売上が1,780.28億ドルであったので、この6年でほぼ2倍の売上であり、急成長である。

   その原動力となったのは何といってもスーパーセンターであり、スーパーセンターの店舗数はこの10年間をさかもどると、2007年(2,256店舗)、2006年(1,980店舗)、2005年(1,713店舗)、2004年(1,471店舗)、2003年(1,258店舗)、2002年(1,066店舗)、2001年(888店舗)、2000年(721店舗)、1999年(564店舗)、1998年(441店舗)であった。この10年でちょうど5倍の店舗数となっており、ウォールマート急成長の大きな柱であった。ただ、全米の出店状況を見ると、アラスカ、ハワイ、ヴァーモントは0店舗、10店舗以下もニュージャージイ(1店舗)、ロードアイランド(2店舗)、マサチューセッツ(3店舗)、コネチカット(4店舗)、デラウェア(4店舗)、マリーランド(9店舗)、モンタナ(9店舗)、ニューハンプシャー(7店舗)、ノースダコタ(7店舗)、ワイオミング(10店舗)とまだまだ出店余力があるといえ、当面、この高成長が続いてゆくものといえよう。

   また、ウォールマートの高成長の背景にはスーパーセンター以外にも海外部門の急成長もあった。2007年1月期の海外部門の売上は771.16億ドル(9.25兆円)であり、売上構成比は22.3%にもなる。この中には日本の西友392店舗も含まれており、昨対130.2%の高成長である。海外店舗数はスーパーセンターの店舗数を越え、2,757店舗であり、メキシコ889店舗、中央アメリカ413店舗、そして、日本(西友)392店舗、イギリス335店舗、ブラジル299店舗、カナダ289店舗、中国73店舗、プエルトリコ54店舗、アルゼンチン13店舗であり、ウォールマート全体では国内4,022店舗を加えると、6,779店舗となる。

   そして、これら高成長を支えたウォールマートの粗利率であるが、2007年1月期は23.4%であり、販売費及び一般管理費が18.55%であるので、差引き、営業利益は4.85%となる。また、当期純利益は3.27%の112.84億ドル(1.35兆円)である。ちなみに営業利益は168.39億ドル(2.02兆円)であるので、ちょうどトヨタの2007年3月期の決算と同じ2兆円の営業利益高といえよう。

   一方、ウォールマートのROAであるが、ROA=自己資本比率×ROEであるので、2007年1月期は、ROA(8.8%)=自己資本比率(40.0%)×ROE(22.0%)であり、ROA、ROEは高いが、意外に自己資本比率が低いといえよう。自己資本比率40.0%の中身であるが、純資産は615.73億ドル(7.38兆円:昨対115.8%)であり、総資産の40.0%である。負債面では長短借入金が326.50億ドル(3.91兆円:昨対105.2%)であり、総資産の21.5%、売上の9.46%である。また、資産面では、特に出店にかかわるものとして、建築物640.52億ドル(7.68兆円:昨対116.0%)、土地186.12億ドル(2.23兆円:昨対115.0%)と、合計が826.64億ドル(9.91兆円:昨対115.8%)であり、総資産の54.6%である。また、営業にかかわる資産としては、在庫が336.85億ドル(4.04兆円:昨対105.5%)であり、総資産の22.2%、売上の9.7%である。したがって、ウォールマートの自己資本比率が40%となる要因は、借入金が総資産の21.5%であることに加え、出店にかかわる資産である土地、建物54.6%、そして、営業にかかわる資産である在庫が9.7%となり、出店、営業にかかわる資産の合計が64.3%となっていることが大きいといえよう。

   ウォールマートのここ5年間のROA、ROE、そして、自己資本比率の推移を見ると、2007年(8.8%、22.0%、40.0%)、2006年(9.3%、22.9%、40.6%)、2005年(9.8%、23.1%、42.4%)、2004年(9.7%、22.4%、43.3%)、2003年(9.6%、21.8%、44.0%)であるので、ROAがここ最近、徐々に下がっているが、その要因は自己資本比率が徐々に下がってきたことにあるといえよう。今後、ROAをさらに引き上げ、経営効率を上げてゆくには、収益の改善以上に自己資本比率の向上が課題であり、そのためには負債の一層の削減と出店および営業にかかわる資産の圧縮が当面の課題といえよう。

   このように2007年1月期のウォールマートの決算はスーパーセンターと海外部門が全体を牽引して、好調な決算となったが、その反面、若干、自己資本比率が下がり、ROAが下がり気味で推移していることが気になるところである。ただ、スーパーセンター、海外ともに成長余力を残しているといえ、当面は2桁の高成長と約5%の高い営業利益率が経営全体の好循環につながり、年間2兆円以上の営業利益を生み出して行くものといえよう。2008年1月度のウォールマートの経営動向にも引き続き注目してゆきたい。

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May 14, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 13, 2007

日経MJ、5/11、新製品ランキング、飲料、アイス好調!

   恒例の日経MJ、新製品ランキングが5/11、公表された。今週の注目は、季節柄、気温の上昇とともに、飲料、アイスクリームの客単価がグンとアップし、客単価200円(1人当り0.2円)以上の新製品がこの2分野で増えたことである。今後、しばらくは、飲料とアイスクリームに注目である。日経MJの新製品ランキングは来店客数1,000人当りの客単価をもとに毎週、13週以内に登場した新製品についてのランキングを公表している。対象は34チェーン、195店舗の食品スーパーマーケットが中心であり、この客単価は新製品の導入店舗のみの客単価であり、全195店舗の平均客単価ではないので、同時にカバー率を見て判断することがポイントである。また、客単価が高いか低いかについては、本ブログでは概ね、店舗へ導入すべきぎりぎりの定番化候補をCランクとし、客単価200円、現状の定番商品と比較購買し、品揃えに加えるべき候補をBランクとし、客単価300円、確実に店舗に導入し、重点商品として管理すべき候補をAランクとし、客単価500円として判断している。

   さて、今週の注目の飲料であるが、Aランクの客単価500円を超える新製品は3品、300円以上のBランクは4品、200円以上のCランクは8品の計200円以上の客単価の新製品が15品と全部門の中で最も多くなり、飲料への顧客からの支持が急上昇である。特に注目は客単価500円以上の3品であり、No.1はサントリー、黒烏龍茶OTPP(特定保健用食品)1L、客単価618円、先週比64円、カバー率95.9%と、とうとう600円台となった。No.2は日本ミルクコミュニティのメグミルク毎日骨太3つのチカラ1L、客単価546円であり、これも先週比21円、カバー率は73.8%とやや低目であるが、客単価は500円を越え、3/26登場以来、安定した数字をキープしている。そして、もう1品、No.3が伊藤園、おーいお茶、新茶500mlペットボトルであり、客単価503円である。4/21登場のまだ1ケ月以内の新製品であるが、カバー率は88.7%、先週比も23円であり、注目である。

   これについで、飲料では客単価300円以上の新製品が4品、No.4が3/28初登場の客単価458円の日本コカコーラ、ノーカロリーコカコーラ500mlペットボトル、同じく、No.5にも1.5Lが客単価437円で入っており、カバー率も96.9%、95.9%と高い数字である。特に1.5Lの方は先週比117円と大きく伸びており、注目である。No.6には客単価343円のアサヒ飲料の十六茶490ml、そして、No.7には、客単価312円のカゴメ野菜生活100紫の野菜1Lが入っており、以上が300円以上の4品である。飲料ではこの7品以外に8品の客単価200円以上の新製品があり、売場の棚割り、レイアウトを大きく改善し、このランキングデータにもとづき、品揃えをどんどん改善してゆく段階に入ったといえよう。しばらくは、飲料に注目である。

   そして、今週、もうひとつの注目は、冷凍食品部門のアイスクリームである。ここしばらく、アイスクリームは低迷していたが、今週はアイスクリームの注目の新製品がつぎつぎと登場しており、飲料につぐ注目の新製品といえよう。客単価Aクラスでは、No.1となった客単価何と831円の4/28初登場のハーゲンダッツジャパンのドルチェティラミス110ml、同じく、4/28初登場のNo.2の客単価815円のドルチェクリームブリュレ110mlである。どいちらもカバー率は84.1%と高く、初登場ということで、販促効果もあると思うが、800円台の客単価はすごい数値である。来週以降どの辺で落ち着くかの見極めがポイントであろう。アイスクリームはこの2品以外にも、No.5に客単価Cランクの225円でハーゲンダッツジャパンのミニカップマンゴー120mlが入っており、それ以外にも客単価は低いが冷凍食品のランキングベスト20の中にこれらを含め、アイスクリームは12品ランクインしており、冷凍食品の新製品では注目の商品群となりつつある。

   飲料、アイクリーム以外で客単価500円を越えるAランクの新製品はその他食品部門のNo.1、3/26初登場の客単価835円の伊藤ハム、朝のフレッシュロースハム40g×4であり、先週比200円と顧客の支持が上昇中である。ただ、カバー率が59.5%であり、今後、カバー率が上昇した時、この高い客単価が維持できるかどうかがポイントであろう。No.2にも伊藤ハムのハーフベーコン36g×4が客単価352円で入っている。

   また、カバー率は50%を切ってしまうが、家庭用品部門では、No.1は客単価1,137円(1人当り1.13円)の資生堂のHAKUメラノフォーカス2(医薬部外品)、No.2のマックスファクター、SKⅡホワイトニングソースダームデフィニション50ml、客単価832円がAクラスの客単価である。カバー率は46.2%、27.2%と低く、平均単価も7,725円、13,450円と食品スーパーマーケットの全体の平均単価約200円と比べると異常に高いが、客数が5,000人クラスであれば導入すべき重点商品であろう。

   このように今週の新製品ランキングは明らかに飲料、アイスクリームの客単価の上昇が見られ、先週までの動きとは一線を画した動きといえ、今後、しばらくは、この2部門には大いに注目であろう。売場のこれら商品の品揃え、レイアウト、棚割り、販促等を、これを機会に大きく見直しをかけたいところである。来週の新製品ランキングにも注目である。

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May 13, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (6)

May 12, 2007

ヤオコー、2007年3月期、15期連続の増収増益、ROA6.04%!

   ヤオコーが5/7、2007年3月期の決算を公表した。今週からはいよいよ、2007年3月期決算の食品スーパーマーケットの公表がはじまったが、本ブログでもしっかり、最新の食品スーパーマーケットの決算状況を追ってゆきたい。ヤオコーは惣菜を子会社の三味に全面委託しており、個別決算には惣菜が反映されないため、惣菜の実績が反映される連結での数字を中心に見てゆきたい。実際、粗利率を見ると、個別では23.6%であるが、連結では28.4%となり、粗利率が大きく違い、ヤオコーの食品スーパーマーケットの実態を見る上では連結の方が、より食品スーパーマーケットの実態を表しているといえよう。

   その連結決算の結果であるが、営業収益は1,882.70億円(107.7%:内、売上は1,804.15億円:107.9%)、営業利益69.69億円(109.3%:売上対比3.9%)、経常利益69.46億円(111.3%:売上対比3.9%)、当期純利益38.45億円(111.2%:売上対比2.1%)と増収増益であった。増収増益は15期連続であり、個別では18期連続であるという。特に今期は6店舗の新店を出す一方、既存店の改装も7店舗、特に基幹店の嵐山バイパス店を改装しており、これらが増収に大きく寄与したといえよう。結果、店舗数は埼玉県60店舗、千葉県10店舗、栃木県5店舗、茨城県8店舗、群馬県7店舗、東京都1店舗となり、計91店舗となった。

   ただ、ヤオコーの商品から得られる売上総利益と経費とのバランスを見ると、売上総利益が28.4%、販売費及び一般管理費が28.9%であり、差引き0.4ポイントのマイナスとなっている点が気になるところである。ヤオコーはこれ以外に、物流センター収入が51.74億円(売上対比2.86%)、不動産賃貸収入等が26.79億円(売上対比1.48%)と合計78.54億円(売上対比4.34%)あり、この営業収入分で経費を相殺し、3.9%の営業利益を産出している構造である。特に、物流センター収入への依存度が大きいのが特徴といえ、今後、いかに、売上総利益の改善および経費を削減してゆくかが課題といえよう。

   今期のヤオコーの商品構成を見ると、最大の特徴は惣菜の構成比が昨年の13.3%と比べさらに向上し、過去最高の13.6%となり、生鮮3品No.1の青果の12.9%と比べても断トツの数字となったことである。ヤオコーは一昨年から惣菜の構成比が生鮮No.1の青果を抜き、生鮮関係ではトップになったが、その傾向が一層鮮明となり、いまや、ヤオコーは惣菜がNo.1部門となった惣菜主力の食品スーパーマーケットであるといえよう。しかも、惣菜の粗利は47.96%であり、相乗積は6.52%となり、全部門の中で食品、日配、生鮮、3品を抜き圧倒的な粗利貢献度である。連結の粗利率が28.4%、単体の粗利率が23.6%であるが、その差は惣菜の貢献度であり、惣菜が売上だけでなく、粗利面でもヤオコーの最重点部門となったといえよう。ただ、惣菜を運営している子会社、三味の営業利益率は1.63%であるので、粗利面では貢献度が高いが、営業利益面では全体の営業利益率が3.9%であるので、経費が現段階ではかなり負担になっているようだ。

   一方、ヤオコーの今期のROA(総資産当期純利益率)であるが、6.04%であり、昨年が5.57%であるので、経営効率は上昇している。ROA=ROE×自己資本比率であるので、今期のROAの改善内容を見ると、ROEが昨年の13.8%から14.2%へ、自己資本比率が昨年の40.4%から42.6%へと双方が改善してのROAの上昇であり、経営内容が良い方向で改善されているといえよう。ただ、自己資本比率の42.6%は優良食品スーパーマーケットと比べるとまだ低いが、ヤオコーはこの3年間で、32.8%、40.4%、42.6%と急激に改善しており、さらに、時価総額で計算すると91.7%であり、時価総額では極めて高い自己資本比率である。

   ヤオコーの自己資本比率42.6%の中身を、純資産面、負債面、そして、出店にかかわる資産面、営業にかかわる資産面から見てみると、純資産は265.22億円から278.63億円と約10億円強増えている。負債に関しては長短借入金が104.39億円と昨年の123.7億円と比べ約20億円削減されている。これは総資産の16.11%であり、売上の5.78%である。また、出店にかかわる資産は、建物及び構築物153.26億円(82.17%)、土地86.45億円(107.63%)、差入保証金144.76億円(94.34%)であり、合計384.47億円(91.47%)と昨年と比べ約10%削減されており、総資産の59.35%である。

   そして、営業にかかわる資産である棚卸資産であるが51.48億円(103.08%)であり、総資産の7.94%である。特に、出店にかかわる資産が10%、約35億円削減されたことが大きく、結果、総資産も昨年の657.04億円から、647.79億円と約10億円削減されており、これが自己資本比率を高める結果となったといえよう。ヤオコーは特に、昨年12月に、出店にかかわる資産の大きかったワカバウォーク店の店舗資産を流動化しており、これが総資産の圧縮に大きく貢献したといえよう。

   このように、ヤオコーの2007年3月期の決算はP/L面の増収増益の好決算が負債の圧縮、資産の圧縮に波及し、B/S面への経営効率の改善へも波及しており、経営内容が確実に改善しているといえる。特に、ワカバウォークの資産の流動化は、ヤオコー全体の総資産の圧縮にもつながっており、今後のヤオコーの出店戦略が大きくかわる可能性を秘めているといえよう。ヤオコーの収益だけでなく、資産にかかわる今後の出店戦略にも注目したい。

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May 12, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (2)

May 11, 2007

カスミ、2007年2月度決算、増収増益、ROA1.79%!

   カスミの2007年2月期決算が、4/13、公表された。本業の業績を示す個別決算では、営業収益1,871.74億円(107.3%)、営業利益47.81億円(108.9%:営業収益比2.55%)、経常利益47.72億円(109.0%:営業収益比2.54%)、当期純利益14.28億円(100.3%:営業収益比0.76%)となり、増収増益であった。当期純利益が伸び悩んだのは、減損会計6.9億円の特別損失等が発生したためである。カスミは本業の小売事業の売上構成比が98.8%であり、連結決算も個別決算にほぼ準じているが、今期は連結では、子会社の協栄エステートが減損損失を計上したため19.31億円にふくらみ、合わせて貸倒引当金繰入額5.17億円が発生したため、連結の当期純利益は84.9%となった。また、カスミの親会社はイオンであるが、その議決権所有比率は32.7%である。

   カスミは経営目標をROE(自己資本当期純利益率)、ROI(総資産経常利益率)、そして、営業収益経常利益率の3つの指標においている。今期のそれぞれの指標を個別決算で昨年と比較してみると、ROEは昨年の2.1%から3.9%へ、ROIも昨年の5.5%から5.9%へ、そして、営業収益経常利益率も昨年の2.50%から2.55%へと改善しており、経営目標が達成されつつあるといえる。

   また、経営全体の効率を示すROA(総資産当期純利益率)で見てみると、ROA=ROE×自己資本比率であるが、昨年はROA(0.92%)=ROE(2.1%)×自己資本比率(44.2%)であったが、今期はROA(1.79%)=ROE(3.9%)×自己資本比率(45.9%)と大きく改善している。ただ、すでに公表された今期、好決算の食品スーパーマーケットのROAを見ると、大黒天物産5.77%、ベルク4.77%、アークス4.24%、サンエー6.97%、ヨークベニマル3.41%、オオゼキ10.32%とオオゼキの超優良経営を除き、平均約5%前後のROAであり、カスミの1.79%はまだまだ改善の余地があるといえよう。

   そこで、自己資本比率45.9%の中身を純資産、負債、出店にかかわる資産、営業にかかわる資産の面から見てみると、純資産は昨年の354.24億円から370.52億円と16.28億円増加している。これは資本金と資本剰余金が増加したためである。一方、負債は長短借入金が昨年の153.73億円から147.16億円へと若干削減されているが、総資産の18.22%、売上対比7.86%である。ただ、一昨年の204.76億円と比べると50億円以上改善されており、借入金が着実に減少している。

   また、出店にかかわる資産であるが、建物188.66億円、土地、90.04億円、敷金保証金137.25億円、構築物19.56億円と合計435.51億円であり、昨年が410.62億円であるので、106.0%、総資産の53.9%である。今期は特に、新規店舗が12店舗増えており、全体では128店舗となり、出店にかかわる資産が増えたものといえよう。そして、営業にかかわる資産、商品(在庫)であるが33.44億円であり、総資産の4.1%である。

   したがって、自己資本比率45.9%の改善のためには好調な決算をもとにさらに総資産の18.22%をしめる借入金、53.9%をしめる出店にかかわる資産をいかに削減、圧縮できるかが経営効率を高める上でのポイントとなろう。ただ、仮に、順調にこれらの負債、資産の改善が進み、自己資本比率が70%になったとしても、現状のROE3.9%ではROAは2.73%にしかならず、優良食品スーパーマーケットのROA5.0%を達成するには、ROEも7%以上が必要であり、ROE=当期純利益率×純資産回転率でもあるので、当期純利益率および純資産回転率の改善も大きな課題である。

   そこで、当期純利益率につながる営業利益率の状況をみてみると、売上総利益率は27.22%、不動産等の収入が3.76%であり、営業総利益率が30.98%であり、昨年が31.10%であるのでほぼ昨年同様の粗利率であった。これに対し、販売費及び一般管理費は28.33%であり、昨年は28.50%であり、若干改善され、結果、営業利益率は2.65%と昨年の2.60%と比べわずかであるが改善されている。ちなみに、ここでの営業利益率は売上高対比で算出しているが、はじめに示した営業利益率は不動産収入等を含めた営業総収益比でしめしているので、若干、数値に違いがでる。

   したがって、カスミがROAをさらにたかめてゆくには、当期純利益につながる営業利益率を現状の2.65%を3.0%、4.0%、そして、5.0%へ引き上げてゆくことが中長期的な課題であり、そのためには営業総利益率の改善も必要であるが、それ以上に販売費及び一般管理費28.33%を大きく改善するためのローコスト経営が課題であろう。

   今期、カスミの新店は12店舗と順調に出店しているが、地元茨城商圏での激しい競争の結果、既存店の売上高が96.7%(客数98.5%、客単価98.2%)と厳しい状況であり、結果、固定費が相対的に上昇傾向となり、経費比率が高めになりつつあるといえよう。その意味で、ROA改善のためには、まず、既存店の活性化が急務であり、それによる経費比率の引き下げ、営業利益率の改善が課題といえよう。今後のカスミの既存店の動向に注目したい。

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May 11, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 10, 2007

マルエツ、2007年2月期決算、業績、急回復、ROA3.03%!

   マルエツが4/12、2007年2月期の決算を公表した。現在のマルエツは、ダイエーとイオンの資本・業務提携により、ダイエーからイオンへ株式が譲渡されたことにより、親会社が3社となった。筆頭株主は30.0%の議決権をもつ丸紅であり、ついで、イオンの21.2%、そして、ダイエーの16.5%である。したがって、丸紅とイオンの株式を足すと51.2%となり、マルエツの経営権は実質、丸紅とイオンが握ることとなった。その意味で、実質、マルエツもイオングループの一員といえよう。ただ、今期の決算にはイオンとの資本・業務提携の影響はまだわずかな影響といえ、この3/9に、丸紅、イオン、ダイエーが資本業務提携の合意をしたので、来期以降の決算に大きく反映されてくることとなろう。

   今期の決算結果であるが、本業の業績を示す個別で見ると、売上は3,076.68億円(100.0%)、営業利益52.62億円(昨年赤字:売上対比1.8%)、経常利益51.86億円(昨年赤字:売上対比1.7%)、当期純利益35.85億円(昨年赤字:売上対比1.2%)と今期は増収こそなかったものの、黒字に転じ、業績が急回復したといえよう。また、ROAは昨年のマイナスから、今期は3.03%となり、ROEの向上に加え、自己資本比率も33.7%から37.9%へと若干上昇しており、経営効率も向上している。

   今期、売上は100.0%に留まった理由は、新店は立川若葉町店(東京)、高輪店(東京)、川口キュポラ店(埼玉)、清澄白河店(東京)の4店舗であったが、14店舗を閉鎖したため、全体としては売上が横バイとなった。結果、総店舗数は191店舗となり、これに連結のサンデーマート、ポロロッカを入れるとマルエツグループでは総店舗数は239店舗となった。これは日本の全食品スーパーマーケットの中で最大の店舗数である。

   利益面では商品売買による粗利を示す売上総利益は昨年の24.8%から26.1%へと1.3ポイントと一気に粗利率が向上している。これは昨年3月からのそれまでダイエー経由での仕入体制を見直し、自社仕入れ体制に変えたことに加え、生鮮市場の再編、拡大を実施した結果、大幅な粗利率の改善につながったといえよう。不動産収入等の営業収入も2.0%から2.1%へと0.1ポイント改善し、結果、営業総利益は昨年の26.8%から28.2%へと1.4ポイントと大きく改善した。さらに、販売費及び一般管理費は昨年の27.3%から26.4%へと0.9ポイント削減しており、結果、営業利益が昨年の−0.5%から1.8%へと黒字転換した。経常利益も1.7%となり、当期純利益も1.2%となり、前期の赤字決算から一転、黒字に転じ、好決算となった。

   一方、ROA、ROEであるが、当期純利益が黒字に転じたことで大幅に向上し、ROA3.03%、ROE8.0%となったが、自己資本比率は37.9%であり、今後の課題は好調な決算結果を自己資本比率の向上にいかに反映させるが課題といえよう。自己資本比率は昨年の33.7%から37.9%へと向上しているが、それは純資産が昨年の428.31億円から468.17億円へと増え、総資産が昨年の1271.76億円から1234.93億円と若干圧縮されたためである。方向としてはよい方向で経営が改善されているといえよう。

    そこで、負債面を見てみると、社債等を含む長短借入金が395.32億円と昨年の486.03億円から約100億円減少しており、総資産の32.0%、売上対比12.8%である。また、出店にかかわる資産である建物207.44億円、土地184.28億円、差入保証金345.91億円と合計737.63億円であり、昨年が794.69億円であるので、約50億円強(92.8%)の削減となり、総資産の59.7%である。営業にかかわる資産、商品(在庫)を見てみると、昨年の84.5億円から、71.79億円と約10億円強減っており、総資産の5.8%である。このように、負債、資産ともに改善傾向が鮮明であり、経営効率は確実に改善されつつあり、昨年の厳しい財務状況を脱却したといえよう。

   ただ、この好決算が株価にはあまり反映されておらず、この4月はじめから、決算発表のあった4/13も含め、ほぼ、500円前後の株価で横バイである。マルエツのPBRは1.37倍、PERは21.4倍、ROEは8.0%であり、食品スーパーマーケット上場企業平均のPBR1.5倍、PER25倍と比べると株価が500円前後と低めで推移しているため、下回っている状況である。今後、ROE、そして、ROAがさらに向上されてくることによって、株価も上昇に転じてくれば、PBR、PERも上昇してくるといえよう。マルエツの次の第1四半期、中間決算で、さらにROA、ROEが改善されるかに注目である。

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May 10, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (2)

May 09, 2007

ハローズ、2007年2月期決算、増収増益、自己資本比率に課題!

   広島のハローズが、4/13、2007年2月期の決算を公表した。売上521.83億円(110.5%)、営業利益19.01億円(115.1%:売上対比3.6%)、経常利益18.75億円(116.0%:売上対比3.6%)、当期純利益10.05億円(13.6%:売上対比1.9%)と2桁の増収増益の好決算であった。またROA(総資本当期純利益率)は5.50%(昨対94.17%)と昨年と比べ若干下がった点が気になるが、高水準で推移している。

   ハローズは経営目標数値を明確に経常利益ROAの向上においている。経常利益ROA=売上高経常利益率×総資本回転率と分解し、売上高経常利益率4.0%、総資本回転率3.0%を目標とし、結果、経常利益ROAの目標を12.0%としている。今期の経常利益ROAは10.2%であり、昨年が10.3%であったので昨年を僅かに下回り、目標の12.0%にはまだ届いていない。売上高経常利益率は3.6%、総資本回転率は2.83回転であるのでどちらもまだ目標には達しておらず、今後の課題が残された決算となった。

   また、ハローズでは経常利益ROAの改善をはかるために売上高経常利益率アップのために高収益商品の開発、情報システム、物流システムの改革、そして固定費の削減に取り組んでいる。また、総資本回転率の改善をはかるためには用地の取得形態を賃借物件3に対し、取得物件1の割合を基準とし、主に事業用定期借地契約を行うことで、新規出店に伴なう設備投資額を抑え、総資産回転率の向上を目指している。これほど、明確に、決算短信に経常利益ROAの向上、目標数値、経常利益ROAを分解しての、それぞれの数値向上のための具体的な方針を打ち出している食品スーパーマーケットは珍しいといえる。

   ただ、経常利益ROAは=自己資本比率×経常利益ROEにも分解できるので、自己資本比率の改善方法、経常利益ROE=売上高経常利益率×自己資本回転率となるので、自己資本比率の向上策、自己資本回転率の向上策にも言及してもらうとより、経常利益ROAの目標12.0%へつながる具体策が明確になるのではと感じる。

   ハローズの経常ROA12.0%を目指すには、自己資本比率の改善が最大のポイントのように思える。現在、ハローズの自己資本比率は41.4%であり、これは食品スーパーマーケット業界トップクラスのヨークベニマル(81.4%)、オオゼキ(74.8%)の約半分である。仮にハローズの自己資本比率が50%となれば、経常利益ROAは12.31%となり、目標の12%を超える。オオゼキ、ヨークベニマル水準の70%となれば、経常利益ROAは17.24%となり、業界最高水準となる。

   では、ハローズの自己資本比率を決定づける純資産、負債と出店にかかわる資産、営業にかかわる資産の状況を2007年2月期の決算で見てみたい。まず、自己資本比率を改善するには、自己資本比率=純資産÷総資産であるので、純資産をみると、昨年の71.10億円から80.28億円へと112.9%増えている。一方、総資産も昨年の173.74億円から今年は193.84億円と111.56%増えており、若干であるが自己資本比率は昨年の40.9%から41.4%へと改善しているが、まだ、総資産が純資産に比べ多くなっており、純資産の改善はもちろんだが、総資産の圧縮が今後の課題といえよう。

   その総資産であるが、まず、総資産=負債+純資産であるので、負債面を見てみると、短期借入金が13.57億円(昨年14.74億円)、長期借入金が36.66億円(昨年32.60億円)であり、合計50.23億円(昨年47.34億円)と昨対106.10%、総資産の25.91%、売上対比9.62%である。ここが今後、好調な当期純利益、資産の圧縮で削減されてくると、総資産を大きく圧縮でき、経常利益ROAの改善につながるものといえよう。

   一方、資産面であるが、出店にかかわる資産である建物69.41億円(昨年59.46億円:116.73%)、土地47.14億円(昨年45.66億円:103.24%)、構築物10.27億円(昨年9.21億円:111.50%)、差入敷金保証金13.82億円(昨年11.90億円:116.13%)であり、合計140.64億円(昨年126.23億円:111.41%)と売上の伸び率110.5%と連動して増加しており、総資産の75.5%であり、資産の大半を占めている。また、営業にかかわる資産を見てみると、商品(在庫)10.54億円(昨年9.52億円:110.71%)であり、総資産の5.43%である。

   したがって、経常利益ROAを飛躍的に向上させるためには自己資本比率41.4%を50%、そして70%へと引き上げてゆくことがポイントであり、そのためにはまず、総資産の約25%を占める借入金の削減が急務であり、そして、最大の資産である出店にかかわる資産、総資産の約75%をいかに圧縮するかが課題であろう。

   このようにハローズは明確に食品スーパーマーケットの経営目標を経常利益ROA12.0%において、経営改善に取り組んでおり、P/LよりもB/Sに主眼をおいた経営を行っている食品スーパーマーケットである。ただ、この目標を達成するためには、まだ、負債、出店にかかわる資産の圧縮に課題を残しているといえ、好調な決算結果を経常利益ROAの改善に結び付けてゆけるかが当面の課題といえよう。引き続き、次の第1四半期、そして、中間決算のハローズの経常利益ROAの動向に注目である。

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May 9, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

May 08, 2007

非食品の家計調査データ、最新、3月度に見る消費動向!

   本ブログでは家計調査データについては、外食を除く、食品のみの分析を行っているが、家計調査データは食品以外にも、衣料品、住関連、そして、サービスその他の家計の消費額もすべてを公開している。最近の食品スーパーマーケットもSSM、スーパーセンター、NSC、SCへと対応しはじめ、取扱い商品、各業種とのテナントとの連携など幅を広げつつある。そこで、ここでは、食品以外の家計調査データについて、最新の2007年3月度をもとに見てみたい。

   家計調査データでは、食品を含め、10の大分類がある。それぞれの消費額を1日当りの消費額、および、その昨対を見てみると、食料2,394.61円(101.8%)、その内、外食を除くと、食品1,950.87円(101.9%)、外食は443.74円(101.5%)である。ついで、住居607.52円(102.6%)、家具・家事用品286.03円(92.0%)、被服及び履物476.42円(103.3%)、保健医療426.97円(106.7%)、交通・通信1,376.58円(109.3%)、教育481.00円(97.2%)、教養娯楽1,053.71円(100.1%)、そして、その他の消費支出 2,211.97円(94.0%)である。

   ちなみに、これら合計の総消費額は消費支出10,114.94円(100.1%)であり、全体としてもほぼ昨年並みの消費額である。ちょうど、1日当り約1万円の消費額となるので、いろいろ計算がしやすい。たとえば、年間では約350万円、月間では約30万円、構成比が高いものは、その他の消費約25%、食品約20%、ついで、約15%が交通・通信、10%が教養娯楽、そして、5%前後が外食、被服及び履物、住居、保健医療、教育、家具・家事用品となる。しかも、伸びているのは諸雑費(116.3%)、交通・通信(109.3%)、保健医療(106.7%)であり、逆に、下がっているのは、家具・家事用品(92.0%)、教育(97.2%)であることがわかる。

   そこで、まず、この3月度で伸びた大分類、交通・通信(109.3%)、保健医療(106.7%)の中身を見てみると、交通・通信では自動車等関係費816.13円(115.9%)、交通が208.74円(107.5%)、通信351.68円(97.4%)であり、意外に通信が昨対を割っている。特に移動電話通信料(携帯電話)208.61円(98.5%)であり、携帯電話の通信料も一段落というところのようだ。伸びているのは、鉄道通勤定期代33.16円(122.1%)、航空運賃21.32円(117.6%)、自動車購入252.94円(139.4%)、自転車購入16.16円(164.3%)などである。また、保健医療では栄養剤17.42円(130.4%)、保健医療サービス266.32円(114.5%)などである。

   これに対して、消費額が下がった家具・家事用品(92.0%)、教育(97.2%)を見てみると、家具・家事用品では、室内装備・装飾品19.39円(73.1%)、その中でもカーテン4.10円(45.0%)、敷物2.74円(73.9%)、室内装飾品5.26円(74.1%)が大きい。家事用耐久財55.94円(79.4%)も下げ幅が大きく、その中でも、電気洗濯機9.71円(43.6%)、エアコンディショナ2.19円(39.3%)、ミシン0.45円(24.1%)、食卓セット2.19円(48.9%)、カーテン4.10円(45.0%)が大きく落ち込んでいる。教育では、専修学校40.23円(51.2%)、私立中学校6.13円(51.4%)、学習参考教材8.16円(83.2%)などが落ちている。

   また、全体を通して、この3月度の消費額で、最も伸び率が高かったものは、食器戸棚3.35円(611.8%)、私立小学校3.35円(577.8%)、他の家賃地代10.10円(447.1%)、自動車以外の輸送機器購入9.26円(428.4%)、ゴルフ用具5.58円(308.9%)、婦人用帯5.29円(298.2%)、婚礼関係費 39.35円(250.5%)、被服賃借料5.13円(237.3%)、外壁・塀等工事費73.90円(236.2%)であり、これらが200%以上伸びた分類である。さらに、購入世帯のみの消費金額で見ると私立小学校3,727.60円(770.4%)、自動車以外の輸送機器購入15,430.11円(428.4%)、婦人用着物7,741.94円(257.7%)、婦人用帯4,069.48円(229.4%)、被服賃借料1,465.44円(223.8%)、他の家賃地代3,481.65円(200.4%)が200%以上の分類である。さらに、購入世帯を最も伸ばしたものは、男子用和服0.1%(600.0%)、食器戸棚0.3%(312.5%)、他の家賃地代0.3%( 223.1%)、応接セット0.2%(222.2%)、出産入院料0.0%(200.0%)である。

   このように、食品スーパーマーケットでは主力でない商品群の家計調査データについて見てみたが、全体としては、食品同様、ほぼ、昨対並の数字であり、中分類で見ると最大110%、最小90%であり、それほど2007年3月度の消費額は昨年と比べ大きな動きはなかったといえよう。ただ、さらに、細目まで見てみると、200%以上の消費額を伸ばしたもの、50%以下に落ち込んだものもあるので、これらの項目については、今後、注意が必要であろう。また、今回、食品以外にも客単価3D分析を試みてみたが、特に、食品では酒以外はほとんど100%近い購入世帯となるが、食品以外では教育が25%、住居が37%と異常に低いが、それ以外は、大分類で見る限り、ほぼ100%である。今後とも、食品以外でも家計調査データの動きにも注目してゆきたい。

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May 8, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (4)

May 07, 2007

家計調査データ、最新3月度、4/27、総務省統計局から公表!

   家計調査データの最新、2007年3月度が4/27、総務省統計局から公表された。家計調査データの公表は公表までに約1ケ月かかるために、3月度の集計データは4月下旬の公表となるので、現在、5月時点での最新データは3月度である。本ブログでは、この家計調査データを食品スーパーマーケットの客単価と比較しやすいように加工を加え、さらに、最新の客単価3D分析理論の一部を取り入れて分析している。公表される家計調査データは原則、月単位の1世帯当りの消費額であるので、これをまず、1日当りに換算し、食品スーパーマーケットの客単価と比較しやすいようにしている。そして、さらに、購入世帯数10,000分比から逆算し、購入世帯のみの消費額を算出すると同時に、消費世帯数の割合を算出している。これにより、全体の消費額=購入世帯のみの消費額×購入世帯数の割合となり、客単価=客単価PPI×客数PI値の客単価3D分析の公式が応用でき、より、消費の実態に迫ることができる。

   さて、まず、全体および大分類の2007年3月度の実態であるが、外食を抜いた食品全体の消費額は1,950.87円(昨対101.9%)とほぼ昨年並みの消費額であった。これを大分類で見ると、伸びた分類は酒類110.26円(106.9%)、飲料117.58円(105.3%)、肉類199.84円(104.2%)、果物95.48円(103.3%)、油脂・調味料98.68円(102.1%)、菓子類227.87円(102.3%)、調理食品272.77円(102.2%)、魚介類248.74円(101.4%)、穀物205.68円(100.6%)、乳卵類107.39円(99.3%)、野菜・海藻266.58円(98.2%)であった。家計調査データでは食品はこの11分類に分けられており、食品スーパーマーケットの商品分類とほぼ同じである。グロサリーが油脂・調味料と穀物に別れ、日配が洋が乳卵類、和が野菜・海藻と魚介類に分散されており、さらに、惣菜が調理食品である。

   このように大分類で見ると、この3月度は酒、飲料が絶好調であり、肉類、果物が好調であるといえよう。逆に、野菜・海藻、乳卵類は昨対を割っており、やや厳しかったといえよう。ちなみに、大分類で見たときの客数PI値、すなわち、購入世帯の割合は食品はほとんど100%であり、月間では必ず1回以上購入しているが、唯一、酒だけは63.2%であり、約40%の世帯は月1回も酒を購入しない世帯が3月度はあった。したがって、酒を購入した世帯のみの消費額は全体の110.26円に対し、174.54円となった。このように、家計調査データで見ても酒は食品の中では消費動向が異質な商品群であり、マーチャンダイジングも通常の食品とは区別して戦略・戦術を立てることがポイントである。

   さて、3月度絶好調であった大分類、酒と飲料について、その中身を見てみたい。まず、酒であるが、酒の小分類は清酒、焼ちゅう、ビール、ウイスキー、ぶどう酒、発泡酒、他の酒の7つに分類されているが、この中で最も伸びた分類は消費額は小さいがウィスキーである。全体の消費額は4.19円(151.2%)である。ウィスキーの購入世帯の割合はわずか3.2%であり、ごく少数の世帯のみの購入であるが、その購入世帯のみの消費額は酒の全小分類のトップであり、132.29円である。しかも、今回、伸びた要因は消費額が118.7%、購入世帯が127.3%と理想的な伸びを示しており、ウイスキーの貢献度は大きかったといえよう。もうひとつは、発泡酒であり、16.42円(122.9%)である。購入世帯の割合はウィスキーよりも多いが、それでも15.9%であり、約85%の世帯では発泡酒を月に1度も購入していないという状況である。

   また、もうひとつ絶好調の分類、飲料であるが、飲料の小分類は茶類、緑茶、紅茶、他の茶葉、茶飲料、コーヒー・ココア、コーヒー、コーヒー飲料、ココア・ココア飲料、他の飲料、果実・野菜ジュース、炭酸飲料、乳酸菌飲料、乳飲料、ミネラルウォーター、他の飲料その他と16分類と多岐に渡って分類されている。この中で、最も伸びた分類は乳酸菌飲料9.13円(118.9%)である。乳酸菌飲料の購入世帯数は30.7%であり、購入世帯のみの消費額は29.70円となる。購入世帯数の伸び率が106.6%、購入世帯数のみの消費額が111.5%であるので、理想的な伸びである。これについで、ミネラルウォーターもよく伸びており、5.61円(115.2%)である。ミネラルウォータの購入世帯数は18.3%であり、購入世帯のみの消費額は30.69円である。伸び率は購入世帯数が113.2%、購入世帯数のみの消費額が101.8%であるので、購入世帯数の伸びが消費額を大きく伸ばしたことがわかる。また、これ以外ではこれについで、炭酸飲料6.52円(114.1%)、緑茶14.81円(110.6%)も良く伸びている。

   一方、今回最も厳しかった大分類は野菜・海藻266.58円(98.2%)である。その要因を小分類で見ると、野菜では、だいこん3.94円(77.7%)、にんじん4.94円(81.0%)、はくさい2.16円(84.8%)、ほうれんそう6.16園(88.8%)、たけのこ2.84円(88.0%)が昨対を大きく割った分類である。また、海藻・乾物・その他では豆類 1.65円(83.6%)、わかめ5.61円(87.4%)、干ししいたけ1.29円(88.9%)、だいこん漬 3.10円(86.5%)が大きく落ちこんでいる。

   このように、2007年3月度の家計調査データを見ると、食品全体としてはほぼ昨年並みの消費額であり、消費動向としては、回復しているという明確な数字でもなく、かといって、落ちて込んでいるわけでもない状況であり、景気の回復が家計消費へ反映されているとは現段階はまだいえない状況といえよう。ただ、酒、飲料等は105%以上の伸びであり、分類によっては消費が回復している兆候も見られ、引き続き、4月、5月の家計消費動向を注意深く見守って行く必要があろう。次回は4月度のデータが5月末に公表される予定であるが、本ブログでもいち早く速報を取り上げてゆきたい。

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May 7, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (2)

May 06, 2007

日経MJ、新製品週間ランキング、5/4、飲料に注目!

   日経MJ、新製品週間ランキングが、5/4公表された。今週の注目は飲料部門であり、客単価Aクラスの500円以上が2品、Bクラスの300円以上が3品、そして、Cクラスの200円以上が6品と客単価200円を越える新製品が合計11品登場しており、他の部門、菓子、冷凍食品、その他食品、家庭用品と比べても注目部門といえよう。ちなみに、菓子部門では客単価200円を越える新製品は3品、冷凍食品で2品、その他食品で7品、家庭用品で8品であるので、今週の飲料部門の新製品は客単価200円を越える商品が最も多い。また、これらの飲料のカバー率もほとんどが90%以上であり、本POSデータの対象34チェーン、195店舗の大半の店舗が導入していることがわかる。

   その飲料部門でNo.1の客単価となった新製品は、サントリー、黒烏龍茶OTPP(特定保健用食品)1Lであり、客単価554円(1人当り0.554円)であった。2/21登場の新製品であるので、そろそろ、初登場から3ケ月が経過するので、ランキングからはずれるが、初登場以来、常にNo.1かNo.2を維持しづけた新製品である。実際、食品スーパーマーケット、ドラックストア、コンビニでは350mlと併売されて、フェイスが充分確保されており、しっかり飲料の定番商品となった。平均単価425円でここまで客単価をあげた飲料はまれであろう。No.2は先週No.1であった日本ミルクコミュニティ、メグミルク毎日骨太3つのチカラ1Lであり、客単価525円とNo.1と僅差であった。3/26初登場の新製品であり、当面、上位を独占し続ける新製品であり、これも高い客単価であるので、しっかり定番化したいところだ。

   この2品が客単価500円を越える新製品であるが、今週はこの2品以外にも客単価Aクラスの500円を越える新製品が4品あった。その他食品のNo.1となった伊藤ハム、朝のフレッシュロースハム40g×4、客単価635円、同じくその他食品部門の日本ハム、上級森の薫りあらびきウィンナー100g×2、客単価504円である。カバー率がどちらも50%強であり、全チェーンでの取り扱いではないが、高い客単価である。ちなみに、前回、その他食品でNo.1であった日清食品、どん兵衛だし焼うどんかつお醤油仕立て126gは先週比の客単価が389円ダウンし、243円となり、No.6となった。4/15初登場の新製品であるので、新製品の販促が落ち着くと急激に客単価が下がるが、来週以降、どの辺で落ち着くかがポイントである。

   今週客単価500円を越えた、上記以外の新製品は家庭用品の2品である。家庭用品は平均単価が10,000円近い化粧品が上位にくる傾向があり、しかも、カバー率は50%を割るものが多く、客単価だけの判断での定番化は要注意であり、慎重に数字を見る必要がある。No.1は先週同様、資生堂、HAKUメラノフォーカス2(医薬部外品)45g、客単価961円、No.2はこれも先週同様、マックスファクター、SK-Ⅱホワイトニングソースダームデフィニション50ml、客単価613円である。以上が、今週客単価Aクラスの500円を越えた新製品6品である。

   さて、飲料部門にもどると、No.3は初登場の伊藤園、おーいお茶新茶500mlペットボトル、客単価480円である。摘んでから1週間以内に抽出した仕立てのお茶であり、カバー率も80.5%と、今後、注目の新製品といえよう。No.4、No.5には日本コカコーラのノーカロリーコカコーラ500mlペットボトルと1.5Lが入った。500mlが客単価384円、1.5Lが客単価320円である。No.6にはアサヒ飲料、十六茶490ml、客単価296円、No.7、No.8にはカゴメの野菜生活100黄の野菜930mlが客単価294円、紫の野菜1Lが客単価291円で入った。このシリーズはNo.10にも黄の野菜200mlが客単価237円で入っている。No.9には日本ミルクコミュニティ、農協健康菜園ベジタブルミックス1L、客単価265円、そして、No.11にサントリー、胡麻麦茶350mlが客単価220円で入り、以上が飲料部門で客単価200円を超えた11品である。

   これ以外の部門で、注目の新製品は菓子部門の先週No.2からNo.1となったカバー率100%のカルビー、じゃがりこサラダ60gであり、先週比客単価99円アップの441円となり、急上昇である。No.2は先週No.1のロッテ商事、キシリトールガムファミリーボトル<ニューライムミント>150g、客単価283円である。平均単価676円という高単価のガムであり、カバー率90.8%と、今後、注目であろう。冷凍食品部門ではこれも先週No.2からNo.1になった味の素、Hot!1エビピラフ450g、客単価314円である。No.2は先週No.1であったニチレイフーズ、本格炒め炒飯450g、客単価263円である。この分野では最近アイスクリームの注目商品が少なく、アイスクリームではNo.4にハーゲンダッツジャパン、ミニカップマンゴー120mlが客単価152円で入ったのみであり、今後、本格シーズに向け今後の各社の新製品が期待されよう。

   このように、今週の日経MJ新製品ランキングは客単価Aクラスの500円以上の新製品6品に加え、飲料部門がNo.11まで客単価Cクラス200円を越える新製品が登場しており、注目である。次回はゴールデンウィーク明けとなるが、各新製品の客単価がどのように動くか注目である。

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May 6, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (7)

May 05, 2007

アークランドサカモト、2007年2月期決算を見る、株価高い!

   前回のブログでアークランドサカモトの株価を取上げたが、いま、上場食品スーパーマーケットの中で最も注目株の1社がアークランドサカモトであろう。アークランドサカモトは食品スーパーマーケットというよりも、ホームセンターといった方がよい業態であるが、食品にも力を入れており、本ブログでは食品スーパーマーケットと一緒に見ている。そのアークランドサカモトの2007年2月期の決算であるが、本業の業績を示す個別決算を見ると、売上773.40億円(114.6%)、営業利益34.63億円(116.5%:売上対比4.5%)、経常利益38.15億円(115.9%:売上対比4.9%)、当期純利益1.4億円(8.1%:売上対比0.2%)であり、当期純利益は店舗閉鎖損失34.48億円(神戸店撤退)が発生したため、大幅な減益となったが、売上、営業、経常利益については大幅な増収増益であった。

   アークランドサカモトは小売事業以外にも卸売事業、外食事業、不動産事業を営んでいるが、小売事業の売上構成比が80.6%であり、事業の中核である。その小売事業はホームセンタームサシ、スーパーセンタームサシ、ランドクラブ、フードデポ、アークオアシスデザインが主な業態であり、ホームセンターが主力業態である。しかも、そのスローガンは「1店舗巨大主義+変化対応型」であり、「その店に行けば、無いものはない」、「楽しくなければ売場ではない」という通常のホームセンターの5倍以上の売場面積、品揃え(18万SKU)を大原則としている。ちなみに、連結の数字であるが、売上985.14億円(113.4%)、営業利益39.91億円(115.1%:売上対比4.1%)、経常利益43.91億円(113.1%:売上対比4.5%)、当期純利益1.49億円(7.9%:売上対比0.4%)と個別決算とほぼ連動した決算内容であり、当期純利益は個別同様、大幅に減益であったが、売上、営業利益、経常利益は大幅な増収増益であった。

   アークランドサカモトの売上の好調要因はホームセンターの全体の売上が646.93億円(114.1%)となり、既存店も104.2%と高い伸びであったことである。特に、2005年10月にオープンしたホームセンタームサシ京都八幡店は昨年の10月までは新店での数字がのり、11月以降は既存店の数字となっており、この売上貢献が大きかったといえよう。また、その他の小売業も147.37億円(113.6%)と伸びており、売上へ大きく貢献したといえよう。特に、既存店が伸びたことは、固定費が相対的に低く抑えられ、営業利益、経常利益への貢献も大きかったといえる。アークランドサカモトは、この4/3には仙台にホームセンタームサシ仙台泉店をオープンさせており、新潟、富山、石川、山形だけでなく、関西、東北へも本格的な店舗展開をはじめており、今後、高い成長が期待される。

   アークランドサカモトの個別決算の利益面であるが、粗利率は28.2%であり、昨年が28.4%であったので、0.2ポイントダウンした。ただ、販売費及び一般管理費も23.7%と、昨年の24.0%に比べ、0.3ポイントダウンした。したがって、差引き営業利益は昨年の4.4%から4.5%へと0.1ポイント改善しており、売上の114.6%と相まって、今期は116.5%と大幅な増益となった。経常利益は昨年が4.9%、今期も4.9%と同率であり、営業外収益が加わり、営業利益をさらに押上げている。残念ながら、当期純利益に関しては、先にも触れたように神戸店の閉鎖損失が発生したため、昨年の4.5%から0.4%へと大幅な減益となったが、営業、経常段階では今期も高い収益率を維持している。

   一方、ROA、ROEであるが、RAO=自己資本比率×ROEに当てはめて見ると、今期は、当期純利益が大幅に減少したため、ROA(0.2%)=自己資本比率(42.4%)×ROE(0.5%)となり、ROA、ROEともに極めて低い数字となった。ちなみに、昨年はRAO(2.8%)=自己資本比率(45.1%)×ROE(6.4%)であった。ただ、経常利益ROAで見ると、昨年の5.8%に対し、今期は6.1%であるので、上昇しており、神戸店の閉鎖損失がROAに大きな影響を与えたといえよう。

   アークランドサカモトの自己資本比率についても昨年の45.1%から42.4%へと若干下がっているが、純資産は昨年と比べ若干の減少であるので、負債と資産が増えての自己資本比率の減少といえる。その原因を負債面と出店にかかわる資産、営業にかかわる資産に分けて見てみると、まず、負債面であるが、昨年の長短借入金は149.77億円であり、今期は165.1億円であるので、110.2%上昇しており、総資産対比では25.7%、売上対比では21.3%であり、経営を圧迫しつつあり、これが自己資本比率を下げた要因といえよう。また、出店にかかわる資産を見てみると、建物216.65億円、土地73.15億円、建設仮勘定31.23億円、敷金・保証金45.78億円の合計321.03億円であり、総資産の50.1%であり、昨対87.1%であるので、下がっている。さらに、営業にかかわる資産である商品を見てみると、116.69億円であり、総資産の18.2%であり、昨年と比べ111.5%である。ちなみに売上対比では15.0%であり、いかに、在庫負担が大きいかがわかる。したがって、出店にかかわる資産ではなく、営業にかかわる資産、在庫が増えたことが自己資本比率を下げた要因といえよう。

   このように、今期のアークランドサカモトの決算を見ると、売上、営業利益、経常利益段階までは好決算であり、その時点でのROAも昨対よりも改善しているが、今期は、店舗閉鎖による損失が響き、当期純利益を大きく落としてしまった上に、出店にかかわる借入金、在庫が増えたために、自己資本比率が若干下がり、結果、ROA、ROEが大きく下がり、経営効率が厳しい結果となったといえよう。ただ、今後は新店が増えることに加え、大きな特別損失が現時点では予定されておらず、好決算が予想されよう。アークランドサカモトの次の第1四半期、そして、中間決算に注目である。

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May 5, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (3)

May 04, 2007

食品スーパーマーケット、連休、後半前の株価速報!

    2007年2月期決算の食品スーパーマーケットの決算短信の公表が一段落し、来週からはいよいよ3月期決算企業の公表がはじまる。そこで、特に2月期決算を受けての食品スーパーマーケット各社の株価がどのように推移しているかを、また、3月期決算の企業は決算直前の株価の推移となるが、現在、どのような動きを示しているかを、5/2の株価をもとに見てみたい。食品スーパーマーケットの上場企業は現在約50社であるが、その約70%が2月期決算企業であり、20%が3月期決算企業、残り10%が1月、4月、5月、9月期決算企業である。ちなみに、株価全体の動きを示す日経平均であるが、5/2は17,394.92円(+119.94円、+0.69%)であり、連休後半直前の株価は全体としては上昇した。日経平均は今年2月下旬に18,000円を越え、年初来高値をつけたが、その後、3月に入り、株価は大きく下げ、一時は16,800円前後で推移していたが、3月後半からは徐々に株価をもどし、現在は5/2の終値に近い17,400円前後で推移している。

   このような中で、この約1ケ月間の株価が上昇傾向で推移した食品スーパーマーケットを25日移動平均乖離率で見てみると、No.1は6.99%の食品スーパーマーケットよりも、ホームセンター業態に近いが、アークランドサカモト(2月期決算)である。アークランドサカモトの株価は3月中旬までは1,800円前後で横バイであったが、その後、株価は徐々にあがりはじめ、4月に入ると2,000円を越え、4/12に増収増益(営業、経常)の決算が公表されると、さらに株価は上昇し、2,200円を越え、5/2の終値は2,250円(+45、+2.04%)である。ほぼ、2ケ月間株価は上昇トレンドで推移している。

   No.2は原信ナルスホールディングス(3月期決算)である。25日移動平均乖離率は4.84%である。原信ナルスホールディングスの株価も4月に入り株価は急上昇している。3月は株価が1,500円前後で推移していたが、4月に入り、1,600円越え、4月下旬に入ると1,700円となり、そして、5/3現在、1,688円(-2、-0.11%)と若干下がったが、年初来最高値付近で推移している。来週には決算短信が公表される予定であるが、原信ナルスホールディングスの今後の株価には注目であろう。

   No.3は4.60%のOlympic(2月期決算)であるが、25日移動平均乖離率は高いが、実際の株価の動きはアークランドサカモト、原信ナルスホールディングスのように右上がりではなく、株価が激しく動いているために数字上高くなったといえる。No.4以下は、No.4の相鉄ローゼン(2月期決算)が3.69%、No.5のマミーマート(9月決算)が3.30%、No.6のバロー(3月期決算)が3.24%、No.7のベルク(2月期決算)が3.19%、No.8のPLANT(9月期決算)が3.10%、No.9のフジ(2月期決算)が2.81%、そして、No.10の天満屋ストア(2月期決算)が2.15%である。

   以上が25日移動平均乖離率ベスト10の食品スーパーマーケットであるが、この中で、No.1のアークランドサカモト、No.2の原信ナルスホールディングスの株価の推移のように右肩上がりの食品スーパーマーケットは、No.7のベルクである。ベルクの株価は1月、2月は1,100円から1,150円で推移していたが、3月に入り株価は上昇に転じ、4月に入ると1,200円を越え、その後一時は1,300円を越え、5/3現在では1,258円(-12円、-0.94%)となり、ここ最近は1,250円前後で推移している。

   一方、もう少し、短期、すなわち、5日移動平均乖離率での株価の上昇率を見てみてみると、No.1は大黒天物産(5月期決算)の5.31%、No.2はOlmpic(2月期決算)の4.46%、No.3はユニバース(4月期決算)の3.59%、No.4はPLANT(9月期決算)の3.36%、No.5は相鉄ローゼン(2月期決算)の1.92%、No.6は丸久(2月期決算)の1.68%、No.7はヤオコー(3月期決算)の1.67%、No.8はアークス(2月期決算)の1.28%、No.9はバロー(3月期決算)の0.91%、そして、No.10はエコス(2月期決算)の0.74%である。

   この中で注目は4/24に東証2部に上場したユニバースである。初値は1,581円であり、公募売り出しは1,700円であったので、売り出し価格を7%下回っての上場となった。その後、株価は4/27、一時1,300円まで下がったが、ここ2日間、5/1、5/2は株価は上昇しており、5/2現在、1,412円(+29円、+2.09%)である。

   このように、ここ最近の食品スーパーマーケットの株価で明確な右肩上がりはアークランドサカモトと原信ナルスホールディングの2社が顕著であるが、それ以外の食品スーパーマーケットの株価は短期的には上昇しているものもあるが、全体としては横バイか上下に激しく変動している株価が多いのが実態といえる。来週以降は3月期決算企業の決算短信の公表がはじまるので、連休明けの食品スーパーマーケット各社の株価には注目である。

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May 4, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (3)

May 03, 2007

大黒天物産、2007年5月期の第3四半期決算を公表、大幅増収?

   大黒天物産が4/13、2007年5月期の第3四半期決算を公表した。今期から連結決算も公表しているが、ここでは本業の業績を表す個別決算を中心にみてゆきたい。売上は377.10億円(128.3%)、営業利益17.54億円(110.2%:売上対比4.7%)、経常利益17.55億円(110.4%:売上対比4.7%)、当期純利益9.55億円:売上対比2.5%)と130%近い大幅な増収であり、2桁の増益となり、好決算であった。ただ、売上の伸びほどは利益が増えておらず、昨年と比べ経費の上昇が利益を圧迫している状況である。また、ROAも昨年の8.01%から5.77%へと急激に落ちており、売上の好調さとは対照的である。ただ、ROA5.77%は他の上場食品スーパーマーケットと比べては高水準であり、けっして低い数値ではないが、昨年と比べ落ち幅が大きいのが気になるところだ。

   大黒天物産の増益幅が低かった要因であるが、商品から得られる粗利である売上総利益は昨年が22.7%に対し、今期は23.3%と0.6ポイントと大幅に粗利率が改善されている。しかし、販売費及び一般管理費が昨年は17.3%であったが、今期は18.6%と大きく増えており、これが営業利益率を下げ、昨年の5.4%から4.7%へと0.7ポイントダウンした。売上が128.3%の伸びであったため、営業利益高は110.2%となったが、営業利益率だけで見ると87.03%と大きく昨対を下回った。経常利益率も同様に昨年の5.4%から4.7%へとダウンであり、当期純利益率も昨年の2.9%から2.5%へと下がった。この第3四半期決算では細かい経費項目は公表していないので、中身はわからないが、考えられる原因は、既存店の伸び悩みによる固定費の増加と新規大量出店による出店関連費用の増加が大きかったのではないかと推測される。ちなみに、1/17に公表された中間決算時の経費比率も18.7%であり、昨年の年間経費比率17.2%と比べても今期は経費比率が上昇し、営業利益を圧迫している状況が続いているといえよう。

   これに対し、売上は絶好調であり、この第3四半期までに今期は11店舗出店し、さらに第3四半期以降も2店舗を出店しているので、全体では42店舗となり、今期だけで13店舗増え、ラッシュといってよい状況である。特に、四国への新規出店が多く、愛媛県に5店舗、徳島県に2店舗、香川県に1店舗と計8店舗出店しており、地元岡山から近隣の広島、島根、鳥取、そして兵庫、大阪に加え、四国が今期の大黒天物産の主要ドミナント地域となった。

   一方、これら怒濤の出店の結果、ROA、ROEを見てみると、ROA=自己資本比率×ROEであるが、今期のROA(5.77%)=自己資本比率(48.6%)×ROE(11.88%)であり、昨年はROA(8.01%)=自己資本比率(63.8%)×ROE(8.01%)であったので、自己資本比率が大きく下がったことに加え、ROEも下がっており、結果ROAが大きく下がり、総資産の経営効率が悪化した。

   自己資本比率が63.8%から48.6%へと大きく下がった要因は、純資産については68.29億円から80.32億円と117.61%増えているが、総資産が昨年の107.10億円から165.13億円と154.1%増えたことによる。その内訳を負債面と出店にかかわる資産、営業にかかわる資産に分けてみてみると、まず、負債面であるが、昨年の長短借入金が4.15億円であったものが、今期は43.6億円と約10倍に増えたことである。これは総資産の26.4%であり、年間売上予想の約8%となり、今期大幅な借入を実施したことによる。

   また、資産面では、出店にかかわる資産である建物が46.36億円(145.0%)、土地17.35億円(211.0%)、差入保証金10.27億円(120.2%)と合計73.98億円(151.8%)と大きく増加し、総資産の44.8%である。営業にかかわる資産であるたな卸資産は14.31億円(130.2%)であり総資産の8.6%である。ちなみに、今期の現金および預金は40.04億円(168.9%)であり、総資産の24.2%であり、キャッシュフローは潤沢である。

   このように怒濤の新規出店を借入を積極的に行い、その結果、土地、建物、たな卸資産等が増加し、負債、資産ともに大幅に増加したため、当期純利益が2桁伸びたにもかかわらず、ROE、そしてROAが下がってしまったといえよう。また、経費比率も昨年と比べ大きく上昇したが、これも新規出店にかかわる費用の増加に加え、既存店が伸び悩んでおり、結果、固定費が増えたことによると思われる。ただ、ROA、ROE、そして経費比率も他の上場食品スーパーマーケットと比べるとROA、ROEは高く、経費比率は低い状況であり、現時点では健全な経営状況であるといえよう。ただ、今後も怒濤の出店が継続すると経営バランスが崩れる恐れがあり、今後の経営戦略をどのような方針で臨むかが今後の大黒天物産の大きな分岐点となろう。大黒天物産の次の本決算、そして、来期の経営方針に注目である。

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May 3, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 02, 2007

ベルク、2007年2月期決算、増収、大幅増益、ROA4.57%!

   ベルクが2007年2月期決算を4/10公表した。今期決算は昨年7/31に資本・業務提携したイオンの貢献、特に、トップバリュ導入による粗利面、資材、備品導入による経費面への貢献、そして、経営効率であるROA、ROEへの貢献がどのくらいあったかが問われた決算であった。結果は増収、大幅増益の好決算となったが、ROA、ROEは大きな変化がなく、P/L面では効果があったといえるが、B/S面では今後の課題が残された決算結果であったといえよう。ただ、今期決算は約半年間のイオンとの資本・業務提携の結果であり、次の8月の中間、そして、2008年2月期の決算結果を引き続き見てゆく必要があろう。

   まず、2007年2月期決算の連結の売上は838.52億円(107.1%)、営業利益35.31億円(124.8%:売上対比4.2%)、経常利益36.60億円(121.8%:売上対比4.4%)、当期純利益18.35億円(113.7%:売上対比2.2%)と増収増益であり、特に、営業利益、経常利益が大きく伸びている。ベルクの経営利益の目標は、連結の売上高経常利益率4.5%であるが、今期は4.4%となり、ほぼ目標どおりの結果となった。

    さらに詳しく、粗利、経費の状況を見てみると、トップバリュの貢献度がダイレクトに反映される商品売買から得られる売上総利益は昨年の25.8%から26.0%へと0.2ポイント上昇しており、粗利が改善されていることがわかる。これに、不動産収入等が加わり、営業総利益は昨年の29.3%から29.6%へと0.3ポイント改善した。また、販売費および一般管理費であるが、昨年の25.7%から25.4%へと0.3ポイント改善されており、資材、備品の貢献もあったのではと推測される。これにより、営業利益率は昨年の3.6%から4.2%へと大きく上昇し、売上の伸び107.1%とあいまって、営業利益高が124.8%と2桁の大幅上昇となった。経常利益も昨年の3.8%から4.4%へと連動して0.6ポイントの改善であり、ほぼ経営利益率の目標通りの結果となったといえよう。ただ、当期純利益に関しては減損損失0.83億円、過年度ポイントカード引当金繰入額1.35億円を計上したため昨年の2.1%が2.2%とわずかの上昇となり、結果113.7%となった。

   一方、ROAであるが、今期は8/31にイオンへ対しての第3者割当て増資208.7万株を行い、23.39527億円の資本が増加し、自己資本比率が昨年の51.1%から55.1%へと上昇した。その結果、ROEは当期純利益は113.7%と増えたものの、純資産も昨年の201.94億円から238.65億円へと増えたため8.9%から8.3%へとわずかであるが減少した。しかし、ROAについては4.57%と昨年の4.54%と比べ、わずかであるが上昇した。いずれもわずかな差であり、ほぼ昨年の数字と同じといえよう。したがって、イオンとの資本・業務提携は株主資本、総資産の効率的活用という面では、現段階ではまだ決定的な改善にはつながっていないといえよう。今後、ROA、ROEへどのような貢献につながってゆくかも注目であろう。

   ベルクのROAの分母である総資産を出店にかかわる資産と営業にかかわる資産、そして、負債という面から見てみてみたい。まず、出店にかかわる資産は建物及び構築物が151.66億円、土地96.20億円、差入保証金72.31億円と合計320.17億円であり、総資産の73.9%である。営業にかかわる資産では、たな卸資産22.90億円が大きな項目であり、売掛金は0.05億円とほとんどないため、総資産の5.29%である。したがって、ROA改善のポイントは出店にかかわる資産の73.9%の圧縮が最大の課題であり、この面でのイオンの資本・業務提携の貢献が今後ポイントとなろう。

   また、負債面であるが、短期借入金29.04億円、長期借入金59.40億円、合計88.44億円であり、昨年は103.62億円であったので約15億円削減されており、総資産の20.4%である。負債面では、今回のイオンとの資本・業務提携が大きな効果を直接的にも間接的にも貢献したようであり、財務体質の改善につながったといえよう。

   このように、今期のベルクの決算はイオンとの資本・業務提携が問われる決算であったといえるが、まだ、半年の結果であるが、営業面では早くもその貢献が表れているといえよう。また、財務面でも、資産面ではその効果が顕著ではないが、負債面では約15億円改善されており、資本の増加とあいまって、結果、自己資本比率が増加しており、貢献が表れているといえよう。今後のイオンとの資本・業務提携が資産面への貢献に発展すれば、ベルクの財務体質はさらに改善される。今後のベルクとイオンとの資本・業務提携の次のステップに注目である。

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May 2, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

May 01, 2007

アークス、2007年2月度決算、増収経常増益、ROA4.2%!

   北海道の食品スーパーマーケット、アークスが2007年2月期の決算を4/13に公表した。それによると、売上は2,297.76億円(103.1%)、営業利益73.46億円(115.7%:売上対比3.2%)、経常利益81.08億円(113.1%:売上対比3.5%)、当期純利益39.64億円(98.6%:売上対比1.7%)と当期純利益は、減損会計13.57億円を計上したため、昨対で若干マイナスになったが、営業、経常利益段階では2桁の増益であり、好決算であった。また、ROA(総資産当期純利益率)も4.24%(昨年4.43%)と若干昨対を下回っているが高水準で推移しており、好調な決算といえよう。

   アークスは現在、主要な子会社10社、その他子会社4社、関連会社1社とアークス本体を含め16社で構成された持株会社である。主力業態は食品スーパーマーケットであり、子会社として、福原、ふじ、道東ラルズ、道北ラルズ、ホームストア、道南ラルズがあり、食品の売上構成比は81%である。今期、アークスは、はじめて独自に開発した食品スーパーマーケット、スーパーアークスをデビューさせており、今後、各社がスーパーアークスの出店に取り組み、中長期目標である年商3,000億円を目指すための戦略業態と位置づけている。今期はスーパーアークスを2店舗出店したが、来期も2店舗出店する予定である。スーパーアークスは、これまでのアークスの主力業態であったビックハウスに変わる新たなディスカウント業態であり、ローコスト、ロープライスを志向しながらも、これまでのビックハウスよりも、品揃えの充実をはかったところに特徴がある。

   アークスの今期の粗利率であるが、22.3%と昨年と同じ粗利率である。食品スーパーマーケット業界の中でもかなり低い粗利率であり、ディスカウント志向が強くあらわれているといえよう。これに対し、販売費および一般管理費は19.1%と昨年の19.5%と比べ、さらにローコスト化が進んでおり、数字でみてもロープラス、ローコストが鮮明である。食品スーパーマーケット業界でも20%を切る経費比率の企業は数社であり、アークスがいかにローコスト体質であるかがわかる。したがって、営業利益も昨年の2.8%から3.2%へと大きくアップしており、売上の伸び103.1%が加わり、営業利益、昨対115.7%と2桁の増益となった。経常利益は営業外収益が加わり、3.5%となり、当期純利益が減損会計の計上があったため、98.6%と若干のマイナスであったが、一段とローコスト化が進んでおり、利益を生み出す体制が着々と築かれているといえよう。

   一方、ROAについてであるが、ROA=自己資本比率×ROEであるので、自己資本比率を見ると、55.8%と昨年の54.7%と比べ上昇しているが、今期の減損会計の適用により、当期純利益が昨対を割ったため、ROEは昨年の8.1%から7.6%へと若干さがった。したがって、ROAも昨年の4.43%から4.24%に下がったが、経常利益ベースでのROAは昨年の7.9%から8.6%へと大きく改善しており、今後、減損会計が一段落すれば、ROAは高まってくるものといえよう。

   自己資本比率55.8%を構成する中身であるが、負債面では長短借入金が168.35億円と昨年の177.63億円と比べ約10億円減少しており、総資産に占める割合は17.59%、売上対比では7.32%である。また、純資産も昨年の508.55億円から534.30億円へと約30億円アップしており、他の上場食品スーパーマーケットと比べても、健全な負債、資本の状況といえよう。資産面では、出店にかかわる資産である土地376.02億円、建物及び構築物255.83億円、敷金・保証金73.16億円と合計705.01億円であり、これは総資産の73.7%である。総資産の大半が出店にかかわる費用といえる。また、営業にかかわる資産としては、たな卸資産(在庫)が59.05億円、受取手形および売掛金が10.88億円の合計69.93億円であり、これが総資産の7.31%である。ROAをさらに高めるには出店にかかわる資産73.7%を今後、どこまで圧縮できるかも今後のアークスにとっては課題といえよう。

   このように今期のアークスの決算は好調な決算といえよう。また、食品スーパーマーケット業態以外にも今期からホームセンターのカインズのフラインチャイズ展開がはじっており、さらなる成長が期待できよう。北海道地区は、アークス、イオングループ、コープさっぽろの3極構造の寡占化がますます強まり、いずれも、年商3,000億円をめざし、成長戦略を模索しているが、今期からスタートした新業態、スーパーアークス、新たな業態であるホームセンターのカインズが加わることにより、一層、アークスが目標に速く到達する可能性が高まったといえよう。今後のアークスの新店戦略に注目である。

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May 1, 2007 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (2)