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June 25, 2007

オーケー、2007年3月期決算、増収増益、既存店108.9%!

   食品スーパーマーケット、オーケーの2007年3月期の決算が明らかになった。それによると本業の業績を示す個別決算では売上高1,452.91億円(115.6%)、営業利益65.53億円(117.7%:売上対比4.5%)、経常利益65.70億円(119.5%:売上対比4.5%)、当期純利益38.73億円(123.2%:売上対比2.7%)と大幅な増収増益であった。オーケーは本業以外にも市場調査会社、青果仕入れ会社、不動産会社、食品販売会社、焼肉店を連結子会社として経営しているが、その売上における割合は全体の1%を大きく下回り、本体への影響はほとんどなく、個別=連結といえる経営状況である。なお、連結も同様に増収増益であり、売上高1,454.57億円(115.6%)、営業利益65.43億円(120.2%:売上対比4.5%)、経常利益65.90億円(122.0%:売上対比4.5%)、当期純利益38.97億円(127.5%:売上対比2.7%)であった。

   オーケーは現在、2011年までの経営目標として、「借入無しで、年率30%の成長を達成する」を掲げており、2007年3月期は借入金が社債を含め151.41億円、売上高が115.6%であったので、現段階ではまだ経営目標が射程圏内には入っていないが、この数字の実現を目指しての経営体制を着々と整えつつある。

   オーケーがこのような高い目標を掲げるのは、オーケーが本気でウォールマート、カルフールに追いつこうとしているためである。仮に、現在の売上約1,500億円が年率130%で成長していった場合、8年後に1兆円を越え、16年後にカルフールの現在の年商約10兆円となる。そして、21年後にはウォールマートの現在の年商約40兆円となり、けっして荒唐無稽な計画とはいえず、逆に、130%の成長目標以外、約20年でカルフール、ウォールマートに追いつくことは計算上ありえず、そこから逆算して、年率130%の成長を経営目標に掲げたといえよう。実際、オーケーはいまから20年前の1987年にカルフールと共同して、日本市場のマーケットリサーチを実施しており、この時、当面の目標としてカルフールに追いつこうと密かに決意したのではと思う。年率30%目標をはじめて公表したのは、その後、1996年のことであるが、この時は、カルフールに加え、世界No.1の小売業、ウォールマートをも意識していたのではと思う。

   実際、オーケーの今期の粗利率は19.3%であり、経費比率は何と14.8%、差引き営業利益率は4.5%である。この数字を見る限り、営業の質ではすでにウォールマートを超えており、ウォールマートの2007年1月期の数字は粗利率23.4%、経費比率18.5%、差引き、営業利益は4.8%であるので、ウォールマートよりもはるかにローコスト経営が徹底されているといえよう。ちなみに、日本の上場食品スーパーマーケット約50社ではアオキスーパーが最もローコスト経営を実戦しているが、アオキスーパーの2007年2月期の経費比率は16.3%であるので、この数字をさらに下回り、おそらく、現段階では日本一のローコスト経営の食品スーパーマーケットであろう。

   オーケーはこのローコスト経営を推し進めるために、すでに、ちらしはやめ、会員化に力を入れ、現在80万人がオーケーの会員となっている。これは新規顧客獲得よりも、既存顧客の来店頻度を重視する戦略への転換であり、既存店の数字が108.9%となったことからもそれを裏づけることができる。オーケーは既存店の客数、昨対10%増を掲げており、年率130%達成のためにも既存店が10%以上伸びることが、その実現性により近づくといえよう。また、既存店が大きく伸びることは、固定費が相対的に下がることにもなり、ローコスト経営にとっては重要な基本政策といえる。

   これ以外にも、今期から自動棚割がグロサリーで動き始め、これまでの自動発注に加え、新たなローコスト経営の仕組みができつつある。これもウォールマートがたどってきたローコスト経営へのIT化への独自の応用といえ、ここでも、オーケーはウォールマートのITの仕組みに着々と近づきつつあるといえよう。さらに、現場には今期中には、セブンイレブンのGOTのような自動発注が可能な携帯端末が全店に行き渡るといい、ここでもローコスト経営がさらに進むものといえよう。一方、粗利の方も仕入れ先を絞り、現在340社、上位20社で仕入れの約60%を占めるなど、物流経費、仕入れ原価を下げる体制をおしすすめるなど、EDLP政策へも磨きがかかりつつある。実際、オーケーの売買差益は消耗雑貨14.3%、一般食品17.4%、冷食・乳製品17.4%、菓子・飲料18.4%と低粗利が実現されており、原価を下げ、売価を下げ、EDLPが徹底され、より競争力を高めているといえよう。

   ただ、気になるのはROAが8.25%と低くはないが、その中身であるROEは32.3%と極めて高い数字であるが、自己資本比率が28.8%と極端に低いことである。数年前の15%台と比べれば、その数字は年々改善されているが、それでも自己資本比率が30%を下回っており、当面、この自己資本比率の改善が重要な経営課題といえよう。特に、負債面では、借入金が151.41億円と総資産の32.0%、売上の10.4%と今期も約20億円削減したが、まだままだ高い水準である。また、買掛金が135.34億円と総資産の28.6%と大きく、この2つで総資産の60.6%となり、負債が経営に重くのしかかっているといえよう。経営目標の借入無しが実現すれば、自己資本比率はいっきに約60%と改善されるので、借入金の削減が今後の経営改善の鍵を握っているといえよう。

   一方、出店にかかわる資産は土地131.14億円(101.3%)、建物84.96億円(98.3%)、敷金及び差入保証金77.83億円(119.9%)と合計293.93億円(104.7%)と総資産の62.2%、営業にかかわる資産は商品26.62億円(95.7%)と総資産の5.6%である。純資産は現在135.71億円であるので、現段階では出店にかかわる資産の大部分を借入金で賄っている状況であり、今後、自己資本比率を改善するためにも、そしてROAのさらなる改善をはかるためにも、借入金の削減が大きな経営課題といえよう。

   このように、オーケーは営業段階ではウォールマートの経営数値も越え、着実にローコスト政策にもとづく、EDLPが実現されつつあるが、財務面では、毎年毎年、内容が改善されつつあるとはいえ、借入金が重くのしかかり、思うような新規出店政策がとれない状況といえよう。年率130%の成長を実現するためには、借入金の削減に加え、どこかで資金調達を含めた純資産の改善が必要と思われる。今後のオーケーの営業面の動向だけでなく、財務面の経営戦略の動向にも注目したい。

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June 25, 2007 in 経済・政治・国際 |

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