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June 08, 2007

ドラックストア、カワチ薬局の2007年3月期決算を見る!

   ここへきて、食品スーパーマーケットに続き、ドラックストアも2007年2月期、3月期の決算の公表が一段落し、各社、新年度へ向けて新たなスタートが始まった。前回、好調なサンドラックの決算を取上げたので、今回は、ドラックストア、世界一を目指しているカワチ薬局の2007年3月期の決算を見てみたい。カワチ薬局は、この3月から連結決算を公表しているが、連結子会社の倉持薬局のみなし取得日が会計年度の期末日にあたるため、数字が公表されておらず、ここでは個別の決算をみてゆく。

   売上高は2,073.37億円(103.6%)と微増であったが、営業利益が95.90億円(86.4%:売上対比4.6%)と減益となった。経常利益も97.13億円(86.7%:売上対比4.7%)と減益となったが、当期純利益は54.83億円(132.0%:売上対比2.6%)と大幅な増益となった。当期純利益が大幅な増益となった要因は昨年は減損会計を41.09億円計上したが、今期は0であり、その分、特別損失が大きく削減され、増益となった。また、営業利益が86.4%と減益となった要因は、売上総利益が昨年の21.7%から21.6%へと0.1ポイント下がったことに加え、販売費及び一般管理費が16.2%から17.0%へと0.8ポイント上昇し、結果、差引き営業利益が5.5%から4.6%へと下がったことによる。昨年と比べ、金額で約30億円の経費増であるが、主な増加要因は人件費と賃借料が大きかったといえよう。ただ、経費比率17.0%は、ローコスト経営といえ、売上、特に既存店が回復してくれば、カバーできる数字であり、今後の既存店の動向が鍵を握っているといえよう。

   その既存店の動向であるが、2007年度は厳しい数字で推移しており、特に前半が厳しく、昨年5月度は89.1%となるなど、90%から95%で推移していた。後半からは数字がのびはじめ、この2月には102.4%となるなど持ち直し、年間では96.3%となった。これが、今期、売上が伸び悩み、結果、固定費が相対的に上がり、経費比率の上昇につながったといえよう。ただ、この4月は104.5%、5月は108.4%と好調な数字であり、全体も109.3%、113.8%と好調な売上であるので、この第1四半期決算は期待が持てそうである。

   また、今期の新店については、カワチ薬局は400坪以上のメガドラックを主力業態にすえ、主要生活道路沿いに立地し、ファーマシーモアのコンセプトのもとでドラックストアを越える品揃えを低価格で提供することに努めている。部門別の売上構成比を見ても、医薬品16.5%、化粧品7.5%とドラックストアの中核商品の構成比が合計23.0%と低く、逆に雑貨31.0%、一般食品45.0%と合計76%となり、食品スーパーマーケットの雑貨、グロサリー、日配部門にあたる商品構成比が圧倒的に高いことがカワチ薬局の最大の特徴である。このメガドラックを今期は茨城県、宮城県、栃木県、埼玉県に各2店舗づつ、千葉県に1店舗、そして、新規に静岡県へ1店舗と10店舗出店したことが、既存店の不振をカバーし増収につながった。

   一方、カワチ薬局のROAであるが、3.47%(昨年2.83%)となり、昨年よりも改善している。これはROEが7.2%(昨年5.8%)と当期純利益の増加が寄与したことにより、自己資本比率は48.1%(昨年48.5%)と下がっているので、ROEの改善が大きかったといえよう。ただ、カワチ薬局の経営目標はROE10.0%が中期的な目標であるので、7.2%は目標の約70%であり、今後、一層の改善が課題となる。

   カワチ薬局の自己資本比率48.1%の中身であるが、負債の中の主要な項目である長短借入金は375.04億円(昨年346.07億円)と約30億円削減されているが、総資産の23.74%、売上の18.08%となり、やや経営に負担となるボリュームであり、今後、一層の削減が課題といえる。また出店にかかわる資産については、土地545.14億円(昨年534.55億円)、建物358.92億円(昨年247.78億円)、構築物67.80億円(昨年72.96億円)、そして、差入保証金72.15億円(昨年69.72億円)と合計1044.01億円(昨年925.01億円)となり、昨年よりも約100億円増加し、総資産の66.10%となり、メガドラックの出店はかなりの資産増となっているといえよう。また、営業にかかわる資産である商品は159.35億円(昨年130.80億円)と総資産の10.09%であり、メガドラックストアとしては、雑貨、一般食品の在庫負担も大きいといえよう。

   このように、今期のカワチ薬局の決算は増収減益となる厳しい決算となったが、その要因は既存店のダウンが大きかったといえよう。ただ、減損会計の計上が今期はなかったことにより、当期純利益は大きく増益となり、結果ROEが上昇し、ROAも改善された。しかし、中身を見てみるとメガストア主体の出店戦略が、出店にかかわる資産および在庫を増加させており、長短借入金も削減したとはいえ、高めの水準であり、今後、一層の経営改善、特に、借入金の削減と出店コストをいかにおさえるかの資産の圧縮が課題といえよう。そのためにも、既存店の数字改善は急務であり、滑りだし順調な既存店が今後どのように推移するかが、今期のカワチ薬局の重要なポイントといえよう。今後のカワチ薬局の既存店の動向に注目したい。

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June 8, 2007 in ドラックストア, 経済・政治・国際 |

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