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November 30, 2007

日清食品の中間決算を見る!

   本ブログもJT(日本たばこ)、加ト吉と取り上げたので、今回は日清食品について、最新の決算数字、2008年3月期の中間決算の数字をもとに見てみたい。JTもギャラハーへの大型投資2兆円強をこの4月に実施、今回、新たに約1,000億円(日清食品が約500億円の投資となるので、実質約500億円)の投資を加ト吉に実施することになるが、日清食品もこの3月に明星食品へ約300億円の投資を行い子会社化しており、今回、加ト吉へ対してJTを通じて、新たに約500億円の投資をすることになる。今回の加ト吉にかかわるJT、日清食品、両企業ともM&Aを通じた売上規模の拡大を積極的にここ最近行っているといえる。特に、日清食品のM&Aの背景にはスティールパートナーズの動きも見え隠れし、食品業界は急激に外資、異業種を含めたM&Aの本格的な時代に入ったといえよう。

   さて、日清食品の2008年3月期の中間決算であるが、この10/31に公表されたが、今期から明星食品が新たに連結されたため、連結の数字と日清食品単独の数字の両方を見てみたい。まず、連結の数字であるが、売上高1,897.34 億円(124.4%)、営業利益113.20億円(80.3%:売上対比5.96%)、経常利益144.96億円(89.2%:売上対比7.64%)、当期純利益54.78億円(57.9%:売上対比2.88%)となり、売上高は明星食品の連結効果により、大幅な増収となったが、営業利益以下、すべての利益が減益となるやや厳しい中間決算となった。また、個別の数字を見ると、売上高1,088.96 億円(97.8%)、営業利益99.73億円(76.4%:売上対比9.15%)、経常利益121.44億円(81.7%:売上対比11.15%)、当期純利益3.03億円(3.5%:売上対比0.27%)となり、減収減益の厳しい決算数字であり、明星食品の連結の貢献が極めて大きいといえよう。特に、当期純利益が個別では厳しい状況となったが、これはニッシンフーズ(USA)の特損などが約60億円発生したためである。

   ただ、日清食品の自己資本比率は、この中間決算時の連結では69.9%と昨年の74.1%よりは下回ったが、前期本決算時の68.7%を上回っており、きわめて安定的な財務状況であるといえる。実際、負債面を見てみると、長短借入金が37.78億円(昨年29.19億円)のみであり、これは総資産のわずか0.92%であり、ほぼ無借金経営といってよい借入金額である。また、純資産の中でも利益剰余金が際立っており、2,202.09億円と純資産の75.4%を占め、総資産の54.0%となる。

   一方、資産に目を転じると、最も大きな資産項目は投資有価証券であり、1,452.56億円と総資産の35.66%を占め、ついで、現金684.18億円となる。この2つの項目を合わせると、2,000億円を超え、利益剰余金と一致する金額となり、資産の大部分を現金と有価証券で保管していることになる。ちなみに、日清食品の有価証券の中身であるが、株式に約500億円、社債・国債に約700億円、その他に約200億円と3分割してのポートフォリオでの運用となっている。これ以外には、受取手形及び売掛金493.18億円、土地438.59億円、建物及び構築物304.10億円となる。スティールパートナーズの狙いはまさにこの約2,000億円の株主還元にあるといえよう。

   一方、この中間決算時の売上、粗利、経費、営業利益の関係であるが、売上総利益は昨年の50.4%から今期は49.5%へと0.9ポイント減少している。これは原料の値上げ、競争の激化等が響いているものと思われる。また、販売費及び一般管理費も昨年の41.3%から43.5%へと2.2ポイント上昇しており、差し引き、営業利益が昨年の9.3%から6.0%へと3.3ポイントと激減している。売上は124.4%と大幅に伸びたが、粗利、経費がどちらも大きく悪化したため、厳しい営業利益となった構図である。ただ、営業利益については、国内も厳しかったが、今期は売上の10%弱を占める北米の不振が特に大きく、営業赤字を計上しており、今後、北米(アメリカ、メキシコ)の業績改善が急務といえよう。

   このような背景を考えると、今回、日清食品が新たに冷凍食品市場にJTと組み本格的な参入をするのも理解できる戦略である。ますます厳しくなるカップ麺、袋麺市場の今後を考えると、今回の明星食品のようなM&Aを除き、安定した成長戦略を維持することは難しい段階にきているといえ、新たな食品分野を開拓しての成長が期待されるといえ、そこに今回、冷凍食品市場に白羽の矢がたったものと思われる。

   加ト吉のTOBが11/28から開始されたが、実際に日清食品の業績に反映されてくるのは来期決算からといえ、今回の中間決算を受けて、連結した明星食品との相乗効果がどこまで業績に反映され、北米市場が今後どのような数字になるかが、今期の日清食品の業績改善の鍵を握っているといえる。加ト吉へのTOBの動向とともに、日清食品の次の第3四半期決算、そして、本決算に注目したい。

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November 30, 2007 in 経済・政治・国際 |

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