« 大発会、速報、食品スーパーマーケットの株価、今年のゆくへは? | Main | オークワ、2008年2月期、第3四半期決算、増収増益! »

January 07, 2008

IDと時間で販促を考えてみる!

   ちょうど、本日の食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ版の「コンサルティング、現場からのミニレポート」に第65回目として、「IDと時間について」というミニレポートを掲載したが、これを書いていて、食品スーパーマーケットの販促が気になった。そこで、改めて、IDと時間という、恐らく、今年の最大のテーマ、キー概念となると思われるが、このキー概念をもとに食品スーパーマーケットの販促を考えてみたい。

   食品スーパーマーケットにおける販促の大半はちらしといっても過言ではなく、その目的は近隣世帯へ特売商品を価格訴求することにより、集客をはかることにあるといえる。売上は客数×客単価であるので、ちらしは、この客数をいかにあげるかに焦点を絞った販促方法であるといえよう。そこで、ここに、先のキー概念、IDと時間を入れるとどのような販促になるのかを考えてみたい。まず、IDであるが、客数はIDを入れることにより、客数=ID客数×頻度という式になる。客単価も同様に、客単価=ID客単価×頻度という式になる。そして、この2つを結合すると、売上=(ID客数×頻度)×(ID客単価×頻度)となる。したがって、先のちらしの目的である客数アップをはかるためには、客数=ID客数×頻度となるので、ちらしの目的が2つとなり、ひとつは、IDを増やすことができるか、そして、もうひとつは、頻度を増やすことができるかとなる。ここから、ちらしを見直すと同時に、ちらしでは補えない手段を新たに開発することも必要となる。

   まず、IDを増やすには、ちらしの撒き方、頒布地域とその方法を見直す必要があろう。頒布地域を見直すには、新規IDを獲得したい地域、IDが十分に獲得できていない地域にちらしを撒くことになるので、事前にIDの少ない地域を調べる必要がある。そして、そこに重点的にちらしをまくことになるが、当然、可能であれば、ちらし内容を変える必要もあろう。一番良い方法は、ちらしを来店販促クーポンのように使い、このちらし持参の方、お好きな商品20%引き、30%引きなどが、新規IDに焦点を絞ったちらしとなろう。

   次に、頻度を増やすには、ちらしの中身を見直す必要が最も重要な販促であると思われる。頻度は突きめれば、単品1品1品の頻度の集積でもあるので、全商品の頻度分析を行い、頻度の高い商品ベスト100品をちらしに載せるなどすることにより、既存のID顧客の来店頻度をさらに促すことにつながってこよう。また、ここでもちらしを来店頻度促進クーポンのように使い、ID増加策同様、お好きな商品20%引き、30%引きも有効な手段となろう。この頻度分析はIDデータなしに算出することは不可能な数字であり、PI値が高いから頻度が高いとは限らず、PI値分析だけでは頻度の高い商品を把握することは困難である。

   さて、これに時間というキー概念を組み入れるとどのような販促となるかであるが、時間を組み入れるとは、客数を増加させる手法にもなるが、むしろ客単価を増加させる手法に重点があるといえ、客単価=ID客単価×頻度の頻度とID客単価の増加策のひとつととらえることができるように思う。時間とは一般的には店舗に入り、買い物をし、レジで精算するまでの一連の時間を指しているように思われているが、実は、時間とはもう少し、広くとらえることがポイントであり、その一瞬の時間ではなく、顧客の生涯の時間のどのくらいを店舗で費やしてもらえるかを時間ととらえることがポイントである。いわば、ライフタイム時間バリュといってもよく、顧客一人一人の生涯時間の店舗での時間構成比ともいえよう。

   このように考えると、時間とは客単価3D分析同様、3つの軸でとらえることが可能となり、ひとつは客数PI値にあたる注目度、2つ目は、PPIにあたる来店頻度、3つめは、一般的な時間観念に近い買い物時間であるその商品を選定する時間である。この3つをバランスよく増やすことが、顧客のライフタイム時間バリュを増大させる方向になるといえよう。特に、頻度は客単価=ID客単価×頻度、客数=ID客数×頻度の客単価、客数双方のキー概念であり、重要な政策であるといえる。また、注目度、商品選定時間を上げることにより、商品購入に結びつく可能性が増え、ID客単価の増大につながるといえよう。その意味で、時間を増大させる、すなわち、ライフタイム時間バリュの増大は極めて重要な政策といえよう。

   では、具体的にはどのような政策が時間増大、ライフタイム時間バリュに結び付くかであるが、注目度をあげるためには主動線からわかりやすい場所、注意を引きつけるための5感に訴える販促がポイントとなろう。商品選定時間を引き上げるには、商品の価値をしっかり説明するPOP、試食、場合によっては対面サービスなどがポイントとなろう。POPも無味乾燥なものではなく、商品一品一品にふさわしいPOPが望ましい。メーカーは必死で商品一品一品のパッケージ、説明、デザイン等を考えているが、小売業の棚に入ると統一POPとなり、商品選定時間を引き上げるどころか、素通りしてしまうPOPとなってしまい、ライフタイム時間バリューとは逆行するPOPが多いのが残念である。そして、来店頻度であるが、これは一度商品を購入したら、次に同じ商品を購入してもらえるような仕組みを入れることがポイントであり、次回来店クーポン、ホームページと連動させ、クーポンを発券するなどの仕組みがポイントとなろう。

   このようなIDと時間を販促に組み込むことにより、現状のちらしを中心にした販促の見直し、新たな販促手法の開発、客数だけでなく、客単価をも意図した販促が考えられ、また、そのためには小売業だけでなく、メーカーの協力も得ながら、新たな販促手法を生み出すことも可能となろう。今年はこの2つのキー概念、IDと時間にこだわった課題に挑戦してみたいと思う。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在297人)
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在996人)
PI研厳選!オリジナルe-book、CD 発売!

January 7, 2008 in 経済・政治・国際 |

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/62283/17590248

Listed below are links to weblogs that reference IDと時間で販促を考えてみる!:

» 販促 グッズ from 販促 グッズ
販促 グッズの紹介 [Read More]

Tracked on Jan 9, 2008 12:27:47 AM

Comments

修正

PI値は買上点数÷客数ですので、IDがわかれば、=買上点数÷(ID数×来店頻度)となり、=ID-PI値×来店頻度となります。

はPI値=ID-PI値×1/来店頻度ですね。

したがって、PI値=ID-PI値/来店頻度ないしは、PI値×来店頻度=ID-PI値となり、PI値はID-PI値に比例し、来店頻度に反比例することになります。


Posted by: PI研 | Jan 15, 2008 9:59:32 PM

ご意見ありがとうございます。

ご指摘の仮説、早い機会に実証したいと思います。

PI値は買上点数÷客数ですので、IDがわかれば、=買上点数÷(ID数×来店頻度)となり、=ID-PI値×来店頻度となります。

さらにID-PI値=買上点数÷(購入顧客のID+非購入顧客のID)に注目すると、ID-PI値=買上点数÷(購入顧客のID+非購入顧客のID)=(買上点数÷購入顧客のID)×(購入顧客のID÷(購入顧客のID+非購入顧客のID))となり、=(ID-PPI)×(ID-客数PI値)となると思います。

こうなると、PI値をID数の割合(ID客数PI値)が低いのか、ID数当りのPI値(ID-PPI)が低いのか、それとも来店頻度が低いのかに分解でき、とりあえず、来店頻度を除外し、買い控えの理由をID数の割合かID-PPIに特定できるのではないかと思います。

特にID数の割合が低い場合が、まさに、買い控えといえるのではないかと思います。

ただ、ここで、すぐに非購入顧客のIDへ働きかけ、クーポン、ポイントに走るのは危険であり、その前に、鮮度、欠品、価格政策、棚割、レイアウト、POP等の販促を見直す必要があります。

その原因を改善しておかないと、ざるのように顧客がすりぬけ、来店頻度が下がり、PPIが下がり、最後には客数PI値が下がり、もとにもどってしまうからです。マーチャンダイジングはID-POSの時代ほどより重要になると思います。

という方向でIDの活用が可能ではと思っています。

Posted by: PI研 | Jan 15, 2008 1:50:59 AM

IDを使った分析の可能性について非常に興味があります。

今、持っている疑問としては、お客様というのはある特定の商品群に手を出さない傾向があるのではないかという仮説です。

一般的な会話として「私はあそこのお店でお肉を買わない」「魚を買うときはあそこのスーパーに行く」という会話が良く聞かれるような気がしますが、IDで実際に分析を行なうとそのような傾向があるのかないのかが良くわかりません。

JANコードがついた商品に関してはそのような傾向は低いと思いますが、特に生鮮商品にそのような傾向が存在するのではないかと考えております。

もし、お客様によって買い控えの傾向があるとすれば客単価や頻度を上げるポイントとしてその部門の改善が上げられると思いますし、実際にその部門の改善の方針が立てやすいと思われます。

全体としてのPI値だけですと、良く売れている商品しかわかりませんので強化や改善の方針がぼやけやすいのですが、IDを使った分析を行なうと、来店客の一部しかその部門を利用していないのでPI値が低いのか、来店客のほとんどが利用しているのにPI値が低いのかを区別できます。
すると、商品の質に問題があるのか価格に問題があるのか、または商品構成に問題があるのかなどが区別できるようになるのではないかと思われます。

もともと、生鮮部門は客単価が高いわけですから、少し改善しただけで大きな効果があるのではないかと感じます。

Posted by: niwadaiya | Jan 7, 2008 9:55:21 AM

Post a comment