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June 19, 2008

ID分析の決定的な違いとは?

    前回のブログで、レシート分析の世界とID分析の世界が互いに客数PI値でつながっていることを解説した。また、基本的にこの2つはレシート分析≦ID分析という関係があり、ID分析はレシート分析の上位概念と捉えられ、レシート分析で可能な分析はID分析ですべて可能であるが、逆にID分析で可能な分析の中にはレシート分析でできない分析があるということも解説した。そのひとつが、ID特有の顧客セグメントであり、たとえば、顧客属性がこれにあたる。ただ、顧客属性は通常のポイントカードでは正確に把握することが難しく、性別はかなり確かな属性として把握できても、年齢、その他は入会時に正確に記入してもらえるかは難しいものがあり、現実の食品スーパーマーケットのポイントカードでは属性の正確な把握はかなり難しいのが実態である。

   そこで、食品スーパーマーケットでID特有の絶対的な顧客セグメントは何かと考えて行くと、現在最も精度の高い顧客セグメントは購買行動によるセグメントであるといえよう。その中でも、ほぼ実用化され、定評のある顧客セグメントは購買頻度による顧客セグメントである。典型的な分析方法が、IDをその商品に購入経験により、セグメントすることである。その商品を購入したか、しなかったかはレシート分析でもできる顧客セグメントできるが、商品を購入した経験があるか、そして、その中でも、複数回購入した経験があるかについては、ID分析以外把握できない顧客セグメントであり、レシート分析では、購入レシートと未購入レシートの区別まではつくが、購入レシートの中で複数回購入しているかを区別することは不可能な話である。また、未購入のレシートにおいても、レシート枚数まではわかるが、そのIDが何人なのかまでは把握ができず、ここでもIDとレシートの差が明確である。

   その意味で、レシート分析とID分析の決定的な違いは、特に食品スーパーマーケットにおいては顧客属性よりも、顧客の購買行動にあるといえ、その観点から顧客セグメントに分けて分析できることにあるといえよう。

   では、この時、売上を分解すると、どのような数式になるかを考えてみたい。数式を簡単にするために、典型的なケースを考えてみる。バナナの購入顧客、すなわち、IDが10人であった場合、このIDを分析してみた結果、はじめてバナナを購入したIDが3人、バナナを複数回購入した経験のあるIDが7人であった場合である。通常のレシート分析ではこれらは区別できないため、10人の総レシート枚数が客数となり、レシート分析が進んでゆく。ID分析の場合は、このような購買行動の区別が可能なため、はじめて購入したバナナの購入顧客3人のIDをセグメント客数にした分析と、バナナの複数購入顧客7人のIDをセグメント客数にした分析とに分けることができ、バナナ全体のID、10人の中身をバナナの購買行動で分けることが可能となる。この時の基本は10ID=3ID+7IDとなり、これがID分析の基本となる。

   すなわち、レシート分析ではひたすらレシートの枚数を増やすか、レシート内の売上金額である金額PI値を引きあげるかにより、バナナの売上を伸ばすマーチャンダイジングのみであった。これが、ID分析では、そのレシート枚数の中身がID10人、さらには、はじめてバナナを購入したID3人、バナナを複数回購入したID7人とに分けられ、それぞれ、そのレシート枚数、レシートの売上、金額PI値が把握できる。したがって、そのマーチャンダイジングは、ID10人を11人、12人とすることであり、そのためには、バナナをまだ購入していない顧客にバナナの購入を促すことであり、さらに、バナナをはじめて購入した顧客に再度購入を促すことであり、理想的には全顧客IDにバナナを購入してもらい、しかも、複数回、バナナを購入してもらうようなマーチャンダイジングの仮説をつくって、商品からのアプローチとID特有の直接何らかの方法で顧客IDに働きかけることにより、バナナの売上をのばすことが、ID特有のマーチャンダイジングといえる。

   このように、ID分析は同じ購入客の購買行動にまで踏み込み、その顧客セグメントにもとづいたマーチャンダイジングを改善することにより、顧客の数を増やしながら、その購買行動にもとづいたマーチャンダイジング政策を検討し、改善することが可能となるのが最大の特徴といえよう。

   実は、レシート分析でもこのような考え方を応用すると様々な分析が可能となる。たとえば、バナナを購入しているレシートと購入していないレシートを分析し、顧客をセグメントする方法である。通常バナナの購入しているレシートはバナナの売上金額、売上数量があがるので、分析対象となるが、バナナを購入していないレシートはバナナの売上金額0、売上数量0であるため、活用されることなく捨てられるが、バナナ以外の購入商品の数字、たとえば、レシート全体の数字であれば、活用可能となり、バナナの購入レシートのセグメントとバナナを購入していないレシートのセグメントに分けて分析するなど、様々な分析が可能となる。顧客セグメントはその意味で実に奥が深いテーマであり、ID分析の醍醐味でもある。

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June 19, 2008 in 経済・政治・国際 |

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