« May 2008 | Main | July 2008 »

June 30, 2008

Chain Store Age、7/01号、POS分析で売場改革、第4弾!

    いよいよ、Chain Store Age での「POS分析で売場改革」、実践講座も7/01号で第4弾となった。今回から、POSデータも特定店舗の生データを活用しての分析となり、そのまま、その店舗で活用できる分析内容を目指している。今回の商品はビールとウィスキーであり、その重点商品を実際にPOS分析してみた。特に、前回、PI値と平均単価の関係を解説したので、今回はさらに、その内容を深め、金額PI値=PI値×平均単価というマーチャンダイジングの根幹の公式をもとに、ビールとウィスキーでPOS分析を試みた。

   マーチャンダイジングとは何かをつきつめてゆくと、金額PI値=PI値×平均単価につきあたる。そもそも、マーチャンダイジングはどこからはじまるかであるが、それは顧客と商品との接点からはじまる。食品スーパーマーケットには約10,000の商品が売場で展開されており、顧客は1日平均約2,000人が来店している。したがって、食品スーパーマーケットでは、毎日、約2,000人の顧客が約10,000の商品の中から生活に必要な商品をピックアップし、レジでお金と商品を交換している。マーチャンダイジングとは、この商品とお金の変換にあたって、可能な限り、お金をいただけるような商品政策を作り、これを実行に移すことである。そして、そのためには、商品とお金の関係を分析し、1円でも多く、お金がいただける仕組みをつくることがポイントとなる。その分析手法がPOS分析であり、これまで、様々なPOS分析が試みられてきたが、今回は、その中でも、最も基本となるPOS分析を解説した。

   商品とお金との関係は売上から始まる。売上には売上金額と売上数量があるが、この2つは売上金額=売上数量×平均単価(売上金額÷売上数量)で関係づけられる。初期の頃のPOS分析はこの数式で分析していた。ところがこれでは、単独店の場合はともかく、チェーンストアの場合は売上金額が客数により、まちまちとなり、分析が難しく、これを客数で割ったPI値が活用されるようになった。すなわち、売上金額=売上数量×平均単価の双方を客数で割り、金額PI値=PI値×平均単価である。これが、顧客と商品との接点をお金で説明した基本数式であり、POS分析の根幹の数式である。

   したがって、食品スーパーマーケットにおけるPOS分析とは、約10,000の全商品をこの金額PI値=PI値×平均単価に分解することからはじまる。今回のChain Store Age、7/01号では、ビールとウィスキーの全品を分解し、その中から、重点商品についてグラフ化して分析しやすいようにし、解説を加えたものであるが、POS分析とは、まさに、金額PI値=PI値×平均単価への分解から始まるといっても過言ではない。

   しかも、今回、金額PI値の評価方法をも示したが、金額PI値はPI値×平均単価であるので、これを図表1に示したように、6象限で分析することが可能となり、AからFまでの6つの評価が可能となる。実際、これを図表2ではビールについて、重点商品16品の評価とグラフ化を、同様に図表3ではウィスキーの重点商品12品の評価とグラフ化を試みたが、どちらも、y=1/x上にすべての重点商品が並ぶ結果となった。

   そして、マーチャンダイジングとはこの中心点、ビールの場合はPI値1.68個、平均単価1,290円を通る、金額PI値2,171.8円をいかに増加させるかがマーチャンダイジングそのものであるといえる。ウィスキーも同様に、PI値0.79個、平均単価1,495円を通る、金額PI値98.57円をいかに大きくするかがマーチャンダイジングそのものである。もし、何らかのマーチャンダイジング政策(仮説)を立案し、アクションを起こした結果、ビールでいえば、金額PI値2,171.8円、ウィスキーでいえば、金額PI値98.57円より、数字が上がれば、マーチャンダイジングは成功、下がれば失敗と判断し、再度、マーチャンダイジング政策を見直し、新たな仮説を立てる必要がある。

   今回のPOSデータは実際の特定の食品スーパーマーケットのデータであるが、ビールもウィスキーも興味深い結果となった。グラフを見ると、どちらも右下に金額PI値の大きな円、すなわち、金額PI値の高い商品、ビールはアサヒスーパードライ6缶350ml、ウィスキーではサントリーウィスキー角瓶レギュラー700mlがきた。同様に、左上に金額PI値の大きな円、すなわち、ビールではアサヒスーパードライ350箱350ml×24、ウィスキーではサントリーウィスキー角瓶ジャンボ1920mlが来ており、この両極端の重点商品がマーチャンダイジングの鍵を握っていることが分析できた。特に、ウィスキーは右下よりも左上の商品、平均単価の高い商品がマーチャンダイジングを強化するポイントであるのに対し、ビールは右下のPI値の高い商品も左上の平均単価の高い商品もバランスよく強化することがポイントであることがわかる。

   POS分析とはこのように、商品1品1品を金額PI値=PI値×平均単価に分解することからはじまる。そして、その数表とグラフとをじっと眺めることにより、マーチャンダイジング改善の仮説が次々とイメージ化され、マーチャンダイジングの目的である金額PI値を引き上げる課題の商品とその具体策が見えてくるものである。次回も、さらに踏み込んだPOS分析を試みてみたい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1160人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在436人)

June 30, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 29, 2008

CPI(消費者物価指数)、2008年5月度、101.7%!

   CPI(消費者物価指数)が上がりはじめた。6/27、総務省統計局が公表したCPIを見ると、101.7%と前月比0.8%の上昇となった。前年比で見ると、101.3%(生鮮食料品を除くと101.5%)となり、上昇に転じ始めたといえよう。実際に、この3年間のグラフを見ると、明らかに、この1月からCPIが上昇しており、しかも、今回公表された5月度は最高の上昇率となった。ただ、グラフは3つ公開されており、総合指数、生鮮食品を除く指数の動き、そして、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数であるが、この内、前の2つは上昇率が明確であるが、最後のグラフはむしろ下がっており、今回のCPIの上昇は明らかに、食料、エネルギーの急激な高騰によるものであるが、今後、全体のCPIの上昇につながりかねないともいえ、厳しい消費環境が予想される。

   そこで、まず食料の主な項目について、前年同月比の高いものを見てみると、スパゲティ32.2%(前月30.2%)、チーズ27.7%(27.7%)、チョコレート23.2%(1.3%)、即席めん20.7%(18.4%)、食用油16.6%(13.4%)、うなぎかば焼14.6%(11.1%)、マヨネーズ13.0%(16.0%)、マーガリン12.2%(13.3%)、落花生12.2%(10.1%)、食パン12.0%(10.8%)という状況である。チョコレートは今月から大幅な値上げとなっており、それ以外は先月に続いて高値が続いている状況である。

   同様にエネルギー関連を見ると、灯油27.6%(前月28.5%)、ガソリン18.0%(0.7%)、プロパンガス8.6%(8.4%)、電気代3.5%(3.5%)、都市ガス代3.0%(3.4%)とガソリン代は国会で法案が再可決されたことにより、もとにもどっており、エネルギー関連は全般的に高値が続いている。これに伴い、交通関連も値上げが起こっており、航空運賃7.4%(前月5.1%)、タクシー代5.6%(5.9%)である。ただ、移動電話通話料は-0.1%(-0.1%)と若干下がっており、自動車保険料(自賠責)は-26.6%(-26.6%)と大きく下がっている。

   また、これら3大項目が大きく消費者物価指数を押し上げているといえるが、全体のCPIが101.7%でとどまっているのは、耐久消費財が逆に大きく下がっており、これでバランスがとられちているためといえよう。たとえば、パソコン(ノート型)-36.0%(前月-38.8%)、カメラ-27.8%(-28.1%)、テレビ(薄型)-20.7%(-19.3%)、パソコン(デスクトップ型)-19.6%(-18.9%)という大幅に価格が下がっている状況であり、食品、資源、エネルギー関連の動きとは対照的な動きとなっている。

   ここで、さらに細かく、CPI(消費者物価指数)で見て、上昇率が高いものを見てみたい。まず、CPIが115%以上、上昇したのは、さといも178.7%、灯油155.9%、自動車バッテリー140.5%、チーズ140.1%、指輪135.6%、すいか135.5%、レモン134.0%、はくさい131.9%、ガソリン128.6%、かぼちゃ128.3%、にんじん127.2%、ごぼう126.2%、スパゲッティ126.1%、ブラウス(半袖)125.5%、れんこん124.7%、チョコレート122.3%、うなぎかば焼き121.2%、ねぎ120.6%、かつお120.4%、冷凍調理コロッケ119.9%、出産入院料(国立)119.7%、外国パック旅行118.7%、たい117.8%、メロン117.3%、婦人セーター(半袖)117.3%、即席めん117.1%、プロパンガス116.0%、スカート(春夏物)115.9%、女児スカート(夏物)115.0% の29項目である。気になるのは、いわゆる野菜の中でも土ものといわれる、さといもがトップ、それ以外にもにんじん、ごぼう、れんこんがあり、野菜の中でも明暗がわかれている状況である。また、意外なものとして、指輪、ブラウス(半袖)、婦人セーター(半袖)、スカート(春夏物)、女児スカート(夏物)、出産入院料(国立)なども大きくCPIが上昇している。

   これに対し、CPIが大きく下がり、85%以下となったものについては、パソコン(ノート型) 38.1%、カメラ40.8%、パソコン用プリンタ45.9%、テレビ(薄型)47.8%、DVDレコーダー56.9%、パソコン(デスクトップ型) 57.5%、ビデオカメラ59.7%、電気洗濯機(洗濯乾燥機)69.0%、ステレオセット71.3%、電気冷蔵庫71.6%、電子レンジ73.4%、電気洗濯機(全自動洗濯機)73.9%、自動車保険料(自賠責)77.4%、レタス78.7%、カーナビゲーション78.9%、家庭用ゲーム機(携帯型)81.0%、家庭用ゲーム機(据置型) TV 81.3%、録画用DVD81.7%、移動電話機82.3%、いちご82.4%、固定電話機 83.3%、電気掃除機83.6%、ルームエアコン84.9%、ゴルフクラブ85.1%、の24項目である。食品関連ではレタス、いちごが入っているが、それ以外は家電関連が圧倒的に多いのが特徴といえよう。

   このように、この5月度のCPIはここ最近では最大の上昇率となり、101.7%(前年同月比101.5%)となった。ただ、この中にはCPIが大きく下がった家電関連も含まれているので、食料品、資源、エネルギーのみに絞った場合はさらに上昇率は高くなるといえよう。ちなみに、食品のみでは103.3%であり、光熱・水道費では109.6%であり、この2部門は平均の101.7%を大きく上回っており、インフレの様相を呈してきたといえよう。来月以降も値上げはさらに予想されており、今後、CPIがどこまで上昇するのか、予断を許さない消費動向が続くといえよう。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1157人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在436人)

June 29, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 28, 2008

日経MJ、新製品週間ランキング、6/27、菓子ラッシュ!

   日経MJ新製品ランキングが6/27公表された。ここ最近各部門で新製品の動きが活発になりつつあるが、今週は菓子部門の動向に注目といえよう。ランキングに掲載される20品の内、7品が今週初登場の新製品で占められ、初登場の新製品が最も多い部門となった。No.1、No.2は先週同様、カルビー、夏ポテトこだわりの浜御塩80g、金額PI値252円、夏ポテト紀州の南高梅75g、金額PI値248円であるが、No.3に初登場のロッテ商事、コアラのマーチ<高原のソフトクリーム>55g、金額PI値245円が入った。コアラのマーチはNo.5にも、初登場の<七夕限定>55gが金額PI値178円で入っており、人気の高さを伺わせているといえよう。No.4にも初登場のネスレコンフェクショナリー、キットカットミニ星に願いをダブルベリー14枚が金額PI値181円で入り、これ以外にも4品菓子に初登場の新製品がランクインしており、今週は菓子がアクティブに動いた週となった。

   菓子部門についで、今週、これまでと少し違った動きとなった部門は冷凍食品部門である。ここ数週間、ベスト20品すべて、アイスクリームが独占していたが、久しぶりに、冷凍食品から1品であるが、ランクインした。No.13に入った日清食品、スパ王ジューシーなナポリタン280g、金額PI値43円である。ただ、カバー率が21.6%であり、しかも、金額PI値も43円という低さであり、冷凍食品部門はアイスクリームも含め、金額PI値でみると厳しい状況である。そのアイスクリームであるが、No.1は、先週同様、ハーゲンダッツジャパン、ソルベミニカップアルフォンソマンゴー120ml、金額PI値153円であった。No.2には先週10位から急浮上したロッテアイス、クーリッシュ<バニラ>140ml、金額PI値132円であり、No.3にもロッテアイスのぎゅぎゅっとオレンジ&グレープ110ml、金額PI値132円が入った。アイスクリームはNo.2以下は順位がめまぐるしく変わっており、新製品の動向には今後注意が必要といえよう。

   また、先週注目の新製品であった飲料部門の日本コカ・コーラ、ファンタふるふるシェイカーグレープ190mlであるが、金額PI値は予想どおり、489円ダウンの914円となったが、依然としてNo.2、しかも金額PI値は超Aクラスを維持しており、注目の新製品といえよう。まだまだ、落ち着いた数字とはいえず、どの辺で金額PI値が安定するかわからないが、金額PI値914円は極めて高い数字である。ファンタオレンジもNo.5で金額PI値458円と高い数字を維持しており、このふるふるシリーズは大ヒット商品といえよう。今後、夏本番に向けて注目の大型商品となる可能性が高まってきたといえる。

   飲料部門No.1は先週2位に一旦下がったが、ふたたび逆転となった明治乳業、おいしい牛乳1000mlであり、金額PI値も1,326円と先週比-10円であり、安定した超Aランクの水準を維持しており、値上げ後も確実に高い金額PI値を維持しているといえよう。6/25の日経MJでもおいしい牛乳の全面広告をこの金額PI値と平均単価の推移を乗せていたが、その数字のとおりの強さを、ここでも示しており、新製品というより、定番としてしっかり強化したい商品といえよう。

   これ以外でも飲料部門は金額PI値の高い新製品がひしめきあっており、No.3にも明治乳業、おいしい牛乳スーパーESL1000ml、金額PI値743円、No.4に日本ミルクコミュニティ、毎日骨太3つのチカラ1000ml、金額PI値550円とAランクの新製品が入った。また、No.6、No.7にも明治乳業、おいしい牛乳500ml紙パック、金額PI値423円、北海道十勝牛乳1000ml、金額PI値423円が入るなど、いわゆる値上げ関連の新製品が、ファンタを除き、上位を独占している状況である。残念ながら、今週は初登場の新製品は1品もないが、気温の上昇とともに、今後、飲料部門は注目の部門といえよう。

   その他食品部門では、ベスト3は先週同様、No.1に日本ミルクコミュニティ、牧場の朝ヨーグルト生乳仕立て80g×3、金額PI値428円、No.2、No.3に敷島パン、超熟ロール6個入り、金額PI値382円、スナックパンチョコ8本入、金額PI値282円であった。ただ、No.4には先週No.14から急浮上した日本ハム、石窯工房マルゲリータピザ186gが金額PI値216円で入り、No.6にも先週No.37からパルエース、上白糖1kgが金額PI値205円で入るなど、少し、変動が見え始めている。
 
   最後に、家庭用品部門であるが、No.1は不動のカネボウ化粧品、ブランシールスペリアホワイトニングコンクルージョン(医薬部外品)45ml、金額PI値583円であるが、No.2に初登場の花王、アタック1kg、金額PI値269円が入った。また、No.5にマックスファクター、SK-ⅡフェイシャルトリートメントUVプロテクション30g、金額PI値194円、No.8に資生堂、TSUBAKIジャンボサイズペアセット550ml×550mlが金額PI値119円、初登場など、少し変化が見られる。

   このように、今週の日経MJ、新製品週間ランキングは菓子部門に初登場の新製品が数多く登場したことに加え、冷凍食品部門で久々に金額PI値は低いが、ランキング入りする新製品が登場するなど、やや変化のある動きとなった。また、注目のファンタふるふるシェイカーグレープであるが、金額PI値が先週よりはダウンしたが依然として914円と極めて高い水準をキープしており、今後、もうしばらく様子を見る必要があるといえよう。来週以降も新製品の動向に注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1157人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在436人)

June 28, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 27, 2008

ユニバース、2008年4月度決算、増収増益、105.8%!

   ユニバースが6/2、2008年4月期の本決算を公表した。食品スーパーマーケット業界の決算は2月期、3月期が大半を占めるが、4月決算は上場食品スーパーマーケットの中ではユニバース1社のみである。その結果であるが、売上高941.71億円(105.8%)、 営業利益33.39億円(126.0%:売上対比3.54%)、経常利益34.29億円(129.9%:3.64%)、 当期純利益13.77億円(60.5%:1.46%)となり、営業、経常段階では増収増益の好決算であった。ただ、当期純利益が減益になったが、その主な要因はホテル事業の譲渡損3.59億円、スクラップ&ビルドによる2店舗の減損損失2.57億円、さらには昨年度がファルを吸収合併したことにより、繰越欠損金の引き継ぎにより、法人税が軽減されたことなどによる減益であり、来期からは正常にもどり、当期純利益も増益に転じる公算であるという。

   また、自己資本比率については、56.0%(昨年47.4%、一昨年41.0%)と、上場により、資本金が大幅に充実し、自己資本が急激に改善したことによる。実際、昨年の資本金は1.00億円であったが、今期は15.22億円と約15倍となり、資本剰余金も昨年の15.01億円から29.24億円と約2倍となり、自己資本が大きく増加しており、上場により、より、強固な財務体質ができあがったといえよう。ユニバースは、通常の食品スーパーマーケットと比べ、当初から大型店志向を目指しており、自己資本の充実は安定成長を維持してゆくためには重要な経営課題のひとつであったが、今回の上場により、自己資本に関しては一段落といえよう。

   ユニバースは現在、青森27店舗、岩手13店舗、そして、秋田1店舗と合計41店舗を展開しているが、その内、600坪以上の店舗が25店舗と大半をしめ、また、1店舗当たりの売上が20億円以上の店舗が同様に25店舗と大半を占めている。これは上場食品スーパーマーケットの中ではどちらもトップクラスであり、今後も、「2,000 ㎡(約600坪)を超えるスーパースーパーマーケット(大型スーパーマーケット)店舗を中心に、原則NSC(近隣型ショッピングセンター)ないしは複合店舗による出店を進め、一部単独出店も行う予定」であるという。

   実際、ユニバースの出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計を見てみると、231.78億円(昨年233.26億円)と総資産の62.65%であり、1店舗当たり5.65億円と通常の食品スーパーマーケットよりもやや大きな資産となっており、出店コストがかかり、自己資本の充実は安定成長にとっては優先度の高い経営課題であるといえよう。今期自己資本比率が56.0%となったことにより、約7%弱を負債に負う構造となり、自己資本の範囲内での出店余力が大きく改善したといえよう。その負債であるが、特に主要項目の長短借入金の状況を見ると、51.27億円(昨年73.38億円)と昨年より約20億円強削減されており、総資産に占める割合は13.85%となった。今期のような好決算が続けば、数年で借入金の返済が進み、無借金経営も視野に入りつつあるといえる状況となったといえよう。

   さて、これを受けて、ユニバースの成長戦略であるが、今期は「商勢圏の深耕を図るために10 月に黒石富士見店(青森県)を、12 月に大野店(青森市)をそれぞれ新規出店」しており、また、「既存店の活性化を目指して、沖館店、筒井店、三内店の3店舗の改装を実施」しており、既存店も101.3%と堅調に推移している。また、来期についても、平成21 年4月に青森県に1店舗、岩手県に1店舗を新規出店する計画であるといい、自己資本+αで新規出店可能な無理のない堅実な成長戦略であるといえよう。

   また、営業数字についても、特に、値上げ問題に関しては。「原油価格・原材料価格の高騰に伴うメーカーやお取引先からの値上げ要請に対しては、青森県におけるシェアーの高さを背景に粘り強い商談を続け、売れ筋商品の「この価格のままでご奉仕します」宣言を12 月期から断続的に継続するとともに、やむなく値上げを受け入れる場合でも地域で一番遅い値上げを目指すなど、お客様のご支持獲得に会社をあげて取り組んでまいりました」、という方針のもとに取り組んだという。その結果、売上総利益が26.4%(昨年26.2%)と、0.2ポイント改善しており、しかも、販売費及び一般管理費も22.9%(昨年23.2%)と0.3ポイント改善し、ダブルでの改善の結果、営業利益が3.5%(昨年3.0%)と0.5ポイント改善するという力強い結果となっており、理想的な収益改善のサイクルであるといえ、まさに、好決算であったといえよう。

   さらに、ユニバースは現在ポイントカードも導入しているが、将来的には、「ポイントカードシステムの入替時期が迫っていることから、入替を機に新しい販促方法やCRM(顧客情報の管理・活用による顧客満足度の向上)について検討を進めてまいります」とのことで新たな方向も打ち出している。

   このように、ユニバースの今期の決算は好調な決算であったといえ、上場メリットも活かした財務の改善も進み、今後、長期に堅実な成長を持続できる体制ができあがりつつあるといえよう。これに、近い将来、さらにM&A戦略が加われば、急成長を遂げることも十分に可能な経営環境が整いつつあるといえ、今後のユニバースの経営戦略、特に成長戦略には注目といえよう。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1157人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在436人)

June 27, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 26, 2008

日経MJで、第41回、小売業07年度ランキングを公表!

   日経MJ、6/25号で小売業07年度ランキング、第41回が公表された。この調査は毎年この時期に公表されるが、全小売業の売上ランキングベスト500社の売上高、経常利益、当期利益の金額と昨対がアンケート調査により集計され、公表される。そのベスト100社を見てみると、食品スーパーマーケットは約30社強がランクインしており、しかも、増収増益が大半であり、好調な数字となっている。売上規模では上位を独占しているGMS、百貨店は減収、減益が目立ち、厳しい結果であった。また、ヤマダ電機をはじめ、専門店は好調であり、小売業界も今期は明暗がわかれる結果となった。

   小売業界No.1はセブン&アイホールディングスであり、5兆7,523億円(107.8%)、経常利益2,782.62億円(98.7%)であった。No.2のイオンが5兆1,673億円(107.1%)、経常利益1,663.26億円(88.3%)であるので、トップ2が増収減益となる厳しい数字であった。No.3がヤマダ電機であるが、1兆7,678億円(122.5%)、経常利益816.52億円(113.8%)であるので、小売業は依然として、2強が独走しており、売上においても、経常利益においても断トツの数字である。

   ただ、No.3のヤマダ電機が増収増益の好決算であり、専門店の強さが明確になった結果であるといえよう。家電については、No.12にヨドバシカメラが7,121.87億円(110.2%)、経常利益400.99億円(105.2%)、No.13にケーズホールデディングス5,677.76億円(131.7%)、経常利益164.09億円(118.0%)、そして、No.14にビックカメラ5,422.94億円(112.9%)、経常利益174.48億円(137.1%)といずれも増収増益の好決算であり、ヤマダ電機の一人勝ちでではなく、すべての家電が良いという結果となった。

   このような中で食品スーパーマーケット業界でNo.1となったのはNo.19に入ったイズミであり、4,706.98億円(105.3%)、経常利益247.63億円(102.6%)であった。No.2は、No.20となったライフコーポレーションであり、4,396.06億円(105.0%)、経常利益97.43億円(117.9%)、そして、No.3が平和堂であり、全体ではNo.21であるが、4,209.97億円(102.0%)、経常利益139.51億円(103.5%)であった。以上が、食品スーパーマーケット業界で年商4,000億円を超えた企業であり、いずれも増収増益と好決算であった。小売業でベスト10に入るにはやはり、年商1兆円が基準といえ、食品スーパーマーケット業界もこれからM&Aが加速されると、近々に1兆円企業が誕生してもおかしくはないといえよう。現在は、まず、5,000億円がひとつの山といえ、イズミが早ければ来年、年商5,000億円を超える可能性が高くなったといえよう。

   この3社についで、年商3,000億円を超えた食品スーパーマーケットを見てみたい。No.26に入ったイズミヤであり、3,810.66億円(100.6%)、経常利益55.51億円(83.0%)、No.29のマルエツ3,355.43億円(102.6%)、経常利益69.31億円(124.7%)、No.30のヨークベニマル3,301.45億円(105.2%)、経常利益125.25億円(111.2%)、No.31のフジ3,214.18億円(98.3%)、経常利益45.96億円(95.3%)、No.33のバロー3,180.26億円(110.4%)、経常利益108.35億円(108.7%)、No.35の東急ストア3,102.53億円(101.2%)、経常利益56.38億円(95.0%)の6社である。いずれも、各地区の雄であり、地域の食生活をしっかりささえている食品スーパーマーケットであるといえる。

   これについで、年商2,000億円以上の食品スーパーマーケットを見てみると以下となる。No.43のベイシア2,566.75億円(106.3%)、経常利益93.14億円(106.2%)、No.44のオークワ2,513.51億円(102.9%)、経常利益80.84億円(112.6%)、No.46のアークス2,414.55億円(105.1%)、経常利益88.82億円(109.5%)、No.48のいなげや2,271.75億円(103.2%)、経常利益42.18億円(106.3%)、No.49のサミット2,259.45億円(105.0%)、経常利益52.33億円(110.8%)、No.51の万代2,190.16億円、経常利益63.27億円、No.56のカスミ2,028.29億円(107.3%)、経常利益67.32億円(116.7%)、No.57のヤオコー2,022.53億円(107.4%)、経常利益78.03億円(112.3%)であり、全部で8社である。この8社はすべてが増収増益であり、食品スーパーマーケットの好調さを表しているといえよう。

   また、ベスト100位に入った食品スーパーマーケットの売上のみを見てみると、ヤオコーと同じNo.57にマックスバリュ西日本1,959.38億円(106.8%)、No.59にマルナカ1,931.04億円(101.3%)、No.69にオーケー1,682.60億円(115.7%)、No.70にサンリブ1,680.90億円(98.7%)、No.75にトライアルカンパニー1,514.29億円(115.6%)、No.77にCFSコーポレーション1,456.31億円(102.4%)、同じく、ユーストア1,453.82億円(97.8%)、No.83にタイヨー1,305.65億円(99.4%)、No.84にサンエー1,276.24億円(105.0%)、No.85に三陽マルナカ1,271.67億円(103.3%)、No.88にエコス1,230.15億円(104.5%)、No.89に九九プラス1,229.97億円(98.8%)、No.91にオリンピック1,177.47億円(99.4%)、No.92にマックスバリュ東海1,161.61億円(108.8%)、No.96にヤマナカ1120.48億円(101.6%)、そして、No.97に原信ナルスホールディングス1,115.37億円(106.9%)と全部で16社である。

   このように食品スーパーマーケットはベスト100位以内に全部で33社が入った。全体として見れば、小売業で1兆円を達成すれば、ベスト10であり、5,000億円でベスト20、2,000億円でベスト50、そして、1,000億円でちょうどベスト100という構造となっているといえる。その中で、食品スーパーマーケットも5,000億円まではほぼ到達したといえ、いよいよ年商1兆円、ベスト10入りを目指す時が近づいてきたように感じる。現在、経営環境が激変する中で、今後どのような経営戦略を打ち出すか、これら優良食品スーパーマーケットの動向に注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1152人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在425人)

June 26, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 25, 2008

食品スーパーマーケット、第1四半期決算はじまる!

   6月に入り、いよいよ、食品スーパーマーケットの第1四半期の決算の公表がはじまった。6/11、マックスバリュ中部の2009年1月期、6/16には、マックスバリュ西日本の2009年2月期の第1四半期の決算が公表された。どちらも増収増益の好決算であり、この決算は1月期決算の場合は2月、3月、4月、2月期決算の場合は、3月、4月、5月、そして、3月期決算の場合は4月、5月、6月となるため、まさに値上げ問題の影響がもろに反映される決算となり、先に公表された本決算以上に注目の決算といえよう。

   まず、マックスバリュ中部であるが、営業収益276.83億円(104.0%)、営業利益3.01億円(219.5%:営業収益比1.08%)と昨年が大幅に減益であった分、今期は大幅な増益となった。ただ、営業収益比はわずかであり、高い数字ではない。経常利益は2.98億円(217.6%:営業収益比1.07%)、当期純利益は1.27億円(昨年は赤字:営業収益比0.45%)と全体としては増収増益ではあったが、昨年が厳しい決算であったため、伸び率としては好調な決算であったといえよう。また、マックスバリュ西日本であるが、営業収益497.43億円(109.3%)、営業利益15.75億円(123.6%:営業収益比3.16%)、営業利益17,00 億円(122.4%:営業収益比3.41%)、当期純利益9.67億円(125.2%:営業収益比1.94%)と大幅な増収増益と好調な決算であった。

   いずれも昨年と比べ、好決算となっており、この数字を見る限り、値上げ問題は、この2社にとっては追い風となっているようである。ただ、ここへきて、さらに値上げが増える勢いであり、これ以上の値上げが続くと、食品スーパーマーケットにとっては厳しい数字になることもあり得る話であり、ここしばらくは消費動向を慎重に見極める必要があろう。

   この問題を探る意味でも、まず、この2社のこの第1四半期決算時の粗利率と経費比率の状況を見てみたい。マックスバリュ中部の売上総利益であるが24.79%(昨年24.78%)とほぼ同比率の粗利率であった。今期、マックスバリュ中部は、PBブランドであるイオンのトップバリュを地域一番の価格にすべく積極的に取り組んだというが、この数字を見る限りでは粗利面へのインパクトはまだ顕著にはなっていないようである。これに不動産等の収入がのり、営業利益率は27.33%(昨年27.16%)となった。経費比率に関しては26.22%(昨年26.63%)であったので、差し引き、営業利益率が売上対比では1.11%(昨年0.52%)となった。これに対して、マックスバリュ西日本の売上総利益は24.3%(昨年23.9%)と0.4ポイント粗利率が改善している。今期、マックスバリュ西日本はマックスバリュ中部同様、イオンのトップバリュに積極的に取り組んでおり、昨年の売上構成比6.9%から8.6%へと、124.6%もの大幅な増加となっており、さらに、家計応援スペシャルの商品も7.5%から9.4%へと大きく伸びており、これだけの粗利改善へつながったといえよう。同じトップバリュへの積極的な取り組みであるが、粗利率へのインパクトに差が出た結果となった。

   一般的にPBの売上構成比が10%近くなると、NBと5%の粗利差があれば、相乗積から0.5ポイントの粗利改善につながり、10%以上の差があれば1.0%の改善につながるので、PBの商品構成比を10%以上に高めることがPB戦略となるが、この数字を見る限りではマックスバリュ西日本ではPBの粗利改善効果が顕著になりはじめたといえよう。

   マックスバリュ西日本はこの粗利改善に支えられ、不動産収入等を足した営業利益は26.4%(昨年25.9%)となり、販売費及び一般管理費が23.2%(23.1%)と0.1ポイント上昇したが、これをカバーし、営業利益が3.2%(2.9%)と好調な数字となった。特に、マックスバリュ西日本で、売上が伸びた商品群は酒類121.7%、畜産115.0%、パン・生菓子114.8%、日配食品110.3%とこれらの商品群が堅調な伸びを示した。

   これに対して、今後の成長を占う自己資本比率の状況であるが、マックスバリュ中部は32.3%(昨年31.6%)、マックスバリュ西日本は47.0%(47.0%)となり、ほぼ昨年並みの数字であり、好調な決算結果が自己資本比率の充実には大きくは結びついていないようである。その中身を見てみると、マックスバリュ西日本は出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計は278.50億円(昨年270.76億円)となり、総資産の68.10%(昨年67.0%)と負債に大きく依存する出店体制となっており、一層の自己資本の充実が課題といえよう。また、マックスバリュ西日本については、出店にかかわる資産は366.53億円(昨年315.85億円)となり、総資産に占める割合は58.7%(昨年54.1%)とマックスバリュ中部と比べると負債依存度は格段に低く、今後の成長余力が高いといえよう。

   このように、いよいよ、食品スーパーマーケット業界の値上げ問題をもろに受けた決算結果の公表がはじまり、いち早く、結果を公開したマックスバリュ中部とマックスバリュ西日本の第1四半期決算を見たが、どちらも昨対では好決算となった。その中でも、マックスバリュ西日本は特に、PB、トップバリュの粗利改善効果が見られ、自己資本比率も高い数字であり、成長余力も高く、今期の動向には注目といえよう。今週、来週、そして、7月前半が各社の第1四半期決算発表のピークとなると思うが、本ブログでもしっかり、速報として取り上げてゆきたい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1152人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在425人)

June 25, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 24, 2008

売上速報、食品スーパーマーケット2008年5月、106.0%!

   食品スーパーマーケットの2008年5月度の売上速報を集計した。現在、上場している食品スーパーマーケットで月度の売上を公表している企業は25社であるが、その単純平均をとると106.0%、既存店100.2%となり、値上げ問題真っ最中の中、売上は堅調な伸びを示しているといえよう。4月度が105.9%(100.2%)、3月度が107.0%(102.2%)、2月度が107.5%(102.4%)、そして、1月度が104.8%(99.7%)、さらに、昨年5月度が106.0%(100.4%)であるので、昨年と比べても、今年に入っても堅調な伸びを維持しており、売上はこの5月度も伸び続けているといえよう。

   このような中で、No.1となったのは、先週同様、マックスバリュ北海道であり、伸び率は135.7%と高い伸び率である。ただ、既存店が97.9%と厳しい状況になり、今回の伸びは4/1にM&Aにより吸収した食品スーパーマーケット、ジョイの要因が大きいといえよう。今後、食品スーパーマーケット業界は、つい先日、合意したオークワのパレへのM&AのようにM&Aによる成長戦略が増えてくると予想され、マックスバリュ北海道はまさにその流れを受けての急成長といえよう。No.2にも、M&Aがらみで急成長中のマックスバリュ中部が124.3%で入った。既存店は100.0%と昨対ぎりぎりであるが、昨年マックスバリュ名古屋を子会社化したことが急成長につながったといえよう。

   No.3は昨年まで、ここ数年間トップを走っていた大黒天物産であり、120.1%であった。大黒天物産は怒涛の出店で急成長を遂げてきたが、ここ最近、新規出店を抑制しており、成長路線から収益重視へ政策転換をはかりつつあり、やや成長が鈍化傾向である。そのためか、既存店は102.2%と堅調な数字となった。それでも120.0%は高い成長力であり、120%を超えた成長は、この大黒天物産を含め、今月は3社であった。ただ、PI値と平均単価の動きを見ると、PI値が98.5%(既存店98.6%)と落ち込んでおり、平均単価が102.3%(既存店102.4%)と上昇しており、まさに値上げ問題が、ディスカウントストアを直撃しているといえ、今後の動向が注目される。

   No.4は、マックスバリュ東北であり、110.6%、既存店も105.5%と極めてバランスのよい成長である。今回の集計企業の中では、全体、既存店で最もバランスのよい成長を果たしている食品スーパーマーケットといえよう。特に、客数が108.6%(既存店104.8%)と伸びたことが大きかったといえる。No.5はヤオコーである。全体が109.0%、既存店も102.8%と好調であり、特に客単価の伸びが、102.4%(既存店102.6%)と堅調であり、その中身もPI値101.1%(既存店101.1%)、平均単価も101.3%(既存店101.4%)とバランスのよい数字となっており、値上げ問題の中、各社PI値が落ち気味であるが、ヤオコーはPI値も伸ばしている。No.6はハローズであり、108.1%(既存店100.4%)である。特に、全体の客数が107.9%(既存店99.6%)と新店が好調であり、既存店がやや伸び悩んでいることが気になるが、全体としては好調な売り上げである。

   No.7はマックスバリュ西日本、No.8はマルエツであるが、マックスバリュ西日本は108.1%(既存店103.4%)、マルエツは107.8%(既存店103.0%)と、どちらの食品スーパーマーケットも全体、既存店ともに好調であり、安定した成長である。ただ、マックスバリュ西日本は既存店の客数が102.8%であるのに対し、マルエツは既存店の客単価が102.3%と対象的な数字となっており、既存店活性化についても、客数を重視するか、客単価を重視するか戦略が分かれた結果となった。No.9はバローであり、106.9%(既存店99.1%)となり、やや既存店が厳しい状況である。そして、No.10がマックスバリュ東海であり、106.8%(既存店101.8%)と安定した成長である。ただ、客数、客単価ともに全体、既存店がプラスにはなっているが、PI値が96.6%(既存店96.4%)、平均単価104.1%(既存店104.7%)とPI値ダウン、平均単価アップという状況であり、もろに値上げ問題が反映された数字となっており、PI値のダウンが気になるところである。

   これに対し、この5月度、売上が伸び悩んだ食品スーパーマーケットはPLANTであり、95.7%(既存店96.4%)と厳しい結果となった。特に客数が95.0%(既存店95.7%)と下がっている。ついで、ヤマザワの96.9%(既存店95.1%)であるが、ヤマザワがここへきて、売上が伸び悩んでいる。特に、既存店が95.1%と今回集計企業の中で最も低い伸び率であり、客数、客単価ともに落ちており、気になるところである。これ以外に昨対を下回った食品スーパーマーケットはCFSコーポレーション97.1%(既存店101.7%)、いなげや98.9%(既存店99.0%)、ユニバース99.2%(既存店96.1%)であった。また、上記以外で気になる食品スーパーマーケットはオオゼキが102.0%(既存店102.0%)とここ1年以上新店がなく、伸び悩んでいることである。また、上場間もないスーパーバリュであるが、102.7%(既存店102.7%)と同様に新店がなく伸び悩んでいることである。

   このように、この5月度の食品スーパーマーケットの売上速報は全体的には順調に売上が推移しており、この値上げ問題の中でも順調に成長しているといえる。特に、イオングループのマックスバリュ各社がM&Aに積極的であり、大きく売上を伸ばしているといえよう。ただ、反面、PI値と平均単価の伸びを見た場合、平均単価が上昇して、PI値が落ち気味であることが鮮明であり、今後、PI値が下がりつづけると、客単価、客数に響き、売上ダウンとなる可能性もあり、しばらくは、PI値の推移を見守る必要があろう。来月以降も食品スーパーマーケットの売上動向には注目である。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1150人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在425人)

June 24, 2008 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 23, 2008

オーケー、2008年3月期決算、大幅増収増益!

   注目のオーケーの2008年3月期決算が6/20公表された。売上高1,682.60億円(115.7%)、営業利益78.42億円(119.8%)、経常利益79.66億円(120.9%)、当期純利益46.48億円(119.3%)と2桁の増収増益の好決算であった。既存店の売上高も106.55%と好調な伸びを示しており、「高品質・Everyday Low Price」をスローガンとするオーケーの経営戦略が消費者から絶大な支持を獲得しているといえよう。これで、食品スーパーマーケット業界の2008年度2月、3月期の決算企業の公表は終了したといえるが、オーケーのこの決算数字は際立っており、値上げ問題が食品スーパーマーケットの最大の経営課題となった中で、頭ひとつ飛びぬけての独走態勢に入ったともいえる好調な決算結果であったといえよう。

   ただ、オーケーはこの数字にも満足していないようで、経営目標を「借入無しで年率30%成長を達成する」というところにおいており、さらなる経営改善に取り組んでゆくという。特に、年率30%成長については、今期は115.7%であったが、2011年3月期に達成を目指すとの日付を入れており、3年後の決算での目標達成に向けて具体的なアクションに入っている。この高い目標、年率30%を達成するには、オーケーとしては、「既存店の客数10%増、言い換えれば熱烈なオーケーファンを毎年10%増やしてゆく、そして客数の増加率に負けない売上の伸びをつくり、これに新店の売上増を加えて、併せて30%成長を達成しようとするものです。」と言明しており、既存店の客数増と新店開発に主眼をおいていることがわかる。

   オーケーの今期の売上は既存店は106.55%であったが、既存店客数前年比は2.2%増(前期は5.5%増)と伸び悩んでおり、逆算すると、客単価が104.2%と、客単価が伸びたことが既存店の数字を押し上げており、経営の意図と逆の結果となった。今後、既存店の客数を110%にまで伸ばせるかが課題といえよう。ただ、すでに、既存店の客数増については、今期2つの大きな施策を実施している。ひとつは、私ももっているが、会員カードによる来店頻度のアップであり、2006年の年末時点では約80万人の会員であったが、今期決算時には約120万人とほぼ1年で約40万人、150%の会員増であり、今後、この120万人のオーケー会員へのマーケティングを行うことで、既存店の客数増に大きく寄与するものと思われる。

   そして、もうひとつは、今期、2007年7月30日付で、種類株227,400株(議決権がない)を1人100株を発行し、計2,274名のお客様に株主になってもらったことである。小売業では珍しい株式の発行であり、実際、昨年、この時期、店頭でオーケーの株を売っており、その結果が新たな株主、お客さまの増加に結びついたといえよう。今期、オーケーの資本金は前期の9.45億円から2.84億円増加し、12.29億円と増加しており、今後、このお客さま株主への配当もはじまるので、既存店の客数増に確実に結びつくことになろう。非上場の食品スーパーマーケットとしては、実にユニークな資本政策であり、同時に既存店の客数アップ政策であるといえよう。

   一方、借入金なしという経営目標であるが、現在、オーケーは143.39億円(昨年149.54億円)と総資産の24.94%と多く、結果、自己資本比率は31.4%と低い状況である。ただ、今回、新たな資本の増加もあり、自己資本比率は2007年度(28.8%)、2006年度(23.9%)、2005年度(18.8%)、2004年度(15.9%)と年々改善されており、今後、このまま、高収益を続けて行けば、減少するものといえ、成長を重視するか、財務改善を優先するかそのバランスによるといえよう。今期、オーケーは川口店、新山下店、青物横丁店、南六郷店、一ツ家店、本厚木店の6店を新規出店しているが、その財務構造を見ると、出店にかかわる資産である建物、土地、敷金及び差入保証金の合計は332.17億円(昨年293.93億円)と約40億円増加しており、総資産に占める割合は57.64%となり、現在の自己資本比率31.14%ではまかなえない状況であり、借入に依存する新規出店構造といえる。したがって、借入0での高成長を目指すためには、極めて難しいかじ取りが必要といえ、当面は成長重視で徐々に財務を改善してゆくことが順当な経営戦略のように思える。

   また、オーケーは本家ウォルマートがこれまで標榜してきたEveryday Low Price政策をさらに徹底した「高品質・Everyday Low Price」をスローガンに経営に取り組んでいるが、その政策をささえるのがEveryday Low Costである。今期も経費比率15.2%(昨年15.0%)という世界の小売業の中でもまれに見る経費比率の低さであるといえよう。これが、粗利率19.8%(昨年19.5%)の「高品質・Everyday Low Price」をささえ、結果、4.6%(昨年4.5%)の営業利益をたたき出しており、これがオーケーの競争力をたかめ、高収益を生み出している原泉といえよう。

   このように、オーケーの2008年3月期の決算が大幅な増収増益の好決算となり、依然として高成長、高収益が持続しており、このまま、この経営体制が継続すれば、オーケーの経営の大目標である「借入無しで年率30%成長を達成する」ということが現実のものとなる可能性が見えてきたといえよう。本家、ウォルマートはEveryday Low PriceからSaving people money so they can live betterへ政策転換をはかったが、オーケーは、さらにEveryday Low Priceを徹底する方針とみえ、今後のオーケーの動向に注目である。

続編:December 21, 2007:オーケー、2008年3月中間、増収増益、目標と乖離?

続続編June 25, 2007 オーケー、2007年3月期決算、増収増益、既存店108.9%!

続々続編:オーケーストア、2007年3月度、中間決算、増収増益で推移!

続々続続編:オーケーストア、急成長続く、大幅な増収増益を達成!


まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1150人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在425人)

June 23, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 22, 2008

パワーカテゴリー2008、チェーンストアエイジで公表!

   年2回公表されているチェーンストアエイジのパワーカテゴリー、2008年度版が6/15号で公表された。今回は、2007年10月から2008年3月までの6ケ月間の注目カテゴリーのランキングであり、TOPNAVI-NETのPOS分析からPI値にもとづいて、食品・菓子(21)、酒(8)、雑貨(17)の3つ部門、46カテゴリーのそれぞれの単品ランキングである。原則、PI値の対前年月別推移、PI値の地域別、そして、カテゴリー内売上シェアトップ20品のデータが公開されており、コメントとしては、売上の構造、直近の販売トレンド、成長のための視点の3つの角度から解説された内容である。

   今回は特に、今年度の3月度までのデータが入っており、ちょうど、値上げ問題とぶつかっており、値上げ前の昨年と値上げ後の今年の違いを見る上にも貴重な分析データであるといえよう。そこで、まず、3月のPI値をもとに、値上げ後、PI値が大きく上がったカテゴリー、下がったカテゴリーを見てみたい。

   3月度、PI値が上がったカテゴリーを見てみると、畜肉ハム29.73(昨年24.66)、魚肉ソーセージ18.25(12.31)、風味調味料11.07(9.55)、漬物83.36(75.50)、ルウカレー29.83(26.62)、スパゲティ16.49(15.43)、お茶漬の素6.18(4.92)、低カロリー甘味料1.32(1.20)、食パン125.77(114.09)、コーヒードリンク76.14(67.48)、インスタントコーヒー16.27(14.51)簡易抽出型コーヒー7.38(7.00)、ガム28.77(26.95)、マヨネーズ21.61(17.81)、ビール32.82(31.03)、発泡酒35.72(32.19)、日本酒20.71(18.91)、本格焼酎8.80(7.84)、ティッシュペーパー17.94(15.41)、除湿剤0.36(0.29)、キャットフード14.38(13.95)の21カテゴリーであり、ほぼ半分を占めた。

   これら全部が値上げと関連した商品ではないものもあるが、3月度、明らかに昨年と比べ跳ね上がったカテゴリーである。意外なのは、畜肉ハム、食パン、スパゲティ、マヨネーズ、ビール、発泡酒は明らかに値上げ後の商品が大半を占めていると思われるが、金額PI値ではなく、PI値があがっていることである。4月、5月以降のPI値もあがっているかどうか、この時点ではわからないが、3月時点では、PI値が明らかに上昇しており、値上げがむしろ食品スーパーマーケットにとって有利に働いたカテゴリーといえよう。最近のデータでは、多くの値上商品でPI値ダウン、平均単価アップ、金額PI値アップという傾向が多いので、この時期は値上げ初期といえ、消費者も買い控えすることなく、これらのカテゴリーに関しては、しっかり購入していたといえよう。

   逆に、3月度、PI値が下がったカテゴリーを見てみると、インスタントカップめん137.12(昨年126.67)、新ジャンルアルコール22.50(20.51)、子ども用紙オムツ1.59(1.55)、トイレ用芳香剤1.51(1.37)、室内用芳香剤1.75(1.58)、乾電池3.64(3.25)と6カテゴリーと少ないのが特徴であり、残り、19カテゴリーは横ばいといえ、全体としては3月度のPI値は上昇ぎみで推移しているといえよう。この3月度、PI値が下がったカテゴリーの中では、インスタントカップめんがまさに値上げと関連する商品といえ、グラフを見ると、1月からPI値が激減しており、逆に12月まではPI値が上がっているので、まさに、値上が本格的にはじまった1月がPI値の転機であったといえよう。最近の動向を見ると、PI値のダウンはさらにすすみつつあり、平均単価は逆にさらにあがり、結果、PI値のダウンと平均単価の上昇のバランスがとれ、金額PI値は昨年ぎみの数字となっているのが実態である。今回の資料には掲載されていなかったが、これとは対照的に袋めんが現在、絶好調であり、インスタントめんは消費動向が激変しているといえよう。

   もうひとつ、今回のパワーカテゴリー2008で売上シェアの傾向が寡占状況のカテゴリーと分散傾向の強いカテゴリーを見てみたい。まず、寡占傾向が強いカテゴリーであるが、魚肉ソーセージ(上位5品で41.05%)、お茶漬の素(59.27%)、低カロリー甘味料(44.13%)、ドリンク剤(46.19%)、インスタントコーヒー(44.25%)、ムク(板)チョコレート(65.1%)、マヨネーズ(55.5%)、ビール(40.74%)、ティッシュペーパー(57.0%)防虫剤(40.21%)、除湿剤(62.91%)、ローソク(40.41%)、線香(50.46%)、接着剤(54.52%)と上位5品で40%以上のシェアの高いカテゴリーを見てみたが、意外に雑貨が多いのが特徴である。逆に、分散型のカテゴリーを見てみると、No.1が1%台のカテゴリーが分散型と定義すれば、食品・菓子部門、酒部門では0である。こちらも雑貨部門が中心となり、ドックフード(1.18%:No.1商品)、キャットフード(1.77%)の2つのカテゴリーのみである。こう見ると、カテゴリー全体としてみると、分散型商品は少なく、大半が上位に集中するカテゴリーであったといえる。

   このように、今回のチェーンストアエイジ6/15のパワーカテゴリー特集は、たまたま値上げ問題とかぶった月が対象となり、興味深い結果が浮かび上がっているといえよう。また、各カテゴリーの上位集中度が意外に高いカテゴリーが多かったのも特徴といえよう。いま、食品スーパーマーケットは値上げ、安心安全問題が同時に主要課題となる環境となり、めまぐるしく商品動向が変化しており、その意味で今回のパワーカテゴリーは興味深い結果となったといえよう。次回、6ケ月後の結果も興味のあるところであり、各カテゴリーがどのように動くかに注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1150人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在425人)

June 22, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 21, 2008

日経MJ、新製品ランキング、6/20、ファンタ異常値!

   恒例の日経MJ、新製品週間ランキングが6/20、公表された。今週は何といっても日本コカ・コーラ、ファンタふるふるシェイカーグレープ190mlが金額PI値1,403円(1人当り1.403円)となり、全新製品の断トツトップに躍り出たことである。金額PI値1,403円は極めて高い数字であり、新製品としてはありえないような異常値である。通常、金額PI値は500円(1人当り0.5円)を超えれば、十分高い数字であり、本ブログでもでもAランクと認定しているが、1,403円は超超Aランクであり、瞬間的な数字でもすごい数字である。ふるふるシェイカーグレープは6/7初登場の新製品であるので、まだ発売されたばかりの新製品であるので、今後、どの辺で金額PI値が落ち着くかわからないが、カバー率が82.0%であるので、かなり高い水準で落ち着く可能性が高い商品と期待される。

   このふるふるシリーズはすでに、オレンジが4/19に初登場となっており、今週も飲料部門No.4、金額PI値524円で高い水準をたもっている。しかも、先週比118円のアップであり、約2ケ月たっているが、依然として好調であり、グレープが新たなに加わったことでさらに金額PI値がアップしたといえよう。今週はこの2品に限らず、飲料部門が絶好調であり、新製品が続々と登場している。No.6にもサントリー、ペプシブルーハワイ490mlが金額PI値388円、No.10に日本ミルクコミュニティー、毎日骨太3つのチカラ1000ml、金額PI値238円、そして、No.11に日本コカ・コーラ、爽健美茶オーシャンブリーズ500mlペットボトル、金額PI値227円が入るなど、新製品がここへきて増えている。

   また、この値上げ問題の関連商品も依然として上位を占めており、明治乳業、No.2のおしいい牛乳1000ml、金額PI値1,336円、No.3においしい牛乳スーパーESL1000ml、金額PI値713円、No.5においしい牛乳500ml紙パック、金額PI値437円、No.9に北海道十勝牛乳1000ml、金額PI値261円、そして、No.12にプロビオヨーグルトLG21ドリンクタイプ低糖・低カロリー120ml、金額PI値220円と5品ランクインしている。これらはいずれも定番中の定番の重点商品であるが、これらの金額PI値を抜く新製品がここへ来てではじめており、飲料部門は今後の注目の部門といえよう。

   今週はこの飲料部門についで注目の部門は菓子部門である。No.1、No.2にカルビーが初登場でランクインした。No.1は夏ポテトこだわりの浜御塩80g、金額PI値278円、No.2が夏ポテト紀州の南高梅75g、金額PI値269円であり、カバー率は80.0%、80.8%と初登場で対象45チェーン、250店舗の大半をカバーしており、今後、期待がもてる新製品といえよう。また、この時期にNo.5に明治製菓、ミルクチョコレート65gが金額PI値175円で入っており、これ以外にも菓子部門ではチョコレート類が6品、合計7品も入っており、チョコレートは根強い人気があるといえよう。

   そして、ここ最近絶好調のアイスクリームであるが、今週も先週同様、ランキング全20品すべて冷凍食品部門でアイスクリームが独占した。特にハーゲンダッツの躍進が目覚ましく、No.1は初登場のハーゲンダッツジャパン、ソルベミニカップアルフォンソマンゴー120ml、金額PI値173円である。金額PI値自体はNo.1でもCランクの200円を切り、高くはないがカバー率も55.2%とまずまずの数字であり、今後注目である。これ以外にも、No.2ドルチェミルフィーユ106ml、金額PI値165円、No.6にクリスピーサンドカスタードプディング66ml、金額PI値128円、そして、ソルベミニカップワイルドアップル120ml、金額PI値127円と4品ランクインした。No.3にはロッテ商事、ぎゅぎゅっとオレンジ&グレープ110ml、金額PI値137円、No.4には明治乳業、宇治金時70ml×6が入るなど、今後、アイスクリームも注目といえよう。ただ、冷凍食品の新製品がこの数週間、1品もランキングに入って来ないことは気になるところである。

   これ以外の部門では、その他食品で、ダノンのトップ商品群が初登場後、13週となりランキングからはずれ、ダノン関連が一段落し、金額PI値もNo.1がの日本ミルクコミュイティ、牧場の朝ヨーグルト生乳仕立て80g×3、金額PI値453円と500円を超える新製品が0となり、落ち着いたランキングとなった。No.2、No.3は敷島製パンが入り、No.2に超熟ロール6個入り、金額PI値356円、No.3にスナックパンチョコ8本入、金額PI値341円である。また、家庭用品では、ほぼ順位の変動はなく、No.1にはカネボウ化粧品、ブランシールスペリアホワイトニングコンクルージョン(医薬部外品)45ml、金額PI値559円が先週同様No.1を維持している。

   このように、今週は飲料がアクティブな動きに転じ、特に、ふるふるグレープが金額PI値1,403円という異常値となり、すでに安定成長に入ったオレンジとともに今後注目の大型新製品へ成長する可能性が高いといえよう。また、6/7初登場の新製品でもあるので、しばらく様子を見る必要があるが、オレンジの動向を見ている限りではかなり期待ができる新製品の可能性が高いといえ、注目である。金額PI値が初登場の新製品で1,000円を超えるのは希であり、しかも今回はカバー率も82.0%であるので、まさに異常値といえる数値である。来週以降どの辺で金額PI値が落ち着くか注意深く見守ってゆきたい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1150人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在425人)

June 21, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 20, 2008

ウォルマート、2008年5月度売上速報、109.8%!

   ウォルマートの2008年5月度の売上速報が6/5、公表された。前日の6/4にはウォルマートの株主総会が朝7:00から地元アーカンソー州で開催されており、6月第1週はウォルマートにとって年間でもっとも重要な月であるといえよう。その株主総会で、ウォルマートは、これまでスローガンとしてきたEveryday Low Price(Always Low Price)政策を進化させたSaving people money so they can live better政策を新たなスローガンとして公表した。すでに、ウォルマートのホームページのトップからはEveryday Low Price(Always Low Price)という言葉はなくなり、かわりに、Saving people money so they can live betterが打ち出されている。株主総会当日のCEOのリー・スコット氏のスピーチを見ると、この言葉を何度も繰り返し、説明しており、今後のウォルマートの新たな経営理念として、全社をあげて打ち出してゆく方針といえよう。

   日本ではすでに、同様なスローガンをベルクがBetter Life with Communityという言葉で表現し、それを社名としているが、今後は、「And among retailers … we are the best positioned to lead in the world of tomorrow.」という自負をもつウォルマートが打ち出したことにより、このスローガンが全世界の小売業界のスローガンとなってゆくのではないかといえよう。小売業もいよいよ、顧客の生活を根底からささえ、ライフラインの一角を担う生活産業といえる段階に入ったといえよう。

   さて、そのウォルマートのこの5月度の数字であるが、109.8%と17週累計の109.1%を若干上回り好調な売上となった。特に、国内の数字が好調であり、ウォルマート部門が107.8%(17週累計106.2%)、サムズ部門が107.3%(17週累計106.6%)といずれも17週累計を上回っており、堅調な伸びであるといえる。一方、これまでウォルマートの成長を牽引してきた海外部門は116.6%と高い伸びを維持してはいるが、17週累計の118.3%と比べると若干鈍化しており、気になるところである。

   5月度の売上速報は5/3(土)から5/30(金)の4週間の売上であるが、全体では310.36億ドル(約3兆2,500億円)であり、海外部門は77.40億ドル(約8,000億円強)と24.9%を占め、ほぼ1/4となっており、いまや海外部門はウォルマートにとって最重要成長部門となっている。その海外部門でも、この5月はイギリスとブラジルが特に好調であったという。ウォルマートはイギリスではアズダをM&Aにより参入しており、そのアズダがこの5月度は暖冬のためか、季節商品や食品が良く売れたという。また、ブラジルではハイパーマーケットが好調であるといい、この2カ国が海外部門を牽引したという。また、中国では四川省の地震の影響が20店舗近くであり、現在でも2店舗が店舗を閉めているというが、中国全土では好調な売上であったという。残念ながら、日本の西友についての言及がないが、この5月度のウォルマートの海外部門は好調であり、今後、インド、ロシアへも参入が決まっており、ますます、海外部門の重要性が増してゆくものといえよう。

    一方、ウォルマートの既存店の数字であるが、全体ではガソリン等の燃料が入った数字では104.4%と昨年の101.3%と比べ好調であり、17週累計の102.8%と比べても高い数字であり、この5月の既存店の売上は絶好調であったといえよう。ちなみに、燃料を抜いた数字は103.9%(17週累計102.4%)であるので、燃料のインパクトは0.5%といえる。ただ、ウォルマート部門はほとんどプラスマイナス0であり、燃料はサムズクラブ部門の伸びがほぼすべてである。ウォルマート部門は104.0%(昨年104.0%)であり、サムズクラブ部門が106.5%(昨年103.6%)であるので、いかに、サムズクラブ部門は燃料の影響が大きいかがわかる。ウォルマート全体では0.5%であるが、サムズクラブだけを見ると2.9%もあり、極めて大きな数字であるといえよう。

    これを受けてのウォルマートの株価であるが、今回は前日が株主総会ということもあり、株価の動向が気になるが、6/18現在、57.67ドルと高値水準で推移している。ウォルマートの株価を5年間のロングスパンで見ると、60ドル近辺にまで株価が上昇したのはまさに5年ぶりといえ、5年前の2003年当時が60ドル前後での株価であった。その後、2004年、2005年と株価は下がり続け、一時は40ドル近辺にまで下がった。そして、2007年、2008年となると、若干株価は上昇するが、48ドル近辺でほぼ横ばいで推移していた。そして、2007年後半から株価は再び、上昇に転じ、前期決算の2008年1月以降はほぼ右上がりで株価は推移し、55ドルを超え、6月に入ると58ドルまで上昇する。そして、株主総会のあった6/4の翌日、6/5の株価は60ドル手前の59.8ドルまで跳ね上がった。その後も60ドル弱の58ドル近辺で横ばいで推移しており、投資家は、ウォルマートの新スローガンSaving people money so they can live betterを好意的に受け止めたといえよう。

   このようにウォルマートの恒例の株主総会において新たなスローガンが披露され、その翌日、5月度の売上速報が公表され、堅調な成長が持続していることが明らかになった。特に、好調な海外部門に加え、5月に入り、国内部門、ウォルマート部門、サムズ部門も好調に推移しており、さらに、既存店も104.4%と順調であり、ウォルマートの売上は極めて良好な状況にあるといえよう。今後、新たなスローガンSaving people money so they can live betterを掲げたウォルマートが、どのようにこれまでの経営戦略を再構築してゆくかに注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1186人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在422人)

June 20, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 19, 2008

ID分析の決定的な違いとは?

    前回のブログで、レシート分析の世界とID分析の世界が互いに客数PI値でつながっていることを解説した。また、基本的にこの2つはレシート分析≦ID分析という関係があり、ID分析はレシート分析の上位概念と捉えられ、レシート分析で可能な分析はID分析ですべて可能であるが、逆にID分析で可能な分析の中にはレシート分析でできない分析があるということも解説した。そのひとつが、ID特有の顧客セグメントであり、たとえば、顧客属性がこれにあたる。ただ、顧客属性は通常のポイントカードでは正確に把握することが難しく、性別はかなり確かな属性として把握できても、年齢、その他は入会時に正確に記入してもらえるかは難しいものがあり、現実の食品スーパーマーケットのポイントカードでは属性の正確な把握はかなり難しいのが実態である。

   そこで、食品スーパーマーケットでID特有の絶対的な顧客セグメントは何かと考えて行くと、現在最も精度の高い顧客セグメントは購買行動によるセグメントであるといえよう。その中でも、ほぼ実用化され、定評のある顧客セグメントは購買頻度による顧客セグメントである。典型的な分析方法が、IDをその商品に購入経験により、セグメントすることである。その商品を購入したか、しなかったかはレシート分析でもできる顧客セグメントできるが、商品を購入した経験があるか、そして、その中でも、複数回購入した経験があるかについては、ID分析以外把握できない顧客セグメントであり、レシート分析では、購入レシートと未購入レシートの区別まではつくが、購入レシートの中で複数回購入しているかを区別することは不可能な話である。また、未購入のレシートにおいても、レシート枚数まではわかるが、そのIDが何人なのかまでは把握ができず、ここでもIDとレシートの差が明確である。

   その意味で、レシート分析とID分析の決定的な違いは、特に食品スーパーマーケットにおいては顧客属性よりも、顧客の購買行動にあるといえ、その観点から顧客セグメントに分けて分析できることにあるといえよう。

   では、この時、売上を分解すると、どのような数式になるかを考えてみたい。数式を簡単にするために、典型的なケースを考えてみる。バナナの購入顧客、すなわち、IDが10人であった場合、このIDを分析してみた結果、はじめてバナナを購入したIDが3人、バナナを複数回購入した経験のあるIDが7人であった場合である。通常のレシート分析ではこれらは区別できないため、10人の総レシート枚数が客数となり、レシート分析が進んでゆく。ID分析の場合は、このような購買行動の区別が可能なため、はじめて購入したバナナの購入顧客3人のIDをセグメント客数にした分析と、バナナの複数購入顧客7人のIDをセグメント客数にした分析とに分けることができ、バナナ全体のID、10人の中身をバナナの購買行動で分けることが可能となる。この時の基本は10ID=3ID+7IDとなり、これがID分析の基本となる。

   すなわち、レシート分析ではひたすらレシートの枚数を増やすか、レシート内の売上金額である金額PI値を引きあげるかにより、バナナの売上を伸ばすマーチャンダイジングのみであった。これが、ID分析では、そのレシート枚数の中身がID10人、さらには、はじめてバナナを購入したID3人、バナナを複数回購入したID7人とに分けられ、それぞれ、そのレシート枚数、レシートの売上、金額PI値が把握できる。したがって、そのマーチャンダイジングは、ID10人を11人、12人とすることであり、そのためには、バナナをまだ購入していない顧客にバナナの購入を促すことであり、さらに、バナナをはじめて購入した顧客に再度購入を促すことであり、理想的には全顧客IDにバナナを購入してもらい、しかも、複数回、バナナを購入してもらうようなマーチャンダイジングの仮説をつくって、商品からのアプローチとID特有の直接何らかの方法で顧客IDに働きかけることにより、バナナの売上をのばすことが、ID特有のマーチャンダイジングといえる。

   このように、ID分析は同じ購入客の購買行動にまで踏み込み、その顧客セグメントにもとづいたマーチャンダイジングを改善することにより、顧客の数を増やしながら、その購買行動にもとづいたマーチャンダイジング政策を検討し、改善することが可能となるのが最大の特徴といえよう。

   実は、レシート分析でもこのような考え方を応用すると様々な分析が可能となる。たとえば、バナナを購入しているレシートと購入していないレシートを分析し、顧客をセグメントする方法である。通常バナナの購入しているレシートはバナナの売上金額、売上数量があがるので、分析対象となるが、バナナを購入していないレシートはバナナの売上金額0、売上数量0であるため、活用されることなく捨てられるが、バナナ以外の購入商品の数字、たとえば、レシート全体の数字であれば、活用可能となり、バナナの購入レシートのセグメントとバナナを購入していないレシートのセグメントに分けて分析するなど、様々な分析が可能となる。顧客セグメントはその意味で実に奥が深いテーマであり、ID分析の醍醐味でもある。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1186人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在422人)

June 19, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 18, 2008

金額PI値とID金額PI値について

   前回に続き、レシート分析とID分析の話である。今回はこの2つの世界観をより具体的に理解するために、金額PI値という指標に絞って、見てみたい。ここで、金額PI値といった場合は、これまで、小売業では通常実施してきたレシート分析の指標とし、ID分析の場合はIDを頭につけてID金額PI値というように表現し、金額PI値を区別して使ってゆきたい。

   この2つの世界をわかりやすく理解するために、具体的な数字で見てみたい。ある期間にIDが10人、レシート枚数が100枚、売上金額が100,000円の場合である。この場合、ID分析の場合のID金額PI値は100,000円÷10人であるので、=10,000円となる。同様にレシート分析の場合は、金額PI値=100,000円÷100枚となり、=1,000円となる。同じ金額PI値でも100倍違う数字となり、この瞬間に、レシート分析の金額PI値で数字に慣れてしまった場合は、その桁数があまりに大きくなり、理解ができなくなってしまう。これが、さらに、期間が伸びて、IDは同じ10人、レシート枚数が200枚、売上金額が200,000万円となった場合は、さらに戸惑うことになる。この時のID金額PI値は200,000円÷10人であるので、何と20,000円となり、先ほどのケースの場合の金額PI値が2倍となってしまう。ところが、レシート分析上では、金額PI値は200,000円÷200枚であるので、1,000円となり、金額PI値は同じ数字で変わらないからである。

   ID金額PI値はこのように期間の取り方によって、通常の小売業の数字では倍々ゲームとなり、時間とともに増加してゆく数字となるのが通常であり、一般的に金額PI値は客単価であるので、時間とともに倍々となってゆくなど創造できない世界であり、まず、ここで、ID分析がわかりづらくなってしまう原因がある。まさに世界観が違うといえ、レシート分析では時間というものがさほど意識されなかった世界であったが、ID分析では時間が極めて重要な概念となり、どの期間でのID金額PI値なのかが厳密に問われなければ、比較検討がそもそもできない世界であるといえる。

   一方、客数の方は今度は逆の動きとなる、レシート分析の場合は先ほどの事例では100枚が200枚と倍となったが、ID分析の場合はIDは10人で変わらずであり、変化がない。金額PI値とは対照的な動きであり、レシート分析は期間とともに、客数が増えてゆくが、ID分析の場合は期間とともにIDはあまり増えず、変化が少ないといえる。

   したがって、レシート分析の場合は、売上=客数(レシート枚数)×金額PI値であり、時間とともにレシート枚数が大きく変化し、金額PI値は客数ほど大きな変化はないことがわかる。逆に、ID分析の場合は売上=客数(ID数)×ID金額PI値であり、時間とともにID金額PI値が飛躍的に増大し、客数はあまり大きな変化がないという好対照な結果となる。

   これだけ、世界観が違うと、売上の根幹指標のひとつである客数と金額PI値が全く正反対の動きとなり、実に理解しづらい指標となり、まず、話が通じるはずがなく、これまで、通常取り組んできたレシート分析のマーチャンダイジングがIDの世界では対照的な動きとなり、理解不能となってしまうのが通常である。レシート分析では通常、マーチャンダイジングの改善は変化の起こりにくい金額PI値に焦点を当て、さらに、金額PI値をPI値と平均単価に分解し、単品ごと、カテゴリーごとの課題を抽出し、その解決をはかってゆくという流れになるが、この流れを、ID分析に適用しても、ID金額PI値が時間とともに急激に増大するため、とらえにくい動きとなり、ID分析でマーチャンダイジングを改善するには別のアプローチが必要となる。むしろ、IDに焦点をおき、IDを増やすことにマーチャンダイジングの焦点を当てることが正解といえ、IDの変化をもたらすための仮説検証がID分析では重要な政策といえよう。ID金額PI値については、このまま活用するよりも、一旦、金額PI値との翻訳作業を行い、翻訳後、再度、ID金額PI値を改善するマーチャンダイジングを検討した方がよさそうである。

   実は翻訳作業はさほど難しい作業ではなく、客数PI値ひとつで簡単に双方の世界へは変換が可能であり、その返還を行うことで、レシート分析で培われたノウハウをID分析へ応用することができ、逆に、ID分析で新たに作られるノウハウをレシート分析に翻訳し、活用することもできる。

   たとえば、レシート客数とID客数は客数PI値、ないしは、ID客数PI値で翻訳が可能であり、同様に、金額PI値とID金額PI値も客数PI値とID客数PI値で翻訳ができる。また、この客数PI値とID客数PI値は互いに逆数となっており、双方を掛け合わせると1となる関係であり、客数PI値=1/ID客数PI値という関係である。ここで、客数PI値とはID÷レシート枚数であり、ID客数PI値は逆数のレシート枚数÷IDのことである。

   このようにレシート分析とID分析はあまりに対照的な指標となるため全く別な世界のことのように思えてしまうが、実は密接に関係しているといえ、客数PI値、ID客数PI値を加えることで相互の世界をいったりきたりできるようになる。その意味で、これまで蓄積してきたレシート分析のマーチャンダイジングのノウハウは、ID分析が可能になった場合は一度、客数PI値で翻訳し、棚卸をしてみると良いといえよう。マーチャンダイジングの精度が飛躍的にあがるはずである。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1186人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在422人)

June 18, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 17, 2008

レシートの世界とIDの世界!

   もう20年近くPOS分析に取り組んできたが、いまだ極めつくせずに、研究をつづけている。まだまだ先が長そうであるが、ほぼ方向性は見えているので、根気よく、取り組んでゆきたい。この研究に時間がかかるひとつの理由は、理論と実践が裏腹の関係にあり、理論の方は知恵を絞れば、比較的構築しやすのだが、実践の方がIT技術の進化、費用対効果の面で中々追いついてこないということがある。約10年前、1998年頃にID-POS分析にはじめて取り組んだ時には、IT技術もまだまだ発展途上であり、ハード、ソフト両面でかなりの設備投資が必要な時代であったが、最近のIT技術の普及は目覚ましいものがあり、いまでは、技術面はほぼ問題ないところまで来ているといえる。

   その意味でいま、POS分析に問われているのは、ID-POSの時代に相応しいマーチャンダイジング理論の構築であり、それを裏づける費用対効果の高い実践事例であるといえよう。通常のPOS分析とID-POS分析はどこが違うのか、どのような関係にあるのかを明確にし、ID-POSでなければならない独自固有の分析手法とその効果を実証し、費用対効果も含めて、ID-POSの導入が本当に小売業の収益の改善に寄与するかを検証することであろう。今後、数年間は、この模索の時代が続くと思うが、私自身にとっても次世代のPOS分析のテーマ、少し気負っていえば、使命として取り組んでゆきたい。

   さて、そのPOS分析であるが、POS分析には客数のとらえ方により、レシート分析とID分析に大きく分かれ、さらに、それぞれが全体客数とセグメント客数に分かれる。この両者は独自の世界を構築し、その世界の中で交わることがなく、完結することができるのが特徴である。どちらも、売上からはじまるのだが、一旦、その世界に入ってしまうと、その世界の中で分析がはじまり、売上が無限の要素に分解されるが、その分解された要素はその世界の中でのみ回っており、売上を起点に表と裏の世界が出現することになるのが特徴である。

   ひとつ例を示せば、売上をレシート分析の主要指標のひとつレシート客数で分解すると、売上=レシート客数×レシート客数当りの金額PI値となる。このレシート客数は全体客数の場合もあれば、セグメントされた客数の場合もあり、セグメント客数を用いた場合は、さらに、売上は、売上=レシート客数×レシート客数PI値×セグメント客数のレシート金額PI値となる。ここで、レシート客数PI値はセグメント客数÷全体レシート客数のことである。したがって、セグメント客数=全体レシート客数となった時は客数PI値=1となり、レシート全体客数の場合はセグメント客数がレシート客数と一致した特殊な場合であることがわかる。

   これに対して、ID客数の場合であるが、売上をID分析の主要指数のひとつであるID客数で分解すると、売上=ID客数×ID金額PI値となり、セグメントIDの場合も売上=ID客数×ID客数PI値×セグメントIDの金額PI値となる。ここで、ID客数PI値はセグメントID客数÷全体ID客数である。

   そして、この2つはどこまで行っても交わることがなく、レシート客数はレシート客数の中で、ID客数はID客数の中で完結し、ぐるぐる回っているに過ぎない。いわば、独自の世界を構築しており、その独自の世界で動いているといえる。問題は、通常、これまで、小売業ではレシート分析の世界でマーチャンダイジングの仮説検証を実施し、そのノウハウを積み重ねてきたため、ID分析でPOSデータが分析された場合、戸惑ってしまい、思考停止か、全く別の世界のこととして理解しようとしてしまうことである。通常、世界観が2つ出現した場合には、新たな世界観の中で新たな世界観を構築するか、または、過去の世界観で構築されたものを、何らかに方法を用いて翻訳し、新たな世界観を理解するかの方法しかないが、現在のPOS分析の現状は、双方がごちゃごちゃになっており、業界全体が戸惑っているのが現状のように思える。

   そこで、歴史的にはレシート分析がはるかに長い歴史があり、マーチャンダイジングについてはこれまで仮説検証が繰り返され、ノウハウの蓄積も厚いものがあり、ひとつはこれをID分析に翻訳することが早道であろう。また、一方で、ID分析でなければ絶対にできない分析もあり、これについては、IDの世界で新たなにマーチャンダイジングを構築するしか方法がないといえよう。逆に、IDの世界はレシート分析では全く見えない新たな世界であるため、レシート分析に翻訳することは全部は不可能な世界だからである。両者の関係は基本的にレシート分析≦ID分析という関係にあるので、レシート分析はすべてのIDに翻訳可能であるが、ID分析はある部分はレシート分析に翻訳不可能なものもある。

   したがって、ID分析が可能になった場合は、ID分析を主体にマーチャンダイジングを確立し、これまでレシート分析の仮説検証により蓄積されてきたノウハウはすべてID分析に翻訳しなおし、さらに、ID分析特有の分析を用いて、仮説検証を行い、新たなノウハウを加えてゆくことが望ましいように思える。その意味でID-POSの時代はこれまでのマーチャンダイジングのノウハウが無駄になるのではなく、新たな観点から再検討し、必要に応じて新たなノウハウを付け足すことがその本質であるといえよう。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1186人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在422人)

June 17, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 16, 2008

食品商業最新号で、決算を特集!

   食品商業最新、2008年7月号で食品スーパーマーケットの決算特集の記事が掲載された。本ブログでも速報で各社の決算を取り上げてきたが、ここであらためて、この決算特集をもとに食品スーパーマーケットの決算状況をみてみたい。今回、この食品商業に取り上げられた企業数はGMS、食品スーパーマーケットを含め、49社であり、この内、営業利益段階で見た場合、増収増益が28社、減収減益が10社であり、増収減益7社、減収増益4社であったという。全体としては、食品スーパーマーケット業界は、好調な決算であったといえよう。なお、この食品商業の決算特集の数字はすべて、単体ベースである。

   まず、主要GMS、5社の状況であるが、営業利益段階で見ると、増収増益は西友の1社のみである。ただ、西友は当期純利益は大幅な赤字となる厳しい決算であった。他の4社はイオンが増収減益、イトーヨーカ堂、ダイエーが減収減益、ユニーが減収増益という決算であり、GMSは全体的として厳しい決算であった。特に、既存店は公表のない西友を除き、すべて、昨対を切っており、さらに、新店もイオンの23店を除き、各社数店舗と出店が思うようにできず、成長が伸び悩んでいる。

   また、販売管理費を売上総利益で賄える収益構造の企業は1社もなく、すべて、不動産等の営業収入で営業利益をプラスにもっていっており、収益性の面でも厳しい状況にあるといえよう。高収益体質で定評のあるイトーヨーカ堂でさえ、販売管理費26.3%、売上総利益25.7%と差引きわずかではあるが、-0.6%となっており、営業収益1.8%を加え、営業利益を1.2%と黒字にもっていっている。したがって、ROA、ROEは、ダイエーのみ、マルエツ株の売却益が入るなど特別利益が計上されたため、ROEが19.9%と異常値となっているが、各社数%と厳しい状況である。

   一方、貸借面では、イトーヨーカ堂の自己資本比率70.8%が突出しており、西友の7.9%を除くと、各社40%前後である。有利子負債もやはりイトーヨーカ堂の795.52億円が最も低く、イオン1,776.34億円、ダイエー1,328.11億円、ユニー2,251.89億円、西友2,947.27億円という状況である。各社、以前の状況と比べるとだいぶスリム化されてきているのがわかる。

   次に、食品スーパーマーケット業界の決算状況であるが、まず、増収増益の企業であるが、イズミ、イオン九州、イオン北海道、サンエー、ライフコーポレーション、ヨークベニマル、マルエツ、アークス、オークワ、サミット、バロー、カスミ、マックスバリュ西日本、ヤオコー、いなげや、エコス、マックスバリュ東海、関西スーパーマーケット、ベルク、サンクスジャパン、アオキスーパー、東武ストア、オオゼキ、丸久、ハローズ、マルヨシセンター、丸和の27社である。逆に、減収減益となった企業は、フジ、天満屋ストア、東急ストア、タイヨー、相鉄ローゼン、マックスバリュ東北、北雄ラッキー、マルヤの8社である。また、売上高が2,000億円を超えている食品スーパーマーケットを見ると、イズミ3,793.29億円、平和堂3,387.10億円、イズミヤ3,295.05億円、フジ2,898.62億円、イオン九州2,267.00億円、ライフコーポレーション4,285.03億円、ヨークベニマル3,199.31億円、マルエツ3,142.26億円、東急ストア2,427.97億円、アークス2,414.55億円、オークワ2,402.51億円、サミット2,042.73億円、バロー2,000.88億円の13社である。

   さらに、収益性について、営業利益を見てみたい。営業利益が5.0%を超える食品スーパーマーケットであるが、イズミ5.3%、サンエー6.9%、オオゼキ7.7%の3社のみである。営業利益3.0%以上は平和堂3.3%、天満屋ストア3.2%、ヨークベニマル3.5%、アークス3.4%、オークワ3.3%、バロー3.1%、マックスバリュ4.0%、ヤオコー3.8%、原信ナルスホールディングス3.3%、マックスバリュ東海4.5%、ベルク4.0%、アオキスーパー3.3%、東武ストア3.0%、ヤマザワ3.3%、丸久4.6%、ハローズ3.6%の16社であり、大半を占める。また、販売管理費が20%台を含め、20%を切る食品スーパーマーケットは、アークス19.2%、タイヨー19.0%、サンクスジャパン12.7%、アオキスーパー16.2%、オオゼキ18.2%、丸久19.7%、イズミ20.8%の7社である。さらに、営業総利益からこの販管費を引いた数字がプラスになった収益性の高い食品スーパーマーケットはイズミ0.6%、サンエー4.0%、ヨークベニマル0.3%、マルエツ0.2%、アークス3.4%、マックスバリュ西日本2.0%、タイヨー1.5%、原信ナルスホールディングス3.3%、マックスバリュ東海2.5%、ベルク0.0%、サンクスジャパン1.6%、アオキスーパー0.6%、東武ストア1.5%、オオゼキ6.6%、丸久2.2%、ハローズ1.2%、マルヨシセンター0.2%、丸和0.8%の18社である。

   一方、貸借面を見てみると、自己資本比率が50%を超える食品スーパーマーケットはユーストア54.5%、サンエー67.6%、ヨークベニマル79.7%、アークス58.0%、オークワ61.2%、いなげや55.0%、タイヨー61.1%、マックスバリュ東海70.5%、ベルク51.1%、アオキスーパー61.6%、東武ストア65.7%、ヤマザワ65.3%、オオゼキ77.8%、マルヤ62.4%の14社である。

   このように食品商業最新の2008年7月の決算特集を見てみたが、GMSと対照的に食品スーパーマーケットの好調さが浮きぼりになる決算であったといえよう。成長性、収益性、安定性、どの指標をとっても全体的に食品スーパーマーケットは好調な決算であったといえる。また、各地で有力な食品スーパーマーケットが高収益性と財務の安定性を基盤に売上を拡大している状況も鮮明であり、今後、これらトップ企業を中心に食品スーパーマーケット業界も集約がはじまり、群雄割拠の時代に入りつつあるといえよう。そろそろ、2月期決算企業の新年度の第1四半期決算が公表される時期になるが、本ブログでも今後、決算情報は最優先で取り上げてゆきたい。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1184人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在415人)

June 16, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 15, 2008

気になる一面、日経MJ、PB特集について

   日経MJ、6/13、一面にPBの記事が掲載された。「製販同盟、小売主導、大手メーカー続々参入」、「セブンプレミアム、PBの衝撃」、「原料高・市場縮小…逆風、力関係変える」、「PB協力、NBの販促費」という見出しの全面特集である。記事の内容はセブン&アイが総力をあげて取り組んでいるPB、セブンプレミアムの解説記事である。特に、大手メーカーが続々とセブンイレミアムの商品開発に参画しはじめたことへの異変について解説した内容である。記事の中ではその象徴的な企業として、味の素の冷凍食品について取り上げているが、これまで味の素はPBに対応することはなかった企業であり、その味の素が主力商品のひとつであるエビシューマイがセブン&アイのPB、セブンプレミアムで販売されたことが、業界にとって大きな衝撃であったという。

   実際、これまで、PBというとカテゴリーのNo.1、No.2メーカーは自社のNBとバッティングするため応じることはほとんどなかったのが実態である。そのため、PBは価格は安いが、品質がいまひとつという声が多く、PBそのものの店内シェアがいまひとつあがらないという期間が長く小売業にはつづいたといえる。イオンのトップバリュも初期の頃はなかなか消費者に浸透せず苦労した時期があるが、やっと、店内売上構成比が10%近い数字にまで伸びつつあるが、その背景にはPBに大手メーカーも応じるようになり、品質が向上したということがある。これに加え、ここ最近の原料、資源高の値上げが、NBの価格に転嫁されはじめ、PBとの間に価格差が生じ、PBが単に値頃感が増しただけでなく、明らかに誰もが安いと感じるところまで、価格差が開いたことにより、急激に、消費者がPB購入にシフトしはじめたことが大きいといえよう。

   この日経PBの記事にもセブンプレミアム商品の一覧が掲載されているが、たとえば、カップラーメンの場合、製造メーカーはサンヨー食品であるが、価格は88円、NBのカップヌードルは日経MJでは128円と書いてあるが、私の周辺の食品スーパーマーケットでは138円で販売されており、その価格差は63.7%となり、30%以上の差となっている。これまで、PBとNBの価格差はせいぜい10%から20%が平均であったので、30%以上差がつくことはかなりの価格差であり、誰でも安いと感じる価格差といえる。ここまで価格差がつくとさすがのNBのブランド力をもってしても、対抗するのが厳しい状況といえ、これに、ここ最近では大手メーカーがPBに応じるようになり、品質での差も縮まってきており、PBを選択しない理由をみつける方が難しい状況といえよう。

   その他の価格が掲載されているセブンプレミアムの商品を見てみると、スイスロール(ロールケーキ)、山崎パン、118円(138円)、85.5%、中濃ソース・とんかつソース、カゴメ、178円(198円)、89.8%、ごまドレッシング、キューピー(傘下のサラダメイト)、298円(398円)、74.8%、ピザトースト、日本ハム、288円(398円)、72.3%等であり、いずれも大手メーカーが対応しており、しかも、NBとの価格差は15%から30%近い差となっているのが実態といえる。

   日経MJの記事の中では、味の素が主力商品のシューマイのPBに応じた背景として、冷食メーカの営業利益率が売上高比で1.5%から3.0%ぐらいと、飲料メーカーの5.0%前後と比べると大きな開きがあるという。その要因は、小売業が冷凍食品を目玉に使い、全品4割引きなどの特売を繰り返し、それがメーカーの利益を圧迫しているという。また、記事では言及されていなかったが、この1月に起こった中国冷凍餃子事件の影響も大きく、冷凍食品業界は売上が大きく落ち込み、厳しい経営状況に追い込まれているのが実情であり、味の素も例外とはいえいず、ここ最近は回復気味にあるとはいえ、依然として厳しい状況が続いているといえる。さらに、これに値上問題が拍車をかけており、これらがあいまって、今回、セブンプレミアムというPB商品の開発につながったといえよう。

   記事の中ではこの5/9にセブン&アイがセブンプレミアム発売1周年を記念した優秀商品の表彰式が本社で開かれたという。その中で、今回、グランプリに輝いたのが、売れ行きが急伸したカップめんであったという。準グランプリが日本ハムと共同開発したピザトーストなどの軽食シリーズであるという。また、記事の中では、セブンプレミアムの開発リーダーのヨークベニマル社長の大高善興社長のコメントが掲載されているが、その中で、「こんなに簡単に消費者がNBからPBへ「ブランドスイッチ」が起きるのかと感じたメーカーは多いはず」と述べているが、まさに、この数ケ月はこの言葉が象徴的に表しているといえ、値上げ問題が消費者の購買行動を変え、PBへ急激にシフトしている状況にあるといえよう。

  このように、今回の日経MJはセブンプレミアムについての特集記事であったが、食品スーパーマーケットのPB全体がこのような状況にあるといえ、この値上げ問題は消費構造をも変える大きなうねりとなりつつあり、小売業のPB戦略、メーカーのPB戦略を根底から変えつつあるといえよう。今後の食品スーパーマーケットはもちろん、メーカーのPB戦略には注目といえよう。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1184人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在415人)

June 15, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 14, 2008

日経MJ、新製品ランキング、20080613、アイス絶好調!

   日経MJ、新製品ランキングが6/13、公表された。今週も先週に引きつづき、アイスクリームが絶好調であり、冷凍食品部門では、ランキング20位、すべてを独占した。本来この部門は冷凍食品が主体であるはずであるが、ベスト20に、先週、今週と1品も新製品が来ないことは異常事態といえ、逆に、心配である。No.20には江崎グリコ、パピコ<マルチパック>45ml×10が金額PI値70円で入っており、金額PI値70円を超える冷凍食品の新製品が1品もないということであり、冷凍食品業界に異変が起こっているといえよう。なお、今週から、本ブログでは、日経MJでは、来店客千人当たり金額(円)という指標を使っているが、これまではそれを客単価と呼び変えて表現していたが、今後は金額PI値という表現で統一してゆきたいと思う。

   金額PI値も厳密には、導入店舗あたりの場合も全店舗当たりの場合も、あるいは、様々な客数で割った場合もあり、導入店金額PI値、総店金額PI値、あるセグメントされた客数における金額PI値等ある。日経MJでは、導入店当りの金額PI値のみ公表しており、その導入店の割合をカバー率で表している。この来店客千人当たり金額(円)はまさに、導入店金額PI値であり、今後は、正確には導入店金額PI値であるが、ブログでは金額PI値としてゆきたい。

   さて、冷凍食品部門であるが、No.1は森永乳業、エスキモーPARM(パルム)チョコレートアイスクリームバー、55ml×6本、金額PI値255円である。先週に続きNo.1を維持しており、3/10初登場の新製品であり、そろそろ、新製品の規定の13週となるが、13週近くでもNo.1を維持するのはすごい新製品といえ、今後、定番化された後でも重点商品として強化してゆくべきアイスクリームのひとつといえよう。No.2は同じく森永乳業、エスキモーピノチョコアソート10ml×26粒、金額PI値234円である。No.3はハーゲンダッツジャパン、ドルチェミルフィーユ106ml、金額PI値172円、No.4もハーゲンダッツジャパン、クリスピーサンドカスタードプディング66ml、金額PI値150円である。そして、No.5が明治乳業、うずまきソフト75ml×6個、金額PI値148円である。以上がベスト5であるが、すべて、平均単価が200円以上の高額商品であり、今週は100円以下のアイスクリームが上位には入らなかった。

   冷凍食品部門についで、やはり、この数週間注目の部門はその他食品部門である。No.1は不動のダノンジャパン、「ダノンビオ」ヨーグルトプレーン・加糖85g×4個、金額PI値509円とAランク500円を超え、極めて支持の高い新製品といえよう。カバー率も82.0%と対象45チェーン、250店舗の大半に導入されての金額PI値509円であり、注目である。ダノンはこれ以外にも、No.5にいちじくミックス、金額PI値231円、No.8にプレーン・砂糖不使用、金額PI値212円、No.10にブルーベリー+ストロベリー、金額PI値190円、No.13にキウイ+フルーツミックス、金額PI値154円と5品ランキングに入っており、注目といえよう。No.2は敷島パン、超熟ロール6個入り、金額PI値387円、敷島パンは、No.4にもスナックチョコ8本入りが金額PI値251円で入っている。No.3には森永乳業、北海道バター200gが先週No.22から急浮上し、金額PI値257円であるが、バターの品不足を反映したランキング入りといえよう。

   その他の部門では、飲料部門では値上げ関連商品が上位を独占しており、No.1からNo.3まで明治乳業となり、No.1はおいしい牛乳1000ml、金額PI値1,285円と1円を超える今週の全新製品でトップの金額PI値となった。No.2は同じくおいしい牛乳スーパーESL1000ml、金額PI値683円、No.3も同じくおいしい牛乳500ml紙パック、金額PI値442円である。No.4にはいま話題の日本コカ・コーラ、ファンタふるふるシェイカーオレンジ190ml、金額PI値406円が入り、4/19初登場の新製品であり、先週比金額PI値が122円ダウンしているが、依然として、金額PI値Bクラスの300円を優に超え、高い支持であるといえよう。No.5はサントリー、C.C.レモン500mlペットボトル、金額PI値303円であり、カバー率は96.8%と今週の全新製品No.1である。

   また、菓子部門では、No.1にネスレコンフェクショナリー、キットカットミニ15枚、金額PI値466円、No.2にカルビー、じゃがりこバジル58g、金額PI値316円、No.3には明治製菓、べストリー209gが金額PI値202円で入り、以上3品が金額PI値Cクラスの200円を超えた新製品である。そして、家庭用品部門であるが、No.1はカネボウ化粧品、ブランシールスペリアホワイトニングコンクルージョン(医薬部外品)45ml、金額PI値468円、No.2は花王、トイレクイックルつめかえ用ジャンボパック20枚、金額PI値258円である。

   このように今週の日経MJ、新製品ランキングも先週同様、冷凍食品部門でアイスクリームがベスト20、すべてを独占するという異常事態となっており、冷凍食品業界は新製品開発に異変が起きている状況と推察される。ただ、今後、アイスクリームの本格的な季節を迎えることとなり、アイスクリームの動向には注目といえよう。また、その他食品は逆に、様々なカテゴリーから新製品が続々と登場している。来週以降もこの2つの部門の動向に注目である。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1184人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在415人)

June 14, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 13, 2008

大量保有報告書、最新の動きを見る!

   ここへ来て、食品スーパーマーケット関連のM&Aがにわかに注目されはじめた。本ブログでも触れた、つい最近、6/9に公表されたオークワのパレへのM&Aが記憶に新しいが、今後、本格的な食品スーパーマーケット業界のM&Aの幕開けともいえる動きといえよう。そこで、ここでは、実際の大量保有報告書をもとに、イオンをはじめ、各食品スーパーマーケットの直近の大量株式取得状況を見てみたい。大量保有報告書は現在、株券等の保有割合が1%以上増加した時、公表することが義務づけられているので、わずかな株価の変動をも把握することが可能となった。

   まず、最近、とみに話題となったマルナカであるが、4/17現在、ハローズの株を3.73%所有している。それまでが2.72%であったので、ここへきて約1%の株を買い増しており、今後の動きが注目である。ハローズの発行済株式総数は18,144,000株であるので、現在676,700株を所有しており、取得資金は約4億5千万円である。ただ、ハローズは、マルナカの本拠地、香川県に出店第1号としてハローズ丸亀店を6/13、オープン予定であり、四国は今後はハローズの重要なドミナント地区となり、マルナカとは競争状況が地元、広島はもちろん、四国でも激しくなることが予想される。このマルナカの株式取得が今後、どのような影響となるか先が読めない状況といえよう。

   次に、イオンの食品スーパーマーケット関係であるが、イオンがマックスバリュ北海道を4/1現在50.67%の株式を取得した。直近が48.65%であるので、ついに、50%を超え、経営の支配権を確立したといえよう。マックスバリュ北海道の発行済株式総数は6,941,350株であるので、3,516,900株を所有しており、取得金額は約32億1,500万円である。また、マックスバリュ西日本がマックスバリュ北海道を4/1現在1.70%の株式を取得しており、さらに、マックスバリュ東北がマックスバリュ北海道を4/1現在0.85%の株式を所有している。すなち、4/1現在、マックスバリュ北海道はイオンから50.67%、マックスバリュ西日本から1.70%、マックスバリュ東北から0.85%の株式を取得されている状況といえよう。これ以外にも、マックスバリュ北海道は、バックオフィスサポート事業のチェルトが4/1現在、0.85%の株式を所有している。ちなみに、マックスバリュ北海道は、4/1、約2%の株式を市場外で処分しており、これがイオン関連企業に渡ったものといえよう。

   さらに、イオンは上記以外にも6/3現在、CFSコーポレーションの株式をTOBで27.71%所有しており、直近が15.01%であるので、大幅な増加であり、今後、まだ増加する可能性が高いといえよう。これ以外にも食品スーパーマーケット関連として、やまやを5/13現在、19.03%(直近18.02%)、ダイエーを1/28現在、19.26%(直近18.07%)、マルエツを昨年9/13現在、31.96%(直近20.33%)、所有している。

   また、オオゼキであるが、石原坂多門氏、石原坂寿美江氏が、この株主総会で役員に就任し、同時に、ここへ来て、新たに株式の取得をしている。石原坂多門氏は、5/29現在、1.23%の株式155,500株を約5,000万円で取得した。その目的は、「発行会社の創業者一族で経営に参加し、安定株主として長期保有を目的とする」というものである。一方、石原坂寿美江氏も5/29現在、23.71%の株式3,000,000株を1億2,364億円で取得している。ただし、この内、2,000,000株は昨年の12/10、相続により取得している。特に石原坂多門氏は、オオゼキの社長、カウボーイの社長を経ての再度オオゼキの役員就任であり、非常勤取締役となるが、石原坂寿美江氏とともに、大株主でもあり、今後、経営にどのように参画してゆくかが注目される。

   上記以外にも食品スーパーマーケット業界では様々な株式の大量取得がここ最近起こっており、四国のフジが異業種であるが、ドラックストアのレデイ薬局を昨年の9/30現在、11.46%の株式1,795株を市場外取引で約4億円で取得している。目的は長期保有を目的とした政策投資であるという。

   このように、大量保有報告書の一部を見てみたが、食品スーパーマーケット関連もここ最近増えつづけており、今後、業務・資本提携、そして、M&Aを前提に業界再編が起こる土壌ができつつあるといえよう。日本の食品スーパーマーケット市場は、ナショナルチェーンが育ちにくい環境にあり、各地で100店舗を超え、年商2,000億円クラスの食品スーパーマーケットが群雄割拠している状況といえる。そして、今後、このクラスの食品スーパーマーケットを中心に周辺地域の食品スーパーマーケットをM&Aしてゆきながら、店舗数をさらに増やし、3,000億円、5,000億円の食品スーパーマーケットが出来上がってゆくのではないかと想定される。その先駆けとなる動きが、今回取り上げた食品スーパーマーケット、各社の動きといえ、今後の動向に注目といえよう。また、今回のオークワのパレへのM&Aでもファンドが絡んでいたように、今後は直接的なM&Aに加え、ファンドが間接的にからむケースも増えることが予想され、日本の食品スーパーマーケットも第2段階、すなわち、各地区での寡占化に向けて動き始めたといえよう。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1176人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在410人)

June 13, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 12, 2008

PI値は3つある、そして、その関係は?

   ここへ来て、PI値を勉強される方が増えているのを感じる。小売業でも、メーカーでも卸でもよくPI値ということばを聞く機会が多い。そこで、今回はあらためてPI値の基本の基本をまとめてみたい。実は、PI値には3つの指標がある。そして、その3つは相互に関連しており、体系化されるが、意外に3つのPI値が混同されて活用されていることがあり、改めて3つのPI値について解説してみたい。先に結論をいえば、3つのPI値とは数量PI値、金額PI値、客数PI値であり、この3つは、金額PI値=客数PI値×セグメント客数における数量PI値×平均単価で関係づけられ、体系化される。

   原則、PI値とPIがつけば、すべて顧客1人当たりの数字のことであり、数量PI値は売上数量÷客数であり、金額PI値は売上金額÷客数であり、客数PI値はセグメント客数÷客数のことである。要は分母に何をもってくるかにより、PI値の中身が違うということである。このように、PI値には3つの指標があり、PI値といっても、どのPI値なのかにより、区別がつきにくく、PI値の頭に数量、金額、客数をつけて区別することにより、PI値の中身が明確になり、会話が成立することになる。PI値といった場合は何のPI値かをしっかり区別して、会話することがポイントであり、そうすることによって、マーチャンダイジングの本質に迫ることができる。

   では、この3つのPI値の関係はどうなっているかであるが、これも、よく目にするのが、この3つの指標をバラバラに活用し、ある時は数量PI値でみたり、ある時は金額PI値でみたり、ある時は客数PI値でみたりし、相互の関係を無視してマーチャンダイジングに踏み込んでしまう場合が多い。歴史的にいえば、数量PI値が一番はじめに登場し、次に金額PI値が生まれ、最後に、ごく最近、客数PI値が明らかになったといった流れである。ただ、ややこしいのは、POS分析初期の頃は、客数と数量が混同されて使われていたりし、意外に、最近、あきらかになった客数PI値が部分的に先に使われたりしていた場合もあり、いまでも初期の頃から客数PI値と数量PI値を一緒に活用されている企業もある。PI値も歴史的には様々な呼ばれ方があり、客数比率、支持率、顧客1人当たりの販売数量などがあり、この内、特に、支持率が客数PI値である場合もあり、支持率という言葉を用いている場合は要注意である。

   さて、その3つの関係であるが、PI値は客数で割って算出する指標であるので、原点は販売金額=販売数量×平均単価(売価)である。この双方を客数で割ったものがPI値であり、この数式は、(販売金額÷客数)=(販売数量×平均単価)÷客数となり、右辺を=(販売数量÷客数)×平均単価とすると、これが金額PI値=数量PI値×平均単価となり、基本である。すなわち、金額PI値はPI値と平均単価を掛けあわせて成り立っており、2次元の指標となる。したがって、金額PI値を引き上げるには、数量PI値を引き上げるか、平均単価を引き上げるかがポイントとなり、片方だけを引き上げも金額PI値があがるかどうかは保証されない。金額PI値は数量PI値と平均単価の微妙なバランスで決まる指標であることがわかる。

  次に、最近、頓(とみ)に注目が集まっている客数PI値であるが、これはID-POSが普及するようになって体系化されたごく最近の新しい指標である。というのは、客数PI値の分母、分子は様々な客数がくるため、そもそも客数が全体客数以外で自由に把握できないと算出不可能な指標であるからである。現在の通常のPOSシステムでも、ある程度のところまでは様々な客数をとることはできる。たとえば、青果を購入した客数(正確にはレシート枚数)とか、バナナを購入した客数、ある棚の商品を購入した客数、チラシ商品を購入した客数などである。ただ、女性の客数、男性の客数、年配の方の客数、子供の客数、さらには、リピート購入した客数、トライアルの客数等は通常のPOSレジでは把握が不可能であり、これはID-POS、たとえば、ポイントカードなどの何らかの顧客識別ができてはじめて把握できる客数である。

  このような様々な客数が把握できれば、数量PI値は販売数量÷客数なので、ここにたとえばバナナの客数がわかれば、バナナの客数÷全体客数という客数PI値が算出でき、数量PI値=客数PI値×バナナの客数の数量PI値と変形できる。ここで、バナナの客数の数量PI値を数量PPIと数量PI値と区別するためにPをひとつつけて表現することもあるが、要は客数がバナナの客数など、セグメントされた客数における数量PI値のことである。

  これをまとめると、金額PI値=数量PI値×平均単価=客数PI値×セグメントされた客数の数量PI値×平均単価となり、ここに3つのPI値の相互関係が明らかになる。金額PI値をあげるためには、客数PI値、セグメントされた客数の数量PI値、平均単価の相互の微妙なバランスをとることであることがわかる。金額PI値も客数PI値が入ることにより、2次元から、3次元の立方体で表現できるようになり、金額PI値が上がった場合は、この3つの要素のどれかが微妙な関係で動き、立方体の体積が必ず大きくなる。なお、金額PI値=数量PI値×平均単価も客数PI値が1の場合の特殊事例と考えれば、金額PI値は常に、=客数PI値×セグメントされた数量PI値×平均単価と表すこともできる。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1176人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在410人)

June 12, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 11, 2008

オークワ、パレをM&A、フェニックスが譲渡!

  オークワの株が動き始めた。6/10、午前の株価は1,567円(+62円、+4.11%)と上昇し、これまで、1,500円前後で、推移していた株価がこの日、午前、上昇した。 6/9、オークワの取締役会で正式にパレの株式を取得し、子会社化することが決議されたことを受けての株価の動きと思われる。オークワの株価は前期決算終了後ぐらいから株価が上がりはじめ、4/3に公表された2008年2月期決算では増収増益の好決算となり、さらに株価が上昇、決算前は一時、1,000円近辺まで下がっていたが、決算以降は1,500円まで上昇した。ただ、その後、4月上旬以降は、1,500円前後で、ほぼ、2ケ月間横ばいを続けていたのが、今回のパレへのM&Aが好感されてか、6/10、午前の株価は上昇した。ただ、この日、最終の株価は1,535円 (+30円、+1.99%)とやや落ち着いたが、結果、約2%の上昇といえ、今後の株価の動向が注目される。

   そのパレとの合意内容であるが、パレは投資ファンド、フェニックスキャピタルのもとで経営再建中であったが、そのフェニックスキャピタル(72.4%)をはじめ、大株主の名古屋鉄道(21.8%)、三井物産(5.0%)から株式の99.4%を取得し、完全子会社とするという。取得金額は70億円(49,400株)であるので、単純に比率で計算するとフェニックスキャピタル50.68億円、名古屋鉄道15.26億円、三井物産3.5億円となる。フェニックスファンドは2005年に約20億円強の投資をパレへ行っているので、単純計算で3年で2倍強の投資回収率であり、オークワとのスムーズな合意がなされたものと推測される。

   フェニックスキャピタルは、もともと流通関連への投資も積極的であり、市田(きもの、ラルフローレン、東証一部)、津松菱(百貨店)、近商ストア(スーパーマーケット)、さくらや(家電量販)、そして、パレ(スーパーマーケット)への投資実績がある。特に近商ストアに関しては、昨年の7月に近畿日本鉄道へ株式を譲渡し、投資回収を終えており、食品スーパーマーケット業界への投資として、これで、2件が完了することになる。

   パレの直近の決算の数字であるが、2007年8月期は売上高336.87億円(昨年358.40億円:93.9%)と売上は若干下がっているが、当期純利益は4.46億円(昨年2.65億円:168.3%、売上対比1.32%)と大幅に増加しており、利益の回復が見える。また、自己資本比率も45.4%(昨年42.2%)と改善されており、経営が回復基調にあるといえよう。また、パレは現在、17店舗(愛知県14店舗、静岡県2店舗、岐阜県1店舗)を展開しているが、主力業態はパレマルシェという高質食品スーパーマーケットであり、売上総利益は29.5%(昨年28.5%)と通常の食品スーパーマーケットよりは高い粗利率の業態である。

   さて、今回、オークワがパレを子会社化することになったが、オークワは昨年11月に中部・東海エリア初の食品スーパーマーケット愛西プラザ店をNSCタイプでオープンしており、今後、どのように、この地区でのドミナント展開を進めてゆくかが注目されていたが、いきなりのM&Aで17店舗へと拡大し、愛西プラザを基点に18店舗のドミナトができあがったといえる。特に、オークワは最近、高質スーパーの「メッサ」に力を入れるとともに、フランス料理のノウハウを導入した高級惣菜へも挑戦しており、パレの「パレマルシェ」とは相性の良い同質業態といえ、特に、この地区では、得意のディスカウント業態とともに、高質食品スーパーマーケットの展開も積極的に進めてゆくことになろう。

   6/10の日経新聞でも、「愛知の食品スーパー、パレ、オークワ、70億円買収発表」という見出しの記事が掲載された。記事の中ではパレに社長をはじめ、役員を派遣し、仕入を一本化してコスト競争力を高めると同時に、PBの共同開発にも踏み込むという内容である。また、先週の日経でも、「食品スーパー、オークワ、中堅を買収、中部地盤、パレ、イオンなどに対抗」という記事を取り上げているが、その中で、イオン、セブン&アイホールディングスのPB戦略に対抗してゆく意味でも、共同仕入れ機構、ニチリウの中核であるオークワが動いたことが、ニチリウの他の加盟社へも波及するのではと言及している。

   今回のオークワによるパレの完全子会社化は投資ファンド、フェニックスキャピタルが間に入ったことにより、話がスムーズに進んだ感があるが、今後、食品スーパーマーケット業界は、今回のように投資ファンドも含め、M&Aが本格化する環境が整いつつあるといえよう。特に、現在、食品スーパーマーケット業界は各地にオークワとほぼ同規模の100店舗以上、年商2,000億円を超える企業が群雄割拠しており、イオン、セブン&アイホールディンスと対抗する意味でも、さらに、地元および周辺地域のシェアをあげてゆくことが喫緊の経営課題となりつつあるといえる。その意味で、今回のオークワのパレへのM&Aは食品スーパーマーケット業界の本格的なM&Aの序章ともいえる動きといえよう。

   このように、オークワがパレへのM&Aを正式に発表し、中部・東海エリアでの本格的なドミナトの展開がはじまったが、この地区は、地元ユニーをはじめ、イオンのマックスバリュ東海、中部、そして、ユーストア、ヤマナカ、バロー等競合がひしめきあっている地区である。今後、さらなるM&Aを誘発し、北海道のように、食品スーパーマーケット各社が数チェーンへ集約される可能性が高くなったといえ、中部、東海地区の今後の動向に注目である。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1176人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在410人)

June 11, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 10, 2008

マルエツの社長インタビューを見る!

   日経MJで、マルエツの高橋恵三社長へのインタビュー記事が6/2掲載された。興味深い内容であり、現在のマルエツの好調要因、今後の動向をうらなう上で参考になるので、重要と思われる部分をまとめてみたい。まず、高橋社長の経歴であるが、生え抜きであり、前身の丸悦ストアーに1973年、駒大法学部を卒業後入社している。取締役就任が2001年であるので、入社28年後であり、その5年後の2006年に社長に就任し、現在に至っており、年齢は57歳である。マルエツは2006年2月期に営業赤字約10億円を計上しており、その次の2007年2月期にはV字回復を果たし、今期も順調に増収増益となり、中期目標の営業利益80億円を達成しそうな勢いである。この劇的な経営改革の真っただ中での社長就任であり、そのいきさつを含め、日経MJのインタビューとなった。

   そのインタビューの冒頭で、業績急回復の要因についての質問に対し、かつてのダイエーとの仕入れ共通化の弊害について述べている。食品スーパーマーケットは生鮮食品が命といえ、特にその中でも青果はPI値が最高の商品群であり、平均でも顧客一人当たり2点以上(PI値200%)はあり、高い店舗ではPI値が300%(3点)は超えるという商品群である。食品スーパーマーケット業界で恐らく集客力ではNo.1といえるオオゼキの青果の売上構成比は今期21.6%であり、鮮魚12.9%、精肉12.3%と青果はダントツに高い数字である。1日平均、4,000人近くの集客の原動力なっており、青果の強さが食品スーパーマーケットのバロメーターといってもよいくらい重要な部門である。その青果がダイエーとの共通仕入で弱くなり、生鮮全体が以前、売上構成比が55%はあったというが、ここ最近では、45%近くまで落ち込んでいたというので、いかに食品スーパーマーケットとしての競争力が下がっていたかが伺い知れる。

   ちなみに、オオゼキは徹底的な個店主義を貫いており、店舗が青果を含め独自に仕入れることも可能であり、特に青果では店舗独自の仕入れが店舗の強みとなっており、結果、青果の構成比を引き上げ、青果が集客の源泉となっている。ダイエーとの仕入れの共通化が、こと生鮮、特に青果に関しては、いかにマルエツの競争力を落とす結果となったかが想像されるといえよう。インタビューの中でも、高橋社長は、青果に関しては、「商品を仕入れる市場も増やして、収穫から短時間で店頭に並ぶようにしました。こうした取り組みの成果で、青果の売上高は06年度で前の年度に比べ約5%増、07年度は約10%増でした。・・」と述べており、青果の自社仕入の改革がマルエツの業績回復にとって大きかったと述べている。

   また、インタビューの中ではイオンとの関係についても質問があり、その中で、「今回イオンとの提携でも持株比率が33.4%を超えないことにこだわりました。」と述べており、自主独立路線は堅持するという強い意志が感じられる。さらに、インタビューの中では、「4月の全店のPB比率はマルエツが開発したPBも含めて5%ですが、トップバリュを先行した11店舗では6%近くまで上がりました。・・ただ、ダイエーとの取り組みの経験から、すべての品ぞろえを他社に委ねるつもりはありません。ナショナルブランド(NB)で顧客の要望に対応できないのであれば、マルエツが独自でPBを作ります。」と述べている。さらに、「それよりもトップバリュが優れているのであれば取り入れます。イオンの商品もいいものがたくさんありますが、『いいとこどり』でいくつもりです。」と述べており、イオンとも是々非々の関係で臨むという方針であるという。

   最後に、新店戦略についても触れているが、東京都心部では小型店の出店余地がまだまだあり、今後、マルエツとしても2009年度6店、2010年度10店を予定しているというが、その内、7割はビルなどに入る売場面積800平方メートル(約250坪)以下の小型店であるという。今後、都心部への小型店戦略が新店の比重を占めるという。

   実際、マルエツは、この3/1付けで新たな組織として、都新販売本部を立ち上げており、ここに小型店のフーデックスプレス販売部も、ポロロッカ販売部も統合され、本格的な都心での小型店を展開してゆく体制を整えている。一方で、マルエツはNSCの開発にも積極的に取り組んでおり、今後は小型店とNSCを含めたSSMの展開という両極の出店戦略をバランスよく展開してゆくことになろう。

   このように、マルエツの高橋社長のインタビューを見ると、確固たる自主独立の信念を感じる内容である。ただ、実際には、現在、イオン、丸紅が株式所有比率では主導権を握っており、単独で1/3を超えないように微妙なバランスとなっており、今後、マルエツが経営権を確実に確保できるかどうかは、イオンの出方にかかっているともいえる状況である。すでに、新年度がはじまり、3ケ月が経過し、売上速報としては、3月、4月が公表されており、3月110.2%(既存店104.8%)、4月107.5%(既存店102.6%)と4月度はやや下がったが、それでも高い伸びを維持しており、特に既存店が好調に推移している。今期もよい滑り出しといえ、V字回復も軌道に乗ってきたといえよう。今後、イオンとの微妙な関係を含め、今期の食品スーパーマーケット業界では注目の1社といえよう。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1176人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在410人)

June 10, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 09, 2008

家計消費状況調査、2008年4月度を見る!

   6/3、総務庁統計局から2008年4月度の家計消費状況調査が公表された。この調査は、総務庁によれば、「個人消費の動向を的確に把握するため,購入頻度が少ない高額な商品・サービスや、近年増加が著しいIT関連の商品・サービスへの世帯における支出を安定的にとらえることなどを目的として、毎月実施している調査です。」ということであり、家計調査データでは十分に消費実態が把握しにくい項目の調査である。家計調査が約9,000世帯の調査であるのに対し、この家計消費実態調査は約30,000世帯への調査であり、家計調査よりも、分母が大きいのが特徴である。

   具体的な項目は、通信・放送受信、家具等、衣類、自動車等関係、住宅関係、家電等、医療の7つの項目であり、詳細は約70にも及ぶ調査データである。キーワードは、購買頻度の低い高額商品であり、食品スーパーマーケットでは扱いがないか、極めて少ない商品がほとんどである。ただ、家計調査ではわりにくい消費実態を知る上には貴重な統計データといえよう。特に、ここ最近値上げ問題が浮上し、消費、特に高額商品にどのような影響を与えているかを知ることができる。

   まず、この4月度の全体の数字であるが、377,570円(昨対98.2%)と若干、昨年より下がった傾向はあるが、ほぼ横ばいの消費状況といえよう。では、個々の項目で110%以上昨年より伸びた項目を大分類ごとに見てみると、通信・放送受信では、ケーブルテレビ受信料(受信料とインターネット接続料)718円(111.1%)、衛星デジタル放送視聴料231円(110.5%)が伸びている。通信・放送受信はこれ以外に、携帯電話、インターネットがあるが、これも110%までは伸びていないが、9,618円(103.3%)、1,638円(107.3%)とともに伸びており、通信・放送受信関連は消費は好調であった。ただ、固定電話使用料は3,092円(94.2%)と伸び悩んでおり、金額面で見ても、携帯電話の約1/3となり、電話は完全に携帯電話の時代に入ったといえよう。

   次に、高額商品の典型といえる家具について見てみると、たんす243円(66.9%)、 ベッド300円(83.6%)、布団355円(68.1%)、机・いす(事務用・学習用)269円(94.7%)、食器戸棚180円(68.7%)、応接セット220円(84.6%)と厳しい状況である。唯一、楽器(部品を含む)のみ214円(110.3%)と好調な消費であったが、全体としては家具類は消費が昨年に比べ控えられた項目といえよう。

   同様に、高額商品である家電であるが、これは項目により、明暗がわかれている。110%以上の消費が旺盛な項目を見てみると、移動電話機(携帯電話機,PHSの本体価格と加入料)440円(141.9%)と通信・放送受信とも連動し、好調であり、141.9%は消費全項目約70の中で最高の伸び率である。これ以外にも、 カー・ナビゲーション201円(133.1%)、ビデオカメラ147円(132.4%)、デジタル放送チューナー内蔵テレビ2,099円(129.2%)、デジタル放送用チューナー・アンテナ92円(126.0%)、インターネット接続機能付テレビゲーム機74円(115.6%)が110%以上の消費であった。逆に、ミシン56円(56.6%)、エアコンディショナ414円(69.7%)、ステレオセット62円(83.8%)などが厳しい状況であった。好調なデジタル関連でも、デジタル放送チューナー内蔵テレビ以外のテレビ93円(72.7%)、カメラ(使い捨てのカメラは除く)503円(81.4%)、ファクシミリ付固定電話機103円(83.1%)は、伸び悩んでおり、明暗が分かれたといえよう。

   これ以外の項目で110%以上消費が伸びた項目を見てみると、衣料では、婦人用スーツ・ワンピース1,713円(110.3%)、自動車等関係では、自動車(新車)13,874円(112.8%)、その他では挙式・披露宴費用3,157円(117.8%)である。また、意外に伸びが高かったのが  仕送り金6,868円(110.5%)である。この仕送り金は地域差が大きく、トップは東北の11,178円、ついで北陸の10,044円となり、最も少ないのが近畿の5,095円、関東の5,453円であった。

   これに対して、90%以下となった項目を見てみると、衣料では和服(男子用・婦人用)732円(57.5%)、自動車等関係では自動車(中古車)3,837円(69.0%)となり、新車とは対照的な消費傾向となった。住宅関係では、家屋に関する設備費・工事費・修理費(内装)4,198円(64.9%)、給排水関係工事費1,951円(75.0%)、宅地の地代505円(79.9%)という状況である。医療では、歯科診療代2,374円(83.6%)、出産入院料378円(70.9%)、 出産以外の入院料2,886円(85.7%)であった。その他では、自動車教習料306円(59.0%)、パック旅行費(国内)3,220円(73.6%)、パック旅行費(外国)2,743円(83.0%)と旅行関係は国内外ともに厳しい消費状況であったといえよう。また、先ほどの仕送りに対し、贈与金に関しては12,810円(87.9%)と厳しい状況であった。

   このように、この4月度の家計調査データは把握が難しい頻度の低い高額商品の消費動向は全体として若干のマイナスであったが、約70項目の個々の状況を見ると、110%以上に大きく伸ばした項目や逆に90%以下の厳しい項目が混在しており、消費も項目により、明暗がはっきりわかれた結果となった。特に、このような中でもデジタル関連はインターネット関連を含め絶好調であり、値上げ環境の中でも消費を牽引しているといえよう。来月以降も、値上げ環境は厳しい状況が続くといえるが、今後もこの消費状況調査には注目してゆきたい。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1176人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在410人)

June 9, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 08, 2008

勝間和代さん著、「利益の方程式」を読む!

   たまたま、新大阪の書店で手にとった本に興味を覚え、買ってしまった。勝間和代さんの書いた「勝間式、利益の方程式」(東洋経済新報社)である。この本を買う動機となったのはパラパラとページをめくっていたら、万能利益の方程式が目にとまり、利益を金額PI値(客単価)を用いて解説していたからである。本の中では金額PI値、客単価という言葉はいっさい出てこないが、数式の中心はまさに金額PI値(客単価)のことであり、本の中では「顧客当り単価」という言葉を用いている。はじめは平均単価のことかと思い、読み進めてみると、まぎれもなく金額PI値(客単価)のことであり、なぜかドキッとした。

   また、この利益の方程式を見て、さらにびっくりした。原価PI値、経費PI値を使い、最終的に利益PI値を算出していたことである。本の中では、利益=(顧客当り単価-顧客当りコスト-顧客当り原価)×顧客数という数式を使っているが、これはPI値で置き換えれば、利益高=(金額PI値-経費PI値-原価PI値)×客数、さらに、=(粗利PI値-経費PI値)×客数=利益PI値×客数となる。ただし、経費PI値はこの本の中では顧客獲得の経費に限定している点が少し違うが、要は利益PI値を3つに分解して、客数を含め、それぞれの各要素の改善のポイントを解説した本である。まさにPI値理論そのものといえ、金額PI値を中心に利益PI値にまで踏み込んだ、公認会計士の勝間さんらしい観点から、利益というものに真正面から取り組んだ本といえよう。

   ひとつ残念だったのは、顧客当りの単価=金額PI値(客単価)をPI値×平均単価と分解せずに、金額PI値と平均単価の関係に焦点を当てた解説に終始してしまっていた点である。最終目的が利益高にあるので、どうしても金額概念主体となり、数量概念が隠れてしまうのは仕方ないが、もったいない気がする。利益PI値も数量概念を入れれば、数量PI値×商品当たりの利益高となるので、顧客当り数量、すなわち、PI値から利益に迫ることもできると思うので、この角度から、迫ってみても利益改善はおもしろい展開ができると思う。

   ただ、この本の中で一貫して協調しているのは、顧客当り単価=金額PI値(客単価)の重要性であり、これを下げないことが利益を獲得する最大のポイントであると示しており、金額PI値アップは、売上を上げることが目的だけではなく、利益をあげる上にも最も重要で、根幹の指標であることを示した点には共感できた。

   実際、コンサルティングの現場で金額PI値(客単価)の重要性を説明すると、必ず、質問されることがある。金額PI値アップの重要性は理解できるが、それが利益改善につながるのかという質問である。通常、現場では、それに対して、粗利PI値、経費PI値の話をし、最後に、利益PI値の話をし、金額PI値-原価PI値=粗利PI値、利益PI値=粗利PI値-経費PI値と話し、利益改善は粗利PI値を引き上げ、経費PI値を引き下げることであり、さらに、粗利PI値は金額PI値を引き上げ、原価PI値を引き下げることであると解説し、結果、大本の、金額PI値が下がれば、全部下がり、上がれば、全体も良くなるという説明をしてきたが、この本のように、もっとシンプルに実践的に絞り込んだ方が分かりやすいのではと思った。その意味で、この本はまさに、この問題に真正面から答え、解説した本といえ、今後は参考にこの本をお読みくださいといえる、実にわかりやすい解説書である。

   また、このシンプルな数式で参考になったのが、コストを顧客獲得コストに絞り込んだ点と顧客数を固定数ではなく、普及論を応用して、ある段階では急激に変化する変動数ととらえていることである。特に、客数は通常のPI値では全体客数を使うため、食品スーパーマーケットでは固定数ととらえてしまう。ただ、CRMになると客数PI値が重要なキー概念となるため、商品によっては客数PI値が急激に変化するものもあり、まさに、変動数とした方が良いといえる。むしろ、客数をID数×ID客数PI値(来店頻度の逆数)とすると良いかもしれない。また、顧客当り獲得コストについても、食品スーパーマーケットの場合は、顧客当り人件費=人件費PI値の方が良いかもしれない。人件費PI値を算出することで、オペレーションとも連動し、人件費のコントロールがいかに利益を生み出すかに直結するからである。さらに、人件費PI値を((平均時給×人数)×時間)÷客数とし、=人員PI値×時給×時間とし、顧客一人当たりの人員を適正にした上で、時給と総労働時間の関係を考え、いかに人件費PI値をコントロールすれば、利益が出るかを考えれば良いように思う。

   このように、この本は実に示唆に富む本であり、利益に対して真正面から取り組み、極めてシンプルな数式で、その本質を解説しており、しかも、その根幹が金額PI値(客単価)にあることを示した内容である。PI値を勉強している人にとっては、やや物足りないところもあると思うが、金額PI値(客単価)と利益の関係を理解するには最適な良書のひとつといえよう。勝間さんの次の展開に期待したい。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1176人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在410人)

June 8, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 07, 2008

日経MJ、新製品ランキング、20080606、アイス独占!

   恒例の日経MJ、新製品ランキングが6/6、公表された。先週から、冷凍食品部門のアイスクリームの新製品が好調であり、今週はさらにその好調さを増している。上位を独占しただけでなく、公表されたランキング20位の内、すべてがアイスクリームとなる快挙となり、冷凍食品が1品もランキングに入らない逆に異常事態ともいえる。No.20の客単価が105円(1人当たり0.105円)であるので、今週の冷凍食品の新製品の客単価はすべて105円以下となることになり、冷凍餃子事件の時もこのようなことがなかったので、ここへきて冷凍食品の新製品が極めて厳しい状況にあるといえよう。

   その冷凍食品部門No.1は、もちろん、アイスクリームであるが、先週同様、森永乳業、エスキモーPARM(パルム)チョコレートアイスクリームバー55ml×6本、客単価303円(先週比22円)であった。カバー率も84.0%と対象全45チェーン、250店舗のほとんどの店舗に入っており、高いカバー率である。アイスクリームは比較的カバー率が高い新製品が多いのが特徴である。No.2も先週同様、江崎グリコ、Newジャイアントコーン<チョコナッツ>・<クッキー&チョコ>・<クッキー&バニラ>140mlであり、客単価は277円である。3/2、初登場の新製品であるので、そろそろ13週目となり、ランキングから外れる時期となるが、初登場以来高いランクを維持しており、カバー率も91.2%と極めて強い支持を維持しつづけた新製品であり、定番となっても高い客単価が期待できよう。

   No.3は森永乳業、エスキモーピノチョコアソート10ml×26粒、客単価242円、No.4は明治乳業、エッセルスーパーカップ超バニラ200ml、客単価234円、No.5はロッテアイス、HERSHEY'Sチョコレートアイスバー55ml×7本、客単価218円、そして、No.6が森永乳業、エスキモーピノ10ml×6粒、客単価218円であり、ここまでが客単価Cクラスの200円を超える新製品である。また、この6品は平均単価がそれぞれ、272円、88円、365円、88円、198円、88円と定額商品と高額商品が交互に来ており、客単価はいずれも200円強であるので、PI値が平均単価と反比例しているという特徴がある。アイスクリームはこのように、PI値が高い定額商品とPI値が低い高額商品のバランスをとった品揃えがポイントであるといえよう。

   この冷凍食品部門のアイスクリームについで、今週、注目の部門は、その他食品である。まず、先週ダントツのNo.1であった日清食品、カップヌードルミルクカレー86g、が客単価341円ダウンの389円となり、No.2に後退した。389円も客単価Bクラスであり、高い数字であるが、先週は730とAクラスの客単価であったので、失速である。平均単価は120円から121円と1円アップとさほど上がったわけではないので、初回購買が一段落した状況といえ、今後、リピート購買にどれだけつながってゆくかがポイントといえよう。客単価が389円近辺で落ち着くか、それそれともさらに下がるかが、来週以降、注目といえよう。

   変わって、No.1に浮上したのは、先週No.2であったダノンジャパン、「ダノンビオ」ヨーグルトプレーン・加糖85g×4個、客単価はAクラスの508円であった。ダノンビオシリーズはこれ以外にも、No.5にいちじくミックス80g×4、客単価233円、No.7にプレーン・砂糖不使用85g×4、客単価197円、No.11にブルーベリー2個+ストロベリー2個(80g×2)×2、客単価160円、No.16にキウイ2個+フルーツミックス2個(80g×2)×2、客単価148円と4品、合計5品がランクインしており、注目の新製品といえよう。今後、どこまでランキングをあげるかがポイントである。

   これ以外のその他食品にも注目の新製品が目白押しであり、No.3、No.4、No.9には、敷島製パン、超熟ロール6個入り、客単価377円、スナックパンチョコ8本入り、客単価319円、スナックパン8本入、客単価172円が入った。また、No.6には、フジッコ、おまめさんきんとき145g、客単価216円が入るなど、バラエティに富んだ新製品が上位にランクインしており、その他食品部門は冷凍食品部門についで注目の部門といえよう。

   この2部門以外では、飲料の値上げ商品関連である牛乳類を除くと、No.3の日本コカ・コーラ、ファンタふるふるシェイカーオレンジ190mlが4/19初登場と約2ケ月たった現在も客単価528円のAランクを維持しており、注目といえよう。また、No.10に初登場のキリンビバレッジ、潤る茶500mlペットボトル、客単価239円が入った。菓子ではNo.2にカルビー、じゃがりこバジル58gが客単価190円、No.8に森永製菓、ミルクキャラメルクッキー12枚、客単価138円でいずれも初登場でランクインしている。これ以外にも客単価は低いが初登場の新製品がいくつかランクインしており、今後、夏場に入り、菓子もアクティブな動きになりつつあるといえよう。家庭用品では大きな変動はないが、No.1はカネボウ化粧品、ブランシールスペリアホワイトニングコンクルージョン(医薬部外品)45mlが客単価628円で唯一客単価Aクラスとなった。
 
   このように、今週の新製品ランキングは冷凍食品部門でアイスクリームが全新製品のランキングを独占するという異常事態となった。また、その他食品ではダノンビオが絶好調であり、さらに様々なバラエティの新製品がランクインしており、この2部門が特に注目といえる週となった。ここへ来て値上げ問題も一段落しつつあり、本来の新製品ランキングにもどりつつあり、来週以降もこの2部門を中心に新製品の動向に注目したい。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1176人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在410人)

June 7, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 06, 2008

ウォルマート、200801決算、スーパーセンターへ集中!

   海外最新決算動向、前回のテスコに続き、第2弾、ウォルマートを取り上げてみたい。ウォルマートの決算は1/31であり、1月期決算となる。まず、売上であるが、3,745.26億ドル(39.37兆円)となり、昨年対比108.6%、既存店は102.0%の成長である。年商約40兆円にもなってまだ成長を続けており、限界がまだまだ見えない状況といえよう。ただ、成長の牽引役となっているのは海外部門に負うところが大きく、前回、本ブログで取り上げたテスコとよく似た状況である。

   この時点でのウォルマートの国内、海外を合わせての総店舗数は7,262店舗であり、海外の店舗数がその内、3,121店舗と約40%強となり、しかも、昨年が2,757店舗であったので、113.20%の成長であり、国内は4,141店舗、昨年は4,022店舗と102.9%であるので、いかに海外の成長が高いかがわかる。ただ、国内4,141店舗の内訳は、スーパーセンターが2,447店舗(昨年2,256店舗:108.4%)、ディスカウントストア971店舗(昨年1,075店舗:90.3%)、サムズクラブ591店舗(昨年579店舗:102.0%)、ネバーフッドマーケット132店舗(昨年112店舗:117.8%)であり、スーパーセンターに成長戦略を絞っているのが特徴といえる。国内全4,141店舗の内、スーパーセンターは2,447店舗であるので、約60%近い構成比となり、ウォルマートは以前のディスカウントストアというイメージではなく、スーパーセンターを主力業態としたチェーンストアというイメージに生まれ変わったといえよう。

   その意味で、なぜ、西友ではGMSをスクラップし、スーパーセンター戦略を全面に押し出した成長戦略をとらなかったか不思議である。情報システム、物流センター、財務上の問題等課題は多々あったとは思うが、アメリカでのこのスーパーセンターへの経営資源の集中度合いを見ると、西友は逆の戦略をとり、結果的に苦戦してしまったように思える。

   ちなみに、ウォルマートがスーパーセンターへ戦略をいつシフトしたかを、ディスカウントストアとの対比で見てみると以下のようである。1998年(スーパーセンター441店、ディスカウントストア1,921店)、1999年(564店127.8%、1,869店97.2%)、2000年(721店127.8%、1,801店96.3%)、2001年(888店123.1%、1,736店96.3%)、2002年(1,066店120.0%、1,647店94.8%)、2003年(1,258店118.0%、1,568店95.2%)、2004年(1,471店116.9%、1,478店舗94.2%)、2005年(1,713店116.4%、1,353店91.5%)、2006年(1,980店115.5%、1,209店89.3%)、2007年(2,256店113.9%、1,075店88.9%)、そして、2008年(2,447店108.4%、971店90.35)である。

   この10年間の推移を見ると、10年前はまだスーパーセンターの方がディスカウントストアより圧倒的に少なかったが、その後、毎年、120%以上の成長をつづけ、6年後の2004年には拮抗し、7年後の2005年にはとうとう店舗数が逆転し、この時点でスーパーセンターがウォルマートの主力業態となった。さらに、その後もスパーセンター主体の成長戦略がとられたことがわかる。その意味でウォルマートは2005年がチェーンストア経営の転換点といえよう。

   ちなみに、ウォルマートのEDLP(エブリデイロープライス)を支えるコスト構造であるが、この10年間の経費比率の推移を見ると、2008年(18.76%)、2007年(18.55%)、2006年(18.04%)、2005年(17.82%)、2004年(17.35%)、2003年(17.29%)、2002年(17.03%)、2001年(16.81%)、2000年(16.42%)、1999年(16.62%)、1998年(16.81%)という推移であり、スーパーセンターへ出店戦略を集中させることにより、経費比率が約2ポイント上昇していることがわかる。それでも18%台で経費が回っているので、かなりのローコスト経営ではあるが、かつてのイメージの16%台というウォルマートの経費比率はもはや不可能となっており、今後は19%台まで上昇すると予想される。いかにディスカウントストアの経費比率が低いか、逆にスーパーセンターの経費比率が意外に高いかがわかる。

   ここで直近、2008年度決算の財務面を見てみたい。ウォルマートの自己資本比率は39.5%(昨年40.6%)であり、意外に低い数字といえる。その要因を出店にかかわる資産面と負債面から見てみると、土地、建物等の出店にかかわる資産は75.5%(昨年72.4%)であり、自己資本ではまかなえない構造となっており、これを負債の主要項目である借入等で賄っており、借入れ比率が21.8%(昨年21.5%)であり、自己資本と合わせると61.4%(昨年62.2%)であり、まだ約10%強、その他の負債で賄っている構造である。今後、さらなる安定成長を目指すためにも、もう少し、自己資本比率を引き上げる必要がありそうである。また、ウォルマートは業態特有の在庫も多く、総資産の21.5%(昨年22.2%)あり、テスコは8.1%であるので、在庫負担も食品スーパーマーケット以外の商品が多いため大きいのが特徴である。

   このように2008年度のウォルマートの決算をみると、年商約40兆円と世界最大の企業となっても依然として成長を続けているのに驚かされる。その最大の要因は成長業態であるスーパーセンターへ経営資源をシフトしたことに加え、同様に成長市場である海外へも積極的に経営資源をシフトしていることにあるといえよう。ただ、その結果、コストが上昇し、自己資本比率がやや厳しい状況にあることが気にかかるが、当面、この方向でさらに成長は可能といえるが、伸び率は鈍化傾向にあり、次の一手がそろそろ必要な時期に来たようにも思える。ウォルマートの次の成長戦略がどのような形で、いつ打ち出されるか、次の一手に注目したい。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1173人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在409人)

June 6, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 05, 2008

Chain Store Age、6/01号、焼酎のPOS分析記事を投稿!

   Chain Store Age、6/1号に焼酎のPOS分析記事を投稿した。以前、同誌に投稿したワインのPOS分析につぐ、第2弾となる記事である。タイトルは、「焼酎売場活性化のチャンス、品揃えの見直しが売上を飛躍的に変える!」、「甲、乙、混和、その重点商品と品揃えの実態をPOSデータから見る」であり、焼酎のPOS分析について真正面から取り組んだ内容である。ページ数も今回は4ページであるので、POS分析結果もかなりのスペースを割いて掲載でき、焼酎の現状を単品レベルで理解できるのではないかと思う。また、今回のPOS分析は昨年の9月、10月、11月のTOPNAVI提供の3ケ月間の累計データを活用しているので、まさに、これから旬を迎える焼酎の今期の品揃えに活かせるのではと思う。

   チェーンストアにおけるPOS分析の基本は単品においては、全体の金額PI値とその商品を扱かっている店舗のみの金額PI値に分けて考えることである。この2つの指標は、客数PI値で媒介され、数式では、金額PI総店=客数PI値×金額PI扱店となり、客数PI値=扱い店舗の客数÷全体の客数である。その商品が全店に導入されていれば、客数PI値=1となり、金額PI総店=金額PI扱店となるが、実際のチェーンストアでは重点商品以外ではバラつくことが多く、金額PI値も双方を見極める必要がある。今回の焼酎でも約400店舗の店舗間のバラつきはすごいものがあり、客数PI値5%で切っても全店舗での共通の商品はわずか数パーセントという状況であった。特に、乙類は全部で2,476品もあり、客数PI値5%以上の商品はわずか96品という状況である。

   焼酎には製法上の違いから甲類、乙類、混和があるが、特に、乙類の品揃えが豊富である。本格焼酎といわれるように、麦、芋、米などを原料に様々な工夫が凝らされ、地産地消の典型的な商品といえ、各地で大メーカーはもちろん、中小メーカーがしのぎを削り、豊富な品揃えとなっている。ただ、食品スーパーマーケットでは、あまりに品揃えが多いために、商品選定が難しく、判断基準がなかなか見いだせないのが実情である。今回は、金額PI総店=客数PI値×金額PI扱店の数式にもとづき、焼酎の全商品約3,000品目の中から、重点商品を選定し、その一覧を掲載した。

   甲類に関しては約500品の中から、客数PI値5%以上、金額PI扱店1,000円以上のものをA、500円以上のものをB、客数PI値0.5%以上5%未満、金額PI値1,000円以上のものをCとし、その全品76品を掲載した。同様に、乙類もA、B、Cの全41品を掲載した。これが焼酎約3,000品目の中でのPOS分析から得られる最重点商品候補といえよう。また、乙類に関しては、これに加え、Eランク、客数PI値は低いが、金額PI扱店は高い商品をさらにピックアップし、誌面に掲載した。乙類はいかに多くの店舗で扱っているかよりも、扱い店舗は少なくとも、その店舗でしっかり支持されている商品の方が重要度が高いと判断したためである。

   そして、今回は最近注目度が高まっている混和についてもPOS分析を試みた。混和はまだ10%弱のシェアであるが、ここへきて焼酎にも値上げ問題が起こり、特に麦関連は価格が上がりはじめている。混和はその意味で比較的お手頃価格であり、なおかつ、本格焼酎の香りも味わうことができ、甲と乙のまさに中間をゆく商品といえ、POS分析を試みてみた。

   今回、焼酎のPOS分析を試みて感じたことは、ちょうど、現在連載しているChain Store AgeのPOS分析実践講座の第1回の時取り上げた食パンと菓子パンの話と全く同じ構図となり、びっくりしたことである。食パンに当たるのが甲類であり、菓子パンに当たるのが乙類であり、この2つは製法上の違いだけにとどまらず、消費構造の違いにまで発展していることである。まさに、乙類は菓子パンそのものといえ、マーチャンダイジングについても、同様に、重点商品の強化に加え、品揃えの充実がポイントなることである。さらに、乙類は、今回、誌面に掲載したが、ml単価と内容量のグラフが示すように、ml単価が豊富であり、これは、乙類のマーチャンダイジングには、プライスラインを明確にしたマーチャンダイジングがポイントになることを示しているといえる。単に品揃えを増やすだけでなく、プライスラインごとに、品揃えを強化することがポイントになる。誌面の都合上、プライスラインごとの品揃えは掲載することができなかったが、乙類はプライスラインマーチャンダイジングがもうひとつの決め手といえよう。

   また、今回、割愛したデータで、家計調査データの分析がある。直近の4月度のデータを見ても焼酎の20.53円(昨対106.9%)に対して、清酒は16.90円(昨対97.1%)と日本酒をはるかに上回っており、焼酎が特に若い層を中心に支持が広がり、今後、値上げ問題もからみ、酒の中では注目のカテゴリーといえよう。

   このように焼酎をPOS分析するとかなり明確なマーチャンダイジングの方針が明らかになり、まさに、今回のタイトル通り、「焼酎売場活性化のチャンス、品揃えの見直しが売上を飛躍的に変える!」ことが実現可能であると感じる。この秋の品揃えは是非、このPOS分析のデータをもとに売場を見直し、飛躍的な売上アップを目指して欲しい。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1173人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在409人)

June 5, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 04, 2008

家計調査データ速報、2008年4月度、外食失速!

   家計調査データの4月度が5/30、総務省統計局から公表された。家計調査データは、毎月公表されるが、公表が翌月の月末となるため、現在6月に入っているが、最新データは4月度のデータである。この4月度については、小麦関連、資源エネルギー関連の食料品の値上ラッシュが一段落した後の数字ということで注目の月である。値上げについては、引き続き、第2弾の値上げがはじまっているが、今後、家計にどのような影響がでるか予断を許さない厳しい状況が続いているといえよう。ただ、全体としては、外食を除く食品は1,949.90円(昨対99.7%)という微減という数字であり、大きな影響はなかったといえよう。ただ、個々の状況をみると影響を受けた項目もあり、特に、外食と調理食品(惣菜)が大きかったといえる。

   本ブログでは家計調査データを食品スーパーマーケットの金額PI値(客単価)と連動させ、比較検討するために、1世帯当たり1ケ月のデータを1日当りに換算し、さらに、そのデータをそれぞれの項目を購入した世帯数の割合と購入した世帯のみの消費額に分け、家計の消費実態をより深く落と込んで集計している。数式では、1日当りの1世帯当たりの消費額=その項目の消費世帯数の割合×その項目のみの消費世帯数の1日当りの消費額となる。必要に応じて、より、深く消費実態を落とし込んでゆくつもりである。

   さて、今月、この4月度の家計調査データの最大の特徴は外食と調理食品(惣菜)の数字が昨対で落ち込んだことであるといえよう。実際の数字は、外食は415.27円(昨対94.1%)、調理用品(惣菜)254.60 円(昨対93.3%)という数字であり、いずれも5%以上のダウンである。また、穀類217.70円(昨対103.3%)、肉類216.77円(106.4%)、油脂・調味料106.27円(昨対104.1%)、野菜・海藻288.30円(昨対100.4%)という状況であるので、外食から内食へと需要が移行しているといえそうである。ただ、生鮮の中でも、魚介類233.30円(昨対96.1%)、果物84.40円(昨対96.6%)とすべての生鮮が良いわけではなく、比較的価格が安い項目が良いといえ、消費者はしっかり商品を選別して家計を調整しているといえよう。

   特に、肉類では牛肉54.70円(99.6%)、豚肉69.67円(108.1%)、鶏肉34.57円(113.6%)、合いびき肉6.23円(119.1%)と価格の高い牛よりも豚、豚よりも鶏と価格の安い項目の需要が高いのが特徴であり、最も高い伸び率の肉類は合いびき肉の119.1%である。合いびきに関しては中国餃子の問題もあり、値上げ問題と2重の影響により大きくプラスに転じたと思われるが、いずれにせよ、値頃感のあるお買い得の肉類へ需要が特に集中しているといえよう。また、加工肉も好調であり、ハム13.03円(105.4%)、ソーセージ20.90円(110.6%)、ベーコン6.97円(102.5%)と、いずれの項目もプラスであり、特に、ソーセージは2桁の伸びとなっているのが特徴である。

   これに対し、外食であるが、やはり中国餃子問題の影響を受けた中華食10.60円(72.1%)が最も落ち込みが大きいが、学校給食19.07円(84.9%)、洋食40.00円(85.6%)、和食56.97円(93.1%)、中華そば 13.77円(93.7%)、飲酒代43.67円(93.4%)と厳しい状況である。プラスになったのは、他のめん類外食5.47円(124.2%)、喫茶代14.53円(103.6%)、ハンバーガー 10.30円(103.7%)の3部門であり、残りはすべて厳しい状況である。また、調理用品(惣菜)については、うなぎのかば焼き5.73円(61.4%)、ぎょうざ4.47円(70.9%)、やきとり4.77円(79.4%)、しゅうまい2.43円(90.1%)と中国関連が特に厳しい状況である。さらに、これに加え、すし(弁当)30.80円(91.7%)、弁当37.37円(96.7%)、おにぎり・その他10.60円(97.2%)と主食的な項目が厳しい状況である。逆に、コロッケ5.63円(107.0%)、サラダ 8.50円(102.8%)、ハンバーグ2.87円(102.4%)なおかず関連は好調であり、その中でもそうざい材料セット9.20円(116.9%)は2桁の伸びと絶好調である。

   外食、内食はこのように明暗が分かれたといえるが、その原因となった値上げ関連について見てみると、小麦関連では、小麦粉2.13円(120.8%)、食パン26.43円(110.3%)と好調であり、カップめんは7.87円(96.7%)とやや落ちたが、即席めんは4.40円(115.8%)と大きく伸びている。さらに、スパゲッティ3.80円(112.9%)、中華めん12.30円(111.1%)、乾うどん・そば5.17円(108.4%)、生うどん・そば10.07円(105.2%)と好調な数字である。また、バター2.70円(150.0%)、チーズ9.67円(104.3%)、マーガリン2.53円(113.4%)、マヨネーズ・ドレッシング9.47円(108.8%)、しょう油6.17円(110.1%)、みそ8.07円(110.0%)、食用油9.03円(115.3%)とほぼ2桁の伸びとなっている。菓子についても、ビスケット9.40円(126.5%)、スナック菓子11.27円(108.3%)、アイスクリーム・シャーベット16.70円(107.5%)と好調である。ただ、酒類の焼ちゅうは、20.53円(106.9%)と好調であるが、ビールは39.13円(91.1%)と明暗が分かれた。

   このように、4月度の家計調査データは、全体としてはほぼ横ばいの消費額であったが、その中身は大きく動いており、全体としては、値上げ問題がほぼ全体的にプラスに転じており、この数ケ月の状況を見る限り、値上げは食品スーパーマーケットにとっては、プラスに左右しているとえる。ただ、外食に加え、食品スーパーマーケットの中でも、調理用品(惣菜)関連は厳しいものがあり、内食に需要がシフトしはじめたといえそうである。その中でも価格の高い項目は厳しいものがあり、値頃感があり、栄養価の高いものがプラスに動いているといえよう。今後、しばらくは、値上げ問題が不安定な消費行動をもたらし、注意深くその動向を見る必要があろう。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1168人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在407人)

June 4, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 03, 2008

テスコの決算を見る、2008年2月期、海外が牽引!

   日本の食品スーパーマーケットの2008年度の決算発表がほぼ終了した。本ブログでも速報値を随時取り上げてきたが、ここで番外編として、海外の小売業の今期決算を取り上げてみたい。海外の小売業は寡占化が進んだため、成長戦略が自国から海外へと移りつつある。今回はその中でも海外の売上比率が約25%を超えたテスコの最新の決算状況を見てみたい。テスコは、自国イギリスの売上比率が73.7%であり、ヨーロッパ14.5%、アジア11.7%という状況であるが、伸び率で見ると、アジアが125.6%でトップである。ついでヨーロッパが123.6%、イギリスは106.7%であり、アジアの比重が増しているのが実態である。いまや、成長戦略には海外、特にアジアは不可欠であることがわかる。

   そのテスコの今期、2008年2月期決算の状況であるが、グループ全体の売上は税込みで51,773百万ポンド(約10.78兆円)である。イギリスはいわゆる消費税が高いために、売上も税込み、税抜き両方で公開している。テスコは海外展開もあり、税率がそれぞれ違うが、全体の消費税を単純計算すると109.4%となり、約10%近い消費税である。ちなみに、ここ5年間の税込みの売上推移は昨年、2007年が46,611百万ポンド(約9.7兆円:111.0%)、2006年が43,137百万ポンド(8.9兆円:108.0%)、2005年が36,957百万ポンド(約7.7兆円:116.7%)、そして、2004年が33,557百万ポンド(6.9兆円:110.1%)とほぼ2桁の成長を続けている。特に、5年前と直近とを比較してみると、イギリスは140.8%、ヨーロッパは203.0%、アジアは208.0%とヨーロッパ、アジアが倍増しており、成長戦略の重点がイギリスから、ヨーロッパ、アジアへシフトしつつあることがわかる。

   また、テスコの営業利益を、今度は税抜きで見ると、全体では2,791百万ポンド( 約5,800億円:5.9%)であり、日本の食品スーパーマーケット業界と比較するとトップクラスの収益率である。ヨーロッパは400百万ポンド(約830億円:5.8%)、そして、アジアは294百万ポンド(約600億円:5.3%)であり、営業利益ではややアジアが苦戦しているといえよう。

   一方、テスコの財務状況であるが、今期の自己資本比率は39.5%(昨年42.6%)と若干、下がっているのが気になるところである。その要因を資産と負債面から見てみると、出店にかかわる資産である土地、建物の合計は20,899百万ポンド(約4.3兆円)で総資産の69.3%(昨年71.9%)を占めており、自己資本比率の39.5%を大きく超える構造となっている。ちなみに、これをテスコの海外を含めた全3,729店舗で割ると、約11.5億円であり、日本の食品スーパーマーケットの平均と比べると約2倍ぐらいの出店にかかわる資産であり、ほぼ、スーパーセンタークラスに近い数字といえよう。また、負債については、長短借入金額の合計が8,056百万ポンド(約1.7兆円)となり、総資産の約26.7%(昨年23.0%)である。したがって、自己資本比率39.5%にこれを加えると66.2%となり、ほぼ、バランスがとれ、約40%を借入に依存した出店構造といえる。また、在庫に関しては、2,430百万ポンド(約5,000億円)であり、総資産の8.1%(昨年7.8%)である。テスコの主力業態は食品スーパーマーケットであるが、日本のように生鮮、デリ、日配等の構成比は低いといえ、やや、在庫資産も日本の食品スーパーマーケットよりも大きめといえよう。

   さて、ここで、テスコの成長著しいアジアについて、見てみたい。アジアの成長を牽引しているのは韓国とタイであるという。この2つの国が現在、テスコのアジアの成長の拠点となっているという。そして、今後、マレイシア、中国へ力を入れて行くという。特に中国については、主導権をとるべく、各都市へハイパーマーケットを中心に展開しているという。上海、北京、深圳、広州を拠点とし、すでにハイパーマーケットを56店舗展開しているという。一方、日本につてだが、残念ながら、日本はアジアの中でも重点エリアはなっておらず、依然として難しい状況であるという。テスコエクスプレスに絞り、現在、ビジネスを展開し、7店舗を出店したが、今期は再度マネジメント体制を見直し、成長戦略を練り直すという。

   これに対し、今期、最も力を入れた海外戦略がアメリカであるが、アメリカでは昨年の11月に小型食品スーパーマーケットのFresh & Easyを出店し、この決算期内の2月末までに60店舗を出店したという。今後、アメリカ市場がアジアについで、重要な成長市場となる可能性が高くなってきたといえよう。

   最後に、テスコのここ最近の株価であるが、5/30現在417.80ポンド(約86,900円)であり、この決算後の3月以降株価は上昇気味で推移している。ただ、昨年末は490ポンド前後で推移しており、その時から、ちょうど決算月の2月まで株価は下がり続けており、ここへきての反転であり、今後、近々に第1四半期決算が公表されるであろうが、それを受けて株価がどの変で落ち着くかが気になるところである。

   このようにテスコの今期2008年2月期の決算は増収増益の好決算となり、特に、アジア地区がヨーロッパ以上に伸びているのが特徴といえよう。今後、今期、参入したアメリカが貢献してくれば、テスコにおける海外市場は現在の約25%から、さらに比率を増してくるものといえ、海外市場がテスコにとって成長戦略にとって重要な地位をしめつつあるといえる。ただ、日本は苦戦しているようであり、今後、抜本的な見直し、場合によってはM&Aに踏み切る可能性もあり、テスコが今期、日本でどのような立て直しをはかるかも注目である。今後のテスコの日本を含む、海外戦略に注目したい。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1168人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在407人)

June 3, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 02, 2008

Chain Store Age、6/01号、POS分析で売場改革、第3弾!

   Chain Store Ageへの連載も第3回目を迎え、今回はカップめんの話である。今回カップめんを取り上げたのは、前2回の連載のPOS分析のテーマが品揃えの分析方法、時間軸の活用の仕方であったので、この3回目はPI値と平均単価の分析手法を取り上げたかったからである。金額PI値=PI値×平均単価であるので、金額PI値はPI値と平均単価の関係で決まり、PI値だけが上がっても、逆に平均単価だけが上がっても金額PI値があがるかどうかは保証されず、その微妙な関係で金額PI値は上昇する。今回、事例にカップめんを取り上げたのは、まさに、カップめんが値上げ問題の典型的な商品であり、その影響、すなわち、平均単価のアップがPI値にどのように影響を与え、金額PI値がどのように変化したのかを見極めたかったからである。

   結論からいうと、カップめん全体の金額PI値は上昇した。その要因は本文の図表3に示したように、金額PI値108.4%アップ、PI値92.4%ダウン、平均単価117.3%アップとなり、平均単価の上昇分ほど、PI値が下がらず、結果、金額PI値がプラスに転じたということが、カップめんでは起こったということである。今回の値上げ商品の多くに、カップめん同様に、このような現象が起こっており、食品スーパーマーケットにとって、値上げは、スタート時点では、金額PI値ではプラスに働いているといえる。ただ、この構造が今後継続されるのか、それとも、PI値がさらに落ち込むかは予断を許さない状況が続いているといえ、仮に、もう一段の値上げが起こると、PI値が大きく落ち込み、いつ、金額PI値がダウンしてもおかしくない不安定な状況ともいえよう。

   今回、カップ麺全体だけでなく、カップヌードルだけについても分析してみたが、分析してみて、カップヌードルが約30種類もあることをはじめて知った。店頭ではせいぜい10種類ぐらいのカップヌードルしか見ないので、わからなかったが、改めてカップめんを全品分析してみると、カップヌードルに限らず、改めて気づくことが多かった。図表1も作成してみ以外だった。この図表は、これまで3回ともPOS分析の定番として登場させているが、カップめんのA、B、Cランクが全906品の内、わずか26品しなく、しかも、全体の金額PI総店の33.2%というのも意外だった。カップめんはいかに品揃えのバラツキが大きいかを示しており、典型的な菓子パン型商品といえる。重点商品だけでは、売上を確保することは難しく、品揃えをどこまで、どのように揃えるかが決めてとなる典型的な商品といえる。

   その意味でこれまで日清のカップヌードルとシーフードヌードルがあまりに偉大な商品だったので、本来のカップめんの姿がこの2品に隠れ、カップめんの潜在能力がいかしきれていなかったようにも思える。今回値上げにより、この偉大な2品の平均単価が大きく上昇したことにより、カップめん本来の品揃えの重要性が逆にクローズアップされ、むしろ正常に近い構造になりつつあるようにPOS分析をして見て感じた。

   実際、値上げになる昨年後半からの日清食品の新商品ラッシュはすごいものがあった。日清食品の長い歴史の中でもこれだけ、矢次ばやに新商品を集中的に投入したことはなかったのではないだろうか。今週の日経MJの新製品週間ランキングの中でも、ミルクカレーがその他食品トップに来ており、しかも、金額PI値は760円であり、このChain Store Ageの記事のデータと比較すると、べスト3に入る数字であり、大化けする可能性もあるといえよう。結果、カップヌードル、シーフードヌードルは昨年のAランクからBランクに転落するが、大量の新商品でカバーし、カップヌードル約30種類の合計は113.2%と昨年を大きく上回っており、新商品戦略は結果として、成功したといえよう。これで、カップヌードルも本来の品揃えが重要であることが実証されたといえよう。その意味で、今回のカップめんの値上げは、新商品を誘発し、本来の品揃えの重要性を改めて示す機会となったという意味ではプラスの面もあるといえよう。

   ただ、Chain Store Ageの図表2で見るように、C、E、Fランク以外のすべてのランクでPI値が左、すなわち、下がっており、これはカップヌードル全約30品でも同様な傾向であり、今後、数量問題は小売業では金額面でカバーできるので、大きな問題にはならないと思うが、メーカーにとっては、確実に生産量が減ることになり、工場の回転率が減り、生産調整を余儀なくされる可能性が高く、これからが正念場といえよう。今回のPOS分析結果から見ても約10%の数量減であり、一律10%ということはないと思うので、ある工場は110%、120%、逆にある工場は70%、50%も起こりうる話であり、これがPBの誘発にもなり、めぐりめぐって、価格が、逆に下がりはじめることもないとはいえず、今後、どのようにカップめんが動いてゆくか予測が難しいと状況といえよう。

   このように、今回、Chain Store Ageで3月度のほぼ値上げが浸透したカップめんのPOS分析を試みてみたが、第一段階の結論はおおよそ、平均単価120%アップ、PI値90%へダウン、結果、金額PI値110%アップということになったが、この状況が維持されるとは思えず、次の展開がどちらに転ぶかが予測できない状況であり、次の、3ケ月後、そして、6ケ後、さらには、1年後にどのような変化があるか、注意深く見守ってゆきたい。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1168人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在407人)

June 2, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 01, 2008

2008年4月度のCPI(消費者物価指数)を見る!

   5/30、総務省統計局から、CPI(消費者物価指数)、最新版2008年4月度が公表された。概要は、以下の3点である。(1) 総合指数は平成17 年を100 として100.9 となり、前月比は0.1%の下落。前年同月比は0.8%の上昇となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は100.8 となり、前月と同水準。前年同月比は0.9%の上昇となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は99.3 となり、前月比は0.2%の上昇。前年同月比は0.1%の下落となった。要は、3月度よりはCPIはやや下がったが、昨年と比べると、1%弱上昇気味であり、特に食品、エネルギーの値上げが大きいということである。逆に見ると、食品、エネルギー以外はCPIは若干下落しているという状況である。

   以上が、概要であるが、もう少し、詳しく内容を見てみたい。CPIは平成17年度(2005年)を100とした場合の物価上昇率を示す指標であるが、基本を10の項目に分けて毎月調査をしている。その10の項目とは、食料、住居、光熱 ・水道、家 具 ・家事用品、被服及び履物、保健・医療、交 通 ・通信、教育、教養・娯楽、諸雑費である。この中でCPIが上昇したものは食料の102.6%、光熱・水道の109.2%、被服及び履物の103.2%、教育の102.3、諸雑費の102.0%である。食料は値上げ問題まっさい中であるが、大幅な上昇ではなく、被服及び履物の方が上昇幅は大きいといえる。ただ、さすがに、光熱・水道は109.2%と2桁近い上昇であり、かなりのインパクトといえよう。

   さらに、この10大項目の中身を見てみると、光熱・水道の中でも、異常な価格上昇となった項目を同年同月比で見てみると、灯油の28.5%が異常値である。ついで、プロパンガス8.4%、電気代3.5%、都市ガス3.4%である。また、この時期、ガソリンはちょうど値下げが行われたため、-14.4%となっているが、これだけガソリンが下がったにもかかわらず、石油製品としては、灯油、プロパンガス等が下がらなかったため、6.9%の上昇となっている。それでも3月度のガソリン19.0%、石油製品18.2%と比べると、かなり下がったとはいえるが、全体としては、光熱・水道に関しての価格は昨年と比べると上昇気味で推移しているといえよう。5月以降はガソリンももとにもどり、さらに石油相場の上昇により、値上げ傾向が続いており、また、3月なみ、あるいは、それ以上の数字となる可能性が高いといえよう。

   一方、食料についてであるが、その細目を見てみてみると、これも前年同月比で見てみると、最も大きな項目は穀物、肉類、調理食品、菓子である。また、外食も上昇気味で推移している。その中身をもう少し細かく見てみると、穀物では、スパゲティ30.2%、即席麺18.4%、食パン10.8%である。肉類では鶏肉9.1%、ソーセージ7.1%、牛肉B(輸入品、チルド牛肉)6.8%である。調理食品、すなわち、惣菜では、うなぎかば焼き11.1%、冷凍調理コロッケ6.0%、調理パン5.1%である。そして、菓子類では、落花生10.1%、キャンデー7.8%、ケーキ7.1%である。

   ただ、逆に前年同月比で大きく下がっているものもある。典型的なのが教養娯楽用耐久財であり、具体的にはパソコン(ノート型)-38.8%、カメラ-28.1%、テレビ(薄型)-19.3%、パソコン(デスクトップ)-18.9%などである。また、自動車保険料も-26.6%も大きく下がったもののひとつである。これらは食料、光熱・水道と比べると全く逆の動きであり、逆の意味で厳しい状況であるといえよう。

   ここで、食料について、さらに詳しく見てみると、前年同月比で下がった項目は、米類が-2.2%と下がっており、小麦関連とは対照的な動きをしている。それ以上に下がっているのが果物であり、-4.4%である。その中でもオレンジ-26.5%、レモン-10.3%、キウイフルーツ-5.6%、バナナ-3.0%と輸入関連が軒並み下がっている。さらに、飲料についてもコーヒー飲料が-2.0%、果樹入り飲料-2.3%、野菜ジュース-2.2%、炭酸飲料-2.0%、ミネラルウォータ-3.0%と下がっている。酒についても、焼酎、ビールは値上げがあり、上昇気味であるが、ぶどう酒(ワイン)は-1.4%と下がっている。

  また、外食についても少し細かく見てみると、外食全体は1.4%と前年同月比では上昇気味で推移しているが、その中で上昇幅が大きいものは、ドーナッツの10.7%、ハンバーガーの9.2%が突出しており、ついで、回転すし・うどんの1.8%となる。逆に、下がったものは、牛どんの-2.5%、えびフライの-0.5%のみであり、外食もここへきて、値上げの影響が大きくなりつつあるといえよう。

  このように食品でも全体が上昇しているわけではなく、逆に下がっている項目もあり、全体は102.6%と上昇気味で推移し、小麦関連の項目が全体を押しあげているが、米類、果物、飲料では逆に全体を押し下げる項目もあり、全体が102.6%でとどまっているといえよう。ただ、今後、資源エネルギー関連はさらに値上げの様相を呈し、食品は4月以降、続々と第2弾の値上げに入りつつあり、予断を許さない状況が続いており、全体としてはさらに上昇する可能性が高まってきているといえよう。来月以降のCPIの動向からも目が離せない状況が続くといえよう。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1168人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在407人)

June 1, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (4)