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June 18, 2008

金額PI値とID金額PI値について

   前回に続き、レシート分析とID分析の話である。今回はこの2つの世界観をより具体的に理解するために、金額PI値という指標に絞って、見てみたい。ここで、金額PI値といった場合は、これまで、小売業では通常実施してきたレシート分析の指標とし、ID分析の場合はIDを頭につけてID金額PI値というように表現し、金額PI値を区別して使ってゆきたい。

   この2つの世界をわかりやすく理解するために、具体的な数字で見てみたい。ある期間にIDが10人、レシート枚数が100枚、売上金額が100,000円の場合である。この場合、ID分析の場合のID金額PI値は100,000円÷10人であるので、=10,000円となる。同様にレシート分析の場合は、金額PI値=100,000円÷100枚となり、=1,000円となる。同じ金額PI値でも100倍違う数字となり、この瞬間に、レシート分析の金額PI値で数字に慣れてしまった場合は、その桁数があまりに大きくなり、理解ができなくなってしまう。これが、さらに、期間が伸びて、IDは同じ10人、レシート枚数が200枚、売上金額が200,000万円となった場合は、さらに戸惑うことになる。この時のID金額PI値は200,000円÷10人であるので、何と20,000円となり、先ほどのケースの場合の金額PI値が2倍となってしまう。ところが、レシート分析上では、金額PI値は200,000円÷200枚であるので、1,000円となり、金額PI値は同じ数字で変わらないからである。

   ID金額PI値はこのように期間の取り方によって、通常の小売業の数字では倍々ゲームとなり、時間とともに増加してゆく数字となるのが通常であり、一般的に金額PI値は客単価であるので、時間とともに倍々となってゆくなど創造できない世界であり、まず、ここで、ID分析がわかりづらくなってしまう原因がある。まさに世界観が違うといえ、レシート分析では時間というものがさほど意識されなかった世界であったが、ID分析では時間が極めて重要な概念となり、どの期間でのID金額PI値なのかが厳密に問われなければ、比較検討がそもそもできない世界であるといえる。

   一方、客数の方は今度は逆の動きとなる、レシート分析の場合は先ほどの事例では100枚が200枚と倍となったが、ID分析の場合はIDは10人で変わらずであり、変化がない。金額PI値とは対照的な動きであり、レシート分析は期間とともに、客数が増えてゆくが、ID分析の場合は期間とともにIDはあまり増えず、変化が少ないといえる。

   したがって、レシート分析の場合は、売上=客数(レシート枚数)×金額PI値であり、時間とともにレシート枚数が大きく変化し、金額PI値は客数ほど大きな変化はないことがわかる。逆に、ID分析の場合は売上=客数(ID数)×ID金額PI値であり、時間とともにID金額PI値が飛躍的に増大し、客数はあまり大きな変化がないという好対照な結果となる。

   これだけ、世界観が違うと、売上の根幹指標のひとつである客数と金額PI値が全く正反対の動きとなり、実に理解しづらい指標となり、まず、話が通じるはずがなく、これまで、通常取り組んできたレシート分析のマーチャンダイジングがIDの世界では対照的な動きとなり、理解不能となってしまうのが通常である。レシート分析では通常、マーチャンダイジングの改善は変化の起こりにくい金額PI値に焦点を当て、さらに、金額PI値をPI値と平均単価に分解し、単品ごと、カテゴリーごとの課題を抽出し、その解決をはかってゆくという流れになるが、この流れを、ID分析に適用しても、ID金額PI値が時間とともに急激に増大するため、とらえにくい動きとなり、ID分析でマーチャンダイジングを改善するには別のアプローチが必要となる。むしろ、IDに焦点をおき、IDを増やすことにマーチャンダイジングの焦点を当てることが正解といえ、IDの変化をもたらすための仮説検証がID分析では重要な政策といえよう。ID金額PI値については、このまま活用するよりも、一旦、金額PI値との翻訳作業を行い、翻訳後、再度、ID金額PI値を改善するマーチャンダイジングを検討した方がよさそうである。

   実は翻訳作業はさほど難しい作業ではなく、客数PI値ひとつで簡単に双方の世界へは変換が可能であり、その返還を行うことで、レシート分析で培われたノウハウをID分析へ応用することができ、逆に、ID分析で新たに作られるノウハウをレシート分析に翻訳し、活用することもできる。

   たとえば、レシート客数とID客数は客数PI値、ないしは、ID客数PI値で翻訳が可能であり、同様に、金額PI値とID金額PI値も客数PI値とID客数PI値で翻訳ができる。また、この客数PI値とID客数PI値は互いに逆数となっており、双方を掛け合わせると1となる関係であり、客数PI値=1/ID客数PI値という関係である。ここで、客数PI値とはID÷レシート枚数であり、ID客数PI値は逆数のレシート枚数÷IDのことである。

   このようにレシート分析とID分析はあまりに対照的な指標となるため全く別な世界のことのように思えてしまうが、実は密接に関係しているといえ、客数PI値、ID客数PI値を加えることで相互の世界をいったりきたりできるようになる。その意味で、これまで蓄積してきたレシート分析のマーチャンダイジングのノウハウは、ID分析が可能になった場合は一度、客数PI値で翻訳し、棚卸をしてみると良いといえよう。マーチャンダイジングの精度が飛躍的にあがるはずである。

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June 18, 2008 in 経済・政治・国際 |

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