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July 08, 2008

トライアルカンパニーの2008年3月期の決算を見る!

トライアルカンパニーの現状を見る!(20080319)

   トライアルカンパニーが前年にひき続き、2008年3月期の決算を公表した。以前、本ブログでもトライアルカンパニーの決算については触れたが、この時の決算結果を踏まえて、今回のトライアルカンパニーの決算数字がどのように変化したかについてみてみたい。まず、売上高であるが、1,504.00億円(115.6%)と高成長を続けている。ここ最近の店舗数の推移は2002年9月期15店舗、2003年9月期25店舗、2004年9月期31店舗、2005年3月期38店舗、2006年3月期51店舗、そして、昨年2007年3月期59店舗であり、現在82店舗であるので、今期は特に店舗数が大きく増加し、急成長であったといえる。

   実際、ここ最近の新規出店に関しても、宮城県に名取店(06/18)、千葉県に八千代店(05/14)、佐賀県にみやき店(04/09)、東京都に八王子店(03/19)、福岡県筑後地区に甘木店(03/19)、福岡県福岡地区に舞鶴二丁目店(02/20)、長崎県に大村店(02/20)、福岡県福岡地区に片縄東店(02/06) と出店ラッシュともいえ、さらに新店開発が進んでおり、驚異的な成長であるといえよう。年商も今期1,500億円を超えたが、これは食品スーパーマーケット上場企業約50社と比較すると、今期の決算では12番目に当り、売上規模もトップクラス入りといえる。

   一方、粗利率、経費比率、営業利益については、商品売買から得られる売上総利益が16.19%(昨年15.53%)と昨年と比べ0.66ポイントと大幅に改善しており、これに不動産収入等が加わった営業総利益は16.87%(昨年16.14% )と同様に0.73ポイントと大きく改善している。したがって、原価が下がっており、値上げ問題が反映した決算ではあったが、原価が上昇することなく、むしろ、下がり、これが粗利の改善に大きくつながったといえよう。ついで、販売費及び一般管理費であるが、15.15%(昨年14.86%)とやや上昇しているが、15.15%は極めて低い数字であり、今期の上場食品スーパーマーケットと比較すると、No.1がアオキスーパーの16.2%であるので、驚異的な数字といえよう。オーケーも今期15.2%であるので、食品スーパーマーケット業界では最も低い経費比率であるといえる。したがって、差し引き、営業利益率は1.72%(昨年1.28%)となり、0.44ポイント改善し、金額比では155.6%と大幅な増収増益の好決算となった。また、経常利益1.70%(昨年1.29%)と0.41ポイント改善し、金額比では152.1%、当期純利益も0.84%(昨年0.64%)と0.2ポイント改善し、金額比では151.3%と大幅な改善であり、営業段階だけでなく、すべての段階で大幅な増益となる好決算であった。

   この好決算を受けて、財務面の状況であるが、自己資本比率は5.93%(昨年4.16%)と1.77ポイント改善しているが、これは食品スーパーマーケット上場企業と比較すると極めて低い数字であり、最下位となる。当然、負債が約94%となるが、その中でも社債を含む長短借入金の合計が189.30億円(昨年91.86億円)と97.44億円と大幅に増えており、総資産に占める割合は41.58%である。ちなみに、急成長の結果、出店にかかわる資産、土地、建物、敷金及び保証金の合計は、189.55億円(昨年117.03億円)と72.52億円増加しており、総資産に占める割合は41.63%である。これを全82店舗で割ると2.31億円である。

   2.31億円は通常の食品スーパーマーケットと比べると、極めてローコストの出店にかかわる資産であるが、それでも72.52億円の増加は経営には大きな圧迫となっているといえよう。現状の自己資本比率がわずか5.93%であるので、当然、負債が全面的に新規出店を支える構造となっており、ちょうど、長短借入金を自己資本に加えると、総資産の47.51%となり、出店にかかわる資産41.63%と比べ、バランスがとれる状況となる。したがって、現在のトライアルカンパーの急成長を支えている新規出店構造は大きく負債、特に借入に依存した成長戦略となっており、財務的には不安定な成長戦略であるといえ、どこかで、財務改善、特に、自己資本の思い切った改善が必要な状況といえよう。

   これ以外でもトライアルカンパニーは食品以外の衣料、ホームセンター関連の商品も扱っているので、買掛金も161.44億円(昨年180.27億円)と多額であり、総資産の35.46%となる。さらに、資産面の商品も112.47億円(昨年94.33億円)とこれも多額な金額となり、総資産に占める割合は24.70%と通常の食品スーパーマーケットの4から5倍の金額となり、ホームセンターとほぼ同じ在庫である。したがって、通常の食品スーパーマーケットよりも、出店にかかる資産がさらに大きくなり、その面からも財務の改善は急務といえよう。

   このように、トライアルカンパニーはここ数年、特に、今期は急成長を遂げ、年商1,500億円を達成し、利益面でも大幅な増益となったが、残念ながら、現段階では自己資本比率が5.93%と脆弱であり、負債、特に借入に依存する成長戦略となっており、これが今後とも安定的に成長戦略が継続できるかどうかは厳しい状況であるといえよう。今後、増収増益の好決算をどう財務改善につなげられるかが、当面の最優先の経営課題といえよう。トライアルカンパニーが今後、財務基盤をどのように見直してゆくかに注目したい。

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July 8, 2008 in 経済・政治・国際 |

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