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July 14, 2008

イオン、2009年2月期決算、増収大幅減益!

   注目のイオンの2009年2月期の第1四半期(2月21日から5月20日まで)の決算が7/8公表された。営業収益1兆2,792.15億円(104.1%)、営業利益226.49億円(79.8%:営業収益比1.77%) 、経常利益234.50億円(77.3%:営業収益比1.83%)、当期純利益-92.71億円と増収大幅減益となる厳しい決算となった。特に、当期純利益は赤字となる決算であり、GMSを主体とする総合小売業の不振を象徴する決算となった。当期純利益が赤字に転落した理由について、イオンは、「未回収商品券について、将来の回収見込額を特別損失として20 億20 百万円、また、税効果会計基準の変更に伴う法人税等調整額156 億40 百万円を計上したこと等もあり、92 億71 百万円の損失となりました・・」と説明しており、商品券の計上方法の変更と税務上の問題であるとしているが、営業利益、経常利益ともに大幅に減益となり、全体的に収益力が急速に落ちており、今回の減益は一時的な問題ではなく、構造的な問題であるといえよう。

   その最大の要因は、総合小売業にあるといえ、特に、既存店売上高伸び率が100.6%とぎりぎりの数字であり、その中身を見ると、衣料97.3%、食品102.5%、住居余暇98.8%と衣料品と住居余暇、特に、衣料品が厳しい数字となっている。これに対して、SCのイオンモールは、既存ショッピングセンターの増床・リニューアル、サービス力向上による競争力強化に努めた結果、増収増益となったという。また、中国・アジア事業も好調であり、営業収益は108.5%、営業利益は132.0%となったという。イオンが中国シフトの戦略を積極化させるのもうなずける好調さである。食品スーパーマーケットに関しては、マックスバリュ西日本、マックスバリュ九州は増収増益となったが、マックスバリュ北海道、マックスバリュ東北等が減益となり、全体では増収減益であったという。

   この厳しい状況はイオンの単体の直近の5月度の売上速報を見ると、より鮮明である。5月度は全体で95.1%と昨年を割り込んでおり、客数97.4%、客単価97.6%とどちらも厳しい状況である。特に、衣料品が86.9%(既存店89.9%)と最も売上が落ち込んでおり、ついで、住居余暇91.6%(既存店94.9%)、そして、食品が最も売上に貢献しているが、99.3%(既存店99.7%)という状況である。さらに、これをGMSとSMで分けて見ると、GMS 93.4%(既存店96.2%)、SM 112.5%(既存店101.2%)という状況である。売上不振はGMSにあり、しかも、その中でも衣料が厳しい状況におかれていることが鮮明である。

   衣料品とは対照的にSMは好調であり、食品が堅調な売上となっているが、その要因のひとつはイオンがここ最近最も力を入れているPB、トップバリュにあろう。今期はトップバリュの売上高は、132.2%、795 億円となったといい、販路もダイエーにも広がり、今後は、CFSでも導入がはじまるという。トップバリュはこの値上げ問題が深刻になる中で、重要な商品政策となりつつあり、さらに、売上が増加するのではないかと予想される。ちなみに、この795億円は総合小売業の営業収益1兆343.50億円で単純計算すると7.68%となる。また、単純に年間計算すると3,180億円であり、2011年までの中期的な目標である7,500億円を実現するには、2倍強の数字が必要であり、構成比も約15%前後が必要となる。その意味で、今期は中期目標の約半分を達成する状況といえるが、目標を達成するためには今後毎年150%近い伸びが必要といえ、PB、トップバリュの強化が一層進むのではないかと予想される。

   ここで、イオンの営業利益が79.8%に落ち込んだ要因を粗利、経費の面から見てみたい。イオンの今期の売上原価は71.9%となり、昨年の71.1%と比べ、上昇気味である。したがって、売上総利益(商品売買の粗利)は28.1%となり、昨年の28.9%と比べ0.8ポイント下がっている。トップバリュの積極導入、物流の改善、IT化等により、食品、衣料等では収益の改善がはかられつつあるというが、イオン全体への改善にはまだまだ結びついてこないようである。これに不動産収入等の営業収益がのり、営業総利益は39.2%となったが、昨年の40.0%と比べ、0.8ポイントダウンした。一方、販売費及び一般管理費は37.3%となり、昨年の37.4%よりは若干改善したが、ほぼ横ばいであった。結果、営業利益が1.9%となり、昨年の2.5%と比べダウンし、営業収益104.1%でカバーできず、大幅な減益となった。原価の上昇による粗利の落ち込みが、営業利益の大幅ダウンにつながった結果といえよう。

   イオンは今期、自己資本比率も23.0%と昨年の24.1%よりもダウンしており、本来であれば、増収増益、できれば大幅増益を達成し、自己資本を充実させ、安定成長を目指したいところであったが、この厳しい状況を見ると、まずは、不振のGMSの衣料部門を見直し、GMS全体の抜本的な改革に踏み切ることが急務となったといえよう。イオン自身もこの決算の中で、「イオン株式会社を中心に、イオン中期経営計画の重要施策であるGMS改革に着手しました。」と宣言しているが、この改革が今回の決算を見る限り、数字には反映されているとはいえない。イオンが次の中間決算までに、どのような改革が具体的になされ、実際の決算数字がどのように変化するかに注目したい。

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July 14, 2008 in 経済・政治・国際 |

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