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August 31, 2008

食品スーパーマーケット、今週の株価、8/29、動き急!

   食品スーパーマーケットの株価がにわかに活況づいている。8/29現在の株価は、26週移動平均乖離率で見ると、小売業全400社の中でNo.1のトップとなったのは大黒天物産であり、それ以外にもベスト20にヤオコー、Olympic、オークワが入るなど、上位を食品スーパーマーケットが占めており、投資家が食品スーパーマーケットに注目しはじめているといえよう。ベスト50まで見るとマックスバリュ西日本、丸久、CFS、九九プラス、マルエツ、アークス、ライフコーポレーション、東武ストア、平和堂、カスミと続々とランクインしており、ここへ来て、業績の好調な食品スーパーマーケットの株価に、にわかに動きが見え始めたといえよう。

   小売業で26週移動平均乖離率No.1の大黒天物産であるが、日本の全上場企業約4,000社の中でも8/29現在6番にランクインしており、小売業の中だけでの注目を超え、上昇企業の中でも注目度の高い企業であるといえよう。その数字であるが、-0.67%(5日)、13.50%(25日)、 34.97%(13週)、 52.46%(26週)と短期では若干マイナスとなっているが、中長期では大きく上昇傾向にあり、特に26週では52.46%とまさに急上昇である。実際チャートを見てみると、8/29現在は1,177円(-20円、-1.67%)とわずかにマイナスとなったが、7月前半は750円前後の株価であった株価であり、その後、現在まで急上昇しており、この8/25には年初来最高値となる1,205円をつけており、きれいな右上がりのグラフとなっている。ちょうど、この7月初旬の7/10に2008年5月度決算を公表しているが、大幅な増収増益の好決算となったのが大きいといえ、ここ最近の売上速報を見てもこの7月度は全体114.1%、既存店も 102.8%と好調であり、ひところの既存店が厳しかった状況を脱したといえ、さらなる成長と増益が期待できる可能性が高くなったことが大きいといえよう。

   No.2のヤオコー、No.3のOlympic、No.4のオークワについても見てみたい。まずヤオコーであるが、5.58%(5日)、 7.35%(25日)、 9.56%(13週)、 18.98%(26週)とすべての移動平均がプラスとなっており、数字を見る限り、株価は好調である。ただ、チャートを見ると螺旋状に右上に上がっている構図であり、上げ下げの波が見られる。5月には3,000円前後の株価であったが、8/29現在3,780円 (-10円、-0.26%)となり、約800円近く上昇しているが、その間最大4,000円から最少3,400円前後まで株価は激しく変動しているのが特徴である。

   No.3のOlympicについては3.48%(5日)、 12.52%(25日)、 18.57%(13週)、 15.37%(26週)とこれもすべての段階でプラスであり、チャートを見ると7月後半以降、ほぼ一直線に株価が急上昇しており、8/29現在683円(+21円、+3.17%)と好調な株価であり、年初来最高値をつけた1/4の701円を追い越す勢いである。しかも、ここ最近、売買高が急上昇しており、いままさに注目が集まっている株価である。Olympicも大黒天物産同様、7月以降株価が急上昇しているが、やはり、7/10に2009年2月期第1四半期の決算を公表しており、若干の減収ではあったが、利益が大幅に回復し、大幅な増益となっており、その後株価が急上昇していることからも、投資家の業績回復への期待が大きいものといえよう。

   そして、No.4のオークワであるが、0.05%(5日)、 0.28%(25日)、 6.60%(13週)、 14.45%(26週)とやはり、すべてがプラスとなっており、チャートを見ても波はあるが、7月以降株価は上昇傾向で推移している。それまでは1,500円前後で推移していた株価が、8/29現在1,750円(+41円、+2.39%)と上昇しており、好調な株価で推移している。オークワも6/23に2009年2月期第1半期決算を公表しているが、やはり、増収増益の好決算であり、特に2桁となる増益がとなり、これが投資家から好感されたといえよう。

   この上位4社以外でも、小売業の中でベスト50に入った食品スーパーマーケットの移動平均乖離率の状況を見てみると、マックスバリュ西日本-1.30%(5日)、1.27%(25日)、5.81%(13週)、13.52%(26週)、丸久0.20%(5日)、3.52%(25日)、5.04%(13週)、13.26%(26週)、CFS2.89%(5日)、1.80%(25日)、1.50%(13週)、11.20%(26週)、九九プラス-8.35%(5日)、-17.02%(25日)、-2.55%(13週)、10.80%(26週)、マルエツ4.41%(5日)、1.46%(25日)、5.67%(13週)、10.74%(26週)、アークス2.27%(5日)、2.34%(25日)、4.51% (13週)、8.28%(26週)、ライフコーポレーション-0.23%(5日)、0.96%(25日)、4.63%(13週)、7.32%(26週)、東武ストア0.00%(5日)、0.00%(25日)、5.03%(13週)、7.31%(26週)、平和堂2.64%(5日)、4.30%(25日)、5.12%(13週)、7.18%(26週)、そして、カスミ0.15%(5日)、0.45%(25日)、-0.45%(13週)、7.11%(26週)という状況である。

   このように食品スーパーマーケット業界には現在、内食回帰という追い風が吹いており、この第1四半期決算を見ても全体的に好調な決算となり、特に利益が大きく改善した食品スーパーマーケットが多いのが特徴といえよう。投資家も、特にこのような今期業績が期待できる可能性の高い好調な食品スーパーマーケットへの投資を優先していると見え、ここへきて、食品スーパーマーケットの株価の動向には注目といえよう。

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August 31, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 30, 2008

日経MJ、新製品週間ランキング8/29、新製品続々!

   恒例の日経MJ、新製品週間ランキングが8/29公表された。先週同様、全体としては、金額PI値Aランクの500円を超える新製品は花王、アタック1kgの536円のみの1品であり、低調な週となったが、今週は、ここ最近では久しぶりの新製品ラッシュに沸いた。金額PI値はさほど高い新製品は少ないが、その数が、飲料部門6品、菓子部門6品、その他食品部門5品、冷凍食品部門6品、家庭用品部門0品と合計23品が初登場でランクインするという状況であり、まさにラッシュである。特に、飲料部門、菓子部門では、初登場で首位となる快挙であり、ここへ来て、金額PI値自体はさほど高くはないが、数多くの新製品が登場し、久しぶりに、新製品週間ランキングが活況を呈し始めたといえよう。

   各部門の中でも新製品が際立ったのは、菓子部門のベスト3独占、その他食品部門のNo.2、No.3、No.4独占、飲料部門のNo.1登場である。まず、菓子部門であるが、ベスト3、すべて明治製菓が占め、No.1はフランホイップス苺12本、金額PI値265円、No.2はフランホイップスキャラメル12本、金額PI値258円、そして、No.3は旬じゃがデリシャスバター味85g、金額PI値248円となった。カバー率は82.4%、84.0%、53.2%とNo.3はやや低いが、No.1、No.2は対象45チェーン250店舗の大半をカバーしての数字であり、菓子部門としてはかなり高い数字といえよう。また、No.7にも旬じゃがスペシャルペッパー味86gが金額PI値160円で入っており、明治製菓の強さが目立った週であったといえよう。今後、初回購買が一巡した後、どこで落ち着くかが気になるところであるが、初登場の金額PI値としては、よい位置をキープしたといえよう。

   菓子部門はこの新製品以外にも、初登場でNo.13に江崎グリコ、つぶつぶみかんポッキー5本×4袋、金額PI値97円、No.17にカルビー、かっぱえびせんフレンチサラダ味80g、金額PI値79円が入り、全部で20品中6品を初登場の新製品が占め、大きく順位が動いた部門となった。ただ、No.1の金額PI値が265円とCランク止まりであり、今後、金額PI値をいかに引き上げるかが課題といえよう。

   菓子部門についで、初登場の新製品が上位ランキング占めた部門がその他食品である。No.1は先週2位の味の素、ピュアセレクトマヨネーズ400g、金額PI値308円であるが、No.2からNo.4まで初登場の新製品がランクインした。No.2は日清食品、チキンラーメンたっぷり緑野菜63g、金額PI値292円、No.3は日本ハム、新鮮生活ZEROあらびきウィンナー90g×2パック、金額PI値249円、そして、No.4は日清食品、チキンラーメンたっぷり赤野菜64g、金額PI値233円である。また、日本ハムはNo.12にも新鮮生活ZEROロースハム35g×3パック、金額PI値158円、日清食品はNo.14にチキンラーメン復刻版5食パック425g、金額PI値152円とランクインしており、両メーカーとも積極的な新製品の投入をはかっている。その他食品部門全20品の中でこの6品が初登場の新製品であり、来週以降の動向に注目である。

   この2部門についで、初登場の新製品注目の部門は飲料部門である。飲料部門ではNo.1に日本コカ・コーラ、爽健美茶五穀500mlペットボトル、金額PI値311円が入った。日本コカ・コーラはここ最近新製品ラッシュであり、今週もこの新製品以外に初登場でNo.7に爽健美茶五穀2Lが金額PI値179円で入っているのをはじめ、これ以外にも3品ランクインしており、合計5品を占めている。これについで、サントリーが今週、初登場の新製品が3品ランクインした。No.6の伊右衛門焙じ茶500mlペットボトル、金額PI値184円、No.12に同じく伊右衛門焙じ茶2L、金額PI値119円、No.16になっちゃんフルーティソーダ(グレープ)500mlペットボトル、金額PI値95円、そして、No.20になっちゃんフルーティソーダ(グレープ)1.5L、金額PI値82円である。

   そして、冷凍食品部門であるが、初登場の新製品は6品と多かったが、金額PI値がいまひとつ伸び悩んでいるのが気になるところである。No.5のロッテアイス、爽<赤ぶどうヨーグルト味>190ml、金額PI値74円、No.7にハーゲンダッツジャパン、クリスピーサンド抹茶黒みつ66ml、金額PI値62円はベスト10に入ったが、その他は金額PI値が極めて低いランクインである。No.13にロッテアイス、雪見だいふく47ml×2、金額PI値29円、No.17にマルハニチロ食品、いわしメンチ6個入132g、金額PI値21円、No.18にニチレイフーズ、お弁当にGood!からあげチキンマヨネーズ味5個110g、金額PI値21円、そして、No.20にかねます食品、ぶたいかミックスお好み焼き286g、金額PI値19円である。ここへきて、冷凍食品の新製品も登場しはじめたが、まだまだ金額PI値は低い数字である。

   このように、今週の新製品週間ランキングは金額PI値はAクラスの500円を超える新製品は1品のみであったが、初登場の新製品が今週は全部で23品とラッシュとなり、活況を呈し始めた。しかも、かなりの新製品がトップクラスの金額PI値となり、今後、これらの新製品がどの辺で落ち着くか興味深いところである。来週以降も新製品のさらなる登場と、金額PI値500円を超えるAランクのヒット商品の登場を期待したい。

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August 30, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 29, 2008

四国エリア、激戦、新規参入あいつぐ!

   四国に本州の食品スーパーマーケット各社が本格的に参入しはじめた。四国はこれまで閉鎖商圏であったため、主要都市へのGMSなどの参入はあったが、食品スーパーマーケットの参入は物流体制の構築が難しく、なかなか参入できなかったのが現状である。ただ、ここ最近、瀬戸大橋をはじめ、本州と四国を結ぶ3本のルートも完成し、物流環境も格段と改善し、本州から商品を運ぶことも、逆に、四国にセンターを作って、四国、本州の物流網を作ることも可能となり、食品スーパーマーケットの参入する環境が整ったといえる。実際、本州の主要食品スーパーマーケットである、大黒天物産、マックスバリュ西日本、ハローズが本格的な四国への食品スーパーマーケットチェーンづくりに入りはじめており、四国は今後、食品スーパーマーケットの激戦地区となる様相を呈してきた。

   本州の食品スーパーマーケットで四国に本格的な食品スーパーマーケットのドミナントを形成しはじめたのは大黒天物産である。第1号店を2005年6月、香川県にラ・ムー坂出店(2005年6月)を出店している。いまからちょうど3年前であり、この時が実質上、本州の食品スーパーマーケットが四国へ本格展開する最初といえよう。大黒天物産のラ・ムーはディオの単独食品スーパーマーケットと違い、ショッピングセンター形式のNSC(ネバーフッド(近隣型)ショッピングセンター)であり、小商圏から中商圏を目指したタイプの食品スーパーマーケットである。

   大黒天物産はこの四国第1号店で約1年間、商圏特性の把握、運営ノウハウの蓄積を行い、丸1年後の2006年6月、満を持して、愛媛県にディオ東予店を出店する。そして、その後、ディオ今治北店(愛媛県:2006年7月)、ラ・ムー松山中央店(愛媛県:2006年8月)、ディオ鳴門南店(徳島県:2006年9月)、ディオ鴨島店(徳島県:2006年10月)と1年で5店舗を集中出店する。さらに、その後、2007年度にも、ラ・ムー高松東店(香川県:2007年1月)、ラ・ムー大洲店(愛媛県:2007年2月)、ラ・ムー伊予西条店(愛媛県:2007年4月)、ラ・ムー松山西店(愛媛県:2007年7月)と4店舗を出店し、現在、四国商圏で10店舗の食品スーパーマーケットチェーンとなった。今期はまだ、四国への新規出店はないが、10店舗となった現在、広島、岡山につぐ、重要なドミント地区として四国が確立されたといえ、今後、さらに出店がなされていくものといえよう。

   大黒天物産についで、四国へ本格参入したのはマックスバリュ西日本である。大黒天物産の第1号店参入から、約1年半後の2006年11月にマックスバリュ今治阿方店を愛媛県に出店した。約18,811㎡(約5,700坪)の敷地面積に240台駐車できる駐車場があり、インテナントを含め8店で構成されたNSCでの出店である。食品スーパーマーケットもSSMタイプでの出店であり、約600坪、年商15億円を目指している。そして、半年後の2007年5月に、2号店、マックスバリュ丸亀城南店を香川県に出店しており、さらに、半年後の2007年11月にマックスバリュ西の土居店(2007年11月)を愛媛県に出店し、現在、3店舗である。

   マックスバリュ西日本は現在絶好調であり、前期、2008年2月期も9店舗の新規出店を果たし、この第1四半期もマックススバリュグループの中でも大幅な増収増益となっており、今後、この四国も含め、積極的な新規出店を行ってゆく方針であるという。四国については、現在の3店舗で運営ノウハウを蓄積した後、本格的なドミナト形成を行ってゆくと思われ、先行している大黒天物産を激しく追い上げて行くものといえよう。

   そして、もう1社、本格的な四国への参入を目指している食品スーパーマーケットがハローズである。ハローズは早くから、「中国四国地域と兵庫県の食品市場規模は約6兆円であります。そのうち瀬戸内沿岸部の食品市場規模は広島県、岡山県、兵庫県、山口県、香川県、愛媛県の合計4兆9,500億円の80%、約3兆9,600億円と見積もっています。」という認識のもと、この地区でのドミナト戦略に取り組んでおり、「ハローズの出店戦略の重要なポイントは一定の地域(商勢圏)にドミナント出店をし、市場占拠率NO.1のローカルチェーンをつくりあげ、次の商勢圏にドミナ ント出店を行うという点にあります。」という考えのもとで四国への参入を検討してきた。そして、2008年6月、念願の四国1号店となるハローズ丸亀店(24時間オープン)を香川県に出店した。現在、まだ、1号店であるが、すでに、2号店のハローズ六条店(香川県)の出店が決まっており、今後、本格的なドミナント展開が進んで行くものといえよう。

   このように、四国では2005年6月、ちょうど3年前、大黒天物産がはじめて本州から本格的な食品スーパーマーケットのチェーンストアを目指しての参入がはじまり、その後、2006年11月にマックスバリュ西日本、そして、今年、2008年6月にハローズが同様に四国での本格的なチェーンストアを目指してドミナント展開に入った。今後、この3社を中心に当面、地元、四国の食品スーパーマーケットチェーンと激戦が展開されることとなろう。四国は今後、数年で食品スーパーマーケットの市場構造が大きく変化し、本格的な再編がいつ起こってもおかしくない激戦地区となったといえよう。

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August 29, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 28, 2008

マックスバリュ各社の経営状況、明暗わかれる!

  イオンが8/21、純粋持株会社へ移行した。これを受けて、GMS606店舗、食品スーパーマーケット1,182店舗、専門店4,504店舗の合計6,292店舗がイオン持株会社のもとで各事業会社に再編され、新たな経営形態でのスタートを切った。ちなみに、再編された事業会社はGMS事業、SM事業、戦略的小売店事業、ドラック事業、専門店事業、総合金融事業、ディベロッパー事業、サービス事業、ノンストア事業、海外事業、そして、中国事業の11の事業である。この中で、SM事業の中核をなすマックスバリュの現状について見てみたい。現在、食品スーパーマーケットを主力とするマックスバリュは北海道、東北、東海、中部、西日本、そして、未上場の九州の6つである。

  この6つのマックスバリュがイオンの中核となる食品スーパーマーケットであり、これに、ゆるやかな連帯として株式所有比率が1/3以下の食品スーパーマーケットとして、マルエツ、いなげや、ベルク、カスミ等がある。将来的には、これらの企業を中核にマックスバリュ関東を創設したいところであろうが、1/3以上の株式を所有するのはなかなか難しい問題があり、当面、持株会社として、ゆるやかな連帯が続きそうである。関西も同様であり、昨年M&Aをかけたコーヨーを中核にマックスバリュ関西を創設したいところであろうが、これについても関西市場の中では十分な規模を確保できず、懸案となっている状況といえよう。
 
  そこで、ここでは、イオンの上場食品スーパーマーケットであるマックスバリュ北海道、東北、東海、中部、西日本の5社の状況を、直近の第1四半期決算をもとに見てみたい。まず、第1四半期決算の概況であるが、増収増益と好調であった企業はマックスバリュ西日本と中部である。増収減益となったのはマックスバリュ東海である。そして、赤字決算となったのがマックスバリュ北海道と東北である。天気図のような西高東低の状況であり、明暗がはっきりわかれたのが特徴である。この第1四半期決算の食品スーパーマーケット各社は、値上げ問題、資源・原料高による内食回帰の追い風が吹いていることから、概ね好調な決算であったが、マックスバリュに関しては、北海道、東北が厳しい状況となり、これまで絶好調であった東海が減益となるなど、前たとしては、厳しい状況であるといえよう。
 
  好調なマックスバリュ西日本であるが、営業収益109.3%、営業利益123.6%、経常利益122.4%、当期純利益125.2%とまさに好調な決算であり、営業利益率も営業収益比で3.16%と安定した利益を確保した。営業規模も5社の中で最も多く、497.43億円とNo.2が東海の295.21億円であるので、マックスバリュ全体を牽引している中核の食品スーパーマーケットである。これについで、増収増益となった好調なマックスバリュが中部であり、昨年のマックスバリュ名古屋のM&A効果もあり、営業収益104.0%、営業利益219.5%、経常利益217.6%、当期純利益(昨年は赤字)と大幅な増益率であるが、営業収益比では営業利益がわずか1.08%であるので、増収増益とはいえ、経営的には昨年同様厳しい状況である。したがって、増収増益はこの2社ではあるが、中身を見ると、マックスバリュ中部は回復途上にあり、まだまだ利益率は低い状況であり、実質、マックスバリュ西日本1社がマックスバリュグループの中では、好調な食品スーパーマーケットであるといえよう。

  これについで、大幅な増収とはなったが、逆に大幅な減益となったのはマックスバリュ東海である。売上高は112.4%、営業利益77.6%、経常利益77.5%、当期純利益77.2%という状況である。ここへ来て、新規出店よりも、M&Aによる売上増の比重が多くなり、経費バランスが崩れ、減益となっているようで、しばらくは、収益力の改善に時間がかかりそうである。売上規模は295.21億円とNo.2ではあるが、No.3のマックスバリュ中部の276.83億円と拮抗しており、今後、この2社がマックスバリュ西日本とともに中核となってゆくことになろう。

  一方、この第1四半期では厳しい決算となり、赤字となったのが、マックスバリュ北海道と東北である。北海道、東北ともに、営業利益、経常利益、当期純利益ともに赤字となり、厳しい決算であった。特に、赤字率を営業利益段階で見てみると、北海道1.03%、東北2.43%であり、東北の方が深刻であり、今後の経営改善が急務の状況である。この2社について、この時点での通期の予想を見てみると、北海道は黒字予想であり、営業利益段階での比率は1.92%、東北も黒字予想であり、営業利益段階では1.00%である。どちらも回復の見込みではあるが、現状はなかなか厳しい状況であるといえよう。

  このように、イオングループの食品スーパーマーケットの中核のマックスバリュ上場企業5社の最新の経営状況を見てみたが、マックスバリュ西日本のみ好調であり、他の4社はこの第1四半期決算では好調とはいえず、特に、北海道、東北は赤字となる厳しい決算であった。イオングループの中核業態のGMSが厳しい状況にある中、食品スーパーマーケット事業が牽引してゆきたいところであろうが、現状を見る限り、食品スーパーマーケット事業も厳しい状況であるといえよう。今後、特に、北海道、東北をいかに活性化してゆくかが急務といえ、食品スーパーマーケット事業も厳しい状況での持株会社としてのスタートとなったといえよう。

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August 28, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 27, 2008

洗剤、食品スーパーマーケットのPOSデータを見る!

   洗剤の食品スーパーマーケット約300店舗のPOSデータを独自に入手し、そのデータを分析してみた。そろそろ、7月度のデータが公表されると思うが、ここでは6月度のPOSデータであるが、洗剤の食品スーパーマーケットにおける消費状況を見てみたい。洗剤は大きく衣料用洗剤と台所・食器用洗剤に分かれるが、双方ともに、昨年対比は83.7%、89.9%と90%を割り込む厳しい状況である。平均単価は102.3%、98.6%とほぼ横バイであるので、数量が81.8%、91.2%と大きく落ち込んだことが大きかったといえる。これは、洗剤の平均単価の上昇がみられないことから、値上げ問題による買い控えではなく、食品スーパーマーケットの食品のあいつく値上げによる消費の節約志向が強まった結果、日用品に節約の波が押し寄せてきていることによる数量減といえよう。

   今後、アタックに代表されるように、価格を据え置き、容量を1.1kgから1.0kgへ減らすような実質値上げがあいついで実施されると、さらに洗剤の数字は厳しくなるものといえよう。そこで、まず、衣料用洗剤のPOSデータを見てみると、昨年と比べ、上位商品で変動が見られる。昨年No.1であったアタック1.1kgが金額PI値65.2%となり、No.2となったことである。変わって、No.1に踊り出たのが、昨年No.2であったライオントップダイ1100gである。金額PI値は昨対100.5%であるのでほとんど伸びていないが、平均単価が94.2%となり、PI値を106.5%にまで引き上げてのトップ奪回であるので、アタック1.0kgへの切り替えを狙っての販促が各食品スーパーマーケットで積極的に展開されたことによる効果であるといえよう。ただ、この時期、アタック1.0kgも販売されており、この金額PI値をアタック1.1kgに足すと、ライオントップダイ1100gの金額PI値を上回り、実質アタックが依然としてNo.1を維持しているともいえよう。今後、アタック1.0kgに急激に切り替わるので、7月、8月の数字はアタック1.0kgが急激に数字を伸ばし、トップとなることが予想される。

   No.3は昨年同様、ハミング濃縮タイプレギュラー替540mlであり、No.4には昨年9位からアリエールイオンパワージェル詰め替1.0kgが入り、No.5には昨年4位から花王かんたんワイドハイターつめかえ720mlが入った。以下ベスト10まで見てみると、No.6アタックバイオジェルつめかえ用0.9kg、No.7花王ニュービーズ 大1100g、No.8P&Gボールド1.1kg、No.9花王アタックオールイン1kg、そして、No.10ライオン部屋干しトップ大1100gである。

   一方、台所・食器用洗剤であるが、花王がトップ3を独占しており、花王の強さが際立っているのが実態である。No.1は昨年同様、花王キッチンハイター小600mlであるが、金額PI値が94.0%と落ち込んでいるのが気になるところである。No.2も花王キュキュット つめかえ用400mlであるが、これも金額PI値が94.1%と下がっており、No.1、No.2ともに金額PI値がダウンした。No.3は花王ファミリーフレッシュ中600mlであるが、これは金額PI値が102.6%と伸びており、順位も昨年の4位から、ワンランクアップである。そして、No.4に花王の次にこの部門ではシェアが高いP&Gが入り、P&G除菌ジョイ替415mlが入り、No.5にもP&Gオレンジジョイ替415mlが入った。以下、ベスト10まで見てみると、No.6花王キッチン泡ハイターつけかえ用400ml、No.7花王キュキュットクエン酸効果つめかえ用400、No.8P&Gパワープラスジョイ替415ml、No.9キュキュットマスカットの香り詰替400ml、そして、No.10ファミリーフレッシュ コンパクト本体270mlである。衣料用洗剤ではトップであったライオンが1品も入っていないが、No.11にライオンチャーミーグリーン中600mlがやっと入るという状況であり、台所・食器用洗剤ではライオンは苦戦しているといえよう。

   また、洗剤は両部門ともPBが数多く各流通グループから投入されているが、その種類は衣料用洗剤で約300店舗で40品、台所・用食器洗剤で同じく40品が投入されている。昨年と比べると、意外なことに単純売上金額では67.7%、91.2%と伸び悩んでおり、食品では現在PBが空前のブームとなり、数字を大きく伸ばしているが、こと洗剤では全体も厳しい数字であるが、PBはそれ以上に厳しい数字であるといえよう。これはNBが容量変更による実質値上が中心であり、NBとPBの価格差が昨年と大きく変化がないことが大きいといえよう。また、PBの単純売上合計の洗剤全体との比率、シェアを見てみると、衣料用洗剤で約300店舗で3.3%、台所・食器用洗剤で7.6%であり、台所・食器用洗剤の方がPBが浸透しているといえよう。

   このように、この6月度であるが、約300店舗の食品スーパーマーケットの洗剤のPOSデータを分析してみた、ちょうどアタックにみられるように、容量減の実質値上げの商品と値上げ前の商品が混在している中での数字であるが、かなり、厳しい数字であるといえよう。食品に関しては概ね、値上げがプラスに左右し、追い風となっている状況といえるが、洗剤のような日用品に関しては、節約志向のまさに対象商品といえ、このPOSデータの数字が表しているように、消費が低迷していると状況といえよう。今後、食品も小麦価格が最値上げされ、資源高も当面続くと予想されるので、さらなる値上げは必至であるので、洗剤を含む日用品は当面厳しい数字が続くものといえよう。

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August 27, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 26, 2008

リポビタンD、接戦制す、日経MJ、バイヤー調査!

   8/25、日経MJで恒例のバイヤー調査、ヒット分析が公表された。今回の商品は栄養ドリンクである。見出しを見ると、「大正製薬、老舗の底力、リポビタンD、接戦制す、イメージ、大塚製薬が首位、ブランド力、最多の74%」というものであり、ブランド採点では僅差でリポビタンDがオロナミンCに勝ったが、メーカー採点では逆に大塚製薬が僅差で勝っており、ほぼ互角だったことがうかがわれる。実際、飲料の各種POSデータを見ても、この2つのブランドは特に10本パックがNo.1、No.2を争っており、今回のバイヤーの評価とも重なり、うなづける内容である。ちなみに、点差であるが、ブランド採点表は8点差で大正製薬、メーカー採点表は5点差で大塚製薬という紙一重の差だった。

   このバイヤー調査は日経MJが165社の小売業に調査票を送り、回答のあった97社(回収率58.8%)の結果をまとめたものである。バイヤー1人5点満点の評価となるので、最高で485点となるが、ブランド採点表ではNo.1のリポビタンDが340点(70.1%)、オロナミンCが332点(68.4%)、メーカー採点表では大塚製薬が334点(68.8%)、大正製薬が329点(67.8%)という結果であり、2社が拮抗していることがわかる。No.3はいずれも200点台となるので、2社が独走している構造である。

   今回の調査ブランドは全部で10種類であり、ブランド採点での総合得点の高い順に見てみると、リポビタンD340点(大正製薬329点)、オロナミンC332点(大塚製薬334点)、エスカップ238点(エスエス製薬231点)、リアルゴールド232点(日本コカ・コーラ275点)、アリナミンV223点(武田薬品工業194点)、チオビタドリンク214点(大鵬薬品工業192点)、リポビタンファイン181点(大正製薬)アルフェ175点(大正製薬)、新グロモント163点(ライオン136点)、リアルキアイダー134点(日本コカ・コーラ)となっている。No.1、No.2が拮抗して、頭ひとつ抜けており、No.3以下は混戦であることがわかる。

   では、まず、ブランド採点表から、リポビタンDとオロナミンCの拮抗度合を見てみたい。ちなみに、ブランド採点表を見ると、各項目でNo.1の得点をどちらかのブランドが獲得しているが、ひとつだけ、どちらのブランドも下位になった項目がある。利益率である。利益率ではエスカップ(エスエス製薬)がトップであったが、この項目はさすがにどちらのブランドも高得点を獲得することはできなかったが、利益高では間違いなく高得点であろう。リポビタンDの高評価項目であるが、ブランド力91点(オロナミンC88点)、リピート購入率84点(81点)、成分53点(21点)、商品コンセプト54点(52点)、商品価値と価格のバランス40点(38点)、ネーミング64点(64点)、POPなどの店頭販促物36点(36点)であり、大きな差がついたのは成分のみであり、他の項目は拮抗していることがわかる。逆に、オロナミンCが高評価を得た項目は、テレビCMなどの広告宣伝81点(リポビタンD79点)、味87点(75点)、ターゲット設定61点(50点)、パッケージ・ラベルデザイン52点(46点)、消費者キャンペーン、イベント57点(42点)であり、これも僅差であるが、全体的にプロモーション関連の項目が高い傾向にあるといえよう。

   こう見ると、ブランド力ではリポビタンDが半歩リードしているか感じであるが、プロモーション力を駆使し、オロナミンCが激しく追い上げている構図といえよう。ただ、両ブランドとも満点の485点の約70%の得点であるので、図抜けた高得点とはいえず、今後、しばらく、この構造が続いてゆくことになろう。ただ、大正製薬については、7番目にリポビタンファインが175点で入ってきており、この2つを足すと満点を超え、今後はトップブランドを極限まで高めてゆく方向とトップブランドを補う新商品の開発がポイントといえよう。

   一方、メーカー採点表であるが、総合では大塚製薬が334点、大正製薬が329点と僅差で逆転したが、これも各項目を見てみると、ブランド育成力76点(大正製薬71点)、企業イメージ85点(81点)、市場の話題作り・活性化への貢献58点(54点)、商品供給体制56点(52点)で大塚製薬がトップである。逆に大正製薬がトップの項目は新商品の開発力63点(大塚製薬37点)、商品構成(ラインアップ)71点(24点)とここでもプロモーション関連では大塚製薬が、商品開発、ラインアップでは大正製薬という特徴が浮かび上がったといえる。なお、取引条件(仕入価格など)、売り場での販促策の提案・店舗応援、営業担当者、商品情報(改廃、売れ筋)の早さ・量ではNo.3の日本コカ・コーラがトップ評価となった。

   このように栄養ドリンクはリポビタンDとオロナミンCが激しい首位争いをしている構図がバイヤー調査から浮かびあがり、実際のPOSデータでもそれが裏づけられ、この2ブランドの強さが改めて確認されたといえよう。また、この2ブランドの評価としては、商品に関する項目ではリポビタンD、プロモーションではオロナミンCという特徴が浮かびあがっており、今後、それぞれの強みをいかし、この均衡状態がくずれるかどうかが興味深いところであるが、そのためにはもうひとつ決定的な決め手が両ブランドともに欲しいところである。

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August 26, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

August 25, 2008

食品スーパーマーケット売上速報、200807、106.7%!

   食品スーパーマーケットの2008年7月度の売上を集計した。上場企業では約25社が売上を公表しているが、その集計である。この集計にはGMSは含まれていないが、スーパーセンター、ホームセンターでも食品をメインに販売していアークランドサカモト等は加えている。全体では106.7%と6月度の106.1%、5月度の106.1%、4月度の105.9%と比べ、依然として好調な売上が続いている。既存店も100.9%と昨対を超えており、食品スーパーマーケットは全体として、好調な売上である。8/23の日経に、「外食、収益減速感強まる、主要12社、7社が営業減益」という記事が掲載され、外食は現在、厳しい状況にあり、消費は内食回帰が鮮明であるといえ、食品スーパーマーケットには強い追い風が吹いているといえよう。

   また、8/22に公表されたGMSを含む71社の2008年7月度の売上集計を見ても全体で100.9%と昨対を超え、特に食品は101.8%となるなど食品スーパーマーケットだけではなく、衣食住を取り扱っている小売業全体も堅調な売上であった。ただ、衣料品は98.3%(前月比105.9%)、住関連は99.9%(前月比109.3%)と、依然として、前月比では回復基調にはあるが、昨対を割っている状況である。

   さて、食品スーパーマーケットの売上速報であるが、No.1はマックスバリュ中部であり、123.8%と唯一120%の大台を超えた。ただ、既存店は100.1%と伸び悩んでおり、客数が131.8%と大幅に伸びた結果である。昨年の10月にマックスバリュ名古屋を吸収合併したことが大きかったが、客単価は94.0%となっているので、今後、いかに客単価を引き上げるかが急務である。客単価の中でも、特にPI値が94.8%、平均単価が99.1%という状況であるので、PI値が伸び悩んでいることが大きい。今後、食品スーパーマーケット業界ではM&Aが増える可能性が高く、吸収合併後は確実に客数は伸びるが、いかに、客単価を維持、向上させるかが大きなテーマである。マックスバリュ中部はまさにM&A後の客単価の向上が経営課題となったケースといえよう。

   No.2は久々にPLANTが浮上した。売上は116.6%であり、5月度105.1%、4月度103.8%、3月度100.7%であるので、まさに急浮上である。既存店も104.6%と好調であり、PLANTが再び成長路線に乗り始めたといえよう。特に、これまで財務的に厳しかった出店戦略が在庫を担保にした融資が実現したため、たてつづけに2店舗新規出店したことが売上を大きく伸ばした要因である。7/2、PLANT-5鏡野店、5/27、PLANT-3福知山店と連続での出店であり、当面、この高成長がつづくものといえよう。ただ、自己資本比率は依然として20%を下回る厳しい状況であり、今後、いかに収益性を改善するかが急務である。

   今月はこの2店舗に続き、No.3からNo.7まで、110%以上の好調な売上である。No.3はマックスバリュ西日本114.9%(既存店107.2%)、No.4ハローズ114.6%(既存店101.1%)、No.5大黒天物産114.1%(既存店102.8%)、No.6イズミ112.0%(既存店100%)、そして、No.7九九プラス111.8%(既存店107.1%)であり、この7社が110%以上、この7月度好調であった食品スーパーマーケットである。この中で、これまで常にベスト3には入っていた大黒天物産がやや順位を下げたのが気になるが、懸案の既存店も102.8%と堅調な数字であり、この7月、8月で既存店のリニューアル、新店を出店しており、来月以降はさらに数字が上がり、ベスト3に入ってくるものと予想される。

   今月はこの7社以外にも105%以上の堅調な売上を達成した食品スーパーマーケットが7社ある。マックスバリュ東海109.3%(既存店101.6%)、アークランドサカモト108.8%(既存店104.1%)、マルエツ108.5%(既存店103.6%)、ユニバース108.1%(既存店104.8%)、マックスバリュ東北107.7%(既存店100.9%)、ヤオコー106.6%(既存店101.3%)、そして、ダイイチ105.7%(既存店99.5%)である。上位と合わせて14社が105%以上の売上であり、食品スーパーマーケットはこれを見てもこの7月度は好調な売上であったといえよう。この中でもマルエツは店舗数が食品スーパーマーケット最大の200店舗を優に超えるが、この規模で全体が108.5%、既存店も103.6%という数字であり、好調な売上を確保しているといえよう。

   一方、この7月度、売上が厳しかった食品スーパーマーケットは5社である。マックスバリュ北海道95.4%(既存店92.5%)、いなげや97.4%(既存店96.9%)、Olympic97.6%(既存店97.6%)、スーパーバリュー98.9%(既存店98.9%)、そして、エコス99.7%(既存店94.0%)である。いずれも既存店が昨対を切っており、新店開発、M&A等による新店への取り組みも厳しい状況にあり、売上が伸び悩んでいるといえよう。食品スーパーマーケットの成長は既存店を軌道に乗せつつ、バランスよく新店を開発してゆくことにあるが、この5社はどちらの取り組みも厳しい状況であり、伸び悩んだといえよう。

   このように、この7月度は、食品スーパーマーケットに値上げ問題、資源エネルギ問題により節約志向が強くなり、外食から内食回帰という追い風が吹いている。さらに、これに猛暑も加わり、食品スーパーマーケット全体の売上が好調な月となったといえよう。ただ、この秋にはい小麦価格の値上げが予定され、それにともない、小麦関連の商品の再値上げが予想されるなど、消費は不透明さを増しており、いつ、向かい風になってもおかしくない状況にあるといえよう。来月以降も食品スーパーマーケットがこの好調さを維持できるかどかはわからず、注意深く当面の消費動向を見守る必要があろう。

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August 25, 2008 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 24, 2008

日本銀行、「最近の電子マネーの動向について」を公表!

   日銀が、8/22、「最近の電子マネーの動向について」と題する電子マネーの最新の調査結果を初めて公表した。対象の電子マネーは、Edy、Suica、ICOCA、PASMO、nanaco、WAONの6種の電子マネーであり、興味深い内容である。全部で13ページの小論文であるが、なかなか読み応えがあり、よく図表もまとまっており、わかりやすい内容である。特に、日銀らしい分析として、電子マネー発行残高の対現金通貨等比較というものもあり、貨幣流通高比、銀行券発行高比、マネーストック比などが示されており、電子マネーが実際の貨幣の中でどのような位置づけとなるかがわかり、現状における電子マネーの普及度合いだけでなく、貨幣との関係も含め、改めて電子マネーの潜在力が理解できる内容である。

   その対現金通貨等の比較であるが、これには3つの比較があり、貨幣流通高比、銀行券発行高比、マネーストック比である。それぞれ、2008年3月時点では、1.70%、0.10% 、0.007%であり、現時点では貨幣全体に影響を与える段階ではないと判断できるが、2007年9月時点の数字が、1.43% 、0.08%、0.006%であり、わずか、6ケ月でその伸び率を計算すると118.8%、125.0%、116.6%と高い伸び率であり、今後、電子マネーが急速に存在感を増してくる予感である。

   また、この分析の後、さらに、貨幣流通枚数の前年比較を示しているが、それを見ると、Suica、ICOCAが普及しはじめる2005年以降、貨幣流通枚数が激減している。特に、500円、100円硬貨はそれまで、102%前後で推移していたが、これが101%前後となり、いきなり、1.0ポイントダウンした。また、50円、10円、5円、1円効果については2005年以降、それまで100%強であったが、とうとう100%を割りこみむという状況である。こう見ると、電子マネーは貨幣全体への影響はまだ小さいが、硬貨に関しては相当の影響を与え始めているといえよう。

   さて、電子マネーの実態であるが、発行枚数は2008年6月現在8,761万枚であり、昨年の9月が6,649万枚であるので、9ケ月間で131.7%という伸びである。決済件数は2008年6月現在、8,700万件であるので、ちょうど、月1回決済している計算となる。当然、この中には使用されていないカードも含まれての数字であるので、実際の月度の決裁件数はもう少し多いと思われるが、思っていたよりも低いように感じる。その決済金額であるが、2008年6月度は657億円であり、1件当たりの決裁金額に換算すると、753円となる。こう見ると、現状の電子マネーは月1回使用し、その時の使用金額が753円というのが、現状であるといえる。予想通りというか、少額決済に活用されている実態が明確になったといえよう。

    ただ、これを2007年度の年間で、デビットカード、クレジットカード(2005年度)と比較してみると電子カードの位置づけがよりはっきりと浮かびあがる。まず、カード発行枚数であるが、電子マーネーは約8,000万枚に対して、デビットカードは約4億枚、クレジットカードは約3億枚である。意外にデビットカードの発行枚数が多いのが特徴である。ついで、年間決済件数を見ると、約8億件、約1千万件、約27億件であるので、電子マネーが検討していることがわかる。これを1枚当たりで割ってみると、10.0回、0.028回、9.6回となり、デビットカードは発行枚数は多いが、ほとんど使用されていないことがわかる。また、電子カードとクレジットカードはほぼ同じ使用率であり、電子マーネーはクレジットカードとほぼ同じ頻度で活用されているといえる。また、これを決済金額で見てみると、1件当たり、696円、6.6万円、1.2万円という状況であり、いかに、電子マネーが少額決済であるかが分かる。意外なのはデビットカードであり、6.6万円というのはクレジットカードの5.5倍であり、決済金額では断トツの数字である。

   ちなみに、電子マネーが急激に普及しはじめた時期を見てみると、やはり、nanacoとWAONが登場した2007年4月以降であり、それまでは電子マネーの決済件数は月約30万件程度であったが、これがわずか3ケ月後の7月には70万件を超え、1年後の2008年4月には80万件を超えてさらに、その後も伸びている。また、決済金額についても、2007年4月以前は約200億円であったが、これも3ケ月後の7月には500億円を超え、その後、1年後の2008年4月には600億円を近くとなり、その後も伸び続けている。こう見ると、電子マネーはこれから普及期への突入といえよう。

   このように、日銀がはじめて、電子マネーの統計データを公表し、最新の電子マネーの実態が明らかになったといえる。この統計データを見る限り、特に、2007年4月にnanacoとWAONが登場して以来、急激に電子マネーの普及が進んでいる実態が浮かびあがったといえよう。特に、1件当たり約700円という少額決済での強さが明確であり、数字もこの1年、急激に伸びており、今後の電子マネーがまだまだ発展途上であることがうかがえる。貨幣流通高比ではまだまだ1.7%と低い比率ではあるが、今後、数年後にはかなりの普及が見込め、どこまで電子マネーが決済手段として浸透するか興味深いところである。

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August 24, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 23, 2008

日経MJ、新製品ランキング8/22、金額PI値500円なし!

   猛暑が続いている。今週の日経MJ、新製品週間ランキングは飲料部門、冷凍食品部門のアイスクリームに期待がかかるが、残念ながら、金額PI値は伸びず、今週は全新製品すべの商品の中で、金額PI値Aクラスの500円を超える新製品は0であった。金額PI値500円を超える新製品が1品もないのは珍しいといえ、今週は、新製品が元気のない週となった。金額PI値No.1は家庭用品部門No.1の花王、アタック1kgであり、金額PI値475円である。先週から34円下がったので、500円を切ったが、金額PI値としては、高い数字である。カバー率も87.2%と対照45チェーン、250店舗の大半に導入されている最重点商品といえる。もともと、この商品は1.1kgであったが、ここへきて値上げ問題が浮上し、価格を据え置いて、容量を0.1kg減らして最デビューした新製品であり、1.1kgの時もトップクラスの商品であった。

   同様に、家庭用品部門No.2の新製品、花王、ふんわりニュービーズ花揺れる高原の香り1kgも1.1kgからの価格据え置き商品である。金額PI値は219円であり、カバー率も38.8%と低いが、No.3以降が金額PI値100円を切るため、No.2となった新製品である。家庭用品部門は現在、この2つが象徴するように価格据え置き、容量削減の実質値上げが進んでおり、これまでの定番での最重点商品が新製品として次々に登場しており、注目である。

   アタック1kgについで、今週、全新製品の中でNo.2となったのは、飲料部門の日本コカ・コーラ、ファンタグレープ手にピタ!ボトル1.5L、金額PI値424円である。このNo.2の金額PI値424円の次は200円台となるので、今週の新製品ランキングの金額PI値がいかに低い水準であるかがわかる。No.1に500円を超える新製品がなかっただけでなく、金額PI値Bクラスの300円も0という状況であり、厳しい状況である。ただ、飲料に関しては、現在、猛暑であり、定番が滅茶苦茶売れており、ほとんどの飲料が入荷不足が続いている状況であり、新製品よりも定番が動いているので、数字が低いとも考えられるが、それにしてもNo.2以下の金額PI値が低いのが気になるところである。

   その飲料部門No.2であるが、No.1同様、日本コカ・コーラ、ファンタふるふるシェイカーグレープ190mlであり、金額PI値262円である。No.3も日本コカ・コーラであり、ベスト3独占である。ファンタオレンジ手にピタ!ボトル1.5Lであり、金額PI値260円である。日本コカ・コーラはここへきて、積極的に新製品を投入しており、この3品以外にも飲料部門、全20品のランキングの中に3品入っている。飲料部門ではこの3品が金額PI値200円以上の新製品であり、それ以外は100円台となり、数字的には厳しい週となった。

   猛暑注目のもうひとつの部門、冷凍食品部門のアイスクリームであるが、金額PI値ではCランクの200円を超える新製品は1品もなく、意外に厳しい新製品ランキングとなった。No.1はロッテアイス、ぎゅぎゅっとパイン&ピーチ110ml、金額PI値149円であり、先週比も15円下がっており、厳しい数字である。冷凍食品部門は20品中、ベスト14までアイスクルームが占めているが、その内、ベスト5がすべて先週比の金額PI値を落としており、金額PI値そのものが低いだけでなく、先週比も低く、伸び悩んでいるといえよう。No.2は明治乳業、エッセルスーパーカップミント(チョコチップ入り)200ml、金額PI値145円(先週比-4円)、No.3は江崎グリコ、パピコ<ホワイトサワー>80ml×2本、金額PI値131円(先週比-11円)であった。

   これ以外の部門では、その他食品部門が金額PI値自体は低いが、順位が先週と大きく入れ替わっており、No.1に先週11位から日本ハム、石窯工房マルゲリータピザ186g、金額PI値262円、No.2に先週8位から味の素、ピュアセレクトマヨネーズ400g、金額PI値256円、No.3に先週10位から、日本ハム、石窯工房あら挽きソーセージミニピザ197g、金額PI値216円が入った。ただ、金額PI値が200円のCクラスを超えたのはこの3品のみであった。そして、菓子部門であるが、菓子部門は金額PI値200円を超える新製品は残念ながら1品もなく、No.1が不二家、カントリーマアム(バニラ&ココア)24枚、金額PI値194円である。No.2はロッテ商事、パイの実パーティパック205g、金額PI値174円であり、No.3がエースベーカリー、厚切りバウムクーヘン9個、金額PI値151円である。これ以下は金額PI値150円を切り、ベスト20は70円という数字であり、菓子は今週は厳しい週であったといえよう。

   このように、今週の日経MJ、新製品週間ランキングは、金額PI値500円以上のAランク商品が1品もないという低迷した週となった。本来であれば、夏本番、猛暑でもあり、飲料、冷凍食品のアイスクリーム、その他食品の日配等が伸びてきてもよい状況ではあるが、残念ながら、今週の数字を見る限り、非常に厳しい状況であったといえよう。来週以降、猛暑も幾分弱まるとは思うが、新製品のランキングがどのように変化し、金額PI値500円以上のAクラスのトップ商品が何品登場するか期待したいところである。

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August 23, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 22, 2008

コンビニ絶好調、2008年7月度、タスポ効果鮮明!

   日本フランチャイズチェーン協会が8/20、16:00、正会員のコンビニエンスストア本部11社の7月度の売上集計を公表した。11社とは、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンである。驚くことに、ここ最近ではありえない伸び率となった。全店ベースでは、7,455.46億円(114.0%)、既存店ベースでも111.7%と2桁の伸び率であった。この数字の中身をもう少し詳しく見てみると、客数が12億6,624.6万人(113.9%)、既存店111.8%、金額PI値588.8円(100.1%)既存店99.9%であるので、明らかに客数が2桁伸びての数字であり、金額PI値の伸びはほぼ0である。ちなみに、店舗数は41,443店舗(101.3%)であるので、1店舗当たり1日985.6人であるので、売上は約58万円となる。

   通常の小売業でいきなり、既存店の客数が110%となるケースは競合店が撤退したか、大きな幹線道路ができたか、大マンション群が出現したかなど、外部要因の変化が起きない限りありえない数字であり、しかも、今回の数字はコンビニ約4万店舗の平均であるので、明らかに異常事態、超追い風がコンビニに吹いたという数字である。協会でも、「今年は梅雨前線の活動が平年に比べ弱く、早い梅雨明けとなった。また、全国的に気温が高く、特に東・西日本では晴れて暑い日が多かった。このような天候面でのプラス要因に加え、7月1日よりtaspoカード対応成人識別たばこ自動販売機の導入地域が関東まで拡大したことが重なり、既存店ベースの来店客数は11億8,123万人(前年同月比+11.8%)と4ヶ月連続プラスとなった。・・」とコメントしているが、まさに、その通りであろう。

   特に、taspoの影響は大きいようで、まず、この数ケ月のコンビニの数字を見てみると、6月106.4%(既存店104.2%)、5月105.8%(既存店103.7%)、4月102.0%(既存店99.8%)、3月101.5%(既存店99.4%)であるので、既存店は4月まで横ばい、5月から数字が伸び始め、7月に爆発という状況である。これに対してtaspoの導入状況であるが、2/1に成人識別ICカード「taspo(タスポ)」の全国申込みを開始し、3/1にパイロットエリア(宮崎県・鹿児島県)でtaspoがはじまり、5/1、第1次エリア、北海道・東北・中国・四国・九州地方(1道20県)にて稼動開始し、6/1、第2次エリア、中部・北陸・関西地方(2府13県)にて稼動開始し、そして、7/1、第3次エリア、関東地方・沖縄県(1都8県)にて稼動開始し、結果、全国47都道府県のたばこ自動販売機が「成人識別たばこ自動販売機」になった。まさにtaspoの動きと連動しており、猛暑の影響も当然あるとはいえ、それ以上に、taspo効果により、追い風が吹いたというのが正解であろう。今後、数ケ月はこの傾向が続くであろうが、その後はやや落ち着いた状況になるのではないかと思われる。

   それにしても、たばことコンビニとの密接な関係が実証されたわけであり、あれほどPOSデータを駆使して、売れ筋に商品を絞り込む単品管理を徹底しているコンビニが、たばこだけは、なぜか約100種類を品揃えしている理由の一旦がここにあったといえよう。たばこはたばこ事態で売上があがることよりも、たばこを通じて来店顧客の来店頻度を増加させ、結果、客数のアップをはかる戦略商品のひとつであるということが、まさに、taspoという一大イベントにより、実証されたといえよう。商品には商品そのものの売上をあげることが目的のものと、商品の品揃えを通じて来店客数、特に、来店頻度を引き上げる商品とがあり、その典型的な商品がたばこであるという日本全国のコンビニでの壮大な実証結果であるといえよう。今後、コンビニでも電子マネー等が導入されはじめており、このような商品がID-POS分析で次つぎに見つかる可能性があり、新たな商品戦略の幕開けともいえる象徴的な出来事であるといえる。

   さて、では、商品から見た、この7月のコンビニの状況はどうであったかであるが、同じ日本フライチャイズチェーン協会の公表資料を見ると、商品分類を日配食品、加工食品、非食品、サービスの4つに分けているが、この7月度はたばこの含まれる非食品が133.0%(構成比31.5%)とトップであり、ついで、加工食品109.9%(構成比30.8%)、サービス104.6%(構成比3.9%)、日配食品104.5%(構成比33.8%)と続き、全体では114.0%となる。これを見る限り、客数が113.9%であることを考慮すると、たばこのみの購入の方も多いと思われるが、たばこ+アルファはさらに多く、結果、たばこを購入し、加工食品(菓子、飲料等)も同時購入しているケースが高いといえ、これが全体の金額PI値100.1%という結果となったものと思われる。

   このように、コンビニは食品スーパーマーケットとは別の意味でtaspoという巨大台風がおこり、超追い風なった実態が、この7月度の数字を見ていると明らかであり、あらためて、たばこという商品のすごさを感じる結果であったといえよう。来月以降、コンビニの数字にどのような変化が現れるか興味深いところである。

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August 22, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 21, 2008

バロー、2009年3月期、第1四半期決算、堅調な決算!

   バローが8/11、2009年3月期の第1四半期決算を公表した。営業収益は836.22億円(106.6)、営業利益20.28億円(104.9%:営業収益比2.42%)、経常利益20.89億円(102.1%:営業収益比2.49%)、当期純利益5億円(53.9%:営業収益比0.59%)と増収ではあったが、当期純利益が大幅な減収となる決算となった。今期は上場企業に棚卸資産の評価に関する会計基準が適用されたため、バローも特別損失にたな卸資産評価損7.82億円を計上したため、当期純利益が大幅な減益となったが、この7.82億円の評価損がなければ、増益となっており、堅調な決算であったといえよう。今後、上場食品スーパーマーケットには、在庫評価の問題が発生するので、いかに在庫を圧縮するかも大きな経営課題となろう。

   バローの通期予想であるが、営業収益3,400.00億円(106.9%)、営業利益116.00億円(110.6%:営業収益比3.41%)、経常利益114.00億円(105.2%:営業収益比3.35%)、当期純利益42.00億円(101.5%:営業収益比1.23%)と増収増益予想であり、当期純利益に関しても増益を予想しており、第1四半期では減益となったが、通期では増益となる予想である。

   この第1四半期、バローが増収となった要因であるが、積極的な新規出店が功を奏している。スーパーマーケット5店舗、ホームセンター4店舗、ドラックストア12店舗、及びスポーツクラブ2店舗を新規出店し、閉店はスーパーマーケット1店舗のみであり、これが増収に大きく寄与している。ただ、既存店はここ数ケ月厳しい状況であり、全体では-1.4%であるが、主力の食品スーパーマーケットが-1.7%であり、特に、直近の7月度の数字を見ると-2.5%とさらに数字が下がっており、既存店の数字が下がっているのが気になるところである。

   バローの今期の原価、粗利、経費の状況であるが、原価は77.3%(昨年76.8%)と0.5ポイント上昇しており、この数字を見る限り、仕入原価が上昇していることがわかる。これに営業収入が4.0%(昨年3.6%)加わり、営業総利益は26.7%(昨年26.8%)となる。この数字を見ると、仕入原価の上昇を営業収入のプラスでカバーしようとしているが、0.1ポイント低く、粗利利率はわずかに、昨年を下回った。これに対し、販売費及び一般管理費であるが、24.1%(昨年24.2%)であり、逆に、わずかではあるが、昨年よりも0.1ポイント改善し、結果、差し引き、営業利益率は2.5%(昨年2.5%)と昨年同様の数字となった。したがって、仕入原価の上昇を営業収入の増加と、販売費及び一般管理の削減によってカバーした状況といえ、今後、仕入原価がさらにあがると、営業利益の確保が厳しい状況となろう。

   こう見ると、バローをはじめ、食品スーパーマーケットを取り巻く環境は値上による売上増の追い風が吹いているとはいえ、経営という面からみると厳しい状況に入ったといえよう。今回のバローの第1四半期の決算を見ると、原価高が売上総利益を圧迫し、さらに、在庫の評価方法が変わり、今回のような特別損失の計上を余儀なくされることもあり、2つの利益圧迫要因が発生することになる。これを挽回するには、営業収入を増加させ、経費を削減するしかない状況である。実際、今回のバローの第1四半期決算ではこの2つの数字を改善し、営業利益をプラスマイナス0へもっていったわけであるが、今後、このようなケースが増えるのではないかと懸念される。さらに、在庫負担も今後は経営への影響が大きく、可能な限り、在庫を削減することも課題となり、より、精度の高い在庫管理が求められよう。また、営業収入を増やすためには、不動産収入かセンターフィー等を増やすことになり、そのためには、NSCへの取り組み、自社センターの充実、M&A等による規模の拡大も必要となろう。一方、経費を削減するためには、通常の諸経費を下げる取り組みはもちろん、既存店の活性化により、固定費を下げることが大きなポイントとなる。バローは現在、既存店がやや厳しい状況にあり、この点も優先度の高いテーマであろう。

   ただ、今回のバローの第1四半期決算を見る限り、在庫問題もあるが、これは制度の問題であり、徐々に改善してゆくことになろうが、より深刻なのは仕入原価の上昇であろう。これについては、当面、上昇基調が続くことが予想され、厳しい状況が続くものと思われる。バローはこの問題を解決するため、今期、PB(プライベートブランド)商品として、新規ブランド(V select、V Quality、V organic)を立ち上げ、さらに、グループでのPB商品の開発・販売強化を図るため、PB関連事業を統括する新会社「株式会社Vソリューション」を、この6/30に立ち上げている。今後、PB比率があがるに従い、原価は下がるものと思われるが、そのためには、全体の20%から30%の売上構成比が必要といえ、相当思い切ったPB強化策が必要となろう。

   このように、バローの2009年3月期の第1四半期の決算が公表され、これまでの決算とは中身が大きく変わり、構造的な変化となっている。今後、この決算を見る限り、思い切った利益改善の取り組みが必要であるといえ、バローにとっても、食品スーパーマーケット業界全体にとっても新たな次元に入った決算結果であったといえよう。バローの今後の対応はもちろん、食品スーパーマーケット業界としても、どうこのような厳しい状況に対応するかが問われる年となりそうである。

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August 21, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 20, 2008

ロイヤルH、2008年度12月期中間、減収減益!

   資源・エネルギー高が消費環境へ大きな影響を与え始めた。特に食料品は様々な商品が値上げとなり、CPI(消費者物価指数)も102.2%とここへきて上昇しており、家計は節約志向が鮮明である。このような中、外食、最大手のファミリーレストラン、ロイヤルホストを主力業態とするロイヤルホールディングスが8/14、2008年12月期の中間決算を公表した。売上高580.53億円(98.4%)、営業利益1.85億円(10.6%:売上対比0.31%)、経常利益2.91億円(15.0%:売上対比0.5%)、当期純利益-6.77億円と減収減益、特に、当期純利益は赤字となる厳しい決算であった。外食産業の厳しさをまさに象徴する決算であったといえよう。なお、通期予想も売上高1,200.00億円(97.6%)、営業利益22.00億円(52.4%:売上対比1.83%)、経常利益25.00億円(54.7%:売上対比2.08%)、当期純利益2.00億円(18.8%:売上対比0.16%)と減収減益予想であり、一時的な経営の悪化ではなく、中期的な問題といえ、外食産業にとってアゲインストの風が大きく吹きはじめたといえよう。

   これを受けて、ロイヤルホールディングスの株価であるが、この中間決算の公表があった8/15の数日前から、とうとう1,000円を割り込む株価となっており、その後970円前後で推移している。ロイヤルホールディングスの株価は3/17に年初来最安値となる921円を付けて以来、株価は上昇を続け、5/16には年初来最高値となる1,200円を付けた。ただ、その後、株価は下がりはじめ、7月に入ると1,050円を割り込んだ。7月後半には一時1,100円まで戻すこともあったが、その後、8月に入るとまた下げに転じ、現在970円近辺で推移している。投資家はかなり厳しい評価であるといえよう。

   ロイヤルホールディングスは事業構造を外食事業、食品事業、機内食事業、ホテル事業の4つに分けて管理しているが、その内、ファミリーレストランのロイヤルホストを中心とする外食事業の売上構成比が83.3%と大半を占めており、経営の中核事業となっている。今期の中間決算では、この外食事業の売上が99.6%と低迷したことに加え、営業利益が-0.98億円の赤字になったことが、厳しい決算になった要因である。ロイヤルホールディングス自身も外食事業に関して、「M&A効果はあったが既存店の来客数が減少したことなどにより減収、既存店の収益力が低下したことなどにより減益」と総括しており、客数の減が大きかったようである。

   実際、ここ数ケ月のロイヤルホストの売上高、客数、客単価の推移を見てみると、1月(92.7%、91.6%、101.2%)、2月(94.4%、93.1%、101.4%)、3月(99.1%、96.3%、102.9%)、4月(92.9%、90.8%、102.4%)、5月(93.7%、91.3%、102.6%)、6月(93.3%、91.1%、102.4%)、そして、7月(94.5%、93.7%、100.8%)という状況であり、特に、客数が大きくダウンしている状況である。客単価自体はほぼ昨年並みの数字であるので、客数の減による売上ダウンであり、客離れが明らかに起こっているといえよう。この6月度までの累計は売上高94.4%、客数92.4%、客単価102.2%であり、昨年度の年間累計が売上高94.2%、客数94.8%、客単価99.3%であるので、さらに、客数の減少が進んでいる状況であるといえ、今後、客数の減がどの辺で落ち着くか予想が難しい状況である。

   ここで、ロイヤルホールディングンスの原価、粗利、経費の関係を見てみたい。まず、原価であるが、31.7%(昨年33.3%)となり、原材料高の影響が数字を見る限り、原価には表れているといえず、1.6ポイント下がっている。意外な結果であり、営業利益の減少は原価高ではないという数字である。したがって、売上総利益は68.3%(昨年66.7%)と1.6ポイント改善しており、粗利率は昨年よりも上昇している。これに営業収入が1.4%(昨年1.0%)のり、ここでも利益が改善しており、結果、営業総利益は69.7%(67.7%)と2.0%と大幅に改善している。

   では、なぜ、減益となったかであるが、販売費及び一般管理費を見てみると69.4%(昨年64.7%)と昨年と比べ4.7%と、大幅に上昇しており、これが結果、営業利益を0.3%(昨年3.0%)と1/10に引き下げてしまった要因である。ロイヤルホールディングス自身は、これについて、「人件費を中心とするコストの上昇や改装等による設備費用の増加等により・・」と説明しているが、これだけ、大きく経費が上昇すると営業利益を確保するのは難しいといえよう。一般的に、客数が減少し、既存店の数字が落ち込むと、相対的に固定費が上昇しはじめ、経費比率が大きく上昇する傾向があるが、このロイヤルホールディンスの場合は、まさに、そのことも大きな要因のひとつともいえよう。

   このように、外食産業の最大手のロイヤルホールディングスの2008年12月期の中間決算が減収減益という厳しい結果となり、しかも、客数の大幅減による売上のダウン、経費比率の上昇にともなう営業利益の大幅ダウンとなる状況となった。この結果は、ロイヤルホールディンングス1社の個別問題ではなく、外食全体に吹いているアゲインストの風を受けての決算結果であるともいえ、今期の外食産業、特に、郊外型を主力業態とするファミリーレストランを主体とした外食産業は厳しい決算が予想されよう。

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August 20, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 19, 2008

日経MJ、8/18で炭酸飲料特集、カロリーゼロに注目!

   日経MJ、8/18で炭酸飲料特集が組まれた。「カロリーゼロ、市場を刺激」、「新旧のファンつかむ」、「07年は9%の伸び」という見出しの特集である。特集記事の中では7月度のベスト商品の金額PI値の比較表、各社メーカーの年間の金額PI値比較表などもあり、読み応えのある内容である。データは2008年7月度の日経POS情報サービスであるので、数百店舗の食品スーパーマーケットのデータにもとづいたものであり、現状の飲料の市場動向を探る上で貴重なデータであるといえよう。

   記事のグラフを見る限りでは、炭酸飲料の月別の推移は金額PI値で見ると、常に昨年を上回っており、好調な数字となっている。また、年間では8月度が最高の金額PI値であり、ついで、この7月度が12月度と並び、金額PI値の高い月となっている。この7月度はグラフで見る限り、最も昨年との対比の差があり、良く伸びているのが実態である。記事の中でもサントリーの独自集計の結果が公表されているが、出荷段階では109%の伸びであるという。

   ただ、6月度の家計調査データを見ると、飲料は90.0%であるので、この7月度が猛暑により、急激に数字を伸ばしたのではないかと思う。7月度の家計調査データは8月末公表の予定であるので、飲料がどのような数字となっているか興味深いところである。ちなみに、6月度の家計調査データの飲料の小分類を見ると、全体では90.0%であるが、その中で健闘しているのは乳飲料3.17円(102.2%)、炭酸飲料8.77円(97.8%)、乳酸菌飲料9.87円(97.4%)がベスト3の伸び率であり、今回の炭酸飲料は6月の厳しい飲料の状況の中では健闘しているといえよう。

   さて、記事の中身であるが、カロリーゼロが炭酸衣料の火付け役になり、低迷していた市場に新たな需要が発生したという。カロリーゼロはサントリーが2006年、日本コカ・コーラが2007年に新製品を投入し、カロリーゼロの市場が確立され、その後、これが刺激となって、炭酸飲料全体の市場を押し上げたという。記事の中では炭酸飲料のベスト15品が掲載されているが、その中にも、No.7に日本コカ・コーラ、コカ・コーラゼロ500mlペットボトルが金額PI値391円で入っている。さらに、No.10にもコカ・コーラゼロ1.5Lが金額PI値343円で入っており、ゼロは炭酸飲料の中でも確実に一角を占めたといえよう。ちなみに、通常のコカ・コーラはさすがに強く、No.1に1.5L、金額PI値795円、No.3に500mlペットボトル、金額PI値583円と入っており高い数字である。

   金額PI値は500円を超えるとAランクといってよいが、この7月度は500円を超えるAランクの商品がこの2品以外にも4品入っており、炭酸飲料市場は激戦である。その4品であるが、No.2にアサヒ飲料、三ツ矢サイダー1.5L、金額PI値586円、No.4も三ツ矢サイダー500mlペットボトル、金額PI値546円、No.5にサントリー、ペプシネックス500mlペットボトル、金額PI値540円、そして、No.6にもペプシネックス1.5L、金額PI値536円である。

   この中でNo.2となった三ツ矢サイダーについては、記事の中でかなり詳しく言及しているが、125年の歴史の中で再度、注目を集めているという。特に、これまで古臭いイメージがあったサイダーであったが、10代から20代の消費者の取り込みをはじめ、CMだけでなく、新製品の発売もここへ来て、積極的に取り組み、三ツ矢サイダー日本品質紀州南高梅、さらには青森産ふじりんごなども発売するという。さらに、サイダーではサントリーもラッキーサイダーを新たに投入し、サイダー市場がいっきに活性化する様相を呈してきた。

   また、このランキング表を見ると、話題の日本コカ・コーラファンタふるふるシェイカーグレープ190mlがNo.9に登場しており、金額PI値は377円である。ふるふるシェイカーオレンジもNo.14にランクインしており、金額PI値は284円といずれも好調であり、この商品もすっかり定番に定着したようである。

   ちなみに、先週8/15に公表された日経MJの新製品週間ランキングでも日本コカ・コーラは新製品のオンパレードであり、飲料部門べスト20の中に7品入っており、積極的な新製品の投入を6月頃から集中的に行っており、まさに、今回の特集記事を裏づける内容である。この中では、ゼロシリーズとして、ファンタゼロレモン1.5L、金額PI値169円、同じくファンタゼロレモン500mlペットボトル、金額PI値136円が入っており、ゼロシリーズは日本コカ・コーラを含め、まだまだ新製品の投入がありそうである。また、記事の中で言及のあったサントリーのラッキーサイダーであるが、新製品ランキングでは1.5Lが金額PI値154円、500mlペットボトルが金額PI値150円でランクインしている。

   このように、炭酸飲料市場がにわかに活性化しはじめ、特にゼロカロリーが火付け役になり、コカ・コーラが本格参入し、ファンタにも波及するなど活況である。また、これに刺激される形で、これまで注目度の低かったサイダーにも焦点が当たるようになり、炭酸飲料全体の市場が活性化しはじめているといえよう。飲料市場は7月、8月、9月が年間の山であり、今後、厳しい飲料市場をどこまで押し上げるか注目したい。

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August 19, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 18, 2008

ウォルマート売上速報、2008年7月度、109.4%!

   ウォルマートの2008年7月度の売上速報が8/7、公表された。7月度は7/5(土)から8/1(金)までの4週間の集計である。ウォルマートの1週間は金曜はじまり、土曜終わりの1週間であり、日本では月曜ははじまりが多いが、ウォルマートはスーパーセンターが主力業態であり、週末が重要な曜日となるので、はじめに週末の金土日をもってくるのは理にかなった管理といえよう。また、累計では26週、半期となるが、半期は26週を4週、5週、4週に分けて13週の四半期となり、この四半期が2サイクルで26週、半期となる。

   そのウォルマートの2008年7月度の売上速報であるが、ウォルマートは売上管理を3部門に分けて管理している。ウォルマート部門とサムズクラブ部門と海外部門である。まず、全体だが109.4%と7月度の売上も好調であった。金額でも301.59億円ドル(約3.3兆円)であり、これだけで日本のGMSクラスの年商であり、いかにウォルマートの売上が巨大かがわかる。ただ、26週累計は109.6%であるので、若干下がってはいるが、ほぼ、横バイといえよう。金額では1,964.76億ドル(約21.6兆円)であるので、今期も年商40兆円は超えてくるものといえよう。

   ウォルマートの各部門の内訳であるが、主力のウォルマート部門は106.7%であり、26週累計の107.0%と比べるとやや下がっているが、依然として好調さをキープしている。既存店の数字も103.0%と堅調な数字であり、昨年の101.3%と比べると高い伸び率であることがわかる。26週の既存店は103.2%であるので、これは若干下がってはいるが、ほぼ横バイといえ、7月度の主力部門、ウォルマート部門も好調であるといえよう。ウォルマート部門の柱はスーパーセンターであり、スーパーセンターがここ数ケ月、調子が良いといえ、アメリカでも日本同様、資源エネルギー高に加え、サブプライムローンの問題もあり、厳しい消費環境の中、ウォルマート、特にスーパーセンターが消費者の支持を獲得し、好調な売上に結びついているといえよう。ちなみに、ウォルマート部門のウォルマートの売上全体に占める数字は62.1%であり、文字通り、大黒柱である。

   ウォルマート部門についで、サムズクラブ部門であるが、107.7%と7月度も好調である。26週累計が107.2%であるので、累計を上回っており、ウォルマート部門以上に好調な売上である。既存店も107.3%と昨年の104.9%と比べ、大きく数字が伸びている。ウォルマートは既存店の売上集計は、ガソリンなどの燃料関連の売上への影響を見るために、燃料関連の影響を入れた場合と入れなかった場合に分けている。これを見ると、ウォルマート部門はほとんど影響がないが、サムズクラブ部門は燃料関連の影響が大きく、107.7%は燃料関連の売上が含まれた数字である。含まれない場合は、103.5%であり、影響度は3.8%といかに燃料関連の貢献が大きいかがわかる。ちなみに、ウォルマート部門は0.0%の影響度であり、燃料関連のインパクトはこの7月度の売上に関しては、全くない状況である。26週累計を見てもウォルマート部門は影響度が0.0%であるので、燃料関連はスーパーセンターへはほとんど売上への貢献がないといえよう。

   そして、いま、最も伸び率の高い海外部門であるが、117.1%と依然として高い成長を続けている。26週累計は117.9%であるので、この7月度は若干伸び率が下がっているとはいえ、ほぼ横バイの状況といえよう。海外部門はここ数年急成長を遂げており、この7月度のウォルマート全体の中での売上構成比は26.1%であり、昨年の24.3%と比べ高い成長であり、ついに25%、1/4を超えるまでになった。ウォルマートにとってはスーパーセンターにつぐ、成長の柱といえ、今後、この海外部門がウォルマート全体の成長の柱となってゆくことになろう。

   この海外部門の好調さについて、ウォルマートは、海外でのeveryday low price政策が各国で受けいれられ、しかも様々な業態での展開が功を奏しているとの評価をしている。特に、イギリスのアズダが好調であり、日本では各社苦戦している衣料品も好調であり、しかも、新店も6店舗出店したという。これについで、ブラジルも好調であるという。既存店の伸びも高く、キャッシュ&キャリー、ハイパーマーケットなどの業態も好調であるという。さらに、カナダ、中国、メキシコも好調であるという。また、日本についてははじめてコメントが公表されたが、7月度の既存店は厳しい状況であるが、年間で見ると堅調であるという。また、食品は好調であるが、衣料品が厳しい状況であるという。ただ、PB(プライベートブランド)の消費者からの反応はよい感触であり、期待がもてるという。

   このように、2008年7月度のウォルマートの数字は全体では109.4%と好調な数字を維持しており、日本以上に消費環境が厳しい状況の中で、ウォルマートが消費者から強い支持を受けていることがうかがわれる強い数字である。また、海外部門も依然として絶好調であり、とうとう1/4、25%の売上構成比を超えてきており、今後、海外部門の重要性がますます増してくるものといえよう。

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August 18, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 17, 2008

ホールフーズ、業績悪化、2008年9月期第3四半期決算!

   自然食品に特化したオーガニック食品スーパーマーケットを全米で展開するホールフーズマーケットが8/5、7/6までの12週間、2008年9月期の第3四半期決算を公表した。売上は1 8.41億ドル(約2,000億円:昨対121.5%)、営業利益0.64億ドル(約70億円:昨対80.5%:売上対比3.47%)、当期純利益0.33億ドル(約36億円:昨対61.9%:売上対比1.47%)と増収減益の厳しい決算となった。また、ホールフーズマーケットは、同時に40週累計の決算も公表しているが、同様に、増収減益の決算であり、破竹の勢いで成長を続けていたホールフーズマーケットも、いよいよ転換期に来たといえよう。

   これを受けてホールフーズマーケットの株価であるが、この1年株価は急落しており、この第3四半期の増収減益の決算が公表された8/5以降も株価は下がりつづけている。ホールフーズマーケットの株価は昨年10月には50ドルを超えていたが、その後、今年、2008年に入ると、35ドル台になり、5月になると30ドルを割り込み、6月、7月と株価はさらに下がり続け、25ドル台となる。その後、8月に入り、とうとう20ドルを割り込む展開となり、今後、どこまで株価が下がるか予測ができない状況となっている。ホールフーズマーケットも、今回の減益は深刻に受けとめており、当面、配当も凍結とのことである。投資家は明らかに売りと判断しており、ホールフーズマーケットの株がどこまで売られるか、ここ数週間が山であるといえよう。

   現在のホールフーズマーケットは、1980年、アメリカのテキサスで設立された食品スーパーマーケットであり、世界をここ数年リードしてきた自然食品、オーガニックに特化した食品スーパーマーケットである。店舗数は272店舗、年商7,200億円であり、1店舗当たり約26億円である。出店地域はアメリカだけでなく、カナダ、イギリスへも展開しており、海外戦略にも力を入れ始めている。

   では、ここまで急激に営業利益が悪化した要因を粗利、経費の面から見てみたい。ただ、アメリカの会計制度は日本と少し違うため、必ずしも日本の営業利益とアメリカの営業利益とは同じ計算式ではない面があり、ダイレクトに比較するのは無理がある。そこで、ここでは、アメリカの会計に即して数字をみることにする。まず、粗利であるが、これをGross profitとして見ると34.3%(昨年35.5%)であるので、約1ポイント減少しており、粗利率が下がっていることがわかる。ただ、この中には、Direct store expenses(店舗関連経費)が入っているので、これを際し引いた、粗利を見てみると、7.7%(昨年9.48%)であるので、この段階の粗利は2ポイント弱減少しているのがわかる。逆に見ると、店舗関連経費が今期は大きかったということである。

   アメリカの会計では、ここから、販売費及び一般管理費を差し引き、さらに、プレオープン費用と店舗移転費用を差し引き、その結果、算出された利益をOperating incomeとし、これを営業利益と呼んでいるようだが、この数字は3.48%(昨年5.25%)であり、大幅に営業利益も落ち込んでいることがわかる。ということは、経費が大きく上昇したことになるので、どの経費かを見てみると、店舗関連経費は124.1%、一般管理費は123.8%、プレオープン費用は114.9%、リロケーション費用157.3%であり、経費関連も大きく増加していることとがわかる。さらに、この営業利益に、営業外費用、税金、金融収支等を差し引いた純利益は69.1%となり、大幅な減益となっている状況である。

   こう見ると、ホールフーズマーケットの減益となった要因は粗利が減少したことに加え、販売費及び一般管理費、店舗関連経費、プレオープン経費、リロケーション費用などの諸経費が増加したことが大きいといえ、ダブルでの営業利益ダウンという厳しい経営状況にあるといえよう。

   ホールフーズマーケットも当面、どう、粗利率の低下に歯止めをかけ、様々な経費の削減に取り組んでゆくかが大きな経営課題となりつつあるといえる。当然、ホールフーズマーケットも当面の対策として、重点項目を公表しているが、それを見ると、最も大きなテーマは新規出店の抑制であり、これまでの計画を大きく修正し、2009年9月期、すなわち、来期は15店舗にするとのことである。現在、全店272店舗であるので、年間15店舗は約5%強であり、今期も全体の売上は120%近い成長であるが、これでは新店効果は約105%しか計算できないこととなり、ホールフーズマーケットが来期以降、急激に売上縮小に入ることになり、利益だけでなく、売上の低迷にもつながる重点課題であり、厳しい経営決断であるといえよう。

   このように、ホールフーズマーケットの2008年9月期の第3四半期の決算が公表されたが、増収減益の、特に利益が厳しい決算となり、今後、経営の本格的な改革に入らざるを得ない状況に入ったといえよう。当然、この背景にはアメリカの資源・エネルギー高による消費環境の悪化があるといえ、ホールフーズマーケットが今後、どのような経営改革に入るか注目である。一方、ライバルともいえるウォルマートは逆に絶好調であり、アメリカの小売業界もこの消費環境の急激な変化により、追い風を受けている小売業と向かい風を受けている小売業に2極化した動きとなっているといえよう。その意味でも、ホールフーズマーケットの今後の動向が気になるところである。

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August 17, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 16, 2008

日経MJ新製品週間ランキング、8/15、値上げ関連上位!

   日経MJ、新製品週間ランキングが8/15、公表された。今週は前週も含め、値上げ関連の新製品が上位に占めた部門が2つある。ひとつは家庭用品部門であり、もうひとつはその他食品部門である。特に、家庭用品部門No.1の花王、アタック1.0kgは、先週同様ただ1品、金額PI値Aランクの500円を超える新製品である。金額PI値509円であり、先週比が-63円であるので、ぎりぎり、500円を超えたが、この新製品以外、今週500円のAランクを超える新製品は1品もなく、全体としては依然として低調な新製品ランキングが続いている。 
 
   この花王、アタック1.0kgは、値上げ関連商品のひとつであるが、従来は1.1kgの商品であり、100g内容量を減らし、価格は据え置きという実質値上げの新製品である。雑貨関連はこのような実質値上げの新製品がここへ来て増えているのが特徴である。原料、資源価格が今後とも上がれば、さらに一段の値上げ予想が見込まれるが、その場合は、今度は価格の値上げがなされる可能性が高く、雑貨は2段階の値上げが通常行われるのが実態である。

   家庭用品No.2も花王、トイレクイックルつめかえ用ジャンボパック20枚であり、金額PI値295円である。No.3も花王、ふんわりニュービーズ花揺れる高原の香り1kg、金額PI値248円である。この新製品はカバー率が40.0%と低いが、上位2品は88.0%、86.8%と極めて高いカバー率であり、対照45チェーン250店舗の大半に導入されている。特に、No.1のアタック1.0kgは衣料洗剤ではトップクラスの商品であり、今後、値上げ関連ではあるが、注目の新製品である。
 
   一方、もうひとつの値上げ関連の新製品が上位を占めた部門のその他食品部門であるが、まさに、値上げ関連ということで、インスタント麺の新製品が今週初登場で3品登場した。しかもNo.2からNo.4までを占め、金額PI値そのものはCクラスの200円台であるが、注目の新製品といえよう。ちなみに、No.1は先週同様、敷島製パン、超熟ロール6個入り、金額PI値360円である。そして、問題のNo.2であるが、日清食品、チキンラーメン50周年記念限定5食パック87g×5、金額PI値298円である。カバー率はまだ47.6%と低いが、今後、注目の新製品といえよう。この日清食品の50周年記念シリーズはNo.4にも登場しており、チキンラーメンどんぶり50周年記念限定版87g、金額PI値220円である。そして、No.3にはサンヨー食品、サッポロ一番ポケモンヌードル2個セットスプーン・フォーク付限定映画バージョン81g、金額PI値244円である。これら3品はいずれも今年に入り値上げしたインスタントラーメンを補強する値上げ関連の新製品といえ、来週以降どの辺で数字が落ち着くか、気になるところである。現在、インスタントラーメンはカップめんよりも袋めんの方が好調であり、その意味でも、この3品は特に今後注目といえよう。
 
   この2部門以外に今週の注目部門は菓子部門である。先週までのNo.1、No.2が入れ換わり、No.1には先週7位の不二家、カントリーマアム(バニラ&ココア)24枚が金額PI値194円で入った。先週比64円の上昇であり、先週のランキング上位の新製品が数字を落としている中、急浮上である。No.2は今週初登場の新製品、明治製菓、じゃがままペッパーソルト45gが金額PI値172円で入った。ただ、カバー率はわずか33.6%であり、来週以降、カバー率があがるにしたがい、数字がどこまで上がるかが注目である。No.3は先週3位のカルビー、ポテトチップス銀チーズ味63g、金額PI値133円であり、No.4は先週1位の江崎グリコ、素材派プリッツ<トマト>42g、金額PI値132円であった。
 
   これに対し、飲料部門、冷凍食品部門には先週と比べ、大きな動きが見られなかったが、飲料部門では依然として日本・コカコーラの新製品が全20品中7品入っており、新製品ラッシュが続いている。今週初登場の新製品としては、No.6にキリンビバレッジ、世界のKitchinから水出しミントジュレップソーダ450mlが金額PI値216円で入ったのみである。また、冷凍食品部門では、大きな順位の変化はなかったが、季節がらアイスクリームが独占しており、冷凍食品がわずか2品のみである。1品はNo.11に入った加ト吉、まんまるたこ焼8個、金額PI値58円、そして、もう1品はNo.17に入ったニチレイフーズ、夏野菜のドライカレー400g、金額PI値33円である。ただ、金額PI値は極めて低い数字であり、アイスクリームも含め、冷凍食品部門は厳しい数字がここ数週間続いている状況である。
 
   このように今週も日経MJの新製品週間ランキングは全体としては低迷しているが、家庭用品とその他食品に値上げ関連の新商品が上位を独占しており、来週以降どのような数字になるか注目である。特にその他食品では現在好調なインスタントめんの袋ラーメン3品が上位に入っており、内食需要の追い風に乗っている商品であるがゆえに、今後、どこまで金額PI値を伸ばしてくるか気になるところである。また、ここ数週間、金額PI値Aランクの500円を超える新製品がわずか1品という低迷状態が続いており、来週以降、Aランクの新製品がいつ登場するかにも注目したい。

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August 16, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 15, 2008

カワチ薬品、2009年3月期、第1四半期決算、増収減益!

   カワチ薬品の最西端、静岡に出店した清水鳥坂店を見る機会があった。地元ドラックストア杏林堂と直競合している店舗であり、どちらも約500坪ぐらいのスーパードラックストアタイプであるが、カワチ薬品がかなり厳しい状況におかれているように感じた。カワチ薬品は地元栃木県を中心に広域に出店しており、スーパードラックのパイオニアとして、破竹の勢いで急激に成長を遂げているドラックストアという認識があったので、意外な感じを受けた。

   現在、カワチ薬品は、15府県へ店舗展開をしているが、その内訳は、栃木県44店舗、茨木県38店舗、群馬県15店舗、埼玉県13店舗、千葉県11店舗、東京都1店舗、神奈川県1店舗、福島県18店舗、山形県5店舗、宮城県15店舗、岩手県3店舗、新潟県5店舗、長野県2店舗、山梨県1店舗、静岡県1店舗の計173店舗である。こう見ると、地元北関東が圧倒的に多く97店舗であり、全体の56%である。ついで東北の41店舗24%であり、合計80%となるので、出店戦略は北関東を中心に東北への出店が比重を占めていることがわかる。また、首都圏へは26店舗であり、全体の15%であるので、まだまだ、ドミナント開拓地域であることがわかる。特に、神奈川県へは、この第1四半期決算時に初の出店をしたばかりであり、首都圏への参入はこれからが本番といえよう。さらに、西へは北陸、東海地区合計で9店舗であり、全体の構成比はわずか5%であり、今回たまたま見た清水鳥坂店は静岡県1号店であり、西日本へ向けての橋頭保となる重要な戦略店舗であることがわかる。恐らく、今後、東海から中部地区への出店を視野に入れているのではないかと思うが、清水鳥坂店を見る限り、もう少し、時間がかかりそうである。

    では、現在、これら173店舗の状況、すなわち、決算がどのような状況であるかであるが、この2009年3月期の第1四半期決算を見てみると、売上高572.14億円(104.8%)、営業利益19.30億円(91.5%:売上対比3.37%)、経常利益20.82億円(95.9%:売上対比3.63%)、当期純利益12.23億円(94.1%:売上対比2.13%)と増収とはなったが、残念ながら利益は減益となる厳しい決算であったことがわかる。特に、この7月度の売上速報を見ても全体では104.1%(累計104.6%)と堅調な数字ではあるが、既存店が99.7%(累計100.2%)と伸び悩んでおり、各店が今回みた清水鳥坂店のように厳しい競合にさらされていると推測される数字である。ちなみに、この売上を173店舗でわり、4倍して年間売上を逆算してみると、約13.22億円であり、これがカワチ薬品の平均年商である。

    通常のドラックスと比べると、1店舗当たりの売上規模が大きいが、これは、カワチ薬品がスーパードラック(カワチ薬品ではメガ・ドラックと呼んでいる)を主体に各地に展開しているからである。その特徴は、カワチ薬品によれば、「独自のメガ・ドラッグストアの店舗展開を進め、健康と美容にフォーカスした差別化策を推進するべく医薬品、化粧品の専門性強化を図る一方、生活を支える雑貨や食品においては、品揃えや販売価格の見直しを行うこと等により、集客と固定客化・・」ということである。

   実際、前期決算時のカワチ薬品の商品構成比を見てみると、それがよくわかる。ドラックストアという名前からドラックがメインであるように思ってしまうが、カワチ薬品のNo.1部門は一般食品であり、30.8%を占める。ついで、雑貨30.8%、そして、3番目が医薬品、すなわちドラックであり、これが16.7%である。これ以外では、化粧品の8.0%が あるが、ドラックは売上のわずか20%弱であり、ドラック比率が異常に低いのが特徴である。実際、売場を見ても、約500坪の売場の大半を占めるのは、一般食品、雑貨である。食品スーパーマーケットよりもかなり価格の低い商品が目白押しであり、特に雑貨においては品揃えも数倍は充実しているが特徴である。財務諸表で在庫の数字を見てると、この第1四半期決算時では177.54億円であり、これは総資産の10.5%を占めており、多額の在庫金額であることがわかる。店舗数が現在173店舗であるので、ほぼ1店舗当たり1億円の在庫であることになり、ドラックストアとしてはかなり大きな負担であるといえよう。

   したがって、集客の戦略部門は一般食品と雑貨ということになるといえ、この2部門の強さが食品スーパーマーケットよりも、競合ドラックストアよりも圧倒的に強いことがポイントとなるが、今回の競合店のように同タイプで地元密着の品揃えで対抗された場合は単独店では苦戦を強いられてしまう場合もあるといえよう。その意味で、早く、数店舗から10店舗以上の地域ドミナントを完成させ、その地域の特性にあった品揃えを完成させることが急務といえよう。今後、カワチ薬品は東海から、中部、関西へとも出店地域を広げて行くことになると予想されるが、同じスーパードラック業態とぶつかった場合は点と点での戦いではなく、点と面、面と面の戦いに持ち込まないと厳しいのではないかと、今回の清水鳥坂店を見て感じた。今後、カワチ薬品の出店戦略がどのように、この東海地区、そして中部、関西地区でとられてゆくのか注目である。

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August 15, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 14, 2008

セブン&アイ、食品スーパーマーケットに軸足か?

   8/13の日経MJに「セブン&アイ傘下食品スーパー、本部機能を統合」、「ヨークベニマル、ヨークマート、年20億円のコスト減」という見出しの記事が掲載された。いよいよ、セブン&アイホールディングスが本格的に食品スーパーマーケットを経営の柱にすえ、グループ全体の成長と収益確保の源泉にしようという意思決定がなされたということであろう。セブン&アイホールディングスもヨークベニマルをいまから約2年前の2006年に完全子会社して以来、その活躍の場をなかなか顕在化できずにいたが、今回の日経MJの記事を見る限りでは、ヨークベニマル主体の本格的な食品スーパーマーケット統合の事業本部をつくるとのことであり、やっとヨークベニマルが主役となる時代が来たといえよう。

    記事の内容をもう少し詳しく見てみると、この9月にヨークベニマルの本部のある福島県郡山市の本社内にSM(食品スーパー)事業サポート本部を設置するという。その指揮にはEC(エグゼクティブコミッティー)があたり、そのEC代表にはヨークベニマルの大高善興社長が就任したという。まずは、ヨークベニマルとヨークマートとの統合をはかるとのことで、2010年2月期までは統合への移行期間とし、双方の組織を簡素化するという。そして、2011年2月期にはSM事業サポート本部へ2社の本部業務を移管して、統合を完了するという。セブン&アイホールディングスにはシェルガーデンという高級食品スーパーマーケットもあるが、これについても将来的には本部機能を統合する意向であるという。

   今回の本部機能の統合で、人員の効率化、店舗資材や設備の共通化、加工食品の共同仕入れの増加などを見込み、年間20億円超の統合効果を目指すという。また、現在、セブン&アイホールディングスのグループをあげて取り組んでいるPB、セブンプレミアムの強化にも入り、PB比率を現在の約1割から、3年以内には2割まで高める計画であるという。

   ただ、それ以上に今回のヨークベニマルとヨークマートの本部機能の統合の意図は食品スーパーマーケット市場のシェアを一気に引きあがることにあると思われる。日経MJの記事の中でも、現在、230店舗の食品スーパーマーケットの店舗数を2011年2月期までに約70店舗を出店し、300店舗体制にするという。投資額は約450億円を見込んでいるというが、ヨークベニマルも現在の8店前後の新規出店を来期から10店以上に引き上げ、ヨークマートも年1から2店舗の新規出店を6店前後に増やすという。さらに新たにM&Aにも積極的に取り組むとのことである。

   現在、ヨークベニマルは東北地区では、福島県に58店舗、宮城県に40店舗、山形県に13店舗、そして、関東地区では茨木県に22店舗、栃木県に19店舗と全部で152店舗を展開している。一方、ヨークマートは東京に7店舗、埼玉県に20店舗、神奈川県に14店舗、千葉県に17店店舗、群馬県に1店舗、茨木県に1店舗の計60店舗である。したがって、この2社が本部統合することにより、東北から関東までの市場がつながることになり、この地域のシェアをさらに高めることが可能となろう。

   すでに、ちょうど1年前の2007年7月にヨークマートが自社開発による初のNSCを東京都東村山市に出店したが、これがヨークベニマルのNSC開発のノウハウを導入した事実上の共同出店ともいうべき店舗である。今後、このセブン&アイホールディングスの食品スーパーマーケット事業はこのNSCが主力業態となってゆき、これまで、ヨークベニマルは茨木県、栃木県までが関東地区への新規出店の限界エリアであったが、今後は、ヨークマートと本部統合することにより、埼玉県、神奈川県、千葉県、そして、東京都へも積極的なNSCでの新規出店が本格化するものといえよう。

   これにともない、関東地区へ展開している優良食品スーパーマーケットへのセブン&アイホールディングスからのM&Aも本格化してくるといえ、関東地区は今後数年間はセブン&アイホールディングスとイオンの流通2大勢力が本格的なM&A合戦に入るといえ、この2つの勢力に属さない食品スーパーマーケットを交え、3つ巴の北海道のような3極構造となる可能性が極めて高くなったといえよう。さらに、関東地区でのM&Aも含めてのシェアが限界になった時点で、当然、東海、関西地区へのM&Aを主体としての参入も2011年以降は十分に考えられることである。当面の食品スーパーマーケットの店舗数の目標は300店舗ということだが、300店舗では1兆円にはとどかない数字であり、1兆円の大台に乗せるには500店舗は必要といえ、まずは自社で300店舗、M&Aで200店舗が当面の方向であろうと思われる。

   いずれにせよ、この日経MJの記事によれば、ヨークベニマルが主体となった食品スーパーマーケット事業の本格展開がやっとセブン&アイホールディングスにおいて、意思決定されたとのことであり、これにより、本格的な食品スーパーマーケット業界の再編がはじまるといえよう。まずは、関東地区からはじまり、今後、数年で日本各地の食品スーパーマーケットの合従連衡が促進されることが予想される。食品スーパーマーケット業界がいよいよ本格的に動きはじめたといえよう。

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August 14, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

August 13, 2008

ヤマザワ、2009年3月期第1四半期決算、減収減益!

   ヤマザワが7/30、2009年3月期の第1四半期決算を公表した。売上高225.38億円(99.5%)、営業利益6.37億円(89.5%:売上対比2.82%)、経常利益6.39億円(90.0%:売上対比2.83%)、当期純利益2.85億円(88.9%:売上対比1.26%)となる減収減益の厳しい決算となった。特に、売上に関しては、昨年2月に新規出店した汐見台店(宮城県七が浜町)以来、約1年半新店がなく、既存店も伸び悩み、厳しい結果となった。

   この3ケ月間のヤマザワの売上の推移を見ても、4月97.0%(既存店95.8%)、5月96.9%(既存店95.1%)、そして、6月は104.1%(既存店102.7%)と堅調であったが、3ケ月累計では昨対を切る数字となり、売上が伸び悩んだ。特に客数、客単価ともに伸び悩んでおり、今後、新店開発を含め、既存店についても活性化をどうはかってゆくかが課題であるといえよう。

   ヤマザワの利益が伸び悩んだ要因を原価、粗利、経費の面から見てみると、まず、原価であるが、72.0%(昨年72.1%)と原価はわずか0.1ポイントであるが下がっており、この値上げ環境の厳しい中、原価を昨年並みに抑えた仕入であったといえ、粗利率も28.0%(昨年27.9%)とほぼ昨年と同じ数字となった。したがって、減益となった要因は経費にあるといえ、その経費、販売費及び一般管理は25.2%(昨年24.8%)と0.5ポイント上昇した。結果、営業利益は2.8%(昨年3.1%)となり、0.3ポイント、約90%となった。これをみる限り、今期のヤマザワの第1四半期の減益の要因は経費高にあったといえよう。

   その経費の状況であるが、昨年と比べ特に上昇している項目は、人件費、減価償却費、そして、ポイント費用引当金繰入額等ではなく、詳細は公表されていないそれ以外のその他の費用が12.7%(昨年12.2%)とちょうど0.5ポイント上昇しており、この項目の上昇が大きかったといえる。したがって、今回の減益となった要因はその他の経費増にあるといえ、今後、さらに原価の上昇が予想される状況を考えると、まず、経費の削減が当面の経営課題の優先事項といえよう。

   これを受けて、ここ最近のヤマザワの株価の動向であるが、7/30以降、株価はほぼ1,480円前後で横ばいの状況である。ここ数ケ月の株価は、5日移動平均1,484円、25日移動平均1,476円、13週移動平均1,457円、26週移動平均1,461円という状況であり、ここ最近若干上昇しているが、ほぼ、横ばいの状況で推移しており、今回の第1四半期決算の結果は株価には大きく影響していないようである。

   さて、ヤマザワがこの約1年半、新規出店がない状況を自己資本比率と出店にかかわる資産の状況から見てみると、現在の自己資本比率は64.3%(昨年62.4%)であり、高い自己資本比率であるといえる。これに対し、出店にかかわる資産については、この四半期決算では敷金、保証金等が公表されていないので、前期の本決算、2008年3月度の数字で見てみたい。まず、自己資本比率であるが、62.4%であり、この第1四半期決算よりもやや低い数字である。出店にかかわる資産、土地、建物、敷金及び保証金の合計であるが、254.58億円であり、総資産の64.8%である。したがって、ほぼ、自己資本比率でまかなえる構造となっており、借入等に大きく依存する構造ではない。ちなみに、この時の店舗数は59店舗であるので、1店舗当たりの出店にかかわる資産は4.31億円である。一方、ヤマザワの負債の主要項目である長短借入金の合計であるが、22.78億円であり、これは総資産のわずか5.8%であり、しかも、この第1四半期はさらに削減され、19.7億円となっている。無借金も時間の問題といえ、負債に頼らない自己資本の範囲内での新規出店が可能な財務状況といえよう。
 
   したがって、財務面からみる限り、新規出店による成長戦略をとることは十分可能な状況といえ、約1年半に渡って新規出店がない状況は財務面の問題ではないといえよう。なお、今後のヤマザワの新店計画であるが、下期に2店舗予定されており、米沢中田町店(山形県米沢市)、城西店(山形県山形市)である。ただ、この第1四半期での通期予想は売上高920.00億円(101.1%)、営業利益29.00億円(100.9%:売上対比3.15%)、経常利益29.00 億円(100.0%:売上対比3.15%)、当期純利益15.50億円(102.7%:売上対比1.68%)と増収増益予想ではあるが、その伸びはわずかであり、成長路線に舵を切るという状況ではなく、堅実な数字の確保を目指した固い計画であるといえよう。
 
   このようにヤマザワの2009年3月期の第1四半期の決算が公表されたが、減収減益の厳しい決算となり、特に、新規出店が約1年半にわたりないという、既存店に頼る成長戦略となっている状況である。ただ、先にみたように財務的には健全な状況であり、借入に頼らない新規出店が十分に可能な財務体質である。したがって、いつ、新規出店戦略による成長戦略がとられてもおかしく状況といえ、その意味でヤマザワの今後の成長戦略がどのように計画され、実行に移されるかに期待したい。

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August 13, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

August 12, 2008

原信ナルスH、2009年3月期第1四半期決算、増収増益!

   原信ナルスホールディングスの2009年3月期、第1四半期決算が8/7、公表された。その結果であるが、売上高282.40億円(105.8%)、営業利益7.05億円(180.5%:売上対比2.49%)、経常利益6.61億円(127.1%:売上対比2.34%)、当期純利益2.15億円(前期赤字:売上対比0.76%)と増収大幅増益の好決算であった。売上に関しては既存店の数字が堅調であった上に、前期に出店した原信桜町店(2007年4月)、原信見附店(2007年10月)、そして、原信錦町店(2007年11月)と3店舗の新規出店があり、105.8%と好調な数字となった。

   原信ナルスホールディンスは原信とナルスの持株会社であるので、この四半期の双方の状況をさらに詳しく見てみたい。まず、原信であるが、店舗数は47店舗(昨年より2店舗増)となり、売上は107.8%(既存店102.8%)と好調であった。また、その中身は客数107.1%(既存店102.2%)、客単価100.7%と客数増による売上増である。さらに、客単価の中身であるが、PI値98.4%、平均単価102.3%となり、平均単価アップによる客単価増であった。一方、ナルスであるが、店舗数は16店舗(昨年より2店舗減)となり、売上は100.0%(既存店101.3%)と店舗数が減ったことにより、伸び悩んだが、その中でも既存店は堅調に推移した。その中身であるが、客数100.1%(既存店99.3%)、客単価100.0%とほぼ昨年同様の数字となった。さらに、客単価の中身であるが、PI値100.1%、平均単価99.9%となり、同様にほぼ昨年と同じ数字であった。

   原信ナスルホールディンスは、この売上の中身について、昨年対比だけでなく、実際の数字も公表しているので、さらに双方を詳しく見てみたい。食品スーパーマーケット上場企業の中でも昨年対比は公表している企業はあるが、実際の生の数字まで公表している企業は珍しいといえよう。その数字であるが、客数に関しては、原信が1,262万人であるので、これを店舗数47店舗、営業推定日数90日で割ると、2,983人となる。客単価は1,743円であるので、売上は517.25万円/日となる。また、PI値1,054%であるので、平均単価は165.3円である。通常の食品スーパーマーケットと比べると、PI値は高めであるが、平均単価が低いのが気になるところである。

   一方、ナルスであるが、客数は270万人であるので、これを16店舗、営業推定日数90日で割ると1,875人となる。原信と比べ、約1,000人客数が少なく、店舗規模が原信より小さめであることがわかる。ただ、客単価は1,808円であり、原信よりも60円強高めである。その要因はPI値が1,150%と原信よりも100%、1人1点高いのが特徴であり、食品スーパーマーケットの中でも1,150%の平均PI値はかなり高めであるといえよう。平均単価は逆算すると157.2円となり、原信よりもさらに7円強低い数字である。

   こう見ると、原信とナルスはかなりタイプの違った食品スーパーマーケットであるといえ、この2つのタイプを統合して、一緒に管理するには無理があるといえ、ホールディングスという形態で2つのタイプの食品スーパーマーケットの個性を活かし、それぞれがそれぞれの強みを最大限に活かす仕組みが正解といえよう。それにしても、ナルスが原信よりも100%(1人1点)、PI値が高い理由が何であるか、部門、単品レベルで解明しておくことが、今後の原信のPI値アップに直結するといえ、気になるところである。

   一方、今期、特に原信ナルスホールディングスが大幅な増益となった要因を原価、粗利、経費の面から見てみたい。まず、原価であるが、今期は73.59%(昨年73.54%)と原価についてはほとんど変化がなかったことがわかる。したがって、売上総利益、いわゆる粗利は26.41%(昨年26.46%)とほぼ同じ数字である。したがって、利益の源泉は原価ではなく、経費ということになるが、その経費比率の今年を見ると、23.90%(昨年24.98%)と何と1.08ポイントも削減されていることがわかる。その結果、営業利益率が2.5%(昨年1.5%)と大きな差となっており、今期は昨年と比べ、経費が大幅に削減され、高収益をもたらしたという結果であったことがわかる。

   そこで、経費比率について、もう少し細かく見てみると、従業員給料、雑給、役員賞与引当金繰入額、賞与引当金繰入額の合計は11.75%(昨年11.82%)であるので、人件費はさほど大きな変化がない。次に、賃借料、地代家賃の合計であるが、2.72%(昨年3.01%)とここで、0.3ポイント削減されている。そして、減価償却費であるが1.37%(昨年1.50%)と0.1ポイント強、少なくなった。最後に、その他であるが7.7%(昨年8.3%)と0.6ポイントと大きく下がっており、この詳細は公表されていないが、主要項目以外での経費削減が大きかったといえ、それについで、賃借料、地代家賃、減価償却費であったことがわかる。

   このように、この2009年3月期の第1四半期の原信ナルスホールディングスの決算を見ると、増収大幅増益の好決算となったが、その中身は、売上に関しては、原信の好調さが、伸び悩んでいるナルスを支え、売上を押し上げた結果であるといえよう。また、利益に関しては粗利ではなく、経費が大きく削減されたことであることがわかる。今後、原価があがることが予想される中、経費を下げて利益を生み出す仕組みに取り組んだ結果であるともいえ、次回、高まりつつある原価の仕入れ環境の中で、中間決算の収益がどのような数字となるか注目である。

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August 12, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 11, 2008

食回帰、永谷園、絶好調、第1四半期増収大幅増益!

   消費者の内食回帰が鮮明である。8/9の日経新聞でも、「食品各社、決算に明暗、値ごろ商品、家で食事、好調」、「オエノンHD、営業益2.1倍」という記事が掲載された。記事では、食品メーカーの好調企業と不調企業の営業利益の一覧が掲載されているが、これを見ると、好調企業は、その営業利益がオエノンHD210%、山パン132%、日清食110%、永谷園162%、ハウス食104%であり、不調企業はカゴメ34%、キッコマン78%という状況である。そこで、本ブログでは、この好調企業の1社、永谷園の2009年3月期第1四半期決算に焦点を当て、内食需要の現況を見てみたい。

   永谷園の2009年3月期第1四半期の決算であるが、売上高144.10億円(109.1)、営業利益6.27億円(161.6%:売上対比4.4%)、経常利益7.21(147.7%、売上対比5.0%)、当期純利益3.42億円(118.8%、売上対比2.3%)という増収増益の好決算であった。売上が109.1%と好調であったことに加え、それ以上に、利益がすべての段階で2桁、特に、営業利益は161.6%と大幅な増益となった。

   その好調な要因を売上、原価、粗利、販売費及び一般管理費、営業利益で見てみると、売上は109.1%であったが、原価は売上対比53.7%(昨年52.9%)と0.8ポイント上昇している。やはり、原材料高の影響が出ているといえ、原価が高まっている状況である。したがって、差し引き売上総利益、すなわち粗利率は46.3%(昨年47.1%)と0.8ポイント下がっており、粗利については厳しい状況であったことがわかる。これに対し、販売費及び一般管理は41.9%(昨年44.2%)と2.3ポイントと大幅に削減しており、結果、営業利益4.4%(昨年2.9%)と大幅な営業利益率となった。これに、売上の109.1%が相まって、結果、営業利益が昨対161.6%と大幅な増益となったといえよう。すなわち、原価の高騰を経費の大幅削減でカバーし、好調な売上が利益を底上げしたという状況である。

   こう見ると、食回帰の追い風は、売上の好調さから、確かに食品メーカーに吹いているといえるが、食品メーカーがその売上の好調さを受け、高騰する原価高による粗利率のダウンを大幅な経費削減でカバーし、利益を大きく押しあげたという構図である。ただ、一般的に売上が好調な場合は固定費が相対的に下がるために、経費比率が低く抑えられるので、間接的には経費削減にも売上は貢献しているといえ、食回帰の追い風が利益にも貢献したといえよう。

   ちなみに、永谷園の株価であるが、この決算発表があった8/8は884円(-1円、-0.11%)と横ばいであったが、ここ最近株価は上昇気味で推移している。この3月までは、株価はやや下がり気味であり、一時は800円を割ったが、3月以降株価が上昇気味に転じた。5月に入ると850円を超えたが、6月に入り一旦株価が下がったが、その後、反転、また上昇しはじめ、ここ最近では900円に迫る勢いであった。今後、永谷園の株価の推移が気になるところである。

   では、食回帰が現在、実際に起こっているかどうかを家計調査データから見てみると、直近のこの6月度の永谷園のお茶づけが属するふりかけの動向を見てみると、ふりかけは4.37円(108.3%)と好調に推移しており、しかも購入世帯のみの消費額は11.38円(101.2%)、購入世帯の割合は38.4%(106.9%)であり、購入世帯のみの消費額ではなく、購入世帯の割合が増加しての消費額増であり、食回帰の流れが、ことふりかけには起こっているといえよう。また、この傾向がいつ頃から見られるかであるが、5月度はふりかけ4.19円(108.3%)、10.60円(102.4%)、39.6%(105.8%)、4月度はふりかけ4.43円(100.0%)、10.90円(97.7%)、40.7%(102.4%)、3月度はふりかけ4.23円(109.2%)、10.62円(103.2%)、39.8%(105.8%)、2月度はふりかけ4.45円(115.2%)、11.51円(103.7%)、38.7%(111.1%)、1月度はふりかけ 3.94円(100.8%)、10.67円(97.4%)、36.9%(103.6%)12月度はふりかけ3.81円(87.4%)、11.10円(92.5%)、34.3%(94.5%)であるので、4月度はやや伸び悩んだが、1月から明らかな上昇といえ、この1月から食回帰の流れができ上がったといえよう。

   ちなみに、今回の日経MJの記事に掲載された企業の商品群についても、この6月度のみの数字を見みていると、焼ちゅう25.07円(102.5%)、101.40円(103.3%)、24.7%(99.2%)、食パン25.93円(110.4%)、31.09円(109.3%)、83.4%(101.0%)、カップめん7.40円(108.8%)、18.30円(110.0%)、40.4%(99.0%)、カレールウ5.00円(116.3%)、11.13円(110.1%)、44.9%(105.6%)と好調な商品は値上げ問題も絡んでいるようであるが堅調な数字であるといえよう。逆に不調なカゴメ、キッコマンについては、果実・野菜ジュース26.30円(90.4%)、39.27円(95.0%)、67.0%(95.2%)、しょう油5.60円(89.4%)、15.88円(96.9%)、35.3%(92.3%)と消費額も厳しい状況にあり、特に、消費世帯の割合が下がっている状況である。

   このように、永谷園のふりかけは内食回帰の典型的な商品であるといえ、家計調査データでも消費世帯の割合が増加している傾向が鮮明であり、この1月から内食回帰は明らかに数字でも裏付けられるといえよう。今後、本ブログでも値上げ問題に加え、内食回帰という観点からも消費動向、企業動向をさらに掘り下げてゆこうと思う。

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August 11, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 10, 2008

MD評価表の見方、着眼点!

   ここへ来て、MD評価表が小売業だけでなく、メーカーも活用し始め、流通業界に浸透しはじめた。MD評価表はPOS分析の基本帳票の決定版といっても過言ではなく、実に便利な帳票である。MD評価表をさまざまな角度からソートを掛け、グラフをつくり、分析すると10店舗クラスのチェーンストアはもちろん、50店舗クラス、100店舗クラスのチェーンストアでも一瞬の内に課題を見つけ、改善点の仮説を立てることができる。また、一方で、ベストプラクティスの店舗を瞬時に見つけだし、水平展開につなげることも可能となる、実に便利な帳票である。そこで、ここでは、そのMD評価表を活用する際のポイントをまとめてみたい。

   MD評価表とは、POS分析の帳票のひとつであるが、原理は極めて単純明快である。売上金額、売上数量を客数で割って、一人当りの売上金額(金額PI値)、一人当りの売上数量(PI値)、さらに、売上金額を売上数量で割って、平均単価を算出し、これを一覧表にしたものである。金額PI値=PI値×平均単価となるので、一覧表にする時は金額PI値がPI値と平均単価の掛け算であることがわかるように表現することがポイントである。この指標をもとに、横を店舗、縦を商品で一覧表を作成したものがMD評価表である。商品が100SKUぐらいになると、10店舗の場合は100品×10店舗=1,000の一覧となり、100店舗の場合は100品×100店舗=10,000の一覧となる。したがって、100店舗クラスになると10,000の行列、マトリックスの中からベストプラクティスと課題を抽出することとなるので、若干の訓練が必要であるが、訓練をつめばコツをつかむことができる。もちろん、数表だけを眺めていてはわかりにくいので、本質を一瞬でつかむための補助となるグラフやサブ帳票をつくることもポイントである。ただ、慣れると、楽譜の音符のように、MD評価表から音が聞こえてくるようになり、ベストプラクティスはもちろん、課題も次々とみつかるようになる。

   さて、では、この10,000のマトリックスの中からどのようにベストプラクティスを見つけ出し、また、課題を抽出するかであるが、そのためには、MD評価表のソートとグループ化が決め手となる。また、MD評価表のグラフ化も有効なツールとなる。特に、グラフは100店舗クラスのチェーンストアとなると、100店舗の分布図となり、これを見ているだけで、様々なイマジネーションが浮かびあがるので、まずはグラフを作ってしまい、そのグラフをじっと眺めるのが早いかも知れない。

   グラフとは横軸をPI値、縦軸を平均単価とし、基準値を全店平均とし、その中に100店舗を落とし込むことである。落とし込むと100店舗がまさに万華鏡のように分布し、ここから、ベストプラクティスを右上の店舗、右下の店舗、左上の店舗から抽出すれば良い。右上はPI値も平均単価も高いまさにベストプラクティスであり、右下はPI値のベストプラクティスであり、左上は平均単価のベストプラクティスであるからである。そして、その店舗をMD評価表でチェックし、その店舗がなぜべストプラクティスとなっているかの原因を100品の中から、重点商品を抽出できれば、MD評価表の解明は80%はできたといっても過言ではない。できれば、MD評価表を金額PI値で縦、横ソートをかければ、グラフの右上、右下、左上が表の左により、一方で、重点商品が上に集まってくるので、10,000のトリックスも10店舗×10品の100ぐらいの最重要帳票となり、ここを深く掘り下げれば良いといえよう。

   一方、課題の抽出であるが、これは全く逆のプロセスとなる。MD評価表をグラフにした時、左下、右下、左上の店舗を抽出することである。この際、右下、左上はベストプラクティスと重なるが、抽出のポイントは金額PI値が全店平均よりも著しく下回る店舗を選ぶことである。グラフがうまくできればy=1/xの金額PI値の双曲線を入れれば、それより著しく上をベストプラクティス、下を課題店舗と判断できるが、双曲線が描けない場合は金額PI値の著しく低い店舗を抽出すれば良い。

   店舗が抽出できたら、あとはその店舗をMD評価表で確認し、なぜ、その店舗が課題店舗なってしまうのかを100SKUの中から問題の単品を抽出すれば良い。このように、ベストプラクティスの店舗、課題の店舗から単品レベルで要因が抽出できれば、そこからその単品の数字改善をはかる仮説をつくってゆくことが可能となる。

   実際にこの作業を実行すると、思ってもいない場面にも出くわし、新しい発見がある場合も多い。たとえば、ベストプラクティスの店舗でも課題の単品が見つかったり、逆に、課題店舗でもベストプラクティスの単品が見つかったりである。このような発見があると、次の新たな展開につながり、より、全体の改善につながってゆくこととなる。

   このように、MD評価表を活用するとベストプラクティスの店舗、課題店舗が一瞬の内にみつかり、その原因を単品レベルで特定することができ、そこから、様々な改善仮説をつくることができるようになる。あとは、その仮説を実行すれば、どのくらい数字が改善でき、結果、全体の数字、MD評価表で見れば左上の全店全商品の平均金額PI値がどのくらい上がったかを検証すれば良い。MD評価表の活用は無限といえ、様々な工夫をこらし、実践で活かして欲しい。

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August 10, 2008 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 09, 2008

日経MJ、新製品ランキング、8/8、カルビー、ラッシュ!

   今週も日経MJ、新製品週間ランキングが8/8、公表されたが、先週同様、金額PI値500円のAランクを超える新製品は家庭用品部門の花王、アタック1kg、金額PI値572円のみであった。今週は400円台も0であり、金額PI値から見ると、低調な新製品ランキングとなった。そのような中ではあるが、菓子部門がおもしろい動きをしている。北京オリンピックに合わせて、カルビーが金、銀、銅のポテトチップスを投入し、いずれもべスト5に入る快挙となった。金額PI値自体は100円台と低いが、菓子部門では存在感を示している。カルビーは、この3品以外にも、4品ランキングに入り、新製品ラッシュといえる様相を呈している。

   まず、No.2にカルビー、じゃがりこシーフード58g、金額PI値182円、そして、No.3、No.4、No.5にポテトチップス銀チーズ味63g、金額PI値167円、金カレー味63g、金額PI値155円、銅テリヤキ味63g、金額PI値138円と菓子部門べスト5の内4品を独占するという状況である。ちなみに、No.1は江崎グルコ、素材派プリッツ<トマト>42g、金額PI値182円であった。さらに、カルビーの新製品を見てみると、No.9に夏ポテト紀州の南高梅75g、金額PI値109円、No.11にサッポロポテトバーベQあじ90g、金額PI値104円、No.12に夏ポテトこだわりの浜御塩80g、金額PI値103円と合計7品が菓子部門にランクインした。しかも、7品のカバー率は、88.8%、59.2%、59.6%、59.6%、90.8%、83.6%、94.0%といずれも極めて高いカバー率であり、対照45チェーン250店舗の大半の食品スーパーマーケットに導入されるという数値である。

   この菓子部門同様に異常なラッシュとなっているのが、日本コカ・コーラである。残念ながら、金額PI値500円を超えるAランクはないが、300円のBランクには飲料部門No.1となったファンタグレープ手にピタ!ボトル1.5Lが金額PI値320円で入った。今週の全新製品の中でも金額PI値300円を超える新製品は、これ以外には家庭用品部門の花王、ふんわりニュービーズ花揺れる高原の香り1kg、金額PI値348円のみであり、今週の新製品としては注目の金額PI値である。

   これ以外にも、日本コカ・コーラからは、No.3にファンタふるふるシェイカーグレープ190ml、金額PI値297円、No.4にアクエリアスゼロ2L、金額PI値267円、No.6にファンタゼロレモン500mlペットボトル、金額PI値234円、No.7にアクエリアスゼロ500mlペットボトル、金額PI値234円、No.9にファンタゼロレモン1.5L、金額PI値202円、No.13にファンタオレンジ手にピタ!ボトル1.5L、金額PI値189円、No.16にコカ・コーラ2L、金額PI値162円、そして、No.19に今週初登場のアクエリアスクエン酸イン2L、金額PI値131円が入るなど、全20品のランキングの中で9品入るというカルビー同様にラッシュといえる状況である。

   また、この2社についで、今週全新製品No.1となった花王が家庭用品部門ではラッシュとなっている。No.1のアタック、No.2のふんわりニュービーズは先に見たとおりであるが、この2品以外にも、No.3にトイレクイックルつめかえ用ジャンボパック20枚、金額PI値294円、No.6にメリットシャンプーつめかえ用430ml、金額PI値164円、No.9にワイドハイターEXパワーつめかえ用480ml、金額PI値125円、そして、No.10にソフィーナメモリーホワイト薬用集中美白スティック限定セット3.7g+10g、金額PI値110円と家庭用品ベスト10の中に6品入るという独占に近いランクインである。

   さらに、冷凍食品部門でも、ロッテアイスがNo.1にぎゅぎゅっとパイン&ピーチ110ml、金額PI値166円をかわきりに、No.4にクーリッシュ<マンゴー>140ml、金額PI値138円、No.6に爽<ゴールデンパイナップル>190ml、金額PI値125円、No.12にしらゆきれん乳ホワイト150ml、金額PI値48円、No.14にしらゆきいちごフロート150ml、金額PI値39円、No.15にスイカバーマルチ80ml×6本、金額PI値39円、そして、No.16にしらゆき宇治金時150ml、金額PI値39円と全部で7品入るという状況である。

   その他食品については、各メーカーがバラけており、No.1に敷島製パン、超熟ロール6個入り、金額PI値345円、No.2は伊藤園、香り薫るむぎ茶ティーバック54袋入、金額PI値265円、No.3に日本ハム石窯工房マルゲリータピザ186g、金額PI値240円ベスト3すべてがばらけ、しかも、このベスト3のメーカがその他食品部門を独占することはない、バラエティーにとんだランキングとなった。

   このように、今週の日経MJの新製品週間ランキングは、全体としては、金額PI値500円のAクラスを超える新製品が1品と低調なランキングとはなったが、その他食品を除く、菓子部門、飲料部門、冷凍食品部門、そして家庭用品部門でそれぞれ、カルビー、日本コカ・コーラ、ロッテアイス、花王が大半を占める寡占状況となるラッシュとなる状況となった。いずれも、この夏本番の季節性の高い新製品であり、当面、この4社が中心にしばらくは新製品ランキングが展開されそうであるが、新製品市場を活性化させる意味でも他のメーカーの奮起を期待したいところである。また、ここ最近、金額PI値500円のAランクを超えるヒット商品が極めて少なくなっており、大型商品の登場も期待したいところである。来週の新製品がどのような動きとなるか注目したい。

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August 9, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 08, 2008

PLANT、新規出店、2008年9月期、第3四半期決算!

   PLANTが7/22、2008年9月期の第3四半期決算を公表した。PLANTは決算月が9月であり、すでに、7月から第4四半期に入っているが、現在、第3四半期が最新の決算内容である。PLANTは、ここ最近、新規出店がなかなか出店できない状況であったが、第2四半期、第3四半期、そして、この第4四半期にも1店舗づつ、新規出店を行い、今期、最終決算では売上がプラスに転じることが確実となった。その第3四半期決算の内容であるが、売上高596.28億円(96.7%)、営業利益4.42億円(903.6%:売上対比0.74%)、経常利益3.71億円(165.0%:売上対比0.62%)、当期純利益3.17億円(192.5%:売上対比0.53%)と売上はわずかに下回ったものの、利益は依然厳しい状況ではあるが、回復に向かいつつあるといえよう。ただ、売上対比はまだまだ低い状況であり、今後、一層の収益力アップをはかる必要がある。

    PLANTは現在、自己資本比率が16.6%と厳しい状況にあり、本来であれば、新規出店が難しい状況であるが、ここへきて、3店舗たて手続けに新規出店を果たした。2008年3月にPLANT4大熊店(福島県)、同5月にPLANT3福知山店(京都府)を開店し、さらに、同7月には、PLANT5鏡野店(岡山県)である。これにより、昨年9月に新潟中越沖地震により閉店したPLANT5刈羽店の影響等を吸収し、年間では売上高がプラスに転じる予定である。本来であれば、財務状況はひっ迫しており、この短期間に3店舗の出店は難しい状況であったが、PLANTはこの3月に小売業では珍しい資金調達手法であるABL(在庫担保融資)に成功しており、これが今回新たな3店舗の新規出店が可能であった要因である。

   今期のPLANTのABL(在庫担保融資)は日本政策投資銀行(北陸支店)が実施しており、商品在庫を担保としたABL による融資により長期安定資金(長期期限一括償還型融資)を確保したことによる。具体的にはスーパーセンターで扱う陳腐化が少ない日常生活必需品(商品在庫)の価値を有効活用し、財務戦略上有益な長期安定資金(長期期限一括償還型融資)を確保したものと位置付けられるという。実際、PLANTの在庫はこの第3四半期の数字を見ると、82.75億円であり、これは総資産の22.5%と極めて高い数字で通常の食品スーパーマーケットはせいぜい総資産の5%前後であり、この多額の在庫はスーパーセンターならではの在庫であり、小売業界ではホームセンター、GMS等がこれに近い在庫である。当然、厳しい在庫管理が前提となる融資であり、PLANTも在庫管理には一層の強化が求められたという。

   ただ、その結果、この第3四半期の自己資本比率は16.6%まで下がっており、昨年同時期の21.5%、昨年9月の決算時の18.4%と比べても、厳しい状況であり、今後、営業収益を増加させ、キャッシュフローをいかに高めるかがまったなしの状況となりつつあるといえよう。PLANTの現在の負債と出店にかかわる資産の状況を見てみると、負債の主要項目である長短借入金の合計は180.29億円(昨年155.99億円)と約25億円増加しており、総資産に占める割合は49.0%と約50%となり、異常値となっている状況である。また、出店にかかわる資産である土地、建物、敷金・保証金の合計はPLANTの第3四半期の決算書では明細がわからいので、有形固定資産の合計201.9億円(昨年180.6億円)で見ると、総資産の54.9%であり、多額の資産となる。当然、自己資本比率16.6%では賄うことはできず、長短借入金に約40%を依存する構造となっており、実に厳しい新規出店構造であるといえよう。

   ちなみに、この数ケ月間の株式の推移を見てみると、320円前後の厳しい株価が続いている。PLANTの株価は5月以降340円前後で推移していたが、6月下旬頃から下がりはじめ、7月には310円前後となり、厳しい株価が続いた。その後、この第3四半期決算が公表された7/22以降、一時は350円超えるまで続伸したが、その後、再び株価は低迷し、320円前後で推移している。ただ、8月に入り、若干持ち直す動きも見え、現在、340円前後で推移しているが、いずれにせよ、厳しい株価が続いているといえよう。

   PLANTは、当初はウォルマートのスーパーセンターをモデルにしたEDLP戦略にもとづき、ローコストを標榜し、15%切る業界屈指のローコスト体質であった。その経緯を見ると、2003年9月期14.4%、2004年9月期15.7%、2005年9月期17.11%、2006年9月期18.0%、2007年9月期18.3%、そして、この2008年第3四半期は17.9%となり、この数年間は18%前後で安定しているが、当初の15%前後の時と比べると、急激に経費比率が上昇しており、店舗の大型化、ドミナントの広域化とともに経費が上昇しているのが実態といえよう。今後、いかに経費比率を下げるマネジメント体制の構築も重要な経営課題といえよう。

   このように、PLANNTの第3四半期決算が公表されたが、昨年同時期と比べると利益面での大幅な改善がなされたとはいえるが、売上高の比率で見ると、まだまだ厳しい数字であり、最大の課題であった資金調達不足による新規出店のストップはABLによる資金調達が成功し、何とか乗り切ったが、依然として自己資本比率は16.6%といっそう厳しい状況といえ、今後、いかにローコストに徹し、収益性を高め、キャッシュフローを増大させえるかが大きな課題といえる。今後のPLANTの収益性がどこまで改善するかに注目したい。

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August 8, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 07, 2008

ヤオコー、2009年3月期第1四半期、増収大幅増益!

   ヤオコーが2009年3月期の第1四半期決算を8/5公表した。営業収益は521.04億円(107.1%)、営業利益21.24億円(120.2%:営業収益比4.07%)、経常利益21.42億円(121.4%:営業収益比4.11%)、当期純利益11.56億円(115.3%:営業収益比2.21%)と好調な決算であった。ヤオコーは現在、第5次中期経営計画の最終年度をむかえているが、この激しい値上げ環境の激変の中、極めて健全な経営を維持しており、ヤオコーの強さが実証されたといえる決算である。

   現在、この好調な決算を受けてヤオコーの株も絶好調といえ、短期的には上げ下げを繰り返してはいるが、中長期的には上昇基調となっており、株価は新年度に入ってほぼ右上がりに上昇している。8/5現在、5日移動平均乖離率3.85%、25日1.97%、13週9.38%、26週17.38%と、すべての指標がプラスで動いており、8/5、この第1四半期の公表があった日の株価も3,660円(+140円、+3.97%)と好調である。ヤオコーの株価は4月初めには2,900円前後で推移していたので、わずか3ケ月で約700円(126%)の上昇であり、投資家は買いと判断しているといえよう。しかも、この7/10には上場来最高値となる4,000円をつけるなど、逆に少し加熱気味ともいえる株価の推移である。

   ヤオコーは今期、4月に四街道店(千葉県)を新規出店しており、これで99店舗となり、次の店舗が100店舗目のメモリアルとなる。今期中には食品スーパーマーケットのチェーンストアとしては大台の100店舗を達成することは間違いない状況といえよう。通期予想は営業収益2,092.00億円(103.4%)であるので、1店舗平均年商約20億円となり、食品スーパーマーケットとしては理想的な規模といえよう。ちなみに、営業利益は80.50億円(103.0%:営業収益比3.84%)、経常利益80.00億円(102.5%:営業収益比3.82%)、当期純利益43.60億円(103.1%、営業収益比2.08%)と控えめな数字といえ、現在の好調さを慎重に見極めての通期予想といえよう。

   この第1四半期決算は4月から6月までの3ケ月間の数字であるが、ヤオコーが公表した直近の7月度の売上速報を見てみると、売上高106.6%(既存店101.3%)と好調さを維持している。その中身であるが、客数108.0%(既存店102.4%)、客単価98.6%(既存店98.8%)であるので、客単価よりも客数増による売上高アップであるといえ、やはり、外食から内食需要へという追い風が吹いているように思える。客単価自体は昨対を割り、やや厳しい状況であるが、その中身をPI値と平均単価で見てみると、PI値98.3%(既存店98.4%)、平均単価100.3%(既存店100.4%)であり、やや平均単価の上昇がみられ、値上げ問題の影響が平均単価アップ、PI値ダウンという状況をもたらしているようである。これを6月までの累計と比べてみても、客数アップ、客単価ダウン、そして、PI値ダウン、平均単価アップの傾向であり、7月から、より客数アップの傾向が鮮明になりつつあるといえよう。

   ここで、ヤオコーのこの第1四半期決算の売上高、売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理の状況を昨年と比べてみたい。売上高は500.30億円(昨年467.05億円:107.1%)、売上原価357.46億円(昨年335.06億円:106.6%)であり、原価率は71.44%(昨年71.73%)であるので、昨年よりも0.29ポイント下がっており、この値上げ環境の中で原価は全体としては下がるという結果であった。もちろん、部門、商品では大幅な原価高となったものはあったとは思うが、トータルでは下げており、これが粗利の改善に大きくつながっているといえよう。その結果、売上総利益、すなわち、粗利は142.83億円(131.99億円:108.2%)となり、率では28.5%(昨年28.2%)と0.3ポイントの改善となった。また、販売費及び一般管理費は142.33億円(昨年133.93億円:106.2%)となり、率では28.44%(昨年28.67%)と0.23ポイント改善した。これに、ヤオコーは NSC主体の食品スーパーマーケットの展開であり、営業収入が20.74億円(昨年19.62億円:105.70%)入り、営業利益は差引21.24億円(17.68億円120.13%)と大幅な増収となった。ただ、売上総利益と販売費及び一般管理費はトントンであり、できれば、このバランスがもう少しプラスに欲しいとところであろう。

   一方、今期のヤオコーの自己資本比率であるが、45.2%(2008年3月期決算43.3%)と本決算の時よりも改善している。今期自己資本比率が45.2%となった要因を負債と資産、特に出店にかかわる資産面から見てみたい。まず、負債面の主要項目である長短借入金の合計であるが、96.62億円(3月本決算時86.79億円)と約10億円増加し、総資産に占める割合は15.0%である。これに対し、出店にかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計は420.46億円(3月本決算時413.33億円)と若干の増加であり、総資産に占める割合は65.47%である。したがって、自己資本比率45.2%ではバランスがとれず、長短借入金+αでバランスをとっている構造であり、ややコスト高の構造といえよう。ちなみに、これを99店舗で割ると4.24億円であるので、さほど重い資産構造ではないので、今後、売上総利益と販売費及び一般管理費のバランスをとり、キャッシュフローを増やしゆけば、さらに、自己資本比率が上昇し、成長性の高い経営戦略をとってゆけるのではないかと思う。

   このように、ヤオコーの2009年3月期の第1四半期決算は増収大幅増益の好決算であったが、若干気になるのは売上総利益と販売費及び一般管理費のバランスであり、このバランスができれば2%はプラスになるような営業構造になるとさらに経営が安定し、思い切った成長戦略がとれると思われる。次の新5ケ年中期経営計画ではこのバランスがどのように改善されるのかに注目したい。

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August 7, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 06, 2008

セブン&アイホールディングス、医薬品へ本格参入!

   8/5の日経新聞1面、12面にセブン&アイホールディングスとアインファーマシーズとの業務提携の記事が掲載された。中身を見ると、業務提携と書かれ、資本提携は将来としているが、実際には8/5の双方の取締役会で業務資本提携が決議されており、この日経新聞の記事はこの取締役会の決議前のスクープであり、双方の取締役会が招集される以前に知り得た内容を記事にしたものであるようだ。実際、この日、8/5には双方で取締役会が開かれており、そこで、記事ではあいまいにしていた資本提携についても、100万株をセブン&アイホールディングスが第3者割当増資で取得し、7.80%の議決権を取得するという。

   そこで、ここでは、実際のセブン&アイホールディングスが8/5に公表したアインファーマシーズとの「業務・資本提携に関するお知らせ」をもとに、どのような業務提携がなされ、資本提携はどのような合意となったのかを見てみたい。

   それにしても、つい最近まで、アインファーマシーズはCFSとの資本業務提携を模索し続け、結果的にイオンに強引につぶされ、CFSはイオンと強力な資本業務提携を結び、大きなダメージを受けていたわけであるが、今度はイオンの最大のライバルといえるセブン&アイホールディングスと業務・資本提携を実現するとはびっくりである。図式としては十分にありうる話ではあるが、こんなに早く、実現するとは驚きである。イオンとCFSとの基本合意が3/17であるので、本日が8/5であり、その期間は4ケ月強である。これだけの内容をまとめるにはけっして十分な期間とはいえず、かなり早い段階から、この提携交渉が始まっていたものといえよう。

   ただ、仮に、イオンがCFSとアインファーマシーズとの資本・業務提携を認め、その後、イオンと本格的な資本業務提携が実現すれば、全く業界構造が違っていたことになり、今回のようなことは起こらなかったといえる。もちろん、これは仮定の話であり、現実はそうはならなかったわけであるが、深い様々な因縁を感じる動きである。これで、結果的には、セブン&アイホールディングスとイオンが医薬品分野でも正面衝突することになり、ドラックストア業界は、来春の薬事法改正の動きも含め、いっきに業界再編の波が押し寄せることになるのではないかと想定される。

  さて、今回の業務・資本提携の中身であるが、業務提携の骨子は次の3点である。①店舗に関する提携、具体的には、「病院前や病院内などにおける調剤薬局とコンビニエンスストアとの共同出店や、ドラッグストアのGMS・ショッピングモールへの出店などを通じ、双方店舗への来店誘致を強化してまいります。またショッピングモールにおける医療モールの共同開発なども行ってまいります。」という内容である。②医薬販売に関する提携、具体的には、「平成19年の薬事法改正を受けて、薬剤師、登録販売者など採用・人材教育面での連携を検討してまいります。」という内容である。そして、③商品開発に関する提携、具体的には、「医薬事業及びコスメ&ドラッグ事業におけるPB商品の共同開発等により、より付加価値が高く専門性に優れた商品を双方店舗で販売してまいります。」という内容である。いずれも、中長期的な視野にもとづいた本格的な業務提携であり、イトーヨーカ堂のGMS、ショッピングセンターだけでなく、セブンイレブンとの本格的な提携も含まれており、小売業界全体へのインパクトのある内容といえよう。

  一方、資本提携については、「株式会社アインファーマシーズが第三者割当による新株式1百万株を発行し、株式会社セブン&アイ・ホールディングスが全株を引き受けます。本件により株式会社セブン&アイ・ホールディングスの、株式会社アインファーマシーズに対する議決権割合は7.80%(潜在株式未反映)になります。」というものである。現在、アインファーマシーズの大株主は、1.大谷喜一(代表取締役社長)16.03%、2.丸紅株式会社 12.61%、3.今川美明 10.50%であるので、セブン&アイホールディングスは第4位の大株主となることになる。ちなみに、現在、4.ステートストリートバンクアンドトラストカンパニー7.32%、5.日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 5.03%、6.株式会社北海道銀行 4.62%という状況である。

  これを受けて、セブン&アイホールディングス、アインファーマシーズの8/5の株価の動きであるが、セブン&アイホールディングスは3,510円(+110円、+3.23%)と上昇している。ただ、数日前から大商いとなり、株価が上昇しているので、今回の動きを予測した兆候があらわれているように見える。一方、アインファーマシーズであるが、さらに加熱しており、1,991円(+261円、+15.08%)と一時はストップ高となる大商いであった。ただ、セブン&アイホールディングスと違い、前日まではほとんど動きがなかったので、8/5に集中した株価の動きである。

  このように、この業務・資本提携は単なる2社の提携にとどまらず、業界再編に発展するパワーを秘めた歴史的な業務・資本提携といえ、今後、イオンとの競合関係、ドラックストア業界、コンビニエンス業界、食品スーパーマーケット業界、ホームセンター業界、その他小売業界へ波紋と影響を与えるものとえいよう。8/5は今後、小売業界に何が起こっても不思議ではない業界再編の本格的な時代に突入した日といえよう。

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August 6, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 05, 2008

関西スーパー、2009年3月期第1四半期、厳しい決算!

   関西スーパーマーケットが東証上場後、初の第1四半期決算を公表した。東証上場は2008年3月であるので、新年度に入っての上場あり、その意味で昨年対比がこの四半期に関してはなく、昨対は参考資料としてのみ公表された決算となった。その数字であるが、営業収益267.83億円、営業利益3.75億円(営業収益比1.40%)、経常利益4.98億円(営業収益比1.85%)、当期純利益0.81億円(営業収益比0.30%)となり、営業利益率、経常利益率ともに低く、当期純利益はわずか0.30%という厳しい決算となった。

   ちなみに、東証上場後の株価の動きであるが、上場後、6月いっぱい760円前後で、株価は低迷し、厳しい状況が続いていた。ところが7月に入り、株価は上昇に転じ7/7、東証上場来最高値の810円をつけた。ただ、その後は一進一退を繰り返し、現在、800円前後で株価は推移している。ちなみに、大阪市場では年初来高値は7/7の830円であり、同じ日、東証でも上場来最高値の810円となっているが、大阪の方が若干高値で取引された。関西スーパーマーケットは上場来最高値は1992年2月10日の2,970円であるので、現在の800円はかなり、厳しい株価であるといえよう。

   さて、今期、関西スーパーマーケットの第1四半期が厳しい数字となった要因を売上、原価、そして、利益、経費から見てみみたい。まず、売上であるが、今期は263.18億円であり、昨年が253.07億円であるので、103.9%であった。これは、この4月に兵庫県尼崎市に出屋敷店を出店したことが大きく、この店舗を加え、全部で53店舗となった。一方、原価であるが76.3%となり、昨年の76.0%と比べ、0.3ポイント上昇している。やはり、値上げ問題の影響が若干この決算に反映されているといえよう。その結果、いわゆる粗利率、売上総利益は23.7%(昨年24.0%)となり、粗利率が若干下がった。これに不動産収入等の営業収入を入れると、営業総利益は、25.4%(昨年25.9%)であるので、0.5ポイント昨年より下がっている。したがって、原価で0.3ポイント、営業収入で0.2ポイント下がっているので、今期の営業利益率はダブルで下がってしまい、苦しい状況であったといえよう。

   これに対して、経費の方であるが、販売費及び一般管理費は23.9%(昨年24.3%)であるので、0.4ポイント改善しているが、営業総利益の0.5ポイントを挽回するまでにはいたってなく、営業利益は1.4%(昨年1.6%)と0.2ポイント(小数点以下の誤差で0.1ポイントとならない)下がるという厳しい結果となった。しかも、率も1.4%であるので、食品スーパーマーケットの平均約3%と比べても半分であり、厳しい決算であったといえよう。これに加え、当期純利益についても、今期は特別損失が約3億円計上せざるをえなくなり、0.3%という、さらに厳しい決算となった。この特別損益について、関西スーパーマーケットは、「取引先である株式会社ミキシングに対する債権について、3億17百万円の貸倒引当金を設定いたしました。」とのことであると説明している。

   これを受けて、通期予想であるが、営業収益は1,100.40億円(104.1%)と堅調な数字であるが、営業利益21.20億円(91.8%:営業収益比1.92%)、経常利益22.60億円(88.3%:営業収益比2.05%)、当期純利益10.50億円(189.7%:営業収益比0.95%)と、やはり厳しい決算予想である。

   一方、関西スーパーマーケットの財務面であるが、自己資本比率46.5%となり、前期本決算の時の45.9%と比べ、若干改善した。その状況を負債と資産の両面から見てみると、まず、負債面であるが、長短借入金が102.0億円あり、3月本決算時点の104.5億円と比べると若干減っているが、100億円を超える負債は、総資産の19.3%と重い負担といえよう。資産面に目を転じてみると、出店にかかわる資産である土地、建物、差入金の合計は291.4億円と総資産の55.2%となり、自己資本比率の範囲内では賄えない構造となっており、借入に約10億円強依存する状況といえる。また、これを全53店舗で割ってみると、1店舗あたりの資産は5.49億円であり、食品スーパーマーケットの平均よりも、都心部へ出店が多い関係上、やや重い出店コストといえよう。今期、関西スーパーマーケットは、この12月に今福店(大阪市城東区)、来年2月に倉治店(大阪府交野市)への新規出店を予定しており、新店開発を増加してゆくという。その意味でももう少し、自己資本比率を増加させたいところであり、今後の財務面での改善も課題といえよう。

   このように、この2009年3月期の第3四半期の関西スーパーマーケットの決算が公表されたが、今期は特別損失の計上もあるが、粗利、経費の面でも原価が上昇し、結果、粗利が下がっており、これを経費削減で吸収できない状況といえ、営業利益も減益となる厳しい決算となった。また、財務面でも100億円強の長短借金額が経営に重くのしかかっており、今後の成長戦略の安定的な体制を築くためにも、もう一歩踏み込んだ財務改善が必要といえよう。今後、関西スーパーマーケットが原価の改善にどう取り組み、結果、粗利の改善にどう結びつけ、どのように収益性を高めて行くかに注目したい。

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August 5, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 04, 2008

Chain Store Age、8/01号、POS分析で売場改革、第5弾!

   Chain Store Age、8/01/15号、最新号のP92-93にて連載中のPOS分析で売場改革、実践講座を投稿した。このPOS分析実践講座も早いもので第5弾となった。前回から、まさに実践、実際の食品スーパーマーケットの生データを私が独自に加工し、分析を試み、その具体的な活用方法を解説している。実際の生データは、買上金額、買上点数、総客数の3つのみのデータである。したがって、これを実践に取り入れるには工夫が必要であり、そのひとつの方法がPI値分析である。今回のPOS分析はまさに、このPI値分析を活用したPOS分析の実践的活用方法を解説することが目的であるが、特に、この第5回目は、PI値分析の基本中の基本、MD表評価についての解説である。

   実際、私のクライアントではごく普通に活用している分析帳票であるが、チェーンストアのPOS分析をする上においては、極めて、実践的で、すぐアクションが起こしやすく、また、そのアクションの結果の効果検証も判断しやすい帳票である。MD評価表にはいくつかの基本帳票があるが、今回の講座はその中の店舗比較である。ちょうど、対照チェーンが6店舗であったので、一目で全部が見れるようなMD評価表となったが、これが50店舗、100店舗となると、数枚から数10枚程度となり、様々な角度からソートをかけたり、グラフにして数表の問題点、課題を読み取るなど、様々な工夫が必要となる。

   また、MD評価表は、まさに、MD、マーチャンダイジングを評価するフォーマットであるので、評価をすることが目的であるが、これもどのような評価をするか、様々な評価方法がある。最もオーソドックスな評価は6象限の評価であり、金額PI値が上がった場合、下がった場合、その中でPI値が上がった場合、下がった場合を分け、MDに6つの評価をすることである。この6つ場合をグラフにすると、ちょうど6象限となるので、6象限評価、6段階評価などといっているが、これが理論的なMDの評価方法といえよう。

   ただ、これは理論的には心得ておかなければならない重要なMDの評価方法であるが、より、実践的に、しかもすばやく判断するには、順位を活用するのが最も効果的である。今回のPOS分析講座のサブタイトルが実践講座であることから、この第5回のMD評価表の話では、MDの評価を単純な順位とした。実は、この順位が極めて実践的であり、実践に投入すると分かりやすい単純明快な評価となる。今回、図表1、図表2で実際の生データからMD評価表を作成し、評価に順位を入れたものを作成したが、見ていただければわかるように各店の強み弱みが明確に浮かび上がり、その強みをさらに強めてゆくには、あるいは、弱みを克服するには、どこに着眼すれば良いかが浮かび上がっているのがわかるかと思う。

   たとえば、図表1の金額PI値No.1店舗Eの店舗がなぜ強いのか、また、その強い店舗でもどのような課題があるのかが明確である。逆に、金額PI値ワーストのB店がなぜワーストなのかもMD評価表を見ると明らかである。図表2では、図表1をそのまま、昨年同月と比較したMD評価表であるが。これを見れば、さらに店舗E、店舗Bの強さと弱さ、改善点と課題が明確に浮かびあがっており、各店がどこに着眼すれば良いが一目瞭然である。また、昨年対比で伸びた店舗と伸び悩んだ店舗がどこに違いがあるかなども明確である。

   MD評価表はこのように、店舗と商品の関係を自店のPOSデータだけでは判断しにくい点を克服するために、チェーン全体の全店舗、全商品のPOSデータを一目で判断できるように工夫されたものであり、特に順位を評価にすることで、単純ではあるが、極めて実践的な帳票となるのが特徴である。

   また、仮にMD評価表で最も重要な場所はどこか、どこを最初に見れば良いかと問われた場合は、即座に左上を見ることがポイントであるといえる。MD評価表は100店舗の場合は右が100列、縦が商品(群)にもよるが、100品の場合は、100×100で10,000の枠があり、それぞれの枠が金額PI値=PI値×平均単価の最低3行で構成されるので、30,000のマトリクスとなる。この場合でも最初に着目するのは、たった1ケ所であり、それは左上の枠である。ここがMD評価表のスタートであり、ゴールである。今回の表1、2で見れば、表からは、金額PI値137.43円、PI値65.30%、平均単価210.84円、表2からは金額PI値116.8%、PI値108.9%、平均単価107.3%のところである。この数字を金額PI値1円でも引きあげることが目的であり、そのために横軸の店舗の課題、縦軸の商品の課題を明確にし、対策をつくり、アクションを起こすことになる。

   このように、今回は、MD評価表の実践的活用方法について、実際の食品スーパーマーケットのデータをもとに解説を試みたが、MD評価表は慣れるまでは、少し数表の数字が多く戸惑う面もあるかと思うが、慣れてしまえば、実に便利で、実践的な帳票であり、大いに活用して欲しいと思う。特に、このMD評価表をもって、店舗巡回をすれば、様々な発見、気づきがあり、売場改善のイメージが次から次へ浮かぶはずである。チェーンストアにとっては極めて実践的な帳票のひとつであり、これを機会にマーチャンダイジングの改善に活用していただければと思う。

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August 4, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 03, 2008

コンビニ、ファミリーマートに注目!

   コンビニエンスストアの売上が好調に推移している。大手4社、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクスの中でも、特にファミリーマートの売上が好調である。この1月度からの売上と既存店の客数、客単価の推移を見てみると、1月度103.9%(既存店:客数101.9%、客単価98.2%)、 2月度109.0%(既存店:客数101.2%、客単価99.7%)、3月度105.5%(既存店:客数102.1%、客単価99.3%) 、4月度105.4%(既存店:客数102.5%客単価98.9%)、 5月度109.7%(既存店:客数104.6%、客単価100.8%)、6月度111.1%(既存店:客数104.2%、客単価102.6%)という状況である。

   特に5月からの数字が顕著であり、全体では110%近く売上が伸びており、その中でも既存店の客数の伸びが高いのが特徴である。これには様々な要因が絡んでいると考えられるが、主な外部要因としては、値上げ問題が本格化し、内食需要が強まり、外食から食品スーパーマーケット、コンビニへと需要がシフトしたことが考えられよう。ファミリーマートの商品構成比を見ると、日配食品、加工食品が約30%づつで、この2部門で60%強となる。さらに、ファストフードが4%弱あり、これらが内食需要の高まりを吸収し、客数増につながったと考えられよう。
そして、もうひとつは、今年3月からタスポが稼働しはじめ、パイロットエリアに指定された鹿児島、宮崎からスタート、その後5月からは北海道や広島など21道県に拡大し、さらに、6月からは愛知や大阪など15府県でも導入され、この7月からは、東京など9都県でも稼働が始まった。したがって、5月から急激にタスポが全国に拡大しはじめているので、その影響がプラスに左右したといえそうである。

   ちなみに、他の大手コンビニエスチェーン、サークルKサンクスの同時期の推移を見てみると、売上3月度95.6%(既存店:客数96.8%、客単価100.0%)、4月度96.8%(既存店:客数97.7%、客単価99.8%)、5月度99.8%(既存店:客数99.5%、客単価101.0%)、6月度104.8%(既存店:客数102.7%、客単価102.3%)という状況であり、6月から反転している傾向が鮮明である。ちょうど、ドミナントエリアの愛知が6月からのスタートであり、その追い風が吹いたといえよう。もう1社、セブンイレブンは月次データを公表していないので、ローソンを見てみると、売上3月度102.8%(既存店:客数100.1%、客単価101.1%)、4月度102.7%(既存店:客数100.4%、客単価100.6%)、5月度107.0%(既存店:客数103.7%、客単価101.8%)、6月度106.8%(既存店:客数103.6%、客単価101.4%)という状況であり、ファミリーマートほどの伸び率ではないが、ほぼ同じ傾向で推移しており、5月から売上がはねあがり、その中でも既存店の客数が顕著な伸びであることがわかる。

   したがって、数字を見る限り、5月頃から売上、特に既存店の客数がコンビエンスストア業界で伸び始めたといえ、外部要因である、値上げ問題による外食から内食へという需要の変化とタスポの本格的な導入がはじまり、既存店の客単価の増加につながっているといえそうである。ただ、この外部要因の影響だけでは説明できない内部要因がこの3社の中でも、特に好調な数字で推移しているファミリーマートにはあるといえよう。

   ちなみに、7/2に2009年2月期の第1四半期の決算が公表されたが、ファミリーマートの個別業績を見ると、営業総収入567.73億円(113.3%:全チェーン 2,925.40億円(107.0%)、営業利益78.64億円(113.7%:営業総収入当り13.85%)、経常利益85.41億円(114.0%、営業総収入当り15.04%)、当期純利益44.62億円(112.4%、営業総収入当り7.85%)と極めて好調な決算とっている。自己資本比率50.3%(昨年52.9%)と昨年よりは若干下がっているが健全な数字といえよう。

   そこで、内部要因であるが、大きく2つ考えられよう。ひとつは、現在、ファミリーマートの成長の柱となっている商品は、ファミリーマートによれば、「「ファミリーマートの顔」として定着した重点商品カテゴリー「パスタ」「ファスト・フード」「デザート」が引き続き好調で、これらがドライバー商品となり、弁当やパン等の中食も好調に推移いたしました。」ということであり、パスタ、ファスト・フード、デザートが好調であるという。特にパスタに関しては三ツ星パスタを中心に、年間定番化がはかられ、昨年は調理麺全体が約115%伸びたという。

   これに加え、「生鮮品やキット食材等を取り揃えた「ファミマフレッシュ」を約1,200店舗(2008年5月末現在)で展開しております。その一環として、東京都、神奈川県の約150店舗(2008年5月末現在)で「刺身」「魚惣菜」の販売を開始し、お客様からご好評を頂いております。」ということであり、まさに、このテーマは内食需要の受け皿となる構造改革であり、これらの店舗が全体の数字を押し上げているといえよう。

   さらに、セブンイレブンについで、海外への積極的な出店が売上を押し上げており、台湾、韓国、タイ、中国及びアメリカにおいて、合わせて6,803店舗となり、全14,002店舗の50%弱となっていることである。

   このように、現在、コンビニエンスストアは食品スーパーマーケットと並び好調な売上となっており、特に、この数ケ月、絶好調であるといえよう。ただ、その好調な売上も企業によって伸び率に大きな差があり、特に、ファミリーマートはこの数年取り組んできた商品政策、生鮮食品強化の政策が追い風となりつつあり、極めて高い売上、利益を確保しつつあるといえよう。今後、ファミリーマートの動向には注目である。

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August 3, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (2)

August 02, 2008

日経MJ、新製品週間ランキング8/1、500円1品のみだが、・・

   日経MJ新製品週間ランキングが8/1公表された。値上げ関連商品も一段落し、今週も先週同様、全体的に低調な新製品ランキングとなった。特に、金額PI値Aランクの500円を超える新製品がたった1品という状況である。家庭用品部門のNo.1、花王、アタック1kg、金額PI値620円であり、先週比も106円と好調ではあり、唯一、今週、金額PI値が500円を超えた新製品である。ただ、これも値上げ関連の新製品であるので、実質、純粋な新製品では金額PI値Aランクの製品は0といえ、新製品の低調な状況が続いているといえる。また、今週初登場の新製品も全部で8品であり、しかも、いずれも金額PI値が低く、新製品の勢いがここへきて落ち気味であるといえよう。

   このように全体的には新製品が低調な中で、1社だけ、大ヒットまではいっていないが、固い支持を集めている新製品をここへきて数多く投入している企業がある。飲料部門の日本コカ・コーラである。飲料部門べスト4を独占し、しかも、全20品の内、この4品を含め、9品と約半分が日本コカ・コーラの新製品で占められた。現在、日本の飲料の新製品全体を1社でひっぱっているといっても過言ではなく、新製品ラッシュである。

   注目のファンタふるふるシェイカーグレープ190mlであるが、今週は金額PI値345円(-17円)とほぼ落ちついた数字となり、現在、飲料部門ではNo.3である。No.1にはファンタゼロレモン500mlペットボトル、金額PI値389円が入った。この新製品はNo.10にも1.5Lが金額PI値249円で入っており、好調な滑り出しといえよう。No.2にはコカ・コーラ2Lが金額PI値349円で入り、しかも、先週比91円と大容量が確実に支持を獲得しているといえよう。ただ、まだ、カバー率は58.8%と全45チェーン250店舗の中でも半数弱が未導入であり、課題は残っているが、金額PI値は高い数字である。No.12にも関連のコカ・コーラゼロ2.0Lが入っており、金額PI値は218円である。

   これ以外にも日本コカ・コーラはNo.4にファンタグレープ手にピタ!ボトル1.5L、金額PI値337円、オレンジ1.5LもNo.15に金額PI値191円で入っている。No.5はサントリー、ラッキーサイダー500mlペットボトルが金額PI値316円で入ったが、No.6に日本コカ・コーラ、アクエリアスゼロ2L、金額PI値299円が入り、500mlもNo.8に金額PI値272円で入った。1社の新製品がこれだけ数多く、一度に登場するのもめずらしいといえ、全体が低調な中、日本コカ・コーラの新製品の存在感がここへきて大きく増しているといえよう。

   飲料部門についで、今週、金額PI値はさほど高くはないが、新製品ラッシュとなったのは菓子部門である。今週初登場の新製品8品の内、5品が菓子部門であり、特に江崎グリコが3品、明治製菓が2品とこの2社が菓子の新製品をここへ来て、積極的に投入した。菓子のNo.1はカルビー、じゃがりこシーフード58g、金額PI値276円、No.2はロッテ商事、パイの実パーティーパック205g、金額PI値146円であるが、初登場の新製品でトップはNo.4に入った江崎グリコ、素材派プリッツ<トマト>42g、金額PI値140円であった。この新製品はNo.8にも<バジル>42g、金額PI値116円、No.17にも<パンプキン>42g、金額PI値84円が入り、素材シリーズで一斉に新製品が投入された形である。

   これ以外の菓子部門の初登場の新製品では、No.5に明治製菓、カールアッコ風お好み焼き味75g、金額PI値135円、No.20にカールチーズあじ84g、金額PI値77円が入った。明治製菓はこの2品以外にも3品、新製品がランキングに入っており、今週のランキングの中では菓子部門では最多の新製品の投入である。

   今週はこの2部門が全体が低調な中、健闘した部門といえるが、これ以外の部門の中では、その他食品部門で、No.1に敷島製パン、超熟ロール6個入り、金額PI値361円が入った。敷島製パンはNo.6にもスナックチョコパン8本入りが金額PI値180円で入っているが、パンでは敷島製パン以外にも、第一屋製パンがNo.3に初登場でランクインしている。ポケモンみんなで楽しい夏休み!シーホルダーセット菓子パン2個+シーホルダー1個+シール1枚のキャラクター商品であり、金額PI値242円である。No.11にもポケモンみんな元気でチョコクロワッサン5個入りが金額PI値149円で入り、ポケモンはやはり人気が高いといえよう。

   冷凍食品部門では、あいかわらず、アイスクリームが上位を独占しており、No.1にはロッテアイス、ぎゅぎゅっとパイン&ピーチ110mlが176円で入った。金額PI値はCランクの200円を切り低調であるが、ロッテアイスはべスト20に7品入るなど、積極的な新製品の投入である。家庭用品でははじめにとりあげたアタックがダントツであり、No.2には花王のトイレクイックルつめかえ用ジャンボパック20枚が金額PI値314円で入り、以下は200円を切る低調な数字であった。

   このように、今週の日経MJ新製品ランキングは実質金額PI値500円以上のAランクの新製品が0という状況であり、低調な状況ではあったが、その中では飲料部門が日本コカ・コーラを中心に、菓子部門が江崎グリコを中心に値上げ関連ではない新製品を積極的に投入しているのが、今週の際立った動きといえよう。当面、この2社が意欲的に投入した新製品が今後どのように推移するか、来週以降も注目したい。

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August 2, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 01, 2008

家計調査データ2008年6月度、明暗くっきり!

   7/29、総務省統計局から家計調査データが公開された。ここ最近は、値上げ問題がどのように家計に影響を与えているかを知る上で、家計調査データは貴重なデータといえる。家計調査データは月末に前月のデータが公開されるので、今回、7/29に公開されたデータは6月度のデータであるが、これが最新である。この6月度データを見ると、まさに、値上げ問題が家計に直撃しており、商品群によって明暗がわかれている。穀物、肉類、油脂・調味料、菓子類は概ね好調であるが、魚介類、果物、調理食品(惣菜)、飲料、酒類は不調であり、結果、全体は1,990.37円(100.3%)とバランスがとれ、横ばいという状況である。

   本ブログでは、家計調査データを1日当りに直し、食品スーパーマーケットの金額PI値(客単価)と比較しやすいように加工している。さらに、この数字を、購入世帯のみの消費額と購入世帯の割合に分解し、より、消費内容を深く落とし込んでいる。生の家計調査データは調査対象約8000世帯で割った月間合計の消費金額であるので、この中にはその商品を購入した世帯も、しなかった世帯も含まれており、これをさらに購入世帯のみの消費額とその割合を算出することにより、消費実態をより深く理解できるからである。特に、昨今の値上げ問題は売上は上がるが、客数が落ちるという場合もあり、この購入世帯の割合がわかると、値上げ問題の本質もより理解が深まるといえよう。

   さて、この6月度、大分類で最も伸び率の高い部門は107.5%の肉類であった。特に、鶏肉が絶好調であり、33.47円(117.8%)、購入世帯のみ42.05円(112.7%)、購入世帯の割合79.6%(104.6%)という状況であり、購入世帯のみの消費額が伸びただけでなく、鶏肉を購入する世帯も増えているのが特徴である。ついで、合いびき肉6.07円(111.0%)、19.98円(104.6%)、30.4%(106.1%)、豚肉69.60円(110.5%)、74.83円(109.2%)、93.0%(101.2%)と続く。特に合びき肉は購入世帯の方が伸びが大きいのが特徴であり、中国問題もからみ、好調な伸びである。逆に、牛肉は52.57円(100.1%)、80.98円(101.7%)、64.9%(98.4%)と伸び悩んでおり、特に、購入世帯の割合いは昨対を切る厳しい状況である。

   肉類についで、伸びた部門は105.1%の油脂・調味料であった。その中でも食用油12.00円(120.8%)、25.92円(120.8%)、46.3%(100.0%)、風味調味料5.40円(116.5%)、15.66円(110.8%)、34.5%(105.2%)、カレールウ5.00円(116.3%)、11.13円(110.1%)、44.9%(105.6%)、ジャム3.70円(115.6%)、13.86円(98.8%)、26.7%(117.0%)、酢4.87円(115.0%)、15.63円(105.0%)、31.1%(109.5%)、マーガリン2.40円(114.3%)、8.74円(107.0%)、27.5%(106.9%)等が好調である。

   逆に、6月度、最も伸び悩んだ部門であるが、90.0%の飲料である。飲料は5月93.4%、4月98.3%、3月96.7%、2月100.9%、1月98.0%と今年に入り、低調な数字となっており、特に、この数ケ月厳しい状況が続いている。その中でも厳しいのは、紅茶1.97円(76.6%)、23.03円(76.7%)、8.5%(99.9%)、茶飲料 16.13円(84.0%)、27.63円(88.8%)、58.4%(94.6%)、ミネラルウォーター6.67円(86.6%)、28.95円(89.9%)、23.0%(96.3%)、コーヒー飲料10.57円(87.6%)、23.88円(91.8%)、44.3%(95.3%)、果実・野菜ジュース26.30円(90.4%)、39.27円(95.0%)、67.0%(95.2%)等、ほとんどが昨対を切っており、厳しい状況である。昨対100%を超えたのは唯一、乳飲料3.17円(102.2%)、14.52円(110.5%)、21.8%(92.4%)のみであった。

   これについで、伸び悩んだ部門は96.3%の魚介類であった。魚介類の中でも魚介のつくだ煮2.67円(64.0%)、21.59円(72.8%)、12.4%(87.9%)、かに1.43円(72.9%)、41.91円(101.7%)、3.4%(71.7%)、たこ 3.67円(82.1%)、17.20円(94.5%)、21.3%(86.9%)、しじみ1.10円(84.6% )、2.84円(94.1%)、8.6%(89.9%)、干しあじ3.23円(85.1%)、16.27(92.8%)、19.9%(91.7%)、まぐろ15.80円(85.3%)、36.89円(92.2%)、42.8%(92.5%)、いわし1.90円(86.4%)、12.74円(99.7%)、14.9%(86.6%)等である。特に、購入世帯のみの消費金額よりも、消費世帯の割合方の落ち込みの度合いが激しく、あきらかに魚離れが起こっているといえ、深刻な状況である。

   以上が、大分類を中心に見た最新の動向であるが、この6月度を値上げ関連商品に絞って見てみたい。小麦関連であるが、小麦粉そのものは1.87円(121.7%)、9.19円(119.3%)、20.3%(102.1%)と絶好調である。ついで、食パン25.93円(110.4%)、31.09円(109.3%)、83.4%(101.0%)、カップめん7.40円(108.8%)、18.30円(110.0%)、40.4%(99.0%)、即席めん4.03円(137.5%)、14.61円(129.3%)、27.6%(106.3%)、そして、米78.70円(103.0%)、147.21円(100.8%)、53.5%(102.2%)であり、全体的に小麦関連は好調である。小麦関連以外では、バター2.23円(113.6%)、14.77円(129.0%)、15.1%(88.0%)、チーズ9.50円(104.8%)、18.92円(105.4%)、50.2%(99.4%)、牛乳47.27円(96.7%)、54.22円(96.4%)、87.2%(100.3%)、ヨーグルト23.30円(100.4%)、32.33円(100.9%)、72.1%(99.5%)という状況であり、牛乳、ヨーグルトはやや厳しい状況であるが、バター、マーガリンは絶好調であり、明暗がわかれたといえよう。

   このように、この6月度は全体としては100.3%と消費金額にほとんど変化はなく、家計への負担は金額ベースでは昨年とほぼ同じ状況である。ただ、細かく見てみると、伸びた部門、小分類と伸び悩んだ部門、小分類に大きな差が出ており、中身は激しく変化している状況であるといえよう。その意味で、よく、現状の消費動向をしっかり分析、把握し、顧客のいま欲しい商品を素早く打ち出す必要があろう。ぜひ、ここで取り上げたように1日当りに換算し、食品スーパーマーケットの金額PI値との連動をはかり、激しい消費構造の変化に対応できる柔軟なマーチャンダイジング政策を打ち出して欲しい。

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August 1, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)