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September 11, 2008

ユニバース、2009年4月期、第1四半期決算、原価上昇!

   ユニバースが8/28、2009年4月期の第1四半期の決算を公表した。ユニバースは食品スーパーマーケットの中では珍しい決算月である4月を採用している。食品スーパーマーケットの上場企業は約60社あるが、その約65%は2月決算であり、ついで3月決算が約15%あり、この2つで合計約80%となる。これ以外に1月、4月、5月、9月、12月とあるが、4月決算企業はユニバース1社である。さて、その結果であるが、売上高231.94億円(102.0%)、営業利益7.78億円(84.2%)、経常利益8.25億円(89.2%)、当期純利益4.87億円(107.4%)と、当期純利益段階では増益となったが、営業利益・経常利益段階では減益となる厳しい決算であった。

   営業利益が減益となった要因を原価、粗利、経費の面から見てみると、原価は75.3%(昨年73.2%)と2.1ポイント上場しており、この5月、6月、7月の3ケ月の第1四半期決算であるだけに値上げ問題が大きく影響しているようである。したがって、売上総利益、いわゆる粗利は、24.7%(昨年26.8%)と厳しい結果となった。この原価の上昇は今後、ユニバースに限らず、食品スーパーマーケット全体にかかわる経営への最大の圧迫要因といえ、対策としては、経費削減はもちろんのことであるが、やはり、売価に転嫁させざるをえない状況といえよう。したがって、今後、食品スーパーマーケット業界は率から高の時代に入ることになり、いかに売上規模を拡大するかが経営の死活問題となろう。これ以上、値上げ問題が加速すると、自然、M&Aによる規模の拡大が必至となり、この秋から来年にかけては日本各地でM&Aの動きが表面化するのではないかと予想される。

   ユニバースも、この7月にマルエス主婦の店から弘前市の3店舗の営業を譲受け、このうち2店舗を8月に改装オープンしており、青森でも数店舗の食品スーパーマーケットへのM&Aが起こり始めたといえよう。以前、2006年4月にもユニバースは岩手のファルをM&Aしており、ユニバース自身はM&Aのノウハウをすでに持っており、今後、地元青森はもちろん、岩手、そして、秋田において、いつM&Aが起こっても不思議ではない状況であり、逆に、これ以上原価が上昇すれば、M&Aによる規模の拡大は避けて通れない経営戦略となろう。

   さて、ユニバースの経費比率であるが、21.3%(昨年22.6%)と1.3ポイント削減しており、原価上場分の2.1ポイントまでは削減することができなかったが、1.3ポイントと昨対94.2%と5%以上経費を削減している。ユニバース自身も、「人的効率の改善に向けては、VTRを用いた作業分析による作業の無駄の排除および時間外勤務の削減を推進した結果、人的効率の指標の一つである人時売上高に改善がみられたほか、人件費総額も当初計画の範囲内に抑えることができ、・・」と決算短信でコメントしている。いわゆるレイバースケジュール管理による生産性の改善に注力しているとのことで、実際、今期の役員報酬及び従業員給与・賞与を見ると、8.1%(昨年8.5%)と0.4ポイント下がっており、効果があったといえよう。

   ただ、食品スーパーマーケットの経費は人件費が経費の40から50%近い数字であり、その他は数%と、人件費が突出しており、人件費以外に大きく経費削減効果がある項目は少なく、ここに焦点が行きがちになる。ところが、ここが逆に売上増と直接関係ある重要な項目でもあり、ここの削減は限界があるといえ、食品スーパーマーケットとしては、経費削減で原価増を補うだけではなく、やはり、売価への転嫁、そして、率から高、規模の拡大が避けて通れない経営課題といえよう。

   したがって、営業利益であるが、3.4%(昨年4.1%)と1ポイント営業利益が下がり、減益となった。この厳しい状況は今後どのように動くかであるが、ユニバース自身は2009年4月期の通期予想を売上高962.15億円(102 .2%)、営業利益32.17億円(96.3%)、経常利益32.89億円(95.9%)、当期純利益17.91億円(130.0%)としている。この第1四半期同様、売上は増収、利益は当期純利益段階では増益であるが、営業、経常段階では減益としており、今期は、第1四半期よりは回復するが、やはり厳しい決算となる予想である。

   ちなみに、この数ケ月間のユニバースの売上の推移であるが4月99.2%(既存店96.1%)、5月105.3%(102.0%)、6月108.1%( 104.8%)、7月104.1%(100.8%)、 8月101.9%(98.9%)という状況であり、5月、6月は好調であったが、7月からやや下がりはじめ、8月は既存店が昨対を割り込む状況となり、売上にも陰りがみえはじめており、今後の推移が読みにくい状況である。

   このように、ユニバースの2009年4月期の第1四半期決算が公表されたが、予想以上に厳しい決算であるといえ、値上げ問題による原価の上昇が粗利を引き下げ、それが経費の削減ではカバーできない状況にあるといえ、経営のバランスがあまりよくない状況であるといえよう。今後、一層の経費の削減に加え、売価への転嫁は避けらない状況といえ、さらに原価の上昇が進めば、思い切った経営規模の拡大、M&Aに踏み切らざるをえない状況となろう。今後、ユニバースがどのような経営戦略を打ち出すか注目したい。
 
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September 11, 2008 in 経済・政治・国際 |

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