« リーマン・ブラザーズ秒読み、経営危機! | Main | 日経MJ、9/15でジャガイモ系スナックを特集! »

September 16, 2008

明治ホールディングス誕生、食品スーパーへの影響!

   9/11、明治製菓、明治乳業から、「明治製菓株式会社と明治乳業株式会社との共同持株会社設立(株式移転)による経営統合に関するお知らせ」が同時に公表された。来年、2009年4月1日を期して、株式移転により明治ホールディングス株式会社を設立するという。2008年3月期決算の単純年商合計で1兆1,116.99億円、営業利益289.87億円(売上対比2.60%)と1兆円を超える食品メーカーの誕生となる。食品業界の上場企業ではキリンホールディングス、アサヒビール、味の素につぐ4社目となり、いよいよ、日本の食品業界も1兆円の時代への突入といえよう。

   今回、両社が経営統合することにより、どんなメリットがあるかであるが、明治製菓、明治乳業は、5つその意義を強調している。(1) 統合された新生「明治」ブランドの価値向上及び既存事業の強化、(2) 新たな需要の創造による事業成長機会の拡大、(3) マーケティング力強化による競争力向上、(4) 業務効率化とコストシナジー、(5) 事業基盤・財務基盤の優位性強化である。この中で、食品スーパーマーケットと密接にかかわってくる項目は(1)、(2)、(3)であるが、特に、(1)において、「乳幼児から高齢者までのあらゆる世代のお客様に幅広い商品ラインアップを提供し、毎日の食シーンにおいて最も身近で愛されるブランドとして進化」という項目があり、年齢、世代に焦点を当てた商品開発がなされ、それに対応する食品スーパーマーケットの販売戦略がこれまで以上に問われることになろう。

   食品スーパーマーケットでは現在商品主体の売場管理となっており、統合後の明治ホールディングスの商品は明治乳業の要冷蔵の牛乳、ヨーグルト、デザート、チーズ、バター等と明治製菓の常温のチョコレート、スナック等に大きく分かれる。この2つの商品群は食品スーパーマーケットの売場では正反対の場所に配置されており、牛乳、ヨーグルト等は主動線上の外周にあるのに対し、チョコレート、スナック等はゴンドラ、内周に配置されており、しかも、食品スーパーマーケット側の商品管理者は全く別な組織、日配部門とグロサリー部門に属しており、管理体系が違う構造になっている。

   したがって、明治ホールディングス側は双方の商品群を統合し、一元管理ができる体制ができあがるが、食品スーパーマーケット側はこれら商品群の管理は別々の管理となっており、ここに販売戦略上のギャップが生じることとなる。食品スーパーマーケット側としては、今後もこれまでの商品管理体制にこだわり、別々の対応をし続けるのか、それとも、これを機会に新たな商品管理体系の構築を模索するかが問われることとなろう。

   今回の統合メリットの(3)ではさらに、「両社のマーケティング部門のノウハウ活用による効果的な広告・宣伝や横断的なキャンペーン等の展開」、「 営業部門の協働による企画提案力、店頭フォロー力の向上」という項目もあげられており、明治ホールディングスとしては、食品スーパーマーケット側の商品管理に合わせるというよりも、より、商品の原点にさかもどり、顧客に起点をいたマーケティング戦略を両社の蓄積されたノウハウをもとに次々に打ち出してくる方針といえよう。

   では、このようなメーカー側の新たな動向に対応するには食品スーパーマーケット側としては今後、どのような対応が必要であるかを考えてみたい。まずは、当然であるが、規模の拡大は避けて通れないであろう。明治ホールディングスをはじめ、メーカーが1兆円の時代に入り、しかも、多岐に渡る商品カテゴリーの統合が急激に進むことになることから、食品スーパーマーケット側としても、1兆円企業の構築は必至となろう。現在、日本の食品スーパーマーケットは3,000億円から4,000億円台がトップクラスであるので、これらの食品スーパーマーケットが中核となり、M&Aを推し進める必要があろう。

   次に、食品スーパーマーケットとしての商品管理体制を再構築する必要があろう。現在の食品スーパーマーケットは商品部がその中核組織であり、商品群ごとに売上管理が行われ、その延長で各店舗の商品管理がなされているのが実態である。今回の明治ホールディングスの誕生はこの商品管理体系がこれまでの管理体系から、より総合化の方向へ向かっているといえる。今回のケースでいれば、日配と菓子部門の統合であり、この2つを統合する管理体系は現在の食品スーパーマーケットにはない新たな管理体系であり、今後、食品スーパーマーケットとしては、既存の商品体系を自由に改廃、整理統合できるフレキシブルな商品管理体制を構築する必要があろう。

   そして、もうひとつは、情報管理体制の整備である。これは今回、「乳幼児から高齢者までのあらゆる世代のお客様に幅広い商品ラインアップを提供し、・・」といように、商品分類からの商品提供ではなく、顧客分類による商品提供がメインになってゆくことを意味しており、食品スーパーマーケットとしても、顧客に立脚した商品分類、商品管理体系を構築する必要が求められるということである。そして、そのためには、商品管理によるPOSから、顧客ID管理によるID-POSへの移行が必須となり、顧客IDを起点とするマーチャンダイジングの仕組みづくりが大きな課題となろう。

   このように、今回の明治ホールディングスという1兆円の食品メーカーの誕生は、食品メーカーへの影響はもちろん、食品スーパーマーケットへも大きな変革をもたらすことは必至といえ、食品流通業界全体への構造改革につながってゆくものといえよう。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1218人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在500人)

September 16, 2008 in 経済・政治・国際 |

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 明治ホールディングス誕生、食品スーパーへの影響!:

Comments

Post a comment