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October 15, 2008

レシート3枚でわかるID分析とレシート分析の違い!

   最近、ID分析とレシート分析の話をする機会が多くなった。また、実際、私のクライアントの小売業、メーカーでもID分析がはじまりつつある。そこで、改めて、ID分析とレシート分析の違いとその関係を整理しておきたい。最近よくこの違いを説明するために使う事例がレシート3枚による説明である。恐らく、ID分析とレシート分析を理解するには、たった3枚のレシートで説明できるのではないかと思う。2枚でも説明は可能だが、ID特有の分析を説明するには不十分であり、やはり最低3枚は必要かと思う。
   
   その3枚であるが、1枚はaさんがトマト1個を買ったレシートである。実際には購入数量と購入金額などのデータも入るが、ここでは話をわかりやすくするために、購入数量のみでレシートを示す。2枚目はaさんが1枚目のレシートの次に、トマト2個を購入したレシートである。一応、ここでは時間を定義する。1枚目と2枚目のレシートは購入順序があり、1枚目が先であり、2枚目が後とする。実は、ID分析では時間がレシート分析よりも決定的に重要な要素となる。これで2枚のレシートの定義ができた。そして、3枚目のレシートがbさんがトマトを購入しなかったレシートである。いわゆる0レシートであり、これはトマトを0個購入したレシートとする。要するに、その店舗に来店し、何かを購入したのだが、トマトは購入しなかったというレシートである。
  
   これですべてである。ID分析とレシート分析を理解する上では、この3枚のレシートがあれば、恐らく、すべて説明できると思う。さて、まず、レシート分析について説明する。ここで、分析ということで、最も一般的なPOS分析、PI値分析で、この3枚のレシートを分析してみたい。PI値とは、購入数量÷客数(レシート枚数)で定義する指標であり、食品スーパーマーケットでは最もメジャーな指標であり、この20年間で日本中の津々浦々の食品スーパーマーケットに普及した指標のひとつといえよう。ここでは、私が使うPI値として、%、すなわち、100倍でPI値を表現することにする。一般的には小売業は100倍、メーカーは1,000倍を使うケースが多いが、小売業の実務では100倍、%がおすすめである。
   
   さて、まず、レシート分析であるが、通常のトマトのPI値はトマト3個÷レシート3枚=100%となる。これが最もメジャーなPI値算出方法であり、恐らく、PI値を算出する場合はこのPI値となる場合がほとんどであろう。ただ、よく見ると、このPI値は少し違和感がある。それは、トマトのPI値を算出しているのに、トマトを購入しないbさんのレシートもカウントしているからである。いわゆる0レシート問題である。実は、この0レシート問題はPI値分析では重要なテーマであり、0レシートを含めるか含めないかは議論が分かれるところである。

   当然、0レシートを排除して算出するPI値もあり、この場合はトマト3個÷レシート2枚=150%となる。どちらがトマトのPI値をよりよく反映しているかであるが、技術的には、0レシートを区別することがむずかしく、単純に0レシートを含め、すべてのレシートで割ってPI値を算出する場合がほとんである。区別できる場合は、両方を算出し、使い分けることになるが、そこまでレシート分析を行っているケースは現実的には極めて少ないのが実態である。また、この2つのPI値の関係は、0レシートを含めてのPI値(100%)=(トマトの購入レシート÷全レシート)×0レシートを含めないPI値(150%)となり、(トマトの購入レシート÷全レシート)が2枚÷3枚=2/3となり、双方がイコールになる。この(トマトの購入レシート÷全レシート)のことを客数PI値という。

   以上がレシート分析の基本である。これに対して、ID分析であるが、ID分析の場合をPI値に対してID-PI値とする。したがって、トマトのID-PI値はトマト3個÷ID2人=150%である。これは0レシートを含めているので、レシート分析同様、0レシートを含めない場合もあり、その場合のID-PI値はトマト3個÷ID1人=300%となる。ここで、この2つのPI値の関係は、レシート分析同様、0レシートを含めたID-PI値(150%)=ID客数PI値(1人÷2人)×0レシートを含まないID-PI値(300%)となり、双方がID客数PI値で関係づけられることになる。

   このように、レシートの世界もIDの世界もその中で、同じ概念のPI値が走ることになり、双方の中で分析が完結し、進んでゆくことになる。いわば、閉じた空間での分析であり、交わることがない世界である。したがって、ID分析というと、IDの中だけで分析しがちとなるが、実は、ID分析と並行して、レシート分析も走っており、独自の空間を形成していることがわかる。

   では、この2つの世界をつなぐことはできないかと考えてみると、それが実は可能であり、そのポイントが先ほどから何度も登場している客数PI値である。実際に、つないでみると、ID-PI値=ID客数PI値×レシートPI値となる。ここでID客数PI値とはレシート数÷ID数であり、いわゆる来店頻度のことである。実際、0レシートを含めた場合で計算して見ると、ID-PI値=150%、ID客数PI値=150%、レシートPI値=100%であるので、150%=150%×100%となり成り立つことがわかる。0レシートを省いた場合でも300%=200%×150%となり、成立する。

   この研究はまだまだ初歩的な研究段階であり、今後、様々なPI値が創意工夫され、マーチャンダイジングの解明が進んでゆくものと想像される。実際、ここでは言及しなかったがリピートの問題なども、研究テーマであり、まだまだ、レシート分析もID分析も研究途上の分析であるといえよう。マーチャンダイジングは実に奥が深い!

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October 15, 2008 in 経済・政治・国際 |

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