« September 2008 | Main | November 2008 »

October 31, 2008

カスミ、中間、増収減益、マーチャンダイジング力に課題!

   カスミが10/17、2009年2月期の中間決算を公表した。営業収益1,061.92億円(104.8%)、 営業利益26.95 億円(95.9%:営業収益比2.53%)、経常利益28.84億円(93.5%:営業収益比2.71%)、当期純利益12.22億円(133.1%:営業収益比1.15%)となる、増収減益の決算であり、営業利益、経常利益ともに厳しい決算となった。また、通期予想も営業収益2,108.00億円(103.9%)、 営業利益53.00 億円(86.4%:営業収益比2.51%)、経常利益61.00億円(90.6%:営業収益比2.89%)、当期純利益29.00億円(116.6%:営業収益比1.37%)なる増収減益の予想であり、今期、収益が厳しい状況で推移しそうである。

   カスミの今期増収の要因は、新規出店を米店(栃木県佐野市)、八街朝日店(千葉県八街市)と2店舗出店し、既存店のうち、北本店、鴻巣店、吹上店の3店舗を「価格・鮮度に挑戦し続けるお店」をモットーとするディスカウント業態、「FOOD OFFストッカー」に業態転換したことが大きかったといえよう。FOOD OFFストッカーは、現在、15店舗となり、結果、総店舗数は新店2店舗をいれ、135店舗となった。また、下期も、フードスクエアピアシティ石岡中央店(茨城県石岡市)、フードスクエアつくばスタイル店(茨城県つくば市)など5店舗の出店と、5店舗の改装を予定しているという。
   
   一方、減益となった要因であるが、今期の原価は72.6%(昨年72.6%)と資本業務提携したイオンのPB、トップバリュ等の貢献(売上対比5.3%)もあったとみえ、値上げ環境の中でも、原価を上昇させることなく、昨年と同じ数字を維持できた。結果、売上総利益は27.4%(昨年27.4%)となり、安定した売上総利益が確保できたといえよう。ただ、販売費及び一般管理費が28.1%(昨年28.0%)となり、0.1ポイント上昇した。結果、マーチャンダイジング力、売上総利益-販売費及び一般管理費は-0.7%となり、マイナスとなった。また、不動産収入等の営業収入であるが、3.3%(昨年3.5%)と昨年と比べ0.2ポイント下がった。結果、営業利益は2.6%(昨年2.9%)と0.3ポイント昨年と比べ下がり、営業収益が104.8%であったにもかかわらず、営業利益が0.3ポイント下がったことが、営業利益が95.9%と減益となった要因である。このように、今期は経費が0.1ポイントあがり、不動産収入等の営業収入が0.2ポイント下がり、合計、0.3ポイント、営業利益が下がったことが大きかったといえよう。ただ、カスミのマーチャンダイジング力を見る限り、マイナス0.7%であり、まずは、このマーチャンダイジング力をプラスにすることが営業利益の改善にとっては最優先課題といえよう。
  
   これに対し、カスミの出店余力についても見てみたい。カスミの出店にかかわる資産である土地、建物、敷金・保証金の合計は426.80億円(昨年434.54億円)となり、総資産の51.8%である。カスミは現在135店舗であるので、1店舗当たりでは3.16億円となり、通常の食品スーパーマーケットと比べると、出店にかかわる資産がかなり低いのが特徴といえよう。現在、カスミの自己資本比率は45.5%であるので、出店余力を計算すると、45.5%-51.8%=-6.3%であり、ほぼ、自己資本の範囲内での出店構造となっている。一方、負債の主要項目である長短借入金等の合計は89.42億円(昨年135.74億円)と40億円強削減されており、総資産に占める割合は10.8%と、財務の健全化が進み、出店余力が増しつつあるといえよう。
   
   したがって、カスミの出店余力はやや借入依存型とはなっているが、ほぼ、自己資本の範囲内での出店が可能な状況といえ、しかも、1店舗当たりの出店にかかわる資産が通常の食品スーパーマーケットよりも低く抑えられており、新規出店は比較的可能な財務体質であるといえよう。また、キャッシュフローの流れを見ても、営業キャッシュフロー(86.74億円)、 投資キャッシュフロー(-28.24億円)となり、フリーキャッシュフローは58.50億円となり、営業キャッシュフローの範囲内での投資キャッシュフローとなっている。そして、財務キャッシュフロー(-25.55億円)もフリーキャッシュフローの範囲内であり、結果、資金は32.95億円となり、順流のキャッシュフローである。投資対財務もほぼ1:1となる配分であり、特に、財務キャッシュフローを見ると、確実に長期借入金の返済がすすんでおり、財務的にはまさに順流の流れとなっており、今後、数年で健全な財務基盤ができるといえよう。
   
   このように財務状況は改善されつつあり、あとは、マーチャンダイジング力をいかに高めるかにあるといえる。現在、カスミは、商品売買から得られる粗利の範囲内で、販売費及び一般管理費を賄うことができず、この数字、すなわち、マーチャンダイジング力がマイナスとなってしまうが、この数字をいかにプラスに転嫁させ、さらには、プラス幅をどこまで拡大できるかが課題といえよう。そして、そのためには、原価を改善して粗利率を引き上げることも重要ではあるが、それ以上に、販売費及び一般管理費をどこまで圧縮できるかが今後の経営課題といえよう。一般に経費を削減する方法は、文字通り、経費を削ってゆくことも大事であるが、もうひとつは、坪効率を引きあげ、相対的に固定費を引き下げることも重要な政策であり、この両面から経費削減をはかる必要があろう。今後、カスミのマーチャンダイジング力がどこまで改善されるかに注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1250人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在520人)

October 31, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 30, 2008

イズミ、中間決算、増収減益、厳しい決算!

   イズミが10/10、2009年2月期の中間決算を公表した。営業収益2,470.19億円(106.9%)、営業利益102.87億円(85.3%:営業収益比4.16%)、経常利益100.86億円(85.5%:営業収益比4.08%)、当期純利益47.21億円(73.4%:営業収益比1.91%)と、増収とはなったが、大幅な減益となる厳しい決算となった。今期は新店としては、ゆめタウン出雲(6月、島根県出雲市)を出店し、既存店99.5%をカバーし、売上は堅調な数字ではあったが、営業利益、経常利益、当期純利益ともに大幅な減益となった。また、通期予想に関しても、営業収益5,080.00億円(107.9%)、営業利益232.00億円(93.6%:営業収益比4.56%)、経常利益219.00億円(88.4%:営業収益比4.31%)、当期純利益129.00億円(94.4%:営業収益比2.53%)と、中間決算と同様に増収減益となる予想であり、今期、イズミの決算は厳しいものがあると予想される。

   イズミは、通常の食品スーパーマーケット業態と違い、GMS、SCが主体の小売業である。そのため、多額の資産を取得し、その不動産を活用したテナント等の不動産収入が経営の柱となる。今期のイズミの出店にかかわる資産である土地、建物、差入敷金及び保証金の合計は、2,616.93億円(昨年2,350.79億円)であり、総資産の69.46%となる。イズミの店舗数は現在71店舗であるので、1店舗当たり36.85億円となり、これは、一般的な食品スーパーマーケットの約10倍近い金額であり、いかに、出店にかかわる資産が大きいかがわかる。その理由は、イズミの店舗構成比を見るとわかるが、15,000㎡(約4,500坪)が16店舗(売上構成比56.3%)、10,000㎡から15,000㎡(約3,000坪)が13店舗(売上構成比20.1%)、3,000㎡から10,000㎡(約1,000坪)が25店舗(売上構成比18.6%)、0㎡から3,000㎡(約1,000坪以下)が17店舗(売上構成比5.0%)であり、約4,500坪以上のGMS、SCタイプが全体の半分以上の売上構成比を占めているためである。イズミは食品スーパーマーケットというよりも、テナント収入を主体とした不動産業に近い業態といえる。実際、商品別の売上構成比を見ても、衣料品17.3%、住居関連品8.8%、食品33.2%と直営の合計は59.3%であり、残り約40%はテナント34.4%、商品供給6.3%であり、しかも、年々、テナントの構成比が増しているのが実情である。
   
   したがって、出店余力は現在の自己資本比率が27.2%(昨年30.7%)であるので、ここから出店にかかわる資産69.46%を引くと-42.26%となり、大幅なマイナスとなる。自己資本の範囲内では新規出店が難しい財務構造となっており、結果、多額の負債、特に、長短借入金等を調達しての出店構造となる。その長短借入金等の合計であるが、1,576.28億円(昨年1,434.17億円)と総資産の41.8%である。これに自己資本比率の27.2%を足すと69.0%となり、ちょうど、出店にかかわる資産69.46%とほぼ同じ比率になり、バランスがとれる財務構造である。この数字を見る限り、イズミのビジネスモデルは食品スーパーマーケットとは一線を画し、多額の借入等により、膨大な不動産を取得し、その不動産に数多くのテナントを誘致し、そこから得られる収益に重点を置く業態であるといえよう。
   
   実際、イズミのマーチャンダイジング力を見てみると、今期の原価は77.9%(昨年77.5%)と0.4ポイント上昇し、結果、売上総利益は22.1%(昨年22.5%)と0.4ポイント下がるという厳しい状況となった。一方、販売費及び一般管理費も22.6%(昨年21.9%)と0.7ポイントと大幅に上昇したため、原価、経費、ダブルでの上昇となり、マーチャンダイジング力、売上総利益-販売費及び一般管理費は-0.5%(昨年0.6%)と昨年はプラスであった数字が一転、マイナスとなってしまい、厳しい結果となった。また、不動産収入等の営業収入は4.8%(昨年4.9%)と、これも0.1ポイント下がり、結果、営業利益が4.4%(昨年5.5%)と1.1%も下がるという、トリプルでの減少となり、厳しい決算となったといえよう。ただ、イズミのこの収益構造はマーチャンダイジング力でキャッシュフローを生み出すという構造ではなく、不動産収入等の営業収入でキャッシュフローを生み出す収益構造といえ、膨大な不動産を多額の借入で行い、その不動産へテナントを誘致し、そのテナント収入からキャッシュフローを生み出すという、独特な収益構造のビジネスモデルであるといえよう。
   
   そして、そのキャッシュフローであるが、営業キャッシュフロー(285.21億円)、投資キャッシュフロー(-180.23億円)となり、フリーキャッシュフローは、104.98億円となる。そして、財務キャッシュフローは(-76.23億円)となり、結果、資金は28.75億円となり、キャッシュの流れは順流ではある。ただ、気になるのは、投資対財務がこれだけ、大きな負債があるにもかかわらず、約5:2と投資へ傾斜気味である点である。出店余力が十分であれば、投資キャッシュフローを強く打ち出すことは問題ないと思うが、現状の出店余力を見る限り、財務の安定を図る意味でももう少し、財務キャッシュフローを高めても良いように思われる。
   
   このように、イズミのこの中間決算をみる限り、原価、経費がダブルで上昇し、マーチャンダイジング力が下がり、キャッシュを生み出すパワーが落ちているのが気になるところである。また、イズミのキャッシュフローの主体である不動産収入等の営業収入も下がっており、これまで、好調であったビジネスモデルが厳しい状況となりつうあり、今後、多額の負債が経営に重くのしかかることになり、新規出店が厳しい状況になりかねい状況といええよう。ここは、再度、小売業の原点であるマーチャンダイジング力を高めることが最優先課題といえよう。イミズの今後のマーチャンダイジング力改善へ向けて、どのような政策を打ち出すかに注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1250人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在520人)

October 30, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 29, 2008

アオキスーパー、中間決算、経費比率16.5%!

   アオキスーパーが2009年2月期の中間決算を10/3公表した。営業収益445.07億円(110.9%)、営業利益13.45億円(96.6%:営業収益比3.02%)、経常利益13.99億円(98.2%:営業収益比3.14%)、当期純利益7.42億円(108.3%:営業収益比1.66%)と、増収減益となるやや厳しい決算となった。今期は西枇杷島店(3月)を新規出店し、合計42 店舗、44,846.19 ㎡(1店舗当たり323.5坪)となり、既存店の売上が103.4%と堅調であったことが、営業収益を押し上げた要因であるといえよう。一方、減益となった要因は原価が上昇し、売上利益を大きく下げてしまったことにあるといえる。

   実際、今期のアオキスーパーのマーチャンダイジング力を見てみると、原価は83.6%(昨年83.0%)となり、資源・エネルギー高による影響が大きかったと思われ、0.6ポイントと大幅に上昇している。結果、売上総利益は16.4%(昨年17.0%)と下がった。ただ、販売費及び一般管理費は16.5%(昨年16.6%)と0.1ポイント下げており、差し引き、マーチャンダイジング力が、売上総利益16.4%-販売費及び一般管理費16.6%=-0.2%とマイナスとなったことが減益となった要因といえよう。

   今期、アオキスーパーはこのように、マーチャンダイジング力がマイナスとなったが、実は、ここがアオキスーパーの真骨頂ともいえ、アオキスーパーは経営目標として、「特に販管費率に注目し、その進捗状況に注意をはらっている」ことを掲げており、販管費にこだわっており、極限のローコストを追求している。実際、日本の上場食品スーパーマーケットの中では最も低い数字であり、食品スーパーマーケットとしては限界に近い数字といえよう。ただ、これだけ、安く販管費を下げても、粗利を上げることに重点をおかず、むしろ粗利も下げることにこだわっており、売上総利益は16.4%と今期は販管費よりも安くし、ディスカウント路線を徹底している。

   その目的は、営業収入を極限まで引きあげることにあるといえ、実際、今期の不動産等の営業収入は3.2%(昨年3.2%)であり、この分がほぼ営業利益となり、今期は営業利益が3.1%(昨年3.6%)と0.5ポイント昨年よりは下がったが、3%以上の営業利益となっている。すなわち、アオキスーパーの販管費へのこだわりは、安く売るためだけではなく、不動産収入得るための手段として割り切っている点が、アオキスーパーの経営戦略といえる。通常の食品スーパーマーケットであれば、販管費を低く抑え、売上総利益を高く設定し、マーチャンダイジング力を高めようとするが、あえて、アオキスーパーは逆張りの経営を行い、売上総利益も引き下げ、マーチャンダイジング力が下がっても(今期はマイナス)、ディスカウントにこだわり、競合店に打ち勝ち、客数を引き上げ、テナントの利益を確保し、不動産収入等の営業利益を引きあげてゆくという戦略に徹している。まさに、テナントとの運命共同体をめざすという、いわば自己犠牲の上にたったテナントの収益優先の経営戦略を選択しているともいえよう。ただ、今期は、原価の上昇が厳しいものとなり、マーチャンダイジング力がマイナスとなり、結果、テナント収入等では増益を達成することができなかったが、経営戦略にブレはなく、まさに、逆張りの経営といえよう。
   
   一方、アオキスーパーの出店余力であるが、出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計は121.24億円(昨年117.29億円)であり、総資産の52.29%である。1店舗当たりでは2.88億円と、通常の食品スーパーマーケットと比べ約1億円近く低い数字であり、すでに、ここからローコストが始まっているといえる。したがって、出店余力は、現在の自己資本比率が58.7%(昨年58.9%)であるので、出店にかかわる資産の合計52.29%を引くと、6.41%のプラスとなる。自己資本の範囲内での新規出店が可能な状況であり、出店余力は高いといえよう。また、負債の主要項目である長短借入金等の合計も2.25億円(昨年2.75億円)と総資産の0.97%であり、現在の当期純利益が7.42億円であるので、いつでも無借金経営が可能な状況といえ、負債依存度も低いといえ、健全な財務状況といえよう。
   
   ちなみに、キャッシュフローの流れであるが、営業活動によるキャッシュフロー(15.03億円)、投資活動によるキャッシュフロー(-8.32億円)であり、フリーキャッシュフロー(6.71億円)はプラスであり、ここから、財務活動によるキャッシュフロー(-2.32億円)を賄い、資金(4.39億円)となる順流の流れである。特に、財務キャッシュフローでは、長期借入金の返済、配当金の支払いに加え、自己株式の取得も行っており、株主への手厚い対策を打っている。

   これを受けて、通期予想であるが、営業収益877.00億円(106.4%)、営業利益25.50億円(94.9%:営業収益比2.90%)、経常利益26.00億円(94.3%:営業収益比2.96%)、当期純利益13.50億円(92.73%:営業収益比1.53%)と中間決算同様、増収減益の予想であり、今期は売上は堅調に推移する予想ではあるが、利益は厳しい予想であり、慎重に消費環境を見ているといえよう。この中間期で上昇した原価を、後半、どこまで抑え、アオキスーパーが、マーチャンダイジング力をプラスにもってゆけるかに注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1250人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在520人)

October 29, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 28, 2008

東武ストア、中間決算、増収減益、自己資本比率66.9%!

   東武ストアが10/9、2009年2月期の中間決算を公表した。売上高416.05億円(103.0%)、営業利益12.10億円(94.8%:売上対比2.90%)、経常利益13.21億円(98.3%:売上対比3.17%)、当期純利益11.49億円(95.2%:売上対比2.76%)と、増収とはなったが、減益となる厳しい決算であった。今期は新店の出店がなく、経費の上昇が経営を圧迫した形となった。実際、原価、経費等の状況を見てみると、原価が74.0%(昨年74.1%)と、この厳しい値上げ環境の中でも0.1ポイント削減したことがプラスではあったが、販売費及び一般管理費が23.1%(昨年22.7%)と、0.4ポイント上昇し、結果、売上総利益は改善したが、経費がそれ以上に上昇したため、差し引き、マーチャンダイジング力=営業利益は2.9%(昨年3.2%)となり、0.3ポイント下がってしまった。その結果、売上の伸び103.0%では営業利益の下げをカバーできず、減収となる決算となった。

   これを受けて、通期予想であるが、売上高836.00億円(103.3%)、営業利益23.50億円(101.0%:売上対比2.81%)、経常利益25.00億円(100.2%:売上対比2.99%)、当期純利益20.50億円(102.7%:売上対比2.45%)と、わずかではあるが、増収増益を予想しており、この中間決算の減益を増益に改善してゆく予想である。

   今期の東武ストアのPLはこのようにやや厳しい結果となったが、逆に、BSの方は改善が進んでおり、自己資本比率は66.9%(昨年65.0%)となり、1.9ポイント改善した。特に、負債の主要項目である長短借入金等の合計が16.12億円(昨年25.94億円)と、約10億円近く削減しており、結果、総資産のわずか5.29%となり通期予想の当期純利益が20.50億円であるので、全額返済可能な状況となり、無借金経営も時間の問題といえよう。

   東武ストアの自己資本比率66.9%は、食品スーパーマーケット業界の中でもトップクラスであり、今後、借入金をさらに減らしていけば、70%以上も見えており、安定した財務基盤ができつつあるといえよう。したがって、今期は新規出店がなかったが、この財務状況であれば、今後、安定成長をはかってゆくことも可能であり、今後の成長を期待したいところである。その出店構造であるが、出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金・敷金の合計は、178.41億円(昨年184.33億円)となり、総資産304.64億円の58.56%であり、現在、東武ストアは51店舗であるので、1店舗当たりでは、3.49億円となる。したがって、出店余力も、自己資本比率-出店にかかわる資産の合計=8.34%となり、プラスであり、自己資本の範囲内での新規出店が十分に可能な状況である。1店舗4億円弱という出店にかかわる資産であるので、単純計算で通期当期純利益約20億円÷4億円=5店舗は可能といえ、現在51店舗であるので、5店舗は約10%にあたり、110%の安定成長もけっして難しい財務状況ではない。

   ちなみに、今期のキャッシュフローの流れであるが、営業活動によるキャッシュフロー(20.91億円)、投資活動によるキャッシュフロー(-4.89億円)となり、フリーキャッシュフローは16.02億円である。ここから、財務活動によるキャッシュフロー(-9.85億円)を引くと、資金は6.17億円となる。営業キャッシュフローの範囲内での投資キャッシュフロー、財務キャッシュッフローを賄っており、典型的な順流の流れである。ただ、投資対財務は1:2であり、投資よりも財務に力点があり、気になる比率である。

  この背景には東武ストアの経営体制がここ数年めまぐるしく変化していることが考えられるといえよう。直近、今年の2/29現在の株主構成は丸紅30.3%、丸紅フーズインベストメント30.3%、東武鉄道26.6%という状況であり、丸紅グループが筆頭株主として経営権を取得しており、東武鉄道に経営の主導権がない状況である。これが少し前の2006年7/4時点では、丸紅フーズインベストメント30.2%、東武鉄道26.5%と筆頭株主が丸紅フーズインべストメントであるが、30.2%と微妙な比率であり、経営主体が明確でなかった。さらに、2005年6/29時点では、丸紅フーズインべストメント25.0%、マルエツ15.0%、東武鉄道16.3%であり、さらに経営主体ははっきりしていない状況であった。このように、東武ストアの経営権が、ここ数年、めまぐるしく変転しており、ここへきて、やっと、丸紅グループで過半数の株式を取得し、経営権が確定したといえる。したがって、今後は丸紅グループ主体の経営を東武ストアは実践してゆくことになるといえる。今期は、そのはじめての中間決算となった形であるため、成長戦略が明確に打ち出せなかったのではないかと思われる。

   このように、東武ストアの丸紅グループが経営の主導権を握ってのはじめての中間決算となったが、残念ながら、成長に陰りがみえ、減益となる厳しい決算となった。ただ、財務状況は好転しており、以前にもまして堅固な状況になりつつある。したがって、今後は、その堅固な財務状況を基盤に、食品スーパーマーケットの経営目標である安定成長を目指した投資キャッシュフローをいかに増やし、収益を上げて行くかが問われることになろう。丸紅グループが東武ストアにおいて、どうような成長戦略を打ち出すかに注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1250人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在520人)

October 28, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 27, 2008

売上速報、食品スーパーマーケット、潮目変わる!

   食品スーパーマーケットの2008年9月度の売上速報を集計した。食品スーパーマーケットの上場企業は約50社であるが、その内、約20社強が月別の売上速報を公表しており、その数字を独自に集計したものである。結果は103.4%、既存店は98.5%となる厳しい結果となった。8月度 104.7%(既存店99.5%)、7月度 106.7%(既存店100.9%)、6月度 106.1%(既存店100.8%)、そして、2007年9月度 105.6%(既存店100.3%)と比べても最も低い数字であり、しかも失速気味で推移しており、明らかに潮目が変わったといえよう。食品スーパーマーケット業界は、これまでの好調さが一転、今後は厳しい数字になることが予想され、消費環境の動向を注意深くにらみながら、経営をしてゆく段階に入ったといえる。

   ちょうど、10/22、日本チェーンストア協会からも、この9月度の売上速報を公表しているが、それを見ると、全体は97.8%(前月比92.9%)、食料品97.7%(前月比92.6%)、衣料品94.8%(前月比92.6%)、住関連97.8%(前月比93.2%)という状況であり、さらに厳しい状況である。日本チェーンストア協会は食品スーパーマーケット以外も、GMS、専門店等71社8,680店舗の集計データとなり、食品スーパーマーケットの数字が相殺されてしまうので、食品スーパーマーケットの状況をダイレクトには反映しているとはいえず、本ブログの食品スーパーマーケットの独自集計よりも厳しい結果がでる傾向にあるが、それをさし引いても厳しい数字といえよう。

   さて、食品スーパーマーケットの売上速報であるが、110%以上の食品スーパーマーケットが4社ある。マックスバリュ中部119.1%(既存店97.8%)、PLANT 113.6%(既存店101.1%)、大黒天物産110.8%(既存店105.1%)、マックスバリュ西日本110.2%(既存店102.0%)である。この4社の中も、特に好調な食品スーパーマーケットが大黒天物産である。既存店が105.1%と今回集計した食品スーパーマーケット約20社の中ではトップであり、特に、既存店の客数が104.3%、客単価100.4%と客数が大きく伸びたことが大きかった。大黒天物産は今年に入り、値上げ環境の中、EDLP政策を掲げ、消費者からの支持を獲得し、既存店の客単価ではなく、客数を増やしたことが大きかったといえよう。ただ、客単価の中身はPI値が94.7%、平均単価が106.0%という結果であり、競合店と比べると十分低い価格ではあるが、昨年と比べると明らかに上昇しており、値上げ攻勢には勝てず、平均単価は昨年よりは上昇している結果となった。

   大黒天物産についでPLANTも好調であり、新店が寄与し、売上は113.6%と2桁の伸びで推移している。特に、これまで厳しい状況であった既存店も101.1%と上昇に転じており、特に既存店の客単価が102.3%と安定したことが大きかったといえよう。また、マックスバリュグループは完全に西高東低となっており、今月もNo.1はマックスバリュ中部が119.1%と驚異的な数字となった。ただ、既存店が97.8%となったのが気になるところであるが、新店とM&Aにより、着実に売上を伸ばしている。マックスバリュ西日本も110.2%となり、好調である。また、110%まではいかなかったが、マックスバリュ東海も107.1%(既存店98.6%)と堅調な数字である。一方、東のマックスバリュ東北は101.3%(既存店94.5%)、マックスバリュ北海道は95.5%(既存店92.4%)と厳しい数字であった。

    この4社についで、105%以上の食品スーパーマーケットを見てみると、イズミ109.0%(既存店97.5%)、九九プラス108.6%(既存店104.8%)、マックスバリュ東海107.1%(既存店98.6%)、マルエツ106.3%(既存店100.6%)という状況であり、105.0%以上の食品スーパーマーケットは全部で8社という状況であった。以下、100%以上の食品スーパーマーケットを上げてみると、ユニバース103.9%(既存店99.5%)、ヤオコー103.5%(既存店100.5%)、ダイイチ102.9%(既存店97.0%)、オオゼキ102.5%(既存店102.5%)、バロー101.8%(既存店92.6%)、マックスバリュ東北101.3%(既存店94.5%)、トーホー101.1%(既存店98.6%)、アークランドサカモト100.4%(既存店100.1%)、カスミ100.2%、CFSコーポレーション100.1%(既存店101.7%)である。

   逆に、この9月度売上が伸び悩んだ食品スーパーマーケットを見てみると、マックスバリュ北海道95.5%(既存店92.4%)、いなげや96.3%(既存店95.6%)、Olympic96.7%(既存店96.7%)、スーパーバリュー96.8%(既存店96.8%)、エコス97.3%(既存店93.5%)、そして、ヤマザワ97.5%(既存店96.2%)であり、いずれも、既存店が大きく落ち込んでいることが大きいといえよう。特に、既存店の数字だけで見ると、この9月度、最も数字が落ちた食品スーパーマーケットはマックスバリュ北海道の92.4%であり、ついで、バロー92.6%、エコス93.5%、マックスバリュ東北94.5%、いなげや95.6%となり、90%前半の食品スーパーマーケットも出始めており、厳しい売上環境になってきたといえよう。

   このように、この9月度の売上速報を見ると、明らかに潮目が変わったといえる動きになったといえ、8月までの好調さから失速感が出始めている状況といえよう。ちょうど、アメリカでも、これまで好調に推移していたウォルマートの数字がこの9月度は105.8%(既存店102.0%)と失速しており、特にアメリカ国内もそうであるが、売上構成比が高まってきた海外が急激に売上を落としはじめており、ウォルマートも厳しい状況になったといえる。アメリカの金融不安はまだはじまったばかりといえ、今後、さらに大きな影響がでることは必至であり、ここしばらくは注意深く食品スーパーマーケット業界の売上状況を見守ってゆくことが必要といえよう。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1250人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在520人)

October 27, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 26, 2008

株価急落、10/24、食品スーパーマーケット株価速報!

   寺島薬局1,947円(0.00%、8.83%、47.72%、86.13%)、大黒天物産1,199円(-4.53%、2.65%、6.38%、26.34%)、さが美135円(-6.25%、-1.45%、25.00%、21.62%)、ポイント4,630円(-7.17%、4.04%、17.39%、19.60%)、サイゼリア1,237円(-4.40%、-0.64%、6.82%、17.14%)、ABCマート2,945円(-1.27%、0.17%、4.50%、11.25%)、あさひ1,779円(-1.76%、3.31%、1.19%、8.87%)、カッパクリエイト2,200円(0.64%、6.33%、8.32%、8.85%)、アインファーマシー1,922円(0.99%、2.83%、-1.08%、8.83%)、ストリーム69,500円(1.81%、4.59%、14.83%、7.53%)、ライトオン1,266円(-0.78%、-2.61%、1.52%、5.50%)、ゴルパ155,800円(-3.51%、-7.17%、-3.88%、2.29%)、三洋堂1,080円(-1.63%、-3.05%、-1.72%、2.27%)、丸久945円(0.31%、0.96%、-1.45%、2.05%)、九九プラス61,300円(4.48%、-2.20%、-8.10%、1.94%)、マミーマート1,240円(-2.72%、2.54%、1.05%、1.62%)、ライフコーポレーション1,630円(-8.68%、-5.67%、-3.14%、0.92%)、セキチュー368円(-0.27%、4.54%、2.79%、0.54%)、大庄1,199円(0.75%、9.79%、3.45%、0.33%)、マツヤ600円(3.80%、3.27%、2.38%、0.33%)。

   以上が、10/24、上場小売業約400社の中で、26週移動平均乖離率(長期)がプラスになった食品スーパーマーケットを含む小売業である。ちょうど20社であり、約5%である。この中で食品スーパーマーケットは、大黒天物産1,199円、九九プラス61,300円、丸久945円、マミーマート1,240円、ライフコーポレーション1,630円、マツヤ600円の6社である。いかに厳しい株価であるかがわかる。また、全上場小売業の中で、5日移動平均、25日移動平均、13週移動平均、26週移動平均がすべてプラスになった企業は、わずか5社である。寺島薬局1,947円(0.00%、8.83%、47.72%、86.13%)、カッパクリエイト2,200円(0.64%、6.33%、8.32%、8.85%)、ストリーム69,500円(1.81%、4.59%、14.83%、7.53%)、大庄1,199円(0.75%、9.79%、3.45%、0.33%)、マツヤ600円(3.80%、3.27%、2.38%、0.33%)である。食品スーパーマーケットでは、マツヤがこの中に入っており、特に、5日、25日の短期移動平均が高いのが特徴である。また、寺島薬局がM&Aがらみで13週、25週移動平均が異常に高くなっているが、その他の企業はすべての移動平均がプラスではあるが、上げ幅は小さいといえる。
   
   ここで、日経平均の動きを見てみると、ニュースでも再三報道されているように、厳しい状況であり、前日比800円を超える大幅な下落となり、7,649.08円(-811.90円)となった。これは、2003年4月28日に付けたバブル後最安値7,603.76円に迫る厳しい株価であり、この日は朝から最後まで、ほぼ右下がりに株価が下落した。日経平均のここ数ケ月の株価の推移を見ると、1年前の昨年10月には16,000円前後の株価であったので、ちょうど半値となったことになる。ただ、この9月までは12,000円前後までの落ち込みだったので、この10月からの落ち込みがいかに大きかったかがわかる。特に、現在、円が無敵の通貨となっており、ものすごい勢いで円高が進み、1ドル100円を割り、90円に近づいており、今後、どこで落ち着くか、いつ反転するかが全く読めない状況といえ、これが、さらに、輸出関連の優良銘柄の株価を引き下げ、日経平均をさらに下げるという、円高株安の悪循環に嵌り込んでいるといえ、当面、厳しい状況が続くといえよう。
   
   ちなみに、上場小売業約400社の中で、26週移動平均が50%以上下落した小売業を見てみると、以下の通りである。アスラポート6,660円(-6.48%、-53.42%、-76.04%、-80.31%)、TRNコーポ14,000円(-9.43%、-23.48%、-45.06%、-64.26%)、ネットプライス32,500円(0.96%、15.10%、33.05%、57.46%)、Dワンダー35円(2.94%、-14.63%、-42.62%、-55.69%)、ステラG4円(0.00%、-33.33%、-33.33%、-55.55%)、ナカイ26円(-3.70%、-25.71%、-39.53%、-54.38%)、リンクセオリー84,000円(-2.71%、-29.20%、-43.79%、-52.17%)、新星堂68円(-1.44%、-12.82%、-30.61%、-52.11%)、ココカラファイン889円(-10.29%、-24.40%、-38.85%、-50.72%)、日本調剤1,180円(-2.31%、-9.92%、-29.29%、-50.52%)、ベスト電274円(-8.66%、-22.59%、-40.56%、-50.27%)である。この中には食品スーパーマーケットはないが、今週は厳しい株価であったといえよう。
 
   食品スーパーマーケットでは、この日、10/24上昇した株価は、マックスバリュ西日本1,270円(0.47%)、ベルク908円(0.33%)の2社のみであり、0%まで入れても、関西スーパー790円(0%)、丸久949円(0%)、マルヤ110円(0%)、マックスバリュ東北540円(0%)、ヤマザワ1,300円(0%)、タイヨー1,001円(0%)の6社が加わり、8社であり、厳しい株価であるといえよう。逆に、この日、株価が大きく落ち込んだ食品スーパーマーケットを見てみると、オークワ1,210円(-13.88%)、アークランドサカモト820円(-10.38%)、Olympic582円(-8.78%)、原信ナルスホールディングス1,013円(-7.91%)、バロー666円(-7.11%)、ライフコーポレーション1,630円(-7.02%)、オオゼキ2,415円(-6.58%)、カスミ468円(-6.40%)、ヤオコー2,955円(-6.19%)、CFS610円(-5.72%)等である。

   このように、10/24の株価は日経平均も厳しい状況で推移しており、小売業約400社の株価も厳しい株価であり、26週(長期)の移動平均でプラスになった小売業はわずか20社という状況である。当然、食品スーパーマーケット業界の株価も厳しいものがあり、この日プラスになった企業はわずか2社、0%を入れても8社という状況であった。アメリカの金融不安は一段と混迷を深めており、いよいよ、実態経済へも波及しはじめ、特に、日本では円高が異常値となりつつある。当面、株価はもちろん、経済全体への影響も懸念され、食品スーパーマーケット業界もこれまでの値上げ対策だけではなく、消費環境の激変に備えた新たな対策が必要な段階に入ったといえよう。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1250人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在520人)

October 26, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 25, 2008

食品スーパーマーケットの独自格付け試案?

   いま、食品スーパーマーケット業界は、中間決算公表のラッシュである。食品スーパーマーケット業界の決算は上場企業約50社の内、65%が2月期決算企業であるため、この10月公表の企業が大半を占める。ついで、3月期決算企業が15%であり、この企業は来月から公表が始まる予定である。この両者を足すと80%となり、残りは1月、4月、5月、9月、12月となり、約20%である。本ブログでは、可能な限り、速報値をいち早く分析し、公表しているが、すべてを速報で公表するのは難しい面があり、主要な食品スーパーマーケットから順次公表している。

   その公表にあたっての分析ポイントであるが、現在、大きく、3つの角度から、独自分析を試みている。ひとつは、マーチャンダイジング力であり、これは食品スーパーマーケットのキャッシュフローを生み出すパワーがどれくらいかを推し量る指標である。財務諸表の中ではPLとキャッシュフロー計算書を参考にしている。キャッシュフロー計算書で最も重要な指標は営業キャッシュフローである。その中でも構成比の大半を占めるのが当期純利益であるが、この数値の大本は、営業利益であり、さらに、その大本は売上総利益、すなわち、商品売買から得られる粗利から、販売費及び一般管理費及を引いた数字である。このことを、本ブログではマーチャンダイジング力と呼び、商品売買を通じて得られる純粋なキャッシュッフローを表すとみて、食品スーパーマーケットでは本業のパワー、キャッシュを生み出す力としている。
  
   2つめは、出店余力である。これは食品スーパーマーケットの成長は既存店がどんなに頑張っても数%がせいぜいであり、105%、110%、そして、120%成長するには、新店開発かM&A以外にありえない。そして、そのためには、財務的な出店余力の裏付けがないと不可能なことである。そこで、本ブログでは、BSを参考に自己資本比率と出店にかかわる資産として土地、建物、敷金・保証金の合計との比率を見ることによって、出店余力を判断している。仮に、この数値がマイナスになることがあれば、それは、自己資本以外、すなわち、負債に依存していることになり、当然、負債に依存する割合が大きければ大きいほど、出店余力は弱くなり、これが極限までいくと、出店はとまり、やがては、支払金利、返済でキャッシュフローを食いつぶすという結果となる。したがって、食品スーパーマーケットの経営、特に、出店戦略をつくる上において、最も重要なものは出店余力であると判断できると考えられるからである。 
 
   そして、3つめが負債依存度である。これは2つめの出店余力と密接に絡む問題であり、出店余力が十分な食品スーパーマーケットは、自己資本比率の範囲内での新規出店が可能となり、負債に頼らない出店戦略を立案することが可能となる。ところが、自己資本の範囲を超えた新規出店を行おうとすると、負債に頼る出店構造となり、これが繰り返されると、やがては、負債が膨れ上がれ、出店がストップしてしまう。そこで、食品スーパーマーケットの経営にとって3つめに重要な指標が負債依存度であり、これが健全な内は、新店を出店し、安定成長が可能となるが、負債依存度が増してくると、出店にまわす投資ができなくなり、結果、食品スーパーマーケットの成長がストップしてしまうことになる。

   このように考えると、食品スーパーマーケットの成長戦略はマーチャンダイジング力を高めて、キャッシュフローの流れをよくし、自己資本比率を引き上げ、その範囲内で安定した新規出店ができる体制を整え、負債を可能な限り、0に近づけてゆくことが理想といえよう。そう考えると、この3つの角度から、食品スーパーマーケットの決算数値を分析することにより、食品スーパーマーケットの経営の健全性が判断できるともいえ、これを瞬時に判断するために、この3つの角度から上場食品スーパーマーケット約50社を格付けしてみたらどうかと思う。

   ひとつの試みであるが、マーチャンダイジング力(キャッシュフローの充実度:PL)は、売上総利益と一般管理費及び販売費との関係をもとに判断し、A≧3%、B≧0%、C<0%とし、出店余力(自己資本の充実度:資産と資本)は、自己資本比率と出店にかかわる資産との関係をもとに判断し、A≧10%、B≧0%、C<0%とし、負債依存度(負債の軽減度:負債)は、長短借入金と総資本との関係をもとに判断し、A≦5%、B≦20%、C>20%とすることによって判断が可能ではないかと思う。こうなると、AAAからCCCまで27パターンに分けることができ、決算書の3つの帳票を丹念に読みこまなくても、この格付けだけでかなりの経営内容を判断できるのではないかと思う。ちょうど、いま、食品スーパーマーケット約50社の上場企業の中間決算が公表されはじめたので、今後は、この格付けを意識しながら、中身の分析を行い、来月下旬にはすべての上場食品スーパーマーケットの中間決算が出揃うと思うので、その時点で一覧表を作成し、各食品スーパーマーケットの経営の健全性を推し量ってみたいと思う。

(注)格付け基準は予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1250人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在520人)

October 25, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 24, 2008

アークス、2009年中間、増収増益、年商2,500億円へ!

   アークスが10/14、2009年2月期の中間決算を公表した。売上高1,271.32億円(105.6%)、営業利益46.14億円(104.5%:売上対比3.62%)、経常利益50.22億円(105.0%:売上対比3.95%)、当期純利益29.05億円(103.1%:売上対比2.28%)となる中間期としては7期連続の増収増益の堅調な決算となった。今期注目は何といっても、カインズとの業務提携による新店開発であったが、この6月に、北広島市の大型ショッピングセンター、インターヴィレッジ大曲の核テナントとして、スーパーアークス大曲店とともに、カインズホーム大曲店をオープンしており、今後の事業展開の新たな柱となる第1歩を踏み出したといえよう。また。アークスの今後の中核業態となるスーパーアークスも7月に函館市にスーパーアークス戸倉店、8月に旭川市にスーパーアークスウエスタン北彩都と2店舗を新規オープンしており、これで合計7店舗目となった。

   アークスは現在、主要な子会社9社、その他の子会社3社並びに関連会社1社の計14社で構成され、スーパーマーケット事業を主な事業としている。その主要10社はラルズが食料品を中心に衣料品及び住居関連商品を販売するスーパーマーケット、福原、ふじ、道東ラルズ、道北ラルズ、道南ラルズは食料品を中心としたスーパーマーケット、イワイが酒類等の小売、ライフポートが医薬品等の小売と写真機・写真材料の販売及び写真焼付業、エルディが住居関連商品を中心としたホームセンター、ふっくら工房がパンの製造販売である。これらを束ねるのが持株会社のアークスであり、今期はさらに、3月にホームストアを合併し、また、中央スーパーとの業務提携も行っており、より、連携強化に入っている。したがって、総店舗数もこの4月に中標津町にフクハラ中標津店の新規オープンを加え、173店舗となり、日本におけるトップクラスの食品スーパーマーケットチェーンとなった。

   また、今期は子会社各社が独自に展開していたポイントカードを、グループ統一の「アークスRARAカード」、「アークスRARAJCBカード」の2種類へ集約し、この強力な販促を武器に、通期は売上高2,530.00億円(104.8%)、営業利益82.50億円(101.4%:売上対比3.26%)、経常利益90.00億円(101.3%:売上対比3.55%)、当期純利益50.00億円(101.9%:売上対比1.97%)と増収増益を目指すという。特に、通期がこの予想どおりにいけば、年商2,500億円を突破することになり、店舗数だけでなく、年商規模も食品スーパーマーケットのトップクラスのチェーンストアとなる。

   ここで、この中間期のアークスのマーチャンダイジング力と出店余力を見てみたい。まず、マーチャンダイジング力であるが、原価は77.5%(昨年77.7%)と0.2ポイント下がった。資源・エネルギー高の厳しい値上げ環境の中で、原価を下げており、結果、売上総利益は22.5%(昨年22.3%)と0.2ポイント改善した。ただ、販売費及び一般管理費は18.9%(昨年18.6%)と0.3ポイント上昇したため、差し引き、マーチャンダイジング力=営業利益は3.6%(昨年3.7%)と0.1ポイントのダウンとなったが、売上が105.6%と堅調であったため、営業利益も104.5%と堅調な結果となった。

   これを受けて、キャッシュフローの流れであるが、営業活動によるキャッシュフロー(72.51億円)、投資活動によるキャッシュフロー(-22.14億円)、財務活動によるキャッシュフロー(-25.33億円)、資金25.04億円となり、順流のキャッシュフローである。営業活動によるキャッシュフローの範囲内で投資、財務活動のキャッシュフローを賄い、特に、財務活動によるキャッシュフローの中では長短借入金を返済している好循環である。投資対財務もほぼ1:1であり、今後、長短借入金がさらに削減されれば、より、投資活動へ振り向けることが可能となり、出店余力が大きく増すことになろう。
   
   その出店余力であるが、この中間期の自己資本比率57.9%(昨年55.9%)と上昇している。その要因は負債の主要項目である長短借入金等の合計が106.32億円(昨年144.40億円)と約40億円削減し、総資産の10.55%となったことが大きい。一方、資産の中の出店にかかわる資産である土地、建物、敷金・保証金の合計であるが、735.74億円(昨年722.28億円)であり、総資産の73.00%、1店舗当りでは4.25億円である。したがって、出店余力である自己資本比率との差は-15.91%であり、まだ、若干負債に依存する出店構造であるが、このまま好決算を維持できれば、数年後にはプラスに転じることも可能であり、今後、出店余力がさらに高まってくるものといえよう。
   
   このように、アークスの2009年2月期の中間決算が公表されたが、増収増益の堅調な決算となり、キャッシュフローの流れも確実に借入金を返済し、なおかつ、新規出店への投資もしっかり行うという典型的な順流であり、経営のバランスが絶妙であるといえよう。また、今後の主力業態、スーパーアークスも7店舗となり、今期はさらに、カインズとの業務提携後の新店がオープンするなど、次世代へ向けた戦略業態が軌道に乗りつつあり、今後、M&Aを含め、成長が期待できる体制が整いつつあるといえよう。アークスの今後の成長戦略、次の一手に注目である。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1250人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在520人)

October 24, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

October 23, 2008

ハローズ、2009年2月期中間、大幅増収増益、絶好調!

   広島のハローズが10/10、2009年2月期の中間決算を公表した。売上高312.03億円(110.2%)、営業利益11.26億円(117.0%:売上対比3.60%)、経常利益11.41億円(119.5%:売上対比3.65%)、当期純利益6.35億円(117.5%:売上対比2.03%)と、すべての指標が2桁の増収増益となる好決算となった。ハローズは現在、店舗タイプを300坪型(都市住宅地域)、450坪型、600坪型(郊外住宅地域)とし、いずれも24時間対応の食品スーパーマーケットを目指しており、最近ではNSC(近隣型ショッピングセンター)も展開するなど、新店開発にも積極的である。既存店は101.2%という伸びであるので、ここ最近の新店の貢献が大きく、売上高を大きく伸ばしたといえよう。現在、この6月に新規出店した、四国1号店となる丸亀店(香川県丸亀市:約600坪24時間)を含め、広島県19店舗、岡山県18店舗、香川県1店舗の計38店舗を展開している。

   また、すべての段階で2桁の利益となったが、その要因を原価、経費の面から見てみると、売上原価は76.9%(昨年77.0%)、0.1ポイント改善し、売上総利益23.1%(昨年23.0%)と0.1ポイント改善した。一方、販売費及び一般管理費は22.0%(昨年21.9%)、0.1ポイント上昇したが、差し引き、マーチャンダイジング力は1.1%(昨年1.1%)と昨年と同様の数字となった。これに、不動産収入、物流収入等の営業収入2.5%(昨年2.3%)と0.2ポイントが上乗せされ、結果、営業利益3.6%(昨年3.4%)と0.2ポイント改善したことが、売上の上昇と相まって、利益を大きくの伸ばした要因といえよう。経費の上昇を原価の改善で補い、さらに、NSC等の積極出店により、不動産収入等の営業収入を増し、営業利益を引きあげたといえる。特に、原価改善には、ハローズのPB、ハローズセレクションが6.9%(昨年6.0%)と、0.9ポイント伸びたことも大きかったといえよう。

   ただ、この好調な決算にもかかわらず、気になるのは自己資本比率である。今期のハローズの自己資本比率は34.2%(昨年39.7%)となり、ここ数年間で最も低い数字となった。その要因は、出店にかかわる資産である土地、建物、差入敷金保証金の合計159.90億円(昨年141.50億円)と、総資産の58.06%となり、1店舗当たり、全38店舗で割ると4.20億円と低く抑えてはいるが、積極的な新店展開で増加気味となっている。その結果、自己資本比率34.2%では賄えず、これを負債の主要項目である長短借入金で補う構造となっており、今期の数字は、54.58億円(昨年48.68億円)と総資産の19.82%を占めており、ほぼ、この負債を足すとバランスがとれる構造であり、借入に依存する出店構造となっていることである。

   ハローズは現在ROA(総資産経常利益率)の向上を経営目標の最重点項目にすえ、ROA=売上高経常利益率×総資本回転率の関係式から、売上高経常利益率の向上をはかるためには、高収益商品の開発、情報システム及び物流システムの改革並びに固定費の削減に取り組んでおり、その目標は4.0%である。また、総資本回転率の効率化を目指し、用地の取得形態を賃借物件3に対し、取得物件1の割合を基準とし、賃貸比率を上げ、設備投資を極力抑え、総資産回転率3.0回を目指している。実際の数字を見ると、総資産275.37億円、純資産94.20億円、年間売上高予想630.00億円、経常利益高予想20.70億円であるので、売上高経常利益率3.2%、総資本回転率2.28回転となり、目標にはまだ少し遠いのが現状であり、今後、目標ROA12%を目指し、さらに、経営改革が必要といえよう。

   ハローズはROAの分解を売上高経常利益率×総資本回転率としているが、実は、ROAは、ROA=自己資本比率×ROE(株主資本経常利益率)という分解式もあり、この分解式で見ると、現状の自己資本比率は34.2%、ROEは21.9%であるので、最大の問題は自己資本比率にあるといえる。日本の優良食品スーパーマーケットの自己資本比率は優に60%を超えるので、仮に、ハローズの自己資本比率が60%となれば、ROEは約20%であるので、その瞬間にROAは目標の12%になる。したがって、この式から見る限り、ハローズのROAが目標に届かない原因は自己資本比率の低さにあるといえ、今後、この好調な決算をもとに、いかに自己資本比率を引き上げるかが経営課題といえよう。

   そして、そのキーとなるのが、キャッシュフローといえ、今期のハローズのキャッシュフローの流れは、営業活動によるキャッシュフロー(59.62億円)、投資活動によるキャッシュフロー(-23.54億円)、財務活動によるキャッシュフロー(-9.84億円)、資金26.24億円となり、投資対財務がほぼ2対1の割合で投資優先、すなわち、新店開発に重点がおかれ、財務、特に、長短借入金等、負債の削減の比重を低く抑える構造となっている。したがって、成長性を優先するか、財務の健全性を優先するか、難しい経営判断ではあるが、ROA12%を経営目標とするのであれば、もう少し、自己資本比率を引きあげるキャッシュフローの流れをつくる必要があるように思える。

   これを受けて、ハローズの通期予想であるが、売上高630.00億円(110.5%)、営業利益21.10億円(103.2%:売上対比3.34)、経常利益20.70億円(102.3%:売上対比3.28%)、当期純利益11.60億円(102.0%:売上対比1.84%)と、この中間決算時よりは利益の伸びが抑制されてはいるが、増収増益の好決算の予想である。今後、ハローズがこの好決算を活かし、経営目標のROA12%を目指し、自己資本比率の向上にどのように取り組んでゆくのかに注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1250人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在520人)

October 23, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 22, 2008

ベルク、2009年2月期中間、増収増益、絶好調、CF潮目!

   ベルクが10/9、2009年2月期の中間決算を公表した。売上高496.10億円(111.8%)、営業利益23.38億円(116.6%:売上対比4.71%)、 経常利益24.21億円(116.6%:売上対比4.88%)、当期純利益13.73億円(125.0%:売上対比2.76%)と2桁の増収増益となる好決算となった。売上も、利益もすべての段階で2桁増の増収増益であり、絶好調といえよう。今期ベルクは新店として、幸手北店(6月、埼玉県幸手市)、上里SC店(7月、埼玉県児玉郡上里町)の2店舗を出店しており、現在56店舗となった。これに加え、昨年の中間期は51店舗であったので、差引、昨年と比べ5店舗増加しているのが大きく売上を伸ばした要因といえよう。既存店は101.9%であるので、新店の効果が極めて大きかったといえる。一般に食品スーパーマーケットの成長を支える最大の要因は新店開発にあり、既存店のみでは数%までは可能であるが、2桁増を達成するには少なくとも新店を10%、ベルクでは5店舗は必要といえ、今回、まさにベルクではこれを実証する結果になったといえよう。

   その新店を安定的に出店してゆくためには、キャッシュフローを増大させ、その流れをよくし、財務体質を改善する必要がある。そこで、ベルクの今期の状況を見てみると、まず、キャッシュフローであるが、営業キャッシュフローは36.20億円(昨年26.66億円)と何と10億円も増加していることが大きい。その最大のキャッシュは当期純利益であり、増収増益の増益効果が絶大といえよう。当期純利益を増加させるには、当然、大本の原価、経費をいかに抑えるか、すなわち、マーチャンダイジング力の強化にあるが、ベルクの今期の売上原価は74.5%(昨年74.4%)と、この値上げ攻勢が厳しい経営環境の中で0.1ポイントの増加にとどめており、そして、この0.1ポイントの増加を販売費及び一般管理費24.6%(昨年24.7%)の0.1ポイントの削減で補ったことが大きかったといえよう。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は昨年同様0.9%(昨年0.9%)となり、これに、不動産等の営業収入が3.8%(昨年3.6%)と0.2ポイント上昇し、営業利益を4.7%(昨年4.5%)と0.2ポイント増加させたことが大きかったといえよう。

    営業キャッシュフローの大本はこのマーチャンダイジング力と営業収入にあり、この2点をいかに増加させるかが食品スーパーマーケットにとってはすべてであるといえる。今期のベルクはマーチャンダイジング力をトントンにもってゆき、営業収入を増加させ、営業キャッシュフローを増加させた決算であったといえる。そして、この営業キャッシュフローの範囲内で、今期の新規出店の投資を行い、投資キャッシュフローは(-17.12億円)のマイナスとなり、さらに、その余剰キャッシュフローで、財務活動によるキャッシュフロー(-15.43億円)を相殺し、資金3.54億円をプラスにしている。投資キャッシュフローと財務キャッシュフローがちょうど1:1の割合であるが、これが、2:1ぐらいまで財務改善が進むと、さらに出店余力が高まり、高成長が可能になるといえよう。

   ただ、今期のベルクのキャッシュフローは、100%順流の善循環であり、このようなキャッシュの流れはここ数年見られなかった動きであり、この中間決算はベルクにとって潮目が変わったといえるキャッシュの流れである。あとは、さらに出店余力を高めるために、財務体質をいかに改善するかであるが、ベルクの自己資本比率は現在52.4%(昨年52.7%)であり、長短借入金等の合計が108.06億円(昨年107.32億円)と、総資産の21.16%あり、これが、出店にかかわる資産である土地・建物・差入保証金の合計372.99億円(昨年352.46億円)と、総資産の73.06%とちょうど一致しており、新規出店を行うには、約30%借り入れに依存する状況であり、この部分の負担を好調なキャッシュフローでどこまで圧縮するかが課題といえよう。自己資本比率が借入の返済により、60%を超えてくると、格段と出店余力が増すので、ベルクにとっては、この数年が財務体質を改善するチャンスといえよう。

   これを受けて、ベルクの通期の予想であるが、売上高998.45億円(109.9%)、営業利益42.86億円(104.9%:売上対比4.29%)、 経常利益44.56億円(105.6%:売上対比4.46%)、当期純利益23.84億円(105.7%:売上対比2.38%)と中間決算ほどではないが、増収増益の好決算を予想している。特に、売上が創業以来、1,000億円を超えることが目前に迫っており、後期もベスタ東鷲宮店(10月、埼玉県北葛飾郡鷲宮町)、伊勢崎スマーク店(11月、群馬県伊勢崎市)の2店舗を新規出店し、店舗数は58店舗となるが、次の新規出店が年商1,000億円を確実にする新店になるといえよう。

   このようにベルクの2009年2月期の中間決算は大幅な増収増益の好決算となり、キャッシュフローもここ数年では抜群の流れであり、健全な順流となった。来期は、いよいよ、年商1,000億円が視野に入ったといえ、今後、今期の好決算をもとに、財務改善が一層進めば、出店余力がさらに高まり、自己資本の範囲内での安定した成長戦略を実現することが可能となる。来期、年商1,000億円突破が確実となったベルクの今後の成長戦略に注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1250人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在520人)

October 22, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 21, 2008

サンエー、2009年2月期中間、増収減益、新店に課題?

   沖縄のサンエーが10/7、2009年2月期の中間決算を公表した。営業収益659.93億円(102.5%)、営業利益45.77億円(99.3%:営業収益比6.93%)、経常利益46.67億円(99.5%:営業収益比7.07%)、当期純利益27.64億円(105.9%:営業収益比4.18%)と、増収ではあったが、営業利益、経常利益ともにわずかではあるが、減益となる厳しい決算となった。サンエーは現在、衣料品・住居関連用品・食料品を全て取り扱う「総合店舗」を20 店舗、衣料品・住居関連用品を取り扱う「衣料・住関店舗」を2店舗、食料品・住居関連用品を取り扱う「食品店舗」を37 店舗、「ドラッグストア」、「外食店舗」を16 店舗、ビジネスホテル1軒、ペンション1軒を展開し、合計76店舗を展開している。純粋な食品スーパーマーケットというよりも、総合小売業を目指した企業戦略をとっているのが特徴である。

   今期減益になった要因を見てみると、原価が70.1%(昨年69.8%)となり、昨年と比べ0.3ポイント上昇しており、資源・エネルギー高の影響が大きかったといえる。したがって、売上総利益29.9%(昨年30.2%)となり、粗利も0.3ポイントダウンした。一方、販売費及び一般管理費であるが、25.7%(昨年25.7%)と昨年と同じ数字となり、結果、マーチャンダイジング力は4.2%(昨年4.5%)と0.3ポイント下がっており、商品売買から得られる利益が下がった分を経費の削減でカバーできず、マーチャンダイジング力が下がったことが大きかったといえよう。これに、不動産収入等の営業収入が2.9%(昨年2.9%)加わり、差し引き、営業利益7.1%(昨年7.4%)と原価上昇分の0.3ポイントをカバーできず、減益となる決算となった。本来であれば、原価の上昇分を経費か、不動産等の営業収入でカバーしたいところであろうが、今期は、どちらも昨年同様の数字となり、そっくり、原価上昇分が経営に重くのしかかった構図である。

   ただ、通期予想は営業収益1,307.63億円(102.5%)、営業利益86.54億円(101.6%:営業収益比6.61%)、経常利益88.03億円(100.4%:営業収益比6.73%)、当期純利益52.81億円(104.9%:営業収益比4.03%)とわずかではあるが、増収増益予想であり、この中間期の減収を挽回する予想であり、どこまで数字改善ができるか期待したいところである。特に、10 月に「ジョイフル宮古店」(沖縄県宮古島市)を出店し、11 月に「経塚シティ」(沖縄県浦添市)を出店する予定であり、後期はこの2店舗の新店が売上を後押しし、売上は堅調な数字となろう。ただ、利益に関しては、アメリカ発の金融不安が実物経済に影響を与え始めており、消費の不透明感がぬぐえず、予断を許さない状況が続くといえよう。

   サンエーは今期もそうであるが、食品スーパーマーケット業界屈指の営業利益率を誇る食品スーパーマーケットであり、その数字は営業収益比6.93%と7%近い数字である。先ほどマーチャンダイジング力(4.2%)を見たように、その要因は経費が低いわけではなく、粗利率の高さと安定した営業収入が支えていることであることがわかる。その粗利率であるが、現在、サンエーの商品別の昨対数字、売上構成比、推定粗利を見ると、衣料品96.3%(売上構成比11.7%、推定売買差益約35%)、住居関連用品101.3%(売上構成比27.4%、推定売買差益約25%)、食品104.8%(売上構成比56.2%、推定売買差益約27%)、外食及びホテル99.8%(売上構成比4.5%、推定売買差益約65%)という状況であり、ここから相乗積を計算すると、相乗積(粗利構成比)は、衣料品4.0%、住居関連用品6.8%、食品15.0%、外食及びホテル2.9%となる。したがって、通常の食品スーパーマーケットと比べ、異常に外食及びホテルの粗利貢献度が高く、何と2.9%、約3%もあることがわかる。これに、営業収入の2.9%、約3%が加わることにより、食品スーパーマーケットの扱い商品以外で約6%がプラスとなるという特異な収益構造となっていることがわかる。これが、サンエーの業界屈指の営業利益を稼ぎ出している要因といえ、その意味で、独特な収益構造をもつ食品スーパーマーケットといえよう。

   一方、ここで、サンエーの出店余力を見てみると、自己資本比率は60.6%(昨年64.7%)であり、昨年より、下がっていることが気になるが、食品スーパーマーケットとしては抜群の安定度である。これは、長短借入金等の合計がわずか32.73億円(昨年44.85億円)と、総資産の3.96%しかなく、しかも、出店にかかわる資産である土地・建物・長期借入保証金の合計が405.93億円(昨年383.34億円)と、総資産の49.2%、1店舗当たり5.34億円と低いことによる。したがって、自己資本比率から出店にかかわる資産を引いた出店余力は11.4%と自己資本の範囲内での出店が可能な財務構造となっており、堅固な財務体質である。また、キャッシュフローも、営業活動によるキャッシュフロー(116.27億円)、投資活動によるキャッシュフロー(-17.94億円)、財務活動によるキャッシュフロ-(-10.94億円)、資金87.39億円と、この中間決算期は、期末が金融機関の休業日となり仕入債務等89.29億円の支払が翌月に繰越されたことにより、資金が膨らんでいるが、順流となっており、しかも、財務キャッシュフローでは長期借入金の返済による支出5.18 億円と配当金の支払額5.40億円とバランスのよい支出となっている。

   このように、今期のサンエーの中間決算は増収減益とやや厳しい決算とはなったが、マーチャンダイジング力、出店余力、キャッシュフローの流れ、ともに良い数字であり、安定した経営であるといえよう。ただ、やや、経営が安定しすぎ、新規出店余力があるにもかかわらず、出店が思うように進んでいないきらいがあり、今後、全店舗数が現在76店舗であるので、年間5店舗ぐらいいの新規出店が欲しいところである。今後のサンエーがどのような出店戦略を打ち出すかに注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1250人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在520人)

October 21, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 20, 2008

イズミヤ、2008年2月期中間決算、微増収減益!

   大阪、イズミヤが2008年2月期の中間決算を10/8、公表した。営業収益1,898.84億円(100.5 %)、営業利益32.81億円(89.3%:営業収益比1.72%)、経常利益27.41億円(90.2%:営業収益比1.44%)、当期純利益10.36億円(115.0%:営業収益比0.54%)と微増収減益の厳しい決算となった。特に、今期の新店は、イズミヤの戦略業態、スーパーセンター6号店となる紀伊川辺店(和歌山県)を4月に開店したのみであり、新店1店舗では全86店舗を押し上げることは難しく、営業収益が微増にとどまったといえよう。イズミヤ規模のチェーンストアの場合は、年間5店舗前後の新規出店、半期では3店舗前後を安定的に出店してゆくことが課題といえ、半期、スーパーセンター1店舗では成長を維持するのはかなり難しい状況である。ちなみに、後期も11月にGMS業態の西宮ガーデンズ店(兵庫県)の1店舗のみの予定であり、安定成長を維持するには難しい状況である。通期予想も、営業収益3,860.00億円(101.3 %)、営業利益72.00億円(106.0%:営業収益比1.86%)、経常利益60.00億円(108.1%:営業収益比1.55%)、当期純利益22.00億円(109.4%:営業収益比0.56%)と、増収増益予想ではあるが、営業収益は101.3%と微増の予想である。

   イズミヤが105%から110%の安定成長が難しい要因は財務状況にあるといえる。この中間決算時の自己資本比率は40.7%(昨年40.5%)であるが、負債の主要項目である長短借入金等の合計が971.95億円(昨年978.44億円)と、総資産2,618.84億円の37.1%を占め、借入依存度が高いことである。したがって、現在の出店にかかわる資産である土地、建物、敷金及び保証金の合計1,802.12億円(昨年1,833.76億円)であるが、これは、総資産の68.8%に及び、自己資本比率40.7%の範囲内では収まらず、借入金の大半に依存する構造となっているためである。これに加え、イズミヤは、スーパーセンターを戦略業態として定め、GMSも依然として主力業態であることから、1店舗当たりの出店にかかわる資産は20.95億円と、通常の食品スーパーマーケットの4億円前後と比べると5倍以上の多額の資産を必要とするため、新規出店が容易にできる状況ではないのが現状である。

   実際、この中間期のキャッシュフローの状況を見ても、営業活動によるキャッシュフロー(125.19億円)、投資活動によるキャッシュフロー(-23.77億円)、財務活動によるキャッシュフロー(-75.32億円)、差し引き、資金(26.1億円)とキャッシュフローは投資キャッシュフローを営業キャッシュフローの範囲内で行い、さらに、財務キャッシュフィウローのマイナスをカバーする順流とはなっているが、思うように、投資キャッシュフローに資金を投入できないのが現状である。財務キャッシュフローの比率が営業キャッシュフローの約60%となるが、その中身は長期借入金の返済による支出180.67億円、社債の償還による支出5.85億円、配当金の支払額5.11億円となり、この合計はすでに、営業キャッシュフローの125.19億円を超え、結果、新たな社債発行、長期借入等を行い、資金調達せざるをえず、投資キャッシュフローに十分な資金を投入できない財務構造になっている状況である。

   したがって、出店余力が十分でなく、結果、年間数店舗が現在の財務状況では限度であり、安定成長を維持するのが難しい状況にあるといえよう。今後、イズミヤが安定成長を図ってゆくには、マーチャンダイジング力を強化し、営業キャッシュフローをいかに増加させるかがすべてといえよう。そこで、この中間決算時のマーチャンダイジング力を見てみると、原価が70.2%(昨年69.8%)と0.4ポイントと大きく上昇しており、結果、売上総利益は29.8%(昨年30.2%)となった。ここから、販売費及び一般管理費を引いたものがマーチャンダイジング力であるが、今期の販売費及び一般管理費は30.8%(昨年31.0%)と0.2ポイント改善しており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-1.0%(昨年-0.8%)と0.2ポイント下がり、マイナス1.0%となった。これに営業収入2.8%(昨年2.8%)が加わり、営業利益は1.8%(昨年2.0%)とプラスにはなったが、マーチャンダイジング力がマイナスとなっており、ここが、経営上は大きな課題といえよう。イズミヤはスーパーセンター、GMSが主力業態であるため、マーチャンダイジング力はマイナスになりがちではあるが、営業キャッシュフローを生み出すには、この数字をいかにプラスに近づけるか、あるいは、逆に、思い切って、営業収入をイオン並みに10%にまでもっていってしまうかを選択せざるをえないといえよう。

   ちなみに、今期は原価が0.4ポイント上昇したが、現在、イズミヤはPBに力を入れており、開発商品の売上高は148億円(昨年131%)となり、全体の売上高に占める構成比は9.9%(昨年7.5%)となった。特に、「good-i」は、食料品、衣料品、住居関連品を合わせた取り扱い品目数の合計が1,584品目(昨年1,465品目)となり、売上高は130億円(昨年比125%)となり、全体の売上高に占める構成比は8.8%(昨年度6.9%)と飛躍的に伸びている。これが、全体売上の15%から20%になれば、インパクトがでてくるので、今後、原価改善がどこまで進むかに注目といえよう。

   このように、イズミヤの2008年2月期の中間決算が公表されたが、売上が伸び悩み、利益は減益となる厳しい決算となった。現在、イズミヤは戦略業態として、スーパーセンターに経営資源をシフトし、6店舗までになったが、全86店舗の中では約7%であり、まだ、経営全体に大きなインパクトを与えるまでにはなっていない状況といえる。ただ、そろそろ、スーパーセンターのイズミヤにおける経営への貢献度が明確になりつつあると思うので、今後、スーパーセンターをウォルマートのように主力業態に据えられるかどうかの経営判断が問われるといえよう。今後のイズミヤのスーパーセンターの動向に注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1250人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在520人)

October 20, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 19, 2008

食品スーパーマーケット、今週の株価情報、やや戻す!

   日銀の株が下がり続けている。10/17現在、74,300円であり、ここ最近、右片下がりの状況である。日銀の株価は昨年10月頃は170,000円前後で推移していたが、その後、株価は下がり、今年に入り、130,000円前後となり、7月に入り、株価は一旦140,000円まで上げたが、そこから、ほぼ、この10月まで右下がりにおちはじめ、この9月にはととう100,000円を割り、さらに株価は下げ続けた。そして、10/8には年初来最安値となる70,000円を付けた。その後、一進一退を繰り返し、10/17現在74,300円をつけてはいるが、株価は明らかにダウントレンドである。日銀の発行株式数は1,000,000株であるので、現在の時価総額は743億円であり、昨年10月頃の1,700億円と比べると1,000億円の時価総額がとんだことになる。

   日本の中央銀行、日銀がこのような厳しい株価である中、今週の食品スーパーマーケット各社の株価の状況を見てみたい。ここ最近、アメリカの株価も乱高下を繰り返しており、日本もそれに歩調を合わせるように、乱高下を繰り返している。そこで、今週の株価ということで、5日移動平均をもとに、食品スーパーマーケット約50社の動向を見てみたい。まず、上昇率ベスト5であるが、イズミヤ(9.88%)、フジ(8.92%)、オークワ(8.55%)、ライフコーポレーション(7.55%)、CFS(7.01%)である。

   No.1のイズミヤは10/17現在、556円(+61円、+12.32%)という急上昇である。10/10に年初来最安値の451円を付けて以来、株価はほぼ右上がりで推移している。イズミヤノ株価は9月中旬までは630円前で推移していたが、その後、株価は急落、年初来安値の10/10の451円まで急激に株を下げていった。その反動での反転といえ、ここ数字は、10/16を除き、毎日約10%づつ上昇しており、来週以降、株価が気になるところである。No.2はフジであるが、フジもイズミヤによく似た動きであり、ここ数日、急激に株価を上げている。10/17現在1,599円(+138円、+9.44%)と10%近い上昇率であり、10/10、上場来最安値の1,202円を付けて以来、株価は反転して上昇に転じており、まさに、イズミヤとほぼ同じ軌道を描いている。No.3はオークワであり、10/17現在1,408円(+172円、+13.91%)と大幅な上昇である。ただ、イズミヤ、フジとは傾向が違い、ここ数日、乱高下を繰り返しているのが特徴である。

   No.4はライフコーポレーションであり、10/17現在、1,800円(+76円、+4.40%)と大幅な上昇ではないが、堅調な伸びである。ライフコーポレーションのここ最近の株価は9月下旬頃までは右上がりの傾向で上昇し、一時は1,800円を超える勢いであったが、その後、株価は下落しはじめ、10/10、1,500円まで株価は下がった。年初来最安値が1/7の1,340円であり、そこまでは下がらなかったが、1,800円と比べると大きな下げであるといえよう。その後、株価は反転し、1,800円まで戻し、来週以降、株価がどこまで上昇するか気になるところである。そして、No.5のCFSであるが、10/17現在、610円(+21円、+3.56%)であり、小幅な伸びである。CFSの株価はここ最近では、700円を超える株価水準の時もあり、まずは、この700円がひとつの目標といえよう。CFSはこの10/3にイオンからの代表取締役が就任しており、CFSの石田社長と2頭体制になり、いよいよ、イオン主導の経営体制が本格化することになる。イオンは先の6/11にCFSの株式を600円で2,470,000株を14億8,200万円で取得しており、ここ最近株価が低迷し、一時は500円近辺まで下げていたが、10/17現在、610円まで回復し、今後経営改革を早め、業績の向上をはかり、株価の上昇につなげたいところであろう。

   このベスト5以外に、今週の上昇率の高い食品スーパーマーケットの株価を見てみると、大黒天物産(6.66%)、ハローズ(5.70%)、Olympic(5.64%)、カスミ(5.62%)、マックスバリュ東海(5.44%)、サンエー(4.77%)、オオゼキ(4.72%)、スーパーバリュー(4.72%)、マックスバリュ中部(4.42%)、平和堂(3.60%)、イオン北海道(3.51%)、ヤオコー(3.40%)、ベルク(3.21%)、原信ナルスホールディングス(3.07%)、マミーマート(2.84%)、バロー(2.64%)、ジョイス(2.44%)、丸久(2.28%)、エコス(2.18%)、相鉄ローゼン(2.12%)、ヤマザワ(1.80%)、マルエツ(1.68%)、マックスバリュ北海道(1.66%)、マックすバリュ西日本(1.43%)、いなげや(1.41%)、九九プラス(0.33%)、ダイイチ(0.18%)、イオン九州(0.15%)と、以上が0.00%以上5日移動平均が上昇した食品スーパーマーケットである。

   これに対し、10/17現在、5日移動平均がマイナスとなった食品スーパーマーケットはアークランドサカモト(-4.83%)、PLANT(-3.88%)、マルヨシセンター(-3.84%)、マルヤ(-1.83%)、天満屋ストア(-1.54%)、ユニバース(-1.05%)、イズミ(-0.29%)、マックスバリュ東北(-0.18%)、関西スーパー(-0.12%)である。こう見ると純粋な食品スーパーマーケットよりも、ホームセンターに近い、アークランドサカモト、PLANやGMS、SC近いイズミがマイナスとなっており、食品スーパーマーケットのマイナス企業は意外に少ないのが特徴である。

   このように、10/17現在の食品スーパーマーケットの株を5日移動平均をもとに見てみたが、マイナスの食品スーパーマーケットはほとんどなく、大部分がプラスに転じているのが特徴である。ただ、アメリカの金融不安はまだまだおさまる気配はなく、日銀の株価動向を見ても厳しいものがあり、当面、落ち着かない株価が続くものといえよう。来週以降も食品スーパーマーケットの株価の動向には注目である。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1248人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 19, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 18, 2008

不動産に何が、食品スーパーマーケットは大丈夫か?

   10/17、事務所に届く日経新聞に異常な枚数のちらしが入った。普段はこんなに枚数が多いことはないが、金曜日でもあるせいか、びっくりである。中身を見て、さらにびっくり、そのほとんどが不動産関連のちらしであった。以下、順不動に見てみると、三菱地所、中央商事(西早稲田、3LDK 7,820万円から)、三菱地所リアルエステートサービス、三井不動産(飛鳥山、モデルルーム)、大京(鷺ノ宮、モデルルーム)、三菱地所、藤和不動産、三菱リアルエステートサービス(本郷、モデルルーム)、三菱地所(白山、3LDK 5,520万円から)、住友不動産、阪急不動産(豊洲、3LDK5,880万円から)、野村不動産(志村、モデルルーム)、大京(志村、3LDK 3,200万円から)、東京建物(巣鴨、モデルルーム)、住友商事(駒込、3LDK 5,900万円から)、中央商事、三井不動産レジデンシャル、野村不動産アーバンネット(3LDK 6,600万円から)、扶桑レクセル(日暮里、3LDK 5300万円から)、三井不動産レジデンシャル、リスト(池袋、2LDK 6,070から)、へーベルハウス、住友林業、積水ハウス、三井ホーム(王子、モデルルーム)、アドバンコーポレーション(大塚、オープンハウス)、東急リバブル(売却不動産募集)、住友不動産(リフォーム)となり、全部で17枚である。

    アメリカのサブプライムローンの崩壊による金融不安が、日本の不動産事業に影響が及んでいるということは聞いていたが、この不動産のちらしは、どう見ても異常である。こんなに身近にアメリカ発の金融不安の日本への影響が肌で感じられるようになったとは驚きである。実際、この10月に入って、不動産関連の大型倒産が増えていのを見ても、金融よりも、その大口の借り手である不動産から影響が出始めているといえよう。帝国データバンクの公表データによれば、10月度の不動産関連の大型倒産は、セラヴィホールディングス(10/17、商業不動産、負債約30億円)、イトシロ(10/16、不動産、約33億円)、ニューシティ・レジデンス(10/9、不動産投資、負債約1,123億)、エルクリエイト(10/2、マンション開発分譲、負債約60億円)、アー・スリー(10/2、不動産、負債約46億円)と5件に上っている。特に、食品スーパーマーケットとも関係が深いと思われるのは、商業不動産のセラヴィホールディングスや、J-REIT初の倒産となった上場企業、ニューシティ・レジデンスなどがあげられよう。

   食品スーパーマーケットはここ最近NSC化による不動産との関係、また、SC(ショッピングセンター)へのテナント出店や大手は自ら経営することもあるが、今回の金融不安の動きはこれら運営主体がいきなり、金融の貸し渋りに合い、資金ショートに陥り、黒字倒産することもあるということを示している。特に、SC関連に出店戦略の比重を移しすぎることは、ここしばらくは危険な状況といえ、細心の注意が必要な状況になったといえよう。そうでなくとも、消費者の節約志向が強まり、大型SCへの来店回数が減りつつあり、地方のSCは苦しい状況が続いており、今後、ますます、その傾向は強まるといえよう。結果論であるが、街づくり3法の成立施行は、その意味では時流を先取りした動きといえ、経済産業省、国土交通省等の行政主導ではあるが、今後、コンパクトシティづくりが、まさに重要な商業の活性化策となる可能性が高まってきたといえよう。食品スーパーマーケットとしては、コンパクトシティにあった店舗開発、NSC(近隣型ショッピングセンター)づくりが、ますます重要な出店戦略となろう。

   さて、不動産がなぜ、急に倒産してしまうのかを、先の大型倒産の中で、ニューシティ・レジデンスの事例を見てみたい。ニューシティ・レジデンスは2008年2月期の本決算時では営業収益62.52億円(109.1%)、営業利益32.34億円(108.6%)、経常利益24.56億円(111.7%)、当期純利益24.53億円(111.7%)と増収増益の好調な決算であった。自己資本比率も43.5%であり、各社の格付けを見てもムーディーズ・インべスターズA2(安定的)、R&I A+(安定的)と、数字をみる限り、問題がないように見える。

   ただ、この時期、ニューシティ・レジデンスの主力商品のJ-REIT市況は外国人投資家を中心に売圧力がかかり、投資口価格は大幅な下落に見舞われており、市場再編も激しく起こっている状況であった。ニューシティ・レジデンスは先ほど見たように、決算数字は好調であるが、不動産特有の資産構造であり、総資産は何と2,027.43億円と巨額であり、自己資本比率が43.5%であるので、純資産が881.93億円、負債が1,145.49億円と巨額な額となる。この内、長短借入金が1,111.95億円とそのほとんどを占めている。したがって、成長のための新たな不動産取得の原資を生み出すには、借入に大きく依存する構造となっている状況である。今回、ニューシティ・レジデンスが公表した民事再生法申請の理由は、「今月(10月)末までに取得予定の資産の決済及び今月返済期限の到来する借入金についての調達の目途がたたない状況となったため」であるとしており、いわゆる資金ショートによる黒字倒産である。

   このように、このニューシティ・レジデンスの事例を見ても、資産を多額の借入金で賄っている財務構造の場合は、ひとたび、市況が悪化し、資産の価値が急減し、金融不安による貸し渋りが起こると、決算上は黒字でも、資金ショートによる倒産ということが、突然起こることを示す典型的な事例といえよう。したがって、食品スーパーマーケットにおいても、資産が大きく、自己資本比率が低く、借入依存度の高い財務体質の企業は、現在、資金ショートを起こしかねない状況にあるといえ、構造改革が急務であるといえよう。食品スーパーマーケット業界は、いま、まさに中間決算の公表ラッシュとなっているが、増収増益で安心するのではなく、財務面からのチェックが今期は特に重要な課題といえよう。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1248人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 18, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 17, 2008

ライフコーポレーション、2009年2月期中間、増収増益!

    ライフコーポレーションが10/14、2009年2月期の中間決算を公表した。その結果は、営業収益2,301.63億円(106.1%)、営業利益55.62億円(115.4%:営業収益比2.41%)、経常利益53.99億円(118.6%:営業収益比2.34%)、当期純利益28.87億円(125.3%:営業収益比1.25%)と、増収増益、特に、利益は2桁以上の大幅な伸びとなる好決算であった。既存店の数字も103.5%(客数102.2%、客単価101.3%)と堅調であり、しかも、客数、客単価双方が伸びるという好調さであり、消費環境が厳しいなか、逆に、食品スーパーマーケットのトップクラスの企業であるライフコーポレーションに内食需要という追い風が吹いたといえよう。

    まず、増収の要因であるが、この3月に今津駅前店(兵庫県)、毛馬店(大阪府)、4月に三国橋店(大阪府)、西九条店(大阪府)、6月に調布仙川店(東京都)、7月に江北駅前店(東京都)と6店舗を新規出店したことが大きいといえよう。ライフコーポレーンはこの6店舗を加え、東西合計で201店舗となり、とうとう、200店舗の大台を超え、今後、250店舗ヘ向けて、さらに成長を目指すという。ちなみに、ライフコーポレーションは首都圏では東京都51店舗、埼玉県14店舗、千葉県10店舗、神奈川県16店舗の91店舗、近畿圏では大阪府84店舗、兵庫県10店舗、奈良県6店舗、京都府10店舗の110店舗と合計201店舗となる。首都圏、近畿圏ほぼ半分づつの展開といえ、東西のバランスがとれた展開である。ライフコーポレーションの商品構成比であるが、生鮮食品28.4%、一般食品50.4%、生活関連用品8.9%、衣料品7.3%、その他2.5%、営業収入2.5%であり、GMSが不振となっている衣料品の構成比が7.3%であり、好調な食品に特化した商品構成比となっていることも売上に寄与した要因といえよう。

    次に、原価、経費構造であるが、ライフコーポレーションの今期の原価は73.8%(昨年74.0%)となり、メーカーからの値上げ攻勢が厳しい中、0.2ポイント下がっており、結果、売上総利益は26.2%(昨年26.0%)と改善した。一方、販売費及び一般管理費であるが、26.3%(昨年26.3%)と昨年並みに抑えたことにより、差し引き、マーチャンダイジング力は-0.1%(昨年-0.3%)と0.2ポイント改善した。ただ、まだ、粗利で経費を賄うことはできず、食品スーパーマーケットとしては課題が残るといえよう。優良食品スーパーマーケットはこのマーチャンダイジング力が4%前後あるので、今後、いかに原価を改善し、経費比率を落とせるかが課題といえよう。そして、これに、不動産収入等の営業収入が2.6%(昨年2.6%)乗り、結果、営業利益が2.5%(昨年2.3%)となり、0.2ポイントの改善となり、大幅な増益となった。

   これを受けて、通期予想であるが、営業収益4,600.00億円(104.6%)、営業利益105.00億円(100.6%:営業収益比2.28%)、経常利益98.00億円(100.6%:営業収益比2.13%)、当期純利益50.00億円(116.9%:営業収益比1.08%)と予想しており、増収増益予想ではあるが、この中間決算と比べると、営業、経常利益はやや厳しい数字を予想している。
   
   このライフコーポレーションの中間決算を見ると、増収増益の好決算ではあったが、好調な増益に比べ、増収幅がやや伸び悩んだ。実際、既存店の伸びに大きく支えられたことが大きく、通期予想を見ると営業収益は104.6%と若干伸び悩む想定である。その最大の要因は、現状のライフコーポレーンが新店戦略を思い切って実施してゆくには、まだ財務的な不安定さがあるためであるといえる。今期の自己資本比率を見ると、わずか22.0%(昨年23.5%)と、昨年と比べ1.5ポイント下がっており、厳しい状況である。ライフコーポレーションの出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計は975.46億円(昨年971.499億円)であり、総資産1,807.68億円の53.96%、1店舗当たりでは4.85億円となる。したがって、自己資本の範囲内で新規出店を行うには限度があり、負債に依存せざるをえない状況である。そのライフコーポレーションの現在の長短借入金の合計は640.58億円(昨年660.45億円)であり、これは総資産の35.43%となり、ちょうど自己資本の22.0%を足すと、57.43%となり、出店にかかわる資産とぴったり一致する。今後ライフコーポレーションが安定成長を行ってゆくには、思い切った財務改善が必要といえ、この改善がすむまでは当面、低成長に甘じざるをえない状況が続くと思われる。
   
   ただ、キャッシュフローの流れは営業キャッシュフロー(329.21億円:昨年106.79億円)、投資キャッシュフロー(-67.28億円:昨年-37.64億円)、財務キャッシュフロー(-31.48億円:昨年-50.88億円)、資金(230.45億円:昨年18.27億円)と、投資キャッシュフローを営業キャッシフローの範囲内で行い、財務キャッシュフローも若干ではあるが、借入金返済に充てており、順流の流れであり、健全である。資金が230.45億円と異常値となったが、これは中間期末日が金融機関の休日にあたったため、仕入等の債務が翌月に決済されたことなどにより仕入債務の増加が211.54億円となったことによるものである。
   
   現在、ライフコーポレーションは中期経営計画、3ケ年計画を立案実行しつつあり、12の改革に取り組んでいる。今回の中間決算を見る限り、まさに、マーチャンダイジング力の-0.1%を当面1%から2%まで引き上げ、キャッシュフローを生み出せるか、そのキャッシュフローで借入金を返済し、自己資本比率を30%から40%まで引き上げ、出店余力を増強できるかが問われているといえ、今後の、12の改革の成果に注目といえよう。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1248人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 17, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 16, 2008

マルエツ、2008年2月期中間決算、復活か?

   マルエツが10/9、2008年2月期の中間決算を公表した。営業収益1,709.58億円(102.2%)、営業利益41.31億円(120.5%:営業収益比2.41%)、経常利益39.20億円(120.8%:営業収益比2.29%)、当期純利益35.65億円(228.3%:当期純利益2.08%)と増収増益、営業収益は微増ではあったが、利益は大幅な増益となる好決算であった。マルエツが102.2%と増収となった要因であるが、既存店が前年比は103.1%と好調であったことに加え、新店も今期は、マルエツ勝どき六丁目店(東京都)、ポロロッカ護国寺駅前店(東京都)、フーデックスプレス白金台プラチナ通り店(東京都)、ポロロッカ港南シティタワー店(東京都)と4店舗を新設し、2店舗を閉鎖したが、結果、2店舗の増、総店舗数が239店舗となったことが大きかったといえよう。

   一方、営業利益で120.5%と大きく利益を改善できた要因としては、原価が72.2%(昨年72.4%)と0.2ポイント改善し、結果、売上総利益が27.8%(昨年27.6%)となり、資源、エネルギー高の厳しい経営環境であるにもかかわらず、原価が下がったことが大きかったといえよう。また、販売費及び一般管理費も27.2%(昨年27.5%)と0.3ポイント下がり、結果、差し引き、マーチャンダイジング力が0.6%(昨年0.1%)と0.5ポイント改善した。これに、不動産収入等の営業収入が1.9%(昨年2.0%)と0.1ポイント下がったが、合計営業利益は2.5%(昨年2.1%)と差引き0.4ポイント改善したことが大幅な増益になった要因といえよう。原価、経費、双方を改善し、結果、マーチャンダイジング力を増したことが、利益を生み出す要因といえ、食品スーパーマーケットとしてのパワーが増しつつあるといえよう。ただ、このマーチャンダイジング力は優良食品スーパーマーケットでは4%前後あり、まだまだ改善可能な数字であり、今後どこまで改善できるかが注目である。

   マルエツのこの数字を見ても営業力は確実にアップしており、今後、この好調な収益をもとに課題の財務内容の改善ができれば、成長余力も生まれ、105%から110%の成長も可能といえよう。その財務状況であるが、自己資本比率も40.5%(昨年36.8%)と着実に改善しており、今期の、キャッシュフローの流れを見ても、営業活動によるキャッシュフロー(85.43億円)、投資活動によるキャッシュフロー(-23.34億円)、財務活動によるキャッシュフロー(-61.74億円)となり、資金(0.35億円)のプラスとなった。特に、投資キャッシュフローを営業キャッシュフローの範囲内で行い、さらに、財務キャッシュフローをカバーし、まさに、順流の典型的なキャッシュフローの流れである。

   マルエツは現在、長短借入金等の合計が299.51億円(昨年312.53億円)と総資産1,242.44億円の24.10%となり、経営を圧迫しており、この分の圧縮が経営課題であるが、今期は財務キャッシュフローで短期借入金35.00億円、コマーシャルペーパー20.00億円の合計55.00億円を返済しており、着実に借入依存度を減らしている。このまま好調な決算が維持できれば、数年後には確実に自己資本比率を60%以上に改善することは十分に可能であり、それまでは、今回のキャッシュフローのように、営業キャッシュフローの大半を財務キャッシュッフローに充て、投資キャッシュフローを抑制し、低成長にあまんじざるをえないと思われるが、キャッシュフローの順流が今後の成長を確実に予感させるよい流であるといえよう。

   この好調さを受けて、通期の予想であるが、営業収益3,410.00億円(101.6%)、営業利益80.00億円(105.7%:営業収益2.34億円)、経常利益75.00億円(108.2%:営業収益比2.19%)、当期純利益62.00億円(131.6%:営業収益比1.81%)の増収増益である。特に、この中で、営業利益80.00億円がマルエツが最もこだわっている数字目標のひとつである。これは、以前、1990年代に確保していた数字であり、それ以来、約10年以上、一度も達成できなかった水準であり、とうとう、今期、その水準に到達し、超えることが可能なところまできたといえる。
 
   これを受けて、マルエツの株価であるが、残念ながら、サブプライムショックに翻弄され、株価は低迷している。この中間決算の公表のあった翌日10/10は497円と一時は年初来最安値をつける状況となり、厳しい株価が続いている。9月までは1,000円前後で推移していた株価であっただけに、9月以降の下げ、10月に入ってからの一段の下げは厳しい状況といえよう。ただ、この中間決算、そして、通期予想も増収増益であり、財務内容も着実に改善しており、業績は良い方向に向いているといえ、今後、株価がいつ反転するか気になるところである。
 

   このように、2008年2月期のマルエツの中間決算は増収増益の好決算となり、キャッシュフローの流れもよく、自己資本比率も改善し、財務内容も改善しつつある決算となった。ただ、まだ、借入金の返済に大部分のキャッシュを充てざるをえない状況であり、新店への投資が十分にできない状況であり、成長率は102.2%と微増でとどまっているが、既存店は好調に推移している。その分、内部体制が充実し、利益は大幅な増益となっており、経営の流れはよい方向に動いているといえよう。今回の好調な決算が数年継続できれば、確実に安定成長へ向けた成長戦略を打ち出すことが可能となるので、あと数年、我慢の経営が続くと思われるが、その後のマルエツの成長に期待したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1238人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 16, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 15, 2008

レシート3枚でわかるID分析とレシート分析の違い!

   最近、ID分析とレシート分析の話をする機会が多くなった。また、実際、私のクライアントの小売業、メーカーでもID分析がはじまりつつある。そこで、改めて、ID分析とレシート分析の違いとその関係を整理しておきたい。最近よくこの違いを説明するために使う事例がレシート3枚による説明である。恐らく、ID分析とレシート分析を理解するには、たった3枚のレシートで説明できるのではないかと思う。2枚でも説明は可能だが、ID特有の分析を説明するには不十分であり、やはり最低3枚は必要かと思う。
   
   その3枚であるが、1枚はaさんがトマト1個を買ったレシートである。実際には購入数量と購入金額などのデータも入るが、ここでは話をわかりやすくするために、購入数量のみでレシートを示す。2枚目はaさんが1枚目のレシートの次に、トマト2個を購入したレシートである。一応、ここでは時間を定義する。1枚目と2枚目のレシートは購入順序があり、1枚目が先であり、2枚目が後とする。実は、ID分析では時間がレシート分析よりも決定的に重要な要素となる。これで2枚のレシートの定義ができた。そして、3枚目のレシートがbさんがトマトを購入しなかったレシートである。いわゆる0レシートであり、これはトマトを0個購入したレシートとする。要するに、その店舗に来店し、何かを購入したのだが、トマトは購入しなかったというレシートである。
  
   これですべてである。ID分析とレシート分析を理解する上では、この3枚のレシートがあれば、恐らく、すべて説明できると思う。さて、まず、レシート分析について説明する。ここで、分析ということで、最も一般的なPOS分析、PI値分析で、この3枚のレシートを分析してみたい。PI値とは、購入数量÷客数(レシート枚数)で定義する指標であり、食品スーパーマーケットでは最もメジャーな指標であり、この20年間で日本中の津々浦々の食品スーパーマーケットに普及した指標のひとつといえよう。ここでは、私が使うPI値として、%、すなわち、100倍でPI値を表現することにする。一般的には小売業は100倍、メーカーは1,000倍を使うケースが多いが、小売業の実務では100倍、%がおすすめである。
   
   さて、まず、レシート分析であるが、通常のトマトのPI値はトマト3個÷レシート3枚=100%となる。これが最もメジャーなPI値算出方法であり、恐らく、PI値を算出する場合はこのPI値となる場合がほとんどであろう。ただ、よく見ると、このPI値は少し違和感がある。それは、トマトのPI値を算出しているのに、トマトを購入しないbさんのレシートもカウントしているからである。いわゆる0レシート問題である。実は、この0レシート問題はPI値分析では重要なテーマであり、0レシートを含めるか含めないかは議論が分かれるところである。

   当然、0レシートを排除して算出するPI値もあり、この場合はトマト3個÷レシート2枚=150%となる。どちらがトマトのPI値をよりよく反映しているかであるが、技術的には、0レシートを区別することがむずかしく、単純に0レシートを含め、すべてのレシートで割ってPI値を算出する場合がほとんである。区別できる場合は、両方を算出し、使い分けることになるが、そこまでレシート分析を行っているケースは現実的には極めて少ないのが実態である。また、この2つのPI値の関係は、0レシートを含めてのPI値(100%)=(トマトの購入レシート÷全レシート)×0レシートを含めないPI値(150%)となり、(トマトの購入レシート÷全レシート)が2枚÷3枚=2/3となり、双方がイコールになる。この(トマトの購入レシート÷全レシート)のことを客数PI値という。

   以上がレシート分析の基本である。これに対して、ID分析であるが、ID分析の場合をPI値に対してID-PI値とする。したがって、トマトのID-PI値はトマト3個÷ID2人=150%である。これは0レシートを含めているので、レシート分析同様、0レシートを含めない場合もあり、その場合のID-PI値はトマト3個÷ID1人=300%となる。ここで、この2つのPI値の関係は、レシート分析同様、0レシートを含めたID-PI値(150%)=ID客数PI値(1人÷2人)×0レシートを含まないID-PI値(300%)となり、双方がID客数PI値で関係づけられることになる。

   このように、レシートの世界もIDの世界もその中で、同じ概念のPI値が走ることになり、双方の中で分析が完結し、進んでゆくことになる。いわば、閉じた空間での分析であり、交わることがない世界である。したがって、ID分析というと、IDの中だけで分析しがちとなるが、実は、ID分析と並行して、レシート分析も走っており、独自の空間を形成していることがわかる。

   では、この2つの世界をつなぐことはできないかと考えてみると、それが実は可能であり、そのポイントが先ほどから何度も登場している客数PI値である。実際に、つないでみると、ID-PI値=ID客数PI値×レシートPI値となる。ここでID客数PI値とはレシート数÷ID数であり、いわゆる来店頻度のことである。実際、0レシートを含めた場合で計算して見ると、ID-PI値=150%、ID客数PI値=150%、レシートPI値=100%であるので、150%=150%×100%となり成り立つことがわかる。0レシートを省いた場合でも300%=200%×150%となり、成立する。

   この研究はまだまだ初歩的な研究段階であり、今後、様々なPI値が創意工夫され、マーチャンダイジングの解明が進んでゆくものと想像される。実際、ここでは言及しなかったがリピートの問題なども、研究テーマであり、まだまだ、レシート分析もID分析も研究途上の分析であるといえよう。マーチャンダイジングは実に奥が深い!

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1238人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 15, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 14, 2008

マックスバリュ東海、西日本、2008年2月期中間、好調!

   10/8、イオンの2008年2月期の中間決算の公表と同時に、子会社のマックスバリュ東海、西日本の中間決算が公表された。マックスバリュ東海は、売上高613.49億円(109.5%)、営業利益21.45億円(85.7%:売上対比3.49%)、経常利益21.91億円(93.9%:売上対比3.57%)、当期純利益10.05億円(77.7%:売上対比1.63%)と増収減益となった。減益となった要因に関しては8/1に静岡県浜松市を中心に食品スーパーマーケット展開するシーズンセレクトの株式を取得したため、そのための経費が一時的にかさんだためである。したがって、通期予想では、売上高1,270.00億円(111.6%)、営業利益54.00億円(111.8%:売上対比4.25%)、経常利益54.00億円(109.2%:売上対比4.25%)、当期純利益28.00億円(110.8%:売上対比2.20%)とほぼ2桁の増収増益を予想しており、この中間期の決算も実質増収増益の好決算であったといえよう。
   
   一方、マックスバリュ西日本であるが、営業収益1,050.08億円(110.4%)、営業利益37.99億円(108.5%:営業収益比3.61%)、経常利益39.62億円(108.2%:営業収益比3.77%)、当期純利益20.40億円(105.8%:営業収益比1.94%)と増収増益の好決算であった。通期予想も、営業収益2,150.00億円(109.7%)、営業利益83.00億円(108.2%:営業収益比3.86%)、経常利益85.00億円(106.9%:営業収益比3.95%)、当期純利益41.00億円(106.1%:営業収益比1.90%)と増収増益を予想しており、絶好調である。
   
   この好調な要因は、双方とも成長戦略が明確であることにある。マックスバリュ東海は新店こそ、石和店(6月山梨県)、山梨中央店(6月山梨県)、マックスバリュ韮崎店(6月山梨県)、の3店舗であったが、8/1にはシーズンセレクト14店舗を加え、店舗数は77店舗(静岡県61店舗、神奈川県8店舗、山梨県6店舗及び愛知県2店舗)となった。それ以前にも東海マートを吸収合併しており、新店開発からM&Aによる成長戦略に舵を切ったといえよう。

   これに対して、マックスバリュ西日本は、8店舗(防府東店・須磨海浜公園駅前店・ロックタウン周南店・大久保店・イオンタウン水島店・社店・熊見店・龍野店)の新店(設投資額64.87億円)をすべて自己資金でまかない、結果、総店舗数は140店舗となるなど、新店開発が積極的である。また、この中間決算では、6 月にザ・ビッグロックタウン周南店を13年ぶりにザ・ビックを新規出店しており、今後はこの業態に力を入れていくとのことである。マックスバリュ西日本のザ・ビックは140店舗中14店舗であるが、売上構成比は約20%であり、ほぼ通常の食品スーパーマーケット2店舗分の売上規模であるだけに、この業態への経営資源のシフトはより、成長性をもたらすものといえよう。
   
   ちなみに、両食品スーパーマーケットの自己資本比率であるが、マックススバリュ東海は64.9%(昨対70.1%)、マックスバリュ西日本は43.6%(47.3%)とどちらも昨年より下がっていることが気になるが、特にマックスバリュ東海は抜群の数字であり、成長性が期待できる内容である。さらに、両企業のキャッシュフローの流れを見てみると、マックスバリュ東海は、営業キャッシュフロー(47.40億円)、投資キャッシュフロー(-33.31億円)、財務キャッシュフロー(-15.36億円)、資金(-1.27億円)と投資キャッシュフローを営業キャッシュフローの範囲内で実施しており、財務キャッシュフローもマイナスと順流である。また、マックスバリュ西日本も営業キャッシュフロー(46.22億円)、投資キャッシュフロー(-43.16億円)、財務キャッシュフロー(-9.27億円)、資金(-6.21億円)同様に投資キャッシュフローを営業キャッシュフローの範囲内で行い、財務キャッシュフローもマイナスと順流である。どちらも、成長戦略のM&A、積極出店を順流のキャッシュフローで行っており、無理のない資金の活用といえよう。イオン本体が逆流のキャッシュフローであるのと対照的な財務状況である。
   
   そこで、この2社の中間決算の状況を投資家はどう判断したかを見てみたい。マックスバリュ東海については、この中間決算の公表のあった10/8以降も株価は下げており、まさに10/8、上場以来安値の1,000円を付け、厳しい状況である。一方、マックスバリュ西日本であるが、やはり、10/8以降も株価は下がり、現在1,200円前後で株価は推移している。ここ最近の未曾有の日経平均の株価の下落もあるとはいえ、現段階では、どちらの銘柄も投資家は売りと判断したようである。ちなみに、他のマックスバリュグループの株価を見てみると、マックスバリュ東北も10/10、上場以来最安値の499円をつけ、マックスバリュ中部も10/10年初来最安値700円をつけ、マックスバリュ北海道は10/9、年初来最安値の1,640円をつけ、苦戦している。イオン本体を含め、今後、株価対策も課題といえ、キャフローを新店開発だけでなく、自社株買い等へも活用してゆくことが課題となろう。
   
   このように、2008年2月期のマックスバリュ東海と西日本の中間決算が10/8、同時に公開され、内容を見てみたが、どちらも好決算といえ、特に、双方、積極的な成長戦略を明確に打ち出しており、しかも、キャッシュフローの範囲内での無理のない成長戦略であるといえる。株価は現在異常心理で動いているので、下げに転じているが、財務内容、成長戦略等、極めて健全であり、今後のさらなる成長が期待できるといえよう。両食品スーパーマーケットの今後の動向に注目といえよう。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1238人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 14, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 13, 2008

ウォルマート、売上速報2008年9月度、売上失速!

   2008年9月度のウォルマートの売上速報が10/8、公表された。この9月度の集計は8/30から10/3までの5週間の売上集計であり、9/15のリーマンブラザーズ倒産ショック後の数字も含まれているだけに、どのような結果となるかが世界中から注目されたウォルマートの売上速報といえよう。結果は105.8%と厳しい売上となった。8月が108.7%、7月が109.4%、そして6月度が110.1%であったので、明らかに売上が失速したといえよう。特に、9/15後は相当の売上が落ち込んだと予想され、深刻な状況であるといえよう。ただ、ウォルマート自身は、サブプライムローンの暴落による金融不安の問題もあるが、この9月度は台風の影響も大きく、期間中、地域によっては341店舗の閉店もあるなど、その影響も大きかったとしており、もうしばらく様子を見る必要があろう。

   ウォルマートは売上を3つの部門に分けて集計している。ディスカウントストア、スーパーセンターなどのウォルマート部門、会員性ディスカウントストアのサムズクラブ部門、そして、西友を含む海外部門である。この内、この9月度、売上が最も落ち込んだ部門は海外部門である。ウォルマートの海外部門はイギリス、ブラジル、カナダ、中国、日本、メキシコ等であるが、35週の累計115.7%に対し、107.3%とこれまで、2桁を優に超える成長を続けていたが、この9月度は1桁台となる失速である。海外部門のこの9月度の売上は90.35億ドル(約9,000億円)であり、全体の売上が360.22億ドル(約3兆6,000億円)であるので、ちょうど25%、1/4の売上規模である。したがって、相乗積から10%売上が落ち込めば2.5%の全体へのインパクトがあり、20%では5.0%のインパクトとなり、海外部門はもはやウォルマートにとっては大きな成長の柱といえる規模となった。その海外部門がこのように、この9月度落ち込んだことが大きかったといえよう。

   海外部門についで、売上が落ち込んだのは大黒柱のウォルマート部門である。9月度の売上は224.82億ドル(約2兆2,500億円)と全体の60%強である。35週累計が106.7%であり、9月度が104.8%であるので、約2ポイントダウンといえる。ただ、既存店は102.0%と堅調な数字であるが、これも35週累計の102.8%と比較するとややダウンぎみであり、気になるところである。この時点では金融不安の影響が判然としないが、今後、時間がたつにしたがい、結果が表れるといえ、ウォルマートにとって、プラスとなるか、マイナスとなるか、予断をゆるさいない状況が続くものといえよう。

   そして、サムズクラブ部門であるが、ここは108.0%と35週累計の107.5%と比べ0.5ポイント上昇しており、好調である。既存店も107.4%と昨年の104.1%と比べても明らかに高い数字であり、絶好調といえよう。特に、サムズクラブはガソリンの数字が大きく、その影響が3.2%売上を押し上げており、この面もプラスになった要因といえよう。ウォルマート部門はガソリンのインパクトは0.0%であるので、サムズクラブ部門特有の売上であり、ちょうど、日本のコンビニのtaspo効果によるたばこの売上のような効果といえよう。ただ、サムズクラブ部門は全体の約10%強であるので、ウォルマート全体へのインパクトは弱く、何といっても、ウォルマート部門、そして伸びていた海外部門の失速がこの9月度は大きかったといえよう。

   これを受けて、ウォルマートの株価の動向であるが、株価はこの売上速報があった10/8以降大きく下げている。ウォルマートの10/8前後の株価の動きを見てみると、10/6(月)57.90ドル、10/7(火)54.84ドル、10/8(水)54.55ドル、10/9(木)51.39ドル、10/10(金)50.95ドルと、わずか数日間で10%以上株価を下げており、特に、10/10は一時は47ドルまで売り込まれおり、しかも、売買高も通常数千万株の商いが、5,000万株以上の大商いとなり、株価の下げが止まらない状況である。来週以降、ウォルマートの株価がどの辺で落ち着くか読めない状況といえよう。

   ちなみに、リーマンブラザーズショックの9/15前後のウォルマートの株価を見てみると、9/11(木)63.17ドル、9/12(金)62.41ドル、9/15(月)61.63ドル、9/16(火)62.14ドル、9/17(水)59.64ドル、9/18(木)61.48ドル、9/19(金)59.70ドルであるので、さほど、影響は受けておらず、むしろ、堅調な株価の推移であったといえよう。サブプライムローンの影響はウォルマートにはあまりないと投資家は踏んでいたような動きである。むしろ、この10/8の9月度の売上速報が、これまでの推移と比べると失速したことが、投資家には大きなインパクトであったといえよう。

   ウォルマートの株価は、この1年ほぼ右上がりで推移してきており、昨年12月頃は45ドル前後で推移していたが、1月に入り、株価が上昇に転じ、2月には50ドルを超え、4月に入ると55ドルを超え、5月以降は60ドル近辺に迫る勢いで上昇を続けてきた。そして、9月にはとうとう60ドルを超え、9/15のリーマンブラザーズショック以降も60ドル近辺でもみ合い、10月前半まで、60ドル前後の株価が続いていた。そして、ここへきての失速であり、まさに、株価は今後の売上動向にかかっているといえよう。

   このように、2008年9月度のウォルマートの売上速報が公表されたが、明らかに失速の兆候が表れており、特に、海外部門の高成長が止まり、国内の主力部門ウォルマートの伸びも成長が抑制されており、今後、ウォルマートがどのような成長戦略を打ち出すかが注目される。このまま低成長高収益路線をとるのか、それとも、再度、高成長路線を打ち出すのか、成長著しかった海外部門の伸びが止まり始めた現在、難しい経営の選択となったといえよう。もうしばらくするとウォルマート最大の年間売上となる年末商戦を迎えるが、今年は前倒しで勝負するとのことであるが、その動向に注目といえよう。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1238人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 13, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 12, 2008

食品スーパーマーケット今週の株価、日経平均大暴落!

   10/10、この日の日経平均株価は8,276.43円(-881.06円、-9.62%)となる暴落となり、今週の株価は下げに下げ続け、とうとう8,000円台に突入した。9月初旬までは13,000円前後で推移していた日経平均株価であるので、ここまで株価が下がるとは予想外のしかも急激な下げである。特に、9月中旬のリーマンショック以来、日経平均株価は下げに転じ、10月に入るとまっさかさまに株が転げ落ちるように急降下で下がった。チャートを見ると、すさまじい角度で加速度的に株価が下がっており、それと逆比例する形で、売買高が上昇しており、大量の売り浴びせにあっている様子がうかがえる。ちょうど、いま、「G7、公的資金注入必要との認識で合意へ、金融危機」というasahi.comの報道がなされているが、G7は公的資金投入で合意したようであり、これを受け、来週以降、市場がどのような反応になるか、予断を許さない緊迫した状況になると予測される。

   このような中で、日本の食品スーパーマーケットの株価が10/10どのような騰落率にあったのかを見てみたい。まず、先に、数少ない、上昇した株価を見てみたい。この日、上場小売業約400社の中で、株価が上昇した企業は44社であり、内、食品スーパーマーケットはわずか7社である。No.1はマックスバリュ北海道であり、1,739円(6.03%)であった。小売業全体では12位であった。No.2はスーパーバリューであり、550円(1.85%)である。No.1のマックスバリュ北海道と比べると大きく伸び率が下がり、1%台となるが、小売業界では26位である。以下、No.3はダイイチ458円(1.77%)、No.4はヤオコー3,240円(1.56%)、No.5は相鉄ローゼン400円(1.52%)、No.6は天満屋ストア784円(0.51%)、そして、No.7が平和堂1,193円(0.08%)であり、以上の7社が約50社強の上場食品スーパーマーケットの中で10/10の厳しい株価の中で上昇に転じた数少ない食品スーパーマーケットである。ちょうど平和堂が小売業全体の中でも44番目となり、以下の食品スーパーマーケットはもちろん、上場小売業もすべて、10/10、0%以下の株価となった。 

   では、逆に、株価騰落率が低い順に食品スーパーマーケットの10/10時点の実状を見てみたい。食品スーパーマーケットNo.1はCFSであり、515円(-17.46%)である。小売業全体の中でも4番目の騰落率である。ついで、オークワ1,222円(-12.71%)であり、小売業全体では16位である。ちょうど、ひとつ前にダイエー366円(-13.06%)があり、GMS関連ではダイエーの騰落率が最も大きかった。No.3はいなげや781円(-10.22%)であり、No.4はフジ1,266円(-9.70%)となる。ちょうど、2つ前にイオンが765円(-10.00%)である。フジが小売業全体では49位である。そして、No.5が大黒天物産940円(-9.52%)である。ここでもひとつ前に7&I-HDが2,180円(-9.54%)であり、GMS関連の株も大きく落ちていることがわかる。特に、イオンと7&I-HDは10/8、10/9に中間決算の公表があったばかりであり、イオンは厳しい決算であったが、7&I-HDは好調な決算であったにもかかわらず、厳しい株価であり、改めて、この未曽有の金融不安の激しさを示しているといえよう。

   以上が食品スーパーマーケットベスト5であるが、さらに10/10時点の食品スーパーマーケットの株価騰落率を追ってみると、マルエツ545円(-8.09%)、ベルク840円(-6.77%)、マルキョウ360円(-6.73%)、イオン九州1,150円(-6.5%)、Olympic566円(-6.13%)、関西スーパー749円(-6.20%)、バロー650円(-5.93%)、サンエー2,535円(-5.23%)、東武ストア306円(-4.96%)、マックスバリュ中部723円(-4.86%)である。ここまでがほぼ5%以上、10/10株価騰落率がダウンした食品スーパーマーケットである。小売業全体ではマックスバリュ中部が、ちょうど149番目である。

   さらに、10/10株価騰落率が下がった食品スーパーマーケットを見てみると、イオン北海道222円(-4.72%)、エコス489円(-4.67%)、オオゼキ2,200円(-4.55%)、原信ナルスホールディングス955円(-3.63%)、アオキスーパー800円(-3.61%)、イズミヤ453円(-3.41%)、ライフコーポレーション1,500円(-3.22)、ハローズ560円(-3.11%)、イズミ1,334円(-2.91%)、PLANT201円(-2.89%)、マックスバリュ東海1,050円(-2.77%)、カスミ464円(-1.90%)、マミーマート1,120円(-1.75%)、ユニバース1,023円(-1.15%)、マルヤ99円(-1.00%)であり、以上が1.00%以上株価が下がった食品スーパーマーケットである。

   そして、その他の食品スーパーマーケット、すなわち、1.00%以下、0%以上を見てみると、マックスバリュ東北499円(-0.39%)、丸久910円(-0.10%)、アークランドサカモト929円(-0.10%)と、ここまでが0.00%以上の食品スーパーマーケットの株価である。さらに、0.00%以上の残りの食品スーパーマーケットを見てみると、ドミー515円(0.00%)、マックスバリュ西日本1,205円(0.00%)、九九プラス54,500円(0.00%)である。
   
   このように、10/10日経平均が大暴落し、日本の上場企業全体の株価が大きく下がる中、食品スーパーマーケットの上場企業約50社強の株価騰落率を見てみたが、このような厳しい経済環境の中でも7社は株価を引き上げている食品スーパーマーケットがあった。また、その他の食品スーパーマーケットの株価も10.00%以上下落した食品スーパーマーケットはわずか2社であり、経済環境が厳しい割には投資家からの評価は比較的高かったともいえよう。来週以降も当面、読めない株価が予想されるが、食品スーパーマーケットの今後の株価の動向は注意深く見守ってゆく必要があろう。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1238人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 12, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 11, 2008

セブン&アイ、イオンのマーチャンダイジング力を見る!

   前回のブログでイオンとセブン&アイホールディングスの2009年2月期の中間決算の内容を取り上げた。特に、両企業のキャッシュフローの違いに注目し、イオンが逆流のキャッシュフロー、すなわち、営業キャッシュフローの範囲を超えた投資キャッシュフローとなっており、これを財務キャッシュフローで埋める構造となっていることを分析した。逆に、セブン&アイホールディングスは順流のキャッシュフローとなっており、営業キャッシュフローの範囲内での投資にとどめ、さらに、その余剰資金で財務キャッシュフロー、特に、自社株買いを行い、結果的に株主還元を行っていることを示した。キャッシュフローは小売業はもちろん、企業経営では最も重要な数値であり、これが順流であれば、企業の成長は安定的に継続できるが、逆流になるとやがては成長はストップし、企業の存続にもかかわるテーマとなる。そこで、今回はこのキャッシュフローを生み出す、大本、営業利益に注目し、セブン&アイホールディングスとイオンのマーチャンダイジング力を比べてみたい。

   マーチャンダイジング力とは、本ブログ独特の指標であり、売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた、商品売買から得られる利益から経費を引いた数値であり、この数値が強いほど、マーチャンダイジング力が強いと判断し、マーチャンダイジング力と名づけている。一般に食品スーパーマーケットはプラスになるが、GMS、SC等はマイナスとなりがちであり、そのマイナス分を営業収入であるテナント収入、物流収入等で埋め、営業利益をプラスにしている場合が多いのが実態である。食品スーパーマーケット業態でも、GMS、SC等を主力業態にしている場合はマーチャンダイジ力はマイナスとなり、営業収入で営業利益をプラスにもっていっている場合が多い。通常の損益計算書ではこの数字が表されていないので、マーチャンダイジング力を見る場合は電卓で計算しないと算出できない指標である。

   さて、セブン&アイホールディングスとイオンのマーチャンダイジング力であるが、イオンの原価は71.5%(昨年71.1%)と0.4ポイントの原価の上昇がみられる。結果、売上総利益は28.5%(昨年28.9%)となり、0.4ポイント下がっており、いわゆる粗利が下がっている。イオンは現在、PB戦略を激しい勢いで進めており、この中間期は1,683億円(昨対138.0%)という伸び率で推移しており、イオン本体(小売業)の売上の10.0%の構成比にまでなった。当然、粗利の改善にインパクトがあるはずであるが、相乗積から見ると、3%の粗利改善でも0.3ポイント、5%の粗利改善でも0.5ポイント、10%の改善で1.0ポイントであるが、今期の売上総利益を見る限り、それ以上に、残り90%の既存商品の原価上昇が大きく、結果、粗利の改善にはつながらなかったようである。ただ、今回算出しているマーチャンダイジング力はイオン全体の数字であるので、それでPB比率を計算するとまだ、数%にとどまっており、小売本体の数字が30%ぐらいにならいないと、全体へのインパクトは表れてこないといえよう。

   これに対し、セブン&アイホールディングスの原価であるが、74.7%(昨年73.7%)と何と1.0ポイントも原価が上昇しており、結果、売上総利益は25.3%(昨年26.3%)と1.0ポイントと大幅にダウンした。この数字を見る限り、イオンの方が、原価上昇率は低く、PBの貢献度はかなりあったとも推測できる。また、販売費及び一般管理費であるが30.4%(昨年31.1%)と0.7ポイントと大幅に改善しているが、原価上昇分の1.0ポイントまでは改善できず、結果、粗利差、マーチャンダイジング力は-5.1%(昨年-4.8%)と-5.0%を超えてしまった。これに不動産収入等の営業利益が加わるが、セブン&アイホールディングスは何と10.8%(昨年10.4%)もあり、結果、営業利益は5.7%(昨年5.6%)と逆転、一転、営業利益率がプラスに転じ、今期、好決算をもたらすこととなった。原価の上昇を経費の削減と不動産収入等で補い、営業利益率をプラスに持っていった構図である。ただ、マーチャンダイジング力は-5.1%であるので、今後、この面の改善が大きな経営課題となろう。

   一方、イオンであるが、販売費及び一般管理費は36.9%(昨年37.1%)と0.2ポイント改善し、結果、マーチャンダイジング力は-8.4%(昨年-8.2%)とやはり、原価上昇分をカバーできず、何と、-8.4%とセブン&アイホールディングスの-5.1%と比べても大きなマイナスである。これに不動産収入等の10.9%(昨年11.2%)が加わり、結果、営業利益は36.9%(昨年37.1%)となり、残念ながら、営業利益率を落としてしまった。原価の上昇分を経費の削減と営業収入でのカバーを目指したが、経費は改善したが、売上総利益が下がってしまい、結果、営業利益率が昨年を下回り、減益となった構図である。

   こう見ると、やはり、マーチャンダイジング力、すなわち、原価を引き下げ、経費を引き下げる力、結果、商品力を引きあげる力が強くないと、それ以外の収益でカバーしても結果、本業である商品から得られるキャッシュフローが弱くなり、企業のパワーを落とすことになる。この中間決算ではマーチャンダイジング力を比較すると、イオン-8.4%に対し、セブン&アイホールディングスは-5.1%であり、ここの差がキャッシュフローの差そのものを支える根幹といえ、この面でも両企業の差は明暗が分かれたといえよう。残された数ケ月、本決算でイオンのマーチャンダイジング力がどこまで改善するかに注目したい。また、セブン&アイホールディングスも、キャッシュフローを生み出すには、さらにマーチャンダイジング力を高める必要があるといえ、今後、どこまで、数字が改善されるかに注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1238人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 11, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 10, 2008

イオン、2009年2月期中間決算、キャッシュフロー逆流!

   流通業界の本命、イオンとセブン&アイホールディングスの2009年2月期、中間決算が10/8、10/9、あいついで公表された。その結果であるが、イオンは、営業収益2兆6,069.25億円(103.2%)、営業利益586.61億円(86.6%:営業収益比2.25%)、経常利益597.59億円(79.6%:営業収益比2.29%)、当期純利益(-160.14億円)となり、増収減益、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。一方、セブン&アイホールディングスは、営業収益2兆8,610.34億円(101.6%)、営業利益1,480.09億円(102.8%:営業収益比5.17%)、経常利益1,479.81億円(101.8%:営業収益比5.17%)、当期純利益675.03億円(97.6%:営業収益比2.35%)となる営業、経常段階では増収増益であったが、当期純利益は若干の減益となった。両企業、明暗が分かれた中間決算の結果といえよう。

   今回の中間決算の流通業界の最大のポイントはアメリカ発の金融不安が世界中に広まり、結果、いずれ、日本の経済、特に消費環境に影響を与えることは必至の情勢となり、財務の健全性が問われる決算となったことにあるといえよう。特に、ここ最近の倒産の状況を見てみると資金ショートによる倒産が増え、バランスシートの結果よりもキャッシュフローが回っているか、すなわち、キャッシュフローの健全性が問われる状況といえよう。小売業の成長は新店開発にあり、新店を開発してゆくには多額の資産の取得が必要となり、そのためにはキャッシュフローを生み出すマーチャンダイジング力が鍵となる。さらに、可能な限り借入に頼らない、自己資本の範囲内での新規出店体制の構築がポイントとなる。

   そこで、この中間決算期のイオンの出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計を見てみると、1兆5,139.96億円(昨年1兆4,157.21億円)であり、昨年よりも約1,000億円増加し、総資産3兆7,081.02億円の40.8%となった。これをグループ全部のGMS、食品スーパーマーケット、コンビニ、専門店、外食等の合計店舗数11,569店舗で割ると1.30億円となる。さらに、多額の資産がかかるGMS、食品スーパーマーケット、スーパーセンター、ホームセンター等のみの合計2,015店舗で割ると、7.5億円となる。イオンが新規出店による成長を維持するには、少なくとも1店舗5億円以上は必要といえ、これをいかに自己資本の範囲内で賄っていけるかが、財務の健全性を維持するポイントであるといえよう。

   イオンの今期の自己資本比率は22.7%(昨年25.6%)であり、出店にかかわる資産40.8%を大きく下回っており、結果、負債に依存する出店構造となっている。ちなみに、セブン&アイホールディングスは自己資本比率46.2%(昨年49.8%)であり、出店にかかわる資産の合計は1兆5,437.64億円であり、総資産3兆9,859.12億円の38.7%と自己資本の範囲内に収まった出店構造となっている。したがって、負債の主要項目である長短借入金の合計もイオンは1兆1,309.55億円(昨年1兆290.17億円)と1兆円を超え、総資産の30.49%となるが、セブン&アイホールディングスは8,749.28億円(昨年7,714.69億円)と総資産の21.95%にとどまる。結果、イオンは自己資本の範囲内では出店ができず、借入に大きく依存する出店構造となっているのに対し、セブン&アイホールディングスは借入金なしでも自己資本の範囲内で新規出店が可能な財務構造である。
   
   そして、それ以上に今回の中間決算で気になるのは、キャッシュフローの状況であり、イオンとセブン&アイホールディンスの状況を一緒に見てみると、営業キャッシュフロー、イオン1,136.71億円(7&I:2,393.27億円)、投資活動キャッシュフロー、イオン-1,646.47億円(7&I:-882.87億円)、そして、財務活動キャッシュフロー、イオン710.86億円(7&I:-825.72億円)、結果、増減、イオン201.10億円(7&I:684.68億円)と、対象的な結果である。セブン&アイホールディンスは営業キャッシュフローの範囲内での投資活動を行い、しかも、余剰キャッシュフローで財務キャッシュフローもカバーし、キャッシュフローを648.68億円プラスにしているのに対し、イオンは営業キャッシュフローで投資活動をカバーできず、結果、財務キャッシュフローで穴埋めし、キャッシュフローを201.10億円のプラスにもっていっている点である。イオンは完全にキャッシュフローの逆流が起こっており、これが続けば、1兆円を超えた長短借入金が減らず、自己資本比率がさらに低下し、今後の成長余力がいまでも苦しいところが、さらに厳しい状況に追い込まれるという構図になっていっていることである。
   
   小売業はスタート時点から現金商売が運命づけられており、日々の1円1円の現金回収が事業構造すべてを支えており、キャッシュフローが最も重視されるビジネスモデルといえよう。理想的には日々の1円1円のキャッシュの積み重ねで、成長のための投資を行い、借入金0で、キャッシュを株主へ可能な限り還元することが理想といえよう。実際、この中間期で、セブン&アイホールディングスは株価にも気を使い、株主対策もキャッシュフローの範囲内で行っており、今期、1,580.93億円の自社株買いを財務キャッシュフローの中で行い、株価対策を通じて株主への還元を行った。
   
   このように、今回はまだ2009年度の中間段階であるが、イオンの数字を見る限り、営業キャッシュフローを生み出すパワーが弱まっており、投資キャッシュフローを財務キャッシュフローで補わざるをえない逆流の経営になっており、この逆流を止めない限り、今後、ますます厳しい経営環境が予想される中、イオンの経営そのものが苦しい状況となろう。今後、残された後期の間にどのような、思い切った経営改革を打ち出し、キャッシュフローの逆流を止めるられるのかに注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1238人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 10, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 09, 2008

オークワ、2009年2月期中間、増収増益、堅調な決算!

   オークワが2009年2月期の中間決算を10/6公表した。小売業界は現在、2極化しており、食品スーパーマーケット、コンビニは比較的好調であるが、百貨店、GMS、外食等は厳しい状況が続いている。オークワは食品スーパーマーケットを主体とした経営であり、今回の中間決算数値を見ても堅調な結果となっている。その決算結果であるが、営業収益1,270.72億円(102.9%)、営業利益37.13億円(105.3%:営業収益比2.92%)、経常利益37.55億円(100.6%:営業収益比2.95%)、当期純利益20.62億円(102.2%:営業収益比1.62%)と増収増益となった。既存店の売上も101.0%と堅調な数字であった。

   オークワは6/30、パレを買収し、さらに傘下に収めたヒラマツ7店舗を加え、現在全部で164店舗を展開しており、この中間期には香芝インター店(奈良県)、メッサオークワ高松店(和歌山県)、プライスカット岐阜柳津店(岐阜県)と3店舗新規出店し、営業収益が102.9%となった。一般に食品スーパーマーケットは今回のオークワでもそうであるが、既存店の売上は100%強か、厳しい競合状況の場合は100%を割るのが実態であり、既存店を大きく伸ばすことは難しい状況である。したがって、成長してゆくためには、新規出店ないしはM&Aが不可欠であり、105%の成長のためには5%以上の新規出店、110%の成長のためには10%以上の新規出店が必要となる。オークワの場合であれば、現在164店舗であるので、5%成長の場合は8店舗以上、10%成長のためには16店舗以上が単純計算では必要となる。

   実際、オークワの通期予想を見ると、営業収益2,760.00億円(109.8%)、営業利益84.00億円(107.0%:営業収益比3.04%)、経常利益85.00億円(105.1%:営業収益比3.07%)、当期純利益46.00億円(113.2%:営業収益比1.66%)と中間期よりも大きく増収増益となっている。したがって、新店が通期で16店舗は必要な状況であるが、前期の新店は3店舗、後期の新店は忠岡店(大阪府)、プライスカット明石大久保店(兵庫県)、スーパーセンター御所店(奈良県)の3店舗、計、通期では6店舗の新規出店であり、105%前後の数値予想となるが、後期は、6/30に買収したパレの16店舗が加わるため、結果、109.8%の営業収入となる見込みであるといえよう。

   このように、食品スーパーマーケットの成長戦略は単純に新規出店戦略に負うところが大きく、そのためにも立地を確保することは勿論であるが、財務基盤を強固にしておかないと、成長がストップしてしまうのが実態である。そこで、オークワの自己資本比率を見てみると、自己資本比率は51.8%(昨年55.5%)という状況であり、昨年よりはやや下がっているのが気になるところである。その要因であるが、長短借入金の合計が今期は457.55億円(昨年378.36億円)と、約80億円増加し、これは総資産の31.9%である。今期、パレの買収よる資金と新規出店による資産の取得が大きかったといえる。当期純利益は20.62億円計上しているが、これだけでは新規の出店にかかわる資産をまかなうことができず、借入に依存した新規出店構造となったものといえよう。実際、出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金の合計であるが、957.16億円(昨年873.11億円)と約85億円増加しており、総資産に占める割合は66.7%であり、自己資本の51.8%ではカバーできず、約15%は借入等への依存という出店構造となっている。ちなみに、1店舗当たりの出店にかかわる資産は5.8億円である。今期は、特に、これに加え、パレ買収に伴う関連の資産が発生し、現金及び預金36.4億円、たな卸資産15.7億円、のれん33.8億円と合計86.8億円が新たに発生しており、より借り入れ依存度が高まったといえよう。したがって、今後、オークワが安定的な新規出店を果たしてゆくためにも、一層の自己資本の充実が当面の経営課題といえよう。

   さて、一方、今期のオークワの原価と経費の状況であるが、売上原価は74.8%(昨年74.7%)と0.1ポイントとわずかの上昇にとどめており、原価の上昇はこの値上げ環境の中ではほとんど見られない状況である。したがって、売上総利益は25.2%(昨年25.3%)とほぼ昨年並みの粗利が確保できた。一方、販売費及び一般管理費も25.9%(昨年25.9%)と上昇は見られず、経費の上昇をうまくマネジメントできたといえよう。結果、経費差、マーチャンダイジング力は-0.7%(昨年-0.6%)とわずかなマイナスでとどめ、これに、不動産等の営業収入3.7%(昨年3.6%)がのり、0.1ポイント挽回し、結果、営業利益を3.0%(昨年3.0%)と昨年と同じ比率の利益を確保したといえよう。ただ、経費差、マーチャンダイジング力が食品スーパーマーケット主体の経営であるにもかかわらず、マイナスとなったのは少し気になるところである。

  このように今期、2009年2月期のオークワの中間決算は堅調な増収増益となったが、今期はパレ買収に加え、新規出店のための資産取得が、借入に依存せざるをえなくなり、自己資本比率を約4%引き下げる結果となった。今後オークワが105%から110%の安定成長を継続してゆくためには、これ以上、借入依存度に頼る経営は厳しい状況といえ、今後、マーチャンダイジング力を改善し、キャッシュを生み出し、自己資本の充実をはかることが経営課題といえよう。次の本決算で買収したパレがオークワの経営にどのような影響となるかに注目である。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1238人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 9, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 08, 2008

キューピー、2009年2月期第3四半期決算、増収減益!

   食品スーパーマーケットの調味料の主力カテゴリー、マヨネーズの主力メーカーであるキューピーの2008年11月期の第3四半期決算が10/6、公表された。売上高3,558.45億円(101.4%)、営業利益96.70億円(81.4%:売上対比2.6%)、経常利益 97.98億円(81.9%:売上対比2.7%)、当期純利益52.55億円(90.5%:売上対比1.5%)となる増収減益、特に利益が2桁以上下がるという厳しい決算となった。キューピーは食品スーパーマーケットのマヨネーズカテゴリーの売上の約60%を占め、独占に近い強さを発揮しているが、今期はまさに資源、エネルギー関連の値上げ問題が直撃し、売上こそ微増となったが、利益を押し上げるまでにはいかず、大きく減益となる決算であった。

   実際、キューピーの主力マヨネーズの店頭価格を食品スーパーマーケットのPOSデータで見ても、昨年と比較すると115%近い価格上昇となっているが、その売上を見ると、微増という状況であり、数量は大きく下がっているのが現状である。No.2メーカーの味の素についても、データを見る限り、キューピーと同様の動きであり、マヨネーズの売上は微増という状況といえる。一方、PBのマヨネーズは大きく売上を伸ばしており、この分がマヨネーズ全体の売上に貢献しているものと思われ、実際、マヨネーズ全体の売上を見ると、キューピーの今回の決算数値101.4%以上の伸びを示しているのが実態といえる。

   これは、この8月度の家計調査データを見ても裏づけられる数字であり、マヨネーズ・ドレッシングの数字は8.61円(109.4%)と好調な数字である。ちなみに、7月度9.32(109.1%)、6月度9.87円(100.3%)、5月度9.45円(94.8%)、4月度9.47円(108.8%)、3月度8.68円(108.0%)、2月度7.83円(106.1%)、1月度6.71円(108.3%)、昨年12月度8.48円(108.7%)とキューピーの決算期12月からの推移を見てみると、5月、6月は少し下がり気味であるが、全体としては2桁に近い伸びであり、売上ベースでは、マヨネーズは値上げ後も好調に推移したといえる。

   問題は利益であり、今回のキューピーの決算数値にも表れているように、値上げと反比例するように数量が落ち込み、これが、売上の微増にはなったが、利益を大きく圧迫したものといえよう。キューピー自身も「利益面では、原資材のグループ一括購入や生産歩留りの改善などに努めたほか、販売促進費の低減を進めましたが、食油を中心としたコストの大幅な上昇を吸収するには至らず、・・」と説明しているように、厳しい状況であったようである。また、キューピーの事業別の状況でも、食品事業では、売上高2,841.44 億円(100.6%)、営業利益115.60億円(84.3%)、物流事業では食品メーカーを主な顧客とする共同物流は伸び悩み、売上高は717.00 億円(104.3%)、営業利益11.30億円(75.3%)とどちらも、営業利益が大きく下がっている状況である。

   実際、キューピーの原価、経費の状況を見てみると、売上原価は77.6%(昨年76.0%)と1.6ポイントと大幅に上昇しており、結果、売上総利益は22.4%(昨年24.0%)と大きく下げており、原価の上昇が大きなインパクトであったことがわかる。また、販売費及び一般管理費であるが、19.7%(昨年20.6%)と0.9ポイント削減しており、コストの圧縮に懸命に取り組んでいるが、原価の上昇分は吸収できず、結果、営業利益は2.7%(昨年3.4%)と0.7ポイント下がり、これが大幅な減益となったと要因といえよう。

   また、これが資産、負債、資本にどのような影響があったかを見てみると、今期のキューピーの自己資本比率は47.6%(昨年48.2%)と若干、自己資本比率を下げているが、ほぼ、昨年同様の数字を維持している。その状況を負債面で見てみると、長短借入金等の合計は435.02億円(昨年431.74億円)とほぼ変わらず、総資産の14.5%であるが、支払手形及び買掛金が533.28億円(昨年388.04億円)と約150億円増加し、総資産の17.78%となっていることが気になるところである。また資産に目を転じると、メーカーの成長戦略を担う工場関連の建物、機械などの設備関連と土地の合計は1,186.38億円(昨年1,192.70億円)とほぼ同じ数字であり、総資産の39.5%である。また、メーカー特有の受取手形及び売掛金は731.35億円(昨年701.20億円)と若干増加しており、総資産に占める割合は24.3%であり、これらを合計すると63.8%と総資産の大半を占める。こう見ると、自己資本事態には大きな影響はなく、設備関連も大きな変化はない。若干気になるとすれば、手形関連が増加していることであるが、今回の大幅な減益がバランスシートへの影響はほとんどないといえよう。

   これを受けて、10/7の株式の状況であるが、日経平均が10,155.90円(-317.19)と下げる中996円(+23円、+2.36%)と上げに転じており、今回のキューピーの決算結果は買いと判断されたようである。キューピーは真じかに迫った11月の本決算に向けて通期予想を出しているが、売上高4,780.00億円(102.1%)、営業利益150.00億円(94.8%:売上対比3.1%)、営業利益148.00億円(93.5%:売上対比3.0%)、当期純利益77.00億円(105.1%:売上対比1.6%)とこの第3四半期決算よりも内容は改善し、特に、当期純利益は一転プラスの予想であり、堅調な決算結果を予想している。今後、本決算まであと2ケ月足らずであるが、キューピーが収益改善に向けてどのような対策を講じるかに注目である。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1238人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 8, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 07, 2008

日銀の決算を見る、資本金1億円、自己資本比率2.8%!

   今週から、いよいよ2009年2月期の食品スーパーマーケットの中間決算の公表がはじまる。現在、約50社が上場しているが、その内65%が2月期決算であり、3月期決算が15%、その他が20%という状況であるので、今後、数週間で大半の食品スーパーマーケットの中間決算が公表されることになる。今週の予定は、10/8、イオングループ(マックスバリュ各社)、10/9、セブン&アイホールディングス(ヨークベニマル)、マルエツ、東武ストア、10/10、ダイエー等が予定されており、食品スーパーマーケットだけでなく、各社小売業の中間決算も2月期が多く、まさに、今後しばらくは、中間決算ラッシュとなる。これら中間決算が公表され次第、本ブログでも速報を取り上げて行くつもりであるが、今回はめずらしい、日銀の決算を取り上げてみたい。

   ちなみに、日銀は現在ジャスダックに上場しており、10/6現在80,000円(-1,100円、 -1.35%)という厳しい状況である。ここ数ケ月、右下がりに下がっており、7月には140,000円前後で推移していたので、ほぼ半値近くまで下がっている。特に、9/10以降、ちょうどリーマンブラザーズの破綻、9/15前後から急激に株価を下げており、今回のアメリカ発の金融不安は、投資家は日銀を売りと判断しているといえよう。

   その日銀の最新の決算であるが、平成19年3月度の決算であり、これ以外にも日銀は営業毎旬報告ということで毎月10日ごとに3回、バランスシートを公表しており、直近の旬報は9/20のものである。ちょうどリーマンブラザーズ破綻のあった9/15後のはじめての旬法であり、3月度の本決算と比べ、また、それまでの推移と比べ、どのような変化があったかを見ることによって、日銀の金融政策がバランスシートから垣間見えるのではないかと思う。それにしても、日銀がどんな財務諸表であるか、利益はどのくらい上げ、利益配分はどのようになされ、その資産状況、負債内容、自己資本比率など興味深いところである。

   まず、先に、バランスシートから見てみたい。注目は資本金であり、ジャスト1億円である。日銀は資本金1億円の企業であることがわかる。これに、法定準備金約2.6兆円、特別準備金約0.1億円、当期剰余金(利益)が約6,400億円プラスされ、資本の部合計が約3.2兆円となる。一方の日銀の負債及び資本の合計(総資産)は約113.4兆円であるので、何と自己資本比率は2.8%である。ちなみに、これは2008年3月時点であるので、9/20時点の最新の数字を見ると、資本の部合計は2.6兆円、負債及び資本の合計(総資産)は約111.6兆円であるので、自己資本比率は2.3%となり、少し下がっていることが気になるところである。
   
   この数字から見ると、日銀とは総資産約110兆円、資本金1億円、自己資本比率3%弱の企業であることがわかる。資本金、自己資本比率がちょっと心配になってしまうが、意外な数字である。この総資産約110兆円は数年前と比べると下がっており、過去には150兆円を超えた年もあり、約110兆円はちょうど10年前ぐらいの水準である。また、GDP比では約20%であるが、これも数年前は30%を超えていた時もあり、ここ最近、日銀の資産規模が落ち着いてきているといえよう。
   
   では負債項目で最も大きい項目は何かと見てみると、発行銀行券であり、約76.5兆円となる。総資産の約70%であり、これが最大の負債である。これはいわゆる日銀券、日銀硬貨であり、お金のことである。その内訳であるが、1万円券が約70兆円で大半をしめ90%以上である。ついで千円券が多く、約3.5兆円、5千円券が約2.6兆円となり、二千円券はわずか約0.3兆円である。また、硬貨はさらに少なく約0.15兆円しかなく、いかに1万円券の比重が大きいかがわかる。これ以外の負債は、預金が約14.2兆円、当座預金が約14.2兆円、売現先勘定が約12.0兆円、政府預金が約3.5兆円である。
   
   これに対して、資産であるが、最大の資産項目は何といっても国債であり、約67.3兆円と総資産の約60%となる。これについで、貸出金約29.2兆円、電子貸付約29.2兆円、買現先勘定8.7兆円、外国為替約5.2兆円、外貨債権約4.9兆円となる。ちなみに現金は約0.2兆円とほんのわずかであり、これに、金地金が0.4兆円加わっても、現金関連で0.6兆円、総資産のわずか0.5%強に過ぎない。したがって、負債の大半は国債になっているといえ、日銀のバランスシートは国債に支えられた資産構造といえよう。
   
   一方、損益計算書であるが、日銀の経常収益は約1.6兆円である。最大の収益は国債の利息であり0.68兆円、ついで外国為替収益0.4兆円となる。経常経費は約0.93兆円であり、主な項目は為替差損が最も大きく、0.6兆円であり、いわゆる通常の給与等の経費は0.22兆円であり、これは経常収益比率13.75%である。したがって、差し引き、税引き前当期剰余金は約0.68兆円となり、税金を約0.04兆円払い、最終の当期剰余金は約0.64兆円となる。ちなみみに、今期の利益処分であるが、法定準備金積立金が0.03兆円、国庫納付金0.60兆円、配当資本金1億円の5%で500万円である。
   
   このように、日銀の2008年3月期のバランンスシートと損益計算書を見てみたが、9/20現在の旬報とはあまり大きな差はなく、リーマンブラザーズ破綻の直後であり、まだ、その後の一連の金融不安発生前ということもあったかと思う。ただ株価は大きく落ち込んでおり、気になるところである。それにしても、資本金が1億円であり、自己資本比率が2.8%、負債の大半は日銀券であり、資産の大半は国債という構造となっており、通常の企業経営とは異質なバランスシートといえる。また、日銀も約6,500億円の利益を上げており、このほとんどが当たり前であるが国庫に入るという構造となっている。今回はリーマンブラザーズ破綻直後であったが、現在、そして、今後の日銀の決算がどのような状況であり、どのように推移してゆくのか興味深いところである。いずれ、また、状況に応じて、本ブログでも取り上げてみたい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1238人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 7, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 06, 2008

平和堂、2009年2月期中間、減収減益、大型店減収!

   10/2、平和堂の2009年2月期の決算が公表された。翌日10/3の平和堂の株価であるが、1,355円(-147円、-9.78%)となる大幅安となった。この1週間の平和堂の株価は10/2(1,502円)、10/1(1,516円)、9/30(1,505円)、9/29(1,521円)と下げに転じており、厳しい株価が続いている。実際、チャートを見ると、ここ数ケ月間、9月の前半までは1,650円前後で推移していたので、10/3現在の1,355円は約20%の下落であり、9月中旬以降株価は下げに転じ、この中間決算発表がさらに株価の下げを加速したといえる。
   
   その中間決算の数字であるが、営業収益2,052.88億円(99.8%)、営業利益 55.44億円(89.7%:営業収益比2.70%)、経常利益55.44億円(98.0%:営業収益比2.70%)、当期純利益 23.25億円(75.1%:営業収益比1.13%)となる減収減益の厳しい決算となった。その要因は食品スーパーマーケットのフレンドマートは110.7%と好調な数字であったが、平和堂の売上構成比の中ではわずか18.0%しかなく、10%伸びても相乗積から貢献度は1.8%しかないのが実態である。この中間決算では、売上構成比の66.3%を占めるアル・プラザが96.5%となったことに加え、残り15.7%を占めるGMSが90.9%と大幅にダウンしたことが減収となった最大の要因である。しかも、商品別に見ると、食品は102.2%と堅調であったが、衣料品93.6%、住居関連品94.7%という状況であり、食品以外の商品の不振が減収の要因であったといえよう。
   
   したがって、今後、平和堂が増収増益を目指すには、不振のGMS、ショッピングセンター、アル・プラザ部門、特に、衣料品と住居関連品の活性化が急務であるが、消費環境は節約志向が強まり、かなり厳しい状況にあるといえよう。本来であれば好調な食品スーパーマーケット、フレンドマートを伸ばすことがポイントであるが、売上構成比が18.0%と2割を切っており、これを、30%、そして、50%へともってゆくことはすぐには難しいといえよう。可能性としては、食品スーパーマーケットのM&Aであろうが、その意味で、今後、平和堂がいつ食品スーパーマーケットのM&Aに踏み込んでもおかしくない状況にあるといえよう。
   
   ちなみに、通期の予想であるが、今後、アル・プラザ堅田店(11月、滋賀県大津市)とフレンドマート甲南店(11月、滋賀県甲賀市)を新規出店する他、大型店舗2店舗の改装を実施し、営業収益4,210.00億円(100%)、営業利益138.00億円(101.2%:営業収益比3.27%)、 140.00億円(100.4%:営業収益比3.32%)、当期純利益64.00億円(101.6%:営業収益比1.52%)の増収増益を予想しているが、この予想数字を達成するためには、かなりの思い切った活性化策が必要といえよう。
   
   平和堂のこの中間期の原価、経費の状況を見てみると、原価は70.5%(昨年70.5%)と昨年と全く同じ数字である。したがって、売上総利益は29.5%(昨年29.5%)とこれも昨年と同じである。これに対し、販売費及び一般管理費であるが、33.3%(昨年33.0%)と0.3ポイント増加しており、差引、粗利差は-3.8%(-3.5%)のマイナスとなっている。これは損益計算書では計算されていない指標であるが、食品スーパーマーケットの純粋な売上から経費を差し引いた利益といえ、いわばマーチャンダイジング力を表した指標ともいえよう。一般的に、食品スーパーマーケットはこの指標がプラスの傾向が強いが、平和堂のようにショッピングセンター、GMSが柱の企業では、今回のように大きくマイナスとなることが多い。そして、そのマイナスをカバーするのが、不動産収入、物流収入などの営業収入である。平和堂もこの中間期の営業収入は6.7%(昨年6.7%)もあり、その内訳はほぼ半分の約60億円が不動産収入である。結果、営業利益は2.9%(昨年3.2%)となり、経費の増加分だけ、減収となった構図である。意外なことに、原価の上昇は見られず、したがって粗利は減少せず、しかも、不振のGMS、ショッピングセンター等の不動産収入等も減少せず、経費の上昇分だけ、営業利益に影響を与え、減収となっており、これを見る限りでは、今後、経費削減が当面の優先課題といえる内容である。
   
   一方、今後、成長戦略を描く上に重要な自己資本比率の状況を見てみると、35.3%(昨年33.5%)とわずかではるが改善している。ただ、昨年度の本決算時は35.2%であったので、この半年はほぼ同じ数字で推移しているといえ、また、食品スーパーマーケット業界平均と比べると、かなり低い数字といえよう。その要因は、負債の主要項目である長短借入金等の合計が918.30億円(昨年965.30億円)と総資産2,803.72億円の32.7%と依然としてかなりの負担となっていることである。したがって、出店にかかわる資産である土地、建物、差入敷金及び保証金の合計1,970.41億円(昨年1,995.56億円)、総資産の70.2%を占める資産をカバーするには自己資本比率35.3%では難しく、借入に約50%弱依存する出店構造となっていることである。どうしても、土地、建物が巨額になるGMS、ショッピングセンターを主体としているため、このような重い出店構造となる傾向は強いビジネスモデルではあるが、今後、安定的な成長路線をとってゆくためにも、自己資本比率の充実は課題といえよう。ちなみに、これを全104店舗で割ると18.94億円であり、1店舗当たりの出店にかかわる資産は通常の食品スーパーマーケットの約4倍である。
   
   このように、平和堂の2009年2月期の中間決算が公表されたが、減収減益の厳しい決算となり、株価も大きく下げに転じ、厳しい状況が続いている。ただ、通期予想は増収増益を予想しているので、急回復がどこかで起こるとの予想であるが、消費環境はより厳しさを増しつつあり、特に、食品以外の衣料、住居関連は厳しさが予想され、さらに平和堂の主力業態であるショッピングセンター、GMSはより厳しい経営環境が予想される。こう見ると、次の半期で思い切った経営改革が必要といえ、平和堂が今後、どのような経営改革を打ち出すかに注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1238人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 6, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 05, 2008

食品スーパーマーケット今週の株価、10/3、厳しい状況!

   10/3、アメリカで懸案の金融救済法案が下院で可決され、ブッシュ大統領がサインをし、総額約75兆円の金融機関救済の債権買い取りがはじまった。ただ、これはサブプラムローン問題を解決する第1歩であるといえ、今後、債権買取価格の問題、時価会計の一時棚上げの問題、そして、本命といわれている金融機関への資本注入の問題等が残っており、本格的な金融危機の対処は次期政権に委ねられたといえよう。これで金融危機が収束するということではなく、一時的な小康状態となったにすぎず、依然として、アメリカの金融危機は続いているといえる。当然、日本への影響もじわじわと出始めており、今後、食品スーパーマーケットとしても、財務的には借入の返済、新規借り入れをはじめ資金調達の困難、そして、消費減退が予測される状況であり、成長戦略の見直し、既存店の活性化、経費削減が当面の重点政策となろう。このような中で、今週、10/3時点の食品スーパーマーケット業界の株価の動向を見てみたい。

   株価の動向を短期的に見る指標の一つとしては、移動平均乖離率という指標がある。5日、25日、13週、26週とあり、今回は、ここ最近の動向を見るために、5日移動平均乖離率を中心に見てみたい。今週、5日移動平均乖離率で最も低くなった食品スーパーマーケットはオオゼキであった。まず、数字であるが、オオゼキ2,305円(5日-14.18%、25日-20.54%、13週-20.10%、26週-20.13%)という状況であり、すべての段階でマイナスとなる下げとなった。これは、アメリカのサブプラムローン問題の影響もあるとは思うが、それ以上に、不正経理の問題が発覚し、結果、予定されていた中間決算の公表が遅れるという状況となり、10/3、前日2,700円の株価が10/4、2303円となる397円(-14.7%)の下げとなる大幅なダウンとなったことが大きかった。今後、業績にどのくらい影響がでるかが不透明な状況といえ、当面、不安定な株価が続くといえよう。

   これについで、5%以上、5日移動平均が下がった食品スーパーマーケットは、平和堂1,355円(-8.38%、-15.62%、-16.35%、-17.37%)、ダイイチ540円(-7.05%、-17.68%、-19.28%、-19.64%)、北雄ラッキー420円(-5.40%、-3.22%、-4.97%、-4.54%)、スーパーバリュー675円(-5.19%、-9.27%、-20.30%、-28.64%)の4社である。この中でも、平和堂は10/2に中間決算が公表されたが、減収減益の厳しい決算となったため10/3株価は急落、前日比147円ダウン(-7.5%)となり、1,355円となった。チャートを見ても9月中旬までは1,650円前後で推移していただけに、この日を含め、ここ数日のダウンは急激であり、今後、どこで落ち着くか読めない状況である。また、スーパーバリューもここ数ケ月ほぼ右下がりで株価は急落しており、7月には1,100円であった株価が10/3現在675円 (-45円、-6.25%)という状況であり、約40%近い株価ダウンであり、厳しい状況である。

    この5社以外で5日移動平均が1%以上下がった食品スーパーマーケットを見てみると、マックスバリュ東北630円(-3.37%、-8.56%、-11.64%、-12.25%)、バロー787円(-3.19%、-10.46%、-15.64%、-21.53%)、マルヤ140円(-2.77%、-7.89%、-12.50%、-16.66%)、オークワ1,589円(-2.69%、-4.16%、-5.24%、0.00%)、アークス1,258円(-2.17%、-11.09%、-13.18%、-12.15%)、カスミ578円(-1.70%、-7.52%、-10.38%、-9.54%)フジ1,632円(-1.68%、-3.65%、-7.74%、-8.52%)、オキスーパー850円(-1.62%、-1.84%、-3.18%、-2.74%)、マックスバリュ西日本1,402円(-1.61%、-3.44%、-3.97%、1.52%)、PLANT 265円(-1.48%、-7.98%、-12.25%、-15.60%)、マミーマート1,220円(-1.37%、-2.55%、-2.86%、-0.81%)であり、全部で16社である。

   これに対し、この厳しい経済情勢の中でも株価を上げている食品スーパーマーケットがある。5日移動平均では、ライフコーポレーション1,780円 (3.06%、4.15%、6.33%、10.97%)が断トツの数字であり、2位以下は1%台となるので、3.06%は、ずば抜けた上昇といえよう。実際チャートを見てもここ数ケ月間、ほぼ右上がりの株価となっており、移動平均のすべての段階でプラスとなり、今後、期待がもてる株価といえよう。特に、9/19に公表された業績予想でもこの中間、そして通期ともに、好業績となる予想が好感されているといえよう。

   以下、1%以上、5日移動平均が上昇している食品スーパーマーケットであるが、アークランドサカモト1,008円(1.92%、-6.23%、-10.08%、-10.24%)、大黒天物産1,200円(1.78%、1.69%、14.06%、33.92%)、イオン北海道299円(1.70%、2.74%、-4.47%、-8.56%)、マルエツ720円(1.69%、-14.28%、-19.55%、-16.85%)、天満屋ストア858円(1.65%、-1.49%、-3.91%、-2.27%)、ハローズ675円(1.50%、-1.17%、-1.31%、-0.29%)
ヤオコー3490円(1.45%、-1.32%、-1.69%、5.27%)、関西スーパー829円(1.34%、0.97%、2.09%、5.47%)、マルヨシセンター309円(1.31%、-0.96%、-1.59%、-3.73%)と全部で9社である。

   このように、アメリカのサブプライムローンの問題もようやく第1段階の解決策が動き始めたといえるが、まだまだ道半ばといえよう。日本への影響はこれからじわじわとくるものと思えるが、ここ最近の食品スーパーマーケットの株価は全体としては厳しい状況といえよう。ただ、ちょうど、各社から中間決算が公表されはじめたが、業績が好調な食品スーパーマーケットの株価は値上がりしはじめており、今後、中間決算の動向次第では、食品スーパーマーケット業界の株価も大きく動くものといえよう。来週以降も食品スーパーマーケットはもちろん、株価の動向には注目といえよう。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1235人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 5, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 04, 2008

日経MJ、新製品ランキング、10/3、飲料失速!

   10/3、日経MJ、新製品週間ランキングが公表された。ここ数週間、新製品ランキングが低迷気味で推移しており、特に、今週は先週2位から浮上した飲料部門のNo.1となったキリンビバレッジ、午後の紅茶スペシャル茶葉2倍ミルクティー460mlであるが、金額PI値289円となり、かなり低い数字でのNo.1であった。No.2は先週1位の日本コカ・コーラ、ファンタふるふるシェイカーレモン190mlであるが、金額PI値は先週比129円マイナスの215円と大きくダウンした。今週、飲料部門で金額PI値200円のCランクを超えたのは、この2品のみであり、飲料部門は、特に低調な数字となった。

   9/30に公表された家計調査データの数字を見ても飲料は、厳しい数字であり、前年同月比で91.9%と全部門の中で最も落ち込んだ部門であり、飲料がここへきて厳しい数字となってきたといえよう。ちなみに、家計調査データでは、ミネラルウォーター8.26円(80.0%)、乳酸菌飲料9.39円(82.0%)、果実・野菜ジュース32.23円(87.1%)、紅茶1.42円(88.0%)、ココア・ココア飲料0.55円(89.5%)、茶飲料21.52円(90.4%)などが厳しい数字である。逆にこの厳しい数字の中でも、伸びた項目は乳飲料3.97円(119.4%)、コーヒー11.23円(109.4%)、他の茶葉3.97円(103.4%)、炭酸飲料11.48円(102.6%)であり、乳飲料は良く伸びたが、他は微減であった。

   ただ、飲料部門はその厳しい中でも今週初登場の新製品が5品登場しており、特に、日本コカ・コーラが4品とここ数ケ月間継続的に新製品を投入しつづけており、積極的である。日本コカ・コーラは飲料部門全20品の新製品の内、9品を占めており、厳しい飲料業界を積極的な新製品の投入で牽引しているといえよう。今後、冬場にかけて飲料部門は需要が落ち着いてくるものと思うが、ここ最近、特に、今週の低迷は気になるところである。

   この厳しい飲料部門に対して、逆に、今週、注目したい部門は金額PI値はさほど高いとはいえないが、冷凍食品部門である。No.1に久しぶりに、アイスクリームではなく、冷凍食品が入った。先週2位からの上昇であり、日本水産、大きな大きな焼きおにぎり6個480gである。金額PI値は226円とCランクではあるが、冷凍食品がNo.1になるのは久しぶりといえよう。ベスト20の中でも、冷凍食品が半分の10品となり、やっと冷凍食品も中国餃子の問題を克服し、回復したといえよう。ただ、No.2からNo.5までアイスクリームであり、金額PI値はまだまだ低いのが実態といえる。

   そのNo.2であるが、先週1位だったハーゲンダッツジャパン、ミニカップメープルクッキー120mlが金額PI値214円で入った。金額PI値200円を超えたのはここまでであり、以下は200円を割る金額PI値となった。No.3、No.4もハーゲンダッツジャパンであり、ミニカップカフェモカ120ml、金額PI値186円、ミニカップイングリッシュミルクティー120mlが金額PI値177円で入った。そして、No.5にはロッテアイス、雪見だいふく47ml×2が金額PI値145円で入り、以上がベスト5である。冷凍食品が復活しつつあるが、まだ、上位はアイスクリームが占めており、今後、冷凍食品がどこまで数字を伸ばしてくるかが注目である。

   今週、金額PI値で見て、全部門でNo.1となったのは家庭用品部門の先週同様、マックスファクター、SK-Ⅱサインズリンクセラム30g、金額PI値859円である。先週比298円アップとなる、Aランクの500円を優に超える金額PI値となった。ただ、カバー率は16.8%とわずかであり、平均単価も13,129円と高額であり、通常の食品スーパーマーケットでは販売が難しい新製品といえよう。No.2、No.3には花王が入り、ソフィーナボーテリンクル美容液25ml、金額PI値368円、ふんわりニュービーズ大1kg、金額PI値254円が入った。No.4にはP&G、ボールド1kg、金額PI値228円が入っており、化粧品以外では、洗剤が強さを発揮したとえよう。特にボールドは今週初登場であり、カバー率も61.2%と高く、今後、注目といえよう。

   これ以外の部門ではその他食品部門であるが、先週1位であった日清食品、カップヌードルシーフードカレー82gは、金額PI値が先週比209円マイナスと大幅にダウンし、316円となり、No.4へと後退した。変わって、No.1となったのはミツカン、金のつぶあらっ便利!超やわらか納豆とろっ豆45g×3個であり、金額PI値はAランクの536円であった。カバー率も78.4%と高く、先週比も17円アップであり、今後注目である。No.2もミツカン、金のつぶあらっ便利!におわなっとう45g×3個、金額PI値422円であり、先週比がマイナス38円とちょっと気になるが、どちらも8/31初登場の新製品であり、安定した高い数字をキープしており、タレの改良が消費者から受け入れられつつあるといえよう。

   そして、菓子部門であるが、No.1はロッテ商事、プチブッセ<テイスティバニラ>8個であるが、先週比201円のマイナスとなり、金額PI値は276円まで下がり、気になるところである。No.2はネスレコンフェクショナリー、キットカットミニ15枚、金額261円であり、No.3は初登場、カルビー、じゃがりこグラタン58g、金額PI値233円と上位が拮抗しており、今後、上位争いに注目といえよう。

   このように、今週の日経MJ新製品週間ランキングを見ると、全体的に新製品が低迷気味で推移しており、消費の減退を裏づけるような動向といえよう。特に、飲料部門は季節にもよると思われるが、ひところの勢いがピタッと止まり、低調な動きである。来週以降、このような状況を打破する冬場に向けてのパワーのある新製品の登場に期待したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1235人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 4, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 03, 2008

家計調査8月度、全体実質96.0%、食品名目100.1%!

   9/30、総務庁統計局から2009年8月度の家計調査データが公表された。すでに新聞等で報道されているように、実質-4.0%(96.0%)のダウンという数字である。ただ、名目では-1.6%(98.4%)という数字であり、食品(外食を含む)数字では、実質-2.2%(97.8%)、名目では0.7%(100.7%)とプラスであり、物価上昇の影響が大きかったといえる。実質と名目の違いは物価上昇分を考慮するか、しないかの違いであり、家計から見れば、支出金額の絶対額は名目に表れているといえ、こと食品(外食を含む)に関しては、ほぼ消費額は昨年と同じ数字であったといえよう。

   ここで、実質-4.0%となった中身を見てみると、最も大きかったのは、その他の消費支出であり、-1.94ポイントである。その他の消費支出とはこづかい、交際費などであり、これに次ぐ住居の-0.72ポイントと比べると圧倒的に大きいことがわかる。家計はこの物価高でまず、こづかい、交際費を節約したといえよう。ちなみに、名目でこの状況をさらに詳しく見てみると、こづかいの中でも世帯主こづかい91.0%、他のこづかい99.0%という状況であるので、まず、世帯主のこづかいが大きく減らされたことがわかる。これ以外では交際費の中の贈与金も91.3%と大きく減っており、生活防衛はまず、こづいかい、そして、交際費が大きいといえる。ちなみに、この2つの合計は生鮮3品(青果、精肉、鮮魚)の合計金額よりも大きく、全消費額の約10%を占め、家計の中では最大の支出となっている。家計はその意味で支出項目のNo.1の項目に切り込んだといえ、企業でいえば、人件費に匹敵する支出項目であり、まさに、家計のリストラに踏み切ったといえよう。

   そこで、さらに、食品について、詳しく見てみたい。家計調査データは実質の数字は細かく公表されてはいないので、ここでは名目の数字をもとに、また、食品スーパーマーケットの金額PI値と比較しやすいように、1日当たりの消費額で見てみたい。まず、全体の数字であるが、2,074.10円(100.1%)であり、この中には外食は入っていない、純粋な食品への支出額である。この数字を見る限り、家計は食品への支出は全体としては、昨年とほぼ同様の数字となっている。もちろん、ここには実質ではなく、名目であるので、物価上昇率は考慮していないが、家計からの支出金額の絶対額はほぼ昨年並みといえよう。

   これを大項目で見てみると、5%以上プラスになった項目は油脂・調味料106.13円(107.0%)、肉類218.65円(106.3%)、穀類213.26円(106.1%)の3項目である。また、-5%以下の項目は飲料150.90円(91.9%)、果物133.06(93.1%)、野菜・海藻257.16円(93.3%)の3項目である。やはり、値上げ関連商品の最も多い油脂・調味料、小麦関連の穀類が大きく、比較的ライフラインの維持と遠い嗜好品といわれる飲料、果物が小さいという特徴が表れているといえよう。家計は全体としてもこづかい・交際費を節約すると同様、食品においても嗜好品関連を節約している傾向が数字でも鮮明に表れているといえよう。ただ、意外な項目としては、同じ嗜好品でも菓子類が243.48円(104.8%)とほぼ5%近い伸びを示しており、菓子はここ数ケ月絶好調である。

   次に、大分類から小分類で115%以上伸びた項目を見てみると、スパゲッティ3.77円(146.3%)、即席めん3.81円(134.1%)、かき0.13%(133.3%)、れんこん1.74円(131.7%)、バナナ12.42円(129.6%)、チョコレート6.19円(126.3%)、ウイスキー3.45円(125.9%)、ビスケット9.61円(124.7%)、乾うどん・そば18.42円(121.7%)、合いびき肉5.61円(120.0%)、スナック菓子 11.10円(119.9%)、乳飲料3.97円(119.4%)、マーガリン2.03円(118.9%)、カレールウ 4.81円(118.3%)、粉ミルク2.74円(116.4%)、ジャム3.32円(115.7%)、カップめん7.97円(115.4%)という状況である。かなりの項目が小麦関連の値上げ関連商品といえよう。また、この中でバナナが129.6%と異常値になっているが、まさにいまはやりのバナナダイエットの影響といえよう。昨年の納豆ダイエット以来の異常値といえ、この傾向は続くといえよう。

   逆に、小分類で85%以下となった項目を見てみると、いわし1.52円(68.1%)、グレープフルーツ1.71円(69.7%)、キャベツ5.65円(75.8%)、ぶり5.26 円(8.4%)、かに2.58円(78.4%)、酢3.77円(79.6%)、きゅうり8.87円(79.9%)、こんぶつくだ煮2.97円(80.0%)、ミネラルウォーター8.26円(80.0%)、なす7.71円(80.2%)、レタス6.13円(80.9%)、かつお5.13円(81.5%)、しじみ1.16円(81.8%)、まぐろ14.97円(81.8%)、乳酸菌飲料9.39円(82.0%)、メロン7.32円(82.5%)、トマト16.81円(83.1%)、キウイフルーツ2.58円(84.2%)、魚介のつくだ煮 2.77円(84.3%)、こんぶ2.45円(84.4%)、なし19.00円(84.7%)、プリン5.03円(84.8%)という状況であり、生鮮関連がほとんであることがわかる。ただ、飲料のミネラルウォーター、乳酸菌飲料、プリンなどもあり、嗜好品も厳しい状況といえよう。

   このように2008年8月度の家計調査データを見ると、やはり、名目では値上げ関連商品がのきなみ上位に浮上しており、資源・エネルギー関連の上昇による物価高の影響の高いものほど上昇している傾向が鮮明であり、物価上昇率を考慮した実質が4.0%(96.0%)となったのもうなづける数字といえよう。その意味で、消費もいよいよ厳しい状況に入り、家計は節約の時代に突入したといえよう。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1235人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 3, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 02, 2008

アークランドサカモト、2009年2月期中間、減収増益!

   アークランドサカモトが、9/19、2009年2月期の中間決算を公表した。アークランドサカモトは1店舗巨大主義+変化対応型を標榜するメガスーパーセンターを柱とするホームセンターある。主体はホームセンターであるが、生鮮食品、日配、グロサリーもとり扱っており、食品スーパーマーケット、GMSとも競合する業態といえる。また、ホームセンター以外にも外食、不動産事業等も売上の約10%を占め、事業の多角化も図っている。その中間決算の結果であるが売上高464.51億円(94.4%)、営業利益28.15億円(110.6%:売上対比6.06%)、経常利益29.40億円(109.4%:売上対比6.32%)、当期純利益15.21億円(117.8%:売上対比3.27%)となる減収増益となる決算であり、利益は大幅に改善したが、売上が伸び悩んだ結果となった。

   売上が伸び悩んだ要因は、主力のホームセンター部門ではなく、その他小売部門に属するランドクラブの閉店の影響が大きかったといえる。ホームセンター部門は343.8億円(101.9%)と増収であったが、その他小売部門のランドクラブ新潟店を昨年6月、ランドクラブ長岡店今年1月に閉店したため売上が26.31億円(48.0%)となったことによる。外食、不動産も108.4%、113.6%と好調な売上であったことから、この中間期の減収は、その他小売部門のランドクラブの閉店にあったといえよう。

   一方、利益が大幅な増収となった要因を原価、経費の面から見てみると、まず、原価であるが、昨年の70.5%から今期は68.5%と2.0ポイントと大幅に改善している。結果、売上総利益が31.5%となり、昨年の29.5%と比べ、2.0ポイント改善したことが大きかったといえよう。資源、エネルギー関連が値上げし、食料品を中心に原価が上がり、物価が上昇している中で、アークランドサカモトの仕入れ原価は下がっており、ホームセンターの主力商品群は仕入れの強さが経営に有利に働いているといえよう。次に、経費面であるが、昨年は24.3%であったが、今期は25.4%と1.1ポイントと大きく上昇した。ただ、原価が2.0ポイント改善しているので、結果、営業利益は6.1%と昨年の5.2%から0.9ポイント改善し、大幅な増益となった。意外なことに、アークランドサカモトの増益要因は原価改善にあったといえ、売上が減少し、経費が上昇しても、それを2.0ポイントいう大幅な原価改善でカバーし、営業利益を増益にもっていった構図である。

   これを受けて、通期、2009年2月期の本決算の予想であるが、売上高907.00億円(97.7%)、営業利益45.50億円(104.1%:売上対比5.01%)、経常利益46.50億円(103.3%:売上対比5.12%)、当期純利益23.00億円(160.5%:売上対比2.53%)と、この中間決算同様、減収増益予想である。閉店したランドクラブ2店舗分を埋めるのは既存店では厳しいようで、今後、増収を目指すには、新規出店が大きな課題となろう。
 
   その新規出店であるが、昨年12月に改正施行されたまちづくり3法が、アークランドサカモトの主力業態ホームセンタームサシおよびスーパーセンタームサシを出店する上において、10,000㎡規制がかかり、これ以上の規模店舗を新規出店するのが、これまでよりは難しい状況となりつつある。したがって、アークランドサカモトも10,000㎡規模の店舗での出店を今後計画しているというが、これまでの1店舗巨大主義を実現するには難しい面積であり、今後の新規出店戦略の修正を余儀なくされつつあるといえよう。

   ちなみに、アークランドサカモトの出店にかかわる資産を見てみると、土地、建物、敷金・保証金の合計は442.87億円であり、これは総資産719.32億円の61.56%である。ただ、ホームセンターは食品スーパーマーケットと違い、在庫負担も格段に大きいため、これに棚卸資産も加える必要がある。今期の棚卸資産は130.26億円であり、総資産の18.10%と大きく、これを加えた出店にかかわる資産は79.66%と巨額の資産になる。これを現在の店舗数20店舗で割ると、1店舗当り28.65億円となり、通常の食品スーパーマーケットの5倍強の数字となる。いかに新規出店にかかわる資産が大きいかがわかる。食品スーパーマーケット業界ではイズミほどではないが、平和堂、イズミヤよりも大きな資産である。

   現在、アークランドサカモトの自己資本比率は43.6%であり、長短借入金の合計が162.37億円あり、総資産の22.5%となり、自己資本との合計66.1%では賄えず、買掛金、預かり金等で埋めている現状である。今後、新規出店を果たし、成長率を引き上げてゆくためにも、一層の借入金の削減による自己資本比率の充実も課題といえよう。

   このように、アークランドサカモトの2009年2月期の中間決算が公表されたが、残念ながら、今期は2店舗の閉店があり、この6月に新規オープンした宮城県2店舗目となる名取店ではカバーができず、減収となった。アークランドサカモトは現在20店舗であるので、安定成長をはかってゆくためには、毎年、2店舗程度は新規出店を果たしてゆきたいところである。そのためにも、原価改善が進み、安定した利益が確保されているだけに、一層の財務基盤の充実をはかり、まちづくり3法の枠の中で新規出店を果たしてゆけるかが経営課題といえよう。名取店につぐ、次の新店がいつ、どのような規模でなされるかに注目したい。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1235人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 2, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 01, 2008

9/30、食品スーパーマーケット全約50社の株価を見る!

   9/29、予想外のアメリカ下院での約75兆円の公的資金投入となる金融安定化法案が否決され、アメリカはもちろんのこと、9/30には、世界中の株価が下げに転じ、日本の株価も一斉に下げに転じた。日経平均は、11,259.86円(-483.75円、-4.12%)となり、年初来最安値となった。この6月には14,500円をつけていた日経平均であり、その後、ほぼ右下がりに株価は転じており、リーマン・ブラザーズショック以来さらに株価は下がったが、今回はそれを下回る下げであり、今後、株価は誰も予想不可能な領域に入ってきたといえよう。ただ、サブプライムローンの問題は解決の糸口が見えない状況であり、何らかの手が打たれないと、アメリカ発の世界的な金融恐慌になりかねず、大統領選挙のさなか、ブッシュ政権の次の一手が注目される。

   このような中で、日本の食品スーパーマーケットの株価がどのような動きを示したのかをつぶさに見てみたい。今回は、株価騰落率をもとに、9/30、最も下げ率の大きかった食品スーパーマーケットだけでなく、主要小売業も交えて株価の動向を追ってみたい。まず、ベスト10であるが、イオン1,053円(-95円、-8.27%)、ユニー1,056円(-90円、-7.85%)、ダイエー544円(-42円、-7.16%)とGMSが上位を独占した。ついで、食品スーパーマーケットとして最も株価騰落率が大きかったのがライフコーポレーション1,647円(-114円、-6.47%)であった。さらに、ダイイチ590円(-39円、-6.20%)と続き、次にヤマダ電機が7,910円(-470円、-5.60%)、ビックカメラ41,150円(-2,150円、-4.96%)と家電が続く。そして、大黒天物産1,160円(-55円、-4.52%)、マルミヤストア470円(-20円、-4.08%)、PLANT 260円(-10円、-3.70%)となり、以上が食品スーパーマーケットを含む主な小売業ベスト10である。小売業全体約400社の中ではPLANが90番であり、全体の約25%である。日経平均が、-4.12%であるので、この時点で平均を下回っており、食品スーパーマーケットは全体の平均よりも落ち幅は少なかったといえよう。

   ついで、さらに、今度は、食品スーパーマーケットのみ株価騰落率の大きかった企業を見てみたい。株価騰落率1.0%以上の食品スーパーマーケットであるが、ヤマザワ1,350円(-52円、-3.70%)、天満屋ストア828円(-30円、-3.49%)、バロー807円(-29円、-3.46%)、イオン九州1,390円(-45円、-3.13%)、相鉄ローゼン422円(-13円、-2.98%)、ドミー512円(-15円、-2.84%)、マックスバリュ西日本1,409円(-41円、-2.82%)となる。この次に、しまむら6,980円(-200円、-2.78%)、セブン&アイホールディングス2,995円(-85円、-2.75%)と食品スーパーマーケット以外の主要小売業が入り、続いて、スーパーバリュー715円(-20円、-2.72%)、オークワ1,580円(-42円、-2.58%)、CFS 651円(-16円、-2.39%)と以上がまず食品スーパーマーケット10社である。

   もう10社みたい。ジョイス450円(-10円、-2.17%)、マックスバリュ東北660円(-11円、-1.63%)、東武ストアー359円(-5円、-1.37%)、エコス626円(-8円、-1.26%)、原信ナスルホールディングス1,040円(-13円、-1.23%)、アークランドサカモト970円(-12円、-1.22%)、イズミヤ573円(-7円、-1.20%)、マルエツ696円(-8円、-1.13%)、マックスバリュ中部880円(-10円、-1.12%)、そして、いなげや891円(-10円、-1.10%)である。ここまでが-1.10%であるので、あと数社1.0%まで見てみると、イズミ1,470円(-16円、-1.07%)、平和堂1,505円(-16円、-1.05%)までが1.0%まで下がった株価騰落率の食品スーパーマーケットである。約50社の内、ちょうど合計30社であり、6割が株価を1.0%以上下げたといえよう。

   一方、逆に、9/30、株価を上げた食品スーパーマーケットを見てみたい。No.1はヤオコーであり、3,470円(+160円、+4.83%)と、全小売業約400社の中でも8番目の株価騰落率である。ついで、ベルク1,010円(+35円、+3.58%)、マックスバリュ東海1,247円(+27円、+2.21%)、サンエー3,330円(+30円、+0.90%)、マルヤ149円(+1円、+0.67%)、丸久947円(+6円、+0.63%)、アークス1,300円(+8円、+0.61%)、Olympic 710円(+4円、+0.56%)、フジ1,676円(+4円、+0.23%)、関西スーパー810円(+1円、+0.12%)と、ちょうどこの10社のみが株価を上げた食品スーパーマーケットである。食品スーパーマーケット全約50社の内、10社、20%であることから、やはり、80%はプラスにならかなかった厳しい株価であったことがわかる。

   ちなみに、これ以外の約10社、0%から-1.0%までの食品スーパーマーケットであるが、マミーマート1,240円(0%)、ハローズ657円(0%)、九九プラス69,000円(0%)、アオキスーパー875円(0%)、ヤマナカ930円(0%)、オオゼキ2,830円(-5円、-0.17%)、イオン北海道288円(-1円、-0.34%)、ユニバース1,160円(-5円、-0.42%)、カスミ572円(-3円、-0.52%)の9社である。

   このように9/30現在の上場食品スーパーマーケット約50社すべての株価騰落率を見てみたが、0%以上株価が上昇した食品スーパーマーケットが10社、0%から1.0%まで下落した食品スーパーマーケットが9社、そして、1.0%以上下落した食品スーパーマーケットが30社と、0%以下が39社となる厳しい株価となった。ただ、日経平均の-4.12%よりも下げ幅が大きかった食品スーパーマーケットはわずか5社であり、比較的食品スーパーマーケット業界は影響が小さかったといえよう。今後、ますます、金融、経済は混迷を深めてゆくもの予想されえ、株価だけでなく、実物経済への影響についても注視する必要があり、待ったなしの緊張状態が当面続くといえよう。

まぐまぐ、プレミアムスタート、コンサルティング、現場からのレポート執筆中!
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在1235人)
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在505人)

October 1, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)