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November 11, 2008

ホールフーズマーケット、2008年9月決算、増収減益!

  オーガニック食品スーパーマーケット、ホールフーズマーケットが11/5、2008年9月度の本決算を公表した。売上高79.53億ドル(約8,000億円、120.6%)、営業利益2.36億ドル(約230億円、79.4%:売上対比2.9%)、当期純利益1.14億ドル(約110億円、62.8%:売上対比1.4%)となる増収減益となり、厳しい決算となった。アメリカの損益決算書は日本とは若干違い、経常利益がなく、営業利益と当期純利益のみでの数字であり、すっきりした決算書である。さらに、営業利益を算出する上において、段階を分けて、利益が計算されており、利益がどのような要因で生じたのかが分かりやすくなっている。
 
  順にその構造を見てみると、売上高79.53億ドル(約8,000億円)であり、原価は52.47億ドル(約5,200億円:売上対比65.9%)となり、結果、売上総利益は27.06億ドル(約2,700億円:売上対比34.0%)となる。この数字は日本の食品スーパーマーケットと比べると極めて高い数字であり、オーガニック食品スーパーマーケットがいかに高粗利であるかがわかる。ちなみに、原価65.9%は昨年と比べると、昨年が65.1%であるので0.8ポイント上昇しており、やや原価があがっている。

  そして、この売上総利益から、何段階かに渡って経費が差し引かれるが、まずは、店舗経費が差し引かれ、店舗貢献利益が算出される。今期は5.98億ドル(約600億円弱)であり、7.5%である。日本にはない利益の算出方法であり、本ブログで取り上げているマーチャンダイジング力の概念に近い数字であるといえ、店舗段階での貢献利益が計算されることになる。そして、ここから、販売費及び一般管理費が引かれ、今期は3.28億ドル(約330億円弱)となり、売上対比4.12%となる。これで終わりではなく、さらに、ここから、出店、閉店コストを差引き、営業利益2.36億ドル((約230億円、79.4%:売上対比2.9%)となる。日本では、ここまで費用を分けて計算し、経費に明示し、しかも、分けて利益を算出することはないので、営業利益の中身が特に店舗動向を起点にきっちり計算され、小売業特有の利益構造をしっかり説明しており、びっくりである。
  
  さて、このように、今期は、ホールフーズマーケットも売上こそ順調であったが、利益が厳しい状況であり、来期へ向けての新たな経営戦略を、この決算公表の中で提示している。資本調達である。今回、4.25億ドル(約400億円)をレオナルド・グリーンパートナーズから出資(議決権の17%)を受けたという。これに対して、CEOのジョン・マッケイ氏は、流通業界への投資で経験豊富なレオナルド・グリーンパートナーズから出資を得られ感謝しているとの談話を出し、特に、経済情勢が不安な中、今後の長期的な成長への資金としたいとのことである。実際、今後の出店計画を見ると、今期は20店舗(前期21店舗)を新規出店したが、2009年度は15店舗、2010年度は17店舗、2011年度は19店舗、2012年度は19店舗と、今後4年間で合計70店舗の新店開発を計画しており、その資金への活用であろう。
  
  では、実際、今期、ホールフーズマーケットがどのような財務状況にあったかを、キャッシュフローで見てみたい。まず、営業活用によるキャッシュフローであるが、3.25億ドル(約300億円強)であり、投資活動によるキャッシュフローは-3.65億ドル(約-360億円)のマイナスであり、結果、フリーキャシュフローは-0.4億ドル(約40億円弱)のマイナスとなり、逆流となっている。新店投資への資金が3.57億ドル(約350億円)と多額の負担となったためである。そして、財務活動によるキャッシュフローであるが、0.6億ドル(約60億円弱)であり、結果資金は0.3億ドル(約30億円弱)のプラスとなるが、長期借入金を3.17億円ドル(約300億円)借り入れるなど、厳しい状況といえる。ホールフーズマーケットがレオナルド・グリーンパーナーズから4.25億ドル(約400億円)の出資を受けるのもうなずけるキャッシュフローの流れである。
   
  では、出店余力はどうかを見てみたい。ホールフーズマーケットの今期の自己資本比率は44.5%(昨年45.4%)であり、出店にかかわる資産である土地、建物等の合計は19.00億ドル(約1,900億円弱)であり、これは総資産33.80億ドル(約3,300億円)の56.2%であり、ここから出店余力を計算すると-11.7%となる。当然、この分を負債に依存していることになり、その主要項目である長短借入金の合計を見ると、9.28億ドル(約900億円)であり、これは総資産の27.4%となり、かなり財務負担の大きい状況であるといえよう。結果、成長戦略を負債に頼らざるをえない財務構造となっており、今回、新たな出資をレオナルド・グリーンパーナーズから受け入れた状況がこの台所事情にあるといえよう。成長を止めるて、リストラに入るか、資金調達して、さらに成長を目指し、活路を開くか、CEOのジョン・マッケイ氏の経営決断の難しさが推し量れるといえよう。
   
  このように、2008年9月期のホールフーズマーケットの本決算が公表されたが、積極的な新規出店、M&A等により増収とはなったが、利益が厳しい状況であり、しかも、その新規出店、M&Aをささえる財務状況が特に、キャッシュフローが逆流するなど厳しい状況であるといえる。ただ、今回、資本増強ができ、自己資本比率が向上し、出店余力があがるので、来期以降の出店も可能となると思われるが、現在、未曾有の金融危機のさなか、アメリカの消費者が今後ともオーガニック商品を買い続けるかどうか、予断を許さない状況が続くものと思われる。ちなみに、ホールフーズマーケットの現在の株価であるが、11/7現在、10.05ドルと厳しい株価が続いている。昨年後半は50ドル近い株価であったので、1/5となる状況であり、チャートはまさに、右下がりの状況であり、底が見えない厳しい状況といえよう。今後のホールフーズマーケットの動向を注意深く見守りたい。

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November 11, 2008 in 経済・政治・国際海外情報 |

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