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November 30, 2008

ヤマザワ、2009年3月期中間、減収減益、厳しい決算!

   ヤマザワが2009年3月期の中間決算を11/7、公表した。結果は、売上高461.26億円(99.4%)、営業利益11.83億円(79.5%:売上対比2.5%)、経常利益11.96億円(80.0%:売上対比2.5%)、当期純利益4.11億円(59.5%:売上対比0.9%)となる減収減益の厳しい決算となった。通期予想も売上高920.00億円(101.1%)、営業利益23.00億円(80.0%:売上対比2.5%)、経常利益23.00億円(79.3%:売上対比2.5%)、当期純利益10.00億円(66.3%:売上対比1.0%)とわずかに増収とはなるが、大幅な減益となる状況であり、今期ヤマザワは厳しい結果が予想されよう。
  
   今期、決算結果が厳しかった要因をマーチャンダイジング力で見てみると、まず、今期のヤマザワの原価は72.1%(昨年72.0%)となり、0.1ポイントとわずかな原価の上昇がみられる。結果、売上総利益は27.9%(昨年28.0%)となり、ほぼ、昨年同様の数字となった。一方、販売費及び一般管理費は25.2%(昨年24.7%)となり、0.5ポイントの上昇となり、この経費の上昇が減益の大きな要因といえよう。結果、マーチャンダイジング力、売上総利益-販売費及び一般管理費は、2.7%(昨年3.3%)と0.6ポイント下がった。今期は、原価よりも経費が上昇したことがマーチャンダイジング力に響いたといえよう。  
   
   一般に減益になると、キャッシュフローが厳しい状況となる。そこで、今期のヤマザワのキャッシュフローの流れを見てみると、営業キャッシュフローは6.59億円である。これに対して、投資キャッシュフローは-12.04億円であり、その中身は有形固定資産の取得の11.51億円が大半を占めており、新規出店関連への投資であろう。ただ、この投資は営業キャッシュフローを大きく上回っており、キャッシュフローは逆流となってしまった。その結果、フリーキャッシュフローは-5.45億円となった。そして、財務キャッシュフローであるが、-6.17億円となり、長短借入金を4.66億円返済し、さらに、配当金に1.46億円を当てている。したがって、投資、財務、ともに大きくマイナスとなり、結果、合計のキャッシュフロー、資金は-11.62億円となる厳しいキャッシュフローの流れとなった。ただ、新たな借入をおこさずに、手持ち現金を取り崩しており、財務的には大きな負担とはなっていない状況である。
   
   ちなみに、昨年のキャッシュフローの流れは、営業キャッシュフローが16.94億円、投資キャッシュフローが-9.42億円となり、結果、フリーキャッシュフローは7.52億円となり、順流であった。そして、財務キャッシュフローは-5.77億円となり、トータルのキャッシュフローは、1.82億円のプラスとなり、極めてスムースな流れであったといえよう。投資対財務も約2:1と投資に重点を置いたキャッシュフローとなっており、積極的な成長戦略が意識されたキャッシュフローの配分であった。
   
   このような中で、今後のヤマザワの成長をうらなう上で、出店余力を見てみたい。今期のヤマザワの土地、建物、借地権の合計は243.35億円であり、これは総資産385.05億円の63.1%となる。また、今期のヤマザワの自己資本比率は64.3%であるので、したがって、出店余力は自己資本比率64.3%-出店にかかわる資産63.1%であり、1.2%とプラスとなった。これは、自己資本の範囲内での新規出店が可能な財務状況といえ、出店余力は高いといえよう。ちなみに、これを食品スーパーマーケットのみの全59店舗で単純に割ってみると、4.12億円となる。この中にはドラックストア60店舗も入っているので、食品スーパーマーケットだけで見ると、ほぼ通常の出店にかわる資産であるといえよう。一方、負債面であるが、主要項目の長短借入金等の合計は18.12億円であり、これは、総資産385.05億円の4.7%であり、財務的には問題ない金額である。したがって、出店余力に関しては、問題ない健全な財務状況であり、営業キャッシュフロー如何で安定的な新規出店が可能な状況といえよう。
   
   これを受けて、ヤマザワの株価であるが、この決算前の10//28に上場来最安値の1,136円をつけるという厳しい株価となったが、その後、株価は上昇し、この決算発表のあった11/7(金)には1,330円まで回復した。その後は、11/10(月)は1303円、11/11(1,307円)、11/12(1,327円)、11/13(1,278円)、11/14(1,267円)とほぼ横ばいで推移しており、投資家は冷静にこの決算結果を見ているといえよう。また、その後も、ほぼ1,250円から1,300円前後で推移しており、株価は比較的安定した推移である。
   
   このように、2009年3月期のヤマザワの中間決算が公表されたが、減収減益となる厳しい決算結果となり、キャッシュフローも逆流となった。ただ、出店余力は高く、借入金もわずかであり、財務的には安定した状況である。したがって、ヤマザワの経営課題はマーチャンダイジング力に絞られたといえ、今後、マーチャンダイジング力をいかに高め、営業キャッシュフローを増大させるかが、今後の安定的な成長戦略をはかる上においては重要な経営課題といえよう。今後のヤマザワが新店開発はもちろん、それ以上にどのようなマーチャンダイジング戦略を打ち出すかに注目したい。

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November 30, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 29, 2008

日経MJで、アメリカ小売業の8-10月期決算特集!

    11/28の日経MJでアメリカの小売業の8-10月期決算の概況が特集された。ちょうど、この期間は、9/15のリーマンブラザーズ破綻後のアメリカの金融不安をもろに受けた最初の四半期決算でもあり、注目の決算である。結果は、ウォルマートの一人勝ちという状況となった。売上に関しては、掲載された約10社の内、ウォルマートの107.4%、ターゲットの101.9%、ロウズの101.4%以外、すべて減収となり、最終損益に関してもウォルマートの109.8%、ギャップの103.3%以外、すべて減益となる厳しい決算となった。日経MJの見出しも、「米小売り8-10月期決算、ウォルマート一人勝ち9.8%増益、低価格戦略に軍配、ターゲット23%減益、サックスは赤字転落」という見出しである。また、関連記事でも、「カード消費、逆回転、価格競争負担重く」という見出しでの特集があり、アメリカの消費構造が根底から変わり始めたことが浮き彫りになったといえよう。
   
   記事の中では、ウォルマートと同じ、ディスカウントストア、ターゲットについても言及しているが、ターゲットもわずかではあるが、売上はプラスであったが、利益は厳しいものとなった。その要因はクレジットカード事業が足を引っ張ったという。クレジットカードは、これまで、アメリカではクレジットで借金を膨らませ、それが消費に転じ、好景気を生み出していたが、これが、サブプラムローンの崩壊で一転、いまや消費者は借金の返済に精いっぱいで、消費にお金がまわらない状況であるという。
  
   この決算でホームデポも減収減益の厳しい決算となったが、記事の中で、ホームデポのフランク・ブレーク最高経営責任者(CEO)は、「顧客がローンを組むのが難しくなったことで、高単価商品の売れ行きが著しく落ち込んだ」という。特に500ドル以上の商品が2桁以上の落ち込みであるといい、高額商品の消費が急減しているという。また、百貨店はさらに厳しい状況であるといい、数字で見ても、高級店のサックス、そして、メーシーも赤字転落となり、ノードストロームも減収減益、特に利益は半分以下となる厳しい状況であるという。衣料品、雑貨の強いJCペニーも減収減益、減益幅は50%を割っており、厳しい状況である。
  
   アメリカではこれから年間最大の売上となるクリスマス商戦、年末年始を迎えることになるが、厳しい状況となりそうである。ウォルマートと競合しているディスカウント業態のターゲットのグレッグ・スタインハフェルCEOは、「今年の年末商戦に向けて価格訴求力を最大の武器として、目玉商品は一番安い、ということを徹底して周知させる。過去に経験のないことだが、この環境ではやむを得ない。」と、コメントしており、今年の年末商戦はウォルマートも含め、空前の価格競争となる様相を呈しており、厳しい年末となりそうである。
   
   さて、ここで、この四半期決算後のここ最近の主要小売業の株価の状況を見てみたい。まずは、ウォルマートであるが、リーマンショック後、46ドル近辺にまで落ち込んだ株価は、徐々にもどし、現在55ドル近辺で推移しており、小売業の中でも最も安定している株価といえよう。同じくディスカウトストアのターゲットであるが、リーマンショック後、株価は下げ止まらず、厳しい株価が続いている。9月上旬には55ドル近辺で推移していたが、その後、ほぼ右下がりに株価が落ち、11月に入り、やや持ち直したが、その後、また反転、現在35ドル近辺で推移しており、厳しい状況であるといえよう。ホームデポについては、もともと上がり下がりが激しい株価ではあったが、リーマンショック前は 一時は30ドル近辺まで株価が上昇したこともあったが、その後、株価は急落、10月に入ると、20ドルを割るところまで落ち込み、現在、22ドル近辺で推移しており、これまでにない低水準の株価である。
   
   一方、百貨店業界では、サックス(サックス・フィフス・アベニュー (Saks Fifth Avenue))であるが、本当に厳しい株価である。現在、わずか4ドルとなっており、この1年間ほぼ右下がりで下げ続けており、昨年は20ドルを超えていたので、1/5となる落ち込みようである。メーシーズも、サックス同様、厳しい株価であり、現在5ドル前後で推移しており、昨年は30ドルを超えており、ほぼ1年に渡っての段階的な右下がりの株価であり、1/6となる株価である。そして、ノードストロームであるが、リーマンショック前までは比較的堅調な株価であり、35ドル前後で推移していたが、その後、株価は急落、10月に入ると20ドルを割り込み、11月に入ると15ドルを割り込み、現在、10ドル前後で推移している。百貨店業界はいずれも厳しい株価であり、まだ、底が見えない状況といえよう。
   
   このように、アメリカのリーマンショック後のはじめての小売業の四半期べースでの決算数値が明らになったが、特に、クレジット関連での消費構成比の高い業態、高額商品関連の業態、特に百貨店は厳しい状況である。また、それを見越すかのように、株価も急落しており、投資家も売り一色となる様相である。ただ、その中でも、ウォルマートは独り勝ちであり、株価も下げたとはいえ、安定しており、改めて、ウォルマートの強さが浮き彫りになった結果となった。今後、クリスマス、年末年始後のアメリカの小売業の状況がどのような結果になるか、注意深く見守る必要があろう。

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November 29, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 28, 2008

スーパーバリュー、2008年2月期中間、増収減益!

   2008年2月にJASDAQに上場し、初の中間決算となったスーパーバリュ-が10/15に2008年2月期の中間決算を公表したが、その結果は、増収減益となるやや厳しい決算となった。その数字であるが、売上高182.99億円(101.4%)、営業利益5.33億円(94.4%:売上対比2.91%)、経常利益4.60億円(96.9%:売上対比2.51%)、当期純利益2.76億円(98.1%:売上対比1.50%)という内容である。スーパーバリューは、この中間期では、埼玉県(5店舗)、東京都(2店舗)、及び千葉県(1店舗)に計8店舗を出店しており、その業態は、ホームセンターに食品スーパーマーケットを融合したスーパーセンターであり、非常にユニークな業態である。11/20には、新店の川口前川店がオープンしており、現在は9店舗となった。したがって、通期は、この川口前川店が寄与し、売上高372.50億円(103.9%)、営業利益11.90億円(106.5%:売上対比3.19%)、経常利益10.00億円(108.1%:売上対比2.68%)、当期純利益5.80億円(107.8%:売上対比1.55%)と増収増益となる予想である。

   スーパーバリューの強さはホームセンターに食品スーパーマーケットを融合したスーパーセンターという業態にこだわった経営戦略を堅持していることであり、その結果、ホームセンターよりも、食品スーパーマーケットよりも、低粗利、ローコストのマーチャンダイジングを実現したところにあるといえよう。この中間期のマーチャンダイジング力を見ると、原価が79.4%(昨年80.0%)と0.6ポイント押し下げており、この厳しい資源、原材料高の中で、原価改善が図られている。結果、売上総利益は20.6%(昨年20.0%)と0.6ポイント改善した。ただ、この20.6%は通常のホームセンターと比べても、食品スーパーマーケットと比べても、約5%ぐらい低い数字であり、低粗利であり、価格競争力が極めて高いといえよう。

   一方、販売費及び一般管理費であるが、18.6%(昨年17.9%)と0.7ポイント上昇したが、それでも18.6%はウォルマートよりも低い数字であり、これも通常の食品スーパーマーケットよりも、ホームセンターよりもはるかに低い数字であり、このローコストがスーバーバリューの真骨頂であるといえよう。今期、経費が上昇した要因は、この11/20に新規オープンした川口前川店の人件費が前倒しになったことが大きく、後期はオープン後であるので、経費比率は年間では下がるものと予想される。

   このように、スーパーバリューはホームセンターに食品スーパーマーケットを融合することにより、業態としての強さを発揮し、競争力を増したといえるが、現在、スーパーバリューの最大の課題は新規出店にあるといえよう。

   スーパーバリューの出店余力を見てみると、土地、建物、差入保証金の合計は144.83億円となり、これは、総資産193.38億円の74.8%となる。現在、スーパーバリューの自己資本比率は12.8%(昨年8.3%)であるので、差し引き出店余力は-62.0%と大幅なマイナスとなる。また、現在、スーパーバリューは8店舗であるので、1店舗当りに換算すると、18.10億円と多額の出店にかかわる資産であり、自己資本の範囲内では新規出店が厳しい状況である。したがって、負債に大きく依存する新規出店構造となっているのが現状である。

   そこで、スーパーバリューの負債の主要項目である長短借入金等の合計を見ると、108.63億円と巨額の数字となり、総資産の56.1%となり、出店の大半を長短借入金等に依存する構造となっており、新規出店が財務構造から見ると、厳しい状況であることがわかる。これは、スーパーバリューが2003年から2007年まで毎年1店舗づつ、計5店舗の新規出店を続け、その出店にかかわる資金調達を自己資本ではなく、借入れに依存する財務戦略をとってきたためであるといえる。その後、2008年にJASDAQに上場するが、この中間決算を見る限り、資本金が昨年の0.9億円から一気に3.675億円、資本準備金が2.775億円と合計6.45億円増加し、自己資本が充実したにも関わらず、自己資本比率は12.8%(昨年8.3%)にとどまったため、依然として、借入に依存する出店構造が続いている。ただ、2005年の上尾愛宕店の出店に関しては、SPC(特別目的会社)の上尾企画を設立し、新たな新規出店への試みも行っており、今後の新規出店をこの厳しい出店余力の中でどのように実施してゆくかが大きな経営課題といえよう。

   では、この中間期のキャッシュフローの流れはどのような状況であったのかを見てみたい。営業キャッシュフローは22.77億円であり、投資キャッシュフローは-3.81億円であり、結果、フリーキャッシュフロー18.96億円と順流の流れである。主な投資内容は、有形固定資産と差入保証金であり、新規出店にかかわる投資であり、積極的な新規出店へキャッシュフローを当てているのがわかる。そして、財務キャッシュフローであるが-7.27億円であり、これは配当金と借入金の返済に当られており、わずかではあるが、借入金が削減されている。ただ、現在、長短借入金等は先にも見たように108.63億円と多額な金額となっており、今後、いかに、営業キャッシュフローの中から、返済できるかが課題といえよう。

   このようにスーパーバリューの2008年2月期の中間決算を見てみたが、やや厳しい数字であるが、通期では、新店の川口前川店が寄与し、増収増益の堅調な決算となる予想である。ただ、財務的には自己資本比率が12.8%と、負債に大きく依存する経営構造となっており、この点を今後、営業キャッシュフローでどこまで改善できるかが急務であろう。今後、スーパーバリューの自己資本比率がどこまで改善し、財務の健全性が強化されるかに注目したい。

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November 28, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 27, 2008

マクドナルド、2008年12月期、第3四半期増収増益!

   マックドナルドが11/6、2008年12月期の第3四半期決算を公表した。売上高3,078.11億円(103.7%)、営業利益142.50億円(103.2%:売上対比4.6%)、経常利益135.62億円(103.2%:売上対比4.4%)、当期純利益97.85億円(149.7%:売上対比3.1%)と増収増益の堅調な決算結果となった。既存店も102.9%と堅調であり、特に客数が105.2%となったという。マクドナルドを含め、現在、外食産業は消費者の内食回帰が鮮明となり、逆風が吹き、厳しい状況である。この10月度の主要外食産業の売上速報を見ても、昨対で100%を超えた企業は、マクドナルド106.3%、ワタミ103.4%、吉野家103.3%、ドトールコーヒー101.8%の4社であり、これ以外の主要企業は、ジョイフル91.9%、牛角92.4%、あきんど、スシロー96.3%、グローバルダイニング96.3%、モスバーガー96.9%、スターバックスコーヒー97.5%、かっぱ寿司97.8%、WDI98.0%、サイゼリヤ99.1%と、厳しい状況である。

   このような中で、マクドナルドが比較的好調であった要因は、売上=客数×客単価=客数×PI値×平均単価のMD方程式どおりに、政策が実行された点も大きいといえよう。客数アップ政策としては、24時間営業の拡大(当第3四半期末現在 1,486店舗:約40%)を実施し、PI値アップ政策としては、「シャカシャカチキン」投入によるバリューメニューの強化を行い、平均単価アップ政策としては、「プレミアムローストコーヒー」「プレミアムローストアイスコーヒー」「メガマフィン」等の平均単価アップに貢献する新商品の投入を積極的に行うなど、マーチャンダイジングの強化が図られた。

   そのマーチャンダイジング力であるが、原価は83.5%(昨年83.9%)と0.4ポイント改善しており、この厳しい原材料の値上げ環境の中、減少した。その結果、売上総利益は16.5%(昨年16.1%)と改善した。一方、販売費及び一般管理費は11.9%(昨年11.4%)と、0.5ポイント上昇しており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は4.6%(昨年4.7%)と0.1ポイント減少したが、ほぼ、昨年並みの数字を確保し、売上総利益の範囲内で十分に経費を賄っており、競争力十分のマーチャンダイジング力である。
   
   これを受けて、通期予想であるが、売上高4,120.00億円(104.3%)、営業利益195.00億円(116.5%%:売上対比4.7%)、経常利益175.00億円(112.1%:売上対比4.2%)、当期純利益115.00億円(147.1%:売上対比2.7%)と、ほぼ、この第3四半期決算に近い数字予想であり、増収増益の堅調な決算予想である。
   
   現在、マクドナルドは、総店舗数が3,739店(直営2,494店66.7%、FC 1,245店)となり、その中でもFCの促進に積極的に取り組んでいる。全体の店舗数は昨対99.8%と減ってはいるが、FCは116.1%と大きく伸ばしており、今後、FCの促進が、マクドナルドの売上を占う上で重要なポイントである。ちなみに、マクドナルドの出店余力であるが、出店にかかわる資産である土地、建物、敷金保証金等の合計は1,219.62億円(昨年1,259.20億円)となり、総資産1,972.34億円の61.8%であり、これを自己資本比率69.4%から引いた出店余力は7.6%とプラスとなり、自己資本の範囲内で新規出店が賄える財務構造であり、健全な新規出店政策といえよう。1店舗当たりでは、0.32億円であり、通常の食品スーパーマーケットのほぼ1/10弱である。また、負債の主要項目である長短借入金等の合計は105.0億円(昨年30.0億円)とやや昨年よりは増加しているが、総資産に占める割合はわずか5.3%であり、ほとんど問題のない金額といえよう。したがって、現状、出店余力は十分といえ、今後、マクドナルドが成長してゆくためには、FC化を含め、新規出店により、店舗数をどこまで拡大できるかが課題といえよう。
   
   ただ、今期決算で、気になることもある。キャッシュフローである。これだけ財務が健全である場合はキャッシュフローは順流になるが、今期は逆流となったことである。今期は昨年と比べ、営業キャッシュフローが法人税88.66億円(昨年12.87億円)、その他負債81.01億円(昨年3.01億円)などの負担が大きくなり、85.18億円(昨年207.90億円)と大きく減少したため、投資キャッシュフローが-121.52億円となり、営業キャッシュフローの範囲内で賄えず、逆流となった。そのため、フリーキャッシュフローは、-36.34億円となり、これを財務キャッシュフロー11.20億円、特に、短期借入金50.00億円で補うという結果となったことである。ただ、財務的には極めて健全な財務状況であるので、財務が悪化するという状況ではなく、依然として、堅固な財務状況である。
    
   このように、マクドナルドの2008年12月期の第3四半期決算は増収増益の堅調な決算となり、厳しい消費環境の中にある外食産業としては健闘している結果となった。これを受けて、マクドナルドの株価も金融不安の影響をうけ、一時は、10/10に上場来最安値となる1,291円を付けたが、その後は、株価は回復し、現在、1,700円前後で推移しており、投資家もこの決算結果を含め、一定の評価をしているといえよう。今後、既存店は好調であり、軌道に乗ってきたといえるが、全体の店舗数が減少しており、出店余力は十分であるので、FC化を含めた新規出店による健全な成長戦略をどう描くかが課題といえよう。今後、マクドナルドが成長戦略をどう打ち出すかに注目したい。

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November 27, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 26, 2008

コンビニ、2008年10月度売上、taspo効果で好調!

   エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの11社が加盟する日本フライチャイズチェーン協会が11/20、2008年10月度の売上速報を公開した。結果は全店ベースで110.5%、既存店では108.5%という、既存店が全体の数字を大きく押し上げる2桁の増収となった。まさに、taspo効果による増収であり、いかに、たばこの影響がコンビニにとっては大きいかが改めて実証された数字といえよう。なお、店舗数は11社41,559店舗の集計であり、客数と客単価は客数が11.85億人(109.5%:既存店107.4%)、客単価579.1円(100.9%:既存店100.6%)であった。
 
   今回の売上を1店舗当りに修正すると、平均1日当たりの客数約920人、客単価579.1円である。また、この10月度の売上構成比から各部門の客単価を計算すると、日配食品197.4円(昨対103.1%)、加工食品171.4円(103.3%)、非食品187.6円(129.7%)、サービス22.5円(101.4%)である。これを見ても非食品の伸び率が異常であり、このほとんどはtaspoによるたばこの売上と推定できる。昨対約130%であり、異常値である。また、たばこの売上が日配食品、加工食品にも3%程度、波及し、売上を押し上げているようで、コンビニ全体へも影響があり、taspoの効果はすごいといえよう。通常小売業において、130%伸びる部門があること自体が驚きであり、しかも約40,000店強の平均の数字であるので、驚異的な出来事であるといえよう。今後、taspo導入1年間はこの数字が維持される可能性が高く、消費環境が厳しくなる中、当面、コンビニは好調が続くものと予想される。

   このような追い風の中で、主要コンビニの数字を見てみたい。直近の中間決算の数字であるが、ファミリーマートが営業収益1,470.20億円(91.0%)、営業利益216.89億円(116.7%:営業収益比14.7%)、経常利益231.17億円(116.6%:営業収益比15.7%)、当期純利益104.73億円(111.2%:営業収益比7.12%)である。営業収益が91.0%となっているが、これは前期に対して、国内連結子会社において売上高を従来の総額表示から純額表示に変更したためであるという。したがって、加盟店からの収入を見ると、757.34億円から827.29億円へと109.2%と大きく増加しており、実質、大幅な増収増益といえよう。

   ローソンも営業収益1,623.30億円(105.8%)、営業利益291.00億円(114.0%:営業収益比17.9%)、経常利益288.90 億円(113.2%:営業収益比17.7%)、当期純利益155.08億円(125.9%:営業収益比9.5%)と増収増益となり、特に、利益がいずれも大幅な増益となった。また、セブンイレブンの中間決算は営業収益(加盟店全収入)1兆1,877.89億円(99.9%)、営業利益1,101.31億円(102.2%)と厳しい数字となったが、これは海外依存度が30%強と大きいため、アメリカのセブンイレブンの連結など円高が響き、数字が下がっているが、これも円高の影響を抜いた国内だけでは、実質、大幅なプラスとなっているといえよう。

   もう数社見てみると、サークルKサンクスは、営業収益1,090.17億円(104.3%)、営業利益137.09億円(118.5%:営業収益比12.5%)、経常利益135.95億円(122.4%:営業収益比12.4%)、当期純利益58.71億円(130.9%:営業収益比5.3%)であり、ポプラは営業収益321.33億円(101.3%)、営業利益6.00億円(123.8%:営業収益比1.86%)、経常利益6.30億円(124.1%:営業収益比1.96%)、当期純利益-25.13億円となり、特に当期純利益が減損損失27.09億円を計上したため、厳しい結果となったが、厳しい中でも営業、経常段階では増収増益を確保した。

   これを受けて、各社の株価の動きを見てみると、ファミリーマートは、9月以降のアメリカの金融危機の動きを受けて、10月初旬には一時3,200円を割る厳しい株価となったが、その後、株価をもどし、11月には4,000円を回復、4,200円前後で推移していたが、この数日、少し下がり、4,000円を割り始めたが、堅調な株価の推移といえよう。ローソンも同様に、アメリカの金融危機後の10月初旬、一時4,000円を割ったが、その後、株価をもどし、11月に入ると5,000円に回復した。ここ数日はファミリーマート同様、少し、株価が下がり5,000円を割っているが、やはり、堅調な株価の推移である。サークルKサンクスもアメリカの金融危機以降、一時は1,450円を割り込んだ時もあったが、その後、株価は反転しており、11月に入ると1,800円を超えた。やはり、ここ数日、やや株価を下げており、1,700円前後となっているが、全体的には堅調な株価の推移といえよう。そして、ポプラであるが、この中間決算も厳しい状況であり、株価もアメリカの金融危機前は600円前後で推移していたが、10月初め250円を切るところまで急落した。ただ、その後は、ほぼ右上がりに株価が上昇し、ここ最近、500円を超え始めており、株価は回復し始めた動きとなっている。

   このように、taspo効果により、個々には様々な要因があり、一律の大幅な増収増益ではないが、全体的にコンビニ業界の業績を見ると、極めて好調に推移しているといえ、特に、利益の増加が著しいのが特徴といえよう。それに伴い、株価もこの厳しい金融不安の中でも比較的堅調に推移しており、投資家も注目しているといえる。今後、しばらくはtaspo効果は続くと思われ、今年の本決算は小売業界は厳しい数字が予想されるが、コンビニは比較的、好調な決算が予想されよう。来月以降も、コンビニの動向に注目である。

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November 26, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

November 25, 2008

オオゼキ、2009年2月期、中間決算公表、増収増益!

   不適切な経理処理があったということで大幅に遅れていたオオゼキの2009年2月期の中間決算の結果が11/20公表された。結果は、332.41億円(102.0%)、営業利益26.36億円(110.8%:売上対比7.9%)、経常利益26.90億円(111.1%:売上対比8.0%)、当期純利益16.04億円(113.5%:売上対比4.8%)と増収増益の好決算となった。ただ、今期、新店がなかったために、売上は既存店のみの結果であり、102.0%と堅調な数字ではあったが、伸び悩んだといえよう。また、この決算と同時に、不適切な経理処理に関する調査結果の報告がなされており、その訂正により、平成16年度(2004年)から、今年の平成21年度、第1四半期までの決算結果をすべて訂正しており、5年間に渡る大幅な経理処理の見直しが行われた。不適切な経理処理は総額109,400,500円であったという。
  
   オオゼキは現在、東京都(25店舗)及び神奈川県(4店舗)に計29店舗を展開しているが、将来的には50店舗構想をもっている。今期のこの中間決算発表の中でも、「次なるステップを見据えた組織体制の強化を進めてまいります。当社独自の営業施策である個店主義にての50店舗体制構築のため、「しんの商い」即ち、真・心・新の商いを標榜し、「商い」は「売ること」ではなく、「買っていただくこと」を再認識し、社員1人1人が、お客様の望んでいることを察知すること、買っていただけたことの喜びを体感すること、店舗の特性をいかした戦略を徹底すること等により、お客様のご支持を更に拡大してまいります。「あのお客様、また明日来てくれるかね?」の創業者夫妻の言葉に凝縮された創業の精神を、発展・継承してまいります。」とコメントしており、50店舗体制が当面の目標といえよう。
  
   ただ、ここ最近新店がストップしており、今期0店であり、通期予想を見ると、売上高655.16億円(100.8%)、営業利益50.90億円(102.2%:売上対比7.7%)、経常利益 51.84億円(102.3%:売上対比7.9%)、当期純利益30.67 億袁(104.4%:売上対比4.6%)と、増収増益ではあるが、売上高100.8%を見ると、今期の新規出店も見合わせるようである。
  
   では、出店余力がないのかというと、今期の自己資本比率は77.6%(昨年76.8%)であり、食品スーパーマーケットとしては、これ以上自己資本比率を上げるのは難しいくらい、長安定した数字である。したがって、出店余力を見ると、土地、建物、長期差入保証金等の合計は152.76億円であり、総資産323.89億円の47.1%であり、これは自己資本比率77.6%で十分に賄える範囲であり、出店余力は差引き30.5%と十分である。また、現在、オオゼキは29店舗であるので、1店舗当りでは5.2億円となり、首都圏に出店しているだけあって、通常の食品スーパーマーケットよりは高めの数字である。ちなみに、負債の中の長短借入金は0円であり、無借金経営と、財務状況は極めて健全である。
  
   ただ、気になる数字もあり、キャッシュフローである。今期のキャッシュフローの流れは、営業キャッシュフローは21.09億円となったが、投資キャッシュフローが-37.96億円と大きくマイナスとなり、フリーキャッシュフローが、-16.87億円と逆流となったことである。特に、投資キャッシュフローの中身を見ると、定期預金の預け入れと有価証券の取得に合計75.23億円当てており、新規出店にかかわる資産関連の取得は0.9億円にとどまっている点である。そして、財務キャッシュフローであるが-4.88億円となったが、これは全額配当金の支払いに充てており、結果、キャッシュフローの合計、資金は-11.99億円とマイナスになった。今後、オオゼキの経営にとっては、新規出店が最優先の経営事項といえ、投資キャッシュフローの動きを見る限り、そのための投資が不十分であり、今後の大きな経営課題といえよう。
   
   一方、オオゼキの今期のマーチャンダイジング力を見てみたい。原価は75.3%(昨年75.7%)と0.4ポイント引き下げており、結果、売上総利益は24.7%(昨年24.3%)と改善している。一方、販売費及び一般管理費も17.8%(昨年18.1%)と0.3ポイント改善しており、今期はダブルでの改善が図られ、結果、マーチャンダイジング力は6.9%(昨年6.2%)と0.7ポイントと大幅に強化された。これに不動産収入等1.0%(昨年1.1%)が加わり、結果、営業利益は7.9%(昨年7.3%)と0.6ポイント改善し、売上が伸び悩む中、営業利益は大きく改善しており、改めてマーチャンダイジング力の強さが実証されたといえよう。
   
   では、なぜ、オオゼキがここまでマーチャンダイジング力が強いのかであるが、それは、オオゼキは、平均店舗面積175.5坪という小型店において、PI値最強部門の青果(売上構成比22.2%)と日配(売上構成比19.2%)を集客の柱とし、52人の従業員(従業員数/店舗数で単純算出)を投入し、個店対応を基本に、1店舗当たり年商約22億円、坪効率食品スーパーマーケット業界No.1の1,250万円を達成していることにあるといえよう。この坪効率の高さが業界屈指の経費比率17.8%につながっており、家賃、人件費などの固定費が相殺され、高効率の経営モデルを作り上げているといえよう。しかも、今期は既存店のみであり、既存店が102.0%伸びたことにより、より固定費が下がり、経営効率が高まったといえよう。
   
   このように、オオゼキの経営内容は前期と比べ、格段と改善しており、ますます、オオゼキの強みが強化された中間決算であったといえよう。ちなみに、この中間決算の結果を独自格付けするとAAAのトリプルAとなる。あとは、不適切な経理処理問題を総括し、50店舗体制へ向けて、新店ないしはM&Aに入り、成長戦略に経営の舵を切ることが当面の課題といえよう。今期はともかく、来期のオオゼキの飛躍に期待したい。

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November 25, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 24, 2008

売上速報、食品スーパーマーケット2008年10月、低調!

   食品スーパーマーケット、2008年10月度の上場企業25社の速報が出揃った。結果は103.9%(既存店99.5%)と先月の103.5%(98.4%)よりは、少し上向いたが、8月度104.7%(99.5%)、7月度106.7%(100.9%)、6月度106.1%(100.8%)、5月度106.0%(100.2%)、そして、昨年10月度104.8%(99.5%)と比べても、低調な伸びといえ、先月、9月度から、食品スーパーマーケット業界の売上がやや失速気味で推移しはじめたといえよう。これから、食品スーパーマーケット最大の売上となる年末商戦がはじまるが、ここ最近の数字を見る限り、今年は厳しい状況が予想されよう。
  
   このような中で、大きく売上を伸ばしている食品スーパーマーケットが3社ある。PLANT、大黒天物産、マックスバリュ西日本である。先月まで120%近い伸びを示し、食品スーパーマーケット業界トップを走っていたマックスバリュ中部は、この10月度100.1%(既存店97.8%)と急激に失速し、19番目となった。これは、昨年10/1にマックスバリュ名古屋をM&Aで吸収合併し、ちょうど、1年が経過したために、その分のプラスの売上が相殺されたためである。今後、新たな新店開発がない限り、売上を伸ばすのは難しい状況といえ、マックスバリュ中部は新たな出店戦略の構築が必要といえよう。

   これに変わり、トップになったのが、PLANTであり、114.3%(100.5%)と2桁の伸びである。ちょうど、改正まちづくり三法の施行前に着手したPLANT-4大熊店(3月:福島県大熊町)、PLANT-3福知山店(5月:京都府福知山市)、そして、PLANT-5鏡野店(7月:岡山県鏡野町)の新規出店の効果が大きく、来年7月まではマックスバリュ中部と同様に高い成長率が維持できるものといえよう。ただ、PLANTは現在、財務的に厳しい状況であり、今後、しばらくは新規出店が難しく、既存店の活性化が当面の成長戦略の要となるので、現在の既存店100.5%をいかに上乗せできるかが課題といえよう。
  
   No.2は大黒天物産であり、112.2%(106.6%)と絶好調である。新店と既存店のバランスもよく、特に、既存店106.6%はこの10月度の食品スーパーマーケット25社の中でトップの伸び率である。既存店が106.6%と105%以上伸びるのは、ここ最近の食品スーパーマーケットでは稀なことであり、高い数字である。その要因を客数と金額PI値(客単価)で見てみると、既存店の客数は105.5%、金額PI値は100.6%であり、既存店の客数が伸びての売上アップであることがわかる。ただ、金額PI値の中ではPI値が95.3%、平均単価が105.6%となっており、PI値が落ち込んでいるのが気になるところだ。平均単価が上昇し、PI値が落ち込み、金額PI値が横ばいとなっているにもかかわらず、既存店の客数が伸びるという状況であり、価格が上昇しても、競合店よりは低いということであると推測され、改めて、大黒天物産の価格競争力が示されたといえよう。
  
   No.3はマックスバリュ西日本であり、111.4%(102.1%)と堅調な数字である。つい最近まではマックスバリュグループのほとんどがベスト10を占めていたが、この10月度はベスト10に入ったのはマックスバリュ西日本1社であり、ここへ来て、マックスバリュグループも売上が厳しい状況といえよう。No.11にマックスバリュ東海105.9%(100.9%)、No.13にマックバリュ東北104.1%(96.7%)、No.19に先にもみたマックスバリュ中部100.1%(97.8%)、そして、No.25の最後にマックスバリュ北海道94.3%(88.5%)という状況であり、特に、マックスバリュ北海道は既存店が88.5%と厳しい状況といえよう。
   
   以上がベスト3であるが、ベスト10までを見てみると、イズミ109.5%(97.6%)、ヤオコー108.7%(103.7%)、ハローズ108.1%(98.8%)、九九プラス107.3%(105.3%)、マルエツ107.3%(101.0%)、ユニバース106.5%(101.8%)、バロー106.1%(97.1)という状況であり、ベスト10を見る限りでは堅調な売上の数字であるといえよう。特に、ヤオコーはバランスの良い売上の伸びであり、全体も既存店も良く伸びているといえよう。その中身は客数が110.2%(既存店105.1%)、金額PI値98.6%(98.6%)と客数が伸びているのが好調な要因である。大黒天物産も同様であるが、この時期、金額PI値よりも、客数を伸ばした食品スーパーマーケットが好調さを維持しているのが特徴といえよう。

   新店がなく、全体ではベスト10には入らなかったが、既存店だけでみるとベスト5に入ったオオゼキを見ても、既存店は客数104.0%、金額PI値99.5%と客数が伸びており、いかに、既存店の客数を伸ばすかがポイントといえよう。特にオオゼキはPI値が103.1%、平均単価が96.5%と大黒天物産とは対照的な数字であり、PI値アップが客数アップに結びついているようである。
   
   逆に、この10月度売上が厳しかった食品スーパーマーケットを見てみると、先ほどもあげたマックスバリュ北海道94.3%(88.5%)、CFSコーポレーション95.3%(99.7%)、ヤマザワ97.3%(97.9%)、エコス97.7%(94.3%)、いなげや98.0%(97.1%)、Olympic99.7%(99.7%)という状況であり、この6社が100%を下回った食品スーパーマーケットであった。
   
   このように、この10月度の食品スーパーマーケットも先月同様、低調な売上の伸びとなり、ここへ来て、消費環境の悪化がじわじわと進み始め、売上に影響が出始めつつあるといえよう。また、この10月度は既存店の客数を上げた食品スーパーマーケットが好調さを示しており、金額PI値を落とさず、客数を引きあげる政策がポイントといえ、各社独自の強みをしっかり、顧客に打ち出し、顧客からの支持を獲得することが課題といえよう。来月以降も食品スーパーマーケットの売上、特に既存店の客数の動向に注目である。

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November 24, 2008 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 23, 2008

マツキヨ、1,000店舗真近、過去最高の中間決算!

   11/14、マツモトキヨシが2009年3月期の中間決算を公表した。売上高1,967.82億円(101.8%)、営業利益72.64億円(103.8%:売上対比3.69%)、経常利益79.93億円(105.0%:売上対比4.06%)、当期純利益34.76億円(142.3%:1.76%)と増収増益となった。この数字は、売上高、営業利益、経常利益ともに過去最高の数字であるという。店舗数もグループ全体で990店舗となり、今期中には1,000店舗の大台を超える見通しである。今期は、新規に23店舗を出店し、これで1都1府35県への出店となり、日本の全都道府県への出店、全国制覇も時間の問題となったといえよう。

   ここ最近、マツモトキヨシはグループ戦略が鮮明であり、今期もパパス、マックスとの仕入統合が進行し、明治堂薬品、スーパーバリュー、ラブドラックス、保健堂とのFC契約も結ぶなど、積極的なグループ化をはかっており、イオンのウェルシアグループ、WINグル―プ、富士薬品グループ、10社会等と激しい競争が全国で繰り広げられている。
   
   ここ最近、ドラックストアは医薬品よりも、食品スーパーマーケットに近い商品群を強化し、売上を伸ばしている企業が多いが、マツモトキヨシは、郊外よりも駅前立地が多いこともあり、医薬品と化粧品、そして、雑貨の3本柱のマーチャンダイジングとなっている。実際、今期の商品別売上構成比と売買差益を見ると、医薬品(売上構成比32.0%:売買差益37.4%)、化粧品(31.4%、26.7%)雑貨(23.3%、25.0%)、一般食品(11.0%、12.6%)、DIY用品(2.0%、24.9%)、生鮮食品(0.06%、6.6%)という状況である。意外に食品関連が低いのが実態であり、医薬品以外では化粧品を強化しているのが特徴といえよう。そのマーチャンダイジング力であるが、今期の原価は72.8%であり、結果、売上総利益27.2%となる。ここから販売費及び一般管理費23.5%を引くと、マーチャンダイジング力は差引き、3.7%となり、昨対では103.8%と堅調な数字である。
   
   これを受けて、今期の通期予想であるが、売上高4,030.00億円(103.1%)、営業利益160.00億円(101.4%:売上対比3.97%)、経常利益172.00億円(101.3%売上対比4.26%)、当期純利益78.00億円(114.7%:売上対比1.93%)と、増収増益の予想である。
   
   この好調さを受けて、マツモトキヨシのキャッシュフローの流れを見てみたい。営業キャッシュフローは74.87億円、投資キャッシュフローは-14億円となり、結果、フリーキャッシュフローは60.87億円と順流である。もう少し投資へ振り向けても良いのでは思われるが、その分を今期は財務キャッシュフローへ振り向け、その結果は、-63.29億円となり、トータルのキャッシュフロー、資金は-2.42億円となった。特に、財務キャッシュフローでは自己株式の取得に31.28億円、配当金の支払い9.80億円と今後のM&A対策、株主への配慮もあり、しかも、長短借入金を65億円借入し、84.91億円返済し、差し引き19.91億円を削減している。トータルが若干マイナスになったが、全体としては営業キャッシュフローの範囲内での健全なキャッシュフローの流れであるといえよう。

   また、マツモトキヨシの今後をうらなう上で、出店余力を見てみると、自己資本比率45.2%(昨年47.5%)であり、総資本は現在2,042.74億円である。出店にかかわる資産である土地、建物、敷金及び保証金等の合計は919.30億円と総資産の45.0%であり、ちょうど自己資本比率の45.2%と同じである。したがって、出店余力、自己資本比率-出店にかかわる資産はわずかではあるが、0.2ポイントのプラスである。現在、マツモトキヨシは990店舗であるので、1店舗当たりでは0.92億円となり、これは、食品スーパーマーケットの数億円と比較すると、1億円を切り、低いコストであるといえよう。ドラックストアは小売業界の中でも出店しやすい財務構造であることがわかる。

   ちなみに、在庫であるが、447.79億円であり、総資産の21.79%と食品スーパーマーケットと比べると格段と在庫負担が重いといえる。これは、当然、支払手形及び買掛金で相殺する部分が多いと思われ、その金額が590.56億円と総資産の28.9%であり、差し引きプラスとなり、バランスがとれているといえよう。また、負債の主要項目である長短借入金の合計を見ると、266.32億円と総資産の13.0%であり、さほど大きな負担ではなく、今後、好調な決算による安定したキャッシュフローにより、徐々に削減されてくるといえよう。財務的には出店余力もあり、キャッシュフローの流れもよく、健全な財務内容といえよう。
   
   ここ最近、特にマツモトキヨシが取り組んでいる経営課題として、ロイヤルカスタマーの醸成に向けた販売促進策の強化がある。当然、その手段のひとつがポイントカードへの取り組みとなるが、今期のマツモトキヨシのポイント引当金は44.03億円となり、総資産の2.17%、年間売上の1.09%となる。この中間の販売費及び一般管理費の中でも13.04億円のポイント引当金繰入額を計上しており、これは売上対比0.66%とかなり大きな経費となってきている。ただ、おもしろいことに、このポイント引当金繰入額の下には給料及び手当、賞与引当金繰入額、退職給付費用等が計上されており、従業員への給与と顧客への還元と同じ経費であるが、目的が外と内と対照的な費用計上となっている。今後、小売業はこのように、売上の一部を従業員と顧客にどのように還元するかが経営戦略上、重要な課題となると思われるが、このマツモトキヨシの決算書を見ると、そのバランスが絶妙であり、今後、さらに顧客への還元が増してくるのではと思える。今後、マツモトキヨシがロイヤルカスタマーの醸成を目指し、顧客への還元のウェートをどこまで高めてゆくかに注目したい。

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November 23, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 22, 2008

液体洗剤、好調、各社、本格増産!

  洗剤市場がここ数年伸び悩んでいる中、順調に売上を伸ばしている洗剤分野がある。液体洗剤である。日本の主要石鹸メーカーが加盟する日本石鹸洗剤工業会の調べによれば、洗剤市場は、この2008年1月から6月度の累計売上でちょうど100%であるのに対し、洗濯用の液体洗剤は125%の伸びであり、その中でも中性以外のものは156%と大幅な伸びとなっている。中性ものも106%と堅調な伸びを示している。逆に、粉末洗剤は89%と伸び悩んでいるので、消費者の需要が確実に液体洗剤にシフトしているといえよう。ちょうど、11/21の日経、日経MJでも液体洗剤の記事を掲載しており、これらの記事をも参考に、家庭用洗剤について、現況を見てみたい。

  11/21の日経新聞では、「衣料液体製剤を増産、花王5割、P&Gも2割」、「節水洗濯機対応で需要」という見出しの記事が載った。これまで、液体洗剤については、早くからP&Gが着目し、アリエール、ボールドを中心に綿密なマーケティングをもとに取り組んでいたが、ここヘきて、花王が本格的に動きだしたといえよう。記事の中でも、花王の和歌山工場の生産ラインを改良し、液体洗剤の生産ラインを作るとのことで、これにより、川崎工場と合わせ東西二拠点での液体洗剤の生産が可能になり、全国的な供給体制が整うことになるという。花王の液体洗剤の主力はアタックバイオジェル、スタイルフィットであるが、この2ブランドの攻勢が来春以降は本格化するといえよう。

   一方、P&Gについては、高崎工場での生産能力を2割引き上げ、増産への対応を行っているという。ライオンも大阪工場に約5億円かけて生産ラインを新設するとのことで、花王同様、千葉工場とともに東西での液体洗剤の生産体制が整うという。液体洗剤市場はこの3社で市場シェアの90%を占めるといわれており、現在では、衣料用洗剤の34%のシェアとなったという。恐らく、来春には、新たな液体洗剤の新商品も各社から登場してくる可能性も高いといえ、来春は液体洗剤の本格的な熾烈な市場シェア争いが繰り広げられるのではないかと予想される。
  
  この液体洗剤がここまで、ここ最近、需要が伸びた背景には、ドラム式洗濯機の普及が後押ししているという。通常の洗濯機に比べ、1/3程度に使用する水が抑えられ、ここに液体洗剤がマッチしたという。さらに、液体洗剤は粉末に比べ、溶け残りが少なく、詰め替え用が中心となるため、ゴミ減量にもつながるという。また、P&Gが早くから、液体洗剤に注目したのは、アメリカではすでに洗濯洗剤の80%近くを液体洗剤が占めているといわれ、いずれ、日本でも液体洗剤へ市場がシフトするのではないかとの読みもあったという。これら、様々な背景がその要因として、考えられるが、いずれにせよ、この数年間、日本でも液体洗剤需要が急激に伸びており、34%まで構成比が上がってきたのは事実であり、今後、液体製剤市場がどこまで伸びるかが注目される。
  
  では、実際の食品スーパーマーケット等では液体洗剤はどのような状況であるのかを見てみたい。日経MJ、11/21で、「ヒットを狙え」のコーナーで、「P&G、強敵洗い落とす、洗剤力向上、市場が拡大、アリエールけん引」、「勝利の方程式、①ブランド使い分け、②米での実績いかす、③粉末の劣性坂手に」という見出しでの特集が組まれた。この中には衣料用液体洗剤の売れ筋ベスト10が掲載されているが、その内、ベスト5を見てみると以下の通りである。
  
  No.1、アリエール、イオンパワージェル(詰め替え:P&G)、金額シェア19.9%、No.2、アタックバイオジェル(詰め替え:花王)、金額シェア15.4%、No.3、ボールド香り長続きジェル(詰め替え:P&G )、金額シェア12.0%、ここまで累計金額シェア47.3%と約半数を占める。そして、No.4、ふんわりニュービーズジェル(詰め替え:P&G)、金額シェア8.7%、No.5、香りつづくトップ(詰め替え:ライオン)、金額シェア6.5%である。いずれも、詰め替え用であり、マーケットを先行したP&Gの強さが浮き彫りである。
  
  さらに、これを独自に入手した食品スーパーマーケット約300社の少し前になるが6月度のデータで確認してみると、液体衣料用洗剤では、やはり、アリエールイオンパワージェルがトップであり、金額PI値は1,000人当たり、178円である。No.2もアタックバイオジェルであり、金額PI値は145円である。カバー率も76.9%、78.2%と拮抗しており、売場では併売で訴求され、双方が競い合いながら市場を活性化しているのが現状といえよう。ちなみに、粉末のアタックは金額PI値320円であるので、まだ、約半分の金額PI値であり、今後、どこまで、この数字に迫るかがポイントである。
  
  このように、長らく横ばいで推移していた洗濯洗剤市場であるが、ここへきて、ここ数年、液体洗剤のシェアがじわじわと伸び始め、この数年は2桁以上の成長率となり、シェアも34%となり、今後、洗剤市場を牽引してゆく勢いとなった。トップブランド、P&Gはもちろん、花王、ライオンの追撃態勢も整いつつあるといえ、来春は液体洗剤の熱い戦いが繰り広げられるものといえ、液体洗剤市場に注目といえよう。食品スーパーマーケットの洗剤売場が劇的に変わる可能性もあり、食品スーパーマーケットの棚割、レイアウト、販促の変化にも注目したい。

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November 22, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 21, 2008

ティシューペーパーのPI値を、直近のPOSデータで見る!

   食品スーパーマーケット約300店舗のティシューペーパーのPOSデータを独自に入手した。2008年10月度の直近のデータである。今回入手したPOSデータは金額PI値、PI値、平均単価、カバー率は算出されているが、この金額PI値、PI値が導入店舗のみの数字であるため、全体象がいまひとつ見えにくい。そこで、各数字を逆算して、全体の金額PI値、PI値、さらに、参考にティシュー1枚当たりの単価を計算して、MD評価表を作成し、ティシューのPOS分析を試みてみた。その結果、得られた結論は全体の金額PI値2,369.9円=全体のPI値8.66個×平均単価274円という結果であった。この単位は、1,000人当たりであるので、金額PI値は1,000人当たり2,369.9円(1人当りでは2.36円)、PI値は1,000人当たり8.66個(1人当り0.0086個、0.86%)、平均単価274円となる。

   ちなみに、今回対象の約300店舗の客数は述べ約1,750万人、ティシューペーパーのSKUは約350、総売上金額は約4,000万円強、総売上点数は約15万個である。また、ティシューペーパーの家計調査データの直近の数字を9月度で見ると、ティシューペーパーは1世帯1日当り5.26円(昨対108.7%)、購入世帯のみ14.74円(昨対113.2%)、購入世帯の割合35.7%(昨対96.0%)という状況である。今回のPOSデータは、全体の金額PI値が2,369.9円(1人当りでは2.36円)であるので、家計調査データの約半分である。これは、ティシューペーパーの購買行動が食品スーパーマーケットだけではなく、ドラックストア、ホームセンターなど他の業態での買い物がかなりの割合を占めると思われ、その分、家計調査データと食品スーパーマーケットの金額PI値との誤差が大きいものと思われる。その意味では、食品スーパーマーケットは、まだ、チャンスロスが多いともいえるが、逆に見れば、ティシューぺーパーは激しい業態間の価格競争にさらされており、食品スーパーマーケットはシェアが十分に取りきれていないともいえよう。

   また、家計調査データの数字を見ると、購入世帯の割合は昨対96.0%と下がっているが、購入世帯のみでは113.2%と大きく伸びており、結果、全体が108.7%と好調であるが、これは、恐らく値上げ等の問題があり、家計は購入数量は控えたが、値上げ分が加味され、金額ベースでは落ちなかったということであろう。その意味で、今後、ティシューペーパーは、現在は金額ペースでは好調であるが、引き続き、平均単価アップ路線を堅持するか、それとも、PI値アップ路線にもどすか、ないしは、両極を追求するのかの戦略の明確化が必要と思われる。それを踏まえて、次に、今回入手した食品スーパーマーケットのPOS分析データを単品レベルで見てみたい。

   まず、ティシューペーパーの全体象であるが、先に見たように、約350SKUで金額PI値は2,369.9円である。この内、ベスト5で約50%のシェアとなり、重点商品の重みが極めて重いカテゴリーである。ベスト10で約70%、ベスト20で約80%、ベスト30で約90%となる。したがって、マーチャンダイジング上の最優先課題はまずはベスト5をしっかり抑えることである。ついで、次の5品を抑えて、約70%の売上を抑えることであろう。そして、残り30%を10から20SKUぐらいの品揃えを行い、プラスアルファを確保することであろう。このように、食品スーパーマーケットのティシューにおけるマーチャンダイジングはA(最重点商品5SKU)、B(重点商品5SKU)、C(品揃え商品10から20SKU)の3つに分けてマーチャンダイジング戦略を策定するのが良さそうである。

  ちなみに、今回のPOSデータ分析では、ベスト5は、スコッティフラワー160W×5BOX(日本製紙クレシア)、金額PI値459.7円(導入店のみ925円)、ネピアネピネピティシュ160組×5個(王子ネピア)、金額PI値315.1円(810円)、ナクレコンパクトティシュ200W5個(三菱製紙)、金額PI値220.5円(2,187円)、エリエールキュート160W5P(大王製紙)、金額PI値121.9円(439円)、ネピアティシュ200組×5個(王子ネピア)、金額PI値119.2円(420円)の5品であった。

   いずれも、1枚当たりの単価を見ると、0.36円、0.34円、0.30円、0.36円、0.34円と0.35円前後であり、3番目のナクレコンパクトティシュ200W5個(三菱製紙)のみが、ベスト5では0.30円と価格訴求がなされていた。また、カバー率は49.7%、39.9%、10.1%、26.6%、28.8%とNo.1のスコッティフラワー160W×5BOX(日本製紙クレシア)、No.2のネピアネピネピティシュ160組×5個(王子ネピア)が飛びぬけているのが特徴といえる。

  このように、ティシューペーパーのベスト5は以上の状況であるが、これ以外の1枚単価を見ると、0.3円ぐらいから1.0円を超えるものまであり、最近は高級感溢れる商品も登場しており、プライスラインによる品揃えもこのPOSデータを見ると、特に品揃え面では、今後の課題といえよう。さらに、今回は約300店舗全体の数字をもとに重点商品を見たが、カバー率は低くとも、その導入店舗では高い数字の商品もあり、ティシューペーパーのマーチャンダイジングも様々な角度から、特に、C(品揃え商品10から20SKU)については、慎重に商品選定をする必要があろう。食品スーパーマーケットのティシューペーパーの金額PI値は、2,369.9円(1人当りでは2.36円)であるが、まだまだ伸びるチャンスがあるといえ、3,000円(1人当り3.00円)、4,000円(1人当り4.00円)を目指し、マーチャンダイジングの改善に取り組んでみてはどうだろうか?

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November 21, 2008 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 20, 2008

ID客数PI値(来店頻度)、到来の予感!

   以前、本ブログでも解説したが、PI値には3つある。金額PI値、PI値、そして、客数PI値である。通常のPOS分析では、この内、金額PI値、PI値を活用し、客数PI値はあまり活用することがない。まれに、支持率という指標で、客数PI値を使うこともあるが、参考指標として、活用するのが実態であるといえよう。この時の客数PI値は、たとえば、青果の支持率を青果のレシート枚数(客数)÷全体のレシート枚数(客数)とし、レシート÷レシートで算出するのが実態である。ただ、この支持率を活用して、金額PI値、PI値との関係を導き、マーチャンダイジングへ活用した事例はほとんどなく、通常は金額PI値、PI値で留まっているのが実態といえよう。

   仮に、現在のPOSデータでもレシートの客数PI値を自由に算出できることができれば、PI値分析はもっと進歩したと思うが、現状のPOS分析ではレシートの客数PI値を自由に算出できるシステムは稀であり、参考に算出することはあっても、活用するところまではいっていなかったというのが実態である。

   では、レシートの客数PI値が算出できていたら、どのようなことが可能となったかであるが、それはこれまでの、金額PI値=PI値×平均単価に客数PI値が加わり、金額PI値=客数PI値×グループのPI値×平均単価という数式が可能となった。ここで、客数PI値とは、グループの客数(レシート)÷全体の客数(レシート)であり、グループのPI値とは、グループの買上点数÷グループの客数(レシート)である。青果でいえば、青果の金額PI値を青果の客数PI値(レシート)、青果のみのPI値、青果の平均単価に分けて考えることができるということである。

   これで、何が便利になるかであるが、これまで金額PI値=PI値×平均単価から、PI値が青果の客数PI値と青果のみのPI値に分けることが可能となり、PI値アップを客数(レシート)と青果のみのPI値に分けて分析ができ、これまでの買上点数アップだけでなく、青果の客数(レシート)アップを目指すマーチャンダイジングを検討し、検証することができるようになるということである。特に、青果のレイアウトの改善、検証には青果のPI値よりも、青果の客数PI値(レシート)の方が、より精度の高い仮説検証が可能となる。販促も同様、客数(レシート)を増やしたのか、点数を増やしたのかの分解ができ、より明確な意図をもった販促を行うことができるようになる。
  
   このように、これまでのPOS分析でも客数PI値(レシート)を導入することで、マーチャンダイジングの仮説検証の精度は飛躍的にアップするが、残念ながら、ここまで客数PI値(レシート)を算出でき、MD方程式を活用できる仕組みがなかったので、POS分析は、金額PI値=PI値×平均単価で止まってしまっていたのが実態といえよう。
  
   ところが、突然、ここ最近、IT技術の発展によって、新POSが旧POSに変わり、各食品スーパーマーケットで導入されるようになって、ポイントカード対応のPOSシステムが一般化しはじめ、いきなり、ID-POS分析が可能となるケースがではじめている。私のクライアントでも、ここ最近、規模の大小を問わず、ID-POS分析対応の新POSを導入する食品スーパーマーケットが増えはじめているのが実態である。こうなると、従来のレシート分析から、いきなり、ID-POS分析へと発展し、これまで、ほとんど活用されなかった客数PI値が脚光をあびはじめている。びっくりである。ただ、POSメーカーにしっかりした理論展開ができていない場合が多く、現場では、せっかく算出された標準帳票を、ID-POS分析用に再度、作り直すケースもままある。
   
   ではID-POSとこれまでのPOSとは何が違うのかであるが、決定的な違いは、レシートで見るか、IDで見るかの違いである。先に、POS分析では、金額PI値=客数PI値(レシート)×グループPI値(レシート)×平均単価(レシート)として説明したが、これが、ID-POSになると、金額PI値(ID)=客数PI値(ID)×グループPI値(ID)×平均単価(ID)となり、レシートを客数として分析したものが、すべてIDに置き換わる分析となることである。すべてのPOS分析の指標にIDがつき、レシートの世界とIDの世界が併存して、パラレルで走り始め、この2つは交わることがなく、どこまでも並行線で分析が突き進み、その世界の中で完結することになる。したがって、ID分析がはじまると、これまでのレシートの世界から別の世界に移ってしまうので、戸惑ってしまうのが実態であり、導入初期の頃は様々な混乱が起こる。
   
   ただ、この2つの世界を翻訳するキーがないのかというと、それが、たったひとつだけ存在する。ID客数PI値である。ID客数PI値はレシート枚数÷ID数のことであり、レシートとIDの関係を決定づける唯一の指標である。これは一般には来店頻度ともいわれる指標であり、たとえば、1週間にAさんが3回来店しているとすると、ID客数PI値は3回÷1IDとなり、3がAさんの1週間におけるID客数PI値であり、来店頻度である。
   
   このID客数PI値という指標を活用することによって、レシートの世界とIDの世界を結びつけることが可能となり、ID金額PI値(ID)=ID客数PI値(レシート/ID)×金額PI値(レシート)、IDPI値=ID客数PI値×PI値とレシートの世界の金額PI値もPI値もIDの世界のID金額PI値、IDPI値と関係づけることが可能となり、2つの世界の翻訳が可能となる。ID-POS分析が可能となったら、このID客数PI値を存分に活用し、新たなマーチャンダイジングの世界をぜひ切り開いて欲しい。

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November 20, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 19, 2008

九九プラス、2009年3月期、中間決算、増収赤字転落!

   11/11、九九プラスの2009年3月期の中間決算が公表された。九九プラスは、これまでのローソンとの資本業務提携をさらにすすめ、この9月にローソンがTOBにより、76.8%の株を取得し、連結子会社となり、現在、ローソン主導のもと経営再建に邁進中であるが、営業収益は堅調な結果となったものの、利益はすべての段階で赤字となる厳しい結果となった。その数字であるが、営業収益678.37億円(108.3%)、営業利益-3.56億円、経常利益-3.23億円、当期純利益-6.99億円となった。

   営業収益が堅調であった要因は、特に、既存店売上高が好調であり、7月以降既存店の売上が回復し、7月107.1%、8月101.7%、9月104.8%に転じたことが大きかったという。また、業務提携したローソンの支援を受け、SHOP99やローソンストア100は、その基本コンセプトである「シングルプライス」、「適量・小分け」が消費者の支持を集め、むしろ追い風になっているとのことである。ただ、新店については、出店を抑制したために期初計画を下回る結果となり、前期末に比べ9店(直営:出店23店・閉店9店、FC:閉店5店)の増加にとどまったという。

   一方、利益が赤字になった要因を原価、経費の面から見てみると、原価は売上対比で76.2%(昨年73.2%)と、昨年と比べ3.0ポイントと大幅に上昇している。これは、ローソングループとの共同仕入や物流コストの削減を積極的に推し進めて仕入れコストの改善を図ったが、小麦粉など原材料価格の高騰の影響による仕入コスト上昇の吸収が遅れたためであるという。結果、売上総利益は23.8%(昨年26.8%)となった。これに対し、販売費及び一般管理費であるが、26.3%(昨年25.8%)と0.5ポイント上昇し、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-2.5%(昨年1.0%)と大きくマイナスになった。これに営業収入が今期は2.0%プラスになったが、営業利益は-0.5%となる厳しい結果となった。原価、経費ともに上昇に転じており、業務改革がまだ結果には表れていない状況といえよう。

   これを受けて、通期予想であるが、後半は、ローソンとの業務提携が一層進み、「①生活防衛型ニーズの顕在化による客数アップによる日販改善効果、②ローソングループとの共同商品の開発加速化と物流コストダウンによる仕入コストの改善、③中食構成比の拡大とロス改善による荒利率の改善、④既に今期実施した33店の閉店による営業利益改善効果、⑤店舗及び本部コストの削減効果などが第3四半期以降に見込まれる」とのことで、営業収益1,332.00億円(108.3%)、営業利益0.50億円(12.5%:営業収益比0.03%)、経常利益0.40億円(11.2%:営業収益比0.03%)、当期純利益-6.00億円とやや業績は持ち直すとのことである。

   このような非常に厳しい状況の中で、キャッシュフローの流れはどのような状況であったのかを見てみたい。まず、営業キャッシュフローであるが、13.24億円であった。これは、税金等調整前四半期純損失は-10.09億円と大きくマイナスになったが、減価償却費が9.22億円、減損損失4.34億円、仕入債務の増減額 9.05億円などがプラスとなったためである。決算数字では赤字となったが、営業キャッシュフローではプラスとなり、このプラス13.24億円から、投資キャッシュフローとして、有形固定資産等の取得を7.69億円、実施しており、結果、フリーキャッシュフローは5.55億円のプラスとなった。キャッシュフローの流れは順流である。ここが決算の損益計算書とキャッシュフローの違いといえ、赤字決算でも、減価償却費、減損損失、仕入債務などの計上により、キャッシュフローはプラスの順流となり、新規投資が可能となることもある。逆に、損益計算書でプラスになっても、キャッシュフローがマイナスになり、逆流となり、資金ショートを起こすこともある。そして、財務キャッシュフローであるが、長期借入金8.98億円を返済するなど、-9.50億円となり、トータルキャッシュフロー、資金は-3.95億円であった。

   このように決算は厳しい結果であったが、九九プラスの出店余力を見ると、まず、自己資本比率であるが、38.4%(昨年40.1%)と昨年よりも若干下がった。一方、出店にかかわる資産であるが、土地、建物、敷金・保証金の合計は90.45億円であり、総資産275.43億円の割合は32.8%である。現在、九九プラスは734店舗(別途FC112店舗)であるので、1店舗当りは0.37億円と、食品スーパーマーケットの約1/10の出店にかかわる資産である。したがって、出店余力、自己資本比率-出店にかかわる資産は5.6%のプラスであり、自己資本が低いにもかかわらず、出店にかかわる資産が極めて低いがゆえに、出店余力はプラスとなる。ちなみに、長短借入金等の合計は、35.70億円であり、総資産の12.9%となり、財務的には大きな負担とはなっていない。

   このように、この中間期九九プラスの決算は厳しいものとなったが、キャッシュフローは順流であり、しかも、自己資本比率は低いにもかかわらず、出店余力はプラスとなっており、今後、ローソンの強力な支援により、業績が回復してくれば、キャッシュフローが増加し、自己資本比率がさらに上昇し、出店余力も高まり、新規出店による成長も可能となる。問題はそのローソンの支援の効果が、今回の中間決算の数字を見る限り、まだ数字に明確に表れていないことである。後半、消費環境も厳しくなるなか、ローソンの強力な支援を受けて、どこまで業績の回復ができるかに注目である。

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November 19, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 18, 2008

PLANT、2008年9月期本決算、福井銀行が全面支援!

   PLANTが10/31、2008年9月期の本決算を公表した。売上高831.31億円(100.7%)、営業利益5.78億円(230.6%:売上対比0.69%)、経常利益 4.70億円(98.1%:売上対比0.56%)、当期純利益2.67億円(昨年は赤字)となる営業段階では増収増益となる決算となり、売上、利益ともにわずかではあるが、堅調な決算となった。今期、特に売上が増加した要因は新店にあり、昨年の改正まちづくり三法の施行を前に着手した店舗、PLANT-4大熊店(3月:福島県大熊町)、PLANT-3福知山店(5月:京都府福知山市)、そして、PLANT-5鏡野店(7月:岡山県鏡野町)をオープンしたことが大きく、スーパーセンターの店舗数は15店舗、PLNAT全体の店舗数は20店舗となったことによる。

   一方、増益の要因であるが、マーチャンダイジング力を見ると、原価が売上対比81.2%(昨年81.3%)であり、結果、売上総利益は18.8%(昨年18.7%)と0.1ポイント改善した。一方、販売費及び一般管理費は18.2%(昨年18.4%)となり、昨年と比べ、0.2ポイント削減し、結果、マーチャンダイジング力は0.6%(昨年0.3%)と、わずかではあるが、プラスとなったことが大きかったといえよう。これに不動産収入等が0.18%(昨年0.0%)加わり、結果、営業利益は0.7%(昨年0.3%)となり、増収を達成した。まだまだ、営業利益は0.7%であるので、キャッシュフローの改善までにはいたっていないが、これまでの厳しい状況を脱しつつあり、今後、どこまで、営業利益を改善できるかが、当面、最大の経営課題といえよう。

   そのキャッシュフローの状況であるが、営業キャッシュフローは24.66億円となったが、投資キャッシュフローが-44.21億円と、営業キャッシュフローを大きく超えるマイナスとなった。これは、新規出店のための有形固定資産を48.6億円取得したためであり、結果、フリーキャッシュフローは-19.55億円となり、キャッシュフローは、大幅な逆流である。したがって、負債で賄わざるをえなくなり、長期借入を88.0億円借入れし、これでフリーキャッシュフローを相殺し、結果、財務キャッシュフローは33.20億円のプラスとなった。合計のキャッシュフローは差引き、13.65億円のプラスとなったが、この苦しい財務状況の中で、さらに借入を増加させており、自己資本比率はとうとう16.4%と、非常に厳しいキャッシュフローの流れである。

   そこで、当然、資金調達が大きな経営課題となるが、今期、この10月に福井銀行を幹事行とする銀行団とシンジケートローンの契約の締結がなされ、190億円のシンジケートローンが可能となった。このシンジケートローンはタームローン170億円とコミットメントライン極度額20億円より構成されており、タームローンは主に既存の借入金の返済に、コミットメントラインは運転資金に充当するという。これにより借入金の一本化が可能になり、日常の運転資金には機動的に対応することができ、資金繰りの長期安定化が図られることになるという。PLANTは今後は当面出店をしない方針であるといい、着実に利益を上げ、有利子負債の削減に努めるとのことである。ちなみに、この190億円は現在の長短借入金の合計188.84億円を相殺できる金額であり、今後は福井銀行が主体となり、全面的にPLANTの財務を支える体制ができあがったといえよう。

   今後の出店であるが、平成19年11月30日に施行された改正まちづくり三法がPLNTの出店戦略に大きく影響することとなる。PLNTの出店戦略はルーラル立地における店舗展開を経営戦略の一環にすえているが、今後は、店舗面積が2,000坪クラス、すなわちPLANT-2タイプの規模がその大きさの限界となる。したがって、今後、PLANTはPLANT-2をメインに店舗開発を行っていく必要があり、これに見合った商品戦略、店舗運営、販売計画等を構築する必要があるという。ただ、現状の財務状況を考えると、当面新規出店は厳しい状況といえよう。

   その出店余力であるが、出店にかかわる資産である土地、建物、敷金保証金等の合計は209.21億円(昨年161.07億円)となり、総資産368.53億円に占める割合は56.7%である。これを1店舗当たりで見ると10.46億円となり、通常の食品スーパーマーケットと比べると倍以上の多額の出店にかかわる資産である。したがって、出店余力は自己資本比率-出店にかかわる資産となるが、自己資本比率が現状16.4%であるので、差し引き40.3%となり、大半を負債に負う財務構造となっているのが現状である。また、その負債の主要項目である長短借入金の合計であるが、188.84億円(昨年154.96億円)となり、昨年よりも約30億円増加し、総資産に占める割合は、51.24%と多額に及び、出店の大部分を借入に負う財務構造であり、この数字を見る限り、財務的には、新規出店が極めて厳しい状況といえよう。

   これを踏まえて、通期予想であるが、売上高900.00億円(108.3%)、営業利益11.00億円(190.2%:売上対比1.22%)、経常利益10.00億円(212.4%:売上対比1.11%)、当期純利益5.00億円(187.0%:売上対比0.55%)と新店が寄与し、増収増益となるが、当期純利益は5億円の予想であり、財務的にはまだまだ厳しい状況が続くといえよう。今後、PLANTにとっては、マーチャンダイジング力を改善し、キャッシュフローを生み出すことが、企業の存続にとって重要な経営課題といえ、いかにマーチャンダイジング力を高めるかがポイントである。今後のPLANTのマーチャンダイジング力がどこまで改善されるかに注目したい。

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November 18, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 17, 2008

ウォルマート1兆円、潤沢なCF、第3四半期決算!

   11/13、ウォルマートが2009年、第3四半期の決算を公表した。まず、驚くのは、キャッシュフローである。ウォルマートの今期、第3四半期までの合計の営業キャッシュフローは101.73億ドル(昨対105.7%、約1兆円)となり、この内、純利益からのキャッシュフローが94.64億ドル(約9,000億円)と90%を占めた。いかに営業活動によるキャッシュが大きいかがわかる。それにしても、四半期で約1兆円のキャッシュフローであり、途方もない金額である。

   この潤沢なキャッシュフローを投資に充てるわけだが、今期の投資キャッシュフローは-67.97億ドル(昨対60.5%、約6,000億円強)にとどめており、今期は昨年に比べ、控え目な投資である。ただ、それでも約6,000億円と莫大な投資であり、しかも、これが営業キャッシュフローの範囲内であるので、典型的な順流のキャッシュフローである。その中身であるが、81.74億ドル(約8,000億円)が新規出店関係等の土地、設備に充てられている。結果、フリーキャッシュフローは33.76億ドル(約3,000億円)である。それにしても、営業キャッシュフローが約1兆円あり、その内、約8,000億円を成長戦略にあてられるのであるから、すごい、数字である。そして、財務キャッシュフローであるが、-27.94億ドル(約2,500億円)であり、その中身は借入金の返済、配当、株式購入などである。結果、今期のトータルのキャッシュフロー、資金は5.82億ドル(約500億円)となり、為替変動の影響もあり、最終的には3.51億ドル(約350億円弱)となった。

   この潤沢なキャッシュフローを生み出した今期の営業状況であるが、累計ではなく、四半期のみでの営業収益は986.42億ドル(約10兆円弱、昨対107.3%)である。ちなみに、純粋な売上のみでは107.5%であり、その中身はウォルマート部門が106.1%(昨年107.1%)、サムズクラブ部門が11.22%(昨年107.7%)、海外部門が107.4%(昨年116.5%)であり、この10月度の失速、特に海外部門が響いた結果となったが、依然として、四半期ベースでは堅調な売上といえよう。ここから販売コスト、販売費及び一般管理費を引いた営業利益は52.92億ドル(約5,000億円、昨対106.6%)となり、さらに、税金等引いた当期純利益は31.38億ドル(約3,000億円、昨対110.2%)と2桁の増益となり、増収増益となった。純利益はこの四半期で約3,000億円であり、累計で見ると、96.08億ドル(約9,500億円)と、途方もない金額となり、これがまさに、キャッシュフローの源泉である。これを見ても、小売業はいかに、キャッシュフローを生み出せるかが成長の源泉であることがわかる。

   では、その成長戦略を占う、出店余力について、今期、第3四半期の累計で見てみたい。まず、ウォルマートの自己資本比率であるが、39.0%である。総資産は1,678.43億ドル(約16兆円)である。出店にかかわる資産である土地、建物の合計は937.06億ドル(約9兆円)であり、総資産の55.8%であるので、自己資本比率39.0%から引くと、出店余力は-16.8%である。したがって、負債に依存する出店構造となっており、その負債の主要項目である長短借入金等の合計は、355.56億ドル(約3.5兆円)であり、これは総資産の21.1%である。出店余力の-16.8%とほぼ一致するので、70%は自己資本、負債には約30%依存する出店構造といえよう。ちなみに、ウォルマートの在庫であるが、404.16億ドル(約4兆円)であるので、総資産の24.0%であり、衣食住すべての商品在庫であり、かなり大きな負担であるといえる。ただ、これは、買掛金で大部分が相殺されると思われ、買掛金の数字を見ると、307.82億ドル(約3兆円)であるので、実質、100億ドル(1兆円弱)、総資産の約6%ぐらいの負担といえよう。
 
   これを受けて、ウォルマートの11/13前後の株価を見てみたい。11/13(54.93ドル)、11/14(52.71ドル)であり、やや下げぎみに動いているのが気になるところである。ウォルマートの株価は、リーマンブラザーズショック前の9月上旬は62ドルまで上昇する好調な株価であったが、その後、株価はさすがに下がりはじめ、10/10には50.95ドルまで下がった。ただ、ここを底として、株価は上昇ぎみに動きはじめ、11月はじめには56ドルまで上昇した。そして、11/6の10月度の厳しい売上速報の公表後、株価がやや下がり気味で推移し、この第3四半期決算、公表後も先に見たように、やや株価が下がり気味の動きとなっている。このように、ウォルマートの株価は11月に入ってやや下がり気味であるが、大きく下げているわけではなく、投資家は冷静にウォルマートの株価を見守っているようである。

   このように、ウォルマートの第3四半期決算が11/13に公表されたが、四半期を昨年と比べると増収増益の好決算であるが、9ケ月累計と比べるとやや伸び率が下がっており、ここへきて徐々に金融不安の影響がさすがのウォルマートにも出始めたといえよう。ただ、他の小売業等と比べると、好業績であり、改めて、ウォルマートの強さが際立っているといえよう。特に、キャッシュフローは現時点で、営業キャッシュフローが1兆円を超えるなど、抜群の財務安定感であり、きれいな順流となっている。残り、今期もあと、クリスマス、年末、年始を残すのみとなったが、景気後退の中でウォルマートがどこまで業績を維持できるか、その動向に注目といえよう。

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November 17, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 16, 2008

関西スーパー、2009年中間、増収減益、厳しいCF!

   関西スーパーマーケットが11/11、2009年3月期の中間決算を公表した。営業収益540.26億円(103.4%)、営業利益8.38億円(81.5%:営業収益比1.55%)、経常利益9.98億円(84.6%:営業収益比1.84%)、当期純利益2.77億円(43.2%:営業収益比0.51%)と増収減益となる決算となり、厳しい決算となった。増収となった要因は特に、既存店が103.1%と好調に推移したことが大きく、これは、競合が激化している17店舗に対し、青果物のディスカウント政策を実施したことも大きかったといえよう。関西スーパーマーケットの生鮮食品の売上構成比を見ると、青果部門が最も高く15.3%、ついで、精肉部門12.8%、鮮魚部門10.5%、惣菜部門8.0%である。したがって、生鮮部門の売上構成比最大の青果部門をディスカウントしたのは、競合対策からいえば、正解である。ただ、売上構成比も高いため、粗利へのインパクトも大きかったといえよう。

   実際、売上原価を見ると、76.2%(昨年75.8%)と上がっており、結果、売上総利益は23.8%(昨年24.2%)と0.4ポイント下がった。これは、この青果部門の問題だけではないとは思うが、厳しい結果となった。結果、マーチャンダイジング力を見ると、販売費及び一般管理費が24.1%(昨年24.2%)であるので、差し引き、-0.3%(昨年0.0%)のマイナスとなり、身を削るような競合対策であったといえよう。マーチャンダイジング力が-0.3%のマイナスとなったが、営業利益は、これに不動産収入、物流収入等の営業収入が1.8%(昨年2.0%)が加わり、結果、1.5%(昨年2.0%)のプラスとはなったが、昨年よりも粗利が減少し、経費はわずかに削減できたが、営業収入も減少したため、営業利益は昨年と比べ0.5ポイント下がるという厳しい結果となった。
   
   問題は、キャッシュフローの流れであるが、昨年よりも営業利益が減少し、営業キャッシュフローはわずか3.65億円となり、結果、投資活動によるキャッシュフローを賄える状況ではなくなった。そこで、投資によるキャッシュフローの中で有価証券を売却して、約45億円の資金調達をしており、その資金で新規出店の資産等を購入し、結果、16.30億円の大幅なプラスとし、合計、フリーキャッシュフローを19.95億円のプラスとした。ただ、営業キャッシュフローでは投資キャッシュフローを賄えず、キャッシュフローは逆流となっており、厳しい状況といえよう。一方、財務キャッシュフローであるが、-7.88億円のマイナスとなり、これは、長期借入金と配当への配分が主な用途である。結果、キャッシュフローの合計は、12.07億円となり、全体ではプラスとなったが、今後、マーチャンダイジング力を高め、営業キャッシュフローをいかに生み出すかが、経営的には急務といえよう。
   
   一方、関西スーパーマーケットの出店余力であるが、今期は、この4月に出屋敷店(兵庫県尼崎市)を新設し、後半も12月に今福店(大阪市城東区)、来年2月に倉治店(大阪府交野市)の新規出店を予定している。現在、関西スーパーマーケットの自己資本比率は47.7%(昨年45.9%)であるので、ここから、出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金の合計を見ると、299.63億円であり、これは総資産517.93億円の57.8%となる。結果、出店余力は、差し引き、-10.1%のマイナスとなる。これをカバーするのが負債であるが、その主要項目である長短借入金の合計は99.50億円であり、これは総資産の19.2%である。新規出店を大きく負債に負う構造ではないが、やや重い出店構造といえよう。ちなみに、関西スーパーマーケットは現在53店舗であり、1店舗当たりの出店にかかわる資産は5.6億円となり、通常の食品スーパーマーケットと比べるとやや高めの資産である。
   
   これは、出店にかかわるコストが高い都心部への出店が多いためと思われるが、逆に、通常の食品スーパーマーケットと比べ、1店舗当たりの客数が3,234人と3,000人を超える集客力があるのが強みである。ただ、結果、客単価は1,660円、PI値985%、平均単価167円とやや低めとなり、1店舗当たりの売上は1日、536.8万円となる。現在、関西スーパーマーケットの店舗面積は73,583㎡であるので、1店舗当たり約400坪強となり、年間坪効率を計算すると約450万円強となり、コストのかかる都心部ではやや重い構造である。これが、300坪ぐらいに圧縮できると、高効率の食品スーパーマーケットとなる。今後、マーチャンダイジングのバランスと客数との関係でどこまで、店舗面積を圧縮できるかが、利益を生み出してゆくための課題ともいえよう。
   
   これを受けて、通期の決算予想であるが、営業収益1,104.10億円(104.4%)、営業利益21.90億円(94.3%:営業収益比1.98%)、経常利益24.00億円(93.8%:営業収益比2.17%)、当期純利益10.50億円(189.7%:営業収益比0.95%)と、中間決算同様、増収減益の予想であり、今期はやや厳しい決算予想である。
   
   このように、関西スーパーマーケットの2009年3月期の中間決算は増収減益となる厳しい決算となった。気になるのはキャッシュフローの流れであり、借入金を返済し、自己資本比率が高まってはいるが、営業キャッシュフローからの返済ではなく、投資キャッシュフローの有価証券売却によるものであることである。特に、今期は、マーチャンダイジング力がマイナスとなっており、このままマイナスが続くと、営業キャッシュフローが厳しい状況となり、今後の出店がより厳しい状況となる。今後、関西スーパーマーケットがどこまで、マーチャンダイジング力を改善し、営業キャッシュフローを高めてゆくために、どのような戦略を打ち出すかに注目したい。

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November 16, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

November 15, 2008

西友、年末に向けて、KYキャンペーン実施!

   バナナ(1カット97円)、玉ねぎ(1袋97円)、銀鮭甘口(養殖チリ産原料)(1切85円)、えび中(インド・インドネシア産など)(16尾1パック397円)、豚ロース切身・生姜焼用・切り落し(アメリカ産)(100g127円)、牛肉肩ロースステーキ用・切落し(アメリカ産)(100g187円)、この6品のみが大きな写真で1面に掲載された西友の号外ちらしが、自宅に飛び込んできた。ちらしの表題は、「K(カカク)Y(ヤスク)でいこう!、時代の空気を読んで、徹底的に「価格」を「安く」」である。西友が、この年末商戦に向けて戦略を価格に絞り、大きく動き始めたといえよう。本家、ウォルマートの10月度の売上が為替変動の影響もあり、ドル換算で、大きく失速している中、ウォルマートが年間最大の売上となる年末商戦に向けて、価格に重点をおいた世界戦略が動き出したといえ、その象徴ともいえる、西友の号外ちらしである。

   西友が価格にどのくらいこだわっているかであるが、このちらしの1面に4つのお買い得と題し、価格政策を解説しているのを見ると、それがわかる。その提示内容は、①くらべてください!この価格(他店の価格を調査して、負けない価格でご提供いたします。)②毎日お買い得(いつでも安心してお求めいただけるよう、うれしいお買得を毎日つづけています。)③月間この価格(日々の品、季節の品を約1ケ月、お値打ち価格でご提供します。)④広告の品(毎週お届するチラシに掲載されたお買得商品です。)、という内容であり、4大価格政策を提示し、価格を全面に押しだしたチラシとなっている。裏面も同様であり、約20品の価格訴求商品が掲載され、まさに、これから、年末、年始にかけて価格を全面に押し出す戦略であるといえよう。

   実際、西友のホームページを見ると、今回のこの号外ちらしが、ウォルマートの意を組んだ本格的な価格戦略の発動であることがわかる。11/7に西友が公表したプレスリリース、「西友、年末に向けて1,700 品目を値下げ」と題し、「これから年末に向け、従来から進めてきた「EDLP(エブリディ・ロープライス)化」の流れを踏まえた上で、昨今の円高基調を追い風にして、輸入牛肉・豚肉、輸入野菜の値下げを進めると共に、西友の親会社であるウォルマート・ストアーズ・インクのグローバル商品調達網をフルに活用し、低価格で独自性の高い直輸入商品の品揃えを積極的に拡充強化し、・・」とのことであり、これに加え、「玩具・お正月用食材などの値下げや、食品・日用品・住居用品を中心にした約1,500 品目余りに及ぶ月間値下げも併せて実施・・」とのことである。

   特に、この価格政策の中でもポイントとなるのは、ウォルマートのグローバル調達網を通じての価格訴求商品であろう。「円高差益還元の一環として、米国産牛肉について、11 月10 日から、肩ロースステーキ(店頭価格:237 円/100g)及び肩ロース切落し(同:198 円/100g)を共に187 円/100gに値下げします。輸入野菜についても、同日から、米国産ブロッコリーを97 円に、豪州産アスパ2ラガスを97 円に、それぞれ値下げします。更に、11 月17 日からは、豪州産牛肉ロースステーキ用又はサーロインステーキ用(同:398 円/100g)を297 円/100gに、米国産豚肉肩ロースブロックについても、従来の店頭価格127 円/100gを97 円/100gに、それぞれ大幅に切り下げるほか、一部輸入魚介類やウォルマート直輸入の酒菓子飲料などでの値下げを順次実施します。」とのことで、さらに、今後、「年末に向けて、ウォルマートの調達網を活用し、既に開始している米プロクター・アンド・ギャンブル社(P&G)製品など、グローバル・サプライヤーからの直輸入による格安価格での販売品目を拡充していきます。」とのことである。

   ここ数年、西友は厳しい経営状況にあり、EDLPを全面に押しだした時期、ちらしを全面に押しだした時期など、価格政策が揺れ動き、焦点が定まらなかったともいえるが、今回のKYキャンペーンは、これまでの価格政策を見直し、ウォルマート本体の全面支援を受けて実施するものといえ、これから年末、年始にかけて、価格政策を全面に打ち出した政策が実施されるといえよう。ちょうど、10/22、北京で、ウォルマートのグローバル・サプライヤーの主要取引先、中国政府関係者、NGO などの代表者、約1,000名の関係者を集めて、ウォルマート主催の「サミット会議」が開かれた。そこには、ウォルマートのCEOのリー・スコット氏も出席しており、環境と社会の両面で責任あるグローバル・サプライチェーンを構築していくことを目指して、そのために達成すべき目標、取引先等に求められる指針などの概要について発表があったという。これまでも、今後も、中国はウォルマートへの商品供給の本居地であり、価格政策の原点でもあり、北京サミットの意義は大きいといえよう。

   西友もウォルマートに吸収合併され、ようやく、ウォルマートと完全一体となった価格政策を打ち出せる環境が整った見え、現状の厳しい経営状況がこの価格政策によってどこまで改善されるかがポイントであろう。今年の年末は、西友をはじめ、各社、身を削るような厳しい価格戦争が繰り広げられるものといえ、各社の価格戦略の動向に注目である。

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November 15, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 14, 2008

いなげや、2009年3月期中間決算、減収増益、厳しいCF!

   10/28、いなげやが2009年3月期の中間決算を公表した。いなげやは、東京都を中心に食品スーパーマーケットを125店舗、ドラックストア、ウェルパークを84店舗、合計209店舗を展開している企業である。食品スーパーマーケットだけで出店地域を見ると、東京23区内に13店舗、東京都下に47店舗、埼玉県30店舗、神奈川県23店舗、千葉県12店舗と計125店舗である。その中間決算の内容であるが、営業収益1,135.46億円(99.8%)、営業利益12.09億円(110.5%:営業収益比1.06%)、経常利益 13.43億円(105.0%:営業収益比1.18%)、当期純利益2.85億円(昨年は赤字:営業収益比0.25%)と減収増益となる結果であった。減収となった要因は、今期は新規出店がなく、特に食品スーパーマーケットの既存店が98.7%となったことが大きかったという。
   
   一方、増益となった要因であるが、売上原価は73.0%(昨年73.2%)と0.2ポイント下がり、結果、売上総利益は27.0%(昨年26.8%)と0.2ポイント上昇しことが大きい。一方、販売費及び一般管理費は29.2%(昨年29.0%)となり、0.2ポイント上昇しており、原価の改善が経費の上昇でプラスマイナス0になったことが残念である。ただ、この消費環境が厳しい中、原価の改善ができたことは大きく、その要因のひとつは、PB、トップバリュにもあるといえよう。今期のトップバリュの売上構成比は2.8% (昨年2.0%) 粗利高3.2% (昨年2.5%)と売上、粗利双方上昇しており、この分が原価改善につながったものと思われる。ただ、まだ、売上構成比2.8%はPB比率としては低いといえ、今後、さらに、売上、利益を押し上げて行くのではないかと思う。
   
   そこで、マーチャンダイジング力であるが、売上総利益-販売費及び一般管理費を見ると、-2.2%(昨年-2.2%)と大きくマイナスである。経費が29.2%とかなりの売上比率であり、これ以上の原価改善、粗利アップは、PBの動向にもよるが、大幅には難しいといえ、やはり、今後、この経費比率をいかに下げるかは喫緊の課題といえよう。そして、営業利益であるが、これに、不動産収入、物流収入等の営業収入が3.2%(昨年3.2%)のるので、結果、小数点以下を四捨五入すると、営業利益は売上対比で1.1%(昨年1.0%)のプラスとなり、増収となったといえよう。ただ、マーチャンダイジング力がマイナスの分だけ、収益性も低くなっており、やはり、今後、マーチャンダイジング力、特に経費比率の改善をいかにすすめるかが、キャッシュフローの観点からも重要な課題であるといえよう。
   
   そのキャッシュフローであるが、営業活動によるキャッシュフローは18.85億円となるが、その中身の最大の項目が減価償却費の13.44億円であり、まさに、マーチャンダイジング力のマイナスが響き、当期純利益は7.72億円にとどまっているのが伸び悩んだ原因である。投資キャッシュフローは-0.12億円と数字だけ見ると投資活動が行われていないのかと思われるが、固定資産、有価証券等で約30億円投資しており、これを補う形で約30億円有価証券を売却しているので、このような数字となっている。実質、営業活動によるキャッシュフローでは回らない状況といえ、逆流のキャッシュフローといえよう。結果、フリーキャッシュフローは18.73億円のプラスとなる。そして、財務キャッシュフローであるが、長期借入金を22.68億円返済し、17.00億円借入れ、結果、約5億円削減し、-9.24億円である。したがって、トータルのキャッシュフロー、すなわち、資金は9.49億円のプラスとなったが、有価証券の売却益がなければ、苦しい状況であり、営業キャッシュフロー、特に、マーチャンダイジング力の重要性が改めて確認されたキャッシュフローの流れであるといえよう。
   
   では、いなげやの出店余力はどうかを見てみたい。現在、自己資本比率は56.7%(昨年56.2%)であり、堅調な数字である。一方、出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計は362.25億円となり、これは総資産753.74億円の48.0%となる。1店舗当りに換算すると、いなげやは現在209店舗であり、3.60億円と通常の食品スーパーマーケットと比べ、ドラックストアも含まれる分、低い資産といえよう。したがって、出店余力は自己資本比率-出店にかかわる資産=8.7%となり、プラスとなり、自己資本の範囲内で出店が可能な財務構造である。ちなみに、負債の主要項目である長短借入金の合計であるが、75.78億円であり、これは総資産の10.0%であり、財務的にはさほど重い負担ではないといえよう。

   これを受けて、通期予想であるが、営業収益2,288.00億円(100.7%)、営業利益40.00億円(102.9%:営業収益比1.74%)、経常利益42.50億円(100.8%:営業収益比1.85%)、当期純利益18.50億円(149.6%:営業収益比0.80%)と、増収増益の堅調な決算予想である。現在、いなげやは、2008年、2009年度の中期経営計画の真っ最中であり、グループ全体での経費率の引き下げに取り組んでいる。また、その経費引き下げを武器に、「経費削減→荒利率引下げ→1点単価ダウン→点数アップ→客数アップ→売上アップ」という増収へつなげて行こうという経営の流れを構築中であり、この流れができることにより、営業キャッシュフローが充実し、財務的な出店余力は高い状況にあるので、安定した新規出店が可能となろう。後半の構造改革がどこまで進んでゆくか、特に、経費比率の改善に注目したい。

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November 14, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 13, 2008

CHANGE.GOVスタート、オバマ次期米大統領、HP!

   オバマ次期アメリカ大統領が新たなホームページをスタートさせた。CHANGE.GOV(http://change.gov/)であり、まさに彼のスローガン、ChangeをそのままURLにしたものであり、当面、大統領就任の2009年1月20日までの政権移行状況をつぶさに公表し、アメリカ国民と一体となった政治を作り上げて行くという目的である。ホームページのトップの写真がオバマ次期大統領とバイデン次期副大統領のツーショットの写真であるが、そこをクリックすると、Change has come to Americaというタイトルとともに、YouTubeの画面になり、あの歴史に残るシカゴでの勝利宣言映像が映しだされる。

   その映像の下に、解説とキーワードが掲載されているが、これを見て気付いたが、オバマ次期大統領自ら、このシカゴでの勝利宣言の中で、ChangeとChanceという言葉を見事に対比して、韻を踏むように使っており、改めてよくできたスピーチだと思った。その演説であるが、「This victory alone is not the change we seek. It is only the chance for us to make that change.」というくだりである。最近、ChangeとChanceはgとcの一字違いであり、様々な機会によく世間でつかわれているが、当のオバマ次期大統領も意識して使っていたことが、このホームページで改めて確認できた。しかも、この2つの関係をオバマ次期大統領は、勝利したことがchangeではなく、この勝利がchangeするためのchanceなんだといっており、この2つの関係が良く分かった。

   よく世間で使われているchangeとchanceの関係は、changeはchanceなんだという使い方がほとんどであるが、オバマ次期大統領は上記に示したシカゴでの勝利宣言のスピーチで、changeをするchanceをもらったといっており、changeに重きが置かれ、そこに、オバマ次期大統領の強い意志が感じられる。このCHANGE.GOVのホームページもまさに、changeを自ら貫徹させるための意思表示でもあり、そのchangeをアメリカ国民と共有しようという意図であると思われ、本当に、オバマ次期大統領は、強い決意と意思をもってアメリカをChangeしてゆくのではと思う。恐らく、このCHANGE.GOVでその状況が刻々と実績とともに伝えられてゆくのでないかと思う。

   11/10の日経ネットでこのCHANGE.GOVのホームページのことを解説しているが、その中に、聞きなれない人事のことが出ている。CTOである。CTOとは米政権初の最高技術責任者のことで、この責任者を任命することが、オバマ次期大統領の公約のひとつであるという。この記事によれば、CTOの役割は、次の5つを目指したものになるという。①オープンなインターネットと多様なメディアの経路を通じ、米国民の間の完全で自由な情報流通を確立する。②透明でつながった民主主義を創造する。③近代的な通信基盤の構築を促進する。④技術とイノベーションを活用し、米国の重要な課題を解決する。そして、⑤米国の競争力を改善する。ということであるという。しかも、その基盤がIT、ネットであるといい、まさに、オバマ次期大統領は今回の選挙選でもいち早くITを取り入れ、武器にし、実績に結び付けたが、今度は、そのノウハウをアメリカ合衆国全体に適用しようということであろう。

   日経の記事の中では、経済顧問にGoogleのCEO、エリック・シュミット氏も含まれているといい、CTOに選ばれるかどうかはわからないが、Googleが本格的にオバマ政権を支えることは間違いないようである。実際、このCHANGE.GOVのホームページのソースを見てみると、Google Analytics(グーグル・アナリティックス)が使われており、アクセスログ解析はgoogleで行われおり、また、映像にはYouTubeが多様され、オバマ次期大統領とGoogleとの関係は深いといえる。Googleが総力をあげて取り組めば、先の5つのテーマもITを通じて現実味をおびてくるといえ、まさに、changeが起こるのではないかと予感させる。

   さて、CHANGE.GOVの現在の状況であるが、newsroom(ニュースルーム)、blog(ブログ)、learn(学ぶ)、agenda(議題)が主な項目であり、これ以外にも投稿が可能なamerican momentや、america serves、job、aboutなどの項目がある。まだ、スタートしたばかりであり、ブログのコーナーも11/5のシカゴでの勝利宣言から始まって、これを入れて5つしか掲載されていないが、今後、人事が固まってくれば、急激に内容が充実するのではないかと思われる。

   それにしても、政権移行段階でここまでその状況をオープンにし、アメリカ国民と情報を共有するだけでなく、その意見も取り入れてゆこうとする仕組みづくりにはびっくりである。これひとつとっても、これまでの次期大統領の時とは明らかなchangeが起こっており、今後、1/20に正式にオバマ次期大統領が大統領に就任した後も、changeが期待できる予感をいだかせるといえよう。
   
   しかも、これはホームページであるがゆえに、全世界に公開されたものであり、アメリカ国民だけでなく、全世界注視のもとでchangeがなされてゆき、その状況が刻々とこのCHANGE.GOVを通じて公表されるのであるから、画期的なことであるといえよう。現在はこのホームページは英語のみであるが、今後、日本語のフォローもあればと思うが、英語の勉強を兼ねて辞書と格闘しながら追っかけて行こうと思う。このホームページの左上に今日の日付と就任式までのカウントダウンがのっているが、これから約2ケ月、このホームページがどう変化してゆくののかに注目したい。

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November 13, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 12, 2008

バロー、2009年3月期中間、11/7、増収増益、CF逆流!

   バローが2009年3月期の中間決算を11/7公表した。営業収益1,685.93億円(106.5%)、営業利益は50.28億円(106.9%:2.98%)、経常利益は52.45億円(104.6%:3.11%)、当期純利益20.41億円(93.7%:営業収益比1.21%)と増収増益となる堅調な決算結果となった。また、同時に通期予想も公表しているが、営業収益3,400.00億円(106.9%)、営業利益116.00億円(110.6%:営業収益比3.41%)、経常利益114.00億円(105.2%:営業収益比3.35%)、当期純利益42.00億円(101.5%:営業収益比1.23%)と、ほぼ同様の堅調な決算予想である。

   現在バローは、積極的な店舗展開をしており、スーパーマーケット11店舗、ホームセンター4店舗、ドラックストア18店舗、及びスポーツクラブ4店舗を今期開設し、スーパーマーケット1店舗、ドラックストア1店舗を閉鎖した。これにより、今期の店舗数は、スーパーマーケット174店舗、ホームセンター36店舗、ドラックストア157店舗、スポーツクラブ49店舗、ペットショップ17店舗、その他3店舗となり、第2四半期末のグループ店舗数は、436店舗となった。また、個別決算で見ると店舗数と売上構成比は、岐阜県86店舗(売上構成比51.3%)、愛知県40店舗(29.3)、北陸17店舗(10.5%)、その他28店舗(8.9%)となり、地元、岐阜県の売上構成比は約50%であり、ドミナトエリアを東と北へと着々と拡大している状況といえよう。

   ただ、既存店の売上は97.4%と伸び悩んでおり、この積極的な新規出店をささえる財務状況を見ると、厳しいものがある。バローの自己資本比率は31.8%(昨年32.4%)となり、食品スーパーマーケット業界の中でも低い数字である。したがって、出店余力を見ると、出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金の合計1,136.42億円であり、総資産1,722.97億円に占める割合は65.9%となる。全店が436店舗であるので、1店舗当たりの資産は2.60億円と極めて低くなるが、ドラックストア等資産の比較的低い業態が多いためである。したがって、出店余力である自己資本から出店にかかわる資産を引いた数字は-34.15%となり、大きくマイナスとなる厳しい状況である。新規出店の大半を負債に負うところが多い状況となっており、自己資本の充実は今後安定成長をはかる上では急務といえよう。その負債の主要項目である長短借入金の合計であるが、594.89億円となり、総資産の34.5%となり、自己資本比率31.8%と合計すると、出店にかかわる資産65.9%とバランスがとれ、現在の出店構造は50%自己資本、50%借入というバランスの財務構造となっている。

   そこで、肝心のキャッシュフローを見てみると、営業活動によるキャッシュフロー57.40億円であり、投資活動によるキャッシュフローは-110.80億円となり、フリーキャッシュフローは-53.40億円となり、大幅なマイナスである。キャッシュフローの逆流が起こっている。その要因は有形固定資産の取得が101.08億円と多額に上ったためである。したがって、財務キャッシュフローで補わざるをえない状況にあり、財務キャッシュフローを見ると17.40億円とプラスではあるが、フリーキャッシュフローを賄うまでにはプラスとならず、トータルキャッシュフロー、資金は-36.0億円となり、厳しい財務状況となっている。これは、財務キャッシュフローにおいて、長短借入金を57.44億円借入し、長期借入金を33.63億円返済し、差し引き23.81億円の増加にとどまっているためであり、キャッシュフローの範囲内では資金がうまく流れない状況であり、まずは、キャッシュフローの逆流をいち早く止めることが当面の経営課題といえよう。

   ちなみに、キャッシュフローの大本、マーチャンダイジング力の状況であるが、売上原価は76.40%であり、結果、売上総利益は23.59%である。ここから販売費及び一般管理費24.27%を引いたものが、マーチャンダイジング力であるが、結果は-0.77%となり、粗利に対して経費がやや重い状況であるといえる。これに不動産収入、物流収入等の営業収入が3.77%加わるので、結果、営業利益は3.09%となるが、今後、キャッシュフローを改善する上でも、マーチャンダイジング力、売上総利益から経費を引いた商品売買から得られる利益をいかに改善するかが重要な経営課題といえよう。ただ、原価改善に関しては、今期、バローは、新規ブランド(Vセレクト・Vクオリティ・Vオーガニック)を、この4月に立ち上げ、PB関連事業を統括する新会社「株式会社Vソリューション」を、この6月に設立するなど、PB強化の改善に入っており、今期後半は原価の改善が期待できるものといえよう。

   このように、今期、2009年3月期のバローの中間決算は増収増益の堅調な決算とはなたが、自己資本比率が31.8%と低く、キャッシュフローが逆流となっており、今後の安定的な成長を目指した新規出店を行ってゆくには、厳しい財務状況にあるといえよう。今後、PB強化による原価改善がどこまで進むかが、キャッシュフローを改善し、負債を削減し、自己資本比率を引き上げ、出店余力をもたらす鍵といえる。今後のバローの原価改善、そして、キャッシュフローがどのように改善されるかに注目したい。

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November 12, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 11, 2008

ホールフーズマーケット、2008年9月決算、増収減益!

  オーガニック食品スーパーマーケット、ホールフーズマーケットが11/5、2008年9月度の本決算を公表した。売上高79.53億ドル(約8,000億円、120.6%)、営業利益2.36億ドル(約230億円、79.4%:売上対比2.9%)、当期純利益1.14億ドル(約110億円、62.8%:売上対比1.4%)となる増収減益となり、厳しい決算となった。アメリカの損益決算書は日本とは若干違い、経常利益がなく、営業利益と当期純利益のみでの数字であり、すっきりした決算書である。さらに、営業利益を算出する上において、段階を分けて、利益が計算されており、利益がどのような要因で生じたのかが分かりやすくなっている。
 
  順にその構造を見てみると、売上高79.53億ドル(約8,000億円)であり、原価は52.47億ドル(約5,200億円:売上対比65.9%)となり、結果、売上総利益は27.06億ドル(約2,700億円:売上対比34.0%)となる。この数字は日本の食品スーパーマーケットと比べると極めて高い数字であり、オーガニック食品スーパーマーケットがいかに高粗利であるかがわかる。ちなみに、原価65.9%は昨年と比べると、昨年が65.1%であるので0.8ポイント上昇しており、やや原価があがっている。

  そして、この売上総利益から、何段階かに渡って経費が差し引かれるが、まずは、店舗経費が差し引かれ、店舗貢献利益が算出される。今期は5.98億ドル(約600億円弱)であり、7.5%である。日本にはない利益の算出方法であり、本ブログで取り上げているマーチャンダイジング力の概念に近い数字であるといえ、店舗段階での貢献利益が計算されることになる。そして、ここから、販売費及び一般管理費が引かれ、今期は3.28億ドル(約330億円弱)となり、売上対比4.12%となる。これで終わりではなく、さらに、ここから、出店、閉店コストを差引き、営業利益2.36億ドル((約230億円、79.4%:売上対比2.9%)となる。日本では、ここまで費用を分けて計算し、経費に明示し、しかも、分けて利益を算出することはないので、営業利益の中身が特に店舗動向を起点にきっちり計算され、小売業特有の利益構造をしっかり説明しており、びっくりである。
  
  さて、このように、今期は、ホールフーズマーケットも売上こそ順調であったが、利益が厳しい状況であり、来期へ向けての新たな経営戦略を、この決算公表の中で提示している。資本調達である。今回、4.25億ドル(約400億円)をレオナルド・グリーンパートナーズから出資(議決権の17%)を受けたという。これに対して、CEOのジョン・マッケイ氏は、流通業界への投資で経験豊富なレオナルド・グリーンパートナーズから出資を得られ感謝しているとの談話を出し、特に、経済情勢が不安な中、今後の長期的な成長への資金としたいとのことである。実際、今後の出店計画を見ると、今期は20店舗(前期21店舗)を新規出店したが、2009年度は15店舗、2010年度は17店舗、2011年度は19店舗、2012年度は19店舗と、今後4年間で合計70店舗の新店開発を計画しており、その資金への活用であろう。
  
  では、実際、今期、ホールフーズマーケットがどのような財務状況にあったかを、キャッシュフローで見てみたい。まず、営業活用によるキャッシュフローであるが、3.25億ドル(約300億円強)であり、投資活動によるキャッシュフローは-3.65億ドル(約-360億円)のマイナスであり、結果、フリーキャシュフローは-0.4億ドル(約40億円弱)のマイナスとなり、逆流となっている。新店投資への資金が3.57億ドル(約350億円)と多額の負担となったためである。そして、財務活動によるキャッシュフローであるが、0.6億ドル(約60億円弱)であり、結果資金は0.3億ドル(約30億円弱)のプラスとなるが、長期借入金を3.17億円ドル(約300億円)借り入れるなど、厳しい状況といえる。ホールフーズマーケットがレオナルド・グリーンパーナーズから4.25億ドル(約400億円)の出資を受けるのもうなずけるキャッシュフローの流れである。
   
  では、出店余力はどうかを見てみたい。ホールフーズマーケットの今期の自己資本比率は44.5%(昨年45.4%)であり、出店にかかわる資産である土地、建物等の合計は19.00億ドル(約1,900億円弱)であり、これは総資産33.80億ドル(約3,300億円)の56.2%であり、ここから出店余力を計算すると-11.7%となる。当然、この分を負債に依存していることになり、その主要項目である長短借入金の合計を見ると、9.28億ドル(約900億円)であり、これは総資産の27.4%となり、かなり財務負担の大きい状況であるといえよう。結果、成長戦略を負債に頼らざるをえない財務構造となっており、今回、新たな出資をレオナルド・グリーンパーナーズから受け入れた状況がこの台所事情にあるといえよう。成長を止めるて、リストラに入るか、資金調達して、さらに成長を目指し、活路を開くか、CEOのジョン・マッケイ氏の経営決断の難しさが推し量れるといえよう。
   
  このように、2008年9月期のホールフーズマーケットの本決算が公表されたが、積極的な新規出店、M&A等により増収とはなったが、利益が厳しい状況であり、しかも、その新規出店、M&Aをささえる財務状況が特に、キャッシュフローが逆流するなど厳しい状況であるといえる。ただ、今回、資本増強ができ、自己資本比率が向上し、出店余力があがるので、来期以降の出店も可能となると思われるが、現在、未曾有の金融危機のさなか、アメリカの消費者が今後ともオーガニック商品を買い続けるかどうか、予断を許さない状況が続くものと思われる。ちなみに、ホールフーズマーケットの現在の株価であるが、11/7現在、10.05ドルと厳しい株価が続いている。昨年後半は50ドル近い株価であったので、1/5となる状況であり、チャートはまさに、右下がりの状況であり、底が見えない厳しい状況といえよう。今後のホールフーズマーケットの動向を注意深く見守りたい。

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November 11, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 10, 2008

ウォルマートに異変、金融危機直撃、10月度売上失速!

   ウォルマートに激震が走った。2008年10月度の売上速報が11/6、公表されたが、これまでの堅調さが一転、売上が大きく減少した。その売上であるが、この10月度は102.3%という信じられない数字である。10月までの累計が108.3%であるので、5ポイントも下がるという失速である。前月の9月度も105.8%とそれまでの8月108.7%、7月109.4%、そして6月度110.1%と比べても下げ気味で推移していたが、それを上回る大きな下げであり、ウォルマートに異変が起こったといえよう。

   その中身を見てみると、ウォルマート部門105.3%(累計106.6%)、サムズクラブ部門104.5%(累計107.2%)、海外部門-5.9%(累計113.3%)であるので、国内部門も不振であったが、海外部門がこれまで2桁以上伸びていた数字がいきなり、マイナスとなり、これが大きく響いた結果といえよう。海外部門は67.60億ドル(約6,500億円)であり、全体の売上が285.65億ドル(約2兆8,000億円)であるので、23.6%と約1/4の売上構成比であり、この部分が大きく失速すると全体への影響も大きく、今回、大きな失速となったといえる。ウォルマートはこれについて、「On a constant currency basis -- without the effect of foreign exchange rate fluctuations -- total International sales increased 8.9 percent for the four-week period.」と、コメントしており、為替変動によるものであり、実質、海外部門は108.9%であったとしている。ただ、108.9%でも累計の113.3%と比べると大きくダウンしており、国内部門も失速気味であるので、これを加味しても、この10月度は厳しい結果であったといえよう。

   ウォルマートは日本でいえば、トヨタ、ソニーのように円高による為替差損が損益に大きく響くほど、海外部門を、ここ数年2桁を優に超える勢いで伸ばし続けてきた。全体に占める売上構成比もほぼ1/4となり、全体に対するインパクトも大きく、海外の貢献度がウォルマート全体の成長を支えていたといっても過言ではない状況であった。ところが、このサブプライムローンの問題が表面化し、9月のリーマンブラザースの破たん後、金融問題に転嫁してから、為替が激しく変動をはじめた。現在、世界通貨では円が無敵となり、ほぼすべての通過に対し上昇を続けており、ドルに対しても100円を切り、98円前後で動いている。ところが、そのドルがユーロ、ボンドなどではのきなみ、ドル高となっており、ここ数ケ月の動きを見ると、ユーロもボンドも20%から30%下落しており、海外での2桁以上の売上の伸びが、帳消しになり、それ以上にマイナスになってしまう状況であるといえる。金融不安のあおりを海外部門が直撃したという状況である。

   これを受けて、ウォルマートの株価であるが、この10月度の売上速報のあった翌日11/7現在54.39ドルである。ここ数日の株価を見てみると、11/6(53.49ドル)、11/5(54.13ドル)、11/4(56.13ドル)、11/3(55.97ドル)であるので、さほど、株価は下がっておらず、投資家は冷静にこの数字を受け止めているといえよう。ただ、ウォルマートのここ数ケ月の株価の状況を見てみると、9月中旬までは、ウォルマートの株価はこの1月からほぼ右上がりで順調に株価を上げており、一時は、年初来最高値の63.85ドルを付けており、投資家から高く評価されていた。ただ、さすがに、9月中旬の金融危機以降は株価が下がりはじめ、10月に入ると55ドルとなり、一時は50ドルを切り、47ドルまで下がった。その後、株価はやや持ち直し、11/7現在54.39ドルである。

   では、この10月度の国内のウォルマートの既存店の状況を見てみると、トータルでは102.5%と堅調な数字で推移している。昨年同時期が100.7%、39週累計が103.4%であるので、累計と比べると若干下がっているが、昨年よりは回復しており、既存店自体は大きなダウンとはなっていず、落ち着いた数字といえよう。この数字はガソリン等のエネルギー関連の売上を加えた数字であるが、さすがに、アメリカでも原油価格が下がったことにより、そのインパクトはほとんどなく、0.1%である。その中で、ウォルマート部門であるが、102.2%であり、累計が102.9%であるので、ほぼ横ばいといえよう。サムズクラブは104.0%であり、累計が106.4%であり、エネルギー関連のプラス効果がなくなった分、若干、伸び率が下がったが、堅調な数字であるといえよう。特に、エネルギー関連を抜いた場合は、累計の103.5%に対し、この10月度は103.6%と唯一、累計の数字を上回ったのが、このサムズクラブ部門であり、ウォルマートの中では最も貢献度の高い部門であったといえよう。そのサムズクラブ部門については、ウォルマートは特に、生鮮、グロサリー、消費材が特に良かったとコメントしている。特に、その中でも、青果、精肉、ペットフードが絶好調であり、逆に苦戦したのは、家電、宝石、住関連分野だったという。

   このように、この10月度のウォルマートの売上が為替レートにより、海外の売上がドルベースでは激減し、これに加え、国内の売上も失速気味で推移したため、今期、最大の売上ダウンとなり、伸び率が102.3%まで下がった。為替に関しては、まだ、金融不安は始まったばかりであり、今後、これが実態経済に波及することは必至の情勢となり、当面、円以外でのドル高基調が続く懸念があり、それに加え、国内経済も失速感が出はじめており、厳しい状況が続くものと予想される。今後、年間最大の売上の時期、クリスマス、年末、年始の商戦を迎えるが、どのような数字になるか、当面、ウォルマートの動向には注目である。

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November 10, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 09, 2008

チェーンストアにおけるBS、PL、CFとドミナト戦略!

   食品スーパーマーケット業界では2009年2月期の中間決算の発表が一段落し、現在、2009年3月期の決算の公表が始まっている。本ブログでは主要食品スーパーマーケットの中間決算に関しては、いち早くその内容を分析し、公表しているが、その分析にあたって、独自の視点を導入している。マーチャンダイジング力、出店余力、そしてキャッシュフローの流れである。マーチャンダイジング力とは、PLをもとに判断し、純粋な商品売買から得られる粗利から、経費を差し引いた指標のことであり、不動産収入、物流収入等を含まない利益のことである。決算ではこの数字は公表されていないので、本ブログでは電卓で計算し直している。通常の決算は営業収益から経費を引いた営業利益のみ公表されるので、この営業利益には不動産収入や物流収入などが含まれてしまう。したがって、本当のマーチャンダイジング力を知るには不都合な数字であり、そのため、この収入を引いた売上から経費を引いた売上総利益をマーチャンダイジング力として計算し直している。

   出店余力に関しては、BSをもとに判断し、食品スーパーマーケットを含めチェーストアの成長は新規出店ないしはM&A以外ありえず、既存店のみでは年間数%がせいぜいであり、既存店のみでの成長戦略を描くことは不可能に近いといえる。したがって、食品スーパーマーケットが成長していくためには、出店余力がどれだけあるかが重要な指標であり、これを本ブログでは、自己資本比率から出店にかかわる資産である土地、建物、敷金・保証金などの資産の比率を引いた数字として判断している。この資産に在庫も加えても良いが、食品スーパーマーケットの場合はせいぜい数%であり、大きなインパクトはないので、外しているが、ホームセンター、ドラックストア、GMS等は在庫負担も大きく、出店にかかわる資産に入れた方が良いかと思う。

   そして、最近、付け加えた内容はキャッシュフローである。ここ最近、アメリカ発の金融不安の影響もあり、PL、BSよりもキャッシュフローが重要な経営判断指標となりつつあり、この点についても分析に加えるようにした。特に、キャッシュフローは順流と逆流の流れがあり、逆流になると、いつ資金ショートを起こし、倒産しかねない状況に経営が追い込まれかねず、キャッシュフローが順流か逆流かを見極めることは食品スーパーマーケットの経営状況を見る上で重要な判断材料であると思える。順流とは営業活動におけるキャッシュフローの範囲内で投資活動におけるキャッシュフローを賄い、この2つの合計であるフリーキャッシュフローを黒字にし、なおかつ、そこから、財務キャッシュフローをも賄ってしまう流れのことである。逆流とはこの反対で営業キャッシュフローの範囲内を超えた投資キャッシュフローを行い、フリーキャッシュフローがマイナスとなり、そのマイナス分をさらに財務キャッシュフローで補うという流れである。当然、逆流になった場合は、放っておけば、資金ショートとなり、即倒産となりかねない。また、昨今の金融機関の貸し渋り、貸しはがしが起これば、これも、資金ショートが起き、即倒産となり、ここのところ、黒字倒産が起こる背景は、このキャッシュフローの逆流にあるといえよう。

   そこで、今回のブログのテーマ、「チェーンストアにおけるBS、PL、CFとドミナント戦略!」であるが、食品スーパーマーケットのチェーンストアが10店舗クラスまでは、これら経営に重要な指標管理は社長ただ一人で何とかなると思うが、20店舗、50店舗、100店舗、そして、1,000店舗となった場合は本部、店舗の関係ではPLまでは管理できても、BS、キャッシュフローの管理までは難しいのではないかと思う。実際のチェーンストアの経営管理は本部がBS、PL、キャッシュフローを管理するが、これはドミナントがひとつに限定できる間は問題がないといえよう。ただ、チェーンストアが成長するにしたがい、新たなドミナントへの参入がはじまる。いいかえれば、チェーンストアの成長戦略はドミナント管理と新ドミナントへの参入が基本であり、この繰り返しによって、無限級数的に店舗が拡大され、成長が約束される。

   ところが、現実は経営管理は本部一括となっており、ドミナント単位には管理されず、マーチャンダイジング力も出店余力も、そして、キャッシュフローもドミナント単位で算出し、成長戦略をつくることが本来は必要なはずだが、仕組みとして、できていないのが実態といえよう。そこで、今後のチェーンストアの経営管理として、ドミナントごとに、マーチャンダイジング力、出店余力、キャッシュフローの流れを管理する仕組みをつくり、この3つの管理指標を統括するマネージャーを置き、将来の経営者幹部の育成を兼ねて成長戦略を策定し、本部で統括する仕組みをつくったらどうかと思う。基本、3人でドミナトは統括でるのではないかと思う。キャッシュフローを判断する最高責任者、PL、マーチャンダイジング力を管理する責任者、BS、出店余力を管理する責任者である。

   このようなチェーンストア管理の仕組みをつくれば、ドミナントごとに3人のマネージャ-がドミナト内のPL、BS、キャッシュフローを管理し、ドミナント内の成長戦略を策定し、最終的に本部が決済して進めて行くことが可能となり、次世代の経営者も育成することができるのではないかと思う。また、本部の仕事も、チェーンストア全体の商品調達、物流戦略、キャッシュフローの配分など、より戦略的な対応が可能になるのではないかと思う。今後、この観点から、食品スーパーマーケットのチェーンストアの経営管理が可能かどうかをじっくり考えてみたい。

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November 9, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 08, 2008

原信ナルスホールディンス中間、増収減益、厳しい決算!

   原信ナルスホールディングスが11/4、2009年3月期中間決算を公表した。売上高582.03億円(104.2%)、営業利益14.32億円(82.4%:売上対比2.46%)、経常利益13.73億円(75.1%:売上対比2.35%)、当期純利益5.79億円(114.8%:売上対比0.99%)と増収減益となる厳しい決算となった。増収となった要因は、今期は新規出店がなかったが、既存店が好調であったことによる。その中身は、内食回帰の影響を受け、生鮮等が特に好調であったためである。その中でも主要部門である精肉の構成比が昨年の9.8%から10.7%へと大幅に上昇しており、伸び率も112.5%と全部門で断トツのNo.1となり、生鮮全体を牽引した。また、精肉以外にも、デイリー、グロサリーも106%の伸びとなっており、これらの部門が食品全体を押しあげ、堅調な売上となったといえよう。

   原信ナルスホールディングスは、現在、原信46店舗、ナルス16店舗の合計62店舗の食品チェーンストアであり、それぞれの店舗の特徴は以下のようである。原信は1日当り客数が約3,000人であり、客単価1,745円、PI値1019%、平均単価171円であるのに対し、ナルスは1日当たりの客数が2,000人弱、客単価1,834円、PI値1,095%、平均単価167円である。客数は原信の方が多いが、客単価はナルスの方が高いという特徴がある。

   ただ、今回、売上は堅調な数字ではあったが、利益が減益となった。その要因を原価、経費の面から見てみると、今期の原価は73.22%(昨年72.65%)と原価が0.57ポイント上昇した。結果、売上総利益は26.78%(昨年27.35%)となり、粗利が昨年より下がったことが大きかった。一方、販売費及び一般管理費も24.68%(昨年24.23%)と、0.45ポイント上昇し、ダブルでマイナスとなり、結果、マーチャンダイジング力は2.10%(昨年3.12%)となる厳しい結果となったことによる。原信ナルスホールティングスは営業収入が計上されていないため、マーチャンダイジング力=営業利益となるが、今期、営業利益が減益となった理由は、このように原価、経費双方がダブルで上昇したためであり、厳しい経営状況であったといえよう。特に、原信は営業利益、経常利益、当期純利益、いずれも順調な数字であったが、ナルスが営業利益は微減となり、経常利益、当期純利益ともにマイナスとなる厳しい結果となったことが大きかったといえよう。

   これを受けて、通期予想であるが、売上高1,150.00億円(103.1%)、営業利益32.00億円(88.2%:売上対比2.78%)、経常利益31.00億円(83.2%:売上対比2.69%)、当期純利益14.00億円(91.2%:売上対比1.21%)と、この中間決算同様、増収減益の厳しい予想である。ただ、後半は原信が11月に南万代店(年商予想17.00億円)、ナルスが12月に国府店(年商予想21.00億円)を移転増床の予定もあり、来期はさらなる増収が期待できる見込みである。

   今期、原信ナルスホールディングスの新店がなく、業績が伸び悩んだ背景には、将来への投資として、物流センターへの投資を優先したこともあるといえる。既存の中之島物流センターに加え、7月に上越物流センター竣工し、大規模物流センター2カ所体制となった。どちらも、TC(トランスファー)とDC(ディストリビューション)を兼ね備えた最新の物流センターである。これにより、商品戦略、販売戦略、出店戦略を支える強力な強みができ、さらに、複数拠点化の実現により非常時(地震等)の事業継続性が確保されたという。この物流センターへの投資を優先させたことが、新規出店という成長性が抑制された要因のひとつともいえよう。

   ちなみに、原信ナルスホールディングスの出店余力を見てみると、総資産501.00億円であり、自己資本比率は42.9%(昨年43.7%)である。出店にかかわる資産である土地、建物、敷金及び保証金の合計は287.75億円であり、これは総資産の57.4%であり、1店舗当りに換算すると4.64億円となる。したがって、出店余力である自己資本比率から出店にかかわる資産を引いた数字は-14.5%となり、やや負債に頼る出店構造となっているのが現状である。その負債の主要項目である長短借入金の合計は148.31億円であり、総資産の29.6%であり、財務負担がやや大きい状況であるといえよう。したがって、負債に頼る新規出店をせざるを得ない構造といえ、今後、安定成長をしてゆくには、一層、負債を削減し、自己資本比率を高めてゆく必要があろう。

   そこで、キャッシュフローであるが、営業活動によるキャッシュフローは24.94億円であり、投資活動によるキャッシュフローは-18.32億円となり、結果、フリーキャッシュフローは6.62億円である。次に、財務活動によるキャッシュフローを見てみると、5.93億円とプラスになり、結果、資金は12.55億円となった。気になるのは、投資活動までは順流の流れであったが、財務活動では逆流となったことである。これは、長期借入金を21.39億円返済しているが、新たに34.00億円借り入れたためである。この中間期では、残念ながら、負債が削減されず、出店余力がやや弱くなっていることが気になるところである。

   このように、原信ナルスホールディングのこの中間期の決算は増収とはなったが、減益となる厳しい決算となり、通期予想も同様に厳しい決算が予想され、今期は厳しい経営環境が予想される。ただ、今期は、物流体制が整い、マーチャンダイジング力を高める営業体制ができたこともあり、今後、原信ナルスホールディングスが安定成長へ向けて、マーチャンダイジング力を高める経営環境は整ったといえよう。あとは、そのマーチャンダイジング力によりキャッシュフローを生み出し、借入を返済し、出店余力を高められるかが次の課題といえよう。原信ナルスホールディンスのキャッシュフローが今後どのような流れになるかに注目したい。

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November 8, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

November 07, 2008

ユニー、2009年2月期中間、減収増益、コンビニが救う!

   名古屋を中心にGMSを主力業態として展開する小売業グループ、ユニーが10/9、2009年2月期の中間決算を公表した。ユニーは、GMS以外にも様々な業態を展開しており、この8/21にはユーストアも吸収合併している。ぞれぞれの業態の売上構成比は、総合小売業4,172.54億円(構成比70.5%、昨対97.7%)、コンビニエンスストア1,066.54億円(18.0%、104.2%)、専門店567.82億円(9.6%、92.8%)、金融123.66億円(2.1%、102.8%)、その他である。そして、その中間決算の結果であるが、営業収益5,916.12億円(98.5%)、営業利益221.25億円(117.3%:営業収益比3.73%)、経常利益212.75億円(119.2%:営業収益比3.59%)、当期純利益44.98億円(昨年は赤字:営業収益比0.76%)と減収増益となる決算であり、売上が伸び悩んだ。

   今期は特に主力のGMSに新規出店がなかったことが、売上減につながったといえよう。一方、増益となった要因はコンビニエンストアの好調さにある。売上構成比はわずか20%弱であるが、利益は総合小売業(利益構成比29.8%、昨対93.0%)、コンビニエンスストア(57.7%、118.5%)、専門店(0.4%、-)、金融(9.1%、108.6%)、その他となり、約60%と圧倒的な稼ぎ頭であったことによる。売上では約70%のGMSが利益では約30%の構成比となる不振であり、ユニー全体の利益を売上構成比約20%のコンビニが救世主となる結果となった。
  
   この利益構造を原価、経費等から見てみると、原価72.5%(昨年72.6%)と原価が0.1ポイント下がり、結果、売上総利益は27.5%(27.4%)と、0.1ポイント改善した。値上げ環境の厳しい中、原価を0.1ポイント改善したことが、粗利改善につながったといえよう。一方、販売費及び一般管理費であるが、GMS主体の独特の業態であり、40.4%(昨年40.6%)と、0.2ポイント改善はしているが、食品スーパーマーケットでは考えられない経費比率の高さである。したがって、マーチャンダイジング力、売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた数字は、-12.9%(昨年-13.2%)と0.3ポイント改善したが、大幅なマイナスとなった。通常、これだけ、マーチャンダイジング力がマイナスになった場合は、営業利益は大きなマイナスとなってしまうが、GMSを主力業態にした小売業の場合は、これに多額の手数料収入や不動産収入等があるため、今期のユニーも営業収入が何と17.3%(昨年16.9%)となり、昨年よりも0.4ポイント増加し、結果、営業利益が4.4%(昨年3.7%)と大幅な増収となった。食品スーパーマーケット業界では考えられない、経費比率であり、営業収入である。
  
   これを受けて、通期予想であるが、営業収益1兆1,950.00億円(98.3%)、営業利益404.00億円(98.6%:営業収益比3.38%)、経常利益377.00億円(100.4%:営業収益比3.15%)、当期純利益99.00億円(昨年は赤字:営業収益比0.82%)と、中間決算よりも厳しい減収減益となる予想である。コンビニの好調さだけでは、不振のGMSを補うのは難しいという判断であろう。
  
   では、ユニーがなぜ新規出店が思うようにできないかを財務面から見てみると、ユニーの総資産は9,880.78億円であるが、この内、自己資本比率は総資産のわずか24.1%しかないのが現状である。昨年の23.9%よりは、向上しているが、それでも厳しい数字である。これに対して、GMS主体のユニーの出店にかかわる資産である土地、建物、長期差入保証金の合計は5,229.20億円(昨年5,369.54億円)と多額であり、これは総資産の52.9%となり、全157店舗で割ると、1店舗当たりでは33.30億円となる。したがって、出店余力である自己資本比率から出店にかかわる資産の合計を引いた数字は、-28.8%であり、半分は負債による出店構造となっているためであるといえよう。その負債であるが、負債の主要項目である長短借入金の合計を見ると、3,327.88億円(3,308.41億円)であり。これは総資産の33.68%となり、経営に重くのしかかっており、結果、新規出店が抑制される財務構造となっていることによるといえよう。
  
   これをさらにキャッシュフローで見てみると、営業活動によるキャッシュフロー382.99億円、投資活動によるキャッシュフロー-297.91億円となり、フリーキャッシュフローは85.08億円となる。そして、財務活動によるキャッシュフローは45.20億円であり、資金130.28億円となる。この流れを見ると、投資キャッシュフローまでは、順流ではあるが、財務活動によるキャッシュフローがプラスになっており、フリーキャッシュフローをカバーせず、むしろ、財務キャッシュフローがプラスとなっており、逆流の流れといえる。その中身を見ると、短期借入金、長期借入金の合計159.67億円を返済しているが、新たに長期借入金、コマーシャルペーパーを合計246.00億円増やしており、結果86.33億円プラスとし、そのプラスの中で、配当、自己株式の購入等を賄っていることである。
  
   このようにみると、この中間決算の状況は自己資本比率が低いために、出店余力が極めて厳しい状況であり、しかも、キャッシュフローの流れも投資までは順流であるが、財務で逆流となり、負債が増加する状況となっており、厳しいキャッシュフローの流れである。現時点では、新規出店を安定的に実施してゆくには、厳しい状況であるといえよう。今回、ユーストアをあえて吸収合併したが、これが契機となり、飛躍的に財務構造が転換するとは思えず、やはり、売上の約70%を占めるGMSへ思い切ったメスを入れる必要があろう。今後、ユニーがGMSにどのような経営改革を断行するかに注目したい。

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November 7, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

November 06, 2008

Yes、we can!、Change!、オバマ大統領誕生!

   11/5、21時現在、CNNによれば、338対163、圧倒的な代議員数の差での圧勝であるが、投票率では52%(62,519,602票)対46%(55,442,822票)であり、6%の差でのオバマ候補の勝利である。CNNを見ると、出口調査からか様々な分析が公表されており、オバマ候補が勝利した要因がわかる。男女別で見ると、男性票は49%対48%でわずか1%差でオバマ候補の勝利であり、ほとんど差がなかったことがわかる。ところが、女性票では56%対43%で13%と大差でのオバマ候補の勝利であった。マケイン候補がペイリン女性副大統領候補を選んだにもかかわらず、女性票を取りきれていない構図が浮かびあがる。これを年齢別にみると、18歳から29歳の若い世代では66%対32%でオバマ候補であり、圧倒的に若者からオバマ候補は支持されたことがわかる。逆に、65歳以上では45%対53%でマケイン候補であり、年配の方はマケイン候補を支持している。45歳から64歳は49%対49%で同率、30歳から44歳までは52%対46%でオバマ候補であり、年齢が上がるに従い、オバマ候補からマケイン候補への投票率が高くなっている。この調査結果を見る限り、オバマ候補は女性に支持され、かつ、若者からの圧倒的な支持を獲得し、大統領になったといえよう。
 
   今回の大統領選挙はその意味で女性と若者が主役となった選挙ともいえ、それゆへ、史上最大のネット活用選挙ともなり、その効果が鮮明に表れた選挙であったともいえよう。以前、本ブログでも取り上げたが、民主党の大統領指名候補選挙の時、オバマ候補とヒラリー候補が激しく指名争いの選挙戦を繰り広げたが、そのひとつの戦場がネットでもあったことを取り上げた。特に、Youtubeでの選挙戦は激しいものがあり、最も大事なスーパーTuesday直前の状況を取り上げた。

   その時のYoutubeの状況であるが、少し長いが引用すると、「チャネル登録者が2/3、早朝、現在、ヒラリー候補は9,113人に対し、オバマ候補は21,584人と2倍以上の差がある。また、チャネル再生回数はヒラリー候補が1,291,251回であるのに対し、オバマ候補は11,800,130回であり、一桁違う。PI値に換算してみると、ヒラリー候補は141.6回/人に対し、オバマ候補は546.7回/人であり、約4倍弱差がある。さらに、動画の数はヒラリー候補が237個に対し、オバマ候補は580個であり、約2倍の差があり、最新動画はヒラリー候補が18時間前なのに対し、オバマ候補は45分前である。これを人気順に並び変えてみると、クリントン候補は645,203回がNo.1、No.2は318,145回であるのに対し、オバマ候補は888,701回がNo.1、No.2も871,693回であり、これもオバマ候補が圧倒している。もうひとつ話題の動画を見てみると、クリントン候補が1,684人、No.2が247人のコメントであるのに対し、オバマ候補は3,861人、No.2は3,689人とやはり圧倒している。」という状況であり、これを見る限り、オバマ候補がネットの戦場では圧勝していたことがわかる。

   現在、11/5であるが、オバマ候補のYoutubeを見てみると、チャネル登録者数は121,094人(2月時点21,584人)と10万人増加している。チャネル再生回数は18,872,602回(2月時点11,800,130回)であり、700万回増えている。PI値は逆算すると155.8回(2月現在546.7回)と、これは下がっている。1人当たりの再生回数は減ったが、新たに、人数が10万人増えているのが原因であろうが、それでも約12万人のチャネル登録者が155.8回平均で視聴しているのはすごい数であるといえる。

   ちなみに、マケイン候補のYoutubeであるが、チャネル登録者は29,310人、チャネル再生回数は2,106,190回であり、PI値は71.8回である。11/5時点の数字であるので、これを見ても、すべての数字がオバマ候補と格段の差がついており、全く勝負にならない圧倒的な差であるといえよう。今回の大統領選挙結果が女性と若者がキーワードであったことを見ると、ネット選挙の活用の有力な武器であるYoutubeの活用でこれだけ差があることは決定的なことのようであると思う。結果論ではあるが、ネット選挙では、オバマ候補はヒラリー候補にも、マケイン候補にも圧倒的な差をつけて勝っていたといえよう。

   現在、11/5、24時時点のオバマ候補の動画登録数であるが、1,821件である。マケイン候補は330件であり、ここでも決定的な差となっている。その中で、オバマ候補の人気動画は約7ケ月前の「Obama Speech: 'A More Perfect Union'」であり、再生回数は何と5,177,414回である。No.2は約1年前の「Barack Obama on Ellen」、3,574,525回、No.3は6日前の「American Stories, American Solutions: 30」、1,789,216回である。一方、マケイン候補の人気動画は、3ケ月前の「Celeb」、2,195,504回であり、No.2が3ケ月前の「The One」、1,622,300回、No.3が「Joe Biden On Barack Obama」、1,089,166回である。
   
   このようにYoutubeから見る限り、オバマ候補はヒラリー候補に勝ち、民主党の大統領候補の指名を獲得し、今回の大統領選挙でマケイン候補に勝ったことも、女性、若者が決定的な勝利のポイントを握っていたことを思えば、うなずける話であるといえよう。それだけ、オバマ候補と選挙スタッフは、先見の明があったといえよう。また、この延長線上に最後のだめ押しともいえる、直前のゴールデンタイムの各社のテレビ30分を約4億円で買い取るということもあったといえよう。オバマ候補が大統領に当選した要因はたくさんあるとは思うが、これひとつとっても、類稀な戦略を実行に移し、結果に結び付けるという強い意志と信念、そして、緻密な計算があるといえる。今後のオバマ大統領の動向に注目である。

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November 6, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (2)

November 05, 2008

家計調査データ2008年9月、食品98.9%、減少に転じる!

   家計調査データ、2008年9月度の数字が総務省統計局から10/31、公表された。同時に公表された消費者物価指数(CPI)が102.7%と上昇気味で推移している中、家計はどのような消費状況となっているかが気になる数字であったが、二人以上の世帯の消費支出は、1世帯当たり281,433円となり、前年同月比 実質2.3%の減少となった。本ブログでは、食品スーパーマーケットの金額PI値と連動をはかるために、1日当りに換算し、全体の数字と購入世帯のみの数字と購入世帯の割合を名目で算出している。その結果を見ると、全体では9,078.48円(100.0%)と昨年と同額となり、外食を除く食品では1,909.84円(98.9%)と1.1ポイント下がった。実質、名目ともに減少傾向となり、消費者物価指数(CPI)の上昇と反比例する形で、消費の減退傾向が表れ始めたといえよう。

   今回のデータは2008年9月度の数字であるので、アメリカ発の金融不安が本格化しはじめた初期の時期であるため、その影響は大きくはないが、今後の家計調査データは、その日本への影響も出始めた時期となるため、今後、消費がこの9月度以上に減退する可能性もあり、これから年末商戦を迎えるにあたり、食品スーパーマーケット業界はもちろん、小売業は厳しい消費環境の中での商売を強いられることになりそうである。

   まず、大分類で見てみてみると、上昇した部門は、油脂・調味料100.23円(106.2%)、肉類204.94円(104.9%)、穀類228.74円(102.7%)、菓子類 190.16円(100.6%)の4部門であり、残りの部門はすべて昨対を下回った。厳しい順に見てみると、飲料124.13円(92.5%)、果物113.87円(94.0%)、魚介類211.61円(95.6%)、酒類108.16円(96.3%)、調理食品250.48円(97.6%)、野菜・海藻271.16円(97.9%)、乳卵類106.39円(99.5%)という状況である。値上げ関連部門である油脂・調味料、穀類、菓子、節約志向の肉類が上昇しているのに対し、嗜好品が多い飲料、果物、酒類等が厳しい数字といえよう。また、肉類を除き、生鮮、惣菜が厳しい状況であり、食費に対しても、節約志向がより鮮明になってきたといえよう。

   このような傾向の中で、まず、消費が伸びた項目を見てみたい。油脂・調味料であるが、乾燥ス-プ6.42円(121.3%)、風味調味料5.03円(121.9%)、食用油9.00円(120.3%)、マーガリン2.19円(117.2%)、カレールウ4.23円(112.9%)と、まさに値上げ関連項目が好調である。肉類では、鶏肉33.42円(115.5%)、合いびき肉5.68円(115.8%)が絶好調であり、特に鶏肉は購入世帯のみの数字が113.7%、合いびき肉は購入世帯のみの数字も106.8%。購入世帯数も108.4%とバランスよく伸びているのが特徴である。穀類では、ひところ伸びていた米は105.16円(97.1%)と減少に転じたが、パン72.77円(106.5%)、食パン22.61円(105.6%)と、パンは堅調な数字で推移している。ただ、穀類では何といっても値上げ関連項目が絶好調であり、スパゲッティ3.94円(138.6%)、小麦粉1.87円(123.4%)、即席めん4.35円(114.4%)と高い伸びである。一方、気になるのはカップめんであり、7.77円(98.4%)と下がっており、特に、購入世帯が95.4%と減少しているのが特徴である。そして、菓子であるが、チョコレート菓子2.61円(119.1%)、ビスケット8.03円(118.6%)、スナック菓子10.10円(115.9%)、キャンデー5.35円(113.7%)という状況であり、値上げ関連の項目が好調であったといえよう。

   一方、消費額が下がった項目であるが、飲料では茶飲料16.90円(86.9%)、果実・野菜ジュース24.52円(88.2%)と、この2つの項目が大きく下がっている。果物ではバナナ15.06円(151.1%)、かき2.77円(172.0%)は絶好調であり、特にバナナはダイエットブームにものり、異常値となったが、グレープフルーツ1.23円(59.4%)、もも3.39円(79.5%)、なし25.26円(83.9%)、ぶどう24.45円(85.1%)と厳しい状況であった。魚介類では、まぐろ13.42円(81.3%)、さんま12.35円(87.6%)、さしみ盛合わせ13.61円(89.2%)と重点商品群が大きく落ちこんでいる。酒類では値上げが浸透したビールが38.06円(83.3%)と不調であり、調理食品(惣菜)ではうなぎのかば焼き4.84円(61.7%)が異常に落ち込んでいる。購入世帯の消費額か購入世帯が落ちているのかを見ると、購入世帯の消費額は101.1%と堅調であるが、購入世帯の割合が61.1%と急減しており、うなぎのかば焼きそのものを消費者は敬遠したといえよう。これは中国産の影響が大きいといえ、同様にやきとりも4.48円(89.7%)大きく落ち込んだ。

   これ以外でも野菜・海藻でキャベツ5.97円(84.5%)、レタス6.39円(86.5%)、たけのこ1.42円(89.8%)の落ち込みが特に大きく、これ以外でも微妙に昨対を切っており、青果は野菜も果物も厳しい状況であった。そして、最後に乳卵類であるが、粉ミルクは2.06円(120.8%)と好調であったが、牛乳46.58円(93.0%)、ヨーグルト21.03円(97.6%)と主力部門が厳しい状況となった。
   
   このように、2008年9月度の家計調査データを見てみると、いよいよ、実質、名目ともに昨年の数字を割り込み、消費環境が厳しい状況になりつつあるといえよう。実際、9月に入っての食品スーパーマーケットの売上速報を見ても、全体的に伸び悩みはじめており、消費者物価指数(CPI)も高め水準が続いており、今後、消費が上昇に転じる兆候はなく、ますます、厳しい状況となろう。次回、公表は10月度となるが、この時期はアメリカの金融不安がヨーロッパ、そして、アジアにも影響が出始めた時期であり、消費環境が好転する兆しが見えない状況である。ここしばらくは家計調査データの推移に注目である。

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November 5, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

November 04, 2008

ヤオコー、100店舗真近、2009年3月期中間、増収増益!

  ヤオコーが10/30、2009年3月期の中間決算を公表した。いよいよ、2009年3月期の食品スーパーマーケットの中間決算の公表がはじまり、11月前半は決算ラッシュとなろう。その結果であるが、営業収益1,053.23億円(105.8%)、営業利益40.87億円(105.8%:営業収益比3.88%)、経常利益41.19億円(107.0%:営業収益比3.91%)、当期純利益25.70億円(121.1%:営業収益比2.44%)となり、増収増益の堅調な決算結果であった。やや、売上が伸び悩んだ感があるが、既存店は101.3%と堅調な数字であり、今期は、新店が四街道店(4月、千葉県四街道市)の1店舗のみであったためである。ただ、これで、ヤオコーの店舗数は埼玉県64店舗、千葉県12店舗、茨城県9店舗、群馬県8店舗、栃木県5店舗、東京都1店舗の計99店舗となり、いよいよ100店舗目が秒読みとなった。

  ヤオコーの食品スーパーマーケットとしての最大の特徴は食品スーパーマーケット業界随一の惣菜の強さと、業界に先駆けてNSC(近隣型ショッピングセンター)へ舵をきったことであるといえよう。惣菜の強さに関しては、今期も売上構成比が生鮮3品の各部門を大きく引き離し13.9%という高さであり、昨年の13.8%と比べ、0.1ポイント上昇している。青果12.9%、精肉10.3%、鮮魚8.1%と比べても断トツの高さであり、ここまで100店舗クラスで惣菜の売上構成比の高い食品スーパーマーケットは日本にはないといえよう。しかも、惣菜の粗利率は48.61%であり、ヤオコー全部門平均の粗利率が28.66%であるので、これまた断トツの数字である。相乗積をとると、6.75%であり、約25%弱の粗利へのインパクトであり、ヤオコーの粗利率の高さの源泉となっている部門である。

  ただ、この28.66%という粗利率の高さであるにもかかわらず、ヤオコーの経費比率が28.68%と高いために、マーチャンダイジング力はマイナスとなる。この粗利率は単独の数字であり、連結では28.57%の粗利率であり、ここから、連結の経費比率28.68%を引いたマーチャンダイジング力は-0.11%となり、わずかにマイナスである。粗利率はこの惣菜の強化により、食品スーパーマーケットとしては、限界に近い数字まで来ているといえるので、今後、ヤオコーがマーチャンダイジング力をプラスにもってゆくには、経費の圧縮が避けて通れない課題といえ、今後、いかに、経費比率を引き下げる経営に踏み込めるかが経営課題となろう。

   では、ヤオコーの増益はどこから生み出されているかであるが、これが、もうひとつのヤオコーの強さ、NSC(近隣型ショッピングセンター)へのいち早い取り組みがひとつである。そして、もうひとつが、100店舗近いチェーンストアとなったヤオコーのチェーンメリットがもたらす物流収入である。この2つの収入が極めて大きく、ヤオコーの今期の不動産収入と物流収入等の営業収入は4.15%もあり、この数字は、食品スーパーマーケットとしては極めて高い数字である。したがって、営業利益は売上対比で4.04%と高収益となり、マーチャンダイジング力のマイナス分を十分にカバーし、大きくプラスへ転換させている。実際、ヤオコーの今期の唯一の新店、四街道店はNSCであり、今後、出店予定の岩槻西町店、高崎飯塚店、高崎高関店の3店舗もNSCであり、今期、改装をした8店舗の内、6店舗はNSCであり、現在のヤオコーの大半の店舗はNSCである。

  さて、では、これらの新規出店を支える財務状況であるが、ヤオコーの現在の総資産は654.92億円であり、自己資本比率は46.4%である。昨年の43.3%よりは、改善されてはいるが、トップクラスの食品スーパーマーケットと比べると、まだ低いといえよう。一方、出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計であるが、417.20億円であり、これは、総資産の63.70%であり、1店舗当たりでは4.21億円となる。これだけ、NSCに舵を切った経営をしている割には、1店舗当たり、4.21億円と意外に小さい出店にかかわる資産といえよう。ただ、総資産では63.70%となるので、出店余力、自己資本比率-出店にかかわる資産は-17.3%と大きくマイナスであり、結果、負債の中の主要項目である長短借入金等に頼らざるをえない出店構造となっている。現在、長短借入金の合計は70.96億円と、総資産の10.83%であり、それほど、大きな割合ではないが、今後、安定成長をめざす上には、もう少し、自己資本比率を高める必要があろう。

  ちなみに、キャッシュフローの流れであるが、営業活動によるキャッシュフロー31.38億円、投資活動によるキャッシュフロー-16.37億円、フリーキャッシュフローは15.01億円となる。そして、財務キャッシュフローは-3.78億円であるので、結果、資金は11.23億円となり、流れは順流のキャッシュフローとはなっているが、財務キャッシュフローの中身を見ると、長期借入金を13.83億円返済し、短期借入金を14.50億円借入しているので、結果、若干であるが、0.67億円増加しているのが気になるところではある。

  そして、通期であるが、営業収益2,092.00億円(103.4%)、営業利益80.50億円(103.0%:営業収益比3.84%)、経常利益80.00億円(102.5%:営業収益比3.82%)、当期純利益43.60億円(103.1%:営業収益比2.08%)と中間決算同様、堅調な決算予想であり、いよいよ、100店舗達成の節目を迎えることになる。ヤオコーが今後、増収増益を目指し、安定成長をしてゆくためにも、今回の経営内容が示すように、さらにマーチャンダイジング力を高め、一層の自己資本比率を充実させ、出店余力を増す経営改善が今後重要な課題といえよう。

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November 4, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 03, 2008

消費者物価指数(CPI)横ばい、9月度、今後下がるか?

   今月は公表が10/31ぎりぎりとなったが、2008年9月度の消費者物価指数(CPI)が、総務省統計局から公表された。8月度と全く同じ水準、102.7%(平成17年度を100とする)となり、横ばいであった。ただ、細かく見ると、影響の大きいエネルギー関連の数字が横ばいから下げ始めており、10月以降は、CPIが下がる可能性も見え、これ以上の物価高はひとまず終結となりそうな兆候もみられる数字といえよう。ちなみに、この9月度の概況は以下の3点である。(1) 総合指数は平成17 年を100 として102.7 となり、前月と同水準、前年同月比は2.1%の上昇となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は102.6 となり、前月と同水準、前年同月比は2.3%の上昇となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は99.6 となり、前月比は0.2%の上昇、前年同月比は0.2%の上昇となった。

   この概況に見るように、消費者物価指数(CPI)は、その原因を明確にするために3つの角度から分析を試みている。ひとつは(1)の総合指数である。2つ目は、相場変動が激しい生鮮品を除いた指数である。そして、3つ目は食料品とエネルギーを除いた指数である。そして、この3つのこの1年間の月別推移を過去3年間、2008年、2007年、2006年で折れ線グラフで示している。これを見ると、興味深いことに、(1)、(2)は明らかに2008年が突出して高い傾向を示しているのに対し、(3)は過去3年間ほとんど変化がないことである。これは、ここ最近の消費者物価高(CPI)を102.7%へと押し上げた要因は、明らかに、限定的な突出した要因によるものであり、それが、食品の一部とエネルギー関連に限定されることを明確に示しているといえる。したがって、全体的な物価高ではなく、食品の一部とエネルギーによる物価高であり、逆にいえば、この2つが落ち着けば、消費者物価指数(CPI)は一気に低下するともいえる現状であるといえる。

   では、この2つの項目が全体へ対して、どのくらいのインパクトを与えているかであるが、これを前年同月比、102.1%で見てみると、2.1%の上昇率の内、0.91ポイントは生鮮食品を除く食料であり、0.65ポイントは光熱・水道であり、0.53ポイントは交通・通信である。この3つを足すと何と2.09ポイントであり、ほぼこの3つに消費者物価指数(CPI)の上昇要因は特定できるといえる。いかに、今回の消費者物価指数(CPI)が限定的な要因であるかがわかる。

   そこで、これら3つの中で、特に影響の大きい生鮮食品を除く食料品の中身をさらに大分類で見てみると、0.91ポイントの寄与度の大きい順では、チョコレート(24.7%、寄与度0.05ポイント)、うなぎかば焼き(21.4%、寄与度0.04ポイント)、即席めん(22.0%、寄与度0.03ポイント)、食用油(23.2%、寄与度0.02ポイント)、ビスケット(19.5%、寄与度0.02ポイント)であり、これ以外は、寄与度は0.1ポイントであるが、チーズ(38.0%)、スパゲティ(33.5%)、マーガリン(26.5%)、ちくわ(20.9%)、小麦粉(20.0%)である。これをすべて足した寄与度は0.21ポイントであるので、これ以外にもまだ数多くの項目があるが、主な項目は以上である。

   そして、最も今回、消費者物価指数(CPI)へのインパクトが寄与度で1.17ポイントと大きかったエネルギーであるが、最大の項目はガソリンであり、昨対20.7%(寄与度0.53ポイント)である。ついで、灯油(50.3%、寄与度0.34ポイント)、電気代(5.1%、寄与度0.15ポイント)、プロパンガス(11.3%、寄与度0.09ポイント)、都市ガス代(6.0%、寄与度ポイント)となる。

   このように、ここで上げた項目が特に、ここ最近、そして、今月の消費者物価指数(CPI)に大きなインパクトを与えたものであるといえ、逆に、見れば、特に、エネルギー、そして、資源の高騰が治まってくれば、自然、消費者物価指数(CPI)は大きく改善するといえ、ここ最近の数字は明らかに異常値といえ、よく精査して、個々の数字を見極める必要があるといえよう。事実、すでに、アメリカ発の金融不安の影響をうけ、エネルギー、資源ともに、相場が下がり、さらに、空前の円高により、輸入価格はここ最近急激に下がっており、恐らく、来月以降、消費者物価指数(CPI)は下げに転じる気配も見せはじめており、今後、数ケ月の動向は注意深く見る必要があろう。

   最後に、食品の細かい分類で、昨年同月比で大きく上昇している小分類と、逆に、大きく下落している小分類を生鮮食品も含め、見てみたい。まず、急上昇している小分類であるが、先ほどの項目を除き、10.0%以上のものをピックアップすると、食パン18.7%、揚げかまぼこ18.1%、落花生17.3%、バター16.1%、わかめ14.2%、あんパン13.8%、レタス13.7%、カレーパン12.7 %、ひじき12.6%、鶏肉10.9%、干しうどん10.5%、かまぼこ10.4%、鶏卵10.4%、しょう油10.3%である。逆に、急下降している小分類は、さやいんげん-27.9%、キャベツ-25.7%、なし-17.6%、はくさい-15.7%、オレンジ-13.9%、もも-13.5%、えだまめ-12.6%、ピーマン-12.1%、りんごA-12.0%、みかん-11.1%、あじ-7.8%、ねぎ-7.8%、れんこん-7.6%、ほうれんそう-6.5%、トマト-6.1%、ミネラルウォーター-6.0%、ぶどうB-5.8%である。こう見ると、生鮮食品はむしろ物価を押し下げている傾向が鮮明であり、加工食品の資源高が一段落し、円高傾向が続けば、加工食品も下がる可能性が高く、消費者物価指数(CPI)は今年後半から、来年にかけて、反転する可能性もあるといえよう。

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November 3, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 02, 2008

食品スーパーマーケット株価速報10/31、乱高下激しい!

   丸栄258円(25.24%)、ステラG5円(25.00%)、日本調剤1480円(15.44%)、オーエーシステム15円(15.38%)、ダイエー468円(14.98%)、ネットプライス34950円(14.92%)、アークス1398円(14.59%)、アークランド1050円(14.13%)、きちり46100円(13.93%)、ゲオ70800円(13.09%)、フジ1665円(13.03%)、リンクセオリー100500円(12.64%)、千趣会716円(12.57%)、ランシステム23000円(12.57%)、ナイスクラップ201円(12.29%)、ココス1940円(12.20%)、ビックカメラ28060円(12.14%)、プレナス1267円(11.72%)、木曽路1931円(11.48%)、フェヴリナ2700円(11.24%)、エディオン654円(11.22%)、ムトウ459円(11.13%)、上新電912円(10.98%)、オークワ1338円(10.39%)、ビジョン85円(10.38%)、ブロッコリー 33円(10.00%)、以上が、10/31、上場小売業約400社の中で5日移動平均乖離率が10%以上上昇した小売業である。

   ここのところ株価の変動が激しく、乱高下が激しいのが実態であり、めまぐるしく、株価が動いている。ただ、ここへきて、政府も第2次経済対策を公表し、日銀も追随するように公定歩合を下げるなど、日本においても経済活性化策があいついで打たれており、今後、景気がどのように推移するか、来週以降、そのバロメータともいうべき、株価に注目といえよう。10/31現在では、小売業では以上にあげた企業の株価が上昇に転じているが、この中で、食品スーパーマーケットを見ると、アークス1398円(14.59%)、アークランド1050円(14.13%)、フジ1665円(13.03%)、オークワ1338円(10.39%)の4社が入った。いずれも、10%以上の上昇であり、食品スーパーマーケットの中では株価が今週上昇した企業である。また、GMSではダイエー468円(14.98%)が4番目であり、注目である。

   では、逆に、10/31現在、株価が3%以上、5日移動平均乖離率が下がった小売業を見てみたい。青山商1130円(-3.17%)、ジェイアイエヌ54円(-3.57%)、マルエツ518円(-3.71%)、ユニバース920円(-3.86%)、ベルク832円(-3.92%)、ヴィアHD821円(-4.25%)、ニッセンHD363円(-4.47%)、ヤオコー2800円(-4.50%)、オーシャン410円(-4.76%)、アインファーマシー1861円(-4.85%)、マキヤ829円(-5.04%)、JBイレブン355円(-5.08%)、ハナテン91円(-5.20%)、ZOA38000円(-5.26%)、ベルーナ265円(-6.02%)、コナカ305円(-6.15%)、オートウェーブ380円(-6.17%)、ゴルフ・ドゥ18300円(-6.45%)、ヴィレッジV246300円(-6.79%)、アシードHD360円(-6.97%)、ハンズマン490円(-8.23%)、アイケイ33500円(-10.18%)であった。

   この中で、食品スーパーマーケットを見てみると、マルエツ518円(-3.71%)、ユニバース920円(-3.86%)、ベルク832円(-3.92%)、ヤオコー2800円(-4.50%)の4社が入っている。特に、この4社は、食品スーパーマーケットの中でも5日だけでなく、25日、13週、26週ともに移動平均乖離率がマイナスになっており、中長期的に株価が下落傾向になっており、厳しい株価が続いている。マルエツ518円(-3.71%、-14.38%、-31.84%、-36.51%)、ユニバース920円(-3.86%、-12.79%、-17.63%、-22.16%)、ベルク832円(-3.92%、-9.26%、-14.22% 、-18.43%)、ヤオコー2800円(-4.50%、-12.85%、-17.11%、-16.14%)という状況であり、特にマルエツは26週移動平均乖離率が-36.51%と大きく下げている。

   このような全体的に厳しい株価の中で、すべての段階でプラスとなった食品スーパーマーケットの株価を見てみたい。ライフコーポレーション1797円(6.64%、5.14%、6.14%、10.58%)ただ1社である。食品スーパーマーケットは現在、約50社強が上場しているが、10/31時点で、右上がりの株価の傾向を示しているのは、このライフコーポレーションのみである。実際、チャートを見てみると、日々で見ると、乱高下はあるが、ほぼ、右上がりの傾向で株価が上昇しているのがわかる。7月までは1500円前後で株価が横ばいであったが、その後、株価は上昇に転じ、9月に入ると1600円を超え、10月に入ると1700円を超え、10/31は1797円で終えているので、1800円台へ突入真じかといえる状況で、今週は一時は1900円を突破している状況である。現在、食品スーパーマーケットの中では最も注目すべき株価といえよう。ちょうど、10/14に公表されたライフコーポレーションの2009年2月期の決算が、本ブログでも取り上げたように、営業収益2,301.63億円(106.1%)、営業利益55.62億円(115.4%:営業収益比2.41%)、経常利益53.99億円(118.6%:営業収益比2.34%)、当期純利益28.87億円(125.3%:営業収益比1.25%)と、増収増益、特に、利益は2桁以上の大幅な伸びとなる好決算であったことも、株価を押しあげる大きな要因であったといえよう。

   このように、今週の食品スーパーマーケットの株価は全体的には低調な状況であり、大きく上昇した食品スーパーマーケットはアークス、アークランド、フジ、オークワの4社のみであり、厳しい状況であった。ただ、その中でもライフコーポレーションは5日移動平均乖離率こそ6.64%とそれほど大きくはなかったが、すべての段階でプラスとなる食品スーパーマーケット唯一の上昇株であり、注目といえよう。現在、2009年2月期の食品スーパーマーケット業界の中間決算はほぼ終了したが、来週からは、2009年3月期の中間決算の公表がはじまるので、今回のライフコーポレーションのように、業績の良い食品スーパーマーケットの株価には注目といえよう。

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November 2, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 01, 2008

東京ディズニーシー、ロングライフスティングを体感!

   つい最近、東京ディズニーシーをじっくり見る機会があり、久しぶりに、ゆったり時間を使うことができた。東京ディズニーランドは1983年オープン以来、何度かいったことがあるが、東京ディズニーシーは2001年オープン以来もう7年目になるが、はじめての体験だった。着いて、すぐ、人気のアトラクション、「タワー・オブ・テラー」に乗り、その後、東京ディズニーシー特有の様々な壮大な海上ショーを見た。隣の東京ディズニーランドにもモノレールで行ってみたが、客数と客層が全く違うことにびっくりした。特に、この時期、ハロウィーン期間でもあり、ちょうど、ハロウィーンパレードにぶつかり、異常な人ゴミともいうべき活気にあふれ、まさに、両テーマパークの違いが鮮明であった。

   事前に東京ディズニーランドの経営については全く調べずに、まず体感してみたが、中身を知れば知るほど、実におもしろい経営である。食品スーパーマーケットとは対極にある経営といえる。その決定的な違いは、時間であるように感じた。食品スーパーマーケットは1回当たりの買い物時間をいかに短くするか、ショートタイムショッピングが極意であるが、東京ディズニーシーは全く反対であり、いかに滞在時間を長くするか、ロングタイムスティングがテーマといえる。ただ、共通点もあり、それは、来店頻度をいかにひきあげるか、すなわち、もう一度、来店を促す印象をどのように顧客に持ってもらえるかである。実際、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの平均滞在時間は平均8.4時間であるといい、そのために、それぞれ、41、26、合計67のアトラクションが用意されている。さらに、飲食店、お土産店が各アトラションに併設され、東京ディズシーではじめから、ホテルミラコスタまで併設されているなど、宿泊も可能である。実際、ホテルミラコスタの稼働率は約90%であるといい、客単価約5万円、婚礼組数は年間約850組もあるという。びっくりである。ちなみに、アトラクションやショーの収入は売上の約45%、商品販売収入は約30%、飲食販売収入は約20%、その他約5%であり、アトラクションやショーだけではなく、商品販売、飲食が一体となったビジネスモデルであるといえ、まさに、ロングタイムスティングと再度来店を促す仕掛けがいたるところで実現されているといえよう。

   ただ、その東京ディズニーシーを含め、東京ディズニーランドもここ最近は売上が伸び悩んでおり、この2008年3月の経営主体であるオリエンタルランドの本決算の数字をみると、やや厳しいものがある。売上高3,424.21億円(99.5%)、営業利益311.44億円(91.3%:売上対比9.09%)、経常利益275.10億円(91.1%:売上対比8.03%))、当期純利益147.30億円(90.3%:売上対比4.30%)と減収減益となった。特に、前年が東京ディズニーシー5周年でもあり、その反動があったことに加え、減価償却費が、2008 年3月期税制改正(残存価額廃止・加速償却)に伴う減価償却費の増加や、2つの新規施設(東京ディズニーランドホテルとシルク・ドゥ・ソレイユ.シアター東京)の開業前準備費用といった特殊なコストが発生したこともあるという。これらを考慮すると、実質横ばいというところか。

   東京ディズニーシー、東京ディズニーランドの合計客数は昨年が東京ディズニーシー5周年記念でもあり、過去最高の客数、2,581万人が来場したが、ここ数年、約2,500万人で横ばいである。もちろん、この顧客がもたらす売上は日本のテーマパークの中ではシェア約40%という、断トツのNo.1である。1983年に東京ディズニーランドがオープンした時が約1,000万人の客数であったので、この25年で2.5倍に客数が増えており、特に、東京ディズニーシーがオープンした2001年以降は、直前が約1,700万人、オープン1年後が約2,500万人に達しており、その後、横ばいという状況である。ちなみに、客単価は9,370円(昨対100.7%)であり、その内訳は、先にも見たように、チケット収入4,226円(約45%)、商品販売収入3,096円(約35%)、飲食販売収入2,048円(約20%)である。客数は全体では確かに、横ばいから、やや減少気味ではあるが、客単価がやや増えており、中身はライトユーザーが減少し、会員、ヘビーユーザーが増加したという。年齢は18歳から39歳が51.8%で年々低下傾向にあり、40歳以上が約17%で年々増加傾向にあるという。また、4歳から11歳の子供が19.9%で横ばいであり、12歳から17歳が11.3%でやや減少傾向となっているという。まさに、少子高齢化を絵にかいたような先取りの顧客構成といえよう。また、海外は107万人(4.2%:昨対116.6%)であるというが、この状況をみると、今後は、これまでのボリュームゾーンである、18歳から39歳から、40歳以上へ徐々にシフトする可能性が高いといえ、まさに、東京ディズニーシーが今後ますます重要な位置を占めるようになろう。

   オリエンタルランドは今後、中期経営計画「Innovate OLC 2010」(2008 年3月期~2011 年3月期)の中で、この4年間を「OLC グループの新たな成長に向けた取り組みを推進する期間」と位置づけている。その重点項目は、①コア事業(東京ディズニーリゾート)の更なる強化による利益の成長、②新たな成長基盤の確立、③OLC グループ価値の向上であるという。具体的には、利益成長(2011 年3月期の連結当期純利益目標270 億円レベル)と適正な資源配分(直接的な利益還元重視、有利子負債の削減、事業開発の推進)により長期的に安定した成長を可能にする経営基盤を作り上げることであるという。そして、テーマパークの根幹ともいえる、お客さまに、“涙が出るくらい”の感動を創造し続けることをスローガンとしており、今後、東京ディズニーシーはもちろん、東京ディズニーランドがどのように変わってゆくのか楽しみである。次回はさらにゆっくり、じっくり各アトラクション、そして、ショーを見てみたい。

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