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December 31, 2008

消費者物価数指数、一転下落傾向、ガソリン下がる!

   2008年11月度のCPI(消費者物価指数)が12/26、総務省統計局から公表された。結果は、総合指数が前月比から一転、下落に転じ、前月比99.1%となった。ガソリン価格が下がったことが大きく、4月以降上昇に転じていたCPI(消費者物価指数)が転機を迎えたといえよう。グラフを見ても10月から11月にかけて、CPI(消費者物価指数)が急降下しており、来年は安定した、場合によっては、物価が下がる、デフレにすらなる可能性が高くなったといえよう。

   総務庁統計局は、「(1) 総合指数は平成17 年を100 として101.7 となり,前月比は0.9%の下落。前年同月比は1.0%の上昇となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は101.6 となり、前月比は0.8%の下落。前年同月比は1.0%の上昇となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は99.5 となり、前月比は0.2%の下落。前年同月と同水準となった。」とコメントしている。総合指数、生鮮品を除く総合指数は、前年比は依然として、やや高めの水準にあるが、前月比が下落に転じているとしており、食料およびエネルギーを除く総合指数は前年比も同水準となり、前月比は下落になったというので、すべての段階で前月比が下落傾向になった。

   総合指数が前月比0.9%の下落となった要因を寄与率から見てみると、明らかに、ガソリン価格であり、前月比-16.0%、寄与度は何と-0.45ポイントとなり、0.9%の内、ちょうど50%、0.45%と引き下げている。逆にいえば、これまで、ガソリン価格の上昇がいかにCPI(消費者物価指数)に与える影響が大きかったかがわかる。ついで、灯油であり、前月比-17.4%、寄与度-0.16ポイントとなり、この2項目がズバ抜けて大きな影響であり、これ以外は寄与度が1/10ぐらいに下がる。外国パック旅行-0.07ポイント、ほうれんそう-0.04ポイント、はくさい-0.03ポイントなどである。

   ここで少し視点を変えて、前年同月比で見た場合、10大費目の状況はどうかを見てみたい。前年同月比の全体は101.0%であり、依然1.0%の上昇となっているが、特に、上昇率が高い費目は光熱水道費104.8%、生鮮食品を除く食料104.4%であり、この2つの費目が極端に高い。逆に、マイナスの費目もあり、交通・通信97.7%、保健医療99.5%、教養娯楽99.5%、生鮮食品99.9%とこの3費目は昨年よりも下がっているのが特徴である。特に、食品に関しては生鮮食品は安定しているが、生鮮食品以外が依然として物価高となっているのが特徴といえる。

   そこで、食料品に関して、この11月度のより詳細な数字を見てみたい。まず、大分類であるが、前年同月比で見ると、穀類109.3%、魚介類104.3%、肉類103.3%、乳卵類106.9、野菜・海草102.3%、乾物・加工品類104.5%、果物-5.5%、油脂・調味料105.8%、菓子類107.1%、調理食品104.8%、飲料99.9%、酒102.4%という状況である。ちなみに、外食は102.1%である。

   さらに、掘り下げて、120%以上、前年同月比で物価が上昇した項目を見てみると、チーズ35.1%、 スパゲッティ33.8%、マーガリン30.8%、きゅうり26.8%、チョコレート24.6%、うなぎかば焼き24.2%、ちくわ22.2%、ひじき22.1%、ビスケット21.6%、小麦粉20.7%、即席めん20.3%である。原料高の商品が大半であるが、生鮮食品のきゅうりや惣菜のうなぎかば焼きも国産品にシフトしたためか上昇している。

   これについで、10%以上前年同月比で上昇している項目を見てみると、食用油19.8%、揚げかまぼこ19.7%、バナナ18.2%、食パン18.1%、キャベツ17.6%、レタス17.0、落花生16.8%、バター16.6%、わかめ15.1%、あんパン14.0%、カレーパン13.6%、さば13.5%、かまぼこ13.0%、鶏卵11.8%、干しうどん11.5%、鶏肉11.4%、酢11.4%、マヨネーズ10.8%、しょう油10.6%である。この中で、バナナはテレビでのダイエット効果の影響が大きいといえようが、やはり、全般的には、小麦関連、穀物関連等の原料高の影響が大きいことがわかる。

    ちなみに、5%以上、前年同月比の数字が落ちた項目を見てみると、かぼちゃ-16.3%、かき(果物)-14.4%、オレンジ-12.2%、りんごB-10.8%、ねぎ-9.8%、トマト-9.3%、ピーマン-9.0%、混ぜごはんのもと-8.1%、えのきだけ-7.5%、ミネラルウォーター-7.4%、グレープフルーツ-6.9%、ながいも-6.6%、れんこん-6.5%、みかん-5.8%、風味調味料-5.6%、かんしょ-5.2%、レモン-5.0%、調理カレー-5.0%であり、比較的生鮮食品関連が多いのが特徴といえよう。

   このように、これまで、CPI(消費者物価指数)に大きな影響を与えていたエネルギー関連、特にガソリン価格が大きく下がったことにより、全体の数字も下がりはじめ、ここ数ケ月でははじめて、CPI(消費者物価指数)が加工に転じた。今後、石油価格の下落をはじめ、資源、エネルギー関連の相場が下落しはじめているので、さらに、CPI(消費者物価指数)は下がる可能性が高くなったといえ、この11月で山を越したのではないかと思わる。ただ、食品に関しては、まだまだやや高め傾向で下げ止まりが続いているといえるが、これも、現在、小売業とメーカーの間で厳しい価格交渉を行っているところである。先日の日経新聞でも報じられたように、来春にはかなりの商品の価格の値下げ見込まれるのとのこともでもあり、ひとまず、CPI(消費者物価指数)は落ち着きを取り戻すのではないかと予想される。次回、12月は、どのような数値となるか、注意深く見守りたい。

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December 31, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 30, 2008

年末商戦のちらしを見る!

   12/29朝刊に12/29、12/30、12/31の年末商戦のちらしが、3つの食品スーパーマーケットから同時に入った。サミット、西友、みらべる、である。それぞれ、特徴がでている思い切ったちらしである。現在、例年にない、アメリカ発の未曾有の金融危機による世界的な景気後退が日本経済へも影響がではじめつつある。消費者の不安心理がある中、この年末、各食品スーパーマーケットがどのような対応をするかが注目される中での、このちらしである。特に西友は、他店ちらし持参値引き政策を導入して約1ケ月、その真価が問われる年末商戦でもあり、注目の年末商戦のちらしといえよう。
   
   そこで、まず、西友のちらしであるが、ちらしの裏面に、「地域でいちばん安いお店をめざします」と題し、「当店表示価格より安い価格の他店のチラシ広告がございましたら、お持ちください。その広告価格でご提供させていただきます。」と打ち出しており、KY(価格、安く)戦略が継続されている。そこで、サミットとみらべるのちらしと比較してみたい。意外なことに、明らかにぶつかった商品は、特選丸大豆しょうゆ(キッコーマン)であり、西友328円に対し、みらべる298円、サミットなし、のみである。西友としては、みらべるのちらしをもってゆけば、298円に下げるのではと思うが、これ以外は、しばらく、各食品スーパーマーケットのちらしを見ているがみつからない。特に、サミットと重なっている商品は、まだ、一品もなく、ちょっとびっくりである。もっとすぐに見つかるかと思ったが、すぐには共通の商品がみつからないようである。
  
   もう少し、西友のちらしを見てみると、西友はこの企画以外にも、この年末商戦に対して、インパクトのある企画を打ち出している。そのいくつかを見てみると、全館24時間営業であり、これはかなりのインパックトである。また、ネットスーパーとの連携もしっかりとっており、ほとんどの年末重点商品がネットスーパーで購入できるような配慮がなされたちらしとなっているのが特徴である。そして、年末特有の企画であるが、「さあ、新年買い!」をテーマに、「年越しそば」、「歳末食品お買得」、「歳末日用品お買得」、「期間限定お買い得」の打ち出しに加え、商品としては、お刺身、海の幸、しゃぶしゃぶ、すきやき、迎春用花束、フルーツ、お雑煮、和菓子、祝い酒、おつまみ、と続く商品訴求である。
  
   これに対し、サミットの年末商戦対策であるが、特に、このちらしがサミット全店のものではなく、競合の厳しい地区のちらしとみえ、サミット1店舗限定のちらしである。これはこれで、チェーンストアとしては珍しい対応であるが、それだけ、この店舗はイレギュラー性が高いのではないかと思う。すぐ、気づくことは、29日限り、ポイント5倍をちらしの最高のホットスポット左上に大きく掲げ、縦割で訴求していることである。その下もポイント情報であり、30日、31日、タイムサービス9:00から11:00までポイント5倍の訴求である。さらに、裏面では、29日限りの今年最後の月金サービス、30日限りの今年最後のキャッシュバックサービスデー、31日限りの今年最後の日替り超特価と3本建ての今年最後シリーズである。いずれも、来店客数アップの訴求といえ、ポイントカードをメインに客数アップを全面に打ち出したちらしとなっているのが特徴である。
  
   これに加え、サミットではお正月を全面に打ち出した企画のちらしとなっており、「お刺身、本まぐろ」、「すき焼き、黒毛和牛」、「年越しそば」、「お雑煮」、「蒲鉾・伊達巻・おせち材料」、「迎春用花束」、「お飾り取扱中」、「祝酒」、そして、年末特有の、「お買い忘れはございませんか」の打ち出しとなっているのが特徴である。また、裏面、一番最後には「帰省・進物菓子取扱中!」、「新春予告」となり、年末から年始へと訴求をしている。
   
   最後に、みらべるだが、「歳末大売」という統一テーマのもとに、企画よりも、商品1品1品の価格訴求を全面に打ち出したちらしとなっており、西友、サミットのような特別に年末商戦特有の企画はないのが特徴である。通常のちらしよりも、一段と価格訴求に踏み込んだ内容となっており、さらに、商品点数が倍ぐらいになっているのが特徴である。いくつか参考価格を拾ってみると、人参1袋88円、長ねぎ1束88円など、88円均一の野菜、めばちまぐろ赤身880円、中トロ980円、特選本まぐろ中トロ980円、大トロ1,280円、地鶏モモ肉100g138円、国産牛霜降りすきやき用100g480円、スプーン印上白糖1kg158円、ミツカン酢500ml105円、のどごし350ml105円と表面で訴求し、裏面では12/30、12/31とまっ二つに分け、大特価を全面に打ち出した価格訴求のちらしである。
   
   このように、西友、サミット、みらべるの3つの食品スーパーマーケットの年末商戦のちらしを見てみたが、それぞれ特徴が出ており、重なった商品も意外に少なく、それぞれが、自社のもてる力を最大限に発揮し、その強みを全面にち出しているちらしといえよう。今年の年末商戦は、小売業にとっては、かなり厳しい数字が予想されるが、年末商戦特有の商品だけでなく、日々の重点商品も重要であり、その意味では、みらべるのちらしは年末よりも、普段の重点商品にも力が入っており、今年の消費状況をよくつかんでいるように思えた。

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December 30, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 29, 2008

オーケー、2009年3月期中間決算、大幅増収増益!

    注目のオーケーが12/18、2009年3月期の中間決算を公表した。売上高934.60億円(114.2%)、営業利益46.23億円(131.3%:売上対比4.94%)、経常利益47.38億円(132.9%:売上対比5.06%)、当期純利益27.45億円(133.3%:売上対比2.93%)と大幅な増収増益となった。特に、利益はいずれの段階でも130%以上という増益であり、好調な中間決算結果であった。この結果について、オーケー自身は不満であるとのことで、特に、売上が114.2%では低調であるとコメントしている。また、経常利益が5.06%となったが、これは、逆に自力以上の数字であるとコメントしている。

   その理由は、売上高は本来、新店がもっと多く出店できる予定であったが、今期は町田森野店(7月)、相模原店(7月)の2店舗のみであり、新店が少なかったからであるという。また、経常利益については、新店が少なくなったことにより、経常総経費率が下がり、利益がかさ上げされたとのことである。ただ、売上高114.2%は食品スーパーマーケット業界の中でもトップクラスであり、十分成長性が高いといえよう。

   オーケーはかねてから、スローガンとして、「借入無しで年率30%成長を達成する」を掲げており、その意味で114.2%は130%までにはまだ差があるものといえ、このようなコメントになったものと思われる。また、一方の借入無しについては、今期、短期借入金、社債等が139.9億円、長期借入金、社債等が12.2億円の合計152.1億円であり、これは総資産の23.2%とまだまだ多く、これが結果的に自己資本比率が31.4%と低い要因である。この自己資本比率31.4%は確かに低い数字といえるが、昨年は28.8%であり、数字は若干改善された。オーケーも自己資本の増強には昨年から、積極的に取り組み始めており、今期も昨年同様、2008種類株式を51.56万株発行しており、15.85億円の資金調達を行っている。ちなみに2007種類株式は27.13億円であり、今期の方が金額はやや少なかったが、昨年と合わせ、42.98億円の自己資本の調達であり、若干ではあるが、自己資本比率の向上にはつながったといえよう。ただ、自己資本比率を優良食品スーパーマーケット並みの50%以上に引きあげるには、100億円単位の資金調達が必要であり、今後、財務戦略の改革も経営課題のひとつといえよう。

   では、キャッシュフローが回らないのかというと、この中間決算の状況を見ると、営業キャッシュフローは62.69億円と昨年の45.55億円と比べ20億円弱増加している。これは、まさに、増収増益、特に、営業、経常、そして、当期純利益が130%を超える大幅な増益となったためであり、しかも、経常利益が5%を超えるという高収益となったためである。したがって、投資キャッシュフローも新店投資等へ昨年よりも増加させており、今期は49.17億円と昨年の33.53億円と比べ15億円以上行っており、結果、フリーキャッシュフローは13.52億円となり、営業キャッシュフローの範囲内で、投資キャッシュフローを賄う順流のキャッシュフローとなった。そこで、財務キャッシュフローであるが、何と22.09億円の増加となった。これは、今期、自己株式の処分による収入が21.15億円であったことが大きい。ただ、一方で、短期借入金が13.5億円増加し、長短期借入金の返済が7億円弱しか進んでいない点が気になるところではある。結果、トータルの資金は35.60億円のプラスとなり、現金及び現金同等物は昨年と比べ、今回の分が加わり、70億円弱も増加し、194.37億円となった。

   そこで、オーケーの出店余力であるが、自己資本比率は31.4%であり、先に見たように負債の主要項目である長短借入金が152.1億円と総資産の23.2%ある。一方、出店にかかわる資産である建物、土地、敷金及び差入保証金の合計は362.64億円(昨年334.60億円)であり、これは総資産の62.9%となる。当然、自己資本比率31.4%では賄えず、負債に大きく依存した出店構造となっている状況である。長短借入金等の合計の23.2%を足しても54.6%であり、さらに、10%弱の負債依存度であり、出店余力=自己資本比率-出店にかかわる資産とすると-31.5%となり、財務的には、負債に大きく依存する、かなり厳しい出店構造であるといえよう。今後、オーケーが安定成長、特に、スローガンに掲げている「借入無しで年率30%成長を達成する」を実現するには、一層の自己資本比率の改善が急務といえよう。

   ところで、オーケーの強さはどこにあるかであるが、何といっても経費比率の低さにあるといえる。今期は新規出店も抑制されたことにより、何と14.9%となり、昨年の15.3%と比べて、さらに、経費比率を引き下げている。この経費コントロールは食品スーパーマーケットでも極限に近い数字といえ、これがオーケーの経営の強さの源泉といえよう。これに加え、今期は原価も80.1%(昨年80.4%)と0.3ポイント引き下げており、売上総利益は19.9%(昨年19.6%)と大きく改善し、結果、営業利益=マーチャンダイジング力は5.0%(昨年4.3%)と0.7ポイントと大幅な改善ができたことが、昨対130%を超える増益となった要因である。

   このように、オーケーの2009年3月期の中間決算は増収、大幅な増益となる好決算となった。原価および経費も改善し、キャッシュフローも順流となるまさに好決算であったといえよう。ただ、気になるのは、自己資本比率であり、これだけ、好決算であるにもかかわらず、出店余力が大きくマイナスとなっており、今後、いかに借入れを返済し、自己資本比率を高め、出店余力を増してゆけるかが課題といえよう。オーケーの今後の安定成長のためにも、好決算を活かした財務面の改善に期待したい。

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December 29, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 28, 2008

日経MJ新製品週間ランキング、12/26、厳しい数字!

   12/26、恒例の日経MJ新製品ランキングが公表された。本ブログでも久しぶりにとりあげることになるが、ランキングを見て、気になったのは、金額PI値Aランクの500円(1人当り0.5円)を超える新製品が1品もないことである。前回、本ブログで取り上げたのは12/6であったが、この時もAランクの新製品は0であったが、今回も0であり、新製品も厳しい状況が続いているといえよう。ちなみに、金額PI値500円とは、平均単価が200円とすると、PI値は金額PI値÷平均単価であるので、(500円÷1,000人)÷200円=0.25%となる商品のことであり、平均的な食品スーパーマーケットの1日当たりの客数を2,000人とすると、1日、2,000人×PI値0.25%=5個となり、1日当り5個以上売れる新製品ということになる。
  
   このように全体的に低調な新製品の中で、今週、No.1となったのはこれまでめったにトップにくることがなかった冷凍食品部門の味の素、やわらか若鶏から揚げ(ボリュームパック)300gであり、金額PI値382円、Bランク(300円以上)となった。冷凍食品で新製品週間ランキングでトップになることはめずらしく、高い数字といえよう。No.2はその他食品部門の敷島製パン、超熟イングリッシュマフィン4個入り、金額PI値373円であった。No.3は家庭用品部門、資生堂、リバイタルグラナスセラム30g、金額PI値358円、No.4は同じく家庭用品部門、花王、ニュービーズ大1kg、金額PI値300円であった。以上が、金額PI値300円以上、Bランクの今週の全新製品であり、いかに、今週の新製品ランキングが厳しい状況であるかがわかる。
  
   ただ、金額PI値200円、Cランクの新製品は今週は比較的多いといえよう。冷凍食品部門で2品、その他食品部門で3品、家庭用品部門で3品、飲料部門で2品、菓子部門で3品と合計13品あり、今後どこまで数字を伸ばすか興味深いところである。この中で、注目の部門としては、飲料がある。飲料のNo.1に先週9位からいっきに浮上したのが、トンボ飲料、ポケットモンスターダイアモンド&パールシャンメリー360mlであり、金額PI値257円である。先週比144円という数字であり、カバー率も82.7%と高い数字であり、注目の新製品といえよう。日経MJでも解説しているように、クリスマス需要を取り込んだとのことであるが、平均単価が191円から189円とほとんど変化ないことから、価格訴求以外の要素での急上昇といえ、注目の新製品といえよう。
  
   そして、もう一品、飲料No.2となった明治乳業、おいしい低脂肪乳1000mlであるが、金額PI値255円である。先週No.1からNo.2へのランクダウンであり、金額PI値も7円ダウンと気になるところである。特に、この新製品は明治おいしい牛乳の低脂肪版であるので、もっと高い数字が期待できるのではないかと思われるが、金額PI値255円は牛乳としては少し物足りない数字といえよう。価格が191円と牛乳並の価格である点も低脂肪牛乳の値ごろから見て、やや高い点も伸び悩んでいるのではないかと思われるが、それにしてももっと高い数字でも良いように思える。
   
   菓子部門では、先週同様、江崎グリコ、ポッキーチョコレート<9袋>7本×9袋が金額PI値274円でトップとなった。カバー率も90.3%と対象45チェーン、全250店舗の大半に導入されての数字であり、菓子としては高い金額PI値といえよう。また、No.2以下には、この季節特有のクリスマス商材がランキングに入ってきている。イズミクリエーションのカラーブーツ(レッド)5個、金額PI値268円が先週19位からNo.2に入り、No.3にもハート、Yes!プリキュア5GoGo!ブーツ(L)、菓子8個入り+1個、金額PI値244円が、先週14位から急浮上である。これ以外にも、クリスマス関連の新製品が数多く、ランキングに入っており、その面では、今週の菓子部門は興味深い内容である。さらに、カルビーの実質値上げ商品、内容を70gに減らしたポテトチップスうすしお味、コンソメパンチなども、ビックバックとともにランキングに入っており、今後、これらの新製品の動向が気になるところである。
   
   もうひとつ、冷凍食品部門であるが、冬場に入り、気温が肌寒くなる中、アイスクリームの新製品がどのような動向かであるが、No.3にハーゲンダッツジャパン、ミニカップマルチパック6個入り(リッチミルク・ショコラ、クラシック・カスタードプディング)が入り、金額PI値205円となった。また、No.6には同じくハーゲンダッツのドルチェガトーショコラ110mlが金額PI値112円、No.9にも、ミニカップラムレーズン120mlが金額PI値92円、そして、No.11には明治乳業、エッセルスーパーカップストロベリー(チョコチップ入り)200mlが金額PI値84円が入るなど、アイスクリームも健闘しており、この時期でもしっかり訴求してゆきたいところである。
  
   このように、今週の日経MJ新製品週間ランキングは残念ながら、金額PI値Aクラスの500円を超える新製品が一品もなかったが、各部門の動向を見ると、それぞれ、この時期特有の新製品が登場してきており、いま、何を顧客へ強く打ち出してゆけば良いかがわかり、興味深い内容となっている。今週は12/14から12/20までの新製品週間ランキングであったが、次週は、12/20から12/27までのまさにクリスマス本番、年末商戦直前の数字となるので、来週も新製品がどのような動向となるか気になるところである。

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December 28, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 27, 2008

食品スーパーマーケット、第3四半期決算、公表はじまる!

   12/24、オークワの2009年2月期の第3四半期決算が公表された。いよいよ、食品スーパーマーケットの第3四半期決算の公表が始まったといえ、オークワが食品スーパーマーケット業界で、先駆けての公表である。第3四半期は今期決算を占う上で重要な決算といえ、あとは、年末年始の結果のみとなる。そのオークワの決算結果であるが、結果は、営業収益1,988.47億円(107.2%)、営業利益53.12億円(102.9%:営業収益比2.67%)、経常利益53.66億円(100.4%:営業収益比2.69%)、当期純利益28.90億円(100.3%:営業収益比1.45%)となる増益幅はわずかではあったが、増収増益となる好決算であった。

   特に、今期は増収幅が107.2%と好調であったが、これは、スーパーセンター、ディスカントストア業態のプライスカットが好調で既存店が100.8%と堅調であったことに加え、10月にSSM業態の忠岡店(大阪府泉北郡)、11月にディスカウント業態のプライスカット明石大久保店(兵庫県明石市)を新規出店し、今期出店が6店舗となったことが大きかったといえよう。さらに、今期は、6月に愛知県、静岡県、岐阜県に17店舗を展開しているパレを子会社化し、この第3四半期決算から連結となったことも増収に寄与したといえよう。
   
   一方、やや苦戦した利益面であるが、原価を見ると、74.8%(昨年74.7%)と、ほぼ昨年並みの原価であり、原価高の中、0.1ポイントの上昇にとどめており、この面での利益への影響はほとんどなかったといえよう。結果、売上総利益は25.2%(昨年25.3%)となった。これに対して、販売費及び一般管理費であるが、26.1%(昨年25.9%)と0.2ポイント上昇し、やや経費の上昇がみられた。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、すなわち、マーチャンダイジング力は-0.9%(昨年-0.6%)と0.3ポイント下がった。残念ながら、マーチャンダイジング力は昨年より下がっているのが気になるところである。これに、不動産収入等の営業収入が加わるが、今期は3.7%(昨年3.5%)と0.2ポイント上乗せとなり、結果、最終的に営業利益は、2.8%(昨年2.9%)と0.1ポイントダウンでとどめたが、率にすると3%強下がったことが、増収分を相殺し、利益が伸び悩んだ要因といえよう。すなわち、原価、経費ともに若干ではあるが改善できなかったことが利益に微妙な影響を与えたといえよう。
  
   これを踏まえてキャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローが46.76億円であったが、投資キャッシュフローが今期は、昨年と比べ、多額の固定資産の取得による支出118.03億円があり、-137.98億円となり、結果、フリーキャッシュフローが-91.22億円となる大きなマイナスとなる逆流となった。そのため、借入が増加し、財務キャッシュフロー48.01億円となったが、結果、トータル、資金は-43.21億円減少し、今期のキャッシュフローは厳しい状況であったといえよう。固定資産の投資が大きく財務を圧迫しているのが、今後の財務にどのような影響を与えるか少し気になるところである。
  
   そこで、今後の成長のための出店余力を見てみると、自己資本比率は53.8%(昨年56.8%)となり、若干下がっているが、これは、負債の主要項目の長短借入金の合計が266.23億円(昨年236.86億円)と約30億円増加したことによる。結果、総資産1,378.32億円の19.3%となり、財務を大きく圧迫するほどではないが、自己資本比率が下がる要因となった。一方、出店にかかわる有形固定資産は863.23億円と総資産の62.6%であり、自己資本比率53.8%を超え、負債に約10%依存する構造となり、出店余力は、自己資本比率-出店にかかわる資産=-8.8%となり、やや厳しい状況といえよう。
   
   こう見ると、この第3四半期決算は営業収益が好調であり、増収とはなったが、原価、経費がやや厳しい状況となり、営業利益が伸び悩んだ。その結果、キャッシュフローの流れが、固定資産への新規投資も大きかったことにもより、逆流となり、資金繰りが現預金を取り崩さざるをえなくなった。そしてこれが、出店余力にも影響を与え、負債が増加し、自己資本比率をやや下げ、負債にやや依存する出店構造となり、財務を圧迫したといえよう。

   ただ、通期予想は、営業収益2,760.00億円(109.8%)、営業利益84.00億円(107.0%:営業収益比3.04%)、経常利益85.00億円(105.1%:営業収益比3.07%)、当期純利益46.00億円(113.2%:営業収益比1.66%)と増収増益予想であり、営業利益もこの第3四半期と比べ、大きく回復が予想されるので、財務状況も最終的には改善が期待されると予想されよう。ちなみに、翌日、12/25のオークワの株価であるが、1,285円(+3円、0.23%)と若干プラスとなったが、12/24(1282円)、12/22(1,325円)、12/19(1,298円)、12/18(1,298円)と、ほぼこの数日は横ばいであり、この間の売買高も低調であり、投資家は今回のオークワの決算に対して、判断をしかねている状況といえよう。
   
   このように、オークワの2009年2月期の第3四半期決算の結果は増収増益とはなったが、増益幅が小さく、キャッシュフロー、財務内容等やや厳しい状況となった。ただ、通期予想は増益幅も大きくなり、増収増益の予想であり、まだ、年末商戦を残してはいるが、財務内容も含め、好決算が期待できそうである。今期は、M&Aを含め、新店開発が積極的であったが、来期、オークワがどのような成長戦略を打ち出すかに注目したい。

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December 27, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 26, 2008

オオゼキの坪効率1,276万円を支える客数と店舗面積!

   12/18、オオゼキがすでに公表した2009年2月期の中間決算の説明会資料と説明会補助資料が公開された。この中で、オオゼキがなぜ食品スーパーマーケットとして日本一の坪効率1,276万円(2008年2月期現在)が達成可能であったのかの一端を垣間見ることができる。そこで、ここでは、その資料をもとに、その要因を客数と店舗面積に焦点を当てて、解明してみたい。坪効率は坪当りの売上のことであり、この数値を高めるには、売上最大化をはかる一方で、売場面積と売上とのバランスを最適にする必要がある。

   一般的に食品スーパーマーケットの売上は客数と客単価で決まるが、客単価は通常の食品10大分類ぐらいであれば2,000円前後に集約し、それ以上伸ばすためには、商圏を広げ、まとめ買いを誘発するとか、ディスカウント路線に走り、容量を大きくするとか、品揃えを最大にし、あらゆる客層に対応するかなど、何らかの極端な政策を打たないと難しいのが実態である。一方、客数は商圏、すなわち、立地によって左右される要素が大きく、人口密集地であれば、自然客数は多くなり、郊外など人口が薄いところでは、食品スーパーマーケット単独では集客が難しく、NSC(近隣型SC)、SC業態の核店舗のひとつとして、集客をはかり、一定の客数を維持することになる。

   こう考えると売上はどのような商圏環境にあっても無限に伸びることはなく、グラフで示せば、どこかでピークになり、その後は横ばいか、漸減してゆくことになるのが実態であろう。これに対し、店舗面積は極論すれば、どこまでも拡大することが可能である。ここ30年ぐらいで見ると、食品スーパーマーケットは100坪ぐらいの時代からはじまり、150坪、200坪、300坪、400坪、500坪、そして、1,000坪と売場面積を拡大し続けており、最近では400坪前後が主流となりつつあるのが実態であろう。ただ、興味深いことに、店舗面積の拡大と比例するように坪効率が下がりはじめ、以前は、坪効率1,000万円の食品スーパーマーケットがざらにあったが、最近では、500万円はおろか、数100万円台の食品スーパーマーケットも多く、収益が厳しい状況となりつつある。

   そこで、オオゼキの実態であるが、まず、売上から見てみたい。オオゼキの1日当たりの全29店舗の平均売上は、この中間決算時では622.95万円である。その中身であるが、客数は3,647人、客単価は1,708円であるので、通常の食品スーパーマーケットと比べて客数が極めて高いのが特徴である。 客数は最大の下北沢店の6,376人から座間店の1,712人まであるが、4,000人を超える店舗が下北沢店を含め10店舗あり、約1/3となる。また、3,000人未満の店舗が8店舗であり、残りは3,000人以上4,000人未満であり、いかに客数が多い店舗が多いかがわかる。これに対して、客単価は最高2,589円の松原店であり、最少は1,154円の千歳烏山店である。2,000円以上が松原店を入れて4店舗であり、1,500円以下が千歳烏山店を入れて7店舗であり、大半が1,500円以上2,000円未満となる客単価であり、通常の食品スーパーマーケットと比べ客単価は若干低めであるといえよう。したがって、オオゼキの売上は通常の食品スーパーマーケットと比べ高めであるが、その要因は客単価ではなく、客数にあるといえ、この客数の高さが坪効率日本一を支える要因のひとつといえよう。

   では、もう一方の売場面積についてであるが、これが何と195.4坪という全29店舗の平均が200坪を下回る小ささである。ここ最近の食品スーパーマーケットは400坪前後が主体となりつつあるので、195.4坪はほぼ半分であり、いかにオオゼキが店舗面積を圧縮しているかがわかる。店舗面積最大の店舗は378.2坪の高井戸店であり、最も小さい店舗面積の店舗は、118.2坪の経堂店である。150坪以下の店舗が経堂店を含め8店舗であり、300坪以上の店舗が高井戸店を含め4店舗であるので、大半は200坪前後であり、食品スーパーマーケットとしてはかなり小規模な食品スーパーマーケットであるといえよう。

   したがって、この小規模な面積の店舗に、大量の客数がなだれ込むという現象が起きているといえ、オオゼキはこの数字を見るだけでも滅茶苦茶混んでいる超忙しい食品スーパーマーケットであることが想像できる。そして、これが、驚異的な坪効率をたたき出しているといえ、2008年2月決算時には年間平均1,276.0万円という日本一の食品スーパーマーケットの坪効率を達成したといえよう。ちなみに、この中間では年間最高の売上月である12月が入っていないので、1,163.8万円であるが、この時点で、坪効率が最高の店舗は2,258.8万円の池上店であり、No.2が1,981.1万円の旗の台店、No.3が1,909.2万円の目黒不動前店である。逆に最も低い店舗は相模原中央林間店の443.7万円である。

   このようにオオゼキの坪効率日本一、1,276.0万円(2008年2月期現在)の要因を直近の2009年2月期中間決算の数字で見てみたが、その理由は、平均客数3,647人に支えられた集客力の高さによる高い売上と、食品スーパーマーケットの約半分の圧縮された店舗面積とのバランスにあるといえ、このバランスがオオゼキの経営内容にも波及し、安定した経営を支えているといえよう。坪効率の高さはダイレクトに利益に結びつく重要な経営数字であるので、食品スーパーマーケットはオオゼキのような高い数字を達成することは難しくとも、現状のバランスを見直すことは可能といえ、再度、坪効率の改善に取り組んで見ても良いのではないかと思う。

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December 26, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 25, 2008

酒のマーチャンダイジングを考えてみる!

   酒は実におもしろい商品群である。食品スーパーマーケットの中でも、ごく最近加わったラインといえ、まだ、マーチャンダイジングの歴史も浅い。食品スーパーマーケットはそもそも、歴史の中で、様々な商品を加えてきた経緯がある。食品スーパーマーケット独特の言葉に「ラインロビング」という言葉があるが、まさに、食品スーパーマーケットはラインロビングの歴史であり、これが現在まで続いている。ラインロビングとは、ラインを盗むという意味であり、ラインとは商品群のことである。もともと食品スーパーマーケットは生鮮3品、青果、鮮魚、精肉からスタートした場合が多いが、その後、日配、グロサリー、菓子、雑貨、惣菜と、まさにラインを盗み、売上を大きくしてきた歴史である。その流れの中で、酒は、ごく最近、ラインロビングしたため、マーチャンダイジングのノウハウが現在進行形といえよう。

   そこで、その歴史の浅い、酒のマーチャンダイジングについて、考えてみたい。まず、酒をどう商品分類するかであるが、家計調査データに沿って分類してみると、清酒、焼ちゅう、ビール、ウィスキー、ぶどう酒、発泡酒、他の酒の7つである。この7つの商品群で構成されるのが酒であり、この7つの商品群をどう品揃えし、どう顧客に訴求してゆくかがマーチャンダイジングのポイントであるが、まず、酒全体の状況を見てみてみたい。直近の家計調査データ10月度の数字を見ると酒は1世帯1日当り、112.52円となる。この数字は外食を除く食品の数字が1,982.81円であるので、5.7%である。したがって、食生活の約5%強が酒であるといえ、食品スーパーマーケットの中では雑貨、菓子に近いボリュームといえよう。ちなみに、魚介類224.16円(11.30%)、肉類212.74円(10.7%)、野菜と果物290.26円(14.6%)であるので、生鮮食品と比べるとほぼ半分のボリュームであることがわかる。

   ただ、酒はその意味で、食品スーパーマーケットの中では中核部門にはなりきれていないといえるが、実は、他の商品群と違い決定的な特徴が酒にはある。それが酒のマーチャンダイジングを考える時の最大のポイントであるともいえる。それは、全世帯の中でも購入世帯の割合が他の商品群と比べ、限られているということである。いいかえれば、酒は限られた世帯のみが購入する限定マーケットの商品群であるということである。家計調査データから、独自にその割合いを算出してみると、酒以外でもっとも購入世帯が限定されるのは果物であるが、その数は96.0%であり、それ以外はすべて、それ以上、100%に限りなく近い数字である。これに対し、酒は63.4%であり、約40%弱の世帯が酒を1ケ月に1回も購入しないという数字である。季節により若干変動があるが、70%を超える8月、12月などもあるが、それ以外はほぼ60%前後となる。

   したがって、酒のマーチャンダイジングは世帯の約60%を対象としている特別な商品群であるという認識が必要であり、約40%の方にとっては、全く関心がないということである。この瞬間に、レイアウトも誰もが通過する一等地に必ずしも配置することはなく、むしろ、二等地、三等地でも良いので、約60%の限られた世帯にきめ細かな対応を考えるというマーチャンダイジングが望ましいということになる。これをさらに、酒の各カテゴリーに落し込むと、より、このことが明確になる。

   実際、この直近の10月度の家計調査データを見ると、それは歴然としている。清酒20.8%、焼ちゅう18.9%、ビール31.7%、ウィスキー3.3%、ぶどう酒9.1%、発泡酒17.2%、他の酒20.7%である。これを見ても、ウィスキーは何と3%強であり、ぶどう酒(ワイン)は10%弱であり、これらはいかに、限られた世帯のみしか購入していないかがわかる。ところが、このウィスキーも購入世帯のみの消費金額を見ると、1世帯1日あたり、110.49円であり、これは約30倍近い世帯が購入しているビールの数字120.78円とほぼ同じ数字である。ビールがいかに広く、多くの世帯が購入するカテゴリーであり、逆にウィスキーがごく限られた世帯であるが、その世帯はビール並みに、ウィスキーを購入しているかがわかる数字といえよう。

   したがって、酒のマーチャンダイジングを考えるポイントは、酒全体でも他の商品群と大きく違う商品であることを認識する必要があるが、そのカテゴリーに入った場合は、さらに、ごく限られた世帯のみへのマーチャンダイジングを実践する必要があり、ウィスキー、ぶどう酒(ワイン)などは、不特定多数のマーチャンダイジングが、ほとんど意味がない世界といえ、いかに、購入世帯を店舗の来店者から見つけ出し、その特定された世帯にきめ細かな対応を行い、継続的に自店で購入してもらえるようなマーチャンダイジングというよりも、マーケティング的な対応がポイントといえよう。

   その意味で、酒のマーチャンダイジングはこれまでの、POS分析ではなく、ID-POS分析による顧客一人一人の来店頻度を引き上げ、同時に、その顧客一人一人の購入内容に踏み込み、より、付加価値の高い酒の提案ができるようなマーチャンダイジングが求められるといえよう。マーチャンダイジングは奥が深い世界であるが、酒はその中でもさらに奥が深い、顧客一人一人への対応を確立してゆくマーチャンダイジングが決め手といえよう。

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December 25, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 24, 2008

売上速報、コンビニ11月度、109.9%、百貨店を抜く!

   12/22、日本フランチャイズチェーン協会から、2008年11月度のコンビニの売上速報が公表された。集計コンビニは、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの11社であり、41,666店舗である。売上は109.9%(6,577.58億円)、既存店107.4%(6,071.12億円)となる極めて好調な数字である。10月度は、110.5%(既存店108.1%)、9月度108.9%(既存店106.6%)、8月度107.5%(既存店105.3%)、7月度114.0%(既存店111.7%)、6月度106.4%(既存店104.2%)、5月度105.8%(既存店103.7%)、4月度102.0%(既存店99.8%)、3月度101.5%(既存店99.4%)、2月度103.5%(101.2%)、1月度100.2%(既存店98.4%)という状況であり、明らかにtaspo効果であり、5月頃から顕著に売上が上昇に転じ、現在、ほぼ110%前後で推移しているといえよう。この傾向は、来年5月頃までは続くと思われ、小売業界の中で、食品スーパーマーケットと並び、好調な売上である。
  
   もう少し、この11月度の中身を見てみると、来店客数は108.6%(11.21億人)、客単価は101.2%(586.5円)であるので、客数が大幅に上昇しての売上増であることがわかる。一般に客数が増加する要因は、既存顧客の来店頻度があがるか、新規顧客が増えるか、あるいは、双方であるが、商品別の売上を見ると、たばこの属する非食品(構成比32.2%)の売上のみが26.4%と異常値になっており、その他は数%であるので、新規顧客よりも既存顧客が増加したことが大きいようである。すなわち、これまで来店していた顧客がたばこを購入するために、来店回数を増やしたのではないかと思われる。
  
   ちなみに、コンビニの1日当たりの客数であるが、月間11億2,144.9万人であり、店舗数が41,666店舗であるので、897人である。仮に平均単価を200円とすれば、MD方程式、売上=金額PI値(客単価)×客数=PI値×平均単価×客数から、売上(52.60万円)=金額PI値(586.5円)×客数(897人)=PI値(293.3%)×平均単価(200円)×客数(897人)となる。これに、売上構成比、日配33.5%、加工食品30.1%、非食品32.2%、サービス4.2%を考慮すると、コンビニの平均顧客像は、平均200円前後の商品を、来店して、弁当かデザートなどから1品、ドリンクか菓子などから1品、雑誌か雑貨などから1品の合計3品ぐらい購入しており、その人数がだいたい900人ぐらいであるということである。
  
   このような消費行動をするコンビニが驚くことに、この売上の好調さを背に受けて、小売業界全体の構造変化をもたらしており、12/19の日経によれば、とうとう、コンビニが2008年度、今年度の売上が、百貨店をはじめて抜き去ることになるという。びっくりである。見出しでも、「コンビニ、百貨店を抜く、今年の売上高、消費構造が変化」であり、記事の中でも1975年から、2008年の予想までがグラフ化されているが、昨年ぐらいから百貨店の売上推移とコンビニの売上推移が接近してきており、2008年度で両者が交わっており、明らかにコンビニの勢いが増しているのがわかる。百貨店は1991年以降、下降傾向が鮮明であり、コンビニは逆に緩やかに上昇傾向であり、ここへきて、特に今年はtaspo効果もあり、一気に百貨店を抜きさるものとグラフを見ると推測される。

   グラフの中ではスーパーの売上も示されているが、スーパーの売上も漸減傾向ではあるが、金額が15兆円弱、コンビニは6兆円強であるので、まだその差はあり、当面、コンビニがこの勢いで伸びても、スーパーに追い付くには時間がかかるといえ、小売業界No.1の売上になることはないとはいえる。ただ、コンビニが百貨店を抜き去ることは、まさに時代の趨勢を反映しているといえ、百貨店関係者にとっては大きなショックであろう。

   ちなみに、最新の商業統計を見ると、小売業界全体がどのような状況にあるかがよりマクロに細かくわかる。商業統計は3年ごとに調査が行われ、現在公表されているのは平成19年度(2007年度)のものであり、3年前の平成16年度(2004年度)と比較ができるが、これを見ると、百貨店は-3.9%、コンビニは+0.6%であり、金額ベースでは百貨店が7.68兆円に対して、コンビニが6.96兆円であり、まだその差は0.5兆円強あるが、この2008年度のコンビニのtaspo効果の異常な伸びが、逆転を許した要因となったといえよう。その他の業種では、総合スーパーが-11.5%であり、百貨店以上に伸び率では厳しい状況である。専門スーパーでは衣料品スーパーが+4.2%、食料品スーパーが0.0%、住関連スーパーが-8.9%(内、ホームセンターが-3.1%)であり、ドラックストアが+15.9%である。ドラックストアの伸びが異常値であるが、金額では約3兆円であり、コンビニのほぼ半分である。金額で最も大きいのは食料品スーパーであり、17.05兆円である。

   このように、taspo効果により、コンビニの売上がこの5月ぐらいから好調に推移しはじめており、少なくとも今後、6ケ月は好調さが続くものと推測される。結果、この勢いが今期年間売上で百貨店を抜き去るのは確実となるものと思われる。しかも、コンビニはディスカウント訴求が原則ない売価政策をとっているので、今期の決算は空前の増収増益となる可能性が高いといえ、来月2月、3月は好決算が期待されよう。

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December 24, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 23, 2008

ユニバース、12/25東証1部上場、中間決算は増収減益!

   ユニバースが12/25をもって、現在、東証二部上場中であるが、東証一部銘柄に指定されることが決まった。2007年の4/24東証二部上場からわずか1年半での東証一部への昇格である。ユニバースは現在、青森に本部を置き、東北3県、青森、岩手、秋田へ43店舗の店舗展開をしているが、この地区で金融機関を除き、東証一部への上場はユニバースがはじめてであり、快挙といえよう。ちなみに、東証1部への上場基準であるが、株主数が2,200人以上、流通株式数2万単位以上、あるいは上場株券等の35%以上、時価総額500億円以上、純資産の額10億円以上、利益の額が最近2年間において、最初の1年間1億円以上、最近の1年間4億円以上などであり、審査が最も厳しく、それだけ、安定した成長、利益、財務内容が問われるといえる。

   さて、そこで、ユニバースの直近の決算、11/26に公表された中間決算の内容を見てみると、売上高477.42億円(101.9%)、営業利益17.23億円(93.7%、売上対比3.60%)、経常利益17.72億円(94.7%、売上対比3.71%)、当期純利益9.72億円(102.7%:売上対比2.03%)となり、増収とはなったが、残念ながら、減益となるやや厳しい決算となった。通期予想に関しても、売上高962.15億円(102.2%)、営業利益32.17億円(96.3%、売上対比3.34%)、経常利益32.89億円(95.9%、売上対比3.41%)、当期純利益17.91億円(130.0%:売上対比1.86%)であり、増収減益となる予想であり、今期はやや厳しい決算となりそうである。

   増収となった要因であるが、昨年よりも店舗数が3店舗増えたことに加え、既存店が堅調な売上を示し、100.5%となったことが大きかったといえよう。ユニバースの平均1店舗当りの客数は1日当り1,386人(昨年1,421人)であり、昨年よりは若干落ちているのが気になるが、店舗数が3店舗増えた分、全体客数では、2,075万人から2,176万人へと約100万人増加した。一方、客単価は2,170円から2,153円へと若干ではあるが、下がった。その中身は、PI値が昨年の1,170%から1,150%へと下がっており、平均単価は昨年の185.4円から187.2円と若干上がったが、PI値の落ち込み分をカバーできず、結果、客単価が下がった。ただ、その落ち込みはわずかであり、その分、新店3店舗の客数が貢献し、この中間決算においては、売上増になったといえよう。それにしても、PI値が下がったとはいえ、1,150%は点数に直すと、11.5点/人(レシート)であるので、通常の食品スーパーマーケットよりも高い数字であり、マーチャンダイジングの強さを表しているといえよう。

   一方、この中間決算で減益となった要因であるが、売上原価が74.9%となり、昨年の73.25%と比べ、上昇しており、結果、売上総利益は25.1%(昨年26.75%)と1.65ポイントと大きく下がったことが原因のひとつといえよう。これは、この中間決算時に資源、エネルギー高により、あいつぐ値上げが起こり、それが商品価格に転嫁され、原価を押し上げたことが大きかったといえよう。ただ、販売費及び一般管理費については、21.45%(昨年22.5%)と若干下がっており、原価高を幾分相殺できたが、小幅な改善であったため、結果、営業利益については、3.65%(昨年4.25%)と減益となる結果となった。その意味で、今期の減収要因は商品の仕入れ原価高にあったといえよう。

   このような中で、キャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは、21.42億円となり、投資キャッシュフローは、新店開発等にかかわる不動産取得、保証金などがあり、-14.82億円となり、結果、フリーキャッシュフローは6.6億円となり、順流のキャッシュフローの流れである。ただ、財務キャッシュフローが、長期借入金の返済等にあて、-12.13億円となり、営業キャッシュフローの範囲内でまかなかったことがやや苦しい状況といえ、今後、一層の営業キャッシュフローの改善が資金繰りという点からは課題といえよう。したがって、トータルのキャッシュフローはマイナスとなり、この分、現金及び現金同等物が減少するという結果となった。

   これを受けて、出店余力であるが、今期、長期借入金を返済したことにより、現在、負債の主要項目である長短借入金は41.75億円(昨年本決算時51.27億円)と約10億円減少し、総資産に占める割合は11.6%と削減され、結果、自己資本比率も59.6%(昨年56.0%)と昨年よりも上昇した。したがって、出店にかかわる資産である土地、建物の合計(今回は、敷金・保証金の明細が不明で計算から外した)は、203.41億円となり、これは総資産359.39億円の56.5%であり、ほぼ、自己資本比率と同じ比率である。したがって、これに敷金・保証金を加えると、若干、負債に依存する出店構造とはいえるが、新規出店が難しい状況ではなく、今後とも安定成長が可能な財務状況といえよう。

   このように、ユニバースの2009年4月期の中間決算は増収減益のやや厳しい決算となり、キャッシュフローもやや苦しい状況とはなったが、出店余力は増しており、今後、東証一部上場を果たし、安定的な成長が期待できそうである。今期、本決算も増収減益とやや厳しい数字となる予想ではあるが、原価改善次第では利益も増加に転じる可能性もあり、今後、収益がどこまで改善し、キャッシュフローの改善が図られ、新規出店による成長戦略をどのように打ち出すかに注目したい。

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December 23, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 22, 2008

売上速報、食品スーパーマーケット11月度、一転好調!

   食品スーパーマーケットの2008年11月度の売上速報が明らかになった。現在、上場食品スーパーマーケットは約50社あるが、その内、約半分の25社が売上速報を公開している。11月度は、先月度までやや伸び悩んでいた売上が一転、106.2%となる好調な売上となった。集計食品スーパーマーケット25社中、23社が昨対をクリアーし、しかも110%以上の食品スーパーマーケットが8社という好調さであり、ここへ来て、消費者の節約志向に合致した食品スーパーマーケットへの消費者の需要が急激しているようである。
  
   折しも、12/20の日経では、「ロイヤルHD、60店閉鎖、ファミレスなど3年間で、最終赤字今期50億円、地方中心に苦戦」という見出しのもと、外食産業の苦戦の記事が掲載された。すかいらーくは約200店、デニーズは140店、リンガーハットは53店、京樽はファミリーレストランから撤退ということであり、外食の厳しさが浮き彫りになっているが、まさにその対極にある内食需要の代表的な業種、食品スーパーマーケットに消費が急激に移行している状況が浮かび上がったともいえる。また、コンビニも現在、taspo効果もあるが、絶好調であり、明らかに、ここへ来て、消費環境の潮目が変わったといえる数字の変化である。
  
   この好調な食品スーパーマーケットの中での、この11月、No.1となったのはイズミである。イズミはグラフのみ公開で正確な数字がつかみにくいが、117.3%となる大幅な伸びであり、しかも、既存店も103.2%と堅調であった。特に、イズミは6/21のゆめタウン出雲の新店に加え、11/11、ゆめタウン三豊をオープンしており、特に、この店舗のオープンセールもあり、11月度は売上がはね上がったことも寄与した。さらに、12/9には、ゆめタウン丸亀を四国、香川県にオープンしており、今期、イズミは高成長が期待される。イズミはこのゆめタウン丸亀店で全部で77店舗目となる。
  
   イズミについで、成長率の高かった食品スーパーマーケットはマックスバリュ東海である。115.7%であり、特に、8/1にM&Aが成立したシーズンセレクトの売上がオンしたこともあり、好調な数字である。既存店も103.5%と堅調な数字であり、客単価よりも客数が全体119.5%、既存店103.3%とよく伸びている。No.3はハローズであり、114.3%である。既存店も102.4%と堅調であり、マックスバリュ東海とは逆に、客単価が全体104.2%、既存店103.4%と良く伸びている。
   
   以上の3社がこの11月、特に売上の伸び率が高かった食品スーパーマーケットであるが、この11月は上記以外でも5社110%以上の売上が伸びた企業がある。No.4のマルエツは111.1%、既存店も104.4%と好調であり、客数、客単価ともにプラスとバランスの良い伸びである。ついで、ダイイチ110.6%(既存店103.3%)、マックスバリュ西日本110.5%(101.3%)、大黒天物産110.2%(107.5%)、バロー110.0%(102.0%)と続く。ここまでが全体110%以上の食品スーパーマーケットであり、しかもすべて、既存店も好調であり、昨対100%を超えた。特に、大黒天物産はこの11月度、全食品スーパーマーケットの中で、既存店が最も高い数字であり、107.5%となった。客単価よりも客数が108.8%、既存店106.1%と良く伸びており、好調である。消費者の価格志向が表れた結果といえよう。
   
   また、110%まではいかなかったが、105%以上の堅調な伸びを示した食品スーパーマーケットは、PLANT108.8%(既存店95.2%)、ヤオコー108.7%(104.4%)、スーパーバリュー108.4%(105.1%)、マックスバリュ東北108.0%(99.9%)、ヤマザワ105.7%(104.4%)、九九プラス105.7%(103.7%)である。PLNATは10月度は伸び率No.1であり、この11月度も108.8%と好調であったが、順位は9位となる数字となり、それだけ、他の食品スーパーマーケットの伸びがこの11月度は大きかった結果といえよう。また、ヤオコーは108.7%と堅調な伸びであり、しかも、客数、客単価、PI値、平均単価の全店、既存店すべてがプラスという結果であり、きわめてバランスのよい伸びを示している。
   
   逆に、この11月度、伸び悩んだ食品スーパーマーケットであるが、CFSコーポレーション94.4%(既存店98.8%)、マックスバリュ北海道94.6%(90.7%)、トーホー100.0%(98.7%)、エコス100.4%(96.9%)、アークランドサカモト101.0%(96.9%)、カスミ102.5%、マックスバリュ中部102.5%(100.6%)である。100%を割ったのは、CFSとマックスバリュ北海道のみであり、いかに、この11月、食品スーパーマーケットの売上が好調であったかがわかる。なお、以前はマックスバリュグループが好調、不調の2極化を呈していたが、この11月は、No.2マックスバリュ東海、No.6マックスバリュ西日本、No.12マックスバリュ東北、No.20マックスバリュ中部、No.24マックスバリュ北海道と完全に分散した順位となった。
   
   このように、11月度の食品スーパーマーケットの売上速報は極めて好調な伸び率を示しており、明らかに10月度までとは様相を呈した結果となった。各社の順位も激しく入れ替わっており、全体的に追い風が吹いている状況といえよう。もう1週間後には年末商戦となるが、大手GMS等は空前の価格訴求を打ち出しているが、食品スーパーマーケットとしては、今年は内食需要が高まっているので、ごく普通の普段の食生活に必要な重点商品の欠品に最大の注意を払う必要があろう。来月は年末商戦の結果が反映された売上速報となるが、どのような結果となるか気になるところである。

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December 22, 2008 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 21, 2008

今週の株価、食品スーパーマーケット、厳しい状況!

   いよいよ、日本も政府、日銀一体となった金融財政政策が動きはじめたといえよう。12/19、日銀が政策金利を0.3%から0.1%への利下げを決定し、しかも、異例ともいえるCP(コマーシャルペーパー)の買い切りを実施するという。現在、大手企業はCPを発行しても買い手がみつからず、やむをず、銀行に頼る資金調達を行い、これが、結果的に銀行の中小企業への貸し出しを圧迫するなど、全国的な規模で、信用収縮が、特に中小企業で起こっているといえる。今後、日銀がCPを買い切ることにより、銀行も大企業から中小企業への融資の増加が期待され、中小企業の資金繰りのひっ迫がこれまでよりは緩和されることになろう。

   食品スーパーマーケット業界、そして、小売業界はまだまだ中小企業が多く、その意味で、今回の日銀の対応は政策金利0.1%への利下げを含め、CPの買い切りも歓迎すべきことではあるが、実際の経済が予想通り、動くか、年末を迎え、予断を許さない状況が続くといえよう。ただ、このような思い切った日銀の政策が発動されても、12/19の日経平均は8,588.52円(-78.71円、-0.91%)と下がっており、すでに、市場は織り込み済みとみえ、依然として、厳しい状況が続いているといえる。チャートを見ても、11月以降、すでに1ケ月以上、8,500円前後で推移しており、株価は回復の兆しが見えず、横ばいの状況が続いている。今後、さらに、日銀の思い切った政策、政府の景気対策などが待たれる状況ともいえよう。

   このような中で、12/19の食品スーパーマーケット業界の株価の推移であるが、5日移動平均で見て、1.0%以上の株価となったのは以下の企業である。PLANT240円(株価騰落率1.26%、5日移動平均乖離率5.26%)、マルキョウ387円(4.03%、5.16%)、マツヤ600円(0.0%、2.73%)、ヤマナカ955円(0.0%、2.35%)、丸久976円(0.10%、2.30%)、ヤオコー2,810円(0.71%、2.10%)、北雄ラッキー420円(0.0%、1.94%)、ダイイチ575円(0.0%、1.59%)、マミーマート1,219円(-1.52%、1.40%)の8社である。ただ、いずれの株価も、26週移動平均乖離率(長期トレンド)は、-8.04%、-21.65%、1.52%、0.84%、2.41%、-13.45%、-2.55%、-6.65%、-0.24%とマイナスかわずかなプラスであり、株価は厳しい状況であるといえる。

   ちなみに、26週移動平均乖離率で1.0%以上の食品スーパーマーケットを見てみると、大黒天物産1,450円(株価騰落率3.86%、26週移動平均乖離率29.23%)、バロー983円(-0.50%、11.70%)、相鉄ローゼン469円(0.21%、5.63%)、アオキスーパー905円(-0.11%、4.48%)、ライフコーポレーション1,763円(-1.12%、4.31%)、サンエー3,420円(-4.73%、4.01%)、エコス662円(-1.63%、3.92%)、ジョイス478円(0.00%、2.79%)、丸久976円(0.10%、2.41%)、フジ1,724円(-1.31%、2.01%)、マツヤ600円(0.0% 、1.52%)、MV中部910円(1.33%、1.11%)、いなげや896円(-0.55%、1.01%)である。先週同様、大黒天物産がダントツであり、ついで、バローも高い数字である。

   そこで、この2社のチャートを見てみると、大黒天物産はこの数日は確かに、若干下がりぎみで推移しているが、今週はじめ、12/15には年初来高値となる1,552円をつけており、特に、12月に入っては好調な株価が続いている。11月は1,200円から1,300円の株価が続いていたが、現在は1,400円から1,500円の株価となっており、厳しい食品スーパーマーケット業界の株価の中では注目株といえよう。そして、バローであるが、11月以降、見事に右上がりの株価が続いており、ここ数ケ月では最も高い株株価である。リーマンブラザーズショック以降、10月度は700前後で推移していたが、その後、株価は反転し、まさに、右上がりで1ケ月以上続いており、大黒天物産と並び、現在、注目株といえよう。

   では逆に、今週、厳しかった株価を、5日移動平均乖離率2.0%以下の食品スーパーマーケットで見てみたい。イオン北海道306円(株価騰落率-11.30%、5日移動平均乖離率-11.30%)、マルヤ109円(-5.21%、-5.21%)、九九プラス60,500円(0.16%、-3.95%)、カスミ486円(-2.99%、-3.76%)、サンエー3,420円(-4.73%、-3.66%)、平和堂1,360円(-2.85%、-3.06%)、オオゼキ2,485円(-2.16%、-2.85%)、CFS612円(-2.70%、-2.23%)、Olympic587円(-2.65%、-2.16%)、ライフコーポレーション1,763円(-1.12%、-2.05%)である。特に、イオン北海道は-11.30%、マルヤは-5.21%と、ここ最近大きく株価が下がっており、厳しい状況である。

   ちなみに、今週のPBR(株価純資産倍率)が0.70倍を切った食品スーパーマーケットとその時価総額を見てみると、マルキョウ387円(PBR0.15、時価総額61億円)、マルヤ109円(0.24、25億円)、PLANT240円(0.26、16億円)、Olympic587円(0.48、137億円)、イズミヤ577円(0.50、504億円)、ダイイチ575円(0.53、23億円)、ヤマザワ1,272円(0.60、139億円)、ジョイス478円(0.61、53億円)、天満屋ストア761円(0.65、88億円)、アークランドサカモト935円(0.66、193億円)、MV東海1,400円(0.70、245億円)という状況である。

   このように、今週の食品スーパーマーケット上場企業約50社の株価を見てみたが、注目すべき株は大黒天物産、バローの2社をはじめ、数社の状況であり、厳しい株価が依然として続いているといえよう。特に、PBRも1.0倍を切る食品スーパーマーケットも増えており、しかも、時価総額がわずか数十億円の企業もあり、いつ、M&Aがかかってもおかしくない状況といえ、来期は食品スーパーマーケット業界も再編が本格化しそうである。これから、年末年始を迎えるが、来週以降も食品スーパーマーケットの株価の動向に注目といえよう。

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December 21, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 20, 2008

日経ビジネスonlineでハローディを特集!

   クリスマスプレゼントではないと思うが、日経ビジネスのオンライン版で12/17、12/18と2日間に渡り、3回(上、中、下)に分けて、福岡県北九州市を中心に33店舗を展開する食品スーパーマーケット、ハローディの楽しい企画、まるで読者へのクリスマスプレゼントのような特集が組まれた。タイトルは「日本一視察が多いスーパー、ハローデイの“感動経営”」である。一見すると、アメリカの食品スーパーマーケットのディズニーランドといわれているスチューレナードのようなイメージを受けるが、記事を読み進むと、生鮮食品のきめ細かな商品づくりに力を入れており、また、従業員、パート、全社一丸となった経営参加の仕組みを実践している、堅実な食品スーパーマーケットであることがわかる。

   一般的に食品スーパーマーケットは無味乾燥なイメージがある。顧客は売り場で静かに商品を選び、買い物カゴにイチゴ、とまと、だいこん、ひき肉、刺身盛合せ、豆腐、牛乳、あんぱん、しょうゆ、ポテトチップスなど、10品ぐらいピックアップし、レジで精算をし、自宅に帰るというイメージである。ところが、このハローディは売り場を楽しさを演出する場としてとらえなおし、スローガンに、アミューズメント・フードホールを掲げたことが、これまでの食品スーパーマーケットのイメージを一新している。ちなみに、フードホールについて、ハローディは、「Amusement Food Holes というスペルについて、よくHallでは?というお問い合わせを頂きます。ですが、[Hall]を[Hole]にしたところが実はポイントなのです。人類は昔、穴蔵や洞窟[Hole]に食料を貯蔵したという逸話がございます。 それにちなみ、ハローデイも、「お客様に冷蔵庫代わりに使って頂きたい」という、想いを込めて名付けました。皆様と感動をわかちあえる、楽しいAmusement Food Holesになれれば何よりです!」と説明しており、ホールは穴という意味であるという。

   記事の中でも、冒頭にアミューズメント性の高い演出の数々の写真を掲載しており、これを見ると、まさに、スチューレナードを彷彿とさせるディスプレイの数々である。ただ、このわくわく感は、ディスプレイにとどまらず、商品づくりにまで、踏み込んでいることが、真骨頂であり、特に、記事(上)の後半では、見事な生鮮食品の売場が紹介されるが、圧巻である。青果のリンゴ、ブロッコリー、鮮魚の旬のブリ、ヒラメづくし、タイづくし、精肉の馬刺に加え、豆乳、ミネラルウォーターの売場づくりは見事である。

   通常の食品スーパーマーケットでは、このような、いわゆる手の込んだ、芸術的な商品づくりは敬遠され、人時生産性を重視した、ABC分析のA商品最優先の売場づくりとなるのが通常である。ハローディーはその意味で全く逆の発想で取り組んでおり、C商品、あるいは、誰も作ったことのないZ商品に徹底的にこだわった商品づくりを率先して行っているのが特徴である。しかも、これを社長自ら従業員に推奨しており、記事(中)で、2カ月に1度の社長視察、通称「社長フレンドリー」の状況が紹介されている。ここで、従業員はこの日に合わせて、創意工夫した珠玉の商品が披露される。カニ鍋セット、ワンタンしゃぶ鍋セット、寿司ツリーなど、通常では思いもつかない発想の商品が社長にプレゼンされ、同時に、顧客にも提案される。これが社をあげて、商品づくり、創意工夫をもたらすマーチャンダイジングへとつながってゆくといえる。

   問題は結果であるが、客単価が格段と向上し、食品スーパーマーケット業界では極めて高い坪効率を達成しているという。ハローディの年商は2008年3月現在、530.95億円であり、店舗数は32店舗である。したがって、1店舗当たり16.59億円である。通常の地方の食品スーパーマーケットとしては、平均値としては高い数字であり、中小型店としては、高い坪効率となる。ハロディーの過去4年間の1店舗当たりの年商を追ってみると、昨年が16.78億円、一昨年が15.07億円、その前が15.03億円であるので、昨年から、さらに売場が活性化しているといえ、まさに、これは、商品にこだわり、客単価が上昇し、坪効率を引き上げた成果がではじめた結果であるといえよう。坪効率では、現在、食品スーパーマーケット日本一といわれるオオゼキがあるが、オオゼキは客数を異常に引き上げ、坪効率をひきあげているが、このハローディは客単価を引き上げて坪効率を引き上げているといえ、対極にある食品スーパーマーケットであるといえよう。

   今回、日経ビジネスonlineでハローディを特集したが、あらためて、従業員の創意工夫を活かした究極の商品づくりへの挑戦が、顧客の支持を獲得し、結果として、客単価最大をもたらし、坪効率を高め、食品スーパーマーケットの経営を安定させるということが重要な経営戦略のひとつであることが実証されたといえよう。ただ、最近では、記事(下)で紹介しているように、2007年6月にオープンした足原店はそれまでのイメージとはまったく異なるという。広々とした店内に、無人ピアノがBGMを奏でるという店作りを行うなど新たな課題に挑戦しているという。ハローディも次のステージ入ったといえ、その結果が楽しみである。

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December 20, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 19, 2008

神戸物産、2008年10月度本決算、増収減益、後半好調!

   業務スーパーを全国にFC展開する神戸物産の2008年10月度の本決算が12/15、公表された。業務スーパーは、今年1月の冷凍餃子事件、その後、中国乳製品のメラニン検出、さらには、事故米問題とあいついで、業務スーパーの根幹にかかわる問題に直面し、厳しい経営状況が続いた。その結果、売上高1,071.46億円(112.6%)、営業利益10.19 億円(66.5%売上対比0.95%)、経常利益7.97億円(49.9%:売上対比0.74%)、当期純利益4.43億円(45.6%:売上対比0.41%)となり、増収とはなったが、大幅な減益となる厳しい決算となった。

   現在、業務スーパーの店舗数は全国でFC店479店舗及び直営店2店舗の合計481店舗を展開している。店舗数は今期決算初めの昨年11月度が477店舗であったので、4店舗の微増であったが、後半から既存店の売上が上昇し、今期112.6%という売上に関しては好調な数字で推移した。業務スーパーは売上区分を直轄エリアと地方エリアに分けて管理しており、直轄エリアは関西(兵庫県、大阪府、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県)、関東(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)と都市部であり、地方エリアはこれ以外の地区である。今期の数字を見ると、地方エリアが売上に大きく貢献しており、特に、後半は150%前後の伸びを示しており、これが、特に今期の売上を押し上げた要因といえよう。

   一方、厳しかった利益の方であるが、売上原価は94.7(昨年95.9%)となり、この厳しい経営環境の中で、1.2ポイントと大幅に改善し、結果、売上総利益は5.3%(4.1%)と大幅な上昇となった。これに対し、販売費及び一般管理が4.4%(2.5%)と1.9ポイントと大幅な上昇となり、結果、営業利益が0.9%(1.6%)と0.7ポイント下がるという結果となった。大幅減益の要因は経費の大幅な上昇にあるといえよう。その経費項目の中身を見てみると、金額にして、昨年の23.35億円が47.19億円となったので、23.84億円の増加であり、大きい順に見てみると、賃金給料及び諸手当4.94億円、運賃3.26億円、減価償却費3.02億円、営業業務委託料2.91億円等である。

   これらの状況に対し、神戸物産も生産拠点を中国からエジプト、べトナムなどへの分散を図っているが、まだ、本格的な生産には至っておらず、来期の大きな課題であるといえよう。また、事業構造も業務スーパーから新規事業への参入をはかり、飲食、サービス業への参入も図っている。ただ、今期決算では、業務スーパー1,056.96億円、神戸クック(飲食)9.8億円、リラクゼーション・ステイ事業(サービス)6.98億円という数字であり、業務スーパーの売上構成比が98.4%であり、業務スーパー一極集中型の事業構造である。

   これを踏まえて、来期予想であるが、売上は今期も後半は絶好調であり、節約志向の消費が業務食品の購買を押し上げているといえ、こしばらくは好調が続く予想である。したがって、売上高1,310.00億円(122.3%)、営業利益18.7億円(184.0%:売上対比1.43%)、18.75億円(235.3%:売上対比1.43%)、当期純利益11.10億円(250.6%:売上対比0.84%)と利益も回復の見込みであり、大幅な増収増益を予想している。

   これを受けて、神戸物産の株価の推移であるが、12/15の決算発表の日は950円であったが、12/16、いきなり、1,049円(110.4%、99円)と上昇し、12/17、1,060円(101.0%、11円)、12/18、1,061円(100.0%、1円)となった。この数ケ月間、950円前後で推移していた株価であったが、この決算後、1,050円を超える上昇であり、投資家は買いと見たようである。

   では、今期の神戸物産の財務状況はどうであったかを見てみたい。特に気になるのはこの未曽有の金融不安の中でのキャッシュフローの流れである。営業キャッシュフローは、9.33億円と営業利益が厳しかった分、昨年の17.17億円と比べ、ほぼ半分となる厳しい状況であった。投資キャッシュフローであるが、新規事業への有形固定資産の取得19.84億円等があり、-24.60億円となり、フリーキャッシュフロー-15.27億円となる逆流となった。営業キャッシュフローを大きく超える投資キャッシュフローである。そして、財務キャッシュフローであるが、長短借入金の返済などがあり、-3.91億円となり、トータル-19.18億円という厳しいキャッシュフローの流れである。したがって、現金及び現金同等物の期末残高は昨年の110.88億円から91.40億円の減少となった。

   また、自己資本比率であるが、48.3%(昨年51.8%)とやや減少したが、負債の主要項目である長短借入金等は0.68億円とほぼ0に近い数字であり、健全な財務状況である。神戸物産の負債がやや重いのはフランチャイズを主体としているため、預かり保証金が大きく、今期は31.75億円であり、これが総資産268.18億円の11.8%となるためである。資産については、これもフランチャイズ主体の経営であるため、固定資産は総資産の27.4%しかなく、最も大きな資産は現金及び預金92.20億円、売掛金65.65億円、棚卸資産37.71億円であり、この合計が182.56億円となり、総資産の71.8%にもなる。食品スーパーマーケットとは全く逆の資産構造である。

   このように、今期の神戸物産の決算は業務スーパーが今期後半、節約志向の追い風が吹き、前期の中国冷凍餃子事件等の悪影響を克服し、売上は好調な数字を示した。ただ、利益は厳しい状況とはなったが、これも来期は回復見込みが予想され、来期は大幅な増収増益が期待される。厳しかった業務スーパーの経営もようやく転換点に入ったといえ、来期は期待が持てそうである。

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December 19, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 18, 2008

イオン、三菱商事との包括業務提携を公表、真の狙いは?

   12/6に日経新聞が報道して以来、くすぶっていたイオンと三菱商事との包括業務提携の内容が12/16公表された。初報道から10日目のことであり、しかも、日経新聞で事前に大きく取り上げられていた割には、かなりあっさりした内容である。実際、公表された内容は、以下の4点である。(1) 流通機構の近代化と合理化に資する取組み、・効率的、合理的なグローバルサプライチェーンの構築によるコストダウン等の追求、(2) お客様が満足する品質・価格の商品を調達するシステム作り・グローバルネットワークを活用した原材料・商品並びに資機材などの開発及び調達、(3) 消費者利便の極大化を目的とした金融、I T、マーケティング事業の取組み・金融、IT、メディア・コンシューマー事業(4) その他、両社で合意した事業である。

   この内容を見る限り、(1)はコストダウンであり、(2)は商品調達であり、(3)は非物販の事業のことであり、(4)はその他であるので、今回の包括提携がイオンにとってどのような意義があり、目的は何かが現時点ではよく見えない内容である。また、株式に関しても、三菱商事がイオンの発行済み株式の5.05%を市場で取得するとのことであり、イオンに資金が入ることでもなく、三菱商事が経営権を握るわけでもなく、微妙な比率であるといえよう。

   12/17の日経新聞では、イオン、三菱商事、両社長の一問一答が掲載されているが、これを見ると、記者も疑問をもっているようであり、様々な質問をしている。「5%という比率は中途半端ではないか。」という質問に対し、三菱商事の小島社長は、「信頼関係を深めるために意味のある数字。・・」と答えている。また、「提携はイオンの改革にどうつながるのか。」という質問に対し、岡田社長は、「商品調達力の強化やアジア各国で出店を加速するには大きな味方になってもらえる。」と答えている。イオンの現在の経営課題は国内問題にあるといえ、そこがどのように今回の三菱商事と提携することによる意義があるかが、いまひとつ明確さにかけるといえる。どうも、イオンも三菱商事も、反応がいまいちはっきりしない状況であり、わかりにくい内容である。

   ちなみに、12/17のイオンと三菱商事の株価であるが、イオンは847円(+7円、+0.83%)で、ほぼ横ばいであり、ここ数日の動きも12/8の日経で報じられた後のはじめての株式売買日に一時900円を超え、907円となり、売買高も通常の倍の800万株近くまで買われたが、その後、株価、売買高ともに下がり、850円前後で推移している。投資家の反応は鈍いといえよう。一方、三菱商事の株価は、12/17現在、1,210円 (0.0%、 0.00%)という状況であり、変化がなかった。また、ここ数日も1,200円前後で大きな変動がなく、今回のイオンとの包括提携への投資家の反応は鈍いといえよう。
 
   また、今回、日経新聞でも図面入りで丸紅と関係も示されているが、岡田社長は、「他の商社との関係はかわらない」と述べているが、直接の株式は1%未満の取引であるが、三菱商事以上の関係が深い状況いといえ、今後、丸紅との関係も気になるところである。現在、イオンと丸紅との関係は、マルエツについてはイオン33%、丸紅30%と株式を持ち合っており、合計50%を超える関係である。ダイエーについても、イオン20%、丸紅30%とこれも合計50%という関係である。そして、PB開発子会社はイオン85%、丸紅15%、商品調達子会社はイオン85%、丸紅15%という関係でもあり、丸紅とは深い絆があり、お互い協力して、経営に当たらなければならないマルエツ、ダイエーという状況である。こう見ると、やはり、三菱商事との包括提携は今後これら丸紅との関係もどう位置づけられるかが読みにくいところである。

   特に、食品スーパーマーケットの部分だけでみても、イオンのマックスバリュグループと丸紅と関係の深いマルエツ、そして、三菱商事と関係の深いライフコーポレーションとの関係はどうなるのか。これが仮に、業務提携に入ると、1兆円を超える食品スーパーマーケットグループが誕生することになり、食品スーパーマーケットの合従連衡がいっきに進むことになる。ただ、今回の包括提携では、食品スーパーマーケットに関しては一切触れられていなかったので、現時点はこのような提携は難しいであろう。また、コンビニでも三菱商事系列のローソンとイオンの子会社、ミニストップとの連携も考えられることであるが、岡田社長は、「協力について真剣に話し合ったことはないが、・・」とコメントしており、食品スーパーマーケットに限らず、さらに現実性の高いコンビニに関しても連携の話があいまいであるといえよう。
 
   このように、イオンと三菱商事との包括提携が12/16締結されたというが、どうも、わかりにくい内容であり、市場の反応、新聞報道もにぶい反応であり、真の狙いがつかみにくい包括提携といえよう。もう少し、時間をおけば、次のアクションが起こり、今回の包括提携の真の狙いが明確になるのではと思うが、現時点では、きわめてわかりにくい業務提携であるといえよう。

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December 18, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

December 17, 2008

今期、飲料厳しい数字、果実・野菜ジュース落ち込む!

    先に公表された家計調査データ、2008年10月度のデータを見ると、大分類では飲料が最も厳しい数字となり、115.97円(97.5%)という数字であった。外食を除く、食品スーパーマーケットでとり扱っている食品のみの全体合計は1,982.81円(101.9%)であるので、この10月度は全体はプラスで推移しているので、飲料は厳しい状況であったことがわかる。ただ、この97.5%は、これまでの、飲料の数字と比べると、それでも下げ率は減っており、プラスの方向には動いているといえるが、昨対をクリアーするまでには、少し差がある。そこで、ここでは、今年の1月から、直近の10月までの約1年間の飲料の家計調査データの数字をもとに、飲料の現況を見てみたい。

   まず、飲料全体の1月度からの家計調査データでの推移であるが、1月102.87円(98.0%)、2月108.72円(100.9%)、3月113.68円(96.7%)、4月121.27円(98.3%)、5月137.06円(93.4%)、6月130.93円(90.0%)、7月156.29円(108.1%)、8月150.90円(91.9%)、9月124.13円(92.5%)、そして、10月115.97円(97.5%)という状況である。この10ケ月で昨対をクリアーしたのは2回であり、2月の100.9%、7月の108.1%であり、これ以外はすべて昨対を下回り、特に、5月くらいから、7月度を除き、急激に数字が落ち込んでいるのが実態といえよう。

   そこで、さらに、どの項目の落ち込みが大きいのかを細分類で見てみるが、まず、家計調査データは飲料が大きく3つに分かれている。この10月度の実際の数字をもとに見てみると、茶類31.87円(106.7%)、コーヒー・ココア23.71円(99.5%)、他の飲料60.39円(92.7%)である。そして、茶飲料は緑茶11.03円(104.6%)、紅茶2.03円(137.0%)、他の茶葉3.42円(111.6%)、茶飲料15.35円(103.9%)4つに分かれている。コーヒー・ココアはコーヒー12.45円(97.2%)、コーヒー飲料9.97円(103.0%)、ココア・ココア飲料1.32円(100.0%)の3つである。そして、他の飲料は果実・野菜ジュース20.74円(90.2%)、炭酸飲料7.23円(114.9%)、乳酸菌飲料8.45円(84.5%)、乳飲料3.74円(116.0%)、ミネラルウォーター6.45円(95.2%)、他の飲料のその他13.77円(86.6%)の6つである。

   したがって、家計調査データでは、飲料は大きく3つに分かれ、そのもとで13の細目に分かれて集計されている。10月時点で見ると、最も厳しい項目が他の飲料であり、その中でも果実・野菜ジュース、乳酸菌飲料、ミネラルウォーター、他の飲料その他であることがわかる。また、他の項目では、コーヒー飲料のみ昨対を切っているだけであり、その他は昨対をクリアーしている。特に、茶飲料は好調であり、すべて昨対をクリアーしている状況である。
  
   10月度は以上のような状況であったが、9月以前はどうであったかを見てみたい。まず、3大分類のみ見てみると、茶飲料は9月30.87円(93.3%)、8月36.74円(94.1%)、7月38.29円(106.9%)、6月35.97円(88.4%)、5月44.26円(88.6%)、4月35.33円(99.3%)、3月33.39円(98.6%)、2月32.52円(110.0%)、1月28.87円(100.1%)であり、2月、7月は高い伸び率であったが、その他は厳しい数字も見られることがわかる。コーヒー・ココアについては、9月度22.42円(95.5%)、8月度25.26円(102.8%)、7月度25.39円(98.9%)、6月度23.13円(92.0%)、5月度23.19円(101.8%)、4月度22.70円(105.9%)、3月度21.94円(102.3%)、2月度21.79円(101.8%)、1月度22.55円(103.9%)という状況であり、9月度、6月度は厳しい数字であったが、それ以外は、比較的堅調な数字であったといえよう。

   そして、最も消費額の大きい他の飲料であるが、9月度70.84円(91.3%)、8月度88.87円(88.3%)、7月度92.61円(111.5%)、6月度71.80円(90.1%)、5月度69.58円(93.9%)、4月度63.23円(95.3%)、3月度58.32円(93.7%)、2月度54.41円(95.8%)、1月度51.45円(94.5%)という状況であり、7月度を除き、この10月度まで厳しい数字で推移しており、しかも、飲料全体の約50%強を占める分類であり、この部門の伸び悩みが今期の飲料が伸び悩んだ要因といえよう。
   
   では、さらに、細目にまで踏みみると、どこがもっとも厳しかったかであるが、果実・野菜ジュースとミネラルウォーターであることがわかる。特に、果実・野菜ジュースは、他の飲料の中でも構成比が35%近い数字であり、飲料全13項目の中でも最大であり、ここが、今期伸び悩んだことが、飲料全体が伸び悩んだ要因といえよう。実際の果実・野菜ジュース数字を見てみると、9月度 24.52円(88.2%)、8月度 32.23円(87.1%)、7月度34.74円(114.6%)、6月度26.30円(90.4%)、5月度25.68円(94.3%)、4月度23.80円(93.8%)、3月度21.19円(96.2%)、2月度18.79円(90.5%)、1月度18.81円(97.3%)という状況であり、飲料全体が良かった7月度を除き、厳しい数字で推移しており、全体への構成比が大きいだけに、飲料全体への影響が大きかったといえよう。
   
   このように、今期の飲料は家計調査データで見る限り、他の飲料が最も厳しい数字で推移しており、その中でも、果実・野菜ジュースが年間を通じて厳しい数字で推移している。飲料の中で占める割合が大きい主力部門であるだけに、全体への影響度が大きかったといえる。この傾向は、実際の各社のPOSデータでもほぼ同様な傾向が表れており、今期の飲料は厳しい状況が続くものと思われる。今後、消費環境は一層厳しさを増すものと思われ、今期はあとわずかであるが、来期の飲料については、食品スーパーマーケットとしては、再構築する必要があり、商品戦略の抜本的な見直しが、来期のマーチャンダイジングの重要なテーマとなろう。

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December 17, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 16, 2008

新店情報、食品スーパーマーケット、ここ最近の動き!

   食品スーパーマーケットが厳しい消費環境の中、堅実な成長を続けている。この11月、12月においても、主要食品スーパーマーケットは新規出店をしており、コンビニ以外、成長が厳しいといわれる小売業界であるが、食品スーパーマーケット業界は、堅調な新規出店を行っているといえる。そこで、ここでは、主要食品スーパーマーケットのこの11月、12月の新規出店状況を見てみたい。

   11/14、ヨークベニマル天童老野森店が山形県天童市にオープンした。これで、ヨークベニマルの店舗数は、山形県14店舗、福島県60店舗、宮城県40店舗、栃木県19店舗、茨城県22店舗の合計155店舗となった。ヨークベニマル得意のNCSでの出店である。テナントにはサンドラック、ダイソー、コインランドリー等が入っており、店舗面積は926坪、年商18億円を目指すという。ヨークベニマルは、今年に入って、2/1、福島県須賀川市に「メガステージ須賀川南店」を、3/7、栃木県鹿沼市に「ヨークベニマル鹿沼睦町店」を、4/25、福島県福島市泉に「ヨークベニマル福島泉店」を、8/1、山形県東根市に「ヨークベニマル東根店」を、9/26、福島県郡山市中ノ目に「ヨークベニマル片平店」と、6店舗目の新店であり、堅調な新店戦略である。

   また、今後、統合予定のヨークマートもここへ来て、新店を出店しており、11/13に埼玉県川口市に「ヨークマートフードセントラル ララガーデン川口店」(店舗面積600坪、年商26億円目標)を、11/28には埼玉県南埼玉郡菖蒲町に「ヨークマートフードセントラル モラージュ菖蒲店」(店舗面積629坪、年商23億円目標)と立て続けにオープンしており、セブン&アイホールディングスグループの食品スーパーマーケットはここへ来て、積極的に新店を出店している。これで、ヨークマートも埼玉県22店舗目とりなり、全部で62店舗となった。

   一方、イオングループの食品スーパーマーケット、マックスバリュであるが、マックスバリュ北海道が11/21、北海道札幌市に「マックスバリュ東札幌店」(店舗面積572坪)をオープンした。今期は3店舗目となり、この店舗で74店舗目となる店舗である。マックスバリュ東北は、ここ最近新規出店はないが、この12/12に、マックスバリュ大館西店(1999年オープン)が、「ザ ビッグ大館西店」(店舗面積794坪)と名称を変更し、フードディスカウント店として改装オープンした。現在、マックスバリュ東北はこの店舗を含め、90店舗である。マックスバリュ東海であるが、マックスバリュ東北同様、ここ最近は新規出店がない。ついで、マックスバリュ中部であるが、11/8、三重県鈴鹿市住吉町に「マックスバリュ鈴鹿住吉店」(店舗面積712坪)をオープンし、11/28には三重県多気郡明和町に「マックスバリュ金剛坂店」(店舗面積591坪)を立て続けにオープンした。これで、マックスバリュ中部は87店舗となった。そして、マックスバリュ西日本であるが、11/5、香川県観音寺市に、「マックスバリュ観音寺駅南店」(店舗面積803坪)を新規オープンした。イオンタウン観音寺ショッピングセンター店の核店舗としてのオープンであり、四国4店舗目、全体では143店舗目となる店舗である。

   また、ここ最近、食品スーパーマーケット業界では売上が絶好調、特に既存店が107.5%とずば抜けた伸びを示している大黒天物産であるが、12/9、兵庫県赤穂市にラ・ムー赤穂店、11/28、鳥取県米子市にラ・ムー米子北店をオープンし、今年度3店舗目、全体で52店舗目となった。この地区の有力食品スーパーマーケットでは、ハローズも11/23、香川県高松市にハローズ六条店をオープンし、全体では39店舗となった。特に、この地区の有力3社、マックスバリュ西日本、大黒天物産、ハローズが、三つ巴の競争を繰り広げており、いずれも、ここ最近四国への参入を果たし、中国地区だけでなく、四国でも地元の食品スーパーマーケットを含め、激しい競争を繰り広げている。その四国であるが、サンシャインチェーンが11/23、高知市稲荷町にサンシャインクラージュをオープンした。11/6には、フジが香川県高松市にヴェスタ楠上店(店舗面積572坪、年商16億円予想)をオープンした。 フジはこの店舗を含め中国地方28店舗を含め91店舗となった。

   そして、九州・沖縄地区では、サンエーが11/19、沖縄県浦添市に経塚シティーをオープンした。ここ数年、サンエーはシティータイプのSCタイプの店舗とNSCタイプの店舗の出店が主であり、V21タイプの小型店タイプに対し、中大型店を出店しており、沖縄商圏における食品のシェアを拡大している。また九州地区では、注目のトライアルカンパニーであるが、埼玉県に佐知川店(12/03) 、熊本県に八代店(11/26)、北海道道央に篠路店(10/29)、福岡県筑後地区に久留米店(10/22)、北海道道央に厚別店(10/22)、北海道道央に藤野店(10/22)、北海道道央に伏古店(10/15)、北海道道南に上磯店(10/08)、北海道道央に手稲店(09/26)、北海道道南に苫小牧店(09/24) 、北海道 道央に恵庭店(09/18)と、ここ最近、北海道のカウボーイとの業務提携後、立て続けに北海道地区での改装オープンに入っており、急激に店舗数を拡大している。

   このように、食品スーパーマーケットは比較的堅調な新規出店を続けており、消費環境は確実に厳しさが増してはいるが、成長戦略は堅調であり、今後、出店余力があり、成長戦略がとれる企業と、出店余力がなく、成長戦略がとれない企業との間に大きな格差が生まれ、来期はM&Aも含め、波乱含みな経営環境となるものと予想される。その意味で、来期は、出店余力のある食品スーパーマーケットの動向に注目といえよう。

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December 16, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 15, 2008

ウォルマート、ドル高直撃、国内堅調、11月度売上!

   ウォルマートの2008年11月度の売上速報が12/4、公表された。アメリカの金融不安によるドル高が直撃、海外売上が-11.0%となり、全体がわずか1.6%プラス、101.6%となる厳しい数字となった。先月、10月度は102.3%であり、海外売上は-5.9%であったので、さらに、売上が落ち込んだことになる。当然、これは利益にも跳ね返り、年間最大の売上の季節であるクリスマス商戦、年末商戦を直撃することは必至となり、今期は厳しい決算となりそうである。

   ウォルマートの海外依存度はこの11月度の売上で見ると、70.64億ドル(約6,300億円)であり、全体が322.13億ドル(約3兆円弱)であるので、21.9%である。先月の海外依存度は23.6%、先先月は25.8%であったので、この数ケ月で急速に落ち込んだ。これは43週累計の海外の売上高を見ると、さらにその傾向は鮮明であり、この間の売上累計は110.7%であり、いかに、この数ケ月、ドル高が急激に進んだかがわかる。ちなみに、ウォルマートの海外展開はアルゼンチン、ブラジル、カナダ、中国、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、日本、メキシコ、ニカラグア、プエルトリコ、イギリス、そして、ジョイントヴェンチャーのインドである。

   では、国内のウォルマートはどうであったかであるが、スーパーセンター、ディスカウントストア、ネイバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)を集計したウォルマート部門では、106.5%と好調な数字であった。46週累計でも106.6%であるので、この1年間、ほぼ順調に売上を維持してきたといえ、金融不安の影響はほとんどなかったといえる数字である。しかも、既存店の数字は103.4%と昨年の101.0%と比べ、伸びており、既存店はさらに好調な数字である。いま、アメリカの小売業はウォルマートの独り勝ちといわれているが、まさに、それを表すかのような既存店の好調さであるといえよう。ウォルマート部門のこの11月度の売上は214.77億ドル(約1兆9,000億円強)であり、全体の66.7%であり、このウォルマート部門の好調さが、海外のドル高による影響を相殺し、全体をプラスにもっていった要因であるといえる。

   そして、ウォルマートのもうひとつの部門、会員性ディスカウントストア、サムズクラブ部門であるが、101.4%とやや厳しい数字となった。43週累計が106.6%であるので、この11月度は厳しい数字であったといえよう。その要因は既存店にあり、これまでの資源高の高騰による石油等の価格が急激に下がったため、これまで、サムズクラブの売上を牽引してきた石油をはじめとする燃料需要が急激に落ち込んだためである。また、アメリカの消費不況により、車での買い物も抑制されたことも大きいようである。実際、燃料等の売上はこれまでのプラスから一転、マイナスとなり、この11月度は-3.0%となり、全体でも既存店は100.5%とわずかな伸びにとどまってしまった。ちなみに、この燃料等の数字を引いた場合には103.5%とサムズクラブ部門は堅調な数字であり、いかに、燃料等への依存度がこれまで大きかったかがわかる。

   それにしても、ウォルマートが今年のスローガンとして掲げた、「Saving People Money So They Can Live Better」は、ここへ来て、ぴたりはまり、全米でウォルマートが独り勝ちの様相を呈しており、ウォルマートの経営陣に先見の明があったといえよう。日本の西友もやっと、このスローガンのもとに動き始めたが、いまや、全世界のウォルマートが目指すスローガンとなったといえよう。ウォルマートもこの言葉が、創業者、サム・ウォルトンがウォルマートの1号店をオープンした時の目標であったといっており、今後、一層、ウォルマートにとって、重要なスローガンとなろう。

   これを受けて、ウォルマートの株価であるが、12/12の株価は54.63ドル(-0.29%、-0.16ドル)と堅調な数字であった。ウォルマートの株価は、9/15のリーマンブラザーズの破綻以降、アメリカの金融不安が本格化し、それまで一時は64ドルまで上昇していた株価が10月初旬には45ドルまで下降した。ただ、その後は株価をもどし、10月、11月と55ドル前後で推移してきた。そして、12月に入り、国内のウォルマートの好調さが明確になると株価は上昇、ちょうど、この11月度の売上速報が公表された12/4以降には一時は60ドル近辺にまで上昇した。その後、また、やや値をもどしたが、現在は55ドル前後で推移しており、ウォルマートの株価は堅調な動きであるといえよう。

   このように、12/4、ウォルマートの11月度の売上速報が公表されたが、数字は海外部門が急激なドル高により、-11.00%となる大幅な減少となったが、国内部門、特に、ウォルマート部門は堅調であり、既存店が昨年と比べ好調に推移し、全体を牽引し、わずかではあるが、101.6%というプラスとなった。今後、ウォルマート最大の年間売上となるクリスマス商戦、年末商戦を迎えることになるが、国内部門の好調をどこまで海外部門のドル高による減収を補えるかがポイントであるといえ、ウォルマートにとって、次の12月度は重要な月となる。ウォルマートの来月度の売上速報がどのような数字となるか、注意深く見守りたい。

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December 15, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 14, 2008

12/12、株式暴落、食品スーパーマーケットも厳しい株価!

   注目のアメリカ自動車業界ビック3への最大140億ドルの資金繰りを支援する法案の修正協議が物別れに終わったとのことで、日本の株式市場へ衝撃が走り、さらには、円高が13年ぶりの90円を切り88円台をつけるなど異常事態となっている。これを受けて、アメリカのニューヨーク証券取引所はアメリカ政府が支援に乗り出すのではとの観測が流れ、12/12の株価は軟調で終わったが、来週週明けの世界の株式市場がどのような状況になるか予断を許さない状況といえよう。
  
   まず、12/12現在の日本の東京証券取引所であるが、5分足のチャートを見ると、9:00には8,600円の株価が、10分足らずで、いきなり8,450円まで下がったが、その後、株価は徐々に上昇を続け、前場はもとの8,600円に戻し、堅調な動きであった。ところが、午後に入ると、株価は急落、12:30から13:30までの1時間で一時は8,100円を割り込む急激な下げとなった。その後はやや持ち直したものの、この日は8,235.87円(-484.68、-5.56%)で引けた。いつ株価が7,000円台に入ってもおかしくない状況といえ、波乱含みの1日であったといえよう。
  
   このような中で、食品スーパーマーケットの12/12の株価の動きであるが、この日、株価騰落率が1.0%以上下がった食品スーパーマーケットは、マルエツ512円(-8.57%)、イオン九州1,310円(-5.61%)、ライフコーポレーション1,768円(-4.94%)、ジョイス458円(-4.58%)、イズミ1,299円(-4.27%)、フジ1,635円(-3.31%)、いなげや887円(-2.95%)、大黒天物産1,490円(-2.29%)、ヤオコー2,640円(-2.22%)、エコス617円(-2.06%)、CFS616円(-2.06%)、ユニバース958円(-2.04%)、マルヨシセンター294円(-1.67%)、バロー889円(-1.44%)、オークワ1,310円(-1.42%)、ドミー415円(-1.19%)の16社である。特にマルエツの落ち込みは大きく、小売業の上昇企業約400社の中でもワースト10に入る落ち込みである。
  
   また、5日移動平均乖離率で2.0%以上下がった食品スーパーマーケットは、マルエツ-8.40%、ユニバース-3.62%、ライフコーポレーション-3.33%、フジ-3.02%、ジョイス-2.55%、イズミ-2.55%、マルキョウ-2.47%の7社であるが、これを見てもマルエツはダントツで低い数字であり、今週は投資家から厳しい株価の評価を受けたといえよう。マルエツ以外でも、マルキョウを除き、ほぼ12/12の騰落率の大きい食品スーパーマーケットと一致しており、今週はこれらの食品スーパーマーケットが特に、株価が厳しい週であった。
   
   これに対して、12/12、株価が上昇した食品スーパーマーケットを見てみたい。PLANT214円(5.41%)、アークランドサカモト1,055円(4.35%)、ハローズ621円(3.67%)、イオン北海道350円(2.94%)、九九プラス63,000円(2.10%)、サンエー3,330円(1.83%)、オオゼキ2,650円(1.53%)、MV中部910円(1.44%)、スーパーV1,081円(1.02%)、平和堂1,382円(0.50%)、原信ナルスホールディングス1,026円(0.48%)、マミーマート1250円(0.40%)、アークス1,319円(0.38%)、関西スーパーマーケット805円(0.24%)の14社である。特に、ディスカント色の強いスーパーセンター業態のPLANT、アークランドサカモトが12/12は投資家から強く評価されたといえよう。ちなみに、5日移動平均乖離率の高い食品スーパーマーケットを見てみると、スーパーV5.56%、PLANT4.90%、イオン北海道4.79%、マミーマート3.73%、ハローズ3.50%、マルミヤストア2.74%、アークランドサカモト2.42%、サンエー2.14%、九九プラス2.10%という状況であり、株価騰落率とほぼ連動しているといえる。
   
   ここで、今週の厳しい株価により、12/12時点の時価総額とPBR(株価純資産倍率)がどのような状況かを見てみたい。PBR0.8倍以下の食品スーパーマーケットの時価総額とPBR(株価純資産倍率)を見てみると、マルキョウ56億円(0.14倍)、PLANT15億円(0.23倍)、マルヤ27億円(0.26倍)、Olympic142億円(0.49倍)、ユニバース102億円(0.50倍)、イズミヤ513億円(0.51倍)、マルミヤストア24億円(0.56倍)、ヤマザワ138億円(0.59倍)、ジョイス51億円(0.59倍)、天満屋ストア93億円(0.69倍)、MV東海243億円(0.69倍)、北雄ラッキー27億円(0.73倍)、アークランドサカモト218億円(0.74倍)、ベルク205億円(0.79倍)、オークワ593億円(0.79倍)であり、かなり厳しい状況といえよう。
   
   逆に、PBRが1.5倍以上の食品スーパーマーケットの時価総額とPBRを見てみると、丸久252億円(2.95倍)、MV東北74億円(2.93倍)、イオン北海116億円(2.53倍)、ライフコーポレーション945億円(2.37倍)、大黒天物産214億円(2.27倍)、イズミ1,599億円(2.01倍)、ドミー57億円(1.85倍)、MV北海道125億円(1.81倍)、MV中部232億円(1.79倍)、ヤオコー528億円(1.79倍)、マツヤ49億円(1.50倍)である。ただ、PBRは時価総額÷純資産であるので、借入等負債が多く、自己資本比率の低い企業は比較的PBRが高くなりがちであるので、自己資本比率も合わせてみる必要があるが、PBRが2.0倍以上の食品スーパーマーケットが現在6社という状況である。
   
   このようにアメリカの金融不安がまさに、実態経済に波及し、12/12、日本に直撃したといえるが、来週、以降、全く先が読めない展開となりつつあり、今後、食品スーパーマーケットはもちろん、日本の株式市場、そして、世界の株式市場のゆくえが注目される。ただ、どのような状況になろうとも、食品スーパーマーケットビジネスの基本は商品と顧客との関係を最良に保つことであり、目の前の顧客への満足度をいかに上げるかが基本である。その意味で、この基本に徹した食品スーパーマーケットが最後は生き残ってゆくといえ、株価の動向と同時に、食品スーパーマーケットのファンダメンタルズに注目したい。


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December 14, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 13, 2008

年末商戦真じか、昨年度の家計調査データを見る!

   いよいよ、年末商戦が2週間後となり、今年もあとわずかとなった。今年の年末は例年になく、アメリカ発の金融危機の影響がじわじわと日本の消費にも波及し始め、空前の節約志向の中での年末商戦を迎えることになりそうである。そこで、昨年の状況が参考になるかどうか、難しいところであるが、ここでは、2007年12月度の家計調査データの日別の消費額の状況をもとに、昨年はどのような項目が注目の商品であったのかを見てみたい。その際、年末特有の項目が浮かび上がるように、日別データの月間平均値と標準偏差を算出し、その乖離率の大きいものを中心に見てみたい。

   まず、昨年の日別の消費動向であるが、12月度31日間の単純平均の消費額は2,643.69円であり、標準偏差は936.37円であり、その乖離率は35.5%である。ここからイメージできることは、12月度の平均消費額は2,643.69円であり、その内、プラスマイナス標準偏差936.37円、すなわち1,707.32円から3,580.06円までの間に約70%、約20日間が含まれ、乖離率が35.5%であるので、比較的、集中度が高いという傾向があるということである。実際、日々の消費動向を見ると、消費額が極端に跳ね上がるのは、年末2日間、30日、31日であり、この2日間は5,453.63円、5,791.30円と標準偏差の範囲を大きく逸脱し、2倍以上の極値の数字となり、異常値となる。前回のブログで、マックスバリュ西日本が年末へ向けて、11,000円の商品券を10%引きの10,000円で販売する企画があったが、ちょうど、この30日、31日の消費額を足すと11,244.93円であり、まさに、年末商戦に照準を合わせた、どんぴしゃりの企画といえよう。

   では、年末特有の極端な乖離率を示す項目をいくつか見てみたい。12月平均とその標準偏差、そして、その乖離率で見た場合、最も極端な数字となるのはケーキである。ケーキは年間最高の消費額となるクリスマスがあるためであるが、186.3%という極端な数字となる。12月平均では47.52円であるが、標準偏差は88.52円となり、クリスマスイブは何と平均の10倍となる497.33円と極端に跳ね上がる。前日23日が163.69円、翌日の25日が95.68円であるので、24日が如何に異常値であるかがわかる。ちなみに、年末は、30日27.68円、31日36.10円であるので、平均を下回っており、さほど高い数字ではない。

   次に、年末本命の項目を見てみると、ベスト5は、さしみ盛合わせ、もち、かまぼこ、かに、たこである。この5つが日本の年末商戦の花形であるといえ、それぞれ、その乖離率、12月度の標準偏差、平均消費額を見ると、さしみ盛合わせ174.1%(40.53円、23.28円)、もち144.6%(56.72円、39.23円)、かまぼこ142.8%(40.08円、28.07円)、かに134.1%(43.64円、32.54円)、たこ134.0%(7.13円、5.32円)となる。たこを除いてはほぼ、平均が20円から30円の消費額であるが、乖離率が150%前後と極端に年末の数字が高いことがわかる。実際の年末30日、31日の数字をそれぞれ見てみると、さしみ盛合わせ48.41円、237.23円、もち258.70円、110.27円、かまぼこ169.51円、88.79円、かに158.04円、181.48円、たこ32.44円、29.28円という動きであり、30日にピークがくるものと31日にピークがくるものとがあり、それぞれ特徴が明確に出ているといえよう。特に、刺身の盛り合わせは極端であり、ケーキのクリスマスイブのような年末31日の動きといえよう。

   このベスト5以外で年末特有の項目を20品上げてみると以下のようになる。はじめの数字が乖離率、そして、標準偏差、平均値となる。ぶり126.9%(28.28円、22.29円)、たけのこ126.5%(4.74円、3.75円)、たい116.3%(5.52円、4.75円)、メロン108.5%(1.45円、1.34円)、魚肉練製品 103.5%(53.36円、51.55円)、干ししいたけ101.7%(4.86円、4.78円)、えび100.3%(19.03円、18.97円)、れんこん98.0%(5.43円、5.55円)、まぐろ97.2%(27.24円、28.01円)、牛肉93.2%(81.49円、87.46円)、ようかん82.7%(2.62円、3.17円)、すし(弁当)81.9%(34.44円、42.04円)、ごぼう80.8%(4.17円、5.16円)、さといも78.8%(4.27円、5.42円)、かぼちゃ78.2%(2.99円、3.82円)、生うどん・そば72.8%(11.82円、16.24円)、いちご72.4%(8.46円、11.69円)、こんぶつくだ煮71.8%(6.01円、8.36円)、なし70.9%(1.87円、2.64円)、ぶどう酒69.9%(8.68円、12.41円)となる。これらを見ているだけで、年末の売場が創造できて、楽しい。

   最後に、食品以外で、乖離率の高い項目をいくつか見てみたい。ステレオセット312.8%(8.32円、2.66円)、婦人用帯250.6%(4.10 円、1.64円)、応接セット250.3%(6.40円、2.56円)、書斎・学習用机・いす204.2%(9.84円、4.82円)、ビデオカメラ193.9%(10.88円、5.61円)、電子レンジ 189.0%(12.99円、6.87円)、葬儀関係費176.9%(110.15円、62.26円)、通学用かばん162.2%( 9.51円、5.86円)、電気洗濯機156.5%(13.00円、8.31円)、カメラ127.3%(12.16円、9.56円)、切り花118.5%(53.83円、45.44円)、和服112.0%(4.99円、4.46円)、ハンドバッグ 103.5%(17.65円、17.05円)、航空運賃99.9%(17.84円、17.85円)である。

   このように、昨年12月度の年末に跳ね上がる項目を家計調査データをもとに見てみた。ここで取り上げたものは、月間平均と標準偏差との乖離率が100%を優に超えるものであり、今年も同様に跳ね上がるかはどうかは保証されないが、十分に注意すべき項目といえよう。あとわずかで、今年も年末商戦をむかえることになるが、これらのデータを参考に、今期の年末商戦を何とか乗り切って欲しいと思う。

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December 13, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 12, 2008

食品スーパーマーケット、年末へ向けて、家計応援!

   年末商戦が迫ってきている。今年の年末は例年になく、アメリカ発のサブプライム問題の波及により、金融不安が実態経済へ波及しはじめ、消費が急激に冷え込みはじめた中での年末を迎えることになり、厳しい状況が予想される。大手は西友に見られるがごとく、徹底的な価格訴求に踏み出しており、それに呼応する形で、地元食品スーパーマーケットも様々な対応を迫られ、今年の年末は食品スーパーマーケットにとっても厳しい年末となりそうである。そこで、現在、食品スーパーマーケット各社がどのような年末に向けて、対策を打ち出しているかを代表的な食品スーパーマーケットをもとに見てみたい。
  
   まず、平和堂であるが、12/11(木)~12/15(月)の5日間、「年末家計応援」として平和堂HOPカードポイント5倍セールを実施するという。これは、お買い物100円(税抜き)でポイント1点進呈し、1,000点たまると現金1,000円と交換するという内容であるので、事実上、年末商戦での5%還元といえる販促である。一般的にポイントは、貯めるタイミングと使うタイミングがポイントであり、今回12/11から12/15はまさに、ポイントを貯める期間であり、この貯めたポイントを年末で一気に使ってもらい、家計を応援しつつ、自店での年末の買い物を促す政策であるといえよう。これは、年末価格が店頭価格に加え、さらに5%下がる効果が期待できるので、顧客の年末の来店頻度を上がるだけでなく、金額PI値も引きあがる一石二鳥の販促といえよう。

   次に、マックスバリュ西日本であるが、プリペイドカードタイプの商品券1 万1千円分を1 万円で販売する「がんばろう日本!お買物カード」の取り組みを実施するという。この企画について、マックスバリュ西日本は、「お客さまの年越し準備を応援、この度の取り組みは、世界的な金融不安に端を発する未曾有の景気後退局面を迎え、お客さまの不安が募る中、クリスマスの贈り物や年越し準備をされるお客さまの生活応援に向けて実施するものです。」とのことであり、実質、1,000円の年末給付金に近い企画といえよう。通常の金額PI値(客単価)は約2,000円であるが、年末2日間はこれが、倍以上に跳ね上がり、4,000円を優に超える。したがって、年末2日間では10,000円ぐらいとなるので、この11,000円は、年末2日間を10%引きで自店での購入を促す販促といえ、まさに年末商戦にピタリ照準があった企画といえよう。よく練られた企画である。

   今回の企画は、「がんばろう日本!お買物カード」と題し、12 /13(土)、12/21(日)の2 回、それぞれ24,600 枚を用意し、全店143 店舗にて1 万円にて販売するという。また、この企画はマックスバリュ西日本だけではなく、同様な企画をマックスバリュ東海、マックバリュ中部、マックスバリュ北海道、マックスバリュ東北でも実施するとのことで、イオングループの食品スーパーマーケットの共同年末キャンペーンでもある。さらに、イオングループ全体のキャンペーンでもあるといい、イオンがグループの総力をあげて取り組む年末企画であるという。

   もう、数社、この時点での年末対策を検討している食品スーパーマーケットを取り上げてみたい。ユニバースである。ユニバースは、すでに、昨年11月末より、「この価格のままでご奉仕いたします」という企画を打ってきたが、この年末に向けて、さらに一段と暮らしをめぐる環境が厳しくなってきたことを踏まえて、さらに来年、1/4まで引き続き継続実施致するとのことである。大黒天物産も物価高騰に「本気で」挑戦!と題し、ディオ、ラ・ムーでお客様の豊かな暮らしをサポートするため、月間奉仕品として100品目以上の商品を本気で更に値下げするとのことである。

   さらに、原信ナルスホールディングスでも、「家計応援・緊急値下げ」第2弾を実施するとのことで、原信およびナルスで、昨年10 月より、お客様のくらしを応援するため、商品の値上げを抑制し、一定期間、企画開始時の販売価格に凍結する「価格凍結宣言」企画を行ってきたが、12 月からも第7次として約300 品目を実施しているとのことである。そして、これに加え、今回第2弾のセールを実施し、対象商品 66 品目を追加するとのことである。

   最後にヤオコーであるが、ヤオコーはちょうど今回、新店が100店舗を達成したこともあり、12/1から来年1/13まで2回に分けて、「おかげさまで100店舗達成記念お年玉キャンペーン」を実施するとのことである。この期間のレシート3,000円で1口応募すると商品券他、各食品メーカーからの商品が当たるというキャンペーンである。

   このように、これらの動きを見てもわかるように、食品スーパーマーケットも大手の動きに呼応するかのように、年末に照準を絞った様々な販促企画をこのタイミングで打ちだしてきており、今年の年末商戦は空前の価格競争が繰り広げられ、激しい競争が予想される。その意味で、今年は、上記に見たように、早めに年末商戦への対応が各食品スーパーマーケットで進んでいるといえよう。この厳しい消費動向の中、家計の節約志向にいかに応えられるか、食品スーパーマーケットの本領が問われる年末となろう。

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December 12, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 11, 2008

食品スーパーマーケット、借入金比率、銀行比率は?

   12/10の日経に「資金繰り銀行シフト、社債やCP、市場調達困難に、東芝・第一三共・日通など」という記事が掲載された。内容は、大企業の資金調達が銀行借り入れにシフトしているという記事であり、東芝が5,000億円の借入枠を設けたほか、第一三共も2,100億円を銀行から調達するという。現在、金融市場の混乱が続いており、コマーシャルペーパーの発行難がしばらく続くとのことで、間接金融による資金確保に転換する動きが目立つという。したがって、この動きが強まると、結果として、中小企業へ資金が行き渡りにくくなる恐れもあり、年末に向け、資金繰り不安が広がる可能性があるという。

   そこで、食品スーパーマーケット業界はどのような資金調達を行っているのかを、この中間決算の数字で確認してみたい。代表的な食品スーパーマーケット10社、平和堂、オークワ、マックスバリュ東海、マルエツ、ライフコーポレーション、サンエー、イズミヤ、ベルク、ヤオコー、関西スーパーマーケットの状況を見てみたい。まず、総資産の平均であるが、1,256.26億円であり、この10社の中で最も総資産の大きい食品スーパーマーケットは2,618.84億円のイズミヤであり、ついで、2,507.42億円の平和堂である。逆に、総資産の少ない食品スーパーマーケットは、ベルクの510.47億円、関西スーパーマーケットの517.93億円である。

   この内、平均何%が長短借入金等で賄われているかを見ると、21.1%であり、金額では343.49億円である。最も借入依存度の高い食品スーパーマーケットは資産規模に比例するようにイズミヤ37.1%、平和堂36.6%であり、逆に低い食品スーパーマーケットは2.0%のマックスバリュ東海、4.0%のサンエーである。ここから見ると、食品スーパーマーケット業界はほぼ資産の20%を借入に依存した商売をしているといえ、その金額は約350億円ということになる。

   そこで、次に、この内、直接金融はどのくらいであるかを調べてみると、借入金合計の割合で見ると、何とわずか平均3.5%、32.63億円である。しかも、10社の内、わずか2社のみのであり、平和堂の17.4%、160億円、イズミヤの17.1%、166.34億円である。資産規模が大きく、借入依存度の高い2社が銀行借り入れではなく、独自の資金調達を行っており、残りの8社はすべて、銀行借り入れのみであることがわかる。ちなみに、短期と長期ではどちらが大きいかであるが、10社平均の短期は154.70億円、長期は156.15億円とほぼ半々であり、バランスが取れている状況である。

   したがって、食品スーパーマーケットのほとんどは直接金融ではなく、間接金融の銀行借り入れに依存した資金調達を行っており、今後、大企業の資金調達が雪崩をうって間接金融の銀行借り入れにシフトしてくると、食品スーパーマーケットの資金調達に支障をきたす恐れがあるといえ、借入依存度の高い食品スーパーマーケット、特に、短期借入金の大きな企業は資金繰りが苦しくなる可能性があり、今期は厳しい経営を余儀なくされる可能性が高まってきたといえよう。今回の10社の中で、短期借入金の高い食品スーパーマーケットを見てみると、平和堂441.54億円、イズミヤ380.90億円、ライフコーポレーション378.20億円、オークワ220.66億円などが短期依存型である。
  
   参考に、イオンとセブン&アイホールディングスの数字を見てみると、総資産はイオン、3兆7,081.02億円、セブン&アイホールディングス3兆9,858.12億円であり、借入依存度は27.8%、22.0%であり、イオンは1兆290.17億円、セブン&アイホールディングスは8,749.28億円である。この内、資金調達の状況を見てみると、イオンは22.0%、2,262.64億円、セブン&アイホールディングスは30.5%、2,670.67億円が直接金融であり、食品スーパーマーケットと比べると、直接金融の比率がやや大きいのが特徴といえよう。ただ、それでも22.0%と30.5%であるので、大部分は間接金融、銀行借り入れであり、直接金融の割合は低いといえよう。ちなみに、借り入れ金の中で短期と長期の状況であるが、イオンは長期の方が多く、短期2,570.97億円に対し、長期5,456.56億円であるのに対し、セブン&アイホールディンスは短期3,291.87億円であるのに対し、長期2,786.74億円と短期が多いのが特徴である。
  
   日経の記事の内容では、この11月度の社債発行額は前年同期比で45%減となり、機関投資家はかつてないほど信用リスクに敏感になっているという。したがって、この反動で企業の資金調達が思うようにできなくなり、銀行に駆け込む状況となっているという。食品スーパーマーケットについては、上記に見たように、その大半が銀行借入に依存している構図であるので、この状況をみる限り、今期の資金繰りはかなり厳しい状況が予想される。
   
   このように、代表的な食品スーパーマーケット10社、これに加え、イオンとセブン&アイホールディングスの借入金の状況を見てみたが、小売業界は大半が間接金融の銀行借り入れに依存している財務状況であるといえる。今後、この資金調達が大企業の銀行シフトに押されるようであると、最も資金需要が必要な年末年始、そして、決算時期である来年2月、3月はかなり厳しい資金繰り難が予想され、借入依存度の高い食品スーパーマーケットほど厳しい財務状況となろう。今期の年末年始は例年になく、食品スーパーマーケット業界にとっては、厳しさが予想される状況となろう。

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December 11, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 10, 2008

パート比率、食品スーパーマーケットの現状を見る!

   ここ最近、派遣労働者の解雇問題が深刻な状況となっている。現在は輸出産業を中心とした自動車、家電等の特に海外の大幅な売上不振に対応するため、経費削減が避けて通れない経営課題となり、その中でも最も大きい費用項目である人件費の削減に踏み込まざるをえなくなったためであるといえよう。つい最近までは、食品スーパーマーケットのパート従業員が集まらず、食品スーパーマーケットではパートの採用に苦労していた。その背景には、自動車、家電などの時給の高い工場へパート社員が流れていったことが大きな要因のひとつであったといえるが、今度は、一転、その工場から大量のパート社員、派遣労働者が解雇されるという事態となり、この数ケ月で全く逆の労働市場の流れとなった。

   一般に食品スーパーマーケットは大量のパート社員で事業が成り立つ産業であり、メーカーとは労働環境が正反対の構造である。たとえば、トヨタは非正規雇用比率が17.7%であり、その内分けは全従業員86,881人に対し、非正規雇用者15,378人、正規雇用者71,503人である。これに対し、典型的な食品スーパーマーケットであるマックスバリュ東海はパート比率が80.9%であり、全従業員5,226に対し、パート社員4,226人、従業員1,000人という状況である。雇用に関する事業構造は全く逆である。

   したがって、現在、食品スーパーマーケットは比較的業績が好調であり、成長性の高い企業はパート社員が確保しやすい環境となり、これまでの採用難が一気に解消されつつある状況にはなった。ただ、今後、急激な消費の落ち込みが起こり、成長が難しくなった場合は、食品スーパーマーケットとしても、パート社員から解雇せざるを得ない経営状況にいつなってもおかしくないといえ、よく経営環境を見渡し、慎重に行動することが必要といえよう。

   ここで、現状の食品スーパーマーケットのパート比率をもう数社、代表的な企業でみてみたい。なお、参考に、労働分配率(人件費÷総経費)も合わせてみてみる。パート比率の高い順に見てみると、カスミ78.2%(労働分配率46.5%)、ヤオコー76.7%(46.9%)、ヤマザワ74.1%(46.1%)、原信ナルスホールディングス72.0%(54.9%)、いなげや71.3%(49.0%)、平和堂69.0%(44.8%)、ベルク 68.7%(38.5%)、関西スーパー66.7%(48.1%)という状況である。パート比率は約80%から60%強という数字であり、平均では70%前後といえよう。食品スーパーマーケットはその意味で、日本の産業の中でも最もパート比率、すなわち、非正規雇用が高いといえ、現在、起こっている労働問題を解決する上においても、今後、食品スーパーマーケットは少なからぬ貢献ができるのではないかと思う。

   ただ、見方を変えれば、それだけ生産性が低いともいえ、これはこれで今後、食品スーパーマーケットにとっては構造改革を行わなければならない産業でもあるといえる。上記データの労働分配率をみても、パート比率が70%前後でも労働分配率が50%近い数字、あるいは、50%を超える食品スーパーマーケットもあり、これはこれで、いますぐに、経営構造の転換が必要な状況といえよう。また、ベルクのように38.5%という理想的な数字の食品スーパーマーケットもあり、まさに、高いパート比率が労働分配率を引き下げ、安定した経営を確保しているともいえよう。

   もう1社、例外的な食品スーパーマーケットを見てみたい。オオゼキである。残念ながら、直近のデータ、2009年中間決算では確認できなかったので、2008年2月期の本決算で見てみると、オオゼキのパート比率はメーカー並みの33.2%であり、労働分配率は58.4%と極めて高い数字である。それにも関わらず、経費比率は18.2%であり、これは驚異的な数字である。ちなみに、営業利益率は7.7%と食品スーパーマーケットではトップクラスの高収益企業である。一般にはオオゼキは正社員比率が異常に高いので、人件費を極めて低く抑えているのではと思われているが、上記に見るように、労働分配率は58.4%と食品スーパーマーケットの中でもトップクラスであり、人件費を抑えているわけではない。日本の上場食品スーパーマーケットの中でも、これだけ高い、メーカー並みの正社員比率を出せる企業はオオゼキぐらいであり、食品スーパーマーケット業界の中では独特な経営手法といえよう。

   オオゼキがここまで、正社員比率を高め、同時に労働分配率を高めているにもかかわらず、高収益となる理由は、それ以外の経費を相対的に激減させるだけの、営業効率、すなわち、坪効率を達成しているためであり、年間1,300万円/坪と通常の食品スーパーマーケットの約3倍の数字を達成しているためである。

   このように、オオゼキのように例外的な食品スーパーマーケットもあるが、ほとんどの食品スーパーマーケットのパート比率は約70%前後といえ、食品スーパーマーケットが成長をしてゆくためには大量のパート社員、非正規雇用が必要といえ、今回、輸出産業を中心に大量の非正規雇用の解雇が発生しているが、食品スーパーマーケットがこの雇用吸収に貢献できるとすると、それは成長により、パート社員を増やすことであるといえよう。ただし、トヨタの社員は通常の食品スーパーマーケットの10社分に当たるので、大メーカーが大量解雇となった場合は難しいが、ゆるやかな解雇であれば、内需拡大により、かなり雇用が吸収できるといえ、今後、ますます食品スーパーマーケットの社会的な役割は重みが増すといえよう。

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December 10, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 09, 2008

ID-POS時代のマーチャンダイジングとは?

   いま、POSからID-POSへと急激に変化が生じている。それにともない、マーチャンダイジング手法にも変化が生じ、これまでの手法に新たな手法が開発されつつあり、数年後には、ID-POSのマーチャンダイジングがこれまでのマーチャンダイジングを凌駕し、新時代を築くのではないかと予想される。そこで、今回は現時点で、ID-POSにおける将来の新たなマーチャンダイジング手法を予想し、今後の動向をうらなってみたい。

   まず、最も変化するのはマーチャンダイジングの目的であろう。通常のPOS分析はレシート分析までが限界であり、レシート1枚当たりの売上をいかにあげるかがマーチャンダイジングの目的であった。いわば、微分の世界であり、レシート1枚当たりの瞬間的な数字を引き上げ、将来の数字を変化させることに主眼があったといえる。レシート1枚当りはわずかな変化であるが、そのわずかな変化でも、レシートが1億枚になれば、大きなボリュームとなり、莫大な利益をもたらすことになる。そのため、1円にこだわるマーチャンダイジングが基本となり、レシート1枚当たり1円をいかに上げるかが重要なマーチャンダイジングの目的であったといえる。

   これに対して、ID-POSの目的はレシートにもこだわるが、それ以上にIDにこだわるマーチャンダイジングであり、ID、すなわち、顧客一人当たりの売上をいかにあげるかが、その目的となる。微分に対して、積分の世界であるといえる。なぜなら、IDは時間とともに、レシート枚数が増加し、IDの売上をあげるとは、レシート当りの売上をあげつつ、それ以上にレシート枚数を増やすことにが目的となるからである。しかも、この時間がくせもので、1秒、1分、1時間、1日、1週間、1ケ月、1年、・・100年、・・と無限に続く時間があり、最終目的は、ID、すなわち、その顧客の一生涯となるからである。ID-POSの目的はその意味で、瞬間的なマーチャンダイジングを考えるのではなく、顧客の一生涯のマーチャンダイジングを考え、いかに顧客当りのレシート枚数を増やすかが、その目的であるといえる。これは、逆転の発想でもあり、仮に、レシート当りの売上が落ちたとしても、レシート枚数を増やせばいいではないかという発想も成り立ち、POSの世界の最重要目的であったレシート当りの売上をあげることは主目的ではなくなり、むしろ、レシート枚数を増やすことが重要な目的となる。  

   ここから、小売業の常々提唱してきた顧客志向の理念がマーチャンダイジングの目的と一致することになる。よくいう、FSPではなく、CRMという言葉の方がぴったりくることもわかる。FSPは政策的な要素が強いが、CRMは理念を示しており、いかに顧客との関係を良好に保つかがポイントであり、まさに、ID-POSの一生涯の顧客との関係を考えたマーチャンダイジングを実践するという手法と合致し、CRMの方が、ID-POSのマーチャンダイジングに近い言葉といえよう。

   では、POSとID-POSではその目的の違いが、これまでのマーチャンダイジング政策をどのように変えるかを考えてみたい。最も大きく変化するのが、価格政策であろう。これまでの価格政策はレシートに記載された商品に対する値引きしかできなかったが、ID-POSではIDへの値引き(還元)が可能となり、理論的にはIDごとの値引き(還元)が可能となる。いわゆる、PLU(プライスルックアップ)というPOSレジの基本技術である商品1品ごとの価格設定により、商品のバーコードをスキャンした瞬間に価格がルックアップする仕組みが、ID-POSではIPLU(IDプライスルックアップ)という仕組みが基本となり、IDコードをスキャンした瞬間にその顧客への特別還元の価格がルックアップする仕組みになることである。当然、粗利管理も商品ごとの粗利管理ではなく、顧客ごとの粗利管理となり、しかも、瞬間的な粗利管理ではなく、IDごとの一生涯を想定した粗利管理となり、顧客と商品との関係が深まれば深まるほど(レシートの枚数が増える)その商品の価格はその顧客特有のお得な価格となり、しかも、全体の粗利率は落ちないという結果になる仕組みといえよう。

   これ以外にも通常のマーチャンダイジング政策もこれまではレシート1枚当たりの売上をあげることにが目的であったが、今後はむしろレシートの枚数を増やすことが目的となるため、顧客が再度その商品を購入していただくにはどのようなマーチャンダイジング政策を考案すれば良いかを考えるようになり、プライスライン、品揃え、棚割、レイアウト、商品プレゼンゼンテーション、そして、POP、ちらし等の販促、すべてID-POS分析指標で再検証されることになり、何が最もレシートの枚数を増やすことに効果があったのかを競いあい、顧客との良好な関係を現場がID-POSデータを見ながら取り組んでゆくことになろう。

   このように、ID-POSの時代はまず、マーチャンダイジングの目的が根本的にかわり、レシート管理からID管理へと転換し、価格政策、粗利管理も180度変化し、さらには、これまでのマーチャンダイジング政策が全面的に再検証されることになるといえよう。数年後にはおそらく、現在の情勢を見るとID-POSの時代になると思われ、ID-POSが普及することにより、真の顧客指向を小売業が追い求める時代になるのではないかと思う。

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December 9, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 08, 2008

三越伊勢丹ホールディングス、統合後初の中間決算!

    この4/1、三越と伊勢丹が経営統合し、株式移転により共同持株会社を設立し、はじめての中間決算(2009年3月期)が11/13公表された。第1期であるため昨年対比はないが、結果は売上高7,054.36億円、営業利益112.21億円(売上対比1.59%)、経常利益192.36億円(売上対比2.72%)、当期純利益121.98億円(売上対比1.72%)であった。また、通期予想は売上高1兆4,800.00億円、営業利益250.00億円(売上対比1.68%)、経常利益400.00億円(売上対比2.70%)、当期純利益270.00億円(売上対比1.82%)である。

   この数字をどう評価するかであるが、単純に昨年度本決算時の三越と伊勢丹の結果を見てみると、三越の2008年2月期の決算数字は、売上高7,739.64億円(96.2%)、営業利益84.55億円(67.0%:売上対比1.09%)、経常利益122.58億円(72.0%:売上対比1.58%)、当期純利益44.27億円(34.2%:売上対比0.57%)と、減収減益の厳しい決算であった。一方、伊勢丹は2008年3月期決算となるが、売上高7,858.39億円(100.5%)、営業利益334.17億円(103.6%:売上対比4.25%)、経常利益336.85億円(100.8%:売上対比4.28%)、当期純利益137.60億円(75.2%:売上対比1.75%)と、当期純利益は減益となったが、営業、経常段階では増収増益の堅調な決算となった。

   したがって、この決算結果を単純に合計してみると、売上高1兆5,598.03億円、営業利益418.72億円(売上対比2.68%)、経常利益459.43億円(売上対比2.94%)、当期純利益181.87億円(売上対比1.16%)となり、これを、中間段階での通期予想と比較すると、売上高94.88%、営業利益59.7%、経常利益87.0%、当期純利益148.4%となり、当期純利益はプラスに転じるが、営業、経常段階では減収減益となる厳しい決算となる予想である。経営統合の相乗効果が表れるまでには、相当の時間がかかりそうである。これに加え、アメリカの金融不安が実態経済に影響を与えはじめ、じわじわと日本にも広がり始めており、消費環境は悪化が予想され、百貨店業界は一層、経営環境が厳しいものとなろう。

   このような厳しい消費環境を反映してか、この12/1に公表された三越伊勢丹ホールディングスの2008年11月度の売上速報を見ると、三越は全体が92.2%、日本橋店91.9%、新宿店94.4%、銀座店92.0%、池袋店90.6%、千葉店92.6%という状況である。一方、伊勢丹は全体が93.8%、本店(新宿)93.2%、立川店94.2%、吉祥寺店92.5%、松戸店92.9%、浦和店94.9%、相模原店95.7%、府中店96.1%であり、厳しい状況である。三越、伊勢丹ともに、この11月度は厳しい売上であり、今後、経営統合をどう業績に反映させられるかが、当面の課題であるといえよう。

   このように、経営統合後の三越伊勢丹ホールディングスのこの中間決算の結果を踏まえての通期決算予想は厳しい結果が予想されるが、この中間決算段階での財務状況についても見てみたい。まず、自己資本比率であるが、35.8%であり、資産の大半を自己資本ではなく、負債に依存している構造となっている。ちなみに、総資産は1兆3,927.04億円である。その負債の中で、長短借入金等の状況を見てみると、合計2,078.66億円であり、これは、総資産の14.9%であり、財務を圧迫するほどの金額ではなく、借入に大きくは依存しない財務構造であるといえよう。負債の中で最も大きな項目は、流動負債その他の2,153.27億円、固定負債の繰延税金負債の1,948.98億円であり、合計4,102.25億円となり、総資産の29.4%である。一方、資産の方であるが、土地、建物が大半を占めており、合計7,692.02億円であり、これは総資産の55.23%である。ちょうど、自己資本と長短借入金等の合計でほぼバランスがとれている構図である。

   このような財務状況の中で、この中間期のキャッシュフローであるが、営業キャッシュフローは合併にともなうのれん代等がかさみ、48.29億円にとどまったのに対し、投資キャッシュフローは、固定資産の取得等への投資がかさみ、-151.32億円となり、フリーキャッシュフローは-103.03億円となり、逆流のキャッシュフローとなった。したがって、財務キャッシュフローを、特にコマーシャルぺーパー、短期借入金等で補い、120.88億円のプラスとし、結果、14.92億円のプラスとはなったが、今後、営業キャッシュフローの一層の増加策が課題となろう。

   このように、経営統合後の三越伊勢丹ホールディングスの初の中間決算の結果を見てみたが、売上の伸び悩みが、財務を圧迫する状況となっており、財務が安定するまでに時間がかかりそうである。消費環境はより厳しさを増しており、売上のアップで営業キャッシュフローを増加させるのは難しい状況といえ、より、原価改善、経費の削減が重要な経営課題となろう。

   最後に、伊勢丹の子会社である食品スーパーマーケット、クイーンズ伊勢丹の決算状況を見てみたい。この中間期の決算数値は、売上高270.60億円、営業利益-2.53億円、経常利益-3.15億円、当期純利益-2.03億円という厳しい状況であり、通期予想も553.03億円、営業利益-3.92億円、経常利益-4.89億円、当期純利益-3.94と同様に厳しい予想である。百貨店全体も厳しい状況であるが、子会社の食品スーパーマーケットはさらに厳しい状況といえ、都市部の消費構造が急激な構造変化をとげている結果であろう。今期は、百貨店はもちろん、このクイーンズ伊勢丹に見るように、アップグレード商品主体の小売業は、すでにアメリカでも見られるように、厳しい経営環境となるといえよう。

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December 8, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

December 07, 2008

食品スーパーマーケット、株価速報、12/5時点の株価!

  リーマンブラザーズ破綻以降、依然として、世界中の株価は低迷しており、日経平均も、それでまでは13,000円前後であったが、現在、8,000円前後で推移しており、約40%の下落という状況である。日経平均が10,000円の大台を切ったのは10月に入ってからであるが、その後、株価は回復することなく、下がり続けており、世界の金融不安は解決の糸口がまだ見えない状況にあり、日本の政治も混迷の度合いを日々深め、株価の回復は当面、厳しい状況であるといえよう。

  このような中、12/5現在、食品スーパーマーケット業界の株価はどのような状況であるかを、約50社の上場企業をもとに見てみたい。まず、この1週間、5日移動平均乖離率で1.0%以上上昇した企業を見てみると以下の15社である。大黒天物産1,428円、10.52%(5日移動平均乖離率9.00%)、アークス1,420円、2.52%(4.64%)、イズミヤ557円、1.82%(3.72%)、ダイイチ560円、3.70%(3.70%)、Olympic615円、-1.60%(2.84%)、エコス591円、2.42%(2.42%)、オークワ1,374円、0.00%(2.30%)、サンエー3,130円0.64%(2.15%)、CFS625円、-0.31%(1.95%)、イオン北海道307円、0.65%(1.65%)、PLANT200円、3.62%(1.52%)、フジ1,621円、2.07%(1.50%)、イズミ1,315円、-0.45%(1.30%)、相鉄ローゼン468円、0.64%(1.29%)、ライフコーポレーション1,782円、-0.33%(1.13%)である。

   また、5日移動平均乖離率がプラスになった食品スーパーマーケットは26社であるので、約半分の食品スーパーマーケットがプラス、半分の食品スーパーマーケットがマイナスとなる状況であるので、この15社は食品スーパーマーケット50社の中では投資家から、今週、注目された食品スーパーマーケットといえよう。特に、No.1の大黒天物産はNo.2のアークスと比べても、9.00%と4.64%であり、断トツの伸び率であり、小売業約400社の中でもベスト3に入り、ずば抜けた株価上昇率である。ちなみに、小売業No.1はイチヤ3円、0.00%(50.00%)であるので、これは、例外として、No.2のヤマダ電器5,630円、6.83%(10.13%)につぐ、事実上No.2といえる株価上昇率である。

   大黒天物産はちょうど、11月度の数字が12/5に公表されたが、それを見ると、全体の売上が110.2%と2桁の伸びであり、既存店は107.5%と絶好調である。食品スーパーマーケットの既存店が105%以上伸びることは稀なことであり、それだけ、大黒天物産への顧客の強い支持が広がっているのではないかと推測される。しかも、既存店は客数が106.1%、客単価が100.8%という数字であるので、客数が伸びての売上上昇であり、既存顧客の来店頻度はもちろん、新規顧客の増加も大きいといえよう。ちょうど、アメリカではウォルマートが独り勝ちという状況であるが、日本でも、ディスカウントストア、大黒天物産が絶好調であり、この金融不安から景気後退、不景気へと大きく経済情勢が変化する中、ディスカウント戦略が顧客からの支持を受け始めた兆候が表れたといえよう。

   実際、大黒天物産の25日、13週、26週の移動平均乖離率を見てみると、14.60%、17.62%、34.08%とすべてプラス、しかも、徐々に上昇しているのがわかる。チャートを見ると、リーマンブラザーズ破綻直後の10月上旬には一時900円を下回る株価となったが、その後、株価は回復し、上げ下げはあったが、ほぼ右上がりで推移しており、12/5現在、1,428円(+136、+10.52%)と年初来最高値をつけた。今後、12/9にはラ・ムー赤穂店の新規出店も決まっており、さらに、成長が期待でき、現在、最も注目の食品スーパーマーケットの株価であるといえよう。

   逆に、12/5、5日移動平均乖離率が厳しかった食品スーパーマーケットの株価を見てみると、マルヨシセンター294円、0.0%(5日移動平均乖離率-4.76%)、マルキョウ360円、-2.96%(-2.70%)、マミーマート1,150円、0.0%(-2.70%)、カスミ513円、-1.91%(-2.28%)、オオゼキ2,585円、-1.52%(-2.19%)、ハローズ606円、0.00%(-1.78%)、北雄ラッキー410円、0.0%(-1.67%)、原信ナルスホールディングス1,012円、-1.65%(-1.65%)、スーパーバリュー960円、0.00%(-1.63%)、マルヤ117円、0.00%(-0.85%)、MV東海1,401円、0.00%(-0.84%)、九九プラス59,900円、3.27%(-0.69%)、MV中部885円、-0.44%(-0.67%)、平和堂1,375円、-2.20%(-0.65%)、ユニバース990円、0.00%(-0.60%)、東武ストア340円、-1.44%(-0.58%)、丸久963円、-1.23%(-0.51%)、ヤマザワ1,250円、-1.26%(-0.47%)、ココス1,885円、-0.31%(-0.42%)、天満屋ストア785円、-0.63%(-0.38%)、関西スーパー790円、-1.12%(-0.37%)、MV西日本1,350円、-0.66%(-0.14%)、アークランドサカモト1,020円、-8.10%(-0.09%)、ヤオコー2,675円、0.75%(-0.07%)である。

   今年は食品スーパーマーケット業界は厳しい年末商戦が予想される。大手GMSが前倒しで空前の価格訴求をかけることが、ほぼ確実となった。西友のちらし持参による地域最低価格保証政策の発動、イオン、セブン&アイホールディングスの家計応援セール、円高還元セール、PB強化など目白押しでの年末商戦へ向けて価格訴求が強く打ち出されることとなる。したがって、食品スーパーマーケット業界もいかに重点商品の価格については、慎重に対応することが課題となり、価格設定を間違えると、顧客からの支持を失いかねず、厳しい年末商戦となろう。その意味で今年の年末は価格がキーワードといえ、各社どのような価格政策を打ち出すか、それにより、業績も大きくかわり、株価へも影響がでるものといえよう。来週以降の食品スーパーマーケット業界の株価、そして、すでにはじまりつつある年末商戦の動向に注目といえよう。

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December 7, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 06, 2008

日経MJ新製品ランキング、12/5、Aランク0、低迷!

   久しぶりに日経MJ新製品週間ランキングを取り上げてみる。ここ最近、消費環境の厳しさが増しており、新製品の動向もこれに連動する形で低迷気味である。日経MJの新製品ランキングは金額PI値にもとづくランキングであり、全店ではなく、導入店のみの金額PI値である。このランキングの数値が高いか低いかであるが、本ブログでは、食品スーパーマーケットの通常の金額PI値を参考に、Aランクは500円(1人当り0.5円)以上、Bランクは300円以上、Cランクは200円以上としているが、今週、12/5の数字を見ると、Aランクが0となり、Bランク7品、Cランク14品という状況であり、Aランクが0となった。通常はAランクが数品は毎週登場しているのが実情であるが、0というのは、それだけ、この時期の消費環境の厳しさを反映しているといえよう。

   ただ、部門別で見てみると、Aランクの500円に近い、400円台を続出している部門、その他食品部門があり、この部門は、今週、Aランクは1品もなかったが、最も健闘している部門といえよう。特に、いま、ヨーグルトで絶好調のダノンジャパンの新製品、ダノンビオヨーグルトプレーン・加糖80g×4がNo.1の491円となり、もう少しでAランクの500円に手が届くところまできている。この商品はシリーズで数多く商品化され、現在、食品スーパーマーケットのヨーグルト売場を席巻しており、消費者の節約志向でデザート関連が厳しい中、数字を伸ばしている商品のひとつである注目の新製品といえよう。これ以外にも、No.5にダノンビオヨーグルトプレーン・砂糖不使用80g×4、金額PI値254円、No.17にダノンビオヨーグルト脂肪0%プレーン・加糖80g×4も入っており、ダノンシリーズは好調である。

   また、その他食品では、この時期特有の商品、肉まん、あんまんが登場しており、No.10に中村屋、(特)肉まんあんまん6個入、金額PI値193円、No.18にも中村屋、(特)肉まん6個入、金額PI値168円入り、今後、どこまで数字を伸ばすか注目といえよう。これ以外では、No.2にミツカン、金のつぶあらっ便利!超やわらか納豆とろっ豆45g×3個、金額PI値456円、さらに、No.4にもミツカン、金のつぶあらっ便利!におわなっとう45g×3個、金額PI値420円と入り、いずれも、400円強の高い支持である。No.3には、敷島製パン、超熟イングリッシュマフィン4個入、金額PI値448円が入った。いずれも、400円を超え、Aランクの500円に迫る勢いであり、全体的には低迷ぎみの新製品ランキングの中では、健闘している新製品群といえよう。

   その他食品以外で注目は、冷凍食品部門であり、味の素が上位を独占しているのが特徴である。No.1は味の素、やわらか若鶏から揚げ(ボリュームパック)300g、金額PI値352円、No.2に味の素、お弁当にエビ寄せフライ6個、金額PI値244円、No.3はアイスクリームであるが、No.4に味の素、お弁当あらびきジューシーハンバーグ6個、金額PI値122円、そして、No.5のアイスクリームの次、No.6に味の素、お弁当にジューシーメンチ6個、金額PI値101円と味の素が、アイスクリームを除くと、冷凍食品ではベスト4を独占という状況であり、好調である。ちなみに、No.3、No.5のアイスクリームは、No.3がハーゲンダッツジャパン、ミニカップ・マルチパック6個入り(リッチミルク・ショコラ、クラシック・カスタードプディング)、金額PI値148円、No.4がロッテアイス、雪見だいふく<きな粉黒みつ>50ml×2、金額PI値113円である。

   また、家庭用品部門も比較的好調であり、No.1に資生堂、リバイタルグラナスセラム30g、金額PI値327円、No.2、No.3にマックスファクター、イリューム冬の集中保湿セット化粧水150ml・美容液30g、金額PI値286円、SK-Ⅱサインズデュアルトリートメントマスク14枚、金額PI値269円が入った。ただ、いずれも、平均単価が14,759円、4,463円、16,708円と高額であり、通常の食品スーパーマーケットでは取扱いが難しいといえよう。

   今週、これ以外の、飲料、菓子は低迷気味で推移しており、特に、飲料は季節がら、厳しい数字となっている。No.1には、金額PI値300円の明治乳業、おいしい低脂肪乳1000mlが入ったが、No.2以下は金額PI値が100円台になるなど、厳しい状況である。菓子についても、No.1が金額PI値215円の明治製菓、北海道チョコポテト48gであり、新製品のトップランキングの数字としては厳しいといえよう。ただ、このような中でも、数字は低いが、飲料のNo.3に伊藤園、おーいお茶熟成あま味500mlペットボトル、金額PI値107円他2品の今週初登場の新製品がある。菓子部門もNo.2にロッテ商事、ガーナdeトッポ2袋、金額PI値203円他4品の新製品が登場するなど、この2部門は今週初登場の新製品の数では多い部門となった。

   このように、今週、12/5の日経MJ新製品ランキングは金額PI値Aランクの500円を超える新製品が1品もないという厳しい状況となり、改めて、消費環境の厳しさを感じる結果となった。今後、年末にかけて、さらに、消費環境は厳しさが増すことが予想され、新製品よりも、お金をすぐに稼ぐ、既存商品の活性化にメーカーも販促をシフトすることが予想され、新製品への投資が削減されるのではと懸念される。来週以降はいよいよ、クリスマス商戦、年末商戦に入りはじめるが、新製品がどのような状況となるか、やや心配な状況といえよう。

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December 6, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 05, 2008

西友、他店ちらし持参値引き政策をスタート!

   12/4、突然、以下のちらしが、自宅に舞い込んだ。「地域で一番安いお店をめざします、当店表示価格より安い価格の他店のチラシ広告がございましたらお持ちください。その広告価格でご提供させていただきます。」、「西友のKY(カカクヤスク)で行こう!」キャンペーンの本命、第2弾が本格稼働しはじめたことを知らせるちらしである。1面トップに真っ赤な囲みに白字で、大きく上記の文字が浮き立っており、その下には、内容として、小さく、対象商品、方法、除外品、その他の詳細な説明がある。

   その説明を見てみると、内容については、同一都道府県内の多店舗のものに限ること。対象期間は西友のちらし期間と同じこと。商品が特定できるものであること。生鮮食品は同一産地、同一規格のものであること。販売点数制限は他店のちらしと同じことであることとなっている。方法については、ちらしを切り取らず、そのまま持ってくること。会計前にレジで確認するとのことである。除外品については、インストアベイカリー、酒、惣菜、専門店、銘店、予約、ギフトなどのカタログ掲載商品、これに加え、対象商品が特定できない、全品割引き、条件付販売、クーポン連動商品、ポイント還元後の価格、送料、予約商品、インターネット掲載ちらしである。そして、その他であるが、同業者の購入のお断り、西友ネットスーパーは対象外、事前予告なしの終了、上記以外にも状況に応じて、お断りの場合もあるとのことである。
 
   このような条件のもとに、今日から、西友の新たな価格政策が始まった。この手法は家電、地域密着の食品スーパーマーケット等では日本でも事例があるが、西友のようなナショナルチェーンで全店、しかも、GMSでははじめての試みであるといえ、年末にかけて、このタイミングで、このキャンペーンを打つとは、びっくりである。前回、西友のブログでも取り上げたが、KY(カカクヤスク)でも十分インパクトがある内容ではあると思うが、それに加え、だめ押しの、クリスマス、年末商戦への、西友の並々ならぬ決意であり、ウォルマートの強い意思であろう。ウォルマートは現在、価格に徹底的にこだわり、アメリカで独り勝ちという状況であるが、その日本版ともいえる対策が、今回の西友の「他店ちらし持参値引き政策」であるといえよう。

   この12/4のちらしであるが、Everyday Low Price商品が約40品裏面で訴求されていることに加え、表面では、12/4バナメイえび(インドネシア、タイ産など)1尾9円、国産豚肉もも切落し100g117円、ふじ・王林りんご(青森、長野など)1コ77円、S&Bとろけるカレー200g、とろけるシチュー・クリーム・ビーフ160g128円、焼きサバ押寿司1パック2割引など、日替わりが、12/4(木)から12/10(水)まで1週間入っており、さらに、冷食価格4割以上値下げ(チラシや日替わりセールをお待ちいただく必要はありません。西友・リヴィンの冷凍食品は、安さがづづく、毎日つづく、ぜひご来店の上、安さを実感してください。)との訴求もあり、とにかく、表面は徹底的な価格政策のちらしとなっているのが特徴である。

   さらに、12/4のちらしは、これとは別に、新聞紙大の大きさで冬の大総力祭のちらしが同時に入り、こちらでは、食品ではなく、衣料、住関連の価格訴求の内容となっており、今回の、「地域でいちばん安いお店をめざします。」の「他店ちらし持参値引政策」キャンペーンをうたっており、食品だけでなく、衣料、住関連も同時にスタートしたことがわかる。

   ちなみに、一般的な食品スーパーマーケットのちらし構成比は売上の30%前後であるので、他店のちらしが数店持ち込まれて、自店と重なった商品がどのくい発生するかは、統計をとってみなければわからないが、50%まではいかないと思われる。その商品を平均10%前後引いた場合は店舗全体へのインパクトが相乗積から5%程度となる。この2つの数字でインパクトは決まるが、50%で20%であれば10%、50%で5%であれば2.5%、これが、他店のちらしが50%よりも下がり、30%となれば、30%×10%で3%、30%×20%で6%、30%×5%で1.5%であるので、全体へのインパクトは数%から最大10%ぐらいの間となるのではないかと予想される。そうすると、よく、食品スーパーマーケットが実施する全品5%、全品10%と同じ、インパクトの販促手法ともいいかえることができ、どちらが、お客さまにアピールできる方法かの選択肢であるとの見方もできるといえよう。
 
   このように、西友が、クリスマス商戦、年末商戦に対し、ウォルマートの世界戦略と軌を一にする価格訴求を全面に打ち出したキャンペーン第2弾がはじまったといえる。特に今回は、これまでのKY(カカクヤスク)キャンペーンに加え、さらに、インパクトの大きい競合店を強く意識しての「他店ちらし持参値引き政策」であり、これが、どのような結果となるか、興味深いところである。ウォルマートにとっては西友の経営はまさに正念場をむかえ、今期の12月決算が真近に迫っているだけに、最後の切り札をきったともいえよう。今年、2008年12月期の西友の決算がどのような数字となるか注目である。

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December 5, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 04, 2008

マウキョウ、2008年9月決算、増収増益、売上伸び悩む!

   マルキョウが2008年9月期の決算を公表した。売上高947.07億円(100.5%)、営業利益26.36億円(114.6%:売上対比2.78%)、経常利益27.61億円(114.0%:売上対比2.91%)、当期純利益13.56億円(155.5%:売上対比1.43%)と、売上はわずかな伸びであったが、増収増益の決算となった。今期は、南大利店の新規出店に加え、既存店の改装を17店舗(警弥郷店、川棚店、福重店、駛馬店、東油山店、高泉店、宝町店、穴生店、長与店、黒髪店、曽根店、田村店、三潴店、宗像店、大野店、川久保店、高田店)実施し、2店舗(名島店、ニュー諫早店)を閉店し、売上のアップを図ったが、残念ながら売上は、100.5%とわずかな伸びにとどまった。
 
   マルキョウは、年商1,000億円がもうわずかなところにあるが、あと、50億円の増収へ足踏みしており、厳しい売上の伸び悩みが続いている。来期、2009年9月期の決算予想も、売上高956.00億円(100.9%)、営業利益26.50億円(100.5%:売上対比2.77%)、経常利益27.85億円(100.9%:売上対比2.91%)、当期純利益13.60億円(100.3%:売上対比1.42%)とのことであり、依然として、売上が伸び悩む状況が続くという。
 
   今期のその要因は、マルキョウのキャッシュフローの流れが逆流となったことにあり、資金繰りが厳しい状況であったことにあるといえよう。その今期のキャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローが、当期純利益が13.56億円となったにも関わらず、-24.85億円となるマイナスとなった。これは、金融機関の定休日の関係で、1ケ月分仕入債務が増加したため、55.01億円のキャッシュフローの減少が起こり、今期の会計年度時点で、キャッシュフローが逼迫したためである。そのため、これに投資キャッシュフローが-12.13億円発生したため、フリーキャッシュフローが-36.98億円となる厳しい資金繰りとなった。投資キャッシュフローの主な内訳は、定期預金への預け入れが34.12億円、有形固定資産の取得が12.18億円の支出であり、収入は25.11億円の定期預金の払い戻しであるが、差し引き、-12.13億円となった。そして、財務キャッシュフローであるが、-22.86億円となり、これは主に長期借入金の返済への20.55億円が大きく、-2.86億円となった。結果、今期はトータル、-59.84億円となり、手持ち資金を大きく取り崩すこととなり、厳しい資金繰りであったといえよう。
 
   では、マルキョウの今期のマーチャンダイジング力と出店余力はどうかを見てみたい。まず、マーチャンダイジング力であるが、原価は79.4%(昨年79.8%)と0.4ポイント改善した。この厳しい値上げ環境の中で、原価を改善しており、結果、売上総利益は20.6%(昨年20.2%)と上昇した。また、販売費及び一般管理費も18.3%(18.4%)と0.1ポイント改善したために、結果、マーチャンダイジング力、売上総利益-販売費及び一般管理費は2.3%(昨年1.8%)と0.5ポイント改善し、マーチャンダイジング力は向上している。したがって、営業利益については、これに不動産収入等の営業収入が0.5%(昨年0.6%)のり、最終的には2.8%(昨年2.4%)と0.4ポイント上昇した。

   一方、マキョウの出店余力であるが、出店にかかわる資産である土地、建物、敷金等の合計は、418.97億円であり、これは総資産575.68億円の72.7%となる。したがって、マルキョウの自己資本比率は67.3%(昨年58.7%)であるので、差し引き、出店余力は-5.4%であり、若干ではあるが、マイナスとなった。ちなみに、マルキョウは現在93店舗であるので、1店舗当たりの出店にかかわる資産は4.5億円となる。そして、マルキョウの負債の主要項目である長短借入金等の合計であるが、91.35億円であり、これは総資産の15.8%である。したがって、新規出店に関しては、若干、負債に頼るところがあるが、自己資本の範囲内でほぼ賄える財務構造である。

   こう見ると、マルキョウの出店余力は-5.4%であり、財務的には出店可能な状況であり、しかも、マーチャンダイジング力も2.3%とプラスであり、本来であれば安定成長が可能な状況である。ところが、今期は、キャッシュフローが大きな持ち出しとなり、現預金を取り崩すこととなり、新規出店関連へのキャッシュを十分に回すことができない状況となり、結果、新店が1店舗にとどまったといえよう。今後、マルキョウが安定的に105%前後成長してゆくには、全体が93店舗であるので、毎年、4から5店舗は新規出店が必要となるが、現在の出店余力、マーチャンダイジング力を見る限り、けっして、無理な財務状況ではないといえよう。ただ、今期のキャッシュフローは、金融機関の営業日の問題もあり、完全に逆流となってしまったが、来期以降はキャッシュフローが順流になると予想され、安定成長をめざすことが可能となるのではと思われる。

   このように、マルキョウの2008年9月期の本決算は売上こそ伸び悩んだが、増収増益の堅調な決算となり、マーチャンダイジング力はプラス、出店余力もほぼトントンであり、借入依存度もそれほど大きな数字ではなく、今後、キャッシュフローが順流となれば、安定的な新規出店が可能となり、堅実な成長が可能な財務状況といえよう。その意味で、通期予想も売上は厳しい予想をしているが、状況によっては堅調な成長も可能ではないかと思われる。マルキョウの今後の成長戦略に期待したいところである。

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December 4, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 03, 2008

家計調査データ2008年10月、実質96.2%、名目98.2%!

   2008年10月度の家計調査データが11/28公表された。結果は実質、96.2%、名目でも98.2%となる消費の落ち込みとなる、厳しい数字といえよう。特に、実質96.2%となった要因は寄与度の高い順に主要部門を並べてみると、光熱・水道-0.54(実質91.8%、名目99.1%)、交通・通信-0.38(実質97.1%、)名目98.8%)、保険医療-0.34(実質92.4%、名目92.3%)、食料(外食を含む)-0.34(実質98.5%、名目101.7%)、被服及び履物-0.27(実質94.0%、名目94.6%)である。これを見ると、資源、エネルギー、原材料高の高い部門の消費が実質下がっており、ちょうど、消費者物価指数(CPI)と裏腹の関係になるといえよう。その中でも、食料品の名目はプラスとなっており、家計にじわじわと消費が圧迫している状況が伺える。

   そこで、食品スーパーマーケットと極めて関係の深い、食料について見てみたい。家計調査データでは食料の中に外食が入っているので、ここでは外食を抜いた純粋な食品スーパーマーケットの取扱部門、食品で見てみたい。家計調査データでは、細分化項目については、実質の数字が公表されていないので、名目で見ることにする。また、家計調査データは世帯当たりの月間の数字であるので、これを食品スーパーマーケットの金額PI値と比較するために、1日当たりの数字に直し、なおかつ、消費世帯全体とその項目の消費世帯のみの数字、および、その項目の消費世帯のみの割合も参考に見てみたい。

   まず、名目の全体数字であるが、1,982.81円(101.9%)と約2%、昨年10月度と比べて消費が上昇している。当然、本ブログで取り上げた消費者物価指数(CPI)の状況とも重なり、資源、エネルギー、原料高の影響を受けた部門の上昇が大きい。実際、これを部門別でみると、菓子類193.65円(108.9%)、肉類212.74円(104.8%)、酒類112.52円(104.0%)、油脂・調味料107.29円(103.5%)、果物107.65円(102.5%)、穀類252.52円(102.4%)、調理食品265.06円(102.1%)となり、これらが、この10月度、上昇率が大きい部門である。逆に、消費が下がった部門であるが、飲料115.97円(97.5%)、魚介類224.16円(98.3%)、野菜・海藻284.84円(98.8%)と、この3部門の落ち込みが大きかったといえる。

  では、消費が上昇した項目をさらに細目で見てみると、菓子部門では、カステラ2.55円(131.7%)、チョコレート菓子3.32円(124.1%)、キャンデー7.32円(123.4%)、ビスケット8.87円(121.7%)、チョコレート10.97円(114.1%)、スナック菓子10.39円(111.4%)と、のきなみ好調であり、絶好調といってよいであろう。この10月度の消費は、名目では菓子が大きくひっぱっているといえよう。ついで、肉類であるが、110%を超えたのは、鶏肉36.00円(114.7%)のみであるが、あいかわらず、鶏肉は好調である。酒類では、ウイスキー3.61円(140.0%)、発泡酒17.58円(111.0%)であり、特に、ウィスキーが絶好調である。ウィスキーについては、消費世帯のみの金額が110.49円(96.8%)、消費世帯の割合が3.3%(144.7%)であり、消費世帯の割合がグッと増えたのが全体の数字を大きく伸ばした要因であり、ここへきて、ウィスキーを愛飲する世帯が増えた結果であろう。

  油脂・調味料であるが、食用油8.84円(119.1%)、マーガリン2.42円(117.2%)、つゆ・たれ11.00円(111.1%)が110%以上伸びており、特に、つゆ・たれは、小麦粉関連、麺の伸びが大きいからといえよう。果物では、何といってもバナナが18.23円(170.7%)と異常値であり、ついで、キウイフルーツ2.13円(124.5%)、なし13.65円(118.2%)が大きかった。穀類では、小麦粉関連の伸びが大きく、特に、スパゲッティ3.87円(134.8%)、小麦粉1.84円(118.8%)、中華めん11.16円(115.0%)の伸びが顕著である。そして、調理食品であるが、全体の伸びは堅調ではあるが、110%以上のものはなく、弁当36.61円(109.1%)、そうざい材料セット11.32円(109.0%)が110%に近い伸び率であり、内食回帰が進んでいる状況がうかがえる。

  逆に、消費額が落ち込んだ部門であるが、飲料では、乳酸菌飲料8.45円(84.5%)が顕著であるが、これ以外は微妙な落ち込みであり、逆に、紅茶2.03円(137.0%)、乳飲料3.74円(116.0%)など、伸びた項目もある。魚介類では、かき2.65円(81.2%)、まぐろ14.10円(82.9%)、さば3.58円(86.7%)、さしみ盛合わせ12.81円(89.0%)などが80%台の項目である。そして、野菜・海藻であるが、80%台は、なす4.55円(86.0%)のみであるが、これ以外にねぎ8.61円(90.5%)、豆類 1.35円(91.3%)、レタス6.03円(91.7%)、だいこん漬3.32円(92.8%)、こんぶつくだ煮2.97円(92.0%)、はくさい漬1.97円(93.8%)などが、80%に近い落ち込みである。特に、漬物、佃煮関連の消費が下がっているのが特徴といえよう。

  このように、2008年10月度の家計調査データが明らかになったが、ちょうど、消費者物価指数(CPI)と裏腹の関係となり、資源、エネルギー、原料関連の項目の消費が名目で伸びている状況であり、これは、価格が上昇しても、消費者は生活必需品の量は大きく落とすことなく消費をしている結果といえよう。逆に、生活必需品に遠い消費、代替がきく消費に関しては、節約している様子をうかがうこともできる。今後、急激に消費が冷え込むことが予想される経済環境になりつつあるが、ますます、この節約志向は高まるといえ、来月以降の家計調査データの動向に注目といえよう。

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December 3, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 02, 2008

消費者物価指数(CPI)、2008年10月度102.6%!

   総務省統計局から、2008年10月度の消費者物価指数(CPI)が公表された。概要は以下の通りであるが、わかりにくい。(1) 総合指数は平成17 年を100 として102.6 となり、前月比は0.1%の下落。前年同月比は1.7%の上昇となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は102.4 となり、前月比は0.2%の下落。前年同月比は1.9%の上昇となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は99.7 となり、前月比は0.1%の上昇。前年同月比は0.2%の上昇となった。要は、全体は102.6%であるが、その要因は生鮮以外の食品とエネルギー関連にあるということであり、原料高、資源・エネルギー高にあるとのことである。ここ最近、金融不安により、石油をはじめ、資源高が一段落しているが、残念ながら、まだ、消費者物価指数(CPI)には反映されておらず、もう、しばらく、時間がかかりそうである。

   実際、この3つのグラフを見てみると、一目瞭然であり、(1)、(2)のグラフは昨年、一昨年と比べ、大きく上方に乖離しているが、(3)のグラフを見ると、昨年、一昨年とほぼ同じ推移を示しており、このグラフを見る限り、物価上昇が生鮮以外の食料品とエネルギー関連であることが鮮明である。

   そこで、生鮮を除く食品の中では何が物価を特に押し上げているかを大分類で見てみると、穀物(寄与度0.19)、菓子類(0.17)、調理食品(0.14)が0.10以上の寄与度の分類である。また、0.10以下の寄与度の分類を見ると、肉類(0.09)、乳卵類(0.08)、油脂・調味料(0.06)、酒類(0.04)、そして、飲料(0.00)である。穀物、菓子、調理食品が3大物価上昇率を高めている分類であるといえる。また、消費者物価指数には、購入頻度別の数字も集計されており、これを見ると、年間購入頻度が9回以上と9回未満で大きく数字が違うことがわかる。9回以上では107.0%であるのに対し、9回未満は101.6%であるので、購入頻度が高い家計ほど物価高の影響を受けていることがわかる。
  
  では、寄与度の高い3大分類、穀物(寄与度0.19)、菓子類(0.17)、調理食品(0.14)の中で、特にどの項目の消費者物価指数(CPI)が高いのかを見てみたい。まず、穀物であるが、穀類全体は106.4%である。その中で110%以上の項目を見てみると、小麦粉120.8%、 スパゲッティ127.7%、即席めん118.8%、食パン118.5%、カレーパン115.9%、あんパン114.4%、干しうどん110.2%となる。小麦粉関連の物価上昇が大きいといえよう。逆に、米類の状況をみると、もち米89.5%、国産米B94.9%、ブレンド米94.4%、うるち米95.0%、国産米A95.8%と下がっており、米はむしろ物価を引き下げる要因となっていることがわかる。ちなみに、もちも95.9%と下げており、今年の年末年始は米ともちが家計にとっては節約ということになろう。
  
  次に菓子類であるが、チョコレート125.2%、ビスケット118.1%、落花生115.9%が110%以上の項目であり、ついで、ようかん109.6%、ケーキ109.1%、キャンデー108.8%、せんべい(小麦粉)(13)107.9%、カステラ107.6%、ポテトチップス107.6%、シュークリーム106.2%、まんじゅう105.3%、せんべい(うるち米粉)105.0%が105%以上の項目である。ちなみに、菓子類で100%を割ったのはゼリーの98.7%のみである。
  
  そして、調理食品であるが、うなぎかば焼き131.9%、冷凍調理コロッケ122.9%、煮豆111.9%が110%以上の物価が上昇した項目であり、ついで、冷凍調理ハンバーグ109.5%、からあげ106.9%、調理パン106.8%、サラダ106.4%が105%以上の項目である。調理食品においても、100%を割った項目があり、混ぜごはんのもと92.1%、調理カレー97.4%、おにぎり99.0%である。
  
  さらに、この3大分類以外で、120%以上、消費者物価指数(CPI)が上昇した項目を見てみると、チーズ152.6%、マーガリン130.2%、ちくわ129.7%、揚げかまぼこ125.2%、ひじき124.7%、食用油123.2%である。ちなみに、生鮮品を見てみると、120%以上の項目は、ほうれんそう138.0%、レモン133.5%、レタス133.5%、バナナ135.0%、はくさい132.6%、さといも128.6%、トマト122.1%、きゅうり120.2%のみであり、すべて、青果である。
  
  一方、食品以外で消費者物価指数(CPI)を大きく押し下げている部門もあり、これが耐久消費財である。パソコン(ノート型) 30.7%、カメラ35.4%、テレビ(薄型) (LCD)43.6%、パソコン(デスクトップ型) (48)47.7%、パソコン用プリンタPC 49.6%、ビデオカメラ53.0%、DVDレコーダーDVD 54.2%、ステレオセット64.3%、携帯オーディオ機器69.4%であり、ほぼ、半値となっており、これはこれで、消費者にとってはありがたい数字ではあるが、メーカー、卸、小売業にてっては厳しい数字といえよう。
  
  このように、2008年10月度の消費者物価指数(CPI)が公表されたが、依然として、資源、エネルギー関連の高騰、原料高の影響による物価上昇が続いているが、すでに、ひところの資源、エネルギー関連、原料高は金融不安の影響により収まりつつあり、これが実物価格に反映されてくれば、物価は下がることが予想される。生鮮関連、耐久消費財はこれまでも物価の上昇は見られず、むしろ、下げ気味、一部は大きく下げており、賢く消費をすれば、家計は抑えることも可能といえ、今後は、消費者がより節約志向、賢い消費が一層進むのではないかと予想される。来月以降も、特に、資源、エネルギー、原料関連の項目の動向を注意深く見てゆく必要があろう。

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December 2, 2008 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 01, 2008

相鉄ローゼン相模鉄道の完全子会社へ、丸紅と提携!

   11/28の日経に、「相鉄ローゼン、丸紅、最大2割出資へ、傘下スーパーと連携も」という見出しの記事が掲載された。これによると、今後、丸紅が相鉄ローゼンと業務提携を行い、最大20%までの出資を検討するという。丸紅は経営幹部を派遣すると同時に、将来的にはすでに傘下の東武ストアなどとの連携も視野に入れるという。実際、相鉄ローゼンのホームページを見ると、11/27付けで、業務提携に関するお知らせが公表されており、その中で、丸紅との業務提携が11/27に締結されたとのことである。また、同時に、相模鉄道による相鉄ローゼン株式会社の株式交換による完全子会社化に関するお知らせも公表されており、その中で、来年4/8付けで相模鉄道が、相鉄ローゼンを株式交換により、完全子会社化するとの内容も公表されている。したがって、順番としては、まずは、丸紅と相鉄ローゼンとの業務提携がなされ、その後、相模鉄道が相鉄ローゼンを完全子会社化し、上場廃止後、丸紅が最大20%の資本提携をするという内容である。
 
   ここ最近、電鉄系食品スーパーマーケットは親会社への吸収合併が増えており、東急による東急ストア、近鉄による近商ストアなどがあり、電鉄系食品スーパーマーケットは苦戦を強いられているといえよう。それだけ、駅前周辺という好立地であるにもかかわらず、なかなか収益があがらず、逆に、食品スーパーマーケット専業の競合店にマーチャンダイジング面から苦戦するのが現状であるといえよう。

   そこで、10/10に公表された相鉄ローゼンの2009年2月期の中間決算の状況を見てみると、売上高463.65億円(100.9%)、営業利益3.07億円(69.9%:売上対比0.66%)、経常利益2.40億円(66.1%:売上対比0.51%)、当期純利益1.03億円(昨年は赤字:売上対比0.22%)と増収ではあるが、大きく減益となる厳しい決算であった。その要因をマーチャンダイジング面から見てみると、原価は72.0%(昨年71.5%)と0.5ポイント上昇しており、原材料価格高騰の折、原価がやや上昇した。結果、売上総利益は28.0%(28.5%)となり、0.5ポイント下がっており、厳しい数字である。一方、販売費及び一般管理費は31.6%(昨年31.6%)と昨年と同様な数字に抑えたが、31.6%はかなり大きな金額であり、結果、マーチャンダイジング力、売上総利益-販売費及び一般管理費は-3.6%(昨年-3.1%)と厳しい数字である。これに不動産収入等が4.2%(昨年4.1%)のり、結果、営業利益は0.6%(昨年1.0%)とプラスになったが、マーチャンダイジング力は大きく、マイナスであり、その原因が原価の上昇と恒常的な販管費の高さにあり、今後、この両面からの圧縮が急務といえよう。一般的に電鉄系の食品スーパーマーケットはこのような傾向があり、マーチャンダイジング力がマイナスとなることが多い。
   
   これを受けて、キャッシュフローであるが、営業キャッシュフロー26.07億円、投資キャッシュフロー2.91億円、フリーキャッシュフロー28.98億円と投資キャッシュフローがプラスとなる珍しい状況であるが、これは、新規出店の投資等を抑え、逆に、差入保証金・敷金の返還4.18億円あったためである。そして、財務キャッシュフローであるが、長期借入金を16.62億円返済し、-18.69億円となり、トータル、資金は10.29億円となった。気になるのは借入の返済に重点がおかれたキャッシュフローの流れとならざるをえなくなり、新規投資へのキャッシュの配分が十分にできない状況である点である。
  
   その要因は、出店余力にあり、土地、建物、長期差入保証金・敷金の合計は245.79億円となり、総資産421.37億円の58.3%となり、自己資本比率26.0%(昨年25.5%)では賄えない構図となり、その差は32.3%である。したがって、この分を負債に大きく依存する財務構造となっており、負債の主要項目である長短借入金の合計を見ると、139.43億円となり、これは総資産の33.0%であり、ちょうど、出店余力を補う数字となる。この数字を見る限り、かなり厳しい出店構造であり、新規出店が思うようにできない財務構造といえよう。ちなみに1店舗当たりの出店にかかわる資産を見ると、全店が57店舗であるので、4.3億円となる。

   これを受けて、通期予想であるが、売上高929.00億円(100.4%)、営業利益6.40億円(85.7%:売上対比0.68%)、経常利益4.90億円(83.8%:売上対比0.52%)、当期純利益1.30億円(昨年は赤字:売上対比0.13%)と増収とはなるが、大きく減益となる厳しい決算予想である。特に、営業利益率が売上対比で0.52%という状況であり、売上よりも、収益力が厳しい状況であることがわかる。

   このように、相鉄ローゼンも電鉄系の最近の悪い流れを組み、親会社への完全子会社化が決定されたが、親会社に吸収合併されても、今回の中間決算に見たとおり、食品スーパーマーケットの収益構造、財務構造が大きく変化するわけではなく、厳しい経営状況が続くといえよう。したがって、ここは抜本的な構造改革が必要な状況といえ、マーチャンダイジング力、出店余力ともに優良な食品スーパーマーケットの経営構造をそっくり移植するぐらいの思い切った経営改革が必要といえよう。相鉄ローゼンの相模鉄道への完全子会社化後の次の一手に注目したい。

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