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February 28, 2009

日経MJ新製品週間ランキング、化粧品1、2フィニッシュ!

   日経MJ新製品週間ランキングが2/27公表された。先週のバレンタインデーのチョコレート関連の嵐が通り過ぎ、正常にもどりつつあるが、これまでの状況とややおもむきを異にし、金額PI値の高い新製品が登場しはじめたようである。特に、今週は化粧品が全新製品の中で、No.1、No.2を占め、しかも、いずれも金額PI値がAクラスの500円を超え、1、2フィニッシュとなる結果となった。化粧品は食品スーパーマーケットの通常の商品と違い、平均単価が10倍から30倍、さらに高額な場合は50倍もある超高額商品であり、改めて、食品スーパーマーケットにおいても高額商品の価値が示された数字といえよう。
  
   折しも、この6月からは、改正薬事法の施行により、薬が食品スーパーマーケットに徐々に導入されてくることになると思われるが、薬の平均単価は化粧品ほどではないが、食品スーパーマーケットの平均単価約200円の2倍から3倍となると思われ、今後、食品スーパーマーケットとしても高額商品をいかに販売していくかが問われ、そのノウハウを確立した食品スーパーマーケットが一歩マーチャンダイジングで抜け出ることも予想される。その意味でも、この日経MJの化粧品の新製品の動向は気になるところである。

   今回、家庭用雑貨部門、1位、全新製品でもNo.1となったのは、金額PI値888円、先週比294円となった資生堂、HAKUメラノフォーカスEX45gである。平均単価が何と7,429円という高額商品であり、カバー率は29.8%と対象45チェーン、250店舗の中で約75店舗での数字であるが、極めて高い数字である。ちなみに、PI値を逆算すると、888円÷7,429円÷1000人=0.011%である。したがって、平均的な食品スーパーマーケット、1日2,000人の客数では、2,000人×0.011%であり、0.22個となり、4日から5日で1個売れる商品となる。生鮮ではありえない数字であるが、それでも、金額PI値がAランクとなるので、このマーチャンダイジングを今後、食品スーパーマーケットとしては学ぶ必要があろう。特に、薬は、ここまでPI値は低くはなららないと思われるが、傾向としてはこの化粧品のようなマーチャンダイジングが求められよう。

   したがって、ただ、在庫のように置いておくのではなく、たった1個をいかに販売するかというコンサルティングセールスが決め手となる。一般的に高額商品のPI値は極限まで下がるために、通常の金額PI値=PI値×平均単価の公式が逆転し、金額PI値=平均単価×PI値となり、PI値が限りなく、極小となり、最後は見えなくなり、金額PI値=平均単価となる。したがって、点数を売ることではなく、顧客をつかむことがすべてであり、つかんだら、必ず買っていただく、しかも、それをさりげなく、実行することがポイントとなる。そのためには、その商品を五感に訴えた、考え抜かれた珠玉のPOPで説明するのはもちろん、試食、試飲、試用など初回購入をうながす様々な顧客へのきめ細かな対応が必要となる。それらを前提として、マーチャンダイジングを実践することにより、金額PI値が飛躍的に向上してゆくのが実態である。その意味で、この化粧品の動向は、今後の薬のマーチャンダイジングもにらんだ上で、参考となる数値といえよう。

   No.1についで、No.2も化粧品であり、マックスファクター、SK-ⅡWSダーム・ディフィニションUVローション30gであり、金額PI値は633円となり、Aクラスである。平均単価はNo.1同様、高額であり、8,381円である。ただ、カバー率は16.5%とかなり低く、客数の多いごく限られた店舗でのデータであろう。ただ、先週95位からの急浮上であるので、今後、注目の新製品といえよう。家庭雑貨部門はこの2品が断トツであり、3位以下は金額PI値100円台となる。

   今週は、この化粧品2品に加え、金額PI値はBクラスの300円以上の新製品も6品登場しており、ここへ来て、新製品も少し活況がでてきたようである。順にあげてみると、金額PI値458円の日本コカ・コーラ、コカ・コーラゼロ500mlペットボトル、金額449円の同じく1.5L、しかも、この2品のカバー率は93.1%と92.7%であるので、すごい数字といえよう。そして、金額PI値418円のネスレ日本、ネスカフェエクセラ(瓶)+(チャージ)ぴったりつめかえセット150g+120g、金額PI値406円の初登場のキリンビバレッジ、世界のKitchenからとろとろ桃のフルーニュ320mlと続く。さらに、金額PI値343円の初登場のグリコ乳業、Dororichフルーツミックスクリームin200g、金額PI値322円の森永乳業、ビヒダスプレーンヨーグルト脂肪0(ゼロ)500gとなり、以上が300円以上の今週の新製品である。

   このように、今週は興味深い新製品の動向が見られ、1、2フィニッシュが高額商品の化粧品となり、改めて、今後、食品スーパーマーケットとしても高額商品のマーチャンダイジングを検討してゆくことが課題となったように思える。食品スーパーマーケットの商品群の中では、化粧品に加え、酒、米、そして、この6月からは薬と、これらが高額商品候補であり、これを機会に高額商品のマーチャンダイジングへ挑戦したいところである。少し動きはじめた新製品ランキング、来週以降もその動向が気になるところである。

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February 28, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 27, 2009

ローソン、am/pm(レックスHD)、基本合意発表!

   2/25、日経の1面トップに掲載された、「am/pm、ローソンが買収へ、150億円、首都圏を強化」という記事の中身が正式に、25日のローソンの取締役会において承認され、公表された。2/26の日経でも、「ローソン、am/pm買収発表、店舗飽和再編促す、国内1万店超、セブンを追撃、来春メド合併」という見出しの記事が掲載された。いよいよ、コンビニも首都圏を主戦場として、再編が本格化したといえよう。日経の記事にも、ローソンとam/pm合併後の総店舗数と首都圏の店舗数の主要コンビニの一覧表が載っているが、セブンイレブン、ローソンの一騎打ちとなる様相が鮮明となり、今後、第3位のファミリーマートの動向も含め、コンビニ業界が風雲急を告げる状況になったといえよう。
  
   日経の記事によれば、今回のローソンとam/pmの合併を受けての総店舗数と首都圏での店舗数の合計は、No.1はセブンイレブンの総店舗数12,000店舗(首都圏4,000店舗)であるが、ローソン、am/pmは合併後10,600店舗(首都圏3,300店舗)、ファミリーマート7,300店舗(首都圏2,300店舗)となるので、依然としてセブンイレブンの優位は変わらないが、ローソンが激しく追い上げ、ファミリマートを突き放しはじめたといえよう。今回、ローソンが業界7位のam/pmを買収することにより、コンビニ業界全体が再編へ動く可能性が高いといえ、今後のコンビニ各社の動向は予断をゆるさない状況となりつつあるといえよう。
   
   今回、ローソンが公表した、am/pmの親会社、レックスHDとの合意内容を見てみると、単純に株式を買い取るのではなく、少し、分かりにくいスキームでの買収となっている。ローソンのam/pmの買収条件に、「am/pmは運転資本等確保・財務体質の改善・資本増強を目的として、レックスHDへの55 億円の第三者割当増資を予定しており、当該第三者割当増資を前提に、本取得を実施する予定」という内容がついていることである。am/pmの現在の資本金は95.5億円であり、その内、レックスHDが62.6%を保有しているので、単純に金額に換算すると59.7億円となる。したがって、55億円を増資すると、総資本金が150.5億円となり、レックスHDは59.7億円+55億円となり、114.7億円の資本金となり、単純計算では76.2%へと資本構成が跳ねあがる。さらに、「上記第三者割当増資と併せて、レックスHDがam/pmを100%子会社とすることを条件として、当社が本取得を実施する予定です。」とのことである。
   
   したがって、レックスHDは、55億円をam/pmへ新たに出資し、さらに、残りの株式も取得し、100%の子会社とすることがまずは、大前提であるということである。そして、さらに、「取得金額につきましては、レックスHDによるam/pmへ55億円の第三者割当増資を前提に、第三者割当増資後のam/pmの全株式を備忘価格、貸付債権を200億円と予定しています。その結果、実質的な本取得金額は145億円となります。」とのことであり、株式は100%買い取るが、これ加え、貸付債権を200億円としており、債権を同時に買い取る内容であり、実質、M&Aというよりも、債権を買い取っての買収という内容といえよう。これにより、レックスHDは200億円-55億円-株式買取分が入り、ローソンは200億円-am/pmの第3者割当増資分55億円=145億円の投資ということになる。
  
   実にわかりにくいスキームであり、単純な株式取得によるM&Aとは違い、債権、債務の絡んだ複雑なM&Aといえよう。ここまで、話が複雑になったのは、am/pmが2007年12月期決算において、純利益が148.83億円の大幅なマイナスとなり、純資産が122.62億円の多額なマイナスとなり、経営危機に陥ったことが背景にあるといえよう。その後、taspo効果の追い風が吹いたが、2008年12月期決算も純利益が50.26億円の赤字となり、経営が待ったなしの状況に追い込まれていた。純資産は26.21億円とプラスにはなったが、総資産に占める割合はわずか5%強であり、深刻な経営危機となっていたといえる。
  
   このような背景でのローソンとのM&Aの交渉であり、レックススHDとしては、ローソン側におされる形での交渉となったものと思われる。2/26の日経でも、「正直、もうぎりぎりのところまで下げたのに、とレックスの関係者は疲れ切った表情を見せた」と、交渉の難しさが報じられているように、ローソンの強気の交渉による妥結であったことが伺われ、それゆえ、今回のような複雑なスキームとなったものと思われる。
   
   ちなみに、2/26のローソンの株価であるが、4,150円(+120円、+2.97%)と、日経平均が下げる中、プラスとなり、投資家は買いと判断したようである。ただ、ローソンの株価は、昨年の年末は5,000円を超えており、今年に入り、右下がりの株価で推移しており、今後、このM&Aを受けて、どこまで、株価が回復するか、しばらくは状況を見極める必要があろう。
   
   このように、いよいよコンビニ業界も本格的なM&Aに入ったといえ、今回のローソンのam/pmへのM&Aは業界再編の口火ともいえよう。折しも、北陸ではセブンイレブンが1号店をオープンし、今後3年で200店舗を出店する方針であるという。コンビニは食品スーパーマーケット以上に体制が整うと出店ペースが速いのが実態であり、今後、今回のローソンのようにM&Aによる店舗数増加に加え、セブンイレブンに見るような一気呵成の新規出店もまだまだあり、ここ数年がコンビニ業界の勢力図を決めることになりそうである。本ブログでも、食品スーパーマーケットに加え、コンビニの動向にも注目してゆきたい。

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February 27, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 26, 2009

PB戦略最前線、チェーンストアエイジ2/15号で特集!

   PB戦略最前線と題し、チェーンストアエイジ2/15号でPB(プライベートブランド)の特集が組まれた。全28ページの記事であり、なかなか読み応えのある内容である。対象PBはランキング順(ブランドパワー)に、トップバリュ(81.3)、コープ商品(68.6)、セブンプレミアム(63.1)、セービング52.5)、CGC(52.6)、生活良好(50.1)、くらしモア(49.2)、ファインセレクト(48.4)、Vマーク(47.0)、SEIJOISHI(46.8)、e-price(45.8)、東急セレクト(45.7)、グレートバリュー(45.2)、グットアイ(44.7)、万代選品(43.8)、GreenQ(43.5)、ハッピープライス(43.4)、バローベーシック(43.3)、くらしのモルト(42.7)、ハートフラッグ(42.3)の20品であり、日本の主要PBをほぼ網羅しているといえる幅広いPBの特集記事である。
 
   記事の構成もパート1がPBブランドパワーランキング編、消費者の変化編、プライシング編、パート2がPBの大躍進、欲張りなPB・SBに加え、イオングループ、セブン&アイホールディングス、日本生協連、ニチリウ、CGC、ユニーグループ、ウォルマートのインタビュー等も入り、充実したPBの特集記事である。また、このパート2では日本の主要小売業、食品スーパーマーケットへのアンケート記事も掲載されており、日本のPBの現状がよくわかる内容となっている。
  
   実際、今期の食品スーパーマーケットのPBはこの1年で急激に浸透したといえる。2008年前半は原油の値上げが異常な状況となり、それに連動するかのように、小麦、とうもろこし等の穀物相場に投機マネーが流れ、異常な相場高となった。これを受けて、食品メーカーがあいついで値上げを行い、これが小売価格に転嫁され、NB(ナショナルブランド)は軒並み価格が上昇した。その結果、PBとの価格差が拡大し、PBの割安感が増し、じわじわとPBの売上が上がっていったのが今期前半の動きであった。
  
   その後、値上げしたNBの数量が落ち始めるということが起こりはじめ、売上はその数量の落ち込みが値上げ分よりも低かったこともあり、各社、値上げ分を吸収する状況となったが、数量は下がりはじめ、この頃から、一部工場等で生産が抑制されたり、NBの提携工場では生産が縮小されるなど、NBの数量が落ちはじめるという動きがではじめた。そして、この間隙を縫う形で、これまでPBを生産してこなかった優良メーカーが小売業の求めに応じてPBを生産しはじめる動きが見え始め、PBの品質が以前よりも、あがりはじめるようになった。
  
   そのような中、9.15、リーマンブラザーズの経営破綻がきっかけとなる100年に一度の金融不安による世界的な経済危機がぼっ発し、その後、金融、輸出関連企業を中心に日本経済も未曾有の経済危機に陥ることになる。これが、消費の節約志向につながり、最近では家計のリストラ、生活そのものの全面見直しに突入しはじめるという状況になった。ここにぴたりPBがはまったといえ、現在、爆発的といってよいほど、消費者のPBへの流れが加速したといえよう。
  
   まさに、この1年でPBは大きく変身を遂げており、量においても、質においても変貌したといえよう。チェーンストアエイジのPB戦略最前線の記事の中でもPBの購入重点視点の90%以上の項目を見ると、価格が安い・手ごろ(94%、昨年91%)、味や品質が良い(93%、昨年87%)、安心感がある(92%、昨年86%)、安全性に配慮している(91%、昨年85%)である。この4項目がPBの購入重点視点であり、特に、価格以外は本来NBの強みであったはずであるが、昨年の数字と比べても、これらの項目が上昇しており、いまや、NBとPBの差は消費者から見ると、価格のみとなりつつある状況を示しているといえよう。したがって、明らかに、NBよりも2割から3割は価格が安いPBは消費者からの支持が広がるのは当然といえば、当然の結果ともいえ、この経済、消費環境が続く限り、PBはますますその存在価値を高めることになろう。

   また、記事の中で消費者アンケートがあるが、PBを買うか?という問いに、約80%の方がよく買う、ときどき買うと答えており、PBが浸透していることがよくわかる。逆に買わないという方は、わずか約5%であり、PBへの消費者の意識が高まっているといえよう。では、PBで購入する商品とは何か?については、菓子、調味料、めん類、乳製品等をあげており、菓子がトップであるのは少し意外であった。問いの中では、購入時に必ず価格を見るものはどの商品分野か?というものもあるが、これも意外なことに、農産物、水産物、畜産物がベスト3となり、加工食品が4位とである。消費者は生鮮の価格をいかに重視しているかがわかる。

   このように、チェーンストアエイジでPB戦略最前線の特集記事が組まれたが、まさにベストタイミングの特集記事であるといえ、興味深い内容である。今期、PBはまさに、経済、消費環境が追い風となり、飛躍的な躍進を遂げたといえるが、当面、この厳しい経済、消費環境は続くと思われ、来期もPBは一段と消費者に浸透するのではないかと思われる。食品スーパーマーケットはもちろん、小売業全体が来期はどのようなPB戦略を打ち出してくるかに注目といえよう。

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February 26, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 25, 2009

牛乳に相談だ、3月から大キャンぺーン!

   3年前から中央酪農会議が力を入れている「牛乳に相談だ」キャンペーンが、この3月から牛乳以外の食品とのクロスマーチャンダイジングを本格化させる。日経MJ、2/23で詳細が報じられているが、その見出しは、「牛乳、食品とクロスMD」、「明治製菓のチョコなど、2000店舗にPOP設置、中央酪農協議会」というものである。ちょうど、この3月から、乳業メーカーが牛乳の出荷価格を上げることに対応するとのことである。
  
   これまでにも、「牛乳に相談だ」キャンぺーンはこの3年間数々のクロスマーチャンダイジングを実施しており、お酒のリキュール、パン、ココア、バナナ、ハンバーガーなど様々な商品と取り組んでおり、今回は、これらの実績を踏まえての、7月頃までのロングキャンペーンになるとのことである。すでに、第1弾として、明治製菓のミルクチョコレートと組み合わせたクロスマーチャンダイジングを実施したという。「チョコと牛乳は相性がいい」とのキャッチコピーに、「牛乳に相談だ」のコピーを組み合わせ、POPを作成し、バレンタインデーで訴えたという。また、この3月からは、森永製菓とココアやホットケーキなど牛乳を使用する4商品で共同販促を行うという。さらに、ミツカンとも酢を組み合わせた新たな牛乳の飲み方を提案するという。
   
   ちなみに、中央酪農協議会が公表している数字によると、「牛乳に相談だ」のCM認知度は東京の中高生では85.0%、大阪の中高生では76.7%と高く、中高生以外でも東京の19-69歳では77.5%、そして、東京の30-49歳では90.8%という高い知名度であり、この3年間で消費者に十分に浸透したといえよう。このキャンペーンの実績を踏まえての、今回のクロスマーチャンダイジングのキャンペーンであり、この3月から、牛乳は値上げと付加価値キャンぺーンという、通常は値下げとキャンぺーンが販促のポイントであるが、逆の非価格、付加価値のキャンペーンであり、どこまで、牛乳の値上げによる逆風を緩和できるか、消費者の動向が気になるところである。

   ところで、牛乳は食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングの中でどのような位置づけになるかであるが、結論からいえば、牛乳は最重点商品であるといえる。その根拠は、食品スーパーマーケットの約300ある全カテゴリーの中で、年間を通じて、金額PI値、PI値ともにNo.1の商品であるからである。特に、PI値は圧倒的なNo.1といえ、20%を優に超え、強い店舗では30%から40%もある商品である。PI値30%とは、1日平均約2,000人の客数で600本の牛乳が平均して売れるということであり、これでだけ、支持のあるカテゴリーは食品スーパーマーケットにはなく、ずば抜けたPI値の商品である、ちなみに、今回のチョコレートのPI値はせいぜい数%のPI値であり、牛乳の1/10となる。

   したがって、極論すれば、牛乳はすべての商品にとってクロスマーチャンダイジングの効果が期待でき、牛乳の圧倒的な集客力を店舗全体の活性化にどう活かすかという商品であるといえよう。仮に、牛乳にとっても、販売数量増を狙うのであれば、牛乳につぐPI値の商品か、顧客動線の中で、牛乳のPI値以上の客数PI値の高い場所でのキャンペーンが有効であろう。ちなみに、牛乳につぐPI値の高い商品は豆腐、たまご、菓子パン、きゅうり、もやし、季節の果物(いちご、みかん等)などであり、客数PI値の高い場所は、店頭、平台、エンド、レジ前、壁面などである。このPI値、客数PI値とクロスマーチャンダイジングがクロスされた時が牛乳、クロス商品、そして、店舗全体の活性化につながるハイブリットキャンペーンとなろう。

   また、牛乳は売れ筋が明確な商品であることも、特徴である。品揃えは約30SKU近くもあるが、上位5SKUで約70%近い売上構成比を占め、残り25SKUで30%という売上構成比であり、重点商品で牛乳のマーチャンダイジングの強さを決まってしまうというのが実態である。しかも、最近はそのベスト5の中で、No.1がPBに次々に置き換わっており、圧倒的なPBの強さが光る食品スーパーマーケットが大半となりつつある。この3月からの牛乳の値上げはこの傾向をさらに強める可能性が高く、PB対NBという構図がより鮮明になり、PBの存在感がより増すのではないかと想定される。ちなみに、PBのPI値は1品で5%前後、強いPBになると10%にもなる場合もあり、PB1品でチョコレート全品の売上を優に超えてしまう強さがあるのが実態である。

   このように、牛乳は食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングにおいて、最も重要なPI値最高の商品である。また、最近、急激に数字を伸ばし、存在感を増しつつあるPBの成功事例の典型的な商品でもある。今回、この3月からはじまる中央酪農会議の「牛乳に相談だ」のクロスマーチャンダイジングのキャンペーンは、食品スーパーマーケットとしては、再度、牛乳のマーチャンダイジングを見直し、店舗全体の活性化につなげるチャンスでもある。このキャンペーンをもとに牛乳のマーチャンダイジングを改善し、平均単価のアップ以下にPI値のダウンをどこまでくいとめることができるかが課題といえよう。この3月移行の牛乳の動向に注目といえよう。

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February 25, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 24, 2009

売上速報、食品スーパーマーケット2009年1月、104.7%!

   食品スーパーマーケットの今年はじめての売上速報を集計した。食品スーパーマーケット業界は上場企業が約50社あるが、その内、毎月売上速報を公表している企業は20社強である。今回はその20社強である食品スーパーマーケットのこの1月度の売上速報の集計となるが、結果は単純平均で104.7%、既存店は99.7%であった。この数ケ月の数字は昨年12月度が全体104.0%(既存店99.2%)、11月が106.2%(101.5%)、10月度が103.9%(99.5%)、9月度が103.5%(98.4%)という推移であるので、11月の休日が例年より多かった月を除けば、ほぼ横ばいの伸び率といえ、1月度も堅調な売上であったといえよう。

   ここのところ、日本経済全体がこの10-12月度のGDPの年率換算が-12.7%となるなど、急激な厳しい経営環境に入ったといえるが、こと、食品スーパーマーケットに関してはコンビニと並び、堅調な売上を維持し続けているといえよう。既存店もほぼ100%を維持しており、健闘しているといえる。全体の数字が104.7%になった要因であるが、客数が105.5%、客単価が99.4%という状況であり、客数が伸びての売上増であり、さすがに、客単価(顧客一人当たりの売上)はやや厳しい状況にあるといえる。ちなみに、客単価まで公表している食品スーパーマーケットは約10社強であり、さらに、PI値、平均単価まで公表している食品スーパーマーケットは5社前後であるが、その状況を見ると、PI値の方がやや落ち込み、平均単価がほぼ100%という状況である。

   このような中で、この1月度No.1となったのはハローズである。全体が113.0%(既存店99.4%)という状況であり、新店が寄与し、好調な売上となった。ハローズはこの1年間、積極的な新規出店を果たしており、昨年2月にハローズ江崎店、6月には香川県1号店のハローズ丸亀店、11月にはハローズ六条店、12月にはハローズ笠岡店、そして、この1月度の売上には入らないが、2月にはハローズ総社店と次々に新規出店をしている。食品スーパーマーケットの成長は新規出店に負うところが大きく、まさに、ハローズの好調な売上はこの積極的な新規出店にあるといえよう。

   No.2はスーパーバリューである。売上は112.2%(既存店101.1%)と既存店も堅調な数字である。スーパーバリューもこの11月にスーパーバリュー川口前川店、12月にもスーパーバリュー入間春日町店を立て続けに新規出店しており、これが大きく売上に寄与したといえよう。これで店舗数は10店舗となったが、店舗数の増加は120%となるので、おそらく、来月以降はさらに売上を伸ばすことが予想される。No.3はPLANTであり、111.7%(既存店97.7%)である。PLANTも昨年7月にPLANT-5鏡野店、5月にPLANT-3福知山店を新規出店しており、売上は2桁を維持し続けている。昨年10月には190億円のシンジケートローンを契約し、財務的には一息ついた感があるが、依然として、利益は厳しい状況が続いており、この好調な売上をどう利益に繋げるかが課題といえよう。

   これについで、No.4はマックスバリュ東海110.4%(既存店100.2%)、No.5はマックスバリュ西日本110.2%(既存店101.7%)であり、この5社がこの1月度110%の売上を超えた食品スーパーマーケットである。なお、他のマックスバリュであるが、No.7にマックスバリュ東北106.9%(既存店99.4%)、No.18にマックスバリュ中部101.6%(既存店99.1%)、No.23にマックスバリュ北海道94.6%(既存店91.0%)であり、マックスバリュ東海、西日本が特に好調な売上である。

   逆に、この1月度売上が厳しかった食品スーパーマーケットであるが、マックスバリュ北海道の94.6%(既存店91.0%)についで、Olympic97.0%(既存店98.5%)、トーホー98.9%(既存店97.7%)、エコス99.4%(既存店96.0%)であり、この4社がこの1月度の集計では100%を割った食品スーパーマーケットである。ただ、この4社にしても、100%を大きく割ってはおらず、この状況を見ても、この1月度の食品スーパーマーケットの売上は堅調な数字であったといえよう。

   また、105%以上の堅調な売上となった食品スーパーマーケットを見てみると、ダイイチ109.2%(既存店101.0%)、マックスバリュ東北106.9%(既存店99.4%)、ヤオコー106.0%(既存店102.5%)、九九プラス105.6%(既存店103.2%)、CFSコーポレーション105.6%(既存店103.0%)、そして、バロー105.3%(既存店97.4%)である。105%以上は110%も含め、全部で11社であり、集計食品スーパーマーケットの半数が105%以上と堅調な売上であったといえる。

   今回、気になる食品スーパーマーケットとしては、これまで好調であったマルエツがやや売上が伸び悩み、102.9%(既存店101.7%)であったことである。また、この1月度は104.6%(既存店104.6%)と既存店が好調なオオゼキであるが、この4月に3年ぶりの新規出店が控えており、今年後半から急成長に転じるのではないかと予想される。

   このように、この1月度も食品スーパーマーケット業界は好調さを維持しているといえよう。この数ケ月、ほぼ同じ水準の伸び率で推移しており、1月度の数字も落ち込むこことなく104.7%と堅調な結果となった。また、好調な食品スーパーマーケットはこの厳しい経済状況の中でも積極的な新規出店を行っており、改めて、食品スーパーマーケットの成長が新規出店に支えられていることが明確になったといえよう。今月は食品スーパーマーケットの決算月である。この好調な売上が決算数字にどのように反映されるか注目したい。

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February 24, 2009 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 23, 2009

ポイント引当金の実態を見る!

   消費環境が厳しくなる中、ここへきて、顧客への販促策の有力な手段としてポイントカードに注目が集まりつつある。特に食品スーパーマーケット業界ではポイントカードを活用してのマーチャンダイジングの改善につなげるべく、従来のPOS分析からID-POS分析へと分析手法も進化しはじめており、ポイントカードはますます広がりを見せはじめている。特に、一昨年の2007年度にはセブンイレブンがプリペイド型電子マネーのポイントカード、nanacoを導入、追随する形でイオンもWAONを導入するなど、一気にポイントカードの普及が小売業界に広まりつつあるといえる。そこで、このポイントカードによるポイント残高が現在どのくらいの市場規模となっており、その経営へ与えるインパクト、特に、負債面ではどのくらいになっているかを最新の決算データをもとに見てみたい。

   以前、野村総合研究所が推計した2006年時点でのポイント総額は約6,600億円以上であるという調査結果を公表している。また、帝国データバンクが最近公表した上場企業196社の2008年度のポイント引当金総額は約3,531億円であるという。単純に1社当たりを計算すると18.01億円ということになる。この内、ベスト3はNTTドコモ458億円、クレディセゾン454億円、ソフトバンク438億円となり、通信、クレジット業界のポイント引当金が多いのが特徴である。したがって、すでに、現時点では非上場企業、個人事業等も含めてゆけば、軽く1兆円は超えているのではないかと推計される。

   ちなみに、意外なことであるが、ポイントは会計処理方法がまちまちであり、先にあげた引当金で処理をする場合もあれば、そのまま、販促費として、費用計上する場合もあり、企業により会計への計上方法が異なっているのが実態である。ちょうど、2/20の日経新聞に家電量販店のポイント引当金の記事が掲載されているが、これを見ると、ここへきて、ヤマダ電機が急激にポイント引当金を拡大しているとのことで、この第3四半期決算では昨年と比べ2倍となり、金額で153億円に跳ね上がったという。家電業界ではビックカメラの119億円と昨年はトップであったが、この時点で抜いており、おそらく、2009年度の家電業界ではNo.1になるのではないかといえる急激な伸びである。


   これに対して、エディオンは横ばいであるというが、その理由は発行したポイントの9割は使われており、引当金への積み増しが少ないということである。また、ベスト電器は昨年引当金の会計処理を変更し、これまでのポイントの使用見込金額の計上から原価率を掛けた額を引き当てることにしたという。これにより、従来より、引当金額が下がることになるという。家電各社でも計上方法がこれだけ異なるのが実態であるとのことである。ちなみに、この日経の記事によれば、国際会計基準では、ポイントの会計処理は引当金を計上せずに、売上からポイント相当分を差し引き、繰り延べ収益として負債に計上し、ポイントが使われた時に売上として認識するという。要はポイント分だけ売上が下がることになり、日本ではこのような処理は少ないという。

   さて、では、この直近の決算をもとに、食品スーパーマーケット業界の実態を見てみたい。食品スーパーマーケットNo.1の企業は平和堂である。平和堂の2009年2月期の第3四半期の決算数値を見ると、60.31億円であり、この金額は昨年本決算時が59.06億円であるので、ほぼ昨年と同様な金額である。ちなみに、この金額は上場企業の中でもベスト10前後であり、高い数字である。小売業No.1のセブン&アイホールディンスは販売促進引当金がおそらくポイントカード引当金であると思われるが、中間決算段階で195.09億円であり、イオンは同じく中間決算ではポイント制度引当金が81.19億円である。

   食品スーパーマーケットNo.2はライフコーポレーションであり、この第3四半期であるが、販売促進引当金として13.59億円計上している。No.3はイズミヤであり、中間段階であるが、ポイントカード引当金として10.71億円である。No.4はイズミであり、中間決算段階であるが、ポイントカード割引引当金として8.51億円を計上している。そして、No.5であるが、マミーマートであり、直近の2009年9月期の第1四半期となるが、ポイント引当金として5.52億円を計上している。上場食品スーパーマーケットのポイント引当金上位は以上のような状況である。これを売上対比でみると、0.3%前後であり、一気にポイント還元が起こると利益に影響が出かねないが、徐々に還元されてゆく限りは大きな影響ではないといえよう。ただ、帝国データバンクが算出している流動負債で割った引当率で見ると、平和堂は11.80%とベスト3に入る比率となり、やや財務的にも厳しい数字といえよう。

   このように、ここ最近ポイントカードの普及が進み、ポイント還元が小売業、特に食品スーパーマーケットにとっては既存顧客の来店頻度を引き上げる強力な販促策となりつつあり、競合の厳しい店舗はポイント5倍、10倍などが頻繁に発行されることもあり、今後は販促費という利益面からだけではなく、引当金という負債の増加につながり、財務を圧迫することにもなりかねず、バランスをとりながら、ポイントを効果的に活用してゆくことが求められよう。今期の決算では、この面からも各食品スーパーマーケットの財務状況を見てゆく必要がありそうである。

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February 23, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 22, 2009

コンビニ、2009年1月度、依然好調、既存店107.0%!

   2/20、日本フランチャイズチェーン協会から、2009年1月度のコンビニの売上速報が公表された。結果は、全体が109.6%、既存店が107.0%となり、依然として好調な売上を維持している。この売上集計は、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの11社、合計41,800店舗の集計であり、コンビニ業界全体の現状を反映した結果であるといえよう。
  
   もちろん、これは、taspo効果の影響が大であり、いかにたばこがコンビニに影響があるかを表しているといえよう。一般にチェーンストアの売上が伸びる要因は、新店の増加によることが大きいが、この1月度の数字を見ても、店舗数は102.2%であり、新店が全体の売上109.6%へ寄与したわけではなく、既存店の107.0%が全体の売上を押し上げており、コンビニそのものがtaspoにより、構造変化が起こったといえる。もう少し、細かく、その要因を見てみると、全体の客数が10億4,862.5万人となり、110.0%となり、内、既存店は107.6%となり、既存店の客数が大きく伸びている。ちなみに、1店舗当たりでは、809.24人であるので、1店舗当たり全体では80人ぐらい、既存店では60人ぐらいの伸びとなる。

   これに対し、客単価はどうかと見てみると、全体が601.0円、既存店が595.9円となり、伸び率は-0.4%、-0.5%とほぼ横ばいである。すなわち、taspo効果は客単価よりも、客数を増やしており、しかも、増えた客数の客単価も通常の顧客と大きく変わらないという結果となっている。これまで、たばこを自動販売機で買っていた消費者が、コンビニで購入することが多くなり、しかも、その時、通常のコンビニの顧客と同様な客単価で買い物をしているということであろう。

   さらに、商品別の数字を見てみると、統計ではコンビニの商品分類を4つに分けて集計しているが、最も伸びた商品はたばこを含む非食品であり、128.0%という高い伸びである。ついで、サービスの107.1%、加工食品の102.9%、日配の101.2%である。客単価がほぼ昨年と変わらず、非食品のみが約30%突出しており、しかも、非食品の売上構成比は30%強であるので、相乗積をとると、約9%の貢献度となり、ほぼ売上の伸びと一致する。したがって、taspo効果により増加した顧客の客単価601円の中身は、非食品、特にたばこ+αの数字と推測される。既存商品への影響よりも、たばこそのものの売上増が全体の売上増につながったといえ、コンビニの顧客を増やしたというよりも、たばこの購入顧客を自動販売機からコンビニに呼び込んだという方が近いようである。

   そこで、単純にこの数字から、自動販売機から、コンビニにどのくらいたばこの売上が移ったかであるが、既存店の増加客数が全国のコンビニで、この1月度は約7,000万人弱であるので、このうち、大半が客単価600円をタバコに充てたとすると 約420億円、70%でみても約300億円の自動販売機でのたばこの売上がコンビニに移転したことになる。しかも、これが、約1年近く続くと思われるので、年間では最大約5,000億円、70%でも約3,500億円のたばこの売上移転といえよう。

   ちなみに、これと同じことが、この6月から薬で起こる可能性がある。改正薬事法の施行により、ドラックストアから、コンビニ、食品スーパーマーケットへ、そして、通販での薬販売の規制により、通販からドラックストアへ、そして、コンビニ、食品スーパーマーケットへである。今回のたばこのtaspoほど、この6月時点では受け入れ態勢側のコンビニ、食品スーパーマーケットができていないといえるので、数字の変化があるかどうかは読めないところだが、体制が整うにしたがい、徐々に影響が明確になってゆくものといえよう。

   Taspoの場合も、この1年を見てみると、全国一斉にtaspoが導入されたわけではなく、徐々にtaspoの導入が進んで行き、コンビニの売上も徐々に上昇し、全国へのtaspoの導入がほぼ行き渡った5月頃からは、順調に売り上げが伸び、昨年後半は110%近い数字で推移している。したがって、薬に関しても、急激に売上が上昇してゆくのではなく、体制が整うとともに徐々に上昇してゆくことになろうが、ほぼ、期間はtaspoよりは、長くかかると思われるが、傾向は同じようなことになるのではないかと推測されよう。ちなみに、Taspoの効果が全国のコンビニで明確に表れ始めたのは5月から6月であり、コンビニの現在の好調な数字も今年の5月から6月には昨年並みの数字に落ち着くと予想されるが、薬の取り組みによっては、この6月以降、コンビニも食品スーパーマーケットも薬の導入により、客数を伸ばし、売上を伸ばす店舗も出てくるものといえよう。

   このように、この1月度も景気後退が鮮明となり、消費者の節約志向が深まる中、コンビニは依然として既存店が107.0%、全体では109.6%と2桁近い売上の伸びを維持しており、好調さが依然として続いている。おそらく、この好調さは今年の5月から6月までは継続すると思われるが、そろそろ、ポストtaspoを検討する時期に来たといえよう。そのひとつは薬ではあろうが、これは体制をつくるまでに、かなりの時間がかかると思われるので、薬以外の成長の糧が必要といえる。今期、コンビニの決算は好調な決算となると思わるが、決算後、次の成長戦略をどのように打ち出すか、各社の動向に注目したい。

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February 22, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 21, 2009

日経MJ新製品ランキング、バレンタインデーの結果は?

   日経MJ新製品ランキングが2/20公表された。今週は2/8から2/14までの1週間の集計であり、ちょうど2/14のバレンタインデーまでの1週間となり、チョコレートの動向がもろに反映される週でのランキングであった。本集計は全国45チェーン、250店舗の食品スーパーマーケットの集計であるので、今年のバレンタインデーの状況を反映させた結果となっているといえ、興味深い貴重なデータであるといえよう。そこで、今週の日経MJ新製品週間ランキングは、このバレンタインデー関連の新製品を中心に今週の新製品の動向を見てみたい。また、今週は、このバレンタインデーに重なったこともあり、久々に金額PI値Aランクの500円を超える新製品が2品登場、300円のBランクも8品、Cランクの200円以上も24品登場とするという活況を呈しており、盛り上がった新製品週間ランキングであった。

   まずは、チョコレート、すなわち、菓子部門からであるが、さすがバレンタインデーということでチョコレートのオンパレードであり、ランキング20品すべてがチョコレートとなった。しかも、金額PI値も20位でも241円という極めて高い数字であり、年間で、おそらく、この1週間だけの快挙であろう。他の部門でもランキング全品の金額PI値がCランクの200円以上となることはまずないといえ、改めて、バレンタインデーのチョコレートパワーはすごいものがあるといえよう。

   この中で1位となったのは帝国ホテル、マーブル&ビター6個であり、金額PI値552円という高さであり、全体でもNo.2となった。ちなみに、全体のNo.1は金額PI値594円となった家庭用品部門の資生堂、HAKUメラノフォーカスEX45gである。平均単価が7,262円の高額商品であり、改めて、化粧品の強さを示したといえよう。チョコレートにもどるが、この1位のマーブル&ビターは残念ながら、カバー率23.6%と限られた食品スーパーマーケットでの販売となったが、金額PI値は極めて高いので、来期、今期未導入店舗は検討しても良い高い数字である。

   菓子部門2位は共立食品、トリュフセット120g、金額PI値456円であり、これも高い数字である。しかも、この新製品はカバー率が70.9%であり、その中でのこの数字であり、注目の商品といえよう。3位も同じく、共立食品の生チョコセット170gであり、金額PI値385円、カバー率も67.7%と高い数字である。そして、4位、5位、6位とグランビスタホテル&リゾート製のチョコレートが入った。4位は札幌グランドホテル、カクテルボンボン5個、金額PI値330円、カバー率39.4%、5位は同じく、塩ホワイト9個、金額PI値325円、カバー率39.4%、6位も同じくクランチ5個、金額PI値322円、カバー率39.4%である。いずれもカバー率は高くはないが、金額PI値Bランクの300円を超え、高い数字である。以上が、菓子部門で金額PI値300円以上の新製品である。

   また、今週は、この菓子部門ではなく、その他食品部門にも、バレンタインデーの影響からか、チョコレートが上位に登場している。1位に菓子部門でも登場した共立食品の徳用割チョコ300gが、金額PI値368円で登場し、これ以外にも全20品中に9品、合計半分の10品が共立食品のチョコレート関連となった。改めて、この時期、バレンタインデーにおけるチョコレート関連の強さが明確になったといえよう。

   さて、今週は、このチョコレート関連以外にも今週初登場の新製品がいくつか上位に登場しているのも特徴である。まず、冷凍食品部門であるが、ロッテアイスの雪見だいふくたまごプリン47ml×2個が初登場1位となり、金額PI値が188円となった。また、飲料部門では、2位に日本コカ・コーラ、コカ・コーラゼロ1.5Lが金額PI値387円となった。この新製品は飲料部門1位に先週初登場の500mlペットボトルが金額PI値392円で入っており、高い消費者の支持を得ている。しかも、カバー率も500mlが87.8%、1.5Lが83.5%という高い数字であり、今後、注目の新製品といえよう。3位にも初登場の新製品が入り、アサヒ飲料、香る緑茶いぶき490ml、金額PI値276円、同じく5位にいぶき2L、金額PI値179円が入った。また、4位にはキリンビバレッジ、潤る茶500mlペットボトルが金額PI値187円、2Lも13位であるが金額PI値89円で入った。

   新製品ランキングは今回のバレンタインデーのように、大きな社会行事があった場合は通常のランキングとはがらりとかわり、その行事に関連した新製品の金額PI値が急上昇し、トップランクに入るといえ、改めて販促の重要性が浮かびあがった週となったといえる。特に、新製品は、初回購入をいち早く起こすことが重要であり、しかも、それをできる限り短期間で行うことが次のリピート購入につながり、安定した売上の確保につながってゆくといえる。社会行事はその初回購入を促すきっかけづくりに最も適した販促といえよう。

   このように、今週の新製品週間ランキングは、集計がバレンタインデーとぴったり重なり、まさに予想どおりの菓子部門でのチョコレートのオンパレードとなり、しかも、金額PI値も菓子部門はすべてが200円を超える快挙となった。また、今週はチョコレート以外でも今週初登場の新製品が各部門の上位を占めるなどの動きもあり、ここ数ケ月の中では久々のアクティブな新製品週間ランキングとなった。来週以降の反動が少し気になるところであるが、そろそろ、春の新製品が各部門から登場しはじめる時期ともなるので、来週以降も、新製品の動向に注目したい。

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February 21, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

February 20, 2009

気になるイオンの大型SC7施設凍結、延期!

   日経新聞2/19、1面にイオンの記事が掲載された。見出しは、「イオン7施設凍結、延期、大型ショッピングセンター」、「拡大路線転換、低価格小型店に軸足」である。さらに、10面でも関連記事として、「イオン計画凍結、大型店の成長限界に」、「小売業出店、届け出、全国で4割減、郊外規制強化も響く」という見出しの記事である。イオンが今回見直す大型SCであるが、記事によれば、凍結が千葉県野田市、撤回が茨城県笠間市、延期が千葉県木更津市、愛知県常滑市、奈良県大和郡山市、兵庫県伊丹市、福岡県大牟田市の7施設である。

   今回の記事の対象は、イオンの大型ショッピングセンターを統括するイオンモールのことであると思われるが、イオンモールは、イオンの中では売上よりも、利益の源泉となっており、このイオンモールの出店が凍結、延期されることは、今後、イオンの利益にも響くことになる可能性が高いといえよう。

   この中間期のイオングループのセグメント別の営業収益、営業利益の状況を見てみると、イオンの中核となる総合小売業(GMS、SM等)は営業収益が2兆948.51億円(104.1%、構成比72.1%、営業利益構成比30.7%)であるのに対し、イオンモールの営業収益は749.15億円(112.4%、営業利益構成比27.3%)である。イオンモールは核店舗が原則イオンであり、その売上は総合小売業に集計され、営業収益はSCのテナント収入等が中心となるので、営業収益の規模は比較的少ないといえる。ただ、営業利益は営業収益が約30倍も小さいにもかかわらず、ほぼ同じ数字であり、まさに、この中間期を見る限り、利益の源泉といえよう。ちなみに、この中間期ではイオンの稼ぎ頭、営業利益の約40%強を稼いでいるのがクレジットカードなど金融等のサービス業である。

   その意味でイオンは売上では総合小売業が約70%強を占めているが、利益では、サービス業とSCのイオンモールが約70%強を占めるという逆相関の構図になっているのが実態である。しかも、クレジットカード等のサービス部門はイオンモールの核テナントのジャスコ、そのテナント等による波及、相乗効果が大きいといえ、その意味で大型SCの出店凍結、延期は売上にも影響が出ると思われるが、それ以上に、利益の方に影響がでるのではないかと懸念される。

   日経新聞では、「拡大路線転換、低価格小型店に軸足」との見出しであったが、その軸足となるイオンリテールのこの12月、1月度の売上速報を見てみたい。イオンリテールは現在GMS252店舗、SM80店舗、その他82店舗の計414店舗となる規模である。ちなみに、イオンのグループトータルのGMS(総合スーパー)は608店舗、SM 1,230店舗、スーパーセンター31店舗である。

   そのイオンリテールの1月度、12月度の売上であるが、1月度95.4%(既存店95.6%)、12月度96.1%(既存店96.6%)という状況である。特に、客単価が1月度93.9%(既存店95.4%)、12月度94.9%(既存店96.2%)と客単価が大きく落ち込んでいる状況である。これを業態別に見ると、1月度はGMS96.7%に対し、SMが86.9%と深刻な状況である。12月度はGMS97.2%、SM87.5%と同様にSMが厳しい状況である。ただ、このSMはイオンリテールの直営のSM80店舗の数字であり、イオングループのマックスバリュ等の店舗の大半は入っていない数字である。また、業種別にみると、1月度は衣料89.9%、食品99.2%、住居余暇93.1%、12月度は衣料88.3%、食品100.9%、住居余暇93.7%という状況であり、衣料、住居余暇が特に厳しい状況である。

   参考に、イオングループのイオンリテール直営以外のSMの状況を12月度で見てみると、マックスバリュ北海道94.6%、マックスバリュ東北106.8%、マックスバリュ東海109.9%、マックスバリュ中部102.6%、マックスバリュ西日本111.8%であり、マックスバリュ北海道はやや厳しい状況であるが、それ以外は好調な売上であるといえよう。ちなみに、マイカル91.3%、イオン九州102.4%、イオン北海道87.5%という状況であり、イオン九州は堅調な売上ではあるが、マイカル、イオン北海道は厳しい数字といえ、GMSはやや厳しい状況であるといえよう。

   こう見ると、今後、大型SCの出店が凍結、延期された場合、それに代わる成長性の高い業態を見つけるのは容易ではないといえよう。記事の中では、「低価格小型店に軸足」とあるが、現状のGMS、SM等の構成比が約70%強と高いが故に、イオン全体の成長を促すには相当数の大量出店が必要といえよう。まだ、中国、東南アジア市場へのSC、SMの新規出店の方が現実的であるように思える。実際、計画では、記事にもあるように、現在の約60店を2年以内に190店へ広げるとのことであるので、イオングループトータルのGMSが608店舗であるので、実現すれば、インパクトは大きいといえよう。

   このように、今回の日経2/19のイオンの記事は、イオンの売上だけでなく、利益の源泉でもあった大型SCの出店抑制、そして、低価格小型店への戦略転換はここへきて、厳しい消費環境が加速するなか、まったなしの決断が必要となったのではないかと思える。イオンの今期2月期の決算は、この第3四半期の決算時に公表された通期予想でも厳しい状況となることが確実であるが、ここ最近の経済情勢の悪化は、さらに追い打ちをかけて厳しくなる懸念がある。これまで、イオンが公表してきた以上のさらに踏み込んだ抜本的な経営戦略の再構築が来期は必要な状況になったといえ、この決算前、そして、決算後のここ数ケ月、イオンの動向に注目といえよう。

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February 20, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 19, 2009

ウォルマート、2009年1月期決算、増収増益、107.1%!

   2/17、ウォルマートが2009年1月期の第4四半期と、年間決算を公表した。結果は、売上高107.1%、当期純利益105.2%の増収増益の堅調な決算であった。ただ、第4四半期のみでは、売上高101.6%、当期純利益は92.2%と、増収減益となり、後半はやや厳しい経営状況であったといえよう。第4四半期は11月から1月までの3ケ月であるが、ちょうど、アメリカのサブプライムローンの崩壊による金融不安の影響が世界中に広まった時期である。そのため、約1/4の売上構成比を占める海外部門の連結が急激なドル高による為替変動により、減収となったことが、経営を圧迫し、四半期ベースでは減益の要因になったという。

   さて、本決算の売上高であるが、4,056.07億ドル(約37兆3,158.44億円)となり、107.1%であった。原価は3,061.58億ドル(約28兆1,665.36億円)となり、75.48%であり、粗利率は24.51%である。一方、販売費及び一般管理費であるが、766.51億ドル(約7兆518.92億円)となり、売上対比では18.89%となった。その結果、営業利益は227.98億ドル(約2兆974.16億円)となり、売上対比では5.62%となった。日本の食品スーパーマーケットでいえば、規模はもちろん違うが、ちょうどオオゼキのこの第3四半期に近い決算構造である。オオゼキのこの第3四半期決算は、売上総利益が24.8%、販売費及び一般管理費が18.0%、これに不動産収入等がのり、結果、営業利益が7.8%であったので、オオゼキの方がマーチャンダイジング力は強いが、収益構造は良く似ているといえよう。

   そして、最終利益、当期純利益であるが、アメリカの決算には経常利益がないので、いきなり、当期純利益となるが、134.00億ドル(約1兆2,328億円)となり、日本円に換算しても1兆円を超える当期純利益となった。これに対し、ウォルマートのCEO、マイクデユーク氏は、「この四半期の売上は1,080億ドル(約10兆円)を超え、歴史上、最も力強い売上を記録した」と強調している。そして、「これは従業員の懸命な働きにより成し遂げられたものであり、その結果、顧客の節約に寄与し、少しでも良い生活の支えになったと思う」とコメントしている。

   これを受けて、ウォルマートのキャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローが、減価償却費等も加わり、231.47億ドル(約2兆1,295.24億円)と2兆円を超えた。それにしても、一小売業で2兆円を超えるキャッシュフローは史上はじめてといえ、すごい金額である。そして、投資キャッシュフローであるが、107.42億ドル(約9,882.64億円)となり、結果、フリーキャッシュフローは124.05億ドル(約1兆1,412.6億円)となった。投資キャッシュフローの主な中身であるが、設備投資が114.99億ドル(約1兆579.08億円)あり、これが主に新店開発に投資され、今期の成長107.1%につながったといえよう。財務キャッシュフローであるが、99.18億ドル(約9,124.56億円)となるが、その配分は借入金等の返済、配当、自己株式の購入にほぼ1/3づつとなっており、バランスのとれた財務キャッシュフローの中身である。結果、トータル、為替差損等を加味し、17.06億ドル(約1,569.52億円)となった。

   全体のキャッシュフローの大きな流れは、約2兆円の営業キャッシュフローの内、約50%の1兆円を新店等の投資に充て、残りの1兆円の内、約30%を返済、配当に約30%、自己株式の取得に約30%、そして、約10%強を繰り越しに充てるという配分であり、将来へ、返済へ、株主へとバランスのとれた配分であるといえよう。自己株式の取得も株主への配分と考えれば、配当と合わせ約60%の財務キャッシュフロー、全体では約30%となり、よく考えられたバランスがとれたキャッシュフローの配分といえよう。

   そして、バランスシート(貸借対照表)、特に、出店余力に関して見てみたい。まず、自己資本比率であるが、39.94%である。ちなみに、総資産は1,634.29億ドル(約15兆354.68億円)である。負債の内、長短借入金等の合計は387.03億ドル(約3兆5,606.76円)であり、総資産の23.68%であり、やや重い借入比率といえよう。これに対して、資産の中の、土地、建物、そして、在庫の合計は1,273.67億ドル(約11兆7,177.64億円)となり、総資産の77.93%となり、自己資本比率から引いた出店余力は-37.99%であり、負債に大きく依存した出店構造であるといえよう。キャッシュフロー上は1兆円の投資は問題ないといえるが、財務構造から見ると、自己資本比率をもう少し引き上げ、負債の削減をしたいところであろう。

   このようにウォルマートが2009年1月度の第4四半期及び本決算を公表したが、さすがに第4四半期は増収減益とやや厳しい内容となったが、通期では前半の好調さがあり、増収増益の好決算となった。これを受けて、決算発表のあった2/17の株価は48.24ドル、翌日2/18は55.41ドルと上昇しており、投資家は買いとみているといえよう。昨年9/15から本格的となったアメリカ経済、特に、金融と消費環境の悪化の中で、ウォルマートの数字がこの第4四半期決算でも大きく落ち込むことなく、本決算では増収増益となったことが評価されたといえよう。そして、問題はまさに、今期であり、ウォルマートが今後、さらに厳しくなるであろう経済の中で、どのような経営戦略を打ち出すかに注目である。

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February 19, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 18, 2009

家計調査データ、2008年度、餃子No.1は宇都宮市!

   総務省統計局から、家計調査データの年間版、2008年度の結果が2/13、公表された。本ブログでは、月間版の家計調査データを公表され次第、独自に分析し、毎月取り上げているが、年間版を取り上げるのははじめてである。今回は、特に年間版ということで、昨年1年間の消費金額の都市別ランキングを様々な項目で見てみたい。ちなみに、都市別の家計調査データは、全都道府県を網羅し、51都市の集計となっており、平均約100世帯、全部で約5,000世帯のデータである。
  
   まず、2008年度の概要であるが、総消費金額の平均は3,582,494円であり、世帯人員は3.11人である。したがって、一人当たりに換算すると1,151,347円となる。また、この内、食品(外食を含む)消費金額は906,484円であり、一人当たり291,327円となる。この2つの数字を割ると食品比率、いわゆるエンゲル係数となるが、25.4%である。標準偏差をとると1.7%であり、平均との比率が6.7%であるので、各都市、さほど大きな差はないといえ、2008年現在、日本人の世帯当たりのエンゲル係数は約25%といえよう。過去の日本のエンゲル係数は昭和28年までは50%以上であり、昭和37年から40%を切り、そして、昭和54年から30%を切ったというので、年々、日本のエンゲル系数は下がっているといえよう。
  
   さて、このような状況の中で、特に、各都道府県の都市間でバラツキが大きいものを中心に食品の項目を比較してみたい。バラツキの度合いについては、標準偏差を算出し、平均からの割合をもとに見てみたい。全体の消費金額のバラツキが7.6%、食品が6.7%であるので、10%を超えればバラツキが大きいといえ、20%以上では大きくバラツいているといえよう。ちなみに、先ほど、NHKで餃子の数字を公表していたが、まず、餃子で見てみると、餃子のバラツキは30.7%でかなりの地域差がある項目であるといえる。No.1の都市は宇都宮市であり、4,706円である。No.2が浜松市の3,665円であるので、約1,000円の差となり、宇都宮市は圧倒的なNo.1の餃子の消費金額といえよう。以下、No.3鹿児島市(2,604円)、No.4宮崎市(2,592円)、No.5静岡市(2,498円)と続く。
   
   食品の大分類で見た場合のバラツキであるが、穀類7.1%、魚介類12.6%、肉類14.6%、乳卵類8.6%、野菜・海藻11.5%、果物14.4%、油脂・調味料5.9%、菓子類9.4%、調理食品11.1%、飲料8.3%、酒類15.4%、外食14.4%であるので、生鮮品、酒類が比較的バラツキが大きいといえ、グロサリー関連は小さいといえよう。そこで、酒類についてバラツキ度合を見て見ると、最もバラツキが大きいのはウィスキーであり66.5%である。ついで、ぶどう酒46.9%、37.9%の清酒、31.1%の焼酎と続く。ビールが最もバラツキが小さく17.6%である。そのウィスキーのNo.1であるが、札幌市の4,065円であり、No.2が京都市(3,050円)であるので、ダントツで札幌市である。

   ちなみに、酒の中で焼酎と清酒の比率を出してみると、焼酎比率が高いNo.1は那覇市であり、1,188.2%と清酒の10倍以上焼酎の消費金額が高いことがわる。No.2は鹿児島市959.7%、No.3が宮崎市460.4%、No.4が熊本市264.0%、そして、No.5が広島市235.7%であり、南の都市が圧倒的に多いといえよう。逆に、清酒比率が高い都市は富山市39.8%、奈良市41.8%、津市42.7%であり、これらの都市は圧倒的に清酒の消費金額が多い都市である。同様に、牛肉と豚肉の比率を出してみると、牛肉比率のNo.1は和歌山市の161.7%である。No.2は神戸市の156.1%、No.3奈良市149.9%、No.4大阪市144.0%、そして、No.5松山市141.7%となる。逆に、豚肉の比率が高い都市は、牛肉比率の低い都市であり、札幌市31.8%、福島市33.6%、前橋市36.9%、盛岡市37.9%、新潟市39.2%となり、天気予報のように、西高東低の牛肉比率といえよう。

   もういくつか、バラツキの大きな項目を見てみると、納豆があり、30.7%である。No.1は福島市であり、6,435円であり、No.2は山形市の6,229円であり、競っている。No.3は前橋市5,903円、No.4は水戸市5,595円、そして、No.5が仙台市5,420円である。逆に、納豆の消費金額が少ない都市は、和歌山市の1,758円であり、ついで、大阪市2,057円、堺市2,076円、高知市2,304円となり、牛肉と反対の東高西低の納豆の消費金額である。意外に、納豆の本場、水戸市がNo.4であるのが驚きである。

   もうひとつ、ミネラルウォーターであるが、これも飲料の中では33.1%とバラツキが大きい項目である。No.1は長崎市の4,844円であり、No.2が那覇市の4,121円である。以前、沖縄県の食品スーパーマーケットの売り場を視察したことがあるが、ミネラルウォーターの品揃えにびっくりしたことがあり、やはりというか、全国No.2の数字である。No.3は宇都宮市3,559円、No.4水戸市3,340円、そして、No.5神戸市3,320円である。逆に、消費金額が少ない都市は鳥取市752円、青森市846円、富山市1,331円となり、地区はバラバラといえよう。

   このように、年間の家計調査データを各都市間で比較してみると消費実態の各地区での違いが鮮明に浮かび上がり、興味深い結果である。特に、食品の中では生鮮、日配、酒にバラツキが大きいといえ、改めて、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングは地域密着が極めて大事な要素であることが明確に浮かび上がったといえよう。今後、本ブログでも必要に応じて、家計調査データの月別の速報に加え、今回の年間データも参考にし、より食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングに活用できるように工夫してゆきたいと思う。

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February 18, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 17, 2009

西武百貨店にセブンプレミアム登場、買ってみる!

   先ほどのNHKの19時のニュースで、GDPの10-12月の成長率が-3.3%となり、これを年率換算すると-12.7%になるという厳しい経済情勢の報道をしていた。そして、その関連報道の中で、百貨店でも価格訴求の商品を品揃えに加えはじめたということで、池袋の西武百貨店の売場を取材していた。特に、この2/10から池袋の西武百貨店で販売をはじめたセブン&アイのPB(プライベートブランド)、セブンプレミアムの売り場が写しだされた。たまたま、その約1時間前の18時頃、報道のあった池袋の西武百貨店の売り場でセブンプレミアムを5品買ったばかりであり、びっくりした。もしかしたら、テレビに映っているのではないかと思ったが、残念ながら、映ってはいなかった。
  
   ちなみに、5品とは7プレミアムのしょうゆヌードル98円(79g、サンヨー食品)、ピーナッツチョコ100円(80g、でん六)、シーフードヌードル(78g、サンヨー食品)、辛口いかフライ100円(60g、なとり)、そして、ふ菓子100円(8本、やおきん)である。この5つを選んだのは、セブンプレミアムの全約800品目の中で売上ベスト5だからである。セブンプレミアムは通常のPBとは違い、上記5品にあげたように、メーカー名をパッケージに明記しているのが特徴である。これは、これまで、セブンイレブンが取り組んできたメーカーとのチームマーチャンダイジングのノウハウを活かし、セブン&アイホールディンズのグループをあげてのグループマーチャンダイジングの成果といえ、メーカーもともに責任をもって消費者へ販売してゆこうという意思が強く働いているからといえよう。
  
   先日のブログ、「日経ビジネス2009.2.2、セブン&アイの破壊を読む!」でも言及したが、このセブンプレミアムの開発責任者は、ヨークベニマルの大高善興社長であり、コンビニよりも、食品スーパーマーケットからの視点が強く反映されているといえ、その分、商品選定、品質へのこだわり、そして、何より価格へのこだわりが高いといえよう。セブンプレミアムのトップ5がすべて100円以下というのも、顧客の値ごろをしっかりつかんでの商品開発といえる。NHKのニュースでも、この100円ゾーンのセブンプレミアムの商品をアップで写していたが、これが堂々と最高級の商品を販売する百貨店に置かれ、しかも売れ始めているとのことで、まさに、時代の変遷、現在の世相を反映しているといえよう。
   
   先のブログでも触れたが、池袋の西武百貨店の食品売場の幹部がヨークベニマルの大高善興社長ひきいるヨークベニマルの本社、郡山に赴き、いまから約30年前のイトーヨカー堂の行革を思いおこさせる業務改善委員会に参加し、ヨークベニマルのバイヤー、店長等といっしょに研修を受けたという。これが、今年の1月のことであるので、早速、その成果の一端が、この2/10からはじまったセブンプレミアムの専用売り場のオープンという形で表れたといえ、感慨深いものがある。このセブンプレミアム売り場の奥にはザ・ガーデンという食品スーパーマーケットの売り場があるが、いずれ、ここにも、おそらく、ヨークベニマルの本格的な売り場が出現する日も来るのではないかと思ってしまう。

   この池袋の西武百貨店のB2は生鮮倶楽部/ザ・ガーデンというコンセプトであり、今回オープンしたセブンプレミアムの売場を挟んで、奥がザ・ガーデン、手前が生鮮倶楽部であり、そこでは、生鮮3品のテナント、いわゆるカテゴリーキラーが入っており、強力な生鮮売り場を作っている。そして、ザ・ガーデンは高級スーパーのシェルガーデンがベースになった食品スーパーマーケットであり、やや高級感のある通常の食品スーパーマーケットよりもワンランク上の商品を中心に品揃えされている。昨年の後半までは時代にフィットしていたコンセプトであると思えるが、昨年後半からは、節約志向の激しい波が押しよせ、やや、現在の消費環境と違和感のある売り場となってしまった感は否めないといえよう。


   仮に、ここに、ヨークベニマルがそっくり入ったらどのような売り場に変身するのだろうかと思いながら、ついでに、このザ・ガーデンの売り場にも立ち寄って、その場面を想像してみた。ただ、食品スーパーマーケットとしてはやや面積が狭く、売り場づくりにはかなりの工夫が必要といえるが、都市型小型タイプのヨークベニマルのモデル店を開発するには、ぴったりの立地のようにも思え、また、この時代だからこそ、そして、この池袋には、いまだからこそ、格好の地であるように思えた。

   本来、食品スーパーマーケットは消費者の生活を、食という面から全面的に支える社会的使命があり、そのためには、安心安全を前提とし、いかに、家計を節約というキーワードで支えるかが競争の源泉であるといえよう。その意味で、PB、プライベートブランドは、まさに、本来、食品スーパーマーケットが取組むべき、その象徴的な商品であるといえよう。この1年、食品スーパーマーケット業界のPBは急激に成長し、昨年前半はメーカー各社の値上げ攻勢の中、その存在感を高め、後半からは経済情勢の急激な悪化から、まさに、消費者の節約志向に真っ向から応えたといえ、ちょうど、この1年で急激な成長と存在感を増したといえよう。今後、セブンプレミアムはもちろん、各社のPBがどこまで消費者に受け入れられてゆくかに注目したい。

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February 17, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 16, 2009

日経ヴェリタスで縮む消費、縮まぬ会社を特集!

   日経ヴェリタス2/15号で縮む消費、縮まぬ会社の特集が組まれた。表紙から5ページに渡っての特集記事であり、その中に、食品スーパーマーケットが4社取り上げられた。取り上げられた企業が8社であるので、半分が食品スーパーマーケットであり、投資家からも、節約志向の中、食品スーパーマーケットの動向が注目されていることが改めて浮き彫りになったといえよう。今回、この特集に取り上げられた食品スーパーマーケットは、オオゼキ、サンエー、大黒天物産、そして、イズミヤの4社であるが、それぞれ、記者が現場の店舗に直接足を運んで取材しての記事であり、興味深い内容である。
  
   記事の内容は、記者の現場取材記事に加え、最近の業績、社長インタビュー、そして、ここ1年の株価を掲載したコンパクトなものであるが、なぜ、この食品スーパーマーケットが伸びているのかを記者なりの独自の分析と感想が述べられており参考になる。

   まず、オオゼキであるが、「客の希望に即答、トマトだけで22種、ノーと言わない「恋愛関係」」という見出しではじまる。記事のポイントは、仕入と売り場の一体化に焦点を当てており、オオゼキにはバイヤー職はなく、店ごとに担当者が自分で市場に出向いて仕入れるところが強みであることを強調した内容である。そして、これが、品揃えと売込みの強さにつながり、食品スーパーマーケットでも類稀な坪売上1,280万円を達成する原動力となっているという。ヤオコー320万円、マルエツ330万円と比べても4倍以上の差であり、オオゼキの強さの源泉であるという。そして、記者は少し、意地悪をし、あえて、従業員にトマトの質問、ステーキの半カットへの要望を出すが、いずれも、しっかり従業員が対応し、改めて、オオゼキの強さを感じたという落ちとなるが、オオゼキの特徴をよく表しているといえよう。

   次に、サンエーであるが、「ノウハウ借りて多業態運営、地元が愛する「なんでも屋」」という見出しの記事である。記事のポイントは、サンエーの強さを、食品スーパーマーケットの強さだけでとらえるのではなく、沖縄県における総合小売業No.1企業としてとらえているところにある。食品スーパーマーケットをメインに、SC、外食、ホテル、そして、様々な本土の企業、マツモトキヨシ、家電量販等とのFC契約で、総合小売業化をはかり、地元、沖縄県では入社したい会社トップ3に入るという人気企業であるという。また、この1月にはローソンとの業務提携を発表し、コンビニ業界への参入を決めたという。サンエーは沖縄県では唯一の小売業の上場企業であり、この点も沖縄県では一目置かれる存在であるという内容である。

   そして、大黒天物産であるが、「創業以来増収増益、平日も行列、安さで圧倒、少品種大量販売」という見出しの記事である。今回取り上げた4社の食品スーパーマーケットの中では株価上昇率が最も高い企業であり、約1年で500円前後が1,500円を超え、3倍強となっており、注目の取材記事である。内容は、記事でも強調しているが、「他社の追随を許さない値段の安さ」であり、記事の冒頭から、缶コーヒー29円との書き出しである。社長への取材では、大賀社長も「不況でわれわれの時代がやってきた」と述べているように、実際の業績も抜群のものがあり、この12月度も既存店が約10%伸びたという。その結果、予想を上回る増収増益となることが確実となり、この5月期決算を上方修正するという好調さである。しかも、今年11月からは月1店舗のペースでの新規出店をはじめるとのことで、来期は積極的な攻めの経営戦略を打ち出すという。さらに、まだ、未出店の地区、九州地区でM&Aも検討しているという記事の内容である。来期、大黒天物産は食品スーパーマーケット業界において、台風の目となる予感である。

   最後に、イズミヤであるが、「余計なものは値下げの邪魔。データで攻める「毎日安い」という見出しの記事である。内容は、スーパーセンターの好調さと独自のポイントカードの活用方法についてである。現在、イズミヤは5店舗のスーパーセンターを出店しており、売上が好調に推移しているとのことである。また、ポイントカードに関しては顧客の購買履歴を分析し、様々な工夫を凝らして商品戦略、競合対策等を立てており、これが他の食品スーパーマーケットにない強みとなっているという内容である。
 
   このように、投資家向け専門紙である日経ヴェリタスが、現在の縮む消費の中で、縮まぬ会社として特集した8社の中に上記の4社の食品スーパーマーケットが取材されており、業績の良い食品スーパーマーケットが投資対象として注目されはじめたといえよう。実際、ここへきて、消費は節約志向が鮮明になり、食品スーパーマーケットはその追い風を受け、比較的好調な売上を確保しており、この4社に限らず、業績の好調な企業が多いといえる。今期決算はもちろん、来期もこの好調さは続く可能性が高いといえ、食品スーパーマーケット各社が、来期、どのような経営戦略を打ち出すかに注目といえよう。

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February 16, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 15, 2009

インテージ、スマーツジャパン業務提携、POS、ID-POSは?

   2/5、インテージとスマーツジャパンの業務提携が公表された。提携内容は次の3点である。1. メーカー営業部門に向け、小売業とその顧客の情報共有と活用の促進のためにソリューション商品群を構築、2. 小売業の営業・販促部門、出店開発部門に向け、自社データ・顧客情報の活用促進のためにソリューション商品群を構築、3. 各種データ活用分析の場面でのユーザーに対するコンサルティング活動である。1がメーカー向け支援、2が小売業向け支援、3が製販共同業務向け支援となる内容であり、これまで両社が競合していた分野が一転、協業分野となり、両社の強みを活かした新たな商品サービス開発につながる業務提携である。

   食品スーパーマーケット業界にとって、今回の両社の提携において特に重要な内容は2の小売業向けの支援内容と、3の製販共同業務支援、いわゆる最近はやりのMD研究会への支援体制づくりであるといえよう。当然、POSデータの分析がメインになり、ここ最近進歩が著しいID-POS分析も今回の提携内容の対象となっている。この分野では定評のあるCCL(カスタマーコミュニケーションズ)、プラネット、インテック連合と激しい競争が繰り広げられることも予想される。また、3の製販共同業務支援では、先行しているコープさっぽろをはじめ、ニチリウグループとの関係、最近急激にシェアを伸ばしているKSP-SP社などがあるが、今後、どのようなMD研究会支援用のサービスが開発されるかが気になるところでもある。

   少し、詳しく、2と3の提携内容を見ると、まず、2では大きく3つに業務提携内容が分かれている。Merchandising eye (自社POSデータの活用サービス)、Promotion eye(ID-POSデータ・購買者情報の活用サービス)、そして、Store-planning eye(商圏データ・消費者/購買者情報の活用サービス)である。いずれも、eyeがキーワードとなっており、Merchandising eyeでは、スマーツジャパンのSEIL MD-proにインテージの市場リサーチの視点を付加し機能を拡充し、小売業のPOS分析支援を強化するという。いわゆる、POS分析の購買者視点に消費者視点が付加されたイメージのPOS分析ツールといえよう。

   次のPromotion eyeでは、ID-POS分析がメインになり、スマーツジャパンのSEIL CRMにインテージの市場リサーチの視点を付加し、機能を拡充した販促活動支援のID-POS分析の活用であるという。ID-POS分析はマーチャンダイジングにも十分活用可能であるが、この内容を見る限り、販促に軸足を置いた仕組みの開発といえよう。ID-POS分析はまだまだ研究開発の余地が十分にあるといえ、今後、小売業にとっては、通常のPOS分析を補完してゆくことになり、将来的にはID-POSがメインになると思われるので、今回の業務提携が業界のためにも 販促だけに終わらず、マーチャンダイジングの支援にもつながってゆくことを期待したいところである。そして、Store-planning eyeであるが、商圏情報を活かし、出店開発や既存店の活性化につなげてゆこうというものである。これは主に店舗開発等に活かす内容といえよう。

   そして、3の製販共同業務支援であるが、ポイントはインテージとスマーツジャパンが共同で、「製販コラボレーションプラットフォーム」を構築するとのことである。これは、「小売業データ、小売業顧客情報、商品マスター、市場データなど協業活動に必要な各種情報を集約・一元管理し、ソリューション商品群のベースインフラとします。」とのことである。これまでの、MD研究会がPOSデータの開示に重点が置かれていた状況から、製販協業に必要な情報を一元的に集約、管理し、本格的なSCMに活用できるようにしようとする試みであるといえよう。特に、小売業のPOSデータ、小売業顧客情報のID-POSデータも一元管理するとのことであり、これが出来上がれば、小売業にとっても、メーカーにとっても有用なプラットフォームとなろう。

   ちなみに、イネテージがこの業務提携の前日、2/4に公表した2009年3月期の第3四半期の決算内容であるが、売上高241.84 億円(104%)、営業利益21.01億円(95.1%:売上対比8.7%)、経常利益20.87億円(94.2%:売上対比8.6%)、当期純利益10.99 億円(93.5%:売上対比4.5%)と増収減益とやや厳しい決算であった。インテージは業務分野を市場調査・コンサルティング事業(約70%の売上構成比)、システムソリューション事業(約15%強の売上構成比)、医薬品開発支援事業(約15%弱の売上構成比)の大きく3つに分けており、主力のパネル調査分野は好調であったが、その他が今期は厳しい状況であったという。今回のスマーツジャパンとの業務提携により、来期、どこまでインテージの収益の改善につなげることができるかが、今回の目的のひとつといえよう。

   このように、POS、ID-POS分野で業界のリーディング企業、インテージがスマーツジャパンとの業務提携に踏み切り、そのコア業務の強化に入るという。折しも、昨年はID-POS分析で定評のあるCCLがプラネットと資本業務提携をし、そのプラネットがインテックの傘下に入り、事実上インテック連合ができあがったばかりである。これにより、この分野も本格的な合従連衡の時代に入ったといえ、今後、各社から、様々な新サービスが開発され、POS、ID-POSの研究開発も一層進むことが予想されよう。今回の業務提携を含め、今期、各社から、どのようなPOS、ID-POSを活用した新たなサービスが登場するか注目したいところである。

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February 15, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 14, 2009

日経MJ新製品週間ランキング2月初め、新製品ラッシュ!

   2/13、日経MJ新製品週間ランキングが公表された。データは、2/1-2/7の2月に入って初めてのPOSデータである。昨年から今年にかけて、消費者の節約志向が深まる中、ここ数ケ月、金額PI値の高い新製品の登場がなく、今週もAランクの500円を超える新製品は0であった。Bランクの300円が2品、Cランクの200円が6品であり、金額PI値は依然として低迷している。ただ、今週は2月初旬とあってか、文字通り、今週登場した新製品がラッシュともいえる状況であり、19品も登場し、金額PI値はともかく、新製品としては久しぶりに活況を呈したといえよう。

   ちなみに、昨年のこの時期の日経MJ新製品週間ランキングを見ると、金額PI値Aランクの500円を超える新製品は日本コカコーラの爽健美茶、オリエンタルスタイル500mlペットボトルが762円、日清食品のカップヌードル、マイルドクリーミーチキン82g、627円、同じく日清食品のカップヌードル、ワイルドホットチリペッパー、81gが543円と3品あった。これ以外も、山崎製パンの華麗ぱんが前週242円ダウンしての434円という数字であり、この時期、昨年は金額PI値も高い新製品が多かったといえる。

   さて、今週のNo.1の新製品であるが、金額PI値333円の日清食品、カップヌードルチーズ&トマト74gであった。No.2も同じく、日清食品のカップヌードルチーズ&ガーリック75g、金額PI値321円であり、いずれも、今週初登場である。昨年のこの時期、激しい価格の値上げ攻勢の中、先に見たように日清食品がカップヌードルの新製品ラッシュとなったが、今年も、同様な傾向となった。ただ、金額PI値は昨年ほどの爆発力がないが、今週の新製品週間ランキングでは1、2フィニッシュとなった。

   今週は、このカップヌードルを含め、その他食品部門が活況であり、全20品中、10品が今週初登場の新製品となり、大きく、この2/1以降、順位が入れ替わっている。いくつか初登場でランキングに入った新製品を見てみると、ネスレ日本、ネスカフェエクセラ(瓶)+(チャージ)ぴったりつめかえセット150g+120g、金額PI値170円、昭和産業、キャノーラ油1000g、金額PI値145円、山崎製パン、大きな2色豆パン1個、金額PI値116円、敷島製パン、小枝ロール1個、金額PI値105円などである。

   ランキングにもどり、No.3であるが、共立食品、徳用割チョコミルク300g、金額PI値277円、No.4は森永乳業、ビヒダスプレーンヨーグルト脂肪0(ゼロ)500g、金額PI値258円といずれもその他食品部門である。No.5は飲料部門の初登場1位となったサントリー、Gokuri Peach400g、金額PI値239円、No.6は菓子部門、やはり初登場で1位となったチロルチョコ、舞チョコ8個、金額PI値224円、No.7が家庭用品部門、同じく初登場1位となった資生堂、HAKUメラノフォーカスEX45g、金額PI値235円、そして、No.8がその他食品部門の山崎製パン、チョコの山1個、金額PI値207円である。以上が、金額PI値Cランク以上の8品であり、今週はこの8品のみが金額PI値200円を超えた新製品であった。この内、5品が初登場でランンクインしており、やはり、2月に入り、新製品が続々と登場しはじめているといえよう。

   今週、唯一、上位ランクに入ってこなかったのが、冷凍食品部門であるが、この部門は今週初登場の新製品が1品もなく、今週の新製品の中ではやや低迷した部門となった。1位となったのは、森永乳業、エスキモー「ピノ生キャラメル」10ml×6粒、金額PI値137円であり、No.2には金額PI値103円でハーゲンダッツジャパン、ミニカップ・マルチパック6個入り(リッチミルク・ショコラ、クラシック・カスタードプディング)が入った。これ以下は金額PI値100円を切り、数字が伸び悩んでいるといえる。ただ、ランキング15品中11品がアイスクリームであり、この時期のアイスクリームの強さを印象づけるランキングとなった。

   また、今週の特徴のひとつである初登場の新製品であるが、その他食品部門についで多かったのが飲料部門である。いくつかを見てみると、6位にカルピス、「フルーツカルピス」白桃&カルピス500mlペットボトル、金額PI値115円、15位にも1.5Lが金額PI値60円、13位にカゴメ、ビフィズス&コラーゲンすっきりタイプ100ml×4本、金額PI値64円、14位に不二家、ネクターピーチ(スリムPET)345ml、金額PI値64円などである。日経MJの解説でも言及されていたが、なぜか桃が飲料ではポイントになっているようである。

   このように今週は2月はじめの新製品週間ランキングとなったが、依然として、金額PI値の水準は低い段階にあるといえるが、ここへ来て、19品という今週初登場の新製品がランクインしており、文字通り、新製品ランキングとなった週であったといえよう。来週はいよいよ、バレンタインデーの週の結果発表となるので、菓子部門が異常値となるのではないかと予想されるが、今週のバレンタインデーがこの消費の節約志向の中で、どのような傾向となるか興味深いところである。それにしても、あらためて、金額PI値500円は新製品にとって大きな壁であることが、この数ケ月を見るとわかり、このような時期であるからこそ、また、この壁を打ち破る新製品を期待したいところでもある。

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February 14, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

February 13, 2009

オオゼキ、新規出店を再開、新店戦略、体制整う!

   すでに、新聞でも報じられているが、オオゼキが1/23、3年ぶりとなる新規店舗開設を公表した。現在オオゼキの店舗数は29店舗であるが、この3年間、財務内容は業界屈指の高収益であるにもかかわらず、新店が1店舗もない異常な状態が続いていた。食品スーパーマーケットに限らず、一般的にチェーンストアの成長戦略は新店によるところが大きく、既存店のみでは成長に限界がある。オオゼキも3年前の新店を出店していた時期には110%以上の成長を果たしていたが、この数年は既存店のみであったため、数%の成長にとどまっていた。
  
   さて、その新店の概要であるが、時期は2009年4月初旬の予定であり、場所はオオゼキ初出店となる千葉県市川市である。JR総武線の市川駅南口から徒歩1分の駅前立地であるとのことで、オオゼキの得意とする都市型立地といえよう。営業面積がバックヤード等を入れて、488坪とのことで、オオゼキとしてはやや大きめの店舗となる。オオゼキの現在の平均店舗の坪数は200坪弱であり、最も大きな店舗でも340坪の高井戸店であるので、今回の新店はこの高井戸店を超える可能性が高く、オオゼキ最大の店舗面積となると予想される。場合によっては、サブリース方式もとるとのことで、オオゼキの店舗は200坪前後となり、残りをテナントとし、NSCタイプでの出店となる可能性も高いといえよう。
  
   今後、オオゼキは年間2から3店舗での出店を計画しているとのことで、今回の千葉県市川市をはじめ、これまでの東京都、神奈川県のみでのドミナントだけではなく、埼玉県など積極的に新たなドミナトづくりも検討するとのことである。オオゼキの強みは何といっても業界最高の坪売上に支えられた経費比率の低さを武器にした価格競争力にあるといえる。そして、そのためには、店舗の小型化を追求し、かつ、集客力をいかに引きあげるかが課題となる。
  
   現在、オオゼキの平均坪売上は年間1,100万円を超えており、中央林間店、池上店、旗の台店、目黒不動前店等は2,000万円を超える業界屈指の坪売上の店舗である。この高い坪売上が相対的に固定比を下げ、結果、18%前後の経費比率を実現し、価格競争に打ち勝つ原資を生み出しているといえる。今回の新店についても、駅前立地ということで、ほぼこのイメージの店舗コンセプトとなるのではないかと想定される。
   
   ここで、この第3四半期のオオゼキの決算数値から、出店余力を見てみたい。一般的に食品スーパーマーケットは新規出店に必要な要素としては、土地、建物、敷金保証金等があり、この出店にかかわる資産をいかに自己資本で賄えるかがポイントとなる。通常、出店戦略が思うように組めない食品スーパーマーケットは新規出店が自己資本の範囲内では賄えず、借入金に依存した出店となり、その比率が増せば増すほど、財務を圧迫し、いずれ、新規出店がストップし、借入金の返済にキャッシュフローの大半が回り、成長がとまるということになる。
  
   これがオオゼキの場合は、まず、現在、借入金は0の無借金経営であり、自己資本比率は78.7%という食品スーパーマーケットとしては極限に近い数字となっている。また、出店にかかわる資産である土地、建物、敷金保証金の合計は、この第3四半期で158.07億円であり、これは総資産328.57億円の48.1%となる。したがって、ここから出店余力を計算すると、78.7%-48.1%で30.6%となり、これは食品スーパーマーケット業界の中でも超トップクラスである。
  
   ただ、ひとつ気になるのは、1店舗当たりでの出店にかかわる資産が29店舗で割ると5.45億円とやや高めとなることである。これは、通常の食品スーパーマーケットが4億円前後であるので、オオゼキの店舗面積約200坪とすると、かなり高めであるといえよう。立地が不動産価格の高い都市部であるために、このような数値となると思われるが、この点が新規出店にとってはやや気になるところである。ちなみに、オオゼキのこの第3四半期の当期純利益は、23.52億円であり、営業キャッシュフローは27.39億円である。また、昨年決算時は営業キャッシュフローが33.72億円であった。したがって、1店舗5.45億円の出店にかかわる資産で単純に割ると、年間5から6店舗は借入なしで限界可能なキャッシュフローであり、今回、公表している計画が年2から3店舗であるので、営業キャッシュフローで十分可能な範囲である。立地さえ確保できれば、ほぼ安定的に2から3店舗は確実に可能な強固な財務状況であるといえよう。
  
   このように、万を持してといって良いと思うが、オオゼキが来期から3年ぶりの新店を出店し、成長戦略路線に切り替えることが確実になった。財務状況は全く問題がないといえ、むしろ、この3年間、いつでも新規出店が可能であった中、あえて内部体制を固めてきたともいえる。世の中の経済状況は、節約志向がより深刻となり、けっして、楽観できる状況ではないが、オオゼキにとっては、むしろ、これをチャンスとみた積極的な経営戦略の転換といえよう。まずは、3年ぶりとなる30店舗目の新店がどのような店舗となるか期待したいところである。

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February 13, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

February 12, 2009

九九プラス、2009年3月期第3四半期決算、黒字転換!

   九九プラスが2/9、2009年3月期第3四半期決算を公表した。第3四半期の累計では営業総収入1,017.43億円(108.8%)、営業利益-1.13億円、経常利益-0.88億円、当期純利益-6.18億円と依然として増収減益、赤字決算が続いているが、四半期ベースで見ると、10-12月期の第3四半期のみでは、営業総収入339.06億円、営業利益2.43億円、経常利益2.34億円、当期純利益0.81億円と昨年の第4四半期から続いていた赤字から、黒字に転換した。

   九九プラスは、昨年の9/5にローソンの連結子会社(株式保有76.8%)となっているので、その成果がここに来て表れてきたようである。ただ、通期予想は、営業総収入1,332.00億円(108.3%)、営業利益0.50億円(12.5%)、経常利益0.40億円(11.2%)、当期純利益-6.00億円と依然として厳しい状況が続く予想であり、今後、この第3四半期での黒字転換が転機となり、今後、どこまで経営改善につながるかが課題といえよう。

   その九九プラスとローソンとの業務提携後の取り組みであるが、大きく3つあるといえよう。ひとつは、「SHOP99」の「ローソンストア100」への転換(新規出店及び既存店の改装)である。この12月末で372店の新型「ローソンストア100」をオープンさせており、2010年3月期の第2四半期連結累計期間中にもほぼ全店を「ローソンストア100」に転換する計画であるという。当然、その結果、既存店の売上高と粗利率のアップに貢献し、既存店活性化につながってゆくことになるという。現在でも、既存店は102.0%で推移しており、この第3四半期のみでは103.9%と好調である。

   2つめは、FC(フランチャイズ・チェーン)化についてである。現在、FCビジネスの本格展開に向けて、新FCパッケージ構築のための実験を既に終了させ、「ローソンストア100」で試験運用(検証)を開始しているという。この12月末で店舗数は、843店となったが、その内、直営734店に対して、FCは109店となり、構成比は12.9%となった。

   そして、3つめは、物流コストの削減についてである。これまで関東エリア及び関西エリアを中心に商品カテゴリーによって点在していた物流センターを常温センターと低温センターにそれぞれ集約化したという。また、昨年6月には西関東低温センター(埼玉県川越市)、同9月には関西低温センター(大阪府大阪市)、同10月には東北低温センター(宮城県仙台市)、同11月には西関東DDC(神奈川県相模原市)と関西DDC(大阪府茨木市)の常温センター2カ所を稼働させたという。さらに、今期中には残る中京エリアの新常温センター・新低温センターを設置する予定で、これにより当初計画の全国物流整備計画は完了する予定であるという。

   この3つ以外にも、ローソングループ統一のプライベートブランド(PB)商品「バリューライン(VL)」と「オリジナル商品」を共同開発し、12月末現在426品となったという。さらに、九九プラス特有の強みである青果についても三菱商事グループの協力体制による主力商品の品質向上で客単価の高い主婦層を中心に女性客の獲得を目指す取り組みもはじめたという。

   このような急激な経営改革により、九九プラスは経営改善が着々と進みつつあるが、この第3四半期の営業利益がマイナスになった要因を見てみると、原価が76.1%(昨年73.2%)と2.9ポイントと大幅に上昇しており、結果、売上総利益が23.9%(昨年26.8%)と大きく下がったことが大きかたといえる。一方、販売費及び一般管理費であるが、25.9%(昨年25.9%)と変わらず、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-2.0%(昨年0.9%)となり、原価が大きく上昇したことが響いたといえよう。ただ、今期はFC化も進み、加盟店手数料、その他収入が2.0%入り、結果、営業利益は1.13億円のマイナスに抑えることができ、しかも、この第3四半期のみでは黒字化しており、FC化戦略をはじめ、ローソンとの業務提携が軌道にのりはじめたといえよう。

   一方、財務面であるが、自己資本比率は40.8%(昨年40.1%)と若干プラスとなった。その要因を負債の主要項目である長短借入金の状況を見てみると、今期は19.52億円(昨年決算時44.68億円)と大きく改善しており、総資産261.25億円に占める割合は7.4%となった。また、出店にかかわる資産、土地、建物、敷金保証金の合計は93.72億円と総資産の35.8%であり、自己資本比率の範囲内での出店構造であり、今後、FC化が進めば、さらにこの数字は軽減されよう。ちなみに、九九プラスの負債の構成比が大きい項目は99.62億円(総資産の約40%弱)の買掛金であり、自己資本比率の改善は負債の削減よりも、純資産の増加がむしろ課題といえよう。

   このように、現在、九九プラスは経営改革がローソンと2人3脚で急ピッチで進んでおり、この第3四半期のみの営業利益が黒字に転じたことで、その成果が表れはじめたといえよう。現在、家計は節約志向から家計のリストラへと突入しつつある中、小売業の中ではコンビニと食品スーパーマーケットが比較的強い支持を受けている業態といえる。九九プラスは、ローソンと組むことによって、まさに、この2つの業態を融合することになり、ハイブリットな新たな小売業態の創造へ挑戦しているといえよう。来期、九九プラスが、今期の成果を踏まえて、どのような経営戦略を打ち出すか、期待したいところである。

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February 12, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 11, 2009

タイヨーの2009年2月期第3四半期決算を見る!

   ここ最近、タイヨーの株価が激しく動いている。その動きを見ると、売買高こそ、1日数千株であり、売買の成立もけっして多いとはいえないが、ここ数ケ月の値動きは激しい動きを示しており、特に、ここ数週間は上昇気味で推移している。昨年年末から今年に入ってのタイヨーの株価の動きであるが、12/25(1,286円、1千株)、12/26(1,286円、2千株)、12/30(1,400円、1千株)、1/5(1,598円、3千株)、1/6(1,629円、8千株)、1/7(1,439円、1千株)、1/14(1,271円、1千株)、1/20(1,200円、1千株)、1/30(1,450円、2千株)、2/2(1,415円、3千株)、2/3(1,420円、2千株)、2/4(1,460円、1千株)、2/5(1,598円、3千株)、2/6(1,628円、6千株)、・・という動きである。

   タイヨーの株価は昨年1年間、そして、今年の11月頃までは、1,000円前後での商いであったので、明らかに年末年始の株価は異常な値動きであるといえる。売買高が少ないだけに、このように株価の変動が大きくなる傾向があるとはいえ、昨年1年間はほとんど大きな値動きがなかったので、やはり、ここ数ケ月は動きが急であるといえよう。

   そこで、タイヨーの業績が現在どのような状況にあるかを、直近の決算、この1/13に公表された2009年2月期の第3四半期で見てみたい。まず、概要であるが、営業収益950.34億円 (97.3%)、営業利益23.26億円 (87.4%:営業収益比2.4%) 、経常利益23.36億円(87.9%:営業収益比2.4%)、当期純利益11.48億円(81.9%:営業収益比1.2%)と減収減益のやや厳しい決算であった。ちなみに、通期予想も、営業収益比1,295.00億円(99.2%)、営業利益33.00億円(89.6%:営業収益比2.5%)、経常利益34.00億円(92.1%:営業収益比2.6%)、当期純利益16.00億円(88.1%:営業収益比1.2%)と減収減益予想である。

   減益になった要因であるが、売上原価は78.7%(昨年79.2%)と0.5ポイント下がっており、原価の削減が進み、結果、売上総利益は21.3%(昨年20.8%)と改善した。一方、販売費及び一般管理費であるが、20.0%(昨年19.2%)と0.8ポイント上昇しており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は1.3%(昨年1.6%)となり、0.3ポイント下がった。これに、不動産収入等の営業収入が1.2%(昨年1.1%)のり、営業利益は2.5%(昨年2.7%)となり、昨年よりも、営業利益が下がった。マーチャンダイジング力のマイナス、すなわち、経費の上昇が営業利益を下げた要因といえよう。

   これを受けて、キャッシュフローの流れであるが、営業活動によるキャッシュフローは100.60億円と巨額に上っているが、これは決算日の関係で仕入れ債務が73.79億円(昨年14.24億円)となったためである。投資キャッシュフローであるが、-15.10億円と有形固定試算の取得に12.51億円投資し、結果、フリーキャッシュフローは100.54億円となり、仕入債務の分を考慮しても、プラスとなり、順流のキャッシュフローである。そして、財務キャッシュフローであるが、-8.43億円となり、中身は長短借入金の増加が21.70億円あるが、支出も27.23億円あり、差し引き5億円強の支出となった。結果、トータル、77.07億円となり、仕入債務の分を考慮しても、プラスのキャッシュフローであり、長短借入金の返済も進み、キャッシュフローの流れは順流の良い流れであるといえよう。

   この結果、自己資本比率であるが、53.7%(昨年57.1%)と昨年より、やや下がったことが気になるが、負債の主要項目である長短借入金の合計は212.06億円(昨年218.81億円)と若干下がっている。ただ、総資産1,008.48億円に占める割合は21.0%とやや多めであり、今後、さらに圧縮したいところであろう。自己資本比率がやや下がったのは、仕入債務の買掛金の増加に負うところが大きかったといえる。一方、タイヨーの出店余力であるが、出店にかかわる資産である土地、建物、その他資産の合計は738.25億円となり、これは総資産の73.2%となり、自己資本比率-出店にかかわる資産は-19.5%となり、ちょうど、長短借入金の分、依存している財務構造といえる。今後、新規出店を行い、安定的な成長を目指す上においては、もう少し、借入依存度を減らし、出店余力を高めたいところである。

   こう見ると、タイヨーのここ数ケ月の株価の変動は、この直近の第3四半期決算の結果を見る限り、成長性、収益性への高い期待からの株価上昇ではないといえ、P/L、BS以外の要素による株価上昇と考えられる。最近のタイヨーの大きな動きであるが、1/24の南日本新聞の記事によると、タイヨーが九州でははじめて、農業生産法人「アグリ太陽 蒲生ファーム」を設立し、蒲生町と共同でパプリカ、ナス、トマトなどをつくり、収穫物はタイヨーに出荷する見通しということである。

   このように、タイヨーの株価は売買高が少なく、商いの成立もまばらな状況であり、強い買いが入ると比較的大きく上昇する傾向もあり、今回のように、財務内容とは無関係に株価上昇を招きがちであるといえよう。ここ最近の株価上昇がこの農業法人にかかわることによるかどうか、難しいところであるが、ここへきて、明らかに、タイヨーの株価は上昇気味で推移しており、全体的に厳しい食品スーパーマーケットの株価の中では、数少ない上昇株の1社であり、今後の動向に注目したい。

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February 11, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (3)

February 10, 2009

日経ビジネス2009.2.2、セブン&アイの破壊を読む!

   日経ビジネス2009.2.2で「セブン&アイの破壊」という特集記事が掲載された。内容は、「鈴木敏文会長、最後の大仕事、セブン&アイの破壊」、「聖域なき売り場改革へ、創業の原点、衣料品さえ捨て去る」、「個店力が限界を破る、現場の裁量で脱・画一化」、「成功モデル破壊の最前線、中国で発揮される突破力」、「生存欲求が紡ぐ絆、セクショナリズムを壊せ」という5本立て、全15ページに渡っての特集記事である。

   特に、この特集記事では、鈴木敏文会長へのインタビューを随所に織り込んでおり、いま、セブン&アイが何を破壊しようとしているのかがクローズアップされ、その思いが伝わってくる内容であるといえよう。ただ、記事全体から破壊の思いは伝わってくるが、破壊の目的、その後、何をどのような方法で創造してゆくのか、その全体像が描き切れていないといえ、少し残念な内容である。

   この特集記事を読んで、すぐに思い浮かんだのは、「行革」である。いまから、約30年前の1981年のイトーヨーカ堂の中間決算が創業以来の減益になることが明確になり、当時の伊藤雅俊社長が社内に「荒天準備」の指示を出した。そして、その翌年、1982年1月にイトーヨーカ堂の組織改革を断行し、2月23日に、当時の鈴木敏文常務を中心に「行革、業務改革委員会」をスタートさせたことである。この時、イトーヨーカ堂の本部入口には「荒天に備えよ」という看板が掲げられたという。当時は悲壮感漂う中での組織一丸となっての行革という経営改革への突入であったという。

   今回も、セブン&アイは、今期決算こそ、過去最高益が見込まれる中ではあるが、100年に1度という金融不安にともなう本格的な世界同時の経済不況へ突入しはじめた矢先であり、当時の「荒天」よりもはるかに厳しい経営環境になる可能性が高いといえる。ただ、いまひとつ、何が問題なのか、何を破壊し、何を創造しようとしているかが分かりにくい現況であるといえよう。記事全体が「破壊」という言葉がキーワードとなっており、その対義後の「創造」があまり語られていなかったので、特に、そう感じた面もあろう。

   現在、セブン&アイは記事の中にも円グラフで示されているように、売上の41%を占めるセブンイレブンが71%の営業利益を稼ぎ出し、創業の原点であったイトーヨーカ堂を含むスーパーストア事業が売上こそ36%であるが、営業利益のわずか12%しかないというアンバランスな経営構造にある。これに最近では、百貨店事業の売上が18%乗ったが、その営業利益の構成比は9%であり、この収益構造そのものが破壊と創造の対象といえよう。そのために、何を破壊するかであるが、記事の中では、「聖域なき売場改革へ」というテーマで、売場開発第1プロジェクトのホームセンター、第2プロジェクトのザ・プライスを取りあげていたが、まだまだ、実験、検証段階といえ、この試みが、GMSの破壊と創造につながってゆくかは、見えないところである。

   この記事の中で、最も興味深かったのは、「生存欲求が紡ぐ絆」というテーマで取り上げられたヨークベニマルの大高善興社長の記事である。現在、大高善興社長はセブンプレミアムの開発を担当し、今期800品目、1,800億円の実績となったが、その期間わずか22ケ月であり、セブン&アイのグループトータルの食品売上が3兆6,000億円であるので、ちょうど5%となる規模となった。当初、大高善興社長がなぜ、セブン&アイの完全子会社となる決断をし、そして、その後、セブンプレミアムを担当するのかという疑問があったが、記事の中で、2035年の首都圏と東北の食品市場の話をしており、約30年先を見ての決断であったことをあかしている。また、続いて、記事の中では、この1月にはじめて西武百貨店の幹部、食品バイヤー等がヨークベニマルの本社、郡山で行われた業務改善委員会に参加したという内容がある。これは、まさに、約30年前のイトーヨーカ堂の行革を彷彿とさせる光景といえよう。いずれ、その成果がミレニアムの本丸、西武百貨店池袋店の地下食品売り場に現われてくるのではないかと思われるが、東北のヨークベニマルの完成度の高い食品の売り場の一旦が東京の池袋で見られるのは楽しみである。

   記事全体を通じて感じたことは、いまセブン&アイにとっては、破壊よりも創造の方が重要なテーマではないかいうことである。セブン&アイに限らず、イオン、西友、ダイエー、ユニーすべてに共通しているのはGMSの構造問題であり、この問題をいかに解決するかが経営課題であるといえる。そして、その解決方法は、破壊ではなく、創造による解決が望ましいといえよう。本来であれば、創造しつつ、一方で破壊してゆき、どこかで創造が破壊を逆転し、創造が打ち勝ってゆくことことが望ましいが、セブン&アイにおいては、その創造がまだ明確には見えない段階のように思え、この創造がいま一番問われているテーマといえよう。次回は、是非、今回の「セブン&アイの破壊」に続き、「セブン&アイの創造」というテーマでの特集記事を期待したい。

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February 10, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 09, 2009

ウォルマート売上速報、2009年1月度、101.8%!

   ウォルマートの今期最後の売上速報、2009年1月度が2/5公表された。ウォルマート全体の数字は101.8%と12月度の99.9%と2ケ月連続でのマイナス成長にはならなかったが、依然として、昨対ぎりぎりという厳しい状況が続いている。累計ではちょうど52週目に当たり、106.2%という数字となり、いかに、この数ケ月が厳しい数字であったかがわかる。ただ、国内のウォルマートの数字は回復基調にあり、約20%弱のドル高による海外部門の影響があまりにも大きいといえ、当面、この傾向は続くものと予想されよう。

   全体の数字をもう少し掘り下げてみると、全体の売上金額は277.42億ドル(約2.5兆円)となり、101.8%となったが、要因は海外の売上が66.47億ドル(約0.6億円)となり、92.7%となったことが大きい。52週累計では106.6%であるので、いかにここ数ケ月の海外状況が厳しいかがわかる。特に、ウォルマートの海外依存度は全体の23.9%と約1/4となっているので、この海外部門の失速がウォルマート全体を直撃しているといえよう。

   これに対して、アメリカ本土のウォルマート本体は179.64億ドル(約1.6兆円、全体の約65%)となり、106.1%と52週累計が106.2%であるので、回復基調であるといえるが、海外部門がここまで後退すると、さすがに全体も厳しいものがあったといえよう。また、国内のサムズクラブ部門も31.31億ドル(約0.3億円)となり、99.2%となり、52週累計が105.1%であるので、厳しい状況となった。ちなみに、海外部門の中の日本、西友であるが、既存店の数字が好調であるとのことで、消費者に特に食品のeveryday low price政策が浸透しつつあるとのことである。ただ、食品以外の衣料品、住関連用品等は経済情勢の悪化により、やや厳しい状況にあるという。

   ウォルマートはこの1月で累計52週となり、今期決算となるが、この時点での速報値の売上は3,982.61億ドル(約35兆8,434.9億円)であり、昨対106.2%である。ウォルマート部門は2,538.95億ドル(約22兆8,505.5億円)、106.2%、サムズクラブ部門は465.19億ドル(約4兆1,867.1億円)、105.1%、問題の海外部門も978.47億ドル(約8兆8,062.3億円)、106.6%となり、52週累計では、いずれの部門でも堅調な数字となった。

   では、国内の既存店の状況はどうかを見てみたい。まず、ウォルマート部門であるが、102.1%と堅調な売上であった。昨年が100.2%であったので、昨年の1月度よりも、高い伸びを示しており、100年に1度といわれるアメリカの未曾有の経済危機の中では、健闘しているといえよう。52週累計も102.7%とほぼ同じ伸び率であり、この1年間、ウォルマート全体を大きく支えてきたといえよう。ウォルマート自身もこの数字は、ウォルマートが今期掲げた、ウォルマートでお買い物をすることによって、顧客の節約志向に応え、その結果、顧客のより豊かな生活をもたらすというスローガンを実践した結果であるとしており、この厳しい経済情勢の中でも消費者の支持を得たと述べている。

   これに対して、サムズクラブの既存店であるが、102.4%、52週累計でも103.1%とウォルマート部門同様、堅調な数字ではあるが、これにはガソリンなど燃料関連が加えられていない数字である。ウォルマート部門はガソリンなど燃料関連の影響がほとんどないが、サムズクラブ部門はこの影響が大きい部門である。したがって、このガソリンなど燃料部門を加えた数字は98.5%と昨対を割ってしまった。実に、ガソリンなど燃料部門のインパクトが-3.9%もあり、サムズ部門にとっては大きな痛手となった。52週累計では、104.3%であり、インパクトは1.2%あり、この1年間、サムズクラブ部門にとってはガソリンなど燃料部門の貢献がいかに大きかったかがわかる。

   この結果について、投資家は、ウォルマートをどう見ているかであるが、この売上速報が公表された2/5前後の株価を見てみると、2/2(46.57ドル)、2/3(47.81ドル)、2/4(46.42ドル)、そして、2/5(48.56ドル)、2/6(49.63ドル)と株価は上昇に転じている。ただ、今年に入ってウォルマートの株価は下げに転じている。年末には56ドル近辺であった株価が、徐々に下がり、オバマ氏が大統領に就任直前の1/8には、通常の3倍近い9,000万株を超える大量の売りが出て、51.38ドルまで売られた。その後、1/12には、51.39ドルとほぼ横ばいであったが、株価は下がりはじめ、2月はじめには46ドル近辺にまで迫っていただけに、この1月度の売上速報が堅調な数字であっただけに、一息ついた状況といえよう。今後、株価がどこまで回復するかが課題といえよう。

   このように、ウォルマートが今期最後の月別売り上げ、2009年1月度を公表したが、先月よりは回復基調での数字であり、52週の年間の売上も堅調な数字となった。問題は、今後、公表されるであろう今期決算数字であり、売上は堅調な結果となったが、利益が最終的にどのような数字となるかが待たれるところである。そして、今期以上にアメリカ国内はもちろん、世界全体が厳しい経済情勢になりつつある厳しい経営環境の中で、来期、ウォルマートがどのような経営戦略を打ち出すかが注目といえよう。

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February 9, 2009 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 08, 2009

発注を考えてみる、この複雑怪奇な世界!

   小売業において発注とは最も重要な業務であるにもかかわらず、意外に経験と勘で、しかも、入社の浅い社員、あるいは、経験の浅いパートさんに任せているケースが多い。最近では自動発注も入りはじめ、経験と勘の部分をコンピュータにまかせ、現場では若干の修正をするにとどめているケースもあり、発注が単純作業のひとつとなりつつあるのが実情であろう。

   でも、よく考えてみると、本来、発注とは、その店舗の顧客の需要を予測し、欠品と鮮度という相反する状況の双方を最適な状態にし、結果として、売上と利益を確保する大本の数字の確定であり、最高意思決定が必要な重要な業務であるはずである。特に、店舗の売上、利益に大きな影響を与える重点商品、顧客の来店頻度に影響を与える重要な商品は発注数量を真剣に考え、様々な角度から検討し、時間をかけて、発注数量を確定すべきであろう。

   発注とは、最終的には何らかのロジックで数量の確定をしなければならないが、実は、小売業の中では、その数量の確定が一筋縄ではいかない要素がある。よくいわれる、天気、気温、湿度、地域行事などの外部要因の変化に加え、特売(価格)、棚割、レイアウト、POPなどの内部要因が複雑に絡み合い、発注数量が単純に決定できないことに加え、小売業における数量は大きく、2つの角度から分解できるからである。

   ひとつは、レシートという角度、そして、もうもうひとつは最近明らかになりつつあるIDという角度からである。数量はレシート分解、ID分解ができ、その分解した複雑な要素ごとの予測なくして、正確な発注数量の確定は不可能だからである。そこで、ここでは、この2つの角度から、数量を分解し、発注数量を確定する上において、どのような点を考慮しなければならないかを考えてみたい。

   まず、レシート分解であるが、これは、単純分解は、発注数量=客数×PI値である。PI値とは販売数量÷客数のことであり、顧客一人当たり、正確にはレシート1枚当たりの販売数量である。ここから、発注数量の確定にはまず、客数の予測、そして、次に、PI値の予測がポイントとなる。そして、どちらも、過去のデータを参考にし、そこから平均値、標準偏差などを算出し、発注の精度を高めてゆくことになる。この応用としては、PI値をさらに分解し、PI値=客数PI値×購入レシートのみのPI値(PPI)に分解することも考えられる。通常のPI値の客数、すなわち、レシートはその商品の購入者も未購入者もすべて入ったレシートであるので、客数PI値で購入者のみのレシートの比率を算出し、購入者のみのPI値と掛け合わせる方法である。これにより、商品購入者の割合と購入者のみのPI値の予想が必要となるが、より正確な数量を確定するには、精度の高い予測が可能となろう。

   これに対して、IDを活用しての発注数量の確定であるが、発注数量=ID×IDPI値である。ただし、ここで、IDとは店舗全体のIDとその商品の購入IDとがある。これはレシートの時と同様であり、まずは店舗全体のIDが基本となる。その場合は、店舗の来店IDを予測し、次にIDPI値を予測することになる。そして、IDPI値=ID客数PI値×PI値であるので、さらに、IDPI値を確定するために、ID客数PI値(レシート枚数÷ID)と販売予測数量÷レシート枚数に分解し、それぞれの数字を予測することになる。また、レシートの時と同様に、PI値をさらに、客数PI値×購入客数のPI値に分けて考えることも必要であろう。

   また、IDそのものも購入IDのみでとらえ、発注数量=ID×ID客数PI値ID×IDPI値とし、購入IDを予測する方法もある。ここで、ID客数PI値IDは購入ID÷全IDとなる。したがって、ここから、発注数量=ID×ID客数PI値×IDPI値=ID×ID客数PI値ID×ID客数PI値×PI値と分解することもでき、さらに、発注数量=ID×ID客数PI値ID×ID客数PI値×客数PI値×購入レシートのみのPI値と分解することが可能となる。

   これは何を意味しているかというと、発注数量の確定には、まず、ID数の予測が必要であり、次に、その発注商品の購入ID数の割合がどのくらいになるか、そして、その購入IDはどのくらいの頻度で何か商品を購入し、その内、その商品を購入する割合はどのくらいで、しかも、購入する場合は1回当たり何個かということを意味しており、それぞれのプロセスで様々な外的、内的要因を考慮し、発注数量の数字を確定してゆくことになる。

   このように発注数量を確定するということは、レシートのみから考えるとかなりシンプルな思考で解けるが、IDがからむと複雑な要素がからみあい、発注数量の確定には困難がともない、不確定要素が重なる。ただ、発注数量を確定するということは、それほど複雑怪奇な要素が絡んでいるのは事実であり、どのような発注数量の数字も必ず、上記のように分解することが可能であり、発注数量に差が生じる場合はどこかのプロセスで差が生じているといえる。また、同じ発注数量に確定しても、どこかのプロセスではまちまちでも最終的に数字が一致する場合もある。発注数量の確定はその意味で、最終的には数字はひとつに確定されるが、そのプロセスは複雑怪奇であり、マーチャンダイジングそのものともいえる。少なくとも店舗にとって重点商品、顧客にとって重要な商品は様々な要素をじっくり考えて発注数量を確定したいところである。

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February 8, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 07, 2009

バロー、2009年3月、第3四半期決算、増収増益!

   バローが2/5、2009年3月期の第3四半期決算を公表した。営業収益2,573.33億円(106.6%)、営業利益77.11億円(104.4%)、経常利益81.07億円(104.1%)、当期純利益34.86億円(96.3%)と、当期純利益はやや昨年を下回ったが、営業、経常ベースでは増収増益となる好決算であった。当期純利益が昨年を下回った理由は、「「棚卸資産の評価に関する会計基準を当連結累計期間に適用したため、特別損失にたな卸資産評価損7.82億円を計上し、・・」ということであり、今期からの会計基準の適用が影響したといえる。

   バローは食品スーパーマーケットの他にホームセンター等、多角的に事業展開しており、通常の食品スーパーマーケットと比べ、たな卸資産がやや多めである。この第3四半期では商品および製品が206.80億円であり、これは総資産1,812.83億円の11.4%となり、通常の食品スーパーマーケットは5%前後であるので、約2倍となり、今回の会計基準では当期純利益に影響が生じたといえる。

   今期、バローが好調であった要因であるが、売上に関しては、スーパーマーケット13店舗、ホームセンター4店舗、ドラックストア22店舗及びスポーツクラブ4店舗を開設した一方、スーパーマーケット1店舗及びドラックストア1店舗を閉鎖し、結果グループ店舗数が442店舗となったことが大きいといえよう。ただ、既存店は97.7%、食品スーパーマーケット97.5%、ホームセンター98.4%と昨対を割っており、積極的な新店戦略に支えられた売上増であり、今後、既存店の活性化が課題といえよう。

   一方、増益となった要因であるが、売上原価は76.6%(昨年76.7%)と0.1ポイント下がっており、結果、売上総利益は23.4%(昨年23.3%)となった。これに対して、販売比及び一般管理比は24.0%(昨年23.6%)と0.4ポイント増加しており、今期は経費が増加している。したがって、マーチャンダイジング力は、差し引き-0.6%(-0.3%)となり、昨年よりも厳しい数字となった。これに不動産等の営業収入が3.7%(昨年3.5%)と0.2ポイント昨年よりも増加し、結果、営業利益が売上対比で3.1%(昨年3.2%)となったが、売上増とあいまって、増収となった。今期は、原価は改善しているが、経費増がやや重くなっており、マーチャンダイジング力が昨年よりも下がっているのが気になるところである。今後、一層、原価改善、経費削減を進める一方、既存店の坪効率を引き上げ、相対的に固定費を引き下げるマーチャンダイジング政策が課題といえよう。

   これを受けて、キャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは121.19億円となったが、投資キャッシュフローがこれを上回る-135.63億円となり、フリーキャッシュフローが-14.44億円の逆流となった。その要因は、新規出店関連の有形固定資産の取得による支出が-142.39億円、差入保証金の差入による支出が-18.45億円と多額になったためである。積極的な新規出店戦略への投資といえ、バローの強気の成長戦略の意思が表れているといえよう。したがって、財務キャッシュフローは87.68億円のプラスとなり、このマイナスを埋めているが、その中身は長短借入金、社債による収入であり、負債の増加で補っている構造である。

   結果、今期のバローの自己資本比率は30.4%(昨年32.4%)と、昨年と比べ0.2ポイント下げている。その要因を負債の主要項目である長短借入金等を見てみると、640.62億円(昨年決算時548.40億円)と、約100億円増加しており、総資産の1,812.83億円の35.3%となり、かなり、財務を圧迫しつつあるとえいよう。結果、出店余力であるが、出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金等の合計が1,131.09億円となり、総資産の62.4%であるので、自己資本比率30.4%から差し引くと-32.0%と約5割を負債に依存する財務構造となる。今後、安定的に新店をつくり、成長を目指してゆくには、自己資本比率の充実が課題といえよう。

   これを受けて、バローのここ最近の株価の状況であるが、ここ数日は株価が上昇気味で推移しており、投資家はこの第3四半期の決算結果を買いと見ているといえよう。ただ、バローの株価は昨年暮れまでは、右上がりに順調に上昇していたが、今年に入り、急激に株価が下がり続けている。一時は1,000円を超えていた株価が、現在800円強とわずか1ケ月で20%の下落である。この決算がどこまで株価をもどすか、ここしばらくはバローの株価の推移に注目といえよう。

   このように、この第3四半期のバローは好調な決算であり、株価も上昇ぎみに推移しはじめたといえる。ただ、キャッシュフローを見ると、営業キャッシュフロー以上の新規出店等への投資がなされ、それを借入等の財務キャッシュフローで補い、結果、自己資本比率を下げ、負債に依存する出店構造になっていることが気になるところである。いまが新規出店の機会とみた積極的な経営戦略をとったといえるが、既存店の状況、この第3四半期のマーチャンダイジング力等を見ると、一方で内部体制を充実させ、財務状況を改善することも、重要な経営課題といえよう。今後、バローが既存店の活性化にどう取り組み、財務状況をどのように改善してゆくのかに注目したい。

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February 7, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 06, 2009

原信ナルスホールディングス、第3四半期、増収減益!

    原信ナルスホールディンスが2/4、2009年3月期の第3四半期決算を公表した。売上高は885.57億円(104.6%)、営業利益23.27億円(86.0%:売上対比2.62%)、経常利益22.57億円(79.1%:売上対比2.54%)、)当期純利益10.17億円(102.3%:売上対比1.14%)と増収減益となる決算となった。また、同時に公表された通期の予想であるが、売上高1,150.00億円(103.1%)、営業利益32.00億円(88.2%:売上対比2.78%)、経常利益31.00億円(83.2%:売上対比2.69%)、当期純利益14.00億円(91.2%:売上対比1.21%)と同様に増収減益の予想であり、やや厳しい決算といえよう。

   原信ナルスホールディングスは、食品スーパーマーケットの原信とナルスが2006年4月1日に経営統合してでき た持株会社であり、今期決算で3期目を迎えることになるが、これまでの決算結果を見ると、2008年3月期は増収減益(営業利益ベース)、そして、2007年3月期は増収増益であった。ただ、初年度はナスルの売上、利益がそっくり乗った上での増収増益であり、昨年、そして、今期予想と2年連続で減益となる予想であり、売上面での効果は堅調な結果が出ているといえるが、利益面ではやや苦戦気味であり、まだ、明確な経営統合効果がはっきりしない状況といえよう。

   本来であれば、経営統合3年目からは売上はもちろんであるが、営業利益の効果が共通コストの経費削減等により、効果がでても良いのではとも思われるが、この第3四半期決算を見る限り、まだ、明確な数字となってあらわれてこないようである。ただ、原信ナルスホールディングスが同時に公開した四半期ごとの決算推移を見ると、営業利益は第1四半期2.5%、第2四半期2.4%、そして、第3四半期2.9%と、この第3四半期が最も高い数字となっている。その要因は、特に、経費比率が23.9%、24.7%、23.5%と、この四半期で最も低い数字となっており、この第3四半期での経費削減が営業利益を押しあえげたといえよう。したがって、この状況が今後継続してゆければ、経費比率が下がり、来期は営業利益の改善が期待できるといえよう。

   では、逆に売上面であるが、今期、原信ナルスホールディングスは104.6%という堅調な結果となったが、その中身を原信とナルスに分けてみると、原信が106.1%(既存店103.1%)と堅調な数字であったのに対し、ナスルは99.7%(既存店100.2%)と伸び悩んでおり、ナルスの方が売上ではやや厳しい状況であったといえる。原信とナルスの違いであるが、まず、客数1日当たりは原信が約3,000人であるのに対し、ナルスは約1,850人であり、客数が大きく違う。ただし、客単価は原信が1,782円であるのに対し、ナルスは1,864円となり、ナルスの方が逆に高い数字となる。その要因は原信のPI値1,025%、平均単価が173.8円であるに対し、ナルスはPI値が1,096%、平均単価が170.0円とPI値の違いによるところが大きいといえる。

   一方、原信ナルスホールディングスのキャッシュフローの流れであるが、この第3四半期は営業キャッシュフローが減益になったとはいえ、この四半期では最高の数字となり、26.36億円となり、第3四半期までの累計では51.30億円となった。ここから投資キャッシュフローとして、-24.11億円、その主な中身は新店への投資と思われる有形固定資産の取得24.83億円であり、健全な投資である。結果、フリーキャッシュフローは26.89億円と典型的な純流のキャッシュフローの流れである。そして、財務キャッシュフローであるが、-1.22億円となり、主に配当と社債の変換に当てられている。残念ながら、借入金の削減には今期はつながっていないが、結果、トータルでは25.96億円のプラスとなった。

   また、出店余力を見てみると、今期の自己資本比率は41.5%(昨年43.7%)となり、若干下がっているのが気になるところである。キャッシュフローのところでも見た負債の主要項目、長短借入金の状況であるが、この第3四半期は142.92億円(前期決算時139.49億円)と若干増加しており、総資産522.94億円に占める割合は27.3%と、かなり重い財務構造といえよう。したがって、出店にかかわる資産、土地、建物、敷金及び保証金の合計は288.83億円と総資産の55.23%となり、出店余力、自己資本比率-出店にかかわる資産は-13.7%と約25%近く負債に依存する出店構造となっており、今後、借入金の返済による一層の自己資本比率の引き上げが、安定的な新店の出店による成長戦略を確保するめには必要といえよう。
 
   このように原信ナルスホールディングスの2009年3月期の第3四半期決算は増収減益、通期予想も同様のやや厳しい決算結果となった。ただ、これまでの四半期の中では最も高い営業利益率を特に経費削減により実現しており、次の四半期、そして、来期の増益にはつながる流れができつつあるともいえる。また、減益になったとはいえ、キャッシュフローの流れは典型的な順流であり、この好調なフリーキャッシュフローを通じて、この第3四半期決算では改善できなかった借入金の削減が次の第4四半期、そして、来期に改善と進んで行けば、自己資本比率が飛躍的に改善され、出店余力が高まり、安定成長へとつながってゆく。その意味で、今後、原信ナルスホールディンスが安定成長に向けて、どのような財務キャッシュフロー戦略を打ち出すかに注目したい。

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February 6, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 05, 2009

関西スーパーマーケット、第3四半期、増収減益!

    関西スーパーマーケットが2009年3月期の第3四半期決算を2/2、公表した。結果は、営業収益827.63億円(103.9%)、営業利益14.22億円(77.8%:営業収益比1.71%)、経常利益16.41億円(81.7%:営業収益比1.98%)、当期純利益6.31億円(56.8%:営業収益比0.76%)と増収減益となる決算となった。増収の要因は4月に出屋敷店(兵庫県尼崎市)、12月に今福店(大阪市城東区)を新規出店したことに加え、3月から7月にかけて伊丹ショッピングデパート(兵庫県伊丹市)、10月に鴻池店(兵庫県伊丹市)を改装したことが寄与したといえよう。関西スーパーマーケットは現在、この今福店により、54店舗となり、大阪27店舗、兵庫27店舗と両地区へのバランスの良いドミナントが形成されつつある。

   一方、営業利益が減益となった要因であるが、まず、原価を見てみると76.2%(昨年75.7%)と0.5ポイント上昇し、結果、売上総利益(商品売買から得られる粗利)は23.8%(昨年24.3%)となり、利益が減少した。関西スーパーマーケットはこれについて、「青果物のディスカウント政策、海産物の産地直送仕入政策を推し進めてまいりました。さらに、競合店対策としましては、全部門にわたり、他店より低い売価を柱とした強化策を打ち出し対抗しております。」とのことで、今期は価格政策を強く打ち出しており、これが売上総利益を押し下げた要因のひとつといえよう。

   これに対し、販売費及び一般管理費についてであるが、23.9%(昨年23.9%)と昨年同様の経費比率となったが、マーチャンダイジング力である売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた数字は-0.1%(昨年0.4%)とマイナスに転じた。一般に小売業ではGMSなど、不動産収入の比率が大きい業態では、マーチャンダイジング力が大きくマイナスとなるが、食品スーパーマーケットがマイナスになるのは、収益構造に問題があるといえ、早急にバランスの回復をはかる必要がある。

   これはどちらが良いということではなく、バランスの問題であり、理想は粗利が大きく、経費が小さいであるが、これは稀なケースであり、通常は粗利が大きく、経費も大きく、差し引きプラスとなるか、粗利が小さく、経費も小さく、差し引きプラスになる場合が多い。粗利が小さく、経費が大きい場合は当然、差し引きマイナスとなり、今回の関西スーパーマーケットの第3四半期決算はまさにこの4番目のケースとなり、マーチャンダイジング力がマイナスに転じたといえよう。

   そして、営業収入であるが1.9%(昨年1.9%)と昨年同様の数字を維持し、営業利益が1.8%(昨年2.3%)となり、0.5ポイントダウンしたことが、減益となった要因といえよう。関西スーパーマーケットとしては、いかにマーチャンダイジング力をまずプラスにするかが急務であり、そのためには、一層の経費比率を引き下げることはもちろんであるが、まずは、粗利の改善が課題であろう。ただ、この厳しい競合の中での低価格政策を継続せざるを得ない面もあり、経営判断が難しいところであろう。

   これを受けて、関西スーパーマーケットのキャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは40.98億円となったが、この中には、金融機関休業日の影響等による仕入債務の増加42.26億円があり、実質、かなり厳しい状況といえよう。投資キャッシュフローは、11.44億円とプラスであるが、その中身は有価証券の売却による収入が45.07億円、投資有価証券の売却による収入10.00億円があり、これにうより、新店投資と思われる有形固定資産の取得26.63億円が賄われている状況といえ、合計フリーキャッシュフローは52.42億円と大幅なプラスにはなっているが、実質、厳しいキャッシュフローの流れである。本来、純利益を主体にした営業キャッシュフローで、新店への投資等を行い、その余剰資金で、借入金の返済、配当、自社株買いなどを行うのが理想といえるが、今決算では、減益の影響が厳しいキャッシュフローとなったといえよう。財務キャッシュフローであるが、-10.61億円であり、その中身は長期借入金の返済7.5億円、配当5.0億円等があり、結果トータル42.82億円となったが、仕入債務の増加42.26億円を考慮すると、営業キャッシュフローの余裕が欲しいところである。

   また、関西スーパーマーケットの自己資本比率は44.5%であり、負債の主要項目である長短借入金の合計は99.0億円と前決算の2008年3月時点の104.5億円よりも若干削減されてはいるが、総資産557.70億円の17.75%と依然としてやや高い水準である。出店にかかわる資産の合計、土地、建物、差入保証金の合計が300.96億円と総資産の53.96%であるので、出店余力、自己資本比率-出店にかかわる資産は-9.46%と約2割を負債に依存する構造であり、中長期的に安定的な成長を目指すには、もう一歩、財務の改善を推し進めたいところであろう。

   このように、2009年3月期の第3四半期の関西スーパーマーケットの決算が増収減益となり、マーチャンダイジング力がマイナスとなった。その結果、キャッシュフローが圧迫され、財務的にも安定成長を目指す上にはやや重い状況である。今後、消費環境は一段と厳しさが増し、今回、マーチャンダイジング力がマイナスとなった要因のひとつである価格競争はより厳しくなると思われる。関西スーパーマーケットが、今期、残された残り3ケ月、そして、来期に向けて、どのようなマーチャンダイジング戦略を打ち出すかに注目したい。

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February 5, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 04, 2009

2008年12月度の年末の状況を見る!

   昨年の年末の消費動向が明らかになった。本ブログでも取り上げた1/30に公表された2008年12月度の家計調査データの中に日別の消費動向があり、それを見ると、12/1から12/31までの日別の各項目ごとの消費動向が公表されている。家計調査データは、詳細な家計の消費動向が分析されているが、速報値は月間であるが、これに季刊(四半期)、年間があり、さらに、月間と一緒に日別の数字が公表される。そこで、ここでは、特に、気になる昨年の年末、および、クリスマスの日別の数字をもとに、2007年12月度と比べどのような消費の特徴があったのかを見てみたい。

   この2008年12月度は、9/15のリーマンブラザースショック以来、急激に落ち込んだ景気後退の影響を最も強く受けたといえる時期の年末である。したがって、その消費動向には例年にない変化が表れている可能性も高く、それが、今後、さらに混迷するであろう消費へ、どのような影響が予想されるかもうらなうことにもなり、ここで結果をしっかり把握しておくことが重要と思われる。

   まず、12月度の特徴であるが、食品(外食を除く)でみた場合、12/1から12/31までの31日間で12月平均よりも家計の消費額が高くなる日は、昨年の12月度は全部で7日間あった。12/23、24、27、28、29、30、31である。意外にクリスマス当日の12/25は消費額が12月平均を下回ったのが今年の特徴である。一昨年の2007年度は103.4%であったので、今年のクリスマスは食品はやや厳しい数字であったといえよう。ただし、食品を含む全消費額で見ると、12/25は118.62%と高い数字であり、食品以外の部門がこの日は大きく貢献したのが特徴である。ただ、一昨年と昨年のクリスマスの消費額を比べてみると、80.13%であり、今年はかなり厳しいクリスマスであったといえよう。

   そこで、問題の年末の消費動向であるが、今年の年末の日別動向は12/27から月間平均値を上回り、12/27(113.4%)、12/28(135.0%)、12/29(154.2%)、12/30(208.2%)、12/31(219.2%)となり、ピークは12/30、12/31の2日間であるが、12/27から徐々に消費額が上向いていることがわかる。これを全体でみると、12/28までは12月平均並みで推移しており、12/29(115.20%)、12/30(127.13%)、12/31(123.64%)という状況であり、さほど、年末だからといって、大きく跳ね上がるわけではないといえよう。むしろ、食品が全体の消費を引っ張っての年末の数字が上昇しているといえよう。

   では、一昨年と比べ、昨年、2008年12月度の年末の状況はどのように推移したかであるが、12/23(103.2%)、12/24(100.4%)、12/25(93.1%)、12/26(99.0%)、12/27(110.0%)、12/28(103.2%)、12/29(94.7%)、12/30(101.1%)、12/31(100.3%)という状況である。これを見ると、12月の最大の消費となる12/30、12/31はほぼ一昨年並みであり、12/29がやや落ち込み、12/27が例年よりも高い消費であったことがわかる。昨年の年末は、各社が早めに年末商戦に取り組んだために、12/27が一昨年と比べ最も伸び率が高い日となったのが特徴といえよう。

   そこで、まず、12/27、110%を優に超えた一昨年と比べて高い消費を示した部門を見てみると、穀類123.6%、果物123.1%の2部門が大きく伸びているのが特徴である。穀類では特に即席めん282.4%、スパゲッティ168.0%、もち143.0%、生うどん・そば133.5%などがよく伸びている。また、果物では金額は少ないがオレンジが異常値であり、955.6%、ついで、なし264.7%、バナナ171.8%、いちご145.1%がよく伸びている。

   次に、まさに、年末、12/30、12/31であるが、一昨年と比べ全体の数字は先に見たように12/30(101.1%)、12/31(100.3%)とあまり大きな変化はなかったが、部門で見ると、12/30は調理食品(惣菜)110.6%、肉類106.3%、魚介類104.2%と、この3部門が比較的高い伸びを示している。これに対し、12/31は菓子類112.6%、乳卵類107.9%、果物107.6%、油脂・調味料107.4%と、この4部門がよく伸びているのが特徴である。

   では、さらに、12/30の特徴的な大きく伸びた項目を見てみると、カツレツ159.8%、弁当136.2%、ハンバーグ128.2%、冷凍調理食品127.4%、合いびき肉201.0%、ベーコン152.0%、かつお317.6%、さんま291.7%、干しあじ242.2%、しじみ234.9%、あさり177.2%、たらこ145.5%、塩さけ144.7%、干しいわし135.2%、煮干し124.1%、さしみ盛合わせ122.6%等である。

   一方、12/31、特に伸びた項目を見てみると、ゼリー147.1%、ようかん135.9%、プリン120.7%、キャンデー120.1%、チーズ140.1%、バター122.8%、オレンジ314.3%、バナナ183.8%、キウイフルーツ152.4%、マーガリン157.4%、乾燥ス-プ140.9%、ふりかけ123.5%、ジャム123.4%等である。こう見ると、12/30、12/31、果物は共通しているが、それ以外は日により、消費項目が違うのが昨年の年末の特徴であったといえよう。ちなみに、12/30、12/31、どちらも伸び悩んだ部門は穀類(89.4%、98.8%)、酒類(88.0%、94.8%)、野菜・海藻(96.9%、100.7%)の3部門であった。

   このように、昨年、2008年12月度の食品の年末商戦はほぼ昨年並みの数字であったといえるが、12/27が意外に伸びており、若干早目に年末商戦が立ち上がったといえよう。そして、年末商戦の根幹、12/30、12/31は、一昨年と比べ、伸びた部門、伸び悩んだ部門はあったものの、全体の食品の数字は一昨年に近い数字であり、消費状況が悪化し、家計が明らかな節約志向に入っている割には、例年並みの比較的落ち着いた消費傾向であったといえよう。問題は、この1月からはじまった今季の消費であり、さらに、家計の節約志向は強まっており、今後の消費動向がどのような状況になるか、いち早く、現状を把握し、的確な対策を立ててゆく必要があろう。1月度は2月末に公表される予定であるが、どのような数字となるか気になるところである。

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February 4, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 03, 2009

ヤオコー、2009年3月期、第3四半期、増収大幅増益!

   1/30、ヤオコーが2009年3月期の第3四半期決算を公表した。ヤオコーは今期待望の100店舗を達成しており、今期の第3四半期の決算はちょうど100店舗での結果である。その数字であるが、営業収益1,588.56億円(104.6%)、営業利益70.52億円(112.1%:営業収益比4.43%)、経常利益71.11億円(113.4%:営業収益比4.47%)、当期純利益41.84億円(118.1%:営業収益比2.63%)となり、増収、大幅な増益となる好決算であった。この12月度の売上高も105.8%、既存店も101.8%と堅調である。特に、既存店は今期、一度も昨対を割ることなく推移しており、ヤオコーの好調さの源泉となっているといえよう。

   ヤオコーは今期100店舗を達成したが、その内、新店は4月に四街道店(千葉県四街道市)、10月に岩槻西町店(埼玉県さいたま市)、11月に高崎飯塚店(群馬県高崎市)の3店舗である。また、11月には若葉店(埼玉県鶴ヶ島市)を閉店しており、差し引き2店舗増となり、その結果、100店舗ジャストとなった。閉店した若葉店はヤオコーの基幹店舗、若葉ウォークの商圏内にある店舗であり、ここはベイシア、ベルク、イトーヨーカ堂等が乱立する激戦区でもあり、ヤオコーとしては、若葉ウォークに絞っての収益確保を狙ったものといえよう。また、今期、ヤオコーは9店舗の改装を実施しており、100店舗の約10%にあたり、この既存店の積極的な改装も既存店の売上にはもちろん、全店の売上にも大きく寄与しているといえよう。

   この好調な収益を受けて、キャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローが57.01億円となり、ここから、投資キャッシュフローが-31.40億円、その中には新店への投資である有形固定資産の取得が41.14億円あり、今後とも積極的な出店を継続するための投資がなされている。営業キャッシュフローの範囲内で新規出店への投資が十分に可能な状況であり、結果、フリーキャッシュフローは25.61億円と順流となり、豊富なキャッシュを確保している。そして、財務キャッシュフローであるが、長期借入金の返済、配当などに支出し、-10.76億円となり、結果、トータルでは、14.85億円のプラスとなった。投資キャッシュフローへの割合が55.0%であり、財務キャッシュフローが18.8%、余剰キャッシュフローが26.2%であり、借入金を削減し、株主への配当を行った上で、成長のための新店への投資を積極的に行い、余剰資金を約25%強生み出すという、食品スーパーマーケットとしては健全なキャッシュフローの流れであるといえよう。

   では、この健全なキャッシュフローの流れを生み出した大本の営業利益の状況を見てみたい。今期のヤオコーの原価は71.4%(昨年71.4%)であり、昨年と同様の原価となった。結果、売上総利益は28.6%(昨年28.6%)となり、今期は値上げ環境の厳しい原価管理が求められたが、原価を昨年同様に抑えられたことが大きかったといえよう。そして、販売費及び一般管理費であるが、28.2%(昨年28.4%)となり、0.2ポイント削減することができた。結果、マーチャンダイジング力、売上総利益から経費を引いた数字は0.4%(昨年0.2%)となり、0.2ポイント改善した。ただ、マーチャンダイジング力がわずかなプラスであり、この数字は今後、改善したいところであろう。これに、不動産、物流収入が4.2%(昨4.1%)加わり、営業利益は4.6%(昨年4.3%)となり、これに売上高の伸びが加味され、営業利益が2桁の増益につながった。

   これを受けて、ヤオコーの今期の自己資本比率であるが、46.4%(昨年43.3%)と若干改善している。その要因を見てみると、負債の主要項目である長短借入金の合計が67.87億円(前本決算時86.79億円)と今期約20億円改善されており、総資産680.99億円の9.9%と10%を切った。今期の営業キャッシュフローが57.01億円であるので、自己資本比率は今後さらに改善することが見込めるといえよう。ヤオコーの出店に関する資産、土地、建物、差入保証金の合計であるが、424.82億円であり、これは総資産の62.3%である。したがって、出店余力、自己資本比率-出店にかかわる資産=-15.9%とまだマイナス構造ではあるが、営業利益が潤沢であり、長短借入金の返済とのバランスで新規出店は十分に可能であるが、もう一歩、余裕が欲しいところであろう。そのためにも、もう一段と踏み込んだ営業収入依存構造から脱却し、マーチャンダイジング力の一層の改善が望まれるところであろう。

   このように、今期、2009年3月期の第3四半期の決算の公表がいよいよ始まり、今回、いち早く、決算内容を公表したヤオコーの現況を見たが、増収、大幅増益の好決算であった。なお、通期予想は2,092.00億円(103.4%)、営業利益80.50億円(103.0%)、経常利益80.00億円(102.5%)、当期純利益43.60 億円(103.1%)と堅調な増収増益の予想であり、この第3四半期決算の勢いを見るとやや控え目な予想ではある。ただ、今後、景気が後退局面に入り、消費環境が激変している状況を見ると、現在、ヤオコーは絶好調な状況ではあるが、今後は、予断を許さない消費状況に入るといえる。ヤオコーがこの好調な決算を受けて、来期、どのような経営方針を打ち出すかに注目したい。

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February 3, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

February 02, 2009

家計調査データ2008年12月度、消費支出、鈍る!

   1/30、総務省統計局から2008年12月期の家計調査データが公表された。全体の消費支出は、10,870.19円(95.8%)とマイナスに転じた。11月度は9,492.07円(100.7%)、10月度は9,403.35円(98.2%)、9月度は9,078.48円(100.0%)、8月度は9,392.06円(98.4%)、7月度は9,624.71円(102.3%)と、この6ケ月間では最も低い伸び率となり、改めて、家計消費が冷え込み始め、節約志向が鮮明になったといえよう。総務省統計局では、この数字のように名目ではなく、実質での伸び率を公表しているが、実質でもこの12月度は、95.4%であり、しかも、過去2年間で最も低い伸び率であり、家計は明らかに節約志向に入ったといえよう。

   では、その要因はどこにあるかを大分類で確認してみると、外食を含む食料3,131.81円(99.5%)、住居713.03円(90.6%)、光熱・水道768.29円(98.6%)、家具・家事用品435.03円(93.3%)、被服及び履物472.48円(92.4%)、保健医療431.61円(92.2%)、交通・通信1,260.10円(94.0%)、教育324.77円(103.1%)、教養娯楽1,242.2円(96.9%)、その他の消費支出2,090.81円(93.0%)という状況であった。食品、教育は堅調な数字といえるが、その他は軒並み厳しい数字であり、特に、住居(90.6%)、保健医療(92.2%)、被服及び履物(92.4%)など厳しい数字となった。

   そこで、このような全体的に消費支出が厳しい中で、食品はどうかを見てみたい。まず、外食を除く食品の状況であるが、食品2,646.16円(99.9%)とほぼ昨対並の堅調な数字となった。その中身であるが、特に穀類が278.23円(104.7%)と好調であり、最も伸び率が高かった。穀類の中でよく伸びた項目はスパゲッティ3.77円(131.5%)、即席めん5.84円(124.0%)、小麦粉2.10円(122.6%)が120%以上の伸びを示し、改めて値上げ関連商品が消費を牽引していることが鮮明になったといえよう。実際、最も伸び率の高かったスパゲティの伸びた要因を見てみると、購入世帯のみの数字が10.77円(126.8%)、購入世帯の割合が35.0%(103.7%)という状況であり、新たな購入世帯を増やしているのではなく、購入世帯の消費支出が上昇しており、これは、平均単価の上昇に負うところが大きいと推測される。他の120%以上伸びている項目もほぼ同様な傾向であり、結果的に値上げが消費支出を押し上げたといえよう。

   穀類についで、伸びた部門は果物141.35円(101.5%)、野菜・海藻326.94円(100.7%)、乳卵類112.13円(100.6%)であり、穀類を含む、この4部門が昨対を100%超えた部門である。この中で、120%以上伸びた項目であるが、バナナ14.00円(166.9%)、キウイフルーツ2.39円(154.2%)、ぶどう0.87円(135.0%)、かんしょ3.90円(122.2%)のみである。ただ、バナナの伸びには著しいものがあり、166.9%は食品すべての項目約200分類の中でNo.1の伸び率であり、改めてダイエット効果がテレビ放映されたことによる宣伝効果が明らかになったといえよう。ちなみに、バナナのここ最近の数字であるが、12月度14.00円(166.9%)、11月度15.67円(164.9%)、10月度18.23円(170.7%)、9月度15.06円(151.1%)、8月度12.42円(129.6%)、7月度13.55円(116.7%)、6月度15.40円(114.9%)、5月度14.10円(103.3%)、4月度13.23円(102.3%)という推移であり、9月度から爆発的に需要が拡大したことがわかる。では、その中身はどうかであるが、購入世帯のみの数字が20.12円(141.6%)、購入世帯の割合が69.6%(117.9%)という状況であり、購入世帯のみの数字の方が伸び率は高いが、購入世帯の割合も大きく増加しており、バナナの新規購入世帯も増やし、既存の購入世帯はさらに需要を増やすという好循環によるバナナの消費拡大が続いていることがわかる。

   これに対して、この12月度、消費支出が厳しかった部門であるが、魚介類404.39円(97.4%)、調理食品(惣菜)367.94円(98.1%)、飲料133.13円(98.8%)、酒類183.16円(98.9%)の4部門である。魚介類では生鮮魚介が216.19円(95.4%)と厳しい状況であり、特に、まぐろ24.39円(87.1%)、さば3.26円(87.8%)、ぶり19.68円(88.3%)、かれい4.61円(88.8%)等の主力項目が80%台という厳しい状況であり、消費額の大きいさしみ盛合わせ22.61円(97.1%)、この時期特有のかにが29.65円(91.1%)と伸びなやんだことが大きかったといえよう。ただ、その中でもさんま2.19円(136.0%)、えび20.61円(108.7%)、たこ5.65円(106.1%)は堅調な伸びを示した。

   調理食品(惣菜)では何といっても、うなぎのかば焼き3.55円(61.5%)の落ち込みが大きい。ついで、ぎょうざ5.03円(84.8%)、やきとり4.52円(92.1%)といずれも中国関連の項目が伸び悩んだといえよう。飲料では紅茶3.19円(83.9%)とミネラルウォーター5.39円(89.3%)が厳しい数字であった。そして、酒類であるが、ぶどう酒9.77円(78.7%)が厳しかった。ただ、この中でもウイスキーは4.39円(122.5%)絶好調であり、ここのところ酒類の中では断トツの伸び率である。

   このように、この12月度の家計調査データを見ると、明らかに消費の減退が感じられる。ただ、その中でも食品は比較的堅調であり、節約志向の中、検討している部門であるといえよう。特に、値上げ関連の穀類、乳卵類が消費を牽引しており、これについで、この12月度は果物、野菜が検討したのが特徴であったといえよう。いよいよ、今年に入り、本格的な不況となりつつあり、来月以降の家計調査データがどのような数字となるか、注意深く見てゆく必要があろう。

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February 2, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 01, 2009

消費者物価指数(CPI)、2008年12月度、落ち着く!

   1/30、総務省統計局から2008年12月度の消費者物価指数(CPI)が公表された。概要は、以下の3点に集約される。(1) 総合指数は平成17 年を100 として101.3 となり、前月比は0.4%の下落。前年同月比は0.4%の上昇となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は101.1 となり、前月比は0.5%の下落。前年同月比は0.2%の上昇となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は99.5 となり、前月と同水準。前年同月とも同水準となった。という状況であり、前月比ではいずれの指標も下落しており、総合指数、生鮮品を除く総合指数はわずかな伸び、食料および総合指数は下落となり、これまで上昇気味で推移していた消費者物価指数が明らかに下落傾向となり、落ち着いた数字となったといえよう。

   これは公表されたグラフを見るとさらに明らかであり、(1)、(2)はピークは8月、9月、10月であり、11月からは急激に数字が下降し、ほぼ昨年並みの数字に追いついた形である。また、(3)については、もともと物価の上昇は見られず、ほぼ昨年並みで推移しており、3年前の平成18年度よりも常に下回っている状況であり、この12月度はこの3年間で最も低い水準に近付きつつあるといえよう。これを見ても、今回の消費者物価指数は資源、エネルギー関連の相場高の影響による関連商品の値上げが原因であることが明らかであり、エネルギー関連の価格下落、資源関連による生鮮以外の食品の値上げが終息し、むしろ下落傾向になり、全体の物価を押し下げはじめたという状況である。ただ、その傾向は、明らかに、この数ケ月の動きであり、逆にいえば、今度は急激な逆流が起こりはじめたといえ、デフレへの懸念がではじめたといえよう。

   ここで、この12月度の主要な項目の消費者物価指数、前年同月比を見てみたい。まず、急激な変化があったのはエネルギーであり、これまで大幅な上昇を続けてきたが、ここ数ケ月では、はじめて-6.8%と下落した。特にガソリン-24.8%、灯油-18.6%が大きく下がったのが大きかったといえよう。ただ、プロパンガスは7.6%、電気代は4.6%、都市ガス代は7.1%と下がっておらず、これらが今後どのように推移するかにより、さらに、エネルギー関連は下がる可能性があるといえよう。

  また、これまでも消費者物価指数が大きく下がっていた家庭用耐久財は先月よりもさらに下がり、-3.2%となった。特に、ノートパソコン-45.3%、ディスクトップパソコンも-27.3%と大幅な下落である。さらに、カメラ-27.5%、テレビ-24.6%と家電関係はのきなみ下がっているのが現状といえよう。

   これに対し、生鮮食品を除く食料品は依然として、高値水準を維持しており、全体が4.0%という状況である。この中でもチーズ35.1%、マーガリン29.0%、うなぎかば焼き23.9%、スパゲティ23.0%、チョコレート22.8%、ひじき22.0%、ちくわ21.9%、小麦粉21.6%、ビスケット21.2%、そして、即席めん20.3%と、これらが20%以上、この12月度も消費者物価が高値水準を維持している商品群である。ちなみに、これら食品を中分類で見た場合の全体への寄与度であるが、穀類と菓子類が0.16と最もこの12月度、物価を上昇させている分類である。ついで、調理食品0.13、乳卵類0.06、油脂・調味料0.05、肉類0.05、酒類0.03となる。
 
   では、生鮮関連の消費者物価指数はどうかを見てみたい。3.0%以上上昇した商品を見てみると、生鮮魚介では、さば6.4%、たこ6.3%、かき(貝)6.3%、あさり4.4%、さんま3.7%、かつお3.5%、いわし3.3%であり、生鮮肉では、鶏肉9.4%、牛肉B4.3%、豚肉B3.4%である。さらに、生鮮野菜では、にんじん19.6%、はくさい10.2%、ごぼう7.6%、ながいも6.4%、かぼちゃ5.8%、えだまめ5.4%、しめじ4.7%、ねぎ4.5%、だいこん4.2%、さといも3.6%、生しいたけ3.2%であり、生鮮果物ではバナナ4.2%のみである。生鮮は以上の商品が3.0%以上、物価が上昇した商品であり、限られた商品であり、全体としては、大きな上昇はみられない状況である。

   ちなみに、食品以外で、この12月度の消費者物価指数が前年比で5%以上、上昇した項目は、自動車バッテリー27.6%、指輪12.0%、外国パック旅行10.5%、運動靴(子供用)9.2 %、ポリ袋8.8%、出産入院料(国立)8.8%、移動電話機8.0%、航空運賃7.0%、自動車タイヤ6.9%、OA用紙6.4%、トイレットペーパー6.2%、ヘアリンス6.2%、殺虫剤5.9%、女子学校制服5.9%、男子学校制服5.2%、タクシー代5.2%などである。

   このように、ここへ来て、消費者物価指数が急激に下がりはじめており、消費環境は明らかに、しかも急激に変わりつつあり、冷え込み始めたという表現がぴったりのように思える状況である。つい最近までは、値上げ問題が食品スーパーマーケットでは主要なテーマであったが、ちょうど、9.15のリーマンブラザースショック後の10月頃がまさに転機となっており、この11月、そして、今回の12月と物価が急激に下がりはじめているのが確認できる。おそらく、1月はさらに、下降している可能性が高く、さらに、時間とともに下降することが予想され、消費は明らかに転機をむかえ、デフレ基調になると判断してよさそうである。来月、1月度になるが、どのような消費者物価指数になるか注意深く見守ってゆきたい。

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February 1, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)