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April 30, 2009

イズミ、2009年2月決算、5,000億円突破、増収減益!

   イズミが2009年2月期の決算を4/13に公表した。年商が今期、5,000億円を突破し、食品スーパーマーケット業界としては、イズミはGMS、SCタイプの業態ではあるが、はじめて5,000億円を超えた。すでに公表された食品スーパーマーケット業界の決算で5,000億円近い年商規模の食品スーパーマーケットはライフコーポレーション4,629.68億円、平和堂4,122.14億円、イズミヤ3,811.31億円、マルエツ3,423.37億円、フジ3,211.57億円等であり、食品スーパーマーケット業界もいよいよ、年商5,000億円が視野に入ってきたといえよう。

   そのイズミの決算結果であるが、5,002.93億円(106.3%)、営業利益204.12億円(82.3%:営業収益比4.0%)、経常利益196.38億円(79.3%:営業収益比3.9%)、当期純利益127.34億円(93.2%:営業収益比2.5%)と、増収減益となり、今期は成長戦略に重点を置いた結果となった。特に、個別の営業収益は4,578.03億円(115.3%)と2桁の伸びである。一方、利益は、減益とはなったが、営業収益対比では、営業利益、経常利益ともに約4%となり、収益性は比較的高い数字であり、イズミはGMS、SCタイプの食品スーパーマーケットでありながら、収益も確保できているのが特徴である。

   では、まず、今期、イズミの年商が5,000億円を超えた要因を見てみたい。イズミは現在83店舗であるが、ドミナントエリアは地元中国地方が53店舗(売上構成比49.2%:昨対112.8%)、九州地方20店舗(売上構成比43.3%、昨対115.4%)、その他10店舗(売上構成比7.3%:昨対126.0%)と各地区、いずれも2桁を超える好調な売上であった。また、商品別にみると、食料品109.6%(売上構成比32.8%)、衣料品108.6%(売上構成比16.7%)、住居関連品111.2%(売上構成比8.8%)、そして、テナント120.6%(売上構成比34.4%)と、いずれも好調な売上であった。ただ、既存店は食料品100.5%、衣料品96.4%、住居関連品100.0%、テナント97.0%と伸び悩んでおり、新規出店による売上増であるといえる。今期、イズミはゆめタウン出雲店(島根県)、ゆめタウン三豊店(香川県)、ゆめタウン丸亀店(香川県)と、いずれも大型SCを出店しており、この新店効果が大きかったといえよう。

   次に、利益面についてであるが、特に、イズミの特徴はSC業態が主力フォーマットであるため、テナント構成比が34.4%と高いのが特徴である。そのため、営業利益も個別決算では21.1%となっているが、商品別の粗利率は食料品26.4%、衣料品37.1%、住居関連品31.5%と、この合計は30.3%と、極めて高い粗利率である。これが、22.0%まで下がるのは、テナントの粗利率が8.2%であり、しかも、売上構成比が34.4%と高いためである。

   ただ、これだけ、粗利率が低くなっても、営業利益、経常利益が約4%と、高収益になるのは、これ以外に、不動産収入、物流収入などの営業収益が4.8%(昨年4.7%)と、通常の食品スーパーマーケットの2倍以上あるからである。実際、今期のイズミのマーチャンダイジング力を見てみると、原価は78.0%(昨年77.6%)と0.4ポイント上昇しており、売上総利益は22.0%(22.4%)となった。一方、販売費及び一般管理費も22.6%(21.6%)と1.0ポイントと大きく上昇している。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-0.6%(昨年0.8%)とプラスからマイナスへと転じた。これに先の不動産収入、物流収入等の営業収入が4.8%(昨年4.7%)のり、営業利益が4.3%(5.5%)と、高収益を生み出している。昨年は5%を超えており、イズミの利益構造は、マーチャンダイジング力では収支トントンで、不動産、物流収入等がそっくり、営業利益となる構造であることがわかる。

   今期は特に、結果としては4.3%の営業利益となったが、マーチャンダイジング力は大きくマイナスに転じており、しかも、原価、経費、双方の上昇がみられ、商品面ではかなり厳しい状況であったことがわかる。ただ、経費比率は上昇したとはいえ、22.6%と、GMS、SC業態主体の食品スーパーマーケットとしては、低い経費比率であり、これが、イズミが高収益を生み出す要因のひとつといえよう。

   一方、イズミの出店構造を見てみたい。イズミの自己資本比率は28.6%とかなり低い数字であり、資産の大半を負債に依存する経営構造である。その負債の主要項目である長短借入金等の合計は1,726.54億円(昨年1,643.31億円)となり、昨年よりも100億円弱増加し、総資産3,851.59億円の44.8%とかなり重い構造である。これに対し、資産の中の出店にかかわる項目、土地、建物、差入敷金及び保証金等の合計は2,785.70億円であり、総資産の72.3%となる。したがって、差し引き、出店余力は-43.7%であり、負債に大きく依存する出店構造である。

   このように、今期のイズミは年商が食品スーパーマーケット業界ではじめて5,000億円を突破し、今期は、特に主力のSC業態、ゆめタウンにシフトした成長戦略を強く打ち出したといえる。ただ、原価、経費双方の上昇がみられ、成長戦略も負債に大きく依存する構造となっており、今後、安定成長を目指してゆくためには、財務構造の改善が課題といえよう。ただ、イズミは、GMS、SCを主体とする食品スーパーマーケットであるが、経費比率は22.6%と低い営業構造であり、これはイズミの強さであるといえ、競争力はまさに食品スーパーマーケットと互角であるといえよう。今後、イズミがさらに成長路線を堅持するか、財務改善に踏み込むか、今後のイズミの経営戦略に注目である。

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April 30, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

GMS業態苦戦、2009年2月期決算、イズミヤ、フジ!

   食品スーパーマーケット、上場企業の2009年2月期の決算がほぼ終了したが、食品スーパーマーケット業態には大きく2つのタイプがある。文字通り、食品専門に近い食品スーパーマーケットと、衣料品、住関連をも重視するGMS、ホームセンタータイプである。そのGMSタイプの典型的な食品スーパーマーケット、というよりも、食品を主力とするスーパーマーケットとして、イズミヤ、フジがあるが、この2社の2009年2月期の決算を取り上げてみたい。

   イズミヤは食品の売上構成比が58.7%、フジはテナントを除いた食品の売上構成比が60.4%であり、両食品スーパーマーケットともに、ほぼ同じ食品の比率である。衣料品はイズミヤ16.2%、フジ20.3%、住関連商品はイズミヤ20.1%、フジ19.2%であり、イズミヤの方がGMSよりもスーパーセンターが主力業態となりつつあるためと思われるが、住関連の構成比がやや高いという特徴がある。

   さて、今期、2009年2月期の決算であるが、イズミヤは営業収益3,811.31億円(0.0%)、営業利益53.39億円(78.6%:営業収益比1.4%)、経常利益41.89億円(75.5%:営業収益比1.0%)、当期純利益9.65億円(48.0%:営業収益比0.2%)と、営業収益横ばいとなり、利益は減益となる厳しい決算となった。一方、フジであるが、営業収益3,211.57億円(0.0%)、営業利益13.22億円(29.3%:営業収益比0.4%)、経常利益12.82億円(27.9%:営業収益比0.4%)、当期純利益-3.78億円となり、営業利益横ばい、利益は減益、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。両食品スーパーマーケットともに、売上が伸び悩み、利益は減益となる厳しい決算であり、この背景にはGMSタイプ特有の利益を生み出しにくい要因があると思われる。

   そこで、まず、両食品スーパーマーケットの営業構造を見てみると、一般的な食品スーパーマーケットとの最大の違いは、経費比率にあるといえる。イズミヤの販売比及び一般管理費は31.2%(昨年30.8%)であり、フジは28.8%(昨年28.6%)であり、どちらも、極めて高い経費比率である。しかも、昨年より、さらに、経費比率が上昇し、利益を圧迫しており、利益を出しにくい構造であるといえる。食品スーパーマーケット業界で高収益を上げている企業はこの経費比率が20%を切っている状況であり、この時点で約10%の差があり、粗利の低い食品を柱としてゆくには経費比率30%は、極めて利益を出しにくい構造であるといえよう。

   では、この差はどこから生じるかであるが、当然10%の経費差は、それぞれの項目の比率が高いということになるが、そのさらに背景にあるのは、資産効率にあるといえよう。資産効率を最も端的に表す指標は坪売上であるが、イズミヤの坪売上を計算すると、総店舗面積が617,201平米であるので、単純に営業収益を割ると、61.7万円となり、坪当たり203.7万円となる。一方、フジの総店舗面積は683,991平米であるので、同様に計算すると、46.9万円となり、坪当たり154.9万円となる。

   しかも、この販売にかわわる資産、すなわち、出店にかかわる資産、土地、建物、敷金保証金(差入保証金)等の合計はイズミヤが1,808.17億円(1店舗当たり21.02億円)、フジが909.53億円(1店舗当たり10.33億円)となり、それぞれの、総資産当たりの比率を計算すると、イズミヤが70.3%、フジが56.7%である。ちなみに、自己資本比率を見ると、イズミヤが40.2%、フジが33.7%であるので、差し引き、出店余力はイズミヤ-30.1%、フジ-23.0%となり、負債に大きく依存した出店構造となっている状況である。

   こう見ると、通常の食品スーパーマーケットとの差は歴然としており、GMSタイプの業態の場合は、1店舗あたり、少なくとも2倍以上の資産を投入しており、しかも、その資産が負債に依存する構造となっており、自己資本の範囲内での自由な出店戦略が組みにくい財務構造となっている。これに加え、坪当たりの売上が、1/2から1/3であり、様々な商品の中でも、最も商品回転率の高い商品である食品がゆっくりと回転しているイメージであり、結果、様々なコストが相対的に上昇し、経費比率を引きあげているといえよう。

   経費比率を引き下げるには、単純に経費削減も重要な手法のひとつであるが、それ以上に、財務構造、営業構造を根本的に見直すことも重要な経費削減の手法である。GMS業態の場合は、食品専門の業態と比べると、スタート時点から多額の資産が、負債依存型で投入され、しかも、その資産が生み出す売上が極めて低い効率となってしまいがちであり、結果、様々な固定費が上昇し、経費比率を引き上げてしまう、構造的な問題をかかえているといえよう。

   このように、イズミヤ、フジという典型的なGMSタイプの食品スーパーマーケットの今期決算を見てみたが、両企業とも同様の構造的な問題を抱え、利益が出しにくい状況にあるといえよう。この状況は、イズミヤ、フジに限らず、大手GMSも全く同じ構造的な問題にあるといえ、今後、収益をだしてゆくには、抜本的な営業面だけではなく、財務面においても改革が急務といえよう。まずは、現状の坪売上を少なくとも2倍以上に引きあげる政策が最優先であり、その後、安定的な収益確保をもとに財務構造の改善に入ることが望ましいといえよう。今後の両企業のGMS改革に注目したい。

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April 30, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 28, 2009

スーパーバリュー、2009年2月期決算、増収増益!

   スーパーバリューが2009年2月期決算を4/14、公表した。売上高373.30億円(104.1%)、営業利益11.18億円(100.1%:売上対比2.9%)、経常利益9.52億円(103.0%:売上対比2.5%)、当期純利益5.62億円(104.6%:売上対比1.5%)と、増収増益となる好決算であった。今期は昨年11月に川口前川店、12月に入間春日町店の計2店舗を新規出店したことが大きく、売上が順調に推移した。スーパーバリューは現在、埼玉県を中心に10店舗を展開しており、この2店舗の昨年末の新規出店は今後の安定的な売上をもたらすものといえよう。また、今期も2店舗の新規出店予定とスーパーバリューは、積極的な出店攻勢をかけており、成長路線が鮮明である。

   スーパーバリューの最大の強みは、経費比率にあるといえる。今期の経費比率は18.8%(昨年18.4%)と、昨年よりも0.4ポイント上昇したとはいえ、依然として、18%台を維持しており、この経費比率の低さが、競争力の源泉となっている。これに加え、商品構成が通常の食品スーパーマーケットと比べ、HC(ホームセンター)領域の商品を幅広く品揃えに加えており、品揃えが豊富なことも強みといえよう。
スーパーバリューの今期の商品構成比をみると、生鮮食品が34.0%、グロサリーが34.3%、HC関連が31.7%と3部門の柱が明確であり、バランスのよい商品構成になっている。ちょうど食品スーパーマーケットの商品群にHC関連の商品群を約3割付加した構造となっており、食品スーパーマーケットにない強みをもった独特な食品スーパーマーケットといえよう。

   実際、スーパーバリューの最新店舗の入間春日町店のレイアウトを見ると、通常の食品スーパーマーケットと比べ独特な商品ゾーニングとなっており、HC関連の商品をうまく期み込み、その強みを最大に発揮するような工夫が見られる。通常の食品スーパーマーケットのレイアウトは壁面を生鮮、日配等の冷蔵什器でくくり、内側を非冷のグロサリーで占めるのが通常である。ところが、スーパーバリューは壁面を生鮮、内側に日配を配置し、グロサリーはHCの日用雑貨等と生鮮食品、日配とは別個にゾーニングし、独立したレイアウトをとっている。さらにHC関連は、別個にゾーニングし、店頭を園芸等に充てていることである。まさに、売上構成比1:1:1に分けた合理的なゾーニングである。

   しかも、金額PI値=PI値×平均単価の公式どおりのレイアウトとなっており、生鮮・日配ゾーン、グロサリー・日用雑貨ゾーン、HCゾーンへ行くにしたがい、PI値が低くなるが、逆に平均単価は上昇し、金額PI値は一定の数字を維持するというゾーンニングである。HC関連を約3割にし、食品スーパーマーケットから、グロサリー30%を引き抜き、HC関連と融合させ、全体の調和をはかったところに独自性があるといえよう。

   そして、この商品群を経費比率18.8%と極めて低い販売管理費で回すことにより、その分、粗利を引き下げ、価格競争力を強め、近隣からの圧倒的な集客をはかるというマーチャンダイジング政策であるといえよう。実際、今期の売上総利益は20.9%(昨年20.5%)であり、通常の食品スーパーマーケットよりも、平均5%以上は低い売価設定でも、利益が約2%は可能なマーチャンダイジング構造である。実際、差し引き、マーチャンダイジング力を算出すると、2.1%(昨年2.1%)となり、さらに、これに、不動産収入等の営業収入が0.9%(昨年1.0%)のり、結果、今期の営業利益は3.0%(昨年3.1%)となり、これに売上の伸びが加わり、増収増益となった。明らかに、食品スーパーマーケットとは一線を画す、HC関連商品をほどよく融合した独特な食品スーパーマーケットが確立されたといえよう。

   ただ、ひとつ気になるのは、自己資本比率である。残念ながら、今期は13.7%(昨年12.4%)と、昨年よりは改善しているが、まだままだ10%台であり、負債に大きく依存した経営構造となっていることである。その負債の中身であるが、長短借入金等の合計が111.79億円(昨年115.55億円)であり、これは総資産202.34億円の55.2%と、経営に重くのしかかっている状況である。したがって、出店余力を見ると、出店にかかわる土地、建物、差入保証金等の合計は148.58億円(1店舗当たり14.85億円)と総資産の73.4%となり、その大半が負債、特に、長短借入金等に負う出店構造となっている状況である。ここから出店余力を見ると、差し引き、-59.7%となり、厳しい財務構造であるといえよう。

   このように、スーパーバリューの今期決算は増収増益と、好決算となり、新規出店も2店舗増え、特に、売上は安定した成長軌道に乗ったといえよう。また、利益に関しても、今期は、新店への様々な投資等が前倒しぎみになり経費の増加がみられたが、その分、原価の改善で相殺し、マーチャンダイジング力は昨年と同じ数字となった。また、経費が上昇したとはいえ、依然として18%台をキープしており、競争力は十分である。残す課題は、財務にあるといえ、今後とも新規出店を行い、安定成長を図ってゆくためにも、いかに自己資本比率を引き上げ、負債に依存しない強固な財務基盤を作ってゆくかが課題といえよう。スーパーバリューが成長戦略と財務基盤の安定と、今後、どのようにバランスをとってゆくかに注目である。

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April 28, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 27, 2009

売上速報、食品スーパーマーケット2009年3月度、失速?

   食品スーパーマーケット、上場約20社の2009年3月度の売上速報を集計した。食品スーパーマーケット業界は現在約60社が上場しているが、その中で、月度の売上速報を公表している企業は約20社である。その結果であるが、101.5%(既存店96.4%)となり、これまでの数字と比較しても、明らかに失速気味の数字といえよう。ただ、3月度の数字は、前回の2月度と同様、一部食品スーパーマーケットでは、2月中旬から3月中旬の数字で集計している場合もあり、今年は2月度がうるう月で1日少ないこともあり、約3%強誤差がでるため、数字が下がった食品スーパーマーケットもある。したがって、来月の数字を見ないと確かなことはわからないが、それでも、101.5%は伸び悩んだといえよう。

   ここ数ケ月の数字を振り返ってみると、2009年2月度(102.3%)、2009年1月度(104.7%)、2008年12月度(104.0%)、2008年11月度(106.2%)、2008年10月度(103.9%)、2008年9月度(103.5%)という推移であり、この3月度の101.5%は、ここ最近では、最も低い伸び率であり、2月度の102.3%と比べても、下がっており、厳しい数字といえよう。ちなみに、昨年の2月度は107.5%、3月度は107.0%、4月度は105.9%、5月度は106.0%と堅調な伸びであったので、ここまでの状況を見ると、食品スーパーマーケット業界も、今期はやや厳しい売上となりそうである。

   このような状況の中で、この3月度110%以上の好調な売上となった食品スーパーマーケットは2社ある。マックスバリュ東海111.8%とスーパーバリュー111.3%である。マックバリュ東海は、昨年、シーズンセレクト11店舗へのM&Aがあったことに加え、4店舗の新規出店を行い、結果15店舗増となったことが大きかった。また、この3月にも2店舗新規出店を行っており、今後、さらに積極的に新店を出店してゆく予定であるといい、当面、好調な売上が続くものといえよう。また、スーパーバリューも現在10店舗であるが、昨年11月に川口前川店、12月に入間春日町店と立て続けに2店舗の新規出店があり、今期は安定した成長が継続されるものといえよう。ただ、両企業とも既存店は97.0%、98.7%とやや伸び悩んでおり、気になるところである。特に、マックスバリュ東海は客数117.5%に対し、客単価が95.2%と、客数に依存した売上増であり、客単価の落ち込みが大きい。

   この2社に続き、105%以上の堅調な売上となった食品スーパーマーケットが3社ある。九九プラス、ダイイチ、PLANTである。特に、九九プラスは108.5%、既存店も105.1%と好調であり、既存店105.1%は今回の公表企業の中ではNo.1の伸び率である。ローソンとの資本・業務提携の効果が確実に業績に反映されてきたといえ、また、消費者の節約志向が強まる中、100円生鮮コンビニが追い風になっているものと思われる。ダイイチは105.5%と堅調な売上であるが、これは昨年7月にオープンした白石神社前店の貢献が大きく、この7月まではこの好調さが続くものと思われる。PLANTも105.0%と堅調な売上である。ただ、既存店は93.4%という状況であり、新店に支えられた売上増であり、今後、既存店の活性化が急務といえよう。

   これに対し、この3月度売上が厳しかった食品スーパーマーケットを見てみると、マックスバリュ北海道が91.9%、既存店も87.2%と厳しい数字となった。特に、既存店87.2%はかなり深刻な数字といえ、今後、抜本的な見直しが必要といえよう。ついで、アークランドサカモト93.5%(既存店94.2%)、マックスバリュ東北94.9%(既存店89.6%)と、この3社が95%を下回った食品スーパーマーケットである。マックスバリュは大きく2極化している状況であり、東海、西日本、中部は好調であるが、東北、北海道は深刻な状況となっており、イオンとしても、食品スーパーマーケット事業への支援体制を一層強化する必要があろう。

   そして、今期、伸び率は105%を下回ったが、100%を超えた食品スーパーマーケットを見てみると、マックスバリュ西日本104.5%、カスミ104.4%、バロー103.1%、オオゼキ102.7%、マックスバリュ中部102.5%、ヤオコー101.5%、CFSコーポレーション100.9%、いなげや100.6%、マルエツ100.3%、トーホー100.2%の10社である。この10社の中で既存店もプラスになったのは、この1年間新規出店がなかったオオゼキ1社の102.7%のみであり、2月度のうるう月という特殊要因があった食品スーパーマーケットもあったとは思うが、それを加味しても、既存店は厳しい数字であったといえよう。ちなみに、この3月度、既存店がプラスになったのは、オオゼキと九九プラスのみであり、食品スーパーマーケットも先月ぐらいから、いよいよ売上を確保するのが難しい経営環境に入ったようである。

   このように、うるう月の影響もあると思われるが、先月から、食品スーパーマーケットの売上が失速気味で推移し始めたといえ、この3月度は2月度以上に売上が失速しており、厳しい状況といえよう。3月は食品スーパーマーケット上場企業の60%強が2月度決算の新年度に当たり、今期は厳しいスタートとなった。次回、4月度の数字がどのような伸び率となるかにより、今期、食品スーパーマーケットの成長性がある程度推測できると思うが、ここまでの、ここ数ケ月の推移を見ていると、今期は厳しい1年になりそうである。次回、4月度の売上速報に注目である。

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April 27, 2009 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 26, 2009

オオゼキにみる常連客の経営的な意義を考えてみる!

   「お父さん、お父さん、今のお客さん、明日もまた来てくれるかね?」、オオゼキの創業者、佐藤達雄夫妻の言葉であり、オオゼキの創業の精神を象徴的に表した言葉であるが、この言葉ほどCRMの本質をついている言葉はないといえよう。オオゼキは早くから、ポイントカードを導入し、商品の値引きだけでなく、顧客に対していかに利益を還元するかに取り組んできた。その理由は、恐らく、この創業の精神を具体的に商売に活かす手段のひとつがポイントカードの活用であると判断したためと思われる。

   これまで、各食品スーパーマーケットでは、この顧客への還元政策、すなわち、ポイントカードを活用したCRMが経営に対してどのようなインパクトがあるかが、中々実証できずに、理念先行型でポイントカードを導入したり、競合店への対抗策としてやむをえず導入したりしてきたのが実態かと思う。この疑問に答える実証結果のひとつが、今期のオオゼキの決算で、明らかになった。

   オオゼキはこれまで、決算書ないしは決算説明会資料の中で、ポイントカードの活用事例と効果について、その一部を公開してきたが、今期の決算説明会の資料の中では、もう一歩踏み込んだポイントカードの実証結果が公表された。まさに、オオゼキの創業の精神が正しかったことを実証する結果となっており、改めて、ポイントカードを活用したCRMの目的、経営的な意義が明確になったといえよう。

   その内容であるが、オオゼキのポイントカードの顧客と各店舗の利益との相関関係を分析した結果、常連客と店舗営業利益率との間には、明らかな正の相関があったという今期の決算結果である。ここで常連客とは、買上頻度が週1回以上の顧客のことであり、新マーチャンダイジングでいえば、ID客数PI値が週1.0回/IDの顧客のことである。

   今回の公表内容では、まず、この常連客がレジ客数とどのような関係にあるかが分析されている。これも新マーチャンダイジングでいえば、IDとレシートとの関係であり、まさに、ID客数PI値を算出していることになるが、その結果は、28%の常連客が77%のレジ客数の構成比であったとのことである。これを新マーチャンダイジングの観点から、再解釈すると、全レシート枚数の77%は常連客28%のレシートであるということであり、23%が非常連客72%のレシートであるということである。

   仮に、レシート枚数が1,000枚発生すると、その内の770枚が常連客のレシートであり、その常連客は1,000枚のレシートをもたらした顧客の内、わずか28%であるという事実である。仮に、カード使用者が100人であったとすると、28人が770枚のレシートをもたらし、72人が230枚のレシートをもたらしていることになる。ID客数PI値を計算すると、常連客は770枚÷28人=27.5枚/人であり、非常連客は230枚÷72人=3.19枚/人ということになり、約10倍、ID客数PI値が違うことがわかる。常連客はこの期間に27.5回平均して来店しているが、非常連客は3.19回来店しているということになる。期間を約3週間と考えるとほぼぴたりであり、常連客は1週間に平均27.5÷3=9.1回、非常連客は3.19÷3=1.0回となり、これがかなり実態に近い数字ではないかと思われる。

   これは実証データであるので、オオゼキの常連客は非常連客の約10倍来店回数が多かったということであり、しかも、この28%の常連客の平均は1週間に約10回来店される顧客であることになる。そして、各店舗の常連客の人数と営業利益率の相関図を作成してみたところ、全29店舗がy=xの直線上に並ぶという結果になったという。常連客の高い店舗ほど営業利益率が高く、常連客の少ない店舗ほど営業利益率が低い結果となったという。

   まさに、オオゼキの創業の理念が実証されたけ結果であるといえ、常連客を大切にし、常連客を増やした店舗がオオゼキに結果的に利益をもたらしたといえる今期の決算結果となったことになる。CRMは、これまで、その目的がいまひとつ明確にならなかった点に加え、その実証事例があまりに少ないという問題もあり、単なるポイントカードで留まってしまった感がいなめないが、今回のオオゼキの実証結果は、CRMは常連客を大切にし、増やすことであり、その結果、企業に大きな利益をもたらすものであるということを明確にしたといえよう。

   これを新マーチャンダイジングの方程式に当てはめれば、ID金額PI値(粗利)=ID客数PI値×金額PI値(粗利)の中で、金額PI値よりも、ID客数PI値がCRMではより重要な指標であり、いかに、ID客数PI値を高めることが、ID金額PI値を高めることだけでなく、利益率をも高めることになるということが実証されたといえよう。

   当然、次のテーマとしては、ID客数PI値の高い顧客、すなわち、常連客の好みの商品は何かを見つけ出し、その商品を通じて、個別に還元してゆくなど、もう一歩踏み込んだポイントカードの政策も考えられることである。以前から、オオゼキは個店主義が徹底しており、常連客の要望する商品に対し、店長権限でその店舗だけ品揃えに加えることも実施していたが、まさに、これは常連客の来店動機を促し、ID客数PI値を引き上げる政策のひとつでもあったといえる。オオゼキが今回の実証結果を受け、今後、どのようなCRM戦略を打ち出すかに注目である。

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April 26, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 25, 2009

カスミ、2009年2月期決算、増収減益、高コスト響く!

   カスミが2009年2月度の決算を4/13、公表した。結果は、営業収益2,083.31億円(102.7%)、営業収益46.22億円(75.4%:営業収益比2.2%)、経常利益52.22億円(77.6%:営業収益比2.5%)、当期純利益17.00億円(69.4%:営業収益比0.8%)と、増収減益となる厳しい決算となった。特に、利益が各段階で減益となり、当期純利益は大きく減収となった。

   そこで、営業利益が減益になった要因を見てみたい。まず、原価であるが、72.4%(昨年72.2%)となり、0.2ポイント上昇している。したがって、売上総利益は27.6%(昨年27.8%)となり、粗利が下がった。今期は、既存店の内、6店舗をディスカウント業態Food OFFストッカーへ転換しており、全店が135店舗であるので、約3%の店舗構成比なる。その結果、Food OFFストッカーは、全部で18店舗となり、全体では10%強となり、これらのディスカウント業態が原価を押し上げている要因のひとつであろう。

   カスミの今期の売上総利益は27.6%であるが、これは全業態の平均であり、現在、カスミはこの平均を超える付加価値の高い業態と、Food OFFストッカーのように、この平均を遥かに下回る業態と、様々な業態に取り組んでいる。ここ数年は、Food OFFストッカー側の平均を大きく下回る業態に力を入れ、すでに、18店舗となり、構成比も10%を超え、全体の売上総利益へ影響を与えつつあるところまで来ている。相乗積からも、5%原価が高くなれば、0.5ポイント、10%で1.0ポイント、全体の原価を押し上げ、結果、売上総利益が下がる要因となる。このまま、Food OFFストッカーの店舗数が増えると、今後は、さらに、このような傾向が強くことになろう。

   一方で、カスミは、原価に関しては、イオンのトップバリュを積極的に導入し、特に、今期は原価改善に取り組んだ。現在、トップバリュの売上は100億円を超え、売上構成比は5.2%となり、原価へのインパクトは大きいといえる。これも、相乗積をとると、5%の原価改善で0.25%、10%で0.5%、20%で1.0%の全体への原価改善が可能であり、今期も0.5%以上は少なくとも原価改善につながったものと思われる。それにもかかわらず、今期の原価が0.2ポイント上昇したことは、少なくとも0.4ポイント以上は、原価を押し上げる要因があったといえ、Food OFFストッカーの要因だけではなく、それ以外の、今期の資源、エネルギー価格の上昇による仕入れ原価の上昇も大きかったものと思われる。

   では、営業利益を決めるもうひとつの大きな要因である経費、すなわち、販売費及び一般管理費を見てみたい。今期は28.7%(昨年28.1%)と、0.6ポイント上昇しており、本来であれば、Food OFFストッカーの店舗数が全体の10%を超えてきたので、ディスカウント業態の真骨頂であるローコスト効果が表れ始めても良い段階である。ところが、今期は、逆に0.6ポイントの上昇となり、他業態の経費上昇が相当大きかったものと思われる。

   こう見ると、今期はディスカウント業態であるFood OFFストッカーへ既存店を積極的に転換し、トップバリュを積極的に導入をはかり、経費削減と原価改善を同時に追求したにもかかわらず、双方が上昇するということになり、カスミとしては、既存業態、既存商品が厳しい状況であったものと推測される。

   その結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-1.1%(昨年-0.3%)と大きくマイナスとなり、商品売買から得られる粗利で経費をまかなえない構造がより拡大するという厳しい状況となった。営業利益が減益となった要因はここにあるといえ、今後、マーチャンダイジング力をいかにプラスにもってゆくかが、経営戦略の最優先課題といえよう。

   そして、営業利益であるが、このマーチャンダイジング力に物流収入、不動産収入が3.4%(昨年3.4%)のり、最終的には2.3%(昨年3.1%)とプラスにはなったが、昨年と比べ0.8ポイントと大幅に下がる厳しい結果となった。

   カスミは現在、135店舗であるが、その出店エリアは茨城県86店舗、埼玉県19店舗、千葉県18店舗、栃木県9店舗、群馬県3店舗という状況であり、茨城県が約60%という主ドミナント地区となっているが、この茨城県がここ数年、地元の食品スーパーマーケットの新規出店に加え、イオンのショッピングセンター、ヨークベニマルの本格参入、北関東、埼玉の有力食品スーパーマーケットの参入などもあり、競争が激化しており、今期のようなマーチャンダイジング力に直影響がでる厳しい経営環境にあるといえよう。
 
   ただ、来期の通期予想は、一転、営業収益2,282.00億円(109.5%)、営業利益52.00 億円(112.5%:営業収益比2.2%)、経常利益56.00億円(107.2%:営業収益比2.4%)、当期純利益25.00億円(147.1%:営業収益比1.0%)と、大きく業績が回復し、特に、売上が伸びる予想である。今期が特に厳しい状況であったといえよう。

   このように、カスミの今期の決算は増収とはなったが、減益となる厳しい決算となり、特に、原価、経費双方が上昇し、利益を大きく圧迫し、マーチャンダイジング力が大きくマイナスとなった。この数字を見る限り、Food OFFストッカー、トップバリュの効果はまだ明確に表れているとはいえず、今後、双方の売上構成比をさらに大きく上げることが必要とはいえるが、バランスを崩すと、カスミ本来の姿を見失う恐れもあり、どこでバランスをとるかが難しい経営バランスといえよう。来期、この微妙なバランスをどのように舵取りしてゆくのか、カスミの経営戦略のゆくえに注目したい。

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April 25, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 24, 2009

タイヨー、2009年2月決算、減収減益、来期は回復!

   鹿児島のタイヨーが、2009年2月期の決算を4/13、公表した。結果は営業収益1,271.73億円(97.4%)、営業利益33.74億円(91.6%:営業収益比2.6%)、経常利益34.14億円(92.5%:営業収益比2.6%)、当期純利益6.76億円(37.3%:営業収益比0.5%)となり、減収減益の厳しい決算となった。特に、当期純利益は、9.98億円の減損損失及び1.98億円の投資有価証券評価損が発生し、合計、11.96億円の損失となったことが大きく、昨対37.3%と大幅な減益となった。ただ、来期は、これらの損失がなく、さらに、売上も好調に推移する予想であり、決算予想は、営業収益1,346.00億円(105.8%)、営業利益40.00億円(118.5%:営業収益比2.9%)、経常利益40.00億円(117.1%:営業収益比2.9%)、当期純利益18.00億円(265.9%:営業収益比1.3%)と、一転、大幅な増益となる予想である。

   今期は、この減損損失、評価損以外にも、タイヨーには、イレギュラーなことが起こっており、通常は決済が済んでいるはずの買掛金45.32億円が、決算日が金融機関休日であったため、支払期日が翌月になり、増加したことである。当然、資産の現金及び預金も増加しており、この分、総資産が増加した。したがって、自己資本比率が今期は56.5%(昨年58.6%)とやや下がっているが、この分を相殺して、計算しなおすと、ほぼ同じ数字となり、自己資本比率は健全な数字であり、財務は安定しているといえよう。この金融機関の決済日の問題はタイヨーに限らず、多くの食品スーパーマーケットでも同様の状況が今期決算では多くみられる。

   また、負債の主要項目である、長短借入金等の状況については、201.48億円(昨年217.59億円)と昨年より約15億円削減されている。ただ、総資産952.01億円に占める割合は21.1%と、まだ大きく、今後、この長短借入金等の削減により、自己資本比率はさらに向上するものと思われる。ちなみに、出店構造を見てみると、出店にかかわる資産、土地、建物等の合計は701.90億円(1店舗当たり8.06億円)であり、総資産の73.72%となり、自己資本比率56.5%から引いた出店余力は、-17.2%と負債に依存する出店構造となっている。通常の食品スーパーマーケットと比べ、特に、土地の割合が大きく、店舗用以外の用途も大きいと推測される。ただ、今期の新規店舗、西原店(7月)、フレスポ国分内に出店した広瀬北店(11月)は、自己資本を充当したということで、実際、先に見たように借入金の増加はみられなかった。

   そこで、今期のキャッシュフローの流れをみると、営業活動によるキャッシュフローは89.66億円(昨年39.12億円)と、昨年よりも、大きく増加している。ただ、これは先にも見たように、金融機関の決済の関係で仕入債務の増加45.32億円が増加しているが、これを差し引いても44.34億円と、昨年よりも営業活動によるキャッシュフローが増加しており、豊富なキャッシュフローである。そして、投資活動によるキャッシュフローであるが、22.97億円(昨年43.59億円)であり、その中身は20.23億円の有形固定資産の取得による支出であり、これが、新規出店に関する資産であると思われる。結果、この時点でフリーキャッシュフローは66.69億円(昨年-4.47億円)と、仕入債務を差し引いてもプラスとなった。

   したがって、財務活動によるキャッシュフローは-19.06億円(昨年-13.58億円)とマイナスとなり、その中身を見ると、短期借入金が15.20億円増加しているが、長期借入金の返済を36.31億円しており、長短借入金は削減されている。キャッシュの中でも、今期の新規出店はキャッシュフローの範囲内で行われており、借入に依存していないことわかる。そして、結果、トータル47.62億円(昨年-18.06億円)と、ほぼ仕入債務の増加45.32億円がプラスとなっており、キャッシュフローはスムースな流れであったといえよう。

   今期は当期純利益が減損損失、評価損が発生し、苦しい状況であったにもかかわらず、キャッシュフローの流れは昨年よりもスムースであり、新規出店も自己資本を当てて行っており、経営のバランスが保たれているといえよう。来期予想は当期純利益がもとの状況にもどり、さらにプラスとの予想であり、財務は一層改善されよう。

   そこで、当期純利益のもととなる営業利益の構造を見てみると、今期は、原価が78.6%(昨年79.1%)と0.5ポイント下がっており、原価改善が進んでいることがわかる。結果、売上総利益は21.4%(昨年20.9%)となった。一方、販売費及び一般管理費は19.8%(昨年19.0%)と0.8ポイント上昇しており、今期は経費上昇がみられる。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は1.6%(1.9%)と、昨年より0.3ポイント下がり、これに営業収入が1.1%(昨年1.0%)のり、最終、営業利益は2.7%(昨年2.9%)と0.2ポイントのダウンとなった。今期は原価は改善できたが、経費上昇が見られ、ややマーチャンダイジング力が下がったのが気になるところである。

   このように、タイヨーの2009年2月期の決算は減収減益とはなったが、財務は改善しており、特に、新規出店2店舗を自己資本で充当しており、成長余力も高まりつつある。ただ、まだ、負債の中の長短借入金は多く、総資産の20%を超えている状況である。来期以降は当期純利益も正常にもどり、キャッシュフローが大幅に増加するので、負債の圧縮が一層進み、財務はさらに改善されるものと思われる。来期は、安定しつつある財務をもとにタイヨーがどのような経営戦略を打ち出すかに注目である。

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April 24, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 23, 2009

東武ストア、2009年2月決算、増収減益、財務安定!

   東武ストアが出店攻勢にでるという。4/22の日経MJによれば、「東武ストア、過去最大規模の出店、地下下落受け2年で13店」ということである。その中身をみると、今期は2店舗の出店にとどまっていたが、来期2009年には5店舗、2010年には8店舗と、計、今後2年間で13店舗を新規出店するという。結果、2010年度の売上は、現在の820億円から、1,000億円になるという。東武ストアがこれだけ、積極出店に打って出る背景には、今後、2年間は、「家賃コストや建築工事が下落し、人材も獲得しやすくなっている」ということで、新規出店の環境が整ったという。

   では、東武ストアの今期の決算から、この積極的な新規出店が可能かどうかを検証してみたい。まず、東武ストアの自己資本比率であるが、68.2%(昨年65.3%)と昨年よりも一段と上昇し、食品スーパーマーケットの限界に近付きつつある。負債比率は約30%であり、しかも、長短借入金等は11.51億円(昨年21.03億円)と、昨年と比べ半減し、総資産308.06億円のわずか3.7%であり、無借金経営はいつでも可能な状況であり、経営の自由度が広く、戦略の選択肢を豊富に検討できる経営環境である。

   一般に食品スーパーマーケットは自己資本比率が50%を切るようになると、経営の選択肢が急に狭まり、負債対策、特に、有利子負債の削減にかなりのエネルギーを経営陣がさかざるをえなくなる。経営の根幹である顧客との良好な関係を考える時間と資金がなくなり、企業経営が逆回転、すなわち、顧客へいかに利益を還元するかではなく、利益をいかに負債の圧縮にまわすかに追われることになる。これが行き過ぎ、40%、30%と自己資本比率が下がると、さらに負債が増え、顧客への還元がほとんどできなくなるような経営状況に追い込まれる。こうなると、経営に負債側からの強い圧力が加わり、食品スーパーマーケットがいつのまにか、商品ではなく、お金を仕入れることになり、成長が止まり、急激に競争力を落とすことになる。

   東武ストアも今期の自己資本比率は68.2%と極めて健全な数字となったが、ここまで経営が劇的に改善するには、かなりの時間がかかっている。これまでの東武ストアの自己資本比率の推移を見てみると、2009年2月(68.2%)、2008年2月(65.3%)、2007年2月(61.2%)、2006年2月(54.2%)、2005年2月(38.2%)、2004年2月(31.5%)、2003年2月21.5%)、2002年2月(38.3%)という状況であり、特に、2003年2月期は、経営危機にあったといえ、その後、徐々に自己資本比率を改善してきているが、劇的に変わったのは2006年2月期であり、ここから、自己資本比率が50%を超え、経営状況が反転、そして、今期は限界に近い自己資本比率に迫る勢いである。

   4/22の日経MJの積極出店の記事も、この自己資本比率の推移をみると、財務的な裏付けがある内容といえよう。そこで、さらに、今期の東武ストアの出店余力を見てみたい。東武ストアの出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金、差入敷金等の合計を見ると、186.00億円(1店舗当たり3.6億円)と通常の食品スーパーマーケットと比べ、かなりローコストな出店に関する資産である。総資産308.06億円に占める割合は60.3%であり、これは自己資本比率68.2%で十分に賄える財務構造であり、差し引き、出店余力は7.9%とプラスである。財務的には安定的な新規出店が可能な状況といえよう。

   一方、今期の実際の現金の流れ、キャッシュフローを見てみると、営業活動によるキャッシュフローが32.98億円であり、税金等調整前当期純利益21.48億円に加え、減価償却費が12.31億円の合計33.79億円が主なキャッシュであり、今期は当期純利益も増益となり、潤沢な営業キャッシュフローであるといえよう。仮に、これを全額、新規出店に振り向けると、出店にかかわる資産が1店舗当たり3.6億円であるので、約9店舗は自己資本で新規出店が可能なキャッシュフローであるといえよう。

   実際は、今期の投資活動によるキャッシュフローは、わずか5.13億円であり、大半が、財務活動によるキャッシュフローに回っている。ただ、今期は差入保証金・敷金の回収による収入が7.87億円あり、これがほぼそのまま有形固定資産の取得による支出7.59億円に充てられた形となり、投資活動によるキャッシュフローが下がったといえる。そして、財務活動によるキャッシュフローであるが、14.51億円であり、その中身は、長期借入金の返済による支出が9.52億円、配当金の支払い額が4.91億円であり、株主還元と財務の健全化、双方へ向けてのキャッシュフローが当てられている。恐らく、来期は、借入金等の全額返済がなされるのではないかと思われる。結果、現金及び現金同等物の増減額13.32億円というキャッシュフローの流れである。

   このように、東武ストアは確実に自己資本比率が向上し、財務の健全化がはかられ、有利負債もあとわずかとなり、出店余力が増しつつあるといえる。今後、日経MJの記事では2年間に10店舗ということであるが、東武ストアは、CHALLENGE1000PLANの中で、平成19年から平成22年までに20店舗の新規出店を表明しており、成長路線を鮮明にしている。実際、先に見たように、財務的な裏付けは十分といえよう。東武ストアが今後どのような新店をつくるのか、その最新フォーマットに注目したい。

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April 23, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 22, 2009

ハローズ、2009年2月決算、増収増益、利益伸び悩む!

   ハローズが2009年2月期の決算を4/10公表した。売上高629.89億円(110.1%)、営業利益20.80億円(101.8%:売上対比3.3%)、経常利益20.71億円(102.4%:売上対比3.3%)、当期純利益11.40億円(100.3%:売上対比1.8%)となり、増収増益の好決算となった。特に、売上が2桁の伸びとなる好調さである。ハローズは、昨年6月に丸亀店(香川県丸亀市)、11月に六条店(香川県高松市)、12月に笠岡店(岡山県笠岡市)、そして、今年に入り、2月に総社店(岡山県総社市)の合計4店舗と、積極的な新規出店をはたしており、これが売上増に大きく貢献したといえよう。ハローズは広島県19店舗、岡山県20店舗、香川県2店舗の計41店舗を展開しており、4店舗の新規出店は全体の約10%にあたる店舗数であり、新店効果が高い売上増に結びついたといえよう。

   一方、利益に関しては、残念ながら、売上の伸び率ほどは増益にはならなかったが、その要因を見てみると、まず、原価であるが、76.7%(昨年76.6%)と0.1ポイント増加している。今期は、ハローズのPB、ハローズセレクションを積極的に投入し、売上構成比は昨年の6.1%から6.7%へと、率にして110%近く伸びているが、原価を押し上げるまでには至らなかったようである。また、今期は、消費者の節約志向が定着し、各社,NBの値下げに走っており、ハローズも「低価格そのまんま宣言」「くらしらくらく宣言」「うれしい値」を総称した「生活防衛」企画として1,200品目を低価格でご提供しており、原価改善が難しい経営環境であったことも大きかったといえよう。結果、売上総利益は23.3%(昨年23.4%)となった。

   これに対して、販売費及び一般管理費であるが、22.6%(昨年22.2%)となり、今期は0.4ポイント上昇しており、経費増も利益圧迫要因となったといえよう。この結果、差し引き、マーチャンダイジング力は、0.7%(昨年1.2%)と大きく下がっており、今期は減価、経費双方が上昇するという厳しい状況となり、利益が伸び悩んだ結果となった。これに、不動産収入、物流収入などのその他営業収益が2.6%(昨年2.4%)のり、営業利益が3.3%(昨年3.6%)となったが、0.3ポイント下がった。したがって、売上は110.1%と絶好調であったが、営業利益が伸び悩む結果となった。

   これに対して、財務面であるが、ハローズは経営目標として、「当社の経営上の目標指標は、総資産経常利益率(ROA)であります。当社は、この指標を達成するため、売上高経常利益率及び総資産回転率の向上を目指しております。」と、ROAを経営目標としている。そのため、ROA=売上高経常利益率×総資産回転率とし、この双方の目標をそれぞれ、4.0%、2.5回転として、ROA、10.0%を目指している。今期の売上高経常利益率は3.3%、総資産回転率は2.1回転であるので、掛けたROAは7.0%であり、目標達成率70%という状況である。

   また、双方の指標を引き上げるために、「売上高経常利益率におきましては、高収益商品の開発、情報システム及び物流システムの改革並びに固定費の削減等に取り組み、売上高経常利益率4.0%を目指しております。また、総資産回転率におきましては、用地の取得形態を賃借物件3に対し、取得物件1の割合を基準とし、主に事業用定期借地契約を行うことにより、新規出店に伴う設備投資額を抑え、総資産回転率2.5回を目指しております。」としている。

   実際、ハローズの出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金の合計を見ると、183.14億円(1店舗当たり4.46億円)となり、総資産292.52億円に占める割合は62.6%となり、ここ最近の600坪タイプのNSCが主体となった店舗としは、資産を比較的低く抑えているといえよう。

   ただ、ROAは一方では自己資本比率×ROEとも分解でき、売上高経常利益率を引き上げつつ、自己資本比率の改善も重要な課題である。ハローズの現在の自己資本比率は33.9%(昨年38.8%)という状況であり、食品スーパーマーケットとしてはかなり低い数字であり、負債に依存する経営構造となっている。先の出店にかかわる資産を引いた出店余力は-28.7%という数字となり、出店構造も負債に大きく依存する状況である。実際、負債の主要項目である長短借入金等をみると、72.77億円であり、総資産の24.8%と財務を圧迫しており、今後、ROAを引き上げるためには、この負債を削減し、自己資本比率を引き上げることも重要な経営課題といえよう。ちなみに、現在、ROEは経常ベースで約20%であるので、自己資本比率が50%を超えれば、ROAは10%を超える計算となり、目標を達成することになる。

   このように、今期のハローズの決算は増収増益とはなったが、増収幅に比べ、増益幅が少なく、その要因は原価、経費の上昇によるところが大きい。いかに、この上昇に歯止めをかけるかが今期の経営課題といえよう。また、財務的には自己資本比率がまだまだ低い状況であり、今後、好調な決算をもとにいかに負債を削減するかも課題といえ、経営目標のROA10%を達成するためにも、この自己資本比率の改善は急務といえよう。ハローズの今後の安定成長を確保する上でも、この2点の経営改革をどのように打ち出すかに注目したい。

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April 22, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 21, 2009

アークス、2009年2月期決算、増収増益、財務安定!

   北海道のアークスが、2009年2月期の決算を公表した。売上高2,538.96億円(105.2%)、営業利益85.80億円(105.5%:売上対比3.3%)、経常利益93.81億円(105.6%:売上対比3.6%)、当期純利益49.72億円(101.3%:売上対比1.9%)と、増収増益となる好決算となった。北海道は現在、アークス、イオングループ、コープさっぽろの3つ巴の激しい競争が繰り広げられているが、その中での増収増益、しかも、年商がはじめて2,500億円を超える結果となった。

   今期、アークスは、戦略業態、スーパーアークスを積極的に新規出店しており、昨年は、スーパーアークス大曲店(6月)、スーパーアークス戸倉店(7月)、スーパーアークスウエスタン北彩都(8月)と3店舗出店した。これでスーパーアークスは7店舗となり、業態確立がほぼ固まったといえ、今後、さらに出店が増えるものと予想される。また、スーパーアークス以外でも、グループの福原がフクハラ中標津店を新規出店するなど、今期はこれら新規出店を含め、総店舗数は172店舗となった。さらに、今期は、カインズとの業務提携の中で、カインズホーム大曲店を新規出店するなど、ホームセンターへの参入も果たしており、新たな展開にも踏み込んだ。

   一方、今期は、利益も堅調であり、その要因を見てみると、まず、原価が77.2%(昨年77.4%)と、0.2ポイント改善しており、今期、多くの食品スーパーマーケットが原価改善に苦しむ中、アークスは原価を改善し、結果、売上総利益が22.8%(昨年22.6%)となった。通常の食品スーパーマーケットが25%前後であるので、アークスはかなり低い、売上総利益であり、この数字を見てもディカウント路線が鮮明であるといえる。これに対して、販売費及び一般管理費であるが、19.4%(昨年19.2%)と、0.2ポイント上昇したが、それでも、20%を切っており、ローコスト経営であるといえる。

   したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は3.4%(昨年3.4%)となり、昨年と同様の結果となった。経費上昇分を原価の改善で相殺した形であり、営業利益は売上上昇分と同じ、堅調な数字となった。アークスのマーチャンダイジング力の強さは、今期は0.2ポイント上昇したが、この20%を切る経費比率の強さにあり、この経費比率の低さが、ディスカントを支えており、結果、競争力を維持しつづけているといえる。また、さらに、今後はスーパーアークスに加え、「「革命的な価格」にチャレンジする取り組みとして「ビッグハウス太平店」「ビッグハウスノース」を実験店舗と位置付けし、新たな低価格業態の可能性を追求する」という。ますます、ローコスト、ディスカウント路線を徹底してゆく方針であるという。

   これを受けて、通期予想であるが、売上高2,620.00 億円(103.2%)、営業利益90.50億円(105.5%:売上対比3.4%)、経常利益98.00億円(104.5%:売上対比3.7%)、当期純利益53.00億円(106.6%:売上対比2.0%)と、ほぼ、今期同様の堅調な数字を予想しており、今期の好調さが来期も維持される予想である。

   では、財務面はどうかを見てみたい。まず、自己資本比率であるが、59.8%(昨年58.0%)と、昨年よりも改善されており、負債に依存しない経営が確立されつつあるといえよう。その負債の主要項目である、長短借入金等の合計であるが112.4億円(昨年139.07億円)と、昨年よりも約20億円強削減され、総資産993.47億円の11.3%となり、財務への負担は軽減されつつある。一方、資産の方を見てみると、今期の出店にかかわる資産、土地、建物、敷金・保証金等の合計は、739.10億円であり、これは総資産の74.3%となる。したがって、自己資本比率から引いた出店余力は-14.5%であり、まだ、負債に依存する出店構造ではあるが、今後、好調な決算結果を活かし、負債の圧縮が進めば、出店余力は増すといえよう。

   これを受けて、キャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは67.13億円となり、投資キャッシュフローは-40.48億円であり、結果、フリーキャッシュフローは26.65億円とプラスの順流のキャッシュフローとなった。主な投資としては、新規出店用の有形固定資産の取得による支出35.59億円がほとんどであり、今後とも新規出店を継続的に実施してゆくものと思われる。そして、財務キャッシュフローであるが、-25.70億円であり、主な内容は長期借入金の返済による支出が33.15億円であり、ついで配当の14.00億円である。借入の返済が確実に進んでおり、財務改善がなされている。結果、トータルではわずかではあるが、現金及び現金同等物を増加させており、好調な決算内容が財務改善に結び付くキャッシュフローの流れである。

   このようにアークスの今期の決算は増収増益の好決算となり、自己資本比率も上昇し、財務内容も確実に改善されつつあるといえる。戦略業態アークスも軌道に乗ったといえ、さらに、来期は、ローコスト経営を基盤とした新たなディスカウント業態の開発にも挑戦するという。北海道地区は日本の中でも消費環境がより厳しい地区といえ、節約志向は今後さらに深刻な状況が予想されるが、その中で、どのようなディスカントの新業態をアークスが開発するかに注目したい。

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April 21, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 20, 2009

ライフコーポレーション、2009年2月決算、増収増益!

   ライフコーポレーションが4/14、2009年2月期の決算を公表した。営業収益4,629.68億円(105.3%)、営業利益114.24億円(109.5%:営業収益比2.4%)、経常利益110.61億円(113.5%:営業収益比2.3%)、当期純利益54.50億円(127.4%:営業収益比1.1%)となる、増収増益の好決算となった。利益は2桁、営業収益も堅調な伸びとなり、食品スーパーマーケット業界の今期の決算の中でも好調な決算となった。

   今期、決算が好調な要因は、売上に関しては、昨年3月に今津駅前店(兵庫県)、毛馬店(大阪府)、4月に三国橋店(大阪府)、西九条店(大阪府)、6月に調布仙川店(東京都)、7月に江北駅前店(東京都)、10月に寝屋川黒原店(大阪府)、11月に大国町店(大阪府)、そして、今年2月に天神橋店(大阪府)と9店舗の積極的な新規出店を果たしたことに加え、既存店も102.4%と堅調な伸びとなったことが大きかったといえよう。特に、新店に関しては、昨年は4店舗、一昨年は6店舗であったので、今期は特に出店数も増え、売上に貢献した。これで、ライフコーポレーションは、首都圏91店舗、近畿圏112店舗の合計203店舗と200店舗を超える食品スーパーマーケットチェーンとなった。

   一方、営業利益が2桁近い伸びを示した要因は、原価が、73.7%(昨年73.8%)と0.1ポイント改善したことに加え、販売費及び一般管理費が26.4%(昨年26.4%)と昨年の水準に抑えられたことが大きく、結果、売上総利益が26.3%(昨年26.2%)となり、差し引き、マーチャンダイジング力は-0.1%(昨年-0.2%)と改善したことによる。ただ、まだ、マーチャンダイジング力はマイナスであり、特に、経費比率が高め水準であるので、一層の営業改善が必要といえよう。そして、これに、営業収入が2.6%(昨年2.6%)のり、営業利益が2.5%(昨年2.4%)と増益となった。なお、この営業収入の約80%は物流センター手数料収入であり、いかに、物流収入がライフコーポレーションの収益を支えているかがわかる。

   ライフコーポレーションは今期9店舗という、ここ数年では、最も出店数の多い積極的な新規出店を展開したが、その新規出店をささえる財務状況を見てみたい。まず、自己資本比率であるが、24.8%(昨年23.8%)と厳しい財務状況であり、約75%を負債に支えられた経営構造となっており、経営の自由度が低い状況である。その負債の主要項目である長短借入金等の合計であるが、518.49億円(昨年666.91億円)と、この好決算をもとに約150億円削減したが、総資産1,655.84億円に占める割合は31.3%と、まだかなり高めの水準である。したがって、資産の中の出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金等の合計をみると、977.27億円(1店舗当たり4.81億円)という状況であり、総資産の59.0%と自己資本比率との差、出店余力は-34.2%となる。出店にかかわる資産の大半を負債におう出店構造といえ、財務的には新規出店がかなり、重い負担となっているといえる。

   その意味で、ライフコーポレーションは非常に厳しい財務状況の中で、あえて積極投資を行い、営業収益を好転させ、経営改革を断行するという、強気の経営を打ち出していえるといえ、トップの強い指導力が問われるマネジメントである。また、その背景には、ライフコーポレションは、「「第三次中期3カ年計画」の翌年度に当たる創業50周年、すなわち平成23年度に250店舗、売上高5,000億円、経常利益150億円を達成すべく目標」と、高い目標を掲げており、この3年間で、経営基盤を作り上げるという強い意思が働き、ここ最近の積極投資がなされているものと思われる。

   これを踏まえ、来期であるが、「更なる競争力の強化と生産性の向上を図るべく当事業年度を初年度とした「第三次中期3カ年計画」を策定し」、実行に入るという。そして、来期は、新店投資は現時点では6店舗と、今期よりはやや抑制するが、新基幹システムの入替え、近畿圏物流再構築の実施により一時経費が上昇するとのことで、営業収益4,790.00億円(103.5%)、営業利益103.00億円(90.2%:営業収益比2.1%)、経常利益100.00億円(90.4%:営業収益比2.0%)、当期純利益50.00億円(91.7%:営業収益比1.0%)と、増収減益の予想である。

   今期同様の増収増益の好決算の達成は難しいようであるが、新店を含め、情報システム、物流構築への投資は継続するとのことで、依然として、積極的な投資が継続される予定である。ちなみに、投資家はこの決算をどう見ているかであるが、ライフコーポレーションの株価は、この好決算が予想された3月中旬以降、上昇しはじめ、それまで、1,600円前後であった株価が、3/30には年初来最高値となる1,870円まで上昇した。ただ、その後、株価は下がり始め、この決算発表のあった4/14は1,670円、前日比1円高となり、その後1,650円前後で推移している状況である。

   このように、今期のライフコーポレーションは大幅な増収増益となり、好決算となったが、自己資本比率は依然として、24.8%と財務的には負債に依存する経営構造が続いており、一層の経営改革が必要な状況である。ただ、このような財務状況の中で、あえて、積極的な新規出店、情報システム、物流の整備と積極的な投資を行っており、強気の経営が特筆される。今後、創業50周年、年商5,000億円へ向けて、この積極的な経営が続くものと思うが、負債とのバランスをどうはかってゆくか、今後のライフコーポレーションの財務戦略に注目である。

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April 20, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 19, 2009

ベルク、2009年2月期決算、増収増益、来期1,000億円!

   ベルクが2009年2月期の決算を4/9公表した。売上高991.94億円(109.2%)、営業利益41.34 億円(101.2%:売上対比4.1%)、経常利益42.96億円(101.8%:売上対比4.3%)、当期純利益22.62億円(100.3%:売上対比2.2%)となり、増収増益の好決算となった。特に、売上が順調に伸びており、来期はベルク創業50周年にもあたり、年商1,000億円が目前となってきたといえる。

   今期ベルクは、昨年6月に幸手北店(埼玉県)、7月に上里SC店(埼玉県)、10月にベスタ東鷲宮店(埼玉県)、11月伊勢崎スマーク店(群馬県)の4店舗を新規出店し、現在、1都3県に58店舗を展開している。来期もすでにこの3月に出店した川口差間店(埼玉県)をはじめ、7月にベスタ大泉店(群馬県)、9月東所沢店(埼玉県)、11月にさいたま宮原店(埼玉県)と、合計4店舗の出店が決まっている。

   その結果、通期予想は、売上高1,055.32億円(106.4%)、 営業利益43.42億円(105.0%:売上対比4.1%)、経常利益44.83億円(104.3%:売上対比4.2%)、当期純利益23.75億円(105.0%:売上対比2.2%)となるとのことで、年商1,000億円を突破する予想である。また、今期以上に増益を見込んでおり、利益の方も順調に推移する予想である。

   ベルクは食品スーパーマーケット業界の中でも高収益企業であるが、その要因を今期の決算書から見てみると、原価が74.2%(昨年74.0%)と0.2ポイント上昇した。今期は資本・業務提携しているイオンのPB、トップバリュを積極的に導入するなど、原価改善に取り組んだが、資源・エネルギー価格の上昇による、原価アップの方が大きかったようで、原価はやや上昇気味であった。その結果、売上総利益は、25.8%(昨年26.0%)となった。

   一方、販売費及び一般管理費であるが、25.4%(昨年25.2%)と、こちらも0.2ポイント上昇し、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は0.4%(昨年0.8%)と、プラスにはなったが、ぎりぎり、プラスという状況であり、今期は、原価、経費、双方が上昇するという厳しい営業状況であったといえよう。これに、営業収入が3.8%(昨年3.7%)のり、結果、営業利益は4.2%(昨年4.5%)と、0.3ポイント下がった。ただ、営業利益は4%を超えており、食品スーパーマーケット業界の中では高い営業数値である。

   ベルクの利益の源泉は、このように、マーチャンダイジング力よりも、営業収入3.8%に重みがあるが、その中身は、物流収入が約6割強、不動産収入が3割強、その他となっており、物流収入の比重が大きいのが実態である。したがって、売上をいかに維持し、増収をもたらすかが課題といえ、その意味でも、今後、年商が1,000億円を突破することは、営業収益を高める上でも重要な経営戦略であるといえよう。

   この好調な決算を受けて、ベルクのキャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは41.49億円となった。特に、今期は積極的な新規出店もあり、減価償却費が増加しており、この傾向は今後も続き、営業キャッシュフローは安定した数字が確保されるものといえよう。これに対し、投資キャッシュフローであるが、-38.54億円となり、フリーキャッシュフローは2.95億円のプラスとなり、順流ではあるが、もう少し、余裕が欲しいところであろう。その中身であるが、37.33億円とその大半を有形固定資産の取得等による支出と、新規出店関連に充てており、今後とも確実に新規出店を継続してゆく強い意志が込められているといえよう。財務キャッシュフローであるが、-11.44億円とフリーキャッシュフローを超え、資金を取り崩す結果とはなったが、長期借入金等の返済、そして、配当に充てており、株主への還元、財務の改善が進んだ。結果、トータル、-8.49億円となり、期末の現金及び現金同等物は31.46億円となった。

   これに対し、財務の状況であるが、自己資本比率53.1%(昨年51.8%)とキャッシュフローの流れでも明らかなように、長短借入金の返済が進んでおり、自己資本比率の上昇がみられる。その負債の主要項目の長短借入金等の状況であるが、114.56億円(昨年120.99億円)となり、総資産515.97億円の22.2%であり、返済が進んだとはいえ、まだ、やや多めといえよう。一方、資産であるが、出店にかかわる資産である、土地、建物、差入保証金の合計は386.51億円(1店舗当たり6.6億円)となり、総資産に占める割合は74.9%である。自己資本比率から差し引いた出店余力は-21.8%となり、負債に依存する出店構造といえ、今後、安定的な新規出店を果たしてゆくためにも、一層の自己資本の充実が課題といえよう。

   このように、ベルクの2009年2月期の決算は増収増益の好決算となったが、やや気になるのは、特に、今期は原価、経費双方に上昇が見られ、マーチャンダイジング力が下がり、物流収入に負う利益構造となったことである。出店余力もまだまだ負債に負う財務構造といえ、今後、安定成長を目指す上にも、マーチャンダイジング力の改善は急務といえよう。ベルクは来期、1,000億円の売上を突破することは確実となったが、今後、いかに、原価、経費を引き下げるマーチャンダイジング力の改善に取り組んでゆくか、その経営戦略の動向に注目したい。

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April 19, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 18, 2009

セブン&アイH、2009年2月決算、減収、海外響く!

   セブン&アイHが4/9、2009年2月期の決算を公表した。営業収益5兆6,499.48億円(98.2%)、営業利益2,818.65億円(100.3%:営業収益比4.9%)、経常利益2,793.06 億円(100.4%:営業収益比4.9%)、当期純利益923.36 億円(70.7%:営業収益比1.6%)と、減収となり、利益に関しても、営業、経常段階ではわずかに増益となったが、当期純利益は減収となる厳しい決算となった。

   減収となった要因であるが、円高により、アメリカのセブンイレブンがドル換算では売上が堅調であったにも関わらず、円換算では94.5%となったことが大きかった。また、国内全体も99.6%と伸び悩み、特に、百貨店事業が96.9%となったことが響いたといえる。ちなみに、為替レートであるが、1ドルが103.48円であり、昨年が117.85円であったので、10%強、昨年より、円高となっている。また、来期も95.00円であり、いっそう円高が進むとの予想であり、海外比率が高いセブンイレブンは経営への影響が大きいといえる。

   特に、コンビニエンスストア事業は加盟店の売上では、日本の方が高いが、決算に計上される営業収入では、海外比率が約75%であり、今回、この海外部門が94.5%となったことがセブン&アイHの売上全体に響いたといえる。セブン&アイHの営業収益は特に、このセブンイレブンの北米比率が高く、全体の5兆6,499.48億円の内、1兆7,631.75億円と約30%にも及ぶ。したがって、北米の円高による為替の影響はもろに全体に響くほど大きいといえよう。ちなみに、中国を含め、他の海外事業は804.01億円であり、わずか1.4%である。余談だが、この3月度のウォルマートの売上が昨対を割ったのも、約25%弱の海外部門の為替差損であり、セブン&アイHも同様の影響を受けたといえよう。

   セブン&アイHの事業別の営業収益の構成比であるが、コンビニエンスストア事業が2兆3,086.90億円(40.8%)、スーパーストア事業(GMS、食品スーパーマーケット等)2兆1,250.29億円(37.6%)、百貨店事業9,938.77億円(17.5%)、フードサービス事業1,027.11億円(1.8%)、金融関連事業1,248.66億円(2.1%)、その他となる。したがって、コンビニエンスストア事業と百貨店事業の合計は58.3%となり、約60%の事業が減収となったことが今期の減収の要因といえよう。

   これに対し、営業利益の状況であるが、原価は74.4%(昨年74.0%)と0.4ポイント上昇した。資源、エネルギー関連の影響が大きかったといえるが、今期は特に、セブンプレミアムを積極的に投入し、粗利改善をはかったが、数字にはまだ明確には表れていないようである。この原価について、主な事業部門を見てみると、セブイレブンジャパン19.1%(昨年21.2%)、イトーヨーカ堂74.4%(昨年74.3%)、ヨークベニマル75.7%(75.6%)、そごう76.1%(昨年75.8%)、西武百貨店76.7%(昨年76.3%)、セブン&アイ・フードシステムズ35.0%(35.8%)という状況であり、原価改善となったのはセブンイレブンジャパンのみであり、全体体に、原価が上昇気味で推移したといえよう。

   結果、売上総利益は25.6%(昨年26.0%)と、0.4ポイント下がった。一方、販売費及び一般管理費であるが、31.0%(昨年30.8%)となり、0.2ポイント上昇した。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は-5.4%(昨年-4.8%)であり、0.6ポイント下がっており、厳しい結果となった。原価、経費双方が上昇しており、利益を大きく圧迫する要因となっている。ちなみに、イオンのマーチャンダイジング力は-8.5%(昨年-7.8%)であり、この時点で3ポイントほど収益性の違いが表れている。特に、イオンは売上総利益が28.3%(昨年28.7%)と高めであるが、販売費及び一般管理費も36.8%(昨年36.5%)と際立って高いという特徴がある。

   そして、これにその他の営業収入が10.9%(昨年10.2%)と0.7ポイント上乗せされ、営業利益が5.5%(昨年5.4%)と増益となったが、その他営業収入のプラス分の貢献が大きいといえ、商品売買から得られる粗利、マーチャンダイジング力は、依然厳しい状況である。

   さて、これに対し、財務状況であるが、今期は自己資本比率47.9%(昨年51.1%)と、やや下がったことが気になるところである。負債の中の主要項目である有利子負債の状況を見てみると、7,938.67億円(昨対103.6%)となり、総資産3兆7,270.60億円の21.3%とやや重い状況である。特に、百貨店事業の3,369.39億円、金融関連事業の2,315.17億円が大きく、合計約70%を占め、この2部門が負債に負う事業構造となっていることが、財務を圧迫しているといえる。

   そして、これを踏まえて、出店構造であるが、資産の中の出店に関する資産、土地、建物、長期差入保証金の合計であるが、1兆6,245.57億円であり、総資産の43.5%である。したがって、自己資本比率から差し引いた出店余力は、4.4%のプラスとなり、財務構造的には負債に依存しない出店が可能な状況といえる。

   このように、セブン&アイHの2009年2月期の決算は減収となり、売上がやや伸び悩んだ感はあるが、その要因は円高による北米の影響と、構造的に厳しい百貨店事業によるところが大きかったといえよう。また、利益に関しては、原価、経費双方が上昇したが、その他営業収入でカバーしており、ぎりぎりプラスとなったが、やはり、原価、経費、双方の上昇は気になるところである。また、財務状況に関しては、百貨店の有利子負債が大きいといえるが、それをカバーする自己資本比率を確保しており、出店余力はプラスとなり、財務は安定しているといえよう。ただ、今後は、これまで成長戦略の中核を担ってきたコンビエンスストア事業がtaspo効果も弱まり、低成長が予想される中、スーパーストア事業の役割が鍵を握るものと思われる。すでに打ち出しているPRICE、ARIOを含め、ヨークベニマル等の食品スーパーマーケット事業に関し、セブン&アイHがどのように経営資源を投入し、成長戦略を打ち出すかに注目したい。

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April 18, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 17, 2009

イオン、2009年2月期決算、増収減益、純利赤字!

   イオンが4/14、2009年2月期の決算を公表した。すでに、日経新聞等で事前報道がなされていたとおり、営業収益5兆2,307.86億円(101.2%)、 営業利益1,243.73億円(79.7%:営業収益比2.3%)、経常利益1,260.30億円(75.8%:営業収益比2.4%)、当期純利益-27.60億円と、増収減益、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。これを受けて、イオンの株価の動きであるが、4/13(773円)、4/14(736円)、4/15(774円)と決算の公表があった4/14は下げているが、翌4/15には株価を戻しており、投資家は今回の決算を冷静に受け止めており、すでに織り込み済みといえよう。

   イオンの株価は今期900円前後でスタートしたが、その後、株価は下がり続け、2月末の本決算時には、550円前後まで、株価を下げた。そして、3月中旬頃からは、株価は反転、上昇に転じ、ほぼ右上がりで推移しはじめた。さらに、4月に入り、4/14の決算が近づいても株価は上昇気味で推移し、4/15現在、774円という水準であり、売買高も500万株前後で安定している。投資家は今回の決算がイオンの経営へのインパクトは大きいとは見ていないようで、その動向を注視しているようである。

   さて、イオンが今回、赤字に転じた要因であるが、これを8月移行、持株会社に移行した後の11事業部別に見てみると、専門店事業とGMS事業(国内)の2事業の当期純利益が損失となったことが大きい。特に、専門店事業ではアメリカのタルボットが571.87億円の損失に加え、コックス11.97億円、ブルーグラス5.82億円と主力専門店がすべて赤字という厳しい状況である。また、GMS事業については、イオンリテールは77.29億円の黒字となったが、イオン北海道20.40億円、サンデー9.66億円、その他53.60億円の赤字となり、GMS事業全体では6.33億円の赤字となった。イオンの売上構成比はGMSが全体の48.2%であり、この主力部門から利益が確保できない状況であり、これに、10.1%の売上構成比の専門店が大きな赤字となり、約60%近くの事業での利益が確保できない状況では、厳しい経営とならざるをえないといえよう。

   これに対し、今期好調であった事業は総合金融事業とディベロッパー事業である。総合金融事業は220.92億円、ディベロッパー事業はイオンモールが好調であり、211.23億円となり、この2事業がイオンの利益の源泉となっている。ただ、この2事業の売上構成比は金融サービスが2.6%、ディベロッパーが2.7%と合計しても5.3%であり、売上と利益は事業構造が負の相関となっており、いかに、イオンの本業が利益を確保するのが厳しい状況であるかがわかる。

   この2事業についで、好調な利益を上げたのはサービス事業(84.42億円)、SM事業(79.87億円)、中国事業(52.05億円)、海外事業(46.31億円)、戦略的小型店事業(35.22)であり、これに、その他事業(143.14億円)が加わる。この中で戦略的小型店事業はコンビニ、ミニストップであるが、今期はtaspo効果により、売上は106.6%と好調ではあったが、すべての利益が減益となり、厳しい状況であった。

   SM事業については、マックスバリュ東北、東海は減益となったが、それ以外の西日本、中部、北海道、そして、その他は当期純利益が増益となり、イオンへの貢献度は高かかったといえよう。ただ、イオン全体の中では、売上構成比は16.8%とまだまだ低く、GMSがイオンにとっては、売上の大黒柱であることにはかわりない状況である。

   ここで、これらイオントータルの連結の営業状況を見てみると、原価は71.7%(昨年71.3%)と、0.4ポイント上昇している。イオンは現在、トップバリュの各業態への導入を積極的に図っており、今期8.6%にまで小売業内の売上構成比が高まり、来期はいよいよ、10.8%と10%を超える予想である。ただ、今期の原価を見ると、まだ、効果が十分とはいえず、結果、売上総利益は28.3%(昨年28.7%)と下がった。一方、販売費及び一般管理費も36.8%(昨年36.5%)と0.3ポイント上昇し、差し引き、マーチャンダイジング力は、-8.5%(昨年-7.8%)と0.7ポイント下がっており、原価、経費双方が上昇するという厳しい営業状況であったことがわかる。これに、GMS特有のその他収入が11.2%(昨年11.2%)のり、営業利益は2.7%(昨年3.4%)となり、減益となった。

   これに対し、財務状況であるが、今期の自己資本比率は21.9%(昨年24.2%)と、昨年よりも下がり、負債比率が上昇している状況である。その負債の主要項目である。有利子負債であるが、前期より、114.7%上昇し、1兆1,946.12億円となり、総資産3兆7,414.47億円の31.9%と、かなりの比率となっている。現状、イオンの出店余力を見ると、資産の土地、建物、差入保証金等の合計は1兆7,376.32億円であり、総資産の46.4%である。したがって、自己資本比率21.9%から差し引いた出店余力は-24.5%であり、負債に大きく依存する出店構造となっている。新規出店を含め、負債に大きく依存する経営構造といえ、経営戦略の選択肢が狭くなりつつあるといえよう。

   このように、今期のイオンの決算結果は増収とはなったが、利益はすべての段階で減益となり、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。特に、専門店と国内GMSが赤字決算であり、この2部門の売上構成比が約60%であるので、経営の抜本的な見直しが急務といえよう。しかも、有利子負債は1兆円を優に超え、自己資本比率は21.9%と負債に大きく依存する財務構造となり、利益と負債の同時経営改革が必要な状況といえる。イオンが今後、この2点の経営改革をどのように打ち出すかに注目したい。

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April 17, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 16, 2009

マルエツ、2009年2月度決算、増収増益、来期は?

   マルエツが4/14、2009年2月期の決算を公表した。結果は、営業収益3,423.37億円(102.0%)、営業利益83.04億円(109.7%:営業収益比2.4%)、経常利益78.47億円(113.2%:営業収益比2.29%)、当期純利益62.03億円(131.7%:営業収益比1.8%)となり、増収増益の好決算となった。既存店についても昨対102.3%の売上であり、今期はこの数年間では最も安定した決算となった。その結果、2006年2月期以降ストップしていた配当が復活し、今期は1株当たり年間6.00円の配当、配当性向12.1%となり、総額7.49億円が株主に還元されることになる。

   今期、増収となった要因は、既存店の好調さに加え、新店についてもマルエツ勝どき六丁目店(東京都)、ポロロッカ護国寺駅前店(東京都)、フーデックスプレス白金台プラチナ通り店(東京都)、ポロロッカ港南シティタワー店(東京都)、マルエツ行徳駅前店(千葉県)、国内最大級の“エコ・ショッピングセンター”「イオンレイクタウン」内にマルエツ越谷レイクタウン店(埼玉県)、ポロロッカ西早稲田駅前店(東京都)の7店舗を新設し、閉鎖2店舗を含め、5店舗の純増となり、全部で242店舗となったことも底上げにつながったといえよう。

   これに対して、営業利益が2桁近い伸びとなった要因を見てみたい。まず、今期の原価は72.1%(昨年72.1%)と昨年と同じ結果であった。今期は、マルエツの独自の低価格型のプライスPBをはじめ、業務・資本提携をしているイオンのトップバリュの導入がはじまったが、原価の改善にはつながらなかったようであるが、資源・エネルギー関連の高騰による原価の高騰は押さえたといえ、一定の効果はみられたといえよう。結果、売上総利益は27.9%(昨年27.9%)となった。一方、販売費及び一般管理費であるが、27.3%(昨年27.6%)となり、昨年よりも0.3ポイント削減し、経費の削減が進んだ。

   結果、差し引き、マーチャンダイジング力は0.6%(昨年0.3%)と、0.3ポイント改善した。粗利横ばい、経費削減により、マーチャンダイジング力がプラス0.3ポイントという結果である。これは、既存店が102.3%となったことが大きいといえよう。食品スーパーマーケットにとっては、既存店の売上アップは、利益に直結するといえ、既存店の売上が上がることで、固定費が相対的に下がり、経費削減となるといえ、改めて、食品スーパーマーケットにとっては、既存店の活性化が重要な経営課題であるといえよう。今期、マルエツは52店舗の改装、リニューアルも実施しおり、これは全242店舗の21.4%に当たる数字であり、この改装、リニューアル効果も大きかったといえよう。

   そして、これに不動産収入等が1.9%(昨年2.0%)のり、結果、営業利益が2.5%(昨年2.3%)となり、安定した収益の確保ができたといえよう。また、経常利益も2.3%(昨年2.1%)、当期純利益も1.8%(昨年1.4%)と好調であったが、当期純利益に関しては、今期、減損損失等、特別損失が発生しており、この部分が、昨年の0.8%よりは、低くなったが0.6%響いており、少し、利益を押し下げる結果となった。

   これに対して、この好調な増収増益の結果が、財務へどのような好影響を与えたかを見てみたい。まず、自己資本比率であるが、42.2%(37.7%)と、昨年よりも約0.5ポイント改善しており、上昇したが、まだ、低い数値であり、今後、財務の安定のためにも一層の改善が期待される。したがって、まだ、負債に負うところが大きく、その主要項目である長短借入金の合計は302.98億円(昨年361.01億円)となり、昨年よりは、約60億円の削減とはなったが、まだ、総資産1,257.60億円の24.0%とやや重い借入比率である。

   一方、資産の中でも、今後の成長戦略の根幹となる出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金の合計を見てみると、897.52億円(1店舗当たり3.7億円)であり、これは総資産の71.3%となる。これを自己資本比率から差し引いた出店余力を算出すると、-29.1%となり、依然として、負債に大きく依存する出店構造となっており、今後、安定した新規出店を果たしてゆくためには、一層の自己資本の充実が当面の経営課題といえよう。

   ただ、キャッシュフローの流れは、営業キャッシュフローは113.82億円、投資キャッシュフローは-56.68億円であり、フリーキャッシュフローが57.14億円と順流となり、財務キャッシュフロー58.35億円をほぼ賄い、しかも、その中身は大半が長短借入金等の返済に充てられており、財務改善が確実に進んでいるといえる。

   これを踏まえて、通期予想であるが、3,470.00億円-3,500.00億円(101.4%-102.2%)、営業利益75.00億円-85.00億円(90.3%-102.4%)、経常利益70.00億円-80.00億円(89.2%-101.9%)、当期純利益52.00-67.00億円(83.8%-108.0%)と、上下の予想幅が大きく、先が読みにくい状況となっている。

   このように、マルエツは、今期の決算については、増収増益の好決算となり、財務改善も進み、配当も3年ぶりに復配となり、経営改善が確実に進みはじめたといえよう。ただ、通期予想に見られるように、来期の経営環境は、この数日の各社の決算発表を見ても読みにくく、厳しい状況が予想される。特に4/14に、イオンが数年以内に首都圏に500店舗小型店を出店するとの表明もなされるなど、マルエツにとっては直競合となることが予想され、一層、先が読みにくいところであろう。マルエツがこのような厳しい経営環境の中、今期の好調な決算結果を踏まえて、どのような経営戦略を打ち出すかに注目したい。

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April 16, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 15, 2009

ウォルマート、2009年3月売上、-1.9%、海外失速!

   ウォルマートの売上が、この3月度、-1.9%(98.1%)となり、昨対をわずかではあるが、下回った。原因はウォルマート本体は2.6%(102.6%)と堅調な売上であったが、海外の売上が-14.8%(85.2%)と大きく失速したためである。昨年9.15のリーマンブラザーズショック以来、アメリカ初の金融不安が世界中にひろがり、その結果、各国通貨に対し、ドル高が発生し、為替レートの関係で、ウォルマートのドル換算での売上が激減しているためである。ウォルマートは、「海外の売上は-22.6%の為替の影響が出ており、実質、7.8%の海外部門は増収ではあるが、差し引き-14.8%のマイナスとなる」とコメントしており、いかに為替の影響が大きいかがわかる。

   ウォルマートの海外事業は、「Argentina, Brazil, Canada, Chile, China, Costa Rica, El Salvador, Guatemala, Honduras, India, Japan, Mexico, Nicaragua, Puerto Rico and the United Kingdom.」の15ケ国であり、これら海外事業の売上は、この3月度の数字を見ると、80.74億ドル(約8,000億円)となり、ウォルマート全体の売上に占める比率は22.3%である。したがって、10%の為替の影響で、相乗積をとると、約2%、20%で約4%、全体への影響がでることになり、この3月度は、この為替変動がウォルマート全体に大きく影響し、全体の売上が-1.9%(98.1%)となったものといえよう。

   その海外の状況であるが、イギリスのアズダはこの3月度は国内シェアを拡大し、好調であったという。メキシコのウォルマートも堅調な動きであり、特に客数が伸びたという。カナダはやや苦戦しているという。特に、既存店が厳しいとのことで、これは、アメリカのウォルマートも同様であるが、イースター祭が今年は3月から4月にずれ込み、この影響が衣料品などで見られるという。ブラジルも同様にイースター祭の影響があるといい、客単価は上がったが、客数がダウンし、やや厳しい状況であるという。

   一方、アジア地区では、中国はデフレが影響し、消費が慎重となっているという。客数はあがったが、客単価の落ち込みがみられるという。そして、日本の西友であるが、既存店が5ケ月連続で堅調な推移であるという。やはり、昨年来のKY(価格安く)キャンペーンが効いているようで、特にグロサリーの日配、冷凍食品、パンが好調であるという。また、酒部門でイギリスのアズダから輸入したワインが好調であり、全体を底上げしているという。ただ、衣料品、住関連用品は軟調であり、やや厳しい状況であるという。

   これを受けて、ニューヨーク株式市場も反応しており、ウォルマートの5/8のこの売上速報直前の株価は52.61ドルであったが、4/9の売上速報が公表された日には、50.66ドルと下落した。通常は2,000万株前後の売買高であるが、この日は倍の4,000万株を超える大商いとなり、売りが先行した。ただ、ここ最近のウォルマートの株価は3月に入り、上昇気味で推移しており、2月は46ドル近辺で推移していた状況を考えると、4/9の50.66ドルはまだ高め水準といえ、投げ売りという状況ではなく、しばらく、様子を見る必要があろう。

   一方、ウォルマート本体の方であるが、ウォルマート部門は、237.50億ドル(約2兆4,000億円)となり、昨対では102.6%と堅調な数字であった。ただ、9週間累計では105.0%であるので、2月度と比べると、海外部門ほどではないが失速ぎみといえよう。ウォルマート部門はサムズクラブを除くすべての業態が入っており、主力のスーパーセンター、ディスカウントストア、そして、食品スーパーマーケット等であり、全体の売上構成比は約65%である。そして、全体の約12%を占めるサムズクラブ部門であるが、43.82億ドル(約4,400億円)となり、伸び率は102.2%であった。9週間累計でも、102.6%であるので、ほぼ横ばいで推移しているといえよう。

   これに対して、ウォルマートの既存店の数字であるが、ウォルマート部門、サムズクラブ部門合計で100.7%とぎりぎり昨対を超えた状況である。その内訳は、ウォルマート部門が100.6%、サムズクラブ部門が101.3%であった。この数字はガソリンなど燃料を含んでのトータルな売上数字である。昨年は資源、エネルギー価格の高騰により、ガソリンが値上げし、ウォルマート、特にサムズクラブにとっては燃料の売上がそのまま売上増につながったが、今年に入り、相場が下がり、サムズクラブには逆風が吹いており、燃料のインパクトは-4.9%(95.1%)となっている。

   このように、ウォルマートのこの3月度の売上はイースター祭の4月へのずれ込みもあるが、海外部門の為替の影響があまりに大きく、全体の数字を押し下げ、マイナス成長となった。また、ウォルマート本体に関しても、2月度と比べると、イースター祭を考慮しても、数字が失速気味で推移しているといえ、やや、ここへきて、ウォルマートも売上を確保するのに苦労しているようである。ただ、イースター祭が加わる4月度は、反動で売上がはね上がる可能性もあり、次回、4月度の数字が、イースター祭のプラス分を含め、どこまで改善するかを見る必要があろう。海外部門に関しては、依然として厳しい数字が予想され、その動向も気になるところである。しばらくは、ウォルマートも売上の安定しない推移となりそうである。

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April 15, 2009 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 14, 2009

ヨークベニマル、2009年2月期決算、増収、純利減益!

   ヨークベニマルが4/9、セブン&アイ・ホールディングスの決算の中で、2009年2月期の決算を公表した。ヨークベニマルはセブン&アイ・ホールディングスの子会社になるまでは、四半期決算を含め、IRが充実しており、情報開示が頻繁に行われていたが、子会社になってからは、詳細な経営内容は、年1回のセブン&アイ・ホールディングスの本決算発表の時のみとなった。その結果であるが、営業収入3,488.83億円(105.7%)、営業利益117.06億円(104.3%:営業収益比3.3%)、経常利益130.65億円(104.3%:営業収益比3.7%)、当期純利益80.15億円(87.6%:営業収益比2.3%)となり、営業、経常段階では増収増益となったが、当期純利益は減益となる決算となった。当期純利益が減益となったのは、子会社株式評価損など、特別損失を計上したためである。

   ヨークベニマルは現在、東北、北関東を中心に156店舗を展開しており、今期は2009年2月にヨークベニマル日立会瀬店(茨城県)、2008年11月にヨークベニマル天童老野森店(山形県)、9月にヨークベニマル片平店(福島県)、8月にヨークベニマル東根店(山形県)、4月にヨークベニマル福島泉店(福島県)、3月にヨークベニマル鹿沼睦町店(栃木県)、そして、2月にメガステージ須賀川南店(福島県)と7店舗の新店を出店しており、今期は7店舗増となり、既存店が99.0%であったので、この新店が、売上にそのまま貢献した結果となり、105.7%の増収となった。

   一方、営業利益の方であるが、今期の原価は75.7%(昨年75.6%)となり、0.1ポイント上昇した。今期は、セブンプレミアムを積極的に各店舗に投入し、粗利改善が期待されたが、原価へのインパクトは明確に表れていないようである。結果、売上総利益は24.3%(昨年24.4%)となった。これに対して、販売費及び一般管理費であるが24.0%(昨年24.1%)と0.1ポイント削減し、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は0.3%(昨年0.3%)と昨年と同じ比率となり、プラスとなった。ただ、プラス幅はわずかであり、原価改善ももちろんであるが、もう少し経費比率を引き下げたいところであろう。

   ヨークベニマルの現在の1店舗当たりの売上は22.3億円であり、従業員は15人強、パートタイマー60人強で回しており、パート比率は80%を超える。ただ、年間坪売上が243.2万円と、郊外型のNSCタイプの食品スーパーマーケットが多いせいか、相対的に経費比率を下げるには坪売上が低い状況である。坪売上から逆算すると、平均店舗面積は約900坪となるので、これが、500から600坪となると、坪売上が倍増し、経費比率が下がり、マーチャンダイジング力を大きくプラスにもってゆくことができるので、今後、ヨークベニマルとしては、いかに、坪売上を上げるかも課題といえよう。


   ヨークベニマルは、今期7店舗の新規出店を果たしているが、その財務的裏付けを見てみたい。まず、自己資本比率であるが、ここでは、総資産÷純資産で算出してみると、79.0%(昨年79.7%)という極めて高い数字である。負債がわずか20%であり、その主要項目である長短借入金の合計は0、無借金経営である。したがって、借入金に依存しない出店構造となっており、資産の出店にかかわる資産、土地、建物、長期差入保証金の合計は762.87億円(1店舗当たり4.9億円)であり、これは総資産の49.5%となり、自己資本比率から差し引いた出店余力は、79.0%-49.5%=29.5%と十分な余力であり、負債に依存することなく、自己資本の範囲内で出店が可能な状況である。

   ヨークベニマルの財務状況は極めて堅固な状況といえるが、では、現状のキャッシュフローで限界どこまで新規出店が可能かを見てみたい。残念ながら、キャッシュフロー計算書が公開されていないので、今期の当期純利益と減価償却費の合計を、仮に、営業キャッシュフローとすると、80.15億円+50.90億円=131.05億円となり、1店舗当たりの出店にかかわる資産がおよそ5億円であるので、25店舗強新規出店がキャッシュフローの範囲内で可能となる。もちろん、この営業キャッシュフローは投資だけでなく、財務キャッシュフローとして、配当、自社株買い、内部留保等に配分されるので、全額は無理であるが、今期の7店舗は全く無理のない営業キャッシュフローの範囲内での新規出店といえよう。ただ、今後、ヨークベニマルは、新規出店のみでの成長から、ヨークマートとの合併、そして、他チェーンへのM&Aも視野に入れた成長戦略を打ち出しており、そのためには、さらに、内部留保を増加させ、来るべきM&Aへの資金も蓄積しておく必要があろう。

   このように、2009年2月度のヨークベニマルの決算が公表されたが、営業、経常段階では増収増益となったが、特別損失が発生し、当期純利益は減益となる決算となった。少し、気になるのは、セブンプレミアムの粗利改善効果が数字上からは、読み取れない状況であり、結果、マーチャンダイジング力、商品売買から得られる粗利-経費がぎりぎりプラスの状況であったことである。今後、セブンプレミアムは一層浸透し、原価改善につながってくると思われるが、同時に、経費削減も課題といえ、そのためには坪売上の引き上げも重要といえよう。今後、ヨークベニマルはM&Aを視野に入れた積極的な成長戦略に打ってでる方針であるとのことで、堅固な財務内容を基盤に、新店の動向を含め、ヨークベニマルがどのような経営戦略を打ち出すかに注目である。

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April 14, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 13, 2009

オオゼキ、2009年2月期決算、20期連続増収増益!

   オオゼキが4/8、2009年2月期の本決算を公表した。売上高667.79億円(102.7 %)、営業利益51.79億円(104.0%:売上対比7.7%)、経常利益53.20億円(105.0%:売上対比7.9%)、当期純利益31.35億円(106.7%:売上対比4.7%)となり、20期連続の増収増益の好決算となった。オオゼキはここ数年、出店余力は十分な財務状況でありながら、新規出店がなく、売上は既存店のみの数字であるが、それでも102.7%と既存店としては堅調な伸び率であり、改めて既存店の競争力の強さが鮮明になったといえよう。

   オオゼキの店舗の競争力は平均売場面積が175.5坪と小型店でありながら、青果と日配を集客の柱として、圧倒的な客数を吸引し、驚異的な売上を達成するところにある。青果の売上構成比は21.9%であり、日配は19.2%であり、この2部門が売上構成比No.1、No.2の部門であり、合計41.1%の売上構成比となる。しかも、この部門は食品スーパーマーケットの商品の中では最もPI値の高い部門であり、顧客の支持の高い商品にパワーをかけ、集客をはかっており、理にかなったマーチャンダイジングであるといえる。

   また、従業員の約70%弱が正社員であり、一般的な食品スーパーマーケットとは正反対の正社員比率である。その理由は、「「個店主義」、「地域密着主義」の実現の手段として、店舗運営に関する主な権限を各店舗に委譲し、各店舗は、それぞれのお客様の個別ニーズに対応したきめ細かな品揃え・価格設定・サービスを提供しており、これが当社の差別化要素であり競合優位性のひとつであると認識」と、オオゼキがコメントしているように、個店主義、地域密着主義を徹底するには、正社員にゆだねることが必要であるという経営判断があるからである。

   したがって、今期、1店舗平均23.0億円の売上を上げ、しかも、年間坪売上はとうとう1,300万円を超えるという、食品スーパーマーケットではありえない、上場食品スーパーマーケットではもちろん日本一といって良い、坪売上を達成している。これだけ、坪売上があれば、相対的に固定費が下がり、正社員比率が約70%でも経費比率を下げることが可能であるといえる。実際、今期の経費比率は、18.1%(昨年18.2%)であり、この経費比率の低さは、まさに、この驚異的な坪売上に負うところが大きいといえよう。

   結果、正社員比率が約70%であるにも関わらず、経費比率が18.1%となり、マーチャンダイジング力は今期の粗利、すなわち、売上総利益が24.9%(昨年24.8%)であるので、6.8%(昨年6.6%)となり、この数字もきわめて高い収益率である。これに、不動産収入等の営業収入が1.0%(昨年1.0%)のり、結果、営業利益は7.8%(昨年7.7%)と、この数字も食品スーパーマーケットとしては、極めて高い数字である。


   今期、オオゼキの営業数値は新店こそなく、売上は伸び悩んだといえるが、既存店が驚異的な坪売上を達成し、結果、利益改善が進み、増収増益の好決算をもたらしたといえる。高い坪売上が食品スーパーマーケットにとっていかに利益に直結するかをオオゼキが実証しているといえ、改めて、坪売上を食品スーパーマーケットの経営戦略の一つに加えるべきであろう。

   一方、オオゼキの財務状況であるが、ここ数年、新店がなかったため、多額の資産が必要な資金調達の必要性がなく、利益を財務改善と今後の新規出店のための内部留保に充ててきた結果、自己資本比率は何と77.3%(昨年77.7%)と80%弱まで上昇している。長短借入金もすでに全額返済しており、無借金経営であり、超健全な財務内容である。

   オオゼキの現在の出店にかかわる資産をもとに出店余力を算出してみると、土地、建物、長期差入保証金の合計は161.79億円であり、総資産327.28億円の49.4%である。現在、店舗数は東京都25店舗、神奈川県4店舗の計29店舗であるので、1店舗当たり5.5億円と通常の食品スーパーマーケットよりは、小型店舗であるにもかかわらず、高い数字である。これは、首都圏の住宅立地に多く出店しているためと思われるが、それでも、差し引き、出店余力は27.9%と自己資本で十分に新規出店が可能である。仮に今期の営業キャッシュフロ-の39.27億円を全額新規出店に回せば、7店舗は新規出店が自己資本のキャッシュフローの範囲内で可能といえる。

   これを受けて、来期の通期予想であるが、来期は久しぶりの新店2店舗が予定されているが、これらを組み込み、売上高693.77億円(103.9%)、営業利益53.91億円(104.1%:売上対比7.7%)、 経常利益54.94億円(103.3%:売上対比7.9%)、当期純利益32.03億円(102.2%:売上対比4.6%)と増収増益予想である。

   このように、オオゼキの2009年2月期の決算は新店がなかったにも関わらず、既存店のみで102.7%の売上を達成し、利益はそれ以上に伸ばし、増収増益と好調な決算となった。しかも、坪売上が昨年よりもさらに上がり、1,300万円を超えるという驚異的な数字を達成した。財務内容も超安定しており、あとは、いつ、本格的な新規出店を再開するかだけが、最大の経営課題となったといえよう。この4月にははじめて千葉県に新規出店が決まっているが、その後、オオゼキがどのような出店戦略を打ち出すかに注目したい。

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April 13, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 12, 2009

マックスバリュ東北、2009年2月期決算、増収減益!

   イオングループの食品スーパーマーケット、マックスバリュ東北の2009年2月期の決算が4/6、公表された。これで、マックスバリュグループはすべて決算が終了し、4/14予定の本体、イオンの決算をまつばかりである。4/11の日経新聞では、「イオン最終赤字30億円、前期衣料品など苦戦」との見出しで、決算予想記事を掲載しているが、今期、イオングループは厳しい決算が予想されるといえよう。

   さて、マックスバリュ東北であるが、営業収益926.64億円(105.8%)、営業利益0.23億円(15.1%:営業収益比0.02%)、経常利益0.21億円(9.3%:営業収益比0.02%)、当期純利益-19.67億円となり、増収減益、特に、当期純利益は赤字となる厳しい決算であった。マックスバリュ東北は前期も赤字決算であり、厳しい経営が続いている。

   そこで、まず、マックスバリュ東北が増収になった要因を見てみると、現在、マックスバリュ東北は総店舗数が89店舗であり、今期は新店が3月に「浜田店」(青森県)、4月に「本荘中央店」(秋田県)、5月に「たかのす店」(秋田県)、「平賀店」(青森県)、9月に「大曲福田店」(秋田県)と5店舗の新規出店を果たし、閉店が4店舗であったので、1店舗増という状況であった。また、既存店の3店舗をディスカウントタイプのザ・ビックに業態転換したが、既存店は99.7%%と昨年を下回ったので、今期の増収105.8%は、新店の貢献によるところが大きかったといえよう。

   これに対し、減収となった要因であるが、原価が76.8%(昨年76.3%)と0.5ポイントと大きく上昇しており、結果、売上総利益が23.2%(昨年23.7%)と下がり、利益がこの時点でダウンしている。今期は、トップバリュの積極的な導入により利益改善を目指していたが、予想以上に競合店との価格競争が激化したことが大きかったという。マックスバリュ東北は青森県25 店舗、秋田県36 店舗、山形県27 店舗、岩手県1 店舗の合計89 店舗を北東北一円に展開しているが、この地区は、地元食品スーパーマーケットに加え、イオングループのSC、スーパーセンターも数多く展開している地域でもあり、同グループの競合も含め、厳しい競合状況であり、価格競争が激化しているのが現状である。本ブログでも取り上げたが、この北東北では、食品スーパーのベルプラス(盛岡市)、伊徳(秋田県大館市)、タカヤナギ(秋田県大仙市)、スーパーマーケットマルイチ(盛岡市)等の資本業務提携の動きなどもあり、合従連衡も激しい勢いで進んでおり、競争はますます激化しているといえよう。

   一方、経費の方であるが、25.6%(昨年25.9%)と0.3ポイント下がっており、経費の削減は進んだが、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-2.4%(昨年-2.2%)と依然として、マイナスであり、しかもそのマイナス幅が広がるという厳しい状況である。これに不動産収入等のその他営業収入が2.4%(昨年2.4%)のり、営業利益は0.0%(昨年0.2%)と、ぎりぎりプラスとなったが、マックスバリュ東北の営業構造はマーチャンダイジング力のマイナス分を、不動産収入等のその他営業収益でカバーする構造となっており、今後、いかに、マーチャンダイジング力をプラスにもってゆくかも大きな経営課題といえよう。
 
   では、この厳しい決算を受けて、財務面はどうであったかを見てみたい。まず、自己資本比率であるが、7.1%(昨年14.9%)という厳しい状況であり、資産の92.9%を負債で回している状況といえ、企業経営が極めて厳しい局面にあるといえよう。その負債の状況であるが、長短借入金等が120.33億円(昨年89.66億円)であり、昨年よりも約30億円増加し、総資産293.35億円に占める割合は41.0%となっており、経営を大きく圧迫している状況である。実際、キャッシュフローを見ると、投資キャッシュフロー31.32億円を財務キャッシュフロー30.67億円で賄っており、その中身は長短借入金である。すなわち、今期の新規出店のかかわる投資を借入で補い、財務を大きく圧迫する状況となっているといえる。

   その新規出店にかかわる資産の状況であるが、土地、建物、差入保証金等の合計は218.49億円(1店舗当たり2.45億円)であり、総資産の74.5%となり、差し引き、出店余力、自己資本比率-出店にかかわる資産は、-67.4%という状況であり、ほぼ、大半を負債、しかも、長短借入金等に依存した新規出店構造であるといえる。現時点でも限界に近い出店余力であり、この財務状況では今後の出店は極めて厳しい状況であるといえる。

   これを受けて、マックスバリュ東北の来期の通期予想であるが、営業収益930.00億円(100.4%)、営業利益6.00億円(営業収益比0.6%)、経常利益5.00億円(営業収益比0.5%)、当期純利益1.00億円(営業収益比0.1%)という状況であり、新店による成長戦略は難しい状況といえ、既存店の底上げによる成長、そして、利益の確保の経営方針といえよう。

   このように、マックスバリュ東北の2009年2月期の決算は売上げこそ、新店の効果により増収とはなったが、利益が極めて厳しい状況である。また、今期増収をもたらした新店の投資を負債、特に長短借入金等で賄い、財務状況が極めて厳しい状況に落ちいり、自己資本比率は7.1%となった。今後、まずは、この厳しい財務状況の改善が急務といえ、来期、マックスバリュ東北がどのような思い切った財務戦略を打ち出すかに注目したい。

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April 12, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 11, 2009

オークワ、2009年2月期決算、増収減益、財務圧迫?

   オークワが2009年2月期の本決算を4/6公表した。営業収益2,765.86億円(110.0%)、営業利益76.04億円(96.9%:営業収益比2.7%)、経常利益76.71億円(94.9%:営業収益比2.8%)、当期純利益41.95億円(103.2%:営業収益比1.5%)となり、営業収益は2桁の増収と大きく伸び、当期純利益は昨対を超えたが、営業、経常利益ともに減益となるやや厳しい決算となった。

   オークワは来期創業50周年を迎え、ここへ来て、成長を重視する経営戦略を強く打ち出しているといえ、今期110.0%、来期も108.5%の高成長を目指し、年商では3,000億円の営業収益を予想している。その来期であるが、営業収益3,000億円(108.5%)、営業利益76.50億円(100.6%:営業収益比2.5%)、経常利益77.00億円(100.4%:営業収益比2.5%)、当期純利益31.50億円(75.1%:営業収益比1.0%)と、大幅な増収予想ではあるが、営業、経常利益は横ばい、当期純利益は減益となる予想である。ここ最近、食品スーパーマーケット業界では、利益よりも売上を重視する経営戦略に舵を切る企業が多いといえるが、今期の決算結果、来期決算予想をみる限り、オークワも売上重視の経営戦略を強く打ち出しているといえよう。

   今期、オークワが110.0%と営業収益が大きく増加した要因であるが、新規出店として、プライスカット岐阜柳津店(岐阜県)、プライスカット明石大久保店(兵庫県)、忠岡店(大阪府)、香芝インター店(奈良県)、スーパーセンターオークワ御所店(奈良県)、メッサオークワ高松店(和歌山県)と6店舗の新店の貢献が大きかったといえよう。これに加えて、昨年6月に愛知県、静岡県、岐阜県に17店舗の食品スーパーマーケットを展開しているパレを子会社化したことも大きかったといえる。オークワは、現在、子会社のヒラマツ7店舗を含め、167店舗であるので、パレの17店舗、新店の6店舗が増加したことにより、合計23店舗が増えたことが、大幅な増収要因である。

   これに対して、減収となった要因を見てみたい。オークワの今期の原価であるが、74.8%(昨年74.6%)であるので、0.2ポイント原価の上昇がみられる。結果、売上総利益は25.2%(昨年25.4%)となった。これに対して、販売費及び一般管理費であるが、25.9%(昨年25.7%)となり、0.2ポイント上昇している。今期はパレのM&A等もあり、経費が増加したものと思われるが、原価、経費双方が増加し、営業利益を圧迫しており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-0.7%(昨年-0.3%)と昨年よりも、マイナス幅が広がった。

   食品スーパーマーケットの理想的な経営は原価、経費減により、マーチャンダイジング力を極限まで高めることであり、次が原価減か、経費減を実現し、マーチャンダイジング力プラスにもってゆくことである。今期のオークワは減価、経費増となり、マーチャンダイジング力がマイナスとなり、営業収益が110.0%と大幅に伸びたにもかかわらず、減益となったといえ、このバランスをどうコントロールするかが、食品スーパーマーケットの利益の源泉であるといえよう。

   そして、これに、不動産収入等の営業収入が3.6%(昨年3.5%)のり、結果、営業利益は2.9%(昨年3.2%)と0.3ポイント、率にして90.6%となり、営業収益110.0%ではカバーできず、減益となった。オークワの来期の中間決算の予想を見ると、増収減益であり、特に減益幅が広がる予想であるので、しばらく、この原価、経費減の構造が続くといえ、当面、原価、経費のバランスをどこで逆転させるかが課題といえよう。

   一方、財務の内容であるが、今期は自己資本比率が58.6%(昨年61.2%)と高い水準ではあるが、昨年より若干下がったことがやや気になるところである。負債、特に、長短借入金等を見てみると、255.54億円(昨年201.09億円)と約50億円増加しており、総資産1,290.07億円に占める割合は19.8%とやや重くなりつつある。これに対し、資産の中でも食品スーパーマーケットにとって最も重要な出店関連の資産、土地、建物、差入保証金の合計を見てみると、953.25億円(1店舗当たり5.7億円)であり、総資産の73.8%となる。ここから、差し引き出店余力、自己資本比率-出店にかかわる資産を算出すると、-15.2%であり、負債に依存する出店構造であるといえ、今後、安定成長をはかる上には一段と自己資本比率を高めることが課題といえよう。

   結果、今期のキャッシュフローを見ると、出店にかかわる固定資産の取得に137.71億円、投資キャッシュフローが発生しているが、営業キャッシュフロー76.26億円ではまかなえず、財務キャッシュフローの借入の増加に加え、現金及び現金同等物を取り崩しており、逆流のキャッシュフローである。ここが積極的に投資に踏み切るべきであるという経営判断が働いたものと思われるが、財務を圧迫する結果となった。

   このように、今期のオークワは売上重視の積極的な経営戦略をとったといえ、営業収益は大幅な増加となったが、その分、原価、経費が増加し、減益となる結果となった。また、財務構造も借入が増え、自己資本比率を下げ、キャッシュフローも現状の資産を崩しての投資キャッシュフローを補う結果となっており、財務構造にも影響が出ているといえよう。来期予想を見ても、当面、この積極策が続くと思われるが、今後、どこかで、利益重視の経営戦略への転換も必要といえ、オークワの今後の経営動向に注目したい。

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April 11, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 10, 2009

マックスバリュ西日本、2009年2月期決算、過去最高!

   マクスバリュ西日本の2009年2月期決算が、4/6、公表された。営業収益2,162.86億円(110.4%)、営業利益83.84億円(109.3%:営業収益比3.9%)、経常利益86.33億円(108.6%:営業収益比4.0%)、当期純利益42.85億円(110.8%:営業収益比2.0%)と、大幅な増収増益となり、営業利益、経常利益及び当期純利益では、何れも過去最高益を更新するという好調な決算となった。ここまで公表された食品スーパーマーケット業界の決算は好調な結果が少ないだけに、マックスバリュ西日本のこの決算内容は際立っている内容である。

   特に、今期は14 店舗(防府東店、須磨海浜公園駅前店、ロックタウン周南店、大久保店、イオンタウン水島店、社店、熊見店、龍野店、厚狭店、イオンタウン明石店、姫路別所店、観音寺駅南店、龍野西店、野口店)と大量の新規出店に加え、既存店舗では5店舗の活性化を実施する一方で、5店舗(周陽店、滝野店、竜野西店、東二見店、太子東店)の閉鎖を行った。結果純増9店舗となり、全店は144店舗となった。この積極的な新規出店に加え、今期は既存店も対前期比103.0%で推移しており、営業収益が110.4%と2桁の数字となった。

   しかも、この新規出店の開設等における投資額126.07億円は、すべて自己資金でまかなっており、キャッシュフローの流れを見るとそれがわかる。実際、今期のキャッシュフローの流れを見てみると営業キャッシュフローは74.84億円であり、投資キャッシュフローは102.40億円と投資キャッシュフローが営業キャッシュフローを上回り、フリーキャッシュフローが-27.56億円となり、営業キャッシュフローを超える多額の投資になった。

   この大半は新規出店にかかわる有形固定資産の取得による支出107.90億円であるが、この超過分を財務キャッシュフローで補うのではなく、資産、特に現金及び預金で補っており、負債、特に長短借入金の増加は見られない資金繰りである。長短借入金は今期わずか2.10億円(昨年5.34億円)であり、これも削減が進み、総資産に占める割合はわずか0.3%であり、いつでも無借金経営が可能な状況である。

   ただ、少し気になるのは、新規出店は自己資金でまかなっているが、フリーキャッシュフローがマイナスとなり、自己資本比率は45.0%(昨年46.4%)と意外に低い数字である点である。今期のマックスバリュ西日本の出店余力を見てみると、出店にかかわる資産、土地、建物、設備、差入保証金の合計は468.55億円(1店舗当たり3.25億円)であり、これは総資本691.06億円の67.7%であり、自己資本比率ではまかなえない構造となっており、差し引き出店余力を計算すると-22.7%となる。この分を負債に依存する出店構造となっており、長短借入金に依存せず、自己資金で賄ってはいるが、もう少し、自己資本比率を引き上げ、強固な財務基盤を築きたいところである。

   今後、さらに積極的な新規出店による安定成長を目指してゆくには、今期決算のような負債に依存する出店構造から、今後は自己資本をさらに充実させ、より安定的な新規出店体制を目指すことも経営課題であるといえよう。

   一方、営業利益が109.3%と好調に推移した要因であるが、原価は75.0%(昨年75.2%)と0.2ポイント下がっており、この厳しい経済情勢の中で原価削減が進んだ。これは、イオングループのPB、トップバリュの貢献度も高かったといえ、「商品開発段階の積極的な関与により、新たなラインアップも加わり、売上構成比では前期の7.4%から当期では8.6%と向上」とのことである。結果、売上総利益は25.0%(昨年24.8%)と利益が改善した。

   これに対して、販売費及び一般管理費であるが、23.1%(昨年22.8%)と0.3ポイント上昇しており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は1.9%(昨年2.0%)と0.1ポイントであるが、下がった。そして、これに不動産収入等の営業収入が2.1%(昨年2.0%)のり、営業利益は4.0%(昨年4.0%)と昨年と同率となった。少し気になるのは、マーチャンダイジング力が、経費上昇がみられ、若干下がったことであるが、営業利益は昨年同様の4.0%を確保し、これに売上増があいまって、営業利益が109.3%と大幅増をもたらしたといえる。
   
   この好調な決算を受けて、マックスバリュ西日本の来期の通期予想であるが、営業収益2,300.00億円(106.3%)、営業利益85.00億円(101.4%)、経常利益86.5億円(100.2%)、当期純利益43.0億円(100.3%)と、今期の急激な成長をクールダウンさせ、安定した堅調な決算予想である。また、今期決算と同時に、マックスバリュ西日本は機構改革を実施しており、これまでの営業組織を業態別にSSMとSMとに分け、業態別に食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングをきめ細かく対応してゆくことになるという。
   
   このように、今期のマックスバリュ西日本は、過去最高の増収増益となり、年間14店舗の新規出店という急成長を遂げた。既存店も好調で、利益も安定しており、好調な決算であったといえよう。ただ、少し気になるのは、成長戦略に投資が集中しすぎ、好決算による充実したキャッシュフローが自己資本比率の充実につながらなかった点である。これは、財務の安定よりも成長性を重視した経営判断といえるが、今後、安定成長を継続してゆくには財務の安定も重要な経営課題であり、来期以降、マックスバリュ西日本がどのような財務戦略を打ち出すかに注目したい。

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April 10, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 09, 2009

サンエー、2009年2月期決算、増収減益、原価経費上昇!

   サンエーが2009年2月期の決算を4/6公表した。結果は営業収益1,311.06億円(102.7%)、営業利益81.46億円(95.7%:営業収益比6.2%)、経常利益83.79億円(95.5%:営業収益比6.3%)、当期純利益49.00億円(97.3%:営業収益比3.7%)と、増収減益となる決算であり、利益が伸び悩んだ決算となった。サンエーは、食品スーパーマーケット業界の中でも屈指の利益率であり、今期も営業利益が営業収益比で6.2%、売上高対比では6.4%となる高収益であるが、昨年と比べると、95.7%となり、依然、高収益ではあるが、95.7%と、約5%、昨年対比がダウンしたことは気になる数字である。

   その要因を見てみると、今期の原価は70.0%(昨年69.8%)と、昨年と比べ0.2ポイント原価が上昇している。結果、売上総利益は30.0%(昨年30.2%)となった。ただ、この30.0%は通常の食品スーパーマーケットでは考えられない極めて高い数字である。サンエーがこれほど高い利益率となるのは、食品スーパーマーケットの通常の商品以外に、粗利率の高い部門をようしているからである。

   サンエーは、現在、衣料品・住居関連用品・食料品を全て取り扱う「総合店舗」を21店舗、衣料品・住居関連用品を取り扱う「衣料・住関店舗」を2店舗、食料品・住居関連用品を取り扱う「食品店舗」を36店舗、「ドラッグストア」を1店舗展開していることに加え、「外食店舗」を17店舗、ビジネスホテル1軒、ペンション1軒を有している。特に、この中で粗利率が30%を超える商品部門は衣料品、外食、ホテルであり、この部門が高粗利をささえる源泉となっている。
  
   以前、数年前にサンエーが決算短信で公表した仕入、売上の売買差益を見てみると、衣料品は36.1%、外食・ホテルは67.9%であり、この2部門の粗利が突出しており、今期の売上構成比は11.4%、4.6%と合計しても16.0%であるが、相乗積をとると、4.1%、3.1%となり、合計7.2%となり、この2部門の粗利貢献度が極めて大きいことがわかる。食料品の粗利率は27.6%、住居関連の粗利率は25.1%であるので、これら、通常の食品スーパーマーケットの部門の粗利率が極端に高いわけではなく、衣料品、外食、ホテルの粗利貢献度がサンエーの粗利率を押し上げている要因である。
   
   一方、販売費及び一般管理費であるが、26.6%(昨年26.2%)と0.4ポイント上昇しており、今期は原価、経費の双方の上昇が利益を圧迫した要因となっている。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は3.4%(昨年4.0%)と0.6ポイントと大きくダウンした。率にして85.0%である。これに、営業収入である、テナント賃貸収入、その他収入が3.0%(昨年2.9%)加わり、営業利益が6.4%(昨年6.9%)となったが、昨年と比べ0.5ポイントのダウンである。結果、売上は102.7%と堅調ではあったが、営業利益は95.7%と減収となった。

   それだけ、業界屈指の利益を確保してきたサンエーでも、今期は原価の上昇と、経費の押し上げというダブルの利益圧迫要因が加わり、増益を達成できなかったといえ、ここ数ケ月の経済情勢の悪化はサンエーの利益にも影響をもたらしたといえよう。ただ、来期の通期決算予想に関しては、営業収益1,350.92億円(103.0%)、営業利益85.50億円(105.0%:営業収益比6.3%)、経常利益86.48億円(103.2%:営業収益比6.4%)、当期純利益51.89億円(105.9%:営業収益比3.8%)と増収増益の堅調な決算を予想しており、今期の減益は回復するとの見込みである。

   サンエーは今期、新規出店は、10月に「ジョイフル宮古店」(沖縄県宮古島市)、11月に「経塚シティ」(沖縄県浦添市)の2店舗のみであるが、その出店をささえる財務構造を見てみたい。まず、自己資本比率64.8%(昨年67.6%)と、極めて高い数字である。今期若干、数字が下がっているが、これは、金融機関の決済日が決算と重なり、負債、資産が62.70億円(総資産の7.7%)増加したためである。その負債の状況であるが、サンエーの長短借入金の合計は35.74億円(昨年37.91億円)と約2億円削減し、総資産804.83億円の4.4%である。経営への圧迫はほとんどないといえる。

   これに対して、出店にかかわる資産であるが、土地、建物、長期差入保証金の合計は458.29億円(昨年407.74億円)であり、総資産の56.9%であり、自己資本比率64.8%から差し引いた出店余力は7.9%となり、自己資本の範囲内で出店にかかわる資産を十分に賄える財務構造であり、出店余力は大きいといえよう。財務状況から見ると、今期2店舗の新規出店はやや少ないといえ、1店舗当たりの出店にかかわる資産は単純に全79店舗で割ると5.8億円であり、5店舗以上は新規出店が十分に可能な財務余力である。

   このように、食品スーパーマーケット屈指の高収益のサンエーが、この2009年2月期の決算では、増収とはなったが、減益となるやや厳しい決算となった。特に、原価、経費、双方の上昇が利益を圧迫しており、マーチャンダイジング力を落とす結果となった。今後も当面は厳しい消費環境は続くものと予想されるが、サンエーの財務状況は極めて健全であり、この強みを生かした積極的な経営戦略を期待したいところである。サンエーが、今後、どのような経営戦略を打ち出すかに注目したい。

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April 9, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (2)

April 08, 2009

マックスバリュ東海、2009年2月期決算、増収減益!

   マックスバリュ東海が2009年2月期の本決算を4/6公表した。結果は、売上高1,254.72億円(110.3%)、営業利益45.70億円(94.6%:売上対比3.6%)、経常利益46.28億円(93.6%:売上対比3.7%)、当期純利益22.95億円(90.8%:売上対比1.8%)と増収幅は大きかったが、減益となるやや気になる決算結果であった。これまで公表された食品スーパーマーケットの決算結果を見ても、増収減益の企業が多いが、食品スーパーマーケット業界も、前期は好調であったが、後期は、特に利益を確保することに苦戦したようである。

   ただ、マックスバリュ東海の好調な売上に関しても、2008年8月にシーズンセレクトを連結子会社化し、11店舗を取得したことが大きく、既存店の伸びは100.4%と昨対ぎりぎりであり、売上についても特に後半は厳しかったようである。実際、後半の買上点数÷客数の一人当たり買上点数、PI値の推移をみると、9月(97.2%)、10月( 94.9%)、11月(97.6%)、12月(96.5%)、1月( 97.8%)、2月(97.0%)という状況であり、9.15のリーマンブラザーズショック以降、世界的な金融不安により、日本でも景気後退が鮮明になり、節約志向が高まった結果、PI値の低迷が続いたものといえよう。

   また、利益面について見てみると、売上原価は72.4%(昨年72.4%)と昨年と同じ数字をキープし、結果、売上総利益は25.8%(昨年25.8%)となった。これに対して、販売費及び一般管理費であるが、24.1%(昨年23.7%)と0.4ポイント上昇しており、今期は経費の上昇が利益を圧迫している。これは、M&Aにより経費が上昇し、さらに既存店が伸び悩み、相対的に固定費が上昇気味で推移しこともその要因であろう。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は1.7%(昨年2.1%)と0.4ポイント下がった。

   これに不動産収入等のその他の収入が1.9%(昨年2.1%)のり、営業利益となるが、この数字が0.2ポイント下がっており、最終的に営業利益は3.6%(4.2%)と0.6ポイント下がる結果となった。率にすると85.7%のダウンであるので、売上の110.3%ではカバーできず、減益となった。すなわち、原価は昨年並みの数字を確保し、粗利は横ばいであったが、経費増とその他収入減、特に経費が上昇し、利益を圧迫したという結果である。

   この結果を受けて、マックスバリュ東海は、今後の方針を、「危機こそ改革のチャンス 『コスト競争力』と『現場力』の強化」を2009年度のスローガンに掲げ、危機こそチャンスととらえ、当社の強固な財務体質を基盤とし、積極的な改革と投資を行ってまいります。」と宣言している。

   具体的には、マックスバリュ富士八幡町店及びマックスバリュ藤枝田沼店を含め13店舗の新規開設を目指し、同時に、静岡県袋井市に新物流センターを開設し、加えて、IT投資として、電子マネーに対応できる新レジの全店導入や基幹システムの老朽化対応など、顧客ニーズの変化への適応と現場力の強化を図り、将来に向けたインフラの整備を推進するという。また、「マックスバリュEX(エクスプレス)」業態の構築も進めるという。

   実際、次期決算の通期予想は、売上高1,462.00億円(118.5%)、営業利益49.00億円(97.9%:売上対比3.4%)、経常利益48.00億円(94.6%:売上対比3.3%)、当期純利益23.00億円(100.2%:売上対比1.6%)と今期以上に積極的な増収予想である。ただ、今期同様、利益は減益を予想しており、売上に重点をおいた積極的な経営戦略を打ち出したといえる。

   では、マックスバリュ東海がこれだけ、積極的な経営戦略、すなわち、利益よりも売上重視の経営戦略が可能な財務状況を見てみたい。まず、今期のマックスバリュ東海の自己資本比率であるが、69.4%(昨年70.5%)と食品スーパーマーケットとしては、限界に近い高い数字であり、強固な財務基盤であることがわかる。負債の前期の短期借入金5.0億円も今期はすべて返済し、無借金経営となった。自己資本比率が昨年より、若干下がっているのは、今期は金融機関への決済日が決算日とずれたため、約10億円(総資産の約2.0%)が買掛金に上乗せされているためである。

   一方、マックスバリュ東海の積極的な新規出店をささえる出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金の合計は291.60億円であり、これは総資産516.65億円の56.4%である。したがって、出店余力、自己資本比率-出店にかかわる資産は13.0%と、十分な出店余力である。ちなみに、1店舗当たりでは、現在74店舗であるので、3.9億円となり、仮に、今期の営業キャッシュフロー61.50億円を全額充てると、毎年15店舗は新規出店が可能であり、来期13店舗の新規開設は数字的には可能であり、それだけ、現状のマックスバリュ東海の財務基盤は強固な状況といえる。

   このように、今期、2009年2月期のマックスバリュ東海の決算は増収減益となり、利益面がやや気になる決算となったが、これを受けて、利益改善に向かうのではなく、来期は、強固な財務基盤をもとに、さらに積極的な投資を行い、利益を落としてでも売上重視戦略を打ち出し、それを支える物流、IT、新業態開発などへ積極的に投資を行う経営戦略を鮮明にした。ここが、成長のまさに絶好のチャンスと見ての積極的な経営戦略の発動といえよう。今後、マックスバリュ東海がどのような新店を次々にオープンしてゆくかに注目である。

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April 8, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 07, 2009

アークランドサカモト、2009年2月期決算、HC部門増収!

   アークランドサカモトが4/3、2009年2月期の本決算を公表した。アークランドサカモトはホームセンター部門の売上が72.6%と大半を占めるが、その他にもその他小売部門(6.3%)、卸売事業(9.9%)、外食事業(8.8%)、不動産事業(2.4%)と他の事業が約30%弱ある。これらすべての事業の売上高は、96.7%と減収とはなったが、中核のホームセンター部門の売上は102.0%と増収となり、今期はホームセンター事業が堅調な売上となった。

   連結売上高が96.7%となった要因は、その他小売部門が59.9%、卸売事業が84.5%となったことにより、この2部門の減収が大きかった。ただ、それ以外の外食事業は111.3%、不動産事業は110.1%と好調な売上であった。また、堅調な売上となったホームセンター部門であるが、カー・レジャー用品103.4%(売上構成比8.5%)、園芸用品102.9%(売上構成比19.5%)、家庭用品100.7%(売上構成比25.7%)、DIY関連用品100.7%(売上構成比18.4%)、その他275.6%(売上構成比0.5%)という状況であった。

   ここ数ケ月、特に、9.15のリーマンブラザーズショック以降、消費環境は厳しさを増し、高額商品、衣料品、住関連商品は苦戦を強いられている中、このアークランドサカモトの堅調な売上はアークランドサカモトの強さを際立たせているといえよう。特に、11店舗の既存店の売上も100.2%と昨対を超えたとのことで、改めて、アークランドサカモトが掲げてきた、「一店舗巨大主義+変化対応型店舗」の経営戦略がここへきて、さらに競争力を増しているようである。

   今期、アークランドサカモトはランドクラブ2店舗の閉鎖、神戸みなと店からの完全撤退、ホームセンタームサシ新津店の閉店もあったが、ホームセンタームサシ酒田店の増床、6月にホームセンタームサシ名取店の新規オープンもあり、これらが寄与し、ホームセンター部門が堅調な売上となったといえよう。

   そこで、改めて、アークランドサカモトの決算概要を見てみると、売上高は897.73億円(96.7%)、営業利益47.92億円(109.6%:売上対比5.3%)、経常利益48.35億円(107.4%:売上対比5.3%)、当期純利益8.39億円(58.6%:売上対比0.9%)と減収増益、当期純利益は特別損失の計上により、減益という結果となった。売上は伸び悩んだが、営業利益は109.6%という好調な数字となり、ホームセンター部門の売上が堅調であったこともさることながら、営業利益が大きく改善したことも今期決算の特徴である。

   その営業利益が好調であった要因を見てみると、原価が68.4%(昨年70.0%)と1.6ポイントと大幅に改善しており、結果、売上総利益は31.6%(30.0%)と上昇した。一方、販売費及び一般管理費であるが、26.3%(昨年25.3%)と1.0ポイント上昇したが、差し引き、マーチャンダイジン力は5.3%(昨年4.7%)と0.6ポイント上昇した。アークランドサカモトはその他の営業収入等がないので、マーチャンダイジング力=営業利益であり、結果、営業利益が大きく上昇、特に、原価の改善が経費の上昇分を吸収したことが大きかったといえよう。なお、当期純利益が減益となった要因は、神戸みなと店の撤退にともなう固定資産処分損21.03億円である。

   一方、アークランドサカモトの財務状況であるが、自己資本比率は44.8%(昨年44.4%)とやや改善しているが、依然として、負債が60%弱と大きいのが気になるところである。その負債の主要項目である長短借入金等の合計は181.49億円(昨年174.56億円)と若干減ってはいるが、総資産679.47億円に占める割合は26.7%とかなり大きな比重を占めている。

   これに対して、資産、特に、成長戦略に直接かかわる出店関連の資産を見てみると、土地、建物、敷金保証金、そして、ホームセンター特有の棚卸資産の合計は539.95億円と総資産の79.4%となり、約80%である。特に、アークランドサカモトは一店舗巨大主義の出店戦略を採用していることもあり、出店にかかわる資産も膨大な金額である。ここから出店余力、自己資本比率-出店にかかわる資産を算出してみると、-34.6%となり、負債に依存する出店構造となっており、新規出店を安定的に行ってゆくには、負債如何にかかっており、やや厳しい財務構造であるといえよう。実際、アークランドサカモトも、「21年度につきましても引き続き既存店の強化に注力し、平成22年度より年に2店舗のペースで新規出店を進めてゆく計画であります。」とコメントしており、2年後からの新規出店となる見通しであるという。

   これを受けて、通期予想であるが、売上高900億円(100.3%)、営業利益50.00億円(104.3%)、経常利益50.00億円(103.4%)、当期純利益25.00億円(297.8%)と増収増益の予想であり、利益重視の経営方針である。

   このように、消費環境の激変により、厳しい決算が予想されたホームセンター業界であるが、アークランドサカモトの決算は減収増益、当期純利益は特別損失の計上により減益となったが、ホームセンター部門のみでは、11店舗の既存店もプラスとなり、増収となる堅調な決算となった。アークランドサカモトの掲げる一店舗巨大主義の戦略が競争力を増し、商圏内でのシェアを高めていると思われる。ただ、今後は改正街づくり3法の施行により、10,000平米以上の大型店は出店がしにくくなる上に、消費環境も一層の厳しさを増すと思われる。このような中、今後、アークランドサカモトがどのような経営戦略を打ち出すか、特に、2年後の新規出店の動向に注目したい。

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April 7, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 06, 2009

アオキスーパー、2009年2月度本決算、経費比率16.7%!

   経費比率16.7%(昨年16.8%)、2009年2月度のアオキスーパーの本決算の結果である。経費比率16.7%は上場食品スーパーマーケット約60社の中では最も低い、経費比率であり、これほど、低い経費比率で経営できる食品スーパーマーケットは日本では非上場ではあるが、オーケーの14.9%(2009年3月期中間決算時)ぐらいであろう。これが、アオキスーパーの最大の経営の武器であり、今期はさらに磨きがかかったといえよう。

   ちなみに、今期、2009年2月期の主な経費項目の売上比率を見ると、人件費関連として、役員報酬、給料手当・賞与、賞与引当金繰入額、役員賞与引当金繰入額、退職給付費用、法定福利厚生費の合計は8.1%(営業総利益の41.2%)、地代家賃1.9%、広告宣伝費1.3%と、上場食品スーパーマーケットの現状と比べると、いずれも30%ぐらいは低く抑えているといえよう。この経費比率がアオキスーパーの最大の強みといえるが、アオキスーパーはこの強みを自社の利益の確保に向けるのではなく、顧客への還元に振りむけることが凄味である。通常の食品スーパーマーケットであれば、これだけの経費比率であれば、粗利を20.0%ぐらい確保し、営業利益を3.0%以上は確保するところであるが、アオキスーパーの今期の売上総利益は16.6%(昨年17.0%)と原価が上昇したこともあるとは思うが、さらに引き下げ、差し引き、-0.1%(昨年0.2%)と、何と、マーチャンダイジング力をマイナスとしていることである。

   すなわち、経営努力により、経費比率を極限まで下げていながら、その下げた分をそっくり、今期はそれ以上に、顧客に還元し、結果、ディスカント戦略を打ち出すという経営戦略をとっている。粗利=経費という構図であり、しかも、経費を下げると、粗利も下げ、経費削減の限界を追求しつつ、究極の低粗利へも挑戦しているということである。では、どこで利益をだすのか、今期決算を見ると、その答えが、不動産賃貸収入1.0%であり、その他収入2.2%であることがわかる。その他収入は大半が物流部門における手数料収入であり、これがアオキスーパーの生命線であるともいえよう。

   アオキスーパーは現在43店舗であり、今期の売上高885.21億円を単純に割ると、20.5億円であり、食品スーパーマーケットとしては高い売上高である。このように高水準の売上を上げることが、結果、物流手数料を増やし、さらに、不動産収入も増やすことになり、結果、営業利益が増加するという経営戦略といえる。ここまで、徹底した経営戦略を実現するのは、中々できることではなく、食品スーパーマーケット業界の中でも極めてまれなケースであるといえよう。

   では、アオキスーパーが平均店舗の年商が20億円を超えるマーチャンダイジング戦略はどこにあるかであるが、その要因のひとつが、水産の強さにあるといえよう。アオキスーパーの水産の売上構成比は何と17.5%であり、農産の14.6%、畜産の14.6%と比べても異常に高い数値である。水産には練製品が含まれているかどうかにより、数値が違ってくるが、仮に、この中に練製品が含まれていたとしても、17.5%は高い数字であるといえ、アオキスーパーのマーチャンダイジングの強さの秘訣は水産の強さによるところが大きいといえよう。また、農産、畜産の14.6%も通常の食品スーパーマーケットの売上構成比と比べると高い数値であり、結果、生鮮3品合計が46.7%となり、生鮮強化型のマーチャンダイジング構成となっており、水産はもちろん、生鮮全体が充実した食品スーパーマーケットであるといえる。

   さて、ここで改めて、アオキスーパーの決算概要を見てみると、営業収益913.70億円(110.8%)、営業利益27.14億円(101.0%:営業収益比2.9%)、経常利益28.03億円(101.7%:営業収益比3.0%)、当期純利益14.73億円(101.2%:営業収益比1.6%)と増収増益と、好決算であったが、特に、売上が2桁伸びたことが大きかったといえよう。その売上の中身であるが、既存店が102.6%と安定した伸びに加え、新店を西枇杷島店(3月)、三条店(8月)と出店し、3店舗を改装したことが大きかったといえる。

   そこで、アオキスーパーの出店余力を見てみると、自己資本比率は59.6%(昨年58.8%)と高い数字であり、出店関連の資産、土地、建物、差入保証金の合計は122.09億円であり、これは総資産235.73億円の51.7%であり、十分に自己資本比率でまかなえる財務構造であり、差し引き、出店余力は7.9%となる。また1店舗当たり2.8億円であり、極めてローコストな店舗であり、この時点から、すでに経費削減が始まっているといえよう。また、負債の主要項目の長短借入金の合計もわずか2.0億円であり、総資産の0.8%であり、ほとんど問題ない借入金額であり、いつでも無借金経営が視野に入っている健全な財務状況である。

   このように、アオキスーパーの2009年2月期の決算は経費比率が16.7%と昨年よりも0.1ポイント下がり、一層のローコストの経営が進んだ。そして、この強みをいかし、ディスカウント路線を徹底し、売上を110.8%と2桁増をもたらし、増収増益の好決算となった。また、財務的にも安定した自己資本比率59.6%を達成し、無借金経営も射程圏内であり、結果、出店余力も十分で、今後の新規出店も期待できよう。今後、経営環境が一層厳しくなることは必至であるが、この経費比率16.7%は、このような厳しい経営環境の中で競争してゆくには、最大の武器であるといえ、アオキスーパーにとってはチャンスといえよう。来期、アオキスーパーがどのような経営戦略を打ち出すかに注目したい。

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April 6, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 05, 2009

平和堂、2009年2月期本決算、減収減益、厳しい決算!

   平和堂が4/2、2009年2月期の本決算を公表した。営業収益4,122.14億円(97.9%)、営業利益120.91億円(88.6%:営業収益比2.93%)、経常利益121.93億円(87.4%:営業収益比2.95%)、当期純利益52.35億円(85.1%:営業収益比1.26%)と、減収減益の厳しい決算結果となった。今期、食品スーパーマーケット業界は消費者の節約志向の追い風に乗り、比較的好調と思われたが、通常の食品スーパーマーケットと比べ、食品比率が約65%、衣料、住居関連が35%という非食品比率の高い平和堂は食品以外の数字が大きく落ち込み、厳しい決算となった。 

   実際、平和堂の商品別売上の状況を見てみると、衣料品550.74億円(89.9%:商品構成比18.8%)、住居関連品472.57億円(93.7%:商品構成比16.1%)、食料品1,894.79億円(101.2%:商品構成比64.9%)という状況であり、食品は堅調な数字ではあったが、衣料品、住居関連品が厳しい数字となったことがわかる。

   平和堂は現在105店舗を展開しているが、店舗数では46店舗を展開する食品スーパーマーケット、フレンドマートが多いが、売上構成比では18.1%にとどまっている。今期伸び率が109.2%と好調であったにもかかわらず、全体の売上が店舗だけで見た場合は96.4%となった。その要因は、衣料品、住居関連品の構成比の高いGMS、SCの不振によるところが大きく、GMSは24店舗、売上構成比は15.3%であるが、今期伸び率が89.8%と厳しい状況となった。また、平和堂では最も売上構成比の高いSCは36店舗で66.6%と平和堂の大黒柱となっているが、この売上が今期伸び率は94.9%と伸び悩んだことが大きかったといえよう。

   ただ、売上に関しては、チェーンストアの場合は新規出店で補うことも可能であるが、今期の平和堂は、昨年3月にフレンドマート木津川店、7月にフレンドマート彦根地蔵店、フレンドマートグリーンヒル青山店、11月にフレンドマート甲南店、そして、同じく11月にアル・プラザ堅田を出店したが、この内2店舗は移転、建て替え等であり、実質3店舗増であり、新規出店での売上押し上げ効果が弱かったといえよう。平和堂は現在105店舗であるので、年間5から7店舗は新規出店が成長を確実にするためのには欲しいところであり、新規出店が思うように進まなかったことも売上が厳しかった要因であるといえよう。

   一方、営業利益が減益になった要因であるが、売上原価は70.5%(70.7%)と昨年よりも0.2ポイント原価を削減しており、結果、売上総利益は29.5%(昨年29.3%)と粗利は改善した。ところが、販売費及び一般管理費は33.1%(昨年32.5%)と0.6ポイント上昇しており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-3.6%(昨年-3.2%)と0.4ポイント下がっており、マイナス幅をさらに拡大させる結果となった。平和堂は先に見たように、多額の不動産を主体としたSC、GMSの売上構成比が81.9%と極めて高い小売業であるため、商品売買から得られる粗利で経費を賄うことは極めて難しい経営構造ではあるが、マイナス幅が拡大するのは経営をより圧迫することになり、今期は厳しい収益状況であったことがわかる。これは、売上が低迷し、結果、固定費が重く経費にのしかかってきた結果といえよう。また、売上の低迷は同時に、利益の源泉である不動産収入にも影響が及ぶ可能性もあり、SC、GMS主体の小売業は売上の低迷は経営の根幹に直結する重大な問題をはらんでいるといえる。

   その不動産収入であるが、6.7%(昨年6.7%)と昨年並みをキープし、結果、営業利益は差し引き3.1%(昨年3.5%)と0.4ポイント減少し、減益となった。原価は改善し、粗利は上昇したが、経費が増加し、不動産収入が横ばいであったため、利益が経費減少分だけ、減少した結果となった。

   平和堂は先に見たように不動産比率の高い小売業態SC、GMSを主体とした経営戦略をとっているため、新規出店には多額の資産が必要となる。今期の出店にかかわる資産の合計、土地、建物、差入敷金及び保証金の合計は1,994.10億円となり、これは総資産2,719.81億円の73.3%にも及ぶ。1店舗当たり、18.99億円と通常の食品スーパーマーケットの約4倍となる。したがって、今期の自己資本比率36.5%では賄うことは難しく、出店余力は差し引き-36.8%となり、負債に大きく依存する新規出店構造となる。その負債の主要項目、長短借入金の合計であるが、806.99億円であり、総資産の29.6%となり、これを足しても出店にかかわる資産の合計には足らず、さらに、その他の負債で賄う出店構造であり、かなり、厳しい出店余力といえよう。

   これを受けて、通期予想であるが、営業収益4,050.00億円(98.2%)、営業利益105.00億円(86.8%:営業収益比2.59%)、経常利益105.00億円(86.1%:営業収益比2.59%)、当期純利益60.00億円(114.6%:営業収益比1.48%)と、今期同様、減収減益と厳しい予想である。今期の衣料、住居関連、SC、GMSの不振が長期化するとの予想であると思われる。また、新店・改装店については兵庫県尼崎市のJR尼崎駅前にアル・プラザ尼崎を新規出店するとともに、大型店安曇川店を移設・建て替えに加え、スーパーマーケットタイプのフレンドマート店を1店舗出店する計画とのことで、実質2店舗の増加であり、全体を押し上げるには難しく、来期は既存店の活性化が鍵を握っているといえよう。

   このように、平和堂の2009年2月期の決算結果は減収減益となる厳しい結果となり、来期も同様に厳しい結果が予想されるという。ここへきて、食品は堅調な動きであるといえるが、衣料、住居関連は厳しい状況となり、また、これらを扱う小売業態GMS、SCタイプも売上が低迷しており、平和堂は経営戦略上厳しい状況にあるといえよう。当面、この経営環境は好転することは難しいと思われ、来期予想のように、どこでマイナスをとどめるかが当面の経営課題といえ、来期も厳しい経営が予想されよう。

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April 5, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 04, 2009

日経MJ新製品週間ランキング、4/3、今週新登場続々!

   恒例の日経MJ新製品週間ランキングが4/3公表された。今週は3/22から3/28のPOSデータの集計であり、春の新製品が続々と登場している。また、ここ最近、値上げ問題等もからみ、既存商品の値上げ関連商品が登場しつつあり、これまでの定番の重点商品が新製品として登場し、のきなみ上位を占めるという異常な状況も見られ、数字が大きく動いているのが現状である。

   このような中で、まず、リニューアル商品も含め、今週初登場の新製品を見てみたい。まず、注目はテレビCMもはじまったサントリー、ペプシネックス500mlペットボトルである。飲料部門で初登場で3位となり、金額PI値も532円とAランクである。カバー率も81.1%と対象45チェーン250店舗をほぼカバーしての金額PI値Aランクであり、注目の新製品である。今週初登場ではないが、同じ飲料部門で5位に日本コカ・コーラ、コカ・コーラゼロ1.5Lも金額PI値479円という、ほぼAランクに近い高い数字で入っており、コカ・コーラもいよいよカロリー0の時代を迎えたといえよう。

   菓子部門では、1位、2位、そして、4位に初登場の新製品が登場している。1位、2位はいずれもロッテ商事であり、Fit’s<ミックスベリー>12枚、金額PI値191円、Fit’s<シトラスミックス>12枚、金額PI値177円である。カバー率も83.9%、85.5%と、初登場であるにもかかわらず、ほぼ全店で導入されており、人気の高い新製品といえよう。4位には。不二家、ルック(31ア・ラ・モード)12粒、金額PI値157円である。また、菓子部門では、これ以外にも11位に江崎グリコ、デザートポッキー<ティラミス>3本×4袋、金額PI値126円、13位に明治製菓、謹製カール明太子味52g、金額PI値118円、そして、18位にロッテ商事、Fit’s<ペパーミント>12枚、金額PI値100円と3品新製品が登場している。

   冷凍食品部門では、5位にハーゲンダッツジャパン、ミニカップバナナチョコレートクッキー120ml、金額PI値142円が入った。そろそろ気温も上昇し、アイスクリームの季節が近づきつつあり、今後、アイスクリームは注目といえよう。これ以外でも15位に森永乳業、エスキモー「MOW(モウ)クリーミーチーズ」150ml、金額PI値84円、20位にオハヨー乳業、プチパーティ10ml×18個が金額PI値72円で入り、いずれもアイスクリームが菓子部門では初登場でランクインした。

   そして、その他部門であるが、17位に第一屋製パン、春らんまんポケモンシールホルダーセット2個、金額PI値166円がやはり初登場でランクインした。今週はこのように、全部で11品が初登場の新製品であり、今後、どこまでランキングをあげるかが注目である。

   さて、今週のトップランキングであるが、先週同様、従来定番の重点商品であった商品が値上げ関連で新製品として浮上してきたものが多いが、No.1は金額PI値1,810円(1人当たり1.81円)と超Aランクの明治乳業、ブルガリアヨーグルトLB81プレーン450gである。先週比では金額PI値204円下がっているが、それでも1,810円は異常に高い金額PI値であり、断トツトップである。明治乳業は値上げ関連商品がオンパレードであり、このブルガリアヨーグルトを含め、その他食品全20品の内、12品も入っており、そのほとんどが値上げ関連商品である。

   No.2は飲料部門の森永乳業、まきばの空であり、金額PI値1,308円と、先週比175円アップと絶好調である。ただ、カバー率が33.7%とまだまだ、導入が一部にとどまっており、今後、この導入店舗では極めて高い数字が確保されているので、いかに、未導入店での導入が広がるかがポイントであろう。No.3は金額PI値977円と、これも超Aランクとなった明治乳業、プロビオヨーグルトLG21 112gである。No.4は家庭用品部門のカネボウ化粧品、ブランシールスペリアホワイトニンングコンクルージョンセット45ml+0.9g+0.3ml+25ml+15ml、金額PI値927円、そして、もう一品、No.5であるが、飲料部門、日本ミルクコミュニティ、メグミルク牛乳1000ml、金額PI値843円、以上が金額PI値、超Aランク、1,000円前後の新製品である。

   今週は、これ以外にも、金額PI値Aランクの新製品が7品あり、Aランクに近いBランク、400円以上500円以下が7品、300円以上、400円以下のAランクが7品となり、Aランクは合計25品となり、しかも、超Aランク、超Aランクに近い新製品がかつてないほどトップランクを占めるという状況である。また、そのほとんどは値上げ関連商品であり、もとは、定番での重点商品であったものが多く、この金額PI値の水準はそのまま定番の重点商品でも通用する高い水準の金額PI値である。

   このように、ここ最近の新製品ランキングは、新製品と見るよりも、そのまま、現状のマーチャンダイジングの見直しに活用できる水準の金額PI値となっており、単に有望な新製品を見つけ出すだけでなく、これを機会に改めて定番の見直しをじっくり進めたいところである。来週以降もこの傾向はしばらく続くと思われるが、新製品週間ランキングを新たな角度から見直し、定番の活性化にも是非つなげたいところである。

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April 4, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 03, 2009

いよいよ、食品スーパーマーケット本決算発表、真近!

   4/2、食品スーパーマーケット2009年2月度の本決算の公表が平和堂をかわきりにスタートをきった。詳細は追って、分析の上、本ブログで取り上げたいと思うが、ここでは、今後、続々と公表される予定の食品スーパーマーケットの決算発表日を整理しておきたい。食品スーパーマーケット業界では現在約60社が上場しているが、その内、約65%の38社が2月度決算であり、圧倒的に多いのが特徴である。3月度は約15%で9社であり、2月、3月度で合わせて、約80%となる。これ以外では、すでに決算が公表された1月度が3社、そして、4月、9月、12月度が数社となる。したがって、この2月度は食品スーパーマーケット業界の上場企業の大半の決算が公表されるという、食品スーパーマーケット業界にとっては非常に重要な月といえる。

   その2月度の食品スーパーマーケットの本決算の公表予定であるが、先のように、4/2に平和堂をかわきりに2月度の決算の公表がスタートする。ちなみに、この日は、衣料専門チェーンのしまむらも公表予定である。4/3は、アオキスーパー、アークランドサカモト、CFCコーポレーションの公表がある。そして、土、日を挟んで4/6には、マックスバリュ西日本、マックスバリュ東北、マックスバリュ東海とイオングループの食品スーパーマーケットの決算発表があいつぐ。すでに、1月度のマックスバリュ中部、マックスバリュ北海道は公表が終わっているので、これで、イオングループの食品スーパーマーケットの公表はすべてである。4/6には、さらに、オークワ、サンエーの本決算の公表もあり、この日はいっきに5社の食品スーパーマーケットの決算発表が相次ぎ、あわただしい1日である。

   翌日、4/7はイオン九州、4/8はイズミヤ、丸久、マルヤ、オオゼキと決算発表があいついで公表される予定である。次の4/9はベルク1社であるが、この日には、注目のセブン&アイホールディングスの本決算が公表される予定である。taspo効果で絶好調ともいえるセブンイレブンの決算内容、節約志向の追い風に乗る食品スーパーマーケット、ヨークベニマル、PRICEのディスカウント参入効果によるGMSの動向等どのような数字となったかに注目である。この週は、さらに4/10にハローズが加わり、合計12社と食品スーパーマーケットの決算発表が集中する。

   そして、翌週の4/13になると、アークス、フジ、イズミ、ジョイス、カスミ、東武ストアと6社の食品スーパーマーケットが一気に本決算を公表する。翌日、4/14は注目のイオンの決算発表がある。ここ最近、イオンの反省、イオンの実行と、この決算発表に合わせるかのように、新聞の全面広告で大きくアピールしてきただけに、最終的にどのような決算になったか、また、その結果を踏まえて、どのような今後の経営戦略を打ち出すかに注目といえよう。この日は、食品スーパーマーケットではライフコーポレーション、マルエツ、Olympic、スーパーバリュー、タイヨー、天満屋ストアと6社の本決算の公表予定である。4/15にはエコス、4/16にはマルヨシセンター、4/17には北雄ラッキー、4/17にはマツヤの本決算が公表される予定であり、この週は、合計16社と2月度の食品スーパーマーケット決算企業の半数近くが公表され、この週がピークである。

   2月度の食品スーパーマーケットの本決算の発表は、これでほぼ終了であり、4月の第3週までにほとんどの食品スーパーマーケットが本決算を公表する予定である。また、食品スーパーマーケット以外の小売業でこの4月前半に公表される注目企業は、衣料チェーンのしまむらが4/2、ホームセンターのケーヨーが4/7、DCM Japanホールディングスが4/8、コーナン商事が4/13、コンビニのミニストップが4/6、サークルKサンクス、ファミリーマートが4/9、ローソンが4/13、百貨店の高島屋が4/10、家電量販のビックカメラ(中間)が4/14、ドラックストアのスギホールディングスが4/15等である。

   以上が2月度本決算の食品スーパーマーケットの決算発表予定であるが、さらに3月度の本決算の食品スーパーマーケットの決算発表予定を見てみると、5/1にヤマナカ、5/7に原信ナルスホールディングス、ヤオコー、5/21、マミーマートが予定されている。

   このように、4/2からいよいよ2009年2月期の食品スーパーマーケット上場企業の本決算の公表がはじまるが、ほぼ4月前半に、集中しており、今後、2週間強で30社以上の決算の公表が目白押しで続くことになる。今期は、中国餃子事件からはじまり、その後、空前の資源エネルギー高による値上げ問題があり、後半は、9.15のリーマンブラザーズショックをきっかけに、金融不安が世界中に広がり、経済危機に落ちいり、景気が一転、厳しい経済情勢に陥った。食品スーパーマーケットには消費者の節約志向により、追い風が吹いたとはいえ、ここへ来て、一段の経済情勢の悪化はさすがに食品スーパーマーケットの経営にも響きはじめている。このような情勢を経ての、本決算といえ、最終的にどのような決算結果に落ち着いたかが注目される。本ブログでは、食品スーパーマーケット各社の決算結果をいち早く分析し、取り上げてゆきたい。

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April 3, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 02, 2009

Chain Store Age4/01、ガムPOS分析スタート!

   Chain Store Age、4/01号にガム市場の分析記事が掲載された。「MD特別リポート、菓子売場戦略を考える、Series1」、「キシリトールガムの軌跡、その時市場が変わった!!」というタイトルの記事の中での小コラムである。テーマは「近年のガム市場分析、新商品と重点商品の理想的なバランスとは?」であり、ガムのマーチャンダイジングについて、さわりをまとめたものである。なお、次回は、本格的なガムのPOS分析に入る予定であるが、ここでは、今回の記事に沿って、ガムのマーチャンダイジングの補足を少し試みてみたい。

   記事の中でも言及したが、マーチャンダイジングの原則はどのような場合でも重点商品を見つけ出し、その重点商品を極限まで数字改善してゆくことが最優先である。ところが、商品の種類が異常に多いカテゴリー、あるいは、新商品が次から次に登場するカテゴリーに関しては、品揃え、新商品に目がいってしまい、重点商品の方に目が向かない場合が多い。こうなると、重点商品の管理がおろそかになり、本来、安定した顧客の支持を獲得し、売上のベースとなる土台が崩れ、カテゴリー全体のバランスをきたし、結果、売上を落としかねない。

   品揃えの幅を広げることも、新商品を積極的に導入することも、目的はカテゴリー全体の売上をあげることであるにもかかわらず、結果がついてこないということがおこる。したがって、重点商品に関しては、どのようなカテゴリーであっても、まず、最初にしっかり押さえ、重点商品の数字を極限まであげる必要があり、それを前提として、品揃えの改善、新商品の導入をはかってゆくことがマーチャンダイジングのポイントとなる。

   問題はガムがどのようなタイプの商品であるかであるが、商品には大きく分けて、2つのタイプがある。ひとつは、重点商品の売上が50%を優に超え、60%、70%にもなる商品である。そして、もうひとつは、重点商品の構成比が50%を割り、30%、20%となる商品である。食品スーパーマーケットの商品カテゴリーは圧倒的に前者のタイプの商品が多く、特に、生鮮品ではそのほとんどが重点商品の構成比が高く、60%から70%のものが数多く存在するのが実態である。ただ、生鮮食品の中でも刺身の単品盛り、牛肉の切り落とし、トマトなどは意外に、重点商品よりも、品揃え商品の構成比が高いのが実態であり、このような重点商品だけではなく、品揃え商品も極めて重要な商品もある。

   以前、Chain Store AgeのPOS分析の記事の時に取り上げた食パンと菓子パンはまさにこのことを象徴的に表している典型的な商品カテゴリーである。食パンは重点商品の構成比が圧倒的に高く、菓子パンは逆に、品揃えの構成比が圧倒的に高い商品である。食パンの品揃えは、数10SKUであるが、菓子パンは数100SKUと10倍近い品揃えの違いになる。ただ、菓子パン型の商品であっても重点商品の重要性には変わりはなく、菓子パンのマーチャンダイジングを改善する場合でも、まずはじめに取り組むべき課題は重点商品約20品ぐらいの特定化とその商品の欠品防止、鮮度強化、フェースの拡大、発注の重点管理、POPでの訴求、棚割の改善、レイアウトの見直し、・・と重点商品を徹底的に管理し、その数字を極限まで伸ばして行くことが大前提である。

   その上で、菓子パンの場合は、品揃えを少なくとも100種類は売場に揃え、毎日毎日、毎週毎週、その品揃え商品の見直しを行い、商品の品数をできるだけ一定にたもちつつ、入れ替えを、1日1日では品数は少なくとも、月間、季節、年間では1,000種類ぐらいの品揃えに挑戦するのが菓子パンのマーチャンダイジングの数字改善の課題となる。その際、菓子パンでは新商品が各社メーカーから毎週毎週、毎月毎月登場し、年間では膨大な数の新商品が市場に投入される。この新商品を品揃えの改廃の中にしっかり組み込めるどうかがマーチャンダイジングのポイントとなる。

   では、ガムはどちらのタイプといえるだろうか。食パン型の商品であるか、菓子パン型の商品であるかである。現在、ガムの膨大なPOSデータを様々な角度から分析を試みているが、いま見えてきている段階では、どうもガムは菓子パン型の商品に近いといえそうである。ただし、ボトルガムをはじめとして、PI値は低いが、平均単価が高く、結果、金額PI値が図抜けた重点商品と平均単価は低いがPI値が極端に高く、金額PI値が高い重点商品とがバランスよく混在している状況が見られ、まずは、重点商品をしっかり押さえることがポイントである。また、今回の記事のタイトルにあるように、キシリトール関連のガムは重点商品の中では圧倒的な存在感があり、キシリトールという視点はガムのマーチャンダイジングにおいては重要なキー概念であるともいえよう。

   さらに、ガムは現在、品揃えもさることながら、毎月毎月、各社から新商品が続々と登場しており、記事の中でも触れたが、売場が新商品であふれかっているような印象をうけるのも事実である。したがって、まさに、記事のテーマ、「新商品と重点商品の理想的なバランスとは?」が問われる典型的な商品カテゴリーであるといえる。次回以降は、現在取り組んでいるガムの詳細なPOSデータの分析結果を披露できるのではないかと思う。乞うご期待!

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April 2, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 01, 2009

家計調査データ2009年2月度、消費落ち着く!

   総務省統計局から家計調査データ、2009年2月度が3/31、公表された。2月度は昨年が29日、今年が28日と1日少ないために、消費額を単純比較すると、1/29=3.4%分ぐらい昨年が高くなる傾向がある。本ブログでは、家計調査データに関しては、食品スーパーマーケットの金額PI値と連動させるために、1日当たりに換算して、独自に集計しているが、この2月度も1日当たりで見てみると、全体が9,501.57円(99.9%)、外食を含む食料2,339.07円(99.8%)、外食を除く、純粋に食品スーパーマーケットの商品分類に近い項目の食品では、1,934.39円(99.5%)といずれも、昨対100%弱となり、昨年とほぼ同じ消費額となった。消費者は非常に冷静で落ち着いた消費活動をしているといえよう。

   全体の数字はこのように、ほぼ昨年並み、100%弱となったが、大分類で見てみると、家計が何を伸ばし、何を節約し、全体を調整しているかがわかる。まず、伸ばした項目を105%前後で見てみると、残念ながら食品関係では105%前後の項目はなく、交通・通信1,326.43円(113.3%)、教育446.11円(105.3%)、住居513.89円(104.7%)の3部門のみである。交通・通信に関しては、最も大きく伸びているのは自動車等関係費748.89円(122.5%)であり、この中でも、自動車購入が255.07円(302.9%)と異常値である。教育では授業料等365.32円(108.6%)が押し上げており、住居では工事その他のサービス113.25円(118.0%)の数字が高いのが特徴である。少し、意外な結果であるが、この2月度はこの3項目が特に高い伸びを示した。 

   これに対して、95%前後の項目を見てみると、家具・家事用品259.86円(87.9%)、被服及び履物335.61円(91.0%)、保健医療432.71円(93.9%)、光熱・水道997.61円(95.9%)、その他の消費支出1,825.25円(96.0%)、そして、食品では唯一、魚介類223.43円(93.7%)という状況である。この2月度、最も深刻な数字となった家具・家事用品では、カーテン2.57円(55.2%)、冷暖房用器具14.68円(55.4%)、寝具類17.50円(63.5%)、一般家具12.07円(74.5%)等が特に数字が厳しく、家計がこの部門を最大限に節約している状況が鮮明である。ついで、被服及び履物では和服6.61円(60.1%)、下着類26.46円(81.9%)が大きく落ち込んでいる。保健医療では、健康保持用摂取品33.86円(76.8%)、保健医療サービス251.61円(88.1%)の数字が下がっており、光熱・水道では何といっても灯油96.00円(59.2%)が大きく下げている。その他消費支出では、化粧水11.25円(87.0%)、こづかい(使途不明)460.36円(87.5%)、理美容用品122.79円(88.2%)等である。

   そして、唯一、食品の魚介類であるが、塩干魚介40.29円(91.3%)、貝類15.07円(92.0%)、生鮮魚介133.21円(93.4%)とほぼ全面的に厳しい状況であるといえよう。逆に、魚介類の個々の項目で伸びたものを見てみると、かつお3.11円(115.5%)のみが110%以上であり、ついで、さんま1.89円(109.8%)、魚介のつくだ煮2.75円(107.8%)、ちくわ5.54円(106.3%)、えび8.75円(104.9%)が105%前後であり、この2月度、魚介類は厳しい月となった。

   そこで、食品関係の状況を見てみたい。まず、プラスになった項目であるが、調理食品が259.11円(103.0%)となり、この2月度食品ではトップとなった。その中身を見てみると、ぎょうざ5.64円(151.5%)と昨年の中国餃子事件を克服し、一昨年よりも高い数字となっており、餃子復活といえよう。ついで、冷凍調理食品14.14円(141.4%)も同様に今期は絶好調であり、節約志向の風にも乗り、高い伸び率である。また、ぎょうざ同様、しゅうまいも2.57円(118.4%)よく伸びている。ついで、プラスになった項目は菓子類であり、229.57円(102.2%)と堅調な数字である。その中身を見てみると、チョコレート菓子4.25円(124.5%)、ゼリー2.54円(113.1%)と、この2項目が突出しているが、ビスケット9.00円(109.2%)、アイスクリーム・シャーベット10.82円(109.0%)、キャンデー7.61円(1 07.1%)も好調である。

   さらに他の伸びた項目を見てみると、穀類214.96円(101.4%)、油脂・調味料109.18円(100.4%)がプラスとなった。穀類では、スパゲッティ4.04円(114.7%)、即席めん4.79円(111.0%)、中華めん11.46円(110.8%)と小麦関連の麺類が好調といえよう。パンは食パン25.79円(100.1%)、他のパン 56.86円(104.2%)と食パンは横ばいだが、菓子パンは堅調な数字である。そして、油脂・調味料であるが、マーガリン2.82円(115.2%)、マヨネーズ・ドレッシング8.79円(112.2%)、食用油 8.36円(108.7%)、しょう油5.79円(106.2%)、みそ7.96円(105.0%)が好調である。

   また、これまで、節約志向の風に乗り、食品全体を牽引しきた肉類であるが、ここへきて、213.29円(96.8%)となり、1月度が肉類は205.55円(102.0%)であっただけに気になるところである。特に、鶏肉36.68円(100.7%)、豚肉73.07円(99.2%)と伸びが止まり、牛肉は50.00円(89.3%)と厳しい状況である。

   このように、2月度は全体としては非常に落ち着いた消費状況であり、食品、衣食住サービスを含めた全体もほぼ昨年並みの消費額である。ただ、中身は80%前後のもの、110%以上の項目があり、家計は節約志向が高まる中で、節約すべきものは思い切って節約し、逆に、消費すべきものは、これという項目に関しては思い切って消費するというメリハリのある消費傾向であるのが特徴である。今後も先行きが見えない中で、家計がどのような消費行動を行ってゆくかに注目したい。

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April 1, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)