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May 12, 2009

関西スーパー、2009年3月期決算、増収減益、純利増益!

   関西スーパーが2009年3月期決算を5/8、公表した。結果は、営業収益1,090.92億円(103.2%)、営業利益19.50億円(83.9%:営業収益比1.78%)、経常利益22.09億円(82.3%:営業収益比2.02%)、当期純利益9.53億円(172.4%)と、当期純利益は増益とはなったが、営業、経常段階では増収減益となるやや厳しい決算となった。今朝、5/11の日経流通に関西スーパーの創業者北野祐次会長が取締役を退任し、経営の第1線から退くという記事が掲載されていたが、この7月には創業50周年を迎えるとのことで、50年間日本の食品スーパーマーケット業界を牽引してきた方だけに感慨深いものがあるといえる。

   さて、今期、関西スーパーが減益になった要因を原価、経費の両面から見てみたい。まず、原価であるが、76.0%(昨年75.6%)と、0.4ポイント原価の上昇がみられる。結果、売上総利益は24.0%(24.4%)となった。一方、販売費及び一般管理費であるが24.1%(昨年24.1%)と昨年と同じ比率となった。したがって、差し引き、商品売買から得られる粗利、マーチャンダイジング力は、-0.1%(昨年0.3%)と、わずかではあるが、マイナスとなった。原価の上昇が粗利を圧迫したといえ、今期は原価の上昇が響いたといえる。これに、営業収入が1.9%(昨年1.9%)のり、最終的に営業利益が、売上対比で1.8%(昨年2.2%)となり、減益となった。昨年より、売上対比で、0.4ポイント営業利益が下がっており、原価上昇が利益を圧迫した形である。

   この数字をみると、営業利益が減益となった要因は明らかに、原価の上昇にあるが、ただ、売上総利益、すなわち、粗利が24.0%という数字は、食品スーパーマーケット業界としては、やや低めであり、経費比率は逆にやや高めであるとはいえるが、それでも25.0%を下回っており、粗利率がもう数%高ければ、高収益となる利益構造である。今後、原価を引き下げ、粗利率をいかに改善するかが当面の優先課題といえよう。

   その関西スーパーの今期の部門別の状況を見てみると、今期、粗利の高い海産、そして、何といっても食品スーパーマーケットのいまや利益の源泉ともいえる惣菜の構成比が落ちているのが気になるところである。海産は10.9%(昨年11.6%)、惣菜7.9%(昨年8.1%)という状況である。しかも、惣菜の構成比が7.9%と惣菜の強い食品スーパーマーケットと比べると5%近く低い数字であり、全体として粗利が取りにくい商品構成であるといえよう。関西スーパ-の生鮮の構成比の中では青果が15.2%(昨年15.0%)と最も大きく、ついで、精肉12.9%(昨年12.7%)であり、青果、精肉が生鮮部門を牽引しているマーチャンダイジングといえ、利益よりも、売上重視の商品戦略が、今期は、結果として実施されたといえよう。

   実際、今期の関西スーパーの客数は1店舗当たり3,192人(昨年3,162人)と増加しているが、逆に金額PI値(客単価)は1,688円(昨年1,675円)と減っており、客数増、金額PI値(客単価)減となっており、商品構成を裏づける数字である。ちなみに、ここから、売上を逆算すると、1日当り538.8万円、年間では約20億円となり、食品スーパーマーケットとしては、理想的な売上規模であるといえよう。

   では、なぜ、これで、営業利益が、今期1.8%と2.0%を切ってしまうかであるが、その要因は先にあげた商品戦略、すなわち、マーチャンダイジング力による、粗利率の問題もあるが、それと同様に、もうひとつの課題が経費の問題といえ、それが、坪売上にあると思われる。関西スーパーの今期の店舗面積は74,925平米であり、店舗数は54店舗であるので、1店舗当たり420.4坪である。これを年商約20億円から割ると、476万円であり、郊外型であればそれなりの数字であるが、関西スーパーは都心部に多く出店しており、あと2割から3割は坪売上を上げ、相対的に経費比率を引き下げたいところである。

   一方、今期の財務状況であるが、自己資本比率は49.0%(昨年45.9%)と、もう1%で50%に届くまでに改善している。ただ、その要因は純資産が増加しての自己資本比率の上昇ではなく、負債が削減しての、上昇である。その主な要因は昨年計上した厚生年金基金脱退損失引当金が約12億円、未払法人税等が約5億円等であり、これに有利子負債が98.00億円(昨年104.00億円)と、6億円削減した結果である。その有利子負債は、総資産510.06億円の19.2%と、まだ負債を圧迫している状況といえ、今後、一層の削減が課題といえよう。したがって、出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金等の合計313.09億円(1店舗当たり5.79億円)は総資産の61.3%であるので、自己資本比率から引いた出店余力は-12.3%となり、負債に、率にして、約20%依存する出店構造である。今後、安定的な出店を果たして行くにためにも、さらに、財務状況の改善が必要といえよう。

   このように、関西スーパーの2009年3月期の決算結果は、原価の上昇がみられ、粗利を圧迫し、営業利益が売上対比で減益となる、増収減益のやや厳しい決算となった。また、財務状況は自己資本比率の改善が見られるものの、その中身は純資産が増加しての改善ではなく、昨年、一時的に発生した負債項目がなかったことが大きいといえる。有利子負債は若干削減されたものの、依然とし、総資産の約20%である。今後、関西スーパーが高収益を確保し、安定的な成長戦略をとってゆくためには、商品構成の改善、有利子負債の削減が当面の経営課題といえ、今期、どのようなマーチャンダイジングの改善と、財務の改善を打ち出すかに注目である。

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May 12, 2009 in 経済・政治・国際 |

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