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June 01, 2009

ウォルマート、2010年、第1四半期決算、減収減益!

    ウォルマートが5/14、2010年度の第1四半期決算を公表した。結果は、減収減益と厳しい決算となったが、その最大の要因は海外部門にある。昨年後半の金融危機以来、ドル高が進んでおり、その為替変動の影響が大きく、現地通貨では好調な海外部門の数字が、ドル換算では減収となり、ウォルマート本体へ大きなインパクトを与えているためである。ウォルマートの海外依存度はこの四半期ベースでは22.7%であり、約1/4の売上構成比である。この売上が激減したため、相乗積から見ても全体への影響は大きく、ウォルマート本体ではカバーができなかった状況である。

    その売上であるが、全体が-0.6%となった。ウォルマートは売上を3つの部門に分けて集計しているが、最も売上構成比の高い部門はウォルマート部門であり、65.5%である。このウォルマート部門が、3.8%とプラスになったが、22.7%の売上構成比の海外部門が-11.1%と、2桁のダウンにより、カバーできず、減収を余儀なくされた。また、もうひとつの部門サムズクラブも売上構成比は11.8%であるが、-1.4%と減収となったこともその要因である。

   ちなみに、既存店であるが、2.9%とプラスとなっており、内訳は、ウォルマート部門が3.6%、サムズクラブ部門が-0.5%であった。この数字にはガソリン等のエネルギー関連が入っての数字であるが、これを除いた場合は、ウォルマート部門3.6%、サムズクラブ部門4.2%となり、全体も3.7%へ跳ね上がる。したがって、サムズクラブ部門のマイナスはガソリン等のエネルギー関連に負うところが大きかったといえよう。

    一方、営業利益であるが、-1.9%と減益となった。売上同様、海外部門の影響が大きく、海外部門が-16.2%となったことによる。ウォルマート部門は3.3%、サムズクラブ部門は0.0%であったので、海外部門がウォルマート全体の利益へも大きな影響を与えたといえる。海外部門は売上-11.1%に対し、営業利益が-16.2%であるので、売上よりも、営業利益の方が大きくマイナスとなっており、この第1四半期は厳しい決算となった。

    ここで、ウォルマートのP/Lを見てみたい。まず、原価であるが、75.3%(昨年75.8%)と昨年よりも、0.5ポイント下がっており、原価の改善が進んでいる。結果、売上総利益は24.7%(昨年24.2%)と、粗利の改善が進んだ。一方、経費であるが、販売費及び一般管理費は19.9%(昨年19.4%)と、逆に0.5ポイント上昇しており、この四半期決算では、経費の上昇がみられる。ただ、これだけの売上規模(934.71億ドル:約9兆円)で、19.9%と20%を下回る経費比率は極めて低い数字といえよう。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は4.8%(昨年4.8%)と、昨年同様の数字となった。これに、その他の営業収入が0.8%(昨年0.9%)のり、営業利益が5.6%(昨年5.7%)となり、わずかではあるが、減益となった。

    これに対して、財務面であるが、ウォルマートの純資産比率は39.4%(昨年38.9%)とほぼ昨年同様の数字であるが、負債に約60%負う財務構造であり、やや重い状況といえよう。その負債の中の有利子負債の状況であるが、667.52億ドル(約6.3兆円:昨年672.70億ドル)と、総資産1,620.90億ドル(約15兆4,000億円)の41.1%とかなり重くのしかかっており、財務的には大きな負担といえよう。一方、資産面に目を転じてみると、出店にかかわる資産である土地、建物等であるが、933.27億ドル(約8兆8,700億円)と、総資産の57.5%であり、純資産比率を大きく超える数字である。したがって、差し引き、出店余力は-18.1%となり、負債に大きく依存する出店構造であり、今後、ウォルマートが安定的な新規出店を果たしてゆくには、財務の改善が課題といえよう。また、在庫であるが、343.91億ドル(3兆2,700億円)と、総資産の21.2%となり、スーパーセンターという非食品の構成比が高い業態を主力としているだけに、かなり、重い、在庫負担であり、これも出店にかかわる資産に加えると一層、出店余力が厳しい状況である。

    この時点でウォルマートを日本の食品スーパーマーケットと同様に独自格付けしてみると、マーチャンダイジング力はAであるが、出店余力はC、有利子負債はCとなるので、ACCとなる。こう見ると、減収減益というP/L上の問題よりも、B/S上の問題の方が大きいといえよう。

    さて、もうひとつの財務諸表、キャッシュフローをざっと見てみると、営業キャッシュフローは35.71億ドル(約3,400億円:昨年37.79億ドル)であり、ほぼ、昨年並みの数字である。投資キャッシュフローであるが、-31.19億ドル(約-2,900億円:昨年-22.33億ドル)であり、結果、フリーキャッシュフローは4.52億ドル(昨年15.46億ドル)となった。今期は新規出店投資は昨年並みであるが、海外投資が一段と進んだことが大きいといえよう。そして財務キャッシュフローであるが、-10.67億ドル(約-1,000億円:昨年7.91億ドル)となり、トータルでは-6.97億ドル(約-660億円:昨年25.03億ドル)となった。キャッシュフローがマイナスとなり、現金及び現金同等物が減ったことがやや気になるところである。

    このように、ウォルマートの2010度の第1四半期の決算は、海外部門の為替変動の影響が大きく響き、減収減益となる厳しい決算となった。ただ、気になるのは、それ以上に、財務面の改善が進んでおらず、出店余力が厳しい状況にあり、さらに、キャッシュフローもトータルのキャッシュが減るなど、気になる数字となったことである。当面、アメリカ経済はもちろん、世界経済も厳しい状況が続くと思われ、今後、ウォルマートにとっても厳しい経営環境が続くと思われる。次の中間決算までに、営業数値はもちろん、財務の改善がどこまで進むか、ウォルマートの今後の動向に注目したい。

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June 1, 2009 in 経済・政治・国際ウォルマート、海外情報 |

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