« June 2009 | Main | August 2009 »

July 31, 2009

PI値を商談に活用するには、その1!

   一般にPI値は小売業のマーチャンダイジングの検証のための指標のひとつであり、小売業が自社のマーチャンダイジング改善のために活用してきた経緯がある。したがって、これをメーカーが活用する場合、なかなか、活かしづらいというのが現状といえよう。そこで、ここでは、メーカーにとって、PI値をどのように活用すれば、効果的な活用ができるかを考えてみたい。
  
   まず、PI値のおさらいであるが、PI値はPOSデータから算出することが可能な指標である。POSデータはつきつめれば、金額、数量、客数(レシート枚数)の3つの情報から構成されている販売データであり、それ以上でもそれ以下でもない。ここからPI値を算出するには、金額、数量を客数で割ればよい。金額を客数で割ったものが金額PI値であり、数量を客数で割ったものが数量PI値である。そして、この2つの関係は、金額PI値=数量PI値×平均単価という数式で結ばれることになる。金額PI値=金額÷客数、数量PI値=数量÷客数であるので、数量PI値×平均単価は、=(数量÷客数)×平均単価となり、=(数量×平均単価)÷客数と変形でき、(数量×平均単価)は売上(金額)であるので、=金額÷客数となり、左右、同等となるからである。
  
   以上がPI値の基本である。そこで、メーカーがこのPI値をどう活用するかであるが、ここでは、商談への活用について考えてみたい。商談とは何かであるが、その目的は大きく2つに絞ることができよう。ひとつは、自社の商品の新規採用であろう。そして、もうひとつはすでに採用されている自社の商品の活性化をはかる、すなわち、さらななる売上アップを提案することであろう。そこで、ここでは、この2つの商談への活用について、考えてみたい。
  
   まず、自社の商品の新規採用についてであるが、これは、可能な限り、自社の商品を他社の商品と比べ、そのポジション、差別化を明確にする必要がある。そして、そのためにPI値をどう活用するかが課題となるが、そのためには、可能な限り、客観的なPI値の分析データが必要となる。それが、食品スーパーマーケット各社を集計したPI値分析データである。店舗数は多ければ多いほど客観性があるが、とりあえず、数百店舗あれば、それなりの説得力はあるといえよう。

   そして、この時、自社の商品をPI値で客観的に示すことになるが、その時、新たに加わるPI値が客数PI値である。これは、全店舗の総客数を分母にし、自社の商品が導入されている店舗のみの客数を分子にし、双方を割って算出した、導入店舗の客数÷全店舗の客数で表される指標、客数PI値のことである。いわゆるカバー率に近い指標であるが、カバー率よりも、正確にどのくらいの顧客が販売対象になっている商品であるかを示す指標であり、客観性は高いといえよう。

   たとえば、客数PI値10%は、全店舗の客数の10%の顧客を対象にして得られた数字であることを意味しており、客数PI値50%は全店舗の客数の50%の顧客を対象にして得られた数字であることを意味している。したがって、その範囲内でPI値を算出すれば、PI値の客観性がより、増すことになり、精度の高い自社の商品のPI値をもとに、商談することが可能となる。

   ここで、客数PI値と金額PI値との関係であるが、金額PI値の客数を全店の客数とした時の金額PI値を金額PI総店とし、客数PI値、たとえば、10%の客数で見た場合の金額PI値を金額PI扱店とすれば、金額PI総店=客数PI値×金額PI扱店となる。なぜなら、金額PI扱店=金額÷扱い店舗の客数であり、客数PI値=扱い店舗の客数÷全店の客数であるので、双方を掛けると扱い店舗の客数が約分され、=金額÷全店舗の客数となるからである。

   したがって、メーカーが商談、特に、自社の商品を新規に導入する時に活用するためのPI値は金額PI総店=客数PI値×金額PI扱店であり、さらに、もう一歩落とし込めば、金額PI総店=客数PI値×金額PI扱店(=数量PI扱店×平均単価)であるといえる。

   では、このPI値の公式を活用し、どのような自社の商品の採用提案を行うかであるが、ポイントは、自社の商品の客数PI値がどのくらいの顧客から評価された商品であるかをまず示すことが必要である。客数PI値が高ければ高いほど、より多くの顧客から評価を受けた商品であり、逆に少なければ少ないほど、まだ、顧客からの評価を受けていない、客観的な数字をもった商品ではないからである。これは、まさに、金額PI値の信頼度を表しているといえ、ある一定以上の客数PI値の商品であれば、その金額PI値は、より信頼性の高いものといえ、しかも、その数字が高ければ、自信をもって商談にあたることができるからである。

   ただ、実際の様々な商品を分析してみると、客数PI値が高く、金額PI扱店の高いAランクの商品は稀であり、多くの場合は、客数PI値が高くて、金額PI扱店は低いか、逆に、客数PI値は低く、金額PI扱店が高いという商品になるのが通常である。また、客数PI値が低く、金額PI扱店が低い商品は、まさに海のものとも山のものともわからない商品であるといえ、客観性に乏しいが、その中でも、さらに細分化し、客数PI値と金額PI扱店で分けてみると、客観性は乏しいながら、商品のポジションはある程度明確になるはずであるし、特に、そこに、昨年、先月との比較を入れると、どちらに向かっている商品であるかがわかり、提案がしやすくなるのではと思う。

   このように、まず、自社の商品を新規導入する場合には、まず、できるだけ多くの店舗のPI値データをもとに、金額PI総店=客数PI値×金額PI扱店で自社の商品を特に、客数PI値の観点から位置づけ、新規導入を提案してゆくことが、商談への活用のスタートといえよう。なお、続きは、稿を改めて、解説したい。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 31, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 30, 2009

流通BMSへ期待、粗利PI値の時代か?

   流通BMSが軌道にのりはじめたといえよう。先日、7/27の日経MJで取りあげられた「イオン、一括管理に移行、来月完了、グループへ適用検討」、「スーパーの生鮮食品」という見出しの記事の中で、イオンが流通BMSを本格採用したことが取り上げられていた。イオン1,200店舗の生鮮食品の統一管理システムを流通BMSを基盤に構築し、この8月には導入が完了するとのことである。生鮮食品だけでなく、花きの仕入れや在庫管理にも活用できるという。

   流通BMSは、「ビジネス、メッセージ、スタンダード」の略をとったものであり、次世代のEDIの仕組みといえる。EDIとは「エレクトロニック、データ、インターチェンジ」のことで、企業間の受発注データのやり取りの仕組みのことである。これまでは、JCA手順がチェーンストア協会の推奨の仕組みだったが、次の世代は、流通BMSという仕組みに変えてゆこうと、経済産業省が音頭をとり、流通業界全体に働きかけ、その成果が、大手小売業、そして、最近では食品スーパーマーケット、さらには、ドラックストア、HC等へと徐々に普及がはじまっている。JCAとBMSの最大の違いは、インターネット回線を使うところにあるといえ、速さ、処理量等、質、量の面で各段の違いがあるといえる。

   流通BMSについては、http://www.mj-bms.com/index.htmlに詳しい解説、事例が掲載されているので、そちらをご覧いただければと思うが、特に、このホームページの中で、興味深かったのは、近商ストアの事例である。流通BMSは次世代EDIであるといえるので、受発注に焦点が当てられるが、実は、受発注が現在よりも、各段と質、量の点で向上するので、これまで、十分に活用できなかったPOSデータともリンクが容易になる。近商ストアではここに着眼し、流通BMSとPOSとをリンクさせ、自動発注の仕組みを取り入れ、「1個売れたら1個補充するという「セルワン・バイワン」方式を導入」したことである。自動発注の仕組みは、既存のPOSデータを活用しての仕組みが多くのチェーンストアで開発、実践投入されているが、流通BMSを基盤にしての仕組みは、まだ、珍しいといえ、これが今後、問題なく動くようであれば、マーチャンダイジングの飛躍的な改善につながる可能性が高いといえよう。

   日経MJの記事の中でも、イオンは生鮮MDシステムに流通BMSを採用しており、
6月時点で青果の7割強、精肉、鮮魚は2割程度であるというが、今後、導入を加速するとのことである。さらに、7月からは豆腐などの日配食品等にも導入が始まったという。これが完成すれば、受発注から納品までのデータを本部が一元管理でき、取引にかかる時間の短縮や業務全体の効率化につながるという。当然、POSデータのリンクも視野に入っていると思われ、ごく近い将来、自動発注も可能となろう。記事では、会計システムとのリンクも検討しているとのことで、粗利だけでなく、経費を組み込んだ、まさに、マーチャンダイジングの究極の仕組みが単品レベルで将来は可能となろう。

   では、実際、POSデータと流通BMSがつながった場合は、マーチャンダイジング的にはどのようなことが可能となるかであるが、自動発注、さらには、自動棚割等へのまさに、ウォルマートがたどった実践的な方向が可能になることはもちろんであるが、もうひとつ、注目すべきは、これまでPOSデータの分析に活用してきたPI値の活用が飛躍的に進化する可能性を秘めていることである。POSデータから得られるデータは売上金額、売上数量、客数(レシート枚数)の3つが基本であるが、流通BMSがリンクすると、これに、原価データと在庫データを単品レベルで加えることができるようになる。

   これが可能となると、従来の金額PI値=PI値×平均単価で止まっていたPI値分析が、原価(粗利)、在庫を組み込んだPI値分析まで可能となる。結論からいえば、これまでは、理論的には可能であったが、実務的にはなかなか難しかった、粗利PI値=在庫PI値×交差比率の公式が実践投入できることになる。したがって、金額PI値×粗利率=粗利PI値でもあるので、これまでのPOSデータだけでは、マーチャンダイジングの目的が実務的には金額PI値最大化しか目指せなかったところが、粗利PI値最大化も同時に追求することが実務的にでき、しかも、粗利PI値を引き上げるには、在庫PI値(顧客当たりの在庫)と交差比率(在庫当たりの粗利高)をいかに引き上げるかという、在庫と粗利(原価)の問題に踏み込むことができ、マーチャンダイジングの究極の目的に大きく近づくことが可能となる。

   さらに、会計システムとリンクすれば、経費を組み込み、P/L上では計算可能なマクロのマーチャンダイジング力を単品レベルで検証することも可能となる。この時のPI値は経費PI値が活躍し、マーチャンダイジングPI値=粗利PI値-経費PI値となり、マーチャンダイジングの最終到達系が理論的にも、実務的にも完成することになろう。

   これについては、流通BMSの普及動向をみながら、順次、理論、実践面で検証してゆき、本ブログでもまさに、食品スーパーマーケットの最新情報として取り上げてゆければと思う。その意味で、流通BMSはごく近い将来、マーチャンダイジングを理論的にも実践的にも飛躍的に改善する可能性を秘めた仕組みといえ、今後の普及が楽しみな、久しぶりの流通業界にとって朗報といえよう。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 30, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 29, 2009

イオン九州、2009年度2月期の決算を見る!

   本ブログでは、2009年度の上場食品スーパーマーケットの決算については、ほぼすべてを取り上げて解説してきたが、まだ、取り上げていない企業が1社ある。今回取り上げるイオン九州である。イオン九州は全店舗数が99店舗であるが、この内、GMSが46店舗、スーパーセンター、HCが53店舗であり、食品スーパーマーケットというより、GMS主体の企業であるので、食品スーパーマーケット業種に加えるか難しいところであるが、食品の売上構成比が41.8%と比較的高く、食品を柱にした企業でもあるので、食品スーパーマーケット業種として、取り上げてみたい。本ブログでは、同様な観点から、PLANT、アークランドサカモトも同様に食品スーパーマーケット業種の範疇として、集計しているので、今後、イオン九州も食品スーパーマーケット業種の中で解説してゆきたいと思う。

   さて、その2009年度2月期決算の結果であるが、営業収益2,689.61億円(111.9%)と好調であったが、営業利益4.71億円(48.3%:営業収益比0.18%)、経常利益3.79億円(43.1%:営業収益比0.14%)、当期純利益 4億円(0.8%:営業収益比0.15%)と、利益は極めて厳しく、大幅な減益となった。

   営業収益が好調であった要因は46店舗を展開するGMS部門の既存店が食品は堅調ではあったが、衣料品、住居余暇商品が伸び悩み99.9%となったにもかかわらず、2008年12月に「イオンモール筑紫野」(福岡県筑紫野市)の核店舗として、GMSのジャスコ筑紫野店を開店したことが大きく、GMS全体で112.2%となったことである。また、スーパーセンター、HCを53店舗を展開するスーパーセンター・HC部門は既存店は97.0%と厳しかったが、2008年4月にイオンスーパーセンター大木店(福岡県三潴郡)を新規オープンしたことが寄与し、全体では107.6%となったことが大きい。したがて、GMS、スーパーセンター・HC部門ともに、既存店は昨対をクリアーできなかったが、新店の貢献が大きく、営業収益を大きく伸ばすことができたことが増収の要因といえる。

   ただ、この営業収益とは対照的に利益の方が、極めて厳しい状況となり、その要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、72.5%(昨年72.5%)と、昨年と同じ数字となり、価格競争が厳しい中にもかかわらず、原価の上昇は見られず、結果、売上総利益は27.5%(昨年27.5%)となった。一方、経費の方であるが、33.8%(昨年33.1%)と0.7ポイント上昇し、率にして102.1%の上昇となった。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は-6.3%(-5.6%)と、大きくマイナスとなり、厳しい結果である。イオン九州はGMS主体の企業であるため、経費比率が30%を超えるという極めて高い数字であり、結果、マーチャンダイジング力は大きくマイナスとなる構造的な課題がある。したがって、これをカバーするのが、不動産収入、物流収入等のその他営業収入であるが、今期は、その他営業収入が6.5%(昨年6.0%)と0.5ポイント上昇し、マーチャンダイジング力のマイナス分をカバーし、結果、営業利益が0.2%(昨年0.4%)と、わずかであるが、プラスとなった。ただ、その比率は0.2%であり、昨年と比べると半減しており、これが今期、大きく営業利益が下がった要因であるといえよう。

   それにしても、経費比率33.8%はかなり経営を圧迫しているといえ、その分を、その他営業収入でまかなわざるをえず、厳しい、営業構造であるといえよう。今期、イオン九州はトップバリュを積極的に導入し、金額では昨対180%以上の180億円を超え、売上金額2,524.98億円の7.1%にまでなった。ただ、売上総利益、すなわち粗利が昨年同様の数字27.5%であり、厳しい価格競争の中、粗利が下がらなかったことによる貢献はあったと思われるが、粗利を押し上げるところまでは至っておらず、今後、さらに、トップバリュの構成比を増やすか、場合によっては、NBの仕入れ改革、物流改革も課題となろう。

   一方、イオン九州の財務状況であるが、自己資本比率が14.6%(昨年15.7%)と、昨年よりも下がり、しかも、極めて低い水準であり、厳しい財務状況である。出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金の合計は620.15億円と総資産1,207.64億円の51.4%であり、その大部分を負債に頼っている構造である。差し引き、出店余力も-36.8%であり、新規出店が思うようにできにくい状況である。その有利子負債であるが、466.66億円と総資産の38.6%とかなりの比重を占めており、まさに、出店余力のマイナス分をカバーする構造であり、イオン九州としては、有利子負債に頼らざるをえない出店構造となり、今後、いかに、負債を圧縮するかが、経営の最優先事項といえよう。

   このように、イオン九州の2009年2月期決算は大幅な増収とはなったが、利益は逆に大幅な減益となる厳しい決算となった。マーチャンダイジング力が経費の上昇により、大きくダウンしたことが大きく、結果、財務的にも厳しい状況がより厳しい状況となり、有利子負債に頼らざるをえない経営状況となり、自己資本比率がわずか14.6%と厳しい財務構造となった。今後は、まずは負債を圧縮することが最優先の経営課題といえるが、そのためにも、マーチャンダイジング力の改善、特に、経費比率をいかに下げる営業構造をつくり上げられるかが課題といえよう。イオン九州が今後、マーチャンダイジング力の改善、特に、経費の改善にどのような対策を打ちだすかに注目したい。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 29, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 28, 2009

日経MJで外食の売上速報2009年6月度を公表!

   7/27の日経MJで外食の2009年6月度の売上速報の集計が公表された。見出しは、「外食売上高、ファストフード失速」、「6月の主要35社、家族向け業態は好調」というものであり、外食の売上失速が鮮明となる結果となった。本ブログでもすでに、食品スーパーマーケット主要24社のこの6月度の集計を取り上げたが、ファストフード同様、売上が急速に失速しており、この6月度は食品スーパーマーケット、外食、双方にとって転機となる月となった模様であり、今後、厳しい経営環境に入るといえよう。

   外食の失速が鮮明になったのは、見出しにもあるように、特にファストフードであり、外食のトップ企業、マクドナルドが97.1%になったことが大きかったといえる。日経MJの記事の中でも言及されているが、41ケ月ぶりの前年割れとのことで、特に、昨年、フィレオフィッシュ100円の大型キャンペーンの反動も大きかったという。既存店は95.6%と、さらに下回っており、客数94.6%、客単価101.0%であるので、客数が減少したのが要因である。同じ、ハンバーグのファストフード、モスフードサービスも93.3%と大きく失速しており、厳しい状況である。他のファストフードでは、日本ケンタッキー・フライド・チキン99.6%、吉野家98.0%となっている。一方、ファストフードで100%を超えたのは、松屋フーズ101.7%、ゼンショー(すき家)112.6%と、特にゼンショー(すき家)は、好調な数字であるが、既存店は98.2%、94.1%と厳しい状況であり、ファストフード全体が厳しい状況であったといえよう。

   ファストフードについて、売上が厳しかった業種は居酒屋である。大庄92.6%(既存店90.6%)、ワタミ94.9%(92.9%)、コロワイド90.1%(既存店93.0%)、テンアライド93.7%(既存店94.3%)、ダイナック93.4%(93.3%)と、集計企業すべてが昨対を、既存店も含め割っており、しかも、客数、客単価ものきなみ昨対割れであり、深刻な状況といえよう。ラーメン・カレー・定食もハイディ日高、王将フードサービスを除き、すべてが昨対割れである。リンガーハット94.1%(既存店89.1%)、幸楽苑98.1%(既存店94.6%)、壱番屋99.6%(既存店97.0%)、大戸屋97.5%(既存店95.5%)という状況であり、特に、客数が大きく減少しているのが特徴である。

   では、逆に、この6月度、好調な外食を見てみると、ラーメン・カレー・定食の王将フードサービスが128.0%(既存店125.9%)と、集計35社の中で断トツ、トップであり、驚異的な数字である。客単価は98.0%とやや厳しい状況にあるが、客数が126.1%と大きく伸びており、客数アップによる売上増が鮮明である。同じく、ハイディ日高も118.6%(既存店98.4%)と、大きく伸びており、この2社は、ラーメン・カレー・定食業種の中では異常な伸びである。

   この2社についで、業種全体が好調なのは、すしである。1社、元気寿司のみ84.6%(既存店83.6%)と厳しい状況にあるが、その他の、あきんどスシロー123.8%(既存店104.7%)、くらコーポレーション122.1%(既存店106.6%)、カッパクリエイト107.7%(既存店99.8%)という状況であり、すしは特に、この厳しい状況の中で、この6月度は、全体的に好調な外食であったといえよう。

   また、これらの業種以外でも、ファミリーレストランのサイゼリア117.3%(既存店112.3%)、先にも取り上げたファストフードのゼンショー(すき家)も112.6%(既存店94.1%)と2桁の伸びである。ただ、集計35社の内、好調なのは、この6社のみであるので、全体的にはやはり、この6月度はかなり厳しい外食の結果であったといえよう。

   そして、その他の外食の業種動向であるが、ファミリーレストランのすかいらーくは94.1%(既存店102.2%)、ロイヤルホールディングスは既存店のみであるが92.1%、ジョナサンも同様に既存店のみであるが96.7%、さらに、セブン&アイ・フードシステムズも既存店のみであるが93.7%と、のきなみ昨対を割っており、厳しい状況である。焼肉では、安楽亭103.2%(既存店103.2%)、レインズインターナショナル101.1%(既存店100.1%)と、この2社は堅調であるが、焼肉屋さかいは72.9%(既存店82.9%)と、深刻な数字である。コーヒーでは、スターバックスコーヒージャパンは100.2%(既存店92.8%)と、ぎりぎり昨対を超えたが、ドトールコーヒーは93.3%(昨年95.2%)と厳しい数字である。さらに、中食・宅配ではプレナスは101.3%(既存店92.8%)と、堅調であるが、ロックフィールド95.4%(既存店93.6%)、オリジン東秀92.7%(既存店94.1%)、かなり厳しい数字である。

   このように、これまで、外食全体を大きく牽引してきたファストフードのマクドナルドのこの6月度の売上が41ケ月ぶりに昨対を割り、失速したことにより、外食全体も厳しい状況に入ったといえよう。実際、先に見たように、マクドナルド以外にも軒並み、外食産業の各業種の数字も落ち込んでおり、外食産業を取り巻く経営環境が急激に悪化しているのではないかと推測される。折しも、食品スーパーマーケット業界もこの6月は厳しい数字となっており、食全体が、この6月が転機となった可能性が高く、来月、7月度の数字がどのような状況になるか、今後の動向を占う上で、重要な月となろう。今後、外食各社が、この厳しい経営状況の中、どのような挽回策を打ち出すか、注目である。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 28, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 27, 2009

食品スーパーマーケット売上速報、2009年6月、失速!

   食品スーパーマーケット2009年6月度の売上速報を集計した。食品スーパーマーケット業界では、現在約50社強が上場しているが、その内、月別の売上速報を公表している企業は24社であり、その24社の売上速報を集計した結果、単純平均では全体が101.3%となり、過去1年で最低の伸び率となった。既存店も96.5%であり、ここへきて、食品スーパーマーケット業界も売上が伸び悩み始めたといえ、昨年の状況とは一転、今期は、前半かから厳しい経営となることが予想されよう。

   ここ数ケ月の売上速報の数字を見てみると、5月度104.9%(既存店99.0%)、4月度102.2%(既存店96.9%)、3月度101.5%(既存店 96.4%)、2月度102.3%(既存店96.9%)、1月度104.7%(既存店99.7%)、昨年12月度104.0%(既存店99.2%)、昨年11月度106.2%(既存店101.5%)、昨年10月度103.9%(既存店99.5%)、9月度103.5%(既存店98.4%)という推移である。3月度がこの6月度に近い低い数字であるが、これは、今年は2月が閏月(うるうつき)であったため、1日営業日数が少ないことが影響したためであり、これを除くと、103%前後で推移しているのがわかる。したがって、この6月度の101.3%は明らかに低迷した売上であるといえ、厳しい数字といえよう。

   ただ、このような全体の売上が厳しい中でも、110%以上、2桁の売上を伸ばしている食品スーパーマーケットが3社ある。マックスバリュ東海113.6%(既存店96.0%)、スーパーバリュー112.7%(既存店99.5%)、ダイイチ111.8%(既存店95.2%)である。特徴としては、いずれも既存店が昨対を割り、特に、マックスバリュ東海、ダイイチは95%前後と既存店の落ち込みが大きい。したがって、既存店は厳しい状況にあるが、新店による売上増であることがわかる。実際、マックスバリュ東海、ダイイチはM&Aにより店舗の増加があり、スーパーバリューは新規出店による売上増が大きい。こう見ると、この6月度、売上が好調な食品スーパーマーケットはM&Aか、積極的な新規出店を果たした企業のみであり、逆に、どちらも、十分でなかった企業は、既存店の低迷がそのまま全体に影響し、売上高が低迷したといえよう。

   実際、既存店で昨対を超えた食品スーパーマーケットはこの6月度はわずか3社であり、オオゼキ101.6%、九九プラス100.2%、トーホー100.2%のみであり、全体が96.5%であるので、95%前後の食品スーパーマーケットが大半であり、いかに、この6月度は既存店の売上が厳しかったかがわかる。そこで、既存店が特に厳しかった食品スーパーマーケットを見てみると、ヤマザワ91.0%、Olympic91.9%、いなげや93.5%、マックスバリュ北海道93.8%、バロー93.9%、CFSコーポレーション94.7%、エコス94.8%、イズミ94.8%と8社あり、いずれも既存店が95%を割り込んでいる食品スーパーマーケットである。

   一般に既存店が95%以下となると、固定費が相対的に上昇し、売上だけでなく、利益にも影響を与え、経営が厳しい状況となる。これが90%前後になると、経費過多となり、利益を出すことが難しい状況となる。したがって、食品スーパーマーケットにとっては、売上だけでなく、利益面からも既存店の活性化は重要な経営戦略のひとつといえる。

   ちなみに、既存店の売上がこの6月度厳しくなった要因を、この集計データもとに判断してみると、既存店の客数は99.2%と比較的健闘しているが、客単価が97.0%と落ち込んでいることが大きい。客数、客単価まで公表している食品スーパーマーケットは約半分ぐらいであり、その内、数社がPI値、平均単価まで公表しているので、その少ないサンプルで見ると、客単価の落ち込みは、PI値が100.5%、平均単価が96.3%であり、平均単価の落ち込みが客単価に影響を与え、客数が伸び悩み、結果、売上ダウンにつながっている状況である。すなわち、この限られたケースの集計データであるが、ここから判断すると、既存店の落ち込みの最大の要因は平均単価、価格にあるといえそうである。

   昨年、9.15のリーマンブラーズショック以降、特に、年末ぐらいから本格的にはじまった大手GMSを含め、小売業界の価格競争が、食品スーパーマーケットにまで及び、各社がディスカウント路線に入り、結果、下げた分をカバーする数量、PI値アップができず、客単価を下げ、価格訴求である程度客数は維持できたが、売上をカバーするまでには至らなかったというのが、この集計データから読み取れる既存店不振の要因である。

   このような状況を踏まえ、この6月度、先の3社を除き、売上高が昨対を超えた食品スーパーマーケットを見てみると、ハローズ108.0%、オオゼキ104.5%、マックスバリュ西日本104.1%、ユニバース103.6%、九九プラス102.7%、マックスバリュ中部102.3%、 カスミ101.8%、ヤオコー101.0%、マルエツ100.2%の9社である。これを見ても、105%が、この6月度はいかに高い数字かがわかり、売上を確保しにくかったかがわかる。

   このように、この6月度は、ここ1年の中で、もっとも売上高の伸び率が低い月となり、しかも、既存店の落ち込みが鮮明である。既存店が堅調であれば、新店、M&A等により、全体の売上を伸ばす成長戦略を積極的に打ち出すこともできるが、この6月度は既存店が特に厳しい状況であり、最優先課題は、利益を確保するためにも既存店の活性化であったと思われる。当面、既存店の活性化が食品スーパーマーケットにとって最大の課題といえ、今後、各食品スーパーマーケットがどのように既存店の活性化に取り組んでゆくか、その動向に注目である。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 27, 2009 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 26, 2009

天満屋ストア、ジョイス、マルヤの2009年度決算を見る!

   食品スーパーマーケットの決算も2009年度に関しては5月度までのすべての上場企業の公表が終了した。本ブログでは、決算速報に関しては優先的に取り上げてきたが、まだ、解説をしていない食品スーパーマーケットが数社ある。そこで、ここではその中の3社について、同時に取り上げてみたい。3社とは、岡山の天満屋ストア、岩手のジョイス、そして、埼玉のマルヤである。いずれも、2月決算の各地区の中堅食品スーパーマーケットであり、店舗数は天満屋ストアが26店舗、ジョイスが41店舗、そして、マルヤが54店舗である。

   まず、売上高であるが天満屋ストア895.79億円(98.0%)、ジョイス497.85億円(103.3%)、マルヤ290.59億円(84.2%)と明暗が分かれた。特に、マルヤは売上高が大きく減少したが、これは、不採算店舗11店舗を閉めた結果であり、厳しい売上状況である。また、現在マルヤは54店舗であるが、売上高を単純に割ると1店舗当たり5.3億円と規模がかなり小さい食品スーパーマーケットであることがわかる。ちなみに、規模については、天満屋ストアは1店舗当たり33.0億円と、食品スーパーマーケットとしては、極めて大きく、SC主体の食品スーパーマーケットであるためである。また、ジョイスは12.1億円であり、最も平均的な食品スーパーマーケットに近いといえよう。

   次に、利益面であるが、原価と粗利、売上総利益は天満屋ストア75.2%(売上総利益24.8%)、ジョイス75.6%(売上総利益24.4%)、そして、マルヤ78.8%(売上総利益21.2%)である。天満屋ストアとジョイスは良く似た構造であるが、マルヤは、原価が高く、売上総利益、すなわち、粗利がかなり低い、ディスカウント業態に近い数値である。そして、経費であるが、天満屋ストア26.6%、ジョイス24.3%、そして、マルヤ30.7%と、3社差が開く結果となった。ジョイスが経費を最も抑えた経営となっており、天満屋ストアがSC業態が主体ということもあり、やや高めである。そして、マルヤは30.7%と異常に高い数値であり、今期はこの数字を見ても、経費が重く経営にのしかかっているといえる。昨年も29.0%と高い経費比率であり、今期は、さらに、経費比率が上昇している。

   したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は、天満屋ストア-1.8%、ジョイス0.0%、マルヤ-9.5%とジョイスがぎりぎりイーブンであり、天満屋ストアは若干マイナス、マルヤは大きくマイナスとなる状況である。これに、不動産収入、物流収入等がのるが、その数字を見ると、天満屋ストア4.4%、ジョイス1.4%、マルヤ5.1%とマルヤの5.1%が突出しているが、結果、営業利益は、天満屋ストア2.6%(昨対-27.6%)、ジョイス1.4%(昨対199.4%)、そして、マルヤ-4.4%(営業赤字)と利益でも明暗が分かれた。ジョイスは売上対比では、食品スーパーマーケット業界の平均2.6%にまでは届いてはいないが、昨対では大きく改善しているのに対し、天満屋ストアは減益、マルヤは赤字という厳しい状況となった。また、最終利益、当期純利益であるが、天満屋ストア0.7%(昨対-6.7%)、ジョイス0.2%(昨対-32.9%)、マルヤ-5.8%(赤字)と、3社とも厳しい数字であり、営業段階では昨年と比べ好調であったジョイスも一転、当期純利益は厳しい数字となった。

   一方、財務面であるが、まず、自己資本比率、ここでは純資産比率を見ると、天満屋ストア20.6%、ジョイス40.6%、マルヤ57.3%と、今期赤字と最も厳しい決算となったマルヤが最も安定した純資産比率であり、3社の中では最も負債に依存しない経営状況である。したがって、負債の主要項目である有利子負債の状況を総資産対比でみると、天満屋ストア56.3%、ジョイス25.7%、マルヤ23.2%という状況であり、天満屋ストアの負債依存度が異常
に高い状況である。

   では、資産、特に、出店にかかわる資産である土地、建物、敷金・保証金の合計はどうかを総資産対比で見てみると、天満屋ストア73.6%、ジョイス62.2%、マルヤ84.1%という状況であり、意外に、マルヤが最も高い比率となった。ここから1店舗当たりの出店にかかわる資産を見てみると、天満屋ストア20.13億円、ジョイス3.28億円、そして、マルヤ2.55億円となり、やはり、天満屋ストアの出店にかかわる資産がSC主体であるため莫大な数字となり、これを有利子負債で賄っているため、結果、純資産比率が下がり、厳しい経営状況となっているといえよう。

   そして、純資産から出店にかかわる資産を引いた出店余力であるが、天満屋ストア-53.1%、ジョイス-21.6%、マルヤ-26.7%といずれも厳しい数字であり、特に、天満屋ストアは新規出店余力が極めて厳しい財務構造であるといえる。

   このように、SC主体の食品スーパーマーケット天満屋ストア、典型的な食品スーパーマーケットのジョイス、小型食品スーパーマーケット主体のマルヤの決算は、当期純利益が減益、マルヤは赤字となる厳しい決算となった。また、財務面でも、マルヤの純資産比率は高いものの、出店余力はいずれも大きくマイナスであり、有利子負債に大きく頼らざるを得ない財務状況である。今後、ますます厳しくなる経済情勢の中、まずは、3社ともに、収益構造と財務構造の同時改革が急務といえ、今期、どこまで抜本的な経営改革に取り組んでゆくのか、その動向に注目である。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 26, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 25, 2009

食品スーパーマーケット、貸借対照表、資産の意義?

   食品スーパーマーケットの決算を見て、特に、貸借対照表において、他の業種と際立った違いがあるとすれば、それは、資産にあるといえよう。食品スーパーマーケットにとって、最大の資産は店舗である。店舗なくして、商売は成り立たないし、店舗なくして、成長もありえないからである。したがって、店舗関連の資産が食品スーパーマーケットにとっては、資産の、ひいては、経営の生命線であるといえる。食品スーパーマーケットの資産は経営規模が大きくなる、すなわち、成長するたびに大きくなってゆくという特徴がある。しかも、その中の店舗関連の資産が急激に増えるのが最大の特徴であり、ここを原資を含めどうコントロールするかが、食品スーパーマーケットの経営そのものともいって良いといえよう。

   では、店舗関連の資産とは何か。結論からいうと、食品スーパーマーケットの店舗関連資産は3つに限定して良いように思う。ひとつは建物、2つめが土地、そして、3つ目が敷金・保証金である。ここに4つ目、在庫を加えても良いが、在庫は生鮮食品の売上構成比が高い食品スーパーマーケットでは、他の小売業と比べるとわずかな金額であり、加えても加えなくても大勢に影響はないので、どちらでもかまわない。ただし、スーパーセンター、ドラックストア、ホームセンター、GMS等は在庫の金額が極めて大きいため、店舗関連資産に加える必要がある。したがって、食品スーパーマーケットの店舗関連資産は、建物、土地、敷金・保証金の3つに限定できるといえよう。

   ではいったい、この3つは食品スーパーマーケットにとって、どのくらいの金額になるかであるが、上場約50社の最新の決算、2009年度をもとに集計してみると、建物が総資産の27.3%(1兆494億円)、土地が24.5%(9,425億円)、そして、敷金・保証金が11.5%(4,405億円)である。ちなみに、在庫は8.6%(3,289億円)であるが、GMS系の食品スーパーマーケットを抜くと約7%となり、さらに、生鮮構成比が高い食品スーパーマーケットを見ると、のきなみ5%を切っているので、あえて店舗関連に集計しなくとも、大勢には影響がないといえよう。そして、この3つの店舗関連の資産を合計すると、63.3%となる。いかに、店舗関連の資産が食品スーパーマーケットでは大きいかがわかる。

   したがって、食品スーパーマーケットにとっては、企業経営、特に成長してゆくには必要不可欠な資産である店舗関連の資産をいかにコントロールできるかが、経営の根幹ともいえる。

   ここで、コントロールとは何かであるが、まずは、資産を可能な限り圧縮することである。そして、次が、その原資を可能な限り、自己資本、すなわち、純資産内で収めることであるといえよう。特に、原資の問題は、安定成長を持続してゆく上においては、重要な経営課題であり、これが、負債に依存するようになると、当然、資産の拡大、すなわち、成長よりも、負債の圧縮、すなわち、返済が優先され、いつのまにか、商売が逆回転をはじめ、返済のための商売となってしまい、やがて、成長が止まることになる。したがって、いかに、自己資本の範囲内で資産をコントールできるかが食品スーパーマーケットの経営にとっては、将来の成長を考えた場合、必須の経営課題といえよう。

   そこで、現状の食品スーパーマーケットの自己資本比率、特に、純資産比率を見てみると、40.6%であり、残念ながら、店舗関連の資産63.3%を相殺できていないのが実情である。大半の食品スーパーマーケットが約20%分を負債に依存した出店を行っているといえる。大雑把にいえば、店舗関連の資産の2/3は純資産で賄っているが、1/3は負債に依存しているといえ、これが、現状の食品スーパーマーケットのベストバランスともいえよう。したがって、負債依存度が1/3を超えるようであれば、平均的な成長105.2%を持続することは難しいということでもあり、負債依存度をいかに減らすかが、食品スーパーマーケットにとっては、大きな経営課題といえよう。

   ちなみに、食品スーパーマーケットおいて、負債の中の主要項目は有利子負債であるが、その有利子負債の総資産の比率は、27.9%であり、店舗関連の負債依存度20%を超えており、ほぼ、店舗関連の純資産の不足分全額を負債に依存している状況といえよう。したがって、いかに、有利子負債27.9%を削減するかが、そのまま、純資産比率を引き上げ、店舗関連資産の負債依存度を減らし、安定成長路線に転換できるかのポイントといえよう。

   このように、食品スーパーマーケットの現状の資産における意義を考えてみると、店舗関連の資産である建物、土地、敷金・保証金、すなわち、食品スーパーマーケットの成長に直接影響する資産が総資産の63.3%を占め、最重要の経営事項であることがわかる。しかも、この資産の原資が現状では2/3しか、純資産で賄われておらず、今後、安定成長をするためには負債、その大半を占める有利子負債の圧縮が経営の鍵を握っているといえる。その意味で、食品スーパーマーケットとしては、再度、資産、特に、店舗関連をもとに経営戦略の再構築が、安定成長を図ってゆくためにも、当面、重要な経営課題といえよう。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 25, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 24, 2009

マルエツ、2010年2月期、第1四半期、堅調な決算!

   マルエツが7/9、2010年2月期の第1四半期決算を公表した。結果は、営業、経常段階では、増収増益となったが、当期純利益がわずかに減益となる堅調な決算となった。その実際の数字であるが、営業収益855.33億円(101.3%)、営業利益21.19億円(100.4%:売上対比2.5%)、経常利益20.69億円(101.6%:売上対比2.5%)、当期純利益21.08億円(92.4%:売上対比2.5%)という結果である。ちなみに、食品スーパーマーケットの決算は売上高と営業収益(売上高+その他営業収入)のどちらかをサマリーで公開しているが、上場企業50社強の内、営業収益での公表企業が約6割、残り約4割が売上高での公表である。今回、マルエツは営業収益での公開であるが、営業利益等の対比は、営業収益比よりも、売上高対比の方が実態に即していると思え、売上対比とした。

   マルエツの営業収入が増収とはなったが、伸び悩んだ理由は、この第1四半期の新規出店がマルエツナリア武蔵浦和店(埼玉県)の1店舗のみであったことによるといえよう。マルエツは、今回の埼玉県への新規出店を含め、現在246店舗を展開しているが、1店舗の新規出店では1/246、0.4%程度の売上貢献度しかなく、仮に5%以上の成長をめざすには少なくとも年間で12店舗以上は必要といえる。10%以上の成長であれば、24店舗は必要といえ、1店舗では、既存店ががんばっても、0.5%から1.0%ぐらいが限界といえる。したがって、マルエツが今後、105%以上の安定成長を続けるには、毎年12店舗は新規出店が欲しいとところであり、当然、そのための財務余力も確保する必要がある。

   そこで、マルエツの出店余力を見てみると、この第1四半期の決算結果では出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計は903.63億円であり、これは総資産1,285.46億円の70.3%を占めている。店舗数は現在246店舗であるので、1店舗当たり3.67億円の出店にかかわる資産となる。したがって、仮に、12店舗を新規出店すると考えると、資産の確保は44.04億円となり、ごく大雑把にいえば、毎年105%の安定成長のためには、約50億円の投資が必要であり、これを借入に頼らず、自己資本で賄ってゆくには、50億円以上の当期純利益が欲しいところである。この四半期が21.08億円、通期の当期純利益の予想が52億円から62億円であるので、全額を新規投資へ振り向ければ、12店舗、105%の成長は可能ともいえる。

   ただ、今期のマルエツの自己資本比率は42.3%(昨年42.2%)であり、これまでの出店にかかる資産70.3%をまかない切れないバランスとなっており、差し引き-28.0%のマイナスであり、財務構造としては、負債に大きく依存しており、新規出店に全力を傾けることは難しく、負債の圧縮が当面の優先的な経営課題といえ、堅実な成長路線をとらざるを得ないといえよう。

   実際、負債の主要項目である有利子負債のこの第1四半期の状況を見ると、290.80億円であり、これは総資産の22.6%であり、経営に重くのしかかっている状況である。その有利子負債の返済状況であるが、2009年度の本決算、そして、この2010年度の第1四半期の財務キャッシュフローを見ると、2009年度の本決算は借り入れ0であり、返済が58.02億円であり、財務キャッシュフローの-58.35億円の大半を当てている状況である。また、この2010年度の第1四半期も借入は0であり、返済が12.18億円であり、これも財務キャッシュフローの-19.49億円の大半を当てており、負債の圧縮に全力を挙げて取り組んでいる。この第1四半期で有利子負債が300億円を切り、全額返済まで、このペースが継続でれば、5年から6年というところまで来たといえる。

   一方、投資キャッシュフローの出店にかかわる資産への投資は、2009年の本決算時が71.02億円、そして、この第1四半期が20.22億円であるので、年間では10店舗を優に超える出店にかかわる資産の投資も同時に行っており、負債の圧縮とキャッシュフロー内での資産の増加の絶妙なバランスがとられつつあるといえる。これまでは、負債の圧縮の方に重点が置かれてきたが、今後は徐々に、純資産を増やし、その範囲内での資産の増加に重点が置かれるものと予想され、徐々に成長戦略を強く打ち出せる経営環境が整いつつあるといえよう。

   ただ、若干、気になるのは、まだ、マーチャンダイジング力、すなわち、売上総利益から経費を差し引いた数字が0.6%とプラスではあるが、わずかである点である。経費比率が27.4%と食品スーパーマーケットの平均25.6%と比べてもまだ高目であり、ここにどう取り組むかが、キャッシュフローを増加させるためにも、重要な経営課題といえよう。そして、そのためには、経費の削減もテーマであるが、それ以上に、既存店の底上げにより、固定費を相対的に落とすことがさらに重要なテーマといえよう。

   このように、マルエツの2010年度、最初の第1四半期の決算が終了したが、営業、経常段階までは微増の増収増益、当期純利益は小幅な減益という結果となり、営業段階で減益決算が多い第1四半期の食品スーパーマーケットの中では、堅調な決算結果であったといえよう。また、負債の圧縮も進み、財務改善も着実に改善されつつあり、出店余力も増しつつあるといえる。気になるのは、マーチャンダイジング力である。次の四半期、そして、その後の後半に向けて、マルエツがどのようにマーチャンダイジング力を改善してゆくかに注目である。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 24, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 23, 2009

コンビニ売上、既存店昨対割れ-2.3%、2009年6月!

   7/21、コンビニエンスストアの売上速報が、社団法人、日本フランチャイズチェーン協会から公表された。対象コンビニはエーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの11社、42,204店舗であり、ほぼ、日本全国のコンビニを網羅しており、コンビニ全体の傾向を示しているといえよう。奇しくも、7/22の日経MJでは「第30回、コンビニエンスストア調査」の結果が公表されており、本ブログでは、この結果も交えて、この6月度のコンビニの売上速報を分析してみたい。

   まずは、何といっても、まさに売上であるが、全体が100.9%、既存店が-2.3%(97.7%)となり、全体も低迷、既存店がほぼ1年半ぶりにマイナスとなった。ここ数ケ月の数字を追ってみると、5月3.2%(既存店1.0%)、4月6.5%(既存店4.3%)、3月6.5%(既存店4.2%)、2月4.8%(既存店2.8%)、1月9.6%(既存店7.0%)、そして、昨年の6月6.4%(既存店4.2%)と、極めて好調な売上を維持してきたコンビニであるが、この6月度、転機を迎え、一転、厳しい売上となったことである。もちろん、これはtaspo効果が切れたことにより、いかに、この1年半に渡って、taspoがコンビニを大きく下支えしてきたかがわかる。

   逆にいえば、このtaspo効果が切れることは1年前に分かっていたことであり、そのための準備、対策も各コンビニが立ててきたにも関わらず、taspo効果が切れた途端、既存店が昨対割れを起こしたことは、コンビニがtaspoに変わる代替案を見つけることができなかったということを実証しており、今後、コンビニは売上低迷の1年を迎えることになるということであり、厳しい経営が予想されよう。

   しかも、現在、セブンイレブンジャパンが公正取引委員会から排除措置命令が発せられており、その対応として、すでに、15%の廃棄分の負担を行い、さらに、値引き販売を認める方向で調整に入っている。当然、この動きはコンビン全体に広がるものといえ、その結果、これまでよりも、本部が利益を上げることは難しい状況に追い込まれる可能性も高く、コンビニは、ここへきて、売上、利益双方の減少圧力にさらされることになるといえよう。この1年で、各チェーン店格差が鮮明になると予想され、合従連衡、業界再編成がいつ起こっても不思議でない経営環境に入ったといえよう。

   さて、この6月度の売上速報であるが、既存店が-2.3%になった要因を客数と客単価で見てみると、客数は2.6%のプラスであり、依然として増加している。ただ、1月からの推移を見ると、1月7.6%、2月3.4%、3月5.0%、4月6.4%、5月2.5%、6月2.6%という状況であり、すでに、5月から伸び率は鈍化しており、厳しい状況である。

   一方、客単価であるが、-4.8%と大きくダウンしており、客単価のダウンが既存店の売上を押し下げた要因である。これも、1月からの推移を見てみると、1月-0.5%、2月-1.3%、3月-0.7%、4月-2.0%、5月-1.5%、そして、6月-4.8%と、すでに、今年に入って、客単価のダウン傾向が続いているが、この6月度は一段とダウンしており、厳しい状況である。ちなみに、客単価の金額では昨年6月度が584.8円であり、今年の6月度が556.9円であるので、27.9円のダウンである。

   では、商品別の状況はどうかであるが、商品別では既存店のみの数字は公表されておらず、全体の売上構成比と伸び率のみであるが、これを見ると、日配-1.8%(構成比33.4%)、加工食品0.6%(構成比30.2%)、非食品3.1%(構成比32.1%)、サービス7.0%(構成比4.3%)という状況であり、相乗積をとると、-60.1%、18.1%、99.5%、30.1%であるので、足して、87.6%となり、全体の売上伸び率100.9%とほぼ一致する。したがって、taspoのたばこの売上は非食品に含まれるが、依然として、売上貢献は高いが、これも1月度は相乗積が918.4%と約10倍であったので、激減しており、明らかにtaspo効果の賞味期限切れといえよう。

   これを踏まえて、日経MJの「第30回、コンビニエンスストア調査」を見てみると、その見出しは、「コンビニ転機、次の一手模索」、「市場飽和「常識」崩れる、値引きの動き拡大」、「脱「全国一律」が加速、販促・品そろえ、地域ごとに」、「タスポ特需生む」、「大衆薬、集客の呼び水に」、「首都圏へ回帰鮮明」、「顧客戦略見直し急ぐ」、・・などである。これを見てもコンビンが転機を迎え、今後の経営戦略をまさに模索している状況が浮かび上がっているといえよう。

   このように、コンビニがこの6月にtaspo効果による特需が終わり、この約1年半にわたる高成長が一転、低成長時代へ突入したといえよう。特に、既存店の数字の落ち込みが深刻であるといえ、今後、少なくとも1年間は浮上が難しいといえ、この1年の間、コンビニ業界は何が起こっても不思議でない、緊張の経営が続くものといえよう。ただ、見方を変えれば、ビジネスチャンスともいえ、taspo効果に代わる新たな成長戦略を作り出したコンビンが1抜けとなる可能性もあり、当面、コンビニ各社がどのような成長戦略を打ち出すかに戦々恐々といえよう。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 23, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 22, 2009

9月期決算、ダイイチ、マルキョウの中間決算を見る!

   食品スーパーマーケット業界の上場企業の5月までの決算がすべて公表された。これで上場約50社強の内、90%以上の食品スーパーマーケットの決算が終了した。あとは9月期を残すのみとなったが、9月期は食品スーパーマーケットではダイイチ、マルキョウ、そして、スーパーセンターのPLANTの3社が決算となっている。そこで、ここでは、食品スーパーマーケットのダイイチ、マルキョウについて、現在、公表されている中間決算について取り上げ、本決算のゆくえをうらなってみたい。

   まず、ダイイチであるが、売上高138.43億円(106.9%)、営業利益3.03億円(114.7%:売上対比2.2%)、経常利益2.86億円(116.2%:売上対比2.0%)、当期純利益1.68億円(122.6%:売上対比1.2%)と、増収増益、しかも、利益は2桁の増益となる好調な決算であった。

   特に、利益が好調に推移した要因を原価、経費面から見てみると、原価が76.4%(昨年76.3%)と、昨年より、0.1ポイント上昇し、結果、売上総利益は23.6%(昨年23.7%)と、若干下がった。ここへきて、価格競争が厳しい状況となり、原価改善以上に売価ダウンの影響が出ているものと思われる。一方、経費であるが、22.3%(昨年22.7%)と、0.4ポイント改善した。結果、原価上昇分を経費の削減でカバーしており、差し引き、マーチャンダイジング力は、1.3%(昨年1.0%)となり、0.3ポイントの改善、率では130%という大幅な上昇となった。そして、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が0.9%(昨年1.0%)のり、結果、営業利益が2.2%(昨年2.0%)となり、増収となった。原価とその他営業収入のダウンを経費の削減でカバーした形であり、経費削減が利益改善に直結した中間決算であったといえよう。

   次に、マルキョウであるが、売上高463.84億円(100.3%)、営業利益9.97億円(66.7%:売上対比2.1%)、経常利益10.30億円(66.1%:売上対比2.2%)、当期純利益5.11億円(59.5%:売上対比1.1%)と、わずかではあるが、増収とはなったが、利益はいずれの段階でもマイナスとなり、厳しい決算となった。ダイイチとは対照的な決算結果となったが、売上対比の営業利益等は2.0%を超え、ほぼ同じ数字である。ただ、食品スーパーマーケット業界の今期決算の平均が3.0%であるので、どちらも、この中間段階では、やや厳しい利益率といえよう。

   マルキョウの利益が大きく減少した要因を原価、経費の面から見てみると、原価は79.8(昨年79.0%)と、0.8ポイント上昇しており、結果、売上総利益は20.2%(昨年21.0%)とダウンした。ダイイチ、同様、原価の上昇がみられ、九州でも激しい価格競争が原価を圧迫しているものと思われる。一方、経費の方であるが、18.6%(昨年18.3%)と、0.3ポイント上昇し、原価、経費双方が上昇し、利益を大きく圧迫する要因となった。ただ、18.6%の経費比率は、食品スーパーマーケット業界では屈指の低さである。そして、差し引きマーチャンダイジング力であるが、1.6%(昨年2.7%)と、大きく下げており、厳しい利益構造となったといえよう。これに、その他営業収入が0.5%(昨年0.5%)のり、営業利益が2.1%(昨年3.2%)となり、大きく減益となった。やはり、原価、経費双方が上昇したことが大きく、利益を確保するには厳しい中間決算であったといえよう。

   これを受けて、残り、半期であるが、本決算の予想は、ダイイチは売上高273.72億円(105.2%)、営業利益4.88億円(103.7%:売上対比1.8%)、経常利益4.45億円(100.4%:売上対比1.6%)、当期純利益2.45億円(112.6%:売上対比0.9%)と、この中間決算と比べると、やや厳しい予想ではあるが、堅調な増収増益予想である。一方、マルキョウであるが、売上高956.00億円(100.9%)、営業利益20.50億円(77.8%:売上対比2.1%)、 経常利益21.15億円(76.6%:売上対比2.2%)、当期純利益10.00億円(73.7%:売上対比1.0%)と、やや、利益が上向く予想ではあるが、この中間決算同様、増収減益の厳しい予想である。

   こう見ると、双方、前半の中間決算よりも、後半の方が厳しい予想をしており、後半戦は、かなり、厳しい経営環境が予想される。実際、食品スーパーマーケットの2月期決算の第1四半期決算を見ると、四半期は3月、4月、5月の3ケ月であり、ダイイチ、マルキョウは9月決算であるので、この中間は3月までの数字であるが、現在公表された第1四半期決算の多くの食品スーパーマーケットが増収減益が多く、厳しい結果があいついでいる。すでに、現在、食品スーパーマーケット業界は、厳しい経営の局面に入ったともいえ、後半戦はいかに利益を確保するかが経営の最優先課題となろう。

   このように、双方の中間決算結果は、営業利益率はどちらも2.0%強とほぼ同じ数字となったが、ダイイチは昨年対比では大きく上昇、マルキョウは昨年対比では大きく減少と対照的な決算結果となった。また、通期予想は、前期よりも、双方、数字が悪化する予想であり、後半戦は苦戦が予想される。また、営業利益率2.0%は、上場食品スーパーマーケットの平均が3.0%であり、双方、やや、低いのが気になるところである。今後、原価、経費、特に経費の改善により、収益性をどこまで上げられるかが、双方、当面の経営課題といえよう。後半に向けて、どのような経営戦略を打ち出すか、双方の経営動向に注目である。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 22, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 21, 2009

食品スーパーマーケットの粗利と経費を考えてみる!

   食品スーパーマーケットが利益を出すには経費コントロールと粗利政策(売価政策)が重要な鍵を握っている。ごく単純な計算式を示せば、3%利益を出すには、経費率+3%の粗利設定で良い。同様に、5%の利益を出すには、経費率+5%の粗利設定で良いといえる。粗利設定とは、売価-原価のことであるので、原価が仕入れ交渉により決まれば、自然、売価が決まり、その意味で、粗利は売価コントロールといっても良く、一旦、決めた売価通り商品が売れれば、理論的には、粗利は安定することになる。

   余談だが、コンビニが売価コントロールにこだわっているのは、=粗利コントロールがその目的であり、粗利を安定させる最大の政策が売価コントロールにあると認識しているからであるといえよう。今回の公正取引委員会のセブンイレブンへの排除命令により、廃棄ロスの値引き15%を本部が持ち、さらに、ここ最近の報道では、値引きを認める方向で詰めが進んでいるようであるが、いずれも、売価を崩すテーマであり、結果、粗利に直結することになる。

   食品スーパーマーケットの上場企業は、現在約50社強であるが、この経費と粗利、すなわち、売上総利益の関係を、一部非上場の食品スーパーマーケットも交えて、見ると、興味深い結果が浮かび上がる。横軸に経費率、縦軸に粗利率(売上総利益)をとり、散布図を作ってみると、全体がy=xの右上がりの直線上に並ぶが、当然、y=xでは利益がプラスマイナス0となるので、企業心理としては、y=xの上を狙うことになる。すなわち、少しでも傾きをプラスにしようという心理が働く。ちなみに、全体の経費と粗利率の関係は経費率25.7%、粗利率25.3%であるので、ほぼy=xで動いていることになり、ざっくりいえば、プラスマイナス0、すなわち、収支トントンというのがこの2009年度決算の結果である。

   ところが、細かく見ると実に興味深い事実が浮かび上がり、まさに、この平均25%前後で食品スーパーマーケットの経費と粗利の関係ががらっとかわるのである。すなわち、経費が25%以下でコントロールしている食品スーパーマーケットはy=xよりも傾きを大きくし、利益をプラスにもってゆく意思が鮮明となる。ところが、経費が25%を超えるとy=xよりも傾きが小さくなり、利益をプラスにもってゆくことはあきらめてしまうようであり、プラスとなる食品スーパーマーケットはごくわずかとなる。

   すなわち、食品スーパーマーケットの経費コントロールの分岐点(閾値)は経費25%であるといえ、ここを境に、食品スーパーマーケットの経営戦略ががらっと変わるという事実が浮かびあがる。

   実際の約50社の内訳であるが、経費比率25%以下の食品スーパーマーケットは25社であり、経費比率25%以上の食品スーパーマーケットは30社である。この中には総合小売業のイオン、セブン&アイHも含めているが、もちろん、この2社は25%以上の経費比率である。そして、経費比率25%以下でy=xよりも下側に来る食品スーパーマーケットは5社であり、25%以上で上に来る食品スーパーマーケットはわずか5社であり、まさに、この経費比率25%が、食品スーパーマーケットの経費比率と粗利との関係の分岐点であるといえよう。

   ちなみに、この25%以下の経費比率の全食品スーパーマーケットは、オーケー14.9%、トライアルカンパニー16.3%、アオキスーパー16.8%、大黒天物産18.0%、PLANT18.1%、オオゼキ18.2%、マルキョウ18.5%、マルミヤストア18.8%、スーパーバリュー18.8%、アークス19.4%、タイヨー19.8%、スーパー大栄21.7%、ユニバース22.0%、ダイイチ22.3%、丸久22.3%、イズミ22.6%、ハローズ22.6%、マックスバリュ西日本23.2%、東武ストア23.7%、マックスバリュ東海24.1%、ヨークベニマル 24.1%、関西スーパーマーケット24.1%、ジョイス 24.3%、原信ナルスH24.3%、マルヨシセンター25.0%の25社である。
   
   この中で、y=xの下側に来る食品スーパーマーケットが5社あるが、その企業は、トライアルカンパニー16.3%、アオキスーパー16.8%、スーパー大栄21.7%、イズミ22.6%、関西スーパーマーケット24.1%である。この中ではトライアルカンパニーとアオキスーパーが16%台の経費比率であるにも関わらず、粗利がそれ以下と、まさに、ディスカウントの極致をいっているが、本来、経費+αにしても、十分ディスカウント性はとれるのではないかと思われるが、経営方針として、経費比率以下の粗利率にこだわっているのではないかと推測される。
   
   このように、食品スーパーマーケットにとって、経費比率は最も重要な経営指標であるといえ、まさに、25.0%がある意味黄金比であるともいえ、ここを境に25%以下の経費比率の食品スーパーマーケットは高収益に、25%以上の食品スーパーマーケットは厳しい低収益構造になってゆくことになるといえよう。ちなみに、25%以上で5社、y=xの上に来る食品スーパーマーケットがあるが、それはベルク25.5%、ヤマザワ25.8%、アークランドサカモト26.3%、サンエー26.6%、マルエツ27.4%である。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 21, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 20, 2009

大黒天物産、2009年5月度決算、大幅増収増益!

   大黒天物産が7/14、2009年5月期の決算を公表した。これで、上場食品スーパーマーケットの5月決算までのすべての企業の本決算が公表され、2009年度の食品スーパーマーケット業界の決算が出そろったといえる。結果は、売上高734.51億円(114.1%)、営業利益35.85億円(129.9%:売上対比4.9%)、経常利益35.50億円(130.7%:売上対比4.8%)、当期純利益18.02億円(127.9%:売上対比2.5%)となり、いずれも2桁増となる大幅な増収増益となる決算であり、好調な決算となった。

   まず、増収の要因であるが、昨年8月にディオ玉島店(岡山県倉敷市)を移転出店したのを皮切りに、11月にはラ・ムー米子北店(鳥取県米子市)、12月にはラ・ムー赤穂店(兵庫県赤穂市)、そして、今年に入り3月にはラ・ムー大蔵海岸店(兵庫県明石市)の4店舗を新規出店した。現在、大黒天物産は53店舗であるので、4店舗は店舗数で107.5%の伸びとなり、これに、既存店の好調さも加わり、114.1%という2桁の増収となった。食品スーパーマーケットの成長戦略は新店と既存店のバランスで決まるが、今期の大黒天物産はバランスが良い成長戦略が達成できたといえ、売上は極めて好調な推移であったといえよう。

   これに対して、利益面であるが、原価は77.1%(昨年76.7%)と、0.4ポイント上昇しており、結果、売上総利益は、22.9%(23.3%)と、0.4ポイント下がっている。これは、特にここ数ケ月、大手GMSをはじめ、各食品スーパーマーケットが本格的な価格競争に突入しており、売価が予想以上に下がっているためと思われる。大黒天物産も、今期、「平成20年4月より購買頻度の高い商品約100品目を2割から5割値下げした「生活応援宣言セール」を実施し、・・」というように、価格政策を強化し、これ以外にも様々な売価を下げる価格戦略を発動している。したがって、これらの売価が崩れ始めたことが原価に響き、粗利を圧迫したのではないかと思われる。

   一方、経費面であるが、販売費及び一般管理費は18.0%(昨年18.8%)と0.8ポイント下がっており、率にして5%のダウンと大きく改善した。18.0%は食品スーパーマーケット業界の中でも屈指の経費比率であり、ベスト5に入る低い数字であり、価格競争が広まる経営環境の中では有利に経営が展開できる最大の武器ともいえよう。その数字が、昨年よりもさらに下がっており、競争力が一段と増したといえる。

   結果、差し引き、マーチャンダイジング力は4.9%(昨年4.5%)となり、マーチャンダイジング力も各段と向上している。大黒天物産はその他営業収入が0であるので、マーチャンダイジング力=営業利益となり、結果、今期の営業利益は4.9%(昨年4.5%)と、0.4ポイント、率にして約9%改善し、これに、売上高の伸びがあいまって、昨対129.9%と、驚異的な営業利益の改善につながった。さすがに、原価は、価格競争の影響と思われ、改善ができなかったが、その分、売上を引き上げ、経費を大きく改善できたので、大幅な営業利益改善へとつながったといえよう。

   これを受けて、財務も好転しており、自己資本比率が49.7%(昨年48.1%)と上昇しており、特に、負債面では有利子負債が26.00億円(昨年36.5億円)と約10億円削減され、総資産218.79億円に占める割合は11.9%にまで下がった。無借金経営も時間の問題といえ、経営への負担はごくわずかとなったといえよう。また、大黒天物産の出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金等の合計は87.43億円であり、これは総資産の39.9%と通常の食品スーパーマーケットと比べるとかなり低い数字である。実際、これを店舗数の53店舗で割ってみると、わずか1.6億円であり、通常の食品スーパーマーケットの1/2から1/3という出店にかかわる資産であり、いかに、大黒天物産が資産を極限まで減らした出店構造となっているかがわかる。

   大黒天物産の急成長の背景にはこの出店にかかわる資産の低さが大きいといえ、しかも、今期は有利子負債が削減され、自己資本比率が向上し、営業利益が大きく増加しているので、今後も高成長が期待できる財務状況であるといえよう。実際、自己資本比率から出店にかかわる資産を差し引いた出店余力は9.8%とプラスであり、負債に依存せずに新規出店が可能な財務構造であるといえる。

   そこで、今期の投資キャッシュフローを見ると、営業キャッシュフローの40.9億円の63%に当たる25.7億円を投資に振り向けており、その内、10.0億円を出店にかかわる資産の取得に振り向けている。1店舗当たり1.6億円の出店にかかわる資産で単純に割ると6店舗近い新規出店が可能であり、来期以降も安定的な成長が可能といえよう。

   このように大黒天物産の2009年5月期の決算は大幅な増収増益となり、極めて好調な決算であったといえよう。厳しくなる消費環境に対し18.0%という経費比率の低さを武器に、果敢に価格競争に挑み、消費者から支持を得た結果といえよう。多くの食品スーパーマーケットが減益となる中、大黒天物産は大きく増益となっており、改めて、ディスカウント路線を鮮明にしたことが好決算につながったといえ、今後、さらに、どのような価格戦略に踏み切るか、その動向に注目といえよう。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 20, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

July 19, 2009

グーグル(google)の2010年第2四半期決算を見る!

   日経新聞夕刊で「グーグル最高益」、「4-6月19%増、リストラ奏功」という記事が掲載された。内容は、7/16に公表されたグーグルの第2四半期決算の結果、当期純利益が19%増の14億8,500万ドル(約1,400億円)となり、過去最高益を達成したというものである。記事ではシュミットCEOのコメントも掲載され、「本格回復の時期を語るのは時期尚早」とのことであるが、アメリカ経済の景気低迷の中で、グーグルの決算結果は今後の景気の動向を占う上での先行指標ともいえ、アメリカ経済が景気回復に向かうか気になるところである。そこで、本ブログでは、さらに、グーグルのこの2010年度第2四半期決算の詳細をみてみたい。

   まず、営業収入であるが、この第2四半期のみでは55.2億ドル(102.9%:約5,244億円)であり、6ケ月累計では、1,103.1億ドル(104.5%:約1兆479億円)である。成長率は堅調な数字となり、ひところの2桁成長の勢いはなくなり、成長期から安定期を迎えつつあるのが現状といえよう。ただ、半期で1兆円を超える営業収入はすごい数字であり、改めて、グーグルという仕組み、ビジネスモデルが確立されたことを示しているともいえよう。ちなみに、この収入の内97%が広告収入であり、3%がその他であり、グーグルはネットに特化した広告代理店といえる。そして、その収入で様々な無料サービスを提供し、それがさらに広告に跳ね返るという循環ビジネスを作り上げたところが独創的なビジネスモデルであるといえよう。最近では海外比率も高まり、53%となり、アメリカ国内を上回り、海外の比重が大きくなりつつあるのが現状である。

   一方、経費であるが第2四半期のみでは36.5億ドル(96.3%:約3,467億円)、累計では72.7億ドル(97.9%:6,906億円)と下がっており、これが、今回、高収益につながった要因である。ちなみに、グーグルは経費を4つに分けており、営業経費57.8%、研究開発費19.4%、販売促進費12.9%、一般管理費10.0%となる。これを見ると、研究開発費がかなりの比重をしめ、第2四半期のみで約708億円であるので、年間では、3,000億円近くにもなり、研究開発がグーグルの成長と収益を支えている基盤となっているといえよう。

   結果、第2四半期単体の当期純利益であるが、税金を差し引き、日経の夕刊でも報じられたように14.8億ドル(約1,400億円)となり、率にして29.6%、伸び率119.0%と、過去最高益となった。また、累計では、29.0億ドル(約2,755億円)となり、率にして26.4%、伸び率113.8%と、好調な数字となった。それにしても、当期純利益が29.6%とほぼ営業収入の1/3であり、いかに、グーグルが高収益のビジネスモデルであるかがわかる。

   これを受けて、キャッシュフローであるが、営業キャッシュフローは16.1億ドル(約1,529億円)となり、当期純利益14.8億ドルが92.3%と、大半を占めている。小売業では、これに減価償却費が同じくらいのるが、グーグルの減価償却費は19.3%であり、さほど大きい比率ではなく、当期純利益の比重が営業キャッシュフローの中では極端に高いのが特徴といえよう。

   そして、ここから、投資を行うことになるが、投資キャッシュフローはわずか-2.2億ドル(約-209億円)であり、結果、フリーキャッシュフローは13.9億ドル(約1,320億円)と、豊富なキャッシュを確保している。ちなみに、投資キャッシュフローの中身であるが、セキュリティ関連が-53.9億ドル(約-5,120億円)と大きな比重を占めるが、ほぼ同様な額がセキュリー関連から収入として得ており、相殺されている。したがって、最大の投資は固定資産、設備関連であり、-1.3億ドル(約-123億円)である。

   次に、財務キャッシュフローであるが、0.5億ドル(約47億円)のプラスであり、財務的な支出は0であり、すべてのフリーキャッシュフローを内部留保するという、通常ではありえないようなキャッシュフローの流れである。この第2四半期に増加したキャッシュフローは14.8億ドル(約1,400億円)であるので、まさに、当期純利益そのものの金額であり、結果から見ると、当期純利益がそのままキャッシュフローでも残され、内部留保され、財務の安定につながっているといえ、超健全、安定的な財務戦略であるといえよう。

   そこで、グーグルの貸借対照表を見てみると、まず、自己資本比率(純資産比率)であるが、何と89.9%という極限に近い数字であり、もちろん、無借金である。流動資産も、総資産351.6億ドル(約3,340億円)のわずか5.7%であり、自己資本でほぼ資産を賄っており、極めて自由度の高い財務状況である。一方、資産であるが、最大の資産が119.1億ドル(約1兆1,314億円)の現金であり、総資産の33.9%を占める。ついで、セキュリティ関連の流動資産74.3億ドル(総資産の21.1%:約7,058億円)、そして、固定資産の設備関連が50.0億ドル(総資産の14.2%:約4,750億円)となる。

   このようにグーグルの直近の決算、2010年度第2四半期の内容を見てみたが、成長は安定成長に入ったといえるが、逆に、利益は経費削減効果もあり、過去最高となるなど、利益重視の経営戦略が鮮明である。しかも、財務内容は極めて安定しており、自己資本比率が89.9%と超健全であり、現金も1兆円を超えており、経営の自由度が極めて高いといえよう。いつ、5,000億円ぐらい、自己資金で投資してもおかしくない状況であり、しかも、この四半期だけでも約1,500億円のキャッシュが内部留保されており、資金の循環も貯まる一方の流れである。今後、グーグルがいつ積極策に打って出、どこに、どれくらい投資するか、その動向に注目といえよう。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 19, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 18, 2009

ドミー、2009年5月期本決算、増収減益、個別赤字!

   愛知県、三河地区を中心にドミナント展開している食品スーパーマーケット、ドミーが2009年5月期の本決算を公表した。5月決算の上場食品スーパーマーケットは、マルミヤストア、大黒天物産、そして、ドミーの3社のみのであり、食品スーパーマーケットとしては珍しい決算月である。結果は、営業収入327.78億円(102.8%)、営業利益4.18億円(108.0%:営業収益比1.27%)、経常利益3.44億円(119.9%:営業収益比1.04%)、当期純利益0.76億円(46.3%:営業収益比0.23%)となり、営業、経常段階では増収増益となったが、当期純利益は大きく減益となり、厳しい決算となった。しかも、個別決算では、当期純利益が-0.06億円の赤字となった。

   当期純利益が減益となった要因は、たな卸資産評価損が1.2億円発生したことが大きく、今期、小売業界は多くの企業で棚卸資産の評価に関する会計基準の適用により、評価損が発生しており、これが、今回のドミーのように利益に直撃し、減益となるケースが多い。ドミーの在庫金額は11.81億円であり、これは総資産の6.2%となる。食品スーパーマーケットの平均的な数字は5%前後であるので、さほど高いとはいえない。ただ、それでも、1.2億円、単純計算で在庫金額の約10%となり、今後、食品スーパーマーケットとしては、在庫金額の10%前後は評価損が発生することも考慮しての利益計画が必要といえ、当期純利益に直接響くだけに大きな課題といえよう。

   一方、営業収益が102.8%と堅調な数字となった要因は、ドミーの地元、愛知県三河地区のドミナントの強化が進んだためである。昨年10月に大浜店、12月につつじが丘店を新規オープンしたことに加え、今年3月には東浦店を建て替えオープンし、さらに、4月には高浜店の全面改装を実施したことが大きかったといえよう。食品スーパーマーケットの成長戦略は新店の出店と既存店の活性化のバランスが鍵を握っており、今期、ドミーはバランスのよい成長戦略であったといえよう。

   これに対して、営業収益以上に108.0%と、数字が伸びた営業利益であるが、原価は74.4%(昨年74.5%)と、0.1ポイント下がっており、結果、売上総利益は25.6%(昨年25.5%)と改善した。一方、経費であるが、27.4%(昨年27.3%)と、残念ながら、0.1ポイント上がった。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-1.8%(昨年-1.8%)と同じ数字とはなったが、マイナスであり、経費比率の高さが、マーチャンダイジング力を弱めているといえよう。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が、3.1%(昨年3.1%)加わり、結果、営業利益が1.3%(昨年1.3%)と同じ数字となり、売上増の分、営業利益も増加した。

   実際の数字は営業収入が102.8%、営業利益が108.0%と、その差が大きいが、これは、小数点以下の数字に差があり、四捨五入では営業利益が1.3%となるが、今年は1.31%、昨年は1.25%であり、これを割ると104.8%となるためである。ただ、増益とはなったが、営業利益が1%台であり、厳しい利益率であるといえ、今後、原価、経費の改善、特に、どう経費を引き下げるかが利益を確保する上で重要な経営課題といえよう。

   これを受けて気になるのはキャッシュフローである。まず営業キャッシュフローであるが、8.7億円となり、厳しい数字である。その中身も、当期純利益が厳しかっただけに、当期純利益からの営業キャッシュフローはわずか、1.52億円であり、減価償却費からの収入が5.65億円と大半をしめた。したがって、十分な投資の原資が不足したが、それでも、成長への投資は積極的に行い、投資キャッシュフローは-12.23億円と営業キャッシュフローを大きく上回り、結果、フリーキャッシュフローは-4.16億円のマイナスとなり、逆流のキャッシュフローとなった。

   したがって、財務キャッシュフローでカバーすることになるが、今期は5.51億円のプラスである。その中身であるが、有利子負債の返済を117.78億円行ったが、それ以上に124.91億円の有利子負債を調達し、有利子負債が7.13億円増加しており、これで、フリーキャッシュフローのマイナスを相殺し、さらに、配当-1.35億円へキャッシュを配分しており、苦しいキャッシュフローの流れであるといえよう。トータル1.35億円のプラスにはなったが、有利子負債が増加しており、結果、負債の増加になり、経営が重くなった。

   実際、自己資本比率は17.5%と昨年の19.2%からもダウンしており、80%以上を負債に負う経営状況であり、今後、負債を削減し、いかに自己資本比率を安定させるかが、経営の最優先課題となった。このまま、自己資本比率が改善しないと、今後の新規出店は厳しいといえ、成長戦略が思い通りに描けない状況となろう。

   このようにドミーの今期決算は営業、経常段階までは増収増益となったが、当期純利益が、在庫の評価損等が発生し、大きく減益となった。そのため、キャッシュフローの流れがスムースにいかず、有利子負債をさらに増やし、結果、自己資本比率を下げ、経営が負債に大きく依存する状況を招き、厳しい結果となった。この逆回転を順回転にするには、まずは、当期純利益、そのもととなる営業利益、さらには、マーチャンダイジング力の強化が最優先であるといえよう。その中でも、特に、経費比率を引き下げることが急務といえ、今後、ドミーが経費比率をどのように引き下げるか、その動向に注目したい。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 18, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 17, 2009

続、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジング力!

   前回のブログで食品スーパーマーケットのマーチャンダイジング力について改めて定義し、上場食品スーパーマーケット約50社の全体像を見た。結論は、-0.4%と、マイナスとなり、商品売買から得られる粗利、すなわち、売上総利益で経費を相殺できていない実態が浮かびあがった。営業利益自体は2.6%であるので、その差、3.0%が商品売買以外から得られる収入、その他の営業収入となる。その他の営業収入の中身は、不動産収入、物流収入がその大半であり、ここ最近では、物流収入が大きな構成比を占めはじめている。

   一般に食品スーパーマーケットは営業規模が拡大し、年商1,000億円を超えたあたりから、自社の物流センター構築が営業拡大の重要な経営戦略となる。逆に、物流センターなしに、店舗数を増やすことはある一定規模を超えると不可能といえ、物流センターの新設が成長のための最優先の経営課題ともいえよう。したがって、売上規模の拡大と同時に、物流センターを通じた物流収入が増加することになり、それに伴い、その他営業収入が飛躍的に増大することになる。実際、上場食品スーパーマーケットで3%以上のその他営業収入を得ているのは年商1,000億円以上の食品スーパーマーケットがその大半を占め、年商1,000億円以下の食品スーパーマーケットは数社にすぎない。

   また、不動産収入は売場面積の拡大と同時に増加がはじまり、その延長ともいえるNSC化、SC化により、その傾向は一段と強くなる。特に、ここ最近、食品スーパーマーケットはNSC(近隣型ショッピングセンター)がはやりであり、それに伴い、不動産収入は飛躍的に増加しているともいえる。したがって、その他営業収入は、この2つの要因により、増加傾向が鮮明であり、数字を見る限り、いまや、食品スーパーマーケットにとっては、その他営業収入が利益の生命線になりつつあるといえる。

   そこで、マーチャンダイジング力にもどり、2009年度決算でマーチャンダイジング力が高い食品スーパーマーケットを見てみたい。No.1は6.7%のオオゼキである。オオゼキのその他営業収入はわずか1.0%であり、その大半を商品売買から得られる利益で稼いでおり、しかも、経費比率が18.2%という低さも加わり、6.7%と極めて高い数字となった。結果、営業利益は7.6%であり、営業利益においても、上場食品スーパーマーケットではNo.1となった。ちなみに、営業利益では6.4%とNo.2となったサンエーであるが、マーチャンダイジング力は3.4%で約半分がその他営業利益であり、全体ではNo.6であった。

   No.2から、No.5までは決算上では、その他営業収入が0となったマーチャンダイジング力=営業利益の食品スーパーマーケットが占めた。これは、実際に0なのか、集計上別に計上している場合もあるかもしれないが、決算上は0である。その食品スーパーマーケットであるが、No.2はホームセンターに分類した方が良いともいえるがアークランドサカモト5.3%、No.3非上場であるが、オーケー5.0%、No.4大黒天物産4.9%、そして、No.5ユニバース3.5%となる。こう見ると、No.5以下は3.0%台以下となるので、マーチャンダイジング力が4.0%以上の純粋な食品スーパーマーケットは3社しかなく、オオゼキ、オーケー、大黒天物産のみである。しかも、いずれの3社も共通点は経費比率の低さであり、オオゼキが先に見たように18.2%、オーケーにいたっては14.9%と食品スーパーマーケッ業界トップであり、大黒天物産も18.0%という低さである。

   マーチャンダイジング力を高める最良の方法が、粗利率ではなく、経費比率にあるといえ、食品スーパーマーケットがマーチャンダイジング力を強くするためには、経費コントロールがその鍵を握っていることが改めてクローズアップされたといえよう。

   以下、マーチャンダイジング力の高い食品スーパーマーケットを見てみると、No.6サンエー3.4%、No.7アークス3.4%、No.8原信ナルスH2.8%、No.9丸久2.6%、No.10東武ストア2.6%、No.11ヤマザワ2.4%、No.12スーパーバリュー2.1%となり、以上が2.0%以上のマーチャンダイジング力の上場食品スーパーマーケットである。

   これに対して、マーチャンダイジング力が大きくマイナスとなった食品スーパーマーケットを見てみると、イオン九州-6.3%、フジ-4.9%、Olympic-4.2%、相鉄ローゼン-3.8%、ヤマナカ-3.8%、いなげや-3.6%、平和堂-3.6%、バロー-3.1%であり、以上が-3.0%以下の食品スーパーマーケットである。ちなみに、経費比率を見ると、イオン九州33.8%、フジ28.8%、Olympic32.6%、相鉄ローゼン32.3%、ヤマナカ29.0%、いなげや29.5%、平和堂33.1%、バロー27.9%であり、いずれも30%前後と極めて高い経費比率であり、これを見ても、マーチャンダイジング力は経費比率をいかに抑えるかが重要な課題であるといえよう。

   このように、2009年度の上場食品スーパーマーケットの決算数字を見ると、マーチャンダイジング力がいかに大きな格差があるかがわかる。最大6%強から最少-6%強であり、差し引き12%以上の差があり、改めてマーチャンダイジング力をどうプラスにもってゆき、さらに、そのプラス幅を大きくできるかが食品スーパーマーケットの重要な営業戦略であるといえよう。しかも、その鍵が経費比率にあることも鮮明であり、マーチャンダイジング力の強化は、粗利もさることながら、まさに経費との戦いであるといえよう。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 17, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 16, 2009

食品スーパーマーケットのマーチャンダイジング力!

   食品スーパーマーケットの2009年度決算について、現在、各業界誌が特集しているが、PI研でも独自に集計して見た結果、様々な食品スーパーマーケットの実態が浮かび上がった。おいおい、その実態を本ブログでも取り上げてゆく予定であるが、今回は、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジング力について見てみたい。

   食品スーパーマーケットのマーチャンダイジング力を決算書からどう読みとるかは実はかなり難しい。何をもってマーチャンダイジングの実態を表しているかを定義するのが難しいからである。決算書の指標の中で、マーチャンダイジングの実態を表す候補となるのは、売上高、粗利(売上総利益)、営業利益の3つの指標であろう。この3つは、いずれも商品売買と密接に関係した指標であり、マーチャンダイジングの実態を表している指標といえるが、それぞれ、根本的に内容の違うものである。

   売上高は、文字通り、商品売買の結果得られる売上金額そのものであり、これをマーチャンダイジング力と定義することもできよう。粗利は売上総利益のことであり、売上高から仕入原価を引いたものである。マーチャンダイジングに仕入れを考慮するのであれば、この粗利の方がマーチャンダイジング力を表しているといえる。そして、営業利益であるが、これは粗利から経費を引いたものである。したがって、マーチャンダイジングに経費も考慮するのであれば、営業利益の方がマーチャンダイジングの実態を表しているといえよう。

   こう見ると、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングの実態を把握するには、仕入原価まで含めてマーチャンダイジングを見るのであれば、粗利、すなわち、売上総利益がふさわしといえ、さらに経費まで含めてマーチャンダイジングを見るのであれば、営業利益がふさわしいといえよう。マーチャンダイジングの実態を把握するには、この3段階のどこまでを見るかにより、決算書のどこに着目するかが決まってくるといえる。

   そこで、本ブログでは、どこまでマーチャンダイジングに含めるかであるが、マーチャンダイジングの目的を考えた場合、売ることが最も重要な要素であるが、それ以上に儲けることはさらに重要な要素であるといえよう。しかも、儲けるとは仕入れだけでなく、経費をも考慮すべきであるといえよう。そう考えると、マーチャンダイジングの実態は営業利益で見るのが、最も、その実態を表しているといえよう。

   ただ、食品スーパーマーケットの決算書の営業利益には商品売買以外の、その他営業収入も入っており、マーチャンダイジングの実態とはズレが生じているのが現状である。その他営業収入とは、不動産収入や物流収入等である。したがって、この、その他営業収入は営業利益から外した方がマーチャンダイジングの実態により近いといえ、この、その他営業収入を差し引いた営業利益をマーチャンダイジングの実態を表した数字と見るのがふさわしいように思う。これを食品スーパーマーケットのマーチャンダイジング力と定義したいが、残念ながら、決算書では、この数字が示されていないので、実際にマーチャンダイジング力を見るには、決算書を少し組み直す必要がある。ただ、組み直してでも、マーチャンダイジング力を算出した方が、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジング力を正確に把握できるのではないかと思う。

   そこで、このマーチャンダイジング力、売上総利益-経費を2009年度の上場食品スーパーマーケット約50社で計算しなおしてみると、まさに、2009年度の食品スーパーマーケットのマーチャンダイジング力の実態が浮かび上がってくる。ちなみに、決算書の営業利益は売上高-仕入原価+その他営業利益-経費=営業利益となっているので、ここからマーチャンダイジング力を算出するには、営業利益からその他営業収入を引く必要があり、その引いた数字は決算書にはないので、マーチャンダイジング力を見るためには、決算書を組み直す必要があるといえる。

   実際、2009年度の上場約50社の合計の売上高は7兆5,725.63億円、仕入原価5兆6,586.11億円であるので、74.7%となる。したがって、売上総利益は差し引き、1兆9,139.52億円、25.3%となり、ここから経費を差し引いたものがマーチャンダイジング力である。経費は1兆9,470.67億円、25.7%であるので、差し引き、マーチャンダイジング力は-331.15億円、-0.4%と、残念ながらマイナスである。営業利益は、これに、その他営業収入2,290.28億円、3.0%がのり、結果、1,959.13億円、2.6%となる。

   したがって、残念ながら、2009年度の上場約50社のマーチャンダイジング力は-0.4%であり、その他営業収入3.0%がなければ、営業利益はプラスにならかなった状況であり、いまや、その他営業収入が実に食品スーパーマーケットの利益の重要な要素であることがわかる。もちろん、個々に見れば、マーチャンダイジング力がプラスの食品スーパーマーケットは約半分あるが、全体としては、マイナスであり、今後、この実態を見る限り、仕入原価、経費の見直しは急務といえ、マーチャンダイジング力を業界全体として、いかに引き上げ、まずは、プラスにもってゆくことが、今期の最優先の経営課題といえよう。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 16, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 15, 2009

ライフコーポレーション、2010年2月第1、増収減益!

   ライフコーポレーションが7/10、2010年2月期の第1四半期決算を公表した。結果は営業収益1,175.84億円(103.7%)、営業利益27.43億円(89.2%:営業収益比2.3%)、経常利益26.14億円(89.6%:営業収益比2.2%)、当期純利益15.19億円(100.0%:営業収益比1.3%)と、増収とはなったが、営業、経常ともに利益が減益、当期純利益は横ばいとなる、増収減益の決算となった。食品スーパーマーケット業界は昨年年末から今年に入り、消費環境が一段と厳しくなっており、上場食品スーパーマーケットでも約60%近くが本決算で営業段階では減益となるなど、依然として、この第1半期決算でも苦戦が続いているのが現状である。

   では、その減益となったライフコーポレーションの要因を見てみると、原価は74.3%(昨年74.2%)と0.1ポイントわずかに上昇した。今期はGMSをはじめ、食品スーパーマーケット各社が激しい価格競争に入り、売価が急激に下がり、原価の上昇要因となっているが、ライフコーポレーションは原価に関しては、わずかな上昇にとどめ、大きく下がることはなく、ほぼ昨年の水準を維持できたといえよう。結果、売上総利益は25.7%(昨年25.8%)となった。

   一方、経費であるが、販売費及び一般管理費は26.0%(昨年25.7%)と、0.3ポイント上昇した。原価よりも、経費の方にやや影響が出ているといえ、経費の上昇が気になるところである。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は-0.3%(昨年0.1%)と、プラスマイナスが逆転し、マイナスとなった。原価、経費双方が上昇したことが大きいといえ、それだけ、この第1四半期決算は厳しい消費環境であったといえよう。そして、これに、不動産収入、物流収入等の営業収入が2.7%(昨年2.7%)がのるが、今期は昨年同様の数字となり、結果、営業利益は2.4%(昨年2.8%)となり、0.4ポイント、率にして、15%近く下がる結果となった。

   それにしても、営業収入2.7%は極めて重い数字であり、商品売買から得られる利益であるマーチャンダイジング力のマイナスをカバーし、大きくプラスに引き上げており、いまや、食品スーパーマーケットにとっては、各社、大きな利益の源泉となりつつある。現在、この商品売買から得られる利益、すなわち、マーチャンダイジング力がプラスになる上場食品スーパーマーケットは全体の40%強であり、大半がマイナスであり、これを営業収入でカバーしているのが実態である。ちなみに、GMSのセブン&アイHはマーチャンダイジング力が-5.4%、イオンは-8.5%であり、一方の営業収入が10.9%、10.1%と、むしろこれが本業のような稼ぎ頭となっているのが現状である。食品スーパーマーケットも徐々にその傾向を強めつつあり、今後は、営業収入の利益貢献度が規模拡大とともに重要な位置づけとなろう。

   このような厳しい状況を反映してか、キャッシュフローの方にも変化が表れている。昨年の本決算と、この第1四半期のキャッシュフローの状況を比較してみると、営業キャッシュフローをどれだけ投資に割り当てているかを投資キャッシュフローとの割合いで見てみると、本決算時には36.6%であり、上場食品スーパーマーケットの平均が75%近い数字であるので、ライフコーポレーションはかなりひかえめな投資キャッシュフローであった。それが、この第1四半期では、さらに、投資が控えられ、16.4%となっている。したがって、フリーキャッシュフローが潤沢となった。では、財務キャッシュフローはどうかというと、昨年の本決算時には、営業キャッシュフローの46.9%、フリーキャッシュフローでは73.9%を当て、有利子負債の削減を最優先したが、この第1四半期は営業キャッシュフローの15.7%、フリーキャッシュフローのわずか18.8%であり、大半を内部留保したのが特徴である。第1四半期ということで、資金を留保したか、消費環境が不安定であるので、先行き不透明感が高く、手持ち現金を厚くしたか、様々な要因が考えられるが、経営判断としては、手持ち現金を厚くしており、現預金も170億円増加し、今後の環境の激変に備えているように思える。

   これに対して、財務面で気になるのは、前期、有利子負債削減を優先したキャッシュフローにより、有利子負債の削減は進んでいるが、依然として487.37億円と、総資産の28.3%と経営に重くのしかかっていることである。結果、自己資本比率が24.6%と低い状況にあり、新規出店を有利子負債に依存する構造となっており、成長戦略が描きづらい経営状況にあることである。したがって、当面、ここにキャッシュフローを重点的に配分する必要があるといえよう。

   このように、ライフコーポレーションの2010年度、はじめての決算となる第1四半期決算が公表されたが、増収減益となるやや厳しい決算となり、原価、経費双方に上昇がみられ、消費環境が厳しい状況であることがうかがわれる。今後も当面、この厳しい消費環境は続くと思われ、ライフコーポレーション自身も手持ち現金を厚くして、その状況に備えているが、まずは、原価、経費の改善をどのように取り組んでゆくかが当面の課題といえよう。今後、ライフコーポレーションが、収益の改善をどのようにはかってゆくかに注目したい。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 15, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 14, 2009

食品スーパーマーケットのキャッシュフロー、その2

   前回のブログで食品スーパーマーケットの全体のキャッシュフローについて取り上げた。2009年1月、2月、3月度の上場食品スーパーマーケット約40社強の全体の合計についてであった。そこで、今回は、その2として、個々の食品スーパーマーケットのキャッシュフローの現状を取り上げてみたい。特に、投資キャッシュフローは、今期、2010年以降の成長性を決定づけるものでもあり、今期の業績を占う上でも重要な数値といえよう。

   まず、前回取り上げた全体像であるが、営業キャッシュフロー2,796.23億円(100%)、投資キャッシュフロー-2,082.24億円(74.5%)、結果、フリーキャッシュフロー713.99億円(25.5%)、そして、財務キャッシュフロー-556.89億円(19.9%)となり、トータル合計157.10億円(5.6%)であった。( )内は営業キャッシュフローを100%とした時の比率である。

   また、前回、セブン&アイHについても、参考に取り上げたが、その数字は営業キャッシュフロー3,100.07億円(100%)、投資キャッシュフロー-1,395.68億円(45.0%)、財務キャッシュフロー-1,697.55億円(54.6%)、トータル、微調整が入り、6.84億円(0.2%)という結果であった。びっくりすることに、対象食品スーパーマーケット約40社強の合計とセブン&アイHの営業キャッシュフローがほぼ同じであり、いかに、セブン&アイHが巨大小売業であるかがわかる。

   さて、今回は、この全体を構成する個々の食品スーパーマーケットの状況についてであるが、まずは、投資キャッシュフローを見てみたい。投資キャッシュフローは、まさに、食品スーパーマーケットの将来への投資金額であり、この数字を見ることによって、成長性を推し量ることができる。No.1はイズミであり、-394.51億円(109.3%)である。何と営業キャッシュフローの金額を超えた積極的な投資となっており、その大半が新規出店関連であり、フリーキャッシュフローは、結果、-33.51億円とマイナスとなった。当然、不足分を財務キャッシュフローで補うこととなり、財務キャッシュフローは36.83億円となり、調達は有利子負債である。少し、リスクをおかしてでも、成長性を重視する意思が鮮明である。

   イズミに限らず、投資キャッシュフローの上位の食品スーパーマーケットはこのような傾向が強いといえ、No.2のバローも投資キャッシュフローは-159.29(139.6%)、No.3のオークワは-152.54億円(200.0%)と、何と200%であり、営業キャッシュフローの2倍を投資している。ベスト3の投資キャッシュフローの高い食品スーパーマーケットがすべて、営業キャッシュフローを超える積極的な投資キャッシュフローであり、全体の74.5%を裏付ける、まさに旺盛な成長性重視の積極的な経営戦略であることがわかる。

   これに対して、No.4のライフコーポレーション、No.5の平和堂を見ると、投資キャッシュフローが抑制されているのがわかり、全体的には積極的な投資がなされてはいるが、個々の食品スーパーマーケットを見ると、抑制された投資キャッシュフローの企業もある。そのライフコーポレーションの投資キャッシュフローであるが、-123.75億円(36.6%)と、かなり抑制された投資キャッシュフローといえ、結果、フリーキャッシュフローは214.70億円となり、ここから、財務キャッシュフローで有利子負債を-148.42億円返済しており、財務キャッシュフローに経営の重点が移っていることがわかる。ライフコーポレーションは、有利子負債削減を最優先したキャッシュフローの配分といえ、経営の意思が強く表れているといえよう。

   同様に、平和堂も投資キャッシュフローが-116.16億円(62.5%)とライフコーポレーションほどではないが、抑制気味であり、財務キャッシュフローをやや重視し、フリーキャッシュフロー69.61億円、財務キャッシュフロー-55.50億円という配分となり、その内、有利子負債が-73.01億円返済し、有利子負債削減を優先したキャッシュフローの配分といえよう。

   ちなみに、配当が10億円以上の食品スーパーマーケットは、6社であり、イズミ、平和堂、アークス、オークワ、ライフコーポレーション、イズミヤである。食品スーパーマーケットで、配当を10億円以上出すのがいかに難しいかがわかる。また、財務キャッシュフローの中で株価対策の一環として、自社株買いを積極的に実施した食品スーパーマーケットは3社であり、イズミヤ24.83億円、オオゼキ13.65億円、バロー9.89億円であり、この3社が突出して自社株買いを実施している。

   このように、前回に続き、今回は、個々の食品スーパーマーケットに焦点を当て、キャッシュフローの流れを見てみたが、まさに、キャッシュフローは経営者の息使いが聞こえるような経営の意思を表した数字といえよう。営業キャッシュフローの内、どのくらいを成長戦略に充てるか、ここで大きな決断が必要になる。特に、今回のトップ3社はいずれも、営業キャッシュフローを超える投資を決断しており、その意思の強さが感じられる。また、有利子負債削減が経営の優先課題である場合には、投資キャッシュフローを抑制し、財務キャッシュフロー、特に有利子負債削減を最優先にした配分をせざるをえず、じっと耐えることも必要である。キャッシュフローはその意味でまさに、経営戦略、経営者の意思を表した経営指標といえ、今期、各社が、今回の結果を踏まえ、どのような経営戦略を打ち出すかに注目したい。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 14, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 13, 2009

キャッシュフローで見る食品スーパーマーケットの現状!

   2009年度の食品スーパーマーケット業界、上場企業約50社の決算特集が、現在、各業界誌で特集されている。それぞれ、様々な角度から決算分析が取り組まれているが、ここでは、ちょっと珍しい角度、キャッシュフローの観点から、2009年度の食品スーパーマーケット業界の決算結果を見てみたい。食品スーパーマーケット業界の決算月は2月が最も多く、37社、ついで3月11社であり、これ以外に、5月、9月、1月に数社あるが、ここでは、1月、2月、3月決算の食品スーパーマーケットについて見てみたい。

   キャッシュフローは、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローに分かれ、この3つの関係は、営業キャッシュフローで稼ぎ出したキャッシュをもとに、投資、食品スーパーマーケットではその大半が成長戦略、すなわち、新規出店への投資であるが、を行い、その余剰キャッシュ、フリーキャッシュフローで財務キャッシュフローを補い、その残りを内部留保するという流れになる。

   したがって、このキャッシュフローに食品スーパーマーケットとしての経営戦略が強く表れているといえ、経営者の意思、息遣いが感じられるともいえ、キャッシュフローは経営を肌で感じられる指標ともいえる。特に、投資キャッシュフローには将来の成長をどう見ているかが表れ、財務キャッシュフローでは返済をどのくらい行へば良いか、投資家をどのくらい重視すべきか、将来のためにどのくらい資金を残すべきかなど、ぎりぎりの経営判断の決断が求められ、経営者の心理が反映さているといえよう。

   では、そのキャッシュフローの現状を見てみたい。まず、2009年度決算、約50社弱の食品スーパーマーケットの全体のキャッシュフローの状況であるが、営業キャッシュフローは2,796.23億円、投資キャッシュフローは-2,082.24億円、したがって、フリーキャッシュフローは713.99億円である。全体としては、順流のキャッシュフローであり、営業キャッシュフローの約75%を投資に振り向け、約25%のフリーキャッシュフローをもったことになる。この比率はもちろん企業によりまちまちであるが、ごく大雑把にいえば、財務状況にもよるが、投資、特に食品スーパーマーケットにとっては新規出店は成長戦略の要であるため、50%以上は投資キャッシュフローに回したいところであろう。

   この投資の中で、固定資産、敷金等への新規出店関係が-2,431.72億円であるので、そのほとんどが新規出店関係である。投資キャッシュフローの項目には有価証券などのプラス項目もあるので、今回のようにトータルでは出店関係の投資を下回ることになるが、この数字を見る限り、積極的な新店への投資がなされているといえ、成長意欲が旺盛であるといえよう。また、営業キャッシュフローの中身であるが、当期純利益が1,392.29億円、減価償却費が1,220.08億円とほぼ拮抗しており、食品スーパーマーケットは装置産業といわれるように、減価償却費の占める割合が、営業キャッシュフローでは大きいといえる。

   そして、財務キャッシュフローであるが、-556.89億円となり、結果、トータル157.10億円である。財務キャッシュフロー-556.89億円は営業キャッシュフローの約20%であり、したがって、内部留保は約5%である。その財務キャッシュフローの中身であるが、最も大きな項目が返済であり、-2,714.18億円となるが、同時に借入を2,427.09億円行っており、合計すると-287.09億円の返済となり、営業キャッシュフローの約10%となる。そして、配当がこれに続き、-182.88億円となり、営業キャッシュフローの約7%である。ちなみに、自社株買いであるが、-65.72億円であり、営業キャッシュフローの約2%である。

   したがって、2009年度の食品スーパーマーケットの経営者の意思、経営心理を読み取ると、主に当期純利益と減価償却費で得た営業キャッシュフローの内、約75%を新規出店関連の投資に回し、残り25%の営業キャッシュフローから、10%を返済に充て、7%を配当に回し、その他3%を自社株買い等に充て、5%を内部留保するという配分であることがわかる。これが、上場食品スーパーマーケットの経営者の2009年度の経営判断であるといえる。全体的に見ると、成長戦略に重きをおいたキャッシュフローの配分であるといえ、成長意欲が旺盛であったといえよう。

   参考に、小売業日本一のキャッシュフロー、セブン&アイHの配分を見ると、営業キャッシュフロー3,100.07億円(100%)、投資キャッシュフロー-1,395.68億円(45.0%)、財務キャッシュフロー-1,697.55億円(54.6%)、トータル、微調整が入り、6.84億円(0.2%)となる。どちらかというと財務キャッシュフローに重きをおいており、その最大の項目は自社株買いの1,581.22億円(51.0%)であり、今期は自社株買いに大半のキャッシュフローを当てたといえる。

   このように、キャッシュフローには、経営の意思がそのまま数字に表れているといえ、営業活動で得られたキャッシュを投資と財務のどのような項目にどのくらい配分したかがわかり、これは、まさに、経営判断そのものを表しているといえよう。経営は当期純利益が確定して終わりではなく、ここから、本当の経営がはじまるといえ、決算を見るときには、キャッシュフローの流れもしっかり、確認したいところである。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 13, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 12, 2009

イズミヤ、2010年2月期、第1四半期、減収減益!

   イズミヤが7/10、2010年2月期の第1四半期決算を公表した。結果は、非常に厳しい数字となり、減収減益、特に、当期純利益は赤字となる決算となった。その数字であるが、営業収益931.27億円(98.8%)、営業利益3.20億円(24.4%:営業収益比0.3%)、経常利益0.13億円(1.2%:営業収益比0.01%)、当期純利益-12.68億円となり、営業段階から厳しい数字となった。特に当期純利益が赤字になった要因は、棚卸資産の評価方法の変更に伴い特別損失が15.60億円となったことも響いた。

   棚卸資産の評価はこれまでは取得原価が簿価として計上されていたが、昨年度より、取得原価と正味売却価格を比較して、どちらか低い方を簿価とするという低価法が採用されたことにより、多くの企業で、在庫の評価損が発生し、これが収益に影響を与え始めたためである。

   イズミヤの場合は、GMS業態が主体であるため、通常の小売業よりも、在庫が多いのが実態である。今回の第1四半期決算でも、在庫金額は249.39億円であり、総資産2,571.85億円の9.69%であり、通常の食品スーパーマーケットの2倍近い数字である。この第1四半期決算の評価損が15.60億円であるので、単純計算で総資産の6%強であり、売上対比では1.7%強となる。したがって、状況にもよるが、売上対比で2%前後の在庫評価損が出る可能性があるということであり、在庫の多い業種にとっては厳しい評価方法といえよう。小売業で最もこの影響を受けるのは、GMS業態、ホームセンター、在庫の多いドラックストア等であり、食品スーパーマーケット、コンビニ等は比較的影響が少ないといえよう。

   ただ、今期のイズミヤの決算数字を見ると、当期純利益以前に、営業利益も営業収益比0.3%、経常利益に至っては、0.01%という数字であり、在庫の評価損よりも、営業面での問題の方がより大きかったといえよう。そこで、イズミヤのこの第1四半期決算の営業利益の状況を見てみたい。

   まず、原価であるが、71.2%(昨年69.8%)と、昨年より大きく上昇しており、結果、売上総利益は28.8%(30.2%)と、粗利が下がっている。一方、経費である販売費及び一般管理費であるが、31.3%(昨年31.6%)と、0.6ポイント下がっており、経費の削減は進んだ。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-2.5%(昨年-1.4%)となり、原価の上昇の方が響き、マイナス幅が拡大しており、営業利益を大きく圧迫している状況である。これに、不動産収入、物流収入等の営業収入が2.8%(昨年2.8%)のり、営業利益が0.3%(昨年1.4%)と大きくダウンした状況である。経費の方は若干削減が進んだが、それ以上に、原価の大幅な上昇が響き、大幅な減益となっており、原価改善が急務の状況といえよう。

   一般に原価が上昇する要因は仕入れ面と売価面に大きく分けることができるが、昨年は資源、エネルギー関連の値上げ問題が大きく原価の上昇につながったが、今期は、昨年と比べ原価の値上げ要因は小さく、売価面が大きかったといえよう。今年に入って、消費環境は明らかにインフレからデフレに移り、消費者の節約志向が急激に増している状況である。したがって、通常の売価では商品が売れにくくなり、各小売業が一斉に値下げに走っている状況である。イズミヤの主力業態のGMS業界では、トップのセブン&アイHがザ・プライスを本格展開しはじめ、ディスカウント業界に参入した。イオンもトップバリュの強化に加え、さらに、低価格のベストプライスを投入した。また、西友はかつての高品質なイメージを一新、本格的なEDLP主体の日本版ウォルマート化へ向けて走りはじめた。さらに、イズミヤを取り巻く地元食品スーパーマーケットも低価格路線を打ち出しており、対抗上、イズミヤも価格競争に参入せざるをえず、売価が以前と比べ、大きく下がりはじめており、これが、原価の上昇につながったといえよう。

   イズミヤ自身も、「この環境変化に対応すべく、3,000品目を「毎日安いお値打ち価格」にて販売する暮らし応援企画を実施しました。現在もEDLP(エブリデー・ロー・プライイス)品目数を拡大して、価格競争力を強化したことにより、食品を中心に客数・買上点数の維持を図れましたが、単価の下落分をカバーすることはできませんでした。」とコメントしており、売価が原価上昇に響いたようである。

   このように、イズミヤのこの第1四半期決算の状況は、減収減益、特に、利益面が営業面では原価上昇が、当期純利益面では在庫の評価損が発生するなど、2重の利益への圧迫要因が加わり、厳しい決算結果となった。当面、消費環境は厳しさを増し、消費者の節約志向は加速するものと思われる。それに伴い、これまで以上に、GMS業界、そして、食品スーパーマーケット業界の低価格戦略は一層強化されるといえ、イズミヤとしては、対抗上、売価を下げざるをえない状況が続くものと思われる。したがって、原価上昇基調は当面継続するものといえ、粗利が極めて確保しにくい経営環境が続くものといえよう。この第1四半期決算はまさに、その結果が表れたといえ、今後、イズミヤがどのように原価改善に挑んでゆくか、その動向に注目したい。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 12, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 11, 2009

マルミヤストア、2009年5月期決算、増収営業減益!

   九州、大分県を地盤とし、36店舗を展開する食品スーパーマーケット、マルミヤストアが2009年5月期の決算を7/9公表した。上場食品スーパーマーケットで5月期決算は大黒天物産とドミーの3社のみであり、大半が2月期、そして3月期に集中しており、珍しい決算月である。その結果であるが、売上高298.19億円(101.4%)、営業利益4.89億円(99.6%:売上対比1.6%)、経常利益5.84億円(105.6%:売上対比1.6%)、当期純利益3.19億円(144.1%:売上対比1.1%)となり、増収ではあったが、営業利益がわずかに減益となった。ただ、経常利益、当期純利益は増益、特に、当期純利益は大幅な増益となる堅調な決算であったといえよう。

   売上高が増収となった要因であるが、今期、マルミヤストアは新店を2店舗、移転増床を2店舗、改装を3店舗実施しており、これらの政策が店舗全体の活性化につながり、増収となったといえよう。その新店であるが、福岡県八女市に八女稲富店を、宮崎県宮崎郡にアタックス清武店をオープンしている。

   この内、アタックス清武店はディスカウント店であり、結果、ディスカウント事業は売上高が60.90億円(107.7%)と、全体よりも伸び率が上昇、全体の売上増に貢献した。ただ、営業利益は76.8%と、落ち込みが大きく、逆に、全体の営業利益を押し下げる要因となり、今後、利益の改善が課題といえよう。一方、主力のスーパーマーケット事業であるが、八女稲富店の新規出店が寄与し、売上高は236.97億円(100.5%)と微増であったが、営業利益は104.1%とそれ以上に伸びており、利益への貢献は大きかったといえよう。

   マルミヤストアの事業構造は、スーパーマーケット事業が全体の79.5%と約80%、ディスカウント事業が全体の20.4%と約20%であり、その他数%という事業構造であるが、今期は売上構成比20%のディスカウントストアの営業利益が約25%ダウンしたことが、相乗積をとると5%の全体への影響となり、結果、スーパーマーケット事業の増益をカバーできなかった要因である。こう見ると、ディスカウント路線は売上は比較的確保しやすいが、利益を確保することは容易ではないといえ、ここがディスカウント事業の難しさといえよう。

   では、その営業利益が減益となった要因であるが、原価は80.07%(昨年80.56%)と0.49ポイント下がっており、結果、売上総利益は19.93%(昨年19.44%)と上昇している。一方、経費、販売費及び一般管理費であるが、18.75%(昨年18.23%)と0.52ポイント上昇しており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は1.18%(昨年1.21%)となり、わずかに、経費の上昇分が原価の改善分を上回り、マイナスとなっている。それにしても、18.75%は食品スーパーマーケットとしては、かなり低い経費比率といえ、ディスカウント事業が全体の経費比率を押し下げているのではないかと推測される。そして、これに、その他営業収入が0.47%(昨年0.47%)のり、結果、営業利益が1.65%(昨年1.68%)と、微妙に昨対を割ったという状況であるが、ほぼ、昨年と同様な数字と見て良いといえよう。ただ、経費の上昇分はやや気になるところであり、特に、ディスカウント事業の経費をどう抑制するか、さらに、売上増をはかり、相対的に固定費を減らすかの判断が必要といえよう。

   一方、財務面であるが、今期のマルミヤストアの自己資本比率は49.2%(昨年47.3%)と1.9ポイント改善している。その要因を負債面で見てみると、有利子負債が17.63億円(昨年20.43億円)と約3億円削減され、総資産97.35億円に占める割合は18.1%(昨年21.2%)と下がったことが大きいといえよう。実際、財務キャッシュフローを見ると、昨年は有利子負債の返済と借入があったのに対し、今期は返済のみであり、有利子負債が確実に削減されていることがわかる。また、資産の現金及び預金が21.07億円(昨年22.92億円)であるので、実質、有利子負債とバランスがとれており、財務的には大きな負担とはなっていないといえよう。

   これに対して、食品スーパーマーケットの成長にとって最も重要な資産である出店関連の資産、土地、建物、敷金及び保証金の合計であるが、50.87億円(昨年49.08億円)となり、総資産の52.3%となった。ここから、出店余力、自己資本比率から差し引いた数字を見ると、-3.1%となり、ほぼ相殺されている。今後、有利子負債がさらに削減されれば、出店余力もプラスに転じ、自己資本の範囲内で新規出店が可能な財務構造になるといえ、比較的財務は安定しているといえよう。ちなみに、現在の店舗数が36店舗(大分県17店舗、宮崎県11店舗、熊本県4店舗、福岡県4店舗)であるので、1店舗当たりの出店関連の資産は1.41億円と極めて低い出店コストといえ、これが、マルミヤストアの強みのひとつといえよう。

   このように、マルミヤストアの2009年5月期の決算は増収とはなったが、わかずに営業利益が減益となる決算となった。ただ、財務的には比較的安定した基盤ができており、自己資本比率も安定しており、今後、安定的な新規出店による成長は可能といえ、売上好調なディスカント事業に加え、売上高の約80%を占めるスーパーマーケット事業の活性化をどうはかるかが課題といえよう。今後、マルミヤストアがスーパーマーケット事業の既存店の活性化にどのように取り組んでゆくかに注目したい。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 11, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 10, 2009

オオゼキ、2010年2月第1四半期、増収減益!

   オオゼキが7/8、2010年2月期、第1四半期の決算を公表した。ここ最近の食品スーパーマーケット業界の決算状況を見ると、減益となる企業が多いが、オオゼキも増収とはなったが、減益となる決算となり、やや厳しい数字であった。ただ、今期は数年ぶりに積極的な新規出店に踏み切っており、その経費増による減益といえ、通期では、経費増を相殺し、増益となる見通しである。その数字であるが、売上高173.55億円(103.9%)、営業利益12.83億円(93.4%:売上対比7.4%)、経常利益13.05億円(93.5%:売上対比7.5%)、当期純利益7.44億円(91.1%:売上対比4.3%)であり、増収減益となった。

   増収の要因であるが、2月に池谷店をリニューアルオープンし、4月には待望の3年ぶりとなる新店、市川店をオープンした。この市川店はオオゼキにとっては2つ挑戦課題がある新店である。ひとつは、オオゼキの新たなドミナトづくりである。これまでの東京都から千葉県への新たな立地への出店となり、オオゼキの既存顧客の馴染みのない地区であり、まさに、新規顧客獲得から入らざるをえず、挑戦といえよう。一般に既存顧客を維持する費用と新規顧客を獲得する費用では10倍以上の差があるといわれており、今回は、全くの新規顧客獲得からのスタートであり、数年間は苦労するものと思われる。ただ、新たなドミナントづくりへの挑戦が、将来の安定成長へつながるといえ、重要な決断であるといえよう。

   そして、もうひとつは、大型店への挑戦である。オオゼキの平均売場面積は約200坪弱であり、最も大きい店舗でも高井戸店の340坪であり、400坪以上の店舗はなかった。今回の新店、市川店は488坪(バックヤード、事務所等を含む)であり、売場面積はその70%として約340坪、60%として、約300坪であるので、オオゼキにとっては最大級の店舗への挑戦となる。問題は、店舗面積が大きくなった場合は、オオゼキの最大の強みである坪売上が伸び悩み、相対的に経費が跳ね上がってしまうことである。実際、300坪前後のオオゼキの店舗は坪売上が年間1,000万円を切り、700万円、800万円となるケースがあり、この市川店も、オオゼキの強みを打ち出せるかが課題といえ、まさに、これが挑戦課題であるといえる。

   さらに、オオゼキはこれに加え、5月にも祖師谷大蔵店をリニューアルオープンしており、この第1四半期は新店、リニューアルラッシュといえ、これらが、経費に響き、減益の大きな要因となったといえよう。ただ、いずれも、将来の安定成長を見越しての、積極的な投資といえ、この第1四半期決算の経費増はやむをえない経費増でもある。

   では、さらに、経費増を含め、減益となった要因を見てみたい。まず、原価であるが、75.2%(昨年75.1%)と、ほぼ昨年同様の数字となり、結果、売上総利益は24.8%(昨年24.9%)となった。一方、問題の経費であるが、販売費及び一般管理費を見ると、18.4%(昨年17.7%)と、確かに上昇しており、0.7ポイントの上昇となった。ただ、18.4%は通常の食品スーパーマーケットと比べるとはるかに低い経費比率であり、逆に、これだけ、積極的に投資を行い、よく18.4%で抑えられたことの方がすごいといえよう。

   結果、差し引き、マーチャンダイジング力であるが、6.4%(昨年7.2%)であり、確かに大きく、数字を落としており、これが減益要因となったといえよう。これに、不動産収入等が1.0%(昨年1.0%)のり、結果、営業利益が7.4%(昨年8.2%)となり、これが売上高103.9%で相殺できず、減益となった構図である。確かに、経費増が大きかったといえ、今後、売上の伸びで、どこまで相殺できるかが当面の課題である。

   では、オオゼキの今後の見通しであるが、通期予想を見ると、売上高693.77億円(103.9%)、営業利益53.91億円(104.1%)、経常利益54.94億円(103.3%)、当期純利益32.03億円(102.2%)である。これを見ると、売上高は、ほぼこのまま推移する予想であるが、利益は堅調な数字を予想しており、新店、リニューアルでかかった経費を相殺し、プラスになる見通しである。

   今回、オオゼキの第1四半期決算が増収減益となり、利益がやや減少したが、財務では、自己資本比率は77.6%(昨年77.3%)、有利子負債0の無借金経営であり、超健全な財務状況である。しかも、キャッシュフローを見ると、営業キャッシュフロー8.29億円、投資キャッシュフロー-4.21億円、結果、フリーキャッシュフロー4.08億円と順流であり、財務キャッシュフローは-4.87億円である。この-4.87億円は全額、配当金の支払いであり、新店投資と株主還元を重視したバランスのよいキャッシュフローの活用となっている。結果、トータル0.8億円のマイナスであるが、ほぼプラスマイナス0であり、財務的には健全な状況であり、減益とはなったが、深刻な問題ではなく、一時的な新店、リニュールによる経費増であるといえよう。

  このように、オオゼキの第1四半期決算は増収減益となったが、超健全な財務を背景にしての積極的な攻めの経営による一時的な経費増といえ、逆に、売上高103.9%よりも、110%、115%の数字を目指した積極策にでても良いのではないかと思える。オオゼキには、できれば、今回の減益にこだわることなく、今後、さらに、積極的な新店開発を含め、思い切った投資を期待したいところである。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 10, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 09, 2009

イオン、2010年2月第1四半期、減収減益、最終赤字!

   イオンが7/7、2010年2月期、第1四半期決算を公表した。結果は減収減益、最終赤字となる厳しい決算であり、先に公表されたセブン&アイHも減収減益となり、小売業業界の2大巨頭が揃って厳しい決算となり、ここへ来て、消費環境の厳しさが改めて浮き彫りになったといえよう。その数字であるが、営業収益1兆2,457.92億円(97.4%)、営業利益87.19億円(38.5%:営業収益比0.7%)、経常利益100.22億円(42.7%:営業収益比0.8%)、当期純利益-24.92億円という結果であった。

   営業収益が97.4%になった要因はGMSの既存店が94.2%になったことに加え、専門店も73.1%になったことが大きい。イオンは営業セグメントを大きく4つに分けて管理しているが、その中で最も売上構成比が高い部門がGMS、食品スーパーマーケット等の総合小売部門であり、70.1%となり、ついでサービス部門17.7%、専門店9.4%、そして、ディベロッパー部門2.8%となる。この内、合計約80%となる総合小売業と専門店部門が厳しい結果となったため、全体に大きく響いた。特に、主力のGMSが不振であり、食品96.4%、衣料91.1%、住居余暇91.5%という状況であり、深刻な状況といえよう。

   7/8の日経MJでも、「イオン、DS、食品主体に転換、岡山に1号店順次「ザ・ビック」に」という記事が掲載されたが、今後、メガマート、マックスバリュだけでなく、セブン&アイHのザ・プライスのように、GMSの転換の可能性もあるといえよう。メガマートからのザ・ビック転換1号店は岡山での出店となるが、岡山は大黒天物産の地元でもあり、ザ・ビックと大黒天物産が激突となり、まさに、その成果が、今後のイオンの経営戦略に大きく影響することになろう。折しも、7/8の日経ではイトーヨーカ堂の創業1号店の千住店が今月末にザ・プライスへ業態転換するとの記事が掲載されたが、セブン&アイHもDS転換への旗手を鮮明にしており、すでに、EDLP路線を確立しつつある西友を含め、GMSは今期、一気にDS路線へ経営戦略の舵を切ることになる。

   さて、イオンの減収、最終赤字となった要因であるが、営業収益同様、総合小売業部門と専門店部門がともに赤字となったことが大きい。その金額は総合小売業部門が66.42億円、専門店部門が36.51億円の赤字であり、これをサービス部門の92.73億円、ディベロッパー部門の92.21億円でカバーした構図であり、小売部門の不振が鮮明である。また、国内と海外に分けてみると、北米が13.93億円の赤字、国内が総合小売部門の赤字を吸収し、61.70億円の黒字、そして、アジアが28.31億円の黒字であり、北米、専門店の不振がイオン全体へ大きな負担となっている状況である。

   ちなみに、国内、北米、アジアの営業収益の構成比であるが、国内91.2%、北米3.2%、アジア5.6%であり、圧倒的に国内部門の比重が高く、国内の不振、特に、GMSの不振がそのままイオン全体の不振につながる構造であり、他の部門でのカバーが難しい現状といえよう。イオンとしては、GMSの立て直しを避けて通ることができない状況といえ、この時点で、まったなしのGMSへの本格的な改革が最優先の経営課題となったといえよう。

   では、全体の原価、経費から減益となった要因を見てみたい。まず、原価であるが、72.5%(昨年71.9%)と、やや原価が上がっており、結果、売上総利益は27.5%(昨年28.1%)と下がっている。現在、イオンのPB、トップバリュの売上規模は1,044億円(昨対131.3%)と、単純計算で全営業収入の約10%近くとなりつつあるが、中々、全体への粗利改善への効果が明確には表れてこない状況といえる。それだけ、NBの価格競争が激しい結果といえよう。今後、PB戦略を含め、どのように、粗利の改善をはかるかが課題といえよう。

   一方、経費である販売費及び一般管理費であるが、38.3%(昨年37.3%)と、昨年よりも1.0ポイントと、大きく上昇しており、厳しい状況である。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は、-10.8%(昨年-9.2%)と1.6ポイントも悪化しており、原価、経費双方が上昇するという状況であり、収益状況が大きく悪化しているといえよう。

   そして、これに、GMS特有ともいえる、その他営業収入が11.6%(昨年11.2%)のり、結果、営業利益は0.8%(昨年2.0%)と、大きく減益となった。それにしても、その他営業収入の利益への比重が極めて大きいといえ、このビジネスモデルそのものを根本的に見直さない限り、GMSの再生は難しいといえよう。特に、経費比率38.3%は異常ともいえる数値であり、原価の見直しには限界があり、この経費比率の見直しの方が急務といえよう。

   そして、そのためには、経費の見直しも重要な課題であるが、坪売上をいかに上げ、相対的に固定費を引き下げる政策の方が優先課題といえ、その意味で、セブン&アイHのザ・プライス、今後、イオンが踏み込むザ・ビック等のディスカウント路線は正解ではあるが、全店をこれに変えることは難しいといえ、同時に、GMS業態の根本的な商品構成、テナント構成等の見直しも課題といえよう。

   これを踏まえて、イオンの通期予想であるが、営業収益5兆2,400.00億円以上(100.2%以上)、営業利益1,300.00億円から1,400.00億円(104.5%から112.6%)、経常利益1,300.00億円から1,400.00億円(103.1%から111.4%)、当期純利益75.00億円から150.00億円(前期は赤字)と、増収増益予想であり、この第1四半期が厳しい数字であっただけに、この数字が達成されるかどうか、次の中間決算が大きなポイントとなろう。イオンがこの第1四半期決算を踏まえて、どのように経営改革を実行してゆくか、その動向に注目である。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 9, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 08, 2009

サンエー、2010年2月期、第1四半期決算、増収増益!

   サンエーが7/6、2010年2月期の第1四半期決算を公表した。この第1四半期決算は減益となる食品スーパーマーケットが多いなか、サンエーは増収増益となる好決算となった。この好決算の結果を受けてと思われるが、翌、7/7の株価が急騰、3,400円(+270円、+8.62%)と、投資家からの熱い視線が集まっている。その数字であるが、営業収益332.02億円(104.2%)、営業利益23.07億円(106.1%:営業収益比6.9%)、経常利益23.40億円(105.5%、営業収益比7.0%)、当期純利益13.92億円(105.8%、営業収益比4.2%)と、増収増益となり、しかも、利益率が約7%と高収益となった。
  
   通期に関しても、営業収益1,350.92億円(103.0%)、営業利益85.50億円(105.0%:営業収益比6.3%)、経常利益86.48億円(103.2%、営業収益比6.4%)、当期純利益51.89億円(105.9%、営業収益比3.8%)と、増収増益の安定した数字を予想しており、食品スーパーマーケット業界がここへきて、利益面で厳しさが増す中、サンエーは、現在、そして、今期、好決算が予想されよう。
  
   そこで、サンエーの高収益の要因を、原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、69.4%(昨年70.0%)と、ほぼ昨年同様の数字であるが、わずかに原価が下がり、結果、売上総利益は30.6%(30.0%)と、極めて高い数字となった。サンエーの高収益の最大のポイントはこの売上総利益、すあわち、粗利が約30%と高い点にあり、その要因は食品以外の衣料品、外食、ホテル事業などが、高粗利に貢献していることである。一方、経費、販売費及び一般管理費であるが、26.6%(昨年25.9%)と、昨年よりも、0.7ポイント上昇し、やや気になる数字である。この比率を見る限り、サンエーはローコスト志向で高収益を出しているわけではなく、高粗利で利益を出しており、食品スーパーマーケット業界としては、特異なビジネスモデルといえよう。
  
   通常、食品スーパーマーケットは極限までコストを引き下げ、そのマネジメント力を武器に、粗利を極限まで引き下げ、価格競争に挑み、結果、売上最大を目指してゆくのが、一般的なビジネスモデルである。そして、その結果、坪売上が上昇し、相対的に固定費が下がり、さらに、ローコストを目指す、という、高収益の循環に入るのが通常である。ところが、サンエーの場合は、全く反対のビジネスモデルであり、高コスト、高粗利というよりも、高粗利、高コストと、粗利が通常の食品スーパーマーケットと比べはるかに高い数字を確保できるので、それに見合ったコストをかけ、結果、それでも、十分に高収益になるというビジネスモデルをつくりあげたところに、サンエー独自の強さがあるといえよう。

   結果、差し引き、マーチャンダイジング力であるが、4.0%(昨年4.1%)と、ほぼ昨年同様の数字となり、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.2%(昨年3.0%)のり、結果、営業利益が7.2%(昨年7.1%)と、高収益をもたらしている。それにしても、このその他営業収入も、通常の食品スーパーマーケットとしては極めて高い数字であり、GMSまではいかないが、それに近い比率の高さであり、これも、サンエー独特の高収益を生み出す要因である。

   すなわち、サンエーは、通常の食品スーパーマーケットとは、発想の違う高収益のビジネスモデルを生み出した特異な企業といえ、高粗利、高コスト、高その他営業収入であり、通常の食品スーパーマーケットが低粗利、低コスト、低その他営業収入と比べると、全くビジネスモデルの違う食品スーパーマーケットであることがわかる。

   では、この高収益の結果をもとに、この第1四半期決算では、どのようなキャッシュの活用をしたかを、キャッシュフローから見てみたい。まず、投資キャッシュフローであるが、-1.7億円であり、その内訳は、有形固定資産の取得による支出-1.7億円が主であり、この第1四半期は大きな投資を控えたようである。一方、営業キャッシュフローであるが、40.42億円と豊富なキャッシュである。その内訳は税引前四半期純利益23.39億円と仕入債務の増加22.71億円が大半であり、結果、フリーキャッシュフローは38.72億円と潤沢なフリーキャッシュフローとなった。そして、財務キャッシュフローであるが、-7.15億円となり、その内訳は配当金の支払額-5.29億円、長期借入金の返済による支出-1.61億円である。したがって、トータル、31.56億円と大半を内部留保し、この四半期はキャッシュを確保する方針をとったといえよう。消費環境、経済情勢が先行き不透明であるので、手持ちキャッシュを増やすことは、経営上、重要な優先課題といえよう。

   このように、2010年2月期のサンエーの第1四半期は増収増益の好決算となり、キャッシュフローも典型的な順流となり、手持ち、キャッシュも大きく増加している。今期、食品スーパーマーケットの第1四半期決算は利益が特に厳しい企業が多い中、サンエーは極めて好調な決算であり、その独特のビジネスモデルが顧客から強い支持を受けた結果といえよう。今後、消費環境はさらに厳しくなると予想されるが、サンエーがどこまで、収益を拡大するかに注目したい。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 8, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 07, 2009

セブン&アイH、2010年2月期、第1四半期、減収減益!

   セブン&アイHが7/2、2010年2月期、第1四半期決算を公表した。結果は、減収減益となる厳しい決算となった。その数字であるが、営業収益1兆2,417.35億円(89.2%)、営業利益586.49億円(82.5%)、経常利益585.07億円(83.9%)、当期純利益236.92億円(71.7%)となり、すべての段階で減益となり、しかも、営業収益よりも、利益の方が落ち込み幅が大きく、利益の確保が厳しかったといえよう。近々にイオンの決算も公表される予定であるが、セブン&アイH以上に厳しい決算が予想されるとのことで、小売業界No.1、No.2ともに、この第1四半期決算は不振となり、小売業界全体が、いっきに厳しい局面に入りつつあるといえよう。

   セブン&アイHの営業収益が89.2%となった要因であるが、コンビニエンスストア事業が80.4%となり、しかも、昨年は部門トップの営業収益であったが、その座をスーパーストア事業(GMS、食品スーパーマーケット)に譲り、不振となったことが大きかった。セブン&アイHのコンビニエンスストア事業は国内と海外(北米が主)に分かれ、その営業収益の構成比は単純計算で約70%が北米依存であり、国内は30%にすぎない。現在、国内のセブンイレブンはtaspo効果もあり、堅調ではあるが、北米のセブンイレブンがドルベースでは堅調であるが、円高による為替変動の影響に加え、ガソリン価格のダウンが響き、減収となったことが大きかったといえる。

   ついで、今期No.1部門となったスーパーストア事業であるが、97.5%と全部門の中では最も健闘したが、わずかに及ばず厳しい結果となった。営業収益では、この2部門で全体の77.7%と大半を占めるので、この2部門が昨対をクリアーできなかったことが減益の最大の要因である。その他の部門では、百貨店事業89.5%、フードサービス事業85.0%、金融関連事業89.2%と、すべての事業で減益となっており、この第1四半期の消費環境がいかに厳しかったかを表しているといえよう。

   一方、営業利益の方であるが、こちらも、全体では82.5%となり、営業収益の89.2%と比べ、それ以上に落ち込みが大きく、利益の確保はさらに厳しい状況であった。その内訳であるが、営業利益の76.7%を稼ぎ出しているコンビニエンスストア事業は96.8%と、比較的堅調な数字であったが、営業収益が堅調であったスーパーストア事業が40.8%と、大きく落ち込んだことが大きく、さらに、百貨店事業は18.3%、フードサービス事業は赤字となったことが大きかった。ただ、金融事業は115.8%と唯一プラスとっており、営業収益ではわずか2.3%であるが、営業利益では17.1%と大きく貢献しており、いまや、セブン&アイHは、総合小売業というよりも、コンビニ、特に北米と金融が収益の大黒柱になったといえよう。

   これを受けて、通期予想であるが、営業収益5兆3,130.00億円(94.0%)、営業利益2,850.00億円(101.1%)、経常利益2,810.00億円(100.6%)、当期純利益1,230.00億円(133.2%)という数字であり、今期は利益確保に重点を置く経営方針であるといえよう。ただ、その増益率もわずかであり、今期は厳しい消費環境との予想である。

   一方、財務状況であるが、自己資本比率は45.5%(昨年47.9%)とやや下がり、負債依存度がやや上昇した。その負債の主要項目である有利子負債の状況であるが、7,932.18億円(昨対90.7%)と下がっており、返済が進んでいる。総資産3兆8,276.58億円に占める割合は20.7%である。また、その内訳であるが、百貨店事業が全体の42.4%と最も大きく、ついで、金融事業の27.4%であり、合計69.8%と、約70%を占め、大半がこの2事業である。いずれも、セブン&アイHにとっては、新規の事業分野といえ、金融事業は軌道に乗り始めたが、百貨店事業はこれから本格的なリストラとなるものといえ、一層の財務改革が必要といえよう。

   これに対して、資産面であるが、小売業最大の資産である土地、建物、差入保証金、および商品及び製品であるが、合計は1兆6,455.18億円となり、総資産の42.9%であり、ちょうど、自己資本比率45.5%で相殺されており、絶妙のバランスである。ちなみに、商品及び製品であるが、総資産の4.5%であり、在庫の多い百貨店、GMSをコンビニ、食品スーパーマーケットで相殺している状況といえ、在庫負担は以外に低いといえよう。

   最後に、キャッシュフローであるが、営業キャッシュフローは1,377.52億円、投資キャッシュフローは-495.62億円となり、合計、フリーキャッシュフローは881.90億円と順流である。そして、財務キャッシュフロー、-201.17億円を吸収し、結果、トータル695.35億円のプラスとなった。結果、期末の現金及び現金同等物の残高が7,330.19億円となり、有利子負債の7,932.18億円とほぼ相殺れており、バランスがとれている。

   このように、2010年2月期のセブン&アイHの第1四半期決算は減収減益の厳しい決算となり、営業収入以上に営業利益が落ち込むという、特に、利益が厳しい結果となった。消費環境がここへきて一層厳しさを増している状況といえ、今後、増収を確保することはより難しくなると思われ、いかに利益を確保するかが、重要な経営課題といえよう。セブン&アイHも通期予想では利益重視を鮮明に打ち出しており、今後、小売業界全体がいかに利益を確保できるかが問われるといえよう。セブン&アイHの次の中間決算がどのような数字となるか、その動向に注目である。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 7, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 06, 2009

7/4、オーケー公式ホームページ開設、決算数値も公表!

   オーケーが7/4、創業以来はじめてホームページを開設した。売上高約2,000億円という規模の食品スーパーマーケットでホームページがこれまでなかったことが7不思議の1つといえるが、やっとというか、とうとう、公式のホームページが立ち上がった。非上場企業としては、決算数値、経営戦略、飯田社長の思いが強くにじみ出たオーケーらしいホームページである。

   コンテンツ項目は全部で13項目であり、オーケーの哲学、借入無しで年率30%成長、経営方針、経営目標、経営の特色、オーケー会でのご挨拶、沿革、会社データ、役員名簿、業績、店舗一覧、店舗配置、社員募集である。この中で、注目は経営目標であり、「借入無しで年率30%を達成する」ことを宣言していることである。しかも、目標年度を2011年3月期に設定しており、いまから2年後と定めたことである。すでに、第1段階として、経常総経費率15%台を2005年3月に達成、第2段階として、経常利益率4%台を同じく2005年3月期に達成しており、次は、一気に目標達成を狙うとのことである。

   また、これに関しては、独立したコンテンツで13項目のひとつ、「借入無しで年率30%成長」で、さらに詳細が公表されており、ここでは2004年4月から、2009年4月までの経営目標、「借入無しで年率30%を達成する」へ向けての歩みが解説されている。その中で、2008年9月の中間決算で、借入金残高が150.22億円あったが、この時、現預金残高が、152.21億円となり、実質、無借金経営を実現したとしている。今期、2009年3月期の本決算では、借入残高は147.01億円となり、現預金は202.28億円であるので、さらにその差は広がっており、経営目標の借入無しは実質上達成されたといえよう。

   これで、経営目標は年率30%成長に絞られたといえるが、この2009年3月期の数字が114.4%であるので、プラス15%はかなりのスピードが要求される大きな数字といえよう。今期オーケーは6店舗の新店を出店しているが、全55店舗の約10%であり、新店だけで30%を目指すには、単純計算で15店舗以上必要であり、しかも、翌年は20店舗が数字上は必要となる。したがって、既存店の活性化が重要な経営課題となり、事実、オーケーも30%達成の内訳を既存店の客数10%を目標に掲げ、それに負けない売上の伸びをつくるとしており、既存店の伸びと新店とのバランスを重視した経営目標を設定している。

   また、これを実現するために、店長育成にも力を入れ、これまでは大学卒業後10年後の32歳での店長就任が平均だったというが、これを4年間縮め、28歳での店長就任体制を今後構築するという。そして、そのために正規の時間外に実務研修ができる制度を創設するなど、大量出店への準備が整いつつあるといえる。ちなみに、ホームページでは店長の募集も行っているが、店長就任時の年収は603.1万円である。

   経営目標意外に注目点としては、オーケーのホームページで、はじめて現状の全店舗の詳細が確認できるようになったことである。これを見ると、2009年3月20日現在、55店舗であり、今後開設予定店舗が4店舗であることがわかる。しかも、店舗タイプ、売場面積、駐車台数等が公開されており、これまで確認が難しかったオーケーの出店状況がわかるようになった。たとえば、55店舗の内、DC(ディスカウントセンター)が17店舗、DC(ディスカウントスーパーマーケット)が34店舗、DM(ディスカウントミニストア)が1店舗、SM(スーパーマーケット)がすべて仙台地区で3店舗であることである。特に、店舗面積は全55店舗で29,177坪であるので、1店舗平均530.4坪となり、食品スーパーマーケットとしては、大型タイプである。今期売上が1,925.19億円であるので、1店舗当たり35億円であり、1坪当たり659.8万円となる。

   これは食品スーパーマーケット業界の中でも極めて高い数値であり、平均年商35億円もさることながら、坪売上が659.8万円はオオゼキの1,311万円は別格として、上場食品スーパーマーケット約50社の中でも、これだけ高い数値の企業はなく、これが、オーケーのパワーの源泉であることがわかる。

   ホームページには経営数値も詳細な数字が公表されており、過去5年間の営業数値も公表されている。これまで詳細がわかりにくかったオーケーの経営実態がかなり詳しく把握することができるようになった。ひとつ気になるのは、「2005年に株式を買収される危険を回避する手段が無いと判断し、東京株式市場への株式の上場は行わないこととしました。」とのコメントがあり、いつ上場してもおかしくない状況であるといえるが、その意思がないとのことである。

   このように、流通業界待望といって良いと思うが、オーケーの公式ホームぺージが満を持して公表され、上場企業に匹敵する経営内容が開示されたといえよう。また、飯田社長の熱い真摯な思いが伝わってくるメッセージ性の高いホームページとなっており、改めて食品スーパーマーケットの経営とは何かを理解する上でも貴重な内容といえよう。今後、オーケーがどのようにホームページの更新をしてゆくかに期待したい。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 6, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 05, 2009

株価速報2009年7/3、食品スーパーマーケット、明暗!

   食品スーパーマーケット業界の決算が終了し、2009年2月期、3月期の結果が明らかになった。また、早くも、2月期決算企業は、第1四半期決算の公表が始まりつつある。そこで、ここ最近の食品スーパーマーケット業界上場企業約50社の株価の状況を見てみたい。現在、直近の株価が7/3(金)であるので、ここを起点に、ここ最近の株価の推移を示す5日移動平均の推移をみ、さらに、長期、26週移動平均についても必要に応じて参考にしたい。
  
   まずは、日経平均であるが、7/3時点では、9,816.07円(-60.08円、-0.61%)である。6月中旬に10,000円を超えて以来、この数週間9,500円から10,000円の間を推移しており、5日移動平均は-0.59%と、やや下がり気味である。ただ、25日-0.02%、13週4.26%、26週12.87%と、中長期トレンドは上昇基調である。実際、チャートを見ても4月以降、ほぼ、右上がりで推移しており、4月の8,500円前後から、最金では10,000円近くまで上昇しており、全体としては、上昇基調であるといえよう。
  
   このような中で、食品スーパーマーケット業界の株価であるが、5日移動平均No.1は6.47%のアークスである。7/5現在、1,480円(+102円、+7.40%)と、特に、この日10万株を超える大商いとなり、株価が急上昇した。アークスの株価は、5月中旬以降、株価が上昇に転じており、それまで1,250円前後で推移していたが、6月に入り、1,300円を超え、6月中旬には1,350円を超え、6月下旬には1,400円直前まで上昇し、7/5、いっきに1,500円弱の1,480円まで株価が急上昇した。現在、すべての移動平均がプラスとなっており、食品スーパーマーケット業界の中では、注目の株価である。ただ、7/3に公表された第1四半期決算は増収減益の結果であり、決算結果が株価に直接影響を与えたわけではなく、今後の動向が気になるところである。
   
   No.2はアークランドサカモトであり、5日移動平均は6.03%である。実際、チャートを見ると、第1四半期決算が公表された6/22以降株価は急上昇となり、急角度の勢いで上昇し、7/5現在、1,090円(+15円、+1.39%)である。決算結果は減収とはなったが、増益となり、ここ最近の決算は増収減益が多い中、増益となったことが好感されたのかもしれない。アークランドサカモトの5日移動平均は6.03%であるが、25日19.25%、13週29.91%、26週27.03%と、中長期の方が上昇率が高く、5月までは750円前後の株価が、現在1,000円を超えてきており、今後、アークスと並び、注目の株価といえよう。
   
   No.3は大黒天物産であり、3.94%である。アークス、アークランドサカモトと比べ、5日移動平均は小幅であるが、チャートを見ると、6月以降、株価は急上昇しており、それまでの1,500円弱の株価が、7/5現在1,820円(+10円、+0.55%)となった。移動平均も25日10.16%、13週17.57%、26週14.89%とすべてがプラスである。ちなみに、大黒天物産の直近の決算は4/8に公表した2009年5月期の第3四半期決算であるが、増収増益の好決算であり、5月の本決算もそろそろ公表されると思うが、好決算が予想され、大黒天
物産も食品スーパーマーケット業界の中では注目の株価といえよう。
   
   No.4はオオゼキであり、5日移動平均は2.90%である。オオゼキも6月以降、株価は右上がりに推移しており、25日8.49%、13週13.30%、26週12.81%とすべての移動平均がプラスであり、特に、ここ最近の数字は大きく上昇している。7/5現在2,835円(+30円、+1.06%)と、年初来最高値を更新しており、株価に勢いがある。ここへきて、新店も順調にオープンしており、中長期的に売上が確保できる体制がすすんでおり、超健全な財務体質を武器に、積極的な投資がなされ、期待がもてるといえよう。
   
   以下、No.5ユニバース2.06%(7/5現在1,237円、-3円、-0.24%)、No.6カスミ1.63%(7/5現在434円、0円、0.00%)、No.7イズミヤ1.23%(7/5現在575円、+1円、+0.17%)、No.8ヤオコー1.03%(7/5現在2,930円、+30円、+1.03%)、No.9九九プラス0.97%(7/5現在114,400円、+900円、+0.79%)、そして、No.10平和堂0.85%(7/5現在1,185円 、+5円、+0.42%)である。以上が7/5現在、5日移動平均上昇率ベスト10である。
   
   これに対し、株価が5日移動平均で下がった食品スーパーマーケットを見てみたい。1位は丸和-7.14%であり、小売業約350社の中でもワースト2であり、7/5現在65円、-2円、-2.98%と100円を切る厳しい状況である。ちなみに、小売業界ワーストはラオックスであり、-23.02%であり、今後の中国企業買収後の動向が注目される。食品スーパーマーケット業界2位はマルミヤストアであり、-3.49%、7/5現在497円である。3位はPLANTであり、-3.40%であり、7/5現在425円、-17円、-3.84%である。以下、4位イズミ-2.95%、5位Oympic-2.53%と続く。
   
   このように日経平均の回復にともない、食品スーパーマーケット業界の株価も概ね上昇基調で動いているとはいえ、個々にみると、急上昇した企業、株価の下げが厳しい企業等明暗が分かれ始めている。特に、ここへきて、第1四半期決算が公表されはじめ、業績の明暗が鮮明であり、株価変動の大きな要因ともなっているようである。これまで公表された食品スーパーマーケットの決算を見る限り、増収減益の企業が多いように思え、今期は利益の確保が厳しいようである。それゆえ、増益の企業に、投資家の関心が集まるともいえ、当面、増益決算の食品スーパーマーケットに注目といえよう。来週以降、食品スーパーマーケット業界の株価が大きく動くことが予想され、今後の株価に注目である。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 5, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 04, 2009

日経MJ、新製品週間ランキング、20090703、夏出揃う!

   恒例の日経MJ、新製品週間ランキングが7/3公表された。季節も夏となり、飲料、アイスクリーム等夏本番の新製品が目白押しである。また、菓子でも、夏用のスナック、チョコレート等も登場しており、今週は、夏をテーマに改めて、新製品週間ランキングを見てみたい。ただ、少し気になるのは、数字的にはやや低迷気味であり、金額PI値Aランクの500円以上の新製品がわずか2品であることである。ちなみに、今週、Bランク300円以上は9品、Cランク200円以上も9品あり、B、Cランクは充実しているが、Aランク500円以上が2品と少ないのがやはり、気になるところである。

   そこで、夏の新製品に入る前に、金額PI値Aランク、500円を超えた新製品2品を先に見てみたい。No.1は、麒麟麦酒、フリー350ml、金額PI値673円である。カバー率も94.4%と対象49チェーン、250店舗の大半に入っており、その中の金額PI値673円であるので、飲料としては高い数字である。アルコール0.00%というビールテイスト飲料であり、数字を見る限り、確実に定着しつつあるといえよう。No.2は花王、ヘルシアスパークリング500mlペットボトルであり、金額PI値593円である。ヘルシアは、飲料部門6位にもウメ味500mlが金額PI値321円で入っており、ここへ来て、ヘルシアのラインナップが充実しつつあり、しかも、金額PI値も高く、いっきにヘルシアの品揃えが充実したといえよう。

   さて、ここからは、夏をテーマに今週の新製品週間ランキングを見てみたい。まず、飲料部門であるが、先にあげた2品以外にも、今週、顧客からの支持の高い上位商品を見てみると、3位にアサヒ飲料、三ツ矢サイダーオールゼロ500mlペットボトル、金額PI値405円、4位に日本コカ・コーラ、ファンタゼロサイダー500mlペットボトル、金額PI値349円が入った。この2商品はいずれもカロリーゼロがキーワードであり、飲料部門上位にランクインし、確実に定着しつつあるといえよう。

   カロリーゼロをはじめ、低カロリーは食品のあらゆる領域で商品化が進んでおり、ついに、飲料でも本格展開が進み始めたといえよう。3位、4位は500mlであるが、1.5Lも三ツ矢サイダーオールゼロが9位、金額PI値233円、ファンタゼロサイダー1.5Lが8位、金額PI値235円と、ここでは、順位が入れ替わっているが、改めてカロリーゼロが顧客から確実に支持されているといえよう。

   また、飲料部門10位に、ヤクルト本社、ヤクルトカロリーハーフ65ml×5本も金額PI値230円で入っており、ヤクルトもとうとう低カロリー商品を開発した。さらに、飲料部門16位には日本コカ・コーラからアクエリアスゼロ500mlペットボトルが金額PI値130円で入った。ゼロカロリー、低カロリーは、ここ最近、新商品開発の強力なキーワードといえよう。それにしても、まさに、ここへきて日本コカ・コーラは先のファンタゼロサイダーに加え、あいついで、新製品を投入しており、今週の日経MJ、新製品週間ランキングは飲料部門ベスト20品の中で、7品を占めており、日本コカ・コーラの積極的な新製品開発が光っている。

   ちなみに、飲料以外でもカロリーにこだわった新製品がその他食品門に登場している。その他食品部門、初登場で2位となった明治乳業、ブルガリアヨーグルトLB81脂肪0、450g、金額PI値440円である。また、脂肪0商品は、5位にも、森永乳業、ビヒダスプレーンヨーグルト脂肪0、450gが金額PI値198円、8位にも、ダノンジャパン、「ダノンビオ」ヨーグルト脂肪0%、アロエ80g×4が金額PI値148円でランクインしている。

   次に、冷凍食品部門のアイスクリームであるが、全20品中15品がアイスクリームであり、まさに、夏本番へ向け、各社、積極的に新製品を投入している。1位は、ロッテアイス、爽ソーダフロート味190ml、金額PI値320円である。アイスクリームで金額PI値300円のBランクを超えることは、特に新製品では、かなり難しいといえ、高いハードルである。2位の森永乳業、エスキモーピノ抹茶ミルク10ml×6粒が、金額PI値184円であることからも、爽の金額PI値320円がいかに高い数字かがわかる。3位はロッテアイス、クーリッシュバニラ140ml、金額PI値182円であり、以下、4位、明治乳業、エッセルスーパーカップチョコミント200ml、金額PI値158円、5位、森永乳業、エスキモー「MOW(モウ)巨峰」150ml、金額PI値142円である。

   そして、夏の菓子であるが、菓子部門1位はカルビーのポテトチップスうすしお味60g、金額PI値253円であり、すっかり60gが定着したが、2位、3位に、カルビーの夏ポテトこだわりの浜御塩65g、金額PI値203円、夏ポテト紀州の南高梅65g、金額PI値200円が入った。また、チョコレートでは、5位にネスレコンフェクショナリー、キットカットミニラムネ味13枚、金額PI値159円が入り、まさに、夏にふさわしい味のチョコレートといえよう。

   このように、今週の新製品週間ランキングは7月はじめての公表となり、まさに、夏がテーマとなった新製品が数多く登場しており、当面、この夏がテーマのこれら新製品が上位を占めることになろう。また、夏とは直接関係はないが、低カロリー、0カロリーの新製品が各部門で登場し、しかも上位にランクインしており、注目である。来週以降も新製品の動向をしっかり見極め、食品スーパーマーケットとしては、金額PI値の高い新製品はいち早く定番に組み込み、品揃えを充実させたいところである。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 4, 2009 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 03, 2009

マックバリュグループ、第1四半期決算、厳しい結果!

   食品スーパーマーケットの2010年度1月期、2月期の第1四半期決算の公表がはじまった。来週以降、各社が、あいついで公表するものと予想されるが、これまで、公表された食品スーパーマーケットの中で、特に、ここでは、マックスバリュグループの決算を取り上げてみたい。現在、マックスバリュグループでは、マックスバリュ北海道(1月期)、東北(2月期)、中部(1月期)、西日本(2月期)と4社の2010年度、第1四半期の決算が公表されている。今後、公表されるのがマックスバリュ東海であるが、ちょうどこの公表された4社は東日本2社と西日本2社に別れており、この4社を見ることで、今期の食品スーパーマーケット業界の現時点での全体の景況感をある程度推し量ることができるといえよう。

   まず、マックスバリュ4社の内、東日本の2社の第1四半期決算の概況であるが、マックスバリュ北海道は、営業収益186.09億円(108.1%)、営業利益-3.72億円(昨年-1.79億円)、経常利益-3.75億円(昨年-1.76億円)、当期純利益-6.17億円(昨年-1.06億円)と、営業収益は、昨年、ジョイを吸収合併したことにより、増収となったが、昨年に続き、赤字となる厳しい決算となった。マックスバリュ東北は、営業収益218.66億円(95.6%)、営業利益-1.83億円(昨年-5.58億円)、経常利益-2.13億円(昨年-5.57億円)、当期純利益-2.55億円(昨年-3.63億円)とマックスバリュ北海道同様、赤字決算となった。また、営業収益も95.6%と伸び悩んでおり、厳しい決算である。

   次に、西日本2社の第1四半期決算の概要であるが、マックスバリュ中部は、営業収益280.31億円(101.3%)、営業利益0.69億円(22.9%:営業収益比0.2%)、経常利益0.89億円(29.9%:営業収益比0.3%)、当期純利益-0.2億円と、増収減益、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。そして、マックスバリュ西日本であるが、営業収益529.78億円(106.5%)、営業利益9.58億円(60.8%:営業収益比1.8%)、経常利益11.17億円(65.7%:営業収益比2.1%)、当期純利益6.25億円(64.7%:営業収益比1.2%)と、増収減益、特に利益は大幅減となる厳しい決算となった。

   4社とも減益となり、しかも、3社が最終利益が赤字となる厳しい決算であり、この第1四半期は利益が確保しにくい、厳しい経営環境であったといえよう。特に、マックスバリュ北海道、東北は昨年に続く赤字決算であり、今後、収益改善が最大の経営課題となったといえ、まずは、赤字からの脱却が最優先課題といえよう。また、マックスバリュ中部、西日本も大幅な減益であり、特に、中部は最終赤字となる厳しい状況である。今後、両企業ともに、収益改善が課題といえ、まずは、営業利益をいかに改善するかが、最優先課題といえよう。

   そこで、この4社の営業利益が赤字、ないしは減益となった要因を原価と経費の関係から見てみたい。まずは、原価であるが、マックスバリュ北海道76.8%(昨年76.7%)、東北76.7%(昨年78.6%)、中部75.5%(昨年75.2%)、西日本75.9%(昨年75.7%)であり、東北のみ原価が下がっているが、それ以外の3社はいずれも、原価の上昇が若干見られる。

   結果、売上総利益はマックスバリュ北海道23.2%(昨年23.3%)、東北23.3%(昨年21.4%)、中部24.5%(昨年24.8%)、西日本24.1%(昨年24.3%)となった。4社の中では中部の売上総利益が最も高く、ついで西日本であり、北海道、東北はほぼ同じであるが、中部、西日本と比べ、1ポイント近く低く、原価が高めであるといえよう。

   一方、販売費及び一般管理費であるが、マックスバリュ北海道27.1%(昨年26.3%)、東北26.8%(昨年26.2%)、中部26.9%(昨年26.2%)、西日本24.5%(昨年23.2%)と、いずれも経費上昇がみられ、原価以上に、経費が上昇しており、各社、この第1四半期決算は原価よりも、経費の上昇が収益を圧迫した要因であったといえよう。

   ここから差し引き、マーチャンダイジング力を計算すると、マックスバリュ北海道-3.9%(昨年-3.0%)、東北-3.5%(昨年-4.8%)、中部-2.8%(昨年-1.4%)、西日本-0.4%(昨年1.1%)となり、すべてマイナスであり、昨年唯一のプラスであった西日本もわずかにマイナスとなり、この第1四半期は各社経費増が収益に重くのしかかった結果となった。

   これに、不動産、物流収入等の営業収入がのるが、結果、売上対比で営業利益は、マックスバリュ北海道、東北は赤字、中部は0.26%(昨年1.12%)、西日本1.85%(昨年3.23%)とプラスにはなったが、昨年と比べると、大きく減益となっており、厳しい決算であったといえよう。

   このように、マックスバリュ4社、北海道、東北、中部、西日本の2010年1月、2月期の第1四半期決算を見たが、いずれも、減益となり、特に、北海道、東北は赤字、中部も当期純利益が赤字となる厳しい決算となった。その要因を原価、経費で見てみたが、双方の上昇が見られ、特に、経費の方が大きく上昇しており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力がすべてマイナスとなる結果となった。今後、経費比率を引き下げるためには、経費の削減はもちろんだが、既存店の活性化、坪売上のアップにより相対的に固定費を下げることも経営課題といえよう。次の第2四半期決算でどこまで、各社の経営数値が改善するか、そして、そのために各社がどのような経営戦略を打ち出すかに注目したい。
   
有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 3, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 02, 2009

家計調査データ、2009年5月度、食品102.0%!

   6/30、総務省統計局から、家計調査データの最新、2009年5月度が公表された。結果は食品(外食を除く)は1,996.81円(101.4%)とプラスとなり、ここ数ケ月マイナスで推移していた数字が、プラスに転じた。ただ、全体は9,210.65円(99.1%)と昨対を切っており、家計全体は節約志向が鮮明であるといえよう。本ブログでは、家計調査データを食品スーパーマーケットの金額PI値と比較しやすいように、1日当りに換算し、食料から外食を除き、食に関しては、食品として、集計しなおしている。家計調査データは月間集計であり、食料には、外食が含まれているので、食品スーパーマーケットが活用するには、この方が実践的であるからである。

   さて、まず、全体の21.6%を占める食品はプラスであったが、全体がマイナスとなった要因を見てみたい。大分類でみると、教育-6.4%、交通・通信-6.8%、水道・光熱-2.0%、教養娯楽-2.0%と、この4部門がマイナスとなったことが大きい。逆にプラスになった部門であるが、家具・家事用品8.2%、住居4.4%、保健医療1.5%、そして、食料(外食を含む)1.5%であり、この5月は住関連用品がよく伸びていることがわかる。

   さらに、個々の項目で、特に減少面が大きかったものを見てみると、パック旅行費全体が126.65円(77.7%)となり、その内訳は、国内パック旅行費79.81円(80.0%)、外国パック旅行費46.84円(74.0%)である。また、月謝関連も、月謝類全体が88.13円(85.1%)となり、特に、自動車教習料3.71円(41.5%)は半分以下となり、語学月謝も7.65円(88.8%)も厳しい状況であった。これ以外でも、ステレオセット0.35円(26.2%)、携帯型音楽・映像用機器0.90円(46.7%)、カメラ7.13円(77.5%)、ビデオカメラ1.61円(38.2%)なども、半分以下に落ち込んでおり、厳しい状況である。

   逆にプラスになったものは、家事用耐久財の電子レンジ2.90円(180.0%)、炊事用電気器具9.61円(119.7%)、炊事用ガス器具5.19円(240.3%)が異常値であり、まさに、節約志向を反映しているといえよう。金額は小さいが、ミシンも0.65円(500.0%)と異常値である。一般家具も全体として21.42円(140.7%)と良く伸びており、その中身は、たんす2.71円(164.7%)、応接セット7.45円(745.2%)などが良く伸びている。ただ、これらは1ケ月で見ると、判断が難しく、数ケ月の累計で見る必要があるが、それでも、この5月に消費が集中したことは事実といえ、今後の消費動向を占う上で、注意が必要といえよう。

   では、全体が厳しい消費環境であったこの5月、数字を伸ばした食品の動向を見てみたい。伸びた部門は、穀類225.26円(106.7%)、菓子類224.19円(105.2%)、油脂・調味料112.29円(104.4%)、飲料142.42円(103.9%)、果物86.97円(102.5%)、乳卵類109.97円(101.4%)、野菜・海藻289.84円(100.1%)、調理食品251.03円(100.0%)と、ほとんどの分類が伸びており、全体的に値上げ関連商品の多い部門が堅調な伸びである。ちょうど、消費者物価指数(CPI)の傾向とよく似ており、値上げ商品=消費増という構図となっている。ただ、消費は、デフレ色を強めつつあり、今後、この堅調な食品が今後とも伸び続けるかは、もう少し、様子を見る必要があろう。

   逆に、この5月、昨対を割った項目を見てみると、魚介類220.13円(95.7%)、肉類216.23円(99.8%)、酒類118.45円(99.2%)の3部門のみであり、昨年は絶好調であった肉類が今期は厳しい状況にあるといえよう。ただ、酒類を見ると、ウイスキー3.74円(130.3%)、ぶどう酒5.94円(117.2%)は絶好調であり、ビール関連でも、発泡酒19.81円(108.1%)、他の酒14.03円(113.0%)は好調であり、最も消費額の大きいビールが38.94円(86.6%)となったことが大きく、ビール以外は堅調な数字である。

   では、全体的に好調であった食品の個々の項目であるが、110%以上伸びた項目を見てみると、穀類では、乾うどん・そば9.26円(124.8%)、即席めん4.55円(112.8%)、小麦粉2.35円(128.1%)であり、明らかに、小麦の値上げの影響といえよう。乳卵類では、チーズ11.16円(115.0%)、野菜・海藻では、キャベツ8.81円(116.7%)、レタス6.48円(116.2%)、れんこん1.42円(115.8%)、トマト25.32円(113.3%)、こんぶ3.10円(121.5)が良く伸びている。果物では、もも0.26円(160.0%)、バナナ18.48円(131.1%)、キウイフルーツ5.32円(124.1%)が伸びており、特に、バナナは絶好調である。油脂・調味料では、マーガリン2.90円(113.9%)、マヨネーズ・ドレッシング10.61円(112.3%)、菓子類ではキャンデー7.52円(122.6%)、アイスクリーム・シャーベット24.77円(111.5%)が伸びている。調理食品(惣菜)では、ぎょうざ5.61円(116.0%)、冷凍調理食品15.06円(119.4%)が伸びており、特に、ぎょうざは復活といえよう。そして、飲料ではコーヒー飲料11.06円(113.6%)、ココア・ココア飲料0.74円(115.0%)、炭酸飲料9.71円(117.6%)、乳飲料3.39円(118.0%)である。

   このように、この5月度の家計調査データは全体的に節約志向が鮮明に表れており、厳しい状況となったが、こと、食品に関しては、値上げ関連商品の影響もあり、全体として堅調な消費額となったといえる。ただ、消費環境は消費者物価指数が示すとおり、昨年のインフレからデフレへ局面が変わっており、しかも、これから10月まで昨年は急激な物価上昇となったことを踏まえると、この5月だけで、今後を判断することは難しいといえ、今後、数ケ月の動きをしっかり押さえることがポイントといえよう。来月、食品の数字がどう動くかに注目である。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 2, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 01, 2009

売上速報、食品スーパーマーケット2009年5月、104.9%!

   主要食品スーパーマーケット、2009年5月度の売上速報をまとめてみた。現在、食品スーパーマーケットの上場企業は約50社であるが、その内、約半分の24社が月別売上速報を公表している。現在、最新の売上は5月度であるが、結果は単純平均で104.9%という数字となり、4月度が102.2%、3月度が101.5%(2月度のうるう日で1日少ない)、2月度が102.3%と、ここ数ケ月、売上が低迷していた状況であったが、堅調な数字となった。

   この数字をどう読むかであるが、既存店が99.0%と、ほぼ、昨年の数字にまで回復しており、これも、4月度96.9%、3月度96.4%、2月度96.9%という結果と比較すると、2ポイント強上昇しており、5月度の数字はここ数ケ月では、明らかに上昇基調と見てよさそうである。もう数ケ月様子を見る必要があるが、少なくとも4月から5月にかけて、数字の転換がみられ、既存店が上向き始めたことにより、このまま堅調な数字になる可能性も高いといえよう。

   では、この好調さを牽引した食品スーパーマーケットを見てみると、No.1がスーパーバリューであり、117.7%と絶好調である。既存店も104.5%と集計企業の中で断トツの数字であり、ここへきて、食品+HCのビジネスモデルが顧客からの支持を強く受け始めたといえよう。4月度の既存店101.3%、3月度98.7%であるので、明らかに、5月度は数字が大きく伸びており、すごい数字である。この7月には11店舗目となる新店、東所沢店のオープンも決まっており、今後、さらに、売上が伸びることが予想され、当面、食品スーパーマーケット業界No.1を維持するものと思われる。

   No.2は116.9%のダイイチである。先月の4月度は105.5%であったが、5月度は、子会社のオーケー(北海道帯広市)が連結対象となったため、売上が跳ね上がったことによる上昇である。既存店も99.7%と堅調な数字であり、ダイイチも今後、スーパーバリューと並び、トップクラスの売上の伸び率を維持するものと思われる。

   No.1のスーパーバリューもNo.2のダイイチもほぼ売上の伸び率は同じであるが、その中身が、新店による売上増とM&Aによる売上増と大きく違う。今後、食品スーパーマーケット業界は、大きくは、この2つの方向に進んでゆくものといえ、どの方向性をとるか、方針を明確にした企業の売上が大きく伸びてゆくことになろう。

   No.3はハローズであり、115.4%である。既存店も101.0%と好調であり、ハローズは積極的な新店により、売上が大きく伸びており、スーパーバリュータイプでの成長である。No.4はマックスバリュ東海であり、115.2%である。既存店は96.1%とやや苦戦しているが、全体の売上が好調な要因は、M&Aであり、昨年8月に吸収合併したシーズンセレクトの貢献が大きい。まさに、ダイイチタイプである。

   以上が、110%以上の食品スーパーマーケットであるが、まさに、新店による売上増とM&Aによる売上増とに2分されており、110%の成長率を達成するには、どちらか、あるいは双方の積極的な展開が必要であることが改めて示されており、今後も5位以下の現時点では110%を下回っている食品スーパーマーケットが、戦略次第で、いつ、トップグループに入ってきてもおかしくないといえよう。

   以下、103%以上の食品スーパーマーケットの全体と既存店の数字を見てみると、カスミ108.0%、マックスバリュ西日本107.2%(99.2%)、PLANT 106.0%(96.0%)、オオゼキ106.0%(103.3%)、ユニバース105.7%(100.9%)、九九プラス104.9%(102.2%)、バロー104.4%(99.3%)、イズミ104.0%(96.5%)、ヤオコー103.7%(102.1%)、マックスバリュ中部103.2%(97.8%)である。

   この中で、まず、注目はオオゼキであろう。既存店が103.3%とスーパーバリューについで、今回の集計食品スーパーマーケットの中では高く、しかも、ここへ来て、積極的に新店を出店しており、いずれ、トップクラスに入ってくるものと予想される。次に、注目は、九九プラスであろう。ローソンとの資本・業務提携も軌道に乗り始め、ここへきて、既存店も102.2%と堅調であり、新店も今後FCを含め増加が予想されるので、さらに、売上が伸びる可能性が高いといえよう。

   また、103.0%までは売上が伸びなかったが、100%を超えた食品スーパーマーケットは、CFSコーポレーション102.8%(95.4%)、いなげや102.7%(99.3%)、マルエツ102.5%(100.8%)、ヤマザワ102.1%(99.8%)、エコス100.7%(99.4%)である。いずれも、新店が少なく、M&Aもここ最近少ないのが特徴である。

   一方、この5月度、売上が昨対を下回った食品スーパーマーケットであるが、マックスバリュ北海道99.9%(99.5%)、トーホー 98.7%(98.8%)、Olympic 98.5%(97.7%)、マックスバリュ東北95.9%(93.2%)、アークランドサカモト95.4%(95.4%)である。

   このように、この5月度の食品スーパーマーケットの数字はここ数ケ月の数字と比べ明らかに上向いており、しかも、既存店も堅調な数字である。先月までは、このまま失速するのではないかと思われた売上であるが、この5月度は一転、上昇に転じたといえよう。しかも、トップクラスは積極的な新店開発を行っているか、M&Aにより、売上を大きく伸ばしており、当面、この上昇基調は続く可能性が高いといえよう。来月以降も、食品スーパーマーケット業界の売上に注目といえよう。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!

July 1, 2009 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)