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September 06, 2009

商品には2つの売上げがある!

   従来、売上げというと、商品の売上げをさし、商品ごとの売上金額を分析し、その結果をマーチャンダイジングに活かしてきたといえる。たとえば、豆腐の売上といえば、豆腐に分類される全商品の個々の売上げを合計したものであり、通常は約50種類ぐらいで構成されている。その約50種類の豆腐の中から、売上げの高い商品を重点商品とし、まずは、その重点商品の鮮度を高め、いかに欠品させないかを最優先に取り組み、豆腐全体の売上げアップを図ってきたといえる。これが、豆腐で最初に取り組むマーチャンダイジング政策といえよう。ついで、その他の商品をつぶさに調べ、商品の品揃えを見直し、豆腐全体の最適な品揃えに取り組むというのが次のステップである。

   このように、豆腐のマーチャンダイジングを考える時は、まず、豆腐の売上げを把握することがそのスタートとなる。ところが、ここ最近、CRM分析が導きだした答えは、豆腐の売上げにはもうひとつの売上げがあるということを発見したことである。通常、CRM分析を行うには、すべての商品をID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値で分解し、従来の商品分析から得られる売上げに対して、IDから得られるID金額PI値を基盤にすえる。すなわち、商品からの売上げに対し、ID金額PI値は、ID、すなわち、顧客からの売上げを表していることになる。

   具体的な数字を当てはめてみると、豆腐の売上げが10万円であった場合、これを従来のPOS分析で見ると、豆腐の価格が100円とすると、点数は1,000個となり、10万円=1,000個×100円となる。これに対して、CRM分析を行うと、ID、すなわち、顧客という概念が入り、たとえば、豆腐を100人(ID)が購入した場合、顧客1人(ID)当たりの売上げ、ID金額PI値は、10万円÷100人(ID)=1,000円となり、さらに、この100人が1,000枚のレシートをもたらしているとすると、ID客数PI値は、1,000枚÷100人(ID)=10枚/IDとなる。まとめると、CRM分析では、ID金額PI値(1,000円)=ID客数PI値(10枚/ID)×金額PI値(100円)ということになる。

   この時、豆腐の売上げ10万円はどうなったかであるが、ひとつは、従来のPOS分析の商品そのものの販売数とその価格とを掛けた、1,000個×100円=10万と、まさに商品の売上げでとらえることができる。そして、もうひとつは、CRM分析を行い、ID、1人当たりの売上げに着目し、ID金額PI値1,000円×ID数100人=10万円としてとらえることができる。これは、豆腐には2つの角度から売上げをとらえることできるということであり、ひとつは、商品そのものの売上げ、そして、もうひとつは豆腐を購入する顧客の売上げということである。CRM分析が確立される以前には、顧客の売上げが存在せず、売上げといえば、商品からの売上げしかなく、顧客からの売上げという概念も、計算もできなかったのが実情である。

   なお、初期のPI値分析は、商品の売上げから、一歩、顧客の売上げに近づいたものであり、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値の金額PI値で商品の売上げ把握するものであり、その意味で、CRMの一部、範疇とみることができよう。IDではなく、レシートまでが限界ではあるが、従来の商品からの売上げに対して、一歩、顧客からの売上げに近づいたのが初期のPI値分析といえよう。

   さて、最近のCRM分析は、さらに、もう一歩踏み込み、ID金額PI値を豆腐だけにこだわらず、豆腐以外の商品にも広げた分析にも入りつつある。いわゆる、商品変換といわれる視点の転換である。これは、豆腐を購入している10人のIDが豆腐以外に何を買っているかまで、踏み込む分析であり、ここまで踏み込むと、豆腐の購入IDが店舗全体にもたらす売上げへの貢献分析が可能となる。一見、デシル分析に似ているが、店舗全体ではなく、豆腐、しかも、最終的には豆腐の単品、1品1品にまで分析対象を広げるので、単純なデシル分析とは違い、CRM分析の商品変換といった方がわかりやすいかと思う。

   先のID金額PI値(1,000円)=ID客数PI値(10枚/ID)×金額PI値(100円)の同じIDの購入商品を豆腐以外の全品に広げたものである。たとえば、1レシート当たり、2,000円の買い物をしていたとすれば、ID金額PI値はID客数PI値(10枚/ID)×金額PI値(2,000円)となり、20,000円となる。この20,000円とは何か、これが豆腐の購入顧客10人(ID)がもたらす、店舗全体へのID当たりの売上げである。

   ということは、豆腐の売上げには、豆腐からのみ把握できる10万円という売上げと、ここで導きだしたように、豆腐の購入顧客10人(ID)が店舗全体にもたらす、20,000円×10人=20万円という売上が存在しているということであり、豆腐にはこの2つの売上げが存在しているということである。

    そして、この2つ目の売上げがCRM分析のみで得られる独特な売上げであり、しかも、この2つ目の売上げはすべての商品に存在している。この観点からマーチャンダイジングを再構築した時、これまでの商品の売上げをもとにしたマーチャンダイジングから新たなマーチャンダイジングの世界をつくることができ、豆腐の新マーチャンダイジングを新たに作り上げることが可能となる。また、これは、P/Lそのものを見直し、CRMのP/Lを要求しているともいえ、マーチャンダイジングだけでなく、経営そのものへの変革につながる力を秘めているといえよう。まだまだ、CRM分析は始まったばかりといえるが、今後、どのように発展してゆくか楽しみである。

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September 6, 2009 in 経済・政治・国際CRM、FSP |

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