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October 31, 2009

時間がマーチャンダイジングの評価基準に?

   10/30の日経MJに、マーチャンダイジングを考える上で、興味深い記事が掲載された。見出しは、「ページ滞在時間など分析、携帯通販向け推奨サービス」、「CSKシステムズ、PC向けを改良、月額10万円から」というものであり、携帯通販向けの売上支援サービスである。従来から、この分野は、商品分析において、リアルの小売業、食品スーパーマーケットなどと比べても、一歩進んでいた感があるが、今回のサービスは、さらに、先をゆくものといえよう。特に、商品分析に時間が組み込まれることが、新たなマーチャンダイジングの改善につながる可能性が高く、興味深い内容である。

   では、食品スーパーマーケット等の実際の小売業と携帯通販ではどのように商品分析手法が違うかであるが、最大の違いは、携帯通販はそもそも顧客1人1人のIDを把握できるために、はじめからID分析が可能であることである。ここ最近、食品スーパーマーケットでもポイントカードを活用し、ID分析が可能となりつつあるが、携帯通販は、スタート時点からID分析が可能であり、分析内容が1次元先をいっていたといえよう。

   いくつか例をあげれば、食品スーパーマーケットでは購入金額、購入数量、レシーと枚数という、原則、この3つの情報が基本であり、この情報の組み合わせが、商品分析そのものである。そして、ここから、マーチャンダイジング改善の仮説を作ってゆくというのが一般的である。一方、携帯通販では、この3つの基本情報に加え、誰がというIDが加わる。さらに、ネット特有の商品購入以前の情報として、商品説明、商品購入のための各コンテンツの様々なIDの履歴が把握できる。たとえば、ページビュー、離脱率、閲覧コンテンツ数、検索キーワードなどである。いわば、食品スーパーマーケットにおいて、来店して、商品を選び、レジで精算するまでの、購買行動をコンテツを通じて数値で把握できる点が大きく違うといえよう。

   さらに、ここに、この世界では、行動分析として、どれくらいマウスを動かしたか、どれくらい画面をスクロールしたか、どのページに遷移したかなどが把握でき、今回の携帯版では、これに、時間という、これまでマーチャンダイジング上ではほとんど数値化されなかったデータを取り込むことができるという。したがって、食品スーパーマーケットの2歩先をゆくことになろう。1歩目のIDを把握するところまでは、ここ最近、追いつきつつあるが、この2歩目の時間をマーチャンダイジングに組み込むことは、当面、食品スーパーマーケットでは難しいものがあり、実現するまで、少し時間を要すると思われる。ただ、今回の携帯を、たとえば、アイフォンなどの機能を駆使すれば、組み合わせて、意外に早く実現する可能性はあるといえよう。

   では、今回の携帯通販では、時間までもマーチャンダイジング分析に組み込み、何をやろうとし、どのようなメリットが期待できるかであるが、キーワードは、リコメンドという概念である。直訳すれば、お薦めということになろうが、大きく2つにわかれ、コンテンツ上にリコメンドを入れ込むことと、もうひとつは、直接、IDにリコメンドメールを送ることである。このリコメンドをする上において、IDの履歴分析、行動分析が活用されるということであり、ここが、食品スーパーマーケットのID分析との最大の違いといっても良い。

   仮に、食品スーパーマーケットでこれができたとなると、どのようなことが想定できるかであるが、まずPOPにリコメンド数値が入り、棚割がリコメンドを組み込んだものとなり、レイアウトがリコメンドを反映した動線になると思われる。さらに、各IDに、購入履歴、行動履歴に応じたリコメンドメールが入店の瞬間に届き、さらに、購入直後に届き、さらに、来店後、数日、数週間、数ケ月、数年後に届くということになろう。結果、何が変わるかであるが、来店頻度が飛躍的にあがり、欲しい商品、今後購入予定の商品が店内ですぐに見つかり、比較購買ができ、滞在時間も延び、購入点数、平均単価の引き上げにつながることになろう。また、未購入の商品についても、リコメンドPOPにより、買いやすくなろう。要は、客数、客単価の向上につながるということであり、これに、粗利、キャッシュフローの情報も当然組み込むことが可能となろう。

   今回のCSKの仕組みは、アメリカのベイノート社が開発したUseRankという指標にもとづいて、いまはやりのクラウドコンピューティングのSaaS型で提供されるシステムの日本版ということである。ただ、本来、商売の歴史は日本の方がはるかに古く、リコメンド機能も、要は体面販売の復活、お得意様へのサービスであり、これは、日本の商売の伝統をいかし、日本で開発すべきもののように思う。今回の仕組み自体は最先端のITを駆使しているが、基本概念、基本方程式、そして、リコメンドのサービスの内容ははるかに日本の方がきめ細かく、ある意味、先をいっているといえる。ただ、ITにのらず、人の中に、ノウハウ、秘伝として、組み込まれたところに課題があったといえる。少なくとも、食品スーパーマーケットにおいては、この仕組みを上回るものを、日本で先行して開発し、作り上げてゆくべきであろう。

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October 31, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 30, 2009

サンエー、2010年2月中間、増収増益、当期は減益!

   サンエーが10/5、2010年2月期の中間決算を公開した。結果は、営業収益690.55億円(104.6%)、営業利益47.47億円(103.7%:営業収益比6.87%)、経常利益48.37億円(103.6%:営業収益比7.00%)、当期純利益25.85億円(93.5%:営業収益比3.74%)と、営業、経常段階は増収増益となったが、当期純利益が減益となった。これは、この中間決算で固定資産の減損損失3.65億円を計上したためであり、営業面では増収増益の堅調な結果となった。

   また、サンエーは、財務基盤も健全であり、この中間期の自己資本比率は67.5%(昨年64.8%)と、さらに上昇しており、決算公開企業約50社の中でも、トップクラスである。ちなみに、前期本決算では、純資産比率(自己資本比率)のトップクラスは、ヨークベニマル79.0%、オオゼキ77.3%、マックスバリュ東海69.4%、マルキョウ68.4%、東武ストア68.2%、サンエー64.8%という状況であり、今期67.5%は極めて高い自己資本比率である。今期この自己資本比率が高まった背景には、利益剰余金が約20億円増加し、純資産が増加したことに加え、負債の買掛金が約20億円、有利子負債も約3億円削減され、ダブルで自己資本比率を高めており、財務状況がより、堅固になり、重厚な財務基盤となったためである。

   これら、財務の健全化の背景にあるのは、サンエーが食品スーパーマーケットとしては類稀な高収益のビジネスモデルを構築したことにある。この中間決算でも、営業利益は営業収益比で6.87%、売上対比では7.09%であり、7%を超えた。この数字は前本決算時で、決算公開企業約50社のベストを見ると、オオゼキ7.8%、サンエー6.4%、アークランドサカモト5.3%、丸久5.1%、オーケー5.0%、大黒天物産4.9%という状況であるので、オオゼキと並び、断トツの収益力であり、際立っているといえる。この高収益が財務を強固にしている最大の要因である。

   そこで、この収益力を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、69.71%(昨年70.05%)であるので、若干であるが、原価が下がっている。各社値下げによる価格競争が厳しく、原価が上昇するケースが多いが、サンエーは原価を下げており、結果、売上総利益(粗利)は30.29%(昨年29.95%)と、とうとう30%を超えた。30%を超える売上総利益は、食品スーパーマーケット業界では断トツの高い数字である。サンエーの高収益の秘訣は、この原価の低さにあるといえる。これは、サンエーが食品スーパーマーケット以外にも原価の低い外食、ホテル、衣料品などの業態をもっているからであり、これらの原価貢献度が極めて高いためである。

   一方、経費の方であるが、26.25%(昨年25.68%)と、昨年よりも0.57ポイント上昇しており、やや気になる数字である。26.25%は、前本決算時の決算公開企業約50社の平均が25.6%であるので、やや高めといえ、原価とは一転、経費は高めであり、しかも、昨年よりも上昇気味である。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は、4.04%(昨年4.27%)となり、やや下がったが、食品スーパーマーケット業界ではトップクラスの数字である。マーチャンダイジング力はこのサンエーのように、原価小、経費大というケースは稀であり、通常の食品スーパーマーケットは原価大、経費小となり、原価よりも経費を重視し、収益を高めるケースが多いが、サンエーは、業種ミックス、業態ミックスを行い、原価最小を目指している食品スーパーマーケットであり、どちらかというと、総合小売業、GMS等に近い食品スーパーマーケットといえよう。

   そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.05%(昨年2.88%)のり、結果、営業利益は7.09%(昨年7.15%)となり、営業利益率は、昨年と比べ若干下がっているが、営業収益が104.6%伸びたために、金額ベースでは、増益となった。こう見ると、この中間決算時のサンエーは経費の上昇がやや利益を圧迫しており、今後、原価は限界に近いところまで下げているので、経費をいかに引き下げるかが、高収益を維持してゆくには重要な経営課題となりつつあるといえよう。その意味で、これまでの原価小、経費大から、経費小への取り組みも課題となったといえよう。

   サンエーはこのように、食品スーパーマーケットとしては類稀な収益構造を確立し、高収益なビジネスモデルを作り上げ、この高収益が強固な財務基盤をもたらし、自己資本比率を業界トップクラスの67.5%にまで高めたが、まだ、有利子負債が32.81億円、総資産802.95億円の4.08%ある。したがって、この分の自己資本比率の増加はまだ可能であり、今後、70%台にいつでも、もってゆくことが可能な状況にあるといえよう。

   このように、サンエーの今期の中間決算は増収増益の堅調な決算であるが、原価はさらに減少したが、経費の上昇が見られ、これが営業利益率を落としており、やや気になる結果である。ただ、財務基盤は極めて堅固な状況にあり、さらに、その基盤が強化されており、健全である。したがって、今後、課題の経費面の改善をどうはかってゆくかが、収益をより高めるためにも当面の経営課題であるといえ、サンエーが今後、どのように経費改善に踏み込むか注目したい。

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October 29, 2009

ベルク、2010年2月期中間決算、増収減益!

   ベルクが、10/5、2010年2月期の中間決算を公表した。結果は、売上高510.67億円(102.9%)、営業利益23.30億円(99.6%:売上対比4.57%)、経常利益24.69億円(101.2%:売上対比4.83%)、当期純利益13.55億円(98.7%:売上対比2.65%)と、増収、わずかに減益となるやや厳しい決算となった。ベルクは、この中間決算期において、Low Price & Better Qualityを掲げ、購買頻度と消費頻度の高い商品の価格訴求をかけ、さらに、イオングループのトップバリュの拡販を推進し、価格にこだわったマーチャンダイジングを実践した。特に、消費頻度にはこだわっており、当初、4/1の時点では約560品の値下げであったが、その後、4/24より、400品以上の商品を追加し、合計1,000品以上の値下げが敢行された。

   その結果を受けての、今回の中間決算であるが、売上高が微増、営業利益が微減となった。売上高の微増に関しては、これら強力な価格訴求に加え、川口差間店(埼玉県川口市、3月)、ベスタ大泉店(群馬県邑楽郡大泉町、7月)と、2店舗の新規出店に加え、2店舗の改装を実施したことも大きかったといえよう。一方、利益の方であるが、原価、経費の状況を見てみると、原価は74.27%(昨年74.53%)と、若干下がっており、売価が下がったにもかかわらず、原価も下がり、結果、売上総利益(粗利)は、25.73%(昨年25.47%)と、若干改善した。

   これに対し、経費の方であるが、25.20%(昨年24.55%)と、0.65ポイント上昇しており、経費増が営業利益の減益を招いた要因であるといえよう。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は0.53%(昨年0.92%)と、0.39%下がった。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が4.04%(昨年3.80%)のり、営業利益は4.57%(昨年4.72%)となり、微減であるが、減益となった。それにしても、ベルクのその他営業収入はかなり大きな数字であり、マーチャンダイジング力を大きく上回り、営業利益の大半、率にして、90%弱を占めており、貢献度が高いといえよう。営業利益が増収になるか、今回のように減益となるか、その鍵を握っているともいえ、利益の重要な柱といえよう。

   ちなみに、決算公開企業約50社の、前本決算期のその他の営業収入を見ると、平均が3.0%であるので、ベルクはかなり高い方である。トップグループは、平和堂6.7%、イオン九州6.5%、フジ5.4%、マルヤ 5.1%、Olympic5.0%、イズミ4.8%、ヤマナカ4.7%、天満屋ストア4.4%、ヤオコー4.3%、相鉄ローゼン4.1%、ベルク3.9%という状況であり、GMSタイプの食品スーパーマーケットが上位に来ているのが実態である。

   これを受けて、キャッシュフローの状況であるが、ベルクの営業キャッシュフローは30.05億円(昨年36.09億円)と約6億円減少している。これは、営業キャッシュフローの大半を占める当期純利益、減価償却費の差ではなく、明細はわからないが、その他が、今期は-5.02億円(昨年4.16億円)となったためである。したがって、当期純利益の影響は営業キャッシュフローではほとんどなかったといえる。

   一方、投資キャッシュフローであるが、-23.70億円(昨年-17.12億円)と、今年は投資が昨年と比べ多かったといえよう。その内訳であるが、新規出店関連への投資が-29.55億円(昨年22.76億円)であり、今年は、昨年と比べ、積極的な投資を行っている。ちなみに、ベルクの1店舗当たりの投資は、前期決算数字では6.44億円であるので、4.5店舗(昨年3.5店舗)と、今期の方が1店舗多い出店関連への投資金額である。

   結果、差し引き、フリーキャッシュフローは6.35億円(昨年18.97億円)と、順流とはなったが、昨年と比べると、大きく減少しており、やや気になる結果である。これを受けて、財務キャッシュフローであるが、-0.84億円(昨年-15.43億円)と、今期の財務キャッシュフローが極端に少ない結果である。これは、昨年度は、-12.92億円有利子負債を削減しているのに対し、今期は、1.67億円と、わずかではあるが、借入が上回ったためである。結果、有利子負債は116.23億円(昨年本決算時114.56億円)と、若干増加しており、総資産538.85億円の21.57%である。結果、自己資本比率は52.9%(昨年53.1%)と若干、下がっている。ただ、52.9%は、決算公開企業約50社の平均が純資産比率で40.7%であるので、ベルクは高い数字であり、財務は安定しているといえよう。また、配当であるが、2.5億円(昨年2.51億円)と、昨年とほぼ同じ配分であった。したがって、トータルのキャッシュフローは5.49億円、(昨年3.53億円)と、内部留保へのキャッシュが多くなった。

   このように、ベルクのこの中間決算は新店の貢献度と強力な価格訴求が功を奏したと見え、増収とはなったが、経費が若干上昇したため、営業利益はわずかな減益となった。これを受けて、キャッシュフローであるが、今期は新規出店関連への投資にキャッシュを厚く配分し、有利子負債への返済にキャッシュが割けなかったことが気になるが、自己資本比率は52.9%と、財務は安定しており、後半の決算で調整しても問題はないといえよう。こう見ると、当面の経営課題は経費削減にあるといえ、今後、ベルクがどのように経費削減に取り組み、収益改善をはかるかに注目したい。
 
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October 29, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 28, 2009

キャッシュフローとマーチャンダイジング?

   財務3表連環表を作成してから、キャッシュフローの重要性がますます鮮明になった。これまで、財務3表では、P/Lを重視し、B/Sをサブとして見、CF(キャッシュフロー)は参考に見て来たが、この3つを連環させてみると、最も重要な財務諸表はCF(キャッシュフロー)であることが浮かび上がる。しかも、このキャッシュフローの源流、まさにフローの大本は、当期純利益であり、その大本は、原価、経費差、すなわち、マーチャンダイジング力であるので、キャッシュフローはマーチャンダイジングと密接な関係があることがわかる。

   実際どれくらいの重要性があるかは、キャッシュフローの中の最初の数字、営業キャッシュフローの中における当期純利益の割合を見れば一目瞭然である。2009年度の決算公開企業約50社の平均値が51.7%であり、50%を超える。この内、驚くことに100%を超える食品スーパーマーケットは2009年度決算では、関西スーパーマーケット367.7%、マルヤ190.7%、オオゼキ134.5%、アークス133.4%、PLANT133.3%、ヤマザワ116.2%、マックスバリュ西日本109.1%、ヤオコー106.7%、ユニバース104.7%、ダイイチ101.8%、丸久101.1%、オークワ100.9%と、12社もある。100%を超えるとは、営業キャッシュフローの法人税を含め、マイナス項目が大きかったり、そもそも、当期純利益が低かったりする場合もあるが、それでも、100%以上とは大きな割合である。

   ついで、50%以上は、ベルク96.8%、アオキスーパー91.4%、マルキョウ91.0%、マミーマート87.6%、オーケー84.3%、大黒天物産83.8%、マルミヤストア73.4%、いなげや69.8%、サンエー 68.9%、マックスバリュ東海65.8%、東武ストア65.1%、バロー61.0%、マルエツ57.2%、平和堂55.0%、天満屋ストア50.5%の15社である。ここまでの食品スーパーマーケットで、ほぼ、収益性の高いと見られている企業がほぼ網羅されているといえ、キャッシュフローと、マーチャンダイジングはこの点を見ても、極めて関係が深いことがわかる。

   したがって、キャッシュフローはマーチャンダイジングに依存するといってもよく、逆にいえば、マーチャンダイジングはキャッシュフローを強化するための最も重要な経営課題であるともいえる。従来、マーチャンダイジングはその目的が、経営上、P/Lの一部と考えられており、売上アップを目的にする場合もあり、売上総利益(粗利)を目的にする場合もある。あるいは、さらに、営業利益、経常利益、当期純利益を目的にする場合もある。いずれにせよ、マーチャンダイジングは、P/Lの何らかの指標がその目的であり、B/S、CF(キャッシュフロー)とは、あまり結びつけることがなかったといえる。したがって、いまひとつ、経営の本質に迫ることが難しいという状況であった。

   そこで、先に見たように、マーチャンダイジングの目的をP/Lから、CF(キャッシュフロー)で捉え直したらどうであろうか。こうすることによって、マーチャンダイジングの目的がこれまでのP/L的観点から、CF(キャッシュフロー)へと変わってゆき、マーチャンダイジングはCF(キャッシュフロー)をいかに増大させるために取り組むかという課題になる。そして、そのためには、まずは、キャッシュを獲得することが最重要課題であり、単品管理の目的もキャッシュをいかに獲得するかということになろう。

   ただ、これは、従来の売上と同じではないかと思われるが、キャッシュという観点で見ると、これまで捉えてきたような単純な売上だけではなく、その単品が生み出す総キャッシュということになり、もう少し広く、売上げを捉える事が必要である。たとえば、単品が生み出す売上げは従来の単純なその単品の売上に加え、その単品を購入している顧客全員の総購入単品の売上もキャッシュに入ることになろう。単品を購入する顧客はその単品のみを購入しているだけではなく、さらに、その単品以外の数多くの単品を購入しており、その単品がもたらす総キャッシュは、その購入顧客の購入度合いによって、重みが違うはずであり、この顧客の売上げをも考慮したものが、その単品がもたらす総キャッシュといえよう。

   そして、この総キャッシュの大きい単品がキャッシュフローを増大させる単品であり、総キャッシュを増やすためには、単純な売上げだけを見るのではなく、その単品と顧客との関係をキャッシュという観点から再検討し、どの単品を強化すれば顧客からのキャッシュが増えるのかを判断し、総キャッシュを引き上げてゆくマーチャンダイジングを構築することが、結果、CF(キャッシュフロー)の増大につながってゆく第1歩といえよう。最近はやりのクロスマーチャンダイジング、併売分析も、産業連関表のようにとらえ、どの単品とどの単品の連関度合いが高く、結果、双方を同時強化すれば、総キャッシュが増えると解釈すれば、これも、単品の総キャッシュを増やし、CF(キャッシュフロー)を増大させる経営戦略のひとつといえよう。

   このように、マーチャンダイジングをP/Lという観点だけから捉えるのではなく、経営にとって最も重要なCF(キャッシュフロー)という観点から捉え直すと、新たなマーチャンダイジングの世界観ができあがり、マーチャンダイジングを経営の核心、CF(キャッシュフロー)と直結させることができるのではないかと思う。

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October 28, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 27, 2009

東武ストア、2010年2月期中間、減収減益、戦略転換!

   東武ストアが10/13、2010年2月期の中間決算を公表した。結果は、売上高414.47億円(99.6%)、営業利益7.84億円(64.8%:売上対比1.89%)、経常利益9.08億円(68.7%:売上対比2.19%)、当期純利益7.94億円(69.1%:売上対比1.91%)となり、減収減益の厳しい決算となった。東武ストア自身も、「小売業界におきましても、雇用・所得環境の悪化による個人消費の低迷、販売競争の激化等によりデフレ傾向に拍車が掛かり、近年例をみない厳しい状況で推移、・・」と、コメントしているように、経営環境が急激に悪化したことが原因といえよう。

   10/25の日経で、東武ストアの記事が掲載されたが、見出しは、「東武ストア、全55店改装、5年で130億円、既存店強化を優先」というものである。これは、1店舗当たりに換算すると2.36億円となり、現在、東武ストアの新店にかかわる資産の1店舗当たりの合計が3.38億円であるので、約70%に当たり、小改装ではなく、大改装といえ、経営戦略の転換といえよう。東武ストアは現在、新中期経営計画、 CHALLENGE 1000 PLANの3年目であるが、この中では、積極的な新規出店戦略がうたわれており、4年間で20店舗を出店する予定であったが、今後は、新店を抑制、その浮いた費用を既存店の改装に回すことになるという。まさに、経営戦略の転換といえ、今後は既存店の活性化が東武ストアにとっては経営の最優先課題となる。

   では、この中間決算では、どのようにキャッシュを配分したかを見てみたい。まず、キャッシュの原資であるが、営業キャッシュフローは18.10億円(昨年20.91億円)となり、昨年よりも約3億円減少している。これは、当期純利益が8.50億円(昨年12.03億円)と、大きく減少したことが大きい。減価償却費は6.42億円(昨年6.12億円)と、ほぼ同じであるので、この当期純利益の減少が大きかったといえよう。

   そこで、当期純利益の大本、キャッシュの源泉であるマーチャンダイジング力を見てみたい。まず、原価であるが、73.89%(昨年73.95%)となり、原価は若干であるが下がっている。結果、売上総利益は26.11%(昨年26.05%)となり、粗利は若干上昇した。この厳しい価格競争の中、原価の上昇を防いでおり、原価面は維持ができたといえる。一方、経費面であるが、24.20%(昨年23.13%)と、約1.00ポイント上昇しており、経費の増加が見られる。これは、新店開発にともなう経費に加え、この中間では、先の日経新聞の記事によれば、既存店の売上高が3.8%減少しているとのことで、既存店の売上高の減少が、固定費を押し上げたことが要因であると思われる。

   結果、原価は何とか昨対ぎりぎりまで抑えることができたが、経費の上昇は厳しく、差し引き、マーチャンダイジング力は1.91%(昨年2.92%)となり、この時点でキャッシュが減少している。東武ストアの場合は不動産収入、物流収入等のその他営業収入が0であり、このマーチャンダイジング力がそのまま、営業利益となる。したがって、営業キャッシュフローの大本、マーチャンダイジング力が経費上昇により、減少したことが、営業キャッシュフローに響いたといえよう。

   次に、投資キャッシュフローであるが、-13.12億円(昨年-4.89億円)と、この中間決算時では大きく投資キャッシュフローが増加している。これは、新規出店関連の資産取得が-14.28億円(昨年-4.20億円)と、積極的な新規出店を行ったためである。東武ストアの1店舗当たりの出店にかかる資産は、先にも言及したように3.38億円であるので、この新規出店への投資は4.22店舗(昨年1.24店舗)であるので、この中間決算は積極的な新店への投資であることがわかる。今回の日経新聞の記事では、ここが戦略転換することになるとの内容であり、後半は、この新規出店を控え、浮いた分のキャッシュを既存店の改装に向けることになろう。

   結果、フリーキャッシュフローは5.70億円(昨年16.02億円)と、順流にはなったが、金額は大きく減少しており、この中間決算では、投資、新規出店へ厚くキャッシュを配分している。そこで、財務キャッシュフローであるが、-9.33億円(昨年-9.85億円)と、ほぼ同じ配分であり、その中身は、配当-4.90億円(昨年-4.90億円)、有利子負債の返済-4.41億円(昨年-4.91億円)と、ほぼ同じ内容である。有利子負債については、この中間決算時は、7.10億円と総資産304.17億円のわずか2.33%であり、いつでも無借金経営が可能な状況にあり、結果、自己資本比率は70.1%(昨年68.2%)と、食品スーパーマーケット、決算公開企業約50社の中でもベスト5に入る、健全な財務状況である。

   そして、トータルのキャッシュフローであるが、-4.35億円(昨年6.16億円)と、マイナスとなり、内部留保を取り崩すこととなったが、自己資本が充実しており、財務的には問題がない金額である。ただ、新規出店への投資へ厚くキャッシュを配分したため、キャッシュフロー全体のバランスをやや崩しているのが気になるところである。

   これを受けて、今後に関しては、日経新聞で報じられたように、新規出店から既存店全店の改装を最優先した経営戦略の転換をはかるとのことである。これは、結果として、キャッシュフローの大本、マーチャンダイジング力の強化につながることであり、このような厳しい経済情勢を考慮すると、柔軟な経営決断であるといえよう。今後、東武ストアの各店舗がどのように活性化してゆくのか、注目である。

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October 27, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 26, 2009

売上速報、食品スーパーマーケット2009年9月、102.2%!

   食品スーパーマーケット、月次売上公開企業24社の2009年9月度の数字を集計した。ここ数ケ月、厳しい状況が続いているが、9月度の結果は102.2%(既存店97.1%)と、全体は新店が寄与し、堅調な売上げとなった。既存店も依然として昨対は割っているが、ここ数ケ月の中では良い結果である。ここ数ケ月の売上高の推移であるが、8月度101.2%(既存店96.1%)、7月度100.4%(既存店96.0%)、6月度101.3%(既存店96.5%)、5月度104.9%(既存店99.0%)、4月度102.2%(既存店96.9%)、3月度101.5%(既存店96.4%)という結果である。こう見ると、5月度を除けば、この9月度はやや上向いた感もあり、既存店も約1.0ポイント上昇している。特に、この3ケ月の中では最も数字が良いといえ、9月度は全体としては、堅調な伸びであったといえよう。

   そこで、この堅調な伸びを支えた貢献度の高い食品スーパーマーケットを見てみると、スーパーバリュー121.1%(既存店102.8%)、マックスバリュ東海 119.%(既存店95.1%)、 ハローズ107.7%(既存店94.8%)、ダイイチ106.1%(既存店98.2%)、オオゼキ105.7%(既存店102.4%)、カスミ105.1%の6社が、昨対105%以上の売上が比較的好調な食品スーパーマーケットである。ただ、この好調な食品スーパーマーケットを含め、集計企業の中でも既存店が昨対を超えたのは、スーパーバリュー102.8%、オオゼキ102.4%、アークランドサカモト100.6%の3社のみであり、全体としては、消費環境、競合状況の厳しさを反映した厳しい状況が続いているといえよう。

   この中で、No.1のスーパーバリュー、No.2のマックスバリュ東海であるが、スーバーバリューは新店、マックスバリュ東海はM&Aが寄与し、店舗数が増加し、売上げを大きく伸ばしているのが特徴である。この9月度は、この2社がほぼ120%での高成長であり、No.3のハローズが107.7%であるので、断トツの成長力であることがわかる。特に、スーパーバリューは既存店も102.8%と、全集計企業の中でも既存店の伸びが最高数字であり、理想的な売上げ構造となっており、絶好調といえよう。一方、マックスバリュ東海は全体に関しては絶好調であるが、既存店が95.1%と伸び悩んでおり、特に、客数98.3%、客単価96.7%と双方が下がっており、気になるところである。

   このマックスバリュ東海の客数、客単価ダウンは全体の状況とも一致しており、この9月度では、約半数の食品スーパーマーケットが客数、客単価まで公開しているが、これを見ると、既存店の客数99.1%、客単価97.8%であり、客単価の中でも、PI値101.0%、平均単価96.5%と、平均単価が下落していることが大きい。やはり、競合の厳しさが売価にも反映されているといえ、平均単価ダウン、PI値アップ、客単価ダウンの厳しい状況に食品スーパーマーケット全体が置かれているようである。

   ついで、105%以下、100%を超えた食品スーパーマーケットを見てみると、バロー104.9%(既存店98.7%)、ユニバース103.3%(既存店97.8%)、マックスバリュ中部102.7%(97.3%)、マックスバリュ西日本101.8%(既存店95.8%)、ヤマザワ101.2%(96.5%)、九九プラス100.6%(既存店98.2%)、ヤオコー100.1%(既存店98.2%)、イズミ100.0%(既存店96.2%)という結果である。いずれも、既存店が厳しい状況にあり、昨対100%を超えた食品スーパーマーケットは1社もない状況である。この中でも店舗数が148店舗のマックスバリュ西日本であるが、既存店の客数、客単価ともに97.9%と、双方がダウンし、結果、既存店の売上高が95.8%となり、この中では最も既存店の売上高が厳しかった食品スーパーマーケットである。

   これに対して、昨対を切った食品スーパーマーケットであるが、PLANT99.1%(既存店99.1%)、マルエツ99.0%(既存店97.3%)、CFSコーポレーションSM99.0%(既存店93.7%)、トーホー98.6%(既存店99.2%)、アークランドサカモト98.5%(既存店100.6%)、マックスバリュ東北97.4%(既存店96.8%)、 いなげや97.1%(既存店94.1%)、マックスバリュ北海道96.3%(既存店91.7%)、エコス94.7%(既存店95.7%)、Olympic:フード94.2%(既存店93.5%)という状況である。特に、エコスとOlympicは、95%を割っており、厳しい状況である。また、既存店を見ると、マックバリュ北海道91.7%、CFSコーポレーションSM93.7%と、この2社が90%強と厳しい状況にあるといえよう。

   このように、この9月度の売上速報を見ると、先月の8月、先々月の7月度と比べると、やや売上高は上昇しつつあるように見えるが、上位2社、スーパーバリュー121.1%、マックスバリュ東海119.6%の異常値を除くと、全体的には厳しい状況といえ、特に、既存店がやや回復基調にあるようにも思われるが、依然として伸び悩んでいる状況といえよう。ここ最近公表された各社の中間決算の数字を見ても、増収とはなっても減益となる食品スーパーマーケットがあいついでおり、競争激化による売価ダウンが利益をさげている要因といえる。今後、この状況は当面続くものと予想され、今後は、各食品スーパーマーケットとも、新店による売上高アップから、既存店の活性化による、全体の底上げ、結果としての収益改善が当面の最優先での経営課題といえよう。後半に向けて、各社がどのような既存店の活性化策を打ち出すかに注目したい。

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October 26, 2009 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 25, 2009

平和堂、2010年2月期中間、減収減益、厳しい決算!

   平和堂が、9/30、2010年2月期、中間決算を公表した。10月に入り、2月期決算の食品スーパーマーケットがあいついで中間決算を公表しており、ほぼ、今週ぐらいで終了し、来週からは、いよいよ3月期決算の公表がはじまる。その結果であるが、営業収益1,910.10億円(93.0%)、営業利益41.50億円(74.8%:営業収益比2.17%) 、経常利益41.92億円(75.6%:営業収益比2.19%)、当期純利益38.72億円(166.5%:営業収益比2.02%)となり、当期純利益は税金の関係で増益となったが、その他の段階では、減収減益となる厳しい中間決算結果となった。

   通常、食品スーパーマーケットは毎年計画的に新規出店、ないしはM&Aへの投資を行い、増収となることが多い。平和堂もこの中間期においても、昨年と比べ店舗数が104店舗から123店舗へと19店舗増えている。特に新たなドミナント地区として、東海地区が18店舗加わり、滋賀県の1店舗増と合わせ、計19店舗となった。その内訳は、売上構成比65.0%のショッピングセンターのアルプラザが3店舗、売上構成比15.1%のGMSが4店舗、そして、売上構成比19.9%の食品スーパーマーケット、フレンドマートが12店舗である。これだけ、店舗数が増加しているにもかかわらず、減収となったのは、既存店、特に、アルプラザが91.9%、GMSが90.6%となり、フレンドマートの104.0%の伸びが相殺されたためである。

   また、これを部門別でみると、売上構成比15.4%の衣料品が83.8%、13.9%の住居関連品が92.6%、60.8%の食品が97.8%、10.9%のその他も約82%に落ち込んでいる。こう見ると、業態では食品スーパーマーケットのフレンドマート、商品でも食品は比較的堅調であったが、ショッピングセンター、GMSの特に、衣料品、住居関連品の落ち込みが大きく、しかも、既存店全体も90.0%という状況であり、これらが原因となり、減収となったといえよう。

   一方、利益の方であるが、原価は70.79%(昨年70.52%)と、若干、原価の上昇がみられる。結果、売上総利益は29.21%(昨年29.48%)となった。これに対して、経費の方であるが、33.79%(昨年33.31%)と、こちらも上昇しており、結果、原価、経費ダブルで上昇が見られ、利益を圧迫したことがわかる。ここから、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力を計算すると-4.51%(昨年-3.83%)となり、マイナス幅が、大きく拡大している。一般に、ショッピンセンター、GMSが主体となる食品スーパーマーケットはマーチャンダイジング力が大きくマイナスとなるケースが多いが、平和堂も、同様にマーチャンダイジング力がマイナスとなった。ただ、昨年と比べ、その幅が広がっていることが気になるところである。

   これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が6.91%(昨年6.72%)のり、結果、営業利益は2.40%(昨年2.89%)となり、減益となった。特に、経費の上昇が強く響いているといえるが、これは、既存店の売上高が90.0%となったために、相対的に、固定費が上昇したため、経費増につながったといえよう。今後、経費を下げることは、利益を出すためには重要な政策であるが、それ以上に、既存店をいかに引き上げ、まだまだ、構成比19.9%の比較的好調な食品スーパーマーケットの店舗数と既存店の活性化をどうはかるかが課題といえよう。

   これを受けて、キャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは138.92億円(昨年117.62憶円)と、昨年よりも約20億円増加している。これは、当期純利益、減価償却費が増加したのではなく、棚卸資産の減少、売上債権の減少等があり、結果、キャッシュが増加したためである。一方、投資キャッシュフローであるが、-93.81億円(昨年-78.37億円)と、増加している。これは、新規出店関連の資産の取得に-97.65億円(昨年-85.24億円)と、積極的な投資を実施したためである。店舗数に換算すると、平和堂の前期本決算時の出店関連資産が1店舗15.70億円であるので、6.2店舗分に当たる。結果、フリーキャッシュフローは45.27億円(昨年32.38億円)と、昨年よりも、キャッシュは増加している。

   ここから、財務キャッシュフローへの配分がなされるが、配当金が8.40億円(昨年8.40億円)と同額である。これ以外では最大の配分、有利子負債へは、返済98.31億円、借入93.00億円、差し引き5.31億円の返済と、返済に配分している。昨年は8.29億円の借入となっているので、今期は有利負債の削減となった。結果、有利子負債は781.69億円(昨年本決算時806.99億円)と、削減が進んでおり、総資産2,708.34億円に占める割合は28.86%となった。この結果、自己資本比率は38.0%(昨年36.5%)と、若干改善したが、まだまだ、負債に大きく依存した財務構造であり、当面、有利子負債の削減優先の財務キャッシュフローへの配分が続くといえよう。

   そして、トータルのキャッシュフローであるが、28.24億円(昨円38.74億円)と、昨年よりは内部留保が減少したが、善循環の順流のキャッシュフローであり、減益という厳しい経営状況の中では、キャッシュはうまく回っており、有利子負債も若干削減され、自己資本比率も向上した。

   これを受けて、後半の決算予想であるが、平和堂は、「第3四半期以降も大幅に回復することは難しいと判断し、平成21年6月18日に公表しました業績予想を修正いたします。」とのことで、通期予想を減収減益予想とした。このように、今期、2010年度は厳しい結果となることが予想される中、今後、平和堂がショッピンセンター、GMSの衣料、住居関連にどのような改革を図るかに注目したい。

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October 25, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 24, 2009

オークワ、2010年2月期、中間、増収減益、厳しい決算!

   オークワが2010年2月期、中間決算を10/2、公表した。結果は営業収益1,444.58億円(113.6%)、営業利益22.63億円(60.9%:営業収益比1.56%)、経常利益23.63億円(62.9%:営業収益比1.63%)、当期純利益6.28億円(30.4%、営業収益比0.43%)と、増収とはなったが、減益となる厳しい決算結果となった。特に、当期純利益は、棚卸試算の評価が変更となり、在庫の評価損が11.95億円発生し、大幅な減益となった。また、営業利益、経常利益ともに、減益幅が大きく、今期は利益の確保が厳しい決算結果となった。

   その利益の状況を原価、経費面から見てみたい。特に、原価に関しては、先にも述べたように棚卸資産の評価方法の変更にともない期首の在庫の評価が下がっており、今期の原価は75.39%(昨年74.76%)と、原価の上昇が見られる。これは、在庫評価の問題もあると思われが、厳しい価格競争に伴い、売価が下がり、相対的に原価の上昇が影響していると思われる。結果、売上総利益は24.61%(昨年25.24%)と、-0.63ポイント下がっており、粗利が減少した。一方、経費の方であるが、26.65%(昨年25.86%)と、こちらも0.79ポイント上昇しており、今期は、原価、経費双方が上昇し、大幅な減益となった。

   ここから差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力を計算すると、-2.04%(昨年-0.62%)と、マイナス幅が大きく拡大しており、厳しい数字となった。食品スーパーマーケットにおいて、マーチャンダイジング力が-2.0%以下となる企業は決算公開企業の中でも数社であり、この中間決算でのオークワのマーチャンダイジング力はかなり厳しい数字であったといえる。

   そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.67%(昨年3.65%) 加わり、結果、営業利益は1.63%(昨年3.03%)となった。この中間では、原価、経費双方が上昇し、利益を大きく圧迫しており、厳しい中間決算の結果となったといえよう。さらに、今期は、先にも述べたように、在庫評価損による特別損失も発生しており、最終利益の当期純利益は2重、3重の利益の減少が発生し、大きく、利益が減少する結果となった。

   これに対し、売上げの方は逆に順調であり、113.6%となった。その要因は、新たなオークワのドミナントエリアである中京地区へ新規出店したことによる。スーパーセンター業態「岐阜養老店」(岐阜県養老郡養老町、7月)、SSM「岡崎インター店」(愛知県岡崎市、8月)を、それぞれ新設したことに加え、前期連結子会社となったパレにおいても、「パレマルシェかじ町店」(静岡県浜松市、5月)、大型ショッピングセンター「ららぽーと磐田」内に「パレマルシェららぽーと磐田店」(静岡県磐田市、6月)をそれぞれ新設しており、これら新店が寄与し、売上を大きく伸ばした。既存店が97.1%と厳しい数字の中、これら新店の果たした役割が極めて大きかったといえよう。

   では、オークワの出店余力はどうかを見てみたい。出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金等の合計であるが、中間では、差入保証金の明細が明示されていないので、前本決算時の金額で計算すると975.70億円となり、これは、総資産1,373.45億円の71.0%となる。オークワの本決算時の店舗数が143店舗であるので、今回の新店4店舗を加え、147店舗で割ると、1店舗当たり6.8億円となる。これは、決算公開企業の平均が5.00億円であるので、やや高い数字であり、恐らく、ここ最近の積極的なスーパーセンター業態、SSM等の新規出店により、出店関連の資産が重くなったためであるといえよう。

   一方、自己資本比率であるが、54.7%(昨年55.9%)と、やや減少しており、結果、差し引き、出店余力は-16.3%とマイナスとなり、負債に依存する出店構造であり、気になるところである。その負債を見ると、有利子負債が243.75億円(前期本決算時255.54億円)であるので、総資産の17.7%であり、ちょうど、自己資本比率を加えると出店関連の資産となり、相殺する形である。したがって、ほぼ有利子負債分、負債に頼る状況であり、やや重い出店構造といえよう。

   ちなみに、出店余力の高い食品スーパーマーケットは、前期本決算時の決算公開企業約50社のトップレベルを見ると、ヨークベニマル29.4%、オオゼキ28.7%、マックスバリュ東海16.6%、東武ストア11.2%、大黒天物産9.8%、サンエー7.9%、アオキスーパー7.8%、いなげや6.8%、九九プラス5.4%という状況であり、この9社がプラスとなった食品スーパーマーケットである。オークワは、この時、-14.9%で21位であるので、この中間の-16.3%は25位前後ではないかと思われ、ちょうど、真ん中あたりのランキングとなろう。

   このように、この中間決算のオークワは、在庫の評価損も響き、原価、経費双方の上昇が見られ、利益が、ダブル、トリプルで圧迫され、すべての段階で大きく減益となる厳しい決算となった。また、積極的な新規出店に支えら、売上げは好調に推移したが、出店余力は、負債、特に有利子負債に頼らざるを得ない状況であり、既存店も厳しい中、今後、積極的な新店を出店ゆくには、やや厳しい財務状況であるといえよう。今後、後半にかけて、消費環境はますます厳しくなることが予想される中、オークワが、後半、どのような収益改善ヘ向けての思い切った対策を打ち出すかに注目である。

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October 24, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 23, 2009

売上げ速報、コンビニ2009年9月度、97.1%、厳しい!

   コンビニ、11社、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの売上速報が、(社)日本フランチャイズチェーン協会から10/20、16:00に公表された。全体42,487店舗の結果は97.1%、既存店は94.4%となる厳しい結果となった。これで、全体は7月以降、既存店は6月以降売上げが昨対を割っており、コンビニ業界の厳しい売上げ状況が鮮明になった。

   ただ、一昨年と比べると、7月全体108.3%(既存店108.6%)、8月全体104.3%(既存店104.5%)、9月全体105.8%(既存店105.6%)と、堅調な伸びを示している。昨年が7月全体114.0%(既存店111.7%)、8月全体107.5%(既存店105.3%)、9月全体108.9%(全体106.6%)という状況であるので、昨年が明らかに異常値であり、今期は正常な堅調な伸びに落ち着いたと見ることもできる。もちろん、この異常値はtaspo効果によるものであり、昨年の5月以降、客単価はほぼ横ばいであったが、既存店の客数が急激に伸び始め、まさに、この4月まで、ちょうど12ケ月続いていることからも明らかである。

   ただ、気になる数字もある。全体の傾向は確かに、このtaspoで説明できるが、客単価の落ち込みが客数以上に大きいことである。特に既存店の客単価の数字を見ると、5月98.5(昨年100.6%)、6月95.2%(昨年101.9%)、7月96.9%(昨年99.0%)、8月96.2%(昨年101.5%)、そして、9月97.0%(昨年100.5%)という状況である。こう見ても、taspo効果は既存店の客数へ効いており、客単価への貢献はあまりなかったといえるが、今年、特に、ここ数ケ月は、既存店の客単価が落ち込んでおり、これは、taspo効果以外の影響があったと考えられよう。

   そこで、少し、細かく、各部門の状況を見てみると、taspoに最も関係するたばこを含む非食品部門の数字を見ると、7月101.8%(昨年133.0%)、8月99.0%(昨年127.7%)、9月98.6%(昨年124.9%)と、昨年と比べると落ち幅は大きいが、昨対はぎりぎりである。これに対して、日配は、7月94.6%(昨年104.5%)、8月95.4%(昨年101.9%)、9月95.7%(昨年102.3%)と、昨対を大きく割っており、日配が伸び悩んでいることが鮮明である。昨年、この時期は既存店の客数が7月は110%以上、8月、9月は105%前後で伸びているにも関わらず、日配は伸び悩んでおり、taspo効果の恩恵は小さかったといえる。したがって、日配はtaspoにあまり影響を受けない部門といえ、今年も堅調な売上げがあっても良かったと思われるが、明らかに、下がりすぎており、気になる兆候である。

   コンビニの日配は、ファストフードが主力であり、米飯、パン、調理パン、惣菜、漬物等で構成されるが、このファストフード関係が厳しかったものと思われる。恐らくこれは、ここ最近の食品スーパーマーケットの惣菜、特にコンビニの主力の弁当、おにぎり等の低価格戦略等の影響もあると思われる。さらに、日配ほどではないが、加工食品も、7月88.2%(昨年109.9%)、8月96.6%(昨年98.1%)、9月96.5%(昨年102.1%)と、昨年の7月は猛暑であり異常値であるが、8月、9月は日配よりは落ち込みは小さいが、これは、ここ数ケ月の天候不順による主力の飲料部門の不振が続いているためといえよう。こう見ると、taspo効果の影響もさることながら、日配の落ち込みは気になるところであり、コンビニの主力、ファストフードをかかえる部門だけに、今後、どの辺で落ち着くかがしばらくは推移を見守る必要があろう。

   こう見ると、今後、コンビニが売上げを確保するのは、特に、既存店商品の活性化だけでは、かなり厳しい状況に入ったといえよう。今後は、まだ、売上構成比が3.9%であるが、サービス部門の充実を図ってゆくか、医薬品等の新たな分野へ商品領域を拡大してゆく等が考えられるが、なかなか、決め手が見えず、この9月度の数字を見ても、いずれも効果がまだ見えない状況といえよう。

   ちなみに、コンビニ各社のここ最近の株価の動向であるが、セブンイレブンは、セブン&アイHの傘下であり、個別にはわからないが、ローソンは4,000円前後で横ばいであるが、8月以降株価は下がり気味で推移し、2,600円強である。サークルKサンクスは9月までは1,500円前後で推移していたが、その後株価は急落、現在1,250円前後である。そして、ミニストトップもほぼ同様な動きであり、9月までは1,550円前後で推移していたが、現在1,250円強で推移しており、厳しい状況である。ローソン以外は、ほぼ株価は大きく下がっており、投資家もコンビニの動向には厳しい目を向けているといえよう。

   このように、この9月度のコンビニの売上げは全体が97.1%、既存店は94.4%とさらに落ち込みが大きく、厳しい状況である。昨年のtaspo効果の影響ももちろん考えられるが、それ以上に、taspoの恩恵が小さかった日配、加工食品の落ち込みが売上げ減に影響しており、コンビニを取り巻く消費環境、他業種、特に、食品スーパーマーケット、ドラックストア等との競合状況が、より厳しさを増した結果ともいえよう。今後、さらに、これら経営環境は厳しい状況が予想され、コンビニ各社が、どのような対策を打ち出すか、注目である。

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October 23, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 22, 2009

CF(キャッシュフロー)を起点に経営を俯瞰する!

   商談前の決算チェックのセミナーも無事終了し、財務3表連環分析表を改めて見直し、現在Vol.4へと改定したが、これにより、CF(キャッシュフロー)の重要性、優位性がより明らかになった。将来的にはIFRS(国際会計基準)が日本の財務会計でも中心となり、CFの重要性はさらに増すものと思われるが、特に、食品スーパーマーケット業界ではCFが今後、財務の中心になってゆくのではと思う。その理由は、この中に、P/L、B/Sが集約され、まさに、CFを中心に財務3表がキャッシュを通じて連環しており、食品スーパーマーケットにとって、最も重要なマーチャンダイジング、新規出店、そして、配当等の経営者の経営決断が、このCFに鮮明に表れているからである。

   実際のCFを見ると、その連環度合いが実に分かりにくく、しかも、財務3表の中ではB/S、P/Lの次、3番目に位置しており、重要度が低いといえる。さらに、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローともに、項目が多く、その重要度合いもわかりにくい。また、これを他の食品スーパーマーケットと比較するとなると、至難の業であり、過去のキャッシュフローとの比較も簡単ではない。おそらく、経営者も投資家もCFに関しては、判断に苦労しているのではないかと想像される。

   仮に、各社のCFの比較表を作ったとしても、どのように、それぞれの項目を評価したら良いかが難しく、ただ、各項目を羅列してもCFの重要性は見えてこない。CFは文字通り、キャッシュの流れであり、この流れがどのようにはじまり、どのように配分され、最終的にどこに落ち着くかがわかりやすく示されることが重要である。さらに、そのキャッシュの配分がどのようになされ、その結果、P/L、B/Sがどう変化したか、将来的にはどう変化するかまで読み取らないと、CFを見、判断する意義は弱いといえる。CFの重要性、魅力は、まさにここにあり、これを各社と自社を比較することで、自社の経営戦略が鮮明になり、今後、どのような経営方針で臨むべきか、まさに経営戦略の再構築へとつながってくる、これがCFの役割であるといえよう。

   そこで、これまで、明らかになった、Vol.4ではすでに盛り込み済みであるが、CFの見方、活用の仕方についてそのポイントをまとめてみたい。まず、CFのはじまりは、すなわち、キャッシュの出どころであるが、こと、食品スーパーマーケットにとっては、たった2項目で説明できる。当期純利益と減価償却費である。この2項目で、営業キャッシュフローの約90%を説明することが可能である。しかも、この2つの項目は、当期純利益がP/L、減価償却費がB/Sと連環しており、さらに、減価償却費は投資キャッシュフローの出店関連への投資とも連環している。したがって、この2つの項目は当期純利益は、P/Lとの連環指標、売上対比、減価償却費はB/Sとの連環指標、総資産対比が必須であり、この指標と見比べ、さらに、各社の違いを見ることで、営業キャッシュフロー、すなわち、キャッシュの出どころが鮮明になる。結果、マーチャンダイジング力をいかに高めるか、計画的な出店戦略をしっかりつくり上げるかが課題となる。

   投資キャッシュフローに関しては、何といっても出店関連への投資が食品スーパーマーケットのCFでは最大のポイントである。驚くことに、食品スーパーマーケットの投資キャッシュフローに占める割合は100%を超え、営業キャッシュフローに占める割合も約80%近くになる。食品スーパーマーケットにとって、投資=新規出店といっても過言ではなく、出店がキャッシュの最も配分の大きいところである。したがって、B/Sとの連環は重要であり、総資産対比、さらには、この新規出店への投資が何店舗分に当たるかも推定しておくことが重要である。ちなみに、決算公開企業約50社でこの数字を見ると、2009年度は約500店舗であり、1社平均10店舗の新規出店への投資をしているのが実態である。

   そして、財務キャッシュフローであるが、先の投資キャッシュフローが営業キャッシュフローの約80%であるので、当然、財務キャッシュフローへのキャッシュが回らない食品スーパーマーケットもあり、2009年度は約20社弱がマイナスであり、キャッシュの逆流が起こっている。したがって、この場合も含め、財務キャッシュフローでは、最大の経営課題、配当へ十分な配分ができているか、有利子負債がある場合は、どのくらい削減できているか等がポイントとなる。ここでも、特に有利子負債はB/Sと連環するところであり、どのくらい借入を行い、返済し、結果、有利子負債がどのようになったか、また、将来どのようになるかを見極めることがポイントといえる。

   最終的に、現金、まさに、キャッシュが増えたか、減ったかが結論といえ、増えても借入で増えているのでは意味がなく、営業キャッシュフローの余力でキャッシュが増えているのが理想といえる。また、減った場合は、どのくらい減り、結果、B/Sの現金の比率が総資産対比でどうなったかを見る必要がある。

   このように、CFは、まさに、食品スーパーマーケットにとっては、経営そのものをキャッシュという観点から俯瞰できる財務諸表であり、もっと、CFを活用して、食品スーパーマーケットの経営状況を見極めることがポイントである。また、同時に、食品スーパーマーケット側では、CFを重視したキャッシュフロー経営、すなわち、キャッシュをいかに獲得し、戦略的な投資を行い、その余力で配当を行い、さらにキャッシュをいかに蓄積し、将来へ備えるか、この一連のまさにキャッシュの善循環の連環経営を目指すべきであろう。
   
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October 22, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 21, 2009

マルエツ、2010年2月中間、増収増益、配当3円!

   マルエツが10/8、2010年2月期、中間決算を公開した。結果は、営業収益1,711.01億円(100.1%)、営業利益41.77億円(101.1%:営業収益比2.44%)、経常利益40.41億円(103.1%:営業収益比2.36%)、当期純利益は37.44億円(105.0%:営業収益比2.18%)となり、増収増益の堅調な決算となった。この中間決算では一部食品スーパーマーケットを除き、全体的に減益決算が多い中、増益となり、マルエツの業績が安定していることがうかがわれる。ただ、この9月度の売上速報を見ると、99.0%(既存店97.3%)と、昨対を割り、下がり気味であり、やや気になるところである。

   マルエツは2005年度から配当ができず、無配となる厳しい財務状況であったが、ここ数年で財務体質が改善され、2009年度本決算から、1株当たり6円の配当が復活した。総額7.49億円であり、売上対比0.2%、決算公開企業の平均が0.3%であるので、まだまだ、低い数字であるが、今後、財務体質の改善が進めば、さらに増配となると思われる。食品スーパーマーケット業界のトップクラスの配当は、オオゼキ0.7%、東武ストア0.6%、アークス0.6%、ベルク0.5%、マックスバリュ東海0.5%、ダイイチ0.5%、関西スーパーマーケット0.5%、アークランドサカモト0.5%、オークワ0.5%であるので、今後、まずは、0.3%、そして、0.5%がひとつの目標となろう。

   食品スーパーマーケットに限らず、株式会社にとって最大の利益還元は配当といえ、配当ができない状況にあるということは、それだけ、収益性が低く、財務状況が厳しいということでもあり、マルエツが前期決算で復配となったことは、一定の財務改善の目途がついたといえる。そして、この中間でも、3.0円の配当が決まり、決算数字も増収増益と堅調な数字を維持しており、今期も合計6.0円の配当予想であり、財務状況が明らかに好転しているといえよう。

   そこで、この配当を含め、キャッシュの配分、キャッシュフローの状況をB/Sと連環させ、マルエツの財務状況を見てみたい。まず、営業キャッシュフローであるが、57.47億円(昨年85.43億円)と、減少しているが、その中身は、最も重要な当期純利益と減価償却費の合計は57.83億円(昨年53.38億円)と、増加しており、堅調な数字である。したがって、それ以外の項目の差が大きいといえ、中身をみると、支払いサイトの関係で、前期は仕入れ債務の増加が27.31億円あり、この分の差が大きく、決算数字通り、堅調な収益を確保しているといえよう。

   次に投資キャッシュフローであるが、-44.46億円(昨年-23.34億円)と、今期は約20億円多く投資への配分が高い。その中身であるが、出店関連の資産取得-45.62億円(昨年-31.55億円)と、今期の方が積極的な出店関連への投資を増やしているのが特徴である。この金額は、マルエツの1店舗当たりの出店にかかわる資産が3.66億円であるので、12.5店舗分にあたり、現在246店舗であるので、ちょうど5%に当たる。したがって、今後、105%前後の堅調な成長を目指しているといえよう。この中間決算でも、新店に関しては、「マルエツナリア武蔵浦和店(埼玉県)、ポロロッカ千石店(東京都)の他、都心型のスーパーコンビニエンス機能を有した小型実験店舗2店舗の合計4店舗を新設し、・・」とのことで、これを見ても、マルエツの財務内容が改善しつつあることがわかる。結果、フリーキャッシュフローは13.01億円(昨年62.09億円)と、プラスとなり、順流のキャッシュフローである。

   この時点で配当への原資が生まれたことになり、数年前と比べ財務の安定度が増していることがわかる。そして、財務キャッシュフローであるが、-13.77億円(昨年-61.74億円)と、昨年よりは、投資キャッシュフローに重点を置き、フリーキャッシュフローが少ない分、配分金額が少なくなった。その中身であるが、有利子負債への返済が-6.21億円(昨年-41.49億円)であったので、この中間では、有利子負債への配分が昨年と比べ減っており、その分が投資、出店関連に回された形である。結果、有利子負債であるが、296.77億円(前本決算時:302.98億円)と、わずかであるが、削減しており、300億円の水準を切ることとなった。これは、総資産1,284.64億円の23.1%であり、決算公開企業の平均が27.7%であるので、この水準を下回っており、財務の改善が進んでいるといえよう。

   そして、肝心の配当であるが、7.47億円(前期無配)となり、配当への配分が中間決算でも可能となった。結果、トータル、-0.76億円(昨年0.33億円)となり、ほぼ営業キャッシュフローの範囲内で投資、財務を賄っており、キャッシュが順調に循環し、財務体質が向上している。この中間では、財務キャッシュフロー、特に有利子負債へのキャッシュの配分が、投資キャッシュフロー、特に出店関連へ厚く配分したため、十分でなかったといえるが、全体としては、順流、善循環のキャッシュフローである。

   このように、マルエツの財務状況は確実に好転しており、営業キャッシュフローの範囲内で投資、財務キャッシュフローをほぼ賄っており、配当もこの中間では1株3円であるが、配分できるまでに回復した。今後、さらにマーチャンダイジングを強化し、収益力をあげてゆければ、有利子負債の削減も進み、さらに、財務体質が改善されよう。ただ、今期後半は、消費環境、競合店の価格訴求等がより厳しくなることが予想されるので、この堅調なマルエツの収益力、財務状況が維持できるかどうか、注目である。

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October 21, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 20, 2009

大黒天物産、2010年5月、第1四半期、増収増益!

   大黒天物産が10/6、2010年5月期の第1四半期決算を公表した。第1四半期は6/1から8/31までの3ケ月であり、ちょうど、2月期決算の後半部分と重なり、現在公表されている2月期決算の企業と同時期の経営状況といえ、厳しい消費環境、経済情勢を反映した決算結果である。その結果であるが、売上高192.81億円(108.6%)、営業利益10.15億円(127.4%:売上対比5.26%)、経常利益10.11億円(128.9%:売上対比5.24%)、当期純利益5.46億円(129.1%:売上対比2.83%)と、増収増益の好決算であった。ここ最近公表された食品スーパーマーケット業界の中間決算では減益となる決算が多く、多くの食品スーパーマーケットが苦しむ中、大黒天物産の決算は絶好調といえ、改めて、この厳しい消費環境の中で、ディスカウント戦略の優位性が鮮明になったといえよう。

   特に、利益はいずれの段階でも約130%の伸びであり、売上げ以上に利益が大きく伸びているのが特徴である。その要因を原価、経費面から見てみると、原価は77.09%(昨年77.74%)と、0.65ポイント下がっており、多くの食品スーパーマーケットが売価が下がり、原価高になる中、原価が下がっており、結果、売上総利益(粗利)は22.91%(昨年22.26%)と、上昇している。この22.91%の売上総利益であるが、トップクラスの低い数字であり、ディスカウント路線が鮮明である。

   前期本決算の決算公開企業の売上総利益が低い順に見てみると、トライアルカンパニー15.6%、アオキスーパー16.6%、PLANT 19.3%、マルミヤストア19.9%、オーケー19.9%、マルキョウ20.2%、スーパーバリュー20.9%、マルヤ21.2%、タイヨー21.4%、スーパー大栄21.4%、イズミ22.0%、アークス22.8%、大黒天物産22.9%という順であり、大黒天物産は13位であった。今回の第1四半期決算の結果は、22.91%であるので、恐らく、同じ位置にあると思われるが、極めて低い数字である。全体平均が25.2%であるので、同じ原価であれば、約10%は低い売価政策が可能であり、価格訴求力が強いといえよう。

   一方、経費の方であるが、17.64%(昨年17.76%)と、昨年より0.12ポイント下がっており、経費削減も進んでいる。したがって、原価、経費双方が下がり、ダブルで利益への貢献があり、結果、営業利益は5.26%(昨年4.50%)と、大きく利益が改善している。ちなみに、この経費比率であるが、これも決算公開企業の中では、前期本決算の状況を見ると、オーケー14.9%、トライアルカンパニー16.3%、アオキスーパー16.8%、大黒天物産18.0%という状況であり、この第1四半期決算の数字も4番目であり、粗利以上に、極めて低い経費比率である。まさに、ディスカウント業態特有の経費比率といえ、低い数字である。

   これを受けて、大黒天物産のキャッシュフローの状況を見てみたい。本来であれば、これだけ増益となったので、キャッシュフローも好調な状況が期待されるが、今期は、法人税が影響し、営業キャッシュフローが-0.88億円と、マイナスとなった。大黒天物産の営業キャッシュフローの特徴は、通常の食品スーパーマーケットでは当期純利益と減価償却費の関係が50%対40%ぐらいであるが、80%対20%ぐらいであり、減価償却費が極端に少ないのが特徴である。これは、新規出店が少ないわけではなく、出店にかかわる資産が居抜き物件等が多いために極端に小さくなるためであり、これが、経費を大きく下げている一因でもある。したがって、当期純利益がその分大きくなる傾向があり、高収益にもつながっているといえる。

   一方、投資キャッシュフローであるが、-11.40憶円(昨年-1.97億円)と、今期は大きく増加している。これは、今期、10億円の定期預金への預け入れがあったためであり、これを差し引くとむしろ昨年よりも低い状況である。出店関連は1.35億円であり、これは大黒天物産の1店舗当たりの出店関連資産が前期決算では1.65億円であるので、ほぼ1店舗分の新規出店への投資といえよう。営業キャッシュフローがマイナスの分、投資を抑制したのはないかと思われる。結果、フリーキャッシュフローは-12.29億円(昨年1.93億円)と、マイナスとなり、逆流となった。

   当然、このマイナス分を補う必要があるが、財務キャッシュフローを見ると、-3.83億円(昨年-4.19億円)と、さらにマイナスである。その中身は、有利子負債の返済が-2.20億円、配当-1.63億円等であり、ここでもマイナスとなり、結果、トータル、-16.12億円の現金を取り崩しての、キャッシュフローの相殺である。その結果、大黒天物産の有利子負債は24.00億円(昨年26.00億円)となり、総資産207.71億円の11.5%となった。純資産の増加もあり、結果、自己資本比率は54.0%(49.7%)と向上した。

   それにしても、これだけのキャッシュフローのマイナスを現金を取り崩して補った形であるが、現在、大黒天物産の現金は63.83億円であり、これは総資産の33.1%となる。これだけの現金を保有している食品スーパーマーケットはアオキスーパーの34.4%ぐらいであり、豊富なキャッシュを背景にした異例のキャッシュフローの流れであるといえ、通常では見られない、キャッシュの遣り繰りである。

   このように、大黒天物産の2010年5月期のはじめての決算、第1四半期が公表されたが、増収、大幅増益と絶好調な結果となった。その中身も原価、経費双方が下がった上での増益であり、ますます、大黒天物産のディスカウント政策が深まり、消費者に強く受け入れられたといえよう。今後、さらに、消費環境が厳しくなる中、豊富なキャッシュを武器に、さらにディスカウント路線が強みを発揮するのではないかと予想され、今期、大黒天物産の決算は恐らく好決算が期待されよう。

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October 20, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 19, 2009

IFRS(国際会計基準)と食品スーパーマーケットについて

   いよいよ、この6月に公表された金融庁のIFRS(国際会計基準)の中間報告によれば、日本でも2010年3月期決算から、IFRS(国際会計基準)での決算の任意適用がはじまり、2015年か2016年には上場企業への連結決算での強制適用が義務づけられることとなった。したがって、食品スーパーマーケット業界も、上場企業はIFRS(国際会計基準)への対応が避けて通れなくなり、今後、いかに、IFRS(国際会計基準)に対応するための、経営体制の整備が必須といえよう。そこで、ここでは、食品スーパーマーケット業界が現時点で、2015年のIFRS(国際会計基準)適用に向けて、どのような対応をすべきかについてまとめてみたい。

   IFRSは、International Financial Reporting Standardsの略で、一般には国際会計基準と呼ばれている、国際的な会計の仕組みである。すでに、EUでは2005年から適用が始まっており、アメリカ、カナダでも2011年から適用がはじまる。アジアでは中国がすでに2006年から、韓国、インドは2011年から適用がはじまり、世界の主要国では日本が最も遅く、2015年からの適用となる。

   では、これまでの日本の会計の仕組みとどこが違うかであるが、これまで以上に、より投資家からの視点が重視され、P/L(損益計算書)よりも、B/S(貸借対照表)、CF(キャッシュフロー計算書)が重視されることとなる。名称も、B/Sが財政状態計算書、P/Lが包括利益計算書、CFはそのままキャッシュフロー計算書であるが、に変わり、この言葉が表現しているように、投資家にとって最も重要なキャッシュの状況、財政状況を把握しやすく、しかも、全世界の企業を比較しやすくするためのものであるといえよう。したがって、当然のことであるが、これまで以上に、日本の企業が世界の投資家からの投資対象になると同時に、日本の投資家も世界の企業を投資対象にできることになり、まさに、日本が世界の投資市場に組み込まれることになる。

   そこで、食品スーパーマーケットにとって、このIFRS(国際会計基準)への対応であるが、まず、すぐに対応すべき課題としては、IFRS(国際会計基準)はB/S(貸借対照表)を主として重視し、P/L(損益計算書)を従としているため、これまでのP/L重視から、B/S重視へと視点を変える必要があることである。特に、食品スーパーマーケットは資産の50%以上が固定資産で占められているため、これらが、いわゆる公正価値(時価)で評価され、これまで以上に純資産の変動が大きくなる可能性が高く、これとP/Lの営業利益(IFRSでは事業利益)との関係で包括利益が計算されることになり、利益そのものの概念がP/Lのイメージから、B/Sのイメージに大きく変わり、B/Sの利益をしっかり把握する必要があるという点である。したがって、これまで以上に、慎重な投資(食品スーパーマーケットでは新店開発)が求められ、かつ、将来に渡っての公正価値の予想が重要であり、この投資判断ひとつで、利益が吹っ飛んでしまいかねないことになろう。

   そして、逆に、これはキャッシュ重視へともなろう。IFRS(国際会計基準)自身もCF(キャッシュフロー計算書)は重視しており、P/Lの包括利益の中でも事業の収益はまさにキャッシュを表しており、包括利益の中で財務の利益がマイナスになった場合は、それをどれだけ補っているかが明確になり、そのためには、キャッシュをいかに高められる経営体制を作れるかが問われよう。これまで以上に、食品スーパーマーケットにとっても最も重要なキャッシュの獲得、マーチャンダイジング力が問われるところである。

   一方、全く視点を変えて、もうひとつ重要なことは、M&Aへの対応であろう。IFRS(国際会計基準)の適用により、世界の企業と会計面で一本化されるので、世界の投資家はもちろん、海外大手小売業にとっては、日本の食品スーパーマーケットを買収しやすくなり、同時に、日本の食品スーパーマーケットも国際的な資金調達も可能となるので、海外の小売業を買収しやすくなる。ただ、当面は日本から海外よりも、海外から日本の方が強いニーズがあると思うので、買収されないような防衛策を打つと同時に、時価総額を高める経営を心掛ける必要があろう。恐らく、その前に、国内の食品スーパーマーケット間、異業種間のM&Aが先に先行するのではないかと思う。時価総額を高めるためにも、買収防衛策を打つためにも、そして、純利益を増強するためにも、規模の拡大は避けて通れないからだ。今後、2015年までに、食品スーパーマーケット業界でも、大小、様々なM&Aが起こるのではないかと予想される。

   IFRS(国際会計基準)の上場企業への強制適用は日本では2015年であり、まだ、金融庁からは、この6月に中間報告が出たばかりである。そこで示されたロードマップにしたがって、今後、様々な議論を各界で積みあげ、体制整備がなされてゆくものと思われる。食品スーパーマーケット業界もこの流れの中で、経営体制を整備する必要があるといえ、これを機会に経営そのものを、これまでのP/L重視から、B/S、CF重視へ転換してゆく良い機会ととらえてゆくべきであろう。世界の投資家、小売業を視野にいれつつ、一方で、食品スーパーマーケットにとって最も重要なキャッシュを生み出す大本のマーチャンダイジングを、キャッシュという観点から根本的に見直してゆくべき良い機会でもある。

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October 19, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 18, 2009

ライフコーポレーション、2010年2月、中間、増収減益!

   ライフコーポレーションが、10/13、2010年2月期の中間決算を公表した。結果は、営業収益2,357.45億円(102.4%)、営業利益43.24億円(77.7%:営業収益比1.83%)、 経常利益41.45億円(76.8%:営業収益比1.75%)、当期純利益23.29億円(80.7%:営業収益比0.98%)となり、増収とはなったが、利益はいずれの段階でも減益となる厳しい決算となった。昨年は増収大幅増益であったので、今期は一転、利益が厳しい状況である。ライフコーポレーション自身も、「・・依然として厳しい雇用環境の下、生活防衛意識のますますの高まりから消費はさらに減退し、業界は低価格競争に走るなど凄惨を極めております。・・」と、コメントしており、ここへ来て、食品スーパーマーケットを取り巻く消費環境、競合状況が急激に悪化している様相を呈してきたといえよう。

   また、堅調な売上高についても、「既存店において各取組の相乗効果により客数は前年同期比101.0%と増加したものの、生活防衛意識の高まりや競合激化により販売単価が下落し売上高は若干の減少となり、・・」とのことであり、新店5店、大谷田店(4月、東京都)、太平寺店(5月、大阪府)、三津屋店(6月、大阪府)、吉祥寺駅南店(7月、東京都)、なんば店(7月、大阪府)によるところが大きく、厳しい状況であったといえよう。

   一方、利益の方であるが、原価、経費面を見てみると、原価は74.05%(昨年73.80%)と、0.25ポイント上昇し、結果、売上総利益は25.95%(昨年26.20%)と、下がった。これに対して経費であるが、26.69%(昨年26.31%)と、0.38ポイント上昇し、結果、原価、経費双方が上昇し、ダブルで利益を圧迫している。ここから、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力を算出すると、-0.74%(昨年-0.11%)と、昨年同様、マイナスではあるが、その幅が拡大しており、厳しい状況である。これに不動産収入、物流収入等のその他営業収入が2.63%(昨年2.59%)のり、営業利益は1.89%(昨年2.48%)となった。その他営業収入は若干プラスとはなったが、原価、経費双方が上昇し、利益を圧迫しており、価格競争による売価ダウン、既存店の伸び悩みによる、固定費の増加が経費を圧迫したものと思われる。

   これを受けて、ライフコーポレーションのキャッシュフローの状況を見てみたい。現在、ライフコーポレーションは、昨年度よりスタートした「第三次中期3カ年計画」の「12の課題」に取り組んでいる。これは、自己資本比率が26.8%(昨年24.8%)と、極めて厳しい状況にあり、負債に約75%負う経営構造となっているため、経営が負債に圧迫され、負債の圧縮を最優先に取り組まざるを得ない状況にあるためである。したがって、営業キャッシュフローを高め、投資キャッシュフローを抑制し、財務キャッシュフロー、特に有利子負債の返済へ最優先でキャッシュを配分したいところである。

   そこで、まず、財務キャッシュフローを見てみると、-52.99億円の長期借入を返済しているが、新たに122.10億円の長期借入、25.40億円の短期借入を起こしており、結果、差し引き94.51億円の有利子負債が増加している。結果、貸借対照表の負債の有利子負債は、613.00億円(昨年本決算時518.49億円)と、大幅に増加しており、総資産1,617.17億円に占める割合は37.90%(昨年本決算時31.31%)と、さらに経営に重くのしかかっている。結果、財務キャッシュフローは107.28億円と大幅なプラスとなった。

   このような状況がなぜ起こったかであるが、これは、営業キャッシュフローの仕入れ債務が、昨年本決算日が金融機関の休日と重なったため、この中間決算期間で-147.87億円支払ったためであり、結果、営業キャッシュフローが-93.31億円と、通常ではプラスになるところが大きくマイナスになり、資金不足が発生したためである。当然、負債の買掛金が激減しており、結果、自己資本比率は有利子負債以上の仕入れ債務の支払いがあったため若干プラスになったが、そのために、有利子負債を増やさざるを得なくなったことが響いている。

   したがって、営業キャッシュフローは-93.31億円、投資キャッシュフローは、新店への投資がなされ、-55.80億円となり、フリーキャッシュフローは合計-149.11億円と、ちょうど仕入れ債務分マイナスとなり、この分がそっくりキャッシュ不足となった形である。財務キャッシュフローは107.28億円であるので、トータル-41.83憶円と、現金もとり崩しており、この中間決算でのライフコーポレーションのキャッシュフローは通常とは違い、イレギュラーな状況となった。

   このように、ライフコーポレーショオンの中間決算を見ると、本来、マーチャンダイジング力を高め、収益力を増し、営業キャッシュフローを増大させ、豊富なキャッシュフローをもとに投資を抑制し、財務キャッシュフロー、特に、有利子負債の削減を最優先で進めたいところであったが、減収、仕入れ債務のイレギュラーな支払いが発生し、キャッシュ不足が生じ、有利子負債が逆に増加するという状況となった。今後、残された後半、ライフコーポレーションがどこまで、「12の課題」をこなし、財務改善に踏み込めるか、その動向に注目である。

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October 18, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 17, 2009

NHK、特報首都圏、10/16、加熱するポイントサービス!

   10/16、NHKの19時30分から特報首都圏の番組でポイントカードが取り上げられた。テーマは「過熱、ポイントビジネス」であり、ポイントカードの実態を消費者側と企業側、双方から取り上げた興味深い内容であった。冒頭に、ポイントの発行金額の概算が示されたが、現在、日本では約8,000億円のポイントが発行されているという。これに、国が発行しているエコポイントを加えると、優に1兆円を超えたといい、ポイントはいまや、巨大な市場になったという。

   番組では、はじめに、吉田さんというある主婦の方のポイントカードの使い方が紹介された。何と、吉田さんは約40枚のポイントカードをもっており、ポイントを使える店を選んで買い物をしているという。さらに、インタンーネットショッピングもよく使い、特に、米は必ずインターネットで買うという。結果、毎月、3,000円のポイントを獲得しているといいい、吉田さんは、「知っていると得になる。得が主婦のキーワードだ」と、インタビューに答えていた。

   続いて、番組では、経済評論家の森永卓郎さんが、インタビューを受け、ポイントカードの解説をはじめるが、森永さんは、先ほどの主婦、吉田さんよりもさらにポイントカードを持っているといい、40枚から50枚のポイントカードが映し出される。びっくりである。その森永さんは、ポイントカードについて、「消費者はおまけの文化で育っているので、日本の消費者が慣れている。真面目な消費者、忍耐強い消費者が日本の独特の文化となり、普及した」というような趣旨を述べていたのが印象的であった。

   確かに、食品スーパーマーケット業界では、大手以上に中小の方がむしろ早くからポイントカードを導入しており、しかも、首都圏よりも地方の方がポイントカードへの対応は早かったといえる。食品スーパーマーケットの客層の大半は主婦であり、まさに番組のはじめに登場した吉田さんのような主婦が大半である。普及率、使用率も極めて高く、ほぼ来店客の80%ぐらいはポイントカードを使用しており、店舗の商圏のほとんどをカバーしているのが実態といえよう。

   食品スーパーマーケットの場合は、ほぼ0.5%から1%ぐらいの還元率であるので、仮に、同じ食品スーパーマーケットで週3回、2,000円の買い物をしているとすると、週6,000円、5週間で30,000円となるので、月、150円から300円のポイントが付くことになる。ちなみに、家計調査データの最新、8月度を見ると、家計1世帯当たりの月間の消費額は約300,000円であり、仮に、この消費額に1%のポイントがつくと、3,000円であるので、番組に登場した吉田さんは、恐らく、40枚のポイントカードとインターネットを使い、すべての消費をポイントのつく店舗だけで購入しているのではないかと推測される。確かに、300円では得かどうか微妙なところだが、3,000円になれば確かに得であろう。こう見ると、今後、家計すべての支出にポイントをつけようという発想が主婦の間に急激に広がっていってもおかしくないといえよう。

   一方、NHKの番組では企業側についても取材されており、その目的を顧客の囲い込にあるとし、その典型的なポイントカードとして、CCC(カルチャーコンビニエンスクラブ)のTカードを取り上げている。すでに、カード会員が3,300万人に上るといい、特に、このTカードをコンビニのファミリーマートが採用し、様々な新しい取り組みが始まっているという。たとえば、「相互相客」という手法で、Tカードの加盟店のTUTAYAとファミリーマートの顧客を相互誘導することも瞬時にできるという。購入履歴がリアルタイムでCCCのホストに蓄積されるため、TUYAYAでレンタルビデオを借りたお客さまにファミリーマートのクーポン券を出したり、その逆も可能であり、双方の顧客を共通の顧客として、様々なサービスの提供ができるという。また、ファミリーマートでは、常連客のみポイントを2倍にするなどの試みもしているという。将来的には、Tカードは100社、6,000万人まで増やしてゆく方針であるというので、この「相互相客」がダイナミックに実現する日も近いといえよう。

   さらに番組では、イオンのWAONについても取材がなされ、特に商店街との提携により、街づくりそのものにポイントカードを活用しようという試みである。意外に相性が良いようで、取材を受けた商店街では60店舗がWAONを使っており、リピートのお客様が増えているとのことで、大手小売業と商店街との共存共栄を目指しているという。

   番組ではこれらの取材のまとめとして、野村総研の安岡寛道さんとNHKのキャスターとの間でポイントカードについての議論がはじまるが、印象的であったのは、「主婦は、むかしは1円でも安い店を、いまは、1ポイントでもポイントのつく店を探している」とのことである。しかも、「ポイントを資産と消費者は見ている。87.6%はお金と同じ重要な価値と認識」との野村総研の調査では明らかになったという。一方、企業はポイントをおまけととらえがちであり、ここに、番組でも取材していたが、様々なトラブルが発生する遠因があるといい、今後は、「世界に類を見ないポイント文化を成熟させることも重要では、・・」と結んでいる。

   改めて、ポイントカードを見てみると、確かに、ポイントがいまや、日本の文化といっても良いくらい、身近に、深く浸透し、しかも、ポイント金額が1兆円を超え、経済的にもインパクトを与える数字にまでなった。食品スーパーマーケットのポイントカードも、お店からの視点だけでとらえるのではなく、社会全体の中での役割という視点を導入しても良いのではと、この番組を通じて感じた。

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October 17, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

October 16, 2009

アークス、2010年2月、中間、増収減益、守り固める!

   北海道のアークスが10/13、2010年2月期、中間決算を公表した。結果は、売上高1,279.73億円(100.6%)、営業利益40.10億円(86.9%:売上対比3.1%)、経常利益44.01億円(87.6%:売上対比3.4%)、当期純利益23.68億円(81.5%:売上対比1.9%)と、わずかに増収とはなったが、利益はいずれの段階でも減益となり、厳しい決算となった。アークス自身も、「小売業界におきましても、低調な個人消費の動向を受け、低価格訴求を軸にした商品価格の値下げ圧力が一段と強まり、競争環境は一層厳しさを増し、・・」と、コメントしているように、価格競争の厳しさが反映されたものといえよう。

   実際、原価、経費面から、減益の要因を見てみると、原価は77.70%(昨年77.45%)と、昨年よりも0.25ポイント上昇しており、結果、売上総利益は22.30%(昨年22.55%)と、若干下がっており、競争激化により、売価が下がったものと推測される。一方、経費の方であるが、19.16%(昨年18.91%)と、0.25ポイント上昇しており、原価、経費双方で合計0.50ポイント利益を圧迫し、減益となったことがわかる。

   特に、経費減について、アークスは、「前年4月からグループ各社に順次展開していたグループ統一カードが当期においては期初からグループの全店舗に展開されているため、販売費及び一般管理費のうちカードポイント費用が5億47百万円増加し、・・」と、コメントしており、経費増の要因はポイントカード費用であるとしている。実際、5.47億円は今期のアークスの経費金額245.22億円の2.23%にあたり、売上対比でも0.42%に匹敵するので、かなり、経費に重くのしかかっているといえよう。

   このアークスのポイントカードであるが、すでに135万人の会員がおり、アークスのみでポイントが使用できるだけでなく、北海道の様々な企業で活用が可能であり、ハウスカードからリージョナルカードへとなりつつある。この8月にも得タク加盟タクシーと提携し、乗車料金300円で6ポイントが付与されるという。また、自動車学校、ガソリンスタンド、フラワーショップ等とも提携し、今後、「地域のライフラインとして、豊かな暮らしに貢献」する流通企業グループとして、競争が激化する道内流通マーケットの中でお客様に選ばれるために、ポイントサービスを機軸として顧客満足度の向上を目指し、・・」とのことで、まさに、北海道のリージョナルカードを目指したポイントカードである。これは、イオンのWAONに対抗するものといえ、北海道では、店舗間競争だけでなく、ポイントカードを通じたカード競争が激しさを増しつつあるといえよう。

   さて、これを受けてキャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは70.06億円(昨年72.51億円)となり、昨年とは大きな変化はなかった。これに対して、投資キャッシュフローであるが、-9.40億円(昨年-22.14億円)と、大幅に減少している。これは、出店関連の投資が-8.10億円(昨年-23.62億円)と、激減していることが大きいといえる。アークスは現在173店舗であり、出店に関する土地、建物、敷金保証金等の合計は781.84億円であり、総資産1,003.26億円の77.9%であり、1店舗当たりに換算すると4.51億円である。したがって、昨年は5.2店舗に当たる出店関連の資産を取得していたが、今期は、1.5店舗であり、新規出店への投資を控えたことが原因といえよう。結果、フリーキャッシュフローは60.66億円(昨年50.37億円)と、潤沢な金額となった。

   そして、財務キャッシュフローであるが、-43.43億円(昨年-25.33億円)と、大きく増加している。したがって、投資を控え、財務改善にキャッシュを振り向けたことになるが、その中身は、-35.49億円の有利子負債への返済である。昨年は-17.87億円の返済であったので、約2倍返済金額を増やしており、キャッシュのウェート、新店を抑制し、返済にかけた形である。結果、有利子負債は76.90億円(2009年決算時112.40億円)と、大きく減少しており、総資産に占める割合は7.66%と10%を切っており、自己資本比率も61.0%(昨年59.8%)と向上している。このまま、返済が続けば、2年で無借金経営が可能となり、自己資本比率も70%近い、より健全な堅固な財務状況となろう。

   こう見ると、アークスは昨年の積極的な新規出店戦略から、一転、財務健全化戦略に切りかえ、投資を抑制し、その余剰キャッシュを有利子負債の返済に振り向け、財務基盤を固めたといえよう。この厳しい消費環境の中、積極的に攻めるのではなく、一歩引いて、戦闘態勢を整えるという経営戦略の転換といえる。

   最後にトータルのキャッシュフローであるが、17.23億円(昨年25.03億円)と、昨年よりは若干下がったが、内部留保も増加しており、現金は83.68億円(昨年90.54億円)となり、有利子負債76.90億円を相殺しており、事実上、この中間決算で無借金となったといえよう。

   このように、アークスの2010年2月期の中間決算は増収減益となる厳しい決算となり、原価、経費双方が上昇し、利益をダブルで圧迫した結果となった。それだけ、北海道の消費環境は厳しさを増し、競争が激化しているものといえよう。このような中、アークスは、ポイントカードを活用し、既存顧客の来店頻度を引き上げる、既存店の活性化策に力を入れる一方、新規出店への投資を抑制し、財務の健全化に大きく舵を切っており、ここは、攻めるのではなく、あえて、一歩退く経営戦略をとっている。今後、アークスがこの健全な財務状況を基盤に、いつ積極策を打ち出すかに注目したい。

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October 16, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 15, 2009

商談前の決算チェック、セミナー、終了!

   本日、10/14、「スーパーマーケット、商談前の決算チェック、ここが提案ポイント」(株式会社マーケティング研究協会)のセミナーが無事終了した。前半約2時間は商談前の決算チェックについて、P/L編、B/S編、CF編に分けて実際の食品スーパーマーケットの決算数値をもとに解説をした。その後、休憩、コーヒーブレイクをはさんで、後半約2時間は決算公開企業を7つのエリアに分けて、それぞれエリアごとに各食品スーパーマーケットの商談前の決算チェックをP/L、B/S、CF面から行い、各エリアでどの食品スーパーマーケットの経営が最も安定しており、競争優位にあるかを解説した。そして、最後に、決算書から独自格付けを行い、まとめを行った。

   以上、約4時間のセミナー内容であったが、あらためて、財務3表連環表をもとに商談前の決算チェックという観点から、決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットを俯瞰してみて、各食品スーパーマーケットの経営の実態を私自身も、解説をしながら、改めて認識できたこともある。通常、決算は速報値として、決算短信が公表されるが、これは、当然といえば、当然で、縦書きになっている。したがって、各指標を比較しにくく、特に、P/L、B/S、CFの関係を見るには縦に目を通し、上へ下へといったり来たりして、数字を見なければならず、さらに、再計算、並び替え、新たな指標作成などは抜き出さないとできない。しかも、数社を比較するとなると、決算短信を並べて、比較することになり、実用的ではない。

   今回のセミナーでは、すべてのテキストのページで決算数字を横に並べ、比較しやすいようにし、さらに、縦に各社の指標を並べたので、財務諸表としても、分かりやすかったのではないかと思う。ただ、たくさんの財務諸表を見てもらいたく、一覧表に各指標、各社を詰め込んでしまったので、数字、文字が小さくなってしまったのが気になっているが、テキストとしては、単純な決算短信や財務諸表よりも分かりやすく仕上がったのではないかと思う。

   財務3表(P/L、B/S、CF)は実際、連環しており、本来、別々に見るものではなく、一緒に、連環図をイメージしながらみるとわかりやすく、そこから、今回のテーマ、商談への活用を考えることがポイントといえる。今回、特に、力を入れて解説したのが、キャッシュフローであるが、食品スーパーマーケットの経営は実際、キャッシュフローを起点に考えると分かりやすい。これも、決算短信では、通常、B/Sが来て、次にP/Lが来て、最後に、CFとなるが、CFとP/Lは当期純利益のところが連環しているのみであり、むしろ、B/Sとの連環性の方が高く、B/SとCFを並べた方が、食品スーパーマーケットの経営の実態はつかみやすいといえる。実際、今回のテキストでは、後半の各エリアごとの食品スーパーマーケットの解説では、P/Lは別にしたが、B/SとCFは一緒にし、CFを上、B/Sを下に配置し、連環性を明確にした。

   ちなみに、CFとB/Sはどこがどう連環しているかであるが、CFの営業キャッシュフローの約40%は減価償却費から来ており、B/Sの出店関連の資産とまず連環する。また、そのB/Sの出店関連の資産はCFの投資キャッシュフローとも連環し、CFの投資キャッシュフローの出店関連資産がそのままB/Sに連環する。さらに、B/Sの有利子負債もCFの財務キャッシュフローと連環し、CFの財務キャッシュフローの借入と返済、そして、その差を見ることによって、B/Sの有利子負債がどのように今後なってゆくかが判断できる。さらに、CFの最終、トータルを見れば、BSの現金が増加しているのか、取り崩しているのかもわかる。このように、ちょっと見ただけでも、CFとB/Sは極めて連環性が高く、この2つの財務諸表は連環させてみることがポイントであるといえよう。実際、今回のセミナーでは、テキストもそう作成したが、解説も、この連環性を重視して各食品スーパーマーケットの実態を見てみたので、単純に決算短信を見るよりは、分かりやすかったのではないかと思う。

   今回、改めて認識したのは、先にも述べたがCFの重要性である。食品スーパーマーケットはいかにキャッシュを生み出すか、また、それをいかに投資と配当に回すかが極めて重要な経営戦略そのものであるということである。そして、その大本のキャッシュをうみだすには、いかに、マーチャンダイジングを強化するか、逆にいえば、マーチャンダイジングとは、いかにキャッシュを生み出すかにあるという事実であり、実態である。

   これまで、約20年に渡ってPI値を研究開発してきたが、今回、財務3表連環分析にもとづく、商談前の決算チェックをまとめてみて、PI値はまさに商品からキャッシュを生み出すためのマーチャンダイジング理論であり、また、いま新たに開発しているIDPI値は顧客からのキャッシュを生み出すマーチャンダイジング理論であることが明確になり、これが結果的に、財務3表に連環してゆき、企業経営そのものを根底から変えてゆけるのではと、今回セミナーを通じて改めて再認識できた。

   今後、今回のセミナーを機に、商談前の決算チェックの内容をさらに充実させることはもちろん、新たに、PI値、IDPI値をも組み込んだマーチャンダイジング強化のCF経営にもとづく経営改革の支援を行ってゆければと思う。

   最後に、今回、セミナーにご参加された皆様、改めて、ありがとうございました。

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October 15, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 14, 2009

オオゼキ、2010年2月期中間、増収減益、MBO成立!

   オオゼキが10/8、2010年2月期の中間決算を公表した。結果は、売上高347.25億円(104.5%)、営業利益23.68億円(89.8%)、経常利益 24.21億円(90.0%)、当期純利益13.99億円(87.2%)と、増収とはなったが、利益がいずれの段階でも約10%ダウンし、減益となった。これまで公表された食品スーパーマーケット各社も減益となる決算があいついでいるが、食品スーパーマーケットの中でも好調なオオゼキも減益となり、改めて、食品スーパーマーケット業界全体が厳しい経営環境に置かれていることが鮮明になったといえよう。

   オオゼキが減益になった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、75.72%(昨年75.29%)となり、昨年と比べ0.43ポイント上昇している。結果、売上総利益は、24.28%(昨年24.71%)となり、いわゆる粗利が下がっており、この時点で利益が減少している。

   一般に、原価が上昇する要因は、仕入れ価格が上昇し、売価に転嫁できない場合が多いが、ここ最近の動向は、各社PB拡販の動きなどもあり、仕入れ価格はむしろ、下がり気味であるといえ、この面からの原価の上昇圧力は弱いといえよう。したがって、原価の上昇は売価面での下落が大きいのではないかと推測される。売価が下がると、それに応じて原価を下げられれば粗利は下がらないが、原価を下げられない場合は、その分、原価が相対的に上昇することになり、結果、粗利が減少することになる。実際、オオゼキのこの中間決算までの累計の平均単価は99.32%(昨年累計101.35%)であり、下がっており、後半スタートの9月度は95.86%とさらに下がっている。したがって、この原価上昇は、消費者の節約志向を踏まえた競争の激化による売価ダウンが大きいといえよう。

   一方、経費であるが、18.46%(昨年17.80%)と、0.66ポイント上昇しており、経費の上昇も見られる。経費の上昇については、一般的には既存店の売上が落ちると相対的に固定費が上昇し、経費が上昇することがあるが、オオゼキの第2四半期までの累計の既存店の売上は、102.06%であり、好調である。したがって、経費上昇要因はこれ以外の要因といえ、恐らく、4月に市川店を新規出店、池上店、祖師谷大蔵店の改装を実施しており、これらの費用がかさんだものと思われる。ただ、結果として、原価、経費双方の上昇が見られ、利益がダブルで圧迫を受け、減少しており、これまで、好調に推移してきたオオゼキも経営環境が厳しさを増しつつあるといえよう。

   そして、ここから、差し引き、マーチャンダイジング力を算出すると、5.82%(昨年6.91%)となり、昨年と比べ1.09ポイントのダウンであり、厳しい結果といえよう。ただ、昨年の決算で食品スーパーマーケット決算公開企業で5.0%以上のマーチャンダイジング力はオオゼキ6.7%、ホームセンター主体であるがアークランドサカモト5.3%、オーケー5.0%、大黒天物産4.9%であり、以下、3%台であるので、依然として、この中間決算でもオオゼキがNo.1であると思われ、昨対を割ってはいるが、極めて高い数字である。

   ちなみに、オオゼキのマーチャンダイジング力を支える商品戦略は圧倒的に青果を強化し、ついで、日配、食品を強く打ち出すところにある。この中間決算での売上構成比を見ると、青果22.8%(伸び率107.7%)、日配19.2%(104.7%)、食品18.3%(104.8%)であり、全体の伸び率が105.72%であるので、青果をさらに強化していることがわかる。他の生鮮食品の鮮魚12.6%、精肉12.0%であるので、青果が突出しており、この青果強化による集客力がオオゼキのマーチャンダイジング力の源泉といえよう。

   そして、営業利益であるが、このマーチャンダイジング力に、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が0.98%(昨年1.03%)のり、結果、6.80%(昨年7.94%)となり、1.16ポイントの減益となった。したがって、減益の要因は原価、経費双方が上昇し、さらに、その他営業収入が若干減少したことにあるといえ、結果、6.80%という食品スーパーマーケット業界としては極めて高い数字ではあるが、減益となった。それにしても、トリプルの数字ダウンは気になるところである。

   これに対して、財務面を見ると、依然として超健全な状況であり、自己資本比率は78.3%(昨年77.3%)であるので、さらに上昇しており、有利子負債も0と、負債にほとんど頼ることのない極めて自由度の高い自己資本で可能な経営状況にある。キャッシュフローも営業キャッシュフロー15.00億円(昨年21.09億円)、投資キャッシュフロー-8.86億円(昨年-37.96億円)、結果、フリーキャッシュフローは、6.14億円(昨年-16.87億円)となり、昨年と比べ、フリーキャッシュフローがプラスとなっている。しかも、その中身は、新規出店関連への投資は今期の方が多く、昨年は定期預金、有価証券への支出が増大したことであり、健全なキャッシュフローの流れといえよう。そして、財務キャッシュフローであるが、-5.24億円(昨年-4.88億円)となり、トータル0.88億円(-21.75億円)と改善している。

   このように、オオゼキの2010年2月期の中間決算は増収減益と、利益が減少し、しかもその中身は原価、経費上昇、その他営業収入ダウンという、トリプルでの利益への圧迫である。ただ、営業利益率は依然として、食品スーパーマーケット業界、トップクラスであり、しかも、財務面を見ると、キャッシュフローは逆に改善され、自己資本比率も上昇し、超健全な状況である。この10月にはMBOも成立したことにより、ここはじっくり、経営環境を整え、後半に向けての対応が求められよう。オオゼキが今後、どのように収益改善の対策を打ち出すか、注目したい。

セミナー、本日開催、10/14(水)! お申込みはこちら!

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October 14, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 13, 2009

イオン、2010年2月期中間、減収減益、小売事業激減!

   イオンが10/6、2010年2月期の中間決算を公表した。結果は、営業収益2兆5,266.81 億円(96.9%)、営業利益354.97億円(60.5%:営業収益比1.40%)、経常利益320.77億円(53.7%:営業収益比1.26%)、当期純利益-146.81億円(前期-160.14億円)と、減収減益、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。当期純利益の赤字は前期に続いてであり、イオンの業績が悪化しており、厳しい状況である。特に、営業収益の約70%の構成比となる総合小売業が営業収益97.1%、営業利益わずか6.9%という状況であり、小売事業全体の利益が激減していることが大きく響いたといえよう。

   総合小売業はGMS、SM、コンビニ等からなるイオングループの中核の事業であるが、GMSグループの営業収益は92.4%、営業利益-49.15億円、経常利益-53.50億円、当期純利益-130.49億円という状況であり、赤字の大半がこのGMSグループにあり、GMSは待ったなしのリストラが避けて通れない状況といえよう。また、食品スーパーマーケットも、すでに本ブログでも取り上げたが、厳しい状況であり、増収とはなったが、減益となり、利益面が厳しい状況である。さらに、全体の営業収益の約10%の構成比の専門店も減収減益、当期純利益は-67.51億円の赤字となり、GMSと並び、厳しい状況となった。イオンのこれ以外の事業では、デベロッパー事業とサービス事業があるが、デベロッパー事業は唯一好調、増収増益となったが、営業収益の構成比が2.6%であり、全体を押し上げるまでにはいかなかった。また、構成比約15%のサービス事業であるが、増収減益となり、利益面で厳しい結果となった。

   ちなみに、イオングループ全体の店舗数であるが、GMS 606店舗、SM 1,250店舗、DS 48店舗、HC 127店舗、SuC 33店舗、デパートメントストア1店舗、コンビニ3,383店舗、専門店 4,480店舗、その他129店舗、金融385店舗、外食491店舗、サービス1,121店舗、合計12,054店舗である。

   今回、イオンが2期連続で赤字になった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、72.3%(昨年71.5%)となり、原価の上昇が見られ、結果、売上総利益は27.7%(昨年28.5%)と、粗利が下がっている。本来であれば、トップバリュを強化し、トップバリュの今期売上がグループ全体で3,687億円(126.2%)、イオンリテールにおいては、全体の12.4%にまで構成比が上がっているので、原価改善が図れても良い状況であるが、それ以上にNBの値下げ圧力が大きく、原価の改善につながらなかったものと思われる。

   一方、経費の方であるが、37.4%(昨年36.9%)と、経費も上昇しており、この中間決算では、原価、経費、双方が上昇し、利益をダブルで圧迫している状況である。結果、差し引きマーチャンダイジング力は-9.7%(昨年-8.4%)と、1.3ポイント悪化しており、厳しいマーチャンダイジング構造である。これに物流収入、不動産収入等のその他営業収入が11.3%(昨年10.9%)のり、結果、営業利益が1.6%(昨年2.5%)となったが、大きく減益となっており、厳しい結果となった。

   それにしても、食品スーパーマーケットでは考えられない経費比率とその他営業収入であり、これだけの経費を賄うには、原価を大幅に引き下げるために、トップバリュの構成比を30%から40%にするか、ユニクロ、ニトリなどのSPAの手法を取り入れ、劇的に原価を下げることが必須といえよう。ただ、それでも、この経費構造では厳しいものがあり、経費構造を根本的に組み換える新たな業態開発を行い、GMSを移管するような構造改革が必要といえよう。

   この結果を受けて、キャッシュフローの状況であるが、当期純利益が赤字となったことにより、営業キャッシュフローが370.65億円となり、投資、配当等へのキャッシュ不足が生じている。今期の投資キャッシュフローは-1,922.08億円と多額な投資を実施しており、当然、営業キャッシュフローの370.65億円では賄えず、合計のフリーキャッシュフローは-1,551.43億円と逆流となり、このキャッシュを財務キャッシュフロー、その他で補わざるをえない状況である。特に、投資キャッシュフローの中では、新規出店関連が-1,987.05億円と大半を占め、この投資が重くのしかかっているといえよう。

   一方、財務キャッシュフローであるが、1,032.92億円とプラスになり、その中身は長期借入1,678.99億円、コマーシャルペーパー282.85億円、社債338.64億円に対し、返済1,062.22億円であり、差し引き1,238.26億円の借入となり、有利子負債が増加し、1兆3,359.65億円(前期比118.1%)となり、財務を大きく圧迫する結果となった。ただ、これでもフリーキャッシュフローのマイナスをカバーできず、さらに、現金を486.67億円取り崩している。今期のイオンのキャッシュフローは、多額の投資を補うために新たな借入を行うだけでなく、現金をも取り崩しており、厳しい資金繰りであるといえよう。

   このようにイオンの2010年2月期の中間決算が公表されたが、2期連続の赤字決算となり、特に、中核のGMSを中心とした小売業全体が厳しい結果となった。その結果、キャッシュフローも厳しい状況となり、有利子負債もさらに増加し、現金をも取り崩す結果となり、厳しい経営状況である。今後、後半以降も消費の回復は期待できず、ますます消費環境は厳しいものとなろう。イオンとしては、抜本的な構造改革が必須といえ、後半、この結果を受けて、どのような経営改革を打ち出すかに注目したい。

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October 13, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 12, 2009

続、マックスバリュ5社の中間決算、CF、B/Sを見る!

   前回のブログでマックスバリュ5社の2010年度の中間決算のP/Lについて取り上げた。いずれも厳しい決算結果であり、増収増益は1社もなく、全体として、利益面が特に厳しい決算結果であった。そこで、今回はこの厳しい決算結果を受けて、CFとB/Sがどのような状況となったかを見てみたい。一般に減益となった場合には、営業キャッシュフローが減少し、積極的な新規出店への投資が抑制され、有利子負債が増加するなど財務状況も悪化するケースが多い。また、当然、配当へのキャッシュの配分も十分にできず、減配、配当見合せとなることもある。今回、この厳しい決算結果を受け、マックスバリュ各社がどのような経営決断をしたか、その結果をCF、B/Sから見てみたい。

   まず、CFの状況を見てみたい。営業キャッシュフローであるが、北海道-18.25億円、東北20.10億円、東海27.04億円、中部8.60憶円、西日本42.48億円という状況である。西日本が最も規模が大きいこともあり、最も大きく、42.48億円であり、ついで、東海、東北となる。一方、中部は厳しいものがあり、北海道はマイナスの営業キャッシュフローであり、さらに、厳しいキャッシュフローである。北海道は何といっても赤字決算となったことが大きく、減価償却費、その他の項目でカバーできなかった。また、中部は大幅な減益となったことが響き、これに加え、法人税の支払いも大きかったといえよう。

   次に、投資キャッシュフロー、および、営業キャッシュフローを足したフリーキャッシュフローを見てみたい。北海道-4.57億円(フリーキャッシュフロー-22.82億円)、東北-25.57億円(-5.47億円)、東海-46.43億円(-19.39億円)、中部-25.65億円(-17.05億円)、西日本-67.60億円(-25.12億円)と、5社ともにフリーキャッシュフローがマイナスとなり、営業キャッシュフローで投資が賄えない状況であり、キャッシュ不足が鮮明である。

   そこで、その中身を食品スーパーマーケットにとって、最も重要な新規出店関連の投資を見てみると、北海道-9.03億円(投資キャッシュフローの197.5%)、東北27.03億円(105.7%)、東海54.33億円(117.0%)、中部24.91億円(97.1%)、西日本68.8億円(101.7%)という状況である。営業キャッシュフローの如何にかかわらず、いずれのマックスバリュも新規出店への投資意欲は旺盛であり、単純計算で、投資キャッシュフローのほぼ100%となり、投資キャッシュフロー=新規出店への投資といってもよいくらいの数字である。したがって、フリーキャッシュフローのマイナスの要因は、新規出店への投資が大きいといえ、マックスバリュ各社は営業キャッシュフローが厳しい中でも積極的な投資がなされているといえよう。

   ちなみに、出店関連の資産が総資産に占める割合を見ると、北海道148.04億円(総資産対比56.0%)、東北225.68億円(72.25%)、東海350.50億円(62.7%)、中部299.61億円(72.4%)、西日本412.68憶円(57.8%)という状況である。北海道、西日本が低い数字であり、東北、中部が高めである。また、自己資本比率は、北海道21.6%、東北6.9%、東海63.7%、中部32.3%、西日本45.0%であるので、東海以外は自己資本の範囲内で出店関連の資産を賄うことができず、負債、特に、有利子負債に大きく依存している状況であるといえよう。ここから、差し引き、出店余力を出してみると、北海道-34.4%、東北-65.35%、東海1.0%、中部-40.1%、西日本-12.8%であり、東海のみプラスとなり、他の4社は厳しい状況であり、特に、東北、中部の出店余力が極端に低い数字である。

   そこで、有利子負債の状況を見ると、北海道87.48億円(総資産対比33.1%)、東北125.40億円(41.8%)、東海10.00億円(1.78%)、中部83.62億円(20.2%)、西日本48.74億円(6.8%)であり、東海、西日本はわずかな有利子負債であるが、他の北海道、東北、中部は有利子負債が重く、特に、東北は総資産対比40%を超え厳しい状況である。

   さて、最後のキャッシュフロー、財務キャッシュフローであるが、フリーキャッシュフローが5社ともにマイナスであり、そのマイナスを補う必要がある。したがって、この財務キャッシュフローでどこまで、どのように補っているかであるが、有利子負債の状況を見ると、北海道14.78億円、東北5.07憶円、東海10.00億円、中部6.53億円、西日本46.88億円、とほぼ全社で有利子負債を調達しており、この借入が大きいといえよう。

   そして、財務キャッシュフローとトータルを見ると、北海道14.36億円(トータル-8.45億円)、東北5.06億円(0.41億円)、東海3.19憶円(-16.19億円)、中部4.00億円(-13.03億円)、西日本37.75億円(12.63億円)となり、西日本がトータルが大きくプラスとなったが、これは有利子負に負うところが大きい。最後に配当であるが、北海道-0.41億円、東北なし、東海-6.79億円、中部-2.51億円、西日本-9.11億円という状況であり、北海道、東北、中部の3社が十分に配当への配分ができない状況である。

   このようにマックスバリュ5社の2010年2月期の中間決算の結果は厳しい状況にあるといえ、これがキャッシュフローに大きな影響を与え、営業キャッシュフローが十分に確保できない状況である。ただ、投資に関しては各社積極的な投資がなされているといえる。そのため財務キャッシュフローでカバーせざるをえない状況といえ、有利子負債の調達と、現金の取り崩しで、補わざるをえなくなっており、経営を圧迫しつつあるといえよう。この苦境を脱するには、営業キャッシュフローを高める以外なく、そのためにも、マーチャンダイジング力、現金を調達する力をいかに高められるかが、今後のマックスバリュ各社の最優先課題といえよう。

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October 12, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

October 11, 2009

マックスバリュ5社の中間決算、いずれも苦戦!

   マックスバリュ3社、西日本、東海、東北の2010年2月期の中間決算が出そろった。これで、すでに公表された2010年1月期の決算、中部、北海道を含め、マックスバリュグループの食品スーパーマーケットの中間決算がすべて出そろった。いずれも厳しい決算であり、増収増益となった食品スーパーマーケットはなく、特に、利益面が急激に悪化している様子がうかがえる状況である。

   まず、売上(営業収益)であるが、北海道384.43億円(102.8%)、東北459.42億円(96.6%)、東海685.67億円(113.1%)、中部572.93憶円(101.4%)、西日本1,087.30億円(103.5%)であった。東北以外は増収とはなったが、東海を除き微増であり、東海も昨年8月のシーズンセレクトのM&Aを含んでの数字であり、こう見ると、マックスバリュグループは、全体的に売上が伸び悩んだ結果となった。

   これに対して、利益の方であるが、営業利益は、北海道-5.95憶円、東北0.73憶円(昨年は赤字、営業収益比0.15%)、東海11.43憶円(50.2%、売上対比1.66%)、中部3.08億円(41.8%:営業収益比0.53%)、西日本29.33億円(77.2%、営業収益比2.69%)という結果であり、北海道の赤字を除き、いずれも厳しい決算であった。しかも、ほぼ昨年と比べ営業利益が半減しており、この中間決算では、利益を確保することがいかに難しかったかがわかる。

   そこで、営業利益が半減した要因を原価、経費の両面から見てみたい。まず、原価は、北海道77.31%(昨年76.10%)、東北76.90%(昨年77.48%)、東海74.99%(昨年74.50%)、中部75.59%(昨年75.08%)、西日本75.44%(昨年75.29%)という結果である。東北を除き、いずれも原価が上昇しており、結果、売上総利益(粗利)は北海道22.69%、東北23.1%、東海25.01%、中部24.41%、西日本24.56%という状況であり、減益とはなったが東海の売上総利益(粗利)が25.0%を超え、最も高く、ついで、西日本、中部の順であり、東北、北海道は厳しい状況である。

   次に、経費面であるが、北海道26.16%(昨年25.98%)、東北24.47%(昨年25.52%)、東海25.19%(昨年23.65%)、中部26.46%(昨年26.08%)、西日本23.99%(昨年23.07%)という結果であった。赤字になった東北を除き、すべて経費が上昇しており、原価に加え、経費もダブルで経営を圧迫している状況である。

   ここから差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力を算出してみると、北海道-3.47%、東北-1.37%、東海-0.18%、中部-2.05%、西日本0.57%と、西日本を除き、すべてマイナスであり、営業利益をプラスにもってゆくには、その他営業収入、すなわち、物流収入、不動産収入等に頼らざるをえない状況にある。特に、北海道、中部はそのマイナス幅も大きく、いかに、この中間決算が厳しい状況であったかがうかがわれる。

   その物流収入、不動産収入等のその他営業収益の状況であるが、北海道1.90%(昨年1.82%)、東北2.56%(昨年2.31%)、東海1.86%(昨年1.91%)、中部2.54%(昨年2.51%)、西日本2.20%(昨年2.06%)という状況であり、東海を除き、いずれも、上昇がみられる。原価、経費の上昇を、その他営業収入で賄おうとしている状況がうかがわれるといえよう。ここから、営業利益を計算すると、北海道-1.57%(赤字)、東北1.19%、東海1.68%、中部0.49%、西日本2.77%となり、西日本がマーチャンダイジング力がプラスになった分、その他営業収入が、そのままのり、2.77%と、昨年の本決算の食品スーパーマーケット業界の平均3.0%に近い数字となった。ただ、その他は、いずれも、厳しい状況である。

   マックスバリュグループ全体の傾向として、売上げが伸び悩み、原価、経費ともに上昇気味となり、マーチャンダイジング力が双方から圧迫を受け、厳しい状況となった。それを物流収入、不動産収入等のその他営業収入で補おとしたが、マーチャンダイジング力の減少分をカバーできず、営業利益がいずれも厳しい結果となった状況である。

   今期、マックスバリュグループは、総力を挙げて、イオングループが開発したPB、トップバリュを積極的に導入し、原価改善をはかったが、それ以上に、消費環境は悪化し、競争が厳しく、NBの値下げが響いたものと思われる。PBの構成比は急激に伸びてはいるが、まだ、その構成比は10%前後といえ、圧倒的にNBの構成比が高く、PBの導入による原価改善には数字を見る限り、結びついておらず、さらに、20%、30%へ向けて取り組む一方で、競争の中心となるNBの原価改善が必須といえよう。

   また、経費に関しては、経費削減も当然重要な対策ではあるが、それ以上に既存店の活性化により、既存店の売上を引き上げること、特に、坪当りの売上げがポイントであるといえ、これにより、相対的に経費を引き下げることが可能となる。この中間決算のマックスバリュ各社の売上げは伸び悩んでおり、既存店も厳しい状況にあり、経費面での圧迫も大きいといえよう。

   今後、今回の厳しい中間決算の結果を踏まえ、後半、利益改善が急務といえ、まずは、既存店の活性化を最優先で取り組む必要があろう。そして、より、原価改善を行うためにも、PBの強化もさることながら、NBの原価改善がポイントといえよう。すでに、2010年度の後半に突入しているが、マックスバリュ各社が本決算に向けて、どのような利益改善の政策を打ち出すかに注目したい。

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October 11, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 10, 2009

イズミヤ、2010年2月期中間、減収減益、赤字決算!

   イズミヤが10/6、2010年2月期の中間決算を公表した。結果は、営業収益1,866.56億円(98.3%)、営業利益3.35億円(10.2%:営業収益比0.18%)、経常利益-2.79億円、当期純利益-53.04億円となり、減収、大幅減益、特に、経常、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。当期純利益については、店舗の閉鎖費用、減損損失、たな卸資産評価損などの費用が重く、赤字幅が経常利益の金額を大きく上回ることとなった。

   一般に、当期純利益が赤字となると、キャッシュフローが厳しい状況となる。実際、この中間決算のイズミヤの営業キャッシュフローを見ると18.62億円と、昨年の中間決算時は125.19億円であるので、約85%ダウンという厳しい数字であり、キャッシュ不足となった。その中身を見てみると、何といっても当期純利益が-73.49億円となったことが大きく、昨年は21.12億円であったので、その差が約95億円と、100億円近い差である。このマイナスをカバーしたのが、減価償却費の33.12億円、店舗閉鎖損失引当金36.0億円、減損損失19.11億円、棚卸資産評価損15.60億円等である。

   これに対して、投資キャッシュフローであるが、-23.01億円となり、営業キャッシュフローを足したフリーキャッシュフローは-4.39億円と、マイナスとなり、逆流のキャッシュフローとなった。投資キャッシュフローの主な項目は、短期貸付-46.05億円が最も大きく、ついで、出店関連-28.82億円となる。出店関連の投資であるが、昨年は-24.61億円であるので、昨年よりも若干上回っており、営業キャッシュフローが厳しい中、将来ヘ向けての新規出店への投資は、その水準を下げることなく、投資しており、イズミヤにとっては苦渋の決断といえよう。

   そして、財務キャッシュフローであるが、-10.20億円となり、さらにマイナスとなっており、フリーキャッシュフローを財務キャッシュフローで補わずに、内部留保を取り崩す経営決断をしている。通常、フリーキャッシュフローがマイナスとなった場合には、増資をするか、借入をはかるか、内部留保を取り崩すかの3択となるが、イズミヤは3つ目の内部留保を取り崩すことを選んでおり、結果、期首の現金84.90億円が、70.29億円となり、約14億円、現金が減少した。財務キャッシュフローの中身を見ると、有利子負債については、-170.55億円返済しており、借入は155.40億円であるので、差し引き、-15.15億円の返済となる。結果、有利子負債は922.04億円となり、総資産の36.48%となったが、まだまだ、経営に重くのしかかっている状況である。今期自己資本比率は38.7%であり、昨年の40.2%を下回ることとなり、厳しい経営状況といえよう。

   では、ここで、経常利益、当期純利益が赤字となった大本の要因を原価、経費、すなわち、営業利益の状況を見てみたい。まず、原価であるが、70.76%(昨年70.22%)と、昨年より、0.54ポイント上昇しており、結果、売上総利益、粗利は、29.24%(昨年29.78%)と、下がった。これは、消費環境の悪化から競争が厳しくなり、売価を下げざるをえなくなったことに加え、ディスカウント食品スーパーマーケット業態、まるとく市場を積極的に出店、業態変更していることが大きいといえよう。

   実際、イズミヤの今期の粗利率の変化を衣食住関連別にみると、衣料品34.2%(昨年35.3%)、食品22.6%(23.0%)、住関連22.8%(22.8%)という状況であり、衣料品、食品の粗利の落ち込みが大きかったといえよう。また、既存店の売上げで見ると、衣料品87.8%(売上構成比16.1%)、食品96.0%(60.0%)、住関連96.2%(20.1%)という状況であり、衣料品が特に大きく落ち込んでいる状況である。

   一方、経費の方であるが、31.84%(昨年30.83%)と、経費も上昇しており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-2.60%(昨年-1.05%)と、マイナス幅が大きくなっており、原価、経費双方が上昇し、ダブルでマーチャンダイジング力を圧迫した形である。これに、物流収入、不動産収入等の営業収入が2.79%(昨年2.84%)のり、営業利益は0.19%(昨年1.79%)となったが、その数字はわずかであり、厳しい営業利益となった。

   こう見ると、この中間決算のイズミヤが厳しい決算に陥った要因は、原価、経費双方が上昇したことが大きく、特に、粗利の高い衣料品の売上が下がったことに加え、売上構成比の高い食品の粗利も下がったことが大きかったといえよう。また、既存店の売上も下がっており、結果、相対的に経費の上昇にもつながったといえる。

   このように、イズミヤのこの中間決算は、赤字決算となる厳しい結果となり、キャッシュフローが厳しい状況となり、投資キャッシュフローを営業キャッシュフローで賄えず、内部留保を崩して、キャッシュのマイナスをカバーする結果となった。また、その赤字の原因を探ると、原価、経費双方が上昇しており、特に、衣料品、食品の粗利が下がったことに加え、衣料、食品を含め、既存店の売上げが下がったことにより、相対的に経費の上昇にもつながったといえよう。今後、消費環境はますます厳しくなることが予想され、イズミヤとしては、後半に向けて、原価、経費の改善が最優先課題といえ、まさに、マーチャンダイジング力をいかに高めるかが、喫緊の経営課題といえよう。イズミヤが今後、どのような営業戦略を打ち出すか、注目したい。

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October 10, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 09, 2009

Chain Store Age、10/1号、ガムのPOS実証分析を投稿!

   Chain Store Age(チェーンストアエイジ)最新号、2009年10/1号にMD特別リポート、「ガム売場のPI値検証報告、ベストバランスがついに明らかに!」を投稿した。この企画は、Chain Store Age 、4/1号から始まった一連のガムのマーチャンダイジング戦略の企画であり、その最終版である。特に、今回は、5/15号で導きだしたTOPNAVI-NETの全国約400店舗の食品スーパーマーケット、過去1年間、述べ客数2億6千万人を超える客数を分母にした金額PI値にもとづいたガムのベストバランスの実証実験結果のリポートである。

   今回の実証実験は、ガムNo.1メーカーのロッテの協力及び2社の食品スーパーマーケットの協力が得られ、約3週間に渡って、ガムのベストバランスの仮説に基づいた売場を、それぞれ様々なタイプの店舗で検証することができた。1社は群馬県を中心にドミナント展開しているフレッセイであり、もう1社は、東京都都心部にドミナト展開しているトップである。両食品スーパーマーケットは全くタイプが違い、フレッセイは郊外型中心で店舗面積も広く、ガム売場もレジ前と菓子売場双方に展開ができ、十分な品揃えが可能である。一方、トップは都心部の店舗ということで、売場面積が小型タイプの店舗が多く、ガム売場もレジ前か、菓子売場かどちらかに絞らざるをえない状況であり、しかも、ガム売場に十分なスペースがとれない場合もあり、限られたスペースでのガムのマーチャンダイジングの限界への挑戦が課題となった。

   もともとの仮説であるが、ガムはバランスが極めて重要なカテゴリーであり、そのバランスとは、重点商品と品揃え、重点商品と新商品、品揃えと新商品、このバランスが極めて重要な課題であり、多くの場合、そのバランスを崩し、重点商品が十分に訴求されなかったり、品揃えが確保されなかったり、あるいは、新商品が過剰となり、重点商品を圧迫したりし、数字が伸び悩むことが多いのが実態である。今回の2社の検証にあたっても、検証に入る前に、約10店舗近くの昨年、今年のガム全品の詳細なPOSデータの事前分析を行い、ガムのマーチャンダイジングのバランスチェックをし、その中で、様々なタイプの店舗を選定して検証に入った。たとえば、金額PI値最高の店舗、最小の店舗、競合店との競争の厳しい店舗、郊外型店舗、都心型店舗などである。

   結果、事前POS分析では、ベストバランスに近い場合もあったが、重点商品が十分にフェースがとれず、在庫が少なかったり、品揃えが十分でなかったり、新商品が過剰に売場に導入されていたりというケースも見受けられ、結果、金額PI値が伸び切れていない店舗もあった。

   ちなみに、事前の仮説では特に重点商品の中でも金額PI扱店が200円を超える超重点商品が4品あり、ロッテキシリトールライムミントボトル150g、367.5円、ロッテキシリトールフレッシュミントボトル150g、252.4円、キャドバリー・ジャパンアダムスクロレッツXPオリジナルミント粒150g、236.9円、ロッテブラックブラック粒 ワンプッシュB150g、208.3円である。この商品の欠品はガム全体の数字に与える影響も大きいので、最優先で棚割にも反映させた。

   特に、フレッセイでは、No.1のライムミントは検証中に金額PI値500円/1,000人を超える店舗も現れ、PI値も0.8個/1,000人を超えはじめた。したがって、3,000人/日の客数で2.4個/日となり、週間在庫は16.8個となった。こうなると当然1フェースでは管理不能となり、欠品を防げない。今回の紙面の検証写真を見てもわかるように、以前はこのNo.1商品が1フェース展開であったが、検証中は3フェース3段積みとなり、ほぼ、週間在庫を確保することが可能となった。ただ、実際の検証データを見ると、それでも、数字が不安定に動く場合もあり、もう1フェース増やすか、もう1段積みあげても良いくらいであるといえる。

   ここまで注意を払う商品はこの4品を加え、数品であるが、その結果を見ると、両食品スーパーマーケットとも、堅調な数字の伸びが見られ、紙面では重点商品をグラフで示したように、その伸びがガム全体の伸びに大きく貢献することが検証できた。では、品揃えはどのような役割かであるが、今回の検証結果では、数字は横ばいの場合が多く、それでも、全体の50%近い金額PI値の構成比となり、ガム全体のベースを決めるこことが検証できたといえる。したがって、ガムは品揃えがガム全体の基礎ベースを決め、重点商品が全体を押し上げる効果があるという検証結果であった。また、双方、意識的に新商品を増やした検証も行ったが、金額PI値が高い新商品はわずかであり、かなりの新商品が品揃えの下位に来ることが多く、新商品は慎重に商品選定を行い、ガムの重点商品と品揃えとのバランスを崩さない中での展開がポイントであるという検証結果となった。

   今回は限られた誌面での検証結果の公表となったため、詳細なデータを十分に掲載することができなかったが、いずれ、様々な機会を通じて、今回の検証結果をもとにしたガム売場のベストバランスのマーチャンダイジング戦略を公表してゆければと思う。さらに、機会があれば、ガムのID-POS分析にも挑戦したいと思う。今回の仮説とは、また違った角度からガムのマーチャンダイジングの仮説をつくることができるのではないかと思う。

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October 9, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 08, 2009

家計調査データ、2009年8月度、消費横ばい!

   家計調査の最新データ、2009年8月度が総務省統計局から10/2公表された。現在は、すでに10月に入っているが、家計調査データは集計後1ケ月後に公表されるため、現時点の最新データは8月度である。その結果であるが、全体の消費支出は1世帯1日当たり9,386.19円(昨対99.9%)であり、ほぼ、昨年と同じ消費金額であった。この内、外食を除く食品は2,065.90円(99.6%)と、全体より若干昨対が下回ったが、ほぼ、昨年並みの消費金額となった。節約志向による消費環境が厳しくなっている状況ではあるが、全体の数字は食品も含めて、この8月度は、ほぼ、昨年並みの消費金額であったといえよう。

   ただ、個々に見ると、数字は大分違い、消費金額が上昇した部門と、大きく落ち込んだ部門もある。最も大きく上昇した部門は住居559.19円(113.5%)であり、2桁の上昇である。その中身を見ると、外壁・塀等工事費76.61円(445.6%)が異常値であり、ついで、植木・庭手入れ代12.74円(274.3%)、火災保険料34.68円(165.6%)と、これらを合わせた工事その他のサービスが175.84円(129.0%)と、大きく伸びたことがその要因である。これ以外にも、公営家賃47.13円(122.9%)、給与住宅家賃25.84円(120.3%)と家賃関係も上昇したことが大きく、住居全体をこれらの消費が押し上げた状況である。

   これに対して、消費金額が下がった部門であるが、被服及び履物が304.94円(89.7%)と、2桁下がった。天候不順の影響が大きく、特に、昨年は猛暑であったため、その反動も大きかったといえよう。その中身であるが、金額はさほど大きくはないが、和服が12.45円(49.2%)と半分となり、厳しい状況である。これは天候よりも、節約志向の表れといえ、特に、婦人用着物は9.19円(42.0%)と、大きく落ち込んだ。洋服も98.35円(90.2%)と、約10%落ち込んでおり、特に、男子用洋服が23.84円(79.1%)と、婦人用洋服の60.26円(94.6%)と比べ落ち込みが大きい。また、履物類は44.13円(100.0%)と健闘しており、やはり、衣料品の落ち込みが大きかったといえよう。

   さて、食品であるが、先に見たように食品は2,065.90円(99.6%)と、消費額はほぼ昨年並みの水準であった。ただ、個々に見ると、野菜・海藻268.61円(104.5%)、穀類218.26円(102.3%)が好調であり、酒類128.42円(93.4%)、果物127.55円(95.9%)、肉類211.87円(96.9%)が不調であった。これ以外の部門は、魚介類221.16円(99.8%)、乳卵類108.06円(101.1%)、油脂・調味料107.16円(101.0%)、調理食品(惣菜)279.19円(97.8%)、飲料148.65円(98.5%)という状況であり、昨対100%前後で推移している。

   そこで、まず、伸びた野菜・海藻、穀類について、その要因を見てみたい。野菜・海草を大分類で見ると、生鮮野菜172.81円(107.9%)、乾物・海藻23.77円(101.4%)であるので、生鮮野菜がこの8月度は良く伸びている。その中分類を見ると、葉茎菜46.48円(107.1%)、根菜41.81円(107.0%)、他の野菜84.52円(108.8%)と、満遍なく伸びており、野菜全体が好調であったといえよう。特に、110%以上伸びた野菜であるが、ばれいしょ5.71円(133.1%)、たまねぎ7.35円(125.3%)、キャベツ6.61円(117.1%)、もやし2.97円(116.5%)、にんじん6.00円(115.5%)、きゅうり10.23円(115.3%)、トマト19.29円(114.8%)、なす8.52円(110.5%)、さやまめ10.65円(110.0%)である。

   ついで、伸びた部門、穀類であるが、何といっても、小麦粉1.90円(115.7%)の値上げによる上昇が大きく、その関連で、スパゲッティ4.10円(108.5%)、カップめん8.39円(105.3%)と、消費額が上昇している。また、パン76.26円(102.9%)、食パン23.03円(101.9%)も微増ではあるが上昇している。これ以外では、穀類最大の金額である米 78.03円(108.9%)が伸びており、この貢献も大きいといえよう。

   一方、消費額が下がった部門であるが、酒類では、何といっても昨年の猛暑の影響が大きく、酒最大の消費金額のビールが53.58円(85.2%)となった。また、発泡酒も18.42円(90.1%)と大きく落ち込んだ。果物では、もも16.71円(81.7%)、みかん3.90円(81.8%)、ぶどう21.90円(89.5%)が80%台と厳しい結果となった。ただ、なし21.35円(112.4%)、バナナ13.29円(107.0%)、キウイフルーツ3.16円(122.5%)は好調であったが、全体を押し上げるまでにはいかなかった。そして、肉類であるが、牛肉は59.94円(100.5%)と、堅調な数字であったが、豚肉64.45円(94.3%)、鶏肉29.42 円(96.9%)、合いびき肉5.32円(94.8%)と伸び悩んだ。さらに、加工肉のハム15.35円(92.6%)、ベーコン5.90円(95.8%)も伸び悩み、肉類は牛肉以外、全体的に厳しい消費額となった。

   また、昨年の猛暑の影響で飲料の落ち込みも懸念されたが、飲料全体は98.5%と大きく落ち込むことはなかったが、これも個々に見ると、ミネラルウォーター7.87円(95.3%)、乳飲料3.77円(95.1%)、果実・野菜ジュース31.06円(96.4%)、コーヒー10.71円(95.4%)、緑茶9.16円(92.8%)等は厳しい数字であった。逆に、健闘したのはコーヒー飲料13.97円(103.8%)、炭酸飲料12.23円(106.5)であり、この2つが他の飲料の落ち込みをカバーしたといえよう。

   このように、この8月度の家計調査データは、全体としてはほぼ昨年並みの消費状況であり、消費者物価指数(CPI)が明らかにデフレ傾向を示す中、家計の消費は、特に食品は意外に堅調であるといえよう。この8月度の数字を見ても、消費額が下がった酒類、果物等も消費環境の悪化というよりも、昨年の猛暑の影響の方が強く出ているといえる。ただ、野菜、穀類等が伸びたのは、節約志向による内食回帰の流れが表れた結果ともとれ、不況を反映した消費傾向ともいえよう。9月以降、今年後半にかけて、どのように消費傾向が変わるか、注意深くその動向を見てゆく必要があろう。

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October 8, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 07, 2009

ハローズ、2010年中間、増収減益、原価、経費上昇!

   ハローズが、9/25、2010年2月期の中間決算を公表した。売上高344.10億円(110.2%)、営業利益10.25億円(91.0%:売上対比2.98%)、経常利益9.91億円(86.8%:売上対比2.88%)、当期純利益5.51億円(86.7%:売上対比1.60%)となり、2桁の増収とはなったが、いずれの利益も減益となる厳しい決算となった。その要因をハローズは、「消費者の低価格志向の強まりによる価格競争の激化に加え、業態・業種を超えた競争も激しさを増しており、販売面のみならず収益面でも厳しい経営環境となり、・・」とコメントしており、価格競争が激化している影響が大きいとのことである。

   ハローズも、この価格競争に対し、「特にプライベートブランド商品の「ハローズセレクション」の開発を引き続き進め、売上高構成比は前事業年度末の6.7%から1.0ポイント上昇し7.7%となり、・・」と、低価格訴求ができるPB商品を強化している。さらに、生活防衛企画商品として、「低価格そのまんま宣言」、「くらしらくらく宣言」、「うれしい値」などを1,200品目から1,480品目へ増やしており、一段とディスカウント戦略を強化しており、売上げへの貢献はあったと思われるが、逆に、利益への圧迫が大きかったともいえよう。

   実際、この中間決算の原価(粗利)、経費を見てみると、原価は77.08%(昨年76.89%)となり、0.19%上昇している。結果、売上総利益(粗利)は、22.92%(昨年23.11%)と、減少しており、粗利が激しい価格競争の結果、思うように確保できなかったといえよう。一方、経費の方であるが、22.63%(昨年22.00%)と、経費も上昇気味で推移した。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は、0.29%(昨年1.11%)と、原価、経費がダブルで上昇した分、厳しい結果となった。これに不動産収入等のその他営業収入が2.69%(昨年2.69%)のり、営業利益は2.98%(昨年3.80%)と、減益となった。

   ハローズのここ数ケ月の売上速報を見ると、8月度109.8%(既存店96.8%)、7月度107.0%(既存店94.2%)、6月度108.0%(既存店95.1%)、5月度115.4%(既存店101.0%)、4月度111.5%(既存店99.0%)、3月度110.3%(既存店97.5%)と、既存店が厳しい状況で推移しており、相対的に固定費が上昇し、経費を圧迫していると思われ、結果、経費が上昇したものと思われる。これに加え、特に、この夏の天候不順、消費環境の悪化による低価格競争の激化が粗利を圧迫したと思われ、ダブルでの利益の減少になったといえよう。ハローズに限らず、これまで公表された食品スーパーマーケットの結果を見ても、増収減益の中間決算が多く、ここへ来て、食品スーパーマーケット業界も、原価、経費双方の上昇圧力が強く、利益を確保するのが難しくなってきた状況といえよう。

   これを受けて、ハローズのキャッシュフローであるが、営業キャッシュフローが、通常ではあまり見られない-8.54億円とマイナスとなった。これは、営業キャッシュフローの大本である当期純利益と減価償却費が昨年の15.16億円から10.40億円と約5億円減ったこともあるが、それ以上に、昨年が金融機関の定休日と中間決算が重なり、仕入れ債務が増加し、今年は、逆に仕入れ債務が、減少し、-21.53億円となったことが大きい。これは、B/Sでは負債の買掛金、流動負債の減少となり、実際、昨年の61.81億円が40.28億円と減っており、その差、-21.53億円となった。したがって、営業キャッシュフローがマイナスとなり、現金が足りず、投資キャッシュフローの-25.91億円を財務キャッシュフローと現預金で賄わざるを得なくなり、財務キャッシュフローで長期借入を53.78億円借入、さらに、現預金を4.70億円取り崩す結果となった。本来であれば、自己資本比率が33.7%(昨年33.9%)と、負債に大きく依存する財務構造であるため、有利子負債を増加させたくなかったところであるが、この中間期は104.51億円(昨年72.77億円)と、大幅に増加しており、総資産に占める割合は34.29%とかなり重い負担となり、経営を圧迫している状況である。

   ハローズは先に売上速報を見たとおり、既存店は厳しい状況にあるが、全体は2桁に近い数字で好調に推移している。これは、新店を積極的に出店しているためであり、この投資キャッシュフローを見ても、25.15億円(昨年21.72億円)の出店関連の資産を取得しており、積極的な新規出店への投資を継続している。ただ、自己資本比率33.7%では、現在の出店関連の資産194.84億円、総資産の63.60%を賄えず、負債、有利子負債に大きく依存する出店構造となっている。今後、キャッシュフローの増加が見込みにくい状況では、新規出店が経営に重くのしかかるともいえ、まずは、収益改善によるキャッシュフローの増大が当面の最優先の経営課題といえよう。

   このようにハローズの2010年2月期の中間決算は増収減益となり、特に、今年は昨年の金融機関の休日との関係もあり、キャッシュフローが回らず、自己資本比率が厳しい中、新たに借入をせざるをえない状況となり、経営を圧迫しつつある。ただ、通期予想は売上高710.00億円(112.7%)、営業利益 22.80億円(109.6%)、経常利益21.80億円(105.3%)、当期純利益12.00億円(105.3%)と堅調な増収増益予想を崩してはいない。したがって、今後、後半、収益改善のための思い切った対策が打ち出されるものと思われ、ハローズの当面の動向に注目である。

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October 7, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 06, 2009

野菜、大田市場、2009年8月までの結果を見る!

   東京都中央卸売市場では様々な市場取引データを公開している。その中のひとつに市場統計情報があり、日報、月報、年報があり、さらに週報もある。それぞれ、青果、水産、花木、食肉に分かれている。いずれも、食品スーパーマーケットに直接関係する貴重な統計資料であり、現在の相場を知る上で参考になる。そこで、ここでは、この中から、青果の野菜について、ここ最近の動向を見てみたい。最新のデータは月別では8月度であるので、2009年1月から8月までの8ケ月間の流れを、大田市場で見てみる。

   データは、野菜各項目の数量、金額、平均単価の3つの情報である。まず、8ケ月間の合計金額であるが、234,192,481,091円であり、桁を入れると、2,341億9,248万1,091円となり、大田市場では、野菜が8ケ月間合計で2,300億円強の取引があったことがわかる。したがって単純平均では月約300億円の取引となる。月別で見ると8月と4月が最も多く約311億円であり、2月が最も少なく約250億円である。これを数量で見ると、1,030,535,969kgであり、これも桁を入れると、10億3,053万5,969kgとなり、約10万トンとなる。ここから平均価格を計算すると227円/kgとなり、1gに換算すると、0.227円/gとなる。野菜は大田市場では今年、kg当たり227円で取引され、約10万トンの取り引きがなされ、結果、約2,300億円の売上高であったということになる。

   では、この野菜の中で、最も金額の大きかった野菜は何であるかを見てみたい。東京中央卸売市場では野菜を143種類に分けて管理しているが、この143種類のNo.1の金額となったのは、トマトである。金額190億5,975万9,811円であり、数量で5,585万588kgであり、平均価格は341円/kgである。No.2がきゅうりの149億7,940万7,140円であり、No.3がキャベツの118億9,081万5,488円、No.4がねぎの92億7,921万0,576円、そして、No.5がレタスの85億9,154万1,723円であるので、トマトが断トツの数字であることがわかる。この数字の中には食品スーパーマーケットも八百屋も、飲食店等もあり、必ずしも、食品スーパーマーケットだけではないが、食品スーパーマーケットの金額PI値の高い野菜とほぼ一致しており、トマトがいかに野菜の中でウェートが高いかがわかる。ちなみに、トマトの構成比は野菜全体の8%強となり、この5品合計で27.2%、約30%近い数字となる。

   同様に、これを数量ベースで見てみると、No.1はキャベツであり、1億2,729万3,149kg、No.2はたまねぎの8,499万2,370kg、No.3はだいこんの8,357万6,019kg、No.4ははくさいの6,085万532kg、そして、No.5はにんじんの5,672万1,698kgである。この5品合計で全体の40.1%、約40%であり、ベスト5がいかに取引量が多いかがわかる。逆に、最も取引量が少ないものは、季節性も多分にあるが、だいだいの1,036kg、ほしだいこんの3,366kg、くわいの5,457kg、干ししいたけの1万578kg、そして、ゆりねの1万9,132kgである。

   そこで、次に、金額を数量で割った平均価格を見てみると、No.1はめ類であり、9,835円/kgである。これは様々な野菜関連の芽といえ、珍しい野菜もあり、異常値となったと思われる。No.2はわさびであり、3,841円/kgである。1月が最も高く4,673円/kgであり、6月が最も低く、3,207円/kgである。No.3はまつたけの3,649円/kgである。わさびとわずかな差であるが、季節性が激しく、出始めの5月は取引量もわずかであり、93,177円/kgと異常値である。6月には17,844円/kgまで下がり、7月には4,890円/kgと、ほぼ8ケ月平均に近い数字となる。No.4はたらの芽の3,148円/kg、そして、No.5はほじその2,430円/kgとなる。いずれも、全体平均227円の10倍近い数字であり、全体の中で最も価値の高い野菜といえよう。ちなみに金額ベスト5の野菜の平均価格は、トマトが341円/kg、きゅうりが268円/kg、きゃべつが93円/kg、ねぎが255円/kg、そして、レタスが161円/kgである。特にきゃべつは全143種類の野菜の中で141番目の平均価格であり、数量はNo.1と、量で金額を引き上げていることがわかる。

   最後に、今後の相場動向であるが、この8ケ月平均と直近の8月の平均価格が大きく上昇しているものを見ると、ほうれんそう151.9%、たまねぎ142.0%、こねぎ136.2%、だいこん134.9%、男爵131.5%、はくさい128.2%、かぼちゃ122.7%、レタス121.1%、ねぎ120.8%、にんじん120.5%である。これらが売上金額ベスト30品の中の120%以上、8月度が上昇した野菜であり、今後相場が高めに動く可能性が高いといえよう。逆に、90%以下となった野菜は、みょうが71.9%、ピーマン73.0%、ながなす73.2%、アスパラガス77.1%、しめじ84.9%、なす86.6%、いんげん87.0%、根しょうが88.4%、なましいたけ89.1%である。これらは比較的低目の安定した価格となりそうである。

   このように東京中央卸売市場の野菜に限っての今年の月別の取引データを見てみたが、この数字は過去平成21年から平成14年まで8年間さかもどって、大田市場だけでなく、築地、淀橋、世田谷等、月別に算出することが可能である。特に、今回見たように、平均価格を月別に見ることにより、相場動向も推し測ることができ、1年間の数量の推移を追ってゆけば、旬の把握も可能となり、販促への応用もできるといえよう。食品スーパーマーケットとしては、家計調査データ同様、貴重な生鮮食品の動向をつかむ上で、マーチャンダイジングの参考にしたいところである。

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October 6, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 05, 2009

セブン&アイH、減益、ヨークベニマルも不振!

   すでに、新聞各社でも報じられているように、10/1に公表されたセブン&アイHの2010年2月期の中間決算が純利益35.3%減という厳しい結果となった。10/2の日経新聞では、「セブン&アイ、再構築急ぐ、3~8月、純利益35%減、スーパー・百貨店不振」、「コンビニ事業にも陰り」、「不採算店閉鎖進む、縮小均衡の恐れも」という、衝撃的な見出しの記事が掲載された。これを受けて、株価も10/2現在、2,120円(-55円、-2.53%)と、下がった。この株価水準は、4年前の持ち株会社設立当時の最高値5,420円と比べると、半値以下となっており、株価はその後、ほぼ右下がりのトレンドであり、厳しい状況である。

   セブン&アイHの優良企業、食品スーパーマーケットのヨークベニマルも、詳細な数字は公表されていないが、売上高101.5%、営業利益87.7%と、増収減益であり、惣菜のライフフーズを入れても、営業利益は89.2%と、減益となった。特に、既存店が-1.6%(客数-0.1%、客単価-1.6%)となり、相対的に経費が上昇したものと思われ、さらに、商品粗利も26.6%(-0.1%)となったことが、営業利益を圧迫した要因といえよう。売上高でも食品は103.2%と堅調であったが、衣料品が92.9%(売上構成比4.9%)と、大きく下がったことに加え、売上構成比15.0%のテナント収入が97.1%に落ち込んだことも影響があったといえよう。

   さて、セブン&アイH全体の中間決算の結果であるが、10/1公表の1ケ月前、9/1に、すでに、業績予想の修正を公表しており、今回の減益予想は織り込み済みとはいえ、実際の確定数字を見るとやはり、厳しい結果であったといえよう。この9/1の業績予想の修正では、この中間決算に関して、決算時に公表した予想よりも、営業収益-6.5%、営業利益-20.9%、経常利益-19.3%、当期純利益-33.3%としており、その理由を、「・・お客様の消費マインドは低調に推移、・・。更に、夏場の天候不順に伴う飲料等の夏物商品の売上不振や、衣料品に加えて食料品や生活雑貨等における市場価格の低下が顕著となったこともあり、・・」としていた。

   実際、今回、10/1の中間決算の結果は、営業収益2兆5,464.05億円(前年同期比11.0%減)、営業利益1,181.38 億円(前年同期比20.2%減)、経常利益1,184.64億円(前年同期比19.9%減)、当期純利益436.87億円(前年同期比35.3%減)と、大幅な減収減益となり、9/1時点の予想よりも、減収減益幅が若干広がっており、より、厳しい数字となった。特に営業収益が減収となった要因は、「主に北米におけるガソリン単価の大幅な下落と円高による減収の影響が約2,200 億円あったことにより、・・」とのことであり、円高がセブン&アイHを直撃したともいえる。

   セブン&アイHは北米比率が、昨年は31.8%の9,102.70億円であったが、この中間決算では、6,894.02億円と、コメントにあるように、27.1%へと激減している。この事業のほとんどは米国セブンイレブンであり、コンビニエンス事業の営業収益が9,678.67億円であるので、その比率は約70%にもなり、コンビニエンス事業そのものが、国内はFC展開がほとんどであるので、北米依存度が極端に高いのが特徴である。したがって、円高はセブン&アイHのコンビンニ事業の約70%、セブン&アイH全体の約30%へ影響を与えることとなり、海外依存度が極めて高い輸出産業のような事業構造といえる。したがって、円高が続く限り、セブン&アイHは今後とも減収減益の圧力を受けることとなり、為替相場の動向がセブン&アイHにとっては経営の根幹にかかわる課題のひとつともなっている。

   この中間決算の不振要因は、すでに報じられているように、この海外要因だけでなく、国内要因の方がさらに大きく、特に、イトーヨーカ堂が初の営業赤字に転じ、-43.47億円の営業利益となったことに加え、収益の柱であるセブンイレブン・ジャパンも89.8%の営業利益(米国セブンイレブンは118.0%の営業利益が増益)となり、百貨店のそごう・西武は30.9%に営業利益が落ち込み、セブン&アイ・フードシステムズは-7.34億円の営業赤字となったことである。

   これを受けて、セブン&アイH全体の財務状況であるが、自己資本比率は47.1%(昨年47.9%)と、若干下がっているが、ほぼ横ばいで安定している。有利子負債も7,865.75億円(昨対89.3%)と、削減されており、総資産に占める割合も21.1%であり、自己資本に対する比率も44.7%と、安定している。また、キャッシュフローであるが、営業+投資のフリーキャッシュフローは1,000.97億円のプラスの順流であり、昨年の1,510.40億円と比べると、減っているが、財務キャッシュフローを加えたトータルキャッシュフローは525.96億円(昨年684.68億円)と、大きな減少は見られない。減収減益という厳しい決算となったわりには、財務状況は安定した数字を示しており、堅調な財務状況であるといえよう。

   このように、セブン&アイHの中間決算は、純利益が-35.3%と極めて厳しい営業数値となり、今後、リストラが避けて通れない状況とはなったが、財務は安定しており、思い切った経営改革を打ち出す財務余力は十分にあるといえる。ここは、中長期を見据え、戦略的な事業構造の見直しも含め、不採算店の大胆なリストラ、収益の高い事業への経営資源のシフトに踏み込むチャンスともいえよう。後半以降、セブン&アイHがどのような経営改革を打ち出すかに注目である。

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October 04, 2009

食品スーパーマーケット、株価速報、10/2、厳しい情勢!

   日経平均が10/2、急落、前日比-246.77円安(-2.47%)、9,731.87円となる厳しい株価となった。日経平均はここ数日10,000円前後で推移していたが、10/2、とうとう10,000円を大きく割り込み、7/22以来の2ケ月ぶりの安値となった。 この流れを受けて、食品スーパーマーケット業界の10/2の株価であるが、騰落率が-2.0%以上下がった企業を見ると、バロー756円(-5.50%)、マルキョウ500円(-4.76%)、CFSコーポレーション564円(-3.75%)、九九プラス96,600円(-3.30%)、原信ナルスH1,008円(-3.07%)、マルヤ102円(-2.85%)、ベルク829円(-2.35%)、オークワ974円(-2.30%)、大黒天物産1,999円(-2.24%)、ハローズ686円(-2.00%)である。

   逆に、この10/2に2.0%以上、上昇した食品スーパーマーケットの株価であるが、マミーマート1,260円(+2.85%)、1社であり、1.0%以上も平和堂1,239円(+1.55%)、1社のみである。さらに、0.0%以上を見ると、関西スーパー807円(+0.49%)、イズミヤ488円(+0.41%)、エコス606円(+0.16%)、天満屋ストア770円(0.00%)、アオキスーパー895円(0.00%)、マックスバリュ北海道1,570円(0.00%)である。10/2、上昇したのは、全部で8社であり、これ以外の食品スーパーマーケットはすべて、この10/2、株価を下げており、厳しい株価であったことがわかる。ちなみに、東証1部では値下がり銘柄1,508社に対し、値上がりは131社、横ばい45社であるといい、食品スーパーマーケットだけでなく、全体も10/2は極めて厳しい株価であった。

   では、株価が急落した10/2を含め、ここ最近厳しい状況が続いている株価であるが、このような中でも、株価が上昇トレンドである食品スーパーマーケットを25日移動平均をもとに見てみたい。No.1はアークランドサカモトである。10/2現在1,159円(-0.08%)であるが、25日移動平均は8.11%であり、小売業上場企業約350社の中でも5位と、トップクラスの伸び率である。特に、9/18に公表されたアークランドサカモトの中間決算が、減収とはなったが、2桁の増益となり、これを投資家が好感したためであると思われる。実際、チャートを見ても、9/18以降株価は上昇しており、それまでは1,050円前後でもみ合っていた株価が、一気に上昇をはじめ、9/28には年初来最高値となる1,167円をつけた。アークランドサカモトは通期も同様に減収が見込まれるものの、大幅な増益となる予想であり、今後も注目の株価といえよう。

   No.2は大黒天物産であり、10/2現在1,999円(-2.24%)であるが、25日移動平均は6.72%と高い。チャートを見ても、9月以降株価は急上昇しており、10/1には2,090円と、年初来最高値をつけており、26週移動平均も18.14%と長期的にも株価は上昇トレンドである。ここ最近の開示資料はないが、2009年5月度の決算は過去最高の増収増益であり、来期、2010年5月期も増収増益の好決算予想であり、小売業界が厳しい経営状況にある中、投資家からの期待が集まっているものと思われる。

   No.3はヤオコーであり、10/2は3,220円(-1.22%)であるが、25日移動平均は4.71%と高く、チャートもきれいに右上がりの株価となっており、特に、9月以降は、その角度が急で、ここへ来て、売買高も増えている。7/30に公表した2010年3月期の第1四半期決算は減収とはなったが、堅調な増益となり、厳しい消費環境の中でも利益を確保しており、高収益への投資家からの期待が高いものと思われる。

   以上がベスト3であり、極めて高い25日移動平均である。そして、No.4以下であるが、ここからは、25日移動平均が1.0%を切っており、これまでのベスト3と比べると株価の上昇トレンドは低くなる。No.4はOlympicであり、10/2現在604円(-1.30%)であり、25日移動平均は0.83%である。Olympic は26週の長期トレンドが-0.65%と、マイナスであり、チャートを見ると、ここ最近は株価が上昇しているが、それ以前は大きく下げており、以前の水準にやっともどった状況といえよう。No.5はユニバースであり、10/2現在、1,495円(-0.59%)であり、25日移動平均は0.33%である。ただ、ユニバースは26週移動平均が20.46%と、極めて高く、約1ケ月以上1,500円前後で株価は推移しているが、長期的にはきれいに右上がりのトレンドであり、投資家が小売業では最も注目している株価のひとつといえよう。

   ついで、No.6はハローズであり、10/2現在686円(-2.00%)、25日移動平均は0.29%、No.7は丸久であり、10/2現在926円(-1.06%)、25日移動平均は0.10%、No.8はCFSコーポレーションであり、10/2現在、564円(-3.75%)、25日移動平均は0.00%である。そして、No.9がイオン九州であり、10/2現在1,260円(-0.15%)、25日移動平均は0.00%である。以下、25日移動平均が-となり、この9社が、プラスとなった食品スーパーマーケットである。

   このように、10/2の株価はほぼ全面安となり、日経平均も9,800円を切る厳しい株価となり、ほぼ全面安の状況となった。また、この10/2だけでなく、ここへ来て、この数週間、株価も厳しい状況となっているが、そのような中でも、ここに上げた8社は比較的堅調な株価である。特に、No.1のアークランドサカモト、大黒天物産そして、ヤオコーは上昇トレンドが強く、食品スーパーマーケット業界の中では注目の株価といえよう。また、それ以外の25日移動平均がプラスとなった食品スーパーマーケット6社も、ばらつきはあるが、株価の動きは比較的堅調な動きといえよう。今後、中間決算が続々と公表される予定であるが、その結果が株価にどのような影響を与えるか注目である。

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October 4, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 03, 2009

日経MJ新製品週間ランキング、10/2、化粧品に異変!

   日経MJ新製品週間ランキングが10/2公表された、今週は何といっても、家庭用品の化粧品が絶好調である。特に、先週同様No.1となったマックスファクター、SKⅡスキンシグネチャー80gが、先週比金額PI値1,403円アップの2,241円となり、通常の新製品の数字としては、あり得ないくらいの高い金額PI値となった。1人当たり2.241円であり、恐らく、過去1年間の全新製品の中でも間違いなくベスト5には入ると思われ、高い数字である。本ブログでは新製品週間ランキングの基準をABCに分け、Aを金額PI値500円、Bを300円、Cを200円としているが、このSKⅡスキンシグネチャー80gは2,241円とケタ違いに大きな数字であり、いかに異常な数字であるかがわかる。

   9/14初登場の新製品であるので、ほぼ1ケ月たっているにも関わらず、先週比1,403円も上昇しており、明らかに異常値である。平均単価が14,322円、先週が14,498円であるので、若干下がってはいるが、ほぼ先週同様の平均単価であり、価格訴求をかけたわけではなく、何らかの販促により、需要が増加したものといえよう。カバー率が20.8%であるので、対象49チェーン250店舗から逆算すると、約50店舗であるので、この50店舗で一斉に何らかの、価格訴求以外の販促が入った可能性が高いが、いずれにせよ、高い金額PI値であり、注目すべき、数字である。

   家庭用品では、これ以外にも、No.2の資生堂、エリクシールシュペリエルレチノバイタルエッセンス(医薬部外品)80mlも金額PI値996円、先週比844円アップ、カバー率34.4%、No.3にも同じく資生堂、エリクシールシュペリエルレチノバイタルクリーム(医薬部外品)15g、金額PI値828円、先週比712円、カバー率33.2%と、いずれも、先週比を大きく伸ばし、金額PI値Aランクを優に超え、極めて高い数字となった。また、いずれも、平均単価は6,572円(先週6,552円)、7,593円(先週7,506円)と価格訴求をかけずに、金額PI値が大きく上昇している。さらに、No.4の花王、フレイスソフィーナメディケイテッド薬用集中クリームも金額PI値543円、先週比64円、平均単価5,550円(先週5,468円)、カバー率26.4%と、これも金額PI値Aランクを超え、先週よりも伸びており、今週、化粧品は絶好調といえよう。

   今週は、明らかに化粧品が異常値であったため、家庭用品先週No.3であった花王、アタックNeo本体400gが金額PI値358円、先週比8円アップと数字を伸ばしているにも関わらず、No.4となった。カバー率は88.0%と、化粧品と比べ、極めて高く、逆に、平均単価は279円(先週281円)と低く、対象的な商品である。家庭用品は、このように平均単価が高く、カバー率が低い化粧品と、平均単価が低く、カバー率の高い家庭用品に分かれるが、金額PI値で見ると、どちらも上位に入り、特に、化粧品は平均単価が高いがゆえに、今回のように、価格訴求をかけない販促でも、金額PI値が大きく跳ね上がるという特徴がある。

   今週、これら化粧品以外に注目すべきものとしては、この季節特有の新製品として、その他食品に、シチュー関連が上がってきている。No.1には、ハウス食品、北海道シチュークリーム190g、金額PI値512円、先週比6円とわずかにダウンであるが、金額PI値Aランクであり、カバー率は何と98.0%と、今週の全新製品の中ではNo.1のカバー率である。また、No.9にも、ハウス食品、北海道シチューコーンクリーム190g、金額PI値199円が入り、カバー率は87.6%と、高い数字である。これ以外にも、No.6に味の素、クノールカップスープコーンクリーム8袋153.6gが、金額PI値240円、同じく、No.11に味の素、クノールカップスープポタージュ8袋140.8g、金額PI値160円で入り、まさに、この季節特有の新製品のランクインといえよう。

   一方、先週まで菓子のチョコレートが注目の金額PI値であったが、今週は息切れが感じられ、No.1の明治製菓、ミルクチョコレート58gは、金額PI値327円と、Bランクではあるが、先週比171円のマイナスであり、失速している。また、同じく、明治製菓、先週No.2のチップチョップ75gは、金額PI値が先週比99円マイナスの173円となり、No.3となった。変わって、先週No.4のロッテ商事、紗々<オリジナル>73gが、金額PI値先週比4円アップの187円でNo.2となった。ただ、伸び率はわずかであり、しかも、これ以外のチョコレートも軒並み、金額PI値が先週比ダウンとなっており、ここへきて、チョコレートはやや失速ぎみである。

   これ以外では、飲料のNo.1に初登場のサントリー、リプトンザ・ロイヤル500mlペットボトル、金額PI値336円が入り、来週以降どの辺で数字が落ち着くか注目である。また、冷凍食品では、先週No.3からNo.1へとハーゲンダッツジャパン、ミニカップアーモンドプラリネクリーム120mlが金額PI値247円で入っており、先週104円であり、これも注目である。

   このように、今週の日経MJ新製品週間ランキングは、家庭用品の化粧品に明らかに異変が起きており、軒並み、価格訴求なしで、大きく伸び、何らかの販促が入ったものと思われるが、ある意味注目である。これを好調といってよいかどうかは、もうしばらく様子を見る必要があるが、来週以降、どのような数字になるか気になるところである。また、逆に、ここ数週間好調であった菓子、特に、チョコレートがやや息切れしており、こちらも気になるところである。ここへ来て、新製品週間ランキングも目まぐるしく動きはじめており、来週以降もどのような動きがあるか注目である。

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October 3, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 02, 2009

消費者物価指数(CPI)、2009年8月度、デフレ鮮明!

   2009年8月度の消費者物価指数(CPI)が、9/29、総務省統計局から公表された。消費者物価指数は、結果を3つに分けて公表しているのが特徴で、平成17年度を100として、現在がどのくらいとなったかを表したものである。また、参考として、前月比、前年同月比も合わせて公表される。その結果であるが、まず、総合指数は平成17年を100として100.4、前月比0.3%の上昇、前年同月比は2.2%の下落であった。次に、生鮮食品を除く総合指数であるが、100.1、前月比、前年同月比ともに2.4%の下落であった。そして、3つ目の、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数であるが、98.5、前月比0.1%の上昇、前年同月比は0.9%の下落であった。

   また、これらの結果は同時にグラフも公表されるが、それを見ると、総合指数及び生鮮食品を除く総合指数は、良く似た動きをしており、平成17年を100とした場合、昨年5月以降が異常に上昇し、11月頃まで異常値が続いている。特に、過去4年間の折れ線グラフの中で、昨年のみが異常値であるのが特徴である。これに対して、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は、前の2つの総合指数と全く違う動きをしており、ほぼ4年間の動きが高い低いはあるが、同じような動きであり、異常値は見られない。したがって、異常値は明らかに、エネルギーに負うところが大であり、このエネルギーの昨年の異常値が消費者物価指数を今期混乱させている最大の要因といえる。

   ただ、これを差し引いても気になるのは、いずれのグラフでも、この8月度が、過去4年間で最も消費者物価指数が下落していることである。特に3つ目の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数はこの2月頃から、その差がますます開いており、この8月度は過去4年間で最大の下落幅となったことである。したがって、明らかに、全体としては、消費者物価指数は下落気味に動き始めたといえ、デフレ傾向が鮮明になりつつあるといえよう。

   そこで、その要因は何によるかを、見てみたい。消費者物価指数はその分析指標に寄与度という指標を用いており、各項目が全体へ与えるインパクトを明確にしている。ここでは、特に、その寄与度をもとに主要項目の、この8月度の動向を見てみたい。

   まず、10大費目の動向であるが、全体は先に見たように全体が前年同月比2.2%の下落であるが、寄与度最大の項目は、-1.10の交通・通信であり、2番目が-0.68の光熱・水道のいわゆるエネルギーである。この2項目で-1.78となり、物価下落のほとんどの説明がつくことになる。ついで、-0.32の教養娯楽、-0.10の家具・家事用品となる。意外なことに食料が出てこないが、食料は-0.03であり、その内訳は、生鮮食品0.07、生鮮食品を除く食料が-0.11である。生鮮食品は全体として見ると、むしろ消費者物価が若干上昇しており、下がっているのは、非生鮮、昨年、原料、資源高で異常高となった小麦関連などが下がったことが要因である。

   では、この8月、消費者物価指数を下げた最大の項目、交通・通信の中身は何であるかであるが、最大の項目は外国パック旅行であり、寄与度-0.13である。ついで、-0.03の移動電話通信料、同じく-0.03の高速自動車国道料金である。次に、寄与度の大きかった光熱・エネルギーであるが、何といってもガソリンであり、-1.01と大きく下げており、昨年がいかにガソリン高であったかがわかる。ついで、灯油の-0.46である。

   次に、全体への影響は比較的小さかった食品の動向であるが、大分類で見ると、肉類が-0.06と最も大きく、ついで、-0.04の油脂・調味料、飲料であり、-0.03の穀物、-0.02の酒類となる。逆に上昇した項目もあり、0.04の菓子類、0.01の調理食品(惣菜)、そして、外食の0.03となる。

   さらに、細目を見てみると、ここからは、8月度の前年同月比となるが、レモン-21.0、いか-15.5、食用油-13.1、いわし-12.7、たこ-11.9、すいか-11.8、コーヒー豆-10.8、液体調味料-10.3が10%以上下がった細目である。ついで、5%以上下がった細目は、牛肉B-9.9 、なし-9.2 、さば-9.1、調理カレー-8.5、風味調味料-8.4、ミネラルウォーター-8.2、鶏卵-7.8、ケチャップ -7.8、スパゲッティ-7.3、納豆-7.2、食パン-7.1、さんま-6.9、ごぼう-6.4、果実ジュース-6.4、調理パスタ-6.3、まぐろ-6.2、マヨネーズ-6.1、えのきだけ-6.0、グレープフルーツ-5.7、えび-5.3、りんごA-5.2、生しいたけ-5.1である。逆に、上昇した項目は、ばれいしょ46.0、レタス45.4、たまねぎ30.8、マーガリン25.0、だいこん24.3、キャンデー22.9、なす20.1、きゅうり19.9、ひじき17.8、トマト16.3、ブロッコリー13.9、キャベツ13.2、牛 乳(配達)12.8、にんじん12.3、ねぎ12.0、ポテトチップス10.7である。

   このように、この8月度の消費者物価指数(CPI)は明らかに全体としては、デフレ傾向が鮮明となっており、先行きが厳しい見通しといえよう。ただ、昨年のエネルギーによる異常値の影響が11月頃までは続くので、今後、3ケ月間ぐらいは注視する必要もある。特に、生鮮食品を含め食品の消費者物価指数は一部を除き、全体としては比較的安定しており、こと食品はデフレ傾向の兆しがみえる程度であり、全体の傾向とは一線を画しているといえる。今後、食品がどう動くか、その動向に注目といえよう。

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October 2, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 01, 2009

書評、カタリナ流、ターゲット・マーケティングを読む!

   「カタリナ流、ターゲット・マーケティング、「買いたい人」を絞り込み、リピート購買を増やせ!」(カタリナマーケティングジャパン、代表取締役社長、若林学著、ダイヤモンド社)を読んだ。もう10以上前になるが、当時、One to Oneマーケティングを研究していた時、カタリナマーケティングジャパンのレジクーポンを知り、すごい仕組が動いていると、強い感心をもったことを思い出す。当時は、まだ、大手小売業への導入が主で、参加メーカーもそれほどなかったと記憶しているが、今回、「カタリナ流、ターゲット・マーケティング「買いたい人」を絞り込み、リピート購買を増やせ!」を読んで、飛躍的に内容が充実したことに驚いた。

   特に、2008年からは、ID-POSも始まったといい、本書の中でも、随所にID-POS分析にも触れており、今後、レジクーポンもID-POSと連動した仕組みになってゆくのは時間の問題であると思えた。また、本書のエピローグでも触れているが、2009年8月には、米国カタリナマーケティングコーポレーション社と米国ニールセン社との戦略的アライアンスが公表されたとのことで、今後、日本でも、同様の動きが起こるのではないかと思われる。特に、日本ではPOS分析市場から、すでにニールセンが撤退し、インテージが独占に近い状況になっており、今後、カタリナマーケティングジャパンとニールセンとの様々な共同プロジェクトが立ち上がる可能性もあるといえよう。

   カタリナマーケティングジャパンのホームページを見ると、現在、レジクーポンは、日本の主要23チェーンで導入されているとのことである。本書でも解説されているが、イオン、相鉄ローゼン、イズミ、エコス、オークワ、マックスバリュ北海道、マックスバリュ西日本、イオン(マックスバリュ業態)、万代、フジ、ユニー、マックスバリュ九州、イトーヨーカ堂、マルエツ、CFSコーポレーション(SM・コンボ業態)、カスミ、マックスバリュ東北、ヨークベニマル、イオン九州、イオン北海道、マイカル、光洋、マックスバリュ東海である。これら23チェーンで約2,400店舗、POSレジデータは週間4,800万人、月間で2億回以上となるという。そして、このデータをリアルタイムで米国のフロリダ州のタンパに送信し、そこで、データマイニングを行っているという。その写真が本書には掲載されているが、全世界のPOSデータでは、1.3ペタバイト(1,331.2テラバイト)になるといい、それを超並列コンピューティング技術で処理しているとのことある。

   さて、本書の内容であるが、全7章構成であり、前半では第2章の「20億円件のPOSデータが明かす真実」が興味深い内容である。これは、以前、チェーンストアエイジでも連載された内容であるが、P61、図2-3、P65、図表2-4はまさに圧巻である。客単価と客数構成比、客単価と買上店数、買上品目との関係を0円から100円刻みで10,000円まで分析したものであるが、20億件という、膨大なPOSデータであるがゆえに、見えた真実といえよう。

   通常、食品スーパーマーケットで客単価分析をする時は、顧客に焦点を当てず、商品に焦点を当てるため、全体の客単価、部門の客単価、カテゴリの客単価、そして、単品の客単価と掘り下げてゆき、商品1品1品の客単価を引き上げ、全体の客単価アップをはかるのが通常の手法である。ところが、本書では、客単価400円ごとの客数を導き出し、もっとも客数構成比の高い客単価の顧客に注目するという視点を提示しており、興味深いアプローチといえよう。特に、客数のボリュームゾーンは、平均客単価付近ではなく、低客単価のところにあるという事実を浮かび上がらせたところがポイントである。一方、客単価と買上店数、買上品目の分析では、客単価の段差が100円刻みで見ると、2,000円、3,000円、4,000円等にあり、その段差を克服するには、買上点数よりも買上品目に注目した方がベターだと解説しており、これも、従来のPOS分析では明確にならなかった事実であり、興味深い内容である。

   そして、後半では、第6章、第7章が興味深い内容である。第6章は「ターゲット・メディアで店頭消費を動かす1(メーカー事例)」、第7章は「ターゲット・メディアで店頭消費を動かす2(リテーラー事例)」であるが、カタリナ社の仕組みは、これまで、メーカー向けと思っていたが、小売業向けのものも数多く開発されており、特に、ID-POS分析を活用した仕組みなどもあり、今後、さらに、この分野が飛躍的に発展するのではないかかと思った。   

   このように本書は、従来のPOS分析にもとづくレジクーポンの内容だけでなく、新たにID-POS分析の内容も随所に取り入れており、ID-POS分析の本格的な実用までにはもう数年かかるものと思われるが、今後のPOS分析、特にID-POS分析によるマーチャンダイジング、そして、マーケティングを考える上においても、参考になる内容である。最近では、TV朝日の人気番組、サンデープロジェクトにもカタリナマーケティングジャパンのCMが見られ、ますます導入メーカー、小売業が増えるのではないかと思うが、3年後ぐらいに、今度は、ID-POS分析にもとづくレジクーポンの検証結果と全世界の最新情報を交えた第2弾の本を期待したいところである。

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October 1, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)