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December 31, 2009

家計調査データ、2009年11月度、食品98.4%!

   家計調査データの最新、2009年11月度が12/25、総務省統計局から公表された。結果は、全体の1世帯1日当たりの消費額は9,491.33円(昨対100.0%)、外食を除く、食品では1,986.87円(昨対98.4%)となった。全体は名目で100.0%であったが、食品は98.4%と、昨年を若干下回っており、やや厳しい結果となった。家計調査データは、消費額が金額で換算されるため、数量が落ちたのか、価格が落ちたのかはわからないが、昨今のデフレの消費環境から察するに、数量よりも、価格のダウンが大きかったのではないかと推察される。実際、消費者物価指数(CPI)は、この11月度は-1.9%下がっているので、価格のダウンが食品の消費を押し下げたといえよう。

   もう少し、全体の動向を見てみると、中分類の中で最も消費が厳しかった部門は外食の93.6%であった。ついで、被服及び履物94.2%、光熱・水道94.8%であった。逆に、消費が好調な部門であるが、教育110.1%、保健医療106.0%、住居105.5%であった。そこで、最も消費が厳しかった外食の状況を見てみると、好調な項目は中華食111.0%、すし109.8%、中華そば107.0%、学校給食104.9%である。特に、中華食、中華そばは、餃子の王将がこの11月度の売上げも124.8%と絶好調であり、王将が中華全体を牽引しているともいえよう。ただ、これらの項目以外の外食はすべて昨年を下回っている。ハンバーガー89.3%、洋食89.3%、喫茶代92.7%、飲酒代93.2%、日本そば・うどん93.9%、和食94.1%等である。

   一方、好調な部門であるが、教育の110.1%が唯一2桁の伸びであり、その項目を見ると、予備校等の補修教育111.2%、授業料109.8%、その中でも専修学校495.2%、私立中学校132.3%、私立大学128.6%と伸びが著しい。また、教科書・学習参考教材も107.8%と伸びており、ここへ来て、家計は教育に重点的にお金をかけていることがわかる。また、保健医療であるが、医薬品113.3%、保健医療サービス110.4%、特に歯科診療代は141.9%、医療診療代112.7%と、大きく消費が増加している。この両項目とも民主党が力を入れている分野であり、政権交代の影響もあるのかしれない。

   そこで、食品スーパーマーケットにとって、もっとも重要な食品についてであるが、全体は先にも見たように、98.4%とやや伸び悩んでおり、全体の中でもこの11月度は消費が芳しくなかった部門である。特に、穀類94.7%、肉類95.7%、野菜・海藻97.2%、酒類98.1%、油脂・調味料98.4%と、これらの項目が伸び悩んでいるのが特徴である。逆に、昨対を超え、比較的堅調であった項目であるが、乳卵類102.6%、果物101.5%、調理食品(惣菜)100.7%、飲料100.6%である。

   さらに、細かく内容を見てみると、まず、消費が厳しかった項目の中で、90%を割り、80%、70%台のものを見てみると、穀類では、米87.6%、肉類では90%以下はないが、生鮮肉が厳しい状況である。野菜・海藻ではレタス79.7%、こんぶつくだ煮82.8%、キャベツ82.9%、さといも83.3%、梅干し85.9%、かんしょ86.0%、ごぼう86.5%、はくさい88.2%等である。酒類では主力のビールが86.3%と最も落ち込みが大きい。そして、油脂・調味料であるが、食用油81.1%である。消費が厳しかった項目では、以上が特に、落ち込みの大きかったものであるが、これらの項目以外でも、特に消費が厳しかったものを見てみたい。最も気になるのは、全体は堅調な部門であった果物の中で、つい最近まで絶好調であったバナナ72.1%である。約1年間2 桁の伸びであったが、この9月から、伸びも一巡し、一転、下げが続いている。また、魚介類のさんま81.8%、煮干し84.4%、たい88.2%、いか89.4%と気になるところである。

   一方、食品全体が厳しい状況にある中、消費が比較的堅調であった項目の中身であるが、110%以上のものを見てみると、乳卵類では、バター133.3%と、バターが断トツで好調である。ただ、卵は90.7%と厳しい状況であるが、卵以外はすべて昨対を超えており、乳卵類は好調といえよう。果物では、りんご112.1%、かき111.2%と、旬のものが好調であり、金額は小さいがオレンジ137.5%、ぶどう132.6%、いちご113.0%と、好調なものが多い。調理食品では、そうざい材料セット129.7%、うなぎのかば焼き126.8%が絶好調である。そして、飲料であるが、炭酸飲料が130.3%と好調であり、その他の飲料も堅調な数字である。ただ、飲料の中で果物・野菜ジュース93.4%、緑茶96.5%と、この2つが昨対を切っており、伸び悩んでいるのが気になるところだ。

   これ以外の項目で110%以上伸びているものを見てみると、菓子類のアイスクリーム・シャーベット113.2%、ようかん117.4%、野菜・海藻の干しのり121.5%、魚介類のいわし126.5%、かに121.5%、魚介の漬け物118.9%、たこ113.1%、塩さけ111.6%、さば110.0%が110%以上伸びており、消費環境が厳しい中、注目といえよう。

   このように、この11月度の家計調査データは、消費環境が厳しい中、全体としては昨対100.0%と消費は大きく下がっておらず、健闘しているといえよう。特に、教育関連、医療関連が消費全体をひっぱっているともいえる結果である。ただ、気になるのは食品の98.4%であり、食品がここへ来て厳しい消費環境をまともに受け始めたともいえ、伸び悩んでいることである。このような中で好調なものもあるが、全体的には伸び悩んでいる物が多く、今後、どのように推移するか、注意深く見てゆくことが必要といえよう。

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December 30, 2009

ハローズ、2010年2月期、第3四半期、増収、営業増益!

   ハローズが12/25、2010年2月期、第3四半期決算を公表した。いよいよ、2月期の食品スーパーマーケットの第3四半期の決算の公表がはじまり、今後、続々と、公表されるものと思われる。結果は売上高509.73億円(109.5%)、営業利益15.81億円(100.3%:売上対比3.10%)、経常利益15.21億円(96.2%:売上対比2.98%)、当期純利益8.37億円(94.8%:売上対比1.64%)と、営業段階では増収増益、経常利益、当期純利益は若干の減益となった。これまで公開された食品スーパーマーケットの決算は減益となる企業が多いが、ハローズは、わずかではあるが、営業利益が増益となり、厳しい消費環境の中、堅調な決算となった。

   その要因を原価、経費面から見てみると、原価は76.95%(昨年76.88%)と、わずか0.07ポイントであるが、上昇がみられる。ここへ来て、各社価格訴求が激しくなっており、ハローズも価格訴求を強める一方、PB(プライベートブランド)を一層強化し、昨年の売上対比6.7%から7.9%へと引き上げたが、原価の改善にまではわずかに届かなかったようである。結果、売上総利益は23.05%(昨年23.12%)と、わずかに下がった。一方、経費面であるが、22.70%(昨年22.25%)と、経費も0.45ポイント上昇しており、経費の上昇もみられる。今期は、「チラシ回数の見直しによる広告宣伝費の抑制、使用量の削減策による電気代の抑制など全社的な経費削減に取り組み、・・」と、経費削減を徹底したが、昨年を上回る結果となった。

   これは、この11月度のハローズの売上速報を見ると、既存店が93.0%と厳しい状況であり、ここ数ケ月の推移も95%前後であり、既存店の売上が下がったことにより、相対的に固定費が上昇し、経費増となったものといえよう。ハローズは全体の売上高は110%近い好調な数字で推移しているが、これは順調に新店が出店されていることが大きい。この第3四半期も、岡南店(4月、岡山県岡山市 450坪型)、花尻店(6月、同 600坪型)、仏生山店(11月、香川県高松市 600坪型)と3店舗を新規オープンし、現在、広島県19店舗、岡山県22店舗、香川県3店舗の合計44店舗である。この積極的な新規出店がハローズの成長の原動力となっている。

   したがって、原価、経費が昨年に比べ双方が上昇し、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は、0.35%(昨年0.87%)と、厳しい結果となった。これに、不動産収入、物流収入等のその他の営業収入が2.76%(昨年2.53%)のり、結果、営業利益は3.11%(昨年3.40%)となり、残念ながら、営業利益率では減益となった。ただ、先に見たように、今期は大幅な増収となったため、その分で、額ではわずかであるが、増益を確保した。ただ、率では、このように、その他の営業収入がプラスになったにもかかわらず、原価、経費双方が上昇しており、減益となっており、ハローズのこの第3四半期決算は実質、厳しい結果であったといえよう。

   これを受けて、ハローズのキャッシュフローの流れであるが、今期のハローズのキャッシュフローは昨年の決算日が金融機関の休日と重なったため、仕入れ債務の増加があり、36.70億円のプラスがあったが、今期は逆に仕入れ債務の減少があり、-25.39億円となった。そのため、営業キャッシュフローは一転、-8.18億円(昨年55.77億円)と、キャッシュ不足となった。一方、投資キャッシュフローであるが、-42.52億円(昨年-32.32億円)と、出店関連の投資が増加し、大きくマイナスである。その出店関連の投資であるが、-41.36億円であり、投資キャッシュフローの大半を占めている。これは、ハローズの1店舗当たりの出店にかかわる資産が約4億円であるので、約10店舗分に当たり、積極的な投資戦略であるといえる。結果、差し引き、フリーキャッシュフローは-50.70億円(昨年23.45億円)と、昨年の順流から、逆流となり、一転、マイナスのフリーキャッシュフローとなった。

   したがって、財務キャッシュフローでキャッシュを調達するか、内部留保を取り崩してキャッシュを補うことになるが、財務キャッシュフローを見ると、36.11億円(昨年-4.01億円)となり、トータル-14.59億円(昨年15.43億円)となり、今期は財務キャッシュフローだけでなく、内部留保の取り崩しも含め、双方からキャッシュを補っており、苦しいキャッシュの流れである。その財務キャッシュフローであるが、有利子負債の調達を38.11億円行っており、結果、有利子負債は110.88億円となり、総資産309.51億円の35.8%と重くのしかかり、自己資本比率も34.1%(昨年33.9%)と、厳しい状況である。

   このように、この第3四半期のハローズの決算は、積極的な新店の出店により、増収となり、営業利益率の減益を増収でカバーし、営業利益高では増益となったが、その中身は原価、経費が上昇し、厳しい状況である。また、財務面でも、昨年から一転、金融機関の休日との関係もあり、仕入れ債務が減少し、営業キャッシュフローがマイナスとなり、キャッシュ不足となり、有利子負債を増加させる一方、内部留保も取り崩しており、財務の改善が進んでおらず、厳しい状況である。今後、積極的な投資により、新店開発が進めば増収を確保することは可能ではあるが、一方で財務面の課題は残されたままといえ、いかに、財務の改善をはかってゆくかが、経営上の大きな課題といえよう。今期もあとわずかであるが、来期へ向けて、ハローズがどのように財務改善の戦略を打ち出すか注目したい。 

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December 29, 2009

消費者物価指数(CPI)、2009年11月、-1.9%!

   12/25、総務省統計局から、2009年11月度の消費者物価指数(CPI)が公表された。消費者物価指数は総合指数が3つに分かれており、1つ目が文字通り総合指数、結果は-1.9%、2つ目が生鮮食品を除く総合指数、結果は-1.7%、そして、3つめが食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数、結果は-1.0%であった。3つの総合指数がいずれも、昨年対比マイナスとなり、デフレ、真っただ中であるといえよう。ただ、これをグラフでみると、昨年が異常な物価高であったため、ちょうど上に半円形の動きをしており、今年は、逆の下に半円形の動きとなっており、プラスマイナスで3年前に戻っているともとれる。まさに、sinカーブを描いているといえ、今後、徐々に収束に向かい、来年中盤にはグラフを見る限り、プラスに転じる可能性も否定できず、落ち着くまで、もう数ケ月、状況を見極める必要がありそうである。

   一方、全く別の見方もある。そもそも、消費者物価指数(CPI)は、5年前の平成17年(2005年)を100とした場合の指数のことであるが、この数字を見ると、総合指数は99.8%、生鮮食品を除く総合指数は99.9%、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は98.5%である。この数字を見ると、ちょうど5年前の物価にもどったともいえ、デフレというよりも落ち着いたとみることもできる。実際、この指数を一覧にしたグラフを見ると、昨年が明らかに異常値であり、大きく消費者物価指数(CPI)が上昇しており、過去5年間では異常な1年であったことがわかる。その異常値が、今年に入ってもとにもどりつつあり、この数ケ月でほぼ、もどったともとれる。

   したがって、これ以上、消費者物価指数(CPI)が昨年対比で見ても、平成17年度を100とした場合で見ても、下落傾向が続くかどうかが、ポイントであるといえ、12月、そして、来年数ケ月の数字が今後の物価を判断する上で重要な期間となろう。もちろん、短いスパン、昨年対比等で見れば、明らかなデフレ、物価下落であることは確かであり、ここは、短期的な見方と中長期的な見方、双方で見た方が現状を正確に認識できるといえよう。結論としては、短期的にはデフレ、物価の下落が鮮明であるが、中長期的には昨年の異常値が急激に解消されつつあり、さらに、デフレが進行し、物価の下落が続くかは、もうしばらく、様子を見る必要があるというところかと思う。

   では、この11月度の10大費目の昨対と寄与度であるが、寄与度の最も大きかった項目は、食料-0.56、そして、光熱・水道-0.51である。ついで、教養・娯楽-0.32、交通・通信-0.22となる。その中身であるが、食料については、生鮮食品-0.26、生鮮食品を除く食料-0.28と、どちらも下落しており、食料全般の物価が下がっている状況である。これは、食品スーパーマーケット業界の、ここ最近の数字を見ても裏づけられており、この11月度の売上速報は大半の食品スーパーマーケットの平均単価が落ちており、厳しい状況である。食料についで、水道・光熱費では、電気代が-6.4%(寄与度-0.20)と大きかった。教養・娯楽では、何といっても外国パック旅行-19.9%(-0.12)が大きく下落しているのが特徴である。JALの今後が気になるところである。交通・通信では、ガソリン-5.3%(-0.13)が大きく下落している。

   また、これ以外の10大費目では、家具・家事用品-0.14、特に、電気冷蔵庫-17.2%(-0.02)と、家電関係が大きく下落しているのが特徴である。家電ではこの電気冷蔵庫以外でも下落の大きいものがあり、テレビ(薄型)-35.0%(-0.05)、パソコン(デスクトップ型)-38.5%(-0.02)、パソコン(ノート型)-49.7%(-0.03)、カメラ-31.8%(-0.01)なども大きく下落している。

   では、食品スーパーマーケットに関係の深い食料では、この11月度は、どのような状況であったかを見てみると、飲料-3.2%(ミネラルウォーター-8.6%、コーヒー豆-6.5%、果実ジュース-5.7%等)、穀類-3.1%(スパゲッティ-8.8%、食パン-7.0%等)、肉類-2.5%(牛肉B-5.1%、鶏肉-5.0%等)、油脂・調味料-2.0%(食用油-17.0%、マヨネーズ-10.0%、ケチャップ-8.5%、カレイルウ-5.0%等)、酒類-1.9%(ウィスキー-2.7%、ぶどう酒(ワイン)-2.7%、発砲酒-2.2%、ビール-2.1%等)、調理食品-1.7%(調理パスタ-6.6%、混ぜごはんのもと-6.1%、冷凍調理コロッケ-5.1%、調理カレー-3.8%、おにぎり-3.4%等)という状況である。

   このように、この11月度の消費者物価指数(CPI)は昨年対比ではデフレがより鮮明になり、物価の下落が一段と進みつつあるといえよう。ただ、中長期的に見ると、3年前の水準にもどったともいえる数字であり、昨年の異常な物価高をどう位置づけるかが難しい判断のしどころであるといえよう。今後、さらに、デフレが進行し、3年前の水準を大きく下回る場合は、経済は危険水域に入るといえるが、現段階ではまだそこまではデフレは進行しているとはいえず、もう数ケ月、様子を見る必要があろう。次の12月度、そして、来年早々の数ケ月間の消費者物価指数(CPI)が、今後をうらなう上で極めて重要といえ、その数字がどのような結果となるか気になるところである。

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December 29, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 28, 2009

オーケーストア、2010年3月度、中間決算、増収増益!

   オーケーストアが2010年3月期の中間決算を12/18、公表した。結果は、売上高1,079.75億円(昨対115.5%)、営業利益54.08億円(116.9%、売上対比5.0%)、経常利益55.19億円(116.5%、売上対比5.1%)、当期純利益32.17億円(117.2%、売上対比2.9%)と、いずれも2桁増の増収増益の好決算となった。ただ、オーケーストア自身は、「売上前年比は経営目標の30%成長の約半分、不甲斐ない成績でございましたが、・・」とコメントしているように、満足していないようで、特に、新店開発の遅れが気になっているようである。ただ、利益に関しては、「お陰様で、経常利益は最高額を更新、好調な決算が出来ました。・・」とコメントしており、過去最高の利益達成を株主、取引先等に感謝しているようである。

   ちなみに、オーケーストアは、この厳しい消費環境をどのように捉えているかであるが、「雇用の低迷・賞与の減額等で、一般的には消費が節約指向です。価格競争も益々激しく、また生鮮食品の単価の下落も売上が伸ばしにくい要因です。社会的な逆風には真っ向から取り組み、如何にして、これを克服するか、また順風は自らが創り出して会社の将来を如何に優位に導くか、正に正念場と心得ております。」と、厳しい認識をしているが、一方で、「このような中で、順風を自ら作り出して、・・」と述べており、強い、デフレ克服の意思を示しているといえよう。

   では、この2桁の増益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、80.34%(昨年80.09%)と、わずかであるが、上昇している。さすがのオーケーストアもコメントにもあるように、生鮮食品の単価の下落等が響いたようで、原価の上昇がみられる。結果、売上総利益は19.66%(昨年19.91%)と、若干下がったが、依然として20%を割っており、食品スーパーマーケット業界の中では極めて低い数字である。一方、経費の方であるが、14.64%(昨年14.95%)と、昨年よりも下げており、経費削減が一層進んでいる。この14.64%の経費比率は決算公開企業約50社の中では断トツのトップであり、2位がトライアルカンパニー、アオキスーパー等の16%台であり、4位以降は18%台となるので、14.64%がいかに低い数字であるかがわかる。その低い経費比率をさらに、下げたわけであり、これが、まさに、オーケーの強さの源泉といえよう。

   この2つの数字を見る限り、この中間決算において、原価を上げ、結果、粗利を下げたことにより、平均単価が下がっていると思われるが、それに応じて、経費も引き下げており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力(オーケーストアの場合は、営業利益と同じ)は5.02%(昨年4.96%)と、改善しており、経費の削減が粗利のダウンを上回り、これに、売上増があいまって、2桁の増益をもたらしているといえる。デフレ時に増益を目指すには、いかに、経費の削減が経営的に重要であるかをオーケーストアは、まさに、実証しているといえよう。

   この中間期においては、もう一点、オーケーストアの経営改革が行われている。それは、資本政策である。オーケーストアは、これまで急激な成長を遂げてきたが、その資金は借入に頼ってきたため、自己資本比率が低く、今後、さらに継続的に新規出店を果たしてゆくには、自ら資金調達をする必要に迫られていた。特に、2007年度の自己資本比率は30.6%と、約70%を負債に依存した財務構造であったため、資本不足の状況であったといえる。これを解消するため、2007年度にはじめて、議決権のない株式を発行し、自ら資本の増強に入った。2007年度21.88万株、2008年度50.94万株、そして、今期、2009年度は47.98万株と合計120.80万株をこの3年間に発行し、自己資本の充実をはかった。その結果、2008年度の自己資本比率は34.2%、2009年、この中間決算では38.5%と大幅に改善された。純資産も2007年度158.46億円から、この中間決算時は293.65億円となり、135.19億円増加しており、経営の健全化が急ピッチで進んでいるといえる。

   ただ、有利負債はこの中間決算時は147.14億円(昨年144.84億円)であり、若干の改善であるが、純資産が大幅に増加しており、結果、現金が262.88億円(昨年194.61億円)と、大きく増加しており、実質、無借金といえ、財務はさらに、強固になりつつある。この現金262.88億円は、総資産760.08億円の34.58%に当たり、決算公開企業約50社の中でもトップクラスである。

   このように、オーケーストアの2010年3月期の中間決算は2桁の増収増益と、絶好調といえ、デフレという厳しい経営環境の中で、原価の上昇はみられたが、それ以上に経費を削減し、昨年以上のマーチャンダイジング力を強化しており、オーケーストアの強さが際立った中間決算となった。また、大きな経営課題であった資本不足も、この3年間の種類株の発行により、順調に資金調達ができ、自己資本比率も大幅に改善することができ、財務の健全化が大きく進んだといえよう。残す課題は、オーケーストア自身も認識しているように新店開発に絞られたといえよう。残された後半、そして、来期、オーケーストアがどのような新店戦略を打ち出すか注目である。

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December 28, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 27, 2009

餃子の王将、絶好調、中間決算を見る!

   日経MJ、12/25に外食35社の11月度の売上高が掲載された。見出しは、「外食32社前年割れ、主要35社11月売上高、一部に値下げ効果」である。実際、この一覧表を見ると80%台が続出しており、ここへ来て、外食が極めて厳しい経営環境にあるかがわかる。ただ、その中でも、100%を大きく超えた企業がある。王将フードサービス124.8%、サイゼリア118.9%、くらコーポレーション117.4%である。そこで、王将の好調の要因と経営戦略を、先に公表された最新の決算、2010年3月期の中間決算をもとに見てみたい。

   ちなみに、この11月度、売上が好調な上記3社の状況であるが、王将124.8%、既存店119.5%、客数120.4%、客単価98.6%、サイゼリア118.9%、既存店113.0%、客数111.8%、客単価101.1%、くら117.4%、既存店106.1%、客数104.7%、客単価101.3%である。いずれも、既存店の客数が大きく伸びているのが特徴であり、デフレ時の売上アップ戦略は客単価を維持し、既存店の客数を大きく増加させることが、ポイントであることを示唆しているといえよう。それにしても、王将の既存店の客数120.4%は異常値といえ、小売業界全体の中でも際立っている数値である。

   そこで、まず、王将の中間決算の概況であるが、売上高328.39億円(122.2%)、営業利益54.38億円(177.1%:売上対比16.55%)、経常利益55.25億円(175.2%:売上対比16.82%)、当期純利益27.37億円(153.2%、売上対比8.33%)である。売上以上に利益が大きく伸びており、既存店の売上アップがいかに利益増に直結しているかがわかる。一般に既存店の売上が上がると、固定費が相対的に下がり、全体の経費削減効果が生まれ、利益が大きく増加することが多い。

   では、王将の利益構造はどのような状況であるかを、原価、経費の面から見てみたい。まず、原価であるが、29.07%(昨年31.18%)と、昨年よりも2.11ポイント下がっており、結果、売上総利益は70.93%(昨年68.82%)と上昇している。それにしても、食品スーパーマーケットでは考えられない数字であり、比率が正反対、原価約70%、売上総利益約30%の世界であり、ここが外食と食品スーパーマーケットの決定的な違いといえる。一方、経費の方であるが、54.36%(昨年57.38%)と、3.02ポイント下がっており、経費の削減が進んでいる。まさに、既存店の売上アップ効果といえよう。結果、ダブルで利益を改善しており、差し引き、マーチャンダイジング力は16.57%(昨年11.44%)となり、大幅な数字改善となった。王将の決算は、その他営業収入が0であるので、マーチャンダイジング力=営業利益となるので、16.57%が営業利益となる。

   それにしても、原価、経費、双方を引き下げ、営業利益を大きく改善しており、売上高だけでなく、利益も大幅に改善している。王将はまさに、絶好調といえよう。王将は現在、直営354店舗、FC188店舗、合計542店舗であり、この中間期も直営12店舗、FC7店舗、合計19店舗を新規出店しており、新店開発も順調に推移している。

   この好調な決算を受けて、経営戦略が最も反映されるキャッシュフローの状況であるが、営業キャッシュフローは、55.05億円(昨年26.52億円)と、当期純利益の増加分が大きく、大幅に増加した。結果、投資へのキャッシュが大きく増加することになり、投資キャッシュフローは-20.14億円(昨年-11.68億円)と、約10億円投資キャッシュフローが増加した。その中身であるが、有形固定資産の取得による支出、すなわち、新規出店への投資が-19.43億円(昨年-13.75億円)と大半を占め、大きく増加している。好調な決算による増加したキャッシュを新規出店に厚く割り当てているといえよう。したがって、今後も、新規出店が順調に増加するといえ、安定した成長が期待されよう。結果、差し引き、フリーキャッシュフローであるが、35.62億円(昨年14.48億円)となり、潤沢なキャッシュを確保することとなった。

   そして、その豊富なキャッシュフローを財務キャッシュフローに配分することになるが、その中身を見ると、配当へは5.02億円(昨年5.02億円)と、昨年同様であり、増加していない。本来、上場企業としては、利益は株主への還元が最優先されると思われるが、配当への配分は、中間決算ということもあると思われるが、昨年同様の数字である。ただ、今期は、別の形で株主還元しており、自社株買いに28.59億円(昨年0)と、フリーキャッシュフローの大半を配分しており、株価の価値を引き上げているのが特徴である。また、有利子負債の返済も差し引き、4.60億円返済している。結果、財務キャッシュフローは-42.09億円(昨年6.01億円)となり、トータル-7.58億円(昨年20.84億円)となり、若干であるが、内部留保を取り崩しているが、ほぼ、フリーキャッシュフロー=財務キャッシュフローという状況である。

   したがって、今期の好調な中間決算のフリーキャッシュフローの大半を自社株買いに当てるという思い切った財務戦略を打ち出したのが特徴といえる。この自社株買いは、株主への直接的な配当ではないが、間接的な還元であるといえ、株主還元をはかる一方、将来のM&Aに備えた自社株の確保もあると思われる。こう見ると、この中間決算のキャッシュフローは、新規出店と将来のM&Aへの配分を厚くしたといえ、王将が引き続き、既存店だけに頼らない、今後の成長戦略に向けた投資を優先したといえよう。当面、王将の成長は持続されるといえ、今後、さらに、成長に向けて、王将がどのような経営戦略を打ち出すかに注目したい。

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December 27, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 26, 2009

マックスバリュ中部、第3四半期決算、増収減益!

   マックスバリュ中部が12/10、2010年1月期の第3四半期決算を公表した。結果は、営業収益872.24億円(101.9%)、営業利益8.70億円(68.6%、営業収益比0.99%)、経常利益9.04億円(66.1%、営業収益比1.03%)、当期純利益2.86億円(65.7%、営業収益比0.32%)と、増収減益となる厳しい決算となった。特に、既存店が96.8%となり、その中身は客数100.2%、客単価96.6%と、客単価の落ち込みが大きいのが特徴である。さらに、客単価の中身は、PI値(1人当たり買上点数)が101.1%、平均単価が95.5%という状況であり、平均単価ダウンが売上、利益を押し下げた要因といえよう。

   消費環境のデフレ基調が鮮明となり、各社がディスカウントに走り、価格競争が激化している様相がまさに、マックスバリュ中部にも、平均単価のダウンとして表れているといえよう。一般に平均単価がダウンすると、PI値は上昇するが、今回のように、平均単価の下落分をカバーできないと客単価がダウンし、結果、客数の上昇分をカバーできず、売上を下げることになる。まさに、今回のマックスバリュ中部はこの構図にはまっている状況であり、厳しい数字といえよう。さらに、平均単価のダウンは、原価の上昇要因となる一方、今回のように既存店の売上ダウンをもたらし、結果、固定費が相対的に上昇し、経費増となり、減益となる場合が多い。

   そこで、今回の減益の要因を見てみると、原価は75.53%(昨年74.93%)と、上昇し、結果、売上総利益は24.47%(昨年25.07%)と、-0.60ポイント下がっており、価格競争により、売価が下がり、原価が上昇したものと思われる。一方、経費の方であるが、26.01%(昨年26.06%)と、0.05ポイント減少しており、経費増はみられなかったが、原価の上昇が利益を圧迫していることがわっかる。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-1.54%(昨年-0.99%)と上昇しており、商品売買から得られる利益はマイナス、しかも、その幅が拡大するという厳しい状況である。

   これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が2.57%(昨年2.52%)のり、営業利益は1.03%(昨年1.53%)と、プラスにはなったが、わずか、1%強という厳しい状況であり、昨年と比べても0.50ポイント減少するという結果となった。まさに、デフレによる平均単価ダウンが、既存店の売上を下げ、さらに、全体の原価を下げ、利益を圧迫した構図であり、平均単価、プライスラインを維持することが、いかに食品スーパーマーケットにとって経営の根幹指標のひとつであるかがわかる。

   デフレはまさに、この平均単価を直撃する要因になるといえ、今後、食品スーパーマーケット業界としては、平均単価、プライスラインをどのラインで食い止められるかが、売上、利益に直結してくる問題であり、細心の注意を払う必要があるといえよう。

   これを受けて、マックスバリュ中部のキャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは16.77億円(昨年35.54億円)と半減したが、投資キャッシュフローは-30.55億円(昨年-26.87億円)と、増加しており、結果、フリーキャッシュフローは-13.78億円(昨年8.67億円)となり、昨年の順流から逆流となり、キャッシュ不足となった。これは、今期も28.53億円の有形固定資産の増加、すなわち、積極的な新店への投資を行ったためである。マックスバリュ中部の1店舗当たりの出店にかかわる資産は3.33億円であるので、約9店舗分の新規出店となり、積極的な新規出店への投資といえる。

   問題は、フリーキャッシュフローがマイナスとなっているので、昨年とは一転、その資金が営業キャッシュフローではまかなえない状況にあることである。したがって、財務キャッシュフローか、内部留保を取り崩すことになる。そこで、財務キャッシュフローを見ると、5.72億円(昨年-6.45億円)と、プラスになっている。その中身は、有利子負債が13.28億円増加し、返済が5.04億円であるので、差し引き、8.24億円の増加であり、有利負債を当てていることがわかる。ただ、それでも、トータルキャッシュフローは-8.05億円(昨年2.21億円)の減少であり、さらに、内部留保を取り崩しており、今期は、投資キャッシュフロー、すなわち、新店への投資を営業キャッシュフローでは賄えず、有利子負債と内部留保を取り崩し、補っているキャッシュの流れであり、厳しい状況である。

   結果、有利子負債は81.23億円(前期決算時67.54億円)と増加し、総資産413.59億円の19.6%となった。自己資本比率も32.8%と厳しい状況であり、負債が重く経営にのしかかっている状況である。また、現金も11.35億円(前期決算時14.59億円)と減少しており、キャッシュが経営全体として減少している。

   このように、マックスバリュ中部の2010年1月期の第3四半期決算は、増収とはなたが、平均単価の下落が響き、既存店の売上が下がり、利益面では原価が下がり、減益となった。その結果、キャッシュフローも昨年の順流から逆流となり、新規出店への投資がキャッシュ不足となり、有利子負債を調達せざるをなくなり、さらに、内部留保も取り崩す結果となった。今後、デフレはさらに深まり、平均単価のダウン、すなわち、プライスラインがさらに下がるものと予想されるが、マックスバリュ中部が、どのようにプライスラインの下落を食い止め、既存店の活性化、そして、収益の改善をはかってゆくかに注目である。

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December 26, 2009 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 25, 2009

丸和、2010年1月期、第3四半期決算、減収減益!

   九州、福岡の丸和が、12/4、2010年1月期の第3四半期決算を公表した。結果は、売上高284.73億円(94.9%)、営業利益-1.58億円、経常利益-3.98億円、当期純利益-5.75億円と、減収減益、すべての段階で赤字となる厳しい決算となった。丸和は九州、福岡市場に上場しているが、親会社は議決権の66.4%の株式を保有する非上場の広島のユアーズであり、ユアーズのもとで、経営を再建中である。

   この9/4には、事業構造改革への取り組みの方針が示され、この中で、「エリアドミナント戦略の見直しを軸として、付随する不動産賃貸借契約、光熱費等含めた固定費の総合的な検討を行い、店舗利益の極大化を目指して取組む、・・」という方針が、当面3ケ月を目途として、示された。その後、11/24には、「具体的には、所有不動産・賃貸不動産の精査・評価を行い、①物件売却、テナントリーシングを行うこと、②不動産賃貸借契約の金額見直しのお願いを行うこと、加えて、当社展開エリアの再検討を行い、③不採算店舗の撤退を行うこと、の3点を主軸として関係者と調整して参りました。結果、現在においては一部旧店舗の売却実施、不動産賃貸借契約の支払減額、4店舗の閉鎖が確定いたしました。・・」ということであり、構造改革の真っ最中である。

   この第3四半期決算は、今年の2月から10月までの9ケ月間であるが、一部、この事業改革の期間もかぶっており、その成果が問われ始める時期の決算結果であるといえる。そこで、ここでは、まず、この減収減益となった要因を分析し、合わせて、財務面において、丸和が現在どのような状況にあるのかを見てみたい。

   まず、丸和が事業の構造改革へ取り組まざるをえない要因であるが、大きく2点あるといえよう。ひとつは、利益剰余金が今期の赤字を加えると、-59.86億円となり、昨年までの資本金および、資本剰余金の合計57.92億円では、マイナスとなり、債務超過となってしまうことである。したがって、これを今期は、資本を増強し、71.86億円とせざるをなかった点である。経営に、マイナスの利益剰余金が重くのしかかり、資本不足にある点である。

   これを改善するには、まさに、マーチャンダイジング力を高める必要があるが、今期の原価は74.17%、結果、売上総利益は25.83%であり、一方、経費は27.41%であり、差し引き、マーチャンダイジング力は-1.58%と、逆ザヤになっている。これに、不動産収入、物流収入等が、1.02%加わるが、営業利益は-0.56%の赤字となっている。したがって、さらに、利益剰余金のマイナスが膨らむことになり、資本が目減りすることになる。まずは、このマーチャンダイジング力をいかにプラスにもってゆくかが、構造改革にとっても最重要課題である。

   さらに、もう1点は、有利子負債の状況である。現在、丸和の有利子負債は更生債権等を入れ、147.47億円であり、これは、総資産265.73億円の55.49%にもあたり、これが自己資本比率を下げ、今期は12.6%(昨年9.3%)と、昨年よりは資本が増強した分やや改善したが、依然として、極めて厳しい状況にあり、負債、特に、有利子負債に大きく依存せざるをえない状況にある点である。これも、返済をしてゆくには、キャッシュを生み出すしかなく、現在、構造改革で取り組んでいる経費削減、不動産の見直しに加え、マーチャンダイジング力を高めることが必須であるといえる。したがって、丸和の経営の2大重点課題、マイナスの利益剰余金、多額の有利子負債を解決するには、いずれも、マーチャンダイジング力の改善が大前提であり、この点を今後、いかに抜本的に構造改革するかが最大の課題といえよう。

   今回、その鍵を握るのが親会社の広島のユアーズであるが、ユアーズの2009年9月期の決算が12/3、公表された。それによると、売上高400.03億円(昨対95.92%)、営業利益3.08億円(売上対比0.77%、昨対45.42%)、経常利益4.66億円(売上対比1.16%、昨対57.52%)、当期純利益0.35億円(売上対比0.08%、昨対20.90%)となり、減収減益という厳しい決算結果である。また、純資産比率も13.31%と、負債に大きく依存する経営構造であり、特に、有利子負債が135.29億円と総資産の60.72%と大半を占めており、厳しい財務状況である。したがって、ユアーズ自身も収益の改善、財務の再構築が現在、経営の優先課題といえ、丸和を支援するには十分な余裕がないのが現状といえよう。丸和としては、事業構造改革を一層すすめる一方で、マーチャンダイジング力、商品売買から得られる利益を、自らの力でいかにプラスにもってゆくが、喫緊の課題といえよう。

   このように、丸和の2010年1月期の第3四半期決算が公表されたが、依然として、予断を許さない、厳しい経営状況にあるといえ、資本の増強がなされたことは一歩前進といえるが、利益は依然として、赤字が続いており、まずは、マーチャンダイジング力を高め、商品売買から得られるキャッシュをいかに生み出すかが先決といえよう。今期もあと1ケ月たらずとなったが、デフレ環境はますます厳しさを増しており、このような中で、丸和がどこまで、マーチャンダイジング力の改善をはかれるかに注目したい。

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December 25, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 24, 2009

平和堂、2010年2月期、第3四半期、減収減益!

   平和堂が、2010年2月期、第3四半期決算を12/18公表した。結果は、営業収益2,826.44億円(92.9%)、営業利益55.52億円(74.5%)、経常利益55.90億円(75.9%)、当期純利益44.73億円(139.0%)と、当期純利益は増益となったが、営業、経常段階では減収減益となる厳しい決算となった。この結果に対して、平和堂は、「衣料品や住居関連品などの不要不急商品の販売低迷に加え、食品におきましても商品単価の下落の影響が拡がりました。・・」とコメントしているように、衣料品、住居関連品の厳しい販売不振に加え、主力の食品も価格が下落し、厳しい結果となったという。

   この12/22には平和堂も加盟する日本チェーンストア協会、68社の2009年11月度の売上速報が公表されたが、その結果も92.0%と芳しくなく、12ケ月連続のマイナスであり、しかも、下げ幅もここ数年では最も大きく、食品スーパーマーケットを含め、小売業全体が厳しい局面に入ったといえよう。

   日本チェーンストア協会が公表した、この11月度の結果をもう少し詳しく見てみると、食料品94.0%(農産品90.7%、畜産品92.1%、水産品91.9%、惣菜93.9%等)、衣料品85.6%(紳士衣料90.7%、婦人衣料91.5%、その他の衣料・洋品80.8%等)、住関連90.8%(日用雑貨品89.6%、医薬・化粧品91.9%、家具・インテリア92.7%、家電製品85.1%等)、サービス93.2%という状況である。この結果を見ると、特に、衣料品の落ち込みが大きく、衣料品の売上構成比が高いGMS、SCなどは厳しい結果となったといえよう。また、主力の食料品も特に生鮮3品が伸び悩んでおり、すべての部門がこの11月度は不振となったといえる。まさに、デフレの影響が鮮明になったといえ、当面、小売業は厳しい数字が続くものといえよう。

   平和堂の商品構成を中間決算の数字から見ると、食料品60.8%、衣料品15.4%、住居関連品13.9%であり、衣料品の構成比が高く、デフレの影響を受けやすい営業構造であり、今回、減収を招く大きな要因となったといえよう。また、平和堂はSCタイプのアルプラザ65.0%、GMS15.1%、食品スーパーマーケットのフレンドマート19.9%という業態構成であり、衣料品、住関連品の売上構成比の高いSC、GMSが主力業態であり、同様にデフレの影響を強く受け安く、売上、利益への影響が大きかったといえよう。

   そこで、平和堂が減益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、70.81%(昨年70.55%)と、0.26ポイント上昇しており、結果、売上総利益は29.19%(昨年29.45%)と下がった。一方、経費の方であるが、34.04%(昨年33.86%)と、0.18ポイント上昇している。したがって、売上は下がり、原価、経費双方が上昇するというトリプルでの利益への圧迫があり、差し引き、マーチャンダイジング力は-4.85%(昨年-4.41%)と0.44ポイントの減少となった。先に見たように、平和堂は食品スーパーマーケットというよりも、SC、GMS主体であり、しかも、衣料品、住関連品の売上構成比も高く、マーチャンダイジング力、すなわち、商品売買で得られる粗利をプラスにもってゆくのは、難しい業態であるといえ、マーチャンダイジング力が大きくマイナスとなる。ただ、昨年よりも、マーチャンダイジング力が下がっており、厳しい結果である。

   これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が6.95%(昨年7.04%)のり、営業利益は2.1%(昨年2.63%)となり、大きく減益となった。原価、経費が上昇し、その他営業収入も減少、さらに、売上げも減少という利益に直結するすべての要素がマイナスとなっており、いかに、このデフレが小売業に深刻な影響を与え始めているかがわかる。日本チェーンストア協会68社の全体の売上高が92.0%、平和堂が92.9%であり、ほぼ平均に近い数字であることからも、68社の大半の企業が平和堂と同様の厳しい決算結果となったものと推測される。今期もあと数ケ月であるが、小売業界は極めて厳しい経営の局面に立っているといえよう。

   参考に、日本チェーンストア協会加盟の小売業であるが、アップルランド、アブアブ赤札堂、アルビス、イオン、イズミヤ、伊徳、イトーヨーカ堂、いなげや、エコス、遠鉄ストア、小田急商事、オークワ、カスミ、関西スーパーマーケット、旭友ストア、近商ストア、銀ビルストア、クイーンズ伊勢丹、京王ストア、京急ストア、京成ストア、京阪ザ・ストア、ケーヨー、生活協同組合コープとうきょう、さえき、サミット、合同会社西友、ゼビオ、相鉄ローゼン、ダイエー、大創産業、タイヨー、天満屋ストア、東急ストア、東武ストア、とりせん、トーホーストア、ニトリ、花正、はやし、阪食、バロー、ピーコックストア、福田屋百貨店、フジ、文化堂、平和堂、ベイシア、ベルク、ホクレン商事、ホーマック、マックスバリュ中部、マックスバリュ東海、マックスバリュ西日本、マックスバリュ北海道、マツヤ、丸井グループ、マルエツ、丸久、共同組合丸合、マルヤ、ヤオコー、ヤマナカ、ユニー、ユニバース、ヨークベニマル、義津屋、ライフコーポレーショオンの69社である。

   主要食品スーパーマーケットは入っているが、地方の中小の食品スーパーマーケットは入っておらず、どちらかというと大手GMSの影響が大きいといえ、食品スーパーマーケット業界の数字よりも、衣料、住関連、業態ではSC、GMSの影響がやや強く反映されるといえるが、小売業の全体の動向をほぼ反映しているといえよう。今年も残すところあとわずかであるが、この厳しいデフレ環境に対し、各社がどのような対策を打ち出すか、その動向に注目である。


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December 24, 2009 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 23, 2009

コンビニ売上速報、2009年11月度、既存店-6.3%!

   コンビニの2009年11月度の売上速報が12/21、日本フランチャイズチェーン協会から公表された。デフレ真っただ中での売上動向であり、予想どおり、厳しい数字となった。全体は6,343.78億円(昨対-3.6%)であり、既存店は-6.3%となった。店舗数は42,673店舗(昨対2.4%)と微増とはなったが、既存店が-6.3%となったことで、全体の売上げをカバーできなかった。ただ、それでも、昨年11月度は全体が9.9%(既存店7.4%)の伸びであったので、昨年を異常値と見れば、一昨年よりは、数字は伸びており、極端な数字の落ち込みとはいえず、低成長が続いているともとれる数字でもある。

   このコンビニの集計企業であるが、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの11社であり、主要コンビニを網羅しており、数字の信頼度は高いといえよう。

   では、今回、全体が-3.6%、既存店が-6.3%となった中身であるが、全体については客数11.12億人(昨対-0.8%)、客単価は570.3円(昨対-2.8%)である。また、既存店については、客数10.36億人(昨対-3.3%)、既存店564.6円(昨対-3.0%)である。全体は客数よりも客単価の落ち込みが大きいが、既存店は、客数、客単価、双方が落ち込み、売上げが伸び悩んだ状況である。ちなみに、1店舗当たりの客数であるが、11.12億人を店舗数42,673店舗で割り、11月度の営業日数30日で割ると、868.62人であり、約850人強である。したがって、ごく平均的なコンビニの営業状況は、1日約850人の顧客が来店し、約600円弱の買い物をしているのが実態であり、結果、約50万円強の売上げとなる。月間では1,500万円、年間では1億8,000万円、約2億円のビジネスであり、これが1万店舗になると、2兆円の規模になるという構図であることがわかる。

   一方、今回の数字を商品面から見ると、どのような状況であったかであるが、コンビニの商品構成は大きく4つに分かれており、日配食品(ファストフード、日配等)、加工食品(菓子、調味料、飲料、酒等)、非食品(雑誌、たばこ、日用雑貨等)、サービス(コピー、宅配等)である。それぞれの構成比とこの11月度の伸び率であるが、日配食品33.4%(伸び率-4.1%)、加工食品29.6%(-5.6%)、非食品32.5%(-1.9%)、サービス4.5%(0.6%)という結果である。日配食品、加工食品、非食品がほぼ30%前後の均等の構成比となっており、最近、拡大しつつあるサービスはまだ、4.5%と、構成比は低い状況である。また、伸び率であるが、加工食品、日配食品の下げが、この11月度は大きく、非食品は-1.9%と比較的健闘しているといえよう。

   この非食品にはたばこが入っており、昨年の4月以降、taspo効果により、たばこの売上げが急拡大し、非食品を力強く牽引してきたが、意外に、taspo効果が切れても、その落ち込み幅は小さく、たばこの売上が高値安定している状況といえよう。したがって、この11月度の売上ダウンの原因はtaspo効果が切れたことよりも、加工食品、日配食品の落ち込みの方が大きいといえ、まさに、デフレによる、価格競争がコンビニにも大きな影響を与え始めているのではないかと推測される。

   昨年から今年前半にかけてのtaspo効果についてであるが、昨年4月度から、たばこの含まれる非食品の数字を追ってみると、2008年4月度(構成比28.5%、伸び率4.9%)、5月度(30.0%、15.9%)、6月度(31.6%、22.4%)、7月度(31.5%、33.0%)、8月度(31.2%、27.7%)、9月度(31.3%、24.9%)、10月度(32.4%、29.7%)、11月度(32.2%、26.4%)、12月度(33.0%、25.3%)、2009年1月度(32.8%、28.0%)、2月度(32.7%、22.7%)、3月度(32.1%、23.2%)、4月度(32.5%、23.0%)、5月度(31.5%、10.2%)、6月度(32.2%、3.1%)という推移である。

   こう見ると、taspo効果は昨年5月からはじまり、今年の4月から5月に終了していることが鮮明であり、しかも、構成比を28%台から32%まで引き上げており、非食品部門を大きく増加させたことがわかる。また、taspo効果が切れた6月以降もほぼ昨対を維持しており、この11月度も-1.9%、昨年11月度が26.4%であるので、下げ率はわずかであり、taspo効果で増加した売上げをほぼ維持しているといえ、定着したといえよう。

   したがって、ここ最近の課題はポストtaspoというよりも、コンビニの中核食品である弁当、ファストフードの日配食品、菓子、飲料、酒等の加工食品の落ち込みに問題があるといえ、これは、まさに、デフレによる価格の下落がこの両部門を直撃しているのではないかと推測される。

   このように、コンビニのこの11月度の売上げが、特に、既存店では落ち込みが大きく、厳しい状況にあるといえるが、その原因は昨年、異常値をつくったtaspo効果が切れたこともあると思われるが、それ以上に、デフレの影響が定価格を原則に営業してきたコンビニと競合する各小売業との商品の価格との間に大きな格差が生じ、結果、客数、客単価ダウンを余儀なくさせていることが大きいといえよう。特に、コンビニの強かったファストフード、弁当にデフレの影響は及びはじめたといえ、今後、いかに、このデフレ環境の中で、プライスラインをどのように設定するかが問われているといえよう。次の12月度、そして、来年の1月以降、各コンビニがどのようなデフレ対策を打ち出すか注目である。

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December 23, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 22, 2009

マックスバリュ北海道、2010年1月、第3四半期、減益!

   マックスバリュ北海道が、2010年1月期の第3四半期決算を公表した。食品スーパーマーケット業界は、上場企業が約50社であるが、その内、2月期決算が約6割、ついで、3月期決算が約2割あり、1月度決算は数社である。その内の1社がマックスバリュ北海道であり、12/14、第3四半期決算が公表された。結果は、営業収益は574.62億円(100.6%)とわずかにプラスとなったが、営業利益-5.28億円、経常利益-4.99億円、当期純利益-12.28億円と、いずれも赤字となる厳しい決算となった。自己資本比率も20.8%(昨年23.6%)と、減少しており、財務的にも極めて厳しい状況であり、待ったなしの抜本的な経営改革が急務となった。

   営業利益が赤字となった要因であるが、原価が77.11%(昨年76.20%)と、0.91ポイント上昇し、結果、粗利、売上総利益が22.89%(昨年23.80%)と、下がったことである。ここへ来て、全国的にデフレが進行し、特に、北海道商圏では激しい価格競争が繰り広げられており、平均単価が下がり、原価の上昇が避けられなかったものと思われる。この11月度のマックスバリュ北海道の売上高の状況を見ても、全体が93.9%(既存店92.5%)という状況であり、極めて厳しい数字である。これについて、マックスバリュ北海道は、「お客さま1人当たり買上点数は、徐々に改善が進み、1点単価(1品当りの販売価格)が低下傾向にある中、客単価(お客さま一人当りのお買い上げ金額)の下落に歯止めが掛かりつつあります。・・」とコメントしている。平均単価のダウンをPI値アップで金額PI値をカバーしつつあるとのことであるが、やはり、平均単価のダウンが厳しいようである。

   これに対して、経費の方であるが、25.74%(昨年26.03%)と、-0.29ポイント下がっており、経費の改善は進んだといえよう。マックスバリュ北海道自身も、「従業員より、コスト削減の提案を収集する全員参画型の「もったいない輪」キャンペーンを行い、一人ひとりのコスト削減の意識づくりを行う、・・」とコメントしているように、全社的に経費の削減に取り組んだ成果が表れたといえよう。

   結果、差し引き、マーチャンダイジング力であるが、-2.85%(昨年-2.23%)となり、-0.62ポイント減少しており、商品売買から得られる利益が、原価の上昇により、経費の削減でカバーできず、厳しい結果となった。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が1.92%(昨年1.81%)のり、営業利益は-0.93%(昨年-0.42%)となり、赤字となった。赤字幅が昨年よりも膨らんだのは、原価の上昇に伴い、粗利が減少した結果であるといえ、いかに、価格競争による平均単価のダウンの影響が大きかったかがわかる。

   気になるのは、マーチャンダイジング力が構造的にマイナスとなっていることであり、マーチャンダイジング力を今後プラスにもってゆくには、現状の売上総利益22.89%を25.00%ぐらいにまで大幅に上昇させるか、経費25.74%をさらに下げ、22.00%ぐらいにまでもってゆくか、ないしは、双方をバランスよく改善するしかなく、いずれにせよ、経営構造を大きく見なおさざるをえない状況にあるといえよう。

   また、財務面でも、この第3四半期決算では、自己資本比率が20.8%という厳しい状況にあり、約80%を負債に依存する財務構造となっている。この状況では、食品スーパーマーケットの成長戦略を打ち出すことが極めて難しいといえる。マックスバリュ北海道の出店にかかわる資産、土地、建物、敷金等の合計は158.13億円であり、これは総資産260.83円の60.62%に当たり、結果、自己資本比率20.8%から差し引いた出店余力は-39.82%であり、大半を負債に頼る出店構造となっている。その負債の状況であるが、有利子負債の合計が79.29億円と総資産の30.39%と大きな割合を占め、経営を圧迫している状況である。今後、新規出店を継続的に出店してゆくには、いかに有利子負債を削減し、自己資本比率を引き上げてゆくかが課題といえよう。

   そこで、今後の出店戦略であるが、投資キャッシュフローを見ると、-11.53億円の出店にかかわる資産を取得している。これは、現在74店舗であるので、1店舗当たりの出店にかかわる資産が2.13億円となり、5.4店舗の出店予想といえ、厳しいキャッシュフローの中でも成長を意識した投資であるといえよう。ただ、営業キャッシュフローは-6.06億円のマイナスであり、この投資を営業キャッシュフローで賄うことはできず、財務キャッシュフローの有利子負債の増加、そして、現金を取り崩して、補っており、厳しい遣り繰りである。

   本来であれば、投資を控え、財務キャッシュフローの有利子負債の返済にキャッシュを厚く配分し、財務改善をはかりたいところであると思われるが、当期純利益が赤字となり、キャッシュフローが厳しい状況にあり、有利子負債を増加させ、現金を取り崩すというキャッシュの調達をせざるをえなかったものと思われる。今期決算まで残すところあとわずかであるが、まずは、マーチャンダイジング力をいかに改善し、キャッシュを生み出すことが最優先課題といえ、短期ではなく、中長期的な経営の健全化が課題といえよう。
 
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December 22, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 21, 2009

売上速報、食品スーパーマーケット、11月度、100.0%!

   いよいよ、デフレが、食品スーパーマーケット業界にも本格的に及び初め、深刻な影響が出はじめたといえよう。恒例の食品スーパーマーケットの売上速報の最新、2009年11月度を独自に集計した結果、全体は単純集計で100.0%、既存店も94.7%という結果となった。これは、この集計をはじめた2005年6月以降、最も低い数字であり、売上が極めて厳しい結果となった。この集計は食品スーパーマーケットの上場企業約50社の中で、月次の売上速報を公表している20数社の集計である。店舗数は、九九プラスの約900店舗を除いても約2,000店舗弱となるので、食品スーパーマーケット業界の現状をそれなりに反映しているといえよう。

   特に、ここ最近の特徴は、客単価まで公開している食品スーパーマーケットはわずかであるが、その数字を見ると、明確に平均単価ダウン、PI値アップ、客単価ダウンという構図になっており、平均単価のダウンが深刻な状況である。まさに、デフレを象徴している数字であるといえ、価格の下落の歯止めがきかない状況であるといえよう。

   一般に、売上げは客数×客単価で表すことができ、客単価はPI値(買上点数÷客数)×平均単価に分解することができる。したがって、売上が下がった場合は客数か客単価が下がることになるが、この11月度は客数アップ、客単価ダウンが鮮明であり、さらに、客単価の中身は、PI値アップ、平均単価ダウンとなっている。したがって、平均単価がPI値のアップ以上にダウンし、客単価を落とし、客数でもカバーできない状況となっており、平均単価ダウンが、この11月、そして、ここ最近の特徴である。

   まさに、デフレの影響が食品スーパーマーケットを直撃しているといえ、当面、この傾向は継続するといえよう。実際、この11月、12月度の動向を見ると、食品スーパーマーケットもさることながら、大手小売業、イオン、西友、セブン&アイHなどが競って値下げ攻勢をかけており、それに呼応する形で食品スーパーマーケットも対応せざるをえず、価格競争が激化しているのが実態であり、結果、この11月度のデータでも明らかなように、平均単価のダウンにつながっているといえよう。

   特に、この11月度の食品スーパーマーケットの売上速報を見ると、既存店の落ち込みが深刻であり、集計企業の中で、既存店の売上が昨対を超えたのはオオゼキの100.6%のみであり、他の食品スーパーマーケットはすべて、既存店は昨対を割っており、2桁ダウンの食品スーパーマーケットもある。

   ここで、既存店が95%以下の食品スーパーマーケットを見てみると、マックスバリュ東海89.9%、 いなげや90.4%、イズミ91.0%(推定)、マックスバリュ北海道92.5%、 Olympic:フード92.7%、CFSコーポレーション:SM92.8%、ハローズ 93.0%、マックスバリュ西日本93.4%、マルエツ93.4%、エコス93.9%、ヤマザワ94.0%、マックスバリュ東北94.4%という状況であり、全部で12社、ほぼ集計企業の半分である。

   同様に、全体が95%以下となった食品スーパーマーケットを見てみると、アークランドサカモト92.3%、エコス92.7%、いなげや93.9%、マックスバリュ北海道96.9%、Olympic:フード94.4%、マックスバリュ東北94.6%、イズミ94.9%(推定)と、全部で7社である。全体は新店を順調にオープンしていれば、昨対を切ることはないが、財務内容が厳しく、出店余力が低い食品スーパーマーケットは新店をオープンできず、既存店のみならず、全体の数字をも落とすこととなる。その意味で、今後は財務内容がもろに売上げにも影響が及ぶ可能性が一段と高まってきたといえる。特に、平均単価が下がり、客単価、売上ダウンとなると、原価が上昇し、さらに、固定費が相対的に上昇し、ダブルで利益を圧迫することになり、経営へ与えるインパクトはより、深刻になる。今期の決算は財務状況により、明暗が大きく分かれることになろう。

   一方、このような深刻な経営環境の中で、全体の売上を2桁伸ばしている食品スーパーマーケットが2社ある。スーパーバリュー117.3%(既存店97.7%)とマックスバリュ東海111.2%(既存店89.9%)である。どちらも、既存店は伸び悩んでいるが、店舗数が増加しており、結果、全体の売上を押し上げた格好である。スーパーバリューは居抜き物件での出店も加わり、ここ最近では店舗数を急激に増加させており、マックスバリュ東海は、M&Aに加え、イオンリテールから食品スーパーマーケット数店舗を譲り受け、店舗数を拡大している。ただ、既存店が89.9%と深刻な状況であり、今後、既存店の活性化が急務である。

   このように、この11月度は食品スーパーマーケット業界の転機ともいえるこれまでにない、厳しい数字となったといえよう。特に、平均単価のダウン、すなわち、デフレ傾向が鮮明であり、いま、まさに、激しい価格競争が繰り広げられ、歯止めがかからない状況にあるといえる。この傾向は12月、そして、来年に入っても続く可能性が高く、今後、食品スーパーマーケット業界はデフレとの本格的な戦いを余儀なくされるといえ、今後、各社がどのような対策を打ち出すか、年末、年始の戦略的対応に注目である。

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December 21, 2009 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 20, 2009

神戸物産、2009年10月期本決算、増収減益!

   業務スーパーを全国にFC展開する神戸物産が、2009年10月期の本決算を12/14、公表した。結果は、売上高1,259.98億円(117.6%)、営業利益7.62億円(74.8%:売上対比0.60%)、経常利益5.75億円(72.1%:売上対比0.45%)、当期純利益2.44億円(56.4%:売上対比0.19%)と、増収とはなったが、大きく減益となる厳しい決算となった。

   神戸物産の店舗数は、この決算時には505店舗であり、直営はわずか2店舗であるので、その大半がFC展開である。今期のスタート時点、2008年10月の店舗数はFCが482店舗、直営2店舗であったので、直営は増えていないので、FCが23店舗増加しており、増収の要因はこの店舗数の増加にあるといえよう。神戸物産はFCを直轄エリアと地方エリアに分けて管理しているが、直轄エリアが108.2%(既存店104.2%)、地方エリアが114.0%であるので、地方エリアの貢献が大きかったといえる。ちなみに、直轄エリアとは、関西(兵庫県、大阪府、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県)、関東(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)である。

   一方、減益になった要因であるが、原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、95.63%(昨年94.64%)と、0.99ポイント上昇しており、結果、売上総利益は4.37%(昨年5.36%)と下がった。神戸物産は通常の食品スーパーマーケットと違い、業務スーパーであり、しかも、FCが主体であるため、原価構造が全く違い、売上対比では、95%前後となり、結果、粗利、売上対比は5%前後となる。

   これに対し、経費であるが、3.76%(昨年4.40%)と、0.64ポイント削減しており、経費の削減は昨対85.4%と大幅に進んだ。特に、広告宣伝費、販売促進比が-84.0%、-46.3%と削減できたことが大きかった。この販促関連は昨年は経費全体の8.4%であったが、今期は4.1%と、半減しており、ここに、今期、経費カットの大ナタを振るったといえよう。結果、差し引き、営業利益は0.60%(昨年0.95%)と、経費削減の効果がいかせず、0.35ポイント下がり、減益となった。経費の削減は進んだが、原価の上昇が響き、減益を余儀なくされた形である。

   そこで、この厳しい決算を受けて、今期の神戸物産のキャッシュフローを見てみたい。まず、営業キャッシュフローであるが、大幅な減益となったことにより、減少したかに思えるが、結果は21.07億円(昨年9.36億円)と、倍増している。これは、当期純利益は減少したものの、今期は在庫関連において、棚卸資産が昨年の-4.81億円から一転、5.86億円と増加したことが大きい。キャッシュフローによる在庫の増加は、在庫が増加した場合はキャッシュのマイナス、減少した場合はキャッシュのプラスであるので、今期は在庫が減少し、キャッシュフローがプラスに転じたことが大きかった。また、売上債権が-26.49億円から、-4.05億円と大幅に減少しており、これもキャッシュフロー上では実際の売上債権の増加がマイナスとなり、減少がプラスとなるので、売上債権が減少したということであり、これらが寄与し、当期純利益のマイナスをカバーし、営業キャッシュフローを押し上げたといえる。

   そして、投資キャッシュフローであるが、-34.13億円(昨年-24.63億円)と、大きく増加している。これは、事業の譲り受けによる支出-7.18億円、それに伴う有形固定資産の取得-25.03億円があり、投資が膨らんだためである。結果、合計、フリーキャッシュフローは-13.06億円(昨年-15.27億円)と、昨年よりは、マイナス幅はやや縮小したが、大きくマイナスとなり、資金不足となった。

   したがって、そのマイナス分を財務キャッシュフローか、資産を取り崩すしかなく、財務キャッシュフローを見ると、45.94億円(昨年-3.91億円)と大幅なプラスになった。これは、短期借入金20.00億円、長期借入金29.30億円と、合計、49.30億円の長短借入金を増やしたためである。結果、貸借対照表の負債の有利子負債は50.00億円(昨年0.68億円)となり、負債が大きく増加した。神戸物産の昨年の自己資本比率は48.3%であったが、今期は38.6%と、約10ポイント減少しており、負債が大きく経営に重くのしかかる構造となったといえよう。

   結果、トータルのキャッシュフローは28.24億円(昨年-19.47億円)と、プラスにはなったが、有利子負債の増加によるプラスであり、厳しい財務構造となったといえる。こう見ると、今期は事業の譲り受けにともなうキャッシュフローのマイナスが大きかったといえるが、その会社は、秦食品-6.11億円、マスゼン-0.84億円、肉の太公-0.22億円の3社である。

   これを受けて、次年度の通期予想であるが、売上高1,305.00億円(103.5%)、営業利益12.00億円(157.3%:売上対比0.91%)、経常利益12.00億円(208.3%:売上対比0.91%)、当期純利益6.70億円(274.2%:売上対比0.51%)と、大幅に改善する見込みである。店舗数も45店舗増を見込んでいるとのことで、今期が505店舗であったので、順調に新規出店が進めば、計画の103.5%は可能といえよう。

   このように、神戸物産が2009年10月期の本決算を公表したが、結果は増収とはなったが、原価の上昇が響き、減益となる決算となった。また、今期は事業の譲り受け3社があったため、キャッシュフローの投資が増加し、結果、有利子負債を大きく増加させざるをえなくなり、自己資本が大きく減少し、財務的には厳しい構造となった。ただ、業務スーパー本体の事業は堅調といえ、来期も堅調な出店が見込まれ、業績は好転するものと予想される。今後、デフレ傾向が一層進み、外食産業は厳しい経営環境となると思われるが、このような厳しい環境の中で、神戸物産の業務スーパーがどのような経営戦略を打ち出すか、来期の動向に注目したい。

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December 20, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 19, 2009

日経MJ新製品週間ランキング、金額PI扱店か総店か?

    日経MJ新製品週間ランキングが12/18、公表された。ここ最近、メーカーの講演をする機会が増えているが、そこでいつも話題にするのが、このランキングである。さすがに、メーカーの方は、このランキングには関心が高く、毎週しっかり見ている。ただ、興味深いことに、このランキングの根拠を正確に認識している方は少なく、意外に、これを単純な売れ筋と理解していることが多いのが実態である。

    このランキングは売れ筋の定義にもよるが、単純な売れ筋のランキングではない。正確には将来的に売れ筋となる可能性の高い新製品のランキングである。売れ筋であれば、現在、絶対的な売上金額の高いものが上位にくるが、このランキングはそうではなく、カバー率が示されているように、そのカバー率の限定された店舗において、金額PI値(来店客千人当たり金額(円))が高いものが上位にランクされているのが実態であり、これは、売上金額の大小とは連動しない数字である。売上金額、メーカーでいえば、出荷数が多くとも、取り扱い店舗の客数で割った金額PI値が低ければランキングにはのってこない。逆に、売上金額が低く、メーカーでいえば、出荷数が少なくとも、その限られた取り扱い店舗の客数で割った金額PI値が高ければ、ランクは上位になる。

    したがって、ランキングをとっている店舗が分かれば、その少数の店舗のみにメーカーが集中出荷をすれば、一時的にこのランキングをトップレベルにもってゆくことも理論的には可能である。ただ、カバー率が上昇してくれば、その商品の本来の顧客の支持が明確になるので、あくまでも一時的なものでしかないが、不可能なことではないといえよう。

    そこで、改めて、日経MJの新製品週間ランキングの金額PI値について考えてみたい。金額PI値は大きく2つ存在する。理論的には、金額PI値は無限に存在するが、流通業界で主に実践活用されている金額PI値は大きく2つである。ひとつは、全体の客数で割った金額PI値、そして、もうひとつは、販売実績のある店舗のみの客数で割った金額PI値である。前者を金額PI総店、後者を金額PI扱店として、「総」と「扱」で区別するが、初期の頃は、この区別があいまいで、どちらか一方を使い、その意味が正しく理解されていないことがあった。そして、この2つは、客数PI値で結ばれ、無関係なものではなく、密接な関係がある。

    数式にすれば、金額PI総店=客数PI値×金額PI扱店となり、客数PI値=扱い店の客数÷総客数なので、左右がイコールになる。この2つの金額PI値に混乱が生じたのは、メーカーが金額PI値を活用する際、客数PI値を使わずに、カバー率を使ったためといえる。カバー率は客数PI値と良く似ているが、扱い店舗÷総店舗であるので、客数が全店同じ数字の時はどちらも変わらないが、実際の食品スーパーマーケットの店舗の客数は3倍から5倍の開きがあり、イコールになることはありえない数字であり、本来、両方を使い、理論的には客数PI値を活用していれば、今日の混乱はなかったといえよう。

    実は同様なことはチェーンストア側にも起こっており、チェーンストアにおいても、同様に、全チェーンの総客数で割った金額PI値と、販売実績のある店舗の客数で割った金額PI値とが存在し、客数PI値もそこから算出することができるが、この双方の金額PI値を厳密に算出し、客数PI値まで活用しているチェーンストアは皆無に近いのが実態である。

    したがって、流通業界全体が金額PI値というと、どちらの金額PI値かを区別せずに普通に使っているのが実態であり、特に、日経MJの新製品週間ランキングを単純に売れ筋ランキングと見て、無意識に金額PI総店と思っている方が圧倒的に多いのが実態である。メーカーの営業研修では、日経MJはどちらの金額PI値を使っているかを参加者全員に聞いてみると、8割方、金額PI総店と答えるのが実態である。日経MJの解説を見ても、これについては触れておらず、判別が難しいことも、その一因であると思われる。

   日経MJ、新製品週間ランキングは金額PI扱店、すなわち、カバー率の店舗の客数で割った場合の金額PI値であり、49チェーン、250店舗の対象全チェーンの総客数で割った時の金額PI値、すなわち、金額PI総店ではない。したがって、このランキングは、市場シェアを表しているわけでもなく、単純な売れ筋を表しているわけでもなく、あくまで、カバー率の中での、来店客数1,000人当たりの金額、すなわち、金額PI扱店を表しているといえる。

   したがって、売れ筋ではなく、将来、売れ筋となる可能性、すなわち、カバー率が上がってきた時にもこの金額PI扱店の水準が維持されていれば、本当の売れ筋になる可能性を秘めた、その商品の将来性を示唆している数字であるといえる。それゆえ、カバー率が低い場合は、まだ、顧客の検証に耐えていないといえ、信頼性を見るには、カバー率は少なくとも10%から20%は欲しいところで、30%から50%であれば、十分に将来性のある金額PI値であるといえよう。

   その意味で、日経MJ、新製品週間ランキングは、この金額PI値(来店客千人当たり金額(円))、すなわち、金額PI扱店とカバー率、双方を見ることで、その新製品がどこまで数字を伸ばし、本当に売れ筋になるかどうかを示唆している数字であるといえる。この金額PI扱店は、将来を占う上で重要な数字であるといえ、再度、この観点から、改めて見直してみると、実に興味深い数字であることがわかる。

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December 19, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 18, 2009

売れ筋と死に筋、POS分析はどっち、その2!

   前回は、POS分析が売上金額と売上数量による限り、売れ筋ではなく、死に筋商品の抽出、排除にあることを示した。そこで、今回は、POS分析においても、売れ筋を選定し、その商品を伸ばしてゆくことが可能であるかを考えてみたい。POS分析において売れ筋が把握しにくい最大の問題は上限が不安定であるためである。売上数量にせよ、売上金額にせよ、下限を決めることは、1以下なり、0以下と限定すれば比較的商品が把握しやすいが、上限を100以上にするか、110以上にするか、思い切って1,000以上にするかは、簡単には決めることができない。売上の上限が売上数量でも、売上金額でもとらえにくいからである。

   初期の頃、この問題を解くカギは構成比にあった。全体の何%の売上数量、あるいは、売上金額を占めているかを見れば%で上限、下限を決めやすいからである。ABC分析そのものが、構成比分析であったともいえる。特に、20%、80%の原則が生まれたことが構成比を飛躍的にメジャーにしたといえよう。これは売上数量なり、売上金額なりで上位20%の商品が全体の80%を占めるというものであり、上位20%を売れ筋と見れば、商品を限定できるからである。

   これは直感とも合致し、良く売れていると感じる商品は自然、商品を相対化しており、全体の商品の中で目立つ商品を売れていると感じ、それは突き詰めれば、構成比を見ているからである。この時、正確な計算はしていないが、全体の動きと個々の動きを見比べて、突出しているものを売れ筋と判断しており、その背後には、自然、構成比を直感的にとらえているといえるからである。

   特に、構成比は食品スーパーマーケットでは極めてメジャーな指標であり、相乗積を計算する場合は必須のツールだったため、初期のPOS分析は構成比が盛んに使われたといえる。余談だが、相乗積はPOSが生まれるはるか以前、恐らく、歴史上、商売がはじまった時から、密かに秘伝として商人に伝えられてきたノウハウといえる。特に、鮮魚、精肉部門では相乗積なくして、粗利を安定させることは不可能ともいえ、相乗積を知らないものにとっては、魔法のように粗利を計算しているように見える。ただ、相乗積もけっして、魔法でも、何でもなく、その実態は粗利構成比であり、構成比の粗利版といえる。

   現在、POS分析で構成比があまりつかわれなくなったが、構成比はいまでも、売れ筋を把握する上では重要な指標であるといえる。ただ、ひとつ問題があるのは、構成比を使う場合、全体をどこに求めるかでAランクが次々に変わることである。小分類で構成比を見た場合、中分類で構成比を見た場合、大分類で構成比を見た場合、様々な場合の構成比があり、その都度、売れ筋が変わってゆき、どの構成比かが問われることになる。これは、構成比の分母が一定しないためであり、絶対的な指標がつくりづらいためである。

   そこで、ほぼ、同時並行で登場したPOS分析がPI値である。初期の頃のPI値は単品管理に活用されたため、数量PI値、すなわち、売上数量÷客数が使われた。その後、PI値の発展とともに、様々なPI値が開発されてゆくが、1992年10月までは、POS分析にPI値を活用する場合は、ほぼすべて数量PI値が使われていたといえる。今でも、その名残りが残っているPOS分析帳票を見ることがあり、なつかしさを感じることがある。

   特に、初期の頃のPI値は分母の客数がレジ通過総客数、すなわち、総レシート枚数のみを使っていたため、構成比のように、分母が変わることはなく、客数1人当たりという相対化している指標にも関わらず、絶対的な指標として活用できることが最大のメリットであったといえる。PI値を使えば、店舗の大小、時間の長短も克服でき、売れ筋を定義することが可能となり、はじめて、POS分析で普遍的に売れ筋を定義できるようになったといえる。PI値はその意味で、生まれた当初から、売れ筋を定義する最良の指標として宿命づけられた指標であったといえよう。

   ちなみに、PI値がPOS分析で使われるようになった1990年前後、いまから約20年前にはじめて定義した売れ筋のPI値基準は1%であった。それまで食品スーパーマーケットにおけるPOS分析では死に筋を見つけることが全盛であったが、このPI値1%が売れ筋の絶対基準であることが定義され、POS分析でも売れ筋を明確に把握できるようになったといえよう。いまでも、このPI値1%は生きており、店長が店に赴任してはじめてやるべきことは、店舗の中のPI値1%以上の商品を全部覚え、毎日、チェックし、この商品の欠品を0にし、鮮度を最高に保つことであるといっても過言ではないといえよう。

   PI値1%以上を売れ筋と定義すると、興味深いことに、どんな食品スーパーマーケットでもほぼ200品前後となるのが実態であり、0.5%でも500品前後となり、売れ筋の上限を定義することが可能となる。逆に、PI値は下限を定義することの方が不得手で、0.1%、0.01%、0.001%の商品等も存在するため、死に筋の定義を決めることが難しいといえよう。

   このように、PI値はその指標が生まれた時から、売れ筋を把握する最良の指標として運命づけられているといえ、その後の金額PI値の時代、そして、現在のID-POSの時代になっても、顧客にとってもっとも必要とされている重点商品は何かを見つけ出し、育ててゆくための最良の指標であるといえよう。

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December 18, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 17, 2009

売れ筋と死に筋、POS分析はどっち、その1!

   POS分析が始まったのは、いまから30年ぐらい前であるといえるが、本格的にマーチャンダイジングに活用され始めたのはセブンイレブンがPOSを導入、単品管理の手法を確立してからといえよう。その後、今日まで、この単品管理が日本におけるPOSをマーチャンダイジングに活用するスタンダードになったといえる。したがって、POS分析=単品管理といえ、単品管理=マーチャンダイジングという図式が成立しており、結果、POS分析=単品管理=マーチャンダイジングとなっているといっても過言ではない。

   そこで、POS分析にもとづく単品管理を一歩掘り下げ、ここでは、単品管理が売れ筋を見つけ出すのか、死に筋を見つけ出すのか、どっちが主目的であるのかを考えてみたい。POS分析はいまでもそうだが、原点は売上数量か、売上金額かのどちらかの分析からはじまったといえる。約20年ぐらい前であるが、POS分析は数量で見るか、金額で見るか、どちらが優先かという一大論争となったことがあった。ある大手チェーンでは、当時のコンピュータの性能上、POSから金額データのみ残し、数量データを捨てていたということがあったくらいであり、優先度は金額が圧倒的に高かったといえる。したがって、マーチャンダイジングも金額でしか見ることができない場合があり、当時は十分にPOSを使いこなすことができなかったといえる。

   この論争に決着をつけたのが単品管理である。単品管理の原理はABC分析であるが、その中でも、単品管理は、セブンイレブン、コンビニからスタートしたため、限られた売場面積での商売であり、当然、品揃えを限定せざるをえない宿命にあった。したがって、いかに売れない商品をカット、すなわち、死に筋を見つけ、売場からカットし、商品を絞り込み、結果として売れ筋のみにしてゆくという手法が最優先された。

   そして、そのためには金額で死に筋を判断するよりも、数量で判断した方が判断しやすいという利点があったといえる。なぜなら、たとえば、週間1個以下の販売数量の商品を死に筋と定義すれば、その商品を売上げ規模の大小にかかわらず、カットできるからである。これが、金額になると、たとえば、週間1,000円以下と、死に筋を定義した場合、週間1個1,000円のものも、週間10個100円のものも、週間100個10円のものもカットすることになり、数量で見た場合の売れ筋をカットしてしまいかねないからである。

   したがって、POSデータを数量で判断することがポイントであり、しかも、死に筋を見つけ出すのが容易であるという結論になる。これが初期の頃のPOSを活用してのマーチャンダイジングの決め手となり、マーチャンダイジングはPOSデータから、数量で死に筋をいち早く見つけ出し、カットすることが重要な政策になったといえよう。

   ここから、売れ筋も定義できそうであるが、これが数量では中々難しい。たとえば、週100個以上を売れ筋と定義した場合、売上げ規模の大きい店では0個となる場合もあれば、逆に、規模の小さい店では、100個となる場合もあり、店舗の大小共通の定義をつくるのは不可能だからである。もちろん、死に筋も店舗の大小によって、たとえば、週間1個以下の商品の数は違ってくるが、売れ筋よりも、はるかに明確に商品が算出されるのが実態であり、結果、死に筋が売れ筋よりも、POS分析では明確になるからである。

   これは理論的に実証できる。その根拠は、商品の売上数量は自然数のように思わるが、実際は、ある期間で見ると小数、分数であり、小数点以下何桁も続くからである。どういうことかというと、たとえば1週間に1個売れる商品は週1個であるが、2週間に1個売れる商品は週間では0.5個となる。これは1を切るために、POSデータでは0個となる。当然3週間に1個売れる商品は0.33・・すなわち、1/3個となるが、これもPOSデータでは0個となる。したがって、1週間に1個以下という商品は、0.・・はすべて入るため、POSデータで分析するとかなりの数になる。ただ、その範囲を1以下、0以下と限定できるため比較的、定義しやすいといえる。

   一方、売れ筋は、たとえば、週間100個以上は、店舗の規模の大小を除いたとしても、すべてPOSデータで把握できるため、上限はそれなりに決まるだろうが、死に筋のように小数点の商品はすべて自然数として把握され、段階ごとにかなり商品が発生し、もはや限定が難しくなるからである。死に筋のように狭く限定できれば良いが、売れ筋は、上限が見えないために、狭さがそもそも設定しにくく、定義が死に筋ほど、明確にならないからである。

   ここからPOS分析は、数量分析、死に筋の発見、排除がマーチャンダイジングの歴史を作っていったといえ、売れ筋をPOS分析で発見し、強化してゆくことが難しいと思われてきたといえる。いまでも売上金額、売上数量をもとにPOS分析を実施している場合は同様に、数量重視、死に筋発見、排除がマーチャンダイジングの根幹となろう。もちろん、これはこれで十分なPOS分析の成果であり、実践的にも効果を発揮する分析手法であり、マーチャンダイジングの改善にも役立つといえる。

   ただ、本当に、POS分析は売れ筋を見つけ出し、その商品を徹底的に管理することが苦手なのかといえば、必ずしもそうではなく、工夫次第では、POS分析も売れ筋を定義し、売れ筋を発見し、強化してゆくマーチャンダイジングも可能である。それが、PI値分析であるが、これについては、稿を改めて解説したい。

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December 17, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 16, 2009

NHK、クローズアップ現代、企業の農業参入を特集!

   12/15、19:30からのNHKの番組、クローズアップ現代で、企業の農業参入の現状を取り上げた。はじめの事例が、イオンの農業参入事例であり、いよいよ、本格的に小売業界が農業に参入する時代がはじまったといえよう。いまから10年以上前に青果のマーチャンダイジングでも盛んにヴァーチカルマーチャンダイジングという言葉が用いられ、市場を通さず、産地からの直接買い付けがはやった時代があった。今回の動きは、これとは一線を画し、まさに農業そのものに小売業が直接参入し、生産、流通、販売、まさにヴァーチカル(垂直)なマーチャンダイジングの実現を目指したものといえる。

   このような小売業の農業への本格参入が可能になったのは、農地法の改正が大きい。その経緯であるが、農水省が農地改革プランの考えを盛り込んだ「農地法等の一部を改正する法律案」を、当時、自民党内閣が閣議決定し、2009年2月24日に国会へ提出し、貸借に関する要件が追加された修正案が5月8日に衆議院を通過、そして、6月17日には参議院本会議で可決・成立し、施行は2009年12月と、まさに、この12月からの施行であり、いま、本格参入が始まったといえる。

   実際、NHKのクローズアップ現代の初めに取り上げた事例がイオンの茨城県牛久市の農業参入事例であり、牛久市が1,000万円をかけて整備した農地をイオンに貸与し、イオンがそこで、農産物を生産し、自店で販売するというもので、すでに、出荷がはじまっているという。イオンは、まさに、農地法の改正が参議院本会議で通過した6/17の直後、7/10にイオンアグリ創造株式会社をイオン100%出資、5,000万円の資本金で設立しており、この農地法の改正の成立をまっていたかかのような動きである。

   そして、イオンアグリ創造株式会社は、7/22には茨城県牛久市と特定法人貸付事業制度に関する協定と、土地の賃貸借に関する契約を締結しており、まさに電光石火のすばやい動きである。今後、この牛久市の農場では、すでに出荷がはじまっている小松菜、水菜、キャベツの他に、来年早々にはとうもろこし、そして、枝豆が生産、出荷される予定であるという。まさに、農産物のイオンのPB化が本格化することになる。

   現在は2.6ヘクタールの契約であり、年間300トンの収穫量であるが、今後、3年後には15へクタールに拡大予定であるといい、単純計算でも収穫量は1,730トンになり、飛躍的に農産PBが売場に増えることになろう。しかも、番組では、イオンは今後、全国8ケ所で、この牛久パターンを展開する予定であるといい、これは、イオンの全国の物流拠点とも一致するので、まさに、イオンの本格的な全国的な青果のヴァーチカルマーチャンダイジングが実現することになる。これまでのグリーンアイ、産直とは次元の違う動きであるといえよう。

   実際、現在、農業参入がどのような状況にあるかというと、農林水産省が公表した資料によると、9/1現在、414法人であり、昨年が320法人、一昨年が256法人であるので、急角度で、参入が増えており、恐らく、この12月以降はさらに、小売業、外食の参入が本格化するものといえよう。参入法人の業種であるが、建設業が148、食品会社が79、その他、ここに小売業が含まれるが、178であり、ここ最近では、その他の伸び率が最も高い状況である。

   番組ではイオンの農業参入の現状を取り上げつつも、農家側の不安についても取材していた。農家の不安はイオンが野菜の価格を下げ、相場が下落し、農業そのものを破壊してしまうのではないかという懸念である。実際、牛久市の市長と農家との会合の中で、そのようなやり取りが取り上げられていた。農家は、かつて、大型店の出店によって商店街がシャッター通りになったように、今度は農家がシャッター通りのように衰退するのではないかという発言に対し、牛久市長は、市が整備した農地をイオンだけでなく、農家が使えばいいと反論していたのが印象的であった。

   番組では、この牛久市の事例以外に、もうひとつ、大分県の事例を取り上げていた。大分県ではすでに、51法人が農業へ参入しており、内、2社が撤退、黒字は0であるという。黒字化するには、3年ぐらいはかかるというが、それでも、自治体主導で、参入が増えているのが実態であるという。自治体自体は農業の担い手が減少、高齢化し、農地が荒れ果てている現状を打開するためには、今回の農地法の改正を機に、自治体自らが農地を整備し、法人を誘致するしか方法がないというのが現状のようである。

   今回、番組では牛久市と大分県の2つの自治体の事例のみであったが、この動きは日本中の地方自治体に波及し、全国各地で、農地が整備され、イオンをはじめ、小売業へ農地への参入を積極的に促す動きは加速されることになろう。今回の牛久市もイオンからではなく、牛久市からの働きかけがきっかけであり、同様な動きは、大手小売業はもちろん、地元のチェーンストアへの働きも活発化してくるものと思われる。食品スーパーマーケットもいよいよ、グロサリー、日配のPB化から、世の中でPI値の最も高い農産物、青果のPB化の時代に入ったといえ、今後、この12月を契機に、青果のマーチャンダイジングが大きく変わってゆくことになろう。

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December 16, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 15, 2009

日経ヴェリタスで、次世代小売業を特集!

   日経ヴェリタス12/13号で小売業の特集が組まれた。「出でよ、次のユニクロ」、「3段階「進化論」で探る元気な小売り、主役は時代と共に変遷してきた」という巻頭タイトルの特集である。3段階「進化論」とは、地方発、自社生産、海外展開の3つであり、この3つの進化論を遂げたのがユニクロであるので、同様に、現在の小売業の中にも、この進化論を遂げる企業があるのではという類推にもとづく、次のユニクロ探しの特集記事である。

   記事の冒頭で、気になる数字が紹介されている。時価総額である。11/11、ユニクロが時価総額で、それまで、小売業界でNo.1であったセブン&アイHを抜いたというのだ。金額は1兆7,947億円であり、この日、約300億円近く上回ったという。小売業の時価総額の歴史は、日経ヴェリタスによれば、1982年までは三越がNo.1であったが、その後はイトーヨーカ堂が首位を奪い、1991年には、セブンイレブン・ジャパンが首位となり、2005年以降はセブン&アイHが首位となり、現在に至るという。そのセブン&アイHを今年、ユニクロが抜いたことにより、小売業界が新たな時代に入ったといえ、これが日経ヴェリタスのこの特集が組まれた背景のひとつともいえよう。

   そこで、12/14時点での小売業界の時価総額を見てみると、No.1はセブン&アイHであり、1兆7,059億円であり、再び、ユニクロを抜いてトップとなっている。ユニクロ、ファーストリテーリングはNo.2であり、1兆6,410億円であり、その差649億円である。小売業界では、この2社が1兆円を超え、断トツであり、激しいトップ争いを繰り広げている。ちなみに、No.3はイオン5,851億円、No.4はヤマダ電機5,383億円、No.5はローソン4,034億円である。残念ながら、食品スーパーマーケットは上位にはなく、食品スーパーマーケット業界でNo.1はイズミの1,369億円である。

   さて、日経ヴェリタスの特集にもどると、ユニクロの進化の過程が紹介されているが、これを見ると、1984年に広島に1号店をオープンしたのが進化論のはじまり、地方発である。その後、1992年ころから、製造小売り(SPA)に切り替えはじめ、これが、進化論の第2段階、自社生産である。そして、2001年に海外初、ロンドンに出店したことで、進化論の第3段階、海外展開がはじまる。この3つの段階の進化を遂げたことで、ユニクロが小売業界で時価総額No.1となったという見方である。

   そこで、この進化論に沿って、次のユニクロはということになるが、日経ヴェリタスが注目した第1段階に、14社の小売業を上げており、その中に、6社、食品スーパーマーケットが入っている。 北海道のアークス、埼玉のヤオコー、ベルク、岐阜のコメリー、広島のハローズ、そして、沖縄のサンエーである。その中でも、特に、ハローズに注目しており、ユニクロに最も近い食品スーパーマーケットとして捉えたようである。

   日経ヴェリタスでは今期の業績予想を示しているが、これを見ると、ハローズが売上高113%、営業利益110%と2桁の増収増益予想であり、他の5社と際だっていることもハローズを取り上げた理由であるといえよう。ちなみに、他の5社の食品スーパーマーケットであるが、アークス(売上高108%、営業利益105%)、ヤオコー(横ばい、106%)、ベルク(106%、105%)、バロー(107%、109%)、サンエー(103%、105%)であり、ハローズが際立った増収増益予想であることがわかる。

   そのハローズについてであるが、「24時間、多業態との複合奏功」との見出しであり、ユニクロ進化論の第1段階、地方発は同じ広島出身であり、第2段階、自社生産はPB消商品の開発が順調であり、7.7%と4年間で2.7ポイント比率がアップし、今後、さらに増加の予想であるという。そして、第3段階、海外展開であるが、まだ、海外への出店構想はないが、地元広島から岡山、香川と瀬戸内海沿岸への出店構想が軌道にのりはじめ、来年秋の岡山の物流センターが完成すると、2014年目標の60店舗1,000億円が視野に入るという。

   日経ヴェリタスの特集の中でも、進化論、第2段階の自社生産では、ABCマート、ニトリ、しまむら等の数社のみの記事であり、第3段階の海外展開では、さらに少なく、良品計画ぐらいであり、皆無に近い状況である。したがって、日本の小売業はまだ、第1段階から第2段階へ入った段階であるとのことで、第1段階の時点でどこが次のユニクロとなるか、その候補が先の小売業14社、特に、食品スーパーマーケットでは6社に絞った内容の記事である。

   こう見ると、日本の小売業の中から次のユニクロ、特に第3段階まで進化していく小売業がでるにはまだまだ時間がかかりそうである。特に、食品スーパーマーケットではまだその前の前、進化論の第1段階から第2段階にあるといえよう。ただ、ここで取り上げた北海道のアークス、埼玉のヤオコー、ベルク、岐阜のコメリー、広島のハローズ、そして、沖縄のサンエーは日経ヴェリタスが選定した、次のユニクロとなる可能性の高い食品スーパーマーケットであるといえ、今後、どのような進化を遂げてゆくか、その動向に注目したい。

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December 15, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 14, 2009

株主配慮、既存顧客優先!

   12/13の日経新聞の1面トップに、「株主配慮の増資促す」、「新株予約権を無償割り当て、利益目減りを回避」、「東証、上場規制改正へ」という記事が掲載された。一見すると、食品スーパーマーケットの経営、特に非上場企業とは無関係のように思えるが、株式市場が株主優先を明確に打ち出し、しかも、記事によれば、年内にも東証は上場規則を変更する予定であるといい、来年早々から、上場企業では、既存株主配慮の増資が実現する方向であるという。したがって、来年からは、新規株主の獲得から、既存株主の優遇策に企業の財務戦略が転換されることになるということで、企業経営の根本の財務戦略の思想そのものが変わることになる。当然、これは企業経営全体、すなわち、経営戦略の基軸が新規顧客から既存顧客重視を鮮明に打ち出す時代に突入するということになろう。

   したがって、食品スーパーマーケット経営においても、財務戦略、特に、株主還元の考え方、実際の増資にもとづく、自己資本を充実させるための手法が大きく変わることになろう。そして、これは、不特定多数のお客さまから、食品スーパーマーケットの個々の店舗を支えている顧客重視へと政策転換が促されることになり、経営戦略の再構築、転換が来年早々には必須となったといえよう。その結果、来期の食品スーパーマーケットの経営戦略構築にあたっては、自己資本の充実による財務の安定化を新株予約権の無償割り当てにより、既存株主重視を打ち出すことはもちろん、もう一方で、食品スーパーマーケットにとって、さらに重要な顧客、特に、ロイヤルカスタマー重視の経営戦略を明確に打ち出すCRM戦略が重要な柱のひとつになるのではないかと思われる。

   もう少し、日経新聞の記事の内容を見てみると、実は、過去には日本でも株主割当増資を使う企業が多かったという。それが1980年代以降、公募増資が主流となり、ルール上では、株主割当増資は可能であるにもかかわらず、2006年に施行された新会社法の影響で資本を倍に増やす増資しかできなくなったという。このため、東証では、その後、現在まで、新株予約権を使った株主割当増資は1件も実施されていないという。

   ということは、こと株式市場、すなわち、企業経営において、自己資本を充実させるための増資という手法は既存株主をないがしろにし、新規株主を重視し、新規株主の募集に奔走してきたということであり、既存株主はその結果、自らの株式の価値が目減りし、歯がゆい思いでいたということになる。結果、株式市場の低迷にもつながり、企業と投資家の関係がぎくしゃくすることになり、既存投資家が投資先企業への不信を招くことにもなったといえよう。

   では、既存株主の信頼を回復する新たな仕組みとはどのようなものであるのかを見てみたい。日経新聞によれば、今回の仕組みは、この既存投資家への信頼を回復するために、既存株主を最大限に優遇する仕組みであり、新株を発行して増資をする場合、新株予約権を既存株主に無償割り当てできることがポイントである。しかも、新株予約権1つに対し1株を割り当てるという従来の上場規制も撤廃し、1つの新株予約権に0.1株などを割り当てることができるようになり、自由に増資額を決められるようになるという。

   これによって、既存株主は、増資に応じる場合は新株予約権を行使して、キャッシュを払い込み、増資に応じない場合はその権利を他の投資家に売却できるようになるという。その結果、増資により1株当たりの価値が減ることにはなるが、その分の補填が新株予約権を優先的に既存株主が持つことにより、減じることができるようになるという。これまでとは180度政策が転換することになり、新規株主重視から、既存株主優遇へとの財務戦略の転換といえよう。

   そこで、来期の食品スーパーマーケットの経営戦略であるが、財務戦略がこのように東証では、既存株主重視へと根本的に変わることにより、これは、当然、顧客政策への転換にもつながる動きとなろう。これまで食品スーパーマーケットはあらゆる政策が新規顧客重視の政策が中心といえ、既存顧客がそのために本来得られるべき特売等の利益を享受することができず、歯がゆい思いをした既存顧客が多かったといえる。特に、ロイヤルカスタマーはその影響が大きかったといえよう。

   これは、そもそも既存顧客、ロイヤルカスタマーを株主のように明確に把握できていなかったことも大きいが、それ以上に、考え方として既存顧客、ロイヤルカスタマー重視が確立されておらず、そのための政策が明確でなかったことも大きいといえる。したがって、来期の経営戦略の立案においては、まずは、誰が既存顧客か、誰がロイヤルカスタマーかを見極め、ロイヤルカスタマーに対して、新株予約権の優先割り当てが可能なような仕組みを、考え方としても、仕組みとしてもつくりあげることが最大のポイントとなろう。

   ひとつ難しいのが、株式の場合は原則1種類であるが、食品スーパーマーケットの場合は、客は商品にしかつかないという格言があるように、商品=株式=株主と考えれば、10,000種類あることになる。極論すれば、ロイヤルカスタマーも1万通りあるということで、ここが、知恵の使いようであろう。来期、食品スーパーマーケット各社がどのような既存顧客への優遇策を打ち出すか注目である。

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December 14, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 13, 2009

食品スーパーマーケット、12/11、今週の株価!

   12/11(金)の日経平均は好調に推移し、前日比245.05円(2.48%)高の10,107.87円となり、1万円台を回復、この日の高値で引けた。ここ最近、日経平均は10,000円前後でもみ合っていたが、12/11は値上がり銘柄が1,244銘柄、値下がり345銘柄、変わらず96銘柄と、値上がり銘柄が圧倒的であり、好調さを裏づけている。業種別でも、33業種中、31業種が上昇しており、下げたのは電気・ガス、銀行業の2業種のみであった。食品スーパーマーケットの属する小売業も481.14円(+2.59円、0.54%)と上昇したが、ランキングは30位であり、全体が好調であった中では、やや厳しい株価であったといえよう。業種No.1はゴム製品1,172.51円(+41.80円、3.70%)、No.2は卸売業811.75円(+24.68円、3.14%)、No.3は機械863.00円(+25.14円、3.00円)であった。

   そこで、この日の食品スーパーマーケットの株価であるが、5日移動平均で見ると、ジョイス354円(4.73%)がトップであった。これについで、ベスト10を見ると、ダイイチ645円(3.69%)、PLANT 568円(2.52%)、エコス665円(2.52%)、マルヤ109円(1.86%)、CFS 493円(1.85%)、ベルク856円(1.78%)、ライフコーポレーション1,690円(1.56%)、原信ナルスH 1,079円(1.40%)、マックスバリュ西日本1,238円(1.30%)であった。

   このベスト10の中で注目はマルヤ、ベルク、ライフコーポレーションの3社である。マルヤは株価こそ109円と低いが、ここ数日、株価は急上昇しており、売買高も高い。12/3までは100円前後で推移していたが、その後、株価は12/4(102円)、12/7(104円)、12/8(105円)、12/9(107円)、12/10(113円)と急上昇し、12/11、109円とやや下げたが、移動平均は5日1.86%、25日7.92%、13週6.86%、26週5.82%と、すべての段階でプラスである。 

   また、ベルクは、11月中旬までは株価を下げ、厳しい状況であったが、その後、株価は反転、現在まで、ほぼ右上がりで推移している。移動平均も5日(1.78%)、25日(4.00%)、13週(3.38%)、26週(2.63%)と、すべての段階で上昇しており、ここ最近では、ほぼ右上がりで上昇している。そして、ライフコーポレーションであるが、この好調な3社の中では最も上昇期間が長く、10月以降、ほぼ、右上がりで推移している。移動平均も5日(1.56%)、25日(3.74%)、13週(7.57%)、26週(7.30%)と中長期的に上昇しているのがわかる。現在1,690円であり、年初来高値が3/30の1,870円であるので、今年もあと2週間強であるが、どこまで上昇するか気になるところである。

   この3社、マルヤ、ベルク、ライフコーポレーションが5日移動平均で見たベスト10の内、株価がここ最近好調な食品スーパーマーケットであるが、さらに、長期、26週移動平均で見て、株価が好調な食品スーパーマーケットを見てみたい。そのベスト10であるが、PLNAT(29.97%)、大黒天物産(26.31%)、ヤマナカ(9.69%)、 ライフコーポレーション(7.30%)、イオン九州(6.19%)、マルヤ(5.82%)、原信ナルスH(5.78%)、フジ(3.42%)、マックスバリュ北海道(3.77%)、カスミ(3.66%)である。

   この中で、マルヤ、ライフコーポレーションについてはすでに見たので、この2社以外で、注目の食品スーパーマーケットを見てみると、PLANT、大黒天物産である。この2社は、小売業全体でも3位、4位と26週移動平均が極めて高い数字であり、小売業の中でも投資家から熱い視線が送られている食品スーパーマーケットであるといえよう。PLANTは10月中旬までは400円前後で株価は低迷していたが、この9月期決算で、業績の好転が明らかになると株価は急上昇、一気に600円を超えた。その後は550円前後で推移しているが、26週移動平均では、29.97%と極めて高い伸びを示している。

   ついで、大黒天物産であるが、大黒天物産も9月までは1,800円前後の株価であったが、その後、株価は右上がりに上昇し、10月中旬には2,700円を超えた。大幅な上昇であり、その後も、株価は2,700円前後で推移しており、2006年5月24日に付けた上場来最高値3,020円に迫る勢いである。前期5月度の決算も大幅な増収増益で好調であり、今期予想も増収増益予想である。

   一方、株価が低迷した食品スーパーマーケットを12/11時点の5日移動平均で見てみると、丸和55円(-8.33%)、ドミー474円(-4.43%)、イズミヤ386円(-2.03%)、タイヨー1,460円(-2.01%)、アークランドサカモト953円(-1.75%)、ユニバース1,165円(-1.35%)、平和堂1,083円(-1.18%)、ヤオコー2,930円(-1.18%)、いなげや951円(-1.04%)、アークス1,237円(-1.04%)である。

   この中では、イズミヤ、ユニバース、平和堂の3社が特に株価が右下がりとなっており、それぞれの26週移動平均はイズミヤ-23.26%、ユニバース-13.51%、平和堂-10.27%という状況である。中でもイズミヤは最も下げ率が大きく、チャートも急角度で右下がりとなっており、上場来最安値の331円に迫っており、どこまで下がるか読みにくい状況である。また、ユニバースは10月は1,500円前後あり、食品スーパーマーケット業界でも注目の株価であったが、その後、株価は急激に下がっており、現在は、厳しい株価の推移である。

   このように、12/11の株価は全体的には好調であったが、小売業は鈍い動きであり、その中で食品スーパーマーケットは一部厳しい株価の企業もあるが、総じて堅調な動きであり、健闘しているといえよう。これから、年間最大の売上げとなるクリスマス、年末商戦を迎えることになるが、今年は、西友、イオン、イトーヨーカ堂等、大手小売業が早めの大型セールに入っており、競争は一段と激化している。食品スーパーマーケット業界としては厳しい経営環境が予想されるが、今年もあと2週間余り、どのように株価が推移するか気になるところである。

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December 13, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 12, 2009

ID-POS分析、その本質!

   ここ最近、ID-POS分析に取り組む機会が多い。ID-POS分析は従来のPOS分析と比べ質、量ともに格段の違いがあり、これまでできなかった様々な新たな分析が可能となる。そこで、ここでは、何が決定的に違うのかを考えてみたい。

   まず、最も大きな違いは購入者の属性が把握できることであろう。これまでは何が買われたかは把握できたが、誰が買ったかは把握できなかった。誰とは、男性、女性、年齢、職業、年収、住所、家族構成など、様々な属性情報である。もちろん、この情報が正確に申告されていればということが前提となるが、少なくとも、これまでのPOS分析よりは一歩進んだことは確かであろう。ここから、商品を購入する顧客像が浮かび上がり、その結果から、新たな仮説をつくることができ、これまでにない仮説にもとづくマーチャンダイジングの改善が可能となる。 

   ただ、この分析は質の違いというよりも、どちらかという量の違いに近いといえ、商品の分析手法が根本的に変わったというよりも、商品を購入する顧客像が鮮明になったといえ、従来の分析手法を変えるまでにはなっていないといえよう。商品の分析手法は、この段階では、あまり大きく変化しているとはいえず、従来の単純な売上金額、売上数量、もう一歩進んで、金額PI値、PI値、平均単価を使って分析していることが多いのが実態といえよう。

   では、質的な違いとは何であるかであるが、それは、新たな指標が生まれ、その結果、新たな分析が可能となることであるといえる。従来のPOS分析では分析することができなかった分析手法が生み出されることであり、その結果、従来の分析では把握できなかった本質が見えることである。先にあげた属性はその意味で、分析手法そのものに質的な変化をもたらすというよりも、従来の分析手法をそのまま使い、ID-POS分析で得られる、属性という新たな切り口を提示しているといえる。したがって、従来の分析よりは一歩進んだといえるが、質的な段階が上がったとはいえない分析といえる。

   そこで、質的な違いとは何かを考えてみたい。ID-POS分析が世の中で注目された時、質的な違いで脚光を浴びたのは併買分析であろう。いまでも併買分析はID-POS分析特有の分析手法として様々な場面で活用されており、クロスマーチャンダイジングという形で実践に応用されている。最近では、クロスマーチャンダイジングが進化し、コラボ商品まで登場しており、実践事例は豊富である。

   ただ、この併買分析は、従来のPOS分析ではけっしてできないかというと、ある程度までは従来の分析でも可能である。併買とはAという商品とBという商品をどのくらい同時購買するかを指標化したものであるが、これは、レシート分析でも精度は低いがある程度まで把握することは可能である。AとBを同時に購入しているレシートを数え、全レシートで割れば、同時購入率が計算できる。数式では、客数PI値がまさにこれに当たり、併買客数PI値=同時購入レシート枚数÷全レシート枚数として、計算可能である。もちろん、ある特定IDがAとBの商品を同時購入しているかどうかは、IDを把握しないとできないので、ここまで分析するにはID-POS分析にまで踏み込まないと無理であるが、ある程度までは、併買分析も従来のPOS分析で可能といえる。

   では、ID-POS分析の決定的な質的な違いは何であろうか。それは、ずばり、頻度である。頻度、これが、従来のPOS分析では、けっして得られない指標であり、ID-POS分析特有の独特な指標であるといえる。従来のPOS分析はつきつめれば、レシート分析であり、レシートを基本単位として分析をしてゆくことになる。ID-POS分析は、このレシート1枚1枚にIDを付けたところが決定的に違うところであり、言い換えれば、IDレシート分析といえよう。したがって、レシートにIDがついたことにより、はじめて分析が可能になる指標がID-POS特有の分析といえる。
   
   そこで頻度の登場である。頻度とは、誰が何回買ったかであり、これが頻度である。レシート分析では何回までは把握できるが、誰が何回、すなわち、頻度を把握することはできない。指標ではID客数PI値であり、ID客数PI値=レシート÷IDとなる。このID客数PI値=頻度がID-POS分析特有の指標であるといえ、この頻度を駆使することがID-POS分析といえる。
   
   おもしろいことに、この頻度、ID客数PI値が加わると、従来の金額PI値(客単価)も、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値という数式で説明できるようになり、レシート分析(金額PI値)がID分析(ID金額PI値)とID客数PI値で結ばれ、双方の分析を融合することが可能となる。したがって、頻度、ID客数PI値を理解し、その本質をつきつめてゆくことがID-POS分析ならではの醍醐味といえ、これが従来のPOS分析と決定的な違い、質的な違いといえよう。

   ID-POS分析もようやく、食品スーパーマーケット業界でも活用がはじまりつつあるが、属性、併買分析も重要な分析のひとつではあるが、その本質は頻度、ID客数PI値にあるといえ、ここをしっかり押さえ、マーチャンダイジングの改善につなげて欲しいところだ。

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December 12, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 11, 2009

重点商品の管理を徹底するには?

   食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングを考える上で、最初に着手すべき課題は、何をおいても重点商品をいかにおさえるかである。大半の商品は食品スーパーマーケットでは重点商品のみで50%を超える売上げ構成比を示すことが多く、牛乳、食パンなどでは60%から70%にまでその比率が向上する。この商品の対極にあるヨークグルト、菓子パンなどでも、30%から40%前後はあり、前者の商品で重点商品の管理を怠ると、大きく売上げダウンとなり、後者の場合でも、まず、昨対をクリアーすることは難しいといえる。

   実際、店舗で、この重点商品の動向を調べてみると愕然とすることが多々ある。本部としては重点商品を選定し、それを棚割に落とし、フェイスを確保し、POPを頒布し、店舗に販売推奨するところまではできていたとしても、店舗、特に発注、品出しの担当者が重点商品を把握していないケースが多い。そのため、重点商品の発注がおろそかになり、欠品、品枯れ、フェイスの縮小、さらには、POPをつけるのを忘れたり、バックヤードに重点商品の在庫が保管されたままになっていたりと、様々な問題が発生する。 

   さらに、店舗では、本部推奨の重点商品以外に、店舗独自の重点商品があるが、この重点商品の把握ができてなく、本部のみの重点商品を強化し、結果、店舗の売上げを落としてしまう場合もある。重点商品はチェーン全体の重点商品と店舗独自の重点商品があり、この2つの重点商品を店舗では最優先で管理しないと、まず、昨対をクリアーすることは難しいといえる。
 
   そこで、ここでは、重点商品をどう選定するか、そして、選定した重点商品をどのように管理すれば良いかを考えてみたい。まず、重点商品の選定であるが、先にあげたように重点商品は2つある。本部推奨、すなわち、全店共通の重点商品と、店舗独自の重点商品である。全店共通の重点商品は2つの角度から選定することがポイントである。ひとつは、単純に全店の売上(金額PI値)の上位商品であり、これは簡単に重点商品が選定できよう。そして、もうひとつは、全店の中で商品の導入店舗のみでみた場合の売上(金額PI値)が高い商品である。いわば大リーグの得点圏打率の高い商品である。実は、これが将来の最重点商品となる可能性を秘めていることがあり、本部としては、注意深く選定することがポイントである。
 
   次に、店舗であるが、同様に、店舗独自に売上(金額PI値)の高い商品を選定することになるが、これに加え、昨年の数字も見ることがポイントといえる。特に、その店舗に赴任して1年たっていない場合などは、現在の重点商品だけの把握だけではなく、過去の重点商品の把握も大きなポイントとなる。前任の担当者が一所懸命、時間をかけて育成した重点商品が担当者が変わった途端に、売上げが落ちる、ひどい場合にはなくなってしまう場合もある。当然、店舗の売上げは落ちることになり、しかも、その落ちたままの低い水準で売上げが安定してしまう場合がある。その意味で、店舗の重点商品は現在だけでなく、過去の重点商品、特に、前任の担当者が独自に育成した重点商品は極めて重要な重点商品であり、ここが意外に、個々の店舗では、本部推奨の重点商品よりも、売上(金額PI値)の根幹となることがあるので、注意が必要である。

   ちなみに、重点商品の目安であるが、金額PI値で見れば、1円を超えれば無条件で重点商品といえる。本ブログでは日経MJで重点商品の基準を勝手につくって、独自の分析をしているが、その基準は金額PI値500円(1人当たり0.5円)がA、300円(1人当たり0.3円)がB、200円(1人当たり0.2円)がCとしている。グロサリーはほぼ、これでいけるが、生鮮、日配はもう一段ランクをあげ、金額PI値1円(1,000人当たり1,000円)を加えた方が良いといえよう。

   これで、重点商品の選定はできるが、次に、これを店舗にどう落とすかである。その時の最大のポイントは在庫である。重点商品を強化するとは、言い換えれば、重点商品の在庫を限界まで確保することであり、結果、チャンスロスを最小に管理することに他ならない。そのための店舗でのポイントはフェイスの確保と発注である。重点商品の予想PI値を算出し、客数を予測し、PI値×客数で販売数量を導き、次の発注までの130%ぐらいの十分な在庫を確保し、その在庫に見合うフェイスをしっかりとり、最優先で品出しを行い、細心の注意を払い、最大限の販促をかける。これを店舗の商品担当者と店長を交えて徹底的につめることである。

   重点商品以外は自動発注にしても、品揃えさえしっかり確保できれば、大きく数字を落とすことはないが、重点商品は数字に基づいて意識的に管理しないと、鮮度が落ちたり、欠品が生じたり、品枯れになったりし、カテゴリー全体、ひいては店舗全体の売上を落としかねないといえる。その意味で、重点商品は、本部、店長、現場担当者が一体となった取り組みが必要であり、常に、研究、勉強してゆくべき商品であるといえる。再度、特に、各店舗の重点商品をしっかり把握し、見つめ直して欲しいところだ。

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December 11, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 10, 2009

イオン、矢継ぎ早に、営業梃入れ、経営改革、決断!

   イオンの動きが、ここ最近、あわただしい。12/10から12/14まで、「いきなり値下げの5日間」のセールを全国一斉、イオンの総力をあげて23,000店舗で開催することを12/7に公表した。また、同じく12/7、イオンリテールの食品スーパーマーケット事業を分割し、新たに受け皿の新会社を6社、各地域に設立し、来年度から食品スーパーマーケット、マックスバリュを移管することが公表された。さらに、12/9、来年2月、懸案の北米事業、衣料品専門店のタルボット社の全株式を売却し、全債権の返済を受けるという合意が、タルボット社との間でなされたことを公表した。

   わずか、3日間に矢継ぎ早に、今後のイオンの経営を左右する重大な経営判断がなされており、年末年始を迎え、イオンが急雲風を告げる動きといえよう。通常、小売業の売り上げはクリスマス、年末、そして、お盆が年間最大の山となり、特に、大型店はクリスマスから年末にかけては、年末商戦といわれるように、まさに戦いとなり、ここへ経営資源を投入し、最大の売上げをつくるのが例年の動きである。ところが、今回のイオンのセールは、12/10から12/14という、年末商戦2週間前に、イオングループの総力を挙げての一大セールを行うという、いわば、年末商戦の前倒しともいえ、これまでとは一線を画した新たな動きである。

   その内容であるが、今回の「いきなり値下げの5日間」のセール参加店舗であるが、全国のイオンモールなど計401のイオングループ運営ショッピングセンター(SC)内の物販専門店合わせて約22,500店舗、全国のジャスコ、サティ、ビブレ、カルフール、イオンスーパーセンターなどイオングループ直営の総合スーパー約500店舗となる。セール内容は、紳士・婦人・子ども衣料、靴・かばん、寝具・インテリア等は店頭で今ついている価格よりレジにて2割引となり、肌着、文具、食器、自転車、日用雑貨、医薬品等は今の価格よりレジにて1割引、さらに食品や家電は日替わりの特別販売商品を多数打ち出すという。年末商戦がどちらかというと、食品が主体になるが、今回のセールは、衣料、住関連が主体となるセールといえよう。

   この「いきなり値下げの5日間」の目標売上げは1,000億円であるという。イオンの年間売上げが約5兆円であるので、1日当たり約135億円となる。したがって、単純計算で5日間では約675億円となるので、1,000億円は約150%の売上げアップとなる。通常のこの時期は年末商戦前の比較的静かな時期であるので、イオンにとっては、この1,000億円は例年にない大きなキャッシュの獲得といえ、2週間後の年末商戦と合わせると、今期の12月度は過去最高のキャッシュの獲得となろう。

   イオンのこの8月度の中間決算のキャッシュフローは、営業キャッシュフロー370.65億円、投資キャッシュフロー-1,922.08億円となり、フリーキャッシュフローは-1,551.43億円と大きくマイナスであった。そのため、財務キャッシュフローで1,032.92億円に加え、内部留保を486.67億円取り崩さざるをえない厳しい状況となった。その結果、有利子負債が増加し、1兆3,359.65億円(昨対118.1%)となり、自己資本比率もわずか21.1%という厳しい財務状況にあり、残り、後半でいかに、キャッシュを獲得するかが経営的にもまったなしの状況にあり、これが、今回、異常ともいえる「いきなり値下げの5日間」を実施せざるをえない背景のひとつにあると思われる。

   そして、この「いきなり値下げの5日間」に加え、懸案の北米事業、衣料品専門店タルボットとの資本業務提携を清算することが決まり、これで、イオンは北米事業から撤退、経営資源を国内とアジアに向けることになる。さらに、国内では、食品スーパーマーケット事業を分割することが決まり、既存のマックスバリュグループに、新たに、マックスバリュ北東北(7店舗)、南東北(16店舗)、関東(17店舗)、中京(11店舗)、長野(4店舗)、北陸(9店舗)の6社が設立され、食品スーパーマーケットが移管されることが決まった。これにより、イオンリテールはGMSを主体とする小売事業に専念することになり、国内事業は、SC(専門店)、GMS、食品スーパーマーケットの3つに分割されることになる。食品スーパーマーケットは、各グループ会社が地域密着で取り組み、GMSはイオン本体が全国を視野に入れ、立て直しに専念する経営体制ができあがることになる。

   これを受けて、イオンの12/09の株価であるが、異常な売買高となり、約1,000万株の大商いとなった。通常は数千万株、この日のセブン&アイHも約3,000万株であるので、明らかに加熱気味である。ただ、値動きは小幅であり、750円(+22円、3.02%)であり、売りと買いが激しく交錯する値動きであり、投資家も、今後のイオンの経営動向を見極めきれない状況のようである。

   このように、ここへ来て、イオンが経営改革に本格的に動き、矢継ぎ早の経営改革を行い、まさに、勝負に出たという決断である。今期決算は来年2月末であり、実質、今期はあと2ケ月といえる。イオンがこの一連の経営改革により、どこまで、厳しい結果となった8月の中間決算、特にキャッシュフローの窮状を改善できるか、今回の結果はもちろん、そして、次の一手にも注目である。

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December 10, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 09, 2009

タイヨー、2010年2月期の中間決算を見る!

   本ブログでは、食品スーパーマーケットの決算月には最新情報として、決算情報を積極的に取り上げている。特に、本決算に関しては、ほぼ全決算公開企業約50社を取り上げ、中間決算においても、主要企業はほとんどを取り上げ、その状況を分析している。今回は、その中で、まだ、取り上げていない、今期の中間決算を公開した食品スーパーマーケット、鹿児島のタイヨーを取り上げてみたい。タイヨーは、鹿児島県を中心に、宮崎県をも含め、88店舗を展開する食品スーパーマーケットであり、2009年2月期決算の営業収益は1,271億円、決算公開企業約50社の中では21番目となる規模である。

   その最新の決算状況、2010年2月期の中間決算であるが、10/5に公表された。結果は、営業収益が640.84億円(99.9%)、営業利益11.06億円(77.1%:営業収益比1.72%)、経常利益11.47億円(79.3%:営業収益比1.78%)、当期純利益6.01億円(93.5%:営業収益比0.99%)となり、減収減益の厳しい結果となった。タイヨー自身も、「流通を取り巻く環境も急激に悪化が進み、市場全体を取り巻く低価格志向と価格競争はなお一層激しさを増し、客単価の下落に拍車をかけるなど、大変厳しい経営環境が続き、・・」と厳しいコメントを出しており、九州、鹿児島においても、消費環境は厳しさが増しているといえよう。

   そこで、タイヨーが減収減益になった要因を見てみたい。まず、営業収益であるが、食品スーパーマーケットの成長戦略は新店開発=成長ともいえ、新規出店が成長を支える原動力といえる。既存店は数年後にはピークを迎え、競合店が近隣に出店すると、その影響が及び、マーチャンダイジングの改善、店舗改装を実施しても、現状を維持することすら難しいのが実態である。したがって、チェーン全体の成長は継続的な新店開発にあるといえ、毎年、確実に一定規模の新店を作ってゆけるかがポイントとなる。

   タイヨーの場合は、店舗数が現在88店舗であるので、105%の安定成長を目指すには、少なくとも4から5店舗は毎年新店が必要といえる。この中間では佐土原店(2月)、岩川店(6月)の2店舗を新設しているが、この中間決算時では、実質1店舗強の増加といえ、新店効果が十分に表れておらず、結果、営業収益が99.9%と、わずかであるが、減益となったといえよう。また、今後、105%以上の成長を目指す場合は、さらに、3店舗以上の新店が必要といえる。

   そこで、タイヨーの出店余力を見てみると、2009年2月決算時は-17.2%であり、この中間決算時点では純資産比率が59.1%、出店にかかわる資産が総資産の77.5%であるので、差し引き、-18.4%と若干マイナス幅が拡大している。この数字は、決算公開企業約50社の中では、ほぼ真ん中ぐらいではあるが、もう一段、出店余力を引き上げ、成長戦略を強化したいところであると思われる。また、キャッシュフローの投資キャッシュフローを見ると、出店関連の資産の取得は10.64億円であり、タイヨーの場合は1店舗当たりの出店にかかわる資産が約8.07億円とやや高めであることから、この中間では、1店舗強の投資金額といえ、抑制的な投資戦略といえよう。

   その背景には、この中間決算時におけるキャッシュフロー戦略が大きく影響しているといえる。特に、今期は、前期の決算時が金融機関の休日と重なり、仕入れ債務の支払いがずれたため、キャッシュフローが大きく変動している。前期は仕入れ債務の増加が83.87億円と大きくプラスになったが、この中間では、大きく減少し、-50.99億円の減少となった。その差、134.86億円であり、異常な数字である。したがって、営業キャッシュフローは-18.86億円となり、投資キャッシュフローに十分な配分ができず、財務キャッシュフローもマイナス、すべてのキャッシュフローがマイナスとなり、結果、内部留保を54.05億円取り崩すこととなった。もちろん、その分、前期は内部留保を増加してあり、遣り繰り上は問題ないが、結果としては、新規出店への投資が十分とはいえず、成長戦略が薄くなったといえ、営業収益の確保ができなかったといえよう。

   一方、減益の要因であるが、原価は78.89%(昨年79.08%)と、下がっており、厳しい消費環境の中、粗利は21.11%(昨年20.91%)と、0.20%改善している。これに対し、経費の方であるが、20.45%(昨年19.77%)と、0.68%上昇しており、差し引き、マーチャンダイジング力は0.66%(昨年1.14%)と0.48%減少した。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が1.09%(昨年1.12%)のり、結果、営業利益は1.75%(昨年2.26%)となり、減益となった。原価は改善できたが、経費の上昇に加え、その他営業収入の減少が影響し、営業利益を押し下げたといえよう。

   このように、タイヨーの2010年2月期の決算が減収減益という厳しい状況となったが、その要因を見ると、成長戦略の要となる新規出店への投資が十分にできず、新店が展開できなかったことに加え、消費環境の悪化により、経費の上昇が見られ、営業利益が確保できなかったことが要因といえよう。今後、消費環境はデフレ傾向が鮮明であり、より、厳しさを増すもの思われるが、今期、次の後半、タイヨーが、この苦境を打開するため、どのような経営方針を打ち出すか注目である。

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December 9, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 08, 2009

西日本編、食品スーパーマーケット新店情報!

   前回のブログ、「東日本編、食品スーパーマーケット新店情報!」に続き、今回は西日本の食品スーパーマーケットの新店情報を取り上げてみたい。東日本が北海道、東北、関東、そして、中部・東海エリアであったので、西日本はそれ以外、近畿、中国、四国、そして、九州を取り上げる。全部で54店舗となる。東日本が47店舗であったので、合計101店舗となり、この10月時点で、大規模小売店舗立地法に基づき、各自治体に届け出がなされている1,000平米(約300坪)以上の出店予定の食品スーパーマーケットである。

   まずは、近畿であるが、兵庫県が最も多く11店舗となる。(仮称)マックスバリュ菅生店604坪(2010/3/9)、ライフガーデン潮芦屋(マルハチ)872坪(2010/3/11)、マックスバリュ西日本759坪(2010/3/16:姫路市)、生活協同組合コープこうべ、(仮称)コープ東神吉店492坪(2010/4/1)、(仮称)イオンタウン東加古川SC(MV棟、マックスバリュ西日本)1,62坪(2010/4/1)、(仮称)ロックシティ姫路(マックスバリュ西日本)3,942坪(2010/9/1)、(仮称)フレッシュバザール豊岡宮島店(さとう)885坪(2011/3/3)、マックスバリュ町坪店725坪(2010/6/23)、(仮称)オークワ加古川店62坪(2010/6/27)、(仮称)スーパーマルハチ藤原台店645坪(2010/5/1)、(仮称)ひよどり台複合施設(サンセブン)515坪(2010/5/1)となる。この内、マックスバリュ西日本が5店舗であり、来期も積極的な出店が予定されている。 

   ついで、大阪府が10店と続く。コノミヤ摂津店368坪(2010/1/29)、(仮称)コープ泉佐野店(大阪いずみ市民生活協同組合)829坪(2010/2/26)、(仮称)関西スーパー永和店437坪(2010/3/16)、(仮称)マックスバリュ八尾竹渕西店(光洋)545坪(2010/3/31)、(仮称)関西スーパー江坂店424坪(2010/5/9)、万代高槻春日店408坪(2010/5/16)、(仮称)関西スーパー菱木店811坪(2010/5/19)、(仮称)ライフ堺石津店2,012坪(2010/6/3)、スーパーマルハチみてじま店395坪(2010/1/30)、(仮称)ライフ西天下茶屋店398坪(2010/4/25)となる。この内、関西スーパーマーケットが3店舗と最も多く、地元兵庫県ではなく、大阪府に新規出店が集中している。

   そして、残りの近畿地区であるが、滋賀県には(仮称)平和堂新安曇川店2,602坪(2010/2/20)、(仮称)バロー八日市東沖野店977坪(2010/3/7)、(仮称)バロー草津店533坪(2010/5/9)と3店舗であるが、内、岐阜県のバローが2店舗であり、いよいよ、バローが近畿エリアへの新規ドミナントを本格化させるといえよう。奈良県では(仮称)イズミヤスーパーセンター広陵町店3,939坪(2010/3/26)、ハーベスあやめ池店(仮称)(近商ストア)438坪(2010/4/1)、(仮称)スーパーセンターオークワ桜井店2,366坪(2010/3/24)の3店舗、京都府では(仮称)阪急オアシス山科店532坪(2010/3/1)、ベルタウン吉祥院店(仮称)(マツモト)1,603坪(2010/6/1)の2店舗、そして、経済産業省では近畿管轄となる北陸、福井県では(仮称)アルビス森田店602坪(2010/3/7)の1店舗が新規出店予定である。

   結果、近畿エリアでは、兵庫県11店舗、大阪府10店舗、滋賀県3店舗、奈良県3店舗、京都府2店舗、福井県1店舗の合計30店舗となる。こう見ると、兵庫県、大阪府が圧倒的に新店予定が集中しており、近畿全体の70%となる。

   次に、中国、四国エリアを見てみたい。この地区は12店舗の新規出店が予定されており、中心は広島県であり、(仮称)フレスタ福山地吹店379坪(2010/5/3)、(仮称)フレスタ南蔵王店405坪(2010/6/17)、ヴェスタ白島店(フジ)460坪(2010/1/29)、(仮称)アーバス東千田(丸久)1,118坪(2010/3/1)、(仮称)フレスポ西風新都(生活協同組合ひろしま)1,628坪(2010/3/1)と、5店舗とエリア全体の約半分を占める。ついで、岡山県の2店舗、(仮称)ディオ中島店(大黒天物産)597坪(2010/6/22)、(仮称)山陽マルナカ新彦崎店747坪(2010/4/30)、香川県の2店舗、マルナカ豊中店945坪(2009/12/7)、丸亀中府モール(ハローズ)1,533坪(2010/2/19)、鳥取県1店舗、大黒天物産694坪(2010/5/8)、徳島県1店舗、(仮称)ディオ小松島店(大黒天物産)618坪(2010/3/6)、高知県1店舗、サンシャイン高岡店452坪(2009/12/26)となる。

   最後が九州エリアとなるが、全部で12店舗が出店予定であるが、最も出店予定が多いのが、福岡県の6店舗である。(仮称)夜須ショッピングセンター(Aコープ九州)878坪(2009/12/24)、スーパーセンタートライアル水巻店1,292坪(2010/1/13)、(仮称)飯塚秋松商業施設(ハローデイ)854坪(2010/1/29)、スーパーセンタートライアル宗像店720坪(2010/5/2)、ゆめタウンうきは(イズミ)2,227坪(2010/6/1)、(仮称)エフコープ新宮店896坪(2010/2/16)である。ついで、鹿児島県2店舗、(仮称)タイヨー浦上店733坪(2010/3/25)、マックスバリュくらし館岩川店617坪(2010/6/28)、 佐賀県1店舗、スーパーモリナガ吉野ヶ里店1,066坪(2009/12/2)、熊本県1店舗、マックスバリュ九州1,138坪(2009/12/2:熊本市)、大分県1店舗、(仮称)コープしもごおり店416坪(2009/12/18)、宮崎県1店舗、生活協同組合コープみやざき本郷店352坪(2010/2/23)となる。

   このように、2回に渡って、今後、新規出店予定の1,000平米(約300坪)の食品スーパーマーケット、101店舗を見たが、東日本47店舗、西日本54店舗とほぼ拮抗している。来年はデフレが鮮明になり、消費環境が厳しい状況が予想され、新店が出店できる食品スーパーマーケットと、できない食品スーパーマーケットでの業績の格差が大きくなるものと予想される。今回予定している各食品スーパーマーケットがどのような新店をつくるか、また、業績がどのように推移するか注目である。

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December 8, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 07, 2009

東日本編、食品スーパーマーケット新店情報!

   12/1、経済産業省から、大規模小売店舗立地法にもとづく、2009年10月末現在の小売業の大規模店舗の新規出店予定の状況が公表された。この法律は、店舗面積が1,000平米(約300坪)以上の小売店舗を大規模小売店舗と政令で定義しているため、それ以上の小売店舗を新設する場合には各自治体へ届け出が必要となる。そこで、この中から、食品スーパーマーケットのみを抽出し、10月末時点の日本全国の今後の食品スーパーマーケットの新店予定を見てみたい。なお、この10月末時点で届け出された大規模小売店舗は265件であり、その内、食品スーパーマーケットが101件である。そこで、今回は東日本と西日本の2回に分けて取り上げてみたい。まずは、東日本編47件すべての食品スーパーマーケットの出店予定を見てみる。

   北から見てみると、北海道では、コープさっぽろ恵み野店791坪(2010/3/15)、コープさっぽろ岩見沢店971坪(2010/4/11)、ダイイチ(2010/6/16:帯広)と3店舗がオープン予定である。いずれも来年春から夏にかけてのオープン予定である。ダイイチはホームセンターホーマックとともに、ショッピングンセンターでのオープンとなる。東北では、ヤマザワ塩釜中の島店1,218坪(2010/2/2)、ヤマザワ富の中店756坪(2010/1/2)、よねや角館店503坪(2009/12/23)、ヨークベニマル、メガステージ田村1,815坪(2010/1/23)、ヨークベニマル(仮称)泉・野村パーク1,335坪(2010/6/2)の5店舗である。売場面積は総売場面積であるので、自社の食品スーパーマーケット以外にも、衣料、専門店、テナント等が入るため、かなり、食品スーパーマーケットとしては、大きな面積となっている。こう見ると、東北では、来年も、前半は、ヤマザワ2店舗とヨークベニマル2店舗のオープンが予定されており、積極的に両食品スーパーマーケットが出店をしてゆくものと思われる。

   次に、関東を見てみたい。経済産業省では関東に東海、信越も入るため、全部で25店舗となる。都道府県別に見ると、東京都では、(仮称)オーケー多摩南大沢店586坪(2009/12/17)、スーパーアルプス、(仮称)コピオ羽村店1,634坪(2010/2/13)、コープとうきょう485坪(2010/2/18)、ヤオコー青梅今寺店872坪(2010/2/20)、(仮称)ライフ・葛飾奥戸店1,512坪(2010/3/1)、(仮称)サミットストア三鷹台店549坪(2010/5/9)、(仮称)ライフ神田和泉町店569坪(2010/6/1)と7店舗である。オーケーのみ年内オープン予定であるが、それ以外の6店舗は来年前半の予定である。東京都にはかなりの食品スーパーマーケットがあるが、意外に来年前半までの新規出店は少ないといえよう。

   ついで、東京都以外の関東を見てみると、埼玉県では、ヤオコー所沢美原店572坪(2010/1/30)、ヤオコー草加原町店806坪(2010/5/31)、マミーマート川口市芝店528坪(2010/6/2)、スーパーアルプス飯能美杉台店678坪(2010/6/30)、オーケー浦和原山店691坪(2010/3/1)、の5店舗である。地元ヤオコーが積極的な新規出店といえよう。神奈川県では、三和899坪(2009/12/15:港北区)、東急ストア4,008坪(2010/4/1:戸塚区)、東急ストア493坪(2010/1/28:都筑区)の3店舗、千葉県ではサンベルクス530坪(2010/3/31)、ベイシアいすみ大原店1,586坪(2010/6/2)の2店舗であり、茨城県では、とりせん大沢店558坪(2010/1/30)、カスミ瓜連店1,027坪(2010/3/31)、セイミヤモールかすみがうら955坪(2010/5/4)、ヨークベニマル水戸浜田店609坪(2010/6/29)の4店舗である。そして、栃木県ではたいらや、アクロスプラザ足利900坪(2010/2/16)、群馬県では、ヤオコー桐生境野店808坪(2010/3/1)のそれぞれ1店舗づつである。首都圏は東京都7店舗、埼玉県5店舗、神奈川県3店舗、千葉県2店舗、茨城県4店舗、群馬県1店舗、栃木県1店舗の合計23店舗となる。

   そして、首都圏以外の関東管轄地区であるが、長野県がいちやまマート諏訪店685坪(2010/4/12)、(仮称)バロー上田秋和店533坪(2010/5/17)の2店舗、新潟県が原信2,138坪(2010/3/4:アクロスプラザ長岡A街区)、原信近江店632坪(2010/2/9)、ウオロク966坪(2010/2/1)の3店舗、静岡県がバロー静波店530坪(2009/12/21)、バロー大坪店446坪(2009/12/10)、マックスバリュ東海静岡曲金店685坪(2010/3/10)の3店舗である。

   最後に、中部地区であるが、バロー岩倉店416坪(2009/12/21)、(仮称)バロー東海名和店870坪(2011/4/21)、(仮称)フィールやなべ店555坪(2010/5/10)、(仮称)フィール春日井南店900坪(2010/5/30)、マックスバリュ中部3,890坪(2010/2/1)、バロー相木店2,864(2010/6/8)、バロー堀越店868坪(2010/3/8)、ヤマナカ則武店497坪(2010/4/1)と8店舗である。バローが積極的な出店であり、関東管轄区域で7店舗と、東日本では最多店舗数である。

   このように、2009年10月現在、1,000平米以上の今後の食品スーパーマーケットの東日本の出店状況であるが、北海道・東北8県、首都圏23件、東海・信越・中部16件の合計47件となる。10月現在であるので、来年前半までの状況であり、後半はまだ今後、続々と届けが出されるものといえ、年間では、この2倍近い出店となるのではないかと予想される。また、今回の東日本編では、全47件の内、23県が首都圏、約50%となり、東京都、埼玉県、茨城県が多いのが特徴である。今後、ここに取り上げた食品スーパーマーケットが今年後半から来年前半にかけて順次オープンしてくるものといえ、各食品スーパーマーケットがどのような新店をオープンするか注目である。

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December 7, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 06, 2009

日経MJ、新製品週間ランキング、12/4、菓子に注目!

   12/4、日経MJが新製品週間ランキングを公開した。今週は、解説でも取り上げられているが、菓子が好調である。特に、菓子部門、3位に亀田製菓と明治製菓のコラボ企画、柿の種チョコ&アーモンド110gが初登場で3位に入った。金額PI値も345円であり、Aランクの500円まではいかなかったが、Bランクの300円を超え、上々の滑り出しである。まだカバー率が44.8%と低いが、この金額PI値が継続できれば、菓子の中でもトップクラスの金額PI値となるため、確実に定番化されるものといえ、急激にカバー率があがる可能性が高いといえよう。実際、菓子部門ベスト10のカバー率は、この新製品を除き、すべて60%以上であり、最高100.0%である。したがって、ベスト10以内の金額PI値を維持できれば、カバー率は確実に上がるといえよう。

   一般に、金額PI値で商品をランク付けする場合、金額PI値500円(1人当たり0.5円)以上がAランクと見て良い。これを超える商品は稀であり、まして、新製品では極めて高い数字である。ついで、金額PI値300円がBランク、200円がCランクと見て良い。したがって、この新製品週間ランキングを見る時には、この基準で見ると、それぞれの新製品の位置づけが明確になるといえよう。実際、このランクで、今週の新製品を見てみると、今週は菓子部門が最も活気のある部門であることがわかる。Aランクこそ0であるが、Bランクが4品、Cランクが3品あり、他の部門よりもランクの高い新製品が多いのが特徴である。ちなみに、飲料はCランク1品、冷凍食品はランク外のみ、その他食品はAランク1品、Bランク2品、Cランク1品であり、家庭用品はAランク1品、Bランク2品、Cランク4品である。

    そこで、今週は、この菓子部門に注目といえよう。菓子分門で最も注目すべき新製品は、はじめにも取り上げた、3位となった亀田製菓、柿の種チョコ&アーモンド110g、金額PI値345円である。では1位は何であろうか、これが、先にもふれたカバー率100%の新製品であり、明治製菓、ミルクチョコレート58g、金額PI値377円である。このカバー率100%は、今週の新製品の中では、この新製品を除き0であり、唯一の新製品である。年間でもそれほど多くはなく、カバー率100%は中々達成するのが難しい数字である。この日経MJの場合は、対象食品スーパーマーケットが、全国49チェーン250店舗であるので、このすべて250店舗で1週間に1個以上の販売実績が上がった新製品であるので、達成すのは至難の業である。

   もう少し、このNo.1の明治製菓、ミルクチョコレート58gを解析してみたい。金額PI値が377円、平均単価が84円であるので、ここからPI値を逆算してみると、金額PI値=PI値×平均単価であるので、PI値=金額PI値÷平均単価となる。したがって、PI値=(377円÷1,000人)÷84円=0.004個、0.4%となる。ここから、平均的な食品スーパーマーケットの販売数量を推測してみると、2,000人/日の食品スーパーマーケットでは、2,000人×0.4%=8個となる。3,000人/日で12個である。週間在庫を計算すると、×7日で、56個、84個となり、これはかなりのボリュームである。いかに、このミルクチョコレートの数字が高いかがわかる。菓子部門の定番の全商品を入れても、これだけ高いPI値の商品は少ないといえ、今週、1位になり、しかも、カバー率が100%になったのも頷ける数字である。

   菓子部門では、これ以外にも、2位にカルビー、じゃがりこサラダ60g、金額PI値350円、カバー率99.6%、4位、5位もカルビーであり、ポテトチップスうすしお味60g、金額PI値308円、カバー率93.6%、コンソメパンチ60g、金額PI値285円、カバー率94.4%が入った。さらに、カルビー関連では、7位、8位に今週初登場の四季ポテトゆず胡椒味58g、金額PI値240円、カバー率67.2%、こんがりチェダーチーズ味58g、金額PI値226円、カバー率66.8%が入った。また、その間、6位には、江崎グリコ、チーザ<ゴルゴンゾーラチーズ>38gが金額PI値273円、カバー率73.6%で入った。以上の8品が菓子部門のCランク200円以上の新製品である。

   また、これら菓子部門とは部門が違い冷凍食品に分類されているが、アイスクリーム、すなわち、冷菓も今週は金額PI値こそ、やや低い数字であるが、ベスト20品の内、19品を占めている。いわゆる冷凍食品は1品のみであり、ここでも菓子、すなわち、アイスクリームが注目である。特に、1位はロッテアイスの雪見だいふくダブル生チョコレート94ml(47ml×2個)であり、金額PI値154円であり、カバー率は65.2%である。アイスクリームでもチョコレートがキーワードといえ、この冬はチョコレートが何といってもポイントといえよう。

   このように今週の新製品週間ランキングは菓子部門が食品全体を牽引しており、特に注目は菓子の中のトップカテゴリー商品群であるチョコレートと柿の種が融合したコラボ商品である。しかも、これは、菓子部門の新製品1位の明治ミルクチョコレートを使っての柿の種であり、注目といえよう。また、アイスクリームでも雪見だいふくとチョコレートのコラボ商品がトップとなっており、チョコレートが既存の人気商品をさらに押し上げているといえ、興味深い結果といえよう。今後、チョコレートはバレンタインデーが近付くにつれ、さらに、加熱してくるものといえ、この冬はチョコレートだけでなく、そのコラボ商品にも注目したい。

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December 6, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 05, 2009

ID客数PI値って何?

   前回、客数PI値について解説したので、今回は、もう一歩踏み込み、ID客数PI値について考えてみたい。ID客数PI値は客数PI値にIDがついたものであり、ID-POS分析には必須の指標である。ID-客数PI値なくして、ID-POS分析は成り立たないといえる。その意味では、客数PI値よりも、メジャーな指標となる可能性が高く、ID-POS分析が普及すればするほど、ID客数PI値は一般化することになろう。そこで、ここでは、ID客数PI値とは何か、客数PI値とはどう違うのか、ID客数PI値の将来展望を解説してみたい。

   まず、ID客数PI値とは何かであるが、これは、客数をIDで割ったものである。一般的に小売業では客数のことをIDとは捉えていない。それは長らく、IDそのものを正確に把握することが技術的にできなかったため、IDを数字で捉えることができなかったからである。したがって、IDの研究は小売業ではまだまだ一般化しておらず、実際の小売業でIDを分析し、その数字を現場に活かし、実績を上げている企業はごくわずかといえ、特に、食品スーパーマーケットではまだまだごく限られた企業のみのといえよう。

   では、小売業における客数とは何かであるが、これはレシートのことである。レシート=客数ととらえているのが小売業の客数の実態である。したがって、IRなどで公表されている年間客数はレジ通過の総レシート枚数のことである。これを客数として捉え、1店舗およそ100万人近い客数となり、100店舗で1億人の年間客数となる。セブンイレブンやウォルマートの客数も同様であり、すべて、客数というと、通常はレシート枚数のことである。

   もちろん、ポイントカードを導入している小売業はすべて何らかの形でIDを把握しているので、最近ではIDで客数を把握できるようにもなり、ほぼ正確なIDの客数もわかるようになってきた。そこで、登場するのが、ID客数PI値である。ID客数PI値とは、これまでの客数=レシートとIDとを結びつるける根幹指標のことであり、数式ではID客数PI値=客数(レシート)÷IDとなる。このID客数PI値が生まれたことにより、はじめて、これまでの客数(レシート)の世界がIDとつながることになり、ID-POS分析が飛躍的に進むことになったといえる。

   なぜなら、これまでのマーチャンダイジング理論の根幹、金額PI値をID客数PI値を通じて、ID金額PI値と結び付けることが可能となったからである。これも本ブログでは何度も取り上げているが、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値であり、まさに、右側は客数(レシート)の世界、左側はIDの世界であり、この2つの世界がID客数PI値を通じて結びつき、様々なID-POS分析が可能となる。しかも、これまでは金額PI値の分析が主なマーチャンダイジング理論を形作っていたが、ID客数PI値を通じて、IDの世界とつながることにより、IDと結び付いたマーチャンダイジング理論の構築が可能となったことである。

   この数式が示すように、ID客数PI値は1ID当たりのレシート枚数であるので、これは、ある購入期間におけるIDの購入頻度を表しており、IDの世界では、マーチャンダイジングに頻度という概念が必然的に組み込まれることになり、頻度分析が可能となる。さらに、商品をIDから見ることが可能となり、これまでの特定レシート(商品分類など)のマーチャンダイジングを取り上げるだけでなく、IDの総レシートを分析対象とすることも可能となり、併売分析や、最近の最先端のマーチャンダイジング理論であるファイナンス、特に、キャッシュフロー分析への応用も可能となりつつある。本来、小売業におけるキャッシュフローは商品から見るよりも、実は、顧客から見た方がはるかに実務的であり、キャッシュフローの増大につながるはずである。ただ、これまでは、顧客、すなわち、ID分析ができなかったがために、このようなアプローチができなかったが、今後は、これに限らず、IDの世界から見ることにより、様々な展開が可能となろう。

   次に、ID客数PI値と客数PI値の違いであるが、これは、ID客数PI値がIDと客数(レシート)を結びつける指標であるのに対し、客数(レシート)同士を結び付ける指標が客数PI値である。分母、分子双方が客数(レシート)となり、すべて、客数(レシート)の世界だけで活用される指標である。これは、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値の右側の世界である。では、左側の世界、IDに客数PI値はないのかという疑問がわくと思うが、これも当然ある。ID客数PI値IDである。数式はID÷IDとなり、左の世界、すなわち、IDの世界だけで活用される客数PI値である。

   このように、客数PI値はID-POS分析の時代となり、3つに分化し、客数(レシート)のみの世界で活用する客数PI値、客数(レシート)とIDの世界を結びつけるID客数PI値、そして、IDの世界のみで活用するID客数PI値IDがある。ID-POS分析とは、この3つの客数PI値を縦横に駆使し、マーチャンダイジングの本質に迫ると同時に、経営の根幹キャッシュフローにも迫ってゆくことになる。その意味で、いずれ、客数PI値はマーチャンダイジング、そして、経営の根幹指標となる日が来るのではないかと思う。

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December 5, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 04, 2009

客数PI値って何?

   最近、客数PI値についての質問を良く受けるようになった。特に、メーカーの方から、カバー率とどう違うのかという質問を受ける。小売業でも、チェーンストア全店の導入率と、どう違うのかという質問を受ける。また、そもそも、PI値に客数PI値があるのかという素朴な質問も受けることが多い。確かに、客数PI値はPI値の中でも、比較的最近、基礎概念が確立された指標であり、馴染みが薄いのは事実であり、流通業界でもまだ一般化しているとはいえない。業界用語としても、PI値はほぼ認めらたといえるが、客数PI値は、まだまだ、これから認知される指標の中のひとつの候補といえよう。

   ただ、ID-POSの時代になると、必然的に客数PI値、特に、ID客数PI値は必須となり、ID-POS分析をするにあたっては、客数PI値なしには、理論的な分析は不可能である。ID-POS分析の普及とともに、客数PI値が浸透し、将来的には客数PI値が主役の座になることも十分に考えられる指標である。その意味で、客数PI値は、PI値を理解し、マーチャンダイジングを理解する上においては極めて重要な指標といえる。

   そこで、まず、客数PI値を理解するために、身近な客数PI値の事例から入り、その後、客数PI値のPI値理論、すなわち、マーチャンダイジングを理解する上で、その意義をまとめてみたい。

   まず、カバー率と客数PI値の違いであるが、数式的には、カバー率は導入店舗数÷全店舗数であり、店舗÷店舗のことである。ここに、数量、金額、客数は絡んでこない。これに対して、客数PI値は導入店舗の客数÷全体の客数であり、客数÷客数のことである。店舗の客数がすべて同じ客数であれば、カバー率=客数PI値となるが、店舗の客数にバラツキがあると、カバー率と客数PI値はかなり差がでる。実際、食品スーパーマーケットの客数を見ると、100店舗クラスになると、1,000人/日から5,000人/日ぐらいまであり、かなり、客数にバラツキがあるのが実態である。したがって、カバー率と客数PI値はこと食品スーパーマーケットではかなり差があるのが実態といえよう。

   また、客数PI値は理論的には、全体の金額PI値(PI値)=客数PI値×導入店舗の金額PI値(PI値)という数式で結ばれ、導入店舗の客数÷全体の客数が客数PI値となり、全体と導入店舗を結びつける架け橋となる。ところが、カバー率は客数PI値のかわりにはならず、理論的に当てはめる場所がない。強いていえば、カバー率を100%に近付けてゆく、目標設定のひとつ、行動計画のひとつの指標ととらえるのが順当といえよう。逆に、客数PI値は理論的には明快な指標のひとつであるが、目標設定にはやや分かりにくい面もある。

   次に、チェーンストアで使う客数PI値であるが、良く目にするケースが、チェーン全体の金額PI値が算出されていた場合、その金額PI値がチェーン全体の客数で割ったものか、導入店舗の合計客数で割ったものかが、一見して、わかりにくいというケースがある。最近では、これを厳密に分けて提示する場合も見られるが、現状はどちらかひとつの場合が多いのが実態である。これは、実際に算出してみると、かなり大きな差があり、特に、導入店舗が少ない場合の金額PI値に大きな格差がある。

   余談だが、毎週、金曜日に日経MJから公表される新製品週間ランキングがある。このランキングは金額PI値で評価されているが、その金額PI値は全体、すなわち、対象店舗全体の客数で割ったものか、それとも、新製品の導入店舗のみの客数で割ったものかが明示されていない。かなりの読者が全体の客数で割った対象チェーン全体の金額PI値であると思っているようであるが、あれは、新製品の導入店舗のみの客数で割った導入店舗のみの金額PI値であり、それでランキングをとっているといえる。本来であれば、全体の金額PI値=客数PI値×導入店舗の金額PI値と、双方を明示した方がわかり安いと思うが、客数PI値のかわりにカバー率が、参考に示されており、全体の金額PI値は推測するということになる。

   客数PI値を理解する上で、もうひとつ身近な事例は、大リーグの得点圏打率である。日本の野球では大リーグほど指標開発が進んでいないため、単純な打率が一般的であり、得点圏打率はあまり使われることがないが、大リーグでは、これ以外にも様々な指標開発が盛んである。では、なぜ、このような指標開発が大リーグで進んだかであるが、その理由は客数PI値が背景にあるといえよう。得点圏打率は、全体の打率=客数PI値×得点圏打率という関係にあり、客数PI値が得点圏打席÷全打席となる。したがって、この分子を変えれば、いくらでも指標開発が可能であり、様々な打席で割って、全体の打率を様々な角度から分析できることになるからである。大リーグ用語でいえば、侵入率とほぼ客数PI値はいっしょである。

   このように、実は客数PI値は全体と部分を結びつける上においては極めて重要な指標であり、必須の指標といえる。むしろ、客数PI値を先に考えて、あとで、そこに数量を乗せたり、金額を乗せたり、ヒット数を乗せたりした方が、様々な指標を開発しやすいといえる。今後、この客数PI値が理解され、実際に分析され、浸透することにより、さらに、深く、マーチャンダイジングを理解することができるようになるといえよう。なお、ID客数PI値については、また、稿を改めて取り上げたい。

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December 4, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 03, 2009

ワインが気になる、セブン&アイH、グローバルPB第1弾!

   家計調査データ、最新、2009年10月度のブログでワインについて言及した。ワイン、ぶどう酒の消費額は、10.00円/日(昨対163.2%)という異常な伸びを示しており、家計調査データでは、11分類約200項目に分けて消費動向を分析しているが、その中で、この10月度は伸び率No.1であった。しかも、ワインの消費世帯のみの消費額は112.74円(昨対166.7%)、消費世帯の割合は8.9%(昨対97.9%)という状況であり、この10月度は、ワインの購入世帯が増えたわけではなく、購入世帯の消費額が急激に増加したことがその原因である。ちなみに、ワインの購入世帯は家計の8.9%であるので、いつもワインを購入している家計がこの10月度は例年になく、ワインを金額ベースでたくさん購入したことになるので、数量か価格か、どちらか、ないしは双方が大きく上昇したことになる。

   残念ながら、ここから先には家計調査データでは踏み込めないので、推測になるが、恐らく、全体としては円高の影響でワインの価格は下がっており、したがって、数量が伸びたものといえよう。ただ、別の見方も成り立つ、一般にデフレになった場合は、消費者は価格の安い商品を買い求めることになるが、高額商品等については、これまでの値段でワンランク上の商品が購入できるようになるので、ワインについても、ワンランク上のワインを購入し、平均単価が上昇し、売上げを押し上げたということも考えられる。

   以前、チェーンストアエイジ誌でワインについてのPOS分析を取り上げたことがあるが、この時、食品スーパーマーケットには、ワインが約4,000種類販売されており、単純平均の中心プライスは約2.0円/mlであることを示した。また、最高ドンペリニヨンロゼ96、750mlの50.79円/mlから、最低olahona羽黒ブルーベリーとワインG360の0.14円/mlまであり、その中で、ワインの重点商品はほとんど0.5円/mlから1.0円/mlの範囲にあることを実証した。これだけ、プライスラインに差がある商品、しかも、これだけ品揃えが豊富な商品は食品スーパーマーケットの中でも珍しく、それだけ、ワインは特殊なカテゴリーであるといえる。

   したがって、この10月度のワインの異変は、デフレ、円高要因がこのワインに加わったことにより、構造変化が起こった可能性が高く、中心プライスが上向いた可能性も否定できず、当然、数量の増加もあったものと推測される。構造変化といえば、この10月度の家計調査データで、ワインの消費額の伸び率が大きく上昇したことにより、酒の全カテゴリーの中で、消費世帯のみでみた場合はビール、清酒、ウィスキー等を抜いて、No.1の消費額となった。

   そして、この10月を経て、11月は、かつてないボジョレーヌーボーの価格競争が繰り広げられた。西友がその火付け役といえよう。今年のボジョレーヌーボーの解禁日は11/19であったが、当初、西友はフランソワ・フッシェ ボジョレーヌーヴー PET(750ml)を食品スーパーマーケット業界ではじめて、890円で販売する予定であった、これはml単価1.18円であり、平均的なワインの約半値、ボジョレーヌーボーのこれまでの平均約2,000円強から見ても半値以下であり、十分に安い価格である。ところが、イオン、その他の食品スーパーマーケットが追随してきたために、解禁日前日には780円へ下げ、さらに、解禁日にはとうとう749円まで下げ、何とml単価1円を切るという破格の値段となった。これに刺激される形で、各食品スーパーマーケットがワインのディスカウントをくり広げており、ワインはまさに、異常な活況を呈している。

   恐らく、次の家計調査データ、11月度のワインは今回の10月度の166.7%までは難しいかもしれないが、かなりの伸びが期待できるのではないかと予想される。しかも、この10月度はワインの消費世帯のみの消費額が大きく上昇しての結果であるが、11月度は、このボジョレーヌーボーを機に、新規にワインを購入した家計も増えたのではないかと予想され、購入世帯の数も増えた可能性が高いといえよう。

   そして、このワインの激動を待っていたかのように、セブン&アイHが、11/4、グローバルPB(セブンプレミアム)の第1弾として、ワインを日米グループの約15,000店舗で発売を開始した。米国カルフォルニア産ワイン、ヨセミテ・ロード赤、白(750ml)であり、価格は598円である。ml単価0.79円と1円を大きく下回り、食品スーパーマーケットの重点商品のml単価が0.85円ぐらいであるので、下限のプライスラインにあたり、絶妙なプライスであるといえよう。今後、セブン&アイHは続々とグローバルPBの開発に入るとのことで、セブンプレミアムもこのワインを機に第2ステージに突入したといえよう。

   このように、この10月度、ワインが家計調査データでは、異常な消費増となり、さらに、11月度の西友主導のボジョレーヌーボーの価格競争、今回のセブン&アイHの本格的なPB、セブンプレアムのグローバルPBの参入状況を見ると、11月度もワインの消費額増が期待されよう。今年のワインはその意味で、11月以降、真冬の中で熱い戦いが繰り広げられるものといえよう。

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December 3, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 02, 2009

家計調査データ、2009年10月度、食品、99.9%!

   家計調査データの最新、2009年10月度が、11/27、総務省統計局から公表された。家計調査データは毎月月末に調査結果が公表されるので、現在12月に入ったが、最新のデータは10月度のデータである。その結果であるが、全消費額は9,283.52円(昨対98.7%)、外食を除く食品は1,963.13円(99.0%)と、デフレが進行する中、家計の消費は、この10月度は、堅調な数字となったといえよう。これに外食を加えた食料は2,373.03円(99.1%)であり、外食が409.90円(99.5%)であるので、伸び率が若干高く、その分、食料が食品をやや上回ったが、いずれにせよ、堅調な結果といえよう。なお、本ブログでは、家計調査データを1日当たりに換算し、さらに、消費世帯のみの消費額、消費世帯の割合を独自に算出するなど、より、食品スーパーマーケットの金額PI値(客単価)に近い数字で算出している。

   ちなみに、食料を全消費額で割れば、エンゲル係数が算出されるが、その数字は25.5%であり、現在、日本の家計の平均的なエンゲル係数は約25%、1/4を食費に費やしているといえよう。今後、デフレの進行で、全体の消費が縮む可能性があるが、エンゲル係数がどう変化するかも、食品スーパーマーケット業界にとっては、重要な数字のひとつといえよう。

   そこで、まず、大分類で見て、食品が、この10月度はどのような状況であったかを見てみたい。比較的堅調な消費であったのは、乳卵類110.39円(103.7%)、油脂・調味料111.16円(103.6%)であり、ついで、飲料118.00円(101.8%)、穀類255.16円(101.0%)である。逆に、消費が厳しかったのは、果物94.90円(88.2%)、魚介類216.52円(96.6%)、野菜・海藻276.06円(96.9%)、酒類110.06円(97.8%)、肉類209.58円(98.5%)である。こう見ると、生鮮食品が全滅であり、日配、グロサリーが好調であったといえよう。

   次に、好調な部門を押し上げた主な項目と逆に不振な部門に影響のあった項目を見てみたい。最も好調な部門、乳卵類と油脂・調味料であるが、乳卵類では、バター2.26円(111.1%)、チーズ11.00円(110.4%)が2桁の伸びであり、絶好調である。しかも、消費世帯の割合(客数PI値)が117.6%、108.4%と良く伸びており、新たな顧客を獲得しているのが特徴である。油脂・調味料では、マーガリン2.71円(112.0%)、マヨネーズ・ドレッシング8.52円(110.9%)、つゆ・たれ12.13円(110.3%)が2桁の伸びである。また、飲料では2桁まで伸びた項目はないが、全体的に堅調な伸びである。穀類では、カップめんが9.39円(115.5%)と2桁の伸びであり、めん類関連が比較的好調といえよう。これ以外の項目でも良く伸びた項目を見てみると、うなぎのかば焼き4.97円(121.3%)、やきとり5.19円(124.8%)、豆類1.68円(123.8%)、こんぶ3.81円(120.4%)、かき3.29円(124.4%)などが良く伸びている。

   さらに、この10月度、最高の伸びを示したのが、ぶどう酒(ワイン)10.00円(163.2%)、消費世帯のみ112.74円(166.7%)、消費世帯の割合8.9%(97.9%)である。ボジョレーヌーボーの解禁は11月19日であるので、この数字は10月度であるにもかかわらず、ワインが絶好調であったといえよう。しかも、消費世帯が増加したのではなく、ワインの消費世帯の需要が大きく拡大しての伸びであり、昨年と比べワインに異変が起こったといえる。逆に酒類では、ビール32.32円(84.6%)、発泡酒15.58円(88.6%)とビールが厳しい状況であり、さらに、これまで好調であったウィスキーが3.23円(89.3%)と厳しい状況である。

   一方、消費が不振な項目であるが、何といっても果物が厳しい状況であり、これまで絶好調であったバナナが一巡し、先月から落ち込みはじめ、この10月度もバナナ12.48円(68.5%)と、厳しい状況である。その要因であるが、消費世帯のみ17.73円(67.8%)、消費世帯の割合70.4%(101.0%)という状況であり、消費世帯の割合はむしろ伸びており、消費世帯のみの消費が激減している。恐らく、数量ではなく、円高等もあり、価格が下がったことが大きいのではないかと推測される。こう見ると、先のワインも円高の影響も考えられ、バナナとは逆に、価格が下がった分、数量が増えたのではないかと推測される。果物は、このバナナ以外にも、なし10.68円(78.3%)、さらに、みかん16.87円(91.9%)、りんご16.61円(96.8%)と、主力項目が軒並み昨対を割っており、厳しい状況である。

   また、野菜もだいこん6.52円(82.8%)、きゅうり7.87円(85.6%)、なす3.90円(85.8%)、ほうれんそう5.87円(89.7%)と下がった項目が多く、厳しい消費である。さらに、魚介類では、かつお3.13円(79.5%)、あじ3.23円(81.3%)、塩さけ4.74円(83.5%)、いか6.84円(84.5%)、かに2.94円(85.8%)、たらこ7.10円(87.0%)など、2桁減の項目が多い。肉類でも牛肉51.03円(98.9%)、豚肉68.68円(98.2%)、鶏肉34.42円(95.6%)と、生鮮肉が伸び悩んでいる状況である。

   このように、2009年10月度の家計調査データは全体としては、堅調な数字となったが、個々に見ると、日配、グロサリー関連に好調な項目が目立ち、逆に生鮮食品は全滅ともいえる状況であり、この両極端な状況を合わせてバランスをとった構図といえよう。今後、デフレが鮮明になる中、年末、年始を迎え、消費がますます厳しくなることが予想され、食品スーパーマーケット業界としては、消費動向をしっかり見極め、メリハリをつけたマーチャンダイジングに取り組む必要があろう。

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December 2, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 01, 2009

ユニバース、2010年4月期、中間決算、増収減益!

   ユニバースが11/24、2010年4月期の中間決算を公表した。結果は、売上高491.76億円(103.0%)、営業利益16.57億円(96.2%:売上対比3.36%)、経常利益17.23億円(97.3%:売上対比3.50%)、当期純利益9.69億円(99.7%:売上対比1.97%)となり、増収減益のやや厳しい決算となった。特に、既存店が97.8%となったことが、減益の要因といえる。さらに、その要因を見ると、客数が97.7%、客単価100.1%であり、客数ダウンが大きかったといえる。ただ、客単価に関しても、PI値102.3%、平均単価96.7%であり、デフレ基調が続く厳しい消費環境の中で、価格競争が激化しており、これが、原価、経費等に響いたともいえよう。

   ちなみに、ユニバースの今期中間決算時の客数、客単価、PI値、平均単価の実際の数字であるが、売上高約600万円強/日・店舗、客数は約3,000人/日・店舗、客単価2,129円、PI値1,170%(11.7個/客数)、平均単価182円である。通常の食品スーパーマーケットよりも、売上高、客数、客単価ともに高い数字であり、北東北の中では圧倒的な存在感である。これは、早くからユニバースがSSM(Superスーパーマーケット)を目指し、現在、平均売場面積が641坪という大型化に成功し、的確な立地選定、生鮮食品売場の充実、品揃えの拡大と戦略的な取り組みを意識的に実現させてきたためである。結果、現在、北東北では最も競争力のある食品スーパーマーケットとなり、人口減少地域、青森において、約10年に渡って売上高を増加させており、市場シェアを確実に勝ちとり、青森県の食品小売市場において約20%のシェアを獲得した。   

   ただ、さすがに、ここ最近の消費環境の激変は、ユニバースをもってしても、やや苦戦しており、売上げは確保できたが、利益は減益となる結果となった。その要因を原価、経費双方の面から見てみると、まず、原価であるが、74.95%(昨年74.93%)と、ほぼ横ばいとなり、原価の上昇はみられない。ユニバースも、「お客様の節約志向・低価格志向にお応えするために、前期より引き続き「安さに挑戦!家計応援価格」宣言と銘打ち、毎日の暮らしに必要な商品1,800品目の値下げを継続し、・・」とコメントしているように、強力な価格競争を繰り広げているが、原価への影響はなかったといえよう。結果、売上総利益は25.05%(昨年25.07%)となった。

   一方、経費の方であるが、21.67%(昨年21.45%)と、若干、経費が上昇した。これは、既存店が97.8%となったことが、相対的に固定費を引き上げたためと考えられる。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は3.38%(昨年4.16%)となった。ユニバースはその他営業収入が0であるので、これが、そのまま営業利益となるが、昨年と比べ、経費上昇分、営業利益が下がった形であり、減益となった。一般に、既存店の売上げが下がると、相対的に固定費が上がるため、経費が上昇し、結果、減益となることが多いが、まさに、この中間決算時のユニバースは、既存店の売上げが下がり、減益となっているといえる。今後、いかに、既存店の活性化を行い、利益の改善につなげるかが課題といえよう。

   これに対し、財務面であるが、特に、今後、北東北でユニバースがさらにシェアを獲得できるかをうらなう上で最も重要な指標、出店余力を見てみたい。まず、ユニバースの自己資本比率であるが、62.9%(昨年60.6%)と、若干増加しており、しかも、60%台と、食品スーパーマーケット業界でも高い数字である。一方、出店に関する資産、土地、建物であるが、207.48億円となり、これに、差入保証金(前期決算時)32.39億円を加えると239.87億円となる。これは、総資産365.95億円の65.5%となる。したがって、出店余力は差し引き、-2.6%であり、決算公開企業約50社ではベスト15前後の数字であり、トップクラスの数字といえよう。現在、ユニバースの有利子負債は32.71億円(総資産の8.9%)であるので、今後、有利子負債の削減がすすめば、さらに、出店余力は高まるものと思われる。また、今期のキャッシュフローの投資キャッシュフローを見ると、18.37億円を出店にかかわる資産へ配分しており、これは、ユニバースの1店舗あたりの出店にかかわる資産が5.46億円(前決算時)であるので、逆算すると3.36店舗であり、ユニバースが現在45店舗であるので、堅実な成長を達成するための店舗数であるといえよう。

   こう見ると、ユニバースの出店余力はもう一段、負債、特に有利子負債を圧縮し高めたいところであると思われるが、現時点でもトップクラスの数字であり、キャッシュフローを見ても、今後とも堅実な新規出店を目指していることがわかる。したがって、厳しい消費環境においても、堅実な成長をはかり、北東北でのシェアを引き上げてゆくものといえよう。

   このように、2010年4月期のユニバースの中間決算は、増収減益となるやや厳しい数字となった。特に、既存店の客数が下がり、売上がダウンし、結果、経費が上昇したことがその原因といえよう。今後、後半以降もデフレはさらに進行し、厳しい消費環境となるものと思われるが、ユニバースが、後半に向けて、どのように既存店の活性化に取り組むか注目である。

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