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December 04, 2009

客数PI値って何?

   最近、客数PI値についての質問を良く受けるようになった。特に、メーカーの方から、カバー率とどう違うのかという質問を受ける。小売業でも、チェーンストア全店の導入率と、どう違うのかという質問を受ける。また、そもそも、PI値に客数PI値があるのかという素朴な質問も受けることが多い。確かに、客数PI値はPI値の中でも、比較的最近、基礎概念が確立された指標であり、馴染みが薄いのは事実であり、流通業界でもまだ一般化しているとはいえない。業界用語としても、PI値はほぼ認めらたといえるが、客数PI値は、まだまだ、これから認知される指標の中のひとつの候補といえよう。

   ただ、ID-POSの時代になると、必然的に客数PI値、特に、ID客数PI値は必須となり、ID-POS分析をするにあたっては、客数PI値なしには、理論的な分析は不可能である。ID-POS分析の普及とともに、客数PI値が浸透し、将来的には客数PI値が主役の座になることも十分に考えられる指標である。その意味で、客数PI値は、PI値を理解し、マーチャンダイジングを理解する上においては極めて重要な指標といえる。

   そこで、まず、客数PI値を理解するために、身近な客数PI値の事例から入り、その後、客数PI値のPI値理論、すなわち、マーチャンダイジングを理解する上で、その意義をまとめてみたい。

   まず、カバー率と客数PI値の違いであるが、数式的には、カバー率は導入店舗数÷全店舗数であり、店舗÷店舗のことである。ここに、数量、金額、客数は絡んでこない。これに対して、客数PI値は導入店舗の客数÷全体の客数であり、客数÷客数のことである。店舗の客数がすべて同じ客数であれば、カバー率=客数PI値となるが、店舗の客数にバラツキがあると、カバー率と客数PI値はかなり差がでる。実際、食品スーパーマーケットの客数を見ると、100店舗クラスになると、1,000人/日から5,000人/日ぐらいまであり、かなり、客数にバラツキがあるのが実態である。したがって、カバー率と客数PI値はこと食品スーパーマーケットではかなり差があるのが実態といえよう。

   また、客数PI値は理論的には、全体の金額PI値(PI値)=客数PI値×導入店舗の金額PI値(PI値)という数式で結ばれ、導入店舗の客数÷全体の客数が客数PI値となり、全体と導入店舗を結びつける架け橋となる。ところが、カバー率は客数PI値のかわりにはならず、理論的に当てはめる場所がない。強いていえば、カバー率を100%に近付けてゆく、目標設定のひとつ、行動計画のひとつの指標ととらえるのが順当といえよう。逆に、客数PI値は理論的には明快な指標のひとつであるが、目標設定にはやや分かりにくい面もある。

   次に、チェーンストアで使う客数PI値であるが、良く目にするケースが、チェーン全体の金額PI値が算出されていた場合、その金額PI値がチェーン全体の客数で割ったものか、導入店舗の合計客数で割ったものかが、一見して、わかりにくいというケースがある。最近では、これを厳密に分けて提示する場合も見られるが、現状はどちらかひとつの場合が多いのが実態である。これは、実際に算出してみると、かなり大きな差があり、特に、導入店舗が少ない場合の金額PI値に大きな格差がある。

   余談だが、毎週、金曜日に日経MJから公表される新製品週間ランキングがある。このランキングは金額PI値で評価されているが、その金額PI値は全体、すなわち、対象店舗全体の客数で割ったものか、それとも、新製品の導入店舗のみの客数で割ったものかが明示されていない。かなりの読者が全体の客数で割った対象チェーン全体の金額PI値であると思っているようであるが、あれは、新製品の導入店舗のみの客数で割った導入店舗のみの金額PI値であり、それでランキングをとっているといえる。本来であれば、全体の金額PI値=客数PI値×導入店舗の金額PI値と、双方を明示した方がわかり安いと思うが、客数PI値のかわりにカバー率が、参考に示されており、全体の金額PI値は推測するということになる。

   客数PI値を理解する上で、もうひとつ身近な事例は、大リーグの得点圏打率である。日本の野球では大リーグほど指標開発が進んでいないため、単純な打率が一般的であり、得点圏打率はあまり使われることがないが、大リーグでは、これ以外にも様々な指標開発が盛んである。では、なぜ、このような指標開発が大リーグで進んだかであるが、その理由は客数PI値が背景にあるといえよう。得点圏打率は、全体の打率=客数PI値×得点圏打率という関係にあり、客数PI値が得点圏打席÷全打席となる。したがって、この分子を変えれば、いくらでも指標開発が可能であり、様々な打席で割って、全体の打率を様々な角度から分析できることになるからである。大リーグ用語でいえば、侵入率とほぼ客数PI値はいっしょである。

   このように、実は客数PI値は全体と部分を結びつける上においては極めて重要な指標であり、必須の指標といえる。むしろ、客数PI値を先に考えて、あとで、そこに数量を乗せたり、金額を乗せたり、ヒット数を乗せたりした方が、様々な指標を開発しやすいといえる。今後、この客数PI値が理解され、実際に分析され、浸透することにより、さらに、深く、マーチャンダイジングを理解することができるようになるといえよう。なお、ID客数PI値については、また、稿を改めて取り上げたい。

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December 4, 2009 in 経済・政治・国際PI値 |

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