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January 27, 2010

売上速報、食品スーパーマーケット200912、100.1%!

   食品スーパーマーケット上場企業、23社の2009年12月度の売上速報を集計した。食品スーパーマーケット業界は約50社強が上場しているが、月別の売上速報を公開しているのは約半分であり、一部、まだ昨年12月度の売上げが公開されていない企業もあるが、現時点ではこの23社となる。なお、ここには、GMS、イオン、イトーヨーカ堂、ダイエー等は入っていない。GMSは食品の売上げよりも、衣料品等に大きく依存するため、食品スーパーマーケットとは一線を画した方が良いからだ。ただ、スーパーセンター業態、スーパーバリュー、PLANT、アークランドサカモト、Olympic等は食品の売上構成比も高いので、参考に加えてある。したがって、この売上速報は、食品スーパーマーケット業界の動向をより正確に表しているといえよう。ちなみに、店舗数であるが、約1,500店舗強、99プラスを入れると約2,500店舗となる。

   さて、その結果であるが、全体が100.1%(既存店95.5%)となり、わずかに全体は100%を超えたが、厳しい状況である。また、既存店も95%台であり、厳しい経営環境が続いているといえよう。それでも、その差が約5%あり、このような厳しい状況の中でも、新規出店により、売上を底上げしており、出店意欲は堅調であるといえる。一般に、食品スーパーマーケットの売上構造は既存店が100%前後、これに、5%から10%の新店が加わり、全体が105%から110%となるのが安定した経営を確保することになるが、ここ最近は、既存店の落ち込みが、95%前後まで落ち込んでおり、新店でカバーできない厳しい状況にある。

   その要因であるが、この23社の内、客数、客単価までは約半分、その内、PI値、平均単価まで公開している食品スーパーマーケットが数社あるが、これらの数字を見ると、単純平均であるが、客数97.2%、客単価97.7%と、客数、客単価双方が下がっているのが実態である。また、客単価の中身であるが、PI値101.0%、平均単価96.9%という状況であり、PI値よりも、平均単価ダウンが大きいといえよう。したがって、ここから現状の食品スーパーマーケット業界を取り巻く経営環境を推測すると、デフレ環境が鮮明になり、各社の価格競争が激化した結果、価格が下がったにも関わらず、数量(PI値)が伸び悩み、結果、客単価がダウンし、客数(来店頻度)も減少し、既存店の売上げを大きく下げているという状況といえる。

   ここには表れていないが、当然、価格のダウンは、原価ダウンにつながり、粗利ダウンとなる。しかも、既存店の売上げも伸び悩んでいることから、全体の人件費、減価償却費等の固定費が相対的に上昇し、利益を圧迫する。さらに、客数が下がっていることから、チラシ、イベント等の販売促進費用も増加し、経費をさらに上昇させる要因となる。したがって、原価、経費双方からの圧力がかかり、差し引き、マーチャンダイジング力のダウン、そして、営業利益ダウンへと、悪循環となり、利益を確保することが厳しい状況となる。

   食品スーパーマーケット業界も、ここへ来て、きわめて厳しい局面に入ったといえ、今後、売上よりも、利益面での格差がより拡大するものといえよう。特に、経費比率の高い食品スーパーマーケットは今期決算、来期の利益確保が極めて厳しい状況となろう。

   このような背景をもとに、この12月度の状況を見てみると、売上げが110%以上の食品スーパーマーケットが2社ある。マックスバリュ東海111.7%(既存店90.6%)、スーパーバリュー111.1%(98.9%)である。どちらもほぼ同じ数字であるが、中身が違う。マックスバリュ東海はM&Aを主体に売上げを伸ばし、スーパーバリューは新規出店をもとに売上げを伸ばしている点である。気になるのは、マックスバリュ東海の既存店90.6%であり、今回の集計食品スーパーマーケット23社の中でも最も既存店の伸率が低いことである。今後、既存店の活性化が最優先課題といえよう。

   ついで、105%以上の食品スーパーマーケットであるが、ダイイチ105.7%(96.8%)、ユニバース105.3%(97.8%)、マックスバリュ西日本105.3%(93.0%)の3社である。ここまでが105%以上の食品スーパーマーケットであり、合計5社となる。全体の23社の21.7%であり、残り約80%は105%以下であるので、いかに、この12月度の食品スーパー
マーケット業界の数字が厳しいかが類推される。

   その厳しい状況であるが、この23社の中で、95%を下回った食品スーパーマーケットをみると、アークランドサカモト94.6%(97.8%)、マックスバリュ北海道93.7%(92.7%)、Olympic92.8%(91.7%)、エコス91.8%(94.2%)、いなげや91.5%(89.0%)である。ちなみに、このような厳しい状況の中で、23社中1社が既存店100%をクリアーしている。オオゼキ103.9%(100.7%)である。100.7%とわずかではあるが、既存店が100%を超えており、他の食品スーパーマーケットはすべて、既存店は昨対割れとなった。

   このように、先月、2009年11月度から特に、この売上速報の数字の落ち込みが鮮明になったが、今回の12月度においても、同様の傾向が続いており、明らかに、潮目が変わったといえよう。今後、ますます、消費環境はデフレ傾向が強まり、価格競争は一層激しさを増し、平均単価のダウンが予想されるが、食品スーパーマーケット業界としては、PI値を上げることだけではなく、平均単価アップに貢献する商品の見直し、そして、このような状況であるからこそ、顧客、特に、ロイヤルカスターへの手扱い還元、要望を取り入れ、客数(来店頻度)を引きあげることが重要な政策となろう。

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January 27, 2010 in 経済・政治・国際食品スーパーマーケット売上速報 |

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