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February 28, 2010

消費者物価指数(CPI)、2010年1月、デフレ進行?

   2/26、総務省統計局から、2010年1月度の消費者物価指数(CPI)が公表された。消費者物価指数には総合指数が3つある。文字通りの総合指数、生鮮食品を除く総合指数、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数である。また、数字は、平成17年度を100とした指数に加え、前月比、同年同月比も公表される。その結果であるが、「(1) 総合指数は平成17年を100として99.4となり,前月比は0.2%の下落。前年同月比は1.3%の下落となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は99.2となり,前月比は0.6%の下落。前年同月比は1.3%の下落となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は97.5となり,前月比は0.8%の下落。前年同月比は1.2%の下落となった。」という結果である。

   3つの数字を整理すると、平成17年度比は99.4%、99.2%、97.5%、前月比は-0.2%、-0.6%、-0.8%、前年同月比は-1.3%、-1.3%、-1.3%という結果であり、すべての段階でマイナス、特に、前月比も同様にマイナスであり、デフレが進行しているといえよう。実際、平成17年度比の月別グラフを見ると、昨年11月度から、すべての指数がマイナスに転じ、そのまま、この1月までほぼ右下がりにグラフが動き、さらに、この1月度は、下がる角度が急になっており、明らかに、デフレが進行しているように見える。
 
   また、もうひとつのグラフ、前年同月比の動きであるが、これは、棒グラフで3つの総合指数を、プラスマイナスで月別推移を示しているが、見事なsinカーブを描いている。2007年10月頃からすべての指数がプラスの棒グラフとなり、2008年7月頃をピークに、上に半円形の軌跡を描くように下がり始め、2009年1月には反転、今度は逆の半円形を描くように動きはじめている。そして、9月頃をマイナスの頂点となり、逆半径形でプラスへもどりはじめるような動きとなり、まさに、きれいなsinカーブを約2年半に渡って描いた動きとなっている。

   問題は、この1月の動きであり、このsinカーブからはマイナスからプラスに転じる方向に動いても良いように思えるが、前月比は-0.2%、-0.6%、-0.8%と、逆に、マイナスの方向に動き始め、デフレが明らかに進行しているような動きとなったことである。これは極めて深刻な状況になる可能性が高まったといえ、デフレが長引くか、場合によっては、さらに、深まる可能性も否定できず、消費者物価は極めて厳しい局面に入ったといえよう。

   ちなみに、世界の主要国の前年同月比の消費者物価指数(CPI)の動きであるが、日 本-1.3%、アメリカ2.6%、カナダ1.9%、イギリス3.7%、ドイツ0.8%、フランス1.1%、イタリア1.2%、中 国1.5%、韓 国3.1%という状況であり、日本だけがデフレ傾向から抜け出せない状況である。韓国はむしろインフレぎみであり、アメリカも昨年11月にはプラスに転じており、物価の下落が、日本だけ止まらない状況にあるといえよう。

   では、10大費目で前年同月比を下落の大きい順に見てみると、光熱・水道-5.8%、家具・家事用品-5.5%、教養娯楽-3.1%、食料-1.9%(生鮮食品-3.9%、生鮮を除く食料-1.5%)、保健医療-1.1%という状況である。プラスになったのは交通・通信1.9%、教育0.8%の2部門のみであり、残り8部門はすべて下落という厳しい状況である。さらに、寄与度を見ると、食料が-0.51と最も大きく、その中でも生鮮食品を除く食料が-3.5と大きかった。ついで、光熱・水道-0.43、教養娯楽-0.32と続く。

   そこで、さらに、その主な費目を見てみると、食料関連では、食用油-17.4%、スパゲツティ-11.6%、ビスケット-9.9%、ケチャップ-9.3%、マヨネーズ-8.3%が大きく下がっている。エネルギー関連では、都市ガス代-11.9%、電気代-9.7%である。そして、教養娯楽関連では、テレビ(薄型)-33.6%、パソコン(デスクトップ型)-36.6%、パソコン(ノート型)-46.0%、カメラ-35.3%と大きく下落している状況である。

   また、これ以外にも、大きく消費者物価が下落した項目を見てみると、DVDレコーダー -28.6%、ステレオセット-23.2%、ルームエアコン-22.7%、電気洗濯機(洗濯乾燥機)-22.2%、ビデオカメラ-21.5%、家庭用ゲーム機(据置型)-20.1%、ビデオソフトレンタル料-19.4%、キャベツ-19.0%、パソコン用プリンタ-17.8%、携帯オーディオ機器-17.3%、はくさい-16.8%、えのきだけ-16.6%、外国パック旅行-16.2%、みかん-15.6%、電気冷蔵庫-15.0%という状況である。家電関連が多いのが特徴といえ、また、外国パック旅行も大きく下落しており、厳しい状況といえよう。

   このように、2010年1月の消費者物価指数(CPI)は、すべての総合指数が平成17年度比、前月比、前年同月比ともに、下がるという厳しい状況となり、この数年間の推移、そして、主要国の動きを見ても、この1月度くらいからは上向きになってきても良いように思えるが、実際はさらに、マイナス幅が拡大する方向に動いているといえ、当面、デフレは続くものと予想されよう。食品スーパーマーケット業界は、この厳しいデフレの状況を受け、未曽有の価格競争に入りつつあるといえるが、今後、いつ消費者物価が反転するか、それとも、さらに、深刻なデフレに入るのか、先が読めない状況に入ったといえよう。

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February 28, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

February 27, 2010

上場企業、業績回復?

   2/26の日経新聞、「ニッポン株式会社」のコーナーで10月から12月期決算が取り上げられた。これは、日経新聞が上場企業1,762社をひとつの会社に見立てた「ニッポン株式会社」としての決算内容を分析したものであり、上場企業の全体動向を示したものである。それによると、3月期決算企業の経常利益が3期続けて直前四半期決算と比べ拡大したという。その要因を日経新聞では、新興国の需要回復と固定費の削減による「利益の質」の改善にあるとしており、特に、在庫の改善が鮮明であるという。

   その在庫であるが、この記事の見出しでも、「業績回復、焦点は売上高に、在庫回転率が改善」を掲げており、記事の中にはそのグラフが示されている。それを見ると、2009年度に入り、それまで約70兆円近い在庫水準であった棒グラフが、55兆円強ぐらいまで、急減しており、約20%在庫が削減されているのが鮮明である。過去3年間で最も低い在庫水準であり、今期、上場企業が急激に在庫の圧縮に入ったことがわかる。また、それに伴い、在庫回転率は急上昇、2009年度前半は7回転強まで落ち込んでいたが、その後反転、後半には9回転近く、約120%近くまで上がりはじめており、在庫が動きはじめたことが鮮明である。

   在庫回転率は、売上高÷在庫であるので、この数字が上がる場合は、売上高が在庫よりも上昇したか、在庫が売上高よりも減少したか、あるいは、在庫が減少し、売上高も上昇したかである。実際、記事のグラフを見ると、今回の2009年度後半は在庫が約20%減少し、在庫回転率が120%強くまで上がっているので、在庫が大きく改善され、売上げも上がる兆しが見え始めたとも見え、上場企業の業績が確かに回復しはじめた兆候があらわれはじめたといえよう。

   記事でも解説しているが、これは、リーマンショック以後、「需要蒸発」でだぶついた在庫をニッポン株式会社が急激に圧縮したといえ、現在、上場企業の経営改善の焦点はこの在庫圧縮に焦点が当たっているおり、それが、経常利益を押し上げる要因となっているといえよう。記事の中では、ソニーの事例が取り上げられているが、その数字は、2009年度末の棚卸資産が6,377億円となり、この数字は、9月末と比べ27%、2008年度末と比べると41%も在庫が削減されているという。特に、液晶テレビの大量在庫の整理が足を引っ張っていたが、これが解消され、適正在庫になったので、8四半期ぶりに、液晶テレビが黒字転換したという。

   上場企業は特に在庫の評価が厳しくなっており、ここ最近、評価損を計上し、利益を圧迫するケースが多かったが、在庫が削減され、適正在庫となれば、この収益押し下げ要因が下がることになり、利益への貢献度が上がるといえよう。また、必要以上の値引きも減り、粗利を改善する一方、売上が上昇すれば、固定費も相対的に下げることができ、営業利益の上昇にもつながる。その意味で今回の在庫削減はまずは上場企業にとっては、収益の改善として、数字にも表れてきたといえよう。

   ちなみに、食品スーパーマーケット業界では、これまでの第3四半期決算を見る限り、ニッポン株式会社ほど、鮮明に経常利益の拡大は見られず、むしろ、減益決算を計上する企業が多い。その要因を追ってみると、平均単価が下がり、粗利を圧迫している状況であり、これが、原価上昇要因となり、さらに、既存店の売上を下げ、相対的に固定費を上昇させ、経費圧迫の要因となり、ダブルで利益を押し下げている状況といえる。

   この平均単価ダウンが、過剰在庫による問題であれば、ニッポン株式会社のように在庫改善が収益改善につながってくるのであろうが、平均単価ダウンはデフレによる価格競争の厳しさが連鎖反応的に起こっている状況といえよう。需要蒸発のような急激な需要減が起こっている状況ではなく、デフレによりじわじわと需要が確実に減少しつつある状況ともいえる。実際、食品スーパーマーケットの在庫回転率を見ると、2009年度決算公開企業約50社の単純平均は約25回転であり、トップクラスは50回転を優に超える。ニッポン株式会社が10回転前後であるので、ものすごいスピードで在庫が回っており、残念ながら、在庫の問題よりも、売上げの問題が、こと食品スーパーマーケットでは大きいといえよう。ただ、GMS、ホームセンター等は10回転強ぐらいのところもあり、これら在庫回転率の低い業種は小売業でも在庫削減の効果が鮮明に可能性はある。

   このように、ニッポン株式会社全体は、この日経の記事のように在庫が急激に圧縮され、在庫回転率が急回復し、それが業績に鮮明に表れつつあるといえるが、残念ながら、食品スーパーマーケット業界は、そもそも在庫の回転率が異常に高いため、ニッポン株式会社とは反対の方向にあるといえ、現在、利益が厳しい局面にある。記事の中でも今後の焦点は売上高にあるとのことであるが、食品スーパーマーケット業界は、その意味で、ニッポン株式会社の売上高が上昇しはじめ、景気が回復局面に入ったあと、連動して、売上が上昇し、利益が回復するという流れになるのではないかと思われる。それまでは、経費比率を引き下げる経営改革と、平均単価を可能な限り維持する付加価値の高い商品の強化が課題といえよう。

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February 27, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 26, 2010

ユニバース、2010年4月期、第3四半期決算、増収減益!

   ユニバースが、2/19、2010年4月期の第3四半期決算を公表した。結果は、売上高744.79億円(102.5%)、営業利益25.48億円(89.8%)、経常利益26.34億円(90.8%)、当期純利益14.96億円(94.0%)となり、増収減益の厳しい決算となった。これについて、ユニバース自身は、「当社主力のスーパーマーケット事業におきましては、消費者の節約志向・低価格志向がますます顕著になっていることや、業種・業態を超えた企業間の価格競争が激化するなど、厳しい状況が続いております。・・」と、コメントしており、価格競争の厳しさがが、業績悪化の原因であるとしている。

   実際、この第3四半期のユニバースの売上構造を見ると、全体の売上は102.6%と好調であったが、既存店が96.8%と落ち込んだことが大きい。その内訳であるが、客数97.1%、客単価99.7%と、客数の落ち込みが大きかったといえる。また、客単価の中身であるが、PI値102.8%、平均単価97.0%であり、平均単価の落ち込みが大きいといえ、まさに、価格競争の激化が影響しているといえよう。これについて、ユニバースは、「特に年末のご馳走商品で単価が一段階下の商品の選好や買い控えが鮮明となり、客単価が既存店ベースで前期比99.7%と低下し、・・」と分析しており、単価ダウンが厳しい状況であったとのことである。

   ちなみに、ユニバースの平均的な既存店の売上構造であるが、客数は約2,400人、客単価2,207円、PI値1,190%(11.9個/1人)、平均単価185円であり、平均的な食品スーパーマーケットと比べて、客数、客単価が一段上であり、しかも、平均単価よりも、PI値が高いのが特徴といえる。ユニバースは当初から、食品スーパーマーケットとしてはSSM(スーパースーパーマーケット)を志向し、立地は中広域商圏を狙い、店舗面積は大型化をはかり、豊富な品揃えを確保し、しかも、生鮮強化型の高頻度来店を目指すという食品スーパーマーケットを目指してきた。その結果が、このような、食品スーパーマーケットとしては、ワンランク上の数字を確保できた要因といえよう。

   ただ、さすがに、これだけ、食品スーパーマーケットとしては、競争力のあるユニバースも、今回のデフレ状況の中では価格の下落を食い止められなかったようであり、結果、営業利益、経常利益、当期純利益ともに減益を招いてしまった。そこで、営業利益が減益になった要因を、原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、74.68%(昨年74.58%)と、0.10ポイント下がっており、価格競争の影響が表れているようである。結果、売上総利益は25.31%(昨年25.42%)となった。一方、経費の方であるが、21.89%(昨年21.51%)となり、0.37ポイント上昇しており、原価よりも、経費の上昇が大きく、利益をダブルで圧迫している状況である。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は3.42%(昨年3.91%)となり、利益が減少した。ユニバースは、その他営業収入がないので、マーチャンダイジング力=営業利益となるので、結果、営業利益の減少となった。

   こう見ると、既存店の平均単価ダウンは、原価よりも、経費の方に影響が強く表れているといえ、価格を引き下げても、思うように集客に結び付かなかったことが、既存店の売上を下げ、結果、固定費が相対的に上昇し、経費比率を押し上げ、利益を圧迫したといえよう。このユニバースの事例に見るように、デフレは平均単価を直撃し、原価を引き下げ、利益に影響を与えるだけでなく、それ以上に客単価を下げ、客数が上がらない場合は売上げを下げ、それが固定費を相対的に引き上げ、経費増となる。結果、原価、経費双方を引き上げ、営業利益をダブルで圧迫することになり、食品スーパーマーケットの経営にとっては、価格はデフレの時は極めて重要な数字となる。

   しかも、価格は意識して取り組まないと、自然、下がる方向に動くことが多く、特に、デフレ時は価格の低い商品中心にマーチャンダイジングを強化する傾向が強く、結果、PI値は上昇するが、それ以上に価格がダウンし、客単価を下げ、さらに、利益まで下げてしまうということが起こる。価格は意識、目標をもって取組み、しかも、品揃えとも密接に連動しているため、品揃えの見直しも必然的に必要となり、まさに、マーチャンダイジングの総力が問われることになる。

   このように、ユニバースの2010年4月期、第3四半期決算は増収とはなったが、すべての段階で利益が減益となり、厳しい決算となった。特に、客数、客単価ともに減少し、さらに、客単価の中でも平均単価の減少が営業利益に影響を与えているといえよう。今後、ユニバースとしては、いかに、平均単価の減少を最小限に食い止め、付加価値の高い商品の導入と開発を行い、品揃えを改善できるかが課題となろう。ただ、このような厳しい決算の中でも、ユニバースの投資は昨年と比べ倍増している。昨年は12.55億円であった新店への投資が、今期は25.72億円となり、まさに倍増、強気の攻めの経営姿勢を伺うことができる。デフレであるゆえに、あえて攻めに出るユニバース、今後、この投資がどのような結果を生むか注目である。

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February 26, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 25, 2010

液体洗剤の時代、到来か?

   38.4%、34.3%、26.8%、25.2%、21.6%、16.8%、14.6%、これは何の数字か、この7年間の液体洗剤のシェアである。日本石油洗剤工業会が公表した数字を独自に集計したものであるが、7年前の2003年はわずか14.6%であった液体洗剤の粉末と液体を合わせた洗濯洗剤のシェアが、速報値、2009年1月から9月の数字では38.4%となっており、しかも、年々、確実にそのシェアを上げている。50%を超えるのは時間の問題といえよう。ちなみに、洗濯洗剤全体の伸びは100%そこそこであり、その中で、まさに、粉末から、液体へと洗剤市場が急激に置き換わりつつあるといえ、今後、液体洗剤をめぐる主要メーカーのシェア争いが激しさを増すものといえよう。

   本ブログでも、November 22, 2008に、「液体洗剤、好調、各社、本格増産!」というタイトルで液体洗剤について取り上げた。その後、液体洗剤ではトップを走っているP&Gに、粉末ではトップを走る花王が、昨年8月、新製品アタックNeoを投入、すでに、アタックの液体洗剤、アタックバイオジェルとの自社競合を覚悟での新商品投入である。さらに、この2月から、満を持して、ライオンがトップナノックスを投入、売り場では、先行するP&Gの液体洗剤、ボールドと、三つ巴の激しい戦いが繰り広げられている。

   おりしも、2/22、日経MJ1面で液体洗剤が売場写真付きで特集された。見出しは、「牙むくライオントップ宣言」、「液体洗剤「ナノックス」花王に挑む」、「洗剤力、CMで図解、試供品、バイヤーうならす」である。特に、記事の真ん中の写真では、豊洲のスーパービバホームの衣料用液体洗剤の売場が映し出されており、山積みされたライオンのトップナノックス500mlと、花王のアタックNeo400mlが双方、大きなPOPで訴求されている。

   ライオン、トップナノックス500mlのPOPは新発売記念特価295円を打ち出し、「繊維の奥の汚れまで分解する!!ナノ洗浄」(ナノとは10億分の1の単位です。)というキャッチコピーで、洗浄力を強く打ち出している。これに対して、アタックNeo400mlは298円で訴求され、「節水、節電、時間短縮、すすぎ1回」と、エコを全面に打ち出すコピーであり、対象的なPOPである。ただ、どちらも、使用回数の訴求は共通しており、ライオンは水量30Lの場合500mlで50回(10ml/回)、花王は400mlで約40回(10ml/回)と同じ性能を打ち出している。

   実際、独自に入手した最新のPOSデータ、約300社の食品スーパーマーケットの数字を見ると、2010年1月度の洗濯洗剤の数字は、ベスト10に、液体洗剤が4品登場しており、冒頭に示した液体洗剤のシェアを裏づける状況である。ただ、さすがに、No.1、No.2は粉末洗剤であり、No.1には花王、アタック大1.0kg、金額PI値399円(昨対106.1%)、平均単価313円、カバー率89.0%、No.2はライオントップ大、1000g、金額PI値219円(92.4%)、平均単価274円、カバー率76.1%である。アタックとトップの差が金額PI値で180円あり、しかも、同じ1kgで平均単価がトップの方が低いにもかかわらずの差であり、気になるところであるが、この2品が現在の洗濯洗剤のトップ2である。

   では液体洗剤の状況はどうかであるが、No.3に花王、アタックバイオジェルつめかえ用0.9kgが金額PI値170円(109.0%)で入った。カバー率も74.0%と高い数字である。ついで、No.5にP&G、アリエールイオンパワージェル詰め替900gが金額PI値147円(81.2%)で入った。カバー率69.8%である。そして、No.8に花王の新商品、アタックNeo本体400gが金額PI値126円で入った。カバー率は69.5%と新商品としては、高い数字である。4つ目の液体洗剤は、P&Gボールド香り長続きジェルつめかえ900g、金額PI値140円(93.3%)が入った。カバー率56.3%である。この4品が、洗濯洗剤ベスト10に入った液体洗剤である。ちなみに、ライオンナノックス500gであるが、1月現在では、No.16にランクインしており、金額PI値74円、カバー率56.6%である。

   こう見ると、液体洗剤はベスト10に2品づつP&G、花王が入っており、ここに、ライオンが割って入ろうと、虎視眈々と隙を狙っているような状況に、この1月はあるといえる。日経MJの記事を読むと、ライオンはこのトップナノックスを社運をかけた新商品と位置づけているとのことであり、「液体洗剤市場で首位を奪う」とことで、この2月度から市場最大規模の作戦を立て、攻勢をしかけるという。恐らく、3月、4月、そして、5月のゴールデンウィークと、先行するP&G、エコを全面に押し出し、新商品アタックNeoで追いかける花王、トップナノックスで3番手から一気に首位を狙うライオンの3つ巴の激しい市場シェア争いが繰り広げられるものといえよう。

   このように、まさに、機は熟したといえ、液体洗剤の時代が到来まじかに迫ったといえよう。ただ、これは、洗剤市場が粉末から液体へと変化したというよりも、消費者の生活そのものが様変わりしはじめているといえ、それだけ、ここへ来て、デフレが深刻な状況に入り、節約志向から液体洗剤がその生活環境にピタリはまり始めたというのが正解のように思える。洗剤の本質は汚れを落とすことにあるが、ただ落とすだけではなく、現状の厳しい生活環境を改善できるかどうかをも問われている象徴的な商品となりつつあるのではないかと思う。今後、液体洗剤がどのような動きを示すか、興味深いところである。

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February 25, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 24, 2010

コンビニ、売上速報、2010年1月度、-2.7%!

   コンビニの2010年1月度の売上速報が2/22、(社)日本フランチャイズチェーン協会から公表された。結果は昨年対比-2.7%、既存店は-5.3%と、全体は7ケ月連続、既存店は8ケ月連続のマイナスとなった。このコンビニの売上速報は、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの全42,704店舗の売上速報であり、ほぼ、日本全国のコンビニをカバーしており、業界全体の精度の高い数字といえる。店舗数は2.2%増加しているが、それを相殺する客単価のダウンが大きかったといえる。

   客数、客単価の状況を見てみると、全体の客数は10億5,605.9万人であり、0.7%増であるが、客単価が580.7円と、-3.4%となったことが大きかった。また、既存店は客数-1.6%、客単価-3.8%と大きく伸び悩んでおり、さらに、厳しい状況といえる。特に、ここへ来て、客単価が伸び悩んでいることが大きいといえ、taspo効果が切れたという以上に、デフレによる消費環境の悪化がコンビニ業界でも鮮明になってきたといえよう。ただ、それでも、昨年の1月度は9.6%全体が伸びており、一昨年と比べると、6.6%増であり、この3年間では緩やかな成長を遂げていると見ることもできる。

   さて、そこで、taspoの与えたコンビニ業界へのプラスの影響と、今回のデフレのマイナスの影響とを比べてみたい。まず、taspoのプラスの影響であるが、taspoのプラスの影響が出始めたのは、昨年の5月からであるといえる。既存店の客数が5月以降跳ね上がっており、その数字を、客単価と一緒に比較してみると、既存店の2008年5月3.0%(客単価0.6%)、6月 2.3%(1.9%)、7月11.8%(-0.1%)、8月 3.7%(1.5%)、9月6.1%(0.5%)、10月7.4%(0.6%)、11月6.3%(1.1%)、12月7.1%(-1.0%)、2009年1月7.6%(-0.5%)、2月3.4%(-1.3%)、 3月5.0%(-0.7%)、4月6.4%(-2.0%)という状況である。

   これを見ると、まさに、taspoの導入により、一昨年5月から、昨年の4月までの約1年間に渡って既存店の客数が顕著な伸びを示すが、客単価はほとんど伸びが見られず、むしろ若干減っているといえよう。したがって、taspoにより、既存店の客数が増加したのがtaspoのコンビニへのプラスの影響といえ、客単価へのプラスの影響はほとんどなかったといえる。では、taspo効果がほぼ切れたと思われるその後の既存店の動きを同様に追ってみたい。2009年5月2.5%(客単価-1.5%)、6月2.6%(-4.8%)、7月-4.5%(-3.1%)、8月-1.7%(-3.8%)、9月-2.8%(-3.0%)、10月-2.8%(-2.8%)、11月-3.3%(-3.0%)、12月-2.7%(-2.9%)という状況である。

   5月、6月はtaspoの余韻が続いているが、7月から、反転、客数が大きくマイナスとなり、ここでtaspo効果が終焉する。一方、客単価の動きであるが、6月から大きく下がりはじめ、12月まで、それまでの1年間では見られない3%前後の落ち込みが続き、明らかに、taspoとは違う、別の要因による既存店の客単価ダウンが起こっているといえよう。したがって、現在のコンビニの数字ダウンは、taspo効果が切れたことによる客数ダウンに加え、別の要因、恐らくデフレによる消費環境の悪化による客単価ダウンが加わるというダブルの売上ダウンが既存店の売上に影響を与えているといえ、極めて厳しい局面にコンビニが入ったといえよう。

   改めて、2010年1月度の数字を見てみると、特に、既存店は客数-1.6%、客単価-3.8%であり、ここへ来て、客単価の落ち込みがより大きくなっており、消費環境が激変しているといえよう。

   では、その要因を商品面から見てみたい。この1月度の数字であるが、ファストフードを含む日配食品-2.7%(構成比33.4%)、加工食品-3.3%(29.7%)、非食品-2.7%(32.5%)という状況であり、すべての部門がほぼ均等に下がっており、約3%分、消費が縮んだような状況である。まさに、デフレの様相を呈していると推測できよう。客単価は一般にはPI値(買上点数÷客数)×平均単価で表すことができるが、デフレで平均単価が下がった場合、PI値が上がらなければ、その分、客単価は下がるが、通常は、平均単価が下がれば、PI値は上がり、客単価は相殺され、横ばいとなることが多い。このケースでは客単価が約3%マイナスとなっており、PI値の上昇を考慮すると、平均単価はそれ以上、場合によっては5%以上下がっているものと推測される。したがって、ここへ来て、コンビニ業界もデフレによる消費環境の悪化で平均単価がかなり下がっているのではないかと思われる。

   このように、今年はじめのコンビニ業界の売上速報、2010年1月度が公表されたが、かなり厳しい数字といえよう。特に、taspo効果が切れただけではなく、デフレによる消費環境の悪化が客単価、特に、平均単価ダウンになっているものと思われる。(社)日本フランチャイズチェーン協会も「taspoの反動は一巡したものの、長引く景気低迷により消費者の低価格商品志向が続いている。・・」とコメントしているが、まさに、低価格志向が要因といえよう。コンビニはそもそも、定価販売が基本のビジネスモデルであり、それがフランチャイズシステムのロイヤリティを支えていただけに、この状況が悪化するとビジネスモデルそのものの見直しも迫られることになろう。来月以降、数字がどう変化するか、予断を許さない状況が続くものと思われる。

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February 24, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 23, 2010

ウォルマートの2010年1月期、本決算を見る!

   ウォルマートが2/18、2010年1月期の本決算を公表した。結果は売上高4,050.46億ドル(昨対100.98%:約37兆円)、その他営業収入31.68億ドル(96.37%)、合計営業収入4,082.14億ドル(100.94%)となり、わずかではあるが、増収となった。ここで、その他営業収入はサムズクラブの会員収入等である。また、営業利益であるが、239.50億ドル(105.05%)となり、増収増益の決算となった。ただ、増収幅はわずかであり、ウォルマートもこの1年間は厳しい経営環境であったことがわかる。

   日本の決算発表では、まず、増収増益かどうかが、はじめに問われるが、ウォルマートの決算発表を見ると、決算の冒頭に来る数字は、The company's full year EPS was $3.72. であり、EPSすなわち、1株当たりの利益が決算書の冒頭に最重要数字として掲げられる。この数字が昨年を超えたかどうかが最初に問われる数字である。これは株主への責任を明確にしたものであり、今期は、上記のように、EPSが3.72ドル/株(111.0%)になったということであり、これがウォルマートが最初に公表する決算の結論である。日本の決算書で、EPSを冒頭にもってくるものは食品スーパーマーケット業界では見たことがない。ただ、本来、株式会社である以上、これが自然なのかもしれないが、改めて、ウォルマートの決算書を見ると、決算は株主に経営責任を果たしたことを報告するためのものであると、再認識させられる。

   さて、ウォルマートの売上高であるが、今期、はじめて、海外の売上高が1,000億ドルを超えたという。その内訳であるが、ウォルマートは売上高を大きく3つに分けて集計しているが、1つ目のウォルマート部門(スーパーセンター、ディスカウントストア、食品スーパーマーケット等)は2,582.29億ドル(101.1%)、2つ目が海外部門であり、ここには日本の西友も入るが、1,001.07億ドル(101.3%) 、そして、3つ目がサムズクラブ部門467.10億ドル(-0.4%)という結果である。特に海外部門は、売上構成比も24.71%と、約1/4となった。今期は為替変動の影響でドル高となり、厳しい海外の売上状況であったが、何とか、昨対をクリアーし、しかも、大台の1,000億ドルを超え、今後、ウォルマートにとってますます重要な部門となってゆくものといえよう。

   では、営業利益の状況はどうかを原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、売上高対比で75.21%(昨年75.80%)と、0.59ポイント原価が下がっており、原価の改善が進んでいる。結果、売上総利益、いわゆる粗利は、24.79%(昨年24.20%)となった。一方、経費の方であるが、19.65%(昨年19.32%)と、0.33ポイント上昇している。それにしても、昨年と比べ上昇したとはいえ、年商4,050.46億ドル(約37兆円)を超える規模でありながら、この経費比率であり、すごいマネジメント力である。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は5.14%(昨年4.88%)と、5%を超えており、高い収益力である。これに、その他営業収入が0.78%(昨年0.81%)のり、結果、営業利益は5.92%(昨年5.69%)となった。これを金額で見ると、239.50億ドル(105.05%:約2兆円強)であり、売上高はわずかな伸びであったが、営業利益は堅調な数字であり、増収増益の決算となった。

   その結果、ウォルマート自身も、Walmart ended the year with strong free cash flowと強調しているように、キャッシュフローが大きく改善している。その数字を見てみると、営業キャッシュフローが、262.49億ドル(昨年231.47億ドル)と、31.02億ドル増加した。一方、投資キャッシュフローは-116.20億ドル(昨年-107.42億ドル)と増加したが、合計のフリーキャッシュフローは146.29億ドル(昨年124.05億ドル)と、大きく増加している。それにしても、1兆円を優に超えるフリーキャッシュフローであり、すごい資金力である。

   そして、財務キャッシュフローであるが、-141.91億ドル(昨年-99.18億ドル)と、今期は目いっぱいフリーキャッシュフローを活用している。その内訳を見ると、約半分の-72.76億ドルを自社株買いし、株主還元に当てており、ついで、配当金に-42.17億ドル当て、これも株主還元であり、フリーキャッシュフローの大半を株主還元へ当てている。冒頭でも述べたが、株主への責任を明確にしているのが鮮明である。そして、残りのキャッシュで、有利子負債への返済を行っている。ちなみに、現在ウォルマートの有利子負債は337.54億ドル(約3兆円)であり、総資産1,707.06億ドルの19.77%である。また、純資産比率は42.72%であり、できれば、もう少し、有利子負債を削減し、純資産比率を引き上げたいところかとも思うが、株主への還元を最優先にしている今期のキャッシュの配分である。

   このように、2010年1月期のウォルマートの本決算は増収増益、増収幅はわずかではあったが、堅調な増益となった。特に、原価が下がり、海外の貢献度が安定したことが大きかったといえよう。その結果、キャッシュフローは潤沢となり、経営的には安定した投資、株主への手厚い還元ができたといえる。株価も決算発表後も53ドル強で安定しており、今年前半から中盤にかけての50ドル近辺からは一段高いゾーンであり、投資家の評価も高いといえよう。この堅調な決算結果受け、ウォルマートが2011年度、どのような経営戦略を打ち出すか、注目である。

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February 23, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 22, 2010

食品スーパーマーケット、売上速報2010年1月、100.4%!

   食品スーパーマーケット上場企業24社の2010年1月度の売上速報を独自にまとめてみた。食品スーパーマーケットは上場企業が約50社あるが、毎月売上速報を公表している食品スーパーマーケットは、約半分の24社である。結果は単純平均で100.4%、既存店は95.7%と厳しい結果となった。ちょうど昨年11月頃から、売上げが100%そこそこという状況が続き、今年に入ってのはじめての売上速報、1月度も依然として、売上げが伸び悩んでおり、今期は厳しい決算が予想されよう。 

   ここ最近、そして、昨年同時期の状況を見てみると、12月度100.1%(既存店95.5%)、11月度100.0%(94.7%)、10月度102.0%(96.4%)、9月度102.2%(97.1%)という推移であり、11月度から数字が落ち込みはじめているといえよう。また、昨年2009年1月104.7%(99.7%)、2月102.3%(96.9%)、3月度101.5%(96.4%)であるで、昨年この時期は堅調な売上げであったといえる。したがって、現状は明らかな売上の伸び悩みが見え始めており、食品スーパーマーケット業界も厳しい局面に入りつつあるといえる。

   特に、客数、客単価でみると、公表している食品スーパーマーケットは15社近くあるが、全体の単純平均は客数104.3%、客単価96.9%であり、客単価が下がっているのが、売上げが伸び悩んでいる要因であることがわかる。その内、PI値、平均単価まで公表している食品スーパーマーケットが数社あるが、その数字を見ると、単純平均でPI値100.2%、平均単価97.3%であり、客単価ダウンの要因は平均単価にあることがわかる。したがって、現在の売上げが低迷している要因は平均単価が下落し、PI値が伸び悩み、客単価が下がっていることにあり、その客単価ダウンを新店等の客数アップで何とかカバーしているという状況である。
 
   今後、平均単価のダウンをいかに食い止めるかが、食品スーパーマーケット業界の最大の課題といえよう。デフレ環境の中、競争が激化し、価格競争へと向かわざるをえない状況ではあるが、再度、価格政策を見直し、付加価値の高い商品の品揃えをいかに充実させるかなど、平均単価アップ政策が今後の課題といえよう。
 
   さて、このような厳しい中でも全体、既存店ともに、売上げを伸ばしている食品スーパーマーケットが2社ある。スーパーバリューとオオゼキである。スーパーバリューは115.3%と全体のNo.1の伸び率であり、既存店も102.0%と好調である。現在14店舗であるが、ここ最近の新店は2009年7月、所沢東店、10月、荒川一丁目店、越谷店、11月、大宮天沼店、見沼南中野店、そして、来月には15店舗目の志茂店がオープン予定であり、新店ラッシュといえる状況である。それにもかかわらず、既存店も102.0%と堅調な売上げを維持しており、食品スーパーマーケット業界の中でも絶好調といえよう。

   一方、オオゼキも、2009年4月に千葉県市川市に、久しぶりの新店をオープンし、さらに、この2月には東京都墨田区に菊川店をオープンした。また、その間、祖師谷大蔵店、つつじケ丘店をリニューアルオープンしており、順調に売上げを伸ばし、しかも、既存店も103.4%と、今回の集計24社の中では、最大の既存店伸び率である。残念ながら、オオゼキは1/5、MBOの成立にともない、上場廃止となり、今後、詳細な経営データが公開されることはなくなるが、現在、食品スーパーマーケット業界の中でも好調な食品スーパーマーケットといえよう。

   この2社についで、売上げの好調な食品スーパーマーケットを見てみると、マックスバリュ東海112.8%(既存店91.5%)、バロー108.3%(98.77%)、ダイイチ106.6%(98.2%)、カスミ105.4%と、以上が105%以上の売上伸び率の食品スーパーマーケットである。この中でマックスバリュ東海は全体の売上げは好調ではあるが、既存店が91.5%と厳しい状況にあり、M&A、イオンから移管された店舗の影響が、どちらかというとマイナスに響いているようである。

   ついで、100%を超えた食品スーパーマーケットであるが、マックスバリュ西日本103.5%(既存店92.4%)、ハローズ103.4%(93.4%)、ヤオコー102.8%(99.3%)、九九プラス102.2%(97.8%)、イズミ100.7%(97.0%)、マックスバリュ中部100.6%(98.5%)である。ちょうど24社中の半分12社である。この中ではヤオコーが102.8%、既存店も99.3%と堅調な売上げである。今後、首都圏へ本格的に展開する戦略店舗を開発しつつあり、今後の動向に注目といえよう。

   残念ながら、この1月度、95%以下となった食品スーパーマーケットであるが、アークランドサカモト94.7%(既存店96.6)、マックスバリュ北海道94.1%(92.9%)、Olympic:フード94.0%(91.4%)、PLANT93.8%、いなげや92.5%(90.4%)、エコス91.3%(93.8%)、CFSコーポレーション:SM91.1%(91.1%)という状況である。

   このように、昨年11月頃から、食品スーパーマーケット業界も売上げが伸び悩み始め、直近のこの1月度も同様に厳しい状況が続いているといえる。特に、既存店の数字が各社厳しい状況であり、しかも、平均単価のダウンが客単価を下げ、売上げを下げている要因といえる。今後、デフレ、そして、価格競争が一層激しさを増すものと予想されるが、ここは逆に、商品力を充実させ、価格と直結するコスト削減を進める構造改革の機会ととらえ、企業全体の収益構造を見直すべき時であろう。食品スーパーマーケット業界は2月、3月の決算月を迎えたが、各社がどのような構造改革を打ち出すか、注目したい。

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February 21, 2010

イオン、金融、ディスカウント路線鮮明!

   イオンが2/10、「組織改革について」と題し、今後の経営組織改革の骨子を公表した。イオンは2008年、8/21に事業持株会社から純粋持株会社へと移行し、グループ経営と事業執行の分離を行い、新体制での経営を推し進めてきた。ただ、ここへ来て、消費環境、経営環境が激変し、経営改革を加速する必要性が増したとのことで、ここで思い切った組織改革が必要と判断したという。特に、1/7に公表された2010年2月期、第3四半期決算を見ると、営業収益3兆7,278.22億円(昨対96.13%)、営業利益560.13億円(昨対84.96%)、経常利益541.04億円(昨対79.71%)、当期純利益-99.26億円(昨年-294.45億円)と、昨年よりは赤字幅は縮小してはいるが、減収減益の厳しい決算であったことも、組織改革を断行した要因といえよう。

   また、直近の数字、2010年1月期のイオンリテールの数字を見ると、売上高は92.4%と厳しい状況である。特に、衣料品88.8%、GMSも93.3%と、落ち込みが大きく、GMS、衣料品部門の立て直しは急務といえよう。また、食品も93.9%と苦戦しており、住居余暇も93.0%と厳しい状況である。今後、小売部門、特に、GMSの改革は必須といえ、今回の組織改革がどうGMSの改革につながってゆくかもポイントといえよう。

   そこで、組織改革の中身を見てみたい。ポイントは次の5点である。① 代表執行役副社長を新設する。② 総合金融事業最高経営責任者を2名体制に強化し、グループシナジーを最大限に活用しながら、新しい金融サービス事業のモデルを確立する。③ ディスカウントストア事業最高経営責任者を新設し、新たなディスカウントストア・フォーマットを構築し、競争力向上を図る。④ グループ商品・商品改革最高責任者を新設し、お客さまの新しいライフスタイルに対応したグローバルな商品開発力・商品調達力を強化する。また、グループの商品組織を改革し、グループシナジーを最大限に活用することで、商品調達コストを削減する。⑤ 急速に市場が成長しているノンストア事業、電子マネー事業を統括するデジタルビジネス事業最高経営責任者を配置する。

   特に①の代表権のある副社長を新設したことが大きな改革といえよう。これまで、代表権は岡田社長1人であったが、今回、敢えて、副社長を新設し、代表権を付与しており、経営を2つに分けて管理する体制が敷かれることになる。しかも、②の総合金融事業の共同最高責任者の兼務であり、特に金融事業に重点をおいた経営シフトといえよう。この第3四半期の決算を見ると、セグメント別の営業利益は金融事業を含むサービス等が約60%を稼ぎ出しており、残り約40%はディベロッパー事業であり、GMSを含む総合小売業、そして、専門店は赤字という厳しい状況である。したがって、金融事業が現在のイオンの利益の源泉といえ、今回の組織改革を断行することで、より、金融シフト体制をつくることが狙いといえよう。

   そして、もうひとつの大きな改革は、③のディスカウントストア事業最高経営責任者の新設である。ただ、気になるのは、SM事業最高経営責任者と兼務となっており、GMS事業最高経営責任者とは兼務になっていないことである。したがって、ディスカウントの本命はGMSではなく、SM、食品スーパーマーケットであるといえ、今後、食品スーパーマーケットのディスカウント路線が強く打ち出されてゆくことになろう。特に、ここ最近、ザ・ビックのディスカウント業態に転換、あるいは新設する各地のマックスバリュが多く、食品スーパーマーケットのディスカウント化が一層進むものと予想される。

   ④は商品開発、調達であり、⑤はネットスーパー、電子マネー等への取り組みであり、従来路線の強化といえる。したがって、今回の組織改革は、①、②の経営管理体制の分割統治、金融事業へのシフト、③のSMのディスカウント路線への転換の2つが大きな組織改革といえよう。

   そこで気になるのは、GMS改革である。先にも少し触れたように、この第3四半期のGMSを含む総合小売業の決算結果は営業利益が-21.53億円の赤字となり、売上構成比は約80%とイオンの大半を占めている。さらに、アジア等の売上構成比はまだ5%強と、貢献度は低く、国内のGMSを含む総合小売業が圧倒的なイオンの売上である。したがって、金融、食品スーパーマーケットのディスカウント路線を強化するだけでは、イオンの改革は十分とはいえず、総合小売業、特にGMSの改革はまったなしの状況といえる。

   今回の組織改革で岡田社長の経営範囲が副社長を新設することにより、金融業をはじめ、かなりの部分が移管されるものといえよう。それにより、岡田社長がそれ以外の経営に専念しやすい環境が生まれる。恐らく、GMS改革に関しては、大ナタを振る割らざるをえず、岡田社長が陣頭指揮をとらざるをえないのではないかと思われる。したがって、この組織改革はこれで完結ではなく、次の一手、恐らく、GMS改革をどのようにすすめてゆくのかの経営方針が、いずれ示されるのではないかと思う。イオンが今後、どのようなGMS改革を打ち出すか、注目したい。

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February 21, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 20, 2010

日経MJ新製品週間ランキング、2/19、バレンタイン!

   今週は何と言ってもバレンタインデーである。POSデータの集計は2/7から2/13までの1週間であり、2/14のバレンタインデー前日までの1週間の数字であり、バレンタインデーの結果がまさに反映される集計データといえよう。菓子ベスト20すべてがチョコレート関連で占められ、しかも、金額PI値が最高739円、最低242円と、Aランクの500円を超える新製品から、Cランクの200円を超える新製品までとなり、極めて高い水準の金額PI値となった。ただ、カバー率は最高76.4%の1品を除き、すべて30%前後と、限られた店舗のみでの数字であり、各食品スーパーマーケット共通のバレンタインデーのチョコレートはなく、各店舗独自の品揃えであるといえよう。

   このような中で、No.1の金額PI値739円となったのは、メリーチョコレートカムパニー、ファンシーチョコレートセレブリティ11個、平均単価499円である。カバー率は19.2%と対象49チェーン、250店舗の約2割、約50店舗での数字であるが、極めて高い数字であり、今週の全新製品の中でもNo.1の金額PI値である。メリーチョコレートカムパニーは、ベスト20の中に、何と15品と、今週の菓子を独占しており、まさに、バレンタインデーの顔といえよう。

   ベスト5までを見てみると、いずれもメリーチョコレートカムパニーであり、No.2がファンシーチョコレートセレブリティ23個、金額PI値639円、平均単価997円、カバー率19.2%、No.3がスイートファンタジア19個、金額PI値538円、平均単価998円、カバー率34.0%、No.4がパ・ドゥ・シャ13個、金額PI値501円、平均単価998円、カバー率23.6%、そして、No.5が琴ゆかし7個、金額PI値446円、平均単価500円、カバー率20.0%である。平均単価が500円、1,000円の世界であり、この価格から見ても、バレンタインデーは異質な世界といえ、1年に1回の独特なチョコレートの新製品の日といえよう。

   ちなみに、はじめに触れたカバー率76.4%のチョコレートの新製品は、明治製菓、ポケモンハート型チョコレート45g、金額PI値242円、平均単価199円である。この新製品以外、すべて、カバー率は30%前後である。また、ベスト10の中で唯一、メリーチョコレートカムパニー以外の新製品はNo.8のロイヤルホテル、デコール・ビジュ7個、金額PI値388円、平均単価997円、カバー率28.4%である。

   チョコレート以外では、今週、金額PI値Aランクの500円を超えた新製品、500円に迫った新製品が数品あり、これまでの動きとは違う、アクティブな週でもあった。その新製品であるが、飲料No.1に日本コカ・コーラ、コカ・コーラゼロ1.5Lが金額PI値646円と、500円を大きく超えた。No.2も500ml、金額PI値490円が入り、飲料全体を大きくひっぱっている。カバー率は94.6%、96.0%とほぼ全対象店舗に入っており、1/29、1/30初登場であるが、上々の滑り出しである。ただ、飲料では、No.3が金額PI値200円台、No.4以下は金額PI値100円台、No.9以下は金額PI値100円を切り、急激に金額PI値が落ち、数字的には、厳しいといえよう。

   そして、もう1品、金額PI値Aランクの500円を超える新製品であるが、家庭用品No.1の花王、ソフィーナアルプラン薬用ホワイトクリエイトエッセンス<美白エッセンス>40gが金額PI値587円、先週比124円アップと好調である。ただし、平均単価は9,661円と高額商品であり、カバー率も23.2%と、限られた食品スーパーマーケットでの展開での数字である。残念ながら、No.2以下は200円台となり、これに続く新製品がない。このNo.1のソフィーナは客数が多い店舗では、検討の余地があろう。

   先週注目のその他食品であるが、No.1に今週初登場の新製品、日清食品、カップヌードルミルクシーフードヌードル83gが入り、金額PI値283円となった。残念ながら、先週2位だった太麺堂々醤油豚骨107gはNo.9となり、金額PI値も77円ダウンの123円となった。また、No.2には先週35位から急浮上の共立食品、割りチョコビター150gがバレンタインデーの影響からか、金額PI値255円で入った。先週1位と好調であった敷島製パン、超熟ロールレーズン6個は金額PI値17円ダウンの236円と、No.3となった。ただ、依然として、パン、カップ麺がベスト20の中に、パン8品、カップメン5品入っており、好調を維持しているといえよう。

   そして、冷凍食品であるが、No.1は先週同様、ハーゲンダッツジャパン、ミニカップ・マルチパック6個入り75ml×6、金額PI値93円であるが、No.2に今週初登場のロッテアイス、雪見だいふく果実いちご94ml(47ml×2)が金額PI値92円のわずか1円の差で入っており、カバー率も60.8%と高く、注目の新製品といえよう。

   このように、今週の日経MJ新製品週間ランキングはバレンタインデー一色なった感があり、金額PI値で見ても、ランキングで見ても、チョコレートの強さが改めて鮮明になったといえる。来週以降はこの異常値も落ち着き、数字も安定してくると思われるが、飲料、その他食品の動きがここ最近アクティブになっており、今後、どのようなランキングとなるか興味深いところである。食品スーパーマーケットとしては、しっかり、これら新製品の動きをみながら、品揃えの改善を図って欲しいところである。

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February 20, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 19, 2010

九九プラス、2010年3月期、第3四半期、増収増益!

   九九プラスが2010年3月期の第3四半期決算を2/9公表した。結果は営業総収入1,131.07億円(111.16%)、営業利益18.06億円(昨年は赤字)、経常利益18.46億円(昨年は赤字)、当期純利益17.29億円(昨年は赤字)と、黒字転換、増収増益となる好決算となった。特に、今期は、5月にバリューローソン(70店舗)を吸収合併するとともに、12月には100%子会社ではあるが、九九プラス関西を吸収合併しており、経営資源の集中と経営の効率化を進めたことが大きかったといえよう。さらに、新規店舗も74店舗出店しており、閉店は34店舗であるので、新店の効果も大きかった。結果、全店では963店舗となり、売上げが2桁増となった。

    一方、営業利益の方であるが、原価、経費を見てみると、原価は75.42%(昨年76.13%)と、0.71ポイント下がっており、原価の改善が進んでいる。これは、ローソングループのPB、バリューラインの開発を加速化させたとのことで、PBの貢献も大きかったものと思われる。結果、売上総利益は24.58%(昨年23.87%)と粗利が改善している。一方、経費の方であるが、24.89%(昨年25.98%)と、こちらも1.09ポイント削減しており、経費の削減も進んでいる。したがって。原価、経費、双方が下がっており、営業利益をダブルで押し上げた結果となった。

    ただ、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-0.31%(昨年-2.11%)と大幅に改善したが、わずかに、マイナスである。これに、その他営業収入として、九九プラスの場合は加盟店からの収入、いわゆるFCからのロイヤリティ1.20%(昨年1.09%)と、その他の営業収入0.74%(昨年0.90%)が加わり、結果、営業利益は1.63%(昨年-0.12%)となり、黒字転換、増収となった。

   こう見ると、九九プラスの収益の鍵はFCからのロイヤリティの貢献度が極めて大きいといえ、現時点では営業利益の大半を占めているといえる。したがって、九九プラスの今後のビジネスモデルは、原価、経費を引き下げ収益力を上げる一方、FC化をいかに進め、加速化してゆくかがポイントといえよう。現在、九九プラスのFCは全963店舗の内、138店舗であり、14.33%である。今後、20%、30%、そして、50%を超えるようになると、さらに、収益が増すといえ、昨年7月からスタートした新FCパッケージが鍵を握っているといえよう。この12月現在、この新FCパッケージでの店舗数は44店舗とのことであり、順調に推移しているという。

   さて、この好調な決算を受けて、キャッシュフローの方であるが、営業キャッシュフローが昨年の12.04億円から21.19億円へと大幅に増加している。その最大の要因は当期純利益が-8.28億円から10.12億円へと改善したことである。そして、投資キャッシュフローであるが、-15.40億円(昨年-13.05億円)であり、その主要な投資は有形固定資産の取得、すなわち、新店への投資であり、積極的な投資である。

   ここで、九九プラスの出店にかかわる資産を見てみると、建物及び構築物66.23億円、敷金及び保証金37.12億円であり、合計103.35億円である。全店がFCを除くと825店舗であるので、1店舗当たり0.125億円であり、極めて少ない資産で出店が可能なビジネスといえる。したがって、投資キャッシュフローの有形固定資産と敷金及び保証金の今期の合計17.07億円をこの金額で割ると136.56店舗となり、今後、積極的な新店開発が進んでゆくものと思われる。

   結果、フリーキャッシュフローは5.79億円(昨年-1.01億円)と、逆流から順流となり、キャッシュの動きが格段と改善した。そして、財務キャッシュフローであるが、-19.80億円(昨年-25.76億円)と、フリーキャッシュフローを超え、現金を取り崩している。その大半が長期借入金の返済であり、昨年と今年で合計、43.13億円の返済を行っている。結果、今期、借入金が0となり、無借金経営となった。

   そして、キャッシュフロー、トータルでは-14.01億円(昨年-26.77億円)となり、現金が減少しているが、それでも、54.70億円と総資産279.85億円の19.54%であり、決算公開企業約50社の中ではベスト10に入る現金保有率である。それにしても、この2年間で思い切った財務改善を図っており、ローソンとの資本・業務提携の効果が早くも現れ、確実に経営が好転し始めたといえよう。

   ただ、自己資本比率は45.2%(昨年41.6%)と、昨年よりも改善しているが、まだ50%を割っており、今後、一層、資本の充実、負債の圧縮が課題といえよう。特に、最大の負債は有利子負債が0となったことにより、買掛金105.6億円であり、総資産の37.54%を占めており、これをいかに圧縮するか、ないしは、まだまだ当期純利益は改善の余地があるといえ、純利益を増やし、純資産を引き上げるかが課題といえよう。

   このように、九九プラスの2010年3月期、第3四半期決算は昨年の赤字決算から一転、黒字決算となり、キャッシュフローも改善し、財務面では有利子負債を全額返済し、無借金経営となるなど、財務改善が確実に進んでいるといえよう。特に、原価、経費双方が大きく減少し、営業利益が改善したことに加え、FC化が進み、加盟店からの収益が増加しはじめたことが大きいといえよう。まさに、ローソンとの資本・業務提携の効果といえ、今期も堅調な決算が期待できるものと予想される。九九プラスが今期はもちろん、来期、どこまで経営改革を進めてゆくのか、注目である。

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February 19, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 18, 2010

ウィスキー、復活か、日経MJで特集!

   日経MJ、2/15で、ウィスキーが特集された。伸びる市場、ヒット分析での特集である。見出しは、「ウィスキー、ハイボール人気で復調、今年3.8%増の予想」、「一極集中に不安も」である。このウィスキー特集では、様々なデータも公表されている。ウィスキーの来店客千人当たり販売金額(金額PI値)の年間昨対推移、メーカー別来店客千人当たり販売金額(金額PI値)、サントリー、アサヒビール(ニッカウヰスキー)、キリンビール、宝酒造の過去3年間の推移、そして、商品別POSデータ(金額PI値)、ベスト15である。

   そこで、この日経MJでは扱われていないデータ、家計調査データでウィスキーがどのような数字であるかを確認してみたい。まず、ウィスキーとはそもそもどのような消費特性があるかであるが、直近の2009年12月度の家計調査データの数字を見ると、ウィスキーは、1世帯1日当たり4.68円(昨対106.6%)、購入世帯のみの消費金額108.02円(94.6%)、購入世帯の割合4.3%( 112.8%)という数字である。これは12月度の月間の数字であるが、購入世帯は、わずか4.3%、95%以上の家計が月間1度もウィスキーを購入しないということであり、家計の5%弱を対象に商売しなければならないという厳しい現実がある。

   酒は全体的に購入世帯の割合が低いが、ウィスキーは酒の全カテゴリーの中で最も低い商品である。参考に、同じ12月度の酒のカテゴリーでの購入世帯の割合を見てみると、清酒41.8%、焼酎22.4%、ビール39.8%、ぶどう酒(ワイン)15.0%、発泡酒15.6%、他の酒28.7%という状況である。ウィスキーがいかに、限られた愛好家にのみ支持されている商品であるかがわかる。

   その数字が伸び始めたというのが、今回の日経MJのウィスキー特集記事であるが、実際、家計調査データの12月度は106.6%と堅調な伸びを示しており、しかも、購入世帯の割合が112.8%と大きく増加し、ウィスキーの愛飲家が増加しているという数字である。一方、購入世帯のみの消費額は94.6%と下落しており、これを小売業に当てはめると、客数アップ、客単価ダウン、売上増ということになる。客単価ダウンは恐らく、客単価(金額PI値)=PI値×平均単価であるので、平均単価がダウンしたものといえよう。高いウィスキーではなく、低価格の値頃感のあるウィスキーにシフトしたのではないかと思われる。

   さて、もう少し、家計調査データでウィスキーの推移を見てみたい。2009年11月度3.40円(昨対90.3%)、10月度3.23円(89.3%)、9月度3.17円(101.1%)、8月度3.32円(96.3%)、7月度3.23円(106.4%)、6月度3.27円(89.9%)、5月度3.74円(130.3%)、4月度3.17円(120.3%)、3月度3.90円(155.1%)、2月度3.75円(141.2%)、1月度2.87円(158.9%)という、2009年度の推移である。これを見ると、1月から5月までは異常な伸びであり、その後、急激に失速、6月以降は昨対そこそことなり、12月は堅調な伸びを示したことがわかる。年間を通すと、前半の伸びが大きく、後半の伸び悩みを相殺し、昨対はクリアーしていると思われるが、後半の減速が気になるところである。

   日経MJの数字を見ると、今年と昨年のウィスキーの金額PI値比較では、この家計調査データとはむしろ反対で前半伸び率が低く、後半伸び率が高まっており、逆の動きであるが、家計調査データとPOSデータのギャップであるかどうかわからないが、結果としては、2009年度の年間のウィスキーの消費は伸びているといえよう。しかも、メーカー別にみると、サントリーの2009年度以降の伸びが著しく、他社の伸びは横ばいから若干上向いている状況であり、サントリーの1人勝ちといえる様相を呈しているのが特徴である。

   さらに、商品別で見てみると、No.1はサントリー、ウィスキー角瓶700ml、金額PI値491円、平均単価1,083円、カバー率96.2%である。No.2のニッカウヰスキー、ブラックニッカクリアブレンド700ml、金額PI値231円、平均単価716円、カバー率93.1%と比べても格段の差があり、断トツのトップである。以下、No.7までサントリーが続く。ベスト5まで見てみると、No.3サントリー、ウィスキー角瓶<黒43度>700ML、金額PI値120円、平均単価1,091円、カバー率78.5%、No.4ウィスキーオールド700ML、金額PI値116円、平均単価1,459円、カバー率82.6%、そして、No.5ウィスキー角瓶ジャンボボトル1.92L、金額PI値104円、平均単価2,750円、カバー率53.6%である。

   日経MJの記事の中ではハイボールの人気をいち早く突き止めたサントリーが、ハイボールの普及、そして、販促への取り組みを強化したことが功を奏したという内容である。確かに、家計調査データでも購入世帯の割合の増加がウィスキーの消費額を押し上げており、日経MJのグラフでもサントリーが1人勝ちの予想を呈している。さらに、商品別でも、ベスト7の内、断トツのNo.1を含む、6品がサントリーで占められている。ハイボールブームの兆候をいち早く見つけ出し、そのブームを本当のブームにまで育てた上げたサントリーの戦略の巧みさが光るといえよう。

   ただ、家計調査データを見る限りでは、ウィスキーの伸び率がやや下がっている兆候も表れており、今後、新たな消費世帯を拡大することよりも、ウィスキーを消費し始めた新たな世帯のウィスキーの消費額をいかに高められるか、そのための、次の一手が重要な課題となろう。サントリーが、今後、どのようなウィスキーの販促を打ち出すか注目したい。

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February 18, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 17, 2010

Chain Store Age、2/15号、ガムの重点商品について!

   Chain Store Age、2010年、2/15号に今回は監修ではあるが、ガムの特集記事が掲載された。今回の記事の中で、消費動向の分析、最新のガムの重点商品の分析、そして、記事の一部は私が直接分析し、書いたものである。その他の内容に関しては昨年来取り組んでいるチェーンストアエイジのガム売場調査チームがまとめた内容を私の方で監修したものである。今回の記事の内容は、ガムのマーチャンダイジングについて、昨年来取り組んできたベストバランスのまとめと、最新のPOS分析データにもとづく、重点商品の一覧、そして、重点商品をいかにしっかり売り込むかがガムのベストバランスを追求し、売上、利益を上げてゆく上で重要な課題であるかをまとめたものである。

   特に、最近、食品スーパーマーケットでは、記事の中にも消費者物価指数(CPI)のグラフを掲載したが、昨年と比べると明らかなデフレ傾向が鮮明である。特に、7月、8月、9月は昨年対比で見ると底となっており、その後、徐々に回復基調にあるとはいえ、そのもどりが鈍く、当面、デフレ環境が続く様相を呈しているのが現状である。

   したがって、食品スーパーマーケット同士が、顧客を奪い合い、激しい価格競争に突入しており、しかも、中小食品スーパーマーケットだけでなく、イオン、イトーヨーカ堂、西友、ダイエー等のGMSも価格競争に本格参入するという、価格競争が小売業界全体へと波及しているのが実態である。このような価格競争が起きると、当然、平均単価が下がり、PI値がそれ以上に上がらないと、客単価(金額PI値)を落としかねない。さらに、競争の激化は客数にも波及し、客数、客単価(金額PI値)が下がり、特に、既存店が厳しい状況になる。そして、既存店のダウンは固定費が相対的に上昇し、利益を圧迫し、減収、減益を余儀なくされる。事実、ここ最近の食品スーパーマーケット業界の第3四半期決算は増収減益、減収減益決算が多くみられ、その要因が平均単価のダウンに原因があることが多いのが実態である。

   そこで、このようなデフレ時に重要なマーチャンダイジング政策は、平均単価のダウンを食い止めることであり、PI値をさらに引き上げることではない。理想的なマーチャンダイジングは重点商品と平均単価の高い商品とが一致しているケースであるが、そうでない場合は、あえて、平均単価、特に付加価値の高い商品を見つける、ないしは、開発し、その商品を強化することがポイントとなる。

   このような観点で、昨年来、取り組んできたガムのマーチャンダイジング、ベストバランスの仮説検証を振り返ってみた場合、まさに、ガムの重点商品、特に、超重点商品はすべて、ボトルガムであり、付加価値の高い平均単価の高い商品で占められているのが現状である。今回の誌面には、直近の1年間、2009年1月から2009年12月までの超重点商品、重点商品の分析結果を示しているが、まさに、このデフレ環境にぴったりはまる商品が超重点商品として、ピックアップされている。また、重点商品には平均単価が低く、PI値の高い商品も数多くピックアップされており、平均単価、PI値、双方に貢献度の高い商品が絶妙のバランスでピックアップされている。

   この商品の選定基準は昨年同様、客数PI値30%以上、金額PI扱店150円以上を超重点商品、客数PI値30%以上、金額PI扱店150円以下、70円以上を重点商品としてピックアップしている。約500品、述べ客数約2億6千万人のPOSデータであるので、信頼度は高いといえる。したがって、まず、この超重点商品、そして、重点商品、さらには、自店独自の超重点商品、重点商品を加えて、ガムのマーチャンダイジングを再検討すれば、平均単価を落とすことなく、PI値も引き上げ、客単価(金額PI値)を改善することができよう。

   よく誤解されることだが、平均単価を改善するのは、値上げをすることではない。付加価値が高く、結果、平均単価の高い商品を見つけ出し、そのPI値をあげることである。ガムのマーチャンダイジングの第一歩はまさに、この平均単価の高い超重点商品に着目することであり、次に、PI値の高い重点商品に着目することが、ガムのベストバランスを目指す第1歩といえる。ちなみに、今回の記事はガムのベストバランスを追求する上で、最優先課題の重点商品に絞っての内容であるが、ガムのベストバランスには、この他、品揃えの充実、そして、新商品の展開もポイントとなる。POSデータをよく分析し、バランスの良いガム売場を構築して欲しい。

   このように、今回は昨年ほぼ1年間に渡って取り組んできたガムのマーチャンダイジングの最新データによる、特に重点商品の強化にポイントに絞っての記事であるが、ガムに限らず、食品スーパーマーケットのほとんどのカテゴリーは重点商品の強化が最優先課題である。まずは、重点商品をしっかり確立し、その後、品揃え、新商品へと移り、ベストバランスを追求してゆくことがマーチャンダイジングの改善のポイントである。特に、昨今の厳しい経営環境の中では、重点商品の揺らぎは全体への影響が大きく、マーチャンダイジングのバランスを崩しかねない。再度、自店の重点商品を全カテゴリーで見直して欲しいところだ。

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February 17, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 16, 2010

山崎パン、2009年12月期本決算、増収、営業減益!

   山崎パンが2009年12月期の本決算を2/12、公表した。結果は売上高8,856.83億円(109.1%)、営業利益227.38 億円(88.1%)、経常利益228.52億円(106.0%)、当期純利益86.40億円(144.3%)と、増収、営業段階では減益、経常、当期純利益段階では増益となる決算となった。特に、今期は、不二家を連結したことで、売上高がかさ上げされており、増収に大きく貢献した。ただ、消費環境は厳しい面があったとのことで、山崎パン自身も、「お客様の節約志向が強まる市場環境のもとで、量販店等の値下げやPB製品による低価格競争が激化し、販売単価の下落によって売上が伸び悩む状況、・・」とのことであり、量販店に関しては厳しい状況であったようである。

   山崎パンの売上構成比を単体のチャネル別に見てみると、量販店が40.9%と最も大きく、ついで、その他一般店25.9%、コンビニエンスストアの21.9%と続く。この3つのチャネルで、88.7%と大半を占める。ちなみに、デイリーヤマザキは2.9%、ヤマザキショップは4.9%である。参考に、店舗数であるが、量販店15,306店舗、その他一般店35,665店舗、コンビニネスストア40,236店舗であるので、単体の売上げ6,230億円から、逆算すると、量販店2,548.07億円(1,664万円/店舗、4.5万円/日)、その他一般店1,613.57億円(452万円/店舗、1.2万円/日)、コンビニエンスストア1,364.37億円(339万円/店舗、0.9万円/日)となる。店舗数ではコンビニエンスストアが圧倒的であるが、売上高では量販店が大きく、1店舗当たり、1日当たりも、以前として量販店が大きな柱になっているといえよう。

   一方、商品別の売上高であるが、構成比の高い順に見てみると、菓子パン3,059.13億円(98.5%、構成比34.6%)、製菓・米菓その他1,491.67億円(151.8%、構成比16.9%)、洋菓子1,108.19億円(133.9%、構成比12.5%)、調理パン・米飯類973.72億円(97.9%、構成比11.0%)、食パン932.39億円(102.1%、構成比10.5%)、和菓子675.89億円(98.5%、構成比7.6%)である。こう見ると、菓子パンが圧倒的な存在感であり、食パンが意外に低い数字であるといえよう。その割合はほぼ3:1といえ、食品スーパーマーケットにおいても、菓子パン強化が正解であることがわかる。なお、洋菓子等、伸び率の高い部門は不二家の連結の影響が大きいといえる。

   ちなみに、不二家の4/1から12/31までの第3四半期決算の状況であるが、売上高586.57億円(107.4%)、営業利益-0.70億円(昨年は-47.03億円)となり、売上高は好調であるが、営業利益が大きく改善したとはいえ、まだ、以前として赤字決算が続いている。ただ、経常利益4.86億円(昨年-44.31億円)、当期純利益2.29億円(昨年-47.24億円)と、黒字転換しており、業績は順調に回復基調であるといえよう。

   さて、一方、主力の原料、小麦粉の動きであるが、「主原料の小麦粉につきましては、輸入小麦の政府売渡価格が4月に平均14.8%、10月に23%、それぞれ引き下げられたことを受けて、5月と11月の二度にわたり業務用小麦粉価格が引き下げられました。これにより、平成19年4月の輸入麦の価格変動制導入以降、国際穀物相場の高騰を受けて上昇した小麦粉価格は、従前の水準に戻りつつありますが、パン製品の価格は従来水準より一段と低い状態となりました。・・」とのことである。原料は下がったが、同時に、消費環境の悪化により、販売価格も下がっているとのことである。

   そこで、営業利益の状況を原価、経費、双方から見てみたい。まず、原価であるが、63.20%(昨年64.17%)となり、原価は主力原料の小麦粉が下がったことにより、0.97ポイント下がっている。結果、売上総利益は36.8%(昨年35.83%)と改善した。一方、経費の方であるが、34.23%(昨年32.64%)と、1.59ポイントと、大きく上昇している。特に、広告宣伝費が不二家を連結したことにより、136億円増加し、昨年の273.38億円が今期は417.65億円と152.7%となったことが大きかったといえよう。結果、営業利益は2.57%(昨年3.19%)と、減益となった。したがって、販売単価の下落は原料価格の値下げによって補われているといえ、今期の問題は不二家の連結に伴う、経費増が利益を圧迫し、売上高増で補えなかったことが減益の原因といえよう。

   これを受けて、次期の方針、特に、食品スーパーマーケットと関係の深い、食パン、菓子パンであるが、「食パンでは、「ふんわり食パン」の育成や新製品「サンロイヤルエクセレント」の取扱い拡大につとめるとともに、「ダブルソフトプレミアム」などの業態対応製品の拡販をはかり、ヤマザキブランドのシェアアップをめざしてまいります。菓子パンでは、値頃感のある定番製品を充実強化するとともに、「ランチパック」をはじめとする付加価値のある新製品開発に取り組み、キャンペーンを活用した主力製品の拡販によって売上拡大をはかってまいります。・・」とのことである。

   このように、食品スーパーマーケットとも関係の深い、山崎パンの2009年12月期の本決算が公表されたが、営業面では不二家の連結による経費圧迫もあり、減益となったが、経常、当期純利益段階では増収増益の堅調な決算となった。数字を見ると、菓子パンが圧倒的な存在感をもっており、今後とも新商品開発に取り組むとのことでもあり、食品スーパーマーケットとしても、食パン同様、菓子パンをいかに充実させるかが、課題といえよう。今後、連結を果たした不二家の強みがどう山崎パンの商品開発に活かされ、どのような新商品が登場するか期待したいところである。

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February 16, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 15, 2010

2009年度、百貨店、スーパーの売上高13年連続減!

   2/12の日経MJに2009年度、1年間の百貨店、スーパーの売上高の詳細が公表された。日本百貨店協会(百貨店)、日本チェーンストア協会(スーパー)の公表数字をもとに、日経MJが独自に集計したものだ。全体の統計数字に加え、日経MJの解説記事が掲載されており、改めて、百貨店、スーパーの現状の厳しさが浮かび上がったといえる。見出しは、「百貨店・スーパー09年売上高13年連続減」、「百貨店10.1%減、実力で増収ゼロ、食品、衣料、雑貨総崩れ」、「スーパー4.3%減、客単価が下落」である。

   そこで、まず、食品スーパーマーケットが数多く含まれているスーパーについて見てみたい。日経MJの記事の解説では、日本チェーンストア協会の公表データをもとに、21年ぶりに、スーパーの売上高が13兆円を割り込み、12兆8,349億円になったという。その最大の要因が既存店の4.3%ダウン、その中身は、衣料品-10.8%と過去最大の落ち込みに加え、食品が3年ぶりに-2.6%となったことが大きかったという。特に、食品は、ここ数年、内食需要に支えられ、堅調であっただけに、ここへ来て、客単価のダウンが売上高を落とした要因であるという。

   実際、ここ最近の食品スーパーマーケット業界の第3四半期の決算発表を見ても減収減益、増収減益となる企業が多く、増収の場合でも既存店が厳しい数字であることが大半である。しかも、既存店の客単価が平均単価ダウンの影響により、下がっているケースが多く見られ、デフレによる価格競争の厳しさが浮き彫りになっているといえよう。

   もう少し、日経MJの公表数字を見てみると、スーパー全体は先にふれたように、衣料品-10.8%、食品-2.6%であったが、日用雑貨も-4.7%であり、さらに、医薬・化粧品-1.6%、家具・インテリア-1.7%、家電製品-15.3%、スポーツ・音楽など-6.3%、サービス-1.3%、その他-6.9%という状況であり、全滅であり、厳しい2009年度であったことがわかる。

   これを主要スーパーで見ると、GMSのイオンリテール-5.5%、イトーヨーカ堂-4.5%、ユニー11.1%、ダイエー-5.1%と、ユニーを除き、いずれも厳しい数字である。ユニーは関連会社を統合しており、その上乗せ分があったものと思われる。そして、食品スーパーマーケットであるが、2009年度プラスになったのは、イズミ4.2%、ベイシア3.8%、カスミ3.0%、サミット2.2%、ライフコーポレーション1.7%、ヨークベニマル0.2%と公表15社の内、6社である。しかも、この数字には新店の数字も入っているため、既存店は厳しかったものと思われる。参考に、12月単独の数字も公表されているが、これを見ると、プラスとなった食品スーパーマーケットは、カスミ1.5%、ベイシア0.8%、イズミ0.4%の3社のみであり、しかも小幅な伸びであり、厳しい状況である。

   一方、2009年度昨対を割った食品スーパーマーケットであるが、平和堂-6.1%、東急ストア-5.2%、イズミヤ-4.3%、コープこうべ-4.3%、フジ-2.8%、いなげや-2.2%、東武ストア-1.1%、マルエツ-0.6%、オークワ-0.5%の9社である。こう見ると、衣料品の構成比が比較的高い食品スーパーマーケットの業績が特に落ち込みが大きいといえ、食品中心の食品スーパーマーケットの業績は比較的堅調であるといえよう。ただ、いずれにせよ、各社既存店は苦戦していると思われ、しかも、12月度は全体の数字も厳しさを増しており、食品スーパーマーケット業界も厳しい経営環境であったといえよう。

   さて、百貨店であるが、日経MJの解説記事によれば、2009年度は-11.9%の6兆5,842億円となり、これは1984年の水準であり、しかも、2桁減は統計を取り始めた1965年以来はじめてのことであるという。これを商品別にみると、主力の婦人服-13.0%、雑貨-11.9%であり、さらに、紳士服・洋品-14.8%、その他衣料品-11.9%、身の回り品-12.7%、家庭用品-11.3%と、軒並み10%を割っており、厳しい状況である。ちなみに、食料品は-4.6%と落ちてはいるが、主要商品と比べると比較的健闘しているといえよう。

   また、これを地域別にみると、東京-11.3%、大阪-10.4%、名古屋-11.3%、仙台-10.8%、神戸-10.4%、札幌-6.9%、広島-9.2%、京都-9.1%、横浜-4.3%、福岡-9.4%という状況であり、主要都市はすべて2桁減となり、商品面から見ても、地域で見ても、日経MJの見出しどおり、総崩れの状況である。ちなみに、主要店舗ではどうかを見てみると、2,000億円以上の店舗では、伊勢丹本店2,256.94億円(-11.3%)、阪急(大阪6店舗合計)2,207.81億円(-6.8%)、三越(恵比寿店、多摩センター含む)2,203.70億円(-14.6%)、近鉄(大阪7店合計)2,009.86億円(-16.9%)と、厳しい状況である。

   このように、2009年度の百貨店、スーパーの売上高は深刻な状況であるがことが改めて浮かび上がったといえよう。百貨店、スーパーを取り巻く消費環境は極めて厳しい状況にあり、それが各社の激しい価格競争を生み、経営を取り巻く環境が急激に悪化している状況が鮮明である。特に、月別の数字を見ると、百貨店は-10%前後で推移しているが、スーパーは前半数%、後半、10月以降-5%を超えるようになり、前半よりも後半から厳しさが増している状況である。当面、この厳しい経営環境は継続するものと予想され、今期決算、少なくとも来期前半は厳しい数字が予想されよう。今期決算を踏まえ、百貨店、スーパー業界が今後、どのような経営戦略を打ち出すかに注目である。

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February 15, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 14, 2010

マクドナルド、2009年12月期決算、減収増益!

   日本マクドナルドホールディングスが2/9、2009年12月期の本決算を公表した。結果は、売上高3,623.12億円(89.2%)、営業利益242.30億円(124.0%:売上対比6.68%)、経常利益232.52億円(127.5%:売上対比6.41%)、当期純利益128.09億円(103.4%:売上対比:3.53%)と、減収増益の決算となった。この数字を見限り、売上高が大きく減少しているが、これは、この売上高には、FC(フランチャイズ)の売上高が含まれていない数字であるためである。今期は、直営からFCへ切り替わった店舗が400店舗強(全体の約20%)あり、この売上高を加えたシステムワイドセールスを見ると、5,319.2億円(102.6%)と、過去最高の売上げとなっている。

   一般にFCビジネスの売上高はFCの売上高を決算に加えることはなく、FCからのロイヤリティのみを加えて計算されるので、FCが実際売上げた商品売買の売上高は本部の決算には計上されない。これは、コンビニでも同様であり、コンビニの売上高はFCの売上高は参考には公表されるが、決算数字には反映されないのが実態である。

   特に、日本マクドナルドホールディングスは現在、構造改革真っ最中であり、直営の店舗をFCへと急激な勢いで移管している。今期も前期2,166店舗あった直営の内、約20%に当たる400店舗強をFCへ移管しており、今期直営は新店、閉鎖を含め1,705店舗となった。一方、FCの方は直営からの移管を含め、2,010店舗となり、前期が1,588店舗であったので、まさに、逆転、FCが今期から経営の柱になったといえよう。したがって、売上高は89.2%となったが、FCを含めた全売上高は前期の合計店舗が3,754店舗から3,715店舗へと若干減ったにもかかわらず、既存店が好調に推移したため、売上高は102.6%と増収となった。

   それにしても、FCへ店舗を約400店舗、全体の約20%を移管したことにより、売上高が減少するのはよくわかるが、利益がすべての段階で増益、連結営業利益、連結経常利益、連結当期純利益、ともに上場以来最高となるという結果であり、直営よりも、FC比率を引き上げる方が利益が増加するという構図が鮮明である。そこで、今期の原価、経費から、営業利益が124.0%へ大幅に増益となった要因を見てみたい。

   まず、原価であるが、81.1%(昨年83.0%)と1.9ポイント下がっている。特に、直営店原価が71.5%(昨年76.9%)と、大きく下がっており、FC原価9.5%(昨年6.0%)の上昇分をカバーしており、FC化が原価を引き下げているのが鮮明である。結果、売上総利益は、18.9%(昨年17.0%)となり、いわゆる粗利は改善した。一方、経費の方であるが、12.2%(昨年12.2%)と、昨年と同じ比率であった。したがって、FC化は、経費改善効果は今期はなかったが、原価の改善効果が大きかったといえ、これが、上場来最高の営業利益をもたらしたといえよう。

   今期決算を見ると、この営業利益、そして、経常利益はいずれも、120%を超える大幅な増益となったが、当期純利益は上場来最高の利益とはなったものの、伸び率は103.4%の小幅な伸びにとどまった。これは、ここで一気に戦略的な店舗閉鎖等の構造改革に打って出たためである。日本マクドナルドホールディング自身も、「今後数年以内で実施する小型店舗等の戦略的閉店の一環として当連結会計年度に閉店を決定した68店舗について、当連結会計年度に実際に閉店した54店舗に関しては店舗閉鎖損失5億22百万円を特別損失に計上し、翌連結会計年度以降に閉店を予定している14店舗に関しては店舗閉鎖損失引当金繰入額2億36百万円を特別損失に計上、・・」とコメントしているように、思い切った店舗の閉鎖、およびその予定の損金を特別損失に計上しているためである。

   これを受けて、今後、どのように構造改革を進めてゆくかであるが、4つの角度から構造改革に取り組んでゆくという。ひとつ目は、今期同様、「平成19年度以降進めているフランチャイズ化戦略を更に推進する、・・」という。すでに原価改善という効果が出ているといえ、いっそう、営業利益が増すといえよう。二つ目は、「お客様のValue for Moneyの更なる向上を目指し、・・」とのことで、これまで以上にメニュー開発、サービスの向上を図るという。三っつ目が、「斬新な店舗デザインやフルキャパシティのキッチン装備等といった新しい店舗開発戦略を展開、・・」という新型店舗の展開を促進してゆくという。そして、4つ目が、「次期において433店舗の戦略的閉店を進め、・・」とのことで、今年以上の思い切った店舗閉鎖を進めるという。

   その結果、次期の決算予想であるが、売上高3,13,0.00億円(86.4%)、営業利益260.00億円(107.3%)、経常利益244.00億円(104.9%)、当期純利益58.00億円(45.3%)と、今期同様減収増益、ただし、当期純利益は戦略的閉鎖店舗が増えるので、大幅な減益となる予想である。それにしても、すさまじい構造改革が日本マクドナルドホールディングスにおいて進んでいるといえよう。急激に経営の柱を直営からFCへ切り替え、時代に合わない店舗を大量閉鎖し、新時代へ向けての新たな店舗開発を同時に行い、さらに、思い切ったメニュー開発、販促に踏み込むという。数年後、日本マクドナルドホールディングスがどのような企業に生まれ変わるのか、注目である。


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February 14, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 13, 2010

日経MJ、新製品週間ランキング、2/12、パン、ラッシュ!

   ここ最近、日経MJ新製品週間ランキングの動きが激しくなってきた。先週も新製品ラッシュともいえる初登場の新製品が数多く登場したが、今週はパンの新製品がラッシュといえ、アクティブな動きが見られる。また、バレンタインデーも近づいてきたことにより、菓子のチョコレートの動きが慌ただしくなってきている。残念ながら、金額PI値はAランクの500円を超える大型の新製品は1品もないが、動き自体はよく、当面、新製品の動向には注目であろう。

   さて、まず、パンの動きであるが、その他食品No.1に、今週初登場の新製品、敷島製パン、超熟ロールレーズン6個が金額PI値253円で入った。カバー率も59.2%であり、対象49チェーン250店舗の半分以上の店舗に入っており、初登場としては高い数字である。ただ、金額PI値が253円とCランクであり、Bランクの300円は欲しいところであり、今後、どこまで数字を伸ばすか注目といえよう。敷島パンはNo.19にも初登場、ミルクチョコレートメロンパン1個、金額PI値72円が入っており、今週初登場でランクインした。

   パンは、敷島パン以外も、山崎製パンが好調であり、No.9、No.10、No.12と初登場の新製品が入り、さらに、No.17にも先週25位からランクインしている。No.9はふんわり食パンメープル6枚、金額PI値95円が入った。No.10はランチパック越冬キャベツメンチカツ2個、金額PI値89円であり、このランチパックはNo.12にも、ランチパック北海道きたあかりコロッケ2個、金額PI値86円が入った。人気商品の新製品であり、注目といえよう。さらに、No.17には、ロールちゃん生キャラメル1個、金額PI値74円が入った。合計4品、内、3品が今週初登場の新製品である。

   パンはさらに、フジパンも2品ランクインしている。No.11に先週200位からの急上昇、生ショコラ風味プチロール6個入、金額PI値86円、そして、今週初登場のNo.15、苺のミルフィールナポレオンパイ風1個入、金額PI値75円、No.16、チョコケーキザッハトルテ風1個入、金額PI値74円と、2品入った。パン合計で、その他食品ベスト20品中、9品と大半を占め、パンはまさに、ラッシュ、絶好調といえよう。

   その他食品では、これ以外にも、カップ麺が好調であり、No.2、No.6、No.7、No.8に日清食品が入った。No.2、No.6は現在テレビCM中の太麺堂々シリーズで、No.2に醤油豚骨107gが金額PI値200円、No.6に香熟味噌108g、金額PI値161円が入った。No.7はカップヌードルWHITEクリームシチューヌードル82g、金額PI値154円、そして、No.8には今週初登場のどん兵衛とん汁うどん101g、金額PI値120円が入った。さらに、日清食品以外でも、サンヨー食品がNo.4、No.5にサッポロ一番デュラムおばさんのミートソーススパゲッティ142g、金額PI値190円、サッポロ一番デュラムおばさんのキャベツペペロンチーノスパゲッティ106gが金額PI値163円で入った。

   結果、カップ麺関連は、日清食品4品、サンヨー食品2品、合計6品が入り、今週のその他食品は菓子パン9品とカップ麺6品で全20品中、合計15品と大半を占め、この時期ならではの新製品ラッシュといえよう。

   今週はこのパン、そして、カップ麺以外にも、菓子部門が冬なのに熱い。バレンタインデー真近のため、チョコレートが異常な動きとなっている。特にメリーチョコレートカムパニーが菓子ベスト20品の内、10品入るという状況である。トップクラスの新製品を見てみると、No.2にファンシーチョコレートセレブリティ23個、金額PI値239円、No.3にスイートファンタジア19個、金額PI値234円が入った。どちらも、平均単価が996円、998円と高価格帯であるが、先週比の金額PI値はそれぞれ115円、114円アップと注目の新製品である。ただ、カバー率は19.2%、34.4%と一部店舗のみに留まっており、メリーチョコレートカムパニー全体の傾向でもあるが、残された期間はわずか、いかに、この高い金額PI値をいかし、カバー率をどこまで上げるかが課題といえよう。ちなみに、菓子No.1はカルビー、ギザギザポテトあじわい焼きしお味60g、金額PI値243円、カバー率は何と90.8%である。 

   今週は、この、その他食品、菓子以外で注目の新製品は、飲料部門ではNo.1、No.2となった日本コカ・コーラのコカ・コーラゼロであり、先週19位からNo.1となった1.5L、金額PI値478円、先週47位からNo.2となった500mlペットボトル、金額PI値384円が急上昇である。冷凍食品では、No.1は先週同様、ハーゲンダッツジャパン、ミニカップ・マルチパック6個入り75ml×6、金額PI値105円、そして、家庭用品では、今週初登場の花王、ソフィーナアルブラン薬用ホワイトクリエイトエッセンス<美白エッセンス>40gが金額PI値463円でNo.1となった。

   このように、今週の新製品週間ランキングは、パンのラッシュ、カップ麺好調、そして、バレンタインデーを意識したチョコレートの急上昇が特徴といえ、先週の今週初登場のラッシュとは違った意味でアクティブな週であったといえよう。消費はより厳しさを増している中、これら元気の良い新製品が食品スーパーマーケットの売場の活性化に寄与して欲しいところである。

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February 13, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 12, 2010

バロー、2010年3月期、第3四半期決算、増収営業減益!

   バローが、2/5、2010年3月期、第3四半期決算を公表した。結果は、営業収益2,627.31億円(102.1%)、営業利益72.92億円(94.6%)、経常利益76.52億円(94.4%)、当期純利益35.01億円(100.4%)となり、増収、営業減益、当期純利益はわずかに増益となる、やや厳しい決算となった。特に、流通事業において、「食品や日用品における価格下落の影響等で利益率が低下し、営業利益は前年同期比8.0%減少して69億49百万円、・・」と、バロー自身がコメントしているように、価格の下落が業績に響いたとのことである。

   この第3四半期の食品スーパーマーケット業界の決算結果を見ると、多くの食品スーパーマーケットがバロー同様、価格下落が業績に影響を与え、特に、利益を圧迫しているケースが多く、消費環境の悪化は、特に、デフレの深耕は、今後の経営へ直撃し、今期決算、そして、少なくとも来期前半は厳しい経営環境が予想されよう。

   そこで、まず、バローの営業利益の状況を、原価、経費両面から見てみたい。まず、原価であるが、76.70%(昨年76.58%)と、0.12ポイント上昇している。特に、今期のバローの価格政策は、「低価格と高品質を両立させる自社開発商品(PB商品)の開発に一層注力し、・・」、「特にスーパーマーケットでは、圧倒的な低価格を実現する商品企画を「サプライズ50」と銘打ち、その第一弾として11月より1個18円のコロッケを発売いたしました。・・」とのことで、PBとNB、双方において、価格訴求を強化したという。さらに、「チラシ配布による販促を行わないEDLP(エブリデー・ロープライス=毎日低価格販売)型店舗(「バロー師勝店」、「バロー岩倉店」)など、新たなビジネスモデルの実験を推進して、・・」というように、EDLPの実験店もオープンし、その成果を検証しているという。

   このように、この第3四半期決算期間では、価格訴求を一層徹底したといえるが、原価はわずかな減少にとどまっており、結果、売上総利益は23.30%(昨年23.42%)となった。この売上総利益23.33%であるが、前期決算公開企業約50社でみると、低い方から15番前後の数字であり、全体単純平均が25.2%であるので、バローは食品スーパーマーケットとしては、売上総利益が低く、低価格志向が強いといえよう。

   一方、経費面であるが、24.28%(昨年24.07%)と、0.21ポイントと、原価に比べ、大きく上昇しており、この第3四半期の低価格政策は、原価よりも経費への圧迫が大きかったといえよう。特に、バローの四半期ごとの既存店の食品スーパーマーケットの売上高の推移を見ると、第1四半期-3.2%、第2四半期-3.8%、第3四半期-3.4%と、既存店の落ち込みが大きい。特に、客単価の落ち込みが大きく、客単価はPI値×平均単価であるので、平均単価の減少が既存店の売上げに響いていると推測される。したがって、相対的に固定費が上昇し、全体の経費上昇を招いたものといえよう。一般に、既存店の売上げが下がると、経費上昇を招き、利益を圧迫することになるが、まさに、この第3四半期のバローはこのような状況であったと思われる。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-0.98%(昨年-0.65%)と、マイナス幅が広がった。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.87%(昨年3.77%)のり、営業利益は2.89(3.12%)となり、減益となった。こう見ると、原価、経費双方が上昇し、利益をダブルで圧迫するという厳しい状況であったといえ、食品スーパーマーケットの価格戦略、特にディスカウントは経営を安定させることがいかに難しいかがわかる。

   したがって、価格訴求を強く打ち出すには、まず、ローコスト経営が大前提であり、マーチャンダイジング力、すなわち、原価と経費のバランスをいかにとるかがポイントといえよう。また、価格訴求をかけた場合は、既存店の数字を落とさないことがもうひとつのポイントといえよう。特に、売上=客数×客単価、客単価(金額PI値)=PI値×平均単価であるので、客単価(金額PI値)をいかに維持し、できれば引き上げることが課題といえよう。価格訴求は当然、PI値の高い商品であることが多く、さらに、PI値の高いものは平均単価の低い物が多い。したがって、全体の平均単価を大きく下げる方向に動くので、鍵は平均単価の高い商品にあるといえる。ここがディスカウントの鍵を握っているといえ、今後、デフレの中で、各食品スーパーマーケットのマーチャンダイジング政策が問われるところであろう。

   このように、バローの2010年3月期の第3四半期決算は営業段階では、増収減益とやや厳しい決算となったが、新店は順調に出店しており、バローの新たなドミナント地区として、長野県、静岡県への参入も本格化しつつあり、今後、売上は順調に推移するものといえよう。したがって、経営課題は利益の改善をどうはかるかにあるといえ、そのためにも、まずは、既存店の活性化が急務といえよう。今期はあとわずかであるが、さらに、来期前半をも視野に、バローがどのような既存店活性化策を打ち出すかに注目したい。

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February 12, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 11, 2010

品揃えを考えてみる!

   最近、POSデータを分析する機会が多くなった。特にメーカーの方とのお付き合いも増えたせいか、グロサリーのPOSデータを分析する機会が多い。グロサリーは1カテゴリーの品数も多く、特に、全国の主要食品スーパーマーケットのデータを分析すると500SKUを超える場合もざらにあり、びっくりする。実際の1チェーンの食品スーパーマーケットの売場は当然物理的な制約もあり、50から100SKUに絞らざるをえないが、世の中はその10倍ぐらいの商品が存在しているのが実態であり、改めてPOS分析を試みると、品揃えの重要性が認識できる。そこで、ここでは、全国の食品スーパーマーケットのPOSデータが入手可能となった場合、どのように品揃えの改善に取り組んでゆけば良いかについて考えてみたい。

   チェーンストアエイジへの私の投稿記事でもお馴染みであるが、全国の食品スーパーマーケットのPOSデータには、金額PI値とカバー率がある。しかも、金額PI値は、金額PI総店と金額PI扱店に分かれている場合が通常である。ただ、時として、金額PI総店がなく、金額PI扱店のみしか算出されていないPOSデータもある。毎週金曜日に公表される日経MJの新製品週間ランキングはまさにそうで、金額PI総店はなく、金額PI扱店のみであり、参考に、平均単価とカバー率が公開されているのみである。

   ここでカバー率であるが、これは、扱店舗比率のことであり、扱店舗÷総店舗数のことである。したがって、扱店舗の正確な客数を表しているわけではなく、金額PI扱店の客数をカバー率から算出することはできない。同様に、カバー率から金額PI総店を算出することもできず、あくまで、カバー率は金額PI扱店、金額PI総店の参考数値である。本来、理論的には、金額PI扱店×客数PI値=金額PI総店となり、この2つの金額PI値が客数PI値で繋がることになるが、カバー率では客数PI値の代替とはならず、誤差が発生し、参考数値に留まることになる。

   金額PI扱店=売上金額÷扱店客数、客数PI値=扱店客数÷全店客数、金額PI総店=売上金額÷全店客数であるので、金額PI扱店×客数PI値=金額PI総店となる。チェーンストアエイジでは、客数PI値を金額PI総店÷金額PI扱店で逆算して算出しており、整合性をとっている。カバー率は対象店舗の客数が同じ客数であれば、カバー率=客数PI値となるが、実際の食品スーパーマーケットの店舗は、店舗により、1日1,000人の客数の店舗もあれば、3,000人の店舗の客数もあり、さらには、5,000人の客数の店舗もあり、まちまちであり、カバー率と客数PI値はかなり誤差がでるのが実態である。

   そこで、品揃えに話をもどすと、全国のPOSデータを自社の品揃えの改変に活用する場合は、まずは、基本は自社の商品の金額PI値と全国のPOSデータの金額PI扱店と比較することが第1ステップである。間違っても、金額PI総店と比較してはいけない。先に見たように、金額PI総店=客数PI値×金額PI扱店であるので、客数PI値が高い、極端な話、100%であれば、双方は一致し、どちらを使っても問題ないが、客数PI値が低い商品は、金額PI総店も限りなく低くなり、比較の意味をなさないからである。金額PI扱店であれば、客数PI値が低くとも、その限られた客数の対象店舗での金額PI値であり、自店の金額PI値と比較検討が十分にできるからである。

  そして、ここから、その差異を分析し、さらに、金額PI扱店=数量PI扱店×平均単価であるので、自店の数量PI値と平均単価との比較を試みることである。ちなみに、ここでも、数量PI総店と数量PI扱店があるので、数量PI扱店で比較することがポイントである。これも数式で示せば、数量PI総店=客数PI値×数量PI扱店であり、金額PI扱店と同様の理由である。この時点でかなりの問題点が明らかになる。自店の商品が十分に顧客から支持されているかどうかが浮かび上がり、それが、数量PI値なのか、平均単価なのか、その原因が明確になるはずである。

   次に、自店で品揃えされていない全国のPOSデータから何を加えるべきかを判断することが重要である。そのポイントは全国のPOSデータを2つに分けて考えると良い。ひとつは、客数PI値が高く、金額PI扱店が高い商品である。これが品揃えに加える最優先の候補である。そして、もうひとつは、客数PI値は低いが、金額PI扱店が極めて高い商品である。これが次に優先されるべき品揃え候補である。この2つの角度から、自店で品揃えされていない商品をピックアップし、可能であれば、品揃えに加えるか、自店のCランク商品と入れ替えることである。

   このように、全国のPOSデータをうまく活用すると、自店の品揃えが劇的に変わる可能性があり、定期的にすべてのカテゴリーをメンテナンスしてゆけば、早ければ半年、時間をかけても1年で見違えるような品揃えとなり、結果、顧客から支持の高い売場ができあがるものといえよう。POS分析は自店のデータの分析も重要であるが、全国のPOSデータが入手できるのであれば、このように活用することも一考である。

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February 11, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 10, 2010

2010スーパーマーケット・トレードショー開催、2/8-2/10!

   今年も(社)日本セルフ・サービス協会主催、第44回、2010スーパーマーケット・トレードショーが2/8(月)から2/10(水)までの3日間、東京ビックサイト(東ホール全館)で開催されている。私も2/9(火)の午後、参加したが、今年は、昨年の入場者を初日は上回ったという。2/8初日の正式な入場者は24,528名(前回初日:23,612名)とのことである。昨年の3日間の数字であるが、2月11日(水):23,612名、2月12日(木):28,755名、2月13日(金):26,111名、3日間合計:78,478名であるので、今年は、この数字を上回るかもしれない。展示会の出展者数は、1,135社、2,252団体と、過去最高の数字だそうだ。

   実行委員会も錚々たるメンバーであり、実行委員長 (株)アークス 横山 清 代表取締役社長、副委員長 (株)ジョイス 小苅米 淳一 代表取締役兼会長、副委員長 (株)いちやまマート 三科 雅嗣 代表取締役社長のもと、株)あおき、 (株)いかりスーパーマーケット 、(株)イトーヨーカ堂 、小田急商事(株) 、(株)紀ノ国屋、(株)九電工、(株)ぎゅーとら 、(株)クイーンズ伊勢丹、(株)京急ストア 、(株)京成ストア、 (株)京北スーパー、 (株)シェルガーデン 、(株)スズキヤ、 相鉄ローゼン(株)、(株)阪食、東日本旅客鉄道(株)、北辰商事(株)、 (株)マミーマート、(株)ライフコーポレーション 、(株)リウボウストアから代表が加わっており、まさに、(社)日本セルフ・サービス協会、正会員465社あげての、一大イベントである。

   実は、今回、私とチェーンストアエイジの千田編集長との対談映像が密かに流れていたこともあり、その確認の意味も含め、スーパーマーケット・トレードショーに赴いた。ブースは、リブネット社であり、その壁にかかった液晶テレビに確かに、映像が流れていた。約30秒ぐらいの内容であるが、昨年来連載中のガムのマーチャンダイジングの記事の内容をもとにした対談である。

   さて、今年の目玉はGS1であろうか。入口を入って右奥のセミナー会場の前にGS1データバーコーナーが確保されており、そこで、GS1についての解説を行っていた。また、2/9には、財団法人流通システム開発センター斎藤静一氏のセミナーもあった。タイトルは、「食の安心・安全を目指す新しいバーコード、国際標準バーコード(GS1データバー)の概要と利用法」である。残念ながら、このセミナーを聞くことはできなかったが、斎藤氏のインタビュー内容等が公開されているので、それによれば、GS1とは以下のようなバーコードであるという。

   まず、GS1データバーは、今年1月から、まだ段階的であるが利用が可能になったという。しかも世界標準であり、現在使いなれたJANから、30年ぶりに登場した新たなバーコードであるという。アメリカではすでに、導入がはじまっているが、日本では2014年にオープン利用となる予定であるという。ポイントは何といっても小さいことだ。これにより、これまで、果物や野菜のバラに中々うまく貼れなかったJANのバーコードが、GS1になると、球面状に貼り安くなり、果物、野菜、そして、口紅サイズのものにも貼れるという。これで、タッチキーにたよっていたバラの商品のPI値の把握も格段と上昇することになろう。

   そして、二つ目のポイントは、斎藤氏によれば、「現状のバーコードは13桁で構成されているのに対して、「GS1データバー」は、最大数字74桁または英字41文字までの情報を表示することができます。従来のメーカー名や商品の種別表示以外にも任意で情報を追加して表示できるため、・・」とのことで、格段に情報量が増すだけでなく、自由に情報量を加えることができるとのことだ。消費期限切れ情報を入れたり、CO2使用量を表記することも可能であるという。さらには、同じ商品に日付を変えて入れたり、タイムセール情報を入れたりもできるという。商品管理だけでなく、販促にも使い道が広がるということである。

   会場全体の状況であるが、メイン会場は大型ブースはイシダ、日進工業、東芝テック、シーピー化成、岡村製作所、寺岡精工、富士電機リテイルシステムズ、福島工業等が壁面に大きくブースを構え、その中に小型ブースが配置されるというレイアウトである。特に、小型ブースでは、約半部が食品メーカー関係、約半分が機器、資材、情報サービス関係であり、また、海外出店者も数社あり、まさに、食品スーパーマーケットを支える各企業の熱意が伝わってくる活気があった。食品スーパーマーケット業界も一大産業となりつつあるといえよう。

   このように、第44回、2010年スーパーマーケット・トレードショーが開催されたが、今年のテーマは「創、ニッポン」であり、クラシ、ワタシ、アス、チカラ、キモチを創ることであるという。今期は、デフレの中、極めて厳しい経営環境となった食品スーパーマーケット業界であるが、今回のテーマ、「創」を実現し、今回出店した食品スーパーマーケット業界を支える各企業の支援を得て、2010年を乗り切って欲しいと思う。

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February 10, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 09, 2010

フローとストック

   最近、ID-POS分析が急激に食品スーパーマーケット業界に浸透しつつあるのを感じる。本ブログでもID-POS分析に関しては、様々な角度から取り上げており、また、プレミアム版では、現在、ID-POS分析をテーマにした「ID-POS分析実践シリーズ、ここがポイント!」で、ID-POS分析を真正面から取り上げている。また、その効果としても、本ブログでも取り上げた「January 15, 2010NHK、クローズアップ現代、1/13、消費者つかむ新戦略!」は、まさに、ID-POS分析の実践成果ともいえる内容であり、ID-POS分析が食品スーパーマーケット業界で実践されはじめたことがわかる。

   そこで、今回は、ID-POS分析の本質をつかむ上での重要なキーワード、ストックについて取り上げてみたい。ID-POS分析が従来のPOS分析と比べて分かりにくいのは、顧客をフローではなく、ストックとして捉えるからである。しかも、そのストックの期間を1日なのか、1週間なのか、1ケ月なのか、1年なのか、期間があいまいであり、さらには、一生涯という捉え方もある。このストックという考え方がID-POS分析そのものともいえるが、ここが十分に理解されていないために、ID-POS分析が理解されないという面が強いといえよう。

   まず、ストックを理解するために、その対極にあるフローを考えてみたい。フローとは売上げを瞬間、瞬間に捉える考え方であり、食品スーパーマーケットでは客単価(金額PI値)のことである。客単価(金額PI値)は売上げ÷客数(総レシート枚数)で表される指標であり、要は、レシート1枚当たりの売上げである。これは、1日でも、1週間でも、1ケ月でも、1年でも、さらには、一生涯でもレシート1枚当たりとなる。通常の食品スーパーマーケットは客数(レシート枚数)が1日約2,000人(レシート枚数)であるので、レシートが、1週間で約14,000枚、1ケ月で約60,000枚、1年で約730,000枚となる。この場合、客単価(金額PI値)は、どの場合でも、客数(レシート枚数)当たりであるので、季節、特売等により多少の差はあるが、ほぼ、2,000円前後となる。

   これが売上げをフローで捉えた考え方であり、従来のPOS分析の基礎となっている、重要な基本概念である。従来のPOS分析は、このフローの考え方をもとに、いかに、客単価(金額PI値)を引き上げるかを考えることであるといえ、この約2,000円という客単価(金額PI値)をいかに改善できるかがマーチャンダイジングの本質といえる。

   これに対し、ストックとは何かであるが、ストックは瞬間、瞬間の売上げで捉えるのではなく、1日の蓄積、1週間の蓄積、1ケ月間の蓄積、1年間の蓄積、そして、一生涯の蓄積と売上げを蓄積して捉える考え方である。ただ全部のレシート枚数当たりの売上げを蓄積するのではなく、IDという顧客ごとの売上げを蓄積してゆくことがポイントである。全レシート枚数を蓄積すれば、それは単純な売上高となり、ID-POS分析をわざわざ行う意味はない。ID-POS分析はID、すなわち、顧客ごとの売上げを蓄積してゆくことにその本質があり、そこが、従来のPOS分析と決定的に違うところである。

   具体的には、1日のIDの売上げで見ると、平均1人、1回の買い物であれば、この時点では従来のPOS分析と変わらない。これが1週間となると、平均3回ぐらいの買い物をしているとすると、先のフローの場合の1回約2,000円の買い物を前提とすれば、2,000円×3回=6,000円となり、これが、ストックの場合の考え方である。1日ではほとんど差がでないが、1週間では買い物の回数分、売上げがストックされるので、差がでる。さらに、1ケ月では、仮に12回買い物をすると、2,000円×12回=24,000円となる。

   このように計算してゆくと、IDという顧客を基盤にしたストックで売上げを見ると、1年で144回買い物をしたとすると、288,000円となり、10年で2,880,000円となり、約300万円近くになるのがストックという考え方である。ID-POS分析はまさに、このストックという考え方を前提にマーチャンダイジングを考えようということであり、このストックをどこを目標に置くかにより、マーチャンダイジング政策がダイナミックに変化してゆくことになる。

   通常は、1ケ月、約20,000円前後をストックの基本にすえる場合が多いが、ここで見たように、ストックのマーチャンダイジングは長ければ長い方がより、顧客指向もとづいたマーチャンダイジングが可能といえ、1年約30万円や10年約300万円も、検討するに値する重要な数字といえよう。

   さて、ここで、フローとストックの関係であるが、回数がフローであるので、ストックは回数当たりの売上げ、すなわち、フローに回数を掛けたものであるといえ、ストックはフロー×回数と捉えることができる。この2つの概念は全く別の、合い交わらないものではなく、フローを起点にして、回数、すなわち、ID当たりの回数であるので、実は来店頻度を掛けたものがストックになるといえ、ストック=フロー×頻度という関係であることがわかる。その意味で、ID-POS分析は従来のPOS分析を前提としてできあがっているといえ、全く別物ではなく、進化系ととらえるべきものであるといえよう。

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February 9, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 08, 2010

ライフコーポレーション、2010年第3四半期、増収減益!

   ライフコーポレーションが1/13、2010年2月期の第3四半期決算を公表した。結果は、営業収益3,510.45億円(101.79%)、営業利益59.80億円(74.09%)、経常利益57.14億円(73.38%)、当期純利益30.59億円(72.23%)となり、増収とはなったが、減益となる厳しい決算となった。また、通期予想に関しても、営業収益4,740.00億円(102.4%)、営業利益87.00億円(76.2%)、経常利益83.00億円(75.0%)、当期純利益40.00億円(73.4%)と、増収減益予想であり、厳しい決算が予想される。

   そこで、まず、増収になった要因であるが、ライフコーポレーショオン自身は、「新店の寄与により総売上高は3,419億10百万円と若干の増加となりました。」とコメントしているように、新店の寄与が大きかったといえよう。

   ここで、ライフコーポレーションがコメントしている総売上高と営業収益の違いであるが、売上高は商品売買から得られる純粋な売上げであり、営業収益はこれに、物流収入、不動産収入等が加味された収益である。したがって、ライフコーポレーションの場合でいえば、営業収益3,510.45億円と総売上高3,419.10億円とズレが生じるが、そのズレがその他営業収入である。

   さて、増収の要因、新店の寄与であるが、今期、ライフコーポレーションは、「4月に大谷田店(東京都)、5月に太平寺店(大阪府)、6月に三津屋店(大阪府)、7月に吉祥寺駅南店(東京都)、なんば店(大阪府)、9月に下寺店、出屋敷店(ともに大阪府)の7店舗を出店」し、合計215店舗となり、この新店が増収へ寄与したとのことである。残念ながら、既存店は、「生活防衛意識の高まりや、競争激化等の影響から販売単価の下落に歯止めがかからず、売上高は減少となり、・・」とのことで、減収となったという。

   ここへ来て、まさに、今期のライフコーポレーションと同様、販売単価、すなわち、価格の下落が原因で既存店の売上を落とすことが食品スーパーマーケット業界全般に見られる。これはどういうことかというと、売上は客数×客単価(金額PI値)であり、さらに、客単価(金額PI値)はPI値(1人当たり買上点数)×平均単価に分解することができる。したがって、平均単価、すなわち、価格が下がると、PI値がそれ以上に上がれば、客単価(金額PI値)は維持でき、客数が横ばいであれば、売上げは維持できる。ところが、ここ最近の状況は、平均単価の下落が大きく、PI値をそれ以上に引き上げることができず、客単価(金額PI値)を落としてしまうケースが多いということである。また、仮に、PI値が維持できても、競争が厳しく、客数が伸び悩むことも多く、結果、売上げが伸び悩むということになる。

   今期のライフコーポレーションはまさに、平均単価ダウンが売上げに影響を与えたとのことであり、PI値か客数、ないしは双方の下落が既存店で起こっていると推測される。今期の多くの食品スーパーマーケットがこのような状況に陥り、既存店の伸び悩みに直面しており、平均単価のダウンは、食品スーパーマーケット業界にとっては、現在、深刻な状況であるといえよう。

   問題は、この既存店の伸び悩みが利益に与える影響である。一般に既存店の売上が落ちると、固定費が相対的に上昇し、経費の上昇が見られ、利益を圧迫することになる。特に、今期のように平均単価も下落する場合は原価の上昇も見られ、粗利を圧迫し、結果、ダブルで利益を圧迫し、利益が確保できない場合が多い。そこで、ライフコーポレーションの営業利益を原価、経費面から見てみたい。

   まず、原価であるが、73.98%(昨年73.88%)と0.10ポイント上昇が見られるが、大きく上昇してはおらず、販売単価の下落が原価へ与えた影響は比較的小さかったといえよう。したがって、売上総利益、粗利は、26.02%(昨年26.12%)と、ほぼ昨年と同様の数字を確保した。一方、経費の方であるが、26.93%(昨年26.36%)と、0.57ポイント上昇しており、粗利に比べ、上昇幅が大きく、営業利益を大きく圧迫しているといえよう。こう見ると、販売単価の下落は粗利よりも、経費への影響が大きかったといえ、既存店のダウンがライフコーポレーションの経費へ強く響いたといえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.91%(昨年-0.24%)となり、マイナス幅が拡大しており、厳しい結果である。これに物流収入、不動産収入等が2.67%(昨年2.64%)のり、営業利益は1.76%(昨年2.40%)となり、減益となった。この結果を見ると、販売単価の下落が、既存店の売上げを下げ、結果、原価よりも、経費に影響を与えており、今後、経費削減も大事であるが、既存店の底上げ、特に、平均単価の高い商品のPI値アップにより、客単価(金額PI値)アップが当面の課題といえよう。

   このように、ライフコーポレーションの2010年2月期、第3四半期決算は新店の効果により増収とはなったが、販売単価の下落が影響し、既存店の数字が落ち、結果、原価、経費双方の上昇、特に経費の上昇が見られ、マーチャンダイジング力のマイナス幅が広がり、その他営業収入を加えても営業減益となる厳しい決算となった。通期予想も厳しい結果が予想されるが、今期、残りわずかな期間であるが、どのような既存店活性化策を打ち出すか、そして、来期、どのような方針を打ち出すか、その動向に注目である。

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February 8, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 07, 2010

船井総研の最新決算を見る、2009年12月期、減収減益!

   1/29、船井総研の2009年12月期の決算が公表された。結果は、売上高86.87億円(-10.1%)、営業利益16.50億円(-8.7%)、経常利益16.39億円(-13.8%)、当期純利益5.45億円(-52.5%)となり、減収減益の厳しい決算となった。経営コンサルティング業界もここへ来て、経済情勢の悪化を受け、厳しい状況にある。船井総研自身も、この決算結果を受け、「当事業の収益面に大きな割合を占める中堅・大手企業向けコンサルティング及び建設・不動産業界向けコンサルティングにおいて、前連結会計年度から続く国内経済の低迷の影響を受け、主力のコンサルタント事業が苦戦を強いられる結果、・・」とコメントしているように、「主力のコンサルティング事業が苦戦を強いられ」が減収の原因であるとのことである。

   それにしても、10年ひと昔というが、私が在籍していた頃のコンサルティングの主力は中小企業向けコンサルティングであり、分野も流通業向けのコンサルティングが柱であった。それが、東京本社が始めは芝公園、その後、五反田、そして、現在は丸の内へと移ったこともあると思うが、戦略ドメインが大きく変化してゆき、主力企業、主力業種が様変わりしていっており、びっくりである。現在、船井総研の流通分野の売上げは7.18億円(昨対-0.7%)であり、その売上構成比は8.26%と、10%を切っている。現在の船井総研の主力部門は、アミューズメント8.78億円(昨対12.0%、構成比10.10%)、建設・不動産8.55億円(-13.3%、9.84%)、戦略系7.88億円(-30.9%、9.07%)、そして、流通系となる。

   ついで、環境・農業4.22億円(9.1%、4.85%)となり、ここからは、売上構成比5%を切り、まだ、事業としては確立されているとはいえず、今後の分野といえよう。もう少し、今後の分野を見てみると、士業3.81億円(38.0%、4.38%)、web3.52億円(49.7%、4.05%)、オート3.32億円(34.9%、3.82%)、フード3.00億円(17.3%、3.45%)、ビューティー・スクール2.77億円(-10.5%、3.18%)、医療2.13億円(-12.8%、2.45%)、観光・開発2.12億円(-34.3%、2.44%)、福祉・幼稚園1.94億円(-1.6%、2.23%)、リサイクル1.41億円(-48.4%、1.62%)、ビジネスソリューション1.35億円(-43.2%、1.55%)である。

   ここまでで、売上構成比の約70%を超えるが、コンサルティング事業が全体の89.6%と、約90%であるので、これ以外にも売上構成比1%前後の数10のコンサルティング分野があるといえよう。あらためて、このように現在の船井総研のコンサルティングの現状を見てみると、そもそもの原点は流通、特に、衣料、住関連、食品の中小企業へのコンサルティングからスタートした経営コンサルティング事業であったが、その原点は10%を切り、現在は多種多様な業種、そして、大中企業へとコンサルティング分野がシフトしたことが明確であり、まさに、10年で様変わりしたことがわかる。

   この3月には社長も小山さんから高島さんへと変わるとのことであり、新社長がこの厳しい結果を受けて、どのような経営戦略を打ち出すのか、興味があるところであるが、私としては、この激動の流通業界へ経営資源を再度投入し、創業の原点への支援体制を強化して欲しいところである。

   さて、CF、B/Sも見てみたい。まず、CFであるが、営業キャッシュフローは、当期純利益が-52.5%と、大きく減少したために10.41億円(昨年18.59億円)と約8億円減少した。ちなみに、当期純利益の減少の要因であるが、「当期純利益につきましては、当社コンサルティング業務が一部起因となって発生した当社クライアントとその顧客による紛議の解決費用や繰延税金資産の取崩し等の影響により545百万円(同52.5%減)となりました。」とのことで、特別損失が発生したことが大きい。

   投資キャッシュフローであるが、-6.59億円(昨年8.11億円)と、今期は有価証券の取得-11.02億円(昨年-3.00億円)、有価証券の売却7.00億円(昨年12.00億円)が大きかったといえる。また、無形固定資産の取得-1.07億円(昨年0.64億円)と、今後、既存事業の強化、新規事業ヘ向けて、いかに、研究開発体制へ向けての投資をしてゆくかも課題といえよう。結果、フリーキャッシュフローは3.82億円(昨年26.70億円)と、プラスにはなったが、大きく減少しており、苦しいキャッシュフローといえよう。

   そして、財務キャッシュフローであるが、-6.32億円(昨年-26.81億円)となり、トータル-2.51億円(昨年-0.09億円)となり、期末残高の現金は34.15億円(36.66億円)となり、現金が若干減少した。特に、昨年は豊富なフリーキャッシュフローで自社株買いを17.20億円(今期は1.99億円の売却)実施しており、この分が大きかったといえる。

   一方、B/Sであるが、今期のP/L、それに伴い、CFは厳しい状況にあったといえるが、自己資本比率は83.2%(昨年82.1%)と、むしろ向上しており、健全である。有利子負債も7.44億円(昨年8.00億円)と減少しており、現金もやや減少したとはいえ、22.35億円(昨年25.67億円)と有利子負債はもちろん、流動負債21.86億円を補える金額であり、財務的には、余裕がある状況といえよう。

   このように、船井総研の2009年12月期の決算は減収減益という厳しい決算となったが、財務は極めて健全な状況といえ、有利子負債の削減も進み、自己資本比率もむしろ向上している。ただ、この10年でまさに、事業構造が様変わりしており、営業基盤が大きく変わり、この方向が今期は厳しい結果となったことは事実である。今後、社長も交代することが決まり、新たな経営体制を築くことになるが、船井総研がどのような方向に向かってゆくのか、難しいかじ取りとなろう。この3月に予定されている株主総会でどのような経営方針が新社長から語られるか、注目したい。

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February 7, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 06, 2010

日経MJ新製品週間ランキング2/5、新製品、続々!

   ここ、最近、初登場の新製品が少なかった日経MJ新製品週間ランキングであるが、2/5は、初登場の新製品ラッシュである。冷凍食品こそ0であるが、飲料4品、菓子6品、その他食品4品、家庭用品1品と15品登場している。掲載商品が全部でちょうど100品であるので、15%、この1週間、1/24から1/30は、まさに新製品週間ランキングとなった。ただ、金額PI値は低迷しており、Aランクの500円を超える新製品は0と、大型商品の登場が見られないのが残念である。

   さて、その初登場の新製品であるが、その他食品では、カップ麺のオンパレードである。No.1に日清食品の太麺堂々醤油豚骨107g、金額PI値328円が入った。カバー率が68.0%と高い数字であり、対象49チェーン、250店舗の大半にいきなり入っており、人気の度合いが伺える。No.3にも、太麺堂々香熟味噌108gが金額PI値251円で入った。カバー率は67.2%でこれも高い数字である。そして、No.5、No.6にはサンヨー食品、サッポロ一番デュラムおばさんのミートソーススパゲッティ142gが金額PI値193円、キャベツのペペロンチーノスパゲッティ106g、金額PI値179円で入った。カバー率は51.6%、46.4%と、約半分であるが、滑り出し上々といえよう。

   これ以外にも、その他食品はカップ麺ラッシュであり、初登場ではないが、No.2に日清食品、カップヌードルWHITEクリームシチューヌードル82gが金額PI値293円で入っており、カバー率は76.0%と高い数字である。カップ麺は、その他食品のベスト10に7品入っており、PB全盛であった昨年とはうってかわり、再び、NBの時代が訪れるのではないかという勢いである。実際、ここ最近、デフレでNBの価格が下がったことにもより、PBとの価格差が縮まり、PBの優位性が薄れ始めている。商品開発力のあるNBメーカーは新商品を投入するチャンスが訪れたともいえ、カップ麺はその前哨戦が始まったともいえよう。

   菓子でも、No.1、No.2にカルビー、ギザギザポテトあじわい焼きしお味60gが金額PI値493円、コク深いチキンコンソメ60gが金額PI値431円で入った。しかも初登場でカバー率84.4%、83.2%とすごい数字である。カルビーのポテトチップスはNo.3、No.4もうすしお味60g、金額PI値229g、コンソメパンチ60g、金額PI値191円が初登場ではないが入っており、No.1からNo.4まで独占となった。しかも、この2品のカバー率は96.4%、96.0%と限界に近い数字である。

   これ以外にも菓子では、初登場の新製品がNo.8、ネスレコンフェクショナリー、キットカットミニメープル13枚、金額PI値116円、No.9、不二家、カントリーマアム(つぶつぶ苺)16枚、金額PI値107円、No.14、明治製菓、ポルテクリーミーレーズンホイップ47g、金額PI値87円、そして、もう1品、No.17、バンダイ、超ワンピーススタイリング~STAR HERO ~ラムネ菓子1個付、金額PI値81円である。特に、今週は、菓子の初登場の新製品がこのように6品と多かった。

   そして、飲料であるが、金額PI値こそ、No.1のサントリー、チョコレートスパークリング500mlペットボトルが金額PI値193円と、200円のCランク基準を切るという低い数字ではあるが、初登場の新製品が4品ランクに入っている。その内、3品がアサヒ飲料であり、No.4、No.5、No.16に、初登場でランクインした。プレミアム三ツ矢サイダー国産白桃500mlペットボトル、金額PI値152円、緑茶いぶき490ml、金額PI値117円、緑茶いぶき2L、金額PI値39円である。アサヒ飲料は、この3品を含め、飲料20品中、7品入っており、新製品ラッシュといえる。また、No.19には、日本コカ・コーラ、コカ・コーラゼロ1.5L、金額PI値38円が入り、これが、飲料の今週初登場の新製品4品である。

   今週初登場の新製品はこれ以外、もう1品あり、家庭用品、No.3にマックスファクター、イリューム24時間しっとりセット化粧水150ml+乳液80gが金額PI値228円で入った。カバー率はわずか18.0%であるが、平均単価が6,366円であるので、金額PI値が高い数字となった。金額PI値は、このケースのように平均単価が極めて高い場合も高くなる傾向が強く、PI値だけでなく、平均単価にも注目する必要がある。

   以上が、今週、初登場の全新製品であり、その他食品4品、菓子6品、飲料4品、家庭用品1品、計15品である。ここ最近、初登場の新製品が低迷していた週が多かったが、今週はいきなり15品の登場である。メーカーもデフレで厳しい経営環境にあり、同様に、小売業も厳しい経営環境にある中、新製品をメーカーがここへ来て、積極的に投入し始めたといえる。昨年のPB全盛の時代から、メーカーのNBの復活を暗示するような動きともとれ、今後、これらの新製品がどこまで、顧客に受け入れられるか、その推移が気になるところである。

   一方、今週は初登場の新製品がなかった冷凍食品であるが、アイスクリームが優勢であり、全20品中、17品がアイスクリームである。冬はアイスクリームが厳しいのではと思えるが、アイスクリームの新製品投入は積極的であり、各メーカー、あいつで新製品を投入しているのが実態といえる。冬場のアイスクリーム、今後、各メーカーがどのような新製品を投入するか、注目したい。

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February 6, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 05, 2010

ヤオコー、2010年3月、第3四半期決算、戦略転換!

   ヤオコーが1/29、2010年3月度、第3四半期決算を公表した。結果は営業収益1,561.44億円(98.3%)、営業利益72.79億円(103.2%:営業収益比4.66%)、経常利益71.77億円(100.9%:営業収益比4.59%)、当期純利益41.37億円(98.9%:営業収益比2.64%)と、減収、営業、経常段階では増益、当期純利益はわずかに減益となる、やや厳しい決算となった。ヤオコー自身も、「スーパーマーケット業界におきましては、お客さまの生活防衛意識の高まりにより引き続き低価格志向が進んで価格競争が一層激化しております。・・」とコメントしているように、価格競争の厳しさが、ヤオコーの業績にも影響を与えたようである。

   そこで、増益となった営業利益の中身を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、71.27%(昨年71.35%)と、原価は0.08ポイントと、わずかではあるが、下がっており、結果、売上総利益は28.73%(28.65%)と改善した。価格競争の厳しさの中、原価を引き下げ、粗利は改善しており、堅調であった。一方、経費の方であるが、28.31%(昨年28.25%)と、経費の方は0.06ポイント、こちらは、わずかではあるが上昇しており、若干、経費の増加が見られる。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.42%(昨年0.40%)となった。これに、物流収入、不動産収入等のその他営業利益が4.46%(昨年4.23%)が加わり、結果、営業利益が売上対比4.88%(昨年4.63%)となり、営業利益は増益となった。

   それにしても、売上総利益が28.73%と、食品スーパーマーケット業界の中では、トップクラスであり、ヤオコーは、粗利が極めて高い食品スーパーマーケットである。前期の本決算時の決算公開企業約50社の数字で見ると、この水準はベスト5に入る高さである。これだけ高い粗利が確保できる背景には、ヤオコーの粗利の高い惣菜の強さに負うところが大きい。前期決算時も惣菜の粗利率は48.51%であり、売上構成比も13.8%、結果、相乗積は6.69%となり、惣菜だけで、全粗利率の20%を優に超える割合となり、粗利率を大きく押し上げているといえる。

   ただ、一方で、経費比率も高く、28.31%であり、これも、前期決算時の決算公開企業約50社で見るとベスト10前後となり、高めである。したがって、ヤオコーのマーチャンダイジングは、高粗利、高経費という食品スーパーマーケットとしては珍しいパターンとなる。通常、食品スーパーマーケットは低粗利、低経費のパターンが圧倒的に多く、ついで、最も利益がでる高粗利、低経費というパターンであり、もうひとつ、わずかではあるが、利益がまずでない、低粗利、高経費というパターンがある。こう見ると、ヤオコーは食品スーパーマーケットとしては、独特なマーチャンダイジングパターンであるといえよう。

   では、今後ともヤオコーは、このパターンを維持し続けるのかというと、今期決算期から戦略転換をはかりつつある。ちょうど、今期はヤオコーの第6次の中期経営計画の初年度に入っているが、食品スーパーマーケット業界を取り巻く事業環境を再認識した上での新たな経営戦略の転換をはかりはじめたといえる。まず、現状の事業環境の再認識であるが、4つの変化を上げている。少子高齢化によるパイ縮小、生活防衛意識による低価格志向、安売競争の激化(ポイントセール、低価格PB)、GMSの業績不振、DSへの業態変更である。そして、この4つの事業環境の変化から、「安売り競争一色の様相」が続くとの認識のもと、ヤオコーの経営戦略の転換をはからざるをえないという結論である。

   すなわち、これまでヤオコーが意識してとらなかった価格訴求を本格的に追及するということである。これまでヤオコーが追求してきた「ミールソリューション」に加え、「価格コンシャス」の同時実現を目指すという。価格コンシャスとは、価格を強く意識するということであり、具体的にはこれまで敢えて下限の価格の品揃えをヤオコーはカットしてきたが、今後は、下限の価格の品揃えも意識して行い、価格の幅を上下に拡大するという。まさに、戦略転換といえよう。しかも、「周囲の状況に迷わされない、迷わない、しかし、変わらなければならないことは変わる」との不退転の決意である。
 
   そして、この戦略を全面的に取り入れた小型店フォーマットの開発にも入るという。小型店といってもヤオコーの小型店は450坪、年商20億円、坪効率450万円であるが、このマーチャンダイジングをつい最近、1/20にオープンした所沢三原店で完成させるという。基本コンセプトは圧倒的な鮮度・価格・安さ感とミールソルーションで他の食品スーパーマーケットと差別化をはかるということである。

   このように、ヤオコーの2010年3月期の第3四半期決算は、減収、営業増益というやや厳しい決算となったが、ヤオコーは、ここへ来て、価格を意識した食品スーパーマーケット、しかも、小型店舗化へと大きく舵を切り始め、戦略転換を図り始めたといえよう。この第3四半期決算にはまだその結果は表れてはいないといえるが、今後、実験店舗でマーチャンダイジングが確立されれば、新店はもちろん、順時、既存店へもノウハウが導入されてゆくといえよう。今後、ヤオコーのマーチャンダイジング、特に、価格政策がどのように変化するか、注目である。

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February 5, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 04, 2010

ID=1、ID>1、ID-POSを極める!

   通常のPOS分析とID-POS分析の決定的な違いは何かをつきつめてゆくと、ID=1かID>1に突き当たる。従来、この2つの分析の捉え方は、これまで把握できなかったIDを把握できるようになったことがID-POS分析の特徴であり、IDが把握できることによって、従来のPOS分析ではできない様々な分析が可能になるということであった。確かにその通りであるが、では、ID-POS分析と従来のPOS分析はどのような関係にあるのかが、いまひとつ不明確であったといえる。ここ最近、というよりも、この数年、この問題について、いろいろ研究してみたが、答えは、ID=1かID>1の違いであり、双方は全く同じ分析であるという結論に達した。

   これまではレシート分析が従来のPOS分析、ID分析がID-POS分析とし、この2つを融合する指標がID客数PI値であり、その2つの分析をID客数PI値で関係づけてきた。数式にすると、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値となり、左辺のID金額PI値がID-POS分析であり、右辺のIDのない金額PI値が、従来のPOS分析であると捉えて来た。したがって、金額PI値を活用する従来のPOS分析は、この金額PI値をさらに分解し、金額PI値=PI値×平均単価とし、金額PI値アップのために、PI値アップ、平均単価アップ、ないしは、双方のアップを目指し、取り組んでゆくことがマーチャンダイジングそのものであったといえる。

   これに対し、ID-POS分析は、この金額PI値にID客数PI値を掛け合わせることによって、ID金額PI値を導きだし、ID金額PI値アップを目指すことになる。従来のPOS分析にID客数PI値が加わったことにより、金額PI値がアップしても、ID客数PI値が下がってしまえば、ID金額PI値は下がる場合もあり、逆に、金額PI値が下がっても、ID客数PI値が上がれば、ID金額PI値は上がる場合もある。金額PI値にダイレクトに左右されない指標がID金額PI値であり、ID客数PI値がその決め手となる指標として、ID-POS分析特有の指標であった。

   このID客数PI値は、レシート÷IDであるため、1ID当たりのレシート枚数、すなわち、来店頻度を表すことになるが、突き詰めれば、ID-POS分析と従来のPOS分析の違いは、このID客数PI値にあるというのが、これまでの結論であった。

   そこで、ID=1、ID>1であるが、ID-POS分析の基本方程式、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値は、IDが把握できてはじめて生まれる基本方程式である。では、ここに、ID=1を導入するとどうなるであろうか。ID客数PI値=レシート÷ID=レシート÷1となり、ID客数PI値はレシートとなり、これは客数となる。金額PI値はそのままであるので、右辺は客数×金額PI値である。一方、左辺、ID金額PI値であるが、ID金額PI値=売上÷IDであるので、ID=1を入れると、売上となる。したがって、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値にID=1を入れると、売上=客数×金額PI値となり、これは、客数(レシート)×客単価(金額PI値)となり、従来のPOS分析、金額PI値の分析にもどることになる。

   ということは、従来のPOS分析はID-POS分析の特殊なケースであるということであり、ID-POS分析がID>1以上の世界を扱う分析であるのに対し、従来のPOS分析はID=1、すなわち、IDが1に限定された特殊なケースを扱うPOS分析であるということになる。したがって、従来のPOS分析を勉強して、ID-POS分析に入ってゆくよりも、いきなり、ID-POS分析を理解し、ID=1の特殊なケースとして、従来のPOS分析を勉強した方が実践的であり、理解が速いのではないかと思える。

   ID-POS分析は複雑で分かりにくいので、あとでいいやという方が多いが、いま、まさに、従来のPOS分析を理解し、スキルをあげるためにも、いきなりID-POS分析に取り組み、顧客の購買実態の本質に迫った方が、POS分析の全体像の理解が早いのではと思う。

   ここで、イメージとして、この2つの関係を示してみる。目の前にレシートの山があったとする。従来のPOS分析では、何枚レシートがあろうが、そのレシートをあたかも1人の顧客のレシートであるとみなし、レシートの売上金額、売上数量をレシート枚数(客数)で割って、その数字をいかに引き上げるかを必死で考える。これが従来のPOS分析である。レシートが1枚でも、10枚でも、・・1億枚でも同じである。

   これに対して、ID-POS分析は、その山のレシートから、同じIDのレシートをまとめ、IDの数だけレシートの山をつくる。そして、そのレシートの山ひとつひとつの売上げを従来のPOS分析と同じ方法でレシート1枚当たりの売上げを上げてゆくことになるが、その山のレシート枚数をどう増やすかも同時に考えてゆく、ここが最大の違いである。さらに、各山の特徴を様々な角度から比較検討し、高い山(レシート枚数)の順に並び替えてみたり、山の合計金額の高い順に並び替えてみたり、特定商品のレシート枚数の多い順に並び替えてみたり、さらには、山の特徴(属性)にまで違いを求め、様々な並び替えをしてみたり、これがID-POS分析であるといえる。

   こう見ると、従来のPOS分析とID-POS分析の違いは、レシートの山をひとつ、ID=1と見るか、IDの数、ID>1と見るかの違いであり、顧客のよりリアルな購買実態は当然、ID>1の中にあることを考えると、ID>1を研究し、その特殊なケースとして、ID=1へ落とし込んだ方が、POS分析を体系的、実践的に理解し、活用できるのではないかと思う。 

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February 4, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

February 03, 2010

家計調査データ、2009年12月度、食品97.4%!

   前回のブログで2009年12月31日、年末商戦の詳細な状況について取り上げた。そこで、今回は、12月全体の消費状況を家計調査データから見てみたい。家計調査データは、毎月月末に前月の結果が公開されるので、現在、2月に入ったが、最新のものは、1/29に公開された2009年12月度のデータである。結果は、全体が10,899.58円(100.3%)となり、1世帯1日当たり、10,000円を超え、しかも、昨年よりもわずかではあるが、プラスとなった。ただ、食品(外食を除く)は2,576.65円(97.4%)と昨年を下回っており、厳しい数字となった。

   家計調査データのこの1年間の数字を追ってみると、12月が必ずしも消費額が極端に高いわけではないことがわかる。実際の数字を見てみると、2009年12月10,899.58円(食品(外食を除く)2,576.65円、その他8,322.93円)、11月9,491.33円(1,986.87円、7,504.46円)、10月9,283.52円(1,963.13円、7,320.39円)、9月9,237.00円(1,970.57円、7,266.43円)、8月9,386.19円(2,065.90円、7320.29円)、7月9,196.06円(1,989.71円、7,206.35円)、6月9,241.23円(1,985.97円、7,255.26円)、5月9,210.65円(1,996.81円、7,213.84円)、4月10,211.33円(1,939.43円、8,271.90円)、3月10,021.94円(1,942.03円、8,079.91円)、2月9,501.57円(1,934.39円、7,567.18円)、1月9,401.29円(1,793.74円、7607.55円)という状況である。

   こう見ると、年間では3回、全体の消費が10,000円を超える月があり、12月、4月、3月である。年間最高は12月の10,899.58円であるが、この12月が極端に高いわけではなく、年末といっても全体の消費が極端に跳ね上がるわけではない。跳ね上がるのは、食品であり、12月2,576.65円と、通常月は約2,000円であるので、その差は大きいといえよう。2番目に高い月が8月の2,065.90円であるので、12月は極端に食品が高い月である。

   そこで、この12月度の食品の状況を、前回のブログでは12/31に焦点を当てて年末商戦を見てみたので、12月全体の食品の状況を特に、昨年の12月度と比べどのような状況であったかを見てみたい。

   まず、全体は先にも見たように、食品(外食を除く)は2,576.65円(97.4%)であったので、昨対を下回った部門を先に見てみる。数字の低い順に見ると、果物126.23円(89.3%)、酒類169.35円(92.5%)、野菜・海藻304.23円(93.1%)、穀類268.16円(96.4%)、魚介類390.71円(96.6%)、油脂・調味料138.87円(99.1%)、飲料131.90円(99.1%)、肉類288.71円(99.5%)、調理食品366.29円(99.6%)という状況である。逆に、昨対を上回ったのは、菓子類280.06円(104.2%)、乳卵類 112.13円(100.0%)の2部門のみである。この12月度がいかに厳しい消費状況であったかがわかる。

   特に青果、鮮魚が厳しい状況であり、消費者物価指数もこの12月度の生鮮食品は下げが顕著であったが、その影響も大きかったといえよう。こう見ると、デフレが消費環境に影響を与え始めたといえ、年間最高の月である12月度の数字が厳しかったことは、今期の食品スーパーマーケットの決算にも響くのではないかと懸念される。

   それにしても、菓子のみ好調であり、280.06円(104.2%)となったが、伸びた項目を見てみると、アイスクリーム・シャーベット14.19円(106.3%)、せんべい21.29円(106.3%)、ようかん3.39円(105.0%)、ビスケット10.84円(104.3%)、スナック菓子11.90円(103.9%)、キャンデー7.10円(103.8%)という状況である。何と、アイスクリームがせんべいと並び、伸び率No.1である。ちなみに、アイスクリームは年末12/31も12月度平均と比べ186.1%と大きく跳ね上がる商品であり、しかも、いま見たように、昨年よりも堅調に伸びており、アイスクリームは、注目の商品といえよう。

   では、この12月度、消費が厳しかった部門、特に、果物126.23円(89.3%)、酒類169.35円(92.5%)、野菜・海藻304.23円(93.1%)を見てみたい。果物では、何といっても、バナナ9.97円(71.2%)が厳しかった。ついで、キウイフルーツ 1.71円(71.6%)、なし2.16円(78.8%)、グレープフルーツ0.45円(82.4%)、みかん39.00円(83.5%)と続く。特に、旬のみかんが80%台に落ち込んだことが大きかったといえよう。

   酒類では、ビール54.84円(84.5%)、発泡酒15.26円(87.4%)の落ち込みが大きい。ただ、他の酒17.13円(105.1%)は、伸びており、より、低価格の第3のビール等にシフトしたといえよう。また、ぶどう酒10.97円(112.2%)、ウイスキー4.68円(106.6%)は金額は小さいが伸びており、好調である。特に、ウイスキーは消費世帯のみの消費額108.02円(94.6%)、消費世帯の割合4.3%(112.8%)と、新たな顧客を獲得しており、ハイボール効果等もあったと思われる。

   そして、野菜・海藻であるが、キャベツ4.16円(67.9%)、干しのり13.97円(78.4%)、わかめ3.13円(78.9%)、はくさい4.45円(79.8%)、だいこん4.61円(79.9%)、ブロッコリー4.65円(80.0%)、レタス4.55円(82.9%)、かんしょ3.26円(83.5%)、ごぼう4.65円(88.9%)、だいこん漬3.23円(88.5%)と、以上が80%台以下の商品であり、厳しい状況である。

   このように、2009年12月度の家計調査データは全体はかろうじてプラスになったが、食品は97.4%と厳しい状況であり、伸びた部門は菓子と乳卵類のみ、その他はすべて昨対を割るという状況であった。特に、主力の生鮮食品が全滅であり、年間最高の売上げとなる12月の消費状況が芳しくなかったことは、今期、決算にも響くことが予想され、2月、3月決算は厳しい結果が予想される。今後、さらに、デフレ傾向は強まることが予想され、食品スーパーマーケット業界としては極めて厳しい局面に入ったといえよう。

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February 3, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 02, 2010

2009年12月度、年末を検証、消費はどう動いたか!

   1/29、総務省統計局から2009年12月度の家計調査データが公表された。家計調査データには、日別のデータも公表されており、1日ごとの家計の消費の実態をみることができる。そこで、今回は食品スーパーマーケットにとって、年間最大の売上げとなる年末、12/29、12/30、12/31に焦点を当て、特に年末12/31の消費状況を掘り下げてみたい。なお、全体の概要については、改めて、後日、本ブログで取り上げたい。

   まず、年末の家計が本当に消費を拡大するかであるが、結論からいうと、食品では12/31は平日の倍、2倍強の消費となり、まさに、年末商戦というにふさわしい数字となる。正確には、12月平均の食品(外食を除く)は5,682.18円であり、12月平均が2,576.65円であるので、その比率は220.5%となる。すさまじい消費額といえよう。しかも、この12/31の食品(外食を除く)のエンゲル係数は、全体の消費が10,024.54円であるので、56.7%となり、12月平均がちょうど30.0%であるので、一気に跳ね上がる。したがって、食品以外の消費を逆算し、平均と比較すると、72.3%となり、食品以外の消費は激減し、まさに、食品一色となるのが年末商戦の実態である。

   そこで、食品の何が200%以上の数字を引きあげているかを見てみたい。まず、大分類の状況であるが、調理食品(惣菜)438.0%、魚介類334.5%、肉類228.4%、酒類214.7%、菓子類160.6%、野菜・海藻135.6%、穀類128.7%、果物122.3%、飲料108.5%、調味料105.7%、乳卵類91.8%という状況である。惣菜、鮮魚が突出しており、ついで、精肉、酒がこれに続き、意外に青果が低く、グロサリーは低調である。特に、乳卵類は100%を割っており、年末だからといって、すべての消費が伸びるわけではない。特に、牛乳94.7%、ヨーグルト78.4%と洋日配は厳しい数字である。

   では、大きく伸びた調理食品(惣菜)、鮮魚は特に何が特に突出した商品であったのかを見てみたい。まず、調理食品(惣菜)438.0%であるが、すし(弁当)545.2%が圧倒的な数字であり、ついで、天ぷら・フライ353.7%、やきとり212.1%と続く。これ以外では、おにぎり・その他119.5%、うなぎのかば焼き119.4%、サラダ118.8%であるが、食品全体平均220.5%は下回る。寿司、天ぷら・フライ、やきとりが年末の3大惣菜といえよう。

   ついで、魚介類334.5%であるが、何といっても刺身盛合わせが1000.6%と異常値である。金額ベースでも219.17円と、通常は21.90円であるので、すごい数字である。12月の魚介類の中の、生鮮魚介類の数字が平均203.87円であるので、12月の1日分に当たる生鮮魚介類の全部に匹敵する金額を12/31だけで売ってしまうわけであり、びっくりである。ちなみに、2,000人平均の通常の食品スーパーマーケットで、単純計算すると43.8万円となるので、年末では、刺身盛合わせだけで優に50万円は超えるといえよう。刺身盛合わせ以外では、たい728.8%、ぶり642.1%、かに574.0%、まぐろ552.1%、たこ532.9%と、500%以上の商品が目白押しである。

   この2大部門に続き、食品の全体平均に近い伸び利率を示したのが肉類228.4%、酒類214.7%である。それぞれの部門で伸び率の高い商品を見てみると、肉類では、牛肉が455.1%、鶏肉が209.2%と高い伸びである。逆に豚肉は108.1%と牛肉に集中するのが年末の12/31といえよう。ちなみに、合いびき肉は30.6%と、年末は極めて厳しい数字である。酒類であるが、清酒295.4%、ビール236.2%と突出しており、さすがに、12/31は清酒が
ビールを逆転している。この2つの商品以外は、焼ちゅう163.8%、ぶどう酒(ワイン)132.9%、ウイスキー132.8%と、200%は超えないが、酒はすべての項目が100%を超え、好調な商品群である。

   以上が、12/31、特に消費が跳ね上がる商品であるが、この部門以外でも、12/31に消費が跳ね上がる商品を見てみたい。ランダムに200%以上のものをあげてゆくと、生うどん・そば372.3%、もち299.7%、たけのこ250.6%、さやまめ223.8%、はくさい漬219.7%、メロン383.1%、いちご321.6%、まんじゅう208.3%、炭酸飲料207.3%等が200%を超える商品である。先の年末特有の商品、そして、こられの商品を見ると、年末の賑わいのある売場、お客さまのレジで並ぶ姿、買い物かごの中身が見えるようである。

   食品スーパーマーケットの年間最高の売上げとなる年末12/31は、このような消費動向であるが、では、その年末商戦は何日からはじまるかであるが、食品(外食を除く)の売上げの推移を見ると、12/31(220.5%)、12/30(208.3%)、12/29(154.2%)、12/28(122.5%)、12/27(120.6%)、12/26(98.3%)、12/25(97.3%)、12/24(120.8%)、12/23(104.5%)、12/22(90.3%)、・・である。こう見ると、12/27から消費が活性化し、12/29で一気に跳ね上がり、12/30、12/31で爆発するというのが、年末商戦の実態といえよう。クリスマスも消費が増えるように思えるが、前日のクリスマスイブが120.8%となり、当日はむしろ下がっているのが実態である。

   このように、2009年度の12月度の家計調査データが公表され、年末の消費実態が明らかになったが、全体の数字は100.3%、食品(外食を除く)は97.4%と、やや落ち込んでおり、今年の12月は、食品はややさびしい消費であったといえる。ただ、年末12//31は、先に見たように通常の1,000%の商品、500%の商品が目白押しの状況であり、全体でも12月平均の200%を超え、まさに、年末商戦にふさわしい、爆発的な消費動向であったといえよう。開けて、2010年、今年は、デフレ、消費環境の厳しさが予想されるが、各、食品スーパーマーケットがどのようなマーチャンダイジング戦略を打ち出すか、注目したい。
  
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February 2, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 01, 2010

消費者物価指数、2009年12月、昨対-1.7%、生鮮下落!

   消費者物価指数(CPI)が1/29、総務省統計局から公表された。消費者物価指数には総合指数が3つある、文字通りの総合指数、相場変動の激しい生鮮食品を除く総合指数、そして、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数である。また、比較数字も3つあり、平成17年度を100とした比較、昨年対比、そして、前月対比である。その結果であるが、総合指数は平成17年度比99.6%、昨年対比-1.7%、前月対比-0.2%であった。生鮮食品を除く総合指数は平成17年度比が99.8%、昨年対比-1.3%、前月対比-0.1%、そして、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数であるが、平成17年度比が98.3%、昨年対比-1.2%、前月対比-0.2%となった。

   さて、これをどう見るかであるが、中々難しい。単純に昨年対比で見れば、それぞれの総合指数が-1.7%、-1.3%、-1.2%であるので、デフレ鮮明とみれる。ただ、平成17年度比で見れば、99.6%、99.8%、98.3%となり、やや下がりぎみであるが、ほぼ、同じともとれ、平成17年度の物価水準にもどったともとれる。また、前月比で見れば、-0.2%、-0.1%、-0.2%であり、これも、やや下がってはいるが、ほぼ同じともとれる。したがって、まさに、総合判断が難しいところであるが、こと、昨年と比べると明らかにデフレといえ、物価は下がっているといえよう。

   特に、先月、先々月と比べ、やや気になる動きは、平成17年度を100とした場合の過去5年間のグラフで見ると、ここ数ケ月の動きが、明らかに、下向きに動きはじめていることである。グラフは10月から、平成17年度比100%をわりはじめたが、11月、12月と、明らかに右下がりの傾向を示している。しかも、すべての総合指数がいずれも、右下がりであり、これをみる限り、デフレ傾向が鮮明になりつつあるといえよう。

   また、もうひとつの昨年対比のグラフを見ると、昨年、2008年度はほぼ1年間上に半円形のグラフで昨対を大きく上回るインフレ気味で推移していたが、今年は、逆に下向きの半円形のグラフとなり、デフレ気味で推移している。いわゆるsinカーブである。ただ、これが対称形になっていれば単に、一昨年にもどったともとれる。確かに、10月ころまではそのようにも見えたが、それ以降、11月、そして、今回の12月は、グラフを見る限り、その戻りが鈍いことである。デフレの兆候が出ているともいえ、物価は下がり続けるのではないかともとれることである。

   したがって、この12月を見る限り、やはり、デフレ傾向が表れはじめているといえ、消費環境は厳しい局面に入りはじめたといえよう。そこで、このデフレ傾向を強めている要因をまずは10大費目、そして、食品スーパーマーケットとして、最も気になる食品の各項目で見てみたい。

   まず、この12月度の10大費目の状況であるが、昨年度と比べ、最も、物価が下がった費目は生鮮食品である。-7.6%と大きく下げており、厳しい状況である。食品関連では、生鮮食品を除く食料も-1.5%と下げており、年末商戦という年間で最も売上げが上がる12月、食品の物価が、特に主力の生鮮が大きく下がるという厳しい状況であったといえよう。ついで、光熱・水道-4.9%、家具・家事用品-4.8%、教養・娯楽-3.3%と続き、これら4大費目の物価の下落が全体を押し下げた要因といえよう。ちなみに、物価がわずかではあるが、上昇している費目もある。交通・通信0.5%、教育0.8%である。

   では、この12月度、最も物価の下落が大きかった食品、特に、生鮮食料品を中心に、さらに、その要因を掘り下げてみたい。まず、生鮮食品の状況であるが、生鮮魚介-3.0%、塩干魚介-0.6%、生鮮肉-1.3%、生鮮野菜-1.3%、生鮮果物-3.4%という状況であり、全部下がっている。すべての生鮮食品の物価が下がっており、特に、生鮮果物、生鮮魚介は-3.4%、-3.0%と大きく下落している。また、飲料-2.0%、酒-0.5%と、グロサリーにも波及しつつあるといえ、食品はまさに、デフレ傾向が強く、なお、一層の価格競争が激化するものといえよう。ただ、菓子類3.3%、乳卵類1.3%、調理食品(惣菜)1.1%、穀類0.8%、油脂・調味料0.0%と惣菜、日配、グロサリー類は比較的物価の下落は見られず、生鮮食品とは対照的な動きといえよう。

   そこで、さらに、生鮮食品の中で物価の下落が激しかった項目を見てみると、たこ-10.0%、さといも-14.0%、りんごB-10.5%、レモン-15.1%が10%以上下落している。ついで、5%以上10%以下の下落したものを見てみると、いわし-5.1%、さんま-6.5%、いか-7.3%、えび-5.5%、牛肉B-7.3%、かんしょ-8.6%、にんじん-6.6%、れんこん-7.6%、えのきだけ-7.2%、りんごA-6.5%、グレープフルーツ-7.9%、オレンジ-5.7%、なし-5.4%、かき-6.2%、すいか-6.8%となる。年末商戦特有の商品が多く、今年の年末商戦は厳しかったものと思われる。

   このように、ここへ来て、消費者物価指数は、デフレ傾向が明確になりつつあるといえ、特に、食品、その中でも生鮮食品の下落がこの12月度は鮮明である。今後、食品以外も光熱・水道-4.9%、家具・家事用品-4.8%、教養・娯楽-3.3%と厳しい数字が見られ、デフレが収束してゆくようには見えず、当面、この物価下落は続いてゆく様相を呈しはじめたといえよう。来月はいよいよ、2010年度となるが、今後の消費者物価指数がどう動くか、注意深く見てゆく必要があろう。

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February 1, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)