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February 09, 2010

フローとストック

   最近、ID-POS分析が急激に食品スーパーマーケット業界に浸透しつつあるのを感じる。本ブログでもID-POS分析に関しては、様々な角度から取り上げており、また、プレミアム版では、現在、ID-POS分析をテーマにした「ID-POS分析実践シリーズ、ここがポイント!」で、ID-POS分析を真正面から取り上げている。また、その効果としても、本ブログでも取り上げた「January 15, 2010NHK、クローズアップ現代、1/13、消費者つかむ新戦略!」は、まさに、ID-POS分析の実践成果ともいえる内容であり、ID-POS分析が食品スーパーマーケット業界で実践されはじめたことがわかる。

   そこで、今回は、ID-POS分析の本質をつかむ上での重要なキーワード、ストックについて取り上げてみたい。ID-POS分析が従来のPOS分析と比べて分かりにくいのは、顧客をフローではなく、ストックとして捉えるからである。しかも、そのストックの期間を1日なのか、1週間なのか、1ケ月なのか、1年なのか、期間があいまいであり、さらには、一生涯という捉え方もある。このストックという考え方がID-POS分析そのものともいえるが、ここが十分に理解されていないために、ID-POS分析が理解されないという面が強いといえよう。

   まず、ストックを理解するために、その対極にあるフローを考えてみたい。フローとは売上げを瞬間、瞬間に捉える考え方であり、食品スーパーマーケットでは客単価(金額PI値)のことである。客単価(金額PI値)は売上げ÷客数(総レシート枚数)で表される指標であり、要は、レシート1枚当たりの売上げである。これは、1日でも、1週間でも、1ケ月でも、1年でも、さらには、一生涯でもレシート1枚当たりとなる。通常の食品スーパーマーケットは客数(レシート枚数)が1日約2,000人(レシート枚数)であるので、レシートが、1週間で約14,000枚、1ケ月で約60,000枚、1年で約730,000枚となる。この場合、客単価(金額PI値)は、どの場合でも、客数(レシート枚数)当たりであるので、季節、特売等により多少の差はあるが、ほぼ、2,000円前後となる。

   これが売上げをフローで捉えた考え方であり、従来のPOS分析の基礎となっている、重要な基本概念である。従来のPOS分析は、このフローの考え方をもとに、いかに、客単価(金額PI値)を引き上げるかを考えることであるといえ、この約2,000円という客単価(金額PI値)をいかに改善できるかがマーチャンダイジングの本質といえる。

   これに対し、ストックとは何かであるが、ストックは瞬間、瞬間の売上げで捉えるのではなく、1日の蓄積、1週間の蓄積、1ケ月間の蓄積、1年間の蓄積、そして、一生涯の蓄積と売上げを蓄積して捉える考え方である。ただ全部のレシート枚数当たりの売上げを蓄積するのではなく、IDという顧客ごとの売上げを蓄積してゆくことがポイントである。全レシート枚数を蓄積すれば、それは単純な売上高となり、ID-POS分析をわざわざ行う意味はない。ID-POS分析はID、すなわち、顧客ごとの売上げを蓄積してゆくことにその本質があり、そこが、従来のPOS分析と決定的に違うところである。

   具体的には、1日のIDの売上げで見ると、平均1人、1回の買い物であれば、この時点では従来のPOS分析と変わらない。これが1週間となると、平均3回ぐらいの買い物をしているとすると、先のフローの場合の1回約2,000円の買い物を前提とすれば、2,000円×3回=6,000円となり、これが、ストックの場合の考え方である。1日ではほとんど差がでないが、1週間では買い物の回数分、売上げがストックされるので、差がでる。さらに、1ケ月では、仮に12回買い物をすると、2,000円×12回=24,000円となる。

   このように計算してゆくと、IDという顧客を基盤にしたストックで売上げを見ると、1年で144回買い物をしたとすると、288,000円となり、10年で2,880,000円となり、約300万円近くになるのがストックという考え方である。ID-POS分析はまさに、このストックという考え方を前提にマーチャンダイジングを考えようということであり、このストックをどこを目標に置くかにより、マーチャンダイジング政策がダイナミックに変化してゆくことになる。

   通常は、1ケ月、約20,000円前後をストックの基本にすえる場合が多いが、ここで見たように、ストックのマーチャンダイジングは長ければ長い方がより、顧客指向もとづいたマーチャンダイジングが可能といえ、1年約30万円や10年約300万円も、検討するに値する重要な数字といえよう。

   さて、ここで、フローとストックの関係であるが、回数がフローであるので、ストックは回数当たりの売上げ、すなわち、フローに回数を掛けたものであるといえ、ストックはフロー×回数と捉えることができる。この2つの概念は全く別の、合い交わらないものではなく、フローを起点にして、回数、すなわち、ID当たりの回数であるので、実は来店頻度を掛けたものがストックになるといえ、ストック=フロー×頻度という関係であることがわかる。その意味で、ID-POS分析は従来のPOS分析を前提としてできあがっているといえ、全く別物ではなく、進化系ととらえるべきものであるといえよう。

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