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March 31, 2010

平和堂、2010年2月期本決算、減収営業減益!

   いよいよ、2010年2月期の食品スーパーマーケットの決算の公開がはじまった。そのトップをきって、3/30、平和堂が決算を公開したが、結果は営業収益3,857.32億円(93.6%)、営業利益96.60 億円(79.9%)、経常利益96.48億円(79.1%)、当期純利益64.57億円(123.3%)となり、当期純利益は増益とはなったが、営業、経常段階では減収減益となる厳しい決算となった。平和堂自身も、「不要不急の衣料品・住居関連品の売上減やエネルギー・穀物価格安もあり、食品・消耗品を中心とした販売価格の低下により、業績は厳しいものとなりました。・・」と、コメントしているように、衣料品、住居関連品等が厳しい数字になったことに加え、食品も販売価格の低下が業績に響いたとのことである。

   実際、売上が伸び悩んだ要因を見てみると、平和堂の商品構成は衣料品15.6%、住居関連品14.7%、食料品62.4%、その他7.3%であるが、それぞれの売上高を見ると、今期は衣料品87.3%、住居関連96.3%、食料品101.6%という結果であり、食料品は堅調であったといえるが、特に衣料品の落ち込みが大きかったといえる。

   また、これを業態別にみると、アル・プラザ(SC)構成比64.21%(売上高94.2%)、GMS構成比15.5%(売上高98.9%)、フレンドマート(SM)構成比20.4%(売上高110.1%)という状況であり、平和堂の中核を占めるアル・プラザ(SC)が厳しい結果であったことがわかる。したがって、商品では衣料品、業態ではSCが厳しかったといえ、逆に、食品は堅調、SMは好調な結果であったといえる。ただ、SMの構成比が20.4%であり、平和堂全体を押し上げるまでにはいかなかったといえる。

   一方、この売上高を客数、客単価(金額PI値)、PI値、平均単価に分解してみると、売上高94.2%(既存店90.3%)、既存店の客数95.5%(内SM97.35%)、既存店の客単価94.5%(内SM97.3%)、既存店のPI値102.7%(内SM 101.8%)、既存店の平均単価92.0%(内SM 95.5%)という結果であった。特に、既存店は90.3%という厳しい結果であり、その中身は客数、客単価ともに約5%のダウンである。また、客単価の中身であるが、PI値は昨対をクリアーしたが、平均単価が大きくダウンしており、価格競争の激しさが影響したといえよう。

   このように、売上高は、衣料品、SC、そして、特に、既存店が厳しい結果となったが、営業利益も79.9%と、さらに厳しい結果となった。そこで、その要因を原価、経費面から見てみると、原価は70.68%(昨年70.50%)と0.18ポイント上昇しており、若干の原価の上昇が見られる。これは、今期、既存店の平均単価が92.0%と下がっていることからも、価格競争が原価にも影響しているといえよう。結果、売上総利益(粗利)は29.32%(昨年29.50%)となった。一方、経費の方であるが、33.42%(昨年33.07%)と0.33ポイント上昇しており、経費の上昇が見られる。ただ、金額では1,207.48億円(昨年1,277.70億円)と70.22億円減少している。特に人件費関連が718.47億円(昨年775.54億円)と、約60億円弱と大きく削減しており、金額ベースでは経費の削減が進んだが、比率では、売上高が減少しため、上昇するという結果となった。

   結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-4.10%(昨年-3.57%)と、マイナス幅が広がり、厳しい結果となった。一般に、GMS、SC業態を主体とした食品スーパーマーケットはマーチャンダイジング力がマイナスとなり、それを不動産収入、その他営業収入で補って営業利益をプラスにもってゆく営業構造であるが、平和堂もGMS、SCの売上構成比が約80%となり、イオン、セブン&アイHと同様な営業構造となる。そして、これに、その不動産収入が3.36%(昨年3.14%)、その他営業収入が3.41%(昨年3.57%)加わり、結果、営業利益は2.67%(昨年3.14%)と、大きく減益となった。比率で見ると経費比率の上昇が減益に響いているが、その要因は既存店の売上ダウンによるところが大きいといえる。食品スーパーマーケットにおいては、既存店のダウンは経費上昇にもつながり、利益を大きく圧迫するといえ、今期の平和堂はまさに、既存店のダウンが減収、減益の大きな要因となったといえよう。

   一方、これを受けてキャッシュフローであるが、平和堂は中長期的な会社の経営戦略の中で、「キャッシュ・フロー経営を重視した投資・財務戦略を推進してまいります。・・」とコメントしているが、そのキャッシュフローを見ると、営業キャッシュフローは253.67億円(昨年185.77億円)と増加している。これは、今期は法人税が約30億円、営業貸付金が約20億円、売上債権が約10億円等減少しており、結果として、これらのキャッシュの増加が大きかったといえる。結果、投資キャッシュフローを-157.02億円(-116.16億円)と増やしており、これは、新店関係への投資に大半が当てられており、積極的な投資であるといえる。

   その結果、フリーキャッシュフローは96.65億円(昨年69.61億円)と、積極的な投資を行ったにも関わらず、増加している。そして、財務キャッシュフローであるが、-75.50億円(昨年-55.50億円)と、その大半を長期借入金の返済に充て、財務改善をはかっている。結果、トータル25.16億円(昨年7.73億円)と、キャッシュが増加しており、キャッシュフローの流れは、投資、有利子負債の返済へ厚く配分したにもかかわらず、順流のスムースな流れとなった。

   このように、2010年2月期の平和堂の決算は、特に衣料品、SCが厳しい結果となり、既存店の売上げが大きくダウンし、減収減益という厳しい決算となった。ただ、その厳しい決算の中でもキャッシュフローは健全であり、投資、有利子負債の返済へ適正な配分がなされ、しかもキャッシュも増加している。したがって、新年度はいかに、既存店の活性化に取り組むかが最大の経営課題となったといえよう。2011年度、平和堂が、どのような既存店の活性化へ向けての経営戦略を打ち出すか、注目である。

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March 31, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 30, 2010

サミット、機構改革を断行、商品本部廃止!

   サミットが新年度へ向けて、3/17、機構改革の詳細を公表した。その目的は、「(1) 店長主導型店舗運営を推進する。(2) マーチャンダイジング力をアップする。(3) トップの方針・指示を、より早く正確に実現する。(4) 生産性を改善する。」の4点であり、特に注目は(1)の店長主導型店舗運営の推進である。従来、食品スーパーマーケットは、仕入れと販売という小売業の基本構造を2つに分け、仕入れは商品部が専属で行い、販売は店舗が行うという役割分担が明確であった。ただ、店舗運営については、商品部主導か、店長主導か、そのバランスが難しく、どちらかというと、多くの食品スーパーマーケットでは商品部主導の店舗運営が強く反映されるのが現実であろう。

   サミットでは、この関係をオーケストラにたとえ、作と演と表現し、作が商品部、演が店舗の役割とし、双方のバランスをうまくとり、最高の音楽を奏でるような分業システムを目指してきたといえる。食品スーパーマーケットのチェーンオペレーションとは、突き詰めれば、この分業、すなわち、仕入れと販売を分けて管理することが原点であり、分けることによって、100店舗、1,000店舗、10,000店舗と店舗数を効率的に、しかも素早く増やし、飛躍的な売上げ、利益を実現することが可能なビジネスモデルであったといえる。

   ただ、弊害もあり、食品スーパーマーケットは顧客が店舗へ来店し、商品を購入するというところから商売が始まるように、店舗は顧客との接点の最前線にいる。一方、商品部は仕入れが本業であり、店舗からは離れ、商品の生産、物流の最前線にいる。したがって、両者は流通の対極に存在しているといえ、双方の意思疎通がうまくゆかず、商品と顧客ニーズとを一致させるのは至難の業であったといえる。この一致を支援するのが、POSデータの共有であり、そのデータにもとづく店舗からの発注情報である。

   問題は、店舗のみに存在する顧客のニーズをどう店舗運営に反映させるかであるが、商品部主導の店舗運営となると、生産、物流情報が主導の店舗運営とならざるを得なくなり、顧客のニーズを反映した店舗運営が難しいのが現実であろう。ただ、需要供給の法則どおり、需要>供給(インフレ気味)という状況においては、物が足りないわけであり、いかに商品を調達するかが決め手となるので、商品部主導の組織が効率的であるといえよう。ところが、需要<供給(デフレ気味)となったとたん、供給過剰となり、商品部主導では店舗に過剰在庫が発生し、店舗が回らなくなる。サミットが今回、店長主導型店舗運営に大きく舵を切ったのは、まさに、現在のデフレの進行に対応してゆくには、商品部主導では無理があり、店長主導に組織編成を変えざるをえないと判断したためと思われる。

   では、具体的にはどのような組織となるかであるが、最大の改革は商品本部という名称を亡くし、営業本部に統合したことである。従来、サミットでは仕入れ(作)は商品本部が担い、そのもとに、青果部、鮮魚部、精肉部、惣菜部、ベーカリー部、一般食品部、デイリー部、家庭用品部、書店部と9つの部があった。一方、販売(演)は販売本部が担い、そのもとに、第1エリア8ブロック、第2エリア8ブロックと計16ブロックがあった。これを、統一、営業本部に一本化したことである。

   具体的には、「① 販売本部、商品本部を統合し、名称を『営業本部』とする。② エリア制(第1エリア・第2エリア)を廃止する。③ ブロック数を16ブロックから10ブロックに減らし、各ブロックの店舗数を再編の上、ブロックの名称を『第1~第10ブロック』に改称する。⑦ 営業企画部、各ブロック、店舗サポート部、各商品部、物流・グロサリー業務部を営業本部の所管とする。」ということであり、営業本部のもとに、店舗10ブロックと生鮮、グロサリーが配され、さらに、この3組織とは別に、営業企画部、宅配事業プロジェクトを営業本部に直結した組織としたことである。

   そして、さらに、店舗主導を明確にするために、「⑥ 販売本部の所管であった夜間運営教育グループを、店舗サポート部の所管に変更する。⑧ 店舗サポート部L.S.P.グループを「生産性向上推進グループ」に改称する。」とし、従来、店舗と独立していた店舗サポート部を店舗に配し、10ブロックの各店舗へのフォローを強化している。一方、各商品部には新設として、「各商品部に、各商品部の「作」実現に向けた指導・支援・情報収集を主な役割とする担当者を配属し(グロサリーは物流・グロサリー業務部に配属)、役職名「スーパーバイザー」とする。」と、スーパーバイザーを設け、演を支援する作の改革に踏み込んでいる。

   このように、サミットがチェーンストアの根幹にかかわる機構改革を断行し、従来の商品本部、販売本部を廃し、営業本部を創設し、作と演を融合する営業体制の一本化をはかり、まさに、店長主導型の店舗運営を推進する組織をつくりあげたといえる。これは商品部主導(作)から店長主導(演)へとチェーンストアの重心の移動であり、新たなチェーンストアづくりへ向けての大胆な試みといえよう。ただ、この機構改革はまだ振り子が店舗よりに振れただけの過渡的な状況ともいえ、今後、サミットがさらに、抜本的な機構改革に踏み切るかどうか、次の展開に注目したい。

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March 30, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 29, 2010

消費者物価指数、2010年2月期、前月比下落!

   消費者物価指数(CPI)の最新集計結果、2010年2月期が3/26、総務省統計局から公表された。この2月期の消費者物価指数は、ここでプラスに反転するか、横ばいか、マイナスかの前月比が注目される月であったといえるが、結果は、いずれの段階でも前月比が横ばい、ないしは、マイナスとなり、反転が見られず、今後、厳しいデフレ局面が続く可能性が高まったといえる。

   消費者物価指数には3つの集計があるが、総務省が公表した結果を見ると、「(1) 総合指数は平成17年を100として99.3となり、前月比は0.1%の下落。前年同月比は1.1%の下落となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は99.2となり、前月と同水準。前年同月比は1.2%の下落となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は97.4となり、前月比は0.1%の下落。前年同月比は1.1%の下落となった。」ということである。したがって、前年同月比はいずれも1ポイントを超えるマイナスであり、こう見ると、デフレが一段と鮮明になったといえよう。

   今月の消費者物価指数が特に注目された点は、この約2年間の前年同月のグラフを見ると明らかであるが、グラフがきれいなsinカーブとなっており、昨年は半円形に上の動き、ちょうど平成19年10月から上昇しはじめ、平成20年7月頃にピークを迎え、その後伸び率が下がりはじめ、平成21年1月にはマイナスとなった動きである。ここまでの1年3ケ月がプラスの時期であり、上向きにきれいな半円を描いている。

   そして、この平成21年以降はマイナスの下への半円形を描きはじめるわけであるが、平成20年10月をピークにマイナス幅が縮まりはじめ、プラスに近づいてゆく。そして、前月の平成21年1月は、本来であれば前月よりもマイナス幅が縮まっても良い動きが見られても良かったが、結果は横ばい、そして、この2月、さらに横ばい、ないしは、逆に動きはじめているとも見てとれ、マイナス幅が縮まらない結果となった。これで、2ケ月連続の横ばいであり、しばらくマイナスが定着するか、さらに、マイナス幅が拡大する可能性も生じ始めたといえる動きである。

   この動きを見る限り、本来、この返でマイナスからプラスに近づいても良かったわけであるが、結果は横ばい、ないしは、マイナスであり、sinカーブの変形が見られ、マイナス状況がしばらく続く様相を呈し始めたといえる。したがって、デフレ圧力がここへ来て一段と強く働いている状況であるといえるので、デフレが長期化する可能性も否定できない局面に入ったといえよう。食品スーパーマーケット業界にとっては、その大半が2月が本決算であり、3月以降の新年度の経営方針は、少なくとも、前半はデフレ基調が続くと見て良く、デフレの中でどのような営業戦略、財務戦略を打ち出すかが課題といえよう。

   では、10大費目で見た場合、どの費目が物価を押し下げているかを前月比と寄与度で見てみたい。寄与度で見ると、前月比の影響が最も大きかったのは、食料-0.10ポイントである。したがって、この2月期は、まさに、食品スーパーマーケットが最もデフレの影響を受けているといえよう。特に、売上構成比の高い生鮮食品が-0.07ポイント、前月比-1.8%と大きく下落しており、生鮮食品を除く食料は寄与度が0.00ポイントであり、前月比も0.0%と横ばいであり、生鮮食品がその要因であることがわかる。

   食料について、寄与度の高い費目は-0.07ポイントの被服及び履物であり、前月比は-1.5%と、これも大きい数字である。したがって、GMS、そして、衣料品業界への影響は大きいといえよう。これについで、寄与度がマイナスとなるのは、家具・家事用品の-0.01ポイント、諸雑費の-0.01ポイントのみであり、この2月は、食品と衣料品が全体のデフレを牽引したといえ、食品スーパーマーケットとGMSを直撃したといえよう。

   そこで、食品、特に、生鮮食品の中で前月比-3.0%以上下落した項目を見てみると、いよかん-17.1%、ほうれんそう-15.8%、アスパラガス-12.7%、ブロッコリー-9.5%、レタス-7.2%、あじ -6.7%、グレープフルーツ -6.3%、かき(貝)-5.7%、生しいたけ-5.1%、えのきだけ-4.9%、ほたて貝-4.3%、いわし-4.1%、にんじん -4.0%、いちご-4.0%、キウイフルーツ-3.7%、丸干しいわし-3.4%、かれい-3.3%、しめじ-3.3%、きゅうり -3.1%である。ちなみに、プラスになったものあり、3.0%以上のものは、キャベツ15.2%、ピーマン15.0%、なす14.7%、だいこん10.5%、はくさい10.2%、トマト7.5%、たまねぎ6.9%、鶏卵6.1%、かぼちゃ5.0%である。

   このように、この2月度の消費者物価指数は異変が起こりつつあるといえ、物価が上げ止まっており、2ケ月連続で横ばいないしは下げ気味で推移しはじめ、デフレ基調が鮮明となりつつあるといえる。特に、食品スーパーマーケットにとっては、その最大の要因が生鮮食品にあるといえ、経営に深刻な状況を呈しはじめつつあるといえよう。今週から食品スーパーマーケット業界の2月度決算企業の結果の公表がはじまるが、その結果はもちろん、新年度へ向けての各社の経営方針に注目である。

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March 29, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 28, 2010

マルミヤストア、2010年5月期、第3四半期、増収減益!

   マルミヤストアが3/26、2010年5月期の第3四半期決算を公表した。結果は、売上高226.56億円(0.1%)、営業利益 2.94億円(-29.5%)、経常利益 3.53億円(-27.6%)、当期純利益 1.93億円(-25.3%)となり、増収減益の厳しい決算となった。ただ、増収となった伸び率もわずか0.1%であり、経営環境がここへ来て厳しさを増しているといえよう。マルミヤストア自身も、「デフレの影響、改善が見られない雇用情勢など、依然として厳しい状況で推移いたしました。」とコメントしているように、デフレの影響が大きかったものと思われる。

   マルミヤストアはスーパーマーケット事業とディスカウント事業の2つに事業を分けて経営しているが、それぞれの売上高は176.42億円(-2.2%)、50.13億円(9.9%)という結果であり、今回、売上高が伸び悩んだ要因はスーパーマーケット事業にあるといえる。ディスカウト事業は現在22.12%の売上構成比であるが、その数字には勢いがあり、事業構造が変わりつつあるといえる。新規出店は2009年8月にスーパーマーケットとして、マルミヤストア吉富店(福岡県築上郡吉富町)、2010年2月にマルミヤストア小林店(宮崎県小林市)、そして、ディスカウントストアとしては、2009年11月にアタックス高鍋店(宮崎県児湯郡)を出店している。スーパーマーケットの方が出店数が2店舗とディスカウントストアの1店舗と比べ多いにも関わらず、売上高の伸びはスーパーマーケットが苦戦、ディスカウントストアが伸びており、経営環境の変化がそれだけ、激変しているといえよう。

   では、この第3四半期のマルミヤストアの収益構造を原価、経費面から見てみたい。まず原価であるが、80.62%(昨年80.09%)と、0.53ポイント上昇している。デフレの影響により、価格競争が激化し、平均単価の下落が響いているものと思われるが、ディスカウントストアの売上構成比が上昇していることも大きいといえよう。結果、売上総利益は19.37%(昨年19.91%)となり、粗利が減少した。一方、経費の方であるが、18.51%(昨年18.52%)となり、0.1ポイントであるが、減少しており、経費の削減がわずかではあるが進んだ。ただ、原価、経費の低いディスカウントストアの売上構成比が上がっているので、ディカウントストアの経費比率に全体の経費が引っ張られているといえ、スーパーマーケット事業の経費は厳しかったものと想定される。

   結果、差し引き、マーチャンダイジング力は、0.86%(昨年1.39%)と、大きく減少しており、売上高も0.1%の伸び率であることから、マーチャンダイジング力によるキャッシュを生み出す力が減少しており、厳しい営業結果といえよう。これに、不動産収入、物流収入等のその他の営業収入が0.45%(昨年0.47%)のり、結果、営業利益は1.31%(昨年1.86%)となり、減益となった。こう見ると、営業利益の減益は原価の上昇にあるといえ、それだけ、価格競争の厳しさが増し、原価を引き下げているものと思われる。特に、マルミヤストアの場合はディスカウント事業が好調であることから、全体の営業構造がディスカウント路線に引っ張られている構図でもあり、その重みが経営に強く反映された結果ともいえよう。

   一方、財務面であるが、自己資本比率は47.0%(昨年49.2%)と若干減少しているが、食品スーパーマーケット業界の決算公開企業約50社の平均が約40%であり、安定した数字である。負債面を見ると、有利子負債が17.88億円(昨年17.96億円)と、総資産97.35億円の18.63%と、これも食品スーパーマーケット業界の決算公開企業約50社の平均約30%と比べても低く、財務面は安定しているといえよう。

   これに対して、マルミヤストアの資産面であるが、最大の資産である出店関連の資産、土地、建物、敷金保証金等の合計は50.87億円(昨年51.68億円)と、総資産の52.25%であり、1店舗当たりに直すと、マルミヤストアは現在37店舗であるので、1.37億円となる。この数字は食品スーパーマーケットの決算公開企業約50社の平均が約5億円であるので、極めて低い数字であり、九九プラスの0.13億円という例外的な数字を除けば、No.1の低い数字である。ちなみに、No.2は大黒天物産の1.65億円(2009年度)であるので、いかに、低い数字であるかがわかる。これがマルミヤストアの食品スーパーマーケットとしての最大の強みともいえよう。したがって、ここから差し引き、出店余力、自己資本比率-出店にかかわる資産を算出すると-5.25%となり、若干のマイナスとなるが、食品スーパーマーケット業界の決算公開企業約50社の中では10位前後となり、トップクラスである。

   このように、マルミヤストアの2010年5月度の第3四半期は原価の上昇が響き、わずかに増収とはなったが、減益となる厳しい決算となった。結果、マーチャンダイジング力が減少し、キャッシュを生み出す力が減っているところが気になるところである。ただ、自己資本比率はむしろ上昇しており、財務は安定している。出店余力も十分といえ、今後、好調なディスカウントストアを中心に出店を増加し、スーパーマーケットは既存店の活性化に注力することにより、バランスのよい成長も期待できよう。マルミヤストアの決算は5月であるが、2011年度、今後、どのような経営戦略を打ち出すか、注目である。

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March 28, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 27, 2010

直売所と食品スーパーマーケット!

   今はやり?の直売所を見る機会があった。JAちちぶが運営している農産物直売所である。100坪ぐらいの農産物を中心とした店舗にレストランも併設しており、ちょっとしたNSC(ネバーフッドショッピングセンター:郊外型SC)のような形態となっている。商品構成は野菜、果物が主体で、これに加え、花、加工食品、雑貨等があり、POSレジで管理しており、食品スーパーマーケットに良く似た売場づくりである。農林水産省の調べによれば、このような農産物直売所が全国に13,538箇所(2005年農林業センサス)もあるというので驚きである。この数字が2005年であるので、現在ではさらに増加していると思われるが、いまや、農産物直売所は農産市場においては一大市場を形成しはじめたといえよう。

   では、食品スーパーマーケットと農産物直売所との違いはどこにあるだろうか。商品という点から見る限り、きゅうり、トマト、レタス、ほうれんそう、大根、人参等の野菜、いちご、みかんなどの果物などが平台に陳列されており、一見すると何ら変わらない。また、価格も食品スーパーマーケットと比べ高いものあり、安いものもあり、どちらが高い安いということもなく、まちまちである。表面的にはどちらも同じように見え、食品スーパーマーケットの青果部門が独立して、八百屋というよりも、食品スーパーマーケットのノウハウを導入して店舗を構えたようなイメージである。

   ただ、一旦のその商品を深く掘り下げてみると、食品スーパーマーケットと農産物直売所では大きな違いが存在する。まず、最大の違いは、仕入れである。食品スーパーマーケットでは農産物を原則、市場から仕入れる。最近では産直、さらには、生産者の顔が見える野菜、果物として、まさに、農産物直売所を食品スーパーマーケットに取り入れる動きもあるが、その大半は市場経由の野菜、果物である。これに対して農産物直売所は原則、近隣農家が直接売場に商品を納品し、自分で値付けし、余ったらもって帰るという仕組みが大半である。

   JAちちぶでは、値付けを支援するため野菜、果物の出荷規格及び標準価格を提示しており、農家が農産物直売所に持ってきた野菜、果物について、その数字を目安に自分で判断し、店内のパソコンに登録し、バーコードを自動発行し、自らバーコードをはり、店内に自ら並べるという仕組みになっていた。したがって、食品スーパーマーケットにおけるバイヤー機能、商品管理のための店員は存在せず、在庫管理もいらず、店内作業はほとんどない状況で野菜、果物の仕入れ、値付け、陳列、在庫管理、売上集計ができるようになっているのが特徴であり、極めてシンプル、合理的である。ある意味、食品スーパーマーケットの野菜、果物にかかわる仕入れ、販売、在庫管理をすべて農家に委ねた形であり、まさに、生産と消費が一体化した直売の仕組みであるといえよう。その意味で、直売という言葉がぴったり当てはまるといえる。

   ちなみに、野菜、果物の出荷規格、標準価格をいくつか見てみると、野菜ではトマト800g、273円から378円、きゅうり5本入り、158円から268円、ほうれん草300g、105円から126円、ダイコン1kg、84円から115円であり、果物ではぶどう1kg、500円から1,500円、クルミ500g、315円、さくらんぼ200g、368円から473円等である。これらの出荷規格と標準価格を参考にし、これをもとに農家が自ら生産した野菜、果物を小分けし、値付けをしている。

   したがって、ここからコスト構造と品揃え、在庫管理に大きな違いが出てくる。当然、コスト構造は食品スーパーマーケットではバイヤー、店舗運営の人件費や値下げ、廃棄ロスなど様々な経費、市場、農協などの中間コスト(原価)、そして、土地代、設備費、ちらし代などがのり、価格そのものを押し上げる要因が働く。これに対して、農産物直売所は原則、そのほとんどが農家に委ねられるため、運営側のコストは純粋に店舗設備費とレジの店員、そして、POS、値付けなどの若干の情報システム費用のみとなり、少なくとも、食品スーパーマーケットの野菜、果物の価格よりは、はるかに安く売れる仕組みであるといえる。

   もちろん、問題もある。原則、近隣の農家の生産物のみで品揃えされるため、限られた商品とならざるをえず、消費者のニーズを充分に満たせない点である。しかも、農家が同じ商品を生産している場合が多く、農家同士の競合が起こる点である。JAちちぶでもバナナ、りんごは海外、青森と地元以外の果物を加えていたが、消費者の品揃えを満たすためには、市場、卸からの仕入れも加えざるをえなくなるといえよう。また、在庫問題は過剰在庫も農家へ負担をかけるが、それ以上に欠品の方が問題といえ、午前中には商品がないとか、夕方から商品が入るとかいうケースもあり、安定した品揃えが24時間、365日できない点である。

   こう見ると、農産物直売所は一定の条件の中で絶大なパワーを発揮する仕組みといえよう。消費者にとっては、品揃えと欠品問題があり、物足りない面もあるが、小規模農家にとっては、自ら商売をする手段を新たに得られ、所得向上に確実に寄与する機会を得たといえる。これまで農政そのものが大規模農家、農協、卸売市場等へ優先的に税金の配分等がなされてきたきらいがあるが、その政策の恩恵を充分に受けられなかった小規模農家が自らの意思と行動力で立ちあがり、自ら稼ぎはじめたといえる。13,538箇所という数字が示すように、新たな流通チャネルが静かに、深くできあがりつつあるといえよう。今後、本ブログでもこの農産物直売所の動きに注目してゆきたい。

食品スーパーマーケットのための決算分析、財務3表連環法Vol.4、詳細はこちら!
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March 27, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 26, 2010

コンビニ、売上速報、2010年2月度、-2.0%!

   コンビニの2010年2月度の売上速報が(社)日本フランチャイズチェーン協会から、3/23に公表された。この売上集計は、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの11社、42,919店舗の売上速報であり、ほぼ、日本全国のコンビニを網羅しているといえよう。その結果であるが、全体は-2.0%、既存店は-4.7%となる、厳しい結果となった。

   全体の売上高は8ケ月連続、既存店は9ケ月連続のマイナスである。taspo効果が切れたことに加え、デフレの影響も出始めているといえ、コンビニ業界もここへきて厳しい局面に入ったといえよう。この9ケ月間の売上高の推移であるが、6月0.9%(既存店-2.3%)、7月-5.0%(既存店-7.5%)、8月-2.9%(既存店-5.5%)、9月-2.9%(既存店-5.6%)、10月-2.8%(既存店-5.5%)、11月-3.6%(既存店-6.3%)、12月-3.0%(既存店-5.5%)、1月-2.7%(既存店-5.3%)、そして、2月-2.0%(既存店-4.7%)という推移である。

   全体の数字は徐々に下げ幅が減っており、回復しているようにも見えるが、既存店を見ると、ほぼ-5%前後で推移しており、新店の効果により、全体の売上げを支えている状況といえよう。実際、この2月度の店舗数は、先の11社の全体の合計店舗数が42,919(昨年42,047店舗)と、率にして2.2%増加しており、その分、全体の売上げが押し上げられているためであることがわかる。ただ、本来は、店舗数が昨年よりも2.2%増加したので、売上高も2.2%増加してもよさそうだが、実際は-2.0%となっている。したがって、売上高=客数×客単価であるので、このどちらか、ないしは、双方に問題があったといえよう。

   そこで、全体の客数、客単価の状況を見てみると、客数0.1%、客単価-2.1%であり、全体の客単価の落ち込みが大きかったことがわかる。ちなみに、既存店は、客数-2.1%、客単価-2.6%であり、客数、客単価ともに落ちている。この2月度は、全体、既存店双方とも、客単価の落ち込みが売上高へ影響を与えており、さらに、既存店は客数の落ち込みも大きかったといえよう。

   では、これを部門別で見ると、この2月度は、どのような状況であるかであるが、集計は日配食品、加工食品、非食品、サービスとなっているが、それぞれの構成比と、この2月度の数字を見ると、日配食品(構成比33.5%、昨対-2.6%)、加工食品(構成品29.5%、昨対-2.8%)、非食品(構成比32.5%、-1.9%)、サービス(構成比4.5%、4.9%)、そして、合計(構成比100.0%、昨対-2.0%)という状況である。

   サービスのみは構成比は低いが、伸び率は堅調であり、よく伸びている。コンビニのサービス分類は、コピー、ファクシミリ、宅配便、商品券、ギフト券、乗車券、各種チケット、テレフォンカード、宝くじ、D.P.E、レンタル、航空券、宿泊券、クリーニング等であり、これらが唯一伸びた部門である。したがって、このサービス部門以外はすべて落ちており、厳しい状況である。

   この内、taspoが色濃く表れるのが、非食品のたばこであるが、数字を見ると、それ以外の日配食品、加工食品の方が下げ率が高く、深刻である。したがって、taspo効果以外の要因が明らかにあるといえ、そおらく、デフレによる価格競争が激しさを増しているので、その分、特に、加工食品には影響がでているといえよう。コンビニはここ最近加工食品、特に、ジュース類などは、定価販売で売っていたが、ここ最近、コンビニの価格も下がっており、価格の影響が大きかったのではないかと想定される。

   また、気になるのはコンビニの重点カテゴリー、ファストフードを含む日配食品も加工食品とほぼ同じ比率で下がっており、特に、売上構成比が最も高いだけに、気になるところである。さらに、日配食品について、過去1年間の数字を見てみると、加工食品が昨年7月度から下がりはじめ、非食品は8月から売上げが下がっているが、日配食品は何と昨年の2月度から売上げが下がっている。コンビンの中で、最も早く昨対を割った部門である。taspo効果は、非食品がたばこを含んでいるだけに、端的に影響が表れるが、8月頃から下がっているところを見ると、8月以降がtaspoの影響が色濃くでたといえるので、それ以前の落ち込みは、taspo効果以外の要因での売上げタウンであり、デフレが強く働いたのではないと思われる。したがって、現在、taspo効果とデフレの影響とのダブルでの数字ダウンの圧力がコンビニに大きな影響を与えているといえ、コンビニは当面、厳しい局面が続くのではないかと思う。
 
   このように、この2月度のコンビニの数字もここ数ケ月間の傾向でもあるが、売上げが低迷しており、しかも、主力のファストフードを含む、日配部門の下げ率も、加工食品同様に下がっており、依然として、厳しい状況にあるといえよう。問題は、どの辺で数字が落ち着き、反転するかであるが、既存店の数字を見る限り、-5%前後である意味安定した下げが維持されており、回復の方向に動くのか、それとも、さらに、下げ幅が拡大するのか、読みにくい状況である。もうしばらく、推移を見てゆくことが必要といえ、次回、3月度、どのような数字となるか、気になるところである。

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March 26, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 25, 2010

顧客からの損益計算書を考えてみる!

   損益計算書、いわゆるP/Lは商品からの損益計算書のことである。食品スーパーマーケットでいえば、すべての商品、約1万品の商品の売上高を求め、そこから、その約1万品の原価を計算し、差し引き、約1万品の売上総利益、いわゆる粗利を計算する。そして、そこから、その約1万品の商品を販売する上にかかった経費を差し引き、利益を算出する、これが、営業利益である。損益計算書はこのように、商品にはじまり、商品に終わるという構図であり、商品を中心に損益を考えてゆくことが原則である。

   したがって、マーチャンダイジングとは、商品の売上げを上げることであり、一方で、その原価を下げることであり、さらに、その経費を下げ、結果、営業利益を最大にする取り組みであることがわかる。マーチャンダイジングに経費まで入れるか、入れないかは議論が分かれるところであるが、そもそものマーチャンダイジングの最終目的をキャッシュの獲得という観点におけば、経費までいれるのが本来は筋であろう。ただ、経費はどこまでがマーチャンダイジングにかかわるもので、どこまでがかかわらないものであるかの選別が難しい面もあり、人件費等、管理可能な経費のみ入れて考える方が現実的には、マーチャンダイジングの改善につながるものといえる。

   こう見ると、損益計算書(P/L)とマーチャンダイジングとはほぼ連動しており、マーチャンダイジングの改善は損益計算書(P/L)の改善につながるといえ、そのために、食品スーパーマーケットでは、約1万品の商品の売上げをいかに上げるか、その原価をいかに下げるか、そして、その経費を可能な限り削減できるか、この3つの最適バランスを追求し、結果、企業にいかにキャッシュをもたらすかにあるといえよう。

   そして、そのために、食品スーパーマーケットではPOSを導入し、約1万品の単品管理を行い、その売上、在庫をしっかりとつかみ、最適価格、最適在庫の管理を最小の経費で行う仕組みを作り上げたといえよう。また、バイヤーはその約1万品の原価交渉をメーカー、卸と行い、極限まで原価を下げ、売上総利益(粗利)を引き上げることに取り組んでいるといえる。

   では、これに対して、全く視点を変えて、顧客からの損益計算書を考えてみたい。マーチャンダイジングの最終目的がキャッシュの獲得にあるとすると、そのキャッシュを商品から獲得することも、顧客から獲得することも実は同じはずである。したがって、本来、商品約1万品の積み上げから成り立っている損益計算書(P/L)は、同時に、顧客1人1人の売上、原価、経費を積み上げることにより、作り上げることができるはずであり、最終結果は同じ数字になるはずである。

   どこが違うのか、商品1品1品を積み上げてゆくか、顧客1人1人を積みあげてゆくかの違いである。では、顧客と商品ではどっちが多いであろうか。実際にポイントカードを作って見ればわかるが、食品スーパーマーケットでは顧客の方が多いのが実態である。商品は先に見たように、約1万品であり、年間全部が入れ替わっても約2万品であるが、顧客は、一例を示せば、オオゼキのポイントカードホルダーがつい最近90万人を突破しており、オオゼキは約30店舗であるので、1店舗あたり3万人となる。したがって、顧客は少なくとも1店舗あたり食品スーパーマーケットでは、3万人は利用しているといえるので、顧客の方が商品よりも圧倒的に多いのが実態といえよう。

   したがって、顧客の損益計算書(P/L)は、この約3万人の1人1人の顧客の個別管理を行うことから始まるといってよく、そこから、顧客1人1人の売上、原価、経費を計算し、積み上げることがポイントとなる。食品スーパーマーケットでは、商品を約10分類に分け、それぞれバイヤーと店舗運営部を置き、マーチャンダイジングの改善をはかっているが、同様に、顧客も約10分類し、顧客マネージャーと顧客運営部を置くべきであろう。ただ、2つの組織をつくるとそれだけで経費が倍増するので、縦横のマトリクスの組織づくりが望ましいといえ、商品がバイヤー中心に組織をつくってきた歴史があるので、顧客は当然、店長を中心に店舗と全社の顧客管理にもかかわる組織が望ましいといえよう。

   そして、ここから、顧客の損益計算書をつくり、できれば、顧客の貸借対照表(B/S)、すなわち、顧客の生涯の購入履歴を整理し、いつでも、短期的な顧客の損益だけでなく、蓄積された購入履歴を組み込んだ顧客の1人1人へのマーチャンダイジング(マーケティング)政策が検討できるようにすべきであろう。

   本来、ポイントカードはここら辺を最終到達系にしながら、そのシステム構築を目指してゆくべきものであると思う。また、このような管理体制を作り上げないと、せっかくポイントカードを通じて得られる顧客1人1人の購入履歴を活かした顧客へのポイント還元を通じて、顧客の来店頻度を引き上げ、最終目的であるキャッシュの獲得に十分に結び付けることができない。ポイントが顧客の購入履歴を充分に活かせず、単なる商品値引きに近い活用方法になってしまいかねないといえよう。ポイントカードを導入したら、まずは、顧客の損益計算書を工夫して作ってみて欲しい。そこから、新たなマーチャンダイジング(マーケティング)政策が生まれるのではないかと思う。

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March 25, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 24, 2010

家計消費状況調査、平成20年、ポイントカードを見る!

   総務省統計局が調査している様々な調査の中に、家計消費状況調査というものがある。これは、毎月の購入頻度が少なく、家計調査では把握しにくい高額消費について調査した世帯当たりの消費額を示すものであるが、その中でICT関連の調査がある。ICTとはInformation and Communication Technologyの略であり、この中に、ポイントカード、電子マネー等の利用状況がある。そこで、現在、消費状況調査の最新の年報、平成20年度版をもとに、ポイントカード、電子マネーの利用状況を見てみたい。

   まずは、ポイントカードであるが、ポイントカードをもっている世帯は63.7%であり、地域別にみると、関東71.1%、近畿65.9%が高く、九州・沖縄55.4%、東北56.6%、東海56.8%が低い地域となる。これを都市別にみると、大都市69.6%、中都市66.2%、小都市60.4%、小都市町村53.8%となる。60%強がポイントカードをもっていることになり、ポイントカードの普及が進んでいるといえよう。ちなみに、食品スーパーマーケットのポイントカードの利用率を見ると、70%から80%ぐらいであるので、やや低い数字である。逆に見ると、まだ、40%弱はポイントカードを持たない現金の世帯がいるということであり、この数字が限界なのか、さらに伸びてゆくのか、気になるところである。

   一方、ポイントカードのポイントを交換した世帯であるが、18.6%であり、意外に低い数字である。ポイントカードをもっている世帯で換算すると29.3%となるので、約30%といえ、約70%がポイントを交換しないという状況であり、貯める世帯が圧倒的に多いといえよう。これは、集計が1年間であるので、1年では交換したいもののポイント分が十分に貯まらないと見るべきか、ポイントは交換するよりも、貯めることに重点を置いていると見るべきか、意見が分かれるところであろうが、意外に低い数字といえよう。

   そして、その18.6%の交換したものであるが、食品と商品券が圧倒的に高く、5.7%、5.2%であり、合計10.9%と大半を超える。ちなみに、現金は1.4%と意外に低い。ついで、雑貨3.3%、電気製品2.8%と続き、あとは1%以下となる。食品、商品券へのニーズが際だっているといえよう。

   では、ポイントカードの保有状況を年齢別に見てみると、トップは40-49歳であり、81.1%、ついで、30-39歳80.7%となる。そして、弱年層、高齢者になるに従い、低い数字であり、30歳未満で75.7%、60-69歳で67.0%である。また、年収別に見てみると、年収300万円未満は50%前後であるが、年収500万円を超えると70%を超え、年収800万円を超えると80%を超えるという、右上がりの状況になる。これは、航空会社のマイレージが保有率に比例するとも見てとれる。さらに、ポイントの交換金額であるが、年収500万円ぐらいまでは4,000円前後で推移しているが、その後、徐々に上昇し、年収1,000万円を超えると8,000円を超え、最高は年収1,250-1,500万円の16,605円である。

   以上が家計消費状況調査の平成20年度版の年報の結果であるが、ここからわかることは、ポイントカードの保有世帯は60%強であり、その内1年以内にポイントを交換するのは約30%、全体では約20%である。そして、交換金額は4,000円から5,000円ぐらいであり、その中身は食品、商品券が圧倒的に多いという事実である。

  ちなみに、食品スーパーマーケットの1%=1円還元で5,000円を貯めるには、5,000円÷1%=50万円の購入が必要であり、家計調査データで見る食品の支出金額が平均ほぼ1世帯、1日約2,000円であるので、年間では73万円となる。したがって、どこか、メインの食品スーパーマーケットで70%近い購入率で食品の買い物を続けてはじめて、5,000円が貯まることになり、1年に1回以上のポイント交換は至難の業であるといえ、ポイント率が交換率が30%と、低いと思われるが、うなずける数字ともいえよう。

   ここで、参考に、電子マネーの状況も見てみたい。まず、電子マネーを持っている世帯であるが、24.4%の世帯であり、普及しているとはいえ、まだ、約75%が保有していない状況である。これを地域別にみると、関東44.3%と突出しており、近畿でも18.8%とまだまだ低く、その他の地域は10%強という状況である。また、これを利用回数順にみると、交通機関が13.4%でトップ、ついで、コンビニエンスストアが3.4%、その他2.1%という状況である。食品スーパーマーケットが見えないくらいの数字であり、今後、食品スーパーマーケットに電子マネーが普及するにはかなり時間がかかるものといえよう。

   こう見ると、現状の電子マネーは交通機関中心で普及が進んでいるといえよう。さらに、これを年収別にみると、見事に右上がりの奇麗な直線となり、年収300万円以下は10%前後、年収1,000万円を超えると50%近くとなり、この10%から50%まで年収順に直線で結ばれ、その範囲内に各年収が治まることになる。y=1/20(x)といったところか。こう見ると、電子マネーは年収比例して普及しているといえ、ポイントカードとは性質の違うものであるといえよう。

   このように、ポイントカードと電子マネーの平成20年の実態を家計消費状況調査から見てみたが、ポイントカートと電子マネーは、現時点では異質なカードであるといえ、家計における位置づけが全く違うといえよう。また、ポイントカードはかなり普及したが、意外に交換されてない状況が浮かびあがった。こう見ると、今後、まだまだ、ポイントカードも改善の余地が大きいといえよう。

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March 24, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 23, 2010

売上速報2010年2月、食品スーパーマーケット100.5%!

   食品スーパーマーケットの2010年2月度の売上速報を独自に集計した。食品スーパーマーケット業界は約60社が上場しているが、その内、月次の売上速報を公表している企業は20社強である。店舗数では九九プラスの約1,000店舗を加え、3,000店舗弱であり、その売上速報であるので、食品スーパーマーケット業界の現状をそれなりに反映しているといえよう。その結果であるが、全体は100.5%(1月度100.4%)、既存店は95.9%(1月度95.7%)であるので、依然として、厳しい状況が続いているといえる。特に、既存店の数字が厳しく、客数96.3%、客単価99.0%であり、客数の落ち込みが大きい。ただ、客単価に関しても、公表企業はわずかではあるが、PI値100.9%、平均単価98.2%であり、デフレの影響と思われるが、平均単価の落ち込みが大きいといえよう。

   既存店に関しては、今回の集計企業約20社の中で、昨対をクリーしたのは、オオゼキの103.5%のみであり、それ以外の食品スーパーマーケットはすべて既存店が昨年の数字を割っている。特に95%以下となった企業が9社と約半分を占め、80%台の企業もあり、既存店の落ち込みが大きく、売上全体が伸び悩んでいるともいえる。食品スーパーマーケットでは既存店の売上が下がると、相対的に固定費が上昇し、結果、経費比率が増し、利益を圧迫することになる。特に、経費比率の高い食品スーパーマーケットはその影響が大きく、今回のようなデフレ環境においては、経費比率の低い食品スーパーマーケットの方が影響を受けにくいといえよう。

   さて、今回、好調のオオゼキであるが、全体は109.0%(既存店103.5%)となった。この2月度の集計企業の中ではNo.3に入る数字であり、好調な売上げである。客数108.3%(既存店102.2%)、客単価101.7%(既存店101.6%)と、極めてバランスのよい伸びを示しており、新店による売上げと既存店の底上げのバランスが良い。また、客単価についても、PI値101.7%(既存店101.6%)、平均単価99.0%(既存店99.7%)と、多くの食品スーパーマーケットが平均単価を落とすところ、ほぼ横ばいであり、客単価のバランスも良いといえる。この数字を見る限り、デフレの影響が感じられず、しかも、この2月には、東京都墨田区に新店、菊川店もオープンしており、絶好調といえよう。

   では、No.1はどこか、マックスバリュ東海である。売上高116.0%(既存店94.1%)という数字であり、既存店の落ち幅が気になるが、全体はM&A等もあり、極めて高い2桁の伸びである。その気になる既存店であるが、客数96.7%、客単価99.0%であり、客単価よりも客数の落ち込みが大きい。平均単価を見ると、96.7%、PI値は100.7%であるので、価格競争による影響が大きかったのではないかと思われる。そして、No.2であるが、スーパーバリューであり、111.6%と、2桁の伸びである。スーパーバリューは既存店も99.4%健闘しており、食品スーパーマーケット+ホームセンターのバランスがうまくとれているようである。スーパーバリューはここへ来て、新規出店を増やしており、今期オープンが全14店舗の内、4店舗であり、出店ペースが加速しており、この好調な売上は新店によるところが大きいといえる。

   さらに、105%以上の食品スーパーマーケットを見てみると、No.4にバロー108.0%(既存店98.2%)と、バローも新店による売上増である。No.5はマックスバリュ西日本105.9%(既存店94.7%)、No.6はカスミ105.4%、No.7は若干105%を下回るが、ダイイチ104.9%(既存店96.9%)であり、以上7社が105%以上の食品スーパーマーケットである。今回の集計食品スーパーマーケット全体は100.5%と確かに厳しい数字であるが、この7社はその中では好調といえ、売上げを伸ばしている食品スーパーマーケットである。

   では、逆に、この2月度、売上げが厳しい結果となった食品スーパーマーケットを見てみると、95%以下となったのは、マルエツ94.4%(既存店94.0%)、アークランドサカモト93.6%(既存店94.3%)、CFSコーポレーション:SM93.6%(既存店93.6%)、 いなげや92.2%(既存店90.3%)、エコス89.9%(既存店92.4%)、Olympic:フード88.9%(既存店89.6%)である。特に、エコス、Olympicのフード部門は80%台と極めて厳しい数字である。また、CFSコーポレーションの食品スーパーマーケット部門、アークランドサカモト、いなげやも92%、93%台であり、厳しい数字である。

   ちなみに、これ以外の95%以上、105%以下の食品スーパーマーケットは、ユニバース103.4%(既存店96.0%)、ヤオコー101.9%(既存店98.0%)、九九プラス101.3%(既存店96.1%)、マックスバリュ東北100.4%(既存店99.6%)、イズミ100.0%(96.5%)、マックスバリュ中部99.3%(既存店98.7%)、トーホー98.3%(既存店98.8%)、ヤマザワ96.2%(既存店93.9%)、PLANT95.8%という状況である。

   このように、この2月度の食品スーパーマーケットの集計企業の数字は一部の食品スーパーマーケットを除き、厳しい結果であるといえ、デフレの影響が色濃く出た結果といえよう。特に、この2月は80%台の食品スーパーマーケットも2社あり、全体でも既存店の昨対を超えたのはオオゼキ1社のみであり、より、深刻な売上げ不振にあるといえよう。3月以降、多くの食品スーパーマーケットが新年度を迎えるが、各社がどのような売上げ改善の方針を打ち出すか注目したい。
   
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March 23, 2010 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 22, 2010

マックスバリュ中部、2010年1月本決算、増収減益!

   マックスバリュ中部が3/17、2010年1月期の本決算を公表した。結果は営業収益1,169.57億円(1.5%)、営業利益19.83億円(-3.8%)、経常利益20.18億円(-6.8%)、当期純利益4.14億円(-33.2%)となり、わずかに増収とはなったが、利益はいずれの段階においても減益となる厳しい決算となった。特に当期純利益は固定資産の減損損失7.67億円等の計上が響き、大きくマイナスとなった。食品スーパーマーケット業界はここへ来て、デフレの深刻化が経営に影響を与えはじめており、厳しい経営環境が続いている。

   そこで、減益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、75.36%(昨年74.72%)と0.64ポイント上昇しており、原価の上昇が見られる。本来、マックスバリュはイオングループから原価の低いPB、トップバリュを調達し、原価改善に取り組んでおり、原価が下がるはずである。特に、今期のマックスバリュ中部のトップバリュの売上構成比は昨年の10.8%から11.9%とへと1.1ポイント上昇しており、確実に原価を下げる方向にいっているが、結果は、逆に原価が上昇しており、トップバリュの改善効果が十分に表れていない状況といえよう。

   一般に、PBは原価が5%から10%は低いと想定されるが、それで計算すると、売上構成比が10%強であるので、その相乗積は0.5%から1.0%となり、そのまま通常の仕入れ原価が変わらなければ、原価の改善につながるはずであるが、残念ながら、今期のマックスバリュ中部は、逆に原価が上昇しており、トップバリュの原価が十分に取れていないか、NBの原価が予想以上に下がっている可能性が高いといえよう。

   恐らく、後者の方が今期は大きかったのではないかと想定される。実際、今期の既存店の状況を見ると、売上高97.1%、客数100.9%、客単価96.3%という状況である。特に、客単価が厳しい状況にあり、その中身はPI値100.8%、平均単価95.5%である。したがって、売上ダウンの要因は平均単価のダウンにあり、約5%弱平均単価が下がったことが大きかったといえる。一般に、平均単価が下がると、原価上昇要因となるが、今回のマックスバリュ中部の原価が0.64ポイントと上昇しているので、平均単価のダウン以上の上昇率であり、しかも、トップバリュの売上構成比11.9%の中での原価上昇であり、NBが想定以上に大きく原価が上昇したのではないと思われる。

   結果、売上総利益、いわゆる粗利は24.64%(昨年25.28%)と下がった。一方、経費の方であるが、25.45%(昨年25.96%)と、経費の方は-0.51ポイント改善しており、平均単価が下がり、固定費が上昇したものと思われるが、結果は経費が削減され、かなり、思い切った経費削減に取り組んだのではないかと推測される。そして、ここから差し引き、マーチャンダイジング力を計算すると、-0.81%(-0.68%)となり、原価の上昇が重く、マイナスが拡大した。これに、不動産収入等のその他営業収入が2.55%(昨年2.52%)のり、結果、営業利益は1.74%(昨年1.84%)となり、減益決算となった。

   こう見ると、原価の上昇が今期のマックスバリュ中部の減益要因といえ、さらに、掘り下げると、平均単価のダウン、特に、NBの原価上昇が減益となったことが最大の要因といえよう。したがって、今後、いかに、NBの原価改善を進めるか、さらにPB比率を引き上げるか、それとも、既存店の売上げをさらに引き上げ、経費、特に、固定費を引き下げるかの方向を明確に打ち出す必要があろう。

   これに対し、財務面であるが、自己資本比率は33.6%(昨年31.8%)と若干改善したが、まだまだ70%弱を負債に依存する財務構造であり、今後の継続的な安定成長を果たしてゆくには一層の財務改善が必要といえよう。マックスバリュ中部は経営目標にROAとROE、双方の上昇を掲げている。一般に、ROA=自己資本比率×ROEであり、ROEを増やし、ROAを引き上げると、極論すれば自己資本比率を下げ、ROEを引き上げる、いわゆるレバレッジ経営、負債で出店をしてゆくような方向になりやすい。本来、食品スーパーマーケットは負債で出店してゆくよりも、自己資本での出店が可能な財務状況、すなわち、自己資本比率を引き上げる方が安定した成長を目指すことができる。特に、デフレ傾向の時は、負債は重く経営にのしかかるといえる。今後、安定成長を継続してゆくためにも、出店余力をもたせる自己資本の一層の改善が課題といえよう。

   ただ、そのためには、マーチャンダイジング力をプラスにもってゆき、キャッシュフローを充実させる必要がある。今期のマックスバリュ中部のフリーキャッシュフローは-4.75億円(昨年10.23億円)と、減損損失もあり、マイナスとなった。また、マーチャンダイジング力もマイナス幅が広がっており、キャッシュ不足となっており、今後へ向けての営業活動からの投資が十分にできない状況にある。したがって、自己資本比率33.6%をいかに改善するかが、財務的には喫緊の課題といえよう。

   このように2010年1月期のマックスバリュ中部の決算は増収減益という厳しい結果となった。原価改善の決め手となるはずのPB、トップバリュの売上構成比が上がったにも関わらず、原価の上昇、特にNBが大きく響いたといえよう。ただ、それだけ、デフレ環境が厳しく、原価を下げての価格競争に応じざるを得ない経営環境にあるといえ、今後、このデフレからどのように脱却してゆくのかが最大の経営課題といえよう。今期、2011年度、マックスバリュ中部がどのようなマーチャンダイジング戦略を打ち出すか注目である。


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March 22, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 21, 2010

日経MJ、新製品週間ランキング3/19、平均単価に注目!

   恒例の日経MJ、新製品週間ランキングが3/19公表された。今週の注目はホワイトデー関連のチョコレートの動向である。先週と一転、チョコレートが菓子ベスト20の中に14品と70%を占めた。異常な動きである。しかも、いずれも、平均単価が500円、1,000円と高めのチョコレートである。また、今週、全新製品の中で金額PI値No.1は家庭用品のカネボウ化粧品、ブランシールスペリアホワイトニングWコンクルージョン(医薬部外品)45ml、何と2,117円である。しかも、その平均単価は9,666円と約10,000円である。奇しくも、今週は平均単価の高い商品が新製品のトップクラスを占めたといえる。そこで、今回は、この平均単価に注目して、改めて、新製品週間ランキングを見てみたい。

   一般に、金額PI値と平均単価の関係は、金額PI値=PI値×平均単価で決まる。ここからわかることは、金額PI値はPI値が高い商品か平均単価が高い商品か、双方が高い商品かの3つのケースが考えられるということである。食品スーパーマーケットでは、この金額PI値を引き上げるために、PI値を最優先に取り組み、PI値の高い商品を徹底的に強化してゆく傾向が強い。その結果、自然、平均単価の低い商品が優先的にピックアップされ、重点商品の大半を占めることになる。PI値と平均単価はこの数式が示すように、y=1/xの双曲線の関係にあり、PI値が高い商品は平均単価が低く、平均単価の高い商品はPI値が低くなる傾向がある。双方が高い商品は滅多に存在せず、あれば、黄金の商品といえるが、現実には見つけるのが容易ではない。

   したがって、金額PI値を引き上げるためにPI値を優先した場合は、平均単価の低い商品、平均単価を優先した場合はPI値の低い商品となる場合がほとんどであり、どうしても、食品スーパーマーケットとしては、PI値優先、結果、平均単価の低い商品を強化しがちとなる。ただ、金額PI値を引き上げるという観点からは、そのバランスが最大のポイントであり、平均単価が高く、結果、PI値は低くとも金額PI値の高い商品に着目することも重要なマーチャンダイジング政策といえる。特に、今回のように、デフレによる価格競争が激しくなった現状の経営環境の中では、平均単価に焦点を当てたマーチャンダイジング政策が実は起死回生の重要な経営戦略となる場合もある。

   そこで、改めて、今週の日経MJ、新製品週間ランキングに注目してみると、先にあげた菓子のチョコレート、そして、家庭用品の化粧品の動向がまさに、平均単価が高く、PI値が低く、金額PI値が超トップクラスの商品がランクインしているのがわかる。また、飲料でも平均単価の高い商品がベスト10の中に5品ランクインしており、今週は特に、平単価に注目すべき週となったといえよう。

   さて、まずは、チョコレートであるが、No.1は平均単価999円、メリーチョコレートカムパニー、小春桜13個、金額PI値452円(PI値0.045%)である。また、小春桜7個もNo.3に入っており、平均単価は599円、金額PI値367円(PI値0.061%)である。No.4にもメリーチョコレートカムパニーのジュンティール8枚、平均単価800円、金額PI値350円(PI値0.043%)が入り、菓子ベスト5の中に、この3品、いずれも平均単価の高いチョコレートがランクインした。PI値はいずれも、0.00台であり、見えないくらいのPI値である。No.1のPI値0.045%は2,000人/日クラスの平均的な食品スーパーマーケットで1日0.9個であるので、1日1個以下しか売れない商品である。にもかかわらず、菓子の新製品トップとなるのは、平均単価の高さからである。ちなみに、菓子のトップクラスのPI値は0.5%前後であり、このNo.1商品の約10倍は売れるので、PI値から見ると、通常では重点商品には入ってこない。ただ、その平均単価は1/10となるので、結果、掛けた金額PI値はほぼ同じ数字となる。

   家庭用品トップのブランシールも平均単価9,666円、金額PI値2,117円であるので、PI値は0.021%となり、かなり低い数字である。先のチョコレートNo.1の小春桜13個のPI値0.045%のちょうど半分とさらに低い数字となる。したがって、平均的な食品スーパーマーケットで2日に1個売れるかどうかという商品であるが、それでも、金額PI値は極めて高い数字であり、これが、平均単価のもつ金額PI値へのインパクトであるといえる。ちなみに、家庭用品のベスト10の平均単価だけ見ると、9,666円、9,569円、5,993円、20,315円、7,279円、7,137円、9,464円、14,508円、278円、3,844円と、1品だけ278円があるが、それ以外は、いずれも平均単価が極めて高い商品である。

   このように、今週の日経MJ新製品週間ランキングは金額PI値で見ると、平均単価の高い商品のオンパレードとなり、改めて、平均単価を見直す良い機会ではないかと思う。金額PI値を引き上げるには、食品スーパーマーケットでは、どちらかというとPI値を最優先で取り組んできたが、今後、特に価格競争の激しい今回のようなデフレ環境ではあえて、平均単価に挑戦することも重要なマーチャンダイジング政策であるといえよう。来週以降も、新製品の平均単価の動向がどのような動きとなるか注目である。

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March 21, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 20, 2010

ポイント100倍還元、ジーンズメイト!

   日経MJ、3/19にジーンズメイトのポイント100倍還元の記事が掲載された。見出しは、「ジーンズメイト、ポイント還元率100倍、来年4月まで、ジーンズ5000円以上」である。記事の内容を見ると、ジーンズメイトでは、これまで200円で1ポイントだったポイント還元率を5000円以上のジーンズ全品を対象に100倍の200円で100ポイント還元するというものである。実際、ジーンズメイトのホームページを見ると、全面に100倍ポイントが大きく訴求されており、「今、ジーンズを買うと、100倍ポイントセール、3/12-4/4」とキャッチコピーが掲げられている。

   いよいよ、ポイントも5倍、10倍の時代から、とうとう、100倍の時代に入ったといえ、これまでの静かな販促から、ちらしにかわる強力な販促手法に格上げされる段階に来たといえよう。ちなみに、ジーンズメイトは昨年100円で5ポイント還元であったポイント還元を200円で1ポイントに引き下げており、それを今回5000円のジーンズに限りであるが、200円で100ポイントに100倍還元したといことである。したがって、下げる前までの計算では、100円に5ポイントであったので200円では10ポイント、それが、100ポイントであるので、10倍還元となる。下げて上げての100倍が本当に100倍なのか、やや疑問が残るが、下げた時点からの100倍である。

   また、これを値引きに換算すると、200円で100ポイント、1ポイント1円ということで、200円で100円の値引き、すなわち、50%OFFとなる。消費者から見ると、5000円以上のジーンズは50%OFFと移る販促手法といえ、ジーンズメイトが5割引きをはじめたと捉えるのではないかと思う。通常、衣料品業界は、この春は衣替えの時期に加え、決算が加わり、強力なバーゲン(値引き)を行うことが多いが、ジーズンメイトはそれに合わせ、実質50%OFFのバーゲンをポイント100倍還元という形で打ち出したといえ、その意味で新たなポイントの販促の可能性を業界に投げかけたといえよう。

   ここで、値引きと還元の違いであるが、消費者から見るとどちらも50%OFFに移るかもしれないが、販促手法としては、中身が全く違う。値引きは文字通り商品の価格を下げることであるが、還元は商品の値引きを一切せず、一定の購入条件をもとに、直接消費者に売上げを還元、戻すことであり、商品の価格は変えず、値引きはしないというものである。問題はその購入条件が特定商品か特定顧客か等、条件設定にあり、今回のように、特定商品のみとなると、極めて値引きに近づくことになる。

   本来還元は商品販促から顧客販促への転換であり、商品の売上げを上げるではなく、顧客の売上げを上げる手段であり、具体的には来店頻度に変化を与えることが優先度が高く、しかも、還元できる原資を充分にもった消費者、すなわち、ロイヤルカスタマーに密かに還元するのが目的である。今回のように、顧客よりも、商品に焦点を当て、しかも、顧客の還元できる原資にほぼ無関係に還元するのは、一歩、間違えると、採算が合わない持ち出しの還元となる可能性もあり、よく計算しないと難しい問題をはらんでいるといえよう。

   その意味で、誰でも、大量に還元する政策は一時的には絶大な支持を得、特に、これまでジーンズメイトであまりジーンズを購入していなかった顧客にとっては良いかもしれないが、黙って、ジーンズメイトで10年、20年とジーンズを買い続けていた本当のロイヤルカスタマーにとっては、何で一律還元なのか、私だけ、もっと還元して欲しいという不満が残る政策でもあろう。還元はその意味で値引きとは根本的に質の違う販促策であり、常に、ロイヤルカスタマー最優先で還元を考える必要があり、値引きと同じ線上で捉えてしまうと、危険な販促でもある。

   ちなみに、ジーンズメイトのここ最近の売上げの推移であるが、既存店の昨年10月度79.5%(客数94.3%、客単価84.3%)、11月度81.0%(客数93.8%、客単価86.4%)、12月度83.0%(客数99.1%、客単価83.7%)、2010年1月度82.2%(客数99.1%、客単価82.9%)、2月度90.5%(客数107.8%、客単価84.0%)という状況である。客数はもどったが、客単価が大きく落ち込んでおり、客単価=PI値×平均単価であるので、平均単価の落ち込みが大きいと想定される。

   こう見ると、今回のジーンズメイトの100倍ポイントは、客数アップに加え、値引きではなく、還元であり、しかも主力商品の5000円以上のジーンズ購入が条件であるので、客単価、特に平均単価アップ政策を大きく後押しすることになろう。ジーンズが1000円前後で販売される時代となった厳しい経営環境の中で、この100倍ポイントがどこまで消費者に受け入れられ、ジーンズメイト全体の客数はもちろん、客単価の改善がはかられるか、次の3月期の売上げ速報に注目といえよう。また、そろそろ、ジーンズメイトの2010年2月期の本決算も公表されると思われるが、今期は、極めて厳しい決算が予想される。残念ながら、この100倍ポイントの成果が問われるのは次の決算期に入ってからであるが、まずは、次の第1四半期決算の結果がどこまで業績改善に結びついているかも気になるところである。

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March 20, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 19, 2010

マックスバリュ北海道、2010年1月度、厳しい決算!

   マックスバリュ北海道が2010年1月期の決算を3/17公表した。結果は営業収益765.93億円(-1.1%)、営業利益4.11億円(244.7%:営業収益比0.53%)、経常利益4.35億円(204.6%:営業収益比0.56%)、当期純利益-3.75億円(減損損失-8.08億円)となり、昨年と比べると営業、経常段階では減収増益であるが、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。ただ、営業、経常段階の増益も営業収益比では、0.53%、0.56%と依然として厳しい数字であるといえよう。

   そこで、まず、今回の決算の利益構造を原価、経費面から見てみると、原価は76.46%(昨年75.81%)と、0.65ポイント上昇しており、価格競争の厳しさが原価を押し上げたといえよう。マックスバリュ北海道自身も、「当社の属するスーパーマーケット業界におきましては、今まで以上にお客さまの節約志向が強まり、1点単価の下落による客単価の定価傾向が見受けられ、また、業種業態を超えた競争激化の影響を受ける等、厳しい経営環境が続いております。・・」とコメントしており、1点単価の下落が原価に響いたものと思われる。結果、売上総利益(粗利)は23.54%(昨年24.19%)となった。

   一方、経費の方であるが、24.92%(昨年25.78%)と0.86ポイント削減しており、経費の削減は進んだ。特に、営業収益が減少しての経費の削減であり、経費の絶対額を引き下げている。マックスバリュ北海道も、「「ローコスト体質の構築」においては、全員参画でコストの削減に取り組み、具体的には、従業員よりコスト削減の提案を収集する「もったいない輪」キャンペーンを実施し、・・」とのことで、まさに全社を挙げてのコスト削減に取り組んだ結果といえよう。実際、主な経費項目を見てみると、広告宣伝費5.98億円(売上対比0.79%、昨年10.35億円)、人件費85.24億円(売上対比11.34%、昨年86.52億円)、水道光熱費17.96億円(売上対比2.39%、昨年18.95億円)等であり、総額も187.27億円(昨年196.04億円)と8.77億円下がっている。

   このように、マックスバリュ北海道の今期は、原価の上昇を経費の削減で相殺しようという強い意志が働いており、差し引き、マーチャンダイジング力は-1.38%(昨年-1.59%)と、依然としてマイナスではあるが、0.21ポイント改善している。そして、これにその他営業収入が1.93%(昨年1.82%)のり、結果、営業利益が0.55%(昨年0.23%)と倍増した。ちなみに、その他営業収益の中身であるが、不動産賃貸収入が1.62%と大半を占め、これ以外が0.31%である。

   以上がマックスバリュ北海道の2010年1月期の本決算の営業構造であるが、営業利益率は0.55%とまだ低いが、全社を挙げての経費削減が厳しい価格競争による原価の上昇を相殺しており、収益を改善している。今後、この経費の絶対額の削減をさらに経営改革につなげるためにも、販売力を引き上げ、相対的に経費、特に固定費を引き下げることが課題となろう。

   さて、次に、マックスバリュの財務構造を見てみたい。まず、気になるのは自己資本比率である。今期は23.2%(昨年23.6%)と、財務面では依然として厳しい状況が続いており、負債に80%弱依存する財務構造である。その負債の主な項目であるが、有利子負債が83.90億円(昨年72.70億円)と、約10億円増加しており、総資産270.40億円に占める割合は31.0%であり、最大の負債である。実際、財務キャッシュフローを見ると、短期借入金は2.73億円減少しているが、長期借入金が35.00億円、返済21.07億円と差し引き、13.93億円増加しており、合計約10億円強増加している。

   ただ、この有利子負債を自己資本比率に足しても、54.2%であり、まだ、大きな負債があるといえる。そこで、その主な項目を見てみると、買掛金78.05億円(28.86%)、長期預り保証金10.87億円(4.01%)であり、これで、合計87.07%となり、負債の約90%弱となる。ちなみに、現金は21.07億円であり、有利子負債、買掛金の約1/4であり、今後、自己資本比率、特に、キャッシュをいかに増やすかが経営の最重点課題といえよう。

   ではこの負債と相殺する資産は何かであるが、出店関連の資産、すなわち、土地、建物、敷金、建設協力金が最も大きく、159.85億円であり、総資産の59.11%、約60%となる。したがって、自己資本でどこまで出店にかかわる資産を補っているか、すなわち、出店余力は、-35.91%であり、負債、特に、有利子負債に大きく依存する出店構造であるといえ、今後の成長を担う、原資が極めて厳しい状況にある。

   このように、今期のマックスバリュ北海道は経費の削減効果が寄与し、原価の上昇を相殺し、営業構造を昨年よりも改善したが、まだ、キャッシュを充分に生み出すまでには至っていず、マーチャンダイジング力も依然としてマイナスである。したがって、不動産収入等のその他営業収入に頼らざるをえない状況といえ、財務構造を改善するには、もう一段の営業構造の改革、特に、販売力をいかに引き上げるかが最優先課題といえよう。また、財務状況は自己資本比率23.2%と厳しい状況であり、今後、新店を継続的に出店してゆくには資本不足といえ、まずは、キャッシュを生み出す力、特に、既存店の活性化をいかにはかるかが課題といえよう。今回の決算を踏まえ、マックスバリュ北海道が今期の経費削減に加え、どのようにマーチャンダイジング政策を打ち出し、キャッシュを生み出してゆくのかに注目したい。

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March 18, 2010

マーチャンダイジング力を考えてみる!

   3/17の日経MJのコラム、「消費見所、カン所」にイオンリテールの村井社長のインタビューが掲載された。その見出しは、「経費、売上高との比較徹底」である。この中で、冒頭に、村井社長が「経費は昨年実績と比べるのではなく、売上高や粗利と対比させて考えるよう社内に指示している」と述べており、これはまさに、食品スーパーマーケット最新情報でもマーチャンダイジングの基本指標としているマーチャンダイジング力そのものであるといえる。イオンリテールも、特に、今期は、マーチャンダイジング力に着目して、経営改革に取り組んできたことがわかる。

   通常、経費削減というと、昨年実績と比べ、いくら金額が減ったかが問われるケースが多い。このコラムの中でも、村井社長は、2010年2月期のイオンリテールの経費を人員配置の適正化や店舗の家賃引き下げ交渉などの効果で約350億円削減したと述べている。また、今後、3ケ年でさらに500億円の経費を削るという。実際、その結果、近々に公表されるイオンの2010年2月期の決算は最終黒字見通しであるというが、その要因がイオンリテールをはじめとしたGMSの経費削減効果が大きかったという。ただ、村井社長は、この経費削減だけではなく、売上高や粗利との経費バランスが重要であるとの認識で、店頭販売、すなわち、売上高とのバランスをも重視しているという内容である。

   まさに、これが経費の本来の捉え方であり、昨年実績から経費を削減しただけでは、経営の改革にはつながらない。一般に、利益は売上高-原価-経費で決まるが、さらに、GMS、食品スーパーマーケットはここに、その他営業収入が加わり営業利益が算出される。イオン本体の場合は2009年度の本決算の数字を見ると、売上高(4兆7,060.69億円)-原価(3兆3,742.13億円)-経費(1兆7,321.99億円)=-4,003.43億円であり、これに、その他営業収入(5,247.17億円)が加わり、営業利益が1,243.73億円となった。これを売上対比で見ると、売上高(100%)-原価(71.69%)-経費(36.80%)=-8.49%、その他営業収入(11.14%)、結果、営業利益(2.65%)となる。

   ここで、マーチャンダイジング力とは、食品スーパーマーケット最新情報特有の分析指標であり、売上高-原価-経費=粗利(売上総利益)-経費のことである。損益計算書ではなぜか、この指標、マーチャンダイジング力が算出されておらず、仕方ないので、独自にこの指標を算出して、勝手に名前をつけたものである。2009年度の本決算では、イオンは営業利益は黒字だが、マーチャンダイジング力が大きくマイナスであり、これをその他営業収入、具体的には不動産収入、物流収入でカバーし、営業利益を黒字にもっていっている営業構造である。これはGMS特有の営業構造であるが、最近では食品スーパーマーケットも、店舗の規模が巨大化すると、このような営業構造となるケースとなるのが実態である。 

   ここからわかることは、経費が昨年よりも削減できても、それ以上に原価が上昇すればマーチャンダイジング力はマイナスとなるというこことであり、原価が上昇しないまでも、売上高が経費の削減以上に減少すれば、同様にマーチャンダイジング力はマイナスとなるということである。したがって、経費を昨年よりも削減することはもちろん重要な営業改革であるが、売上高と原価、すなわち、粗利との関係を見ないと営業構造は改革できないということである。さらに、GMSの場合はその他営業収入の動向も営業構造に大きな影響を与えるので、ここも見る必要がある。

   一般にマーチャンダイジング力を改善するには、まずは、原価と経費のバランスが重要であり、しかも、絶対金額ではなく、売上高との対比、村井社長がコラムで述べているように、比率でのバランスが決め手となる。そのパターンは4つしかない。原価小(粗利大)経費大、原価小(粗利大)経費小、原価大(粗利小)経費小、原価大(粗利小)経費大である。この内、マーチャンダイジング力が大きくプラスとなるのは、原価小(粗利大)経費小のケースであるが、小売業としては、原価大(粗利小)経費小を目指したいところであろう。これ以外のケース、原価小(粗利大)経費大でも原価大(粗利小)経費大でもマーチャンダイジングをプラスにもってゆけないことはないが、原価大(粗利小)経費大は至難の業であり、原価小(粗利大)経費大(GMSタイプの典型)は競争力が落ち、売上高が下がる可能性が高いといえよう。

   こう見ると、村井社長がこの日経MJのコラムで述べていることは、マーチャンダイジング力を改善せよといっていることと同じであり、原価小(粗利大)経費小ないしは原価大(粗利小)経費小を目指せということになろう。ただし、GMSは原価小(粗利大)経費大であり、そもそもが原価の低い(粗利の高い)衣料品を主力にすえる事業構造が原点であることを考えると、原価大(粗利小)の方向は自己矛盾することになりかねず、原価小(粗利大)は既定、結果、経費大を経費小に変える構造改革が大前提といえ、これを昨対ではなく、売上対比で下げることが本筋といえよう。すなわち、売上高を引き上げつつ、経費を下げるということがGMS改革の本筋であり、まさに、村井社長の目指す方向であるといえよう。

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March 18, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 17, 2010

日経ビジネス3/15、脱・デフレを特集!

   日経ビジネス3/15、最新号で、「脱・デフレ列島、安売りを撃破せよ」というタイトルで小売業のデフレ対策を取り上げた。特に興味深い記事が、成城石井である。また、オギノ、全日食、そして、東急ストアの記事も参考になる。現在、食品スーパーマーケット業界はもちろん、小売業界全体がデフレの真っただ中にあり、平均単価が下がり、売上げが伸び悩み、利益にも影響が出始めている。2010年度決算も厳しい結果が予想されるが、このようなデフレ環境の中でも、しっかり対策を立て、デフレを克服しようとしている小売業の特集である。

   さて、注目の成城石井の記事であるが、記事の中に、2009年12月度の成城石井の決算結果が記されているが、売上高、経常利益ともに、2桁の上昇、増収増益は4期連続だという。しかも、販売単価が3年で10%上昇したという。ポイントは、この販売単価、すなわち、平均単価が10%上昇したことである。通常、デフレ時は平均単価が下がり、売上げが伸び悩むのが実態である。

   実際、ここ数ケ月の食品スーパーマーケット業界の売上速報を見ると、新店、M&Aによる売上増は見られるが、既存店はのきなみ売上高が下がっており、その中身を見ると、客数ももちろんだが、客単価が下がっているのが実態である。さらに、その客単価の中身を見ると、PI値は伸びているが、平均単価がダウンし、客単価を落としているケースが多い。これはデフレ時には、価格競争が激化し、平均単価が下がり、PI値(数量)をいくら伸ばしても追いつかず、結果、客単価(金額PI値)を下げてしまうためである。

   さらに、昨年はPBブームでもあったため、PBを必要以上に強化した食品スーパーマーケットほど、全体の平均単価を下げており、結果、客単価が上がらず、客数も伸び悩み、既存店の売上高が伸び悩むという結果となった。この後遺症は今も引きずっており、一旦、平均単価を下げてしまうと、中々、その負のスパイアラルから脱却できないのが実態といえよう。

   このような状況の中で、日経ビジネスの記事を見ると、成城石井は全く逆の政策、すなわち、平均単価を意識して引き上げたマーチャンダイジングをこの3年間実施し、実際、平均単価を10%引き上げたという。特に、はじめに取り組んだ平均単価アップ政策の内容が記事で解説されているが、それを見ると実にユニークな政策である。「イチ・ニッ・パー」、すなわち、128品の戦略商品の強化である。これは、成城石井の8部門から、「売れ行きが好調で、粗利益が取れている10品と、特に売れてないが粗利率が高い6商品をリストにしろ」と大久保社長が指示しところから始まったという。

   8部門×(10品+6品)=128品となる。そして、この戦略商品の在庫を思い切って積み増し、店頭の一番目立つ場所に陳列し、その商品の魅力を客にアピールしたという。結果、この128品の売上げ構成比が6.5%から10.5%へと上がり、現在では29%までになったという。

   では、この128品とはどのような位置づけになるかであるが、客単価(金額PI値)の表を作ると明快である。横軸をPI値、縦軸を平均単価とすると、掛けた面積が客単価(金額PI値)となる。そして、ここに128品を落とし込むと、はじめの10品はPI値が高くで平均単価も高い、右上の商品が第1優先でピックアップされる。そして、次に、PI値が高く、平均単価の低い右下の商品がピックアップされよう。その割合は前者が5から6品、後者が4から5品というところだろうか。したがって、この10品の半分は平均単価の高い商品であり、これだけでも強化すれば平均単価アップをはかることができよう。これに、さらに6品、これは、まさに、平均単価が高くPI値が低い左上の商品をピックするので、結果、128品の内、約70%は平均単価の高い商品となる。この政策そのものがPI値よりも、平均単価を引き上げる政策であり、しかも、これを徹底強化、すなわち、このPI値を引き上げ、最終的には全体の30%近くまで構成比を上げるわけであるので、PI値以上に平均単価のアップが大きく図られることになる。

   これを成城石井は全社を挙げて大久保社長が率先垂範で取り組んだわけであるので、他の食品スーパーマーケットがデフレ環境の中、平均単価の低い右下の商品を集中的に販売し、全体の平均単価を意識的に下げている中での、全く逆の商品、右上、左上を意識的に売り込んだことになる。マーチャンダイジング政策が通常の食品スーパーマーケットとまさに正反対に進んでいるのが成城石井ということになる。結果、成城石井の利益は3年間、急上昇しており、その正しさが実証されたといえよう。

   このように、実はデフレ環境の中では放っておくと自然に平均単価が下がるのが実態であり、いわゆる売れ筋、PI値が高く、平均単価の低い商品、すなわち、右下を強化すると、さらに平均単価のダウンが加速されることになる。しかも、このゾーンのPBを強化すれば、さらに、平均単価のダウンが加速される。成城石井は、今回の政策は3年前から取り組んでいるとのことであるので、デフレ環境になったからといって急遽取り組んだ政策ではなく、成城石井そのものの企業の原点、強みをより強くしようとした結果の政策であり、それが、このデフレ環境の中で見事にはまったといえる。結果論であるが、デフレ時はこの成城石井が示した平均単価に着目した、右上、左上の商品強化政策がポイントであることを、成城石井がまさに実証したといえよう。

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March 17, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 16, 2010

2010年本決算はじまる、食品スーパーマーケット、丸和!

   いよいよ、食品スーパーマーケット2010年度の本決算の公表がはじまった。食品スーパーマーケット業界の上場企業は約60社である。その内、1月度決算が3社、2月度決算が約40社、3月度が約10社、4月、5月度が数社、さらに、9月度も数社となり、計約60社となる。

   今回は、その中の2010年1月度、今期はじめの食品スーパーマーケット業界上場企業の本決算、丸和について取り上げてみたい。3/12に公表された結果であるが、売上高377.80億円(-6.2%)、営業利益-1.10億円、経常利益-4.57億円、当期純利益-27.43億円となり、減収減益、赤字決算となる極めて厳しい結果となった。丸和自身も、「個人消費低迷への対応策としてプライベート商品を中心とした値下げ競争等による企業間競争により、客単価の減少が明らかとなり、デフレ基調での非常に厳しい経営環境となりました。」とコメントしているようにデフレによる価格競争の激化が厳しかったとのことである。

   丸和は、現在、広島のユアーズの支援を得て、経営再建中である。株式も2009年7月現在66.4%ユアーズが保有しており、ユアーズが筆頭株主となり、ユアーズの子会社となっている。昨年11月に公表した構造改革の進捗状況を見ると、「所有不動産・賃貸不動産の精査・評価を行い、①物件売却、テナントリーシングを行うこと、②不動産賃貸借契約の金額見直しのお願いを行うこと、加えて、当社展開エリアの再検討を行い、③不採算店舗の撤退を行うこと、の3点を主軸として関係者と調整し、・・」と、3つの改革に取り組み、「一部旧店舗の売却実施、不動産賃貸借契約の支払減額、4店舗の閉鎖が確定、・・」という状況であるが、まだ今期決算結果には十分に反映されているとはいえず、依然として厳しい経営状況が続いている。

   特に、自己資本比率が4.7%(昨年9.3%)という状況であり、95%以上が負債という極めて厳しい経営状況にあり、資本不足が深刻であり、今後、さらに、資本の増強が急務といえよう。その負債の状況を見てみると、総資産は238.40億円であるが、有利子負債が128.51億円と53.90%に上る。さらに、固定負債には、更生債権等15.76億円、繰延税金負債12.51億円、再評価に係る繰延税金負債15.00億円と計43.27億円あり、総資産の18.1%になる。

   今期のキャッシュフローを見ても、営業キャッシュフローは当期純利益が赤字となったため、-9.59億円とマイナスとなった。一方、投資キャッシュフローは、敷金及び保証金の回収があり、0.85億円のプラスとなった。ただ、結果、フリーキャッシュフローは-8.74億円のマイナスとなり、今後の成長戦略を担う新規出店への投資が全くできない状況である。そして、財務キャッシュフローであるが、10.07億円のプラスとなり、マイナスのフリーキャッシュフローを財務キャッシュフローで相殺した。そのキャッシュの調達であるが、新たに株式を発行し、13.24億円資金調達したことが大きく、これが、親会社、ユアーズへの第三者割当による新規株式の発行である。

   今期は、このように、親会社への新株発行により、キャッシュフローを回すことができたが、自己資本比率はさらに厳しい状況になっており、今後、多額の負債の圧縮には、一段とキャッシュが必要な状況である。今後、丸和としては、どのように資金調達を実施してゆくのか、親会社のユアーズとしても、さらに、資本を入れるか、経営判断が難しい状況にあるといえよう。

   では、そのキャッシュの源泉となる丸和の今期の営業構造を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、74.05%(昨年75.12%)と、原価は1.07ポイントと大きく下がっており、原価の改善はこの厳しいデフレの中、進んだといえよう。結果、売上総利益は、25.95%(昨年24.88%)と改善した。一方、経費の方であるが、27.27%(昨年25.91%)と、経費の方は1.36ポイントと大幅に上昇している。結果、差し引き、商品売買から得られるマーチャンダイジング力は-1.32%(昨年-1.03%)と0.29ポイント減少しており、厳しい状況である。これに、不動産収入、物流収入等が1.03%(昨年0.93%)のり、結果、営業利益は-0.29%(昨年-0.10%)と赤字となった。さらに、売上高も-6.2%となったことにより、営業利益段階でのキャッシュが大きく減少した。

   したがって、資金調達による資本不足を補うことも必要であるが、それ以上に、マーチャンダイジング力をプラスにもってゆき、営業活動によるキャッシュを稼ぐ力をつけることが最優先課題といえよう。マーチャンダイジング力の要諦は原価と経費のバランスであるが、丸和の経費比率は27.27%と極めて高い水準にあり、経費削減も重要な課題であるが、それ以上に、坪当たりの経費を落とす、すなわち、販売力、特に、坪効率のアップにより経費を引き下げることが喫緊の課題といえよう。

   今期決算を見る限り、丸和の経営状況は厳しい状況にあるといえ、次期2011年度はまずは自己資本比率が4.7%にまでなった資本の増強が急務であり、同時に、営業構造を改革し、マーチャンダイジング力をプラスにもってゆける販売力をいかに打ち出せるかが当面の課題といえよう。次の第1四半期、丸和の営業構造、特に、マーチャンダイジング力がどこまで改善されるか、注目したい。

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March 16, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 15, 2010

食品スーパーマーケット、株価速報、3/12、CFS、No.1!

   いよいよ、食品スーパーマーケット業界も決算期が近づき、ここへ来て、様々な動きがみられ、株価が大きく変動しはじめた。3/12現在、5日移動平均(短期)で、小売業約400社の上場企業でNo.1となったのは、CFSコーポレーションであった。10.82%となり、さらに、25日22.12%、13週18.27%、26週14.66%と、いずれの段階でも大きく上昇した。3/12現在563円(+6円、+1.07%)という結果である。チャートを見ると、まさに、この数日大きく株価が跳ね上がっており、注目の株価である。

   その要因はすでに、食品スーパーマーケット最新情報のブログでも触れたが、イオンがCFSコーポレーションの51%の過半数の株式を所有し、子会社化することを3/9に公表したことにある。この関係でイオン銘柄の株価が今週は大きく動き、波乱の1週間であったといえよう。そのイオン銘柄の株価であるが、ダイエーもNo.6に入り、3/12現在、316円(+1円、+0.31%)となり、5日移動平均は5.33%、25日6.04%、13週0.00%、26週-3.06%であるので、まさに、この数日の株価が急上昇した結果であり、今回のイオンの動向によるものといえよう。

   本体のイオンもNo.17に入り、3/12現在、975円(+14円、+1.45%)となり、5日移動平均は3.28%、25日6.67%、13週12.45%、26週17.32%であり、すべての段階で株価が上昇気味で推移している。ここ最近の報道では今期決算も黒字に転換するとのことであり、今後、さらに、思い切った経営改革が打ち出される可能性もあり、M&Aも含め、イオンの動向には注目といえよう。

   以上がGMS、食品スーパーマーケットのベスト3の5日移動平均の株価であるが、それ以外の上位も見てみたい。No.4(小売業全体19位)はジョイスであり、3.13%、3/12現在395円 (+16円、+4.22%)、25日0.25%、13週0.25%、26週-3.18%であり、ここ最近の株価の上昇であるといえよう。No.5(小売業26位)はセブン&アイHであり、2.75%、3/12現在、2,053円(+33円、+1.63%)である。25日4.05%、13週4.58%、26週2.54%であり、チャートを見ても、ここ最近株価が上昇気味である。イオン、セブン&アイH双方、株価がここ最近上昇気味で推移しており、苦戦気味のGMSへの投資家からの期待感が反映されているといえ、市場は、GMSに一段と改革を促しているといえよう。

   No.6(小売業31位)はマルヨシセンター、2.46%である。3/12現在、商いは成立していないが、25日1.21%、13週0.60%、26週-0.89%と、ここ最近上昇気味で推移しているといえよう。No.7(小売業37位)は原信ナルスHであり、2.18%である。3/12現在、1,075円(+26円、+2.47%)、25日3.66%、13週2.18%、26週2.87%であり、チャートもここ最近は上昇気味である。No.8(小売業55位)はイズミ、1.73%である。3/12現在、1,116円(+23円、+2.10%)、25日-0.08%、13週-1.84%、26週-1.93%であり、まさに、この数日、上昇したといえよう。

   一方、長期トレンド、26週移動平均ではどうかを見てみると、No.1は、何とイオンであり、小売業全体では20位であるが、食品スーパーマーケット、GMSではトップとなった。26週移動平均は17.32%であり、先に見たように、5日3.28%、25日6.67%、13週12.45%であり、小売業の中でも、3/12の週はイオンが注目の株価であったことがわかる。そこで、イオンのチャートを見てみると、昨年12月頃は700円前後で推移していたが、年末から年初にかけて株価が上昇、1月中旬には900円台に急上昇した。その後、3月まで900円前後でもみあっていたが、ここで950円を突破し、3/12現在、975円となった。

   今後、イオンの2010年2月期の黒字転換の決算発表も控え、ここ最近の矢継ぎ早の組織改革、今回のCFSコーポレーションの子会社化、さらには決算発表時、および、その後に公表されるイオンの2011年度の経営戦略の内容次第ではさらに株価の反発も予想され、当面、小売業はイオンの株価を軸に動いてゆくような状況である。

   イオンに次いで、26週移動平均の状況を見ると、No.2(小売業28位)CFSコーポレーショオン、14.66%、No.3(小売業51位)九九プラス8.43%、No.4(小売業81位)ユニー5.23%、No.5(小売業86位)マツヤ4.16%、No.6(小売業94位)大黒天物産3.59%、No.7(小売業98位)ダイイチ3.34%、No.8(小売業105位)原信ナルスH2.87%、No.9(小売業113位)セブン&アイH2.54%、そして、No.10(小売業118位)いなげや2.10%であり、以上がベスト10である。

   こう見ると、3/12の週の食品スーパーマーケットの株価はイオンを中心に動いたといってよく、短期トレンド5日移動平均、長期トレンド26週移動平均、いずれも、イオンが食品スーパーマーケット、GMS業界ではトップクラス、小売業全体でもトップクラスに入っており、投資家注目の株価となっていることがわかる。小売業界は、今後、イオン、セブン&アイH、上場企業ではないが、西友の親会社ウォルマート等のGMSグループが、今回のイオンのCFSコーポレーションのM&Aのような動きにいつ出てもおかしくない状況にあるといえ、この決算発表前後が注目といえよう。

   さらに、今後、商社、そして、中小、食品スーパーマーケット同士のM&Aもいつ起こっても不思議ではなく、デフレ環境による厳しい経営状況が業界再編を促すことも十分考えられ、2011年度はその意味で、波乱の1年となりそうである。今週から、食品スーパーマーケット業界の本決算の公表がはじまるが、決算の中身だけでなく、2011年度の経営方針を各社どのように打ち出すか注目である。

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March 15, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 14, 2010

日経MJ新製品週間ランキング3/12、金額PI値1,687円!

   日経MJ新製品週間ランキングが3/12、公表された。今週は何といっても、その他食品、初登場No.1となった日清食品、カップヌードル生誕百年記念パッケージ77gである。金額PI値が1年に1回でるかでないかの異常値、1,687円となった。No.2にも、同じく日清食品、チキンラーメン生誕百年記念パッケージ5食パック425gが金額PI値908円と、これも極めて高い数字となった。金額PI値1,687円は恐らく、この週は日本の食品スーパーマーケットで扱っているグロサリー食品、数万品目の中でもトップクラスに入ったのではないかと想定されるほどの異常値である。

   PI値を逆算すると、平均単価が94円であるので、金額PI値=PI値×平均単価から、PI値=金額PI値÷平均単価=(1,687円÷1,000人)÷94円=1.79%であり、1%を優に超える数字である。食品スーパーマーケットでPI値1%を超える商品は生鮮を含めても200品前後であり、1.79%は極めて高いPI値である。客数2,000人/日クラスの食品スーパーマーケットで、1日17.9個平均で1週間売れている数字であり、週間では125.3個、100個以上売れたことになる。こんなグロサリー商品はめったになく、すごい数字である。今回の対象店舗数が49チェーン、250店舗での数字であり、カバー率が81.2%であるので、200店舗以上の店舗の平均の1週間の数字であり、極めて高い数字といえる。

   当然、ここには強力なキャッペーンがかかり、店頭に山と積まれ、大きなPOPが一斉についたと思われるが、それでも、中々、ここまでの数字を1日ではなく、週間平均で出すのは難しく、高いPI値である。来週は大きく数字が下がることが想定されるが、どの辺で落ち着くか、特に、平均単価との関係が気になるところである。

   このカップヌードル、チキンラーメン以外にも、その他食品には先週も言及したハウス食品のバーモンドカレーがNo.3、No.4で登場しており、健闘している。No.3はバーモンドカレー<中辛>238g、金額PI値361円、平均単価は171円と先週の167円からやや上がっているが、金額PI値は110円アップである。No.4のバーモンドカレー<甘口>も金額PI値322円と先週よりも平均単価が169円から175円へと大きく上昇しているが、金額PI値は113円アップとなり、好調である。残念ながら、辛口はベスト20から漏れたが、この2品は依然として高い数字をキープしている。

   今週は、その他食品がこの4品に限らず活気づいており、注目の新製品が目白押しである。この4品以外にもさらに注目の新製品を見てみると、No.5にグリコ乳業、プッチンプリンいちご75g×3が金額PI値287円で初登場で入った。カバー率も67.2%で初登場としては高い数字であり、注目である。No.6にもキューピー、アヲハタ55イチゴジャム330g、金額PI値235円と、高い金額PI値である。当面、こられの商品は高い金額PI値を維持するものといえ、今後、その他食品の新製品は注目部門といえよう。

   これについで、今週、金額PI値が異常に高い数字となった部門は家庭用品である。家庭用品には化粧品も入り、平均単価が高いために、PI値が低くとも、掛けた金額PI値は高くなる傾向があるが、まさに、今週はその化粧品が上位にランクインした。No.1は平均単価9,745円のコーセー、インフィニティリアライジングホワイトXX40ml、金額PI値952円と、今週の全新製品の中で、先のカップヌードルについで2番目に入った。PI値は逆算すると、0.0097%であり、見えないくらい低く、客数2,000人/日クラスの平均的な食品スーパーマーケットで0.19個であり、5日に1個ぐらい売れる商品である。それでも、金額PI値が952円となるのは、この平均単価の高さによるところが大きい。No.2も化粧品、マックスファクター、SK-Ⅱセルミネーションエッセンス50ml、金額PI値900円、平均単価は何と20,154円である。PI値は0.0044%であり、10日に1個売れるか売れないかの商品であるが、平均単価が高いだけに、金額PI値はPI値が低くとも、高くなる傾向が強いといえる。

   これ以外の部門であるが、飲料では、先週同様、No.1、No.2は日本コカ・コーラ、コカ・コーラゼロ1.5L、500mlが入り、金額PI値483円、420円となった。先週比で見ると、-88円、-44円であり、やや下がり気味であり、どの辺で落ち着くかが気になるところだ。No.3には、キリンビバレッジ、午後の紅茶ヘルシーミルクティー500mlペットボトルが金額PI値401円、初登場でランクインしており、飲料も、今後、激しいランク争いが繰り広げられそうである。また、菓子、冷凍食品は上位に大きな変動はなく、比較的落ち着いた新製品の動きである。

   このように、今週は先週の定番中の定番のハウスバーモンドカレーの登場に続き、本命中の本命ともいえるカップヌードル、チキンラーメンの生誕百年記念商品が登場し、新製品ランキングがいきなり、活気づき、異常な週となった。例年、3月、4月、そして、5月は新製品が数多く登場する月でもあるが、今年は、カップヌードル、バーモンドカレーのように大型定番のリニューアル、記念商品等の登場が見られるのが特徴といえる。画期的な新製品よりも、定評のある定番のリニュールの新製品が今年は多いように思う。来週以降、どのような新製品が登場するか注目である。

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March 14, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 13, 2010

花王、ID-POSに本腰!

   日経新聞、3/12に花王のID-POS分析の記事が掲載された。見出しは、「購買履歴小売りと共有、花王」、「顧客層別に動向を把握、売り場提案に活用」というもので、花王が本格的にID-POS分析をもとにしたリテールサポート、小売業への支援に乗り出すとの記事である。以前から花王は通常のPOS分析については様々な取り組みがなされ、定評のある小売業への支援をしてきていた。今回は、次世代のPOS分析、ID-POS分析へも、本格的に取り組むとのことで、花王はもちろん、小売業界にとっても新たなマーチャンダイジングの時代が到来することになろう。

   記事の内容を見ると、2011年度から、ドラックストア、スーパー、ホームセンターなど小売り大手約30社と組み、ID-POS分析を活用した新たな販促策を構築し、小売業へ提案してゆくという。すでに、実証実験を行っており、売上げが7から8%程度伸びたケースもあったという。2010年度も引き続き、実証実験を行い、ノウハウを蓄積するという。

   ID-POS分析はそのデータ量が通常のPOS分析と比べ膨大な量となり、分析も無限といって良いくらいあり、複雑である。したがって、ハード、ソフト、そして、ノウハウと、3拍子そろわないと、提案書ひとつつくれないのが現状である。花王が2011年度から本格展開、2010年度は実証実験といっているのも、それだけ、時間と労力、ノウハウ、そして、費用もかかるがゆえのスケジュールであるといえよう。

   通常のPOS分析は原則、商品別の売上金額、売上数量を把握し、ここから様々な商品分析を行うことになる。これにPI値を活用する場合は、さらに、レシートの総枚数が加わり、売上金額、売上数量をレシート1枚当たりに直して商品分析することになる。いずれも、総分析量はさほど多くはない。

   ところが、これにIDが加わると、レシート1枚1枚にID番号がふられ、レシートがIDごとに整理され、そのIDをもとに、商品分析が行われることになる。したがって、単純な商品分析から、IDを前提とした商品分析となり、ID×商品の数だけ、売上金額、売上数量、そして、レシート枚数が発生し、それを前提に様々な分析がなされる。分析も1次元から2次元となり、飛躍的に質の上昇、量の増大が起こる。しかも、IDの属性ごとに分析することもできるし、商品の購買状況、たとえば、トライアル購買、リピート購買ごとに分析するなども可能となり、3次元、4次元と次元をいくらでも増やすことも可能である。PI値分析も、様々な指標を作ることができ、少なくとも数10種類は増えることになり、どのPI値をどう実務に活かすかが課題となる。まるで、調味料のさじ加減のように様々なPI値を適宜に活用することになる。

   花王はこれを大手30社に対して、同時並行で取り組むことになると思われるが、その体制づくりに、実証実験を含め、まるまる1年がかかり、結果、2011年度と来春からの本格的なID-POS分析への対応ということになるのではと思われる。ちなみに、記事の中身を見ると、花王が取り組もうとしているのは、売場(マーチャンダイジング)と接客(マーケティング)であり、IDごとの購入履歴を分析し、IDの属性に基づき、プロファイリングを行い、同様の購買傾向を示すIDに直接接客したり、品揃え、棚割を変えたりと売り場変更を行うという。

   記事の中に事例が載っているが、それを見ると、入浴剤の20から30歳代の購入履歴が洗顔料や美容液をよく購入する傾向がある場合、それらの商品を同時購買しやすい棚割をつくったり、店頭で直接すすめるなどするという。同様に40から50歳代には、肩凝りや腰痛を緩和する温熱シートを棚割に組み込んだり、直接すすめたりするという。まさに、ID-POS分析ならではの取り組みといえよう。

   興味深いのは、花王の商品はPI値で見ると限りなく低く、見えないくらいの商品が多いのが特徴であり、PI値を100倍しても、1,000倍しても見えにくい商品が多い。10,000倍ぐらいがぴったりかもしれない。その花王が恐らく、人、物、金を投入し、メーカーでは本格的にID-POS分析に取り組むことになる。ID-POS分析は花王の商品のようにPI値の低い商品ほど効果が出る可能性が高いともいえよう。PI値が高い商品はある意味、黙ってでも売れてゆく商品であり、そこにマーチャンダイジング、マーケティングはあまり必要ではなく、PI値が低く、なかなか売れず、売りにくいがゆえに、マーチャンダイジング、マーケティングの必要性があるともいえる。

   もうはるか昔になるが、慶應義塾大学の村田ゼミでマーケティングの手ほどきを受けた時、マーケティングの発生が1929年のアメリカに端を発した大恐慌と密接な関係があり、そこでの実践事例が学問として成立してゆく契機となったということをふと思い出した。そう考えると、ID-POS分析はPI値の低い、まさに、売りにくい、放っておけば売り場から消えゆく商品をいかに売るかの救世主となる可能性が高いといえ、新たなマーケティング分野を切り開く可能性を秘めた分析手法ともいえよう。花王には、その先陣を切って、日本のマーケティング、そして、マーチャンダイジングをリードしていって欲しいと思う。

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March 13, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 12, 2010

CFS、イオンの連結子会社へ

   3/10、3/11と2日連続、CFSコーポレーションの株価が急上昇した。3/10、521円(前日比+80円、+18.14%、1.4万株)と急上昇し、翌日3/11も、557円 (前日比+36円、+6.90%)となり、特に、この日は、売買高も14.7万株、通常の約10倍となる大商いとなった。小売業約400社の中でも、6位、食品スーパーマーケットではもちろんNo.1の株価上昇率である。その要因はイオンがCFSの51%の過半数の株式を所有し、子会社化することを3/9に公表したためである。ちなみに、3/9のCFSの株価は、441円(前日比-17円、-3.71%、1.0万株)であるので、まさに、この2日間は、異常な株価の動きである。

   すでに、イオンはCFSの株式を2009年2月時点で33.22%保有しており、ほぼ1/3を抑えているが、この保有比率をさらに引き上げ、51%と過半数を所有し、経営権を握ることが、3/9、両社の間で合意された。これまでのゆるやかな連帯を原則としてきたイオンが、ここへ来て、子会社化という強い連携への方針転換ともいえ、今後の他の関連会社への動きが注目される。

   その動きであるが、すでに、イオンよりも、投資家の方が動きはじめており、イオンの関連会社であるダイエーの株価が、CFSと良く似た動きをしている。ダイエーは2009年2月時点でイオンが19.85%株式を所有し、29.28%の株式を保有する筆頭株主の丸紅と共同で経営にあたっているが、この19.85%をイオンが買い増すのではないかと投資家が先読みし、動いたものといえよう。3/9からのダイエーの株価の推移を見てみると、3/9(288円、-1円、-0.34%)、3/10(295円、+7円、+2.43%)、そして、3/11(315円、+20円、+6.77%)となり、しかも商いも107.1万株と100万株を超え、通常の約5倍となった。ただ、ダイエーの場合は、丸紅との関係もあり、すぐにイオンが動くとは思えないが、将来的には、何が起こるかがわからないといえよう。

   ちなみに、イオンの株価であるが、3/9(926円)、3/10(926円)と、この2日間は動きがなかったが、翌日、3/11は961円 (+35円、+3.77%)と上昇しており、市場はイオンの次の動きを探っているような、この数日の株価の動きである。また、その他のイオン関連の食品スーパーマーケットの3/11の株価であるが、ベルク810円(+5円)、カスミ444円(+6円)、マルエツ376円(+5円)等であり、小幅な値動きである。

   さて、では、イオンとCFSコーポレーションがどのような合意をしたのかを見てみたい。まず、株式の所有関係であるが、「両社の協力関係をより密なものとし、相互の経営資源・人財を最大限活用できるよう、イオンはCFSに対する出資比率を51%を目処とする過半数まで引き上げる見込みです。」とのことで、51%という数字を明確にしている。さらに、「CFSの東京証券取引所市場第一部上場の維持を前提として、・・、公開買付けを行う場合には、買付け価格を600 円を目途として協議検討しております。」とのことで、CFSはイオンが51%の株式を所有した後にも上場廃止にはならない予定である。また、公開買い付けの場合は、600円を目途としているので、3/11現在、557円であるので、600円近くまで、上がる可能性もあり、今後の株価の推移に注目といえよう。

   また、CFSの食品スーパーマーケット部門、キミサワであるが、「CFSのスーパーマーケット事業部門は、新たな成長へ向け1年以内を目処にCFSより分離させ、イオンに引き継ぎます。」とのことで、さらに、「「キミサワ」ブランドの復権を目指します。」とうたっており、キミサワの名前は維持されるという。以前、子会社化したコーヨーと同様の方向であるといえよう。

   そして、そもそもの今回の合意内容の最大の目的であるドラックストア関連であるが、「イオンは、新たな提携の下でCFSをH&BC事業分野における中核会社と位置づけ、CFSの強みを活かし、GMSのH&BC売場の活性化を進めるとともにグループ内のH&BC事業の強化を図ってまいります。」とのことで、CFSがイオンのH&BC事業の中核に位置づけられ、さらに、GMSの活性化をも担ってゆくことになるという。また、ドラックストアについては、「ドミナントの深耕、エリア拡大、業界再編への積極的参入などを通じて、成長を加速してまいります。」とのことで、業界再編へも積極的参入とうたったおり、食品スーパーマーケット業界よりも、ドラックストア業界の再編が加速されることになろう。

   このように、イオンが、このCFSコーポレーションとの今回の合意を機に、これまでのゆるやかな連帯から、強い連携へと戦略転換を図ったといえ、特に、ドラックストア業界はイオンを中心にさらに業界再編が加速されることになろう。また、食品スーパーマーケット業界においても、マックスバリュを中核にイオン主導の業界再編が本格化する可能性もあるといえよう。食品スーパーマーケット業界では、イオン以外にも、すでに、ウォルマートが西友を中核に、次のM&Aに動きはじめており、セブン&アイHもヨークベニマルを中核に動きはじめている。また、丸紅、伊藤忠、三菱商事、住友商事もいつM&Aに動いてもおかしくない状況であり、2011年度は、2010年2月、3月期の決算が終了次第、ドラックストア、食品スーパーマーケットの業界再編が本格化する波乱の1年となりそうである。

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March 11, 2010

魚力の決算を見る!

   食品スーパーマーケットの上場企業はすでに50社を優に越えているが、それに比べ、生鮮の専門店、青果、鮮魚、精肉等の上場企業はまだわずかである。そのわずかな生鮮専門店の中で、健闘している企業の1社が魚力である。特に、ここ最近では、ウオリキ・フレッシュ・インクをアメリカに設立し、ホールフーズマーケット、ウェグマンズと取引を順調に拡大しつつあるなど、国内だけでなく、海外にも目を向けての商売を展開しており、魚力の動向には注目である。ただ、さすがに、国内はここ最近厳しい状況であり、売上げが伸び悩んでいるといえる。そこで、今回は、この魚力の最新決算、最新売上状況をもとに、魚力の現状を見てみたい。

   まず、最新の売上動向、2010年3月期の2月度の売上速報であるが、全社は92.5%、既存店96.2%という結果であり、苦戦気味である。ここ数ケ月では最も厳しい数字であり、特に2010年度、今年に入って厳しい数字が続いている。2月末現在の店舗数は小売店が37店舗、飲食店が8店舗であり、特に、小売店は今期4店舗を開店(予定)しており、積極的な出店であるといえよう。

   魚力の最新の決算、2009年10月から2009年12月までの事業別の売上高と売買差益を見ると、小売事業57.72億円(構成比82.1%、仕入れ31.89億円:粗利44.7%)、飲食事業2.905億円(構成比4.1%、仕入れ0.85億円:粗利70.5%)、卸売事業9.64億円(構成比13.7%、仕入れ10.09億円:粗利-4.7%)であり、トータル70.27億円(仕入れ42.84億円、粗利39.0%)という結果である。卸売事業が第2の柱となりつつあるが、利益が安定せず、厳しい状況が続いている。この内、期待されるアメリカの売上げは卸売事業の約30%ぐらいであり、全体の構成比では5%弱といえ、魚力の中でどのような位置を占めるか、今後、数年が正念場といえよう。ただ、円高による為替の問題等もあり、単純に売上げがオンにならない場合もあり、海外での商売は難しい面もある。 

   では、この第3四半期累計の決算数字はどのような結果であったかを見てみたい。2010年3月期の第3四半期決算の結果であるが、売上高189.25億円(-1.1%)、営業利益6.15億円(0.9%)、経常利益5.54億円(-10.4%)、当期純利益2.91億円(昨年は赤字)と、営業利益はややプラスになったが、全体としては、やや厳しい決算であったといえよう。この2月度も先に見たように、売上高が伸び悩んでおり、今期本決算は、売上げはほぼ同様の状況になるのではないかと予想されるが、利益がどこまで改善できるかが課題といえよう。

   そこで、魚力の営業構造を、原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、58.81%(昨年59.26%)と、原価が下がっており、今期は原価の改善が進んだといえよう。売上げが厳しい中、価格競争も厳しく、平均単価が下がっていると思われるが、この状況で原価を改善できるのは、仕入れの強さといえよう。それにしても、食品スーパーマーケットの鮮魚部門と比べると、5%は優に低いといえ、これが鮮魚専門店の仕入れ力といえ、まさに、「利は元にあり」である。結果、売上総利益は41.19%(昨年40.74%)となり、食品スーパーマーケットと比べ、極めて高い数字である。

   一方、経費の方であるが、37.93%(昨年37.54%)と、若干であるが上がっており、経費の上昇が見られる。それにしても、粗利が高い分、経費も高いといえ、食品スーパーマーケットと比べると、10%以上高い経費である。実際、魚力の売場を見ると、対面販売が多く見られ、食品スーパーマーケットと比べ、付加価値の高い商品、原価の低い商品も数多く見られるが、人も多いといえ、経費をかけて、付加価値の高い商品を販売している結果の数字といえよう。

   結果、差し引き、営業利益は3.26%(昨年3.20%)と0.6ポイント改善しており、まさに、仕入れ力によって、経費の上昇、さらには、売上げダウンを相殺した形であり、魚力の強みがいかんなく発揮された決算結果であるといえよう。気になるのは、売上高の減少、経費の上昇傾向であり、今後、いかに、これらを改善できるかが課題といえよう。

   では、鮮魚専門店がどのような財務構造にあるのかを見てみたい。まず、自己資本比率であるが、78.9%(昨年83.7%)と、昨年と比べ約5ポイント下がっているところは気になるが、約80%と極限に近い数字であり、極めて健全な財務状況にあるといえよう。もちろん、有利子負債は0であり、最大の負債は14.82億円(総資産の9.37%)の支払手形及び買掛金である。一方、資産の方であるが、最大の資産が58.00億円(総資産の36.70%)の投資有価証券であり、ついで、25.39億円(総資産の16.03%)の有形固定資産である。食品スーパーマーケットと比べ、テナント出店が多いせいか、出店関連の資産が少なく、投資有価証券が多いのが特徴といえよう。それにしても、鮮魚専門店がこれだけの投資有価証券をもっているとはびっくりである。

   このように、魚力の最新の売上動向、そして、最新の決算結果を見てみたが、ここへ来て、売上げが厳しい局面に入りつつあり、経費も上昇気味となり、これを仕入れ力でカバーし、利益を出している状況といえる。また、期待のアメリカの売上げは順調に拡大しつつあるが、まだ、全体へ貢献するほどの規模ではなく、じっくり取り組む必要がありそうである。ただ、財務は極めて健全であり、有利子負債は0であることから、構造改革への投資は十分に可能であるといえ、魚力には、是非、次世代の鮮魚専門店の構築を目指し、次世代へ向けての投資をして欲しいところである。


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March 11, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 10, 2010

ロイヤルカスタマーを考えてみる!

   最近、ID-POS分析にかかわることが多くなり、様々な商品に関して、ID-POS分析をいろんな角度から分析するようになった。分析してゆく内に、ID-POS分析の最終目的とでもいうべき、どうやってロイヤルカスタマーへ顧客を導いてゆくかが課題となるのだが、そもそも、そのロイヤルカスタマーとは何かを定義することが、実はかなり難しく、一筋縄では定義できないといえる。ロイヤルカスタマーをひとつの指標で決定できれば、これほど簡単なことはないが、どうもそうはいかない。これは、通常のPOS分析の時も、売れ筋をどう定義するかで論争があったように、ロイヤルカスタマーも同様に、今後、一大論争に発展することは必至であろう。
 
   ちなみに、通常のPOS分析の時の売れ筋は、スタート時点は単純な売上金額でのABC分析であった。その後、単品管理が全盛となると、売上数量が重要な要素として浮上し、売れ筋の定義となり、売上数量でのABC分析となっていった。ところが、売上数量のABC分析と売上金額とのABC分析が一致しない商品が多々登場し、どちらを優先すべきか判断が難しい場面が起こり、その後、その折衷案が生まれ、どちらかを第1優先にし、双方でのA商品を売れ筋とするというものになっていった。
 
   そして、その後、PI値分析が確立されると、売れ筋は2次元で定義され、金額PI値を前提に、数量PI値を第1優先、平均単価を第2優先として、売れ筋を定義し、結果、6象限の商品の評価が生まれ、今日に至った。その6象限とは、金額PI値が高く、PI値、平均単価が高い場合、PI値のみが高い場合、平均単価のみが高い場合であり、金額PI値が低く、PI値、平均単価が低い場合、PI値のみが低い場合、平均単価のみが低い場合である。

   では、ロイヤルカスタマーとはどう定義したらよいだろうか。これは、IDが絡み、分析手法もより複雑になる分、簡単に定義するのが難しいといえる。商品分析の結果定義された売れ筋を購入する顧客=ロイヤルカスタマーと定義できれば単純明快であり、それが単純な売上金額、売上数量、その折衷案、あるいは、PI値分析でもいいが、どれかと一致すれば定義できる。ところが、実際に、ID-POS分析を実施してみると、まず一致しない。ごく単純化すれば、ロイヤルカスタマーは売れ筋を買う場合もあれば、買わない場合もあり、逆に、いわゆる死に筋の方にロイヤルカスターの売れ筋が潜んでいることが多く、どうも、商品分析と顧客分析は正の相関ではなく、負の相関と考えた方が近いように思える事実が次々に発見される。

   したがって、従来のPOS分析でどのように売れ筋を定義しても、その売れ筋をロイヤルカスタマーが好んで購入していることは少なく、ロイヤルカスターの定義は従来の単純なPOS分析からは定義できないという結論になる。ロイヤルカスタマーは当然のことであるが、ID-POS分析で定義すべきであり、従来のPOS分析で定義し、その商品を強化するとロイヤルカスタマーが店舗から離れてゆき、顧客離れ、しかも、ロイヤルカスタマーの顧客離れを起こしかねないという結果になる可能性が極めて高いといえる。

   では、ID-POS分析でどのようにロイヤルカスタマーを定義すれば良いかであるが、これが実はなかなか難題である。最も定評があり、分析の歴史もあるのがRFM分析であり、R(recency)、 F(frequency)、M(monetary)からみる見方である。ただ、そもそもの出発点は通販業界であり、その目的は多額の費用のかかるダイレクトメールの顧客を絞り込むことにあり、食品スーパーマーケットのように、商品の絞り込みとは逆の発想、顧客の絞り込みである。

   RとFという概念を組みいれたことはまさに、これがID特有の分析であり、学ぶべき点がある。そこで、ロイヤルカスタマーの定義であるが、ID-POS分析の分析対象は顧客ではなく、あくまで商品であり、商品ごとのロイヤルカスタマーを分析することが目的となる。したがって、IDを加えた商品分析としては、ID金額PI値を活用するのが合理的といえ、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値=ID客数PI値×数量PI値×平均単価でロイヤルカスタマーを、商品、あるいは商品群ごとに見つけ出すのがIDを組み込んだロイヤルカスタマーの抽出方法としては良いように思う。すなわち、まずは、商品、あるいは、商品群ごとにID金額PI値の高い顧客を抽出し、そこから、ID客数PI値、金額PI値の高い顧客を抽出し、その後、金額PI値をさらに落とし込み、数量PI値、平均単価の高い顧客を抽出することが良いといえよう。

   まとめると、まずは対象商品、商品群を決め、ID金額PI値をもとに、ID客数PI値、金額PI値で分析し、次に、金額PI値をもとに、数量PI値、平均単価で分析をするという2段階選抜が良いように思う。いきなり、3次元、ID金額PI値をもとに、ID客数PI値、数量PI値、平均単価で分析に入っても良いが、パターンが複雑すぎて、袋小路に入ってしまいかねない。優先度はID金額PI値、金額PI値であるといえ、この2点からロイヤルカスタマーを抽出してゆくことが無理のない方法ではないかと思う。食品スーパーマーケットのカテゴリーは約300であるので、まずは、この約300の優先順位の高いカテゴリーから、ロイヤルカスタマーを選定し、すべての顧客をロイヤルカスタマーへ誘導するマーチャンダイジングを確立することが先決といえよう。

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March 10, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 09, 2010

週間東洋経済、3/13号、百貨店、スーパーを特集を読む!

   本日、3/8発売の東洋経済、3/13号で百貨店、スーパー(GMS)が特集された。表紙は、「百貨店、スーパー大閉鎖時代!」という見出しである。そこで、本ブログでは、この特集の内、スーパー(GMS)について見てみたい。スーパーについては、5つのキーワードで読み解く業界の苦闘と題し、イオン、イトーヨーカ堂、西友、商社について取り上げている。特に、今回の特集の全体構成の俯瞰図が、P40に図解されており、その次のページには、セブン&アイ・ホールディングス会長の鈴木敏文氏のインタビュー記事が掲載され、計4ページに今回のスーパー(GMS)の特集が集約されている。

   まず、その俯瞰図を見ると、日本チェーンスト協会の公表資料をまとめたグラフがあり、それを見ると、スーパーの売上げは1997年がピークで、その後、ゆるやかに減少、そして、2002年に大きく落ち込み、その後も緩やかに減少しており、まさに、右下がりの傾向が鮮明である。このグラフには1平方メートル当たりの売上げも折れ線グラフで示されているが、さらに急角度で右下がりに下がっている。まさに、スーパーはこの10年で売上げ、特に、店舗効率が急激に下がっているのが実態である。

   この俯瞰図では、このグラフのすぐ下に、GMS再生のキーワードが表にされている。それを見ると、SPA化、専門店化、個店対応、PB、ディスカウンターの5つがGMS再生のキーワードであると示され、その5つの取り組みについて、イオンとイトーヨーカ堂との取り組み度合いを比較している。この5つのキーワードがこの特集記事の結論といえよう。またその下には、GMSは小売りの輪から脱却できるかとの図を掲げており、いまから50年前のマクネア教授の小売の輪理論に当てはめたGMSの現状を示している。

   そして、俯瞰図の左側は主要スーパー(GMS)と商社との関係図、海外小売業、特にウォルマートと西友の関係図をまとめており、現状のスーパーと商社がいかに深い関係にあるかが一目瞭然である。これを見ると、丸紅、三菱商事が直接、間接にイオンと関係が深いといえ、さらに、独自に、食品スーパーマーケットとの関係も深めており、イオン、丸紅、三菱商事の動きが今後、スーパー業界へ大きな影響を与えることになるといえよう。また、意識してかどうか、わからないが、ウォルマートを全体の俯瞰図の中心においており、今後、ウォルマートが日本のスーパー再編の台風の目となるのではないかと予感させているといえる。

   次のページでは2ページ、全面がセブン&アイ・ホールディングス、鈴木敏文会長のインタビュー記事であるが、この中で気になる内容は、イトーヨーカ堂、GMS改革についてであり、2009年度上半期の営業赤字の原因は衣料品にあるとの認識である。その原因は問屋依存にあるとのことで、今後は、アイテムごとの仕入れから、コーディネート仕入れに変えてゆくなど、組織的な見直しからはじめるという。また、今回の5つのGMS改革のキーワードの1番目のSPA化については、ユニクロのようにSPAに転換しようと思ってもなかなかできないとのことで、衣料はそんなに簡単にSPA化はできないという。そして、イトーヨーカ堂は今が底であり、回復の手応えは十分に感じているとのことだ。

   これを踏まえて、5つのキーワード、SPA化(イオン)、専門店化(イオン)、個店対応(イトーヨーカ堂)、PB(イトーヨーカ堂)、ディスカウンター(西友)が解説されてゆくが、この中で、最も気になる記事は、ディスカント化で取り上げられた西友の特集である。記事の見出しも、「ウォルマート化で変身、M&Aによる拡大に布石」、「ウォルマート・ジャパンの第1章が始まる、GMS苦難の時代に拡大路線へ転換する」であり、昨年設立したウォルマート・ジャパン・ホールディングスの今後の動向を探っている内容である。  新CEOとなった野田亨氏へのインタビュー内容が中心であるが、明らかに西友が復活した様子が伺われ、業績も堅調であるという。そして、今後、「われわれと協業したいという人たちを招き入れたい、・・」とのことで、いよいよ、持ち株会社の本領発揮、M&Aに乗り出すのではないかと思われる記事の内容である。

   今回の東洋経済の特集はスーパー(GMS)よりも、百貨店が主であったため、スーパー(GMS)は先の5つのキーワード、SPA化、専門店化、個店対応、PB、ディスカウンターの解説が中心であった。そのため、スーパー(GMS)の問題点の本質に十分に踏み込めなかった感は否めないが、現時点での現状、そして、主要スーパー(GMS)がいま何を主に取り組んでいるかについてはトップ、関係者への取材に基づき、まとめられており、参考になるといえよう。来月はじめにはスーパー(GMS)各社、2010年度の本決算が次々に発表されることになると思われるが、いずれも、厳しい決算が予想されよう。同時に、2011年度、そして、中長期への経営改革の方針が発表されると思うが、各社、どのような方向性を打ち出すか注目である。

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March 9, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 08, 2010

家計調査データ、2010年1月度、食品99.1%、低調!

   2010年、新年度はじめての家計調査データが公表された。結果は外食を抜いた食品が1,778.32円(99.1%)と低調な数字となり、全体は、9,416.71円(100.2%)と微増であった。ちなみに、外食を含めた食料は2,253.26円(100.4%)と微増、これは外食が474.94円(105.4%)と、この1月度は堅調な数字となったためである。外食はマクドナルドのハンバーガーが13.65円(114.9%)と、絶好調であるが、その他も日本そば・うどん13.81円(106.5)、中華そば17.29円(109.2%)、洋食48.03円(116.9%)、和食63.23円(113.2%)、すし(外食)48.39円(107.2%)、他のめん類外食5.48円(111.8%)と、軒並み好調である。

   そこで、ここ数ケ月の推移を見てみると、2009年12月(食品2,576.65:97.4%、全体10,899.58円:100.3%)、11月(食品1,986.87円:98.4%、全体9,491.33円:100.0%)、10月(食品1,963.13円:99.0%、全体9,283.52円:98.7%)、9月(食品1,970.57円:99.9%、全体9,237.00円:98.5%)という状況であり、12月の落ち込みは大きかったが、この1月はやや戻した感もあるが、ここ最近、この低調な状況が続いているといえよう。消費者物価指数(CPI)は依然として、マイナスであり、デフレは継続しているといえる中、家計における消費もそれに連動する形で低調な動きであるといえよう。

   なお、家計調査データが、この1月度から2点変更が見られる。ひとつは、塩干魚介の干しいわしがカットとなった。昨年の数字は1世帯1日当たり1.32円という消費額の項目であったが、残念である。そして、もう1点はドレッシングである。昨年までは、ドレッシングは調味料の中でマヨネーズ・ドレッシングの項目、マヨネーズと一緒に集計されていたが、この1月から独立、ドレッシングとマヨネーズが分けて集計されることとなった。その初めての実績値を見ると、マヨネーズ・マヨネーズ風調味料3.06円(消費世帯のみ8.99円、消費世帯の割合34.1%)であり、ドレッシング 3.48円(消費世帯のみ12.43円、消費世帯の割合28.0%)という結果である。

   マヨネーズよりもドレッシングの方が消費額が高く、その違いは、消費世帯のみの消費額が12.43円と、マヨネーズの8.99円と比べて格段に高く、逆に消費世帯の割合はマヨネーズの方が34.1%とドレッシングの28.0%と比べて高いという特徴がある。これを素直に解釈すると、マヨネーズの方がドレッシングよりも購買層が広いが、ドレッシングの方が購買層はやや狭いが、消費する世帯だけで見た場合は、高い消費額であるということがわかる。ここから、ゾーニング上のポイントは動線に沿ってマヨネーズ、そして、ドレッシングとなるのが自然であろう。また、マヨネーズは絞り込み、ドレッシングは品揃えとメリハリをつけることが課題といえよう。

   さて、この1月度の食品全般であるが、全体は先に見たように1,778.32円(99.1%)という状況であるが、伸びた部門もある。菓子類206.29円(102.8%)、 油脂・調味料100.52円(102.5%)、調理食品251.16円(102.4%)、飲料104.90円(102.2%)、乳卵類97.35円(101.5%)である。逆に下がった部門であるが、果物81.29円(93.1%)、酒類92.81円(93.4%)、魚介類212.03円(95.2%)、肉類198.77円(96.7%)、野菜・海藻246.26円(98.9%)、穀類186.94円(99.7%)である。生鮮、酒、米が厳しい状況であり、逆に惣菜、加工食品が伸びているといえ、好対照な結果となった。昨年のこの時期は、内食需要が好調で、生鮮、米、酒等は好調であったが、この1月度は外食も好調であり、全く、逆の方向に動きはじめているといえよう。昨年の1月度比べると、鏡の表と裏のような対照的な結果となった。

   ただ、酒に関しては、全体は93.4%と確かに厳しい数字であるが、ウイスキー3.23円(112.4%)、ワイン6.32円(114.0%)、発泡酒・ビール風アルコール飲料18.00円(136.4%)は絶好調である。特に、消費世帯の割合が109.7%、114.1%、147.2%と拡大しており、新たな顧客を確実に増やしているといえる。逆に、主力の焼ちゅう16.39円(87.6%)、ビール25.16円(84.4%)という状況であり、消費世帯のみの消費額が86.7%、87.7%と激減しており、消費世帯の割合は101.0%、96.3%であるので、他の酒へ移ったわけではなく、消費金額が恐らく、平均単価のダウンによって、大きく減少したのではないかと推測される。

   では、全体の中で、このような状況の中で数字を大きく伸ばした項目を見てみると、乾うどん・そば3.29円(132.5%)、オレンジ0.71円(137.5%)、なし0.42円(144.4%)、メロン0.68円(140.0%)、食塩1.45円(132.4%)、うなぎのかば焼き4.06円(137.0%)、発泡酒・ビール風アルコール飲料18.00円(136.4%)が130%以上である。そして、炭酸飲料7.29円(129.9%)、やきとり4.61円(121.2%)、しゅうまい2.81円(124.3%)、他の野菜のその他4.48円(120.9%)、しじみ1.32円(8.1%)が120%以上である。

   このように、昨年の1月度とは全く逆の消費傾向になったといえる。明らかにこの消費傾向はデフレ、すなわち、平均単価のダウンが影響していると思われ、生鮮食品は数量ベースよりも、平均単価のダウンにより、金額面でのダウンが大きく、加工食品、外食は平均単価のダウンが数量、来店回数を増やしていると思われる。まさに、デフレが本格的に家計を直撃しはじめた傾向が鮮明になりつつあるといえよう。来月以降、この動きが加速されるのか、収束に向かうのか、次回、2月度の家計調査データが気になるところである。

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March 8, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 07, 2010

国産食品ポイント、農水省が主導、2011年度から!

   3/6の日経新聞に「国産食品購入でポイント、農水省検討、消費拡大へ全国で導入」という記事が1面に掲載された。以前から経済産業省がポイントについては早くから取り組んでいたが、食品スーパーマーケットというよりは、あらゆる業種のポイントが対象であり、航空会社のマイレージ、家電、衣料品、住関連等のポイントも含まれ、食品スーパーマーケットに焦点が当たりにくい面もあった。さらに、企業の経営戦略の面に焦点があたり気味あったともいえる。

   今回の農水省のポイントは、このようなポイントとは全く発想が違い、そもそも、農水省の食料安全保障課が主体となっており、日本の食料自給率約40%の向上が最終目的であり、ポイントの活用目的が明確である。しかも、食品スーパーマーケットに焦点が絞られており、食品スーパーマーケット業界にとっては、ポイントを通じて、自社の売上げを上げるだけでなく、結果として、食料自給率の向上にも寄与することになり、大義名分がはっきりしたポイント活用である。

   これが仮に、日本全国に広がれば、農業、漁業、加工メーカー、問屋、小売業、そして、消費者をループにした食料自給率向上の循環経路ができあがり、現在、41%といわれているカロリーベースでの自給率アップに確実につながってゆくのではないかと思われる。

   すでに、この国産食品ポイントは2009年、2010年と実証実験が首都圏の食品スーパーマーケット、GMS、東急ストア、イトーヨーカ堂、ダイエー等で行われ、検証結果も出ており、それを踏まえての、2011年度の全国導入へ向けての検討であるという。したがって、2011年度は日本全国の食品スーパーマーケットが国産食品ポイント制度を導入することになる可能性が高まったといえよう。結果、2011年度は食品スーパーマーケット業界にポイントカードが一気に普及し、食料自給率拡大へ向けて、食品スーパーマーケット業界が本格的に貢献すると年となりそうである。現在の約40%の食料自給率が何%になるのか、その成否が問われることになる。

   では、具体的にどのような仕組みで、国産食品ポイントが動くかであるが、実証実験の結果を見ると、東急ストアでの事例であるが、2009年2/19から3/11まで実施され、国産対象商品は150品、キユーピー、ハウス食品、マルハニチロ食品、ミツカン、東急カード、東京青果、JA グループ和歌山、JA 全農青果センターが協力、協賛し、「おいしいニッポンを食べよう」というキャンペーンで、カレーフェア、サラダフェアを実施したという。10円ごとに1ポイントを付けたりし、貯まったポイントは500ポイントでJTB旅行券、150ポイントで国産食材セットなどと抽選で交換したという。東急ストアの顧客は事前に携帯電話の東急カードのサイトに自分のカードを登録すれば、後は、キャンペーン実施中の東急ストアでキャンペーン中の国産食品150品のどれかを購入すれば、自動的にポイントがカードにたまるという仕組みである。

   その結果であるが、農水省によれば、「キャンペーン対象商品の販売数量は前月同週に対して205%、販売金額は167%に増加いたしました。また、同様のフェアを実施した非実験店舗と比較した場合においても、同一期間におけるキャンペーン対象商品の販売数量は24%増、販売金額では19%増と、ポイント付与による販促効果が確認できました。」とのことである。

   農水省では、当初の検証の狙いを、次のように解説している。「一つ目が、対象商品の売上増加ということでございますけれども、こちらは実施いただける流通さんのデータ等々を見ながら、効果検証を行っていきたいというふうに考えております。二つ目が、国産食材にポイントを付与した場合に、お客さん単位でその購買の量ですとか購買の総額が増えるのかどうか。こういったミクロのデータも、分析してみたいというふうに考えております。三つ目が、ブランドスイッチでございます。同一カテゴリー商品におきまして、ポイント有り無しでお客さんがブランドスイッチを店頭の棚で行うかどうかといったことも、売上げデータですとか実際のお客さんのアンケート等々で実施してみたいというふうに考えております。最後が、ちょっと定性的な効果検証になるかと思いますけれども、対象商品に対するお客さんの意識の変化ですね。国産食品の重要性ですとか、好意度、購買の習慣化みたいな、こういう定性的な効果につきましても、お客さんのアンケート等々で検証していきたいというふうに考えております。」

   このように、日経新聞が1面で取り上げたように、ほぼ、2011年度から国産食品ポイントが全国の食品スーパーマーケットで実施されるのは確実な情勢といえ、食品スーパーマーケット業界にとっては、2011年度はポイントカードの新たな展開の時を迎える年となりそうである。これを機会に、食品スーパーマーケット業界としてはポイントカードを活用した新たなマーチャンダイジングの仕組み、マーケティング政策を構築したいところであるといえよう。

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March 7, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

March 06, 2010

日経MJ新製品週間ランキング3/5、バーモンド登場!

   恒例の日経MJ、新製品週間ランキングが3/5、公表された。今週は新製品ラッシュである。飲料全20品中4品、菓子全20品中8品、冷凍食品全20品中12品、その他食品全20品中2品、家庭用品全10品中1品と、全新製品90品中27品、約1//3が文字通り今週初登場の新製品で占められており、まさに新製品ラッシュである。ここ最近では、これほど新製品が一斉に登場したことはなく、春へ向けて各メーカーが新製品を次々に投入しはじめたようである。しばらくは、このアクティブな状況が続きそうである。

   また、今週は、文字通り、この新製品以外にも、興味深い商品が登場している。ハウス食品の定番中の定番、ハウスバーモンドカレーである。通常、このような重厚な定番商品は新製品週間ランキングには登場しないが、ハウス食品がこの商品をリニューアルしたため、新製品として登場しており、定番の重点商品と新製品週間ランキングの数字を比較することができる。

   そこで、改めて、ハウスバーモンドカレーの状況を見てみたい。まず、初登場は2/18である。このPOSデータの集計期間が2/21から2/27の1週間であるので、まだ、登場して、1週間強であり、リニューアル後の強力な販促がかかっている時期といえる。実際、平均単価を見ると、その他食品、No.2に入ったバーモンンドカレー<中辛>238gは先週229円が今週は167円と、72.9%と価格が下がっており、強力な価格訴求がかかったといえよう。カバー率52.4%と、まだ、このリニューアルされたバーモンドカレーは、対象49チェーン、250店舗の半分にしか導入されていないが、導入後、いっせいに価格訴求がかかったものと思われる。

   金額PI値は251円であり、Cランクの200円強という結果である。Bランクの300円、Aランクの500円にまでは届かなかったが、251円はかなり高い金額PI値である。今後、カバー率も恐らく100%に近づき、価格も安定した時、どのような数字に落ち着くか気になるところである。それ以外のバーモンドカレーの状況であるが、バーモンドカレー<甘口>238gはNo.4、金額PI値209円、平均単価169円、カバー率57.6%、バーモンドカレー<辛口>238gは、No.18、金額PI値86円、平均単価157円、カバー率47.6%である。3品とも強い価格訴求がかけられており、金額PI値を押し上げている状況である。定番でもそうであるが、中辛、甘口、辛口の順で金額PI値が251円、209円、86円となっており、定番に近い傾向があらわれているといえよう。

   ちなみに、PI値を逆算してみると、ハウスバーモンドカレー<中辛>は、金額PI値=PI値×平均単価であるので、PI値=金額PI値÷平均単価=251円÷167円=1.50個(1,000人)となる。平均的な食品スーパーマーケットの客数2,000人/日では、3.00個の販売数量となる。意外に少ないように思われるが、加工食品の重点商品としては、低い数字ではなく、むしろ高い数字といえよう。

   今週は飲料も興味深い結果が見られる。飲料では新製品を発売する時、容量政策が極めて重要な戦略となるが、飲料No.1の日本コカ・コーラ、コカ・コーラゼロ1.5LとNo.2の500mlペットボトルの関係である。1.5Lと500ml、その金額PI値はどのような数字になるかである。この新製品以外にも、大容量と小容量の新製品がいくつかあるので、その関係を改めて見てみたい。

   まず、コカ・コーラゼロであるが、1.5Lの金額PI値は571円、500mlは464円とやや1.5Lが優勢である。アサヒ飲料の十六茶490mlと2Lであるが、金額PI値320円、233円で490mlが優勢である。サントリー、なっちゃんオレンジ470mlと1.5Lであるが、金額PI値249円、203円で470mlが優勢である。同じく、サントリー、胡麻麦茶1Lと350mlであるが、金額PI値175円、157円と1Lが優勢である。こう見ると、小が強い場合も、大が強い場合もあり、どちらも、圧倒的な差をつけているわけではなく、僅差といえよう。したがって、どちらも、需要があるといえ、どちらかを選ぶのは難しいといえよう。恐らく、ID-POS分析で見れば明らかになると思われるが、その背景には客層の違いがあると想定され、双方を購入する顧客は別々の顧客層であると想定される。しがたって、双方を並売し、双方独自のマーチャンダイジング政策が必要といえよう。

   今週は、このように、興味深い商品が登場していることに加え、今週初登場の新製品が27品登場しており、ここへ来て、新製品週間ランキングがアクティブに動き始めたといえよう。ちなみに、今週初登場の新製品の中で、金額PI値ベスト3を見てみると、No.1は飲料、日本コカ・コーラ、ファンタもぉ~もぉ~ホワイト500mlペットボトル、金額PI値389円、No.2は同じく、飲料、サントリー、なっちゃんオレンジ470ml、金額PI値249円、そして、No.3は菓子、不二家、カントリーマアム(バニラ&つぶつぶ苺)22枚、金額PI値219円である。また、今回は詳しく取り上げなかったが、冷凍食品は、冷凍食品の今週初登場の新製品が10品も登場しており、アイスクリームだけでなく、冷凍食品も新製品ラッシュとなっており、商品全体が興味深い動きを示しており、今後、新製品動向には注目といえよう。
    
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March 6, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 05, 2010

PLANT、2010年9月期、第1四半期決算、減収増益!

   PLANTが2010年9月期の第1四半期決算を1/29、公表した。結果は、売上高204.93億円(-2.8%)、営業利益4.14億円(昨年0.1億円)、経常利益3.81億円(昨年は赤字)、当期純利益2.32億円(昨年は赤字)と、減収とはなったが、増益、特に、経常、当期純利益は赤字から黒字へ転換し、構造改革が進み、収益が回復しつつある状況といえよう。PLANT自身も、「利益におきましては、従来から取り組んでまいりました「在庫管理」「値入向上とロスの削減」「人時生産性を意識した作業効率の向上」により、・・」とコメントしているように、粗利、経費双方の改善に取り組んだ成果が表れ始めたとの認識である。

   そこで、営業利益が大幅に回復した要因を原価、経費の両面から見てみたい。まずは原価であるが、80.36%(昨年81.53%)と、1.17ポイント改善しており、結果、売上総利益は、19.64%(昨年18.47%)と上昇した。粗利の改善が確実に進んでいるといえよう。一方、経費の方であるが、17.61%(昨年18.41%)と、こちらも0.80ポイント下がっており、経費の削減も進んでいる。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力=PLNATの場合は営業利益が2.03%(昨年0.06%)と、大きく改善した。原価、経費、双方を大きく改善しており、ダブルで収益を押し上げた結果といえる。

   また、昨年は経常利益が赤字になったが、これは営業外費用として、支払利息、シンジケート手数料ローン等が重く利益にのしかかったが、今期は、支払利息が減少し、シンジケート手数料ローンは0となったため、営業外費用が半減し、経常利益もプラスとなった。ただ、売上高が減少したため、売上高との相乗効果は生み出せなかったが、利益は確実に好転しており、収益力が改善したといえる。

   そこで、この利益改善がキャッシュフローにどのような影響を与えたかを見てみたい。まずは、営業キャッシュフローであるが、残念ながら、-4.92億円(昨年3.80億円)と、P/Lとは逆に黒字から赤字となり、マイナスのキャッシュフローとなった。その要因を見ると、当期純利益は昨年の-1.48億円から4.27億円へと大きく増加したが、未払消費税-3.95億円(昨年0.94億円)、法人税等の支払額-5.74億円(昨年-2.52億円)等、税金関連のマイナスが大きかったことに加え、今期は仕入れ債務の増加が2.23億円(昨年9.29億円)と、この差が大きかったことによる。

   また、投資キャッシュフローは2.68億円(昨年-3.37億円)と、逆にプラスになっており、投資が十分にできない状況といえる。その中身であるが、定期預金の払い戻しが9.00億円、預け入れが-6.50億円と、プラスになったことが大きい。残念ながら、出店関連への投資はないといえ、黒字転換がキャッシュフローにダイレクトに跳ね返っていないことが、まだまだ、財務的には厳しい局面が続いているといえよう。結果、フリーキャッシュフローは-2.24億円(昨年0.43億円)と、マイナスとなった。

   そして、財務キャッシュフローであるが、-11.92億円(昨年19.26億円)と、厳しいキャッシュフローの中、さらに、現金を取崩す結果となった。その中身であるが、長期借入金の返済に-11.92億円当てており、今期は、この返済が最優先のキャッシュフローであったといえる。ただ、営業キャッシュフローから返済へのキャッシュを生み出せなかったことから、昨年、長期として借り入れた資金を取り崩すこととなり、厳しいやりくりであるといえる。結果、トータルのキャッシュフローは-14.17億円(昨年19.68億円)であり、現金が大きく減少している。

   そこで、PLANTの有利子負債を見てみてみると、179.01億円(昨年決算時190.94億円)と、減少しており、総資産366.00億円に占める割合は48.90%と、削減してはいるが、まだかなりの割合を占めており、苦しいキャッシュフローの中でも、有利子負債の削減を最優先で取り組まざるをえなかったものと思われる。結果、自己資本比率は若干改善し、18.5%(昨年17.4%)となったが、財務的には厳しい状況が続いているといえよう。

   ちなみに、現金は先にキャッシュフローでも見たように、49.51億円(昨年決算時66.18億円)と、16.67億円減少しており、1年内返済予定の長期借入金20.14億円は上回っているが、有利子負債合計179.01億円の1/3、支払手形及び買掛金75.12億円の2/3であり、本来ならキャッシュを確保しておきたいところであろう。

   このように、この第1四半期のPLANTの決算は、昨年の赤字決算から黒字決算となり、収益は確実に改善したが、残念ながら、キャッシュフローは当期純利益がプラスになったにも関わらず、マイナスとなり、逆に投資がプラスと、通常のキャッシュの流れとは正反対の流れ、逆流となった。また、財務キャッシュフローにおいても、フリーキャッシュフローのマイナスの中、さらに、返済を優先せざるをえず、現金を取り崩し、マイナスとなった。結果、自己資本比率は若干改善したが、キャッシュ不足は否めず、厳しい財務状況が続いているといえよう。今後、収益は改善しつつあるので、いかに、これをキャッシュフローの改善につなげられるか、次の中間決算に注目したい。

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March 5, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 04, 2010

神戸物産、絶好調、2010年10月期、第1四半期決算!

   神戸物産が3/2、2010年10月期の第1四半期の決算を公表した。結果は、売上高333.35億円(107.4%)、営業利益6.99億円(338.5%)、経常利益7.14億円(前期は赤字)、当期純利益4.13億円(前期2.1億円)となり、増収大幅増益となった。神戸物産自身も、「国内企業の多くが前年実績を割り込んでいる中、11月から1月までの3ヶ月間連続で、過去最高の出荷実績、及び利益を達成することができました。・・」とコメントしているように、神戸物産の業績が急回復している。 

   この3ケ月間の売上高の推移は11月107.4%(509店舗)、12月107.8%(516店舗)、そして、2010年1月108.6%(517店舗)と安定した伸びを示している。また、直営とFCの比率はFCが515店舗、直営が2店舗と、ほぼ100%に近いFC比率であり、FCを主体のコンビニと同じビジネスモデルが特徴である。そして、そのFCを直轄エリアFCと地方エリアFCに分けて管理しているが、直轄298店舗、地方217店舗とバランスのよい出店構造である。ちなみに、直轄エリアは、関西(兵庫県、大阪府、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県)、関東(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)である。

   今期の神戸物産は、この安定した売上げに加え、むしろ、利益の方が急回復しており、その要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、94.42%(昨年95.82%)と1.40ポイント下がっており、原価の改善が進んでいる。結果、売上総利益は5.58%(4.18%)となり、粗利率が上昇した。一方、経費であるが、3.47%(昨年3.50%)と、経費も0.03ポイントであるが、わずかに減少しており、経費の改善も進んだ。したがって、原価、経費、双方の改善が進み、結果、営業利益は2.11%(昨年0.68%)と、大幅に改善し、これに、売上増があいまって、営業利益が急回復となった。

   この数字は、FC本部としての、神戸物産の数字であるが、店舗の方の収益構造はどうなっているかであるが、以前、2006年9月に公表した中長期ビジョンの数字を見ると、1店舗当たりの売上高は月商2,500万円(1日83万円)である。したがって、年商は3億円となる。その中身は原価82.0%となり、結果、売上総利益は18.0%となる。これにロイヤリティが原価の1.0%、すなわち売上高の0.82%のり、店舗の粗利は17.1%となる。一方、経費は10.2%であり、これに商品減耗が0.1%加わり、差し引き、営業利益が6.8%となる。これが平均的な神戸物産の店舗収益モデルであるが、この公表数字は4年前の数字であるので、現在ではやや変化していると思われるが、これがFC本部と店舗の収益構造の違いである。

   さて、この好決算を受けて、神戸物産のキャッシュフローであるが、営業キャッシュフローは-3.40億円のマイナスである。ただ、昨年も-15.15億円であるので、その幅は大きく縮小しているが、厳しい営業キャッシュフローである。もちろん、当期純利益は0.43億円から7.20億円と大幅にプラスになったが、仕入れ債務の減少(支払い)が-20.00億円(昨年-17.80億円)と大きく、これを当期純利益、減価償却費等で補えなかったことが要因である。

   投資キャッシュフローは-3.18億円(昨年-16.17億円)と、大きく減少している。神戸物産の投資は出店への投資ではなく、産地、工場等への投資であり、その大半が有形固定資産への投資であるが、今期は大きく投資を控えたといえよう。結果、合計、フリーキャッシュフローは-6.58億円(昨年-31.32億円)と、約1/5となった。それでも、フリーキャッシュフローはマイナスであり、今後、いかに、営業キャッシュフローをプラスにもってゆくか、すなわち、仕入れ債務の支払い金額の圧縮、当期純利益の一層の改善が課題といえよう。

   そして、財務キャッシュフローであるが、-2.82億円(昨年17.15億円)と、マイナスであるが、昨年は20.00億円の短期借入を行っており、今期は有利負債の増加はゼロ、財務キャッシュフローの大半は配当であり、負債の有利子負債での増加は見られず、財務は安定しているといえよう。ただ、増収増益の効果を有利子負債の返済に充てることができず、キャッシュフローとしては、結果、現金を取り崩すことになり、厳しい状況といえよう。現在、有利子負債は49.89億円(昨年49.92億円)であり、総資産301.73億円の16.53%と重い負担ではないが、自己資本比率は40.8%(昨年38.6%)とやや改善したとはいえ、もう一段、引き上げたいところであろう。

   神戸物産は2000年3月に1号店を出店しており、今期、2010年はちょうど10年目となり、現在、517店舗である。単純計算で年間約50店舗づつ増やしていったことになり、急成長を遂げている。昨年は冷凍餃子事件等厳しい局面もあったが、この第1四半期決算を見る限り、のりきったといえよう。むしろ、ここへ来て、デフレが進行し、小売業界全体が激しい価格競争に入る中、神戸物産の業務用食品の安さが存在感を増しつつあるといえよう。

   業務スーパーはもともと、外食、特に、小規模の飲食店への販売がメインであるが、実は、一般の消費者もかなりの割合をしめているのが実態である。したがって、デフレは、神戸物産にとって、外食からの売上げは厳しいと思われるが、一般消費者の売上げはむしろ上がっていると思われ、これが恐らく好調の要因のひとつといえよう。今後、どこまで、神戸物産の収益が改善し、キャッシュフローの改善にもつながってゆくか、次の中間決算に期待したい。

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March 4, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 03, 2010

ダイエー、2010年2月期、第3四半期決算、B/S、CFを見る!

   35.6%、ダイエーの自己資本比率である。前回に続き、今回もダイエーを取り上げる。前回はダイエーの社長交代、そしてP/Lについて取り上げたので、今回は、B/S、そして、CF(キャッシュフロー)について取り上げる。小売業にとって、自己資本比率がもっとも絡んでくる経営課題は出店である。原則、小売業の成長は出店であり、出店が止まった時、小売業は成長が止まる。したがって、継続的、安定的に出店を行えるかどうかが、小売業の成長そのものを決めてしまうといえる。

   そして、その出店を支えるのが純資産であり、負債である。ただ、負債に頼る出店を行っていけば、当然、負債が膨らみ、やがては、自らの力で出店ができなくなり、成長が止まる。したがって、継続的、安定的に出店をしてゆくためには、純資産の範囲内で出店が可能な財務基盤をつくりあげることが要諦といえる。一般に、小売業の出店にかかわる資産は土地、建物・設備、資金・保証金等があるが、これらを合計すると、40%から50%近くになる。特に、食品スーパーマーケットは設備投資が大きく、決算公開企業約50社の平均は60%を超える。ちなみに、2009年2月決算時のイオン42.9%、セブン&アイH39.7%で、GMS業態の方が比較的低いのが実態である。

   そこで、ダイエーであるが、2010年2月期の第3四半期決算を見ると、2,740.95億円であり、これは総資産4,471.94億円の61.29%に当たる。食品スーパーマーケット並みの出店にかかわる資産であり、GMSとしてはかなり高い数字といえよう。したがって、自己資本比率から、この出店に関わる資産を引くと、いわゆる出店余力は-25.69%となり、負債に大きく依存する出店構造となっているのが現状である。ちなみに、イオン-13.4%、セブン&アイH10.3%であり、ダイエーの数字は、出店を継続的、安定的に行い、成長をしてゆくにはかなり厳しい数字であるといえよう。さらに、食品スーパーマーケット業界の平均は-22.8%であるので、食品スーパーマーケット以上に、出店にかかわる資産が重い構造になっているといえる。ちなみに、食品スーパーマーケットのトップクラスは、ヨークベニマル29.4%、オオゼキ28.7%であり、上位企業は5%から10%ぐらいの数字である。

   では、ダイエーは出店をどのように進めてきたかであるが、負債の中の有利子負債を見ると、1,228.60億円であり、総資産の27.47%であり、ちょうど自己資本比率35.6%にプラスすると、63.03%となり、出店にかかわる資産とほぼイコールになる。したがって、有利子負債分がそっくり出店にかかわる資産を支えている構図であり、ここをいかに削減し、自己資本で新規出店が可能な財務状況をつくれるかが、今後、ダイエーが安定成長できるかどうかの課題といえよう。

   ちなみに、GMSは食品スーパーマーケットと比べ、衣食住すべての商品群を扱っているため、商品及び製品、いわゆる在庫も多く、ダイエーの数字を見ると、総資産対比10.92%となる。イオン9.2%、セブン&アイH4.5%と比べても在庫が多いといえ、これも、出店にかかわる資産と考えれば、この分も負債で相殺することなり、出店にかかわる資産はもうワンラク上がることになり、今後、ダイエーが新規出店を継続的に果たしてゆくには、自己資本比率35.6%はかなり厳しい財務状況であるといえよう。

   では、その今後であるが、キャッシュフローの中の投資キャッシュフローを見てみたい。今期は-76.15億円の投資であり、内、出店にかかわる資産への投資は-100.86億円である。ダイエーは現在、直営店226店舗強であるので、1店舗当たりの出店にかかわる資産は先の数字2,740.95億円から、12.12億円となる。したがって、-100.86億円は8.3店舗であり、店舗数では、閉鎖店舗がなければ3.6%の成長となる。

   問題は、この資金をどのように調達しているかであるが、営業キャッシュフローは、当期純利益が赤字になったことにもより、わずか22.70億円であり、結果、フリーキャッシュフローは-53.45億円と多額のマイナスである。したがって、財務キャッシュフローで補うことになるが、その財務キャッシュフローは-137.60億円と、むしろ、長期借入金を-136.410億円返済し、さらに、マイナスが大きくなり、極めて厳しいキャッシュフローである。結果、現金191.05億円取り崩し、投資を埋めている状況であり、今期はキャッシュが完全に逆回転し、経営的には厳しい局面にあるといえよう。

   このように、ダイエーを2回に渡って取りあげたが、現在、ダイエーが置かれた経営状況は極めて厳しい局面にあるといえる。まさに、まったなしの経営改革、しかも、思い切った改革が必須の状況といえよう。特に、キャッシュの源泉であるマーチャンダイジング力が厳しい状況にある中、営業キャッシュフローが十分でない状況で、約100億円の投資をし、さらに、約130億円の長期借り入れを返済しているので、資産を大きく取り崩すというキャッシュフローの逆流の流れとなり、経営を大きく圧迫している状況である。来期は人心一新、新社長を迎え、さらに踏み込んだ経営改革に入ることになるが、キャッシュの逆流を順流に変えられるか、まずは、マーチャンダイジング力の改善がどこまで進むかに注目である。

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March 3, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 02, 2010

ダイエー、待ったなしの経営改革、社長交代!

   3/1の日経MJに「ダイエー社長に桑原氏、経営再建へ多難な船出」、「前期、初の営業赤字見込む」という見出しの記事が載った。また、すでに、2/25からダイエーのホームページでは、「代表取締役の異動に関するお知らせ」が掲載されており、現代表取締役社長の西見徹氏が次の株主総会で退任し、新たに、桑原道夫氏が社長に就任するということが告知されている。両氏ともダイエーの筆頭株主、丸紅から派遣された社長であり、2代連続の丸紅からの社長が誕生することになる。しかも、桑原氏は丸紅の副社長でもあり、丸紅の朝田社長とも同期であるという。丸紅としては、社を挙げてのダイエー支援体制を組むことになり、まさに、まったなしの改革に踏み込むことになる。

   現在、ダイエーの株主構成は、イオン19.85%、丸紅18.41%とイオンの方が株式の比率は高いが、丸紅は本体以外に、丸紅リテールインベストメント10.00%、丸紅フーズインベンストメント0.87%と、丸紅グループとしては、29.28%の株式を保有する事実上の筆頭株主であり、丸紅がダイエーの経営再建の主導権を握っており、イオンは丸紅を支援するという体制である。現在、イオンからは、川戸義晴氏が代表権を持つ会長であるが、桑原体制となった後も、川戸氏が代表取締役会長として、支えてゆく予定であるという。

   日経MJの記事によれば、2/25に記者会見で、現、西見社長が、「・・、けじめをつける」との発言があったとのことで、今回の退任理由が経営不振にあったとのことである。特に、丸紅は、ダイエーの株式取得に約900億円つぎ込んだとのことであるが、先の2009年3月期には、丸紅はダイエー株で200億円強の減損処理を計上したという。しかも、ディスカントキャッシュフローを割り出しての損失計上であり、仮に、さらに業績が下がれば、追加の減損を余儀なくされるという。したがって、経営改革を断行し、業績を回復させ、株価を引き上げることが求められ、まさに、ダイエーにとっても、丸紅にとってもまったなしの厳しい局面にたったといえよう。

   ちなみに、ダイエーの株価であるが、この記者会見があった2/25以前から見てみると、2/22(301円)、2/23(298円)、2/24(299円)、2/25(297円)、2/26(295円)、3/1(296円)という推移であり、やや下がり気味であるといえよう。しかも、この厳しい結果となった第3四半期が公表された1/13以降、株価が急落、それまでは350円前後まで上昇気味であったが、まさに、右下がりに下落しており、投資家はダイエーに対して、極めて厳しい目を向けているといえよう。

   では、この1/13に公表された第3四半期のダイエーの決算結果を見てみたい。営業収益7,310.01億円(93.71%)、営業利益-40.37億円、経常利益 -69.14億円、当期純利益-66.73億円と、減収減益、すべての段階で赤字決算となり、厳しい結果となった。しかも、通期予想は、営業収益9,700.00 億円(-6.8%)、営業利益-35.00億円、経常利益-75.00億円、当期純利益-125.00億円と、最終利益が100億円を超える赤字となる予想である。

   そこで、営業利益が赤字になった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、70.32%(昨年70.23%)と、0.09ポイント上昇した。ただ、上昇幅が小幅であり、厳しいデフレ環境による価格競争が激しい中、原価の上昇を小幅に抑えており、結果、売上総利益は29.68%(昨年29.77%)となった。一方、経費であるが、38.17%(昨年37.27%)と、0.9ポイント上昇している。それにしても、38.17%という経費比率は、極めて高い経費比率であるといえよう。もともと、GMS業態の経費比率は高いが、それでも、2009年3月期の数字を見ると、イオン36.8%、セブン&アイH31.0%であり、ダイエーの38.17%はかなり高い数字である、ただ、金額では、昨年の経費額が2,693.96億円、今年が2,586.03億円であり、107.93億円下がっており、絶対額の削減は進んでいる。経費比率があがったのは、売上高が93.74%に下がったことが大きく、固定費が重くのしかかったためと思われる。

   結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-8.49%(昨年-7.50%)となり、原価はわずかな上昇にとどめることができ、経費の絶対額も抑えたものの、売上高が大きく減少したため、経費比率の上昇が見られ、マーチャンダイジング力が大きく下がる結果となった。これに、GMS業態特有の不動産収入、物流収入等のその他営業収入が7.90%(昨年7.93%)加わり、結果、営業利益は-0.59%(昨年0.43%)となり、営業赤字となった。

   この営業構造をどう改革するか、まさに、新社長の問われる課題であるが、まずは、売上げをいかに引きあげるかが急務といえよう。今期の結果を見ても、経費の絶対額は下がっているにも関わらず、経費比率が上昇しているのは売上げが下がりすぎ、固定費が相対的に上昇したためであると思われる。したがって、売上げが上がらない限り、経費比率は下がらないといえ、特に、坪効率、この数字をいかに引き上げるかが喫緊の課題といえよう。今後、新社長がどのような経営方針を打ち出し、マーチャンダイジング力のマイナス幅をいかに圧縮できるか、その政策に注目したい。
   
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March 2, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 01, 2010

新店情報、食品スーパーマーケット、12月末現在!

   経済産業省では、毎月、大規模小売店舗立地法第5条第1項(新設)届出の概要を公表している。本ブログでも、昨年の10月現在の新店に関しては東日本編と西日本編の2回に分けて取り上げたが、今回は、2/1に公表された12月末現在の、その後2ケ月間の最新情報を取り上げたい。集計結果は、北海道から沖縄まで9つの地区に分けて集計されているので、それにそって北海道から順次、2009年12月末時点の最新情報を取り上げてゆく。

   まず、北海道、東北であるが、北海道は全部で12件、内、4件が11月以降の届け出であり、その中に、食品スーパーマーケットはダイイチ1件のみである。(仮称)ダイイチ花咲店(北海道、2010年8月出店予定、店舗面積1085坪、駐車場165台)の予定である。東北では、全部で25件の申請があり、7件が11月以降の届け出である。食品スーパーマーケットは全部で4件ある。フレスコキクチ蔵王店(宮城県、2010年8月、726坪、118台)、ジョイス三関店(岩手県、2010年8月、662坪、81台)、おーばん南尾花沢店(岩手県、2010年9月、801坪、217台)、そして、グリーンズショッピングモール上谷刈(宮城県、2010年7月、847坪、160台)である。

   次に、関東であるが、さすがに届出は多く、全部で118件、内、27件が11月以降の届け出である。その中に食品スーパーマーケットは17件ある。いちやまマート徳行店(山梨県、2010年7月、778坪、189台)、JA信州うえだ国分産業団地(長野県、2010年7月、1,431坪、230台)、ベルク佐野田沼典(栃木県、2010年7月、683坪、102台)、コモタウン柏崎ウオロク(新潟県、2010年7月、4,915坪、845台)、(仮称)浦安パークスクエア再開発計画、サミット(千葉県、2010年7月、1,460坪、224台)、田子重田沼店(静岡県、2010年7月、575坪、120台)、ベイシア山梨落合店(山梨県、2010年7月、2,251坪、481台)、(仮称)長岡古正寺ショッピングセンター、ランドジャパン(新潟県、2010年7月、1,745坪、330台)、サンユーストアー渡里店(茨城県、2010年7月、396坪、145台)、(仮称)若宮二丁目店舗、マルエツ(東京都、2010年7月、347坪、36台)、フレッセイ宝泉店(群馬県、2010年8月、497坪、202台)、UNICUS鴻巣、ヤオコー(埼玉県、2010年8月、1,936坪、332台)、(仮称)ヤオコー相模原下九沢店(神奈川県、2010年8月、1,425坪、275台)、(仮称)東武ストア朝霞店(埼玉県、2010年8月、432坪、67台)、(仮称)武蔵小山駅ビル、東急ストア(東京都、2010年9月、597坪)、(仮称)ライフ南千住店(東京都、2010年10月、1,394坪、186台)、(仮称)小倉ショッピングセンター、サミット(川崎市、2011年2月、3,333坪、563台)である。

   ついで中部であるが、全部で32件、内12件が11月以降の届け出であり、食品スーパーマーケットは5件である。スーパー三心岐南店(岐阜県、2010年7月、429坪、83台)、ぎゅーとら久居新町店(三重県、2010年7月、403坪、91台)、カメリアガーデン幸田2、マックスバリュ東海(愛知県、2010年7月、1,862坪、318台)、(仮称)オークワ岐阜美濃加茂店(岐阜県、2010年8月、530坪、103台)、平和堂豊成店(愛知県、2010年8月、535坪、74台)である。

   そして、近畿であるが、全部で65件と関東につぐ多さであり、内、9件が11月以降の届け出であり、食品スーパーマーケットは5件である。(仮称)コープ若江東(大阪府、2010年7月、419坪、 55台)、(仮称)バロー彦根店(滋賀県、2010年7月、831坪、133台)、(仮称)万代魚崎店(神戸市、2010年7月、569坪、124台)、(仮称)ライフ吹田原町店(大阪府、2010年8月、667坪、80台)、(仮称)神戸相互ビル、ライフコーポレーション(神戸市、2010年8月、1,242坪、160台)である。

   最後に、中国、四国、九州、沖縄であるが、中国、四国は全部で44件であり、内9件が11月以降の届け出であり、食品スーパーマーケットは7件である。ディオ倉敷店、大黒天物産(岡山県、2010年7月、592坪、91台)、マルナカ伊予店(愛媛県、2010年8月、820坪、120台)、イオンタウン高松国分寺ショッピングセンター(香川県、2010年8月、2,258坪、455台)、マルナカ大野原店(香川県、2010年8月、614坪、85台)、(仮称)山陽マルナカ福山店(広島県、2010年8月、880坪、140台)、(仮称)ザ・ビッグ松神子店(愛媛県、2010年8月 、1,860坪、321台)、マルナカ仁井田店(高知県、2010年8月、611坪、81台)である。九州、沖縄であるが、全部で50件、内11件が11月以降の届け出があり、食品スーパーマーケットは2件である。スーパーキッド南高江店(熊本県、2010年7月、435坪、61台)、マルイチ丸山店(宮崎県、2010年8月、381坪、104台)である。

   これを全体で集計すると、今期現在まで新規出店を届け出ている件数は346件であり、内、2009年11月以降が79件(22.8%)である。そして、この中の41件が食品スーパーマーケットであり、約50%となる。また、この41件の内、関東が17件と最も多く、その他の地区は4件前後であり、関東の食品スーパーマーケットの出店が全体の中では積極的といえよう。今後、この41件に加え、すでに申請済の前回集計した約100件の食品スーパーマーケットが次々とオープンしてゆくことになるといえ、どのような新店がオープンするか注目したい。
   
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March 1, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)