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April 30, 2010

東武ストア、2010年2月期決算、減収減益!

   東武ストアが4/13、2010年2月期の決算を公表した。結果は、売上高815.24億円(-1.1%)、営業利益13.93億円(-35.6%)、経常利益 16.17億円(-32.3%)、当期純利益 22.85億円(11.9)と、当期純利益は増益となったが、営業、経常段階では減収減益となる厳しい決算となった。ただ、自己資本比率は68.8%(昨年68.2%)と、若干上昇しており、財務基盤は食品スーパーマーケット業界ではトップクラスであり、強化されている。

   そこで、東武ストアの出店余力を見てみると、まず、出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金・敷金の合計は176.51億円(昨年175.61億円)と総資産329.96億円(昨年308.06億円)の53.49%(57.00%)である。東武ストアは現在55店舗であるので、1店舗当たり3.20億円と、食品スーパーマーケットとしては比較的小さな出店にかかわる資産である。したがって、自己資本比率から差し引いた出店余力は15.31%(11.2%)とプラスであり、負債に頼らない出店が可能な財務構造であるといえ、まさに、出店に余裕があるといえよう。これは、昨年の決算公開企業約50社に照らし合わせるとベスト3に入る数字であり、極めて高い出店余力である。ただ、気になる点もあり、現金及び預金が17.39億円と総資産の5.27%であり、同様に昨年度の決算公開企業約50社で見ると40番目前後であり、もう一段と手持ちキャッシュを確保したいところであろう。

   この高い出店余力を受けて、ちょうど、4/28の日経新聞に東武ストアの出店戦略が掲載された。見出しは、「東武ストア、出店8割増、3年で改装含め117億円投資」という記事である。内容は2011年度から東武ストアが新規出店で積極姿勢に転じるというものであり、12年度までの3ケ年で14店舗の新規出店を計画とのことである。新規出店投資に73億円、既存店の改装約40店舗に残りの44億円とのことであるので、新店は1店舗当たり5.21億円、既存店の改装は1.1億円の投資となる。したがって、全55店舗の平均の出店にかかわる資産が3.20億円であるので、比較的大型店舗の出店であるといえよう。

   また、その資金であるが、「手元のキャッシュが潤沢なため約10億円の新規借入でまかなえる」と見ているとのことである。ただ、先程見たように、自己資本比率は68.8%と極めて高い数字であるが、現金は17.39億円であるので、それほど潤沢とはいえない。

   そこで、キャッシュフローを見てみると、今期の営業キャッシュフローは28.95億円(昨年32.98億円)である。したがって、これを全額新規出店に当てると、28.95億円÷5.21億円=5.55店舗であり、年間5店舗は出店できる営業キャッシュフローといえよう。計画は、2010年度に4店舗、2011年度から2012年度は5店舗であるので、ほぼ、営業キャッシュフローの範囲内といえ、今期の財務キャッシュフローが-11.26億円(昨年-14.51億円)であるので、約10億円の財務キャッシュフロー分を借入で補えれば財務的には十分に可能であるといえよう。また、現在、東武ストアの有利子負債は16.79億円であり、総資産の5.08%であり、負担は小さいため、借入れを増やしても大きな財務負担とはならいといえる。

   さて、では、そのキャッシュを生み出すマーチャンダイジング力について見てみたい。まずは、東武ストアの今期の原価、経費の状況であるが、原価は73.63%(昨年73.69%)と、0.06ポイント減少しており、原価の改善が若干であるが進んだ。結果、売上総利益は26.37%(昨年26.31%)となった。一方、経費の方であるが、24.65%(昨年23.68%)と、0.97ポイント上昇している。東武ストアは、「電気使用量の徹底した削減による光熱水道費の削減及び経営コンサルタント指導のもとに、器具備品や設備投資等に係る経費削減に努めました。・・」と、コメントしており、確かに、水道光熱費が13.91億円から 12.00億円と1.91億円下がっているが、給料及び手当が約3億円弱増加しており、全体としては経費の上昇が見られる。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は1.72%(昨年2.63%)と、減益となった。これに通常では不動産収入、物流収入等のその他営業収入が加わり、営業利益となるが、東武ストアの場合は、これらのその他営業収入が0であるので、マーチャンダイジング力=営業利益となる。したがって、営業利益が大きく減益となった。東武ストア自身も、「小売業界におきましても、雇用・所得環境の悪化に伴う個人消費の低迷、節約志向の高まり等によりデフレ傾向が一層強まる中、低価格での販売競争の激化等により、過去数十年例を見ない極めて厳しい状況で推移いたしました。・・」とコメントしているように、デフレの影響が大きく響いたとの認識である。

   このように、2010年2月期の東武ストアの決算は営業段階では、減収減益の厳しい決算となり、特に、経費の増加が大きく、マーチャンダイジング力を大きく下げたといえる。ただ、財務は自己資本比率が68.8%と超健全な財務であり、出店余力は食品スーパーマーケット業界では、トップクラスである。これを受けて、ここで、敢えて、この強い財務基盤をもとに来期からは積極的な新規出店、及び、既存店の改装に踏み込むという。いわば、逆張りの経営戦略ともいえるが、今後、この積極的な経営戦略がどのように東武ストアのマーチャンダイジング力の改善につながってゆくか、気になるところである。

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April 30, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 29, 2010

Twitter、ハッシュタグ、極上ロールで解決!

   昨日のTwitterに「真夜中の雨の中、傘をさして、セブンイレブンに極上ロールを買いに行く。パソコンの前で、一人試食。コーヒーか日本茶か?日本茶が合う。これって伊達巻? #gokujo_tabeta」というツイートを入れた。Twitterをはじめて数ケ月だが、ハッシュタグが気になっていた。試しに、先日、#Purchase_Indexを作ってみたが、フォロワーが少ないせいもあり、まだ、ツイートは私だけという状況である。ハッシュタグはどのように使うのか、そもそもハッシュタグって何だと思っていたところ、セブンイレブンの極上ロールに出会った。

   びっくりすることに、ハッシュタグを使って、新商品、極上ロールのキャンペーンを実施していた。キャンペーン期間が4/22から4/28、しかも、いまは、4/28の真夜中、どうするか迷ったが、極上ロールも食べてみたいし、ハッシュタグも使ってみたいと思い、思い切って、最寄りのセブンイレブンに雨の中、極上ロールを買いにいった。もちろん、売り切れていれば、キャンペーンへの参加はできないが、とりあえず、行ってみた。さすがに、お客は私だけ、店員が補充に忙しく、レジは誰もいないという状況。そこかしこに在庫が置かれ、開店前の食品スーパーマーケットのような売場で、足の踏み場もない状況だった。

   当たり前であるが、これが24時間の強みだと感心した。この真夜中に、商品が大量に入荷し、店員が補充作業をする、これが朝から100%の品揃えに繋がり、チャンスロスを最小に保つ仕組みといえよう。肝心の極上ロールであるが、3個残っていた。10度C以下での保存商品であるので、冷蔵ケースの下段に置かれていた。早速、ひとつ、その横に、ミルクたっぷりとろりんシューもあったので、ついでに購入した。

   そして、雨の中、帰宅し、パソコンの前で、Twitterでつぶやいた通り、日本茶といっしょに食べた。確かにおいしい。見た目も、味も伊達巻を彷彿とさせる感じがした。毎日、ひとつづつ手作りで丁寧に製造しているとのことで、数量に限りがあるというが、その通りの丁寧な、品の良い仕上がり具合である。さすがに、真夜中であるので、とろりんシューは後で食べることにした。

   さて、ハッシュタグであるが、まずは、Twitterのgokujo_rollをフォローすることが大前提である。gokujo_rollのアカウントを見ると、現在、すでにフォロワーが1万人を超え、11,002人となっており、すごい数字である。そして、ここがポイント、ハッシュタグでツイートすることがキャンペーンの参加条件となる。参加者の中から、毎日10名にロールケーキ型クッションを、さらに食べた感想をハッシュタグでツイートした方の中から毎日10名にQUOカード(1000円分)がもらえるという仕組みである。

   ハッシュタグは「#gokujo_tabeta」である。これがハッシュタグであり、ツイートの後ろに、半角スペースを入れ、この「#gokujo_tabeta」をつけるとこがポイントである。半角スペースがないと、ハッシュタグとならない。ならないとどうなるか、ハッシュタグをつけたツイートに加わることができず、当然、キャンペーンから外れることになる。要は、ハッシュタグとは、このハッシュタグをつけたツイートだけを自動集計し、時間順に各ツイートを並び替えてくれるプログラムのようなものである。「#gokujo_tabeta」の部屋をつくるようなイメージであり、インターネットの掲示板のようなものといえよう。掲示板がそこにいかなければ発言できないのに対し、ハッシュタグは、Twitterの中で、ツイートにこの記号を付けるだけで、勝手に集計されるところが、違うともいえよう。

   試しに、現在、「#gokujo_tabeta」を見てみると、私の冒頭のツイートが6番目にあり、1時間前と表示されている。すべてのツイートが見事に「#gokujo_tabeta」のみである。これがハッシュタグである。

   では、このTwitterのキャンペーンはどのように完結するかであるが、この「#gokujo_tabeta」のハッシュタグのリアルタイム検索結果をもって決定するとのことである。しかも、当選者はフォローした@ gokujo_rollで発表するという。Twitterではじまり、Twitterで終わるというまさにTwitter完結型のキャンペーンである。ちなみに、本人確認は、当選対象のアカウントについて投稿状況、自己紹介などを1つ1つ確認して精査するという。そして、当選商品の受け渡し方法もTwitterのダイレクトメッセージにて連絡するという。

   Twitterを始めたが、ハッシュタグが中々理解しづらかった。今回、思い切って真夜中の雨の中、極上ロールをgetして、実際にやって見て、理解できたと思う。また、ハッシュタグをキャンペーンに使うということができるということが、今回のセブンイレブンのキャンペーンを見ると可能であり、ハッシュタグがTwitterの醍醐味のひとつであることも理解できた。その意味で、今回のキャンペーンは極上ロールという新商品を食べて知ると同時に、TwitterのTwitterたるゆえんの機能、ハッシュタグを理解するという2つの新しさが同時に体験でき、興味深いものであった。セブンイレブンの次のTwitterキャンペーンに期待したい。

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April 29, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 28, 2010

ハローズ、2010年2月期決算、増収増益!

   ハローズが、4/9、2010年2月期の決算を公表した。結果は、売上高681.07億円(8.1%)、営業利益22.94億円(10.3%)、経常利益22.05億円(6.5%)、当期純利益12.11億円(6.3%)と、増収増益の好決算となった。ただ、気になる面もある。自己資本比率が30.9%(昨年33.9%)となり、負債が増加していることである。昨年度の食品スーパーマーケット決算公開企業約50社の平均が40.7%であるので、かなり低い水準であり、今後、特に、安定的な新規出店をしてゆくには、財務基盤の安定が課題といえよう。

   さて、まず、今期、増収増益と好決算となった要因であるが、新規出店に関しては、「いずれも24時間営業の店舗として、平成21年4月に岡南店(岡山県岡山市 450坪型)、6月に花尻店(同 600坪型)、11月に仏生山店(香川県高松市 600坪型)、平成22年2月に丸亀中府店(香川県丸亀市 600坪型)を開店し、・・」とのことで、4店舗増加したことが大きい。特に、岡山エリアに加え、四国エリアへも積極的な出店をしているのが特徴である。現在、ハローズは45店舗であるが、出店地区は、広島県19店舗、岡山県22店舗、香川県4店舗という状況であり、四国、香川県が第3のドミナト地区として、今期も2店舗出店しており、今後、さらに、増加するものと予想される。

   一方、営業利益が大きく増加した要因であるが、原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが76.75%(昨年76.71%)と、0.04ポイントと、わずかに上昇しているが、ほぼ、昨年並みの数字を確保している。これはハローズ自身も「プライベートブランド商品の「ハローズセレクション」の開発を引き続き進め、売上高構成比は前事業年度末の6.7%から0.9ポイント上昇し7.6%となり、・・」とコメントしているように、NBの価格競争が激しい中、PBの強化により、原価上昇を抑えたことが大きかったといえよう。結果、売上総利益は23.25%(昨年23.29%)となった。

   これに対して、経費であるが、22.70%(昨年22.56%)と、0.14ポイント上昇している。これに対し、ハローズは、「経費面では、チラシ回数の見直しによる広告宣伝費の抑制、使用量の削減策による電気代の抑制など全社的な経費削減に取り組みました。・・」と、コメントしているが、ハローズの最大の経費項目である人件費、地代家賃等が上昇しており、やや厳しい結果となった。したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.55%(昨年0.73%)と、-0.18%となり、やや厳しい結果となった。これに、賃貸収入等のその他の営業収入が2.82%(昨年2.57%)のり、営業利益は3.37%(昨年3.30%)となり、増益となった。マーチャンダイジング力は昨対を割ったが、その他営業利益が増加したため、営業利益は増益となり、これに好調な売上げと相まって、大きく増益となった構図である。

   こう見ると、営業利益は大きく増益になっているが、その中身は原価、経費ともに上昇し、マーチャンダイジング力が減益となっており、これをその他営業収入、売上げでカバーした形であり、やや気になる収益構造であるといえる。今後、ハローズとしては、まずは、マーチャンダイジング力をいかに増益にもってゆくかが当面の営業課題といえよう。

   では、さらに、気になる財務面を見てみたい。ハローズの財務面での最大の特徴は、経営目標として、明確にROA(総資産経常利益率)を掲げていることである。特に、ROA(経常利益/総資本)=経常利益率(経常利益/売上高)×総資本回転率(売上/総資本高)とし、経常利益率4%以上、総資本回転率2.5回転を目標にし、結果、ROA10.0%を目指していることである。今期は、経常利益率3.23%、総資本回転率1.92回転であるので、ROAは6.20%であり、まだ、目標には達していない。

   ただ、ROA=ROE(経常利益/純資産)×自己資本比率(純資産/総資産)とも分解でき、今期のハローズの数字は、ROE20.16%、自己資本比率30.89%となる。したがって、ROEは高いが、自己資本比率がかなり低いといえ、今後、自己資本比率を高めることも、重要な経営目標といえよう。もちろん、このまま、自己資本比率を低く抑え、ROEの極限を目指す方向もあるが、負債が重く経営にのしかかり、不安定な財務基盤となり、いかに、バランスをとるかが今後の課題といえよう。

   ちなみに、今期のハローズの負債約70%の中身であるが、有利子負債が112.10億円(昨年72.77億円)と増加し、総資産354.03億円に占める割合は31.66%と、重くなりつつある。これ以外では、買掛金18.08%、預り建設協力金と長期預り敷金保証金の合計が7.55%と続く。まずは、今期も増加した有利子負債の削減による自己資本比率の改善が課題といえよう。

   このようにハローズの決算は増収増益と好決算とはなったが、その中身を見ると、原価、経費の上昇が見られ、マーチャンダイジング力が減益となっており、その他営業収入と売上高で大きく増益となる構図であり、気になるところである。また、財務面でも、自己資本比率が有利子負債の増加等により、下がっており、こちらも気になるところである。今後、ハローズとしては、安定的な新規出店を果たし、成長してゆくためにも、財務改善は重要な経営課題であるといえよう。そのためにも、まずは、マーチャンダイジング力をいかに高めるかが課題といえよう。このような結果を踏まえ、今期、ハローズがどのようなマーチャンダイジング戦略を打ち出すか注目したい。

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April 28, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

April 27, 2010

マックスバリュ東海、2010年2月期決算、増収減益!

   マックスバリュ東海が4/14、2010年2月期の本決算を公表した。結果は、売上高1,409.60億円(14.3%)、営業利益36.05億円(-28.0%)、経常利益35.62億円(-29.8%)、当期純利益14.76億円(-35.7%)と、大幅な増収とはなったが、すべての段階で大幅な減益となり、厳しい決算となった。また、自己資本比率も63.8%(昨年69.5%)と減少し、財務的にも負債が増加し、やや厳しい決算となった。マックスバリュ東海自身も、「お客さまの節約志向による買い控え傾向が続き、客数及び一人当たり買上点数の既存店実績が低調に推移したことにより、既存店売上高は対前期比93.7%となり、・・」と、コメントしているように、既存店の売上げダウンが大きかったといえよう。

   さて、今期のマックスバリュ東海の決算を見ると、財務のバランスを崩しているのが気になるところである。売上高が急増し、利益を落としただけでなく、財務への影響も出ている。では、なぜ、このような決算となったのであろうか。その最大の要因は、新店10店舗の新規出店に加え、「イオンリテール株式会社から同社が静岡県及び愛知県東部エリアで展開するマックスバリュ6店舗を譲り受けたこと、・・」が大きい。その結果、店舗数は86店舗となり、売上げは大幅に増加したが、既存店の活性化が遅れ、財務的にも投資、負債が増加するなど、圧迫を受け、バランスを崩したことである。

   実際、どのような財務負担が発生したかであるが、今期、最も影響を受けたのはキャッシュフローである。そのキャッシュフローを見ると、営業キャッシュフローは57.39億円(昨年61.50億円)と若干減少したが、ほぼ昨年と同額の数字となった。問題は投資キャッシュフローであり、-131.27億円(昨年-78.50億円)と、営業キャッシュフローを遥かに超え、倍増したことである。その最大の増加項目が有形固定資産の取得による支出-114.45億円、営業譲受による支出-33.00億円である。これは、まさに、新規出店による固定資産の増加と、イオンリテールからの店舗の営業譲渡にかかわる支出であり、合計約150億円と営業キャッシュフローの約3倍弱という巨額な投資となった。

   結果、フリーキャッシュフローは-73.88億円(昨年-17億円)と、ほぼまるまる1年分のキャッシュ不足となった。したがって、その分のキャッシュの調達が必要となるが、純資産から賄うか、負債、特に借入により補うかが問題となる。マックスバリュ東海は昨年は無借金経営であり、有利子負債は0であったが、これだけのキャッシュ不足を補うには有利子負債に頼らざるをえなかったといえ、今期は有利子負債、短期借入金を10.00億円調達し、無借金経営でなくなった。また、それ以外は、現金を取り崩しており、今期の資産の現金は、45.05億円(昨年123.19億円)と約1/3となり、財務バランスを崩す結果となった。これが自己資本比率を下げた要因といえる。

   では、営業利益が-28.0%となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、74.44%(昨年74.12%)となり、0.32ポイント上昇している。マックスバリュ自身も、「節約志向・低価格志向に即応するため、地域一番のプライスリーダーシップの確立を目指し、売れ筋商品の陳列数拡大によるわかりやすい売場づくりと商品補充回数の削減を目的とする品揃えアイテムの絞込みや、イオンのプライベートブランド「トップバリュ」の拡販などに取り組み、・・」とのことで、価格訴求を全面に出したマーチャンダイジングに取り組んでおり、これが平均単価を下げ、原価に影響を与えたものといえよう。結果、売上総利益は25.56%(昨年25.88%)となった。

   一方、経費の方であるが、24.92%(昨年23.70%)と、1.22ポイント上昇している。これは、既存店が93.7%となったことが大きいといえ、結果、固定費が相対的に上昇したものといえよう。マックバリュ東海は、「コスト競争力強化の取組みを推進し、経費1%削減を目標とする「K-1大作戦」を展開いたしました。また、ローコストオペレーションの実現に向け、店内作業の軽減を目指した鮮魚・フードの一次加工所や、前事業年度に導入したODBMS(自動補充発注システム)の活用に加え、DEOS(販売予測型のデイリー(日配品)自動補充発注システム)の新規導入などにより、作業効率の向上にも取り組んでまいりました。・・」とのことで、特に作業改善を中心に取り組んだとのことである。

   結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.64%(昨年2.18%)と大幅にダウンし、これが減益になった要因といえよう。原価、経費、特に経費の上昇が利益を圧迫したといえる。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が1.93%(昨年1.89%)のり、営業利益は2.57%(昨年4.07%)と、大幅な減益となった。

   このように、マックスバリュ東海は昨年までの堅固な財務状況に支えられたマーチャンダイジング力の強さが、新店と営業譲渡による財務負担、デフレによる原価、経費への圧迫も加わり、経営構造全体のバランスを崩したといえる。ただ、自己資本比率は63.8%と、依然として高く、マーチャンダイジング力もプラスであり、キャッシュを生み出す力は高いといえる。今後、マックスバリュ東海がどのように、経営バランスを立て直すか、その動向に注目である。

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April 27, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 26, 2010

売上速報、食品スーパーマーケット3月度、98.9%!

   上場食品スーパーマーケット約20数社の2010年3月度の売上速報を集計した。この食品スーパーマーケットの売上速報の集計は2005年6月までさかもどることができるが、この約5年間ではじめて、全体の数字が昨対を下回り、98.9%となった。それだけ、ここへ来て、デフレ環境が深刻さを増しているといえ、消費環境は極めて厳しい状況にあるといえよう。また、既存店については、95.3%であり、集計20数社の中で、昨対を超えた食品スーパーマーケットが1社もないという状況である。

   ちなみに、過去約1年間の全体と既存店の数字の推移を見ると、2月度100.5%(既存店95.9%)、1月度 100.4%(95.7%)、2009年12月度 100.1%(95.5%)、11月度 100.0%(94.7%)、10月度 102.0%(96.4%)、9月度 102.2%(97.1%)、8月度101.2%(96.1%)、7月度 100.4%(96.0%)、6月度 101.3%(96.5%)、5月度 104.9%(99.0%)、4月度 102.2%(96.9%)、3月度 101.5%(96.4%)、2月度 102.3%(96.9%)、1月度 104.7%(99.7%)という状況である。

   ここ数ケ月、昨対100%ぎりぎりの状況ではあったが、100%を割ることはなかったので、この3月度は厳しい状況であるといえよう。また、昨年3月が極端に高かったわけでもないことから、昨年の反動とも違い、実際に数字が伸び悩んでいる結果といえよう。昨年度4月、5月度の数字が堅調であったことを見ると、今後、数ケ月、食品スーパーマーケット業界は厳しい売上げとなる可能性が高いといえよう。

   この集計20数社の食品スーパーマーケットの中では、売上高に加え、客数、客単価まで公表している企業が約半分、さらに、PI値、平均単価まで公表している企業がその半分ぐらいある。その結果を見ると、客数101.1%(既存店96.7%)、客単価97.5%(97.8%)、PI値100.7%(100.5%)、平均単価97.6%(97.3%)であり、売上ダウンの原因は客単価、しかも、平均単価にあることが鮮明であり、まさに、デフレによる価格競争の激化が平均単価に影響を与え、売上減となった要因であるといえよう。また、全体の客数も伸び悩んでいることから、各社新店開発を控え、新店による売上増が期待できなくなったことも大きいといえよう。

   さて、このような厳しい状況となった、この3月度の個々の食品スーパーマーケットの売上状況であるが、大きく売上を伸ばした食品スーパーマーケットが2社ある。スーパーバリュー111.8%(既存店99.9%)とマックスバリュ東海111.8%(93.3%)である。いずれも、店舗数が増加しており、スーバーバリューは居抜き出店を含め、順調に新店を増やしている。一方、マックスバリュ東海はM&A、本体のイオンからの店舗移管などもあり、店舗数が増加しており、全体の売上高は好調である。ただ、既存店は93.3%と厳しい状況にあり、客数95.9%、客単価97.3%と双方が下がっており、その中身はPI値100.6%、平均単価96.7%と平均単価が大きく下がっている。今後、既存店の活性化が最重要課題であるといえよう。

   ついで、昨対100%を上回った食品スーパーマーケットであるが、オオゼキ105.9%(既存店99.9%)、マックスバリュ西日本105.7%(94.8%)、 ダイイチ104.1%(96.0%)、ユニバース102.8%(95.4%)、ヤオコー101.1%(96.3%)、九九プラス100.9%(94.9%)の6社である。合計8社が昨対をクリアーしたが、残りの食品スーパーマーケットはすべて昨対割れとなった。また、これまで好調であったオオゼキも既存店がわずかに昨対を割っており、3月に入って売上げが一層厳しくなったといえよう。

   一方、売上げが昨対を割り、95%以下の厳しい状況となった食品スーパーマーケットを見てみると、CFSコーポレーション:SM 94.5%(既存店95.6%)、PLANT 93.4%、マルエツ93.3%(93.3%)、いなげや92.2%(90.2%)、ヤマザワ91.7%(89.9%)、エコス90.0%(92.5%)、Olympic:フード88.9%(90.7%)という状況である。特に、Olympicは全体が88.9%となり、90%を割り込む深刻さである。また、ヤマザワも既存店が89.9%となる厳しい状況であり、この3月度がいかに厳しい消費環境にあるかがわかる。

   そして、これ以外の食品スーパーマーケットの状況であるが、マックスバリュ東北99.6%(既存店98.7%)、カスミ99.4%、マックスバリュ北海道98.8%(96.3%)、トーホー98.1%(98.6%)、マックスバリュ中部97.8%(98.1%)、イズミ(推計)97.8%(94.8%)、アークランドサカモト96.5%(96.3%)という状況である。

   このように、2010年3月度の食品スーパーマーケットの上場企業20数社の売上速報であるが、この集計を取りはじめて約5年になるが、はじめて全体が昨対を割るという厳しい結果となった。改めて、この3月度の消費環境が極めて厳しい状況にあるといえ、デフレが深刻な状況にあるといえよう。実際、各社の売上の中身を見ると、客単価のダウンが見られ、しかも、PI値(数量)ではなく、価格ダウンが鮮明であり、価格競争の激しさが数字に反映されているといえよう。今後も昨年の4月、5月の数字が堅調であっただけに、しばらくは厳しい状況が続くと予想されるが、ひとつ気になるのは野菜の相場である。4月度は野菜が異常に高騰しており、食品スーパーマーケットへのプラスの影響は大きいといえる。このような中、各社、今後、どのようなマーチャンダイジング戦略を打ち出すか注目したい。

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April 26, 2010 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 25, 2010

小売業の経営効率(ROIC)、日経で特集!

   4/24の日経新聞で、小売業の経営効率についての特集記事が掲載された。見出しは、「小売業の経営効率悪化、投資に見合う利益を生まず」というもので、小見出しでは、「透過資本利益率8年ぶり低水準、前期8%、百貨店2.8%、10年で最低、投資選別がより重要に」、さらに、「専門店・コンビニは好調、ポイント首位、PB展開力がカギ」というものである。記事には約20社の投下資本利益率のランキング表も掲げられており、興味深い内容である。

   食品スーパーマーケット最新情報のブログでは、食品スーパーマーケットの決算解説をここ最近ではメインで取り上げているが、その主要分析指標はP/Lからマーチャンダイジング力、B/Sから出店余力、そして、CFを参考に、マーチャンダイジング力、出店余力との連環を図っているが、今回の日経新聞が取り上げた投下資本利益率、いわゆる、ROIC(Return On Invested Capital)のようなP/LとB/Sをダイレクトに結びつける分析指標は加えていない。今後、小売業、特に、食品スーパーマーケットにとっての投下資本利益率のような、P/L、B/Sを融合する指標を工夫してみたいと思う。

   ROICはもともと、株主が企業を評価する時に良く使われる指標であり、今回の日経新聞にも解説があるように、分子に営業利益、分母に運転資本(売上債権と在庫から仕入れ債務引いた値)を用い算出する指標である。営業利益がP/L、運転資本がB/Sであるので、まさに、P/LとB/Sを融合する指標となる。また、当然であるが、B/Sは貸借対照となり、左右のバランスがとれているので、運転資本は左側、すなわち、資産に近い指標であるので、当然、右側、負債と純資産を用いても分析ができる。したがって、運転資本の原資となる有利子負債と純資産の合計を分母に置いても、ほぼ同値となるので、実際のROICは、こちらを用いて計算する場合が多いという。

   ということは、これは、出店余力に近い概念であり、出店余力が分母に出店にかかわる資産(土地、建物、敷金・保証金等)をおいて、出店戦略をうらなっているのに対し、ROICは営業利益を置いている点の違いともとれる。したがって、ROICは営業利益の効率をうらなっているといえる。とすれば、小売業の本質を考えた場合、営業利益よりも、商売の本質は資金繰りであり、今日の日銭をどう明日の仕入れに活用するかという点であることを考えると、キャッシュフロー、特に、営業キャッシュフローが小売業にはあっているように思える。すなわち、分母を純資産+有利子負債にし、分子を営業キャッシュフローにして、キャッシュ効率を算出するという指標である。

   営業利益はキャッシュをダイレクトに反映しているとはいえず、減価償却費、仕入れ債権、売掛債権、税金等様々なキャッシュの動きがつかみにくいが、営業キャッシュフローはこれらをほぼすべて考慮した上での、小売業が営業活動によって生みだした現金、キャッシュであるので、分子は、この方が投下資本の営業効率を表しているといえよう。しかも、P/L、B/Sの関係にCFが加わることになり、より、財務をトータルに評価することにもなり、まさに、財務連環がイメージしやすいといえよう。試しに、今期の財務3表連環分析では、これの指標を加えて、食品スーパーマーケットの財務分析を試みてみようと思う。

   さて、日経新聞の記事に戻ると、小売業No.1のROICはポイント50.4%(-9.4%)であり、やや昨対が下がったところは気になるが、断トツである。No.2があさひ35.9%(6.1%)であるので、圧倒的な差といえよう。その要因を記事では、「在庫をほとんど持たず、流行や季節に合わせてタイミング良く売れ筋商品を集中的に投入。在庫回転率を高め、少ない運転資本で多くの利益を上げた。」と、解説している。ROICは分母小、分子大が当然高い数字になるので、ポイントは特に分子大が大きく、分母も資産をほとんど持たない、高回転で勝負する衣料品業態をつくり上げたことにあるといえよう。

   ところで、食品スーパーマーケットの状況であるが、ランキングには5社入っている。No.10にマックスバリュ西日本17.5%(-9.3%)、No.12に丸久15.4%(0.4%)、No.13にサンエー14.8%(0.2%)、No.16にカスミ11.9%(2.0%)、そして、No.18にベルク10.8%(0.2%)である。日経新聞の一覧表は70社を分析したというが、ここで表は終わっている。これは、ROICの目安が10%ぐらいといわれているので、ベルクの10.8%までを掲げたものと思われる。逆にいうと、小売業で10%以上のROICは25%(18社/70社)ぐらいともいえ、ROIC10%を超えるのは至難の業であるともいえよう。それだけ、投資に見合うキャッシュを稼ぐのが難しいということであろう。

   このように、日経新聞でROICについて取り上げたが、10%がひとつの目安といえる。日経新聞の結論としては、この数字が今期は悪化しているとのことで、8年ぶりの低水準であるという。食品スーパーマーケット業界としても、今後、デフレによる消費環境が悪化する中、売上げの大きな伸びは当面期待できない状況であり、そのような厳しい経営環境の中で、いかにキャッシュを生み出すかが問われる時代に入ったといえよう。今期、決算発表が終了次第、今回は、このキャッシュ効率も加え、食品スーパーマーケットの経営分析を試みてみたい。

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April 25, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 24, 2010

スーパーバリュー、2010年2月期決算、増収営業増益!

   スーパーバリューが4/14、2010年2月期の決算を公表した。結果は、売上高433.34億円(16.1%)、営業利益11.35億円(1.5%)、経常利益 9.70億円(1.8 %)、当期純利益5.54億円(-1.5%)と、営業、経常段階では増収増益、当期純利益は減益となるやや厳しい決算となった。

   今期のスーパーバリューは売上高16.1%という数字が示しているように、積極的な新店を出店したことが大きい。スーパーバリュー自身も、「平成21年10月に荒川一丁目店(東京都荒川区)、居抜き出店として、7月に東所沢店(埼玉県所沢市)、11月に大宮天沼店(さいたま市大宮区)及び見沼南中野店(さいたま市見沼区)の計4店舗を出店し、当連結会計年度末の店舗数は14店舗、・・」とコメントしているように、全14店舗中、4店舗が今期の新規出店であり、その売上貢献度が極めて大きかったといえよう。

   そこで、これだけ、積極的な新規出店を果たす基盤となった財務面を先に見てみたい。まず、自己資本比率であるが、20.8%(昨年18.9%)と、昨年よりは改善しているが、20%台という厳しい状況である。したがって、約80%弱が負債となっており、その主要項目を見てみると、有利子負債が110.28億円と、総資産210.77億円の52.32%とかなりの比率となっており、負債、特に、有利子負債に大きく依存する財務構造となっている。

   では、出店にかかわる資産はどうであるかであるが、土地、建物、差入保証金等の合計は149.74億円であり、総資産の71.04%となる。これは、1店舗当たりでは10.69億円であり、通常の食品スーパーマーケットと比べ、2倍以上となる。スーパーバリューは食品スーパーマーケットとホームセンターを融合した新業態であるため、店舗、土地ともに、大きなスペースが必要なため、巨大な資産が必要となるためである。

   結果、自己資本比率から差し引いた、出店余力を見ると、-50.24%となり、ほぼ、有利子負債分、そっくり、依存する出店構造といえる。したがって、これまでの成長を支えたのは、この有利子負債に負うところが極めて大きかったといえ、今後、さらに、安定的な新規出店をしてゆくには、財務構造を大きく見直し、負債にできるだけ、依存しない出店構造をつくる必要があろう。スーパーバリューも、先の新規出店のコメントの中でも、「居抜き出店」という言葉を使っているが、現状、平均約10億円かかる資産をいかに少なくし、負債の負担を減らせるかも課題といえよう。

   ちなみに、今後の出店を占う投資キャッシュフローの状況を見ると、有形固定資産の取得は-5.59億円、敷金及び保証金の差入による支出-1.14億円であるので、ほぼ1店舗弱の出店関連の資産の取得であるといえる。これに加え、居抜きで数店舗となるのではと思われる。実際、スーパーバリュー自身も、「新規出店につきましては、3月26日に開店しました志茂店(東京都北区)のほか、東京都世田谷区に1店舗(平成22年10月開店予定)を計画しております。また、居抜き出店についても、年間2~3店舗の出店を目標とし、・・」とのことである。

   これに対し、営業利益が増益となった要因を原価、経費面から見てみたい。今期の営業利益1.5%増であるが、売上高が16.1%と大幅に伸びた割には、その伸び率は低く、気になるところである。まず、原価面であるが、79.69%(昨年79.09%)となり、0.60ポイント上昇している。スーパーバリュー自身も、「当社グループの所属する食品スーパー業界におきましても、生活防衛意識の高まりによるお客様の低価格志向がさらに強まる中、企業間の低価格競争が一段と激化し、業界全体で客単価の低下が見受けられ、厳しい経営環境で推移いたしました。・・」との、厳しい認識をしており、原価への影響が大きかったといえよう。結果、売上総利益は20.31%(昨年20.91%)となった。

   一方、経費の方であるが、18.38%(昨年18.80%)となり、0.42ポイント削減しており、経費の削減が進んだ。それにしても、18%台の経費比率は食品スーパーマーケット業界では極めて低い数字といえ、昨年の決算公開企業約50社の中でもベスト10に入る低さである。したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は1.93%(昨年2.11%)と、若干下がった。やはり、原価の上昇が響いたといえよう。これに、その他営業収入が0.69%(昨年0.89%)のり、営業利益は2.62%(昨年3.00%)となり、率では減益となったが、売上高が大きく伸びたことにより、額では増益となった。

   このように、スーパーバリューの2010年2月期決算は営業段階では増収増益とはなったが、率で見る限り、原価の上昇、その他営業収入の減少があり、経費の削減では相殺できず、減益となっており、厳しい結果であったことがわかる。また、有利子負債が総資産の50%を超え、自己資本比率がわずか20%強であり、負債、特に有利子負債に負う財務構造となっており、財務の改善が大きな経営課題といえよう。そのような中で、新規出店を積極的に行い、急成長を遂げているが、今後、安定的、継続的な成長を維持してゆくためには、財務の改善は急務といえる。今後、スーパーバリューがどのように財務改善に取り組み、さらなる成長を図ってゆくか、注目である。


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April 24, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

April 23, 2010

カスミ、2010年2月期決算、増収増益!

   カスミが4/12、2010年2月期の決算を公表した。結果は営業収益2,169.02億円(4.1%)、営業利益55.53億円(20.1%)、経常利益60.95億円(16.7%)、当期純利益27.60億円(62.4%)となり、増収増益の好決算となった。ただ、昨年が増収減益であったことから、一昨年の数字を見ると、営業利益61.31億円、経常利益67.32億円、当期純利益24.87億円であるので、当期純利益は増益であるが、営業、経常利益に関しては、一昨年の数字を下回っており、もう一段、増益を確保したかったところであろう。

   今期、カスミは、「経営体質のローコスト化によるロープライス営業の体制づくりを推進、・・」とのことで、価格にこだわった営業戦略を強く打ち出したという。新規出店に関しても、フードスクエアクロスガーデン前橋店(群馬県前橋市)、フードスクエア我孫子寿店(千葉県我孫子市)、FOOD OFF ストッカー牛久ししこ店(茨城県つくば市)、フードスクエア宮代店(埼玉県南埼玉郡宮代町)、FOOD OFF ストッカー茂原東部台店(千葉県茂原市)の5店舗を新規出店している。この内、2店舗はディスカウント業態、FOOD OFF ストッカーであり、ディスカウント路線を強化しているといえよう。

   そこで、今期の原価、経費がどのような状況であったかを見てみたい。まず、原価であるが、73.76%(昨年72.41%)と、1.35ポイント上昇している。カスミ自身は、「厳しい消費環境の中でお客様と1円の大切さを共感し、1円でもお安く商品を提供したいとの思いから「1円共感宣言」を3月より開始し、食料品を中心にお客様の購入頻度の高い主要品目の値下げを行いました。・・」とのことで、価格訴求が原価に影響を与えたものといえよう。結果、売上総利益は26.24%(昨年27.59%)と、下がっており、粗利はやや厳しい数字であったといえよう。

   これに対して、経費であるが、26.96%(昨年28.67%)と、1.71ポイント下がっており、経費の削減が進んだといえる。カスミの今期の既存店は101.1%と昨年を上回っており、これが経費面を底上げしているともいえよう。ただ、客数が105.4%、客単価が95.8%であるので、恐らく、原価にも影響を与えた平均単価のダウンが大きかったものと思われ、客数は伸びたが、気になるところである。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-0.72%(昨年-1.08%)と、昨年よりは経費削減が進んだ分、改善してはいるが、依然としてマイナスであり、もう一段、経費比率を引き下げたいところであろう。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.38%(昨年3.37%)のり、結果、営業利益は、2.66%(昨年2.29%)と、増益となった。こう見ると、原価の上昇を経費の削減でカバーしたが、マーチャンダイジング力はマイナスが続いており、その他営業収入の利益貢献度が依然として高く、今後、マーチャンダイジング力、特に、経費比率の改善が課題といえよう。

   これを受けて、カスミのキャッシュフローの動向であるが、営業キャッシュフローは95.18億円(昨年74.93億円)と大幅に増加しており、約100億円弱となった。当期純利益が48.33億円(昨年25.84億円)と増加したことが大きいといえよう。そして、投資キャッシュフローであるが、-48.26億円(-60.69億円)と、昨年よりは減少している。これは、有形固定資産の取得が-44.31億円(昨年-54.98億円)と、約10億円下がったためである。 ちなみに、カスミの有形固定資産は358.37億円であり、店舗数が現在138店舗であるので、1店舗当たり2.59億円であるので、-44.31億円は17.1店舗分の有形固定資産となる。したがって、金額は下がっているが、今後とも積極的な出店を行ってゆくものといえよう。

   結果、フリーキャッシュフローは46.92億円(昨年14.24億円)と、昨年と比べ、潤沢なフリーキャッシュフローとなり、財務改善への原資が増加した。そこで、財務キャッシュフローを見てみると、-29.17億円(昨年)(-22.95億円)であり、その中身は、有利子負債への返済に-17.26億円(昨年-13.75億円)を当てており、負債の削減を推し進めたといえよう。結果、カスミの有利子負債は88.06億円(昨年96.61億円)と、減少しており、総資産814.29億円に占める割合は10.81%と、財務への影響が減少している。ただ、今期は未払い法人税が約20億円増加しているため、負債全体は若干増加しており、自己資本比率は47.9%(昨年47.3%)となり、財務の改善にまでは踏みこめなかったといえよう。

   ちなみに、カスミの出店関連の資産、土地、建物、敷金及び保証金等の合計は434.53億円であり、1店舗当たり3.14億円、総資産に占める割合は53.36%である。したがって、自己資本比率から差し引いた出店余力は-5.46億円であり、ほぼ自己資本の範囲内で出店が可能な財務状況であるといえる。この数字を見る限り、もう少し、高めたいところであるが、バランスは取れているといえ、今後とも大きく負債に頼ることなく、新規出店が可能な財務状況といえよう。

   このように、カスミの2010年2月期の決算は増収増益とはなったが、まだ、一昨年の数字を超えてはおらず、もう一層の増益が欲しかったところであろう。経費削減は進んでいるが、原価の上昇が見られ、マーチャンダイジング力は依然として、マイナスであり、一層の経費削減が今後とも課題といえよう。一方、財務の方は、有利子負債の削減は進んでいるが、自己資本比率は、ほぼ昨年同様の結果となり、今後、もう一歩、財務の改善を進めたいところであろう。これを受けて、カスミが、今後どのような経営戦略を打ち出すか、注目である。

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April 22, 2010

コンビニ、売上速報、2010年3月度、既存店-4.9%!

   コンビニの2010年3月度の売速報が4/20、社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)から公表された。結果は全店が-2.6%、既存店が-4.9%となり、全店は9ヶ月連続マイナス、既存店は10ヶ月連続マイナスという厳しい結果となった。この集計は、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの10社、42,815店舗の数字であり、ほぼ、全国の数字を網羅しているといえ、信頼性の高い数字である。

   売上高が伸び悩んだ要因を、JFAでは、「当月は低気圧や前線の影響を受け、多雨で日照時間も少なかった。気温の変動も大きく、上~中旬は気温が平年を上回る日が多かったが、行楽需要が増す月末にかけては強い寒気の影響で全国的に顕著な低温となった。・・」とコメントしており、気温の影響が大きかったとのことである。

   では、客数、客単価はどうかを見てみると、客数は全体0.4%(既存店-1.6%)であり、客単価は全体-3.0%(既存店-3.4%)、客数よりも客単価の落ち込みが大きいといえる。しかも、客単価は16ケ月連続のマイナスであり、客単価の下落が売上げが伸び悩んだ最大の要因であるといえる。ちなみに、客単価のここ数ケ月の推移であるが、2月度全店-2.1%(既存店-2.6%)、1月度全店-3.4%(-3.8%)、昨年12月度全店-2.5%(-2.9%)、11月度全店-2.8%(-3.0%)、10月度全店-2.4%(-2.8%)であり、-3.0%前後での落ち込みがずっと続いており、一時的な問題ではなく、構造的な落ち込みが続いているといえる。

   これは、taspo効果の影響ではなく、別の要因といえる。なぜなら、taspoは一昨年の4月前後からはじまり、昨年の6月頃までの約1年間の特需であり、しかも、売上げに影響を与えたのは客単価ではなく、客数であるからである。このtaspo期間の時も、コンビニの客単価はあまり伸びず、むしろ、減少した月もあった。したがって、この16ケ月連続の客単価の伸び悩みはtaspoの問題ではなく、コンビニの構造的な問題が解決されないまま続いているといえよう。

   そこで、部門別の売上げの状況を見てみると、この3月度に関しては、日配食品 -3.7%(構成比33.7%)、加工食品-4.5%(構成比29.6%)、非食品1.2%(構成比32.3%)、サービス -8.8%(構成比4.4%)、そして、全体-2.6%(構成比100.0%)という状況であり、ファストフードを含むコンビニの中核である日配食品と加工食品の落ち込みが大きいといえる。これもそれぞれ、ここ数ケ月の推移を見てみると、2月度(日配食品-2.6%、加工食品-2.8%)、1月度(日配食品-2.7%、加工食品-3.3%)、昨年12月度(日配食品-3.9%、加工食品-3.9%)、11月度(日配食品-4.1%、加工食品-5.6%)、10月度(日配食品-3.5%、加工食品-4.6%)という状況である。こう見ると、この2部門の売上げの落ち込みが、客単価減となっているといえ、taspo効果の恩恵をあまり受けることなく、特に、ここ数ケ月は厳しい状況が続いているといえよう。

   では、taspo効果とは何であったかであるが、客数、客単価、そして、この部門別の売上げの推移を見る限り、客数と非食品を伸ばしたことが最大の効果であったといえる。先に上げたtaspo期間、一昨年の4月頃から、昨年の6月頃までに数字が大きく変化したのは、この2つの項目である。しかも、既存店の数字が大きく変化したのが特徴である。客数は7%前後で推移し、非食品は何と25%前後で推移しており、明らかに異常値であったといえる。したがって、taspoとは、非食品、特に、たばこを購入する顧客が全国の既存店で約7%増加し、たばこをしっかり購入し、その他の日配食品、加工食品は他の顧客よりも、むしろ少ない買い物であったと、見ることができよう。ちなみに、7%の顧客とは、3月度の客数が延べ1,125,553人であるので、78,788人であり、年間では945,456人であるので、この10チェーンで延べ約100万人の客数増となる。いかに、インパクトが大きかったかがわかる。

   こう見ると、この数ケ月のコンビニの厳しい売上げの推移は、taspo効果の影響は少なく、日配食品、加工食品の客単価の減少にあるといえ、特に、日配部門が深刻といえよう。ちなみに、日配部門とは、「米飯類(寿司、弁当、おにぎり等)、パン、 調理パン、惣菜、漬物、野菜、青果、水物(豆腐等)、調理麺、卵、加工肉(ハム、ウインナー、ベーコン等)、牛乳、乳飲料、乳製品(バター、チーズ等)、練物(ちくわ、かまぼこ等)、生菓子(ケーキなどの和洋菓子)、サラダ、デザート類(プリン、ゼリー、ヨーグルト等)等」である。

   このように2010年3月度のコンビニは厳しい売上げ減となり、特に、客単価、部門では日配食品、加工食品がその原因といえよう。特に、日配部門は1年を超え、長期間に渡って売上の減少が続いており、深刻な状況といえる。今後、コンビニの数字が回復するには、この日配部門の改善が必須といえ、各社、どのように、日配部門の改革に取り組むかが課題といえよう。コンビニ各社の決算も終了し、新年度を迎えたが、コンビニ各社の日配部門の今後の営業戦略に注目である。

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April 22, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 21, 2010

サンエー、2010年2月決算個決算、増収増益!

   沖縄のサンエーが4/14、2010年2月期の決算を公表した。サンエーは今期から連結決算を公表しているが、連結では初年度ということもあり、昨対が出ていないので、ここでは、個別を中心に見てみたい。ただ、連結対個別の営業収益比は99.46%であり、営業利益比も99.22%であるので、現状は個別決算でも十分にサンエー全体を反映しているといえよう。その結果であるが、営業収益1,362.68億円(3.9%)、営業利益87.41億円(7.3%)、経常利益88.94億円(6.1%)、当期純利益49.82億円(1.7%)となり、増収増益となる好決算となった。

   サンエーは沖縄商圏を中心に店舗展開をしているが、その業態は多岐に渡っており、現在、「衣料品・住居関連用品・食料品を全て取り扱う「総合店舗」を21店舗、衣料品・住居関連用品を取り扱う「衣料・住関店舗」を2店舗、食料品・住居関連用品を取り扱う「食品店舗」を37店舗、「ドラッグストア」を1店舗有しております。その他、「外食店舗」を16店舗、ビジネスホテル1軒、ペンション1軒を有しており、・・」と、多岐に渡っている。これに、昨年12月からローソンと合弁のCVS部門が加わり、さらに、業容が拡大した。また、今期は、積極的に業務提携しているマツモトキヨシを既存店に導入、外食でも大阪王将をテナント誘致するなど、沖縄における外食を含めた食品のコングロマリット、総合小売業を目指しているといえよう。

   したがって、サンエーの収益構造も通常の食品スーパーマーケットとは大きく異なり、本業の食品スーパーマーケットに加え、外食、ホテル、そして、テナント収入等が加わり、極めて高収益な企業体を作り上げている。そこで、サンエーの営業利益の状況を原価、経費面から見てみたい。

   まず、原価であるが、69.80%(昨年69.96%)と、0.16ポイント原価を下げており、価格競争の厳しい経営環境の中、原価の改善が進んでいる。結果、売上総利益は30.20%(昨年30.04%)と、通常の食品スーパーマーケットではありあえない粗利率である。これは、先にも言及したように、衣料品、外食、ホテルなどの原価が極めて低いためである。したがって、サンエーの経営戦略は、食品スーパーマーケット以外の原価の低い業態を加え、いかに原価ミックスをはかり、原価を引き下げるかにあり、結果、粗利最大を目指すことが特徴といえる。

   これに対して、経費の方であるが、26.68%(昨年26.63%)と、0.05ポイント上昇しているが、ほぼ昨年並みの結果であったといえよう。これも、食品スーパーマーケット業界としてはやや高めであるが、原価が極めて低い分、相殺できるといえ、独特の経営戦略であるといえよう。通常、食品スーパーマーケットは、経費小、原価大を目指すが、サンエーの場合は経費大、原価小であり、全く発想の違う食品スーパーマーケット、というよりも、GMSに近いビジネスモデルといえる。

   結果、差し引き、商品売買から得られるマーチャンダイジング力は3.52%(昨年3.41%)となり、0.11ポイントの改善となった。経費の上昇を極力抑え、原価を改善したことが大きかったといえる。これに、サンエー特有の不動産収入が2.39%(昨年2.39%)のり、さらに、その他を加え、その他営業収入3.11%(昨年3.00%)がプラスされ、営業利益は6.63%(昨年6.41%)となり、増益となった。こう見ると、サンエーは独特の収益構造を構築しており、食品スーパーマーケットの利益に衣料品、外食、ホテル等の高収益が乗り、さらに、SC、NSC等の不動産収入が大きく加わり、利益の極大化を目指しているといえる。食品スーパーマーケットを核にしたまさに小売業のコングロマリットであるといえよう。

   一方、財務面であるが、自己資本比率は65.7%(昨年64.8%)であり、連結でも64.3%であるので、極めて安定したバランスである。したがって、負債は約35%であり、その中身も、有利子負債は32.92億円(昨年35.74億円)と、総資産861.16億円に占める割合はわずか3.82%である。負債の最大項目は買掛金の111.05億円(昨年107.33億円)であり、総資産の12.8%であり、現預金も196.92億円と総資産の22.86%あり、健全な財務状況にあるといえる。

   したがって、ここから出店余力を見ると、出店にかかわる資産、土地、建物、敷金保証金等の合計は463.08億円(昨年476.48億円)と、総資産の53.77%であり、自己資本比率から差し引いた出店余力は11.93%と、負債に頼ることなく出店が十分に可能な財務状況といえる。しかも、当期純利益も極めて高い数字であり、キャッシュフローも今期営業段階で98.28億円と100億円近いキャッシュであり、安定的、継続的な出店が十分に可能な財務状況にあるといえよう。

   このように、サンエーの2010年2月期の個別決算は増収増益となり、自己資本比率も65.7%と財務も健全な状況である。また、今期は新たにローソンとの合弁でCVS事業にも本格参入となり、さらに、収益力の高い不動産収入においても、テナント戦略としてマツモトキヨシ、大阪王将を積極的に導入するなど、食品スーパーマーケットを補う収益構造の強化も進んでいる。課題は、中核、食品スーパーマーケットのさらなる強化であるといえ、今後、今期の好決算をもとに、サンエーが本業の強化にどう取り組むか注目である。

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April 21, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 20, 2010

ライフコーポレーション、2010年2月決算、増収減益!

   ライフコーポレーションが4/13、2010年2月期決算を公表した。結果は、営業収益4,688.58億円(1.3%)、営業利益86.76億円(-24.1%)、経常利益84.38億円(-23.7%)、当期純利益40.62億円(-25.5%)と、増収減益となり、厳しい決算となった。営業収益が増収になった要因であるが、今期、ライフコーポレーションは、「4月に大谷田店(東京都)、5月に太平寺店(大阪府)、6月に三津屋店(大阪府)、7月に吉祥寺駅南店(東京都)、なんば店(大阪府)、9月に下寺店(大阪府)、出屋敷店(大阪府)の7店舗を出店、・・」しており、この新規出店によるところが大きかったといえよう。既存店は98.0%(客数99.9%、客単価98.2%)であり、昨年の105.3%、一昨年の105.0%と比べても、今期は厳しい経営環境であったといえよう。

   ライフコーポレーション自身も、「デフレや競争激化等による販売単価の下落により、諸施策も効果が減殺され、既存店の売上高は減少となり、・・」と、コメントしているように販売単価の下落が大きく響いたようである。さらに、「利益面につきましては、既存店の売上高減少に加え競争激化により粗利益率も圧迫され、・・」とのことで、売上高以上に利益面への影響の方が大きかったとのことである。そこで、その要因を原価、経費面から見てみたい。

   まず、原価であるが、73.80%(昨年73.65%)と、0.15ポイント上昇しており、やや原価の上昇が見られる。競争激化による販売単価の下落が、原価に影響を与えたものと思われる。結果、売上総利益は26.20%(昨年26.35%)となった。これをもとに、ライフコーポレーションの部門別の粗利率を見ると、今期、粗利率が下がった部門は食品では、農産19.5%(-0.7ポイント)、加工・日配24.1%(-0.1ポイント)である。これに加え、生活関連用品25.6%(-0.9ポイント)、衣料品37.0%(-0.1ポイント)の粗利が下がっている。ライフコーポレーションは生鮮3品の中では農産に力を入れており、食品内での構成比は14.9%であり、水産9.51%、畜産11.33%、惣菜11.64%と比べても高く、食品の戦略部門といえる。したがって、その戦略部門である農産が競争激化により、粗利ダウンとなったことが原価上昇の要因のひとつといえよう。

   一方、経費の方であるが、26.99%(昨年26.43%)と、0.56ポイントと上昇しており、やはり、既存店の売上ダウンが経費に影響を与えたといえよう。また、今期は、7店舗の新規出店に加え、「効率的、効果的業務遂行を支えるインフラの整備として、9月に基幹情報システムをオープン系の新システムへ切替えを行い、また、10月に近畿圏の物流センターを常温系、低温系に集約新設するとともに、11月には東京本社を都心部の台東区へ移転、・・」と、インフラ整備に重点をいたことも、経費増となった要因といえよう。

   結果、商品売買から得られる利益、すなわち、粗利から経費を引いたマーチャンダイジング力は-0.79%(-0.08%)となり、マイナス幅が大きくなった。原価、経費双方からの利益への圧迫があり、マーチャンダイジング力が厳しい結果となったといえよう。これに、物流センター手数料収入2.27%(昨年2.19%)、不動産賃貸収入0.42%(昨年0.41%)がのり、営業利益は1.90%(昨年2.52%)となり、減益となった。それにしても、物流センター手数料収入の利益への貢献度が極めて高いといえ、現在のライフコーポレーションにとっては、重要な収益源といえよう。

   一方、財務面であるが、自己資本比率は26.5%(昨年24.8%)と、昨年と比べ、改善しているが、依然として厳しい状況にあるといえる。昨年度の決算公開企業約50社の平均が40.7%であるので、かなり低い水準といえ、現在、取り組んでいる「第三次中期3カ年計画」における「12の課題」の改革・改善も、この自己資本比率を引き上げ、財務の健全化をいかにはかるかが課題といえよう。

   そこで、約75%弱となる負債の状況を見てみると、有利子負債が515.26億円(昨年518.49億円)と、総資産1,673.26億円の30.98%と、依然として、経営に重い負担であるといえる。これ以外では、買掛金438.97億円(昨年449.78億円)が総資産の26.23%を占め、大きい項目である。

   問題は、今後の出店余力であるが、出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金等の合計を見ると、954.19億円(昨年977.27億円)であり、ライフコーポレーションは現在208店舗であるので、1店舗当たり4.58億円となる。また、総資産に占める割合は57.02%であり、自己資本比率から差し引いた出店余力は-30.52%であり、負債に大きく依存する出店構造となっている。ほぼ、有利子負債分の比率といえ、ライフコーポレーション自身も、「継続的な企業成長を図るため、新規出店、既存店舗の改装など投資を積極的に行う計画でありますが、これらの資金は、極力、営業活動によるネット・キャッシュ・フローに依ることとし、不足分を金融機関からの借入にて調達することとしております。」との方針であり、出店余力の不足分を有利子負債で補ってゆく出店戦略といえよう。

   このように、2010年2月期のライフコーポレーションの決算は増収減益という厳しい結果となった。特に、原価、経費双方が上昇し、収益を圧迫しており、今後、特に、経費比率をいかに下げられるかが課題といえよう。また、現在、ライフコーポレーションは経営改革に取り組み、物流センター、情報システム等への積極的なインフラへの投資を行っているが、自己資本比率は依然として厳しい状況にある。今後、投資、財務改善、収益改善と、この3つのバランスをどうとってゆくか、ライフコーポレーションの動向に注目である。
   
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April 20, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 19, 2010

食品商業、最新、2010年5月号で、PI値を特集!

   食品商業、最新号、2010年5月号の表紙がバナナとなった。その下に、「PI値」活用の大正解(点数増を売上増に結び付ける)との見出しがある。久しぶりに、食品商業でPI値の特集が組まれ、私の小論も掲載された。その中でバナナを事例に取り上げたので、恐らく表紙がバナナになったものと思われる。私のテーマはセオリー編と題し、「ブランドスイッチ、ロイヤルカスタマーづくり理論」(レシート分析から品揃え、ゾーニング、インプロを解説する)というタイトルである。

   通常、PI値は点数PI値(数量PI値)のことを指し、これがあまりにもメジャーとなり、点数PI値が独り歩きしているといえる。今回の小論では、点数PI値偏重に警鐘を鳴らし、まずは、点数PI値を活用する場合でも、その本質をしっかり理解し、価格訴求のみに頼らない方法を優先すべきであるとし、新たに、レシートPI値という概念を提唱した。

   これは、点数÷レシートではなく、レシート÷レシートのPI値である。通常PI値は総客数=総レシート枚数を分母に計算される。ところが、このレシートには、今回バナナで解説したが、バナナの購入レシートもバナナの未購入レシートも全部含まれた、まさに総レシートを分母にしている。したがって、PI値アップを考える場合、客数には踏み込むことができず、結果、価格訴求に走らざるをえなくなり、平均単価が下がり、利益ダウン、売上げダウンとなることが多い。特に、昨今のデフレ環境では、点数PI値偏重は命取りになることもある。そこで、点数PI値の客数=レシートに着目し、価格に頼らない点数PI値アップをまずは説いたものである。

   これをバナナで解説すると、バナナの点数PI値=バナナの購入PI値×バナナのレシートPI値となる。バナナの点数PI値がバナナの買上点数÷全レシートであり、バナナの購入PI値がバナナの買上点数÷バナナの購入レシート、バナナのレシートPI値がバナナの購入レシート÷全レシートである。このレシートPI値に焦点を当てることによって、価格に頼らず、バナナの点数PI値を引き上げることが可能であり、その方法がゾーニング、インプロにあることを解説したものである。

   そして、2つ目のポイントがそもそも点数PI値は価格とともにあり、その融合指標が金額PI値であることを改めて解説した。金額PI値=点数PI値×価格であり、点数PI値も価格も金額PI値アップの手段でしかなく、どちらも、同等な価値がある。ちょうど、この2つは振り子のようであり、どちらを強化するかは、状況により変わる。特に、ここ最近のデフレ環境では、どうしても、点数PI値偏重になり、価格が下がることになるが、ここではあえて、価格に振り子を振ることが、金額PI値アップにとっては決め手になることを解説した。

   点数PI値のレシートPI値の重要性と合わせて考えると、デフレの時は、敢えて価格に重点を置き、なおかつ、レシートPI値に重点をおくことがポイントであり、特に、付加価値の高い商品を重点的に売り込むことが利益、売上げを維持、増加させる決め手になると解説した。当然、デフレがインフレに転じれば、今度は振り子が点数PI値に振れるので、どんどん販売点数増に重点を置いた政策に切り替えればよい。まさに、振り子のように、点数PI値と価格は同等の価値として捉え、バランスよく金額PI値を引き上げてゆくことが重要といえる。したがって、食品商業でも見出しのひとつとなった「ブランドスイッチ」がPI値活用のまさに大正解となる。

   そして、今回は、もうひとつ、最新のPI値の研究テーマであるID-POS分析についても触れた。ポイントは顧客が見えるPI値である。これまでのPI値は分母が原則レシートであり、しかも、総レシートであることが多く、そこから顧客を見ることは不可能であった。顧客の購入状況がバラバラにばらされ、ひとつにまとめられ、それはもはや顧客ではなく、巨大な顧客の平均像を見ているに過ぎない。したがって、マーチャンダイジングもその平均像をもとに、平均値を上げる政策しか打つ手がなかったといえる。

   そこで、ID-POS分析、すなわち、ID-PI値はまさに、顧客1人1人をしっかり見るために生まれたPI値であり、ここから、バナナのロイヤルカスタマー、レギュラーカスタマー、未購入カスタマーを分け、PI値を駆使して、顧客1人1人へのマーチャンダイジングを検討しようという試みである。これまでの、実際には存在しない平均的な顧客増から、真の顧客のまさに購入イメージそのものを前提にマーチャンダイジングを考えようという試みであり、まさに、顧客のイメージ化といえる。

   このように、今回の食品商業の小論は、「PI値」活用の大正解をテーマに、盛りだくさんの内容をコンパクトにまとめたものであり、現状のPI値活用の課題から、今後のPI値の研究テーマまで網羅した内容である。PI値はまさに、日々進化しており、ここ最近ではID-POS分析によるPI値が主流となりつつある。次回、機会があれば、実証データを踏まえ、バナナの真の実態に迫ってみたいと思う。

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April 19, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 18, 2010

ザクリッチ販売休止、日経MJ新製品週間ランキング!

   日経MJ、4/16で異変が起こっている。冷凍食品部門のNo.1、ロッテアイスのザクリッチが金額PI値、先週比159円アップの500円を超えるAランク、570円となり、冷凍食品部門としては、断トツのトップ、異常値となった。No.2が味の素、こだわり三元豚のとんかつ240gであり、金額PI値が275円であるので、いかに、570円という数字が高いかがわかる。しかも、今週登場の全新製品の中でも、この570円はNo.1であり、明らかに異常値である。今週登場の新製品の中でNo.2は飲料部門のヤクルト本社、ミルミル100ml×3本であり、金額PI値は563円であるので、それを抜く高い数字であり、アイスクリームがここまで、高い金額PI値をたたき出すことはめったにない快挙といえよう。

   ただ、残念なことに、ザクリッチのホームページを見ると、「2010年3月29日より発売しております弊社製品「ザクリッチ」は発売以来、皆様に大変ご好評をいただいておりますが、当初の販売計画を大きく上回っており、供給が間に合わない状況となりました。・・」とのことで、一時販売を休止するとのことであり、再開までにしばらく時間がかかるとのことである。それにしても、アイスクリームがこれだけ金額PI値が上がるのはめったにないことであり、カバー率も83.6%という、3/29発売としては異例の高さであり、バイヤーも注目の商品であったといえよう。

   ちなみに、PI値を逆算してみると、平均単価が86円であるので、金額PI値=PI値×平均単価から、PI値=金額PI値÷平均単価=(570円/1,000人)÷87円=0.65%という数字である。2,000人/日クラスの標準的な食品スーパーマーケットで、2,000人×0.65%=13個となり、週間91個、約100個近く売れる商品である。生鮮食品、日配食品なみに動く商品といえ、グロサリー、特に、冷凍食品としては、異常な売れ行きであるといえる。ちょうど、冷凍食品部門No.6となったハーゲンダッツジャパン、ドルチェ110mのPI値を逆算すると、金額PI値(113円/1,000人)÷平均単価266円=0.042%であり、2,000人/日クラスの食品スーパーマーケットで1日0.84個、週間5.88個であるので、そのPI値の高さがいかに異常値であるかがわかるといえよう。

   今週は何と言っても、このザクリッチが注目の新製品であるが、その他食品ではまた違う意味で注目の動きがある。No.1、No.2にハウス食品、ハウスバーモンドカレーが定着したことである。No.1はハウスバーモンドカレー<中辛>238g、金額PI値431円、No.2は<甘口>、金額PI値362円である。また、No.3にはいま大ブームともいえる、エスビー食品、ぶっかけ!おかずラー油チョイ辛110gが金額PI値260円で入り、先週同様の順位となり、ベスト3が定着しつつあるといえる。

   特に、ラー油は大ブームであるが、先のザクリッチの570円と比べると、約半分の260円であるので、改めて、金額PI値が500円を超えることがすごいかがわかる。ただ、気になるのは、ハウスバ―モンドカレーの<辛口>であり、ランキング外となったことである。リニューアル当初はランキングに乗ってきていたが、現在はNo.20の金額PI値が154円であるので、それよりも低い数字であると推測され、残念である。ここで、単純に金額PI値が低いので、カレーは主力の中辛と甘口のみで、辛口をカットという選択になりがちとなる。

   実際、食品スーパーマーケットの売場を見ると、中辛、甘口のみとなり、辛口をカットする売場も見られるが、商品販売面から見ると正解ではあるが、顧客から見ると、慎重に見る必要がある。特に、ここ最近ではID-POS分析が普及しはじめ、そのデータをつぶさに見てゆくと、確かに、金額PI値では、低い数字となるが、ID金額PI値でみると、特に、ロイヤルカスタマーが辛口を好んで購入している場合もあり、単純にカットすると、商品カットが顧客カットとなりかねないので、慎重に見極める必要がある。

   商品には2つの売上げが存在する。ひとつは文字通り商品の単純売上げであるが、もうひとつは、その商品がもっている顧客の売上げである。これは、商品が特定顧客を強力に引きつけ、場合によっては、来店動機を形成するぐらいの力をはっきする商品があり、その顧客が特にロイヤルカスタマーを引きつける商品である場合には、商品カット=ロイヤルカスタマーのカットとなりかねない場合もある。これが、商品のもつ固有の魅力であるといえるが、その意味でも、商品のカットは慎重に見極めることが必要といえよう。

   このように、今週の日経MJはまさに、新商品のヒットが生まれつつある状況を数字でも検証できるという稀な週となった。ザクリッチとおかずラー油である。また、定番中の定番ともいえるハウスバーモンドカレーの動向も気になるところである。ザクリッチはしばらくしてからの再登場となると思うが、おかずラー油は3/23初登場でカバー率も70.0%となり、6月頃までは日経MJでその動向が確認できるので、その推移を注意深く見守りたいところである。恐らく、ザクリッチも数週間で再登場となると思うので、その後の数字もどう動くか気になるところである。今後、しばらくは、日経MJの動きに注目といえよう。

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April 18, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 17, 2010

マルエツ、2010年2月期、減収営業減益、当期増益!

   マルエツが4/15、2010年2月期の決算を公表した。結果は、営業収益3,369.39億円(-1.6%)、営業利益78.56億円(-5.4%)、経常利益75.84 億円(-3.4%)、当期純利益69.65億円(12.3%)と、営業、経常利益段階では減収減益と厳しい決算となったが、当期純利益は2桁の増益となる好決算となった。当期純利益が増益となった要因は、「特別利益として14億96百万円、特別損失として39億円、当期より繰延税金資産を計上し、法人税等調整額が20億73百万円となった結果、・・」とのことであり、特に、法人税等調整額が20億73百万円が大きかったといえよう。

   営業収益が-1.6%となった要因であるが、新店は今期8店舗を出店して、合計246店舗となったが、既存店の売上高が96.7%(前期98.3%、後期95.3%)となったことが大きく、また、客数97.9%、客単価98.8%と、双方がダウンしたことが大きいといえよう。直近の2010年3月度の数字も、既存店は93.3%と厳しい状況であり、これを見ても昨年後半からの急激な売上減が影響したといえよう。マルエツは、昨年対比割れの店舗数を公表しているが、それを見ると、246店舗中、189店舗(76.8%)がダウンしており、深刻な状況といえよう。昨年は26.7%、一昨年は14.8%であるので、急激に昨対割れ店舗が増加しているといえる。首都圏の昨年後半からの消費環境が極めて厳しい状況にあるといえよう。

   一方、営業利益が-5.4%になった要因であるが、原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、71.69%(昨年72.07%)となり、-0.38ポイント減少した。マルエツ自身も、「小売業界では、お客様の生活防衛意識の高まりにより低価格志向が強まり、業種・業態を越えた企業間競争の激化による単価の下落傾向が強まる等、経営環境は依然として厳しいものとなっています。・・」と、コメントしているように、価格下落が厳しい中でも原価を改善しており、結果、売上総利益は28.31%(昨年27.93%)と改善した。

   これに対し、経費の方であるが、27.81%(昨年27.37%)と、0.45ポイント上昇が見られる。既存店が96.7%と低迷したことに加え、新店8店舗の経費増もあったものと思われる。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力であるが、0.49%(昨年0.56%)と、-0.07ポイントの下落に留めており、厳しい経営環境の中、経費の上昇を原価の改善で相殺を図った構図である。

   そして、これに、不動産収入1.71%(昨年1.73%)、その他の営業収入0.17%(昨年0.18%)が乗り、営業利益が2.38%(昨年2.47%)となり、さらに、売上高の減少があいまって、昨対-5.4%の減益となった。こう見ると、原価は改善しているが、経費の上昇、そして、売上高の減少が営業利益に響いたといえ、今後、まずは、既存店の活性化、そして、それに連動し、経費の削減が課題といえよう。

   では、財務面はどうかを見てみたい。まずは、自己資本比率であるが、46.6%(昨年42.2%)と、上昇している。これは、総資産は1,262.11億円(0.35%)とほとんど上昇が見られなかったが、純資産が589.24億円(11.15%)と、大きく上昇したことによる。その要因は先に見たように、当期純利益の増加が大きかったといえよう。気になる負債の主要項目である有利子負債は、299.78億円(昨年302.98億円)と若干減少したが、総資産に占める割合は23.75%であり、やや高いといえ、今後、いかに、有利子負債を削減してゆくが依然として、経営課題であるといえよう。

   また、今期、8店舗を新規出店したが、出店余力を見てみると、出店にかかわる資産である土地、建物、敷金保証金等の合計は873.35億円(昨年897.52億円)と、下がっており、総資産に占める割合は69.19%である。したがって、差し引き、自己資本比率から引いた出店余力は-22.59%(昨年-29.16%)と、昨年よりは大きく改善したが、有利子負債分をほぼ負っている出店構造であり、今後、新規出店により、安定成長を目指す上には、もう一段の財務改善が必要といえよう。ちなみに、1店舗当たりの出店にかかわる資産は全店が246店舗であるので、3.55億円と、通常の食品スーパーマーケットよりも低いといえる。これは、マルエツが首都圏というコストのかかる地区に出店しているにも関わらず、小型店が多く、今期もプチマルエツが8店舗中4店舗、さらに、ポロロッカも1店舗出店しており、小型店舗に重点を置いているためといえよう。

   これを踏まえ、来期の予想であるが、営業収益3,310.00億円(-1.8%)、営業利益 65.00億円(-17.3%)、経常利益 59.00億円(-22.2%)、当期純利益 23.00億円(-67.0%)と、減収減益予想であり、先にも見たように、直近のこの3月度の既存店が93.3%という現状であり、厳しい予想である。

   このように2010年2月期のマルエツの決算は営業、経常段階では減収減益の厳しい決算となった。原価は改善したものの、それ以上に経費のダウンが見られ、既存店の厳しい営業環境が反映されたものといえよう。また、財務面では、当期純利益が増益となったことにより、自己資本比率は上昇しているが、有利子負債は横ばい、出店余力は改善したとはいえ、さらに、高める必要があろう。ただ、問題は来期であり、すでに、はじまっている新年度の状況は極めて厳しい状況にある。通期予想も減収減益予想と厳しい予想であり、今後、マルエツがどのように営業改善をはかるか、その動向に注目である。

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April 17, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 16, 2010

アークス、2010年2月期決算、増収増益、200店舗へ!

   アークスが4/13、2010年2月期の決算を公表した。結果は、売上高2,707.22億円(6.6%)、営業利益88.40億円(3.0%)、経常利益95.61億円(1.9%)、当期純利益50.49億円(1.5%)となり、増収増益、堅調な決算となった。特に、今期は、「平成21年10月30日付けで東京急行電鉄㈱及び㈱東急ストアより㈱札幌東急ストア(本社:札幌市)の全株式を取得し連結子会社といたしました。・・」とのことで、28店舗増加したことが大きいといえよう。結果、アークスの総店舗数は200店舗となった。また、来期は年商3,000億円が視野に入ってきており、通期目標は3,070.00億円(13.4%)の予想である。

   ちなみに、今期のアークスの新店であるが、「平成21年3月に「フクハラ別海店」(運営会社㈱福原)、同年4月に「スーパーアークス長都店」(同㈱ラルズ)に加え、同年11月に「スーパーアークス伊達店」(同㈱ラルズ)の3店舗、・・」とのことで、新店は3店舗である。また、改装については、「平成3月に「ふじ新富店」(同㈱ふじ)、また、同年6月には「ビッグハウス里塚店」(同㈱ラルズ)を業態変更のうえ改装オープンしたほか、同年10月に「フクハラ西12条店」(同㈱福原)の移転新築オープンを行い、・・」とのことで、改装は3店舗である。

   では、営業利益が増益になった要因であるが、原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、77.21%(昨年77.24%)と、原価が下がっている。アークス自身も、「当社グループは強まる低価格志向に対応するため、ビッグハウスを中心に低価格業態に更なる磨きをかけ、「革命的な価格」の実現に向けた取り組みを強化するとともに、・・」と、低価格を強く打ち出したにも関わらず、原価が下がり、原価の改善が進んだ。結果、売上総利益は、22.79%(昨年22.76%)となり、粗利率が若干ではあるが改善した。

   一方、経費の方であるが、19.52%(昨年19.38%)と、0.14ポイント上昇しており、経費の上昇が見られる。その中身をみると、人件費関連は8.27%(昨年8.50%)と下がっているが、ポイント引当金繰入額0.74%(昨年0.50%)、と0.24ポイントの上昇が見られる。これは、今期、アークスは「グループ統一カードの外部企業との連携拡大によるカード機能の拡充と利便性向上を図るなど、顧客サービスの充実にも取り組んでまいりました。・・」とのことで、ポイントカードの強化を図ったためである。

   ただ、経費比率が上場したとはいえ、19%台であり、食品スーパーマーケットとしては極めて低い経費比率である。ちなみに、決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの中で、昨年度の決算で20%を切る経費比率の企業は、オーケー14.9%、トライアルカンパニー16.3%、アオキスーパー16.8%、大黒天物産18.0%、PLANT181%、オオゼキ18.2%、マルキョウ18.5%、マルミヤストア18.8%、スーパーバリュー18.8%、アークス19.4%、タイヨー19.8%の11社である。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は3.27%(昨年3.38%)となり、若干であるが、昨対を下回った。アークスは、その他営業収入が0であるので、マーチャンダイジング力=営業利益となる。率では昨年を下回ったが、高では、売上高が106.6%と伸びているため、増益となった。気になるのは高での増益に対し、経費比率が上昇したため、率では減益となったことである。経費の上昇が響いたといえ、ポイントカードの引当金はさらに上がる可能性があり、どこで、その上昇を相殺するかが課題といえよう。一般論としては、ポイントカードの引当金は変動費であるので、固定費を既存店の売上増で相殺することであろう。したがって、ポイントカードの強化と同時に、確実に既存店の売上高アップに結び付ける必要があり、より、一層の効果的なポイントカードの活用が課題といえよう。

   これに対し、財務面を見ると、自己資本比率は52.5%(昨年59.8%)と、下がっており、気になるところだ。総資産1,203.51億円(昨対112.1%)、純資産631.34億円(昨対106.1%)であるので、純資産よりも、総資産が増加したことが、その要因である。これは、「㈱東光ストアを連結子会社化したことなどにより、前期末と比較して総資産が210.3億円増加し、・・」、同時に、「負債は173.22億円増加し572.16億円となり、・・」とのことであり、東光ストアの連結が大きかったとのことである。実際、有利子負債は、207.76億円(昨年112.40億円)であり、総資産の17.26%となり、やや、重くなっているといえる。

   このように、アークスの2010年2月期の決算は増収増益とはなったが、東光ストア(前、札幌東急ストア)の連結によるところが大きいといえる。これで、200店舗を超え、来期3,000億円達成が射程圏内に入ったといえ、営業面ではプラスの貢献であるといえよう。ただ、財務面では、資産、負債双方が増加し、特に、自己資本比率が7.3ポイント下がっており、財務をやや圧迫している。その意味で、今後、マーチャンダイジング力をさらに高め、キャッシュを増やし、財務の改善につなげることが課題といえよう。来期、アークスが年商3,000億円突破に向け、どのような営業戦略を打ち出すか、注目である。

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April 16, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 15, 2010

ヨークベニマル、2010年2月期決算、減収減益!

   ヨークベニマルが4/8、2010年2月期の決算を公表した。結果は売上高3,375.06億円(99.82%)、営業利益94.02億円(80.31%)、経常利益108.74億円(83.23%)、当期純利益60.88億円(75.95%)となり、減収減益、特に利益はすべての段階で2桁の減収となる厳しい結果となった。現在、ヨークベニマルは164店舗を展開しており、今期、新店を8店舗オープンしたが、既存店が96.3%と減収となったことが、伸び悩んだ要因といえよう。ヨークベニマルの親会社、セブン&アイHも、「東北地方を中心とした経済環境は厳しさを増しており、特に夏場以降の売上は弱含みで推移いたしました。・・」と、昨年の夏以降のデフレ環境が厳しかったとのコメントをしており、東北地方の経営環境が急激に悪化したものといえよう。

   ただ、食品の売上高は堅調であり、101.0%となった。全体の31.3%の構成比である生鮮食品は99.9%と若干昨対を割ったが、24.6%の構成比の加工食品は102.5%、18.7%の構成比のデイリー食品は100.8%と昨対をクリアーした。また、5.5%の構成比の住居も100.1%と昨対をクリーしており、ここまでは、売上高は堅調である。問題は衣料品とテナントであり、5.1%の構成比の衣料品が93.5%、14.8%の構成比のテナントが96.5%となったことが売上高に響き、これが全体が99.82%となった減収の要因である。さらに、客数、客単価の数字を見ると、既存店が96.3%となった要因は、客数が97.9%、客単価が98.4%と双方がダウンしており、売上高が伸び悩んだといえよう。

   こう見ると、売上高に関しては、比較的堅調に推移したが、問題は、利益であり、特に、営業利益が80.31%と大きく落ち込んだことの方が深刻であるといえる。その要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、75.85%(昨年75.65%)となり、0.20ポイント上昇しており、原価の上昇が見られる。既存店の客単価が落ちていることからも、価格競争による平均単価のダウンが響いているのではないかと思われる。結果、売上総利益は24.15%(昨年24.35%)となった。それにしても、セブンプレミアムのPBが急激に存在感をましつつあるヨークベニマルでさえ、原価の上昇が見られるほど、NBの収益が落ちているということであり、東北地方における価格競争は厳しい局面に入ったといえよう。

   一方、経費の方であるが、24.70%(昨年24.08%)となり、0.62ポイント上昇しており、原価以上の上昇が見られる。新店の経費に加え、既存店のダウンが経費にも響いているものと思われる。結果、原価、経費、双方の上昇が響き、商品売買から得られる差し引きの利益、マーチャンダイジング力は、-0.55%(昨年0.27%)となり、プラスからマイナスへと転じ、厳しい結果となった。

   これに、受取手数料収入2.42%(昨年2.33%)、不動産賃貸収入0.91%(昨年0.86%)等がのり、営業利益は2.78%(昨年3.46%)となり、大きく減収となった。こう見ると、原価、経費双方が上昇し、ダブルで利益を圧迫しており、しかも、マーチャンダイジング力がプラスからマイナスへと転じるという収益構造となり、ヨークベニマルとしては、極めて厳しい決算となったといえよう。

   では、財務面はどうであったかを見てみたい。まずは、純資産比率であるが、80.28%(昨年78.96%)と、極めて高い数字であり、超健全な経営である。純資産が80%を超える食品スーパーマーケットは決算公開企業約50社の中では、昨年の数字を見る限りもちろんトップである。70%台はオオゼキ1社のみであり、それ以外のトップクラスの食品スーパーマーケットは60%台となるので、80%を超える純資産比率は極限に近い数字といえよう。したがって、負債はわずか、20%弱となる。ただ、ちょっと気になるのは、今期、昨年は無借金経営であったが、今期は長短借入金を0.77億円調達していることである。総資産対比では0.05%と、全く問題ない金額ではあるが、決算日と金融機関との関係なのか、何か、一時的なものとは思われるが、今期、結果、無借金ではなくなった。

   これだけ、健全な財務状況にあるので、当然、出店余力もあり、出店に関する資産、土地、建物、保証金等の合計は815.41億円となるが、これは、総資産1,452.58億円の56.13%であり、1店舗当たり、4.97億円となる。したがって、純資産から出店にかかわる資産を差し引いた出店余力は24.15%と極めて高い数字である。ただ、昨年は29.44%とさらに高い数字であったので、やや気になるところだ。ちなみに、昨年の決算公開企業約50社で20%を超える出店余力の企業はヨークベニマルとオオゼキの2社のみであるので、20%という数字がいかに高い数字であるかがわかる。

   このように、2010年2月期のヨークベニマルの決算は減収減益となる厳しい決算となり、原価、経費双方が上昇し、収益をダブルで圧迫し、マーチャンダイジング力がマイナスに転じるという厳しい結果となった。ただ、財務は極めて健全であり、80%という純資産比率となり、食品スーパーマーケット業界でも極限に近い数字である。今後、この堅固な財務をもとに、新規出店は十分に可能であるが、既存店の落ち込みが収益に影響を与えはじめており、今後は、既存店の活性化が優先課題であるといえよう。その意味でヨークベニマルがどのような既存店の活性化策を打ち出すか注目である。

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April 15, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 14, 2010

ベルク、2010年2月期決算、増収増益!

   ベルクが4/9、2010年2月期の第3四半期決算を公表した。結果は売上高1,024.94億円(3.3%)、営業利益43.93億円(6.3%)、経常利益46.30億円(7.8%)、当期純利益24.42 億円(8.0%)となり、増収増益となる好決算となった。食品スーパーマーケット業界においては、消費環境がデフレとなり、価格競争が厳しい中、業績が厳しい決算が続いているが、ベルクは安定した収益を確保したといえよう。

   今期ベルクは、昨年3月に埼玉県川口市に「川口差間店」、7月に群馬県邑楽郡大泉町に「ベスタ大泉店」、9月に埼玉県所沢市に「東所沢店」、11月に埼玉県さいたま市に「さいたま宮原店」の4店舗を新規出店し、店舗数は62店舗となり、これら4店舗の新規出店が増収に寄与したといえよう。

   一方、価格競争に対する対策も徹底し、「「恒例99円均一企画」を週1日から週2日へ、平成21年9月までに実施店舗を順次全店へ拡大」、さらに、「平成21年4月からは、消費頻度が高い商品を期間限定ならではのお買得価格で提供する「月間得値」を約1,000品目に拡大し、」、「イオングループのプライベートブランド商品である「トップバリュ」、納得品質・低価格でご提供する「ベストプライスbyトップバリュ」の積極的な拡販を推進し、・・」と矢継ぎ早に価格訴求を実施している。

   そこで、営業利益が増益になった理由を、これら価格政策を含め、原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、74.18%(昨年74.24%)と、上記に上げたような強力な価格訴求をかけたにも関わらず、原価は減少しており、原価改善が進んだ。結果、売上総利益は25.82%(昨年25.76%)と、粗利が0.6ポイント上昇した。一方、経費の方であるが、25.65%(昨年25.47%)と、経費の方は0.18ポイントと、若干上昇が見られる。結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.17%(昨年0.29%)と、やや減少しており、経費の上昇が響いたといえよう。

   ただ、営業利益は上昇しているので、このマーチャンダイジング力に加わる不動産収入等のその他営業収入が伸びたものと思われるが、その数字は、4.12%(昨年3.88%)と0.24ポイント上昇している。ちなみに、ベルクのその他営業収入は3つに大きく分かれており、物流収入2.53%、賃貸収入(不動産収入)1.41%、その他の営業収入0.17%となる。営業利益の中でもかなりの割合を占めており、特に、物流収入の重みが増しているといえよう。

   結果、営業利益は4.29%(昨年4.17%)となり、増益となった。これに、売上増加分3.3%と相まって、営業利益は6.3%の増益という結果である。それにしても、その他営業収入の増益への貢献は大きく、マーチャンダイジング力自体は0.17%とわずかなプラスであり、今後、さらに、マーチャンダイジング力の改善をどうはかってゆくかが課題であるといえよう。

   これに対して財務の方であるが、まずは、自己比率は53.7%(昨年53.1%)と、自己資本比率はわずかではあるが、上昇している。したがって、負債も約50%弱であるが、その負債の主要項目である有利子負債の状況を見てみると、114.68億円(昨年114.56億円)となり、総資産544.52億円に占める割合は21.06%である。これは、昨年度の決算公開企業約50社の平均が約25%強であるので、ほぼ、平均に近い比率といえよう。

   食品スーパーマーケットの財務戦略の重要課題は最大の資産、出店にかかわる資産である土地、建物、敷金保証金等をどこまで自己資本で賄え、安定、継続的な成長をしてゆけるかにある。そこで、ベルクの場合を見てみると、出店関連の資産は408.96億円(昨年386.51億円)と、今期は新店が4店舗であり、その分が増加したものと思われる。総資産に占める割合は75.10%となった。ちなみに、ベルクは現在62店舗であるので、1店舗当たり6.59億円と、食品スーパーマーケット業界の中でもかなり高い出店にかかわる資産である。ちなみに、昨年の決算公開企業約50社の中では、出店にかかわる資産が75%を超えたのは丸和77.3%、ダイイチ75.0%の2社のみであり、ベルクは食品スーパーマーケット業界の中でも、出店にかかわる資産がかなり高いという課題があるといえよう。

   結果、自己資本比率から出店にかかわる資産を差し引いた出店余力は-21.40%となり、その分を負債、すなわち、有利子負債21.06%で相殺している財務構造であり、負債に頼らざるをえない出店構造であるといえよう。今後、ベルクが安定、継続的な新規出店を果たしてゆくには、さらに、マーチャンダイジング力を高め、キャッシュを増やしてゆく一方、出店にかかわる資産をいかに圧縮するか、さらに、自己資本比率をいかに引き上げるかが課題であるといえよう。


   このように、2010年2月期のベルクの決算は増収増益の好決算とはなったが、マーチャンダイジング力よりも、物流収入等のその他営業収入の貢献度が大きいといえ、さらに、マーチャンダイジング力の改善が課題といえよう。また、新規出店を積極的に行い、増収とはなったが、出店余力は低く、出店にかかわる資産が財務に重くのしかかっているといえよう。したがって、この財務面の改善も今後の経営課題といえよう。ベルクが今後、マーチャンダイジング、出店に関し、どのような中長期的な経営戦略を打ち出すか注目である。

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April 14, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 13, 2010

丸久、2010年2月期決算、増収増益!

   丸久が4/7、2010年2月期の決算を公表した。結果は、営業収益794.84億円(4.6%)、営業利益39.59億円(5.6%)、経常利益38.85億円(8.3%)、当期純利益19.21億円(15.1%)と、増収増益の好決算となった。食品スーパーマーケット業界は、厳しい決算があいついでいるが、丸久は営業収益、各段階の利益ともに堅調な伸びを示しており、業績は順調といえよう。丸久の営業収益が4.6%と堅調に推移した要因は、「「アルク」を北九州市小倉南区に小倉東店(3月)、岩国市に南岩国店(6月)、周南市に慶万店(9月)と徳山中央店(12月)の4店舗(前期同数)を出店し、・・」とのことで、結果、総店舗数が80店舗となったことによる。

   ただ、既存店は、96.1%と減少しており、新店の効果が大きかったといえよう。その既存店が伸び悩んだ要因を、売上高=客数×客単価、客単価=PI値×平均単価で見てみると、売上高96.1%=客数97.2%×客単価98.9%(1,637円)、客単価98.9%(1,637円)=PI値100.6%(940%)×平均単価98.3%(174円)という結果である。PI値は改善したが、平均単価が下がっており、結果、客単価が下がった。また、客数も下がっており、既存店は、客数、客単価ともにダウンと厳しい結果であったといえよう。それだけ、消費環境が厳しい状況にあるといえ、特に、価格競争が激しかったことが推測される。

   これに対し、営業利益が5.6%と増益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、74.88%(75.03%)と、0.15ポイント減少している。先ほど見たように、平均単価が98.3%と下がったにもかかわらず、原価も下げており、改善が見られる。多くの食品スーパーマーケットで、今期決算においては、原価が上昇しているが、丸久は逆に原価が減少しており、これについて、丸久は、「食品スーパーマーケット事業において、お客様のニーズに合わせた品揃え、品質、付加価値の高い商品提供など商品力強化を図り、・・」とコメントしており、付加価値の高い商品の強化が原価を押し下げたものと思われる。結果、売上総利益は、25.12%(昨年24.97%)となった。

   一方、経費の方であるが、22.37%(昨年22.33%)と、0.4ポイント上昇した。ただ、既存店が96.1%と厳しかった割には、経費の上昇はわずかであり、経費削減にも取り組んだ結果であるといえよう。結果、差し引き、商品売買から得られるマーチャンダイジング力は、2.75%(昨年2.64%)と、上昇した。原価改善効果により、マーチャンダイジング力を引き上げたといえる。

   そして、これに、不動産賃貸収入等の営業収入が2.35%(昨年2.41%)のり、営業利益は5.10%(昨年5.05%)と改善し、これに、売上高の上昇があいまって、増益となった。こう見ると、営業利益が増加した要因は原価の下げた効果が大きかったといえ、経費は減少、その他営業収益は上昇しており、原価の改善とその他営業利益が丸久の利益を支えたといえよう。それにしても、5%を超える営業利益は食品スーパーマーケット業界では高い収益率であり、ベスト5には入る数字である。

   ただ、気になるのは財務であり、自己資本比率が30.5%(昨年27.1%)と、昨年よりは改善したが、低い点である。丸久自身も、目標とする経営指標の中で、「自己資本比率40%の早期到達を目標としています。・・」とコメントしており、自己資本比率の改善は経営の重点課題ととらえている。では、なぜ、自己資本比率が低いかであるが、その最大の要因は、有利子負債が150.59億円(昨年158.88億円)と、総資産355.28億円の42.3%と、自己資本比率を超える高い数字であるからである。今後、いかに、キャッシュを増やし、自己資本比率を引き上げるかが急務といえよう。

   したがって、丸久の出店余力を見ると、出店にかかわる資産、土地、建物、資金及び保証金等の合計は241.65億円(昨年239.02億円)と、総資産の68.01%(昨年69.99%)と高い数字であるため、自己資本比率-出店にかかわる資産比率=-32.51%(昨年-42.89%)と、昨年と比べ大きく改善しているが、それでも、30%以上、負債に依存する出店構造となっており、その大半が有利子負債といえよう。したがって、丸久の出店構造は負債、特に有利子負債に依存する出店構造であり、現段階では安定的、継続的な新規の出店が財務的には厳しい状況にある。ちなみに、丸久の総店舗数は56店舗であるので、1店舗当たりの出店にかかわる資産は4.31億円であり、食品スーパーマーケット業界の平均よりもやや低い数字である。

   このように、丸久の2010年2月期の決算は増収増益と堅調な数字となった。特に、原価を改善しての増益であり、他の食品スーパーマーケットが原価を落とす中、付加価値の高い商品の強化で原価を改善しており、丸久のマーチャンダイジング力の強さが表れたといえよう。ただ、財務の方は、自己資本比率が30.5%と、かなり、低い数字であり、新規出店構造も負債、特に有利子負債に依存する出店構造であり、今後、自己資本比率の引き上げは、丸久自身も認識しているように、急務といえよう。キャッシュが順調に改善している現在、今後、どこまで、しかも、早く、自己資本比率が改善できるか、今後の丸久の財務戦略に注目である。

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April 13, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 12, 2010

大黒天物産、2010年5月期、第3四半期、増収増益!

   大黒天物産が4/6、2010年5月期、第3四半期決算を公表した。結果は、売上高587.92億円(9.6%)、営業利益34.19億円(27.2%)、経常利益34.15億円(28.7%)、当期純利益18.15億円(29.1%)と、増収大幅増益となる好決算となった。食品スーパーマーケット各社の2010年度決算が厳しい中、大黒天物産の好調ぶりが、際だっている。

   今期、大黒天物産自身は、「販売戦略としましては、一昨年より実施しております購買頻度の高い商品約100品目以上を2割から5割値下げした「生活応援宣言セール」、さらに景気低迷の中「お客様の生活を豊かにしていきたい」というこの強い想いから、「総額2億円利益還元セール」を実施いたしました。・・」と、これまでにない強力な価格訴求をかけており、これが好業績につながった要因のひとつともいえよう。

   そこで、営業利益が27.2%と大きく伸びた要因を見てみると、原価は77.14%(昨年76.88%)と、原価が0.26ポイント上昇している。先に見たように、今期、大黒天物産は強力な価格訴求の販促をかけており、平均単価が昨年よりも下がり、その分、原価を圧迫したのではないかと思われる。結果、売上総利益は22.86%(昨年23.12%)となった。

   一方、経費の方であるが、17.03%(昨年18.10%)と、何と、1.07ポイントと、大幅に減少している。それにしても、1ポイント以上経費を落とすのは通常では考えられない削減率であり、びっくりである。大黒天物産は「管理面におきましては、管理コストの一層の見直しと作業効率の改善による経費の圧縮、「ウィークリーマネジメント」により数値管理の徹底を図ってまいりました。・・」とコメントしており、作業効率の改善が大きかったとのことである。

   結果、差し引き、大黒天物産の場合は、不動産収入等のその他営業収入がないので、マーチャンダイジング力=営業利益は5.83%(昨年5.02%)となり、大幅な増益となった。こう見ると、大黒天物産の利益が大きく改善した要因は徹底した経費の削減にあったといえる。原価は厳しい消費環境の中、上昇を余儀なくされたが、それを大きく上回る経費の削減をはかれたことが高収益の要因といえよう。ちなみに、経費比率17%台は、昨年の決算公開企業約50社の中ではオーケー14.9%、トライアルカンパニー16.3%、アオキスーパー16.8%に迫る低さであるが、今期、2010年度のアオキスーパーの決算結果は17.20%(昨年16.8%)であるので、おそらく、ベスト3に入ったものと思われ、食品スーパーマーケットとしては、限界に近い経費比率といえよう。

   これに対して、財務面であるが、自己資本比率が56.6%(昨年49.7%)と大きく改善している。総資産220.75億円(昨年218.79億円)、純資産125.02億円(昨年108.78億円)と純資産が大きく増加し、財務の健全化が進んでいることがわかる。純資産が増加した要因は、利益剰余金95.45億円(昨年79.26億円)と、16.19億円増加したことが大きい。また、負債面では、有利子負債は20.00億円(昨年26.00億円)と、6.00億円減少しており、総資産に占める割合は9.06%(昨年11.88%)と減少した。

   一方、大黒天物産の資産を見てみたい。特に出店関連の資産、土地、建物、建設協力金、差入れ保証金の合計は96.60億円(昨年99.32億円)であり、今期の店舗数が54店舗であるので、1店舗当たり1.78億円である。これは、食品スーパーマーケット業界でも極めて低い数字であり、ベスト3に入る。それだけ、出店コストが低く、これが経費比率の低さにもつながっているといえよう。そして、総資産に占める割合は、43.75%(昨年45.39%)である。したがって、自己資本比率との関係、すなわち、出店余力、自己資本比率-出店関連の資産の比率=12.85%(昨年4.31%)と、大きく上昇しており、出店余力がさらに高まっているといえよう。

   大黒天物産がこれだけ、低い、出店関連の資産となる要因は土地をほとんど所有しないという出店戦略を採用している点にある。通常の食品スーパーマーケットは土地に対し建物は1:1ぐらいであるが、大黒天物産の場合は約1:3であり、極端に土地の資産が低いのが特徴である。また、もう一点、現金及び預金が69.25億円(昨年69.96億円)と、総資産の31.37%(昨年31.97%)と極めて高い。これも、食品スーパーマーケット業界ではベスト3に入る高さである。したがって、現金を豊富に持ち、土地をほとんど持たない出店での商売をしているといえ、これが、大黒天物産のディスカウント戦略を支えている要因の一端を示しているといえよう。

   このように、2010年5月期の大黒天物産の第3四半期決算は増収増益の好決算となったが、さすがに、原価は価格競争の激しさが影響し、下がっているが、それを大きく上回る経費の削減を行い、営業利益を大幅に改善した。デフレの時は、経費をいかに削減できるかが利益に直結することを示しているといえよう。また、この高収益が財務改善にも結びついており、純資産を押し上げ、有利子負債を削減し、自己資本比率を上昇させている。結果、出店余力も大幅に上昇しており、今後、さらに、新規出店が可能となろう。それにしても、各食品スーパーマーケットが特に、利益の確保が厳しい中、大黒天物産は利益を大きく伸ばしており、改めて、ディスカウント戦略のデフレにおける強さがクローズアップされた決算結果であるといえよう。

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April 12, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 11, 2010

マルヤ2010年2月期、赤字決算、厳しい経営!

   マルヤが4/6、2010年2月期の決算を公表した。営業収益275.70億円(-9.7%)、営業利益-7.74億円、経常利益-7.35億円、当期純利益-9.17億円と、いずれの段階でも利益がマイナスとなり、厳しい決算となった。マルヤ自身も、「既存店ベースでの来店客数は、対前年比約3%増となりましたが、消費者の節約志向及び低価格志向への高まりから来店客単価は下落傾向にあり(対前年比約5%減)収益を押し上げるまでには至りませんでした。・・」とコメントしているように、客単価の下落が厳しかったようである。

   客数については、「「驚きの低価格・信頼の高品質」商品をコンセプトとして、毎日消費する商品を中心とした新規商品群「マルヤ・ベストチョイス」の販売を10月より開始、・・」とのことで、これらが寄与し、客数を押し上げたといえよう。ただ、それを上回る客単価の落ち込みがあり、既存店がダウン、さらに、不採算店舗2店舗を閉鎖し、全体では52店舗となり、営業収益が-9.7%と、大きく下がる結果となった。

   一方、営業利益の方であるが、赤字となった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、79.24%(昨年78.84%)となり、0.40ポイント上昇しており、価格競争の激化が原価を押し上げたといえよう。結果、売上総利益は20.76%(昨年21.16%)と、粗利が下がった。これに対し、経費の方であるが、29.27%(昨年30.66%)となり、1.39ポイントと大きく削減したが、経費比率が約30%と依然として、極めて高い水準にあり、収益を圧迫している状況である。したがって、差し引き、商品売買から得られるマーチャンダイジング力は、-8.51%(昨年-9.50%)と、昨年よりは、改善されているが、マイナス幅は大きく、厳しい状況である。

   昨年の決算公開企業約50社の中でも、経費比率が30%を超えたのはイオン九州33.8%、平和堂33.1%、Olympic32.6%、相鉄ローゼン32.3%、イズミヤ31.2%、マルヤ30.7%の6社であるが、マルヤ、相鉄ローゼンを除けば、いずれも、GMS主体の食品スーパーマーケットであるといえ、食品スーパーマーケットで約30%の経費比率は極めて高い数字といえよう。

   そして、このマーチャンダイジング力に、不動産収入、運送雑収等の5.55%(昨年5.07%)と、昨年を上回り、結果、営業利益は-2.96%(昨年-4.43%)となった。営業利益率は昨年より大きく改善しているが、依然として、マイナスであり、厳しい決算結果であった。今後、マルヤが営業利益を黒字にしてゆくには、あと約3%の改善が必要である。原価、経費をさらに下げ、マルヤにとっては利益貢献度の高い不動産収入等の改善、この3つをどうバランスをとるかであるが、最大の課題は約30%の経費比率であろう。

   では、財務の方ではどのような状況であるかを見てみたい。まずは、キャッシュフローであるが、営業キャッシュフローは5.95億円(昨年-8.67億円)と、プラスに転じた。これは、当期純利益は赤字であったが、金融機関の休日と重なり、仕入れ債務が大きく増加したためである。したがって、一時的な増加といえ、実質、昨年同様の厳しい営業キャッシュフローといえよう。そして、投資キャッシュフローであるが、1.30億円(昨年-1.41億円)とプラスになった。これは、有価証券の売却、建設協力金の回収等があったためである。新店関連では、有形固定資産の取得による支出が-2.05億円(昨年-5.04億円)と、ほぼ1店舗分の投資であるが、実施している。結果、フリーキャッシュフローは7.25億円(昨年-10.08億円)と、プラスにはなったが、仕入れ債務等考慮すると、依然として厳しい状況といえよう。

   これに財務キャッシュフロー-3.90億円(昨年4.72)が加わるが、今期は有利子負債を-3.90億円(4.72億円)と返済しており、厳しいキャッシュフローの中、財務の改善を図っており、トータルキャッシュフローは3.34億円(昨年-5.36億円)とキャッシュは増加した。ただ、すぐに、仕入れ債務の返済がまっており、キャッシュフローは厳しい状況にあるといえよう。

   一方、自己資本比率であるが、53.7%(昨年57.3%)と、50%を超えているが、繰越利益剰余金の比率が-13.50%あり、気になるところである。負債の中の主要項目、有利子負債は34.15億円(昨年38.06億円)と減少している。総資産157.76億円に占める割合は21.64%であり、昨年度の決算公開企業約50社の平均27.7%を下回っており、大きな負担とはなっていないといえるが、やや多めである。また、出店にかかわる資産、土地、建物、敷金保証金等の合計は113.52億円であり、総資産の71.95%(1店舗当たり2.18億円)である。したがって、自己資本比率から差し引いた出店余力は-18.25%となり、ほぼ、有利子負債でカバーしている財務構造であり、今後、安定した持続的な出店をしてゆくには、もう一層の財務改善が必要といえよう。

   このように、マルヤの2010年2月期の決算は、昨年よりは赤字幅が縮まったが、依然として赤字の厳しい決算である。特に、原価が上昇し、高い経費比率が重くのしかかっている営業構造であり、キャッシュの獲得が厳しい状況にある。財務面では自己資本比率は安定しているが、出店関連の資産が重く、有利子負債で補わざるをえない状況にあり、今後、出店をしてゆくには、もう一段の財務の改善も必要といえよう。ただ、まずは、キャッシュの獲得が最優先課題といえ、特に経費比率を引き下げ、マーチャンダイジング力をどこまで改善できるかが当面の最重要な経営課題といえよう。

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April 11, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 10, 2010

PI値、在庫、自動発注!

   PI値を研究してかれこれ20年になる。この間、一貫してPI値を研究している。特に最近は、IDを活用したPI値に研究領域が移りつつあるが、PI値活用の根幹が顧客1人当たりの指標をベースにしたマーチャンダイジングの改善にあるということに関しては、何ら変わらない。そもそも、PI値は何を改善してきたかであるが、その最大のテーマのひとつが在庫問題にあったといえる。

   在庫問題は古くて新しいテーマであり、小売業を営む以上、必ず解決しなければならないもののひとつである。ちなみに、在庫の何が問題かであるが、特に、食品スーパーマーケットの最重点商品である青果部門などでは、在庫管理ができていない場合、欠品、過剰在庫が起こり、経営に大きな影響をあたえる。

   欠品がおこるとは、朝10時に売場に並べたトマトがひどい場合、お昼には欠品してしまうことがある。あるいは、食品スーパーマーケットにとって、もっとも重要な時間帯、16時から17時頃に品薄となってしまう場合もある。こうなると、トマトを目当てにこられたお客様にとっては最悪であり、トマトを購入できず、しかたなしに、他の野菜を買うか、別の店でトマトを買わざるをえなくなる。お客様をがっかりさせ、いわゆる、顧客満足度を落とすだけでなく、本来、トマトが欠品せずに、売場にあれば、その分の売上げが上がった可能性があり、いわゆる、チャンスロス(機会ロス)が生じ、店の売上げが落ちることにもなる。すなわち、欠品とはお客様にとっても、お店にとっても問題であるといえる。

   一方、過剰在庫も問題である。朝10時に並べたトマトが閉店時にたくさん売れ残っていた場合には当然、その分がロスとなり、在庫処分をせざるをえなくなる。これは、翌日までもつ商品に関しては、朝1番で値下げをし、売り切るか、もたない商品に関しては、廃棄処分にするしかなくなる。お客様にとっては、閉店時間までトマトがあるので、いわゆる顧客満足度は落ちることはないかもしれないが、翌日以降のトマトが同様に管理されるかはわからず、翌日は仕入れを控えすぎ、逆に欠品となることもある。さらに、問題は店舗である。過剰在庫に関しては、売上高はチャンスロスが0になり、最大になる可能性があるが、在庫処分の見切りロスや廃棄ロスが発生し、その分、利益減にダイレクトに響くからである。

   したがって、トマトの欠品も過剰在庫もどちらも店舗にとっては大きな問題であり、この在庫問題を解決できなければ商売はなりたたないといえる。特に、これが大都市の食品スーパーマーケットでは客数が地方都市の2倍、3倍となることにより、欠品の問題や、その客数を見越し、多めに仕入れ過ぎてしまい、過剰在庫になる問題が頻繁に発生し、トマトひとつ販売するにも、莫大な損失を被ることがある。

   そこで、今回のテーマ、PI値であるが、PI値は、この在庫問題に真正面から取り組んだところからスタートしている。PI値とは買上点数÷客数のことであり、トマトの場合でいえば、トマトが100個売れ、客数が1,000人来店した場合のPI値は100個÷1,000人=10%という数字になる。この10%がトマトのPI値であり、このPI値を活用して在庫管理をしようというのが、まさに、PI値の研究そのものである。いまから約15年ぐらい前であるが、当時、青果専門店、八百屋のトマトにPI値を応用したことが、本格的なPI値の在庫管理への活用のスタートであったと思う。

   ポイントはトマトのPI値をしっかり把握するところから始まる。PI値は特に価格に敏感であり、通常価格の場合、10%offの場合、20%offの場合、あるいは50%offの場合で数字が跳ね上がってくる。グラフにすると、ちょうど、需要曲線のようなきれいな双曲線を描くことが多いが、このPI値を把握しておくと、過剰在庫になった時、残りの在庫を欠品させずに、うまく、管理することができるようになる。PI値はこれ以外にも、場所、POPなどによっても変化するので、それらPI値の変化の要因もしっかり把握することがポイントである。

   次に、客数を把握することがポイントとなる。客数は商売の原点であるので、PI値を活用するしないにかかわらず、しっかり把握しておきたいところだ。1日の平均客数、週間客数、月間客数、年間客数、そして、商売にとって最も重要なのが時間帯別客数である。特に、客数は天候、曜日、ちらし、社会行事など、お客様の買い物動機に影響を与えることが起こると大きく変化するので、その読みが重要である。

   この2つの要素、PI値、客数が把握できれば、あとは、この2つを掛け合わせれば、在庫の予想が立つ。明日客数が1,500人、トマトのPI値は10%と予想が立てば、掛けて、150個のトマトが売れる予想となる。そして、この予想がはずれ、突然、雨になれば、客数が1,000人に激減することもある。この時は、150個トマトがあるので、早めに、10%off、あるいは思い切って50%offにし、利益減を最小に食い止める対応が必要となるが、PI値をしっかり把握していればあわてることはなく、対処ができよう。

   最近では、この原理を応用し、青果の自動発注にまで取り組んでいる食品スーパーマーケットもあり、PI値はまさに、在庫問題に真正面から取り組み、結果、顧客満足度を満たし、同時に、店舗の利益を最適に保つ最良の指標として、研究成果が様々な商売に活用されつつある。今後、PI研としても、この在庫問題を含め、その研究をさらに深めてゆきたい。

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April 10, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 09, 2010

イズミヤ、2010年2月期決算、減収減益!

   イズミヤが4/6、2010年2月期決算を公表した。結果は営業収益3,685.91億円(-3.3%)、営業利益21.69億円(-59.4%)、経常利益9.33億円(-77.7%)、当期純利益-70.05億円と、減収減益、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。イズミヤ自身も、「小売業各社は、消費者の変化に対応すべく、低価格商品へのシフトや、PB商品の投入などを積極的に行い、低価格競争が激化し、・・」と、市場環境の厳しさを指摘しているが、その影響が大きかったものといえよう。

   各部門別に、客数、客単価の今期の既存店の状況を見てみると、衣料品(92.3%、95.4%)、食料品(97.8%、97.4%)、住関連品(97.7%、98.0%)、全体(97.1%、96.9%)という状況であり、特に、衣料品の客数、客単価双方の落ち込みが大きい。また、それぞれの構成比を見ると、衣料品15.8%、食料品60.1%、住関連品20.4%であり、中核の食料品も客数、客単価ともにダウンしており、厳しい結果となった。

   イズミヤの今期の新規出店は昨年10月に南住吉店(大阪府)と井高店(大阪府)をオープンしているが、今年に入り、大寺店(奈良県)、神戸ポートアイランド(兵庫県)を閉店しており、店舗数は期末では昨年同様87店舗であり、新店による売上増が十分に見込めなかったことも影響しているといえよう。特に、大寺店はGMS、神戸ポートアイランド店はスーパーセンターであり、売上規模が大きいだけに、来期への影響も懸念される。

   一方、利益の方であるが、営業利益が-59.4%と大きく激減したが、その要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、70.73%(昨年70.20%)と0.53ポイント上昇しており、低価格競争の激しさを反映しているといえよう。イズミヤも「プライベート・ブランド「good-i」も含めた開発商品の売上高は313億円(前年同期比99.4%)となり、当社の売上高に占める構成比は10.9%(前年構成比10.5%)、・・」と、PBの強化に努め、今期はさらに、「消費者の節約志向への対応と原価削減を図るため、平成21年8月よりイズミヤ㈱、ユニー㈱、㈱フジと3社で共同開発した新ブランド「Style ONE」を発売、・・」と、まさに、原価削減を目指したPBを新たに投入している。が、原価がむしろ上昇するという結果であり、それだけ、価格競争が厳しいということであろう。

   結果、売上総利益は29.27%(昨年29.80%)となった。これに対し、経費の方であるが、31.45%(昨年31.16%)と、経費の方も0.29ポイント上昇しており、原価、経費双方が上昇するという、ダブルで利益を圧迫する結果となった。したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-2.18%(昨年-1.36%)と、大きくマイナスとなった。これに、不動産収入等のその他営業収入が2.79%(昨年2.81%)のり、結果、営業利益は061%(昨年1.45%)となり、減益となった。

   それにしても、経営環境が極めて厳しい環境に入ったといえよう。食品スーパーマーケットが収益をあげてゆくには原価、経費の改善はもちろんであるが、既存店の落ち込みが大きいと、固定費が経費増に直結するため、経営へのインパクトが大きくなるが、まさに、今期、イズミヤは既存店の不振が経営に直接影響しているといえよう。

   これに対して、今期の財務状況であるが、当期純利益が-70.05億円となったが、これは、「当期純損失は、特別損失として今後の利益改善に向けた抜本的な費用構造改革のための赤字店舗閉鎖損失として36億10百万円、固定資産の減損損失として28億37百万円、たな卸資産評価損15億60百万円など、当連結会計年度に93億17百万円を計上したことにより79億71百万円の減益となりました。」と、のことで、特別損失が大きかったことによる。したがって、営業キャッシュフローは、当期純利益は-79.43億円のマイナスとなったが、これらの特損分はキャッシュフロー上はプラスとなるため、結果、72.29億円(昨年138.78億円)と、昨年と比べ減少はしているが、プラスとなった。

   したがって、投資キャッシュフローは-35.52億円(昨年-27.21億円)と昨年以上の投資を実施しており、新店にかかわる有形固定資産の取得は40.42億円(昨年34.81億円)と増加している。結果フリーキャッシュフローは36.77億円(昨年111.57億円)と昨年よりは大きく減少したが、プラスとなった。ここから財務キャッシュフロー-30.84億円(昨年-100.49億円)、特に、-22.55億円と有利子負債を返済しており、結果、トータル5.92億円(昨年11.06億円)と、キャッシュフロー上はバランスがとれている。ただ、キャッシュそのものが、マーチャンダイジング力の低下により減少しているのは事実であり、今後、いかに、マーチャンダイジング力を強化し、キャッシュを増加させるかが急務といえよう。

   このように、イズミヤの2010年2月期の決算は減収減益、当期純利益は赤字という極めて厳しい結果となった。特に、既存店の減少が響き、原価、経費ともに上昇するというダブルでの収益の圧迫であり、今後、当面、デフレ環境は厳しさを増し、価格競争の激化が予想される中、イズミヤが既存店の活性化にどのように取り組んでゆくのか注目したい。

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April 9, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 08, 2010

オークワ、2010年2月期決算、増収減益!

   オークワが4/5、2010年2月期の決算を公表した。結果は営業収益2,895.23億円(4.7%)、営業利益58.41億円(-23.2%)、経常利益59.68億円(-22.2%)、当期純利益23.59億円(-43.8%)と、増収減益となる厳しい決算となった。特に、当期純利益については、「棚卸資産の評価に関する会計基準(企業会計基準第9号)の適用に伴う期首在庫にかかる変更差額11億95百万円を特別損失に計上したことにより、・・」とのことで、大きく減益となった。また、個別については、営業収益2,506.77億円(-2.0%)、営業利益63.93億円(-18.0%)、経常利益64.85億円(-18.3%)、当期純利益31.34億円(-31.1%)と、減収減益と、さらに、厳しい結果となり、食品スーパーマーケット業界における経営環境の厳しさが反映された決算となったといえよう。

   オークワ自身も、「小売業の低価格競争が激化した影響を受け、買上点数は増加したものの、客数、客単価が前年を下回りました。これにより、既存店の直営売上高は前期比95.6%となり、・・」と、コメントしているように、既存店が厳しい数字となったことが、その原因であるとの認識である。一般に、既存店の数字が落ち込むと、相対的に固定費が上がり、経費比率が上昇し、経営を圧迫するが、オークワにおいては、何が減益要因となったのかを、原価、経費面から見てみたい。

   まず、原価であるが、74.97%(昨年74.81%)と0.16ポイント上昇が見られる。オークワは原価を下げるために、「低価格・良品質商品として開発している「くらしモア」商品や、「オーエコノミー」・「オークオリティ」の自社プライベートブランド商品並びに自社食品工場商品の販売拡大、・・」と強力な原価低減へ向けての対策を打っているが、それでも、原価が上昇しており、それだけ、今期の価格競争が激しかったといえよう。結果、売上総利益は25.03%(昨年25.19%)となり、若干の減少となった。一方、経費の方であるが、26.55%(昨年25.96%)と、0.59ポイント上昇しており、経費の方も上昇が見られる。したがって、原価、経費、双方が上昇し、利益を圧迫している状況である。結果、差し引き、商品売買から得られるマーチャンダイジング力は、-1.52%(昨年-0.77%)と、マイナス幅が広がり、厳しい結果となった。

   そして、これに、不動産収入、その他営業収入が加わるが、その数字は不動産収入1.71%(昨年1.69%)、その他の営業収入1.91%(昨年1.93%)となり、結果、営業利益が2.10%(昨年2.85%)となり、減益となった。こう見ると、原価、経費の上昇、特に経費の上昇が減益に響いているといえ、既存店の売上低迷が、その要因といえよう。

   これに対して、今期のオークワの財務状況であるが、昨年と比べ、大きな変化がなく、極めて静かな動きである。自己資本比率は56.4%(昨年55.9%)、総資産1,351.49億円(昨年1,347.39億円)、純資産762.13億円(昨年752.90億円)と大きな変化がない。また、有利子負債も、242.92億円(昨年255.54億円)であり、総資産対比は17.97%(昨年18.96%)と、減少しており、これらの数字を見る限り、財務的な大きな変化はなく、昨年同様の安定した財務状況といえよう。

   ただ、キャッシュフローを見ると、減益となったことにより、アクティブな動きが見られる。営業キャッシュフローは123.02億円(昨年76.26億円)と、逆に増加している。これは、当期純利益が約30億円減少しているにも関わらず、今期はたな卸資産が昨年より19.06億円の増加、仕入債務が昨年と比べ18.22億円の増加、未払消費税等が昨年より9.50億円プラスになったことなどにより、営業キャッシュフローが減益であるにもかかわらず、増加したといえる。ただ、この増加分をそっくり投資キャッシュフローに回すことはできず、投資キャッシュフローを見ると、59.18億円(昨年152.54億円)と大きく激減している。これは新規出店関連の固定資産の取得による支出が70.84億円(昨年137.71億円)と半減したためである。そして、財務キャッシュフローであるが、-35.22億円(昨年36.60億円)と、昨年とは対照的なキャッシュの動きである。昨年は長短借入金を86.74億円調達しているが、今期は20.26億円返済している。結果、トータル、28.62億円(昨年-39.6億円)と、結果も対照的なキャッッシュとなった。

   こう見ると、貸借対照表を見る限りでは、大きな変化はなく、静かな動きのように見えるが、キャッシュフローは激しく動いており、静と動が混在した財務状況といえよう。少し気になるのは、新規出店関連の固定資産の取得が昨年よりも半減していることである。昨年は、有利子負債を調達してまで、意欲的な投資を実施したが、今期は、有利子負債への返済を優先し、投資を控えた財務戦略である。ただ、ここ数年のオークワの投資キャッシュフローを見ると、昨年が極めて積極的な投資であったといえ、通常の投資に戻ったともとれる。

   このように、2010年2月期のオークワの決算は連結が増収減益、個別は減収減益となる厳しい決算となり、原価、経費双方の上昇が見られ、厳しい経営環境であったことがわかる。ただ、財務は安定しており、有利子負債も返済が進んでいる。新年度も当面、経営環境は厳しい状況が続くと思われるが、今後、オークワがどのように、原価、経費改善に向けて対策を打ち出すか注目である。

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April 8, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 07, 2010

マックスバリュ西日本、2010年2月期決算、増収減益!

   マックスバリュ西日本が2010年2月期の本決算を4/6、公表した。結果は、営業収益2,234.77億円(3.3%)、営業利益68.76億円(-18.0%)、経常利益72.32億円(-16.2%)、当期純利益42.35億円(-1.2%)と、増収とはなったが、利益はいずれの段階でも減益となり、厳しい決算となった。ただ、増収に関しても、新店13店舗の効果によるところが大きく、既存店は94.8%と苦戦しており、今期は、厳しい決算であったといえよう。

   マックスバリュ西日本は販売業態が4つに分かれている。SSM、SM、CSM、ザ・ビックであるが、それぞれの店舗数、売上構成比、全体の昨対、既存店の昨対を見てみると、SSM(92店舗、60.6%、107.3%、95.3%)、SM(36店舗、16.5%、85.3%、91.9%)、CSM(7店舗、1.4%、81.1%、88.9%)、ザ・ビック(19店舗、21.5%、111.2%、96.9%)という結果である。いずれの業態も既存店は昨対を割っているが、全体はSSM、ザ・ビックが新店効果により、大きく数字を伸ばしており、今後、この2業態がマックスバリュ西日本の成長の鍵を握ることになろう。

   一方、営業利益が減益となった要因であるが、原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、75.23%(昨年74.98%)となり、0.25ポイント上昇した。デフレによる価格競争が激しかったことが予想されるが、実際、マックスバリュ西日本の既存店の客単価は、97.6%と下がっている。客単価=PI値×平均単価となるが、PI値は、「売上の底上げに向けては「強い単品づくり」を柱に、重点アイテムを中心とした買上点数アップの取組効果が表れ、買上点数は前期の9.6点から10.1点へと増加いたしました。・・」とのことで、上昇しているので、明らかに平均単価が下がったものといえよう。結果、売上総利益は、24.77%(昨年25.02%)と下がった。

   これに対して、経費の方であるが、23.84%(昨年23.15%)と0.69ポイント上昇しており、既存店が厳しかったがゆえに、固定費が相対的に上昇し、経費率増となったといえよう。結果、原価、経費双方が上昇するという状況であり、営業利益をダブルで圧迫するという厳しい利益構造となった。したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、すなわち、マーチャンダイジング力は0.93%(昨年1.87%)と、半減しており、極めて厳しい数字である。

   これに、不動産収入、販売手数料等がのるが、特に、今期のマックスバリュ西日本は、「当期新たに13店舗を開設、うち9店舗はNSC(ネバーフッド・ショッピング・センター)であり、より集客力のある商業施設を目指してテナント誘致を進めた結果、不動産賃貸収入は対前期比113.2%と増加し、・・」とのことで、好調な数字となった。実際のその他営業収入は、2.23%(昨年2.10%)と、0.13ポイント上昇しており、結果、営業利益は、3.16%(昨年3.97%)となり、マーチャンダイジング力の落ち込みを、不動産収入等でカバし、マイナス幅を縮めたといえよう。それにしても、原価、経費の上昇が営業利益を大きく圧迫しており、営業利益が減益という厳しい結果となった。


   では、財務面はどうか、まずは、自己資本比率を見てみると、43.3%(昨年45.0%)となり、若干、下がっているのが気になるところである。その要因を見てみると、今期は純資産、総資産双方の上昇が見られるが、特に、総資産の上昇率が115.19%と、純資産の上昇率110.90%を上回ったことが要因である。その総資産の増加であるが、現金が30億円強、建物が25億円弱増加したことが大きく、それにともない、負債の方も、有利子負債が50.89億円(昨年2.10億円)と、総資産の6.39%となり、大きな比率ではないが、増加している。

   実際、財務キャッシュフローで長期借入金を50.00億円調達している。営業キャッシュフロー+投資キャッシュフローのフリーキャッシュフローは-3.15億円とマイナスであるので、これを財務キャッシュフローで補い、さらに、有利子負債の返済、配当金の支払い等にあて、キャッシュの確保のためにも必要であった資金調達といえよう。

   ではなぜ、これほど、キャッシュが必要であったのかであるが、今期、負債の買掛金が217.49億円(昨年169.58億円)と47.91億円と大幅に増加したためであり、この分の資金確保が必要であったためであろう。これは、「年度末が金融機関休業日により、・・」とのことで、決算日と金融機関の休日との関係で生じたイレギュラーな数字といえよう。それにしても、結果、50.00億円の長期借入金での資金調達を実施しており、その大半を、一時的にではあるが現金でもたざるをえず、自己資本比率にまで影響を与えるということであり、経営にとっては、けっして良いとはいえず、困ったものである。これらを考慮すれば、実質、財務面は昨年とほぼ同様な状況といえよう。

   このように、2010年2月期のマックスバリュ西日本の決算は、財務面ではやや積極的な新店により、資産面の増加、そして、金融機関の休日の関係で、一時的なキャッシュの増加が見られるが、実質、昨年とほぼ同様の状況といえよう。問題は原価、経費面であり、どちらも、上昇し、利益を圧迫しており、これは明らかにデフレの影響による、平均単価の下落、そして、競合状況の厳しさにより、既存店の数字の落ち込みが響いたものといえよう。このような厳しい収益構造の中、次年度、マックスバリュ西日本がどのような営業方針を打ち出すか注目したい。

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April 7, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 06, 2010

アオキスーパー、2010年2月期、減収減益!

   アオキスーパーが4/2、2010年2月期の決算を公表した。結果は営業収益893.95億円(-2.2 %)、営業利益18.72億円(-31.0%)、経常利益19.37億円(-30.9%)、当期純利益10.90億円(-26.0%)、減収減益となり、厳しい決算となった。これまで公表された食品スーパーマーケットの2010年1月期、2月期の決算も減益決算があいついでおり、ここへ来て、食品スーパーマーケット業界は厳しい経営環境に入ったといえよう。

   今期、アオキスーパーは新設店として7月に日進岩藤店、11月に鳴海店を新規オープンする一方、4月に一色新町店、6月に鳴子店をリニューアルオープンしたが、減収となり、既存店の落ち込みが大きかったという。アオキスーパー自身も、「低価格販売の実施や、店舗の新設や改装を行い販売促進に努めましたが、物価下落や個人消費の低迷等により厳しい経営環境となり、・・」とコメントしているように、デフレの影響が予想以上に大きかったといえよう。

   一方、営業利益の方であるが、-31.0%と大きく減少したが、その要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、83.92%(昨年83.38%)と、0.54ポイント上昇しており、デフレによる価格のダウンが大きかったものといえよう。結果、売上総利益は16.08%(昨年16.62%)と、下がっており、16.62%も十分に低い数字であるが、それ以上に下げざるをえないほど、厳しい経営環境にあったといえよう。ちなみに、昨年、2009年度の決算公開企業約50社の中で、売上総利益の低い食品スーパーマーケットベスト3は、トライアルカンパニー15.6%、アオキスーパー16.6%、PLANT19.3%であるので、今期のアオキスーパーの16.08%という数字がいかに衝撃的に低い数字かがわかる。

   これだけ食品スーパーマーケットとして、原価が低いにも関わらず、営業収益が減少するのは、ディスカウント戦略が顧客に十分に支持されていないともとれ、アオキスーパーとしても、今後、どのような営業戦略を打ち出すか、極めて厳しい局面にはいったといえよう。

   これに対して経費の方であるが、17.20%(昨年16.76%)と、経費の方も0.44ポイント上昇した。やはり、既存店の数字が伸び悩んだことが大きいといえ、結果、相対的に固定費が上昇したものといえよう。ただ、経費比率17.20%は、これも昨年、2009年度の決算公開企業約50社のベスト3の経費比率の低い食品スーパーマーケットを見ると、オーケー14.9%、トライアルカンパニー16.3%、アオキスーパー16.8%であるので、食品スーパーマーケットとしては限界に近い経費比率ともいえ、17.20%は十分に低い数字である。

   また、アオキスーパーはこの経費比率には強いこだわりがあり、「当社グループは、売上総利益率と販管費率を重要な経営指標とし、適正な利益確保に努めております。ローコスト経営に徹し、同業他社に勝る競争力を維持するため、特に販管費率に注目し、その進捗状況に注意をはらっております。」とのことで、特に販管比率を重視した経営を目指している。ところが、今期の経費比率は残念ながら上昇が見られ、アオキスーパーにとっても、予想外の厳しい経営環境であったものと推察される。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-1.12%(昨年-0.14%)と、大きくマイナスとなり、厳しい結果となった。本来、これだけ経費比率を低く抑える経営システムができているので、原価は経費比率以上に引きあげても十分に価格訴求ができると思われるが、アオキスーパーは、敢えて、原価にもこだわっており、マーチャンダイジング力がマイナスになっても、価格競争を押し進めるという決意であろう。

   そして、営業利益であるが、これに、不動産収入1.00%(昨年0.99%)、その他営業収入2.27%(昨年2.21%)がのり、2.15%(昨年3.06%)と、大きく減益となった。この状況を見る限り、原価、経費ともに上昇、双方で利益を圧迫しており、極めて厳しい営業状況であったことがわかる。

   ただ、自己資本比率は63.3%(昨年59.6%)と上昇しており、財務基盤はむしろ強化されている。特に、負債の有利子負債が1.50億円(昨年2.00億円)と、減少しており、総資産232.72億円に占める割合はわずか0.64%であり、健全な財務状況である。しかも、アオキスーパーの出店にかかわる資産、土地、建物、敷金保証金の合計は125.49億円と、1店舗当たり2.78億円と極めて低い資産での出店が可能であり、総資産に占める割合も53.92%である。したがって、差し引き、出店余力を見ると、+9.38%とプラスであり、自己資本で出店が十分に賄われている出店構造であり、堅固な財務状況にあるといえよう。

   このように、今期、2010年2月期のアオキスーパーの本決算は減収減益と、極めて厳しい結果となった。日本の食品スーパーマーケットの中でも、ディスカウント戦略を本格的に志向しているだけに、原価、経費が上昇、特に、アオキスーパーが強くこだわっている経費が上昇したことは、アオキスーパーにとっても、予想外の事態であるといえよう。それだけ、デフレ環境が厳しく、価格が下落しているといえよう。当面、このデフレ環境は続くものと予想される中、アオキスーパーが、今期決算を踏まえ、どのような新年度の経営戦略を打ち出すか注目である。

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April 6, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 05, 2010

食品スーパーマーケット出店12%増、出店余力は?

   日経MJ、4/2の記事で、食品スーパーマーケットの今期出店動向が掲載された。見出しは、「食品スーパー出店12%増、今年度、大都市圏で地盤固め、主要20社」であり、その20社の2009年度と今期2010年度の出店結果と出店計画の一覧表が掲載されている。20社合計では2009年度が103店舗(平均約5店舗)であり、2010年度が116店舗(平均6店舗強であるので、112.6%増である。店舗数自体は、各社1店舗増となる計画である。ただ、個々の状況を見ると、主要20社の内、増加9社、横ばい4社、減少7社であり、明確な出店増の食品スーパーマーケットは約半分であり、好調な食品スーパーマーケットが全体を牽引するという状況といえよう。

   特に、積極的な出店を計画しているのは、バロー12店舗(今期18店舗、150%)、エコス2店舗(7店舗、350%)、オークワ4店舗(10店舗、250%)、東急ストア3店舗(5店舗166%)であり、この4社で19店舗増であり、先の数字、116店舗-103店舗=13店舗を超えてしまう。それだけ、この4社が全体を牽引しているといえる。一方、減少7社の内、特に、出店を控えるのは、タイヨー4店舗(1店舗、25%)、マルナカ10店舗(6店舗60%)、いなげや5店舗(2店舗40%)、ピーコックストア2店舗(1店舗、50%)であり、合計11店舗の減少となる。まさに、明暗、対照的な出店戦略といえよう。

   一般に食品スーパーマーケットが出店をしてゆくには、財務状況が課題となる。食品スーパーマーケットの出店にかかわる資産には、様々なものがあるが、最も大きいのが土地、建物、そして、敷金・保証金である。この3つで総資産の約60%を占めることになる。この3つの内訳であるが、25%、25%、10%ぐらいとなる。ちなみに、この出店にかかわる資産を1店舗当たりに換算すると、約5億円となる。これがごく平均的な食品スーパーマーケットの出店構造であり、出店には1店舗当たり約5億円がかかるので、その資金調達が可能な財務余力がない限り、出店は不可能である。

   通常、食品スーパーマーケットはこの約5億円を自己資金で賄うか、負債に依存するかになるが、当然、優良食品スーパーマーケットは負債0で出店をしてゆくことなる。本ブログでは、この関係を出店余力として、食品スーパーマーケットの財務状況を見ているが、この出店余力とは、出店にかかわる資産を自己資本(純資産)でどこまで賄えているかどうか、すなわち、余裕のある出店をしているのかどうかを見る指標のひとつである。当然、出店余力が高ければ高いほど、自己資本のみで出店をしていることになり、低ければ低いほど、負債に依存した出店をしていることになる。

   まだ、最新の決算が公表されていないので、2009年度の決算結果で、先の今期積極的な出店を計画している食品スーパーマーケットを見てみると、バロー(-32.7%)、エコス(-44.6%)、オークワ(-14.9%)、東急ストア(非上場で不明)という状況であり、いずれも、負債に依存する出店構造であり、まさに、積極的な出店計画であるといえよう。一方、出店を控える食品スーパーマーケットであるが、タイヨー(-17.2%)、マルナカ(非上場で不明)、いなげや(6.8%)、ピーコックストア(非上場で不明)という状況である。いなげやはプラスであるが、出店を控える計画である。

   もちろん、出店は財務状況だけでなく、キャッシュフローも大きく、特に、投資キャッシュフローにどれだけキャッシュを配分できるか、そのためは、営業キャッシュフローを増やし、財務キャッシュフローで、特に有利子負債の返済を少なくできるかが課題となる。仮に、出店余力が大きくマイナスでも、営業が好調で、キャッシュフローに余裕があれば、出店は可能である。以前、大手GMSは回転差資金、すなわち、入金と支払いとの差をずらし、その浮いたキャッシュで新規出店を続けたことがあったが、要は約5億円のキャッシュがあれば、食品スーパーマーケットは1店舗出店できるので、出店余力と新規出店は必ずしも連動しないが、中長期的には、収束するといえ、将来の成長戦略を考える上では、出店余力はプラス、ないしは、プラスに近付けておきたいところだ。

   2009年度決算公開企業約50社で出店余力がプラスになった食品スーパーマーケットはヨークベニマル29.4%、オオゼキ28.7%、マックスバリュ東海16.6%、東武ストア11.2%、大黒天物産9.8%、サンエー7.9%、アオキスーパー7.8%、いなげや6.8%、九九プラス5.4%であり、さらに、営業キャッシュフローが売上高の3.0%以上の食品スーパーマーケットはサンエー9.4%、オオゼキ5.9%、大黒天物産5.6%、マックスバリュ東海4.9%、東武ストア4.0%、アオキスーパー3.3%、ヨークベニマル(非上場で不明)である。この6社が食品スーパーマーケット業界では財務的な余裕に加え、キャッシュを稼ぎ出す力が強く、積極的な出店が可能であるといえよう。

   このように、日経MJでは全体の数字を見ると、食品スーパーマーケットが積極的に出店をはじめるような印象を受けるが、掲載20社を見ると、両極端な戦略が混在しているといえ、全体的な動向ではないといえよう。そろそろ、2010年度の決算が公表されるが、2009年度を見る限りでは、まだまだ、出店余力が高く、キャッシュを稼ぐ力のある食品スーパーマーケットは少ないといえ、今期、特にデフレが継続する中、2極化が一層拡大するのではないかといえよう。

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April 5, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 04, 2010

首都圏、食品スーパーマーケット、ネットに熱い視線!

   食品スーパーマーケットのネットスーパーがいよいよ首都圏でも本格的な展開期に入りはじめたといえよう。ここ最近、首都圏でも95店舗と最大級の店舗数を誇る食品スーパーマーケット、サミットのネットスーパーの会員募集のちらしが、私の自宅にも届くようになった。首都圏ではすでに、西友、イオン、セブン&アイHのGMSをはじめ、マルエツや東急ストアなどもネットスーパーを展開しているが、サミットの本格展開がはじまったことにより、首都圏ではネットスーパーの本格的な時代に突入したといえよう。

   サミットのネットスーパーが首都圏で本格展開した意義は大きい。それは、従来のネットスーパーのほとんどは店舗からの食料品の配送であるが、サミットの場合は、住友商事が100%出資のセンター出荷型のネットスーパーであるからである。実はサミットも2007年4月から店舗出荷型ネットスーパー事業を展開していたが、2008年12月に住友商事がセンター出荷型の住商ネットスーパー株式会社を設立したことにより、これに合流、サミットもサミットネットスーパー株式会社を2009年5月に、住商ネットスーパー株式会社の子会社として立ち上げており、センター出荷型へと舵をきることになった。

   先日入ったサミットのネットスーパーのちらしを見てみると、「あなたの街にもお届けします、新規会員募集!!」という見出しで、「いまなら新規会員登録で500円クーポンプレゼント!!」という特典付きのちらしである。現在、すでに、東京23区の内、目黒区、渋谷区、新宿区、豊島区など11区への配送が可能となっており、これに加え、三鷹市、調布市など6市への配送も可能となっている。東京全区、そして、埼玉県、神奈川県など首都圏への配送も、センター次第であり、時間の問題であろう。ちなみに、ネットスーパーにも目玉があり、今回入ったちらしでは、牛切り落とし国内産100g198円(通常388円)、豚もも切り落とし国内産100g90円(通常178円)、やわらかロースとんかつ198円(通常357円)と、この3つの商品が大きな写真入りで強く全面に打ち出されている。

   では、サミットのネットスーパーというよりも、住友商事の住商ネットスーパーであるが、「食品・食材分野における住友商事のマルチチャネル販売戦略の中核事業の一つと位置づけて、・・」とのことで、住友商事の中でもメディア・ライフスタイル事業部門の管轄であり、メディア事業とリテイル事業を融合させようとする意図にもとづいているのが特徴といえる。また、サミットの位置づけも、「第1号提携先であるサミットを皮切りに、首都圏の複数の食品スーパーとの提携により順次加工・配送センター数を増やし、売上規模拡大に従って運営効率を上げることにより、本格的ネットスーパー事業への参入による食品スーパー各社のマルチチャネル販売戦略に寄与する、・・」とのことであり、サミットは第1号提携先であるという。したがって、今後、第2号、第3号の食品スーパーマーケットとの提携がいつ発表されてもおかしくないといえよう。

   これは、店舗出荷型ではなく、センター出荷型だからこそ可能な事業である。現在、公表されている計画では、10事業年度というので、営業開始が昨年10月であるので、2019年度には、首都圏に36拠点のセンターをもち、年商1,100億円を目指すという。したがって、1センターあたり、約30億円であり、サミットの1店舗の平均年商が現在約20億円強であるので、店舗当たりの売上げを超えることになる。ちょうど、サミット50店舗強ということになり、中堅の食品スーパーマーケットチェーンがバーチャルの世界にまるまる出現することになる。

   首都圏のネットスーパーは、3/13の日経新聞によれば、セブン&アイHがこの2月期決算で営業黒字を実現したとのことで、ザ・プライスでもネットスーパーがスタートするという。イオンも今後、ネットスーパーに力を入れていくという。西友はすでに10年前からネットスーパーに取り組んでおり、現在50店舗でネットスーパーを手掛けているという。マルエツ、東急ストアも楽天の食卓.jpを活用して、ネット上に出店しているという。さらに、オーケーもこの春には参入予定であるといい、店舗同様、格安で販売してゆくという。 

   こう見ると、これから10年後には、計画段階で住商ネットスーパーが1,100億円を超える予定であるので、現在取り組んでいる食品スーパーマーケットに加え、新規参入が相次ぐと、年商5,000億円を超えることも十分に可能性があり、食品の一大ネット市場ができあがるといえよう。ちなみに、首都圏の上場食品スーパーマーケットの年商は15社で約2兆円であるので、上場食品スーパーマーケットが4から5社、バーチャル上に出現するイメージである。今回の住商ネットスーパーの宅配型が主導権を取るか、それとも、既存の店舗出荷型がシェアを占めるのか、今後、数年で大勢が判明するといえよう。

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April 4, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 03, 2010

新製品週間ランキング2010年、4/2、金額PI値好調!

   新製品週間ランキングを4/2、日経MJが公開した。この調査は日経MJが首都圏49チェーン、250店舗の食品スーパーマーケット、GMS等のPOSデータを毎週集計し、金額PI扱店でランキング集計しているものである。指標には金額PI扱店以外にも、平均単価、カバー率、登場日があり、首都圏での新製品の直近の動向を知る上においては貴重なデータである。今週は日経MJのコメントにもあるように、ヤクルト本社のミルミル100ml×3本が飲料部門トップ、しかも、金額PI値559円とAランクを超え、先週比も81円アップと好調な数字であった。これ以外にも、今週は金額PI値が先週よりも伸びた商品が多く、ここへ来て、新製品がアクティブに動き始めたといえよう。

   この新製品週間ランキングの見方であるが、ランキングは金額PI扱店(来店客千人当たり金額)での比較であり、この数字が500円を超えればAランク、300円を超えればBランク、200円を超えればCランクと見て良い。このランクで見れば、新製品が強いか、弱いかが判断しやすいといえよう。今週、飲料部門トップのミルミルは金額PI値559円であるので、極めて高い数字であり、注目の新製品である。カバー率も88.4%と首都圏対象250店舗の大半に導入されての数字であるので、極めて高い金額PI値であるといえよう。平均単価は266円と先週が261円であるので、5円上昇しての金額PI値81円の伸び、結果559円であるので、強力な販促がかかったわけではなく、顧客が支持した結果であるといえよう。

   飲料では、このミルミル以外でも、No.2にサントリー、ペプシネックス500mlペットボトルが入った。金額PI値337円とBランクであり、高い数字である。残念ながら、大容量はベスト20のランキングに入っておらず、500mlが好調である。特に、今週の飲料では、各社500mlが上位に来ており、ここへ来て、500mlの支持が急速に広がっているようである。No.3、No.4、No.5とアサヒ飲料の新製品がランクインしているが、三ツ矢サイダーオールゼロ500mlペットボトル、金額PI値244円、レモンはじける三ツ矢サイダーゼロ500mlペットボトル、金額PI値239円、十六茶490ml、金額PI値235円であり、いずれも、Cランク、500mlクラスのペットボトルである。

   さらに、No.6もキリンビバレッジ、午後の紅茶ヘルシシーミルクティー500mlペットボトル、金額PI値221円、No.7にはカゴメ、野菜生活100オリジナル200ml、金額PI値219円、そして、No.8にもカゴメ、直物性乳酸菌ラブレピーチMIX80ml×3が金額PI値219円でランクインしており、ここまですべて小容量の新製品であり、大容量が1品もないという状況である。ちなみに、No.9、No.10にサントリーが入り、なっちゃんオレンジ1.5L、金額PI値198円、胡麻麦茶1L、金額PI値195円が入り、やっと、ここに大容量が登場するという状況である。

   今週は、この飲料に加え、その他食品も好調である。No.1、No.2は、ハウス食品、バーモンドカレー<中辛>238g、金額PI値413円、<甘口>238g、金額PI値361円が入った。2/18、リニューアル初登場以来、トップグループを維持しており、しかも、金額PI値もB、Cランクと安定し、先週比も66円、64円アップであり、伸びている。定番中の定番の実力を遺憾なく発揮しているといえよう。しかも、カバー率も94.4%、95.2%と100%に近い数字であり、すごい商品である。この2品以外も、Cランクの新製品が続いている。No.3にはエースコック、JANJANソース焼きそば107g、金額PI値222円、No.4は山崎製パン、ふんわり食パンメープル6枚、金額PI値219円、No.5は明治乳業、グルト!ストロベリー40g×6個、金額PI値217円、そして、No.6は敷島製パン、超熟ロールレーズン6個、金額PI値211円と、ここまでがCランクの金額PI値200円以上の新製品である。以下、その他食品の新製品も金額PI値200円は切るが、150円前後の新製品が目白押しであり、各社、積極的に支持の高い新製品を投入しているといえよう。

   また、今週は、菓子でも新製品がアクティブに動きはじめている。これまでどちらかというと、洋菓子が新製品の中心を占めていたが、No.1に、先週6位から、和の菓子、せんべいの三幸製菓、雪の宿24枚が金額PI値257円で入った。三幸製菓は、このNo.1以外にNo.8、No.9、No.11、No.14、No.18にもランクインしており、さらに、和の菓子で、亀田製菓、岩塚製菓もランクインし、20品中、8品、和の菓子が半分近く占めるという状況である。今後の動向が気になるところだ。

   このように、今週の新製品週間ランキングは季節も桜が咲き、温かくなりはじめたせいか、飲料の新製品の金額PI値が上昇傾向にあり、しかも、今週は特に500mlを中心に小容量が特に好調である。また、その他食品でも金額PI値の高い新製品が上位を占めており、全体的にも好調な数字の新製品が多い。さらに、菓子では和の菓子が今週はベスト20の中に8品と数多くランクインしており、これまでにない動きといえよう。冬場は少し低迷気味であった新製品の動向であるが、春になり、各社がここへ来て、定番のリニューアルを含め、多くの新製品を投入しはじめており、来週以降もその動向に注目したい。

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April 3, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 02, 2010

家計調査データ、2010年2月度、食品97.0%!

   家計調査データの最新、2010年2月度が総務省統計局から3/30、公表された。現在、4月に入っているが、家計調査データは1ケ月遅れで最新の数字が公表されるので、最新はこの2月度の数字である。デフレが進行する中、その数字が注目されていたが、結果は、食品1,914.82円(97.0%)と、厳しい結果となった。1月度1,778.32円(99.1%)、昨年12月度2,576.65円(97.4%)、11月度1,986.87円(98.4%)、10月度1,963.13円(99.0%)であるので、ここ数ケ月間では最も低い伸び率であり、デフレの影響が大きいといえよう。

   本ブログでは家計調査データの食品の数字は食品スーパーマーケットの客単価と非価格しやすいように、月間を1日当たりに直して、集計している。また、家計調査データでは食品は食料として、外食もいっしょに集計されているので、外食を外し、純粋に食品スーパーマーケットの取扱い商品と同じ項目で集計している。したがって、この食品97.0%は外食を抜いた数字である。ちなみに、外食は409.90円(99.5%)と、ほぼ昨年並みの数字を確保しており、これを加えた食料は2,373.03円(99.1%)と、食品よりも高い数字となる。外食が比較的堅調であった要因はハンバーガーが12.03円(131.3%)と絶好調であり、外食全体を牽引したためである。まさに、マクドナルド効果といえよう。

   さて、デフレの影響が色濃く出ている食品の状況であるが、家計調査データは大分類が11部門あるが、その内、昨対を超えたのはわずか3部門のみであった。乳卵類108.36円(101.0%)、野菜・海藻271.29円(100.4%)、調理食品261.43円(100.9%)である。いずれも、わずかな伸びにとどまっており、この2月度は極めて厳しい消費環境であったことがわかる。ただ、大きく下がっている部門はなく、いずれも、微減であり、全体的に消費が低迷しているという状況である。参考に、残り、8つの部門の結果であるが、穀類208.86円(97.2%)、魚介類220.50円(98.7%)、肉類207.00円(97.1%)、果物90.82円(99.1%)、油脂・調味料106.93円(97.9%)、菓子類228.14円(99.4%)、飲料109.00円(98.9%)、酒類102.50円(97.1%)である。

   では、比較的好調な部門であった乳卵類、野菜・海藻、調理食品の中で特に伸び率の良かった項目を見てみると、乳卵類では、チーズ11.79円(106.8%)、消費世帯のみ21.19円(95.1%)、消費世帯のみの割合55.6%(112.2%)、バター2.89円(105.2%)、14.96円(96.1%)、19.3%(109.5%)が堅調な伸びである。いずれも、消費世帯の割合が大きく伸びており、チーズ、バターの購入顧客が増加しているといえる。特に、チーズは、消費者物価指数(CPI)が昨年対比で-5.7%と下がっていることが大きいといえよう。

   野菜・海藻では、たまねぎ9.79円(125.7%)、13.29円(125.5%)、73.7%(100.1%)、ねぎ8.86円(110.2%)、12.88円(110.4%)、68.8%(99.9%)が絶好調である。チーズ、バターと違い、消費世帯の消費額が大きく伸びており、好対照な結果である。そして、調理食品であるが、うなぎのかば焼き4.36円(120.8%)、47.57円(103.1%)、9.2%(117.1%)、調理パン10.11円(111.0%)、26.91円(101.5%)、37.6%(109.3%)と、この2項目が特に好調である。チーズ、バター同様、消費世帯の割合が伸びており、特にうなぎのかば焼きは、昨年の中国製品問題の反動ともいえよう。ちなみに、ぎょうざ、しゅういまいであるが、ぎょうざ6.18円(109.5%)、16.74円(105.3%)、36.9%(103.9%)、しゅうまい2.82円(109.7%)、12.98円(102.4%)、21.7%(107.1%)と、いずれも好調な消費である。

   一方、消費が伸び悩んだ部門をいくつか見てみたい。果物であるが、バナナ11.39円(73.2%)、17.35円(80.5%)、65.7%(90.9%)と、バナナブームも終わり、消費が激減しており、消費世帯のみの消費、その割合、双方が下がっており、厳しい状況である。酒では、最も消費額が大きいビールが26.79円(91.2%)、106.97円(90.9%)、25.0%(100.4%)と、激減しており、特に消費世帯のみの消費が伸び悩んだのが原因である。一方、発泡酒・ビール風アルコール飲料は21.79円(152.9%)、104.14円(107.7%)、20.9%(141.9%)と絶好調である。ビールの消費世帯の割合は減っていないので、ビールから流れたというよりは、新たな顧客を獲得したのではないかと思われる。

   ちなみに、ウイスキーは3.39円(90.5%)、89.52円(76.9%)、3.8%(117.7%)という状況であり、消費世帯の割合は、ハイボールブームでもあり、順調に増えているが、消費世帯の消費は価格が下がっているのではないかと思われ、下がっており、結果、全体の消費額は下がった。ただ、関連商品として、炭酸飲料が7.43円(122.4%)、22.25円(113.6%)、33.4%(107.7%)と、絶好調である。飲料全体は109.00円(98.9%)と伸び悩んでいるので、まさに、ハイボール効果といえよう。

   このように、デフレの影響が懸念された2010年2月度の家計の消費状況であるが、予想通り、この数ケ月の中でも厳しい結果であり、デフレが進んでいるといえよう。この2月度は消費者物価指数も鈍い動きであることから、デフレは当面、続く可能性が高く、食品スーパーマーケットにとっては、この2月、3月が決算期であり、決算への影響も懸念される。次回、3月、消費が上向くのは難しいといえ、食品スーパーマーケット業界としては、この家計調査データの数字を参考に、このデフレの中で、何を伸ばしてゆくか、しっかり重点項目を決めて取り組むことが課題といえよう。


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April 2, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 01, 2010

キユーピー、2010年11月期、第1四半期、増収増益!

   キユーピーが3/30、2010年11月期の第1四半期決算を公表した。結果は、売上高1,107.20億円(101.6%)、営業利益43.93億円(167.6%)、経常利益44.75億円(165.5%)、当期純利益23.70億円(167.0%)と、売上高は微増であったが、利益が大幅に増加となり、増収増益の好決算となった。小売業の決算、特に、利益が厳しい結果となる中、食品スーパーマーケットの最重点商品、マヨネーズ、調味料を提供するメーカー、キユーピーの第1半期決算が大幅な増益となったことで、対象的な結果といえよう。

   キユーピーの事業構造は、大きく2つに分かれており、ひとつは食品事業(構成比75.4%)であり、もうひとつは、物流事業(構成比24.6%)である。その双方の決算結果の概要であるが、食品事業は売上高835.02億円(97.0%)、営業利益49.47億円(対売上対比5.92%、149.5%)となり、減収増益という結果であり、売上高はやや厳しい結果であった。 一方、物流事業であるが、売上高272.17億円(119.0%)、営業利益5.53億円(対売上対比2.03%、172.8%)となり、大幅な増収増益と、絶好調であった。したがって、全体の売上高に関しては物流事業が押し上げたといえ、営業利益に関しては双方が好調に利益貢献しており、昨年と比べ、利益の改善が鮮明であるといえよう。

   ちなみに、キユーピー自身は、食品事業の利益に関して、「昨年5月に実施したマヨネーズの価格改定の影響を受けたものの、サラダ調味料やヒアルロン酸などの基幹商品の強化を図ったほか、継続してコスト低減に努めたことや主要原料を安定して購入できたことなど、・・」とコメントしており、コスト低減が大きかったようである。また、キユーピーは、さらに、補足資料で、利益が上昇した要因を分析しているが、それを見ると、最大の貢献は基幹商品への集中であり、これが50%ぐらいの貢献度であるという。食品スーパーマーケットでいう、重点商品をしっかり売り込んだことが利益へ大きく貢献したということであろう。ついで、その他既存店品25%、そして、物流システム事業、国内市場の深耕等がわずかな貢献であるという。

   そこで、キユーピーの原価、経費面から、利益構造がどう変化したかを見てみたい。まずは原価であるが、76.04%(昨年77.58%)と、1.54ポイント改善しており、原価の改善が進んでいる。結果、売上総利益は23.96%(昨年22.42%)と、改善した。一方、経費であるが、19.98%(昨年20.00%)と0.02ポイントとわずかではあるが、減少している。したがって、原価、経費双方の改善が図られ、営業利益を押し上げているといえよう。ただ、経費よりも、原価改善効果が大きく、小売業の末端価格が厳しい中、原価の改善ができたことが増益の最大の要因といえよう。

   結果、差し引き、営業利益は3.98%(昨年2.42%)となり、大幅な増益となった。こう見ると、食品スーパーマーケットの営業構造とよく似ており、数字だけ見ていると、ややディカウント志向の食品スーパーマーケットによく似た数字といえる。それにしても、このデフレ環境で小売業の価格が下がる中、しかも、小売業の重点商品であるマヨネーズを主力とするメーカー、キユーピーの原価の改善が大きく図られたことは驚きである。先にも、キユーピーのコメントのところでも引用したが、「主要原料を安定して購入できた」ということが、原価低減につながったのではないかと思う。

   さて、キユーピーの財務面であるが、自己資本比率は53.6%(昨年53.8%)と、ほぼ昨年と同様の数字である。したがって、約50%弱が負債であるが、その中身を見ると、有利子負債は259.68億円(決算時247.81億円)と、約10億円強増加しているが、総資産2,795.85に占める割合は9.28%であり、ほぼ、資産の現金224.00億円と同じであり、財務的な負担は小さいといえよう。これ以外では支払手形及び買掛金が424.01億円と、総資産の15.16%であり、最も大きい負債項目である。

   一方、資産面に目を転じると、メーカーであるので、工場、物流センターなどの土地、建物等の有形固定資産が1,159.96億円と総資産の41.48%であり、自己資本比率53.6%の範囲内で十分に相殺可能な比率であり、食品スーパーマーケットでいえば、出店余力十分といえる財務状況といえよう。ちなみに、商品、原料関連であるが、158.28億円と、総資産の5.66%である。こう見ると、財務面でも、数字だけ見ると、食品スーパーマーケットの財務構造と良く似ており、店舗の代わりに工場を、商品、原料関連の代わりに在庫を入れてみると、優良食品スーパーマーケットの財務状況に良く似ている数字である。

   このように、2011年11月期の第1四半期のキユーピーの決算は増収増益、特に、原価が下がり、利益が大きく改善され、好決算となった。キユーピーの主力商品マヨネーズ、ドレッシングを扱う食品スーパーマーケットの決算が厳しい価格競争により、利益を落としている中、対照的な決算結果、しかも、原価の改善が進んでの好決算である。これを受けて、通期予想は売上高4,830.00億円(106.8%)、営業利益193.00億円(108.8%)、経常利益193.00億円(104.8%)、当期純利益97.00億円(107.3%)と、堅調な増収増益予想であり、今後、ますます、デフレの深刻化が予想される中ではあるが、キユーピーは好調な経営が期待できそうである。

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April 1, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)