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May 29, 2010

IDとレシートの併売について

   併売分析には大きく分けて2つある。ひとつはレシート併売であり、もうひとつはID併売である。この2つは、実務ではあまり区別されずに、いずれも併売分析としてとらえられている場合があるが、その中身はかなり違う。またその目的は、いわゆるリフト値を算出し、併売する商品が併売される商品をいかに引きあげるかを見極め、併売するかしないかを決定することになるが、このリフト値も当然、レシートリフト値とIDリフト値がある。そこで、ここでは、レシート併売とID併売の違いを考えてみたい。

   まず、分かりやすくするために、計算しやすい数字の事例で考えて見たい。そこで、ここでは、バナナとりんごの併売分析を考えて見る。バナナが20人のID、りんごが10人のIDの場合を考えて見る。この時、バナナもりんごもともに購入している顧客が5人のIDであったとする。これがまず、基本であるが、さらに、リフト値を算出するために、全購入顧客が100人のIDであったとする。これで、ID併売の基本数字が出揃ったので、まずはID併売を計算してみる。

   まず、ID併売率であるが、バナナから見たリンゴは5/20で25%であり、りんごから見たバナナのID併売率は5/10で50%である。したがって、りんごから、バナナへの顧客の方が強く流れていることがわかる。そこで、全体の顧客から見たバナナとりんごのIDのPI値を見て見ると、バナナは20/100で20%、りんごは10/100で10%である。したがって、リフト値を算出すると、バナナとりんごを併売することによって、バナナのIDでのPI値は20%、併売は25%であるので、バナナは併売した方が25%/20%=125%のリフト値、すなわち、りんごが押し上げることになり、併売が望ましいといえよう。同様に、りんごを見ると、りんごのIDでのPI値は10%であり、併売は25%であるので、この場合もリフト値は25%/10%で250%となり、極めて高い数字となり、併売した方が、併売しないより、はるかに、高い数字になるといえよう。

   したがって、この場合は、バナナとりんごを併売しないで販売した場合と、併売して販売した場合では両方とも併売した方がリフトされることになり、しかも、バナナよりもりんごの方がリフト値が高く、りんごにとっては、バナナとの併売を望みたいところであろう。これがIDにおける併売であり、このように、顧客がどちらをどのくらい押し上げるかのリフト値を算出するところが併売分析のポイントであり、ここから、相性の良い併売商品を見つけだすことが課題となる。

   では、レシート併売はどのような数字になるかを同様に、計算しやすい数字をもとに考えてみたい。まず、バナナのID、20人のレシート枚数であるが、200枚であるとする。同様に、りんごのID10人のレシート枚数であるが、100枚であるとする。また、バナナとりんごの併売のID、5人のレシートを50枚とする。そして、全購入顧客100人のIDのレシート枚数であるが、1,000枚であったとする。これが基本数字であるが、実は、通常のレシート併売は、ここからは計算できない。なぜなら、バナナのレシート200枚、りんごのレシート100枚の中には、それぞれ、バナナ、あるいは、りんごの未購入レシートが含まれているからである。

   したがって、レシート併売を算出するには、この中から純粋に、バナナを購入しているレシートとりんごを購入しているレシートを差し引く必要がある。同様に、バナナとりんごを購入しているレシートからも同時購入をしていないレシートを差し引く必要がある。この時点で、レシート併売は、純粋な顧客IDの併売実態から離れ、レシートのみの数値計算となり、シミュレーションの世界となる。そこには、顧客の購買行動をイメージすることはできず、バナナとりんごのレシートの計算式に基づく、併売分析となる。

   その数字であるが、バナナの200枚のレシートの内、バナナの購入レシートを40枚とし、りんごの購入レシートを10枚であったとし、同時購入をしているレシートが5枚であったとする。この時、先程のID併売同様に併売分析をしてみると、バナナとりんごの併売はバナナが5/40で12.5%、りんごの併売が5/10で50%となる。また、レシートのPI値はバナナが40/1,000で4%、りんごが10/1,000で1%、したがって、リフト値はバナナが12.5%/4%で312.5%、りんごが50%/1%で5,000%となり、異常値となったが、やはり、どちらも併売した方が押し上げられるといえ、特に、リンゴがバナナに強く押し上げられるといえよう。

   このように、併売はIDで見る併売とレシートで見る併売があり、どちらも、併売を計算できるが、IDの方は顧客のまさに購買行動がイメージできるが、レシートの方は、顧客から離れ、購入顧客の未購入レシートは無視され、商品購入時のみのレシートを分析するだけになるので、顧客の併売の購入実態の中の併売状況の一部を切りとったものであるといえる。本来は、IDの購入実態があり、そのIDは併売対象の商品を購入する場合もあれば、購入しない場合もあり、また、どのくらいの割合で購買するかも考慮して見るべきであると思うが、レシートになると、顧客というよりも商品の動きのみの分析となり、顧客の実態とは離れてしまいがちとなる。その意味で併売を分析するのであれば、まずは、顧客IDの併売分析を行い、次に、そのレシートに踏み込む、購入レシートだけでなく、未購入レシートも加味した併売分析を行うべきであろうと思う。併売分析をする際は、このようなIDとレシートをしっかり対応させ、顧客の購買行動をトータルに分析したいところだ。

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May 29, 2010 in 経済・政治・国際CRM、FSP |

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