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September 30, 2010

食品スーパー、売上速報、2010年8月度、101.0%!

   社団法人新日本スーパーマーケット協会から9/28、2010年8月度の売上速報が公表された。この売上速報はオール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、そして、社団法人新日本スーパーマーケット協会の食品スーパーマーケット業界3団体合同の調査レポートである。今回の回答企業は264社であり、その総合計の売上高は、8,069億9,422万円となり、伸び率では101.0%となった。小売業界の中では最大の統計数字であり、しかも、GMSは入っておらず、食品スーパーマーケットが主体であり、まさに、食品スーパーマーケット業界の食品スーパーマーケットの数字であり、規模、質ともに信頼のできるデータである。

   特に、生鮮3品、青果、水産、畜産、そして、惣菜についても売上速報が公開されており、まさに食品スーパーマーケット独特の統計データであり、ここまで、この規模で数字が明らかになるのは食品スーパーマーケットが日本に誕生してはじめてのことである。食品スーパーマーケット業界にとっても、小売業界にとっても意義のあることであり、感慨深いといえよう。そこで、その生鮮3品、惣菜の結果であるが、青果1,044億118万円(構成比12.9%、昨対103.0%)、水産704億5,723億円(構成比8.7%、昨対97.9%)、畜産755億7,716万円(構成比9.4%、昨対98.6%)、そして、惣菜762億6,654万円(構成比9.5%、昨対103.1%)となった。

   青果と惣菜の伸びが堅調であり、全体を牽引しているといえる。特に、惣菜の構成比が9.5%となり、水産の8.7%、畜産の9.4%を抜き去り、青果の12.9%に次ぐNo.2の部門となったことが大きいといえよう。10年前の食品スーパーマーケットでは考えられなかったことであり、それだけ、惣菜が食品スーパーマーケットの柱となったといえ、しかも、売上げを力強く牽引しているといえる。この構成比は食品スーパーマーケットによってまちまちであり、青果の強い食品スーパーマーケット、水産、畜産の強い食品スーパーマーケット、そして、惣菜の強い食品スーパーマーケット等あり、何を企業の柱にすえるかにより、違ってくる。ただ、マクロに見ると、食品スーパーマーケット業界全体ではやはり青果が生鮮、惣菜の中ではNo.1部門であるといえ、改めて、この12.9%は他の部門と比べても頭ひとつ抜けた数字であるといえる。

   ついで、一般食品・その他3,680億5,007万円(構成比45.6%、昨対102.0%)、非食品合計1,122億4,203万円(構成比13.9%、昨対98.7%)である。その他には日配、菓子、酒等が入ると思われるが、日配独自の数字も見たいところである。ただ、日配の場合は食品スーパーマーケットにより分類がまちまちであり、たとえば、パンをどうするか、冷凍食品をどうするか、あるいは、練製品、漬物をどうするかにより、売上構成比が大きく違ってきてしまうので、全体の統計を取るのが難しいといえ、今回も分けられなかったのではないかと思われる。

   ちなみに、この264社の食品スーパーマーケットの総店舗数は7,051店舗であり、1社当たり26.7店舗となり、約30店舗が標準的な食品スーパーマーケットであるといえよう。総売場面積は11,673,598平米であるので、1店舗当たり501.6坪となる。したがって、食品スーパーマーケットの平均売場面積は約500坪といえる。また、平均月商は1億1,445万円であるので、単純年間換算で13.73億円となる。ここから坪売上を算出すると273.7万円となる。こう見ると、この264社、7,051店舗の食品スーパーマーケットの平均イメージは年商約15億円弱、店舗面積約500坪、坪効率約300万円弱であり、企業としては、この様な食品スーパーマーケットを約30店舗チェーン展開しているといえる。そして、青果をNo.1部門として、惣菜、畜産、鮮魚の順に売上が高く、生鮮3品+惣菜の合計構成比は40.5%、これに食品、菓子、日配等が加わり、実に86.1%が食品で占められているといえ、500坪の大半が食品で埋まっているイメージである。

   さて、この食品スーパーマーケットの売上速報は、もうひとつ、地域別の売上も集計されている。これを見ると、北海道・東北エリア101.2%(45店舗)、関東エリア100.5%(68店舗)、東海・北陸エリア100.2%(62店舗)、関西エリア102.4%(36店舗)、中国・四国エリア100.4%(37店舗)、九州・沖縄エリア100.9%(16店舗)という状況である。関西エリアの伸びが最も高いのが意外であるが、全エリア昨対100%を超えており、この8月度は全国的に堅調な伸びであったといえよう。

   このように食品スーパーマーケット業界の2010年8月度の売上速報が社団法人新日本スーパーマーケット協会から公表されたが、デフレ環境の厳しい経営環境の中、猛暑のプラス効果もあったと思われるが、101.0%と堅調な伸びとなった。特に、青果、惣菜、そして、地域では関西が全体を牽引したといえる。それにしても、百貨店、GMSが苦戦する中、食品スーパーマーケット業界は比較的好調といえる。ちょうど、食品スーパーマーケット業界は、この8月度を組み入れた中間決算が現在続々と公表されはじめているが、この堅調な8月度の売上を反映し、中間決算結果も比較的堅調な結果となるのではないかと思われる。来月9月度も猛暑は続いているので、当面、この堅調な売上げは続くのではないかと思われ、次回、9月度の結果が気になるところである。

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September 30, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 29, 2010

マックスバリュ東北、2011年2月中間、減収増益!

   9/27はイオングループの中間決算が相次いだ。前回のブログでマックスバリュ西日本の中間決算を取り上げたが、この日、イオンモールなど、イオングループ10社の中間決算が公表された。イオン本体は10/6の予定であるが、食品スーパーマーケットでは先のマックスバリュ西日本に加え、マックスバリュ東北の中間決算が公表された。これで、マックスバリュは1月度決算のマックスバリュ中部、マックスリュ北海道を加え、4社目となり、残るはマックスバリュ東海のみのとなった。そこで、ここでは、マックスバリュ東北の中間決算を取り上げてみたい。まずは、結果であるが、営業収益457.79億円(-0.4%)、営業利益3.31億円(352.3%)、経常利益2.85億円(262.9%)、当期純利益-0.41億円となり、減収営業増益、当期純利益は過去の未払い残業代を特別損失に計上したため赤字となった。

   これに対し、マックスバリュ東北は、「当社が営業基盤とする北東北エリアにおいても、お客さまの生活防衛意識が高く低価格志向が強まり企業間の価格競争が一層激しくなるなど依然として厳しい状況が続いております。」とのことで、経営環境は厳しさを増しているとのことである。そこで、ここでは、まずは、営業増益となった要因を、原価、経費面から見てみたい。原価であるが、77.10%(昨年76.81%)となり、0.29ポイント上昇している。結果、売上総利益は22.90%(昨年23.19%)と減少した。これに対し、マックスバリュ東北は、「イオン東北食品商品部と連動した地域商品の仕入力向上と商品管理力の向上、「トップバリュ」の売上拡大を進め売上総利益額の改善を進めております。」とのことであるが、この時点では改善が見られず、それだけ、東北地方は、価格競争が厳しいものといえよう。

   一方、経費の方であるが、24.66%(昨年25.58%)となり、0.92ポイントと、大幅な改善となった。これについてマックスバリュ東北は、「販管費については、収益性の向上のため従前よりコスト構造改革を進めており、細部にわたり見直しを行い効率性の向上とコスト削減に努めた結果、販管費全体としては対前年同期比3.9%の削減を行いました。」とのことである。この中間期は原価は厳しかったが、経費の方は大きく改善し、結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.76%(昨年-2.39%)とマイナス幅が大きく縮まった。ただ、依然として、経費比率が売上総利益を上回っており、さらに、原価、経費、双方の改善が必要といえよう。

   ちなみに、2010年度本決算時の決算公開企業約50社の平均値であるが、売上総利益25.0%、経費比率25.6%であり、その差、マーチャンダイジング力は-0.6%であるが、ほぼ25.0%でトントンであるので、平均から見れば、原価改善の方がどちらかというとウェートが高いといえよう。そして、不動産収入、物流収入等のその他営業収入であるが、2.50%(昨年2.56%)となり、結果、営業利益は0.74%(昨年0.17%)と大幅な改善となった。ただ、これも決算公開企業約50社の平均を見ると、3.0%であるので、さらに、利益率を高めたいところであろう。

   さて、気になるのは新店開発であるが、今期は、「競争店との差別化の一環として、インストアベーカリーの導入や第二類・第三類の医薬品を扱うドラッグ売場の導入など5店舗の改装投資を行い既存店の活性化に努めてまいりました。」とのことで、既存店の活性化に注力したとのことである。その要因を財務面から見てみると、自己資本比率が8.2%(昨年8.2%)と、現在、マックスバリュ東北は厳しい資本不足の状況が続いており、負債に90%を追う財務構造であり、出店余力がない状況にある。その負債の中身であるが、有利子負債が114.18億円と100億円を超え、総資産281.40億円の40.57%と、重く経営にのしかかっている。これ以外でも、支払手形及び買掛金77.46億円(総資産の27.52%)、長期預かり保証金19.68億円、未払金及び未払費用23.24億円等があり、これで総資産の83.35%となり、これらの負債の圧縮が大きな経営課題といえ、新規出店に回す資金が厳しい財務状況にあるといえる。

   マックスバリュ東北の出店にかかわる資産、土地、建物、敷金保証金等の合計を店舗数で割った数字、1店舗当たりの出店にかかわる資産を前期本決算で見ると2.14億円であり、平均の4.73億円と比べると出店しやすいコスト構造にあるが、残念ながら今期の出店余力、自己資本(8.2%)-出店にかかわる資産(74.1%)は、-65.9%と厳しい状況にある。したがって、キャッシュを新店開発よりも負債の圧縮に優先して回さざるを得ない経営状況にあり、新規出店が極めて厳しい状況にあるといえる。

   このようにマックスバリュ東北の2011年2月期、中間決算は減収、営業増益となり、売上げは厳しい状況にあったが、営業利益は昨年と比べ大きく改善した。ただ、まだまだ経費、原価、特に原価が厳しい状況にあり、利益率は依然として厳しい状況にある。また、自己資本比率が8.2%と新規出店による増収を確保するのは厳しい財務状況にあり、今後、財務的にはキャッシュを負債の圧縮に回さざるをえない状況にあるといえる。これから後半に向けて営業強化をはかる一方、中長期的な経営改革をどう図ってゆくのか、マックススバリュ東北の経営戦略に注目である。

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September 29, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 28, 2010

マックスバリュ西日本、2011年2月中間、増収減益!

   イオングループの食品スーパーマーケット、マックスバリュ西日本が9/27、2011年2月期の中間決算を公表した。結果は、営業収益1,173.35億円(7.9%)、営業利益27.06億円(-7.7%)、経常利益28.19億円(-9.8%)、当期純利益14.03億円(-4.3%)となり、増収減益となる厳しい決算となった。この要因について、マックスバリュ西日本は、「競争環境につきましては、GMSを主力業態とする企業が自社エリア内において、SM業態の出店を加速させており、加えてドラッグストアなどの異業種が食品の販売を拡大するなど、相次ぐ競合の出店と価格攻勢の激化により、従来にも増して厳しい状況となっており、・・」とコメントしており、競争環境が急激に悪化したことをあげている。実際、既存店は、「デフレや競争激化等により販売単価の下落に陥り、諸取組みの効果が減殺され、既存店の売上高は減少、・・」とのことで、既存店が-4.8%落ち込んだことが大きかったという。

   ただ、利益に反して営業収益は7.9%増加しており、その要因は業態転換を含めて、11店舗の新店をオープンしたことによるところが大きいといえる。現在、マックスバリュ西日本の総店舗数は158店舗であるので、単純計算で11店舗は6.9%となるので、まさに、新店による売上増が要因であるといえよう。その11店舗の新店であるが、「マックスバリュ西今宿店(兵庫県姫路市)、ザ・ビッグ多度津店(香川県仲多度郡)、ザ・ビッグ奥田南店(岡山市北区)、マックスバリュ東加古川店(兵庫県加古川市)、マックスバリュエクスプレス広島駅北口店(広島市東区)、ザ・ビッグ鴨方店(岡山県浅口市)、マックスバリュ三木北店(兵庫県三木市)、ザ・ビッグ笠岡店(岡山県笠岡市)、マックスバリュ町坪店(兵庫県姫路市)、マックスバリュ菅生店(兵庫県姫路市)、ザ・ビッグ神辺店(広島県福山市)」となる。

   この内、ディスカウント業態、ザ・ビック4店舗は業態転換であるといい、合計5店舗のザ・ビックがオープンしている。現在、マックスバリュ西日本はこのディスカウント業態、ザ・ビックを中心に新規出店を加速させており、全158店舗の内、26.8%に当たる24店舗がザ・ビックとなり、昨年度の20.3%と比べ、大きくシェアを伸ばしている。いまや、ザ・ビックがマックスバリュ西日本の主力業態のひとつになりつつあるといえる。

   では、この積極的な新規出店を支えたキャッシュフローはどのような状況であったかを見てみたい。まず、営業キャッシュフローであるが、24.46億円(昨年42.48億円)と約20億円弱減少した。これは当期純利益、減価償却費の問題ではなく、仕入れ債務の減少が-11.80億円(昨年10.11億円)であったことが大きかったといえる。ついで、投資キャッシュフローであるが、-37.98億円(昨年-67.60億円)と、約30億円減少している。これは、新規出店関連の資産への投資が-43.61億円(-62.70億円)と大きく減少したことが大きい。ちなみに、前期のマックスバリュ西日本の1店舗当たりの出店にかかわる資産は2.72億円であり、決算公開企業約50社の平均が4.73億円であり、かなり低い資産といえる。したがって、今期の-43.61億円の新規出店関連の資産で見ると、16店舗の新店が可能であるといえ、金額は減少したが、今後も積極的な新規出店が続くものと予想されよう。

   そして、財務キャッシュフローであるが、-14.36億円(昨年37.75億円)となり、結果、トータルのキャッシュフローは-27.87億円(昨年12.63億円)となった。したがって、今期は内部留保を取り崩すことになり、現金及び現金同等物が51.97億円から24.09億円となり、大きくキャッシュが減少した。こう見ると、やや財務的には厳しい積極的な新規出店であったといえ、今後、安定、継続的に新規出店をはたしてゆくには、財務の改善が課題といえよう。

   一方、営業収益の伸びとは対照的に営業利益が-7.7%と大きく落ち込んだが、その要因を原価、経費面から見てみたい。原価であるが、76.01%(昨年75.44%)と上昇がみられる。結果、売上総利益は23.99%(24.56%)となり、粗利は減少した。これに対して経費であるが、23.91%(昨年23.99%)と若干下がっており、経費の改善は進んだといえよう。結果、差し引き、商品売買から得られるマーチャンダイジング力は0.08%(昨年0.57%)とプラスにはなったが、厳しい結果である。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が2.28%(昨年2.20%)のり、結果、営業利益は2.36%(昨年2.77%)となり、減益となった。

   このように、マックスバリュ西日本の2011年2月期の中間決算は11店舗という積極的な新規出店により増収とはなったが、原価の上昇により、営業利益が減少し、減益となった。特に、競争環境の激化により、既存店が-4.8%となったことが大きかったといえよう。今後、キャッシュフローの動向を見る限り、引き続き積極的な新規出店が続くと思われるが、ややキャッシュ不足の様相を呈しはじめているといえる。したがって、まずは、既存店の活性化をはかり、マーチャンダイジング力を強化し、キャッシュを生み出すことが先決といえる。今後、後半にかけて、マックスバリュ西日本がどのように営業戦略を立て直すか注目である。
  
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September 28, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 27, 2010

ハローズ、2011年2月期、中間決算、増収増益!

   ハローズが9/24、2011年2月期の中間決算を公表した。食品スーパーマーケット業界の上場企業2月度決算企業としては最初の決算であり、今後、続々と食品スーパーマーケットの決算が公開される予定である。その結果であるが、売上高356.64億円(3.6%)、営業利益13.86億円(35.2%)、経常利益13.20億円(33.1%)、当期純利益7.28億円(32.0%)となり、増収増益の好決算となった。ただ、ハローズ自身は、「猛暑の影響による売上の押し上げ効果が一部見られましたが、消費者の節約志向が続く中、一品単価は低い水準で推移しました。また、業界内では、低価格店への業態転換、異業種からの参入など業種・業態を超えた企業間競争は一層激しさを増し、厳しい経営環境となり、・・」とコメントしており、厳しい経営環境であったとの認識である。

   そこで、このような厳しい経営環境の中で、増収増益、特に、利益が大きく増加した要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、77.0%(昨年77.1%)となり、0.1ポイント改善した。結果、売上総利益は、23.0%(昨年22.9%)となった。その要因のひとつをハローズは、「当社プライベート・ブランド商品の「ハローズセレクション」の開発にも注力し、売上高構成比は前事業年度末の7.6%から8.1%に増加、・・」と、原価の低いPBの売上構成比が上昇したことにあるとしており、PBの強化が寄与したといえよう。

   一方、経費の方であるが、22.0%(昨年22.6%)と0.6ポイント下がっており、大きく改善している。これについて、ハローズは、「経費面では、引き続き効果的な広告による販促費抑制、電気使用量の抑制などに取り組み、・・」とのことで、販促費、光熱費の削減に注力したとのことである。したがって、原価、経費、ダブルでの利益改善が進み、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は1.0%(昨年0.3%)と大きく改善した。前期決算時のマーチャンダイジング力が0.5%であるので、この中間決算は利益改善が大きく進んだといえよう。

   そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が2.9%(昨年2.7%)と、0.2ポイント改善しており、結果、原価、経費、その他営業収入とトリプルで利益の改善が進み、営業利益は3.9%(昨年3.0%)と、大きく改善した。前期決算時は3.4%であるので、前期をも上回る営業利益率であり、この中間決算は理想的な結果となったといえよう。ただ、「新規出店はなく、店舗数は前事業年度末と同じ広島県19店舗、岡山県22店舗、香川県4店舗の合計45店舗、・・」とのことで、成長面では課題は残したといえるが、利益改善は大きく進んだといえ、増収増益の好決算となった。

   では、財務面はどうであったかであるが、今期、ハローズは大きな経営決断をしており、新たな物流センターである早島物流センターの着手に入った。この中間決算でも、物流センターの建設費中間金支払等により、14.46億円の資産が増加しており、実際、キャッシュフローでも25.12億円、有形固定資産に投資しており、その内のかなりの部分が物流センター用といえよう。ハローズの1店舗当たりの資産は約4.5億円であるので、物流センターはかなりの投資であり、新規出店へキャッシュを配分するか、物流センターへ配分するか、その判断が重要であったといえ、今期は物流センターへの投資を優先させ、新規出店がこの中間決算時にはなかったものといえよう。ただ、「早島物流センターの稼動による調達・物流の効率化、香川県への出店によるドミナント化の推進と売上増加を図ってまいります。」とのこで、今後、この早島物流センターが完成すると、四国を含め、新規出店にキャッシュの配分が可能となるので、今後、出店が加速するものといえよう。

   そこで、ハローズの出店余力であるが、残念ながら、-27.9%と大きくマイナスとなっている。これは純資産比率が34.3%と低く、その要因が有利子負債が114.58億円と100億円を超え、総資産対比で34.3%と経営に重くのしかかっているためである。一方、出店に係る資産、土地、建物、敷金・保証金等は62.2%となるので、結果、差し引き、出店余力は-27.9%となる。今期はさらに、物流センター関連の資産、負債が増加するため、このバランスは大きく変わらず、今後、物流センター稼働後も、新規出店をはたしてゆくには、マーチャンダイジング力を一層高め、財務改善を行う一方、資金調達も課題となろう。

   このようにハローズの2011年2月期の中間決算は増収増益の好決算となった。その要因は、原価、経費が改善し大きく改善したことにより、マーチャンダイジング力が上昇したことに加え、その他営業収入も増加し、営業利益をトリプルで改善できたことが大きいといえよう。ただ、気になるのは今後の成長性である。将来の成長への布石として、早島物流センターへの着手がはじまったが、残念ながら、財務は純資産比率が34.3%と低い状況であり、出店余力も大きくマイナスとなり、課題が残っているといえよう。今後、ハローズとしては、財務改善が重要な経営課題といえ、どのように経営バランスをとってゆくか、中長期的な戦略に注目である。

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September 27, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 26, 2010

ローソン、野菜ビジネスへ本格参入か?

   Business Media誠というインタネットの経済誌にローソンの記事が掲載された。見出しは、「ローソンが農園の経営に、誠実短小の生鮮物流への挑戦」であり、ローソンが今後農産物を自ら生産し、販売するという内容の記事である。以前、本ブログでも取り上げたセブンイレブンの野菜の通販同様、コンビニが本格的に野菜の販売に取組みはじめる内容であり、これまでの八百屋、食品スーパーマーケットに加え、本格的にコンビニが野菜市場へ参入することになり、首都圏の野菜ビジネスにとっては新たな展開といえよう。

   ただ、セブンイレブンとの違いは、セブンイレブンは全国約13,000店舗での通販での取り扱いに対し、ローソンは関東地区のローソンストア100の650店舗と一部生鮮を取り扱っているローソンプラス100の約250店舗の合計約900店舗と規模が少ない点である。その背景にはセブンイレブンは市場流通を原則とし、安定供給体制を前提しているのに対し、今回のローソンは農業生産法人を設立し、いわば、市場外流通、直売を前提としているためである。したがって、現時点ではローソン全店への安定供給ができる体制は確立されておらず、今後、実証を繰り返し、拡大をはかってゆくとのことである。

   そこで、その野菜の供給元となる農業生産法人の現状を見てみると、企業名は株式会社ローソンファーム千葉であり、本社は千葉県香取市である。資本構成は芝山農園75%、ローソン15%、東京シティ青果5%、RAG5%である。したがって、芝山農園が経営権をもっており、ローソンの出資はわずか15%であり、社長も芝山農園の篠塚利彦氏である。資本金は500万円であり、現時点の農地面積約3.0ha、初年度約150トンの出荷予定であり、主な野菜は小松菜、大根、にんじん、ほうれん草等である。ここから見る限り、生産規模はごくわずかであり、本格的な野菜ビジネスへの参入というよりも、まだまだ、実験段階に近い取組みであるといえる。

   記事の中でも今回、出資者に東京シティ青果等が入っているが、これは市場流通を意識してのものであるといい、仮に、芝山農園の出荷が天候、何らかのアクシデントが起こった際には市場流通に切りかえられるリスクヘッジともいえ、現時点で市場外流通の農業生産法人のみからの供給では量的にも体制的にも十分でない中でのローソンのスタートといえる。セブンイレブンとは戦略、体制が違うといえ、次の展開が課題といえる中での取組みといえよう。

   ただ、セブンイレブンに続き、コンビニ大手のローソンが野菜ビジネスへの参入に本格的に動きはじめたことは確かであり、しかも、市場流通以外の直売に焦点を当てての参入であり、その意義は大きいといえよう。ちなみに、ローソンストア100の約650店舗はもともと九九プラスが前身であるため、100円での野菜販売は市場流通を通じて実践しており、今回のローソンファーム千葉からの仕入れは、この野菜売場に新たにコーナーを設けることになるといえよう。いわば、食品スーパーマーケットのインショップ展開と同じであるといえ、ローソンストア100としては、仮に、ローソンファーム千葉からの商品が何らかの事情で入らなかった場合も、通常の市場ルートで野菜の調達は可能であり、既存店へのリスクヘッジは問題ないといえる。食品スーパーマーケットのインショップの売上構成比は一般的には10%から20%ぐらいであるので、この範囲での市場外流通、すなわち、直売であれば、経営リスクは低いといえ、むしろ、集客効果の方が高いといえよう。

   ちなみに、このような低い売上構成比の中でも小松菜等、鮮度の高い野菜にローソンが取り組む理由のひとつは、鮮度の違いにあるといえる。通常の市場流通の場合は産地で収穫されてから、首都圏の家庭に届くまでに約48時間かかるというが、今回のローソンファーム千葉からの市場外流通を使えば、12時間から24時間の短縮になるといい、抜群の鮮度で店頭に野菜が並ぶことになるという。したがって、市場流通の野菜との圧倒的な差別化につながり、八百屋、食品スーパーマーケットとも差別化にもつながることになるという。記事の中では、ローソンは、今後、今回の取組みを軌道に乗せ、検証してゆきながら、農政局のある全国7地区にローソンファームを順時設立し、全国のローソンへの供給体制をはかり、コンビニ店舗への野菜の新たな体制を確立してゆくとのことである。

   このように、セブンイレブンに続き、ローソンも本格的に野菜市場へ参入する方針を打ち出し、千葉県香取市に農業生産法人、株式会社ローソンファーム千葉を設立し、まだまだ限られた商品、規模であるが、首都圏のローソンストア100、約650店舗、ローソン約250店舗、合計約900店舗への直売での商品供給を行うという。現在、首都圏では食品スーパーマーケット、八百屋がほぼ野菜のシェアを握っており、コンビニは一部を除き、野菜そのものの取り扱いが十分でないといえる。したがって、今後、どこまでコンビニが野菜市場のシェアを獲得するかが課題といえ、セブンイレブンを含め、コンビニの今後の動向に注目である。

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September 26, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 25, 2010

コンビニ、売上速報、2010年8月度、客単価ダウン!

   コンビニの売上速報、2010年8月度が9/23、(社) 日本フランチャイズチェーン協会から公表された。結果は、「前月同様、天候の影響を大きく受けアイスクリームや飲料などの夏物商材が全体を牽引し、既存店ベースの売上高は6,768億円(前年同月比+1.0%)と2ヶ月連続のプラス」とのことで、7月、8月と好調な月となった。ただ、「既存店ベースの来店客数は11億9,800万人(前年同月比+2.9%)と3ヶ月連続のプラスとなったが、平均客単価は565.0円(前年同月比-1.9%)と21ヶ月連続のマイナス」とのことで、客数に支えられた既存店売上高の伸びであり、客単価は伸び悩み、課題を残したといえよう。

   このコンビニの統計は、(社) 日本フランチャイズチェーン協会に加盟しているココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、
デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの10社、総店舗数で43,270店舗の集計結果であり、ほぼ、日本全国のコンビニを網羅しているといえ、信頼できる統計数値である。それにしても、客数は伸びたが、客単価が下がっていることは気になるところである。

   そこで、その客単価について、さらに、その要因を見てみたい。(社) 日本フランチャイズチェーン協会では、基本情報として、加盟店のコンビニの売上高、店舗数、来店客数、平客単価に加え、商品構成比と前年同月比を公表している。残念ながら、商品別の客単価は公表していないので、ここでは、この数字から逆算すると、全体の客単価は568.8円であり、-1.9%と約2.0%の減少である。先のコメントのように猛暑でアイスクリームや飲料の数字が上昇し、客数は伸びたにも関わらず、客単価は下がっている状況である。

   その内訳を昨年8月度の数字も同様に逆算してみると、全体568.8円(昨年580.1円:-1.9%)、日配食品196.3円(昨年201.9%:-2.8%)、加工食品178.6円(昨年174.0円:2.6%)、非食品171.2円(昨年182.1円:-6.0%)、サービス22.8円(昨年22.0円:3.2%)となる。したがって、加工食品とサービスの客単価は伸びているが、残念ながら、日配食品、非食品の落ち込みが大きく、全体の客単価は-1.9%のマイナスとなっており、客単価に関しては、厳しい状況が依然として続いている。非食品に関しては、taspo効果も多分にあると思われ、説明がつくが、日配食品の場合はtaspoの影響は薄いといえ、日配本来の問題であると思われる。

   ちなみに、taspo効果が鮮明な2008年度と2009年度の非食品と日配との関係を時系列で過去2年間を追ってみると、2008年1月(日配-0.3%、非食品-0.1%)、2月(3.0%、3.1%)、3月(1.5%、1.3%)、4月(0.5%、3.9%)、5月(3.3%、14.1%)と、ここら辺からtaspo効果が鮮明となる。そして、6月(1.6%、21.3%)、7月(4.9%、26.5%)、8月(3.5%、26.0%)、9月(2.1%、26.8%)、10月(3.8%、28.6%)、11月(3.0%、25.4%)、12月(1.9%、24.3%)とtaspo効果のピークとなる。ここまでを集計すると2008年、1月~12月(2.4%、17.1%)という結果となり、日配と非食品とは強い連動性はないといえよう。

   さらに、2009年度に入り、1月(1.7%、26.9%)、2月(-3.4%、22.7%)、3月(-1.8%、23.2%)、4月(-0.9%、23.0%)、5月(-0.8%、10.2%)と、日配がむしろマイナスなりはじめている。また、ここからtaspo効果は薄れ、その影響も一巡することになる。したがって、taspo効果は2008年5月から2009年5月までのほぼ1年間の効果であったことがわかる。そして、その後であるが、6月(-1.8%、3.1%)、7月(-5.4%、1.8%)、8月(-4.6%、-1.0%)、9月(-4.3%、-1.4%)、10月(-3.5%、-1.3%)、11月(-4.1%、-1.9%)、12月(-3.9%、-2.2%)となる。この時期すでに、非食品もマイナスとなり、日配同様、全体の数字に大きな影響が出ていることがわかる。

   したがって、非食品がマイナスになるのは、taspo効果が異常値であったため、1年目だけではなく、2年目も影響がでることは理解できるが、日配食品のtaspo効果はほとんどなく、むしろ、2009年2月以降、1年以上厳しい状況が続いているといえ、コンビニにとっては、深刻な状況といえよう。ちなみに、日配は米飯類(寿司、弁当、おにぎり等)、パン、 調理パン、惣菜、漬物、野菜、青果、水物(豆腐等)、調理麺、卵、加工肉(ハム、ウインナー、ベーコン等)、牛乳、乳飲料、乳製品(バター、チーズ等)、練物(ちくわ、かまぼこ等)、生菓子(ケーキなどの和洋菓子)、サラダ、デザート類(プリン、ゼリー、ヨーグルト等)等であり、まさに、コンビニの中核、ファストフードがその大半を占めるといえる。残念ながら、猛暑の恩恵を受けたアイスクリーム、飲料は加工食品であり、日配には入っていない。

   このように、2010年8月度のコンビニの売上高は客数が伸び、何とかプラスに転じたが、その中核商品、ファストフードの属する日配食品のマイナス、taspo効果を引きずっている非食品のマイナスが大きく響き、客単価はマイナス、しかも21ケ月連続でのマイナスであり、猛暑の効果も客単価のマイナスを覆すことはできなかった。これで、猛暑も一段落、今後は、非食品のたばこの値上げの影響も考えられ、客単価をどう立て直すか、特に、日配、ファストフードの動向がポイントとなろう。9月、10月、そして、後半、特に日配の客単価の数字に注目である。

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September 25, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 24, 2010

未上場食品スーパーマーケットの売上げを見る!

   帝国データバンクが8/27、全国未上場スーパーの売上高動向調査を公表した。タイトルは、「200億円以上の未上場スーパーは129社」、「ここ2年間の売上げは年間3%増加」である。調査結果の要旨であるが、3点である。第1点は売上高200億円以上の未上場のスーパーは129社であり、2009年度の売上高総額は7兆8,984.26億円(3.12%増)である。2点目は、売上高トップは、イオン系列のマイカル、2位はセブン&アイ・ホールディングス系列のヨークベニマル、3位には前橋市のベイシアが入ったことである。そして、3点目は今年1月~7月までのスーパーの倒産件数は36件と、前年同期比50%増で推移していることである。

   そこで、詳細は原資料を見ていただくとして、ここではその概要を見てみたい。まず、全体の売上高7兆8,984.26億円(3.12%増)であるが、百貨店、GMSの売上げが伸び悩む中、未上場、200億円以上のスーパー129社は堅調な伸びとなっている。ちなみに、決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットは年商7兆5,638.87億円(0.5%増)であるので、合計売上高はほぼ同じである。ただし、この50社の中には、ヨークベニマル、オーケー等、いくつか重なる企業があるので、未上場129社の数字の方がやや大きいといえる。したがって、これらを考慮すると、総合計は15兆円弱となり、商業統計の食料品スーパーの約17兆円と近い数字となる。今回の集計は未上場200億円以上の129社であるので、これ以下の食品スーパーマーケットの平均売上高を仮に数10億円とすると、1,000社で数兆円であるので、17兆円はかなり、実態に近い数字と想定できる。

   こう見ると、食品スーパーマーケットの日本における市場規模は商業統計の数字、約17兆円といって良いといえ、商業統計の正確さが改めて確認できる。そこで、次に、2番目、未上場のスーパーのランキングを見てみたい。No.1はGMSのマイカル(5,671.83億円)であり、唯一、5,000億円を超える。No.2はヨークベニマル(3,487.35億円)、No.3はベイシア(2,742.16億円)、No.4は万代(2,437.00億円)、そして、No.5は東急ストア(2,347.03億円)であり、以上がベスト5である。GMSのマイカルを除き、いずれもドミナント地区が明確であり、ヨークベニマルは福島県、ベイシアは群馬県、万代は大阪府、東急ストアは東京都と神奈川県をドミナントとして、集中出店をしている。

   ついで、No.6サミット(2,262.45億円)、No.7オーケー(2,157.68億円)、No.8マルナカ2,049.61億円)、No.9サンリブ(1,565.52億円)、そして、No.10三和(1,437.00億円)であり、ベスト5同様、いずれもドミナト地区が明確である。こう見ると、食品スーパーマーケットがドミナトを完成した時には約2,000億円が見込める数字といえ、数地区に展開した場合は、3,000億円、4,000億円が見込めるといえよう。未上場では、この約2,000億円、すなわち、1地区でしっかりドミナント展開した食品スーパーマーケットがトップクラスに入るためには必要な年商といえる。ちなみに、決算公開企業約50社のベスト10は、イズミ4,687.42億円、ライフコーポレーション4,565.22億円、平和堂3,612.37億円、イズミヤ3,585.79億円、ヨークベニマル(未上場No.2)、バロー3,319.93億円、マルエツ3,307.17億円、フジ2,871.23億円、オークワ2,793.97億円、アークス2,707.22億円となる。

   そして、3番目の倒産関連であるが、帝国データバンクの公開資料ではまず、過去3年間の倒産件数が掲載されているが、これを見ると、2009年46件、2008年76件、2007年70件である。また2010年度前半、1月から7月までは36件であり、今期は70件近い数字になる可能性が高く、2007年、2008年に近い数字が予想され、食品スーパーマーケットにとっては厳しい年となりそうである。

   そこで、ここ数年の食品スーパーマーケットの倒産状況を見てみると、モリヤ(2010年7月)、キンカ堂(2010年2月)、ザ・アミーゴス(2009年10月)、マルヘイストア(2009年7月)、ユアマートすずこう(2009年3月)、スーパーよどばし(2009年2月)等である。ちなみに、倒産態様を見ると、民事再生法と破産が半々ぐらいであり、それ以外では特別清算がいくつかある。負債総額はモリヤが100億円で最も大きく、平均すると、おおよそ、20億円前後といえよう。気になるのは今年前半ですでに36件となっていることであり、今後、後半にかけて、さらに厳しい経営環境が予想され、食品スーパーマーケットにとっては極めて厳しい年となろう。

   このように、帝国データバンクが未上場のスーパー129社の売上高動向の調査を公表したが、実に興味深い内容である。特に、決算公開企業約50社と比較してみると、トップクラスはいつ上場しても問題がない年商規模であり、それぞれのドミナントエリアがしっかり確立されているといえる。また、2つ目のドミナント、3つ目のドミナントエリアへ拡大している食品スーパーマーケットも見られる。一方で、未上場の食品スーパーマーケットの倒産も増えているのも事実であり、未上場食品スーパーマーケットの経営格差が激しいのが実態といえよう。今後、トップクラスの未上場食品スーパーマーケットがさらに規模拡大のため、上場を含め、どう動くか、気になるところである。

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September 24, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 23, 2010

中間決算、食品スーパーマーケット今後の予定!

   食品スーパーマーケットの2011年度の中間決算のピークが今週からはじまる。すでに、2011年1月期の決算企業、マックスバリュ北海道、マックスバリュ中部、そして、丸和の中間決算は公表されたが、今後、食品スーパーマーケットで最も件数の多い2月期の中間決算の公表がはじまる。現在、食品スーパーマーケットは約50社が上場しているが、その決算月を見ると、1月度3社、2月度31社、3月度11社、4月度1社、5月度3社、9月度4社という状況であり、2月度が全体の約60%と大半を占める。その2月度の中間決算の公表が今週からいよいよスタートである。

   トップを切るのは9/24公表予定のハローズである。ついで、翌週、9/27にはイオン九州、マックスバリュ西日本、マックスバリュ東北、CFSコーポレーションとイオングループの2月期決算企業の公表が予定されている。イオングループは食品スーパーマーケットの中でも決算の公表が早く、この中間に限らず、本決算もいち早く経営内容が公開され、IRがしっかりしているといえる。9/30には平和堂の中間決算の公表が予定されており、9月はこの6社の中間決算の公表予定であり、ピークはやはり、10月となる。

   その10月であるが、10/1にはオークワ、マルヤが中間決算の公表の予定である。そして、次の週に入り、10/4、カスミ、イズミヤ、フジの中間決算の公表が予定され、翌日10/5には、ジョイス、サンエー、東武ストア、ベルクの公表が予定されている。その翌日10/6には、イオングループの中間決算のピーク、本体のイオンに加え、マックスバリュ東海、イオン北海道がこの日、公表の予定である。そして、その翌日、10/7にはセブン&アイH、丸久、イズミ、天満屋ストアの公表が予定されている。さらに、10/8にはエコス、マルエツ、ダイエー、そして、食品スーパーマーケットではないが、ファーストリテーリングの中間決算が公表される予定である。この1週間で食品スーパーマーケット関係で約20社と、まさに、この週が食品スーパーマーケット業界の中間決算のピークとなる。

   そして、翌週、10/12にはライフコーポレーション、アークスの中間決算の公表予定である。この10/12はこの2社の食品スーパーマーケット以外に17社が同時に中間決算を公表し、10月の中でも中間決算公表のピークの日といえる1日となる。10/13にはOlympicの中間決算の公表が予定されているが、これで、食品スーパーマーケットの中間決算はピークを越すことになる。まさに、怒涛の10月前半という状況であり、食品スーパーマーケット以外にも、この10月は中間決算のピークとなり、10月のこの前半だけで、100社を超える中間決算の公表が予定されている。

   そこで、この中間決算の公表前に、すでに数社で業績予想が公表されているので、それらをいくつか見てみたい。まず、CFSコーポレーションが9/21、連結売上高699億円(前回発表対比0.9%減)、営業利益7億円(39.1%減)、経常利益7.3億円(39.2%減)、当期利益3.6億円(40.0%減)と予想よりも下方修正をしている。逆に、神戸物産は同じく9/21、10月期の本決算予想であるが、売上高は前回予想比で増減なしの1,370億円、営業利益26億円(36.8%増)、経常利益26億円(33.3%増)、当期利益11.5億円(35.3%増)の上方予想であり、業務スーパーは絶好調といえる。また、セブン&アイは9/15、個別であるが、売上高287億円、営業利益248億円、経常利益232億円、当期利益については、70億円増の302億円に上方修正した。

   また、イオングループであるが、イオン北海道は9/16、売上高747.26億円(対前回公表時1.0%減)、営業利益16.65億円(137.9%)、経常利益13.24億円(278.3%増)、当期利益7.68億円(412.0%)と利益を大幅上方修正している。イオン九州も9/16、売上高は1250.3億円(対前回公表時25.7億円減額)、営業損失1.4億円(3.6億円の改善)、経常損失3億円(3.5億円の改善)、当期損失4.5億円(1億円の改善)と、改善予想である。また、アオキスーパーであるが、8/30、売上高428.2億円(21.07億円減)、営業利益は2.8億円(7.8億円減)、経常利益は3.3億円(7.6億円減)、当期利益は0.9億円(4.4億円減)の下方修正と厳しい中間決算予想である。

   中間決算に限らず、上場企業は事前の決算予想と大きくずれた場合は4半期ごとに上方修正か下方修正を公表することになるが、これらの中間決算の事前修正状況を見ると、神戸物産のようにデフレに強いディスカント業態である業務スーパーを主力にする企業は上方修正が見られるが、食品スーパーマーケット業界は下方修正が多いといえ、この中間決算は厳しい決算が予想されよう。

   このように、今週から食品スーパーマーケットの中間決算の公表があいついで公表され、10月前半にはピークを迎え、上場食品スーパーマーケットの約60%の企業の中間決算の公表が予定されている。事前、決算修正状況を見る限りでは厳しい決算が予想されるが、最終的にどのような結果となるか気になるところである。本ブログでは可能な限り、いち早く内容を分析し、積極的に食品スーパーマーケット業界の中間決算結果を取り上げてゆく予定である。

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September 23, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 22, 2010

中央卸売市場、東京を概観してみる!

   最近、大都市直売の調査事業に取り組んでいることもあり、青果物の大都市の流通実態が気になるようになった。その関係の資料も数多く収集し、分析をしているが、実に興味深い内容である。ちなみに、日本にはいくつの中央卸売市場があるかであるが、全部で76市場あり、その内、青果市場は61市場であり、全国46都市に展開されている。そして、その取扱金額は1兆9,960億円である。これに対して、地方卸売市場は全部で1,207市場あり、その内、青果市場は581市場であり、その取扱金額は1兆3,673億円である。したがって、日本全体では中央、地方合わせて、青果物の取扱いは3兆3,633億円となる。

   この3兆3,633億円は大きいか小さいかであるが、全国の食品スーパーマーケットの売上高が17兆円ぐらいであるので、青果物はその10%強と見て、約2兆円、八百屋の売上高が約1兆円、農産物直売所が約5,000億円とすると、単純合計で青果物の販売額は3兆5,000億円となるので、市場外流通、外食等を加味してみると、アバウト、そんなもんかなという感じになる。いずれ、資料の分析が進んだ時点でもう少し精度の高い数字を公表したいと思うが、中央、地方卸売市場の取扱高は現在、約3兆5,000億円弱といって良いといえよう。もうひとつアバウトな数字であるが、家計調査データで青果物の年間消費額は1世帯当たり約100,000円である。したがって、家計調査の平均世帯数は3.11人であるので、1人当たり32,000円となる。これに日本の人口1億2,000万人を掛けると、3兆8,000万円となり、全体が4兆円弱に集約されており、この辺が青果物の全国の流通実態といえよう。

   さて、大都市であるが、特に、東京都を中心に考えてみたい。まず、東京都の人口はちょうど全国の約10%、1,200万人ぐらいである。ちなみに、神奈川県が約900万人、埼玉県が約700万人、千葉県が約600万人であるので、首都圏の1都3県で約3,400万人がおり、日本の約30%の人口がここに集中しているといえる。したがって、当然、青果物の流通も巨大なものがあり、まさに、首都圏は大市場、大消費地となっている。先のアバウトな計算であるが、同様に、その数値をはじいてみると、家計調査データからは、その1/10が東京都であるので、青果の消費額は3兆8,000億円の1/10、3,800億円、約4,000億円となる。そこで、今度は市場から見てみると、東京都には、全部で9つの中央卸売市場がある。その年間取扱高を青果物を主に見ると、築地市場約850億円、大田市場約2,300億円、北足立市場約430億円、葛西市場約300億円、豊島市場約200億円、淀橋市場約600億円、板橋市場約300億円、世田谷市場約80億円、そして、多摩NT市場約40億円であり、合計5,100億円、約5,000億円となる。実に全国の中央卸売市場の約25%となる。

   したがって、家計調査データからは、家計の消費額が約4,000億円であるので、それを優に上回る東京都の中央卸売市場の約5,000億円であるので、外食、その他を加味すると、ほぼ、バランスがとれているように思える。ちなみに、中央卸売市場の販売先別金額の割合を農林水産省が調査した平成20年度の数字を見ると、青果専門店関係(八百屋等)約25%、食品スーパーマーケット関係約60%であるので、約85%が消費者に回っているとすると、約4,250億円となり、さらに、消費額と近い数値となる。

   こう見ると、首都圏、特に、東京都の1,200万人が消費する青果物約4,000億円は東京都の9つの中央卸売市場を通じて、青果専門店関係(八百屋等)から約25%、食品スーパーマーケット関係から約60%が消費者に供給され、バランスがとれているといえよう。東京都は野菜、果物の産地でなく、まさに、巨大な消費地であるので、全国の野菜の産地、果物の産地から東京都の9つの中央卸売市場に集まってきており、それが、八百屋、食品スーパーマーケット等を通じて消費者にもたらされているといえ、まさに、東京都は野菜、果物の日本の大動脈、心臓部となっているといえよう。

   参考に、東京都意外に、巨大な市場が中央卸売市場により成立している日本の都市は、No.1の約5,000億円の東京都についで、No.2は約1,500億円の大阪市、No.3は約1,300億円の名古屋、No.4は約1,200億円の横浜であり、以上が1,000億円を超える市場である。ついで、約500億円前後の市場は札幌、仙台、京都、岐阜、広島、福岡であり、これらの都市が青果物では巨大消費地となっているといえよう。こう見ても、東京都の約5,000億円がいかに巨大市場であるかがわかる。

   このように、中央卸売市場、特に、東京都の巨大市場、9つの中央卸売市場を中心に概観してみたが、現段階ではまだまだ分析不足であり、粗い数字であるが、大枠、大きく外れているとはいえず、かなり、実態に迫っているのではないかと思う。それにしても、世界でもまれな大都市、東京が成立するには、このような心臓部ともいえる全国から莫大な量の野菜、果物を集める大動脈である中央卸売市場とその巨大市場を飲み込む消費需要、そして、その供給システムともいうべき、八百屋と食品スーパーマーケット等の存在が極めて大きいといえ、これが、まさに大都市を成立させる象徴的な姿のひとつといえよう。
   
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September 22, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 21, 2010

イオン、“NEW GENERATION”GMS 幕張1号店オープン!

   イオンが9/18、元カルフール1号店、幕張店を改装し、今後のGMS改革のモデル店舗となる“NEW GENERATION”GMS 1号店をオープンした。この店舗には、「イオンのGMS改革の答え。それは「専門性の高い売場を集合させた」GMS」とのことで、専門店に特化したGMSがGMS改革の核心であるとのイオンの決意が込められており、今後、全国のGMS改革のモデルとなる1号店であるという。

   では、どこにGMS改革の核心があるかであるが、イオン自身は「「イオン幕張店」は、従来のGMSにあった、商品カテゴリーごとの売場分類という枠を超え、さらにGMS事業会社による「直営売場」と専門店事業会社による「専門店ゾーン」という垣根もなくし、各売場がお客さま視点で商品やサービスを展開する「専門性の高い売場」の集合体といたしました。・・」と述べており、2つの垣根をとっぱらい、専門性の高い売場の集合体をつくったことにあるとのことである。

   この言葉を象徴するように、9/18のちらしを見ると、全部で8ページ構成となっているが、1ページ目にワインのボトルが10本並べられ、それぞれのラベルに今回のGMS改革を象徴する専門店の名前が貼られており、専門性を強くイメージする内容となっている。そして、2ページ目には8つのボトルに応じた専門店の紹介がある。トップバリュコレクション(ファッション)、アール・オー・ユー(雑貨)、アスビー(靴)、ペットシティ(ペット)、ヘルス&ビューティ(H&BC)、未来屋書店(書籍)、クレアーズ(アクセサリー)、ザ・ボディショップ(化粧品)である。そして、3ページ目はそのレイアウト図となっており、特に、このレイアウト図を見ると、この8店舗に加え、さらに専門店が強調されたものとなっている。ちらしの3ページをすべて使い、専門店イメージを強く打ち出しているのが特徴であり、それだけ、専門店がGMS改革の象徴的な位置付けであるといえよう。

   そのレイアウトを見ると、1階にはペットシティとサイクルショップ(自転車)を核店舗に配置しており、ここが1階からの導入部分となる。そして、もともと、この店舗は2階がメインであり、その2階のレイアウト、ここが今回のGMS改革の核心となる改革の場となる。これを見ると、2つの垣根、商品カテゴリーごとの売場分類、そして直営、専門店の区別を取り払った売場であるが、全体が大きく2核で構成された配置となっている。1階のペットシティの真上に食品売場が配置され、逆側、1階のサイクルショップの真上に今回の改革の象徴であるアール・オー・ユー(雑貨)が1,500㎡で配置され、その横にアスビー(靴)、未来屋書店(書籍)が配置され、強力な専門店の核売場を作っているのが特徴である。

   そして、衣料品関連に関しては、その通路向かいに、トップバリュコレクション(ファッション)と新インナー売場が配置されている。さらに、食品側とこのトップバリュコレクションをつなぐ形で新H&BC売場が配置されており、全体としては、購買頻度の高い商品(食品)から購買頻度の低い商品(衣料、住関連)へという流れが2核の間でゆるやかに埋められており、その意味で垣根をとりはらった商品ゾーニングを意図した売場を目指しているといえよう。

   さて、ちらしにもどると、4ページ目はトップバリュコレクションとインナーウェアの訴求であり、5ページ目は日曜雑貨とサイクルショップ、6ページ目、7ページ目は輸入食品の新ブランド、そして、8ページ目は生鮮3品等の食品である。通常のGMSのちらしでは食品ないしは衣料品から入るが、今回の幕張店は専門店から入り、最後、食品になるという、ちらしにおいても“NEW GENERATION”GMS 1号店を強く意識した内容となっており、これがイオンのGMS改革の答えであるとの主張が強く打ち出されている。

   イオンは、「全国にあるイオングループの既存のGMS店舗は、「イオン幕張店」を皮切りに新たな進化を始めてまいります。同店をモデル店舗とし、各商圏特性や競争環境をふまえて、地域のお客さまのニーズの高い売場を選択して準核店舗として配置することで、商業施設全体を専門性の高い売場の集合体に進化させます。」とのことで、このパターンで、今後、全国のGMSの改革に踏み込むとのことである。

   このように、9/18、イオンがGMS改革の答えを幕張店で、専門店強化に大きくシフトすることで提示したが、気になるのは、経営数値である。イオンの2010年2月期の決算数値は原価72.0%、売上総利益28.0%、経費36.4%、差し引き、マーチャンダイジング力-8.4%、その他営業収入11.3%、結果、営業利益4.7%という数値である。今回のGMS改革はこの中のどの数値が大きく変化し、GMSの構造改革につながるのかである。恐らく、専門特化することにより、集客力が増し、売上高がアップし、原価の改善、その他営業収入を改善し、さらに、坪効率を引き上げ、結果、固定費を下げ、経費削減につなげてゆきたいのではないかと思われる。今後、全国にこの幕張方式が浸透することにより、イオンの経営構造がどう変化するか注目である。

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September 21, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 20, 2010

RDSデータをどう自店のPOS分析に活かすか?

   RDSデータは全国約100社、約400店舗の食品スーパーマーケット等のPOSデータである。このデータは通常、RDSに参加している約400店舗のPOSデータを財団法人流通システムサービスセンターが定期的に収集し、集計し、RDSのデータサービス企業を通じてメーカー、卸等へ販売している。RDSデータを購入したメーカーは、自社の既存商品、新商品等の検証に使い、さらに、新たなマーケティング戦略の策定に活用しているのが実態である。したがって、RDSデータはメーカー、卸が活用することが主な目的であるといえる。

   では、この貴重な全国約100社、約400店舗のRDSデータを食品スーパーマーケットが活用する方法がないのかということなるが、これがある。しかも無料、さらに1店舗から活用することが可能である。ちなみに、現在、RDSに参加している食品スーパーマーケットは、ラルズ、ホクレン農業協同組合連合会、カネスエ、エーコープあいち、紅屋商事、マックスバリュ中部、みやぎ生活協同組合、ヤマザワ、関西スーパーマーケット、トーホーストア、マルト、オータニ、塩原屋、天満屋ストア、ベイシア、イズミ、与野フードセンター、東急ストア、サミット、生活協同組合連合会ユーコープ事業連合 、いちやまマート、田子重等であり、全国ほぼ満遍なく地域の食品スーパーマーケットが参加しているのが実態である。

   さて、食品スーパーマーケットが1店舗からこのRDSデータを活用する方法であるが、財団法人流通システムサービスセンターへインターネットか電話で申し込めば良い。それだけである。あとは、基本手続き後、イネターネットへ接続するためのID、パスワードが送られてくる。その後、POSデータを財団法人流通システムサービスセンターへ送りはじめれば、毎月、自店のPOS分析データに加え、自店の地域のRDSデータをインターネット画面で確認することが可能となる。ここまで、食品スーパーマーケット側では原則無料であり、かかる費用としては、通信費と分析用のパソコンぐらいである。

   問題は、自店のPOSデータと自店の地域のRDSデータをどう分析し、自社のマーチャンダイジングにどう活かすかである。これまでは、その解決方法として、「比べて点検WEB」という、RDSのインターネット画面の中で行われていた。これが今回、すでに、本ブログでも取り上げたが、10/8(金)の「POS/RDS分析セミナー」で、はじめてお披露目になる予定であるが、「新比べて点検WEB」に切り替わり、自店のPOSデータとRDSデータとが全カテゴリー、全SKUで比較可能な本格的なPOS分析が可能となる。帳票もMD評価表が採用されることになり、金額PI値=PI値×平均単価で分析され、自店とRDSの金額PI値比較、PI値比較、平均単価比較が可能となる。RDSの商品分類はJICFISコード分類となっているため、食品でいえば約200のカテゴリーとなるが、すべてのカテゴリー、そして、単品のPOS分析が全面的に可能となる。

   実際、現在、クライアントで試験的に活用しはじめたが、実に便利である。これまでは、自店のPOSデータか自社の他店のPOSデータとの比較しかできなかったために、まず、重点商品の選定が十分でなかった。売れている商品は問題ないが、売れない商品が本当に売れないのか判断がしにくかったからである。ひょっとすると、売り方を変えれば、売れるのではないかと思う商品もどのくらい売れるのかが判断がつかなかった。それがRDSデータと自店の商品を金額PI値=PI値×平均単価で分析することにより、まず、どのくらい金額PI値が見込めるのかが判別でき、しかも、PI値に問題があるのか、平均単価に問題があるのかが一目瞭然となった。したがって、重点商品の選定には抜群の力を発揮している。

   さらに、品揃えになると自店の問題点が鮮明になる。まず、客数PI値で見て、その数値が高く、しかも、金額PI値も高いにも関わらず未導入の商品が多々見つかったことである。今回、無料診断で菓子パンをスタートさせているが、菓子パンでいえば、毎月約1,000SKUがRDSにはあり、自店はせいぜい数100SKUであるので、品揃えの課題が歴然としていることがわかる。これまでは、なかなか品揃えの改善に踏み切れなかったものが、RDSデータですぐにアクションが可能となったことである。ちなみに、RDSデータの総SKU数は月間約50,000SKUとなるので、その地域で販売されたデータは地域性の高いものを除き、ほぼ網羅されているので、品揃えを見直すには最強のPOS分析データであるといえる。しかも、これをMD評価表形式で一目で、SKUまでわかるように工夫しているので、誰でも、簡単に、活用できるものとなった。

   このように、RDSは一種のクラウドといってよい仕組みであるといえるが、食品スーパーマーケット業界にとっては、今回の新たな仕組み、「新比べて点検WEB」は1店舗から無料で参加可能であるので、大いに活用して欲しいITであるといえよう。これまで、RDSデータはメーカーが活用することが主眼であったといえるが、実は、MD評価表にPOSデータが落ちるのであれば、MD、まさに、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングの改善に直結する仕組みといえ、今後は、むしろ、RDSデータを食品スーパーマーケットが積極的に活用して欲しいところである。

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September 20, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 19, 2010

ID-POSの原データをどう落とし、分析するか?

   通常のPOSデータの分析は比較的簡単にできる。基本データが売上金額、売上数量、そして、客数(レシート枚数)の3つのみであるからだ。ただ、この3つも、客数が全体客数のみの場合は比較的簡単だが、部門客数、カテゴリー客数、さらには単品客数となるとやや複雑になる。それでも、何とか力仕事で、ほぼ、分析が可能である。ところが、ID-POSデータとなると、これにIDが加わるために、一筋縄ではいかなくなる。まず、データをどう落とすかが問題になる。さらに、その落としたデータをどう分析するかが課題となる。当然、この2つはリンクしており、どのように分析するかにより、落とし方が違ってくるので、落とすことが先ではなく、分析が先となるので、ID-POSデータは、分析イメージをどう描くかが最大の課題である。

   ところが、ID-POS分析は食品スーパーマーケット業界ではまだまだ一般化しているとはいえず、分析手法はまちまちであり、しかも、日進月歩、分析手法も新たなものが日々開発されている状況であり、これが定番というものがないといえる。PI研では、通常のPOS分析で活用しているMD方程式にIDを加えた新MD方程式をベースにID-POS分析を実施しており、ほぼ、ID-POS分析の手法は固まっている。しかも、この2つの関係は新MD方程式>MD方程式という関係になり、MD方程式は新MD方程式の特殊な場合の方程式であると関係づけている。したがって、ID-POSデータの落とし方は、自然、新MD方程式に当てはまるような落とし方が基本となり、その結果、その集計表である新MD評価表に自然集約されることになる。また、この範疇に入らないID-POSの分析手法、集計表があった場合には、そのまま、その分析手法、分析数値、集計表を付け加えて対応している。

   そこで、まず、MD方程式と新MD方程式との違いであるが、新MD方程式は売上高=ID×ID金額PI値=ID×ID客数PI値×金額PI値が基本である。これを売上高=ID×ID客数PI値×数量PI値×平均単価まで落とし、さらに、売上高=ID×ID客数PI値×客数PI値×数量PI値(客数)×平均単価へと落とすこともあるが、基本は売上高=ID×ID金額PI値=ID×ID客数PI値×金額PI値である。したがって、ここからMD方程式が自然導かれ、ID×ID客数PI値はID客数PI値が客数(レシート)/IDであるので、客数となり、新MD方程式は売上高=客数×金額PI値となる。これをさらに展開すれば、売上高=客数×数量PI値×平均単価となるので、これがオリジナルのMD方程式であり、もとにもどったことになる。したがって、MD方程式は、新MD方程式の特殊な形態であるともいえる。要は、IDが1の場合がMD方程式であり、IDが1以上の場合が新MD方程式といっても良く、ID=1かID>1で使う数式が違うということである。

   さて、問題の原データの落とし方であるが、IDが1の場合は縦に商品、横に指標、すなわち、客数(レシート枚数)、売上金額、売上数量の3つで良かった。これ1枚でMD方程式に落とし、数表化することが可能であった。また、複数店舗の時は、店舗番号を新たに加えることでPOSデータの分析がいかようにも可能であった。こう考えると、ID-POSデータに関しても同様に基本はID>1であることを考えると、通常の場合の店舗番号をIDの代わりにし、店舗が数千、数万店舗増えたと考えれば、ほぼ同じフォーマットに落とせば良いことがわかる。すなわち、縦に、商品、横に指標、そして、縦の商品の横に店舗番号ではなく、IDが来れば良いといえる。当然、店舗ごとに分析したい場合はIDの横にさらに店舗番号を振れば良く、横軸が置き換わる、あるいは加わるだけのフォーマットで良いといえよう。

   また、月別に関してはどうするかもあるが、これはこれまでの分析の経験上、横に月があった方が分析しやすいので、縦に並べるよりも、横の指標ごとに月を並べた方があとあと分析しやすいといえ、横に付け加えれば良いといえよう。したがって、原則、ID-POS分析の場合も、これまでの通常のPOS分析の場合も、データをどう落とすかに関しては、ほぼ同じフォーマットで対応が可能であるといえ、増えたIDを縦にあたかも店舗が無限に増えたと見なせば、可能といえよう。MD方程式自体が新MD方程式の部分集合であるので、当然、その分析フォーマットも拡張できるといえ、落とし方もMD評価表も原則ほぼ同じイメージでできるはずであり、実際に可能である。

   このように、良くID-POS分析になった時にはどのようにデータを落とし、どう分析すれば良いかが問われるが、ここで見たように、こと、MD方程式、新MD方程式を活用し、分析するのであれば、ほぼ、これまでのイメージでデータを落とすこともでき、その分析もこれまでのMD評価表のイメージで可能といえ、全く別の次元に入るわけでなく、むしろ、分析の精度が高まり、IDという新たな分析軸が増えたと見れば良く、それも、すでに取り組んできた店舗数が増加した時のイメージを考えれば良いことがわかる。その意味でチェーンストアのPOS分析がしっかりできていれば、ID-POS分析は難しい話ではなく、ほぼ、同じイメージで分析が可能といえよう。

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September 19, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 18, 2010

N003、直売所、インショップを考えてみる!

   農産物直売所にとって、さらに農業生産者の所得を向上させるためには、いくつかの方向がある。ひとつは、直売所の客数を増やすことである。ふたつ目は複数の直場所を開設することである。そして、3つ目はインショップ、都市部のGMS、HC、食品スーパーマーケット等へショップ展開することである。これ以外にも、独自の通販、通販業者への出店等が考えられるが、ここでは、この中で、3つ目のインショップについて考えてみたい。

   インショップとは文字取り、食品スーパーマーケットの青果売場でいえば、その中に直売所を作ってしまうことである。実際の食品スーパーマーケットで展開されているインショップの売場を見ると、青果売場の平台の一角を直売所にしていたり、全く別の場所で直売所を展開していたり、店頭にテントを張り、直売所を展開するケース等がみられる。そのスペースもまちまちであり、1坪、2坪ぐらいから20坪、30坪ぐらいの場合もあり、その差10倍以上となり、食品スーパーマーケット側としても対応が大きく分かれている。

   対応が分かれる最大の要因は売場効率であるといえる。食品スーパーマーケットのB/S(貸借対照表)を分析すると、店舗がらみの資産、土地、建物、敷金保証金等の比率が約70%近くなる。資産を極力持たない食品スーパーマーケットでも40%前後となり、店舗がらみの資産が大半を占めるのが実態である。したがって、この資産を有効に活用するには、1坪当たりの売上、利益をいかに上げるかが経営上は極めて重要な課題となる。特に、都市部の食品スーパーマーケットはコストが高く、十分な坪数を確保できない場合が多い。したがって、1坪当たりの売上、利益がどれだけ確保できるかで、商品のスペース配分を決定せざるをえず、自然、そこから直売所の売場スペースの割り振りが決定されることになるからである。

   オオゼキの事例をみるまでもなく、都市部の食品スーパーマーケットの坪売上は1,000万円前後となり、これを1日に換算すると約3万円となり、上限は2,000万円近い坪効率の場所もあれば、500万円ぐらいの坪効率の場所もあるといえる。したがって、直売所に当てるスペースには食品スーパーマーケット側から見れば、坪当たり3万円は欲しいところであり、できれば、4万円、5万円を望みたいところであろう。

   一方、農業生産者側からみたらどうか。これは大きく規模によって対応が分かれる。大規模生産農家がインショップに取り組む場合は原則PI値の高い商品が中心となり、トマト、きゅうり、レタス、ほうれんそう、じゃがいも、たまねぎ等となる。この場合、食品スーパーマーケットの青果売場では市場流通から調達する商品と完全にバッティングするため、ワンランク上の商品としてインショップ化するか、思い切って、市場流通を減らし、インショップをメインにもってゆくかの選択となる。通常の売場では顔の見える野菜等のコーナーをつくり、ワンランク上を狙う場合が多いのが実情といえよう。ただ、ここ最近はJA等でも戦略的に取り組む動きもあり、重点商品が市場流通の野菜から徐々に直売商品にシフトする動きも見られる。

   これに対し、規模の小さい生産農家がインショップに取り組む場合は、地元の直売所の延長としての売場展開が行われる場合が多い。食品スーパーマーケットにとっては、PI値の高い商品もあるが、むしろ、PI値の低い商品、加工商品なども加わり、バラエティに富んだ商品展開となる。この場合は店内のPI値の高い重点商品とはバッティングせず、むしろ、食品スーパーマーケットの青果の品揃えを補強することにつながり、メリハリが効いた青果売場が形成される場合が多い。

   インショップは、このように食品スーパーマーケット側からの事情と生産農家側からの事情がからみ、そのバランスを取りながら現状が動いているといえる。では、このインショップが現状どのくらいのインパクトが食品スーパーマーケット側にあるかであるが、様々な数値を見ると、青果売場の総売上の約10%前後というのが現状といえる。戦略的に取り組んでいる店舗では30%前後まで上がる場合もあるが、押し並べて見れば、10%前後といえよう。したがって、青果の食品スーパーマーケットでの売上構成比がおよそ10%強であるので、全体へのインパクトは1%強と推定できる。その意味で、インショップは食品スーパーマーケット側から見れば1%ビジネスといえ、まだまだ本腰を入れて取り組むにはビジネスボリュームが低いといえる。

   逆に、これを生産者側から見ると、100億円の食品スーパーマーケットで1億円、1,000億円の食品スーパーマーケットで10億円の規模となるので、これは、100億円であれば、通常の直売所1店舗分、10億円であれば、大型直売所1店舗分となるので、しっかり食品スーパーマーケットと取組みができれば、直売所の多店舗展開と同じインパクトがあり、インショップは生産者の所得向上に確実につながる試みであるといえよう。

   今後、食品スーパーマーケット側がどのようにインショップ戦略を位置づけるか、一方、生産者側としても、インショップ戦略へどこまで本格的な体制を整えられるか、その戦略バランスがどう動くかにより、インショップが今後とも拡大してゆくのか、それとも現状維持か、縮小してゆくかが決まるといえよう。そして、その鍵を握るのが消費者であり、直売商品をどこまで消費者が受け入れるかにかかっているといえよう。

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September 18, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 17, 2010

日本の小売業1,000社、チェーンストアエイジ9/15!

   チェーンストアエイジ2010年、9/15号で日本の小売業1,000社ランキングが特集された。サブタイトルは、「デフレ直撃!主要業態の明暗」であり、興味深い内容である。特に、今回は株式の時価総額ランキングの過去30年の変遷も取り上げられており、小売業のまさに盛衰も浮かびあがり、今後の小売業のゆくえも垣間見える特集となっている。この特集は、帝国データバンク「COSMOS2」の企業の公表数字をもとに作成されているとのことで、信頼のできる数値であり、2010年度のいまの小売業の現状を把握する上においても貴重な分析資料である。

   まずは、1,000社のトップクラスの概況であるが、1,000社全体では65兆4,919億円となり、前年度と比べると約1兆円のダウンであるという。その要因は百貨店とGMSによるところが大きいという。特に、百貨店は6兆3,700億円(昨年7兆5,400億円)とのことであるので、1兆円以上の落ち込みである。GMSは約2,200億円のダウンとのことであるので、小売業全体は百貨店の減少が大きな要因であることがわかる。ちなみに、小売業の時価総額のトップ20の中のベスト3をみると、30年前の1980年はNo.1三越(時価総額1,973.95億円)、No.2イトーヨーカ堂(1,918.40億円)、No.3ダイエー1,643.33億円)であったが、2010年はNo.1セブン&アイ・ホールディングス(17,950.45億円)、No.2ファーストリテーリング(14,171.44億円)、No.3イオン7,444.15億円)であり、様変わりしていることがわかる。さらに、No.4ヤマダ電機(5,702.29億円)、No.5ニトリ(4,400.35億円)であり、30年前には想像もつかなかったランキングであるといえよう。

   さて、1000社ランキングにもどると、まずは、トップ10の売上高(営業収入)を見てみたい。No.1はセブン-イレブン・ジャパン(27,849.97億円)であり、唯一、2兆円を超えた。No.2はヤマダ電機(19,717.32億円)であり、ここから1兆円台が続く。No.3はイオンリテール(18,503.01億円)、No.4ローソン(16,661.36億円)、No.5イトーヨーカ堂(13,878.31億円)、No.6ファミリーマート(12,737.52億円)であり、ここまでが1兆円を超える小売業である。こう見ると、セブン-イレブン・ジャパンとイトーヨーカ堂が約2倍の差となっており、感慨深いものがある。また、ヤマダ電機がNo.2と2兆円に届く勢いであり、小売業の中で重みをましつつあるのが特徴である。

   そして、No.7サークルKサンクス(8,521.54億円)、No.8西友(8,357.41億円)、No.9ユニー(8,246.01億円)、No.10エディオン(8,200.30億円)であり、以上が小売業ベスト1000社の中のベスト10である。残念ながら食品スーパーマーケットが1社も入っておらず、まだまだ、小売業全体として規模がもうひとつ大きい企業が無い状況といえ、もう1段と規模の拡大が課題といえよう。ちなみに、食品スーパーマーケットNo.1はGMS、SC業態も兼ねるがイズミであり、19位4,698.66億円と5,000億円弱である。

   この1,000社の売上高を概観すると、1兆円前後がベスト10、5,000億円前後がベスト20、2,000億円前後がベスト70、1,000億円前後がベスト130であるので、1,000億円を超えると小売業ベスト100に入り、2,000億円を超えると70以内となり、5,000億円を超えると20位に入り、そして、1兆円を超えるとベスト10に入るという構造となっている。したがって、残り約900社が1,000億円以下となる。ちなみに、1,000番は極東ファディ82.93億円であり、100億円で900番前後となる。

   では、食品スーパーマーケット業界の状況はどうかを、売上高ベスト10で見てみたい。この集計ではイズミ、平和堂、イズミヤ、フジ、イオン九州、サンエー、天満屋ストア等がGMSに分類されているので、これらの企業を抜いたランキングとなる。No.1はライフコーポレーション4,688.57億円、No.2ヨークベニマル3,487.35億円、No.3マルエツ3,359.13億円、No.4ベイシア2,742.16億円、No.5アークス2,707.22億円、No.6オークワ2,506.76億円、No.7万代2,437.00億円、No.8東急ストア2,347.03億円、No.9バロー2,277.59億円、そして、No.10サミット2,262.45億円となる。食品スーパーマーケット業界も約100社を概観するとベスト10で2,000億円、ベスト30で1,000億円、ベスト70で500億円となり、100位で約350億円強となり、年商2,000億円がトップクラスであるといえる。

   また、今回の日本の小売業1,000社ランキングでは地域別動向&ランキングもあり、これを見ると、都道府県別に小売業のランキングが集計されている。たとえば、北海道ではNo.1はニトリ、青森県ではユニバース、岩手県ではイオンスーパーセンター、宮城県ではデンコードー、秋田県ではマックスバリュ東北、山形県ではヤマザワ、宮城県ではヨークベニマルというようにそれぞれベスト5が集計されており、全47都道府県の現状を見ることができる。

   このように、チェーンストアエイジ9/15の日本の小売業1,000社ランキングは単純な売上高のみの1,000社ランキングだけではなく、業態別、地域別にも集計されており、まさに小売業の現状を知る上において、貴重な資料であり、特集記事である。また、過去30年間の時価総額を見ると、小売業の盛衰、現在と過去との違いが鮮明になり、感慨深いものもあり、いかに、小売業は時代とともに主役を交代し、今日に至っているかもわかり、今後の小売業のゆくえを占う上でも参考になる資料である。食品スーパーマーケット業界としては、まずは現在2,000億円クラスがトップクラスであり、ベスト30前後に多くの企業が集中している。今後は、5,000億円クラスの食品スーパーマーケットのがいつ誕生するかが課題といえ、その動向に注目である。

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September 17, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 16, 2010

久しぶりに修正ハフモデルを作ってみる!

   食品スーパーマーケットにおいて最も重要な商圏調査の数字は客数の確定である。通常、商圏調査は出店地区からの時間距離で5分圏、10分圏等を徒歩、自転車、車などで想定し、そこから商圏人口(世帯)を算出し、シェアを想定し、客数を算出するという方法を取る。数式にすれば、商圏人口(世帯)×シェアとなる。そして、その際、ポイントとなるのが、シェアの算出であり、ここが最大の課題となる。このシェアを確定する方法は中々難しく、何らかの確率論を応用することになるが、そこで、ごく一般に用いられる確率論がニュートンの万有引力の法則である。万有引力は宇宙の法則のひとつであり、物体のもつ引力は質量に比例し、距離の2乗に反比例するという法則であり、これが、商圏にも応用できるであろうという類推のもとに用いられている。

   その歴史は古く、1930年前後までさかもどり、アメリカのライリーがはじめて、万有引力を商圏に応用し、都市と都市との間でどのような吸引関係があるのかを、都市の人口に比例し、都市間の距離の2乗に反比例するという仮説を唱えたところからはじまる。その後、1950年代にコンバースが商圏の分岐点公式を開発し、さらに、これらの仮説を確率論に拡大したのがハフであり、1960年代に有名なハフモデルが開発される。日本では、山中教授が1970年代に修正ハフモデルを提唱し、これが当時の通産省が大規模小売店舗法の審査基準に採用したことにより、一般化した。その後、現在までシェアを算出する有力な仮説として、様々な商圏調査で活用されているのが実態である。

   私も船井総研時代、約20年ぐらい前にはじめてハフモデルに出会った時には、びっくりしたものである。入社した当時はハフモデルは一般化しておらず、コンバースの分岐点公式が主に使われており、自店を中心に競合店との間の分断場所を設定し、そこから商圏地図を作製し、商圏設定をしていた。そして、確定した商圏から、シェアのシミュレーションを行い、ランチェスターの法則を応用し、地域一番の店舗を目指すためにマーチャンダイジングの徹底強化に入るという内容であった。したがって、シェアを推定するというよりも、シェアを獲得することに力点が置かれており、そこから自然、競合店調査、競合対策、特に、品揃えと価格政策を重視した提案をするというのが重要な商圏調査のポイントであった。

   その後、当時、私自身、上司のアドバイスもあり、学術論文を読み、大規模小売店舗法を勉強し、独自に食品スーパーマーケット用の修正ハフモデルを、当時はExcelがまだ一般化していなかったので、ロータス123で作成し、これまでの商圏調査に加え、より精度を上げようと取り組んだ。その時、はじめて見た修正ハフモデルの公式にはさすがにびっくりした。シグマが使われおり、これをどうやってパソコンに計算させたら良いのかがわからなかったからである。そもそも、2乗をパソコンで計算することも日常的にはなく、ここから苦労した。また、実際、どのように商圏を分け、商圏人口を算出し、どのように距離をはかり、さらに、自店、競合店をどう数値化すれば良いかもわからかったからである。

   いろいろ苦労した結果、食品スーパーマーケット用の修正ハフモデルとそのノウハウを数年かけて作り上げることができ、その後、実務に応用することができるようになったが、そこまでゆくに、かなり、試行錯誤した。ここ最近ではチェーンストアの場合は、商圏構造が良く似た商圏に対しては類似法を採用することにより、客数の読みはかなり精度よく類推できるので、修正ハフモデルは参考にかける程度となる場合が多く、重要度はさほどではなくなったが、ことシェアを類推する上では、いまでも参考となる手法のひとつといえよう。

   最近、改めて修正ハフモデルを使う機会があり、再度、Excelで修正ハフモデルのあのシグマの公式にもとづいて、1からつくって見た。意外に簡単に作れてしまい、商圏、競合店ともに、縦横、いくつ増やしても、問題なく、正確な計算ができ、最終的なシェアが、距離と競合情報を入れるだけで瞬時に算出され、使い勝手がよい。問題は距離と競合情報であり、ここが修正ハフモデル適用の最大の問題点ともいえる。距離を文字通り距離にするか、時間距離にするか、競合状況を単純な面積にするか、それとも何らかのマーチャンダイジングの違いを考慮するかである。要は顧客の出店に強く影響をあたるものは何かである。特に、修正ハフモデルは万有引力の法則の応用版であるので、距離と質量にあたるものは商圏では何かが問題となるということである。

   このように、久しぶりに修正ハフモデルを1からExcelでつくり、改めて、その原理である万有引力にさかもどり、距離と質量に当たる商圏の要素を考えてみたが、ここは意外に難しい問題があり、食品スーパーマーケットでは距離として、徒歩、自転車、車、場合によっては、鉄道、バス等の影響もあり、単純な距離ではなく、時間距離の方が精度が高いといえよう。また、質量としては、単純な売場面積だけでなく、品揃え、価格政策、その他マーチャンダイジングに関する何らかのパワーを読む必要もある。したがって、食品スーパーマーケットの実務に修正ハフモデルを活用するには、このような問題が多々あるが、それでも、シェアを読むにためのひとつの参考数値を算出してくれるので、実務としては、その他の方法も含め、ひとつの参考数値として活用してゆくのが望ましいといえよう。

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September 16, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 15, 2010

丸和、2010年1月期、中間、依然厳しい決算!

   親会社、ユアーズのものとで経営再建中の丸和が9/13、2010年1月期、第2四半期決算(中間決算)を公表した。現在、丸和は、事業再生のADR手続きに入っており、この10/22には第3回債権者会議を開催する予定であり、そこで全取引金融機関の合意による事業再生計画案の成立を目指している。その直前の中間決算の公表であり、その結果が注目されていた。結果は、売上高170.45億円(-9.6%)、営業利益-0.48億円(昨年-1.96億円)、経常利益-2.06億円(昨年-3.36億円)、当期純利益-8.59億円(-4.09億円)となり、減収減益、営業利益の赤字幅の縮小は見られるが、依然として厳しい決算が続いている。特に、当期純利益に関しては、「事業構造改革に伴う特別損失として事業構造改善費用1億35百万円、減損損失4億73百万円等の特別損失計上によりまして、・・」とのことで、赤字幅が拡大したとのことである。

   丸和がこの中間決算期に取り組んだ内容としては、「事業再生計画案の一環として、前連結会計年度より事業構造改革を推進しており、不動産賃貸借契約の見直しや、経営資源の選択と集中による全社の利益構造極大化を推進するために、エリアドミナント戦略の見直しを実施し、自社競合による影響の回避、物流網、管理コスト等の効率化の観点より、当第2四半期連結会計期間にて不採算及び小型店舗を中心に5店舗(古市店・阿川店・小串店・東長府店・仁位店)の閉鎖を実施しており、当第2四半期連結会計期間末現在の店舗数は47店舗となりました。」とのことである。したがって、減収の要因はこの5店舗の閉鎖による影響が大きかったが、結果、営業利益の赤字幅は縮小しており、一定の効果があったものといえよう。

   そこで、さらに、原価、経費面から営業利益の状況を見てみたい。まずは、原価であるが、73.83%(昨年74.24%)と、-0.41ポイント改善された。ここへ来て食品スーパーマーケットの価格競争は一層激しさを増している。丸和自身も、「個人消費低迷への対応策としてプライベート商品を中心とした値下げ競争等による企業間競争の激化により、客単価の減少が明らかとなり、デフレ基調での非常に厳しい経営環境が続いております。」との厳しい認識を示しており、価格競争の激化が進んでいるといえよう。結果、売上総利益は26.17%(昨年25.76%)となった。一方、経費の方であるが、27.51%(昨年27.85%)と、経費も-0.34ポイント削減された。結果、原価、経費ダブルで利益が改善されており、経営改善が確実に進みつつあるといえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.34%(昨年-2.09%)と依然としてマイナスではあるが、そのマイナス幅は半減しており、マーチャンダイジング力が増したといえよう。これに、不動産収入、物流収入等が1.06%(昨年1.04%)のり、営業利益は-0.28%(昨年-1.05%)となった。営業利益もマイナスが続いているが、そのマイナス幅は約1/4となっており、今後、経営改革が一層進み、原価、経費の改善がもう一段と進めば、営業黒字も視野に入ってくるといえよう。

   今後、丸和としては、「事業再生計画の具体的な内容といたしまして、親会社との一体による事業再建および経営効率の更なる向上を目指し、①事業面においては、(a)更なる不採算店舗の撤退等(具体的店舗名等については確定次第速やかに公表いたします)、(b)グループ全体における新規出店、既存店舗投資の積極化、店舗フォーマットのモデル統一、(c)会社規模に見合った費用構造への転換やグループ全体での効率経営の一層の追求等の諸施策を行うことにより改善させてまいります。②財務構造においては、(a)上記事業改善による損益構造の改善、(b)取引金融機関に対して金融債務のデット・エクイティ・スワップも含めた抜本的な金融債務のリストラクチャリング、(c)主力金融機関等からの運転資金融資枠の設定等によって、安定化を目指していく所存であります。」とのことである。また、9/13には、この中間決算の公表と同時に、「親会社との合併の対価の内容の決定に関するお知らせ」を公表しており、この中で、「本合併の対価として、ユアーズを除く当社の株主に金融商品取引所に上場されていないユアーズの普通株式を割り当てます。」とのことで、来年5月に合併予定であるが、株主にはユアーズの普通株式が割り当てられるとのことである。

   このように、丸和の2010年1月期の中間決算が公表されたが、結果は、依然として減収赤字決算と厳しい経営状況が続いているが、その中身は原価、経費、双方の改善が見られ、営業利益の赤字幅は確実に縮まっており、改善の効果が見られる。今後、丸和はADRによる事業再生を進め、9/14、第2回債権者会議、そして、10/22、事業再生案が決議される第3回債権者会議と進み、来年にはユアーズによる合併となる予定である。この中間決算を見る限り、経営改善は進んでいるといえるが、黒字を確保するには、なお一層の改革が必要であるといえる。したがって、9/14の第2 回債権者会議の協議を経て、10/22の第3回目の債権者会議における事業再生計画の各金融機関からの承認が得られ、金融機関からの全面支援が得られるどうかが注目といえよう。

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September 15, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 14, 2010

マックスバリュ西日本、北海道、中間決算、明暗!

   食品スーパーマーケット業界の第2四半期決算、中間決算の公表がはじまった。食品スーパーマーケット業界の上場企業はほとんどが2月決算であるが、1月決算も数社あり、その1月度の決算の公表である。いずれもイオングループのマックスバリュであり、マックスバリュ中部9/9とマックスバリュ北海道9/9である。その結果であるが、マックスバリュ中部は営業収益576.10億円(0.6%)、営業利益5.66億円(83.5%)、経常利益6.86億円(120.0%)、当期純利益1.50億円(794.9%)と増収、大幅増益となった。一方、マックスバリュ北海道は、営業収益378.07億円(-1.7%)、営業利益-1.62億円、経常利益-1.66億円、当期純利益-1.61億円となり、減収減益の厳しい決算となった。対照的な決算結果であり、明暗が分かれた。

   そこで、その要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、マックスバリュ中部であるが、原価は75.76%(昨年75.59%)と0.17ポイント上昇しており、やや上昇がみられる。結果、売上総利益は、24.24%(昨年24.41%)となり、やや減少した。一方、経費の方であるが、25.82%(昨年26.46%)と1.36ポイント減少しており、原価の改善が進んだ。したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.58%(昨年-2.05%)と依然としてマイナスであるが、そのマイナス幅は縮まっている。そして、これに不動産収入、物流収入等のその他営業収入が2.60%(昨年2.60%)加わり、結果、営業利益は1.02%(昨年0.55%)となり、大幅な増益となった。ただ、率では1%台であり、食品スーパーマーケット業界決算公開企業約50社の2010年度平均が2.4%であるの、もう一段と改善を望みたいとところであろう。

   これに対し、北海道マックスバリュであるが、原価は76.77%(昨年77.31%)と、-0.54ポイント下がっている。結果、売上総利益は23.23%(昨年22.69%)と、増加した。一方、経費の方であるが、25.50%(昨年26.16%)と0.66ポイント減少しており、経費が改善された。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-2.27%(昨年-3.47%)と、マイナス幅は縮まったが、依然として大きくマイナスである。これに、その他営業収入が1.84%(昨年1.90%)加わり、結果、営業利益は-0.43%(昨年-1.57%)と、赤字幅は縮小したが、赤字決算は続いており、厳しい状況である。

   こう見ると、マックスバリュ中部は原価の上昇がややみられるが、経費が大きく減少しており、利益の改善につながっている。一方、マックスバリュ北海道は原価、経費ともに改善し、利益をダブルで押し上げたが、依然として、営業利益のマイナスは続いており、もう一段の改善が必要といえよう。この結果に対し、マックスバリュ中部は「低コスト構造の実現に向けた取り組みとしましては、既存店舗の活性化により店舗オペレーションの単純化・標準化及び設備の改善、省エネ設備の導入を図ってまいりました。・・」とのことで、特に、コストへの取り組みを強化したという。一方、マックスバリュ北海道は、「価格競争力を強化した新業態の実験的取組みとして、「プライスマート平岸店」「マックスバリュ岩見沢東店」「ジョイ栄町店」をそれぞれ「ザ・ビッグ エクスプレス平岸店」「ザ・ビッグ 岩見沢店」「ザ・ビッグ エクスプレス栄町店」に業態転換いたしました。」とのことで、原価、経費の低い業態、ザ・ビックへ業態転換の試みを行ったという。

   双方の結果は増収増益、減収減益と明暗が分かれたが、双方、経費の改善が進んでおり、ここへ来て、経費削減が食品スーパーマーケットの経営課題の重点ポイントとなりつつあるといえよう。ただ、双方ともに、原価-経費のマーチャンダイジング力はマックスバリュ中部が-1.58%、マックスバリュ北海道が-2.27%とマイナス幅が依然として大きく、さらなる経費削減、そして、原価改善が課題といえよう。

   この課題を克服するためと思われるが、この中間決算時において、双方ともにディスカウント業態へのシフトを加速しはじめいるといえる。先に見たように、マックスバリュ北海道は、ディスカウントのザ.ビックへの業態転換が始まっており、結果次第では、後半も業態転換店舗が増加することになろう。また、マックスバリュ中部は、ザ・ビッグ エクスプレス荒子店を8/18にをオープンしているが、これはマックスバリュ中部にとってザ・ビック業態の1号店となる店舗である。さらに、これに先立ち、7/30に機構改革を実施している。その中身は、「(1)ディスカウント業態の確立と収益化に向けたDS事業部の新設」であり、今後、ザ・ビックが新業態として、経営に組み込まれ、名古屋地区でも本格的に展開されてゆくことになるものと思われる。

   このように、食品スーパーマーケット業界の中間決算の公表がはじまったが、そのトップを切るマックスバリュ中部は増収増益、マックスバリュ北海道は減収減益となり、明暗が分かれた。ただ、双方とも経費の削減が進んでおり、マーチャンダイジング力は改善しており、今後、経費削減へ向けての取組が一層進むものと思われる。そして、その動きを加速するように、双方、ディスカウント業態、ザ・ビックに本格的に取り組みはじめており、より、コスト削減が進むものと思わる。同時に、当面、デフレを基調の中、価格競争も一層激化することが予想されよう。したがって、今後、後半に向け、経費削減が食品スーパーマーケット業界ではより重要な経営戦略となろう。

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September 14, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 13, 2010

POS/RDS分析セミナー開催、10/8(金)!

   すでに、ブログ、食品スーパーマーケット最新情報の左上に告知しているが、10/8(2010)にPOS/RDS分析セミナーを開催することになった。主催は財団法人 流通システム開発センター、協力は株式会社 マーチャンダイジング・オン(RDSのデータベースサービス企業)であり、私がメイン講師となるセミナーである。今回はじめてfree&freeのセミナーを開催する。セミナー受講料は無料(free)、小売業の方はRDSに参加いただければRDSの地域POSデータが無料(free)となるセミナーである。RDSには1店舗から無料で参加可能であるので、この際、free&freeを満喫して欲しい。 

   また、前回のブログで菓子パンの無料診断を取り上げたが、RDSデータをこれを機会に是非、体験してみて欲しい。すでに、クライアント数社で検証済であるので、自店のPOS分析では味わえないコクと深みを感じることができ、自店の菓子パンのマーチャンダイジングの課題が鮮明に浮かび上がるのではないかと思う。菓子パンは食品スーパーマーケットの全カテゴリーの中でも金額PI値が最高峰の商品であり、意外に、マーチャンダイジングの研究が遅れている分野である。したがって、改善効果も大きく、100店舗クラスのチェーンストアになれば、菓子パンだけで、年間1億円の改善も可能であり、全体への波及効果は高い。また、菓子パンは食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングを学ぶ上でも、最適な商品のひとつであり、私自身が今回は丁寧に診断レポートをつくり、アドバイスするので、ご検討いただければと思う。

   今回のPOS/RDS分析セミナーでは菓子パンも、もちろん取り上げるが、RDSのすべてのカテゴリーを対象とした内容になる予定である。食品スーパーマーケットでは、生鮮食品を含め、約300のカテゴリーがあるが、RDSはJANコードが主体であるので、この内約200ぐらいのカテゴリーが対象となる。一部JANコードの生鮮食品をはじめ、加工肉、冷惣菜、日配、食品、酒、菓子、・・等である。これらのまず全体像を示し、実際に食品スーパーマーケットの事例と比較し、どのカテゴリーに強みがあり、どのカテゴリーに課題があるのかを明らかにする。RDSデータは地区別にも集計されているので、自店と地区とのPOSデータでの比較ができ、より、実践的な内容となっている。

   そして、この200のカテゴリーから、自店の最も強いカテゴリーを20、逆に最も課題のあるワーストカテゴリーを10、自動選定し、そこから、活性化の第1ステップに取り組めるような分析がなされている。基本、PI値理論にもとづきMD評価表形式でフォーマットが作られているので、金額PI値=PI値×平均単価、そして、RDSデータ特有の客数PI値が算出されており、自店のPOSデータとRDSデータとが比較検討できるフォーマットである。

   特に、ベスト20、ワースト10のカテゴリーに関しては、最優先で単品管理に取り組めるように、全く同じフォーマット形式でSKUまで落とし込み、すぐにアクション可能なように設計されている。自店の取り扱い商品は金額PI値順、自店が取り扱っていない商品は客数PI値順に商品が並び、自店のPOSデータとRDSのPOSデータが単品ごとに金額PI値、PI値、平均単価で比較できるので、一目で強み、弱み、問題点が把握できると思う。今回の無料診断の菓子パンで見ると、約1,000SKUが縦に並び、壮観なMD評価表となる。

   今回、これらすべての基本帳票、応用帳票の各種MD評価表も新たに、(株)マーチャンダイジング・オンと開発済であり、クライアントでも検証済である。したがって、現状のRDS参加企業はもちろん、今後、参加するRDS企業も今回のセミナーで公表するすべてのフォーマットが無料で活用可能となり、さらに、限られた時間であるが、今回のセミナーで公開するPOS分析の活用ノウハウも、このMD評価表があれば、十分に活かすことができるものと思う。さらに、今回は、POSデータを店舗改装に活かすノウハウも時間の許す範囲で公開する予定であり、盛りだくさんの内容となる。

   セミナー終了後も菓子パンの無料診断は続ける予定であり、今回のMD評価表も要望をお聞きし、改善してゆく予定である。さらに、今回のフォーマットを活用した分析事例、実践活用事例等も可能な限り公開してゆく予定であり、このセミナーを機に自店のPOSデータにRDSデータを組み込み、自店の活性化を強力に進めていただければと思う。

   POSデータは自店のデータだけを活用する時代から、今回も、見方を変えればクラウドを活用したPOSデータ分析であり、食品スーパーマーケットにとっては、新たなIT活用の時代に入ったといえよう。特に、今回は1店舗からRDSには参加が可能であり、すでに、数10店舗、数100店舗を展開し、情報システム、POS分析体制も整っている食品スーパーマーケットも1店舗から活用可能であるが、むしろ数店舗クラスの食品スーパーマーケットに活用していただきたいところである。自店のPOSデータだけではわからない品揃えはもちろん、単品ごとの売上アップの可能性(機会ロス)、発注の目安、地域の平均単価にもとづく値頃感、そして、最も重要な重点商品の選定、カット導入商品の決定、新商品の動向などをMD評価表からつかむことができ、今回のセミナーは、今後の自店の活性化に必ず役立つものと思う。

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September 13, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 12, 2010

菓子パンPOSデータ無料診断サービス開始!

   9/14から、菓子パンのPOSデータ無料診断サービスを開始する。診断及びレポート作成は、もちろん、私自身が自ら菓子パンのPOSデータを診断し、レポートを作成する。すべて無料である。食品スーパーマーケットの菓子パン担当者の方は、この際、是非、検討して欲しい。現時点では期限を設けていないので、当面、この無料サービスは続ける予定である。以前、本ブログでも取り上げたフリーミアムの実践でもあり、私にとっても新たな挑戦でもある。

   すでに、数件、実施したが、今回の菓子パンのPOSデータの診断には、自店のPOSデータだけでの診断ではなく、RDSデータとを融合させ、自社とRDSデータとが比較検討できるMD評価表を新たに作成し、その差異を分析しての診断となる。RDSとは、(財)流通システム開発センターが提供している「流通(R)POSデータ(D)サービス(S)」のことで、全国約100社、約400店舗のPOSデータのことであり、このデータを今回は診断の基本データとすることになる。このRDSデータは日本では数社に卸されており、そこからメーカー、卸等がデータを購入し、商品開発や新商品の販促等に活かしている。今回の菓子パンPOSデータ無料診断では、その1社、(株)マーチャンダイジング・オン(RDSサービス企業)の協力を得て、新たに帳票開発、受け入れ態勢等を整えたので、はじめて可能となった新サービスである。ちなみに、次回のブログで詳細を取り上げるが、10/8(金)に、菓子パンを含め、RDSの全カテゴリーを対象とした、小売業向けの、これも無料のセミナーを(財)流通システム開発センター主催で開催する予定であるので、こちらも是非、検討いただければと思う。

   ところで、菓子パンは全部で何SKUあるかであるが、およそ、どの地域でも月間約1000SKUあるのが実態である。すでに、食品スーパーマーケット最新情報のホームページのトップに「RDS無料POS診断受付中!」のバナーが貼ってあり、そこをクリックすると、サンプル帳票等を見ることができる。それを見ても、約1,000SKUあり、ここから、すべての食品スーパーマーケットは月間約1000SKUの中から約100から200SKUを選び、売り場に並べているといえ、いかに品揃えを確定するかが菓子パンでは至難の技であることがわかる。今回のサンプルで提示したMD評価表及び、診断イメージを見ていただくとわかるが、診断のポインントは重点商品を選定することが第1ステップ、入替検討商品を選定することが第2ステップ、そして、新規導入商品を選定するのが第3ステップであり、その結果、何SKUが最適な品揃えであり、どこまで現状を改善できかるかが診断ポイントとなる。

   これを自社のPOSデータだけでやろうとするとまず行き詰まってしまうのが現状といえよう。特に、品揃えに関してはRDSデータなくしてはまず不可能であるといえる。また、重点商品の選定においても、自社の売れ筋だけでは均衡縮小になり、RDSデータからの売れ筋も入れる必要がある。さらに、カットする場合も自社のPOSデータからだけではなく、RDSのデータも参考にする必要があり、菓子パンのマーチャンダイジングはまさに自社だけのデータで取り組むには限界があり、RDSのデータなくして活性化は難しいといえる。

   また、今回は参考に客数PI値も新たに算出した。これはRDSデータでも無い指標であり、100%、PI研のオリジナル指標といえる。すでに算出されているカバー率を使っても良かったのだが、商品の真の評価は顧客から評価された数字が基本であることを考えると、客数PI値の方が顧客の評価をダイレクトに反映した指標であり、かつ、金額PI値とも数量PI値とも理論的に整合性が取れる指標であり、菓子パンの評価にも十分活用可能であると考えたことによる。

   今回の菓子パンのPOS診断結果をもとに、自社のその他の店舗の菓子パンのPOSデータとを比較すると、さらに精度の高い診断が可能となる。また、可能であれば、菓子パンのカテゴリー客数、単品客数等まで組み込めれば、客数PI値をさらに深めることができ、全店レベルでレイアウトの診断、マーチャンダイジングの改善等につなげることが可能となる。恐らく、100店舗クラスの食品スーパーマーケットでは、菓子パンの改善効果は年間1億円単位で改善が可能であろう。それだけ、菓子パンは食品スーパーマーケットの全カテゴリーの中でも最重点カテゴリーであり、しかも、売上貢献だけでなく、客数貢献も高い商品であり、店舗全体の活性化にも寄与するカテゴリーである。

   この機会に自社の現状の菓子パンを全面的に見直し、店舗の活性化につなげて欲しいところである。それだけ、菓子パンは取り組む価値の高いカテゴリーであるといえ、改善効果も期待できるといえる。私自身も菓子パンは食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングにおいて、常に最重点カテゴリーとして取り組んでおり、1店舗の活性化も100店舗の活性化も取り組んだ経験があるが、実際、改善効果が高い商品であるといえる。極論すれば、丸1年、菓子パンのマーチャンダイジングの改善にかけても十分に価値のあるカテゴリーであるともいえ、実に奥の深い商品である。食品スーパーマーケットの方は、是非、この機会に、この菓子パンの無料診断を検討して欲しい。

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September 12, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 11, 2010

N002、直売所、16,824件、最新の農業センサスで判明!

   全国に直売所が何件あるのか、その正確な数を知るのは中々難しい面があった。これまでは、2005年の農業センサスの調査結果から13,538件という数字が公式見解であったが、9/7、2010年度版の農業センサスが公表されたことにより、速報値であるが、最新の数字が明らかになった。その結果は、16,824件であり、この5年で3,286件増加し、伸び率は124.3%であることが判明した。今後の直売所の公式数値は、この16,824件が最新数値となる。それにしても、農業人口は、5年前の335万人から260万人と22.4%減少しているにも関わらず、直売所は急激に増加しており、その成長性にはびっくりである。

   それだけ直売所への農家の期待が大きいともとれ、自ら農産物を販売し、所得を向上したいという農家の強い意志が感じられる結果といえよう。ちなみに、1直売所当たりの農家の平均を算出すると、260万人÷16,824件であるので、154.5人となるので、単純平均では直売所の農家は人口は約150人という計算となる。ただ、実際にはすべての農家が直売所へ出荷しているわけではないので、もっと少ない数字となるが、人口密度と同じように考えれば、150農家に1件づつ直売所が全国に展開されているという状況であり、かなりの数である。また、日本の人口約1億2千万人で割ると、7,132人に1件となる。したがって、商圏としてみれば、人口約7,000人に1件直売所が存在し、かつ、農家150人に1件の割合で展開されているのが現状といえよう。

   そこで、この最新の数値を様々な角度から見てみたい。まずは市場規模であるが、今回の農業センサスではわからないので、推定してみたい。現在、様々な地区の直売所の調査を実施しているが、その数字を見ると、トップクラスの直売所は10億円を超える。また、小さい直売所は数百万円というところもある。仮に、1直売所1,000万円とすると1,682億円となる。3,000万円で約5,000億円、5,000万円で約8,500億円となる。したがって、1兆円まではいっていないと思われるが、7,000億円前後と推定でき、今後も直売所が増加するようであれば、いずれ1兆円ビジネスとなろう。ちなみに、全国の八百屋であるが2007年度版の商業統計によれば、23,950件であり、平均年商約4,000万円強であり、合計ちょうど1兆円である。ただ、2004年度比で件数で13.6%減であり、金額比でも17.9%減である。したがって、このまま直売所と八百屋の伸び率が続けば、いずれ逆転することになろう。

   ところで食品スーパーマーケットの青果の売上はどうかであるが、これも2007年度の商業統計によれば17兆1,062.65億円、17,865件であり、ほぼ横ばいである。食品スーパーマーケットの青果の売上構成比は10%強であるので、約2兆円が青果の市場規模と推定できる。したがって、青果物のトップは食品スーパーマーケットの約2兆円、ついで、年々厳しい状況にある八百屋の約1兆円、そして、八百屋を激しく追い上げる伸び率の高い約7,000億円前後の直売所という構図が現状といえよう。

   農業センサスに話をもどすと、直売所を2つの角度から集計している。ひとつは事業主体であり、もうひとつは都道府県別である。そこで、まず、事業主体で見てみると、区分は4つ、地方公共団体、第3セクター、農業協同組合、そして、その他である。その他は農業生産法人、株式会社等も入るが、圧倒的に個人が多いといえよう。その数字を見ると、最も多いのが、その他であり、13,834件(82.2%)であり、大半を占める。したがって、現在の直売所の実態はまさに小規模な直売所が圧倒的に多いといえ、まさに、農家自ら野菜、果物を直接消費者に直売所を作って、積極的に売っているのが現状といえよう。ついで、農業協同組合の2,314件(13.7%)となる。そして、第3セクター463件(2.7%)、地方公共団体213件(1.3%)となる。

   次に、都道府県別であるが、ベスト10は千葉県1,277件、群馬県1,093件であり、この2県が1,000件を超える。ついで、山梨県910件、北海道841件、愛知県657件、神奈川県653件、埼玉県652件、東京都599件、新潟県573件であり、ここまでが500件以上である。そして、福岡県496件であり、以上がベスト10となる。逆にワーストであるが、沖縄県85件、香川県90件、この2県が100件を下回る県である。ついで、福井県104件、石川県105件、奈良県109件、滋賀県119件、徳島県123件、鳥取県149件、和歌山県154件、佐賀県160件となる。こう見ると意外だったのが東京都が599件とトップ10に入っていることである。また、全体的に東日本の方が直売所の数が多く、西日本の方が少ない傾向があるといえよう。

   このように、最新の農業センサス2010で現状の直売所の数が16,824件と判明したが、その大半は農業協同組合等の既存組織に頼らず、農家自らが直売所を運営しているものと推測される。しかも、全国に渡って直売所が展開されており、その規模は八百屋に迫る勢いがある。今後ともこの勢いが続くとなると、次の農業センサス2015年には、20,000件を超え、八百屋の減少率を考えると、件数では逆転する可能性が高い。しかも、直売所は都市周辺が圧倒的に多く、八百屋は都市部に集中しており、いずれ、直売所も都市部へ入り、八百屋と直競合することも予想される。今後、青果ビジネスは直売所を中心に動きはじめたといえ、その動向に注目である。

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Mixi(ミクシィ)版にMD力って何?のトピックをつくりました!

September 11, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 10, 2010

2010年度版、最新の農林業センサス(速報)を見る!

   9/7、農林水産省、大臣官房統計部から、2010年世界農林業センサスの概要(暫定値)が公表された。センサスとは聞きなれない言葉であるが、農林水産省によれば、「古代ローマに”センソール”という職の役人がいました。この役職は、5年ごとにローマ市民の数などを調査することを職務としており、センソールが行う調査を”センサス”と呼んでいたといわれています。 このことから、センサスとは、通常すべての客体を調査対象とし、個々の客体について調査票を用い、全般的な多項目にわたる調査を行うことを意味します。」とのことで、ローマ時代の調査名がその由来だという。

   この農業センサスには2つの調査があり、FAO(国際連合食糧農業機関)が世界的規模で提唱した「1950年世界農業センサス要綱」に沿って実施された10年ごとの調査と、日本独自の中間、5年ごとの調査とがあり、今回2010年度版は、戦後13回目となる調査であり、この2つが重なる世界農業センサスと日本独自の農業センサスとの合同センサスである。また、その内容は大きく2つに分かれての調査となっており、農林業経営を把握するために個人、組織、法人などを対象にして実施する調査と農山村の現状を把握するために全国の市町村や農業集落を対象に実施する調査に大別され、それぞれ調査票が違う。ちなみに、現在、PI研で取り組んでいる直売所関連の調査は後者、全国の市町村に対して実施する調査であり、農業経営者への調査項目にはない。

   さて、その速報結果であるが、すでに、各新聞等、報道機関がここ数日取り上げているので、その見出しをいくつか追ってみると、「農業人口、5年で22%減 過去最大の落ち込み・・(日経新聞9/6)」、「農業就業人口、5年で22%減…最大の落ち込み、・・(読売新聞9/7)」、「就農人口、過去最大の22%減 高齢化進み離農相次ぐ、・・(朝日新聞9/6)」、「農業就業人口 最大の減少幅に、・・(NHK9/7)」、「農業人口、5年で22%減=減少率最大、高齢化が要因、・・(時事通信9/6)」などである。各社、農業就業人口に焦点を当てた報道をしており、特に、女性の農業就業人口の減少と、高齢化がその原因であるとの報道である。

   また、ユニークな角度からのものでは、「就農人口減少 収益と魅力高める工夫を、・・(琉球新報9/9)」の中で、沖縄ならではの発想を展開している。その骨子は、「農産物を医療や食品製造業、バイオ産業などの分野でも積極活用し、より魅力ある商品づくりに知恵を絞りたい。新規農業参入者に貸した農地への優遇措置など、新しい制度設計にも取り組まなければならない。」であり、興味深い内容である。また、「農業人口減少 急がれる担い手の育成、・・(北海道新聞9/8)」では、「農水省は最大の原因を高齢化による離農と説明している。だが、問題はむしろ、引退する農家を継ぐ若手がいないところにある。」という視点を導入しており、農業就業人口の減少の原因は継ぎ手(担い手)にあるとしている点である。そして、「肝心なのは、農業が将来性のある魅力的な職業であることだ。そのため、政府は、意欲ある生産者に規模拡大とコスト削減を促し、農業の足腰を強くする政策を実施しなければならない。」と解決の方向は規模拡大とコスト削減にあるとしており、北海道ならではの方向性が打ち出されていることである。

   そこで、実際の農業センサス2010の暫定値(速報値)を見てみたい。各社が報道している根拠となっている調査結果であるが、Ⅰの農林業経営体調査、1全国の(3)のウ、農業就業人口の集計である。この数字を見ると確かに衝撃的な数字であり、平成22年の農業就業人口は260万人(男性130万人、女性130万人)、平均年齢65.8歳という結果となっている。そして、全体が5年前の平成17年度の335万にと比べ22.4%、平成12年度の389万人と比べ33.1%の減少となっている点である。問題はその原因が女性と高齢化によるところが大きいとのことで実際、女性は平成17年度は179万人(27.5%)であり、男性の156万人(16.6%)と比べ、大きく減少していることである。また、全体の平均年齢も63.2歳から65.8歳と高齢化が一層進んでおり、この傾向が鮮明であるといえる。

   まさに報道の通りであるが、農業センサスはこの調査結果を含め、約20項目あり、これ以外にも2010年度の農業の実態は様々な角度から分析されている。そこで、これらについては、稿を改め、再度、農業センサスの全体像について取り上げてみたい。

   なお、農業センサスでは、直売所についても、前回の5年前の調査よりも踏み込んで調査しており、新たに産地直売所の数と運営主体を農産村地域調査表の中の2に加えており、より、精度の高い分析がなされている。それによると、2010年度は全国に16,824件の直売所があり、前回5年前の13,538と比べ24.3%増加しており、農業就業人口とは全く反対の傾向が見られる。ちなみに、全国No.1は千葉県の1,209件であり、最も少ないのは沖縄県の85件である。

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September 10, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 09, 2010

神戸物産、業務スーパー、第3四半期、大幅増収増益!

   神戸物産が8/27、2010年10月期、第3四半期決算を公表した。結果は、売上高1,031.05億円(9.8%)、営業利益21.14億円(560.2%)、経常利益21.73億円(917.0%)、当期純利益9.97億円(1,059.3%)となり、昨年が厳しかった面もあるが、大幅な増収増益、好調な決算となった。ちなみに、売上対比では、営業利益2.05%、経常利益2.10%、当期純利益0.96%であるので、食品スーパーマーケットの決算公開企業約50社の2010年度の平均の営業利益が2.4%、経常利益が2.4%、当期純利益が1.1%であるので、若干平均よりも低い状況である。したがって、昨対で見ると、大幅な増収増益ではあるが、食品スーパーマーケットと比べると、ほぼ、率では平均に近い比率であるといえる。

   ただし、神戸物産は食品スーパーマーケットと経営形態が全く違うため、一概に食品スーパーマーケットのP/Lと比較することは難しく、この第3四半期の営業利益率2.4%がどのような価値かを判断するのは難しい面がある。実際、神戸物産の原価、経費を見ると、原価は94.20%(昨年95.92%)であり、結果、売上総利益は5.80%(昨年4.08%)となり、食品スーパーマーケットの決算公開企業約50社の2010年度の平均25.0%と比べ、全く事業構造が違うことがわかる。したがって、この第3四半期の営業利益は、その他営業収入がない限り、最高5.8%が上限であり、これを超えることはありえない利益構造となる。

   これは神戸物産が全国約500店舗の業務スーパーのFC本部であり、各加盟店へ商品を販売し(売上高)、その商品を神戸物産が製造ないしは仕入れているため、原価は加盟店への商品販売の原価として計上されるためである。したがって、神戸物産は、現状、加盟店への商品売上の約5%の粗利(売上総利益)となっており、ここが通常の食品スーパーマーケットの約25%とは大きく違う原価構造となっている。いわば、神戸物産本体は業務スーパーのみに商品を販売する卸売業に近い業態といえよう。

   結果、原価は1.72ポイントと大きく下がっており、営業利益の改善に寄与したといえる。一方、経費の方であるが、3.74%(昨年3.73%)と、0.1ポイントと、わずかに上昇しているが、ほぼ、昨年と同じ経費比率となった。したがって、差し引き、営業利益は2.06%(0.35%)と、原価が大きく改善した分、大幅に上昇しており、好決算となった。こう見ると、神戸物産の利益構造は経費よりも、原価改善の効果が極めて大きいといえ、いかに原価を改善できるか、すなわち、自社で原料を仕入れ、自社の工場で加工し、さらには、自社で原料そのものを製造することが、いかに利益を生み出すかに直結しており、まさに、今期は、この原価改善が利益増に大きく貢献した結果となったといえよう。

   ちなみに、「利は元にあり」ではないが、神戸物産のホームページを見ると、「農地カメラ」というバナーがあり、ここをクリックすると、北海道の自社の農業生産法人で栽培している畑のWEBカメラにつながり、毎日、午前と午後の273ha(東京ドーム約58個分)で生産している作物の生育状態を見ることができる。今後、この北海道産の野菜が秋の収穫後、神戸物産の全国の業務スーパーに、自社工場で加工され、続々と店頭に並ぶことになろう。したがって、農産物の栽培から神戸物産の原価改善ははじまっているといえ、これらの積み重ねが、今期の利益改善=原価改善に寄与したといえよう。

   この結果について、神戸物産自身は「自社グループ内において商品の製造から販売まで手掛ける「製販一体」の仕組により、「安全・安心」かつ利益率の高い商品を扱った「食卓応援&爆弾価格」や「挑戦します!日本最安値」といった施策を展開、・・」とコメントしており、結果、「多くの国内企業が前年実績を割り込む中、当社グループは当期首より月次利益が前年実績を上回る月が続くなど好調に推移しております。」と、原価改善が利益改善につながったとのことである。

   神戸物産は本業の業務スーパーに加え、ここ最近は、次世代の新規事業、惣菜、すなわち、神戸クック事業にも力を入れている。ローソンとの業務提携、オークワとの合弁会社の設立など矢継ぎ早に業務の拡大をはかりつつある。ただ、その事業規模は、この第3四半期決算では、売上高は7.76億円(31.0%)と、伸び率は極めて高いが、金額は全売上高の0.75%であり、業務スーパー事業の1,027.02億円と比べると、極めて小さく、事業としての確立はまだ先といえる。したがって、当面、業務スーパーが大黒柱といえ、売上高、営業利益とにも、業務スーパー、特に、その原価改善が利益の源泉といえる。

   このように、2010年10月期の神戸物産の第3四半期決算は大幅な増収増益となり、原価の改善が大きく寄与したといえる。円高の恩恵も受け、中国をはじめ、海外からの輸入品は有利に働き、今後とも原価の改善が続くと予想される。さらに、北海道での農産物の生産をはじめ、日本国内の加工工場での加工等、原料から製造までを押さえることにより、原価がさらに改善され、利益の改善がはかられるものと予想される。今期、本決算まであと2ケッ月足らずとなったが、今期決算は好決算となると予想され、どこまで、利益を押し上げるか注目である。
  
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September 9, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 08, 2010

日経MJ、8/30でバナナを特集!

   8/30の日経MJでバナナの特集が組まれた。「買い手の気持ちMARKETING」コーナーでの特集である。見出しは、「味・販促力で「甘熟王」、競る「スウィーティオ」」であり、興味深いバナナの特集記事である。この特集は全国の食品スーパーマーケット、百貨店のバナナのバイヤー360人にアンケートを行い、173人(48.1%)からの回答を得、その結果をバナナのブランド採点と企業採点の2つの角度からまとめたものである。採点方法は総合評価については、回答のあった173人のバイヤーから5点満点で評価してもらい、その合計点であり、満点が865点となる。それ以外の項目は173人のバイヤーが評価できると答えた%で評価している。

   ちなみに、バナナは財務省貿易統計によれば、2009年度の輸入量が125万トンで過去最高になったという。特に、この2009年度はバナナブームがあったこともあり異常な年でもあり、大きく輸入量が増えたものといえよう。ただ、2010年度に入り、家計調査データの月別推移を見ると、2010年7月度 12.87円(83.1%)、6月度 15.30円(83.9%)、5月度 14.94円(80.8%)、4月度14.03円(77.7%)、3月度 12.61円(78.2%)、2月度 11.39円(73.2%)、1月度 9.42円(68.9%)という状況であり、2009年度の反動もあり、大きく苦戦しているのが現状である。また、年間の家計調査データで見ると、2009年度の果物の中でNo.1はバナナであり、5,346円(1世帯年間)となる。No.2はりんごの4,726円、No.3はみかんの4,243円であり、No.4がいちごの3,362円であるので、2010年度もベスト3には入る果物の最重点商品である。特に、頻度が100世帯当たり3,081回となり、断トツの高さであり、高頻度な購入がバナナの最大の特徴といえる。

   そのバナナのバイヤーからの評価であるがNo.1は甘熟王(住商フルーツ)609点である。No.2がスウィーティオ(ドール)605点であるので、僅差である。No.3がバナージュ(住友フルーツ)307点であるので、甘熟王、スウィーティオが断トツの2トップとなった。まさに、記事の見出し、「競る「スウィーティオ」」であり、どちらが1位になってもおかしくないバイヤーからの評価であったといえる。

   そこで、その評価の違いであるが、10ポイント近く差があった項目はネーミングであり、甘熟王71点に対し、スウィーティオ54点であり、ここで17点差となった。ついで、広告・宣伝が甘熟王69点に対し、スウィーティオ60点であり、ここで9点差となっており、この2項目で甘熟王がNo.1、スウィーティオがNo.2となった順位の分かれ目となったといえよう。ネーミングについては、今回12品のバナナがエントリーされているが、日本語銘記は総合評価No.1の甘熟王、No.7の田辺農園、No.9のみやびの3つのみであり、残りはすべてカタカナであり、覚えにくいといえよう。特に、以前、本ブログでも取り上げた果物の購買層の主力は高齢者であることを考えると、甘熟王は絶妙のネーミングといえ、今後、特に輸入果物のネーミングは再考の必要があろう。

   このことは、日本バナナ輸入組合が実施した2010年6月度のネットアンケートでも裏付けられている。質問項目の果物を食べる頻度を見ると、毎日果物を食べる割合は70歳以上が最も多く50%を超えているのに対し、20代、30代は約10%であり、圧倒的な差となっている。60歳代も40%を超えており、いかに高齢者が果物と関係が深いかが鮮明である。しかも、別の質問項目、バナナを食べる頻度を見ると、毎日食べるという回答で、最も高い年代はやはり70歳代であり、20%を超える。20代、30代、そして40代は数%であり、60代が20%弱、50代10%強の数字を見ると、明らかにバナナも高齢者に強い果物であることがわかる。

   さて、話をもとに戻し、ブランド採点であるが、逆にスウィーティオが甘熟王よりも高得点となった項目であるが、産地イメージ45点(甘熟王39点)、リピート需要65点(甘熟王60点)であり、この2項目がスウィーティオの優位性を示した項目である。ちなみに、この12ブランドの中で、各項目でNo.1の得点をとったのは甘熟王とスウィーティオのみであり、他の10ブランドはNo.1の得点項目がなく、いかに、この2ブランドがバナナの断トツ、トップを走っているかがわかる。

   ついで、企業採点であるが、ここでは、スウィーティオのドールが625点と甘熟王の住友フルーツ584点を抜き去り、トップとなった。No.3はフレッシュ・デルモンテ・ジャパン230点であるので、ここでも2トップの断トツのトップは変わらないが、No.1、No.2が逆転した。では、どこに差があったかであるが、企業イメージがドール86点に対し、住友フルーツ74点であり、この高得点をドールが獲得したことが大きいといえる。ついで、販促関連がドール61点、住友フルーツ49点、商品構成がドール65点、住友フルーツ50点等、かなり、差が歴然としており、これらの評価がブランド評価とは逆の結果になった要因といえよう。

   このように果物No.1の年間消費金額となったバナナであるが、ブランドは各国から輸入され、しかも、高地開発競争も加わり、豊富になっているが、ブランド、企業は絞られており、甘熟王(住友フルーツ)、スウィーティオ(ドール)の一騎打ちという様相を呈している。2010年度は2009年度のバナナ協奏曲の反動もあり、苦戦気味で推移しているが、中間決算も終わり、後半戦に突入した食品スーパーマーケット業界に対し、2強がどのような提案を行い、食品スーパーマーケットのバナナのマーチャンダイジングがどう変化するか、興味深いところである。

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September 8, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 07, 2010

セブンイレブン、野菜に参入!

   9/4の日経新聞にセブイン-イレブン・ジャパンが野菜への宅配参入の記事が掲載された。見出しは、「セブンイレブン、全国に野菜宅配」、「105円均一、高齢・単身者に的」である。その内容は、セブンイレブンが9/5から生鮮野菜の宅配サービスを全国で展開するというものであり、その品目は白菜、大根、にんじんなど8品目、カットしたり、小分けにしたりし、105円の均一価格で販売するという。宅配代は200円であり、電話またはインターネットで注文を受け付け、午前中注文を受ければ、当日の昼、夕に届くという。また、セブンイレブンの店頭でも受け取ることができるという。

   すでに、この8月に、東京、神奈川、千葉の1都2県で試験的に宅配サービスを実施したところ、猛暑による野菜の価格上昇もあり、1日あたり計8千個以上売れたという。また、すでに設立している農業法人、セブンファームからの農産物の仕入れも検討するとのことで、いよいよ、満を持して、セブンイレブンが生鮮、特に、野菜に本格参入といえよう。ちなみに、物流は弁当や総菜などを製造する専用工場が仕入れたものを使用し、そこで、白菜は1/4、大根は1/2、きゅうり、なす、にんじんは2本1組などの、カットパック詰めなどを行うという。また、トマトなどについては、105円以上の均一価格に例外をもうけることも検討するという。

   このセブンイレブンの野菜参入は2つの意味で既存店の食品スーパーマーケット、野菜でいえば、特に、既存の八百屋、直売所を超える可能性を秘めているといえる。まずは高齢者、単身者へ照準を絞っていることである。これは先に本ブログでも取り上げたが、日経MJに掲載されたアリックスパートナーズのネットアンケート調査でも、家計調査データでも明らかであるが、生鮮食品をはじめ食品需要は明らかに高齢者にシフトしてきているのが実態である。ところが、既存のGMSはもとより、食品スーパーマーケットですら、高齢者へやさしい店づくり、商品づくりへ対しての取組みが明らかに遅れており、買い物難民が特に首都圏、大都市で発生しているのが実態であるからである。家計調査データでは、高齢者が特に消費する項目として果物が上がっているが、先の記事では野菜8品からというので、果物については言及されていないのが、残念である。いずれ、果物も対象になると思うが、仕組みができれば、恐らく野菜以上にヒットするのではないかと思う。

   そして、もうひとつは、カット、パッケージを含めた物流である。特に、野菜はコールドチェーンが必須であり、生産者から市場、店舗、消費者にいたるまでのコールドチェーン化が課題となる。また、カット、パッケージ段階でもコールドチェーンの中に組み込むことが課題であり、コールドにまではならないまでも、温度帯管理が極めて重要な商品である。これに関しては恐らく、史上はじめて、10,000店レベルでほぼ完璧な温度帯管理と物流、そして、カット、パッケージ体制を敷いたのはセブン-イレブン・ジャパンであるといえ、世界的に見ても、ここまで徹底した小売業は皆無であろう。

   現在、セブン-イレブン・ジャパンの物流体制は温度帯別に大きく4つに分かれている。ひとつは、弁当、おにぎり等を管理するのに最適温度帯といわれる20度Cの物流であり、工場から店舗、店内すべて20度Cでの管理ができており、全国約13,000店舗へ1日3回配送している。特に、この35度Cという連日の猛暑でも20度Cのコールドチェーンを守り抜くわけであり、驚異的な物流システムといえよう。そして、次の温度管理が5度Cのいわゆるチルド管理であり、日配はこの温度管理でコールドチェーン化されている。これも、1日3回配送されている。恐らく、今回の野菜はこのどちらか、ないしは双方の物流に乗る可能性が高いといえよう。しかもカット、パッケージはすでに惣菜工場等を活用できれば十分に可能であり、既存の仕組みと物流体制をフルに活用可能であるといえる。これ以外には-20度C、そして、常温となり、全部で4つの温度管理が商品ごとに行われている。GMS、食品スーパーマーケット、八百屋、直売所ではここまで完成度の高い温度管理の物流の仕組みを一気通貫でもっているところは少なく、しかも13,000店舗で実現できるところは世界中の小売業でもないといえよう。

   したがって、もっと早く、セブン-イレブン・ジャパンが野菜、そして果物へ参入してもおかしくない環境にあったといえ、これまで参入しなかった方が不思議なくらいである。ただ、野菜は通常100SKUは優に超えるカテゴリーであり、今回の8品はその1割にも満たない。コンビニ特有の単品管理の流れに乗る超重点商品のみであるといえ、既存店のGMS、食品スーパーマーケット、八百屋、直売所の品揃えと比べるとまだまだほんの一部であるといえる。現状の計画では、既存店の青果の流通構造に大打撃があるほどではないが、今後、一定のシェアを確実に抑えてゆくことにはなろう。今回のセブン-イレブン・ジャパンの試みがどこまで商品を拡大し、消費者、特に、高齢者、単身者に受け入れられるか興味深いところである。

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September 7, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 06, 2010

菓子パン、POSデータを見る!

   菓子パンは食品スーパーマーケットの商品群の中でも極めて重要なカテゴリーといえる。金額PI値で見ると、間違いなく、ベスト5には入る最重点商品のひとつである。ところが、この重要な菓子パンについては充分なマーチャンダイジングの研究がなされているとはいえず、品揃え、発注、棚割、販促等、現場担当者まかせになっている場合が多い。これは、長い間、食品スーパーマーケットは、各パンメーカーのルートセールスにマーチャンダイジングを委ねていたこともあり、自ら菓子パンのマーチャンダイジングを考えることがなかった点も大きいといえよう。

   そこで、改めて菓子パンのマーチャンダイジングを実際のPOSデータをもとに考えてみたい。まず、菓子パンはどのくらい種類があるかであるが、SKU(Stock Keeping Unit)で、月間約1,000種類である。これは日本全国ほぼ同じといえ、したがって、菓子パンのマーチャンダイジングのスタートは、この約1,000種類の菓子パンの中から品揃えを決定することからはじまる。ここで問題が発生する。いったい、この中からどうやって重点商品を選ぶか、そして、どのくらい品揃えをすれば良いか、さらに、それぞれどのくらい発注をすれば良いかである。

   では、そもそも、この1,000種類の菓子パンのPI値はどのような分布となっているかであるが、残念ながら、菓子パンで1%(食品スーパーマーケットで約200品ぐらいある)を超えるPI値の商品はほとんど存在しない。稀に、3%を超えるお化けのような商品が店舗によってはある場合もあるが、どの店舗でも確実に3%を超えることはない。したがって、まず抑えるべきは、0.5%以上の菓子パンである。これが菓子パンの最重点商品であり、1000SKUの中に約10品ぐらい存在する。ここをしっかり押さえることが、菓子パンのマーチャンダイジングのはじめである。どんな商品があるかであるが、あんパン、ジャムぱん、クリームぱん、マーガリンパン、メロンパン等、いわゆる定番中の定番である。したがって、これら10品が24時間、365日欠品しない重点管理をできるかどうかがポイントとなる。そして、発注を最優先で行うことはもちろん、レイアウト、棚割、POP等、細心の注意を払い管理することが重要である。

   次に、可能であれば、世間で確実に、ほぼ毎日販売されている商品を抑えることである。食品スーパーマーケットであれば、全国どこでも、大小関係なく、財団法人流通システム開発センターへPOSデータを送れば、無料でRDS(Ryutu(POS)Data Service)が取得できるので、菓子パンの1000SKUはもちろん、グロサリー、日配等の自社の地区のPOSデータを見ることができる。なお、余談だが、RDSデータを活用した菓子パンの無料診断サービスを近々にはじめる予定であるので、その時は、是非利用していただければと思う。

   さて、RDSのようなPOSデータがあれば、そこから、カバー率、ないしは客数PI値の高い商品を重点商品に加えることがポイントである。約70%ぐらいで良いと思うが、共通に販売されている菓子パンを加えることである。だいたい20品ぐらいあると思う。RDSデータが入手できない場合は次善の策として、自社のチェーン全体の約70%ぐらいで販売されている共通の商品を加えれば良い。これで重点商品を決定することができ、第1ステップの完了となる。

   次が、第2ステップ、実は、菓子パンでは、ここが決定的なステップ、品揃えの決定である。菓子パンの品揃えは食品スーパーマーケットの売場を見ていても実はわからない。品揃えとは目に見える品揃えと目にみえない品揃えがあるからである。目に見える品揃えは売場を見ればわかるが、目に見えない品揃えは品揃えの変化を読みとることであり、具体的には週間、月間等の総SKUを抑えることがポイントとなる。いわゆる時間軸を加味した品揃えである。したがって、RDS、自社のチェーン全体のPOSデータから月間の品揃えを抑えることである。どのくらいが基準となるかであるが、PI値で月間0.1%水準(1,000人で1個売れる商品)を超えた実績のあるものはすべて押さえたいところだ。

   実際に分析してみると、約1000SKUの菓子パンの中に300SKUぐらい存在する。当然、カバー率、客数PI値はまちまちであるので、できるだけ、その数値が高いものが望ましいといえる。そして、この約300SKUを前提に毎日100SKU前後の品揃えを行い、日々、品揃えを変化させ、月間で300SKU近い品揃えを実現するように計画を立てることである。これは意識的に行わないと実現不可能であり、できれば店長も加わり、毎週簡単なミーティングを開くことが望ましい。ここが菓子パンの最大のポイントともいえ、売上構成比で見てもこの品揃え部分が約70%から80%を占め、菓子パンの数字を大きく左右することになるからである。

   まだまだ、菓子パンの活性化のノウハウはたくさんあるが、この2つのステップが基本である。菓子パンを抑えられれば大概のカテゴリーを抑えることにつながり、しかも、菓子パンは全カテゴリーの中でも金額PI値最大級の商品であり、店舗全体への貢献度も極めて高い商品である。したがって、食品スーパーマーケットの「へそ」ともいえる最重点カテゴリーであるので、担当者のみに任せるのではなく、店長をはじめ、全従業員が参加できるマーチャンダイジングの「いろは」を習得する場としても活用することがのぞましいといえよう。

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September 6, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 05, 2010

家計調査データ、年齢別消費額を見る!

   家計調査データは様々な家計の消費額が公表されている。大きくは2つに分かれ、ひとつは用途分類、そして、もうひとつは品目分類である。この2つの違いは、「「用途分類」とは、世帯で購入した商品を、その世帯で使うか、それとも他の世帯に贈るかという使用目的によって分類する方法であり、「品目分類」とは,この用途にかかわらず、同じ商品は同じ項目に分類する方法である。」少し分かりにくいが、たとえば、同じ菓子でも、自ら食べる菓子、贈答用に使う菓子があった場合、品目分類では一緒になるが、用途分類では、この2つを分け、贈答用は交際費として処理し、その中の食料として集計される。したがって、用途分類の方が同じ食品でもやや小さな数字となり、品目分類の方がやや大きな数字となる。この7月度の直近で見ると、約1割ぐらいの差といえ、食品の約10%は各家計は贈答用に消費しているようである。

   さて、今回の「年齢別消費額を見る!」は、この家計調査データの中では、品目分類では集計されておらず、用途分類に集計されており、この中の「世帯主の年齢階級別」の消費額で確認することができる。ただ、ここでも食料は外食を含むため、外食を抜いた純粋な食料品で見ることにする。また、9/1の日経MJでは全く別の角度、すなわち、ネットアンケート調査(アリックスパートナーズ調査分析)から世代別の食品購入額を導きだしており、その結果、60代が最多であり、月間4万円強、その理由は来店頻度の高さにあるとのことである。そこで、その結果と家計調査データとの比較も試みてみたい。

   まずは、家計調査データの数字であるが、外食を除く食品であるが、55,669円である。日経MJの数字は最大でも40,000円強であり、しかも、60代ということであり、やや低い数字のように見える。ただ、この調査は食品スーパーマーケット、GMS等での食料品の買い物のネットアンケート調査結果である。一方、家計調査データの数字は食品スーパーマーケット、GMSにかかわらず、家計でのすべての食料品に対する支出であり、それ以外で買い物をした場合も足されるので、原則、家計調査データの方がやや高めに出るものといえよう。ただ、10,000円以上も差が出るのかどうかは何ともいえないが、結果として、それだけの差が生じたといえる。

   ただ、問題は60代の食料品の消費額が高いかどうかであるが、家計調査データでは、年代を様々な角度から切って集計している。はじめの集計は5歳刻みであり、次の集計は10歳刻みである。そして、さらにもうひとつ集計があり、これも10歳刻みであるが、違いは前者が25から34、35から44など、5からはじまるのに対し、30から39など、0から始まるところである。したがって、今回の日経MJとの比較では、後者がそれに近いといえ、ここでは、これをもとに年齢別消費額を見てみたい。

   その結果であるが、~ 29歳(32,922円)、30 ~ 39歳(43,893円)、40 ~ 49歳(57,544円)、50~ 59歳(61,716円)、60 ~ 69歳(59,067円)、70歳 ~(54,361円)という結果であった。したがって、家計調査データでは50~59歳が、60~69歳よりもやや消費額が多いという結果となったが、その差は大きな差ではなく、わずかな差といえ、50~69歳までの高齢者の食料品の高い傾向が出ているといえる。30~39歳、40~49歳よりも明らかに高いといえ、日経MJとは若干のずれがあるが、その傾向はほぼ同じ結果であるといえよう。

   ちなみに、大分類で見た場合、特に60~69歳の消費が高いかというと、魚介類7,085円(50~59歳6,191円)、野菜・海藻8,907円(50~59歳8,359円)の2つは顕著な結果となっている。また、70歳以上のNo.1は果物3,405円(50~59歳2,578円、60~69歳3,281円)であり、年代が上がればあがるほど高い消費額となっている。逆に、若い世代の消費が強い大分類は~29歳、30~39歳ではなく、40~49歳では穀類7,452円(50~59歳6,773円)、肉類6,734円(50~59歳6,191円)、菓子類5,807円(50~59歳5,207円)、飲料5,443円(50~59歳5,154円)である。

   こう見ると、家計調査データで見ると、消費の牽引役は50~59歳であり、ついで、60~69歳と50歳以上がこと食品に関しては消費の中核にあるといえ、40~49歳、30~39歳が消費の中心でないことが明らかである。特に、生鮮食品ではこの傾向が堅調であり、先に見たように、果物では70歳以上がNo.1世代であり、びっくりである。日経MJの結果はその意味で、傾向としては、ほぼ、同じ結論であるといえる。

   日経MJでは「リタイア層に的を絞れば、様々な店舗づくりのアイデアが出てくるはずだ。」、さらに、「・・新業態の開発は、小売各社にとって魅力的な未開拓地に思えてならない。」と結んでいるが、これは、日経MJのアンケート調査結果からも、家計調査データからも、自然に導かれる有力な結論のひとつといえよう。確かに、これまでは、30~49歳ぐらいまでを中心顧客と見て、マーチャンダイジング、そして、マーケティングを実践してきたといえるが、この結果を見る限り、50~69歳を主力に据える時代になったといえよう。

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September 5, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 04, 2010

日経MJ、新製品週間ランキング、猛暑、飲料に注目!

   9/3(金)、恒例の日経MJ新製品週間ランキングが公表された。猛暑の中、飲料の動向が注目されたが、ベスト3には変動がなかったが、4位以下、20位までは、かなり大きな動きがあり、猛暑の影響を強く受けたものといえよう。そこで、ここでは、この飲料の動向に絞って、今週の新製品週間ランキングの結果を見てみたい。

   まずは、ベスト3であるが、No.1はサントリー、C.C.レモン500mlペットボトル、金額PI値509円と、今週唯一、金額PI値がAランクの500円を超えた新製品となった。カバー率も対象49チェーン、248店舗の96.4%が導入しての結果であり、強い支持があったといえよう。また、この関連新商品、C.C.レモンゼロ500mlペットボトルもNo.3に金額PI値355円で入っており、C.C.レモンの強さが光る週となった。ただ、カバー率は81.9%と微妙に少なく、No.1との差が出ており、15%ぐらいの店舗ではNo.1のみの導入であり、店舗が商品を厳しく選択していることがわかる。

   そして、No.2であるが、アサヒビール、ダブルゼロ350mlであり、名前のとおり、「世界初!、アルコール0.00%でカロリーゼロのビールテイスト清涼飲料」のノンアルコールビールである。金額PI値は402円と高い数字であり、カバー率も78.6%と高い。この新製品はNo.7にも350ml×6本が金額PI値286円で入っており、しかも、カバー率も63.7%とかなり高い数字である。、酒分類から清涼飲料分類としての位置付けも確実に確立しつつあり、好調な数字といえよう。ちなみに、ばら売りと6缶売りの価格であるが、バラは125円、6缶パックは742円であるので、1缶123.6円であり、ややお得な数字であるが、金額PI値はバラが圧倒的に高く、約140%の差となった。ビールでは6缶パックがバラを圧倒するが、ノンアルコールビールでは、逆の結果であり、差が出たといえよう。

   さて、問題の4位以下であるが、No.4は今週初登場の新製品、日本コカ.コーラ、ファンタワールドUKロッキン!ピーチ500mlペットボトル、金額PI値354円である。この新製品はNo.17にも1.5Lが金額PI値125円でランクインしており、注目の新製品である。ただ、カバー率は500mlが63.3%、1.5Lが35.5%であり、ダブルスコアーの差となり、店舗により、500mlだけという店舗が多いのが特徴である。今後、どの辺で数字が落ち着くか、来週以降の結果がポイントとなろう。No.5は先週4位のサントリー、伊右衛門焙じ茶500mlペットボトルであり、金額PI値299円である。ここまで、ベスト5すべて小容量であり、まさに、猛暑の影響、すぐに飲める商品がトップクラスを占めたといえよう。

   ただ、次のNo.6は意外な新製品が入り、ストック型の典型的な箱売りが入った。日本コカ.コーラ、アクエリアス500mlペットボトル24本であり、金額PI値293円、平均単価1,890円(1本当たり78.7円)である。カバー率はさすがに、20.6%と低いが、この限定された導入店舗では高い金額PI値を獲得したといえ、これも、猛暑の影響のひとつといえよう。定番中の定番の飲料は即飲型もストック型も、猛暑の中では、しっかり売れる仮説が成り立つということであろう。

   そして、No.8、No.9には今週初登場の新製品が立て続けに入った。No.8はサントリー、コラーゲンホワイト500mlペットボトル、金額PI値269円、No.9には、いままさに目の前にあり、これを飲みながらブログを書いているが、カルピス、「フルーツカルピス」完熟ぶどう&カルピス500mlペットボトル、金額PI値264円である。ここまでで、この2品を入れ、今週初登場の新製品が3品であり、新製品のトップクラスが特徴のある新製品で占められたといえよう。

   今週の飲料は、ここで終わらない。ここからが、また、今週の特徴といえ、No.10以下、No.13まで、そして、No.15、No.19、No.20とカゴメの新製品が7品占めるというカゴメのオンパレードとなった。いずれも野菜生活100シリーズであり、No.10フルーティサラダ930g、金額PI値220円、No.11紫の野菜、金額PI値214円、No.12Refresh!沖縄シ-クヮーサー&レモン777g、金額PI値174円、No.13沖縄シ-クヮーサーミックス200ml、金額PI値154円、No.15紫の野菜200ml、金額PI値132g、No.19トマトジュース900g、金額PI値119円、そして、No.20フルーティサラダ1000ml、金額PI値116円と、全部で7品である。これだけ、1社がベスト20に登場することは珍しく、これも猛暑で野菜の相場高もあったと思うが、異常なランキングといえよう。

   以上で20品中17品であるが、ちなみに、これ以外の3品はNo.14アサヒ飲料、六甲のおいしい水2L、金額PI値144円、No.16サントリー、DAKARAゼロスパークリング500mlペットボトル、金額PI値126円、そして、No.18サントリー、セブンアップクリアドライ490ml、金額PI値121円である。

   これで全飲料20品の日経MJ、新製品週間ランキングであるが、ベスト3以外はかなり変動が激しく、また、今週初登場の新製品も多く、さらに、カゴメの野菜関連の新製品が目白押しでランクインしており、まさに、猛暑の影響を強く受けた週であったといえよう。猛暑はまだしばらく続くとのことで、来週以降も飲料の動きには注目であり、目まぐるしく変わる新商品の重点商品をしっかり押さえ、食品スーパーマーケットとしては、飲料のマーチャンダイジングの充実を図ってゆきたいところである。

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September 4, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 03, 2010

野菜、猛暑、相場不安定!

   サミット滝野川紅葉橋店の9/1から9/5までの5日間連続での98円の生活応援大均一祭のちらしが飛び込んできた。ほぼちらし表面、全面での98円訴求、しかも、「野菜・果物が均一価格でお買得!」という青果を強くアピールしたちらしである。ここ最近、青果の相場は猛暑の影響を強く受け、不安定な相場となっており、食品スーパーマーケットの青果部門にも大きな影響を与えている。特に、野菜が相場高で異常値となるものが続出しており、その緩和を強く狙ったサミットのちらしといえよう。

   実際、ちらしに打ちだされた野菜、果物の商品を見ると、群馬などの国内産なす3本、長野産ぶなしめじ、新潟産ブナピー(ホワイトぶなしめじ)約100g入各1枚、メキシコまたはカリフォルニア産アボガド1コ、韓国産またはオランダ産パプリカ(各色)各1コ、岩手などの国内産ピーマン1袋、静岡などの国内産セロリ1本、アメリカ産ブロッコリー(輸入)1コ、栃木などの国内産にら1袋、山形などの国内産つるむらさき1袋、新潟などの国内産長ねぎ2L1本、大分県産JAおおいた中津・宇佐支所より直送・味一ねぎ約50g入1袋、群馬などの国内産キャベツL1/2切1パック、高地産しょうが1袋、北海道などの国内産かぼちゃ1/4切1パック、宮崎産洗いごぼう1袋、長野産えのき茸(大袋)約200g入1袋、宮崎産千切りだいこん(切干)1袋と野菜が強く打ち出されている。一方、果物は、フィリピン産バナナ約600g入1袋、南アフリカ産グレープフルーツ(スタールビー・ホワイト)各1コのみである。

   いずれも98円均一での訴求であり、しかも、これらの写真も大きく掲載されての訴求であり、いかに、青果、特に、野菜を強くサミットが意識し、消費者にアピールしているかがわかる。ちなみに、肉は9点、魚は9点、これ以外にも、日配、菓子、食品、そして、雑貨も豊富に訴求されており、表面は80%以上がこの98円均一での訴求となっており、これが、今日現在も、サミット紅葉橋店で販売されている。

   さて、この背景にあるのが、この猛暑による野菜の相場高であるといえる。ただ、すべての野菜が高騰しているわけでもなく、逆に、相場が下がっているものあり、不安定な相場といった方が正解といえよう。そこで、実際の野菜の相場がどのような状況であったのかを、東京都中央卸売市場の直近の数字で確認してみたい。8月第4週、8/20から8/26の相場状況であるが、上昇した野菜は、前年同期比で見ると、価格は、ほうれんそう153%(入荷69%)、トマト152%(入荷90%)、いんげん149%(入荷68%)、こまつな144%(入荷81%)、きゅうり141%(入荷98%)、にんじん129%(入荷80%)、だいこん121%(入荷84%)であり、以上が120%以上価格が上昇した野菜である。

   逆に同時期、相場が下がった野菜であるが、なす46%(入荷115%)、はくさい71%(入荷111%)、キャベツ75%(入荷100%)、レタス78%(入荷119%)、とうもろこし78%(入荷159%)、ピーマン79%(入荷91%)と、以上が80%以下の野菜である。こう見ると、ほぼ、価格と入荷とは反比例の関係にあるといえ、まさに、需要供給の法則が相場によって形成されているといえる。また、サミットの98円均一はどちらかというと相場高の野菜よりも、相場安の入荷が多い野菜に多く、また、比較的価格の安定している輸入商材に多いといえよう。当然といえば、当然であるが、入荷が少ないものを安定供給することは至難の業であり、逆に、入荷の多いものは安定供給しやすいので、自然、そうなるといえよう。

   ちなみに、この週の相場感であるが、「今週の1日の平均入荷量は、5,505トンで、前週比は4%増で、前年同期比では2%減となった。今週も引き続き全国的な高温と降雨もあったが、基調高から出荷促進され入荷は前週比増加し、・・」とのことで、入荷が促進されつつあるとのことである。ただ、一方で、「野菜は今週もレタスの高値が目立ち、きゅうり・トマトも高騰し、今後も品薄が予想されることから相場は堅調となった。」とのことで、どうもプラスマイナス両極端の相場がしばらく続きそうである。きゅうり、トマトなどの入荷が弱く相場高の野菜と、逆になす、レタスなどの入荷が多く、相場安の野菜と対照的な動きとなり、不安定な相場が続くと思われる。

   このように、ここへ来て、野菜の相場が猛暑の影響を強く受けたと見え、不安定な動きとなり、相場が入荷量によって、両極端な動きとなっているのが現状である。まだ、しばらくは猛暑が継続するとのことであり、このような野菜の不安定な相場は続くと思われる。したがって、食品スーパーマーケットとしては、サミット滝野川紅葉橋店のちらしのように、市場に大量に出回りはじめた野菜に関しては、いかに量をさばき、率ではなく、額を確保する政策を強く打ち出すことが課題となろう。逆に、入荷が極端に少なく、相場高となった野菜に関しては、値頃感を重視し、小分け、少量販売等により、質を重視し、率を追う政策がポイントとなろう。ただ、消費者は当然、相場高の商品をより安く望んでおり、既存の流通以外の仕入れ、相場安の商品との粗利ミックス等により、どこまで値頃に近づけられるがポイントとなろう。9月以降、食品スーパーマーケットの青果売場、特に、野菜のマーチャンダイジングがどのように変化するか注目である。

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September 3, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 02, 2010

出店意欲について

   これまで財務3表連環分析をする中で、マーチャンダイジング力、出店余力という食品スーパーマーケットの新たな評価指標を作ってきたが、もうひとつ、新たな指標を提示してみたい。「出店意欲」である。出店余力に良く似た言葉であるが、余力は文字通り、出店の余力が財務上あるかどうかであるが、意欲は出店余力の如何を問わず、出店戦略に経営資源を配分しているかどうかを見る指標である。したがって、出店余力があっても出店意欲がない、逆に出店余力がなくても、出店意欲があるということも当然起こることであり、出店意欲はまさに経営判断、経営の強い意志が反映された指標であるといえる。

   では、出店意欲とはどのような指標かであるが、これまでマーチャンダイジング力はP/L(損益計算書)から導かれた指標であり、キャッシュの源泉が商品売買からどのくらい得られているのかを見る指標であった。また、出店余力とはB/S(貸借対照表)から得られる指標であり、純資産(自己資本)でどこまで出店にかかわる資産、土地、建物、敷金保証金等を賄っているのかを見る指標であった。そこで、出店意欲であるが、これはP/L、B/SよりもCFに視点をおいた指標であり、経営の意思が最も強く表れるキャッシュの配分を前提に指標化されたものである。

   数式を示せば、現在の店舗数/(出店にかかわる投資キャッシュフロー/(出店にかかわる資産/現在の店舗数))であり、単位は今期、及び将来の出店店舗数の伸び率を表した指標である。ごく簡単にいえば、今後、どのくらい成長を見込んでいるかという経営判断、経営の意思を表した、まさに、出店意欲を示した指標である。これを解説すると、(出店にかかわる資産/店舗数)で現在の店舗当たりの出店にかかわる資産が算出できる。これはB/Sから得られる指標である。そして、出店にかかわる投資キャッシュフローを、この指標で割ることによって、現在、そして、今後、どのくらい店舗数を増やしてゆく意思があるのかがわかる。

   ここで、キャッシュフローが登場する。このキャッシュフロー、出店にかかわる投資キャッシュフローは、営業活動により得られたキャッシュフローから出店にかかわる資産、すなわち、固定資産、敷金保証金等へどのくらい配分したかの経営判断、すなわち、経営の意思が反映されたものであり、ここに、経営陣の意思、意欲があらわれるといえる。財務的には新規出店が厳しい状況にあっても、将来を考え、思い切ってキャッシュを新店に振り向ける場合もある。あるいは、営業活動によるキャッシュフローは薄いが、内部留保で投資をする場合もある。また、それも薄い場合でも外部調達、有利子負債を調達して投資をする場合もある。逆に、キャッシュは豊富にあるにも関わらず、投資をしない場合もあり、まさに、ここに出店への意欲が強く反映されるといえる。そして、この店舗数を現在の店舗数で割れば、どのくらい現状から店舗を増加させようといるかが算出でき、将来の成長戦略を推し量ることができる。

   意欲という抽象的な言葉もこのように数値化してみると、かなり、実態に近い数値に変換されるといえ、これを各食品スーパーマーケットで算出し、比較して見ると、現状の食品スーパーマーケットの経営陣がどのような出店意欲をもっているかを推し量かることができる。少なくとも、P/L、B/Sを眺めていただけでは分かりにくいといえ、このように出店意欲を数値化し、さらに、マーチャンダイジング力、出店余力等と比較すると、より、出店意欲が鮮明に浮かびあがり、経営陣の意思、意欲を感じとることができるのではないかと思う。

   そこで、実際の出店意欲を決算公開企業約50社の2010年度の財務3表連環分析をもとに算出してみると、出店意欲が15%以上の食品スーパーマーケットは、マックスバリュ東海35.8%、マックスバリュ西日本28.7%、アオキスーパー23.6%、九九プラス18.8%、オーケー18.5%、マックスバリュ東北18.1%、ヤオコー17.8%、ハローズ17.7%、大黒天物産15.2%となる。イオングループのマックスバリュの出店意欲が高いのが特徴である。マックスバリュ東海、マックスバリュ西日本ともに極めて高い数字であり、マックスバリュ東北も高い数字であり、いずれも出店意欲が高い。また、アオキスーパー、九九プラス、ヤオコー、ハローズ、大黒天物産も出店意欲が高く、今後、成長性が見込まれる可能性が高いといえよう。

   このように、出店意欲は、これまで開発した食品スーパーマーケットの経営評価指標、マーチャンダイジング力、出店余力につぐ、3つ目の指標として、今後、活用可能といえ、CF(キャッシュフロー)を評価する新たな指標としても、こと、食品スーパーマーケットの経営戦略を見極める上においても重要な指標といえよう。しばらく、この指標をもとに、実践的な分析を行い、今後、財務3表連環分析に組み込んでゆければと思う。これで食品スーパーマーケットの実践的な評価指標がP/Lからマーチャンダイジング力、B/Sから出店余力、そして、CFから出店意欲が揃ったことになり、財務3表連環分析も文字通り、連環度を深め、より完成度が高まったといえる。

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September 2, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 01, 2010

ベイシア、スーパーセンター、山梨1号店出店!

   ベイシアがはじめて山梨県へスーパーセンターを出店する。スーパーセンター業態としては37店舗目となり、新店としては、今期、2店舗となる。ベイシア全体としては、99店舗目の店舗となり、次の店舗が100店舗目の大台に乗ることになる。現在、ベイシアは2011年2月計画時点の売上高が2,900億円であるので、3,000億円台も視野に入ってきたといえ、この山梨店のスーパーセンターの成否はベイシアにとって節目につながる重要なポイントとなろう。

   「ベイシアスーパーセンター山梨店」のオープンは9/3であり、9/1(水)、2(木)の2日間がプレオープン、すでに、8/23に先行オープンしたベイシア電器を含め、NSC(近隣型ショッピングセンター)でもあり、広域からの集客を意識した業態ともなっている。商圏は、「山梨店は、山梨市と笛吹市を結ぶ県道312号線(一宮・山梨線)と国道140号線が交わる落合交差点の南に位置します。国道、県道両方からの直接アクセスが可能で、JR中央本線の春日居駅からも車で2分、徒歩で10分という好立地です。商圏として、山梨市、甲州市のほぼ全域と、笛吹市、甲府市の一部115,000人、38,000世帯を見込んでいます。」とのことで、10万人商圏の好立地である。

   実際、この立地を地図ソフトで見てみると、山梨店から国道140号線沿いがまさに山梨市の全域からの顧客を吸引する幹線道路であり、その東には甲州市が隣接しており、北と東に長い商圏であることがわかる。ここには、競合店として、地元食品スーパーマーケット、いちやまマート(約2km)、オギノ(約3km)も比較的近くにあり、激しい価格競争が予想される。また、西には甲府市、南には笛吹市も確かに一部商圏として読める立地であり、地図をじっくり見ていると、スーパーセンターにとって、近隣商圏はもちろん、中広域商圏も十分に狙える好立地であることがわかる。ここに38,000世帯(115,000人)が生活しているので、食品需要で約300億円、衣食住サービス含めた全消費需要で約1,500億円市場となる。仮に、ベイシアスーパーセンターが食品で10%のシェアを獲得した場合は、30億円の売上となる。

   ちなみに、売場面積であるが、5,957平方メートルであるので、約1,800坪であるので、食品で700坪ぐらいでの出店と予想される。近隣の食品スーパーマーケットにとっては、充分に脅威となる売場面積であり、しかも、「Every Day Low Price をモットーに、「徹底した低価格」、「豊富な品揃え」、「こだわりの鮮度」でお客様の毎日の暮らしを応援し、・・」とのことで、かなりの品揃えと価格訴求が予想される。特に、「ベイシア自慢の38円アイスコーナーやマルチアイス198円均一」、「ベイシアオリジナル食パンをさらにおいしく、さらにお買い得価格の毎日78円にて販売いたします。バターロールは6個88円で販売いたします。また、100円以下で購入できる菓子パンを豊富に品揃え、・・」、「豆腐・納豆・麺類など生活に欠かせない商品を豊富に品揃えし、お買得価格にて販売、・・」、「お買い得価格の298円弁当も品揃え、・・」等、激しい価格競争が予想される。

   さて、ベイシアのスーパーセンターであるが、この山梨店ではじめにも言及したように、37店舗となるが、1号店が2000年にオープンしたスーパーセンター渋川こもち店であるので、ちょうど10年となる。その間、福島県に白河モール店、安達店の2店舗、群馬県に前橋モール店、渋川こもち店、富岡店、安中店、吾妻店、月夜野店の6店舗、栃木県に大平モール店、さくら氏家店、烏山店、益子店の4店舗、茨城県に玉造店の1店舗、埼玉県に栗橋店、鶴ヶ島店、ひだかモール店、なめがわモール店、寄居北店の5店舗、千葉県に千葉古市場店、野田さくらの里店、佐倉店、東金店、市原八幡店、鴨川店、富里店、いすみ大原店、大網白里店、長生店の10店舗、愛知県に三好店の1店舗、岐阜県に関店の1店舗、滋賀県に彦根店の1店舗、新潟県に新潟豊栄店、小千谷店の2店舗、長野県に中野店、飯山店、あづみの堀金店の3店舗、そして、山梨県の山梨店の1店舗で計37店舗を展開してきた。

   特に重点地域がスーパーセンターを最大10店舗展開している千葉県であり、ついで、地元、群馬県の6店舗、埼玉県の5店舗、栃木県の4店舗、長野県の3店舗となる。これで28店舗、約75%であり、関東近辺が圧倒的である。そして、徐々にその周辺に拡大すると同時に、中部、関西方面にも出店地域を広げつつあるが、これら全部で全体の25%であり、実際、各県1店舗から2店舗であるので、今後、次の重点地域がどこになるかまだ現時点では明確でないといえよう。

   このような中で、山梨県への新規出店は、すでに、長野県に3店舗、岐阜県に1店舗、新潟店に2店舗と合わせると7店舗となり、約20%となるので、この甲信越地区が次の重点地域となりつつあるといえよう。その意味でもこの山梨店はまさに、この地域を強化してゆくための重要な店舗であるといえ、今後、この地域での新規出店が増えてゆくのではないかと思われる。ベイシアの次のスーパーセンターがどの地域に出店するのか、その意味で注目である。

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September 1, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)