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October 31, 2010

消費者物価指数、2010年9月度、昨対-0.6%!

   消費者物価指数(CPI)が10/29、総務省統計局から公表された。消費者物価指数(CPI)は日銀が事実上、インフレターゲットを採用したことにより、今月から金融政策とのリンクが図られるようになり、俄然、注目を集めるようになった。また、10/28からはすでに本ブログでも取り上げたがGoogleがGPIというGoogle独自の消費者物価指数の構築をGoogleショップの世界中の商品データよりはじめており、今後、ますます注目度が増すものといえよう。特に、Googleは速報性もあり、ネットに絞られるが、調査商品数も圧倒的に多く、今後、時間とともに、信頼度が増すものといえよう。これにより、日本はもちろん、世界中の消費者物価指数(CPI)も、再度、集計の仕組みを見直さざるを得なくなるのではないかと思われる。

   さて、その結果であるが、消費者物価指数(CPI)には、3つの総合指数がある。その3つの結果であるが、「総合指数は平成17 年を100 として99.8 となり,前月比は0.3%の上昇。前年同月比は0.6%の下落となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は99.1となり,前月と同水準。前年同月比は1.1% の下落となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は97.1となり,前月比は0.1%の上昇。前年同月比は1.5%の下落となった。」とのことで、いずれも前月比よりは同等ないしは、上昇しているが、前年同月比は下落しており、依然として、デフレ傾向が継続しているといえよう。また、CPIの由来ともいうべき、平成17年度比では、(1)99.8、(2)99.1、(3)97.1といずれも100を切っており、5年前の物価水準よりも下がっており、この数字を見ても、現在、デフレ傾向にあるといえよう。

   しかも、このデフレ傾向は、今回の数字と同時に公開された2つのグラフを見るとさらに鮮明である。1つは平成17年度比の5年間の推移の折れ線グラフであり、もうひとつは、前年同月比の5年間の棒グラフの推移である。まずは折れ線グラフであるが、驚くべきことに、(3)の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は平成18年10月以降、一度も100を超えたことがなく、むしろ、100のラインからの乖離が時間とともにひろがっている状況といえ、このグラフを見ると、深刻なデフレ環境が続いているといえる。また、(1) 総合指数、(2) 生鮮食品を除く総合指数は平成19年度から平成21年中盤までは100以上で推移していたが、その後、100を割り、この9月度まで100を超えることがなく、ほぼ1年間デフレ傾向が続いているといえる。

   次に棒グラフであるが、平成18年から平成19年度はプラスマイナス0でほぼ横ばいが続いていたが、平成20年度になるとすべての総合指数がプラスに転じ、ちょうどsinカーブの上向き上の格好となり、上に半円形で推移し、平成21年度になると、逆に下に半円形となり、今度はマイナスに転じた。まさに、sinカーブそのものと同じ推移である。ところが、sinカーブであれば、平成22年度は、またプラスに転じても良いが、実際のグラフはマイナスがそのまま続き、一向にプラスにならない横ばいの状況が続いている。明らかに異常な動きといえ、デフレ傾向の回復が見える気配が感じられず、物価はマイナスで止まってしまったような動きである。

   そこで、個々のこの9月度の状況を、特に、異常な状況が続く、前年同月比で見てみたい。まずは、大分類であるが、寄与度で見ると、総合指数-0.6%の中身であるが、マイナスの寄与度は公立高校授業料-0.39、私立高校授業料-0.10であり、この2項目で-0.49と大半を占める。ただ、これ以外でも、生鮮食品を除く食料-0.32、その他-0.49であり、必ずしも高校授業料のマイナスだけではなく、それ以上に、生鮮食料品をはじめ、その他もマイナスが大きい。逆に、プラスになった大分類であるが、相場高となった生鮮食料品0.45、電気代0.08、灯油0.08、ガソリン0.05、都市ガス代0.05と、いわゆるエネルギー関連の上昇が大きい。したがって、プラスは生鮮食品とエネルギー関連に絞られるといえ、これ以外でのデフレを脱却できる項目がほとんどないということが、深刻なデフレ環境が続いている要因といえる。

   では、さらに、デフレの要因となっている主な品目を見てみると、特に食品関連では、食用油-9.9、ビスケット-9.7、ミネラルウォーター-7.7、液体調味料-7.4、混ぜごはんのもと-7.4である。また、食品以外ではテレビ(薄型)-33.9、パソコン(デスクトップ型)-29.9、パソコン(ノート型)-22.1、カメラ-37.1等であり、これらが消費者物価をデフレに導いている主な品目である。

   このように、2010年9月度の消費者物価指数(CPI)が10/29に公表されたが、依然として全体の総合指数が-0.6%、その他の総合指数もマイナスが続いており、デフレ傾向が鮮明である。ここ数ケ月の推移を見ても、この9月度時点では、プラスに転じる気配が感じられず、当面、デフレ傾向が続きそうな状況といえる。すでに、11月に入り、今年も残すところ約2ケ月となった。これまでの消費者物価指数の推移をみる限り、今年はもちろん、来年前半もデフレ環境は続くものと予想される。食品スーパーマーケット業界としては、やや厳しい中間決算が終了し、後半戦に突入したが、デフレを前提した経営戦略を立案せざるをえず、今期は、厳しい決算が予想されよう。

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October 31, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 30, 2010

N005:満足度95%、大都市直売所、消費者アンケート!

   「農業者所得向上流通調査」(農林水産省補助金交付事業)に着手して、早6ケ月が過ぎた。本調査の目的は大都市の直売所、および直売方法の実態を調査し、農業者の所得向上へ向けた課題抽出、農業者のメリット・デメリットを整理することにある。これまで、特に首都圏及びその周辺の直売所について調査し、すでに、1,000件に及ぶ主要直売所のデータベースができあがった。最新の農業センサス2010によれば全国には直売所が16,824件あるので、その膨大な数からいえば、まだまだ限られた直売所であるが、この中には個人農家の小さな直売所もあるので、主要直売所は数千件と推測され、1,000件の主要直売所のデータはそれなりに、現状の主要直売所の実態を表していると思われる。

   さて、今回は、本調査の結果速報ということで、おいおい、直売所の実態については集計ができ次第、報告してゆく予定であるが、大都市における直売所に対する消費者の声を紹介したい。テーマは、大都市における消費者が、大都市の直売所で野菜、果物等の農産物の購入を経験した方がどのくらいいるのか、また、その購入経験者の満足度、未購入者の期待度をアンケート調査から明らかにした結果である。

   ここで大都市とは東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の6都市を選んだ。この6都市は、本調査事業の対象地区でもあり、依然、本ブログでも取り上げた日本の人口が集中している代表的な大都市であるからである。ちなみに、それぞれの地区の人口と伸び率であるが、札幌191.0万人(105%)、仙台103.7万人(103%)、東京都区部884.6万人(109%)、名古屋225.9万人(104%)、大阪266.8万人(103%)、福岡146.2万人(109%)であり、すべての都市が100万人を超え、人口も伸びている。また、いかに、東京都区部が異常な人口密集地であるかもわかる。

   日本の人口は2008年度を境に減少傾向が鮮明であるが、この数字のように都市部は人口増が続いており、今後、依然として有望なマーケットであるといえよう。ただ、少子高齢化が激しい勢いで進んでおり、これまでの延長では消費者の需要は獲得できず、柔軟なビジネスモデルの構築が課題となろう。

   このような大都市の消費者へのアンケートであるが、ネットを活用し、約1,000人に調査を行った。その結果は、大都市の直売所で野菜、果物等の農産物を購入したことのある消費者は約30%となった。何と、約70%が大都市の直売所での経験がないという結果である。いかに、大都市においては直売所を利用する機会がないかが浮き彫りになったといえる。先に見たように全国には16,824件も直売所があるにも関わらず、大都市での直売の経験者は約30%であり、まだまだ大都市では直売所の認知度が低いといえよう。逆に考えれば、大都市での直売所は有望な市場であるともいえ、今回の調査事業のまさに目的、大都市での農業者の所得向上をはかれる機会が多いともとれる。

   では、その約30%の大都市の直売所での購入経験者の内、再度、直売所で野菜、果物を買いたいですかと聞いたところ、驚くべきことに、約95%が買いたいとの答えだった。これは予想外の高い数字であり、大都市の消費者がいかに直売所での野菜、果物の購入を経験した方は望んでいるかがわかった。これも逆に考えれば、既存の大都市の野菜、果物を販売する食品スーパーマーケット、GMS、SC、八百屋等に課題があるということであり、大都市の消費者の潜在需要が改めて浮き彫りになった結果となった。

   一方、未購入者約70%に、もし、大都市に直売所ができた場合、そこで、野菜、果物を購入しますかと尋ねたところ、50%強の方が買うと答えている。逆に50%弱の方が買わないと答えており、ほぼ2分した結果となった。これも興味深い結果であり、購入経験者の方がもっと直売所に期待しているのかと思っていたが、意外に、低い数字であり、特に、購入経験者と比べ大きなギャップがあることがわかった。

   以上が消費者の大都市における直売所の認知度であり、購入経験者の満足度であり、そして、未購入経験者の期待度であるといえよう。まだまだ、直売所は大都市においては認知度が低いが、一旦経験すれば満足度は極めて高く、逆に経験しないと期待度はさほど高くならないという結果である。

   このように、大都市における直売所はまだまだ認知度が低いことが改めて浮き彫りになった。実際、今回調査をしてみて、首都圏においても、また、地方の大都市においても大都市のど真ん中にはほとんど直売所がないのが実態であり、大都市は直売所という業態にとっては、明らかに空白地帯であるといえる。そもそも、直売所自体が地産地消を原点に産地直売所から自然発生的に始まった経緯があることを考えると当然といえば当然である。ただ、今後はこの空白地帯の大都市においても、少しづつではあるが直売所ができつつあり、今回のアンケート結果が示すように購入経験者の消費者の満足度は異常に高いことから、いずれ、業態として一定のシェアを占めることになろう。この返の最新状況も踏まえ、引き続き、調査を継続し、随時、本ブログでもその結果を公表してゆきたい。

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October 30, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 29, 2010

Google、Googleショッピング、ベータ版公開!

   Googleが10/28、Googleショッピング、ベータ版を公開した。Googleによれば、「Google ショッピングは、ユーザーがウェブ上で商品を見つけて購入しやすくすることをサポートするサービスです。Google ショッピングに商品を登録することで、ユーザーがあなたのサイトをすばやく簡単に見つけられるようにできます。」とのことである。この仕組みは、誰でも、商品をGoogleに登録し、公開することが可能であり、逆に、消費者は欲しい商品があれば、その情報をGoogleで検索し、即、購入が可能となる。

   通常のGoogleの検索との違いは、検索するとホームページやブログが表示されるのではなく、まず、商品の写真が提示され、その商品説明があり、さらに、極めつけは価格が明示されることである。特に、商品の写真については、すべての商品に写真が表示されるので、写真がない商品はないといえる。なぜ、そんなことができかであるが、登録する際に写真が必須となるからであり、実際、登録者がえりすぐりの写真を選定しているので、鮮明で、選び抜かれた1枚をという感じで、商品の写真を見ているだけでも楽しい。

   さらに、商品の並び変えも可能であり、google得意の関連での並び替えはもちろん、価格が安い順、高い順での並び変えもできるようになっている。これに加え、検索の絞り込みも可能であり、価格帯別に絞り込むことができ、いわゆる、プライスラインごとの商品の検索ができ、ここから、商品構成グラフを作成することも可能となる。しかも、対象商品と同じ商品がある場合は価格を比較というボタンが表示されており、それを押すと、各登録者の価格一覧が表示され、どこで買えば安く買えるかが一目瞭然となる。

   実際、食品スーパーマーケットの取り扱い商品で検索して見ると興味深い結果が出てくる。たとえば、「トマト」で検索してみると、約 38,241 件がわずか0.07秒で検索される。画面中央にトマトの写真、商品説明、価格が表示され、商品登録者へのリンクがはられており、クリックすると、すぐに、そのトマトが購入できる登録者のサイトに飛ぶようになっている。このトマトを見てゆくと、トマトケチャップも入っているので、さらに、検索を絞り、「トマト、野菜」で検索して見ると、約13,388 件が0.08秒で表示される。まだ多いので、ここで価格帯で300円以下に絞ってみると、約581件が0.05秒で表示される。ただ、まだ、トマトジュースなどもあるので、思い切って「トマト桃太郎」で検索すると、約473件が0.06秒で表示されるが、やはり、トマトジュース等もあり、生鮮のトマトだけを検索するにはもうひと工夫必要なようである。

   もうひとつ検索してみたい。グロサリーである。「ポテトチップス」で検索して見ると、約2,350件が0.04秒で検索される。それにしても、先のトマトでもそうであったが、早いのには驚かされる。検索に全くストレスがない。トップにはカルビー、コイケヤのメジャーな商品はもちろん、ティレル、北海道美瑛、コストコ、山芳、オーサワ、ケトル、デスレイン、レイズ、メイシー、アメリカ ディープリバーなど、まず、食品スーパーマーケットの菓子売場では見たことがないポテトチップスが登場し、写真と価格を見ているだけで楽しくなる。

   ついでにもうひとつ、「マグロ」で検索してみると、約32,733件が0.04秒で表示される。天然本マグロの写真を眺めているだけで楽しいが、最も高いものを検索してみると、155,450円のマグロ切り包丁であるが、生マグロでは極上天然本マグロ大トロ(刺身約4人前400g前後) 31,500円である。逆に最も安いマグロは130円のマグロカマスライス1本である。ちなみに、「天然本マグロ」で検索すると、約3,512件が0.06秒で表示され、色鮮やかな天然本マグロの臨場感ある写真が見られる。

   では、Googleはこの膨大な商品データを今後、どう活かそうとしているのであろうか。日本だけでも、10/28公開と同時に、すごい商品数であるが、この仕組みを世界中ですでに展開している地域も、今後展開予定の地域もあるという。そこで、その活用方法について、気になる記事が日経に載っているが、見出しは、「米グーグル、物価指数の社内運用開始、オンラインショッピングのデータ分析」というものである。中身は、Googleのチーフエコノミスト、ハル・バリアン氏がGPI(グーグル物価指数)をこのGoogleショッピングデータから開発し、いわゆるCPI(消費者物価指数)よりも、素早く集計でき、しかも、対象商品数が圧倒的に多く、大規模かつ、全世界での集計が可能であるという。

   このように、日本のでもGoogleショッピングが公開されたが、スタートした現在でも膨大な商品データが登録されており、ほぼ食品スーパーマーケットの全商品、その価格が、オンラインショッピングであるが、見ることができる。もちろん、食品スーパーマーケットの取扱い商品に関わらず、日本中のあらゆる商品が検索可能となりつつあるといえよう。しかも、Googleは単に商品情報を提供するサービスをするだけでなく、この商品の統計処理にも着手し、すでにGPIを開発済であるというので、驚きである。数年後、このGoogleショッピングがどこに向かうのか、全く予想ができないが、これまでのマーチャンダイジングそのものを劇的に変える予感がする。

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October 29, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 28, 2010

食品スーパーマーケット、売上速報、9月度、102.6%!

   10/26、2010年9月度の食品スーパーマーケット業界3団体、オール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、社団法人 新日本スーパーマーケット協会による合同スーパーマーケット統計調査が公表された。回答企業数は263社、総店舗数7,062店舗の集計結果である。その結果であるが、売上高7,425.71億円(102.6%)となり、微増となった。9月度は猛暑、そして、何といってもたばこの値上げ前のかけこみ需要がどのくらい反映されたかが気になる月であったが、微増という結果であり、どちらも、全体の数字を大きく押し上げるまでにはならなかったといえよう。

   この売上速報は食品スーパーマーケット業界ならではの集計方法がとられており、いわゆる、生鮮食品、惣菜の売上高、そして、商品構成比も公開されており、この規模でここまで食品スーパーマーケット関連の数字が明らかになったのははじめてのことであり、価値の高い食品スーパーマーケット業界ならではの統計数字である。その結果であるが、最も伸び率が高かったのは惣菜104.0%(構成比8.9%)である。残念ながらまだ10%までは届いていないが、惣菜が食品スーパーマーケットの主力部門に確実に育ちつつあるといえ、しかも、この9月度は伸び率が最も高く、食品スーパーマーケット全体を牽引した部門となった。

   ついで、青果103.8%(構成比13.2%)となり、相場が不安定の中、生鮮3品の中では最も売上高の伸び率が高い部門となった。一般に食品スーパーマーケットの青果部門は相場が高い方が売上高が上昇する傾向にあり、逆に相場が低いと売上高が減少する傾向にある。これは青果、特に、野菜は食生活の根幹をささえる商品であるがゆえに、比較的価格が高くても消費者としては購入せざるをえない面があるからである。青果の客単価(金額PI値)はPI値×平均単価で表すことができるが、平均単価が上昇した場合、PI値は当然影響を受けるが、平均単価の上昇分以下の影響であれば、客単価(金額PI値)は上昇することになるので、この原理が青果には当てはまるためである。これが価格弾力性の強い商品では、平均単価の上昇が即PI値に跳ね返り、金額PI値ダウン、売上高減となるが、青果、特に野菜は相場高=価格上昇=売上高アップという図式がほぼ成り立つ部門であるといえ、この9月度もその図式通りに動いたようである。

   青果についで伸びた部門は非食品であった。103.1%である。8月度が98.8%であるので、4.3ポイントアップしており、まさに、たばこの値上げ前の駆け込み需要の影響といえよう。ただ、同時期のコンビニの非食品の数字143.9%(構成比40.1%)と比べるとその伸びはわずかであり、これが食品スーパーマーケットとコンビニにおけるたばこの影響度の違いであるといえる。これを見ても、コンビニにおいては、たばこが生命線であるといえ、たばこ購入顧客をしっかりつかんでいることがわかる。

   これ以外で伸びた部門は、103.0%(構成比45.3%)の一般食品その他、100.7%(構成比9.7%)の畜産である。そして、残念ながら、昨対を割った部門が水産、98.9%(構成比8.8%)である。この水産の構成比8.8%は、惣菜の8.9%と逆転しており、生鮮3品、惣菜の中で最も低い構成比であり、食品スーパーマーケットの中では、いまや水産は主力部門からはずれ、極めて厳しい部門であるといえよう。

   こう見ると、今後、食品スーパーマーケットも部門を再構築する段階に入ったといえよう。これまでの青果、畜産、水産、そして、惣菜という4部門から、日配、加工食品を含めて、少なくとも構成比15%前後の統廃合を前提に新部門を含め、数部門に集約する必要があろう。たとえば、畜産の加工肉、水産の塩干を鮮度管理が必要な発注管理部門として、日配に統合し、生鮮食品は加工による付加価値を追求する惣菜を中心に畜産、水産を統合する部門をつくるのも一案である。青果についても、既存の市場流通だけに頼らず、市場外流通、特に直売所をモデルに1店舗当たり生産者数百人の協力を得た新たな野菜、果物を取り込み、新農産部門をつくることも一案である。日配と加工食品に関しては、畜産、水産の一部を吸収、そして、統合し、温度帯により2つの部門に分けるなどが考えられる。こすることにより、現在の部門を数部門に集約することができよう。特に、少子高齢化が進み、店舗の小型化も模索される今後の状況を考えると、より食生活全般に対応できるトータルな部門構成と付加価値アップとコスト削減を同時に追求する必要があり、部門改革は今後数年以内に断行する必要があろう。

   このように、この9月度の食品スーパーマーケットの売上速報は全体としては、102.6%と8月度の101.0%と比べても伸び率が高く、まさに、猛暑の影響とたばこの値上げ前の駆け込み需要の押し上げもあったといえよう。ただ、たばこはコンビニほど大きな影響はなく、猛暑の貢献度の方が高かったと思われる。気になるのは、特にこの9月度の売上速報を見ると、部門構成の格差が大きく出始めたことである。今後、食品スーパーマーケットとしては、2008年からはじまった日本の人口の減少、都市部への集中、そして、急激に進む少子高齢化の時代を迎えるにあたって、これまでの商品管理体系に変わる思い切った部門の再構築が必要になったといえるのではないかと思う。まさに、転機、食品スーパーマーケット業界がどう動くか注目である。

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October 28, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 27, 2010

イズミ、2011年2月期、中間決算、増収増益!

   イズミが2011年2月期、中間決算を10/7公表した。結果は、営業収益2,463.40億円(1.6%)、営業利益102.32億円(4.2%)、経常利益96.69億円(2.9%)、当期純利益48.15億円(4.2%)となり、増収増益となる好決算となった。イズミ自身も、「特に、消費者の価格志向が強まる中、良い物を安く提供すべく、仕入先との連携により魅力ある商品の調達と仕入原価の削減に取り組むとともに、競争力のある価格設定で集客力を向上させるべく食品売場のディスカウント化等を推し進めました。さらに、人員の多能化や作業効率の改善等のコスト削減を強化し、販売単価の引下げと収益水準の維持向上の両立を図りました。」と、原価改善、経費削減の両立を図ったとのことで、これが好決算に結び付いたとの認識である。

   そこで、イズミのP/Lをもとに、原価、経費面の実際の数字を確認してみたい。まずは、原価であるが、78.83%(昨年78.32%)と0.51ポイント、原価の上昇が見られる。結果、売上総利益は21.17%(昨年21.68%)となった。これは、恐らく食品売場のディスカウント化を強く推し進めたことが、その要因のひとつといえよう。実際、食品の粗利率は24.8%(昨年25.4%)と0.6ポイント減少しており、結果、原価の上昇を招いているといえよう。

   ちなみに、イズミの単体の粗利率は20.4%(昨年21.0%)であるが、その内訳は、食品24.8%(昨年25.4%:構成比33.3%)、衣料36.8%(昨年37.5%:構成比14.8%)、住関連30.6%(昨年31.4%:構成比9.1%)、そして、テナント8.2%(昨年8.3%:構成比36.2%)となる。したがって、テナントの売上、利益貢献度が極めて高く、この粗利率が低いがために、全体の粗利が20.4%という結果となる。食品だけで見ると、通常の食品スーパーマーケットとほぼ同じ数字となる。それにしても、すべての部門で粗利率が昨年よりも下がっており、この中間決算期は厳しい経営環境であったといえよう。

   一方、経費の方であるが、21.75%(昨年22.47%)となり、0.72ポイント削減しており、大きく経費比率が改善したといえる。これについて、イズミは、「コスト面においては、衣料品の在庫削減や生鮮品の市況上昇に伴い売上総利益率が悪化した一方、引き続き生産性の改善による人件費の抑制や水道光熱費・店舗管理費等の削減を進めてまいりました。」とのことで、粗利率の悪化を補うべく、重点経費の圧縮に取り組んだとのことである。

   結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力であるが、-0.58%(昨年-0.79%)と、依然として、マイナスではあるが、経費の削減が寄与し、マイナス幅が縮小しており、マーチャンダイジング力が改善した。このマーチャンダイジング力は2010年度の本決算公開企業約50社の平均が-0.56%であるので、わずかにこの数字を上回ったといえる。今後、経費の削減とともに、いかに、ディスカウント路線を追求する中で、原価を改善できるかが、さらに、マーチャンダイジング力を改善するための課題といえよう。

   そして、これにその他営業収入が乗るが、その数字は4.95%(昨年5.05%)と、若干下がり、結果、営業利益は4.35%(昨年4.25%)と増益となった。ちなみに、イズミ単体でのその他営業収入であるが、5.2%あり、その中身は大きく3つに分かれる。不動産賃貸収入1.4%、流通センター収入1.4%、店舗賃貸共同管理費収入1.7%であり、これにその他0.6%となる。したがって、いわゆるテナント関連が3.1%と極めて高い数字となっており、これがイズミの収益の源泉ともいえ、ビジネスモデルであるといえる。ゆめタウンなどの大型SC主体のイズミならではの収益構造であるといえよう。

   これはイズミの店舗規模別の売上構成比をみると明らかであり、15,000平米(約4,500坪)を超える24店舗が65.9%と大半を占めている。食品スーパーマーケットクラスの3,000平米(約900坪)未満は16店舗であり、わずか4.0%であるので、イズミがいかに大型化、SC化をはかっているかがわかる。また2000年以降の開店の店舗20店舗の売上構成比が51.3%であり、主力店舗がここ10年以内の開店であり、まさに、ここ10年で急激にビジネスモデルを変えたことがわかる。

   これを受けて、イズミの2011年度2月期の本決算予想であるが、営業収益4,943.00億円(0.4%)、営業利益214.00億円(4.8%)、経常利益201.00億円(1.9%)、当期純利益 97.00億円(10.8%)と、この中間決算同様、増収増益予想である。やや気になるのは、増収率が0.4%であり、新規出店が厳しい状況にあるといえ、今期は、新規出店を控え、既存店の活性化に注力する方針であるといえよう。

   このように、イズミの2011年2月期の中間決算は増収増益とはなったが、成長率はわずかであり、売上高が伸び悩んでいることに加え、増益の中身も経費の削減は進んだが、原価の上昇が見られることが気になるところである。それにしても、イズミはこの10年でビジネスモデルを大きく変え、食品スーパーマーケットからSC主体の小売業へ変身を遂げており、びっくりである。実際、商品構成比、店舗面積、開店年度売上構成比をみると、その変身ぶりが鮮明である。今後10年、イズミが現状を維持してゆくのか、それとも、新たな業態開発に入るのか、そのゆくえに注目したい。

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October 27, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 26, 2010

丸和、事業再生ADR成立!

   10/22、丸和が「事業再生ADR手続の成立に関するお知らせ」を公表した。それによると、「本日、平成22年10月22日開催の第3回債権者会議におきまして、当社グループの事業再生計画案について、全お取引金融機関の皆様から同意書の提出をいただき、事業再生ADR手続が成立いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。」とのことで、懸案のADR手続きが成立したとのことである。これにより、今後、親会社ユアーズとの合併を視野に、経営再建を本格的に進めてゆくことが確実となった。

   ADRとは食品スーパーマーケットではあまりなじみがない経営再建手法であるが、会社更生法や民事再生法とは違い、「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」に基づき、裁判によらず、第3者の仲介により、経営再建を進める手法である。ADRは、Alternative Dispute Resolutionの略であり、「裁判外紛争解決手続」と一般には略されており、簡単で、柔軟性があり、時間も早く、非公開、かつ、専門性も高いということで、ここ最近注目されている経営再建手法といえる。

   さて、丸和が10/22に合意した内容であるが、10/22の「第3回債権者会議におきまして、当社グループの事業再生計画案について、全お取引金融機関の皆様から同意書の提出をいただき、事業再生計画案が債権者会議において正式に承認されたことにより、事業再生ADR手続が成立いたしました。」とのことで、全金融機関からの債権処理の同意がなされたとのことである。

   具体的な内容は大きく2つに分かれる。ひとつは、「事業再生計画期間中における季節運転資金の需要等に伴う資金繰りを安定化させるためにレイターDIPファイナンスとしての借入を予定」していることである。そして、もうひとつは、「当社及び親会社の信用力を補完し、財務上の課題である有利子負債を削減するために、当社及び親会社の一部のお取引金融機関に対してDESをお願いしており、DESの対象債権以外の有利子負債残高については、全お取引金融機関から返済スケジュールの見直し及び金利の減免を内容とする金融支援」である。ここで親会社はユアーズであり、今回のADRは親会社ユアーズとの合併が前提でもある。

   その具体的な金額であるが、丸和の有利子負債約250億円の内、約60億円がDESの対象となる。DES(Debt Equity Swap)とは債務の株式化のことであり、丸和がユアーズと合併後、その債務の内、60億円を株式化し、有利子負債の軽減化をはかることである。そして、残り約190億円であるが、これが返済条件緩和の対象となり、DESと同様、有利子負債の軽減化をはかるとのことである。これにより、丸和の有利子負債約250億円は大幅な軽減化が図られ、経営再建に大きく踏み出すことが可能となる。ちなみに、親会社ユアーズとの合併は来年5月の予定であるという。

   では、このように、有利子負債の軽減化をはかる一方、営業面ではどのような改革に取り組むかであるが、「(a)更なる不採算店舗の撤退等、(b)グループ全体における新規出店、既存店舗投資の積極化、店舗フォーマットのモデル統一、(c)会社規模に見合った費用構造への転換やグループ全体での効率経営の一層の追求等の諸施策を行う、・・」とのことである。(a)と(b)を同時に行い、売上高の減少を食い止め、(c)で経費削減をはかり、利益を確保するという内容であるといえよう。また、組織改革としては、「(a)本部機能の一体化による管理コストの削減及び、(b)経営の一元化によるガバナンス体制の強化を目的、・・」とのことで、親会社ユアーズとの合併を行うという。

   そして、このような政策の結果、「平成24年9月期には876百万円、平成25年9月期には1,182百万円、平成26年9月期には1,217百万円、平成27年9月期には1,250百万円、平成28年9月期には1,283百万円の経常利益が生じることになり、平成24年9月期には経常損益の黒字化が達成される見込み、・・」とのことで、経常利益の黒字は2年後の見込みであるという。

   また、このような金融機関の協力を得ての有利子負債の軽減、その後の一連の経営改革を着実に実施するために経営者責任、株主責任を明確にするとのことである。経営者責任については、代表取締役の異動(2010年11月1日)、そして、株主責任については、DESの60億円に見合う取得請求権付優先株式が丸和吸収合併後の親会社ユアーズから発行されることになるが、これにより、現在の丸和の株式がいわゆる希釈化(うすめられ)され、結果、株主責任を果たすことになるという。

   このように、懸念されていた丸和の第3回債権者会議が10/22に開催され、全金融機関からの同意が得られたことにより、ADRという食品スーパーマーケットでは珍しい経営再建が動きだした。ただ、丸和は来年5月には親会社ユアーズと合併し、吸収されることになるので、会社そのものは来年5月までの存続となる。ということは、事実上のM&Aと同じスキームでもあるといえ、M&Aに入る前に、ADRにより有利子負債の軽減化を裁判手続きなしにはかることにあるともいえよう。今後、この流れを受け、親会社ユアーズがどのような経営戦略を打ち出すか注目である。

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October 26, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 25, 2010

日本の人口を見る、2010年10月概算値!

   総務省統計局から10/20、日本の最新の人口が公表された。総務省統計局からは毎月20日前後に最新の人口が概算値として公表される。今月の数字はその概算値であるが、同時に5月度の確定値も公表されるので、毎月概算値を公表しながらも、5ケ月遅れで確定値を公表してゆく体制が組まれている。さて、その結果であるが、日本の全人口は1億2,738万人で、前年同月に比べ-13万人(-0.10%)の減少となった。これまであまり、日本の人口について詳細な数字を確認したことがなかったが、改めて見てみると、人口が国の根幹の数字であり、事業戦略を検討する上においても、重要な基本数字であることがわかる。特に、食品スーパーマーケットにとっては、人口動態はマーチャンダイジング戦略を構築する上において、少子高齢化が進む現状では最新の注意を払う重要な要素であるといえよう。

   さて、もう少し、最新のデータを見てみると、特に5歳刻みの年齢階級別人口であるが、0~4歳、5 ~9歳、10~14歳、15~19歳、20~24歳、25~29歳、30~34歳、35~39歳、40~44歳、45~49歳、50~54歳、55~59歳、60~64歳、65~69歳、70~74歳、75~79歳、80~84歳、85歳以上の18階級で分析されている。公表数字は生データのみであり、グラフにはされていないので、これをグラフにして見ると、最大値を示す階級は60~64歳の999万人(7.84%)である。巷間いわれているように団塊の世代といえ、高齢化が確実に進んでいることがわかる。ついで、大きな山となるのは、団塊の世代の子供であろう35~39歳の970万人(7.61%)である。したがって、この2つの山があり、0~4歳から35~39歳までは人口が増加し、35~39歳から60~64歳までは一旦下がって、また上昇する傾向があり、60~64歳以降は急激に減少してゆくグラフとなる。

   公表データではこの5歳階級別人口以外に少子高齢化を一目で判断できるように、さらに、0~14歳、15~64歳、65歳以上の数字が集計されているが、これを見ると、0~14歳(1,686万人:13.2%)、15~64歳(8,107万人:63.6%)、65歳以上(2,944万人:23.1%)という結果であり、まさに、少子高齢化を象徴している数字であるといえよう。ちなみに、75歳以上は1,424万人(11.2%)であり、0~14歳に近い数字であり、さらに高齢化が鮮明であるといえよう。しかも、これを5月確定の概算値で見ると、0~14歳人口は1,693.3万人で、前年同月に比べ-17万人(-0.99%)の減少、15~64歳人口は8,117.4万人で、前年同月に比べ-49.7万人(-0.61%)の減少、65歳以上人口は2,930.7万人で、前年同月に比べ55.2万人(+1.92%)の増加であり、少子高齢化が鮮明である。

   もうひとつ、公表データには平成12年(2000年)から2010年10月までの年度別人口の推移が示され、これについてはグラフも公表している。これを見ると、平成20年(2008年)が日本の転機であったことがわかる。大きな流れでは、平成12年(2000年)の1億2,561万人から平成16年(2004年)の1億2,626万人まで人口が伸び続け、ここでピークを迎える。その後、平成20年(2008年)の1億2,594万人までは何と横ばいに近い傾向が続くが、その後、平成21年(2009年)の1億2,582万人、そして、平成22年(2010年)に入ってからも、人口が下がりはじめている。特に、グラフで見ると明らかに右下がりの傾向が出ており、人口の減少傾向が鮮明である。したがって、平成20年(2008年)が転機であったといえ、ここから日本全体が人口減少傾向に入ったといえる兆候が明確であり、この10月度の最新データもその傾向を裏づけているといえる。

   最後に主要都市への人口集中度を見てみたい。対象都市として、札幌、仙台、東京都区部、名古屋、大阪、福岡の2000年度の人口と2010年9月度の人口を比較して見ると、札幌191.0万人(105%)、仙台103.7万人(103%)、東京都区部884.6万人(109%)、名古屋225.9万人(104%)、大阪266.8万人(103%)、福岡146.2万人(109%)であり、各都市部は全体の傾向と違い、人口が増加しているといえる。特に、東京都区部と福岡がほぼ2桁の伸びである。また、日本の全人口との比率、そして、この6都市の合計人口の中での各都市の割合を見てみると、札幌(1.5%、10.5%)、仙台(0.8%、5.7%)、東京都区部(6.9%、48.7%)、名古屋(1.8%、12.4%)、大阪(2.1%、14.77%)、福岡(1.1%、8.0%)であり、いかに東京都区部が大都市であるかがわかり、しかも、東京都区部に人口が流入しているといえる。

   このように改めて最新、2010年10月度の日本の人口を見てみたが、全体の人口が減少傾向を示す中、少子高齢化が確実に進みつつある姿がクローズアップされた結果であったといえる。一方、都市部には人口が流入している実態も浮かび上がり、特に、東京都区部は異常な人口となっているといえる。主要6都市の約50%を占める構成比であり、各都市の中でも明らかに異常な人口を抱えているのが東京都区部の実態である。食品スーパーマーケット業界としても、このような日本の人口の実情をしっかり認識した上で、今後の経営戦略を立てる必要があるといえ、2008年度が人口では転機を迎えたといえるので、改めてビジネスモデルを再検討する段階に来たように思う。

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October 25, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 24, 2010

ダイエー、2011年2月期、中間決算、減収、営業増益!

   ダイエーが2011年2月期、中間決算を10/8公表した。結果は、営業収益4,636.43億円(-6.6%)、営業利益8.18億円(前期は-24.93億円)、経常利益-6.98億円(前期-44.59億円)、当期純利益-16.23億円(前期-45.36億円)となり、減収、営業増益となった。経常、当期純利益は依然として赤字が続き、厳しい状況ではあるが、その金額は縮小しており、回復の兆しが見える中間決算の結果であったといえる。

   これについて、ダイエー自身は、「開発商品の販売拡大や原価低減施策を推し進めたことによる荒利益率の改善に加え、業務の効率化による生産性改善、前連結会計年度に取得した環境マネジメントシステムの国際規格である「ISO14001」に基づく省エネルギー設備の導入拡大等の取り組みにより販売費及び一般管理費の低減が実現し、前年同期に比べ33億円改善の8億円の営業利益となりました。」と、コメントしている。粗利益、経費共に軽減したことが営業利益の改善につながったとのことである。

   そこで、ダイエーの営業利益が黒字転換した要因を原価、経費面から改めて確認してみたい。まずは、原価であるが、69.98%(昨年70.35%)と、0.37ポイント改善した。結果、売上総利益は30.01%(昨年29.65%)と、30%を超えた。この30.01%はかなり高い数字である。この中間決算時のイオンが26.1%、セブン&アイHが25.6%であり、食品スーパーマーケット業界ではサンエーの30.17%が最大の売上総利益であるので、ダイエーの原価が極めて低く、結果、営業総利益がいかに高いかがわかる。

   これについて、ダイエーは、先のコメントにもあったが、「開発商品を中心とした原価低減や高値入商品の売上構成比拡大等により、引き続き荒利益率の改善に取り組んでまいりました。」とのことで、高値入れ商品を特に強化したとのことである。それにしても、これだけ、イオン、セブン&アイHと売上総利益が違うとは驚きである。ダイエー本体のGMSは他のGMSと比べ左程、大きな差があるとは思えないので、GMS以外の原価の低い業態が大きく売上総利益に貢献していると思われる。残念ながらセグメント別の決算が開示されていないので分からないが、専門店、グルメシティ、ビックエー等が貢献しているのではないかと思われる。

   一方、経費の方であるが、37.30%(昨年38.06%)と0.76ポイント改善した。単純な金額ベースで見ると、1,752.61億円(昨年1,609.42億円)であるので、143.19億円の削減であり、大きく経費が改善されおり、原価に加え、経費の改善も進んだ。ただ、37.30%は、イオンの中間決算の36.0%、セブン&アイHの33.0%と比べ、まだまだかなり高い比率であるといえ、今後、さらに経費の削減が課題となろう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-7.29%(昨年-8.41%)と大幅に改善されたが、依然として、経費比率に比べ、圧倒的に原価が低い状況が続いている。ただ、これはGMSの宿命ともいえ、本体はマーチャンダイジング力がマイナスになっても、その分、しっかり集客をはかり、結果、不動産価値を引き上げ、テナント収入を増大させ、営業利益をプラスにもってゆけば良いとの割り切りもあるからであろう。最近、食品スーパーマーケットでもNSC等が主力業態になってくると、この傾向があられてくるが、小売業の本来の姿としては、経費を極限まで引き下げ、価格競争においても競合に打ち勝ち、マーチャンダイジング力で勝負すべきであろう。

   そして、その不動産収入等のその他営業収入であるが、7.48%(昨年7.87%)と、原価、経費の改善は進んだが、残念ながら、その他営業収入は0.39ポン減少した。結果、営業利益であるが、0.19%(昨年-0.54%)と、マイナスから、若干であるが、プラスに転じ、黒字転換となった。

   さて、このような依然として、厳しい営業状況が続く中で、ダイエーの今期のキャッシュフローを見てみたい。まずは、営業活動によるキャッシュフローであるが、4.37億円(昨年15.38億円)と厳しい状況にある。したがって、投資活動へのキャッシュフローの原資が営業活動から賄うことができない状況にあるが、このような中でも、新規出店関連への投資キャッシュフローは-40.34億円と強気である。また、財務活動によるキャッシュフローについては、昨年同様、-98.55億円(昨年-95.22億円)の長期借入金の返済を行っている。したがって、その原資を内部留保と投資活動によるキャッシュフローの有形固定資産の売却26.49億円と差入保証金の回収49.85億円で賄っており、厳しい資金繰りといえよう。有利子負債も906.25億円と総資産の21.90%と、総資産対比ではイオンの30.05%、セブン&アイHの20.70%と比べ大きくはないが、自己資本比率が36.7%(昨年35.6%)であり、有利子負債を圧縮して、もう一段と財務改善を目指したいところであろう。

   このようにダイエーの中間決算は、減収とはなったが、営業利益では昨年の赤字から黒字に転換し、その中身を見ると、原価、経費ともに改善しての黒字転換であり、利益回復の兆しが見える。ただ、経費比率37.30%は依然として、かなり高い比率であり、さらに、営業面での改革が必要といえよう。また、営業黒字になったとはいえ、キャッシュフローは厳しい状況にあり、今後、成長戦略を描くには、財務改善も大きな課題であるといえよう。そのためにも、いかにキャッシュを生み出すか、すなわち、マーチャンダイジング改革が最大の課題といえ、今後、ダイエーが、後半、そして、中長期に渡って、どのような起死回生のマーチャンダイジング戦略を打ち出すか注目である。

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October 24, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 23, 2010

コンビニ売上速報、2010年9月度、異常値!

   2010年9月度のコンビニの売上速報が(社) 日本フランチャイズチェーン協会から10/20、公表された。結果は異常値、すべての指標がプラスとなり、全体の売上高は15.0%、既存店の売上高も12.9%となり、2桁の大幅上昇となった。その要因はもちろん、「たばこの値上げ直前による買いだめ効果」であるといえ、taspoの再来ともいえるたばこ需要が9月、1ケ月間に集中し、これが日本全国、約4万店舗のコンビニの売上高を大きく押し上げた要因である。このたばこの値上げの影響は食品スーパーマーケットにも及んでおり、多くの食品スーパーマーケットでたばこカテゴリーの金額PI値が軒並み大幅に上昇しており、グロサリーの全カテゴリーでNo.1の金額PI値となる食品スーパーマーケットが続出、まさに、たばこ旋風が日本中のコンビニ、そして、食品スーパーマーケットに吹き荒れた9月度であったといえよう。 

   実際、商品構成比および売上高前年同月比を見てみると、この売上速報では大きく4つのカテゴリーに分かれている。日配食品、加工食品、非食品、サービスであるが、この内、たばこが含まれるカテゴリーは非食品である。その非食品の数字を見ると、構成比40.1%(昨対43.9%)と、異常値であり、いかに、この9月度、たばこがコンビニに莫大な売上高をもたらしたかがわかる。これは8月度の非食品の構成比30.1%(昨対-0.5%)と比べて見ると、一目瞭然であり、明らかに異常値である。極論すれば、コンビニはたばこ屋の延長と考える方が良いくらいの数字といえ、日本中のたばこ需要をいっきにコンビニが担っているともいえる。

   実際、たばこの品揃えは食品スーパーマーケットよりもコンビニの方が良いといえ、どんなに小さなコンビニでもたばこは最重点商品となっており、100種類はレジの上に掲げてあるのが通常であり、コンビニを支える商品となっているといえる。では、実際、どのような商品が売れたのかであるが、参考に、食品スーパーマーケットであるが、その商品の一部と金額PI値を見てみてみると、以下のようになる。

   マイルドセブン20本×5(金額PI値1,198.88円)、セブンスター20本×10(1,100.94円)、 マイルドセブン・スーパーライト20本×5(1,098.97円)、セブンスター20本×5(1,098.97円)、マイルドセブン20本×10(892.36円)、マイルドセブン・スーパーライト20本×10(871.12円)、セブンスター20本(853.87円)、マイルドセブン・ライト20本×10(803.66円)、キャスター・マイルド20本×10(797.92円)、マイルドセブンスーパーライト20本(692.92円)、マイルド7プライムSPライトBOX20本×10(546.92円)、PMマールボロウルトラライトKS10P(542.83円)、マイルドセブンライト20本(538.35円)、マイルドセブンワン100SBOX20本×10(520.37円)、チェリー20本×10(514.25円)、キャスターマイルド20本(502.54円)、マイルドセブン20本(500.18円)となる。

   こう見ると、ほぼ、この9月度のたばこは生鮮食品並の商品ボリュームであったことがわかる。食品スーパーマーケットの生鮮食品は金額PI値1,000円(1人当たり1円)が最重点商品であり、ついで500円(1人当たり0.5円)が重点商品であるので、まさに、セブンスター、マイルドセブンはトマト、きゅうり、バナナ、まぐろ、ぶり、こま切れのようなボリューム、金額PI値であり、平台で思い切って、場合によっては対面販売で売っても良かったぐらい金額PI値が高い数字であったことがわかる。

   さて、コンビニの9月度の数字にもどると、売上高は15.0%、既存店も12.9%と大きく伸びたが、その中身、客数、客単価はどうであったかを見てみたい。まず、客数であるが、3.8%の増加であり、既存店も2.1%と伸びているが、微増である。一方、客単価であるが、何と10.8%、既存店も10.6%といずれも2桁の大幅な伸びである。しかも、客単価は2008年11月から、先月、2010年8月までの、ほぼ2年間毎月昨対を割っていたので、約2年ぶりの客単価増、しかも、2桁増であり、明らかに異常値である。したがって、今回のコンビニの売上高の大幅な上昇は客数ではなく、客単価であり、しかも、たばこがまさに客単価増に大きく貢献しての結果であるといえる。

   それにしても、taspoの時もそうであったが、たばこがここまで、コンビニの売上高に影響を与えるとはびっくりである。しかも、日本全体のコンビニに影響を与えた訳であり、いかに、コンビニとたばことの因縁が深いかがわかる。そして、気になるのは、来月、すなわち、10月以降の反動である。Taspo効果の時も大きな反動であったが、taspoは約1年続いての影響であったが、今回は短期集中、まさに、この9月度だけといっても良く、たばこの値上げが終われば、需要が一気にしぼむことになり、8月の状況に逆もどりとなろう。しかも、猛暑効果もすでに終わっており、経済情勢は依然として、円高、デフレと厳しい状況が続いており、この様相は中長期化する可能性が高いといえる。来月、すなわち、この10月以降、コンビニ各社がどのような対策を打ち出すか、その動向に注目である。

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October 23, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 22, 2010

出店余力と出店意欲について

   出店余力と出店意欲、余力と意欲の違いだが、言い得て妙、実に興味深い指標である。もともと出店余力という食品スーパーマーケットの成長戦略を占う独自の分析指標を先に創り、昨年まではこの出店余力を食品スーパーマーケットの財務分析にあたっての重要な指標のひとつとして活用してきた。その後、この出店余力を分析してゆく内に、奇妙な食品スーパーマーケットの実態が浮かび上がった。たとえば、出店余力が十分にあるにも関わらず、新規出店への投資にキャッシュフローを配分していない食品スーパーマーケット、逆に、出店余力がないにも関わらず、新規出店への投資を異常に配分している食品スーパーマーケットが出てきたことである。

   このようなケースが例外的にではなく、かなり多く発生したため、出店余力=新規出店による成長ではないという事実が浮かびあがった。食品スーパーマーケットの経営者は出店余力を考慮して、成長戦略を構築するのではなく、自らの強い意志がある場合には出店余力がなくても、新規出店を敢えて行い、成長を目指すこともある。また、逆に、出店余力が十分にあるにも関わらず、新規出店への投資を控え、内部留保を蓄え、消極的な経営を行う経営者もいるということが浮かびあがった。そこで、出店余力という指標だけでは、食品スーパーマーケットの成長戦略を説明しきれないと思い、新たな指標がないかと、改めて財務3表を見直してみると、キャッシュフロー、特に、投資活動におけるキャッシュフローの存在がクローズアップされた。

   食品スーパーマーケットの投資活動によるキャッシュフローを見ると、ほぼ100%近くが新規出店関連への投資であり、その中身は有形固定資産の取得と敷金保証金等への投資で占められている。もちろん、この有形固定資産は店舗以外、たとえば、本社屋、物流センター等への投資も考えられるが、これらは頻繁に発生する訳ではなく、その大半は新規出店への投資と見なして良いといえる。したがって、この投資活動によるキャッシュフローを見ることによって、食品スーパーマーケットの新規出店への戦略が見えるのではないかと考えた。 

   そもそもキャッシュフローはP/L、B/Sよりも、経営者の意思が強く反映される財務指標であるといえ、特に、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動によるキャッシュフローにはまさに経営者の葛藤がにじみ出ているといえる。したがって、新規出店戦略における経営者の意思が強く反映される投資活動によるキャッシュフローをみることによって、経営者の出店戦略を読み取ることができるはずだと考え、出店意欲を指標化しようと試みた。

   これが出店余力に対して、出店意欲という指標が新たに生まれたきっかけであるが、問題はこの出店意欲をどう指標化するかが課題となった。そこで、考えたのは、出店関連の資産、有形固定資産と敷金・保証金等の合計がいったい何店舗分にあたるかが算出できれば、その投資金額を通じてどのくらいの規模の成長戦略を経営者が描いているかがわかるはずであると思い、この指標化を試みた。そこで、いろいろ検討してみた結果、たどりついたのが現状の1店舗当たりの出店にかかわる資産を算出し、この数字を新規出店関連の投資活動によるキャッシュフローで割れば店舗数が算出される。さらに、この店舗数を現状の店舗数で割れば、大よそであるが、今後の成長率をかなりの程度反映しているであろうと考え、算出した指標が出店意欲である。

   実際、2010年度の本決算における決算公開企業約50社でこの出店意欲を算出してみると、ほぼイメージに近い数字となり、まさに、経営者の成長戦略への強い意志を感じる指標となった。そして、この出店意欲とすでに算出している出店余力とを見比べてみると、最初に感じた違和感通りの結果となった。すなわち、出店意欲の高い食品スーパーマーケットは必ずしも出店余力があるわけではなく、逆に、出店意欲の低い食品スーパーマーケットが十分な出店余力がある場合もあり、まさに、経営者の強い意志が出店意欲には反映されていることが読み取れる指標となった。

   ちなみに、2010年度の決算公開企業約50社の出店意欲と出店余力の関係であるが、出店意欲A15社の内、出店余力がAとなったのは2社、Cとなったのは8社であり、Cが最も多く、出店余力に関わらず、新規出店への強い経営者の意思が感じられる結果となった。一方、逆に出店意欲がCの10社であるが、Aが1社、Cが6社であり、Cは順当な経営判断であると思うが、A、そして、残りBの3社の経営者は出店意欲が弱く、やや消極的な経営判断をしているといえよう。

   このように、出店意欲と出店余力は意欲と余力の違いであるが、前者はキャッシュフローを中心に創った指標であり、後者はB/Sを中心に創った指標であり、その背景は異なっている。実際、この指標で分析してみると、出店意欲からは経営者の意思が読み取れ、出店余力からは経営者の成長戦略の結果が読み取れ、双方、バランス良く見ることが食品スーパーマーケットの経営の実情を見る上において重要なことがわかる。今後、さらに、工夫し、食品スーパーマーケットの経営の核心に迫りたいと思う。

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October 22, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 21, 2010

スーパーバリュー、2011年2月期決算、増収減益!

   スーパーバリューが10/13、2011年2月期の第2四半期、中間決算を公表した。結果は、売上高239.36億円(13.0%)、営業利益4.73億円(-20.8%)、経常利益3.97億円(-23.6%)、当期純利益1.52億円(-47.7%)となり、増収とはなったが、大きく減益となる厳しい決算となった。ただ、依然として、積極的な新規出店を行っており、高い成長率を維持している。

   そこで、これまでのスーパーバリューの出店戦略を見ると、2008年2月のジャスダック上場以来の新規出店を見ると、SuperValue 志茂店(2010年3月、東京都北区)、SuperValue 大宮天沼店(2009年11月、埼玉県さいたま市)、SuperValue 見沼南中野店(2009年11月、埼玉県さいたま市)、SuperValue 荒川一丁目店(2009年10月、東京都荒川区)、SuperValue 東所沢店(2009年7月、埼玉県所沢市)、SuperValue 入間春日町店(2008年12月、埼玉県入間市)、SuperValue 川口前川店(2008年11月、埼玉県川口市)と、2年半の間に7店舗となる。現在15店舗であるので、驚異的な新規出店ペースであり、これが、スーパーバリューの高成長の原動力となっているといえる。

   そこで、このハイペースでの新規出店を支える財務状況を見てみると、まず、気になるのは、自己資本比率である。この中間期においては、16.9%(昨年15.6%)と、改善しているとはいえ、10%台であり、負債に80%強依存する財務構造である点である。そこで、中間決算書に明示されている出店関連の資産、土地、建物の合計を見ると、132.97億円であり、総資産200.24億円の65.74%となる。また、これを現在の店舗数15店舗で割ると8.86億円となり、通常の食品スーパーマーケットが約5億円弱であるので、かなり大きな出店にかかわる資産である。これは、スーパーバリューの業態が食品スーパーマーケット+ホームセンターを基本としているため、食品スーパーマーケットよりも、売場面積が必要となり、その分、土地、建物等の資産が必要となるためである。

   したがって、差し引き、自己資本でどこまで出店にかかわる資産をカバーできているか、すなわち、出店余力を見ると、-48.84%となり、この分を負債に負っている出店構造となっており、ほぼ、出店=負債という構図となっている。その負債の中身であるが、最大の負債、有利子負債は109.82億円(総資産の54.84%)であり、出店余力をカバーする比率となり、この有利子負債がスーパーバリューの高成長を支えてきた原資といえる。

   本来の財務状況からいえば、この自己資本比率で高成長を支えるには無理があるが、スーパーバリューは負債、資産ともに責任財産限定の仕組みをとっており、有利子負債109.82億円の内52.00億円、出店関連の資産の内、57.58億円、ほぼ、半分がその対象である。したがって、この分は、全体の財務へは及ばないことになるので、実質、出店にかかわる資産、そして、負債ともに改善するが、それでも、現時点では、かなり重い負担であるといえ、今後、これまでの出店ペースを維持し、引き続き、高成長が続くかは、キャッシュフロー次第となろう。

   そこで、そのキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは-10.63億円とマイナスであり、厳しい数字である。当然、これは減益により、当期純利益が半減したこともあるが、今期は仕入債務が-14.55億円減少したことが大きい。本来、この営業活動によるキャッシュフローから、新規出店への投資が生まれるので、出店原資が今期は生み出せない状況といえる。では、投資活動によるキャッシュフローはどうかであるが、-3.44億円であり、その大半は出店関連であるが、先に見たようにスーパーバリューの出店にかかわる資産は1店舗平均8.86億円であるので、仮に土地を所有しない居抜き物件を考慮しても、1店舗が限度といえ、今期は厳しいキャッシュの状況であり、今後の新規出店が難しい財務状況といえよう。したがって、フリーキャッシュフローは-14.07億円とマイナスとなる。

   したがって、この分のキャッシュの調達が必須となるが、財務活動によるキャッシュフローを見ると、1.47億円のプラスであり、フリーキャッシュフローの-14.07億円を相殺するまでには至っておらず、結果、内部留保を-12.61億円取り崩し、現金が大きく減少することになった。現状、スーパーバリューの資産上の現預金は12.54億円であり、総資産の6.26%、本決算時が25.39億円であるので、ほぼ半減しており、厳しいやりくりであったといえる。

   このように、これまで新規出店を積極的に行い急成長を遂げて来たスーパーバリューであるが、この中間決算の結果を見る限り、今後、さらに高い成長を維持するのはかなり難しい財務状況にあるといえる。今後は成長戦略から、既存店15店舗の活性化の局面に移り、いかに、キャッシュを生み出す高収益業態への完成度を上げることが課題となろう。スーパーバリューは食品スーパーマーケットにないホームセンターという大商圏からの集客を狙える強みをもつ業態であるだけに、この強みをどう活かし、さらに収益性の高い店舗にもっていけるどうかがポイントといえよう。スーパーバリューが今後どのようなキャッシュを生み出すマーチャンダイジング戦略を打ち出すか、注目である。

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October 21, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 20, 2010

アークス、2011年2月期、中間決算、増収増益、好調!

   アークスが10/12、2011年2月期の中間決算を公表した。結果は、売上高1,511.85億円(18.1%)、営業利益45.61億円(13.7%)、経常利益49.82億円(13.2%)、当期純利益28.64億円(21.0%)となり、2桁の増収増益と、好調な決算となった。特に、売上高に関しては、昨年10月に完全子会社化した東光ストアの連結による増収が大きく、約250億円強の増収効果があったことも大きい。しかも、店舗数も連結後200店舗を超え、現在、202店舗となった。一方、営業利益の方は、東光ストアの連結効果よりも、アークスの業務改革によるところが大きいといえ、東光ストアの連結分を除いた場合の中間決算結果は、売上高0.4%増、営業利益10.1%増、経常利益9.1%増、四半期純利益20.1%増とのことである。

   そこで、アークスの営業利益が好調に推移した要因を原価、経費面から見てみたい。今期のアークスは経営環境を「消費者の生活防衛意識や節約志向の高まりから競合各社の低価格販売競争が続いており、厳しい経営環境で推移、・・」と認識しており、北海道の食品スーパーマーケット同士が、激しい価格競争にあるとのことである。したがって、このような厳しい経営環境で増益、しかも、2桁の増益を確保するのは並大抵のことではないといえよう。まずは、原価であるが、77.26%(昨年77.70%)となり、0.45ポイント改善しており、原価の改善が大きく進んだ。結果、売上総利益は22.74%(昨年22.30%)となり、粗利が上昇した。この22.75%は、2010年度の決算公開企業約50社のほぼベスト10前後の数字であり、食品スーパーマーケットの中ではかなり低い数字であり、価格訴求が強く意識された数字であるといえる。

   一方、経費の方であるが、19.72%(昨年19.16%)と、0.56ポイント上昇しており、原価改善とは対照的な結果となった。単純経費の上昇率が121.61%であるので、それ以上に大きく上昇した経費項目を見ると、その他の152.81%であり、人件費関連、店舗維持関連は大きな上昇は見られないので、東光ストア吸収合併に関わる費用等がプラスになったものと思われる。それにしても、経費が上昇したとはいえ、19.72%は、2010年決算公開企業約50社の中では7番前後であり、平均が25.6%であることを考慮すると、極めて低い経費比率であるといえる。

   これについて、アークスは、「グループシナジーの更なる向上策として、次世代システム構築の推進、(株)東光ストアのグループ入りに伴う人事給与システムのバージョンアップなどを推し進め、・・」とのことで、グループとしてのトータルコスト削減に取り組んでいるとのことである。もともと、アークスそのものが、八ヶ岳連峰経営を目指し、営業面での独立性を堅持しながら、共通経費等の削減が主な統合の目標であったわけであり、東光ストア統合も独立性を維持し、いかに全体のトータルコストを下げるが課題であるといえ、今後、時間とともに、さらに、経費比率が下がるのではないかと思われる。

   結果、差し引き、マーチャンダイジング力=営業利益は3.02%(昨年3.14%)となり、0.11ポイントのマイナスとなったが、売上高が18.1%上昇したことと相まって、営業利益高では13.7%の2桁の上昇となった。ちなみに、マーチャンダイジング力であるが、これも、2010年決算公開企業約50社で見ると、3.0%以上は6社しかなく、トップクラスの数字であり、いかに、アークスの数字が高いかがわかる。残念ながら経費比率の上昇は見られるが、この厳しい価格競争の中、原価改善を図っており、今後、経費も落ち着いてくれば、マーチャンダイジング力の改善は可能であろう。

   では、アークスが現在、どのような経営戦略を検討しているかをキャッシュフローの流れで確認してみたい。経営戦略の方向は特にキャッシュフローの投資活動によるキャッシュフローに現れるが、その結果は、-8.53億円(昨年-9.40億円)と削減されており、しかも、営業活動によるキャッシュフローが73.08億円(昨年70.06億円)であるので、極めて投資を絞り込んでいることがわかる。結果、フリーキャッシュフローが64.55億円(昨年60.66億円)と、多額のキャッシュを保有している。したがって、この大半を財務活動によるキャッシュフローに振り向けることになるが、その数字は-55.10億円(昨年-43.40億円)であり、その中身の大半は有利子負債の返済である。したがって、貸借対照表の有利子負債を見ると、156.84億円(総資産の13.14%、昨年本決算時204.05億円)と、大きく削減されている。こう見ると、この中間決算では財務改善にキャッシュの大半を振り向けているといえ、現時点での経営判断は好調な決算結果を成長戦略よりも、財務改善を重視した経営判断といえよう。

   このように、2011年2月期のアークスの中間決算は昨年の東光ストアの完全子会社化により、大幅な増収、そして、その増収効果を活かし、2桁の増益を達成した。特に、この厳しい価格競争の中、原価の改善を進め、合併に伴う経費の上昇をほぼカバーしており、高いマーチャンダイジング力を維持している。また、この好調な決算結果を、この中間期では、財務改善につなげ、今後の成長余力を蓄えている経営決断であるといえる。今後、東光ストアの連結が経費面でも削減に寄与し始めると、今回の財務改善から、成長戦略に舵を切る経営決断も可能となる。アークスがいつ、成長戦略にシフトするか、その動向、特に投資活動によるキャッシュフローに注目である。

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October 20, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 19, 2010

Google、2010年12月期、第3四半期決算、増収増益!

   10/14、Googleが2010年12月期、第3四半期決算を公表した。結果は第3四半期のみの営業収益では72.86億ドル(22.55%、約6,000億円)、累計では208.81億ドル(22.99%、約1兆7,000億円)となり、大幅な増収となった。また営業利益の方は、25.47億ドル(営業収益比34.95%、昨対22.80%、約2,000億円)、累計では、73.99億ドル(営業収益比35.43%、昨対26.89%、約6,000億円)と、営業収益同様、大幅な増益となった。この結果について、CEOのエリック・シュミット氏は、「素晴らしい結果だった。主力事業が好調に推移し、新たにスタートさせたディスプレイ、モバイル事業も勢いがある。引き続き、計画どおりに、人材、商品に対し、積極的な投資をしてゆきたい。」と、コメントしており、Googleの経営状況が極めて良好な状況にあるといえ、実際、好調な第3四半期決算となった。

   この好調な決算結果となったGoogleのコア事業とは何かであるが、その中核は、広告事業であり、Google web sitesが四半期累計で137.72億ドル(構成比65.95%、昨対21.86%)、Google Network web sitesが62.97億ドル(構成比30.15%、昨対22.91%)であり、合計構成比96.10%と、まさに、広告収入のみといっても良く、その他は5%以下という内容である。したがって、GoogleはWeb広告代理店といってもよく、日本でいえば、電通、博報堂のWeb版とでもいうべき企業であるといえる。ただ、広告を企業からの依頼を主体に掲載するのではなく、自ら、積極的に、広告価値のある検索、地図、動画、書籍等に投資を行い、これらを無料化することで、新たな広告市場を自ら作り上げ、そこに企業の広告を誘導するビジネスモデルを作り上げたところに真骨頂があるといえよう。

   そこで、Googleがどのように豊富なキャッシュを回しているかを、この第3四半期決算のキャッシュフローを見てみたい。まずは、営業活動によるキャッシュフローであるが、75.55億ドル(約6,000億円)である。その内、59.62億ドル(構成比78.91%)は当期純利益であり、いかにキャッシュを稼ぎ出す力が強いかがわかる。営業利益率も営業収益比で35.43%であり、小売業では考えられない高い数字であり、この利益率が高いキャッシュを生み出す要因となっている。これ以外の主なプラス項目では、株式関係の収入が9.80億ドル(構成比12.97%)、減価償却費が7.87億ドル(構成比10.41%)である。

   一方、投資活動によるキャッシュフローであるが、-78.31億ドルであり、営業活動によるキャッシュフローをやや超えており、積極的な投資をしている。したがって、差し引き、フリーキャッシュフローは-2.76億ドルであり、そのマイナスを財務活動によるキャッシュフローで補っている。ちなみに、Googleの現金関連であるが、貸借対照表を見ると、112.57億ドル(約9,000億円)という巨大な金額を保有しており、これは、総資産533.42億ドル(約4兆4,000億円)の21.10%と、高い比率である。ほぼセブン&アイHの2011年2月期の中間決算の19.0%に近い数字であり、キャッシュに強くこだわる経営哲学が感じられる。

   では、その投資活動によるキャッシュフローの中身であるが、最も大きな投資は、有価証券であり、-375.89億ドル(約-3兆円)であり、考えられないような巨大な金額である。ただ、これに近い金額の有価証券の満期や売却収入が何と+303.69億ドルあり、差し引き、約-70億ドル(約-5,000億円強)となる。ちなみに、有形固定資産関係であるが、-14.73億円ドル(約-1,200億円)であり、さほど大きな金額ではない。ちなみに、Googleの資産であるが、先に見た現金関連が大きな資産であるが、実は、それ以上に大きな資産があり、有価証券関連となるが、何と221.23億ドル(構成比41.47%、約1兆8,000億円)と巨額な資産となる。ついで、M&Aののれん関連が60.99億ドル(約5,000億円)、有形固定資産55.06億ドル(約4,500億円)となる。したがって、資産は圧倒的に現金関連が60%を超え、主となり、固定負債は総資産の26.04%と、約1/4に過ぎない。また、当然、純資産も高い数字であり、81.15%と、超健全な財務状況であり、負債が20%弱と安定している。利益剰余金も253.24億ドル(約2兆円)と豊富な内部留保であり、財務には十分な余裕がある状況である。

   そして、財務活動によるキャッシュフローであるが、フリーキャッシュフローの-2.76億ドルのマイナス分をカバーする形で、12.98億ドル(約1,000億円)であり、十分にカバーしている。これに、若干微調整が入り、結果、キャッシュフローはトータル10.59億ドルのプラスとなった。その中身であるが、3ケ月以上の有価証券の満期が13.84億ドル(約1,000億円)が大きく、これが財務キャッシュフローをプラスにした要因である。

   このように、Googleの2010年12月期の第3四半期決算は2桁の増収増益の好決算となり、絶好調である。Googleの収益源の95%以上がネット広告であり、この収入が大幅に伸びたことが要因である。しかも、Googleは国際企業であり、その営業収益の構成比はアメリカ48%、海外52%とほぼ半々、海外比率がじわじわと構成比を高めており、バランスが良く、今後、海外展開次第ではまだまだ成長する可能性は高いといえよう。また、純資産比率は80%を超える超安定財務であり、資産の20%を現金関連で保有しており、これに有価証券を入れると、60%を優に超え、豊富なキャッシュである。したがって、いつでも、1兆円を超える巨額な投資が即座にできる財務状況にあるといえ、今後、Googleがいつ、どう動くか、目をがせない状況が続くといえよう。
   
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October 19, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 18, 2010

セブン&アイH、イオン、中間決算、事業構造の違い!

   セブン&アイHとイオン、どちらも小売業界の巨頭であり、今期中間決算の営業収益は、2兆5,591.73億円(0.5%)と2兆5,051.21億円(-0.9%)と良く似た結果となった。数字だけを見ると、どちらがセブン&アイHかイオンかわからない状況であるが、その事業構造は全く違う。この中間決算の詳細な分析については、食品スーパーマーケット最新情報、プレミアム版を参考にしていただくとして、ここでは、その事業構造について両企業の違いを、最新の決算、中間決算の数字をもとに見てみたい。

   まずは、セブン&アイHであるが、その他を抜くと、5つに事業が分かれている。その営業収益、構成比、昨対を見ると、コンビニエンスストア事業1兆320.28億円(構成比40.32%、106.6%)、スーパーストア事業9,872.92億円(構成比38.57%、96.9%)、百貨店事業4,431.99億円(構成比17.31%、97.8%)、フードサービス事業416.61億円(構成比1.62%、90.6%)、金融関連事業547.15億円(構成比2.13%、97.3%)という結果である。柱は2つ、コンビニエンスストア事業とスーパーストア事業であり、この2つの事業で約80%となる。

   ちなみに、コンビニエンスストア事業であるが、この数字は変動が激しい。その要因は為替相場であり、今回のように円高になると、海外依存度の高いセブンイレブンは大きく影響を受ける。特に、今回の為替レートは91.36円で換算しているが、すでに現在80円台前半まで来ているので、10%前後はすぐ変動することになる。また、損益計算書では、この91.36円で換算しているが、貸借対照表では88.48円であり、細かい調整が入る。同様に中国、元も相場があり、これはスーパーストア事業に若干の影響がでるといえる。

   そのセブンイレブンのセブン&アイHへの貢献であるが、営業収益については、圧倒的に海外、アメリカの貢献度が高く、この中間決算では日本が2,781.29億円であるのに対し、アメリカは7,419.39億円と、2倍以上アメリカのセブンイレブンの貢献度が高いのが実態である。これは、日本のセブンイレブンは売上高を計上しているのではなく、いわゆるフランチャイズフィー、加盟店収入を計上しているためである。したがって、円高の影響がコンビニエンスストア事業には大きく跳ね返り、厳しい営業構造となる。

   では、営業利益はどうかを見ると、コンビニエンスストア事業1,025.05億円(構成比85.8%、103.5%)、スーパーストア事業34.53億円(構成比2.8%、128.4%)、百貨店事業-10.51 億円、フードサービス事業3.00 億円(構成比0.2、昨年赤字)、金融関連事業151.06億円(構成比12.6%、96.8%)となる。コンビニエンスストア事業のみに依存する利益構造といえる。これも日本とアメリカの関係であるが、日本が900.07億円、アメリカが160.44億円であり、逆転、圧倒的な日本のセブンイレブンの利益貢献度が高い結果となる。

   一方、イオンであるが、事業構造は大きく4つに分かれており、その結果は以下の通りとなる。まずは営業収益であるが、総合小売事業2兆339.51億円(構成比69.7%、100.0%)、専門店事業2,579.68億円(構成比8.8%、93.4%)、ディベロッパー事業841.08億円(構成比2.9%、102.7%)、サービス事業5,441.02億円(構成比18.6%、105.3%)となる。圧倒的に総合小売事業、すなわち、GMS、食品スーパーマーケットが営業収益の大半、約70%を占める事業構造となっている。

   では、営業利益はどうかであるが、総合小売事業216.40億円(構成比37.4%、1,754.4%)、専門店事業15.72億円(構成比2.7、昨年赤字)、ディベロッパー事業176.35億円(構成比30.4%、103.8%)、サービス事業170.55億円(構成比29.5%、87.1%)という結果である。営業収益では総合小売業が約70%であったにもかかわらず、営業利益では40%弱と、収益の柱となれないことに大きな構造上の課題があるといえ、結果、ディベロッパー事業、サービス事業と、ほぼ均等な利益貢献度となり、3つの事業がバランス良く利益を上げていることがわかる。ただ全体の営業利益率は2.48%であり、セブン&アイHの4.66%と比べるとかなり差があり、全体の営業収益の約70%を占める総合小売事業の不振が響いているといえよう。

   こう見ると、セブン&アイHもイオンも規模はほぼ同じであり、どちらも、小売業として総合化を目指しているが、その事業構造は全く違い、特に、収益構造に大きな差があるといえる。セブン&アイHは営業収益はコンビニエンスストア事業とスーパーストア事業の2本柱であるが、営業利益構造はセブンイレブン、それも、営業収益の圧倒的に少ない国内のセブンイレブンに大きく依存する状況であり、極めてバランスが悪い事業構造であるといえる。また、イオンは営業収益は圧倒的に総合小売事業であるが、営業利益はディベロッパー事業、サービス事業を加え、3つの事業がバランス良く利益を上げており、総合小売事業の不振が大きい。

   したがって、どちらも、本来の柱、GMS事業に大きな課題を抱えているといえ、GMS事業が営業収益への貢献度が高いにも関わらず、営業利益に結び付かないところに大きな構造問題があるといえ、それを別の事業で補わざるを得ないところに経営課題があるといえる。今後、中長期的な経営戦略として、このGMS問題は避けて通れない大きな経営課題であるといえ、セブン&アイH、イオンがどのように大ナタをふるい、経営改革に本格的に踏み込むか、その動向に注目である。

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October 18, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 17, 2010

ウォルマート、農業支援に本格参入!

   10/15の日経夕刊にウォルマートの農業参入の囲み記事が掲載された。見出しは、「米ウォルマート、途上国農家から直接調達を拡大」、「15年までに年810億円分」である。その記事の中身であるが、ウォルマートが2015年までに、世界中の中小農家から、年間10億ドル(約810億円)の農産物を直接調達し、世界中のウォルマートの店舗で販売するとのことである。農家数に換算すると、中小規模100万件となるとのことであり、その目標数字を農業技術指導や農機の貸し出しなどを通じ、1農家当たり平均10%から15%の年間収入を伸ばすことに設定したとのことである。

   それにしても1民間企業が100万人の中小農家の支援に乗り出すとのことで尋常ではない経営決断であるといえ、びっくりである。ちなみに、日本の農業就業人口は農業センサス2010によれば260万人であるが、農業経営体は163.1万件であり、100万件はすごい数である。この163.1万件の内、専業農家は45.2万件、兼業農家が118.0万件であるので、日本の全兼業農家分に当たるボリュームとなる。また、10億ドルを100万件で割ると、1,000ドルであり、これが10%から15%の年間収入ということで、逆算すると10,000ドルから15,000ドルとなる。ここがウォルマートの中小農家の中核規模であるといえる。たまたま、先のブログでも取り上げた首都圏、1都6県の約1,000件の直売所約50,000件の農家の売上げが100万円強であるので、直売所での売上げの構成比にもよるが、ほぼ一致するイメージである。したがって、日本に置き換えれば、その対象農家は、直売所をメインに販売している中小農家ということになろう。

   さらに、農業センサス2010を見ると、163.1万件の農業経営体の内、約60%が100万円以下の農業収入であり、300万円まで入れると約80%となる。いかに、日本の農業の規模が小さいかがわかる。したがって、ウォルマートが提示している1,000ドルの収入増は日本でもかなりのインパクトであるといえ、これが世界中となると、さらに、大きな農業へのインパクトであるといえよう。

   さて、ここからは、ウォルマートのニュースリリース、原文に当たってみたい。もちろん英文であるが、最近、Googleの翻訳機能が強化され、原文にやや近い形で日本語になるようになった。短いセンテンスの場合は発音もついており、英語を学ぶ上においても役にたつまでに進化したといえよう。早速、訳して見ると、まず、日経の記事にはなかった点がいくつかある。

   まず、ウォルマートのCEOマイクデゥーク氏のコメントであるが、「世界には1億人以上の人が農業に従事しており、その内、何百万人の農民が1日2ドル以下の生活を余儀なくされている。」という認識である。また、「2050年には世界人口は90億人に達し、少なくとも70%以上の食料の増産をしなければならない。」と付け加えており、この観点からウォルマートが何をすべきかを検討したとのことである。当然、日経の記事でも言及されているが、逆に考えれば、農産物の安定供給がままならない状況がウォルマートに近づいていることになり、既存の流通ルートではなく、独自の安定供給ルートを築く必要があるということにもなろう。

   そして、この認識のもとに、ウォルマートの経営資源を鑑みると、マイクデゥーク氏は、「持続的に農業を支援することにより、ウォルマートは食品産業界において、特に農家にとって決定的な差別化をはかることができる。たとえば、農家の所得向上が図れることはもちろん、農薬、肥料、水の供給を支援することもでき、結果、消費者に新鮮な野菜と果物を届けることができる。」と続けている。具体的には2015年までに100万人の農家に10億円ドルの売上げの機会を提供することに加え、この100万人の農家へ経営育成支援も行い、特に、女性にも力を入れ、10%から15%の所得向上に寄与するこちになろうということである。ちなみに、日本の西友に関してであるが、少し観点が違い、まずは35%の農産物の廃棄物を削減し、同時に、現在15,000件の農家との直接取引を、17,000に増やして行くとのことで、廃棄物の削減にも力を入れてゆくとのことである。中国では有機農産物の直接取引を15%引き上げるとのことであり、各国、様々な取り組みをはじめるとのことである。

   このようにウォルマートが今後本格的な農業支援、特に、中小農家への支援に取り組むとのことである。その目標数字も10億ドル、100万件の農家への支援であるとのことで、具体的である。しかも、アメリカ国内だけではなく、世界全体での取り組みであるとのことで、日本の西友も組み込まれたグローバルな取組みであり、インパクトは大きいといえよう。それにしても、1民間企業が世界的な規模で農業問題に真正面から取り組むのは異例のことといえる。残念ながら、日本ではこれほど巨大な小売業が存在しないので、これほど、インパクトのある農業戦略を打ち出すことはできないが、100万件とはいわず、数10万件の中小農業者の所得向上に関しては、大都市を直売所の拠点として確立できれば可能であるといえよう。その意味で、今回のウォルマートの取組に関しては日本の中小農業者の所得向上にとっては、極めて参考になる取組みであるといえよう。

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October 17, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 16, 2010

日経MJ新製品週間ランキング、10/15、チョコレート好調!

   先週のPOS/RDSセミナーでも取り上げた日経MJ、新製品週間ランキングの最新データが10/15、公表された。今週の特徴は、菓子に注目である。全新製品の中で、No.1の金額PI値の新製品が登場した。先週18位からの急浮上であり、584円(カバー率78.9%)というAランク(金額PI値500円以上)の数字を叩き出したロッテ商事、ラミー2本入である。日経MJのコメントでも、「チョコレートの中にラム酒で漬けたレーズンが入った定番の人気商品だ。」と解説しており、なつかしい商品のリニューアル版である。これに続き、菓子部門では7位まですべてチョコレートが占めるという状況であり、今週はまさに猛暑が終わり、涼しくなり、チョコレートの季節の到来といえよう。

   そのチョコレートの状況であるが、No.2もロッテ商事、バッカス12粒入、金額PI値320円(カバー率78.9%)と、Bランク(金額PI値300円以上)となった。No.3、No.4はネスレ日本、キットカットミニオトナの甘さ13枚、金額PI値302円(カバー率75.3%)、キットカットミニ15枚、金額PI値189円(カバー率76.5%)であった。いずれも平均単価が269円、259円と、チョコレートとしては高額商品であるが、高い金額PI値を獲得している。No.5は再びロッテ商事、これも定番中の定番、ガーナミルク58g、金額PI値162円(カバー率89.1%)と、さすがに、カバー率が高く、菓子分門ではNo.1である。平均単価は80円と低く、キットカットと対照的である。ちなみに、PI値を逆算すると、金額PI値162円/平均単価80円=0.20%となり、平均的な2,000人の食品スーパーマーケットで、1日、2,000人×0.20%=4個売れる商品である。菓子ではトップクラスといえよう。

   今週は、このように菓子部門がチョコレートの季節を迎え、活気を帯びており、全新製品の中でもトップクラスの金額PI値となり、全体の新製品を牽引しはじめたといえよう。これについで、その他食品も好調であり、順位も変動が見られ、アクティブな動きである。No.1、No.2は先週16位、19位から急浮上したいずれも、日清食品、ラ王背脂濃コク醤油114g、金額PI値517円(カバー率90.3%)、ラ王旨味豚コク味噌114g、金額PI値372円(カバー率89.5%)である。平均単価が先週225円、223円からともに216円と下がったことが大きいといえ、キャンペーンが入ったものと思われるが、金額PI値が406円アップ、283円アップという異常値である。

   これについで、No.3に先週1位の山崎製パン、吉野家牛肉まん1個、金額PI値360円(カバー率76.5%)が入った。依然として高い金額PI値を維持しており、8/28初登場であるので、1ケ月を優に超え、この数字であるので、初回購買からリピート購買に移りつつあるといえ、当面、この高い数字が続くのではないかと思われる。新商品は出始めはCM、イベント等のキャンペーンをはれば、初回購買が数字を押し上げ、金額PI値が急上昇するが、1ケ月目、2ケ月目となるにしたがいリピート購買につながるかどかが、ヒットするか、あるいは、ヒットしないまでも定番化できるかどうかの分かれ目となる。吉野家牛肉まんを見る限りでは、先週比76円の金額PI値ダウンはやや気になるが、依然として300円台、Bランクの金額PI値であり、高い水準を維持しているので、リート購買が発生し始めたといえ、安定に向かうのではないかと思われる。

   そして、POS/RDSセミナーでも取り上げた飲料のサントリーのフリーであるが、今週もNo.1、No.2を維持している。No.1はオールフリー350ml×6本、金額PI値495円(カバー率78.5%)、No.2はオールフリー350ml、金額PI値456円(カバー率87.4%)である。この2つは6缶パックと単品販売の違いであるが、興味深いのはカバー率が微妙に違い、単品の方が約10%ほど高いことである。金額PI値は6缶パックの方が高いにも関わらず、単品のみ入れている店舗が10%ほどあるということであり、もったいないと思う。この数字を見る限りでは、単品よりも6缶パックを優先した方が良いともいえる数字であり、ここが飲料部門の難しさであろう。

   同様に、500ml、1Lあるいは2Lの関係も同じであり、飲料は容量政策をどうマーチャンダイジングに活かし、キャッシュを獲得するかがポイントであり、金額PI値を優先して取り組んで欲しいところだ。ちなみに、PI値を逆算すると、6缶パックは0.07%、単品は0.36%であり、5倍の違いで数では単品が良く売れるが、平均単価の違いで6缶パックの方が金額PI値は高くなる。金額PI値=PI値×平均単価であるので、PI値、平均単価はあくまで、原因のひとつであり、結果は金額PI値でマーチャンダイジングに関しは判断したいところだ。

   このように、今週の日経MJ新製品週間ランキングは菓子部門のチョコレートが絶好調であり、いよいよ菓子の季節の到来といえ、今後、注目の部門といえよう。また、それに劣らず、その他食品に動きが見られ、こちらでも、新製品が動きはじめている。飲料はさすがに、季節の変わり目であり、厳しい状況にあるが、フリーが依然として、顧客から高い支持を獲得しており、この商品を含め、すでに、市場投入されているメーカ各社のフリーも気になるところだ。来週以降も、新製品がどのように動くか注目したい。

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October 16, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 15, 2010

直売所調査、中間報告終了!

   今年の5月に農林水産省補助金事業の直売所の調査を始めて4ケ月が経過した。やっと中間報告をまとめる段階までこぎつけ、10/14、農林水産省にて中間報告を行った。まだまだ先は長く、来年3月まで続く調査事業であるが、一歩一歩進めて、調査の完成度を上げてゆきたいと思う。直売所はいまや農業の6次産業化の販売拠点となりつつあり、自然発生的にはじまった産地直場所が徐々に大型化してゆき、かつ、都市部へと近づきつつある。野菜、果物だけでなく、加工品、花き、米、その他特産品、さらに、レストラン併設の直売所も増え始め、まさに、農業、農村の6次産業化の販売拠点となりつつあるといえる。

   ただ、残念なことに、都市部にはまだまだ一部の道の駅を除き、本格的な直売所は少なく、今後の課題となっている。現在は、マルシェ、食品スーパーマーケットのインショップ、そして、オイシックス、パルシステム、ラディッシュボーヤなどの通販などが主流であるといえる。現在、調査事業では、直売所については、先に大都市周辺の直売所の実態調査を先行しており、特に、首都圏、1都6県の主要直売所、約1,000件の実態をほぼまとめ終えたところである。今回の中間報告も、この首都圏の主要直売所の実態調査報告がポイントであり、そこから、農業生産者の所得、特に都市部の直売所において、いかに所得向上につなげるかの現時点での課題をまとめたものである。

   さて、首都圏の約1,000件の直売所の実態であるが、どう分析するかについて、いろいろ検討したが、3つの角度からクロス分析をして見ることにした。その理由は、直売所の研究論文はここ10年間だけでも多岐に渡っており、特に、農林水産省の各地の出先機関、農政局では、地産地消の観点から、大規模な調査が幾度となく実施されている。したがって、原則、それらの調査結果とも連動が図れるようにと思い、経営(運営)主体別、販売金額別の2つのクロス分析を採用することにした。

   そして、もうひとつは、今回の顧問をお願いしている千葉大学教授、斎藤修農業博士の指導のもとに、距離別のオリジナルのクロス分析を試みた。この3つを並べて1枚の分析表にすると、まさに、直売所の実態が浮かび上がり、約1,000件の直売所のイメージを瞬時に掴むことができる。最終報告では全国数千件の直売所の分析結果が全体、そして、地域ごとに数表化される予定であるが、今回は中間報告ということでもあり、まずは、首都圏約1,000件のまとめの中間報告が主体となった。

   その中身であるが、ポイントをいくつか見てみたい。まずは、直売所の原則は地産地消であるが、いわゆる地場産の割合はどのくらいかというと、約80%が平均である。これを経営(運営)主体別に見ると、生産者の直売所が90%と高く、JAが意外に低く66%となる。また規模別に見ると、さらに特徴が鮮明であり、年間500万円未満の直売所は94%と最も高く、年間3億円を超える直売所は61%と低くなる。また、距離別に見ると、20km圏内は58%であるが、60km以上は78%と高くなる。したがって、小規模、生産者の産地直売所ほど地産地消が際だっており、都市部、大規模、組織体の直売所ほど、地場産率が低くなり、様々な商品を取り入れていることがわかる。

   では、農業生産者は直売所にどのくらい集まっているかであるが、平均約70件ぐらいとなる。これもクロス分析で見ると、規模別では500万円未満では14件であるが、1億円を超えると100件をこえ、3億円を超えると200件近くとなる。また距離別で見ると、20km圏では40件前後であるが、60km以上になると100件を超えてくる。ただ、これを売上金額で見ると、平均は何と128万円となり、直売所の農業生産者は年間100万円を超えることが、まずはポイントでることがわかる。これもクロス分析して見ると、5,000万円クラスの直売所で50万円ぐらい、1億円を超えると100万円、3億円を超えると、300万円となり、規模と農業生産者の所得とは明確な相関があるといえる。さらに、距離で見ると、20km圏内は200万円近いが、60km以上は100万円となり、都市部ほど、所得が高いという結果となる。

   また、首都圏の主要直売所約1,000件の平均売上高であるが、9,434万円であり、ほぼ1億円となる。これもクロス分析すると、生産者主体の直売所は約3,000万円であるが、JAで1億強、市区町村主体の直売所となると2億円強となり、経営(運営)主体で規模が違うといえる。規模別で見ると、500万円未満の直売所の平均は172万円であり、意外に小さい。また、3億円以上は5億円強であり、こちらは逆に大きいといえよう。そして、距離別であるが、意外に20km圏内の都市部が約7,000万円、60km以上が1億円と産地直売所の方が売上規模が大きいという結果となった。

   このように、首都圏の直売所の実態をほぼつかむことができたが、今後は、さらに、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡周辺の直売所の実態に迫り、大都市直売所における農業生産者の所得向上にあたっての課題を明確にする予定である。まずは、中間報告も無事終了し、いよいよ、後半戦に入り、全国規模での調査へと移ることになるが、来年3月まで目いっぱい有効に時間を使い、調査事業に取り組んでゆきたいと思う。いずれ、専用のホームページを公開する予定であるが、それまでは、本ブログを通じ、時々、経過を報告したいと思う。

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October 15, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 14, 2010

マルエツ、2011年2月期、中間決算、減収減益!

   マルエツが2011年2月期の中間決算を10/8公開した。結果は、営業収益1,655.01億円(-3.3%)、営業利益34.77億円(-16.8%)、経常利益32.37億円(-19.9%)、当期純利益1.33億円(-96.4%)と減収、大幅減益となる厳しい決算となった。マルエツ自身は、「小売業界では、このような環境のなか、7~8月は猛暑の影響で一部季節商品が活発に動きましたが、全体としては雇用不安や所得の伸び悩みなどにより、お客様の低価格志向は強く、企業間の価格競争が続いており、厳しい経営環境となっています。」と、コメントしており、極めて厳しい経営環境であったことが伺える。

   そこで、まずは、マルエツの営業収益、すなわち、売上高が伸び悩んだ要因であるが、今期、マルエツは新店として、マルエツプチ人形町駅前店(東京都)、マルエツプチ西新宿六丁目店(東京都)、マルエツ中野若宮店(東京都)、マルエツ岩槻駅前店(埼玉県)、マルエツ元住吉店(神奈川県)の5店舗を出店し、マルエツ東本郷店(埼玉県)、ポロロッカ日本橋本町店(東京都)の2店舗を閉鎖し、差し引き、店舗数は3店舗増、合計249店舗となった。ただ、既存店の客数が98.3%、客単価97.6%となり、結果、既存店の売上高は96.0%と伸び悩んだことが大きく、営業収益が-3.3%となった要因といえよう。

   ここへ来て、マルエツは小型店舗戦略を強く押し進めており、今期も小型食品スーパーマーケット、マルエツプチを新規5店舗の内2店舗を展開している。さらに、10/13の日経流通新聞によれば、「マルエツ、超小型スーパー展開、コンビニ並み、都市部に、調理場なく低コスト」とのことで、さらに、小型、プチプチ、名所はマルエツプチとして展開するとのことである。記事の内容によれば、今月末に都内のコンビニ跡に140平米(42.4坪)の実験店をオープンし、今決算期中に5店舗まで増やすとのことである。マルエツは、その理由を、「高齢社会で都市部の生鮮取扱店へのニーズは一層高まると判断」しての、本格的な超小型店への参入であるという。ちなみに、このマルエツの超小型店の1号店は千代田区の予定であるが、次の候補地には杉並区が上がっており、ここにマルエツが出店すると、東京23区をはじめて制覇することになり、まさに東京都心部を代表する本格的な食品スーパーマーケットとなることになる。

   一方、今期、営業利益が2桁の減収となった要因であるが、原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、71.56%(昨年71.65%)と0.09ポイント減少しており、原価の改善が進んだ。これについてマルエツは、「、デフレの進行やお客様の低価格志向などに対応するため、「お手頃価格なのに、プラスワンの価値」がある新たなPB商品「maruetsu365」を開発し、低価格型のマルエツ限定販売商品と併せてご提供に努め、・・」とのことで、PBの効果も大きかったといえよう。結果、売上総利益は28.44%(昨年28.35%)となり、粗利が改善した。

   これに対して、経費の方であるが、28.53%(昨年27.75%) と、0.78ポイントと、経費の上昇が見られる。これに対して、マルエツは、「生産性の改善を行うため「オペレーション改革部」を新設し、生産性指標の目標を明確にし、オペレーションの標準化を図る「MOP(マルエツオペレーションプランニング)」に取り組んでいます。」とのことであるが、残念ながら、まだ、効果が表れていないようである。したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-0.09%(昨年0.60%)と、プラスからマイナスへ転じ、厳しい結果となった。ちなみに、マルエツの今期の経費比率28.53%を2010年の決算公開企業約50社にあてはめると、高い方から数えて、10番目前後となる位置に入るので、今後、この経費比率を少なくとも、平均の25.6%までにはもってゆきたいところであろう。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が2.24%(昨年1.89%)のり、営業利益は2.15%(昨年2.49%)となり、さらに売上高のダウンが相まって減益となった。こう見ると、原価とその他営業収入は改善できたが、経費の上昇が利益を圧迫し、減益を余儀なくされており、今後、経費の削減がマルエツにとっては経営の最優先課題であるといえよう。

   マルエツが今後、プチプチマルエツに走るのもその意味で頷ける話であり、このタイプはコンビニの跡地など居抜き出店が原則であるので、初期投資を抑えることができ、正社員は原則3店舗を兼任する店長のみとなり、生鮮、惣菜はセンター配送、ちらしも原則頒布しないという経費削減の極致をいった食品スーパーマーケットであるとのことである。仮に、これが100店舗を超えるようになれば、マルエツ全体の経費比率が大きく下がることになろう。

   このように、マルエツの2011年度2月期の中間決算は減収減益の厳しい決算となり、特に、原価、その他営業収入の改善は進んだが、経費の上昇が大きく、利益を大きく圧迫、これが減益となった要因である。今後、マルエツはこれまで実験してきたマルエツプチに加え、さらに超小型のプチプチを展開するとのことであるが、これを採算ベースに乗せるには、生鮮、惣菜センターの経費をカバーするだけのかなりの店舗数が必須といえる。今後、いつ、実証実験が終わり、いつ本格的な展開に踏み切るか、その動向に注目である。

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October 14, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 13, 2010

アオキスーパー、2011年2月期、中間決算、減収減益!

   愛知のアオキスーパーが2011年2月期の中間決算を9/24に公表した。結果は営業収益428.17億円(-5.2%)、 営業利益2.91億円(-58.6%)、経常利益3.36億円(-53.7%)、当期純利益0.90 億円(-76.2%)となり、減収、大幅減益となる厳しい決算となった。アオキスーパー自身も、「低価格販売の実施や、店舗の改装を行い販売促進に努めましたが、物価下落や個人消費の低迷等により厳しい経営環境となり、・・」と、コメントしており、厳しい経営環境であったことが伺える。

   そこで、アオキスーパーの営業利益が-58.6%となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、84.85%(昨年84.63%)と0.22ポイント上昇した。コメントにもあるように、物価下落の中、低価格販売を実施しており、原価への影響が大きかったものと思われる。結果、売上総利益は15.15%(昨年15.37%)となり、極めて低い粗利率となった。この数字は、2010年の決算公開企業約50社の中で最も低い食品スーパーマーケットがトライアルカンパニンーの16.1%、この時はアオキスーパーも同様の16.1%であるので、恐らく、現時点で日本で最も粗利率の低い食品スーパーマーケットではないかと思われる。それにしても、ここまで原価が上がると、これをカバーするだけの経費比率が求められるので、アオキスーパーは極めて厳しい経営環境にあるといえよう。

   そこで、その経費比率であるが、17.73%(昨年17.02%)と、0.71ポイント上昇しており、しかも、売上総利益の15.15%を大きく上回る比率であり、厳しい結果となった。通常、食品スーパーマーケットのビジネスモデルは売上-原価>経費、すなわち、売上高>原価+経費を目指し、これにその他営業収入が加わり、利益を確保するのが一般的である。これに対して、アオキスーパーのビジネスモデルは通常の食品スーパーマーケットとは逆であり、売上-原価<経費、すなわち、売上高<原価+経費であり、そもそも経費内に売上総利益を押さえることを意図しておらず、原価を極限まで上げ、結果、売上総利益が大きく下がり、それが経費を超えて、その他営業収入でカバーするというビジネスモデルを敢えて採用しているといえる。GMSに近いビジネスモデルであるといえよう。

   したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-2.58%(昨年-1.65%)と大きくマイナスとなる。これは前期、2010年度決算も同様に、マーチャンダイジング力は-1.1%となっており、結果としてではなく、意図的、戦略的に採用している食品スーパーマーケット業界では稀なビジネスモデルであるといえる。ただ、この中間決算のように、原価、経費、ともに上昇するという厳しい局面となり、しかも、デフレというさらに厳しい経営環境が加わると極めて利益が確保しにくい状況になる。そこで、その他営業収入を見ると、3.28%(昨年3.26%)と、ほぼ昨年並みであり、結果、営業利益は0.70%(昨年1.61%)となり、利益が半減するという結果となった。

   このアオキスーパーのその他営業収入3.28%は、2010年の決算公開企業約50社の平均が3.0%であるので、ほぼ平均に近い数字であるので、際だっているわけはない。したがって、アオキスーパーとしては、収益確保のためにも、今後、売上高<原価+経費のビジネスモデルから、売上高>原価+経費のビジネスモデルを検討することも今後の課題ではないかと思われる。ちなみに、その他営業収入の中身であるが、一般的には大きく2つ、不動産収入と物流収入とに分かれる。そして、この2つの数字を引き上げるためには、不動産収入においては坪効率、すなわち、圧倒的な客数を確保し、しかも、テナントを誘致する必要があるので、売場面積を拡大することが求められる。そして、もう一方の物流収入を引き上げるには、店舗数を増やし、物流センターをつくり、そこからいわゆるセンターフィーを確保する必要があり、規模の拡大が必要となる。こう見ると、その他営業収入に利益の源泉を求めると、必然的に店舗規模が大きく、かつ圧倒的な客数を集客する力強い店舗が数店舗ではなく、数10店舗、数100店舗必要であるといえ、結果、ディスカウント路線を選択せざるをえなくなるといえよう。

   これを受けて、アオキスーパーの通期予想であるが、営業収入877.00億円(-1.9%)、営業利益8.20億円(-56.2%)、経常利益8.90億円(-54.1%)、当期純利益3.80億円(-65.1%)であり、ほぼこの中間決算の結果に近い数字である。アオキスーパーにとっては、今期は極めて厳しい経営環境に入ったといえ、いかに、キャッシュを獲得するか、ビジネスモデルそのものが問われているといえよう。

   このように営業面では極めて厳しい局面にあるが、財務を見ると、自己資本比率は63.6%と極めて健全な数字であり、有利子負債も1.25億円と総資産231.56億円のわずか0.53%であり、経営は安定している。したがって、この厳しい経営環境に対して、今後、アオキスーパーが後半、さらに、中長期の経営戦略をどのように打ち出すか、注目である。

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October 13, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 12, 2010

大黒天物産、2011年5月期、第1四半期、好調!

   大黒天物産が2011年5月期の第1四半期決算を10/5、公表した。結果は売上高216.31億円(12.2%)、営業利益12.47億円(22.8%)、経常利益12.46億円(23.2%)、当期純利益5.31億円(-2.7%)となり、営業、経常段階では大幅な増収増益となる好決算となった。なお、当期純利益については、「資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額として特別損失に2.59億円を計上したことにより、・・」とのことで、特別損失が発生したため減益となったが、全体としては、このデフレ環境において、各食品スーパーマーケットが厳しい中間決算を公表する中、好調な第1四半期決算であったといえよう。

   この第1四半期決算の経営環境について、大黒天物産自身は、「小売業界におきましては、雇用情勢の悪化による消費者防衛意識の一段とした高まりや値下げによる価格競争の強まりなど、経営環境は非常に厳しい状態が続いております。」とのことで、厳しい現状認識をしており、食品スーパーマーケットを取り巻く経営環境は厳しさを増しつつあるといえよう。そこで、大黒天物産の第1四半期決算における営業利益がこのような厳しい経営環境の中にも関わらず、2桁の伸びと、好調であった要因を原価、経費面から見てみたい。

   まずは原価であるが、77.36%(昨年77.09%)となり、0.27ポイント上昇が見られる。大黒天物産のコメントにもあったように「値下げによる価格競争の強まり」が大きかったものと思われる。結果、売上総利益は22.64%(昨年22.91%)となり、粗利が若干減少した。大黒天物産は原価改善については、「商品戦略としましては、食品製造小売業(S.P.F)としてお客様に満足いただける商品の開発に取り組んでまいりました。」とのことで、S.P.F を標榜しており、自ら商品を製造し、販売するPB戦略を重視している。ただ、それでも原価の上昇が見られることは、それだけ、価格競争が厳しかったということであろう。

   一方、経費については、16.87%(昨年17.63%)と、0.76ポイント削減しており、経費を16%台へと大幅に削減した。これについて、「管理面におきましては、管理コストの一層の見直しと作業効率の改善による経費の圧縮及び「ウィークリーマネジメント」により数値管理の徹底を図ってまいりました。」とのことで、経費の圧縮を徹底したとのことである。それにしても、経費比率16%台への突入はすごい数字であり、食品スーパーマーケットにおける2010年度の決算公開企業約50社の中では2社しかない。オーケーの15.0%とトライアルカンパニーの15.5%であり、その他はすべて低くとも17%台であり、平均は25.6%であるので、いかに、16%台が低い経費比率であるかがわかる。ちなみに、この中間決算時のイオンであるが、36.0%であり、セブン&アイHは33.3%であり、圧倒的な経費差であるといえる。

   したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は5.77%(昨年5.28%)となり、原価のマイナスを経費の削減でカバーし、大きくプラスにもっていっており、好調な決算となった。大黒天物産の場合は、その他営業収益がないため、マーチャンダイジング力=営業利益となるので、原価、経費差がダイレクトに営業利益となる。さらに、これに売上増の12.2%も加味され、この第1四半期の大黒天物産の営業利益は22.8%と大幅な増加となったといえる。

   大黒天物産はこのようにマーチャンダイジング力が際だった強さであり、それが高収益を生み出し、急成長を支えているが、その成長戦略も独特である。この第1四半期の出店にかかわる資産、土地、建物、敷金保証金等の合計は98.09億円であり、全54店舗で割ると1.76億円となる。これは2010年度の決算公開企業約50社の平均が4.73億円であるので、極めて少ない資産での出店であり、これが急成長を支える最大の要因といえる。したがって、マーチャンダイジング力から得られるキャッシュを大量出店に当てることができ、通常の食品スーパーマーケットの4.73/1.76=2.68倍の速さで出店を加速することができる。また、大黒天物産のもうひとつの特徴は現金保有高であり、今期も87.22億円と総資産の35.5%となり、これは、2010年度の決算公開企業約50社中でも断トツのトップであり、恐らく日本一ではないかと思われる。この現金はディスカウント志向の食品スーパーマーケット特有の経営戦略であるといえ、大黒天物産以外ではアオキスーパー、オーケーが30%台であり、以下は20%前半となるので、独特な経営戦略であるといえよう。

   このように、2011年度第1四半期の大黒天物産の決算が公表されたが、結果は売上、営業利益ともに2桁の大幅増収増益となる好決算となった。特に、経費の削減が大きく増益に寄与しており、これが原価の上昇をカバーしての増益となった。今期、各社の中間決算を見てもこの傾向は強く、原価の減少を経費の削減により補っているケースが多く見られる。当面、小売業を取り巻く環境はデフレが継続するものと予想されるので、今回の大黒天物産のように、いかに経費削減ができるかが利益を確保する上での最大のポイントといえよう。大黒天物産の次の決算、中間ではどこまで原価改善に迫れるか注目である。

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October 12, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 11, 2010

家計調査データ、2010年8月度、最新!

   家計調査データ、最新、2010年8月度が10/1、総務省統計局から公表された。この8月度はまさに猛暑の影響がどう消費に影響を与えたか、また、この頃から徐々に意識されはじめた、たばこの数字がどう変化したかなど、気になる月である。特に猛暑は9月度も引き続き継続しているので、8月時点での動向が注目される。残念ながら家計調査データは集計結果が翌月の月末か、今回のように翌翌月の月初に公表されるので、現在10月に入ったが最新はこの8月度のデータである。

   さて、まずは、猛暑の影響であるが、総務省統計局では、家計調査データをトピックス的にテーマを決め、分析結果を新たに加えることがある。今月、8月度はまさに、そのトピックスとして、「猛暑により消費支出の増加に寄与したとみられる主な品目等」というレポートが加わっているので、これを参考に、猛暑の影響を見てみたい。
食料では、乾うどん・そば 9.8%(寄与度0.01% (冷麦,そうめんを含む)、梅干し34.9%(0.01%)、ゼリー16.4%(0.02%)、アイスクリーム・シャーベット21.5%(0.09%)、他の主食的調理食品9.8%(0.03%(冷やし中華,うどんセットを含む))、うなぎのかば焼き30.1%(0.03%)、飲料14.2%(0.21%)、ビール9.5%(0.05%)、発泡酒・ビール風アルコール飲料及び他の酒5.9%(0.02%)、飲酒代2.4%(0.01%)であったという。

   食料には外食も含まれるので、飲酒代も入っているが、飲料系統、アイスクリーム、梅干しと頷ける項目が多いといえる。結果、外食を除く食品は、2,037.32円(昨対98.6%)であり、これらが全体を押し上げるまでにはいかなかったといえよう。また、全体の消費支出も9,463.26円(100.8%)であり、あまり、個々の項目は別として、全体への影響は猛暑であったにも関わらず、消費には影響がなかったといえよう。

   参考に、食料以外の猛暑の影響を受けたと思われる項目であるが、電気代8.8円(寄与度0.28%)、電気冷蔵庫111.5%(0.24%)、エアコンディショナ13.8%(0.09%)、他の冷暖房用器具17.5 %(0.01%(扇風機を含む))、他の寝具類 18.6%(0.01%(タオルケットを含む))、タオル39.6%(0.02%)、ガソリン2.0%(0.04%)、浴用・洗顔石けん6.0%(0.01%(洗顔フォームを含む))、化粧クリーム5.8%(0.01%(日焼け止めを含む))、傘 23.7%(0.01%(日傘を含む))という結果である。食料を含めた合計の寄与度は1.20%であるので、その分の上昇はあったと思うが、それ以上に落ち込んだ項目があったということであり、やや厳しい消費であったといえよう。

   ちなみに、たばこであるが、32.71円(99.2%)であり、この8月時点ではまだ、たばこの駆け込み需要は発生していないといえよう。食品スーパーマーケットの実際のPOSデータを見ると、この頃から徐々にたばこの金額PI値が上昇しはじめ、9月度はとうとう全カテゴリーの中でNo.1となるなど、異常な状況であり、来月度のたばこの動向がポイントとなろう。

   では、食品について、さらに、8月度の消費の実態を見てみたい。まずは、大分類であるが、伸びたものは、飲料165.35円(111.2%)、酒類132.13円(102.9%)、調理食品283.94円(101.7%)、乳卵類108.84円(100.7%)、果物127.90円(100.3%)という結果であり、飲料、酒がNo.1、No.2であり、明らかに猛暑の影響といえよう。ついで、伸び悩んだものであるが、菓子類243.45円(98.6%)、油脂・調味料103.35円(96.4%)、野菜・海藻262.81円(97.8%)、肉類201.13円(94.9%)、穀類203.74円(93.3%)、魚介類204.65円(92.5%)という結果である。こう見ると、生鮮食品は果物以外は全滅であり、猛暑は水分、塩分関連以外生鮮食品を含め、厳しい消費環境であったといえよう。

   ついで、気になった項目を見てみたい。まず、穀類がほぼ全滅であり、特に、主力の米68.19円(87.4%)、食パン21.42円(93.0%)、他のパン 51.16円(96.1%)が厳しい状況であった。また、野菜が全般的に厳しい消費状況であり、ほうれんそう2.55円(78.2%)、はくさい1.29円(88.9%)、じゃがいも4.68円(81.9%)、さといも1.65円(89.5%)、だいこん3.58円(82.2%)、ごぼう2.10円(91.5%)、たまねぎ6.65円(90.4%)、れんこん1.58円(94.2%)という状況であり、野菜の入荷不足からの相場高の問題も大きかったといえよう。油脂・調味料も伸びたのは酢4.00円(115.9%)、ジャム3.29円(105.2%)、しょう油6.00円(101.6%)の3項目のみであり、これ以外は、食用油9.42円(90.4%)、マーガリン2.10円(85.5%)、食塩1.55 円(94.1%)、みそ5.32円(85.9%)、砂糖3.10円(89.7%)等軒並み厳しい数字である。

   また、伸びた分類の中でも、飲料では緑茶8.03円(87.7%)、紅茶1.52円(81.0%)、コーヒー9.58円(89.5%)、ココア・ココア飲料0.52 円(84.2%)、酒でも清酒13.48円(94.6%)、焼ちゅう17.42円(95.7%)、ワイン4.74円(93.6%)などは消費額が落ちており、すべてが良かったわけではなかった。

   このように2010年8月度の家計調査データの消費額は猛暑のプラス効果が期待された月であったが、結果はこれまで見たように、大きく伸びた項目もあったが、全体を押し上げるまでには至っておらず、食品は昨対98.6%と意外に厳しい数字となったといえよう。そして、問題は次の9月度、猛暑が引き続き継続した月であるが、8月度と比べどのような変化が見られるか気になるところである。

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October 11, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 10, 2010

後半、POS/RDS分析セミナー、終了、セミナー解説!

   前回のブログに引き続き、10/8に実施されたPOS/RDS分析セミナー、後半の解説である。後半は、仮にタイトルをつけるとすると、「RDSだからできる、自社のPOSデータをPI値で生き返らせる方法」とでもなろうかと、前回のブログでつけてみたが、まさに、自社のPOSデータの復活、蘇生とでもいえる内容である。本来であればRDSのデータと自社のPOSデータは繋がるはずはない。今回のノーベル化学賞のように、マイナスとマイナスの炭素は反発しあい、けっして交わることがない。ところが、そこに、パラジウムという触媒が入ることにより、マイナスの炭素同士の結合が起こり、これが社会に大きな利益を生み出す契機となった。しかもその製造技術には特許がなく、無償で提供されたことが、普及に拍車をかけたといえる。

   今回のセミナーは、今後、POS/RDS分析が食品スーパーマーケット業界に普及し、自店が活性化し、結果、顧客=消費者に莫大な利益をもたらすかどうかは、現時点ではわからないが、PI値がパラジウムのように自社のPOSデータと本来結びつくはずのないRDSデータとがほぼ100%結合する触媒の役割を果たしはじめたことは事実である。まさにクロスカップリング、POSの鈴木カップリングが起こったといえる。そして、その象徴的な商品として、菓子パンを取り上げ、これを日本中の食品スーパーマーケットが無料で診断可能とし、体験できる機会をつくり、いま、現在も継続して、菓子パンの無料診断を受け付けている。もちろん、RDSは食品スーパーマーケット1店舗から無料で参加できるので、参加すれば、PI値を触媒に約5万件のデータが自社のPOSデータと結合することができ、マーチャンダイジングの改善、レイアウトの改善、結果として、店舗の活性化ができ、引いては、食品スーパーマーケットの半径1kmの商圏のお客様の食生活の改善に寄与し、消費を喚起することに繋がるといえる。

   今回は、その意味で、ほんの小さな一歩であるが、着実な一歩を踏み出したのではないかと確信している。RDSは、経済産業省所管の財団法人流通開発システムセンターのPOS分析事業であり、民間とは違う準公的な組織である。だからこそできた無償のセミナーであり、無償のPOS分析であるといえる。今回のようなクラウドを活用した各食品スーパーマーケットのPOS分析の支援は、本来、民間だけがやる話ではなく、特に中小食品スーパーマーケットへの支援は、公的機関がやるべき課題であるといえ、まさに、今回のセミナーはその第一歩となったのではなかったかと思う。

   さて、後半の内容であるが、ポイントは2点、RDSデータの自社への活用法、そして、RDSデータをレイアウト改善に活かす方法である。今回、RDSデータ約5万件を分析して、意外だったカテゴリーがあった。その他農産である。テキストにもベスト30のその他農産の生データを掲載したが、実に興味深い結果となった。RDSデータは一般に生鮮、地場の米、日配等は弱いといわれているが、その他農産の分析結果を見ると、No.1になったのは甘熟王のバナナであり、RDSデータでは、金額PI値2,479.27円、PI値10.25、平均単価235.1円であった。これ以外にも、ねぎ、枝豆、えのき、もやし、しいたけ、なす、しょうが、みょうが等トップクラスに上がってきており、これをさらに見直せば、十分に生鮮にも活用できそうだということがわかったことである。その他農産以外にもその他畜産、その他水産もあり、惣菜等にも、特に冷惣菜への活用は十分に可能である。

   こう見ると、食品スーパーマーケットとしては、RDSデータをグロサリー、日配関係だけでなく、生鮮、惣菜へも活用できる可能性が広がったといえ、自社のPOSデータとPI値でクロスカップリングすることにより、店舗全体の活性化に寄与することが可能であるといえる。特に、自社のPOSデータがRDSデータよりも優位性の高いカテゴリーはいち早く、商品の見直しを行い、活性化を加速させることがポイントといえる。逆に、弱いものは、強いカテゴリーでの実力をつけてから取り組めば良いといえる。

   そして、もうひとつの後半のポイント、RDSデータのレイアウトへの活用であるが、これは、まず、自社のレイアウトをRDSデータよりも強いカテゴリーを赤、弱いカテゴリーを青で塗り、客動線と比較することから始めれば良い。そして、まずは、客動線の見直し、商品のゾーニングを再検討することである。客動線に沿って、赤い色が優先的につくように四半期に1回ぐらいのペースで必要に応じてハードへも投資してゆけば良い。これだけで、1年後には顧客満足度の高い、より、顧客に近づいたレイアウトになってゆくはずである。また、これと同時並行で、重点カテゴリーから、MD評価表を用いて、自社のPOSデータとRDSデータを徹底的に比較し、尺効率をもとに、売場の尺数調整をはかり、欠品、過剰在庫の防止をはかれば良い。基本はこれだけである。

   このように、今回のPOS/RDS分析セミナーは、自社のPOSデータとRDSの約5万件のPOSデータがPI値を媒介にして、クロスカップリングが可能となったこと、そして、それを菓子パンを通じて体験可能となったこと、さらに、その応用として、レイアウトの改善、商品力の強化から取り組むと店舗の活性化が図れ、顧客満足度の高い食品スーパーマーケットに生まれ変わるきっかけとなることを約90分で解説したセミナーであった。今回は商品力の活性化、レイアウトの改善に照準を絞ったが、このクロスカップリングはまだまだ応用範囲が広く、発注、販促、棚割、商品開発、プライスラインの見直し等可能である。また、今後はメーカー、卸等との連携、食品スーパーマーケットを支援しているIT企業、コンサルタントの方との連携も重要な課題であると思う。

   セミナーに参加された方、改めて、ご清聴ありがとうございました。

セミナー開催!(POS-RDS分析セミナー10/8、無料)
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October 10, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 09, 2010

POS/RDS分析セミナー、終了、セミナー解説、前半!

   10/8に実施したPOS/RDS分析セミナーが終了した。このセミナーは、経済産業省所管の財団法人、流通システム開発センター主催、株式会社マーチャンダイジング・オン協力のもとで行われ、私がメイン講師を務めさせていただいたものである。私もはじめての挑戦であるfree&free(セミナ―料金、RDSのPOSデータ)のセミナーであり、どうなることかと思ったが、会場は75名が入るスペースに、食品スーパーマーケットの方を中心に、卸、メーカーの方など80名を超える方が参加されたとのことで、満杯となった。

   今回のセミナーのテーマは、「自社、地域POSデータ活用により、店舗をリフレッシュ、売上、顧客満足度アップ」であり、内容は2つ、「自社と地域POSデータのPI値活用方法大公開!」と、「POSデータを店舗改装に活かすノウハウ大公開」である。特に、RDSのPOSデータは独特なPI値を採用していることもあり、テキストは、PI値の基礎講座も入れ、約30ページ、関係資料を入れると約50ページ近くとなり、かなり内容の濃いものとなった。いずれ、本テキストについては、今回参加できなかった方のために、何らかの形で無償でご提供させていただく予定である。また、セミナー内容をビデオにもとったので、RDSに参加されている企業、今後、新たに参加される企業には無償でご提供させていただく予定である。

   さらに、セミナーの中でも詳しく解説させていただいたが、菓子パンの無料診断については、当面、これも無料で継続させていただく予定であり、PI研のホームページから申し込めるので、食品スーパーマーケットの方は、RDS同様1店舗から申し込み可能であるので、検討いただければと思う。特に、菓子パンの品揃えを全面的に見直したい店舗は参考になるものと思う。

   菓子パンは食品スーパーマーケットの全商品の中でも、最も重要な商品であり、従業員の方がマーチャンダイジングの基本を学ぶ上においても最適の商品である。特に菓子パンは品揃えが命であるが、自社だけで品揃えを考えると、徐々に少なくなり、縮小均衡になってゆく傾向があり、結果、顧客の満足を得ることができなくなる。RDSのPOSデータでは、月間約1,000SKUの品揃えがPI値付きで提供されており、これを自社の菓子パンのPOSデータとマッチングさせ、フルに活用することによって、次月度からガラッと品揃えが変わるはずであり、結果、顧客から絶大な支持が得られるものと思う。

   さて、セミナーの内容であるが、冒頭でPI値についての基本的な解説から入った。特に、この日は金曜日であり、ちょうど、日経MJで新製品週間ランキングが公開されることもあり、そのランキングの基本となるPI値についてまず解説した。日経MJではランキングの順位を金額PI値順で見ているが、この金額PI値がRDSのPOSデータ同様、独特なPI値を活用している。PI値は様々な種類があり、日経MJの金額PI値は取扱い店舗のみの客数を分母にしたPI値であり、対象全店舗の総客数を分母にしてはいない。実は、PI値には大きく2つのPI値があり、ひとつは、日経MJ、そして、RDSでも使用している取扱い店舗のみのPI値であり、もうひとつは、全店舗のPI値である。

   この2つは実は密接な関係があり、全店舗のPI値=客数PI値×取扱い店舗のPI値で関係づけることができる。客数PI値は取扱い店舗の客数/全店舗の客数である。したがって、本来、取扱い店舗のPI値は客数PI値と共に存在しているPI値であり、理論的には必ず、客数PI値を明示する必要がある。ところが、日経MJでは、この客数PI値が明示されておらず、その代用としてカバー率、すなわち、取扱い店舗率が示されている。ただ、このカバー率を取扱い店舗のPI値に掛けても、全店舗のPI値にはならず、あくまで、客数PI値の参考となるに過ぎない。本来、取扱い店舗のPI値を示すのであれば、客数PI値は不可分の指標として必然的に付いてくるものであるが、意外に落としてしまう場合が多いので、ここをしっかり押さえることがポイントであることを初めに解説した。なお、今後のRDSのPOS分析には、客数PI値は必須の指標となる予定であり、理論的にも実践的にも活用しやすくなるものと思う。

   そして、これについでセミナーの前半で、特に深く解説した内容は、前回のブログでも取り上げたMD評価表、その基礎となるMD方程式についてである。これについては、前回のブログを参照いただければと思うが、基本は、金額PI値=PI値×平均単価であり、金額PI値とPI値(数量)は並列でなく、従属関係にあり、マーチャンダイジングの目的は金額PI値が基本であり、PI値、平均単価はその手段でしかないという点をじっくり解説した。そして、この原理を今回のRDSのPOS分析には全面採用していることを実際の生データを用いて解説した。これについては、稿を改めて、再度、本ブログで取り上げたい。特に後半では、PI値のレイアウトへの活用についても解説し、RDSのPOSデータをどう店舗改装に活かすか、特に、客数PI値が極めて重要な役割を担うことを、実際のRDSのPOSデータと改装図面を用いて解説した。

   PI値に関してはこれ以外にも、様々な実践のノウハウがあり、これについてもポイントのみを解説した。たとえば、PI値活用のための基準値設定のポイント、発注への応用、粗利PI値、ちらしPI値、エンドPI値、さらには、最先端のID-PI値についてもそのさわりを解説した。以上がセミナー前半の内容であり、タイトルをつけるとすると、「知っているようで知らないPI値の真実」とでもなろうか。そして、次回、後半は、「RDSだからできる、自社のPOSデータをPI値で生き返らせる方法」とでもなろうか。

・・続く!

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October 9, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 08, 2010

MD評価表とは?

   本日、10/8は、POS/RDS分析セミナー当日である。私の持ち時間は、14:10から15:40までの90分であり、今回、テキストを2つ用意させていただいた。ひとつは、「PI値の基礎講座」、そして、もうひとつはメインテキストの「自社と地域POSデータのPI値活用方法大公開」である。このテキストは、何らかの形でセミナー同様無料で一般公開してゆきたいと考えており、いずれ本ブログで告知する予定である。また、本セミナーの内容については改めて、本ブログでも取り上げる予定であるが、ここでは、今回のセミナーの根幹となっているMD評価表について解説したい。

   MD評価表とは、文字通り、マーチャンダイジングを評価する帳票のことである。PI研オリジナルであり、いまから約20年前、まだ船井総研の時代であるが、1992年10月に基本方程式、MD方程式を開発し、そのMD方程式にそって、各指標を帳票化したものであり、MD評価表と名付けた。原理は極めてシンプルである。そもそも売上高は客数と金額PI値(客単価)に分解できる。そして、金額PI値(客単価)は売上高/客数であるので、この売上高を売上数量×平均単価と分解することによって、金額PI値(客単価)は(売上数量×平均単価)/客数となる。したがって、この内、売上数量/客数はPI値であるので、結果、金額PI値(客単価)はPI値×平均単価と分解できる。

   ここから、売上高は、売上高=金額PI値(客単価)×客数=PI値×平均単価×客数と分解でき、これがMD方程式である。マーチャンダイジングはPI値の改善、平均単価の見直し、そして、客数アップが優先順位であるので、その順番に各指標を並び替えた。MD評価表は、このMD方程式の中の、特に、金額PI値(客単価)=PI値×平均単価に着目し、この順番に帳票化し、マーチャンダイジングを評価できるように工夫したものである。したがって、マーチャンダイジングの評価は金額PI値が基本であり、これが結果であり、目標となる。PI値、平均単価は原因であり、手段である。良く勘違いされるのが、PI値を評価してしまい、PI値を結果と見、目標とする場合があるが、これは間違いである。金額PI値=PI値×平均単価であるので、左辺が結果、目標であり、右辺が原因、手段である。

   したがって、どんなマーチャンダイジング手法をとってもかまわないが、金額PI値が上がらなければ、たとえ、PI値、平均単価が上がったとしても間違いである。ただ、最新の新MD方程式はIDを組み込んだID-POSのMD方程式が開発されており、これは売上高=ID金額PI値×ID=ID客数PI値×金額PI値×IDとなり、ここから新MD評価表はID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値に着目した帳票となる。この場合はID金額PI値が結果であり、目標となる。ID客数PI値、金額PI値は原因となり、手段となるので、金額PI値の位置づけがかわり、結果、目的ではなくなる。この場合のマーチャンダイジングの評価はID金額PI値となるので、仮に、金額PI値が下がってもID客数PI値が上がり、ID金額PI値が上がれば、正しいマーチャンダイジングとなる。

   話をもとにもどし、金額PI値であるが、金額PI値=PI値×平均単価であるので、金額PI値が上がるケースは3つある。PI値のみが上がる場合(平均単価が下がる)、平均単価のみがあがる場合(PI値が下がる)、そして、双方が上がる場合である。同様に、金額PI値が下がる場合も3つあるので、マーチャンダイジングの評価は上がった場合が3パターン、下がった場合が3パターンの合計6パターのどれかに治まることになる。理想は金額PI値が上がり、その中身のPI値、平均単価双方が上がった場合であり、次善はPI値のみ上がった場合であり、ついで平均単価のみ上がった場合となる。逆に最悪は金額PI値が下がり、その中身、PI値、平均単価双方が下がった場合である。

   したがって、この原理をRDSの地域POSデータに応用すれば、RDSの地域POSデータと自店のPOSデータをMD評価表に落とすことができ、自店のマーチャンダイジングをRDSの地域POSデータと比較し、評価することが可能となる。これが今日のPOS/RDS分析セミナーのポイントである。したがって、はじめて、RDSの地域POSデータと自店のPOSデータがMD方程式にもとづく、MD評価表に落とすことが可能となり、これによって、日本中の食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングを単品レベルで評価できるようになったといえる。それが、まさに、10/8、今日から、無料で全国の食品スーパーマーケットがRDSに参加すれば、たとえ、自社にPOS分析システムがなくても、毎月MD評価表に落ちるようになり、自社のパソコンのインターネットで閲覧できるようになる。

   約20年前にMD方程式を開発した時は想像もできなかった世界であり、しかも、RDSの地域POSデータも、MD評価表の使用、そして、このセミナーもすべて無料であり、すごい時代だと思う。特に、今回の仕組みは1店舗から可能であり、小規模のPOS分析が十分にできない食品スーパーマーケットにとっては朗報である。また、大規模の食品スーパーマーケットの場合は、各店長が自分の店舗のマーチャンダイジングの実態を判断することもでき、意欲のある店長は自社のマーチャンダイジングの強化、そして自らの成長のためにも大いに活用して欲しい仕組みである。

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October 8, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 07, 2010

カスミ、2011年2月期、中間、減収増益!

   カスミが10/4、2011年2月期、中間決算を公表した。結果は営業収益1,098.36億円(-0.3%)、営業利益32.02億円(15.7%)、経常利益33.93億円(12.4%)、当期純利益 15.07億円(0.0%)となり、減収増益のやや厳しい決算となった。ただ通期は2.9%の増収予想であり、新店が後半にかけて集中するものと思われるが、やや気になる数字である。

   そこで、まずは、営業収益が減収になった要因を見てみたい。この中間決算時におけるカスミの新店は、「出店につきましては、瓜連店(茨城県那珂市)、FOOD OFFストッカー川口末広店(埼玉県川口市)の2店舗を開店しました。既存店の活性化では、真岡店、千代川店、田尻店の3店舗をディスカウント業態である「FOOD OFFストッカー」に業態転換しました。また、フィズ店、堀米店を閉鎖し、総店舗数は当第2四半期連結会計期間末現在138店舗となりました。」とのことで、2店舗開店、2店舗閉店であり、店舗数は138店舗とかわらず、売上高が伸び悩んだものと思われる。また、これに加え、既存店の客数は99.9%と堅調であったが、客単価が97.1%と伸び悩み、結果、売上高が96.9%となったことも大きいといえよう。

   それにしても、この中間でも結果、4店舗のFOOD OFFストッカーを出店しており、カスミのディスカウント業態へのシフトが際だっているといえよう。現在、カスミはFOOD OFFストッカーを26店舗(埼玉県6店舗、茨城県15店舗、千葉県3店舗、栃木県2店舗)展開しており、しかも、出店地域は首都圏全域へと広がりつつある。店舗構成比も138店舗の内、26店舗であるので、約20%弱となり、カスミの柱、主力業態となりつつある。また、最新のFOOD OFFストッカー川口末広店(埼玉県川口市)はイオンが以前マックスバリュエクスプレスとして出店した店舗の業態転換であり、今後、イオンのマックスバリュ不振店の業態転換にも活用される可能性が高く、その意味でも重要な首都圏における戦略業態となりつつあるといえよう。

   一方、今期、カスミの営業利益が好調であった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、74.46%(昨年73.99%)と0.47ポイント原価が上昇しており、価格競争の激しさに加え、カスミストアがFOOD OFFストッカーへ大きくシフトしていることも、その要因であるといえよう。一方で、カスミは、原価改善のために原価の低いPB、イオングループのトップバリューの積極的な導入を図っており、その構成比は4.7%(昨年4.2%)と、昨年よりも0.5ポイント上昇している。残念ながら、まだ、全体の原価を下げるまでにはいかなかったようである。結果、売上総利益は25.54%(昨年26.01%)となった。

   これに対して経費の方であるが、25.99%(昨年26.76%)と、0.77ポイント改善しており、経費の削減が大きく進んでいる。カスミも、「ローコスト化の取り組みでは、店内作業において時間帯毎の作業量に応じた適正な人員配置を行うことで、売場のサービスレベル向上と総労働時間のコントロールに取り組みました。また、業務の見直しによるコスト削減を継続強化しました。」とのことで、ローコストをキーワードに積極的に経費削減に取り組んだとのことである。また、「管理者のマネジメント能力向上を目的とした実践教育を継続強化し、その対象を営業現場の第一線を担うチーフ職にまで拡大しました。」とのことで、マネジメントにも力を入れおり、結果、大きく経費の削減が実現されたものといえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.45%(昨年-0.75%)と、まだ若干マイナスであるが、その数字は半減しており、経費の削減がマーチャンダイジング力の強化につながったといえよう。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.47%(昨年3.35%)のり、営業利益は3.02%(昨年2.60%)となり、増益を達成した。残念ながら原価の上昇は見られたが、それを大きく上回る経費の削減がなされ、結果、営業利益を押し上げたといえる。

   ちなみに、この中間期のカスミのキャッシュフローを見ると、新規出店にかかわる投資キャッシュフローが昨年の27.44億円から13.98億円と約15億円減少している。その中身はまさに新規出店関連への投資が昨年の23.65億円から11.36億円へと激減したことが大きく、これが新規出店を通じての売上増を阻んだ要因のひとつともいえよう。では、何にキャッシュを振り向けたかであるが、今期の営業キャッシュフローが昨年の80.97億円から66.21億円と約15億円減っているので、その分がまさに、投資削減分と一致しており、ここでキャッシュ配分のバランスをとったといえる。また、財務キャッシュフローでは長期借入金の返済を昨年とほぼ同額18.98 億円返済しており、有利子負債の削減も重視したキャッシュの配分である。

   このように、カスミの2011年2月期の中間決算は残念ながら減収となり、その要因はキャッシュを投資に十分に配分できず、新規出店が2店舗であったことと、競争激化により、既存店の昨対割れが大きかったといえよう。ただ、経費の削減は大きく進んでおり、利益の方は増益となり、マーチャンダイジング力もプラスに近づきつつある。今後、後半はキャッシュが好転し、新規出店が可能となれば、売上の方も回復する可能性は高く、まずは、次の第3四半期の動向に注目である。

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October 7, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 06, 2010

日銀、異例の金融政策、「包括緩和」発動!

   10/5、日本銀行の金融政策決定会合において、異例ともいえる金融緩和政策が決定された。すでに、新聞、テレビ等で報道され、実際、10/5の株式市場、為替市場等もこの決定に反応しており、結果として、これまでにないインパクトのある内容であったといえよう。では、今回の日銀の金融緩和政策のポイントは何かを、新聞、テレビ等の報道ではなく、日銀が実際に公表した原点の資料をもとに読み解いてみたい。

   まず、今回、びっくりしたのは、(2)の「「中長期的な物価安定の理解」に基づく時間軸の明確化」である。タイトルからして難解な言葉であるが、要は、「物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで、実質ゼロ金利政策を継続していく。」ということであり、さらに噛み砕くと、消費者物価指数(CPI)が前年比で1.0%ぐらいの安定的な状況になるまで、ゼロ金利政策を継続するということである。本ブログでも消費者物価指数(CPI)は毎月取り上げているが、この消費者物価指数(CPI)とゼロ金利とがリンクするとは全く予想していなかったことであり、その意味でびっくりである。今後、この観点からも、改めて消費者物価指数(CPI)を見てゆきたい。

   ちなみに、消費者物価指数(CPI)は3つの総合指数があるが、今回の日銀が重視しているのは生鮮食品を除いた総合指数であり、最新の8月度は昨対1.0%の下落である。すでにブログでも取り上げているが、今年に入ってずっと-1.0%で横ばいが続いており、これがプラス1.0%になる兆しは全く見えない状況であり、それを目標にして大丈夫なのかとやや心配になる。特に、高校授業料無償化が4月からはじまり、その寄与度が-0.5%前後あり、1.0%になるには実質1.5%のプラスであり、かなりきついのではないかと思う。

   この(2)は(1)の「金利誘導目標の変更」と連動しており、これがいわゆるゼロ金利政策である。数字では0~0.1%程度で推移するよう促すとのことで、この状況を消費者物価指数(CPI)が1.0%に安定するまで続けるとのことである。通常はこの2点で金融緩和政策は終わることもあるが、今回は、この2つに、もうひとつ、異例ともいえる(3)「資産買入等の基金の創設」が加わった。日銀もコメントの中で、「こうした措置は、中央銀行にとって異例の措置であり、特に、リスク・プレミアムの縮小を促すための金融資産の買入れは、異例性が強い。」と敢えて言及しており、ここに日銀の強いデフレ克服の決意が感じられる。

   具体的にどのくらいの規模の基金が創設されるかであるが、実は、この基金は2つの目的があるという。日銀によれば、「バランスシート上に基金を創設し、多様な金融資産の買入れ、およびこれと同じ目的を有する固定金利方式・共通担保資金供給オペレーションを行うことが適当と判断した。」とのことである。難解な表現であるが、ひとつは金融資産の買い取りのための基金であり、もうひとつはいわゆる公開市場操作のための基金である。そして、規模であるが、前者が約5兆円、後者が約30兆円であり、合計35兆円程度となるという。ごく簡単にいえば、日銀が約35兆円のキャッシュを市場に放出するということになる。これに政府の約5兆円の景気対策が加わると、合計、約40兆円のキャッシュが市場に出回ることになり、結果、デフレが克服され、物価が上昇、景気も良くなるという読みである。

   ここで、最新の日銀の決算書、B/S(バランスシート)を見てみたい。現在、最新は2010年9月20日のものであるが、まず、資本金は1億円である。日銀はその意味で資本金1億円の株式会社である。総資産は124.46兆円であり、純資産は2.67兆円、比率で2.14%と極めて小資本である。そして負債であるが、その大半が発行銀行券、いわゆる日銀券、円であり、76.55兆円(総資産の61.50%)となる。ついで、売現先勘定22.63兆円(総資産の18.18%)、当座預金17.12兆円(総資産の13.75%)となり、この3つで93.43%と大半を占める。ここに今回、基金が35兆円加わることになり、総資産の20%強となり発行銀行券につぐ規模となる。

   一方、資産は国債79.85兆円(総資産の64.15%)と、ここが圧倒的な比率である。ついで、貸付金36.12兆円(総資産の29.02%)であり、これで総資産の93.17%と大半を占める。今回は、この貸付金が公開市場操作の項目であるので、ここが最大30兆円増加し、国債並みに大きく膨らむ可能性が高いといえよう。また、買入資産には国債も含まれることから、さらに、国債も最大5兆円増加する可能性もあり、結果、資産が約35兆円増加するものと思われる。

   このように、今回の日銀の金融緩和政策はゼロ金利だけでなく、消費者物価指数(CPI)と連動した実質インフレターゲット政策であり、しかも、バランスシートに基金を約35兆円設けて、5兆円を資産買入れに当て、30兆円を公開市場操作に当てるということで、これまでにない複合的な、現時点で日銀が持てる最大のパワーをかけたデフレ克服政策であるといえる。日銀はこれを「包括緩和」と命名したとのことであるが、この「包括緩和」が市場にどのようなインパクトを与え、実際、デフレが本当に克服されるかが焦点となったといえよう。政府の景気対策の5兆円が加わり、ここ数週間、そして数ケ月の間に、どう日本全体の経済が動きだすか、注目である。

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October 6, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 05, 2010

オークワ、2011年2月期、中間、減収増益!

   オークワが10/1、2011年2月期、中間決算を公表した。結果は営業収益1,418.53億円(-1.8%)、営業利益23.68億円(4.6%)、経常利益25.39億円(7.5%)、当期純利益10.69億円(70.3%)と、減収とはなったが、利益はすべての段階で増益となる決算となった。これについてオークワは、「小売業界におきましては、猛暑の影響で飲料、アイスクリーム、エアコン、水着等の盛夏商品の販売が好調であったものの、依然として業態を超えた企業間競争の激化による客数減、及び消費者の生活防衛意識の高まりによる客単価の下落が続き、非常に厳しい経営環境となりました。」とコメントしており、客数、客単価ともに厳しい状況であったようである。実際、オークワの全業態ベースの既存店売上高は昨対95.6%となったとのことで、これが減収となった最大の要因といえよう。

   また、オークワは5月現在147店舗を展開している。したがって、単純計算で105%の成長のためには、7店舗、110%では14店舗以上新規出店が必要となる。ところが、今期の新店は、3月にスーパーセンター桜井店(奈良県桜井市)、4月にSSMの加古川野口店(兵庫県加古川市)の2店舗のみであり、全体の売上げを押し上げるには出店不足といえ、これも売上高が伸び悩んだ要因といえよう。ちなみに、オークワの現在の出店地域であるが、地元の和歌山県54店舗を中心に、西へは奈良県33店舗、大阪府21店舗、兵庫県2店舗を展開している。また、ここ最近は東にも力を入れており、三重県32店舗、愛知県2店舗、岐阜県3店舗を展開しており、これで合計147店舗となる。

   では、業態別に見た売上の状況はどうかであるが、スーパーセンターとメッサ(高級食品スーパーマーケット)は比較的順調であったというが、主力のレギュラー店とディスカウトタイプのプライスカットの販売が低迷したという。プライスカットはここ数年オークワが既存店の業態転換に加え、新規出店も積極的に展開しており、現在、和歌山県15店舗、兵庫県1店舗、奈良県7店舗、岐阜県1店舗、三重県14店舗と合計38店舗を展開し、全体の店舗数の構成比は25%となり、オークワの大きな柱といえよう。

   そこで、オークワのB/Sを見てみたい。食品スーパーマーケットにとってのB/Sは出店関連の資産を中心に動いているといっても過言ではなく、まずは、この出店関連の資産を見ることがポイントとなる。オークワの出店関連の資産、すなわち、土地、建物、敷金・保証金等の合計であるが、中間決算では敷金・保証金は明示されていないので、これのみ前期本決算の数字で見ると、930.77億円となる。これは総資産1,364.93億円の68.19%となり、約70%弱となる。これを全147店舗で割ると、1店舗当たりは6.33億円であり、決算公開企業約50社の平均が4.73億円であるので、オークワはかなり資産をかけた出店をしていることがわかる。これは、SC、スーパーセンター、GMSタイプ、SSM等大型食品スーパーマーケットが多いことにもよると思われる。

   一方、負債、純資産の方であるが、オークワの純資産は56.17%である。したがって、純資産の範囲内で約70%の出店にかかわる資産を賄う財務構造にはなっておらず、その差、出店余力は-12.02%となる。これも決算公開企業約50社の平均は-22.3%であるので、オークワは比較的出店余力は高いといえ、ちょうど20番前後となる位置となる。したがって、-12.02%が負債に依存しているといえるが、その中身を見ると、有利子負債が218.79億円と総資産の16.02%であり、これで出店余力のマイナスを相殺しているといえる。今後、この有利子負債の圧縮が進めば、出店余力はそれに伴い上昇するので、今後のオークワの財務戦略が気になるところである。

   さて、P/Lの方も見ておきたい。特に、この中間では減収とはなったが、利益は増益となっているので、その要因を原価、経費から探ってみたい。まずは、原価であるが、75.19%(昨年75.39%)と、原価が0.20ポイント下がっており、結果、売上総利益は24.81%(昨年24.61%)となった。これに対して経費の方であるが、26.70%(昨年26.65%)と0.05ポイント上昇している。したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.89%(昨年-2.04%)と、依然として、マイナスではあるが、その差が原価の改善によって若干改善されたといえる。そして、これに、物流収入、不動産収入等のその他営業収入が3.63%(昨年3.67%)のり、結果、営業利益が1.74%(昨年1.63%)となった。それにしても、その他営業収入の利益貢献は大きく、マーチャンダイジング力のマイナスをカバーし、オークワの利益の源泉といっても良いといえよう。

   このように、オークワが2011年2月期の中間決算を公表したが、残念ながら、新規出店が少なかったことに加え、既存店が競合店との価格競争等により、95.6%となったことが大きく減収となった。ただ、利益は原価の改善が経費の減少をカバーし、プラスとなり、増益となった。少し気になるのはこれまでデフレの追い風にのり、成長著しかったディスカント業態、プライスカットがこの中間決算時では厳しい状況にあるとのことである。今後、後半にかけて、営業体制をどう立て直すのが、オークワの営業戦略に注目したい。

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October 5, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 04, 2010

N004:大丈夫か日本の農業?

   今後の日本農業行政の方向性を決める調査データ、農林業センサス2010が農林水産省から9/7に公表され、約1ケ月が過ぎた。今回の農林業センサスは通常は5年に1回の統計調査であるが、10年に1回行われる世界農林業センサスを兼ねており、FAO(国際連合食糧農業機関)が世界的規模で提唱している世界農業センサス要綱に則った、重要な農業の統計調査である。この9/7に公表された内容は速報版であり、今後、数ケ月から1年近くかけて詳細版が公表される予定であるが、現時点の速報版でも十分に日本の農業の現状が把握でき、今後の日本の農業を考える上で参考になる貴重な統計データである。なお、詳細については、食品スーパーマーケット最新情報、プレミアム版でも解説しているので、参考にしていただければと思う。

   マスコミ各社がこの農林業センサス2010が公表された9/7以降、盛んに報道された内容に農業就業人口と平均年齢の数字があった。当時は、ほぼこれ一色といってよい報道内容であり、その他の統計数字があまり取り扱われることはなかった。特に、この内容は農林水産省がサマリーとして公表している、「2010年世界農林業センサス結果の概要(暫定値)、(平成22年2月1日現在)」というタイトルのレポートでもグラフ付きで大きく扱われているため、ここに焦点が当ったものといえよう。

   ちなみに、サブタイトルは「農業経営体数が減少する一方、経営規模の拡大、多角化が進展」であり、2つテーマがあったといえる。ひとつは各社マスコミが報道した農業就業人口の減少と高齢化の問題、そして、もうひとつは経営規模の拡大が進んでいることと、いわゆる農業の6次産業化といわれる農業の多角化が進んでいるという実態である。残念ながら、後者はほとんど取り上げられなかったが、確かに、実際の生データを見ると、後者の傾向も読み取ることができる。

   ここで、再度、各社マスコミが取り上げた最大の関心事であった農業就業人口と高齢化の問題を実際の農林業センサス2010の生データで確認しておきたい。この統計データの集計はExcelで公開されており、誰でもインターネットでダウンロードすることができる。問題の統計データは、Ⅰ.農林業経営体調査の1.全国の(3)のウにあり、この農業就業人口というタイトルでの集計結果である。

   その数字を見ると、農業就業人口は260万人であり、2005年度と比べ-22.4%と衝撃的な数字となっており、しかも、2005年度は2000年と比べ-13.8%、389万人であるので、何と100万人以上の農業就業人口が激減したことである。ちなみに、男性130万人(2005年比-16.6%)、女性130万人(-27.5%)と男女の逆転が見られる転換点の年となっており、今後、女性の農業就業人口の激減が予想される。そして、さらに深刻なのは平均年齢であり、65.8歳(2005年63.2歳、2000年61.1歳)と高齢化が一層進んでいるという結果であったことである。

   これは極めて衝撃的な数字であり、ここにマスコミ各社の関心が集中したのは理解できるが、今回の農林業センサス2010の生の統計データをつぶさに見ると、マスコミ各社ではあまり報道されず、農林水産省のサマリーでも詳しくは取り上げられなかった内容で大きく2つ気になった点があった。1つ目は、260万人の農業生産者、正確には農業経営体167.6件の規模(年商、経営耕地面積)であり、そして、もうひとつは出荷先への変化である。

   まず1つ目の規模であるが、農林業センサス2010では、最大ボリュームは0.5から1.0ha(ヘクタール)の33.2%であり、ついで、0.3から0.5haの19.2%、1.0から1.5haの16.2%となり、1.5ha以下で71.8%となり、大半が小規模農家で占められ、5ha以上で約5%、10ha以上では約3%にすぎないという実態である。また、年商であるが、最大ボリュームは50万円未満であり、31.5%、ついで50から100万円が17.2%、100から200万円が13.5%であり、販売なしを含め72.5%となることである。ちなみに1億円以上は0.3%であるが、ここが唯一2005年度比で増加している層である。

   そして、もう一つは出荷先であるが、最大のボリュームゾーンは農協の66.0%であるが、2005年度比で-20.1%と大きく減少しており、これを実際の農業経営体で見ると2005年度の138.4万件から2010年度は110.6万件と約30万件弱減少していることである。農協の合併問題が浮上するのも頷ける数字である。ついで、ボリュームゾーンを見ると19.6%の消費者に直接販売、いわゆる市場外流通、直売であり、しかも、0.5%であるが伸びている。これは農産物の売上げ1位ではさらに顕著であり、農協は-20.1%に対し、直売は19.0%の伸びとなっている。

   このように農林業センサス2010の生のデータを丹念に読み込んでゆくと、日本の農業の実態が浮かび上がってくるが、農業就業人口が激減し、高齢化が進んでいるという事実もさることながら、それ以上に、マクロに見た日本の農業の構造全体が気になるところである。ここがしっかりしないと、日本の国家戦略である食料自給率のアップも、その存立基盤から揺るぎかねない。日本の農業構造そのものをどう再構築し、生産基盤をどう確立するか、その根本問題が突きつけられた農林業センサス2010の結果であるといえよう。

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October 4, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 03, 2010

CPI(消費者物価指数)、2010年8月度、-0.9%!

   10/1、総務省統計局から消費者物価指数(CPI)、2010年8月度が公表された。結果は、「(1) 総合指数は平成17 年を100 として99.5 となり、前月比は0.3%の上昇。前年同月比は0.9%の下落となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は99.1となり、前月比は0.1%の上昇。前年同月比は1.0%の下落となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は97.0となり、前月比は0.1%の上昇。前年同月比は1.5%の下落となった。」とのことである。いずれの指標も昨対は下落しており、デフレ傾向が鮮明である。

   消費者物価指数(CPI)には3つの指標があり、(1)は文字通り総合指標、(2)は相場変動の激しい生鮮食品を除く総合指標、そして(3)は、さらに、エネルギー等の国際相場の変動を除く総合指数である。結果は、昨対で(1)0.9%、(2)1.0%、(3)1.5%の下落であるので、明らかな物価下落であるといえる。実際、過去4年間の平成17年度を100とした場合の折れ線グラフを見ると、昨年の10月頃から3つの総合指数がいずれも100を割っており、もどる気配が薄いのが実態であり、特に、(3)は深刻なデフレの様相を呈している。ただし、この中には、この4月度以降、高校授業料の無料化が含まれており、その分の物価下落もある。この4月度の総務省統計局の試算では-0.54の寄与度であるとのことであるが、それを加味しても、物価は下がっており、しかも、この4月以降も下がる傾向が鮮明であり、明らかにデフレ傾向がほぼ1年継続しているといえよう。

   また、グラフはもうひとつ公表されており、棒グラフである。これは前年同月比、すなわち、昨対を表したものであるが、このグラフを見ると、デフレはさらに深刻な状況であることがわかる。平成17年度比では、昨年10月から100を切ったが、この前年同月比では何と昨年1月から昨対を切っており、約2年間マイナスが続いており、デフレがより、深刻な状況にあることがわかる。通常、これまでは、約1年ごとにマイナス、プラスを繰り返すsinカーブの動きであったが、1年たっても一向にマイナスからプラスに転じる動きはなく、高校授業料の無償化があった4月以降、横ばいとなり、この8月度も横ばいが続いており、高校授業料の無償化がなくても、デフレ傾向は変わらない状況といえよう。

   では、この高校授業料の無償化以外にデフレに影響を与えている項目を見てみたい。影響度の大きい順に見てみると、まずは10大費目では、教育の-0.49を除くと、食料の-0.18(生鮮食品0.13、生鮮食品を除く食料-0.28)、教養娯楽-0.15、家具・家事用品-0.14、住居-0.10、が主なマイナス費目である。ちなみに、プラスとなったのは光熱・水道0.20、交通・通信0.08の2項目のみであり、その他はすべてマイナスと厳しい状況にあるのが実態である。

   そこで、さらに、品目まで見てみると、マイナスの大きな品目であるが、カメラ-36.0、テレビ(薄型)-33.2、パソコン(デスクトップ)-32.0、パソコン(ノート型)-22.8、食用油-12.8、ビスケット-9.2、うなぎかば焼-9.0、スパゲッティ-8.5、ミネラルウォーター-7.9、航空運賃-3.4、高速自動車国道料金-3.4等がマイナスが大きい品目である。ちなみに、高校授業料の無償化であるが、公立高校授業化-98.5、私立高校授業-25.1と大きく、寄与度は-0.39、-0.10と合計-0.49であり、4月度の-0.54よりもやや下がっている。

   ついで、食品関連についてさらに詳しく見てみたい。消費者物価指数(CPI)は家計調査データとほぼ同じ項目で統計数字が公表されているので、かなり細かい品目で見ることが可能である。そこで、-10よりも下回る項目は、かつお-32.0、えだまめ-21.1、ししゃも-19.2、液体調味料-15.7、インスタントコーヒー-14.1、丸干しいわし-12.4、えのきだけ-11.9、果物缶詰-11.8、ビスケット-11.6、ばれいしょ-11.3、たらこ-11.2、調理パスタ-10.3、食用油-10.0である。

   さらに、-5.0まで見ると、魚介缶詰-9.8、ケチャップ-9.7、干しあじ-9.5、生しいたけ-9.1、冷凍調理コロッケ-8.7、カツレツ-8.6、干しうどん-8.3、果汁入り飲料-7.9、だいこん-7.8、風味調味料-7.7、チーズ-7.6、ポテトチップス-7.5、れんこん-7.4、ねぎ-7.2、たこ-6.9、たまねぎ-6.8、キムチ-6.7、スパゲッティ-6.6、しめじ-6.5、いわし-6.3、もち-6.2、豆腐-6.2、ソース-5.9、おにぎり-5.9、炭酸飲料-5.9、梅干し-5.8、ふりかけ-5.8、酢-5.7、牛肉A-5.6、バナナ-5.3、国産米B-5.2、ハム-5.0である。

   このように、消費者物価指数(CPI)は、この8月度になっても、依然としてデフレ傾向が鮮明であり、平成17年度比では約1年、昨年同月比では約2年近くマイナスが続いており、デフレが定着してしまったかの感があり、深刻な状況にあるといえよう。8月度は猛暑の影響もあり、消費者物価指数にも変化があるかと思われたが、結果は猛暑の影響は全体の傾向には影響がなかったといえよう。こうなると、今後、どこまでこのデフレ傾向が継続するのか読めない状況になったといえ、こと食品スーパーマーケットにとっては厳しい1年になるといえ、今期後半もデフレを前提に経営戦略を立てる必要があろう。

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October 3, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 02, 2010

イトーヨーカ堂、都心型食品スーパー1号店、オープン!

   10/1、イトーヨーカ堂が都心型、小型食品スーパーマーケットの1号店となる店舗を東京都杉並区、阿佐谷にオープンした。面積は約880平米(250坪強)と、イトーヨーカ堂としては初となる小型サイズの食品スーパーマーケットである。早速、夕方であるが、オープン当日、阿佐谷に行き、売場を視察した。人ごみの中に、恐らく、成城石井の前社長、現セブン&アイHの顧問、大久保恒夫氏がおり、びっくりした。真剣に店舗の隅々を点検しており、今後、この新規事業にも取り組んでゆくのではないかと思われる。実際、売場の商品構成を見ると、どこか成城石井の店舗を彷彿とさせるものがあり、良く似た商品構成のカテゴリー、チョコレート、水、加工肉等の商品が随所に見られた。

   もともと東急ストアの撤退した場所に居抜き出店したとのことで、駅前の典型的な都心型、食品スーパーマーケットの立地である。商圏人口はプレス資料に寄れば、700m圏内に2.6万人、1.6万世帯が居住しているとのことで、1世帯当たり1.62人とまさに、都心部の典型的な立地である。それにしても、700m圏内に1.6万世帯とはすごい立地である。通常の食品スーパーマーケットの立地は半径1km圏内で5,000世帯から7,000世帯ぐらいといえ、その2倍から3倍、いかに都心部が人口密集地かがわかる。また、世帯人口1.62人は単身世帯が多いといえ、これも都心ならではの人口構造といえよう。

   東急ストアがなぜ撤退したのかが気になり、視察後、周辺の競合状況を見てみたが、道路を挟みすぐ横に西友の駅前タイプのGMSがあり、食品は2層で展開、1階惣菜、日配、グロサリー、2階に生鮮、そして、3階住関連、4階以降衣料品と展開しており、しかもKY政策が徹底したウォルマート流の地域No.1のEDLP政策、価格競争では歯がたたなかったのではないかと思われる。また、生鮮食品では、駅中に生鮮3品のカテゴリーキラーがあり、青果の九州屋、魚の北辰、肉のニュークイックと強力な生鮮売場がある。したがって、これらの競争の中で、どのような戦略を打ち出すか、特に限られた店舗面積での戦いであり、厳しい競争が続き、撤退せざるをえなかったのではないかと思われる。

   このような激しい価格競争、そして、高鮮度の生鮮食品の競争の中で、イトーヨーカ堂がどのようなコンセプトを打ち出したかであるが、その答えは、独自の領域を開拓し、徹底するという戦略であるように思える。全体的にディスカウント路線はとっていない。西友、ウォルマートのようなプライスを全面に打ち出す商品はまずない。むしろ、阿佐谷商圏では容易に手に入らない商品を随所に品揃えしており、しかも、商品説明を丁寧に電子棚名札も活用し、解説している商品が多い。商品説明を見ているだけで楽しくなる商品が多いといえる。象徴的なのはエンドで展開された焼酎であり、森伊蔵、百年の孤独など数万円のプレミアム焼酎が並んでいることである。また、チョコレートも海外産の本格チョコレート、加工肉も生ハムの充実した品揃えなど、この辺はまさに、成城石井の売場に良く似ているといえる。

   そして、もうひとつのポイントは惣菜を徹底強化している点である。しかも、店内調理商品が多く、揚げたて、出来立てを強く打ち出しているのが特徴である。弁当も西友の298円のような価格訴求品はなく、498円が基本の品揃えとなっている。西友、ニュークイックの惣菜とも決定的な差別化をはかる意図が明確である。そして、この惣菜を中心に店舗全体のレイアウトが斜めに2分されており、生鮮3品、グロサリー中心の素材商品群との明確なゾーニングの区分けがなされているのが特徴である。

   その生鮮3品であるが、これも九州屋、北辰、ニュークイックと差別化をはかるため、イトーヨーカ堂得意の顔の見える野菜、果物等を全面に打ち出しているのが特徴である。ニュースリリースでは全国4,200名以上の生産者から届く、新鮮で安全、安心な「野菜」「果物」「お肉」「お魚」「たまご」を販売しているとのことで、随所にこのようなブランドがあり、トマトなどは60%から70%がこの商品で占められていた。また、約250坪と店舗面積が狭いので、青果は多段、高密度の品揃えであり、魚と融合した売場ともなっていた。さらに、グロサリーのマヨネーズ、ドレッシングと青果売場、味噌、しょうゆ等の調味料と鮮魚、精肉売場が融合しており、新しい試みの斬新なレイアウトである。

   このように10/1、イトーヨーカ堂の都心型、食品スーパーマーケット1号店が阿佐谷にオープンしたが、この1号店をかわきりに、当面、東京23区内に10店舗、そして、主要都市に100店舗を作り、この新業態をGMS、SC(アリオ)、NSCにつぐ収益の柱に育ててゆくという。商圏内の差別化はみごとに出来たといえるが、この1号店が阿佐谷の700m商圏、1.6万世帯から支持を得るまでには、新しい試みが多く、やや時間がかかるものと思われる。目標売上高は年商約20億円であるとのことで、坪効率は約800万円の予想である。恐らく、2店舗目、3店舗目も比較的早く出店するのではないかと思われるが、次の店舗がどこを修正し、どこを強化するか気になるところである。

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October 2, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 01, 2010

平和堂、2011年2月期、中間決算、減収、当期減益!

   平和堂が2011年2月期の中間決算を9/27、公表した。結果は、営業収益1,866.11億円(-2.3%)、営業利益41.88億円(0.9%)、経常利益41.94億円(0.1%)、当期純利益 21.51億円(-44.4%)となり、減収、営業、経常利益は若干の増収となったが、当期純利益は大きく減収となり、厳しい決算となった。ただ、当期純利益については、税引き前利益はほぼ昨年と同様な数字であり、違いは法人税にあるといえ、実質、昨年並みの決算結果であったといえよう。これについて、平和堂は、「当小売業界におきましても、引き続き競合他社の出店増によるオーバーストア状況とそれにともなう価格競争により、商圏の縮小や商品単価の下落を招くなど引き続き厳しい経営環境となりました。」と、依然として、厳しい経営環境にあるとの認識である。

   そこで、この中間決算が伸び悩んだ要因を、まずは、営業収益から見てみたい。平和堂の営業収益が-2.3%となったが、これは、「今期は新規出店につきましては、安曇川店を移設・建替した「あどがわ店」(店舗面積8,586㎡ 滋賀県高島市 4月)、スーパーマーケットタイプの「フレンドマート大津西の庄店」(店舗面積996㎡ 滋賀県大津市 5月)を出店いたしました。」とのことで、実質、1店舗のみの新規出店であった。平和堂のこの時点での店舗数は124店舗であるので、1店舗の実質増では、0.8%増であり、全体の売上げを押し上げるには、十分ではないといえる。特に、今期は既存店の売上高が95.0%という厳しい状況にあり、少なくとも既存店のマイナス5%をカバーする6店舗強の新規出店が欲しかったところであろう。

   ちなみに、平和堂の124店舗の業態別内訳であるが、SC業態のアル・プラザは全体の売上高の62.2%と大半を占め、いまや平和堂の大黒柱となっているが、昨対は98.8%であり、伸び悩んだ。ついで、GMSであるが、全体の売上高の16.1%を占めており、意外に低い構成比である。ただ、昨対は109.8%と堅調な伸びである。そして、店舗数では56店舗と最多の食品スーパーマーケットであるが、売上構成比は21.7%と過去3年間で最高の比率となり、伸び率も112.8%と2桁の伸びとなり、好調であった。したがって、食品スーパーマーケット、GMSが今期は全体を引っ張ったが、残念ながら、最も売上構成比の高いSCが厳しい状況となり、全体が伸び悩んだといえる。

   また、商品別に見ると、No.1部門は食料品であり、65.8%と高い数字である。食品スーパーマーケットの構成比は21.7%であるにも関わらず、この数字であり、GMS、SCにおいても平和堂は食品の構成比が極めて高いといえ、食品スーパーマーケット並みの食品構成比が高い数字であるのが特徴といえる。ついで、衣料品14.9%、住居関連品14.5%とほぼ同じ数字であり、合計約30%であるので、合わせても食品の半分にも満たない数字であり、いかに食品が重点部門であるかがわかる。

   次に、営業利益の状況を見てみたい。まずは、原価、経費の状況であるが、原価は70.28%(昨年70.30%)であり、ほぼ昨年と同様の数字であり、結果、売上総利益は29.72%(昨年29.70%)である。それにしても、食品スーパーマーケットとしては破格の粗利率であるが、その要因は衣料品と生鮮食品の粗利率の高さに負うところが大きい。衣料品は36.3%と極めて高い数字であり、また、生鮮は27.8%と食品の中では高いからである。一方、経費の方であるが、33.69%(昨年34.20%)と、昨年と比べ、0.51ポイント改善しているが、それにしても、30%を優に超え、食品スーパーマーケットとしては考えられない高い数字であり、SC、GMS業態特有の経費比率の高さといえる。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-3.97%(昨年-4.50%)と、昨年とは改善されたとはいえ、大きくマイナスとなった。

   これに不動産収入、物流収入等のその他営業収入が6.60%(昨年6.85%)のり、結果、営業利益は2.63%(2.35%)となり、プラス、そして、増益とはなったが、このその他営業収入に負うところが大きく、特に、経費比率に関しては、今後、どこまで改善できるか、検討の余地があろう。ちなみに、決算公開企業約50社の前期決算結果であるが、原価75.0%、売上総利益25.0%、経費比率25.6%、マーチャンダイジング力-0.6%、その他営業収入3.0%、営業利益2.4%であるので、特に平和堂は経費比率が極端に違うことがわかる。余談だが、今期、平和堂は負債にポイント引当金をあてているが、その金額は64.19億円であり、対売上高3.67%(中間売上対比)、対総資産では2.39%であり、ポイントの負債が経営に重くのしかかりつつあるといえよう。

   このように、2011年2月期の平和堂の中間決算が公表されたが、かなり、厳しい数字であるといえ、今後、収益を改善するには、まずは、マーチャンダイジング力を高め、キャッシュを生み出すことが必要であるが、残念ながら、現段階では、経費比率が高く、十分に利益を生み出せていない状況にあるといえよう。今回は、P/L主体に平和堂の中間決算を見てみたが、今後、稿を改めて、平和堂のB/S、そして、CFについても見てみたい。P/Lでは説明つかなかった経費比率の高さの答え、そして、今期は出店が十分にできなかった理由など、平和堂の経営の本質に迫ってみたい。

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October 1, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)