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December 31, 2010

家計調査データ、2010年11月度、食品98.1%!

   総務省統計局から2010年11月度の家計調査データが公表された。結果は外食を除く食品が1世帯1日当たり1,949.40円(昨対98.1%)となり、消費環境の厳しさを反映した結果となった。食品を含む全体の消費額も9,473.73円(昨対99.8%)となり、昨対を割っており、同様に厳しい結果であり、食品以外も消費環境は厳しい環境にあるといえよう。ちなみに、食品で消費が伸びた部門は野菜・海藻278.93円(昨対105.0%)と、調理食品271.17円(昨対100.2%)の2部門のみであり、これ以外の部門はすべて昨対を割り、厳しい結果となった。野菜・海藻の消費額が特に上昇した要因は、消費者物価指数を見ても明らかであるが、相場高の影響で価格が上昇し、これがそのまま消費にも跳ね返ったためであると思われる。

   そこで、まず、野菜・海藻の何が特に伸びたのかを見てみたい。家計調査データでは野菜・海藻は大きく4つに分かれ集計されている。その4つの消費額の結果であるが、1.5.1生鮮野菜179.17円(昨対112.0%)、1.5.2乾物・海藻24.17円(昨対89.4%)、1.5.3大豆加工品36.40円(昨対95.8%)である。全体が105.0%であるが、このようにその中身については、生鮮野菜以外はすべて昨対を割っており、生鮮野菜が112.0%と大きく伸びたことが全体を押し上げたといえる。

   では、その生鮮野菜の伸びた要因をさらに掘り下げてみたい。生鮮野菜は大きく3つに分けて集計されており、その3つの結果を見ると、240-249葉茎菜 60.43円(昨対121.3%)、250-259,25X根菜54.77円(昨対112.8%)、260-269他の野菜63.97円(昨対103.7%)となる。したがって、葉茎菜と根菜が大きく伸びているが、他の野菜でも大きく伸びた項目があるので、それを含め、その伸びた項目を見てみたい。キャベツ7.23円(昨対153.9%)、レタス5.30円(昨対144.5%)、だいこん6.93円(昨対132.5%)、にんじん7.63円(昨対122.5%)、たまねぎ8.97円(昨対120.1%)と、この5項目が昨対120%以上伸びた項目であり、生鮮野菜を大きく押し上げたといえる。ついで、さやまめ3.10円(昨対119.2%)、ねぎ10.07円(昨対114.8%)、じゃがいも6.93円(昨対113.7%)、きゅうり6.87円(昨対110.8%)、ピーマン3.80円(昨対 111.8%)が、110%以上昨対を上回った項目である。

   そこで、この中からいくつかを選び、その要因をさらに見てみたい。ただ、残念なことに、家計調査データでは価格については充分に分析されていないため、価格については消費者物価指数を参考に見てみる。まず、キャベツ7.23円(昨対153.9%)であるが、家計調査データをさらに堀下げると、キャベツ7.23円(昨対153.9%)は消費世帯のみ10.41円(昨対160.1%)、消費世帯の割合69.5%(昨対96.1%)となる。したがって、新たなキャベツの購入世帯が増加したのではなく、キャベツを購入している世帯の消費額が160.1%と大きく増加したことが要因である。問題は、価格が上昇したのか、数量が増加したのかであるが、ここで、消費者物価指数を見ると、キャベツは何と昨対136.8%、この場合100%は2倍を意味するので、昨対2.36倍になったことがわかり、したがって、数量ではなく、価格が大きく上昇、すなわち、相場高であったことが鮮明である。

   同様に、レタスを見ると、レタス5.30円(昨対144.5%)、消費世帯のみ9.24円(昨対144.1%)、消費世帯の割合57.4%(昨対100.3%)であり、しかも、消費者物価指数はレタス昨対71.9%であり、キャベツ同様、価格、すなわち、相場高であることがわかる。これ以外の野菜の項目もほぼ同様な結果であり、生鮮野菜の消費額の上昇は明らかに相場高による価格の上昇がその要因であり、これを差し引くと、この11月度の家計消費は極めて厳しい状況にあるといえ、依然として、消費の回復はみられず、むしろ、デフレがこの11月度も継続しているといえよう。

   ついで、生鮮野菜以外のこの11月度の家計消費の結果であるが、大分類では、穀類222.67円(昨対95.8%)、魚介類218.07円(昨対93.1%)、肉類215.47円(昨対98.3%)、乳卵類107.60円(昨対98.4%)、果物98.30円(昨対98.4%)、油脂・調味料116.30円(昨対97.6%)、菓子類196.60円(昨対96.8%)、酒類111.37円(昨対94.6%)という結果であり、95%前後と厳しい状況である。ただ、この中でも伸びている項目もあり、その典型的なものをいくつか見てみたい。

   かつお2.67円(昨対112.7%)、オレンジ0.43円(昨対118.2%)、ぶどう2.27円(昨対111.5%)、すいか0.07円(昨対200.0%)、メロン0.70円(昨対123.5%)、キウイフルーツ1.90円(昨対114.0%)、冷凍調理食品16.83円(昨対117.7%)、乳酸菌飲料9.03円(昨対110.6%)、ミネラルウォーター6.77円(昨対122.3%)、発泡酒・ビール風アルコール飲料22.70円(昨対143.7%)と、以上が110%以上伸びた項目である。それにしても、この10項目のみが110%以上の項目であり、いかに、この11月度の消費額が厳しかったかがわかる。

   このように、2010年11月度の家計消費は98.1%と厳しい結果となり、依然としてデフレ環境にあるといえよう。昨対を上回ったのは、野菜・海藻、調理食品であるが、調理食品はわずかな伸びであり、野菜・海藻も異常な相場高による価格の上昇が消費を押し上げた格好であり、実質、全体が厳しい消費状況にあったといえる。しかも、昨対110%を上回った項目は野菜を除くとわずか10項目であり、消費が明らかに伸び悩んでいるといえよう。こう見ると、今年の年末、そして、来年度も、厳しい消費環境が予想され、食品スーパーマーケットの今期決算の動向が気になるところである。

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December 30, 2010

消費者物価指数(CPI)、2010年11月、0.1%!

   消費者物価指数(CPI)が12/28、総務省統計局から公表された。結果は、「(1) 総合指数は平成17年を100として99.9となり,前月比は0.3%の下落。前年同月比は0.1%の上昇となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は99.4となり,前月比は0.1%の下落。前年同月比は0.5%の下落となった。(3)食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は97.6となり,前月比は0.2%の下落。前年同月比は0.9%の下落となった。」となり、総合指数が前年同月比、2ケ月連続でプラスとなった。

   ただ、プラスとなったのは総合指数であり、生鮮食品を除いた場合は-0.5%、さらに、エネルギーを除くと-0.9%であり、生鮮食品、エネルギーのプラス効果が全体の消費者物価を押し上げているといえ、プラスに動き始めたとはいえず、依然として、デフレ環境にあるといえよう。特に、前年同月比の過去3年間の棒グラフの動きを見る限りでは、これまでのトレンドを見ると半期1年のsinカーブを描いており、今年の1月からプラスに転じてもおかしくないが、マイナスがそのまま継続し、ようやく、ここ数ケ月少しプラスへ向かう動きがみられるようになったが、それでも、その幅は小さく、依然として、マイナス傾向が続いており、明らかに、異常値であるといえる。

   ちなみに、消費者物価指数では諸外国の数字も同時に公表しているので、参考にここ数ケ月の動きを見ると、アメリカ(7月1.2%、8月1.1%、9月1.1%、10月1.2%、11月1.1%)、イギリス(7月4.8%、8月4.7%、9月4.6%、10月4.5%、11月4.7%)、ドイツ(7月1.2%、8月1.0%、9月1.3%、10月1.3%、11月1.5%)、フランス(7月1.7%、8月1.4%、9月1.6%、10月1.6%、11月1.6%)である。また、アジアでは、中国(7月3.3%、8月3.5%、9月3.6%、10月4.4%、11月5.1%)、韓国(7月2.6%、8月2.6%、9月3.6%、10月4.1%、11月3.3%)という状況である。こう見ると、日本のみ消費者物価指数のマイナスが続き、デフレであり、諸外国はいずれもプラス、特に、イギリス、中国、韓国はインフレ気味といえ、明らかに日本のみ消費者物価指数が異常な状況がほぼ1年続いているといえよう。

   さて、では、この11月度、どのような状況であったかをまず確認してみたい。まずは、総合指数が0.1%となった要因であるが、大きく3つである。たばこ 38.6%(寄与度0.27)、生鮮野菜 28.1%(寄与度0.44)、他の光熱 12.4%(寄与度0.07)である。特に、最も寄与度が大きかった生鮮野菜であるが、これにその他生鮮を加えた生鮮食品では17.4%(寄与度16.3)とさらに寄与度があがり、異常値である。いかに、11月度の生鮮食品の相場が異常値であり、全体へも影響が大きかったかがわかる。また、他の光熱を含めた水道・光熱では3.5%(寄与度3.0)であり、生鮮食品についで、大きく消費者物価指数を引き上げていることがわかる。極論すれば、この2部門のみが全体の消費者物価を大きく押し上げているといえる。ちなみに、たばこも10月からの値上げで38.6%上昇しているが、寄与度は0.27であるので、全体への影響は少ないといえる。

   そこで、この2部門、生鮮食品と水道・光熱以外の部門を見てみたい。下落の大きかった部門の中で、その項目を見てみると、何といっても、最も大きな下落は授業料等 -17.4%(寄与度-0.49)である。特に、公立高校授業料は-98.5%(寄与度-0.40)と大きく、私立高校授業料も-25.1%(寄与度-0.11)と下げに影響している。ついで、家庭用耐久財-9.3%(寄与度-0.08)、教養娯楽用耐久財-18.9%(寄与度-0.09)、家賃-0.4%(寄与度-0.07)である。これらを含め、大分類では、教育(寄与度-0.49)、生鮮食品を除く食料(寄与度-0.26)、家具・家事用品(寄与度-0.12)、教養娯楽(寄与度-0.11)、住居(寄与度-0.10)等、マイナスが大きい。

   また、食品も生鮮食品以外は寄与度が-0.26と大きかったので、その中身を見てみると、前年同月比では、穀類-3.2%、油脂・調味料-2.4%、飲料-1.5%、酒類-1.4%、菓子類-1.0%、乳卵類-0.9%、調理食品-0.8%と軒並みマイナスであり、食品は生鮮食品とその他は対照的な動きをしているといえる。さらに、その中でもマイナスの大きかった項目をいくつか見てみると、食用油-10.4%、ビスケット-8.9%、スパゲッティ-8.3%、ミネラルウォーター-7.0%、米類-6.0%、ぶどう酒-5.7%、魚介缶詰-5.2%等が5.0%以上下落しており、食品全体を押し下げた項目である。

   このように2010年11月度の消費者物価指数は全体の総合指数は0.1%の上昇となったが、生鮮食品の相場高、エネルギーの高騰によるところが大きく、これらを除くと、消費者物価指数はまだマイナスであるといえ、デフレは依然として継続しているといえよう。今後、生鮮食品の相場が安定し、価格が落ち着くと、総合指数もすぐにマイナスに転じることは必至といえ、今回のプラスが今後継続するとはいえず、当面、デフレを前提とした対応が必要といえよう。食品スーパーマーケット業界としては、年末年始、そして、来年度も厳しい経営環境が続くものといえよう。

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December 29, 2010

食品スーパー売上速報、2010年11月度、101.4%!

   社団法人新日本スーパーマーケット協会から、12/27、スーパーマーケット販売統計調査、2010年11月度が公表された。この統計調査は食品スーパーマーケット業界の主要3団体、社団法人新日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会の3社合同の調査であり、今年の4月度からはじまった食品スーパーマーケット業界にとっては新たな試みである。その結果であるが、総売上高は7,321.18億円(昨対101.4%)と、堅調な結果となった。10月度が102.1%であるので、やや下がった感は否めず、ここへ来て、食品スーパーマーケットを取り巻く環境は厳しさを増し始めたといえよう。

   この11月度までの売上高の推移を改めて確認すると、11月度101.04%、10月度102.1%、9月度102.5%、8月度101.0%、7月度101.0%、6月度100.1%、5月度97.5%、そして、4月度99.1%という状況である。統計調査をスタートした4月、5月度は昨対を下回っていたが、6月以降、昨対を超えはじめ、堅調な伸びを示していたが、この11月度はやや失速、今後が気になるところだ。ちなみに、この11月度の食品スーパーマーケットの回答企業数であるが、全部で263社、地域別には北海道・東北エリア 44社、関東エリア 68社、東海・北陸エリア 62社、関西エリア 36社、中国・四国エリア 37社、九州・沖縄エリア 16社であり、総店舗数は7,089店舗、ほぼ日本における主要食品スーパーマーケットを網羅しているといえ、食品スーパーマーケットの統計数字としては、最も信頼がおけるものである。

   さて、その中身であるが、このスーパーマーケット販売統計調査は売上高を2つの角度から掘り下げており、より、食品スーパーマーケットの実態がつかみやすく工夫されている。ひとつは部門別売上高であり、ここでは、食品スーパーマーケット独特の生鮮食品を青果、水産、畜産に分け、さらに、惣菜を別途集計している。これに、一般食品・その他、非食品部門が加わり、合計6部門に分けて集計している。そして、もうひとつはエリア別であり、ここでは、北海道・東北エリア、関東エリア、東海・北陸エリア、関西エリア、中国・四国エリア、九州・沖縄エリアと6エリアに分けて集計している。この2つの角度から売上高を分析しており、食品スーパーマーケットの現在の売上動向がしっかりつかめるといえる。

   そこで、まず、部門別売上高であるが、全体が101.4%と堅調な伸びとなったが、この数字を押し上げた部門は青果111.3%(構成比12.5%)である。唯一、2桁の伸びであり、相場高の問題もあったと思われるが、好調な結果であり、構成比も12.5%と生鮮3品の中ではトップであり、この11月度は、力強く全体の売上げを押し上げたといえよう。この青果部門についで、売上げが伸びた部門は、惣菜の103.2%(構成比8.7%)である。特にこの2部門はこの11月度だけではなく、5月はやや厳しい数字であったが、それ以外は順調に売上げを伸ばしており、特に、青果部門は10月度に跳ね上がり、さらに、この11月度はそれ以上の数字となり、独走状態といえ、全体をまさに力強く牽引しているといえる。

   これ以外の部門では、畜産100.3%(構成比10.5%)、一般食品・その他100.5%(構成比44.3%)の2部門が昨対を超えた。逆に、厳しかった部門であるが、何といっても水産である。98.1%(構成比9.0%)であり、この統計をとりはじめた4月度が100%であったが、それ以降はすべて100%を割っており、深刻な状況である。そして、もう一部門、非食品も99.2%(構成比15.0%)と厳しい状況であった。非食品に関しては、水産同様、厳しい数字で推移しており、昨対を超えたのは9月度の103.0%のたばこの値上げ前の特需の時のみである。

   一方、地域別に見てみると、九州・沖縄エリア、関西エリアが比較的好調な数字である。九州・沖縄エリア104.4%、関西エリア103.1%であり、全体が101.4%であるので、全体を押し上げたエリアであるといえよう。これ以外のエリアは昨対こそ割らなかったが、厳しい状況であり、北海道・東北エリア100.9%、関東エリア100.7%、東海・北陸エリア100.2%、中国・四国エリア100.0%と、いずれも、100%強と伸び悩んだ。

   ちなみに、この11月度の7,089店舗の平均的な店舗イメージであるが、日販344.25万円、売場面積は504.63坪である。客単価を仮に2,000円とすると、客数は1,721.25人となる。また、生鮮3品は青果が構成比12.5%でトップであり、生鮮3品合計の構成比は32.0%、グロサリーは44.3%、惣菜8.7%、そして、非食品15.0%である。これが現時点における日本の食品スーパーマーケットの平均的なイメージであるといえよう。

   このように、この11月度の食品スーパーマーケットの売上高は青果のみ、相場高により好調な数字であるが、それ以外の部門が伸び悩み、全体は101.4%と、伸び悩んだ。地域別では関西エリア、九州・沖縄エリアが比較的好調であったが、それ以外のエリアは伸び悩んでおり、ここへ来て、食品スーパーマーケット業界も厳しい経営環境に入ったといえよう。この調査では12月度の景況感も調査しているが、それを見ると、客単価、売上高ダウン、利益横ばい、そして、景気悪化を予想しており、この年末は厳しい状況が予想されよう。これまで比較的堅調な売上げを維持してきた食品スーパーマーケットも、今後は一転、厳しい結果が予想され、今期の決算の動向が気になるところである。

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December 28, 2010

アオキスーパー、2011年2月期、第3四半期、減収減益!

   アオキスーパーが、2011年2月期、第3四半期決算を12/24、公表した。結果は、営業収益654.21億円(-2.2%)、営業利益5.28億円(-59.3%)、経常利益5.93億円(-55.8%)、当期純利益2.31億円(-67.9%)となり、減収減益、特に、利益が大幅減益となる厳しい決算となった。アオキスーパー自身も、「低価格販売の実施や、店舗の新設や改装を行い販売促進に努めましたが、物価下落や個人消費の低迷等により厳しい経営環境となり、・・」とのことで、経営環境が厳しかったとの認識である。

   そこで、アオキスーパーが、この第3四半期において大幅減益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、84.93%(昨年84.12%)となり、0.81ポイントと大きく上昇している。アオキスーパーも、「当流通業界におきましては、業種・業態を超えた値下げ等による店舗間競争がさらに激化しており、厳しい経営環境が続いております。」とコメントしており、値下げ競争の激化が要因といえよう。結果、売上総利益は15.07%(昨年15.88%)となり、食品スーパーマーケットとしては極限に近い粗利率となった。もちろん、2010年度の決算公開企業約50社の本決算時と比較しても、断トツの低さであり、No.1といえる。それにしても、食品スーパーマーケットとして、これだけ低い粗利率はびっくりである。

   一方、経費の方であるが、17.49%(昨年17.16%)と、0.33ポイント上昇が見られる。したがって、原価、経費双方が上昇しており、ダブルで利益を圧迫したことが大幅減益となった要因といえよう。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-2.42%(昨年-1.28%)と、マイナス幅がさらにひろがり、極めて深刻な結果をもたらしたといえる。ちなみに、この経費比率17.49%であるが、これも2010年度の決算公開企業約50社の本決算と比較すると、ベスト5に入る低さである。

   経費比率は、昨年よりは上昇しているとはいえ、十分に低い数字であり、競争力が極めて高い状況にあるといえる。にもかかわらず、アオキスーパーは原価をそれに見合うようにバランスをとることはせず、経費以上に原価を上げ、マーチャンダイジング力をマイナスで勝負するという独特な経営哲学を打ち出しているのが特徴である。通常の食品スーパーマーケットであれば経費トントンか、少なくとも、これだけ低い経費比率であれば、少しでも利益を確保しようと原価を下げるが、アオキスーパーは、逆に、原価をむしろ上げ、粗利を抑えるような経営戦略を打ち出すという、逆張りの経営を貫いているのが特徴である。おそらく、経費から原価を考えるのではなく、はじめから原価ありき、EDLPを前提とした経営哲学が根底にあるのではないかと思われる。

   したがって、当然、マーチャンダイジング力のマイナスはその他営業収入で補わざるをえないといえ、アオキスーパーの今期のその他収入は、3.27%(昨年3.29%)であり、ほぼ昨年同様の結果となった。このその他営業収入がアオキスーパーの利益の源泉であるといえ、ここをいかに大きくするかが、アオキスーパーの経営哲学を貫けるかどうかのポイントとなる。

   アオキスーパーは地域No.1の経費の低さ、そして、原価の高さ、結果、粗利の低さを武器に食品スーパーマーケットを作り上げ、マーチャンダイジング力はマイナスになっても、競争に打ち勝ち、売上規模を極大化し、結果、物流収入と不動産価値を引き上げ、その他営業収入を極大化するというビジネスモデルを目指しているといえる。ただ、これだけ原価、経費ともに上昇すると、このビジネスモデルも厳しい結果となり、今期、第3四半期決算のように大幅減益とならざるをえないといえよう。

   結果、今期の営業利益であるが、0.85%(昨年2.01%)と、プラスにはなったが、昨年と比べ半減以下という厳しい結果となった。原価、経費の上昇が大きく響いたといえ、今後、さすがに、原価、経費双方の改善が必至といえよう。

   これまで、このような厳しい状況が大きく表面化しなかったのは、これを補う高成長が背景にあったためと思われる。一般に、原価、経費ともに、高成長が続いている時はあまり問題は表面化せず、成長に打ち消され、増益がもたらされることが多い。ただ、今期決算のアオキスーパーは、売上も97.80%と低迷したため、一気に問題が表面化したといえ、特に、経費面での影響が大きかったもの思われる。したがって、まずは、新店を開発してゆく一方、既存店の活性化が当面の経営における最優先課題といえよう。

   これを受けて、通期予想であるが、営業収益877.00億円(-1.9%)、営業利益8.20 億円(-56.2%)、経常利益8.90億円(-54.1%)、当期純利益3.80億円(-65.1%)と、この第3四半期同様、厳しい数字である。特に、利益の大幅減益は避けられそうになく、昨年と比べ、半減となる予想である。アオキスーパーは食品スーパーマーケット業界の中でもトップクラスのディスカウント戦略を実践している食品スーパーマーケットであり、そのディスカウント戦略がこのデフレ環境の中では厳しい結果をもたらしたともいえる。今後、アオキスーパーがこの結果を受けて、どのような経営戦略を打ち出すか、注目である。

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December 27, 2010

オーケー、2010年2月期、中間決算、成長鈍化!

   注目のオーケーの2010年2月期、中間決算が12/17、公表された。結果は、売上高1,159.11億円(前年同期比107.3%)、営業利益56.71億円(同104.9%)、経常利益57.94億円(同105.0%)、当期純利益33.95億円(同105.5%)となり、増収増益と好決算となったが、これまでの高い成長率が影を潜め、堅調な決算となった。オーケー自身も、「売上前年比は新店を含めても 7.3%増、誠に厳しい状況が続き反省しております。」と、コメントしており、厳しい経営環境であったとの認識である。また、この状況を受けて、「2010年3月、経営目標の『借入無しで年率30%成長を達成する』の達成期限を3年先送りして2014年3月期に変更しました。体制を整えて着実に挑戦して参ります。」と、かねてよりの経営目標を3年先送りしたとのことである。

   この中間期、成長が鈍化した最大の要因は新店開発にあるといえるが、オーケー自身も、「上期の開店は、小台店・川越店・仲池上店の3店のみ、下期の開店は町田小川店(来年2月開店予定)の1店のみ、新店の開発遅れが続いております。」とのことで、今期4店舗と遅れを認めている。オーケーは現在63店舗であるので、仮に130%の成長を新店のみで目指すには年間20店舗近い新店が必要であり、今期の4店舗では、110%の成長も難しく、オーケー自身が認めるように、新店開発が大きく遅れている結果といえよう。

   そこで、オーケーの出店余力を見てみたい。まず、自己資本比率であるが、39.8%(昨年38.5%)と改善している。一昨年が34.2%であるので、ここ数年自己資本比率の確実な上昇が見られ、財務は安定しており、恐らく、今期はさらに上昇がみられるのではないかと思われる。その要因は純資産比率が毎年確実に改善していることが大きい。2010年度中間期は326.67億円(昨対111.2%、一昨年対比145.8%)であり、一方、総資産は820.12億円(昨対107.6%、一昨年対比125.3%)と、純資産の上昇幅が総資産の伸び率を大きく上回っているためである。

   では、なぜ、オーケーの純資産が着実に、ここ数年間上昇し続けたかであるが、それは、好決算が続き、純利益がここ数年大きく上昇したことに加え、オーケーが独自に株式を、特に消費者に発行してきたことが大きい。まず、純利益の状況であるが、この中間期の利益剰余金は270.33億円(昨対126.9%)であり、純資産の82.7%を占め、金額では57.32億円となる。一方、資本金であるが、8.47億円、資本準備金は8.47億円、合計16.94億円増加しており、利益剰余金、資本金及び資本準備金双方が増加し、その結果、純資産を大きく増加させたからである。

   一方、出店関連の資産、土地、建物、敷金及び保証金であるが、424.85億円(昨対109.0%)であり、総資産820.12億円に占める割合は51.8%である。したがって、出店余力、自己資本-出店にかかわる資産は-12.0%であり、2010年度の決算公開企業約50社の平均が-22.3%であるので、Bクラスというところである。したがって、オーケーの経営目標、年率130%の成長を達成するには、さらに、財務改善が必要といえ、もう少し出店余力を改善する必要があろう。

   その鍵を握るのが、約60%を占める負債の状況であるが、その主要項目を見ると、有利子負債が145.85億円(昨対99.1%)と、昨年とほぼ同じ金額であり、総資産対比では17.78%であり、この改善が課題といえよう。ただ、現金が271.24億円(昨年103.1%)と総資産の33.0%と尋常ではなく、結果、実質、無借金経営であるといえ、これを加味すると出店余力はAクラスといえ、本来であれば今期、もっと高成長が期待できたともいえよう。こう見ると、財務的な問題よりも、新店開発が遅れたということが大きいと思われる。

   では、ここ数年、好調な純利益をもたらしている要因を、この中間決算の数字で確認してみたい。まず、原価であるが、79.6%(昨年80.3%)と、0.7ポイント改善している。今期はデフレによる価格への影響が大きかったと思われるが、原価を改善し、結果、売上総利益は20.4%(昨年19.7%)となった。一方、経費の方であるが、15.4%(昨年14.6%)と0.8ポイント上昇している。ただ、上昇したとはいえ、15.4%と15%台であり、2010年度の決算公開企業約50社の本決算で見ると、No.1の低さであり、極めて低い経費比率である。したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は5.0%(昨年5.1%)であり、ほぼ昨年同様の高い収益性を維持したといえよう。ちなみに、オーケーの場合はその他営業収入が0であるので、マーチャンダイジング力=営業利益となる。

   このように、オーケーの2010年2月期の中間決算は、増収増益と好決算とはなったが、これまでの高成長が堅調な成長へと変わり、やや落ち着いた決算となった。オーケーはこれまで高成長を続け、経営目標を「借入無しで年率30%成長を達成する」を掲げてきたが、さすがに、今期の決算はその目標、特に、130%成長はあまりに乖離がある数字となり、オーケー自身も3年先送りを決めざるをえなかったといえる。それだけ、食品スーパーマーケットを取り巻く経営環境は厳しさを増しているといえ、今期はオーケーを含め、食品スーパーマーケット業界にとっては厳しい決算が予想されよう。 

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December 27, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 26, 2010

GMS、食品スーパーマーケットのアジア戦略!

   GMS、食品スーパーマーケットともに国内需要の低迷があいつぐなか、各社、ここへきてアジア市場へ熱い視線を注ぎつつある。特に、この数年、徐々にアジア市場、特に、中国への参入に力を入れ始めており、今後、国内から、アジア、特に、中国へと進出するGMS、食品スーパーマーケットが増えてゆくのはないかと思われる。そこで、ここでは、2010年の中間決算をもとに、現状のアジア市場への日本の主要GMS、主要食品スーパーマーケットの参入状況を見てみたい。

   まずは、セブン&アイHであるが、すでに、アジア市場は営業セグメントのひとつとなっており、北米についで、その他に区分し、営業収益、営業利益を公表している。このその他は、中国のことであり、この中間決算では営業収益447.22億円(構成比1.7%)であり、伸び率は112.8%、全体が100.5%であるので、まだまだ構成比は低いが、伸び率は高いといえる。ただ、営業利益は11.77億円(営業収益比2.6%、構成比0.9%)、伸び率は72.6%であるので、厳しい状況であり、当面、営業収益優先で進んでゆくものと思われる。セブン&アイHは現在、中国の北京、上海にセブンイレブンを93店舗、GMSを北京に9店舗、四川省成都市に4店舗、そして、食品スーパーマーケットを北京に1店舗展開しており、GMS、コンビニが軌道に乗りはじめているといえよう。

   ちなみに、コンビニではすでにファミリーマートが先行しており、中国国内で359店舗を展開している。特に、ファミリーマートは、今期、国内店舗数を海外店舗数が上回っており、今後、中国は特に重点地区として、店舗数が急増することが予想され、セブンイレブンとも、激しい競争が予想されよう。

   次に、アジア戦略を強く打ち出しているイオンであるが、イオンはセブン&アイHよりもセグメントが明確であり、セブン&アイHがその他で分類しているのに対し、アジア等で分類しており、アジアを意識した営業戦略が展開されている。その現状であるが、営業収益1,375.38億円(構成比5.5%)と、セブン&アイHの約3倍とすでに、年間では3,000億円弱と主要セグメントに育ちつつあるといえよう。ただ、伸び率は97.5%と伸び悩んでおり、気になるところである。一方、営業利益は71.74億円(営業収益比5.2%、構成比12.4%)であり、しかも、伸び率は121.2%であり、利益が大きく改善しつつあるといえる。

   イオンは現在、中国に57店舗(GMS28店舗、SM6店舗、その他23店舗)、タイ11店舗(SM11店舗)、マレーシア26店舗(GMS22店舗、SM4店舗)の合計94店舗(GMS50店舗、SM21店舗、その他23店舗)を展開している。このその他は、イオンストアーズ香港のジャスコリビングプラザ・10ドルプラザ・弁当ショップ等であり、GMS以外にも幅広くアジアでの展開を行っている。

   そして、セブン&アイH、イオン以外の各地のGMS、食品スーパーマーケットであるが、平和堂が平成10年、10年以上前から中国に参入しており、中国湖南省長沙市にGMSを出店している。ここ最近の営業収益であるが、いずれも中間決算時であるが、2008年91.00億円、2009年91.25億円、2010年118.96億円と順調に数字を上げており、昨対130.4%と好調である。一方、営業利益は2008年8.08億円(営業収益比8.8%)、2009年8.69億円(営業収益比9.5%)、2010年9.16億円(営業収益比7.7%)である。また、2009年9月には、株洲店がオープンしたので、現在3店舗での展開であり、まだまだ全体の売上構成比は6%強であるが、今後、中国市場は平和堂にとって重要な成長市場となろう。

   また、ユニーであるが、1987年に香港島で1号店をオープンし、現在「APITA CITYPLAZA (太古城 中心)店」として営業している。その後、今年、2010年6月には、「UNY 生活創庫 LOKFU (楽富)店」をオープンし、現在2店舗を展開している。そして、2011年初春に香港の九龍半島に位置する九龍湾(カオルーンベイ)に、海外初のピアゴとなるユニー香港3号店「PIAGO TELFORD(徳福)店」を出店する予定である。さらに、2012年には、いよいよ、中国、上海に1号店を出店する予定であり、その後、10店舗程度の中国での出店を検討しているという。

   以上が、すでにアジアに進出している主要GMS、食品スーパーマーケットであるが、今後、進出を考えている企業もある。イズミヤは来春、中国蘇州市での1号店開店を目指して、準備を進めている。特に、今期、伊藤忠と資本・業務提携を行い、その中で、提携対象分野として、「中国を中心とした海外事業展開の推進」がうたわれており、今後は伊藤忠とも連携して、中国市場への参入がはかられてゆくものといえよう。

   このように、現時点ではGMS、コンビニ主体でアジアへの進出が始まっており、特に、GMSは中国が有望市場として認知されつつあり、先行しているイオン、激しく追随しつつあるセブン&アイH、そして、平和堂、ユニー、さらには、今後、イズミヤの参入も予想される。また、コンビニでは先行しているファミリーマートにセブンイレブンが追い上げており、今後、他のコンビニの参入もあるといえよう。残念ながら、食品スーパーマーケットはまだ少ないが、いずれ、アジアへ本格進出する時期がくるものと思われ、どこがアジア戦略を打ち出すか注目である。

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December 26, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 25, 2010

ユアーズ、2010年9月期決算、減収赤字決算!

   経営再建中の九州、丸和の親会社、広島のユアーズが12/22、2010年9月期の決算を公表した。ユアーズ自身は非上場のため、決算を公表していないが、上場会社、丸和の株式を66.47%(2010年7月31日現在)所有し、親会社となっているため、丸和が親会社の情報開示の一環として公表したものである。その結果であるが、売上高381.43億円(-4.65%)、営業利益-0.91億円、経常利益0.86億円(-81.45%)、当期純利益-22.23億円となり、減収減益、赤字決算となる厳しい結果となった。ユアーズは今後、丸和を吸収合併し、丸和の経営再建をADRを通じて進めてゆくことになるが、この決算結果を見る限り、厳しい経営再建となろう。

   ADRはAlternative Dispute Resolution の略称であり、裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律により定められている「裁判外紛争解決手続」のことである。小売業の通常の経営再建は会社更生法、民事再生法等あるが、この経営再建方法は裁判なしに、専門家が間に入り、私的に経営再建をすすめてゆくものである。丸和はこの経営再建手法を選択し、現在、最終段階まで来ており、今後、ユアーズの完全子会社化となることを前提に金融機関等含め債権者の合意がなされたところである。その親会社のユアーズが今回、赤字決算という厳しい状況に陥ったことで、丸和のADRそのものにも影響がでることは必至といえ、丸和だけでなく、親会社ユアーズも厳しい経営状況に入ったといえる。

   特に、深刻なのは自己資本比率であり、3.49%(昨年13.31%)と、債務超過になりかねない危機的水準にあるといえる。ちなみに、純資産は7.21億円であるので、仮に、来期も同様な赤字決算となると、資本を増強しない限り、債務超過となる極めて厳しい状況にあるといえよう。現在、資本金は0.8億円、資本準備金が12.53億円であり、利益剰余金-5.91億円であるので、資本をいかに調達するか、待ったなしの状況といえよう。

   結果、負債比率が96.51%と異常な状況にあり、その主要な項目は有利子負債となるが、その結果は136.52億円(昨年135.32億円)と、総資産206.45億円の66.12%である。ちなみに、現金及び預金は12.17億円(昨年13.82億円)であるので、現金も十分とはいえず、財務内容は厳しい状況である。これに、今後、丸和を吸収合併すると、有利子負債が137.66億円(2010年10月現在)加わり、有利子負債が倍増することになり、極めて重い財務となる。ADRではこの債務を一部株式化するDES(デット・エクイティ・スワップ)が合意されており、さらに、新たな金融支援等も合意されているので、当面は経営の継続は可能ではあると思われるが、今後とも赤字決算が続くようでは、財務の改善は難しく、待ったなしの経営改革、特に、キャッシュをいかに営業活動により増加させるかが、焦点となってきたといえよう。

   そこで、ユアーズの営業利益が赤字になった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、76.25%(昨年74.92%)となり、1.33ポイントと大きく上昇しており、原価の上昇が見られる。デフレ環境による競争の激化により、価格競争が激しいものといえよう。結果、売上総利益は23.75%(昨年25.08%)となり、厳しい粗利である。この時点でキャッシュが大きく減少しており、原価の改善をどうはかってゆくかが当面の課題であるといえよう。

   一方、経費の方であるが、23.98%(昨年24.30%)と、経費は0.32ポイント下がっており、経費の削減は進んだ。ただ、原価の上昇をカバーするまでに至らず、結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.23%(昨年0.78%)となり、昨年のプラスからマイナスへ転じており、厳しい結果となった。原価の上昇がマーチャンダイジングに大きな影響を与えているといえよう。ユアーズはその他営業収入が0であるので、マーチャンダイジング力=営業利益となり、結果、赤字決算となった。ちなみに、丸和の直近、第3四半期決算の結果であるが、原価73.71%(昨年74.17%)と、原価の改善は進み、結果、売上総利益は26.29%(昨年25.83%)である。ユアーズよりも高い数字である。一方、経費の方であるが、27.39%(昨年27.41%)であり、差し引き、マーチャンダイジング力は-1.10%(昨年-1.58%)であった。

   こう見ると、経費はユアーズの方が圧倒的に低く、仮に丸和がユアーズ並みに経費比率を下げられれば、マーチャンダイジング力はプラスに転じる。一方、ユアーズが丸和並みに原価を改善できれば、ユアーズのマーチャンダイジング力もプラスに転じるので、今後、両社合併後はマーチャンダイジングの改善が大きく進むことが期待できよう。

   このように丸和の親会社ユアーズの決算が公表されたが、結果は極めて厳しい決算となった。すでに、丸和のADR(裁判外紛争解決手続)が成立し、今後、ユアーズが丸和を吸収合併することになっているが、ユアーズも抜本的な経営改革が待ったなしの状況にあるといえる。今後、どのように丸和のADRはもちろん、丸和吸収合併後のユアーズの経営を軌道に乗せられるかが問われているといえ、ユアーズがどのような、抜本的な経営改革を打ち出すか注目である。

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December 25, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 24, 2010

オークワ、2011年2月期、第3四半期、減収増益!

   オークワが12/22、2011年2月期、第3四半期決算を公表した。いよいよ、食品スーパーマーケット業界も2月期決算企業の第3四半期決算の公表が本格化しはじめたといえる。今後、年末年始にかけて、あいつで、第3四半期決算が公表されると思うが、本ブログでは主要食品スーパーマーケットの決算内容をいち早く分析し、最新情報として、取り上げてゆく予定である。そのオークワの結果であるが、営業収益2,135.92億円(-0.8%)、営業利益37.51億円(11.4%)、経常利益39.43億円(13.5%)、当期純利益16.54億円(44.0%)となり、減収となったものの、利益は大幅な増益となった。

   オークワ自身は、「小売業界におきましては、猛暑効果で盛夏商品の販売が好調であったものの、依然として業態を超えた企業間競争の激化による客数減、及び消費者の生活防衛意識の高まりによる客単価の下落が続き、非常に厳しい経営環境となりました、・・」とコメントしており、客数、客単価ともに厳しい状況であったとのことである。オークワは食品スーパーマーケットの業態として、主力のレギュラー(SSM)に加え、ディスカウントタイプのプライスカット、スーパーセンター、高質スーパーのメッサを擁しているが、今期は特に、「主力の「レギュラー」業態とディスカウントタイプの「プライスカット」業態は、外部環境の悪化により、販売が低迷いたしました。」とのことである。結果、「既存店売上高の前年同期比は第1~第3四半期累計で97.0%)となりました、・・」とのことで、これが減益の原因であるとのことである。

   ただ、新規出店はスーパーセンター桜井店(3月:奈良県桜井市)、SSM加古川野口店(4月:兵庫県加古川市)、SSM美濃加茂店(9月:岐阜県美濃加茂市)、SSM海南野上店(11月:和歌山県海南市)、スーパーセンター美濃インター店(11月:岐阜県美濃市)と5店舗出店、新店は順調に推移し、合計150店舗を超えたが、後半に集中したため、既存店の落ち込みをカバーできず、減益となったものといえよう。それにしても、オークワの地元は和歌山県であるが、この新規出店を見ると、奈良県、兵庫県、和歌山県と近畿エリアだけでなく、岐阜県の中京エリアへも出店しており、食品スーパーマーケットとしては、幅広いドミナント展開といえる。特に、ここ最近は中京地区のドミナント化に注力しているといえ、オークワにとっては、第2の戦略ドミナト地区となりつつあるといえよう。

   一方、好調な利益の要因であるが、原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、75.09%(昨年75.20%)と、0.11ポイント改善している。結果、売上総利益は24.91%(昨年24.80%)となった。一方、経費の方であるが、26.67%(昨年26.84%)となり、0.17ポイント改善している。これについて、オークワは、「業務改革については、本年1月の組織変更により「業務改革室」を設置し、全社ベースで業務の見直しを行っております、・・」とのことで、まさに、この業務改革の成果といえ、原価、経費双方が改善したものといえよう。

   したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.76%(昨年-2.04%)となり、依然としてマイナスではあるが、数字は改善しており、収益性が高まったといえよう。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.59%(昨年3.67%)のり、結果、営業利益は1.83%(昨年1.63%)となり、増益となった。こう見ると、厳しい経営環境の中、売上高は既存店が伸び悩み、厳しかったが、このような中で、今期の利益が大幅増益となったのは、原価、経費双方がほぼ均等に改善したことが大きかったといえよう。

   これを受けて、残り、四半期となったが、今期本決算の予想であるが、営業収益2,904.00億円(0.3%)と、この第3四半期決算の-0.8%と一転、増収予想である。恐らく、後半に集中した新店の効果と業務改革による既存店の活性化が寄与するとの予想であると思われる。一方、利益の方は、営業利益62.00%と第3四半期決算の11.4%と比べやや低い予想であるが、これは、デフレの影響がより深刻になるとの予想であろう。そして、経常利益63.50億円(6.4%)、当期純利益28.00億円(18.7%)と、営業利益に応じ、やや低い予想であるといえる。ただ、全体としては、この第3四半期の減収増益から、増収増益、堅調な予想であるといえる。

   このように、オークワの2011年2月期、第3四半期決算は減収大幅増益という結果となったが、減収幅はわずかであり、後半に集中した新規出店が本決算にはプラス効果となり、本決算は増収が予想される。また、大幅増益になった要因は原価、経費共にバランスよく改善されたことが大きく、理想的な利益改善といえよう。今後、後半にかけてはデフレの厳しい経営環境が引き続き継続するものと思われるが、一層の業務改革が求められよう。オークワはこの1月に業務改革室を設置し、この決算結果を見る限り、効果を上げはじめているといえ、今後、さらに、業務改革室がどのような改革を打ち出すか、その動向に注目である。

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December 24, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 23, 2010

ニトリ、2011年2月期、第3四半期、大幅増収増益!

   ニトリH(ホールディングス)が2011年2月期の第3四半期決算を公表した。結果は売上高2,300.67億円(9.2%)、営業利益396.68億円(9.6%)、経常利益387.19億円(4.8%)、当期純利益232.02億円(23.6%)となり、大幅な増収増益となり、好決算となった。食品スーパーマーケット業界ではやや厳しい第3四半期決算の公表があいついでいるが、ニトリHは絶好調といえ、売上げ、利益ともにバランスのとれた決算となった。ニトリHは自らを「従来型の「製造小売(SPA)モデル」をさらに進化させた「製造物流小売モデル」」と規定しているが、その真価がこのデフレ環境の中で如何なく発揮された結果といえよう。

   ここ最近のニトリHのニュースリリースを見ても、ニトリの「値下げ宣言」第11弾400品目追加値下げ(10/26)と、すでにここ数年で11弾の値下げ宣言を実施している。いずれも、約400品から500品であり、値下げ幅は15%~40%の値下げである。ちなみに、これまでの値下げ宣言であるが、第1弾(2008/5/8)、第2弾(2008/8/1)、第3弾(2008/11/1)、第4弾(2009/2/21)、第5弾(2009/5/30)、第6弾(2009/8/8)、第7弾(2009/10/31)、第8弾(2010/2/27)、第9弾(2010/5/29)、第10弾(2010/8/7)である。その結果、さすがに、ここ最近は客単価は下がっているが、客数が大きく伸びており、結果、売上げが大きく伸び、これが増収をもたらしている最大の要因といえよう。

   ニトリH自身も経営戦略のトップに「多くの人々にとってお求めやすい「価格」の実現」をあげており、価格政策はニトリHの根幹理念であるといえよう。一般に価格を下げると金額PI値(客単価)=PI値×平均単価からPI値が上がらない限り、金額PI値は上がらない。ニトリHの場合は価格を下げて金額PI値が下がっているので、PI値が下がっているといえよう。ただ売上げが伸びているので、ID-POS分析ではID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値であり、しかも、売上高=ID×ID金額PI値となるので、IDが増えたか、ID客数PI値が増えていることになる。恐らく双方増加と思われるので、結果、ニトリHの価格訴求は新たな顧客、すなわち、IDを獲得すると同時に、ID客数PI値(来店頻度)を引き上げていると思われる。これが、金額PI値(客単価)が下がっても、売上高が大きく上昇する要因と思われる。

   ちなみに、ニトリの現在の店舗数であるが、直近の12月までに28店舗の新規出店、10店舗の退店、結果230店舗である。さらに台湾の子会社が3店舗新規出店し、1店舗閉鎖したので、合計7店舗、したがって、海外を合わせ237店舗を展開しており、この237店舗でいっせい値下げが行われるわけであり、インパクトは大きいといえよう。

   一方、利益の方であるが、製造物流小売モデルをうたうニトリHの実態を見てみてみたい。まず、原価であるが、45.38%(昨年46.39%)と、食品スーパーマーケットでは考えられない原価であり、しかも、昨年と比べ1.01ポイント改善している。結果、売上総利益は54.62%(昨年53.61%)となった。これについて、ニトリHは、「商品面での優位性確保に向けた海外からの開発輸入商品の拡大に引き続き注力するとともに、企画開発商品の品質向上へ向けて海外生産工場への生産管理の指導・教育を継続的に実施いたしました。」とのことで、まさに、製造物流小売モデルの根幹、開発輸入に力を入れたとのことである。

   これに対して、経費の方であるが、37.37%(昨年36.42%)と、0.95ポイント上昇している。それにしても、この比率はGMS並みであり、食品スーパーマーケット業界と比べ10ポイント以上高い比率である。原価が極限まで下げられる分、経費をかけられるものといえよう。結果、差し引き、営業利益(=ニトリHの場合は、マーチャンダイジング力)は17.25%(昨年17.19%)となり、小売業では驚異的な営業利益率である。ただ、経費の上昇が気になるが、これだけ、原価が低く、しかも、昨年と比べさらに改善しているので、十分に吸収しており、表面化していないが、今後、経費削減にも取り組んでゆく必要があろう。

   こう見ると、ニトリHは異次元の小売業であるといえ、GMS、食品スーパーマーケット業界が原価改善のためにPB戦略をここ最近強く打ち出し、PB比率を引き上げているが、決算結果を見る限り、原価の改善につながっているとはいえず、苦戦している。ところがニトリHはPBをさらに進化させ、開発輸入、そして物流にまで取組んでおり、しかも、「海外自社開発製品が70%を超える」とのことで、驚異的な原価率を達成したといえる。原価改善を抜本的に行うには、ここまで徹底することが求められることが、このニトリHの決算結果は示しているといえよう。

   このように、ニトリHの2011年2月期の第3四半期決算は大幅な増収増益となり、好決算となった。しかも、デフレ環境の中で小売業界が原価改善に苦戦する中、大きく原価を改善しての利益拡大であり、ニトリHが自ら規定する「製造物流小売モデル」の威力が発揮されたといえよう。小売業の原価は平均すると70%前後であるが、ニトリHはここを50%以下に引き下げるビジネスモデルを作りえたことが、驚異的な収益性に繋がったといえる。今後、ニトリHがさらにどのようにビジネスモデルを進化させるか、その動向に注目である。

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December 23, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 22, 2010

コンビニ売上速報、2010年11月度、堅調3.1%!

   12/20、コンビニの売上速報が社団法人日本フランチャイズチェーン協会から公表された。この集計は、正会員である全国の主要コンビニの売上速報であり、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの10社となる。その結果であるが、売上高6,542.59億円となり、昨対3.1%となった。既存店も昨対1.1%であり、堅調な結果となった。

   (社)日本フランチャイズチェーン協会自身も、「たばこ税の増税により一時的に減少した売上げも金額ベースで順調に回復してきている。既存店ベースの売上高は6,020億円(前年同月比+1.1%)、来店客数は10億6,866万人(前年同月比+1.9%)と、どちらも2ヶ月ぶりのプラスとなった。・・」とコメントしており、既存店の回復を強調している。実際、先月(10月度)の既存店は-5.9%であったので、1.1%の上昇は回復といってよいといえよう。ちなみに、9月度の売上速報であるが、全体の売上げが15.0%、既存店12.9%であるので、既存店がたばこの値上げ前の駆け込み需要により、大きく伸びており、この反動が1ケ月で解消できたといえ、まさに、回復基調といえよう。

   では、既存店の売上げが順調に回復した要因を客数、客単価、そして、商品構成面から見てみたい。まずは、客数であるが、10.68億円人となり、昨対1.9%と堅調な伸びとなった。全体はさらに3.3%と伸びているが、これは店舗数が1.4%伸びたことが加わったためである。これを見る限り、たばこの値上げ前の駆け込み需要の反動は1ケ月で復調したといえ、お客様のもどりが早いといえよう。ちなみに、その9月度の客数であるが、既存店は昨対2.1%であるので、たばこの影響は客数ではなく、客単価にあったといえる。

   その客単価であるが、9月度は既存店が620.0円となり、昨対10.6%と大きく伸びていたが、この11月度は563.4円となり、昨対-0.8%と、わずかではあるが下がっており、まだ若干たばこの反動が続いているといえよう。ただ、10月度の既存店の客単価が昨対-1.5%であったことに比べ、明らかに回復基調にあるといえ、来月はプラスに転じるのではないかと予想される。

   ついで、商品構成面であるが、ここでは既存店の数字は公表されておらず、全体の数字となるが、3.1%と好調である。特に、全体の34.4%の売上構成比を占める日配食品が5.5%と牽引しており、全体の売上げを押し上げているといえよう。コンビニでの日配は、「米飯類(寿司、弁当、おにぎり等)、パン、 調理パン、惣菜、漬物、野菜、青果、水物(豆腐等)、調理麺、卵、加工肉(ハム、ウインナー、ベーコン等)、牛乳、乳飲料、乳製品(バター、チーズ等)、練物(ちくわ、かまぼこ等)、生菓子(ケーキなどの和洋菓子)、サラダ、デザート類(プリン、ゼリー、ヨーグルト等)等」であり、食品スーパーマーケットの惣菜、生鮮食品を含み、幅広い商品群で構成されている。まさに、コンビニの中核商品といえ、ここが回復基調になったことが大きいといえよう。ちなみに、たばこの値上げ前の9月度は昨対1.0%とわずかな伸びであり、この11月度の5.5%がいかに好調な数字であるかがわかる。

   ついで、全体の30.1%の売上構成比を占める加工食品であるが、昨対4.4%と顕著な伸びを示しており、加工食品も日配食品同様、全体を牽引している。この部門も9月度は昨対1.3%と微増であり、11月度は大きく数字を伸ばしている。また、サービスであるが、売上構成比は4.5%しかないが、伸び率は昨対3.4%と堅調である。ただ、9月度が昨対4.5%であったので、ややダウンしているのが気になるところだ。

   そして、問題のたばこを含む非食品であるが、全体の売上構成比は31.0%と、日配食品、加工食品とほぼ同じ数字であり、全体への影響は大きい。その昨対であるが、-1.0%と、マイナスであり、依然として若干たばこの反動が出ているといえよう。9月度が43.9%と異常値であり、この時は売上構成比も40.1%と跳ね上がったので、今月も影響があっても当然といえるが、若干影響が残っているといえよう。

   こう見ると、依然として若干であるが、9月度のたばこの値上げ前の駆け込み需要による影響が2ケ月たったこの11月度も若干残っているとはいえるが、その影響を好調な日配食品、加工食品でカバーしており、全体は昨対3.1%、既存店も1.1%とプラスになり、順調に回復しつつあるといえよう。ただ、客単価が依然としてマイナスであるところは気になるところである。協会自身も、「しかしながら平均客単価は563.4円(前年同月比-0.8%)と、若干ではあるが前年を下回り2ヶ月連続のマイナスとなった。」とコメントしており、客単価アップが当面の課題といえよう。

   次回は12月、年末となり、コンビニでも客単価が年間最高の月となり、600円を超える可能性が高いといえ、ここで、客単価を昨対プラスにもってゆけるかどかが、回復のバロメーターといえよう。この年末に向けて、各社、客単価アップを目指し、どのような取組みを打ち出すか注目である。

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December 22, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 21, 2010

食品スーパーマーケット、直近の株価動向!

   食品スーパーマーケット業界の本決算へ向けての直前の四半期、第3四半決算の公表が始まったが、投資家は食品スーパーマーケット業界をどう見ているのか、その動向を直近の株価をもとに見てみたい。食品スーパーマーケット業界は約50社が上場しており、小売業全体では約350社であるので、約15%となり、小売業界の中でも上場企業としては大きな柱となっている。北海道から九州、沖縄まで食品スーパーマーケットの上場企業はあり、今後、さらに増えるものと思われ、小売業界の中で、食品スーパーマーケットという確固たる地位を築きつつあるといえよう。

   ちなみに、食品スーパーマーケット業界は現在、主要業界団体が3つある。最も大きな業界団体は昨年8月に日本セルフサービス協会(1958年設立)と全国スーパーマーケット業界(1982年設立)が合併し、その後、今年の9月に社名変更した新日本スーパーマーケット協会であり、現在、正会員数は412社である。ついで、日本スーパーマーケット協会(1999年設立)であり、通常会員102社である。そして、もうひとつは、オール日本スーパーマーケト協会(1962年設立)であり、会員企業数57社である。したがって、この主要3団体だけで、企業数571社となり、店舗数では優に10,000店舗を超える。この内、約50社が上場しているので、約10%といえ、今後、食品スーパーマーケット業界の上場企業が倍になっても不思議ではなく、経営内容が安定し、成長戦略が確立された食品スーパーマーケットの上場が期待できるといえよう。

   さて、その株価であるが、5日移動平均乖離率、すなわち短期トレンドで見るとベスト10は、No.1フジ4.66%(1,838円)、No.2丸久4.27%(786円)、No.3エコス2.50%(451円)、No.4イオン北海道1.73%(294円)、No.5マックスバリュ中部1.61%(879円)、No.6アオキスーパー1.51%(740円)、No.7オークワ1.42%(845円)、No.8マルエツ1.24%(326円)、No.9マツヤ1.16%(610円)、そして、No.10平和堂1.12%(1,076円)である。

   短期間では大きく上昇している株価はないといえ、投資家は食品スーパーマーケット業界を静観しているといえよう。ちなみに、小売業全体のベスト5であるが、ステラG50.0%(3円)、バナーズ42.85%(10円)と、この2社は異常値であるが、ついで、メガネスーパー9.19%(190円)、Gテイスト8.33%(52円)、ヤマノHD7.40%(29円)であり、やはり異常値が多く、100円を大きく下回る企業が上位を占めており、小売業は厳しい株価の企業が多いといえよう。

   そこで、逆に、長期トレンド、26週移動平均乖離率で同様に、食品スーパーマーケットのベスト10を見てみると、No.1マルヤ18.60%(153円)、No.2原信ナルスH13.98%(1,198円)、No.3フジ12.14%(1,838円)、No.4ヤオコー9.27%(2,591円)、No.5アークス8.34%(1,234円)、No.6マックスバリュ中部7.06%(879円)、No.7イオン北海道6.90%(294円)、No.8ハローズ6.64%(722円)、No.9バロー5.85%(687円)、そして、No.10オークワ5.45%(851円)である。これも先ほどと同様、小売業全体のベスト5を見ると、ジンズメイト65.89%(360円)、ベクター50.65%(152,100円)、VTHD50.58%(259円)、ステラG50.00%(3円)、コナカ50.00%(348円)である。

   では、ここから短期、長期トレンド双方においてベスト10に入った食品スーパーマーケットを見てみると、全部で4社ある。フジ(短期No.1、長期No.3)、マックスバリュ中部(短期No.5、長期No.6)、イオン北海道(短期No.4、長期No.7)、そして、オークワ(短期No.7、長期No.10)である。実際、チャートを見ると、フジは10月中旬以降株価が右上がりに上昇しており、特に、週明け12/20は1,866円となり、ここへ来て年初来最高値を更新した。マックスバリュ中部も10月中旬以降見事に右上がりに急角度で上昇しており、年初来最高値960円に迫る勢いである。イオン北海道もマックスバリュ中部とほぼ同じ動きを示しており、10月中旬以降、右上がりに上昇している。年初来最高値が295円であるが、この株価を上回るのは時間の問題といえよう。そして、オークワであるが、9月以降、上げ下げを繰り返しながら右上がりに上昇している。

   したがって、この4社は明らかに短期、長期トレンド双方が食品スーパーマーケットではベスト10に入り、実際、チャート見ても、右上がりの上昇と、食品スーパーマーケット上場企業の中では投資家が現在、最も注目している食品スーパーマーケットであるといえよう。全体としては大きく上昇している食品スーパーマーケットは少ないといえるが、ここに上げた4社を含め、短期、長期のベスト10の食品スーパーマーケットの株価の動向は注目といえよう。

   このようにデフレの消費環境により、売上げが伸び悩み、厳しい経営状況にある食品スーパーマーケット業界であるが、その株価を見ると、大きく伸びている食品スーパーマーケットは確かに少ないが、堅調な伸びを示している食品スーパーマーケットは確実に存在している。また、その中には先に上げたフジ、マックスバリュ中部、イオン北海道、オークワのように投資家からも、ここ最近、注目されている食品スーパーマーケットもある。現在、食品スーパーマーケット業界の第3四半期決算が公表されはじめ、ほぼ、これで、今期の予想が明確になるといえる。年末から、来年1月にかけ、食品スーパーマーケットの株価がその結果では大きく動くものと思われ、ここ数ケ月間の株価動向が気になるところである。

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December 21, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 20, 2010

神戸物産、2010年10月期、本決算、大幅増収増益!

   業務スーパーの神戸物産が12/16、2010年10月期の本決算を公表した。結果は、売上高1,382.34億円(9.7%)、営業利益28.51億円(273.8%)、経常利益28.43億円(393.6%)、当期純利益9.48億円(288.2%)と、大幅な増収増益となり、好調な決算となった。各食品スーパーマーケットの売上げが伸び悩む中、「業務スーパー事業における出店状況は47店舗の新規出店、11店舗の退店の結果、純増36店舗で、総店舗数は543店舗となりました。」とのことで、積極的な新規出店を果たしたことが大きいといえよう。特に、神戸物産自身も、「デフレによる市場環境の中、低価格、高品質な商品を求める消費者ニーズに対応すべく、・・」とのことで、デフレがむしろ好環境となっており、まさに、デフレの申し子とも呼べる業務スーパーという業態が消費者に受け入れられた結果であるといえよう。

   また、利益の方は売上げ以上に好調な決算となったが、その要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、94.19%(昨年95.63%)となり、-1.44ポイントと大きく改善している。これは、「当社グループは原材料の調達から商品の製造、加工、販売までを行う製販一体システムを更に強化すべく、国内外における10社13工場の製造コスト削減及び効率化を図ると共に「安全・安心」を追求したオリジナル商品の開発に取り組んでまいりました。」とのことで、神戸物産が製販一体システムを構築していることが大きく、自らの力で原価の改善が直接できることが大きいといえる。

   結果、売上総利益は5.81%(昨年4.37%)と、大きく改善した。ただ、食品スーパーマーケットの原価率と大きく差があるのは、先にあげた製販一体システムの面もあるが、それ以上にビジネスモデルがFC、フランチャイズシステムを前提にしているためである。いわば、コンビニと同じビジネスモデルであるといえ、FCからのフランチャイズフィーが売上総利益となるためである。

   実際、直近、11月度の店舗数をみると、総店舗数は547店舗であるが、この内、直営店舗はわずか2店舗である。545店舗がFCである。ちなみに、神戸物産はこのFCを直轄エリア314店舗と地方エリア231店舗に分けて管理しており、直轄エリアは、関西(兵庫県、大阪府、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県)、関東(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)のことである。

   一方、経費の方であるが、3.74%(昨年3.75%)と、0.01ポイントとわずかな改善に留まった。結果、差し引き、営業利益は2.07%(昨年0.62%)となり、大幅な改善となった。原価が大きく改善したことが大きかったといえ、原価が神戸物産の利益の源泉となっているといえよう。それにしても、昨対では、いずれの利益も3倍前後と異常値となっており、デフレが神戸物産にとっては、利益を生み出す最適な環境となっているといえよう。

   さて、このような好調な決算結果を受けて、今後の動向をキャッシュフローから占ってみたい。まずは、営業活動によるキャッシュフローであるが、38.23億円(昨年21.07億円)と、倍増しており、潤沢なキャッシュを生み出している。その最大の要因が税金等調整前当期純利益21.30億円(昨年6.34億円)にあり、まさに、好決算がもたらしたキャッシュであるといえる。この豊富なキャッシュをどう投資に振り向けているかであるが、投資活動によるキャッシュフローは-18.35億円(昨年-34.13億円)であり、意外な結果、投資を大きく削減している。これは有形固定資産の取得による支出が-13.35億円(昨年-25.03億円)と大きく削減されたためであり、むしろ、今期は投資を控えたといえる。

   結果、フリーキャッシュフローは24.88億円(昨年-3.96億円)となり、昨年と対照的な結果となり、大きくプラスとなった。これを受けて、財務活動によるキャッシュフローであるが、66.94億円(昨年45.94億円)と、昨年も大きくプラスであったが、今期はさらに拡大しており、異常値である。その中身は、有利子負債にあり、昨年も49.24億円の収入があり、今年も70.97億円の収入、何と、2年間で120.21億円と100億円以上の収入である。特に、今年はフリーキャッシュフローが24.88億円と大きくプラスになった中での有利子負債の収入であり、びっくりである。

   したがって、B/Sの負債における有利子負債は120.95億円(昨年50.00億円)と倍増している。また資産における現金は210.96億円(昨年119.28億円)とこれも倍増である。結果、トータルキャッシュフローは86.41億円(昨年28.24億円)と大きくプラスとなった。また、自己資本比率は30.5%(昨年38.6%)と、好決算となったにも関わらず、昨年と比べ大きく下がっている。

   それにしても、ここまで、この時点で自己資本比率を下げてまでも、敢えて有利子負債を増やし、この2年間で多額の現金、約200億円を調達した理由は何であろうか。気になるところである。神戸物産の事業構造は大きく2つに分かれており、ひとつは業務スーパー事業、そしてもうひとつは神戸クック事業である。ただ、神戸クック事業は今期の売上高は10.76億円であり、全体の構成比は0.77%であり、いずれも多額の投資が必要な段階ではないと思われる。したがって、この約200億円のキャッシュを来期どのように固定資産に変え、成長を目指してゆくのか、その投資戦略に注目である。

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December 20, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 19, 2010

顧客IDから見た金額PI値の本質、イノベーションへ!

    ここ最近、ID-POS分析を実施する機会が増えた。ID-POS分析は通常のPOS分析と違い、顧客IDを把握することができることが最大の違いである。その結果、これまでのPOS分析では見えなかった新たな世界を垣間見せてくれる。そして、その新たな世界を見ることによって、これまでのマーチャンダイジングにない新たな視点を加えることができ、これまでは思いつかなかった新たな仮説をつくることができる。ただ、ID-POS分析は全く新しい分析ではなく、これまでのPOS分析を包み込む分析であると位置づけた方が良く、従来の仮説をID-POS分析で検証することもでき、さらに、従来の仮説以上の新たな仮説をつくることができるという方が実態に近いといえよう。

   その象徴的なケースが金額PI値の位置づけであろう。金額PI値はこれまでのPOS分析では検証の判断となる最終指標であり、金額PI値が上がった場合は検証結果が正しく、下がった場合は正しくないと判断してきた。ところがID-POS分析では、仮説の検証結果をID金額PI値で判断することになる。ID金額PI値が上がった場合は仮説が正しかったと判断し、下がった場合は正しくなかったと判断することになる。

   ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値であるので、金額PI値はID金額PI値の一構成要素となるためである。この数式が成り立つために、仮に、金額PI値が上がっても、ID客数PI値がそれ以上に下がれば、当然ID金額PI値は下がることになる。逆に、金額PI値が下がっても、ID客数PI値がそれ以上に上がれば、ID金額PI値は上がることになり、必ずしも、ID金額PI値は金額PI値に左右されないことになり、従来のPOS分析の検証結果とは正反対になることが起こる。

   ここで、ID客数PI値はレシート/IDのことであり、頻度であるといえ、顧客の購入頻度を表すID-POS分析特有の指標である。ごく単純化すれば、従来のPOS分析とID-POS分析の違いは、この頻度にあるといっても過言ではなく、この頻度を数字として把握できる点がID-POS分析のID-POS分析たるゆえんであるといっても過言ではない。

   では、実際、そんなことがあるのかというと、実はよくある。たとえば、店舗の金額PI値、いわゆる客単価を分析すると郊外型の店舗の方が都心型店舗と比べ、高くなる傾向が強い。それは金額PI値=PI値×平均単価であるので、郊外型の店舗ほど、品揃えも多く、また、まとめ買い等が多いことがその原因であるといえる。一方、都心型店舗は店舗面積も限られ、品揃えも十分でなく、まとめ買いも発生しにくいので、金額PI値は低くなる傾向がある。

   そこで、ID金額PI値を同様に算出してみると、これが見事に逆転するケースが続出する。特に、1ケ月、3ケ月、6ケ月、1年と時間が立つにしたがい、その差は広がってゆく。これはID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値であるので、ID客数PI値、すなわち、購入頻度が大きく違うためである。郊外型の店舗は一般的に購入頻度が低く、週1回から数回が中心となるが、都心型店舗では、週数回以上が中心となる。中には、1日2回以上購入する顧客もいる。そのため、時間とともに購入頻度の差が生じ、金額PI値の低さをID客数PI値でカバーし、ID金額PI値が逆転してしまうのである。したがって、これまで、都心型店舗は客単価が低いことがよく問題にされたが、ID金額PI値はむしろ高く、長い目で見ると、郊外型店よりも顧客1人1人からいただけるキャッシュははるかに高いことが明らかになる。

   このような結果が出ると、逆に、郊外型の店舗はこれまで明確にならなかったID客数PI値、すなわち、購入頻度の低さの問題がクローズアップされ、これを引き上げるマーチャンダイジング政策を都心型店舗から学ぶ必要があり、これまでのマーチャンダイジング政策もID客数PI値から再検討することが求められる。これがID-POS分析のマーチャンダイジング政策のポイントである。

   そして、このID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値を単品にまで当てはめてゆくと、ここでも従来のPOS分析では全く把握できなかったID客数PI値、すなわち、頻度を単品ごとに算出できるようになり、この違いにより、先の店舗全体と同様、金額PI値とID金額PI値の逆転現象がいたる商品で起こる。したがって、これまでのマーチャンダイジングのように単純に金額PI値の高い商品を重点商品として強化するだけではなく、ID金額PI値の高い、特に、ID客数PI値の高い商品をロイヤルカスタマーの重点商品として強化してゆくかが新たなマーチャンダイジング政策として加わってゆくことになる。しかも、その商品の購入実態を顧客1人1人まで落とし込むことができ、これが顧客へのきめ細かなマーチャンダイジングへと繋がってゆく。

   ここまで来ると、マーチャンダイジングというよりも、マーケティングといった方がぴったりくるが、これがID-POS分析の本質といえよう。すなわち、ID-POS分析は商品政策、すなわち、マーチャンダイジング政策から顧客を強く意識したマーケティング政策へと転換を促すPOS分析であり、その意味で、今後、次世代の食品スーパーマーケットを目指すうえにおいての新たな技術革新、すなわち、イノベーションであるといえよう。

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December 19, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 18, 2010

平和堂、2011年2月期、第3四半期、減収営業増益!

   2011年1月期決算に続き、2月期決算企業の第3四半期の決算の公開がはじまった。12/16、滋賀県の平和堂が第3四半期決算を公開したが、その結果は、営業収益2,796.16億円(-1.1%)、営業利益62.74 億円(13.0%)、経常利益62.72億円(12.2%)、当期利益32.91億円(-26.4%)となり、減収、営業、経常段階では増益となる決算となった。なお、当期純利益が大きく減少したのは法人税、住民税及び事業税が28.02億円(昨年15.31億円)となったことが大きく、これを除く、税金等調整前四半期純利益は増益である。したがって、売上げは厳しかったものの、利益は好調であったといえよう。

   そこで、まず、営業利益が増益になった要因を、原価、経費面から見てみたい。原価であるが、70.55%(昨年70.81%)となり、0.26ポイント減少しており、改善している。結果、売上総利益は29.45%(昨年29.19%)となった。一方、経費の方であるが、33.83%(昨年34.04%)となり、-0.21ポイント改善している。したがって、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-4.38%(昨年-4.85%)と、マイナスではあるが、原価、経費ともに昨年と比べ改善した。

   それにしても、平和堂のマーチャンダイジング力が-4.38%と、大きくマイナスとなる要因は経費比率にあり、食品スーパーマーケットの2010年度の決算公開企業約50社の平均が25.6%であるので、かなり高めの経費比率であるためである。このように高い経費比率はGMS業態に見られる傾向があり、実際、イオン36.4%、セブン&アイH33.6%と比べても、良く似た数字であるといえよう。これは平和堂が食品スーパーマーケットよりも、GMS業態、SC(ショッピングセンター)業態の方が売上構成比も高く、食品スーパーマーケットというよりも、GMS、SCに近い食品スーパーマーケットであるからである。

   また、GMS業態の営業構造の特徴はもう一点あり、不動産収入、物流収入等のきわだった高さである。実際、イオン11.3%、セブン&アイH12.3%であり、10%を超えている。2010年度の決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの平均が3.0%であるので、約4倍、ここがGMS業態の利益の源泉であるといえる。そこで、平和堂であるが、6.79%(昨年6.95%)であり、GMS業態ほどではないが、かなり高い数字であり、営業利益の中でも重要な位置を占める。結果、営業利益であるが、2.41%(昨年2.10%)であり、増収となった。

   それにしても、食品スーパーマーケットと比べ、かなり営業構造が違うといえ、数字だけを見ていると、GMSと見間違えるくらい良く似た営業構造といえる。ちなみに、平和堂の業態別の売上高を2010年2月期の決算で見ると、アル・プラザ(SC)64.1%と、圧倒的に高く、ついで、フレンドマート(食品スーパーマーケット)20.4%、GMS15.5%であり、GMSというよりも、SCを主力業態にしていることがわかる。ただ、これを業種別に見ると、食品62.4%、衣料品15.6%、住居関連品14.7%であるので、食品が主体であり、合わせると、食品を主力にしたSCということになろう。

   一方、気になるのは、営業利益の好調さに比べ、営業収益が-1.1%と減収となったことである。今期、平和堂は、「新規出店につきましては、9月に名古屋市初出店となる「平和堂豊成店」(店舗面積1,767㎡)の他、11月に「フレンドタウン福井」を出店いたしました。2月開店予定の「フレンドタウン竜王」を含め、今期の出店は5店舗を予定しております。」とのことで、新店を出店しているにも関わらず、減収となった。2010年2月期の決算時は123店舗であるので、105%の成長を期するには6から7店舗は必要といえ、5店舗の出店であるので、105%前後の結果は期待できるはずであるが、それだけ、既存店の競合環境が厳しかったものといえよう。

   そこで、今後の平和堂の出店意欲をキャッシュフローから見てみると、投資活動によるキャッシュフローの内、出店関連への投資、すなわち、有形及び無形固定資産の取得による支出130.26億円(昨年109.33億円)であり、昨年よりもかなり高い数字である。一方、平和堂の1店舗当たりの出店にかかわる資産は約15億円であるので、単純に割ると、8.6店舗となり、店舗数123店舗で割ると、出店意欲は6.9%となる。したがって、今期から来期にかけても堅調な成長を目指した新規出店を果たしてゆくものと予想される。ただ、この第3四半期決算を見ても、既存店の活性化が課題であるといえ、今後、既存店の活性化が成長戦略への鍵を握っているといえよう。

   このように2011年2月期、第3四半期の平和堂の決算は営業段階では減収増益となり、残念ながら新店の増収効果が見られず、既存店の競合状況の厳しさが反映された決算となったといえよう。ただ、営業利益は2桁の増益であり、利益面での改善はみられた。これは、原価、経費ともに改善されたことが大きく、売上高がやや厳しい状況にある中、双方が改善されており、営業構造は改善しているといえる。今期も残すところ、あとわずかであるが、この第3四半期決算以降も新規出店が予定されており、好調な利益を維持し、どこまで営業収益を改善できるか、その結果に注目である。

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December 18, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 17, 2010

Chain Store Ageでローカルスーパーを特集!

   Chain Store Age、2010/12/15、2011/1/1合併号でローカルスーパーマーケットの特集記事が掲載された。「新春特集、12のきら星、地域を拓く、ローカルスーパーマーケット」という見出しの記事である。気になるのは12の食品スーパーマーケットであるが、まずトップは「ジョイス三関店、食の提案型SM、新フォーマット1号店、部門の垣根壊し、総菜を徹底強化」である。特に、ここでは、小苅米社長へのインタビューも掲載されており、充実した内容である。まだ就任1年6ケ月ということであるが、食品スーパーマーケットへの専心路線を打ち出しての新フォーマット1号店とのことである。できたてつくりたてを基本にすえた総菜に力を入れた店舗であり、売場写真も総菜が重点的に掲載されており、内容も読み応えがある。

   そして、ここからが実質、1番目の店舗となるが、「ふじ、50ケ月中48ケ月で既存店前年比クリア「価格を下げたら、サービスを上げる」経営」である。ふじは北海道のアークスのグループであり、現在23店舗、297億円の年商である。2番目は「紅屋商事、販売力醸成に集中し、繁盛店を1店1店作り上げていく」、現在16店舗、331億円であるという。3番目は「伊徳、「暮らし提案」の売場実現で食卓のパートナーになる!」である。年商423億円、24店舗である。そして、4番目は、「アマノ、SuC業態に磨きをかけ、市場占有率アップを図る!」である。現在3店舗であるが、年商は122億円と、スーパーセンターであり、1店舗当たり平均約40億円と規模が大きい。売場面積約3,500坪に約15万アイテムを品揃えしているとのことで、秋田県男鹿市でのドミナント展開を行い、シェアアップをはかっているという。以上が、北海道・東北地区の注目の食品スーパーマーケットである。

   次に、関東地区からは1店舗であるが、5番目、「与野フードセンター、「提案型上質SM」めざして人心統一従業員の意識改革で勝ち残り図る」である。店舗数は21店舗、年商204億円である。ついで、東海・北陸地区であるが、6番目は「ドミー、強固なドミナントとプロセスセンターの活用で8期連続増収達成中」とのことで、現在、年商329億円、33店舗である。ドミーのドミナント地区は、愛知県三河地区であり、プロセスセンターがまさに、ドミナント展開を支える大きな武器となっているという。7番目は「山成商事、能登のどんたく、価値提案型SMで金沢へ攻め込む」とのことで、石川県に11店舗、年商118億円である。そして、8番目が福井県の「ヤスサキ、多様な業態で地元ニーズに応えるSMは圧倒的な品揃えで集客」とのことで、年商235億円、店舗数は35店舗である。多様な業態がポイントであり、食品スーパーマーケットを中心に、衣料品、HC、雑貨などの店舗も持ち、商圏をまるごと取り組むドミナト戦略が特徴であるという。以上が、関東、東海・北陸地区の注目の食品スーパーマーケットである。

  ここからは関西、西日本となるが、まずは、関西、9番目となる、滋賀県の「パリヤ、わずか1店で大手と互角に戦う独自の商品戦略で支持を獲得」であり、1店舗のみの食品スーパーマーケットであるが、年商は32億円と高い。今後、2号店を出したいとのことで、物件探しに入っているという。10番目も関西、大阪の「スーパーサンエー、機動的な仕入れで大手と差別化を図る、本拠の新店で、こだわり商品を強化」である。現在、13店舗、152億円の年商である。特に、だんじり祭りで有名な岸和田地区を中心にドミナント展開しているのが特徴である。

   そして、最後が、11番目、中国地区、広島県の「ハローズ、ローカルからリージョナルSMへ変貌、売上3000億円の長期ビジョン掲げる」であり、現在、年商681億円、店舗数45店舗であるが、この時点で、瀬戸内海商圏で3000億円構想を掲げており、成長重視の戦略を打ち出している。すべての店舗が24時間営業しており、24時間にこだわった営業戦略を掲げているのが特徴である。

   以上、ジョイス、ふじ、紅屋商事、伊徳、アマノ、与野フードセンター、ドミー、山成商事、ヤスサキ、パリヤ、スーパーサンエー、ハローズの合計12社であるが、いずれも、ローカルスーパーとしては、注目の食品スーパーマーケットであるといえ、興味深いChain Store Ageの特集記事の内容である。ページ数も52ページから89ページまでと38ページに渡っての特集であり、読み応えのある内容である。

   このように、今回は全国12社に絞ってのローカルな食品スーパーマーケットの特集であるが、様々なタイプの食品スーパーマーケットをバランスよく取り上げており、改めてローカル食品スーパーマーケットの独自性が発揮された個性豊かな企業が選ばれており、興味深い特集記事であるといえる。食品スーパーマーケットの本質は地域密着、きめ細かなドミナント展開にあるといえるが、いずれも店舗数はけっして多くはないが、ドミナント展開がしっかりしており、改めて、食品スーパーマーケットの基本戦略がドミナト戦略にあることが再認識できる特集記事であるといえる。

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December 17, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 16, 2010

丸和、2011年1月度、第3四半期、債務超過!

   経営再建中の丸和の2011年1月度、第3四半期決算が12/8、公表された。極めて厳しい結果となり、現時点で、丸和自身も、「当社グループは、前連結会計年度におきまして2期連続して営業損失の計上となったことに加えて、当第3四半期連結累計期間においても、営業損失16百万円、経常損失2億53百万円および四半期純損失18億96百万円を計上しており、純資産の部で債務超過となっております。」と、コメントしてり、極めて厳しい局面にたっているといえる。

   丸和は、「10月22日開催の第3回債権者会議におきまして、当社グループの事業再生計画案について、全お取引金融機関の皆様から同意書の提出をいただき、事業再生ADR手続が成立いたしました。」という状況であり、事業再生ADRが成立し、経営再建の真っただ中にいるが、現時点で債務超過になったことにより、今後、親会社のユアーズ、そして、関係金融機関等とどのような対応をしてゆくか注目される。

   そこで、丸和が債務超過となった要因を、この第3四半期決算をもとに見てみたい。まず、債務超過がどのような状況にあるかであるが、B/Sの純資産が-7.33億円となっており、負債が資産を-7.33億円上回った状況となり、資産をすべて処分しても、負債を補えない状況にあるといえる。その純資産の中身であるが、資本金36.05億円、資本剰余金35.78億円と資本金関係の純資産は71.83億円と多額の資本であるが、何といっても、利益剰余金が-100.52億円と、100億円を超えており、バランスが大きく崩れている状況である。昨年も-81.54億円と、バランスは崩れていたが、土地再評価差額金が21.49億円あり、これで債務超過を補っていたが、今期はさらに、当期純利益が-10.36億円(昨年-1.66億円)となったため、補えなくなったためである。

   その要因は、「事業構造改革及び子会社であるリテイル・アドバンテージの外食事業の事業再編に係る特別損失として事業構造改善費用3億49百万円、減損損失7億66百万円等の損失計上の発生によりまして、四半期純損失10億36百万円(前年同四半期純損失1億66百万円)となりました。」と、特別損失、減損損失があいついで発生したためであり、これが債務超過をもたらしたといえる。

   ただ、営業利益も-0.16億円(昨年-1.58億円)と、昨年と比べ大きく改善してはいるが、依然として、マイナスであり、キャッシュを増加させるところまではいたっていない。そこで、営業利益が依然としてマイナスである要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、73.71%(昨年74.17%)と、原価の改善は進んでいる。結果、売上総利益は26.29%(昨年25.83%)となり、粗利は上昇している。今期は「事業構造改革の推進により前年同期比で14店舗の減少、・・」の中、原価が改善しており、健闘しているといえよう。

   一方、経費の方であるが、27.39%(昨年27.41%)と0.02ポイントとわずかではあるが、経費の削減も進みつつあるといえよう。したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.10%(昨年-1.58%)と、依然としてマイナスではあるが、その幅は縮まっており、マーチャンダイジング力が改善しつつあるといえる。そして、不動産収入、物流収入等のその他営業収入であるが、1.04%(昨年1.02%)と、ここでも0.02ポイントとわずかではあるが、改善している。結果、営業利益は-0.06%(昨年-0.56%)であり、あとわずかで、営業利益がプラスに転じるところまで来ているといえよう。

   したがって、営業利益段階では、売上高が253.55億円(昨年281.83億円)と、昨円と比べ14店舗減少し、全部で45店舗となり、金額的にも28.28億円減少したが、率では原価、経費が改善し、マーチャンダイジング力も上向きはじめており、さらに、その他営業収入も改善され、結果、営業利益の赤字幅が大きく減少し、経営再建は確実に進みつつあるといえよう。

   ただ、先に見たように、特別損失、減損損失があいついで発生したことが大きく、これを補うまでにはいっておらず、債務超過とならざるをえなかったといえる。今後、丸和は、親会社、ユアーズの一体となって事業再建および経営効率の更なる向上を目指し、事業面、そして、財務面においての本格的な経営再建に入る予定であるが、「事業再生計画は親会社と一体となった計画であり、合併の承認を含む計画の推進については、現在具体的な協議・調整を進めている状況であり、合意は未了であるため、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。」とのことで、厳しい局面にあるといえよう。

   このように、2011年1月度、第3四半期の丸和の決算が公表されたが、結果は、債務超過という厳しい結果となり、今後、事業をいかに存続させてゆくか、厳しい局面に来たといえよう。ただ、営業利益段階では、原価、経費ともに改善され、依然、赤字決算ではあるが、その赤字幅は縮小されつつあり、マーチャンダイジング力は向上しつつあるといえる。したがって、まずは、資本を増強し、債務超過を解消し、再建計画通りのリストラを実施することであろう。そして、そのためには親会社ユアーズの動向がポイントとなるが、経営状況は予断を許さない状況にあるといえ、今後、年末、年始にかけて、ユアーズがどのような対策を打ち出すか、注目である。

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December 16, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 15, 2010

マックスバリュ北海道、中部、第3四半期決算公表!

   今年も残すこところわずかとなったが、食品スーパーマーケット業界では1月度決算企業があいついで、第3四半期決算を公表しはじめた。12/9、イオングループのマックスバリュ北海道、中部が第3四半期決算を公表した。結果は明暗が分けれ、マックスバリュ北海道は減収減益、マックスバリュ中部は増収増益となった。その中身であるが、マックスバリュ北海道は営業収益573.83億円(-0.1%)、営業利益-2.08億円、経常利益-2.11億円、当期純利益-2.06億円と昨年同様赤字決算となり、厳しい結果であった。一方、マックスバリュ中部は営業収益880.76億円(1.0%)、営業利益10.70億円(22.9%)、経常利益12.02億円(32.9%)、当期純利益2.99億円(4.5%)と増収増益と堅調な決算となった。

   この結果について、マックスバリュ北海道は、「当社の属するスーパーマーケット業界では、お客さまの節約志向は引き続き強く、一点単価は低下傾向にあります。業種・業態を越えた競争が激化している状況ではあります、・・」とコメントしており、デフレによる平均単価の下落に加え、競争激化が大きかったという。

   そこで、その要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、77.05%(昨年77.11%)と0.06ポイント減少しており、原価はわずかではあるが、改善した。コメントにもあるように平均単価の下落と競合激化が大きかったとのことではあるが、原価は改善している。結果、売上総利益は22.95%(昨年22.89%)と若干上がった。一方、経費の方であるが、25.14%(昨年25.74%)と-0.60ポイントと大きく下がっており、経費の削減も進んでいる。したがって、原価、経費双方が改善されたことにより、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-2.19%(昨年-2.85%)となり、依然としてマイナスではあるが、昨年よりもマイナス幅が縮小し、改善した。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が1.82%(昨年1.91%)加わり、結果、営業利益は-0.37%(昨年-0.94%)となった。昨年同様、営業利益はマイナスではあるが、0.57ポイント改善しており、赤字決算という厳しい状況ではあるが、原価、経費ともに改善が見られる。

   一方、好決算となったマックスバリュ中部であるが、「「シンプル&ロープライス」をスローガンに、簡素でより効率的なビジネスモデルの構築とイオンのグループ力を活かした商品調達やトップバリュ商品等の更なる販売拡大を図り、競争に打ち勝つ価格の実現に取り組みました。」とのことで、原価、経費、双方の改善に取り組んだとのことである。

   その結果であるが、原価は75.70%(昨年75.53%)と0.17ポイント上昇しており、残念ながら、原価の改善には至らなかったといえる。結果、売上総利益は24.30%(昨年24.47%)となり、若干の減少が見られる。一方、経費の方であるが、25.58%(昨年26.01%)と0.43ポイント改善しており、経費の削減が進んだといえよう。これについて、マックスバリュ中部は、「簡素でより効率的なビジネスモデルの構築に向けた取り組みとしましては、既存店舗の活性化により店舗オペレーションの単純化及び設備の改善、省エネ設備の導入を図ってまいりました。また、イオングループのITの導入等を進め、・・」とコメントしており、経費削減に取り組んだという。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.28%(昨年-1.54%)と、マイナスではあるが、昨年よりも改善しており、特に、経費の削減が寄与したといえよう。これに、その他営業収入が2.54%(昨年2.57%)のり、営業利益は1.26%(昨年1.03%)と、改善した。原価は上昇、その他営業利益は減少という厳しい状況ではあったが、経費の削減が寄与し、営業利益を押し上げたといえよう。

   こう見ると、マックスバリュ北海道は赤字決算となり、厳しい結果ではあるが、その中身は原価、経費ともに改善し、マーチャンダイジング力の上昇が見られる。一方、マックスバリュ中部は増収増益とはなったが、原価の上昇が見られ、マーチャンダイジング力はプラスにはなったが、経費削減によるプラスであり、やや不安を残した増収増益であるといえよう。

   そこで、これを踏まえ、残り、四半期となったが、両企業の今期の決算予想を見てみたい。まずは、マックスバリュ北海道は営業収益750.00億円(-2.1%)、営業利益4.70億円(14.4%)、経常利益4.35億円(0.0%)、当期純利益0.20億円と減収増益の予想である。この第3四半期の原価、経費改善の流れを受け、利益の改善に力を入れてゆく方針であるといえよう。ついで、マックスバリュ中部であるが、営業収益1,172.00億円(0.2%)、営業利益19.90億円(0.3%)、経常利益20.40億円(1.1%)、当期純利益4.20億円(1.4%)と、増収増益予想ではあるが、この第3四半期決算よりも厳しい見方をしている。

   このように、食品スーパーマーケットも最後の四半期、第3四半期決算の公表が始まり、まずは、1月度決算企業、マックスバリュ北海道、中部の決算が公表された。両企業、減収減益、増収増益と、対照的な決算結果となったが、その中身を見ると、どちらも原価の改善よりも経費の削減が進んでいるといえる。食品スーパーマーケット業界を取り巻く環境は厳しさを増しており、このような中で利益を出してゆくには、原価よりも経費の削減が重要な経営課題であること示しているといえよう。今期決算のキーワードは経費削減となりそうである。

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December 15, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 14, 2010

ID-POS分析のすすめ!

   ID-POS分析が普及しはじめてから、売上げの捉え方が大きく変わりつつある。通常売上げというと商品の売上げを指し、そこに顧客が深く関わっているとことはイメージとしては創造できても、数値で検証することはできなかった。したがって、これまでの食品スーパーマーケットでは、もっぱら商品分析が基本となり、商品の売上げを分析し、仮説をつくり、実際に売場でアクションを起こし、検証するという一連のマーチャンダイジングサイクルを回し、売上げのアップを図ってきたといえる。

   小売業界ではごく当たり前の、売上=客数×客単価も、客数という言葉を使ってはいるが、この客数は顧客ではなく、レシートであり、厳密には客数とは呼べない指標である。同様に客単価も顧客1人当たりの売上げではなく、正確にはレシート1枚当たりの売上げであり、客単価の客はレシートのことである。それでも、これまでは、このレシート以外、顧客を把握することがIT技術の限界もあり、できなかったのでレシート=客と見なしてきたわけである。

   ただ、数字としては限界はわかっていても、理念としてとしては、客は顧客であり、イメージでは客数=顧客、客単価の客=顧客として、これまで見なしてきたといえる。したがって、当然矛盾が生じ、実際のPOS分析から出てくる客数も客単価も、本当の顧客の数と顧客1人当たりの売上げとは違い、レシート枚数、レシート1枚当たりの売上げとなるので、イメージとはズレてしまう。

   このズレをこれまで解消する方法がなかったので、POSシステムが食品スーパーマーケット業界に普及して20年以上が経過しているが、そのままこの矛盾が放置されたままとなっていたといえる。そろそろ、この矛盾を解消し、客数と顧客数を一致させる時が来ているのではないかと思う。

   では、どのようにしてこの矛盾を一致させるのか、答えはID-POS分析を全面採用することである。ID-POS分析は文字通り、客数を顧客として認識し、顧客1人1人の購入履歴を分析するものであり、まさに、客と顧客が一致し、イメージとしてのズレもほとんどない。先の小売業の売上げの数式も、売上=客数×客単価が売上=顧客数×顧客単価となり、客数=顧客、客単価の客が顧客になり、数字とイメージとのズレが解消できる。この数式を使えば、文字通り、顧客が何人、その顧客の売上げがいくらということで、顧客の購入イメージそのままとなり、これまでのレシート当たりという創造しにくい顧客イメージから解放される。

   しかも、顧客単価は顧客の来店頻度×客単価となり、さらに、客単価はPI値と平均単価に分解できるので、これまでの常識を組み込むことができる。特に、この客単価は数式的には売上高/レシートであるので、これまでの客単価そのものである。ただ、ID-POS分析の場合はこのレシートが様々なレシートがあるので、どのレシートを使っているか注意は必要であるが、これまでのレジ通過の全レシートを使うことももちろんできる。

   こうすることによって、客数と顧客とのイメージのズレがなくなり、顧客イメージをいだきながらのマーチャンダイジング戦略を立案することもでき、全従業員に対しても数字で目標を伝えるのではなく、イメージで目標を伝えることができ、さらには、理念を共有することができるようになろう。

   ちなみに、これまでの常識と比べ、数値がどう変化するかであるが、たとえば、客数1,000人、客単価2,000円の場合は売上(2,000,000円)=客数(1,000人)×客単価(2,000円)であったところが、売上げ(2,000,000円)=顧客数(200人)×顧客単価(10,000円)となるイメージである。売上げは変わらないが、その中身が変わる。この場合は、200人の顧客が5回買い物をしたという想定であり、来店頻度は5.0回となる。注意点としては、客単価は時間とともにあまり大きな変化はないが、顧客単価は時間とともに来店頻度が増加するため、どんどん増えてゆく点である。したがって、時間という概念が重要であり、1日なのか、1週間なのか、1ケ月なのか、1年なのか、さらには100年なのかがポイントとなる。

   また、顧客の把握はポイントカード等が主体となるため全顧客を把握することが難しいのは事実であるが、把握できない顧客は顧客数をまとめ1人として扱い、徐々に会員化をはかってゆけば良いと思う。こうすることによって、全売上げをID-POS分析化できるので、これまでのPOS分析をID-POS分析にそっくり置き換え、これまでの客数=レシート、客単価=レシート1枚当たりの売上げも組み込むことができ、数値としても、イメージとしても矛盾のないPOS分析ができるのではないかと思う。

   このようにPOS分析は食品スーパーマーケット業界に単品管理という技術を導入し、大きな貢献をもたらしたが、一方で、「店は客のためにある」という客という概念をあいまいにし、客のイメージを壊してしまったといえる。ただ、技術は進歩しており、ID-POS分析を全面採用することで、この矛盾は解消され、客=顧客というイメージの統一、数字での一致がもたらされ、しかも、これまでのPOS分析もすべて組み込むことができる。その意味で、食品スーパーマーケット業界としては、そろそろID-POS分析を次世代型のPOS分析として検討する時期がきたのではないかと思う。

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December 14, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 13, 2010

成城石井、入札はじまる!

   12/10のロイターによると、成城石井の入札が行われ、12/10、第1次入札が終わり、4社が通過したとのことである。成城石井は現在、牛角の親会社であるレックス・ホールディングスの傘下にあり、昨年も売却を試みているが、折り合いがあわず、今回、1年振りの再売却となる。1次入札を通過した4社であるが、オリックス、ベイン・キャピタル、CVCキャピタル・パートナーズ、丸の内キャピタル(三菱系)であり、この4社が来年1月以降に実施される2次入札に臨むという。

   今回、成城石井の親会社、レックス・ホールディングスであるが、2006年12月にMBOにより、上場廃止となったが、その時、MBOを支援したのが日本の有力投資ファンド、アドバンテッジパートナーズである。出資比率は92%であるので、実質、今回の売却はアドバンテッジパートナーズによるものであるといえる。ロイターの記事の中でも、「成城石井はレックスの100%子会社で、プライベート・エクイティ(PE)ファンドのアドバンテッジ・パートナーズ(AP)がレックスの経営権を握っている。」、「APは2009年にも成城石井の売却を試み、PEファンドのほか複数の商社や電鉄会社などが関心を寄せた。しかし価格などが折り合わず、売却プロセスはいったん中断していた。」とのことである。

   アドバンテッジパートナーズは、小売業とは深い関係があり、2005年5月に、ダイエーが産業再生機構での再建をはかった時の支援に伴うスポンサー出資をしており、現在でもダイエーには23.4%の出資をしており、丸紅、イオンと共同でダイエーの再建に当たっている。これ以外にも、2005年にポッカコーポレーションにMBOにより、100%出資をしており、MBOがらみの投資が多い投資ファンドである。

   ロイターの記事によれば、「関係筋によると、売却金額は300億-350億円と見込まれている。」とのことである。現在、成城石井は70店舗を超え、年商500億円を超えたとのことであるので、年商の80%ぐらいとなる。また、通常、食品スーパーマーケットの総資産回転率は2.0回転であるので、総資産の1.5倍ぐらいの売却額であるといえよう。また、ロイターによれば、「最高額を提示したのはオリックスで、300億円台後半から400億円とされる。ファンド関係者の1人は「売り手は400億円以上の金額を期待しているようだ。最終的に合意に至るかは依然わからない」と話した。」とのことであり、400億円前後が攻防戦となりそうである。

   今後のゆくえであるが、ロイターによれば、「二次入札は2011年1月以降に実施される見通し。一次を通過したファンドに、事業会社も加わる可能性があり、出資形態の組み合わせは変更する可能性がある。」とのことであり、4社と事業会社が連携する組み合わせになる可能性が高いとのことで、今後、有力小売業、電鉄系が加わるのではないかと予想される。

   特に、現時点で連携の可能性が高い小売業はセブン&アイHであろう。成城石井の元社長の大久保氏が顧問に就任しており、つい最近オープンしたイトーヨーカ堂の小型食品スーパーマーケットは、基本コンセプトが成城石井に良く似ており、大久保氏が首都圏中心に100店舗を展開してゆく構想の実現に深く関わってゆくものと思われる。そのためには、成城石井の現在の約70店舗の店舗数を含め、有形、無形のノウハウは吸収したいところであろう。

   ちなみに、首都圏の食品スーパーマーケットの出店に関わる資産を見ると、マルエツ3.51億円、いなげや3.11億円、東武ストア3.21億円であり、小型店を首都圏に出店するには1店舗当たり3.5億円前後かかるといえる。したがって、イトーヨーカ堂が小型食品スーパーマーケットを100店舗展開するには、350億円前後はかかるといえ、すでに約70店舗の成城石井を買収した方が出店ははやく、年商も約500億円のプラスが期待される。

   そして、もう1社、連携に有力な企業はJR東日本であろう。すでに紀ノ国屋を買収し、高級スーパー路線での駅中出店を始めており、つい最近、東京駅に超小型食品スーパーマーケットをオープンしている。したがって、成城石井を買収することにより、紀ノ国屋との相乗効果も期待できよう。

   では、1次入札を通過した4社の中ではどこが有力かであるが、最高提示額を出したというオリックスはもちろんであるが、ベイン・キャピタルも有力であろう。アドバンテッジパートナーズの代表の笹沼泰助氏、リチャードフォルソム氏ともに、ベイン・キャピタルに所属していた経歴があるからである。 また、CVCキャピタル・パートナーズも以前、すかいらーくのMBOに関わっており、小売業に関心の深い投資ファンドである。そして、丸の内キャピタルは三菱系であり、三菱関連ではローソン、ライフコーポレーションなど小売業との関係は深い。

   このように、成城石井の入札がはじまり、すでに、1次入札が終わり、先にあげた4社に絞られたという。今後、来年1月以降、2次入札に入るとのことであるが、この4社に加え、事業会社、恐らく、先にあげた企業以外にも有力企業が加わる可能性が高いといえ、成城石井をめぐって、激しい争奪戦が繰り広げられるものと予想される。成城石井がどこに落ちるか、来年前半には大勢が判明するものと思われる。

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December 13, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 12, 2010

売上げとは何かを考えてみる!

   長い間、「売上げを科学する!」をキャッチフレーズに、食品スーパーマーケットの商品分析に取り組んできた。約20年ぐらい取り組んでいるが、いまだ、極めつくせていない。ただ、極める寸前にまで来ているように感じる。特に、ここ最近、ID-POS分析に本格的に取り組むようになってからは、加速度的に売上げの本質が明らかになりつつある。そこで、ここでは、現段階での売上げの本質について、その一端を取り上げてみたい。

   約20年前、食品スーパーマーケットではPOSシステムが珍しかった。当時、導入はしていても、分析は十分でなく、しかも、売上金額は把握していても、売上数量は当時のシステムの限界から捨ててしまっている場合もあり、単純な売上げ管理に留まっていることが多かった。したがって、売上げの分析も、単純な売上金額を分析することがせいぜいで、この売上金額から売上構成比を算出し、構成比で各商品、各店舗を比較するという分析手法が中心であった。当時は、私自身も紙ベースで売上金額のPOSデータをもとに、構成比を算出し、マーチャンダイジング戦略を立案していたものである。

   その後、POSシステムが食品スーパーマーケットにも普及しはじめ、ほぼ現在のようなPOS分析ができるようになってゆき、売上金額だけでなく、売上数量、そして、客数(レシート)の把握ができるようになった。これにより、売上げは、売上金額=売上数量×平均単価にまず分解することが可能となり、「売上げを科学する!」ための第一歩がはじまった。この数式から、売上げとは売上数量を増やすか、平均単価を高めてゆくかに分解でき、単なる金額問題から、数量、価格政策へと、その本質が明らかになっていった。

   さらに、その後、レシートの活用がはじまり、PI値の算出が可能となり、売上げの本質がより、明らかになっていったといえる。特に、先の数式、売上金額=売上数量×平均単価の左右、双方をレシートで割ることにより、PI値も金額PI値、数量PI値が生まれ、さらに、客数を加味すると、売上げがこれまでの2次元から3次元での分析が可能となり、より、売上げの本質にせまることができるようになった。ここまで、来ると、まさに、「売上げを科学する!」というキャッチフレーズがふさわしい環境が整ったといえる。

   ちなみに、売上金額=売上数量×平均単価の左右を客数(レシート)で割ると、売上金額/客数=(売上数量/客数)×平均単価となり、金額PI値=PI値×平均単価になる。したがって、売上金額=客数×金額PI値=客数×PI値×平均単価となり、ここから、MD方程式、売上金額=PI値×平均単価×客数=金額PI値×客数が生まれ、売上げを3次元、PI値、平均単価、客数で科学することが可能となる。 

   さて、そこで、現在の最先端の研究成果であるが、ここに、IDが加わることになる。これまでのMD方程式では、IDの把握ができなかったので、商品の分析はできたが、顧客の分析ができなかった。したがって、「売上げを科学する!」というキャッチフレーズは「商品の売上げを科学する!」と、商品という限定付きの科学であったといえる。ところが、ここにIDが加わることにより、「顧客の売上げを科学する!」ということが可能となり、顧客にまで科学を広げることが可能となる。

   この研究は10年前ぐらいから取り組んでいるが、当時はID-POS分析が一般化しておらず、中々生データの取得が難しく、分析に耐えうるデータがそろわなかった。そろっても、基本理論が明確でなく、分析手法もケースバイケースとなってしまい、科学するというところまでいかなかった。ところが、ここ最近は、ポイントカードも普及し、ID-POS分析に取り組む食品スーパーマーケットも増え、ID-POSデータもそろい始め、さらに、分析理論も進み、科学する段階にまできたといえる。

   ちなみに、MD方程式も、最近ではIDが組み込まれた新MD方程式となり、売上高=ID×ID金額PI値=ID×ID客数PI値×金額PI値=ID×ID客数PI値×PI値×平均単価となり、以前の旧MD方程式は、この新MD方程式に完全に組み込まれ、吸収されたといえる。その意味で、ID-POS分析は通常のPOS分析を吸収し、その一歩先に進んだといえよう。また、この数式のID×ID客数PI値はID客数PI値が客数(レシート)/IDであるので、ID×ID客数PI値=客数(レシート)となり、元のMD方程式と同値であることがわかる。すなわち、売上高を商品から見るか、顧客から見るかの違いであるといえ、本質は同じである。

   このように、約20年前にはじまった「売上げを科学する!」というキャッチフレーズがここへ来て、第2段階に入ったといえ、その本質にグッと近づいていると感じる。特に、商品からの売上げしか科学できなかった段階から、ID-POS分析の時代になって、顧客からの売上げも科学できるようになったことが大きいといえ、売上げを極める一歩手前にまで来たように感じる。ただ、当然、まだ先はあるといえ、次の10年で、何とか「売上げを科学する!」というキャッチフレーズを完結し、その本質を究められればと思う。

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December 12, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 11, 2010

N010:板橋区、大山商店街、とれたて村を見る!

   大都市の直売所関連の調査事業の一環で、東京都板橋区のハッピーロード大山商店街のとれたて村を視察する機会があった。まさに、大都市の直売所というイメージにふさわしい店舗であり、オープンから5年目となるが、ますます進化しており、これまでのアンテナショップのイメージを一新、直売所的な要素をふんだんに取り入れた店舗となりつつあるのが印象的であった。通常、アンテナショップは自立ができず、自治体の補助金等を受け、赤字経営となる場合が多いが、このとれたて村は、当初3年間は板橋区、東京都から補助金を受けていたが、その後、補助金が打ち切られてから、黒字転換し、現在5年目、借入金も返済し終わったとのことで、まさに、大山商店街が自ら運営する自立した事業となった。

   その要因はいくつもあるが、最大のポイントは人気ベスト10を見るとわかる。No.1しいたけバラ(山形県最上町)、No.2キャベツ(山形県最上町)、No.3花(千葉県鴨川町)、No.4野菜(山形県最上町)、No.5ブロッコリー(埼玉県川越市、飯野農園)、No.6りんご(青森県青森市)、No.7野菜(山形県最上町)、No.8しめじバラ(長野県館山市)、No.9長ネギ(山形県最上町)、No.10生花(北海道岩見沢市)であり、これを見ても、すべて農産物、まさに、直売所そのものといえる売れ筋である。しかも、全国からこれら農産物が入荷しており、毎日、とれたて村の店頭に並んでいる。

   ただ、厳密には通常の直売所とは違い、すべての商品が原則買取り、物流費持ちである点が違う。しかも、商店街ならではのサービスを提供する会員制を強いているところがユニークである。どのようなサービスがあるかというと、会員になると大山商店街で様々な商店街共催、さらには板橋区共催のイベントを開催することができ、とれたて村でのみの店頭販売以外の販路が開けることである。実際、今年は50回以上のイベントが開催され、延べ100日を超えるアクティブな活動が行われている。

   これも、ここ最近の主なものを見てみると、「いいやま朝収穫野菜、穫ってきたぞ~!」(長野県飯山市)、「岩泉「大地の恵み」」(岩手県岩泉市)、「静岡から産地直送」(静岡県島田市)、「尾花沢スイカフェスティバル」(山形県尾花沢市)、「産直広場in板橋」(新潟県新潟市)、「早採れ野菜がいっぱい」(千葉県鴨川市)、「秋の小樽フェア」(北海道小樽市)、「青森市特産品うまいものフェア」(青森県青森市)、「農業王国豊橋のにっぽん市」(愛知県豊橋市)、などであり、イベントが目白押しであり、まるで、全国物産店が毎日大山商店街で開かれているような夥しい数のイベントである。

   さらに、これに加え、ここ最近では板橋区の支援のもとに学校給食とのタイアアップもあるという。板橋区には70校以上の小中学校があるが、これらの学校給食にとれたての農産物を食べてもらい、食育としても活用していこうという動きである。全校生徒全員の給食への供給であり、莫大な量となり、大変な物量となるという。

   これだけでも会員となるメリットは十分にあるが、とれたて村ではこれ以外にもさまざまな試みがなされている。たとえば、東京都の各県の県人会と組んでイベントをするとか、会員の自治体からの修学旅行を受け入れ、大山商店街で地元の農産物をもちより、体験販売をするとかである。また、これとは逆に、とれたて村主催のグリーンツーリズムともいうべき、会員となった全国の自治体への産地訪問等も行っているといい、人気ツアーであるという。とれたて村の基本コンセプトは「全国ふる里ふれあいショップ」であるが、まさに、文字通りの交流が様々な形で行われており、大都市の商店街ならではのユニークな試みであるといえよう。

   ただひとつ残念だったのは、地元、板橋区、あるいは、周辺地区の農家の参加がほとんどなく、いわゆる直売所の基本コンセプト、「地産地消」が薄いことである。当初、板橋区と提携の深い全国自治体のアンテナショップを目指すということから始まった事業であるがゆえに、直売所というコンセプトが後から加わったために、「地産地消」が弱くなったともいえよう。本来、商店街は地元農家の朝市などが発展して自然発生的に出来上がったケースが多いことを思うと、もっと直売所的な試みを全面に出した方が、さらに活性化するものと思われるが、今後の課題といえよう。

   このように、とれたて村は、大都市の直売所に限りなく近い新業態ともいえ、まだ、5年目、全国的に見ても珍しい成功事例であるといえ、今後の発展が楽しみである。先に見たように、とれたて村の売れ筋ベスト10はすべて農産物であることからも、いかに、大都市の消費者が農産物に関心が高いかがわかる。同様に、イベントを見ても、各自治体の農産物のイベントがほとんどであり、しかも、大人気であり、とれたて村だけでなく、大山商店街全体の活性化につながり、さらには、板橋区の全商店街にも波及しているという。これまで、大都市周辺の直売所が大都市に出店してくるのではという角度からの調査をしてきたが、どうも、大都市の直売所はこのとれたて村のように、商店街自らが地元自治体と一体となった形がうまくゆく可能性が高いのではないかと、とれたて村を視察して改めて感じた。

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December 11, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 10, 2010

その3、新店情報、食品スーパーマーケット、12/1現在!

   新店情報、食品スーパーマーケットもその3、これで最終であるが、12/1時点の今後の出店予定であるが、予想以上に各社積極的な新店展開であるといえる。今回は一気に西日本すべての出店予定を見てみたい。関西、中国・四国、そして、九州・沖縄の食品スーパーマーケットの今後の出店予定である。

    まずは、関西であるが、(仮称)平和堂竜王店(平和堂、1,087坪、滋賀県蒲生郡竜王町、2011年1月20日)、(仮称)コストコホールセール八幡倉庫店(コストコホールセール、2,882坪、京都府八幡市、2011年8月1日)、(仮称)和泉府中駅東第一地区第二種市街地再開発ビル(コノミヤ、824坪、大阪府和泉市、2011年1月13日)、(仮称)東岸和田駅前複合商業施設(スーパーサンエー、677坪、 大阪府岸和田市、2011年1月15日)、(仮称)JR久宝寺駅前商業住宅複合タワー(ライフコーポレーション、1,212坪、大阪府八尾市、2011年3月31日)、(仮称)オークワ高槻店(オークワ、875坪、大阪府高槻市、2011年5月14日)、(仮称)ライフ中加賀屋店(ライフコーポレーション、347坪、大阪市住之江区、2010年12月31日)、マルヤス都島店(マルヤス、420坪、大阪市都島区、2011年2月25日)、(仮称)ライフ土佐堀店(ライフコーポレーション、728坪、大阪市西区、2011年2月26日)、(仮称)大淀物販店舗(ライフコーポレーション、379坪、大阪市北区、2011年5月1日)、イオン伊丹西ショッピングセンター(仮称)(㈱マイカル、11,515坪、兵庫県伊丹市、2011年3月1日)、(仮称)マックスバリュ高砂中島店(マックスバリュ西日本、430坪、兵庫県高砂市、2010年12月31日)、(仮称)ラ・ムー篠山ショッピングセンター(大黒天物産)、908坪、兵庫県篠山市、2011年2月16日)、(仮称)マックスバリュ香寺北店(マックスバリュ西日本、552坪、兵庫県姫路市、2011年6月15日)、(仮称)ライフ春日野道店(ライフコーポレーション、1,273坪、兵庫県神戸市、2011年5月1日)、ラ・ムー奈良南京終店(仮称)(大黒天物産、942坪、奈良県奈良市、2011年5月23日)、(仮称)関西スーパー三条大宮店(関西スーパー、582坪、奈良県奈良市、2011年6月19日)、(仮称)松源和歌山インター店(松源、788坪、和歌山県和歌山市、2011年3月31日)、(仮称)新YS計画(マツヤスーパー、909坪、京都府京都市、2011年4月1日)と、19店舗である。

   ライフコーポレーションが5店舗と積極的な新規出店を予定しており、ついで、大黒天物産2店舗、マックスバリュ西日本2店舗と続く。また、コストコホールセールも来年8月に京都に出店予定である。

   次に、中国・四国であるが、(仮称)食のみやこ鳥取県販売拠点施設(鳥取港海鮮市場かろいち、鳥取いなば農業協同組合、487坪、鳥取県鳥取市、2011年4月1日)、(仮称)グンゼ開発倉吉商業施設(大黒天物産、863坪、鳥取県倉吉市、2011年5月17日)、藤増ストアー古志店・コメリハードアンドグリーン古志店(有限会社藤増ストアー、563坪、島根県出雲市、2011年2月1日)、(仮称)津山インター河辺モール(エスマート、933坪、岡山県津山市、2011年1月15日)、(仮称)緑町SC(エブリィ、2,843坪、広島県福山市、2010年12月2日)、生鮮食品おだ駅家店(小田商店、502坪、広島県福山市、2010年12月7日)、ラムー庄原店(大黒天物産、896坪、広島県庄原市、2011年2月1日)、(仮称)ディオ防府南店(大黒天物産、644坪、山口県防府市、2011年1月21日)、アルク中土居店(丸久、467坪、山口県下関市、2011年1月28日)、(仮称)ディオ防府東店(大黒天物産、644坪、山口県防府市、2011年3月24日)、マルナカ伊予店(マルナカ、751坪、愛媛県伊予市、2010年12月27日)、パルティ・フジ新居浜駅前(フジ、1,057坪、愛媛県新居浜市、2011年3月1日)、パルティ・フジ内子(フジ、1,295坪、愛媛県喜多郡内子町、2011年3月2日)、マルナカ川之江店(マルナカ、443坪、愛媛県四国中央市、2011年3月31日)、マルナカ須崎店(マルナカ、2,425坪、高知県須崎市、2011年3月28日)と、15店舗である。

   地元、大黒天物産が4店舗と積極的な新規出店予定であり、ついで、マルナカ3店舗、フジ2店舗と続く。また、直売所も1店舗出店予定である。中国エリア9店舗、四国エリア5店舗であり、地元有力食品スーパーマーケットがあいついで新規出店を予定しており、激戦といえよう。

   最後に、九州・沖縄であるが、(仮称)イオンモール大牟田(イオン九州、12,727坪、福岡県大牟田市、2011年1月1日)、(仮称)まるたか生鮮市場東長崎店(丸髙商事、553坪、長崎県長崎市、2011年3月24日)、マックスバリュ坪井店(マックスバリュ九州、575坪、熊本県熊本市、2011年5月18日)、ゆめマート鏡店(ゆめマート、440坪、熊本県八代市、2011年6月1日)、マルミヤストア金池南店(マルミヤストア、439坪、 大分県大分市、2011年4月28日)、マルイチ丸山店(マルイチ、368坪、宮崎県宮崎市、2010年12月9日)、(仮称)生活協同組合コープみやざき日南王子店(生活協同組合コープみやざき、576坪、宮崎県日南市、2011年4月18日)、(仮称)ミスターマックス吉塚店(ミスターマックス、1,221坪、福岡県福岡市、2011年1月15日)、(仮称)福岡周船寺計画(中央)(ハローデイ、846坪、福岡県福岡市、2011年3月16日)、木の葉モール橋本(サンリブ、6,606坪、福岡県福岡市、2011年4月12日)、(仮称)ハローデイ九州共立大前店(ハローデイ、1,167坪、福岡県北九州市、2011年4月18日)、(仮称)ラ・ムー若松店(大黒天物産、667坪、福岡県北九州市、2011年5月31日)、(仮称)サンエーうえばる団地店(サンエー、475坪、沖縄県那覇市、2011年4月13日)と、13店舗である。

   以上、3回に渡って12/1現在の食品スーパーマーケットの今後の新規出店予定を見てきたが、北海道・東北12店舗、首都圏の東京都11店舗、埼玉県13店舗、その他首都圏19店舗、東海・甲信越、中部、北陸16店舗であり、東日本の合計が71店舗となった。そして、今回、西日本では、関西19店舗、中国・四国15店舗、九州・沖縄13店舗であり、西日本の合計が47店舗である。したがって、食品スーパーマーケット全体の合計は118店舗となる。消費状況はデフレ色が強く極めて厳しい状況にある中、食品スーパーマーケットは敢えて新店に活路をもとめたといえる激しい出店攻勢といえ、来年度は今年以上に競合状況が激化するものといえよう。

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December 10, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 09, 2010

新店情報、食品スーパーマーケット、12/1現在、その2!

   前回に続き、食品スーパーマーケット新店情報、その2を取り上げる。その1では北海道・東北、そして、首都圏の東京都と埼玉県を取り上げたので、今回、その2では、首都圏の東京都と埼玉県以外、神奈川県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県を取り上げてみたい。そして、その後、東海、北陸、中部地区についても取り上げてみる。

   まずは、首都圏の東京都と埼玉県以外の新店情報であるが、オーケー大和上和田店(オーケー、676坪、神奈川県大和市、2011年2月25日)、大和ショッピングセンター(イオンリテール、4,948坪、神奈川県大和市、2011年3月24日)、(仮称)平塚田村複合商業施設(カーマ、3,275坪、神奈川県平塚市、2011年6月1日)、(仮称)YMT六浦計画(ヨークマート、564坪、横浜市横浜市、2011年6月16日)、せんどう酒々井店(せんどう、530坪、千葉県印旛郡酒々井町、2011年1月7日)、(仮称)ヨークマート六高台店(ヨークマート、614坪、千葉県松戸市、2011年2月2日)、(仮称)ヤオコー船橋三山店(ヤオコー、602坪、千葉県船橋市、2011年2月5日)、(仮称)ベイシア流山駒木店(ベイシア、704坪、千葉県流山市、2011年2月10日)、(仮称)東武ストア逆井店(東武ストア、346坪、千葉県柏市、2011年3月7日)、尾張屋木更津店(尾張屋、365坪、千葉県木更津市、2011年4月12日)、(仮称)しげのや星久喜店(しげのや、405坪、千葉県千葉市、2011年4月20日)と、以上が神奈川県と千葉県の11店舗である。

   ついで、カスミ日立神峰店(カスミ、1,035坪、茨城県日立、2010年12月10日)、ザ・マルヘイ知手店(茨城さえき、480坪、茨城県 神栖市、2011年5月31日)、かましん平松本町店(かましん、609坪、栃木県宇都宮市、2011年1月14日)、たいらや小山本郷店(たいらや、862坪、栃木県小山市、2011年2月18日)、プライムマート真岡店(たいらや、554坪、栃木県真岡市、2011年6月19日)、ベイシアスーパーセンター那須塩原店(ベイシア、2,203坪、栃木県那須塩原市、2011年7月10日)、とりせん菅谷ショッピングモール(とりせん、1,488坪、群馬県高崎市、2010年12月13日)、とりせん邑楽町店(とりせん、808坪、群馬県邑楽町、2011年3月28日)と、北関東地区3県、茨城県、栃木県、群馬県の8店舗である。

   この地区では地元ベイシアが2店舗、たいやらが2店舗、とりせんが2店舗と積極的である。ついで、ヨークマートが2店舗、オーケーも1店舗と主力食品スーパーマーケットが新店の出店予定であり、積極的な新店開発である。

   次に、東海・甲信越、北陸、中部地区であるが、まずは東海・甲信越、原信糸魚川店(原信、836坪、新潟県糸魚川市、2011年6月1日)、カトウ食材長岡店(カトウ食材、624坪、新潟県長岡市、2011年6月20日)、(仮称)バロー飯田店(バロー、424坪、長野県飯田市、2011年4月7日)、ツルヤ並柳店(ツルヤ、787坪、長野県松本市、2011年6月16日)、(仮称)イオンモール甲府昭和(イオンリテール、8,485坪、山梨県中巨摩郡昭和町、2011年2月1日)、(仮称)フォレストモール富士河口湖(マックスバリュ東海、3,199坪、山梨南都留郡富士河口湖町、2011年3月15日)、マックスバリュ富士宮万野原店(マックスバリュ東海、591坪、静岡県富士宮市、2010年11月11日)、アピタ吉原店(ユニー、3,214坪、静岡県富士市、2011年9月1日)、(仮称)クロスガーデン富士中央(コープしずおか、2,156坪、静岡県、2011年5月11日)、マックスバリュ清水八坂店(マックスバリュ東海、765坪、静岡市清水区八坂南町、2010年12月11日)であり、10店舗である。

   ついで、中部、北陸であるが、ドミー丁田店(ドミー、442坪、愛知県西尾市、2011年2月1日)、(仮称)フィール小牧店 (フィールコーポレーション、897坪、愛知県小牧市、2011年2月9日)、(仮称)フィール岡崎南店(フィールコーポレーション、565坪、愛知県岡崎市、2011年3月9日)、(仮称)フィール西尾平坂店(フィールコーポレーション、903坪、愛知県西尾平坂東部、2011年3月30日)、(仮称)ソラト太田川(マルスフードショップ、628坪、愛知県、2011年5月15日)、オークワ守山青山台店(オークワ、607坪、名古屋市、2011年4月25日)、(仮称)バロー高山南店(バロー、496坪、岐阜県高山市、2010年12月17日)、(仮称)とれったひろば関店(めぐみの農業協同組合、345坪、岐阜県関市、2011年1月15日)、(仮称)スーパーセンターオークワ岐阜坂祝店(オークワ、1,795坪、岐阜県 加茂郡坂祝町、2011年3月1日)、(仮称)スーパー三心東うずら店(三心、498坪、岐阜県岐阜市、2011年4月18日)、(仮称)生鮮市場ベリー藤里店(とよはた、874坪、三重県伊勢市、2010年12月16日)、(仮称)スーパーセンターオークワみえ朝日インター店(オークワ、2,346坪、三重県三重郡朝日町、2012年3月7日)、マルエー春日店(マルエー、427坪、石川県 金沢市、2010年12月3日)、金沢イータウンA街区(アルビス、909坪、石川県金沢市、2011年3月17日)、(仮称)平和堂開発店(平和堂、1,580坪、福井県福井市、2010年11月25日)、ハニー新鮮館おおの東店(芦見屋、437坪、福井県大野市、2011年4月21日)の16店舗である。

   地元、フィールコーポレーションが3店舗、バローが1店舗、和歌山から中部地区に第2のドミナトを形成しつつあるオークワが2店舗、そして、平和堂が2店舗と有力食品スーパーマーケットが積極的な新規出店を予定している。また、直売所もめぐみの農業協同組合が新規出店を計画しており、直売所の大型化も始まったといえよう。

   このように、前回の北海道・東北12店舗、首都圏の東京都11店舗、埼玉県13店舗に加え、今回、東京都、埼玉県以外の首都圏19店舗、そして、東海・甲信越、中部、北陸16店舗の新規出店が予定されており、合計、東日本では71店舗となった。さて、次回は、東日本に続き、西日本の新店情報を取り上げてみたい。

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December 9, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 08, 2010

新店情報、食品スーパーマーケット、12/1現在、その1!

   経済産業省から、12/1、大規模小売店舗立地法にもとづく、新設店舗の情報が公開された。法第5条第1項(新設)にもとづく各自治体への届け出であり、1,000平米(約300坪)以上の大規模店舗が対象となる。食品スーパーマーケットはもちろん、GMS、百貨店、ホームセンター、専門店、そして、直売所も対象である。今回も直売所が2件入っており、直売所が大規模化しつつあることがわかる。ここでは、食品スーパーマーケットに絞り、12/1自店の出店予定を見てみたい。

   さて、まずは、北海道、東北であるが、すずらん台ショッピングセンター(福原、948坪、北海道音更町すずらん台、2010年12月22日)、スーパーセンタートライアル益浦店(トライアルカンパニー、2,371坪、北海道釧路市、2011年6月1日)、川上町ショッピングセンター(福原、2,497坪、北海道釧路市、2011年6月2日)、スーパーセンタートライアル東陽店(トライアルカンパニー、1,390坪、北海道釧路郡釧路町、2011年6月5日)、コープさっぽろ釧路新橋店(生活協同組合コープさっぽろ、643坪、北海道釧路市、2011年6月21日)、スーパーアークス月寒東店(ラルズ、644坪、札幌市、2010年10月21日)、(仮称)七戸ショッピングセンター(イオンリテール、3,224坪、青森県上北郡七戸町、2011年6月26日)、イオンタウン寒河江中央(マックスバリュ東北、1,048坪、山形県寒河江市、2011年2月25日)、(仮称)ヨークベニマル内郷店(ヨークベニマル、612坪、福島県いわき市、2011年2月5日)、ヨークベニマル保原店(ヨークベニマル、524坪、福島県伊達市、2011年2月12日)、(仮称)ヨークタウン白河横町(ヨークベニマル、849坪、福島県白河市、2011年4月22日)、マルト四倉店(マルト、479坪、福島県いわき市、2011年5月1日)の12件である。

   北海道ではアークスグループ3件、コープさっぽろ1件と新規出店予定であり、アークスが積極的である。また、カウボーイを傘下に入れたトライアルカンパニーが2店舗と店舗数を拡大しつつある。一方、東北では、ヨークベニマルが3店舗をいずれも福島県に出店予定であり、東北では最多の出店となる。ついで、イオングループが2店舗と続く。

   次に、首都圏、まずは東京都であるが、(仮称)大森北商業施設(オオゼキ、364坪、東京都大田区、2010年12月27日)、 (仮称)三和八王子片倉計画(三和、1,061坪、東京都八王子市、2011年1月1日)、(仮称)マミーマート昭島店(マミーマート、502坪、東京都昭島市、2011年2月2日)、(仮称)東武ストア豊玉店(東武ストア、472坪、東京都練馬区、2011年3月10日)、(仮称)南長崎プラザ(ライフコーポレーション、1,634坪、東京都豊島区、2012年2月28日)、(仮称)いなげや練馬南大泉三丁目店(いなげや、619坪、東京都練馬区、2011年3月13日)、ベジフル練馬総合卸売センター(ヤスノ、344坪、東京都練馬区、2011年3月14日)、(仮称)小田急経堂ビル(小田急商事、1,714坪、東京都世田谷、2011年4月1日)、(仮称)ライフ奥戸二丁目店(ライフコーポレーション、595坪、東京都葛飾区、2011年5月18日)、(仮称)調布市仙川ショッピングセンター(いなげや、1,164坪、東京都調布市、2011年5月31日)、(仮称)スーパーベルクス綾瀬店(サンベルクス、364坪、東京都足立区、2011年6月23日)の11店舗である。

   東京都は11店舗と各社出店計画が相次いでいる。ライフコーポレーション2店舗、いなげや2店舗と、この2社が複数店舗での出店予定である。特にライフコーポレーションは東京都以外にも埼玉県1店舗、大阪府5店舗、兵庫県1店舗と合計9店舗、食品スーパーマーケット、最多の店舗数である。この2社以外ではオオゼキ、東武ストア等出店予定であり、東京都は激戦である。

   ついで、埼玉県であるが、(仮称)ベルク東松山店(ベルク、653坪、埼玉県東松山市、2010年12月20日)、(仮称)フレッセイ児玉店(フレッセイ、1,599坪、 埼玉県本庄市、2010年12月17日)、(仮称)ヨークマート新幸手店(ヨークマート、913坪、埼玉県幸手市、2011年2月8日)、(仮称)いなげや志木柏町店(いなげや、535坪、埼玉県志木市、2011年2月16日)、(仮称)ベルク川越むさし野店(ベルク、666坪、埼玉県川越市、2011年3月30日)、マミーマート蓮田山ノ内店(マミーマート、601坪、埼玉県蓮田市、2011年4月6日)、コープ二ツ宮店(さいたまコープ、765坪、埼玉県上尾市、2011年4月14日)、(仮称)吉川市栄町計画(ライフコーポレーション、2,576坪、埼玉県吉川市、2011年6月21日)、マミーマート桜区西堀7丁目店(マミーマート、599坪、さいたま市、2010年12月16日)、(仮称)マルエツ西大宮店(マルエツ、945坪、さいたま市2010年12月17日)、ヤオコー大宮大成店(ヤオコー、596坪、さいたま市、2010年12月29日)、ヤオコー大宮盆栽店(ヤオコー、597坪、さいたま市、2011年2月26日)、ベルクさいたま吉野町店(ベルク、640坪、さいたま市、2011年5月11日)の13店舗である。

   埼玉県は全都道府県の中でも13店舗と東京都の11店舗を超え、最多であり、まさに、出店ラッシュといえよう。ベルク3店舗、ヤオコー2店舗、マミーマート2店舗、そして、ライフコーポレーションと有力食品スーパーマーケットの出店があいついでおり、東京都以上に激戦といえる。

   このように北海道・東北、首都圏の東京都、埼玉県の12/1時点の今後の食品スーパーマーケットの出店予定を見てみたが、合計36店舗であり、特に、日本最大の出店地区、東京都、埼玉県は文字通り激戦地区といえよう。次回は、引き続き、首都圏、そして、東海、北陸地区を取り上げてみたい。

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December 8, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 07, 2010

食品スーパーマーケット、首都圏新規出店激化!

   12/6、日経MJに食品スーパーマーケットの首都圏の出店激化の記事が掲載された。見出しは、「食品スーパー、首都圏5社、出店拡大」、「来年度50店、地下下落が追い風」であり、ライフコーポレーション、マルエツ、サミット、ヤオコー、いなげやの出店計画をまとめたものである。首都圏では、すでに、セブン&アイH傘下のイトーヨーカ堂が阿佐が谷に小型食品スーパーマーケット1号店をオープンし、今後、数年で首都圏を中心に100店舗の出店計画を掲げている。したがって、今後、数年間、首都圏では食品スーパーマーケットの出店ラッシュが繰り広げられる可能性が高まったといえよう。

   日経MJの記事の中では、上記5社の2010年度の出店見通し、2011年度の出店計画が一覧表で掲載されているが、これを見ると、ライフコーポレーション(2010年9店舗、2011年度13店舗)、マルエツ(15店舗、15前後)、サミット(4店舗、6~7店舗)、ヤオコー(8店舗、9店舗)、いなげや(3~4店舗、5店舗)という数字が並んでいる。合計2010年度40店舗、2011年度は49店舗となり、これは5社だけの集計であるので、その他の首都圏での食品スーパーマーケットの展開を考慮すると、まさに、首都圏での激しい出店競争が予想されるといえよう。

   記事の内容を見ると、その要因にはライフコーポレーションは10年ぶりの2桁出店であるといい、地下下落に加え、工場跡地など出店用地の供給が増えているとのことである。マルエツはスーパー空白地帯の需要の開拓であるとのことで、サミットは競合他社の出店増への対抗であるという。そして、記事の最後では、「10年度第2四半期の既存店売上高は各社とも前年割れした。新規出店によって売り上げ増を目指す。」と結んでおり、新規出店が増収確保のための戦略となっていることが大きいとのことである。

   そこで、まず、この5社の内、上場している4社、ライフコーポレーション、マルエツ、ヤオコー、いなげやの2010年度の本決算から、出店意欲を見てみたい。出店意欲とは、決算時において、キャッシュフローを新規出店にどのくらい割り当てているかを示す指標である。計算式は投資キャッシュフローの中の出店関連と思われる有形固定資産への投資、敷金・保証金等への投資の合計を算出し、これを1店舗当たりの出店にかかわる資産で割る。これにより、現時点での新規出店が可能な店舗数がわかる。これを現状の店舗数で割れば、どのくらいいの新規出店による成長を目指しているかが、数字で判断できるという指標である。出店余力が自己資本(純資産)との関係で、財務余力を表すのに対し、出店意欲はキャッシュフローを組み込むことにより、経営者の意思、まさに、出店意欲を数値化したものである。

   その出店意欲であるが、2010年度本決算時はライフコーポレーション10.0%(208店舗)、マルエツ11.7%(249店舗)、ヤオコー17.8%(104店舗)、いなげや11.9%(125店舗)という結果であり、いずれも110%を超え、100店舗以上の食品スーパーマーケットであるので10店舗以上の新規出店を計画し、投資キャッシュフローにおいて、実際キャッシュを配分しているといえる。日経MJの記事の内容が財務戦略的にも裏付けられたといえよう。

   ちなみに、首都圏での他の上場食品スーパーマーケットの出店意欲であるが、九九プラス18.8%(989店舗)、オーケー18.5%(62店舗)、ベルク11.6%(63店舗)、カスミ11.0%(138店舗)、東武ストア10.2%(55店舗)、Olympic4.0%(49店舗、等である。大半が10%以上の出店意欲の食品スーパーマーケットであり、日経MJの記事の5社以外でも首都圏の食品スーパーマーケットは出店意欲が旺盛であることがわかる。

   また、上記首都圏の食品スーパーマーケットを含め、決算公開企業約50社の10%以上の出店意欲の食品スーパーマーケットは、マックスバリュ東海35.8%、マックスバリュ西日本28.7%、アオキスーパー23.6%、九九プラス18.8%、オーケー18.5%、マックスバリュ東北18.1%、ヤオコー17.8%、ハローズ17.7%、大黒天物産15.2%、ユニバース12.4%、マックスバリュ中部12.3%、関西スーパーマーケット12.3%、いなげや11.9%、マルエツ11.7%、ベルク11.6%、カスミ11.0%、マックスバリュ北海道10.5%、東武ストア10.2%、ライフコーポレーション10.0%という状況であり、2010年度以降の新規出店への意欲は各社旺盛であり、首都圏だけではないことがわかる。特に、イオングループのマックスバリュ各社は異常値ともいえる数字となっており、際だっているのが特徴である。

   このように、日経MJ、12/6の記事において、首都圏5社の出店拡大が取り上げられたが、首都圏では、この5社以外でも、ほぼ各社、新規出店への意欲が強いといえる。今回取り上げた出店意欲は投資キャッシュフローを根拠にしての数値化であるので、かなり確度の高い経営者の意思、経営判断が働いているといえ、まさに、日経MJの記事を裏づける結果となっている。また、首都圏に限らず、全国的に食品スーパーマーケットの出店意欲は高いといえ、今後、食品スーパーマーケットが各地で新規出店を果たしてゆくのではないか思われる。消費環境はデフレ基調が続くと思われるが、食品スーパーマーケット業界は新規出店で活路を開こうという強い意志が感じられる。

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December 7, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 06, 2010

紀ノ国屋出店再開、小型店を東京駅へ!

   紀ノ国屋のホームページに次のような記事が掲載された。「12月4日(土)JR東京駅構内に KINOKUNIYA entréeがオープン!」、「日本の玄関口、JR東京駅に「日本の台所」をコンセプトにした食の新名所GRANSTA DINING(グランスタ ダイニング)が誕生します。KINOKUNIYA entrée GRANSTA DINING店では、オリジナリティあふれたこだわりの商品や”メイドインジャパン”の逸品をセレクトしてお届けします。旅のおともに、おみやげに、また毎日の出勤前やお仕事帰りのお買い物にもぜひ、お気軽にご利用ください。」との内容である。今年の4月、紀ノ国屋が東日本旅客鉄道(JR東日本)の傘下に入って以来、はじめての新規出店であり、その1号店が東京駅にオープンということで、今後の展開が注目される。

   店舗面積は約30坪という小型タイプであり、entréeという駅中出店タイプでの業態であり、このKINOKUNIYA entrée GRANSTA DINING店以外にも、平塚ラスカ店、エキュート立川店、赤坂Bizタワー店、羽田店とすでに展開しており、このタイプでは5店舗目となる。基本コンセプトは、「店名の「entrée (アントレ)」はフランス語で入り口という意味。紀ノ国屋のこだわりやクオリティを気軽に味わっていただけるよう、たくさんのお客様をお迎えする「入り口」という気持を込めて名付けました。生鮮を除く幅広いラインナップで、上質な食生活のお手伝いをしてまいります。」とのことで、生鮮食品がないのが特徴である。まさに、通常の紀ノ国屋への入口となって欲しいという位置づけでもあり、紀ノ国屋のトライアル顧客を増やしてゆく目的があるといえる。

   紀ノ国屋は、このentrée (アントレ)タイプ以外にも小型業態として、OMOを開発している。その基本コンセプトは、「紀ノ国屋のクオリティ、おいしさ、安全性はそのままに、より利便性を追求した品揃えです。自家製ブレッド、ランチボックスからチーズ・ワイン、シャンパンまで、紀ノ国屋ならではのおいしさをコンパクトに集めたスペシャリティフーズショップ。」であり、これはまさに、紀ノ国屋の縮小型の圧縮型店舗である。すでに、エチカ表参道店、ベルビー赤坂店、Esola池袋店と3店舗を出店している。今後は、このOMOとentrée (アントレ)を立地によって使い分けながら、駅中出店戦略が展開されてゆくことになろう。

   ちなみに、通常の紀ノ国屋であるが、インターナショナル(東京都港区北青山)、国立店(東京都国立市)、等々力店(東京都世田谷区等々力)、吉祥寺店(東京都武蔵野市)、鎌倉店(神奈川県鎌倉市)、渋谷店(東京都渋谷区道玄坂)、新宿髙島屋店(東京都新宿区千駄ヶ谷)に出店しており、全部で7店舗である。また、これら食品スーパーマーケット業態以外にも、ベイカリー店があり、キノクニヤベーカリー小田急新宿店、KINOKUNIYA Salut!東武池袋店、三鷹KINOKUNIYAの3店舗を出店している。したがって、総店舗数は、これらすべて合わせて18店舗となる。

   さて、紀ノ国屋の現在の経営状況であるが、JR東日本の傘下に入ってからはじめて公開された決算公告、2010年3月期を見ると、公開されたのは貸借対照表のみであるが、かなり厳しい経営状況であることがわかる。まず、自己資本比率(純資産比率)が21.57%であり、約80%を負債に依存しており、負債が重く経営を圧迫している状況である。しかも、繰越利益剰余金が-39,069千円発生しており、利益面でも厳しい状況が伺える。ただ、総資産は2,657,694千円と食品スーパーマーケットとしては軽い資産であり、その主な中身である出店関連の資産は、土地849,735千円、建物243,005千円、差入保証金74,780千円と、合計1,167,520千円(総資産の43.93%)であり、単純に1店舗当たりを計算すると64,862千円と、都心部への出店としては少ない出店関連の資産といえよう。これは、小型店が多いことに加え、土地等の資産を取得しないテナントでの出店が多いためと思われる。

   一方、総資産の約80%を占める負債の中身であるが、その大半は有利子負債であり、1,707,950千円、総資産の64.26%と重く経営にのしかかっているといえる。自己資本(純資産)-出店にかかわる資産、すなわち、出店余力は-22.36%であるので、有利子負債に大きく依存した出店構造であるといえ、この財務内容を見る限りでは、出店余力は厳しい状況にある。当面、新規出店よりも財務改善が優先され、既存店の活性化によるキャッシュの獲得が経営の最優先課題であるといえよう。

   このように12/4、この4月にJR東日本の傘下に入って以来、はじめての新店を東京駅に出店したが、本格的な紀ノ国屋タイプでの出店ではなく、生鮮を扱わない小型店、KINOKUNIYA entréeタイプでの出店となった。本来、紀ノ国屋としては、生鮮食品も取り扱っている小型食品スーパーマーケット、OMOでの駅中出店を優先したいところであろうが、財務内容を見る限りでは、充分な出店余力が蓄えられていないといえ、当面、財務改善を優先せざるをない面もあったものといえよう。このような状況の中、紀ノ国屋が次の出店戦略において、いつ、どのような選択をするのか、その動向に注目である。

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December 6, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 05, 2010

北海道、食品スーパーマーケット、微妙な三つ巴!

   北海道の食品スーパーマーケットは日本の中でも最も寡占化が進んでいる地域といえ、事実上、3社、アークス、コープさっぽろ、そして、イオングループに集約されつつあるといえる。いずれも、売上高が約2,500億円前後と拮抗しており、この3社が激しい競争を繰り広げ、周辺の食品スーパーマーケットを吸収合併しながらさらに寡占化が進んでいるという状況である。ただ、売上高では約2,500億円前後と拮抗しつつあるとはいえるが、3社間の経営課題はそれぞれ違い、微妙な三つ巴という状況といえ、このまま三つ巴が続くとは思えず、今後、どのような方向にこの三つ巴が進んでゆくか、予断を許さない状況にあるといえよう。

   その3社の違いであるが、最新の決算2010年度を見ると、アークスは2,707.22億円(6.6%)と、札幌東急ストア(現、東光ストア)を傘下に収めたこともあり、堅調な伸びを示している。コープさっぽろも生協流通新聞によれば、2,382.00億円(103.0%)と堅調な伸びである。ところが、イオングループのマックスバリュ北海道は751.42億円(-1.2%)、イオン北海道は1,503.54億円(-4.1%)と、いずれもマイナス、売上高が厳しい状況にある。したがって、売上規模においては、アークスをコープさっぽろが追い上げているが、イオングループは劣勢を強いられ、厳しい状況となっているといえ、3つ巴の一角が崩れつつある状況といえよう。

   特に、コープさっぽろは魚長、志賀綜合食料品店と業務提携を結び、現状2,600億円を超え、アークスに迫る勢いであるので、アークス、コープさっぽろともに年商3,000億円が見えたといえよう。一方、イオングループは逆に2,000億円ラインにまで売上高が下がる可能性もあり、その差は開く一方であるといえよう。ちなみに、コープさっぽろは2009年度の数字はコープこうべの2,504.99億円につぐ、生協グループでは第2位であったが、コープこうべは昨対94.2%で推移しており、今期は逆転する可能性も出始め、コープさっぽろが売上高(供給高)では生協No.1となるものといえよう。事実、日本食料新聞社の記事によれば、「コープさっぽろは4月、5月の累計事業高で生協1位のコープこうべを抜き首位となった。事業高は前年比4%強の394億1700万円。コープこうべは377億8800万円(同比10.3%減)だった。」とのことであり、すでに逆転が起こっているといえよう。

   では、利益の方はどうかであるが、アークスの経常利益は95.61億円(売上対比3.5%)であるのに対し、コープさっぽろは23.00億円(売上高(供給高)比0.96%)と、アークスの1/4であり、厳しい状況である。しかも、当期純利益(剰余金)は特別損失等もあり、数百万円であり、さらに厳しい状況にある。コープさっぽろ自身も総代会で、「店舗事業は営業力の改善は進みましたが、収益改善は苦戦しました。」と報告しており、利益改善が現状の経営課題であるという認識である。また、マックスバリュ北海道の経常利益は4.35億円(売上対比0.57%)、イオン北海道は20.23億円(1.34%)であり、昨年と比べ利益は回復基調にあるとはいえ、売上対比では厳しい状況にあるといえる。

   したがって、利益面ではアークスの1人勝ちという状況であるといえ、ここでも3つ巴の構図が大きく崩れ、1強という状況であり、他の2社は極めて厳しい状況にあるといえよう。単純な売上高では3社ともに約2,500億円前後で大きな差がなく、まさに、3つ巴の状況であるが、その伸び率を見るとアークス、コープさっぽろの2強という状況であり、イオングループが劣勢に立たされている。そして、利益となると、コープさっぽろが厳しい状況となり、イオングループも同様に厳しい状況にあり、アークスが独走という構図となる。事実上、アークスの1強、追うコープさっぽろ、劣勢を強いられるイオングループという状況である。

   これを踏まえて、今後の北海道の食品スーパーマーケット業界の行方であるが、現在、100億円を超える食品スーパーマーケットが、北雄ラッキー440.85億円、ダイイチ273.99億円等あり、この他にも100億円以下の食品スーパーマーケットもある。その食品スーパーマーケットとの連携をどこがはかるかが大きなポイントとなろう。特に財務的に良好なアークスの動きが、今期、東光ストア(468.72億円)を買収していることからも、その動向が注目される。

   このように、北海道は先行していたかに思えるイオングループが3つ巴から脱落しつつあり、ここへ来て、コープさっぽろも売上規模の拡大には成果があらわれているが、利益面では劣勢にたたされており、アークスが独走態勢に入りつつある状況といえ、大きく構図がかわりつつあるといえる。アークスは主力ディスカウント業態のスーパーアークスも軌道にのりつつあり、NSC(近隣型SC)としてはカインズとの共同での出店戦略もはじまり、さらに、規模、利益の拡大をはかれる体制ができつつあるといえよう。残された課題は後継者問題に絞られたといえ、ゴーイングコンサーン(going concern)としての、組織体制の確立を今後どうはかるかにあるといえよう。

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December 5, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 04, 2010

食品の動向はいかに、家計調査データ、2010年10月度!

   前回に引き続き、家計調査データ、2010年10月度を取り上げてみる。前回はたばこについて取り上げたので、今回は食品全般について取り上げてみたい。食品の数字は1,954.06円(昨対99.5%)という結果であり、若干昨対を割り、やや消費は厳しいといえる。ちなみに、全体も9,272.03円(昨対99.9%)であり、わずかであるが、昨対を割っている。また、ここからエンゲル係数を算出すると、21.07%となり、約2割である。ただし、この中には外食は含まれていないので、外食を入れると25.56%となり、約1/4が食品関連の消費となり、これが日本の家計の実態である。

   さて、食品であるが、全体は99.5%であるが、大分類で見ると、穀類238.77円(93.6%)、魚介類205.19円(94.8%)、肉類207.29円(98.9%)、乳卵類 109.19円(98.9%)、野菜・海藻289.65円(104.9%)、果物98.32円(103.6%)、油脂・調味料108.61円(97.7%)、菓子類192.65円(99.0%)、調理食品273.71円(102.6%)、飲料122.23円(103.6%)、酒類108.48円(98.6%)となる。ちなみに、外食は416.65円(101.6%)である。こう見ると、この10月度は野菜・海藻289.65円(104.9%)、果物98.32円(103.6%)、飲料122.23円(103.6%)、調理食品273.71円(102.6%)と、この4部門が好調であったといえる。ただ、野菜、果物は相場高によるところが大きいといえ、一時的な上昇ともいえ、実質、全体的には消費は厳しかったといえよう。

   そこで、まず、昨対を上回った4部門の中身を見てみたい。野菜・海藻であるが、キャベツ7.48円(122.1%、消費世帯のみ127.3%、割合95.9%)、はくさい6.52円(121.7%、消費世帯のみ121.7%、割合100.0%)、ねぎ10.00円(120.6%、消費世帯のみ119.2%、割合101.2%)、レタス6.06円(124.5%、消費世帯のみ142.8%、割合87.2%)、なす4.94円(126.4%、消費世帯のみ114.0%、割合110.9%)という状況であり、以上が120%以上伸びた項目である。特に、消費世帯のみの数字が良く伸びており、割合、すなわち、消費世帯の数はほぼ昨年と同じである。これを食品スーパーマーケットで見ると、客数が増えた訳ではなく、客単価が増加したことになる。したがって、客単価、すなわち、金額PI値がアップしたということで、PI値か平均単価がアップしたことになるが、まさに、相場、平均単価のアップによる消費増であると推測され、野菜は相場の影響がこの結果を見ても、大きかったといえよう。

   ついで、果物であるが、なし12.77円(119.6%)、ぶどう10.19円(114.1%)、キウイフルーツ2.23円(111.3%)等が良く伸びているが、主力のりんご16.74円(100.8%)、みかん15.68円(92.9%)が伸び悩んでおり、さらに、バナナも11.84 円(94.8%)と厳しい状況であり、野菜よりも伸びが低かったと思われる。そして、飲料であるが、炭酸飲料9.00円(116.7%)、乳酸菌飲料9.84円(116.9%)、ミネラルウォーター6.84円(114.6%)等が良く伸びている。また、果実・野菜ジュースも22.29円(109.3%)も好調であったといえる。こう見ると、まだ、残暑の影響が10月度は残っていたといえよう。ちなみに、アイスクリーム・シャーベットは16.26円(101.8%)とほぼ昨年並みであった。また、調理食品では、サラダ8.23円(113.3%)、冷凍調理食品 16.00円(109.3%)、調理パン10.45円(109.1%)が高い伸びを示した項目である。

   一方、昨対を下回った部門であるが、特に、穀類238.77円(93.6%)、魚介類205.19円(94.8%)が95%以下と最も下がった部門である。その項目を見てみると、穀類では、何といっても米が106.61円(87.9%)となったことが大きい。ついで、食パン22.90円(94.9%)、生うどん・そば9.94円(95.7%)、乾うどん・そば2.74円(96.6%)が厳しい項目である。ただ、カップめん9.74円(103.8%)、即席めん5.32円(105.8%)は好調であり、よく伸びており、明暗が分かれた。

   そして、魚介類であるが、まぐろ13.48円(95.7%)、さば3.10円(78.0%)、さんま7.61円(95.2%)、たい 2.71円(84.0%)、ぶり8.10円(92.6%)、たこ2.74円(85.9%)、えび7.81円(84.6%)、かに2.35円(80.2%)、さらに、かき(貝)3.03円(92.2%)、ほたて貝3.29円(81.0%)と厳しい項目が多い。逆に伸びた項目であるが、いわし1.48円(112.2%)、かつお3.55円(113.4%)ぐらいであり、全体的に魚介類は厳しい消費であったといえる。

   これ以外の部門で特に消費が厳しい項目を見ると、牛乳44.90円(95.2%)、食用油7.48円(91.0%)、マーガリン2.32円(85.7%)、食塩1.35円(87.5%)、しょう油5.19江円(91.5%)、みそ6.77円(93.3%)、砂糖3.35円(93.7%)、ソース2.00円(93.9%)、風味調味料5.58円(94.0%)、カステラ2.03円(85.1%)、プリン4.32円(93.1%)、せんべい12.52円(94.9%)、ビスケット8.10円(90.3%)、キャンデー6.35円(82.4%)、チョコレート10.29円(94.9%)、すし(弁当)29.52円(96.8%)、うなぎのかば焼き4.74円(95.5%)、やきとり4.81円(92.5%)、そうざい材料セット10.52円(78.4%)、緑茶9.32円(81.9%)、紅茶2.00円(92.5%)、コーヒー飲料9.90円(95.9%)、清酒15.26円(95.9%)、ウイスキー3.03円(94.0%)、ワイン6.84円(68.4%)等である。

   このように、家計調査データ、2010年10月度の食品の消費額は99.5%と昨対を若干下回り、依然として、厳しい消費環境が続いているといえよう。好調な部門は相場の好影響を受けた野菜、果物、残暑の影響と思われる飲料、そして、調理食品の4部門のみであり、その他の部門は昨対を割り、厳しい状況である。特に、穀類、魚介類が厳しい状況であり、これ以外にも先に見たように、多くの項目が昨対を割っており、厳しい消費状況であったといえる。現在、すでに12月に入っているが、今年の年末はこの10月度の状況を見る限り、厳しさが予想される。したがって、伸びる可能性のある項目をしっかり見極め、メリハリのある商品戦略を打ち出す必要があろう。

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December 4, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 03, 2010

家計調査データ、2010年10月、たばこの実態は!

   家計調査データ2010年10月度の最新データが11/30、総務省統計局から公表された。結果は外食を除く食品が1,954.06円(99.5%%)、全体が9,272.03円(99.9%)となり、若干の減少、消費は依然厳しい状況が続いているといえよう。本ブログでは、家計調査データを食品スーパーマーケットの客単価(金額PI値)と連動をはかるために、月間データを1日当たりに換算している。これにより、すべての項目が食品スーパーマーケットのPOS分析とほぼ連動でき、実務に活用することが可能となる。また、家計調査データは10,000分比を算出しており、これを活用することにより、購入世帯当たりの割合、及び購入世帯当たりの消費額も算出可能であり、これも実務には活用でき、便利である。

   さて、この10月度、家計調査データで、最も気になる数字は何といってもたばこであろう。10/1から値上げがはじまったので、その反動がどのくらいあったかである。また、家計調査データでは月別データと同時に、日別データも公開されており、ここから、たばこの消費額の日別推移もわかる。特に、今月度は総務省統計局でも「たばこの支出金額の推移」という追加レポートも公開しており、これも参考に、まずはたばこの状況を見てみたい。

   その結果であるが、たばこ13.35円(昨対42.2%)、消費世帯のみ173.89円(87.8%)、消費世帯の割合7.7%(48.1%)である。昨対42.2%と半値、8掛けの世界であり、約40%と大きく落ち込んだ。そして、その中身であるが、たばこの購入者だけを見た場合は87.8%と大きな落ち込みではなく、消費世帯の割合、すなわち、たばこを購入する消費者が48.1%と半分になったことが大きかったといえる。食品スーパーマーケットにたとえれば、客単価(金額PI値)は大きく下がらなかったが、客数が激減したという構図であり、これが1日、2日ではなく、月間の数字であるので、その反動は大きかったといえよう。

   そこで、総務省統計局が公表している「たばこの支出金額の推移」を見ると、興味深い内容である。たばこの値上げは過去2回あった。平成15年、平成18年である。まず、この時と比べ、この平成22年はどうであったかであるが、極めて減少幅が大きいという結果となったのが特徴である。数字は実質の数字であるが、過去2年間は平成15年度は前後大きな動きはなかったが、平成18年度はプラス50%、-50%と大きく動いた。そして、平成22年度、今回は+150%、-70%とさらに大きく動き、その幅200%を超えるという振幅であり、激しい動きであったことがわかる。

   また、これを日別で見ると、9/25ぐらいまではなだらかな上昇であったが、その後
通常50円ぐらいの消費額が9/27には100円となり、9/28には150円を超え、9/29には、200円近くに迫り、そして、9/30には300円を突破するという、通常の6倍を超える激しいたばこの消費があったことがわかる。そして、10/1、まっさかさまに消費が落ち、数10円となっている。その後もたばこの消費は低迷し続け、10/31まで消費は増えることなく、しかも、過去2回の時と比べても、低迷が続くという状況である。いかに、今回のたばこの消費の動きが、過去にない異常な消費状況であったかがわかる。

   これは実際の食品スーパーマーケットのPOSデータを見ても明らかであり、9月度はたばこの異常値が発生し、全カテゴリーの中でも客単価(金額PI値)が断トツのトップのカテゴリーとなったが、10月には急落、10番目ぐらいになってしまった。それでも、ベスト10近くには入っているといえ、依然として、たばこが重要なカテゴリーであることは変わりないといえる。

   ちなみに、売れ筋に変化があったかどうかであるが、実際のPOSデータを見ると売れ筋の構造が180度変わったことがわかる。9月度のたばこの上位商品はベスト10すべて箱売りのたばこであり、しかも、客単価(金額PI値)は優に3,000円(1人当たり3.0円)という異常値が発生していたが、10月度になると、ベスト10の内、3品しか箱売りはなくなり、No.1を含め、7品がバラのたばことなった。しかも客単価(金額PI値)はNo.1のみ1,000円(1人当たり1.0円)であり、その他はすべてそれ以下という状況である。これが実際の消費者心理の実態であるといえ、改めて、POSデータをつぶさに見ると、その激しいたばこの消費の動き、そして、現状の静けさが目に浮かぶようである。

   このように、この10月度の家計調査データは、何といっても、たばこの消費状況が前月の値上げ前の9月度と比べ、どのような結果となったかが明らかになった月であるが、その実態は過去2回と比べても異常値であったことがわかる。また、実際の9月度、10月度のPOSデータを見ても、たばこの消費構造が180度違い、こうまで激変するとは驚きである。たばこはあらゆる商品の中でも最も嗜好性が強く、個人個人のこだわりが強く表れる商品であるといえ、これが価格の変化にぶつかった場合、爆発的な消費、そして、その後のうそのような静寂と両極端を表すといえ、極端に消費者心理が表れるといえよう。商品は大なり小なり、このたばこのような傾向があるといえ、その意味で、今回のたばこの消費実態は今後の商品戦略を考える上で大いに参考になるといえよう。

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December 3, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 02, 2010

ID-POS分析、鳥瞰図を作り、曼荼羅の世界へ!

   ID-POS分析に取り組み始めて10年近くになるが、まだ極めきれない。通常のPOS分析は約20年かけてほぼ極めたと思うが、ID-POS分析にはまだ先があるように思え、次から次へと研究課題が発生し、これで極めたと思っても、その瞬間に次の課題が立ちあがり、中々到達点が見えないのが現状である。ただ、それでも、現時点でもかなり実用に耐えうるところまで来ているといえ、しかも、質の良い原データがあれば、誰でもExcelでID-POS分析が可能なところまできた。

   ID-POS分析がやっかいな点はデータの量が通常のPOS分析と比べ膨大なところもあるが、それ以上に部分ではなく、顧客の全体像を把握し、そこからマーチャンダイジング戦略を立案しなければばらない点にあるといえる。通常のPOS分析が単品管理を原点に据えているとすると、ID-POS分析は顧客の全購入履歴の把握を原点にしており、視点が180度違うといえる。したがって、通常のPOS分析は何がいくらで、何個売れたかがまず最初に抑えるべき情報であるが、ID-POS分析は、誰が何をどのように購入したかを抑えることからスタートするからである。

   この誰が、すなわち、顧客IDという視点が極めて重要であり、ここからマーチャンダイジングに迫ることになるので、対象商品はもちろん、その顧客が購入した全商品の把握も重要な情報となる。しかも、1ケ月、2ケ月の限られた時間では十分に顧客の購入履歴が把握できないため、少なくとも1年、できれば、3年、5年、10年、さらには100年でも分析期間を広げたいところである。通常のPOS分析では、時間を拡大しても、商品が繰り返し購入されているかはわからないため、瞬間瞬間をチェックすることにならざるをえないが、ID-POS分析の場合は顧客がどのくらいの頻度でその商品を購入しているかがわかるので、時間とともにその商品の購入頻度が増えているのか、減っているのか、維持しつづけているのかが把握でき、時間は長ければ長いほど意義深い分析となる。

   ここから、いわゆるID-POS分析特有のロイヤルティ分析が可能となる。ロイヤルティ分析には様々な定義が可能であるが、日本語で最もピンとくるのは「馴染み客」であろう。したがって、「馴染み客」をどう定義するかであるが、ID-POS分析では頻度を重視することがポイントである。頻度には2つの要素がある。ひとつはその商品の購入頻度であり、もうひとつは店舗への来店頻度である。この2つの頻度を分析し、その顧客がまさに、商品に馴染み、店舗に馴染んでいるかを同時に分析することがポイントである。

   たとえば、ある顧客が対象商品を高頻度で購入しているとする。ここからその顧客は対象商品のロイヤルカスタマーであると判断しても良いが、もう一歩、分析を進め、その顧客がどのくらいの頻度で店舗に来店しているかを見るのである。そうすると、確かに、その顧客が高頻度で対象商品を購入していたとしても、来店頻度を見た場合、さらに、高頻度で来店していた場合、果たして、その顧客は対象商品のロイヤルカスマーと呼べるかどうかである。この2つの頻度を見比べなければ、最終的な判断は難しいといえよう。したがって、この2つの頻度を割って見て、その数字が高いか低いかで見る必要がある。仮にその数字が高い場合には、その顧客はその商品を購入するために店舗に来店している可能性が極めて高いといえ、まさに、その商品が来店動機となっている可能性が高く、イコール、ロイヤルカスタマーと呼べよう。

   ここがID-POS分析のまさに真髄ともいえ、この2つの頻度からロイヤルカスタマーを定義すべきであるといえ、こう定義することによって、まさに、「馴染み客」がかなりの確度で特定できるのではないかと思う。これがID-POS分析特有のロイヤルカスタマー分析の一端であるといえ、通常のPOS分析では全く分析できない領域といえる。

   そして、ここから顧客を3つに分類することができる。ロイヤルカスタマー、レギュラーカスタマー、トライアルカスタマーである。さらに、未購入顧客を入れれば4つとなる。したがって、ID-POS分析のマーチャンダイジングはこの3つの顧客の購入履歴をつぶさに把握し、未購入顧客からトライアル顧客にどうきっかけをつくるか、トライアル顧客からレギュラー顧客へどう誘導するか、そして、レギュラー顧客をどうロイヤルカスタマーに導くか、その動線をしっかり作り上げることであり、その動線にそって可能な限り短時間でロイヤルカスタマーへの道に顧客を誘導してゆくことである。

   このようにID-POS分析は通常のPOS分析と違い、頻度、2つの頻度が分析でき、ここからロイヤルカスタマーを定義でき、すべての顧客をロイヤルカスタマーへ導く動線をしっかり作り上げることがポイントである。しかも、その動線はひとつではなく、様々な動線が無限に考えられ、すべての道はロイヤルカスタマーに通じるようなクモの巣状、螺旋状に作り上げ、しかも、時間をかけて熟成するような温かい道をつくることがポイントである。これがID-POS分析の販売促進であり、同時に、マーチャンダイジングであるといえる。その意味で、ID-POS分析は顧客の購入履歴の鳥瞰図を作りあげ、曼荼羅の世界へいざなう分析であるといえよう。

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December 2, 2010 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 01, 2010

ユニバース、2011年4月期中間、増収増益!

   ユニバースが2011年4月期の第2四半期決算を11/22、公表した。結果は営業収益516.91億円(5.1%)、営業利益18.47億円(11.5%)、経常利益19.04億円(10.5%)、当期純利益9.06億円(-6.5%)と、営業、経常段階では増収増益の好決算となった。なお、当期純利益に関しては、「新たに適用された資産除去債務に関する会計基準に基づき、特別損失2億26百万円を計上したことにより、四半期純利益段階では減益、・・」とのことで、減益となった。

   食品スーパーマーケット業界も3月以降の決算企業はこの会計基準が適用されるので、当期純利益が昨対マイナスになることになるが、実際のキャッシュは内部に留まるので、キャッシュフロー上は変わらず、P/L上のみのマイナスとなる。いわば、減価償却費と同じ扱いといえ、決算数字として、営業、経常段階での判断がポイントとなる。

   さて、ユニバースの営業収益が5.1%と、堅調な数字となった要因であるが、「5月に「ビッグハウス湊店」(青森県八戸市)、7月に白銀しろがね店(青森県八戸市)、10月に東バイパス店(青森県青森市)のリニューアルを実施、・・」とのことで、2店舗の新店が大きい。結果、総店舗数は47店舗(昨年45店舗)と2店舗増となった。また、既存店も100.7%と、前年をクリアーしており、全体として、売上げも堅調に推移したといえる。そこで、その中身であるが、既存店の客数101.6%、客単価99.1%と、客数が伸びているのが特徴である。客単価に関しては、PI値99.7%、平均単価99.4%と、双方、やや下がっており、消費環境は厳しかったといえよう。

   ちなみに、ユニバースの客単価であるが2,129円、PI値1,170%(11.7個)、平均単価182円、客数約2,800人/日であり、通常の食品スーパーマーケットよりも、客数、PI値ともに大きい数字である。したがって、平均年商約21億円となり、平均店舗面積も641坪であり、食品スーパーマーケットの中では大型となる。これがユニバースの最大の特徴であり、ユニバース自身も、自社の強みを「①店舗の大きさ②鮮度の良さ(日本のトップレベル)③品揃えの充実(生鮮食品の冷蔵ケースの多さ)④価格の安さ⑤実務に合ったスーパーマーケット理論」と5点あげているが、そのNo.1の強みが店舗の大きさであり、他の食品スーパーマーケットとの決定的な違いのひとつである。

   一方、この中間決算では、営業収益は5.1%と堅調な数字であったが、営業利益は11.5%と、2桁、さらに好調な結果となった。そこで、その営業利益が好調な要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、75.71%(昨年74.95%)と、0.76ポイントと大きく上昇した。先ほど見た既存店の平均単価が99.4%と下がっており、価格競争が原価を押し上げたものといえよう。結果、売上総利益は24.29%(昨年25.05%)となった。ユニバース自身も、「商品面では、新規取引先や産地の開拓に努めているほか、比較購買の徹底により一層の仕入原価の引き下げに取り組んでおります。」とのことで、原価改善に取り組んだとのことであるが、それ以上に価格競争が厳しかったものと思われる。

   これに対し、経費の方であるが、21.64%(昨年21.67%)と0.03ポイント改善した。ただ、原価の上昇分の改善とはならず、結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、差し引き、2.65%(昨年3.38%)と、厳しい結果となった。原価の上昇が響いているといえる。そして、これに不動産収入、物流収入等が0.97%(昨年0%)のり、営業利益は3.62%(昨年3.38%)と増収となった。営業利益段階ではその他営業収入により、増収とはなったが、マーチャンダイジング力は厳しい状況であり、今後、特に原価の改善をどうはかってゆくかが課題といえよう。ユニバース自身も、「全般的には消費者の節約志向・低価格志向が根強く、企業間の価格競争が平均単価の下落傾向に拍車をかけるなど、厳しい状況が続いております。」とのことで、価格競争の厳しさが原価に強い影響を与えているとのことである。

   これを受けて、通期の予想であるが、営業収益1,006.00億円(2.4%)、営業利益34.35億円(0.5%)、経常利益35.50億円(0.5%)、当期純利益17.70億円(-8.3%)と、中間決算同様、営業、経常段階では増収増益であるが、その伸び率はやや下がっており、厳しい予想といえよう。また、来期について、「11/4期は新規出店を慎重に判断→北東北の経済環境は依然として厳しい。」、「厳しい環境下での着実な成長→来期以降は2店前後の出店を基本方針に掲げて取り組む予定」とのことで、ユニバースも経済環境の厳しさを予想している。

   このように、ユニバースの2011年4月期の中間決算は営業収益、営業利益、経常利益ともに増収増益となったが、その中身は原価の大幅な上昇が見られ、経費削減ではカバーできず、その他営業収益による増益となっており、東北商圏での価格競争の厳しさを反映したものとなったといえる。当面、この厳しい消費環境は継続するものといえ、ユニバースとしても、今後、成長を抑制し、内部体制の充実に経営資源を集中するとのことである。ユニバースが今後、どのように内部体制の充実をはかってゆくか、その動向に注目である。

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