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February 28, 2011

消費者物価指数(CPI)、2010年1月、依然デフレ基調!

   総務省統計局が2/25、2011年1月度の消費者物価指数を公表した。結果は、「(1) 総合指数は平成17年を100として99.4となり、前月比は0.2%の下落、前年同月と同水準となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は99.0となり、前月比は0.4%の下落、前年同月比は0.2%の下落となった。(3)食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は96.9となり、前月比は0.7%の下落、前年同月比は0.6%の下落となった。」とのことである。消費者物価指数には、このように総合指数が3つあり、文字通りの総合指数、相場の影響を強く受ける生鮮食品を含む食品を除いた総合指数、そして、さらに、国際相場による影響を受ける資源エネルギーを除いた総合指数と、それぞれの段階での総合指数が公表されている。

   それぞれの数字を見ると、平成17年度を100とした場合は99.4、99.0、96.9、前年同月日は0.0、-0.2%、-0.6%であるので、食料品、資源エネルギーの上昇の影響が出ているといえ、これを除くと、いずれもマイナスであり、依然として、デフレ基調が続いているといえよう。実際、この2つの指数が過去4年間に渡ってグラフ化されているが、それを見ると、デフレ基調が依然として続いているのが明らかである。

   まずは平成17年度を100とした場合の過去4年間の折れ線グラフであるが、昨年10月がやや上昇し、上に山をつくっているが、その後は3ケ月に渡って、3つの総合指数がいずれも右下がりに下降しており、上昇する気配が感じられない状況といえる。長期トレンドみると、3年前の平成20年の後半が最も高いプラスの数字、103近くまで上昇しているが、それ以降、この1月まで、ほぼ右下がりで、すべての総合指数が下がる傾向が鮮明である。

   一方、前年同月、これは棒グラフであるが、丸2年間、プラスマイナス0の平均から下向きの棒グラフが続いており、昨年10月からはほぼマイナスの横ばいの状況が続いている。総合指数のみはプラスマイナス0に近い数字にまでは上昇しているが、食料を除く総指数、さらにはエネルギーを除く総合指数は一貫してマイナスであり、プラスに上向く気配が感じられない状況である。

   したがって、この状況を見る限りでは、依然としてデフレ基調が続くと思われ、食品スーパーマーケット業界にとっては、一部、生鮮品等の食品を除き、厳しい価格競争が2011年度も継続するのではないかと思われる。

   ちなみに、この2つの消費者物価指数のトレンドを示すグラフ以外にも、様々な図表が公表されているが、その中で寄与度をプラスマイナスで表した総合指数の積算グラフがある。これを見ると、この1月度の総合指数が0.0%となった要因は、プラス要因が生鮮食品0.27、たばこ0.27、ガソリン0.19、灯油0.11が大きな項目であり、逆に、マイナス要因は公立高校授業料-0.40、私立高校授業料-0.11、その他-0.18であり、これに-0.20の生鮮食品を除く食糧が加わる。
  
   こう見ると、高校授業料、たばこはよく理解できるが、食品は完全に2極化しており、生鮮が物価上昇、非生鮮が物価下落という様相を呈しており、インフレ、デフレ双方に影響を与えるという捻じれ現象となっているといえる。
   
   そこで、その食品について、もう少し掘り下げてみたい。まず、物価上昇となっている部門であるが、何といっても果物が異常値であり、前年同月比17.9である。特に、みかん35.5、りんごB 18.4、いよかん13.7、いちご12.0、レモン8.8と軒並み大きく上昇している。下がったのはバナナ-3.0のみであり、果物が明らかにほぼすべてに渡って全面高の様相を呈しているといえる。ついで、生鮮野菜の4.3である。キャベツ14.4、さといも23.0、かんしょ23.8、たまねぎ29.4、にんじん25.3等、異常値が続出しており、ピーマン-14.1、レタス-16.4等、下がったものもあるが、全体的には上昇傾向が強いといえる。
   
   一方、これ以外の生鮮部門であるが、肉類-0.4、魚介類-0.1と、他の生鮮食品はむしろ若干下がっており、生鮮食品全般ではなく、あくまで果物、野菜のみであるといえる。さらに、その他の部門であるが、穀類-3.4、油脂・調味料-2.3、菓子類-0.6、調理食品-0.2、飲料-1.8、酒類-1.3と、すべてマイナスである。したがって、食品全体は0.2とプラスになったが、それは果物、野菜の異常値がプラスに引き上げた要因であるといえ、食品が全体的に物価が上昇している訳ではなく、むしろ、食品全体としては、依然として、デフレ基調が続いているといえる。
   
   このように今年に入ってのはじめての消費者物価指数、2011年1月度は総合指数が0.0となり、一見するとデフレ脱却かとも思える数字であるが、その中身を良く見ると、生鮮食品、資源エネルギー等の上昇による影響が大きいといえる。特に食品では、生鮮食品、しかも、果物、野菜の異常な相場高にひっぱられた感があり、その他の食品は依然としてマイナスが続いている。したがって、今年も当面、このデフレ基調が続く可能性が高いといえ、食品スーパーマーケット業界としては、厳しい経営環境が続くものといえよう。

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February 28, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 27, 2011

出店情報、食品スーパーマーケット、その3!

   前回、前々回と食品スーパーマーケットの新規出店について取り上げたが、前々回が4店舗までの新規出店、すなわち、ライフコーポレーション9店舗、大黒天物産8店舗、ヤオコー5店舗、オークワ5店舗、バロー5店舗、平和堂5店舗、そして、ベルク、マックスバリュ西日本、ヨークマート、マックスバリュ九州の4社が4店舗であった。そして、前回が3店舗、2店舗までの新規出店を取り上げた。そこで、今回は最後、1店舗の新規出店を取り上げたい。ただ、1店舗の場合は数が多く、64店舗となるので、この内、3月以降の新規出店予定の食品スーパーマーケット40店舗を、まずは、出店月日順に取り上げてみたい。

   1.マイカル、イオン伊丹西ショッピングセンター(仮称)(兵庫県、2011/3/1、11,515坪)、2.スパーク、スパーク宇品店(広島市、2011/3/13、662坪)、3.ヤスノ、ベジフル練馬総合卸売センター(東京都、2011/3/14、344坪)、4.東北青果流通センター、(仮称)鮮場小名浜店(福島県、2011/3/15、428坪)、5.丸髙商事、(仮称)まるたか生鮮市場 東長崎店(長崎県、2011/3/24、553坪)、6.松源、(仮称)松源和歌山インター店(和歌山県、2011/3/31、788坪)、7.小田急商事、(仮称)小田急経堂ビル(東京都、2011/4/1、1,714坪)、8.マツヤスーパー、(仮称)新YS計画(京都市、2011/4/1、909坪)、9.鳥取いなば農業協同組合、(仮称)食のみやこ鳥取県販売拠点施設鳥取港海鮮市場かろいち(鳥取県、2011/4/1、487坪)、10.サンリブ、木の葉モール橋本(福岡市、2011/4/12、6,606坪)と、まずは、10社である。

   ついで、11.さいたまコープ、コープ二ツ宮店(埼玉県、2011/4/14、765坪)、12.三心、(仮称)スーパー三心東うずら店(岐阜県、2011/4/18、498坪)、13.生活協同組合コープみやざき、(仮称)生活協同組合コープみやざき日南王子店(宮崎県、2011/4/18、576坪)、14.しげのや、(仮称)しげのや星久喜店(千葉市、2011/4/20、405坪)、15.マルミヤストア、マルミヤストア金池南店(大分県、2011/4/28、439坪)、16.エコノス、南郷複合商業施設(札幌市、2011/5/1、518坪)、17.マルト、マルト四倉店(福島県、2011/5/1、479坪)、18.コープしずおか、(仮称)クロスガーデン富士中央(静岡県、2011/5/11、2,156坪)、19.マルスフードショップ、(仮称)ソラト太田川(愛知県、2011/5/15、628坪)、21.茨城さえき、ザ・マルヘイ知手店(茨城県、2011/5/31、480坪)までが20社である。

   そして、21.原信、原信糸魚川店(新潟県、2011/6/1、836坪)22.ゆめマート、ゆめマート鏡店(熊本県、2011/6/1、440坪)、23.ツルヤ、ツルヤ並柳店(長野県、2011/6/16、787坪)、24.関西スーパー、(仮称)関西スーパー三条大宮店(奈良県、2011/6/19、582坪)、25.生活協同組合コープさっぽろ、コープさっぽろ釧路新橋店(北海道、2011/6/21、643坪)、26.サンベルクス、(仮称)スーパーベルクス綾瀬店(東京都、2011/6/23、364坪)、27.マツヤ、(仮称)マツヤ新丸子店 (長野県、2011/7/9、660坪)、28.ジョイス、ジョイス八戸石堂店(青森県、2011/7/17、565坪)、29.カネスエ商事(仮称)、カネスエ北方店(岐阜県、2011/7/23、1,200坪)、30.ニシムタ、(仮称)スーパーセンターニシムタ伊集院店(鹿児島県、2011/7/23、2,658坪)であり、ここまでで、30社である。

   まだまだ続き、31.津屋、(仮称)ヨシヅヤ甚目寺店(愛知県、2011/7/26、2,395坪)、32.ベルプラス、(仮称)ビッグハウス本郷店(宮城県、2011/8/4、418坪)、33.万代、(仮称)ミリオンタウン伊丹荒牧店(兵庫県、2011/8/4、1,742坪)、34.ぎゅーとら、ぎゅーとらラブリー神戸店(三重県、2011/8/28、595坪)、35.サミット、(仮称)サミットストア荏原四丁目店(東京都、2011/8/28、356坪)、36.三多摩綜合食品卸売市場協同組合、(仮称)三多摩綜合食品卸売市場(東京都、2011/8/29、509坪)、37.サンセブンほか、業務スーパー下手野店(兵庫県、2011/9/1、330坪)、38.ダイエー、(仮称)ダイエー藤沢店(神奈川県、2011/9/1、1,345坪)、39.ユニー、アピタ吉原店(静岡県、2011/9/1、3,214坪)、40.イトーヨーカ堂、(仮称)倉敷駅北口ショッピングセンター(岡山県、2011/11/11、11,515坪)と、以上で40社となる。
 
   最後に、今年、2011年度に入ってすでに出店している食品スーパーマーケットであるが、1.イオン九州、(仮称)イオンモール大牟田(福岡県、2011/1/1、12,727坪)、2.三和、(仮称)三和八王子片倉計画(東京都、2011/1/1、1,061坪)、3.せんどう、せんどう酒々井店(千葉県、2011/1/7、530坪)、4.コノミヤ、(仮称)和泉府中駅東第一地区第二種市街地再開発ビル(大阪府、2011/1/13、824坪)、5.かましん、かましん平松本町店(栃木県、2011/1/14、609坪)、6.エスマート、(仮称)津山インター河辺モール(岡山県、2011/1/15、933坪)、7.スーパーサンエー、(仮称)東岸和田駅前複合商業施設(大阪府、2011/1/15、677坪)、8.めぐみの農業協同組合、(仮称)とれったひろば関店(岐阜県、2011/1/15、345坪)、9.丸久、アルク中土居店(山口県、2011/1/28、467坪)、10.ドミー、ドミー丁田店(愛知県、2011/2/1、442坪)、11.藤増ストアー、藤増ストアー古志店・コメリハードアンドグリーン古志店(島根県、2011/2/1、563坪)、12.オーケー、オーケー大和上和田店(神奈川県、2011/2/25、676坪)、13.マックスバリュ東北、イオンタウン寒河江中央(山形県、2011/2/25、1,048つ尾)、14.マルヤス、マルヤス都島店(大阪市、2011/2/25、420坪)である。

   以上、3回に渡って、現時点での2011年度の新規出店の食品スーパーマーケット全店を取り上げたが、合計162店舗であり、今期は各社、旺盛な出店意欲である。今期の食品スーパーマーケットは出店戦略をどう計画し、実行するかが経営の分かれ目となるものといえよう。

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February 27, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 26, 2011

出店情報、食品スーパーマーケット、その2!

   前回のブログに続き、引き続き、食品スーパーマーケットの最新の新規出店状況を取り上げたい。前回は、現時点の4店舗以上、すなわち、ライフコーポレーション9店舗、大黒天物産8店舗、ヤオコー5店舗、オークワ5店舗、バロー5店舗、平和堂5店舗、そして、ベルク、マックスバリュ西日本、ヨークマート、マックスバリュ九州の4社が4店舗の新規出店情報を取り上げたので、今回は3店舗、2店舗の新規出店を計画している食品スーパーマーケットの現時点での出店情報を取り上げてみたい。なお、この出店情報は経済産業省が2/1に公表したデータであり、調査の集計は2010年12月末時点であるので、昨年の12月、今年の1月、2月にオープンした食品スーパーマーケットも含んでの新規出店情報となる。

   まずは、3店舗の新規出店が決まっている食品スーパーマーケットであるが、1.ヨークベニマル、(仮称)ヨークタウン白河横町(福島県、2011/4/22、849坪)、(仮称)ヨークベニマル内郷店(福島県、2011/2/5、612坪)、ヨークベニマル保原店(福島県、2011/2/12、524坪)、2.マックスバリュ東海、マックスバリュ富士宮万野原店(静岡県、2010/11/11、591坪)、(仮称)フォレストモール富士河口湖(山梨県、2011/3/15、3,199坪)、マックスバリュ清水八坂店(静岡市、2010/12/11、765坪)、3.マミーマート、マミーマート蓮田山ノ内店(埼玉県、2011/4/6、601坪)、マミーマート桜区西堀7丁目店(さいたま市、2010/12/16、599坪)、(仮称)マミーマート昭島店(東京都、2011/2/2、502坪)、4.いなげや、(仮称)いなげや志木柏町店(埼玉県、2011/2/16、535坪)、(仮称)調布市仙川ショッピングセンター(東京都、2011/5/31、1,164坪)、(仮称)いなげや練馬南大泉三丁目店(東京都、2011/3/13、619坪)、5.イオンリテール、(仮称)七戸ショッピングセンター(青森県、2011/6/26、3,224坪)、大和ショッピングセンター (神奈川県、2011/3/24、4,948坪)、(仮称)イオンモール甲府昭和(山梨県、2011/2/1、8,485坪)、6.フィールコーポレーション、(仮称)フィール小牧店(愛知県、2011/2/9、897坪)、(仮称)フィール岡崎南店(愛知県、2011/3/9、565坪)、(仮称)フィール西尾平坂店( 愛知県、2011/3/30、903坪)、7.マルナカ、マルナカ伊予店(愛媛県、2010/12/27、751坪)、マルナカ川之江店(愛媛県、2011/3/31、443坪)、 マルナカ須崎店(高知県、2011/3/28、2,425坪)である。

   以上が、3店舗の新規出店予定、すでに、この時点では出店している店舗もあるが、その実態である。ヨークベニマル、マックスバリュ東海、マミーマート、いなげや、イオンリテール、フィールコーポレーション、マルナカの7社である。ここまでで、すてに73店舗、17社であり、この17社が、日本の食品スーパーマーケットでも出店意欲が旺盛な企業といえよう。

   ついで、2店舗であるが、1.アルビス、(仮称)アルビス下新本町店(富山県、2011/6/15、455坪)、金沢イータウンA街区(石川県、2011/3/17、909坪)、2.コストコホールセール、(仮称)コストコホールセール八幡倉庫店(京都府 、2011/8/1、2,882坪)、コストコホールセール前橋倉庫店(群馬県、2011/7/31、2,901坪)、3.たいらや、たいらや小山本郷店(栃木県、2011/2/18、862坪)、たいらや プライムマート真岡店(栃木県、2011/6/19、554坪)、4.トライアルカンパニー、スーパーセンタートライアル益浦店(北海道、2011/6/1、2,371坪)、スーパーセンタートライアル東陽店(北海道、2011/6/5、1,390坪)、5.とりせん、とりせん邑楽町店(群馬県、2011/3/28、808坪)、とりせん菅谷ショッピングモール(群馬県、2010/12/13、1,488坪)である。

   まだまだ、続き、6.ハローデイ、(仮称)ハローデイ九州共立大前店北(九州市、2011/4/18、1,167坪)、(仮称)福岡周船寺計画(中央)(福岡市、2011/3/16、846坪)、7.ベイシア、(仮称)ベイシア流山駒木店(千葉県、2011/2/10、704坪)、ベイシアスーパーセンター那須塩原店(栃木県、2011/7/10、2,203坪)、8.マックスバリュ中部、(仮称)東近江市青葉町商業施設(滋賀県、2011/8/9、2,165坪)、(仮称)米野木駅前ショッピングセンター(愛知県、2011/8/29、1,092坪)、9.ユース、ユース北日野店(福井県、2011/7/28、659坪)、ユース森田店(福井県、2011/7/14、418坪)、10.福原、すずらん台ショッピングセンター(北海道、2010/12/22、948坪)、川上町ショッピングセンター(北海道、2011/6/2、2,497坪)である。

   さらに、11.サンエー、(仮称)サンエーうえばる団地店(沖縄県、2011/4/13、475坪)、サンエーV21こじゃ食品館(沖縄県、2011/8/3、472坪)、12.尾張屋、尾張屋木更津店(千葉県、2011/4/12、365つ尾)、尾張屋木更津店(千葉県、2011/4/12、365坪)、13.東武ストア、(仮称)東武ストア逆井店(千葉県、2011/3/7、346坪)、14.(仮称)東武ストア豊玉店(東京都、2011/3/10、472坪)、15.エブリィ、(仮称)緑町SC(広島県、2010/12/2、2,843坪)、(仮称)エブリイ南松永店(広島県、2011/8/14、378坪、15.フジ、パルティ・フジ内子(愛媛県、2011/3/2、1,295坪)、パルティ・フジ新居浜駅前(愛媛県、2011/3/1、1,057坪)、16.カスミ、カスミひたちなか馬渡店(茨城県、2011/7/3、1,011坪)、カスミ日立神峰店(茨城県、2010/12/10、1,035坪)、17.ハローズ、ハローズ三木店(香川県、2011/8/17、1,175坪)、ハローズ飯岡店(愛媛県、2011/8/29、932坪)である。

   このように、今回は3店舗、2店舗の新規出店を計画している食品スーパーマーケット、すべてを見たが、3店舗が7社、2店舗が17社である。2011年度は、食品スーパーマーケット業界としては、久しぶりの新規出店ラッシュの年となり、ここ数年のやや新規出店が厳しかった反動ともいえ、各社が積極的な経営、強気の経営、攻めの経営を打ち出す年となりそうである。

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February 26, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 25, 2011

食品スーパーマーケット、出店旺盛、2011年2月1日!

    経済産業省が2/1、平成22年度、大規模小売店舗立地法、法第5条第1項(新設)届出の概要(2010年12月末)を公表した。興味深い状況となっており、稀に見る出店ラッシュのような様相を呈している。12月末現在であるので、12月、1月の出店予定も加わっているが、その実態を見てみたい。公表データは都道府県別になっているが、ここでは、出店件数、すなわち、最も多く新規出店を計画している食品スーパーマーケット順に見てゆく。

   まずは、最多の9店舗を計画しているライフコーポレーションである。(仮称)ライフ中加賀屋店(大阪市、2010/12/31、347坪)、(仮称)ライフ土佐堀店(大阪市、2011/2/26、728坪)、(仮称)JR久宝寺駅前商業住宅複合タワー (大阪府、2011/3/31、1,212坪)、(仮称)大淀物販店舗(大阪市、2011/5/1、379坪)、(仮称)ライフ春日野道店(神戸市、2011/5/1、1,273坪)、(仮称)ライフ奥戸二丁目店(東京都、2011/5/18、595坪)、(仮称)吉川市栄町計画(埼玉県、2011/6/21、2,576坪)、(仮称)ライフ弁天町店(大阪市、2011/6/29、1,162坪)、(仮称)南長崎プラザ(東京都、2012/2/28、1,634坪)である。関西5件、関東4県バランスを考えての大量出店であり、ライフコーポレーションの積極展開がはじまったといえよう。

   ライフコーポレーションについで、大量の新規出店を計画している食品スーパーマーケットは大黒店物産であり、8店舗である。(仮称)ディオ防府南店(山口県、2011/1/21、644坪、ラムー庄原店(広島県、2011/2/1 、896坪)、(仮称)ラ・ムー篠山ショッピングセンター、兵庫県、2011/2/16、908坪)、(仮称)ディオ防府東店(山口県、2011/3/24、644坪)、(仮称)グンゼ開発倉吉商業施設(鳥取県、2011/5/17、863坪)、ラ・ムー奈良南京終店(仮称)(奈良県、2011/5/23、942坪)、(仮称)ラ・ムー若松店(北九州市、2011/5/31坪、667坪)、(仮称)ディオ庭瀬店(岡山市、2011/7/6、590坪)である。注目は奈良県、北九州市への出店であり、南北、両極端への出店であり、大黒店物産も積極出店、再開といえよう。

   ここからは5店舗の新規出店を計画している食品スーパーマーケットであるが、まずは、ヤオコーであり、ヤオコー大宮大成店(さいたま市、2010/12/29、596坪)、(仮称)ヤオコー船橋三山店(千葉県、2011/2/5、602坪)、ヤオコー大宮盆栽店(さいたま市、2011/2/26、597坪)、(仮称)ヤオコー立川若葉町店 東京都(2011/7/18、462坪)、(仮称)ヤオコ-市川中国分店(千葉県、2011/8/17、577坪)である。地元埼玉以外が3店舗であり、特に東京への出店と、積極的である。

   同様に5店舗を計画しているのが、オークワである。(仮称)スーパーセンターオークワ岐阜坂祝店(岐阜県、2011/3/1、1,795坪、オークワ守山青山台店(名古屋市、2011/4/25、607坪)、(仮称)オークワ高槻店( 大阪府、2011/5/14、875坪)、(仮称)スーパーセンターオークワ橋本店(和歌山県、2011/8/22、3,222坪)、(仮称)スーパーセンターオークワみえ朝日インター店(三重県、2012/3/7、2,346坪)である。オークワも名古屋への新店もあり、地元和歌山の次のドミナント展開を着々と進めつつあるといえよう。

   そして、5店舗の新規出店を計画している食品スーパーマーケットであるが、バローである。(仮称)バロー高山南店(岐阜県、2010/12/17、496坪)、(仮称)バロー飯田店(長野県、2011/4/7、424坪)、(仮称)バロー千曲店(長野県、2011/7/25、428坪)、(仮称)バロー浜松中島店(浜松市、2011/8/21)、(仮称)バロー日進岩崎店(愛知県、2011/8/28、432坪) である。

  さらに、平和堂も5店舗の出店計画である。(仮称)平和堂開発店(福井県、2010/11/25、1,580坪)、(仮称)平和堂竜王店(滋賀県、2011/1/20、1,087坪))、(仮称)平和堂 長久手-藤が丘 商業施設計画(愛知県、2011/8/25、879坪)、(仮称)平和堂高槻川添店(大阪府、2011/8/25、561坪)、(仮称)西淀川区千舟複合商業施設(大阪市、2011/8/29、813坪)である。

   ついで、ここからは4店舗の食品スーパーマーケットであるが、4社ある。ベルク、(仮称)ベルク東松山店(埼玉県、2010/12/20、653坪)、(仮称)ベルク川越むさし野店(埼玉県、2011/3/30、666坪)、ベルクさいたま吉野町店(さいたま市、2011/5/11、640坪、(仮称)ベルク春日部緑町店(埼玉県、2011/8/29、617坪)、マックスバリュ西日本、((仮称)マックスバリュ高砂中島店(兵庫県、2010/12/31、430坪)、(仮称)マックスバリュ香寺北店(兵庫県、2011/6/15、552坪)、(仮称)ザ・ビッグ萩店(山口県、2011/7/27、2,117坪)、マックスバリュ宮上店(兵庫県、2011/8/17、330坪)、ヨークマート、(仮称)ヨークマート六高台店(千葉県、2011/2/2、614坪)、(仮称)ヨークマート新幸手店(埼玉県、2011/2/8、913坪)、(仮称)YMT六浦計画(横浜市、2011/6/16、564坪)、(仮称)ヨークマート入間扇台店(埼玉県、2011/8/29、465坪)、そして、マックスバリュ九州、マックスバリュ坪井店(熊本県、2011/5/18、575坪)、マックスバリュ下郡店(大分県、2011/7/19、514坪)、(仮称)姪浜プロジェクト(福岡市、2011/8/29、751坪)、(仮称)福間駅東地区(A地区)商業施設(福岡県、2011/8/29、869坪)となる。

   以上が、現時点、2/1段階で今後新規出店を計画している食品スーパーマーケットであるが、ライフコーポレーション9店舗、大黒天物産8店舗、ヤオコー5店舗、オークワ5店舗、バロー5店舗、平和堂5店舗、そして、ベルク、マックスバリュ西日本、ヨークマート、マックスバリュ九州の4社が4店舗であり、ここへきて食品スーパーマーケットの新規出店が明らかに積極的な動きになっているといえよう。食品スーパーマーケット各社の今後の出店戦略に注目である。

(新たな新規出店店舗が判明し、追加しました。(2/26))

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February 25, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 24, 2011

売上速報、コンビニ、2011年1月度、7.2%、好調!

   (社)日本フランチャイズチェーン協会が2/21、2011年1月度のコンビニエンスストアの売上速報を公表した。結果は、売上高が6,575.13億円(7.2%)となり、好調な結果となった。コメントでも、「ホット飲料や、おでんなどが比較的好調であったほか、たばこも金額ベースで売上を押し上げた。」とのこで、これで3ケ月連続のプラスである。この売上速報は同協会に加盟するココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの10社の集計データである。総店舗数は43,393店舗と、日本のコンビニエンスストアの主要企業がすべて含まれており、精度の高い統計データであり、この結果を見る限り、コンビニエンスストアの売上げは回復基調にあるといえよう。

   そこで、この1月度に売上げが好調な要因を、まずは、客数、客単価からみてみたい。1月度の客数は107,992万人であり、昨対では2.3%と堅調な伸びである。既存店も0.7%の伸びであり、新店による伸びだけではなく、既存店も微増であるが、昨対を上回っており、客数も戻りつつあるといえよう。ただ、店舗数の伸びは1.6%に留まっており、新店開発に関しては、抑制気味であるといえ、既存店の活性化を重視したことが好結果をもたらしたといえよう。一方、客単価の方であるが、全体は4.9%、既存店も4.4%と好調に推移しており、客数よりも客単価の伸びが高く、この1月度は客単価に支えられた好調な売上げであったといえよう。

   ちなみに、コンビニエンスストアの客単価であるが、608.9円である。平均単価が約200円とすると、PI値は約300%となり、顧客は1回当たり200円の商品を3品購入し、600円の買い物をしているといえる。食品スーパーマーケットの客単価が1,500円から2,000円であるので、約1/3であるといえ、これが生鮮食品、日配商品等の品揃えの違いであるといえよう。さらに、客数であるが、店舗数と全客数から逆算すると、1日当たり802.8人であり、これも食品スーパーマーケットの1日当たり約2,000人と比べ、半分弱という数字となる。コンビニエンスストアはその意味で、極めて小商圏対応の高頻度来店型のビジネスであるといえ、いかに、来店頻度の高い商品の品揃えができるか否かが課題といえよう。

   以上が営業指標から見た結果であるが、一方、商品面から見た場合は、何が好調な要因であったのかを見てみたい。コンビニエスストアは大きく商品構成を4つに分けている。売上構成比順に見てゆくと、最も構成比の高いのが、この1月度は34.0%の非食品である。非食品には雑誌、書籍、新聞、衣料品、袋物類、文房具、ブラシ、玩具、ペットフード、乾電池、テープ、CDなどの雑貨があるが、この中にたばこも含まれる。たばこの値上げ以降の動向が気になるところであるが、結果は13.2%と絶好調であった。

   全体が7.2%であるので、それを大きく上回る伸びであり、コメントにもあったように、たばこが金額ベースで押し上げたのが要因といえよう。実際、たばこの値上げがあった10月前後の数字の推移を見てみると、9月度の売上は昨対15%アップとなった。もちろん、これはたばこがその要因であり、その中身は、客数が4%、客単価が11%であり、客単価が大きく上昇したことがその要因である。当然、10月度はその反動が来るが、結果は、売上高が-4.0%にとどまったことが大きい。しかも、客数が-3.0%であるのに対し、客単価が-1.0%であり、やや意外な結果といえよう。

   そして、11月には売上げは回復、1.0%となり、早くもたばこのマイナスをカバーし、12月に入っても売上はさらに上昇、5%を超えた。そして、今月の7.2%である。完全にたばこのマイナスをカバーし、それ以上のプラスの売上が発生しているといえ、順調に回復しているといえよう。

   実際、この1月度の非食品以外の数字も好調であり、コンビニエンスストアの生命線ともいえるファストフードを含む構成比33.1%の日配食品は5.3%と、全体の7.2%よりは下回ったが、堅調な伸びを示しており、たばこ以外の部門も好調であるといえよう。そして、構成比28.6%の加工品であるが、売上げは2.6%であり、これも、全体の7.2%を下回ってはいるが、堅調な数字である。最後は構成比4.3%のサービスであるが、5.3%と、全体を下回ってはいるが、やはり堅調な伸びであり、すべての部門が昨対を超え、しかも、課題と思われたたばこがむしろ全体を牽引しており、力強さすら感じる数字の伸びといえよう。

   このように、2011年1月期のコンビニエンスストアの売上げは昨年の10月のたばこの値上げの反動のマイナスから、順調に売上げが回復しており、しかも、この1月度は7.2%と大きな伸びを示している。消費を取り巻く環境は依然として厳しさを増してはいるが、コンビニエンスストア業界は堅調な数字を維持しており、好調であるといえよう。やや気になるのは新規出店が抑制されているところであるが、当面は既存店の活性化が重要といえ、この好調さをどこまで維持できるかが優先課題といえよう。今月は決算月となるが、コンビニエンス業界がどのような結果となるか気になるところである。

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February 24, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 23, 2011

N013:大都市、直売システム、調査報告会、3/2、無料!

   大都市における直売システムの調査報告会を3/2、東京都立産業貿易センター浜松町館第1・2会議室にて行います。無料ですので、ご興味のある方はご参加ください。当日は私も、13:10~13:40の30分間ですが、「大都市中心部の直売システムの現状」と題し、講演します。私以外にも、「直売所の新たな経営戦略と生産者所得拡大」と題し、千葉大学大学院教授、斎藤修先生の講演、さらには、パネルディスカッションとして、・千葉大学大学院教授、斎藤修先生、大分大山町農業協同組合代表理事組合長、矢羽田正豪氏、(株)くらしの里取締役企画部長、松永渡氏、JAはだの参事、宮永均氏、JA千葉みらい農産物直売所しょいか~ご店長、田中美佐男氏、司会、(株)野菜ビジネス代表取締役、川島省吾氏を行います。

   この調査報告会は、2010年度の農林水産省補助金事業として、農業生産者の所得者向上ヘ向けての流通調査事業をPI研が受注し、昨年7月に調査を開始し、約9ケ月間、全国の大都市にて、その実態調査に取り組んできたものです。その目的は、これまで開発されてこなかった大都市中心部における直売の実態を調査し、農業生産者が大都市中心部にて所得向上を図る上においてのメリット、デメリット等をわかりやすく整理し、特に生産者の方へ向けて、情報提供することにあります。

   通常の調査事業は実地調査、そして、そのまとめとしての報告書の作成で終了しますが、本調査事業は実地調査、報告書の作成に加え、その公表を生産者の方に分かりやすく整理し、提供することも重要な課題となります。そのため、調査事業独自のホームページも立ちあげ、調査内容、特に、生産者の方へのヒアリング内容、消費者アンケートの結果、大都市およびその周辺の直売所等の関連文献、その新聞記事等を随時公表してゆく予定です。また、農業関係の専門紙等を通じての調査内容の公表、セミナーの開催等も行い、調査結果を生産者へ向けて提供してゆく予定です。このセミナーもその一環であり、今後も随時、セミナー、ホームページ等で調査結果を公表してゆく予定です。

   さて、本セミナーでの私の講演内容ですが、「大都市中心部の直売システムの現状」と題し、文字どおり、大都市中心部でどのような直売が行われているのかを4つの角度から調査結果を公表してゆく予定です。
本調査事業で調査対象となった大都市とは、東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の6つの都市ですが、これらの都市の中心部にてどのような直売が取り組まれているかですが、1つ目の直売は商店街のアンテナショップの直売化の動きです。代表的な事例として、札幌のHUG、東京のとれたて村、麦わら帽子を上げることができます。この3つは実は相互に関連があり、麦わら帽子を原点に、とれたて村へと発展し、HUGで直売システムが完成するという流れであり、今後、商店街のアンテナショップが大都市中心部において直売を取り込んでゆく可能性が極めて高く、全国の商店街へ波及してゆくものと思われ、その現状の調査結果を報告する予定です。

   2つ目はマルシェの動きです。マルシェは2009年に農林水産省の補助金事業としてスタートし、2010年度は事業仕訳にあい、補助金がカット、現在、民間として全国主要都市にて、各社、各団体がマルシェを開催しています。実際、今回の調査対象すべての大都市中心部でマルシェを通じての直売が見られました。このマルシェの調査結果を報告する予定です。

   3つ目は大都市周辺の直売所の大都市中心部への参入です。今回は、大都市、福岡の中心部に参入した大分県大山農協の直売所、木の花ガルテンの事例を取り上げたいと思います。木の花ガルテンに関しては、地元大分、そして、福岡の店舗を実施調査した結果を報告する予定です。

   そして、4つ目がGMS、食品スーパーマーケット等のインショップ、さらには、ネットスーパー等の事例です。すでに、サミットは東京23区全域を対象にネットスーパーを展開しており、今後、大都市中心部における重要な小売業態となってゆくものと思います。残念ながら、この事例は直売ではなく、産直、ないしは、市場流通ですが、生産者の所得向上には確実に結びついており、興味深い事例といえます。今回は、特にインショップの実態について、群馬県の甘楽富岡農協の事例について、現地及び、東京中心部のGMS店舗にて調査した事例等をもとに調査結果を報告する予定です。

   今回は、限られた時間ですので、どこまで報告できるか難しい面もありますが、時間がゆるせば、さらに、独自に調査した首都圏、1都6県、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県、栃木県、群馬県の直売所1,115件の最新状況についても、その統計解析結果をもとに、報告できればと思います。

   なお、いずれ、これらの詳細については、本調査事業にて、独自に立ち上げたホームページにて公表してゆく予定です。今回のセミナーのホームページは以下となりますので、よろしくお願いします。

  ご案内:大都市における直売システム調査報告会のご案内  

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February 23, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 22, 2011

ARPU(ID金額PI値)が示す携帯海外戦略!

   2/21の日経新聞1面トップに、「携帯、海外へ再進出」という見出しの記事が掲載された。サブ見出しは、「スマートフォンで開拓」、「NEC、豪など400万台」、「富士通、欧中印に供給」である。残念ながら、この記事の中ではARPU(アープ)については触れていないが、この戦略を決めた背景にはARPUが存在するといえる。携帯電話会社の今期の第3四半期決算の状況を見ると、たとえば、ソフトバンクでは総ARPUが4,310円であるが、その中身はデータARPUが2,330円、音声ARPU(音声+基本料金)が1,980円とデータが音声を逆転しており、恐らく、今季本決算では世界中の携帯電話会社ではじめて、ソフトバンクのデータARPUが音声ARPUを上回ることが確実となったといえ、携帯電話の歴史を変える可能性が高まったためである。

   ソフトバンクがここまで他者に先駆けてデータARPUの構成比が高まった要因はiPhoneにあるといえ、すでに、ソフトバンクの携帯電話の売上げは、約80%がiphoneで占められており、このデータARPUに経営資源を集中的に投入してきたことによる。問題は、これがソフトバンクだけなのかというと、ここまで極端ではないが、ドコモもauもほぼ同様な傾向が出ており、最近のドコモのコマーシャルを見れば明らかなように、渡辺謙=スマートフォンというイメージを強く押し出し、データARPUを意識的に高める戦略が打ち出されているといえる。

   そして、さらに、問題は海外市場であるが、今回の日経の記事は、「携帯、海外へ再進出」という見出しであり、「再」がポイントといえる。 記事の中にも「2001年に日本が先駆けて導入した第3世代携帯電話の世界での普及をにらみ、相次ぎ海外進出したが、・・」とのことで、ちょうど10年前のことであるが、簡単にいえば、早すぎたということである。なぜ早かったか、携帯電話の世界では、ARPUがごく当たり前に使われており、しかも、これは日本だけの話ではなく、世界の携帯電話会社すべてが共通の指標となっている。したがって、ARPUの国内比較だけではなく、国際比較ができるのがポイントであり、携帯電話市場はARPUを共通指標として、世界中がつながっているといえ、同時に、この指標をもとに、各社の経営戦略の違いを読み取ることができるといえる。

   そこで、世界中のARPUを見ると、興味深いことに、日本だけがなぜか、突出したデータARPUの比率であり、アメリカも中国も韓国も、さらには欧州各国をも圧倒的に上回る比率であり、音声ARPUが極めて低い国である。こんな国は世界中日本だけであり、10年前に携帯が第3世代携帯に置き換わった時に、日本の時代が来たと思うのは自然な発想だったといえよう。ただ残念なことに、早すぎたといえよう。当時世界は音声ARPUが厳然として強く、その時代の勝者、ノキアが圧倒的な海外市場を制しており、つけいる隙がなかったといえる。そのノキアが、10年たったいま、苦境に陥っている。データARPUへの対応が後手に回り、独自開発にこだわる余り、携帯市場のシェアを落としはじめており、つい最近も、Google、アップルではなく、マイクロソフトと業務提携をしている。

   さて、現在、国内では、データARPUが音声ARPUをソフトバンクだけでなく、恐らく近々にはドコモもauも上回ることになろう。しかも、この趨勢はいまや世界中の流れであるといえ、フェイスブック、ツイッターの普及、特に、これがアフリカ、中東では政治の変革、革命の武器にまでなっており、当然、パソコンから携帯でフェイスブック、ツイッターを見る時代に世界中がなってゆくことは容易に想像できる。まさに、データARPUの時代の到来といえ、世界で先駆けて、データARPUの国となった日本のハード(技術)、そして、ソフト(使い方)が受け入れられないはずはないといえよう。

   日経が1面トップにこの記事を月曜の朝にもってきたのも頷ける話である。ちなみに、携帯電話は世界では10億台を超える販売台数であるとのことで、家電でも、自動車でもこれを超える販売数量の商品はこの世の中に存在しないといえる。したがって、日本の携帯電話が、今後海外市場で受け入れられれば、日本経済全体へ波及する効果が期待でき、その意味でも、日経がこの記事を1面にもってきたと思われ、日本経済活性化への期待を込めた記事であるといえよう。

   このように、ARPUから携帯電話市場を見ると、いま起こっている世界中の携帯電話会社の現状と今後の戦略が見え、なぜ、ここへきて、日本の携帯電話会社が一斉に海外へ「再」進出するのかも理解できる。10年前はハード(技術)先行型で海外への進出を図った感が否めないが、今回はソフト(使い方)も伴い、世界全体がデータARPUの上昇が起こっており、世界に受け入れられる可能性が極めて高いといえよう。したがって、ARPUが今後、ますます重要な経営指標となるものといえ、大いに研究してゆくべき指標であるといえよう。

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February 22, 2011 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 21, 2011

DRUGSTRE NEWSでアルフェネオのID-POS分析!

   DRUGSTRE NEWS(ダイヤモンド・フリードマン社)の最新号、2011年2月号でドリンク剤、アルフェネオの特集記事が掲載された。その中で、アフェネオのPOS分析、ID-POS分析をもとに、商品の評価を行った。特に、ID-POS分析での評価では、3本パックの重要性が改めてクローズアップされた結果となり、中々興味深い内容となった。これまで、主に食品スーパーマーケットでID-POS分析を実施してきたが、ドラックストアにおいても、ID-POS分析が商品評価の決め手になることが実証されたといえ、今後、機会があれば、さらに、様々な商品に取り組んでゆきたい。

   さて、アルフェネオは大正製薬が女性向けに開発した栄養ドリンク剤であるが、特に鉄分やビタミン補給の栄養ドリンク剤である点が特徴といえる。大正製薬といえば、リポビタンDがあまりに有名であり、男性の栄養ドリンク剤としては定評がある。実際、ドラックストア、食品スーパーマーケット等の栄養ドリンク剤の売場を見ると、男性用の栄養ドリンク剤中心の売場が多く、まだまだ女性用をメインにしている売場は少ないといえる。

   今回は、このような現状を踏まえ、敢えて、女性用栄養ドリンクの売場を強く打ち出したドラックストア2社、ドラックスギヤマとサンキュードラックの売場を実際のPOSデータ、ID-POSデータで検証したものである。誌面では、実際に女性用栄養ドリンクの強化に取り組んだ事例の売場写真と、対象店舗の店長さんの声、そして、その結果のPOSデータ、ID-POSデータを提示しており、最後に、これらの総括を特にID-POS分析を中心に行った内容である。

   今回、アルフェネオのID-POS分析を行ってみて、特に感じたことは、1本、3本、10本のそれぞれの位置付けが、明確になった点である。サンキュードラックではアルフェネオだけでなく、リポビタンファインも同時に分析しており、その違いも明らかになり、同じ栄養ドリンクでも、商品により、どこをメインに打ち出すかが違うといえ、興味深い結果となった。

   実際のサンキュードラックのID-POS分析の結果であるが、アルフェネオについては、昨年は1本が1,677人、3本が1,395人、10本が180人の購入IDがおり、1本がメインとなっていたが、今年は、1本が1,851人(110%)、3本が1,915人(137%)、10本が302人(168%)となり、何と3本が1本を抜き去り、3本がメインに躍り出た結果となった。しかも、この時の3本のID金額PI値、ID数量PI値を見ると、どちらも約95%へ下がっており、これは、購入頻度がやや下っていると思われ、リピーターよりも、トライアルが増えていると推測できる。

   一方、1本のID金額PI値、ID数量PI値は102%前後上昇しており、3本とは対照的な動きとなっており、ここではトライルアルよりも、むしろリピーターが増えていると推測できる。したがって、1本は定着しつつあるのに対し、3本は逆に、トライアルを力強く獲得しつつあり、3本がアルフェネオのマーチャンダイジングの基点となりつつあるという結果が得られたといえる。これは、ドラックスギヤマのPOSデータでも裏づけられ、3本の伸びが著しいことからも、3本が明らかに、マーチャンダイジングの基点となっていることがわかる。

   同じ売場で展開したリポビタンファインと比較すると、その違いがよくわかる。リポビタンファインは1本が2,466人(昨対121%)であるのに対し、3本は1,196人(昨対133%)、10本は276人(昨対117%)であり、3本の伸び率は高いといえるが、1本の方が購入IDは圧倒的に多く、3本よりも1本がマーチャンダイジングの基点となっており、アルフェネオとの違いは鮮明である。

   これだけ、特に1本と3本の違いが対照的になるのは珍しいといえ、通常の商品では、1本がトライアルを誘発し、3本、10本へと顧客が移ってゆくと思われるが、アルフェネオは、当初はそのような傾向があった形跡はあるが、今年のID-POS分析の結果を見る限り、1本よりも、むしろ3本がトライアルを生み出しているといえ、3本がマーチャンダイジングの基点となっていると読み取れることである。それだけ、顧客にとって、継続的に飲み続ける動機が強い商品であると思われ、ID-POS分析をして見て、はじめて明らかになった検証結果であるといえる。

   このように、今回は食品スーパーマーケットではなく、ドラックストアでのID-POS分析となったが、結果は実に興味深い内容となり、特に、1本、3本がどのように顧客に受け入れられてゆくのかが、明確になったといえる。通常は1本がトライアル、3本がリピートと思いがちであるが、アルフェネオは今回の結果を見る限り、3本がトライアルを誘発しているといえ、商品によっては、1本よりも3本がマーチャンダイジングの基点となることもあるということが実証できたのではないかと思う。今回はID-POS分析の基本の部分だけの分析となったが、さらに、掘り下げてゆくと、次のマーチャンダイジングの展開にもつながるものが得られるといえ、次回、機会があれば、さらに、ID-POS分析を深め、マーチャンダイジングの様々な仮説構築を試みたい。
 
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February 21, 2011 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 20, 2011

らでぃっしゅぼーや、2011年2月、第3四半期決算を見る!

   有機、低農薬野菜、無添加食品等の宅配サービスの最大手である「らでぃっしゅぼーや」がここへ来て、厳しい経営が続いている。1/7に公表された2011年2月期、第3四半期決算は売上高164.27億円(-1.8%)、営業利益1.07億円(-60.3%)、経常利益1.33億円(-54.1%)、当期純利益0.11億円(-88.9%)となり、減収、大幅減益となり、極めて厳しい決算となった。「らでぃっしゅぼーや」の2010年2月期、前期の本決算も売上高223.34億円(-2.3%)、営業利益5.08億円(-39.0%)、経常利益5.36億円(-31.0%)、当期純利益2.27億円(-36.5%)と、減収、大幅減益であったので、今期も厳しい決算となることが予想される。

   そこで、特に利益が大きく減少した要因を原価、経費面か見てみたい。まずは、直近、2011年2月期、第3四半期の原価であるが、62.98%(昨年63.16%)と、0.18ポイント改善しており、原価の改善が進んでいる。同様に、2010年2月期の本決算を見ると、原価63.27%(昨年63.22%)という結果であり、0.05ポイントとわずかな上昇が見られる。ただ、この第3四半期決算の原価の方が下がっており、原価は改善しているといえる。結果、この第3四半期の売上総利益は37.02%(昨年36.84%)と改善した。

   それにしても、食品スーパーマーケットの売上総利益と比べ、約10%高く、極めて高い数字である。この数字はどこかで見た数字であるが、実はアメリカのオーガニックスーパー、ホールフーズマーケットとほぼ同じ数字である。「らでぃっしゅぼーや」も同じオーガニックをメインにする食品業態であるといえ、オーガニック食品がもたらす極めて高い売上総利益であるといえよう。当然、これは、原価が低いのではなく、オーガニックという付加価値をつけ、売価を高くするのが基本であり、その価格に納得いただける消費者にのみ限定して販売するということが基本戦略となる。

   実際、「らでぃっしゅぼーや」の販売の中核は約10万世帯の会員であり、その基本プロフィールは2006年度の数字であるが、30歳から35歳が24.4%で最も高く、ついで、36歳から39歳が20.6%、40歳から45歳が20.5%となり、その合計は65.5%と大半を占める。食品スーパーマーケットが40代、50代、そして、60代が多い状況に比べ、一世代若いといえ、この若い世代が「らでぃっしゅぼーや」を支えているといえる。ただ、この若い世代は、食品スーパーマーケットのネットスーパーのプロフィールと重なるため、ネットスーパーが急激に成長している現在、影響を受ける可能性は高く、今後、特に、売上面への影響が懸念される。

   さて、一方の経費の方であるが、2011年2月期、第3四半期の数字は36.35%(昨年35.21%)となり、1.14ポイントと大きく上昇している。同様に、2010年2月期、前期の本決算の数字は34.45%(昨年33.12%)となり、時期的にも第3四半期は経費が上昇する傾向にあるとはいえ、前期本決算でも、そして、この第3半期決算でも経費の上昇傾向が見られる。

   したがって、差し引き、営業利益は、2011年2月期、第3四半期が0.67%(昨年1.63%)となり、経費増が原価の改善を補えなかったといえ、これが、減益となった要因といえよう。ちなみに、2010年2月期の前期決算時であるが、営業利益は2.28%(昨年3.66%)であるので、この第3四半期は急激に営業利益が減少していることがわかる。

   こう見ると、かなり、キャッシュフローに響くものと思われるが、この第3四半期の営業活動によるキャッシュフローは18.23億円(昨年6.58億円)と増加している。これは、当期純利益は2.83億円から1.29億円へと減少したが、売上債権の増減額(△は増加) が1.79億円から 14.42億円へと跳ね上がっており、これが、キャッシュフローを支え、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動にキャッシュフローのマイナスをカバーしており、キャッシュフロー上は7.26億円のキャッシュの増加をもたらしている。

   それにしても、売上債権の14.42億円のプラスは極めて大きなキャッシュであり、
これが「らでぃっしゅぼーや」のキャッシュフローを支えた要因であるが、資産の売掛金を見ると、24.02億円と、総資産46.51億円の51.64%と、資産の最大項目であり、極めて大きな資産といえる。前期決算時は38.44億円と、さらに大きく、総資産の72.33%であり、「らでぃっしゅぼーや」は多額の売掛金を抱えたビジネスモデルであるといえ、ここも食品スーパーマーケットのキャッシュ中心のビジネスとは大きく違う点である。

   このように、「らでぃっしゅぼーや」の経営状況がこの第3四半期決算を見ると、前期本決算と比べ、急激に悪化しており、減収、大幅減益となる厳しい結果である。特に、経費増が重くのしかかっており、利益を大きく減少させており、経費比率の改善が急務といえる。また、この第3四半期は多額の売上債権をキャッシュに転換できたおかげて、キャッシュフローは回ったが、依然として総資産の50%を超える大きな比率を占めており、今後、この売掛金をいかに圧縮できるかが、経営課題といえよう。今期本決算も残りわずかであるが、今後、「らでぃっしゅぼーや」がどのような経営戦略を打ち出すか、気になるところである。

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February 20, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 19, 2011

売上げを商品から見るか、顧客から見るか?

   ここ最近、ID-POS分析をもとに研修する機会が多い。そこでよく問題になるのが売上げを上げるためにどのような仮説を立てるかであるが、ID-POS分析に慣れていないと、通常のPOS分析の考え方を前提に仮説を立て、その仮説の中にIDという視点が全く入らない仮説を立ててしまうことが多い。せっかく、ID-POS分析をしているのに、IDという視点が入らない仮説は意味がないが、これまで通常のPOS分析に慣れてしまっているため、思考そのものが通常のPOS分析になってしまっているためであると思われる。

   たとえば、バナナの売上げを上げるには、どのような仮説をたてるかという場合、通常のPOS分析からは、販売数量と平均単価に着目し、仮説作りに入る。販売数量はPI値としてもよく、PI値が算出されている場合は、金額PI値=PI値×平均単価となるため、PI値と平均単価に着目することになる。そして、この数字をもとに、チェーンストアの場合は、店舗ごとのバナナの比較を行い、PI値の低い店舗の課題、あるいは平均単価の低い店舗の課題を現場で確認し、PI値改善の仮説、ないしは、平均単価改善の仮説を考えることになる。

   そして、PI値が低い場合は欠品が最初の着眼点となることが多く、バナナが毎日しっかり、売場に出ているかどうかを日別のPOSデータで確認したり、現場のバナナの発注、品出し、在庫の確認をしたりし、そこに問題があれば、その改善仮説をつくることになる。あるいは、販促に問題があれば、POPの見直し、フェイスの見直し、場所の見直し、ちらしの見直しなどを詰めてゆくことになる。

   平均単価に問題がある場合は、値引き、見切りの問題、そこから在庫管理の問題に発展し、発注改善という仮説づくりにつながってゆく。また、バナナ全体の平均単価が低い場合は、バナナの品揃えに問題がある場合が多く、平均単価の高いバナナ、ひとつは大容量のバナナの品揃え、もうひとつは付加価値の高いバナナの品揃えに問題がないかどうかをチェックすることになる。

   さらに、バイヤーとしては、バナナそのものに問題がないとはいえないので、バナナの産地の見直し、仕入れ先の見直し等を検討することもある。あるいは店内作業を最小限にするために、バナナのカットを物流センターで対応する体制をつくるなど、商品づくりに踏み込んだ仮説づくりを考えることになる。

   このように、通常のPOS分析から仮説をつくることに慣れてしまっている場合はID-POS分析をしても、その数字改善の仮説を作る場合、同様に、商品にかかわる課題を徹底的に見直してゆくという観点からの仮説づくりを、ついつい考えてしまう場合が多い。特に、ID-POS分析が可能となり、そのデータが見られるようになった初期の頃にはこのような仮説づくりとなり、せっかく、IDでの分析ができているにも関わらず、IDという視点からの見方ができない場合が多い。もちろん、ID-POS分析は、IDの視点もあるが、同時に、商品の視点も組みこまれているので、これまでの商品からの視点も重要であるが、大前提がIDを基点にした分析であるので、まずは、商品ではなく、IDからの視点がポイントとなる。

   では、IDからの視点を考え、どのように仮説づくりを行っていったら良いかであるが、その第1歩は、バナナでいえば、バナナを購入している顧客構造を把握し、そのイメージを鮮明に描くことからはじまるといえる。ID-POS分析の数字は無味乾燥なものであるが、その数字からイメージ、この場合はバナナのイメージを作り上げることが最初の課題である。イメージができるまで、バナナのID-POS分析を様々な角度から分析する、ここが最大のポイントである。

   ID-POS分析はひとつの見方を追っかけてゆくのではなく、様々な角度からバナナを眺め、バナナの購入顧客の全体像を掴む、ここからスタートすることが課題といえる。したがって、そのイメージができるまでは、ID-POS分析をやめない、とことん続ける、これがポイントである。逆にいえば、バナナのイメージができないようであれば、ID-POS分析が十分でないと判断して良い。

   そこで、そのバナナのイメージであるが、このバナナは誰が買っているか、まず、その全ID(顧客)を掴む。次に、その顧客がどのような頻度で購入し、いくら購入しているか、さらには、1回当たり、何個購入し、その価格はいくらかを掴む。まずはこれが基本である。次に、この顧客を頻度ごとに分けてみる。その結果、高頻度の顧客はどのくらいいるか、中頻度の顧客、低頻度の顧客はどのくらいいるか。そして、この状況を月ごとに1年間見た場合、どのような流れになっているかを掴む。これでバナナの顧客構造がほぼ掴めるはずである。そして、このイメージをもとに、どのように顧客構造を変えれば、バナナの売上げが上がるかを考える。これがID-POS分析の仮説である。

   このように、ID-POS分析で仮説をつくる場合は、あらゆる角度から顧客の購入状況を把握し、顧客の購入イメージを鮮明に描ききるまで分析をし続けることがポイントである。そして、そのイメージを描くことができれば、自然、ID-POS分析からの仮説作りは、イメージとして浮かび上がるものである。これが見えれば、あとは、そのイメージをもとに、仮説イメージを固め、そこに改善数字を入れれば良いといえる。

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February 19, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 18, 2011

Chain Store Age、2011年、2/15で首都圏特集!

   Chain Store Age、2011年、2/15号で「特集4200万人市場、首都圏争奪戦争」の特集記事が掲載された。P37からP64までの28ページに渡る内容であり、中々興味深い記事である。巻頭で、「首都圏7兆円市場の大争奪戦、本格化!動き始め、見え始めた各社の戦略・戦術」と題し、特集の趣旨が掲載され、ここから「PART1、首都圏勢力図編」、「COLUMN」、「PART2、首都圏有力プレーヤー14社の戦略」、「PART3、注目業態&激戦エリア調査レポート1、2、3」、「PART4、提言、首都圏食品スーパー戦略」と、大きく4部構成であり、読み応えがある。

   特に、「PART1、首都圏勢力図編」は圧巻であり、首都圏、1都6県に展開しているGMS、食品スーパーマーケット合計50社の店舗数と売上高を一覧表にしている。以前、私も上場企業では同様な一覧表を作成したことがあるが、非上場も含め、ほぼ主要食品スーパーマーケットを網羅しており、まさに首都圏の勢力図が浮かび上がっているといえる。さらに、この一覧表から、1都6県ごとに、主要GMS、食品スーパーマーケットのシェアが円グラフで集計されており、この2つの表とグラフを眺めているだけで、首都圏のまさに勢力図がイメージできる。

   そこで、ここでは、このPART1に絞り、その概要を見てみると、まずは、東京都であるが、マーケットサイズは2兆1,400.48億円、首都圏最大である。内、セブン&アイが8%、サミット7%、西友、ライフコーポレーションが6%、東急ストアが5%のシェアである。ただ、この主要5社を足しても、32%にしかならず、残り68%が他のGMS、食品スーパーマーケットであり、突出した企業がないというのが実態である。意外かもしれないが、イオングループがこの5社に入っておらず、東京都ではイオングループさへ入りこめていない激戦地区であるといえる。

   ついで、マーケットサイズが大きいのは神奈川県であり、1兆5,083.45億円である。上位5社はセブン&アイH10%、イオングループ7%、相鉄ローゼン、三和、オーケーが各5%であり、合計32%である。奇しくも、東京都と同じ構図であり、神奈川県も68%が上位5社以外であり、激戦地区である。ただ、セブン&アイH、イオングループが少ないとはいえ、1、2トップであり、GMSが比較的強い地区といえよう。

   3番目のマーケットサイズは1兆1,667.29億円の埼玉県である。上位5社はセブン&アイH11%、ヤオコー11%、ベルク7%、マルエツ6%、イオン6%であり、合計41%であり、上位5社のシェアがやや高い地区であるといえる。特に、地元のヤオコーがセブン&アイHと肩を並べており、これ以外の地元食品スーパーマーケットがしっかりシェアをとっている地区である。ここでもイオングループは劣勢である。

   4番目は千葉県、マーケットサイズは1兆63.24億円である。千葉県はイオングループの拠点でもあり、ここでの上位5社のトップはイオングループ12%であり、2位のセブン&アイH10%よりも頭ひとつ抜けたシェアである。ついで、マルエツ7%、ダイエーグループ4%、ベイシア3%となり、合計36%であり、その他が結果、64%と大きなシェアを占めている。首都圏がいかに群雄割拠であるかがわかる。

   5番目、ここからは、地元食品スーパーマーケットのシェアが高い地区となり、マーケットサイズは茨城県の4,795.58億円である。主要5社の順位はカスミが27%と圧倒的なシェアをとっており、セブン&アイHの11%、イオンの11%を2倍以上、上回っており、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県とは構造が違うといえる。本来、日本の都道府県はこのような状況にあるといえ、こと食品市場においては、地元の食品スーパーマーケットがトップシェアをとっているのが実態といえる。4位はエコス8%、タイヨー8%であり、合計65%となり、残りが35%と、寡占化が進んでいる。

   6番目にマーケットサイズが大きいのは、群馬県であり3,516.20億円である。主要5社は地元ベイシアが15%、フレッセイが同じく15%であり、ついで、とりせん11%、ヤオコー6%、ベルク4%であり、GMSがベスト5に入りこめない食品スーパーマーケットの市場となっている。合計51%であり、食品スーパーマーケットの寡占化が進んでいるといえよう。

   そして、7番目のマーケットサイズは栃木県の3,371.33億円である。ここでは、ヨークベニマルがシェアをとっており、結果、セブン&アイHが15%とトップであり、ついで、とりせん9%、エコス8%、オータニ8%、イオングループ8%となり、合計49%である。

   このように、首都圏のGMS、食品スーパーマーケットは大きく2極化しており、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県はいずれもマーケットサイズが1兆円を超える大市場であり、比較的GMSが強いが、上位5社のシェアは35%前後であり、群雄割拠といえる。これに対して、茨城県、群馬県、栃木県は地元食品スーパーマーケットがトップを走っているケースが多く、GMSは劣勢といえる。また、上位5社が50%前後となり、比較的寡占化が進んでいるといえる。それにしても、食品に関しては、地元食品スーパーマーケットの存在感が大きく、首都圏においても、その構図が鮮明であり、食品スーパーマーケットの重要性が改めて浮かび上がったといえる。

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February 18, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 17, 2011

楽天、2010年12月期、本決算、増収営業増益!

   楽天、食品スーパーマーケット業界には、あまりなじみがないように思われるが、意外に接点が深い企業である。特に、楽天のECサイトには、農産物、畜産物、水産物、日配、加工品、菓子、雑貨等、あらゆる商品の生産者、メーカーが数多く出店しており、バーチャルの巨大な食品スーパーマーケットが日本全体を商圏にして店舗を構えているといえ、その意味で、食品スーパーマーケット業界としても大いに研究してゆくユニークな企業といえよう。その楽天が2/15、2010年12月期の本決算を公表した。その結果は、売上高3,461.44億円(16.1%)、営業利益637.66億円(12.6%)、経常利益623.01億円(13.5%)、当期純利益349.56億円(-34.7%)となり、営業、経常段階では大幅な増収増益、好決算となった。なお、当期純利益が減益となった要因は、「前連結会計年度において、繰延税金資産の計上により法人税等調整額が18,058百万円発生したことで、当期純利益が高水準であったためです。」とのことである。

   そこで、楽天がまずは、どんな会社か、そして、今期、好調な決算結果となった増収増益の要因を見てみたい。まずは、楽天の事業構造であるが、中核はEC事業である。その結果であるが、「『楽天市場』において、品揃えの拡充、新規出店店舗の獲得に注力したほか、ポイントを活用した販促活動、スマートフォン向け及びソーシャル・メディアを活用した新サービスも積極的に展開しました。」とのことで、売上高は1,440.81億円(構成比41.62%、昨対25.3%)、営業利益は410.39億円(売上対比28.48%、昨対13.3%)となった。

   ついで、クレジットカード事業であるが、売上高は631.16億円(構成比18.23%、昨対9.4%)、営業利益25.09億円(売上対比3.97%、昨対-24.2%)と増収減益となった。減益の要因は新規会員獲得のための販促費用増であるとのことである。次に、電子マネー事業であるが、第1四半期に新設した事業であり、昨対はなく、売上高52.62億円(構成比1.52%)、営業利益は、販促費用や加盟店獲得等の支出がかさみ、-5.98億円となった。

   そして、ここからは、その他の事業であるが、銀行事業は売上高332.88億円(構成比9.61%、昨対9.9%)、営業利益16.56億円(売上対比4.97%、昨対-31.5%)、ポータル・メディア事業は売上高227.29億円(構成比6.56%、昨対29.0%)、営業利益23.76億円(売上対比10.45%、昨対104.1%)、トラベル事業は売上高は232.84億円(構成比6.72%、昨対20.5%)、営業利益102.85億円(売上対比44.17%、昨対16.9%)、証券事業は売上高239.61億円(構成比6.92%、昨対1.7%)、営業利益52.03億円(売上対比21.71%、昨対16.6%)、プロスポーツ事業は売上高77.43億円(構成比2.23%、昨対-7.4%)、営業利益-13.32億円)、通信事業は売上高226.75億円(構成比6.55%、昨対-14.1%)、営業利益10.73億円(売上対比4.73%、対196.0%)となった。

   以上が楽天の事業構造と決算結果であるが、整理すると、楽天の中核は売上げ構成比41.62%のEC事業であり、営業利益構成比では65.87%とさらに高く、まさに、楽天を売上面でも、営業利益面でも支える屋台骨といえよう。これに、売上高では、クレジットカード事業18.23%、銀行事業9.61%が貢献しており、営業利益では、トラベル事業が営業利益の構成比で25.06%と大きく貢献している。また、残念ながらプロスポーツ事業は売上高、営業利益面でも厳しい状況である。それにしても、中核のECの営業利益率は28.48%、トラベル事業の営業利益率は44.17%と、食品スーパーマーケットでは考えられない高収益であり、これがネットビジネスの本質であるといえよう。

   次に、楽天がこのような多岐にわたる事業を通じて全体としては増収(16.1%)、増益(12.6%)となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、21.73%(昨年23.48%)と、1.75ポイント改善した。それにしても、これは、粗利ではなく、原価であり、びっくりである。結果、売上総利益は78.27%(昨年76.52%)となった。一方、経費の方であるが、59.83%(昨年57.52%)と、2.31%ポイント上昇している。今期は新規事業等もあり、これらの経費の増加が響いたようである。結果、差し引き、営業利益は18.44%(昨年19.00%)と、率では減益となった。ただ、売上高がこれを上回る伸びであったため、高では相殺され、増益となった。

   こう見ると、今期の楽天は、好調な売上高が経費増をカバーし、増益となったが、率でみる限りでは、原価は改善されているが、経費増が重く、結果、営業利益率を落としており、やや厳しい決算であったといえよう。特に、クレジットカード事業、電子マネー事業、銀行事業、プロスポーツ事業、通信事業等の利益が厳しかったといえよう。

   このように、楽天の2010年12月期の本決算が公表され、結果は増収増益と、好決算となった。特に、売上高が好調に推移したことが大きく、営業利益率では減益であるが、高では2桁の増益となり、見事にカバーしている。中核事業のEC事業の貢献が大きかったといえよう。それにしても、EC事業は絶好調であるといえ、小売業界が特に売上げで苦しんでいる中、対照的な決算結果といえる。楽天が今期どこまで、EC事業を伸ばしてゆくのか、注目である。

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February 17, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 16, 2011

ARPU(ID金額PI値)で見る携帯電話会社の経営!

   ARPUという指標がある。Average Revenue Per Userの略であり、携帯電話会社では普通に使われている経営指標の1つである。直訳すると、1契約者当たりの平均収入ということであり、実はID金額PI値のことである。食品スーパーマーケット業界ではID金額PI値を用いることは稀であり、専ら金額PI値を用いており、その意味で新鮮な感じをうける。しかも、携帯電話会社では、ARPUを大きく2つに分けて使用するのが一般的である。ひとつは基本使用料+音声のARPU、そしてもうひとつはデータのARPUである。そして、双方を合計したものが統合ARPUとして区別している。

   ちなみに、ID金額PI値と金額PI値の違いであるが、どちらも売上げを分子にしているが、分母がIDであるか、回数(レシート)であるかにより違う。食品スーパーマーケットの場合はID-POS分析がまだ普及していないため、IDを正確に把握することができず、レシート枚数を分母にし、1回の購入回数当たりの売上金額、すなわち、金額PI値を経営指標に活用するのが一般的である。これに対して、携帯電話会社は契約者、すなわち、IDが把握できるため、通話回数よりも、契約者を重視、売上金額をIDで割ったARPU、すなわち、ID金額PI値をごく普通に使っている。

   この2つの指標の関係は、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値となり、ID金額PI値はダイレクトに顧客に働きかけるマーケティングが実践できるが、金額PI値はIDが絡まないため商品に対してのマーチャンダイジングが中心となり、顧客対応がダイレクトにできないという面が課題となる。食品スーパーマーケットとしては、その意味で、将来、ID-POS分析を導入した場合、すでに、ID金額PI値(ARPU)での経営戦略にたけている携帯電話会社の開発してきたノウハウが大いに参考になるといえよう。

   ただ、やや残念なことに、携帯電話会社もID客数PI値、金額PI値への落とし込みが十分でなく、マーチャンダイジングの評価がいまひとつ明確でない面がある。たとえば、契約者の通話回数、平均単価、データの使用回数まで落とし込み、ID金額PI値(ARPU)=ID客数PI値(携帯使用頻度)×金額PI値(携帯1回使用当たりの使用金額)、さらには、金額PI値(携帯1回使用当たりの使用金額)=PI値(携帯使用回数当たりの購入点数)×平均単価(購入単価)などに、分解してゆけば、携帯電話のマーチャンダイジング戦略が構築できよう。

   話をもとにもどし、たとえば、ソフトバンクでARPUを見ると、2006年頃は5,510円のARPUであったが、2009年度は4,079円と約1,500円落ちている。その原因は各社の競争激化により、基本使用料+音声のARPUが4,320円から2,160円と激減したのが原因である。逆にデータARPUは1,380円から1,990円と伸びており、恐らく数年以内に逆転、データARPUがソフトバンクの経営にとって生命線になることが予想される。この傾向は各社も同様に下がっているが、ソフトバンクは2008年に反転が起こっているのに対し、NTTドコモ、KDDIは、伸び率がほぼ一直線に下がっている点が違う。その要因が先に見たデータARPUにあり、各社がこの数年漸増であるところを、ソフトバンクがiphoneの投入により、一気に引き離したところが大きいといえよう。ただ、まだ絶対金額のARPUではドコモに負けており、ドコモは1,000円以上高い5,000円を優に超えており、この点ではドコモがまだ上回っている。同様にデータARPUでも、ソフトバンクは伸び率では上回っているが、金額ではドコモの方が依然として高い状況である。

   こう見ると、ID-POS分析は携帯電話会社では、ARPUという指標として、ID金額PI値がごく普通に使われており、サービス内容を比較したり、さらには、経営規模の違う携帯会社同士を比較したりし、経営分析に活用しているのが実態である。その意味で、食品スーパーマーケット業界としては、すでに、ID-POS分析の経営分析へ活用している先行事例が存在するといえ、この経営分析を参考にし、ID-POS分析を通じた経営改善を図ってゆくべきであろう。

   ただ、携帯電話会社においても残念なことは、ID金額PI値、すなわち、ARPUの戦略的な活用がメインであり、マーチャンダイジングへの活用が十分でない点である。また、次世代の経営指標となるであろう時間という概念がまだ十分に組みこまれていないようであり、この点も残念である。時間は携帯電話にとって最も重要な指標であり、ARPUと組み合わせることで、マーケティングにも、マーチャンダイジングにも活用できる可能性が高いといえ、今後の課題といえよう。

   このように、携帯電話会社がID-POS分析を当たり前のように実施し、ID金額PI値、すなわちARPUを戦略的に活用し、経営分析に活かしていたとは驚きである。食品スーパーマーケット業界ではまだこれからID-POS分析が本格し、マーチャンダイジングへの活用に踏み込むことになると思われるが、この携帯電話会社の先行事例をよく研究し、参考にしてゆくことが必要といえよう。その意味で、特に、伸び率では優位性があるが、絶対金額ではまだ劣勢にあるソフトバンクが、今後、ID金額PI値、すなわち、ARPUを駆使し、どのような戦略を打ち出すか、興味深いところである。

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February 16, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 15, 2011

N012:インショップと食品スーパーマーケット!

   ここ最近、インショップという形態での農産物の産直売場を食品スーパーマーケット、GMS等でよくみかける。青果売場の店頭に1坪か2坪、大きくてもせいぜい3坪ぐらいの産直売場であるが、品揃えが豊富、中々珍しい商品もあり、魅力的な売場が多い。パッケージのラベルには、原則、生産者の名前、場合によっては、顔写真があるものもあり、誰がつくった野菜、果物なのかがわかるようになっている。なぜ、このようなインショップが最近増えてきたのか、その背景を生産者、食品スーパーマーケット双方の側から探ってみたい。

   まず、生産者側からみた場合であるが、多くの場合、JAが仲介しているのが実態といえ、東京都心部の売場でいえば、首都圏周辺のJAが産地から直接農産物を毎日配送しているケースが多い。JAでは毎朝、近隣の農家が収穫した農産物を集荷場に集め、そこで、生産者の名前と商品名、そして、価格が組みこまれたバーコードを付け、店舗別に仕分けを行い、コンテナに積み込み、8時頃には、4トン車のトラックで出発するのが通常のオペレーションである。

   そして、約1時間、高速で東京の都心部に向かい、店舗の開店前にはトラックが到着し、農産物がの満杯となったコンテナが売場に置かれ、売場では従業員がそれを陳列する。産直商品は商品分類よりも、生産者分類が重視されるため、通常の青果売場の陳列のように商品別陳列ではなく、どちらかというと生産者別陳列が優先されることが多い。消費者も商品を買うというよりも、生産者を選んで買っている場合が多く、産直商品は商品よりも、生産者、誰が作った農産物であるかが重要といえる。

   これが、1日のオペレーションであるが、ここに至るまでには、特に、生産者側では詰めなければならない課題が数多くある。原則、週1回は店舗と生産者は翌週の売場づくりのためのミーティングを実施しているのが実態といえる。これは、産直という形態をとるため、生産物は原則、店舗側が買取ることになり、店舗側からの要望が特に強いためである。直売であれば、生産者が在庫を引き取ることになるが、インショップは通常は産直であり、店舗側がすべての商品を買い取る、すなわち、仕入れをしているのが実態である。したがって、価格の決定権も店舗側に主導権があり、消費者に受け入れられない価格はありえず、自然、店内の他の農産物を意識した価格となるのが実態である。

   さらに、売れ残りの在庫が発生した場合は、店舗側がそのロスをもつことになるので、販売数量はシビアに決定される。逆に、欠品もチャンスロスとなるため、できるだけ出したくない心理が働き、さらに、販売数量の読みはシビアになり、この2点が事前ミーティングでは激しい攻防戦になるといえる。何をいくらで、何個、来週仕入れるかである。また、当然のことであるが、生産者側が決まった生産物を決まった価格で、決まった量、手配しなければならず、それを守れるかどうかが、重要なポイントであり、かなりのプレッシャーであるといえる。

   したがって、直売と比べると、より、栽培技術も、日々のオペレーションも要求されるため、インショップはそれなりに、しっかり対応できる生産者でないと務まらないといえる。ただ、単品量販という場合は少なく、少量多品目がどちらかというと求められるため、プロ農家というよりも、高齢者、女性、新規就農者にこそ、価値が高い仕組みといえよう。しかも、大都市中心部の店舗は客数も多く、地元の産地直売所よりも、販売額は格段に多いといえ、手数料に加え、物流費等の経費を差引いても、所得向上効果は高いのが通常である。生産者にとってはメリットが高い仕組みであるといえよう。

   では、食品スーパーマーケット側からみたらどうか。当然、通常の市場経由の青果よりも産直は鮮度、安心、安全性が高いと消費者から評価されていることが多く、集客効果が大きいといえ、メリットが高いといえる。ただ、やや厳しくその数字を見積もってみると、青果の売上げは、食品スーパーマーケットの約10%である。インショップの売上げは多くの事例を分析すると、青果の売上の約10%ぐらいであるのが実態である。したがって、インショップは食品スーパーマーケットの全売上げの約1%となる。

   これはちょうどポイント還元が売上げの1%前後であるので、ポイント還元が2%になったようなイメージであり、インショップを入れることによって、1%の販促をしているのと実態は変わらないといえる。したがって、食品スーパーマーケットにとってインショップは儲かる商品というよりも、インショップという販促手法をポイントと同じようにひとつ追加したという位置づけといえ、経営全体に影響を与えるところまでは、残念ながらいっていないといえる。インショップはその意味で生産者の方のメリットの方が食品スーパーマーケット側よりもどちらかというと大きいといえ、今後、さらに、インショップが定着するためには、食品スーパーマーケットにとって、少なくともポイント還元を超えるか、本当に儲かるか、さらにインパクトのある進化が必要といえよう。

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February 14, 2011

バロー、2011年3月期、第3四半期決算、増収増益!

   バローが2/4、2011年3月期、第3四半期決算を公表した。結果は営業収益2,853.78億円(8.6%)、営業利益85.41億円(17.1%)、経常利益89.84億円(17.4%)、当期純利益 33.27億円(-5.0%)となり、営業、経常段階では増収増益、特に、利益は2桁の増益となり、好決算となった。なお、当期純利益が減益となったのは、資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う特別損失を14.83億円計上したことによる。

   この会計基準は3月決算企業から適用されており、特別損失と同時に、負債にもバローは今期、資産除去債務を31.59億円(総資産の1.63%)計上している。したがって、その分、自己資本比率にも影響が出ており、この第3四半期の自己資本比率は31.0%(昨年32.7%)と若干下がっている。バローとしては、今後、成長戦略に舵を切るためにも、この自己資本比率を引き上げておきたいところであろうが、今回の会計基準の適用もあり、負債が財務的には重いといえよう。

   さて、まずは、バローが増収となった要因であるが、バロー15 店舗、ユース及び食鮮館タイヨー各1店舗を新規に出店しており、食品スーパーマーケットは146店舗となった。また、ドラックストアもこの第3四半期6店舗を含む、今期合計11 店舗を新たに出店しており、これら新店が大きく寄与したといえよう。バローは前期の投資キャッシュフローで有形固定資産の取得による支出-78.09億円を充てており、今期はさらに支出を増やし-94.00億円を計上している。したがって、出店意欲は旺盛であり、しかも、今期は借入れに頼ることなく、営業キャッシュフローの範囲内での投資キャッシュフローであり、今後とも積極的な新規出店がなされてゆくことになろう。

   一方、利益の方であるが、営業利益、経常利益ともに、営業収益を大きく上回る伸びであり、今期は特に利益の改善が大きく進んだといえる。そこで、その利益が大きく改善した要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、76.54%(昨年76.70%)となり、0.16ポイント、原価の改善がなされている。結果、売上総利益は23.46%(昨年23.30%)となった。バローはこれについて、「商品政策では、50 品目を目標にスタートした「サプライズ価格」商品の開発を推進し、今期末まで100 品目の発売を目指すほか、チラシ特売価格による販売促進を減らすなど、毎日安定したお買い得価格を維持するEDLP施策を拡大しております。」とのことで、EDLPの推進が寄与しているとのことである。

   ここへ来て、各社、EDLPを採用する企業が増えつつあり、日本の食品スーパーマーケット業界もハイ&ロー政策からEDLPへとの戦略シフトが見られ始め、価格政策が大きく変わる様相を呈し始めたといえよう。EDLPはその背景にEDLC、ローコストオぺレーションが必須といえるが、バローの経費比率を見ると、24.14%(昨年24.28%)と、0.14ポイント改善しているが、まだ、売上総利益を下回るまでには至っていない。ただ、原価、経費、双方がバランスよく、この第3四半期決算では改善されており、理想的な増益構造であるといえる。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.68%(昨年-0.98%)と、依然としてマイナスではあるが、大きく改善しており、これが増益をもたらした要因といえよう。そして、これに、物流収入、不動産収入等のその他営業収入が3.79%(昨年3.87%)加わり、結果、営業利益は3.11%(昨年2.89%)と増益となった。

   ちなみに、バローの経費比率24.14%であるが、食品スーパーマーケットの決算公開企業約50社の前期決算の平均が25.6%であり、この水準は低い方から数えて15番目前後となり、今後、EDLPを推し進めてゆく上においても、もう一段と経費比率を引き下げたいところであろう。

   それにしてもバローの出店意欲は旺盛であり、この12月までの建替増床を含む新規出店地区を見ると、地元岐阜が4件であるのに対し、西は滋賀県に5件、東は愛知、静岡に7件、北は長野、石川に2件と合計、食品スーパーマーケットだけで18店舗である。しかも、岐阜を中心に3方面への出店であり、地元岐阜以上に東西への出店意欲が高いといえる。来期も先に見た投資キャッシュフローを見る限り、今期以上に新規出店が見込まれるといえ、他の食品スーパーマーケットに見られない、ここへ来て敢えて、積極的な成長戦略を採用しているといえる。

   このように、バローの2011年3月期、第3四半期決算は営業、経常段階では大幅な増収増益決算となった。増収面では、この厳しい経営環境の中にも関わらず、積極的な新規出店を、キャッシュフローの範囲内で実施しており、既存店も好調であるという。また、増益面では、原価、経費、双方がバランス良く改善しており、理想的な収益改善となっている。ただ、まだ依然として、経費比率が売上総利益を上回り、マーチャンダイジング力がマイナスとなっているところが気になるところであり、EDLPを推し進めてゆくには、もう一段と経費比率を引き下げてゆきたいところであろう。今期も残された期間はわずかであるが、今期はもちろん、来期、バローがどこまで経費比率を改善し、EDLP戦略を推し進めてゆくのか注目である。

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February 14, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 13, 2011

日経MJでネットスーパーを特集!

   2/9の日経MJでネットスーパーの特集記事が1面に掲載された。興味深い内容であり、今後、急激にネットスーパーが成長しそうな雰囲気を漂わせている記事である。見出しは、「ネットスーパー第2幕」であり、サブタイトルは、「人海戦術、注文さばく、ヨーカ堂、店舗の作業場拡大」、「効率仕分けへ、巨費投じる。住商、専用倉庫を導入」である。なお、関連記事を5面でも掲載しており、現状のネットスーパーの課題をしっかり取材しており、今後のネットスーパーを考える上で参考になるといえよう。

   ネットスーパーについては、記事の中でも大きく2つのタイプに分けて特集しているが、店舗から配送するタイプと物流センターを立ち上げ、センターから配送するタイプがある。現在は前者、店舗から配送するタイプがほとんどであるといえる。記事の中でも事例として取り上げているイトーヨーカ堂、イオンを筆頭に、食品スーパーマーケットのほとんどはこのタイプであるといえる。このタイプは固定費が店舗を利用するため、少なく抑えることができ、人件費も店舗の店員を活用する場合が多く、低くおさえることができ、黒字化しやすいのが特徴といえる。実際、イオンもイトーヨーカ堂も黒字化しているとのことで比較的短期間で黒字化が可能といえる。

   むしろ、記事の中でも触れているように、ここ最近のこのタイプのネットスーパーは需要が急激に増えているため、その注文をさばききれず、オペレーションの限界に到達しているのが課題となっているのが実態のようである。記事ではイオンの事例が冒頭で取り上げられているが、「2月5日午後8時27分。ジャスコ品川シーサイド店(東京・港)のネットスーパーのページには「終了」の文字が5つ並んだ。翌6日の配送便の予約がすべて埋まったことを示す。本来は配送当日の午後3時まで注文できるはずが、18時間半も早まったことになる。」とのことで、異常事態といえよう。それだけ、注文が増え、店舗の処理能力を超えたということである。

   イオンに限らず、イトーヨーカ堂でも同様な注文増が続いているとのことで、記事の中では、「このほど大森店(東京・大田)とアリオ札幌店(札幌市)で、1日6便を10便に増やす実験を始めた。」とのことで、「大森店の作業場は従来は1階の60平方メートルだけだったが、3階に180平方メートルの作業場を加えた。」とのことである。

   それだけ、需要が拡大しているということであるが、そもそも、店舗から配送するタイプは店内の商品をそのまま店員がピックアップするため、1人の顧客の注文の商品をピックアップするにも店内を一通り歩き、数多くの品揃えの中から注文の商品を見つけださざるをえず、慣れていても時間がかかり、それがそのままコストに跳ね返る。さらに、それ以上に問題なのは注文が増えると、当然店内の商品が減るため、欠品が生じかねず、来店したお客様に迷惑をかけることになり、店内のオペレーションは極めて難しくなる。需要が少なければ、大きな問題とはならないが、多くなった時に、むしろ問題が発生することになるといえる

   一方、物流センターを立ち上げ、センターから配送するタイプは、初期投資が多額な金額となるため、固定費が重く、需要が見込めない場合は黒字転換が遅くなり、投資回収が長引くことになりかねない。いまから、約20年前に全国でフレッシュシステムズというこのタイプの無店舗販売が始まったが、結局、軌道に乗らず、撤退を余儀なくされたが、需要がどれだけ見込めるかが、難しいのが実情といえよう。記事の中では住商の事例を取り上げているが、すでに、住商は累計200億円強の投資を行っているとのことで、単年度の黒字転換が2015年の予定であり、投資回収は2019年度の予定であるという。何と約10年後である。

   記事の中ではそのセンターの様子が写真で紹介されているが、さすがに無駄のないコスト最小の最先端の仕組みとなっているのが特徴である。記事の中でも、「まず商品はすべて棚の番号で管理しており、従業員は商品の名前や分類を覚える必要がない。カートのモニター画面に「13-12-7」というような表示がでるので、作業員はその棚までカートを押して行く。商品のバーコードを読み取ると、どの箱にいくつ入れるか指示が出る。」とのことで、しかも、これが一方通行、ワンウェイで処理ができるという。極めて合理的な仕組みであり、1日4,000件から5,000件こなすことができるという。

   このように、日経MJで「ネットスーパー第2幕」と題し、特集されたネットスーパーの実態であるが、店舗から配送するタイプと物流センターを立ち上げ、センターから配送するタイプに分けて記事が構成されているが、前者が予想以上の需要増で限界にきつつあり、後者が優位性を持ちはじめつつある様子が感じ取れる内容の記事である。その意味で確かに、ネットスーパーが第2幕に入ったといえよう。食品スーパーマーケットにとっては、この動きにどう対応してゆくか、新たなネット戦略の検討が必要になったといえよう。

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February 13, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 12, 2011

いなげや、2011年3月、第3四半期、減収営業増益!

   いなげやが2/1、2011年3月期、第3四半期決算を公表した。結果は営業収益1,669.37億円(-3.2%)、営業利益24.93億円(20.7%)、経常利益27.03億円(19.3%)、当期純利益0.70億円(-92.6%)となり、減収営業増益、当期純利益は大幅な減益となる厳しい決算となった。当期純利益が大幅な減益となった要因は、「資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響額15億46百万円ならびに減損損失3億64百万円など特別損失20億82百万円を計上した結果、・・」であり、資産除去債務に関する会計基準の適用が当期純利利益を相殺した構図である。

   いなげやの今回の資産除去債務に関する会計基準の特別損失は15.46億円であるが、これは営業収益の0.92%、売上高の0.96%に当たる。したがって、当期純利益が1%前後の食品スーパーマーケットの大半は赤字決算に陥る可能性が高いといえ、来期から2月期決算の食品スーパーマーケットにおいても、この会計基準は経営に重くのしかかることが予想され、のきなみ、当期純利益が悪化する懸念があるといえよう。

   しかも、いなげやは負債においても、資産除去債務が26.30億円計上しており、これは総資産885.62億円の2.96%に当たり、当然、自己資本比率にも影響が生じる。実際、今期のいなげやの自己資本比率は48.4%(昨年57.1%)と、下がっており、この会計基準の適用もその一因といえる。その意味で、食品スーパーマーケット業界としては、当期純利益において、約1%、負債において約3%の改善が経営数値を悪化させないための必須の数字といえ、今後、いかに、経営体質の改善をはかるかが大きな経営課題となろう。

   ちなみに、投資家はいなげやのこの決算をどう見たかであるが、この第3四半期決算の発表があった2/1の数日前からの株価を追ってみると、1/26(888円)、1/27(888円)、1/28(888円)、1/31(881円)、そして、2/1(878円)、2/2(878円)、2/3(887円)、2/4(895円)、2/7(895円)、2/8(889円)であり、大きな変動はなく、投資家は冷静に株価を見ているといえよう。ただ、当期純利益はPER、PBR等に影響を与える指標であり、本決算時の最終の数字がどの辺で落ち着くか、それを投資家がどう読むかが気になるところだ。

   さて、いなげやの今期の営業利益であるが、結果は20.7%と2桁の大幅増益となった。そこで、なぜ、営業利益が大幅な増益となったか、その要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが73.08%(昨年73.43%)と、0.35ポイント改善している。結果、売上総利益は26.92%(昨年26.57%)となり、この厳しい経営環境の中において、原価の改善が見られる。ただ、売上高が3.29%減少したため、売上総利益は432.85億円(昨年441.89億円)と減少しており、率での改善を高では補えなかったといえる。

   これに対して、経費の方であるが、29.15%(昨年29.05%)と、残念ながら、経費の方は0.10ポイントの上昇が見られる。現在、いなげやは経費比率の低いディスカウント戦略に力を入れており、「第3四半期連結会計期間末時点での店舗数は125店舗(うち「ina(い~な)21」は19店舗)となりました。」とのことで、ina21の店舗数が増えているが、まだ、経営全体への貢献は弱いといえよう。それにしても、経費比率29.15%はかなり高い数字である。食品スーパーマーケットの決算公開企業約50社の前期決算の平均が25.6%であるので、この数字は高い企業から数えて5番目前後となり、日本の食品スーパーマーケットの中でも、経費比率がかなり高い水準にあるといえる。

   したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-2.23%(昨年-2.48%)と改善したとはいえ、依然として大きなマイナスであり、今後、経費比率をいかに改善するかがまったなしの経営課題といえよう。そして、これに、物流収入、不動産収入等のその他営業収入が3.79%(昨年3.73%)のり、営業利益は1.56%(昨年1.25%)と増益となった。原価の改善が経費の上昇を補い、マーチャンダイジング力が依然としてマイナスではあるが、改善しており、これが営業利益を押し上げた構図である。

   いなげやとしては、今後、この経費比率をいかに引き下げるかが課題といえ、その鍵を握っているのがina21であるといえるが、現在19店舗、全125店舗の内、15.2%であり、まだ全体への影響はわずかである。相乗積をとってみても、30%ぐらいからインパクトが表れ、最終的には50%ぐらいまでina21の構成比を引き上げないと経費比率を劇的に改善することは難しいのではないかと思われる。

   このように、いなげやの2011年3月期の第3四半期決算が公表されたが、結果は営業利益は原価の改善が寄与し、大きく増益となったが、売上げは依然として厳しい状況にあるといえる。また、今期から適用がはじまった資産除去債務に関する会計基準が経営を直撃しており、当期純利益が極めて厳しい状況にあり、自己資本比率にも影響が見られ、今後、いかに、利益を改善するかが課題といえ、そのためにも高めの経費比率をいかに引き下げられるかが当面の経営課題といえよう。残さされた本決算までの期間はわずかであるが、今期決算、そして、来期、いなげやがどのような経営改善を打ち出すか気になるところである。

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February 12, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 11, 2011

昨年の年末商戦の動きを、家計調査データで見る!

   前回のブログに続き、家計調査データ2010年12月度、最新を取り上げてみたい。前回は家計全体の消費について取り上げたので、今回は、食品に絞って取り上げて見る。家計調査データでは月別データに加え、日別データも公表されており、この日別データでは文字通り、1日、1日の家計の消費額が全項目で集計されており、日々の消費額がどのような動きであったのかがわかる。そこで、ここでは、特に、年末に絞り、特に、異常な動きとなった消費項目を中心に見てみたい。

   算出方法であるが、12月の31日間の合計数字を31で割って平均を算出し、その平均と日々の消費額を比較し、異常な項目をピックアップしてみる。ちなみに、家計調査データは大分類、中分類、小分類を入れ、全部で約650項目に分かれており、これが横に31日分となるので、全部で約20,000件のデータとなる。かなりのデータ数ではあるが、ID-POS分析に比べれば、2桁ぐらい違うので、Excelでも、かなりスムースに分析できる容量といえる。

   さて、まずは、食品スーパーマーケットの年間最大の売上げとなる年末を見てみたい。年末はいつからはじまるかであるが、食品全体の動きを12/23、クリスマスイブの前日から追ってみると、23日91.4%、24日93.0%、25日108.8%、26日131.7%、27日118.0%、28日129.0%、29日142.7%、30日198.7%、31日121.7%という状況である。こう見ると、26日がなぜか高いが、これを抜くと、クリスマス頃から徐々に消費額が伸びはじめ、28日から年末商戦がはじまり、29日に跳ね上がり、30日がピークとなり、31日はやや下がるといえ、これが今年の年末の食品の消費の動きであったといえる。

   そこで、この数字よりも、さらに消費が伸びた項目を見てみたい。まずは、大分類で見てみると、穀類28日86.0%、29日83.3%、30日100.1%、31日63.7%、魚介類28日123.5%、29日204.3%、30日353.4%、31日426.6%、肉類28日111.3%、29日164.1%、30日280.5%、31日284.6%、乳卵類28日121.1%、29日105.8%、30日116.8%、31日100.1%、野菜・海藻28日119.0%、29日165.7%、30日194.4%、31日124.2%、果物28日116.0%、29日137.0% 、30日151.6%、31日157.0%、油脂・調味料28日146.6%、29日100.0%、30日93.5%、31日58.2%、菓子28日126.5%、29日157.8%、30日386.6%、31日141.4%、調理食品28日105.6%、29日110.8%、30日127.9%、31日229.6%、飲料28日120.1%、29日107.9%、30日133.3%、31日109.3%、酒類28日124.9%、29日184.0%、30日287.2%、31日357.7%という状況である。

   特に、顕著な動きをしているのが、魚介類、肉類、野菜・海藻、果物、菓子、調理食品、酒類といえ、生鮮食品はすべて異常値であり、まさに、年末商戦と呼ぶにふさわしいといえよう。ただ、日々の動きは微妙に違い、魚介類、肉類、果物、調理食品、酒は31日がピーク、野菜・海藻、菓子は30日がピークであり、食品全体のピークが30日であるのに比べ、31日がピークとなる部門が多いといえる。

   では、そのピークをもたらした項目は何かを見てみたい。まずは、魚介類であるが、他の鮮魚853.5%、たい702.1%、えび548.1%、さんま466.8%、いか449.5%、ほたて貝375.5%、ちくわ361.6%、たこ331.8%、魚介の缶詰314.3%、かまぼこ300.3%であり、以上が300%以上の項目である。ちなみに刺身盛合せは30日がピークであり、244.4%である。肉類では、合いびき肉197.8%、豚肉191.5%、牛肉126.2%であり、加工肉は低い数字である。果物では、すいか897.0%、メロン361.6%、キウイフルーツ183.5%、他の果物166.8%、りんご160.8%、グレープフルーツ155.0%、みかん138.6%、もも124.0%、オレンジ120.0%である。このすいかは金額は少ないが、食品以外も含め、全項目の中でトップである。

   そして、調理食品であるが、そうざい材料セット817.6%、他の主食的調理食品571.0%、弁当519.9%、カツレツ344.1%、ぎょうざ215.5%、調理パン 131.1%、うなぎのかば焼き124.8%である。酒では焼ちゅう287.2%、ウイスキー280.8%、発泡酒・ビール風アルコール飲料205.9%、清酒138.7%、ワイン121.0%となる。残念ながら、ビールは106.0%と低い数字である。

   ついで、30日のピークであるが、野菜・海藻では、れんこん516.0%、たまねぎ358.2%、じゃがいも353.4%、にんじん333.6%、もやし314.8%、他の野菜の漬物312.1%、こんぶつくだ煮305.3%、ピーマン275.2%、豆類247.2%、納豆231.7%、他の葉茎菜218.8%、他の大豆製品216.3%、だいこん漬216.0%、乾物・海藻212.4%、だいこん204.8%、わかめ202.6%と多岐に及ぶが、レンコンが断トツである。そして、最後、菓子であるが、まんじう270.0%、アイスクリーム・シャーベット238.5%、他の和生菓子230.0%、ようかん221.3%、他の洋生菓子198.3%、他の菓子191.3%、せんべい188.2%、プリン163.4%、ビスケット160.8%である。菓子が意外に年末強く、生鮮並みの伸び率である。全菓子の項目の中で平均を下回るのはカステラの41.2%のみである。

   このように、食品スーパーマーケットにおける年末商戦がいかに激しいまさに戦争であるかが、この数字を見ても鮮明であり、特に、生鮮食品ではすべてが12月平均の200%、300%となるため、事前の商材の手配、当日の作業オペレーションが異常事態となるといえ、どうスケジュールを組むかが売上げを大きく左右することになり、気が抜けない時間となる。これは消費者から見ても同様であり、通常の買い物の2倍、3倍の買い物をすることになるので、消費者にとっても年末は戦争といえ、これが日本の年末の現実といえよう。消費金額を見る限り、食品は12月度は99.2%であったので、今年の年末が異常値ではなく、ほぼ昨年同様の年末商戦となったものといえよう。是非、このデータを来年に活かし、来年の年末の商品手配、作業オペレーションにつなげて欲しいところだ。

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February 11, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 10, 2011

家計調査データ2010年12月、昨対99.2%!

   総務省統計局から1/28、2010年12月期の家計調査データが公表された。家計調査データは毎月結果が公表されるが、今月の結果は来月末となるため、現在すでに2月となっているが、最新のデータはこの2010年12月度である。1月度が今月末、そして、この2月度は3月末となるので、注意が必要である。さて、その結果であるが、外食を除く食品が昨対99.2%となり、若干であるが、消費が下がった。12月度は食品スーパーマーケットにとっては、年末商戦もあり、年間最高の売上月となるが、消費はやや厳しい結果となったといえよう。

   そこで、この12月度の消費はどのような状況であったかを改めて振り返ってみたい。まずは、食品を含め、全体の動向であるが、外食を除く食品は2,556.77円(99.2%)であり、通常月が2,000円前後であるので、約125%の上昇である。なお、この数字は月ではなく、日別に落としている。この方が、食品スーパーマーケットの客単価(金額PI値)の実感に近いからである。では、全体はどうであったか、消費支出10,548.58円(96.8%)である。全体の方が、食品よりも厳しい数字であったといえよう。食品は約125%の通常月よりのアップであるが、全体は、そこまでは上がらず、約110%ぐらいの上昇であり、12月度は食品が全体を牽引しているといえる。

   では、食品以外の状況はどうかであるが、外食が478.42円(100.3%)とほぼ昨対と同じであった。この外食は家計調査データでは食料の中に含まれており、食品スーパーマーケットが家計調査データを参考にする時は注意が必要である。本ブログでは、食料と食品を分けており、食品は独自に外食を引いた純粋に食品スーパーマーケットの取り扱い商品としている。ただ、外食が食料に入る理由もある。それはエンゲル係数を算出する場合であり、この場合は、外食も含めて算出するのが一般的であるため、家計調査データでは、外食を含め、食料としているといえよう。

   ついで、住居686.74円(110.1%)、光熱・水道729.19円(101.0%)、家具・家事用品441.16円(99.6%)、被服及び履物439.87円(84.8%)、保健医療467.90円(100.2%)、交通・通信1,254.32円(89.5%)、教育272.90円(80.6%)、教養娯楽1,202.58(96.3%)、諸雑費821.10円(100.2%)となる。ここでいくつか気になる点が見える。まず、住居が他の分類と対照的に好調な伸びである。逆に、教育が極端に下がっている点である。

   その要因であるが、給排水関係工事費60.77円(395.8%)、他の工事費61.61円(130.6%)と、リフォームがらみの数字が好調である。また、公営家賃57.29円(140.5%)も好調である。一方、教育が下がった要因であるが、何といっても、国公立高校10.68円(37.5%)が大きいが、これ以外にも、数字は小さいが、国公立大学も2.94円(38.9%)と大きく下がっている。また、私立大学も26.48円(52.7%)、私立高校も23.71円(68.9%)と、私立も下がっているといえ、これらが教育を下げている要因である。これは消費者物価指数でも同様な影響となっており、いかに、政策が家計の消費、物価にまで響くかということがわかる。

   ちなみに、もうひとつ気になる、たばこの数字であるが、27.90円(80.6%)と厳しい状況であり、値上げから3ケ月が過ぎたが、たばこの消費額は一向に回復しない状況である。この数字をさらにたばこを吸っている方のみの数字と新たなたばこの消費が増えたのかどかを分解してみると、興味深いことがわかる。たばこ全体の数字は先に見たように27.90円(80.6%)であるが、その要因は、たばこのみの消費額231.95円(113.5%)、たばこの購入者数の割合12.0%(71.1%)であり、たばこを吸っている方はむしろ消費が増えているといえるが、逆に、たばこを吸う方が激減したというのが実態といえよう。見方を変えると、たばこのヘビースモーカーが残り、ライトスモーカーがたばこをやめたともとれる。3ケ月後でこのような数字であるので、今後は厳しい結果が予想され、単純に計算すると2割のたばこ専門店が廃業することになるのではないかと思われる。

   実は、ここにID-POS分析の要諦が潜んでおり、需要が増加する場合には通常のPI値でマクロに成長戦略を描けば良いが、このたばこのような需要が減退する時には、ミクロな戦略が必要となり、たばこのヘビースモーカーをいかに確保するか、その戦略が決め手となる。たばこ屋が激減するのも、その観点から見ると、明らかであり、コンビニは値上げ前に、たばこのマーチャンダイジングを根本的に見直し、品揃え、カートン対応を含めパワーアップしているのに対し、たばこ専門店は打つ手がなく、現在でも過去の営業状況そのままである場合が多い。この3ケ月でたばこのヘビーユーザーがコンビニにさらに流れていると思われる。

   このように、この12月度の家計調査データを見ると、年間最高の売上げ、特に食品は約125%のアップとなる月であったが、残念ながら、消費全体はひき上がらず、厳しい結果となったといえよう。消費者物価指数も厳しい現状にある中、当面、消費はデフレを反映した動きを余議さなくされるものといえ、今年も厳しい消費環境となるものといえよう。なお、食品に関しては、年末の状況を含め、改めて、本ブログで取り上げてみたい。
   
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February 10, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 09, 2011

PI値とチェーンストア、その相性!

   チェーンストアとPI値は実に相性が良い。通常、チェーンストアにおいて店舗から上がってくるPOSの生データは売上金額が最優先となり、ついで、売上数量、そして、レシート枚数(客数)となる。この3つしか、現場から上がるPOSデータはなく、それが日々、場合によっては時間帯別にリアルタイムで上がってくるのが実態である。ちなみに、ID-POS分析の場合はこれにIDが加わるだけであり、通常のPOS分析も、ID-POS分析も原理的には延長として考えられる問題である。

   したがって、このPOSデータをチェーンストアとしてどう活用するか、これがPOS分析の課題であるといえる。単純なPOS分析では、この生データをほとんど加工せずに分析する場合が多い。売上金額順、売上数量順、レシート枚数(客数)順である。そして、これをABC分析することにより、各店舗の良い悪いを判断することになる。ただ、これでは分かりにくいので、昨年対比を算出し、そこから問題点を発見する場合もあり、これが一般的なPOS分析の実情といえよう。

   そこで、PI値であるが、PI値の面白さは、昨年対比がなくとも、ABC分析をすることがなくても、チェーンストア全体をたったひとつのPI値という指標で俯瞰できてしまうところであるといえる。その意味でPI値は戦略論であり、数字自体は実に細かく、小数点以下、第2位ぐらいまで算出し、しかも、食品スーパーマーケットの全単品約10,000品目のPI値まで算出するので、ミクロ分析のような印象があるが、活用方法は全く逆でマクロ分析であるといえ、戦略論である。チェーン全体がどのような顧客からの評価を得ているのか、各店はどうか、各店舗間の評価はどうか、さらには、部門、カテゴリー、単品はどうか、次々に頭の中で掛けめぐる疑問をPI値というたったひとつの指標でひも解いてゆく、これがPI値の醍醐味といえよう。

   特に、店舗数が100店舗を超えると壮観なPI値の曼荼羅ができあがり、これをじっと眺めているだけで、全店、各店、各カテゴリー、各単品のイメージが頭の中に描かれ、現場の問題点、課題等が自然に浮かびあがってくる。その意味で、PI値はミクロから入るのではなく、マクロ、まずは全体像をつむところから入ると良い。そして、実際にイメージをもった上で、現場にゆくと、なぜ、PI値がこんなに高いのか(顧客からの絶大な支持がある)、逆になぜこんなに低いのか(顧客から支持を失っている)かが、現場で実感できることが多い。特に、現場の担当者に一言質問するだけで、その答えから、要因がつかめることが多々ある。逆に、その数字を示し、たとえば、このバナナは全店No.1のPI値だが、なぜNo.1かを現場といっしょに考える。逆に、なぜ、ワーストなのかを考える。そして、全店No.1をとにかく見にゆき、その担当者どうしが会話するだけで、全体の活性化につながってゆくことになる。

   もちろん、慣れてくると、逆の場合も自分を鍛える意味で効果がある。すなわち、まず、現場にゆく、そして、何が良いか、何が問題かを直感で判断する。そして、PI値を見る。直感とPI値とが重なっていたか、ずれていたか、これを繰り返すことにより、直感力がつき、数年もすれば、現場での直感とPI値とのズレがほとんどなくなるといえる。

   ところで、PI値の見方であるが、通常、PI値というと、売上数量/レシート(客数)、いわゆる数量PI値に焦点があたるが、本来のPI値の活用のポイントはキャッシュに焦点を当てた金額PI値(客単価)、すなわち、売上金額/レシート(客数)が基本である。数量PI値は、金額PI値=PI値×平均単価であり、金額PI値(客単価)、すなわち、キャッシュをお客さまからいただくための課題を発見する指標のひとつにすぎない。その意味で、平均単価も数量PI値と同様に、金額PI値の構成要素であり、この2つの指標を課題発見のツールとして駆使し、目標はあくまで金額PI値で判断するのが本来の活用の仕方である。

   したがって、仮に数量PI値が上がっても、平均単価が下がりすぎ、金額PI値が下がってしまえば、それはお客さま1人1人からいただけるキャッシュが減ったことになるので、失敗である。同様に、平均単価を引き上げても、PI値がそれ以上に下がれば、金額PI値は下がってしまうので、これもキャッシュが減り、失敗である。PI値活用の極意はこのバランスであり、PI値、平均単価双方の絶妙なバランスが成立した時、はじめて、金額PI値が上昇し、キャッシュが増えてゆく。まさに、経済学の原理、需要供給の法則がそこに隠されているといえ、顧客と商品との接点、これをしっかり、捉えられるかどうかが、PI値活用の決め手といえる。

   このように、PI値はチェーンストアにおいては顧客の声をダイレクトに反映する指標であり、店舗数が増えれば増えるほど、その効果が増し、たったひとつの指標で経営者から現場までが、共通にマーチャンダイジングの良しあしを判断できる指標であるといえ、実にチェーンストアにとっては相性の良い指標であるといえる。そして、この原理がマスターできば、次世代のPI値、ID-PI値もスムースに導入が可能となり、PI値ではけっして見ることのできなかった新たな世界を誰でも垣間見ることができよう。

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February 9, 2011 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 08, 2011

超熟6枚、金額シェアNo.1、日経MJ、主食パン!

   日経MJ、2/4に主食パンが特集された。「ヒットを狙え」のコーナーでの特集であり、見出しは、「「超熟」敷島が貫録」、「価格高めでも品質に支持」である。記事には、日経POSデータ、2010年10月から12月までの主力パン売れ筋ベスト10も掲載されており、その結果、超熟食パン6枚(敷島製パン)が金額シェアNo.1の4.7%、平均単価145.2円となった。食パンはパン売場の要となり、食品スーパーマーケットのカテゴリーの中ではトップクラスではないが、上位に入る商品である。

   ただ、ここ数年、食品スーパーマーケット各社がPBを投入し、しかも、100円前後の低格価格での参入であり、激しい価格競争が繰り広げられている。また、記事でも言及しているが、最近の小麦相場の高騰により、原料価格も上がり、利益への圧迫も大きく、食パンメーカーにとっては厳しい経営環境にあるといえる。したがって、各パンメーカーはPBとの差別化をはかるためにも、付加価値の高い商品開発に力を入れているのが現状である。その中で、超熟食パン6枚がNo.1の金額シェアとなった要因を特集した記事であり、中々興味深い内容である。

   ちなみに、食パンのPI値であるが、金額PI値=PI値×平均単価で見ると、主力の食パンはPI値が1%を優に超える水準となる。高いものでは2%から3%になる商品もある。しかも、1品ではなく、2品から3品ぐらいあり、店舗全体にとっての重点商品となる。PI値1%、すなわち、100人に1個売れる商品は生鮮食品を入れても、食品スーパーマーケットには200品前後しか存在せず、その中の2品から3品に食パンが入る訳であり、食パンはその意味で食品スーパーマーケットの要の商品といえよう。

   また、食品パンのマーチャンダイジングのポイントは菓子パンとは対照的であり、菓子パンが品揃え重視型であるのに対し、食パンは重点商品重視型であり、いかに、品揃えを絞り込めるかがポイントとなる。食パンメーカー各社が6枚を主力に5枚、8枚、そして、ハーフを標準的に品揃えしているので、すべての品揃えを売場展開することは難しく、いかに顧客の支持の高いものを見つけ出し、その食パンを重点販売してゆくかが決め手となる。

   では、このような激しい競争の中で、超熟食パン6枚がなぜNo.1の金額シェアを獲得したかであるが、記事の中では「勝利の方程式」として、3つのポイントが掲載されている。1つ目は「特殊製法、甘みを引き出す」である。これは、超熟は1998年に生まれた10年を超えるロングランの商品であり、2010年の年間販売額は約630億円、敷島製パンの約40%のシェアであるという。その開発時の基本コンセプトは、「炊きたてのご飯のようなおいしさ」であったという。そして、このコンセプト実現するために、湯種製法を採用し、通常、小麦粉を水でこねるところをお湯でこね、でんぷん質を変化させ、ふわふわした食感や甘みの成分を出やすくしたという。この製法技術は中々大量生産にはなじまない技術であるとのことで、その問題を克服できたことが大きかったという。

   2つ目は「原料を絞り、添加物使わず」である。これは、文字通り、小麦の自然な味わいを実現するために、食品添加物を不使用にし、原料も絞り込んだという。そして、3つ目が、「和食とも合う、前面に」である。超熟の基本コンセプトが「炊きたてのご飯のようなおいしさ」であったことから、主力としてのパンのイメージを前面に出し、納豆やつくだ煮、巻きずしの具材を包み込んだ食べ方なども提案したという。これが超熟は幅広い消費者に受け入れられた要因であるという。

   では、超熟以外のベスト10はどのような食パンとなったかであるが、No.2に金額シェア3.8%でフジパンの本仕込食パン6枚、平均単価130.1円が入り、No.3は超熟食パン5枚が金額シェア2.8%、平均単価144.3円で入った。こう見ると、超熟は本仕込みと比べ平均単価が高いにも関わらず、シェアが高く、それだけ、消費者から付加価値が評価されているといえよう。その意味で、PBの価格訴求とは一線を画す戦略が結果として、消費者に受け入れられたといえよう。

   さらに、順位を見ると、No.4本仕込食パン5枚、金額シェア2.4%、平均単価135.5円、No.5に山崎製パンのダブルソフト6枚、金額シェア2.3%、平均単価165.8円と続く。この5つが日経POSでは金額シェアの高いベスト5であり、食品スーパーマーケットの食パンの現状といえよう。

   このように、食パンはPB、小麦価格の高騰等により、売上げ、利益ともに各メーカが苦労する中、敷島製パンの超熟が平均単価が高いにも関わらず、日経POSでは食品スーパーマーケットの中で金額シェアNo.1となった。これは、食パンにおいても、付加価値が如何に重要な差別化戦略となるかが実証されたといえよう。100円前後のPBの食パンが食品スーパーマーケットの売場では大半を占めているように見えるが、消費者は付加価値の高い食パンをしっかり購入しているといえる。食パンにおいても商品開発の余地がまだまだ残っているといえ、付加価値をいかに高められるかが、記事のタイトル、「ヒットを狙え」のまさに決め手といえよう。

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February 8, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 07, 2011

ヤオコー、2011年3月期、第3四半期決算、増収増益!

   ヤオコーが2/3、2011年3月期、第3四半期決算を公表した。結果は、営業収益1,652.19億円(5.8%)、営業利益75.90億円(4.3%)、経常利益74.64億円(4.0%)、当期純利益42.21億円(2.0%)となり、増収増益の好決算となった。特に、3月期決算企業から適用されている「資産除去債務に関する会計基準等」であるが、ヤオコーも特別損失に4.42億円のマイナスを計上しているが、これを吸収しての増益であり、ヤオコーの収益性の高さが光る決算となった。ただ、ヤオコー自身は、「個人消費は、経済対策の効果もあって一部持ち直しの傾向にありますが、消費者マインドは弱含みで推移しております。スーパーマーケット業界におきましては、デフレが続くなか低価格志向は変わらず、依然として価格競争・安売り競争が続いております。」との厳しい現状認識をしており、経営環境は厳しい状況にあるといえよう。

   この第3四半期において、増収となった要因であるが、「4月に桐生境野店(群馬県桐生市)、7月に草加原町店(埼玉県草加市)、9月に鴻巣吹上店(埼玉県鴻巣市)、10月に佐倉染井野店(千葉県佐倉市)および相模原下九沢店(神奈川県相模原市)、11月に八王子並木町店(東京都八王子市)の新店6店舗を開設、・・」と、この6店舗の新店の貢献が大きいといえよう。ヤオコーは現在110店舗であるので、新店6店舗は店舗数で見れば5.4%増であるので、ほぼ増収分と一致する。食品スーパーマーケットの出店戦略としても、財務的にも無理のないバランスの良い堅実な成長戦略といえよう。

   ちなみに、この2/9にヤオコー 大宮大成店(埼玉県さいたま市)、今期7店舗目(全111店舗目)の新店がオープンするが、その店舗概要は店舗面積591坪、年商16億円が目標である。近隣にはサティ、ベルク、ロジャース等があるが、商圏人口は1km圏内で3.3万人( 1.4万世帯)、 3km圏内で22.1万人( 9.5万世帯)、5km圏内では何と52.1万人( 21.9万世帯)であり、埼玉県の人口密集地、都心部への出店といえよう。また、商品戦略であるが、ヤオコー得意の惣菜では、「「手握りおはぎ」「鉄板」「ミートデリ」「とんかつ」「焼餃子」「米飯」、寿司は、「生寿司・巻寿司」「おにぎり」「いなり・ちらし」、ベーカリーは、「食事パン」「サンドイッチ」「カレーパン・蒸しパン」」を中心とのことで、特に、「手握りおはぎ」「鉄板」「ミートデリ」等がヤオコー得意の差別化商品といえよう。

   一方、利益の方であるが、すべての段階で堅調な増益となったが、当期純利益が営業利益、経常利益の4.0%台と比べ、2.0%と半減しているが、これが先に上げた「資産除去債務に関する会計基準等」の4.42億円の特別損失の影響である。ちなみに、負債への計上は資産除去債務として、12.22億円であり、これは総資産909.72億円の1.34%であり、経営に大きな影響を当たえる規模ではないといえよう。この第3四半期、ヤオコーは自己資本比率が43.3%(昨年45.0%)と、若干下がっているが、これは好調な決算で純資産が増加したにも関わらず、新規出店がらみの固定資産等の増加が大きかったためであり、資産除去債務の影響ではないといえる。

   さて、増益となった要因であるが、特に営業利益に注目し、原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、71.33%(昨年71.27%)と、若干であるが、0.06ポイントの上昇が見られる。結果、売上総利益は28.67%(昨年28.73%)とやや下がった。食品スーパーマーケットの決算公開企業約50社の前期決算の平均が25.0%であり、28.67%は、やや下がったとはいえ、上から数えて5番目前後と極めて高い数字である。これがヤオコーの特徴ともいえ、先に上げた新店でも見られるように、付加価値の高い惣菜等の戦略的な取り組みが寄与しているといえよう。

   一方、経費の方であるが、28.34%(昨年28.31%)と、残念ながら、0.03ポイントと、僅かではあるが、上昇している。それにしても、この28.34%はかなり高めであり、先の決算公開企業約50社の平均が25.6%であり、高い方から10番目前後となる位置である。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.33%(昨年0.42%)と、原価、経費双方が僅かではあるが上昇したため、減少しており、やや厳しい営業状況であったといえよう。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が4.47%(昨年4.46%)加わり、結果、営業利益は4.80%(昨年4.88%)と、率では、ほんのわずかではあるが、減益となったが、売上高が5.80%増収となったため、高では増益となる決算となった。

   このように、ヤオコーの2011年3月期の第3四半期決算は増収増益の好決算となったが、やや気になるのはマーチャンダイジング力がほんの僅かではあるが、減益となっていることである。特に、原価、経費、双方の若干の上昇が見られ、利益を圧迫している点である。ヤオコーは食品スーパーマーケットのマーチャンダイジング戦略としては、典型的な高コスト、高付加値を採用し、コストもかけるが、それ以上に付加価値も引き上げ、差別化をはかっているといえる。したがって、その差が利益であり、このバランスをどうとるかがマーチャンダイジング戦略の要諦といえる。この第3四半期決算は若干バランスがとれていない面があるが、その差はわずかであり、十分、修正が可能な数字といえる。今後、このバランスをどう調整してゆくのか、残された本決算、そして、来期のマーチャンダイジング戦略に注目である。

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February 7, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 06, 2011

N011:直売所の本質とは?

   約1年に渡って取り組んできた大都市における直売所関係の調査事業であるが、いよいよ、実施調査がほぼ終了し、報告書の作成段階に入った。今回は特に、産地直売所と違い、大都市における直売所の実態を調査するということがメインであったため、文字通り、大都市、東京、大阪、名古屋はもちろん、札幌、仙台、福岡をも調査対象とし、その実態調査を実施した。その中で改めて感じたことは、大都市の直売所は産地直売所とは異質なものであり、似て非なるものであることが鮮明になった。

   そもそも、直売所とは農業生産者が自らの畑で採れた野菜、果物を庭先で販売したことがはじめといえ、これが発展し、生産者同士が集まり、直売所へと発展していったといえる。これが産地直売所の原型といえ、直売所の発祥といえよう。それが、ここ数年、安心、安全をもとめる消費者から絶大な支持をあつめ、八百屋、食品スーパーマーケットとの差別化につながり、結果、農業生産者、特に、小規模農家の所得向上をもたらしはじめ、経済活動としても認知されるようになったといえる。特に、TPP等、農業にとっても重要な課題が控えていることもあり、農業生産者の所得の確保、向上はまったなしの状況にあるといえ、直売所はいまや、農業、特に小規模農家にとっては、切っても切り離せない重要な位置づけとなりつつある。

   ちなみに、直売所の市場規模であるが、本調査事業では、少なく見積もっても、全国で約5,000億円を超えると見ている。残念ながら、直売所の市場規模が商業統計には当然掲載されていないし、そもそも、このブログのテーマでもあるが、商業、特に、小売業なのかどうかが、微妙な問題であり、しかも、ここ数年で急成長してきたのが実態であり、商業的な位置付けがはっきりしないというのが現状である。

   ただ、青果を扱っているという点においては、八百屋、食品スーパーマーケット、GMS等と見た目は変わらず、この範疇で論じても良いとはいえるが、現時点ではまだ確固たる位置づけができていないといえる。参考に、それぞれの業態の商業統計から見た青果のみの市場規模の推定であるが、八百屋は約1兆円、食品スーパーマーケットは約2兆円、GMSは約3,000億円である。これは中央卸売市場、地方卸売市場の青果の販売統計から見ても、近い数字であり、マクロに見れば、だいたい、このような数字と判断して良いといえよう。

   さて、直売所の本質であるが、結論からいえば、直売所を小売業と捉えるのは間違いであるといえよう。なぜなら、小売業の基本原則は、商品を生産者から仕入れ、在庫を確保し、自ら価格を付け(値入れ)、消費者に販売し、売れ残った場合は在庫を自ら処分するという一連の流れがあるからである。これに対して、直売所は商品を仕入れることも、価格をつけることも、在庫を処分することもなく、これらはすべて生産者に委ねており、この点に関しては何の権利、そして、決定権をもたないからである。したがって、これを商売、少なくとも小売業とは呼ぶことできず、直売所を小売業に位置づけるには無理があるといえる。

   では、直売所とは何かであるが、既存の商業でもっとも近いのが不動産業であるといえよう。その中でも、商業不動産、これが直売所の本質であるといえよう。具体的には、ショッピングセンター、商店街、あるいは、百貨店に最も近いといえる。大都市でいえば、パルコ、109、ルミネ、そして、各都市の商店街などがイメージできよう。

   これらの商業不動産は原則、商品の買取りはない。出店者を募るだけである。当然、商品の価格設定にも関与しないし、その決定権ももたない。在庫も所有せず、在庫は出店者がもってきて、残れば、自ら引き取るだけである。では、商業不動産は何をやっているかであるが、その主な業務は不動産価値を高めるためのあらゆる施策である。集客力の高い建物のデザインや内装づくり、出店者が使いやすいような仕組みづくり、そして、最も重要なのが出店者の評価である。商業施設に出店できる出店者は限られており、限られた出店者をどう選定するかである。

   こう見ると、直売所も全く同じ仕組みであるといえ、直売所を小売業としてではなく、商業不動産として改めて位置づけることが、特に、不動産価値が極端に高くなる大都市においては重要といえよう。大都市でのあらゆる商業は不動産の価値と切り離して考えることはできず、その価値に見合うだけの付加価値の高い商業だけが、大都市では成り立ってゆくといえる。したがって、大都市における直売所は大都市における商業不動産ビジネスであるという位置づけの中で改めて考える必要があり、ここが、比較的不動産価値の低い産地直売所と同じ商業不動産ビジネスであるにも関わらず、決定的な違いであるといえよう。

   このように直売所は小売業と見ると、その本質は理解できないといえ、商業不動産として改めて捉えなして見ると、直売所の本質が見えてくるといえる。特に、大都市においては、この観点は決定的な問題であるといえ、大都市における不動産価値に匹敵するだけのパワーがないと、直売所そのものが成立しえないといえる。残念ながら、現在の直売所はまだ、そこまでパワーのある直売所は少ないといえ、すでに、大都市で成功した既存の商業不動産に出店するか、大都市周辺でパワーをつけた直売所が次の展開として打ってでるかしかないといえよう。今後、大都市において、どのように直売所が展開されてゆくのか、興味深いところである。

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February 6, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 05, 2011

PLANT、2011年9月期、第1四半期決算、減収営業増益!

   PLANTが1/31、2011年9月期の第1四半期決算を公表した。結果は、売上高199.63億円(-2.6%)、営業利益5.21億円(26.0%)、経常利益4.87億円(27.9%)、当期純利益-1.84億円となり、当期純利益は、前回のブログでも取り上げた資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額として、特別損失7.66億円を計上した結果、赤字となったが、営業、経常段階では大きく増益となり、この段階では減収増益決算となった。

   それにしても、資産除去関連の計上額は7.66億円、PLANTの第1四半期決算の売上げの3.83%に当たり、かなり大きな金額であり、PLANTにとっては、直接当期純利益に響き、いっきに赤字転落という厳しい決算となった。ただ、年間では、現時点で当期純利益を6.00億円(-44.5%)と予想しており、赤字には至らないが、利益は半減するものと思われ、経営にとっては少なからぬ影響が生じるといえよう。

   また、PLANTは同時に、負債にも資産除去債務として、その約3倍の23.97億円を計上しており、これは総資産364.58億円の6.57%に当たり、自己資本比率に影響が及ぶことになる。実際、この第1四半期のPLANTの自己資本比率は20.1%(昨年21.2%)と下がっている。また、当然のことであるが、株価と利益、資産と利益との関係を示す、PER、PBR、そして、ROE、ROA等にも影響は及びかねず、経営への評価が数字上は下がるといえ、昨対との比較はあまり意味をなさなくなる。利益も営業利益で見るか、経常利益で見るか、あるいは、キャッシュフローで見るかにより、現状の経営内容を判断せざるをえないといえよう。

   そのキャッシュフローであるが、感覚としては、当期純利益が赤字転落したことにより、厳しい資金繰りとなるものと思われるが、実は、逆であり、PLANTのこの第1四半期の営業活動によるキャッシュフローは-2.16億円(昨年-4.92億円)と、赤字幅が半減している。しかも、法人税等を除いた小計で見ると7.07億円(昨年2.36億円)と約3倍近い数字となっており、キャッシュフローではむしろ改善しているといえる。

   その理由は、営業活動によるキャッシュフローの当期純利益段階では-2.78億円(昨年4.27億円)と、赤字となるが、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額という新たな項目が追加され、7.66億円のキャッシュが計上されるためである。したがって、資産除去債務会計基準の適用により、決算上は当期純利益は赤字となったが、営業活動によるキャッシュフロー上は、その分がキャッシュの増加として計上されるため、現時点では経営には影響がないといえる。いわば、減価償却費と同じ会計上の扱いであり、減価償却費が決算上は経費への計上で営業利益のマイナス要因となるが、キャッシュフロー上はその分がプラスに計上され、経営、すなわち、資金繰り上では、影響を与えないのと同じである。

   したがって、今後の食品スーパーマーケット業界の決算では、P/L(損益計算書)よりも、CF(キャッシュフロー)が重視され、さらに、B/S(貸借対照表)がより、重みを増してくることになろう。本ブログでも、この3月期の食品スーパーマーケットの決算から、この点を念頭に置き、より、食品スーパーマーケットの経営の実態に即した決算解説を取り上げてゆきたい。徐々にではあるが、食品スーパーマーケット業界も国際会計基準(IFRS) にそった流れにのり始めているといえ、経営全体の質をいかに高めてゆくかが、今後は問われることになろう。

   さて、PLANTの営業利益が大幅な増益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、79.86%(昨年80.36%)と、0.50ポイント改善しており、この厳しい経営環境の中で、しかも、スーパーセンターを主力業態とし、ディカウント戦略をとっている中での原価の改善である。PLANT自身も、「売上高が減少したものの、従来から取り組んでまいりました「在庫管理」「値入向上とロスの削減」により、・・」とコメントしており、特に、「値入向上とロスの削減」が寄与したものといえよう。結果、売上総利益は20.14%(昨年19.64%)と改善した。

   一方、経費の方であるが、17.51%(昨年17.61%)と、0.10ポイント改善している。これについて、PLANTは、「「人時生産性を意識した作業効率の向上」により経費が削減され、・・」とコメントしており、「作業効率の向上」が大きかったとのことである。したがって、原価、経費双方から利益の向上が見られ、結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、2.63%(昨年2.03%)と向上した。PLANTはその他営業収入の計上がないため、マーチャンダイジング力=営業利益となり、この第1四半期決算では営業利益が大きく改善する結果となった。

   このように、PLANTの収益は昨年と比べ、この第1決算を見る限り、改善傾向が鮮明である。しかも、この厳しい経営環境の中で、原価の改善が見られ、これに、経費の削減も加わり、ダブルで利益の改善がなされており、理想的な利益の改善であるといえよう。ただ、気になるのは、PLNATはこれまで大型化をはかってきたがゆえに、新たな資産除去債務会計基準の適用により、当期純利益が赤字転落したことである。キャッシュフロー上は問題ないが、PER、PBR、そして、ROE、ROA等には影響がでるため、企業全体の評価が厳しくなることである。今後、このマイナスをカバーするためには、さらに、原価、経費の改善が必須であり、次の第2四半期、そして、今期、PLANTがどのような改善策を打ち出すか注目である。

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February 5, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 04, 2011

原信ナルスH、2011年3月、第3四半期、増収増益!

   原信ナルスHが、2/1、2011年3月期、第3四半期決算を公表した。結果は売上高933.69億円(3.9%)、営業利益33.58億円(20.8%)、経常利益33.43億円(25.0%)、当期純利益10.11億円(-26.5%)となり、当期純利益は新たな会計基準の適用により、減益となったが、営業、経常段階では、増収増益、特に、利益が大きく改善しており、好決算となった。この第3四半期決算は、多くの食品スーパーマーケットの売上げが苦戦する一方、利益が比較的好調に推移する中、原信ナルスHもその傾向を反映しており、利益が特に好調な決算となった。

   ところで、原信ナルスHの当期純利益が減益となった要因である新たな会計基準の適用であるが、2011年2月度決算企業では適用されていないが、3月度決算企業からは適用されており、特別損失が発生し、減益となる場合が多い。2月度決算企業は来期から同様に新たな会計基準が適用されるため、恐らく、多くの食品スーパーマーケットでは当期純利益が減益となるのではないかと予想される。

   では、その新たな会計基準とは何かであるが、食品スーパーマーケットにとってはほとんどの企業が当期純利益を直撃することになるものであり、「資産除去債務に関する会計基準等」である。その内容は、将来の店舗の閉鎖等にともない発生するであろう費用等を見積り、負債の債務に計上する一方、現時点の特別損失にも計上するというものである。原信ナルスHの場合は、負債では24.07億円、特別損失では、13.61億円を今期新たに計上しており、これが、当期純利益が減益となった要因である。

   ちなみに、原信ナルスHの場合は、「賃借物件の店舗設置に関して生じた、賃貸借契約に基づく契約期間満了時の原状回復義務を債務として認識したものにより構成されております。・・」とのことである。したがって、原則、食品スーパーマーケットの賃貸借物件に関しては、このような将来の債務を見込み、特別損失を計上することが必要といえ、多店舗展開、しかも、店舗数が多い食品スーパーマーケットほど、その金額は大きくなるといえよう。今後、公表される3月期決算の食品スーパーマーケットの決算動向、そして、2月期決算企業の来期の決算が気になるところである。

   さて、原信ナルスHの決算にもどり、営業、経常利益が大きく改善した要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、73.22%(昨年73.46%)と、0.24ポイント改善している。これまで公表された決算の数字を見ても、多くの食品スーパーマーケットで厳しい経営環境、特にデフレ基調による激しい価格競争の中、原価の上昇が見られるが、原信ナルスHは原価が改善しており、この時点で利益の改善がなされている。原信ナルスHとしては、「食品製造加工機能や出店地域での圧倒的な販売力を活かして、おいしく、しかも、毎日低価格で販売できる商品を開発し、他社との差別化を図りました。」とのことで、これらの施策も寄与し、原価が改善されたものといえよう。

   結果、売上総利益は、26.78%(昨年26.54%)となった。食品スーパーマーケット業界の決算公開企業約50社の前期決算の平均が25.0%であるので、原信ナルスHはやや高めの売上総利益であるといえ、低い方から数えると40番前後となる。いかに、原信ナルスHが食品スーパーマーケットとしては、付加価値の高い商品戦略をとっているかがわかる。

   一方、経費の方であるが、23.18%(昨年23.44%)と、0.26ポイント改善している。これについても原信ナルスHは、「チラシ広告の実施方針見直し、消耗品や什器関連に関する調達価格見直しと管理の徹底、作業割当の精度向上による人件費の適正化、ISO14001環境マネジメントと連動した省エネルギー対策に一層の取り組みを行い、コスト・コントロルに努めております。」とのことであり、確実にこれらの施策が効果を上げているといえよう。ちなみに、これも食品スーパーマーケット業界の決算公開企業約50社の前期平均が25.6%であるので、かなり低い数字であり、低い方から見ると約15番目前後となる。

   結果、原価、経費双方から利益を改善し、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は3.60%(昨年3.10%)と、大きく改善した。これも食品スーパーマーケット業界の決算公開企業約50社の前期決算で見ると、平均が2.4%であるので、ベスト10に入る高さである。原信ナルスHはその他営業収入が計上されていないため、マーチャンダイジング力=営業利益となり、結果、営業利益が大幅な増益となった。

   このように、原信ナルスHの2011年3月期の第3四半期決算は当期純利益は新たな会計基準の適用により、減益となったが、営業、経常段階では増収増益、特に、利益が大幅な増益となった。しかも、その中身は、原価、経費双方がバランスよく改善されての増益であり、特に、多くの食品スーパーマーケットが原価の改善に苦しむ中、理想的な収益の改善であるといえる。恐らく今期決算も好決算が期待されるといえ、今期、原信ナルスHの本決算が、どのような数字で落ち着くか気になるところである。

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February 4, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 03, 2011

関西スーパー、2011年3月、第3四半期、増収増益!

   関西スーパーマーケットが1/31、2011年3月期の第3四半期決算を公表した。結果は営業収益883.79億円(4.7%)、営業利益11.58億円(32.0%)、経常利益13.23億円(24.7%)、当期純利益6.47億円(123.5%)と、増収増益、好調な決算結果となった。食品スーパーマーケットを取り巻く経営環境はデフレの進行、価格競争の激化により、厳しい状況が続いており、関西スーパーマーケット自身も、「業態間競争の激化による商品単価の下落やお客様の生活防衛意識の高まりによる節約志向に変化はなく、経営環境は依然厳しい状態が続きました。」と、コメントしており、厳しい経営環境であったとの認識である。

   それにしても、利益がいずれの段階でも大きく改善しており、この改善が今後とも関西スーパーマーケットの収益改善につながってゆくのか、その点を念頭に置きながら、その要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、76.86%(昨年76.41%)となり、原価は0.45ポイントの上昇が見られる。関西スーパーマーケットの先のコメントにもあったように、「業態間競争による商品単価の下落」が大きく原価に響いているようである。結果、売上総利益、いわゆる粗利は23.14%(昨年23.59%)と、下がった。したがって、利益が改善した要因は原価ではないといえ、原価はむしろ厳しい状況にあったといえる。

   そこで、次に、経費を見てみたい。その経費であるが、23.64%(昨年24.53%)と、0.89ポイントと大きく改善しており、しかも、原価の上昇分0.45ポイントを大きく上回る改善である。ちなみに、この23.64%の経費比率であるが、決算公開企業約50社の前期決算で見ると、平均が25.6%であるので、ちょうど低い企業から数えて、15番目前後の数字である。トップクラスは17%前後であり、ベスト10で20%強となるので、日本における食品スーパーマーケットのトップクラスの経費比率は20%前後であるといえよう。

   残念ながら、この点についての関西スーパーマーケットのコメントがないが、その要因は2つ考えられよう。ひとつは、「青果物では、消費頻度の高い野菜類の低価格での販売や果物類の品揃えの強化を図りました。これらの施策の結果、既存店売上高は回復傾向にあり、業績は堅調に推移いたしました。」とのことで、PI値最高の野菜が強化されたことで、近隣顧客の来店頻度があがり、既存店が回復したといえよう。結果、相対的に固定費が下がったものと思われる。

   そして、もうひとつは、「連結子会社「株式会社関西スーパー物流」においては、近隣店舗の商品混載による運行便数の削減および安全管理業務を請負う店舗の拡大等、配送業務の効率化およびサービス業務の強化に取り組みました。」とのことで、物流の効率化が図られ、当然経費の削減に寄与しただけでなく、商品鮮度の向上、欠品の防止にもつながり、既存店の売上げを押し上げる効果もあったといえよう。

   恐らく、これらの施策も寄与し、結果、経費の大幅な削減が可能となったのではないかと思われる。その結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-0.50%(昨年-0.94%)と、依然として、マイナスではあるが、そのマイナス幅は半減し、これが営業利益を押し上げたといえよう。ちなみに、このマーチャンダイジング力であるが、これも決算公開企業約50社の前期決算で見ると、その平均は-0.56%であるので、関西スーパーマーケットのマーチャンダイジング力はほぼ平均といえよう。トップクラスは3.0%前後であるので、今後、原価の改善に踏み込み、まずは、マーチャンダイジング力をプラスにもってゆきたいところであろう。

   そして、これに、物流収入、不動産収入等のその他営業収入が1.84%(昨年2.01%)のり、結果、営業利益は1.34%(昨年1.07%)と、増益となった。こう見ると、今期の大幅な増益の要因は原価の上昇、そして、その他営業収入の減少を、経費のみでカバーしての増益といえ、今後、継続的、安定的に収益を確保してゆくには、もう一段の改善、特に、原価の改善が課題といえよう。デフレが依然として根強く継続し、価格競争による厳しい経営環境が続いているが、付加価値の高い商品開発、そして、その販売に取り組んでゆくかが商品戦略としては、課題であるといえよう。

   このように、関西スーパーマーケットの2011年3月期の決算は、数字を見る限り、増収、大幅増益となり、好決算となったが、その要因を見ると、経費の削減が寄与し、原価の上昇、その他営業収入のダウンをカバーしての増益である。また、依然として、マーチャンダイジング力はマイナスであり、もう一段と収益率を高めたいところであるといえる。当面、食品スーパーマーケット業界は厳しい経営環境が予想されるが、本決算まで、残りわずかではあるが、今期、関西スーパーマーケットが、経費以外、すなわち、原価、その他営業収入の改善にどう取り組むか、特に、マーチャンダイジング力をプラスに導く原価の改善をどううはかってゆくかに注目である。

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February 3, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 02, 2011

ヤマザワ、2011年3月期、第3四半期、増収減益!

   食品スーパーマーケット業界の2011年3月期の第3四半期決算の公表がはじまった。1/28、山形のヤマザワが先駆けて第3四半期決算を公表したが、その結果は売上高690.61億円(0.1%)、営業利益18.13億円(-8.0%)、経常利益18.33億円(-7.6%)、当期純利益7.91億円(-18.7%)となり、増収減益、増収についても、わずか0.1%であり、厳しい決算となった。ヤマザワ自身も、「小売業界におきましても、猛暑による特需、消費の喚起はみられたものの、価格やサービスでの企業間競争や店舗数の増加による競合の激化など、依然として厳しい経営環境となりました。」と、コメントしており、競合の激化が響いたようである。

   そこで、ヤマザワの営業利益が-8.0%となった要因を原価、経費面からみてみたい。まずは原価であるが、72.09%(昨年71.76%)となり、0.33ポイント上昇した。ヤマザワは、今期、特に、原価面では価格競争に対応するため、「お客様の低価格への要望が続く中、スーパーマーケット事業におきましては引き続き恒例の「生活応援セール」や「水曜均一祭」の強化を行ないました。また、毎日午後2回タイムサービスを全店舗で実施し販売を強化してまいりました。野菜や日配品を中心に数量を限定し、価格を通常より大幅に下げて販売し好評を得ております。更に「安さに挑戦値下げしました」と題し、利用頻度の高い商品500品目において通常価格を下げて販売を行いました。」とのことで、価格にこだわった販促を重視しており、これが原価にも跳ね返っているといえよう。結果、売上総利益は、27.91%(昨年28.24%)となった。

   一方、経費の方であるが、25.27%(昨年25.38%)となり、-0.11ポイント改善した。これについては、「販売費及び一般管理費につきましては、効率的作業による生産性向上の取り組みにより人件費が減少、また、販売費を抑制したことにより、減少しております。」とのことで、人件費の減少、販売費の抑制が経費削減につながったとのことである。また、間接的には、「商品管理面におきましては、在庫削減に取り組んでまいりました。特に後方の在庫に関しては、保管什器の使用台数に上限を設け、一定数以上にならないよう目に見える形で管理してまいりました。」とのことで、在庫管理の改善により、オペレーションの改善にもつながったといえよう。

   結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は2.64%(昨年2.86%)となり、-0.22ポイントの減益となった。ヤマザワはその他営業収入の計上がないことから、イコール、営業利益となり、減益となった。経費の削減は進んだが、予想以上に価格競争の激化により、原価が上昇したことが、減益の要因といえよう。

   一方、売上げの方であるが、これもわずか0.1%と伸び悩んだ。その要因であるが、今期、ヤマザワは、「新規出店といたしまして、平成22年4月に宮城県塩釜市に塩釜中の島店(ドラッグ併設)を、平成22年12月に宮城県白石市に白石東店を開店し、スーパーマーケットは山形県内43店舗、宮城県内19店舗の合計62店舗となりました。更に、既存店の強化といたしまして、平成22年10月に山形県山形市のあさひ町店を旧店舗の隣接地に建替えいたしました。」とのことで、新規出店が2店舗であり、全62店舗の数字を押し上げるまでには至らなかったといえよう。

   食品スーパーマーケット業界の現状は既存店の活性化だけでは、これだけ厳しい経営環境となると難しい状況にあり、店舗数の5%以上、ヤマザワでいえば4店舗程度の新規出店が、できれば期初に欲しいところであるといえる。今期2店舗、しかも、2店舗目は後半であり、売上げを引き上げるためには、もう2店舗新規出店が欲しいところであろう。

   そこで、ヤマザワのキャッシュフローを見ると、特に、新規出店に直接かかわる投資活動によるキャッシュフローは、5.24億円(昨年14.10億円)と大きく削減している。その要因はまさに出店にかかわる項目、有形固定資産の取得による支出が6.06億円(昨年17.56億円)と約1/3になったことが大きいといえる。ヤマザワの出店にかかわる1店舗当たりの資産は前期決算では4.36億円であり、この数字から見るとほぼ1店舗強の投資であり、今後の出店意欲は低いといえよう。したがって、当面、ヤマザワとしては既存店の活性化を重視することになると予想され、売上げよりも、利益優先の経営方針を打ち出したといえよう。

   このように、ヤマザワの2011年3月期の第3四半期決算は増収減益となり、増収もわずかな伸びあり、厳しい結果となった。特に、原価の上昇が経費の削減幅以上となり、利益を圧迫したことがその要因といえる。それだけ、ヤマザを取り巻く経営環境は厳しさを増しているといえ、今後ともデフレ基調の中、価格競争は激化するものといえ、原価の改善は厳しいものがあろう。したがって、利益を算出するには、より、経費の削減が求められる。ヤマザワとしても、今期は新店戦略よりも既存店の活性化を重視する方針を打ち出したといえ、今後、その経費への効果、売上げへの波及がどこまで進むか、その動向に注目である。

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February 2, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 01, 2011

食品の消費者物価指数を見る、2010年12月、0.7%!

   前回のブログで2010年12月度の全国の消費者物価指数(CPI)が昨対で99.7%という結果となったことを解説した。そして、その要因が、高校授業料のマイナスが大きく、食品のプラスを相殺している点にも触れた。そこで、そのプラス要因となった食品について、さらに詳しく、各項目にまで踏み込んで、その内容を見てみたい。

   まずは、食品の全体像であるが、前年同月は+0.7%であり、平成17年度比はさらに高く、+2.6%という結果である。この数字を見る限り、こと食品に関してはデフレを克服しつつあるように思える。そこで、前年同月日が+0.7%となった要因を大項目で見てみると、プラスの大項目は果物20.2%、野菜・海藻6.6%、魚介類0.2%の3つであり、特に、この12月度は果物が異常値であり、それについで、野菜・海藻が食品全体の消費者物価を押し上げているといえる。これ以外の大項目はすべてマイナスであり、食品のプラス要因は果物、野菜・海藻であることが鮮明である。

   そこで、この2大項目について、小項目について見てみたい。まずは、果物であるが、かき(果物)52.2%、みかん28.0%、りんごB20.9%と、この3つが異常値といえ、果物全体の物価を押し上げている要因である。これ以外では、レモン5.6%、いちご5.0%、キウイフルーツ4.3%、オレンジ2.4%、グレープフルーツ1.3%と微増であるが、ほとんどの果物の物価が上昇していることがわかる。気になるのは、輸入果物についても上昇が見られることである。逆に、下がった項目は、バナナ-2.0%のみであり、これ以外の果物の集計項目はすべてプラスという状況であり、果物は消費者から見ても、実感として、価格が高いと感じていると思われる。

   この果物についで、野菜・海藻であるが、この大項目は、野菜と海藻から成り立っているが、物価の上昇が見られるのは野菜であり、その数字を見ると、12.1%と果物ほどではないが、大きく上昇している。そこで、その項目を見てみると、キャベツ84.3%、はくさい41.5%、たまねぎ31.2%、かんしょ25.3%、だいこん24.3%、にんじん23.1%、ばれいしょ21.7%、さといも21.6%と、これらが20%以上物価が上昇している項目であり、特に、キャベツ、はくさいは異常値である。この12月度は鍋物シーズンでもあり、その主力野菜がこれだけ上昇しており、消費者にとっては、果物以上に野菜が高いと感じていると思われる。この2つ以外にも、やはり鍋材料といえる土物関連、にんじん、ばれいしょ、さといも等も大きく物価が上昇しており、野菜がいかに高めで推移したかがわかる。

   これ以外の項目では、ねぎ19.9%、ブロッコリー18.7%、トマト14.3%、ながいも11.6%、かぼちゃ3.4%、れんこん2.5%、アスパラガス2.0%、ごぼう1.9%、なす1.5%、ピーマン0.4%という状況であり、食品スーパーマーケットにおける野菜の主力商品が全面高の様相である。皮肉にも、すでに、本ブログでも取り上げた同じ12月度の食品スーパーマーケット業界の売上速報を見ると、全体が101.2%と堅調な結果であるが、その要因は青果(売上構成比11.0%)の108.2%にあるといえ、明らかに、果物、野菜の物価上昇が売上増に結びついているといえ、食品スーパーマーケットにとっては、物価高がプラスの要因になっていることである。

   一方、野菜の中でも物価が下がった項目もあり、レタス-0.9%、ほうれんそう-1.2%、もやし-3.3%、さやいんげん-3.8%、しめじ-4.6%、えのきだけ-5.4%、生しいたけ-6.4%、きゅうり-7.8%である。10%以上下がった項目はなく、しかも、上昇項目と比べ、数は少なく、全体として見れば、野菜は全面高の様相を呈しているといえよう。

   ちなみに、果物、野菜以外の項目で5%以上物価上昇が見られた項目であるが、穀類0、魚介類では、さんま10.7%、肉類0、乳卵類では鶏卵5.1%、乾物・加工品類0、油脂・調味料0、菓子類0、調理食品0、飲料0、酒類0であり、わずか2項目のみである。一方、5%以上物価を下げた項目は穀類では、うるち米-6.9%、国産米A-7.2%、国産米B-7.8%、スパゲッティ-7.8%、もち-5.4%、魚介類では、たらこ-6.2%、ししゃも-5.0%、肉類0、乳卵類0、乾物・加工品類0、油脂・調味料では、食用油-8.0%、ケチャップ -5.4%、菓子類では、ビスケット-7.7%、調理食品では冷凍調理ピラフ-7.2%、飲料ではコーヒー豆-5.6%、ミネラルウォーター-6.7%、酒類0という状況である。これをみても、果物、野菜のみが物価上昇にあり、その他はむしろ物価下落基調であるといえよう。

   このように、食品の物価は2重構造となっており、果物、野菜が異常な物価高、その他全食品は下げ基調にあるといえる。そして、その結果、食品全体では0.7%の昨対で見て物価上昇、平成17年度比ではさらに高く2.6%の物価上昇という結果となった。したがって、今後、青果の相場が下がると、この構造は大きく崩れ、食品全体もデフレ基調に転じるといえ、極めて不安定な物価構造にあるといえよう。こう見ると、食品スーパーマーケットを取りまく、経営環境は今年も厳しい状況が継続するものと予想され、デフレ基調の中で、どのように利益改善をはかるが当面の経営課題といえよう。

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February 1, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)