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May 04, 2011

イズミ、2011年2月期決算、増収増益!

   イズミが4/8、2011年2月期本決算を公表した。結果は、営業収益5,023.79億円(2.1%)、営業利益217.83億円(6.7%)、経常利益209.49億円(6.2%)、当期純利益99.41億円(13.6%)となり、増収増益、堅調な決算となった。イズミは現在、87店舗を地元広島を中心に、九州、四国地方へと展開しているが、その約60%強がショッピングセンター、ゆめタウンであり、食品スーパーマーケットというよりも、ショッピングセンターを主力業態とした企業といえる。特に、九州、四国地方は大半がゆめタウンであり、売上構成比もこの地区は50%を超え、イズミの第2の商圏として、確立されたといえる。

   ただ、ここ最近は、営業収益が伸び悩んでおり、昨年は-1.6%、今期も2.1%増と微増にとどまっている。そこで、今期、イズミの営業収益が伸び悩んだ要因を見てみたい。まずは、今期の新規出店であるが、「店舗面では、付加価値の高い商品を地域一番の安さでご提供する新しいタイプのディスカウント業態として、昨年9月に「DSイズミうきは店」(福岡県うきは市、店舗面積 約7,300 平米)、11 月に「DSイズミ津山店」(岡山県津山市、店舗面積 約2,500 平米)を新設いたしました。」とのことで、DS、2店舗のみである。イズミの主力業態であるゆめタウンの出店はなく、これが営業収益が伸び悩んだ要因といえる。

   ちなみに、このDSの特徴であるが、「近隣のお客様の毎日のお買物に対して低価格と利便性・快適性をご提供するとともに、売場作業の省力化によるローコスト運営に努めており、小商圏型店舗として既存の店舗網では捉えきれなかった地域の需要を新たに掘り起こしてまいります。」とのことで、ゆめタウンとは対極的なコンセプトである。これを受けて、来期の新店予定であるが、四国の徳島県では初となる出店となるが、ゆめタウンをオープンする予定である。DSを継続的に出店してゆく方針ではないようであり、ゆめタウンを依然として主力業態として出店ゆくとのことである。

   ゆめタウンはショッピングセンターであるがゆえに、莫大な投資が必要となる業態である。来期の徳島のゆめタウンの投資額を見ても、125億円の予定であり、今期の2店舗のDSの投資がDSイズミうきは店18億円、DSイズミ津山店9億円と比べても10倍近い投資である。当然、資金調達も多額に及ぶことになる。

   そこで、今期のイズミの財務状況を見てみると、自己資本比率は33.2%(昨年30.1%)であり、昨年よりは改善したとはいえ、負債が約70%である。イズミの出店にかかわる資産、土地、建物、敷金の合計は2.718.62億円(1店舗当たり31.24億円)であるので、総資産3,685.84億円の73.75%にも及ぶ。したがって、差し引き、出店余力は-40.55%であり、負債に大半を依存する出店構造といえる。しかも、その負債の内、有利子負債は1,607.43億円と、総資産の43.61%と重く経営にのしかかっており、新規出店を継続的、安定的にしてゆくには厳しい財務状況にあるといえる。したがって、今期は主力業態、ゆめタウンの新規出店をひかえたといえよう。実際、今期の投資活動によるキャッシュフローを見ると、新規出店関連の投資である有形固定資産の取得による支出が-121.64億円(昨年-213.82億円)とほぼ半減しており、新規出店を控えたことがわかる。

   一方、営業収益に対し、好調な決算となった営業利益が6.7%増となった要因を原価、経費、そして、その他営業収入面から見てみたい。特に、イズミはショッピングセンター、ゆめタウンが主力業態であるため、その他営業収入の貢献度は極めて大きく、特に、この3つの面から営業利益を見てゆくことが必要である。まずは、原価であるが、78.94%(昨年78.47%)と、0.47ポイント上昇している。今期、新店として2店舗のDSを出店しているが、それだけ、価格競争が厳しい状況にあったものといえよう。結果、売上総利益は21.06%(昨年21.53%)となった。ちなみに、食料品は24.9%、衣料品36.3%、住居関連品30.6%であり、全体が21.06%となるのはテナントの8.0%が入るためである。

   ついで、経費であるが、21.38%(昨年22.15%)と、-0.77ポイントと大きく改善している。原価の上昇を、経費でカバーしており、結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.32%(昨年-0.62%)となった。依然としてマイナスではあるが、その幅は改善しており、経費削減効果が大きかったといえよう。
そして、これに、イズミ特有のその他営業収入が加わるが、その中身は、不動産賃貸収入、流通センター収入、店舗賃貸共同管理費収入がそれぞれほぼ均等に加算され、4.88%(昨年4.99%)となり、結果、営業利益は4.56%(4.37%)と、増益となった。

   このようにイズミの2011年2月期の本決算は増収増益と、堅調な決算となった。やや気になるのは営業収益が2.1%と伸び悩んだことであり、その要因が主力業態のゆめタウンの新規出店がなかったことによることである。来期は1店舗のゆめタウンの出店が予定されているが、今期の財務内容を見る限り、新規出店を安定的、継続的に果たしてゆくには負債が重く、財務内容の改善が課題といえる。一方、利益の方は好調といえ、特に、経費比率の改善が全体の利益を押し上げており、収益性は増しているといえる。今後、この収益性の高さをいかに財務改善につなげ、安定的な成長戦略を構築できるか、今後のイズミの動向に注目である。

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May 4, 2011 in 経済・政治・国際 |

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