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May 31, 2011

ユニバース、2011年4月期決算、増収増益!

   ユニバースが、5/25、2011年4月期の決算を公表した。食品スーパーマーケット業界の決算の公表は、2月期、3月期決算の公表はすべて終了し、今後、2011年度は、4月期、5月期の決算の公表に移ることになる。その4月期決算、ユニバースの決算結果であるが、今期は、特に、ユニバースの出店地域が3/11の東日本大震災の被災地である青森県、岩手県ということもあり、その影響が懸念された。結果は、営業収益1,025.82億円(4.5%)、営業利益40.57億円(18.7%)、経常利益41.70億円(18.1%)、当期純利益19.86億円(3.0%)となり、増収増益、しかも、今期は新規出店がなかったにも関わらず、創業以来、年商1,000億円を超えるという好決算となった。

   ちなみに、東日本大震災がユニバースの決算に与えた影響、及び、今期から適用された資産除去債務に関する会計基準の影響であるが、「なお、当期より新たに適用された資産除去債務に関する会計基準に基づく特別損失2億26百万円や東日本大震災等による災害損失1億96百万円および固定資産の減損損失80百万円等の合計5億45百万円の特別損失が発生したものの、経常利益の大幅増益で特別損失をカバーすることができ、当期純利益についても当初計画を上回り、増益を達成いたしました。」とのことである。いかに、今期の営業増益が経営全体を底上げしたかがわかる。

   そこで、まずは、ユニバースの東日本大震災の影響について見てみたい。実際の被害状況であるが、「震災直後の東北電力管内の広範囲に及ぶ停電で当社全店舗が停電状態に陥り、また、岩手県沿岸部の2店舗は津波による浸水に見舞われました。停電は震災当日から2~3日間続きました、・・」とのことで、店舗としては、2店舗、ただ、それ以上に停電の影響の方が大きかったようである。そして、「各店長の臨機応変な対応と緊急対策本部からの支援により、震災翌日には全47店舗中43店舗で店舗出入口付近での臨時営業を実施しました。その後、電気が順次復旧し、震災後3日目までには全47店舗中の45店舗で、閉店時間の繰上げはあったものの通常営業を再開しました。」とのことで、3日後には、直接被災した2店舗以外はいち早く営業再開したとのことである。その後、その被災した2店舗であるが、「津波の浸水があった2店舗のうち1店舗(岩手県久慈市)は5日後に、もう1店舗(岩手県宮古市)は3月末に営業を再開しました。」とのことで、営業再開したとのことである。

   したがって、ユニバースは被災地ではあったが、比較的、今回の大震災の経営に与えた影響は大きくはなかったといえ、これが今回の決算が好決算となった要因のひとつといえよう。また、結果、この震災後、様々な緊急対策がとられ、原価、経費に関して、むしろプラスに働いた面もある。

   実際、原価面を見ると、「震災後の商品調達につきましては、業界各社は、既存の取引先の協力を仰ぐとともに、これまでとは異なる新たな商品調達ルートの確保にも努め、大手チェーン・中小チェーン・独立店入り乱れての商品調達競争の様相を呈しました。」とのことで、商品調達ルートが大きく変化している。そして、「このような状況の中、当社は、地震対策マニュアルの「緊急時に必要な商品リスト」に従って、顧客がその時々で必要としている商品の在庫状況を逐一確認して、通常のオペレーションが困難な状況の中、競争他社に負けない商品調達に努めてまいりました。」とのことである。さらに、ここからが重要なポイントであるが、「震災後は一定期間チラシ配布等を中止せざるを得ず、価格強化することができなかったため、その代替として顧客にポイント付与で還元するような販促企画を実施しました。」とのことで、原価、経費両面からの改善が進んだとのことである。

   総括すると、「当社主力のスーパーマーケット事業におきましても、大震災を境に大きな変化がありました。震災前は、消費者の節約志向・低価格志向を背景に業種・業態を越えた企業間の価格競争が激しさを増していました。」と、ここまでが震災以前の状況であり、それが、「震災後は、食品・包材メーカーの工場被災や計画停電による操業度の低下、漁港・水産加工基地の被災、福島第1原子力発電所の放射能漏れによる青果物への影響等により、商品調達が極めて不安定となり、一時的に品切れや商品価格の上昇を引き起こしました。」とのことで、大きな変化を引き起こしているといえる。

   このように、ユニバースの2011年4月期の決算は、3/11の東日本大震災の影響が、被災地に店舗展開をしているがゆえに懸念されたが、結果は、その影響を吸収し、増収増益となる好決算となった。しかも、今期は新店がないにも関わらず、既存店のみでの増収増益決算であり、それだけ、震災を契機にユニバースの経営を取り巻く環境が激変しただけでなく、ユニバースの経営構造も大きく変化したといえよう。次期、2012年度、ユニバースの経営構造がさらに、どう変化してゆくか、その動向に注目である。

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May 31, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 30, 2011

消費者物価指数(CPI)、2011年4月度、わずかに上昇!

   5/27、総務省統計局から、2011年4月度の消費者物価指数が公表された。結果は、「(1) 総合指数は平成17年を100として99.9となり,前月比は0.3%の上昇。前年同月比は0.3%の上昇となった。(2)生鮮食品を除く総合指数は99.8となり,前月比は0.4%の上昇。前年同月比は0.6%の上昇となった。(3)食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は97.2となり,前月比は0.2%の上昇。前年同月比は0.1%の下落となった。」とのことで、(1)、(2)の総合指数は昨年対比でプラスに転じたが、(3)の相場等の変動の激しい食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は依然としてマイナスとなった。

   ただ、(1)の文字通り、総合指数がプラスになったことで、デフレ脱却かとの見方もあるが、中身をよく見てみると、依然として、デフレ基調は変わらないといえ、今後、プラスに転じてゆくかどうかは、もうしばらく様子を見る必要があろう。総務省はこの消費者物価指数の公表と同時に、その中身を寄与度にもとづいて分析しているが、それを見ると、先の3月度と比べ大きな違いが見られる。

   その最大の違いは、3月度までは、公立高校授業料、私立高校授業料がそれぞれ、-0.40、-0.11と、合計-0.51と、大きくマイナスであったが、これが1年を経過し、この4月度からは0.00となり、この分がそっくり、この4月度からなくなっている。したがって、その分が相対的にプラスに転じており、その違いによる数字上の変化によるものといえ、実質、中身が大きく変化しているとはいえず、消費者物価指数がプラス基調に転じているとはいえないからである。

   また、同じく、寄与度を見てみると、プラスになっている項目は、ガソリン0.32、灯油0.17、電気代0.04、エネルギー関連が0.53上昇しており、プラスに貢献した最大の項目は、このエネルギー関連である。したがって、総合指数(2)の昨対の数字が、最も大きくなったのは、これが要因といえ、消費者物価指数全体が上昇に転じているとはいえない。ただ、気になる動きもある。生鮮食品の動きである。3月度は生鮮食品が0.17とプラスになっていたが、この4月度は一転、-0.25と大きくマイナスに転じたことである。エネルギー関連とは対照的な動きとなり、むしろ、消費者物価指数を押し下げたことである。

   そこで、その生鮮食品を含め、食品について、細かく、その動きを見てみたい。まずは食料品全体であるが-0.1とマイナスとなった。続いて大分類を見てみると、穀類-2.6、魚介類-0.2、肉類0.7、乳卵類3.2、野菜・海藻-8.0、果物0.4、油脂・調味料 0.4、菓子類0.1、調理食品0.3、飲料-0.4、酒類-0.8という結果である。プラスマイナスまちまちであるが、何といっても野菜・海藻-8.0が全体を引き下げた要因といえよう。

   では、野菜・海藻の何が特に大きく消費者物価を引き下げたかであるが、レタス-36.4、キャベツ-33.4、ピーマン-28.7 、ブロッコリー-27.6、きゅうり-27.1、ほうれんそう-23.8、なす-23.1、だいこん-21.5、トマト-20.3であり、これらが、-20.0以上消費者物価が下がった野菜である。野菜は、ここ数ケ月、むしろ相場高がつづいていたといえるが、この4月度は異常値といえる。ちなみに、3月度は野菜・海藻は1.9とプラスであったので、明らかに4月度に入って反転、3/11の東日本大震災の影響が青果物流通に影響を与え、需給バランスが崩れたといえよう。ちなみに、プラスになった野菜もあり、たまねぎ14.1、ごぼう16.4、ばれいしょ22.0、さといも22.9、かんしょ24.0、にんじん37.4等である。すべて土物といわれている野菜が多いのが特徴といえよう。

   そして、もうひと部門、穀類も-2.6と大きく消費者物価が下がった部門であるが、その中身は米類-7.0、パン-0.1、めん類-0.6という結果であり、米類が下がったことが大きい。パン類はむしろ食パンが0.4となるなど、小麦の値上げ等にもからみ、上昇気味といえる。その米類であるが、うるち米-7.1、国産米A-7.0、国産米B-8.0、ブレンド米-5.4、もち米-4.0と、すべての項目が大きく消費者物価を下げているといえる。

   一方、食品全体の動きとは逆に、消費者物価が上昇した食品もある。乳卵類3.2であり、その中身を見ると、何といっても鶏卵の15.6が大きく、これが乳卵類全体の消費者物価を大きく押し上げたといえる。乳製品は0.7、牛乳は-0.1であり、全体への影響はわずかであり、鶏卵の上昇によるものといえよう。

   このように2011年4月度の消費者物価指数は、結果を見ると、一見、デフレ脱却かとも思えるが、その中身をよく見てみると、この3月まで、全体をマイナスに引き下げていた高校授業料の無償化の影響がなくなったことが大きいといえ、これを除くと、エネルギー関連のプラス要因が大きいといえる。したがって、依然としてデフレ基調であるといえよう。特に、3月度から一転、食料品、特に生鮮食品、その中でも野菜がプラスから大きくマイナスに転じたことが、今後、食料品全体へ波及することも懸念され、食品スーパーマーケット業界としては、消費者物価の動向には注意が必要といえる。次回、ゴールデンウィークの連休明け、5月度の消費者物価指数がどのように動くか、その結果に注目である。

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May 30, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 29, 2011

ヤマザワ、2011年3月期決算、営業増益!

   食品スーパーマーケット、3月期決算の上場企業、最後となるヤマザワの決算が5/27公表された。これで、食品スーパーマーケット業界の大半の2011年度決算の公表が終了した。残りは4月期、5月期、そして、9月期の決算となるが、約10社となる。今期、食品スーパーマーケットの決算は2月期決算企業とそれ以降では決算の内容が大きく分かれる。2月期決算までは、当期純利益に大きな影響を与える、「資産除去債務に関する会計基準の適用」がなく、3月期決算企業から、この適用があるからである。また、3/11の東日本大震災の影響も一部加わるため、その影響が出るためである。特に、ヤマザワは宮城県にも19店舗出店しており、その影響が懸念される決算となった。

   そのヤマザワの決算結果であるが、売上高909.72億円(1.5%)、営業利益25.89億円(13.9%)、経常利益26.36億円(14.3%)、当期純利益7.73億円(-36.0%)となり、営業、経常段階では増収増益となったが、当期純利益に関しては、「「資産除去債務に関する会計基準」の適用により4億51百万円を、東日本大震災による店舗の建物及び構築物、工具、器具及び備品や商品の被害により9億15百万円を災害による損失として、それぞれ特別損失に計上したことにより、7億73百万円(同36.0%減)となりました。」とのことで、減益となった。結果を見ると、東日本大震災の影響の方が大きかったといえる。

   実際、この大震災の中、ヤマザワは、「東日本大震災発生後、地域のお客様へ食料品を中心とする生活必需品を提供し続けるという小売業としての使命を果たすため、一日も早い復旧に向け最大限の取り組みを行なってまいりました。特に生活必需品の安定供給に向けて、商品の確保、店舗の営業継続、やむなく営業停止した店舗の速やかな営業再開を推し進めると共に地域企業の一員として被災者救援のため、支援物資の提供や義援金等の支援活動を実施してまいりました。」とのことで、営業継続、営業再開に全力で取り組んできたとのことである。

   ヤマザワの実際の被災状況であるが、「このたびの東日本大震災において、当社グループにおきましても宮城県において店舗の損壊や、津波により商品等が流出する被害を受けました。その結果、宮城県内スーパー5店舗及び併設するドラッグ3店舗の休業を余儀なくされました。売上面における影響は期末までの営業日数が少なかったことや他店舗での販売活動等により軽微なものとなりました。」とのことで、被害はあったものの、本決算に与える影響は軽微であったとのことである。

   なお、ヤマザワの今期の自己資本比率は62.8%(昨年65.2%)と、特別損失の影響等で若干下がっているが、それでも60%を超える高い数字である。前期食品スーパーマーケットの決算公開企業約50社の平均が41.3%であり、ベスト5には入る安定した数字である。したがって、今回の震災の財務に与える影響は現時点では軽微であるといえよう。ちなみに、約40%弱の負債の中身であるが、特に、経営に影響を与える有利子負債は24.68億円であり、総資産419.78億円の5.87%であり、経営への影響はわずかであるといえる。

   そこで、今期、ヤマザワが営業、経常段階で増収増益となった要因を、原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、71.75%(昨年71.67%)となり、0.08ポイントであるが、わずかに上昇した。結果、売上総利益は28.25%(昨年28.33%)となった。一方、経費の方であるが、25.39%(昨年25.78%)と、0.39ポイント削減している。結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は2.86%(昨年2.55%)と、増益となった。ヤマザワは、その他営業収入を計上していないため、マーチャンダイジング力=営業利益であり、今期は、経費削減が寄与し、営業増益となった。

   これを踏まえて、来期であるが、「売上高1,000億円(前年同期比9.9%増)、営業利益27億50百万円(同6.2%増)、経常利益28億円(同6.2%増)、当期純利益は15億円(同93.9%増)を見込んでおります。」とのことで、いよいよ、年商1,000億円を目指し、増収増益の好決算となる予想である。特に、投資活動によるキャッシュフローの新規出店にかかわる項目、有形固定資産の取得による支出は、-9,19億円(昨年-22.41億円)と、昨年と合わせ、30億円以上を投資しており、安定した財務基盤をもとに、新規出店も積極的に実施してゆく方針といえよう。

   このように、2011年3月期のヤマザワの決算は、資産除去債務に関する会計基準の適用と、東日本大震災の影響を受け、特別損失が合計13.66億円発生したため、営業、経常段階では増収増益となったものの、当期純利益は減益となった。ただ、財務基盤は、自己資本比率が60%を超え、安定しており、この大震災の影響も比較的軽微となったため、経営への影響はわずかなものにとどまったといえる。したがって、来期は、今期以上に積極的な経営を目指すものといえ、年商もいよいよ、1,000億円を視野に入れたといえる。新規出店も計画通りに進むものといえ、来期、ヤマザワがどこまで今期の経営数値を改善するか、その結果に注目である。

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May 29, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 28, 2011

スーパーマーケット販売統計調査、4月度、101.2%!

   日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、社団法人新日本スーパーマーケット協会の3社合同によるスーパーマーケット販売統計調査(4月実績速報版)が5/24、公表された。この調査は3団体、280社、7,622店舗の食品スーパーマーケットの販売統計調査であり、食品スーパーマーケット業界では最大規模の調査である。その4月度の速報値であるが、全体が101.2%(既存店99.4%)となった。同時に3月度の確報値が公表されているが、結果は全体103.6%であり、4月度はやや落ち着いた数字となった。

   3月度は、3/11の東日本大震災の影響が懸念されたが、全体は103.6%と堅調な数字であった。ただ、地域別に見ると、被災地を含む北海道・東北エリアは98.1%と、震災の影響が大きかったといえる。これ以外の地域は、関東エリア105.7%、東海・北陸エリア104.4%、関西エリア104.9%、中国・四国エリア1020%、九州・沖縄エリア103.6%という3月度の結果であり、北海道・東北エリアとは対照的な数字であった。

   これに対して、今回の4月度であるが、北海道・東北エリアは99.8%(既存店99.4%)と、依然として、昨対を下回っているが、3月度の98.1%よりも上回っており、営業も正常にもどりつつある店舗が増えているのではないかと思われる。逆に他のエリアであるが、首都圏エリア100.6%(既存店99.3%)、北信越エリア103.0%(既存店101.1%)、東海エリア100.2%(既存店97.4%)、関西エリア102.8%(既存店98.7%)、中国・四国エリア101.8%(既存店101.3%)、九州・沖縄エリア101.8%(既存店99.3%)と、3月度よりも数字が下がっており、4月度はやや厳しい結果といえよう。

   ちなみに、この販売統計では、同時に、景況感調査も行っており、4月度は、今後、2~3ケ月後の見通しを主要食品スーパーマーケットにヒアリングしている。その結果であるが、景気状況39.6、購買意欲38.9、競合状況39.8、地域の景気38.5と、いずれも40.0を割っており、今後の先行きは厳しい状況になると踏んでいるといえる。この数字は、「回答構成比(%)に、以下の点数を乗じてDIを算出。かなり改善+1.0、やや改善+0.75、変わらない+0.5、やや悪化+0.25、かなり悪化+0.0、50以上なら改善との見方が多く、50以下なら厳しい見方が多い。」とのことである。したがって、4月時点の今後の2~3ケ月後の見通しが40.0を切ったことは、かなり厳しい数字であるといえる。

   一方、部門ごとでは、この4月度はどのような結果であったかを見てみたい。まずは、生鮮関連であるが、生鮮3部門合計は100.9%(既存店99.2%)となり、伸び悩んだといえる。その内訳であるが、青果99.3%(既存店97.7%)と、昨対を割った。青果は生鮮3品の中で13.0%と最も高い売上構成比であり、この食品スーパーマーケットの中核部門の数字が昨対を切ったことが、全体へも波及したといえよう。ついで、売上構成比9.2%の水産であるが、99.1%(既存店97.4%)と、青果よりも厳しい数字となり、生鮮3品の中でも、全部門の中で最も厳しい結果となった。

   これに対して、この4月度、堅調な数字となったのが、売上構成比10.3%の畜産であり、104.7%(既存店102.8%)と、好調な結果となった。生鮮3品の中では、既存店を含め、昨対をクリアーした部門であり、4月度は、畜産が生鮮3品も、食品スーパーマーケット全体も牽引したといえよう。ただ、生鮮3品ではないが、さらに、売上を伸ばした部門がある。惣菜であり、全体が104.8%(既存店101.4%)という結果となった。売上構成比は8.5%と、集計部門の中では最も低い数字であるが、伸び率は好調な畜産を抜いて、トップとなった。したがって、この4月度は畜産と惣菜が、食品スーパーマーケット全体を牽引した部門であったといえる。

   この好調な2部門についで、比較的堅調な数字となったのが、売上構成比16.9%の日配であり、全体102.8%(既存店100.7%)という結果であった。そして、売上構成比28.2%と最も高い部門、食品であるが、全体101.1%(既存店99.3%)となり、伸び悩んだといえる。これ以外では、売上構成比5.1%の非食品であるが、全体99.1%(既存店98.3%)と厳しい結果となった。

   こう見ると、4月度は、3月度の結果とは一転、大きな変化が見られ、3月度は一般食品・その他が107.0%と、食品スーパーマーケット全体を力強く牽引したが、4月度に入ると、一般食品は101.1%と落ち着き、変わって、畜産、惣菜が104.7%、104.8%と全体を牽引しており、部門間の構造変化が見られる。気になるのは、青果、水産が昨対を割っていることであり、特に、青果は生鮮3品の中核部門であるだけに、食品スーパーマーケット全体への影響も大きいといえる。

   このように、2011年4月度の食品スーパーマーケット業界の販売統計調査が明らかになったが、3月度の数字とは一転、厳しい面が伺われる結果となった。特に、震災直後のまとめ買い需要等も一段落したといえ、一般食品の伸びがピタッととまったことが大きいといえよう。今後の景況判断を見ても、厳しい予想がなされていることから、次の、5月度、そして、その後、夏にかけて、さらに、厳しさが増す可能性は高いといえ、次回、連休明けの結果、5月度がどのような数字となるか、気になるところである。

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May 28, 2011 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 27, 2011

農業者所得向上流通調査事業、終了!

   平成22年度の農林水産省補助金事業、「農業者所得向上流通調査事業」が無事終了した。この調査事業はサブタイトルが、「6次産業化の販売拠点に向けた大都市直売システムの実態と生産者所得向上の関係」であり、特に、大都市中心部における様々な直売システムが農業所得者の所得向上にどのように寄与しているのかの実態を調査し、公表することが目的であった。

   調査地域は、全国の主要都市、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡であり、それぞれの主要都市において、直売システムの実態を調査するとともに、実際に直売に携わっている数多くの農業者の方にヒアリングを行い、特に、所得との関係を中心に、その実態をまとめた。また、大都市の直売システムの特徴をより、明確にするために、大都市周辺の直売所の実態も調査し、特に、首都圏1都6県の直売所1,115件の実態分析も行った。

   その結果、大都市を中心に、特に首都圏にいては、距離別に直売所の分布を見てみると、20km件内、特に中心部には、全国各地に見られるような直売所が極めて少なく、20km以降に、直売所が扇形に広がっている実態が明らかになった。特に、20km圏から40km圏には、大都市からの消費者の需要を見込んだ大型直売所が数多く生まれており、規模においても、年商10億円を超える直売所が存在している実態が明らかになった。首都圏1,115件の直売所の1件当たりの平均売上高が8,294万円であるので、年商10億円が如何に巨大な売上規模であるかがわかる。

   ちなみに、首都圏、20km圏内では農産物の流通実態はどうなっているかであるが、ここには2,000件を優に超える八百屋、1,000件を超える食品スーパーマーケットがひしめきあっており、直売よりも、卸売市場を通じた農産物流通がまだまだ主流である。これは、他の主要都市でも、その実態は同様であり、大都市では大都市ならではの農産物の流通実態が厳然として存在しており、郊外、産地のような直売所が農産物流通の一角を占めるような状況にはいたっていないといえる。

   大都市の農産物流通は現時点ではこのように卸売流通を主体とした八百屋、食品スーパーマーケット等が大きなシェアを占めているのが実態であるが、このような中でも、直売システムの萌芽がみられ、今後、確実に大都市中心部においても、農産物流通の一定のシェアを占める可能性が高い直売システムの動きが存在する。今回の調査事業は、まさに、ここに焦点を当て、その実態と、その直売システムにおいて農業者がどのように所得向上をはかっているかをまとめたものである。

   まず、大都市中心部の直売システムの中で、本調査事業において、今後、最も有望と判断した直売システムは、商店街のアンテナショップの直売化の動きである。各都市にその事例が見られ、東京においては、板橋区の大山商店街のとれたて村の動きが顕著である。また、同じく東京都では、武蔵野市の麦わら帽子も同様に商店街におけるアンテナショップが直売化を目指した動きであり、特に、全国の自治体との連携により、各地の農産物が直接店頭で販売され、売上の柱となっている。また、地元商店街との連携も図られ、農産物関連の様々なイベントが実施され、商店街の活性化にも、寄与している。この流れを受けて、最新のまさに大都市中心部の直売システムとして確立されたのが北海道、札幌のHUGであるが、地元消費者からも圧倒的な支持を受けており、今後、大都市中心部の新たな直売システムとなってゆくものといえよう。

   ついで、何といっても大都市中心部において、今後、有望な直売システムはマルシェジャポンの動きである。発祥は農林水産省の補助金事業としてスタートしたが、いまや完全民営化となり、全国主要都市にて毎週開催されており、特に、新規就農者、小規模農家の方にとっては、大都市における農産物の有望な販路となっており、今回の調査事業の中でも直接、間接の所得向上に大きく寄与している実態が明らかになった。

   そして、もうひとつの直売システムの動きは、今後、20km圏から、さらには、それ以降の地区の直売所の大都市中心部への参入である。特に、首都圏よりも、名古屋、大阪、福岡等でその動きが見られ、地元の農産物直売所が大都市中心部へ支店を出す動きである。食品スーパーマーケットとは違い、農産物に絞った極めてローコストな物流体制、運営体制を前提としており、今後、有望な動きのひとつといえる。さらに、直売というよりは、産直といえる動きであるが、食品スーパーマーケット、GMSのインショップ、近年、各小売業が取り組み始めたネットスーパー等のネット事業の動きも大都市中心部の農産物流通としては、見逃すことはできないといえる。

   このように、大都市における直売システムは、実際に全国各地を調査してみたが、現実の農産物の流通実態は厳然として、卸売市場を経由した小売業、八百屋、食品スーパーマーケット等が、主力業態として存在している。ただ、先に上げたような商店街のアンテナショップの直売化、マルシェの展開、産地直売所の大都市中心部への参入、インショップ、ネットビジネスの進展等が確実に動きはじめており、農業所得者にとっては、大都市中心部を新たな販路として、所得向上に寄与する販売拠点ができつつあるといえる。本調査事業はこれで一旦終了となるが、今後とも大都市の農産物流通、特に、直売システムの動向については、その実態を継続して追ってゆきたいと思う。

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May 27, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 26, 2011

PLANT、2011年9月期、第2四半期、震災の影響?

   PLANTが4/28、2011年9月期の第2四半期決算を公表した。この決算は9/21から3/20までの期間であり、3/11の東日本大震災の影響を受けての決算となる。その結果であるが、売上高409.78億円(0.5%)、営業利益14.76億円(49.8%)、経常利益14.47億円(56.4%)、当期純利益-7.16億円となり、営業、経常段階では増収増益となったが、当期純利益は、「震災による特別損失として、原発事故損失1,800百万円、震災損失13百万円を計上、・・」したことにより、赤字決算となった。

   その震災の影響であるが、「平成23年3月11日に発生いたしました東北地方太平洋沖地震及び福島第一原発事故により、当社「PLANT-5大玉店」(福島県安達郡大玉村)および「PLANT-4大熊店」(福島県双葉郡大熊町)が被害を受けました。そのうち、「PLANT-5大玉店」は、地震による店舗施設への影響はさほど無かったものの、一部商品の毀損を余儀なくされました。なお同店は翌日には店舗外にて、14日からは店舗内での営業を再開しております。」とのことである。

   問題は、PLANT-4大熊店であり、「一方福島第一原発の事故により避難指示を受けている地域(平成23年4月22日より警戒区域に変更)に出店している「PLANT-4大熊店」については、地震の影響による商品及び店舗設備等への重要な被害は発生しておりませんが、避難指示解除の時期及び営業再開の目処がたっておりません。」とのことで、営業再開ができない状況であり、今回の決算だけでなく、今後のPLNAT全体の営業状況に影響を与えることになろう。

   PLANTにとっては、営業状況が好転し、特に、利益が回復基調にあっただけに、今回の東日本大震災の影響は大きかったといえ、今後、売上高にも影響が予想され、厳しい経営環境を余儀なくされた状況である。ただ、今期決算でも営業利益は大幅増であり、既存店の活性化は着実に進んでいるといえる。そこで、営業利益が49.8%と大きく改善した要因を原価、経費面から見てみたい。

   まずは、原価であるが、79.44%(昨年80.03%)と、0.59ポイント改善しており、原価が大きく下がっている。結果、売上総利益は20.56%(昨年19.97%)と上昇した。これについて、PLANTは、「従来から取り組んでまいりました「在庫管理」「値入向上とロスの削減」「生鮮管理システム」の稼動により、利益率の改善が図れました。」とのことで、値入れ、ロス改善等が特に利幅の大きい生鮮食品で改善できたことが大きかったといえよう。

   一方、経費の方であるが、16.94%(昨年17.54%)と、0.60ポイント改善しており、17.00%を下回る経費比率となった。食品スーパーマーケット業界で17.00%を下回る経費比率の企業はオーケー、トライアルカンパニーぐらいであり、極めて低い経費比率である。これについて、PLANTは「人時生産性を意識した人事管理が定着したことにより作業効率の向上が実現し、・・」とのことで、作業効率の改善が大きかったといえよう。したがって、原価、経費、ダブルでの大幅な利益改善が進み、商品売買から得られる利益、すなわち、マーチャンダイジング力は3.62%(昨年2.43%)と、大きく改善した。PLANTはその他営業収入が計上されていないので、結果、マーチャンダイジング力=営業利益となり、今期は昨年と比べ、大幅な利益増となった。

   さて、気になるPLANTの財務状況であるが、自己資本比率は19.3%(昨年21.2%)と下がっており、依然として、約80%を負債に依存する状況である。営業利益率は大幅に向上していることから、負債の圧縮を図りたいところであるが、東日本大震災の影響が大きく、結果、負債の圧縮がはかれなかったといえ、厳しい結果といえよう。

   現在、PLANTの有利子負債は221.39億円(前期決算時234.29億円)と、総資産351.74億円の62.94%と、極めて重い負担となっており、いかに、この有利子負債を圧縮するかが最大の経営課題となっている。今回の中間決算では営業利益は大幅な増益となったが、当期純利益が赤字となったため、財務活動によるキャッシュフローに十分に回すキャッシュが確保できず、有利子負債の圧縮につながらなかったといえる。また、当然、投資活動によるキャッシュフローも、新規出店関連への投資、有形固定資産の取得による支出は0.24億円(昨年0.05億円)と、キャッシュを回すことはできず、極めて厳しい財務状況にあるといえる。  

   このように、PLANTの2011年9月期の中間決算は営業、経常段階では既存店の活性化が軌道にのり、増収増益となったが、残念ながら、3/11の東日本大震災の影響を受け、特別損失が発生し、当期純利益は赤字決算となった。現在、PLANTは自己資本比率が19.3%という厳しい財務状況にあり、負債の圧縮を最優先で進めざるをえない中での被災であり、今後の経営計画を大きく見直さざるをえない状況になったといえよう。特に、PLANT-4大熊店は原発の影響もあり、営業再開が厳しい状況にあり、今後、PLANT全体の利益はもちろん、売上高にも影響は必至であるといえる。PLANTが、今後、後半に向けて、どのような経営改革を打ち出すか、その動向に注目である。

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May 26, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 25, 2011

東京電力の2011年3月期決算を見る!

   東京電力が5/20、2011年3月期の決算を公表した。結果は売上高5兆3,685.36億円(7.0%)、営業利益3,996.24億円(40.5%)、経常利益3,176.96億円(55.5%)、当期純利益-1兆2,473.48億円と営業、経常段階では特に利益が大幅な増収増益となったが、当期純利益は、「東北地方太平洋沖地震により被災した資産の復旧等に要する費用または損失1兆204億円等を計上」したため大幅な赤字となった。また、自己資本比率は10.5%(昨年18.7%)となり、大きく減少、負債が90%弱となる厳しい財務状況となった。

   気になるのは、今回の決算で、「継続企業の前提に関する注記」が加えられたことである。この中で、冒頭に、「東北地方太平洋沖地震により被災した福島第一原子力発電所の事故等に関する原子力損害について、わが国の原子力損害賠償制度上、・・、当社グループの財務体質が大幅に悪化し継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している。・・」とのことで、財務的に厳しい状況になりうるとのことである。また、今回政府が公表した「東京電力福島原子力発電所事故に係る原子力損害の賠償に関する政府の支援の枠組み」についての詳細が、「今後の検討に委ねられていることや、立法化については今後国会での審議が必要となることを踏まえると、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。」とのことである。したがって、今回の決算は、「継続企業を前提して作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映していない。」とのことある。

   要は、今後の損害賠償等の影響を今回の決算には反映していないということであり、反映するにも、政府の支援の詳細が国会審議に委ねられており、現時点では判断のしようがないという中での決算結果ということである。したがって、状況次第では、決算結果は大きく変動することがあり、結果、企業が今後とも存続できるかどうかは、判断ができないということであり、東京電力が自らの経営努力で企業を存続させることが極めて厳しい現状にあるという結果といえよう。

   今期の東京電力の決算では、営業段階では増収増益となったが、この数字は小売業において見ると、どのクラスの決算結果に近いかを見てみたい。まずは、セブン&アイHであるが、2011年2月期決算の結果は、営業収益5兆1,197.39億円(0.2%)、営業利益2,433.46億円(7.4%)であり、ほぼ同じ営業規模である。次に、イオンであるが、営業収益5兆965.69億円(0.8%)、営業利益1,723.60億円(32.4%)と、営業利益はやや下がるが、営業規模はほぼ同じである。したがって、小売業では、セブン&アイH、イオン、クラスの営業規模の企業が国家的な規模での財務負担を強いられるわけであり、「継続企業の前提に関する注記」がつくのは、当然といえば当然といえよう。

   しかも、今回の決算では自己資本比率がわずか10.5%となっており、金額では純資産が1兆6,024.78億円、総資産14兆7,903.53億円と比べると、実に厳しい状況にあるといえる。ただ、今期のキャッシュフローを見ると、キャッシュは現時点ではバランスがとれている。営業活動によるキャッシュフローは、本来、大きくマイナスになるのではと思われるが、今期は9,887.10億円(昨年9,882.71億円)と、昨年とほぼ同じ金額である。これは、災害特別損失として、1兆204.96億円が計上されたためであり、この分が当期純利益の赤字分を相殺している。そして、投資活動によるキャッシュフローであるが、-7,919.57億円(昨年-5,992.63億円)と、ここでも昨年に近い投資をしており、結果、フリーキャッシュフローは1,967.53億円(昨年3,890.08億円)とプラスである。

   これを踏まえて、財務活動によるキャッシュフローであるが、1兆8,595.79億円(昨年-4,950.91億円)と大きくプラスとなった。これは、長期借入による収入が2兆766.77億円あったためであり、結果、今期のキャッシュフローは2兆531.16億円(昨年-1,055.96億円)と大きくプラスに転じている。資産の現金及び預金も2兆2,482.90億円(昨年1,801.83億円)と大きくプラスになり、一見、営業面では厳しい結果であるが、キャッシュフロー面ではキャッシュを十分に確保した決算となった。

   こう見ると、この2011年3月期の東京電力の決算結果は、先行き不透明な経営見通しの中、当面のキャッシュは確保したといえる状況にあり、不安定な中でもキャッシュのバランスをギリギリで保っている状況といえよう。ただ、実際に莫大な損害賠償が現実のものとなり、さらに、福島原子力発電所の廃炉に多額の費用が発生した場合、今回の政府のスキームで耐えられるのか、予断をゆるさない状況が続くといえる。

   このように、今回の東京電力の決算結果を見る限りでは、当期純利益は-1兆2,473.48億円と、大幅な赤字となったが、キャッシュフローでは、営業活動によるキャッシュフローもプラス、結果、フリーキャッシュフローもプラスになり、さらに、長期借入を実施したため、最終的なキャッシュは2兆531.16億円のプラスとなり、現時点では豊富なキャッシュを確保した決算となった。一方、今回の原子力災害の財務スキームの国会審議はこれからであるといえ、これ次第では、継続企業の前提が崩れかねないといえる。まずは、今国会での審議結果が最終的にどのような決着となるかが、継続企業の前提を決めることになるといえ、この国会の審議の結果に注目である。 

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May 25, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 24, 2011

コンビニ売上速報、4月度、3.3%、落ち着く!

    コンビニの2011年4月度の売上速報が(社)日本フランチャイズチェーン協会から公表された。この売上速報は、同協会加盟のココストア、サークルKサンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの主要コンビニ10社を網羅しており、日本全体のコンビニの現状を反映した数字であるといえる。この4月度は、3月度が3/11の東日本大震災の特需が発生しており、その反動がどのような結果となるかが注目されていた。その結果であるが、集計コンビニ43,492店舗の売上高は6,564.87億円となり、昨対では3.3%増という、堅調な結果となった。既存店は1.6%であり、3月度の9.2%(既存店7.7%)と比べても、プラスにはなったが、一段落した落ち着いた数字である。

    (社)日本フランチャイズチェーン協会も「3月11日に発生した東日本大震災により、前月は非食品売上の大幅なプラスがみられたがそれも収まり、震災、節電等によるイベント等の自粛により、サービス売上が2ヶ月連続でマイナスとなった。」とのことであり、非食品の売上が収まったことが大きいという。そこで、まずは、非食品を含め、各部門の数字がどのような結果となったかについて、3月度の数字と比較し、この4月度の結果を見てみたい。

    まずは、3月度、異常値となった非食品であるが、3月度23.8%(構成比36.4%)という結果であったが、この4月度は6.2%(構成比31.9%)となり、依然としてプラスでは推移しているが、伸び率は大きく下がっており、落ち着いた数字となった。コンビニの3月度の異常値は、この非食品に負うところが、極めて大きく、これ以外の部門は、大きな伸びは見られず、3/11の東日本大震災の影響は、コンビニの非食品を力強く押し上げたことによるといっても良い。実際、コンビニの中核部門、日配食品は3月度1.0%(構成比31.4%)という状況であり、これが、この4月度は3.3%(構成比33.8%)となり、改善している。構成比も3月度は非食品が36.4%とNo.1部門となったが、4月度は日配食品が33.8%とNo.1部門となった。

    ちなみに、非食品であるが、雑誌、書籍、新聞、衣料品、袋物類、文房具、ブラシ、玩具、雑貨、たばこ、ペットフード、乾電池、テープ、CD、電球・蛍光灯、電卓、燃料、人形、サングラス、履物、園芸用品、ゲームソフト、花火、洗剤、化粧品、医薬品、医薬部外品栄養ドリンク、陶磁器・ガラス器、金物、紙製品、フィルム、切手、はがき、収入印紙、装身具等である。

    次に、加工食品であるが、4月度は、2.1%(構成比29.3%)となり、3月度の3.7%(構成比28.3%)と比べるとやや伸び率が下がったといえるが、構成比はアップしており、堅調な結果となった。そして、先のコメントにもあったように、サービス部門であるが、4月度-15.1%(構成比5.0%)と大きくダウンした。3月度も-2.4%(構成比3.9%)であり、構成比は小さいが、2ケ月連続でのダウン、しかも、4月度は大きく下がっている。ちなみに、サービスの中身であるが、「コピー、ファクシミリ、宅配便、商品券、ギフト券、乗車券、各種チケット、テレフォンカード、宝くじ、D.P.E、レンタル、航空券、宿泊券、クリーニング等」であり、自粛が大きな影響を与えたといえよう。 

    一方、売上高の中身である客数、客単価の動向であるが、客数は1.5%(既存店0.2%)であり、微増であった。3月度が0.5%(既存店-0.6%)であるので、回復しているといえる。また、客単価であるが、1.7%(既存店1.4%)であり、3月度が8.7%(既存店8.3%)であり、いかに、3月度の既存店の客単価が異常値であったかがわかる。この4月度は客数同様、落ち着いた数字となっており、客数、客単価ともに堅調な数字となった。

    こう見ると、3月度の3/11の東日本大震災のコンビニへの影響は、全体としてはプラスに働いたが、その中身は、震災とともに非食品の異常値が発生し、これが既存店の客単価を大きく押し上げたことが大きかったといえる。逆に、その他の部門はむしろ厳しい状況であったといえ、客単価に対して、客数は伸び悩んだ。そして、その反動のこの4月度であるが、客数が回復し、コンビニ本来の日配食品が回復し、堅調な売上げをもたらしたといえる。ただ、依然として、サービス部門は、さらに大きな震災の影響が出たといえ、数字を落とす結果となった。コンビニにとっては、サービス部門の構成比が5.0%と低いがゆえに、全体へのマイナスの影響は低いといえるが、今後ともマイナスが続くようであると、徐々に影響がでることも予想される。

    このように、この3/11の東日本大震災後、2ケ月、3月度、4月度のコンビニの売上速報が公表されたが、3月度が非食品の特需が発生し、客単価を力強く押し上げ、異常値を作ったことが改めて鮮明になったといえよう。そして、この4月度は、その反動ともいえ、非食品が落ち着いた数字となり、全体も堅調な伸びとなった。ただ、依然としてサービス部門は大きなマイナスが続いており、震災の影響がまだ残っているといえる。次回、5月度はゴールデンウィークが入り、その後の状況が含まれることになるが、どのような数字となるか、その結果に注目である。

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May 24, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 23, 2011

食品スーパーマーケット、売上速報、3月、4月度!

   食品スーパーマーケット、上場企業22社の2011年3月度、4月度の売上速報を集計した。3/11以降、3月、4月度の売上がどのように推移したか、その速報値である。集計企業は、3月度の昨対で見た売上伸び率順に、Olympic:フード、ヤオコー、バロー、アークランドサカモト、マックスバリュ東海、スーパーバリュー、マルエツ、マックスバリュ西日本、ヤマザワ、ハローズ、いなげや、PLANT、マックスバリュ北海道、ダイイチ、マックスバリュ中部、マックスバリュ東北、オオゼキ、エコス、ユニバース、トーホー、イズミ、カスミの22社であり、総店舗数は1,823店舗となる。

   この中には、すでに上場廃止となったオオゼキも入っている。オオゼキはMBOで上場廃止になった後も、売上速報は公表しており、今回の集計に含めた。また、PLANT、アークランドサカモトはホームセンターが主力業態であるが、食品部門も展開しており、今回の集計に含めた。特に、3/11の東日本大震災の影響度が如実に反映される3月度はホームセンター業界の状況を見る上でも参考になるため、食品スーパーマーケットの売上速報の一環とした。

   さて、全体の結果であるが、3月度は110.2%(既存店105.0%)と、大きく売上げが増加した。集計22社の中で、昨対を割った食品スーパーマーケットは1社もなく、すべての食品スーパーマーケットが昨対を上回る結果となった。ただ、既存店に関しては数社、昨対を割る食品スーパーマーケットもあったが、まさに、3/11の東日本大震災がもたらした特需の結果といえよう。特に、120%以上となった食品スーパーマーケットは、Olympic:フード123.3%(既存店98.0%)、ヤオコー120.4%(既存店109.6%)、バロー120.2%(既存店107.3%)であり、特に、ヤオコー、バローは既存店も含め、高い伸び率である。

   ついで、110%以上の食品スーパーマーケットであるが、アークランドサカモト116.5%(既存店108.8%)、マックスバリュ東海113.9%(既存店106.9%)、スーパーバリュー112.8%、マルエツ112.8%(既存店108.2%)、マックスバリュ西日本111.3%(既存店100.7%)、ヤマザワ110.5%(既存店107.7%)、ハローズ110.5%(既存店103.8%)という結果である。こう見ると、食品スーパーマーケットもさることながら、ホームセンター関係も特需が発生したといえ、3月度の食品スーパーマーケット業界は3/11の東日本大震災の影響、計画停電、原発の風評被害等のマイナス要因を吸収し、逆に、特需が発生し、売上ベースが底上げされる結果となったといえる。

   なお、売上げが伸び要因を客数、客単価で見てみると、ここまで数字を公開している食品スーパーマーケットは少ないが、その結果は、客数106.1%(既存店102.15)、客単価105.7%(既存店105.0%)であり、客数、客単価ともにバランスよく伸ばしているといえる。さらに、PI値、平均単価まで見ると、PI値102.3%(既存店101.3%)、平均単価100.6%(既存店102.2%)であるので、既存店の平均単価が堅調であるといえ、これまでのデフレ、価格競争が震災により、緩和されたようである。

   そこで、次に、4月度であるが、結果は全体が105.0%となり、落ち着いた数字となった。ただ、特需の反動が発生していると思われるが、その影響が大きくは表れてはおらず、堅調な数字となった。既存店も100.8%と昨対を上回っており、大きな落ち込みはなかったといえる。特に売上げが伸びた食品スーパーマーケットであるが、Olympic:フード123.3%(既存店98.0%)、バロー116.0%(既存店105.3%)、アークランドサカモト116.0%(既存店110.0%)であり、この3社が115%以上売上げが伸びた。3月度120.4%伸びたヤオコーは4月度は111.9%(既存店104.9%)であり、やや下がったが、それでも110%以上伸びており、4月度もトップグループは大きく売上げを伸ばしているといえる。

   さらに、103%までの食品スーパーマーケットを見てみると、ヤオコー111.9%(既存店104.9%)、ハローズ107.6%(既存店101.5%)、マックスバリュ西日本107.2%(既存店98.8%)、マックスバリュ北海道106.0%(既存店104.9%)、スーパーバリュー 105.9%、マックスバリュ東海104.9%(既存店99.9%)、ダイイチ104.8%(既存店97.2%)、ヤマザワ104.7%(既存店103.6%)、マックスバリュ中部103.6%(既存店102.6%)、オオゼキ103.2%(既存店97.8%)、イズミ103.0%(既存店102.5%)という結果である。

   なお、3月度、4月度やや伸び悩んだのは、今回の集計企業の中では、茨城県という被災地に店舗展開をしているカスミであり、3月度101.5%、4月度98.2%という結果であった。また、同じく、被災地に店舗展開をしているマックスバリュ東北であるが、3月度106.1%(既存店106.7%)、4月度96.2%(既存店96.9%)と、3月度は堅調な数字であったが、4月度は厳しい結果となった。

   このように、食品スーパーマーケット業界の上場企業で月次売上速報を公表している22社、1,823店舗の3/11の東日本大震災のあった3月度、及び、翌月の4月度の結果は3月度が110.2%(既存店105.0%)、4月度が105.0%(既存店100.8%)となり、3月度は明らかに特需が発生したといえよう。そして、4月度もその余韻が残っており、堅調な結果となったといえる。したがって、商品の動向に大きな構造変化が起こったものといえ、今後、もとにもどるというよりも、新たな消費動向に変化しつつあると思われ、食品スーパーマーケット業界としては、この3月度、4月度の消費動向をしっかり見極め、今後の営業戦略を決めてゆく必要があろう。次回、ゴールデンウィーク後、5月度の結果がどのような数字となるか、その動向に注目である。

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May 23, 2011 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 22, 2011

リフト値から販促を考える!

   前回のブログに続き、リフト値について考えて見る。そもそも、リフト値のリフトが日本語ではよくわからない言葉である。なぜ、リフトなのか、何をリフトするのかである。ここが明確に認識されていないがゆえに、リフト値はクロスマーチャンダイジングの象徴的な指標として、独り歩きしているといえる。特に、併売分析と混同されることが多く、こうなると因果関係が逆転し、わけがわからなくなる。ただ、それも真といえば、真であり、実は、リフト値と併売分析とは強い因果関係がある。 

   そこで、まずは、リフト値のリフトの意味であるが、これは文字通り、Liftから来ている言葉であり、持ち上げるという意味である。何が何を持ち上げるかであるが、実はこれが、かなり誤解されており、持ち上げるとは一方的な図式が成り立っていると思われているが、実際は相互である。たとえば、商品Aと商品Bがあった場合、リフト値を算出した場合、商品Aが商品Bをリフト値Lで持ちあげていることが分かった場合は、同時に、商品Bも商品Aをリフト値Lで持ち上げている。すなわち、逆も真であり、リフト値は一方的な関係ではなく、相互補完関係にある。したがって、リフト値よりも、相性値とした方がその本質に近いといえ、リフト値は商品同士の相性の強さを表したものであるといえる。

   次に、併売分析との関係であるが、リフト値は併売分析から生まれる指標であり、併売分析がないと算出できない指標である。もうひとつ重要な指標がPI値である。ただし、このPI値は客数PI値のことであり、この2つの指標から算出される。リフト値はアメリカで開発されたため、併売率のことを信頼度(Confidence)と呼ぶが、これは分母が全体の場合である。併売率には、もうひとつ、分母が商品になる場合もあり、これがリフト値と関連してくる併売分析である。ちなみに、客数PI値はsupportと呼ぶ。ここから、リフト値は併売率(商品)/客数PI値で計算され、1.0以上のものが、まさに、リフトすると判断され、1.0以下のものが逆にダウンすると判断される。

   さて、通常は、これでリフト値はお終いであり、様々な商品のリフト値を算出し、実戦に入ることになるが、ここで、このリフト値を別の角度から検討してみたい。まずは、リフト値の数式であるが、リフト値=併売率(商品)/客数PI値であるので、これを変形すると、併売率(商品)=リフト値×客数PI値となる。これは何を意味しているかであるが、併売率はリフト値と客数PI値の掛け算で構成され、理想的な併売率はリフト値も客数PI値も高い商品であり、ついで、どちらかが高い商品となる。いずれにせよ、併売率を引き上げるには、この2つの指標が鍵を握っているということである。

   したがって、そもそもリフト値を実戦投入する目的は対象商品の顧客から、どれだけ顧客を獲得できるかにあるので、見方を変えれば、併売率を上げることであるといえる。したがって、リフト値が低くとも、客数PI値が極めて高ければ、併売率は高まることになり、このバランスが販促には重要な課題であるといえる。ここがリフト値の実戦的な活用のポイントであるといえ、リフト値だけでなく、特に客数PI値、そして、併売率(商品)も見ることがポイントであるといえる。

   そして、もうひとつ、通常、リフト値はレシートをもとに算出されるが、販促という観点から考えると、IDのリフト値をまず算出することが要諦である。なぜなら、本来の目的は対象商品を通じて、顧客を増やすことにあるといえ、そのためには、まずはID、そして、次がレシート、さらには、点数、金額という順になるからである。この一連の流れが、真の販促であり、しかも、これを一瞬の内に結果を出すのではなく、段階的に時間をかけて、確実に結果を出すことがポイントであるといえる。

   ID-POS分析では、売上高=ID×ID金額PI値=ID×ID客数PI値×金額PI値=ID×ID客数PI値×PI値×平均単価と分解できる。したがって、この一連の流れに沿って、まずは、IDの獲得を確実に実行し、次に、ID客数PI値、すなわち、レシート枚数を増やし、そして、PI値のアップ、平均単価の改善に入ることにより、商品の売上高が確実にあがることになる。しかも、できるだけ、速く結果を出すためには、計画的な取り組みが必須であり、結果、52週、104週、156週のマーチャンダイジングが課題となる。

   このように、リフト値は単なる商品間の関連度合いを見るための一指標ではなく、実は、販売促進の根幹にかかわるID-POS分析ならではの決定的な指標であるといえる。ID-POS分析ができるのであれば、IDからリフト値の算出を行い、併売率を高めるためのIDの獲得をまずは優先し、PI値にも注目すべきである。そして、次に、ID-POS分析の原点にもどり、従来のレシートのみへの落とし込みから、まずはID、そして、レシート、すなわち、ID客数PI値、PI値、平均単価の改善に踏み込み、段階的に売上高を、しかも、確実に引きあげてゆく販促手法を開発すべきであるといえよう。ID-POS分析ができるのであれば、このIDのリフト値にトライして欲しいところだ。

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May 22, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 21, 2011

リフト値はおもしろい!

   ここ最近、リフト値に触れる機会が多い。リフト値とは商品同士の関係を指標化したものであり、その起源は古い。ID-POS分析が開発される以前からリフト値は使用されており、いまでも様々な小売業が活用している。特に、クロスマーチャンダイジングを実戦する上においては、必須の指標であるといえ、ある商品とある商品がクロスマーチャンダイジングに適しているかどうかは、リフト値を算出し、この指標で判断することが一般的である。

   この指標、リフト値が古くから、小売業で実戦投入されていたのは、ID-POS分析ではなく、通常のPOS分析でも可能であるからである。以前、あるメーカーで、ID-POS分析のデータを入手したが、リフト値をもとにクロスマーチャンダイジングにふさわしい商品を選定して欲しいという依頼があった。そこで、早速、そのID-POS分析のデータを見てみると、そこにはIDが一切なく、あるのは、レシートのみの分析データであった。メーカーにデータを提供した小売業も、そのデータを入手したメーカーもリフト値はID-POS分析特有の分析と思っていたようであるが、実は、そうではない。現在、広く実戦されているリフト値はその大半がID-POS分析ではなく、通常のPOS分析の延長である。

   そもそも、リフト値は極めて単純な集合論であり、一見、計算式が複雑なように見えるが、リフト値のイメージを理解してしまえば、極めて単純な指標であることがわかる。そのイメージとは、まずは、商品が2つあり、その2つの商品が双方同時に購入されている場合もある関係があるとする。次に、その商品が通常購入される比率とその商品がもう一方の商品と同時に購入される比率とを見比べる。この時、通常購入される比率ともう一方の商品と同時に購入される比率の関係がリフト値である。すなわち、その商品が全体の中で購入されるよりも、もう一方の商品と同時に購入される比率との関係のことであり、これを指標化したものがリフト値である。

   したがって、リフト値が1以上となれば、その商品は通常の売場で販売するよりも、もう一方の商品とクロスマーチャンダイジングをかけた方が、より売れる可能性が高く、逆に、1以下であれば、クロスマーチャンダイジングをかけると、逆に売れなくなってしまう可能性があるということである。リフト値は高ければ高いほど良いといえ、実際に算出すると、10倍、20倍、50倍、100倍となることもある。

   以上がリフト値の概略であり、ここにはID-POS分析の必然性はなく、商品同士の集合論であるので、レシートのみ、すなわち、通常のPOS分析でもリフト値は算出することができる。実際、現在、実戦投入されているリフト値の大半はID-POS分析ではなく、通常のPOS分析であり、IDを把握しなくとも、算出可能なリフト値である。

   ちなみに、リフト値は逆から見ても同じ数字となる。2つの商品があった場合、どちらのリフト値も全く同じ数値となり、2つの商品があった場合は、どちらかのリフト値を算出すれば良く、2つのリフト値を算出する必要はない。これは、実際に2つの商品の関係を図解し、その関係を計算してみれば、実証できることである。たとえば、全体をZ、ひとつの商品のみを購入している数字をA、もう一方の商品のみを購入している数字をB、双方を購入している数字をCとすれば、リフト値はAから見た場合は、C/(B+C)/(A+C)/Z=C*Z/(B+C)*(A+C)となる。一方、Bから見たリフト値は、C/(A+C)/(B+C)/Z=C*Z/(A+C)*(B+C)となり、分母も分子も同じとなるからである。

   さて、ここでID-POS分析のリフト値はないのかであるが、ある。あまり一般化してはいないが、本来、ID-POS分析をするのであれば、ID-POS分析のリフト値を算出すべきである。従来のリフト値のレシートの代わりにIDとすれば、全く同じ考え方で、IDのリフト値を算出することができる。すなわち、2つの商品のIDの数、双方を同時に購入するIDの数、全体のIDの数が分かれば、ここからIDのリフト値を算出することが可能である。

   というよりも、本来はこれがリフト値の本質であろう。すなわち、対象商品の購入顧客を増やすのが、目的であるはずであり、その後、継続的にリピートしていただくことで、商品の売上アップにつながってゆくからである。したがって、これまでのレシートのリフト値はIDのリフト値の中に含まれる関係となり、より、顧客の購入実態をイメージとして鮮明に把握することができ、真のクロスマーチャンダイジングにつながるものといえよう。

   このようにリフト値は、レシートのリフト値のみで終わることなく、IDのリフト値にまで踏み込み、本来の商品の購入顧客の購入実態に迫り、そこからクロスマーチャンダイジングを検討すべきではないかと思う。この2つは対立する関係ではなく、IDがレシートを包み込む関係にあり、双方を算出し、さらに、金額、数量にまで踏み込み、ID-POS分析そのものの一環として、リフト値をとらえ直すべきではないかと思う。その意味でリフト値は、奥が深く、実におもしろい指標であるといえる。 

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May 21, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 20, 2011

スーパー大栄、2011年3月期決算、減収減益!

   食品スーパーマーケット業界、2011年3月期決算の上場企業の公表も残り数社となった。その1社、スーパー大栄の決算が5/18、公表された。結果は、売上高272.70億円(-5.2%)、営業利益-0.46億円、経常利益-0.84億円、当期純利益-1.47億円と、減収減益、特に、利益はいずれの段階でも赤字となる厳しい決算となった。自己資本比率も31.6%(昨年32.2%)と、さらに下がり、財務状況も厳しい結果といえる。

   この結果に関して、スーパー大栄は大きく2つの経営環境の激変の影響があったとコメントしている。ひとつは、競合店のあいつぐ出店による影響である。これについて、「SM事業部の店舗地域では、競合スーパーだけでなく、ドラックストア等の出店ラッシュで、低価格戦略の影響を受け、採算面で再生が厳しいと思われる店舗が発生しました。」とのことである。さらに、「特に、吉塚店とバーニュ半道橋店につきましては、競合店の出店で集客力も激減し、将来的に再生が厳しいと判断し、吉塚店を平成22年9月、バーニュ半道店を平成23年3月に閉鎖いたしました。また、高江店につきましても店舗の老朽化が激しく、再投資しても投資効果と回収可能性の両面から検証して採算はとれないと判断し、平成22年12月に閉鎖いたしました。」とのことで、店舗の閉鎖があいついだとのことである。

   そして、2つ目は、「昨年の夏、記録的な猛暑の影響で農作物が大幅な不作となり入荷量が激減した事や鮮魚部門においては海水温の温暖化で海の生態系が変わり漁獲量が大幅に減るなど、青果・鮮魚とも異常な品不足と価格高騰の影響で、生鮮比率の高い鮮ど市場は大打撃を受けました。」とのことである。また、この鮮ど市場に関しても、「鮮ど市場店舗の集積する商圏内に競合スーパーが集中して新規出店し、異常なまでの低価格で誘致作戦を展開いたしました。その結果、集客力が大幅にダウンし、売上高は予想を下回りました。」とのことで、ひとつめの影響も同時に受けたとのことである。

   スーパー大栄は、平成14年以降、鮮ど市場が戦力業態であり、鮮ど市場永犬丸店(平成14年8月)、吉野家永犬丸店(平成14年9月)、鮮ど市場行橋店(平成15年10月)、鮮ど市場福間店(平成16年4月)、鮮ど市場浅川店(平成17年10月)、鮮ど市場直方店(平成18年5月)、鮮ど市場岡垣店(平成18年11月)、鮮ど市場本城(平成19年8月)、鮮ど市場上津店(平成20年8月)、鮮ど市場花瀬店(平成21年10月)、サンディ行橋店(平成22年9月)、鮮ど市場稲築店(平成22年10月)、サンディ筥松店(平成22年11月)と、鮮ど市場がスーパー大栄の成長を支えてきたといえる。その主力業態が今期、先にあげた2つの影響を受けたことが、全体の業績に大きな影響を与えたといえよう。

   このような経営環境の激変により、営業利益は赤字に転落したが、その要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、79.07%(昨年78.68%)となり、0.39ポイントと大きく上昇している。まさに、競合店の価格訴求の影響が響いたといえよう。結果、売上総利益は20.93%(昨年21.32%)となった。一方、経費の方であるが、22.42%(昨年22.07%)と、0.35ポイントと、こちらも大きく上昇している。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.49%(昨年-0.75%)となり、マイナス幅が大きく拡大する結果となった。原価、経費、双方がダブルで大きく上昇したことが大きかったといえる。

   そして、これに、不動産賃貸収入、物流収入等のその他営業収入が1.33%(昨年1.30%)加わり、結果、営業利益は-0.16%(昨年0.55%)となり、赤字となった。今期は原価、経費、その他営業収入と、トリプルで昨年よりも、売上対比が下がっており、厳しい利益構造となったことが、その要因といえよう。それにしても、まさに、経営環境の激変が起こったといえ、競合店のインパクトがいかに大きかったかがわかる。

   これを受けて、来期予想であるが、売上高273.00億円(0.1%)、営業利益1.40億円、経常利益1.00億円、当期純利益1.00億円と、わずかではあるが、増収増益である。これについて、スーパー大栄は、「次期の見通しにつきましては、積極的に店舗展開する方針であり、サンディ事業部で3店舗、フレッシュ8事業部で1店舗の新規出店を計画しております。」とのことで、積極策に転じるとのことである。

   このように、スーパー大栄の2011年3月期の決算は、減収減益、しかも、赤字という極めて厳しい決算となった。競合店の新規出店、ディスカウント政策に加え、生鮮の仕入れ環境の激変もあり、経営環境が大きく変化したことが大きかったといえる。したがって、原価、経費、その他営業収入等のいずれもダウン、トリプルで利益構造への大きな影響があり、営業利益が赤字となった。この今期の厳しい経営環境は来期も継続し、厳しさを増すものといえるが、スーパー大栄はあえて、来期は、新規出店を行い、積極策に転じ、収益の改善をはかるという。通期予想では増収増益を目ざしているが、どのような結果となるか、まずは、次の第1四半期決算の結果に注目である。

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May 20, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 19, 2011

いなげや、2011年3月期決算、減収営業増益!

   いなげやが5/10、2011年3月期の本決算を公表した。結果は、営業収益2,199.42億円(-1.7%)、営業利益37.84億円(11.2%)、経常利益 40.71億円(10.9%)、当期純利益 7.73億円(-41.0%)と、当期純利益は、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額が-15.46億円発生し、減収となったが、営業、経常段階では、増益となった。仮に、-15.46円が発生しなければ、当期純利益も増益であり、いかに、いなげやにとって、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額が大きかったかがわかる。ちなみに、来期は、2月期決算企業にも適用されるので、今期の3月期決算企業同様、当期純利益は厳しいものとなろう。

   さて、まずは、営業収益が伸び悩んだ要因であるが、既存店売上高が前期比3.3%減となったことに加え、「平成22年6月に新狭山駅前店(埼玉県狭山市)をはじめ、「価格に頼らない、楽しい、美味しそうな、鮮度感あふれる商品づくり・売場づくり」の具現化を目指したニューSSMタイプとして平成23年2月に志木柏町店(埼玉県志木市/スクラップ&ビルド)、同年3月に保谷駅南店(東京都練馬区)ならびに同年同月に川崎下小田中店(川崎市中原区)の合計4店舗を新規開設いたしました。」と4店舗の新店を出店したが、「スクラップ&ビルドにともない1店舗、契約満了などにより3店舗を閉鎖いたしました、・・」とのことで、結果、総店舗数が125店舗と、昨年同様の店舗数であったことが大きかったといえよう。

   一般に、食品スーパーマーケットの成長戦略は既存店ではなく、新規出店で決まるといえ、成長を維持するには、毎年、一定の店舗を新規出店する必要がある。いなげやの場合は、総店舗数が125店舗であるので、5%の成長を目指すのであれば、6店舗以上の新規出店が欲しいといえる。10%であれば、12店舗以上は欲しいところである。したがって、この店舗数を新規出店するための立地、設備、従業員の確保に加え、財務基盤の安定も必要といえる。特に、食品スーパーマーケットの場合は新規出店にかかる投資は莫大であり、財務基盤の確立は成長戦略を支える上での最大の経営課題であるといえる。

   そこで、いなげやの財務基盤を見てみたい。まずは、今期の自己資本比率であるが、53.7%(昨年57.1%)と、当期純利益が減益となったことなどにより、昨年よりは若干下がっているが、前期の決算公開企業約50社の平均が41.3%であるので、高い数字である。一方、出店に関わる資産である、土地、建物、差入保証金の合計であるが、408.66億円(昨年388.81億円)であり、総資産811.60億円の50.35%である。また、1舗当たりでは、3.26億円となる。したがって、差し引き、自己資本比率との差、すなわち、自己資本でどこまで出店にかかわる資産をカバーできるのかを示す出店余力は3.35%であり、プラスである。したがって、負債に大きく依存することなく、新規出店が可能であり、しかも、1店舗当たりの出店にかかわる資産は3.26億円と、これも前期の決算公開企業約50社の平均が4.73億円であるので、低い数字である。

   この財務状況を見る限りでは、安定的、継続的な新規出店を前提とした成長戦略は可能であるといえるが、残念ながら、今期は4増4減となったため、減収を余儀なくされた結果となった。ちなみに、投資活動によるキャッシュフローであるが、有形固定資産の取得による支出-41.73億円(昨年-41.68億円)であるので、約10店舗分にあたる投資を昨年も、今期も行っており、もう数店舗、新規出店が可能であれば、今期も、増収は可能であったのではないかと思われる。ただし、この中には、食品スーパーマーケット以外に、ドラック等への投資もあるので、食品スーパーマーケットだけで見ると、もう少し店舗数は少ないといえよう。

   ちなみに、来期の通期は、営業収益2,245.00億円(2.1%)、 営業利益39.00億円(3.1%)、経常利益 42.00億円(3.2%)、当期純利益 14.00億円(81.0%)と増収増益、特に、当期純利益は大幅な増益となり、堅調な予想であり、今期とは一転、成長性も回復する見通しである。

   さて、一方、営業利益が増益となった要因であるが、原価は72.68%(昨年72.78%)と、0.10ポイント減少した。結果、売上総利益は27.32%(昨年27.22%)となった。これに対して、経費の方であるが、29.29%(昨年29.39%)と、0.10ポイント減少している。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-1.97%(昨年-2.17%)と、依然として、マイナスではあるが、その幅が縮まっている。そして、これに、不動産収入、物流収入などの、その他営業収入が3.76%(昨年3.75%)加わり、営業利益は1.79%(昨年1.58%)と大きく改善し、増益となった。原価、軽費、そして、その他営業収入と、トリプルで改善したことが、増益となった要因といえる。

   このように、いなげやの2011年3月期の決算は、3月度の決算企業から適用された資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額が大きく、当期純利益が減益となったが、営業、経常段階では原価、軽費、そして、その他収入がトリプルで改善されたため、増益となった。ただ、依然として、マーチャンダイジング力のマイナス幅は大きく、営業利益がプラスの要因は、その他営業収入の貢献が大きいといえ、引き続き、経費削減が経営課題といえよう。今後、いなげやが、さらに、収益の改善に向け、特に、課題ともいえる経費削減をどのように進めてゆくのか、その動向に注目である。

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May 19, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 18, 2011

販売促進の評価と顧客視点!

   販売促進を評価する指標は長らく売上金額か売上数量であった。一歩進んで、レシートを加味し、PI値を活用する場合でも、レシート当たりの売上金額、すなわち、金額PI値か、レシート当たりの売上数量、すなわち、PI値で販促効果を判断することになる。いずれも、商品の動きをもとに販促の効果を見るところにポイントがある。そこで、ここでは、顧客からの視点で販促効果を測定する評価指標について考えてみたい。

   顧客からの視点とは何か、また、具体的にどのように、その評価指標を算出するかであるが、これが、いわゆる、ID-POS分析にその答えがある。通常のPOS分析ではIDという顧客視点が入っていないため、顧客志向といいながら、実際は商品の動きを追っているのみである。ID-POS分析を実施した場合のみ、はじめて、ID、すなわち、顧客視点が入り、商品の動きだけではなく、顧客の動きをとらえることができる。その意味で、IDなくして、顧客視点を取り入れることは不可能である。

   そこで、まずは、顧客からの視点であるが、これは、販売促進を商品の動きでとらえるのではなく、顧客の動きとしてとらえることである。ある商品が売れた時には、通常は、商品の動きを見て判断するが、もう一歩、掘り下げ、その商品を購入した全顧客の動きを見るとことである。商品が1個でも売れた時には、必ず、その商品を購入した顧客が存在する。通常のPOS分析では分析不可能であるが、実際には、その背後には顧客の存在があり、そこを見ることである。

   どう見るかであるが、まずは、購入顧客は何人かを見る。これがはじめの視点である。次に、その購入顧客全員の、その商品の購入履歴を見る。ここが顧客からの視点における最大のポイントである。購入履歴とは、実は、これまでのPOS分析では、絶対に把握することができなかったものである。なぜなら、ここには、時間という視点が入っているからである。時間とは、顧客が過去どのような購入をしたかのことであり、この期間をさか戻ることが、顧客からの視点で新たに加えるべきポイントである。

   どのように購入履歴を見るかであるが、まずは、その商品をはじめて購入する顧客かどうかを見る。いわゆるトライアルである。商品の購入顧客には、このようなトライル顧客が存在していることが多く、このようなトライル顧客を数多く集めることが、販売促進の目的のひとつであるといえる。

   次の購入履歴の見方は、その商品を過去に購入した経験のある顧客を見極めることである。ただし、この中には、過去、何度もその商品を購入している顧客もいれば、まだ、2回目、3回目と経験の浅い顧客もいるので、顧客を2つか、3つのグループに分けて考えると顧客をつかみやすいといえよう。たとえば、数回の購入履歴の顧客をライトユーザー、数10回の顧客をミドルユーザー、数100回の顧客をヘビーユーザー等に分けて見るとわかりやすいといえる。

   ここで、購入履歴を見る場合、もうひとつ視点が必要といえる。購入履歴の期間である。これは、購入履歴が数10回の場合でも、ある特定期間に集中している購買か、それとも、毎週毎週、毎月毎月、購入が発生しているのかを見ることである。特に、ミドルユーザー、ヘビーユーザーにおいては、集中して購入している顧客よりも、定期的に購入している顧客の方が、将来に渡って、購入を保障してくれる可能性が高いといえ、ある期間では差がなくとも、長期間では大きな差となる可能性が高いからである。

   これが顧客からの視点で販売促進を見るポイントであり、これを販売促進の評価にまで活用することである。そして、そのためには、その具体的な評価指標を算出する必要がある。それがID-POS分析の役割であるといえる。

   では、ID-POS分析で、顧客からの視点をどう指標化するかであるが、まずは、期間設定である。たとえば、1年とする。そして、この1年間に販売促進対象の商品を購入した全顧客をリストアップする。次に、その顧客がその商品をいつ、何回購入したかを把握する。基本指標はこの3つである。ここから、顧客視点を加味した販売促進の指標づくりになるが、ひとつの指標は顧客の購入回数/顧客ID、これが購入頻度であり、ID客数PI値である。そして、もうひとつの指標が、1年間にどのようなサイクルで購入しているかを指標化することである。たとえば、毎月その商品を購入している場合は月頻度12、2ケ月に1回購入、すなわち、年間6ケ月購入が発生している場合は月頻度6というようにである。

   このように、販売促進を顧客の視点から評価するには、このようなID客数PI値、月頻度を駆使し、販売促進の結果、新たな顧客IDを増やしたのか、ライトユーザーがミドルユーザーになったのか、あるいは、ミドルがヘビーになったのか、さらには、ヘビーの頻度がさらに上がったのかなどを見極め、顧客の動きから販売促進を評価し、次の販売促進に活かすことがポイントである。ID-POS分析ができるのであれば、是非、このような観点から販売促進を評価し、新たな販売促進の効果的な新サービスを開発して欲しいところである。

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May 18, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 17, 2011

ヤオコー、2011年3月期決算、増収増益!

   ヤオコーが5/9、2011年3月期の決算を公表した。結果は営業収益2,210.61億円(7.1%)、営業利益96.03億円(11.7%)、経常利益94.18億円(11.3%)、当期純利益 51.48億円(6.6%)となり、増収増益の好決算となった。当期純利益は、減損損失2.68億円、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額4.42億円が計上されたため、増益幅がやや下がったが、そのマイナスを吸収し、プラスとなっており、ヤオコーの収益性の高さが光る決算となった。

   そこで、まずは、ヤオコーが増収となった要因であるが、今期は、「店舗につきましては、4月に桐生境野店(群馬県桐生市)、7月に草加原町店(埼玉県草加市)、9月に鴻巣吹上店(埼玉県鴻巣市)、10月に佐倉染井野店(千葉県佐倉市)、相模原下九沢店(神奈川県相模原市)、11月に八王子並木町店(東京都八王子市)、2月に大宮大成店(埼玉県さいたま市)の7店舗を開設いたしました。」とのことで7店舗の新店が大きく貢献したといえる。ヤオコーは、「埼玉県69店舗、千葉県13店舗、群馬県12店舗、茨城県8店舗、栃木県5店舗、東京都3店舗、神奈川県1店舗の計111店舗と、・・」と、現在111店舗であるので、7店舗は6.3%に当たり、また、既存店も100.3%で推移したことも大きかったといえよう。

   ここでヤオコーの投資活動によるキャッシュフロー、特に新店にかかわる有形固定資産の取得による支出であるが-109.53億円(昨年-96.05億円)であり、昨年同様の約100億円を投資しており、新店開発が順調に推移しており、安定的、継続的な成長戦略が図られているといえる。したがって、来期も、9月までに5店舗の新規出店が計画されており、来期も堅調な成長がはかられるといえよう。実際、通期予想は、営業収益2,300.00億円(4.0%)、営業利益99.50億円(3.6%)、経常利益 96.50億円(2.5%)、当期純利益53.70億円(4.3%)であり、増収増益の計画である。

   一方、営業利益が11.7%増となった増益の要因であるが、原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、71.06%(昨年71.16%)と、0.10ポイント改善している。結果、売上総利益は28.94%(昨年28.84%)となった。特に、この3月度は、「スーパーマーケット業界におきましては、デフレが続くなか低価格志向は変わらず、安売り競争が続いておりましたが、3月の震災後は福島第一原子力発電所問題も重なって、先行き不安などから一転して仮需要が発生し、商品の品薄状態が続きました。」とのことで、需要が供給を上回っており、これらの寄与も少なからずあったものと思われる。また、「『ヤオコーらしい独自商品の開発』につきましては、生鮮部門において近隣漁港からの高鮮度商品の産地直送や産直野菜の拡大など引き続き産地・地方市場開拓に積極的に取組みました。グロッサリー部門においても、パン、デザート、乳製品など日配食品分野を中心に、メーカーとのタイアップや生産者の協力を得て、味や品質にこだわったヤオコー独自仕様によるプライベートブランド商品の開発・リニューアルを政策的に進め、お客さまのご支持をいただいております。」とのことで、商品開発に力を入れたことも大きかったといえよう。

   ただ、一方で、「低価格競争時代に対応し価格政策も大きく見直しを行ないました。具体的には価格コンシャスを徹底するという観点から、競合他社の価格調査も踏まえ、従来よりは価格帯を広げ、頻度品の下限価格を引き下げるとともに中心価格帯より少し上のセミアップグレード商品の品揃えも強化し、より広いお客さまのニーズに対応できるようにいたしました。」とのことで、ヤオコーとしても、価格政策を強化してもいる。

   そこで、経費の方であるが、28.85%(昨年28.95%)と、0.10ポイント削減している。これについて、ヤオコーは、「経費削減につきましては、経費主管部の集約化など体制強化を図り、販売・事務消耗品から店舗施設関係経費まで全般に亘って発注方法、仕様の見直しなど徹底したコスト削減に努め、成果を上げております。」とのことで、経費削減に関しても徹底して取り組んだとのことである。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、0.09%(昨年-0.11%)と、マイナスからプラスに転じた。原価、経費、ダブルでの改善が大きかったといえよう。ただ、経費比率28.85%は食品スーパーマーケット業界ではまだまだ高めの比率であり、今後、ヤオコーがどこまで踏み込めるかが課題といえよう。そして、これに不動産収入、物流収入等のその他営業収入が4.45%(昨年4.46%)加わり、営業利益は4.54%(昨年4.35%)と増益となった。

   このように、今期のヤオコーの決算は、3月度決算ということで、3/11の東日本大震災の影響に加え、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額が懸念されたが、結果、当期純利益を含め、増収増益の好決算となった。ヤオコーの収益性が光る決算結果となったといえよう。特に、今期は各社が新規出店を抑制する傾向がある中、安定的、継続的な新規出店がなされ、来期も同様な計画が組まれており、これが増収へ寄与したものといえる。来期、ヤオコーが今期の決算を踏まえ、どこまで収益を改善するか、特に課題ともいえる経費比率の改善に注目である。

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May 17, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 16, 2011

ドコモ、テザリング解禁か?

   5/14の日経、1面トップに、「「光」並み通信、携帯で中継」、「ドコモなどがパソコン向け、固定回線不要に」という見出しの記事が掲載された。小見出しは、「無線・有線すみ分け崩れる」であり、図解を踏まえ、大きく取り上げている。さらに、この記事は3面、11面にも解説記事が掲載されており、力の入った内容である。5/14は土曜日であるので、株式市場は開かれておらず、その反応は、5/16(月)以降になるといえ、どのような結果となるか、興味深い動きが予想されよう。

   この記事のポイントは、携帯電話会社のみへの影響に留まらず、通信関連全般、インターネット関連全般、特に、パソコン関連、そして、家電等に関わってくるといえ、幅広い影響が各分野で起こるものといえ、実現すれば少なからぬインパクトが多方面へ波及するといえよう。M&A、業務提携、しかも、世界的な規模で起こる可能性もあるといえよう。
  
   さて、その内容であるが、日経11面に解説記事が掲載されており、それを見ると、「ドコモ携帯で通信中継、高速接続「光」主役に転換」という見出しでの解説記事である。この手法は、「テザリング」と呼ばれており、記事を見ると、「スマートフォン経由でパソコンをインターネットに接続する手法は「テザリング」と呼ばれ、ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルなどの携帯電話大手は利用を原則禁止してきた。」とのことで、その理由は、回線のパンクが起こりかねないということだそうだ。したがって、これまでは、このテザリングは構想としてはあっても、その実現が技術的に難しいという状況であったとのことである。
  
   それが、「ドコモがテザリングを本格化することにより、広範な地域で高速中継サービスが可能になり、光回線に対抗する有力な「ラストワンマイル」が生まれることになる。」とのことである。そして、「新サービス利用者はスマートフォン1台あれば、あらゆる機器でインターネット接続できるようになり、・・」とのことである。ここにスマートフォンが登場することになる。要は、スマートフォンが通話とデータの利用であった機器から、インターネット通信の通信基地との経由機器をかねるということである。スマートフォンさえあれば、これまでのように、インターネット回線にケーブルでつなぐ必要がなくなり、しかも、1台のスマートフォンで複数のパソコン、ゲーム機、家電等につなぐことができるとのことである。
   
   当然、NTTとしては、打撃を受けることになる。記事の中でも、「NTT東・西では光回線などのネット接続サービスが売上高の約4割を占め、収益の柱となっている。携帯会社との競争によって料金引き下げなどを迫られ、収益を圧迫される可能性もある。」とのことで、今後は携帯回線か光回線のどちらかを選択できるようになるとのことである。
   
   ドコモはNTTの子会社ではあるが、そのドコモが本格的にテザリンングに踏み切らざるを得ないほど、市場激変がおこりつつあるということであり、NTTとしても、トータルでの判断が働いているものと思われる。
  
   では、その市場激変とは何かであるが、2つの変化といえよう。ひとつは、国内、そして、もうひとつは海外である。国内では、ちょうど2011年3月期の携帯電話の決算が公表されたが、注目すべきは、ソフトバンクの総合ARPUが昨対を超えたことである。ここ数年、携帯電話会社の総合ARPUは低下傾向であったが、ソフトバンがiphoneを投入したことにより、データ(パケット)ARPUが急上昇し、音声ARPUの低下を補い、とうとう、この決算で世界ではじめて、データ(パット)ARPUが音声ARPUを逆転、しかも、総合ARPUをも押し上げる決算となったことである。ドコモ、auも同様なトレンドではあるが、総合ARPUはまだ昨対を割っており、この点ではソフトバンクが抜けた出しといえるからである。したがって、今後、急速にデータ(パケット)ARPUの時代となることは必須であり、その戦略商品がスマートフォンとなり、ここで、ドコモは後れをとれないという判断があったものと思われる。
   
   そして、海外では、Googleの開発した携帯電話のOS、Android(アンドロイド)にはすでにテザリング技術が組み込まれており、記事の中でも、「海外では米グーグルの携帯電話向け基本ソフト「アンドロイド」を搭載した機種などがネット接続の中継機能を備える。日本より光回線の普及が遅れている米国では、携帯を中継機にしたネット接続が主流になるとの見方もある」とのことで、海外、特に、米国で先に本格普及する可能性もあるからである。
   
   このように、記事の内容が正しければ、2012年度がテザリングの本格普及の年となる見通しであり、日本の生活が一変するだけでなく、ビジネスそのもののスタイルが大きく変わる可能性を秘めているといえ、業務提携、同業種、異業種のM&Aはもちろん、新たな、様々なサービスが登場するのではないかと思う。まさに、ARPUの時代到来といえ、今後、ARPUの動向には注目といえよう。

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May 16, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 15, 2011

ヤマナカ、2011年3月期決算、減収増益!

   ヤマナカが2011年3月期決算を5/2、公表した。結果は、営業収益1,052.48億円(-2.2%)、営業利益6.03億円(61.4%)、経常利益 8.18億円(66.9%)、当期純利益3.13億円(昨年は赤字)となり、減収増益の決算となった。ただ、営業利益率は昨対61.44%と大幅な増益とはなったが、その比率は、営業収益対比0.57%であり、依然として厳しい状況で推移している。ヤマナカ自身も、「当社グループが属する小売業界では、お客様の低価格・節約志向が継続し、業種業態を超えた競争激化によるデフレの進行もあり、経営環境はますます厳しさを増しました。」とのことで、厳しい経営環境の中にあったとのことである。

   そこで、まずは、営業収益が-2.2%と伸び悩んだ要因を見てみたい。一般に食品スーパーマーケットの成長は新店によるといえ、新店が安定的、継続的に出店できる財務基盤に支えられた計画的な成長戦略が必須である。ヤマナカの今期の新規出店であるが、「営業基盤の強化に向けた取り組みでは、新しい都市型店舗の基幹店として4月に則武店(名古屋市中村区)を新規出店、・・」とのことで1店舗のみである。したがって、新店戦略による成長は厳しい面があったといえ、既存店の活性化が今期の主な営業政策であったといえる。

   実際、既存店に対しては、「既存店舗においては、当社の中核業態であるフランテ館の再構築を図るべく7月に一宮フランテ館(愛知県一宮市)を改装いたしました。」とのことであり、さらに、「低価格志向の高まりに対応し、9月に共栄店(愛知県瀬戸市)、10月に三郷店(愛知県尾張旭市)と味美店(愛知県春日井市)をエブリデー・ロー・プライスの「ザ・チャレンジハウス」に業態変更を行ないました。」とのことで、既存店の改装だけではなく、ディスカウント店への業態変更も実施している。

   本来ヤマナカは、食品スーパーマーケットの中では付加価値を追求したワンランク上の食品スーパーマーケットの業態確立を重視した経営志向であったが、今期は、対極的なディスカウント業態への転換も一部行っており、それだけ、中部地区の食品スーパーマーケットを取り巻く経営環境が厳しさを増しているといえよう。この地区ではアオキスーパーを筆頭に、カネスエ等、社運をかけたディスカウント戦略を志向する激しい価格競争が繰り広げられており、中部地区は極めて厳しい経営環境の中にあるといえる

   一方、財務の方であるが、今期のヤマナカの自己資本比率は31.9%(昨年32.0%)であり、約70%が負債に依存する状況であり、財務基盤はかなり厳しい状況にあるといえる。特に、ヤナナカの出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金の合計は280.25億円であり、総資産455.66億円の61.50%であり、1店舗当たりでは、現在70店舗であるので、約4億円となる。したがって、差し引き、自己資本で賄える出店に関わる資産の比率、すなわち、出店余力は-29.6%と極めて新規出店が厳しい財務状況にあるといえる。当然、負債に依存する新規出店構造となるが、その負債の中でも、有利子負債が、193.57億円であり、総資産の42.48%と重く経営にのしかかっており、厳しい財務状況である。

   したがって、キャッシュフローにおいても、財務活動によるキャッシュフロー、すなわち、有利子負債の返済を優先せざるをえず、今期は-9.30億円返済し、結果、-11.74億円となり、本来、成長戦略への投資、投資活動によるキャッシュフローが-3.65億円に留まるという、財務基盤の強化を優先せざるをえない状況であったといえる。来期も今期の投資活動によるキャッシュフローの中の新規出店にかかわる投資、有形固定資産の取得による支出を見ると、-6.35億円であり、成長戦略よりも財務基盤の強化が優先される経営方針といえよう。

   さて、これに対して、今期、営業利益が増益となった要因であるが、原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、74.90%(75.01%)と0.11ポイント改善した。これに対して、ヤマナカは、「4月に冷凍物流センター(名古屋市港区)、平成23年2月に精肉・鮮魚を一括して店舗に供給する「しおなぎ生鮮センター(生鮮加工センター)」(名古屋市港区)をそれぞれ開設するとともに、物流拠点の構築により配送と店舗オペレーションの効率化を図り、・・」とのことで、先のディスカウント戦略に加え、物流改善等が寄与したものといえよう。結果、売上総利益は25.10%(昨年24.99%)となった。

   一方、経費の方であるが、29.47%(昨年29.40%)と0.07ポイント上昇している。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-4.37%(昨年-4.41%)と、若干マイナス幅は縮まったが、まだかなりのマイナスである。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が4.99%(昨年4.78%)のり、営業利益は0.62%(昨年0.37%)の増益となった。

   このように、今期のヤマナカを取り巻く経営環境は激しい価格競争の中にあったといえ、自らディスカウント業態へのシフトも余儀なくされることになったといえる。特に、ヤマナカの経費比率は29.47%と、一般的なディスカウント業態の経費率15%強と比べると約2倍であり、ヤマナカにとってはまさに、対極的な経営構造にあるといえる。また、依然として、財務状況も厳しい中、成長戦略を、今後、どのように打ちだすかが難しい状況にあるといえよう。今後、ヤマナカが、このような厳しい経営環境の中、どのような改革を打ち出すのか、その動向に注目である。

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May 15, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 14, 2011

ブランド育成の本質に迫る、IDが決定的な要素!

   ブランドを育成するとはどういうことか、また、ブランド力は何を指すのか、長らく、これらの問題を数字で検証することはできなかった。ただ、ここへ来て、POS分析が飛躍的に進み、ブランドの本質に迫る数字が明らかになりつつある。それは、従来のPOS分析では推し量ることができなかったブランド力をはかる指標が、ID-POS分析によって、次々と開発されつつあり、その実態が明らかになりつつあるからである。

   では、従来のPOS分析で推し測ることができなかったブランド力の指標とは何かであるが、その決定的な指標はIDから派生する指標である。従来のPOS分析では、ブランドを購入するIDを把握することは不可能であった。それは、IDを特定する技術がPOS分析にはそもそも組み込まれてなかったことによる。POSの原理はごく単純化すれば、プライスルックアップ(Price Lookup)機能であり、商品のバーコードをPOSでスキャンした瞬間にそのバーコードと対応するあらかじめ登録された価格を表示することである。

   ここから把握できる情報は、バーコードから、購入された商品は何か、その商品はプライスルックアップ(Price Lookup)機能から、いくらで、そして、何個売れたかである。基本はこれだけであり、あとは、どこまでのスキャンが清算金額であるかの、清算範囲を決めることである。そして、この清算範囲からレシートが作成され、顧客の1回当たりの購入金額、購入数量が把握される。

   したがって、従来のPOS分析では、ブランド育成を推し測る指標は、この範囲内で分析するしか方法がなく、ここからわかる指標は、対象ブランドをいつ、何個、いくらで購入したか、また、1回当たり、いくつ購入するかである。これが基本であるが、さらに、その延長として、ブランド購入のレシートを集計し、対象ブランドを購入した場合、それ以外にどのようなブランドを同時に購入しているか、その商品、および、合計の金額、数量を把握することである。特に、これが把握できることにより、ブランド育成のための指標として、リフト値が考案され、クロスマーチャンダイジング等に発展していったといえる。ここまでが、通常のPOSで把握できるブラド育成を推し測る指標であるといえる。

   問題は、これで、ブランド育成のための指標として、ブランド力を推し測ることができたのかということになるが、リフト値等が開発されたことにより、かなり、その本質に近づきつつあるといえるが、決定的な要素として、誰がという、ブランドの購入者の購入実態が、この時点ではぼやっとしていて、まだ、つかみ得ていないといえる。何となく、推し測ることができるようにも見えるが、もう一歩手に届かない、実にもどかしい状況にあるといえる。

   そこで、ID-POS分析であるが、この分析の最大のポイントは、プライスルックアップ(Price Lookup)からはじまるのではなく、まずはIDの把握からはじまる点である。ブランドが購入された瞬間、まず、誰がというIDを把握する。そして、次に、バーコードからのプライスルックアップ(Price Lookup)である。従来のPOS分析との違いはこの1点である。このIDからの把握が、従来のPOS分析と、ID-POS分析を分ける決定的な違いであり、最大の違いとなる。

   では、IDが把握できることによって、ブランド育成を推し測る指標として、何が見えてくるのかであるが、それは、ブランドの購入頻度が見えてくる点である。この頻度が把握できるという点がブランド育成にとって決定的な指標となり、この頻度がブランド育成を解くカギとなる。ブランド育成とはつまるところ、ブランドの購入頻度を正確に把握し、その頻度に応じた販促を打つことに他ならない。これがブランド育成の本質であり、ID-POS分析であるがゆえのブランド育成のための新たな手法である。

   ちなみに、ID-POS分析からブランドの購入頻度をどのように算出するかであるが、その算出方法は、ブンランド購入レシート/ブランドの購入IDである。いわゆるID客数PI値であり、これがIDを把握することによってはじめて把握できる指標といえる。そして、もうひとつ重要な点は、この頻度をどのくらいの期間で把握するかである。実は、ここがブランド育成を検討する上での最大のテーマであるといえる。従来のPOS分析では、この期間があいまであった。なぜなら、この頻度という指標を算出することができなかったので、そもそも頻度という概念が存在しなかったからである。

   ところが、ID-POS分析では頻度が算出可能となったため、その頻度の期間が次に問われることになり、時間が極めて重要な要素となってくる。結論からいうと、長ければ長い方が良い。要は、ブランド育成にどのくらい時間をかけるべきかという議論となる。ブランド育成は1日にしてならず、千日かかるのが通常であり、できれば、千日、3年ぐらいは欲しいところであるが、最低、1年は期間としてみたいところである。当然、販促期間も自然1年、そして、3年は考えるべきであり、その期間内に限界までブランド育成をはかることがポイントである。

   このようにブランド育成とは、ID-POS分析の世界ではじめて、その本質に迫ることができるようになったといえ、その決定的なポイントはIDを把握するこが可能となったことにより、頻度が算出でき、その結果、必然的に時間が重要なポイントとなり、従来のPOS分析のように瞬間的な分析から、最低1年、できれば千日、3年、さらには永遠を目指すことになったことである。ブランド育成はその意味でやっとその糸口についたといえ、今後、ID-POS分析の発展とともに、様々な指標が開発され、その本質に迫ってゆくことができるのではないかと思う。

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May 14, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 13, 2011

バロー、2011年3月期決算、増収増益!

   バローが5/10、2011年3月期決算を公表した。結果は、営業収益3,791.72億円(9.9%)、営業利益123.03億円(30.2%)、経常利益 127.65億円(28.7%)、当期純利益 42.23億円(7.1%)となり、増収増益、特に、利益が大きく伸びる好決算となった。今期は、3月期決算の企業には資産除去債務の会計基準が適用されるが、バローもその影響額が14.83億円となったが、この損失を上回る営業利益の伸びがあり、増益を確保した。実際、営業利益は30.2%の伸びであるが、当期純利益は7.1%の伸びにとどまっており、増益とはなったが、その影響は大きかったといえる。ちなみに、14.83億円は、営業収益の0.39%に当たるので、インパクトのある数字といえる。

   そこで、まずは、バローの営業利益が30.2%と大きく増益になった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、76.05%(昨年76.42%)と0.37ポイント改善しており、原価が下がっている。バローも、「チラシ特売価格による販売促進を減らすなど、毎日安定したお買い得価格を維持するEDLP施策を拡大しております。また、総菜製造の中部フーズ(株)、パン生地製造の(株)北欧倶楽部に加え、(株)福井中央漬物で漬物の製造を開始するなど、製造小売業のビジネスモデルづくりも推進いたしました。」とのことで、製造小売への取り組みと、ハイロー価格政策の特売からEDLP政策を拡大したことが寄与したものと思われる。結果、売上総利益は23.95%(昨年23.58%)となった。

   一方、経費の方であるが、24.40%(昨年24.62%)と、0.22ポイント改善した。特に、原価改善にもつながったと見られるEDLPにともなう広告宣伝費であるが、1.11%(昨年1.21%)と、0.10ポイント改善しており、その成果が見られる。また、「SMバローにおける既存店売上高は、通期で前年比プラス1.1%の伸びを達成することが出来ました。」とのことで、既存店がプラスに転じたことで、相対的に固定費が下がったものと思われる。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.45%(昨年-1.04%)と、依然としてマイナスではあるが、その幅は大きく縮まっており、数字が改善されている。原価、経費、ダブルでの改善効果が大きかったといえる。そして、これに、不動産収入、その他営業収入等のその他営業収入が3.82%(昨年3.88%)が加わり、営業利益は3.37%(昨年2.84%)と、大きく増益となった。こう見ると、その他営業収入は若干減少しており、営業利益が増加した要因は、原価、経費、双方の改善効果であるといえ、この改善効果が、最終利益である当期純利益における特別損失、資産除去債務の会計基準の適用による影響額を相殺しており、当期純利益をも押し上げる結果となった。まさに、食品スーパーマーケットにとっては、原価、経費、この2つの改善がいかに利益に直結するかを示しているといえよう。

   また、今期のバローは利益が大幅に増加したことに加え、売上高も好調に推移している。その要因は先にもあげた既存店が1.1%と増収となったことに加え、「新規出店が当社グループでは積極出店による事業規模の拡大を図り、グループ全体で37店舗を出店いたしました。5店舗の閉店と合わせ、期末の店舗数は494店舗となりました。」とのことで、積極的な新規出店を行ったことが大きい。

   そこで、今期の投資活動によるキャッシュフローを見てみると、-144.28億円(昨年-104.53億円)であり、今期は大きく増加している。その要因は新規出店にかかわる項目、有形固定資産の取得による支出が-122.24億円(-91.29億円)であり、大きく増加しており、積極的な新規出店が今期だけでなく、来期も継続することがうかがわれる。実際、バローは、「当年度より5か年でSM80店舗の出店を目標と掲げており、当年度は16店舗を出店いたしました。」とのことで、当面、積極的な新規出店を目指す方向である。

   結果、来期の通期予想であるが営業収益4,195.00億円(10.6%)、営業利益141.00億円(14.6%)、経常利益142.00億円(11.2%)、当期純利益 64.00億円(51.5%)と、今期同様、増収増益の高い成長率を前提とした好決算である。したがって、当面、バローは成長性を重視した経営戦略を打ち出す方針であるといえる。やや気になるのは自己資本比率が32.1%(昨年31.7%)と、約70%弱を負債に依存する財務構造であり、有利子負債も697.46億円(昨年691.07億円)と、若干増加し、総資産1,901.05億円の 36.7%になっていることである。成長戦略を支えるためには、増収増益の好決算をいかし、財務改善も同時に進めたいところであろう。

   このように、バローの2011年3月期の決算は大幅な増収増益となり、好決算となった。特に、営業利益が原価、経費がEDLPの浸透の成果も見られ、ダブルで改善したことが大きく、結果、3月決算から適用された資産除去債務の会計基準の影響も相殺し、当期純利益も増益となった。来期以降も、バローは、成長戦略重視の積極的な経営戦略を目指す方針であり、当面、高成長を前提とした収益の確保をはかってゆくとのことである。それにしても、原価、経費のダブルでの改善がいかに食品スーパーマーケットの利益を押し上げるかが改めて表れた結果であるといえ、バローが来期、さらに、その改善するか、その結果に注目である。

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May 13, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 12, 2011

関西スーパーマーケット、2011年3月期決算、増収増益!

   関西スーパーマーケットが4/28、2011年3月期の決算を公表した。ここ最近、食品スーパーマーケットを含め、上場企業の3月期決算が次々に公表されており、ここ数週間がピークとなる。そこで、関西スーパーマーケットの決算結果であるが、営業収益1,167.40億円(5.2%)、営業利益17.85億円(29.9%)、経常利益 20.01億円(25.6%)、当期純利益 8.93億円(115.8%)となり、増収増益、特に、昨年の利益が大幅な減益であったため、その反動もあり、好調な決算となった。

   なお、3月期の決算企業は、食品スーパーマーケットを含め、資産除去債務会計基準が適用され、特別損失が計上されるが、関西スーパーマーケットも例外ではなく、今期、0.36億円計上しており、さらに、店舗の建物、土地等の減損損失も3.10億円計上しているが、当期純利益が115.8%と倍増している。これは、昨年、店舗閉鎖損失4.52億円、店舗閉鎖損失引当金繰入額2.72億円が計上されており、この項目の計上が今期は0であったため、利益が相殺されたためである。ただ、結果、当期純利益は倍増したとはいえ、売上高対比で見ると、0.77%であり、これは、昨年の決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの平均が1.1%であり、トップクラスは3.0%前後であるので、もう一段と増益を目指したいところであろう。

   さて、関西スーパーマーケットの今期の決算であるが、まずは、営業収益が5.2%増となった要因であるが、「店舗の新設については、平成22年4月に瓢箪山店(大阪府東大阪市)、江坂店(大阪府吹田市)、萬崎菱木店(堺市西区)、5月に善源寺店(大阪市都島区)を開店いたしました。」とのことで、4店舗の新店が寄与したといえる。関西スーパーマーケットは現在59店舗であるので、4店舗は6.7%となる。今期は既存店が0.7%増であるので、新店が増収にはいかいに大きかったかがわかる。ちにみに、今期の投資活動によるキャッシュフローであるが、-5.81億円(昨年-25.00億円)と、約1/4となっている。これは、新店にかかわる投資である有形固定資産の取得による支出が-10.44億円(昨年-36.29億円)と大きく減っているからである。したがって、来期は新店が抑制されることになるといえ、通期予想も営業収益は1.8%増であり、微増である。

   ここで、関西スーパーマーケットの売上構造を見てみたい。まず、客数は3,221人/日(昨年3,196人)、客単価は1,630円(昨年1,652円)であり、今期は客単価減、客数増という結果である。こう見ると、関西スーパーマーケットは客単価よりも、客数の方が売上高への貢献度が高いといえる。また、客単価の中身であるが、PI値は996%(昨年996%)、平均単価は163.7円(昨年164.3円)であり、PI値は高めであるが、平均単価が比較的低いといえよう。したがって、関西スーパーマーケットは客数とPI値が売上増のポイントとなっている営業構造といえる。

   次に、営業利益が29.9%となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、76.68%(昨年76.14%)と0.54ポイント上昇している。これについて、関西スーパーマーケットは、「当小売業界においては、業態間競争の激化による商品単価の下落やお客様の生活防衛意識の高まりによる節約志向に変化はなく、経営環境は依然厳しい状態が続きました。」とのことで、商品単価の下落が大きかったといえよう。結果、売上総利益は23.32%(昨年23.86%)となった。

   一方、経費の方であるが、23.61%(昨年24.60%)と、0.99ポイントと大きく減少している。それにしても、これだけ削減するのは尋常ではなく、関西スーパーマーケットも、「ローコスト体制づくりとして、グロサリー商品の営業時間外集中補充作業の推進や日配商品の自動発注システムの実験と検証を繰り返すなど、店内作業削減と作業効率の向上に取り組みました。」とのことである。また、さらに、「管理面では、コスト削減のため、省電力照明の採用や節電による消費電力の削減、プラスチック類や紙類等の資源ゴミのリサイクル推進による可燃ゴミの減量化などを図りました。」とのことで、こられが相まって、経費を大幅に削減したといえよう。

   結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-0.29%(昨年-0.74%)と、依然としてマイナスではあるが、その幅は大きく縮まっており、改善している。そして、これに不動産収入、物流収入等のその他営業収入が1.85%(昨年2.02%)加わり、営業利益は1.56%(昨年1.28%)と増益となった。

   このように、関西スーパーマーケットの2011年3月期決算は昨年の厳しい決算結果を受け、今期は反転、増収増益の好決算となった。特に、今期から適用された資産除去債務会計基準の適用があり、特別損失が発生したにもかかわらずの増益である。これは、昨年も店舗閉鎖損失等の特別損失があったこともあるが、それ以上に、経費の削減が大きかったといえよう。今後、関西スーパーマーケットとしては、さらに経費を削減するか、原価の改善に踏み切るか、今後の方針が難しいところであろう。来季、関西スーパーマーケットがどのような方針をとるか、その動向に注目である。

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May 12, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 11, 2011

原信ナルスH、2011年3月期決算、営業、増収増益!

   いよいよ、2011年3月期の食品スーパーマーケットの決算の公表がはじまった。3月期決算企業は2月期決算企業と比べ、2つのハンディーがある。ひとつは、この3/11の東日本大震災の影響である。そして、もうひとつは。資産除去債務会計基準の適用に伴う影響である。いずれも、当期純利益に影響を与える内容であり、原信ナルスHも、営業、経常段階では増収増益となったが、残念ながら、当期純利益は、その影響を受け、減益となった。その実際の数字であるが、売上高1,233.60億円(4.5%)、営業利益38.24億円(16.0%)、経常利益38.07億円(20.2%)、当期純利益13.47億円(-5.5%)である。

   そこで、この2つの影響が、原信ナルスHの決算に、どのくらいあったかであるが、東日本大震災関連では、「本年3月に発生した東日本大震災では、被害の規模、範囲ともに甚大で、様々な影響が生じました。」とのことで、決算は3月のみの範囲であるが、様々な影響があったとのことである。特に、「商品の調達につきましては、取引先様からの未入荷や入荷遅延が発生し、調達ルートの変更や代替品の調達に努めましたが、一部商品で一時的に品切れや品薄状態が発生してお客様にご迷惑をおかけすることとなりました。」とのことで、商品調達に影響が出たとのことである。

   一方、資産除去債務会計の影響であるが、特に、当期純利益に直接影響が出ており、「当期純利益の減少は、当連結会計年度より「資産除去債務に関する会計基準等」を適用したことに伴い、当該会計基準適用初年度の移行時差異13億61百万円を、特別損失に「資産除去債務会計基準の提供に伴う影響額」として計上したことによるものであります。」とのことで、これが、今期、当期純利益が減益となった要因である。

   こう見ると、どちらの影響も食品スーパーマーケットにとっては、利益を圧迫する要因であるといえ、3月期決算の企業はすべて、この2つの影響を受けた決算となる。また、来期は2月度決算企業が同様に、この2つの影響を受けることになり、食品スーパーマーケット業界は、特に、来期は、利益面で厳しい状況が予想されることになろう。

   さて、決算の内容にもどると、まずは、売上高が4.5%増収となった要因であるが、既存店は101.1%であるので、新店の効果が大きかったといえる。今期の原信ナルスHの新店はナルス上越インター店(2010年9月、新潟県上越市)、原信村上インター店(2010年10月、新潟県村上市)の2店舗を出店したことが、大きかったといえる。原信ナルスHは現在66店舗であるので、2店舗は約3%であるので、もう数店舗、新規出店を果たしたかったところかと思う。

   そして、これを受けて、来期の方針であるが、投資活動によるキャッシュフローを見てみると、有形固定資産の取得による支出、すなわち、新規出店関連への投資が-28.61億円(昨年-9.65億円)と大きく増加しているが、来期は新店1店舗、移転2店舗と、3店舗の予定であるが、純増は1店舗であるので、今期以上の増収は厳しいものがあるといえよう。実際、来期の原信ナルスHの通期予想は、売上高1,245.00億円(0.9%)であり、微増である。

   一方、営業利益の方であるが、今期は16.0%の増益となっており、好調な結果となった。そこで、この好調な要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、73.06%(昨年73.24%)と、原価が0.18ポイント下がっており、改善している。結果、売上総利益は26.94%(昨年26.76%)となった。これについて、原信ナルスHは、「当社グループの食品製造加工機能や出店地域での圧倒的な販売力を活かして、おいしく、しかも、毎日低価格で販売できる商品を開発し、他社との差別化を図りました。」とのことで、商品開発が原価低減につながったものといえよう。

   これに対して、経費の方であるが、23.83%(昨年23.96%)と0.13ポイント削減された。これに対し、原信ナルスHは、「チラシ広告の実施方針見直し、消耗品や什器関連に関する調達価格見直しと管理の徹底、作業割当の精度向上による人件費の適正化、ISO14001環境マネジメントと連動した省エネルギー対策等に一層の取り組みを行い、コストコントロールに努めています。」とのことで、様々なコスト削減が功を奏したといえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は3.11%(昨年2.80%)と、大きく増加した。原価、経費ともに改善したことが大きかったといえよう。原信ナルスHはその他営業収入が計上されていないので、マーチャンダイジング力=営業利益となり、これが増益の要因といえる。

   このように、原信ナルスHの2011年3月期の決算は、当期純利益は、今期から3月期決算の食品スーパーマーケット業界では、資産除去債務会計基準の適用がなされたため、その影響が大きく、減益となったが、営業、経常段階では原価、経費の改善が図られ、増益を達成した。これを受けて、来期以降への影響であるが、何といっても、3/11の東日本大震災の影響が読めない状況にあるといえ、来期は厳しい数字が予想されよう。原信ナルスHが、今後、この予想される厳しい経営環境の中、どのような経営戦略を打ち出すか、注目である。

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May 11, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 10, 2011

ソフトバンク、2011年3月期決算公表、ARPU逆転!

   ソフトバンクが2011年3月期の本決算を公表した。注目のARPUであるが、「当期のARPU は、前期から140 円増加の4,210 円となりました。そのうち、基本使用料+音声ARPU は、通話機能のない端末の増加や、事業者間接続料金の改定などにより、前期から160 円減少の1,890 円となりました。一方でデータARPU は、前期から290 円増加の2,310 円となりました。」とのことで、データARPUだけでなく、総合ARPUも増加、決算内容も初の3兆円超えの増収増益となる好決算となった。

   携帯電話3社の中で、総合ARPUが上昇したのはソフトバンクだけであり、それだけ、ソフトバンクのデータARPUの上昇率が高かったといえる。特に、ソフトバンクは他社に先駆けて、iPhoneを戦略商品にすえ、データARPUの向上にいち早く取り組んできたといえ、その成果が経営数字に表れた結果といえよう。今後、さらに、データARPUの上昇は続くものといえ、携帯電話会社はデータARPUの新時代に突入したといえよう。

   ここで、さらに、ソフトバンクの総合ARPUがデータARPUの上昇により、増加に転じた軌跡を追ってみたい。まず、この3月期決算の結果は先に見たように、総合ARPU 4,210円(昨年4,070円)、データARPU 2,310円(昨年2,020円)、音声ARPU 1,890円(昨年2,050円)である。ちなみに、ドコモの数字であるが、総合ARPUは5,070円(昨年5,350円)、パケット(データ)ARPUは2,540円(昨年2,450円)、音声ARPUは2,530円(昨年2,900円)であり、ソフトバンクと比べると、総合ARPUで860円、データARPUで230円、音声ARPUで640円高い数字である。したがって、ソフトバンクのARPU、特に、データARPUはまだまだ上昇する可能性が高いといえよう。

   さて、ソフトバンクのARPUの推移であるが、今期、第1四半期からの総合ARPUは第1四半期4,290円(昨年4,030円)、第2四半期 4,300円(昨年4,150円)、第3四半期 4,310 円(4,200円)、第4四半期3,940円(昨年3,890円)であり、第1四半期段階から昨対を超えて推移していた。ドコモ、auは総合ARPUでは昨対をクリアーできていないので、この点ではソフトバンクが携帯電話会社の中ではいち早く抜け出たといえる。

   その原動力となったのが、データARPUの上昇であり、その推移を見てみると、第1四半期2,250円(昨年1,880円)と、この時点ですでに、昨対を大きく上回っている。そして、第2四半期 2,290円(昨年1,990円)、第3四半期 2,330円(昨年2,060円)、第4四半期 2,370円(昨年2,140円)である。その差であるが、第1四半期370円、第2四半期300円、第3四半期270円、第4四半期230円であり、大きく昨年を上回る状況で推移しており、いかに、データARPUの上昇がソフトバンク全体の経営を牽引しているかがわかる。

   そして、音声ARPUの推移であるが、第1四半期2,030円(昨年2,150円)、第2四半期 2,020円(昨年2,160円)、第3四半期 1,980円(昨年2,150円)、第4四半期 1,570円(昨年1,750円)となり、データARPUとは対照的な動きである。その差であるが、第1四半期-120円、第2四半期-140円、第3四半期-170円、第4四半期-180円であり、マイナス幅が広がっている。

   それにしても、これだけ、数字が劇的に動くのも珍しいケースであるといえる。これをグラフにすると、総合ARPUが右上がりに上昇し、その中身であるデータARPUと音声ARPUがxにクロスし、右上がりのデータARPUと右下がりの音声ARPUの中身が180度入れ替わるわけである。ソフトバンクのデータARPUへの取り組みが、音声ARPUの減少を上回らなければ、総合ARPUは上昇しないわけであり、絶妙なバランスが、そこに働いたといえる。

   しかも、ARPUは顧客当たりの携帯使用料金であり、ARPUだけが向上しても、売上高の向上につながるとは限らない。売上高=ID×ARPUであるので、ID、すなわち、顧客数も同時に増やさないと売上高は増加しないといえる。そこで、今期の決算数字であるが、ソフトバンクの売上高は3兆46.40億円(8.7%)であり、創業以来はじめて3兆円を超え、売上高も伸びている。その要因は、ARPUだけでなく、IDも伸びていることによる。実際、今期の携帯電話の販売台数は1,024.2台(12.1%)であり、しかも、純増契約者数は353.2万人(283.9%)であり、純増が伸びたことが極めて大きい要因といえる。

   したがって、今期のソフトバンクの好決算は、データARPUの伸びが音声ARPUの減少を補い、総合ARPUを押し上げただけでなく、ID、特に、新規顧客を力強く吸引し、大きく伸ばしたことも、さらに大きな要因であるといえる。すなわち、データARPUの向上につながる新規顧客獲得の成果であるといえる。そして、これを支えたのが、まさに、iPhoneであるといえ、そこに経営資源を集中し、一点突破をはかる戦略的な取り組みを図ったことが好決算を生んだ最大の要因といえよう。

   このようにソフトバンクの2011年3月期の決算はデータARPUが音声ARPUを上回っただけでなく、ドコモもauも達成してない総合ARPUの反転をも果たしており、携帯電話3社の中で、いち早く、データARPUの時代に大きく歩を進めたといえよう。しかも、ARPUだけでなく、顧客数も同時に力強く増やしており、売上高=ID×ARPUのID、ARPUともに増加するという理想的な流れを作ったといえよう。気になる来期であるが、iPhoneではソフトバンクの1人勝ちといえるが、今後、激しい勢いでAndroid携帯の時代に突入することは必至であり、この市場でどこまでソフトバンクがシェアを獲得できるかが課題となろう。その意味で、ARPUは新たなスタート、まさに、新時代に入ったといえ、携帯電話各社の来期のARPU向上の経営戦略に注目である。

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May 10, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 09, 2011

ARPU新時代、ドコモ2011年3月期決算!

   携帯電話3社の2011年3月期の本決算が公表されつつある。注目はARPU、パケットARPUが音声ARPUを逆転したかどうかである。ここではドコモが4/28に公表した決算をもとに見てみると、結果は逆転、パケットAPRUが世界の携帯電話会社に先駆けて、音声ARPUを上回るという結果となり、ARPU新時代の到来といえる。したがって、今後、パケットARPUが携帯電話会社の盛衰を決める戦いになるといえ、その戦略商品であるスマートフォンの開発競争がますます激化するものといえよう。

   そこで、ドコモの決算で公開された実際の数字を見てみたい。今期の総合ARPUは5,070円(昨年5,350円)となり、残念ながら、総合ARPUは若干のマイナスとなった。したがって、総合ARPUは依然として厳しい状況にあり、今後、いかに、プラスにもってゆけるかが課題としては残された結果である。そして、問題の中身であるが、パケットARPUが2,540円(昨年2,450円)、音声ARPUが2,530円(昨年2,900円)となり、わずか10円であるが、パケットARPUが音声ARPUを上回るという逆転を果たす結果となった。

   ちなみに、ARPUは食品スーパーマーケットのID金額PI値に当たる指標であり、1ケ月間の顧客1人当たりの携帯利用料金のことである。携帯電話の場合は携帯利用料金を音声通話使用料とパケット利用料とに分けて集計しており、ここ数年、スマートフォンの登場以来、その数字の推移に注目が集まっていた。食品スーパーマーケットでは金額PI値(客単価)が一般的なマーチャンダイジングの評価指標であるが、携帯電話会社には金額PI値という概念はなく、もっぱらID金額PI値、すなわち、ARPUを使用している。

   その違いは、金額PI値はIDという顧客を意識することなく、売上金額を回数で割って算出する指標であるのに対し、ID金額PI値はIDを意識し、IDを基本単位として、売上高をIDで割って算出する指標であり、ここが決定的に違う指標である。したがって、たとえば、月間の数字を算出した場合、金額PI値では、ある顧客が1回の買い物金額が2,000円であれば、月間、何回買い物をしても、金額PI値は2,000円であるが、ID金額PI値の場合は、ある顧客が月間2回買い物をすれば4,000円、3回で6,000円、4回で8,000円と回数が増えるたびに、数字が増加してゆくのが特徴である。

   これがID金額PI値、すなわち、ARPUであり、数式では、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値という関係になり、金額PI値の上位概念といえる。したがって、ID金額PI値、すなわちARPUは、金額PI値をも包み込んだ指標であり、マーチャンダイジングだけでなく、マーケティング、すなわち、顧客戦略へも応用が可能となり、経営管理においては今後の決め手となる指標であるといえる。

   さて、パケットARPUの音声ARPUを逆転したことに対して、ドコモは、決算説明書の中で、「音声ARPUとパケットARPUの逆転」という項目を設け、その中で、「2010年度通期の音声ARPUとパケットARPUの逆転を達成」、「2011年度はパケットARPUの成長を加速させることで、総合ARPUを下げ止め、2012年度以降上昇に転換させる」としており、パケットARPUの一層の成長を目指すと宣言している。そして、そのために、スマートフォンの推進として、2011年度の販売台数を600万台と、目標設定している。さらに、2012年度は総販売数の50%超を目指すとのことである。また、パケット利用の促進として、パケット定額サービス契約率を70%にもってゆくとのことである。

   これは、パケットARPUがいかにドコモの経営戦略の根幹であるかを示すものといえる。パケットARPUの上昇を通じて、音声ARPUの減少をカバーし、結果、総合ARPUを押し上げるとのことで、パケットARPUの向上が今後のドコモの成長戦略の根幹となるとの認識である。また、そのための具体策として、スマートフォンの推進、すなわち、商品戦略とパケット利用の促進、すなわち、価格戦略を上げており、この2つの戦略が両輪となって、パケットARPUを押し上げてゆくとのことである。

   したがって、今後、携帯電話会社各社は、市場シェアNo.1のドコモの戦略が明らかになったことにより、スマートフォンの激しい市場シェア争いが繰り広げられることになるといえ、ソフトバンク、auを含め、3つ巴の戦いが本格化するといえよう。

   このように、ドコモの2011年3月期の決算が公表されたが、わずか10円であるがパケットARPUが音声ARPUを上回るという結果となった。今後、その差は大きく拡大し、数年後には60%から70%近くまで急激にパケットARPUが拡大することが予想される。したがって、携帯電話市場は、今後、日本において、世界でも最も激しいパケットARPU獲得の市場シェア争いが繰り広げられることになるといえる。そして、その評価指標がARPUであり、ARPUが向上しているかどうかが、正しい方向に進んでいるかどかを示す指標として、これまで以上に重視されるものといえよう。スマートフォンがどこまでパケットARPUを押し上げるか、今後のドコモの動きに注目である。

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May 9, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 08, 2011

東武ストア、2011年2月期、減収減益!

   東武ストアが4/12、2011年2月期決算を公表した。結果は売上高811.63億円(-0.4%)、営業利益8.34億円(-40.1%)、経常利益10.67億円(-34.0%)、当期純利益7.67億円(-66.4%)と、減収減益、厳しい決算となった。ただ、自己資本比率は69.3%(昨年68.8%)と改善、その比率も70%に迫り、食品スーパーマーケット業界の中でも屈指の高い数字である。東武ストアとしては、この安定した財務状況をもとに、いかに、経営改革をはかるかが、当面の課題といえよう。

   そこで、東武ストアがこの決算結果と同時に公表した決算説明会資料をもとに、どのような改革に取り組みはじめているのかを見てみたい。来期、東武ストアが最も重視している政策は「個店ごとの戦い」の実践である。具体的には、これまで営業計画を策定するのは本部であったが、これを店舗主導による予算策定に切り替えることである。東武ストアによれば、「店舗ごとに競合店を明確にし、戦い方を立案。本部と議論を重ねて予算を策定。」とのことであり、本部はサポート機能を強化するとのことで、いわゆる個店主義の実践といえる。

   一見、チェーンストア理論の否定にも見えるが、チェーンストア理論の根幹は仕入れと販売を分離し、本部主導の仕入れを徹底することにあるので、この部分には踏み込んでおらず、依然として組織形態は本部主導の仕入れを前提とするチェーンストア理論を維持しているといえる。販売を店舗主導に切り替え、個店の競争力を引き上げるために、競合店を考慮し、営業方針を決めてゆくというものである。したがって、もう一歩、進め、個店仕入れにまで踏み込む体制までゆくのかどうかが、今後の課題といえよう。ただ、固定仕入れをするには、店舗に優秀な人材を配置し、自主的な判断ができる人材教育も必須であり、自然、正社員比率が上がるため、そこまでゆくには、根本的な経営戦略の見直しが必須といえる。今回の改革は、その方向性を残しながら、一歩、個店主義に近付いた政策といえよう。ちなみに、ほぼ、この個店主義に近いイメージの食品スーパーマーケットがオオゼキであるといえる。

   そして、もうひとつ、来期の方針で示されているのが、売場づくりの監督指導である。これは、大きく3つに分かれている。①販売計画の事前立案と実行レベルの向上、②お客様目線で、わかりやすく、買い易い売場づくりの実施、③価格志向からの脱却(売価政策の見直し)である。特に、①が個店主義を具現化した項目であるといえ、「自店の立地特性に合わせて週単位の売場展開を実施、チラシ効果を最大限に発揮できる売場構築の実現、新商品の導入時には、商品本部と連携して、週毎のチェックを実施」からなり、本部の支援のもとに各店が独自に売場づくりを実施するという内容である。また、そのために、店舗独自のPOPが②の実践として、「お客様が商品の食べ方や特性を理解し易いよう、「コトPOP」の活用する」と、なされてゆく。さらに、③では、「品質、グレード、鮮度を重視した品揃えの確立・1ランク上の商品の導入と売り込みに果敢に挑戦」と、競合店との価格競争をするのではなく、むしろ品質競争を行う方針を打ち出し、原価の下落を防ぐ政策も導入される。

   以上が、来期の東武ストアの営業改革の骨子といえるが、では、この営業改革の導入に踏み込むきっかけとなった今期の営業利益が-40.1%と大きく減益になった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、72.12%(昨年73.63%)と、原価は1.51ポイントと大きく下がっており、この厳しい経営環境の中、改善している。結果、売上総利益は27.88%(昨年26.37%)となった。一方、経費の方であるが、26.84%(昨年24.65%)と、2.19ポイントと、原価とは一転、大きく上昇している。それにしても、この経費率の上昇はかなり大きなインパクトがあるといえ、今後、いかに経費比率を引き下げる営業体制をつくるかが課題といえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は1.04%(昨年1.72%)となり、東武ストアはその他営業収入が計上されておらず、イコール、これが営業利益となる。これが今期、東武ストアが減益となった要因であり、原価は改善したが、経費が大きく上昇したことによる。こう見ると、東武ストアの来期の営業方針は今期の結果を見る限り、経費削減の仕組みづくりが大きな課題といえよう。東武ストアも経費削減策の監督指導として、店舗人件費の見直し、手数料の削減、光熱水道費(電気量)の削減を掲げているが、恐らくこれだけでは厳しく、さらに踏み込んだ構造的な対応が課題といえよう。

   このように2011年2月期の東武ストアの決算は減収に加え、経費比率が大きく上昇したため、原価の改善を補うことができず、減益となった。これを受けて、来期は、個店主義を強く打ち出す方針であるが、経費削減よりも、競争力を向上させ、増収をはかる点に力点が置かれているといえる。今後、東武ストアがさらに個店主義を徹底し、チェーンストアの核心、仕入れの改善にまで踏み込んでゆくか、その行くへに注目である。

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May 8, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 07, 2011

サンエー、2011年2月期決算、増収増益!

   サンエーが4/13、2011年2月期の決算を公表した。結果は、営業収益1,435.86億円(4.8%)、営業利益96.69億円(9.8%)、経常利益 99.10億円(10.6%)、当期純利益56.42 億円(13.0%)となり、増収増益の好決算となった。また、自己資本比率も70.8%(昨年64.3%)と、70%を超え、財務的にも食品スーパーマーケット業界屈指の極めて高い数字となった。昨年の決算公開企業約50社の中でも自己資本比率が70%を超えているのはヨークベニマル、マルキョウの2社のみであり、70.8%がいかに高い数字であるかがかる。

   サンエーは、この健全な財務状況による強さもさることながら、営業利益率の高さも食品スーパーマーケット業界屈指の数字である。そこで、今期の営業利益が増益となった要因を原価、経費面、その他営業収入面から見てみたい。まずは、原価であるが、69.91%(昨年69.81%)であり、0.10ポイントの上昇が見られる。サンエー自身も、「小売部門におきましては、個人消費が低迷する中、低価格販売による競争激化で商品単価の下落が続いておりましたが、一部に回復の兆しが見られました。」とのことで、回復の兆しが見られるとのことであるが価格競争の影響があったものと思われる。

   結果、売上総利益は30.09%(昨年30.19%)となった。それにしても、30%を超える売上総利益は、昨年の決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの中では、最も高い数字であり、食品スーパーマーケット業界の限界に近い数字であるといえよう。その要因はサンエーが独特な多角化経営を行っており、食品(構成比約55%)だけでなく、衣料品、住居関連用品、外食、ホテル、CVSと幅広い事業展開をしており、特に、衣料、外食、ホテル等の原価が低い事業が大きく貢献しているためである。

   一方、経費の方であるが、28.20%(昨年27.14%)と、1.06ポイントと大きく上昇している。サンエーは、先に見たように、原価も低いが、経費も高いという特徴がある。一般に食品スーパーマーケットは経費小原価小が理想といえるが、このような企業はほとんどなく、通常は経費小原価大を目指して、EDLP、EDLCを目指す経営戦略といえる。これに対して、経費大原価大、経費大原価小もパターンとしてはあるが、経費大はいずれも利益が出しにくく、特に、経費大原価大の場合は他の利益に依存せざるをえなくなり、食品スーパーマーケットのビジネスモデルとはやや離れることになる。サンエーはこの内、経費大原価小にあたる珍しいパターンであるといえる。したがって、経費改善ができれば、利益は大きく増大する構図であるが、今期は残念ながら、経費の大幅な上昇が見られ、利益が出しにくい構造となった。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は1.89%(昨年3.05%)と、プラスとはなったが、昨年と比べ縮小した。ちなみに、経費比率が大きく増大した要因は、その他経費が139.39億円(昨年124.12億円)と15.27億円増加したためである。そして、これに、不動産賃貸収入、加盟店からの収入等のその他営業収入が5.19%(昨年3.59%)加わり、結果、営業利益は7.08%(昨年6.64%)と、大幅な増益となった。今期は特に、この、その他営業収入の増加が大きく上昇したことが、営業利益を押し上げた要因であるが、これは、昨年はなかった加盟店からの収入によるところが大きく、コンビニエンス事業の貢献が大きかったものと思われる。それにしても、営業利益率が7%を超えるのは昨年の決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの中ではトップであり、7%が食品スーパーマーケットにとって、いかに高い営業利益率であるかがわかる。こう見ると、今期のサンエーの営業利益率の業界屈指の高さは、その他営業収入によるところが極めて大きく、これが、サンエーの沖縄商圏内での多角化の成果といえよう。

   これを受けて、サンエーの来期予想であるが、営業収益1,447.43億円(0.8%)、営業利益 98.62億円(2.0%)、経常利益100.49億円(1.4%)、当期純利益 59.86億円(6.1%)と、増収増益予想であるが、今期よりはその増加率はやや低く、特に、成長率が厳しい予想である。サンエーは「一部不安定な国際情勢による先物価格の高騰に加えて東日本大震災による影響も懸念され、より厳しい経営環境になることが予想されます。」とのことで、厳しい経営環境になるとの見通しである。

   このように、サンエーの2011年2月期決算は増収増益と好決算となった。また、自己資本比率も70%を超え、財務的にも安定した健全な結果となった。ただ、やや気になるのは、経費比率の大幅な上昇が見られ、マーチャンダイジング力が縮小したことである。本来、サンエーは経費大原価小であるので、経費削減が可能であれば、利益を向上させやすい営業構造であるが、今期は逆の方向に動き、苦戦したといえよう。それでも、その他営業収入が大きく上昇したため、結果、営業利益は増益となったといえ、今後、いかに、経費比率を改善できるかが、大きな課題となったといえる。来期、この経費比率がどこまで改善されるか、サンエーの動向に注目である。

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May 7, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 06, 2011

3/11、東日本大震災後の各地の家計消費データを見る!

   前回に続き、家計調査データについて取り上げたい。家計調査データには様々な集計結果があるが、その内のひとつに、「第4-1表 都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たりの支出金額,購入数量及び平均価格」という集計表がある。これを見ると、都道府県庁所在地別の消費額が集計されており、今回の3/11の東日本大震災の影響が各地域の消費にどのような影響があったのかがわかる。そこで、この集計表を昨年の3月度の数字と比較し、その実態を掘り下げてみたい。ただし、この3月度は被災地であった宮城県の仙台市、福島県の福島市についてはデータが集計されておらず、空白となっているので、この2地区については、その状況はわからない。

   さて、まず、全体の消費状況であるが、全国平均は前回のブログでも見たように91.6%であるが、各地区は消費が伸びた地区、逆に大きく下がった地区と様々である。伸びた地区であるが、青森市129.7%、宮崎市121.9%、高知市121.0% 、盛岡市115.7% 、大津市113.8%、松山市112.2%、広島市111.2%であり、以上の地区が110%以上消費額が昨年の3月度と比べ、伸びた地区である。青森市、盛岡市と東北地区が2件入っている。

   そこで、この2件、青森市と盛岡市の特に伸びた要因を見てみたい。まずは、青森市であるが、酒類134.8%、住居162.7%、交通・通信158.2%、教育417.0%である。ただし、教育については、各地区の集計世帯数が少ないため、異常値が出る場合があるが、まさに、実態を見ると私立大学の数字が異常値となっている。したがって、住居、交通・通信が特に消費額が実質増加した項目である。その中身であるが、住居では、設備修繕・維持680.4%、工事その他のサービス843.8%であり、交通・通信では、自動車等関係費219.4%であり、まさに、被災後の厳しい現実が浮かび上がっているといえる。一方、盛岡市では、その他消費支出278.9%、家具・家事用品114.6%、穀類114.4%である。中でも、その他消費支出であるが、寄付金612.6%、交際費1,503.7%、贈与金2,022.9%、理美容用電気器具234.0%、化粧水173.4%等が異常値である。また、家具・家事用品であるが、カーテン538.6%、炊事用電気器具475.7%等の消費が急増している。

   ここで、盛岡市で異常値となった寄付金の状況を見てみたい。この3月度は全国的に異常値となっており、958.3%が全国平均であるので、昨年の約10倍の寄付金が発生していることがわかる。10,000%を超えたのが、前橋市113,050.0%、富山市39,550.0%、松江市28,833.3%、堺市22,083.3%、福岡市16,253.3%、静岡市12,725.6%の6地区である。ちなみに、少ない地区でも山口市417.6%、神戸市379.6%、津市326.8%、浜松市218.5%であるので、まさに、大震災特有の項目といえよう。

   次に、消費が下がった地区であるが、静岡市78.9%、宇都宮市75.8%、前橋市75.6%、奈良市74.1%、札幌市71.9%、水戸市71.5%であり、以上が80%未満の地区である。そこで、特に札幌市と水戸市で消費が大きく下がった要因を見てみたい。

   まずは、札幌市であるが、酒類70.9%、外食76.7%、被服及び履物58.9%、保険医療58.6%、交通・通信37.1%、教育21.2%、教養娯楽75.2%である。この内、教育は先に見たように集計人数の関係で異常値が出やすいので、交通・通信、保険医療について、さらにその項目を見てみると、交通・通信では、鉄道通勤定期代1.8%、バス通勤定期代36.5%、航空運賃47.5%、有料道路料44.0%等に加え、自動車等関連用品4.3%、自動車整備費30.3%等が激減している。また、保険医療については、栄養剤23.5%、医科診療代77.0%、歯科診療代79.9%の消費が厳しかったといえる。

   次に、水戸市であるが、外食58.2%、被服及び履物58.9%、保険医療71.0%、交通・通信61.5%、教育21.2%、教養娯楽52.5%、その他の消費支出78.6%等である。この内、交通・通信と外食について見てみたい。まずは、交通・通信であるが、鉄道運賃6.8%、バス通勤定期代25.5%、自動車等関連用品12.3%、郵便料38.8%、移動電話通信料59.7%、運送料64.1%等である。また、外食であるが、飲酒代15.7%、洋食35.2%、和食50.2%、学校給食53.7%等である。

   最後に、食品について、特に、消費額が落ち込んだ地域であるが、前橋市89.2%、山形市89.1%、盛岡市88.4%、宇都宮市86.3%、水戸市82.6%であり、いずれも被災地の東北、北関東である。その要因であるが、特に、水戸市では、魚介類86.4%、肉類78.9%、野菜・海藻88.3%、菓子類76.0%、飲料88.2%、酒類73.7%と、大半の項目が大きなマイナスとなっている。ちなみに、プラスとなった項目であるが、果物109.8%、穀類104.2%の2項目のみである。

   このように、この3月度の家計調査データの地域別を見ると、全国データではわかりにくかった各地域の3/11の東日本大震災の影響を受けた消費項目が鮮明に浮かびあがり、様々な異常値が発生していることがわかる。特に、食品では全国の数字は100.5%と堅調な数字となったが、今回のデータが公表された被災地の食品は大きくマイナスとなっており、厳しい消費環境にあったことがわかる。今回は、仙台市、福島市の数字は公開されていないが、おそらく、さらに厳しい消費状況であったことと思われる。当面、この厳しい状況は続くと思われるが、4月以降、この数字がどのように変化するか、その行方が気になるところである。

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May 6, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 05, 2011

家計調査データ、2011年3月度、震災後の消費は?

   総務省統計局から、4/28、2011年3月度の家計調査データが公表された。3/11の東日本大震災後のはじめての家計調査データであり、その結果が注目されていたが、気になる食品の数字は1,918.48円(100.5%)と、昨対を超え、堅調な結果となった。ただ、食品を含めた全体の消費額は9,457.45円(91.6%)となり、この3月度は、食品以外の消費の落ち込みは大きかったといえ、消費全体は厳しい数字であったといえる。

  そこで、まずは、この3月度、特に消費が下がった項目を見てみたい。大分類で見て、10%以上、消費が下がった項目であるが、外食363.58円(84.0%)、住居496.45円(83.2%)、被服及び履物375.00円(83.9%)、交通・通信1,326.45円(87.3%)、教育417.48円(79.7%)、教養娯楽943.71円(80.9%)の6項目である。この中で、最も大きかったのは、教育417.48円(79.7%)であるが、これは、国公立高校 8.87円(33.5%)、私立高校29.48円(69.6%)と、高校授業料の無償化の影響によるところが大きい。ただ、これ以外にも、私立小学校0.77円(28.6%)、私立中学校1.90円(35.3%)、私立大学93.61円(64.2%)と、私立学校関係の授業料が軒並み下がっており、これも教育全体を押し下げた要因である。

   ついで、教養娯楽943.71円(80.9%)であるが、教養娯楽用耐久財146.58円(68.6%)と教養娯楽サービス451.42円(78.0%)の落ち込みが大きい。その要因であるが、教養娯楽用耐久財では、テレビ60.16円(54.4%)、携帯型音楽・映像用機器0.84円(68.4%)、パーソナルコンピュータ36.94円(75.7%)、ビデオカメラ1.16円(22.9%)、ビデオデッキ12.03円(88.8%)など、家電関連の落ち込みが大きかったといえる。また、教養娯楽サービスでは、パック旅行費102.65円(65.6%)、国内パック旅行費62.48円(56.0%)、外国パック旅行費40.16円(89.5%)など、旅行関連、そして、音楽月謝18.03円(86.3%)、他の教養的月謝12.55円(74.2%)、スポーツ月謝28.03円(80.5%)、映画・演劇等入場料12.10円(64.5%)、スポーツ観覧料1.61円(79.4%)、ゴルフプレー料金15.32円(86.7%)、スポーツクラブ使用料8.29円(88.9%)などが軒並み大きく下がっている。

   ただ、この教養娯楽の中でも比較的堅調な消費もある。教養娯楽用品213.52円(94.0%)である。この中には、電池12.90円(285.7%)が異常値となっており、これ以外にも、他の教養娯楽用品21.84円(126.3%)、教養娯楽用品修理代0.48円(166.7%)、ペットフード19.13円(103.7%)、テレビゲーム機4.13円(119.6%)などは計画停電の影響もあってか、消費が伸びた項目である。

   外食363.58円(84.0%)であるが、全体的に厳しい結果であったが、その中でも、飲酒代35.00円(64.4%)、中華食9.90円(71.2%)、日本そば・うどん11.10円(78.9%)、中華そば13.55円(83.5%)、ハンバーガー11.06円(82.1%)、和食48.87円(80.1%)等が厳しい消費額であった。住居496.45円(83.2%)では、給排水関係工事費15.23円(29.7%)、外壁・塀等工事費23.03円(35.0%)、植木・庭手入れ代2.10円(43.3%)等、工事関連が厳しい結果となった。被服及び履物375.00円(83.9%)では、男子用洋服59.06円(72.9%)、婦人用洋服89.58円(81.6%)の消費額が特に下がった項目である。そして、交通・通信1,326.45円(87.3%)であるが、何といっても、自動車等購入が200.97円(61.8%)と、大きく消費額が減少しているが、一方で、ガソリン193.94円(104.8%)、自動車等部品38.29円(112.5%)は、消費額を伸ばしている。また、郵便料6.06円(117.5%)、運送料18.94円(131.6%)など、通信関連の消費額は大きく伸びている。

   以上が、食品以外の特に、この3月度、大震災の影響が大きかったと思われる項目であるが、ここで、食品について見てみたい。まずは、全体は食品1,918.48円(100.5%)と堅調な結果であったが、大分類で消費額が下がった項目を見てみると、魚介類210.61円(94.0%)、乳卵類104.29円(98.1%)、菓子類213.97円(92.3%)、酒類97.84円(96.2%)であり、消費額の大きな落ち込みは見られなかった。これ以外はすべて、昨対を超えており、特に、飲料123.32円(108.9%)、主食的調理食品114.06円(104.0%)、穀類232.48円(109.6%)は計画停電関連ということもあり、消費額を力づく良く底上げしたといえよう。

   さらに、消費額が両極端に動いたものをピックして見ると、プラス項目は、米 82.06円(113.2%)、カップめん14.35円(140.8%)、即席めん6.61 円(129.7%)、小麦粉2.58円(117.6%)、もち3.45円(137.2%)、粉ミルク2.84円(139.7%)、乾燥スープ8.87円(131.6%)、ふりかけ4.97円(116.7%)、ミネラルウォーター12.84円(248.8%)、コーヒー15.61円(112.6%)等である。逆に、マイナス項目は、貝類 12.55円(80.7%)、まんじゅう3.68円(74.0%)、他の和生菓子27.97円(85.8%)、アイスクリーム・シャーベット10.65円(86.2%)、ビール25.87円(88.4%)、ウイスキー2.81円(85.3%)、ワイン5.23円(88.0%)等である。

   このように、注目された2011年3月度の家計調査データであるが、食品は計画停電の影響もあり、買いだめ需要が発生したものと思われ、若干のプラスとなったが、全体の消費は1割弱下がるという厳しい結果となった。特に、外食、住居、被服及び履物、交通・通信、教育、教養娯楽の6項目への影響が顕著であったといえよう。今回の大震災は東日本、特に東北地方に限定されていたとはいえ、この家計調査データは日本全体の数字であり、いかに、全国的に大きな影響があったかがわかる。4月以降もこの大震災の様々な影響は続くと思われ、当面、消費動向を注意深く見てゆく必要があろう。

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May 5, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 04, 2011

イズミ、2011年2月期決算、増収増益!

   イズミが4/8、2011年2月期本決算を公表した。結果は、営業収益5,023.79億円(2.1%)、営業利益217.83億円(6.7%)、経常利益209.49億円(6.2%)、当期純利益99.41億円(13.6%)となり、増収増益、堅調な決算となった。イズミは現在、87店舗を地元広島を中心に、九州、四国地方へと展開しているが、その約60%強がショッピングセンター、ゆめタウンであり、食品スーパーマーケットというよりも、ショッピングセンターを主力業態とした企業といえる。特に、九州、四国地方は大半がゆめタウンであり、売上構成比もこの地区は50%を超え、イズミの第2の商圏として、確立されたといえる。

   ただ、ここ最近は、営業収益が伸び悩んでおり、昨年は-1.6%、今期も2.1%増と微増にとどまっている。そこで、今期、イズミの営業収益が伸び悩んだ要因を見てみたい。まずは、今期の新規出店であるが、「店舗面では、付加価値の高い商品を地域一番の安さでご提供する新しいタイプのディスカウント業態として、昨年9月に「DSイズミうきは店」(福岡県うきは市、店舗面積 約7,300 平米)、11 月に「DSイズミ津山店」(岡山県津山市、店舗面積 約2,500 平米)を新設いたしました。」とのことで、DS、2店舗のみである。イズミの主力業態であるゆめタウンの出店はなく、これが営業収益が伸び悩んだ要因といえる。

   ちなみに、このDSの特徴であるが、「近隣のお客様の毎日のお買物に対して低価格と利便性・快適性をご提供するとともに、売場作業の省力化によるローコスト運営に努めており、小商圏型店舗として既存の店舗網では捉えきれなかった地域の需要を新たに掘り起こしてまいります。」とのことで、ゆめタウンとは対極的なコンセプトである。これを受けて、来期の新店予定であるが、四国の徳島県では初となる出店となるが、ゆめタウンをオープンする予定である。DSを継続的に出店してゆく方針ではないようであり、ゆめタウンを依然として主力業態として出店ゆくとのことである。

   ゆめタウンはショッピングセンターであるがゆえに、莫大な投資が必要となる業態である。来期の徳島のゆめタウンの投資額を見ても、125億円の予定であり、今期の2店舗のDSの投資がDSイズミうきは店18億円、DSイズミ津山店9億円と比べても10倍近い投資である。当然、資金調達も多額に及ぶことになる。

   そこで、今期のイズミの財務状況を見てみると、自己資本比率は33.2%(昨年30.1%)であり、昨年よりは改善したとはいえ、負債が約70%である。イズミの出店にかかわる資産、土地、建物、敷金の合計は2.718.62億円(1店舗当たり31.24億円)であるので、総資産3,685.84億円の73.75%にも及ぶ。したがって、差し引き、出店余力は-40.55%であり、負債に大半を依存する出店構造といえる。しかも、その負債の内、有利子負債は1,607.43億円と、総資産の43.61%と重く経営にのしかかっており、新規出店を継続的、安定的にしてゆくには厳しい財務状況にあるといえる。したがって、今期は主力業態、ゆめタウンの新規出店をひかえたといえよう。実際、今期の投資活動によるキャッシュフローを見ると、新規出店関連の投資である有形固定資産の取得による支出が-121.64億円(昨年-213.82億円)とほぼ半減しており、新規出店を控えたことがわかる。

   一方、営業収益に対し、好調な決算となった営業利益が6.7%増となった要因を原価、経費、そして、その他営業収入面から見てみたい。特に、イズミはショッピングセンター、ゆめタウンが主力業態であるため、その他営業収入の貢献度は極めて大きく、特に、この3つの面から営業利益を見てゆくことが必要である。まずは、原価であるが、78.94%(昨年78.47%)と、0.47ポイント上昇している。今期、新店として2店舗のDSを出店しているが、それだけ、価格競争が厳しい状況にあったものといえよう。結果、売上総利益は21.06%(昨年21.53%)となった。ちなみに、食料品は24.9%、衣料品36.3%、住居関連品30.6%であり、全体が21.06%となるのはテナントの8.0%が入るためである。

   ついで、経費であるが、21.38%(昨年22.15%)と、-0.77ポイントと大きく改善している。原価の上昇を、経費でカバーしており、結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.32%(昨年-0.62%)となった。依然としてマイナスではあるが、その幅は改善しており、経費削減効果が大きかったといえよう。
そして、これに、イズミ特有のその他営業収入が加わるが、その中身は、不動産賃貸収入、流通センター収入、店舗賃貸共同管理費収入がそれぞれほぼ均等に加算され、4.88%(昨年4.99%)となり、結果、営業利益は4.56%(4.37%)と、増益となった。

   このようにイズミの2011年2月期の本決算は増収増益と、堅調な決算となった。やや気になるのは営業収益が2.1%と伸び悩んだことであり、その要因が主力業態のゆめタウンの新規出店がなかったことによることである。来期は1店舗のゆめタウンの出店が予定されているが、今期の財務内容を見る限り、新規出店を安定的、継続的に果たしてゆくには負債が重く、財務内容の改善が課題といえる。一方、利益の方は好調といえ、特に、経費比率の改善が全体の利益を押し上げており、収益性は増しているといえる。今後、この収益性の高さをいかに財務改善につなげ、安定的な成長戦略を構築できるか、今後のイズミの動向に注目である。

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May 4, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 03, 2011

スーパーバリュー、2011年2月期決算、増収減益!

   スーパーバリューが4/14、2011年2月期の決算を公表した。結果は、売上高479.75億円(10.7%)、営業利益10.87億円(-4.3%)、経常利益9.70億円(0.0%)、当期純利益 4.88億円(-12.0%)となり、増収減益となるやや厳しい決算となった。ただ、各食品スーパーマーケットの売上高が伸び悩む中、10.7%の成長となり、順調に新店を展開しており、スーパーバリューの成長性の高さを示す決算となった。現在、スーパーバリューは16店舗を埼玉県を中心に展開しているが、今期は、「平成22年3月に志茂店(東京都北区)、12月に等々力店(東京都世田谷区)の2店舗を出店し、・・」と、2店舗を出店している。したがって、新店効果は単純計算で2/16=12.5%の成長が期待できることになり、2店舗の新店の貢献度が大きかったといえよう。

   そこで、まずは、スーパーバリューのここ数年の新店戦略を見てみたい。2010年度は先に見たように、12月に等々力店(東京都世田谷区)、3月に志茂店(東京都北区)の2店舗、2009年度は11月に大宮天沼店(埼玉県さいたま市)、見沼南中野店(埼玉県さいたま市)、10月に荒川一丁目店(東京都荒川区)、7月に東所沢店(埼玉県所沢市)の4店舗、そして、2008年度は12月に入間春日町店(埼玉県入間市)、10月に川口前川店(埼玉県川口市)と2店舗をオープンしている。したがって、この3年間に8店舗をオープンしており、まさに、急成長を遂げているといえ、この勢いが、この2011年度も継続しているといえる。

   では、この急激な新規出店を支えた財務状況はどのような状況にあるのかを見てみたい。まずは、自己資本比率であるが、18.6%(昨年15.6%)であり、昨年よりは上昇しているが、80%以上を負債に依存する構造であるといえ、財務構造としては、厳しい状況であるといえよう。そこで、負債の中身を見てみると、有利子負債が112.56億円(昨年110.28億円)と総資産200.29億円の56.19%と半分以上を占めており、財務に重くのしかかっている。ただ、この内、50.75億円は責任財産限定対象であるため、リスク分散が図られている。これは、資産とも連動しており、出店関連の資産である土地28.62億円、建物及び構築物28.30億円等も責任財産限定対象となっている。したがって、「上記匿名組合の借入金は匿名組合の責任財産限定対象資産のみを担保とするものであり、当社に返済義務はないものであります。」とのことである。

   スーパーバリューがここ最近急成長を遂げた要因は、この独特な財務戦略にあるといえ、通常であれば、自己資本比率18.6%では、思いきった新規出店が難しいところであるが、この仕組みがここ数年の成長戦略を支えてきたといえる。ただ、さすがに、今期の投資活動によるキャッシュフローの中の新規出店にかかわる項目、有形固定資産の取得による支出は1.65億円(昨年5.59億円)と、大きく減少しているので、今後は、資産のかからない居抜き出店に切り替え、内部体制を固めてゆくものと思われる。

   さて、スーパーバリューが急成長を遂げた要因は、この積極的な新規出店にあったといえるが、その一方で、新店をいち早く軌道に乗せる価格競争力もその要因といえる。そこで、今期の営業利益の構造を原価、経費から見てみると、原価は79.68%(昨年79.69%)と0.1ポイント改善しており、結果、売上総利益は20.32%(昨年20.31%)となった。この内、食品スーパーマーケット部門は19.9%、ホームセンター部門が21.5%であるので、食品スーパーマーケットは20%を下回る低さであり、強力なディスカウント政策が実施されていることがわかる。昨年の決算公開企業約50社の平均が25.0%であるので、いかに、低い数字であるかがわかる。

   一方、経費の方であるが、18.67%(昨年18.38%)であり、昨年よりも0.29ポイント上昇しているが、18%台は極めて低い経費比率である。これも、昨年の決算公開企業約50社の平均が25.6%であるので、いかにローコスト構造であるかがわかる。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は1.65%(昨年1.93%)となり、プラスとはなったが、昨年よりも減少した。これに、不動産収入等のその他営業収入が0.62%(昨年0.69%)加わり、結果、営業利益は2.27%(昨年2.62%)となり、減益となった。ただ、減益となったとはいえ、これだけ経費比率が低いと競合の食品スーパーマーケット等とも価格競争力が優位に展開できるため、売上高の増収を支える大きな要因となったといえよう。

   このように、スーパーバリューの2011年2月期の決算は2桁の増収とはなったが、営業利益は昨対を割り、増収減益となった。スーパーバリューはこれまで新店を積極的に展開し、急成長を遂げ、さらに、業界屈指の低い経費比率を武器に、価格訴求を全面的に打ち出し、シェアを拡大してきたといえる。気になるのは、財務、自己資本比率であり、責任財産限定対象の仕組みを取り入れているものの、18.6%は、今後とも成長を目指す上においては、厳しい数字といえる。今後は財務改善も視野に入れたバランスをとった経営戦略が必須といえ、来期以降、スーパーバリューがどのような経営戦略を打ち出すか注目である。

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May 3, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 02, 2011

消費者物価指数(CPI)、2011年3月度、0.0%!

   注目の2011年3月度の消費者物価指数(CPI)が4/28、総務省統計局から公表された。消費者物価指数には3つの総合指数があるが、結果は、「(1) 総合指数は平成17年を100として99.6となり、前月比は0.3%の上昇。前年同月と同水準となった。(2)生鮮食品を除く総合指数は99.4となり、前月比は0.5%の上昇。前年同月比は0.1%の下落となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は97.0となり、前月比は0.2%の上昇。前年同月比は0.7%の下落となった。」となり、(1)の文字通り、総合指数は前年同月比0.0%となった。ただ、(2)は0.1%の下落、(3)は0.7%の下落であり、3/11の東日本大震災の影響は消費者物価全体へは大きな影響は出ていないようである。

   実際、(1)の総合指数の過去4年間の消費者物価指数の推移を見ると、平成17年を100とした場合の動向は3年前の平成20年8月、9月、10月をピークに、その後、右下がりに消費者物価指数が下降しており、平成22年度に入ると、マイナスとなり、その後、横ばいで推移している。そして、平成23年度に入ってもマイナスの横ばいが続いている。特に、(3)の食料、エネルギーを除く総合指数は、この4年間一度もプラスに転じたことがなく、先に上げた(1)の平成20年8月、9月、10月以降、平成23年に入っても下降傾向が鮮明であり、この3月度も大きな動きは感じられない。

   また、消費者物価指数を昨年同月比で見ると、平成20年度まではプラスの上昇傾向が鮮明であるが、その平成21年に入り、マイナスに転じ、平成23年に入ってもマイナスが一貫して続いている。しかも、(1)、(2)、(3)すべてがほぼ同じ傾向で推移しており、プラスに転じる兆候が見られない。この3月度も1月度、2月度とほぼ同じ傾向であるといえ、東日本大震災の影響は、ほとんどないように見える。

   そこで、もう少し、この3月度の結果を掘り下げてみたい。まずは、プラスに貢献した項目であるが、寄与度で見てみると、ガソリン0.32、たばこ0.27、生鮮食品0.17、灯油0.15の4つ項目である。いずれも、食品、エネルギー関連であり、消費者物価指数に、いかに、この2大部門が大きな影響を与えるかがわかる。それゆえ、(1)、(2)、(3)と総合指数が3つあることも頷ける。この4つの項目以外はいずれも寄与度は低く、3月度特有の項目は特には見あたらないといえる。

   一方、マイナスの寄与度となった項目であるが、何といっても、高校授業料の無償化の影響が大きく、公立高校授業料-0.40、私立高校授業料-0.11であり、この2つが最大のマイナス要因である。まさに、政策が消費者物価指数を押し下げたといえる結果となった。この2大項目以外では、生鮮食品を除く食料であり、-0.15であり、生鮮食品の0.17とは対照的な動きである。食品はその意味で、消費者物価指数を上昇させている生鮮食品と、下降させている非生鮮食品との両極端が混在している部門であるといえ、複雑な要因を抱えているといえよう。これ以外では、その他が-0.25となる。

   以上が、この3月度の消費者物価指数にプラス、マイナスへ影響を与えた項目であるが、これを2月度と比べてみると、ほぼ同様な傾向であるといえ、この状況を見ても、3月度の消費者物価に大きな変動はなかったといえ、全体としては、3/11の東日本大震災の影響はなかったといえよう。

   ついで、この3月度、消費者物価指数にプラス、マイナスの両方の影響を与えた食品について、もう少し、詳しく見てみたい。まず、プラスに影響を与えた生鮮食品の状況であるが、魚介類-0.2、肉類0.0であるので、生鮮食品の中でも、青果に絞られるといえる。そこで、その青果であるが、野菜・海藻1.9、果物10.2であり、特に、果物が異常値であったこといえる。その中身であるが、いよかん45.6、みかん41.0と柑橘類が異常値である。ついで、キウイフルーツ15.5、り ん ごB10.7、オレンジ7.2、レモン4.7等、軒並み、果物の物価上昇が続いたことがわかる。

   一方、消費者物価指数を下げた非生鮮食品であるが、穀類-3.6、油脂・調味料-1.5、菓子類-0.3、飲料-1.6、酒類-1.0という状況である。特に、穀類が大きく下げているので、その中身を見てみると、米類-7.3と大きく下げている。その中でも、国産米B-8.6、国産米A-7.6、うるち米-7.5、ブレンド米-4.8、もち米-3.7と、すべての米の項目が下がっている。また、飲料のミネラルウォーターも-4.8と大きく下がっていることから、これらは東日本大震災の影響が表れたものといえよう。

   このように、2011年3月度の消費者物価指数は全体としては、2月度とほぼ同じ傾向であったといえ、この4年間の推移と比べても、全体の流れの中で動いているといえ、3/11の東日本大震災の影響が全体へはなかったといえる。ただ、個々の項目を見ると、米、水等が明らかに消費者物価指数が下がっており、これは大震災の影響であったといえよう。今後、まだまだ、予断を許さない状況は続くと思われ、次の4月度についても、どのような結果となるか、その動向が気になるところである。

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May 2, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 01, 2011

マックスバリュ西日本、2011年2月期決算、増収増益!

   マックスバリュ西日本が4/5、2011年2月期、本決算を公表した。結果は、営業収益2,444.36億円(9.4%)、営業利益 75.45億円(9.7%)、経常利益77.22億円(6.8%)、当期純利益35.36億円(-16.5%)となり、営業、経常段階では増収増益の好決算となった。なお、当期純利益については、「既存店の業態転換等による減損損失を含む特別損失を計上したことにより、・・」とのことで、減益となった。

   そこで、今期マックスバリュ西日本の当期純利益が減益となった業態転換の状況を見てみた。マックスバリュ西日本は現在、4つの業態を展開している。その内訳であるが、中核業態はSSM(スーパースーパーマーケット)であり、90店舗(構成比55.4%)である。ついで、ザ・ビック(ディスカウントストア)28店舗(構成比29.1%)、SM(スーパーマーケット)39店舗(構成比14.7%)、CSM(コンビニエンス・ スーパーマーケット)4店舗(構成比0.8%)である。これを昨年の前期と比べると、SSM(100.0%)、ザ・ビック(147.7%)、SM(97.5%)、CSM(60.0%)であり、ザ・ビックへの急激なシフトが鮮明であり、ディスカウント戦略を強く推進していることがわかる。

   実際、「店舗開発については、期首より15店舗(MV西今宿店、B多度津店、B奥田南店、MV東加古川店、EX広島駅北口店、MV三木北店、B鴨方店、B笠岡店、MV町坪店、MV菅生店、B神辺店、B連島店、B国分寺店、B松神子店、B倉敷店)を開店いたしました。」とのことで、Bがザ・ビックであるので、15店舗の内、9店舗と大半の新規出店がザ・ビックであることがわかる。しかも、「県別には兵庫県に5店舗、岡山県に5店舗、広島県に2店舗、香川県に2店舗、愛媛県に1店舗を開店いたしましたが、中でも岡山県では、業績が低迷していた既存のマックスバリュ4店舗をビッグ店舗に業態を転換することにより、競争力の強化を図りました。」とのことで、各地区でザ・ビックを展開しており、いまや、ザ・ビックがマックスバリュ西日本の戦略業態といえる。

   では、ザ・ビックへの戦略転換が営業利益の増益にどのような影響を与えたのかを原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、75.84%(昨年75.23%)と、残念ながら、原価は0.61ポイント上昇している。結果、売上総利益は24.16%(昨年24.77%)となった。これについて、マックスバリュ西日本は、「営業及び商品面では、厳しい経済状況の中において、お客さまにお求めやすい価格を提供することを目的にEDLP(エブリデー・ロー・プライス)の実現に取り組みました。EDLP(エブリデー・ロー・プライス)商品については、商品開発から店舗での販売に至るまでのバリューチェーンを構築することによるコストダウンを図り、更なる価格優位性の実現に取り組んでおります。」とのことで、EDLPへの取り組みが売価を引き下げ、原価に影響したものといえよう。

   特に、原価改善のための戦略商品であるPB、トップバリュについては、「荒利面では、デフレ基調が定着する中において、グループ共同調達の活用やプライベートブランドであるトップバリュ商品の訴求強化による向上を図りました。」とのことであるが、マックスバリュ西日本全体への売上構成比は8.9%(昨年9.0%)と昨年よりも下げている。しかも、ザ・ビックは6.0%(昨年6.0%)、SSMは9.8%(昨年9.8%)と、ザ・ビックの方が構成比は低く、NB比率が高いといえる。したがって、EDLP戦略をPB戦略で補うことが厳しい状況であったものといえよう。

   これに対して、経費の方であるが、23.31%(昨年23.84%)と0.53ポイント改善している。これについて、マックスバリュ西日本は、「現場力強化及び収益構造の改革の取り組みでは、生産性向上に向けた働き方改革を継続するとともに、営業組織下に店舗のサポートを行うスーパーバイザーを配置する組織変更を実施することにより、現場における販売力の強化と生産性の向上に取り組みました。」とのことで、生産性の向上が経費削減に寄与したといえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.85%(昨年0.93%)と、プラスにはなったが、昨年よりも下がっており、原価の上昇が経費の改善を上回っており、厳しい結果となった。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が2.31%(昨年2.23%)加わり、結果、営業利益は3.16%(昨年3.16%)となった。したがって、売上高の増加分がほぼそのまま営業利益の増加につながったといえ、原価、経費、その他営業収入は、差し引き相殺されており、ザ・ビックの貢献度は売上高への増収効果が顕著に表れたといえよう。

   このように、2011年2月期のマックスバリュ西日本の決算は営業、経常段階では増収増益の好決算となったが、その中身は、ザ・ビックを戦略業態として、積極的に展開したことが大きかったといえる。特に、ザ・ビックの貢献度は営業構造の中ではディスカウント性が高まり、売上増をもたらす一方、原価を下げる結果とはなったが、同時に経費の削減、不動産収入等の増加ももたらしており、営業利益率では昨年並みの数字を確保することができた。したがって、売上高の増収分がそのまま営業利益高に跳ね返り、増益をもたらしたとえいる。今後、マックスバリュ西日本としては、ザ・ビック戦略を通じて、営業構造をさらに改善できるかどうか、そして、どこまでザ・ビック戦略を推し進めてゆくのか、注目である。

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May 1, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)